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書記長氏や××氏などの陰謀説があります。勝手に要約させていただくと、「辻元逮捕は慣例化している秘書給料の流用を狙い撃ちした政治的弾圧である」のようです。以下では、これらの陰謀説とは異なる意見を申し上げますが、私にも直接に反論できるだけの資料はありません。たとえば、検察なり警察なりが、どれだけの国会議員を逮捕できるだけの資料を持っているか、憶測に頼るしかありません。その意味で、「反論」というより、「よりありそうな陰謀説」のレベルです。
● 問題になる議員はごく少数
検察や警察が強制捜査に踏み切った背景としては、この想定が最もありそうに思っております。内偵も行っているでしょうが、せいぜい数人の国会議員が捜査の対象となった(なる)だけで、他の国会議員は「シロ」と考えた方が自然です(少なくとも、検察や警察は「シロ」と考えている)。
この点については、書記長氏や××氏などは、他の国会議員も大同小異で「クロ」ないし「灰色」であることが当然と考えておられるようです。しかし、詐欺罪で問題となるのは、「秘書給料の流用」ではなく「名義貸し」です。そして、これは政策秘書に特有の問題と思っております。「政治性の高い捜査と思っております。(http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/930.html)」をご参照ください。「秘書給料の流用」については、他の国会議員も大同小異であっても、「名義貸し」が一般的とは思えません。
大多数の議員が「シロ」とする傍証ですが、本件で問題になっているのは、「平成9年4月からの1年8カ月間」です。他の国会議員もほとんどが「クロ」なら、現在でも続いている行為を摘発する方を選ぶでしょう。また、過去に政策秘書が摘発された例もありますが(坂井隆憲や鈴木宗男の秘書など)、この場合は、議員の不正行為の共犯です。職務に関連して積極的に違法な行為を行ったことが問題とされていますから、むしろ「名義貸し」がなかったことを証明しています(山本譲司の件は後述)。
検察や警察は、政治的影響に非常に敏感です。議員や元議員への強制捜査には、国会などで問題にされることが政治的条件でしょうが、同時に、辻元を起訴しても、他の議員への影響が小さいと判断して手をつけたと考えるべきです。
● 類似の事例(山本譲司と田中真紀子)
山本譲司の件については、「96年10月から99年9月までの3年間に、国から支払われた税込み総額3000万円の政策秘書給与のうち、秘書へは月5万−10万円しか渡さず、..」とされています。「月5万−10万円」は、勤務の対価ではなく、名義貸しの対価と判断される金額です。「月5万円」と報道される辻元と酷似しています。
一方、田中真紀子については、報道から判断するしかありませんが、「越後交通から派遣させた政策秘書」に払われる給料をネコババしたというもので、政策秘書の勤務実態は問題となっていません。仮に、勤務実態があるなら、これを詐欺罪とするのは、無理です。(もちろん、捜査2課や地検特捜が、これと関連した別問題を掘り出す可能性がないとは申しておりません。)
● 強制捜査の時期と社民党の対応
強制捜査では、上述のように、国会などで問題にされることが政治的条件となりますが、辻元の議員辞職は、2002年3月です。被疑者が逃げ隠れしているわけではないので、捜査に1年以上を要するとはちょっと考えられません。検察が注目するのは、先行する類似事件の判決ですが、山本譲司の判決確定からも1年以上経過しています。「総選挙への影響を目的とした」との憶測は自然です。「検察や警察は、政治的影響に非常に敏感」と書きましたが、これは、灰色議員集団からの反発など、自らの組織に非難が及ぶ可能性がある場合に限ります。
社民党は、一貫して「秘書給料の流用」の問題として言及しています。これは、「(流用は認めるが)私用には流用していない」とする辻元自身の言葉にも対応しています。詐欺は「名義貸し」の問題であって、詐取した金員の流用の問題ではありません。社民党の方針で戦い切れるかは、ちょっと疑問と思います。これでは、当然のように「流用」している議員の賛同も得られないでしょう。問題を「不当捜査」の一点に絞り、かつ、「名義貸し」の関与者を徹底的に排除すべきと思います。