投稿者 YM 日時 2001 年 3 月 06 日 01:34:02:
http://www.asahi.com/0304/news/national04021.html
「つくる会」歴史教科書、137カ所の修正受け入れ
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「新しい歴史教科書をつくる会」(会長・西尾幹二電気通信大教授)の主導で
編集され、現在検定中の中学歴史教科書について、文部科学省側が137カ所に
上る検定意見をつけ、筆者側はすべての部分で修正に応じたことが4日、わかっ
た。検定意見の大半は中国や韓国が懸念を表明している近現代史に集中、韓国併
合については「合法的に行われた」としていた記述が削られるなど、内容が大き
く変わった。今月中にも同省の教科用図書検定調査審議会で修正内容が審査さ
れ、文部科学相が合否を決定するが、筆者側が検定意見をすべて受け入れたこと
で合格の可能性が高まっている。
この教科書は西尾会長ら「つくる会」の役員らが著者になり、出版社「扶桑
社」が昨年4月、文部科学省に検定申請した。検定審議会は昨年12月、全体で
137カ所の検定意見を同社に示し、修正を求めており、これに基づいて同社側
が同省に修正内容を提出した。その後、同省は再度、近隣諸国で問題となってい
る部分を中心に再修正を求め、同社は2月、それに応じた。
関係者らによると、137カ所の検定意見のうち100カ所程度は近現代史に
つけられた。申請段階では、韓国併合は「国際関係の原則にのっとり、合法的に
行われた」などと記述されていたが、「合法的」という表現がなくなった。さら
に「日本は韓国内の反対を武力で押し切って、併合を断行した」という趣旨の記
述が加わった。また、朝鮮半島の地理について「日本に絶えず突きつけられてい
る凶器となりかねない位置関係にあった」という表現もなくなったという。
日中戦争の「南京事件」に関しては「戦争中だから、何がしかの殺害があった
としても、ホロコーストのような種類のものではない」と記述した部分が削除さ
れたという。
また、神風特攻隊を「日本のために犠牲になることをあえていとわなかった」
と説明した部分もなくなったという。
文部科学省は、「近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国
際理解と国際協調の見地から必要な配慮」(近隣諸国条項)などを含む検定基準
に従って、教科書の内容がバランスのとれたものになるよう検定意見をつけた、
としている。今月中に予定される検定審議会に今回の修正内容が諮られ、さらに
修正が加えられる可能性もある。
<西尾幹二会長の話> 生徒の年齢や発達段階に合わない、細部に入りすぎな
どの点で文部科学省から厳しく意見が付けられた。個別部分は屈辱的ともいえる
修正も受け入れた。ただ、マルクス主義史観とは違う我々の考え方そのものは
残っている。
◇
歴史教科書の修正について扶桑社は「現在検定中であり、詳細なコメントはで
きない。文部科学省の検定意見に基づき、指摘のあった全個所に修正をほどこし
た。新学習指導要領にものっとり、近隣諸国条項にも十分配慮した記述にしてい
る。そのため一部に報道されているような当初申請した内容のものとは、異なる
記述となっている。検定の結果を静かに待ちたい」としている。(00:23)