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(回答先: 中国のスタジアムを抑えた日本の外交攻勢 [朝鮮日報] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 8 月 09 日 17:10:04)
【北京=竹腰雅彦】サッカー・アジアカップ決勝が終わった7日夜、中国人群衆が北京の会場周辺で繰り広げた反日騒ぎについて、中国当局は、ほとんど沈黙している。今回の騒動は、共産党政権が、民衆の反日感情を制御できなくなりつつある事実をはっきり示した。2008年北京五輪の成否、さらに、民衆感情のコントロールという独裁の根幹にかかわる問題だ。
試合後、群衆が「小日本(日本に対するべっ称)をたたきのめせ!」と叫びながら、日の丸を焼き、駐北京日本公使が乗った車のガラスを割り、日本代表の宿舎を取り囲んだ。
8日以降、中国主要メディアはそろって、「大会の円満な閉幕」を伝えた。混乱については、北京の1紙が「一部が過剰な行動を取り、約10人が警察に拘束された」と報じただけだ。君が代演奏への大ブーイングなどの非礼な行為にも一切触れていない。
公使の車が襲われたことについて、日本大使館は中国外務省に抗議。外務省からの反応はないものの、8日、市公安当局から「警備上の不備があった」として電話で謝罪があった。
しかし、実態としては、警備上の問題ではない。当局は多数の警官を会場、天安門広場、繁華街などに配置、北京市民に「これだけ厳重な警備は、1989年の天安門事件当時以来だ」と言わせるほどの厳戒態勢を取っていたのだ。
2001年に南シナ海上空で米中両軍機が接触、中国人パイロットが死亡した際には、当局は米国大使館周辺などで厳戒態勢をとって反米デモを防いだ。
ものものしい警備は、事実上の警告だった。それは、簡単に無視された。
サッカーのサポーターが多い世代は、90年代の江沢民政権時代からの徹底的な愛国教育を受けている。多くは「反日は正義、親日は売国」という屈折した民族主義的感情を持つ。
言論統制下にあって、こうした感情は、当局の監視が届きにくいインターネットを通じて、広く共有されている。市場経済と言う名の経済的自由が国民に浸透する中で、共産主義の権威も地に落ちている。すでに8700万人にも達したネットユーザーたちは、「反日」の声をあげながら、政府の「軟弱さ」をののしる。
「『民族の正義』の前では、共産党も売国奴扱いされる」(中国筋)時代に入ったのだ。実際に力で「反日」を封じ込めようとすれば、政権と民衆が衝突しかねない状況にある。
共産党自身が国民の反日感情をあおってきたため、「一番自由にものが言えるのが、反日」(中国マスコミ関係者)という事情もある。共産党政権にとって、反日は最も対処の難しい問題になっている。
(2004/8/9/15:36 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040809i207.htm