現在地 HOME > 掲示板 > 議論11 > 503.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 今回の論争のまとめ 投稿者 あずさ2号 日時 2003 年 6 月 23 日 21:51:53)
あずさ2号氏がまとめておられるので、蛇足にもなりますが、現行の輸出免税(あっしら氏は「非課税」とされていますが、土地などの「非課税(仕入税額控除がない)」と区別して「免税(仕入税額控除=戻し税がある)」)が定着しているようです)の趣旨に関する私見です。
「(消費税は)間接税の一種であり(VATと)別ものである」は政治的な宣伝以外の意味は見出し難いと思っております。前段階の税額を控除する技術的なシステムは違いますが、事業者を納税義務者として、売上に課税されるある種の「付加価値税(VAT)」と考えております。
輸出免税は、税の性格から論理的に得られるものではありません。この根拠をあえて探すとすれば、国際的な整合性です。輸出免税は、輸出を奨励する効果を有しますが、相手国で輸入に際して課税されるなら、その効果は相殺されます。輸出企業(たとえばトヨタ)は前段階のVATを輸出国から還付されるとともに、輸入企業(たとえばトヨタの子会社)は前段階までの「付加価値」の累計である輸入価格の総額に対するVATを輸入国から課税されます。
国際的にこのような課税が一般的で、税率も大差ないと仮定すれば、あずさ2号氏のご意見にあるように、「国境税調整」の問題となります。実際には、輸入国側の課税として国際的に安定して運用されています。日本の消費税法もそれにしたがっています(課税物品の譲渡と輸入に課税)。
以上は、税の性格からの論理的な帰結というより、国際社会の慣行に過ぎません。仮想的な例ですが、国際的に輸出国での課税が一般的とすれば、相手国でも税率が同じとの仮定の下ですが、パン屋の場合でも、「美代ちゃんとボク」の手取額は変わらなくなります。輸出国から還付が受けられないかわりに、輸入国で課税されないので、国際的な取引価格が税額を加算した金額に近づくと考えられるからです。
他国を引き合いに出した「消費税増税」の議論は国際慣行に整合しているという意味で、それ自体としては、容易に論破できないと考えております。消費性向の高い低所得者への重課、価格転嫁の困難に伴う歪みなどを分析する必要があるでしょう。