現在地 HOME > 掲示板 > 昼休み4 > 459.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
この記事のBlogのフィードは
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/index.rdf
ブラウザがFireFoxなら、右下のアイコンをクリックするだけでBlogフィードの設定を簡単にできます。(プレリリースの時の「RSS」アイコンとデザインが変わってます)
匿名告発の意義【小倉秀夫のIT法のTopFront】
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/e/a09b19290e9267cf200c6f59a4284c3f
2004年12月09日
真摯な告発を保護するために、発言の匿名性を保障することはどれほど役に立のでしょうか。
実は、あまり役に立たないように思います。
外部型の告発、例えば、東芝事件のように、消費者が、苦情係の不誠実な応対に業を煮やして、交渉の経緯等を含めてネット告発したような場合について言えば、消費者から苦情を受け付ける段階で苦情係は当該消費者の氏名等を尋ねるのが通常ですが、その場合、被告発企業は、ネット告発の内容から、自社に苦情を寄せてきた消費者のうちの誰が告発者なのか、およその見当が付きます。
内部型の告発の場合、「当該情報を知りうる立場に置かれていたのは誰か」等の諸情報を組み合わせることにより、誰が告発者なのか、相当程度絞り込むことができるのが通常です。
とはいえ、外部型告発の場合、被告発者は告発者に対して名誉毀損等に基づき民事的または刑事的な制裁を加えるように裁判所等の公的機関に要請することくらいしかできません(それとて、企業が様々なバッシングを受ける覚悟がないとできないことは、東芝事件からも明らかです。)から、自分が告発者であることが明らかになったとしてもそれほどの問題はありません(真摯な告発については、告発事実を真実と信ずるに足りる相当な事由があれば、制裁を受けずに済みますし。)。
内部型告発の場合は、自分が告発者であることが被告発者に知られると、解雇されたり降格されたり等の不利益を被る可能性がありますが、これに対しては、むしろ、真摯な内部告発者に対し解雇等の不利益を加えることを法的に禁止してしまうことの方が有効です(先日成立した公益通報者保護法は、その意味で十分なものではないわけですが。)。といいますか、発言の匿名性を維持しても相当程度告発者を絞れてしまいますから、内部告発者への不利益処分の原則禁止を法定しなければ意味をなさないと言うこともできます。