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(回答先: 北朝鮮のT34戦車が米韓軍をけちらかしっ(`_´) 投稿者 YM 日時 2003 年 7 月 18 日 00:06:29)
(第1章 ミサイル生産基地の全貌 より)
ここで、北朝鮮の強力な国産軍用機のいくつかを紹介しておこう。
北朝鮮では1960年代からロシアの技術を導入して、旧ソ連の軍用機、とくにミグ戦闘機の国産化に着手した。そして70年代初めには国産戦闘機の量産化に成功している。
北朝鮮の代表的な国産戦闘機としては、「革新2号」と「ミグ26」の2つがあげられる。
革新2号(92年から量産化。6〜8人乗り、高度400メートル以下)はジェット機ではなく、プロペラ機だ。これは北朝鮮軍の奇襲兵器として恐れられているAn2型小型輸送機を改造して、戦闘機にしたものだ。An2は主翼が2枚付いた複葉機だが、革新2号は1枚羽根の単葉機である。プロペラ機だからといって、馬鹿にしてはいけない。朝鮮半島のような山岳地帯の多い地形では、スピードが速いことにはあまり意味がない。それよりも重要なのは運動性、すなわち動きの敏捷さである。この点、革新2号の運動性はすばらしく、90度に近い急旋回で敵の追撃を逃れることさえできる。
しかも、革新2号は木製だからレーダーにとらえられない。ゆえにレーダーを用いた兵器や戦術はいっさい通用しない。
革新2号にはもう一つの働きがある。体当たりの特攻機としての役割だ。原爆を抱えて、敵に体当たりするのである。革新2号は軍事パレードでの航空演技で観客に突っ込む事故を起こしたことがある。失敗はともかく、こうした難しい演技ができるのも、ふだんから体当たりを前提として訓練しているからだろう。
もう一つのミグ26については、軍事や飛行機に多少くわしい方なら「そんな戦闘機があるのか」と、疑問に思われることだろう。
確かに旧ソ連=ロシアのミグ戦闘機はミグ15、17、19、21、23、25、27、29、31というように、偶数番号が欠番になっている。これは該当する戦闘機がまったく存在しないからではなく、新型戦闘機は必ず一度設計・試作されて欠点を明らかにした後、改めて作り直したものを実用化するという経緯をたどっているからである。(一般的には『ソ連では原則として爆撃機には偶数番号を、戦闘機には奇数番号をつける』と言われている)
これら幻の試作機の中でとくに有名なのがミグ26であり、現在のアメリカのF/A18に匹敵する夢のスーパー戦闘機として期待されたものである。確かに、完成した試作機の性能は信じ難いほどすばらしかった。しかし、エンジンの安全性に問題があったのである。300気圧以上でエンジンを回さないと、すぐに故障して、エンジンが爆発したり失速して墜落してしまうのだ。
しかしパイロットの命など何とも思わない北朝鮮では、そんな欠点は考慮するほどのものではなかった。それに戦闘機が壊れたら、人海戦術と民生資材の投入でいくらでもつくることができる。このため、ミグ26は北朝鮮では何の問題もなく生産されている。
1991年、その試験飛行をするとき、ロシアから派遣されてきたテスト・パイロットは報償金として3000ドルを要求した。このような大金を彼が求めたのには理由がある。北朝鮮の戦闘機には脱出用のパラシュートが付いていない。資材を極力節約して攻撃的な目的にまわしているためだ。したがって飛行中に事故が起きたら間違いなく死んでしまう。
しかし、そんなカネは払えないということになり、結局作った人間が責任を持つべきだとされて、北朝鮮側の組み立て職場長がテスト飛行を行うことになった。彼はミグ26を操縦して、その最も重要な機能の一つである急上昇で一気に限界高度まで駆け上がった後、無事に降下、着陸して、テストを成功させた。
それにしても、北朝鮮の電子装備や通信システムでは、アメリカの戦闘機に遠く及ばないと思われるかもしれない。それは大きな間違いである。社会主義国の電子技術は石器時代の遺物だなどとよく言われるが、とんでもない。日本やアメリカなどを油断させるための大嘘である。例えば、このミグ26に搭載されている無線機は私が勤務していた38号工場で作られたものだが、F/A18に搭載されている最新の無線機にまったくひけをとらない。
無線機
電子装備の分野でアメリカが一番優れているというのは幻想にすぎない。じっさい昨年、韓国で航空ショーが開かれたとき私も行って確認してきたが、出品されていた通信機は、
アメリカやフランス、ロシアなどをおさえて、ドイツのものが最も優れていた。むしろ北朝鮮がアメリカに後れをとっているのは、エンジン部分であろう。エンジンはロシア製だ。ちなみに北朝鮮の無線機は主に東芝製品を使っている。
日本の北朝鮮ウオッチャーの中には、北朝鮮軍には東芝の電器製品は入っていないと言う人もいると聞いたが、それは間違いだ。
ただし飛行機は輸出する水準ではなく、すべて国内に配備されている。いっぽう、韓国空軍が現在、主力戦闘機として配備しているのはF16である。F/A18にするかF16にするか、大もめにもめた末に後者に決定したのである。理由はF16のほうが安価だからであった。残念なことに、これは北朝鮮軍の実力を知らないことによって起きた、まったく間違った選択と言わなければならない。F/A18とF16が戦ったら、前者に軍配が上がるのは誰の目にも明らかだからである。北朝鮮が韓国に侵攻したら、韓国国民は軍事産業や防衛支出をないがしろにするとどういう報いを受けるかを、自分や家族の命を代償にして学ばなければならなくなるだろう。
多くの人が、北朝鮮の戦闘機で最も脅威なのは「ミグ29」だと思っている。もともとミグ29は、世界最強といわれるアメリカのF15に劣らない性能を持つ戦闘機として構想された。F16にもF/A18にも負けないはずだった。しかし安全性のために妥協して、少し性能を下げて作られたため、アメリカの同世代の戦闘機に比べてやや劣るものになってしまった。