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(回答先: 絶対的な匿名性かトレーサビリティのある仮名か【小倉秀夫のIT法のTopFront】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 12 月 23 日 12:38:57)
捜査機関への匿名告発【小倉秀夫のIT法のTopFront】
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/e/f39a7fbb7c6adada767cfe6e5d246cd0
2004年12月10日
先ほどのエントリーについて落合先生にそのBLOGでコメントしていただきました。
「捜査機関への匿名告発」についていえば、対捜査機関との関係でも匿名性が維持され続けている場合、特段の事情がなければ被告発者の社会的な評価を低下させるような行動に捜査機関は移ることができません。この段階で匿名告発の内容をマスコミ等にリークする捜査機関は最低です。
匿名告発者がその身元を捜査機関に明らかにしたとき(あるいは捜査機関が匿名告発者の身元を突き止めたとき)、匿名告発者は対捜査機関匿名性を失い、一種の「仮名」状態に置かれることになります。匿名告発が社会的な影響力を持つにいたるとき(例えば、匿名告発の内容に依拠して、捜査機関が被告発者を逮捕したり、任意同行を求めたり、強制捜査に入ったりということ)には、捜査機関は匿名告発者のトレーサビリティの「鍵」の役割を演ずることになります(匿名告発が虚偽告発だということが後に判明したときは、被告発者は、被疑者不詳のまま、当該告発者を虚偽告発の容疑で逆に告訴することができ、その場合、捜査機関は誰が被疑者であるのかを知悉しているので、速やかに虚偽告発の容疑で捜査を進めることができます。)。そして、匿名告発者の供述内容が第三者の目に触れるとき(例えば、弁護人への証拠開示のとき)には、その供述社の身元は第三者(例えば弁護人)に明らかにされ、告発者は匿名性を失うことになります。つまり、そこでは、告発者の供述内容が被告発者の社会的評価なり社会的立場なりにネガティブな影響を与える時点においては、告発者の匿名は維持されないということになります。そしてそれは、告発者の供述内容の真実性を被告発者(の弁護人)が検証する(例えば、検面調書を不同意として証人申請させ、そこで反対尋問をする。)ために必要不可欠ということになります(証言・供述の真実性を吟味するにあたっては、供述者の党派性を全く無視するわけにはいきませんから。)。
こうやって見ていくと、「捜査機関への匿名告発」と「ネット上での匿名告発」との違いは明らかです。
匿名掲示板、匿名BLOG等の場合、対事業者匿名性も維持された状態で、被告発者の社会的評価を低下させることができてしまいますから。
なお、落合先生は、
ただ、こういった人たちは、弱い立場であることがほとんどで、自分が真実を語っていることを、極力秘匿したがることが圧倒的に多い。捜査機関としては、そういった事情に極力配慮して、例えば、供述調書について、そういった人から聞いた事情をもとに関係者を追及して真相に関する供述を得た後に、日付を遅らせて供述調書を作成したり(先走って供述したことがわからないようにする)することもある。
とおっしゃっていますが、これをやられると、弁護人は困ってしまいますね。自白の任意性、信用性を争うときに、実際には匿名の告発者から聞いて捜査官が知っている事項について、あたかも「秘密の暴露」がなされたかのような外形が作られてしまいますから。捜査機関が各事実を把握した時系列は、正しく弁護人に開示してもらえないと、弁護人はきちんとしたチェック機能が果たせなくなってしまいます。