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12月19日に行われ、韓国だけでなく世界の注目を集めた、第17代大統領選挙。結局、ハンナラ党のイ・ミョンバク氏が、得票率48.67%(1,149万2,389票)で、多くの予想通り当選を果たす結果となった。
韓国の大統領選挙といえば、ノ・ムヒョン氏が当選を果たした第16代選挙の際、インターネットが大きな役割を果たした一件が、今でも語り草となっている。同氏の支持者たちによる「ノサモ」(「ノ氏を愛する人たちの集まり」を略した言葉)が、インターネット上で活発な選挙活動を行って、若いネティズンたちの票を取り込んだのだ。
そうした経緯もあり、今回はインターネット上の選挙運動や、その影響力にも早くから注目が集まっていた。実際、選挙直前には、候補者をアピールするバナー広告を見ない日はないほど、大変活発なインターネット選挙運動合戦が繰り広げられていた。
しかしノサモがネティズンの心を動かしたほどの大きな効果は、今回の選挙においてはなかったと言われている。
ところが、選挙後にインターネットに動きが見える。中には意外な候補者が中心の動きもあるため、話題は大きくなるばかりだ。
Cyworldで悲喜こもごも
現在、会員数約2,200万人を誇る、韓国最大のコミュニティサービス「Cyworld」は、政治家にとっても大事な意思疎通や意思表示の場となっている。そのため、とある人物に関した事件や重大発表などがあると、まずはその人のミニホームページをチェックするというのが、韓国ネティズンの間では基本だ。
今回当選したイ・ミョンバク氏ももちろん、ミニホームページを開設しているが、ここに当選以降、祝賀メッセージが殺到している。Cyworldを運営するSK Communications(以下、SKC)によると、20日の午前だけでも4万人を越える訪問者が訪れ、訪問録へのメッセージも数十件ずつアップデートされていたという。中には「(韓国男性の義務である)軍隊の期間を減らして」といった切実な要望も書き込まれるなど、新大統領にかける期待感は高まっている。
SKCによるとこれと同様、イ氏の代理人や、イ氏と同じハンナラ党で、同党の代表も務めたことのあるパク・クンへ氏のミニホームページにまで、アクセスや書き込みが殺到していたようだ。
一方敗れた候補も、自身の心境をミニホームページで吐露している。今回、得票率が15.07%(355万9,963票)で3位だったイ・フェチャン氏は「私を支持し、激励してくださった国民に感謝いたします」と挨拶をしたうえで、「私は今回も、国民からの選択を得ることはできませんでした。しかし国民の選択を謙虚な気持ちで受け止めます」と負けを認め、イ・ミョンバク氏に対しては「先の政権の誤りを正してほしい」と、自身の思いを伝えた。
イ・フェチャン氏は今回で、3度目の挑戦、3度目の敗北となる。これまでの10年間、政権を握ることのなかったハンナラ党の悔しさを直接味わってきた人物といえ、文章からも悔しさがにじみ出ていた。それだけに同氏のミニホームページには、イ・ミョンバク氏のミニホームページ同様、今でも励ましの書き込みが絶えず注目度も高い。
「IQは430」、意外な人物が主役に
一方、選挙後に意外な人物がインターネット上でブレイクしている。それがホ・ギョンヨン氏だ。同候補は今回の選挙で、得票率0.40%(9万6,756票)で7位という結果に終わっている。そんな同氏がなぜ、インターネット上の時の人となったのだろうか。
その理由は、まさにホ氏の発言にある。「(自身の)IQは430」と明言し、「IQ100程度(の他候補者)がする政治なんて、私には子どもの遊びのようだ」と一言。国際連合本部を北朝鮮との国境地点である板門店に誘致するとのCMも放映した。テレビ出演した際に発表した公約も「所得税を除くすべての税金、国民年金を廃止し全てを間接税に。国民年金を作った高位関係者は処罰」「国立大学を廃止し、すべて私立に」といった破天荒なものだったほか、他メディア出演の際も、突発的な発言に司会者が思わず絶句する一幕もあった。やがてこれらがいちやく「ホ・ギョンヨン語録」として、インターネット上で注目の的となったのだ。
動画ポータルサイトの「Freechal」によると、今回の選挙運動が本格的に開始した11月27日から12月19日まで、同サイトにアップロードされた選挙関連の動画は計5,974件。このうちホ氏関連の動画の照会数は計33万6,952件に上りトップに輝いた。ちなみに2位は、イ・ミョンバク氏で照会数は32万9,606件だ。驚くべきはイ氏関連の動画が約2,800個だったのに対し、ホ氏関連のそれはたったの36個だったということ。それで照会数が1位ということは、それだけ1つ1つの動画がインパクトの強いもだったということだろう。
そんなホ・ギョンヨン語録効果にあやかろうと、同氏の単独インタビューを独占公開する他サイトもあり、同氏は一種の流行のようになっている。この流行が長く続くものであるとは考えにくいが、大統領選挙が生み出したもう1人の主役といえよう。
http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/12/22/korea/