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(回答先: 【オーストラリア】【総括】先進国中屈指の成長率(NNA) 投稿者 エンセン 日時 2003 年 12 月 29 日 12:21:00)
【フィリピン】【総括】政情不安じわり浸透、選挙前の混迷続く
フィリピンでは今年、政治不信に端を発したさまざまな出来事が起きた。現政権への不満を抱き決起した若手兵や元政府関係者は占拠事件を実行に移した。また、アロヨ大統領が出馬表明したころから次期大統領選をにらんだ政争が激化しはじめたのに伴い、財界などから先行きへの不安を訴える声が噴出した。こうした不安定な状況は、新しい政治体制が固まる来年前半まで続きそうだ。
来年5月に控える一大イベントを前に、政界が揺れている。不出馬を表明していたアロヨ大統領が一転、出馬の意向を示したのをはじめ、次々と浮上しては消えていった対立候補者の面々。与野党間のみならず同党内でも互いをけん制し合う動きが表面化するなど混迷が続く。さらに国民的映画俳優の出馬表明が拍車を掛けた。
こうした一連の政治的な動きは経済活動にも波及した。とりわけ為替への影響が顕著となり、11月末にはエストラーダ前政権の交代時に記録した対米ドルの史上最安値を更新。終値ベースでもこれまでの最安値を下回った。
加えて投資活動へも影響が及びはじめている。ある国内大手企業の関係者は、「情勢が落ち着くまでしばらくは大型投資を控える」と選挙終了まで静観の構えを示す。また当地で操業する日系企業幹部からは、今後の政局動向への懸念とともに、新政権にこれまでの経済政策の継続を望む声が聞かれた。選挙前の政情不安に伴うこうした様子眺めは、今後しばらく続くと考えられる。
■日本との関係強化
一方で今年は、フィリピンと日本のさらなる関係強化が図られた年でもあった。小泉純一郎首相の呼び掛けで始まった「日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)交流年」の域内最初の対象国として2月に関連行事を行ったのに加え、クライマックスとなった12月の特別首脳会議では、2002年から続けられてきた両政府間の事前交渉を経て、日比経済連係協定(EPA)締結の本交渉開始の宣言までこぎつけた。
これに関連して、情報技術(IT)業界では、EPA締結によってさらに開放が進むと予想されるIT技術者の移動をにらみ、初めて日本市場に的をしぼったフォーラムを開催した。
ほかにも今年は日本人入植100周年の節目の年を迎え、バギオとダバオで現地に済む日系人や日本からの来賓などが参加して記念式典が執り行われた。そこでは、過去にとらわれるだけでなく、これからを見据えた両国の新たな関係づくりに取り組んでいくことが確認された。
■対テロで共闘
治安に関しては今年前半、ダバオをはじめミンダナオ島の各地で爆弾テロが相次いだ。後半は、国際的な対テロの動きとも連動して、とりわけジュマア・イスラミア(JI)を対象とした掃討作戦が国内で強化されていった。
日本やASEAN加盟国とも域内のテロ対策を協力して行っていくことで合意しており、テロ対策は今後ますます、周辺各国との共闘体制で臨む姿勢が明確になってくると思われる。
さらに世界的な懸案事項である、国連不在の米軍主導によるイラク攻撃に対し、フィリピンはいち早く理解と協力の意思を伝え、同盟国として米国から高い評価を得た。戦後のイラク復興に向けた人道支援にも積極的に参加している。
このように、ASEAN域内はおろか、アジア及び世界における役割が拡大していこうとする中、来年5月の選挙でフィリピンにしっかりとした政権が誕生するのを期待する向きは少なくない。そのためにも、単なる人気投票ではなく、政策重視の選挙が実施されることに期待したい。
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[12月29日10時35分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031229-00000008-nna-int