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(回答先: 通貨、この未来からの贈り物 投稿者 まさちゃん 日時 2003 年 3 月 22 日 21:42:59)
横レスで申し訳ありません。ちょっと面白かったもので割り込まさせていただきます。
岩井克人の本はきちんと読んでいないのですが、まさちゃんさんの引用を見る限り、貨幣システムが今日の人間社会と不可分である理由のすべてを言い当ててはいないように思えます。
>『その後』でパン屋さんが欲しい物、例えば、製粉屋さんで小麦粉と交換してくれるからだ。
貨幣でなくても、(物々交換で)小麦粉と交換してくれるものはたくさんあります。
その中で、貨幣システムが特別の地位を占めている理由は、貨幣が交換可能性の最大値を実現しているからです。
岩井風の説明でいえば、お金が通用する理由は、未来の交換可能性だけではなく、すべての交換可能性を保証するシステムの中で、貨幣システムが交換可能性の最大値を保証するから、ということになります。
些細な違いのように見えるかもしれませんが、未来の交換可能性だけでは、貨幣そのものを収集する行為(守銭奴とかビルおじさんとか一部の政治家の行為)を説明できません。
また、こうした“貨幣の交換可能性”が人間の欲望の対象になったのは、市場経済システムが完備してから以降(マルクスが「資本論」の中で分析の対象とした時代)と思いますが、どうでしょうか。
こんな話は、岩井克人の本では分析済みですかね。