投稿者 付箋 日時 2001 年 6 月 03 日 09:41:50:
右傾教科書を憂える元軍人の共同声明
中国帰還者連絡会・日中友好元軍人の会・不戦兵士市民の会
http://www.ne.jp/asahi/tyuukiren/web-site/seimei.htm
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声 明 文
私たちは、かのアジア太平洋戦争で銃をとり、戦場の悲惨さを肌で知った元軍人の有志であります。
私たちは、学校で教育勅語を叩き込まれ、神話を史実として教え込まれ、戦場へと狩りだされていった元軍人であります。
私たちは、「聖戦」という美名のもとに銃を取り、アジア諸国に多大なご迷惑をかけてしまいました。その己れの体験を振り返りますとき、二度と青年が侵略の銃を取るなどということのないようにと心から願うのであります。
ところが、現在、「新しい歴史教科書をつくる会」と扶桑社が提出している歴史・公民教科書は、聞くところによりますと、1910年の韓国併合や、中国をはじめとするアジア諸国への侵略行為を無視あるいは正当化し、教育勅語を肯定的に掲載し、あまつさえ戦争に善悪はないなどとしているとのことです。かくのごとき「教科書」でいったい何を子どもたちに教えようというのでしょうか。
私たちは、苛立ちとともに感じるのであります。―― いかにあの戦場は悲惨であったことか! いかに暗い時代であったことか! …… その記憶は今に至るも我々老兵の頭と胸に刻まれております。こうしたことは二度と繰り返してはいけないということを、子どもたちに語り継いでいって欲しいのです。
あの戦争を体験した人々の多くはすでに先立ちました。私たちに残された時間も多くはありませんが、老齢の最後の力を振り絞り、皆さんに訴えたいと思います。
このような「教科書」が教育現場に持ち込まれることがあっては絶対になりません。
このような「教科書」の描く「人間像」―― それはかつての私たちですが ―― は55年前に、アジア諸国民に多大な惨害を与えて、そして、破綻しているのであります。
今こそ、尊い平和のために、アジア諸国民との真の和解と共生のために、そして子どもたち孫たちのために、私たちの力を、かくのごとき「教科書」を教育に使わせないようにするために、集めようではありませんか。
2001年 3月 2日
中国帰還者連絡会
日中友好元軍人の会
不戦兵士・市民の会
(以下、賛同する元兵士たちの個人名)―― 省略
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要 望 書
文部科学大臣殿
私たちは、かつて中国をはじめとするアジア諸国に武器を携えて侵略した「日本皇軍兵士」です。当時は「優秀なる日本民族によるアジア解放」との掛け声のもとに進軍しました。しかしその実体は、その地で暮らす平和な人々を苦しめるだけの侵略行為でした。一般住民から生活物資を略奪し、家を焼き払い、そして多くの人々を殺傷しました。私たち自身がその加害の当事者なのですから、ウソだとは決して言わせません。
ところで現在、2002年度版の中学歴史教科書が貴省で検定中とのことです。その中で、扶桑社が発行を予定し、「新しい歴史教科書をつくる会」が主導する「教科書」の中身について、各種報道されています。
1910年の韓国併合や、中国をはじめとするアジア諸国への侵略行為を正当化するなど、意図的に歴史改竄・歪曲を行ない、日本による一連の侵略行為を「なかったこと」にしたり、美化しようとしているのです。
私たちはこれら諸国への侵略戦争に加わり、人々を苦しめる加害実行者となってしまいました。本当に申し訳ない気持でいっぱいであり、慚愧に耐えません。二度とあのような過ちを起こさせない決意でいます。私たちはその体験者として、この「教科書」のような歴史改竄・歪曲を絶対に許すことはできません。このような欺瞞に満ちた言説・行為は、アジア諸国の人々への「再度の加害行為」であり、「人道に対する
罪」であると思います。
また、私たち自身にとっても、自国の負の歴史を真正面から見つめないこのような行為は、未来を危うくするのだと思います。今後、日本はアジアの国々とさらに友好関係を築いていくことが必要となるでしょう。歴史を改竄・歪曲したこのような「教科書」を認めることは、これら諸国の人々を傷つけ怒らせるのみならず、日本自身の将来のためにも、大きなマイナスとなるでしょう。
以上の理由から、私たちは、高齢ながら若き世代の未来のために最後の力を振り絞り、この「歴史教科書」を検定合格させないよう、強く申し入れます。
2001年3月2日
中国帰還者連絡会
日中友好元軍人の会
不戦兵士・市民の会
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