(回答先: 【「東奥日報」事件関連記事集】 <その1> 投稿者 あっしら 日時 2002 年 3 月 16 日 22:35:27)
『東奥日報』《「武富士」弘前支店強盗放火殺人事件関係記事》
2001年5月14日(月)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、発生から1週間経過
弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で男が現金を要求し放火、従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件は、十四日で発生から一週間を迎える。弘前署と県警の捜査本部は、聞き込み、鑑識、一般からの目撃情報の確認など多方面の捜査を重ねて容疑者の割り出しに全力を挙げているが、十三日までに有力な手掛かりは得られていない。犯行の手口は極めて残虐で特異な点が多く、動機が現金目的かえん恨か絞り込めないままだ。本県では過去に例のない大量死傷事件のこれまでの経過を検証した。
素 顔 四十−四十五歳くらいとみられる犯人の男は帽子やサングラス、マスクなどを着用せず、武富士店員たちに素顔をさらした。また、手袋もしていなかった可能性が高い。
さらに、犯人が逃走に用いたとみられる深緑色のスバル製軽自動車「サンバー・ディアス・クラシック」旧モデルは、丸いヘッドライトなどレトロ調のデザインが特徴で、非常に目立つ車種だった。
破れかぶれの犯行のように見えるが、一方でガソリンとみられる油に火を移すための古新聞などを持ち込んだ点などからは一定の計画性もうかがえる。
犯人は、現金の要求を断られると、ためらいなくまき散らした油に火をつけ逃走した。素顔をさらした上での大胆で荒っぽい手口が、事件の“筋”を読みにくくしている。
動 機 捜査本部は現在のところ、犯行の動機を金目当ての可能性が高いとみている。犯人が現金を要求したことに加え、武富士弘前支店側と、同支店の顧客約七千三百人との間に特段のトラブルが確認されていないことが主な理由だ。
しかし、えん恨による犯行との線も残る。わずか二−三分の犯行の間、犯人が発した言葉は「金を出せ、出さねば火をつける」だけ。店内の金庫にあった現金約一千万円を含めて何も奪わずに逃走したことから、放火自体が目的だった可能性もある。
捜 査 事件の第一報は八日午前十時四十八分、同店からの「男が来て火をつけられた」との一一〇番通報だった。同十一時五分には、県内全域で緊急配備。初動捜査時、捜査本部は「犯人が県外に逃れたとは考えにくい」と、早期解決に自信をにじませた。
しかし、十三日には犯人の詳細な似顔絵のチラシ一万五千五百枚を北海道と東北、関東などの一都十五県の各警察本部に発送し、協力を依頼した。犯人が逃げ切れる範囲を想定したという。
現場が全焼した影響で、物証の乏しさが捜査の進展の壁になっている。
猛烈な炎が、防犯カメラなどの有力な証拠を焼き尽くした。五人の遺体はまるで爆風を受けたような状態で、炎のすさまじさを物語っていたという。さらに放水などの消火活動があり、現場の鑑識活動は容易ではなかった。
捜査本部は採取が可能だった鑑識資料を数百点採取。階段の木製手すりにあった複数の人物の指紋や、古新聞の燃えかすなどの精査を急いでいる。
捜査本部は、逃走車両についてスバル製「サンバー」に似た数社二十数種類の車両についても捜査。対象車両の約四割について調べ終えた。このほか、似顔絵に似た人物の情報も一つ一つ確認を行うなど、多方面にわたる地道な捜査を積み重ねている。
2001年5月14日(月)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件の車種幅広く捜査
弘前市の消費者金融「武富士弘前支店」で従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、火災の際、現場から立ち去った軽自動車を複数の人が目撃していることが分かった。車種について、スバル製の「サンバー・ディアス・クラシック」以外の目撃証言もあり、弘前署と県警の捜査本部は、「サンバー」を中心としながらも、数社二十数種類の車両についても幅広く捜査している。
捜査本部のこれまでの調べによると、八日午前、武富士弘前支店の従業員から放火の通報があった直後、軽自動車に男が急いだ様子で乗り込み、弘前署方面へ走り去ったのが目撃されている。
捜査本部は、軽自動車の車種について、「緑色のワンボックスの軽自動車」との目撃者の供述に基づき、深緑色のスバル製の「サンバー・ディアス・クラシック」旧モデルを中心に捜査を進めている。数社の全対象車両の約四割の捜査を終えた。
中でも「サンバー」の同モデルは、津軽地方に約百十数台該当し、このうち約七割程度の捜査を終えたもようだ。
一方、事件直後に立ち去った車について、複数の目撃証言が寄せられ、中には「サンバー」以外の車種が含まれていた。
捜査本部は、スバル以外の他社の類似車両についても、当初から捜査を進めていたが、今後、逃走車両とみられる車種を「サンバー」に限定せず、数社二十数種類について、幅広く捜査を進める。
2001年5月15日(火)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件油はガソリンと特定
捜査本部は十四日までに、犯人が犯行の際に「武富士弘前支店」内にまいた油の成分を、ガソリンと特定した。犯人がガソリンを入れ、持ち込んだとされる金属製の缶はいまだに発見されておらず、同本部は缶とガソリンの購入経路などの捜査を引き続き行う。
また、五十嵐正幸弘前署長は、同日午後の定時会見で、カラー版の似顔絵の入ったチラシを新たに十万枚増刷し、県内全警察官の手で配布することを明らかにした。コンピューターグラフィックスを使った新たな似顔絵の公表後、捜査本部には、以前にも増して多くの情報が寄せられており、五十嵐署長は「警察官の巡回連絡のほか、さまざまな会合で配布し、犯人に『もうどこにも逃げられない』と思わせる状況をつくる」と語った。
2001年5月15日(火)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、捜査本部長が会見
弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、発生から丸一週間を経過した十五日、捜査本部長の木村哲・県警刑事部長が弘前署で記者会見し、これまでの捜査から、犯人の居住地を弘前市か周辺市町村とみていることを明らかにした。
これまでに、県内外から寄せられた関連情報は五百六十件余。同本部長は「被害者、遺族の無念さ、痛み思うと、犯人を絶対許すわけにはいかない。県警を挙げて、犯人逮捕に当たる」と強い語気で決意を述べた。
−情報提供はどうか。
犯人に直結するような有力情報は得ていないが、捜査の進展で直結する可能性は十分考えられる。十四日までの情報件数は、聞き込みなど一般情報三百二十九件、フリーダイヤルでの情報百五十三件、一一〇番通報三十三件、ホームページによる情報三十三件、他県警の情報十三件などで、計五百六十三件だ。
−車両の捜査は。
ワンボックスタイプの軽自動車は、県内で約二万六千台。うち(容疑車両の可能性のある)緑色の車二千台を抽出、車当たり捜査を実施している。
−似顔絵の捜査は。
似ている人は二百八十人に上り捜査中だ。
−ビデオの解析や、理容店や病院などの捜査状況は。
弘前市と周辺市町村のパチンコ店、コンビニ、金融機関などから約千二百本の防犯ビデオを借り、解析・精査。(弘前周辺)の理容店、病院、薬店、ガソリンスタンドで聞き込みしているが、不審人物の発見はない。
−犯人像は。
特徴はチラシの通り。年齢四十−四十五歳。居住地は弘前市及び周辺市町村の者とみている。
−県外逃走の可能性は。
必要あれば捜査員を派遣する。
−犯行には計画性がないよう思われるが。
ガソリンを準備している点からすると、計画性があったと考える。
−似顔絵に似た二百八十人は捜査対象か。
当然、捜査している。一日に四、五十件ずつ情報が増えている。ほとんどが弘前近郊からの情報だが、県内他地域や県外のものもある。
−ガソリンの容器は。
現場から発見されていないので、持ち去ったのではないかとみている。
−車の色は。
緑色の車をすべてつぶす。(該当車がなければ)類似する青系の色に(捜査を)伸ばしていかなければならない。
−犯行動機は。
物取りか怨恨かという程度しか答えられない。
−緊急配備に引っ掛からなかったのは
当初、逃走した車も何も分からない状況で配備を敷いた。その中で通過した車があるかどうかは、これから精査する。
−事件発生前、支店に客は。
何人かいる。細かくは話せない。
−武富士の債務者の捜査は。
進めているが、事件当日、出入りした人を捜査している。
2001年5月16日(水)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、犯人が人目避ける?
弘前市の消費者金融「武富士弘前支店」で従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、弘前署と県警の捜査本部は、事件が発生した八日、同支店が入居している三階建ての雑居ビルに少なくとも六、七人の客が出入りしていたことを突き止め、すべての客から証言を得ていることが十六日までに分かった。しかし、いずれも犯人の似顔絵に似た男や、犯人が逃走に使ったと思われる深緑系の色の軽自動車を「見ていない」と証言している。このため捜査本部は犯人が犯行前、ビルの近くで人気がなくなるのを見計らっていた可能性も含めて捜査している。
武富士弘前支店はビル最上階の三階にあり、事件発生当日、いつもと同じ午前九時半に窓口業務を開始した。犯人の男が店内に押し入り現金を要求、断られて火を放ったのは午前十時四十八分ごろ。開店から一時間十五分ほどの間に少なくても男女の客四、五人が来店しているという。
また、二階のビデオレンタル店に通じる一階の入り口付近には、開店の午前十時前に、二人連れの男性客がビデオを借りるため店が開くのを待っていた。この客が十分ほどで帰った後、事件発生までの約三十分の間に客はいなかったという。
捜査本部は、武富士従業員の証言や同社の取引記録、ビデオレンタル店の協力で客の名前や訪れた時間を調べ、それぞれの客から当時、不審者や不審車両を見掛けなかったか聴いた。客の大半は乗用車(一部自転車)で来店していたが、いずれも他人の車を見ていないと話している。
犯人の男は偶然だれにも出くわさず押し入った可能性もあるが、捜査本部では現場近くで人の出入りが少なくなるのを見計らっていた可能性もあるとみて、現場周辺で不審な男や車両を見掛けた人がいないか聞き込みを続けている。
捜査本部は事件発生直後に現場から走り去った車について複数の目撃証言から、スバル製の軽自動車「サンバー・ディアス・クラシック」で深緑系の色との見方を強めており、同車種を中心に確認を急いでいる。しかし、県内には緑色の軽ワンボックスカーだけで約二千台あり、車当たりにはまだ時間がかかる見込み。
また、弘前市内のタクシー運転手からもさまざまな情報が寄せられており、大半を調べ終えているが、まだ有力情報は得られていない。
2001年5月17日(木)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、発生から10日経過
弘前市の消費者金融「武富士弘前支店」で発生した強盗殺人・放火事件は十七日で発生から十日目を迎える。五人の犠牲者の中には事件当日、子供の家庭訪問日で午後に早退する予定だった人もいた。遺族や知人・友人、出身校の関係者らはショックで口が重かったが、初七日の法要を終えて少しずつ口を開き始めた。一瞬にして肉親を失ったことへの悲しみ、いまだ逃げている犯人への憤り…。言葉の端々にやりきれない思いと無念さがにじむ。
亡くなったパートの福井貴子さん(30)の父・外川勝さん(59)=板柳町福野田=は「きのう(十五日)あたりからようやく少し落ち着いた気がする」と静かに語り出した。
事件当日の午後は、小学校に入学したばかりの長女・遥華さん(6ツ)の家庭訪問の日で、貴子さんは楽しみにしていたという。支店長は休むように告げたが、貴子さんは「午前だけでも」と出社。貴子さんのきまじめさが運命を左右した。
「犯人が憎いのは当たり前。でも犯人が捕まることよりも、孫たちのこれからが心配」。十日に貴子さんの夫・剛さん(38)と姉・由美子さん(33)から、貴子さんが亡くなったことを告げられた遥華さんと長男・遼太郎君(4ツ)は、泣き疲れて寝てしまった。次の日から二人は「お母さん」と一切言わなくなったという。
遼太郎君は「お母さんは背中に羽をつけて飛んでいって、お星さまになるんだ」と話しているという。二人とも貴子さんの帰りをいまだに待ち続け、家の電話から貴子さんの使っていた携帯電話にかけ続けているという。「孫がふびんで…。犯人が何のためにそういうことをしたのか知りたい。そうでないと貴子も浮かばれない」−父親は切実に訴えた。
「犯人が捕まっていない今、怒りのぶつけようがない。これからの事はまだ考えられない」。パートの笹森容子さん(46)の夫・良一さん(45)=弘前市松原東四丁目=は、言葉少なに語った。
笹森さん一家は一男一女の四人家族。仲の良さは近所でも有名だった。容子さんが仕事で帰りが遅い時には、皆で協力して家事をこなし、週末には家族でよくドライブに出掛けた。「明るくて優しい人」と近所の人が言うように、容子さんは家族の精神的な支えだった。
家庭だけではない。容子さんは武富士に勤めて十年以上のベテラン。若い女性社員からも「お母さん」と呼ばれ慕われていた。家では「仕事がきつい」と話すこともあったが、会社ではそんな苦労も見せず、若い女性社員を思いやった。
残された家族の無念さ、悲しさは計り知れない。良一さんには「避難機具がきちんと備えられていれば、もしかしたら助かっていたのでは」という思いと、「犯人が捕まらなければ、区切りがつかない」という複雑な思いが交錯する。この家族の心の苦しみは、少しでも犯人に伝わっているのだろうか…。
◇
三戸中学校の少年非行防止サポートチーム(JUMP)や三戸地区交通指導隊、同防犯指導隊などのメンバーら約二十人が十五日、三戸町の商店街で、弘前市で起きた強盗殺人・放火事件の犯人似顔絵の入ったチラシを配り、情報提供などを呼び掛けた。
三戸署地域課が設定した「地域安全の日」に合わせて行った街頭活動。八日町のスーパー前では、中学生ら十一人が買い物客にチラシを手渡し、協力を呼び掛けた。同校二年の中野晴人君は「チラシを配ると快く受け取ってくれた。地域の役に立ててうれしい」と話していた。
2001年5月17日(木)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、似顔情報300件超す
弘前市田町五丁目の消費者金融「武富士弘前支店」で従業員五人が殺害された強盗殺人・放火事件で、弘前署と県警の捜査本部がCG(コンピューターグラフィックス)で作成、県内外に配布した似顔絵に基づく情報提供が、十七日までに三百件を超えた。情報は、一日あたり数十件のペースで増え、捜査本部は、一件ずつ確認。捜査を終えた対象人物数を明らかにしていないが、同日現在、容疑者とみられる男は確認されておらず、一般情報による絞り込みは時間がかかることも予想される。
捜査本部は、負傷した支店従業員らの証言や、細い点の確認などから、十一日、CGでカラー版の似顔絵を公開。弘前地方のほか、県内他地域、隣県、首都圏などにチラシを配布した。チラシで人相や身体的特徴を“公開手配”し、一般の協力を呼び掛けている。
その結果、十七日までに、犯人に似た人物がいる−と、捜査本部や県警本部、県内一線署などに続々と寄せられる通報、情報提供は三百件を超えた。発信元は弘前市とその周辺地域が多く、これらの情報は、カラー版似顔絵の公開以来、毎日四、五十件ずつ増加している。
捜査本部は、一件ずつ対象者を調べているが、現時点で、容疑者割り出しに直接結びつく有力情報はない。五十嵐正幸弘前署長は、確認した人物について「有力だと思って捜査しても、はっきりしたアリバイがある。また、現段階で、事件後に姿を消したり、所在不明になっている人物の情報はない」と話し、引き続き情報の追跡・確認捜査を進める一方、さらなる情報提供を呼び掛けている。
捜査本部は、これまで得た膨大な捜査資料の整理・分析のため、十六日から捜査員を二百五十人から二十人増強、態勢を強化した。
2001年5月18日(金)
-------------------------------------------------------------------------------- 武富士事件、多重債務者洗い出し
弘前市の消費者金融「武富士弘前支店」で従業員五人が殺害され四人がやけどを負った強盗殺人・放火事件は、十七日で発生から十日。「金は出せない」とひと言断られて直ちに火を放ち、逃走したのはなぜか。犯行の当初の目的は強盗なのか、放火なのかも判明しないなど、事件のなぞは多い。一方、やけどを負った従業員らの証言による詳細な似顔絵、目撃された深緑色の軽ワンボックスカーなど重要な手掛かりもあり、市民から多数の情報も寄せられている。弘前署と県警の捜査本部は連日三百人近い捜査員を導入し、犯人逮捕へ向け懸命の捜査を続けている。
【武富士との接点?】捜査本部は「武富士」や「同弘前支店」と何らかの接点を持つ者の犯行という可能性も捨てていない。
事件発生はゴールデンウイークが終わって二日目。連休明けという事情もあり、支店の複数の従業員は午前九時半の開店前から、返済が滞っている相当数の客に電話をかけ続けていた。
武富士本社は「(弘前支店で)顧客とのトラブルは一切なかった」と明言している。しかし、消費者金融業という性質上、支店の顧客は、程度の差はあれ「債務者」。これまで具体的な容疑者は浮上していないが、捜査本部は、融資・返済をめぐる顧客とのやりとりでトラブル寸前に発展したケースがないかどうか丹念に調べている。
また、捜査本部は、男が変装などをしなかった点や、さらに、自分自身にも危険が及びかねない、ガソリンによる放火の事実を重視。業界・業者に一方的な恨みを持つ者の犯行の可能性もあるとして、多重債務者や返済を長期延滞している人物の中に犯人像と重なる者がいないか調べている。
【似顔絵】捜査本部は事件が発生した八日午後、救出者の証言を基に犯人の似顔絵を作成し公開した。十一日午後には新たにCG(コンピューター・グラフィックス)を活用して修正を加えたカラー版を作成し、弘前市や県内、隣県、首都圏に配布した。似顔絵の類似率は修正前でも八〇%。より詳細な修正版は「きっと犯人の特徴をとらえているはず」と自信を持っている。
CG版似顔絵の反響は大きく、類似者の情報は連日数十件ずつ増え続けている。これを一件ずつ調べては消していく作業を続けている。
【軽ワンボックスカー】捜査本部は当初から、現場から走り去った深緑色の軽ワンボックスカーに乗り込んだ人物が犯人の可能性があるとみてマーク。複数の目撃証言から車種はスバル製「サンバー・ディアス・クラシック」との見方を強めている。
一方で、事件発生前後に現場付近を走行していたタクシー運転手からも別の色の軽ワゴンの情報を得るなど、いくつかの証言を得ているが、有力な手掛かりは得られていない。事件前に武富士弘前支店や階下のビデオレンタル店を訪れていた複数の客によると、「サンバー・ディアス・クラシック」の同車種の目撃情報はない。捜査本部は車種を限定せず、まず県内で約二千台に上る緑色の軽ワンボックスカーすべての洗い出しを行う構えだ。
【ガソリン】現場の残留物の分析から、犯人が振りまいたのはガソリンだったことが分かっている。救出された従業員の証言によると、犯人は金属製の容器を片手で持ち、ガソリンを振りまいた。捜査本部は似顔絵に似た男がガソリンを購入した可能性のあるガソリンスタンドを、弘前市とその周辺からさらにエリアを広げて徹底的に調べている。