現在地 HOME > 掲示板 > 議論11 > 607.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 「地方消費税」の説明に対する質問 [おかげで新しい問題が浮上したのですが...] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 25 日 18:58:51)
●前段のご質問(事業者にとっては、移出入をともなう取引でも、都道府県内取引でも、まったく変わりません)
前段のご質問の件、「移入者による再譲渡」は課税されます。そして、これは移出入をともなわない同一都道府県内の取引とまったく同じです。現実には、地方消費税は、独立には意識されることなく、「消費税(消費税および地方消費税を含む広義)」の一部として申告・納付されています。事業者にとっては、移出入をともなう取引でも、都道府県内取引でも、まったく変わりません。
あえて。「消費税」の全体から分離して、この地方消費税を採り上げたのは、輸入地課税が国際的な慣行となりつつあるVATの中で、内国の例ですが輸出地課税も現実に運用されていることを示したかったからです。仮に全世界でVATが課税され、その税率が各国で同じなら、現行の輸入地課税(輸出免税と輸入課税)にかえて、輸出地課税(輸出免税も輸入課税もなし)を各国が採用した場合、国内の地方消費税と類似の状態となります。輸入地課税と輸出地課税を政策的選択肢と申し上げたのはこの意味です。
そして、各国が輸出地課税の選択肢を採った場合、輸出企業も内需企業も、消費税率に関しては同じ利害を感じるはずです(価格転嫁が困難なら税率アップは利益を圧迫する)。もちろん、現実には「税率が各国で同じ」はなく、輸入地課税が国際的な慣行ですから(日本の消費税法もそれによっている)、輸出企業は、国内の消費税アップには痛痒を感じず、むしろ国外のVAT税率に利害を感じる歪みが生じます。「消費税の段階的アップ」などを積極的に提唱するトヨタのような企業が現れることになります。
●都道府県間の不均一
後段の問題ですが、地方消費税の課税主体は、事業者の所在する都道府県です。実際には、移出者の所在する都道府県が課税することになります。輸出事業者が多い都道府県で、税収の減少は起こり得る現象です。A、Bの2県だけで考える極端な例ですが、A県の事業者はほとんど輸出のみ、B県の事業者がA県での最終消費分やA県事業者の原材料を含めて国内消費のほとんどをまかなっているとすれば、A県の地方消費税はほとんどゼロで、A県内の最終消費分に相当する課税もできません。これは制度上の問題です。
●最後の段
「仮に、国際社会の慣行が(3)であれば、輸出免税を制度として排除しても、現行の地方消費税のような扱いになるだけです。」は不明瞭な表現で申し訳ありません。前述のように、内国消費税を輸出地課税の例と考えております。仮に「輸出免税なし、輸入課税なし」の(3)が国際的に採用された場合、現行の地方消費税と類似の制度となるとの趣旨です。最後の文(「輸出地で課税すべき(3)」という意味は、...ということくらいしか思いつかないですが...)はそのとおりです。