Re: 科学・理性・感情(2)

 
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投稿者 Van 日時 2000 年 6 月 11 日 12:35:55:

回答先: 科学・理性・感情(1) 投稿者 Van 日時 2000 年 6 月 11 日 12:33:31:

『法華三部経体系(総論)』  五井野正著  1981.10.12  より抜粋


影の例えのついでに実際に現代科学がどれだけ影の中で真理を追っているかを
紹介してみよう。

まず天気予報で雲の広がり具合を観測する方法にレーダーがある。
レーダーは電波を発信して物体が電波を反射して戻ってくる、その反射像を捉える
ためのもので、いわば光の代わりに電波を使うだけで影を追っているに変わりない。
さらに小さな物体を観察するのに顕微鏡があるがこれも物体に光が当たって反射する
陽影を見るわけであるし、電子顕微鏡の場合も光のかわりに電子を当てて影を見るし
天体観測の場合も光と影の世界である。
ではもっと小さな理論的存在である原子の場合は、と考えればこれも原子を構成して
いる電子や中性子、陽子といった素粒子の発見も写真乾版に残る軌跡によって質量を
仮定したり電荷の有無を調べたりする。これも影を捉えているのである。

人間社会に大きな影響を及ぼしているテレビや雑誌、映画等のメディアも
結局は影である。
ただ、影にも陽影と陰影とがあるために案外この事に気付かないだけであり、
写真や絵、さらには漫画、そして文字さえも広義な意味での影として
捉えることができる。

影は三次元的な空間を作ることが出来ない。
平面としての二次元の中に納まってしまう。
ということは三次元の肉体を持ち時間の中に動いている、つまり四次元の中に
生きている人間が二次元という平面の中で動かされていること自体、
このような影の世界を文明だ文化だと呼ぶほうがおかしいのである。
影の文化の代償にモルモットのごとく生活させられている多くの一般人の現実は
やがて未来さえも制御されて物の中に落ち込む姿にどんどん変わってゆく。

ここから抜け出す簡単な方法はまず、今の文明、文化は歴史の中の蜃気楼であって
影のようだと見るべきことである。
つまり影を見ることであって、影の中に入ってはいけないのである。
影を見るということは光(真理)を通して識別することであり、
影の中に入るということは光(真理)がなくて暗闇(無明)の中にいることである。

もともと人間を除く生物は写真や絵や漫画、文字等には反応しない。
たまたまテレビに反応したとしてもその画像に対してではなく
音や光に対してである。
生物は二次元に対しては反応しないのである。
ゆえに人間の大脳が二次元に対して認識反応するのに対し、
生物は三次元に対して認識反応するために地球という空間、
大地や大気に対して三次元的把握が人間より優れていることになる。
それゆえ火山や地震の三次元的変化をいち早く知ることができるわけである。

さらにどんなに慢心な人間であっても宇宙の造物主でないかぎり、
自分の頭脳と宇宙とを比較した場合、
自分の頭脳のほうが優れていると思う馬鹿はいないであろう。

そこで、生物は宇宙の中から生まれ、宇宙の中で存在しているために
生まれ持って宇宙の真理を体内に秘めている。
それは動物でいえば感情の奥に存在していることが
大自然と感情によって知覚できることからもわかる。
つまり感情は頭脳よりも宇宙的でそれゆえ頭脳よりは次元が高いと
知ることができる。
人間の頭脳が二次元の中で生きられても肉体までが二次元の中に
生きられるとは誰も思わないだろうが、このことは頭脳がそう認識
するのではない。
では何かと考えれば肉体は時間と空間、つまり四次元の中で
生きているもので、その知覚は感情によって確かめられる。
つまり感情によって認識できるのである。

このことに疑問を持つ人もいるだろう。
それは西洋思想の影響によるものと思う。
つまり西洋思想は感情と理性とをわけた。
そしてその理性が人間にとって大事で
感情のみで生きるものは動物であると見下し、
その理性の発展と勝利が近代科学や近代文明を生み出したと
教えているからである。




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