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核家族から単家族への移行:「駆け引きによる利益」は享受できないが、「正直に暮らすという精神の平和」を手にする。
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/551.html
投稿者 傍らで観る者 日時 2004 年 7 月 02 日 21:24:54:ayjHlPlEsGXTU
 

(回答先: 家族と国家とフェミニズム(つづき) あっしらさま 投稿者 律 日時 2004 年 7 月 02 日 08:24:17)

男女関係について、「永遠に解けない謎」や「所詮は、狐と狸の化かし合い」という諦念に陥る前に、少し考えてみました。


 「バレなければ、ワクワクして楽しい」と浮気に生きがいを見出す人は別として、「複数の異性と次々に交渉したいが、人生を破滅に追い込む深刻なトラブルには発展させたくない」という多くの人の存在を前提にしてみます。

(この試論では、ある程度長く続いた現行法に伴うモラルによる反発を、ひとまず脇へ置きます。)

 上記の前提から導かれる関係性は、男女の双方に対して「1対多」や「多対多」を認めることに落ち着きます。
 現行法の「1対1」を死守した儘でこれを実行すると、弁護士を儲けさせるだけの結果になります。

 従って、深刻なトラブルなしに「1対多」や「多対多」を導入するには、「核家族」という形態を歴史の一コマと看做して過去に追いやり、法的にも「単家族」に移行する方がよいと考えます。


 このような社会の基層に係わる変革は、それ自身が多くの問題を、新しく惹き起こすでしょう。
 また、NWOを目指すグローバリストのエージェントの意見であるとして非難・攻撃されるかもしれません。

 しかし、「騙す」→「不潔だと拒否する」→「屈辱的我慢」ないし「破局」という悪循環から抜け出して、「駆け引きによる利益」は享受できないが、「正直に暮らすという精神の平和」を手にすることができると思われます。

 勿論、「屈辱的我慢」を選択して「経済的利益」を確保したい人もいるでしょう。

 「核家族」制度が廃止されると、「オトリ作戦で不倫を仕掛け、高額慰謝料を狙う」ような「駆け引きによる利益」は享受できなくなるので、それなりに困る人も発生します。
 しかし、現行法のままでは、「破局」に至った場合の社会的・経済的不利益は、一般には大きいものになります。

 多様な選択を可能にするには、「核家族」制度は余りにも問題が多すぎると思うものです。


棚沢直子&草野いづみ著『フランスには、なぜ恋愛スキャンダルがないのか』 の紹介【TAKUMI】

 本書は1995年に単行本として上梓された。そして1999年に文庫化されるとき、大幅な加筆、改稿したと、正直に記されているのは好感がもてる。前後半が現状への発言で、中盤が歴史的な分析である。筆者がエッセイと言うとおり、最初と最後の現状への発言がおもしろい。

  1968年のフランスにおける5月革命は、世界中に大きな影響を与えた。もちろん女性運動もこの影響を受けた。68年以前の女性運動は、女権拡張運動だったが、それ以降の女性運動は、ウーマン・リブと呼ばれるようになった、と本書は言う。私も両者が異なるものだと思う。筆者はウーマン・リブを、フェミニズム的な意味に使っている。このウーマン・リブにおいて、フランスやドイツとアメリカやイギリスでは、男女関係の扱い方が大きく異なるという。

 クリントン大統領のセックス・スキャンダルをあげるまでもなく、アメリカやイギリスでは婚外のセックスがスキャンダルとなることが多い。クリントン大統領の場合も、性的な関係があったかどうかの究明より、偽証のほうが重要視されたと言うが、フランスでは性的な関係があっても、初めから問題にならないと言う。

 ミッテラン大統領に愛人がおり、その女性とのあいだに子供がいたことも、大した事件にならなかった。有名人といえども、男女の問題は特別視されない。婚外の関係であっても、フランスでは男女の問題はあくまで私生活であり、公的な世界とは無関係とみなす、と筆者は言う。本書はフランスの恋愛事情を、歴史の裏付けまでもちだして、とても賛美している。筆者のフランス贔屓は、盲目的でいささか驚かされる。

 公私の分離は素晴らしいことだが、ことはそれほど単純だろうか。フランス的肉体関係の肯定は、むしろ公的な世界に下半身の問題が、ひそかに滑り込んでしまう危険性があるように思う。フランスでの人事を見ていると、自分の愛人を重要なポストに抜擢する例がおおいように感じる。公私は別だから愛人関係にあっても、公人となることはできるとすると、愛人を女優にした映画会社の社長とどこが違うのだろうか。

 公的な世界での話題が、ベッドでも話題になるはずである。秘密が寝物語でリークされることはないのだろうか。職場の公平さをどう保っていくのだろうか。女優は監督やプロデューサーと、ベッドに入って役を獲得するとしたら、きわめて醜悪だと思う。もてない者は、日の目を見る機会が少なくなってしまうだろう。

 イタリアと並んでフランスの出生率が低いのは、女性にとっても必ずしも居心地が良くないことのあらわれだと思う。婚外の関係が、スキャンダルになったほうが良いこともあるし、ならないほうが良いこともある。婚外のセックスがスキャンダルにならないのは、功罪相半ばだろう。

 第5章「現代フランスのカップル形態」は、今回加筆されたのだろうと思うが、とても興味深く読んだ。核家族という結婚の形態がくずれ、同棲が普及し始めたのは、1980年頃である。

 ウーマン・リプは、結婚制度が、女を、特に女の体を、保護するように見えながら、実は、男に従属させていることを明らかにしようとした。19世紀後半から特に20世紀にかけてつくられた恋愛→結婚→夫婦愛の価値観は、実際に生きようとすると、かなり無理があると、女たちは気づいていたのだ。P194

 わが国のフェミニズムは、いまだに核家族という結婚制度を後生大事に守っているが、恋愛から核家族へという流れは女性差別そのものである。フランスに限らず先進国では、結婚を嫌って同棲が増えたことは事実である。現実に従って法律も変わる。男女別姓どころではない。フランスではユニオン・リーブルとして、同棲は結婚と変わらない位置づけを与えられた。男女が同居すれば、子供が産まれる。

 90年代のフランスでは、ユニオン・リーブルの子、シングルマザーの子の出生は、合わせて全出生の36パーセント(1994年)を占め、めずらしい存在ではない(日本での私生児の出生は1.1パーセントと、世界的に見ても異様に少ない)。すでに第一子については、婚姻外の出生が過半数である。P204

 女性のお腹から生まれても、自動的に母親になるわけではなく、女性が認知して初めて母子関係が成立する。戸籍制度がないことも手伝って、婚外児であっても子供たちを、まったく同じように扱っている。もはや法的な婚姻は、意味を失った。わが国のフェミニズムからは想像もつかないかもしれないが、ここまではすでに常識に属する。フランスでは状況はもっと進んでおり、恋人をもちながら1人で暮らす「ソロ」という形態が増えているという。

 25歳の男女に焦点を当ててみると、1975年には25歳の男性の55パーセント、女性の71パーセントが、結婚かユニオン・リーブルでカップルを組んで暮らしていた。ところが、1990年には男性39パーセント、女性58パーセントへとそれぞれ激減した。当初は、かつてユニオン・リーブルが結婚への試験期間だと思われていたように、ソロもユニオン・リーブルへの準備期間かと思われたが、そうでもないようだ。全体として結婚も減少しているが、ユニオン・リーブルもやや減少傾向にある。

 25−35歳のかなりの男女が、結婚だけでなく、ユニオン・リーブルも拒否し、ソロというカップル形態を選びとって暮らしているのではないか。これは「ひとりでいながら、ふたりでいる」という「90年代の逆説」である。
  
 ソロとは、恋人がいる単身者である。彼(女)は、恋人をもっていても、同居や結婚を指向していない。そして、単身者のままでも子供を持つ。これはまさに単家族に他ならない。ソロという家族形態は、女性が経済力をつけたからできることであって、専業主婦ではソロになりようがない。

 単家族こそ真の女性解放であり、男性解放である。頭の固いわが国のフェミニズムも、核家族こそ女性差別の温床であることを見抜き、早く単家族を理解してほしいものである。



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