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下北よ! 原子力と私たち(1)13年前、玉虫色の約束(朝日新聞 青森)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 1 月 09 日 23:14:09: twUjz/PjYItws
 

http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000310801040001

(1)13年前、玉虫色の約束

2008年01月04日


 六ケ所村倉内。


 土田浩氏(76)は妻と2人、この牧場地帯で穏やかに暮らしている。


 1年近く前になる。自宅を訪れた記者に土田氏があっさり言った。国が県と結んだ、ある約束には「裏の意図」が込められているという。


 前任の古川伊勢松氏を破り、89年から2期村長を務めた。97年に落選して以来、政治とは距離を置いている。


 土田氏の村長在任期間に、青森県の原子力政策にとって重要な1994年が重なっている。


 土田氏の言う約束とはこの年、青森県が科学技術庁(当時)から取り付けた文書のこと。その趣旨はこうだ。「知事の了解なしに、青森県を最終処分地にしない」


 昨年末、三村知事が東通村の高レベル放射性廃棄物の「勉強会」構想に即座に反応し、経済産業省に「約束」の念押しに出向いたことで、改めて脚光を浴びた。


 記者は土田氏のもとに何度か通い、94年の記憶をたどってもらった。


   □   ■


 94年11月。六ケ所村は、フランスで製造された高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵受け入れを目前に控えていた。


 「話したいことがある」。土田氏は当時の北村正哉知事(故人)から電話を受け、県庁へ駆けつけた。


 北村知事は来客中。副知事室で待った。客が帰り、副知事と2人で知事室に入った。さらに出納長も呼ばれた。


 無口だった北村知事は「(高レベル廃棄物受け入れに関する)安全協定のことで、騒がしい」と短く言った。受け入れ反対の署名活動や、デモが盛んに行われていた。


 土田氏は応じて語った。


 「将来も絶対に青森を処分地にしないという縛りをかけようとすれば国は反対するだろう」


 「六ケ所村は『準最終処分地』だ。他に処分地は見つかりそうにない」


 北村知事は黙って聞いていた。そして土田氏はこう持ちかけた。「『知事の了解なしには処分場をつくらない』という約束にしてはどうか。こうすれば、後任の知事がダメと言えばつくれないが、いいと言えばつくれることになる」


 これを聞いた北村知事は「ああ、そうか」と言ったという。


   □   ■


 当時、4期目の北村知事は翌年2月に知事選を控えていた。県民の不安は無視できないが、核燃施設を誘致してきた立場上、国にあまり強く出ることもできない。「知事の了解なしに」という文言は、ジレンマを解決するものだった。


 当時、国との折衝に深くかかわった元県幹部の証言―。「状況が変われば、高レベル廃棄物を受け入れることもあるかもしれないと当時から皆考えていた。だが、政治家にとって県民感情は重要だ。あの約束は適切な言葉だったと思う」


 国はどうか。


 県との折衝にあたっていた科技庁の興直孝官房審議官(現・静岡大学長)が語る。「(約束の文書で)書き方はとても工夫した。含みを持たせた」。地元の理解がないと処分場がつくれないのは、青森県に限らず「当然のこと」だった。


 結局、北村氏は95年の選挙で敗れた。初当選した木村守男知事は同年4月、高レベル廃棄物運搬船のむつ小川原港着岸を拒否。国に、約束を再確認させた。「知事の了解なしに」との文言は残った。


   □   ■


 木村前知事は取材に対し、その真意について「文言のみが事実です」と、事務所を通じて回答してきた。


 木村知事の下で、核燃問題担当の県のむつ小川原開発室長を務めた成田正光氏(現・東奥日報販売専務)は「『青森に木村あり』という意思表示をしたかったのだと思う」と話す。


 そのうえで約束の裏の意図について記者の取材に、「私はわかっていた。木村知事も分かっていたと思う」と打ち明けた。


 「高レベル廃棄物は使用済み核燃料の再処理に伴って作られる。そういう経済活動を青森県で行うのだから固化体を県内で処分するのは当たり前の話。青森県が処分地候補の一つになることは否定できなかった」


 ともかく、約束は知事3代にわたって生きた。


 昨年暮れ、三村知事は県内全40市町村長あてに文書を送った。高レベル最終処分場の県内誘致をあきらめるようにクギを刺すものだった。


 その一節。〈私は約束について、機会あるごとに国に確認し――〉


 三村知事は記者の取材に文書で答えた。「私としては、最終処分を受け入れない方針を堅持する」


(小宮山亮磨)


   ×   ×


 下北が動く。08年、日本原燃の再処理工場は今春にも本格的に稼働を始める。これを機に、原子力と私たちの関係をもういちど問い直したい。


写真)青森県内が高レベル廃棄物の処分地にされる確率について、一時貯蔵の受け入れが決まった94年当時は「フィフティー・フィフティーだと思っていた」と語る土田浩氏。「最近になって、もう少し上がってきたように感じる」=六ケ所村の再処理工場前で


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