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米国防費、4.8%増 歳出抑制の中で突出 予算教書
ブッシュ米大統領は7日午前(日本時間7日夜)、06会計年度(05年10月〜06年9月)の予算教書を発表した。歳出は約2兆5680億ドル(約270兆円)で、05年度(2兆4790億ドル)に比べ3.6%の増加となる。財政赤字を削減するため全体として歳出抑制しているが、国防予算は、テロとの戦いや米軍変革・再配置のため例外となっている。05年度比4.8%増の4193億ドルで、前年度の伸び率(6.4%)は下回るものの、他の政策分野に比べると高い伸びを維持する。
06年度は景気の拡大が続くことによる税収増を見込むほか、裁量的経費全体の伸びを、物価上昇率(政府見通し2.3%)を下回る2.1%に抑えることで、財政赤字の抑制を図る方針だ。特に国防・国土防衛費を除く裁量的経費は、前年度より0.5%削減する。こうした予算措置により、05年度に4270億ドルと過去最大に達すると見られている財政赤字については、06年度で3900億ドルまで削減、「04年度の当初見込み額5210億ドルを、09年度までに半減する」という目標も、達成可能としている。
国防費の伸びを例外的に高い水準で維持するのは、主に、ブッシュ政権が外交の主軸に据える「対テロ戦」と、世界規模の「米軍変革」に対応するためだ。具体的には陸軍や海兵隊などの部隊の再編・再配置や、装備の近代化に重点が置かれる。予算の伸びは、07年度以降も続き11年度には総額が5023億ドルに達して、初めて5千億ドルの大台に乗るという見通しも示した。
「対テロ戦」の枠組みでは、生物・化学兵器に対する防衛力を強化するため06年度だけで16億ドルを計上、11年度までに計99億ドルを充てる。米本土防衛には95億ドルを投入する。
「米軍変革」に絡んでは、アフガニスタン戦争などで大きな役割を果たした、特殊部隊の戦力向上のため41億ドルを充て1200人規模の増員を目指す。同時多発テロ後に緊急課題として浮上した、海外での情報収集能力の向上に向けては兵士の外国語能力を向上させる費用として、11年度までに3億6200万ドルを投じるという。
今回の予算案を踏まえて、国防総省は陸軍に10の戦闘旅団を増設し、海兵隊も戦闘部隊と支援部隊をそれぞれ増やす。海軍も空母戦闘部隊の早期展開能力を向上させる。各軍についても「21世紀の新たな敵」に対応するため、より迅速に展開できるよう再編・再配置を加速させる方針だ。一連の変革・再編を通じて、兵士約7万人とその家族約10万人を米本土に戻すことが決まっている。
日米で共同技術研究を進めているミサイル防衛(MD)については、例年並みの約90億ドルを計上する。今後6年間、毎年100億ドル前後を計上する方針だ。 (02/07 23:24)
http://www.asahi.com/international/update/0207/008.html