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◎テポドン2号の発射準備 台座の大型化を確認
政府筋は16日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が射程40
00−6000キロと見られる弾道ミサイル「テポドン2号」の発
射実験に向け準備に入ったことを明らかにした。7−8月には発射
が可能になると分析している。
米国の偵察衛星などに基づく情報で、具体的には(1)テポドン
1号の発射台を大型化した(2)燃料貯蔵庫へ燃料の運搬を開始し
た−−ことなどが確認された。ミサイルの発射台への搭載や燃料注
入は行われておらず、差し迫った状況ではないという。
昨年8月末、北朝鮮が発射したテポドン1号の射程は1500キ
ロ以上だったが、テポドン2号の射程はアラスカなど米国本土の一
部まで到達可能と推定されている。さらなる長距離化が実証されれ
ば米国にも強い衝撃を与えそうだ。
政府筋は「1号の発射台をわざわざ交換して大型化したことから
推定すると、2号の発射実験を実施する可能性が極めて高い」と分
析している。
防衛庁は既に、ミサイル発射に備え、(1)ミサイルを発射台に
搭載した段階で抗議する(2)ミサイルへの燃料注入段階で国民に
公表する−−ことで抑止力を働かせることを決めており、この手順
に沿って対処する方針。しかし「人工衛星打ち上げを事前に表明す
れば国際法上は問題ない」(防衛庁筋)とされ、政府は難しい対応
を迫られそうだ。
これに関連し、防衛庁幹部は16日、「人工衛星打ち上げを事前
通告してミサイルを発射する可能性が高い。米国防総省も同じ認識
だ」と指摘。同時に「その場合でも発射の目的はミサイルの技術開
発だ」との見方を示した。
テポドン2号については、米国務省のルービン報道官が今年2月
の記者会見で「早ければ1999年中に初の実験が行われる」との
見方を示している。 (了)
[共同 6月16日] ( 1999-06-16-17:02 )