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反テロ・マドリッド会議の内容と出席者総覧(お祭り用の来賓は除く)
3月8〜10日にマドリッドで行われた『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(International Summit on Democracy, Terrorism and Security)』は10日で終了し、4日目の日程は3・11事変の一周年行事で、これは各国の元首級・高官を招いてのお祭りに過ぎません。
この会議は昨年10月後半に発表されたのですが、この内容を見ていくと、とてもじゃないがわずか5ヶ月足らずで準備できたものでないことは明らかで、ひょっとすると昨年の3・11のはるか以前から計画されていたのではないか、とも思えてきます。主催者の一つマドリッド・クラブの発足が9・11直後の2001年10月ですから、それ以来の予定である可能性があります。
そしてもう一つの主催者でユダヤ人実業家のマルティン・バルサフスキーとそのスタッフが主に作成したと思われるこのインターナショナル・サミットのホームページは下ですが、これでは余りにも情報が膨大すぎて全体像がつかめませんので、まず、日程ごとの討議内容の題目と、必要な場合には簡単な説明をつけて、列挙します。これでこの会議の大体のイメージを捕らえてください。
(ホーム)
http://english.safe-democracy.org/
(会議プログラム)
http://english.safe-democracy.org/programme/
そしてレスポンスの欄で、それぞれの分科会の目的と人員、会議に出席した主要な人物を、資料として挙げておきます。いずれにせよ膨大な量なのですが、討議内容やメンバーをじっくりと眺めていくとこの会議が今後の欧米社会の進んでいく方向が浮び上がってきます。ただ、余りにも情報が多いため、日本語訳ができません。英語の苦手な方には申し訳ないのですが、ご容赦願います。
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【初めに】
この会議は17の分科会による研究発表と討論、21のパネル・ディスカッションと3つの総括会議から成り立っています。各分科会では、そのメンバーは昨年12月ごろから(つまり個別の研究開始はそのずっと以前)今年の1、2月にかけて個別に研究会議を繰り返し、入念に準備したものです。各研究者では圧倒的に米国系が多く、他のアジア、中南米、アフリカ諸国からの研究者も、米英系の大学で学んでいたり英語系の出版を行っていたりします。イスラエルからも相当数が参加していますが、他の国からでも名前から見てユダヤ系かなと思われる者もかなりいるようです。また米国シンクタンクRAND関係者も目立ちます。
(詳しい内容はフォロー記事『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(1)〜(5)』でご覧ください。)
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【2005年3月8日(日程第1日目)】
各分科会での研究発表と討論
●Thematic Subject Area I: The Causes or Underlying Factors of Terrorism
1.Individual and Psychological Explanations
米国の大学が多いのだがこのテーマでCIA関係者が2名含まれるのが注目される。
2. Political Explanations
スペインと北アフリカからの研究者が目立つ。
3. Economic Factors
4. Religion and Religious Extremism
イスラム圏(2名のイラク人含む)とイスラエルからの研究者が目を引く。
5. Cultural Explanations
米国が多いがフランスからも3名。
【ここまではフォロー記事『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(1)』】
●Thematic Subject Area II: Confronting Terrorism
コーディネーターはさすがにインターポール書記長。
6. Policing
当然のことながらテロ関係の各国治安担当部門が多い。
7. Intelligence
コーディネーターがRANDの幹部で元グリーンベレー。各国諜報機関からの他、9・11委員会メンバーもいる。日本人のMinami Takashiもいるが紹介は無い。
8. Military Responses
9. Terrorist Finance
10. Legal Responses
【ここまではフォロー記事『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(2)』】
●Thematic Subject Area III: Democratic Responses
11. Human Rights
イスラム出身の研究者が目立つが、ここには何と!サイモン・ヴィセンタール・センターのアブラハム・クーパーが参加している!
12. Promoting Democracy and Accountable Government
13. International Institutions
総括役はNATO研究センターの所長。
●Thematic Subject Area IV: Civil Society
14. Citizens as Actors
15. Civil Society and Political Violence
イスラム圏が目立つがこれもイスラム国の「非民主的特徴」の研究が中心と思われる。
【ここまではフォロー記事『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(3)』】
16. Civil Society Strategies against Violence
ここにはイラク、インド、バングラディシュ、セルビアからの特別参加者がいる。特にセルビアからの参加者(女性)はボスニアでの民族浄化と集団レイプの報告を行った。
●Thematic Subject Area V. International Institutions Oversight
17. Ad hoc Working Group: Science and Technology
他、来賓(スペイン皇太子、マドリッド市長など)からの挨拶
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2005年3月9日(日程第2日目)
(以下の討論テーマの説明とパネラーはフォロー記事『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(4)』をご覧ください。)
Discussions
●The War on Terror and the Arab-Israeli Conflict
●Terrorism and Travel Industry
●Protecting the Humanitarian Space in the Face of Violence and Terror
●Democratic Reform in the Arab World
このテーマが何を意味するか、一目瞭然。
●From Conflict to Peace : Lessons from the Front Line
●Immigration : Is Integration Failing?
●Missing the Plot? : The Politics of Intelligence Post 9/11
●Plenary : Working Group Conclusions
議長は元カナダ首相Kim Campbell。
●Balancing the Agenda : How to Promote Development and Fight Terror
●The Necessary Alliance: Strengthening Transatlantic Relations in the 21st Century
ここには元米国国務長官Madeleine K. Albright、前フランス外相Hubert Vedrine、前スペイン外相Ana Palacioなどがいる。
●Freedom, Security and Civil Liberties
●Women, Terror, Religion, Democracy: An Interactive Dialogue
●Plenary: Democracy and Terrorism
【ここまではフォロー記事『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(4)』】
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2005年3月10日(日程第3日目)
Discussions
● UN High Level Panel Report
ここには各国元首相、元外相級のほか、Human Rights WatchのKenneth Rothもいる。なぜか中国のQian Qi Chen(元外相?)がいる。
●Terrorism Goes High Tech
●The World Over a Barrel: The Politics of Energy
●Religion and Religious Extremism
●From Violence to Voting: Armed Groups and Peace Processes
●Terrorism and Anti-Terrorism in Spain
●The Media and Terrorism: Friends or Foes?
ここには各国の新聞関係者が多く出席:Le Monde、El Periodo de Cataluña、, Corriere della Sera、DIE ZEIT weekly Magazineなど
●Stopping the Spread of WMDs
●The Impact of Terrorism on Financial Institutions
●Democracy, Terrorism and the Open Internet
ここには2名の日本人、Joichi Ito(Founder and Chief Executive Officer, Neoteny)とNoriko Takiguchi(Journalist and Author)が参加。この会議の主催者の一人Martin Varsavskyもいる。
●Plenary: The Way Ahead
ここが大変。Miguel Angel Moratinosスペイン外相が司会、発言者にKjell Magne Bondevikノルゥエー首相、William J. Clinton元米国大統領、Noorヨルダン王妃、Javier SolanaEU上級代表、おまけにGeorge Sorosとにぎやか!
【ここまではフォロー記事『民主主義、テロリズム、安全に関する国際会議(5)』】
あとはフアン・カルロス国王、サパテロ首相、コフィ・アナン国連事務総長の挨拶、などで、会議自体は閉会。11日は式典。