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(回答先: 森田実氏:2003.4.15 「日本再生の道」研究――『老子』を知れば道は開ける[13] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 01 日 18:00:21)
政治の傲慢が人類の未来を危うくする
「道の法則性は古今を一貫している。この法則を見きわめることによって、根元としての『道』が認識できるのである」(老子)[奥平卓・大村益夫訳『中国の思想Y/老子・列子』、徳間書店、より]
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古い翻訳は次のとおり――「古(いにしえ)の道を執(と)りて以て今の有(ゆう)を御(おさ)む。古始(こし)を知る、これを道紀(どうき)と謂う]。
福永光司氏はこれを次のように訳している(『中国古典選10/老子』、朝日新聞社)――「太古からの真理を握りしめて、今も万象を主宰している。歴史と時間の始源を知ることのできるもの、それを道の本質とよぶのだ」。
坂出祥伸・武田秀夫訳(任継癒訳注『老子訳注』、東方書店)では、「いにしえからの『道』にもとづいて目の前の具体的な事物(有)を支配し、いにしえからの始まりを認識することができる、これを『道』の法則とよぶ」と訳されている。
訳者により『老子』の理解に差があるが、私は奥平・大村訳がよいと思う。『老子』は、「道」を、見えないもの、聞こえないもの、形がないもの、感覚ではつきとめられぬもの、すなわち色、音、形、感覚を越えた一般性をもったものと捉える。
ひるがえって現代は科学万能の時代である。科学技術万能主義のもとでは、感覚でつきとめることができないものは無価値である。見えるもの、聞こえるもの、形のあるもののみが、価値がある、とされる。人間が知覚できないものの存在を認めようとしない傾向が強い。ここから人間の知覚に対する過信が発生する。科学技術への過信が傲慢を生む。科学技術万能主義時代とは、人類の高慢が異常に高まった時代なのである。
科学技術は人類に多大の利益とともに多大の損害をもたらしてきた。しかし、現代社会は科学技術のメリットとデメリットを公平に評価していない。科学技術の成果を過大に評価し、損害を過小に評価してきた。
政治は、人類社会に対して小さな幸せと大きな不幸をもたらしてきた。政治権力者が謙虚に生きたときは、政治は人間の不幸を減らす役割を果たしてきた。だが政治権力者が傲慢になったとき、政治は人間にはかりしれないほど多大の不幸をつくり出した。最大の不幸が戦争である。20世紀の二度の世界大戦であった。
21世紀初頭の世界は、唯一の超大国である米国のブッシュ政権の傲慢によって、重大な危機に直面している。日本の小泉政権はブッシュ政権への追随路線をとっている。小泉政権は日本の独自性を放棄し、日本の進路をブッシュ政権に事実上預けてしまっている。
日米両国の政治は大きな過ちを犯している。日本政府は、米国政府が傲慢を反省し、無茶な武力行使を止める方向へ進むよう、働きかけるべきであった。傲慢なブッシュ政権の尻馬に乗ってはならない。
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