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(回答先: もっぱら自薦イラク日本外務省関係3人殺害事件電網捜査本部長から捜査員有志への質問 投稿者 木村愛二 日時 2003 年 12 月 09 日 22:13:12)
狙撃手が遠距離から機関銃ないし自動小銃にスコープを付けて撃ったという推論
は次の理由から無理があります。
1.
まずイラク人運転手の遺体から摘出された弾丸から、使用された武器がAK-47 (口径7.62mm)と特定されたこと(サイさんの投稿外交官殺害の悲劇、「弾」が語る 運転手の遺体から弾丸 http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/340.html)が挙げられます。
AK-47(カラシニコフ)は、発射時の反動が大きいため狙撃に適した銃ではありません。そこが同じく突撃銃(Assault Rifle)の範疇にありながら狙撃目的でも使用されることがないわけではないM-16などと違うところです。カラシニコフにスコープを付けて用いられている場面は一度も見たことがありません。
一方M-16は私自身の実射経験では反動はさほどでもなく、フルオートでなければ十分狙撃に供しうる武器という印象を受けました。(少なくとも狙撃用スコープはつけられるようになっており、ゴルゴ13も愛用している(笑))。AK-47で狙撃が不可能とは思いませんが、より反動の強いこの銃が用いられたのであれば狙撃であった確率はぐっと低くなります。本格的な長距離狙撃(このケースは目標が150kmのスピードで移動しているわけで、少なくとも300mははなれていないと、移動角速度が大きすぎて狙撃は不可能)を遂行することが目的であれば、海兵隊の制式狙撃銃であるM700(308口径=7.7mm)を使うのが最適でしょう。でもこれは今回発見された7.62mmとは若干違います。
2.
150kmの高速で移動中の車両に30発の弾丸が撃ち込まれたことから、銃弾はフルオートマチックモード(一発毎にトリガーを引く撃ち方)で発射されたと考えられます。もしセミオートマチックモードで発射されたとすると少なくとも15秒近くかけて30発撃ったことになりますが、普通に考えて車内に銃弾が連続して飛び込んで来始めたら、運転手は本能的に車を路肩に寄せるか、急カーブをきるか何らかの回避行動をとった上で、「伏せろ」と後ろの2人に叫んだことでしょう。少なくともそのまま撃たれっぱなしで15秒近く直進走行を続けたとはあまり考えられません。さらに上述の角速度の問題があって、30発セミオートで撃っていたら銃をぐーっと回転させながら撃ち続けなければならないわけで、これも現実的ではありません。
従って30発はやはりフルオートで2.5秒〜3秒くらいの間に叩き込まれたと見るのが妥当です。ここで問題となるのは、フルオートモードで撃った場合反動が大きくて、長距離からスコープを付けて狙撃するのに適していないことです。例えば300m離れたところかフルオートで射撃した場合、反動で銃弾は広範囲に散らばります。このケースでは弾丸は30発弾倉を一連射ですべて命中させているわけで、高速移動中の遠隔目標に対してフルオート射撃でこれを成し遂げたとしたら神業、というよりほとんど不可能と言えるでしょう。
ちなみに車両の被弾状況を見ると、弾痕は10カ所一寸といった感じです。これは防弾ガラスの弾痕部分のそれぞれに数発が集中して当たったためと推察できますが、犯行の当事者が相当に熟練した沈着な射手で、至近距離(5m以内であろう)とはいえ、着弾を散らばらせることなく、集中的に叩き込むことのできるプロであったことを物語っていると考えらます。車両全部にも被弾しているようですが、別稿でも言及したように、運転手が被弾した場合、被弾車両が急カーブを切ってくる可能性があるので、追い越した上で前方から撃つのは至極当然の手法です。後方から撃った場合急カーブを切った被弾車両とぶつかってこちらも巻き添えを食う可能性があるからです。
写真の被弾車両の窓の高さを見ると、乗用車との車高の違いはではさほど重要なファクターだったとは思えません。即ち多少低めの位置からでもほぼ水平に近い射角で、窓ガラスから中の人物の位置を確認しながら撃ったものと考えられます。「150kmのスピード」が間違いないのであれば、車種はやはり高性能の乗用車と見るのが無難でしょう。
妥当な推論としては、高性能乗用車とおぼしき車両で、左側後方から追い越しざまに、(銃身だけ窓から突きだして)AK-47をフルオートで弾倉全部(30発)を撃ち込んでそのまま遁走した、と見るのが自然と思われます。またAK-47を使用したのは、おそらくはイラク軍残党の仕業に見せかけるためと見ることができます。
以上