投稿者 YM 日時 2001 年 3 月 10 日 13:20:14:
回答先: 「つくる会」公民教科書、99カ所修正 で合格 投稿者 YM 日時 2001 年 3 月 10 日 13:18:19:
http://iij.asahi.com/paper/special/newtext/10309a.html
与党内の反応、モザイク模様
「つくる会」教科書問題
「新しい歴史教科書をつくる会」(西尾幹二会長)が主導して編集し、検定中
の中学歴史教科書が内外で波紋を呼んでいるなか、与党内の議論は深まっていな
い。中国や韓国が歴史認識をめぐって懸念を示していることに、自民党内では
「内政干渉だ」と反発する動きがある。公明党には、歴史認識の問題で近隣諸国
と摩擦を起こすことへの懸念が強い。多くの与党議員の関心はもっぱら森喜朗首
相の進退問題とあって、モザイク模様の意見が集約される動きは見られない。
◆自民―「干渉だ」 公明―摩擦を懸念
●外務省たたき
「これは明らかに内政干渉だ。外務省はどう対応するんだ」
7日に開かれた自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(中
川昭一会長)の総会。この教科書に対する中韓両国の批判について、平沢勝栄氏
が外務省の槙田邦彦アジア大洋州局長を激しく問いつめた。槙田氏が「強制的な
命令でなければ内政干渉に当たらない」とこれまでの政府見解を繰り返すと、
「どこが内政干渉でないんだ」と怒号が飛び交った。原田義昭氏も「強制的な命
令というのはありえない」とたたみかけた。
槙田氏は8日の同党外交関係合同部会でも同じような批判にさらされた。「外
務省たたき」とも見える論議が繰り広げられるなか、若手議員の一人は「外務省
が腰抜けなことを言うのは腹が立つが、外務省を責めるのは酷な気がする。これ
は政治問題であり、政治家がやるべきだ」と語った。
●「厳正公正に」
自民党文教関係議員の意見も割れている。
「教科書検定作業は厳正・公正に行われるべきだ」。同党文部科学部会(小野
晋也部会長)のメンバーらは8日、首相官邸に森首相を訪ね、政治が対外的な配
慮から検定に口出しすることを強く戒める決議文を手渡した。「検定過程で内外
から批判が出るのはふさわしくない」として、政府に情報管理の徹底も求めた。
一方で、文相経験者の一人は「近隣の国々に配慮することは大切だ」と語る。
この問題では政治の指導力が問われているという立場だ。若手の文教族議員も
「今は歴史を見直す時代であり、隠す時代じゃない。検定が通れば、いまある教
科書とそれほど変わらない」と指摘する。
世代交代のなかで、日教組との対決姿勢を意識した思想性の強い文教族議員
は、次第に少なくなりつつある。
●「談話」尊重を
連立を組む公明、保守両党の対応もさまざまだ。
公明党の神崎武法代表は7日の記者会見で「アジアの歴史を正しく学んで、そ
れを教育の中でもきちんと伝えていくことが大事。政府としても(1995年に
植民地支配と侵略を謝罪した)村山富市首相談話があるわけだから、それにのっ
とった対応が必要だ」と求めた。
保守党幹部は「自民党の教科書問題へのスタンスが見えない」という。
8日、来日中の金鍾泌・韓国元首相(韓日議員連盟会長)と会談した中曽根康
弘元首相は「教科書は民間で作るのだから政府が口出しできないが、近隣諸国条
項があるので、審議会も考慮してやってくれると思う」と述べ、教科書検定への
政治の対応の難しさを指摘した。
<2001年3月9日朝刊>