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(回答先: 下北よ! 原子力と私たち(番外編)河野太郎・衆院議員に聞く(朝日新聞 青森) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 1 月 09 日 23:28:20)
http://www.toonippo.co.jp/kikaku/kakunen/new2004/0510.html
2004年5月10日(月)
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竹内、河野両氏に聞く/再処理工場操業の是非
日本原燃が建設を進めてきた六ケ所再処理工場が、ほぼ完成した。六月には放射性物質の劣化ウランを使った稼働試験(ウラン試験)を始め、二〇〇六年七月の本格操業に備える計画だ。同工場は、使用済み核燃料から、燃料として使うためのプルトニウムなどを回収するのが目的。しかし、プルトニウム利用の“主役”だった高速増殖炉の開発は進まず、再処理など核燃料サイクル路線を前提とした原発の後処理(バックエンド)費用が約十九兆円に上ることが明らかになるなど、再処理を取り巻く状況は厳しさを増している。「国策」の再処理事業を見直すべきか否か、議論が高まっている。
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■推進■
<竹内 哲夫(たけうち・てつお) 東京電力顧問 東大工学部卒。東京電力入社後、常務・原子力本部長、副社長などを経て、96年6月から2001年1月まで日本原燃社長。退任後、今年1月まで原子力委員会委員。70歳>
−日本は海外委託再処理などで回収したプルトニウム三十八トンを既に保有している。六ケ所再処理工場の操業を急ぐ必要はないのではないか?
「三十八トンのうち、燃料になる核分裂性は六割の約二十二トン。軽水炉(通常の原発)でプルトニウムを燃やすプルサーマル計画では、一基当たり年間〇・三−〇・四トンの核分裂性プルトニウムが消費されるため、二〇一〇年をめどに十六−十八基で同計画が実施されれば、数年で消費される」
−プルサーマルによるウラン資源の節約効果は一割ほどしかなく、エネルギー安全保障の観点からは不十分ではないか。
「サイクル事業が国策として位置付けられてきたのは、エネルギー自給率が4%しかないわが国の将来に向かって自活の道を求めるためで、国家百年の大計だ。原発、プルトニウム利用、高速増殖炉利用という三つの長期戦略からなる。プルサーマルという一断面だけで評価すべきではない」
−高速増殖炉の技術開発は設計以来、既に四十年近く経過したのに、実用化は依然不透明だ。
「高速増殖炉は夢の原子炉であり、“高根の花”。登頂するのに時間がかかる。ネガティブ(否定的)に見ないでほしい。国情を考えれば、高速増殖炉の実用化しか日本が選択する道はないと思う。今のウランの需給状況や価格相場を見てサイクル政策を論じるという、せつな的な物の考え方で良いのか。長期的な視点に立ち、資源の枯渇に備えて技術開発を進め、運用できる体制を確立しておくことが大切だ」
−再処理は凍結し、使用済み核燃料は中間貯蔵すべきだ、との意見は電力業界内部にもある。
「再処理と中間貯蔵はともに進めていくべき。わが国の国民性として再処理の中断や一時保留は実質的には凍結を意味し、国際的には永遠の放棄宣言として映る。多大な影響なくして現状を取り戻すことはできない」
「再処理工場は技術の完成に向け、最後の登頂のアタックまで来ている。内外の支援組織との連携や原燃社員の訓練も全部終わった。いざ出陣の号令のみ。今やらなければ舞台は二度と来ない。同工場で技術を修得すれば、国際的評価が高まり、他のエネルギー資源を海外から購入する際の交渉でも有利になれる」
−電事連は昨年、再処理など核燃料サイクルを前提とした原発の後処理費用は約十九兆円に上るとの試算を公表した。
「十九兆円にもなるから大変だ、という議論は意味がない。日本の原発の今後四十年間の発電量は約十九兆キロワット時で、一キロワット時当たりのコストでいえば(電気料金への上乗せ額は)一円程度にとどまる。石油、天然ガスの燃料コストが現状でも四−六円程度(一キロワット時)であることを考えれば、完成した工場を稼働しない理由にはならない。経済性の面で差し迫った必要性は低いとしても、技術開発を着実に進めていかなければ、将来のエネルギー情勢の変化に対応できない危ぐがある」
−使用済み核燃料貯蔵プールの水漏れを発端とした不良施工問題について、日本原燃前社長としてどう考えているか。
「私が社長に着任した時には既にプールは完成していたとはいえ、心を痛めてきた。一時代の経営を任された者として、また技術屋として何とかならなかったものか、と感じている。この機に品質保証システムを確立し、情報をきちんと公開する仕組みをつくることが第一。私自身、今後も再処理事業の進展に少なからず尽力したい」
◇
■反対■
<河野 太郎(こうの・たろう) 自民党代議士 米国ジョージタウン大学卒(比較政治学専攻)。1986年富士ゼロックス入社。96年衆議院選挙(神奈川15区)で初当選し、現在3期目。自民党環境部会部会長。41歳>
−再処理事業を柱とする核燃料サイクルは「国策」ではないのか。
「何をもって『国策』というのか。たとえ国策であっても、しがらみにとらわれず、柔軟に対応することも政治には必要。決定事項だ、として検証されないまま進んでしまう事業がある。その最たるものが再処理だ。一九七〇年代は石油ショック後でウラン価格も高騰していたため、ウランを節約して使わなくてはいけない、と考えた時代があった。しかし、今日ではウランの国際価格は極めて安定している」
−資源小国の日本にとって、サイクル路線は不可欠なのではないか。
「中学生のころ、高速増殖炉の本を読み、実用化すればいいなあ、とあこがれたものだ。しかし、原型炉『もんじゅ』は止まったままで、高速増殖炉でプルトニウムを燃やせる状況にない。しかも、北朝鮮が五キロのプルトニウムを抽出したと騒ぎになっているとき、日本は海外委託再処理などで回収したプルトニウム三十八トンを既に保有している。プルサーマルも計画通りには進んでいない」
「海外の専門家に会うと、『核オプション(選択権)を考えるにしても東海再処理工場があるのだから、六ケ所再処理工場は必要ないではないか』と言われる。日本が核兵器を造るのでは、と疑われているということだ。再処理を進める前に三十八トンをどう処理するかまず道筋を付けるべきだ」
−原発の後処理費用には約十九兆円かかる。
「プルトニウムをプルサーマルで燃やすためだけに巨費を投じる意味があるか、議論する必要がある。使用済み核燃料は中間貯蔵し、必要なときに再処理するという選択肢だってある。三十年分のウランを備蓄する費用は七千億円との試算がある。三百年分の備蓄をしても七兆円で済む。意味もない事業に十九兆円かけるのは、国民の理解は得られないと思う」
−電事連の試算によれば、電気料金への上乗せ額は一キロワット時当たり一円程度に収まる。原発の発電単価は一キロワット時五・六円で、石油火力の十一円、LNG火力の六・四円に比べ、遜色(そんしょく)ないという。
「税金の手当てが必要ないから、電気料金に上乗せすれば楽だと政府も電力業界も考えているのだろう。ただ、再処理工場の建設費は当初七千億円と見積もられていたが、完成時には三倍の二兆円以上になった。十九兆円という数字だって根拠があやふやで、三倍に膨れ上がりかねない。上乗せ額が一円にしかならない、というところから逆算したのではないか」
「再処理工場でいったんウラン試験を始めると、工場全体が汚染され、管理費が膨らんでしまう。ウラン試験は延期し、国や自治体、電力会社、消費者など関係者がきちんと議論して、新たな方針を決めるべきだ」
−再処理工場を凍結すれば、地域振興を期待して受け入れた県や六ケ所村を裏切ることになる。
「国が責任を持ってサイクル政策をめぐる状況の変化を説明し、自治体に理解してもらう必要がある。あちこちに政治的約束をしてにっちもさっちもいかなくなり、結局はお金も浪費し、エネルギー政策も不十分だった、というのでは最悪だ」
「再処理を止めることで、数兆円単位の費用が浮く。浮いた費用の一部を地域振興のために、再処理を操業していれば得られたであろうお金の代わりに自治体に交付してはどうか。この交付金を使って、どのように雇用を創出するかは地域が考えることではないか」
参考ブログ:哘清悦ブログ
http://www.saso.sakura.ne.jp/
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