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(回答先: Re:日本教と望ましい神格とについて 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 7 月 02 日 15:47:36)
「生物学的な事実」に言及したのは、すみちゃん氏のコメントにあった「天皇家は1500年くらい前からある」を揶揄しただけです。天皇に限らず、人間は誰でも、もっと以前から、有性生殖が始まったおそらく数億年前からの祖先を持っています。問題は、天皇家だけを取り出して、これを「1500年」とする意味があるかですね。(「大和朝廷の支配者は天皇家の祖先か」なら有意な命題かも知れませんが、名もはっきりしない古代大和朝廷の支配者の血統など、最も些末な話題のひとつで、そんな話題より「朝廷」の実体を解明する方が、考古学にとってもずっと有益なテーマです。まさか、遺伝的特質で朝廷の実体が説明できるわけでもないからです。逆に、現天皇がある古墳の被葬者の子孫であることが証明されても、それが日本の伝統とも文化とも関係あるとも思えません。)
「日本教は一神教とは、本来、相性がよくないはずですね」はわかりません。西欧の封建制は、人間と人間の契約を基本にしますが、これを神と人間との契約と両立させています。他方、日本でも、阿弥陀一仏への帰依を強調する浄土真宗は、「王法為本」で世俗法との妥協を唱えています。いずれも、この時期には、原始キリスト教や一向一揆のエネルギーを失った「死んだ宗教」と考えることもできますが...
個人と国家を直接に結合するのは、封建的な多段階の支配を解体した「近代」そのものです。近代国家は、「領主」や「共同体」などの中間項に否定的な態度です。「廃藩置県などは欧州では考えられない」ではなく、これは近代絶対主義成立の必然的な過程です。もっとも、天皇教の場合には、「個人と国家」ではなく「個人と天皇」であること、そして、中間項を完全に排除しない封建倫理に依拠している点で特殊です。