(回答先: 「インフレターゲット論」のトンデモ 投稿者 あっしら 日時 2002 年 2 月 22 日 21:45:54)
経済における因果関係というのは風が吹けば桶屋が儲かると
いう程度では済まされないくらい複雑で、しかもお互いがお互
いの原因となり結果となっているような現象(例えば不況とデ
フレ)も多く簡単には説明できないものです。
だからこそ経済予測とか経済政策を成功させるのは難しいの
です。しかし経済の「部分」に着目すれば、ある程度の命題は
立てられるのです。
物価が継続的に下落していく(デフレーション)と、企業利
益が低下するだけでなく、「もう少し待てばこのマンションは
もっと安くなるぞ」といった買い控えまでも生じます。
物価下落の見通しが不景気の見通しと国民・企業の心の中で
結びついた時、もはやあらゆる種類の消費と設備投資は最低限
の水準に押し下げられてしまうのです。
こうなると際限のない不景気サイクルから社会を脱け出させ
る可能性が一切絶たれてしまうのです。
ですから政府がはっきりと“経済の自然ななりゆきとは無関
係に”「デフレ止める」とか「インフレにもっていく」と宣言し、かつそのための政策を“手段を選ばず実行する姿勢を見せる”ことは一応景気対策とか恐慌防止の対策として理にかなっ
ているのです。
「政府は円安によって企業の国際的競争力を高め景気と株価
を刺激しようとしている」と言われていますが、インフレにな
れば国内での貨幣価値が下がるので円の対外的な為替相場も自
然に下がる傾向にあると思います。