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北朝鮮とアメリカの間で「相互確証破壊」が成立している(`_´)
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投稿者 YM 日時 2003 年 7 月 18 日 00:10:22:gOTvopzJQci7w

(回答先: 民族の夢を載せて飛べっ!「ミグ26」! 投稿者 YM 日時 2003 年 7 月 18 日 00:08:39)

(第2章 北朝鮮ミサイルの恐るべき威力 より)

93年のノドンは「発射実験」ではない
北朝鮮のミサイル開発の歴史は、1960年代の江界26号工場における107ミリ放射砲(多連装ロケット砲)の製造に始まる。その後、ソ連の技術者が同工場に入り、対空回ケットの製造が始まった。そして、1975年にはいわゆる「ノドン」ミサイルの開発が始まった。西側では1980年代の後半からノドンの開発が始まったと思われているらしいが、まったくの間違いである。
さらに言えば、西側では北朝鮮の弾道ミサイルの開発は70年代後半か80年代初めに、エジプトからスカッドミサイルを研究用に入手したのが始まりだと思われているが、これも間違いだ。弾道ミサイルについては、北朝鮮では70年代に最初からソ連の協力を受ける形で独自開発として始まったのである。
ノドンの原型となるミサイルがロシアから北朝鮮に初めて入ったのは1975年のことで、ハバロフスクのソ連軍指揮官が研究用ミサイルとして、上層部に無断で北朝鮮の雄基に持ち込んだのが始まりだ。この指揮官は同時に、甲板にミサイルなどを備えて水上戦闘もできる潜水艦(2万トン級、72人乗り)も元山に持ち込んだ。なお、この指揮官はこうした独断行動が上層部に露見して、1985年にクビになった。
日本の人びとは、北朝鮮の弾道ミサイルは単純で原始的な慣性誘導装置で動くので、精度がかなり低いと思い込んでいる。さらに、北朝鮮の弾道ミサイルは液体燃料で動くため、発射準備の燃料注入に何時間もかかると言われている。
しかしこうしたイメージはすべて間違っている。
北朝鮮の弾道ミサイルの操縦(制御)部分に収められているのは、最新型のレーザー誘導装置である。
内蔵されたコンピュータはロシアの人工衛星から送信されてくる情報を受けて、姿勢制御ノズルや補助翼を動かし、進路を微調整する。実際にそれをつくっていた私が言うのだから、間違いはない。
また、燃料は基本的に固体燃料だ。つまりアメリカと同じと考えてよい。いつでも緊急発射して、正確に目標に命中させることができる。
要するに私が言いたいのは、北朝鮮の弾道ミサイル技術はアメリカとほぼ同じレベルだということなのだ。自分が開発にかかわったから自慢しようというのではない。北朝鮮の恐ろしさを正しく知っていただきたい、何も知らされていない日本の人びとに警告したい、ただその一念である。
1993年のノドンミサイルの発射実験についても、ほとんどの日本人はまったく見当はずれの理解をしている。
第一に、あれは「発射実験」ではない。
日本人が北朝鮮の技術をあまりに侮っているので、ひとつ脅かしてやろうというわけで金正日が命令して行われたデモンストレーションなのである。日本が北朝鮮について言う言葉の端々に「貧窮する落ち目な国」という見方が表れている。だから、金正日は何も知らない日本人がショックを受けるさまを楽しむために、ノドンミサイルを撃ちこんだのだ。
その目標は日本海にある岩礁で、船舶がしばしば坐礁する地点として知られていた。そこで、ミサイルでこれを破壊し、世界に恩を売ってやろうという狙いもあったらしい。
第二に、このとき発射されたミサイルは1発ではない。ミサイルは2発発射されたのだが、日本とアメリカのレーダーはこれを追い切れず、1発を捕捉しそこなってしまったのである。私はこのとき、2発発射するからという指示を受けて、2基分の操縦部分を工場から組み立て場へ送り出した。また後に、それらがみごと目標に命中したこと、日本とアメリカのレーダーがこれをとらえそこなったことの報告を受けている。
くり返すが、あれは「発射実験」ではないのである。このとき、北朝鮮はこれからミサイルを発射する旨を世界に通告した。当然、日本にも通告した。日本人がショックを受けるところを見るためのデモンストレーションなのだから、当たり前だ。そして、その付近に船舶を近づけないようにと警告した。さらに中国には、このミサイルを撃墜しないよう要請した。北朝鮮の威信をかけた初めてのデモンストレーションだったからである。
中国はこの要請を無視して、ミサイル撃墜用のミサイルを発射した。この中国のミサイルは超高速で飛ぶノドンにかろうじて接近したが、ノドンの先端に組み込まれた装置によって逆にコントロールされてしまった。そして反転して自らを発射した中国のミサイル基地めがけて飛んでゆくと、見事に命中してこれを跡形もなく破壊してしまった。ミサイル技術では中国より北朝鮮のほうが優れていたわけである。
これによって、中国人42人が死亡した。このことはアメリカも韓国も知っている。この事件で、中国の海軍代表団が北朝鮮に入った。北朝鮮側は代表団に対して「撃墜しようとするなと言っただろう。言うことを聞かないからこうなったのだ」とはっきり述べた。しかし、その一方で謝罪して補償金も支払った。中国側もこれを認めて、結局、双方は和解し、北朝鮮が新しい基地を建設することになったのである。
この事件からもわかるように、北朝鮮のミサイルはほとんど迎撃不可能なのである。通常の弾道ミサイル以上の生存能力を持っているのだ。アメリカは冷戦後、世界で唯一の軍事超大国になどなっていなかったということを、世界は知らなければならない。旧ソ連に代わって、ある意味で北朝鮮がアメリカに対時しているのだ。
冷戦時代、旧ソ連の弾道ミサイルに対するアメリカの対抗手段は「報復」しかなかった。これと同じく、今日の北朝鮮に対するアメリカの対抗手段も「報復」しかない。ミサイルでミサイルを撃ち落とす計画など、北朝鮮の弾道ミサイル相手には無意味なのだ。だから、冷戦が終わって気をゆるめるなどということは、アメリカにも日本にも韓国にも許されないことなのである。
ところで、粉砕された岩礁からミサイルの残骸を回収した日本は、ノドンに日本製の部品が使われていることを知って、衝撃を受けた。これによって、日本からの密輸の取り締まりが厳しくなり、北朝鮮ではミサイルの製造が困難になった。とくにノドンミサイルの製造は20パーセントも減産した。そしてその後、私が脱化する1997年頃になっても、生産量は回復しなかった。
なぜ密輸の取り締まりを強化しただけで、ミサイル生産にこれほどの大打撃を与えることになったのだろうか。それは、北朝鮮のミサイルの推進部分はロシア製の部品でつくられていたが、制御部分はほとんどが日本の電子部品で作られていたからである。この点については、のちに紹介する巡航ミサイルの場合も変わらなかった。当時、仕事ができなくなって大変困ったことになったわけで、私にとっては忘れたくとも忘れることのできない思い出である。こうしたことを、アメリカも日本も自国民に隠しているのだ。

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