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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040711i403.htm
朝鮮半島の最高峰・白頭山(標高約2750メートル)で、過去2000年間で世界最大級だった10世紀の巨大噴火に匹敵する大規模な噴火が9世紀ころにもあったことが10日、東北大などの研究グループの調査で明らかになった。
火山灰や軽石が日本に到達するほどの大規模噴火が100年以内に同一の火山で連続して起きた例は、世界的にも知られていない。
白頭山は中国と北朝鮮の国境に位置する活火山で、10世紀の938年ころに巨大噴火したことが地質学的に知られている。その規模は、ローマ帝国の都市ポンペイを埋没させたイタリア・ベスビオ山の噴火の数十倍と言われ、北海道や東北地方北部で火山灰が確認されている。しかし、中国などの古文書には噴火の記録が一切なく、詳しい実態は分かっていなかった。そのため、日本と中国、韓国の研究グループは2000年から4年間、白頭山の中国側の地質や伝承を調べた。
その結果、山頂から東北東に約15キロ離れた沢で、10世紀の巨大噴火でできたと見られる厚さ1メートルの火山灰などの堆積(たいせき)物を発見。さらに、その下に2センチの土壌をはさんで、厚さ25メートルに及ぶ火山灰や軽石の堆積物を見つけた。堆積物から採取した木片の年代を測定したところ、9世紀ころの噴火で火砕流が堆積してできたものと分かった。
10世紀の巨大噴火は、中国東北地方で栄えた渤海(698―926年)の滅亡とは無関係だが、新たに9世紀ころの巨大噴火の存在が明らかになったことで、研究グループ代表の谷口宏充・東北大東北アジア研究センター教授(火山学)は「この噴火が、渤海の滅亡に影響を与えた可能性がある」と話している。
◆白頭山=中国名は長白山。山頂には火口湖の天池がある。朝鮮民族発祥の聖山であるほか、北朝鮮では金正日総書記が生まれ、故金日成主席の抗日闘争の拠点だったとされており、「革命の聖山」とも呼ばれている。
(2004/7/11/10:39 読売新聞 無断転載禁止)