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(回答先: Re:JVC(ヒト・ポリオーマ・ウイルス)のうちEU(ヨーロッパ)型ウイルスは世界では欧米人と日本人の一部にしか存在しない。 投稿者 やめて 日時 2003 年 12 月 25 日 11:53:56)
笹谷氏の書物を読んではいないが、やめてさんの言いたいことはわかる。
以下、私がレスするのはやめてさんについて非難するものではありません。
あくまでやめてさんが紹介されている内容について雑談板での投稿として書きました。
この紹介された内容を見るに、ただ言語的に単語の発音が似ているから・・・語と親類関係にあるというとらえかたは実証主義を基本とする現代の学問の方法とは無縁である。言語学、日本語については国語学という観点とはかけ離れた世界である。
縄文人については言語学的にはどのような言語が話されていたかという証明がない。ただし縄文人と同じDNAをもつアイヌの人たちが、基本的にはウラルアルタイ語の系統の言語であるアイヌ語を話すことは理解できるが(ただしいまや正確に語れる人は明治政府以降の同一化政策で絶滅に近い状態にある)、アイヌ語が印欧語に属するという学説は乱暴ではなかろうか。それゆえ縄文人がコーカサス系の白人系統に属しているとは初耳だ。言語的にはスラブ系であると断定するのは無理があろう。
言語学では一つの言語について研究する場合共時言語学と通時言語学の両面からのアプローチがなされていたが、このことは今でも同じであろう。この問題と民族問題を混同する誤謬も、素人では陥りやすいものだ。
従って原日本人であるといわれる縄文人が白人だというのは民族学的にも無理である。
大陸から樺太、北海道そして縄文時代には日本中に存在していたであろうと思われる人々が今のアイヌ語といわれる言葉の持ち主だったかどうかは不明である。
思うに彼らは寒冷地帯の北方から温暖で狩猟・採集の対象が多い日本列島へ移住してきた人々であろうし、冬場は日光にあたる時間も少ないがゆえに色も白かったろうし体毛も濃かっただろう。
「2万年から1万2000年前、地殻変動(地震火山活動など)激しい恐怖の極東日本から陸続きの現ユーラシア大陸へ脱出し、スキタイ民族となり、彼らが元スラブ語を各地へ配送し、ロシア、ウクライナ、ベロルシアなどに広がり多くのスラブ語諸国が成立したと見る。一部はインドへ南下しサンスクリット語を形成さらに欧州大陸に広がったと見る。つまり縄文語はスラブ語の最古の形態であると同時に、サンスクリット語の原基であるという味方になる。」
こういう民族移動が歴史的に証明されたのか、最近の言語学界については不詳だが、フン族の移動のような明確な史実が残っているならば話は別である。民族と言語が統一的に捕らえられているかも怪しい。
私から見ると著者はかなりの主観主義で、エッセイとしては自由闊達に思いを馳せているのだろうし何か意味を持つものだろうが、学問としては無意味である。
「スキタイの語源だが、万葉集で見られる枕言葉で「しきたえ」(敷妙、色妙乃、布妙,敷細乃など多数)であるという。リービ秀雄の「新宿の万葉集」という著作の中で、この言葉は訳出されていない不自然さをあげているという。ロシア語(スラブ語)のスキターツア=漂泊するという意味の言葉の語頭の部分が残っているものだ、という。したがってこの枕詞は「旅の夜の」とか「旅にあれば」というように訳出されれば情緒たっぷりとなるという。」
この文章は、一発で著者のあやふやさを問わず語りで吐露するものだ。
なぜか。
やめてさんが紹介している著者が唱えるらしい事実は、「朝鮮人」たる「侵略者」が「朝鮮人」たる太安萬ろ(糸偏に呂)に編纂させた「古事記」は縄文時代に書かれたものではないことだ。著者の論理によれば勝者の歴史が書かれたものである。
それでは、「古事記」が南九州の熊襲や東北の「夷」族を討つ側から書かれたものである以上は、「万葉集」には言葉が違い文字をもたない「最古層が印欧語の最古であるスラブ語」の白人だったとされる縄文人の子孫の言葉による「和歌」は採集されていなかったことになるではないか。
なのに、著者は万葉集の「しきたえ」という言葉が縄文人の子孫たる「スキタイ」と通じると言うのである。万葉集に採集された地域は防人に駆り出された東歌の採集範囲(関東・東北(陸奥)地方)までが北限ではないのか。この当時はすでに縄文人の子孫たちは陸奥以北まで追いやられていたのではないか?
スキタイという民族は紀元前8世紀ころから紀元前3世紀ころまで活躍した騎馬民族であると、インターネットでは紹介されているけど(下記参考「スキタイ」URL参照)、万葉集が編纂されたのは紀元後8世紀である。
また、スキタイ人の出身地は同下記参考をご参照願いたい:
「スキタイとはギリシア人の呼称で,カルパティア山脈からドン川流域一帯をさすスキティアに由来する」そうだが。
なお、「しきたえ」という言葉の意味
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「広辞苑」より引用
「しきたえ」(1)寝床に敷いて寝る布、(2)(女房詞)枕
「しきたえの」(敷妙の)(枕)「衣」「袂」「袖」「床」「枕」「家」などにかかる
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(参考)
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スキタイ(ヘロドトス「歴史」)
http://www.osoushiki-plaza.com/anoyo/world/ancient/a_sikita.html
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<楽しい世界史> 中国史─9 史上最初の遊牧騎馬民族─スキタイ
http://www.actv.ne.jp/~yappi/w.history/700china/709china09.html
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a.スキタイ人によって伝えられたギリシアの神々
http://members.at.infoseek.co.jp/cepsyche/methology9a.html
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スキタイ
http://www.tabiken.com/history/doc/J/J306R200.HTM
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万葉集 まんようしゅう
http://www.tabiken.com/history/doc/R/R245L100.HTM
うち、東歌 あずまうた
http://www.tabiken.com/history/doc/A/A090R200.HTM
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amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/cm/member-reviews/-/A36XMVJ8XYUX9Q/1/ref=cm_cr_auth/249-2968574-0247535
(以下「書評」抜粋)
日本語の起源〈第1部〉縄文語 笹谷 政子 (著)
価格: ¥1,700
通常4〜6週間以内に発送
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雑談のネタにはなるかもしれない。 2003/06/29
考古学と同様に、日本語の起源はいろいろな説があるがゆえに面白い、と言える。しかし、それなりに説得力のある根拠を示されなくては読んでいてのめりこめない。全く何の関係もない任意の二つの言語間ですら、5〜10%の基本語彙が対応しているようにみえるものだ、と言われているが、この本では、縄文語とロシア語などから対応している(ようにも思える)例を探し出して挙げているにすぎず、他の言語と比較していかに有意に関連性があるかすら示されていない。「そう言えば、似ているなあ。ここから由来してるのかなあ」という素人のつぶやきの域を出ていないのである。雑談のネタを仕入れるのには役立つかもしれないが・・・。
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なお、第二部については書評なし。