★阿修羅♪ > 原発 劣化ウラン フッ素4 > 443.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 【はがれたベール】第5回 出来レース(新潟日報) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 1 月 27 日 23:51:07)
第6回 けじめ欠落 (2008年01月07日掲載)
電力、委員に事前接触
現地調査で過剰な接待
中越沖地震の発生後、国は原発の耐震安全性をめぐる検討会を次々に設置。原子炉工学や地震学など多くの専門家が加わっている=東京・霞が関の経済産業省別館
1980年代。国の安全審査委員を務めていた大竹政和(68)は地震・地盤調査で、ある原発の建設予定地を訪れた際、目の前の光景に不快感を募らせた。
座敷にはお膳(ぜん)が並び、上座では三味線に合わせ、たいこ持ちが踊る。着物姿の女性がお酌をして回っていた。調査を終えて戻った宿泊先で、電力会社による接待攻勢が待っていたのだ。
「明らかに行き過ぎ」。大竹は食事も取らずに席を立ち、審査の事務局にも抗議した。
元日本地震学会会長の大竹が審査委員になったのは81年。新米の大竹にとって、電力会社がもてなす宴会に先輩委員らが平然と出席していること自体が緊張感のなさと映った。
審査メンバーと電力会社との間のけじめ意識の欠落は、安全審査の前から見受けられる。
「今度、気象調査があります。先生も参加してもらえませんか」。日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)元職員で、東京電力柏崎刈羽原発1号機の安全審査の委員だった伊藤直次(80)は、そうやってよく駆り出されたという。
気象調査とは、電力会社が審査を受けるのに必要な風向記録などを集めるための事前調査。伊藤は原発の建設予定地まで出向き、観測塔の設置場所を探して歩き回った。
■協力者が審議
「相手が私を先生と呼ぶのは、私が審査に携わっているのを知っているからだ」。伊藤は事前調査に参加した原発の申請を、自ら国側の委員として審査したこともあったと明かす。
しかし、問題とは感じていない。「電力会社が専門家の知識を事前に活用するのはある意味、効率的。事前調査は助言をしただけで問題はない」と言い切る。
電力会社が審査前から審査関係者にアプローチする例はこれだけではない。
83年から審査にかかわり、県の「原発の安全管理に関する技術委員会」委員も務める東京工業大教授の衣笠善博(63)は、電力会社から国へ提出する前の申請書類を見せられたことがあるという。だが「学術的興味で書類を見たが、助言はしていない」と釈明する。
電力中央研究所(電中研)に至っては露骨だ。柏崎刈羽原発の設置許可申請書には「協力者」として電中研が登場する。申請段階で東電の調査にかかわりながら、実際の審査の場にも職員延べ七人を送り出していた。
こうした事前接触には、審査関係者からも疑問の声が上がる。柏崎刈羽で五基の審査を担当した前原子力委員会委員長の藤家洋一(72)は「避けるべきだ」と指摘。大竹も「良くないこと。世間がどう見るかを考えた方がいい」と批判した。
■ルールはなし
しかし、経済産業省原子力安全・保安院は、電力側の申請前の動きについては「特にルールはない」とする。原子力発電安全審査課長の森山善範(50)は「電力会社も最先端の専門家に意見を聞きたいはずだ。申請前に誰と接触しようが構わない」と言う。
国が審査の専門的な評価を事実上、託している専門家。判断の公正さは保たれているのか。
電中研研究参事で自らも安全審査に携わってきた伊藤洋(58)はこう訴える。「外から見ると分かりにくいかもしれないが、電力会社に助言する者と審査にかかわる人間は分けている。同僚が助言した案件であろうと、内容がおかしければ審査で指摘する」
当事者たちは、厳正に審査に臨んだと主張するが、柏崎刈羽原発1号機の詳しいやりとりを示す議事録は残っていなかった。
(文中敬称略)
http://www.niigata-nippo.co.jp/rensai/n78/n78h5k6m1.html
▲このページのTOPへ HOME > 原発 劣化ウラン フッ素4掲示板
フォローアップ: