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(回答先: バフェット氏はソニーを買うか――日経金融スクランブル 投稿者 Ddog 日時 2003 年 5 月 15 日 23:21:24)
KO寸前の個人投資家――スクランブル
「株には当分、手を出しません」。茨城県に住む団体職員のIさん(22)はこりごりした口調でこう話す。
ネット専業の証券会社に口座を開き、株式売買を始めたのが約1年前。経済に興味を持つ同僚の誘いがきっかけだった。テレビドラマなどがインターネット株取引を取り上げたこともあり、「面白そうだ」と思った。
初めは好調だった。東証二部上場の森電機など株価10円前後の低位株でうまく値上がり益を稼げた。だが、11月にみずほホールディングスで痛手を被る。15万円で買った数日後、12万5000円まで急落したのだ。その後、株取引はやめたままだ。
ネット投資家というと「空売りで稼ぐ」イメージが強いが、多数派は買いから入る。株安が長引くと苦境は免れない。ネット専業最大手の松井証券では信用取引で借りた資金を返せない顧客が相次ぎ、今年3月までの半年で3億円近くが焦げ付いた。
短期売買に徹するネット投資家は、個人の株式離れが進む中では数少ない活発な市場参加者だった。しかし、セミプロ的なデイトレーダーは別として、Iさんのように一時的なブームに乗ってネット取引を始めた層は次々と市場から去りつつある。
長期志向の個人投資家も、株式離れに歯止めがかからない。とくに最近の「ソニー・ショック」は、「国際的に著名な銘柄を安いところで買えばほぼ確実にもうかる」といった昔ながらの個人の優良株信仰を根底から覆した。
千葉県在住の会社員Kさん(45)は今年、1万円を大きく下回る日経平均株価を見て買い場と判断、10年近く遠ざかっていた株式投資を再開した。銘柄はソニー。2月に4500円で500株買った。大手証券のセミナー資料で、燃料電池やナノテクなど成長分野のほとんどに社名が載っていたことも背中を押した。
「ソニーなら……」。こうしたKさんの期待は裏切られた。当初はさらに500株買い足す予定だったが、やめた。「売る勇気もない」から塩漬けにするが、株式投資からは再び身を引くという。
日経平均がバブル崩壊後の安値に沈んだ4月。東京、大阪、名古屋三市場で個人が月間で1758億円買い越したことが明らかになり、市場に意外感が広がった。
買越額は2002年7月の2061億円以来の高水準だ。過去にも急落局面で個人が買いに動き、相場底入れのきっかけになった例はある。だが、ここに来ての深刻な株式離れを身にしみて感じる証券マンの間では「本当か」といぶかる声が少なくない。
「数字のマジック」――。証券統計の専門家の中ではこんな見方が浮上している。
ヒントは株数ベースの買い越し規模。一般個人が多く利用する現金取引をみると、買越金額こそ853億円と高水準だが、株数は売り28億7900万株、買い28億9700万株とほぼ均衡。ここ数年の底入れ局面で金額と同時に株数も大幅に買い越したのとは異なる。
何が起こったのか。4月は後半に相場が急落した。月前半に高値で買った銘柄が値下がりし、後半に安値でやむなく処分売りすれば、株数は売り買い同じだが金額上は買い越しとなる。高水準の買越額は投資意欲の強さどころか、個人が市場から逃げ出した傍証と解釈できるわけだ。 投資信託は個人の投資意欲の衰えを素直に映し、4月まで3カ月連続で売り越した。「米同時テロで相場が急落した2001年9月には解約に備えて売却する株を用意していたのに、ふたを開けると資金が流入した」とりそなアセットマネジメントの原頼信運用部部長は振り返る。だが現在、「当時の旺盛な買い意欲は感じられない」。
8日の経済財政諮問会議で民間議員が市場活性化策を提案するのを前に、市場では「塩川正十郎財務相が証券税制見直しに消極的で大胆な政策は期待薄」と早くもあきらめムードが漂う。ここ数日の株価は堅調だが、個人投資家はノックアウト寸前。市場撤退に歯止めをかけられなければ、投資家層に厚みを欠く相場はいずれもろさをさらけ出すだろう。(松崎雄典)