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(回答先: Re:自己調整しないといけないのかもしれませんね 投稿者 マルハナバチ 日時 2003 年 11 月 02 日 22:43:50)
マルハナバチさん
私は陰謀論そのものは否定していません。よく話に出る「スカル&ボーンズ」(これは本当におどろおどろしい!)も間違いなく実在の秘密結社です。現在の米国の支配層の中のある種のグループ(現大統領を含む)がこの組織に加入して何やらよからぬ相談をしているのも間違いないでしょう。ただ中身が全く分からない以上、今のところそれ以上の議論をしてもあまり意味がない、ということだと思います。ビルダーバーグも間違いなく実体のある団体です。今回のイラクにおける利権の分配などはここで話し合いが行われていることでしょう。イルミナティの話も同じです。
フリーメーソンの陰謀などもよく話題に上りますが、メーソン(「本場」ではあまりフリーメーソンとはいわない)そのものが組織として陰謀を企むということはあり得ないと見ています。因みに私の英国人の友人は、祖父君が某大都市のロッジ(メーソンの地方組織)のグランドマスターだった関係で、学校(大学院)を出て社会人になった時に母親から「お前もそろそろメーソンに入った方がいいんじゃないのかい?何かと便利だよ。」と、くどく言われたそうです。彼の奥さんの父親もたしかメーソンです。
このレベルでのメーソンは一種の互助会なのです。ロータリークラブやライオンズクラブもメーソンの下部組織です。英国ではその勢力は尋常ならざるものがあり、弁護士、医師、警察官、軍人などに限ればメーソンの浸透率は少なくとも20%はいっているという人もいます。(組織内部のことは絶対漏さない規約なので、本当のことはなかなかわからない)よその業界の人とか海外にコネを求める人にとっては非常に便利な組織なのです。営業にうまく利用している人もたくさんいるようです。(握手の際に独特の指の動かし方をするので、相手がメーソン仲間であることはすぐ分かる由)警官がメーソンであれば交通違反を見逃してもらうこともよくあるようです。スコットランドでは全人口500万の内30万はメーソンだという人もいます。
加入者の99.9%にとっては互助会以上のものではないメーソンも、残りの0.1%の特権階級・支配階級にとっては大分意味合いが違うことでしょう。というのはメーソンのコネクションを使えば、例えば交戦中で断行中の国の元首の間でも、裏口を通したコミュニケーションが円滑にできるなど、大きなメリットがあるからです。また絶対秘密厳守というのも魅力でしょう。(このレベルで秘密を漏した場合は死による制裁もあるようです)米国、英国の主要な政治家はメーソンと関わりのない人の方が少ないでしょう。歴代米国大統領はほぼ例外なくメーソンだったといわれています。英国でも歴代の王はすべてメーソンです。(日本でも歴代首相のかなりの面子がメーソンだったはずです。)
要は権力者が裏で話をつけるためのプラットフォーム、ないしサロンとして有用だということですね。ビルダーバーグもメーソンと関わりがあるようです。だからメーソンやビルダーバーグやスカル&ボーンズなどのチャネルで陰謀・謀略が語られていても驚くには当たりません。メーソンが組織を挙げて陰謀を企んでいるのでなく、メーソンのチャネルを利用して陰謀を企んでいる支配階級がいる、ということだと理解しています。ただ何といっても内容について具体的証拠がないので、話はそれ以上には発展しません。それだけのことです。(この夏ベルサイユで開催されたビルダーバーグ会議では、会場となったホテルの従業員は完全箝口令で、ホテル内で目撃した人物について(ラムズフェルド国防長官など、錚々たる顔ぶれだったことがすでにばれているが)一言でも外部に漏したら即解雇と言い渡されていた由。
ところで推薦図書ですが、
前にも触れた広瀬隆の「赤い楯」は優れたレファレンスです。この人は文章はさほどでもないし、時々勘違いと思われる記述もないではないのですが、何といってもこれだけ欧州各国の家系図を徹底的に調査した人は未だかつていないでしょう。資本関係では見えない縁戚関係による支配というのは、言われてみれば当たりまえの昔からあった話ですが、これを体系的に論じたケースが少なかっただけに新鮮です。この本は世界史の基本的知識があればますます興味深いものとなるはずです。(この本についてある英国人(別の友人)に家系図など見せて内容を説明した所、「これが英訳されたらこの著者は命が狙われるかも知れない。」と言っていた。現代におけるロスチャイルド財閥の内幕を暴露した本は、英語圏では多分出版は難しいでしょう。広瀬隆がこれを出版できたのは日本語の言語障壁のおかげかもしれません。)
それから岩波新書「社会主義入門」(レオ・ヒューバーマン)も経済のからくりや歴史を知る上では有益(かつ非常に面白くてわかりやすい。この本は題名と裏腹にほとんどentertaining!)な書物です。絶版になっていますが図書館だったら揃えているのでは。
「法王暗殺」(デイビッド・ヤロップ、文藝春秋)も金融資本の闇の部分を描いた名著です。トンデモ本とはほど遠い中身のちゃんとした本ですが同時にentertainingです。(やはり書物はこうでなくてはいけません。)私はヨハネ・パウロ1世が暗殺されたことは疑問の余地がないと見ています。後に映画ゴッドファーザーIIIでもこのエピソードに触れていましたね。
といったところでしょうか。