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(回答先: Re: ひとつ質問をさせてください。 投稿者 カムイ 日時 2004 年 4 月 08 日 01:01:26)
カムイさん、こんばんは。
長い間レスせず申し訳ありませんでした。
順序が前後しますが、次の問いかけは重要だと思いますので先頭に持ってきました。
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カムイさん:
私は「不安」の根源は、自己と他者が分離しているという観念にあると考えていますので、
何らかの契機でこの観念を溶かすことができれば、お金は必然的に「分断と対立を溶かす」形を
取らざるを得ないとおもうのですが。
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「自己と他者が分離しているという観念」はまさに我々の直面する大きな問題です。
カムイさんは「観念の変化→貨幣の変化」と考えておられるようですが、
私は「貨幣の変化→観念の変化」だと考えています。
私はスピリチュアル系の人とも交流があります。交流の経験則から言うと、
「マインド」にあまり注意をそそぐと、逆に「マインド」の中へ閉じ込められます。
「マインド」にこだわること自体が「マインド」なのです。
お金の内部に埋め込まれている「性癖」(貨幣属性)が、我々の「マインド」を作り出しています。
自己と他者を分断せざるをえない設計になっているのです。
分断のキーは利子です、利子問題のキーは「時間」です。
これをおわかりいただければ、「原因−結果」の問題より「時間」の問題にこだわったほうが
解決は早いことがおわかりいただけると思います。
以上で、
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カムイさん:
私には、ある社会の有り様にとって「貨幣」とは”結果”であって”原因”ではないのではないか、
と思えるのです。
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への答えになっているはずです。
補足すると「原因−結果」という問題規定は、時間が過去から未来へ一方向に流れる
ことを暗黙の前提としています。そういう考え方を人間に強います。
「貨幣」的に表現すれば、利子がプラスに設定されている設計自体に、ある種の思い込みが
反映されているのです。結果として、「過去→未来」という観念が力を持ち、固定観念化して
いきます。そして「経済成長」というベクトルが固定されるのです。
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『「貨幣」を媒介にして、人間のスピリットがおのずと変わっていく』というのは理解できます。
しかし、経済運営の技術であり道具であった「通貨」に特別の力を与えているのは、
人間の「思惑」「意思」のはずです。
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もちろんそうです。だからこそ、「暴力」が「ひと」に変わって貨幣を担保している状況が
異常なのです。
あっしらさんとの議論(http://www.asyura2.com/0401/dispute16/msg/724.html)
をお読みくだされば、私が、
1.人間の「思惑」「意思」のなかには、プラス属性とマイナス属性が入っており、
2.マイナス属性の”彼ら”が人間の「思惑」「意思」を代表して司ろうとしており、
3.その”彼ら”のマイナス属性に傾いた「思惑」「意思」ばかりを「貨幣」が反映して
いるのはおかしい、
と主張しているのを読み取っていただけると思います。
簡単に言えば、問題はただ「正負のバランス」のゆがみにあります。
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カムイさん:
まっくすさんは「日本人」であることに可能性を求めておられるようにも読めましたが、
「日本人」的なるものが本当にカタストロフィーの直前で踵を返せる力の源泉に
なるのでしょうか。
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これも、あっしらさんとの議論でお話したとおり、「日本」は属性的に「プラスマイナス
中立的」であるということが、今後の世界で重みを増すという認識です。
日本はそれ自身で成立している文明です。
NationであってStateであり、太古から連続しているという事実ひとつでユニークです。
私がなぜ江戸時代をクローズアップしているかといえば、それが「先取りされた世界史」だと
思うからです。
現代のグローバル化の本質は何でしょうか?環境、人口、経済、戦争・・・・・ありとあらゆる
領域で、問題を地球規模で考えざるをえない、従って地球は巨大な「閉鎖空間」になった、
という点に求められます。これは国家単位で「鎖国」と「開国」を考えざるを得なくなったのと
同じことです。
日本には300年間もの間、「閉鎖空間」を切り盛りした経験があります。
エコロジーという意味では、うんこまで商売の対象になっていた事実がありますから、
思い出し、学ぶべきものは数多いのです。
皮肉なことに、日本のことを一番知らないのは日本人なのです。
知らなくても安心して住める国柄の尊さを知らない人間は恩知らずです。
明治に標準語ができ、情報化時代に入ってインターネットができて、
いま全国レベルで日本人同士の対話が成立する環境ができました。
これはたいへん意義深い事件だと思います。
(ぷち熟女さんがどこかでこのことに触れられていたのですが、見当たりません。
どこでしたっけ?)
こういう日本を自らの固定観念に当てはめて、「世界」を主宰した気になっている”彼ら”の
限界を知らなければ、未来は住みやすくなりません。
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カムイさん:
バブル崩壊を体験し、「マイナス的な希求」の空しさを知った(というか「プラス」
である本来の姿を思い出したと言った方がいいのでしようか)、「日本人」は特別な
位置にいるとは思いますが。
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「日本人」は特別な位置にいます。
独自の道を歩んで、いまだに古代が生きているという側面を、いまにみながとても
ありがたく思う時代が来ます。早く気づいたほうが得です。
アメリカと日本というのは宿命だと思っています。
駄々をこねる巨大な子供に対して、これまで日本はやんわり対応してきました。
そろそろ、きちんと叱りつける時期に入ってきています。
日本の責任は重いと思います。
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他方でこつこつと貯蓄をして将来の不安に備えるというのも、今に始まったものではない
極めて日本人的な性質に思えます。
(それとも明治以前の日本人には、農村部も含めてこのような性質はなかったのでしょうか?)
「貨幣」という技術を利用する側の論理がもう少し確かな形で変わらなければ、
新たな制度の導入に成功したとしても、持続可能性は保証できないのではないでしょうか。
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同じ日本人でも、消費選好型(バブルに踊るタイプ)と貯蓄選好型(戦後を生き抜いた
お年寄りタイプ)の二手に分かれると思います。その割合は時代ととも変化します。
江戸っ子は消費選好型が多かったと思います。
お公家さんも、そうでしょう。
武士などは貯蓄選好型が主流に見えます。
農民はもちろん年貢を前提に生きていますから、祭礼や講を例外として
貯蓄選好型でしょう。
では、なぜ現在は貯蓄選好型が主流をしめているかと言えば、無意識にデフレ社会を
容認しているからではないでしょうか。
「プラス志向」の資本主義が世界中に蔓延している世界では、当然、お金がものを言います。
日本人は元来、このような「無粋な世界」には気乗りしないほうだと思いますが、
これまで外圧("彼ら"のゲームの規則)を受け入れ、黙々と励んできました。
でも、気乗りしない世界をこのまま引っ張っていく気になれないのだと思います。
一種のうつ病状態です。
金持ち日本がお金を使わないからアメリカを戦争へ駆り立てた面もあり、
その意味では、何年も前から自衛隊派遣への道を歩みだしていたと言えます。
そろそろ強い立場に甘んじて、傍観している時代は終わりを迎えます。
日本がその重い腰を上げるとき、鍵となるのが日本が本道を歩めるかどうかです。
「二項対立」的なものを溶かしてしまう才能をどこで発揮するか。
この才能を発揮できれば、鼻曲がりさんの切望されている「第三の道」が開けるでしょう。
経済的に表現すれば、貯蓄と消費という不可分な要素があり、現在の資本主義下では
「二項対立」的に働いて、インフレやデフレとして現象せざるをえません。この齟齬を
どうやわすか。これすなわち、Mさんのいわれる「陰陽道」の行使です。
(機が熟せば、「時間」論をさらに展開しようと考えています。)