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「ボランティア立派だが…」改めて問われる自己責任 ---「どれだけ迷惑かけたか振り返って」
3人の解放後、会見に臨んだ家族たちは感謝と謝罪の言葉を繰り返し、頭を下げた=15日午後10時37分、北海道東京事務所
日本人人質3人の解放に安堵(あんど)感が広がる一方、戦闘地域に無防備で乗り込んだことに、政界や識者からは「無謀な行為」などといった批判も上がった。冷血な国際政治の前では、たとえ善意に基づく行動であっても、世界を混乱に巻き込みかねない現実がそこにはある。
今回の事件では「自己責任」が改めてクローズアップされた。川口順子外相は15日夜の会見で、「自らの安全は自ら責任を持つという自覚をもってほしい」と発言。湾岸戦争時の日本人人質事件にかかわった片倉邦雄元イラク大使も「退避勧告があって渡航した場合、自己責任が問われる」としている。
善意の行動であっても大きな批判が巻き起こるのは、事件が各方面に大きな波紋を生むためだ。一部の政治家や市民団体からは「自衛隊撤退」を求める声が上がり、犯人側にテロに屈しかねない印象を与えた。また、情報収集にあたる政府関係者は危険にさらされ、外交官殺害事件の悲劇が繰り返される事態も懸念された。
陸上自衛隊の元北部方面総監、志方俊之・帝京大教授は「3人は自分が日本国民であることを忘れていたのでは。自分がどれだけ迷惑をかけたのか振り返ってほしい」と強調する。
自衛隊を撤退させない政府を批判していた人質の家族についても、森本敏・拓殖大学教授は「今回の事件は、危険を冒して復興を支援している自衛隊の活動に水をさした。事件の責任を政府に押しつけるかのような家族の姿勢は遺憾」と批判的だ。
人質解放の背景には、3人がイラクの人々を救うために活動していたという要因もある。中東調査会の大野元裕客員研究員は「犯人にとっては、自衛隊撤退より、人質がどんな人だったかが重要だった。殺害されたイタリア人のような職業(警備会社員)なら、結果は同じだったかもしれない」と分析する。
戦闘地域での行動は、平和国家の日本人には特に困難を極める。ジャーナリストの工藤雪枝さんは「ボランティアは誰にでもできるものではない。危険地域では、自衛隊や軍隊のように特殊な訓練を積んだ者にしかできない」と指摘。東京女子大の林道義教授(深層心理学)は「ボランティア活動は立派かもしれないが、それだけですべて許されるわけではない。3人を英雄視してはいけない」と警鐘を鳴らしている。
ZAKZAK 2004/04/16