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(回答先: 不動産投信に思わぬ逆風――日経金融スクランブル 投稿者 Ｄｄｏｇ 日時 2003 年 5 月 15 日 23:13:45)
米韓関係、市場が注視
米ドイチェ・インベストメント・マネジメントでグローバル投資戦略を統括するニコラス・ブラット氏にとって、12日にニューヨークで開かれ同氏も出席する晩さん会は、地政学的リスクを測る重要なイベントだ。ホスト役は元財務長官ロバート・ルービン氏と韓国のサムスングループ会長である李健熙（イ・ゴンヒ）氏、そして主賓は初の訪米となる韓国大統領、盧武鉉（ノ・ムヒョン）氏だ。
ブラット氏の関心は「14日の米韓首脳会談で両国の関係をうまく築けるかどうか」。北朝鮮の核問題で関係国の足並みが乱れれば、混乱を招きかねない。「中国が裏方でなく表に出て問題に取り組み始めたのは良い兆候だ」とイラク後の地政学的リスクで中心的なテーマになった北朝鮮問題の情勢分析に余念がない。
国際金融市場では北朝鮮問題をどのように受け止めているのか。手掛かりの一つは北朝鮮向け債権の価格だ。昨夏以降、ほぼ一貫して上昇している。新興市場向け債権の売買を仲介する英エキゾチックスのリチャード・シーゲル氏はその背景を「米朝間の緊張によって、北朝鮮の体制崩壊が近いのではないかというのも投資家の見方の一つだ」と説明する。
すでに軍事衝突、そしてその後の復興に伴う返済までが視野に入っているという読みだ。流動性も低く思惑で動く市場であるとはいえ、情勢が緊迫するとともに上昇したイラク向け債権とも重なる。
北朝鮮の核問題が最も深刻に受け止められた1994年、当時のクリントン米大統領が核施設への軍事攻撃を検討したのは周知の事実だ。「スタッフ全員が知恵を出し合った」と緊迫した状況を振り返る米投資会社ウォーバーグ・ピンカスのマネジング・ディレクター、ボウマン・カッター氏は当時の大統領補佐官（経済担当）だった。
同氏の読みはこうだ。「イラク戦争で北朝鮮は米国を恐れたはずだ。それは危険な結果をもたらすかもしれない。彼らは追いつめられている」
米国の投資家の不安が直接影響するのは隣国である韓国だ。国外投資家が抱える北朝鮮リスクに対する不安が株式相場を揺さぶっている。最近目立っている韓国経済界の関係者による訪米もそれを払しょくするのが狙いだ。「北朝鮮も経済問題を抱え、外部の支援を必要としている。理性的に対応するはずだ」。韓国最大の銀行、国民銀行の最高財務責任者、尹鍾圭（ユン・ジョンギュ）氏は4月末、ニューヨークで開いた投資説明会で、繰り返しこう答えた。
4月中旬、金振杓（キム・ジンピョ）副首相兼財政経財相は2人の専門家を連れて米国を訪れた。大統領外交補佐官、潘基文（パン・ギムン）氏と国防省政策室長の車栄九（チャ・ヨング）氏。経済情勢の説明だけでは米国の投資家が満足しないことに気づいていたからだ。
一行が訴えたのは対米関係の重視だ。車氏は盧政権と前任の金大中政権との北朝鮮問題への姿勢の違いを「前政権は北朝鮮第一、新政権は米国が第一」と強調した。ブラット氏の発言が示すように、太陽（包容）政策を継承する盧政権とブッシュ政権との意見の食い違いなど、ぎくしゃくする米韓関係の行方が韓国以外も含めた市場にまで影響することを投資家は知っている。
米国株相場はイラク戦争の反動もあって持ち直しているが、地政学的リスクに対する懸念が消えたわけではない。ＵＢＳが4月中旬にかけて実施した米国の個人投資家1000人を対象にした調査によると、投資に当たっての悪材料として北朝鮮問題を挙げたのは全体の14％と3月の8％より上昇した。もともと米国内で投資している個人にもリスク懸念は浸透しつつある。
首脳会談で「米韓リスク」が軽減できれば米国の株式市場にとっても意味はある。盧大統領は12日、最初の仕事としてニューヨーク証券取引所を訪れ、取引開始の鐘を鳴らす予定だ。（ニューヨーク＝梶原誠）
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