現在地 HOME > 掲示板 > 議論12 > 377.html ★阿修羅♪ |
|
精神科医の和田秀樹氏(1960年生、東大医学部卒)は最近教育関係の著書・発言が非常に多いが、日本人の子供たちの急激な学力低下に非常な危機感を覚えているからだという。彼が各方面で書いたり発言している報告を簡単にまとめる。
@2002年1月全国一斉学力テスト(教育課程実施状況調査)の結果(45万人の小5から中3、延べ23教科)
1994年に実施した同じテストとの結果比較
数学・社会など10教科で前回を下回る。
横ばいが10教科。
上回ったのが3教科。
A200年にOECD(経済開発協力機構)が32カ国の15才の生徒を対象に国際学習到達度調査
日本人は勉強時間において32か国中最低だった。
家でまったく勉強しない子供は日本は99年で41%〔国際平均で20%〕(95年段階で日本は28%)。三か国中下から3番目。
B河合熟の調査:95年と99年の浪人生の得点比較(共通問題)偏差値45から55の中位の生徒
95年に57点
99年 42点弱
C東京大学大学院の苅谷剛教授が97年にA件11校の高校2年生を対象に調査。成績下位層の生徒のほうが自分の成績に満足する傾向が見られたという。
これら学力低下は文部省が20年かけてきたいわゆるゆとり教育の結果であるという。2002年4月からの始まった新指導要領では教えるべき内容は最低基準であり、優秀な子供は何を教えてもいいとなったという。つまり、大学入試は教科書の範囲を超えてもいいことになったそうで、私立の進学校や学習塾に通えない子供や効率の子供たちは低位に甘んじるしかなく、富裕な家庭の子弟は高いレベルの教育を受けられることになった。この教育制度は純然たる階層社会を目指すものだという。
問題点は全体の学力が相当落ちていること、勉強時間が少なくなっていること、家庭の貧富の差がそのまま子供の学力に鋭角的な差を与えつつあることなどだろう。
このまま行けば、日本人の国際的競争力はがたがたになるだろう。研究者の力も総体的には落ちるだろう。社会は富裕層出身の一部の優秀な人間が、圧倒的多数の貧困家庭出身の教育のない人々を支配する社会となるだろう。これは恐ろしい社会である。
*ちなみにインドでは19x19間での掛け算を暗記させ計算を徹底的にしており、多数の優秀なコンピュータエンジニアを生んでいるという。
*東大の教育とて600人入る大講堂で毎年毎年同じノートを教授が読み上げるだけの授業を相変わらず続けていると批判。