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Re: リアルとは?、覚悟とは?
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投稿者 ゆらぎ 日時 2004 年 7 月 02 日 02:19:01:GhYcW4/mLfc6s
 

(回答先: Re: リアルとは?、覚悟とは? 投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 01 日 20:18:53)

あっしらさんこんばんは。

▼あっしらさん
【国家や社会を実体的な主体として持ち出す論をリアルさに欠けると考えています。
抽象的な概念は、あることを説明するときは「思考経済」(説明を端折ることができる)になって有効ですが、抽象的な概念を行為の主体として濫発すると、現実のダイナミクスが後ろに隠れてしまい有効な論になりません。
たとえば、米国とブッシュ政権を混同した言い方が多用されていますが、米国とブッシュ政権は別物ですから、それを使い分けて論述する必要があります。
また、日本共産党などが年金問題で国がもっと負担すべきだと主張していますが、国が稼いでいるわけではないので、それはより具体的な内容を提示しないかぎり、国民がもっと負担すべきと言っているだけですから、その峻別を理解していない有権者を騙しているだけになります。(共産党がいちおう企業や高額所得者にも応分の負担をしてもらうと言っていることは承知しています)
これまでのゆらぎさんの投稿にも、国家や社会を実体的な主体として持ち出していると感じたので、失礼ながら、「もっとリアルに物事をお考えになられたほうがいいと思います」と書かせていただきました。】


言いたいことはわかります。ただ「国」と言われて、その文章の前後の意味から「国民」のことなのか「政府」のことなのか「地理的」なものなのかを把握することは容易なことだとも考えております。しかしその点については心がけるようにしましょう。


▼あっしらさん
【具体論は、日本国民で働くべき立場で働ける人が相応の報酬を得ることが続けられる社会構造にすべきであり、それはトヨタなど大企業の利益になるというもので、その政策も提示もしています。
気持ちはわかりますが、どうして、二つの違うものをくっつけて一つの論に仕立てるのでしょうか?
子殺しに関しては、「発作的突発的に後先を考えずに子どもを殺すのではなく、おかしな言い方ですが、冷静かつ合理的な判断のもとに覚悟をもって子どもを殺すことを想定したものです」と説明しています。
あなたには、「冷静かつ合理的な判断のもとに覚悟をもって子どもを殺すこと」がリアルになる状況を想像できないのですか?】


リアルになる想像はできております。想像ができているからこそ問題にしているのではないですか。
それに飢饉が起きることだけがこどもを殺すキッカケではありません。
それは日本国民で働くべき立場で働ける人が相応の報酬を得ることのみで解決する問題とも思えず、とても具体論とは言えないと思います。
つまり現に裕福な家庭においても幼児虐待は行われており、子供は平気で殺されております。
それは子供が言うことをきかない、連れ子だから、等の親の一方的な意志に基づいて行ったものが多いです。
その親の年収をある程度あげても、それらの問題を解決することはできますか?
だから裕福な日本国民においても幼児虐待死が問題となっているのではないでしょうか。
それらを解決する、子供を生むことを制限しないという具体論を示してください。


▼あっしらさん
【飢饉に襲われた共同体にある家族を想定します。
家族は、両親・子ども3人・子どもの祖父母の7人構成だとします。
頑張っても手に入る食糧は限られており、7人が1食でさえ腹5分になる程度です。
このような状況がしばらく続くと、誰も身動きができない状態になると予測できます。
誰も身動きできなくなれば、食糧を探しに行くこともできなくなり、次の収穫に向けての農作業もできません。
【選択肢】
A:家族がみんなが食糧を分け合いながら誰も動けなくなったら飢え死にするのをじっと待つ。
B:智恵もそこそこ体力もある祖父母は長く生きてきたのだから、犠牲になってもらう。(姥捨山と同じですね。自分の下の世代が生き延びるために口減らしとして死にゆく)
C:子どもはひとりは祖父母並みには動けるが、他の二人は幼いので役に立つことはできないから、幼い子ども二人を親が殺す。
D:両親は、せっかく生まれた子供たちには未来があり祖父母にも深い恩義があると考え、自分たちが死を選択した。
A〜Dのどれが正解という話ではありませんが、とにかく先が見えているのですから、なんらかの判断をしなければなりません。
私は、動けるものが多いほど将来に展望が持てる条件があるのなら、Cを選択するのが合理的だろうと思っています。】


ちなみに、どれも最善の策ではなく、親はまず裕福な他人や福祉的施設があるなら子供を引き取ってもらうことをまず考えるべきです。
それは条件にはないと言われれば、そもそものあなたの言われたこと(つまり論点としていること)に問題が生じてきます。
つまりあなたはこのように言っておられました。


▼あっしらさん
【極端なことを言えば、子どもが心底邪魔なら殺して罰を受けるという落とし前の付け方もあるということです。
むろん、その幼児と家族をまともに形成していくことができないと判断したら、公的機関に泣きを入れてなんとか引き取ってもらう方法もあるでしょう。
しかし、そんな落とし前の付け方が“健全”なのでしょうか?
ひとさまが生んだ子どもの面倒を国家機構が見るために、増税などの公的負担が増加することを多数派が受け入れるでしょうか?】


私は、子供を殺すという選択肢の前に、どんな形であれ子供を生かす方法をまず考えるべきだと言っております。その考え、つまり「公的機関に泣きを入れてなんとか引き取ってもらう方法」の方がより“健全”な落とし前のつけ方と言っているのです。


▼あっしらさん
【子育てなんて面倒くさい、朝早いのに夜泣きで眠れない、疲れているのに子どもがうるさくて頭にくる、といった思いが募って、「じゃあ、国に子育てを委ねよう」というよりも、「自分の命を捨てることを覚悟して子どもを殺すこと」は立派な覚悟だと私は思うということです。
このケースで国に子育てを委ねるということは、誰か他者に子育てを委ねるということであり、自分が心底イヤなことを誰かに押し付けるということです。
そんなカスよりは、「自分の命を捨てることを覚悟して子どもを殺すこと」を選択した人のほうが少しはまともだと思っています。】


完全に価値観の違いでしょうか。子育ては心底イヤであり殺して楽になりたいが、子供の命も自分の命も大切なので、恥をしのんで覚悟をもって他人に預ける選択をした方が、私は少しはまともだと思っています。
子供がイヤだからと自分も子供も死を選ぶという、命に関する“重さ”というものの価値観の違いでしょうか。
私は“どんな状況下であれ”、「死」に向かうのではなく「生」に向かう勇気の方が覚悟のあるまともな行為と思っております。


▼あっしらさん
【そして、「発作的突発的に後先を考えずに子どもを殺すのではなく、おかしな言い方ですが、冷静かつ合理的な判断のもとに覚悟をもって子どもを殺すこと、」ができる人は、「子供が生きる為に適切な環境を提供することができる」策かどうかも議論を通じて判断できる人だと思っています。
国家が社会がという人には、そのような判断はあまりできないと思っています。】


「発作的突発的に後先を考えずに子どもを殺す人」と「冷静かつ合理的な判断のもとに覚悟をもって子どもを殺す人」を比べた場合にはその通りかもしれません。
しかし問題にしているのは上記2事例を比較しているのではなく、「自分が心底イヤと感じる子供を他人に任せて生かす人」と「冷静かつ合理的な判断のもとに覚悟をもって子どもを殺す人」を比較しているのです。


▼あっしらさん
【殺されたことで、不幸で悲しいことですが子どもの現世は終わりです。
親から引き離された子どもの思いや子どもを奪われた親の思いは、現世のものです。】


どちらの子供の思いも強制的に親の押し付けで「変更」されていることには変わりがありません。
殺された子供の生きたいという思いは「変更」されました。
引き離された子どもの親のもとに居たいという思いは「変更」されました。
その押し付けによる「変更」の問題を言っているのに、現世とか現世ではないとかの次元ではありません。
つまりどちらの思いも大切であり、尊重されるべきと私は考えます。
また現世が終われば相手の状態を押し付け「変更」してもいいということでもありません。


▼あっしらさん
【“安易に”子どもに限らず人を殺すヤツは、クソやカスであって、「私物化」云々の考察対象にもなりません。】


クソやカスではなく「私物化」云々の話だと思います。それに人間にはクソやカスもいないと思っております。


▼あっしらさん
【あなたは、ひとの価値観や他の家族関係の在り方に首を突っ込むことが正義だと思っているようですね。
ひとり立ちした子どもと親の関係性は、個々の親と子どもの問題です。
法規範として成人した子どもは親の意志と反する選択をすることができます。
それで親子の関係をぎくしゃくさせたくなかったら、親をきちんと説得しなければならないのです。(もちろん、ぎくしゃくになることを承知で自分の判断を優先してもまったくかまいません)
未成年の子どもとりわけ未就業の子どもは、基本的に、親の言うことを聞かなければならない存在です。
言うことを聞かせようという親と自分の利を実現しようとする子どものせめぎ合いを通じて、子どもは成長するし、親もいろいろ学ぶのです。
子どもは天使でも善意の塊でもありません。どちらかと言えば、自分の欲求や好き嫌いで動きがちな“危険な存在”だと思っています。】


「ひとの価値観や他の家族関係の在り方に首を突っ込むことが正義だ」と申した憶えはありません。
子供が親の言う事を聞かないことに関してもとやかくは言ってはおりません。
また親が子供に教えることは、子供が生存するため、社会に適応するための教育であり、子供を私物化することではありません。
子供が自分の意のままに動くことが当たり前であり、反抗した場合は殺してしまえという一方的な親の判断が私物化と言っているのです。
また子供が“危険な存在”だと認知するのは勝手ですが、私は“危険な存在”だと判断はしておりません。


▼あっしらさん
【私は、「何ものにも代え難い私の愛すべきもの」として子どもを育てるほうがより好ましいと考えていますから、あなたが言われている範囲の「私物化」であれば悪だと考えていません。
しかし、「相手の意を無視して殺す」ことは他人に対しても行われることであり、それをもって「私物化」と言うことはできないと判断します。】


「何ものにも代え難い私の愛すべきもの」として子どもを育てることは必要であり、それができる適任者であることが好ましいと私も言っております。
ただ、適任者になることができないと判断した時に殺してしまうと決断することは子供の「私物化」であり、悪だと言っております。
また「相手の意を無視して殺す」ことは他人に対しても行われることは知っています。私はそれも人間を「私物化」する概念だと思っております。
殺す側は他人を「自分の思う通りになるはず」と思い、自分の思い通りにならなければ、自分の所有物として、自分が殺す権利があると考えるのではないでしょうか。
これが私物化(所有)ではなくて、どのような概念なのですか?


▼あっしらさん
【「私物化」にしても、親が子どもに言うことを聞かせるとか、子どもを一方的に殺すといったものでしかなく、イマイチ明瞭では在りません。
「私物化ではない関係性(根本的な考え方の変換)」を少しでけっこうですから具体的に書いてください。(まさか、子どもの自由に任せるというアホなことではないですよね)】


「私物化ではない関係性」とは親と子の関係においては、親は子供を社会に適応させるため、生きていくための教育をします。ただ子供の自主性・創造性・個性をそこなわない様に配慮します。つまり親の押し付けがあってはなりません。
また教育内容については多義にわたりますので省略致します。
またもちろん子供が生きて、成長できる環境を親が子供に提供します。
それらの教育や環境の提供ができないと判断した親は子供を、それが可能な場所へ移させます。それは祖父母のもとであるのが一番良いでしょうが、それもすることができない場合は、公的な福祉施設にあずけることもあるでしょう。
但し、親がどうしてもその子供の面倒を見たいと言えば、政府は親を私物化できませんので、親が子供の面倒を見る事は優先されるでしょう。
しかし私物化の概念のない親は、適任ではないと悟れば自然とその役を放棄することでしょうし、仮に子供を見続け死に至らしめる親は、社会にとって責任のある健全な人とは見られないでしょう。
また私物化の概念のない子供は、親を私物化しようとも思わないので、違う環境にも進んでいく事になるのかもしれません。

「子供の意を尊重する」とは、子供の自主性・創造性・個性の尊重や子供の生きる権利を尊重するということです。

また「適切な環境」については上記子供への教育や子供の生きる権利が守られる環境です。
そしてそれを提供するのは親であったり、祖父母であったり、公的な福祉施設であったり、とにかく“当人が”条件の整ったと正直に感じた環境です。


▼あっしらさん
【「どこの国も自由に他国から人を受け入れるべきであり、それに制限を加える世界ではなく、人間(人質)を国の私物化にするような世界をやめさせる社会構造を目指すべきではないかと考えます。」とは趣旨が大きく違っていると思います。
「その自由判断に制限を加えてしまう」って、「他国から人を受け入れるかどうか」について、どこの国がその判断でどういう制限を受けているのですか? 】


確かに違います。少し興奮していたのかもしれませんが、どちらの趣旨も支持します。
つまり自国に外人を自由に受け入れることが理想であり、健全だと思いますが、その国の政府の決定した意志を他国の政府が自国の論理を押し付け、相手国(政府)の自由意志に制限つけることは健全ではないと考えております。

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