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秘密のアッコちゃん lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx コメント履歴 No: 100034
http://www.asyura2.com/acpn/l/lo/lom/lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx/100034.html
[政治・選挙・NHK295] 米国大統領選<トランプVS不〇選挙>仁義なき戦い 選挙研究所
55. 秘密のアッコちゃん[927] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月07日 06:49:37 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[492]
<▽30行くらい>
<産経抄>返り咲くトランプ氏、わが国も主要プレーヤーとしての覚悟を
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LCLBWAHAPVKMNCEAR2DH24N7GA/
言葉を生業とする人々にとって、
「民主主義」
は汲めども尽きぬ警句の泉らしい。
英国の劇作家、トム・ストッパード氏は巧みな言い回しでその本質を突いている。
「投票が民主主義なのではない」
「票の勘定が民主主義なのだ」
と。
▼『すごい言葉』(晴山陽一著)から拝借した。
多くの前提が必要だろう。
選挙権と被選挙権に不当な制限がなく、投票の秘密や投開票の公正さが担保されていること。
ロシア、中国…。
民主主義を否定する国々を見るにつけ、米国には模範的な存在であってほしいと願う。
▼大接戦と予想された米大統領選は、激戦州を制したトランプ前大統領が、思いのほか早く勝利宣言にこぎ着けた。
むろん、米国に一息つく暇はない。
我が国もここからは民主主義陣営を構成する国として、世界の課題に向き合わなければならない。
▼ウクライナ支援の在り方は大きな懸案だ。
トランプ氏の判断次第で、侵略国のロシアだけでなく、台湾への威圧を強める中国をも喜ばせかねない。
混乱する中東情勢や、核・ミサイル戦力の増強を進める北朝鮮など、緊張を高める変数も実に多い。
▼「投票は弾丸よりも強し」
と述べたリンカーンは、弾丸に命を奪われた。
今回の大統領選で、トランプ氏が銃や暴力の標的になったのも記憶に新しい。
深刻な亀裂が窺える米社会は、一体感を取り戻せるだろうか。
政治の空白を生まぬよう円滑な政権移行を望みたい。
▼問われているのは米国の、そして民主主義の地力に他ならない。
トランプ氏の掲げる
「米国第一主義」
が、先の見通しづらい世界情勢にどう応じるのか、という懸念はある。
我が国もまた、国際社会の主要プレーヤーとして主体的に振る舞う覚悟を問われている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/869.html#c55
[戦争b25] 米国が始めたロシアとの戦争にのめり込み、自国を破壊したドイツの政治家(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
10. 秘密のアッコちゃん[928] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月07日 08:42:01 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[493]
<■74行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<正論>金正恩政権の打倒を目標にせよ
龍谷大学教授・李相哲
2024/11/7 8:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LDZW3EUR2NOM5FU5WSOB3QZSHA/
北朝鮮の金正恩総書記のなりふり構わぬ振る舞いが目に余る。
これまでナイフを手に村の端っこでうろついていたチンピラ(悪童)が、今や手下にピストルを持たせ、村(地球)全体をひっかき回そうとしている。
中東やアフリカの薄暗い危険地域に潜り込み武器を売り捌き、紛争を煽って利益を得ていた北朝鮮が、堂々とロシアに武器と傭兵を供給するに至った。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相によれば、北朝鮮は
「ロシアに砲弾1000万発、ミサイル1000基を供給」
「軍人を傭兵として売り渡している」
という。
■派兵は国益のためではない
金総書記が国際社会の目を盗み、人民に噓をついてまでロシアへ武器を供与、
「傭兵」
を送り込む目的は破綻状態の国内経済を立て直すためでも、飢えに苦しむ人民を救うためでもない。
その見返りに政権を支える武力向上に必要な資金を得ること、一族と周辺の贅沢三昧の生活を保障し、ロシアを味方につけ米国や韓国、ひいては国際社会の政権への圧力を跳ね返し金王朝を永続させるためだ。
このように大胆になったのには国際社会の無策の責任が大きい。
政権維持のため住民を奴隷状態のまま国家という名の監獄に監禁、外国の映像を見ただけで公開処刑を命じるなど組織的かつ継続的に反人道的罪を犯しているが、国際社会はそれを阻止できずにいる。
ロシアに送られる若い兵士たちは命の保証もないまま、家族と別れを告げる自由すら奪われ、派兵事実を知ろうとする家族は当局によって強制的に社会から隔離されている。
国際社会はこれまで、国連人権理事会を通して4年半周期に加盟国の人権状況を系統的に点検することにし、5年前に、深刻かつ組織的な人権侵害が行われている北朝鮮に対し262の勧告事項を伝達した。
公開処刑の中断など
「生命権の保障や食糧および基本的人権の改善」
を勧告するもので、今年2024年11月7日までに過去5年間の勧告事項履行状況を報告することになっていた。
北朝鮮がこのような生温い勧告に耳を傾けるはずがないのは火を見るよりも明らかだ。
韓国メディアによれば近年、北朝鮮では国連の人権改善の要求に反し、むしろ公開処刑を増やし、生命権保障など、人間の基本的権利を恣意的に侵害している。
■核放棄だけではダメだ
国際社会が金氏に寛大だったのも事実だ。
国連は核の放棄は迫っていても、他の不道徳な振る舞いには目を瞑り許してきた。
住民を飢え死にさせながら、高級車を乗り回し、最高級ワインを楽しみ、豪華ヨットで夏の休暇を楽しんでも、金氏が不利益を被るような厳しい措置は取れていない。
贅沢品の輸入に制裁を加えることにはしているものの最近、ソウルで会った北朝鮮の元銀行幹部は
「国連制裁で金氏自身が困ることはなかった」
「国家は破綻状態だが、彼は人民の面倒を見る必要がなくなったから個人の金庫が枯渇することはまずない」
と話した。
父の金正日氏は武器、偽ドル、麻薬、たばこ密輸で国際制裁をかいくぐり、正恩氏は金塊の密貿易、暗号通貨の奪取でカネを調達している。
北朝鮮は最早国家ではなく犯罪集団に変質したと言える。
では、我々はどうすればよいか。
これまで以上に制裁を強化する方法もあるだろう。
しかし北朝鮮という国家を疲弊させることには成功しているが、金氏の生活を疲弊させることには失敗した。
金氏を対話の場に引きずり出す方法もあるだろう。
しかし、北朝鮮にとって話し合いは、あくまで敵を油断させ、時間を稼ぐ戦術に過ぎないということは数十年の経験から学んだはずだ。
他に金氏を国際刑事裁判所に提訴する方法などもあり得る。
しかしそのような方法全てが今や虚しく思えるだけだ。
逆に国際社会が北朝鮮問題の扱いを巡りモタモタしているうちに金氏は核を手にし、ロシアと同盟を結ぶなどして怪物に変貌しつつある。
放置すれば近い将来、ロシアを東アジアに連れ込み、日本や韓国を脅迫するだろう。
金氏は最近、新型弾道ミサイル
「最終完結版」
と称する火星19の発射実験後、
「敵に我々の意思を知らせた」
と力を誇示した。
韓国情報当局によれば金氏は最近、課長級以上の幹部に
「韓国を占領する大事変を迎える準備をしろ」
という命令を下したという。
■必要なのは能力でなく意志
韓国の国防相は最近、国会の国政監査場で
「我々は北朝鮮に勝てるのか」
という野党議員の質問に、
「我々が勝つに決まってる」
「北には最高尊厳はただ1人、韓国には5000万もの尊厳がいる」
と答えた。
この発言は北朝鮮という組織体に頭は1つで、その金氏を排除すれば組織も細胞も死ぬという意味だ。
事実上、労働党の末端組織を北朝鮮では
「細胞組織」
という。
拉致問題もそうだが、北朝鮮問題を根本的に解決するには金政権を打倒するしかない。
今なら日米韓にはそれを実行する充分な能力がある。
残るは意志の問題ではないか。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/802.html#c10
[国際35] 米大統領選でトランプが勝利して何が変わり、何が変わらないのか(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
29. 秘密のアッコちゃん[929] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月07日 16:44:45 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[494]
<■659行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ゼレンスキー氏、トランプ氏と電話会談 緊密な対話の維持で一致
2024/11/7 10:27
https://www.sankei.com/article/20241107-T5HCMSY7QNJIJBAPYQGQMHL3EE/?outputType=theme_uspe
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、米大統領選で勝利したトランプ前大統領と電話会談したとX(旧ツイッター)に投稿した。
ゼレンスキー氏はトランプ氏の勝利を
「歴史的だ」
と祝福。
「印象深い選挙戦」
によってこの勝利が可能になったとし、トランプ氏の家族と陣営の仕事ぶりを称賛したとした。
その上で
「我々は緊密な対話を維持し、協力を発展させることで合意した」
と指摘。
「強く揺るぎない米国のリーダーシップこそが世界と公平な平和のために死活的に重要だ」
とも述べた。
ロシアによるウクライナ侵略の解決に向けて米国に関与の継続を求めた形だ。
一方、ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、プーチン大統領がトランプ氏を祝福する計画はないと明らかにした。
ただ、プーチン氏は米国との対話に前向きだとも説明した。

北朝鮮兵、ロシア西部クルスクで4日に戦闘参加 ロイターが報じる
2024/11/7 7:27
https://www.sankei.com/article/20241107-ANWRHCR3T5JVLBLWG4GIEZSYP4/
ロイター通信は2024年11月6日、ウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で今月2024年11月4日、北朝鮮兵が戦闘に参加したと報じた。
米当局者の話として伝えた。
死傷者が出たかどうかは不明だという。
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長によると、ウクライナ軍はクルスク州で今月2024年11月2日か3日に、北朝鮮兵が配置された拠点を砲撃した。
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、ウクライナ軍との交戦で
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じていた。
今後、戦闘が本格化する恐れがある。
複数のウクライナメディアによると、同国当局が2024年11月6日、カスピ海に面したロシア南部ダゲスタン共和国のカスピースクの軍拠点を無人機で攻撃し、複数の艦船を損傷させた。
カスピースクにはロシア海軍のカスピ小艦隊の拠点がある。(共同)

<正論>金正恩政権の打倒を目標にせよ
龍谷大学教授・李相哲
2024/11/7 8:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LDZW3EUR2NOM5FU5WSOB3QZSHA/
北朝鮮の金正恩総書記のなりふり構わぬ振る舞いが目に余る。
これまでナイフを手に村の端っこでうろついていたチンピラ(悪童)が、今や手下にピストルを持たせ、村(地球)全体をひっかき回そうとしている。
中東やアフリカの薄暗い危険地域に潜り込み武器を売り捌き、紛争を煽って利益を得ていた北朝鮮が、堂々とロシアに武器と傭兵を供給するに至った。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相によれば、北朝鮮は
「ロシアに砲弾1000万発、ミサイル1000基を供給」
「軍人を傭兵として売り渡している」
という。
■派兵は国益のためではない
金総書記が国際社会の目を盗み、人民に噓をついてまでロシアへ武器を供与、
「傭兵」
を送り込む目的は破綻状態の国内経済を立て直すためでも、飢えに苦しむ人民を救うためでもない。
その見返りに政権を支える武力向上に必要な資金を得ること、一族と周辺の贅沢三昧の生活を保障し、ロシアを味方につけ米国や韓国、ひいては国際社会の政権への圧力を跳ね返し金王朝を永続させるためだ。
このように大胆になったのには国際社会の無策の責任が大きい。
政権維持のため住民を奴隷状態のまま国家という名の監獄に監禁、外国の映像を見ただけで公開処刑を命じるなど組織的かつ継続的に反人道的罪を犯しているが、国際社会はそれを阻止できずにいる。
ロシアに送られる若い兵士たちは命の保証もないまま、家族と別れを告げる自由すら奪われ、派兵事実を知ろうとする家族は当局によって強制的に社会から隔離されている。
国際社会はこれまで、国連人権理事会を通して4年半周期に加盟国の人権状況を系統的に点検することにし、5年前に、深刻かつ組織的な人権侵害が行われている北朝鮮に対し262の勧告事項を伝達した。
公開処刑の中断など
「生命権の保障や食糧および基本的人権の改善」
を勧告するもので、今年2024年11月7日までに過去5年間の勧告事項履行状況を報告することになっていた。
北朝鮮がこのような生温い勧告に耳を傾けるはずがないのは火を見るよりも明らかだ。
韓国メディアによれば近年、北朝鮮では国連の人権改善の要求に反し、むしろ公開処刑を増やし、生命権保障など、人間の基本的権利を恣意的に侵害している。
■核放棄だけではダメだ
国際社会が金氏に寛大だったのも事実だ。
国連は核の放棄は迫っていても、他の不道徳な振る舞いには目を瞑り許してきた。
住民を飢え死にさせながら、高級車を乗り回し、最高級ワインを楽しみ、豪華ヨットで夏の休暇を楽しんでも、金氏が不利益を被るような厳しい措置は取れていない。
贅沢品の輸入に制裁を加えることにはしているものの最近、ソウルで会った北朝鮮の元銀行幹部は
「国連制裁で金氏自身が困ることはなかった」
「国家は破綻状態だが、彼は人民の面倒を見る必要がなくなったから個人の金庫が枯渇することはまずない」
と話した。
父の金正日氏は武器、偽ドル、麻薬、たばこ密輸で国際制裁をかいくぐり、正恩氏は金塊の密貿易、暗号通貨の奪取でカネを調達している。
北朝鮮は最早国家ではなく犯罪集団に変質したと言える。
では、我々はどうすればよいか。
これまで以上に制裁を強化する方法もあるだろう。
しかし北朝鮮という国家を疲弊させることには成功しているが、金氏の生活を疲弊させることには失敗した。
金氏を対話の場に引きずり出す方法もあるだろう。
しかし、北朝鮮にとって話し合いは、あくまで敵を油断させ、時間を稼ぐ戦術に過ぎないということは数十年の経験から学んだはずだ。
他に金氏を国際刑事裁判所に提訴する方法などもあり得る。
しかしそのような方法全てが今や虚しく思えるだけだ。
逆に国際社会が北朝鮮問題の扱いを巡りモタモタしているうちに金氏は核を手にし、ロシアと同盟を結ぶなどして怪物に変貌しつつある。
放置すれば近い将来、ロシアを東アジアに連れ込み、日本や韓国を脅迫するだろう。
金氏は最近、新型弾道ミサイル
「最終完結版」
と称する火星19の発射実験後、
「敵に我々の意思を知らせた」
と力を誇示した。
韓国情報当局によれば金氏は最近、課長級以上の幹部に
「韓国を占領する大事変を迎える準備をしろ」
という命令を下したという。
■必要なのは能力でなく意志
韓国の国防相は最近、国会の国政監査場で
「我々は北朝鮮に勝てるのか」
という野党議員の質問に、
「我々が勝つに決まってる」
「北には最高尊厳はただ1人、韓国には5000万もの尊厳がいる」
と答えた。
この発言は北朝鮮という組織体に頭は1つで、その金氏を排除すれば組織も細胞も死ぬという意味だ。
事実上、労働党の末端組織を北朝鮮では
「細胞組織」
という。
拉致問題もそうだが、北朝鮮問題を根本的に解決するには金政権を打倒するしかない。
今なら日米韓にはそれを実行する充分な能力がある。
残るは意志の問題ではないか。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は
「不確実性」
が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権のもとで新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超にあたる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

ウクライナの汚職対策で会合 G7各国専門家らタスクフォースで都内集結
2024/11/6 10:42
https://www.sankei.com/article/20241106-SGLSUSBPTFIPLCRFYHB2BMMG7A/
ウクライナで問題化している汚職の追放のため、先進7カ国(G7)が設置した
「汚職対策タスクフォース」
の第3回会合が2024年11月6日、東京都内で開かれた。
初の対面形式で、G7各国やウクライナ検察当局、国連開発計画(UNDP)などの専門家ら約40人が参加。
2日間に渡る協議で支援の課題を洗い出す。
過去2回はオンラインで開かれ、それぞれの活動状況を共有した。
今回は、効果的な支援のため、各国や各機関の取り組み内容に重複がないかどうかを確認。
ウクライナが抱える課題を改めて議論し、それぞれの活動に生かす。
ウクライナでは汚職が深刻で、喫緊の政治課題となっている。
昨年2023年7月に東京で開かれたG7司法相会合でタスクフォース設置が決まり、日本の法務省が事務局を担っている。
今年2024年8月には小泉龍司法相(当時)が、首都キーウ(キエフ)を訪れ、ウクライナとの間で法務・司法分野での協力に関する覚書に署名した。

交戦で北朝鮮兵死亡と米紙 当局者「かなりの数」 露軍と戦闘参加、日時不明
2024/11/6 10:40
https://www.sankei.com/article/20241106-M6HOWVK65ZMTZN6T7PNLGG56DQ/
米有力紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、ウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍と北朝鮮兵が初めて交戦し、
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じた。
匿名の米当局者の話としている。
ゼレンスキー大統領は2024年11月5日の声明で、北朝鮮兵との戦闘は
「世界の不安定化の新たなページを開く」
と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。
同紙によると、交戦は限定的で、北朝鮮兵はロシア軍部隊と共に戦闘に参加した。
交戦の日時は不明という。
ゼレンスキー氏は声明で
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」
と強調し、各国に支援を呼び掛けた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。
ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。(共同)

ロシア派遣の北朝鮮兵と戦闘は「新局面」 ゼレンスキー氏が声明 各国に支援呼びかけ
2024/11/6 7:04
https://www.sankei.com/article/20241106-JKLPJCK43VOCPOVFBFQB7W2GWE/
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月5日の声明で、ロシアに派遣された北朝鮮兵との戦闘は
「世界の不安定化の新たなページを開く」
と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。
戦闘の詳細は明らかにしなかった。
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」
と強調し、各国に支援を呼びかけた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。
ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。
ゼレンスキー氏は
「テロは十分な対抗措置がないと、ウイルスのように広がる」
「措置は十分で、強力でなければならない」
と訴えた。
今月2024年11月1日には米英独の3カ国を名指しして
「傍観しているだけだ」
と語り、対応の遅れを批判していた。(共同)

ウクライナ国防相「北朝鮮軍と初交戦」明かす ロシア兵に偽装、1万5千人配置か
2024/11/5 13:59
https://www.sankei.com/article/20241105-YTVSUIZBOVOLLNMJKXDI5SAKCI/
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国KBSテレビが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮からロシアへ派兵された朝鮮人民軍の部隊との初の交戦があったことを明らかにした。
ただ、
「小規模な交戦」
で、全ての兵力が動員された体系的なレベルではなかったとし、限定的な戦闘だった点を説明した。
いつどこでの交戦なのかは不明。
ウメロフ氏は、北朝鮮の将兵はロシア兵に偽装しており、死傷者や捕虜の有無を確かめるには身元確認が必要だとの認識も示した。
また、約3000人ずつの北朝鮮の部隊が5つ、計約1万5000人が前線の北東部や東部、南東部に分かれて配置されるとの予測にも言及。
数週間以内には配置を完了するとの見通しを示した。
韓国のソウル新聞は2024年11月5日までに、政府関係者の話として、北朝鮮兵約40人がウクライナとの戦線で死亡したと報じたが、韓国国防省報道官は2024年11月5日、
「確認できる内容がない」
と述べた。

金正恩が露朝同盟に縋る「斬首」回避
斎藤勉の眼
2024/11/5 10:00
https://www.sankei.com/article/20241105-PL2F5JZKEBNKZHMJ775I4FYV54/
人命・人権に冷淡な独裁者同士の軍事同盟には大抵の場合、残忍な
「密約」
が隠されている。
その代表格がソ連のスターリンとナチス・ドイツのヒトラーが1939年8月に締結した独ソ不可侵条約だ。
2人の独裁者は条約の裏で交わした
「秘密議定書」
に基づき、翌1939年9月、ポーランドに東西から侵攻、第二次大戦が始まった。
ポーランドを消滅させたこの密約こそ、ヒトラーのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)やスターリンのポーランド将兵大殺戮「カチンの森事件」(1940年)の悲劇を招く元凶となった。
独ソの野合から85年たった今年2024年6月、2人の暴君が軍事同盟へと突き進んだ。
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による
「包括的戦略パートナーシップ条約」
だ。
核心は
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的その他の援助を提供する」
とする第4条だが、発表された全23条に
「秘密協定」
は付記されていない。
しかし、元露情報機関将校は条約締結後、米紙ウォールストリート・ジャーナルに
「条約は、ロシアがどう戦っているか、北朝鮮軍兵士が直接学ぶため、ウクライナに第1波の約千人を派遣する許可を与える―との秘密条項を含んでいる」
と明かした。
密約の存在は締結から4カ月後の2024年10月に裏付けられた。
「暴風軍団」
の異名を持つ精鋭特殊部隊
「第11軍団」
がウクライナ軍の越境攻撃が続く露西南部・クルスク州などに配備された。
朝鮮半島情勢に詳しい李相哲・龍谷大教授は
「2024年10月末の段階で1万1000人の北朝鮮兵がクルスクなどに集結した」
「露軍指揮下で占領地奪還の戦闘に投入されるとみるべきだ」
「中には20代前半の新米兵士も多い」
「彼らは軍事経験が乏しく、クルスクは隠れ場のない大平原だけに、ドローン攻撃などで大量の戦死者が出る可能性がある」
と指摘する。
北朝鮮が派兵の見返りに要求するのは当然、半島有事の際の露軍の介入だ。
李教授は、金総書記が有事の緊迫状態の中で最も恐れる自分に対する米韓などの
「斬首(暗殺)作戦」
を出来なくする手助けをロシアに縋(すが)ろうとする―とみる。
既に北朝鮮は大量の砲弾や弾道ミサイルをロシアに送っているが、喉から手が出るほどロシアから欲しいのは、日米韓に重大脅威となる原子力潜水艦や偵察衛星などの高度な技術だ。
李教授は
「これらの軍事技術は派遣された兵士の死傷者数に応じて供与されるのでは」
との見方を示す。
露朝密約の裏では北朝鮮兵の夥しい死傷者の発生が予想されるが、プーチン氏にとっては日々1200人超とされる自国の戦死者数を減らせ得るあり難い
「弾除(よ)け」
だ。
金氏にとっては
「兵士手当1人当たり年間450万円、戦死保険1千万円の契約を露側と交わしており、年間ざっと1千億円分もの外貨がそっくり、自分1人の懐に入る」(李教授)。
派遣兵は
「金づる」
だ。
兵士がたまたま生還すれば、ドローン戦など近代戦の実体験は半島有事に利用できるメリットもある。
哀れなことに、派兵家族には一銭も支払われないどころか、情報漏れ封じのため、家族ごと
「隔離」
「移住」
を強制されている。
ウクライナ側も千載一遇の
「脱北」
機会を得た兵士に多額の金銭で
「投降」

「韓国亡命」
を呼び掛ける心理作戦に着手する。
今日2024年11月5日に投票される米大統領選の結果を見据え、戦局をロシア有利に強引に転換させたい露朝連合軍の暴虐を世界は断じて許してはならない。
(論説委員)

<産経抄>返り咲くトランプ氏、わが国も主要プレーヤーとしての覚悟を
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LCLBWAHAPVKMNCEAR2DH24N7GA/
言葉を生業とする人々にとって、
「民主主義」
は汲めども尽きぬ警句の泉らしい。
英国の劇作家、トム・ストッパード氏は巧みな言い回しでその本質を突いている。
「投票が民主主義なのではない」
「票の勘定が民主主義なのだ」
と。
▼『すごい言葉』(晴山陽一著)から拝借した。
多くの前提が必要だろう。
選挙権と被選挙権に不当な制限がなく、投票の秘密や投開票の公正さが担保されていること。
ロシア、中国…。
民主主義を否定する国々を見るにつけ、米国には模範的な存在であってほしいと願う。
▼大接戦と予想された米大統領選は、激戦州を制したトランプ前大統領が、思いのほか早く勝利宣言にこぎ着けた。
むろん、米国に一息つく暇はない。
我が国もここからは民主主義陣営を構成する国として、世界の課題に向き合わなければならない。
▼ウクライナ支援の在り方は大きな懸案だ。
トランプ氏の判断次第で、侵略国のロシアだけでなく、台湾への威圧を強める中国をも喜ばせかねない。
混乱する中東情勢や、核・ミサイル戦力の増強を進める北朝鮮など、緊張を高める変数も実に多い。
▼「投票は弾丸よりも強し」
と述べたリンカーンは、弾丸に命を奪われた。
今回の大統領選で、トランプ氏が銃や暴力の標的になったのも記憶に新しい。
深刻な亀裂が窺える米社会は、一体感を取り戻せるだろうか。
政治の空白を生まぬよう円滑な政権移行を望みたい。
▼問われているのは米国の、そして民主主義の地力に他ならない。
トランプ氏の掲げる
「米国第一主義」
が、先の見通しづらい世界情勢にどう応じるのか、という懸念はある。
我が国もまた、国際社会の主要プレーヤーとして主体的に振る舞う覚悟を問われている。

<主張>トランプ氏勝利 同盟重視し国際秩序守れ 内向きに終始してはならない
社説
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-EQUVXD4IZFOJDMKHLBFXNC47EE/
米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が勝利宣言し、
「繁栄した米国を作りたい」
と語った。
2024年12月の選挙人投票を経て来年2025年1月20日に就任する。
2021年1月以来の返り咲きとなる。
「米国を再び偉大に」
「米国第一主義」
などのスローガンを掲げた。
インフレ(物価上昇)や不法移民の問題で民主党候補のハリス副大統領を批判し、有権者の支持を集めた。
暗殺未遂を乗り越えた
「強さ」
も支持されたのだろう。
トランプ氏に注文したい。
公約に沿ってインフレや不法移民など内政の諸政策を推進するのは当然だが、
「内向き」
の政治に終始しないでもらいたい。
■日本との協力を確実に
前回のトランプ政権は、専制国家中国の脅威をはっきりと指摘し、軍事的、経済的に抑止していくという歴史的決断を下した。
それは民主党のバイデン政権にも引き継がれた。
新たなトランプ政権でも国際秩序を守るために行動することを期待したい。
世界はトランプ前政権当時から大きく変わった。
中国は経済不振に陥りながらも、台湾周辺や南・東シナ海で軍事的威圧を強めている。
ロシアによるウクライナ侵略は3年近くも続いている。
中東での紛争は終息の気配がない。
自由と民主主義、「法の支配」に基づく世界の秩序が、専制国家によって脅かされている。
米国の行動力と民主主義諸国の結束が今ほど試されているときはない。
トランプ氏は、2024年7月の共和党全国大会で訴えたように
「米国の不和と分断」
を修復しなければならない。
トランプ政権が備えるべき相手は、自身を支持しなかった
「内なる敵」
ではなく、米国や民主主義国の存立と繁栄を脅かす専制国家だ。
世界の経済成長の中心地であるインド太平洋地域への関心を高めてほしい。
地域最大の同盟国である日本やオーストラリア、カナダ、韓国などとの協力が欠かせない。
大統領選の最中には、中国による日本や台湾、フィリピンなどへの軍事的挑発が相次いだ。
2024年10月に台湾を囲む形で行われた中国軍の演習ではロシア軍の艦船が宮古海峡を通過した。
台湾有事を想定した中露連携との見方もある。
北朝鮮は新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。
トランプ氏の台湾を巡る認識には不安もある。
共和党の政策綱領から1980年以来初めて
「台湾の自衛を支援する」
という誓約が抜け落ちた。
トランプ氏が
「台湾は防衛費を払うべきだ」
「我々は保険会社と何ら変わらない」
と不満を語ったこともあった。
だが、日米などが共有する
「自由で開かれたインド太平洋」
のためにも台湾海峡の平和と安定は死活的に重要だ。
米軍の近代化を進め対中抑止に努めねばならない。
■ウクライナ支援続けよ
トランプ氏にはウクライナへの支援継続も望みたい。
派兵された北朝鮮軍の部隊がウクライナ軍と交戦したと伝えられる。
ウクライナへの侵略国に北朝鮮が加わった。
ここでもインド太平洋地域と欧州の安全保障問題は繋がった。
トランプ氏は自身が大統領選に勝てば
「すぐに停戦できる」
と述べてきたが、停戦とは露軍の即時全面撤退以外にない。
ロシアや北朝鮮に果実を与えれば、日本周辺での専制国家による侵略を誘発しかねない。
トランプ氏は同盟国に応分の防衛負担を求めるだろう。
米国1国で専制国家を抑止できないため理解できるが、日本や先進7カ国(G7)、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの協力も合わせて語るべきだ。民主主義国同士の重層的な同盟・協力関係が国際社会の安定に繋がり、米国の繁栄も支えているからだ。
民主主義諸国の結束の乱れは中露など専制国家を増長させかねない。
トランプ氏は、バイデン政権が打ち出したインド太平洋地域の
「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」
への不支持も表明した。
米国の不在は、中国の地域での影響力を強めることになる。
再考すべきだ。
中東情勢も喫緊の課題だ。
イスラエルとイランの全面衝突が懸念されている。
イスラエルへの影響力を発揮し、事態の安定に努めてほしい。
石破茂政権はトランプ氏側と早期に接触し、信頼関係を築かねばならない。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は「不確実性」が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権の下で新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月2024年10月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日2024年11月6日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国で作る「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超に当たる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

米大統領選 有権者最大の関心は「民主主義」 出口調査 トランプ氏不正主張など影響か
2024/11/6 14:09
https://www.sankei.com/article/20241106-DNASW5AXFFJETCGA3CE2DJNMAQ/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で米メディア各社が実施した出口調査では、最も関心のある争点として
「民主主義の在り方」
を挙げた人が
「経済」
を上回った。
有権者層の分析では、共和党のトランプ前大統領(78)が過去の選挙戦より黒人やヒスパニック(中南米系)からの支持を増やした半面、民主党のハリス副大統領(60)はトランプ氏から白人の支持を奪っているもようだ。
NBCテレビの出口調査によると、最も重視する争点は
「民主主義」だと答えた人は34%
で、
「経済」の31%
を上回ってトップとなった。
続いて
「人工妊娠中絶の是非」が14%、
「移民問題」が11%、
「外交問題」が4%
だった。
CNNテレビの調査でも近似した結果となった。
選挙戦での世論調査では、ほぼ一貫して経済が最重要争点と見做されてきたが、ここにきて民主的制度が脅かされているとの懸念が有権者に広がっていることが示された格好だ。
米紙ワシントン・ポストによると、有権者の約7割が、米国の民主主義への脅威が
「とてもある」
あるいは
「ある程度ある」
と回答した。
背景には、トランプ氏が2020年の前回大統領選で十分な根拠を示さず主張したのと同様に、今回も投票日前から
「不正が行われている」
と繰り返していることなどが影響したとみられる。
前回選では、トランプ氏が敗北を認めずに不正主張を拡散させたことが、2021年1月のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件に繋がったとされる。
一方、NBCによれば、有権者の45%がトランプ政権時の4年前より
「生活が苦しくなった」
と回答。
経済運営ではハリス氏よりもトランプ氏に期待する傾向があらわれている。
人種による支持傾向にも変化があった。
トランプ氏を
「好ましい」
と考える人の割合は白人で49%で、前回選の57%から8ポイント減少。
ヒスパニックは42%、黒人は14%で、前回選よりそれぞれ4ポイント増加した。
「男らしさ」
といった価値観を重視する黒人やヒスパニックの男性有権者には、女性初の大統領を目指すハリス氏への反感がある一方、白人女性の間では
「トランプ離れ」
が進んでいると指摘される。

重要課題は「民主主義」「経済」 移民、中絶も判断要因に 米大統領選
2024/11/6 13:02
https://www.sankei.com/article/20241106-RCP7KKV2OBJOBEWXAWVVU7TJM4/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で、CNNテレビやABCテレビなどが共同実施した出口調査の結果によると、有権者が重要課題に挙げたのは民主主義の行方が35%で最も多く、経済が31%、人工妊娠中絶の権利が14%、不法移民問題が11%で続いた。
AP通信とFOXニュースの共同出口調査では、半数近くが民主主義を最も重要な争点だと答え、39%が経済だと回答。
移民問題は20%、中絶は11%だった。(共同)

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/157.html#c29

[国際35] 米大統領選でトランプが勝利して何が変わり、何が変わらないのか(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
30. 秘密のアッコちゃん[930] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月07日 17:31:22 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[495]
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米大統領選、トランプ氏圧勝で石破首相は戦々恐々%本に「憲法改正」要求する可能性、外圧も平和ボケ≠ノ喝を入れるチャンス
2024.11/7 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241107-HGZL2XVVOFN7NN5G5P2EP5UZGM/
米大統領選(2024年11月5日投開票)で、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は地滑り的勝利を収め、2024年11月6日未明、支持者を前に
「米国を再び偉大な国にする」
と宣言した。
民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)は同日、トランプ氏に電話し、敗北を認めた。
トランプ氏は
「米国第一」
を推進し、日本にも様々な要求を突き付けてくる可能性がある。
第1次トランプ政権では、安倍晋三首相(当時)がトランプ氏と盟友関係を築き、
「日米同盟を深化」
させたが、安倍氏に後ろから鉄砲を撃ち続け、衆院選で
「国民の信」
を得られなかった石破茂首相で日米関係は大丈夫なのか。
ニューヨークに滞在中のジャーナリスト、長谷川幸洋氏が緊急寄稿した。

世界が注目した米大統領選は、トランプ前大統領が圧勝した。
ハリス副大統領の勝利を期待していた日本の政府やメディア、識者たちには、衝撃だろう。
トランプ氏の復活で、石破政権が苦しい立場に立たされるのは必至だ。
トランプ氏は開票直後から優勢を保ち、開票が進むにつれて、ノースカロライナなど激戦州も制した。
接戦が報じられていたが、実際にはトランプ支持でありながら、世論調査にはそう答えない
「隠れトランプ」
層が相当数いた、とみられる。
トランプ氏の勝利は、日本にどんな影響を及ぼすのか。
それを読み解くには、彼が訴えてきた
「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」
というキャッチフレーズを思い起こす必要がある。
裏を返せば、彼の政治活動は
「米国は弱体化した」
という認識が出発点だった。
2016年には、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、
「米国は弱体化した」
「そうであれば、日本は米国の意向に関係なく、いずれ核武装するだろう」
と語っている。
2019年には、大阪で開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議の直前、
「米国は日本が攻撃されれば、血を流して全力で守るが、日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビで見ているだけだ」
と、日米同盟の片務性に不満を漏らしている。
欧州については、NATO(北大西洋条約機構)からの脱退や、ウクライナ支援から手を引く可能性を示唆してきた。
同じように
「アジアは日本に任せよう」
と言い出しても、おかしくない。
具体的には、岸田文雄前政権が、ジョー・バイデン米政権に約束したGDP(国内総生産)比2%の防衛力強化を1歩進めて、GDP比3%の防衛費を要求してくる可能性もある。
それだけではない。
私は
「憲法改正を言い出すのではないか」
と思っている。
日本が東アジアの平和と安定に一層貢献し、かつ
「日米同盟の片務性」
を解消するには、専守防衛を改めて、集団的自衛権の全面的容認が必要になるからだ。
経済政策では、中国からの輸入品に対して60%、その他の国の輸入品に10〜20%の関税をかける方針を表明している。
だが、日本については、
「防衛力の強化」

「在日米軍経費の負担増」
などと引き換えに、関税を減免する可能性もあるのではないか。
トランプ氏は
「もしも中国が台湾に侵攻すれば、中国の輸入品に150%から200%の関税をかける」
と語っている。
彼の頭の中では
「安全保障と関税が取引材料」
になっているからだ。
トランプ氏が交渉相手と認めてきたのは、いずれも
「強い指導者」
たちだった。
安倍元首相はもちろん、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領などの独裁者にも好意的なのは、彼らが強い指導者であるからだ。
それにひきかえ、政権発足直後の衆院選で大敗北を喫した石破政権は、それだけで、トランプ氏からまともに相手にしてもらえないだろう。
石破首相が米保守系シンクタンク「ハドソン研究所」への寄稿で
「アジア版NATOの創設」

「日米地位協定の改定」
を唱えたとなれば、尚更だ。
彼から見れば、そもそも
「米国に守ってもらっている自分の立場を分かっているのか」
「それなら、まず憲法を改正しろ」
という話になるのは、当然である。
お花畑で平和ボケした日本に喝を入れるのに、トランプ復活が絶好の外圧になるなら、日本は
「これもチャンス」
と受け止める以外にない。
http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/157.html#c30
[政治・選挙・NHK295] マイナ保険証一本化、石破茂首相「スケジュール通りやる」 総裁選での「先送り検討も必要」覆す(東京新聞 TOKYO Web) 達人が世直し
47. 秘密のアッコちゃん[931] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 05:58:17 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[496]
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<主張>衆院選の低投票率 若者はもっと政治参画を
社説
2024/11/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20241108-3HXW3F2C75KO3PPVH6GT6LCI6I/
先の衆院選の小選挙区の投票率は53・85%で、戦後3番目に低い水準となった。
18、19歳の投票率は抽出調査で43・06%だった。
投票率は戦後60〜70%台で推移したが、平成8年の衆院選で初めて60%を下回った。
50%台となったのは5回連続である。
有権者の半数近くが投票に行っていないのは民主主義の危機だ。
各政党、議員は事態を深刻に受け止めねばならない。
有権者はもっと自分の1票を重んじ、投票してもらいたい。
政府は電子投票の導入など打開策も本格的に検討すべきである。
自民党の派閥パーティー収入不記載事件とその後の対応で、政治への信頼は大きく損なわれた。
政治不信が投票率の低下に拍車をかけている。
石破茂首相は予算委員会を開かず衆院を解散したため、外交・安全保障を含む多くの政策課題の議論は深まらなかった。
有権者に政策上の争点を十分示せなかったことも、投票離れを招いた一因だろう。
与党の議席は石破首相が目標にした過半数に届かなかった。
このまま首相が辞任せず、政権に居座り続ければ、政治に対する信頼はより低下し、各種選挙にさらなる悪影響を及ぼすのではないか。
低投票率の原因は他にもある。
衆院選は政権選択選挙だ。
政権交代を訴えて戦った立憲民主党の基本政策が非現実的で、同党が政権を託すに足る存在ではないことも大きい。
18、19歳の若者の投票率が全国平均より10ポイントも低かったのは残念だ。
選挙権年齢を
「20歳以上」
から
「18歳以上」
に引き下げる改正公職選挙法が平成28年に施行されてから3回目の衆院選だったが、3回連続で40%台にとどまった。
高齢層の投票率は高く、若者の投票率が低い傾向はかねて続いている。
少子高齢化を背景に、人口が多い高齢層の投票率が高ければ、高齢の人ばかりを重視する政治となり、人口が少ない若年層の投票率が低ければ、日本の将来を見据えた政策は実現されにくくなる。
若者は日本国の一員であることを自覚すべきだ。
国際情勢や防衛政策、国民の暮らしに直結する身近な課題などに関心を持ち、投票を通じて国づくり、地域づくりに積極的に参画してもらいたい。

自民支持率、18歳〜20代は12・5% 「政治とカネ」になお強い不信感
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 19:37
https://www.sankei.com/article/20241104-KOBQI2UPS5NZBAAZVEWCAGPFSU/
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、70歳以上の年齢層だけで石破茂内閣の支持が不支持を上回った。
自民党も高齢層の支持が高い傾向が明らかとなった。
18歳〜20代で石破内閣を
「支持する」と答えたのは32・0%で、
「支持しない」は61・0%。
30代も支持が28・8%、不支持が59・4%だった。
唯一、70歳以上で支持(58・5%)が不支持(36・4%)より多かった。
前回調査(2024年10月5、6両日)では、ほとんどの年齢層で支持が不支持を上回っていた。
自民の支持率は25・8%となり、前回調査の34・3%から8・5ポイント下がった。
年代別で「支持政党が自民」と答えたのは、
70歳以上35・0%、
60代28・0%、
50代23・7%、
40代30・3%、
30代14・8%、
18歳〜20代12・5%
だった。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、不記載があった候補者を非公認などとして衆院選に臨んだことで
「政治とカネの問題」
にけじめがついたかを尋ねたところ、
「ついていない」が85・5%、
「ついた」は10・6%
だった。
非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについては
「自民会派入りは適切ではない」が52・0%、
「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%
にとどまった。
再発防止に必要な政治改革を2つ聞いたところ、
「政策活動費の使い道の公開」(40・9%)
が最も多く、
「政治資金の透明化やデジタル化での公開」(34・0%)、
「政治資金をチェックする第三者機関の設置」(28・5%)、
「政治資金パーティーの全面禁止」(27・2%)
などが続いた。

衆院選、10代投票率は抽出調査で43% 18歳は49%と高く19歳と12ポイント差
2024/10/30 14:04
https://www.sankei.com/article/20241030-OWTBYNRTAFF4JP7VT322GGJYIQ/?outputType=theme_election2024
総務省は2024年10月30日、衆院選小選挙区での18、19歳の投票率について、一部の投票区を抽出調査した結果、43・06%だったと発表した。
有権者全体の投票率53・85%を10・79ポイント下回った。
前回令和3年抽出調査の43・23%から0・17ポイント減った。
18歳の49・21%に対し、19歳は36・67%で12・54ポイントの差が出た。
年齢と男女別の内訳では、18歳が男性48・60%、女性49・86%。
19歳は男性36・09%、女性37・28%となった。
47都道府県から4投票区ずつ計188投票区を選び調査した。
各都道府県から標準的な投票率を示している1市、1区、1町、1村(区が存在しない県は2市、村が存在しない県は2町)を抽出し、標準的な投票率の選挙区を選んだ。
内訳は東京都特別区1カ所、政令市の行政区15カ所、市78カ所、町60カ所、村34カ所。対象投票区内の18、19歳有権者は2万2982人で、9897人が投票した。

衆院選の投票率低下か 保守票の棄権増え、与党には一転不利か 自民批判も醒めた空気
2024/10/25 12:07
https://www.sankei.com/article/20241025-FIRWCOM5SRDDXJQ5GIRRY5JNB4/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選を巡り、今回は投票率が前回令和3年の55・93%を下回るとの見方が出ている。
自民党には
「政治とカネ」
問題で逆風が吹いているが、識者は有権者が積極的に投票所に足を運ぶほどの熱量は生まれていないと分析する。
自民にお灸を据えても、政権交代まで求める声は広がっていないとの見方も出ている。
低投票率は組織票の多い与党が有利になる向きがあるが、今回は一定の保守票が棄権に回る傾向があるため、必ずしも従来のシナリオ通りにならないとの指摘もある。
■期日前投票17・5%減
投票率の行方を占うバロメーターとなる期日前投票も、今回の衆院選では伸び悩んでいる。
総務省によると、2024年10月21日現在の投票者数は467万1503人。
令和3年衆院選の同時期(566万6485人)に比べ約17・5%減少している。
今回の選挙は自民の派閥パーティー収入不記載事件が大きく、自民は石破茂首相(総裁)にトップを変えて選挙戦に挑んでいるが、2024年10月1日に発足したばかりの石破内閣の支持率も政権発足時としては低いままだ。
2024年10月5、6両日に行った産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査でも、石破内閣の支持率は53・3%にとどまっている。
しかし、同じ調査では、次期衆院選後の政権について「自民、公明中心の政権の継続」が53・1%で、前月の同じ調査と比べ5・2ポイント増えた。
「今の野党を中心とした政権交代」の35・3%(同5・9ポイント減)を上回っている。
2024年10月15日の公示以降、自民への逆風は更に強まっている感はあるが、上昇ムードにある野党第一党の立憲民主党からも
「野党政権の誕生を願って普段は投票に行かない無党派層が行動に出るほどの盛り上がりはない」(中堅の前衆院議員)
という声がある。
自民の政治姿勢に批判が高まった類似のケースとして、自民が下野した平成21年の衆院選があるが、これと比べると今回の選挙の特徴が浮かび上がる。
財団法人「明るい選挙推進協会」の統計によると、平成21年の衆院選直後に行った世論調査では、当時の衆院選に
「非常に関心を持った」
「多少は関心を持った」
は合わせて92・9%に達していた。
この時の投票率は69・28%。
一方、共同通信が今月2024年10月19、20両日に行った世論調査では、選挙に関心を持っている人は77・1%に留まっている。
■「岩盤保守層は棄権」
報道ベンチャー「JX通信社」(東京)の米重克洋社長は、今回の傾向について、石破首相の誕生から投開票までの期日が極端に短かったことを指摘し、
「政策の違いを吟味するには量も質も欠け、有権者側の準備期間が少な過ぎた」
と強調する。
その上で、自民の岩盤支持層の保守層は
「石破首相へのシンパシーが低いが、だからといって野党に投票するのでなく、投票を避ける傾向がある」
とも分析する。
一方、勝敗のカギを握るとされる無党派層も
「平成21年の衆院選で政権交代が実現しながら、生活が好転しなかった経験を持っているので、野党も自民に代わる『受け皿』と見做していない」
と語った。
自民の党四役経験者は
「野党は『裏金』と連呼することに集中し、政権交代後にどんな政策を行うかの訴えが目立たない」
「野党に政権を任せてもいいという安心感は醸成されておらず、これが図らずも我々を助けている」
と語る。
こうした流れが、
「自民は嫌だが野党には任せたくない」
という空気を作り、投票率の低下傾向に繋がっているようだ。

旧来型の決起集会や団体の運動は「選挙の見える化」に逆行「若い世代に向けSNS活用を」
宇都宮大・三田妃路佳准教授
2024/10/21 15:30
https://www.sankei.com/article/20241021-SY57GOM2EJL5HN62Z6MMS2SHBQ/?outputType=theme_election2024
2024年11月27日投開票の衆院選について、宇都宮大の三田妃路佳准教授は産経新聞のインタビューに応じ、若い世代の投票率向上に向けて
「選挙の『見える化』が必要だ」
と指摘した。

自民党にとって令和3年の前回選挙と違うのは、追い風が吹いておらず、逆風ぎみの政治情勢下で選挙戦に臨まざるを得ないことです。
自民は、
「選挙に勝てる顔」
として、石破茂総裁(首相)を選んだのでしょう。
首相は、逆風に対して防波堤になれるのか。
興味を持って見ています。
自民は公示日に先立ち、派閥パーティー収入不記載事件に関係した12人を非公認としました。
有権者の目にこうした取り組みがどう映っているのか、関心があります。
自民はこれまで、支持率が下がると、本の表紙の見栄えをよくするみたいにトップをすげ替える
「疑似政権交代」
を繰り返し、政権を維持してきました。
先の党総裁選でも、党内野党的な存在だった首相を引っ張り出したわけです。
選挙権年齢が
「18歳以下」
に引き下げられて以降、若い世代の低投票率が問題視されています。
これは関心がないのではなく、どの候補も年齢的に遠い存在であり、この世代に関わる政治テーマが話題にならず、主張も分かりづらいことが理由だと思います。
自分たちの声が政治に届く。
政治参加すれば何かを変えられる−。
こうした
「政治的な有効性感覚」
を肌で感じられれば、投票率は上昇するでしょう。
選挙の
「見える化」
が必要なのです。
候補の情報を充実させ、有権者の政治参加を促すため、選挙運動におけるインターネットの利用が解禁されています。
旧来型の決起集会や団体中心の選挙運動などは、
「見える化」
に逆行しています。
若い世代の情報ソースである
「TikTok(ティックトック)」
などの交流サイト(SNS)や、動画投稿サイト
「ユーチューブ」
をもっと活用すべきです。
■みた・ひろか
東京都出身。
慶応大大学院修了。
ハーバード大研究所員。
宇都宮大大学院地域創生科学研究科准教授。
栃木県次期プラン策定懇談会委員、宇都宮市個人情報保護審議会委員など。
専門は政治学、行政学、公共政策論。
著書は
「「公共事業改革の政治過程−自民党政権下の公共事業と改革アクタ−」(慶應義塾大学出版会)
など。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/872.html#c47

[政治・選挙・NHK295] 石破内閣も「政治とカネ」で爆発寸前! 鈴木馨祐法相だけじゃない“地雷閣僚”がゾロゾロ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
23. 秘密のアッコちゃん[932] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 06:36:33 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[497]
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立憲民主党の野田代表沈黙…大躍進で「KY」か
2024/11/8 6:00
https://www.sankei.com/article/20241108-2TFSV2OMBBKELKYSROPKUMVMXU/?outputType=theme_election2024
先の衆院選で大躍進した立憲民主党の野田佳彦代表の存在感がまるで空気≠フようだ。
衆院選で公示前から50議席増の148議席に大躍進したが、自民、公明両党の衆院過半数割れにより、注目を浴びるのはキャスチングボートを握る国民民主党ばかり。
野田氏の静けさには政局の行方を見定めようとの思惑がある一方、急膨張に伴う
「危険を予知」(KY)
したとの見方が出ている。
「熟議と公開の時代に入ってきた」
「そういう時代認識の下で精力的に各党との協議を進めていきたい」
立民の野田佳彦代表は2024年11月5日、国民民主の玉木雄一郎代表との会談後、与党衆院過半数割れとなった現在の政局認識について、こう指摘した。「政党間の協議が活発になってきた」
「どんな話し合いが行われたかを丁寧に公開していくことが第一」
「何度でも意見交換し、そこで一致点を見いだす熟議が大事」
とも語り、各党との対話を通じて複雑な政局を乗り越えていく意思を示した。
選挙戦では、自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受けて
「政治とカネ」
の問題にターゲットを絞り、
「国民の怒り」
を受け止めることに成功した。
野田氏は
「与党衆院過半数割れ」

「比較第一党」
を掲げ、そのうちの1つの目標を達成する一方、国民民主党は公示前4倍に躍進し、日本維新の会も議席を減らしたとはいえ、38議席を維持し野党第2党の立場を守った。
■3割近く占める新人に危うさ
今年2024年9月末に代表に就任し、僅か1カ月で政権交代にあと一歩まで迫ったが、投開票日直後から野田氏の顔には憂悶が浮かんでいた。
大勢が判明した2024年10月28日未明、大躍進にも関わらず厳しい表情の訳を記者団に問われると、野田氏は
「まだ初めの1歩で、これからが大変だ」
「元々余り笑顔は出る方ではないが、むしろ気が引き締まってきた」
とかわした。
政権交代を実現できなかった悔しさがあったのだろうが、野田氏の胸には別の思いが去来していた可能性がある。
まずは新人議員の危うさだ。
今回、立民には39人の新人議員が誕生し、全体の3割近くを占める。
民主党に政権交代した平成21年衆院選でも大量の新人が当選し、スキャンダルや身勝手な振る舞いで党内に混乱をもたらした。
立民関係者は
「今回の選挙は完全に敵失で、公示直前に擁立した候補者も多数いる」
「個別の身体検査は全くできていない」
と明かす。
既に複数の週刊誌が新人議員が隠すスキャンダルにターゲットを絞り、手ぐすねを引いて待ち受ける。
■示せなかった政権担当能力
一方、
「裏金問題ばっかり言い過ぎた」(野田氏)
と振り返るほど、
「裏金一辺倒」
で政権与党を批判したが、選挙戦を通じて政権担当能力を示すことはできなかった。
立民幹部は選挙戦に
「政権交代まではいかない」
と見ていたが、2024年10月23日の共産党機関紙「しんぶん赤旗」の報道で情勢が一気に変わった。
「赤旗」
は自民党が非公認とした前議員が代表を務める党支部に対し、政党交付金から
「活動費」
名目で2000万円を支出した問題を報じ、野党に追い風を吹かせた。
だが、立民内には
「公約で示した政策は、政権担当能力を堂々と示せるほどのものではない」(党幹部)
との認識があった。
一例を挙げれば、立民が日銀の物価安定目標を
「2%から0%超に変更すると共に、政府・日銀の共同目標として、実質賃金の上昇を掲げる」
と明示したことは物議を醸した。
物価の引き下げと賃金上昇の両立は不可能などとして、
「手取りを増やす」
政策を掲げて戦っていた国民民主から批判された。
市場関係者も不安視し、説明不足を認めた立民側も釈明に迫られる始末だった。
選挙戦を通じて経済オンチぶりを印象づける結果となってしまった。
別の立民関係者は、前身の旧民主党が政権交代を果たした後、分裂を繰り返してきた経緯を踏まえ、
「野田氏が憂い顔だったのは、分裂を繰り返した苦い経験が頭を過ったのではないだろうか」
と話した。

衆院選で50議席増、立憲民主党にこれだけの不安 野田代表の持論、増税路線・改憲停滞・女系天皇容認…旧民主党と同じ轍?
2024.10/28 15:15
https://www.zakzak.co.jp/article/20241028-VR3YTL6DXRIRJMZLWILWU4Y64Y/
野田佳彦代表の立憲民主党は衆院選で148議席(50議席増)という大躍進を果たした。
今後、来夏の参院選勝利と、次期衆院選での政権奪取に向けた準備を進める方針だが、不安も多い。
同党の政策や野田代表の言動には、増税を主張したり、憲法改正論議を停滞させたり、「女系天皇」容認につながる持論が見られるのだ。
「(自民党の)裏金問題に厳しい批判があった」
「政治改革のため、どの党が良いかという観点で立民に支持が集まった」
野田代表は2024年10月27日、勝因についてこう述べた。
同日の民放番組では、
「『自公政権の継続は駄目だ』との立場で政治改革を推進するとの一致点があるなら対話していきたい」
と語り、他党との連携に意欲を示した。
立憲民主党は衆院選で
「政権交代こそ、最大の政治改革。」
と謳い、派閥裏金事件に揺れる自民党批判を繰り返して議席を増やした。
だが、国民の暮らしに直結する具体的政策には、首を捻りたくなるものも多い。
物価高に苦しむ国民が多い中、立憲民主党は消費税減税には踏み込まず、低所得者に消費税の一部を還付する制度導入を打ち出すにとどまった。
野田氏は2024年10月14日のTBS番組で、現在一律20%の金融所得課税について
「税率を高めることはあり得る」
と述べ、法人税も
「今まで引き下げ競争をやり過ぎた」
「引き上げる余地がある」
と語った。
安全保障上の懸念もある。
日本は、中国やロシア、北朝鮮という核を持つ全体主義国家に囲まれているが、憲法改正にも立憲民主党は消極的姿勢を取る。
先の通常国会の衆院憲法審査会では、自民党が、公明党や日本維新の会、国民民主党などと調整して、選挙困難時に国会議員の任期延長を可能にする憲法改正案の
「叩き台」
となる論点整理を提示した。
これに対し、立憲民主党は慎重姿勢を崩さず発議の時期すら見通せない。
安定的な皇位継承策への考えにも疑念がある。
野田代表は2024年10月1日のインターネット番組で、
「男系の女性天皇に持っていくためにも、配偶者や子の問題をどうクリアするかだ」
と述べ、女性皇族に加えて配偶者や子にも皇族の身分を付与すべきだとの考えを示した。
これまでも、野田代表は
「女性宮家」
創設に強い拘りを持っており、当主の子が宮家を引き継ぐことになれば
「女系天皇」
誕生の糸口となるだけに、保守層の警戒を呼んでいる。
前身の民主党政権は政権担当時、米軍普天間飛行場の辺野古移転に関する迷走や、衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)の破綻、東日本大震災や原発事故での対応、党内抗争の激化などが目立ち、
「悪夢の民主党政権」
と呼ばれた。
同じ轍を踏むことはないのか。

<主張>立民代表に野田氏 「保守色」は感じられない
社説
2024/9/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20240924-4OGWIIAU3ZPFXBKTDWXSWCNBLY/
立憲民主党臨時党大会で、野田佳彦元首相が党の創設者である枝野幸男元代表らを破り新代表に就任した。
野田氏は次期衆院選が迫っているとして、
「本気で政権を取りにいく」
と語った。
代表選を通じ野田氏は
「穏健な保守層」
へ支持を広げると語ってきた。
保守政治家を自任しているのかもしれないが、野田氏が語った政策は現実路線とは思えない。
野田氏は演説で、政権を得れば
「アジア太平洋地域に米国がコミットし続ける(ような)日米同盟を基軸とした外交安全保障を作る」
と述べた。
だが、野田氏が代表選で語った政策は同盟を揺るがす内容を含んでいた。
抑止力を向上させた集団的自衛権の限定行使容認について、違憲との考えを示したからである。
日米の外交、防衛協力の現場は混乱し、抑止力と対処力を損なうだろう。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設については
「基本形は変わらない」
と述べる一方で、沖縄の民意を踏まえ米国と協議するとも語った。
移設工事停止もあり得るということなのか。
憲法改正には消極的だ。
「論憲」
の立場を表明したが
「今、憲法論を1番の争点としてやることなのか」
とも語った。
緊急事態条項を巡っては
「参院の緊急集会で対応できる」
と否定的だった。
これでは有事や大規模災害から国民を守れまい。
護憲派と改憲派が混在する党内事情から憲法改正に正面から取り組むのは不得策と考えたのか。
一方、野田氏が連携を想定する日本維新の会や国民民主党は憲法改正に積極的だ。
両党は緊急事態での議員任期延長で一致している。
維新は自衛隊明記も求めている。
両党との連携は難しい課題となろう。
野田氏は共産党との選挙協力を否定したこともなかった。
共産と結び、
「立憲共産党」
と呼ばれて選挙に敗北した党の過去を忘れてはなるまい。
野田氏は先の国会で、皇族数確保に関する合意形成の障害となっていた。
「女性宮家」
の非皇族男子の夫と子の皇族化に拘ったようだが、これは先例を尊ぶ皇室の歴史で1例もない。
皇統断絶を意味する
「女系天皇」
に繋がりかねない危うい議論でもある。
今上天皇まで貫いてきた男系(父系)継承を守る立場を取ってほしい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/873.html#c23

[国際35] 米大統領選でトランプが勝利して何が変わり、何が変わらないのか(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
38. 秘密のアッコちゃん[933] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 06:49:43 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[498]
<■384行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>トランプ氏と経済 米国第一への備え万全に
社説
2024/11/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20241108-TO2SHDQW3ZLOBPGJT33URQY6WE/
トランプ次期米大統領は、インフレなどで現政権を批判し、経済政策を抜本的に改める姿勢を示してきた。
米国を再び偉大にするには経済を強化するしかないとの思いが強いのだろう。
中国の台頭で世界経済における米国の影響力が相対的に低下する中、国内産業を再興し雇用を守ることは重要だ。
だが、現政権の政策をことごとく否定する言動は危うさも孕む。
自国第一主義の下、中国はおろか西側諸国にも関税などで経済的圧力をかけようとする姿勢も相変わらずである。
日本を含む各国は新政権がもたらしかねない世界経済の混乱や分断に備えねばならない。
石破茂首相は2024年11月7日、トランプ氏と電話会談し、日米同盟を高次元にする考えで一致した。
日米は中国などの専制主義国を念頭に経済安全保障上の連携も深化させなくてはならない。
そのためにも米国が内向きにならぬよう働きかけるべきは当然だが、トランプ氏は同盟の意義以上に経済実利を優先しがちだ。
日本の官民はそれを前提に対策を講じる必要がある。
トランプ氏は法人税や所得税の減税などを掲げている。
中国からの輸入品への高関税だけでなく、その他の国にも10〜20%の関税を課す考えも示した。
ただし、これらがトランプ氏の嫌うインフレや円安ドル高を助長しかねないことを懸念する。
自動車などに軒並み高関税が課されれば日本企業の北米戦略に重大な影響を及ぼそう。
日本は前回のトランプ政権時、安保上の懸念を理由に鉄鋼などに高い関税をかけられた。
トランプ氏は今次の大統領選で、台湾に関し
「米国の半導体ビジネスを盗んだ」
と批判したことが米メディアに報じられた。
こうした動きが強まれば米国と各国の結束を揺るがすことになりかねない。
当面の焦点は日本製鉄によるUSスチールの買収問題だろう。
トランプ氏はこれに反対してきたが、理不尽な買収阻止は問題である。
米国主導で設立したインド太平洋経済枠組み(IPEF)の不支持も撤回してほしい。
トランプ氏はかつて環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱したが、政権に就く度に離脱を繰り返すようでは地域内での米国の信頼は失墜しよう。それがどの国を喜ばせるかをトランプ氏は熟慮すべきだ。

米大統領選、トランプ氏圧勝で石破首相は戦々恐々%本に「憲法改正」要求する可能性、外圧も平和ボケ≠ノ喝を入れるチャンス
2024.11/7 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241107-HGZL2XVVOFN7NN5G5P2EP5UZGM/
米大統領選(2024年11月5日投開票)で、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は地滑り的勝利を収め、2024年11月6日未明、支持者を前に
「米国を再び偉大な国にする」
と宣言した。
民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)は同日、トランプ氏に電話し、敗北を認めた。
トランプ氏は
「米国第一」
を推進し、日本にも様々な要求を突き付けてくる可能性がある。
第1次トランプ政権では、安倍晋三首相(当時)がトランプ氏と盟友関係を築き、
「日米同盟を深化」
させたが、安倍氏に後ろから鉄砲を撃ち続け、衆院選で
「国民の信」
を得られなかった石破茂首相で日米関係は大丈夫なのか。
ニューヨークに滞在中のジャーナリスト、長谷川幸洋氏が緊急寄稿した。

世界が注目した米大統領選は、トランプ前大統領が圧勝した。
ハリス副大統領の勝利を期待していた日本の政府やメディア、識者たちには、衝撃だろう。
トランプ氏の復活で、石破政権が苦しい立場に立たされるのは必至だ。
トランプ氏は開票直後から優勢を保ち、開票が進むにつれて、ノースカロライナなど激戦州も制した。
接戦が報じられていたが、実際にはトランプ支持でありながら、世論調査にはそう答えない
「隠れトランプ」
層が相当数いた、とみられる。
トランプ氏の勝利は、日本にどんな影響を及ぼすのか。
それを読み解くには、彼が訴えてきた
「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」
というキャッチフレーズを思い起こす必要がある。
裏を返せば、彼の政治活動は
「米国は弱体化した」
という認識が出発点だった。
2016年には、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、
「米国は弱体化した」
「そうであれば、日本は米国の意向に関係なく、いずれ核武装するだろう」
と語っている。
2019年には、大阪で開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議の直前、
「米国は日本が攻撃されれば、血を流して全力で守るが、日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビで見ているだけだ」
と、日米同盟の片務性に不満を漏らしている。
欧州については、NATO(北大西洋条約機構)からの脱退や、ウクライナ支援から手を引く可能性を示唆してきた。
同じように
「アジアは日本に任せよう」
と言い出しても、おかしくない。
具体的には、岸田文雄前政権が、ジョー・バイデン米政権に約束したGDP(国内総生産)比2%の防衛力強化を1歩進めて、GDP比3%の防衛費を要求してくる可能性もある。
それだけではない。
私は
「憲法改正を言い出すのではないか」
と思っている。
日本が東アジアの平和と安定に一層貢献し、かつ
「日米同盟の片務性」
を解消するには、専守防衛を改めて、集団的自衛権の全面的容認が必要になるからだ。
経済政策では、中国からの輸入品に対して60%、その他の国の輸入品に10〜20%の関税をかける方針を表明している。
だが、日本については、
「防衛力の強化」

「在日米軍経費の負担増」
などと引き換えに、関税を減免する可能性もあるのではないか。
トランプ氏は
「もしも中国が台湾に侵攻すれば、中国の輸入品に150%から200%の関税をかける」
と語っている。
彼の頭の中では
「安全保障と関税が取引材料」
になっているからだ。
トランプ氏が交渉相手と認めてきたのは、いずれも
「強い指導者」
たちだった。
安倍元首相はもちろん、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領などの独裁者にも好意的なのは、彼らが強い指導者であるからだ。
それにひきかえ、政権発足直後の衆院選で大敗北を喫した石破政権は、それだけで、トランプ氏からまともに相手にしてもらえないだろう。
石破首相が米保守系シンクタンク「ハドソン研究所」への寄稿で
「アジア版NATOの創設」

「日米地位協定の改定」
を唱えたとなれば、尚更だ。
彼から見れば、そもそも
「米国に守ってもらっている自分の立場を分かっているのか」
「それなら、まず憲法を改正しろ」
という話になるのは、当然である。
お花畑で平和ボケした日本に喝を入れるのに、トランプ復活が絶好の外圧になるなら、日本は
「これもチャンス」
と受け止める以外にない。

<産経抄>返り咲くトランプ氏、わが国も主要プレーヤーとしての覚悟を
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LCLBWAHAPVKMNCEAR2DH24N7GA/
言葉を生業とする人々にとって、
「民主主義」
は汲めども尽きぬ警句の泉らしい。
英国の劇作家、トム・ストッパード氏は巧みな言い回しでその本質を突いている。
「投票が民主主義なのではない」
「票の勘定が民主主義なのだ」
と。
▼『すごい言葉』(晴山陽一著)から拝借した。
多くの前提が必要だろう。
選挙権と被選挙権に不当な制限がなく、投票の秘密や投開票の公正さが担保されていること。
ロシア、中国…。
民主主義を否定する国々を見るにつけ、米国には模範的な存在であってほしいと願う。
▼大接戦と予想された米大統領選は、激戦州を制したトランプ前大統領が、思いのほか早く勝利宣言にこぎ着けた。
むろん、米国に一息つく暇はない。
我が国もここからは民主主義陣営を構成する国として、世界の課題に向き合わなければならない。
▼ウクライナ支援の在り方は大きな懸案だ。
トランプ氏の判断次第で、侵略国のロシアだけでなく、台湾への威圧を強める中国をも喜ばせかねない。
混乱する中東情勢や、核・ミサイル戦力の増強を進める北朝鮮など、緊張を高める変数も実に多い。
▼「投票は弾丸よりも強し」
と述べたリンカーンは、弾丸に命を奪われた。
今回の大統領選で、トランプ氏が銃や暴力の標的になったのも記憶に新しい。
深刻な亀裂が窺える米社会は、一体感を取り戻せるだろうか。
政治の空白を生まぬよう円滑な政権移行を望みたい。
▼問われているのは米国の、そして民主主義の地力に他ならない。
トランプ氏の掲げる
「米国第一主義」
が、先の見通しづらい世界情勢にどう応じるのか、という懸念はある。
我が国もまた、国際社会の主要プレーヤーとして主体的に振る舞う覚悟を問われている。

<主張>トランプ氏勝利 同盟重視し国際秩序守れ 内向きに終始してはならない
社説
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-EQUVXD4IZFOJDMKHLBFXNC47EE/
米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が勝利宣言し、
「繁栄した米国を作りたい」
と語った。
2024年12月の選挙人投票を経て来年2025年1月20日に就任する。
2021年1月以来の返り咲きとなる。
「米国を再び偉大に」
「米国第一主義」
などのスローガンを掲げた。
インフレ(物価上昇)や不法移民の問題で民主党候補のハリス副大統領を批判し、有権者の支持を集めた。
暗殺未遂を乗り越えた
「強さ」
も支持されたのだろう。
トランプ氏に注文したい。
公約に沿ってインフレや不法移民など内政の諸政策を推進するのは当然だが、
「内向き」
の政治に終始しないでもらいたい。
■日本との協力を確実に
前回のトランプ政権は、専制国家中国の脅威をはっきりと指摘し、軍事的、経済的に抑止していくという歴史的決断を下した。
それは民主党のバイデン政権にも引き継がれた。
新たなトランプ政権でも国際秩序を守るために行動することを期待したい。
世界はトランプ前政権当時から大きく変わった。
中国は経済不振に陥りながらも、台湾周辺や南・東シナ海で軍事的威圧を強めている。
ロシアによるウクライナ侵略は3年近くも続いている。
中東での紛争は終息の気配がない。
自由と民主主義、「法の支配」に基づく世界の秩序が、専制国家によって脅かされている。
米国の行動力と民主主義諸国の結束が今ほど試されているときはない。
トランプ氏は、2024年7月の共和党全国大会で訴えたように
「米国の不和と分断」
を修復しなければならない。
トランプ政権が備えるべき相手は、自身を支持しなかった
「内なる敵」
ではなく、米国や民主主義国の存立と繁栄を脅かす専制国家だ。
世界の経済成長の中心地であるインド太平洋地域への関心を高めてほしい。
地域最大の同盟国である日本やオーストラリア、カナダ、韓国などとの協力が欠かせない。
大統領選の最中には、中国による日本や台湾、フィリピンなどへの軍事的挑発が相次いだ。
2024年10月に台湾を囲む形で行われた中国軍の演習ではロシア軍の艦船が宮古海峡を通過した。
台湾有事を想定した中露連携との見方もある。
北朝鮮は新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。
トランプ氏の台湾を巡る認識には不安もある。
共和党の政策綱領から1980年以来初めて
「台湾の自衛を支援する」
という誓約が抜け落ちた。
トランプ氏が
「台湾は防衛費を払うべきだ」
「我々は保険会社と何ら変わらない」
と不満を語ったこともあった。
だが、日米などが共有する
「自由で開かれたインド太平洋」
のためにも台湾海峡の平和と安定は死活的に重要だ。
米軍の近代化を進め対中抑止に努めねばならない。
■ウクライナ支援続けよ
トランプ氏にはウクライナへの支援継続も望みたい。
派兵された北朝鮮軍の部隊がウクライナ軍と交戦したと伝えられる。
ウクライナへの侵略国に北朝鮮が加わった。
ここでもインド太平洋地域と欧州の安全保障問題は繋がった。
トランプ氏は自身が大統領選に勝てば
「すぐに停戦できる」
と述べてきたが、停戦とは露軍の即時全面撤退以外にない。
ロシアや北朝鮮に果実を与えれば、日本周辺での専制国家による侵略を誘発しかねない。
トランプ氏は同盟国に応分の防衛負担を求めるだろう。
米国1国で専制国家を抑止できないため理解できるが、日本や先進7カ国(G7)、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの協力も合わせて語るべきだ。民主主義国同士の重層的な同盟・協力関係が国際社会の安定に繋がり、米国の繁栄も支えているからだ。
民主主義諸国の結束の乱れは中露など専制国家を増長させかねない。
トランプ氏は、バイデン政権が打ち出したインド太平洋地域の
「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」
への不支持も表明した。
米国の不在は、中国の地域での影響力を強めることになる。
再考すべきだ。
中東情勢も喫緊の課題だ。
イスラエルとイランの全面衝突が懸念されている。
イスラエルへの影響力を発揮し、事態の安定に努めてほしい。
石破茂政権はトランプ氏側と早期に接触し、信頼関係を築かねばならない。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は「不確実性」が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権の下で新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月2024年10月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日2024年11月6日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国で作る「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超に当たる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

米大統領選 有権者最大の関心は「民主主義」 出口調査 トランプ氏不正主張など影響か
2024/11/6 14:09
https://www.sankei.com/article/20241106-DNASW5AXFFJETCGA3CE2DJNMAQ/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で米メディア各社が実施した出口調査では、最も関心のある争点として
「民主主義の在り方」
を挙げた人が
「経済」
を上回った。
有権者層の分析では、共和党のトランプ前大統領(78)が過去の選挙戦より黒人やヒスパニック(中南米系)からの支持を増やした半面、民主党のハリス副大統領(60)はトランプ氏から白人の支持を奪っているもようだ。
NBCテレビの出口調査によると、最も重視する争点は
「民主主義」だと答えた人は34%
で、
「経済」の31%
を上回ってトップとなった。
続いて
「人工妊娠中絶の是非」が14%、
「移民問題」が11%、
「外交問題」が4%
だった。
CNNテレビの調査でも近似した結果となった。
選挙戦での世論調査では、ほぼ一貫して経済が最重要争点と見做されてきたが、ここにきて民主的制度が脅かされているとの懸念が有権者に広がっていることが示された格好だ。
米紙ワシントン・ポストによると、有権者の約7割が、米国の民主主義への脅威が
「とてもある」
あるいは
「ある程度ある」
と回答した。
背景には、トランプ氏が2020年の前回大統領選で十分な根拠を示さず主張したのと同様に、今回も投票日前から
「不正が行われている」
と繰り返していることなどが影響したとみられる。
前回選では、トランプ氏が敗北を認めずに不正主張を拡散させたことが、2021年1月のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件に繋がったとされる。
一方、NBCによれば、有権者の45%がトランプ政権時の4年前より
「生活が苦しくなった」
と回答。
経済運営ではハリス氏よりもトランプ氏に期待する傾向があらわれている。
人種による支持傾向にも変化があった。
トランプ氏を
「好ましい」
と考える人の割合は白人で49%で、前回選の57%から8ポイント減少。
ヒスパニックは42%、黒人は14%で、前回選よりそれぞれ4ポイント増加した。
「男らしさ」
といった価値観を重視する黒人やヒスパニックの男性有権者には、女性初の大統領を目指すハリス氏への反感がある一方、白人女性の間では
「トランプ離れ」
が進んでいると指摘される。

重要課題は「民主主義」「経済」 移民、中絶も判断要因に 米大統領選
2024/11/6 13:02
https://www.sankei.com/article/20241106-RCP7KKV2OBJOBEWXAWVVU7TJM4/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で、CNNテレビやABCテレビなどが共同実施した出口調査の結果によると、有権者が重要課題に挙げたのは民主主義の行方が35%で最も多く、経済が31%、人工妊娠中絶の権利が14%、不法移民問題が11%で続いた。
AP通信とFOXニュースの共同出口調査では、半数近くが民主主義を最も重要な争点だと答え、39%が経済だと回答。
移民問題は20%、中絶は11%だった。(共同)

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/157.html#c38

[国際35] トランプ氏の当選確実 132年ぶりの米大統領「返り咲き」へ(毎日新聞) 赤かぶ
20. 秘密のアッコちゃん[934] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 07:02:46 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[499]
<■411行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
米FRB0・25%追加利下げ決定 パウエル議長、トランプ政権から要求されても辞任せず
2024/11/8 6:41
https://www.sankei.com/article/20241108-Z47WPHUQH5PJRPPLC7JI32TTKQ/
米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は2024年11月7日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利を0・25%引き下げ、誘導目標を4・5〜4・75%とすることを決めた。
利下げは2024年9月の前回に続き2会合連続。
パウエルFRB議長は同日2024年11月7日の記者会見で、トランプ次期政権から辞任を要求されても応じる考えがないことを明らかにした。
パウエル氏は会見で、物価高問題に対するFRBの対応を批判してきたトランプ氏が大統領選で勝利したことへの影響について
「短期的には我々政策決定に影響を与えることはない」
と指摘。
目標に掲げる
「安定した物価と雇用の最大化」
に向けて引き続き取り組む姿勢を強調した。
トランプ氏はFRBが2024年9月の前回会合で0・5%の利下げを決定したことに関し
「政治的な動きだ」
と批判。
2024年8月にはFRBの金融政策を巡り
「大統領が少なくとも口を出すべきだ」
との考えを示していた。
FRBは会合後に発表した声明で、雇用情勢について
「今年2024年の早い段階から全般的に緩和している」
とし、人手不足の状況は改善しているとの見方を示した。
失業率は
「上昇したが低いままだ」
と指摘した。
パウエル氏は会見で、労働市場を巡り
「更なる冷え込みは必要ない」
と説明した。
FRBは、物価高を抑えながら景気後退を回避する
「ソフトランディング(軟着陸)」
を目指している。
今回、物価上昇の伸びが鈍化する一方で、雇用環境が悪化する懸念もくすぶることから、堅調な経済を維持するため利下げを決めた。

<主張>トランプ氏と経済 米国第一への備え万全に
社説
2024/11/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20241108-TO2SHDQW3ZLOBPGJT33URQY6WE/
トランプ次期米大統領は、インフレなどで現政権を批判し、経済政策を抜本的に改める姿勢を示してきた。
米国を再び偉大にするには経済を強化するしかないとの思いが強いのだろう。
中国の台頭で世界経済における米国の影響力が相対的に低下する中、国内産業を再興し雇用を守ることは重要だ。
だが、現政権の政策をことごとく否定する言動は危うさも孕む。
自国第一主義の下、中国はおろか西側諸国にも関税などで経済的圧力をかけようとする姿勢も相変わらずである。
日本を含む各国は新政権がもたらしかねない世界経済の混乱や分断に備えねばならない。
石破茂首相は2024年11月7日、トランプ氏と電話会談し、日米同盟を高次元にする考えで一致した。
日米は中国などの専制主義国を念頭に経済安全保障上の連携も深化させなくてはならない。
そのためにも米国が内向きにならぬよう働きかけるべきは当然だが、トランプ氏は同盟の意義以上に経済実利を優先しがちだ。
日本の官民はそれを前提に対策を講じる必要がある。
トランプ氏は法人税や所得税の減税などを掲げている。
中国からの輸入品への高関税だけでなく、その他の国にも10〜20%の関税を課す考えも示した。
ただし、これらがトランプ氏の嫌うインフレや円安ドル高を助長しかねないことを懸念する。
自動車などに軒並み高関税が課されれば日本企業の北米戦略に重大な影響を及ぼそう。
日本は前回のトランプ政権時、安保上の懸念を理由に鉄鋼などに高い関税をかけられた。
トランプ氏は今次の大統領選で、台湾に関し
「米国の半導体ビジネスを盗んだ」
と批判したことが米メディアに報じられた。
こうした動きが強まれば米国と各国の結束を揺るがすことになりかねない。
当面の焦点は日本製鉄によるUSスチールの買収問題だろう。
トランプ氏はこれに反対してきたが、理不尽な買収阻止は問題である。
米国主導で設立したインド太平洋経済枠組み(IPEF)の不支持も撤回してほしい。
トランプ氏はかつて環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱したが、政権に就く度に離脱を繰り返すようでは地域内での米国の信頼は失墜しよう。それがどの国を喜ばせるかをトランプ氏は熟慮すべきだ。

米大統領選、トランプ氏圧勝で石破首相は戦々恐々%本に「憲法改正」要求する可能性、外圧も平和ボケ≠ノ喝を入れるチャンス
2024.11/7 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241107-HGZL2XVVOFN7NN5G5P2EP5UZGM/
米大統領選(2024年11月5日投開票)で、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は地滑り的勝利を収め、2024年11月6日未明、支持者を前に
「米国を再び偉大な国にする」
と宣言した。
民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)は同日、トランプ氏に電話し、敗北を認めた。
トランプ氏は
「米国第一」
を推進し、日本にも様々な要求を突き付けてくる可能性がある。
第1次トランプ政権では、安倍晋三首相(当時)がトランプ氏と盟友関係を築き、
「日米同盟を深化」
させたが、安倍氏に後ろから鉄砲を撃ち続け、衆院選で
「国民の信」
を得られなかった石破茂首相で日米関係は大丈夫なのか。
ニューヨークに滞在中のジャーナリスト、長谷川幸洋氏が緊急寄稿した。

世界が注目した米大統領選は、トランプ前大統領が圧勝した。
ハリス副大統領の勝利を期待していた日本の政府やメディア、識者たちには、衝撃だろう。
トランプ氏の復活で、石破政権が苦しい立場に立たされるのは必至だ。
トランプ氏は開票直後から優勢を保ち、開票が進むにつれて、ノースカロライナなど激戦州も制した。
接戦が報じられていたが、実際にはトランプ支持でありながら、世論調査にはそう答えない
「隠れトランプ」
層が相当数いた、とみられる。
トランプ氏の勝利は、日本にどんな影響を及ぼすのか。
それを読み解くには、彼が訴えてきた
「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」
というキャッチフレーズを思い起こす必要がある。
裏を返せば、彼の政治活動は
「米国は弱体化した」
という認識が出発点だった。
2016年には、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、
「米国は弱体化した」
「そうであれば、日本は米国の意向に関係なく、いずれ核武装するだろう」
と語っている。
2019年には、大阪で開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議の直前、
「米国は日本が攻撃されれば、血を流して全力で守るが、日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビで見ているだけだ」
と、日米同盟の片務性に不満を漏らしている。
欧州については、NATO(北大西洋条約機構)からの脱退や、ウクライナ支援から手を引く可能性を示唆してきた。
同じように
「アジアは日本に任せよう」
と言い出しても、おかしくない。
具体的には、岸田文雄前政権が、ジョー・バイデン米政権に約束したGDP(国内総生産)比2%の防衛力強化を1歩進めて、GDP比3%の防衛費を要求してくる可能性もある。
それだけではない。
私は
「憲法改正を言い出すのではないか」
と思っている。
日本が東アジアの平和と安定に一層貢献し、かつ
「日米同盟の片務性」
を解消するには、専守防衛を改めて、集団的自衛権の全面的容認が必要になるからだ。
経済政策では、中国からの輸入品に対して60%、その他の国の輸入品に10〜20%の関税をかける方針を表明している。
だが、日本については、
「防衛力の強化」

「在日米軍経費の負担増」
などと引き換えに、関税を減免する可能性もあるのではないか。
トランプ氏は
「もしも中国が台湾に侵攻すれば、中国の輸入品に150%から200%の関税をかける」
と語っている。
彼の頭の中では
「安全保障と関税が取引材料」
になっているからだ。
トランプ氏が交渉相手と認めてきたのは、いずれも
「強い指導者」
たちだった。
安倍元首相はもちろん、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領などの独裁者にも好意的なのは、彼らが強い指導者であるからだ。
それにひきかえ、政権発足直後の衆院選で大敗北を喫した石破政権は、それだけで、トランプ氏からまともに相手にしてもらえないだろう。
石破首相が米保守系シンクタンク「ハドソン研究所」への寄稿で
「アジア版NATOの創設」

「日米地位協定の改定」
を唱えたとなれば、尚更だ。
彼から見れば、そもそも
「米国に守ってもらっている自分の立場を分かっているのか」
「それなら、まず憲法を改正しろ」
という話になるのは、当然である。
お花畑で平和ボケした日本に喝を入れるのに、トランプ復活が絶好の外圧になるなら、日本は
「これもチャンス」
と受け止める以外にない。

<産経抄>返り咲くトランプ氏、わが国も主要プレーヤーとしての覚悟を
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LCLBWAHAPVKMNCEAR2DH24N7GA/
言葉を生業とする人々にとって、
「民主主義」
は汲めども尽きぬ警句の泉らしい。
英国の劇作家、トム・ストッパード氏は巧みな言い回しでその本質を突いている。
「投票が民主主義なのではない」
「票の勘定が民主主義なのだ」
と。
▼『すごい言葉』(晴山陽一著)から拝借した。
多くの前提が必要だろう。
選挙権と被選挙権に不当な制限がなく、投票の秘密や投開票の公正さが担保されていること。
ロシア、中国…。
民主主義を否定する国々を見るにつけ、米国には模範的な存在であってほしいと願う。
▼大接戦と予想された米大統領選は、激戦州を制したトランプ前大統領が、思いのほか早く勝利宣言にこぎ着けた。
むろん、米国に一息つく暇はない。
我が国もここからは民主主義陣営を構成する国として、世界の課題に向き合わなければならない。
▼ウクライナ支援の在り方は大きな懸案だ。
トランプ氏の判断次第で、侵略国のロシアだけでなく、台湾への威圧を強める中国をも喜ばせかねない。
混乱する中東情勢や、核・ミサイル戦力の増強を進める北朝鮮など、緊張を高める変数も実に多い。
▼「投票は弾丸よりも強し」
と述べたリンカーンは、弾丸に命を奪われた。
今回の大統領選で、トランプ氏が銃や暴力の標的になったのも記憶に新しい。
深刻な亀裂が窺える米社会は、一体感を取り戻せるだろうか。
政治の空白を生まぬよう円滑な政権移行を望みたい。
▼問われているのは米国の、そして民主主義の地力に他ならない。
トランプ氏の掲げる
「米国第一主義」
が、先の見通しづらい世界情勢にどう応じるのか、という懸念はある。
我が国もまた、国際社会の主要プレーヤーとして主体的に振る舞う覚悟を問われている。

<主張>トランプ氏勝利 同盟重視し国際秩序守れ 内向きに終始してはならない
社説
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-EQUVXD4IZFOJDMKHLBFXNC47EE/
米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が勝利宣言し、
「繁栄した米国を作りたい」
と語った。
2024年12月の選挙人投票を経て来年2025年1月20日に就任する。
2021年1月以来の返り咲きとなる。
「米国を再び偉大に」
「米国第一主義」
などのスローガンを掲げた。
インフレ(物価上昇)や不法移民の問題で民主党候補のハリス副大統領を批判し、有権者の支持を集めた。
暗殺未遂を乗り越えた
「強さ」
も支持されたのだろう。
トランプ氏に注文したい。
公約に沿ってインフレや不法移民など内政の諸政策を推進するのは当然だが、
「内向き」
の政治に終始しないでもらいたい。
■日本との協力を確実に
前回のトランプ政権は、専制国家中国の脅威をはっきりと指摘し、軍事的、経済的に抑止していくという歴史的決断を下した。
それは民主党のバイデン政権にも引き継がれた。
新たなトランプ政権でも国際秩序を守るために行動することを期待したい。
世界はトランプ前政権当時から大きく変わった。
中国は経済不振に陥りながらも、台湾周辺や南・東シナ海で軍事的威圧を強めている。
ロシアによるウクライナ侵略は3年近くも続いている。
中東での紛争は終息の気配がない。
自由と民主主義、「法の支配」に基づく世界の秩序が、専制国家によって脅かされている。
米国の行動力と民主主義諸国の結束が今ほど試されているときはない。
トランプ氏は、2024年7月の共和党全国大会で訴えたように
「米国の不和と分断」
を修復しなければならない。
トランプ政権が備えるべき相手は、自身を支持しなかった
「内なる敵」
ではなく、米国や民主主義国の存立と繁栄を脅かす専制国家だ。
世界の経済成長の中心地であるインド太平洋地域への関心を高めてほしい。
地域最大の同盟国である日本やオーストラリア、カナダ、韓国などとの協力が欠かせない。
大統領選の最中には、中国による日本や台湾、フィリピンなどへの軍事的挑発が相次いだ。
2024年10月に台湾を囲む形で行われた中国軍の演習ではロシア軍の艦船が宮古海峡を通過した。
台湾有事を想定した中露連携との見方もある。
北朝鮮は新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。
トランプ氏の台湾を巡る認識には不安もある。
共和党の政策綱領から1980年以来初めて
「台湾の自衛を支援する」
という誓約が抜け落ちた。
トランプ氏が
「台湾は防衛費を払うべきだ」
「我々は保険会社と何ら変わらない」
と不満を語ったこともあった。
だが、日米などが共有する
「自由で開かれたインド太平洋」
のためにも台湾海峡の平和と安定は死活的に重要だ。
米軍の近代化を進め対中抑止に努めねばならない。
■ウクライナ支援続けよ
トランプ氏にはウクライナへの支援継続も望みたい。
派兵された北朝鮮軍の部隊がウクライナ軍と交戦したと伝えられる。
ウクライナへの侵略国に北朝鮮が加わった。
ここでもインド太平洋地域と欧州の安全保障問題は繋がった。
トランプ氏は自身が大統領選に勝てば
「すぐに停戦できる」
と述べてきたが、停戦とは露軍の即時全面撤退以外にない。
ロシアや北朝鮮に果実を与えれば、日本周辺での専制国家による侵略を誘発しかねない。
トランプ氏は同盟国に応分の防衛負担を求めるだろう。
米国1国で専制国家を抑止できないため理解できるが、日本や先進7カ国(G7)、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの協力も合わせて語るべきだ。民主主義国同士の重層的な同盟・協力関係が国際社会の安定に繋がり、米国の繁栄も支えているからだ。
民主主義諸国の結束の乱れは中露など専制国家を増長させかねない。
トランプ氏は、バイデン政権が打ち出したインド太平洋地域の
「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」
への不支持も表明した。
米国の不在は、中国の地域での影響力を強めることになる。
再考すべきだ。
中東情勢も喫緊の課題だ。
イスラエルとイランの全面衝突が懸念されている。
イスラエルへの影響力を発揮し、事態の安定に努めてほしい。
石破茂政権はトランプ氏側と早期に接触し、信頼関係を築かねばならない。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は「不確実性」が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権の下で新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月2024年10月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日2024年11月6日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国で作る「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超に当たる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

米大統領選 有権者最大の関心は「民主主義」 出口調査 トランプ氏不正主張など影響か
2024/11/6 14:09
https://www.sankei.com/article/20241106-DNASW5AXFFJETCGA3CE2DJNMAQ/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で米メディア各社が実施した出口調査では、最も関心のある争点として
「民主主義の在り方」
を挙げた人が
「経済」
を上回った。
有権者層の分析では、共和党のトランプ前大統領(78)が過去の選挙戦より黒人やヒスパニック(中南米系)からの支持を増やした半面、民主党のハリス副大統領(60)はトランプ氏から白人の支持を奪っているもようだ。
NBCテレビの出口調査によると、最も重視する争点は
「民主主義」だと答えた人は34%
で、
「経済」の31%
を上回ってトップとなった。
続いて
「人工妊娠中絶の是非」が14%、
「移民問題」が11%、
「外交問題」が4%
だった。
CNNテレビの調査でも近似した結果となった。
選挙戦での世論調査では、ほぼ一貫して経済が最重要争点と見做されてきたが、ここにきて民主的制度が脅かされているとの懸念が有権者に広がっていることが示された格好だ。
米紙ワシントン・ポストによると、有権者の約7割が、米国の民主主義への脅威が
「とてもある」
あるいは
「ある程度ある」
と回答した。
背景には、トランプ氏が2020年の前回大統領選で十分な根拠を示さず主張したのと同様に、今回も投票日前から
「不正が行われている」
と繰り返していることなどが影響したとみられる。
前回選では、トランプ氏が敗北を認めずに不正主張を拡散させたことが、2021年1月のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件に繋がったとされる。
一方、NBCによれば、有権者の45%がトランプ政権時の4年前より
「生活が苦しくなった」
と回答。
経済運営ではハリス氏よりもトランプ氏に期待する傾向があらわれている。
人種による支持傾向にも変化があった。
トランプ氏を
「好ましい」
と考える人の割合は白人で49%で、前回選の57%から8ポイント減少。
ヒスパニックは42%、黒人は14%で、前回選よりそれぞれ4ポイント増加した。
「男らしさ」
といった価値観を重視する黒人やヒスパニックの男性有権者には、女性初の大統領を目指すハリス氏への反感がある一方、白人女性の間では
「トランプ離れ」
が進んでいると指摘される。

重要課題は「民主主義」「経済」 移民、中絶も判断要因に 米大統領選
2024/11/6 13:02
https://www.sankei.com/article/20241106-RCP7KKV2OBJOBEWXAWVVU7TJM4/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で、CNNテレビやABCテレビなどが共同実施した出口調査の結果によると、有権者が重要課題に挙げたのは民主主義の行方が35%で最も多く、経済が31%、人工妊娠中絶の権利が14%、不法移民問題が11%で続いた。
AP通信とFOXニュースの共同出口調査では、半数近くが民主主義を最も重要な争点だと答え、39%が経済だと回答。
移民問題は20%、中絶は11%だった。(共同)

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/156.html#c20

[国際35] 米大統領選でトランプが勝利して何が変わり、何が変わらないのか(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
39. 秘密のアッコちゃん[935] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 07:11:51 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[500]
ロシアと北朝鮮の協力「米も脅かす」 NATOのルッテ事務総長
2024/11/7 22:59
https://www.sankei.com/article/20241107-QTW7IZVC6ZKR7BY733ZVTF3J4Y/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年11月7日、ロシアが北朝鮮による軍事協力の見返りに、北朝鮮に技術提供しているとの見方を示し
「将来的に米本土や欧州を脅かすことになる」
と警告した。
NATOに批判的で、ウクライナ支援にも消極的なトランプ氏が米大統領選で勝利したことを受け、同氏に欧州との協力の重要性を訴えた。
欧州政治共同体(EPC)首脳会合が開催されたハンガリーの首都ブダペストで記者団に語った。
ルッテ氏は
「ロシアと北朝鮮、イラン、中国による対ウクライナ連携が明らかになってきている」
「これは非常に危険な展開だ」
と指摘。
「この脅威にどう立ち向かい、世界の安全をどう確保するかについてトランプ氏と共に考えていきたい」
と強調した。(共同)

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/157.html#c39
[政治・選挙・NHK295] SNSに躍る「#玉木雄一郎に騙されるな」の通り…よく見ていないと危険な人物なのだ ラサール石井 東憤西笑(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
50. 秘密のアッコちゃん[936] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 08:02:07 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[501]
<△22行くらい>
米サンディエゴ沖で海上自衛隊がF35Bの運用試験を初公開 護衛艦「かが」艦上で 
動画
2024/11/7 20:05
https://www.sankei.com/article/20241107-NZSAKXESVROB3A5EVYYIZ2ATMA/
海上自衛隊は2024年11月6日(日本時間2024年11月7日)、米カリフォルニア州サンディエゴ沖に派遣中の護衛艦「かが」で、米軍の支援を得てステルス戦闘機F35Bの運用試験を実施し、発艦する様子を報道陣に初めて公開した。
政府は、短距離発艦や垂直着艦能力を持つF35Bを米国から42機購入する計画で、将来的に「かが」は事実上の空母として運用される。
日本時間の2024年11月7日未明から朝にかけて、米海軍のF35Bがエレベーターで飛行甲板へ移動。
米海軍と海自側で発艦手順を確認し、洋上に向けて飛び立った。
かがは2024年3月、戦闘機の発艦に対応するため、艦首部を台形から四角形に変更。
高温の排気に備え、甲板に耐熱工事を施した。
2024年9月に母港の海自呉基地(広島県呉市)を出港。
2024年10月からサンディエゴ沖において、2週間以上に渡り米海軍所属のF35Bで運用試験を実施し、この日終了した。
米第3艦隊司令官のジョン・ウェイド中将と並び、記者会見に臨んだ海自護衛艦隊司令官の伍賀祥裕(ごかよしひろ)海将は
「試験ができたことを喜ばしく思う」
「F35Bの運用能力の獲得は、日米の抑止力の向上、インドアジア太平洋地域の平和と安定に繋がる」
と強調した。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/875.html#c50
[戦争b25] 米国が始めたロシアとの戦争にのめり込み、自国を破壊したドイツの政治家(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
12. 秘密のアッコちゃん[937] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 09:58:37 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[502]
<■388行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ウクライナ大統領、トランプ氏を「停戦は危険」とけん制 ロシアの北朝鮮兵死傷も明かす
2024/11/8 8:27
https://www.sankei.com/article/20241108-V2Q64PJKOZM3XJVZDUOCP7W5ZE/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、ブダペストで記者会見し、米大統領選で勝利したトランプ前大統領がロシアとの戦いに停戦圧力をかけることを警戒し、
「ウクライナの安全を保証せずに、停戦を急ぐのは危険だ」
と述べた。
ゼレンスキー氏の発言は、欧州連合(EU)と近隣諸国による
「欧州政治共同体(EPC)」
首脳会合後の記者会見でのもの。
会合でホスト役であるハンガリーのオルバン首相が、トランプ氏の勝利に勢いを得て停戦を急ぐよう訴え、
「西側で停戦を望む国は、米大統領選前より増えた」
と主張したのに反論した。
ゼレンスキー氏は、2024年11月6日にトランプ氏と電話会談したことに触れた上で、
「トランプ氏は早急に戦争を終結させたがるだろうが、実現するとは限らない」
「ロシアは非常に複雑な敵だ」
と述べた。
更に、
「戦後の事を考えずに停戦を主張するのは無責任」
「停戦を提案するのは、北大西洋条約機構(NATO)へのウクライナ加盟に反対する指導者だ」
と口調を荒らげた。
オルバン氏を念頭に置いた発言だ。
ゼレンスキー氏はまた、ロシアに派遣された北朝鮮兵にも言及した。
1万1千人が露西部クルスク州で戦闘に加わり、損失が出ていると指摘。
「政治的圧力を加えなければ、北朝鮮は派兵の数を増やすだろう」
と予測した。

プーチン大統領、トランプ氏とウクライナ情勢協議に意欲 北朝鮮との軍事演習排除せず
2024/11/8 8:20
https://www.sankei.com/article/20241108-3GS4WVS6V5M6RHZMAWCQVAZBFI/
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領は2024年11月7日、米大統領選で勝利したトランプ前大統領からウクライナ紛争の終結に向けた計画を聞く用意があるとし、協議に意欲を示した。
トランプ氏の勝利も祝福した。
露南部ソチで国内外のロシア専門家らを集めて開いた国際会議「バルダイ」の全体会合で発言した。
プーチン氏はトランプ氏と話し合う用意があるかと尋ねた司会者に
「ある」
と返答。
「ウクライナ紛争を終わらせられる」
とするトランプ氏の発言について
「関心を払うに値する」
と述べた。
ウクライナ紛争終結に向けたトランプ氏の計画の詳細は不明。
ただ、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は2024年11月6日、トランプ氏に近い消息筋3人の話として、
▽ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟を20年間凍結する
▽米国はロシアの再侵略を防ぐために大量の兵器をウクライナに供給する
▽現在の前線を停戦ラインとして非武装地帯を設ける
案が出ていると報じた。
だが、この案は、停戦条件に露軍の撤退を掲げるウクライナと、ウクライナのNATO非加盟や
「非軍事化」
を求めるロシアの立場に合致しておらず、仮にトランプ氏が提示しても両国が受け入れる保証はない。
プーチン氏は日露関係にも言及した。
ウクライナ侵略に伴い日本が対露制裁を発動したことについて
「ロシアは日本に害を与えていない」
「(制裁は)驚きだ」と発言。
日本が対露関係を改善する意欲を示せば、ロシアは拒否しないとも述べた。
プーチン氏は、ロシアが北朝鮮と事実上の軍事同盟条約を結んだことに関し、旧ソ連時代の両国関係に戻っただけだと説明。
合同軍事演習を行う可能性を排除しなかった。
また、台湾情勢を巡る緊張の責任は中国ではなくNATO側にあるとし、米国は中露封じ込めではなく米中露の協力を模索すべきだとした。

バイデン政権、任期中にウクライナ軍事支援実行へ全力 トランプ氏が大統領就任後は中止も
2024/11/8 8:15
https://www.sankei.com/article/20241108-53DQ2T5AAFPIPMIODNNSLAINEE/
米国務省のミラー報道官は2024年11月7日、来年2025年1月までのバイデン政権の任期中に、これまでに議会で可決されたウクライナへの軍事支援のうち、まだ実行されていない分を迅速に届けるため全力を尽くすと強調した。
米メディアによると、60億ドル(約9117億円)以上に相当する支援が残っている。
トランプ次期大統領は、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援継続に消極的な姿勢を見せている。
支援発表から実際にウクライナに兵器や装備が届くには時間がかかるケースもあるため、トランプ氏が来年2025年1月の就任後に兵器などの発送を中止する可能性がある。
ミラー氏によると、ブリンケン国務長官はトランプ氏の就任前に、ウクライナがロシアに対して
「可能な限り優位な立場」
を確保することが重要だと強調したという。(共同)

ロシアのプーチン大統領、トランプ氏と対話の用意 ウクライナを巡り
2024/11/8 7:34
https://www.sankei.com/article/20241108-2MG4Y3GIGRPOVKL5EBOG36HZVQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年11月7日、米大統領選で勝利したトランプ次期大統領がロシアとの関係を修復し、ウクライナ危機の終結に寄与する意向を示していることは
「少なくとも注目に値する」
と語り、トランプ氏と対話の用意があると述べた。
ロシア南部ソチで開催された国内外の有識者が集まる討論フォーラム「ワルダイ会議」で述べた。
プーチン氏はトランプ氏の勝利に祝意を示した。(共同)

北朝鮮兵、ロシア西部での戦闘参加で死傷 ウクライナのゼレンスキー大統領が初確認
2024/11/8 7:25
https://www.sankei.com/article/20241108-XETDATPT4JLEZPIMC3ZRZQZTGY/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵がウクライナ軍との戦闘に参加し、死傷者を出したと述べた。
人数は明らかにしなかった。
訪問先のハンガリーの首都ブダペストで記者会見した。
ゼレンスキー氏が、クルスク州の戦闘で北朝鮮兵が死傷したと確認したのは初めて。
ゼレンスキー氏は会見で、クルスク州には1万1千人の北朝鮮兵が配置されており
「その一部が戦闘に加わった」
と指摘した。
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、米当局者の話として、クルスク州でウクライナ軍と北朝鮮兵が初交戦し
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じていた。
ウクライナ外務省のチーヒー報道官は2024年11月7日、首都キーウ(キエフ)で記者会見し、北朝鮮兵の戦闘参加について
「ロシアが戦争を激化させている」
と批判し
「強力で断固たる対抗措置が必要だ」
と訴えた。
欧米供与の長射程兵器によるロシア領内への攻撃を容認するよう改めて要求した。(共同)

ゼレンスキー氏、トランプ氏と電話会談 緊密な対話の維持で一致
2024/11/7 10:27
https://www.sankei.com/article/20241107-T5HCMSY7QNJIJBAPYQGQMHL3EE/?outputType=theme_uspe
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、米大統領選で勝利したトランプ前大統領と電話会談したとX(旧ツイッター)に投稿した。
ゼレンスキー氏はトランプ氏の勝利を
「歴史的だ」
と祝福。
「印象深い選挙戦」
によってこの勝利が可能になったとし、トランプ氏の家族と陣営の仕事ぶりを称賛したとした。
その上で
「我々は緊密な対話を維持し、協力を発展させることで合意した」
と指摘。
「強く揺るぎない米国のリーダーシップこそが世界と公平な平和のために死活的に重要だ」
とも述べた。
ロシアによるウクライナ侵略の解決に向けて米国に関与の継続を求めた形だ。
一方、ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、プーチン大統領がトランプ氏を祝福する計画はないと明らかにした。
ただ、プーチン氏は米国との対話に前向きだとも説明した。

北朝鮮兵、ロシア西部クルスクで4日に戦闘参加 ロイターが報じる
2024/11/7 7:27
https://www.sankei.com/article/20241107-ANWRHCR3T5JVLBLWG4GIEZSYP4/
ロイター通信は2024年11月6日、ウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で今月2024年11月4日、北朝鮮兵が戦闘に参加したと報じた。
米当局者の話として伝えた。
死傷者が出たかどうかは不明だという。
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長によると、ウクライナ軍はクルスク州で今月2024年11月2日か3日に、北朝鮮兵が配置された拠点を砲撃した。
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、ウクライナ軍との交戦で
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じていた。
今後、戦闘が本格化する恐れがある。
複数のウクライナメディアによると、同国当局が2024年11月6日、カスピ海に面したロシア南部ダゲスタン共和国のカスピースクの軍拠点を無人機で攻撃し、複数の艦船を損傷させた。
カスピースクにはロシア海軍のカスピ小艦隊の拠点がある。(共同)

<正論>金正恩政権の打倒を目標にせよ
龍谷大学教授・李相哲
2024/11/7 8:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LDZW3EUR2NOM5FU5WSOB3QZSHA/
北朝鮮の金正恩総書記のなりふり構わぬ振る舞いが目に余る。
これまでナイフを手に村の端っこでうろついていたチンピラ(悪童)が、今や手下にピストルを持たせ、村(地球)全体をひっかき回そうとしている。
中東やアフリカの薄暗い危険地域に潜り込み武器を売り捌き、紛争を煽って利益を得ていた北朝鮮が、堂々とロシアに武器と傭兵を供給するに至った。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相によれば、北朝鮮は
「ロシアに砲弾1000万発、ミサイル1000基を供給」
「軍人を傭兵として売り渡している」
という。
■派兵は国益のためではない
金総書記が国際社会の目を盗み、人民に噓をついてまでロシアへ武器を供与、
「傭兵」
を送り込む目的は破綻状態の国内経済を立て直すためでも、飢えに苦しむ人民を救うためでもない。
その見返りに政権を支える武力向上に必要な資金を得ること、一族と周辺の贅沢三昧の生活を保障し、ロシアを味方につけ米国や韓国、ひいては国際社会の政権への圧力を跳ね返し金王朝を永続させるためだ。
このように大胆になったのには国際社会の無策の責任が大きい。
政権維持のため住民を奴隷状態のまま国家という名の監獄に監禁、外国の映像を見ただけで公開処刑を命じるなど組織的かつ継続的に反人道的罪を犯しているが、国際社会はそれを阻止できずにいる。
ロシアに送られる若い兵士たちは命の保証もないまま、家族と別れを告げる自由すら奪われ、派兵事実を知ろうとする家族は当局によって強制的に社会から隔離されている。
国際社会はこれまで、国連人権理事会を通して4年半周期に加盟国の人権状況を系統的に点検することにし、5年前に、深刻かつ組織的な人権侵害が行われている北朝鮮に対し262の勧告事項を伝達した。
公開処刑の中断など
「生命権の保障や食糧および基本的人権の改善」
を勧告するもので、今年2024年11月7日までに過去5年間の勧告事項履行状況を報告することになっていた。
北朝鮮がこのような生温い勧告に耳を傾けるはずがないのは火を見るよりも明らかだ。
韓国メディアによれば近年、北朝鮮では国連の人権改善の要求に反し、むしろ公開処刑を増やし、生命権保障など、人間の基本的権利を恣意的に侵害している。
■核放棄だけではダメだ
国際社会が金氏に寛大だったのも事実だ。
国連は核の放棄は迫っていても、他の不道徳な振る舞いには目を瞑り許してきた。
住民を飢え死にさせながら、高級車を乗り回し、最高級ワインを楽しみ、豪華ヨットで夏の休暇を楽しんでも、金氏が不利益を被るような厳しい措置は取れていない。
贅沢品の輸入に制裁を加えることにはしているものの最近、ソウルで会った北朝鮮の元銀行幹部は
「国連制裁で金氏自身が困ることはなかった」
「国家は破綻状態だが、彼は人民の面倒を見る必要がなくなったから個人の金庫が枯渇することはまずない」
と話した。
父の金正日氏は武器、偽ドル、麻薬、たばこ密輸で国際制裁をかいくぐり、正恩氏は金塊の密貿易、暗号通貨の奪取でカネを調達している。
北朝鮮は最早国家ではなく犯罪集団に変質したと言える。
では、我々はどうすればよいか。
これまで以上に制裁を強化する方法もあるだろう。
しかし北朝鮮という国家を疲弊させることには成功しているが、金氏の生活を疲弊させることには失敗した。
金氏を対話の場に引きずり出す方法もあるだろう。
しかし、北朝鮮にとって話し合いは、あくまで敵を油断させ、時間を稼ぐ戦術に過ぎないということは数十年の経験から学んだはずだ。
他に金氏を国際刑事裁判所に提訴する方法などもあり得る。
しかしそのような方法全てが今や虚しく思えるだけだ。
逆に国際社会が北朝鮮問題の扱いを巡りモタモタしているうちに金氏は核を手にし、ロシアと同盟を結ぶなどして怪物に変貌しつつある。
放置すれば近い将来、ロシアを東アジアに連れ込み、日本や韓国を脅迫するだろう。
金氏は最近、新型弾道ミサイル
「最終完結版」
と称する火星19の発射実験後、
「敵に我々の意思を知らせた」
と力を誇示した。
韓国情報当局によれば金氏は最近、課長級以上の幹部に
「韓国を占領する大事変を迎える準備をしろ」
という命令を下したという。
■必要なのは能力でなく意志
韓国の国防相は最近、国会の国政監査場で
「我々は北朝鮮に勝てるのか」
という野党議員の質問に、
「我々が勝つに決まってる」
「北には最高尊厳はただ1人、韓国には5000万もの尊厳がいる」
と答えた。
この発言は北朝鮮という組織体に頭は1つで、その金氏を排除すれば組織も細胞も死ぬという意味だ。
事実上、労働党の末端組織を北朝鮮では
「細胞組織」
という。
拉致問題もそうだが、北朝鮮問題を根本的に解決するには金政権を打倒するしかない。
今なら日米韓にはそれを実行する充分な能力がある。
残るは意志の問題ではないか。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は
「不確実性」
が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権のもとで新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超にあたる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

ウクライナの汚職対策で会合 G7各国専門家らタスクフォースで都内集結
2024/11/6 10:42
https://www.sankei.com/article/20241106-SGLSUSBPTFIPLCRFYHB2BMMG7A/
ウクライナで問題化している汚職の追放のため、先進7カ国(G7)が設置した
「汚職対策タスクフォース」
の第3回会合が2024年11月6日、東京都内で開かれた。
初の対面形式で、G7各国やウクライナ検察当局、国連開発計画(UNDP)などの専門家ら約40人が参加。
2日間に渡る協議で支援の課題を洗い出す。
過去2回はオンラインで開かれ、それぞれの活動状況を共有した。
今回は、効果的な支援のため、各国や各機関の取り組み内容に重複がないかどうかを確認。
ウクライナが抱える課題を改めて議論し、それぞれの活動に生かす。
ウクライナでは汚職が深刻で、喫緊の政治課題となっている。
昨年2023年7月に東京で開かれたG7司法相会合でタスクフォース設置が決まり、日本の法務省が事務局を担っている。
今年2024年8月には小泉龍司法相(当時)が、首都キーウ(キエフ)を訪れ、ウクライナとの間で法務・司法分野での協力に関する覚書に署名した。

交戦で北朝鮮兵死亡と米紙 当局者「かなりの数」 露軍と戦闘参加、日時不明
2024/11/6 10:40
https://www.sankei.com/article/20241106-M6HOWVK65ZMTZN6T7PNLGG56DQ/
米有力紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、ウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍と北朝鮮兵が初めて交戦し、
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じた。
匿名の米当局者の話としている。
ゼレンスキー大統領は2024年11月5日の声明で、北朝鮮兵との戦闘は
「世界の不安定化の新たなページを開く」
と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。
同紙によると、交戦は限定的で、北朝鮮兵はロシア軍部隊と共に戦闘に参加した。
交戦の日時は不明という。
ゼレンスキー氏は声明で
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」
と強調し、各国に支援を呼び掛けた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。
ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。(共同)

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/802.html#c12

[戦争b25] 米国が始めたロシアとの戦争にのめり込み、自国を破壊したドイツの政治家(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
13. 秘密のアッコちゃん[938] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 12:26:16 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[503]
<▽32行くらい>
露軍がウクライナ南部を誘導爆弾で攻撃 4人死亡、乳児や1歳児ら40人負傷 病院も破壊
2024/11/8 11:19
https://www.sankei.com/article/20241108-ZIDMKB46YZPDLLGEZUL4XD2KHI/
ウクライナ南部ザポロジエ州で2024年11月7日、ロシア軍の誘導爆弾による攻撃があり、4人が死亡、生後4カ月の女児や1歳男児らを含む約40人が負傷した。
地元当局が明らかにした。
住宅や病院が破壊された。
ゼレンスキー大統領は通信アプリで
「ロシアは人々の死に喜びを感じている」
と非難。
ザポロジエ州では2024年11月5日に6人が死亡するミサイル攻撃があったばかりだった。(共同)

ゼレンスキー氏、北朝鮮軍「損害受けている」と発言 ロシア西部クルスク州での戦闘で
2024/11/8 9:50
https://www.sankei.com/article/20241108-KXWNTKIJ2JIWFIAI2VHEZBXSQA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、ウクライナ軍が越境攻撃により一部を占領下に置いている露西部クルスク州で、露軍側で参戦した北朝鮮軍が
「既に損害を受けている」
と述べた。
訪問先のハンガリーで開いた記者会見での発言をウクライナメディアが伝えた。
ゼレンスキー氏はクルスク州に1万1千人の北朝鮮軍が駐留し、一部がウクライナ軍との戦闘に参加していると指摘。
北朝鮮軍に損害が出ているのは
「事実だ」
とした。
これに先立ち、ウクライナのウメロフ国防相は韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、ウクライナ軍と北朝鮮軍の交戦があったと公表。
米メディアも米当局者の話として、交戦により北朝鮮軍に
「相当数」
の戦死者が出たと報じていた。
ウクライナの有力軍事メディア
「ディープステート」
は2024年11月7日、露軍がクルスク州で攻勢を強めていると伝えた。
タス通信によると、プーチン露大統領は2024年11月4日、
「今こそクルスク州の敵を掃討する時だ」
と述べ、領土奪還を加速させる考えを示していた。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/802.html#c13

[政治・選挙・NHK295] なし崩しで幕引きへ 自公国の政策協議は裏金からの目くらまし(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
26. 秘密のアッコちゃん[939] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 12:43:42 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[504]
<■1831行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
首相に安心して辞めてもらうため
政界十六夜 石井聡
2024/11/8 10:00
https://www.sankei.com/article/20241108-CEBHVOQ4UJKA5BOFYOEHEQV5GQ/
つい最近まで
「政治家というより評論家」
との評もあった人なら、衆院選大敗を喫しても政権の座にとどまろうとするトップについて、第三者としてどう語っただろう。
敗因は専ら自民党にあり、自分ではないと言わんばかりの石破茂首相は、国民民主党などの協力を当てにした延命工作に勤しんでいる。
首相は衆院選最中の
「掌返し」
は元より、自ら命名した
「納得と共感内閣」
も有権者に納得どころか拒否された。
産経新聞は選挙後の2024年10月29日付朝刊の主張(社説)で
「首相の居座りは許されぬ」
と、直ちに辞職して新総裁選出に移行すべきだと指摘した。
読売は
「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
朝日も
「政権の継続は至難の道」
と社説で書いた。
国政や政権政党に対する新聞社のスタンスには異なる点があるものの、敗北した責任者の出処進退を巡る見解を普通に考えればこうなる。
しかしながら、首相が新聞の提言に耳を傾ける気配はない。
衆院選では立憲民主党が50議席増と躍進しながら、野党連立政権への流れを作れなかった。
特別国会の首相指名選挙で、決選投票を経て石破首相への指名が見込まれることも、切迫感を失わせているのだろう。
衆院選翌日の敗戦に関する総裁会見で、首相は
「政治改革や経済対策などの課題に先頭に立って取り組む」
と辞めないことを明言し、大きな理由の1つに
「国政は一時(いっとき)たりとも停滞が許されない」
点を挙げた。
就任直後の国政選挙で大敗を呼び込み、与党の自民、公明両党以外の賛成を得なければ予算も法律も通らない政治状況を生じさせたのだ。
その張本人がとどまること自体が政治の空白を生むという判断を持たないなら、如何ともし難い。
空白を拡大させないため、次の手立てを早急に講じるしかない。
それは、野党に責め立てられて行き詰まる前に、自民党内で首相を退陣に追い込み、新総裁の下で立て直しを図るという自浄作用だ。
来年2025年の参院選の前に再び衆院選を行い、議席を挽回しておくことも課題となろう。
どうも
「〇〇おろし」
という言葉には
「反逆」
「足を引っ張る」
という悪いイメージが伴うようだ。
世論には
「すぐに辞めなくてもよい」
という一種の判官びいき≠烽り、大人しい自民党議員たちに二の足を踏ませている。
異常事態の打開には不可欠な作業なのにである。
その実現には石破首相に取って代わる人物が決起しなければ始まらない。
例えば、先の総裁選で惜敗した高市早苗前経済安全保障担当相や、衆院選後に党選挙対策委員長を早々に辞任した小泉進次郎元環境相らである。
総裁選を戦ったばかりだから政権構想の準備はあるはずだ。
高市氏は衆院選当選後、執行部に対して
「徹底的に自民党を立て直して頂きたい」
と注文していた。
他人事ではなく、自らそれに当たる事が求められる場面ではないか。
むろん、決起する人を支える勢力の再結集も急がなければなるまい。
旧派閥の枠を超えて
「保守派」
どうしの連携などダイナミックな動きを作ることができれば、党再生の活力にもなる。
昨年2023年来の
「岸田おろし」
は気配だけで不発に終わった。
「今はまだその時ではない」
などと身を潜めているのは、自分自身の当座の生き残りには役立つとしても、国の危機を等閑視するに等しい。

中国、韓国が利用する石破首相の歴史観 過去の言動繰り返せば付け入る隙に 
阿比留瑠比の極言御免
2024/11/7 1:00
https://www.sankei.com/article/20241107-3K6TVFPG6RPOZDBYUBB4CSA2ZI/
まだ石破茂首相のことを保守派だと見做していた20年以上も昔の話である。
筆者は当時、安倍晋三元首相や中川昭一元財務相らが熱心に取り組んでいた偏向歴史教科書問題や慰安婦問題など保守系の運動に関わろうとしないことをいぶかり、それらへの参加を促したことがある。
だが、返事はそっけなかった。
「そういうのは、もういいよ」
この時は、単に余り関心がないのかと流したが、徐々にそうではなくて歴史認識自体が大きく異なるのだと分かってきた。
石破氏の考え方は、むしろ左派・リベラルに近かった。
それを反映し、2024年9月の自民党総裁就任時などに、中国や韓国は首相の歴史観を理由に概ね歓迎を示した。
例えば韓国の左派紙、ハンギョレ新聞は同月2024年9月30日の社説で書いている。
「歴史問題についても『政治的ライバル』だった安倍元首相とは異なり、何度も合理的な見解を明らかにしたことがある」
「(中略)謙虚な歴史認識を示してくれることを期待する」
また、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(2024年10月18日付)は、首相が平成18年9月23日付の毎日新聞鳥取県版にこう語ったことを紹介している。
「最近は、自民党の若い議員を見ても、怖い」
「過去の戦争を『全て正しかった』と考えていて、頭は大丈夫かと疑いたくなる」
「日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国併合は植民地化(だ)」
こうした首相のこれまでの言葉については、月刊誌「明日への選択」2024年11月号の記事
「かくも危うい石破首相の『歴史認識』」
がよくまとめていたので、許可を得て引用する。
それによると首相は平成29年5月、韓国紙、東亜日報のインタビューで慰安婦問題についてこう語った。
「納得を得られるまでずっと謝罪するしかないでしょう」
もっとも、その後の産経新聞の取材に首相は
「『謝罪』という言葉は一切使っていない」
「『お互いが納得するまで努力を続けるべきだ』と話した」
と否定している。
とはいえ、
「努力」
をどう翻訳(意訳)すれば
「謝罪」
に入れ替わるのか理解に苦しむ。
中国共産党系の新聞、世界新聞報のインタビューも防衛相時代の2020年に受け、こう述べたとされる。
「日本には南京大虐殺を否定する人がいる」
「30万(人)も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという」
「何人が死んだかと大虐殺があったかは別問題だ」
「日本は中国に謝罪すべきだ」
これについても首相は月刊正論2020年9月号で
「大虐殺があったとは言っていないよ」
と否定しているが、聞き手の評論家、潮匡人氏はこうたしなめていた。
「ですが、そう相手に受け取られる対応も、事実関係で日中間に隔たりがある以上、国益の擁護者として慎重であるべきではなかったかと」
まさにその通りである。
首相が実際にどのような表現を使ったかは判然としないが、相手に利用されるようなことを述べたのは事実だろう。
来年2025年は終戦80年を迎える他、日韓国交正常化60周年にも当たる。
中国も
「抗日反ファシズム戦争勝利80周年キャンペーン」
を準備しているという節目の年である。
韓国や中国の反日勢力がさまざまな仕掛けをしてくると予想できるが、首相が過去の言動を繰り返すようなら、付け入る隙を与えることになろう。
もっとも、それまで首相を続けていられるかどうかは分からないが。
(論説委員兼政治部編集委員)

衆院選で与党過半数割れ 産読朝は首相に辞任を求める 毎東日は熟議の合意形成促す
社説検証
2024/11/6 9:00
https://www.sankei.com/article/20241106-3AZLN7SFRNM3VM35Q5UTMPRLOI/
第50回衆院選は自民党が公示前の議席を大幅に下回り、連立政権を組む公明党と合わせても過半数に届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党は勢力を4倍に拡大した。
産経、読売、朝日は石破茂首相に責任をとって辞任するよう求めた。
産経はまた、国政を停滞させぬよう、各党は安定政権の樹立に向けて努力すべきだと説き、毎日、東京、日経などは、熟議を通じた合意形成を促した。
自民の派閥パーティー収入不記載事件で、石破首相は不記載の候補者を非公認にしたり、比例代表との重複立候補を認めなかったりした。
一気に事を決めずに騒動を続けたのである。
産経は
「世間の関心が『政治とカネ』一色になったのはそのせいでもある」
と断じ、
「言い訳選挙」
になったことで優勢に戦うことができなかったと敗因を分析した。
与党過半数というのは首相自身が設定した勝敗ラインだ。
産経は
「石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ」
「責任を取って潔く辞職すべきである」
と強調し、
「自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい」
と論じた。
読売は
「大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか」
との見方を示した。
「政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない」
「速やかに進退を決することが憲政の常道である」
と石破首相に退陣を迫った。
朝日は
「石破政権に対し、国民が『不信任』を突き付けた」
「裏金問題に対する国民の怒りや不信を甘く見た結果に違いない」
とし、
「石破首相は職を辞すのが筋だ」
と主張した。
首相への不信任は、自民党政治への不信任だとして、
「自民も今度こそ本気で実態解明に取り組まねばならない」
と訴えた。
毎日、日経、東京は明示的には辞任を求めなかった。
毎日は自民の敗因について
「第2次安倍晋三政権以降に深刻化した政治の歪みや驕りを、根本から正そうとしなかったことだ」
と指摘。
日経は政治資金問題で
「生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭う事は出来なかった」
と分析した。
東京は
「派閥の裏金事件に自らけじめを付けなかったことに対し、民意は政治腐敗を明確に拒んだ」
と訴えた。
特別国会での首相指名選挙に向けて与野党の多数派工作が活発化している。
その結果如何にかかわらず、立民の影響力増大が予想される。
産経は、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という考えを変えず、反撃能力の保有にも消極的な立民について
「これで国民を守れるのか」
「この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある」
と政権担当能力に疑問符を付けた。
読売も
「『寄り合い所帯』で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない」
「そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか」
「まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう」
と釘を刺した。
朝日は
「与野党が拮抗する政治状況を、立法府の行政監視機能を立て直し、熟議を通じた丁寧な合意形成に繋げてもらいたい」
「立憲の責任と役割は極めて重くなった」
と記した。
毎日も立民に対し
「国会での存在感の高まりに見合った責任を果たすべきだ」
と注文し、
「与野党が伯仲する政治状況下では、緊張感ある論戦を通じて国民本位の合意を見い出すことが欠かせない」
と説いた。
日本の政治は新たな局面に突入した。
来年2025年夏の参院選を睨み、与野党の攻防は激しくなるだろう。
だが、スピード感をもって政策の合意形成を図っていかなければ、迷惑を被るのは国民である。
与野党はその事を肝に銘じてもらいたい。

■衆院選での与党過半数割れをめぐる主な社説
【産経】
・審判を重く受け止めよ/安定した政権の構築を求める(10月28日付)
・首相の居座りは許されぬ/直ちに辞職し新総裁選出を(29日付)
【朝日】
・国民から首相への不信任だ(28日付)
・信失ったままでは困難(29日付)
【毎日】
・「政治とカネ」に重い審判(28日付)
・不信拭う改革が最優先だ(29日付)
【読売】
・長期政権の驕りが不信招いた/国政の停滞は避けねばならない(28日付)
・首相は責任の重さを自覚せよ/政権の枠組み作りが焦点となる(29日付)
【日経】
・自民不信を突きつけた厳しい審判(28日付)
・国政の停滞回避へ責任ある行動を(29日付)
【東京】
・民意は政治腐敗拒んだ(28日付)
・熟議の政治を取り戻せ(29日付)

<主張>与党「過半数割れ」 審判を重く受け止めよ 安定した政権の構築を求める
社説
2024/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20241028-FCCUJHFOJVJ47OD67N322RXKGY/
第50回衆院選の投開票が行われた。
政権の信を問うと臨んだ石破茂首相は勝敗ラインに自民党、公明党の与党過半数を設定していたが、届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党も議席を伸ばした。
自民にとって野党に転落した平成21年の衆院選以来となる歴史的敗北だ。
首相は選挙結果を重く受け止めねばならない。
今後自民は非公認当選者の追加公認を図る見通しだ。
国際情勢は厳しく、混迷の度合いを増している。
今後、特別国会で首相指名選挙が行われるが、各政党は安定政権を作るべく努力してもらいたい。
国政を停滞させてはならない。
■言い訳選挙では勝てぬ
今回の大敗は、石破首相と自民執行部が
「言い訳選挙」
にしてしまったことが大きい。
言い訳選挙で優勢に戦うことなど望むべくもない。
自民の旧安倍派などの派閥パーティー収入不記載事件への有権者の怒りはくすぶっていた。
それにうまく対応できなかったのが首相だった。
就任後、不記載の前議員の非公認を増やし、比例代表との重複立候補を認めなかった。
しかも一気に事を決めず騒動を続けた。
世間の関心が
「政治とカネ」
一色になったのはそのせいでもある。
選挙戦最終盤には自民が、非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、首相は党勢拡大のためで
「選挙に使うことはない」
と釈明した。
これも有権者の投票行動を左右した可能性がある。
有権者や他党からどう見られるかを考えなかった石破首相や森山裕幹事長には、自民内から疑問の声が上がった。
石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった。
自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた。
国会論戦も十分に行わず早期解散に走った。
これで勝てると思っていたのなら信じ難い。
衆院選で政治とカネの問題への有権者の憤りが改めて示された。
各党は政治改革の具体策で合意し、速やかに実行に移すべきだ。
それを怠れば政治不信に拍車がかかる。
言い訳選挙になったのは、もう1つ理由がある。
それは、石破首相が政治とカネの問題を上回る、または匹敵するような政策上の大きな争点を国民に示せなかったことだ。
衆院選は常に日本の独立と繁栄、国民の生活と暮らしがかかった、日本の針路を決める政権選択選挙なのである。
にもかかわらず日本の針路を巡る本格的な論戦は展開されなかった。
とりわけ日本を守る安全保障が重視されなかったのは残念だ。
■立民は国を守れるのか
台湾有事の懸念が高まっている。
公示の前日には、中国軍が台湾を包囲する形で大規模な演習も行った。
今回の衆院選で選ばれた議員が台湾有事に直面する可能性がある。
北朝鮮の軍はウクライナ侵略に加担する見通しだ。
朝鮮半島有事がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
その危機が十分には語られず、抑止力のための防衛力の抜本的強化、国民保護などの具体策の議論が深まらなかったのは問題だ。
立民の影響力は増大する。
野田佳彦代表は外交・安保政策の継続性を重視する考えを示す一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という党の立場を変えていない。
反撃能力の保有にも積極的ではない。
これで国民を守れるのか。
この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある。
政策上の欠陥を抱えたままの立民に政権担当能力があるのか疑問だ。
経済を巡っては、各党がこぞって消費税減税や給付金支給などの物価高対策を示した。
だが財源を含む具体化の道筋には曖昧なものが多く、バラマキ色が目立った。
物価高に負けない賃上げを果たし、デフレからの完全脱却を確実にするには、生産性を向上させて企業の収益力を高める取り組みが欠かせない。
そうした積年の課題を解決しなければならない。
憲法改正の動きを後退させてはならない。
自民の大敗に加え、改憲に前向きな日本維新の会が振るわなかった影響は大きい。
自衛隊明記や緊急事態条項の創設は急務で、国会は改憲原案の条文化を進めるべきだ。

<主張>国民の審判 首相の居座りは許されぬ 直ちに辞職し新総裁選出を
社説
2024/10/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20241029-CEB23AAJIJPI7NMIRKWA2U4OUQ/
衆院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)が2024年10月28日の記者会見で、引き続き政権を担う意欲を示した。
自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを割り込む大敗の責任を取らずに、石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ。
責任を取って潔く辞職すべきである。
自民は比較第1党に踏みとどまった。
友党の公明党と共に政権構築を目指すのは分かるが、それは国民の信を失った石破総裁の下ではあり得ない。
自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい。
■本当に反省しているか
石破首相は会見で、衆院選の審判を
「真摯に厳粛に受け止める」
と語った。
だがその言葉とは裏腹に、
「国政の停滞は許されない」
と繰り返し、
「安全保障、国民生活、災害対応に万事遺漏なきを期すことも私どもが負うべき責任だ」
と述べた。
そこには反省が感じられない。
国民は衆院選で石破首相に国政運営を託したくないという判断を示した。
それが何故分からないのか。
有権者の審判を無視するトップが政権の座に留まろうとして国民の支持を得られると思うなら甘過ぎるし、民主主義から外れている。
全ての自民国会議員は、石破首相の続投こそが、国政の停滞を招くと知るべきである。
自民の小泉進次郎選対委員長は2024年10月28日、
「選挙の結果責任は選対委員長が引き受ける」
として辞任した。
小泉氏は自身の進退について
「目標を達成出来なかったのに責任を取らない自民党では、不信感の方が大きいと思う」
と語った。
これは石破首相、森山裕幹事長にこそ言えることである。
自民千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は
「議席をあれだけ減らした」
「責任はある」
と述べ、首相や執行部の早期退陣を促した。
これが国民感覚に沿った判断だろう。
石破首相は、第1次安倍晋三政権時の参院選で自民が大敗し
「ねじれ国会」
となった際に、続投を表明した安倍首相を攻撃した。
党総務会で
「(安倍)首相は『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』と訴えたのに、どう説明するのか」
と非難した。
代議士会では
「首相は『反省すべきは反省する』と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」
と責め立てた。
同じ事を石破首相に問いたい。
2024年10月28日の会見で
「自民党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
と語ったが、トップである自身がまず責任を取るべきだろう。
麻生太郎政権時に農林水産相だった石破首相は、事実上の退陣を迫ったこともある。
過去の言動との整合性がなければ、石破首相への信頼は集まらない。
首相の言葉は限りなく軽いものとしてしか受け取られまい。
■森山幹事長も責任重い
他人に厳しく自分に甘い、主権者である国民の審判を軽んじる。
そこに謙虚さは見当たらない。
このような有り様で与党は特別国会の首相指名選挙に確実に勝てるのか。
よしんば勝ったとしても、自民党内からは辞任論が出て、石破首相の求心力は低下している。
安定した政権運営が出来るのか。
森山幹事長の責任も重い。
選挙戦最終盤には、自民が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、
「政治とカネ」
を巡る批判に拍車を掛けた。
石破首相は
「選挙に使うことはない」
と述べたが説得力に乏しかった。
支給を主導したのは森山氏だったとされる。
石破首相の就任後に、臨時国会で予算委員会を開かず早期に解散するよう進言したのも森山氏である。
首相と森山氏は衆院選を有利に展開しようと党利党略に走ったが、思惑外れに終わった。
政府与党は首相指名選挙を行う特別国会を2024年11月11日に召集する方向で調整している。
だが、憲法第54条は衆院選投票日から30日以内の召集を定めている。
殊更引き延ばすことはあってはならないが、国会議員中心の自民総裁選を実施するくらいの日程的余裕はある。
自民は新総裁を選び、出直しを図らねば信頼回復は遠く、来年2025年の参院選でも有権者から厳しい審判を受けるだろう。
石破首相が今、日本と国民、党のために出来ることは速やかに辞任することしかない。

衆院選自公惨敗 長期政権の驕りが不信招いた
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50056/
◆国政の停滞は避けねばならない◆
自民、公明の与党が衆院選で惨敗し、過半数を割り込んだ。
今後、一部の野党の協力を得て、引き続き自公が政権を担い続けられるのか。
あるいは、立憲民主党を中心とした野党勢力が政権交代を起こせるのか。
政局は一気に流動化する情勢となった。
また、
「自公で過半数」
を勝敗ラインに設定していた石破首相の進退も焦点となる。
■政局の流動化は確実
第50回衆院選が開票された。
自公は、2012年の政権復帰以降、経験したことのない逆風に晒された。
大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか。
一方、多くの野党は議席を増やしたが、理念や基本政策の異なる各党で協力できるかは見通せない。
自公、立民それぞれが過半数確保に向け、多数派工作を繰り広げることになりそうだ。
与野党の勢力が伯仲することで、予算案や法案を巡る攻防が激化して政策遂行が遅れる事態が懸念される。
実際、2007〜2008年の福田内閣当時は、野党が国会運営を主導し、国政が停滞した。
今後、政権の枠組みを巡って与野党が駆け引きを繰り広げ、混乱が長引く可能性もある。
山積する内外の難題に適切に対応できるのか。
与野党共に大きな責任を負うことになった。
今回の衆院選は異例ずくめだった。
石破政権が内閣発足直後の
「ご祝儀相場」
を当て込み、戦後最短での衆院解散に踏み切った。
だが、自民党は、政治資金問題を抱えた前議員らの処遇を巡り、原則として全員を公認する方針が批判されると、非公認を次々と増やし、定見のなさを露呈した。
選挙戦の終盤には、非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が公認候補向けと同額の2000万円を支給していたことも発覚し、混乱を広げた。
執行部の失態と言う他ない。
自民が苦戦した背景には、
「岩盤」
と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。
岸田前首相が昨年2023年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。
こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引き付けることに成功したからだろう。
既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢い付けている側面もある。
■現実的な主張が奏功か
先月2024年9月、15年ぶりに党首が交代した公明も厳しい選挙戦となった。
小選挙区選に初めて挑戦した石井新代表が落選したのは、支持母体の創価学会員の高齢化が影響しているとされる。
一方、立民の伸長は、自民の
「金権体質」
を争点化する手法が奏功したことが一因だ。
また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を 概 ね継承する考えを示した他、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた
「原発ゼロ」
に拘らない方針を強調した。
こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ。
国民民主党も躍進した。
玉木代表が
「手取りを増やす」
と主張して、
「生活重視」
の姿勢を取ったことが、特に若い世代の支持拡大に繋がったのだろう。
日本維新の会が伸び悩んだのは、大阪・関西万博の会場建設費が想定以上に膨らんだことや、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑が影響したとみられる。
他方、選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。
■課題を蔑ろにするな
物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。
社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。
急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ。
ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。
先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ。
日本周辺の安全保障環境はかつてないほど悪化している。
防衛力の強化はもとより、日米同盟を深化させると共に、友好国を増やしていく必要がある。
野党の選挙戦術もあって、政治とカネの問題が焦点となったのはやむを得ないとしても、国政の課題を蔑ろにするような事態は避けなければならない。

自民歴史的大敗 首相は責任の重さを自覚せよ
2024/10/29 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50239/
◆政権の枠組み作りが焦点となる◆
国民に信を問うために断行した衆院解散・総選挙で大敗した以上、石破首相が取るべき道は明らかだ。政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない。
速やかに進退を決することが憲政の常道である。
衆院選の結果、自民、公明の与党の獲得議席は、首相が「勝敗ライン」とした「与党で過半数」には程遠い215議席だった。自民党は191議席にとどまった。
■勝敗ラインには程遠く
自民党が200議席を下回るのは、民主党に政権を明け渡した2009年以来で、自民結党以降でも2回目だ。今回は歴史的惨敗を喫したと言える。
首相は、過半数割れの少数与党であっても、無所属で当選した議員らの追加公認や、一部野党の協力によって政権を維持しようとしている。選挙後の記者会見では「国政を進めていくことで職責を果たしていく」と述べた。
首相が協力相手として想定しているのは国民民主党だ。国民民主は「対決より解決」を掲げ、予算案や法案の採決で自公と足並みを 揃 そろ えたこともあるため、連携が可能とみているようだ。
だが、衆院選で敗れた首相が少数与党の体制で政権を維持できたとしても、国会では多数派の野党を相手に、必要な法案や政策を実現させていくことは困難で、混乱が長引くだけだ。
首相は責任の重さを自覚し、判断を間違えてはならない。
衆院選の敗因について首相が、「政治とカネの問題で国民の疑念、不信、怒りが 払拭 ふっしょく されていないことが最大の理由だ」と述べたのはその通りだろう。
しかし、新政権が衆院選でとった戦術はちぐはぐで、ことごとく裏目に出たのも事実だ。
そもそも首相就任前に、解散日程を表明したことは異例で、違和感を覚えた人は多かった。
■ミス繰り返した執行部
首相は自民党総裁選の最中、早期の解散に慎重な考えを示していたのに、首相に就任すると、予算委員会を開かず、戦後最短の日程での解散に踏み切った。
こうした策を首相に進言したのは、総裁選で早期解散論を唱えていた小泉進次郎選挙対策委員長だとされている。
首相交代直後の刷新感を武器に選挙を戦おうとしたようだが、これを受け入れたのは首相で、有権者には、誠実さに欠けるという印象を与えたに違いない。
このほか、政治資金収支報告書に不記載があった前議員らを公認するか、非公認とするかを巡って執行部の方針は二転三転した。
選挙戦最終盤には、非公認候補が代表を務める党支部に、自民党から公認候補と同額の2000万円を支給していたことが判明し、「非公認は見かけ倒しの処分だ」といった批判を招いた。
石破政権がこれほど失策を繰り返していたら、支持を失うのも当然だ。執行部に責任を取らせて済む問題ではない。
大敗した自民とは対照的に、立憲民主党と国民民主党は躍進した。自公に代わる受け皿としてみなされたのだろう。日本維新の会と共産党は議席を減らした。
欧州では、エネルギー価格など物価高騰への不満から、自国第一主義を掲げた極右政党が伸長するケースが目立っている。
今回の衆院選では急進的な主張をする勢力が一定の支持を集めたが、その広がりは限定的で、日本の有権者は、穏健な保守や中道路線を支持したとみて良かろう。新たな政権の枠組みは、そうした民意を反映することが望ましい。
立民は、他の野党との多数派工作に力を入れ始めている。野田代表が野党を糾合し、政権交代を実現できるかどうかが焦点だ。
■政策の一致は不可欠だ
ただ、野田氏の足元は盤石とは言い難い。立民は、リベラル系や中道路線を支持する議員などの「寄り合い所帯」で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない。
そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか。まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう。
野党各党で協力するにしても、理念や基本政策が 乖離 かいり した状態では、政権は安定しまい。実際、1993年に7党1会派で発足した細川連立内閣は、路線対立が絶えず、1年足らずで瓦解した。
国際情勢は緊迫の度を強め、国内は少子化問題、社会保障制度改革、経済再生など待ったなしの課題が山積している。各党もまた責任の重さを忘れてはならない。

[社説]自民不信を突きつけた厳しい審判
衆議院選挙2024
社説
2024年10月28日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK271700X21C24A0000000/
政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った。
第50回衆院選は2024年10月27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。
自公は政権に復帰した2012年以来の岐路に立った。
石破茂首相らの責任論は避けられない。
自公は野党に協力を求めて政権を継続する方針だ。
立憲民主党は躍進し、多数派の形成に向けて野党各党と協議に入る。
政局は流動化し、政権の枠組みが見えない不透明な状況になった。
■世界の潮流が波及
自民は公示前の247議席から大きく減らし、下野した2009年以来の敗北となる。
接戦だった多くの小選挙区で競り負け、閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。
公明も石井啓一代表が落選したのをはじめ、牙城である関西で苦戦するなど、公示前の32議席を下回った。
立民は公示前の98議席から大幅に議席を伸ばした。
保守系の野田佳彦元首相を代表に据えたことで、自民支持から離反した保守層の受け皿になったとみられる。
自民との議席差を一気に縮める結果は、政権交代への足掛かりを築いたと言ってよいだろう。
自民の敗因が政治資金問題にあるのは明らかだ。
私たちは当初から
「政治とカネの問題は、扱いを誤れば政権の命取りになる」
と指摘してきた。
だが自民は生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭うことはできなかった。
与党の敗北は世界的な潮流でもある。
選挙イヤーの今年2024年、各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたと言えよう。
物価高や賃金、雇用など身近な課題に既存の政治が十分対応できず、有権者がノーを突き付ける構図だ。
政治資金の杜撰な管理が物価高に耐える国民の不満を増幅したと見るべきだろう。
選挙戦の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念だ。
物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生の在り方などは、どんな政権であっても重要課題として取り組まざるを得ない。
日本の政治の安定が損なわれることになれば、対外的に大きなマイナスだ。
米大統領選の行方が見通せない中、日米同盟や日韓関係の不安定要因にならないよう注意する必要がある。
日米韓の連携が動揺し、中国や北朝鮮、ロシアに対日政策の軽視や周辺地域での過激な行動を誘発する事態は避けなければならない。
政治の安定は海外から日本にヒト、モノ、カネを呼び込む誘因の1つでもある。
政局が混迷すれば、日本への投資を控える動きにつながる懸念がある。
ようやく成長軌道に乗りつつある経済に水を差すことがあってはならない。
そのためには出来るだけ早く安定した政権基盤を取り戻す他ない。
自公は過半数を割っても一部の野党と連携することで政権を継続したい考えだ。
連立政権の枠組みへの野党勢力の参加も視野に入れるが、現時点で野党側に自公連立に加わる動きはない。
■熟議を取り戻す契機に
一方、立民は非自民勢力の結集に向けて野党各党と協議する意向だ。
ただ、どのような枠組みで政権を目指すのか、具体的な政権構想はこれからで、成否はまだ見通せない。
自民と立民の議席差が大幅に縮まったことで、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙に向け、両陣営の攻防が激しくなる。
国民民主党や日本維新の会などとの連携を巡る綱引きも予想される。
政権の枠組みが見えてくるには時間がかかりそうだ。
与野党の伯仲は政治の在り方として悪い事ではない。
政権交代を目指す立民の伸長は国会審議に緊張感を与える。
中道保守の第1党と第2党が熟議を通じ、重要課題を解決するのは政治の1つの知恵である。
立民にとっては政権担当能力を磨く場となり、政権への近道になるはずだ。
対外的にも日本の政治の安定と成熟を示すことになろう。
ウクライナ戦争や中東情勢は緊迫の度を増している。
与野党とも内向きの政争に陥るのではなく、国内外の情勢に目を向け、国際社会で求められる日本の役割を自覚して安定した政治を取り戻すことを急ぐべきである。

石破おろし起きぬ自民 党内抗争の余裕なく 7日の両院議員懇が試金石
2024/11/5 19:36
https://www.sankei.com/article/20241105-GYVAXXRCA5IRJDOK5GFJPC7A5E/
先の衆院選で議席を大幅に減らした自民党では石破茂首相(党総裁)の退陣を求める
「石破おろし」
は起きず、来週の首相指名選挙で石破首相が再選出される公算が大きい。
危機的状況の中、野党に政権を奪われないことが最優先で、党内抗争の余裕はないからだ。
ただし不満はくすぶっており、2024年11月7日の両院議員懇談会が試金石となる。
■「今度こそ国民に見放される」
同懇談会は全自民議員が参加でき、首相も出席する。
首相は2024年11月5日の党役員会で
「意見を賜り、今後の党運営に共に努力していきたい」
と述べた。
勝敗ラインの
「与党過半数」
を下回ったことから首相への不満が相次ぐ公算が大きい。
首相に批判的な中堅議員は周囲に
「辞任すべきだと言う」
と息巻いた。
とはいえ、
「即退陣」
を求める声は広がっていない。
来週の首相指名選挙までに交代させる時間がない上に、予算案などの可決に必要な衆院過半数の獲得に向けて現執行部の下、野党・国民民主党の協力を得る交渉も始まった。
「今、党内で足の引っ張り合いをしたら、自民は政権を維持できない」(幹部)
との認識が支配的だ。
旧安倍派中堅は
「まずは経済対策」
「出来なければ今度こそ国民に見放される」
と語り、2024年年内の今年度補正予算案の成立を目指すことを優先すべきだと語る。
■交代圧力強まるのは来夏か
首相に批判的な議員が多い旧安倍派の実力者、萩生田光一元政調会長も2024年11月1日夜のインターネット番組で
「就任して1カ月」
「どんどん変えたら政権が不安定化する」
と語った。
反石破勢力から期待されている高市早苗元経済安全保障担当相も発信を控えており、党内の大勢が首相を見限る状況にはなっていない。
2024年11月2、3両日の産経新聞社・FNNの合同世論調査では、首相は「続投してもよい」との回答が55・3%に達した。
反石破勢力の参院議員は
「石破さんにはボロボロになっても来年2025年度予算を通してもらい、退陣してもらう」
と語り、来年2025年度予算成立後の来年2025年春の石破おろしを予告する。
平成13年には、当時の森喜朗首相が
「7月の参院選を戦えない」
との声の高まりを受け、予算成立後の平成13年4月に内閣総辞職した。
来夏2025年夏の参院選前に選挙の
「顔」
の交代圧力が強まる可能性がある。

バラマキ廃し、減税主導の財政へ 衆院選での与党惨敗受け、自民党が政権維持のため
田村秀男の経済正解
2024/11/5 12:00
https://www.sankei.com/article/20241105-NRXE3S4HRJKEDPCB7VDTGZPOSY/
衆院選での与党惨敗を受けて、石破茂首相と自民党は政権維持のために、若い勤労世代の支持を集めた国民民主党の所得税、消費税の減税案を取り込まざるを得なくなっている。
バラマキ偏重の歪んだ財政政策を是正するチャンスが到来したのだ。
「バラマキ」
と言えば、
「岸田文雄前政権のバラマキは酷かった、真にけしからん」
と、1カ月ほど前に会った某財務省幹部の憤懣ぶりが頭に浮かぶ。
一時は
「増税メガネ」
とメディアに揶揄されたほど財務省寄りと思わせた岸田氏が打ち出した電気・ガス料金補助、ガソリン価格への補助金、更に定額減税などのバラマキは許せないのだろう。
元はと言えば、財務省が頑強に減税に抵抗することから、岸田氏はその代わりのバラマキでやり過ごそうとしただけである。
家計の負担を軽くして、所得税や消費税を減税すれば良いはずだが、財務官僚は一旦減税すれば恒久化すると恐れ、自民党税調に反対させてきた。
このパターンは岸田政権時代に限らない。
当初予算で増税、政策経費を削減し、景気が沈みそうになれば、大型補正予算を組むのが歴代政権の恒例行事になっている。
補正予算の大半はその場凌ぎなのだから、計画性に欠け、バラマキに偏してしまう。
バラマキでも、消費が持続的に拡大すればまだしもだが、実際にはそうはならない。
国内総生産(GDP)の6割近くを占める家計消費は実質で2023年後半から前年水準を下回り続けている。
需要が不足するのだから、1990年代後半以来の慢性デフレから未だに脱却できない。
バラマキは砂漠の水撒き同然、国民経済を潤せないのである。
グラフは物価変動分を勘案した12カ月平均の実質賃金指数(1997年3月=100)、更に勤労者収入、収入から所得税、住民税更に社会保険料を差し引いた可処分所得(手取り)についての実質ベースの前年同期比増減率の推移である。
先の春闘では5%を超える賃上げが実現した結果、勤労者の収入と可処分所得は物価上昇分を加味しても2024年5月以降共に前年を上回っている。
それでも、2024年8月には伸び率が下がっている。
実質賃金は2024年5月以降少しずつ上向いている。
しかし、27年前1997年の水準を16%以上も下回っている。
賃金収入に頼る勤労者は貧しくなったままなのだ。
こうみれば、バラマキではなく、きちんと現役世代の減税と社会保険料負担の軽減、可処分所得(手取り)の増加を政策として訴えた国民民主党に若い層が惹かれた理由が分かる。
メディアが実施した衆院選比例区投票先政党に関する出口調査結果の年代別シェアをみると、20歳代、30歳代が最も多く投票したのが国民民主だった。
公明党の石井啓一代表は投票より10日前の2024年10月17日、低所得者世帯に10万円程度の給付が必要との考えを示し、自民党の森山裕幹事長が同調する様子を見せると、交流サイト(SNS)では若者世代を中心に反発する声が湧き上がった。
それを見抜けなかった自公が大敗したのは、バラマキ型政治の終焉を告げている。
自民と国民民主は2024年10月31日に経済対策や税制改正の協議開始で合意した。
自民は予算案など重要案件ごとに国民民主が協力する
「部分連合」
を目指す。
石破政権が存続できるかどうかの瀬戸際に立たされている以上、国民民主の玉木雄一郎代表が、石破首相に国民民主案を丸呑みさせる政治情勢にある。
障害はある。
「政府債務が悪化している中、財源はあるか」
と問われると政治家は弱い。
だが、経済はダイナミックであり、単純な差引勘定では計れない。
現実に、円安の下で法人税収が伸び、物価高で消費税収更に所得税収も増えている。
おかげで政府の基礎的財政収支(国債関係を除く財政収支)は税収増を受けて2025年度は黒字化する情勢にある。
国際的な財政指標である政府の純債務のGDP比率は2022年以降、急速に減っており、2024年6月時点で86%、15年ぶりの低水準にある。
所得税、消費税の減税は家計の可処分所得水準を押し上げ、消費を増やすので税収も増える。
日銀も金融緩和を維持するので、円安基調は変わらない。
所得税の基礎控除を引き上げると、年収103万円以内に年間所得を抑制していた働き手が活気付き、人手不足を緩和し、家計も楽になる。
歪んだバラマキ財政と決別し、減税主導で経済を安定成長軌道に乗せる。
石破首相の活路はそれしかない。
(編集委員)

自民支持率、18歳〜20代は12・5% 「政治とカネ」になお強い不信感
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 19:37
https://www.sankei.com/article/20241104-KOBQI2UPS5NZBAAZVEWCAGPFSU/
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、70歳以上の年齢層だけで石破茂内閣の支持が不支持を上回った。
自民党も高齢層の支持が高い傾向が明らかとなった。
18歳〜20代で石破内閣を
「支持する」と答えたのは32・0%で、
「支持しない」は61・0%。
30代も支持が28・8%、不支持が59・4%だった。
唯一、70歳以上で支持(58・5%)が不支持(36・4%)より多かった。
前回調査(2024年10月5、6両日)では、ほとんどの年齢層で支持が不支持を上回っていた。
自民の支持率は25・8%となり、前回調査の34・3%から8・5ポイント下がった。
年代別で「支持政党が自民」と答えたのは、
70歳以上35・0%、
60代28・0%、
50代23・7%、
40代30・3%、
30代14・8%、
18歳〜20代12・5%
だった。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、不記載があった候補者を非公認などとして衆院選に臨んだことで
「政治とカネの問題」
にけじめがついたかを尋ねたところ、
「ついていない」が85・5%、
「ついた」は10・6%
だった。
非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについては
「自民会派入りは適切ではない」が52・0%、
「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%
にとどまった。
再発防止に必要な政治改革を2つ聞いたところ、
「政策活動費の使い道の公開」(40・9%)
が最も多く、
「政治資金の透明化やデジタル化での公開」(34・0%)、
「政治資金をチェックする第三者機関の設置」(28・5%)、
「政治資金パーティーの全面禁止」(27・2%)
などが続いた。

与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり今年2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったお陰で、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率はわずか0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率わずか0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、
「極右」
とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、
「極右」
政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し
「極右」
が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

杉山大志 エネルギーは日本の生命線だ
GDP3%を無駄遣い「脱炭素」政策 グリーン成長などするはずがない!菅政権と岸田政権で推進、GX法ごと根こそぎ廃止すべき
2024.11/1 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-LJW7XOLS4ZKDXN6MWUSLM7OWQY/
自公与党が衆院選で大敗した理由は
「裏金問題」
だけではない。
左翼リベラル化した自民党に対して、保守層が
「ノー」
を突き付けたのだ。
この受け皿が、国民民主党や参政党、日本保守党となった。
菅義偉政権と岸田文雄政権の下で推進された
「脱炭素」
政策も、特に左翼的な政策の1つだった。
政府はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を制定し、今後10年間で150兆円の官民投資を
「脱炭素」
のために実施するという。
投資というと聞こえはよいが、その原資は国民が負担する。
国民1人当たり120万円、3人世帯なら360万円である。
賃上げなど吹き飛んでしまう。
毎年15兆円といえばGDP(国内総生産)の3%に当たる。
防衛費を2%に上げるために大騒ぎしていたのに、その舞台裏ではこのような
「ステルス増税」
が罷り通っていた。
政府は150兆円の投資でグリーン成長するというが、するはずがない。
投資対象が悪いからだ。
洋上風力発電、太陽光発電、その導入のための蓄電池や送電線建設、あるいはアンモニア発電や水素合成燃料など、どれもこれも、やればやるほど光熱費が高くなるものばかりだ。
そもそも、日本政府はかつて、
「太陽光発電の大量導入でグリーン成長する」
と言っていた。
だが、起きた事は
「電気代の高騰」

「産業空洞化」
だった。
今この失敗に懲りずに、同じことを何倍にもして実施しようとしている。
潤うのは一部の再エネ利権などに過ぎない。
そして、その犠牲になるのは一般国民である。
国民は愚弄されている。
政府は150兆円のうち20兆円は国債の発行で賄うとしており、今、政府はその20兆円の償還のための財源としてエネルギーへの課徴金や政府が発行する排出権の売却収入を検討している。
電気なのかガスなのか、灯油なのかプロパンガスなのか、どの料金が上がるのだろうか。
いずれにせよ国民に20兆円を支払わせるということを前提にして、今、ババ抜きのような検討がなされている。
20兆円の収入は、新設の外郭団体である
「GX機構」
が特別会計で回す。
既に天下りも始まっている。
こんなオールドファッションな
「役人天国」
のために光熱費は高騰し、国民経済はボロボロになる。
GX法ごと、根こそぎ廃止すべきだ。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったおかげで、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率は僅か0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率僅か0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、「極右」とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、「極右」政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し「極右」が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

首相即時退陣こそ国益
美しき勁き国へ 櫻井よし子
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-5RFGKKZHKNJ55EIV7L2CMGI6BI/
衆院選で歴史的惨敗を喫した石破茂首相は国民の審判を受け入れるべきだ。
小選挙区での得票数を約670万減らし、結果を受けた共同通信の世論調査では内閣支持率が50・7%から32・1%に急落した。
就任から1カ月、これほど急速に支持を失った事例は稀有だ。
石破氏は敗因を
「政治とカネ」
問題のせいにするが、真の原因は言動の定まらない本人の資質にある。
国民の声を大事にするのは、民主主義の基本である。
だが民主主義は絶対善ではない。
劣化して衆愚政治となった事例を、ソクラテスに下された死刑判決はもとより、ヒトラーの登場を含め、私たちは歴史の中にいくつも見てきたはずだ。
昭和天皇に月1回の頻度で進講した三上照夫氏が、『第三の文化の時代へ』(ぱるす出版)の中で民主主義について語っている。
人間集団にはこういう国造りをしたい、こういう家庭造りをしたいという共通の目標がある。
この建国の理想を、日本人は奈良朝時代から
「国体」
と言ってきた。
国体実現の手段として日米欧が選んだ政体が民主主義だ。
それはあくまでも手段としての政治原理であり、国家の目標・目的は別にある。
そして指導者に識見、国家観が欠落している時、手段であるはずの民主主義は目標に格上げされ置き換えられてしまう。
石破氏は国民の理解を求め続けて政治とカネ問題の先に行けない状況だ。
民主主義という手段を目的に格上げして自縄自縛に陥ったからである。
自業自得である。
結果として、より大事な国家目標実現の政策論がほぼ空白になり果てている。
長年の勉強不足もたたって、石破氏の提唱する政策は空疎を極める。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設や日米地位協定見直しはアジア全体を不安定にしかねない。
自民党は両案件を政務調査会で議論するという形で封印した。
鳩山由紀夫元首相の東アジア共同体構想と同類の空疎な石破提案はこうして処理された。
より深刻なのが対中外交だ。
岩屋毅外相が中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、戦略的互恵関係を再確認したい旨を、語っている。
戦略的―は2006年、第1次安倍晋三政権が打ち出した。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係を双方が修復しようとした。
だが中国に習近平政権が誕生し状況は一変した。
強権的中国との戦略的互恵関係は日本の国益に合致せず、2017年11月の安倍・習会談以降消えた。
石破政権が岸田文雄元首相の路線を継いで立ち戻るのは悪手である。
安倍晋三元首相が戦略的互恵関係を謳った2006年から18年が過ぎた現在、日中関係は一変している。
中国は軍事大国としての力を誇示し、世界秩序を書き換える野望を隠さない。
18年前2006年、彼らは喉から手が出る程に日本の協力を求めたが、現在は如何にして日本から全てを切り取るか、あらゆる形で攻勢を強めている。
その手法は、小さな動きを積み重ねて圧力を強めるサラミ戦術で、一例が尖閣諸島(沖縄県石垣市)だ。
第2次安倍政権樹立から間もない2013年4月26日、中国外務省報道官は尖閣諸島を
「中国の核心的利益に属する」
と発言した。
その同じ日2013年4月26日、安倍氏は来日中の米軍制服組トップ、デンプシー統合参謀本部議長と会談し
「日本固有の領土である尖閣諸島について、我が国は一切譲歩しない」
と語った。
すると翌2013年4月27日、中国外務省は2013年4月26日の発言を事実上修正した。
現在の中国にそんな配慮はない。
彼らは堂々と尖閣を核心的利益と宣言し、2023年8月に発表した標準地図で示した
「十段線」
の10番目の線は与那国島から12キロの我が国の領海をえぐり取っている(『国防の禁句』岩田清文、島田和久、武居智久 産経セレクト)。
中国軍は2022年8月には与那国島の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。
中国が初めて日本の庭先に実弾を撃ち込んだ事実に注目せよと岩田清文元陸上幕僚長は強調する。
2023年7月、尖閣諸島周辺の我が国のEEZ内で中国の情報収集用のブイが発見された。
2024年1月には中国海警局の船が尖閣上空の我が国の領空を飛行する自衛隊機に
「中国領空」
からの退去を要求した。
2024年6月には中国海警局最大級の巡視船が、尖閣諸島を周回した。
中国保有の軍艦は米国を上回り、2035年には435隻に迫る。
米国は2045年に至っても350隻にとどまる見込みだ。
その中国を岸田文雄政権は2022年末に策定した国家安全保障戦略で初めて
「これまでにない最大の戦略的な挑戦」
と定義した。
だが岸田氏は2023年4月の安保3文書についての国会報告で
「最大の戦略的挑戦」
というくだりを割愛し、更に2024年1月の施政方針演説では、日中は
「戦略的互恵関係を包括的に推進する」
と大幅に後退していた。
実は、戦略的互恵関係は岸田氏の施政方針演説の前、2023年11月16日の日中首脳会談で習近平主席が復活を持ちかけていたのだ。
習氏の意図は中国を最大の戦略的挑戦と定義した我が国の安全保障戦略を上書きすることだと、島田和久元防衛事務次官は警告した(『同書』)が、正しいと思う。
戦略的互恵関係の6年ぶりの復活には、再び日本を取り込む中国の狙いが込められている。
そこに岩屋毅外相が乗るというのだ。
だが、逆戻りしてどうするのだ。
対話の窓口は開けておくとして、我が国は今こそ静かに着実に、核の脅威も含めて中国に対処する力を強化し、体制作りを進める時であろう。
政治家にはそれだけの仕事を進める冷静な思考と胆力が要る。
石破氏がその任に相応しいとは思えない。
1日も早い退陣こそ国益だ。

高橋洋一「日本の解き方」
石破政権の命運が尽きる日 続投に意欲も居座り続けると…自民党は本当にぶっ壊れる 水面下で首相指名に向け多数派工作
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H73BZLK7ABOXRCTQEW5GLA3X74/
衆院選で大敗した自民党だが、石破茂首相は続投に意欲を見せている。
今後、石破政権はどこまで生き延びることができるだろうか。
自民党内や地方組織からも
「石破おろし」
が始まっている。
かつて石破首相は、第1次安倍晋三政権や麻生太郎政権の時、国政選挙で負けたり、支持率が低迷したりした時、退陣を求めている。
今回自分だけを可愛がるのは誰の目から見てもおかしい。
小泉進次郎氏が選対委員長を辞任したが、問題がそれにとどまるはずはない。
小泉氏の辞任を石破首相は認めたというが、責任を部下に押しつけるようで、これが組織トップの在り方なのか疑問だ。
かつて安倍元首相が、
「石破氏だけは首相にしてはダメだ」
と言っていたのもよく分かる。
新聞各紙の社説も石破首相に責任を取ることを求めている。
朝日新聞は「選挙の結果責任を負うのは、本来、トップ」、
毎日新聞は「政権トップとしての首相の責任は重大」、
読売新聞は「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
産経新聞は「直ちに辞職し新総裁選出を」
としている。
石破首相自らが、勝敗ラインを
「自公で過半数」
と明言した。
これは普通ではあり得ないほどの低いハードルであるが、実際には自公で215議席と過半数を18も下回ってしまった。
無所属の追加公認を入れても、到底過半数には及ばない。
衆院選の結果は政治家にとって最も重いものだ。
それを、ゴールポストを動かしてはいけない。
筆者はこうした状態を揶揄)して
「石にかじりつきたい破れかぶれ石破政権」
とポストした。
既に、水面下で首相指名に向けた多数派工作が与野党間で繰り広げられている。
当初2024年11月7日に想定されていた特別国会の召集日を2024年11月11日以降に延期する交渉が行われている。
憲法では衆院投票日から30日以内に特別国会を召集し、内閣総辞職、首相指名が行われる。
つまり、特別国会の召集日は首相指名の帰趨を占う意味でも重要なのだ。
石破政権の寿命はまず、特別国会では内閣総辞職、首相指名が行われるので召集日までだ。
そこから生き延びることが出来るのは、首相指名で1位を確保できる場合だけだ。
石破首相では選挙が出来ないとする参院議員、不条理な制裁を食らったが選挙を生き延びてきた旧安倍派、総裁選で高市早苗前経済安保相を推した麻生派、旧茂木派は
「石破おろし」
を起こす可能性があり、石破首相側にいた人も反旗を翻すかもしれない。
そうなると、特別国会の召集日までに自民党内で両院議員総会を開いて、石破氏を引きずり下ろすだろう。
自民党はモタモタしていると、首相指名の多数派工作でまとまりにならず、野党が主導権を握ってしまう恐れもある。
高市氏が
「党執行部には今の自民党を徹底的に立て直して頂きたい」
としたのは当然だ。
このまま、石破首相が居座りを続けると、自民党が衆院選で負けて、党再建でも負けて、ぶっ壊れてしまう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民が石破首相ノー¥A任1カ月「権力居座り」に党内外から批判噴出!「衆院選惨敗、責任をとる気配さえない」「党内勢力も尻込み」
2024.11/2 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-FKEB6WKBLBL6TLZR4NZ5CKKMSY/
石破茂首相(自民党総裁)は2024年11月1日、政権発足1カ月を迎えた。
戦後では内閣発足後最短の8日で衆院解散に打って出たが、選挙戦略は悉く失敗し、自ら勝敗ラインに設定した
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した。
これまで、歴代首相を激しく批判しておきながら、
「国民の審判」
を無視して
「権力居座り」
を決め込む石破首相に対し、党内外から批判が噴出している。
「衆院選において大変、厳しい結果を頂戴した」
「厳粛に受け止めなければならない」
「示された民意を厳粛、謙虚に受け止め丁寧に政権運営に当たっていく」
石破首相は2024年11月1日、記者団にこう語ったが、民意は
「石破首相ノー」
なのだから、これほどのペテンはない。
自民党ベテラン議員は
「これまで、政治家の『責任』に拘ってき石破首相はどこに行った」
「自公過半数を勝敗ラインに設定した衆院選で惨敗したのに責任を取る気配さえない」
と断じる。
石破首相はむしろ
「政権居座り」
に意欲を強めている。
今月2024年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに合わせ、ジョー・バイデン米大統領や、中国の習近平国家主席らとの首脳会談を調整しているという。
ある保守系議員は
「バイデン氏も習氏も、『国民の負託』を得られなかった石破首相と真剣な話をしようと思うだろうか」
「ガバナンスが崩壊した政権に内政・外交を委ねれば、次は日本が壊れる」
と批判する。
ただ、権力にしがみつくトップを交代させるのは簡単ではない。
特別国会の首相指名選挙で、国民民主党は決選投票も含めて玉木雄一郎代表に票を投じる方針のため、野党の票は分散し、石破首相が多数を獲得しそうな情勢だ。
政治評論家の有馬晴海氏は
「国民が石破首相に『ノー』を突き付けた」
「本来なら退陣待ったなしだ」
「小泉進次郎選対委員長だけが辞任して、石破首相と森山裕幹事長が続投するなどガバナンスも崩壊している」
「ただ、石破首相に反発する党内勢力も党が弱り切った中で『石破おろし』に尻込みしている」
「石破首相は『低姿勢』『反省』を示し、何とか成果を示そうと必死なのだろう」
と指摘した。

自民得票率、15年前の政権交代時と全く同じ「26・73%」衆院比例、民主系もほぼ同じ
2024/11/2 11:30
https://www.sankei.com/article/20241102-XDBGXUZYRFOH3FEVQDVDTT2XFY/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選で、各政党の比例代表の得票率を政権交代が起きた平成21(2009)年の衆院選と比べたところ、自民党の得票率はいずれも26・73%で全く同じだった。
自民と公明党を合わせた与党と、民主党系など野党の割合もほぼ同じで、投票率が異なりながら15年前と酷似した状況が浮かんだ。
総務省の発表資料によると、平成21(2009)年と今回の衆院選比例代表で、自民の得票率は26・73%で全く同一だった。
自公を合わせた得票率も平成21(2009)年の計38・18%と今回の計37・66%でほぼ同じだった。
一方の野党も、平成21(2009)年の民主党の得票率は42・41%だったのに対し、今回の主要野党である立憲民主党と国民民主党、日本維新の会の3党の合計は41・88%でほぼ同じだった。
自民は今回、比例の得票を令和3年の前回選挙より約533万票減らした。
しかし、平成21年の投票率が69・27%と高率だったのに対し今回は53・84%と下がっているため、割合はくしくも同一となったようだ。
自民の比例得票率を選挙ごとにみると、平成21(2009)年の26・73%から平成24(2013)年27・62%、平成26(2014)年26年33・11%、平成29(2017)年33・28%、前回令和3年34・66%、今回の26・73%と推移している。

「岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減
大手町の片隅から 乾正人
2024/11/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20241101-U4OIN3HVR5K47CVWO5W6XB2DQI/?outputType=theme_election2024
数字は美しく、残酷である。
昭和61年の衆参ダブル選挙以来、大手町の片隅で13回に渡って選挙報道に携わってきたが、毎回、得票数の精妙さに唸らされる。
衆院選が、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わってからは、比例代表の得票数が、時々の政治状況を鮮やかに切り取ってくれる。
今回、自民党の総得票数は約1458万票に激減した。
前回から27%、533万票も減らし、制度導入以来、過去最低の得票数となった。
平成21年に民主党が大勝し、政権交代が実現したときでさえ、1881万票を獲得していたことから類推すると、安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた
「岩盤保守層」
のかなりの部分が、自民党を見放した、と見るべきだろう。
衆院選に初挑戦した参政党が187万票、日本保守党が115万票を獲得したが、合わせて300万人以上が自民党から両党に乗り換えたとみて間違いない。
残る230万人余は主に国民民主党へ流れたと推測できる。
■立憲比例票は横ばいだった
というのも、今回大躍進した立憲民主党は、比例代表ではほとんど票を伸ばしていないからだ。
3年前の前回が1149万票で、今回は1156万票と僅か7万票しか増えていない。
つまり、自民党が自滅したため、立憲は小選挙区で競り勝ち、議席数を5割も増やしたのである。
政権交代出来るだけの国民の広範な支持が得られていないのは、数字が冷酷に示している。
比例票から分析すると、危機的状況にあるのは、自民党だけではない。
公明、共産の両党も重症だ。
公明党は、平成21年に805万票を獲得していたのが、徐々に減っていき、今回ついに600万票を割り込む596万票にとどまった。
15年間で200万票以上が削げ落ちてしまったのである。
支持基盤である創価学会員の高齢化と共に、公明党を創設した池田大作氏が昨年2023年死去した影響も見逃せない。
■最盛期から半減した共産党
共産党は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題や非公認候補側への2000万円振り込みを機関紙「しんぶん赤旗」がすっぱ抜き、自民党を大敗に追い込んだ最大の功労者だ。
だが、比例票は前回より80万票も減らして336万票しか取れず、れいわ新選組に軽く抜かれた。
平成8年には726万票を獲得していたから半減以下の凋落ぶりだ。
お気の毒に、としか言いようがないが、有権者は共産党の本質をよく見ている。
さて、自民党である。
今回の敗因は、表面的には
「政治とカネ」
への国民の怒りが爆発した結果と見える。
それだけなら軽症で済むが、問題の根は深い。
「岩盤保守層」
のうち参政党などに投票した300万人は、容易に自民党には戻ってこないだろう。
しかも連立相手である公明党のパワーは目に見えて落ちている。
少数与党に転落した石破茂政権は、国民民主党をなびかせるためにリベラル寄りの政策を打ち出さざるを得ず、
「岩盤保守層」
は益々離反するはずだ。
日本にもいよいよ分断と混乱の時代が到来しようとしている。

<主張>自・国の政策協議 石破執行部に資格あるか
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-GDS25MDC7ZM75MJH3E5JS5FUQI/
自民党と国民民主党が政策協議に入ることで合意した。
衆院選に大敗した石破茂首相(自民総裁)と森山裕幹事長が何の責任も取らずに協議を進めるのは、異様な光景という他ない。
石破首相と森山氏は辞任し、自民は新執行部の下で他党と協議に臨むのが筋だと改めて指摘したい。
石破首相は居座り、国民民主との
「部分連合」
の形成を図るつもりなのだろう。
森山氏と国民民主の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日、会談した。
森山氏は経済対策や令和6年度補正予算案、令和7年度予算案の編成、税制改正での協力を呼び掛けた。
「部分連合」
の構築に向け、両党の政調会長による常設の会議体設置も求めた。
これに対し、榛葉氏は会議体設置を拒み、案件ごとに対応する意向を示した。
森山氏は受け入れた。
国民民主は年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の金額を178万円に引き上げることを最優先事項に掲げている。
林芳正官房長官が7兆〜8兆円程度の減収が見込まれるとの試算を示すと、国民民主の玉木雄一郎代表は
「全くやらないなら協力できない」
「その時は予算も法律も通らない」
と牽制した。
ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除も看板政策の1つだ。
国民民主は衆院選で
「手取りを増やす」
ことを訴えて支持を得たため、その実現に注力するのは分かる。
ただ、両党の協議を巡り懸念はある。
個別政策を切り離して交渉した場合、他の政策とバランスが取れなくなる恐れがあることだ。
厳しい安全保障環境を踏まえれば、防衛力の抜本的強化を滞らせてはならない。
政府は令和9年度までの5年間で防衛費総額を約43兆円と定めているが、増税時期は決まっていない。
防衛増税は令和10年度以降の防衛費をきちんと確保することも睨んだ措置である。
税制改正を行う場合は、税制全体との整合性を図ることも求められる。
国民民主は自党の政策実現だけを目指すのではなく、日本の平和と繁栄のための国家戦略をより明確に描き、日本を守り抜く政策でも責任ある姿勢を示す必要がある。

自民 衆議院 197人で活動へ 会派に無所属で当選の6人追加
2024年11月1日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241101/k10014626171000.html
自民党は、国会で活動をともにする会派のメンバーに、今回の衆議院選挙で無所属で立候補して当選した6人を加え、合わせて197人の勢力で活動していくことになりました。
自民党は、2024年11月1日に開かれた衆議院の各会派の代表者による協議会で、今回の衆議院選挙で党の公認を得て当選した191人に、無所属で当選した6人を加えた197人の勢力で会派をつくることを届け出ました。
会派に加わったのは、
政治とカネの問題で自民党から離党勧告の処分を受け離党した
▽世耕弘成氏と
選挙に際し公認が得られなかった
▽平沢勝栄氏
▽西村康稔氏
▽萩生田光一氏の4人に、
自民党の公認候補と争った
▽三反園訓氏
▽広瀬建氏
を加えた、合わせて6人です。
公明党の会派と合わせると、衆議院の与党の勢力は221人となりますが、過半数の233議席までは、12人足りない状況です。

世耕弘成、西村康稔氏らの会派入りを批判 立民の野田佳彦代表「反省足りない」
2024/11/1 14:15
https://www.sankei.com/article/20241101-DPCLWIFSRRJBFDDCZHVHVX5G64/
立憲民主党の野田佳彦代表は2024年11月1日の記者会見で、自民党の派閥パーティ収入不記載事件に関与し、衆院選に無所属で当選した世耕弘成、西村康稔両氏らが衆院会派
「自民党・無所属の会」
に入る見通しとなったことを批判した。
「選挙が終わり禊が済んだと言うならば、思慮も反省も足りない」
と語った。
自民側の狙いに関しては、特別国会の首相指名選挙で石破茂首相を当選させるため
「数を確保しておきたいとの焦りがあるのだろう」
と指摘した。

言わんこっちゃない自民党大敗 総裁選で高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ 変わり身の朝日新聞、言い訳に笑い
2024.10/31 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-VCDRHRXXD5KM3JAK4LCZCNPLMA/
だから、言わんこっちゃない。
石破自民党が歴史的大敗。
自公で過半数割れは15年ぶりだ。
さすがに開票を見守っている時も、各社のインタビューでも石破茂総理に笑顔は一切ナシ。
それでなくても悪い目つきがますます悪くなっていた。
「なぜ、言わんこっちゃない」か。
1カ月前、2024年9月27日の自民党総裁選。
第1回投票で大方の予想に反し、高市早苗候補が、石破候補を圧したのだ。
高市候補 議員票72 党員・党友票109 計181
石破候補 議員票46 党員・党友票108 計154
ところが決選投票ではこれが逆転。
石破候補 議員票189 地方票26 計215
高市候補 議員票173 地方票21 計194
つまり、第2回投票で石破候補の議員票は143票も増えていたのだ(高市候補は101票増)。
岸田文雄前総理の指示か、菅義偉元総理の依頼かは知らないが、143人もの議員が、石破候補を新たに支持したことになる。
この時、高市候補を支持する議員が、あと22人増えてさえいれば高市総理が実現していたのだ。
もし、あの時、高市候補を選んでいれば、日本初の女性総理として、世界のメディアでも話題になったに違いない。
選挙中に自民党の、あのどんよりしたような暗い雰囲気はなく、清新な風が吹いていたろう。
石破総理は応援に来なくていい。
来れば票が減るなんてこともなく、高市さん、全国の候補から引っ張りだこだったろう(総理でなくても引っ張りだこで、全国を飛び回っていた)。
むろん選挙にも負けなかったに違いない。
繰り返すが、総裁選決選投票で石破さんに票を投じた自民党議員の責任は重い。
今回の自民党大敗は、あの時、高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ、だから
「言わんこっちゃない」
と言っているのだ。
むろん、新聞各紙、選挙後、石破総理を一斉に批判。
石破総理に厳しいのが産経。
<石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった>
<自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた>
<国会論戦も十分に行わず早期解散に走った>
<これで選挙に勝てると思っていたのなら信じ難い>
意外だが、朝日新聞が一番手厳しい。
社説でハッキリ石破総理に引導を渡している。
<自民党がなお議会第1党だとしても、「自公で過半数」という自ら設定した最低限の目標を達成できなかった以上、石破首相は職を辞すのが筋だ>
党内野党として石破氏が安倍晋三元総理を批判していた時は、散々、持ち上げて、事あるごとに利用してきた朝日、さすがに変わり身が早い。
<期待が大きければ、その分、失望も大きい>
と言い訳しているのが笑える。
党内では
「首相の責任は重大、続投は難しい」
の声も少なくない。
だが、石破総理自身は続投の意志を捨てず、
「色んな選択肢があるだろうよ」
と他人事のように
「続投を明言」
しているらしい(2024年10月28日産経)。
誰か、石破総理の首に鈴を付ける奴はいないのか。
 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

<正論>惨敗した首相に国民を守れるか 
麗澤大学教授・八木秀次
2024/10/31 8:00
https://www.sankei.com/article/20241031-UK2MSTVJUFLK5JR4Y2VOXIN2HA/?outputType=theme_election2024
■続投は理屈が通らない
平成19年7月、第1次安倍晋三政権でのことだ。
自民党は参院選で惨敗し、第一党の座を民主党に譲った。
衆参「ねじれ」の始まりだ。
安倍首相は続投の方針を表明したが、この時、党の総務会で
「選挙に負けたにもかかわらず、続投するのは理屈が通らない」
と公然と首相の辞任を求めた議員がいた。
現在の首相の石破茂氏だ。
その後、安倍氏は体調を崩して辞任した。
2年後の平成21年7月、麻生太郎内閣は低支持率に喘いでいた。
都議会議員選挙で自民党が敗れた際、内閣に身を置きながら派閥を率いて
「麻生おろし」
の先頭に立った閣僚がいた。
石破農水相だ。
麻生首相は飼い犬に手を嚙まれる思いだったという。
今月2024年10月27日投開票の衆院選挙で自民・公明の与党は目標とした過半数(233議席)をも大幅に下回る大惨敗を喫した。
参院選や都議選での敗北ではない。
政権選択選挙とも言われる衆院選で、だ。
与党過半数割れのままでは予算案も法案も通らない。
異常事態だ。
何より野党その他の総計が過半数を占めた状態では内閣不信任案をいつでも可決できる。
それでも石破首相は続投を重ねて表明している。
首相就任8日後という戦後最短で解散総選挙を行う理由を憲法69条に言及して
「新しい内閣について、国民に信を問うことが憲法の趣旨からもそういうことだ」
と述べていたはずだ。
国民の信任を得られなかったにもかかわらず、続投するのは
「理屈が通らない」。
過去の自分の言動によって
「後ろから鉄砲を撃たれる」
思いがしていることだろう。
長かった党内での野党暮らしは責任がなく気楽だったはずだ。
「正論」
も述べられた。
今、
「与党」
の首領として生き地獄の苦しさを味わっていることだろう。
■国民的人気も幻だった
大惨敗の原因は
「政治とカネ」
の問題そのものではない。
政治資金の不記載問題は、一部の法令違反は処罰されて当然だが、それ以外は今後、記載を徹底し再発を防止するとすればよかった程度のことだ。
これの処理の仕方を誤って派閥解消などの大きな問題にしてしまい、
「国民の怒り」
を醸成したのが岸田文雄前首相だった。安倍派の力を削ごうとした節も否定できまい。
その岸田氏が低支持率で退任することになり、国民的人気があると勘違いして自民党総裁選で後継に選んだのが石破氏だが、総裁選で大言壮語したものの首相になるや
「変節」
やトーンダウンし、大した政策もなかったことを露呈した。
選挙はこの政策を実現するために力を与えてくださいと訴えて勝つものだが、訴える
「この政策」
がなく、
「政治とカネ」
への防戦一本となった。
当てにした国民的人気も幻で、発足時の内閣支持率は28%(時事通信、2024年10月17日公開)という2000年以降の歴代内閣の最低を記録した。
選挙応援に入る度に票が減ると言われ、自民党支持層まで野党に投票した模様だ。
大惨敗の原因は石破氏の存在が大きい。
不記載議員を原則公認する方針を決めたものの、メディアの批判に圧されて一転して非公認や比例重複なしの
「二重処罰」
にしたが、非公認候補側にも公認と同じ2000万円を振り込んだ。
当選後に追加公認を受けるようにとの狙いだろうが、如何にも場当たり的だった。
これが選挙の最終盤に発覚し報道されたことで
「政治とカネ」
の問題を蒸し返し、
「国民の怒り」
を買って数十議席を減らしたとされる。
判断した森山裕幹事長、小泉進次郎前選対委員長ら執行部の責任は大きい。
■政策無視の「大連立」では
選挙の結果、安倍元首相が第2次政権以来、国政選挙に勝ち続けて築いてきた
「1強」
とも言われた強固な政権基盤はいとも簡単に崩壊した。
過半数割れの
「少数与党」
では政権運営に困難が伴う。
予算案や法案を通すためには野党との協力が必要になる。
当てにしていた国民民主党も日本維新の会も連立政権には加わらない方針だ。
益々野党の主張に歩み寄らざるを得ない。
首相は続投を表明した記者会見で野党の政策を取り入れるとも述べた。
これでは事実上の与野党の
「大連立」
だ。
野党の影響力が大きくなって懸念されるのは安全保障や経済だ。
台湾有事や朝鮮半島有事の危険が迫り、石破氏は否応なく、
「戦時下の首相」
となる可能性もある。
集団的自衛権の限定行使にさえ否定的な軍事音痴の野党第一党との協力で国民の生命を守れるのか。
間もなく選出される米国大統領にも対応できるのか。
財務省の意向に沿うべく積極財政の否定に向かうことはないか。
経済は低迷しないか。
安定的な皇位継承策の検討もこれまでと反対方向に向かうことはないか。
選択的夫婦別姓もそうだ。
憲法改正は進むのか。
党内野党を余儀なくされている高市早苗氏や旧安倍派の議員は党内政権交代に備えて政策を磨き、発信していってほしい。

悪夢の少数内閣が始まる 総裁選、もし林氏や加藤氏が高市氏に勝てば…党内「分裂」も 自民党再生のため石破さんは辞めた方がいい
2024.10/31 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-TMJ52B5XUJP4VAT5QKSNN6GVEQ/
石破茂首相は2024年11月28日の記者会見で続投する考えを明らかにした。
理由は
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
ということなのだが、
「いや、あなたは国民に信任されなかったので、少しくらい国政が停滞してもいいから誰か別の人に代わってください」
と思う人はいないのだろうか。
仲間の4分の1が落選し、
「勝敗ライン」
の与党過半数を下回った首相がなぜ居座るのか。
ただ、石破首相本人も居座りたくて居座っているのではない。
居座らねばならぬ理由がある。
野党第一党、立憲民主党の議席は大幅増の148議席なのだが、これに日本維新の会の38、国民民主党の28を足しても214で233の過半数には届かず、れいわ新撰組の9、共産党の8を足しても届かない。
つまり、野党だけの連合で政権は取れない。
だから、開票当日夜のテレビ出演で、立憲民主党の野田佳彦代表は、自民党の一部が割れて野党連合に参加することを期待する口ぶりだった。
だが、それは無理なのだ。
党の分裂は自民党も立憲民主党(前身の民主党)も以前経験して酷い目に遭っている。
「分裂だけは損するから、やっちゃダメ」
というのは与野党の共通認識だ。
もし、石破氏が辞めたら自民党は2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙の前までに新総裁を決めなければならない。
フルスペックの総裁選をやる時間はないので両院議員総会で議員のみの投票で行われる。
本来なら、前回の総裁選で石破氏に惜敗した高市早苗前経済再生相が
「本命」
のはずなのだが、執行部の菅義偉副総裁や森山裕幹事長、更に石破首相誕生の影のキングメーカーである岸田文雄前首相らは気が進まないだろう。
高市氏を応援した人たちの多くが、今回の衆院選で落選している。
もし執行部が林芳正官房長官とか加藤勝信財務相を立てて高市氏に勝つようなことがあったら、党内の
「分断」
は更に進むし、それが
「分裂」
に発展しかねない。
自民党は主流派も非主流派も、絶対に
「分裂」
だけは避けなければいけないことを分かっている。
高市氏や安倍派周辺から
「石破降ろし」
の声が余り上がらないのはそういうわけなのだ。
つまり石破氏はとりあえず今は辞められない。
石破首相が首相指名選挙を乗り切っても
「少数内閣」に
よる予算審議は大変だ。
国民民主党と政策ごとの
「部分連合」
を組み、予算に賛成してもらうために政策をいくつか
「丸呑み」
する必要があるが、大変な作業だ。
最後は
「石破退陣」
を条件に予算成立という局面もあるかもしれない。
悪いことは言わない。
石破首相は退陣して、自民党は新総裁を選び、再スタートした方がいい。
「負けた人」
の下で政党はまとまらないし、先は見えない。
自民党の再生のためにも石破さんは辞めた方がいい。
 (フジテレビ客員解説委員 平井文夫)

<産経抄>居座る石破首相、言行一致の身の処し方を
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-R6DMQT64N5MG7N6B3LUJYMNMZU/
辞書に載る言葉には、業界用語を出自としたものが多い。
「暗転」
はその1つである。
<物事が悪い方に転じること>
は後から加わった意味で、本来は
<舞台を暗くして、幕を下ろさずに場面を変えること>。
つまり芝居用語だ。
▼対義語を
「明転(あかてん)」
という。
<舞台が明るいままで場面を変えること>。
次の場面がすでに出来上がっており、回り舞台ではよく使われる手法である。
ただし
<物事がいい方に転じること>
の意味はなく、採録しない辞書も多いと聞く。
▼先日の総選挙を下敷きにした舞台『国民の審判』は、過半数割れした
「自公の大敗」
編から
「少数与党の悲境」
編へと場面転換しそうだ。
脇を固めた若手選対委員長の降板をよそに、自身は主役に居座り、場面の明転を待つつもりらしい。
続投の意思を示した石破茂首相である。
▼「国民の批判に適切に応え」
ながら職務に当たるという。
与党過半数を勝敗ラインと明言したのは他ならぬ首相で、続投は現政権を否定した選挙結果への答えになっていない。
「国政の停滞は許されない」
との説明も、責任逃れの方便に聞こえる。
▼石破氏と言えば
「ねじれ国会」
を招いた第1次安倍晋三政権時に、安倍氏を舌鋒鋭く責めた姿が忘れ難い。
麻生太郎政権では閣内から事実上の退陣を迫りもした。
過去のご自分を鏡とし、言動にいささかのぶれもない身の処し方を、信を置ける政治家の作法を見せてもらいたい。
▼安全保障、国民生活、災害対応。
どれ1つとして置き去りにできぬ課題で、国政が停滞すれば国民は甚だ迷惑する。
次の場面に移る前に、一案としてこんなト書きを台本に入れてみる。
<ト ここで暗転、主役交代>。
総裁選を行う気力くらい、なければ困る。

<主張>野田氏の支持要請 現実路線なしでは空論だ
社説
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-L4VASTN36ZJOBF4YXY6QB5RHE4/
立憲民主党の野田佳彦代表は、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、特別国会の首相指名選挙で自身に投票するよう要請した。
議席を大幅に伸ばした野党第一党として、他の野党に協力を呼び掛けること自体は否定しない。
だが、基本的な政策を見ると、立民は政権担当能力を欠いている。
衆院選公約などで掲げた政策では日本の独立と繁栄、国民の命・暮らしを守れまい。
衆院選で勢いづいているとはいえ、野田氏が本気で政権を担うつもりなら、反省と基本政策の現実路線への転換が必要だ。
立民は衆院選で外交・安全保障政策について
「日米同盟が基軸」
とした一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という立場を変えなかった。
反撃能力の保有にも消極的だ。
これでは抑止力が損なわれ、日米同盟は旧民主党政権時のような危機に陥るだろう。
エネルギー政策では
「原発の新増設は認めない」
と宣言し、党綱領では
「原発ゼロ」
の実現を謳う。
脱炭素化や電力の安定供給に逆行している。
国の根幹をなす憲法改正にも後ろ向きだ。
自民党の自衛隊明記案に反対し、国会議員任期延長を含む緊急事態条項の創設も
「必要ない」
としている。
安定的な皇位継承策では、野田氏は
「女性宮家」
の非皇族男子の夫と子の皇族化に拘っている。
これは日本の皇統を断絶させる
「女系天皇」
に繋がる恐ろしい議論だ。
馬場氏は野田氏の要請を持ち帰り、
「大義や具体的な政治改革案がなければ、与することは出来ない」
「やはり政治とカネの問題だ」
と語った。
政治とカネの問題を主軸に交渉するつもりなら、首相指名選挙を履き違えることになる。
政権の舵取り役を決める選挙なのだから、皇室や外交安保、エネルギーなどの基本政策を重視すべきだ。
普通の国会共闘とは次元が違う。
馬場氏は2024年10月27日、立民について
「外交安保やエネルギー、憲法など基本的な政策で党内がまとまっていない」
と批判していたはずだ。
野田氏は共産党の田村智子委員長にも首相指名選挙での協力を求めた。
党綱領に日米安全保障条約の廃棄を記すなど、基本政策が立民以上に非現実的な共産にまで要請したことは間違っている。

首相、衆院選惨敗を党の責任にすり替え 政策を争点としなかった戦略ミスの反省みられず
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/31 1:00
https://www.sankei.com/article/20241031-C5A4Z42JZRJN7KN44VVPHMJ76Y/
私事で恐縮だが、筆者が社会部から異動となり、政治部へと着任したのは26年前の平成10年7月12日、参院選の投開票日だった。
その日の深夜か翌未明に、当時の橋本龍太郎首相(自民党総裁)が次のように述べて、敗戦の責任を取って辞任を表明した。
「全てをひっくるめて私自身の責任だ」
「力不足」
「それ以上に言うことはない」
参院選で自民は16議席減らしたが、44議席を獲得した。
しかも参院選は、政権選択選挙と言われる衆院選とは位置付けが異なる。
にもかかわらずの橋本氏の引責辞任に、政治家、なかんずくリーダーの身の処し方、潔さというものを考えさせられたのだった。
一方、安倍晋三元首相は平成19年7月の参院選で大敗しても辞めなかった。
既に各種世論調査で自民劣勢が明らかだった平成19年7月29日の投開票日の数日前、安倍氏は筆者にこう話した。
「小泉さん(純一郎前首相)からも電話がかかってきて
『負けても絶対に辞めるな。参院選に負けても政権が変わるわけではない。いちいち一喜一憂せずにやればいい』
と言われた」
■続投の安倍首相を攻撃
参院選は政権選択選挙ではないのだから、時の首相によってそれぞれの考え方や判断があるのだろう。
ただ、続投を表明した安倍氏に対し、こう激しく攻撃したのが石破茂首相だったことは踏まえておきたい。
「安倍首相は
『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』
と訴えたのに、どう説明するのか」(党総務会)
「安倍首相は
『反省すべきは反省する』
と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」(党代議士会)
石破首相は政権選択選挙である衆院選で惨敗し、与党での過半数も失ったことをどう受け止めるのか。
首相に
「ノー」
を突き付けた民意を無視して続投を決め込み、2024年10月28日の記者会見では次のように党の問題へと摩り替えた。
「自民党は反省が足りないとご叱責を賜った」
「党内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて抜本的な改革を行っていく」
「党内融和よりも国民のご理解ということの方を私は優先していかねばならないし、党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がったのではないかという反省を、私自身は思っているところだ」
せっかく党総裁選で政策論争に注目が集まっていたのに、衆院選では明確な基準も示さないまま党所属議員を非公認や重複立候補禁止処分とし、自ら政治とカネの問題を争点とした自分自身の戦略ミスや判断の誤りへの反省はない。
あくまで悪いのは他者であると強調し、党内融和には目を向けない。
こんな延々と魔女狩りや内ゲバを続けるような姿勢が、有権者の嫌悪感を誘うことには気づかないのだろう。
ろくに党内もまとめられずに、国民の願いや要望に応えることはできるのか。
■「一瞬は人を動かす」
安倍氏は首相時代の令和2年6月17日、自身の次の首相候補とされた岸田文雄前首相と石破首相とを比較して、筆者に語っていた。
「政治は人を動かすかなりの要素、情熱が大事だ」
「岸田さんは最後は人を動かす所を見せないといけない」
「石破さんは本物ではないけど、一瞬は人を騙して動かす能力がある」
「彼こそ本当の『言うだけ番長』なのだけど」
その言葉通り、総裁選で石破首相は一瞬、所属議員を動かし首相の座に就いた。
石破首相に1票を投じた議員らは、自民の転落をどうみているのか。
(論説委員兼政治部編集委員)

どうなる首相指名選挙 石破首相選出の流れも自民内造反の可能性に懸念
2024/10/30 21:03
https://www.sankei.com/article/20241030-EJ6PX23YLBNK7MYACULWRJYDPM/
来月2024年11月11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙は、キャスチングボートを握る国民民主党が立憲民主党の野田佳彦代表に投票しない方向となり、自民党総裁の石破茂首相が選出される流れが強まった。
衆院本会議での1回目の投票では、ほとんどの議員が所属政党の党首に投じるとみられ、誰も投票総数の過半数を獲得できない見通し。
石破首相と野田氏の2人による決選投票が行われる公算が大きい。
衆院の過半数は233議席。決選投票は自民、公明両党(計215議席)が支持する石破首相、共産党も投票を前向きに検討している立民の野田氏(立民と共産で計156議席)の2人が他党票の取り込みを狙う。
ただ、
「票田」と
なる日本維新の会(38議席)の馬場伸幸代表は2024年10月29日のBSフジ番組で
「どちらかに軍配を上げることはできない」
と語った。
国民民主(28議席)の玉木雄一郎代表も2024年10月30日の党会合で、決選投票でも玉木氏自身に投票する方針を説明した。
両党とも来年2025年夏に参院選を控える中、
「野合」
批判を避け、独自性をアピールする必要がある。
首相対野田氏の決選投票で投票用紙に
「馬場」
「玉木」
と書けば無効票となり、自公勢力が立共勢力を上回り、首相の勝利が有力だ。
ただ、馬場氏は2024年10月30日、記者団に、立民と政治改革に関する協議を行うと述べた上で、野田氏に投票する可能性について
「これからの協議の中身(次第)だ」
と完全に排除はしなかった。
また、自民内の一部には、衆院選で与党過半数割れとなった責任を首相が取って退陣すべきだとの声もある。
首相周辺は、首相指名選挙の投票を棄権する自民議員が出る事態を警戒している。
このため、現時点で可能性は低いものの、野党の大連合が成立したり、自民内の造反によって野田政権が誕生したりする可能性もゼロとは言えない。

石破首相「辞任必要ない」65・7% 内閣支持率は32・1%に急落 共同調査
世論調査
2024/10/29 18:30
https://www.sankei.com/article/20241029-A5DPYG3NWBMV3CYK7CDXWCWATE/
衆院選の結果を受けて共同通信社は2024年10月28、29の両日、全国緊急電話世論調査を実施した。
石破内閣の支持率は32・1%で、内閣発足に伴う2024年10月1、2両日調査の50・7%から18・6ポイント下落した。
不支持率は52・2%。
与党過半数割れとなった自民、公明両党の連立政権継続を望むとしたのは38・4%で、望まないが53・0%だった。
自民の派閥パーティー収入不記載事件に関与し、当選した議員を要職に起用することに79・2%が反対し、賛成は16・3%だった。
望ましい政権の枠組みは
「政界再編による新たな枠組み」
が31・5%と最多で、自公の少数与党政権は18・1%。
一方、石破茂首相が過半数割れの責任を取り辞任すべきだとの回答は28・6%にとどまり、辞任は必要ないが65・7%だった。
自民の議席減に不記載の影響があったと思うとの答えは91・4%。
選挙結果で
「政治とカネ」
問題が根絶に向かうとの見方は23・9%で、向かわないが72・5%を占めた。

少数与党希望は自民支持層の4割 今後の政権枠組み、無党派層は「政界再編」が最多
世論調査
2024/10/29 18:53
https://www.sankei.com/article/20241029-5BJVP5UYLZLVTLY4M4STSCXYYA/
衆院選の結果を受けて共同通信社が2024年10月28、29の両日に行った全国緊急電話世論調査で、今後の望ましい政権枠組みを政党支持層別に見ると、自民党支持層では
「自民、公明両党による少数与党政権」
が最多の39・8%だったものの過半数に届かなかった。
次いで多いのが
「自公に日本維新の会などを加えた政権」
の28・2%で、一部野党と連携してでも政権の安定化を望む意向がにじんだ。
公明支持層では、自公の少数与党政権が50・9%と過半数に上った。
立憲民主党支持層と共産党支持層は
「立民を中心とした多くの野党による政権」
が最も多く、それぞれ61・7%と59・1%。
維新支持層は
「自公と維新など」
が最多の40・5%だった。
「支持する政党はない」
とした無党派層は
「政界再編による新たな枠組みの政権」
が最多で42・4%。
国民民主党支持層の48・2%、れいわ新選組支持層の55・3%も政界再編を希望した。

自民内から「石破おろし」の声相次ぐ 首相、国民民主と連携に活路 立民も多数派工作
2024/10/28 21:20
https://www.sankei.com/article/20241028-FHBW6MW5XNNW7EZEDBSSZMWDAQ/?outputType=theme_election2024
自民、公明両党で過半数割れの大敗を喫した衆院選の翌2024年10月28日、自民内では石破茂首相(自民総裁)の責任論が相次いだ。
それでも続投を表明した首相は、躍進した国民民主党との連携強化で打開を図る。
だが、国民民主は連立入りを否定。
首相は同党の政策を取り入れて協力関係を築きたい考えだが、予算案や法案ごとに賛成を求めることになれば政権運営が不安定化するのは必至だ。
■目に見える変化が肝要
首相は2024年10月28日の記者会見で
「『自民党は目に見えて変わったね』と実感して頂くことが肝要だ」
と述べ、政策活動費の廃止などを表明した。
自身が辞任するのではなく、衆院選の敗因は自民の改革姿勢の甘さにあると定義し、踏み込んだ改革案を打ち出すことで敗北の責任を取る−という筋書きと言える。
ただ、そんな思惑とは裏腹に、党内では
「石破降ろし」
が始まった。
「自民党石破政権への信を問うてこの結果、ということを軽視しすぎではないのか」。
小野田紀美参院議員は2024年10月28日、自身のSNSで、小泉進次郎選対委員長の辞任だけでは不十分との認識を示した。
山田宏参院議員もSNSに
「選対委員長の辞任で済む話ではない」
と投稿した。
小林鷹之元経済安全保障担当相も党幹部の責任論に言及する。
3氏とも、党内の
「反石破」
勢力から旗頭として期待される高市早苗前経済安保担当相に近い。
■党内論理より国民理解を
党内の反発について、首相は
「等閑視するつもりは全くない」
と語る一方、
「党内融和よりも国民の理解を優先していかねばならない」
「党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がった」
と持論を述べた。
首相の念頭にあるのが、勢力を4倍に増やした国民民主との連携だ。
「議席を大きく伸ばした党がある」
「どのような主張に国民が共感、共鳴したのか」
「取り入れるべきは取り入れることに躊躇があってはならない」。
首相が記者会見でこう語ると、同席した森山裕幹事長は何度も頷いた。
森山氏は他党との交渉の中心的役割を担うだけに、政権継続のためには
「辞めさせられない」(別の党幹部)。
ただ、国民民主の玉木雄一郎代表は2024年10月28日、支援組織・連合の芳野友子会長に、自公連立政権に参画しない考えを伝えた。
国民民主は、自民に43議席差まで迫った立憲民主党からも触手を伸ばされている。
立民は同日2024年10月28日の執行役員会で、特別国会の首相指名選挙で、野田佳彦代表に投票するよう野党各党に協力を求める方針を確認した。
■政権への協力は十分ある
野田氏は記者団に、一部野党が石破政権に協力する可能性は
「十分ある」
と指摘。
「注意深く見ながら、こちら(野党側)のチームをどう作っていくかに心を砕きたい」
と述べ、過半数割れした自公による野党勢力の切り崩しを警戒した。
焦りの裏返しか、他党との交渉に関し
「誠意のある対話」
というフレーズを何度も口にした。
もっとも国民民主は、野田氏への投票要請も受け入れない考えだ。
首相指名選挙は1回目の投票で過半数を得た候補がいない場合、上位2人の決選投票を行う。
首相と野田氏の一騎打ちになる公算が大きいが、玉木氏は2024年10月28日の民放番組で
「無効となっても玉木と書く」
と述べた。
榛葉賀津也幹事長も同日、連合傘下の産業別労働組合(産別)に、こうした方針を伝えており、立民の多数派工作も最初から躓きそうだ。

政治空白、許されぬ…政治部長・小川聡
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20241028-OYT1T50036/
長期政権のぬるま湯に浸かり、有権者の意識とかけ離れた
「党の論理」
を捨て切れない自民党に、厳しい審判が下った。
これまでの自民党政治家と違う感覚で政権を運営するのではとの石破首相への期待は、瞬く間に失望に変わった。
予算委員会なしでの衆院解散や、政治資金問題に関わった前議員らの公認問題と2000万円の活動費支給を巡る対応などで、総裁選で掲げた
「国民の納得と共感」
よりも自民党の事情と都合を優先する姿勢が露呈し、国民の怒りの火に油を注いだ。
立憲民主党は、3年前2021年の衆院選を教訓に、自民党にお灸を据えようと考える中道保守層の投票の受け皿になった。
野田代表が、
「原発ゼロ」
をはじめとした非現実的な安全保障・エネルギー政策を封印し、共産党との連携に距離を置いたことが奏功したと言えよう。
立民は選挙戦で、
「政治とカネ」
問題への批判に注力し、景気対策や社会保障などの具体策を論じる機会は少なかった。
「敵失」
で議席を伸ばした面が大きく、自らの政策・主張が全面的に支持を集めたという過信は禁物だ。
日本を取り巻く環境は国内外で厳しさを増しており、一刻の猶予も許されない。
経済停滞や社会保障・財政の不安、自然災害への対応などを急がなくてはならない。
北朝鮮や中国による軍事的威圧や威嚇、一方的な現状変更や侵略の脅威に直面し、日本の主権や平和、繁栄を維持できるかどうかの岐路にある。
与党の過半数割れにより、当面、政権が弱体化することは避けられまい。
各党は、政局を優先して分断を加速させるのではなく、 真摯な議論を通じて現実的に答えを出していくことが不可欠だ。
内外の有事を前に、政治空白を作ってはならない。

衆院選、全議席が確定 自民191、立民148、維新38、国民28、公明24、れいわ9
2024/10/28 4:05
https://www.sankei.com/article/20241028-PRREEDNFJRJSFA344HTTAVVAPQ/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選は2024年10月28日未明、比例代表東北ブロックで立憲民主党が最終議席を確保し、全465議席が確定した。
各党の獲得議席は、自民191、立民148、維新38、公明24、共産8、国民28、れいわ9、社民1、参政3、政治団体の日本保守党3、無所属12で確定した。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/877.html#c26

[NWO7] トランプが勝ったら米国を去ると言った人々のリスト (Scott Cooper)  魑魅魍魎男
19. 秘密のアッコちゃん[940] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 17:01:08 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[505]
<■448行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「トランプ側近の本音」石破首相の評価は? パイプ持つ日本保守党・島田洋一議員が聞いた「世論に迎合する信用できない男」
2024.11/8 15:24
https://www.zakzak.co.jp/article/20241108-RH7XVVVQKJJWFGBDK6T74MESFE/
石破茂首相は2024年11月7日、米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ前大統領と電話会談した。
首相はトランプ氏の印象を
「非常にフレンドリーな感じ」
と述べたが、トランプ氏周辺は実際のところ、石破首相や石破外交をどう見ているのか。
国際政治学者で共和党やトランプ陣営と太いパイプを持つ日本保守党の島田洋一衆院議員に
「トランプ側近の本音」
を聞いた。
石破首相は電話会談でトランプ氏に祝意を伝え、日米同盟をより高い次元に引き上げる考えで一致したと話した。
だが、大統領選直後にトランプ氏側近らとコンタクトを取ったという島田氏は
「衆院選にも敗北して政治力もないとして、トランプ氏周辺で石破首相の評価は高くない」
「マイナスからのスタートというより、スタートできるかも怪しい」
と指摘する。
島田氏によると、
「日米地位協定の見直し」

「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」
といった石破首相の持論にも、トランプ陣営の反応は冷ややかだという。
「日米地位協定の改定は米軍の機密保護や米兵の身の安全に関わるため、米国は超党派で反発している」
「アジア版NATOについては、石破首相が発信を控えていることが、却って『世論に迎合するような信用できない男』と見られているようだ」
石破首相とトランプ氏は、早期に対面での会談を調整する方針を確認したというが、島田氏はこんな見方を示す。
「会談では米国と同じ路線で取り組む態勢が出来ていると、しっかりプランを示して行動できるかが重要だ」
「例えば岩屋毅外相は中国寄り≠ニ見られていて、防衛相時代の2018年には韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に対応出来なかった」
「『人事は政策』であり、情報発信にもなるので、刷新すべきではないか」
トランプ氏が2016年の大統領選に勝利した際には、安倍晋三元首相がトランプタワーを訪問するなどして蜜月関係を築いた。
「トランプ政権発足直後の朝鮮半島危機や、中国に対する締め付けにも、安倍元首相は真っ先に協力するなど、間髪入れずにサポートする行動が信頼関係を固めた」
と島田氏は分析する。
これまで学者として北朝鮮による日本人拉致問題や日米関係の強化に取り組んできた島田氏だが、衆院選で日本保守党から出馬して当選し、今後は国会議員の立場で臨むことになる。
トランプ陣営の反応について島田氏は
「日本保守党から出馬し当選したことを
『米国で言えばトランプ現象に値するものだと理解している。日本保守党と連携していきたい』
と言われた」
「日本保守党の『日本第一』は、トランプ氏の『米国第一』と通じ、『脱炭素原理主義』に異を唱える基本線も一致する」
と明かした。
トランプ陣営は今、外交路線をどう考えているのか。
島田氏は
「中国を『主敵』と位置付け、軍事利用可能な技術を含む最先端ハイテク分野や知的財産で厳しく締め上げて供給網から外すことを検討している」
「トランプ氏は経済分野の交渉で習近平国家主席が誤魔化そうとしても許さないだろう」
との見方を示した。

ロシアと北朝鮮の協力「米も脅かす」 NATOのルッテ事務総長
2024/11/7 22:59
https://www.sankei.com/article/20241107-QTW7IZVC6ZKR7BY733ZVTF3J4Y/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年11月7日、ロシアが北朝鮮による軍事協力の見返りに、北朝鮮に技術提供しているとの見方を示し
「将来的に米本土や欧州を脅かすことになる」
と警告した。
NATOに批判的で、ウクライナ支援にも消極的なトランプ氏が米大統領選で勝利したことを受け、同氏に欧州との協力の重要性を訴えた。
欧州政治共同体(EPC)首脳会合が開催されたハンガリーの首都ブダペストで記者団に語った。
ルッテ氏は
「ロシアと北朝鮮、イラン、中国による対ウクライナ連携が明らかになってきている」
「これは非常に危険な展開だ」
と指摘。
「この脅威にどう立ち向かい、世界の安全をどう確保するかについてトランプ氏と共に考えていきたい」
と強調した。(共同)

<主張>トランプ氏と経済 米国第一への備え万全に
社説
2024/11/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20241108-TO2SHDQW3ZLOBPGJT33URQY6WE/
トランプ次期米大統領は、インフレなどで現政権を批判し、経済政策を抜本的に改める姿勢を示してきた。
米国を再び偉大にするには経済を強化するしかないとの思いが強いのだろう。
中国の台頭で世界経済における米国の影響力が相対的に低下する中、国内産業を再興し雇用を守ることは重要だ。
だが、現政権の政策をことごとく否定する言動は危うさも孕む。
自国第一主義の下、中国はおろか西側諸国にも関税などで経済的圧力をかけようとする姿勢も相変わらずである。
日本を含む各国は新政権がもたらしかねない世界経済の混乱や分断に備えねばならない。
石破茂首相は2024年11月7日、トランプ氏と電話会談し、日米同盟を高次元にする考えで一致した。
日米は中国などの専制主義国を念頭に経済安全保障上の連携も深化させなくてはならない。
そのためにも米国が内向きにならぬよう働きかけるべきは当然だが、トランプ氏は同盟の意義以上に経済実利を優先しがちだ。
日本の官民はそれを前提に対策を講じる必要がある。
トランプ氏は法人税や所得税の減税などを掲げている。
中国からの輸入品への高関税だけでなく、その他の国にも10〜20%の関税を課す考えも示した。
ただし、これらがトランプ氏の嫌うインフレや円安ドル高を助長しかねないことを懸念する。
自動車などに軒並み高関税が課されれば日本企業の北米戦略に重大な影響を及ぼそう。
日本は前回のトランプ政権時、安保上の懸念を理由に鉄鋼などに高い関税をかけられた。
トランプ氏は今次の大統領選で、台湾に関し
「米国の半導体ビジネスを盗んだ」
と批判したことが米メディアに報じられた。
こうした動きが強まれば米国と各国の結束を揺るがすことになりかねない。
当面の焦点は日本製鉄によるUSスチールの買収問題だろう。
トランプ氏はこれに反対してきたが、理不尽な買収阻止は問題である。
米国主導で設立したインド太平洋経済枠組み(IPEF)の不支持も撤回してほしい。
トランプ氏はかつて環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱したが、政権に就く度に離脱を繰り返すようでは地域内での米国の信頼は失墜しよう。それがどの国を喜ばせるかをトランプ氏は熟慮すべきだ。

米大統領選、トランプ氏圧勝で石破首相は戦々恐々%本に「憲法改正」要求する可能性、外圧も平和ボケ≠ノ喝を入れるチャンス
2024.11/7 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241107-HGZL2XVVOFN7NN5G5P2EP5UZGM/
米大統領選(2024年11月5日投開票)で、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は地滑り的勝利を収め、2024年11月6日未明、支持者を前に
「米国を再び偉大な国にする」
と宣言した。
民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)は同日、トランプ氏に電話し、敗北を認めた。
トランプ氏は
「米国第一」
を推進し、日本にも様々な要求を突き付けてくる可能性がある。
第1次トランプ政権では、安倍晋三首相(当時)がトランプ氏と盟友関係を築き、
「日米同盟を深化」
させたが、安倍氏に後ろから鉄砲を撃ち続け、衆院選で
「国民の信」
を得られなかった石破茂首相で日米関係は大丈夫なのか。
ニューヨークに滞在中のジャーナリスト、長谷川幸洋氏が緊急寄稿した。

世界が注目した米大統領選は、トランプ前大統領が圧勝した。
ハリス副大統領の勝利を期待していた日本の政府やメディア、識者たちには、衝撃だろう。
トランプ氏の復活で、石破政権が苦しい立場に立たされるのは必至だ。
トランプ氏は開票直後から優勢を保ち、開票が進むにつれて、ノースカロライナなど激戦州も制した。
接戦が報じられていたが、実際にはトランプ支持でありながら、世論調査にはそう答えない
「隠れトランプ」
層が相当数いた、とみられる。
トランプ氏の勝利は、日本にどんな影響を及ぼすのか。
それを読み解くには、彼が訴えてきた
「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」
というキャッチフレーズを思い起こす必要がある。
裏を返せば、彼の政治活動は
「米国は弱体化した」
という認識が出発点だった。
2016年には、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、
「米国は弱体化した」
「そうであれば、日本は米国の意向に関係なく、いずれ核武装するだろう」
と語っている。
2019年には、大阪で開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議の直前、
「米国は日本が攻撃されれば、血を流して全力で守るが、日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビで見ているだけだ」
と、日米同盟の片務性に不満を漏らしている。
欧州については、NATO(北大西洋条約機構)からの脱退や、ウクライナ支援から手を引く可能性を示唆してきた。
同じように
「アジアは日本に任せよう」
と言い出しても、おかしくない。
具体的には、岸田文雄前政権が、ジョー・バイデン米政権に約束したGDP(国内総生産)比2%の防衛力強化を1歩進めて、GDP比3%の防衛費を要求してくる可能性もある。
それだけではない。
私は
「憲法改正を言い出すのではないか」
と思っている。
日本が東アジアの平和と安定に一層貢献し、かつ
「日米同盟の片務性」
を解消するには、専守防衛を改めて、集団的自衛権の全面的容認が必要になるからだ。
経済政策では、中国からの輸入品に対して60%、その他の国の輸入品に10〜20%の関税をかける方針を表明している。
だが、日本については、
「防衛力の強化」

「在日米軍経費の負担増」
などと引き換えに、関税を減免する可能性もあるのではないか。
トランプ氏は
「もしも中国が台湾に侵攻すれば、中国の輸入品に150%から200%の関税をかける」
と語っている。
彼の頭の中では
「安全保障と関税が取引材料」
になっているからだ。
トランプ氏が交渉相手と認めてきたのは、いずれも
「強い指導者」
たちだった。
安倍元首相はもちろん、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領などの独裁者にも好意的なのは、彼らが強い指導者であるからだ。
それにひきかえ、政権発足直後の衆院選で大敗北を喫した石破政権は、それだけで、トランプ氏からまともに相手にしてもらえないだろう。
石破首相が米保守系シンクタンク「ハドソン研究所」への寄稿で
「アジア版NATOの創設」

「日米地位協定の改定」
を唱えたとなれば、尚更だ。
彼から見れば、そもそも
「米国に守ってもらっている自分の立場を分かっているのか」
「それなら、まず憲法を改正しろ」
という話になるのは、当然である。
お花畑で平和ボケした日本に喝を入れるのに、トランプ復活が絶好の外圧になるなら、日本は
「これもチャンス」
と受け止める以外にない。

<産経抄>返り咲くトランプ氏、わが国も主要プレーヤーとしての覚悟を
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LCLBWAHAPVKMNCEAR2DH24N7GA/
言葉を生業とする人々にとって、
「民主主義」
は汲めども尽きぬ警句の泉らしい。
英国の劇作家、トム・ストッパード氏は巧みな言い回しでその本質を突いている。
「投票が民主主義なのではない」
「票の勘定が民主主義なのだ」
と。
▼『すごい言葉』(晴山陽一著)から拝借した。
多くの前提が必要だろう。
選挙権と被選挙権に不当な制限がなく、投票の秘密や投開票の公正さが担保されていること。
ロシア、中国…。
民主主義を否定する国々を見るにつけ、米国には模範的な存在であってほしいと願う。
▼大接戦と予想された米大統領選は、激戦州を制したトランプ前大統領が、思いのほか早く勝利宣言にこぎ着けた。
むろん、米国に一息つく暇はない。
我が国もここからは民主主義陣営を構成する国として、世界の課題に向き合わなければならない。
▼ウクライナ支援の在り方は大きな懸案だ。
トランプ氏の判断次第で、侵略国のロシアだけでなく、台湾への威圧を強める中国をも喜ばせかねない。
混乱する中東情勢や、核・ミサイル戦力の増強を進める北朝鮮など、緊張を高める変数も実に多い。
▼「投票は弾丸よりも強し」
と述べたリンカーンは、弾丸に命を奪われた。
今回の大統領選で、トランプ氏が銃や暴力の標的になったのも記憶に新しい。
深刻な亀裂が窺える米社会は、一体感を取り戻せるだろうか。
政治の空白を生まぬよう円滑な政権移行を望みたい。
▼問われているのは米国の、そして民主主義の地力に他ならない。
トランプ氏の掲げる
「米国第一主義」
が、先の見通しづらい世界情勢にどう応じるのか、という懸念はある。
我が国もまた、国際社会の主要プレーヤーとして主体的に振る舞う覚悟を問われている。

<主張>トランプ氏勝利 同盟重視し国際秩序守れ 内向きに終始してはならない
社説
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-EQUVXD4IZFOJDMKHLBFXNC47EE/
米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が勝利宣言し、
「繁栄した米国を作りたい」
と語った。
2024年12月の選挙人投票を経て来年2025年1月20日に就任する。
2021年1月以来の返り咲きとなる。
「米国を再び偉大に」
「米国第一主義」
などのスローガンを掲げた。
インフレ(物価上昇)や不法移民の問題で民主党候補のハリス副大統領を批判し、有権者の支持を集めた。
暗殺未遂を乗り越えた
「強さ」
も支持されたのだろう。
トランプ氏に注文したい。
公約に沿ってインフレや不法移民など内政の諸政策を推進するのは当然だが、
「内向き」
の政治に終始しないでもらいたい。
■日本との協力を確実に
前回のトランプ政権は、専制国家中国の脅威をはっきりと指摘し、軍事的、経済的に抑止していくという歴史的決断を下した。
それは民主党のバイデン政権にも引き継がれた。
新たなトランプ政権でも国際秩序を守るために行動することを期待したい。
世界はトランプ前政権当時から大きく変わった。
中国は経済不振に陥りながらも、台湾周辺や南・東シナ海で軍事的威圧を強めている。
ロシアによるウクライナ侵略は3年近くも続いている。
中東での紛争は終息の気配がない。
自由と民主主義、「法の支配」に基づく世界の秩序が、専制国家によって脅かされている。
米国の行動力と民主主義諸国の結束が今ほど試されているときはない。
トランプ氏は、2024年7月の共和党全国大会で訴えたように
「米国の不和と分断」
を修復しなければならない。
トランプ政権が備えるべき相手は、自身を支持しなかった
「内なる敵」
ではなく、米国や民主主義国の存立と繁栄を脅かす専制国家だ。
世界の経済成長の中心地であるインド太平洋地域への関心を高めてほしい。
地域最大の同盟国である日本やオーストラリア、カナダ、韓国などとの協力が欠かせない。
大統領選の最中には、中国による日本や台湾、フィリピンなどへの軍事的挑発が相次いだ。
2024年10月に台湾を囲む形で行われた中国軍の演習ではロシア軍の艦船が宮古海峡を通過した。
台湾有事を想定した中露連携との見方もある。
北朝鮮は新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。
トランプ氏の台湾を巡る認識には不安もある。
共和党の政策綱領から1980年以来初めて
「台湾の自衛を支援する」
という誓約が抜け落ちた。
トランプ氏が
「台湾は防衛費を払うべきだ」
「我々は保険会社と何ら変わらない」
と不満を語ったこともあった。
だが、日米などが共有する
「自由で開かれたインド太平洋」
のためにも台湾海峡の平和と安定は死活的に重要だ。
米軍の近代化を進め対中抑止に努めねばならない。
■ウクライナ支援続けよ
トランプ氏にはウクライナへの支援継続も望みたい。
派兵された北朝鮮軍の部隊がウクライナ軍と交戦したと伝えられる。
ウクライナへの侵略国に北朝鮮が加わった。
ここでもインド太平洋地域と欧州の安全保障問題は繋がった。
トランプ氏は自身が大統領選に勝てば
「すぐに停戦できる」
と述べてきたが、停戦とは露軍の即時全面撤退以外にない。
ロシアや北朝鮮に果実を与えれば、日本周辺での専制国家による侵略を誘発しかねない。
トランプ氏は同盟国に応分の防衛負担を求めるだろう。
米国1国で専制国家を抑止できないため理解できるが、日本や先進7カ国(G7)、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの協力も合わせて語るべきだ。民主主義国同士の重層的な同盟・協力関係が国際社会の安定に繋がり、米国の繁栄も支えているからだ。
民主主義諸国の結束の乱れは中露など専制国家を増長させかねない。
トランプ氏は、バイデン政権が打ち出したインド太平洋地域の
「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」
への不支持も表明した。
米国の不在は、中国の地域での影響力を強めることになる。
再考すべきだ。
中東情勢も喫緊の課題だ。
イスラエルとイランの全面衝突が懸念されている。
イスラエルへの影響力を発揮し、事態の安定に努めてほしい。
石破茂政権はトランプ氏側と早期に接触し、信頼関係を築かねばならない。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は「不確実性」が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権の下で新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月2024年10月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日2024年11月6日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国で作る「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超に当たる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

米大統領選 有権者最大の関心は「民主主義」 出口調査 トランプ氏不正主張など影響か
2024/11/6 14:09
https://www.sankei.com/article/20241106-DNASW5AXFFJETCGA3CE2DJNMAQ/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で米メディア各社が実施した出口調査では、最も関心のある争点として
「民主主義の在り方」
を挙げた人が
「経済」
を上回った。
有権者層の分析では、共和党のトランプ前大統領(78)が過去の選挙戦より黒人やヒスパニック(中南米系)からの支持を増やした半面、民主党のハリス副大統領(60)はトランプ氏から白人の支持を奪っているもようだ。
NBCテレビの出口調査によると、最も重視する争点は
「民主主義」だと答えた人は34%
で、
「経済」の31%
を上回ってトップとなった。
続いて
「人工妊娠中絶の是非」が14%、
「移民問題」が11%、
「外交問題」が4%
だった。
CNNテレビの調査でも近似した結果となった。
選挙戦での世論調査では、ほぼ一貫して経済が最重要争点と見做されてきたが、ここにきて民主的制度が脅かされているとの懸念が有権者に広がっていることが示された格好だ。
米紙ワシントン・ポストによると、有権者の約7割が、米国の民主主義への脅威が
「とてもある」
あるいは
「ある程度ある」
と回答した。
背景には、トランプ氏が2020年の前回大統領選で十分な根拠を示さず主張したのと同様に、今回も投票日前から
「不正が行われている」
と繰り返していることなどが影響したとみられる。
前回選では、トランプ氏が敗北を認めずに不正主張を拡散させたことが、2021年1月のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件に繋がったとされる。
一方、NBCによれば、有権者の45%がトランプ政権時の4年前より
「生活が苦しくなった」
と回答。
経済運営ではハリス氏よりもトランプ氏に期待する傾向があらわれている。
人種による支持傾向にも変化があった。
トランプ氏を
「好ましい」
と考える人の割合は白人で49%で、前回選の57%から8ポイント減少。
ヒスパニックは42%、黒人は14%で、前回選よりそれぞれ4ポイント増加した。
「男らしさ」
といった価値観を重視する黒人やヒスパニックの男性有権者には、女性初の大統領を目指すハリス氏への反感がある一方、白人女性の間では
「トランプ離れ」
が進んでいると指摘される。

重要課題は「民主主義」「経済」 移民、中絶も判断要因に 米大統領選
2024/11/6 13:02
https://www.sankei.com/article/20241106-RCP7KKV2OBJOBEWXAWVVU7TJM4/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で、CNNテレビやABCテレビなどが共同実施した出口調査の結果によると、有権者が重要課題に挙げたのは民主主義の行方が35%で最も多く、経済が31%、人工妊娠中絶の権利が14%、不法移民問題が11%で続いた。
AP通信とFOXニュースの共同出口調査では、半数近くが民主主義を最も重要な争点だと答え、39%が経済だと回答。
移民問題は20%、中絶は11%だった。(共同)

http://www.asyura2.com/23/holocaust7/msg/619.html#c19

[NWO7] トランプが勝ったら米国を去ると言った人々のリスト (Scott Cooper)  魑魅魍魎男
20. 秘密のアッコちゃん[941] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 18:10:15 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[506]
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石破首相とトランプ氏会談わずか5分の衝撃 韓国・尹大統領の半分以下 党の両院議員懇談会でも集中砲火、まさに四面楚歌
2024.11/8 11:32
https://www.zakzak.co.jp/article/20241108-J5S64FY5UVPINAX3WEKJIVUNAM/
「政権居座り」
に執着する石破茂首相(自民党総裁)が四面楚歌≠ノ陥りつつある。
2024年11月7日の党両院議員懇談会では、衆院選で勝敗ラインとした
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した責任について集中砲火を浴びた。
国会運営では、少数与党ゆえ、躍進した国民民主党の意向に配慮せざるを得ない上、国会の最重要ポストの1つである衆院予算委員長を立憲民主党に譲り渡した。
米大統領選で勝利したドナルド・トランプ前大統領との電話会談は、何と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の半分以下という5分間。
米メディアには、石破首相の
「日米同盟不平等論」
を問題視する向きもある。
過去に現実軽視の持論を並べ立て、他人を批判し続けた
「特大ブーメラン」
が次々と刺さっている悪循環は続きそうだ。

「国民の期待に十分応えることができなかった」
「痛恨の極みだ」
「深く反省し、お詫びしなければならない」
「真摯に受け止め、改革に前向きに取り組んでいく」
石破首相は2024年11月7日、衆院選総括のために開催した両院議員懇談会で、こう陳謝した。
衆院選での自民党惨敗は
「国民の審判」
そのものであり、
「政権居座り」
こそが国民の期待に反するのではないか。
当然、参加者からは、執行部の責任を問う声が相次いだ。
投開票直後から辞任論を掲げていた青山繁晴参院議員は
「2024年年末に予算編成をするわけで、その前に自ら潔く決意し、辞意を表明されるべきだ」
と主張したという。
記者団にも
「『政権選択選挙』で負けたのに責任を取らないのでは、自民党が民主主義を掲げることはできない」
と言い切った。
西田昌司参院議員も
「党の体制を刷新しないと(来年2025年夏の)参院選を戦えない」
と訴えた。
石破執行部に対しては、
「非公認」
候補が代表を務める政党支部にも選挙前に2000万円を支給した判断を問題視する意見も続出した。
柴山昌彦元文科相は
「世論から如何にかけ離れているか、執行部はしっかり受け止め検証すべきだ」
と発言した。
小林鷹之元経済安保相も、執行部から事前に明確な説明がなかったと苦言を呈し、
「党が一丸となって政策を進めていく環境を作る必要がある」
と訴えた。
厳しい批判が噴出する中、馬の耳に念仏なのか、石破首相は具体的な責任論に言及しなかった。
森山裕幹事長も
「強く責任を感じる」
「厳しい批判は厳粛に受け止める」
「(2000万円は)非公認の人が選挙費用に使える仕組みにはなっていない」
と釈明したものの、そのまま続投する意向だ。
石破首相と距離を置く麻生太郎元首相は発言しなかった。
「ポスト石破」
を期待される高市早苗前経済安保相は欠席した。
衆院選で
「非公認」
となり無所属で勝利した萩生田光一元政調会長は、高市氏と連携する意向を示しているが無言を貫いた。
出席議員は執行部を除き約180人で、非公開で約50人が発言したが、大半は
「当面の続投」
を支持したという。
ある閣僚は
「ガス抜きになった」
と語っている。
石破政権は国会運営にも不安がある。
国会の委員会で最重要ポストの予算委員長を、立憲民主党に譲ることで合意したのだ。
予算委員長に野党議員が就くのは30年ぶりだという。
同委員長は採決日程の決定や議事進行などで大きな権限を持ち、局面によっては予算案審議が難航することも想定される。
■米報道日米に「緊張が高まる可能性秘めている」
石破政権は、外交でも不安は尽きない。
石破首相は2024年11月7日午前、米大統領選で勝利したトランプ氏と初めて電話会談を行った。
石破首相は
「日米同盟をより高い次元、段階に引き上げていくことで一致した」
「フレンドリーな感じがした」
「本音で話ができる人という印象を持った」
を手応えを語ったが、時間は5分間だった。
トランプ氏は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とは約25分間、韓国の尹大統領とは約12分間も会談している。
前駐オーストラリア大使の山上信吾氏は2024年11月7日、自身のX(旧ツイッター)で、
「僅か5分しか相手にされず、英語も解さないのに、何を以て『非常にフレンドリー』と判断できるのか?」
「メディアの突っ込みが弱過ぎる」
と指摘した。
米メディアでは
「背後から銃で撃つ」
と党内外から批判された石破首相の政治スタイルを問題視する向きもある。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、自民党総裁選の投開票日(2024年9月27日)、石破首相が
「日米同盟を不平等だとして再構築を唱えてきた」
と指摘し、米政府との間に
「緊張が高まる可能性を秘めている」
と報じている。
同紙は、石破首相が
「概ね保守的で防衛にタカ派的」
としながらも、安倍晋三元首相や岸田文雄前首相とは異なり
「日米同盟の非対称的な側面に不満を抱いている」
と分析。
更に、2018年に石破首相に行ったインタビューから、
「トランプ大統領とゴルフしなくてもいい、トランプタワーに行かなくたっていい」
「日本は手強いぞと思わせることが大事だし、ディールのカードを持つこと(が大事)」
「安全保障でディールのカードを全く持っていない」
との、安倍氏とトランプ氏の盟友関係を批判的に語った発言を紹介している。
石破政権はどうなるのか。
政治評論家の有馬晴海氏は
「両院議員懇談会は『ガス抜き』で終わったようだが、『石破おろし』を巡る自民党内の見方は甘い」
「選挙を控える参院議員の中では退陣論も挙がる」
「『石破カラー』で支持率回復の目もあるが、石破首相は演出は上手くない」
「我慢強さを見せせ、耐えるしかない段階だが、全てにおいてヨタヨタで、ちょっとしたきっかけで政権が終わる可能性はある」
と語った。
外交はどうか。
評論家の八幡和郎氏は
「トランプ氏との5分だけの電話会談は象徴的だ」
「石破首相のキャラクターと、トランプ氏の相性も懸念されている」
「重要なのは『本音で話す』ことではなく、『メンツを潰さないよう迎合しているかに見せて誘導する』ことだ」
「石破政権には厳しい宿題が多く課されている」
と分析した。

http://www.asyura2.com/23/holocaust7/msg/619.html#c20
[政治・選挙・NHK295] 国民民主・玉木代表「103万円の壁」引き上げの「財源=余った税金」に批判が噴出する納得の理由(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[942] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月08日 19:28:41 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[507]
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改憲論議は一気に「厳冬期」へ 自民、審査会長を立民に譲渡 関係者「信じ難い」
2024/11/8 17:44
https://www.sankei.com/article/20241108-44T3CW277NO6JKXTWKTMMEWEYA/
自民党が、衆院憲法審査会の会長ポストを憲法改正に後ろ向きな立憲民主党に譲ったことで、改憲論議は一気に
「厳冬期」
に突入した。
自民が白旗を上げた背景には、先の衆院選で改憲勢力が発議に必要な3分の2(310議席)を下回ったことに伴う諦めがある。
ただ、石破茂首相(自民総裁)は衆院選直後に改憲への意欲を口にしていただけに支持層の更なる自民離れを促しそうだ。
「びっくりした」
「にわかには信じ難い」。
憲法問題に深く関わってきた自民の閣僚経験者は2024年11月8日、憲法改正を
「党是」
に掲げる自民が、改憲論議のキーマンとなる審査会長ポストまで野党側に譲り渡したことに戸惑いの声を漏らした。
議事進行などで大きな権限を持つ審査会長は平成24年の政権奪還以降、自民が独占してきた。
要職を手放した理由について、自民幹部は
「3分の2の勢力を失ったので改憲論議は進まなくなった」
と説明した。
自民重鎮は
「立民の審査会長が理由もなく改憲論議を止めた場合、『立民に国政を担う資格があるのか』と批判する」
と牽制。
一方、立民関係者は
「改憲には結び付かないので憲法審は動かす」
と余裕の表情を浮かべた。
もっとも、国会では審査会長を譲らなくても憲法審で改憲論議を深めることは可能だったとの見方が大勢だ。
日本維新の会や先の衆院選で躍進した国民民主党が引き続き、議論に応じる構えを示していたためだ。
自民関係者は、国会運営を円滑にするために自民の国会対策委員会が審査会長ポストを立民に譲ったのではないかと分析。
「自民国対はこれまでも憲法を『鬼っ子』のように扱ってきた」
「改憲論議の最大のブレーキ役だった」
と不信感を口にした。
石破首相は衆院選から一夜明けた2024年10月28日の記者会見で、
「結党70周年を控える中、党是である憲法改正を前に進めていく」
と訴えていた。
党首の意欲に逆行するかのような自民の対応について、維新幹部は
「改憲を前に進められないことへの批判や党是から逃げたのだろう」
と突き放した。

<正論>「憲法9条守る」と唱える虚しさ 
駒沢大学名誉教授・西修
2024/11/1 8:00
https://www.sankei.com/article/20241101-FPXKFUYJABICRGQI7WT2JDFYAA/?outputType=theme_election2024
この度の衆議院総選挙で、共産党と社民党はいつも通り、
「憲法9条を守る」
ことを公約に掲げていた。
その前提には
「自衛隊は憲法違反である」
との解釈がある。
このような解釈に基づき、共産党や社民党に呼応し、いくつかの団体などが
「憲法9条厳守」
を訴えている。
■覆された自衛隊「違憲」
果たして自衛隊は憲法違反なのか。
「我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織としての自衛隊は、憲法違反ではない」
が長年に渡り、内閣が取って来ている解釈である。
社会党委員長だった村山富市氏が平成6年7月18日、内閣総理大臣に就任した時の所信表明演説で
「自衛隊については、あくまで専守防衛に徹し(中略)必要最小限の防衛力整備を心掛けて参ります」
と述べ、同月平成6年7月20日の衆議院代表質問において
「自衛隊は、憲法の認めるもの」
と明言している。
従来の社会党党是だった
「憲法9条の下での自衛隊違憲」
が完全に覆されたのである。
共産党の志位和夫委員長(当時)は、令和4年6月21日、日本記者クラブにて
「私たちが政権に参画する期間は、政権の解釈としては、合憲という立場になる」
と発言している。
この発言は、党大会の議を経たものであるという。
共産党も、連立政権参加時には自衛隊を存続させ、違憲の立場を取らないことになる。
朝日新聞が令和4年3〜4月に行った世論調査で
「今の自衛隊は、憲法に違反していると思いますか」
「違反していないと思いますか」
との設問に対して、
「違反していないと思う」が78%で、
「違反していると思う」の14%
を遥かに凌いでいる(令和4年5月3日付、同紙は令和5年と6年に実施した世論調査では、この項目をはずしている)。
かつて総理府(現・内閣府)が自衛隊の必要性について調査したところ、
「必要である」が86%(昭和53年)、82%(56年)、83%(59年)
に対して、
「不必要である」が5%(53年)、8%(56年)、8%(59年)
などの結果となり、自衛隊は国民の間に定着したと判断され、昭和60年以降、調査が実施されていない。
■国民の共通認識
尚、この頃の世論調査を見れば、55年の時事通信社の調査では、自衛隊必要78%、不必要18%、読売新聞56年の調査によると、自衛隊必要75%、不必要18%となっている。
既に40年以上も前から、自衛隊の必要性が認識されていたことが理解できる。
『防衛白書』(令和6年版)によれば、自衛隊の規模について「増強した方がよい」(41・5%)、「今の程度でよい」(53・0%)で、「縮小した方がよい」は僅か3・6%に過ぎない。
また限定的な集団的自衛権を容認している平和安全法制に関しては、日本の安全に「役立っている」(23・2%)、「どちらかといえば役立っている」(40・6%)、「どちらかといえば役立っていない」(3・2%)、「役立っていない」(2・5%)である。
今や自衛隊が「必要」であり「合憲」であることは、国民のほぼ共通した認識になっている。
共産党と社民党および諸団体などが主唱する
「憲法9条を守る」
の前提条件が完全に消失している。
憲法9条のそもそもの原点は、昭和21年2月3日にGHQ(連合国軍総司令部)内で提示されたダグラス・マッカーサー元帥の案文にある。
その案文には
「日本は、紛争を解決するための手段としての戦争および自己の安全を保持するための手段としてさえも、戦争を放棄する」
旨が記述されていた。
この案文がそのまま日本国憲法に導入されていれば、自衛隊は明白に憲法違反であると読める。
■共産、社民がすべきこと
ところが、同案中、最終的に
「自己の安全を保持するための手段としてさえも」
の部分が削除された。
削除したのは、日本国憲法の原案たる総司令部案作成の中心人物、チャールズ・ケーディス大佐である。
ケーディス氏は、同氏宅で私のインタビューに
「提示された案文のままでは、日本国が自己保存の権利を喪失することになり、非現実的であると思ったからである」
と明確に語った。
共産党、社民党などは、
「憲法9条を守る」
と唱えているだけでは、自らの主義・主張を実現出来ないことを知るべきである。
むしろ、誰が読んでも自衛隊が憲法違反であるように書き改めることを求める方がよほど理念に合致するのではないか。
毎年、各紙の世論調査は、9条改正の要否についての問いかけに終わっている。
マンネリになっていることは否めない。
一方で自衛隊を明記する立場と、他方で自衛隊を憲法違反であると明記する立場のいずれに国民が支持を与えるか、その選択の判断を問うことが、究極の憲法改正論議と言えるのではないか。(にし おさむ)

<主張>衆院選と憲法改正 国民を守る議論が必要だ
社説
2024/10/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20241023-4TSIMX5DMBJVRJQT6WMJYJJZVI/
日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
日本の独立と繁栄、国民の命がかかった衆院選にもかかわらず、国の根幹をなす憲法改正の議論が十分行われていないのは問題だ。
自民党は公約に改憲原案の国会発議、国民投票の実施を明記した。
ただ、石破茂首相が演説で憲法改正にあまり触れていないのは残念である。
論点の1つである自衛隊明記に関し自民は
「第9条の2」
として条文を新設する論点整理をまとめている。
最終的には憲法に軍を規定すべきだが、途中段階としての意義はある。
日本維新の会も9条改正で自衛隊を規定すると公約に掲げている。
公明党は自衛隊について
「統治機構の中に位置付ける」
と公約に記した。
首相や内閣の職務を規定した第72条や第73条への明記を想定したものだが、日本の防衛意思を示すには、それだけでは足りないだろう。
立憲民主党は自民案について
「戦力不保持・交戦権否認を定めた9条2項の法的拘束力が失われ、フルスペックの集団的自衛権まで行使可能となりかねない」
「平和主義を空文化させる」
との見解を記した。
結果として憲法を改めなくても平和を保てると考えているとすれば、認識が甘すぎないか。
憲法改正を巡るもう1つの論点は緊急事態条項の創設だ。
自民や維新、国民民主党などは国会議員の任期延長に賛成しているが、公明は賛否両論あるとして
「議論を積み重ねる」
とするにとどめた。
緊急政令の根拠規定を設けることについても自民や維新などは足並みを揃えているが、公明は
「危機管理法制の中で私権に対する一定の制約などを整備するしかない」
として慎重な立場を鮮明にした。
立民は憲法で参院の緊急集会が規定されていることに加え、災害対策基本法など緊急事態に応じた個別法が存在するため、
「議員任期延長を含む緊急事態条項を定める必要はない」
としている。
それだけでは対応できないと考えて、他党が議論しているのを知らないのか。
南海トラフ巨大地震などの大規模災害はいつ起きるか分からない。
台湾有事の懸念も高まっている。
緊急事態条項の創設も急務だ。
衆院選は大詰めを迎えている。
国民を守るために憲法改正の議論は不可欠だ。

「『政治とカネ』法律家の立場からは時間の無駄」今の日本に後ろ向きの議論する時間はない
弁護士・田中善信氏
2024/10/18 15:30
https://www.sankei.com/article/20241018-G7YZXJ7CXVLBHC7O5KKLPLPW2Q/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選について、弁護士で群馬「正論」懇話会会長の田中善信氏(81)は産経新聞のインタビューに応じ、
「『政治とカネ』の問題は大事なことだが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話だ」
と指摘した。

今回選挙では、
「政治とカネ」
の問題が大きな争点とされていますが、法律家の立場から言わせて頂くと、東京地検が時間をかけて捜査した以上、更に時間を掛けても新事実が出ることはなく時間の無駄だと思う。
政治にとって最も重要なのは国民の安全と生活を守ることです。
日本周辺には中国、北朝鮮、ロシアという核を保有し核兵器の増産を続ける独裁的国家群がミサイルの矛先を日本に向けている。
備えるには、しっかりとした法制度と軍備を整える必要がある。
最大の法整備は憲法改正だ。
そのためにも与党を中心に改憲に必要な議員数を確保すべきで、選挙で最も問われるのはその点だと思います。
今の日本に後ろ向きの議論をしている時間はありません。
石破茂政権は、国民の声を聴くという姿勢を見せてはいますが、ポーズだけのように見えます。
大事なのは国民、とりわけ将来を担う若者や子供たちが希望を持てる国づくりです。
彼らが望むのは金銭的援助というより日本の明るい未来や希望ではないでしょうか。
その意味でも、党総裁選で多数の党員が支持した高市早苗・前経済安全保障担当相の政策や提言を取り入れることも大切だと思います。
その上で、石破首相には国民の安全と生活を守るための憲法改正に向け、先頭に立って頂きたい。
投票率の低下、長期低迷傾向も将来に対するビジョンを示せない政治家が多いからです。
自身の選挙の事ばかり考え、日本のためにという志をもった政治家が少なくなっていることが原因だと思います。
「政治とカネ」
の問題は大事なことですが、政治資金規正法をきちんと改正すれば済む話です。
近視眼的ではなく、もっと巨視的に日本の将来を考える政治家はいないものでしょうか。
真に将来を語れる政治家が出てくれば、投票率も自然と上がり、国民ももっと政治に関心を持つでしょう。
群馬県からは戦後、4人の首相が誕生している。
土壌はあるはずです。
■たなか・よしのぶ
群馬県富岡市出身。
昭和49年に弁護士登録。
群馬弁護士会に所属し民事、刑事から労働問題、破産や債券回収など幅広くカバー。
特に、警察が手を付けられない事件化以前の、いわゆる民事介入暴力の第1人者として数々の事案解決に尽力。
県警察署協議会会長や県警特別講師などを務め県警特別功労賞受賞。
令和3年12月から群馬「正論」懇話会会長。

衆院選で危機の改憲勢力、3分の2維持焦点に 問われる「党是」自民の本気度
2024/10/17 17:50
https://www.sankei.com/article/20241017-HFACJFSDDJLJBKRJB2NNCCPYR4/?outputType=theme_election2024
衆院選(27日投開票)は憲法改正に前向きな自民党や公明党、日本維新の会、国民民主党が発議に必要な3分の2(310)以上の勢力を維持できるのかも焦点だ。
ただ、自民は
「政治とカネ」
の問題を受けて後退するとの見方があり、改憲勢力は危機を迎えている。
「総選挙は国民の意思を問う機会だ」
「国民にこちらからきちんと語ろう」。
石破茂首相(自民総裁)は13日のインターネット番組の党首討論で、衆院選で憲法改正に触れるべきだと訴えた。
現状では改憲に向けた環境は悪化する公算が大きい。
解散前の勢力で自民と公明、維新、国民民主などは3分の2以上の勢力を超えていた。
しかし、共同通信社が公示直後に行った序盤情勢調査によると、自民は派閥のパーティー収入不記載事件が響き低調。
公明は伸び悩み、維新も公示前の議席に届かない可能性がある。
何とか改憲勢力が3分の2を確保できたとしても安心はできない。
衆院選後は9条への自衛隊明記や、緊急時に国会議員の任期延長を可能にする改憲などが論点となる。
しかし、立憲民主党の野田佳彦代表は同番組で
「自衛隊を明記することによって専守防衛から逸脱する可能性も出てくる」
と強調。
党内に護憲派を抱える立民は序盤情勢で議席を増やす勢いを見せており、改憲の動きに抵抗を強める可能性がある。
キーマンの退場も痛手だ。
公明の憲法調査会長として任期延長論を主導してきた北側一雄氏が引退を表明。
一方、9月に公明の幹事長に就任した西田実仁氏は現行憲法の
「参院の緊急集会」
を重視する立場とされ、
「任期延長の改憲は120%不可能になった」(関係者)
との声が上がる。
改憲を期待する人々にとって最大の懸念は、憲法改正を
「党是」
とする自民の本気度が伝わらないことだ。
衆院選の争点が
「政治とカネ」
に偏る中、首相が街頭演説などで積極的に憲法に触れる姿は見られない。

憲法改正、自衛隊明記と緊急事態条項 自民総裁候補の各氏が推進で横並び 問われる実現力 
自民党総裁選 政策比較(1)
2024/9/15 18:08
https://www.sankei.com/article/20240915-4CMMDZ7DIFJMXEAOV45XMKDYVA/
自民党が党是に掲げる憲法改正は、今回の総裁選(27日投開票)で重要な論点になる。
9人の候補者は全員、9条への自衛隊明記など、9月2日に党がまとめた
「論点整理」
を踏まえた改憲を公約に掲げている。
問われるのは実現力だ。
現総裁である岸田文雄首相は、公言してきた任期中の改憲を実現できなかったが、
「論点整理」
の取りまとめを主導し、置き土産とした。
平成30年に党がまとめた
「改憲4項目」
の見解を引き継ぎ、現行9条を維持した上で
「9条の2」
を新設して自衛隊を明記。
更に大災害など緊急事態での国会議員の任期延長と、政府の権限を一時的に強める
「緊急政令」
の導入を可能にする案を軸とした。
論点整理には、積み上げた議論を
「ピン留め」
し、後戻りを防ぐ狙いがある。
改憲論議はこれまで、総裁交代などで議論が振り出しに戻ることがあった。
首相は取りまとめに当たり
「現在までの取り組みは、新総裁にもしっかり引き継いでもらえるよう申し送る」
と念を押した。
候補者の中で、石破茂氏は9条2項を削除し『国防軍』を創設」という、論点整理とは異なる考え方を持論としてきた。
ただ今回の出馬に当たっては
「私が総裁になっても路線は不変だ」
「優先項目は党で決定した通りだ」
と述べ、論点整理を尊重する考えを表明。
これにより9人の改憲に関する路線は、表面的には横並びになった。
違いがあるとすれば改憲実現の時期だ。
政策集や政策発表会見で、
石破氏は「首相在任中」、
林芳正氏は「(3年の)総裁任期中」
の発議を掲げた。
茂木敏充氏は「3年以内に憲法改正を実現」とした。
小泉進次郎氏は「否決される可能性があっても」国民投票に踏み切ると表明している。
とはいえ、改憲実現には野党を含む国会での合意形成が欠かせない。
新総裁にはスローガンだけでなく、発議と国民投票の実現に向けた具体的な進展が求められる。

自民党総裁選で焦点となる政策などについて、候補者9人の主張を比較していく。

自民党総裁選 候補者が改憲アピール 首相が道筋付けるもなお高いハードル 実現への突破口開けるか
2024/9/11 6:00
https://www.sankei.com/article/20240911-KAT27QWRFJOQFKMOTX3KSCJT5M/
自民党総裁選(12日告示、27日投開票)で憲法改正が主要テーマの1一つになっている。
自民は2日、自衛隊明記など改憲の指針となる論点整理を公表した。
岸田文雄首相(党総裁)は論点整理を新総裁に引き継ぐ考えを強調し、次の総裁候補たちも改憲に向けた発信を強めている。
改憲は来年結党70年を迎える自民の党是であるにもかかわらず、足踏みを続けてきた。
総裁選を通じて機運を高め、実現への突破口を開くことができるのか。
■「全身全霊で臨む」と小泉氏
「憲法論議の推進に全身全霊で臨み、憲法改正発議の環境が整えば、直ちに発議の後、国民投票に移る」
6日に総裁選への立候補を表明した記者会見で、小泉進次郎元環境相は改憲についてこう断言した。
「現在の憲法は日本が米国に占領されていた昭和21年に連合国軍総司令部(GHQ)が原案を起草し、日本政府に受け入れを迫ったものだ」
とも訴えた。
突然の改憲への傾斜は、自民から剝がれた保守層を取り戻す狙いがあるのは明らかだ。
同時に、歴史的背景にも触れ、
「広く国民に発信する」(小泉陣営関係者)
戦略も透ける。
改憲に前向きな候補者たちも盛んに発信している。
党憲法改正実現本部の事務総長を務め、論点整理に奔走した加藤勝信元官房長官は10日の記者会見で改憲実現を訴えた。
保守的な政治信条を持つ小林鷹之前経済安全保障担当相は6日、改憲が宿願だった安倍晋三元首相の墓参りをし、
「何としても成し遂げる」
と誓った。
10日の記者会見でも
「先頭に立って実現していく」
と強調した。
「少しでも早く国民投票していただける環境を作るために頑張る」。
保守層に支持される高市早苗経済安保担当相は9日の記者会見で力強くこう訴え、茂木敏充幹事長や河野太郎デジタル相も前向きだ。
戦力不保持を謳った9条2項を削除した上で、自衛隊を
「国防軍」
に改め憲法に明記すべきとの持論を持つ石破茂元幹事長は10日の記者会見で
「党で決めた路線を維持していく」
との姿勢を示した。
■「保守の失望」で議論加速
改憲は岸田首相にとっても思い入れのあるテーマだ。
首相が会長を務めた旧岸田派(旧宏池会)は伝統的にリベラルなイメージがあり名誉会長を務めた古賀誠元幹事長も9条改正に否定的だった。
当初は改憲に慎重な姿勢を示してきたが、首相の座を目指すに当たり支持拡大のため改憲にシフト。
首相が初めて意欲を表明したのは政調会長時代の令和元年9月のことだった。
3年の前回総裁選の出馬表明後、産経新聞の単独インタビューで
「国会での議論を進め、国民投票に持ち込む」
と明言。
以降、総裁任期中の改憲に前向きな姿勢を示してきた。
しかし、衆参両院の憲法審査会では立憲民主党が消極姿勢を崩さず議論は停滞。
自民党派閥パーティー収入不記載事件も議論にブレーキをかけた。
事態が動き出したのは任期中の改憲が絶望的となった2024年6月30日、東京都内で営まれた安倍元首相の三回忌。
首相は、会場で保守派のジャーナリストから改憲を先送りするならば
「首相の座から身を引くべきだ」
と迫られた。
保守層の失望を突き付けられ、保守言論人に人脈を持つ旧岸田派の側近が動き始めた。
2024年7月19日、加藤氏を官邸の裏動線から密かに呼ぶ算段を付けた。
自民内には緊急事態下での国会機能維持のための改憲を巡り、衆院側と参院側との間に意見の隔たりがあり、党内の意見さえまとめられない状況だった。
首相は加藤氏に意見の集約を指示。
衆院側の加藤氏と参院側の岡田直樹事務総長代行が休日返上で協議し、スピード合意に至った。
さらに首相は2024年8月7日、同本部の全体会合に出席。緊急事態条項の創設に加え、ハードルが高いと思われていた9条への自衛隊明記に取り組む考えを示し、2024年8月末までに論点整理を取りまとめるよう指示した。
総裁選に向けた保守層へのアピールとの見方もあったが、首相は2024年9月14日、再選不出馬を表明した。
総裁選への立候補を目指していた加藤氏をはじめ党内は浮足立ち、
「2024年8月末の論点整理の取りまとめが先送りされそうになった」(首相側近)。
首相は党改憲実現本部の副本部長を務める中谷元・元防衛相に2024年8月中の取りまとめを改めて指示。
30日の当初のスケジュール通りに滑り込んだ。
■改憲へ熱量高まる議論を
「(改憲の)議論を振り出しに戻すようなことはあってはならない」
首相は2024年9月2日、論点整理が了承された同本部の全体会合でこう述べ、議論を後退させないよう求めた。
首相が初めて改憲への意欲を示してから5年。
「なぜもっと早く取り組まなかったのか」
との批判もあるが、退陣を目前に党内の改憲議論に道筋を付け、新総裁に引き継ぐ体制は整えた形だ。
改憲実現に向けては衆参両院の3分の2以上の賛成を得た改憲原案の国会発議、国民投票での過半数の賛成など高いハードルが待ち受ける。
総裁選では改憲に向け国民の機運が高まるような熱量のある議論を期待したい。

<主張>自民党と憲法改正 総裁候補は実現の約束を
社説
2024/9/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20240903-SMBD3HZRGVKEZFZHNPTDRBULFI/
自民党は憲法改正実現本部の会合を開き、憲法に
「第9条の2」
の条文を新設して自衛隊を明記することや、緊急政令の根拠規定創設を盛り込んだ論点整理を了承した。
会合には岸田文雄首相(党総裁)が出席し
「自衛隊の明記を含む複数のテーマを一括して国民投票にかけるべく議論を加速させる準備が整った」
「一気呵成に議論を進めなければならない」
と語った。
新総裁が論点整理を引き継ぐことも要請した。
自衛隊明記などを一括して国民投票にかけることは妥当だ。
そのために、改憲に前向きな政党に呼び掛け、改憲原案の条文化作業を担う与野党協議の場を急ぎ設ける必要がある。
憲法改正は自民の党是であり、党総裁選の重要な争点の1つだ。
全ての候補者は総裁になった場合、いつまでに憲法改正を実現するのかを国民の前で明確に語ってもらいたい。
論点整理では、
「9条の2」
への自衛隊明記について
「基本的に堅持すべきことが共通認識として確認された」
とした。
首相や内閣の職務を規定した第5章への自衛隊明記に関し
「選択肢の1つとして排除されるものではない」
との意見が出たことを記した。
条文の置き場所について議論の余地を残した格好だが、自衛隊を第5章に明記するだけでは不十分だ。
9条または
「9条の2」
に必ず書き込むべきである。
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定が憲法改正の最終ゴールであるべきだが、途中段階として自衛隊を明記する意義は大きい。
緊急政令も憲法に必ず規定しなければならない。
改憲発議で国会議員の任期延長を優先するか、緊急政令とセットで進めるかは意見が分かれ、結論を出さなかった。
緊急政令に後ろ向きな公明党に阿っているとしたら残念だ。
国会が開けないような国難の際には、緊急政令などの権限を内閣に一時的に与えなければ事態を乗り切ることは難しい。
自民は国民を守り抜く改正を実現すべきであり、公明を説得しなければならない。
首相は自民党総裁選への不出馬を表明し、
「新たなリーダーを一兵卒として支える」
と語っている。
次期総裁は岸田氏を憲法改正実現本部長に起用してはどうか。

「新総裁で議論やり直し」はさせない 改憲へ見せた岸田首相の意地、「遅すぎ」との指摘も
2024/9/2 19:44
https://www.sankei.com/article/20240902-FZSTLCTR5ZLUZP4PITHDXKEVXY/
2日開かれた自民党憲法改正実現本部(古屋圭司本部長)の全体会合で、岸田文雄首相(自民党総裁)は
「議論を加速させる準備が整った」
と力を込めた。
退陣まで約1カ月に迫る中で党の憲法改正の論点整理を急いだのは、党総裁選で選ばれる新総裁の下でも改憲議論を停滞させず、早期の国会発議を実現するためだ。
党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件が直撃し、自らの手による改憲こそかなわなかったが、最低限のレガシー(遺産)を残すことで意地を見せた。
「(改憲の)議論を振り出しに戻すようなことはあってはならない」
「議論だけの時代は終わった」
「具体的な前進を図っていきたい」
首相は憲法改正実現本部の全体会合でこう述べ、新総裁は了承された論点整理を土台に改憲に向けた取り組みを加速すべきだと訴えた。
論点整理は改憲の国会発議を見据えた他党との折衝の土台となる。
首相は8月7日の同本部の全体会合で同月内の取りまとめを指示していた。
ところが、14日に総裁選への再選不出馬を表明し、党内が次の総裁選び一色になると、目標は有耶無耶になりかけた。
同本部内には論点整理を取りまとめるWT(ワーキングチーム)会合の開催を9月5日に先送りする動きもあった。
緩んだネジを締め直したのは首相本人だった。
「何としても8月中にやってくれ」。
首相は同本部の中谷元副部長にこう指示し、当初のタイムスケジュールに拘った。
その結果、30日のWT会合で論点整理を仕上げ、9月2日の全体会合で正式決定するという日程が整った。
首相は改憲議論を後戻りさせないことを重視した。
周囲には
「総裁が変わったら議論を一からやり直しなんて、そんな馬鹿なことはさせない」
と漏らす。
自らの退陣で早期の衆院解散・総選挙も囁かれる中、新総裁の下でも改憲を目指す姿勢を支持層に示す狙いも見え隠れする。
ただ、不記載事件の影響で目算が大幅に狂ったとはいえ、リーダーシップの発揮が遅すぎた感は否めない。
日本維新の会や国民民主党などは事件とは一線を画して改憲論議に前向きだった。
党内議論にもっと早く着手していれば、首相が目指した総裁任期中の憲法改正に光明を見いだせた可能性がある。
自民は来年、結党70年を迎える。
節目の年に改憲を実現果たしたいところだが、これまでは足踏みを続けてきた。
首相のレガシーが突破口を開く端緒となるのか。
答えはそう遠くない未来に明らかになる。

自民が改憲「論点整理」を了承 自衛隊明記、緊急政令も可能に 首相「一気呵成に進める」
2024/9/2 18:54
https://www.sankei.com/article/20240902-47KJ3HKGHNJPZMJDAV543A2A2Y/
自民党は2日、憲法改正実現本部(古屋圭司本部長)の全体会合を開き、自衛隊明記など改憲の指針となる論点整理を了承した。
平成30年にまとめた改憲4項目の見解を引き継ぎ、現行の9条を維持した上で
「9条の2」
を新設して自衛隊を追記する案を軸とした。
岸田文雄首相(自民総裁)は
「(自衛隊明記など)複数のテーマを一括して国民投票にかけるべく議論を加速させる準備が整った」
「一気呵成に進めなければならない」
と述べた。
論点整理は
「自民党らしさ」
を重視。
連立を組む公明党が懸念する9条への自衛隊明記、緊急事態の際に政府の権限を一時的に強める
「緊急政令」
の導入を可能にする改憲を打ち出した。
また、緊急時に国会議員の任期延長を可能にする改憲と共に、
「条文化作業を加速化し、速やかな憲法改正原案の起草・国会提出に繋げていくべきだ」
とまとめた。
一方、古屋氏は次期総裁選(12日告示、27日投開票)の候補者に対し、論点整理の範囲内での議論を要求した。
議論が振り出しに戻ることを避ける狙いがある。
小泉進次郎元環境相は2日、記者団に
「自衛官が憲法に位置付けられ、誇りを持って任務を遂行できる環境を作ることは極めて重要だ」
と強調。
抜本的な9条改正を重視する石破茂元幹事長は記者団に自衛隊明記の意義を認めつつ、
「これで終わりではない」
と語った。

自民総裁選岸田首相不出馬 日米の黄金期惜しむ米紙、欧州「次期首相は国民信頼回復を」
世界の論点
2024/9/2 10:00
https://www.sankei.com/article/20240902-HRXERRFTGVPARML2D6KGE67JH4/
今月行われる自民党総裁選で、岸田文雄首相は不出馬を表明している。
米欧メディアは岸田氏の実績をどう評価し、日本の次期首相選びとなる総裁選に、どのような視線を向けているのか。
米国では、日米同盟を強化した岸田氏が評価され、次期首相の課題が指摘される。
欧州では、欧州連合(EU)などとの関係強化が讃えられる一方で、経済政策への厳しい見方もみられる。

■経済不振で退場はバイデン氏と共通
岸田文雄首相の不出馬表明はバイデン米大統領の選挙戦撤退の後でもあり、米主要紙は、両氏の親密な関係の成果でもあるインド太平洋地域の同盟網の強化を改めて評価した。
先行き不透明な米国政治や東アジア情勢を踏まえ、次期首相が背負う課題の大きさを案じる分析もあった。
8月14日付のワシントン・ポストは岸田氏不出馬を伝える記事で
「危うさを増すアジア太平洋地域において、日米を最強の同盟関係に導き、日本の防衛費を増強させた」
とまず成果を強調した。
ロシアのウクライナ侵略を受けて従来の対露姿勢を転換し西側諸国の制裁に参加したことは特筆すべき実績と指摘。
ウクライナ情勢は中国の台湾侵攻などアジアの危機に連鎖するとの認識から岸田氏が繰り返した
「今日のウクライナは明日の東アジア」
は、
「米国の同盟友好国によって同調された」と
評価した。
また、日米韓首脳会談で合意した3カ国の安全保障協力は
「日米韓関係に新たな時代を記した」
と回想。
対中国を念頭に同盟友好国との重層的な枠組みを推進した米国のアジア戦略において、岸田氏は
「中核的な役割を果たした」
とべた褒めだった。
同紙は
「ともに不出馬を決断したが、バイデン−岸田時代は日米同盟の黄金期として記憶される」
とのエマニュエル駐日米大使の談話も紹介。
米政権関係者には、岸田氏の引き際は先に選挙戦から撤退したバイデン氏の姿と重なって見えたようだ。
しかし、バイデン氏と同様に岸田氏を不出馬に追い込んだ1つの要因は物価上昇など経済不振による支持率の低迷だった。
14日付ウォールストリート・ジャーナルは
「日本は新型コロナ禍後の沈滞と経済的混乱が有権者を不幸にした主要民主主義国の1つ」
と指摘。
バイデン氏の撤退、英労働党の政権奪還、左派連合が最大勢力となった仏議会下院選に通じる先進国共通の政治現象と分析した。
13日付ニューヨーク・タイムズは、次期首相が
「海外、特に米国内の政治不安定への対処と日本国民の支持獲得に繋がる国内政策の促進」
に直面すると解説。
日本には引き続き強い指導力が必要だとし、後継者が長期的な政権を築けるかには疑問を呈した。
外交実績には同盟国から最大級の評価が寄せられた岸田氏だが、米外交誌フォーリン・ポリシーは15日付の解説で、
「経済政策運営に対する国民の怒りに加え、防衛費増額や少子化対策に充てる資金をどう調達するかという未回答の問題も残した」
と指摘。
国内的には負の遺産が目立つという厳しい評価だ。

■欧州外交称賛も経済に辛口
欧州メディア(電子版)は岸田文雄首相の外交・防衛政策の功績を認めつつ、物価上昇や自民党派閥のパーティー収入不記載事件は
「与党への国民の不信感を煽った」
と厳しく評価した。
総裁選では不透明な国際情勢に対応できる外交手腕にとどまらず、国内経済の改善やクリーンな政治を推し進められる次期首相を選ぶ重要性を強調した。
英誌エコノミストは8月14日、反撃能力保有や防衛費増額など防衛力の抜本的強化を決断した岸田氏を
「安全保障政策の歴史的な改革を推進した」
と称賛。
「日米同盟の新時代の幕開けに貢献した」
とするエマニュエル駐日米大使の発言を引用し、米との防衛協力を進めたことに触れた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は15日の社説で、温厚そうな岸田氏が意外にも
「驚くほど大胆不敵だった」
とする人物評を紹介。
持ち前の大胆さを防衛や外交の分野で発揮したことで
「世界における日本の立場は歴史的な変化を遂げた」
とした。
欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)との関係強化を歴代の首相より積極的に進め、いわゆる徴用工訴訟問題で悪化した日韓関係の修復にも貢献したと評価した。
ただ、経済政策には厳しい指摘が目立つ。
仏紙ルモンドは14日、日本の家計を襲うインフレが岸田氏の支持率低下の一因であると指摘。
物価と賃金が共に上昇する好循環を目指した政権の経済政策が道半ばとなったことを受け、仏紙フィガロは14日、
「(政策は)実現しない呪文に過ぎなかった」
と批判した。
経済的苦境が広がる中、派閥のパーティー収入不記載事件を巡る
「政治とカネ」
問題が直撃。
英BBC放送は14日、
「野党が弱体化し分裂しているにもかかわらず、与党の自民党は国民に強い不信感を持たれた」
と分析。
エコノミスト誌は、自民党内の混乱を受け
「(岸田氏の)退陣は必然だった」
とする有権者の発言を紹介した。
「ポスト岸田」
が直面する課題は多い。
英紙ガーディアンは16日、次期首相は
「物価の上昇や中国や北朝鮮との緊張の高まりの他、トランプ前米大統領が大統領に返り咲く可能性にも対処しなければならない」
と指摘。
その上で、最優先課題は
「(パーティー収入不記載事件で失った)国民の信頼を取り戻すことだ」
とした。
FTは16日の社説で
「混乱する日本の政界に必要なのは、党の長老におもねる弱いリーダーではなく、それを超える存在だ」
と強調。
自民党の年功序列体制を根底から覆す若いリーダーの選出や初の女性総裁の誕生に期待を寄せた。

ポイント
・米紙「岸田氏は日米を最強の同盟関係に」
・次期首相は海外の政治的不安定に直面と指摘
・英紙「世界での日本の立場は歴史的な変化」
・仏紙「経済政策は実現しない呪文に過ぎず」

<独自>自民の憲法改正「論点整理」の内容判明 9条改正と「緊急政令」導入打ち出す
2024/8/30 18:30
https://www.sankei.com/article/20240830-2ANHHSK5EJJFZPGZMX7WNZHM7Q/
自民党の憲法改正の指針となる論点整理の内容が30日、判明した。
9条への自衛隊明記や、緊急事態の際に政府の権限を一時的に強める
「緊急政令」
の制度導入の必要性を打ち出した。
衆参両院の実務者でつくる党憲法改正実現本部のワーキングチーム(WT)が同日、取りまとめた。
9月2日に岸田文雄首相(自民総裁)が出席する全体会合で正式決定する。
自衛隊に関しては、安倍晋三政権下の平成30年にまとめた自衛隊の9条明記▽緊急事態への対応強化▽参院の合区解消▽教育環境の充実−の改憲4項目で
「既に議論が決着」
と指摘。
4項目の
「枠組みを前提とすべきだ」
と記した。
連立を組む公明党はシビリアンコントロール(文民統制)を明確化するためとして、首相や内閣の職務を規定した「第5章」の72条や73条への明記を主張している。
論点整理では9条明記に関して
「基本的に堅持すべきことが共通認識として確認された」
としつつ、文民統制に関しては第5章への規定も
「選択肢の一つとして排除されるものではない」
との意見を紹介し、議論の余地を残した。
妥協案として9条と第5章の双方を改憲する案が浮上している。
緊急時に内閣が法律に代わり発出する緊急政令に関しては、論点整理で
「根拠を憲法に規定することは必要」
と打ち出した。
対象とする緊急事態の類型は
「異常かつ大規模な災害」
に加え、武力攻撃、テロ・内乱、感染症の蔓延などを挙げた。
一方、公明などが緊急政令に慎重な構えを示していることから、緊急時に国会議員の任期延長を可能にする改憲を優先すべきか否かなどを引き続き議論する方針も確認した。

公明・石井氏、改憲論議で自民にくぎ刺し「自民単独で発議できぬ」 自衛隊明記で隔たり
2024/8/30 17:08
https://www.sankei.com/article/20240830-VR5RBZNXYNMPLEGL4GDDI4HMBY/
公明党の石井啓一幹事長は30日の記者会見で、自民党で進む憲法改正の議論に釘を刺した。
改憲発議には衆参両院で総議員の3分の2以上の賛成が必要であるとして
「自民だけでは発議は叶わない」
「他の政党にもどう働きかけて発議案をまとめていくのかが課題だ」
と述べた。
自民は憲法9条への自衛隊明記を含めた改憲発議を目指しているが、公明党は首相や内閣の職務を規定した72条や73条への明記を提唱し、立場に隔たりがある。

自衛隊を行政組織に位置付ける危うさ
正論2024年8月号 三重中京大学名誉教授 浜谷英博
憲法改正論議は衆議院と参議院の憲法審査会で進められているが、所属委員の一部に憲法改正自体に同意しない勢力が存在するため、いくつかの論点が煮詰まりつつあるものの、未だ具体的条文案の作成には至っていない。
憲法調査会の後継機関である憲法審査会は、2007年8月に衆参両院に設置され、2024年で17年が経過する。
この間、紆余曲折を経ながら一進一退を繰り返し、現在も具体的成果を生み出せない姿には、議論自体が目的化している印象さえ受ける。
ただ、その中でも緊急事態条項と並んで議論が収斂されつつあるのが、憲法に自衛隊を明記する改正案である。
改憲に前向きな政党が公表した自衛隊の憲法明記に関する各党案を見てみる。
まず自民党は2018年3月に憲法9条の2項を
「前条(現行9条)の規定は、わが国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置を取ることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」
と加筆するという
「叩き台」
となる素案を示している。
日本維新の会は2022年6月に憲法9条の2項を
「前条(現行9条)の範囲内で、法律の定めるところにより、行政各部の一として、自衛のための実力組織としての自衛隊を保持する」
と加筆する
「憲法改正原案」
を公表した。
一方、公明党からは2023年5月に
「72条(内閣総理大臣の権限)もしくは73条(内閣の職権)に自衛隊を明記」
する北側一雄副代表案が、
また、国民民主党からは2023年4月に憲法第5章の
「内閣」
の中に
「必要な自衛の措置を取るための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」
とする玉木雄一郎代表の案が示された。
大きく分けて
「戦力」
との関係で自衛隊との関連条項である憲法9条に加筆する案と内閣総理大臣が自衛隊の最高指揮監督者であることから、憲法第5章の内閣、とりわけ72条もしくは73条に加筆する案などが提示されている。
しかしながら、憲法9条に加筆する改正案でも
「行政各部の1つとして」
との条件を付していること、そしてとりわけ内閣の章内に自衛隊を明記する主張には、その根底に行政組織としての自衛隊の法的位置付けを変更しない意図が垣間見えている。
ここで問題は、憲法への自衛隊の書きぶりはともあれ、現在の自衛隊が国家行政組織法上の行政組織の1つとの従来の政府解釈から、一歩も踏み出そうとしない改憲姿勢である。
平時に活動する
「一般行政組織」
と非常時に武力行使を伴う
「軍事組織」
との根本的相違を放置したまま自衛隊を憲法に明記したとしても、任務の遂行に多くの制約が課され、目的の完遂に困難を極めることは明らかだ。
自衛隊を正規の軍隊もしくはそれに準ずる独立した組織とし、それに伴って自衛官に軍人としての国際法上の法的地位があることを確認し、その活動について最高指揮監督者の存在を明記するのでなければ、自衛隊の本来の創設目的に沿った任務と行動を担保することにはならないのではないか。
諸外国における自国防衛のための軍事組織(一般に軍隊もしくは国軍)は、一般の行政組織とは一線を画した組織として機能している。
理由は、その運用に関して、一般行政組織とは異なる原理を適用しなければ、求められる本来の任務を遂行できない場合が多々想定されるからである。
通常、軍隊は、自国の独立と安全を確保し、国民の生命と財産を保護することを目的とし、国家の存亡を賭けた非常時に最後の手段として出動を命じられる組織である。
従って、そのための行動に国内法的制約はない。
あるのは国際法(武力紛争法や国際人道法と称され、捕虜の扱いや非交戦の個人の保護など戦時における人間の保護を目的としている)上の制約のみである。
一般の行政組織とは明らかに異なる軍隊の行動や任務の目的が明確である以上、必然的な措置であろう。
本稿では、自衛隊を行政組織の1つとする解釈から派生する危険性や矛盾、同盟国との共同行動やPKO参加時における支援など、関連する諸点について考えてみたい。
■任務を完遂させない頸木( くびき:自由を束縛するもの)
まず、既に提起されている憲法改正案のいくつかを検討してみたい。
その内、72条への明記案は、72条が
「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する」
と規定していることから、行政組織としての自衛隊を新たに書き込むことによって、その法的地位の変更までを含まない意図が読み取れる。
この明記の結果、確かに自衛隊が憲法違反との主張はなくなるかもしれないが、行政各部と横並びに規定することによって、自衛隊が行政組織の一部であるとの意味合いも同時に強めかねない。
強いて72条に書き込むのであれば、新たな1項を追加し、一般行政組織とは一線を画した組織であることを明確にした書き方にしなければ改正の意味がない。
また、憲法73条は、内閣という合議体が一般行政事務と共に行う7項目の各事務を規定している。
ここに自衛隊を書き込む改正案は、自衛隊法7条にある
「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する」
との規定を、憲法条項に引き上げようとする意図であろう。
しかし国家の存亡の危機に際して、合議体に決断を求めること自体が迅速性の要請に反し、合理的とは言えない。
憲法73条に自衛隊を明記することで、72条に明記するよりも内閣総理大臣の独断の可能性が弱まる、との主張もあるくらいだ。
その理由は、72条の主語が
「内閣総理大臣」
であるのに対し、73条は
「内閣」
であり、合議体の決定事項に
「自衛隊の行動」
を入れることで、少しでも内閣総理大臣個人の決断の歯止めにしたい思惑が窺える。
しかし、軍事組織の出動の決断は、国家の存亡を賭けた最後の手段の選択であり、その際には当然、決断の的確性と迅速性が求められる。
つまり合議体による長引く議論自体が決断を遅延させ、取り返しのつかない結果を導く恐れがあるからだ。
ちなみに制度的には、内閣の決定に反対の大臣を罷免し、内閣総理大臣自らが罷免した大臣の職務を兼務して閣議決定することも可能である以上、非常時の決断は迅速性を重視することがことのほか重要である。
一方、憲法9条に自衛隊を明記する案にも、自衛隊を
「行政各部の1つとして」
保持するなどの文言があり、行政組織の1つとの認識に変更のない改正案もある。
明記する場所、書き方はともかく、自衛隊を行政組織の1つと位置付ける発想から脱しない限り、危機に際しての自衛隊の任務の完遂は困難を極める。
■行政は逐一法的根拠を求める
改めて確認するが、現在の政府解釈によれば、自衛隊は国内法上、国の行政組織(防衛省)に属する1組織であり、少なくとも諸外国で言う
「軍隊」
ではない。
法制上も、自衛隊は防衛省設置法5条に規定され、
「自衛隊の任務、自衛隊の部隊及び機関の組織及び編成、自衛隊に関する指揮監督、自衛隊の行動及び権限等は、自衛隊法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる」
とされている。
更に防衛省設置法第4条は防衛省の所掌事務に関し、
「防衛及び警備に関すること」(同条1号)
「自衛隊の行動に関すること」(同条2号)
「陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の組織、定員、編成、装備及び配置に関すること」(同条3号)
「前三号の事務に必要な情報の収集整理に関すること」(同条4号)
などの規定が置かれている。
そして自衛隊が行政組織の1つであれば、その行動はあくまで
「行政作用」
であって、行政法学で言う
「法律による行政」
の原理が適用される。
つまり自衛隊の
「行動」
及び
「権限」
の両方に法律の根拠が必要とされることになり、自衛隊関連法がポジティブリスト方式で規定(出来る事のみを条文化する、条文にないことは行動出来ない)されていることとも相まって、緊急事態等などを含め国内法上の大きな制約になっている。
自衛隊に対するこの姿勢は、国内法上の制約を課さない諸外国の軍隊と大きく異なり、自衛隊の異質性を象徴する実態を示している。
一般に諸外国では、軍事組織の創設目的が国の独立と安全及び国民の生命と財産の保護にある以上、その規定の範囲内の正当な行動に国内法的制約を課す理由はない、と考えられている。
もちろん
「法律による行政」
の原理が、民主的な法治国家において、とりわけ重要な法原理であることは論を待たない。
即ち行政作用が法律を根拠に行われるべき理由は、国民の自由・権利を公権力の恣意的な介入から守り、公権力を民主的にコントロールするため、国民の代表者で構成される国会が制定する法律によって統制を徹底することが重要だからである。
しかし自衛隊の行動は平時の一般行政組織のそれとは性格と実態を大きく異にする。
国家の存亡を賭けた武力行使によって、国の独立と安全及び国民の生命と財産を保護する任務の遂行には、一般行政組織の活動にはない多くの特殊性が認められる。
諸外国で独立した組織として、任務を完遂する活動が認められているのはこのためである。
例えば一般行政組織では、通常の活動に
「透明性」
が重視され、関係書類や各種資料は
「情報公開」
の対象となる。
また折に触れ、実施された行政活動について
「説明責任」
を課され、度重なる記者会見や国会における関係大臣及び官僚の答弁が求められる。
これに対し通常の軍隊は、防衛政策上の機密事項を取り扱い、同盟軍との防衛機密の共有やその保全義務などの遵守を求められる。
これらが担保されない限り、国家間の信頼は醸成され得ず、同盟関係の根幹を揺るがしかねないし、そもそも軍事組織同士の相互の連携や強固な団結も生まれない。
つまり一般の行政組織の作用には馴染まない部分が多くあるのが普通である。
それでは何故自衛隊が現在まで、諸外国にはない発想で、一般行政組織として位置付けられてきたのだろうか。
それには歴史経緯の中でいくつかの理由があると同時に、その解釈を変更する複数回の機会があったことも事実である。
上記理由の1つは、自衛隊の出自の問題である。
周知のように、自衛隊の前身は、1952年に創設された保安隊であり、更にその前身は、朝鮮戦争を背景にして1950年に創設された警察予備隊である。
これら2組織は、あくまで警察力を補完し国内治安を維持する目的で創設され、ポジティブリスト方式で規定された根拠法と共に、国の防衛を任務とする組織ではなかった。
しかし、1954年に創設された自衛隊は、その主たる任務も
「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛すること」(自衛隊法第3条)
と明記されており、諸外国における軍隊の創設目的及び任務と同様になった。
本来は、この時点で行政組織の1つとの法的位置付けを脱し、民主的な独立国の軍事組織として、関係法の規定方式も抜本的な変更について十分検討した上で、ネガティブリスト方式(行ってはいけない事を条文化。禁止された事以外のあらゆる行動が可能)に変えなければならなかったはずである。
しかし国際情勢の推移や日本を取り巻く安全保障環境の激変を敏感に捉えず、戦後間もない国内政治状況などから、従来からの憲法解釈を自衛隊にもそのまま踏襲してきたのである。
この点はそのまま、自衛隊を一般行政組織と位置付けてきた今1つの理由にも重なっている。
つまり一般行政組織を脱して自衛隊を国際法上の軍事組織として解釈するには、憲法上の
「戦力」
規定との関係で、憲法9条の解釈変更もしくは改憲を伴うことが想定された。
従来から政府は、自衛隊が憲法で保持を禁ずる
「戦力」
には該当せず、
「自衛力」
を具現する行政組織として説明してきたからである。
従来の解釈の見直しは、当時の国内政治状況や国民意識等の社会情勢を幅広く考慮して回避され、その歪みを残したまま現在に至っている。
■有事に矛盾が噴出
自衛隊の法的位置付けを見直す機会は、日本が国連平和維持活動(PKO)への参加を決断した1992年にもあったと見るべきである。
つまり自衛隊は軍隊ではなく、従って自衛官は軍人ではなく特別職の国家公務員であるとの政府解釈は、自衛隊が任務として海外に派遣されることのなかった時代には、あまり切実な問題とは考えずに済まされてきた。
しかし、日本の国際貢献策として自衛隊のPKO参加が積極的に実施されるようになったPKO協力法の制定(1992年)以降、自衛官が海外で捕虜や人質になる可能性も現実に想定されるようになっている。
危険な場所には派遣されないとの前提や政府説明はあるにせよ、海外のPKO派遣地域は紛争後の安定化に向けた過渡期であることが多く、状況の一変は日常茶飯の出来事である。
その際、不幸にも捕虜になった自衛官が軍人ではなく、1公務員に過ぎないとなれば、国際法上の捕虜の待遇を求めることが事実上出来なくなる恐れはないか。
もちろん人道上の配慮や対応は想定されるにせよ、国際法上の権利として相手国に要求することの根拠は希薄になるだろう。
まして悪意のある相手国又は民度の低い武装集団が自衛官を捕虜として身柄を確保し、日本政府に対し、軍人ではない自衛官の地位を確認してきたとすれば、政府はどのように返答するのだろうか。
その時になって、自衛官は軍人であるから国際法上の捕虜の待遇を要求するとして、初めて従来の政府解釈を変更するのだろうか。
■既に軍隊と評価される自衛隊
ちなみに自衛隊及び自衛官の国際法上の地位は、一般にジュネーブ諸条約第1追加議定書第43条1項(1977年)の
「軍隊」
の定義に照らし理解され、評価される。
それによれば、軍隊とは
「部下の行動について当該紛争当事者に対して責任を負う司令部の下にある組織され及び武装した全ての兵力、集団及び部隊」
を言うとされ、その構成員は
「戦闘員であり、即ち、敵対行為に直接参加する権利を有する」(同条2項)
と規定されている。
つまり戦闘員は、戦時において敵国戦闘員を殺傷し、軍事目標を破壊する権利を有し、その法的責任を負わないことに国際的合意が形成されている。
つまり自衛隊及び自衛官は、その名称にかかわらず、ジュネーブ諸条約第1項追加議定書第43条の軍隊の定義にも合致し、人員、組織、編成並びに装備及び規模や訓練状況などから、軍隊としての要件を十分に満たしていると言える。
この基準に従えば、国際法上自衛隊は軍隊であり、自衛艦は軍艦であり、自衛隊機は軍用航空機である。
また自衛官は軍隊構成員(戦闘員)であり、活動中に敵国の権力内に陥った場合には、捕虜の待遇を受ける国際法上の権利を有していると解釈される。
これはPKOに参加した自衛官が捕虜になった場合も、自衛官が軍隊構成員としての法的地位を有していれば、捕虜待遇を受けると解釈されよう。
肝心な問題は、現在の政府解釈である。
つまり
「自衛隊は国内法上軍隊ではないが、国内法上軍隊扱いされる」
との法的論理矛盾と曖昧さを解決することが、政府にとっての喫緊の課題であろう。
国際法上の法的根拠を国内法で受容することに、特段の支障があるとは思えない。
そして将来的に日本が、PKOをはじめとする国際貢献を積極的に展開する上でも法的矛盾を放置することなく、自衛隊及び自衛官が心置きなく国際貢献活動に専念できるよう、自衛隊及び自衛官の地位に関し、国際標準に沿った解釈に変更することが急がれる。
また自衛隊及び自衛官については、国内法的にも長年積み重ねてきたガラス細工のような法解釈ではなく、民主国家に必要かつ重要な機関として憲法上位置付けられることが必要である。
■安全確保に何が必要か
成熟した民主国家において、政治と軍事のバランスの取れた関係は、国家の積極果敢な活動を担保し、国民の安全を確保する上で極めて重要である。
そのためにはまず、軍事に対する正確な知識と見識を有し、的確かつ迅速な決断力を持った政治家が必要である。
その背景として、国はもちろん地域社会や個人の将来について関心を持つ民主的意識の高い国民の存在が不可欠で、かかる資質のある政治家を見極め、正当な選挙で選出しておくことが肝要である。
他方で、文民統制を正確に理解し、徹底した政治の優位の下で、知見や経験、多方面の情報やデータを駆使した軍事情勢の確かな分析を、政治的判断材料として提供するプロ集団としての軍事組織も欠かせない。
両者のいずれが欠けても、国際社会のあらゆる分野でリーダーシップを発揮できる強靭な国家とはなり得ない。
ロシアのウクライナ侵略、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの出口の見えない紛争、台湾有事と言われる日本近隣での中台武力衝突の可能性など、国際安全保障環境は混沌として先行き不透明だ。
国は非常時における的確かつ迅速な決断を誤らないよう法的整備や防衛手段を万全とし、国民としても日頃からの関心と心構えを忘れるべきではない。

2013.12.7 12:00
【中高生のための国民の憲法講座】
第23講 なぜ憲法に軍隊明記が必要か 百地章先生
http://www.sankei.com/life/news/131207/lif1312070030-n1.html
なぜ自衛隊を
「軍隊」
としなければならないのか。
本質的な理由は次の点にあります。
つまり戦力の不保持を定めた憲法第9条の下では法制度上自衛隊は軍隊ではなく警察組織に過ぎないとされているからです。
◆軍隊と警察の違い
それでは軍隊と警察の違いは何でしょうか?
軍隊の権限は
「ネガティブ・リスト」
方式で規定されています。
つまり行ってはならない事柄、例えば、毒ガス等の非人道的兵器の使用禁止や捕虜の虐待禁止などを国際法に列挙し禁止されていない限り軍隊の権限行使は無制限とされます。
だからネガティブ・リスト方式と言います。
なぜなら国際社会ではもし武力紛争が発生した場合、国連安保理事会が対処することになっていますがそれが出来ない時は各国とも自分で主権と独立を守るしかないからです。
これに対し警察の権限行使は
「ポジティブ・リスト」
方式です。
つまり国家という統一秩序の中で国民に対して行使されるのが警察権ですから制限的なものでなければなりません。
だから行使して良い権限だけが法律に列挙されており、これをポジティブ・リスト方式といいます。
それ故、もし自衛隊が法制度上、軍隊であれば、領海を侵犯した軍艦や潜水艦に対しては、国際法に従って、まず
「領海からの退去」
を命じ、それに従わない時は
「警告射撃」
を行うことが出来ます。
更に、相手側船舶を
「撃沈」
することさえ可能です。
現に、冷戦時代、スウェーデン海軍は領海を侵犯したソ連の潜水艦を撃沈していますが、ソ連は何も言えませんでした。
◆尖閣諸島を守るために
ところが、自衛隊は
「軍隊」
ではありませんから、自衛隊法に定められた
「防衛出動」
の場合を除き、武力行使はできません。
また、自衛隊法には
「領域警備規定」
がありませんから、もし中国の武装漁民が尖閣諸島に強行上陸しても、防ぎようがないのです。
相手が発砲してくれば、
「正当防衛」
として
「武器使用」
が出来ますが、場合により
「過剰防衛」
で起訴されかねません。
従って速やかに憲法を改正して、自衛隊を
「軍隊」
とする必要があります。
そうしなければ尖閣諸島も守れませんし、中国の軍事的脅威を前に、我が国の主権と独立を保持することは難しくなります。

自民党の憲法改正に対する姿勢はヤルヤル詐欺だ。

<主張>自民党と憲法改正 他党と協議の場を設けよ
社説
2024/8/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20240808-OK5ZWIDIZFKCJMM5G36ZE5QJPE/
岸田文雄首相(自民党総裁)が党憲法改正実現本部の会合で、憲法への自衛隊明記と緊急政令の規定について今月中に論点整理を行うよう指示した。
首相は、最初の憲法改正国民投票で、自衛隊明記と緊急事態条項創設を問う考えを示した。
来年11月の自民結党70年に言及し
「大きな節目に向けて党是である憲法改正の議論を進めるよう願う」
と語った。
自衛隊明記や緊急事態条項創設を初回の憲法改正で実現しようという姿勢は妥当だ。
だが進め方が緩慢だ。
首相の節目発言は年内の改憲発議を目指さないようにも聞こえる。
首相と自民は肝心なことに及び腰だ。
それは、憲法改正に前向きな政党に呼びかけ、改憲原案の条文化作業を担う協議の場を設けることである。
同本部の会合では、傘下のワーキングチームの報告が示された。
報告は、自衛隊明記▽緊急事態対応▽合区解消・地方公共団体▽教育充実―の改憲4項目について早急に取り組むべき論点と指摘した。
古屋圭司本部長は
「公明党や他党とも水面下で交渉する」
と語った。
水面下だけでは足りない。
協議の場を設け話し合いを始めてほしい。
そもそも、自民の改憲4項目は安倍晋三政権時の平成30年に決まった。
安倍、菅義偉、岸田の歴代総裁と自民はこれまでの6年間、何をしていたのかという思いを禁じ得ない。
党是の実現へギアを上げるべきだ。
南海トラフ地震などの大規模災害、台湾有事に伴う日本有事の懸念が高まっている。
国民を守るため緊急事態条項創設は急務だ。
現憲法は国防の明示的な規定がない欠陥がある。
防衛に足かせをはめる憲法9条2項の削除と、軍の規定が改正のゴールだが、まず自衛隊を憲法に明記する意義は大きい。
同本部はこの夏、参院の緊急集会について論議した。
だが、備えるべきは、緊急集会では対応できなかったり、国会自体が開けなかったりするような国難だ。
緊急政令、緊急財政処分の権限を内閣に一時的に与える規定がなければ国民を救えなくなる。
自衛隊明記は、9条またはその直後の条文(9条の2)として書き込むべきである。
最大政党の自民はこれらについて、公明党や日本維新の会、国民民主党の同意を得るよう、積極的に働きかけるときだ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/874.html#c31

[政治・選挙・NHK295] SNSに躍る「#玉木雄一郎に騙されるな」の通り…よく見ていないと危険な人物なのだ ラサール石井 東憤西笑(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
94. 秘密のアッコちゃん[943] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 06:38:56 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[508]
<■2075行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>自民の両院懇談会 「ガス抜き」で居座るのか 
社説
2024/11/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241109-Y7B52NA4OVNEHGDNOMPJYEDZCA/
不満のガス抜きを図って政権に居座ろうとしている―。
石破茂首相(自民党総裁)と自民執行部には、衆院選で示された民意を尊重するつもりがないことが改めて分かった。
自民が、大敗した衆院選後初めての両院議員懇談会を開いた。
出席議員から、石破首相と党執行部の責任を問う声が相次いだのは当然である。
石破首相は
「痛恨の極みだ」
「深く反省し、お詫びしなければならない」
と陳謝したが、本当に反省しているのだろうか。
何の責任も取らず、大敗の検証も示していない。
神妙な表情を作って反省の弁を述べてもけじめをつけたことにはなるまい。
石破首相と森山裕幹事長が本来取るべき行動は、潔く辞任した上で、落選した候補者から直接話を聞くことだ。
責任を問う声は上がったが、懇談会は石破首相続投を事実上容認する形となった。
衆院議員1人1人が自立の気概を持っていた中選挙区制の時代とは異なり、総裁と執行部が個々の議員よりも力を持つ小選挙区制の時代ならではの現象だろう。
安定した国政運営に当たれる議会構成を追求するのは与党を目指す政党の責務だ。
その観点からすれば、2024年9月の自民総裁選で石破首相を選んだ同党議員の責任は重い。
また、今回の懇談会で、衆院選の民意に逆らって首相続投を容認することになった自民は無責任の謗りは免れない。
これは自民が目測力と自浄力を低下させていることを意味する。
懇談会の首相続投支持は消極的なものに過ぎず、自民は一致結束して政権運営に当たれる状況にはない。
衆院選の比例代表で自民の得票数は令和3年の前回衆院選に比べ533万票も減り、1458万票だった。
一方、国民民主党は約350万票増で、参政党と日本保守党の票の合計は約300万票だった。
自民の失った533万票が流れた可能性がある。
これらには、安倍晋三元首相の政策を支持してきた岩盤保守層の離反が原因の動きもあるだろう。
自民はその現実を直視すべきである。
この層の支持も得られなければ安定した国政運営は難しい。
石破首相と現執行部にそれができるのか。

「痛恨の極み」石破茂首相、与党過半数割れを陳謝 自民が衆院選敗因総括の懇談会
2024/11/7 20:38
https://www.sankei.com/article/20241107-2BEZBLHVMFNKNK5A3IZKHUY7EY/
自民党は2024年11月7日、大敗した先の衆院選の敗因を総括する両院議員懇談会を党本部で開いた。
石破茂首相(党総裁)は冒頭、衆院選の勝敗ラインに掲げた
「与党過半数」
を下回った結果について
「痛恨の極みだ」
と述べた上で
「深く反省し、お詫びしなければならないと考えている」
と陳謝した。
出席者の一部からは執行部の責任を問う声があった一方、結束を求める声が多く上がった。
森山裕幹事長は
「強く責任を感じている」
「多くの国民から厳しい批判を頂いたことは、厳粛に受け止めなければならない」
と語った。
懇談会は約3時間に渡った。
意見交換は非公開で行われ、衆院選終盤で発覚した非公認候補が代表を務める政党支部に2000万円が活動費として支給されたことについて、説明を求める声が相次いだ。
また、衆院選の敗因分析の必要性や、党員・党友と有権者との感覚のずれを指摘する意見もあったという。
懇談会後、森山氏は記者団に
「(意見を)整理をして、今後の党運営に活かしていきたい」
と説明した。

自民「石破おろし」広がらず 衆院選大敗も、3時間の両院議員懇で明確な辞任要求は1人
2024/11/7 20:09
https://www.sankei.com/article/20241107-7NSXOTUSIRNLNJTDACXN7WTCZ4/
自民党が2024年11月7日に開いた両院議員懇談会では、大幅に議席を減らした先の衆院選を受け、複数の出席議員が石破茂首相(党総裁)を批判し、責任論に言及した一方、大半は首相の当面の続投を支持した。
与党過半数割れという危機的状況の中、
「内紛している場合ではない」
という声が高まっている。
懇談会は衆院選後初の総括の場だったが、
「石破おろし」
には発展しなかった。
出席議員の発言は報道陣に非公開だったが、3時間で約50人が意見を述べた。
出席議員によれば、冒頭の首相や森山裕幹事長の陳謝の後、口火を切ったのはベテランの船田元・元経済企画庁長官(旧茂木派)。
「一丸となってこの難局を乗り切らないと与党ではいられなくなる」
「色んな責任問題はあるが、まずは一致団結して難局を乗り切るべきだ」
と訴えた。
これに対して青山繁晴参院議員(無派閥)は
「2024年年末に予算編成をするわけで、その前に自ら潔く決意し、辞意を表明されるべきだ」
と主張した。
ただ、青山氏によれば、明確な辞任要求は自身1人だけで、7〜8人が衆院選敗北の責任論に言及した。
西田昌司参院議員(旧安倍派)は、来年2025年度予算案の編成のために首相の当面の続投に関しては理解を示した上で、
「党の体制を刷新しないと(来年2025年夏の)参院選を戦えない」
と語った。
とはいえ、懇談会は続投容認論が大勢。
尾崎正直衆院議員(旧二階派)は出席後、記者団に
「総じて『皆で石破総裁を支えていこう』ということはコンセンサス」
と述べた。
森山氏は懇談会終了後、記者団に、2024年年内の今年2024年度補正予算案や来春の令和7年度予算案の成立を期すことが大事だと強調し、退陣論を否定した。
目立ったのは敗因の検証を求める声だ。
特に、非公認候補が代表を務める政党支部に党が活動費2000万円を支給した問題に矛先が向いた。
柴山昌彦元文部科学相(旧安倍派)は
「如何に国民世論からかけ離れたものか、きちんと執行部に受け止めてもらい、検証を行うべきだ」
と発言した。
それでも2024年年内に首相が退陣に追い込まれる事態にはならなさそうだ。
首相との距離がある麻生太郎最高顧問(麻生派)は懇談会に出席したが、発言しなかった。
反石破勢力から期待されている高市早苗前経済安全保障担当相(無派閥)は欠席。
2024年11月5日、近しい議員らと会食した際も
「(党内が)ガタガタしていたら自民は野党になってしまう」
と結束を呼び掛けた。

「痛恨の極みだ」石破首相、自民の両院議員懇談会で衆院選大敗を謝罪
2024/11/7 16:22
https://www.sankei.com/article/20241107-XJQMEZOOGVOLZIRQVU37RBP234/
自民党は2024年11月7日、大敗を喫した衆院選を総括する両院議員懇談会を党本部で開いた。
石破茂首相は冒頭で
「痛恨の極みだ」
「深く反省し、お詫びしなければならない」
と述べた。
森山裕幹事長は
「強く責任を感じている」
「厳しい批判を頂いたことは厳粛に受け止める」
と語った。

石破首相とトランプ氏会談わずか5分の衝撃 韓国・尹大統領の半分以下 党の両院議員懇談会でも集中砲火、まさに四面楚歌
2024.11/8 11:32
https://www.zakzak.co.jp/article/20241108-J5S64FY5UVPINAX3WEKJIVUNAM/
「政権居座り」
に執着する石破茂首相(自民党総裁)が四面楚歌≠ノ陥りつつある。
2024年11月7日の党両院議員懇談会では、衆院選で勝敗ラインとした
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した責任について集中砲火を浴びた。
国会運営では、少数与党ゆえ、躍進した国民民主党の意向に配慮せざるを得ない上、国会の最重要ポストの1つである衆院予算委員長を立憲民主党に譲り渡した。
米大統領選で勝利したドナルド・トランプ前大統領との電話会談は、何と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の半分以下という5分間。
米メディアには、石破首相の
「日米同盟不平等論」
を問題視する向きもある。
過去に現実軽視の持論を並べ立て、他人を批判し続けた
「特大ブーメラン」
が次々と刺さっている悪循環は続きそうだ。

「国民の期待に十分応えることができなかった」
「痛恨の極みだ」
「深く反省し、お詫びしなければならない」
「真摯に受け止め、改革に前向きに取り組んでいく」
石破首相は2024年11月7日、衆院選総括のために開催した両院議員懇談会で、こう陳謝した。
衆院選での自民党惨敗は
「国民の審判」
そのものであり、
「政権居座り」
こそが国民の期待に反するのではないか。
当然、参加者からは、執行部の責任を問う声が相次いだ。
投開票直後から辞任論を掲げていた青山繁晴参院議員は
「2024年年末に予算編成をするわけで、その前に自ら潔く決意し、辞意を表明されるべきだ」
と主張したという。
記者団にも
「『政権選択選挙』で負けたのに責任を取らないのでは、自民党が民主主義を掲げることはできない」
と言い切った。
西田昌司参院議員も
「党の体制を刷新しないと(来年2025年夏の)参院選を戦えない」
と訴えた。
石破執行部に対しては、
「非公認」
候補が代表を務める政党支部にも選挙前に2000万円を支給した判断を問題視する意見も続出した。
柴山昌彦元文科相は
「世論から如何にかけ離れているか、執行部はしっかり受け止め検証すべきだ」
と発言した。
小林鷹之元経済安保相も、執行部から事前に明確な説明がなかったと苦言を呈し、
「党が一丸となって政策を進めていく環境を作る必要がある」
と訴えた。
厳しい批判が噴出する中、馬の耳に念仏なのか、石破首相は具体的な責任論に言及しなかった。
森山裕幹事長も
「強く責任を感じる」
「厳しい批判は厳粛に受け止める」
「(2000万円は)非公認の人が選挙費用に使える仕組みにはなっていない」
と釈明したものの、そのまま続投する意向だ。
石破首相と距離を置く麻生太郎元首相は発言しなかった。
「ポスト石破」
を期待される高市早苗前経済安保相は欠席した。
衆院選で
「非公認」
となり無所属で勝利した萩生田光一元政調会長は、高市氏と連携する意向を示しているが無言を貫いた。
出席議員は執行部を除き約180人で、非公開で約50人が発言したが、大半は
「当面の続投」
を支持したという。
ある閣僚は
「ガス抜きになった」
と語っている。
石破政権は国会運営にも不安がある。
国会の委員会で最重要ポストの予算委員長を、立憲民主党に譲ることで合意したのだ。
予算委員長に野党議員が就くのは30年ぶりだという。
同委員長は採決日程の決定や議事進行などで大きな権限を持ち、局面によっては予算案審議が難航することも想定される。
■米報道日米に「緊張が高まる可能性秘めている」
石破政権は、外交でも不安は尽きない。
石破首相は2024年11月7日午前、米大統領選で勝利したトランプ氏と初めて電話会談を行った。
石破首相は
「日米同盟をより高い次元、段階に引き上げていくことで一致した」
「フレンドリーな感じがした」
「本音で話ができる人という印象を持った」
を手応えを語ったが、時間は5分間だった。
トランプ氏は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とは約25分間、韓国の尹大統領とは約12分間も会談している。
前駐オーストラリア大使の山上信吾氏は2024年11月7日、自身のX(旧ツイッター)で、
「僅か5分しか相手にされず、英語も解さないのに、何を以て『非常にフレンドリー』と判断できるのか?」
「メディアの突っ込みが弱過ぎる」
と指摘した。
米メディアでは
「背後から銃で撃つ」
と党内外から批判された石破首相の政治スタイルを問題視する向きもある。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、自民党総裁選の投開票日(2024年9月27日)、石破首相が
「日米同盟を不平等だとして再構築を唱えてきた」
と指摘し、米政府との間に
「緊張が高まる可能性を秘めている」
と報じている。
同紙は、石破首相が
「概ね保守的で防衛にタカ派的」
としながらも、安倍晋三元首相や岸田文雄前首相とは異なり
「日米同盟の非対称的な側面に不満を抱いている」
と分析。
更に、2018年に石破首相に行ったインタビューから、
「トランプ大統領とゴルフしなくてもいい、トランプタワーに行かなくたっていい」
「日本は手強いぞと思わせることが大事だし、ディールのカードを持つこと(が大事)」
「安全保障でディールのカードを全く持っていない」
との、安倍氏とトランプ氏の盟友関係を批判的に語った発言を紹介している。
石破政権はどうなるのか。
政治評論家の有馬晴海氏は
「両院議員懇談会は『ガス抜き』で終わったようだが、『石破おろし』を巡る自民党内の見方は甘い」
「選挙を控える参院議員の中では退陣論も挙がる」
「『石破カラー』で支持率回復の目もあるが、石破首相は演出は上手くない」
「我慢強さを見せせ、耐えるしかない段階だが、全てにおいてヨタヨタで、ちょっとしたきっかけで政権が終わる可能性はある」
と語った。
外交はどうか。
評論家の八幡和郎氏は
「トランプ氏との5分だけの電話会談は象徴的だ」
「石破首相のキャラクターと、トランプ氏の相性も懸念されている」
「重要なのは『本音で話す』ことではなく、『メンツを潰さないよう迎合しているかに見せて誘導する』ことだ」
「石破政権には厳しい宿題が多く課されている」
と分析した。

「トランプ側近の本音」石破首相の評価は? パイプ持つ日本保守党・島田洋一議員が聞いた「世論に迎合する信用できない男」
2024.11/8 15:24
https://www.zakzak.co.jp/article/20241108-RH7XVVVQKJJWFGBDK6T74MESFE/
石破茂首相は2024年11月7日、米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ前大統領と電話会談した。
首相はトランプ氏の印象を
「非常にフレンドリーな感じ」
と述べたが、トランプ氏周辺は実際のところ、石破首相や石破外交をどう見ているのか。
国際政治学者で共和党やトランプ陣営と太いパイプを持つ日本保守党の島田洋一衆院議員に
「トランプ側近の本音」
を聞いた。
石破首相は電話会談でトランプ氏に祝意を伝え、日米同盟をより高い次元に引き上げる考えで一致したと話した。
だが、大統領選直後にトランプ氏側近らとコンタクトを取ったという島田氏は
「衆院選にも敗北して政治力もないとして、トランプ氏周辺で石破首相の評価は高くない」
「マイナスからのスタートというより、スタートできるかも怪しい」
と指摘する。
島田氏によると、
「日米地位協定の見直し」

「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」
といった石破首相の持論にも、トランプ陣営の反応は冷ややかだという。
「日米地位協定の改定は米軍の機密保護や米兵の身の安全に関わるため、米国は超党派で反発している」
「アジア版NATOについては、石破首相が発信を控えていることが、却って『世論に迎合するような信用できない男』と見られているようだ」
石破首相とトランプ氏は、早期に対面での会談を調整する方針を確認したというが、島田氏はこんな見方を示す。
「会談では米国と同じ路線で取り組む態勢が出来ていると、しっかりプランを示して行動できるかが重要だ」
「例えば岩屋毅外相は中国寄り≠ニ見られていて、防衛相時代の2018年には韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に対応出来なかった」
「『人事は政策』であり、情報発信にもなるので、刷新すべきではないか」
トランプ氏が2016年の大統領選に勝利した際には、安倍晋三元首相がトランプタワーを訪問するなどして蜜月関係を築いた。
「トランプ政権発足直後の朝鮮半島危機や、中国に対する締め付けにも、安倍元首相は真っ先に協力するなど、間髪入れずにサポートする行動が信頼関係を固めた」
と島田氏は分析する。
これまで学者として北朝鮮による日本人拉致問題や日米関係の強化に取り組んできた島田氏だが、衆院選で日本保守党から出馬して当選し、今後は国会議員の立場で臨むことになる。
トランプ陣営の反応について島田氏は
「日本保守党から出馬し当選したことを
『米国で言えばトランプ現象に値するものだと理解している。日本保守党と連携していきたい』
と言われた」
「日本保守党の『日本第一』は、トランプ氏の『米国第一』と通じ、『脱炭素原理主義』に異を唱える基本線も一致する」
と明かした。
トランプ陣営は今、外交路線をどう考えているのか。
島田氏は
「中国を『主敵』と位置付け、軍事利用可能な技術を含む最先端ハイテク分野や知的財産で厳しく締め上げて供給網から外すことを検討している」
「トランプ氏は経済分野の交渉で習近平国家主席が誤魔化そうとしても許さないだろう」
との見方を示した。

首相に安心して辞めてもらうため
政界十六夜 石井聡
2024/11/8 10:00
https://www.sankei.com/article/20241108-CEBHVOQ4UJKA5BOFYOEHEQV5GQ/
つい最近まで
「政治家というより評論家」
との評もあった人なら、衆院選大敗を喫しても政権の座にとどまろうとするトップについて、第三者としてどう語っただろう。
敗因は専ら自民党にあり、自分ではないと言わんばかりの石破茂首相は、国民民主党などの協力を当てにした延命工作に勤しんでいる。
首相は衆院選最中の
「掌返し」
は元より、自ら命名した
「納得と共感内閣」
も有権者に納得どころか拒否された。
産経新聞は選挙後の2024年10月29日付朝刊の主張(社説)で
「首相の居座りは許されぬ」
と、直ちに辞職して新総裁選出に移行すべきだと指摘した。
読売は
「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
朝日も
「政権の継続は至難の道」
と社説で書いた。
国政や政権政党に対する新聞社のスタンスには異なる点があるものの、敗北した責任者の出処進退を巡る見解を普通に考えればこうなる。
しかしながら、首相が新聞の提言に耳を傾ける気配はない。
衆院選では立憲民主党が50議席増と躍進しながら、野党連立政権への流れを作れなかった。
特別国会の首相指名選挙で、決選投票を経て石破首相への指名が見込まれることも、切迫感を失わせているのだろう。
衆院選翌日の敗戦に関する総裁会見で、首相は
「政治改革や経済対策などの課題に先頭に立って取り組む」
と辞めないことを明言し、大きな理由の1つに
「国政は一時(いっとき)たりとも停滞が許されない」
点を挙げた。
就任直後の国政選挙で大敗を呼び込み、与党の自民、公明両党以外の賛成を得なければ予算も法律も通らない政治状況を生じさせたのだ。
その張本人がとどまること自体が政治の空白を生むという判断を持たないなら、如何ともし難い。
空白を拡大させないため、次の手立てを早急に講じるしかない。
それは、野党に責め立てられて行き詰まる前に、自民党内で首相を退陣に追い込み、新総裁の下で立て直しを図るという自浄作用だ。
来年2025年の参院選の前に再び衆院選を行い、議席を挽回しておくことも課題となろう。
どうも
「〇〇おろし」
という言葉には
「反逆」
「足を引っ張る」
という悪いイメージが伴うようだ。
世論には
「すぐに辞めなくてもよい」
という一種の判官びいき≠烽り、大人しい自民党議員たちに二の足を踏ませている。
異常事態の打開には不可欠な作業なのにである。
その実現には石破首相に取って代わる人物が決起しなければ始まらない。
例えば、先の総裁選で惜敗した高市早苗前経済安全保障担当相や、衆院選後に党選挙対策委員長を早々に辞任した小泉進次郎元環境相らである。
総裁選を戦ったばかりだから政権構想の準備はあるはずだ。
高市氏は衆院選当選後、執行部に対して
「徹底的に自民党を立て直して頂きたい」
と注文していた。
他人事ではなく、自らそれに当たる事が求められる場面ではないか。
むろん、決起する人を支える勢力の再結集も急がなければなるまい。
旧派閥の枠を超えて
「保守派」
どうしの連携などダイナミックな動きを作ることができれば、党再生の活力にもなる。
昨年2023年来の
「岸田おろし」
は気配だけで不発に終わった。
「今はまだその時ではない」
などと身を潜めているのは、自分自身の当座の生き残りには役立つとしても、国の危機を等閑視するに等しい。

中国、韓国が利用する石破首相の歴史観 過去の言動繰り返せば付け入る隙に 
阿比留瑠比の極言御免
2024/11/7 1:00
https://www.sankei.com/article/20241107-3K6TVFPG6RPOZDBYUBB4CSA2ZI/
まだ石破茂首相のことを保守派だと見做していた20年以上も昔の話である。
筆者は当時、安倍晋三元首相や中川昭一元財務相らが熱心に取り組んでいた偏向歴史教科書問題や慰安婦問題など保守系の運動に関わろうとしないことをいぶかり、それらへの参加を促したことがある。
だが、返事はそっけなかった。
「そういうのは、もういいよ」
この時は、単に余り関心がないのかと流したが、徐々にそうではなくて歴史認識自体が大きく異なるのだと分かってきた。
石破氏の考え方は、むしろ左派・リベラルに近かった。
それを反映し、2024年9月の自民党総裁就任時などに、中国や韓国は首相の歴史観を理由に概ね歓迎を示した。
例えば韓国の左派紙、ハンギョレ新聞は同月2024年9月30日の社説で書いている。
「歴史問題についても『政治的ライバル』だった安倍元首相とは異なり、何度も合理的な見解を明らかにしたことがある」
「(中略)謙虚な歴史認識を示してくれることを期待する」
また、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(2024年10月18日付)は、首相が平成18年9月23日付の毎日新聞鳥取県版にこう語ったことを紹介している。
「最近は、自民党の若い議員を見ても、怖い」
「過去の戦争を『全て正しかった』と考えていて、頭は大丈夫かと疑いたくなる」
「日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国併合は植民地化(だ)」
こうした首相のこれまでの言葉については、月刊誌「明日への選択」2024年11月号の記事
「かくも危うい石破首相の『歴史認識』」
がよくまとめていたので、許可を得て引用する。
それによると首相は平成29年5月、韓国紙、東亜日報のインタビューで慰安婦問題についてこう語った。
「納得を得られるまでずっと謝罪するしかないでしょう」
もっとも、その後の産経新聞の取材に首相は
「『謝罪』という言葉は一切使っていない」
「『お互いが納得するまで努力を続けるべきだ』と話した」
と否定している。
とはいえ、
「努力」
をどう翻訳(意訳)すれば
「謝罪」
に入れ替わるのか理解に苦しむ。
中国共産党系の新聞、世界新聞報のインタビューも防衛相時代の2020年に受け、こう述べたとされる。
「日本には南京大虐殺を否定する人がいる」
「30万(人)も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという」
「何人が死んだかと大虐殺があったかは別問題だ」
「日本は中国に謝罪すべきだ」
これについても首相は月刊正論2020年9月号で
「大虐殺があったとは言っていないよ」
と否定しているが、聞き手の評論家、潮匡人氏はこうたしなめていた。
「ですが、そう相手に受け取られる対応も、事実関係で日中間に隔たりがある以上、国益の擁護者として慎重であるべきではなかったかと」
まさにその通りである。
首相が実際にどのような表現を使ったかは判然としないが、相手に利用されるようなことを述べたのは事実だろう。
来年2025年は終戦80年を迎える他、日韓国交正常化60周年にも当たる。
中国も
「抗日反ファシズム戦争勝利80周年キャンペーン」
を準備しているという節目の年である。
韓国や中国の反日勢力がさまざまな仕掛けをしてくると予想できるが、首相が過去の言動を繰り返すようなら、付け入る隙を与えることになろう。
もっとも、それまで首相を続けていられるかどうかは分からないが。
(論説委員兼政治部編集委員)

衆院選で与党過半数割れ 産読朝は首相に辞任を求める 毎東日は熟議の合意形成促す
社説検証
2024/11/6 9:00
https://www.sankei.com/article/20241106-3AZLN7SFRNM3VM35Q5UTMPRLOI/
第50回衆院選は自民党が公示前の議席を大幅に下回り、連立政権を組む公明党と合わせても過半数に届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党は勢力を4倍に拡大した。
産経、読売、朝日は石破茂首相に責任をとって辞任するよう求めた。
産経はまた、国政を停滞させぬよう、各党は安定政権の樹立に向けて努力すべきだと説き、毎日、東京、日経などは、熟議を通じた合意形成を促した。
自民の派閥パーティー収入不記載事件で、石破首相は不記載の候補者を非公認にしたり、比例代表との重複立候補を認めなかったりした。
一気に事を決めずに騒動を続けたのである。
産経は
「世間の関心が『政治とカネ』一色になったのはそのせいでもある」
と断じ、
「言い訳選挙」
になったことで優勢に戦うことができなかったと敗因を分析した。
与党過半数というのは首相自身が設定した勝敗ラインだ。
産経は
「石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ」
「責任を取って潔く辞職すべきである」
と強調し、
「自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい」
と論じた。
読売は
「大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか」
との見方を示した。
「政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない」
「速やかに進退を決することが憲政の常道である」
と石破首相に退陣を迫った。
朝日は
「石破政権に対し、国民が『不信任』を突き付けた」
「裏金問題に対する国民の怒りや不信を甘く見た結果に違いない」
とし、
「石破首相は職を辞すのが筋だ」
と主張した。
首相への不信任は、自民党政治への不信任だとして、
「自民も今度こそ本気で実態解明に取り組まねばならない」
と訴えた。
毎日、日経、東京は明示的には辞任を求めなかった。
毎日は自民の敗因について
「第2次安倍晋三政権以降に深刻化した政治の歪みや驕りを、根本から正そうとしなかったことだ」
と指摘。
日経は政治資金問題で
「生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭う事は出来なかった」
と分析した。
東京は
「派閥の裏金事件に自らけじめを付けなかったことに対し、民意は政治腐敗を明確に拒んだ」
と訴えた。
特別国会での首相指名選挙に向けて与野党の多数派工作が活発化している。
その結果如何にかかわらず、立民の影響力増大が予想される。
産経は、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という考えを変えず、反撃能力の保有にも消極的な立民について
「これで国民を守れるのか」
「この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある」
と政権担当能力に疑問符を付けた。
読売も
「『寄り合い所帯』で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない」
「そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか」
「まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう」
と釘を刺した。
朝日は
「与野党が拮抗する政治状況を、立法府の行政監視機能を立て直し、熟議を通じた丁寧な合意形成に繋げてもらいたい」
「立憲の責任と役割は極めて重くなった」
と記した。
毎日も立民に対し
「国会での存在感の高まりに見合った責任を果たすべきだ」
と注文し、
「与野党が伯仲する政治状況下では、緊張感ある論戦を通じて国民本位の合意を見い出すことが欠かせない」
と説いた。
日本の政治は新たな局面に突入した。
来年2025年夏の参院選を睨み、与野党の攻防は激しくなるだろう。
だが、スピード感をもって政策の合意形成を図っていかなければ、迷惑を被るのは国民である。
与野党はその事を肝に銘じてもらいたい。

■衆院選での与党過半数割れをめぐる主な社説
【産経】
・審判を重く受け止めよ/安定した政権の構築を求める(10月28日付)
・首相の居座りは許されぬ/直ちに辞職し新総裁選出を(29日付)
【朝日】
・国民から首相への不信任だ(28日付)
・信失ったままでは困難(29日付)
【毎日】
・「政治とカネ」に重い審判(28日付)
・不信拭う改革が最優先だ(29日付)
【読売】
・長期政権の驕りが不信招いた/国政の停滞は避けねばならない(28日付)
・首相は責任の重さを自覚せよ/政権の枠組み作りが焦点となる(29日付)
【日経】
・自民不信を突きつけた厳しい審判(28日付)
・国政の停滞回避へ責任ある行動を(29日付)
【東京】
・民意は政治腐敗拒んだ(28日付)
・熟議の政治を取り戻せ(29日付)

<主張>与党「過半数割れ」 審判を重く受け止めよ 安定した政権の構築を求める
社説
2024/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20241028-FCCUJHFOJVJ47OD67N322RXKGY/
第50回衆院選の投開票が行われた。
政権の信を問うと臨んだ石破茂首相は勝敗ラインに自民党、公明党の与党過半数を設定していたが、届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党も議席を伸ばした。
自民にとって野党に転落した平成21年の衆院選以来となる歴史的敗北だ。
首相は選挙結果を重く受け止めねばならない。
今後自民は非公認当選者の追加公認を図る見通しだ。
国際情勢は厳しく、混迷の度合いを増している。
今後、特別国会で首相指名選挙が行われるが、各政党は安定政権を作るべく努力してもらいたい。
国政を停滞させてはならない。
■言い訳選挙では勝てぬ
今回の大敗は、石破首相と自民執行部が
「言い訳選挙」
にしてしまったことが大きい。
言い訳選挙で優勢に戦うことなど望むべくもない。
自民の旧安倍派などの派閥パーティー収入不記載事件への有権者の怒りはくすぶっていた。
それにうまく対応できなかったのが首相だった。
就任後、不記載の前議員の非公認を増やし、比例代表との重複立候補を認めなかった。
しかも一気に事を決めず騒動を続けた。
世間の関心が
「政治とカネ」
一色になったのはそのせいでもある。
選挙戦最終盤には自民が、非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、首相は党勢拡大のためで
「選挙に使うことはない」
と釈明した。
これも有権者の投票行動を左右した可能性がある。
有権者や他党からどう見られるかを考えなかった石破首相や森山裕幹事長には、自民内から疑問の声が上がった。
石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった。
自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた。
国会論戦も十分に行わず早期解散に走った。
これで勝てると思っていたのなら信じ難い。
衆院選で政治とカネの問題への有権者の憤りが改めて示された。
各党は政治改革の具体策で合意し、速やかに実行に移すべきだ。
それを怠れば政治不信に拍車がかかる。
言い訳選挙になったのは、もう1つ理由がある。
それは、石破首相が政治とカネの問題を上回る、または匹敵するような政策上の大きな争点を国民に示せなかったことだ。
衆院選は常に日本の独立と繁栄、国民の生活と暮らしがかかった、日本の針路を決める政権選択選挙なのである。
にもかかわらず日本の針路を巡る本格的な論戦は展開されなかった。
とりわけ日本を守る安全保障が重視されなかったのは残念だ。
■立民は国を守れるのか
台湾有事の懸念が高まっている。
公示の前日には、中国軍が台湾を包囲する形で大規模な演習も行った。
今回の衆院選で選ばれた議員が台湾有事に直面する可能性がある。
北朝鮮の軍はウクライナ侵略に加担する見通しだ。
朝鮮半島有事がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
その危機が十分には語られず、抑止力のための防衛力の抜本的強化、国民保護などの具体策の議論が深まらなかったのは問題だ。
立民の影響力は増大する。
野田佳彦代表は外交・安保政策の継続性を重視する考えを示す一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という党の立場を変えていない。
反撃能力の保有にも積極的ではない。
これで国民を守れるのか。
この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある。
政策上の欠陥を抱えたままの立民に政権担当能力があるのか疑問だ。
経済を巡っては、各党がこぞって消費税減税や給付金支給などの物価高対策を示した。
だが財源を含む具体化の道筋には曖昧なものが多く、バラマキ色が目立った。
物価高に負けない賃上げを果たし、デフレからの完全脱却を確実にするには、生産性を向上させて企業の収益力を高める取り組みが欠かせない。
そうした積年の課題を解決しなければならない。
憲法改正の動きを後退させてはならない。
自民の大敗に加え、改憲に前向きな日本維新の会が振るわなかった影響は大きい。
自衛隊明記や緊急事態条項の創設は急務で、国会は改憲原案の条文化を進めるべきだ。

<主張>国民の審判 首相の居座りは許されぬ 直ちに辞職し新総裁選出を
社説
2024/10/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20241029-CEB23AAJIJPI7NMIRKWA2U4OUQ/
衆院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)が2024年10月28日の記者会見で、引き続き政権を担う意欲を示した。
自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを割り込む大敗の責任を取らずに、石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ。
責任を取って潔く辞職すべきである。
自民は比較第1党に踏みとどまった。
友党の公明党と共に政権構築を目指すのは分かるが、それは国民の信を失った石破総裁の下ではあり得ない。
自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい。
■本当に反省しているか
石破首相は会見で、衆院選の審判を
「真摯に厳粛に受け止める」
と語った。
だがその言葉とは裏腹に、
「国政の停滞は許されない」
と繰り返し、
「安全保障、国民生活、災害対応に万事遺漏なきを期すことも私どもが負うべき責任だ」
と述べた。
そこには反省が感じられない。
国民は衆院選で石破首相に国政運営を託したくないという判断を示した。
それが何故分からないのか。
有権者の審判を無視するトップが政権の座に留まろうとして国民の支持を得られると思うなら甘過ぎるし、民主主義から外れている。
全ての自民国会議員は、石破首相の続投こそが、国政の停滞を招くと知るべきである。
自民の小泉進次郎選対委員長は2024年10月28日、
「選挙の結果責任は選対委員長が引き受ける」
として辞任した。
小泉氏は自身の進退について
「目標を達成出来なかったのに責任を取らない自民党では、不信感の方が大きいと思う」
と語った。
これは石破首相、森山裕幹事長にこそ言えることである。
自民千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は
「議席をあれだけ減らした」
「責任はある」
と述べ、首相や執行部の早期退陣を促した。
これが国民感覚に沿った判断だろう。
石破首相は、第1次安倍晋三政権時の参院選で自民が大敗し
「ねじれ国会」
となった際に、続投を表明した安倍首相を攻撃した。
党総務会で
「(安倍)首相は『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』と訴えたのに、どう説明するのか」
と非難した。
代議士会では
「首相は『反省すべきは反省する』と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」
と責め立てた。
同じ事を石破首相に問いたい。
2024年10月28日の会見で
「自民党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
と語ったが、トップである自身がまず責任を取るべきだろう。
麻生太郎政権時に農林水産相だった石破首相は、事実上の退陣を迫ったこともある。
過去の言動との整合性がなければ、石破首相への信頼は集まらない。
首相の言葉は限りなく軽いものとしてしか受け取られまい。
■森山幹事長も責任重い
他人に厳しく自分に甘い、主権者である国民の審判を軽んじる。
そこに謙虚さは見当たらない。
このような有り様で与党は特別国会の首相指名選挙に確実に勝てるのか。
よしんば勝ったとしても、自民党内からは辞任論が出て、石破首相の求心力は低下している。
安定した政権運営が出来るのか。
森山幹事長の責任も重い。
選挙戦最終盤には、自民が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、
「政治とカネ」
を巡る批判に拍車を掛けた。
石破首相は
「選挙に使うことはない」
と述べたが説得力に乏しかった。
支給を主導したのは森山氏だったとされる。
石破首相の就任後に、臨時国会で予算委員会を開かず早期に解散するよう進言したのも森山氏である。
首相と森山氏は衆院選を有利に展開しようと党利党略に走ったが、思惑外れに終わった。
政府与党は首相指名選挙を行う特別国会を2024年11月11日に召集する方向で調整している。
だが、憲法第54条は衆院選投票日から30日以内の召集を定めている。
殊更引き延ばすことはあってはならないが、国会議員中心の自民総裁選を実施するくらいの日程的余裕はある。
自民は新総裁を選び、出直しを図らねば信頼回復は遠く、来年2025年の参院選でも有権者から厳しい審判を受けるだろう。
石破首相が今、日本と国民、党のために出来ることは速やかに辞任することしかない。

衆院選自公惨敗 長期政権の驕りが不信招いた
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50056/
◆国政の停滞は避けねばならない◆
自民、公明の与党が衆院選で惨敗し、過半数を割り込んだ。
今後、一部の野党の協力を得て、引き続き自公が政権を担い続けられるのか。
あるいは、立憲民主党を中心とした野党勢力が政権交代を起こせるのか。
政局は一気に流動化する情勢となった。
また、
「自公で過半数」
を勝敗ラインに設定していた石破首相の進退も焦点となる。
■政局の流動化は確実
第50回衆院選が開票された。
自公は、2012年の政権復帰以降、経験したことのない逆風に晒された。
大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか。
一方、多くの野党は議席を増やしたが、理念や基本政策の異なる各党で協力できるかは見通せない。
自公、立民それぞれが過半数確保に向け、多数派工作を繰り広げることになりそうだ。
与野党の勢力が伯仲することで、予算案や法案を巡る攻防が激化して政策遂行が遅れる事態が懸念される。
実際、2007〜2008年の福田内閣当時は、野党が国会運営を主導し、国政が停滞した。
今後、政権の枠組みを巡って与野党が駆け引きを繰り広げ、混乱が長引く可能性もある。
山積する内外の難題に適切に対応できるのか。
与野党共に大きな責任を負うことになった。
今回の衆院選は異例ずくめだった。
石破政権が内閣発足直後の
「ご祝儀相場」
を当て込み、戦後最短での衆院解散に踏み切った。
だが、自民党は、政治資金問題を抱えた前議員らの処遇を巡り、原則として全員を公認する方針が批判されると、非公認を次々と増やし、定見のなさを露呈した。
選挙戦の終盤には、非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が公認候補向けと同額の2000万円を支給していたことも発覚し、混乱を広げた。
執行部の失態と言う他ない。
自民が苦戦した背景には、
「岩盤」
と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。
岸田前首相が昨年2023年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。
こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引き付けることに成功したからだろう。
既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢い付けている側面もある。
■現実的な主張が奏功か
先月2024年9月、15年ぶりに党首が交代した公明も厳しい選挙戦となった。
小選挙区選に初めて挑戦した石井新代表が落選したのは、支持母体の創価学会員の高齢化が影響しているとされる。
一方、立民の伸長は、自民の
「金権体質」
を争点化する手法が奏功したことが一因だ。
また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を 概 ね継承する考えを示した他、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた
「原発ゼロ」
に拘らない方針を強調した。
こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ。
国民民主党も躍進した。
玉木代表が
「手取りを増やす」
と主張して、
「生活重視」
の姿勢を取ったことが、特に若い世代の支持拡大に繋がったのだろう。
日本維新の会が伸び悩んだのは、大阪・関西万博の会場建設費が想定以上に膨らんだことや、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑が影響したとみられる。
他方、選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。
■課題を蔑ろにするな
物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。
社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。
急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ。
ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。
先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ。
日本周辺の安全保障環境はかつてないほど悪化している。
防衛力の強化はもとより、日米同盟を深化させると共に、友好国を増やしていく必要がある。
野党の選挙戦術もあって、政治とカネの問題が焦点となったのはやむを得ないとしても、国政の課題を蔑ろにするような事態は避けなければならない。

自民歴史的大敗 首相は責任の重さを自覚せよ
2024/10/29 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50239/
◆政権の枠組み作りが焦点となる◆
国民に信を問うために断行した衆院解散・総選挙で大敗した以上、石破首相が取るべき道は明らかだ。政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない。
速やかに進退を決することが憲政の常道である。
衆院選の結果、自民、公明の与党の獲得議席は、首相が「勝敗ライン」とした「与党で過半数」には程遠い215議席だった。自民党は191議席にとどまった。
■勝敗ラインには程遠く
自民党が200議席を下回るのは、民主党に政権を明け渡した2009年以来で、自民結党以降でも2回目だ。今回は歴史的惨敗を喫したと言える。
首相は、過半数割れの少数与党であっても、無所属で当選した議員らの追加公認や、一部野党の協力によって政権を維持しようとしている。選挙後の記者会見では「国政を進めていくことで職責を果たしていく」と述べた。
首相が協力相手として想定しているのは国民民主党だ。国民民主は「対決より解決」を掲げ、予算案や法案の採決で自公と足並みを 揃 そろ えたこともあるため、連携が可能とみているようだ。
だが、衆院選で敗れた首相が少数与党の体制で政権を維持できたとしても、国会では多数派の野党を相手に、必要な法案や政策を実現させていくことは困難で、混乱が長引くだけだ。
首相は責任の重さを自覚し、判断を間違えてはならない。
衆院選の敗因について首相が、「政治とカネの問題で国民の疑念、不信、怒りが 払拭 ふっしょく されていないことが最大の理由だ」と述べたのはその通りだろう。
しかし、新政権が衆院選でとった戦術はちぐはぐで、ことごとく裏目に出たのも事実だ。
そもそも首相就任前に、解散日程を表明したことは異例で、違和感を覚えた人は多かった。
■ミス繰り返した執行部
首相は自民党総裁選の最中、早期の解散に慎重な考えを示していたのに、首相に就任すると、予算委員会を開かず、戦後最短の日程での解散に踏み切った。
こうした策を首相に進言したのは、総裁選で早期解散論を唱えていた小泉進次郎選挙対策委員長だとされている。
首相交代直後の刷新感を武器に選挙を戦おうとしたようだが、これを受け入れたのは首相で、有権者には、誠実さに欠けるという印象を与えたに違いない。
このほか、政治資金収支報告書に不記載があった前議員らを公認するか、非公認とするかを巡って執行部の方針は二転三転した。
選挙戦最終盤には、非公認候補が代表を務める党支部に、自民党から公認候補と同額の2000万円を支給していたことが判明し、「非公認は見かけ倒しの処分だ」といった批判を招いた。
石破政権がこれほど失策を繰り返していたら、支持を失うのも当然だ。執行部に責任を取らせて済む問題ではない。
大敗した自民とは対照的に、立憲民主党と国民民主党は躍進した。自公に代わる受け皿としてみなされたのだろう。日本維新の会と共産党は議席を減らした。
欧州では、エネルギー価格など物価高騰への不満から、自国第一主義を掲げた極右政党が伸長するケースが目立っている。
今回の衆院選では急進的な主張をする勢力が一定の支持を集めたが、その広がりは限定的で、日本の有権者は、穏健な保守や中道路線を支持したとみて良かろう。新たな政権の枠組みは、そうした民意を反映することが望ましい。
立民は、他の野党との多数派工作に力を入れ始めている。野田代表が野党を糾合し、政権交代を実現できるかどうかが焦点だ。
■政策の一致は不可欠だ
ただ、野田氏の足元は盤石とは言い難い。立民は、リベラル系や中道路線を支持する議員などの「寄り合い所帯」で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない。
そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか。まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう。
野党各党で協力するにしても、理念や基本政策が 乖離 かいり した状態では、政権は安定しまい。実際、1993年に7党1会派で発足した細川連立内閣は、路線対立が絶えず、1年足らずで瓦解した。
国際情勢は緊迫の度を強め、国内は少子化問題、社会保障制度改革、経済再生など待ったなしの課題が山積している。各党もまた責任の重さを忘れてはならない。

[社説]自民不信を突きつけた厳しい審判
衆議院選挙2024
社説
2024年10月28日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK271700X21C24A0000000/
政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った。
第50回衆院選は2024年10月27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。
自公は政権に復帰した2012年以来の岐路に立った。
石破茂首相らの責任論は避けられない。
自公は野党に協力を求めて政権を継続する方針だ。
立憲民主党は躍進し、多数派の形成に向けて野党各党と協議に入る。
政局は流動化し、政権の枠組みが見えない不透明な状況になった。
■世界の潮流が波及
自民は公示前の247議席から大きく減らし、下野した2009年以来の敗北となる。
接戦だった多くの小選挙区で競り負け、閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。
公明も石井啓一代表が落選したのをはじめ、牙城である関西で苦戦するなど、公示前の32議席を下回った。
立民は公示前の98議席から大幅に議席を伸ばした。
保守系の野田佳彦元首相を代表に据えたことで、自民支持から離反した保守層の受け皿になったとみられる。
自民との議席差を一気に縮める結果は、政権交代への足掛かりを築いたと言ってよいだろう。
自民の敗因が政治資金問題にあるのは明らかだ。
私たちは当初から
「政治とカネの問題は、扱いを誤れば政権の命取りになる」
と指摘してきた。
だが自民は生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭うことはできなかった。
与党の敗北は世界的な潮流でもある。
選挙イヤーの今年2024年、各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたと言えよう。
物価高や賃金、雇用など身近な課題に既存の政治が十分対応できず、有権者がノーを突き付ける構図だ。
政治資金の杜撰な管理が物価高に耐える国民の不満を増幅したと見るべきだろう。
選挙戦の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念だ。
物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生の在り方などは、どんな政権であっても重要課題として取り組まざるを得ない。
日本の政治の安定が損なわれることになれば、対外的に大きなマイナスだ。
米大統領選の行方が見通せない中、日米同盟や日韓関係の不安定要因にならないよう注意する必要がある。
日米韓の連携が動揺し、中国や北朝鮮、ロシアに対日政策の軽視や周辺地域での過激な行動を誘発する事態は避けなければならない。
政治の安定は海外から日本にヒト、モノ、カネを呼び込む誘因の1つでもある。
政局が混迷すれば、日本への投資を控える動きにつながる懸念がある。
ようやく成長軌道に乗りつつある経済に水を差すことがあってはならない。
そのためには出来るだけ早く安定した政権基盤を取り戻す他ない。
自公は過半数を割っても一部の野党と連携することで政権を継続したい考えだ。
連立政権の枠組みへの野党勢力の参加も視野に入れるが、現時点で野党側に自公連立に加わる動きはない。
■熟議を取り戻す契機に
一方、立民は非自民勢力の結集に向けて野党各党と協議する意向だ。
ただ、どのような枠組みで政権を目指すのか、具体的な政権構想はこれからで、成否はまだ見通せない。
自民と立民の議席差が大幅に縮まったことで、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙に向け、両陣営の攻防が激しくなる。
国民民主党や日本維新の会などとの連携を巡る綱引きも予想される。
政権の枠組みが見えてくるには時間がかかりそうだ。
与野党の伯仲は政治の在り方として悪い事ではない。
政権交代を目指す立民の伸長は国会審議に緊張感を与える。
中道保守の第1党と第2党が熟議を通じ、重要課題を解決するのは政治の1つの知恵である。
立民にとっては政権担当能力を磨く場となり、政権への近道になるはずだ。
対外的にも日本の政治の安定と成熟を示すことになろう。
ウクライナ戦争や中東情勢は緊迫の度を増している。
与野党とも内向きの政争に陥るのではなく、国内外の情勢に目を向け、国際社会で求められる日本の役割を自覚して安定した政治を取り戻すことを急ぐべきである。

石破おろし起きぬ自民 党内抗争の余裕なく 7日の両院議員懇が試金石
2024/11/5 19:36
https://www.sankei.com/article/20241105-GYVAXXRCA5IRJDOK5GFJPC7A5E/
先の衆院選で議席を大幅に減らした自民党では石破茂首相(党総裁)の退陣を求める
「石破おろし」
は起きず、来週の首相指名選挙で石破首相が再選出される公算が大きい。
危機的状況の中、野党に政権を奪われないことが最優先で、党内抗争の余裕はないからだ。
ただし不満はくすぶっており、2024年11月7日の両院議員懇談会が試金石となる。
■「今度こそ国民に見放される」
同懇談会は全自民議員が参加でき、首相も出席する。
首相は2024年11月5日の党役員会で
「意見を賜り、今後の党運営に共に努力していきたい」
と述べた。
勝敗ラインの
「与党過半数」
を下回ったことから首相への不満が相次ぐ公算が大きい。
首相に批判的な中堅議員は周囲に
「辞任すべきだと言う」
と息巻いた。
とはいえ、
「即退陣」
を求める声は広がっていない。
来週の首相指名選挙までに交代させる時間がない上に、予算案などの可決に必要な衆院過半数の獲得に向けて現執行部の下、野党・国民民主党の協力を得る交渉も始まった。
「今、党内で足の引っ張り合いをしたら、自民は政権を維持できない」(幹部)
との認識が支配的だ。
旧安倍派中堅は
「まずは経済対策」
「出来なければ今度こそ国民に見放される」
と語り、2024年年内の今年度補正予算案の成立を目指すことを優先すべきだと語る。
■交代圧力強まるのは来夏か
首相に批判的な議員が多い旧安倍派の実力者、萩生田光一元政調会長も2024年11月1日夜のインターネット番組で
「就任して1カ月」
「どんどん変えたら政権が不安定化する」
と語った。
反石破勢力から期待されている高市早苗元経済安全保障担当相も発信を控えており、党内の大勢が首相を見限る状況にはなっていない。
2024年11月2、3両日の産経新聞社・FNNの合同世論調査では、首相は「続投してもよい」との回答が55・3%に達した。
反石破勢力の参院議員は
「石破さんにはボロボロになっても来年2025年度予算を通してもらい、退陣してもらう」
と語り、来年2025年度予算成立後の来年2025年春の石破おろしを予告する。
平成13年には、当時の森喜朗首相が
「7月の参院選を戦えない」
との声の高まりを受け、予算成立後の平成13年4月に内閣総辞職した。
来夏2025年夏の参院選前に選挙の
「顔」
の交代圧力が強まる可能性がある。

バラマキ廃し、減税主導の財政へ 衆院選での与党惨敗受け、自民党が政権維持のため
田村秀男の経済正解
2024/11/5 12:00
https://www.sankei.com/article/20241105-NRXE3S4HRJKEDPCB7VDTGZPOSY/
衆院選での与党惨敗を受けて、石破茂首相と自民党は政権維持のために、若い勤労世代の支持を集めた国民民主党の所得税、消費税の減税案を取り込まざるを得なくなっている。
バラマキ偏重の歪んだ財政政策を是正するチャンスが到来したのだ。
「バラマキ」
と言えば、
「岸田文雄前政権のバラマキは酷かった、真にけしからん」
と、1カ月ほど前に会った某財務省幹部の憤懣ぶりが頭に浮かぶ。
一時は
「増税メガネ」
とメディアに揶揄されたほど財務省寄りと思わせた岸田氏が打ち出した電気・ガス料金補助、ガソリン価格への補助金、更に定額減税などのバラマキは許せないのだろう。
元はと言えば、財務省が頑強に減税に抵抗することから、岸田氏はその代わりのバラマキでやり過ごそうとしただけである。
家計の負担を軽くして、所得税や消費税を減税すれば良いはずだが、財務官僚は一旦減税すれば恒久化すると恐れ、自民党税調に反対させてきた。
このパターンは岸田政権時代に限らない。
当初予算で増税、政策経費を削減し、景気が沈みそうになれば、大型補正予算を組むのが歴代政権の恒例行事になっている。
補正予算の大半はその場凌ぎなのだから、計画性に欠け、バラマキに偏してしまう。
バラマキでも、消費が持続的に拡大すればまだしもだが、実際にはそうはならない。
国内総生産(GDP)の6割近くを占める家計消費は実質で2023年後半から前年水準を下回り続けている。
需要が不足するのだから、1990年代後半以来の慢性デフレから未だに脱却できない。
バラマキは砂漠の水撒き同然、国民経済を潤せないのである。
グラフは物価変動分を勘案した12カ月平均の実質賃金指数(1997年3月=100)、更に勤労者収入、収入から所得税、住民税更に社会保険料を差し引いた可処分所得(手取り)についての実質ベースの前年同期比増減率の推移である。
先の春闘では5%を超える賃上げが実現した結果、勤労者の収入と可処分所得は物価上昇分を加味しても2024年5月以降共に前年を上回っている。
それでも、2024年8月には伸び率が下がっている。
実質賃金は2024年5月以降少しずつ上向いている。
しかし、27年前1997年の水準を16%以上も下回っている。
賃金収入に頼る勤労者は貧しくなったままなのだ。
こうみれば、バラマキではなく、きちんと現役世代の減税と社会保険料負担の軽減、可処分所得(手取り)の増加を政策として訴えた国民民主党に若い層が惹かれた理由が分かる。
メディアが実施した衆院選比例区投票先政党に関する出口調査結果の年代別シェアをみると、20歳代、30歳代が最も多く投票したのが国民民主だった。
公明党の石井啓一代表は投票より10日前の2024年10月17日、低所得者世帯に10万円程度の給付が必要との考えを示し、自民党の森山裕幹事長が同調する様子を見せると、交流サイト(SNS)では若者世代を中心に反発する声が湧き上がった。
それを見抜けなかった自公が大敗したのは、バラマキ型政治の終焉を告げている。
自民と国民民主は2024年10月31日に経済対策や税制改正の協議開始で合意した。
自民は予算案など重要案件ごとに国民民主が協力する
「部分連合」
を目指す。
石破政権が存続できるかどうかの瀬戸際に立たされている以上、国民民主の玉木雄一郎代表が、石破首相に国民民主案を丸呑みさせる政治情勢にある。
障害はある。
「政府債務が悪化している中、財源はあるか」
と問われると政治家は弱い。
だが、経済はダイナミックであり、単純な差引勘定では計れない。
現実に、円安の下で法人税収が伸び、物価高で消費税収更に所得税収も増えている。
おかげで政府の基礎的財政収支(国債関係を除く財政収支)は税収増を受けて2025年度は黒字化する情勢にある。
国際的な財政指標である政府の純債務のGDP比率は2022年以降、急速に減っており、2024年6月時点で86%、15年ぶりの低水準にある。
所得税、消費税の減税は家計の可処分所得水準を押し上げ、消費を増やすので税収も増える。
日銀も金融緩和を維持するので、円安基調は変わらない。
所得税の基礎控除を引き上げると、年収103万円以内に年間所得を抑制していた働き手が活気付き、人手不足を緩和し、家計も楽になる。
歪んだバラマキ財政と決別し、減税主導で経済を安定成長軌道に乗せる。
石破首相の活路はそれしかない。
(編集委員)

自民支持率、18歳〜20代は12・5% 「政治とカネ」になお強い不信感
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 19:37
https://www.sankei.com/article/20241104-KOBQI2UPS5NZBAAZVEWCAGPFSU/
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、70歳以上の年齢層だけで石破茂内閣の支持が不支持を上回った。
自民党も高齢層の支持が高い傾向が明らかとなった。
18歳〜20代で石破内閣を
「支持する」と答えたのは32・0%で、
「支持しない」は61・0%。
30代も支持が28・8%、不支持が59・4%だった。
唯一、70歳以上で支持(58・5%)が不支持(36・4%)より多かった。
前回調査(2024年10月5、6両日)では、ほとんどの年齢層で支持が不支持を上回っていた。
自民の支持率は25・8%となり、前回調査の34・3%から8・5ポイント下がった。
年代別で「支持政党が自民」と答えたのは、
70歳以上35・0%、
60代28・0%、
50代23・7%、
40代30・3%、
30代14・8%、
18歳〜20代12・5%
だった。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、不記載があった候補者を非公認などとして衆院選に臨んだことで
「政治とカネの問題」
にけじめがついたかを尋ねたところ、
「ついていない」が85・5%、
「ついた」は10・6%
だった。
非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについては
「自民会派入りは適切ではない」が52・0%、
「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%
にとどまった。
再発防止に必要な政治改革を2つ聞いたところ、
「政策活動費の使い道の公開」(40・9%)
が最も多く、
「政治資金の透明化やデジタル化での公開」(34・0%)、
「政治資金をチェックする第三者機関の設置」(28・5%)、
「政治資金パーティーの全面禁止」(27・2%)
などが続いた。

与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり今年2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったお陰で、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率はわずか0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率わずか0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、
「極右」
とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、
「極右」
政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し
「極右」
が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

杉山大志 エネルギーは日本の生命線だ
GDP3%を無駄遣い「脱炭素」政策 グリーン成長などするはずがない!菅政権と岸田政権で推進、GX法ごと根こそぎ廃止すべき
2024.11/1 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-LJW7XOLS4ZKDXN6MWUSLM7OWQY/
自公与党が衆院選で大敗した理由は
「裏金問題」
だけではない。
左翼リベラル化した自民党に対して、保守層が
「ノー」
を突き付けたのだ。
この受け皿が、国民民主党や参政党、日本保守党となった。
菅義偉政権と岸田文雄政権の下で推進された
「脱炭素」
政策も、特に左翼的な政策の1つだった。
政府はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を制定し、今後10年間で150兆円の官民投資を
「脱炭素」
のために実施するという。
投資というと聞こえはよいが、その原資は国民が負担する。
国民1人当たり120万円、3人世帯なら360万円である。
賃上げなど吹き飛んでしまう。
毎年15兆円といえばGDP(国内総生産)の3%に当たる。
防衛費を2%に上げるために大騒ぎしていたのに、その舞台裏ではこのような
「ステルス増税」
が罷り通っていた。
政府は150兆円の投資でグリーン成長するというが、するはずがない。
投資対象が悪いからだ。
洋上風力発電、太陽光発電、その導入のための蓄電池や送電線建設、あるいはアンモニア発電や水素合成燃料など、どれもこれも、やればやるほど光熱費が高くなるものばかりだ。
そもそも、日本政府はかつて、
「太陽光発電の大量導入でグリーン成長する」
と言っていた。
だが、起きた事は
「電気代の高騰」

「産業空洞化」
だった。
今この失敗に懲りずに、同じことを何倍にもして実施しようとしている。
潤うのは一部の再エネ利権などに過ぎない。
そして、その犠牲になるのは一般国民である。
国民は愚弄されている。
政府は150兆円のうち20兆円は国債の発行で賄うとしており、今、政府はその20兆円の償還のための財源としてエネルギーへの課徴金や政府が発行する排出権の売却収入を検討している。
電気なのかガスなのか、灯油なのかプロパンガスなのか、どの料金が上がるのだろうか。
いずれにせよ国民に20兆円を支払わせるということを前提にして、今、ババ抜きのような検討がなされている。
20兆円の収入は、新設の外郭団体である
「GX機構」
が特別会計で回す。
既に天下りも始まっている。
こんなオールドファッションな
「役人天国」
のために光熱費は高騰し、国民経済はボロボロになる。
GX法ごと、根こそぎ廃止すべきだ。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったおかげで、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率は僅か0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率僅か0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、「極右」とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、「極右」政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し「極右」が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

首相即時退陣こそ国益
美しき勁き国へ 櫻井よし子
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-5RFGKKZHKNJ55EIV7L2CMGI6BI/
衆院選で歴史的惨敗を喫した石破茂首相は国民の審判を受け入れるべきだ。
小選挙区での得票数を約670万減らし、結果を受けた共同通信の世論調査では内閣支持率が50・7%から32・1%に急落した。
就任から1カ月、これほど急速に支持を失った事例は稀有だ。
石破氏は敗因を
「政治とカネ」
問題のせいにするが、真の原因は言動の定まらない本人の資質にある。
国民の声を大事にするのは、民主主義の基本である。
だが民主主義は絶対善ではない。
劣化して衆愚政治となった事例を、ソクラテスに下された死刑判決はもとより、ヒトラーの登場を含め、私たちは歴史の中にいくつも見てきたはずだ。
昭和天皇に月1回の頻度で進講した三上照夫氏が、『第三の文化の時代へ』(ぱるす出版)の中で民主主義について語っている。
人間集団にはこういう国造りをしたい、こういう家庭造りをしたいという共通の目標がある。
この建国の理想を、日本人は奈良朝時代から
「国体」
と言ってきた。
国体実現の手段として日米欧が選んだ政体が民主主義だ。
それはあくまでも手段としての政治原理であり、国家の目標・目的は別にある。
そして指導者に識見、国家観が欠落している時、手段であるはずの民主主義は目標に格上げされ置き換えられてしまう。
石破氏は国民の理解を求め続けて政治とカネ問題の先に行けない状況だ。
民主主義という手段を目的に格上げして自縄自縛に陥ったからである。
自業自得である。
結果として、より大事な国家目標実現の政策論がほぼ空白になり果てている。
長年の勉強不足もたたって、石破氏の提唱する政策は空疎を極める。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設や日米地位協定見直しはアジア全体を不安定にしかねない。
自民党は両案件を政務調査会で議論するという形で封印した。
鳩山由紀夫元首相の東アジア共同体構想と同類の空疎な石破提案はこうして処理された。
より深刻なのが対中外交だ。
岩屋毅外相が中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、戦略的互恵関係を再確認したい旨を、語っている。
戦略的―は2006年、第1次安倍晋三政権が打ち出した。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係を双方が修復しようとした。
だが中国に習近平政権が誕生し状況は一変した。
強権的中国との戦略的互恵関係は日本の国益に合致せず、2017年11月の安倍・習会談以降消えた。
石破政権が岸田文雄元首相の路線を継いで立ち戻るのは悪手である。
安倍晋三元首相が戦略的互恵関係を謳った2006年から18年が過ぎた現在、日中関係は一変している。
中国は軍事大国としての力を誇示し、世界秩序を書き換える野望を隠さない。
18年前2006年、彼らは喉から手が出る程に日本の協力を求めたが、現在は如何にして日本から全てを切り取るか、あらゆる形で攻勢を強めている。
その手法は、小さな動きを積み重ねて圧力を強めるサラミ戦術で、一例が尖閣諸島(沖縄県石垣市)だ。
第2次安倍政権樹立から間もない2013年4月26日、中国外務省報道官は尖閣諸島を
「中国の核心的利益に属する」
と発言した。
その同じ日2013年4月26日、安倍氏は来日中の米軍制服組トップ、デンプシー統合参謀本部議長と会談し
「日本固有の領土である尖閣諸島について、我が国は一切譲歩しない」
と語った。
すると翌2013年4月27日、中国外務省は2013年4月26日の発言を事実上修正した。
現在の中国にそんな配慮はない。
彼らは堂々と尖閣を核心的利益と宣言し、2023年8月に発表した標準地図で示した
「十段線」
の10番目の線は与那国島から12キロの我が国の領海をえぐり取っている(『国防の禁句』岩田清文、島田和久、武居智久 産経セレクト)。
中国軍は2022年8月には与那国島の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。
中国が初めて日本の庭先に実弾を撃ち込んだ事実に注目せよと岩田清文元陸上幕僚長は強調する。
2023年7月、尖閣諸島周辺の我が国のEEZ内で中国の情報収集用のブイが発見された。
2024年1月には中国海警局の船が尖閣上空の我が国の領空を飛行する自衛隊機に
「中国領空」
からの退去を要求した。
2024年6月には中国海警局最大級の巡視船が、尖閣諸島を周回した。
中国保有の軍艦は米国を上回り、2035年には435隻に迫る。
米国は2045年に至っても350隻にとどまる見込みだ。
その中国を岸田文雄政権は2022年末に策定した国家安全保障戦略で初めて
「これまでにない最大の戦略的な挑戦」
と定義した。
だが岸田氏は2023年4月の安保3文書についての国会報告で
「最大の戦略的挑戦」
というくだりを割愛し、更に2024年1月の施政方針演説では、日中は
「戦略的互恵関係を包括的に推進する」
と大幅に後退していた。
実は、戦略的互恵関係は岸田氏の施政方針演説の前、2023年11月16日の日中首脳会談で習近平主席が復活を持ちかけていたのだ。
習氏の意図は中国を最大の戦略的挑戦と定義した我が国の安全保障戦略を上書きすることだと、島田和久元防衛事務次官は警告した(『同書』)が、正しいと思う。
戦略的互恵関係の6年ぶりの復活には、再び日本を取り込む中国の狙いが込められている。
そこに岩屋毅外相が乗るというのだ。
だが、逆戻りしてどうするのだ。
対話の窓口は開けておくとして、我が国は今こそ静かに着実に、核の脅威も含めて中国に対処する力を強化し、体制作りを進める時であろう。
政治家にはそれだけの仕事を進める冷静な思考と胆力が要る。
石破氏がその任に相応しいとは思えない。
1日も早い退陣こそ国益だ。

高橋洋一「日本の解き方」
石破政権の命運が尽きる日 続投に意欲も居座り続けると…自民党は本当にぶっ壊れる 水面下で首相指名に向け多数派工作
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H73BZLK7ABOXRCTQEW5GLA3X74/
衆院選で大敗した自民党だが、石破茂首相は続投に意欲を見せている。
今後、石破政権はどこまで生き延びることができるだろうか。
自民党内や地方組織からも
「石破おろし」
が始まっている。
かつて石破首相は、第1次安倍晋三政権や麻生太郎政権の時、国政選挙で負けたり、支持率が低迷したりした時、退陣を求めている。
今回自分だけを可愛がるのは誰の目から見てもおかしい。
小泉進次郎氏が選対委員長を辞任したが、問題がそれにとどまるはずはない。
小泉氏の辞任を石破首相は認めたというが、責任を部下に押しつけるようで、これが組織トップの在り方なのか疑問だ。
かつて安倍元首相が、
「石破氏だけは首相にしてはダメだ」
と言っていたのもよく分かる。
新聞各紙の社説も石破首相に責任を取ることを求めている。
朝日新聞は「選挙の結果責任を負うのは、本来、トップ」、
毎日新聞は「政権トップとしての首相の責任は重大」、
読売新聞は「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
産経新聞は「直ちに辞職し新総裁選出を」
としている。
石破首相自らが、勝敗ラインを
「自公で過半数」
と明言した。
これは普通ではあり得ないほどの低いハードルであるが、実際には自公で215議席と過半数を18も下回ってしまった。
無所属の追加公認を入れても、到底過半数には及ばない。
衆院選の結果は政治家にとって最も重いものだ。
それを、ゴールポストを動かしてはいけない。
筆者はこうした状態を揶揄)して
「石にかじりつきたい破れかぶれ石破政権」
とポストした。
既に、水面下で首相指名に向けた多数派工作が与野党間で繰り広げられている。
当初2024年11月7日に想定されていた特別国会の召集日を2024年11月11日以降に延期する交渉が行われている。
憲法では衆院投票日から30日以内に特別国会を召集し、内閣総辞職、首相指名が行われる。
つまり、特別国会の召集日は首相指名の帰趨を占う意味でも重要なのだ。
石破政権の寿命はまず、特別国会では内閣総辞職、首相指名が行われるので召集日までだ。
そこから生き延びることが出来るのは、首相指名で1位を確保できる場合だけだ。
石破首相では選挙が出来ないとする参院議員、不条理な制裁を食らったが選挙を生き延びてきた旧安倍派、総裁選で高市早苗前経済安保相を推した麻生派、旧茂木派は
「石破おろし」
を起こす可能性があり、石破首相側にいた人も反旗を翻すかもしれない。
そうなると、特別国会の召集日までに自民党内で両院議員総会を開いて、石破氏を引きずり下ろすだろう。
自民党はモタモタしていると、首相指名の多数派工作でまとまりにならず、野党が主導権を握ってしまう恐れもある。
高市氏が
「党執行部には今の自民党を徹底的に立て直して頂きたい」
としたのは当然だ。
このまま、石破首相が居座りを続けると、自民党が衆院選で負けて、党再建でも負けて、ぶっ壊れてしまう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民が石破首相ノー¥A任1カ月「権力居座り」に党内外から批判噴出!「衆院選惨敗、責任をとる気配さえない」「党内勢力も尻込み」
2024.11/2 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-FKEB6WKBLBL6TLZR4NZ5CKKMSY/
石破茂首相(自民党総裁)は2024年11月1日、政権発足1カ月を迎えた。
戦後では内閣発足後最短の8日で衆院解散に打って出たが、選挙戦略は悉く失敗し、自ら勝敗ラインに設定した
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した。
これまで、歴代首相を激しく批判しておきながら、
「国民の審判」
を無視して
「権力居座り」
を決め込む石破首相に対し、党内外から批判が噴出している。
「衆院選において大変、厳しい結果を頂戴した」
「厳粛に受け止めなければならない」
「示された民意を厳粛、謙虚に受け止め丁寧に政権運営に当たっていく」
石破首相は2024年11月1日、記者団にこう語ったが、民意は
「石破首相ノー」
なのだから、これほどのペテンはない。
自民党ベテラン議員は
「これまで、政治家の『責任』に拘ってき石破首相はどこに行った」
「自公過半数を勝敗ラインに設定した衆院選で惨敗したのに責任を取る気配さえない」
と断じる。
石破首相はむしろ
「政権居座り」
に意欲を強めている。
今月2024年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに合わせ、ジョー・バイデン米大統領や、中国の習近平国家主席らとの首脳会談を調整しているという。
ある保守系議員は
「バイデン氏も習氏も、『国民の負託』を得られなかった石破首相と真剣な話をしようと思うだろうか」
「ガバナンスが崩壊した政権に内政・外交を委ねれば、次は日本が壊れる」
と批判する。
ただ、権力にしがみつくトップを交代させるのは簡単ではない。
特別国会の首相指名選挙で、国民民主党は決選投票も含めて玉木雄一郎代表に票を投じる方針のため、野党の票は分散し、石破首相が多数を獲得しそうな情勢だ。
政治評論家の有馬晴海氏は
「国民が石破首相に『ノー』を突き付けた」
「本来なら退陣待ったなしだ」
「小泉進次郎選対委員長だけが辞任して、石破首相と森山裕幹事長が続投するなどガバナンスも崩壊している」
「ただ、石破首相に反発する党内勢力も党が弱り切った中で『石破おろし』に尻込みしている」
「石破首相は『低姿勢』『反省』を示し、何とか成果を示そうと必死なのだろう」
と指摘した。

自民得票率、15年前の政権交代時と全く同じ「26・73%」衆院比例、民主系もほぼ同じ
2024/11/2 11:30
https://www.sankei.com/article/20241102-XDBGXUZYRFOH3FEVQDVDTT2XFY/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選で、各政党の比例代表の得票率を政権交代が起きた平成21(2009)年の衆院選と比べたところ、自民党の得票率はいずれも26・73%で全く同じだった。
自民と公明党を合わせた与党と、民主党系など野党の割合もほぼ同じで、投票率が異なりながら15年前と酷似した状況が浮かんだ。
総務省の発表資料によると、平成21(2009)年と今回の衆院選比例代表で、自民の得票率は26・73%で全く同一だった。
自公を合わせた得票率も平成21(2009)年の計38・18%と今回の計37・66%でほぼ同じだった。
一方の野党も、平成21(2009)年の民主党の得票率は42・41%だったのに対し、今回の主要野党である立憲民主党と国民民主党、日本維新の会の3党の合計は41・88%でほぼ同じだった。
自民は今回、比例の得票を令和3年の前回選挙より約533万票減らした。
しかし、平成21年の投票率が69・27%と高率だったのに対し今回は53・84%と下がっているため、割合はくしくも同一となったようだ。
自民の比例得票率を選挙ごとにみると、平成21(2009)年の26・73%から平成24(2013)年27・62%、平成26(2014)年26年33・11%、平成29(2017)年33・28%、前回令和3年34・66%、今回の26・73%と推移している。

「岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減
大手町の片隅から 乾正人
2024/11/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20241101-U4OIN3HVR5K47CVWO5W6XB2DQI/?outputType=theme_election2024
数字は美しく、残酷である。
昭和61年の衆参ダブル選挙以来、大手町の片隅で13回に渡って選挙報道に携わってきたが、毎回、得票数の精妙さに唸らされる。
衆院選が、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わってからは、比例代表の得票数が、時々の政治状況を鮮やかに切り取ってくれる。
今回、自民党の総得票数は約1458万票に激減した。
前回から27%、533万票も減らし、制度導入以来、過去最低の得票数となった。
平成21年に民主党が大勝し、政権交代が実現したときでさえ、1881万票を獲得していたことから類推すると、安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた
「岩盤保守層」
のかなりの部分が、自民党を見放した、と見るべきだろう。
衆院選に初挑戦した参政党が187万票、日本保守党が115万票を獲得したが、合わせて300万人以上が自民党から両党に乗り換えたとみて間違いない。
残る230万人余は主に国民民主党へ流れたと推測できる。
■立憲比例票は横ばいだった
というのも、今回大躍進した立憲民主党は、比例代表ではほとんど票を伸ばしていないからだ。
3年前の前回が1149万票で、今回は1156万票と僅か7万票しか増えていない。
つまり、自民党が自滅したため、立憲は小選挙区で競り勝ち、議席数を5割も増やしたのである。
政権交代出来るだけの国民の広範な支持が得られていないのは、数字が冷酷に示している。
比例票から分析すると、危機的状況にあるのは、自民党だけではない。
公明、共産の両党も重症だ。
公明党は、平成21年に805万票を獲得していたのが、徐々に減っていき、今回ついに600万票を割り込む596万票にとどまった。
15年間で200万票以上が削げ落ちてしまったのである。
支持基盤である創価学会員の高齢化と共に、公明党を創設した池田大作氏が昨年2023年死去した影響も見逃せない。
■最盛期から半減した共産党
共産党は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題や非公認候補側への2000万円振り込みを機関紙「しんぶん赤旗」がすっぱ抜き、自民党を大敗に追い込んだ最大の功労者だ。
だが、比例票は前回より80万票も減らして336万票しか取れず、れいわ新選組に軽く抜かれた。
平成8年には726万票を獲得していたから半減以下の凋落ぶりだ。
お気の毒に、としか言いようがないが、有権者は共産党の本質をよく見ている。
さて、自民党である。
今回の敗因は、表面的には
「政治とカネ」
への国民の怒りが爆発した結果と見える。
それだけなら軽症で済むが、問題の根は深い。
「岩盤保守層」
のうち参政党などに投票した300万人は、容易に自民党には戻ってこないだろう。
しかも連立相手である公明党のパワーは目に見えて落ちている。
少数与党に転落した石破茂政権は、国民民主党をなびかせるためにリベラル寄りの政策を打ち出さざるを得ず、
「岩盤保守層」
は益々離反するはずだ。
日本にもいよいよ分断と混乱の時代が到来しようとしている。

<主張>自・国の政策協議 石破執行部に資格あるか
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-GDS25MDC7ZM75MJH3E5JS5FUQI/
自民党と国民民主党が政策協議に入ることで合意した。
衆院選に大敗した石破茂首相(自民総裁)と森山裕幹事長が何の責任も取らずに協議を進めるのは、異様な光景という他ない。
石破首相と森山氏は辞任し、自民は新執行部の下で他党と協議に臨むのが筋だと改めて指摘したい。
石破首相は居座り、国民民主との
「部分連合」
の形成を図るつもりなのだろう。
森山氏と国民民主の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日、会談した。
森山氏は経済対策や令和6年度補正予算案、令和7年度予算案の編成、税制改正での協力を呼び掛けた。
「部分連合」
の構築に向け、両党の政調会長による常設の会議体設置も求めた。
これに対し、榛葉氏は会議体設置を拒み、案件ごとに対応する意向を示した。
森山氏は受け入れた。
国民民主は年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の金額を178万円に引き上げることを最優先事項に掲げている。
林芳正官房長官が7兆〜8兆円程度の減収が見込まれるとの試算を示すと、国民民主の玉木雄一郎代表は
「全くやらないなら協力できない」
「その時は予算も法律も通らない」
と牽制した。
ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除も看板政策の1つだ。
国民民主は衆院選で
「手取りを増やす」
ことを訴えて支持を得たため、その実現に注力するのは分かる。
ただ、両党の協議を巡り懸念はある。
個別政策を切り離して交渉した場合、他の政策とバランスが取れなくなる恐れがあることだ。
厳しい安全保障環境を踏まえれば、防衛力の抜本的強化を滞らせてはならない。
政府は令和9年度までの5年間で防衛費総額を約43兆円と定めているが、増税時期は決まっていない。
防衛増税は令和10年度以降の防衛費をきちんと確保することも睨んだ措置である。
税制改正を行う場合は、税制全体との整合性を図ることも求められる。
国民民主は自党の政策実現だけを目指すのではなく、日本の平和と繁栄のための国家戦略をより明確に描き、日本を守り抜く政策でも責任ある姿勢を示す必要がある。

自民 衆議院 197人で活動へ 会派に無所属で当選の6人追加
2024年11月1日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241101/k10014626171000.html
自民党は、国会で活動をともにする会派のメンバーに、今回の衆議院選挙で無所属で立候補して当選した6人を加え、合わせて197人の勢力で活動していくことになりました。
自民党は、2024年11月1日に開かれた衆議院の各会派の代表者による協議会で、今回の衆議院選挙で党の公認を得て当選した191人に、無所属で当選した6人を加えた197人の勢力で会派をつくることを届け出ました。
会派に加わったのは、
政治とカネの問題で自民党から離党勧告の処分を受け離党した
▽世耕弘成氏と
選挙に際し公認が得られなかった
▽平沢勝栄氏
▽西村康稔氏
▽萩生田光一氏の4人に、
自民党の公認候補と争った
▽三反園訓氏
▽広瀬建氏
を加えた、合わせて6人です。
公明党の会派と合わせると、衆議院の与党の勢力は221人となりますが、過半数の233議席までは、12人足りない状況です。

世耕弘成、西村康稔氏らの会派入りを批判 立民の野田佳彦代表「反省足りない」
2024/11/1 14:15
https://www.sankei.com/article/20241101-DPCLWIFSRRJBFDDCZHVHVX5G64/
立憲民主党の野田佳彦代表は2024年11月1日の記者会見で、自民党の派閥パーティ収入不記載事件に関与し、衆院選に無所属で当選した世耕弘成、西村康稔両氏らが衆院会派
「自民党・無所属の会」
に入る見通しとなったことを批判した。
「選挙が終わり禊が済んだと言うならば、思慮も反省も足りない」
と語った。
自民側の狙いに関しては、特別国会の首相指名選挙で石破茂首相を当選させるため
「数を確保しておきたいとの焦りがあるのだろう」
と指摘した。

言わんこっちゃない自民党大敗 総裁選で高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ 変わり身の朝日新聞、言い訳に笑い
2024.10/31 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-VCDRHRXXD5KM3JAK4LCZCNPLMA/
だから、言わんこっちゃない。
石破自民党が歴史的大敗。
自公で過半数割れは15年ぶりだ。
さすがに開票を見守っている時も、各社のインタビューでも石破茂総理に笑顔は一切ナシ。
それでなくても悪い目つきがますます悪くなっていた。
「なぜ、言わんこっちゃない」か。
1カ月前、2024年9月27日の自民党総裁選。
第1回投票で大方の予想に反し、高市早苗候補が、石破候補を圧したのだ。
高市候補 議員票72 党員・党友票109 計181
石破候補 議員票46 党員・党友票108 計154
ところが決選投票ではこれが逆転。
石破候補 議員票189 地方票26 計215
高市候補 議員票173 地方票21 計194
つまり、第2回投票で石破候補の議員票は143票も増えていたのだ(高市候補は101票増)。
岸田文雄前総理の指示か、菅義偉元総理の依頼かは知らないが、143人もの議員が、石破候補を新たに支持したことになる。
この時、高市候補を支持する議員が、あと22人増えてさえいれば高市総理が実現していたのだ。
もし、あの時、高市候補を選んでいれば、日本初の女性総理として、世界のメディアでも話題になったに違いない。
選挙中に自民党の、あのどんよりしたような暗い雰囲気はなく、清新な風が吹いていたろう。
石破総理は応援に来なくていい。
来れば票が減るなんてこともなく、高市さん、全国の候補から引っ張りだこだったろう(総理でなくても引っ張りだこで、全国を飛び回っていた)。
むろん選挙にも負けなかったに違いない。
繰り返すが、総裁選決選投票で石破さんに票を投じた自民党議員の責任は重い。
今回の自民党大敗は、あの時、高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ、だから
「言わんこっちゃない」
と言っているのだ。
むろん、新聞各紙、選挙後、石破総理を一斉に批判。
石破総理に厳しいのが産経。
<石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった>
<自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた>
<国会論戦も十分に行わず早期解散に走った>
<これで選挙に勝てると思っていたのなら信じ難い>
意外だが、朝日新聞が一番手厳しい。
社説でハッキリ石破総理に引導を渡している。
<自民党がなお議会第1党だとしても、「自公で過半数」という自ら設定した最低限の目標を達成できなかった以上、石破首相は職を辞すのが筋だ>
党内野党として石破氏が安倍晋三元総理を批判していた時は、散々、持ち上げて、事あるごとに利用してきた朝日、さすがに変わり身が早い。
<期待が大きければ、その分、失望も大きい>
と言い訳しているのが笑える。
党内では
「首相の責任は重大、続投は難しい」
の声も少なくない。
だが、石破総理自身は続投の意志を捨てず、
「色んな選択肢があるだろうよ」
と他人事のように
「続投を明言」
しているらしい(2024年10月28日産経)。
誰か、石破総理の首に鈴を付ける奴はいないのか。
 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

<正論>惨敗した首相に国民を守れるか 
麗澤大学教授・八木秀次
2024/10/31 8:00
https://www.sankei.com/article/20241031-UK2MSTVJUFLK5JR4Y2VOXIN2HA/?outputType=theme_election2024
■続投は理屈が通らない
平成19年7月、第1次安倍晋三政権でのことだ。
自民党は参院選で惨敗し、第一党の座を民主党に譲った。
衆参「ねじれ」の始まりだ。
安倍首相は続投の方針を表明したが、この時、党の総務会で
「選挙に負けたにもかかわらず、続投するのは理屈が通らない」
と公然と首相の辞任を求めた議員がいた。
現在の首相の石破茂氏だ。
その後、安倍氏は体調を崩して辞任した。
2年後の平成21年7月、麻生太郎内閣は低支持率に喘いでいた。
都議会議員選挙で自民党が敗れた際、内閣に身を置きながら派閥を率いて
「麻生おろし」
の先頭に立った閣僚がいた。
石破農水相だ。
麻生首相は飼い犬に手を嚙まれる思いだったという。
今月2024年10月27日投開票の衆院選挙で自民・公明の与党は目標とした過半数(233議席)をも大幅に下回る大惨敗を喫した。
参院選や都議選での敗北ではない。
政権選択選挙とも言われる衆院選で、だ。
与党過半数割れのままでは予算案も法案も通らない。
異常事態だ。
何より野党その他の総計が過半数を占めた状態では内閣不信任案をいつでも可決できる。
それでも石破首相は続投を重ねて表明している。
首相就任8日後という戦後最短で解散総選挙を行う理由を憲法69条に言及して
「新しい内閣について、国民に信を問うことが憲法の趣旨からもそういうことだ」
と述べていたはずだ。
国民の信任を得られなかったにもかかわらず、続投するのは
「理屈が通らない」。
過去の自分の言動によって
「後ろから鉄砲を撃たれる」
思いがしていることだろう。
長かった党内での野党暮らしは責任がなく気楽だったはずだ。
「正論」
も述べられた。
今、
「与党」
の首領として生き地獄の苦しさを味わっていることだろう。
■国民的人気も幻だった
大惨敗の原因は
「政治とカネ」
の問題そのものではない。
政治資金の不記載問題は、一部の法令違反は処罰されて当然だが、それ以外は今後、記載を徹底し再発を防止するとすればよかった程度のことだ。
これの処理の仕方を誤って派閥解消などの大きな問題にしてしまい、
「国民の怒り」
を醸成したのが岸田文雄前首相だった。安倍派の力を削ごうとした節も否定できまい。
その岸田氏が低支持率で退任することになり、国民的人気があると勘違いして自民党総裁選で後継に選んだのが石破氏だが、総裁選で大言壮語したものの首相になるや
「変節」
やトーンダウンし、大した政策もなかったことを露呈した。
選挙はこの政策を実現するために力を与えてくださいと訴えて勝つものだが、訴える
「この政策」
がなく、
「政治とカネ」
への防戦一本となった。
当てにした国民的人気も幻で、発足時の内閣支持率は28%(時事通信、2024年10月17日公開)という2000年以降の歴代内閣の最低を記録した。
選挙応援に入る度に票が減ると言われ、自民党支持層まで野党に投票した模様だ。
大惨敗の原因は石破氏の存在が大きい。
不記載議員を原則公認する方針を決めたものの、メディアの批判に圧されて一転して非公認や比例重複なしの
「二重処罰」
にしたが、非公認候補側にも公認と同じ2000万円を振り込んだ。
当選後に追加公認を受けるようにとの狙いだろうが、如何にも場当たり的だった。
これが選挙の最終盤に発覚し報道されたことで
「政治とカネ」
の問題を蒸し返し、
「国民の怒り」
を買って数十議席を減らしたとされる。
判断した森山裕幹事長、小泉進次郎前選対委員長ら執行部の責任は大きい。
■政策無視の「大連立」では
選挙の結果、安倍元首相が第2次政権以来、国政選挙に勝ち続けて築いてきた
「1強」
とも言われた強固な政権基盤はいとも簡単に崩壊した。
過半数割れの
「少数与党」
では政権運営に困難が伴う。
予算案や法案を通すためには野党との協力が必要になる。
当てにしていた国民民主党も日本維新の会も連立政権には加わらない方針だ。
益々野党の主張に歩み寄らざるを得ない。
首相は続投を表明した記者会見で野党の政策を取り入れるとも述べた。
これでは事実上の与野党の
「大連立」
だ。
野党の影響力が大きくなって懸念されるのは安全保障や経済だ。
台湾有事や朝鮮半島有事の危険が迫り、石破氏は否応なく、
「戦時下の首相」
となる可能性もある。
集団的自衛権の限定行使にさえ否定的な軍事音痴の野党第一党との協力で国民の生命を守れるのか。
間もなく選出される米国大統領にも対応できるのか。
財務省の意向に沿うべく積極財政の否定に向かうことはないか。
経済は低迷しないか。
安定的な皇位継承策の検討もこれまでと反対方向に向かうことはないか。
選択的夫婦別姓もそうだ。
憲法改正は進むのか。
党内野党を余儀なくされている高市早苗氏や旧安倍派の議員は党内政権交代に備えて政策を磨き、発信していってほしい。

悪夢の少数内閣が始まる 総裁選、もし林氏や加藤氏が高市氏に勝てば…党内「分裂」も 自民党再生のため石破さんは辞めた方がいい
2024.10/31 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-TMJ52B5XUJP4VAT5QKSNN6GVEQ/
石破茂首相は2024年11月28日の記者会見で続投する考えを明らかにした。
理由は
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
ということなのだが、
「いや、あなたは国民に信任されなかったので、少しくらい国政が停滞してもいいから誰か別の人に代わってください」
と思う人はいないのだろうか。
仲間の4分の1が落選し、
「勝敗ライン」
の与党過半数を下回った首相がなぜ居座るのか。
ただ、石破首相本人も居座りたくて居座っているのではない。
居座らねばならぬ理由がある。
野党第一党、立憲民主党の議席は大幅増の148議席なのだが、これに日本維新の会の38、国民民主党の28を足しても214で233の過半数には届かず、れいわ新撰組の9、共産党の8を足しても届かない。
つまり、野党だけの連合で政権は取れない。
だから、開票当日夜のテレビ出演で、立憲民主党の野田佳彦代表は、自民党の一部が割れて野党連合に参加することを期待する口ぶりだった。
だが、それは無理なのだ。
党の分裂は自民党も立憲民主党(前身の民主党)も以前経験して酷い目に遭っている。
「分裂だけは損するから、やっちゃダメ」
というのは与野党の共通認識だ。
もし、石破氏が辞めたら自民党は2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙の前までに新総裁を決めなければならない。
フルスペックの総裁選をやる時間はないので両院議員総会で議員のみの投票で行われる。
本来なら、前回の総裁選で石破氏に惜敗した高市早苗前経済再生相が
「本命」
のはずなのだが、執行部の菅義偉副総裁や森山裕幹事長、更に石破首相誕生の影のキングメーカーである岸田文雄前首相らは気が進まないだろう。
高市氏を応援した人たちの多くが、今回の衆院選で落選している。
もし執行部が林芳正官房長官とか加藤勝信財務相を立てて高市氏に勝つようなことがあったら、党内の
「分断」
は更に進むし、それが
「分裂」
に発展しかねない。
自民党は主流派も非主流派も、絶対に
「分裂」
だけは避けなければいけないことを分かっている。
高市氏や安倍派周辺から
「石破降ろし」
の声が余り上がらないのはそういうわけなのだ。
つまり石破氏はとりあえず今は辞められない。
石破首相が首相指名選挙を乗り切っても
「少数内閣」に
よる予算審議は大変だ。
国民民主党と政策ごとの
「部分連合」
を組み、予算に賛成してもらうために政策をいくつか
「丸呑み」
する必要があるが、大変な作業だ。
最後は
「石破退陣」
を条件に予算成立という局面もあるかもしれない。
悪いことは言わない。
石破首相は退陣して、自民党は新総裁を選び、再スタートした方がいい。
「負けた人」
の下で政党はまとまらないし、先は見えない。
自民党の再生のためにも石破さんは辞めた方がいい。
 (フジテレビ客員解説委員 平井文夫)

<産経抄>居座る石破首相、言行一致の身の処し方を
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-R6DMQT64N5MG7N6B3LUJYMNMZU/
辞書に載る言葉には、業界用語を出自としたものが多い。
「暗転」
はその1つである。
<物事が悪い方に転じること>
は後から加わった意味で、本来は
<舞台を暗くして、幕を下ろさずに場面を変えること>。
つまり芝居用語だ。
▼対義語を
「明転(あかてん)」
という。
<舞台が明るいままで場面を変えること>。
次の場面がすでに出来上がっており、回り舞台ではよく使われる手法である。
ただし
<物事がいい方に転じること>
の意味はなく、採録しない辞書も多いと聞く。
▼先日の総選挙を下敷きにした舞台『国民の審判』は、過半数割れした
「自公の大敗」
編から
「少数与党の悲境」
編へと場面転換しそうだ。
脇を固めた若手選対委員長の降板をよそに、自身は主役に居座り、場面の明転を待つつもりらしい。
続投の意思を示した石破茂首相である。
▼「国民の批判に適切に応え」
ながら職務に当たるという。
与党過半数を勝敗ラインと明言したのは他ならぬ首相で、続投は現政権を否定した選挙結果への答えになっていない。
「国政の停滞は許されない」
との説明も、責任逃れの方便に聞こえる。
▼石破氏と言えば
「ねじれ国会」
を招いた第1次安倍晋三政権時に、安倍氏を舌鋒鋭く責めた姿が忘れ難い。
麻生太郎政権では閣内から事実上の退陣を迫りもした。
過去のご自分を鏡とし、言動にいささかのぶれもない身の処し方を、信を置ける政治家の作法を見せてもらいたい。
▼安全保障、国民生活、災害対応。
どれ1つとして置き去りにできぬ課題で、国政が停滞すれば国民は甚だ迷惑する。
次の場面に移る前に、一案としてこんなト書きを台本に入れてみる。
<ト ここで暗転、主役交代>。
総裁選を行う気力くらい、なければ困る。

<主張>野田氏の支持要請 現実路線なしでは空論だ
社説
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-L4VASTN36ZJOBF4YXY6QB5RHE4/
立憲民主党の野田佳彦代表は、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、特別国会の首相指名選挙で自身に投票するよう要請した。
議席を大幅に伸ばした野党第一党として、他の野党に協力を呼び掛けること自体は否定しない。
だが、基本的な政策を見ると、立民は政権担当能力を欠いている。
衆院選公約などで掲げた政策では日本の独立と繁栄、国民の命・暮らしを守れまい。
衆院選で勢いづいているとはいえ、野田氏が本気で政権を担うつもりなら、反省と基本政策の現実路線への転換が必要だ。
立民は衆院選で外交・安全保障政策について
「日米同盟が基軸」
とした一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という立場を変えなかった。
反撃能力の保有にも消極的だ。
これでは抑止力が損なわれ、日米同盟は旧民主党政権時のような危機に陥るだろう。
エネルギー政策では
「原発の新増設は認めない」
と宣言し、党綱領では
「原発ゼロ」
の実現を謳う。
脱炭素化や電力の安定供給に逆行している。
国の根幹をなす憲法改正にも後ろ向きだ。
自民党の自衛隊明記案に反対し、国会議員任期延長を含む緊急事態条項の創設も
「必要ない」
としている。
安定的な皇位継承策では、野田氏は
「女性宮家」
の非皇族男子の夫と子の皇族化に拘っている。
これは日本の皇統を断絶させる
「女系天皇」
に繋がる恐ろしい議論だ。
馬場氏は野田氏の要請を持ち帰り、
「大義や具体的な政治改革案がなければ、与することは出来ない」
「やはり政治とカネの問題だ」
と語った。
政治とカネの問題を主軸に交渉するつもりなら、首相指名選挙を履き違えることになる。
政権の舵取り役を決める選挙なのだから、皇室や外交安保、エネルギーなどの基本政策を重視すべきだ。
普通の国会共闘とは次元が違う。
馬場氏は2024年10月27日、立民について
「外交安保やエネルギー、憲法など基本的な政策で党内がまとまっていない」
と批判していたはずだ。
野田氏は共産党の田村智子委員長にも首相指名選挙での協力を求めた。
党綱領に日米安全保障条約の廃棄を記すなど、基本政策が立民以上に非現実的な共産にまで要請したことは間違っている。

首相、衆院選惨敗を党の責任にすり替え 政策を争点としなかった戦略ミスの反省みられず
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/31 1:00
https://www.sankei.com/article/20241031-C5A4Z42JZRJN7KN44VVPHMJ76Y/
私事で恐縮だが、筆者が社会部から異動となり、政治部へと着任したのは26年前の平成10年7月12日、参院選の投開票日だった。
その日の深夜か翌未明に、当時の橋本龍太郎首相(自民党総裁)が次のように述べて、敗戦の責任を取って辞任を表明した。
「全てをひっくるめて私自身の責任だ」
「力不足」
「それ以上に言うことはない」
参院選で自民は16議席減らしたが、44議席を獲得した。
しかも参院選は、政権選択選挙と言われる衆院選とは位置付けが異なる。
にもかかわらずの橋本氏の引責辞任に、政治家、なかんずくリーダーの身の処し方、潔さというものを考えさせられたのだった。
一方、安倍晋三元首相は平成19年7月の参院選で大敗しても辞めなかった。
既に各種世論調査で自民劣勢が明らかだった平成19年7月29日の投開票日の数日前、安倍氏は筆者にこう話した。
「小泉さん(純一郎前首相)からも電話がかかってきて
『負けても絶対に辞めるな。参院選に負けても政権が変わるわけではない。いちいち一喜一憂せずにやればいい』
と言われた」
■続投の安倍首相を攻撃
参院選は政権選択選挙ではないのだから、時の首相によってそれぞれの考え方や判断があるのだろう。
ただ、続投を表明した安倍氏に対し、こう激しく攻撃したのが石破茂首相だったことは踏まえておきたい。
「安倍首相は
『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』
と訴えたのに、どう説明するのか」(党総務会)
「安倍首相は
『反省すべきは反省する』
と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」(党代議士会)
石破首相は政権選択選挙である衆院選で惨敗し、与党での過半数も失ったことをどう受け止めるのか。
首相に
「ノー」
を突き付けた民意を無視して続投を決め込み、2024年10月28日の記者会見では次のように党の問題へと摩り替えた。
「自民党は反省が足りないとご叱責を賜った」
「党内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて抜本的な改革を行っていく」
「党内融和よりも国民のご理解ということの方を私は優先していかねばならないし、党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がったのではないかという反省を、私自身は思っているところだ」
せっかく党総裁選で政策論争に注目が集まっていたのに、衆院選では明確な基準も示さないまま党所属議員を非公認や重複立候補禁止処分とし、自ら政治とカネの問題を争点とした自分自身の戦略ミスや判断の誤りへの反省はない。
あくまで悪いのは他者であると強調し、党内融和には目を向けない。
こんな延々と魔女狩りや内ゲバを続けるような姿勢が、有権者の嫌悪感を誘うことには気づかないのだろう。
ろくに党内もまとめられずに、国民の願いや要望に応えることはできるのか。
■「一瞬は人を動かす」
安倍氏は首相時代の令和2年6月17日、自身の次の首相候補とされた岸田文雄前首相と石破首相とを比較して、筆者に語っていた。
「政治は人を動かすかなりの要素、情熱が大事だ」
「岸田さんは最後は人を動かす所を見せないといけない」
「石破さんは本物ではないけど、一瞬は人を騙して動かす能力がある」
「彼こそ本当の『言うだけ番長』なのだけど」
その言葉通り、総裁選で石破首相は一瞬、所属議員を動かし首相の座に就いた。
石破首相に1票を投じた議員らは、自民の転落をどうみているのか。
(論説委員兼政治部編集委員)

どうなる首相指名選挙 石破首相選出の流れも自民内造反の可能性に懸念
2024/10/30 21:03
https://www.sankei.com/article/20241030-EJ6PX23YLBNK7MYACULWRJYDPM/
来月2024年11月11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙は、キャスチングボートを握る国民民主党が立憲民主党の野田佳彦代表に投票しない方向となり、自民党総裁の石破茂首相が選出される流れが強まった。
衆院本会議での1回目の投票では、ほとんどの議員が所属政党の党首に投じるとみられ、誰も投票総数の過半数を獲得できない見通し。
石破首相と野田氏の2人による決選投票が行われる公算が大きい。
衆院の過半数は233議席。決選投票は自民、公明両党(計215議席)が支持する石破首相、共産党も投票を前向きに検討している立民の野田氏(立民と共産で計156議席)の2人が他党票の取り込みを狙う。
ただ、
「票田」と
なる日本維新の会(38議席)の馬場伸幸代表は2024年10月29日のBSフジ番組で
「どちらかに軍配を上げることはできない」
と語った。
国民民主(28議席)の玉木雄一郎代表も2024年10月30日の党会合で、決選投票でも玉木氏自身に投票する方針を説明した。
両党とも来年2025年夏に参院選を控える中、
「野合」
批判を避け、独自性をアピールする必要がある。
首相対野田氏の決選投票で投票用紙に
「馬場」
「玉木」
と書けば無効票となり、自公勢力が立共勢力を上回り、首相の勝利が有力だ。
ただ、馬場氏は2024年10月30日、記者団に、立民と政治改革に関する協議を行うと述べた上で、野田氏に投票する可能性について
「これからの協議の中身(次第)だ」
と完全に排除はしなかった。
また、自民内の一部には、衆院選で与党過半数割れとなった責任を首相が取って退陣すべきだとの声もある。
首相周辺は、首相指名選挙の投票を棄権する自民議員が出る事態を警戒している。
このため、現時点で可能性は低いものの、野党の大連合が成立したり、自民内の造反によって野田政権が誕生したりする可能性もゼロとは言えない。

石破首相「辞任必要ない」65・7% 内閣支持率は32・1%に急落 共同調査
世論調査
2024/10/29 18:30
https://www.sankei.com/article/20241029-A5DPYG3NWBMV3CYK7CDXWCWATE/
衆院選の結果を受けて共同通信社は2024年10月28、29の両日、全国緊急電話世論調査を実施した。
石破内閣の支持率は32・1%で、内閣発足に伴う2024年10月1、2両日調査の50・7%から18・6ポイント下落した。
不支持率は52・2%。
与党過半数割れとなった自民、公明両党の連立政権継続を望むとしたのは38・4%で、望まないが53・0%だった。
自民の派閥パーティー収入不記載事件に関与し、当選した議員を要職に起用することに79・2%が反対し、賛成は16・3%だった。
望ましい政権の枠組みは
「政界再編による新たな枠組み」
が31・5%と最多で、自公の少数与党政権は18・1%。
一方、石破茂首相が過半数割れの責任を取り辞任すべきだとの回答は28・6%にとどまり、辞任は必要ないが65・7%だった。
自民の議席減に不記載の影響があったと思うとの答えは91・4%。
選挙結果で
「政治とカネ」
問題が根絶に向かうとの見方は23・9%で、向かわないが72・5%を占めた。

少数与党希望は自民支持層の4割 今後の政権枠組み、無党派層は「政界再編」が最多
世論調査
2024/10/29 18:53
https://www.sankei.com/article/20241029-5BJVP5UYLZLVTLY4M4STSCXYYA/
衆院選の結果を受けて共同通信社が2024年10月28、29の両日に行った全国緊急電話世論調査で、今後の望ましい政権枠組みを政党支持層別に見ると、自民党支持層では
「自民、公明両党による少数与党政権」
が最多の39・8%だったものの過半数に届かなかった。
次いで多いのが
「自公に日本維新の会などを加えた政権」
の28・2%で、一部野党と連携してでも政権の安定化を望む意向がにじんだ。
公明支持層では、自公の少数与党政権が50・9%と過半数に上った。
立憲民主党支持層と共産党支持層は
「立民を中心とした多くの野党による政権」
が最も多く、それぞれ61・7%と59・1%。
維新支持層は
「自公と維新など」
が最多の40・5%だった。
「支持する政党はない」
とした無党派層は
「政界再編による新たな枠組みの政権」
が最多で42・4%。
国民民主党支持層の48・2%、れいわ新選組支持層の55・3%も政界再編を希望した。

自民内から「石破おろし」の声相次ぐ 首相、国民民主と連携に活路 立民も多数派工作
2024/10/28 21:20
https://www.sankei.com/article/20241028-FHBW6MW5XNNW7EZEDBSSZMWDAQ/?outputType=theme_election2024
自民、公明両党で過半数割れの大敗を喫した衆院選の翌2024年10月28日、自民内では石破茂首相(自民総裁)の責任論が相次いだ。
それでも続投を表明した首相は、躍進した国民民主党との連携強化で打開を図る。
だが、国民民主は連立入りを否定。
首相は同党の政策を取り入れて協力関係を築きたい考えだが、予算案や法案ごとに賛成を求めることになれば政権運営が不安定化するのは必至だ。
■目に見える変化が肝要
首相は2024年10月28日の記者会見で
「『自民党は目に見えて変わったね』と実感して頂くことが肝要だ」
と述べ、政策活動費の廃止などを表明した。
自身が辞任するのではなく、衆院選の敗因は自民の改革姿勢の甘さにあると定義し、踏み込んだ改革案を打ち出すことで敗北の責任を取る−という筋書きと言える。
ただ、そんな思惑とは裏腹に、党内では
「石破降ろし」
が始まった。
「自民党石破政権への信を問うてこの結果、ということを軽視しすぎではないのか」。
小野田紀美参院議員は2024年10月28日、自身のSNSで、小泉進次郎選対委員長の辞任だけでは不十分との認識を示した。
山田宏参院議員もSNSに
「選対委員長の辞任で済む話ではない」
と投稿した。
小林鷹之元経済安全保障担当相も党幹部の責任論に言及する。
3氏とも、党内の
「反石破」
勢力から旗頭として期待される高市早苗前経済安保担当相に近い。
■党内論理より国民理解を
党内の反発について、首相は
「等閑視するつもりは全くない」
と語る一方、
「党内融和よりも国民の理解を優先していかねばならない」
「党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がった」
と持論を述べた。
首相の念頭にあるのが、勢力を4倍に増やした国民民主との連携だ。
「議席を大きく伸ばした党がある」
「どのような主張に国民が共感、共鳴したのか」
「取り入れるべきは取り入れることに躊躇があってはならない」。
首相が記者会見でこう語ると、同席した森山裕幹事長は何度も頷いた。
森山氏は他党との交渉の中心的役割を担うだけに、政権継続のためには
「辞めさせられない」(別の党幹部)。
ただ、国民民主の玉木雄一郎代表は2024年10月28日、支援組織・連合の芳野友子会長に、自公連立政権に参画しない考えを伝えた。
国民民主は、自民に43議席差まで迫った立憲民主党からも触手を伸ばされている。
立民は同日2024年10月28日の執行役員会で、特別国会の首相指名選挙で、野田佳彦代表に投票するよう野党各党に協力を求める方針を確認した。
■政権への協力は十分ある
野田氏は記者団に、一部野党が石破政権に協力する可能性は
「十分ある」
と指摘。
「注意深く見ながら、こちら(野党側)のチームをどう作っていくかに心を砕きたい」
と述べ、過半数割れした自公による野党勢力の切り崩しを警戒した。
焦りの裏返しか、他党との交渉に関し
「誠意のある対話」
というフレーズを何度も口にした。
もっとも国民民主は、野田氏への投票要請も受け入れない考えだ。
首相指名選挙は1回目の投票で過半数を得た候補がいない場合、上位2人の決選投票を行う。
首相と野田氏の一騎打ちになる公算が大きいが、玉木氏は2024年10月28日の民放番組で
「無効となっても玉木と書く」
と述べた。
榛葉賀津也幹事長も同日、連合傘下の産業別労働組合(産別)に、こうした方針を伝えており、立民の多数派工作も最初から躓きそうだ。

政治空白、許されぬ…政治部長・小川聡
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20241028-OYT1T50036/
長期政権のぬるま湯に浸かり、有権者の意識とかけ離れた
「党の論理」
を捨て切れない自民党に、厳しい審判が下った。
これまでの自民党政治家と違う感覚で政権を運営するのではとの石破首相への期待は、瞬く間に失望に変わった。
予算委員会なしでの衆院解散や、政治資金問題に関わった前議員らの公認問題と2000万円の活動費支給を巡る対応などで、総裁選で掲げた
「国民の納得と共感」
よりも自民党の事情と都合を優先する姿勢が露呈し、国民の怒りの火に油を注いだ。
立憲民主党は、3年前2021年の衆院選を教訓に、自民党にお灸を据えようと考える中道保守層の投票の受け皿になった。
野田代表が、
「原発ゼロ」
をはじめとした非現実的な安全保障・エネルギー政策を封印し、共産党との連携に距離を置いたことが奏功したと言えよう。
立民は選挙戦で、
「政治とカネ」
問題への批判に注力し、景気対策や社会保障などの具体策を論じる機会は少なかった。
「敵失」
で議席を伸ばした面が大きく、自らの政策・主張が全面的に支持を集めたという過信は禁物だ。
日本を取り巻く環境は国内外で厳しさを増しており、一刻の猶予も許されない。
経済停滞や社会保障・財政の不安、自然災害への対応などを急がなくてはならない。
北朝鮮や中国による軍事的威圧や威嚇、一方的な現状変更や侵略の脅威に直面し、日本の主権や平和、繁栄を維持できるかどうかの岐路にある。
与党の過半数割れにより、当面、政権が弱体化することは避けられまい。
各党は、政局を優先して分断を加速させるのではなく、 真摯な議論を通じて現実的に答えを出していくことが不可欠だ。
内外の有事を前に、政治空白を作ってはならない。

衆院選、全議席が確定 自民191、立民148、維新38、国民28、公明24、れいわ9
2024/10/28 4:05
https://www.sankei.com/article/20241028-PRREEDNFJRJSFA344HTTAVVAPQ/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選は2024年10月28日未明、比例代表東北ブロックで立憲民主党が最終議席を確保し、全465議席が確定した。
各党の獲得議席は、自民191、立民148、維新38、公明24、共産8、国民28、れいわ9、社民1、参政3、政治団体の日本保守党3、無所属12で確定した。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/875.html#c94

[政治・選挙・NHK295] なし崩しで幕引きへ 自公国の政策協議は裏金からの目くらまし(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
29. 秘密のアッコちゃん[944] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 06:41:21 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[509]
<■1596行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
選択的夫婦別姓制度には断固反対だ。

立憲民主の野田代表「選択的夫婦別姓の実現が狙い」、衆院法務委員長ポスト確保
2024/11/8 23:26
https://www.sankei.com/article/20241108-4DYXZXLZN5KD7NKNCCJ4PQ5R7Q/
立憲民主党の野田佳彦代表は2024年11月8日、党のX(旧ツイッター)の動画で、衆院法務委員長のポストを確保したのは選択的夫婦別姓の実現が狙いだと明らかにした。
「野党は協力できると思うし、公明党も多分賛成だ」
「自民党を揺さぶるには非常に効果的な委員会だ」
と語った。
立民は、選択的夫婦別姓を審議する法務委員会の委員長ポストをどうしても獲得したかったため、常任委員長の割り当てを減らしたと説明。
「ぜひ採決まで持ち込みたい」
「楽しみにしてほしい」
と予告した。

衆院議長に自民額賀氏、副議長は立民玄葉氏 常任委員長ポストは与党10、野党7で確定
2024/11/8 13:46
https://www.sankei.com/article/20241108-MSJTCVDPVNL5RLCQDWU7S5ACE4/
衆院は2024年11月8日、各派協議会を国会内で開き、議長に再選となる自民党の額賀福志郎氏、副議長に立憲民主党の玄葉光一郎氏を推す方針を確認した。
特別国会召集日の2024年11月11日に本会議で選出される。
与野党は会期を2024年11月14日までの4日間とし、2024年11月11日に首相指名選挙を実施する日程でも合意した。
衆院選での与党過半数割れを受けて17ある常任委員長ポストの配分を見直し、与党10、野党7で確定した。
予算案を審議する予算委員会の委員長は立民に割り当て、本会議の日程や議事を決める議院運営委員長は自民が引き続き担う。
衆院選前は自民が13の委員長ポストを占めていた。
当初は与党9、野党8で調整していたが、立民が2つを手放す代わりに法務委員長ポストを得た。
選択的夫婦別姓の導入に関する議論を促進する狙いがある。
憲法審査会の会長ポストは野党に割り当てた。
立民が確保する。
自民などが目指す憲法改正に向けた議論に影響が出る可能性がある。

高橋洋一「日本の解き方」
衆院選「漁夫の利」で議席大幅増、野田立民への不安 政策は増税と引き締め路線、実行すれば失業者が多発する
2024.10/30 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241030-VOULLRI2FZLU3PKFXVAAN4MGSM/
立憲民主党が衆院選で議席を大幅に増やした。
今後、国内政策や外交、経済にどんな影響が出るだろうか。
衆院選では、
「人気が高い」
と思われていた石破茂首相が、発言のブレや解決済みの
「政治とカネ」
を蒸し返す戦術ミスなどで火だるまになった。
そこで漁夫の利を得たのが野党第一党の立憲民主党だった。
今回の選挙戦は、争点が
「政治とカネ」
の問題に終始し、経済政策や外交・安保に割く時間が少なかった。
そもそも首相就任から、衆院選までの期間も短かったので、政策論は生煮えだった。
相対的に浮上した立憲民主党だが、その政策は、とても褒められたものではない。
本コラムでも指摘したが、野田佳彦代表は、金融所得課税の強化や法人税の引き上げもあり得ると述べた。
金融政策についての見解もひどく、日銀の物価安定目標を
「2%」
から
「0%超」
に変更するとしている。
インフレ率が0〜2%なら、失業率が最低水準であるNAIRU(インフレを加速しない失業率)を示す2%台半ばをかなり上回ってしまう。
恐らく120万人くらいの職が失われるだろう。
また、低いインフレ率だと、名目賃金上昇率がインフレ率を下回ることもしばしばある。
このため実質賃金の上昇率がマイナスになりがちだ。
「最低賃金1500円以上」
も掲げているが、これが無理筋なのは本コラムで何度も書いている。
こうしてみると、立憲民主党の政策は、かなり石破政権と似ている。
率直に言えば、石破自民と野田立民の政策が接近している。
選択的夫婦別姓や原発に依存しない社会の実現、日米同盟が外交安保の基軸だとしつつ、安全保障関連法に関しては違憲部分の廃止を掲げ、外交や安全保障は、極端に180度すぐ変えることは出来ないとし、現状維持を滲ませている。
このように、左傾化している石破政権と、右傾化した野田立民は、政策が驚くほど似ている。
もし、石破政権が今後も続くのであれば、大連立もあり得るかもしれない。
そうであれば、野田立民の政策はかなり実現するだろう。
しかし、衆院選で石破政権が自滅したので、自民党内の政治力学からいって、石破政権がこのまま継続するというのはなかなか考えにくい。
政治は一寸先は闇なので、どのような政界再編が待っているのか予測するのは困難だ。
石破政権が生き残りのために、敢えて野田立民との大連立を仕掛けてくる可能性もゼロではない。
いずれにしても、野田立民の衆院選後の影響力は、政界再編の枠組みによって異なってくる。
石破政権が潰れれば大連立はないとみられるが、その場合でも与党の議席は少ないので衆議院選で一定の議席を得た立憲民主党の影響力は間違いなく増すだろう。
今回の衆院選は、左派の石破自民にお灸を据えるために、右傾化した野田立民に投票したという面があるのではないか。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

選択的夫婦別姓「国民の理解を」 三原じゅん子男女共同参画担当相
2024/11/1 16:40
https://www.sankei.com/article/20241101-S5WZR6GNFBNGPABRN2WABUZFB4/
三原じゅん子男女共同参画担当相は2024年11月1日の記者会見で、国連の女性差別撤廃委員会が導入を勧告した選択的夫婦別姓制度について
「今の制度を否定するものではなく、国民の理解が深まるよう情報提供を行いたい」
「引き続き議論を後押ししたい」
と述べた。
三原氏は、選択的夫婦別姓制度は
「夫婦が同一の氏を称することを望む場合には、現在と同様に、夫婦が同氏を称することを認める制度だ」
と改めて説明。
「(夫婦同姓の強制により)各方面から指摘されている不便さや不都合への対応などを検討する」
とも語った。

<主張>皇位継承への干渉 政府は国連の暴挙許すな
社説
2024/11/1 5:00
https://www.sankei.com/article/20241101-VOPXN7QVPNKBZFEQF3CGTN3BRU/
国連の女性差別撤廃委員会が、日本の皇位が男性皇族によって継承されているのは女性差別撤廃条約と相容れないとして、皇室典範改正を勧告した。
日本の女性政策に関する最終見解に盛り込んだ。
この勧告に法的拘束力はない。
主権国家における君主の位の継承は国の基本に関わる。
国外勢力が決して容喙(ようかい)してはならない事柄だ。
「女性差別」
と関連付けた勧告は誤りと悪意に満ちた内政干渉であるのに加え、日本国民が敬愛する天皇への誤解や偏見を内外に広める暴挙で断じて容認できない。
林芳正官房長官は会見で
「大変遺憾だ」
「委員会に強く抗議すると共に削除を申し入れた」
と語った。
林氏は、皇位継承の資格は基本的人権に含まれず、条約第1条の女子への差別に該当しないと政府が説明してきたにもかかわらず、委員会が勧告したことを明らかにした。
抗議と削除要請は当然だが、それだけでは不十分だ。
削除に至らなければ、国連への資金拠出の停止・凍結に踏み切ってもらいたい。
条約脱退も検討すべきである。
委員会は国連総会が採択した女性差別撤廃条約により設けられ、弁護士や学者、女性団体代表ら23人の委員が締約国の女性政策への勧告を行っている。
ローマ教皇には男性が就くが、バチカン市国は締約国でないため勧告対象から外れている。
委員会が日本の皇室を理解していないのは明らかだ。
男系男子による継承は皇位の正統性に直結している。
この継承原則が非皇族による皇位簒奪(さんだつ)を妨げてきた意義は大きい。
また、一般男性は皇族になれないが、一般女性は婚姻により皇族になれる点からも、女性差別との決めつけが如何に不当か分かるはずだ。
歴史や伝統が異なる他国と比べるのも論外である。
委員会は2016年にも皇室典範改正を最終見解に盛り込もうとしたが、日本政府の強い抗議で削除した。
今回そう出来なかった点を政府は猛省し、対策を講じてもらいたい。
最終見解では、夫婦同姓を定めた日本の民法も
「差別的な規定」
とし、選択的夫婦別姓の導入を勧告した。
これも日本の文化や慣習に無理解かつ傲慢な内政干渉という他なく、女性差別という誤った文脈で語られるのは許されざることだ。

家族観揺るがす「選択的」夫婦別姓 ファミリーネームを守ろう
風を読む 論説副委員長・川瀬弘至
2024/10/26 10:00
https://www.sankei.com/article/20241026-2UX5TUHXUFNMRL43R474FGD3TM/
国連の女性差別撤廃委員会が2024年10月中旬、日本の女性政策に関する会合を開き、選択的夫婦別姓などについて審査した。
近く最終見解をまとめ、日本に法改正などを勧告する可能性が高いという。
内政干渉であり、余計なお世話だと言いたいところだが、今回の衆院選でも選択的夫婦別姓の導入を訴える候補者は多い。
選挙後の国会で焦点となるのは必至だろう。
だが、
「選択的」
という言葉に誤魔化されてはならない。
導入派は夫婦同姓の現行制度を、女性差別だと主張しているからだ。
現行でも夫か妻の姓を
「選択」
できる。
にもかかわらず女性差別になるなら、同姓を
「選択」
しても女性差別と言われかねない。
もしも選択的夫婦別姓が導入されればどうなるか。
別姓を
「選択」
せよと、社会的圧力が確実に増す。
ファミリーネームが喪失し、子供の姓もバラバラになる。
家族の一体性という、日本人の倫理観の根底にあるものが崩れてしまうのだ。
政府は、現行制度のまま旧姓の
「通称使用」
拡大を進め、住民票や運転免許証、パスポートなどに旧姓を併記できるようにしてきたが、抜本的な解決策ではないと批判する別姓論者の鼻息は荒い。
この問題に詳しい弁護士の高池勝彦氏によれば、現行制度を合憲としてきた最高裁の判断が覆り、通称拡大でも違憲となる恐れがあるという。
そうなれば万事休すだ。
選択的夫婦別姓を回避し、家族の一体性を守る策はないか。
「1つある」
と、高池氏は言う。
「婚前氏(こんぜんし)続称制度」
を新設するのである。
結婚する際に旧姓(婚前氏)の使用継続を届け出れば、戸籍にその旨を記し、公的にも使用できるようにする案だ。
ただし戸籍上の
「氏」
は夫婦同じで、別姓ではない。
子供の学校行事などはファミリーネームで、仕事は旧姓でと、使い分けることができるように民法を改正するのである。
婚前氏続称制度の新設は、数年前から稲田朋美元防衛相が提唱している。
稲田氏はLGBT法推進などで保守派の反感を買い、この案も保守派には余り浸透していないようだが、検討する価値はあるだろう。
このままではファミリーネームを守れないと、保守派は肝に銘じたい。

自民党総裁選の失敗…なぜ「夫婦別姓」だったのか 阿比留瑠比
正論10月号 「政界なんだかなあ」
2024/10/2 7:00
https://www.sankei.com/article/20241002-UZSDGX2IWZFGXM6JFOTIFZEOHU/?outputType=theme_monthly-seiron
今回の自民党総裁選で、1つの争点として再浮上した問題が、選択的夫婦別姓を認めるか否かだった。
私は元々こうした家族や性の在り方といった心に関する問題に、政治が介入するのは極めて慎重であるべきだと考えるが、次期衆院選が近い現在、わざわざこの問題を持ち出すのは政治的にも下手なやり方だと感じた。
私は本誌の令和5年4月号で、安倍晋三元首相がこの問題と政治家の
「大局観」
について、次のように話したエピソードを紹介したのでその部分を再掲する。
《建前とはいえ保守政党を名乗る自民党が、時代の流れだからとばかりに安易にリベラル派に同調することは、政治的にも愚策ではないか。
安倍氏は嘆いていた。
「LGBT問題や夫婦別姓に関しては、野党側ははなから一枚岩なんだから、自民党が揉めている姿を晒しても野党を利するだけではないか」
「そういう大局を見渡せる政治家が今は少ない」
活動家たちは、自民党議員が自分たちの意見を取り入れたら拍手喝采はするだろうが、決して自民党には投票しない。
「多様性を巡る象徴的なテーマである選択的夫婦別姓を認める決断をすれば自民党は道が開けるのではないか」
小泉進次郎元環境相は神奈川新聞のインタビューでこう述べていたが、これこそ典型的な勘違いだと言える。
左にウイングを延ばしてもそこに票田はない。
選択的夫婦別姓もまた、別姓を選んだ夫婦と同姓を選んだ夫婦との間で心理的な断絶を生みかねない。
安倍氏は岸田文雄首相について、こう語っていた。
「岸田さんはそうリベラルではないんだ」
「以前、夫婦別姓の議論が高まった時に『(片方の親とは別姓になる)子供の視点が全然ない』と話していた」》
それから僅か1年半後、小泉氏は選択的夫婦別姓を主要政策の1つに掲げて総裁選に出馬した。
恐れていた通りに事態が進展したのである。
リベラル政策を推進する一部自民党議員の頑迷さには、ほとほと手を焼く。
自民党がLGBT法や選択的夫婦別姓問題で立憲民主党など野党と同じか近いスタンスを取るならば、自民党の存在意義自体が問われることになるのが、どうして分からないのか。
■基本的な事実誤認
小泉氏は9月6日の出馬表明記者会見で、
「多様な人生」
「多様な選択肢」
を掲げて明言した。
「経済界も早急な対応を求めている」
「最近の世論調査を見れば、選択制であれば別姓という選択肢を認めてよいのではないかという意見が増えている」
「1人1人の願いを聞かず議論を続けて30年」
「もう議論ではなく決着をつける時ではないだろうか」
「私が首相になったら選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的な議論を進める」
「(1年以内に)30年以上議論を続けてきたこの問題に決着をつけ、1人1人の人生の選択肢を広げる」
「党議拘束をかけずに、この法案の採決に挑む」
「旧姓使用で対応可能なのではないかという声は、私も承知している」
「ただ、多くの金融機関では旧姓で銀行口座やクレジットカードを作ることはできない」
「そして、不動産登記ができない」
「契約書のサインも認められない場合がある」
「研究者については、論文や特許の取得時に戸籍上の氏名を用いる必要があって、旧姓は利用できないということだ」
この小泉氏の言葉に対しては、やはり総裁選に出馬していた高市早苗経済安全保障担当相がこう事実誤認を指摘し、話題となった。
「選択的夫婦別氏制度を実現するという候補予定者に『(旧姓では)不動産登記ができない』と答えた人がいたが、4月から不動産登記は旧姓でできる」
更に、高市氏の指摘に関して自民の長尾たかし前衆院議員がX(旧ツイッター)で、こんな補足をしていた。
「小泉氏は法改正されていることを知らなかった」
「因みに銀行口座も金融庁からの通知で順次作れるように移行されているのに作れないと説明していました」
「間違って作られた経団連の資料をそのまま説明したからです」
そこで、経団連が6月に公表した選択的夫婦別姓の実現を求める提言
「選択肢のある社会の実現を目指して」
を見ると、
「ビジネスの現場における通称利用の弊害が生じる場面(例)」
として、確かに
「口座やクレジットカードの作成時」
「不動産登記を行う時」
「研究者は、論文や特許取得時に戸籍上の氏名が必須」
などと書かれていた。
小泉氏は選択的夫婦別姓の推進理由について
「経済界も早急な対応を求めている」
と話しており、やはり経団連の提言を見たのであろう。
9月10日に行われた立憲民主党の4人の立候補者と党所属女性議員との討論会でも、4人全員が選択的夫婦別姓に賛意を示した他、そのうちの1人である野田佳彦元首相がこう述べていた。
「経団連も早期実現を主張するようになった」
「チャンスを逃してはいけない」
更に、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(7月14日号)も1面トップ記事で
「経団連本部訪ねて聞いてみた 選択的夫婦別姓」
と大きく取り上げている。
間違いを流布した経団連の罪は重く、結果的に小泉氏に恥をかかせたことになる。
実際には、高市氏らが指摘したように事実関係は以下の通りである。
一、今年4月から「旧姓併記」での不動産登記が可能。
一、令和3年10から「旧姓併記」での特許申請が可能。
一、全国の6割の銀行や信用金庫で旧姓名義の口座開設が可能。
一、世界で1000万人が利用するORCID(オーキッド)システムへの登録により、「旧姓」や「別名」でも論文発表が可能。
つまり、経団連や小泉氏がいう旧姓(通称)使用による不便さの多くは既に解消されているか、徐々に解消へ向かうかしているというわけである。
■子供への配慮がない
また、小泉氏は
「議論を続けて30年」
になるから決着を着けると言うが、30年も決着が着かなかったのにはそれだけの理由があるからだろう。
人の心や家族の問題を、何でも簡単にぶった切ればいいというものではない。
この点について今回の総裁選で注目すべき論点を挙げたのが上川陽子外相だった。
上川氏は9月14日の日本記者クラブ主催の討論会で、選択的夫婦別姓には
「個人的には賛成」
だとしつつ、次のように慎重論を説いていた。
「社会が分断をしてしまう」
「深い分断に陥る危険性、リスクについては、しっかりと納得をしていくプロセス、これを更に深めていく必要があるのではないか」
「こういった1つの事柄で社会全体が分断をしてしまうような案件を賛成反対、更には分断をしてしまうのではないかという状態を残したまま、決定してしまうということは、日本の国の力を削ぐことにも繋がりかねない」
これは冒頭に紹介した安倍氏の言葉にも通じる所があり、的を射ている。
実際、選択的夫婦別姓問題が浮上する度に自民党は分断を繰り返してきた。
それが法案を提出して採決となれば、日本社会全体に対立の構図を新たに作ることになってしまう。
もしこれが成立し、施行されれば夫婦同姓を選ぶか、別姓を選ぶかという対立軸も生まれる。
別姓を選んだら民主的・進歩的で、同姓派は守旧派呼ばわりされる場面も出てきそうである。
家同士、親族同士の対立も容易に想定できる。
夫婦別姓となれば、必然的に片方の親とは別姓になる他、制度の組み立て方によっては兄弟で別姓ということもあり得るが、それを子供がどう受け止めるという問題も重要である。
また、安倍氏が岸田氏の言葉として紹介した
「子供の視点が全然ない」
のが、これまでの夫婦別姓論議だったが、今回の総裁選でそこを小林鷹之元経済安保担当相が指摘したのも良かった。
9月15日の討論会ではこう語った。
「令和3年に内閣府がやったアンケートに、調査によってもその同姓を維持すべき方と、同姓を維持しつつ旧姓の通称使用を法制化するという方、これが4割ぐらいいる」
「そこを合わせると7割いる」
「そういうまだコンセンサスが形成されてない中で、早急にばんと決断するということは、政治の在り方として適切ではない」
「重要なのは大人の選択の権利を認めるにしても、生まれてくる子供たちの視点を、私たち政治家は無視してはいけない」
「家族、兄弟姉妹の中で姓が異なる家庭が出てくる可能性がある以上、そうした子供たちの視点にも立って慎重にコンセンサスを丁寧に粘り強く作っていくのが政治の本質だ」
この当事者である子供の視点に関する議論が、これまで政治家の公の場での議論やマスコミで取り上げられることはほとんどなかった。
経団連のような経済合理性だけで割り切れる話ではそもそもないのである。
■思考の深さが見える
ちなみに小林氏が挙げた内閣府の調査
「家族の法制に関する世論調査」
では、選択的夫婦別姓制度導入を求める回答は28.9%にとどまっている。
一方、
「夫婦同姓制度を維持した方がよい」(27.0%)

「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」(42.2%)
で、夫婦同姓制度の維持派が7割近くに達する。
夫婦の姓が異なることでの子供への影響に関しては、
「好ましくない影響があると思う」が69.0%で、
「影響はないと思う」は30.3%にとどまる。
今回の総裁選に当たり、読売新聞が9月13日から15日まで実施した世論調査でも、夫婦の名字に関し同様の傾向が表れている。
それによると、
「夫婦は同じ名字とする制度を維持しつつ、通称として結婚前の名字を使える機会を拡大する」(47%)

「夫婦は同じ名字とする今の制度を維持する」(20%)
を合計すると67%で7割近くとなる。
「法律を改正して、選択的夫婦別姓制度を導入する」は28%
と、内閣府の調査と符合する。
小泉氏が出馬表明記者会見で述べた
「最近の世論調査」
とは何を指すのだろうか。
しかも子供に対して直接意見を聴いた世論調査は寡聞にしてほとんど知らないし、見当たらない。
このこと自体が、これまでの選択的夫婦別姓論議の根本的な偏りを示しているといえよう。
ただ、NHK放送文化研究所が令和4年に実施した調査(1183人回答)の
「中学生・高校生の生活と意識調査」
を見ると、別姓に関する設問が一問だけあり、こんな問いがあった。
「結婚後、名字をどのようにしたいか」
これに対する回答で一番多かったのは
「自分の名字でも、相手の名字でも、どちらでも構わない」
で58.7%に上り、姓への拘りの薄さを示している。
「自分の名字を、相手の名字に変えたい」
という積極的な改姓派も14.8%いた。
その一方で、夫婦別姓を求める
「自分も相手も、名字を変えずにそのままでいたい」
は僅か7.0%にとどまっていたのである。
そんな子供らが、果たして
「片親別姓」

「兄弟別姓」
を望むだろうか。
わざわざ日本からファミリーネームを消し去ることに何の意味があるのだろうか。
高市氏は既に平成14年と令和2年の2度に渡り、党法務部会に
「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」
を提出している。
これを成立させれば、国、地方公共団体、事業者などに通称使用のための
「必要な措置」
を講ずる責務があるとの法的根拠が生まれる。
また、総裁選立候補者の加藤勝信元官房長官も産経新聞のインタビューにこう答えている。
「『旧姓続称制度』を提案した」
「法律に旧姓使用を書き込むことで政府の様々な手続きで『旧姓でよい』という形にする」
「家族制度の基本はしっかり守り、今ある不都合を解消していく」
旗色が悪くなったと感じたのか、小泉氏は9月15日には産経新聞のインタビューで、高市氏が求める旧姓の通称使用法案も同時に国会で採決する可能性も排除しない考えを示した。
このままでは自民党議員、党員の中に少なくない選択的夫婦別姓反対・慎重派の票が逃げるとみたのだろうが場当たり的である。
それぞれの候補が、物事をどれくらい考えているかが分かる総裁選でもあった。
(月刊「正論」11月号から)
あびる・るい

<正論>自由主義からの「夫婦別姓」反対 
青山学院大学教授・福井義高
2024/9/20 8:00
https://www.sankei.com/article/20240920-VE7CYZ4YORI6LLBAB6DFBHQXSM/
■本来のリベラルの立場から
自民党総裁選でにわかに争点化された選択的夫婦別姓を巡っては、導入賛成のリベラルと同姓維持を求める保守の対立という構図で語られるのが通例である。
しかし、ここでは、夫婦同姓は日本国憲法の思想的基盤でもある古典的自由主義即ち本来のリベラルの立場からも支持できるものであることを示す。
何かと国家(ステート)を利用して自らの主張を実現しようとする今日、リベラルと呼ばれる人たちと異なり、本来のリベラルは国家に懐疑的であり、特定の設計図に基づいて社会を改造しようとすることは、人知を超えた傲慢とみなす。
我々の予測能力は極めて限定的であり、新たな制度を導入した場合、意図しない結果が生じることがむしろ常なのである。
現行制度は何かと欠点が目立つ一方、新しい制度はメリットばかりが強調される。
しかし、郵政民営化などと違い、家族に関する制度の変更は、事前には想定できなかった大きなデメリットが明らかになっても後戻りできない。
従って、その変更にはより慎重であるべきで、旧姓の広範な使用など、夫婦同姓を維持したまま柔軟に対応することこそ、本来のリベラルが取るべき道であろう。
異性間であれ同性間であれ、個人の感情の問題に国家が関与すべきではない。
法制度としての結婚は、個人間の愛情を国家が承認するためのものではなく、家族という社会の基本単位を法的に保護し、子供の健全な発達を支えるためのものである。
本来のリベラルは、共同体を維持発展させるための道具に過ぎない国家を相対化し、その暴走を防ぐためにも、個人と国家の間に様々な中間団体が並立することが不可欠と考える。
その中で最重要な存在が核家族なのだ。
尚、家族の在り方が多様化した米国でも、事実婚ではなく正式に結婚した実の両親と一緒に暮らすことが子供の発達に最善というのは、実証研究のコンセンサスとなっている。
■別姓下の究極の女性差別
基本単位を家族ではなく核家族としたのは、あくまで夫婦(両親)と子供で1つの単位であり、祖父母など親類はその外側に位置する2次的な存在だからである。
夫婦別姓の導入は、家制度的発想に基づき、子供の姓を巡って、こうした外側からの介入を促すことになろう。
同じ儒教圏として日中韓台を文化的に同一視する見方があるけれど、夫婦同姓の日本には、日本より遥かに家系を重視する別姓の中韓台で深刻な問題となった究極の女性差別も存在しない。
医療技術の進歩で出生前に性別が分かるようになったため、中韓台では女児に限り中絶することが男女比を大きく歪める(男児過多・女児過少)ほどの規模で行われるようになったのである。
儒教的家族観が一定の影響を持つ日本では、夫婦同姓はむしろ女性の立場を守るとも言える。
進化心理学、行動遺伝学の観点からも、女性を守る家族制度という点が重要である。
とはいえ自らの主張を絶対視しないのが、本来のリベラルの立場である。
夫婦別姓の是非を巡っても同様で、最後は民意に基づき決めるのがあるべき姿であろう。
■エリートの家族観との乖離
議会制民主制においては、直接投票で選ばれる議会を通じた間接的政治決定が原則である。
しかしメディアのみならず、行政や司法を通じたエリートによる価値観の押し付けが顕著な今日、これまでデモクラシーにおける懸念事項とされてきた大衆の暴走ではなく、民意と乖離したエリートの暴走の抑止が重要となってきている。
従って、財政や国防などと違い、イエスかノーかで答えることができる価値観に関わる問題については、国民に直接問うことが望ましい。
今日のエリートと一般国民の価値観の乖離の大きさを示す実例が、2024年3月にEU加盟国であるアイルランドで行われた、家族・子育てに関する条項の憲法改正に伴う国民投票の顚末である。
議会を通過した改正案は大きく3つからなる。
まず結婚に基づく家族を国家の保護対象とするという条項に、結婚に限定せず別の家族の在り方も含める。
また家庭(ホーム)における女性の貢献が不可欠という条項から、女性と家庭という言葉を削除し、家族のメンバーによるケアと書き換える。
そして母親が経済的必要性から家庭での務めを犠牲にすることがないよう国家が配慮するという条項を削除するというものである。
要するに日本とも共通するエリートのコンセンサスである「新しい」家族観の明文化である。
ところが、投票結果は反対が賛成の倍以上となり、民意によって憲法改正は退けられたのだ。
選択的夫婦別姓に限らず、価値観に関わる問題については、賛成反対どちらの立場であっても、国民投票で決めるのであれば、しこりを残すことなく、ほとんどの国民は、その結果に納得するのではなかろうか。

自民総裁選「選択的夫婦別姓より、話すべきことあるはず」 仏紙東京特派員アルノー氏
2024/9/18 11:04
https://www.sankei.com/article/20240918-EOERMIHNK5CJDICIHRLTD4UJGA/
自民党総裁選を知日派の外国人はどう見ているのかー。
フランスの主要紙フィガロの東京特派員、レギス・アルノー氏が産経新聞のインタビューに応じ、
「日本にとって真に重要な問題が議論されていないことに驚く」
と候補者討論に疑問を呈した。
ーー総裁選をどうみる
今の日本が直面する重要問題が全く討議されていないと感じる。
人口減少に伴い、移民受け入れはどうするのか。
秋になっても連日、気温が30度を超える異常気象が続き、エネルギー計画も喫緊の課題となっている。
国民はスーパーで主食のコメが買えずにいるというのに、どうしたことか。
候補者討論では『選択的夫婦別姓』が議題になった。
しかし、誰も戸籍制度をなくすとは言わない。
小手先の改革なら、他に話すことがあるだろう。
衣料品店『ユニクロ』を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が『このままでは日本人は滅びる』というほど、国を取り巻く環境は深刻だ。
■変わり映えしない政治…「以前は違った」
ーー自民党政治については
総裁選は『次の首相』を選ぶ重要な選挙だが、国民は投票できず、まるで水族館の水槽を眺めているように見える。
パリの編集部に記事を売り込んだら、『結果を書けばよい』と言われた。
変わり映えのしない自民党政治に対し、フランスで関心は極めて薄い。
自民党も以前は違った。
2000年代、小泉純一郎首相(当時)は『自民党をぶっ壊す』と言い、公約の郵政改革を進めて国民の支持を集めた。
皇室改革論議も始まり、二階俊博幹事長(同)は女性天皇の容認に踏み込んだ。
現在、小泉進次郎元環境相は党内リベラル派と言われるが、皇位継承の在り方を巡って明確な発言を避ける。
他の候補も同じだ。
批判されるのが怖いのだろうか。
野党は政権奪回の兆しすら見えず、現状ではNGO(非政府組織)と変わらない。
ーー日本の現状をどうみる
新型コロナウイルス流行後、非常に保守的になったと感じる。
内向きになったということだ。
コロナ対策で日本は欧州のように都市封鎖をせず、皆が行動を自制することで乗り切った。
結束の強さは安全な社会を作る一方、異論を嫌う性格を強めた。
民主主義国家なのに、環境保護や女性の権利を声高に訴えると、社会で孤立を強いられる。
移民については門戸を閉ざしたままで、姿勢はフランスの極右に近い。
レギス・アルノー氏
仏紙フィガロ東京特派員。
日仏2カ国語ビジネス誌「フランス・ジャポン・エコー」編集長。
著作は「誰も知らないカルロス・ゴーンの真実」(2020年、共著)など。

選択的夫婦別姓は争点か 銀行、国家資格、パスポート…「不都合な状態」ほぼ解決済み
2024/9/17 14:26
https://www.sankei.com/article/20240917-FMNXIISCNJA3DAR4V52ZK4FYHM/
自民党総裁選に立候補した小泉進次郎元環境相が表明したことによって、一大争点のようにメディアで取り扱われ始めた選択的夫婦別姓制度導入。
小泉氏は
「長年議論して決着がついていない」
と言うが、自民党は過去の国政選挙の公約などでは結婚前の旧姓(戸籍名)使用の幅広い導入を掲げ、実現してきた。
そもそも争点化されるべきテーマなのか。
夫婦別姓をめぐる議論は、働く女性が増えたことで、婚姻後の職場での旧姓呼称や国家資格、免許証などの旧姓使用を認めるべきという考え方からスタートした。
内閣府男女共同参画局が令和6年6月27日付で出した
「各種国家資格、免許等における旧姓使用の現状等について」
によると、2024年5月31日現在、320の国家資格、免許などのうち317で資格取得時から旧姓使用ができる。
残る3資格は
「資格取得後に改姓した場合は旧姓使用ができる」
となっており、旧姓使用ができないものはゼロだ。
マイナンバーカード、運転免許証、パスポートも既に旧姓併記ができるようになっている。
パスポートは
「旧姓/Former surname」
の説明が付記される。
一方、夫婦別姓の導入を呼びかけている経団連が2024年6月に出した資料には
「ビジネスの現場における通称利用の弊害例」
がある。
一部の弊害例に対する現状は次のとおりだ。
【例:多くの金融機関では、ビジネスネームで口座をつくることや、クレジットカードを作ることができない】
多くの金融機関ではできる。
令和4年3月に内閣府と金融庁が金融機関に行った
「旧姓による預金口座開設等に係るアンケート」
によると、銀行の約7割、信用金庫の約6割が、旧姓名義による口座開設と、婚姻などで改姓した場合、既存口座の旧姓名義による取引を認めていると回答した。
信用組合は1割超にとどまっているが、これは
「共同センターのシステムが未対応となっていることなどから」
という。
【例:通称では不動産登記ができない】
2023年の法務省令改正により、旧姓併記でできるようになった。
【例:研究者は論文や特許取得時に戸籍上の氏名が必須であり、キャリアの分断や不利益が生じる】
旧姓での論文執筆はほとんどの研究機関で認められている。
特許出願については旧姓併記が可能になったが、旧姓のみでの出願はできない。
■まずは周知徹底を
一方、2024年8月24日配信の共同通信によると、主要企業111社に実施したアンケートで、選択的夫婦別姓を
「早期に実現すべきだ」との回答は17%、
「将来的には実現するべきだ」は4%
で計21%にとどまった。
「結論を急がず慎重に議論を進めるべきだ」(9%)、
「夫婦同姓を維持した上、通称使用の法制度を設けるべきだ」(3%)
といった回答は計12%で、
67%は「その他・無回答」だった。
経団連が制度導入に前向きであるにもかかわらず、アンケートは傾向が違った。
共同通信も
「個別企業では慎重な姿勢が根強く、無回答も目立つ」
と伝えている。
もっとも、こうした旧姓使用や旧姓併記が完全に周知されているとは言えない。
政府は引き続き周知を行う必要がある。
また、経団連は金融機関をはじめとする会員企業にまずは旧姓併記の対応を促すべきではないのか。
親子間で姓が異なってしまうことも、更に議論が必要だ。
「選択的」
とは、あくまで夫婦の選択であり、生まれてくる子供に選択の余地はないまま
「親子別姓」
「家族別姓」
となる。
婚姻は
「両性の合意に基づく」
と憲法に書かれているとはいえ、別姓をめぐって双方の両親などを巻き込むトラブルに発展するケースもないとは言えないだろう。

<主張>自民総裁選告示 日本を守る政策競い合え 「夫婦別姓」には賛成できない
社説
2024/9/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20240913-3EWZIUNIWVKNJGCH5AYNPRJ2LM/
自民党総裁選が告示され、過去最多の9人が立候補した。
多くの派閥が解散を決め、名乗りを上げやすい環境になったことなどが背景にある。
投開票は27日で、岸田文雄首相の後継選びだ。
有権者である自民党の国会議員と党員・党友には、1億2千万人が暮らす日本の舵取り役には誰が最も相応しいかを考え、投票してもらいたい。
目先の人気投票は禁物である。
世界は激動の時代を迎えている。
日本は、反日的で核武装している専制国家の中国とロシア、北朝鮮に囲まれている。
■転換期を担う自覚持て
ロシアが侵略するウクライナ、紛争の絶えない中東を除き日本は世界で最も厳しい安全保障環境にある。
冷戦期の東西対立の最前線は欧州だったが、現代のそれは日本を含む北東アジアである。
先進7カ国(G7)の一員である日本には、自国の防衛に加えて、地域と世界の平和と秩序を守る責務がある。
経済では、成長力強化が急務だ。
「失われた30年」
とされる長期停滞から真に脱却できるかが問われている。
人口減少への対応や持続可能な社会保障制度の改革も待ったなしだ。
候補者は重大な転換期に政権を担う自覚を持ち、志と具体的な政策を語らねばならない。
早期の衆院解散・総選挙が想定されるが、聞こえのよい政策を羅列するだけでは無責任の誹りを免れない。
選挙後の政権運営の構想と実行力こそが重要だ。
今や、誰が首相になっても同じという時代ではない。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を世界に提示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
彼らの決断と行動がなければ日本は中国や北朝鮮の脅威、ロシアのウクライナ侵略を前に立ち往生していただろう。
候補者は岸田氏が語った
「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」
という危機感を共有し、安倍氏以来の外交安保政策の確実な継承と発展を約束すべきである。
高市早苗経済安全保障担当相が提案した内閣情報局、内閣情報会議創設は日本と国民の安全を高めるだろう。
台湾有事は令和9(2027)年までにあるかもしれないと懸念されている。
抑止力と対処力向上へ残された時間は短く、理念的な法改正に走っている余裕はない。
米国との同盟や有志国との協力を強めつつ、地に足の着いた防衛、国民保護策を推進すべきである。
一方で、千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位の継承策を整えたい。
岸田内閣は、男系男子による継承を堅持する内容の報告書を国会へ提示した。
自民は報告書に賛同している。
男系(父系)継承を一度の例外もなく貫いてきた皇統を守らねばならない。
■男系継承の皇統を守れ
憲法改正は自民の党是だ。
自衛隊明記や緊急事態条項創設などをいつまでに実現したいかを語ってほしい。
首相になっても憲法改正を論ずるのは何の問題もない。
公明など他党を説得していく決意も披露すべきだ。
北朝鮮による拉致被害者全員救出の強い決意を示すことが求められよう。
争点の1つに選択的夫婦別姓導入の是非がある。
家族や社会の有り様に関わる問題だ。
国民的合意を欠いたまま結論を急げば、社会に分断を招く。
選択的夫婦別姓が導入されれば、姓は砂粒のような個人の呼称へと変貌しかねない。
世代を重ねていく家族の呼称としての姓でなければ、姓を名乗る必要があるのだろうか。
夫婦別姓は片方の親と子の別姓でもある。
祖父母らも絡み、家族の歴史や絆が断ち切られ、戸籍制度も揺らぐ。
「選択的」
と言っても個人の自由の問題ではない。
小泉進次郎元環境相は1年以内に実現したいと語ったが、賛成できない。
旧姓使用の充実で対応できる話だ。
「政治とカネ」
を巡る問題は重要だ。
信頼を回復しなければ自民は強い政策推進力を保てまい。
再発防止や政治資金の透明性確保はもちろん、派閥解散に伴う党内統治の在り方も含め政治改革論議を深めてほしい。
国内外で政治家を狙うテロが相次いでいる。
遊説警備に万全を尽くしてもらいたい。

自民党総裁選で急浮上の夫婦別姓、経団連の間違い
阿比留瑠比の極言御免
2024/9/12 1:00
https://www.sankei.com/article/20240912-6AWPKWND65P33HQYWVB3XSBWSI/
国会議員と一般国民との意識の乖離を感じることは少なくない。
2023年のLGBT理解増進法騒動の時もそうだったが、議員たちは時に、国民の関心がさほど高くもない問題について、まるで最優先課題であるかのように熱心になる。
今回の自民党総裁選での選択的夫婦別姓問題の急浮上も、その1つだろう。
「旧姓使用のままだと、多くの金融機関では銀行口座やクレジットカードを作ることはできない」
「そして、旧姓では不動産登記ができない」
小泉進次郎元環境相は2024年9月6日の出馬表明記者会見でこう述べ、首相に就いたら夫婦別姓を認める法案を国会に提出すると明言した。
そしてこの小泉氏の意気込みに押され、選択的夫婦別姓問題が総裁選の大きなテーマになった感があるが、国民の関心はどうか。
NHKが2024年9月9日に発表した世論調査で、自民党総裁選で最も深めてほしい政治課題として6つの選択肢を挙げた結果が興味深い。
それによると
「年金など社会保障制度」が35%
でトップで
「経済・財政政策」(26%)
が続き、
「選択的夫婦別姓」は僅か1%
で最下位だった。
1%だから無視していいというわけではないが、優先的に取り組むべき喫緊の課題だとは言えない。
また、小泉氏の言葉に対しては高市早苗経済安全保障担当相がこう事実誤認を指摘し、話題となった。
「選択的夫婦別氏制度を実現するという候補予定者に『(旧姓では)不動産登記ができない』と答えた人がいたが、2024年4月から不動産登記は旧姓でできる」
更に、高市氏の指摘に関して自民の長尾敬前衆院議員がX(旧ツイッター)で、こんな補足をしていた。
「小泉氏は法改正されていることを知らなかった」
「因みに銀行口座も金融庁からの通知で順次作れるように移行されているのに作れないと説明していました」
「間違って作られた経団連の資料をそのまま説明したからです」
そこで、経団連が2024年6月に公表した選択的夫婦別姓の実現を求める提言
「選択肢のある社会の実現を目指して」
を見ると、
「ビジネスの現場における通称利用の弊害が生じる場面(例)」
という図表に、確かに
「口座やクレジットカードの作成時」
「不動産登記を行う時」
と書かれていた。
小泉氏が本当に経団連の資料を基に発言したかどうかは分からない。
ただいずれにしろ、経団連の提言自体が誤った認識に基づいていたことになる。
この2024年9月10日には、立憲民主党の4人の代表選候補者と党所属女性議員との討論会が開かれた。
4人全員が選択的夫婦別姓に賛成している点が立民らしいが、その中で野田佳彦元首相がこう述べているのが気になった。
「経団連も早期実現を主張するようになった」
「チャンスを逃してはいけない」
この経団連の提言に関しては、2024年7月14日の共産党の機関紙『しんぶん赤旗』も1面トップで
「経団連本部訪ねて聞いてみた 選択的夫婦別姓」
と大きく取り上げていた。
国会は、与野党共に経団連の事実誤認が含まれた提言に影響されているように見える。
このまま国民の42・2%(令和3年の内閣府調査)が求める
「旧姓の通称使用についての法制度」
を無視した形で、
「選択的夫婦別姓」
実現へと突き進むのであれば、国民との意識のズレはさらに増すばかりだろう。

岸田内閣 支持は20%で発足後最低 不支持は60% 政党支持率は
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240909/k10014577111000.html#:~:text=

選択肢のある社会の実現を目指して
〜女性活躍に対する制度の壁を乗り越える〜
2024年6月18日
一般社団法人 日本経済団体連合会
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/044_honbun.html

高市早苗氏、通称使用に根拠与える法案を 「選択的夫婦別姓賛成の人は議員立法なかった」
2024/9/10 12:15
https://www.sankei.com/article/20240910-JZ4633HTQJD2FAIGT4GLEI5Y5I/
自民党総裁選(12日告示、27日投開票)に出馬する高市早苗経済安全保障担当相(63)は9日夜、BSフジ番組で、首相就任時に旧姓を通称使用できる措置を国や地方公共団体、公私の団体、事業者に義務付ける
「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」
を政府提出法案として国会に提出する考えを示した。
「この法案が通れば、ほぼほぼ結婚で姓が変わることによる不便はなくなる」
と指摘した。
高市氏は平成14年、令和2年の過去2回、同法案を議員立法として党法務部会に提出したが、党議決定には至らなかった。
その上で、高市氏は
「これまで選択的夫婦別姓に賛成だと仰っていた方々が、自ら議員立法の形で法案を書いて、党政調会に提出していたなら、ともかく、これまで提出されていなかった」
と述べ、選択的夫婦別姓の制度化を主張する党所属議員の手法を疑問視した。
総裁選では、出馬表明した小泉進次郎元環境相(43)が首相就任時の選択的夫婦別姓制度の導入法案の国会提出を明言し、党議拘束をかけない考えを示している。
高市氏は
「そういう方向もあるのだろう」
と述べた上で、婚姻前の氏の通称使用に関する法律案についても
「(党議拘束)かけなくてもいい」
と語った。

高市氏は小泉氏念頭に皮肉も 選択的夫婦別姓導入巡り自民総裁選の立候補予定者が対立
2024/9/9 20:30
https://www.sankei.com/article/20240909-2YNDBMGC35ILBDLNK4HLK6TJDQ/
自民党総裁選(12日告示、27日投開票)で、夫婦同姓か夫婦別姓を選べる
「選択的夫婦別姓制度」
の導入について、立候補予定者の意見が割れている。
9日に出馬を表明した高市早苗経済安全保障担当相(63)は反対の立場で、早期実現方針を表明した小泉進次郎元環境相(43)の事実誤認を指摘した。
党内には慎重論も根強く、賛成派が押し切ろうとすれば分断を生む可能性がある。
「少し正しく皆さまに知識を持ってもらいたい」
高市氏は9日の記者会見で、こう語った。
念頭にあるのは6日の会見で
「旧姓では不動産登記ができない」
と発言した小泉氏だ。
高市氏は
「選択的夫婦別氏制度を実現するという候補予定者に『(旧姓で)不動産登記ができない』と答えた人がいたが、4月から不動産登記は旧姓でできる」
と指摘した。
高市氏は住民票などへの旧姓併記が広がっていることや、旧姓の通称使用の拡大に向けた法案作りに取り組んできたことを挙げ、
「私が提出したような法案が通れば、ほとんどの不便は解消される」
と述べた。
小林鷹之前経済安保担当相(49)も8月19日の会見で、
「旧姓の併記が認められる制度がある」
「ただ、周知されていないと思うので、もっと周知を徹底する形でニーズに応えたい」
と述べている。
小泉氏は9日、経団連の十倉雅和会長と東京都内で面会した。
経団連は選択的夫婦別姓の実現を政府・与党に働きかけている。
小泉氏は面会後、記者団に
「家族の中で名字が違うことが、家族の絆の崩壊に繋がるというのは必ずしも違うと思う」
と語った。
石破茂元幹事長(67)は6日、東京都内で記者団に
「実現は早ければ早いに越したことはない」
と小泉氏に同調した。
河野太郎デジタル相(61)も8月26日の会見で
「認めた方がいい」
と述べている。
一方、過去に前向きな発言をしたことがある茂木敏充幹事長(68)は今月4日の会見では
「国民の間でも様々な意見がある」
「更なる検討を進めていきたい」
と述べるにとどめた。
林芳正官房長官(63)も
「個人的にはあってもいいが、色々な意見がある」
としている。

高市早苗氏、選択的夫婦別姓で小泉進次郎氏に反論「不動産登記できる」解雇規制緩和も反対
2024/9/9 17:23
https://www.sankei.com/article/20240909-TZREDMPC75CKZNZKXM66THI7RU/
自民党の高市早苗経済安全保障担当相(63)=衆院奈良2区=は9日、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を表明した記者会見で、選択的夫婦別姓の制度化に慎重な考えを示した上で、
「少し正しく皆さまに知識を持ってもらいたい」
と述べ、
「選択的夫婦別氏制度を実現すると言う候補予定者に『(旧姓で)不動産登記ができない』と答えた人がいたが、4月から不動産登記は旧姓でできる」
と指摘した。
■「正しい知識を」
選択的夫婦別姓を巡っては、小泉進次郎元環境相が総裁選に出馬表明した6日の記者会見で、制度の導入法案を提出する考えを明言し、
「旧姓では不動産登記ができない」
などと語っていた。
その上で、高市氏は
「婚姻で姓が変わることによる不自由を解消したい」
「私が提出したような法案が通れば、ほとんどの不便は解消される」
と述べ、旧姓の通称使用に法的根拠を与える法整備の必要性に重ねて言及した。
高市氏は平成14年と令和2年、それぞれ党法務部会に、旧姓の通称使用に法的根拠を与える
「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」
を提出した。
しかし、党議決定には至っていない。
旧姓の通称使用の法制度化を重視する理由には世論調査の結果を上げた。
そのうち、内閣府の令和3年12月の調査は
「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」
との回答は42・2%で、
「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」
の28・9%を上回っている。
高市氏は、旧姓の通称使用に関する総務相時代の自身の取り組みもアピールし、「総務省関係でやることができる全ての手続き1142件について、婚姻前の姓で対応できるように変えた」などと語った。
■解雇規制「日本は緩い方」
また高市氏は、小泉氏が掲げる大企業の解雇規制の緩和に関しても「反対だ」と明言した。
「G7(先進7か国)と比較しても、日本の規制はきつくない]
「(規制は)労働者を守る意味だが、様々な指標を見ると、(日本は)緩い方だ」
と語った。

<産経抄>多様性、多様性というけれど
2024/9/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240907-KZZFCTKANRNW7JW2QWLUV7TBFI/
世は多様性の時代と言われる。
「首相になったら選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、国民的議論を進める」。
小泉進次郎元環境相は6日、自民党総裁選への出馬表明記者会見でこう述べ、
「多様な人生」
「多様な選択肢」
の拡大を訴えた。
▼いつしか日本社会に、多様性を主張されると異議は唱えにくい
「空気」
が醸成されてしまった。
国会質疑からテレビコマーシャルまで、多様性という言葉を聞かない日はない。
とはいえ抄子は天邪鬼(あまのじゃく)なので、
「猫もしゃくしも多様性を礼賛する社会のどこが多様なのか」
と言いたくなる。
▼レオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐」を揶揄した性的少数者の宴らしきものや、切り落とされた自らの生首を手に持つマリー・アントワネットが登場して物議を醸したパリ五輪開会式も、多様性を表現したものだった。
評価は分かれようが、少なくとも抄子の目にはグロテスクに映った。
▼選択的夫婦別姓については、自民党総裁選への出馬を表明している者の中で小泉氏の他に石破茂元幹事長や河野太郎デジタル相も前向きである。
経団連も選択的夫婦別姓の早期実現を求め、まるでそれが時代の趨勢であるかのような提言も発表したが、本当にそうなのか。
▼NHK放送文化研究所が中高校生を対象に令和4年に実施した調査(1183人回答)では、結婚後に夫婦別姓を望む回答はわずか7・0%しかいない。
調査自体が見当たらないので確たることは言えないが、子供たちが夫婦別姓に伴う
「片親との別姓」

「兄弟別姓」
を歓迎するだろうか。
▼世界の潮流に乗り遅れるとの意見も承知しているが、こう愚考している。
日本は日本のやり方でいいと認めるのもまた多様性ではないかと。

夫婦別姓、LGBT問題でも共産党と似てきた経団連 自民党も加われば「多様性の統一」
阿比留瑠比の極言御免
2024/7/4 1:00
https://www.sankei.com/article/20240704-ORCW5C7MEFIC7EJPSH6XFP45ZI/
前回、2024年6月27日付の当欄『夫婦別姓で失う自民の価値』で筆者は、選択的夫婦別姓制度を巡る議論には当事者である子供の視点が欠けていると指摘した。
その際、次のように記し、過去の調査では両親が別姓となることに否定的な意見を持つ中高生が3分の2に及んだことに言及していた。
「平成13年に民間団体が中高生を対象に実施したアンケート結果を紹介する」
「子供対象の世論調査自体が珍しく、古い調査だが寡聞にして他に知らないのでご容赦願いたい」
すると、親切な読者がNHK放送文化研究所が令和4年に実施した調査(1183人回答)があると教えてくれた。
その
「中学生・高校生の生活と意識調査」
を見ると、別姓に関する設問は1問だけだったが、こんな問いがあった。
「結婚後、名字をどのようにしたいか」
これに対する回答で一番多かったのは
「相手が自分の名字になっても、自分が相手の名字になっても、どちらでも構わない」
で58.7%に上り、姓への拘りの薄さを示している。
「自分の名字を相手の名字に変えたい」
という積極的な改正派も14.8%いた。
その一方で、夫婦別姓を求める
「自分も相手も、名字を変えずにそのままでいたい」
は僅か7.0%に留まっていたのである。
やはり、こうした子供たちの意見を無視すべきではないのではないか。
国会や司法、経済界やマスコミでの議論は、この点が欠落していて余りに功利的に見える。
夫婦別姓は必然的に片方の親と子供の姓が異なる親子別姓となるし、制度の構築の仕方によっては兄弟別姓にもなり得る。
■高市法案の提出を
そもそも今回、またぞろ夫婦別姓問題が浮上したのは2024年6月、経団連が選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める提言を発表したからだが、そこには案の定、子供の視点や立場は全く取り入れてられていなかった。
その
「はじめに」
の部分には一読、呆れた。
「ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂性)、(DEI)は、イノベーションの源泉であり、社会・経済のサスティナブルな成長に欠かせない要素であるとともに、先き不透明な時代の中で、企業のレジリエンスを高めるうえでも必要不可欠である」
短い一文の中に、6つも片仮名言葉が出てくる。
こんな不自然な言葉遣いをする者は普通、社会では敬遠されて相手にされない。
「我が国経済の自立的な発展と国民生活の向上に寄与すること」
を使命とするはずの経団連は、LGBT問題でも夫婦別姓問題でも、段々と日本共産党と似てきたのではないか。
その輪の中にもし自民党も加わるとしたら、それは多様性ではなく共産党が主張する
「多様性の統一」
だろう。
実際、共産党の田村智子委員長は2024年6月19日の党首討論で、経団連が政府に選択的夫婦別姓制度の早期実現を要請したことに言及し、
「長年に渡る女性たちの訴えが遂に経済界も動かした」
と胸を張った。
自民党はまず、高市早苗経済安全保障担当相が平成14年と令和2年の2度に渡り、党法務部会に提出した
「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」
を審議し、国会に提出すべきである。
これにより、
「国、地方公共団体、事業者」
などは通称使用のために
「必要な措置を講ずる責務を有する」
と定めて通称使用に法的根拠を与えれば、経団連が懸念する
「職業生活上の不便・不利益」
の多くは解消するのではないか。

調査概要・グラフについて
「中学生・高校生の生活と意識調査」とは?
https://www.nhk.or.jp/bunken/yoron-isiki/tyuko/about.html
回答者数
中高生の結果:中高別の全調査結果はこちら(PDF)から
https://www.nhk.or.jp/bunken/yoron-isiki/tyuko/assets/pdf/cyukousei.pdf
―結婚後、名字をどのようにしたいか―
第51問〔全員に〕あなたは、将来、結婚したとしたら、名字をどのようにしたいと思いますか。次の中から、あてはまるものに、1つだけ〇を
つけてください。
@1982年A1987年B1992年C2002年D2012年E2022年
1.相手の名字を、自分の名字に変えてほしい
中学生@ ――A ――B ――C ――D ――E19.6
高校生@ ――A ――B ――C ――D ――E16.0
2.自分の名字を、相手の名字に変えたい
中学生@ ――A ――B ――C ――D ――E13.1
高校生@ ――A ――B ――C ――D ――E16.2
3.相手が自分の名字になっても、自分が相手の名字になっても、どちらでも構わない
中学生@ ――A ――B ――C ――D ――E59.2
高校生@ ――A ――B ――C ――D ――E59.9
4.自分も相手も、名字を変えずにそのままでいたい
中学生@ ――A ――B ――C ――D ――E7.0
高校生@ ――A ――B ――C ――D ――E6.1
5.無回答
中学生@ ――A ――B ――C ――D ――E1.0
高校生@ ――A ――B ――C ――D ――E1.8

別姓で自己否定する自民
阿比留瑠比の極言御免
2024/6/27 1:00
https://www.sankei.com/article/20240627-TWC52YKBYNKC7DKHOP5EBO4BQU/
自民党が性懲りもなく選択的夫婦別姓に関する党内議論を再開させるという。
経団連や経済同友会のビジネス的見地からの要請に後押しされた形だが、不必要だったLGBT理解増進法に続いて夫婦別姓にまで突き進むとしたら、自民の存在価値をまた1つ自己否定することになろう。
「多様性」
というはやりの聞こえのいい掛け声に目が眩み、安易に取り込もうとするのでは、立憲民主党や共産党、社民党と最早選ぶ所がない。
もっとも、岸田文雄首相は2024年6月21日の記者会見で、選択的夫婦別姓については次のように慎重だった。
「様々な立場の方に大きな影響を与える問題だ」
「だからこそ世論調査でも意見が分かれている」
「前向きな意見の方の一方、家族の一体感や子供の姓をどうするかなどに関心を持つ消極的な意見もある」
LGBT法を巡っては、元首相秘書官の性的少数者差別とも受け取られかねない発言や米民主党政権の圧力に屈して成立に前のめりになった首相だが、今度はぶれないでもらいたい。
安倍晋三元首相もかつてこの問題に関し、首相にこう信頼を示していた。
「岸田さんはそうリベラルではないんだ」
「以前、夫婦別姓の議論が高まった時に
「子供の視点が全然ない」
と話していた。
■アンケートでは
やはりこの点が重要だと考えるので、平成13年に民間団体が中高生を対象に実施したアンケート結果を紹介する。
子供対象の世論調査自体が珍しく、古い調査だが寡聞にして他に知らないのでご容赦願いたい。
それによると、両親が別姓となったら
「嫌だと思う」(41.6%)
「変な感じがする」(24.8%)
の否定的な意見が、合わせて3分の2に達した。
一方で
「嬉しい」
は僅か2.2%しかいなかった。
また、成人を対象とした令和3年実施の内閣府の
「家族の法制に関する世論調査」
結果を見ても、選択的夫婦別姓制度導入を求める回答は28.6%に留まった。
「夫婦同姓制度を維持した方が良い」が27.0%、
「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方が良い」が42.2%で、
夫婦同姓維持派が7割近くに達している。
夫婦の姓が異なることでの子供への影響に関しては
「好ましくない影響があると思う」と答えた者の割合が69.0%で
「影響はないと思う」は30.3%
に留まっている。
留意すべきは
「兄弟の姓が異なっても構わない」が僅か13.8%で、
「姓は同じにするべきだ」が63.5%
に上ることだろう。
夫婦どちらの姓を名乗らせるかを巡り、親族間のトラブルも予想される。
■フェミニストの議論
選択的夫婦別姓については、
「選択的」
だから別に同性を選びたい人はそうすればいいだけだという意見もあるが、事はそう単純ではないだろう。
既に平成17年刊行の
「ザ・フェミニズム」(上野千鶴子、小倉千加子著)
で、フェミニスト【フェミニストとは、全ての性が平等な権利を持つべきだという理由から女性の権利を主張する行為(フェミニズム)を支持する人のことだと、英オックスフォード辞書で定義されている】である小倉氏がこんな議論をしている。
「(選択的)夫婦別姓になったら、まるで夫婦別姓をしている人の方が進んでいて、夫婦同姓の人の方が遅れているみたいになりかねない」
「そこでまた1つの差別化が行われるわけじゃないですか」
女優でタレントの橋本マナミさんが2024年6月
「私は一緒の名字がいいです」
「好きで結婚したから」
とテレビで発言しただけでニュースとして取り上げられる現状を見ると別姓導入で同性夫婦が肩身の狭い思いをする日が来るかもしれない。
(論説委員兼政治部編集委員)

阿比留瑠比の極言御免
日経、朝日のコラムに異議あり 夫婦別姓論議に欠ける子供の視点
2015/11/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20151109-Q7P53O3IFNNVLFLL3DOXYENVFM/
2015年11月4日は最高裁大法廷で夫婦別姓(氏)を巡る訴訟の弁論が開かれるとあって、日経新聞と朝日新聞の朝刊1面コラムが、それぞれこの問題を取り上げていた。
夫婦別姓に賛成・推進する立場で書かれたこの2つのコラムを読んで感じたのは、立論の前提、出発点が異なり、議論が噛み合わないもどかしさだった。
「誰かに迷惑もかけない」
「コストも知れている」
「歩みの遅さを合理的に説明するのは難しい」
日経はこう書いていたが、夫婦別姓論議でいつも気になるのが、当事者である子供の視点の欠落だ。
子供の意見を反映した調査がなかなか見当たらないので少し古くなって恐縮だが、平成13年に民間団体が中高生を対象に実施したアンケート結果を引用したい。
それによると、両親が別姓となったら
「嫌だと思う」(41.6%)

「変な感じがする」(24.8%)
との否定的な意見が、合わせてほぼ3分の2に達している。
一方、
「嬉しい」は僅か2.2%
しかいなかった。
また、20歳以上の成人を対象とする内閣府の世論調査(平成24年12月実施)でも、夫婦の名字が違うと
「子供にとって好ましくない影響があると思う」と答えた人が67.1%
に上り、
「影響はないと思う」(28.4%)
を大きく上回った。
夫婦別姓と言うと、両性が納得すればいいと思いがちだが、夫婦が別姓を選択した場合、子供は必ず片方の親と別姓になる。
事は夫婦の在り方だけの問題ではなく、簡単に
「誰かに迷惑もかけない」
と言い切れるような話ではない。
日経コラムは更に、こうも書いている。
「反発する人の声から『自分と違う価値観を持つ人間が、とにかく許せない』との響きを感じることがある」
どう感じようと自由ではあるが、この見解はかなり一方的だろう。
10年以上前のことだが、夫婦別姓を議論していた自民党の会議を取材した同僚記者は、夫婦別姓推進派で、現在は党総裁候補の1人と言われる議員から、こう面罵された。
「(夫婦別姓に慎重論を唱える)産経新聞は、新聞じゃない」
当たり前のことだが、自分と違う価値観が許せないのは、何も夫婦別姓に
「反発する人」
に限らないということである。
多様な価値観を説く人が、異なる価値観を否定するという矛盾を犯すのは珍しくない。
ちなみに、朝日のコラムにはこうあった。
「結婚や家族の多様化、個の尊重という冒頭に引いた変化(※国民意識の多様化、個人の尊重)は、別姓の議論にもそのまま当てはまる」
「社会は旧姓使用を広げる方向に動く」
確かに一般論としては、社会の多様化は歓迎すべきことなのだろう。
多様性を失えば硬直化し、やがては行き詰まっていく。
とはいえ、何でもかんでも
「多様化」
という言葉で正当化しても、そこで思考停止することになる。
また、夫婦別姓を法的に位置付ける事と、旧姓使用は全く別物である。
現在、夫婦同姓制度の下で通称使用が大きく緩和され、旧姓使用が広がっていることがその証左だと言える。
いずれにしてもこの問題を考える時は、直接影響を受けることになる子供の意見をもっと聞いた方がいい。
政府にも、今度調査する時は是非その視点を盛り込むようお願いしたい。
(論説委員兼政治部編集委員)

安倍元総理の三回忌を前に 「夫婦別氏」よりも「婚姻前の氏の使用」の利便化で
WiLL2024年8月号 経済安全保障担当大臣 高市早苗
■安倍元総理が夢に
2024年7月8日には、2022年の参議院選挙応援中に凶弾に倒れ、逝去された安倍晋三元総理の三回忌を迎えますね。
度々つまらない口喧嘩をしたり、仲直りをしたりの繰り返しでしたが、それも叶わなくなった今は、しみじみ淋しくなります。
先般、疲労が極限に達した時に、亡き両親と安倍元総理が一緒に夢に出てきたので、
「迎えに来たのかな」
と感じましたが、その夢には昭恵夫人も登場していたことを思い出して一安心!
安倍元総理も懸命に応援して下さった2021年9月の自民党総裁選以降、土日は党務か政務で地方講演、平日は仕事、深夜には大量の資料読みや原稿書き・・・と休みなく働き続けていて、人間ドックなど健康診断も3年以上は受けていないので、注意喚起のために夢に出て来て下さったのかなとも思いました。
2024年夏は、各方面との調整がつけば、安倍元総理の御命日に出国して、G7科学技術大臣会合に出席しますが、イタリアから帰国したら、1日だけは休みを確保して健康診断に行ってみようと考えています。
■経済界が夫婦別氏制度導入を要望
安倍元総理が何度も仰っていたことがありました。
「選択的夫婦別氏だけどさ、あれは駄目だよ」
「高市さんが法務部会に提出している法案を早く成立させればいいんだよ」
私が自民党政調会長の法務部会に提出した法律案というのは、
『婚姻前の氏の通称使用に関する法律案』
のことです。
この法律案では、戸籍上の夫婦親子の氏が同一であること(ファミリー・ネーム)は維持しつつ、
「婚姻前の氏を通称として称する旨の届出をした者」
について、
「国、地方公共団体、事業者、公私の団体」

「婚姻前の氏を通称として称するために必要な措置を講ずる責務を有する」
としたものです。
この法律案を、2002年と2020年の2回に渡って法務部会に提出しましたが、1回目は
「戸籍の氏も住所も別々にするべきだ」
といった強烈な反対意見が出て党議決定には至らず、2回目は、審査もされないまま放置されています。
私は、足掛け約4年の総務大臣任期期間の後半(2019年9月からの約1年間)で、『住民基本台帳法』『地方自治法』『公職選挙法』『消防法』『放送法』『電気通信事業法』をはじめ総務省が所管する全法令をチェックし、資格や各種申請など事務手続きに戸籍氏しか使えなかったものを、全て婚姻前の氏の単記か併記で対応できるように変更しました。
総務省単独の判断で変更できたものだけでも、合計1142件でした。
仮に全府省庁が阻害と同じ取り組みを実施し、地方公共団体や公私の団体や企業も同じ取り組みを実施すれば、婚姻による戸籍氏の変更によって社会生活で不便を感じることはなくなると考えます。
例えば、金融庁や厚生労働省。
私自身の経験では、銀行の預金通帳でしたが、婚姻前の氏のままで使える銀行と戸籍氏に作り直すよう求める銀行が混在していました。
数年前に年金受給者の方から伺った話ですが、通称使用届けを出して戸籍氏と婚姻前の氏が併記された住民票を提示したのに、厚生労働省の方針として
「戸籍氏の通帳でなければ年金を振り込めない」
とされ、通帳を作り直したということです。
こういった所管府省庁によってバラバラの対応が残っている現状を改善するためにも、私が起草した法律案によって、
「国、地方公共団体、事業者、公私の団体」

「婚姻前の氏を通称として称するために必要な措置を講ずる責務を有する」
ことを明確にするべきだと思っていました。
2024年6月、経団連会長が
「選択的夫婦別氏制度の導入」
を要望する
「提言」
を公表されました。
報道で知る限りの理由は、働く女性の不便解消や国際社会での活躍のためにということらしいのですが、先ずは前記したような法整備を行うということでは不十分でしょうか。
既に、マイナンバーカード、パスポート、運転免許証、住民票、印鑑登録証明書は、戸籍氏と婚姻前の氏の併記が可能になっています。
仕業・師業と呼ばれる国家資格の殆どで、免許証などへの婚姻前の単記や併記が可能になっています。
国際社会での活躍についても、同氏や別氏だけではなく、複合氏を使う国もあれば、氏が無い国もあり、様々です。
■「子の氏の安定性」
最近は、
「夫婦別氏制度」
の導入に賛成する政治家は
「改革派=善」、
反対する政治家は
「守旧派=悪」
といったレッテル貼りがされているように感じますので、私のような考え方は変だと思われる方も多いのかもしれません。
私が選択的であったとしても
「夫婦別氏制度」
の導入に慎重な姿勢を続けてきた最大の理由は、
「子の氏の安定性」
が損なわれる可能性があると思うからです。
現行制度では、婚姻届けを提出した夫婦の戸籍は全て同氏ですから、子も出生と同時に両親と同氏になることが確定しています。
法改正によって戸籍上も別氏の夫婦が出現した場合、子の氏の決め方について、
「全ての別氏夫婦が納得できるルール」
が必要になります。
仮に
「別氏夫婦が子の氏を取り合って、協議が調わない場合」
には子の氏が定まらないので、『戸籍法』が規定する
「出生の届出は、14日以内」
というルールも見直す必要があるのではないでしょうか。
これまでに衆議院に提出された
「夫婦別氏制度」
の導入を可能にする
「民法の一部を改正する法律案」(立憲民主党案)
を拝見すると、
「別氏夫婦の子は、その出生の際に父母の協議で定める父又は母の氏を称する」
「協議が調わない時は、家庭裁判所は、協議に代わる審判をすることができる」
とされています。
同法律案でも、別氏夫婦が子の氏を取り合って決められないケースを想定しているわけですが、果たして、この争いを持ち込まれる家庭裁判所は、一体どのような判断基準で審判を行うのでしょうか。
離婚の際に子の親権を争う裁判でしたら、法律に判断基準は明記されていないものの、過去の裁判例では
「子を養う経済力」
「子と過ごす時間を確保できるのか」
「子との関わりや愛情」
「子の年齢によっては子の意思」
「健康状態」
「教育・居住環境」
などの要素を総合的に考慮して判断されているようです。
しかし、出生直後の子の氏を争っている場合、家庭裁判所が如何なる審判をしたとしても、夫婦双方が納得できる理由を示すことができるとは考えられません。
裁判官、検事、法務省大臣官房審議官としても活躍された小池信行弁護士は、
「夫婦の協議で決まらない時の補充的な決定方法を定めておく必要がある」
として、スウェーデンでは
「出生から3カ月以内に決まらない時は母の氏を称するとしている」
ことを例示しておられました。
私は、幸せであるはずの出産直後に、子の氏を巡る争いの種を作ることを、特に懸念していました。
「夫婦別氏制度」
の導入を求める方々からは
「余計なお世話だ」
と批判されるのでしょうが・・・。
■世界に誇れる日本の戸籍制度
「そもそも、戸籍制度を廃止するべきだ」
と主張される方々もおられますが、私は、日本の
「戸籍制度」
は、世界に誇れる見事なシステムだと思っています。
戸籍は、重要な身分関係を明確にするために、血族・姻族・配偶関係を記載した公簿です。
新戸籍と旧戸籍の双方に相手方戸籍を特定表示することから、相手方戸籍を相互に索出でき、両戸籍を連結する記載が可能で、無限の親族関係の広がりを証明することができます。
よって、戸籍の
「公証力」
は、非常に強いものです。
例えば、遺産相続の分割協議手続きでは、
「隠れた法定相続人」
の存否を確認するため、死亡者の戸籍謄本を全て遡ることによって親族関係を確定できます。
重要な契約事も、戸籍で証明するものが多くあります。
この他、戸籍は、近親婚の防止、婚姻要件の調査、出生、死亡、離婚、任意認知、母子家庭の児童扶養手当、障害児童の特別児童扶養手当、母子父子寡婦福祉資金貸付、戦没者遺族に対する特別弔慰金、成年後見の申立手続き、家事調停事件手続きなど、様々な場面で行政・司法の基礎となっています。
20年以上婚姻関係を継続している夫婦間で居住用不動産を贈与した時の配偶者控除の制度でも、戸籍によって、20年以上に及ぶ婚姻関係を把握し立証します。
「他国に例を見ない戸籍制度だから、廃止するべき」
なのではなくて、
「他国に誇れる極めて優れた制度だから、守り抜くべき」
だと考えています。

愚か者! 経団連「夫婦別姓」提言
WiLL2024年8月号 副県立大学名誉教授 島田洋一
2024年6月10日、経団連がいわゆる
「選択的夫婦別姓」

「早期実現」
を政府に求める提言を出した(具体的には民法750条の改正)。
経団連は、夫婦が妻の姓を選ぶことも可能ではあるものの、
「実際には95%の夫婦が夫の姓を選び、妻が姓を改めている」
「そのため、アイデンティティの喪失や自己の存在を証することが出来ないことによる日常生活・職業生活上の不便・不利益といった、改姓による負担が、女性に偏っている」
と言う。
経団連によれば、
「女性のエンパワーメント(強化)において、我が国は世界に大きく立ち遅れており」、
その背後に、
「各社の取り組みだけでは解決できない、女性活躍を阻害する社会制度」
がある。
その代表的なものが夫婦同氏制度だというのである。
まず最初の疑問だが、女性の活躍に関して日本が
「世界に大きく立ち遅れて」
いるというのは本当か。
経団連・十倉雅和会長の頭にある
「世界」
がどの範囲なのか知らないが、少なくとも相当怪しい
「世界観」
だろう。
実際日本において、実力ある女性の活躍が、男の場合以上に阻害されているとすれば、
「女を下に見る」
不見識な経営者や重役が各所に残るでいではないか。
だとすれば、経済界の頂点に位置する経団連会長の責任が相当大きいと言わざるを得ない。
まずは自らの指導力不足を反省すべきだろう。
経団連提言で最も問題なのは、従来
「夫婦別姓」
法制化論で常に論点となってきた、
@親子や兄弟姉妹の間で姓が異なって良いのか
A明治以来の戸籍制度を崩すことにならないか
といった懸念に全く答えていないことである。
そもそも言及自体ない。
これは無責任だろう。
近年、パスポート、マイナンバーカードを始め、旧姓の通称使用が拡大されてきた。
経団連提言も、
「官民の職場では、女性の社会進出の進展を踏まえ、改姓によるキャリアの分断等を避けるため、職場における旧姓の通称としての使用を推進してきた」
「公的証明書や各種国家資格等でも婚姻前の姓(旧姓)の併記が可能になるなど、政府の施策としても通称使用が拡大され、経済界においても、通称使用は定着している」
と述べている。
「経団連調査では91%の企業が通称使用を認めている」
とも言う。
まだ不十分と言うなら、100%になるよう、経団連が強い姿勢で
「立ち遅れている」
経営者を叱咤すべきだろう。
そのための経済団体ではないか。
この問題で慎重論の先頭に立ってきた高市早苗議員は次のように言う。
「結婚すると、夫婦やその間に生まれる子供は同じ戸籍に登載され、姓は『家族の名称』という意味を持つ」
「だが、別姓になれば姓は単なる『個人の名称』になる」
「たとえ『選択制』にしても、家族の呼称を持たない存在を認める以上、結局は制度としての家族の呼称は廃止せざるを得なくなるだろう」
「事は家族の根幹に関わる」
(産経新聞・2021年3月18日)
「国際的トレンド」
云々についても高市氏は、
「日本は日本」
と一蹴する。
経団連は、旧姓の通称使用では問題解決にならない例として次のような
「トラブル」
を挙げる。
カッコ内は私のコメントである。
・クレジットカードの名義が戸籍上の場合、ホテルの予約等もカードの名義である戸籍姓に合わせざるを得ない。
(合わせたら良いではないか。合わせると女性活躍が阻害されるのか)。
・国際機関で働く場合、公的な氏名での登録が求められるため、姓が変わると別人格として見做され、キャリアの分断や不利益が生じる。
(結婚したから姓が変わったと言えば済む話、国際機関を馬鹿にし過ぎてはいないか)
・社内ではビジネスネーム(通称)が浸透しているため、現地スタッフが通称でホテルを予約した。
その結果、チェックイン時にパスポートの姓名と異なるという理由から、宿泊を断られた。
(現地スタッフとの意思疎通をより密にすれば良いだけ。あるいはパスポートに旧姓を併記すればよい。令和3年4月1日以降、申請が非常に簡略化された)
これが、女性にとって
「アイデンティティの喪失」

「自己の存在を証することができない」
ほどの不条理であり、家族別姓しか解決策がない次元の
「トラブル」
だろうか。
この程度の事象にも効果的に対処のマニュアルを示せない経団連では、日本経済停滞も無理はない。

民法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
第七百五十条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

選択肢のある社会の実現を目指して
〜女性活躍に対する制度の壁を乗り越える〜
2024年6月18日
一般社団法人 日本経済団体連合会
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/044_honbun.html

選択的夫婦別姓 経団連・十倉雅和会長「スピーディーに議論を」自民に要求
2024/6/25 23:24
https://www.sankei.com/article/20240625-GN2CKAAVRFIKFERTR7RAD7JTXQ/
経団連の十倉雅和会長は2024年6月25日の定例記者会見で、自民党が
「選択的夫婦別姓制度」
に関する党内議論を本格化する意向を示したことについて、
「女性の社会進出、社会での活躍を進めたいという思いは一緒だと思う」
「オープンでスピーディーに議論してほしい」
と述べた。
経団連は結婚後も希望すれば夫婦それぞれが生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗り続けられる同制度の早期実現を求める提言を2024年6月10日に発表し、2024年6月21日に自民党に提言を提出していた。
経済同友会の新浪剛史代表幹事も2024年6月18日の定例会見で、
「1つの姓を選ばなくてはいけないという非常に不都合なことがずっと放置されたままだ」
と指摘。
「政治が解決しないのであれば経済界がモノを言っていかなければならない」
との認識を示していた。

選択的夫婦別姓議論、自民が3年ぶり再開 慎重派は懸念「保守離れ加速する」
2024/6/25 22:34
https://www.sankei.com/article/20240625-SMJK6OPPEZNVLKMZIZFF2O5VYQ/
選択的夫婦別姓を巡る議論の経緯
https://www.sankei.com/article/20240625-SMJK6OPPEZNVLKMZIZFF2O5VYQ/photo/TNK63PLFCRO4BDS2LNDI5YSMIU/
自民党は近く選択的夫婦別姓を巡る党内議論を3年ぶりに再開させる。
経団連が早期実現を求める提言を発表するなど、家族の多様性を尊重する風潮が背景にある。
とはいえ、保守層を中心に家族の一体感が失われるとして慎重論も少なくない。
保守層が求める早期の憲法改正が一向に進まない中で推進論に傾けば、
「自民離れ」
が加速するのは必至だ。
自民の茂木敏充幹事長は2024年6月25日の記者会見で、
「多様な人材の活躍は社会活力の源だ」
「選択的夫婦別姓は社会全体にも関わる問題であり、国民の幅広い意見も踏まえて、しっかり議論を進めていきたい」
と述べた。
自民の渡海紀三朗政調会長は2024年6月21日、選択的夫婦別姓を含む
「氏制度のあり方に関するワーキングチーム(WT)」
で議論に着手すると表明した。
新たな座長には逢沢一郎党紀委員長を起用する方針だ。
党幹部は
「政権与党として、いつまでも夫婦別姓の議論を棚ざらしというわけにはいかない」
と議論再開の必要性を強調する。
自民は菅義偉政権下の令和3年4月にWTの初会合を開催。
令和3年6月に論点整理をまとめたが、議論が紛糾したため制度導入の是非には踏み込まず、結論を先送りしていた。
しかし、経団連が2024年6月10日、早期実現を訴える政府への提言を発表したことを受け、党内では再び推進派と慎重派が動きを活発化させている。
自民の有志議員で作る
「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」(会長・浜田靖一国対委員長)
は2024年6月21日、国会内で会合を開き、経団連から提言を受け取った。
浜田氏は
「大変心強い」
「時代の要請として受け止めていく」
と語った。
一方、慎重派で作る
「婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟」(会長・中曽根弘文元外相)
は2024年6月19日に党本部で会合を開き、結婚前の氏を通称として幅広く使用できる環境整備を進めることを確認。
慎重派の議員は
「拙速に議論を進めれば『岩盤保守層』の更なる離反を招きかねない」
と不安を口にする。
岸田文雄首相(自民総裁)も2024年6月21日の会見で、慎重な姿勢を示した。
対立の激化は自民分断の芽となりかねず、党重鎮は
「経団連の手前、議論はしなければならないが、明確な方向性を示すことは難しいのではないか」
と述べた。

<主張>経団連「夫婦別姓」 家族の呼称をなくすのか
社説
2024/6/19 5:00
https://www.sankei.com/article/20240619-I4Q7IU7X5FJQTNZ3V4LDQESQHQ/
結婚後に夫婦が同じ姓を名乗るか、旧姓を維持するか選べる
「選択的夫婦別姓」
について経団連が早期実現を提言した。
十倉雅和会長は、女性の社会進出が進む中で
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べたが、国民の合意を欠いたまま、急ぐ問題ではない。
経団連は従来、夫婦同姓の下で職場での通称使用で対応できるとの立場だった。
別姓推進に転じたのは
「ビジネス上のリスク」
などが理由だ。
経団連が行ったアンケートなどでは職場で旧姓の通称使用が増えている一方、通称では銀行口座などが作れないことや海外渡航、契約で戸籍上の姓と異なることでトラブルが生じていることを指摘した。
だが夫婦が同じ姓を名乗る民法の規定を変えることは、家族や社会の有り様に関わる。
岸田文雄首相が2024年6月17日の衆院決算行政監視委員会で、選択的夫婦別姓の早期導入の提言に慎重な考えを示し、
「家族の一体感や子供の利益に関わる問題であり、国民の理解が重要だ」
と述べたのは、もっともだ。
夫婦別姓を認めない民法の規定を
「違憲」
だとする訴えに対し、最高裁は平成27年と令和3年に合憲の判断を示し、夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めている。
別姓制が導入されれば、こうした姓の意義が、砂粒のような個人の呼称へと大きく変わる。
専門家によると姓は血縁血統を表すもので、家族の歴史や絆が断ち切られかねない。
同じ姓の人を記載する戸籍の編製方法も見直す必要がある。
「選択」
と言っても別姓を希望しない人も含め社会に関わる問題だ。
別姓推進論は子供からの視点にも欠ける。
夫婦別姓では、どちらかの親と子が別姓になる。
子供の姓をどうするのか。
祖父母らも絡み、いさかいや分断が起きるのは見たくない。
最高裁の判決では、姓の在り方について国の伝統や国民感情を含め総合的な判断によって定められるべきだ、としている。
深く理解すべきだ。
住民票や運転免許証、パスポートなどで旧姓を併記できる制度も広がっている。
経団連は、トラブルを嘆くより、我が国の夫婦同姓の意義を国際的に発信し、問題を解消してほしい。

<産経抄>経団連の「夫婦別姓提言」に異議あり       
2024/6/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20240617-BKNKSTIQ3FJ2DDKD2AI3HWGCEQ/
夫婦別姓が叶わなくとも、パートナーを守る方法はある
経団連は
「選択的夫婦別姓」
の早期実現を求める提言を発表したが、法制化には国民の合意が必要だ
2024年6月の第3日曜は
「父の日」
だったが、
「母の日」
に比べ影が薄い。
父親の地位低下が指摘され久しい。
▼ゲームに押されて、子供のおままごと遊びはあまり見かけなくなったが、やってみてもパパ役はママに叱られ、オタオタする様子を真似するのだとか。
「正論」
を重んじる同僚も、家では言いたいことを言えず、妻や娘たちに阿る日々だという。
それも平和を守る知恵か。
▼だがこちらは黙って見過ごせない問題だ。
経団連が
「選択的夫婦別姓」
の早期実現を求める提言を先日、発表した。
十倉雅和会長は
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べたが、拙速に進めては禍根を残す。
▼選択的夫婦別姓は夫婦で同じ姓(氏)にするか、旧姓を名乗るかを選べる制度だ。
民法の改正などが必要となる。
女性の社会進出に伴い、平成8年に法制審議会が導入を求める答申をした。
30年近く経っても法制化に至らないのは、国民の合意が得られないからだ。
財界が
「急げ」
と号令をかける話なのか。
▼最高裁は平成27年と令和3年に、夫婦別姓を認めない民法の規定について
「合憲」
とする判断を示した。
夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めている。
選べるならいいじゃないか、別姓を希望しない人には関係ない、と考えるのは早計だ。
専門家からは、姓について家族の呼称から個人の呼称へと大きく変質することが指摘されている。
▼同じ戸籍に同じ姓の人を記載する戸籍の編製方法も見直す必要があり、社会全体に関わる。
夫婦同姓は子供も両親と姓を同じくすることで利益を享受しやすい意義もある。
別姓では子の姓をどうするか。
双方の祖父母も絡み、決まらない混乱も予想される。

「国民の意見さまざま」 法相、選択的別姓に慎重
2024/6/11 11:24
https://www.sankei.com/article/20240611-JHRCRF76CFIA3LM3MAVGM7R5GY/
小泉龍司法相は2024年6月11日の閣議後記者会見で、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求めた経団連の提言に対し
「国民の間にまださまざまな意見がある」
とした上で
「積極的に動きを見極め、対応を検討していくことが必要だ」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
法相の諮問機関の法制審議会は1996年、結婚後もそれぞれ婚姻前の名字を使える選択的別姓制度の導入を含む民法改正案を答申。
だが、保守系議員の反対などで法案は提出されなかった。
小泉氏はこの点にも触れ
「国会議員の方々の間でもしっかりと議論をし、幅広い理解を得ていただくため、法務省として積極的な情報提供をしたい」
とした。

「夫婦別姓制度、早期実現を」経団連が初の提言 通称は海外で理解得られずトラブルも
2024/6/10 18:29
https://www.sankei.com/article/20240610-PLZOKGZSLVKTZKDUTL3OBW74UQ/
経団連は2024年6月10日、選択的夫婦別姓制度の実現を求める提言を発表した。
希望すれば生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗り続けられる制度の早期実現を要求。
政府に対し
「一刻も早く改正法案を提出し、国会で建設的な議論を期待する」
とした。
経団連による同制度に関する提言は初めて。
十倉雅和会長は2024年6月10日の定例記者会見で
「世の中は大きく変わっている」
「国会でスピーディーに議論してほしい」
と述べた。
現在は婚姻時に夫か妻のいずれかの姓を選べるが、妻が改姓することが圧倒的に多い。
提言では
「生活上の不便、不利益といった改姓による負担が女性に偏っているのが現実」
と訴えた。
経団連の調査では、国内の91%の企業は旧姓などを通称として使用することを認めているものの、通称は海外では理解されづらく、トラブルの原因になることがあると指摘。
「企業にとってもビジネス上のリスクとなり得る」
とした。

主張
夫婦同姓は合憲 家族制度の原則を守った
2021/6/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20210624-BGWW7J52VRJMJFEQ5FVP7KQAZQ/
最高裁大法廷は、
「夫婦別姓」
を認めない民法の規定を再び
「合憲」
と判断した。
夫婦同一の姓は社会に定着し、家族の呼称として意義があることを認めた平成27(2015)年の最高裁判決を踏襲した。
妥当な判断である。
事実婚の男女3組が、夫婦別姓を希望して婚姻届を提出したが、不受理となり、家事審判を申し立て、最高裁に特別抗告していた。
女性の社会進出や世論など最近の情勢変化を踏まえた判断が注目されたが、最高裁は決定理由で、社会や国民の意識の変化といった諸事情を踏まえても、6年前の判断を変更すべきとは認められない―と判示した。
平成27(2015)年の最高裁の判断を通し、夫婦同一の姓について、男女差別を助長したり、人格を傷付けたりする制度ではないことも明確になっている。
最高裁はこの時と同様、
「制度の在り方は国会で論ぜられ判断されるべき事柄」
と指摘した。
平成8(1996)年に法制審議会が、夫婦で同じ姓にするか、旧姓をそれぞれ名乗るか選べる選択的夫婦別姓の導入を答申して25年経つ。
法制化に至らなかったのは、立法府が問題を放置しているというより、国民の十分な合意が得られないからである。
選択的夫婦別姓について、個人の自由で選択の幅が広がる―などと歓迎するのは考え違いである。
導入されれば夫婦同一姓を原則とした戸籍制度が崩れかねず、全国民に影響が及ぶ。
親子が別々の姓になる事態も起きる。
子供の姓を両親どちらの姓にするかなど、諍いや混乱も予想される。
平成29(2017)年に行われた内閣府の世論調査では、夫婦別姓が子供に与える影響について、6割以上が
「子供にとって好ましくない影響があると思う」
と答えていた。
社会情勢の変化と言うなら、旧姓が通称使用できる企業は増えている。
2年前の2019年には住民票やマイナンバーカードなどで旧姓を併記できるようにするため、政令改正が行われた。
パスポート(旅券)についても旧姓併記の申請が容易になるよう緩和された。
日本の伝統や文化に根差した家族制度の原則を崩す必要はなく、更に働きやすい職場作りなどに知恵を絞る方が現実的だ。
国や社会の基盤である家族の意義に理解を深くしたい。

夫婦別姓認めぬ規定、再び「合憲」 最高裁
2021/6/23 21:54
https://www.sankei.com/article/20210623-WTZ3HHNALJO5RNCEOMMHNPXNAI/
夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定は違憲として、東京都内に住む事実婚の男女3組が起こした家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は2021年6月23日、規定は
「合憲」
とする判断を示した。
最高裁は平成27(2015)年にも夫婦同姓を定めた民法の規定を合憲としており、今回は2度目の判断。
15人中4人は違憲とする意見や反対意見を出した。
決定理由で最高裁は、家族が同じ姓を名乗るのは日本社会に定着しており、規定に男女の不平等はないとした平成27(2015)年の判断について
「社会や国民の意識の変化といった諸事情を踏まえても、変更すべきとは認められない」
と指摘。
一方で、夫婦の姓を巡りどのような制度が妥当なのかという問題と、憲法違反かどうかを審査する問題とは
「次元が異なる」
とした上で
「国会で論じられ、判断されるべき事柄だ」
と、前回判断に続き、改めて立法での議論を促した。
合憲とした深山卓也裁判官、岡村和美裁判官、長嶺安政裁判官の3人は
「今回の判断は、国会での選択的夫婦別姓制度を含む法制度の検討を妨げるものではなく、国民の様々な意見や社会の状況変化などを十分に踏まえた真摯な議論がされることを期待する」
と、共同補足意見で述べた。
一方、違憲とした宮崎裕子裁判官と宇賀克也裁判官は
「結婚に対する当事者の意思決定は自由かつ平等であるべきで、規定は不当な国家介入に当たる」
などと述べた。
事実婚の3組は、婚姻届に
「夫は夫の氏、妻は妻の氏を希望します」
と付記して自治体に提出したが不受理となり平成30(2018)年3月、東京家裁などに家事審判を申し立てたが、却下された。
2審東京高裁でも棄却され、最高裁に特別抗告していた。
結婚後の姓を巡っては、平成8(1996)年に法相の諮問機関・法制審議会が、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正案を答申したが、法案提出には至らなかった。
2021年に入り自民党がワーキングチームを設置し本格的な議論が始まったが、実現への目処は立っていない。

■夫婦同姓の規定
民法750条は、結婚した夫婦は
「夫または妻の氏」
を名乗るよう規定。
戸籍法でも、結婚時に
「夫婦が称する氏」
を提出書類に記載するよう定めている。
昭和22(1947)年に改正される前の明治民法では
「家の姓を名乗る」
とされていた。
厚生労働省の統計では、平成27(2015)年に結婚した夫婦のうち、96%が夫の姓を選択。
改姓による社会的な不便・不利益が指摘されてきたことなどを背景に、夫婦が希望する場合には結婚後に姓を変えない
「選択的夫婦別姓制度」
の導入を求める声が強まっている。

夫婦別姓認めぬ最高裁判断「家族に一体感」安堵の声も
2021/6/23 20:45
https://www.sankei.com/article/20210623-CEFJAVRIAZIRPHCEU6S7ZFUAEI/
最高裁大法廷が2021年6月23日、6年前に続き、
「夫婦別姓」
を認めない民法の規定を
「合憲」
とする判断を示した。
この間の社会情勢や国民の意識の変化を踏まえつつ、国会に議論を委ねた形に。
「違憲」
となれば、新たな対応を迫られる現場からは安堵の声も聞かれた一方、申立人からは決定に不満が漏れた。
「結婚して姓が一緒になることで、家族としての一体感が生まれる」。
結婚生活40年以上になる東京都江東区の男性(71)は、合憲判断に納得の表情を浮かべた。
「子供のことを考えれば、両親が違う姓だと違和感を覚えるのではないか」
とも指摘した。
内閣府の平成29年の調査では、選択的夫婦別姓の導入に向けた法改正42.5%が賛成と答え、反対の29.3%を上回った。
ただ、賛成派に実際に別姓とするかを尋ねたところ、希望するが19.8%、希望しないが47.4%だった。
夫婦別姓が認められれば、子供への心理的影響も懸念される教育現場。
最高裁の決定に注目していた千代田区の幼稚園園長は
「途中で姓が変わった場合に、子供たちの間に動揺が広がらないようにケアするなど、新たな対応が必要になってくるだろうと思っていた」
と打ち明ける。
一方、先祖代々の墓を管理する寺院は、家族観の変化に危機感を抱いていた。
豊川稲荷(愛知県豊川市)によると、旧姓と結婚後の姓の両方を墓石に刻む女性が増えてきているといい、同寺の男性役員(53)は
「夫婦別姓になると、家という概念が失われる可能性がある」
「別姓が認められるのは難しいと思っていた」
と話した。
夫婦別姓には、財産をめぐる問題が持ち上がる可能性もある。
生命保険の受取人は原則戸籍上の配偶者や2親等以内の血縁者に限られており、ライフネット生命保険(東京)の担当者は
「姓が異なる場合、配偶者であることの確認が課題になる」。
同社では事実婚のパートナーらを保険金の受取人にできる仕組みを作っており、
「今後も社会の変化に合わせて検討していきたい」
と話した。

選択的夫婦別姓 社会混乱の引き金に 八木秀次×小島新一・大阪正論室長
ラジオ大阪ぶっちゃけ正論
2021/6/17 8:00
https://www.sankei.com/article/20210617-C2ELAEDPJ5MIHI5KLUORROEF4A/
■家族名が消える
小島
選択的夫婦別姓制度を導入すべきだという議論が昨年から国会で盛んになりました。
八木
選択的夫婦別姓とは、夫婦同姓、親子同姓という民法の考え方をふまえ、同姓にしたい人はこれまで通り同姓だけど、別姓にしたい夫婦は別姓を選んでもいい。
選択ができるという仕組みです。
一見よさそうに思えるんですよ。
小島
自分たち夫婦、家族は同姓でいたいと考えている人たちも、自分たちの同姓が守られるのならと考えてしまいますよね。
八木
ところが選択的であったとしても、その影響は別姓夫婦にとどまりません。
別姓では、1つの戸籍の中に2つの姓が存在することになります。
戸籍から、家族に共通の姓、ファミリーネーム、家族名がなくなるわけです。
小島
家族名がある戸籍とない戸籍、ある人とない人が共存することはないので、全体として家族名はなくなると。
八木
「氏名」の性格が根本的に変わるんです。
氏名とは、家族名に個人の名前を合わせたものです。
家族名がなくなれば、氏名は純粋な個人の名前になる。
すべての家族から家族名が奪われ、戸籍上、姓が同じ夫婦や子供も、各人の名前の上の部分が重なっているにすぎなくなる。
小島
たまたま上の名が同じということですね。
八木
ええ。
たいした問題ではないと思う人がいるかもしれませんが、社会制度や慣行に影響が及びます。
家族単位、世帯単位で主になされてきたものが崩れて個人単位になる。
■3つの姓から選択も
八木
別姓夫婦だと、子供の姓をいつ決めるのかという問題もあります。
兄弟姉妹で姓は統一なのか、バラバラなのか。
子供が1人だけだと、夫婦で子供の姓の取り合い、押し付け合いにならないか。
すでに結婚して同姓の夫婦も、1年あるいは3年の経過措置期間を設けて別姓を選ぶことができるとしています。
妻、あるいは夫が旧姓を名乗りたいとなった場合、夫婦の間に生まれた子供の姓の選び直しも行われることになる。
複数世代にわたる姓の変更を認めるのかという問題も想定されます。
子供のいる夫婦の妻側の母親、おばあちゃんが実家の姓に戻すという選択をした場合、連動して、妻の姓もおばあちゃんの旧姓に変えられるのか。
旧姓に戻す決断をしたおばあちゃんの娘である妻や孫は3つの姓から選ぶということになりかねない。
おばあちゃんの旧姓、夫の姓、妻の旧姓です。
小島
社会が大混乱しますね。
八木
自民党内では一時、選択的夫婦別姓の導入機運が高まりましたが、こうした現実的な問題点への理解が広まり、賛成意見はしぼみつつあります。

櫻井よしこ氏「保守政党らしからぬ提言に危機感」
2021/5/19 16:40
https://www.sankei.com/article/20210519-FRWVDCNTRVN7PLO57QDGPU2CK4/
選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な自民党有志議員を中心に作る
「婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟」
が2021年5月19日、ジャーナリストの櫻井よしこ、麗澤大学教授の八木秀次の両氏を講師に招いて国会内で会合を開いた。
櫻井氏は
「保守政党としての自民党の矜持」
と題して講演。
安倍晋三政権から菅義偉政権に代わったことで党内に変化が生じていると指摘し、
「保守政党らしからぬ政策提言、法案の提出、そしてそれを通そうとする非常に強い動きに大変な危機感を感じている」
と強調した。
「保守は、よりよい社会や国をつくるために変化はするが、その本質は変えず守っていくことだ」
とも語った。
八木氏は、選択的夫婦別姓を導入した場合の課題について
「多くの人は子供の氏が決まらないことや、氏の取り合いが起こることを懸念して結婚や出産を躊躇する」
「逆に少子化が進む可能性がある」
と指摘。
「現在の戸籍制度の下では、旧姓の通称使用を拡充することが最も現実的な解決策だ」
と訴えた。
一方、会合ではLGBTなど性的少数者をめぐる
「理解増進」
法案についても取り上げられた。
法案をめぐっては、稲田朋美元防衛相が委員長を務める
「性的指向・性自認に関する特命委員会」
が中心となり、立憲民主党などと協議して今国会での成立を目指している。
これについて、山谷えり子参院議員は
「もともとの自民党案は国柄に基づいた内容だったが、超党派の議員立法でガラッと哲学がかわってしまった」
「自民党として認めるには大きな議論が必要だ」
と語った。

異論暴論
正論6月号好評販売中 やるべきことは「夫婦別姓」か?
2021/5/3 10:00
https://www.sankei.com/article/20210503-QHTMRK3OE5KWVOEUGDN5FVJWZE/
自民党内で選択的夫婦別姓をめぐる論議が起きている。
推進論者からは結婚に伴う改姓によって生じる生活上の不都合や不便が強調されるのだが、そもそも夫婦が別姓になれば親子は別姓を余儀なくされる。
これまでの家族観や結婚観は変わり、子供に与える影響も無視できないはずだ。
正論2021年6月号では
「やるべきことは『夫婦別姓』か?」
を特集した。
高市早苗衆院議員(自民党)は、自民党のこれまでの選挙公約の実現に向け、自身が起草した
「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」
の成立の必要性を強調する。
高橋史朗・麗澤大学大学院客員教授と池谷和子・長崎大学准教授の論文は、推進者たちの主張の見せ方がいかに一面的で、良い面ばかりが強調されたものかを考えさせられる。
ジャーナリスト、平野まつじ氏は夫婦別姓が現実になると、何がもたらされ、どんな弊害が起こるのか、具体的に考えた。
子供の最善の利益をどうするか、という視点がいかに蔑ろにされ、議論のあり方として極めて危ういかがわかる。
党内で提唱される
「婚前氏続称制度」
「ミドルネーム案(結合氏制度)」
など歯牙にかけるに値しない。
選択的であろうが、夫婦別姓の導入は必要ない。

正論
国民の大多数は夫婦別姓望まず 国士舘大学特任教授 日本大学名誉教授・百地章
2021/7/6 8:00
https://www.sankei.com/article/20210706-2KVYJSZJQNPT3OSBPGFYEMTHXA/
■最高裁は合憲判断を維持
2021年6月23日、最高裁大法廷は予想通り夫婦同姓(氏)制は憲法に違反しないと判断した。
しかも合憲とした裁判官は11人と前回の平成27年判決より1人増えている。
平成27年の最高裁判決は、氏には
「家族の呼称」
としての意義があり、その呼称を一つに定める夫婦同姓制には合理性があるとして現行制度を合憲とした。
その上で、夫婦の姓の在り方は国会で判断すべきだとして、国会の立法政策に委ねた。
今回の最高裁決定は、この平成27年判決の立場を維持し、夫婦同姓を定めた民法750条や戸籍法を合憲とした上で、その後の社会の変化や国民の意識の変化を踏まえても、合憲判断を変更する必要はないとした。
これも妥当と言えよう。
ところがマスメディアの中には各種世論調査を引き合いに、別姓支持が国民多数の声であり、夫婦別姓の実現へと誘導するような報道があふれている。
そのため同姓支持を主張することがはばかられるような雰囲気さえある。
確かに内閣府の調査でも別姓支持が平成24年には35.5%だったものが、平成29年には42.5%に増加しており、その傾向は否定できない。
しかし、平成29年の調査でも、
「夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだ」が29.3%、
「夫婦は必ず同じ名字を名乗るべきだが旧姓を通称として使用するのは構わない」が24.4%
あった。
つまり、同姓支持は計53.7%もあり、別姓支持を上回っている。
■別姓望む国民はわずか8%
さらに、別姓支持者の中で自ら
「別姓を希望する」と答えた者は19.8%
にとどまる。
つまり、別姓希望者は支持者(42.5%)の19.8%だから全体でいえば0.08、つまり国民のわずか8%が別姓を希望しているだけである。
平成24年の調査でも別姓希望者は全体の8%にすぎないから、別姓希望者は全く増えていないことが分かる。
そのようなごく少数の希望者のために、明治以来120年以上の伝統を有し、国民の中に広く定着している夫婦同姓制度を改正してしまうのは乱暴ではないか。
この問題は慎重な上にも慎重に対処すべきだ。
夫婦別姓希望者のために、現在では運転免許証、パスポート、さらにマイナンバーカードまで、旧姓を通称として併記することが認められている。
だから、日常生活における彼らの不便はほぼ解消しているはずだ。
にもかかわらず彼らが別姓にこだわるのはなぜか。
今回の決定において反対意見を述べた裁判官の中には、
「家族」
の定義は不明確であるとして否定的に解し、
「姓」

「個人の呼称」
の一部と考えて、夫婦同姓制度は
「個人の尊厳」
の侵害に当たると主張する者もいる。
■「家族呼称」か「個人呼称」か
確かに、憲法24条2項は家族について
「個人の尊厳と両性の本質的平等」
に立脚して制定するよう定めているが、憲法は
「家族の保護」
を否定するものではない。
それどころか、憲法制定時の議会においては
「従来の良き意味の家族制度はどこまでも尊重していかなければならぬ」
(木村篤太郎司法大臣)
との答弁がある。
わが国が批准している国際人権規約でも
「できる限り広範な保護及び援助が、社会の自然かつ基礎的な単位である家族に対し…与えられるべきである」
としている。
それ故、わが国の家族制度は、
「個人の尊厳」

「家族の保護」
によって支えられていると見なければならない。
だからこそ、平成27年の最高裁大法廷判決も、
「家族は社会の自然的かつ基礎的な集団単位であり、氏には家族の呼称としての意義があり、氏の在り方については国の伝統や国民感情を含め総合的な判断によって定められるべきである」
とした。
それでは、家族制度の基本にかかわる
「姓(名字)」
について、国民はどのように考えているだろうか。
先の内閣府の調査(平成29年)によれば、国民の56.9%は姓を
「先祖から受け継がれてきた名称」
ないし
「夫婦を中心とした家族の名称」
と答えている。
これに対して姓は
「他の人と区別して自分を表す名称の一部」
と考える者は、全体のわずか13.4%にすぎない。
つまり、姓を
「個人の呼称」
の一部と考え、
「個人の尊厳」
を強調する反対意見は、姓を先祖伝来の
「家」

「家族」
の呼称と考える多数国民の意識と相当ズレていることが分かる。
以前、本欄で述べたように夫婦の姓をどう決めるかは、個人個人の問題であると同時に、わが国の家族制度の基本にかかわる公的制度の問題である。
しかも選択的夫婦別姓制は
「ファミリー・ネームの廃止」
につながり
「戸籍解体」
の恐れさえある(「『戸籍の解体』を招く夫婦別姓制」2021年3月29日)。
したがって、自らは希望しないにもかかわらず、
「選択的だから」
「望む人が別姓を名乗るだけだから」
などといった安易な発想で賛成してしまうのは、推進派を利するだけであり、非常に疑問といわざるを得ないであろう。

次世代の党、夫婦同姓規定「合憲」判断を「歓迎」
2015/12/16 19:12
https://www.sankei.com/article/20151216-JTCPST5AN5IUNNFTBEMB2AHLCU/
次世代の党は2015年12月16日、最高裁が夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断したことについて、中野正志幹事長名で
「判断を歓迎する」
との談話を出した。
談話では
「日本社会においては、夫婦、親子が同じ姓を名乗ることが家族の基本であり、家族の一体感を高めてきた」
「一方、夫婦別姓を求める運動では、家族が同じ姓を名乗ることを子供が望んでいることは省みられていない」
と指摘。
その上で
「日本は、既に職場などでの通称使用(旧姓使用)が否定されない社会になった」
「旧姓に拘りを持つ方は通称を用いることが可能であるし、結婚時に夫が妻の姓を選択することも可能である」
としている。

夫婦同姓規定は合憲 再婚禁止6カ月は違憲 最高裁が初判断
2015/12/16 15:24
https://www.sankei.com/article/20151216-EIZGWR6BTRIYTNB6YH7JAHKFYU/
【産経新聞号外】夫婦同姓「合憲」[PDF]
https://www.sankei.com/module/edit/pdf/2015/12/20151216iken.pdf
民法で定めた
「夫婦別姓を認めない」
とする規定の違憲性が争われた訴訟の上告審判決で最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は2015年12月16日、
「規定は合憲」
とする初めての判断を示した上で、原告側の請求を棄却した。
原告は
「時代の変化に従って選択的夫婦別姓を認めるべきだ」
などと主張したが、
「夫婦や親子など家族の在り方が損なわれる」
との慎重論は多く、世論調査も賛成・反対が拮抗してきた。
一方、
「女性は離婚後6カ月間、再婚できない」
とする規定を巡る訴訟で、大法廷は
「規定は違憲」
と初判断。
100日間を超える部分は違憲だとしたことで、国は法改正を迫られる。
最高裁が法律を違憲と判断したのは戦後10件目。
夫婦の姓について原告側は
「選択的夫婦別姓を認めないことは、婚姻の自由を不合理に制約していて、両性の本質的平等に立脚していない」
と主張。
「規定は違憲で、国会の高度な立法不作為に当たる」
と指摘していた。
国側は
「民法では、結婚後にどちらの姓を名乗るかについて、夫婦の協議による決定に委ねている」
「婚姻の自由や男女の平等を侵害していない」
と反論。
規定に違憲性はなく国会の立法不作為にも当たらないと主張していた。
両規定を巡っては、法相の諮問機関の法制審議会が平成8年、選択的夫婦別姓を導入し、再婚禁止期間も100日に短縮するよう答申した。
しかし、国会や世論の反対が多く、改正は見送られた。
民主党政権時代にも改正の動きがあったが、閣内の反対などで法案提出には至っていない。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/877.html#c29

[中国12] ついに出た! 資産凍結カード IEEPA パイプライン
2. 秘密のアッコちゃん[945] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 06:49:30 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[510]
<■550行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国、「隠れ債務」対策に総額210兆円 地方政府の負担軽減図る
2024/11/8 20:16
https://www.sankei.com/article/20241108-Y6ZET5LOYRI37MULHPTCSBRH6M/
中国の藍仏安財政相は2024年11月8日、地方政府が抱える
「隠れ債務」
と呼ばれる簿外債務に関して総額10兆元(約210兆円)規模に上る対策を発表した。
地方債の増発を認めて隠れ債務を圧縮し地方政府の負担軽減を狙う。
中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は同日閉幕した会議で、地方政府の債務限度額を2026年までに計6兆元規模引き上げる決定を承認した。
これにより発行上限は29兆5200億元から35兆5200億元となり、地方政府が抱える隠れ債務の解消を進める。
中国メディアによると、藍氏は、これとは別の形で今後5年間で計4兆元の地方債を手当てすると説明。
地方債務対策の総額は10兆元に上ると主張した。
一連の措置で14兆3千億元規模の隠れ債務を2028年までに2兆3千億元規模に圧縮し、地方政府の金利負担を5年間で計6000億元程度軽減するとの見通しを示した。
中国では地方政府の公式統計にカウントされない隠れ債務が膨らんでいる。
長期化した不動産不況により、地方政府が主要財源としている土地使用権の売却収入が大幅に低迷しており、金利負担が大きい隠れ債務に対応することが以前より難しくなっている。
直接的な内需対策は打ち出されなかった。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は2024年11月8日、米大統領選で勝利したトランプ次期大統領の貿易政策が明確になるまで、中国当局が景気刺激策の拡大を待つという金融市場関係者の見方を伝えた。

田村秀男「お金は知っている」
習近平主席の「大型財政出動」が口先だけの理由 中国で続く外貨難、共産党が支配する米ドル本位の金融システムが行き詰まり
2024.10/18 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241018-I36YAYYTEVOPRBTW53TOXGMSRA/
中国の習近平政権は底が見えない不動産バブル崩壊不況に対し、大型財政出動を今月2024年10月12日に示唆したが、口先だけにとどまりそうである。
なぜか。
西側のメディアや市場アナリストは首を傾げているが、理由ははっきりしている。
共産党が支配する米ドル本位の金融システムの行き詰まりが原因なのだ。
グラフは中国人民銀行の保有外貨資産と人民元資金発行高(マネタリーベース)の前年同期比増減率の推移である。
一目瞭然、人民銀行は外貨資産の増減に合わせて資金発行している。
外貨の大半は無論、基軸通貨米ドルである。
人民銀行は人民元を発行して流入する外貨を全面的に買い上げる。
言い換えると、ドルがふんだんに流入すれば金融を大幅に緩和でき、流入が縮小すると引き締めることになる。
ドルの裏付けのない人民元は中国国民に信用されない恐れがある。
従って共産党中央は国債発行に応じて人民元資金を創出することに極めて慎重だ。
西側の中央銀行は日銀、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行がそうであるように、通貨を発行する場合、外貨ではなく、主として国債を市場から購入する。
ところが人民銀行の場合は、これまでの20年間、総資産に占める国債など政府金融負債はわずかに4%前後にとどまっている。
対照的に、人民銀行の外貨資産比率は最近で約5割である。
2008年9月のリーマン・ショックの際には、人民銀行が巨額の資金発行を行い、国有商業銀行などに資金供給し、地方政府や国有企業向け融資を一挙に増やした。
金融の量的拡大の下で北京の中央政府は大型財政出動に踏み切った。
この離れ業は、米FRBが大量発行したドル資金が国際金融市場経由で中国に流入したからこそ可能だった。
中国への外貨流入源は貿易など経常収支の黒字と外国からの対中投融資だが、中国は資本の流出が激しく、経常収支黒字だけでは外貨が底を突く恐れが付きまとう。
特に2015年から2016年には金融危機が発生し、中国の投資家が資金を一斉に海外に持ち出す資本逃避ラッシュとなった。
習政権がそこで頼りにするのが、外国企業による直接投資と海外の金融機関や投資家による証券投資だが、不動産バブル崩壊と共に、2022年以降、対中投融資が激減している。
習政権は資本の流出を厳重に取り締まることで、辛うじて外貨資産の減少を食い止めているが、外貨難は続いている。
中国財政省は2024年10月12日に
「財政支出を大幅に増加する用意がある」
と表明したものの、具体的な金額については触れなかった。
景気テコ入れのために必要な国債発行は日本円換算で約200兆円に上ると推定されるが、市場で消化するためには人民銀行の資金発行が欠かせない。
すると、人民元の価値が失われ、一党独裁制の根底が揺らぐ。
習氏はそんな悪夢に悩んでいるだろう。
 (産経新聞特別記者・田村秀男)

「客が途切れない」 底が見えない不動産不況 金買いに走る中国の個人投資家
2024/10/18 18:45
https://www.sankei.com/article/20241018-5AYBFRX6NFKLJMM7OB6RYMVFL4/
中国国家統計局が2024年10月18日発表した2024年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4・6%増で、政府の通年目標「5%前後」の達成が厳しい状況になった。
中国当局は景気下支えに躍起だが、景気鈍化の主因である不動産不況に反転の気配はなく、個人投資家は不動産市場への警戒を崩していない。
■金価格が24%上昇
中国南部を代表する経済都市である広東省深圳市の中心部に宝飾店が集中している一角がある。
特に多くの店舗が集まるビルの地下フロアでは、平日昼にもかかわらず多数の来店客がショーケースに釘付けになっていた。
視線の先にあるのは金(ゴールド)だ。
「去年くらいからずっと客が途切れない」
「資金に余裕がある人が金につぎ込んでいるようだ」
金商品を扱う宝飾店の女性店員は好調な売れ行きをこう語った。
中国人は伝統的に金を好んできたが、最近は拍車がかかっている。
中国国営新華社通信によると、中国国内の金価格は今年2024年、上昇率が2024年9月末までに24%に達して過去5年間で最大を記録した。
金価格高騰を受け、販売店の新規出店が増えている他、下取りビジネスも活性化した。
中国人民銀行(中央銀行)が外貨準備高のうち金の保有量を今年2024年4月末まで増やし続けたことに加え、中国経済への不安感も個人投資家を金買いに走らせた。
女性店員は
「不動産価格の下落に伴う不安心理から、金に頼る人が増えている」
と指摘。
深刻化する不動産不況を前に、個人投資家は金に代表される
「安全」
な投資先を探している。
■当局本腰も景気浮揚難しく
不動産不況は底が見えない。
統計局が2024年10月18日発表した2024年9月の新築住宅価格指数は主要70都市の94%に相当する66都市で前月と比べて下落。
市場の需給状況をより反映しやすい中古住宅は全70都市で値下がりした。
不動産不況の影響は大きい。
不動産価格の下落が消費を冷やす逆資産効果を生じさせ、内需低迷が生産の低迷につながる悪循環に陥りつつあると指摘される。
底が見えない状況に危機感を覚えた中国共産党・政府は、重い腰を上げた。
2024年9月下旬以降、大規模な金融緩和の他、不動産市場の支援策、財政出動を伴う経済対策の方針を示した。
中国の株式市場もこれに反応し、代表的指標である上海総合指数が今月2024年10月8日には約2年8カ月ぶりの高値水準を付けた。
ただ、その後は当局の政策に対する様子見ムードが広がって、乱高下の展開となっている。
不動産不況や「ゼロコロナ」政策の後遺症を背景に民間企業の経営が不安定化して庶民の雇用・所得環境が悪化していることに加え、地方政府の過剰債務や少子高齢化、米中対立といった構造的な問題もあり、景気浮揚は容易ではない。
(広東省深圳市 三塚聖平)

<主張>中国の過剰生産 習氏は欧米の懸念直視を
社説
2024/5/19 5:00
https://www.sankei.com/article/20240519-KGSX6XYIVBIT7L45U572LUPVRA/
中国政府による補助金支援を受けて過剰生産された製品が、国内から溢れて海外に安価で輸出される。
これが市場競争を歪めているとして中国が欧米から指弾されている。
バイデン米政権は中国製の電気自動車8EV)への関税を4倍に引き上げる他、太陽光パネルやリチウムイオン電池などにも制裁関税を課すと発表した。
欧州連合(EU)の欧州委員会も中国製EVなどを調査しており、状況によっては対抗措置を辞さない構えである。
今後、欧米と中国が報復関税を掛け合う展開となれば、世界経済の混乱や停滞を招きかねない。
強硬な措置を講じた米国はもちろん、中国においても、保護主義の高まりが望ましくないのは言うまでもない。
ただし根本的な問題は、中国の貿易慣行が不公正だとする各国の疑念に向き合わない習近平政権の姿勢にある。
習国家主席が欧州歴訪で
「中国の過剰生産能力問題というものは存在しない」
と語ったことは理解し難い。
頑なな姿勢を改めなければ欧米との対話も成り立つまい。
対立は長引くばかりだろう。
習政権が直視すべきは自国産業の構造問題だ。
中国は経済の鈍化が顕著で、国内需要が低迷している。
一方で企業の生産意欲は強く、需要に比して供給能力が過剰だ。
このため輸出で帳尻を合わせる構図である。
更に不透明な補助金の問題がある。
これまでも中国は、補助金を出す際に求められる世界貿易機関(WTO)への通報義務を守らず、輸出に関わる補助金の実態を隠してきたことが問題視されてきた。
かつて世界の鉄鋼業界が、補助金を受けた中国企業の安値輸出で打撃を受けたこともある。
今も同様に海外企業の経営や雇用を揺るがしているならば批判も当然だ。
一方、バイデン政権の今回の措置には大統領選に向けて雇用創出や対中強硬姿勢を訴える政治的思惑もあろう。
国内法で一方的に追加関税を課す手法はトランプ政権時にも見られ、日本も鉄鋼などへの追加関税を強引に課された苦い経験がある。
日本はこの点も踏まえつつ欧米と連携し、中国の不公正な貿易慣行を正していくべきだ。
中国の過剰生産問題は日本企業の経営にも影響を及ぼす。
あらゆる機会を捉えて中国側に改善を迫らなくてはならない。

米、中国企業の太陽光パネル規制強化 東南アジア4カ国通じた迂回輸出に関税
2024/5/16 20:46
https://www.sankei.com/article/20240516-CN7FINEJHJKZPNWY2I6ZOOQWDY/
米政府は2024年5月16日、中国企業が太陽光パネルを関税逃れの目的で東南アジア4カ国を通じて迂回輸出しているとして、輸入規制を強化すると発表した。
4カ国への関税免除の措置は2024年6月6日に終了する。
2024年11月の大統領選を控え、国内製造業者を保護、育成する姿勢を強調する狙いとみられる。
ただ安価な製品の輸入を抑えることにより、バイデン政権が推進するクリーンエネルギーへの転換に逆行するとの批判が出る恐れもある。
対象はカンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムの4カ国。
気候変動対策を重視し巨費を投じるバイデン政権は2022年6月、供給不足への対策として4カ国からの同製品の関税を2年間免除する措置を講じていた。
米政府は、東南アジアを経由した中国製品の米国への迂回輸出が2023年急増したとし、過剰生産が問題視される中国企業との競争を
「公正なものとする措置だ」
とした。(共同)

<主張>習氏の欧州歴訪 中国外交の限界を示した
社説
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-CAWLZHUPZRMT3FBZHIFCNTT2U4/
独善的な中国外交の限界を示した外遊だったのではないか。
中国の習近平国家主席がフランス、セルビア、ハンガリーを訪問した。
習氏にとっては国内の経済不振の打開に向けた対欧経済関係の強化や、米主導の対中包囲網を切り崩して欧州を自国側に抱き込む思惑があったのだろう。
だが、経済を巡る欧州との対立は解消されず、ロシアのウクライナ侵略に関する見解も噛み合わなかった。
習氏は、自らの狙いが不首尾に終わった現実を重く受け止めるべきである。
米国との対立が続く中国にとって欧州との通商・経済関係の維持・発展は重要だ。
これに対して欧州側では他国への経済的威圧などをやめない中国への警戒感が強まっている。
特に巨額の補助金を受けて過剰に生産された中国製品が安価に流入していることへの反発が強く、習氏にはこの問題での欧州側への歩み寄りが求められていた。
ところが習氏は問題の存在すら否定し、解決を遠のかせた。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は進展がなければ対抗措置も辞さない姿勢を示したほどである。
ウクライナを巡る中国と欧州側の溝の深さも印象付けられた。
マクロン仏大統領は首脳会談後の共同会見で
「習氏がロシアに、如何なる武器も売却せず、軍事転用可能な物資の輸出を厳格に管理することを約束した」
と発言した。
一方の習氏は
「中国は当事者ではない」
と述べ、
「ウクライナ危機を利用して、第3国を中傷したり、新冷戦を扇動することに反対する」
と反発した。
外遊先の選定からも中国外交の限界が窺える。
欧州主要国で訪問できたのは、米国とは一線を画す独自外交のフランスだけで、英国やドイツ、2024年の先進7カ国(G7)議長国のイタリアへの訪問はなかった。
ドイツのショルツ首相は2024年4月に訪中したが、これで関係が好転したわけではない。
帰国直後に独連邦検察庁が欧州議会の情報を中国の情報機関に流していた疑いで欧州議会議員のスタッフをスパイ容疑で摘発した。
セルビア、ハンガリーのように中国に接近しようとする国もあるが、欧州では総じて対中不信が根強い。
中国の脅威に直面する日本もこの点を踏まえて欧州との連携を図るべきだ。

中国の過剰生産に日本企業も苦慮 鋼材の価格下落やEV過当競争が打撃に
2024/5/14 21:23
https://www.sankei.com/article/20240514-UVG54O6XKFLXZF6JZTJMR6VPXE/
バイデン米政権は2024年5月14日、国内産業の育成や保護のため、中国製の電気自動車(EV)や太陽光発電の関連品、鉄鋼などに対する関税を2〜4倍に引き上げると発表した。
関税を強化する理由については
「中国が人為的に低価格製品を世界市場に溢れさせている」
と指摘。
中国政府の産業支援による過剰生産によって、安価な中国製品が米企業に与える悪影響に対応する措置だと説明している。
中国の過剰生産問題には日本企業も悩まされている。
特に不動産不況による建設需要の低迷で中国国内の需給が緩んだ鉄鋼分野の影響は顕著だ。
中国勢などの高水準の生産で原料の石炭価格が高止まりする半面、余剰の鋼材がアジア向けを中心に安値で輸出に回っており、原料高と市況の下落でアジアの鋼材市況品の利益は過去最低水準に悪化しているという。
■中国の2024年3月の鋼材輸出25%増
中国の2024年3月の鋼材輸出は前年同月比25.2%増の988万トンと2016年7月の1030万トンに迫る高水準。
2024年4月も増勢は変わらず、市況悪化で日本製鉄は今年度の事業利益が900億円押し下げられる見通し。
今井正社長は
「原料コストと製品市況のデカップリング(切り離し)は構造的な問題として捉えなければならない」
「未曾有の厳しさが継続する」
と話す。
一方、トヨタ自動車など日本の自動車大手は中国で電気自動車(EV)の過当競争の煽りを受けている。
EVの普及率が約2%と低い日本国内は、中国製EVの攻勢を受ける欧州のような状況にはないが、EVを中心とする供給過多により中国国内の新車の
「価格競争が日に日にきつくなっている」(トヨタの宮崎洋一副社長)
という。
■三菱自動車は中国から撤退
EVを中心とする
「新エネルギー車」
への急速な需要シフトと過当競争で、2023年秋には三菱自動車が中国から撤退。
エンジン車が売れないため、ホンダや日産自動車では中国拠点の生産能力の余剰に直面している。
また、日本メーカーの一部は中国の生産能力の輸出への活用を検討しており、中国の過剰生産問題で欧米などが関税を引き上げれば影響を受ける可能性もある。

過剰生産、中国側も認識 価格競争加速、各国に影響 米欧の批判受け態度硬化
2024/5/14 21:14
https://www.sankei.com/article/20240514-IWUOALQH5VJFJNS7XX5A2JV2SU/
バイデン米政権が中国製の電気自動車8EV)や太陽光発電の関連品、鉄鋼などに対する関税を2〜4倍に引き上げる。
中国政府の産業支援による過剰生産によって、安価な中国製品が米企業に与える悪影響に対応する措置だと説明している。
中国の生産能力が過剰化していることはデータから窺える。
中国国家統計局によると2024年1〜3月の設備稼働率は73.6%。
新型コロナウイルス禍が深刻化し、中国経済が停止状態に陥った2020年1〜3月(67.3%)以来の低水準だった。
供給過剰分が海外市場にあふれ出ており、価格競争が加速して各国に打撃を与えかねない。
■設備稼働率が自動車や電気機器で低下
中国の設備稼働率は足元で自動車製造業や電気機器関連業の低下が目立つ。
中国誌
「財新週刊」
によると、中国の自動車メーカー全体の稼働率は2017年に約62%だったが、2023年10〜12月には約48%に落ち込んだ。
在中国の欧州連合(EU)商工会議所の前会長は、中国企業の太陽電池の生産能力が現在の世界需要の約2.5倍もあるとの見方を同誌に示した。
経済成長の鈍化もあり国内需要に限りがある。
そのため鉄鋼の他
「新御三家」
と呼ばれる電気自動車(EV)、リチウムイオン電池、太陽電池の海外輸出が拡大している。
中国は粗鋼生産量で世界の5割強を占める。
■生産や投資に対する企業の意欲強く
中国側も問題を認識しているが、生産や投資に対する企業の意欲は歴史的に強い。
地方政府が地元企業を保護する一方、企業側は投資集中や過当競争で市場独占を狙うのが中国産業の病巣≠ニも指摘される。
中国政府は、これまでも供給の抑制に重点を置いた
「供給側構造改革」
や、内需主導型経済への移行などを進めようとしてきた。
しかし、米欧の批判を受け態度を一気に硬化。
「中国包囲網」
の一環と受け止め、政治問題として処理するようになったのが現状だ。
習近平国家主席は2024年5月6日、パリでマクロン仏大統領、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長と会談した際、欧州側から過剰生産に対処するための措置を講じるよう促されたのに対し、
「いわゆる中国の過剰生産能力問題というものは存在しない」
と懸念を受け入れない姿勢を明確にした。

米、雇用保護で安価な中国製品流入を阻止へ EUは警戒も中国依存のジレンマ
2024/5/14 21:09
https://www.sankei.com/article/20240514-EGADT64VUZLZ5KYBEZGZCPESJI/
電気自動車(EV)や太陽光パネルなどの中国の過剰生産を巡り、米欧各国が再び厳しい対応に出始めた。
バイデン米大統領が安価な中国製の流入を阻止する対策に乗り出し、欧州連合(EU)も対抗措置を視野に入れる。
米国は2024年11月に大統領選を控え、候補者が労働者保護を競う。
欧州でも中国への警戒感が増大。自国・地域の産業保護が対中姿勢を硬化させる構図が鮮明だ。
■EV、米優先課題に直結
バイデン氏は2024年4月上旬、イエレン財務長官を中国に派遣した。
イエレン氏は何立峰(かりつほう)副首相との会談で、中国によるEVの過剰生産問題などをテーマにマクロ経済に関する対話を実施することで合意。
李強首相との会談では、中国の過剰生産が米国経済に悪影響を及ぼすとの懸念を伝達した。
バイデン氏がEVを重視するのは、最優先課題に掲げる気候変動対策と雇用創出の両方に直結しているからだ。
中国の安価なEVが流入すれば米企業の売り上げが落ち込む。
大統領選で雇用や景気は集票に大きな影響を与える。
返り咲きを目指すトランプ前大統領がバイデン氏を親中≠ニ批判しており、弱腰に映ることを避ける狙いも見え隠れする。
バイデン氏は2024年4月17日、東部ペンシルベニア州にある全米鉄鋼労働組合(USW)本部で演説し、中国製の鉄鋼とアルミニウムの制裁関税を3倍に引き上げることを検討すると表明。
中国政府による鉄鋼企業への多額の補助金を問題視し、
「彼らは不正行為をしている」
と非難するなど、中国との摩擦も辞さない構えをアピールした。
■欧州は「補助金」調査
EUも中国製の安いEVや太陽光パネルなどの余剰製品が大量に輸出され域内企業に打撃を与えると懸念を強めている。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は2024年5月6日、中国の習近平国家主席とマクロン仏大統領との3者会談で、習氏に対しEVなど多額の補助金を受けた中国製品が
「欧州に溢れている」
と指摘。
「EU(の市場)は大量の中国製工業製品を吸収できない」
と強調し、過剰生産に対処する措置を講じるよう迫った。
EUは、中国が補助金で価格の安いEVや太陽光パネルなどの輸出を促したと見て、調査にも乗り出している。
中国による不当な補助金支給が確認された場合、追加課税などに踏み切る方針だ。
EUは日本とも連携して、中国の不公正貿易に対抗する構えだ。
パリで2024年5月上旬に開催した
「日・EUハイレベル経済対話」
では、中国を念頭に供給網の強靱化などの経済安全保障を討議した。
しかし、欧州の太陽光発電の普及には安価な中国製が必要との見方もある。
欧米メディアによると、EUは太陽光パネルの輸入の8割以上を中国に依存。
欧州のエネルギー問題の専門家は中国製の輸入規制は欧州の太陽光発電の導入目標の実現を阻害すると見ている。
また、EUが追加課税などを実施すれば中国が報復関税を行うリスクも懸念される。
自動車産業などで対中依存が強いドイツのショルツ首相は、EUによる中国企業への追加関税には否定的な姿勢を示している。

米、中国製EVや太陽光発電などの関税を2〜4倍に 不公正貿易に対抗、国内産業を保護
2024/5/14 18:06
https://www.sankei.com/article/20240514-GLXGE57TQFJQDHJ6X2FQ6OCKLE/
バイデン米政権は2024年5月14日、国内産業の育成や保護のため、中国製の電気自動車(EV)や太陽光発電の関連品、鉄鋼などに対する関税を2〜4倍に引き上げると発表した。
経済や安全保障上の重要産業に絞り、
「不公正な貿易慣行」
を続ける中国の安価な製品が流入することを阻止する。
バイデン大統領が指示した。
バイデン政権は、不公正貿易と見なす相手国への制裁を定めた米通商法301条などに基づき、現行25%の中国製EVに対する制裁関税を2024年年内に4倍の100%にする。
鉄鋼とアルミニウムの製品に関しても2024年年内に現行の0〜7.5%を25%に引き上げる。
今回の措置は、米政権が育成に注力するクリーンエネルギー関連産業にも及んだ。
EV向けリチウムイオン電池の関税を7.5%から25%に、太陽光発電の関連品は25%から50%に引き上げる。
関税を強化する理由については
「中国が人為的に低価格製品を世界市場に溢れさせている」
と指摘。
中国政府の産業支援による過剰生産によって、安価な中国製品が米企業に与える悪影響に対応する措置だと説明している。
また、知的財産の窃取などを踏まえ、
「中国の不公正な貿易慣行が米国の企業や労働者を脅かしている」
と厳しく批判。
米国のサプライチェーン(供給網)を維持していく上でも、制裁関税で米国の企業活動を保護する必要性を強調した。
リチウムイオン電池の材料となる重要鉱物の天然黒鉛(グラファイト)は0%から25%にする。
黒鉛は世界生産の8割超を中国が占めると言われる。
中国依存を回避し、米国内の供給網を強化する狙いがある。
供給網の脆弱性が問題視された半導体に関しては税率を2025年までに25%から2倍の50%に強化する。
米通商法301条を巡っては、対中貿易赤字を問題視したトランプ前政権が2018年に中国からの輸入品に制裁関税を発動し、米中が報復関税を実施する貿易戦争に発展した。

米が中国EVや電池、太陽光発電設備などに制裁関税 来週発表か
2024/5/10 11:40
https://www.sankei.com/article/20240510-EHBAK36DXBIXLKDZ6JVUXCGERA/
米ブルームバーグ通信は2024年5月9日、バイデン政権が来週にも、対中関税の強化を発表すると報じた。
相手国の不公正貿易に対する一方的な制裁を認めた米通商法301条に基づく措置で、電気自動車(EV)や電池、太陽光発電設備などが対象になる見通し。
301条に基づく関税を巡っては、トランプ前政権が2018年から段階的に発動。
バイデン政権は追加関税を維持した上で、その効果や影響を分析していた。
EVや電池、太陽光発電設備に関しては、中国政府の多額の補助金や過剰生産による米国経済への悪影響が問題視されていた。(共同)

外資企業の中国への直接投資が昨年は82%減 30年ぶりの低水準 経済鈍化や政治リスク警戒
2024/2/18 21:56
https://www.sankei.com/article/20240218-BFXT6DSEONPP5MBFBDYJJCFRSQ/
中国国家外貨管理局が2024年2月18日発表した2023年の国際収支によると、外資企業による直接投資は330億ドル(約4兆9500億円)だった。
前年比で約82%減で、30年ぶりの低水準にとどまった。
中国は改革開放政策の下で外資を呼び込んで急速な経済成長に繋げてきたが、経済成長の鈍化や政治リスクを警戒して外資企業が対中投資意欲を減退させているとみられる。
2023年10〜12月期は175億ドルと持ち直した。
2023年7〜9月期には118億ドルのマイナスに陥っていた。
新規投資よりも撤退や事業の縮小が大きくなった形で、比較可能な統計を公表している1998年以降で初のマイナスだった。
中国での新規投資に慎重になり、撤退や事業縮小を進めている外資企業が出ている。
不動産不況を背景とした中国経済の減速に加え、米中対立や反スパイ法が中国事業に与える影響を懸念しているもようだ。
中国に進出する日系企業の団体、中国日本商会が2024年1月発表した会員企業アンケートでは、2023年の対中投資を「しない」か「2022年より投資額を減らす」と回答した企業は計48%で、増加意向は計15%にとどまった。
習近平政権は2023年、外資の対中投資を呼び込んで中国経済の回復に繋げようとしたが、思うような成果を上げることが出来ていない。

田村秀男「お金は知っている」
ネット通販乱立が招く中国デフレ「アリババ」「SHEIN」「Temu」 激安競争で中小企業が犠牲、返品率3割のサイトも
2024.2/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20240216-NQBG24OGXJL4RN23Q3B4TQZUME/
中国の国家安全部はSNSの「微信」(ウィーチャット)に公式アカウントを持ち、しばしば脅しのメッセージを流す。
2023年12月15日には、中央経済工作会議の決定を踏まえて、以下のように警告した。
「外部から、中国経済を貶める意図を持つ各種の『常套句』が絶えず現れている」
「本質は虚偽を述べて『中国の衰退』という『言葉の罠』『認知の罠』を作り出し、中国の特色ある社会主義制度とその進む道を攻撃、否定し、中国に対する戦略的な包囲・抑圧を企むものだ」
拙論は産経新聞出版から『中国経済衰退の真実』を2024年2月1日に出版した。
このタイトルを決めたのは上記の工作会議より前だから、国家安全部の警告とは無関係である。
同書の多くのデータは中国国家統計局の公表値を使っている。
それに基づく趨勢は中国がバブル崩壊不況からの脱出が困難になっていることや、
「特色ある社会主義制度」
の行き詰まりを物語る。
思い出すのは2007年のことだ。
中国人民解放軍の参謀本部のスタッフたちが産経新聞の招きで来日した時、
「産経新聞は北京の外交当局から睨まれているが、あなた方はどう思うのか」
と聞くと、
「日本の新聞で読む価値があるのは産経新聞だけだ」
「何故なら、我々の知らないことが書かれている」
との答えが返ってきた。
今の習近平政権は不都合な真実を悉く排除、隠蔽し、公安当局が経済に関してネガティブな情報を流す者に
「反スパイ法」
を適用しかねないというから、隔世の感ありである。
本グラフは中国の消費者物価の前年比増減率と消費財売上高に占めるネット通販の割合を対比させている。
いずれも国家統計局データだが、月々のばらつきを馴らすために、消費財販売データが欠如している毎年1月を除外した11カ月平均値を算出した。
ネット通販比率が高まるにつれて物価上昇の幅が小さくなり、2023年10月から2024年1月まで4カ月連続で前年比マイナスになった。
デフレとは物価の継続的下落を指すが、需要面もみる必要がある。
消費財の売り上げ総額は2022年に前年を下回ったものの2023年は7.2%上回っている。
消費は回復しているようにも見える。
だが、ここで注目すべきは新型コロナウイルス禍の2020年以来顕著なネット通販のシェアの急増だ。
2023年の消費財売上高は2019年に比べ127兆円増となったが、7割に当たる90兆円近くがネット通販だ。
中国のネット通販サイト業界は日本でもお馴染みのアリババグループ、SHEIN(シーイン)、Temu(ティームー)など約10社が乱立し、多くが激安を競っている。
中には、品質管理が疎かになり、返品率が3割に達する通販サイトもあるようだ。
犠牲になるのが品物を受注生産する中小企業である。
安値に適応するため中国企業は賃金が安い周辺アジアに移転する。
不動産バブル崩壊に伴う消費意欲の萎縮がそれに重なる。
やはり中国はデフレ不況なのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

日曜経済講座
不動産不況への対応急ぐ習政権 「中国衰退」論に反発し摘発示唆 中国総局・三塚聖平
2023/12/31 11:00
https://www.sankei.com/article/20231231-SU7OX56QORIUDD56CCDG7EKGHQ/
★資金繰り難に陥っている中国不動産最大手、碧桂園の本部ビル=2023年12月上旬、中国広東省仏山市(三塚聖平撮影)
中国共産党と政府が2023年12月11、12の両日、2024年の経済政策の基本方針を決める中央経済工作会議を開催した。
年に1度開く経済分野の重要会議で、習近平国家主席(党総書記)や李強首相らが出席した。
中央経済工作会議から中国経済の現状や、2024年の経済政策の方向性が見えてきた。
国営新華社通信によると、会議では
「経済回復を更に推し進めるにはいくつかの困難と課題を克服する必要がある」
との認識が示された。
長期化した「ゼロコロナ」政策の後遺症や、深刻化している不動産不況が中国経済の足を引っ張り、庶民の雇用・所得環境は厳しい状態が続き、新型コロナウイルス禍の終了後も景気回復に勢いがない。
習政権が、そうした状況に改めて危機感を示した形だ。
そこで、重点分野の1つとして挙げたのが
「不動産、地方債務、中小金融機関などのリスクを統一的に解消する」
ことだ。
不動産に関しては、国有企業か民間企業かを問わずに
「不動産企業の合理的な資金需要を平等に満たし、不動産市場の平穏で健全な発展を促進する」
との方針が打ち出された。
中低所得者向け住宅の建設などを進め、
「不動産発展の新モデル構築を加速する」
と指示した。
不動産市場は、当局の統制強化に端を発する不況が長期化しており、減速傾向から抜け出す気配がない。
国家統計局によると、2023年1〜11月の不動産開発投資は前年同期比9.4%減とマイナスが続く。
従来、習近平政権は不動産業の救済に積極的ではないと見られていたが、消費者の不安心理を解消するためにも資金支援を進める見通しだ。
米ブルームバーグ通信は2023年11月、中国当局が資金支援の対象となる不動産開発企業50社のリストを策定していると報じた。
2023年10月に米ドル建て社債の利払いを期限内にできず資金繰り難にある中国不動産最大手の碧柱園も含まれているという。
コロナ禍後も回復が遅れている消費に関しては、
「新型消費を育てて強大にする」
と盛り込んだ。
成長が期待できる分野として、デジタルやグリーン、健康、インテリジェント(智能)家庭用品、文化、娯楽、観光、スポーツイベントなどを挙げた。
2024年の経済成長率目標も議論したと見られる。
2023年通年の成長率目標である
「5%前後」
の成長率目標は2023年と同水準の設定になるとの観測が強まっている。
目標は、2024年3月の全国人民代表大会(全人代)で表明される。
中央経済工作会議では
「発展と安全を両立させる」
という方針を示し、重点分野の1点目として
「サプライチェーン(供給網)の強靭性と安全レベルを高める」
と明記した。
半導体輸出規制などにより対中圧力を強める米国や、それに歩調を合わせている日本などを睨み、経済安全保障の強化や科学技術の欧米依存からの脱却を急ぐ方針と見られる。
一方で
「経済の宣伝と世論の誘導を強化し、中国経済光明論を鳴り響かせる」
ことを求めた。
中国経済光明論とは、
「中国経済の見通しは明るい」
といった主張だ。
景気回復が鈍化する中、庶民は中国経済に対する
「自信喪失」
に陥っており、先行きへの警戒感が消費にマイナス影響を与えている。
習近平政権はそうした状況に苛立ちを強めていると見られ、中央経済工作会議では
「自信を強めなければならない」
とハッパを掛けている。
その方針の下、中国当局は既に動きを見せている。
中央経済工作会議後の2023年12月15日、中国でスパイ摘発などを担う国家安全省は交流サイト(SNS)で
「中国経済を貶める古臭いありきたりの論調が絶えず生まれている」
と主張して
「『中国衰退』という偽りの話を作り上げようと企て、中国の特色ある社会主義制度を攻撃している」
と反発。
国家安全省は更に
「経済安全保障に危害を加える違法犯罪活動を断固として法により処罰する」
として、中国経済に関する批判的な論評も違法行為として摘発する可能性を示唆した。
2023年12月、中国が計画経済から市場経済への移行を進める改革開放政策に転じてから45年となった。
改革開放を主導した都ケ小平以降、中国は経済成長を最優先する路線を取ってきたが、習近平政権は
「国家安全」
に重点を置いて発展を目指すという路線変更を進めていると指摘される。
中央経済工作会議も
「質の高い発展によって高いレベルの安全を推進し、高いレベルの安全によって質の高い発展を保障しなければならない」
と強調した。
国家外貨管理局によると2023年7〜9月期の国際収支で、外資企業による直接投資が初のマイナスとなった。
統制色を増す習近平政権の政策も外資企業の中国投資に影響を与えているもようだ。
今回の中央経済工作会議を受けて外資企業がどう動くか注目される。

誤った対中認識に基づき天皇ご訪中推進 外務省、平成4年外交文書で明らかに
2023/12/30 17:24
https://www.sankei.com/article/20231230-BDPSEP7MBRLQPISV5K7LLN2OBY/
★天皇、皇后として万里の長城を見学される上皇ご夫妻=1992年10月、北京市の八達嶺
外務省が2023年12月20日に公開した1992(平成4)年の外交文書で、当時の外務省が中国に対する甘い認識や見通しを持っていたことが明らかになった。
1992(平成4)年10月の天皇、皇后両陛下(現上皇ご夫妻)のご訪中も、結果的には誤った対中認識に基づいて進められたと言える。
「今後長期的に展望すれば、中国社会は必然的に民主化・自由化の方向を辿らざるを得ない」
「その際、(中略)予測は困難であるが、いずれにせよ多少の混乱は不可避であろう」
「今後の1年ないし2年はその前夜の小康状態と言えよう」
「従って、天皇御訪中のタイミングとして明年を選ぶことは賢明な選択である」
1991(平成3)年11月28日、橋本恕(ひろし)駐中国大使(当時、以下同)は、渡辺美智雄外相に宛てた公電でこうした考えを示した。
だが、それから32年が経過したが、中国は民主化していないどころか、習近平政権下でむしろ閉鎖的、全体主義的になっている。
また、外務省が作成した1991(平成3)年12月18日付の対宮内庁説明用資料は天皇陛下のご訪中について
「隣国たる中国との関係において積極的に対応すべきものであり、不幸な過去を清算し、日中関係を21世紀に向けて新たな段階に発展させる上で大きな意義を有する」
と説明していた。
小和田恒外務事務次官も1992(平成4)年3月、アマコスト駐日米大使に
「過去の清算は、現天皇の訪中によって初めて可能になる」
との認識を示した。
だが、1992(平成4)年4月に公賓として来日し、天皇陛下のご訪中を招請した江沢民中国共産党総書記は国家主席となった後、1994(平成6)年から反日的な愛国主義教育を開始。
2010(平成22)年に国賓として再び来日した際には、宮中晩餐会で歴史問題に言及し、顰蹙を買った。
外務省が期待したように不幸な過去は清算されなかった。
1992(平成4)年7月には中国課が天皇陛下ご訪中の意義と反対論に対する応答のポイントを作成。
「中国は天皇訪中によって日本からより一層の経済協力を引き出さんとしている」
との意見への回答として、
「我が国が陛下訪中と経済協力を結び付けることはあり得ず」
「中国側にもこのような期待は一切ない」
としていた。
政府が1992(平成4)年8月25日にご訪中を閣議決定するのに際し、当時の中国課長が1992(平成4)年8月24日に記者向けに行った事前ブリーフィングでは
「中国も陛下の御訪中を政治利用しないことを明確にしている」
と説明した。
しかし、中国の外相として日本側との折衝に当たった銭其琛氏は天皇陛下のご訪中について、後に回顧録で
「西側の対中制裁を打破する上で、積極的な作用を発揮した」
と政治利用の成果を指摘した。

http://www.asyura2.com/17/china12/msg/895.html#c2

[戦争b25] 米国の有力メディアもウクライナの敗北を認めざるをえなくなってきた(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
39. 秘密のアッコちゃん[946] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 06:54:33 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[511]
プーチン氏、対日関係構築「用意がある」 露撤退の日系企業に「どうぞ戻ってきて」
2024/11/8 18:54
https://www.sankei.com/article/20241108-MLRMYNBMRRJGZAPYAIKDNOCQPI/
ロシアのプーチン大統領は2024年11月7日、日本との平和条約締結交渉に関し、ロシア側は色丹・歯舞の2島引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に
「何ができるか考えていたが、日本側が突然、我々に制裁を科した」
と述べた。
今後、対日関係構築の用意があるとも表明した。
ロシア南部ソチで開催された有識者らが参集した
「ワルダイ会議」
で笹川平和財団の畔蒜泰助上席研究員の質問に答えた。
プーチン氏は
「我々が日本にどんな悪いことをしたというのか」
と主張し、日本の対露制裁は
「米国の命令を受けたからだ」
と強調した。
プーチン氏はまた隣国日本との関係は
「歴史的に悲劇的な時期もあったが、誇らしい時期もあった」
と指摘。
ウクライナ侵攻後にロシア市場を去った日本企業を念頭に
「どうぞ戻ってきてください」
と訴えた。(共同)

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/800.html#c39
[戦争b25] 米国の有力メディアもウクライナの敗北を認めざるをえなくなってきた(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
40. 秘密のアッコちゃん[947] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 07:34:03 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[512]
露と北朝鮮の軍事協力拡大を非難 NATO意思決定機関「インド太平洋地域にも影響」
2024/11/9 6:44
https://www.sankei.com/article/20241109-26KHSSSV3JOZ7L7LHLZB5KNM7I/
北大西洋条約機構(NATO)の意思決定機関、北大西洋理事会は2024年11月8日の声明で、ロシアと北朝鮮の軍事協力拡大を
「インド太平洋地域にも影響を及ぼす」
と非難した。
ウクライナや日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドも声明に賛同していると明記した。
北朝鮮が
「弾道ミサイルや数百万発の弾薬を提供してロシアを支援している」
「戦闘部隊の展開は、ロシアのウクライナに対する違法な侵略への支援を危険なまでに拡大させる」
と指摘。
「ロ朝の協力拡大は国連安全保障理事会決議に違反する」
「ロシアが安保理常任理事国であることを考えれば悪質だ」
と批判した。(共同)

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/800.html#c40
[国際35] 米大統領選でトランプが勝利して何が変わり、何が変わらないのか(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
44. 秘密のアッコちゃん[948] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 07:44:19 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[513]
<▽30行くらい>
<産経抄>石破首相の対米外交 安倍氏の手法真似てはどうか
2024/11/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241109-4UGHOLPPSRLPXJQ4ADOGE5ER6Q/
政治家の言葉は額面通りには受け取れない。
石破茂首相が2024年1月7日、米大統領選に勝利したトランプ前大統領と初の電話会談を行った後、記者団に述べたこのセリフもそうだろう。
「非常にフレンドリーな感じがした」
「言葉を飾ったり繕ったりするのではなくて、本音で話ができる方だ」 
▼その通りなら、日米両首脳の初接触としてまず成功だと言える。
とはいえ、会談時間は僅か5分間に過ぎない。
双方が通訳を介すので、実質的には2〜3分間ぐらいか。
これで本音で話し合える相手だと確信できるとは思えない。
▼2016年11月、トランプ氏が大統領選に当選した後の当時の安倍晋三首相との電話会談は、約20分間だった。
安倍氏は抄子に、ユーモアを交えて語った。
「彼はかなり強いリーダーが好きみたいで、幸い私も強権と言われているから」
「私にかなりシンパシーを感じている様子だった」。
▼今回、トランプ氏が各国指導者と行った電話外交の一部は会談時間が報じられている。
例えばフランスのマクロン大統領とは約25分間、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とは約12分間である。
長ければいいわけでもないが、首相との5分間は如何にも短い。
▼単純比較はできないが、安倍氏とトランプ氏の場合、電話会談は30〜40分間が普通で1時間を超えることもあった。
対面での会談後、すぐにトランプ氏から電話がかかってきて
「シンゾーがいなくて寂しい」
とこぼされたこともあった。
▼「トランプ大統領とゴルフしなくてもいい、トランプタワーに行かなくたっていい」。
首相は2018年、米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューに語っていた。
安倍氏の外交手法を否定するばかりでなく、たまには取り入れたらどうか。

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/157.html#c44
[戦争b25] 米国の有力メディアもウクライナの敗北を認めざるをえなくなってきた(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
41. 秘密のアッコちゃん[949] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 09:29:30 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[514]
<▽48行くらい>
米、ウクライナ国内で戦闘機や防空システムなど兵器を修繕 軍事企業の活動禁止を解除
2024/11/9 7:42
https://www.sankei.com/article/20241109-GWDMYBOFWNO2FNICZMM3XRBOTE/
米CNNテレビは2024年11月8日、ロシアが侵攻するウクライナでの米軍事企業の活動を事実上禁じてきたバイデン政権が、今月2024年11月初めに禁止措置を解除したと報じた。
米国製F16戦闘機や防空システム「パトリオット」を含め、米国などが提供してきた兵器の維持や修繕が、ウクライナ国内で可能になる。
国防総省当局者は、米企業が兵器を補修して素早く戦闘地域に戻せるようになると期待した。
企業の活動拠点は前線から離れた場所になると説明した。(共同)

米国産LNGの輸入検討 EU、トランプ氏意識 ロシアからの切り替え可能か
2024/11/9 7:26
https://www.sankei.com/article/20241109-FUMAER7T65KIFDT7NF7NERP4J4/
欧州連合(EU)行政執行機関トップのフォンデアライエン欧州委員長は2024年11月8日、ウクライナに侵攻するロシアからの液化天然ガス(LNG)の輸入を米国産に切り替えることが可能かどうか検討する意向を示した。
トランプ次期米大統領を意識し、交渉カードとして利用する考えとみられる。
ハンガリーの首都ブダペストで行われたEU非公式首脳会議後の記者会見で述べた。
加盟国の首脳らは非公式首脳会議でトランプ次期政権への対応を協議し、安全保障や貿易面の関係強化を目指す方針で一致した。
フォンデアライエン氏は
「我々は、未だにロシアから多くのLNGを輸入している」
「なぜそれを米国産に置き換えないのか」
と問題提起。
「米国産はより安価で、エネルギー価格を引き下げることに繋がる」
とロシア産からの切り替えの利点を強調した。

トランプ氏、プーチン露大統領との会談に意欲 「話すことになる」とNBCインタビューで
2024/11/8 21:59
https://www.sankei.com/article/20241108-4DT35QB2GRI3TFAGWWE4763OK4/?outputType=theme_uspe
米大統領選で勝利したトランプ次期大統領は2024年11月7日、NBCテレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領と
「話すことになると思う」
と述べ、会談に意欲を示した。
トランプ氏は選挙戦で、ロシアのウクライナ侵略に関して
「戦争を終わらせる」
と何度も表明し、プーチン氏らと交渉する方針を示してきた。
トランプ氏は2024年9月、訪米したウクライナのゼレンスキー大統領とニューヨークで会談し、
「プーチン氏とも良い関係にある」
と強調。
「大統領に就任するよりも前に良い結果をもたらすことができる」
と語り、和平実現への自信を示した。
トランプ氏はこれまで、ウクライナとロシアが歩み寄ることで
「暴力を終わらせ、繁栄への道を切り開く交渉ができる」
と訴えてきた。
ただ、交渉についての具体的内容は示していない。
トランプ氏は、ウクライナの戦争が続けば
「第三次世界大戦に突入する」
として戦争終結を優先する立場だ。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/800.html#c41

[政治・選挙・NHK295] トランプ復権に“高市一派”が大ハシャギ…クセ強大統領と渡り合えるのは「早苗総理」だけ?(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
36. 秘密のアッコちゃん[950] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 15:02:47 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[515]
<■255行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
正論12月号 覆面座談会「メディア裏通信簿」
2024/11/9 12:00
https://www.sankei.com/article/20241109-NHNWKFV7LRCX7DQZWNMLAW2GBM/?outputType=theme_monthly-seiron
★女史
石破茂さんが新首相になったのはちょっと想定外だったよねえ。
でも、もっとびっくりしたのは、石破さんが就任後は自民党総裁選で訴えた持論を変えたり封印したりして、何だか前とは別人になっちゃったこと。
マスコミに「変わった」とか叩かれて、今度の総選挙も、期待したほどの追い風が吹かなかったよね。
★先生
2024年10月15日付の朝日新聞「時時刻刻」が
「石破カラーどこへ 裏金・政治改革 『深い反省』でも具体策示さず」
として石破の変節を取り上げているんだが、ちょっと筆が鈍いというか、あまり厳しく
「石破はダメだ」
と言ってしまうと
「じゃあ高市早苗のほうが良かったのか」
という話になりかねないので、石破を全否定するわけにもいかないみたいだ。
それが朝日の辛い所で、どうにも中途半端な記事になっていたな。
★教授
朝日では2024年10月15日付「多事奏論」で高橋純子編集委員が
「摘んだ野花は飾るとしおれる」
と題して書いていて、石破批判としては秀逸でした。
「野花を摘んで花瓶に挿したら即しおれましたとさ」
と石破新首相を皮肉っていて、まあこれに尽きているなと思った次第です。
「高市氏が首相にならずホッとした――それだけは言えるとも言えるし、それだけしか言うことはないとも言える」
などとも書いてましたけどね。
★女史
朝日としては石破さんに期待していたけれど裏切られた、という思いが強いんだろうね。
★教授
2024年10月2日「天声人語」では
「石破さん、質問があります」
と書き出して、選択的夫婦別姓制度の導入に前向きだった以前の発言を紹介して
「あの話はどうなっていますか」
と問うています。
更に
「(総裁選で)反対派の高市さんにあなたが決選投票で勝った時は、『やっと政治が動くか』と期待する声もありました」
「ところが、一昨日に公明党と交わした連立政権の合意文書には、『別姓』の記載がありません」
と追撃≠オて
「権力を手にした途端に、あっさり転向ですか」
と不満たらたらです。
聞いた話ですが、この天声人語は朝日社内で非常に好評だったそうです。
★女史
この天声人語の中で、石破内閣には女性閣僚が2人しかいませんって非難がましく書いてるよね。
でも私、朝日新聞のウェブサイトの「役員・組織図」を見ちゃったんだけど、朝日の「役員など」には約30人中、女性らしき名前が4人くらいしかないんだよね。
石破内閣の20人中2人と大して変わらないじゃん。
こういうのを言行(原稿)不一致って言うんじゃない?
★編集者
どれどれ…確かに明らかに女性らしい名前は4人だけですね。
でも男、女とは明記されてませんし
「性自認は女だ!」
という人が他にいるかもしれません。
■石破が辞めると朝日が困る
★教授
コホン。石破首相は元々、政治資金パーティー券収入の不記載問題で党の処分を受けた議員についても、総選挙では公認するつもりでした。しかし十月四日付の朝日一面「裏金議員を原則公認へ」の記事などを受けて、方針を大転換させ、十二人の前議員を非公認としました。こういう事件では、メディアは当人が犯罪に関わっていようとなかろうと、政治家を血祭りにあげたがりますが、石破首相はそれに乗せられてしまったのです。
先生 今回、石破は党内融和よりも国民の共感を得ようと、メディアの口車に乗って不記載議員に厳しい態度に出たが、結果として自民党内に大きな亀裂が入っている。小泉純一郎が郵政民営化の反対派を敵視した二〇〇五年の「郵政解散」を思い出すな。ま、あのときほどの熱気は感じられないけど。
教授 まあ、選挙はテレビ、とりわけワイドショーがどういうふうに取り上げるかによって、結果はずいぶん違ってくるのですが、テレビ局でワイドショーをつくる人たちは基本的に朝日新聞を熟読していますから。突き詰めれば世論はある程度、朝日新聞の政治部がつくっているとみるべきかもしれません。
先生 一部メディアは石破をも血祭りにあげようとしていたよな。ただ、朝日なんかはここで石破を擁護しておかないと、石破が辞めた後に高市が首相に、という流れになったら大変だ。朝日にとっては難しい選挙だっただろう。
■左翼の内ゲバ*u発
★女史
でも野党第一党の立憲民主党もパッとしないと思ったよ。
★先生
2024年10月4日の読売新聞朝刊が自民と立憲民主の公約案を載せていたんだが、双方よく似ていて、しれっと入れ替えても読者は気づかないんじゃないかと思ったぞ。
これは代表の野田佳彦らが、公約を自民党に寄せたんだ。
恐らく立民の作戦だったんだろう。
★女史
細かいことを言えば、立民も
「原発ゼロ」
を封印したりしてたし。
でも本来の過激な主張を封印するっていうこと自体、石破さんのマネなのかも(笑)。
★教授
自民も立民も、左右の岩盤支持層ではなく中間層を狙いにきており、左右の尖った政策は引っ込めていたわけですね。
その結果、立民が右傾化しているように見えて、旧しばき隊(C.R.A.C.)の周辺関係者などは立民ではなく自民への投票を呼び掛けていたという話を聞きましたよ。
★女史
2024年9月24日だから野田さんが党代表に決まった直後だけど、X(旧ツイッター)にこんな投稿をしてた。
「これは『急がば回れ』なのです」
「自民党に対するオルタナティブをきちんと示すまで、たとえ自民が通ろうとも立憲に票を与えてはならない」
「そもそも、野党第一党のくせに自民党と同じようなこと言ってるほうが倒錯しとるだろうが」
「有権者ナメてんのか」。
昔ながらの過激な左の人たちは、野田さんの方針に猛反発してるみたい。
★教授
左翼の中での野田嫌いというのが凄く強烈だというのもあるんですよ。
彼は共産党と選挙協力しないことを明言していますし、安保法制を部分的に認めるという考えも左翼としては受け入れ難い。
ですから左翼の中で、立憲民主党を潰せ、野田を潰せという動きが強くなっているわけです。
★先生
それで共産党は意地になって、小選挙区に泡沫同然の候補を乱立させたわけだ。
立民の候補がいる所にまで後から共産が候補を立てたりとか。
うっかりすると億円単位で供託金没収になって大変だと思うが。
野党は野党でまとまれずに抗争を始めて、自民党は自民党で党内抗争がある。
★教授
なかなか不穏で、今後の政局は見通しにくい状況ですね。
★先生
左巻きの連中の一部は立民に投票したくないから、れいわ新選組の応援にも流れているようだ。
★教授
今回の総選挙で、れいわは比例代表東京ブロックの名簿一位で伊勢崎賢治氏を擁立していましたね。
この方、石破首相とは旧知の仲なのだとか。
★女史
石破さんが昨年2023年の自分のブログに書いてた。
「昨日は『ウクライナ戦争』の即時停戦を求める有識者の集会が議員会館で開かれ、日頃から敬愛する伊勢崎賢治・東京外大名誉教授からのお声掛けもあり、参加して参りました」
って。
★教授
石破氏は
「『今日のウクライナは明日の台湾、台湾有事は日本有事』という相当に短絡的な議論の危うさを改めて感じたことでした」
とも書いていました。
改めて読むと、もう自民党なのかれいわなのか分かりませんね。
★先生
左にウイングを広げるのが石破の持ち味なんだろう。
生前、安倍晋三が
「左に支持を広げるよりも右をきちんと押さえておかないと大変なことになる」
と常々、言っていたが、その心配が現実になりつつある。
何だかんだ言っても、左翼が本当に自民党に票を入れるわけないだろ。
★女史
そうだね。
TBS系「サンデーモーニング」でもお馴染みの元共同通信記者、青木理氏は、津田大介氏とのユーチューブ対談動画で、自民党に投票する人たちを
「劣等民族」
だと呼んでた。
けど逆に批判されてたね。
それで謝罪して発言を撤回し、地上波テレビ出演は当面自粛するんだって。
★教授
それでも文化放送には相変わらず出演していますし、総選挙の投開票日には同局の開票特番に出ることも発表されていました。
ラジオやネット動画では今後も活動を続けていくのでしょうか。
★先生
さすがにテレビ局としてはああいう輩を今後、出演させるわけにはいかないだろ。
危なくて仕方ない。
★女史
サンモニ関連では前法政大総長の田中優子さんも、ある集会で高市さんについて
「安倍さんが女装して現れた」
とか言って炎上してた。
★編集者
それについては元検察官の菅野志桜里元衆院議員がフェイスブックで
「自分の希望に沿わない女性政治家を『中身は男』と非難するのは、性差別です」
「しかも属性で人を貶めて笑いを取るのは、いじめの構造と同じです」
「フェミニストあるあるですけど、これを機にやめましょう」
と、お行儀の悪さをたしなめていました。
■後藤謙次より田崎史郎
★教授
自民党総裁選の当日、私はテレビ朝日の開票速報番組を観ていたのですが、1回目の投票で高市氏が1位になった時、元共同通信の後藤謙次氏が明らかにうろたえているように見えました。
★先生
それは俺も観てた。
確かに呆然として動揺していたな。
★教授
それででしょうか。
彼は高市氏が1位になった背景について、全国の党員に30万部のリーフレットを郵送した効果が現れたという、本質から外れた解説しかできませんでした。なぜ高市氏がこれだけの票を集められたのか、理解できなかったのでしょう。
★先生
その点、TBSの番組に出ていた元時事通信の田崎史郎は、総裁選の前半では見苦しいくらいに小泉進次郎推しだったけれど、途中で日本テレビの世論調査結果が出て小泉の失速が明らかになった辺りからは冷静になって、最後まで
「高市が勝つかもしれない」
と分析していた。
そういう意味では、後藤より田崎の方に俺は誠実さを感じたぜ。
★女史
田崎さんと言えば2024年10月1日のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出ていて、石破内閣の顔ぶれについて
「何か非主流派の在庫一掃セールみたいな感じ」
「派閥解消を理由にした余りに露骨な身内びいきの人事」
とバッサリ斬ってたね。
あれは痛快だった。
★編集者
リーフレットの話で思い出しましたが、2024年10月4日付の日本経済新聞に石破首相の著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の広告が載っていました。
そこには
「総裁選出馬時、石破氏自ら各議員に手渡しした渾身の書!」
という謳い文句が載っていたのですが、これってセーフだったんでしょうか。
★先生
そりゃ総裁選のルールが公表される前に配り切ったんだろ(笑)。
★編集者
前々回(2024年10月号)で
「この本が売れて、内容が広まったら石破氏は『終わり』なんじゃないか」
とのお話がありましたが…。
★教授
配られたけれども、議員は誰も読まなかったということでしょう(笑)。
私は読みましたが、内容は酷いものですよ。
後になって目を通して
「読むんじゃなかった」
と思っている議員も、中にはいるんじゃないですかね。
ともあれ、総裁選の決選投票では岸田文雄前首相の一派が石破氏を後押しして、議員の間では人気がなかったはずの石破氏がついに首相の座に就きました。
それだけに、嘉悦大学の高橋洋一教授などは
「岸破(岸田+石破)政権」
と呼んでいますね。
★先生
岸田政権の経済政策を石破が全部継承する、という条件で岸田は支持したと言われているな。
もし石破が退陣した場合、岸田の首相返り咲きがあるかもしれないぞ。
★教授
仮にそうなると、一体なんで岸田さんは総裁選出馬を断念したんだろう、という話になってきますが…。
★編集者
そうなると、変な話ですね。
■日本人ヘイトと朝日新聞
★女史
この間、真田広之さん製作・主演のドラマ「SHOGUN 将軍」が米エミー賞で史上最多の18冠を獲得したって大きな話題になったよね。
それについて2024年9月17日のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、元フジテレビアナウンサーの菊間千乃弁護士が
「エンタメに関しては韓国の方が先に世界に認められた」
「日本としては置いていかれていたという感じがあった」
とコメントしてたのが気になったな。
これは何かの日本叩きのプロパガンダなのか、それとも彼女が本当にそういう風に思い込んでいるのか…。
★編集者
単によくある、五十代女性の感想じゃないっすか。
★女史
でも、この発言に対してはネットで色々と突っ込みが入ってた。
「アカデミー賞初受賞は日本・1951年『羅生門』、韓国・2020年『パラサイト』」
「アカデミー賞受賞回数は日本42二回、韓国5回」
といった具合にね。
今はマスコミ人の発言も、ネットの普及で一般の人に検証されるようになっているからね。
★先生
いずれにしろ、菊間の前後の年代の女性は本当に韓国の芸能が好きな人が多いよな。
★女史
そこでよく言われるのが、韓国は日本と違って徴兵制があるから、男たちがシャキッとして鍛えられているし包容力もあるんだと。
それはいいんだけど、
「戦争反対」
とか主張しているリベラルな価値観の持ち主が、一方でそんな事を言ってるんだよね。
要するに日本が悪くて、韓国はいいというね。
5年前にKポップファンの日本人女性2人が韓国男性にからまれて暴行された事件があった時も、さっきの青木理さんが
「通常なら報道されないニュース」
と、問題にする日本が悪いというような発言をしたじゃん。
仮に日本で在日コリアンが暴行されたら大々的に報じるのにねえ。
★先生
何で青木がテレビで重宝されるかと言えば、日本をディスってくれるからだろ。
何だかんだいって日本人は自虐的だから、ああいうキャラが求められるわけだ。
★女史
そう言えば、今回の
「劣等民族」
発言の後で周りの女の子たちに
「青木さんってどう思う」
って聞いてみたら
「ダンディーなおじさんで、昔からファンだった」
という子が結構いてビックリだった。
★教授
ダンディーな左翼と言えば、姜尚中・東京大学名誉教授を彷彿とさせますね。
★女史
私も昔、朝まで生テレビ!で姜尚中さんが出ているのを観て
「何でこの人があちこちのメディアで引っ張りだこなんだろう」
と不思議だったんだけど、やっぱり周りの若い女の子たちは
「物腰も柔らかくてかっこいい」
と言ってた。
外見が女性ウケするという点で、青木さんと姜尚中さんは似てるなあ、と思ったのよ。
★先生
青木は今回の
「劣等民族」
発言で地上波のテレビに出なくなるからテレビ局は早速、ポスト青木理を探し出すんだろうな。
いくらでも予備軍はいるだろ。
★教授
左の方々はテレビ出演には恵まれていますね。
さすがに青木氏は批判されましたが、それ以外の左翼の日本人ヘイトは基本的にお咎めなしですから。
朝日新聞の一連の
「従軍慰安婦報道」
などはまさに日本人ヘイトだったわけです。
一方で、保守派はなかなかテレビではお呼びがかからないのです。
★編集者
朝日は従軍慰安婦報道で叩かれましたが、確かに、あれもそうかもしれません。
■「自民党員は偏った集団」
★教授
朝日新聞の2024年10月10日付紙面では長谷部恭男早稲田大教授との対談で、杉田敦法政大教授が
「今回の総裁選での自民党員票の総数は有権者のほぼ1%で、必ずしも世論全体を反映するわけではない偏った集団だということを踏まえる必要があります」
「偏りのある集団が事実上、首相を決めているということにもなる」
と発言していました。
自民党員は
「偏った集団」
なのだというわけです。
それは左派の人から見ればそうかもしれないですけれども、何を基準に
「偏った」
と決め付けるのか。
如何なものかと思いますけれどね。
★先生
「首相を決めている」
というが、党員投票で党首を選ぶのは現代では普通だけどな。
日本以外の欧米先進国では大抵、政党の党首は党員投票で決まっている。
日本の場合、自民党でも立憲民主党でも党首を選ぶ際には議員票がモノをいう。
議員は一般有権者による選挙で選ばれているわけだから日本が一番、民主的だと見る事もできるだろ。
★教授
実態を見るなら、自民党員は全体としてそれほど保守的でもありません。
左派メディアはそれを敢えて極右の特殊な人たちの集団だと印象付けようとしているように見えます。
★先生
そうだな。
高市早苗だってメディアが言ってるほど右の人間じゃねえだろ。
安保政策についても高市は、むしろ石破よりも岸田に近いんじゃないか。
「アジア版NATO」
なんてことも言わないし。
それなのに、なぜ岸田は石破を推したのか。
左巻きのメディアが石破を推してきたことと併せて、理解に苦しむな。
★女史
石破さんと言えばこれまで防衛庁長官、防衛相を計3年弱もやってる人でしょ。
実際、石破内閣では岩屋毅外相、中谷元防衛相と防衛族が幅を利かせているように見えるけど、朝日新聞なんかは問題視しないんだね。
★先生
高市は堂々と靖国神社に参拝してきたし、
「首相になっても靖国に参拝する」
と公言していたのが攻撃材料にされてしまった面がある。
かつての安倍のように、首相になった場合のことは曖昧にしておけば良かったのに。
★編集者
もちろん靖国参拝はしてほしいですが。
★女史
でも石破首相、2024年10月の秋の例大祭では靖国神社に真榊を奉納したんだって。
これまで奉納したことはなかったけれど、首相になったんで菅義偉さんや岸田さんの先例にならったらしい。
★先生
いやあ、見事な変節ぶりだよな。
(文中一部敬称略)
(月刊「正論」12月号から)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/883.html#c36
[政治・選挙・NHK295] SNSに躍る「#玉木雄一郎に騙されるな」の通り…よく見ていないと危険な人物なのだ ラサール石井 東憤西笑(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
99. 秘密のアッコちゃん[951] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 15:04:26 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[516]
<▽43行くらい>
躍進の国民民主党、玉木代表が「政局」の先に見すえる未来 「裏自民党」批判は不正確 いよいよ問われる「政策実現力」
2024.11/6 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241106-KIVWTHLJNBM6PO7IOBPMG5SRIA/
2024年11月11日に召集される特別国会を控えて、国民民主党に注目が集まっている。
先の衆院選で惨敗した自民党と公明党は計215議席にとどまった。
自民党系の当選者らを加えても、過半数(233議席)に及ばないが、4倍増の28議席と躍進した国民民主党を加えた
「自公国連立」
が成立すれば、状況は一変するためだ。
ただ、首相指名で、国民民主党は1回目の投票も決選投票も党代表の
「玉木雄一郎」
と書くことを決めた。
これでは決選投票で無効票となり、相対的に多数の自民党の石破茂総裁が第103代内閣総理大臣に就任することになる。
自民党を事実上サポートするため、国民民主党を
「裏自民党」
と批判する声が上がるが、それは正確ではない。
そもそも、国会議員は何のために
「国民の審判」
を経て国会に送られるのか。
多数を制し、政権を担うためか。
確かにそれも重要だが、そこで思考停止してはならない。
国民民主党のキャッチフレーズは
「対決より解決」
だ。
これまでも、ガソリン税をめぐるトリガー条項凍結解除や、再エネ賦課金を一定期間停止して高騰する電気料金を引き下げることなどを提唱してきた。
今回の衆院選では、
「手取りを増やす」
を合言葉に、
「103万円の壁」
を打破すると主張した。
これが、若年層を中心に支持を広げることに繋がった。
玉木氏は、他党との協力について
「あくまで政策本位」
としている。
当然だ。
国民民主党は与党に入れば少数に過ぎず、思い通りに主張を通すこともできない。
他方、野党との連携では、
「小さな集団の悲哀」
は変わらない。
ならば、いっそ局面に応じてキャスチングボートを握り、自由な立場を利用して政策を実現する方が、国民に大きくアピールできる。
国民にとっても、重要なのは求める政策の
「実現力」
であり、誰がやるのかは二の次だ。
イデオロギー≠優先するなら、ひたすら数合わせの政権獲りゲームに興じる他はない。
野党第一党の立憲民主党は議席を98から148に増やしたものの、比例票は約7万票しか増えず、本質的な勢いに欠ける。
38議席と勢力が減少した日本維新の会は自公とも、立憲民主党とも組むつもりはなく、政権交代が生じることはないだろう。
参院で、自民党は113議席、公明党は27議席の計140議席で、与党が定数(248議席)の過半数を維持している。
ここで衆参がねじれを起こせば、国会の機能が停滞しかねない。
政局が混迷する中、各党は
「次」
を考えるべきだ。
「次」
で飛躍する政党こそが、天下を取るに違いない。 
(政治ジャーナリスト・安積明子)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/875.html#c99
[政治・選挙・NHK295] <スクープ>首相の弁明崩れる 自民の小選挙区支部調査 2千万円やっぱり“裏公認”料 候補者いない支部には支給せず(しん… 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[952] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月09日 18:55:37 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[517]
<■2398行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自民、また譲歩 憲法審査会長に枝野氏「憲法改正・選択的夫婦別姓」担うポストも 岩盤保守層離れ拍車「自民『終わりの始まり』では」
2024.11/9 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241109-HETA6NXDR5MCHBALTUMOPNDIMI/
衆院選での
「自公与党の過半数割れ」
を受け、与野党は2024年11月8日、衆院各派協議会で、委員長と審査会長のポスト配分を確定した。
野田佳彦代表の立憲民主党は予算委員長だけでなく、憲法審査会長と法務委員長まで確保した。
自民党の党是である
「憲法改正」
が停滞する一方、岩盤保守層が警戒する
「選択的夫婦別姓」
の審議が加速する可能性がある。
石破茂首相の下、自民党の支持基盤が更に危うくなっている。

「自民党の『終わりの始まり』ではないか」
政治学者の岩田温氏は、自民党が、憲法審査会長と法務委員長を明け渡したことについて、こう語った。
石破自民党が惨敗した衆院選によって、前向きな
「改憲勢力」
は国会発議に必要な定数の3分の2を割り込んだ。
こうした中、憲法審査会長に就く立憲民主党の枝野幸男元官房長官は、自民党が憲法改正の優先事項に据える
「緊急事態条項の新設」
に反対し、憲法への
「自衛隊明記も不要」
との立場だ。
改憲慎重派に配慮した審査会運営が予想される。
更に、野田氏は2024年11月8日、党のX(旧ツイッター)の動画で、衆院法務委員長のポストを確保したのは
「選択的夫婦別姓の実現」
が狙いと明かした。
野田氏は
「野党は協力できると思うし、公明党も多分賛成だ」
「自民党を揺さぶるには非常に効果的だ」
と語った。
選択的夫婦別姓を巡っては、
「親子別姓」

「兄弟別姓」
に繋がり、
「親子の絆」
「兄弟の絆」
「家族の絆」
を危うくするとの指摘もある。
石破茂首相は総裁選で、
「選択的夫婦別姓の導入」
に前向きな姿勢を示していたが、所信表明演説(2024年10月4日)や、衆院選の政権公約では明確に触れなかった。
「岩盤保守層」
の反発を避けたとの見方もあるが、石破執行部が衆院選で強行した
「非公認」

「比例重複を認めず」
といった対応で、保守勢力は大きく縮小した。
一連の動きをどうみるか。
前出の岩田氏は
「まず、憲法審査会長を明け渡したのは、石破首相の『憲法改正はしない』という意思の表れではないか」
「法務委員長の件も深刻だ」
「もし、夫婦別姓が導入されて『親子別姓』『兄弟別姓』となれば、家族の一体感が保てるかは大いに疑問だ」
「岩盤保守層は、もう自民党には戻らないだろう」
「石破自民党の愚かさは留まることを知らない」
と語った。

正論12月号 覆面座談会「メディア裏通信簿」
2024/11/9 12:00
https://www.sankei.com/article/20241109-NHNWKFV7LRCX7DQZWNMLAW2GBM/?outputType=theme_monthly-seiron
★女史
石破茂さんが新首相になったのはちょっと想定外だったよねえ。
でも、もっとびっくりしたのは、石破さんが就任後は自民党総裁選で訴えた持論を変えたり封印したりして、何だか前とは別人になっちゃったこと。
マスコミに「変わった」とか叩かれて、今度の総選挙も、期待したほどの追い風が吹かなかったよね。
★先生
2024年10月15日付の朝日新聞「時時刻刻」が
「石破カラーどこへ 裏金・政治改革 『深い反省』でも具体策示さず」
として石破の変節を取り上げているんだが、ちょっと筆が鈍いというか、あまり厳しく
「石破はダメだ」
と言ってしまうと
「じゃあ高市早苗のほうが良かったのか」
という話になりかねないので、石破を全否定するわけにもいかないみたいだ。
それが朝日の辛い所で、どうにも中途半端な記事になっていたな。
★教授
朝日では2024年10月15日付「多事奏論」で高橋純子編集委員が
「摘んだ野花は飾るとしおれる」
と題して書いていて、石破批判としては秀逸でした。
「野花を摘んで花瓶に挿したら即しおれましたとさ」
と石破新首相を皮肉っていて、まあこれに尽きているなと思った次第です。
「高市氏が首相にならずホッとした――それだけは言えるとも言えるし、それだけしか言うことはないとも言える」
などとも書いてましたけどね。
★女史
朝日としては石破さんに期待していたけれど裏切られた、という思いが強いんだろうね。
★教授
2024年10月2日「天声人語」では
「石破さん、質問があります」
と書き出して、選択的夫婦別姓制度の導入に前向きだった以前の発言を紹介して
「あの話はどうなっていますか」
と問うています。
更に
「(総裁選で)反対派の高市さんにあなたが決選投票で勝った時は、『やっと政治が動くか』と期待する声もありました」
「ところが、一昨日に公明党と交わした連立政権の合意文書には、『別姓』の記載がありません」
と追撃≠オて
「権力を手にした途端に、あっさり転向ですか」
と不満たらたらです。
聞いた話ですが、この天声人語は朝日社内で非常に好評だったそうです。
★女史
この天声人語の中で、石破内閣には女性閣僚が2人しかいませんって非難がましく書いてるよね。
でも私、朝日新聞のウェブサイトの「役員・組織図」を見ちゃったんだけど、朝日の「役員など」には約30人中、女性らしき名前が4人くらいしかないんだよね。
石破内閣の20人中2人と大して変わらないじゃん。
こういうのを言行(原稿)不一致って言うんじゃない?
★編集者
どれどれ…確かに明らかに女性らしい名前は4人だけですね。
でも男、女とは明記されてませんし
「性自認は女だ!」
という人が他にいるかもしれません。
■石破が辞めると朝日が困る
★教授
コホン。石破首相は元々、政治資金パーティー券収入の不記載問題で党の処分を受けた議員についても、総選挙では公認するつもりでした。しかし十月四日付の朝日一面「裏金議員を原則公認へ」の記事などを受けて、方針を大転換させ、十二人の前議員を非公認としました。こういう事件では、メディアは当人が犯罪に関わっていようとなかろうと、政治家を血祭りにあげたがりますが、石破首相はそれに乗せられてしまったのです。
先生 今回、石破は党内融和よりも国民の共感を得ようと、メディアの口車に乗って不記載議員に厳しい態度に出たが、結果として自民党内に大きな亀裂が入っている。小泉純一郎が郵政民営化の反対派を敵視した二〇〇五年の「郵政解散」を思い出すな。ま、あのときほどの熱気は感じられないけど。
教授 まあ、選挙はテレビ、とりわけワイドショーがどういうふうに取り上げるかによって、結果はずいぶん違ってくるのですが、テレビ局でワイドショーをつくる人たちは基本的に朝日新聞を熟読していますから。突き詰めれば世論はある程度、朝日新聞の政治部がつくっているとみるべきかもしれません。
先生 一部メディアは石破をも血祭りにあげようとしていたよな。ただ、朝日なんかはここで石破を擁護しておかないと、石破が辞めた後に高市が首相に、という流れになったら大変だ。朝日にとっては難しい選挙だっただろう。
■左翼の内ゲバ*u発
★女史
でも野党第一党の立憲民主党もパッとしないと思ったよ。
★先生
2024年10月4日の読売新聞朝刊が自民と立憲民主の公約案を載せていたんだが、双方よく似ていて、しれっと入れ替えても読者は気づかないんじゃないかと思ったぞ。
これは代表の野田佳彦らが、公約を自民党に寄せたんだ。
恐らく立民の作戦だったんだろう。
★女史
細かいことを言えば、立民も
「原発ゼロ」
を封印したりしてたし。
でも本来の過激な主張を封印するっていうこと自体、石破さんのマネなのかも(笑)。
★教授
自民も立民も、左右の岩盤支持層ではなく中間層を狙いにきており、左右の尖った政策は引っ込めていたわけですね。
その結果、立民が右傾化しているように見えて、旧しばき隊(C.R.A.C.)の周辺関係者などは立民ではなく自民への投票を呼び掛けていたという話を聞きましたよ。
★女史
2024年9月24日だから野田さんが党代表に決まった直後だけど、X(旧ツイッター)にこんな投稿をしてた。
「これは『急がば回れ』なのです」
「自民党に対するオルタナティブをきちんと示すまで、たとえ自民が通ろうとも立憲に票を与えてはならない」
「そもそも、野党第一党のくせに自民党と同じようなこと言ってるほうが倒錯しとるだろうが」
「有権者ナメてんのか」。
昔ながらの過激な左の人たちは、野田さんの方針に猛反発してるみたい。
★教授
左翼の中での野田嫌いというのが凄く強烈だというのもあるんですよ。
彼は共産党と選挙協力しないことを明言していますし、安保法制を部分的に認めるという考えも左翼としては受け入れ難い。
ですから左翼の中で、立憲民主党を潰せ、野田を潰せという動きが強くなっているわけです。
★先生
それで共産党は意地になって、小選挙区に泡沫同然の候補を乱立させたわけだ。
立民の候補がいる所にまで後から共産が候補を立てたりとか。
うっかりすると億円単位で供託金没収になって大変だと思うが。
野党は野党でまとまれずに抗争を始めて、自民党は自民党で党内抗争がある。
★教授
なかなか不穏で、今後の政局は見通しにくい状況ですね。
★先生
左巻きの連中の一部は立民に投票したくないから、れいわ新選組の応援にも流れているようだ。
★教授
今回の総選挙で、れいわは比例代表東京ブロックの名簿一位で伊勢崎賢治氏を擁立していましたね。
この方、石破首相とは旧知の仲なのだとか。
★女史
石破さんが昨年2023年の自分のブログに書いてた。
「昨日は『ウクライナ戦争』の即時停戦を求める有識者の集会が議員会館で開かれ、日頃から敬愛する伊勢崎賢治・東京外大名誉教授からのお声掛けもあり、参加して参りました」
って。
★教授
石破氏は
「『今日のウクライナは明日の台湾、台湾有事は日本有事』という相当に短絡的な議論の危うさを改めて感じたことでした」
とも書いていました。
改めて読むと、もう自民党なのかれいわなのか分かりませんね。
★先生
左にウイングを広げるのが石破の持ち味なんだろう。
生前、安倍晋三が
「左に支持を広げるよりも右をきちんと押さえておかないと大変なことになる」
と常々、言っていたが、その心配が現実になりつつある。
何だかんだ言っても、左翼が本当に自民党に票を入れるわけないだろ。
★女史
そうだね。
TBS系「サンデーモーニング」でもお馴染みの元共同通信記者、青木理氏は、津田大介氏とのユーチューブ対談動画で、自民党に投票する人たちを
「劣等民族」
だと呼んでた。
けど逆に批判されてたね。
それで謝罪して発言を撤回し、地上波テレビ出演は当面自粛するんだって。
★教授
それでも文化放送には相変わらず出演していますし、総選挙の投開票日には同局の開票特番に出ることも発表されていました。
ラジオやネット動画では今後も活動を続けていくのでしょうか。
★先生
さすがにテレビ局としてはああいう輩を今後、出演させるわけにはいかないだろ。
危なくて仕方ない。
★女史
サンモニ関連では前法政大総長の田中優子さんも、ある集会で高市さんについて
「安倍さんが女装して現れた」
とか言って炎上してた。
★編集者
それについては元検察官の菅野志桜里元衆院議員がフェイスブックで
「自分の希望に沿わない女性政治家を『中身は男』と非難するのは、性差別です」
「しかも属性で人を貶めて笑いを取るのは、いじめの構造と同じです」
「フェミニストあるあるですけど、これを機にやめましょう」
と、お行儀の悪さをたしなめていました。
■後藤謙次より田崎史郎
★教授
自民党総裁選の当日、私はテレビ朝日の開票速報番組を観ていたのですが、1回目の投票で高市氏が1位になった時、元共同通信の後藤謙次氏が明らかにうろたえているように見えました。
★先生
それは俺も観てた。
確かに呆然として動揺していたな。
★教授
それででしょうか。
彼は高市氏が1位になった背景について、全国の党員に30万部のリーフレットを郵送した効果が現れたという、本質から外れた解説しかできませんでした。なぜ高市氏がこれだけの票を集められたのか、理解できなかったのでしょう。
★先生
その点、TBSの番組に出ていた元時事通信の田崎史郎は、総裁選の前半では見苦しいくらいに小泉進次郎推しだったけれど、途中で日本テレビの世論調査結果が出て小泉の失速が明らかになった辺りからは冷静になって、最後まで
「高市が勝つかもしれない」
と分析していた。
そういう意味では、後藤より田崎の方に俺は誠実さを感じたぜ。
★女史
田崎さんと言えば2024年10月1日のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出ていて、石破内閣の顔ぶれについて
「何か非主流派の在庫一掃セールみたいな感じ」
「派閥解消を理由にした余りに露骨な身内びいきの人事」
とバッサリ斬ってたね。
あれは痛快だった。
★編集者
リーフレットの話で思い出しましたが、2024年10月4日付の日本経済新聞に石破首相の著書『保守政治家 わが政策、わが天命』の広告が載っていました。
そこには
「総裁選出馬時、石破氏自ら各議員に手渡しした渾身の書!」
という謳い文句が載っていたのですが、これってセーフだったんでしょうか。
★先生
そりゃ総裁選のルールが公表される前に配り切ったんだろ(笑)。
★編集者
前々回(2024年10月号)で
「この本が売れて、内容が広まったら石破氏は『終わり』なんじゃないか」
とのお話がありましたが…。
★教授
配られたけれども、議員は誰も読まなかったということでしょう(笑)。
私は読みましたが、内容は酷いものですよ。
後になって目を通して
「読むんじゃなかった」
と思っている議員も、中にはいるんじゃないですかね。
ともあれ、総裁選の決選投票では岸田文雄前首相の一派が石破氏を後押しして、議員の間では人気がなかったはずの石破氏がついに首相の座に就きました。
それだけに、嘉悦大学の高橋洋一教授などは
「岸破(岸田+石破)政権」
と呼んでいますね。
★先生
岸田政権の経済政策を石破が全部継承する、という条件で岸田は支持したと言われているな。
もし石破が退陣した場合、岸田の首相返り咲きがあるかもしれないぞ。
★教授
仮にそうなると、一体なんで岸田さんは総裁選出馬を断念したんだろう、という話になってきますが…。
★編集者
そうなると、変な話ですね。
■日本人ヘイトと朝日新聞
★女史
この間、真田広之さん製作・主演のドラマ「SHOGUN 将軍」が米エミー賞で史上最多の18冠を獲得したって大きな話題になったよね。
それについて2024年9月17日のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、元フジテレビアナウンサーの菊間千乃弁護士が
「エンタメに関しては韓国の方が先に世界に認められた」
「日本としては置いていかれていたという感じがあった」
とコメントしてたのが気になったな。
これは何かの日本叩きのプロパガンダなのか、それとも彼女が本当にそういう風に思い込んでいるのか…。
★編集者
単によくある、五十代女性の感想じゃないっすか。
★女史
でも、この発言に対してはネットで色々と突っ込みが入ってた。
「アカデミー賞初受賞は日本・1951年『羅生門』、韓国・2020年『パラサイト』」
「アカデミー賞受賞回数は日本42二回、韓国5回」
といった具合にね。
今はマスコミ人の発言も、ネットの普及で一般の人に検証されるようになっているからね。
★先生
いずれにしろ、菊間の前後の年代の女性は本当に韓国の芸能が好きな人が多いよな。
★女史
そこでよく言われるのが、韓国は日本と違って徴兵制があるから、男たちがシャキッとして鍛えられているし包容力もあるんだと。
それはいいんだけど、
「戦争反対」
とか主張しているリベラルな価値観の持ち主が、一方でそんな事を言ってるんだよね。
要するに日本が悪くて、韓国はいいというね。
5年前にKポップファンの日本人女性2人が韓国男性にからまれて暴行された事件があった時も、さっきの青木理さんが
「通常なら報道されないニュース」
と、問題にする日本が悪いというような発言をしたじゃん。
仮に日本で在日コリアンが暴行されたら大々的に報じるのにねえ。
★先生
何で青木がテレビで重宝されるかと言えば、日本をディスってくれるからだろ。
何だかんだいって日本人は自虐的だから、ああいうキャラが求められるわけだ。
★女史
そう言えば、今回の
「劣等民族」
発言の後で周りの女の子たちに
「青木さんってどう思う」
って聞いてみたら
「ダンディーなおじさんで、昔からファンだった」
という子が結構いてビックリだった。
★教授
ダンディーな左翼と言えば、姜尚中・東京大学名誉教授を彷彿とさせますね。
★女史
私も昔、朝まで生テレビ!で姜尚中さんが出ているのを観て
「何でこの人があちこちのメディアで引っ張りだこなんだろう」
と不思議だったんだけど、やっぱり周りの若い女の子たちは
「物腰も柔らかくてかっこいい」
と言ってた。
外見が女性ウケするという点で、青木さんと姜尚中さんは似てるなあ、と思ったのよ。
★先生
青木は今回の
「劣等民族」
発言で地上波のテレビに出なくなるからテレビ局は早速、ポスト青木理を探し出すんだろうな。
いくらでも予備軍はいるだろ。
★教授
左の方々はテレビ出演には恵まれていますね。
さすがに青木氏は批判されましたが、それ以外の左翼の日本人ヘイトは基本的にお咎めなしですから。
朝日新聞の一連の
「従軍慰安婦報道」
などはまさに日本人ヘイトだったわけです。
一方で、保守派はなかなかテレビではお呼びがかからないのです。
★編集者
朝日は従軍慰安婦報道で叩かれましたが、確かに、あれもそうかもしれません。
■「自民党員は偏った集団」
★教授
朝日新聞の2024年10月10日付紙面では長谷部恭男早稲田大教授との対談で、杉田敦法政大教授が
「今回の総裁選での自民党員票の総数は有権者のほぼ1%で、必ずしも世論全体を反映するわけではない偏った集団だということを踏まえる必要があります」
「偏りのある集団が事実上、首相を決めているということにもなる」
と発言していました。
自民党員は
「偏った集団」
なのだというわけです。
それは左派の人から見ればそうかもしれないですけれども、何を基準に
「偏った」
と決め付けるのか。
如何なものかと思いますけれどね。
★先生
「首相を決めている」
というが、党員投票で党首を選ぶのは現代では普通だけどな。
日本以外の欧米先進国では大抵、政党の党首は党員投票で決まっている。
日本の場合、自民党でも立憲民主党でも党首を選ぶ際には議員票がモノをいう。
議員は一般有権者による選挙で選ばれているわけだから日本が一番、民主的だと見る事もできるだろ。
★教授
実態を見るなら、自民党員は全体としてそれほど保守的でもありません。
左派メディアはそれを敢えて極右の特殊な人たちの集団だと印象付けようとしているように見えます。
★先生
そうだな。
高市早苗だってメディアが言ってるほど右の人間じゃねえだろ。
安保政策についても高市は、むしろ石破よりも岸田に近いんじゃないか。
「アジア版NATO」
なんてことも言わないし。
それなのに、なぜ岸田は石破を推したのか。
左巻きのメディアが石破を推してきたことと併せて、理解に苦しむな。
★女史
石破さんと言えばこれまで防衛庁長官、防衛相を計3年弱もやってる人でしょ。
実際、石破内閣では岩屋毅外相、中谷元防衛相と防衛族が幅を利かせているように見えるけど、朝日新聞なんかは問題視しないんだね。
★先生
高市は堂々と靖国神社に参拝してきたし、
「首相になっても靖国に参拝する」
と公言していたのが攻撃材料にされてしまった面がある。
かつての安倍のように、首相になった場合のことは曖昧にしておけば良かったのに。
★編集者
もちろん靖国参拝はしてほしいですが。
★女史
でも石破首相、2024年10月の秋の例大祭では靖国神社に真榊を奉納したんだって。
これまで奉納したことはなかったけれど、首相になったんで菅義偉さんや岸田さんの先例にならったらしい。
★先生
いやあ、見事な変節ぶりだよな。
(文中一部敬称略)
(月刊「正論」12月号から)

<産経抄>石破首相の対米外交 安倍氏の手法真似てはどうか
2024/11/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241109-4UGHOLPPSRLPXJQ4ADOGE5ER6Q/
政治家の言葉は額面通りには受け取れない。
石破茂首相が2024年1月7日、米大統領選に勝利したトランプ前大統領と初の電話会談を行った後、記者団に述べたこのセリフもそうだろう。
「非常にフレンドリーな感じがした」
「言葉を飾ったり繕ったりするのではなくて、本音で話ができる方だ」 
▼その通りなら、日米両首脳の初接触としてまず成功だと言える。
とはいえ、会談時間は僅か5分間に過ぎない。
双方が通訳を介すので、実質的には2〜3分間ぐらいか。
これで本音で話し合える相手だと確信できるとは思えない。
▼2016年11月、トランプ氏が大統領選に当選した後の当時の安倍晋三首相との電話会談は、約20分間だった。
安倍氏は抄子に、ユーモアを交えて語った。
「彼はかなり強いリーダーが好きみたいで、幸い私も強権と言われているから」
「私にかなりシンパシーを感じている様子だった」。
▼今回、トランプ氏が各国指導者と行った電話外交の一部は会談時間が報じられている。
例えばフランスのマクロン大統領とは約25分間、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とは約12分間である。
長ければいいわけでもないが、首相との5分間は如何にも短い。
▼単純比較はできないが、安倍氏とトランプ氏の場合、電話会談は30〜40分間が普通で1時間を超えることもあった。
対面での会談後、すぐにトランプ氏から電話がかかってきて
「シンゾーがいなくて寂しい」
とこぼされたこともあった。
▼「トランプ大統領とゴルフしなくてもいい、トランプタワーに行かなくたっていい」。
首相は2018年、米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューに語っていた。
安倍氏の外交手法を否定するばかりでなく、たまには取り入れたらどうか。

<主張>自民の両院懇談会 「ガス抜き」で居座るのか 
社説
2024/11/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241109-Y7B52NA4OVNEHGDNOMPJYEDZCA/
不満のガス抜きを図って政権に居座ろうとしている―。
石破茂首相(自民党総裁)と自民執行部には、衆院選で示された民意を尊重するつもりがないことが改めて分かった。
自民が、大敗した衆院選後初めての両院議員懇談会を開いた。
出席議員から、石破首相と党執行部の責任を問う声が相次いだのは当然である。
石破首相は
「痛恨の極みだ」
「深く反省し、お詫びしなければならない」
と陳謝したが、本当に反省しているのだろうか。
何の責任も取らず、大敗の検証も示していない。
神妙な表情を作って反省の弁を述べてもけじめをつけたことにはなるまい。
石破首相と森山裕幹事長が本来取るべき行動は、潔く辞任した上で、落選した候補者から直接話を聞くことだ。
責任を問う声は上がったが、懇談会は石破首相続投を事実上容認する形となった。
衆院議員1人1人が自立の気概を持っていた中選挙区制の時代とは異なり、総裁と執行部が個々の議員よりも力を持つ小選挙区制の時代ならではの現象だろう。
安定した国政運営に当たれる議会構成を追求するのは与党を目指す政党の責務だ。
その観点からすれば、2024年9月の自民総裁選で石破首相を選んだ同党議員の責任は重い。
また、今回の懇談会で、衆院選の民意に逆らって首相続投を容認することになった自民は無責任の謗りは免れない。
これは自民が目測力と自浄力を低下させていることを意味する。
懇談会の首相続投支持は消極的なものに過ぎず、自民は一致結束して政権運営に当たれる状況にはない。
衆院選の比例代表で自民の得票数は令和3年の前回衆院選に比べ533万票も減り、1458万票だった。
一方、国民民主党は約350万票増で、参政党と日本保守党の票の合計は約300万票だった。
自民の失った533万票が流れた可能性がある。
これらには、安倍晋三元首相の政策を支持してきた岩盤保守層の離反が原因の動きもあるだろう。
自民はその現実を直視すべきである。
この層の支持も得られなければ安定した国政運営は難しい。
石破首相と現執行部にそれができるのか。

「痛恨の極み」石破茂首相、与党過半数割れを陳謝 自民が衆院選敗因総括の懇談会
2024/11/7 20:38
https://www.sankei.com/article/20241107-2BEZBLHVMFNKNK5A3IZKHUY7EY/
自民党は2024年11月7日、大敗した先の衆院選の敗因を総括する両院議員懇談会を党本部で開いた。
石破茂首相(党総裁)は冒頭、衆院選の勝敗ラインに掲げた
「与党過半数」
を下回った結果について
「痛恨の極みだ」
と述べた上で
「深く反省し、お詫びしなければならないと考えている」
と陳謝した。
出席者の一部からは執行部の責任を問う声があった一方、結束を求める声が多く上がった。
森山裕幹事長は
「強く責任を感じている」
「多くの国民から厳しい批判を頂いたことは、厳粛に受け止めなければならない」
と語った。
懇談会は約3時間に渡った。
意見交換は非公開で行われ、衆院選終盤で発覚した非公認候補が代表を務める政党支部に2000万円が活動費として支給されたことについて、説明を求める声が相次いだ。
また、衆院選の敗因分析の必要性や、党員・党友と有権者との感覚のずれを指摘する意見もあったという。
懇談会後、森山氏は記者団に
「(意見を)整理をして、今後の党運営に活かしていきたい」
と説明した。

自民「石破おろし」広がらず 衆院選大敗も、3時間の両院議員懇で明確な辞任要求は1人
2024/11/7 20:09
https://www.sankei.com/article/20241107-7NSXOTUSIRNLNJTDACXN7WTCZ4/
自民党が2024年11月7日に開いた両院議員懇談会では、大幅に議席を減らした先の衆院選を受け、複数の出席議員が石破茂首相(党総裁)を批判し、責任論に言及した一方、大半は首相の当面の続投を支持した。
与党過半数割れという危機的状況の中、
「内紛している場合ではない」
という声が高まっている。
懇談会は衆院選後初の総括の場だったが、
「石破おろし」
には発展しなかった。
出席議員の発言は報道陣に非公開だったが、3時間で約50人が意見を述べた。
出席議員によれば、冒頭の首相や森山裕幹事長の陳謝の後、口火を切ったのはベテランの船田元・元経済企画庁長官(旧茂木派)。
「一丸となってこの難局を乗り切らないと与党ではいられなくなる」
「色んな責任問題はあるが、まずは一致団結して難局を乗り切るべきだ」
と訴えた。
これに対して青山繁晴参院議員(無派閥)は
「2024年年末に予算編成をするわけで、その前に自ら潔く決意し、辞意を表明されるべきだ」
と主張した。
ただ、青山氏によれば、明確な辞任要求は自身1人だけで、7〜8人が衆院選敗北の責任論に言及した。
西田昌司参院議員(旧安倍派)は、来年2025年度予算案の編成のために首相の当面の続投に関しては理解を示した上で、
「党の体制を刷新しないと(来年2025年夏の)参院選を戦えない」
と語った。
とはいえ、懇談会は続投容認論が大勢。
尾崎正直衆院議員(旧二階派)は出席後、記者団に
「総じて『皆で石破総裁を支えていこう』ということはコンセンサス」
と述べた。
森山氏は懇談会終了後、記者団に、2024年年内の今年2024年度補正予算案や来春の令和7年度予算案の成立を期すことが大事だと強調し、退陣論を否定した。
目立ったのは敗因の検証を求める声だ。
特に、非公認候補が代表を務める政党支部に党が活動費2000万円を支給した問題に矛先が向いた。
柴山昌彦元文部科学相(旧安倍派)は
「如何に国民世論からかけ離れたものか、きちんと執行部に受け止めてもらい、検証を行うべきだ」
と発言した。
それでも2024年年内に首相が退陣に追い込まれる事態にはならなさそうだ。
首相との距離がある麻生太郎最高顧問(麻生派)は懇談会に出席したが、発言しなかった。
反石破勢力から期待されている高市早苗前経済安全保障担当相(無派閥)は欠席。
2024年11月5日、近しい議員らと会食した際も
「(党内が)ガタガタしていたら自民は野党になってしまう」
と結束を呼び掛けた。

「痛恨の極みだ」石破首相、自民の両院議員懇談会で衆院選大敗を謝罪
2024/11/7 16:22
https://www.sankei.com/article/20241107-XJQMEZOOGVOLZIRQVU37RBP234/
自民党は2024年11月7日、大敗を喫した衆院選を総括する両院議員懇談会を党本部で開いた。
石破茂首相は冒頭で
「痛恨の極みだ」
「深く反省し、お詫びしなければならない」
と述べた。
森山裕幹事長は
「強く責任を感じている」
「厳しい批判を頂いたことは厳粛に受け止める」
と語った。

石破首相とトランプ氏会談わずか5分の衝撃 韓国・尹大統領の半分以下 党の両院議員懇談会でも集中砲火、まさに四面楚歌
2024.11/8 11:32
https://www.zakzak.co.jp/article/20241108-J5S64FY5UVPINAX3WEKJIVUNAM/
「政権居座り」
に執着する石破茂首相(自民党総裁)が四面楚歌≠ノ陥りつつある。
2024年11月7日の党両院議員懇談会では、衆院選で勝敗ラインとした
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した責任について集中砲火を浴びた。
国会運営では、少数与党ゆえ、躍進した国民民主党の意向に配慮せざるを得ない上、国会の最重要ポストの1つである衆院予算委員長を立憲民主党に譲り渡した。
米大統領選で勝利したドナルド・トランプ前大統領との電話会談は、何と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の半分以下という5分間。
米メディアには、石破首相の
「日米同盟不平等論」
を問題視する向きもある。
過去に現実軽視の持論を並べ立て、他人を批判し続けた
「特大ブーメラン」
が次々と刺さっている悪循環は続きそうだ。

「国民の期待に十分応えることができなかった」
「痛恨の極みだ」
「深く反省し、お詫びしなければならない」
「真摯に受け止め、改革に前向きに取り組んでいく」
石破首相は2024年11月7日、衆院選総括のために開催した両院議員懇談会で、こう陳謝した。
衆院選での自民党惨敗は
「国民の審判」
そのものであり、
「政権居座り」
こそが国民の期待に反するのではないか。
当然、参加者からは、執行部の責任を問う声が相次いだ。
投開票直後から辞任論を掲げていた青山繁晴参院議員は
「2024年年末に予算編成をするわけで、その前に自ら潔く決意し、辞意を表明されるべきだ」
と主張したという。
記者団にも
「『政権選択選挙』で負けたのに責任を取らないのでは、自民党が民主主義を掲げることはできない」
と言い切った。
西田昌司参院議員も
「党の体制を刷新しないと(来年2025年夏の)参院選を戦えない」
と訴えた。
石破執行部に対しては、
「非公認」
候補が代表を務める政党支部にも選挙前に2000万円を支給した判断を問題視する意見も続出した。
柴山昌彦元文科相は
「世論から如何にかけ離れているか、執行部はしっかり受け止め検証すべきだ」
と発言した。
小林鷹之元経済安保相も、執行部から事前に明確な説明がなかったと苦言を呈し、
「党が一丸となって政策を進めていく環境を作る必要がある」
と訴えた。
厳しい批判が噴出する中、馬の耳に念仏なのか、石破首相は具体的な責任論に言及しなかった。
森山裕幹事長も
「強く責任を感じる」
「厳しい批判は厳粛に受け止める」
「(2000万円は)非公認の人が選挙費用に使える仕組みにはなっていない」
と釈明したものの、そのまま続投する意向だ。
石破首相と距離を置く麻生太郎元首相は発言しなかった。
「ポスト石破」
を期待される高市早苗前経済安保相は欠席した。
衆院選で
「非公認」
となり無所属で勝利した萩生田光一元政調会長は、高市氏と連携する意向を示しているが無言を貫いた。
出席議員は執行部を除き約180人で、非公開で約50人が発言したが、大半は
「当面の続投」
を支持したという。
ある閣僚は
「ガス抜きになった」
と語っている。
石破政権は国会運営にも不安がある。
国会の委員会で最重要ポストの予算委員長を、立憲民主党に譲ることで合意したのだ。
予算委員長に野党議員が就くのは30年ぶりだという。
同委員長は採決日程の決定や議事進行などで大きな権限を持ち、局面によっては予算案審議が難航することも想定される。
■米報道日米に「緊張が高まる可能性秘めている」
石破政権は、外交でも不安は尽きない。
石破首相は2024年11月7日午前、米大統領選で勝利したトランプ氏と初めて電話会談を行った。
石破首相は
「日米同盟をより高い次元、段階に引き上げていくことで一致した」
「フレンドリーな感じがした」
「本音で話ができる人という印象を持った」
を手応えを語ったが、時間は5分間だった。
トランプ氏は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とは約25分間、韓国の尹大統領とは約12分間も会談している。
前駐オーストラリア大使の山上信吾氏は2024年11月7日、自身のX(旧ツイッター)で、
「僅か5分しか相手にされず、英語も解さないのに、何を以て『非常にフレンドリー』と判断できるのか?」
「メディアの突っ込みが弱過ぎる」
と指摘した。
米メディアでは
「背後から銃で撃つ」
と党内外から批判された石破首相の政治スタイルを問題視する向きもある。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、自民党総裁選の投開票日(2024年9月27日)、石破首相が
「日米同盟を不平等だとして再構築を唱えてきた」
と指摘し、米政府との間に
「緊張が高まる可能性を秘めている」
と報じている。
同紙は、石破首相が
「概ね保守的で防衛にタカ派的」
としながらも、安倍晋三元首相や岸田文雄前首相とは異なり
「日米同盟の非対称的な側面に不満を抱いている」
と分析。
更に、2018年に石破首相に行ったインタビューから、
「トランプ大統領とゴルフしなくてもいい、トランプタワーに行かなくたっていい」
「日本は手強いぞと思わせることが大事だし、ディールのカードを持つこと(が大事)」
「安全保障でディールのカードを全く持っていない」
との、安倍氏とトランプ氏の盟友関係を批判的に語った発言を紹介している。
石破政権はどうなるのか。
政治評論家の有馬晴海氏は
「両院議員懇談会は『ガス抜き』で終わったようだが、『石破おろし』を巡る自民党内の見方は甘い」
「選挙を控える参院議員の中では退陣論も挙がる」
「『石破カラー』で支持率回復の目もあるが、石破首相は演出は上手くない」
「我慢強さを見せせ、耐えるしかない段階だが、全てにおいてヨタヨタで、ちょっとしたきっかけで政権が終わる可能性はある」
と語った。
外交はどうか。
評論家の八幡和郎氏は
「トランプ氏との5分だけの電話会談は象徴的だ」
「石破首相のキャラクターと、トランプ氏の相性も懸念されている」
「重要なのは『本音で話す』ことではなく、『メンツを潰さないよう迎合しているかに見せて誘導する』ことだ」
「石破政権には厳しい宿題が多く課されている」
と分析した。

「トランプ側近の本音」石破首相の評価は? パイプ持つ日本保守党・島田洋一議員が聞いた「世論に迎合する信用できない男」
2024.11/8 15:24
https://www.zakzak.co.jp/article/20241108-RH7XVVVQKJJWFGBDK6T74MESFE/
石破茂首相は2024年11月7日、米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ前大統領と電話会談した。
首相はトランプ氏の印象を
「非常にフレンドリーな感じ」
と述べたが、トランプ氏周辺は実際のところ、石破首相や石破外交をどう見ているのか。
国際政治学者で共和党やトランプ陣営と太いパイプを持つ日本保守党の島田洋一衆院議員に
「トランプ側近の本音」
を聞いた。
石破首相は電話会談でトランプ氏に祝意を伝え、日米同盟をより高い次元に引き上げる考えで一致したと話した。
だが、大統領選直後にトランプ氏側近らとコンタクトを取ったという島田氏は
「衆院選にも敗北して政治力もないとして、トランプ氏周辺で石破首相の評価は高くない」
「マイナスからのスタートというより、スタートできるかも怪しい」
と指摘する。
島田氏によると、
「日米地位協定の見直し」

「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」
といった石破首相の持論にも、トランプ陣営の反応は冷ややかだという。
「日米地位協定の改定は米軍の機密保護や米兵の身の安全に関わるため、米国は超党派で反発している」
「アジア版NATOについては、石破首相が発信を控えていることが、却って『世論に迎合するような信用できない男』と見られているようだ」
石破首相とトランプ氏は、早期に対面での会談を調整する方針を確認したというが、島田氏はこんな見方を示す。
「会談では米国と同じ路線で取り組む態勢が出来ていると、しっかりプランを示して行動できるかが重要だ」
「例えば岩屋毅外相は中国寄り≠ニ見られていて、防衛相時代の2018年には韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に対応出来なかった」
「『人事は政策』であり、情報発信にもなるので、刷新すべきではないか」
トランプ氏が2016年の大統領選に勝利した際には、安倍晋三元首相がトランプタワーを訪問するなどして蜜月関係を築いた。
「トランプ政権発足直後の朝鮮半島危機や、中国に対する締め付けにも、安倍元首相は真っ先に協力するなど、間髪入れずにサポートする行動が信頼関係を固めた」
と島田氏は分析する。
これまで学者として北朝鮮による日本人拉致問題や日米関係の強化に取り組んできた島田氏だが、衆院選で日本保守党から出馬して当選し、今後は国会議員の立場で臨むことになる。
トランプ陣営の反応について島田氏は
「日本保守党から出馬し当選したことを
『米国で言えばトランプ現象に値するものだと理解している。日本保守党と連携していきたい』
と言われた」
「日本保守党の『日本第一』は、トランプ氏の『米国第一』と通じ、『脱炭素原理主義』に異を唱える基本線も一致する」
と明かした。
トランプ陣営は今、外交路線をどう考えているのか。
島田氏は
「中国を『主敵』と位置付け、軍事利用可能な技術を含む最先端ハイテク分野や知的財産で厳しく締め上げて供給網から外すことを検討している」
「トランプ氏は経済分野の交渉で習近平国家主席が誤魔化そうとしても許さないだろう」
との見方を示した。

首相に安心して辞めてもらうため
政界十六夜 石井聡
2024/11/8 10:00
https://www.sankei.com/article/20241108-CEBHVOQ4UJKA5BOFYOEHEQV5GQ/
つい最近まで
「政治家というより評論家」
との評もあった人なら、衆院選大敗を喫しても政権の座にとどまろうとするトップについて、第三者としてどう語っただろう。
敗因は専ら自民党にあり、自分ではないと言わんばかりの石破茂首相は、国民民主党などの協力を当てにした延命工作に勤しんでいる。
首相は衆院選最中の
「掌返し」
は元より、自ら命名した
「納得と共感内閣」
も有権者に納得どころか拒否された。
産経新聞は選挙後の2024年10月29日付朝刊の主張(社説)で
「首相の居座りは許されぬ」
と、直ちに辞職して新総裁選出に移行すべきだと指摘した。
読売は
「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
朝日も
「政権の継続は至難の道」
と社説で書いた。
国政や政権政党に対する新聞社のスタンスには異なる点があるものの、敗北した責任者の出処進退を巡る見解を普通に考えればこうなる。
しかしながら、首相が新聞の提言に耳を傾ける気配はない。
衆院選では立憲民主党が50議席増と躍進しながら、野党連立政権への流れを作れなかった。
特別国会の首相指名選挙で、決選投票を経て石破首相への指名が見込まれることも、切迫感を失わせているのだろう。
衆院選翌日の敗戦に関する総裁会見で、首相は
「政治改革や経済対策などの課題に先頭に立って取り組む」
と辞めないことを明言し、大きな理由の1つに
「国政は一時(いっとき)たりとも停滞が許されない」
点を挙げた。
就任直後の国政選挙で大敗を呼び込み、与党の自民、公明両党以外の賛成を得なければ予算も法律も通らない政治状況を生じさせたのだ。
その張本人がとどまること自体が政治の空白を生むという判断を持たないなら、如何ともし難い。
空白を拡大させないため、次の手立てを早急に講じるしかない。
それは、野党に責め立てられて行き詰まる前に、自民党内で首相を退陣に追い込み、新総裁の下で立て直しを図るという自浄作用だ。
来年2025年の参院選の前に再び衆院選を行い、議席を挽回しておくことも課題となろう。
どうも
「〇〇おろし」
という言葉には
「反逆」
「足を引っ張る」
という悪いイメージが伴うようだ。
世論には
「すぐに辞めなくてもよい」
という一種の判官びいき≠烽り、大人しい自民党議員たちに二の足を踏ませている。
異常事態の打開には不可欠な作業なのにである。
その実現には石破首相に取って代わる人物が決起しなければ始まらない。
例えば、先の総裁選で惜敗した高市早苗前経済安全保障担当相や、衆院選後に党選挙対策委員長を早々に辞任した小泉進次郎元環境相らである。
総裁選を戦ったばかりだから政権構想の準備はあるはずだ。
高市氏は衆院選当選後、執行部に対して
「徹底的に自民党を立て直して頂きたい」
と注文していた。
他人事ではなく、自らそれに当たる事が求められる場面ではないか。
むろん、決起する人を支える勢力の再結集も急がなければなるまい。
旧派閥の枠を超えて
「保守派」
どうしの連携などダイナミックな動きを作ることができれば、党再生の活力にもなる。
昨年2023年来の
「岸田おろし」
は気配だけで不発に終わった。
「今はまだその時ではない」
などと身を潜めているのは、自分自身の当座の生き残りには役立つとしても、国の危機を等閑視するに等しい。

中国、韓国が利用する石破首相の歴史観 過去の言動繰り返せば付け入る隙に 
阿比留瑠比の極言御免
2024/11/7 1:00
https://www.sankei.com/article/20241107-3K6TVFPG6RPOZDBYUBB4CSA2ZI/
まだ石破茂首相のことを保守派だと見做していた20年以上も昔の話である。
筆者は当時、安倍晋三元首相や中川昭一元財務相らが熱心に取り組んでいた偏向歴史教科書問題や慰安婦問題など保守系の運動に関わろうとしないことをいぶかり、それらへの参加を促したことがある。
だが、返事はそっけなかった。
「そういうのは、もういいよ」
この時は、単に余り関心がないのかと流したが、徐々にそうではなくて歴史認識自体が大きく異なるのだと分かってきた。
石破氏の考え方は、むしろ左派・リベラルに近かった。
それを反映し、2024年9月の自民党総裁就任時などに、中国や韓国は首相の歴史観を理由に概ね歓迎を示した。
例えば韓国の左派紙、ハンギョレ新聞は同月2024年9月30日の社説で書いている。
「歴史問題についても『政治的ライバル』だった安倍元首相とは異なり、何度も合理的な見解を明らかにしたことがある」
「(中略)謙虚な歴史認識を示してくれることを期待する」
また、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(2024年10月18日付)は、首相が平成18年9月23日付の毎日新聞鳥取県版にこう語ったことを紹介している。
「最近は、自民党の若い議員を見ても、怖い」
「過去の戦争を『全て正しかった』と考えていて、頭は大丈夫かと疑いたくなる」
「日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国併合は植民地化(だ)」
こうした首相のこれまでの言葉については、月刊誌「明日への選択」2024年11月号の記事
「かくも危うい石破首相の『歴史認識』」
がよくまとめていたので、許可を得て引用する。
それによると首相は平成29年5月、韓国紙、東亜日報のインタビューで慰安婦問題についてこう語った。
「納得を得られるまでずっと謝罪するしかないでしょう」
もっとも、その後の産経新聞の取材に首相は
「『謝罪』という言葉は一切使っていない」
「『お互いが納得するまで努力を続けるべきだ』と話した」
と否定している。
とはいえ、
「努力」
をどう翻訳(意訳)すれば
「謝罪」
に入れ替わるのか理解に苦しむ。
中国共産党系の新聞、世界新聞報のインタビューも防衛相時代の2020年に受け、こう述べたとされる。
「日本には南京大虐殺を否定する人がいる」
「30万(人)も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという」
「何人が死んだかと大虐殺があったかは別問題だ」
「日本は中国に謝罪すべきだ」
これについても首相は月刊正論2020年9月号で
「大虐殺があったとは言っていないよ」
と否定しているが、聞き手の評論家、潮匡人氏はこうたしなめていた。
「ですが、そう相手に受け取られる対応も、事実関係で日中間に隔たりがある以上、国益の擁護者として慎重であるべきではなかったかと」
まさにその通りである。
首相が実際にどのような表現を使ったかは判然としないが、相手に利用されるようなことを述べたのは事実だろう。
来年2025年は終戦80年を迎える他、日韓国交正常化60周年にも当たる。
中国も
「抗日反ファシズム戦争勝利80周年キャンペーン」
を準備しているという節目の年である。
韓国や中国の反日勢力がさまざまな仕掛けをしてくると予想できるが、首相が過去の言動を繰り返すようなら、付け入る隙を与えることになろう。
もっとも、それまで首相を続けていられるかどうかは分からないが。
(論説委員兼政治部編集委員)

衆院選で与党過半数割れ 産読朝は首相に辞任を求める 毎東日は熟議の合意形成促す
社説検証
2024/11/6 9:00
https://www.sankei.com/article/20241106-3AZLN7SFRNM3VM35Q5UTMPRLOI/
第50回衆院選は自民党が公示前の議席を大幅に下回り、連立政権を組む公明党と合わせても過半数に届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党は勢力を4倍に拡大した。
産経、読売、朝日は石破茂首相に責任をとって辞任するよう求めた。
産経はまた、国政を停滞させぬよう、各党は安定政権の樹立に向けて努力すべきだと説き、毎日、東京、日経などは、熟議を通じた合意形成を促した。
自民の派閥パーティー収入不記載事件で、石破首相は不記載の候補者を非公認にしたり、比例代表との重複立候補を認めなかったりした。
一気に事を決めずに騒動を続けたのである。
産経は
「世間の関心が『政治とカネ』一色になったのはそのせいでもある」
と断じ、
「言い訳選挙」
になったことで優勢に戦うことができなかったと敗因を分析した。
与党過半数というのは首相自身が設定した勝敗ラインだ。
産経は
「石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ」
「責任を取って潔く辞職すべきである」
と強調し、
「自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい」
と論じた。
読売は
「大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか」
との見方を示した。
「政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない」
「速やかに進退を決することが憲政の常道である」
と石破首相に退陣を迫った。
朝日は
「石破政権に対し、国民が『不信任』を突き付けた」
「裏金問題に対する国民の怒りや不信を甘く見た結果に違いない」
とし、
「石破首相は職を辞すのが筋だ」
と主張した。
首相への不信任は、自民党政治への不信任だとして、
「自民も今度こそ本気で実態解明に取り組まねばならない」
と訴えた。
毎日、日経、東京は明示的には辞任を求めなかった。
毎日は自民の敗因について
「第2次安倍晋三政権以降に深刻化した政治の歪みや驕りを、根本から正そうとしなかったことだ」
と指摘。
日経は政治資金問題で
「生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭う事は出来なかった」
と分析した。
東京は
「派閥の裏金事件に自らけじめを付けなかったことに対し、民意は政治腐敗を明確に拒んだ」
と訴えた。
特別国会での首相指名選挙に向けて与野党の多数派工作が活発化している。
その結果如何にかかわらず、立民の影響力増大が予想される。
産経は、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という考えを変えず、反撃能力の保有にも消極的な立民について
「これで国民を守れるのか」
「この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある」
と政権担当能力に疑問符を付けた。
読売も
「『寄り合い所帯』で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない」
「そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか」
「まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう」
と釘を刺した。
朝日は
「与野党が拮抗する政治状況を、立法府の行政監視機能を立て直し、熟議を通じた丁寧な合意形成に繋げてもらいたい」
「立憲の責任と役割は極めて重くなった」
と記した。
毎日も立民に対し
「国会での存在感の高まりに見合った責任を果たすべきだ」
と注文し、
「与野党が伯仲する政治状況下では、緊張感ある論戦を通じて国民本位の合意を見い出すことが欠かせない」
と説いた。
日本の政治は新たな局面に突入した。
来年2025年夏の参院選を睨み、与野党の攻防は激しくなるだろう。
だが、スピード感をもって政策の合意形成を図っていかなければ、迷惑を被るのは国民である。
与野党はその事を肝に銘じてもらいたい。

■衆院選での与党過半数割れをめぐる主な社説
【産経】
・審判を重く受け止めよ/安定した政権の構築を求める(10月28日付)
・首相の居座りは許されぬ/直ちに辞職し新総裁選出を(29日付)
【朝日】
・国民から首相への不信任だ(28日付)
・信失ったままでは困難(29日付)
【毎日】
・「政治とカネ」に重い審判(28日付)
・不信拭う改革が最優先だ(29日付)
【読売】
・長期政権の驕りが不信招いた/国政の停滞は避けねばならない(28日付)
・首相は責任の重さを自覚せよ/政権の枠組み作りが焦点となる(29日付)
【日経】
・自民不信を突きつけた厳しい審判(28日付)
・国政の停滞回避へ責任ある行動を(29日付)
【東京】
・民意は政治腐敗拒んだ(28日付)
・熟議の政治を取り戻せ(29日付)

<主張>与党「過半数割れ」 審判を重く受け止めよ 安定した政権の構築を求める
社説
2024/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20241028-FCCUJHFOJVJ47OD67N322RXKGY/
第50回衆院選の投開票が行われた。
政権の信を問うと臨んだ石破茂首相は勝敗ラインに自民党、公明党の与党過半数を設定していたが、届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党も議席を伸ばした。
自民にとって野党に転落した平成21年の衆院選以来となる歴史的敗北だ。
首相は選挙結果を重く受け止めねばならない。
今後自民は非公認当選者の追加公認を図る見通しだ。
国際情勢は厳しく、混迷の度合いを増している。
今後、特別国会で首相指名選挙が行われるが、各政党は安定政権を作るべく努力してもらいたい。
国政を停滞させてはならない。
■言い訳選挙では勝てぬ
今回の大敗は、石破首相と自民執行部が
「言い訳選挙」
にしてしまったことが大きい。
言い訳選挙で優勢に戦うことなど望むべくもない。
自民の旧安倍派などの派閥パーティー収入不記載事件への有権者の怒りはくすぶっていた。
それにうまく対応できなかったのが首相だった。
就任後、不記載の前議員の非公認を増やし、比例代表との重複立候補を認めなかった。
しかも一気に事を決めず騒動を続けた。
世間の関心が
「政治とカネ」
一色になったのはそのせいでもある。
選挙戦最終盤には自民が、非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、首相は党勢拡大のためで
「選挙に使うことはない」
と釈明した。
これも有権者の投票行動を左右した可能性がある。
有権者や他党からどう見られるかを考えなかった石破首相や森山裕幹事長には、自民内から疑問の声が上がった。
石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった。
自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた。
国会論戦も十分に行わず早期解散に走った。
これで勝てると思っていたのなら信じ難い。
衆院選で政治とカネの問題への有権者の憤りが改めて示された。
各党は政治改革の具体策で合意し、速やかに実行に移すべきだ。
それを怠れば政治不信に拍車がかかる。
言い訳選挙になったのは、もう1つ理由がある。
それは、石破首相が政治とカネの問題を上回る、または匹敵するような政策上の大きな争点を国民に示せなかったことだ。
衆院選は常に日本の独立と繁栄、国民の生活と暮らしがかかった、日本の針路を決める政権選択選挙なのである。
にもかかわらず日本の針路を巡る本格的な論戦は展開されなかった。
とりわけ日本を守る安全保障が重視されなかったのは残念だ。
■立民は国を守れるのか
台湾有事の懸念が高まっている。
公示の前日には、中国軍が台湾を包囲する形で大規模な演習も行った。
今回の衆院選で選ばれた議員が台湾有事に直面する可能性がある。
北朝鮮の軍はウクライナ侵略に加担する見通しだ。
朝鮮半島有事がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
その危機が十分には語られず、抑止力のための防衛力の抜本的強化、国民保護などの具体策の議論が深まらなかったのは問題だ。
立民の影響力は増大する。
野田佳彦代表は外交・安保政策の継続性を重視する考えを示す一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という党の立場を変えていない。
反撃能力の保有にも積極的ではない。
これで国民を守れるのか。
この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある。
政策上の欠陥を抱えたままの立民に政権担当能力があるのか疑問だ。
経済を巡っては、各党がこぞって消費税減税や給付金支給などの物価高対策を示した。
だが財源を含む具体化の道筋には曖昧なものが多く、バラマキ色が目立った。
物価高に負けない賃上げを果たし、デフレからの完全脱却を確実にするには、生産性を向上させて企業の収益力を高める取り組みが欠かせない。
そうした積年の課題を解決しなければならない。
憲法改正の動きを後退させてはならない。
自民の大敗に加え、改憲に前向きな日本維新の会が振るわなかった影響は大きい。
自衛隊明記や緊急事態条項の創設は急務で、国会は改憲原案の条文化を進めるべきだ。

<主張>国民の審判 首相の居座りは許されぬ 直ちに辞職し新総裁選出を
社説
2024/10/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20241029-CEB23AAJIJPI7NMIRKWA2U4OUQ/
衆院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)が2024年10月28日の記者会見で、引き続き政権を担う意欲を示した。
自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを割り込む大敗の責任を取らずに、石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ。
責任を取って潔く辞職すべきである。
自民は比較第1党に踏みとどまった。
友党の公明党と共に政権構築を目指すのは分かるが、それは国民の信を失った石破総裁の下ではあり得ない。
自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい。
■本当に反省しているか
石破首相は会見で、衆院選の審判を
「真摯に厳粛に受け止める」
と語った。
だがその言葉とは裏腹に、
「国政の停滞は許されない」
と繰り返し、
「安全保障、国民生活、災害対応に万事遺漏なきを期すことも私どもが負うべき責任だ」
と述べた。
そこには反省が感じられない。
国民は衆院選で石破首相に国政運営を託したくないという判断を示した。
それが何故分からないのか。
有権者の審判を無視するトップが政権の座に留まろうとして国民の支持を得られると思うなら甘過ぎるし、民主主義から外れている。
全ての自民国会議員は、石破首相の続投こそが、国政の停滞を招くと知るべきである。
自民の小泉進次郎選対委員長は2024年10月28日、
「選挙の結果責任は選対委員長が引き受ける」
として辞任した。
小泉氏は自身の進退について
「目標を達成出来なかったのに責任を取らない自民党では、不信感の方が大きいと思う」
と語った。
これは石破首相、森山裕幹事長にこそ言えることである。
自民千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は
「議席をあれだけ減らした」
「責任はある」
と述べ、首相や執行部の早期退陣を促した。
これが国民感覚に沿った判断だろう。
石破首相は、第1次安倍晋三政権時の参院選で自民が大敗し
「ねじれ国会」
となった際に、続投を表明した安倍首相を攻撃した。
党総務会で
「(安倍)首相は『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』と訴えたのに、どう説明するのか」
と非難した。
代議士会では
「首相は『反省すべきは反省する』と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」
と責め立てた。
同じ事を石破首相に問いたい。
2024年10月28日の会見で
「自民党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
と語ったが、トップである自身がまず責任を取るべきだろう。
麻生太郎政権時に農林水産相だった石破首相は、事実上の退陣を迫ったこともある。
過去の言動との整合性がなければ、石破首相への信頼は集まらない。
首相の言葉は限りなく軽いものとしてしか受け取られまい。
■森山幹事長も責任重い
他人に厳しく自分に甘い、主権者である国民の審判を軽んじる。
そこに謙虚さは見当たらない。
このような有り様で与党は特別国会の首相指名選挙に確実に勝てるのか。
よしんば勝ったとしても、自民党内からは辞任論が出て、石破首相の求心力は低下している。
安定した政権運営が出来るのか。
森山幹事長の責任も重い。
選挙戦最終盤には、自民が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、
「政治とカネ」
を巡る批判に拍車を掛けた。
石破首相は
「選挙に使うことはない」
と述べたが説得力に乏しかった。
支給を主導したのは森山氏だったとされる。
石破首相の就任後に、臨時国会で予算委員会を開かず早期に解散するよう進言したのも森山氏である。
首相と森山氏は衆院選を有利に展開しようと党利党略に走ったが、思惑外れに終わった。
政府与党は首相指名選挙を行う特別国会を2024年11月11日に召集する方向で調整している。
だが、憲法第54条は衆院選投票日から30日以内の召集を定めている。
殊更引き延ばすことはあってはならないが、国会議員中心の自民総裁選を実施するくらいの日程的余裕はある。
自民は新総裁を選び、出直しを図らねば信頼回復は遠く、来年2025年の参院選でも有権者から厳しい審判を受けるだろう。
石破首相が今、日本と国民、党のために出来ることは速やかに辞任することしかない。

衆院選自公惨敗 長期政権の驕りが不信招いた
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50056/
◆国政の停滞は避けねばならない◆
自民、公明の与党が衆院選で惨敗し、過半数を割り込んだ。
今後、一部の野党の協力を得て、引き続き自公が政権を担い続けられるのか。
あるいは、立憲民主党を中心とした野党勢力が政権交代を起こせるのか。
政局は一気に流動化する情勢となった。
また、
「自公で過半数」
を勝敗ラインに設定していた石破首相の進退も焦点となる。
■政局の流動化は確実
第50回衆院選が開票された。
自公は、2012年の政権復帰以降、経験したことのない逆風に晒された。
大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか。
一方、多くの野党は議席を増やしたが、理念や基本政策の異なる各党で協力できるかは見通せない。
自公、立民それぞれが過半数確保に向け、多数派工作を繰り広げることになりそうだ。
与野党の勢力が伯仲することで、予算案や法案を巡る攻防が激化して政策遂行が遅れる事態が懸念される。
実際、2007〜2008年の福田内閣当時は、野党が国会運営を主導し、国政が停滞した。
今後、政権の枠組みを巡って与野党が駆け引きを繰り広げ、混乱が長引く可能性もある。
山積する内外の難題に適切に対応できるのか。
与野党共に大きな責任を負うことになった。
今回の衆院選は異例ずくめだった。
石破政権が内閣発足直後の
「ご祝儀相場」
を当て込み、戦後最短での衆院解散に踏み切った。
だが、自民党は、政治資金問題を抱えた前議員らの処遇を巡り、原則として全員を公認する方針が批判されると、非公認を次々と増やし、定見のなさを露呈した。
選挙戦の終盤には、非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が公認候補向けと同額の2000万円を支給していたことも発覚し、混乱を広げた。
執行部の失態と言う他ない。
自民が苦戦した背景には、
「岩盤」
と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。
岸田前首相が昨年2023年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。
こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引き付けることに成功したからだろう。
既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢い付けている側面もある。
■現実的な主張が奏功か
先月2024年9月、15年ぶりに党首が交代した公明も厳しい選挙戦となった。
小選挙区選に初めて挑戦した石井新代表が落選したのは、支持母体の創価学会員の高齢化が影響しているとされる。
一方、立民の伸長は、自民の
「金権体質」
を争点化する手法が奏功したことが一因だ。
また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を 概 ね継承する考えを示した他、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた
「原発ゼロ」
に拘らない方針を強調した。
こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ。
国民民主党も躍進した。
玉木代表が
「手取りを増やす」
と主張して、
「生活重視」
の姿勢を取ったことが、特に若い世代の支持拡大に繋がったのだろう。
日本維新の会が伸び悩んだのは、大阪・関西万博の会場建設費が想定以上に膨らんだことや、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑が影響したとみられる。
他方、選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。
■課題を蔑ろにするな
物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。
社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。
急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ。
ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。
先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ。
日本周辺の安全保障環境はかつてないほど悪化している。
防衛力の強化はもとより、日米同盟を深化させると共に、友好国を増やしていく必要がある。
野党の選挙戦術もあって、政治とカネの問題が焦点となったのはやむを得ないとしても、国政の課題を蔑ろにするような事態は避けなければならない。

自民歴史的大敗 首相は責任の重さを自覚せよ
2024/10/29 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50239/
◆政権の枠組み作りが焦点となる◆
国民に信を問うために断行した衆院解散・総選挙で大敗した以上、石破首相が取るべき道は明らかだ。政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない。
速やかに進退を決することが憲政の常道である。
衆院選の結果、自民、公明の与党の獲得議席は、首相が「勝敗ライン」とした「与党で過半数」には程遠い215議席だった。自民党は191議席にとどまった。
■勝敗ラインには程遠く
自民党が200議席を下回るのは、民主党に政権を明け渡した2009年以来で、自民結党以降でも2回目だ。今回は歴史的惨敗を喫したと言える。
首相は、過半数割れの少数与党であっても、無所属で当選した議員らの追加公認や、一部野党の協力によって政権を維持しようとしている。選挙後の記者会見では「国政を進めていくことで職責を果たしていく」と述べた。
首相が協力相手として想定しているのは国民民主党だ。国民民主は「対決より解決」を掲げ、予算案や法案の採決で自公と足並みを 揃 そろ えたこともあるため、連携が可能とみているようだ。
だが、衆院選で敗れた首相が少数与党の体制で政権を維持できたとしても、国会では多数派の野党を相手に、必要な法案や政策を実現させていくことは困難で、混乱が長引くだけだ。
首相は責任の重さを自覚し、判断を間違えてはならない。
衆院選の敗因について首相が、「政治とカネの問題で国民の疑念、不信、怒りが 払拭 ふっしょく されていないことが最大の理由だ」と述べたのはその通りだろう。
しかし、新政権が衆院選でとった戦術はちぐはぐで、ことごとく裏目に出たのも事実だ。
そもそも首相就任前に、解散日程を表明したことは異例で、違和感を覚えた人は多かった。
■ミス繰り返した執行部
首相は自民党総裁選の最中、早期の解散に慎重な考えを示していたのに、首相に就任すると、予算委員会を開かず、戦後最短の日程での解散に踏み切った。
こうした策を首相に進言したのは、総裁選で早期解散論を唱えていた小泉進次郎選挙対策委員長だとされている。
首相交代直後の刷新感を武器に選挙を戦おうとしたようだが、これを受け入れたのは首相で、有権者には、誠実さに欠けるという印象を与えたに違いない。
このほか、政治資金収支報告書に不記載があった前議員らを公認するか、非公認とするかを巡って執行部の方針は二転三転した。
選挙戦最終盤には、非公認候補が代表を務める党支部に、自民党から公認候補と同額の2000万円を支給していたことが判明し、「非公認は見かけ倒しの処分だ」といった批判を招いた。
石破政権がこれほど失策を繰り返していたら、支持を失うのも当然だ。執行部に責任を取らせて済む問題ではない。
大敗した自民とは対照的に、立憲民主党と国民民主党は躍進した。自公に代わる受け皿としてみなされたのだろう。日本維新の会と共産党は議席を減らした。
欧州では、エネルギー価格など物価高騰への不満から、自国第一主義を掲げた極右政党が伸長するケースが目立っている。
今回の衆院選では急進的な主張をする勢力が一定の支持を集めたが、その広がりは限定的で、日本の有権者は、穏健な保守や中道路線を支持したとみて良かろう。新たな政権の枠組みは、そうした民意を反映することが望ましい。
立民は、他の野党との多数派工作に力を入れ始めている。野田代表が野党を糾合し、政権交代を実現できるかどうかが焦点だ。
■政策の一致は不可欠だ
ただ、野田氏の足元は盤石とは言い難い。立民は、リベラル系や中道路線を支持する議員などの「寄り合い所帯」で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない。
そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか。まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう。
野党各党で協力するにしても、理念や基本政策が 乖離 かいり した状態では、政権は安定しまい。実際、1993年に7党1会派で発足した細川連立内閣は、路線対立が絶えず、1年足らずで瓦解した。
国際情勢は緊迫の度を強め、国内は少子化問題、社会保障制度改革、経済再生など待ったなしの課題が山積している。各党もまた責任の重さを忘れてはならない。

[社説]自民不信を突きつけた厳しい審判
衆議院選挙2024
社説
2024年10月28日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK271700X21C24A0000000/
政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った。
第50回衆院選は2024年10月27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。
自公は政権に復帰した2012年以来の岐路に立った。
石破茂首相らの責任論は避けられない。
自公は野党に協力を求めて政権を継続する方針だ。
立憲民主党は躍進し、多数派の形成に向けて野党各党と協議に入る。
政局は流動化し、政権の枠組みが見えない不透明な状況になった。
■世界の潮流が波及
自民は公示前の247議席から大きく減らし、下野した2009年以来の敗北となる。
接戦だった多くの小選挙区で競り負け、閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。
公明も石井啓一代表が落選したのをはじめ、牙城である関西で苦戦するなど、公示前の32議席を下回った。
立民は公示前の98議席から大幅に議席を伸ばした。
保守系の野田佳彦元首相を代表に据えたことで、自民支持から離反した保守層の受け皿になったとみられる。
自民との議席差を一気に縮める結果は、政権交代への足掛かりを築いたと言ってよいだろう。
自民の敗因が政治資金問題にあるのは明らかだ。
私たちは当初から
「政治とカネの問題は、扱いを誤れば政権の命取りになる」
と指摘してきた。
だが自民は生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭うことはできなかった。
与党の敗北は世界的な潮流でもある。
選挙イヤーの今年2024年、各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたと言えよう。
物価高や賃金、雇用など身近な課題に既存の政治が十分対応できず、有権者がノーを突き付ける構図だ。
政治資金の杜撰な管理が物価高に耐える国民の不満を増幅したと見るべきだろう。
選挙戦の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念だ。
物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生の在り方などは、どんな政権であっても重要課題として取り組まざるを得ない。
日本の政治の安定が損なわれることになれば、対外的に大きなマイナスだ。
米大統領選の行方が見通せない中、日米同盟や日韓関係の不安定要因にならないよう注意する必要がある。
日米韓の連携が動揺し、中国や北朝鮮、ロシアに対日政策の軽視や周辺地域での過激な行動を誘発する事態は避けなければならない。
政治の安定は海外から日本にヒト、モノ、カネを呼び込む誘因の1つでもある。
政局が混迷すれば、日本への投資を控える動きにつながる懸念がある。
ようやく成長軌道に乗りつつある経済に水を差すことがあってはならない。
そのためには出来るだけ早く安定した政権基盤を取り戻す他ない。
自公は過半数を割っても一部の野党と連携することで政権を継続したい考えだ。
連立政権の枠組みへの野党勢力の参加も視野に入れるが、現時点で野党側に自公連立に加わる動きはない。
■熟議を取り戻す契機に
一方、立民は非自民勢力の結集に向けて野党各党と協議する意向だ。
ただ、どのような枠組みで政権を目指すのか、具体的な政権構想はこれからで、成否はまだ見通せない。
自民と立民の議席差が大幅に縮まったことで、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙に向け、両陣営の攻防が激しくなる。
国民民主党や日本維新の会などとの連携を巡る綱引きも予想される。
政権の枠組みが見えてくるには時間がかかりそうだ。
与野党の伯仲は政治の在り方として悪い事ではない。
政権交代を目指す立民の伸長は国会審議に緊張感を与える。
中道保守の第1党と第2党が熟議を通じ、重要課題を解決するのは政治の1つの知恵である。
立民にとっては政権担当能力を磨く場となり、政権への近道になるはずだ。
対外的にも日本の政治の安定と成熟を示すことになろう。
ウクライナ戦争や中東情勢は緊迫の度を増している。
与野党とも内向きの政争に陥るのではなく、国内外の情勢に目を向け、国際社会で求められる日本の役割を自覚して安定した政治を取り戻すことを急ぐべきである。

石破おろし起きぬ自民 党内抗争の余裕なく 7日の両院議員懇が試金石
2024/11/5 19:36
https://www.sankei.com/article/20241105-GYVAXXRCA5IRJDOK5GFJPC7A5E/
先の衆院選で議席を大幅に減らした自民党では石破茂首相(党総裁)の退陣を求める
「石破おろし」
は起きず、来週の首相指名選挙で石破首相が再選出される公算が大きい。
危機的状況の中、野党に政権を奪われないことが最優先で、党内抗争の余裕はないからだ。
ただし不満はくすぶっており、2024年11月7日の両院議員懇談会が試金石となる。
■「今度こそ国民に見放される」
同懇談会は全自民議員が参加でき、首相も出席する。
首相は2024年11月5日の党役員会で
「意見を賜り、今後の党運営に共に努力していきたい」
と述べた。
勝敗ラインの
「与党過半数」
を下回ったことから首相への不満が相次ぐ公算が大きい。
首相に批判的な中堅議員は周囲に
「辞任すべきだと言う」
と息巻いた。
とはいえ、
「即退陣」
を求める声は広がっていない。
来週の首相指名選挙までに交代させる時間がない上に、予算案などの可決に必要な衆院過半数の獲得に向けて現執行部の下、野党・国民民主党の協力を得る交渉も始まった。
「今、党内で足の引っ張り合いをしたら、自民は政権を維持できない」(幹部)
との認識が支配的だ。
旧安倍派中堅は
「まずは経済対策」
「出来なければ今度こそ国民に見放される」
と語り、2024年年内の今年度補正予算案の成立を目指すことを優先すべきだと語る。
■交代圧力強まるのは来夏か
首相に批判的な議員が多い旧安倍派の実力者、萩生田光一元政調会長も2024年11月1日夜のインターネット番組で
「就任して1カ月」
「どんどん変えたら政権が不安定化する」
と語った。
反石破勢力から期待されている高市早苗元経済安全保障担当相も発信を控えており、党内の大勢が首相を見限る状況にはなっていない。
2024年11月2、3両日の産経新聞社・FNNの合同世論調査では、首相は「続投してもよい」との回答が55・3%に達した。
反石破勢力の参院議員は
「石破さんにはボロボロになっても来年2025年度予算を通してもらい、退陣してもらう」
と語り、来年2025年度予算成立後の来年2025年春の石破おろしを予告する。
平成13年には、当時の森喜朗首相が
「7月の参院選を戦えない」
との声の高まりを受け、予算成立後の平成13年4月に内閣総辞職した。
来夏2025年夏の参院選前に選挙の
「顔」
の交代圧力が強まる可能性がある。

バラマキ廃し、減税主導の財政へ 衆院選での与党惨敗受け、自民党が政権維持のため
田村秀男の経済正解
2024/11/5 12:00
https://www.sankei.com/article/20241105-NRXE3S4HRJKEDPCB7VDTGZPOSY/
衆院選での与党惨敗を受けて、石破茂首相と自民党は政権維持のために、若い勤労世代の支持を集めた国民民主党の所得税、消費税の減税案を取り込まざるを得なくなっている。
バラマキ偏重の歪んだ財政政策を是正するチャンスが到来したのだ。
「バラマキ」
と言えば、
「岸田文雄前政権のバラマキは酷かった、真にけしからん」
と、1カ月ほど前に会った某財務省幹部の憤懣ぶりが頭に浮かぶ。
一時は
「増税メガネ」
とメディアに揶揄されたほど財務省寄りと思わせた岸田氏が打ち出した電気・ガス料金補助、ガソリン価格への補助金、更に定額減税などのバラマキは許せないのだろう。
元はと言えば、財務省が頑強に減税に抵抗することから、岸田氏はその代わりのバラマキでやり過ごそうとしただけである。
家計の負担を軽くして、所得税や消費税を減税すれば良いはずだが、財務官僚は一旦減税すれば恒久化すると恐れ、自民党税調に反対させてきた。
このパターンは岸田政権時代に限らない。
当初予算で増税、政策経費を削減し、景気が沈みそうになれば、大型補正予算を組むのが歴代政権の恒例行事になっている。
補正予算の大半はその場凌ぎなのだから、計画性に欠け、バラマキに偏してしまう。
バラマキでも、消費が持続的に拡大すればまだしもだが、実際にはそうはならない。
国内総生産(GDP)の6割近くを占める家計消費は実質で2023年後半から前年水準を下回り続けている。
需要が不足するのだから、1990年代後半以来の慢性デフレから未だに脱却できない。
バラマキは砂漠の水撒き同然、国民経済を潤せないのである。
グラフは物価変動分を勘案した12カ月平均の実質賃金指数(1997年3月=100)、更に勤労者収入、収入から所得税、住民税更に社会保険料を差し引いた可処分所得(手取り)についての実質ベースの前年同期比増減率の推移である。
先の春闘では5%を超える賃上げが実現した結果、勤労者の収入と可処分所得は物価上昇分を加味しても2024年5月以降共に前年を上回っている。
それでも、2024年8月には伸び率が下がっている。
実質賃金は2024年5月以降少しずつ上向いている。
しかし、27年前1997年の水準を16%以上も下回っている。
賃金収入に頼る勤労者は貧しくなったままなのだ。
こうみれば、バラマキではなく、きちんと現役世代の減税と社会保険料負担の軽減、可処分所得(手取り)の増加を政策として訴えた国民民主党に若い層が惹かれた理由が分かる。
メディアが実施した衆院選比例区投票先政党に関する出口調査結果の年代別シェアをみると、20歳代、30歳代が最も多く投票したのが国民民主だった。
公明党の石井啓一代表は投票より10日前の2024年10月17日、低所得者世帯に10万円程度の給付が必要との考えを示し、自民党の森山裕幹事長が同調する様子を見せると、交流サイト(SNS)では若者世代を中心に反発する声が湧き上がった。
それを見抜けなかった自公が大敗したのは、バラマキ型政治の終焉を告げている。
自民と国民民主は2024年10月31日に経済対策や税制改正の協議開始で合意した。
自民は予算案など重要案件ごとに国民民主が協力する
「部分連合」
を目指す。
石破政権が存続できるかどうかの瀬戸際に立たされている以上、国民民主の玉木雄一郎代表が、石破首相に国民民主案を丸呑みさせる政治情勢にある。
障害はある。
「政府債務が悪化している中、財源はあるか」
と問われると政治家は弱い。
だが、経済はダイナミックであり、単純な差引勘定では計れない。
現実に、円安の下で法人税収が伸び、物価高で消費税収更に所得税収も増えている。
おかげで政府の基礎的財政収支(国債関係を除く財政収支)は税収増を受けて2025年度は黒字化する情勢にある。
国際的な財政指標である政府の純債務のGDP比率は2022年以降、急速に減っており、2024年6月時点で86%、15年ぶりの低水準にある。
所得税、消費税の減税は家計の可処分所得水準を押し上げ、消費を増やすので税収も増える。
日銀も金融緩和を維持するので、円安基調は変わらない。
所得税の基礎控除を引き上げると、年収103万円以内に年間所得を抑制していた働き手が活気付き、人手不足を緩和し、家計も楽になる。
歪んだバラマキ財政と決別し、減税主導で経済を安定成長軌道に乗せる。
石破首相の活路はそれしかない。
(編集委員)

自民支持率、18歳〜20代は12・5% 「政治とカネ」になお強い不信感
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 19:37
https://www.sankei.com/article/20241104-KOBQI2UPS5NZBAAZVEWCAGPFSU/
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、70歳以上の年齢層だけで石破茂内閣の支持が不支持を上回った。
自民党も高齢層の支持が高い傾向が明らかとなった。
18歳〜20代で石破内閣を
「支持する」と答えたのは32・0%で、
「支持しない」は61・0%。
30代も支持が28・8%、不支持が59・4%だった。
唯一、70歳以上で支持(58・5%)が不支持(36・4%)より多かった。
前回調査(2024年10月5、6両日)では、ほとんどの年齢層で支持が不支持を上回っていた。
自民の支持率は25・8%となり、前回調査の34・3%から8・5ポイント下がった。
年代別で「支持政党が自民」と答えたのは、
70歳以上35・0%、
60代28・0%、
50代23・7%、
40代30・3%、
30代14・8%、
18歳〜20代12・5%
だった。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、不記載があった候補者を非公認などとして衆院選に臨んだことで
「政治とカネの問題」
にけじめがついたかを尋ねたところ、
「ついていない」が85・5%、
「ついた」は10・6%
だった。
非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについては
「自民会派入りは適切ではない」が52・0%、
「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%
にとどまった。
再発防止に必要な政治改革を2つ聞いたところ、
「政策活動費の使い道の公開」(40・9%)
が最も多く、
「政治資金の透明化やデジタル化での公開」(34・0%)、
「政治資金をチェックする第三者機関の設置」(28・5%)、
「政治資金パーティーの全面禁止」(27・2%)
などが続いた。

与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり今年2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったお陰で、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率はわずか0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率わずか0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、
「極右」
とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、
「極右」
政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し
「極右」
が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

杉山大志 エネルギーは日本の生命線だ
GDP3%を無駄遣い「脱炭素」政策 グリーン成長などするはずがない!菅政権と岸田政権で推進、GX法ごと根こそぎ廃止すべき
2024.11/1 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-LJW7XOLS4ZKDXN6MWUSLM7OWQY/
自公与党が衆院選で大敗した理由は
「裏金問題」
だけではない。
左翼リベラル化した自民党に対して、保守層が
「ノー」
を突き付けたのだ。
この受け皿が、国民民主党や参政党、日本保守党となった。
菅義偉政権と岸田文雄政権の下で推進された
「脱炭素」
政策も、特に左翼的な政策の1つだった。
政府はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を制定し、今後10年間で150兆円の官民投資を
「脱炭素」
のために実施するという。
投資というと聞こえはよいが、その原資は国民が負担する。
国民1人当たり120万円、3人世帯なら360万円である。
賃上げなど吹き飛んでしまう。
毎年15兆円といえばGDP(国内総生産)の3%に当たる。
防衛費を2%に上げるために大騒ぎしていたのに、その舞台裏ではこのような
「ステルス増税」
が罷り通っていた。
政府は150兆円の投資でグリーン成長するというが、するはずがない。
投資対象が悪いからだ。
洋上風力発電、太陽光発電、その導入のための蓄電池や送電線建設、あるいはアンモニア発電や水素合成燃料など、どれもこれも、やればやるほど光熱費が高くなるものばかりだ。
そもそも、日本政府はかつて、
「太陽光発電の大量導入でグリーン成長する」
と言っていた。
だが、起きた事は
「電気代の高騰」

「産業空洞化」
だった。
今この失敗に懲りずに、同じことを何倍にもして実施しようとしている。
潤うのは一部の再エネ利権などに過ぎない。
そして、その犠牲になるのは一般国民である。
国民は愚弄されている。
政府は150兆円のうち20兆円は国債の発行で賄うとしており、今、政府はその20兆円の償還のための財源としてエネルギーへの課徴金や政府が発行する排出権の売却収入を検討している。
電気なのかガスなのか、灯油なのかプロパンガスなのか、どの料金が上がるのだろうか。
いずれにせよ国民に20兆円を支払わせるということを前提にして、今、ババ抜きのような検討がなされている。
20兆円の収入は、新設の外郭団体である
「GX機構」
が特別会計で回す。
既に天下りも始まっている。
こんなオールドファッションな
「役人天国」
のために光熱費は高騰し、国民経済はボロボロになる。
GX法ごと、根こそぎ廃止すべきだ。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったおかげで、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率は僅か0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率僅か0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、「極右」とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、「極右」政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し「極右」が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

首相即時退陣こそ国益
美しき勁き国へ 櫻井よし子
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-5RFGKKZHKNJ55EIV7L2CMGI6BI/
衆院選で歴史的惨敗を喫した石破茂首相は国民の審判を受け入れるべきだ。
小選挙区での得票数を約670万減らし、結果を受けた共同通信の世論調査では内閣支持率が50・7%から32・1%に急落した。
就任から1カ月、これほど急速に支持を失った事例は稀有だ。
石破氏は敗因を
「政治とカネ」
問題のせいにするが、真の原因は言動の定まらない本人の資質にある。
国民の声を大事にするのは、民主主義の基本である。
だが民主主義は絶対善ではない。
劣化して衆愚政治となった事例を、ソクラテスに下された死刑判決はもとより、ヒトラーの登場を含め、私たちは歴史の中にいくつも見てきたはずだ。
昭和天皇に月1回の頻度で進講した三上照夫氏が、『第三の文化の時代へ』(ぱるす出版)の中で民主主義について語っている。
人間集団にはこういう国造りをしたい、こういう家庭造りをしたいという共通の目標がある。
この建国の理想を、日本人は奈良朝時代から
「国体」
と言ってきた。
国体実現の手段として日米欧が選んだ政体が民主主義だ。
それはあくまでも手段としての政治原理であり、国家の目標・目的は別にある。
そして指導者に識見、国家観が欠落している時、手段であるはずの民主主義は目標に格上げされ置き換えられてしまう。
石破氏は国民の理解を求め続けて政治とカネ問題の先に行けない状況だ。
民主主義という手段を目的に格上げして自縄自縛に陥ったからである。
自業自得である。
結果として、より大事な国家目標実現の政策論がほぼ空白になり果てている。
長年の勉強不足もたたって、石破氏の提唱する政策は空疎を極める。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設や日米地位協定見直しはアジア全体を不安定にしかねない。
自民党は両案件を政務調査会で議論するという形で封印した。
鳩山由紀夫元首相の東アジア共同体構想と同類の空疎な石破提案はこうして処理された。
より深刻なのが対中外交だ。
岩屋毅外相が中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、戦略的互恵関係を再確認したい旨を、語っている。
戦略的―は2006年、第1次安倍晋三政権が打ち出した。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係を双方が修復しようとした。
だが中国に習近平政権が誕生し状況は一変した。
強権的中国との戦略的互恵関係は日本の国益に合致せず、2017年11月の安倍・習会談以降消えた。
石破政権が岸田文雄元首相の路線を継いで立ち戻るのは悪手である。
安倍晋三元首相が戦略的互恵関係を謳った2006年から18年が過ぎた現在、日中関係は一変している。
中国は軍事大国としての力を誇示し、世界秩序を書き換える野望を隠さない。
18年前2006年、彼らは喉から手が出る程に日本の協力を求めたが、現在は如何にして日本から全てを切り取るか、あらゆる形で攻勢を強めている。
その手法は、小さな動きを積み重ねて圧力を強めるサラミ戦術で、一例が尖閣諸島(沖縄県石垣市)だ。
第2次安倍政権樹立から間もない2013年4月26日、中国外務省報道官は尖閣諸島を
「中国の核心的利益に属する」
と発言した。
その同じ日2013年4月26日、安倍氏は来日中の米軍制服組トップ、デンプシー統合参謀本部議長と会談し
「日本固有の領土である尖閣諸島について、我が国は一切譲歩しない」
と語った。
すると翌2013年4月27日、中国外務省は2013年4月26日の発言を事実上修正した。
現在の中国にそんな配慮はない。
彼らは堂々と尖閣を核心的利益と宣言し、2023年8月に発表した標準地図で示した
「十段線」
の10番目の線は与那国島から12キロの我が国の領海をえぐり取っている(『国防の禁句』岩田清文、島田和久、武居智久 産経セレクト)。
中国軍は2022年8月には与那国島の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。
中国が初めて日本の庭先に実弾を撃ち込んだ事実に注目せよと岩田清文元陸上幕僚長は強調する。
2023年7月、尖閣諸島周辺の我が国のEEZ内で中国の情報収集用のブイが発見された。
2024年1月には中国海警局の船が尖閣上空の我が国の領空を飛行する自衛隊機に
「中国領空」
からの退去を要求した。
2024年6月には中国海警局最大級の巡視船が、尖閣諸島を周回した。
中国保有の軍艦は米国を上回り、2035年には435隻に迫る。
米国は2045年に至っても350隻にとどまる見込みだ。
その中国を岸田文雄政権は2022年末に策定した国家安全保障戦略で初めて
「これまでにない最大の戦略的な挑戦」
と定義した。
だが岸田氏は2023年4月の安保3文書についての国会報告で
「最大の戦略的挑戦」
というくだりを割愛し、更に2024年1月の施政方針演説では、日中は
「戦略的互恵関係を包括的に推進する」
と大幅に後退していた。
実は、戦略的互恵関係は岸田氏の施政方針演説の前、2023年11月16日の日中首脳会談で習近平主席が復活を持ちかけていたのだ。
習氏の意図は中国を最大の戦略的挑戦と定義した我が国の安全保障戦略を上書きすることだと、島田和久元防衛事務次官は警告した(『同書』)が、正しいと思う。
戦略的互恵関係の6年ぶりの復活には、再び日本を取り込む中国の狙いが込められている。
そこに岩屋毅外相が乗るというのだ。
だが、逆戻りしてどうするのだ。
対話の窓口は開けておくとして、我が国は今こそ静かに着実に、核の脅威も含めて中国に対処する力を強化し、体制作りを進める時であろう。
政治家にはそれだけの仕事を進める冷静な思考と胆力が要る。
石破氏がその任に相応しいとは思えない。
1日も早い退陣こそ国益だ。

高橋洋一「日本の解き方」
石破政権の命運が尽きる日 続投に意欲も居座り続けると…自民党は本当にぶっ壊れる 水面下で首相指名に向け多数派工作
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H73BZLK7ABOXRCTQEW5GLA3X74/
衆院選で大敗した自民党だが、石破茂首相は続投に意欲を見せている。
今後、石破政権はどこまで生き延びることができるだろうか。
自民党内や地方組織からも
「石破おろし」
が始まっている。
かつて石破首相は、第1次安倍晋三政権や麻生太郎政権の時、国政選挙で負けたり、支持率が低迷したりした時、退陣を求めている。
今回自分だけを可愛がるのは誰の目から見てもおかしい。
小泉進次郎氏が選対委員長を辞任したが、問題がそれにとどまるはずはない。
小泉氏の辞任を石破首相は認めたというが、責任を部下に押しつけるようで、これが組織トップの在り方なのか疑問だ。
かつて安倍元首相が、
「石破氏だけは首相にしてはダメだ」
と言っていたのもよく分かる。
新聞各紙の社説も石破首相に責任を取ることを求めている。
朝日新聞は「選挙の結果責任を負うのは、本来、トップ」、
毎日新聞は「政権トップとしての首相の責任は重大」、
読売新聞は「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
産経新聞は「直ちに辞職し新総裁選出を」
としている。
石破首相自らが、勝敗ラインを
「自公で過半数」
と明言した。
これは普通ではあり得ないほどの低いハードルであるが、実際には自公で215議席と過半数を18も下回ってしまった。
無所属の追加公認を入れても、到底過半数には及ばない。
衆院選の結果は政治家にとって最も重いものだ。
それを、ゴールポストを動かしてはいけない。
筆者はこうした状態を揶揄)して
「石にかじりつきたい破れかぶれ石破政権」
とポストした。
既に、水面下で首相指名に向けた多数派工作が与野党間で繰り広げられている。
当初2024年11月7日に想定されていた特別国会の召集日を2024年11月11日以降に延期する交渉が行われている。
憲法では衆院投票日から30日以内に特別国会を召集し、内閣総辞職、首相指名が行われる。
つまり、特別国会の召集日は首相指名の帰趨を占う意味でも重要なのだ。
石破政権の寿命はまず、特別国会では内閣総辞職、首相指名が行われるので召集日までだ。
そこから生き延びることが出来るのは、首相指名で1位を確保できる場合だけだ。
石破首相では選挙が出来ないとする参院議員、不条理な制裁を食らったが選挙を生き延びてきた旧安倍派、総裁選で高市早苗前経済安保相を推した麻生派、旧茂木派は
「石破おろし」
を起こす可能性があり、石破首相側にいた人も反旗を翻すかもしれない。
そうなると、特別国会の召集日までに自民党内で両院議員総会を開いて、石破氏を引きずり下ろすだろう。
自民党はモタモタしていると、首相指名の多数派工作でまとまりにならず、野党が主導権を握ってしまう恐れもある。
高市氏が
「党執行部には今の自民党を徹底的に立て直して頂きたい」
としたのは当然だ。
このまま、石破首相が居座りを続けると、自民党が衆院選で負けて、党再建でも負けて、ぶっ壊れてしまう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民が石破首相ノー¥A任1カ月「権力居座り」に党内外から批判噴出!「衆院選惨敗、責任をとる気配さえない」「党内勢力も尻込み」
2024.11/2 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-FKEB6WKBLBL6TLZR4NZ5CKKMSY/
石破茂首相(自民党総裁)は2024年11月1日、政権発足1カ月を迎えた。
戦後では内閣発足後最短の8日で衆院解散に打って出たが、選挙戦略は悉く失敗し、自ら勝敗ラインに設定した
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した。
これまで、歴代首相を激しく批判しておきながら、
「国民の審判」
を無視して
「権力居座り」
を決め込む石破首相に対し、党内外から批判が噴出している。
「衆院選において大変、厳しい結果を頂戴した」
「厳粛に受け止めなければならない」
「示された民意を厳粛、謙虚に受け止め丁寧に政権運営に当たっていく」
石破首相は2024年11月1日、記者団にこう語ったが、民意は
「石破首相ノー」
なのだから、これほどのペテンはない。
自民党ベテラン議員は
「これまで、政治家の『責任』に拘ってき石破首相はどこに行った」
「自公過半数を勝敗ラインに設定した衆院選で惨敗したのに責任を取る気配さえない」
と断じる。
石破首相はむしろ
「政権居座り」
に意欲を強めている。
今月2024年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに合わせ、ジョー・バイデン米大統領や、中国の習近平国家主席らとの首脳会談を調整しているという。
ある保守系議員は
「バイデン氏も習氏も、『国民の負託』を得られなかった石破首相と真剣な話をしようと思うだろうか」
「ガバナンスが崩壊した政権に内政・外交を委ねれば、次は日本が壊れる」
と批判する。
ただ、権力にしがみつくトップを交代させるのは簡単ではない。
特別国会の首相指名選挙で、国民民主党は決選投票も含めて玉木雄一郎代表に票を投じる方針のため、野党の票は分散し、石破首相が多数を獲得しそうな情勢だ。
政治評論家の有馬晴海氏は
「国民が石破首相に『ノー』を突き付けた」
「本来なら退陣待ったなしだ」
「小泉進次郎選対委員長だけが辞任して、石破首相と森山裕幹事長が続投するなどガバナンスも崩壊している」
「ただ、石破首相に反発する党内勢力も党が弱り切った中で『石破おろし』に尻込みしている」
「石破首相は『低姿勢』『反省』を示し、何とか成果を示そうと必死なのだろう」
と指摘した。

自民得票率、15年前の政権交代時と全く同じ「26・73%」衆院比例、民主系もほぼ同じ
2024/11/2 11:30
https://www.sankei.com/article/20241102-XDBGXUZYRFOH3FEVQDVDTT2XFY/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選で、各政党の比例代表の得票率を政権交代が起きた平成21(2009)年の衆院選と比べたところ、自民党の得票率はいずれも26・73%で全く同じだった。
自民と公明党を合わせた与党と、民主党系など野党の割合もほぼ同じで、投票率が異なりながら15年前と酷似した状況が浮かんだ。
総務省の発表資料によると、平成21(2009)年と今回の衆院選比例代表で、自民の得票率は26・73%で全く同一だった。
自公を合わせた得票率も平成21(2009)年の計38・18%と今回の計37・66%でほぼ同じだった。
一方の野党も、平成21(2009)年の民主党の得票率は42・41%だったのに対し、今回の主要野党である立憲民主党と国民民主党、日本維新の会の3党の合計は41・88%でほぼ同じだった。
自民は今回、比例の得票を令和3年の前回選挙より約533万票減らした。
しかし、平成21年の投票率が69・27%と高率だったのに対し今回は53・84%と下がっているため、割合はくしくも同一となったようだ。
自民の比例得票率を選挙ごとにみると、平成21(2009)年の26・73%から平成24(2013)年27・62%、平成26(2014)年26年33・11%、平成29(2017)年33・28%、前回令和3年34・66%、今回の26・73%と推移している。

「岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減
大手町の片隅から 乾正人
2024/11/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20241101-U4OIN3HVR5K47CVWO5W6XB2DQI/?outputType=theme_election2024
数字は美しく、残酷である。
昭和61年の衆参ダブル選挙以来、大手町の片隅で13回に渡って選挙報道に携わってきたが、毎回、得票数の精妙さに唸らされる。
衆院選が、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わってからは、比例代表の得票数が、時々の政治状況を鮮やかに切り取ってくれる。
今回、自民党の総得票数は約1458万票に激減した。
前回から27%、533万票も減らし、制度導入以来、過去最低の得票数となった。
平成21年に民主党が大勝し、政権交代が実現したときでさえ、1881万票を獲得していたことから類推すると、安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた
「岩盤保守層」
のかなりの部分が、自民党を見放した、と見るべきだろう。
衆院選に初挑戦した参政党が187万票、日本保守党が115万票を獲得したが、合わせて300万人以上が自民党から両党に乗り換えたとみて間違いない。
残る230万人余は主に国民民主党へ流れたと推測できる。
■立憲比例票は横ばいだった
というのも、今回大躍進した立憲民主党は、比例代表ではほとんど票を伸ばしていないからだ。
3年前の前回が1149万票で、今回は1156万票と僅か7万票しか増えていない。
つまり、自民党が自滅したため、立憲は小選挙区で競り勝ち、議席数を5割も増やしたのである。
政権交代出来るだけの国民の広範な支持が得られていないのは、数字が冷酷に示している。
比例票から分析すると、危機的状況にあるのは、自民党だけではない。
公明、共産の両党も重症だ。
公明党は、平成21年に805万票を獲得していたのが、徐々に減っていき、今回ついに600万票を割り込む596万票にとどまった。
15年間で200万票以上が削げ落ちてしまったのである。
支持基盤である創価学会員の高齢化と共に、公明党を創設した池田大作氏が昨年2023年死去した影響も見逃せない。
■最盛期から半減した共産党
共産党は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題や非公認候補側への2000万円振り込みを機関紙「しんぶん赤旗」がすっぱ抜き、自民党を大敗に追い込んだ最大の功労者だ。
だが、比例票は前回より80万票も減らして336万票しか取れず、れいわ新選組に軽く抜かれた。
平成8年には726万票を獲得していたから半減以下の凋落ぶりだ。
お気の毒に、としか言いようがないが、有権者は共産党の本質をよく見ている。
さて、自民党である。
今回の敗因は、表面的には
「政治とカネ」
への国民の怒りが爆発した結果と見える。
それだけなら軽症で済むが、問題の根は深い。
「岩盤保守層」
のうち参政党などに投票した300万人は、容易に自民党には戻ってこないだろう。
しかも連立相手である公明党のパワーは目に見えて落ちている。
少数与党に転落した石破茂政権は、国民民主党をなびかせるためにリベラル寄りの政策を打ち出さざるを得ず、
「岩盤保守層」
は益々離反するはずだ。
日本にもいよいよ分断と混乱の時代が到来しようとしている。

<主張>自・国の政策協議 石破執行部に資格あるか
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-GDS25MDC7ZM75MJH3E5JS5FUQI/
自民党と国民民主党が政策協議に入ることで合意した。
衆院選に大敗した石破茂首相(自民総裁)と森山裕幹事長が何の責任も取らずに協議を進めるのは、異様な光景という他ない。
石破首相と森山氏は辞任し、自民は新執行部の下で他党と協議に臨むのが筋だと改めて指摘したい。
石破首相は居座り、国民民主との
「部分連合」
の形成を図るつもりなのだろう。
森山氏と国民民主の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日、会談した。
森山氏は経済対策や令和6年度補正予算案、令和7年度予算案の編成、税制改正での協力を呼び掛けた。
「部分連合」
の構築に向け、両党の政調会長による常設の会議体設置も求めた。
これに対し、榛葉氏は会議体設置を拒み、案件ごとに対応する意向を示した。
森山氏は受け入れた。
国民民主は年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の金額を178万円に引き上げることを最優先事項に掲げている。
林芳正官房長官が7兆〜8兆円程度の減収が見込まれるとの試算を示すと、国民民主の玉木雄一郎代表は
「全くやらないなら協力できない」
「その時は予算も法律も通らない」
と牽制した。
ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除も看板政策の1つだ。
国民民主は衆院選で
「手取りを増やす」
ことを訴えて支持を得たため、その実現に注力するのは分かる。
ただ、両党の協議を巡り懸念はある。
個別政策を切り離して交渉した場合、他の政策とバランスが取れなくなる恐れがあることだ。
厳しい安全保障環境を踏まえれば、防衛力の抜本的強化を滞らせてはならない。
政府は令和9年度までの5年間で防衛費総額を約43兆円と定めているが、増税時期は決まっていない。
防衛増税は令和10年度以降の防衛費をきちんと確保することも睨んだ措置である。
税制改正を行う場合は、税制全体との整合性を図ることも求められる。
国民民主は自党の政策実現だけを目指すのではなく、日本の平和と繁栄のための国家戦略をより明確に描き、日本を守り抜く政策でも責任ある姿勢を示す必要がある。

自民 衆議院 197人で活動へ 会派に無所属で当選の6人追加
2024年11月1日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241101/k10014626171000.html
自民党は、国会で活動をともにする会派のメンバーに、今回の衆議院選挙で無所属で立候補して当選した6人を加え、合わせて197人の勢力で活動していくことになりました。
自民党は、2024年11月1日に開かれた衆議院の各会派の代表者による協議会で、今回の衆議院選挙で党の公認を得て当選した191人に、無所属で当選した6人を加えた197人の勢力で会派をつくることを届け出ました。
会派に加わったのは、
政治とカネの問題で自民党から離党勧告の処分を受け離党した
▽世耕弘成氏と
選挙に際し公認が得られなかった
▽平沢勝栄氏
▽西村康稔氏
▽萩生田光一氏の4人に、
自民党の公認候補と争った
▽三反園訓氏
▽広瀬建氏
を加えた、合わせて6人です。
公明党の会派と合わせると、衆議院の与党の勢力は221人となりますが、過半数の233議席までは、12人足りない状況です。

世耕弘成、西村康稔氏らの会派入りを批判 立民の野田佳彦代表「反省足りない」
2024/11/1 14:15
https://www.sankei.com/article/20241101-DPCLWIFSRRJBFDDCZHVHVX5G64/
立憲民主党の野田佳彦代表は2024年11月1日の記者会見で、自民党の派閥パーティ収入不記載事件に関与し、衆院選に無所属で当選した世耕弘成、西村康稔両氏らが衆院会派
「自民党・無所属の会」
に入る見通しとなったことを批判した。
「選挙が終わり禊が済んだと言うならば、思慮も反省も足りない」
と語った。
自民側の狙いに関しては、特別国会の首相指名選挙で石破茂首相を当選させるため
「数を確保しておきたいとの焦りがあるのだろう」
と指摘した。

言わんこっちゃない自民党大敗 総裁選で高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ 変わり身の朝日新聞、言い訳に笑い
2024.10/31 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-VCDRHRXXD5KM3JAK4LCZCNPLMA/
だから、言わんこっちゃない。
石破自民党が歴史的大敗。
自公で過半数割れは15年ぶりだ。
さすがに開票を見守っている時も、各社のインタビューでも石破茂総理に笑顔は一切ナシ。
それでなくても悪い目つきがますます悪くなっていた。
「なぜ、言わんこっちゃない」か。
1カ月前、2024年9月27日の自民党総裁選。
第1回投票で大方の予想に反し、高市早苗候補が、石破候補を圧したのだ。
高市候補 議員票72 党員・党友票109 計181
石破候補 議員票46 党員・党友票108 計154
ところが決選投票ではこれが逆転。
石破候補 議員票189 地方票26 計215
高市候補 議員票173 地方票21 計194
つまり、第2回投票で石破候補の議員票は143票も増えていたのだ(高市候補は101票増)。
岸田文雄前総理の指示か、菅義偉元総理の依頼かは知らないが、143人もの議員が、石破候補を新たに支持したことになる。
この時、高市候補を支持する議員が、あと22人増えてさえいれば高市総理が実現していたのだ。
もし、あの時、高市候補を選んでいれば、日本初の女性総理として、世界のメディアでも話題になったに違いない。
選挙中に自民党の、あのどんよりしたような暗い雰囲気はなく、清新な風が吹いていたろう。
石破総理は応援に来なくていい。
来れば票が減るなんてこともなく、高市さん、全国の候補から引っ張りだこだったろう(総理でなくても引っ張りだこで、全国を飛び回っていた)。
むろん選挙にも負けなかったに違いない。
繰り返すが、総裁選決選投票で石破さんに票を投じた自民党議員の責任は重い。
今回の自民党大敗は、あの時、高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ、だから
「言わんこっちゃない」
と言っているのだ。
むろん、新聞各紙、選挙後、石破総理を一斉に批判。
石破総理に厳しいのが産経。
<石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった>
<自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた>
<国会論戦も十分に行わず早期解散に走った>
<これで選挙に勝てると思っていたのなら信じ難い>
意外だが、朝日新聞が一番手厳しい。
社説でハッキリ石破総理に引導を渡している。
<自民党がなお議会第1党だとしても、「自公で過半数」という自ら設定した最低限の目標を達成できなかった以上、石破首相は職を辞すのが筋だ>
党内野党として石破氏が安倍晋三元総理を批判していた時は、散々、持ち上げて、事あるごとに利用してきた朝日、さすがに変わり身が早い。
<期待が大きければ、その分、失望も大きい>
と言い訳しているのが笑える。
党内では
「首相の責任は重大、続投は難しい」
の声も少なくない。
だが、石破総理自身は続投の意志を捨てず、
「色んな選択肢があるだろうよ」
と他人事のように
「続投を明言」
しているらしい(2024年10月28日産経)。
誰か、石破総理の首に鈴を付ける奴はいないのか。
 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

<正論>惨敗した首相に国民を守れるか 
麗澤大学教授・八木秀次
2024/10/31 8:00
https://www.sankei.com/article/20241031-UK2MSTVJUFLK5JR4Y2VOXIN2HA/?outputType=theme_election2024
■続投は理屈が通らない
平成19年7月、第1次安倍晋三政権でのことだ。
自民党は参院選で惨敗し、第一党の座を民主党に譲った。
衆参「ねじれ」の始まりだ。
安倍首相は続投の方針を表明したが、この時、党の総務会で
「選挙に負けたにもかかわらず、続投するのは理屈が通らない」
と公然と首相の辞任を求めた議員がいた。
現在の首相の石破茂氏だ。
その後、安倍氏は体調を崩して辞任した。
2年後の平成21年7月、麻生太郎内閣は低支持率に喘いでいた。
都議会議員選挙で自民党が敗れた際、内閣に身を置きながら派閥を率いて
「麻生おろし」
の先頭に立った閣僚がいた。
石破農水相だ。
麻生首相は飼い犬に手を嚙まれる思いだったという。
今月2024年10月27日投開票の衆院選挙で自民・公明の与党は目標とした過半数(233議席)をも大幅に下回る大惨敗を喫した。
参院選や都議選での敗北ではない。
政権選択選挙とも言われる衆院選で、だ。
与党過半数割れのままでは予算案も法案も通らない。
異常事態だ。
何より野党その他の総計が過半数を占めた状態では内閣不信任案をいつでも可決できる。
それでも石破首相は続投を重ねて表明している。
首相就任8日後という戦後最短で解散総選挙を行う理由を憲法69条に言及して
「新しい内閣について、国民に信を問うことが憲法の趣旨からもそういうことだ」
と述べていたはずだ。
国民の信任を得られなかったにもかかわらず、続投するのは
「理屈が通らない」。
過去の自分の言動によって
「後ろから鉄砲を撃たれる」
思いがしていることだろう。
長かった党内での野党暮らしは責任がなく気楽だったはずだ。
「正論」
も述べられた。
今、
「与党」
の首領として生き地獄の苦しさを味わっていることだろう。
■国民的人気も幻だった
大惨敗の原因は
「政治とカネ」
の問題そのものではない。
政治資金の不記載問題は、一部の法令違反は処罰されて当然だが、それ以外は今後、記載を徹底し再発を防止するとすればよかった程度のことだ。
これの処理の仕方を誤って派閥解消などの大きな問題にしてしまい、
「国民の怒り」
を醸成したのが岸田文雄前首相だった。安倍派の力を削ごうとした節も否定できまい。
その岸田氏が低支持率で退任することになり、国民的人気があると勘違いして自民党総裁選で後継に選んだのが石破氏だが、総裁選で大言壮語したものの首相になるや
「変節」
やトーンダウンし、大した政策もなかったことを露呈した。
選挙はこの政策を実現するために力を与えてくださいと訴えて勝つものだが、訴える
「この政策」
がなく、
「政治とカネ」
への防戦一本となった。
当てにした国民的人気も幻で、発足時の内閣支持率は28%(時事通信、2024年10月17日公開)という2000年以降の歴代内閣の最低を記録した。
選挙応援に入る度に票が減ると言われ、自民党支持層まで野党に投票した模様だ。
大惨敗の原因は石破氏の存在が大きい。
不記載議員を原則公認する方針を決めたものの、メディアの批判に圧されて一転して非公認や比例重複なしの
「二重処罰」
にしたが、非公認候補側にも公認と同じ2000万円を振り込んだ。
当選後に追加公認を受けるようにとの狙いだろうが、如何にも場当たり的だった。
これが選挙の最終盤に発覚し報道されたことで
「政治とカネ」
の問題を蒸し返し、
「国民の怒り」
を買って数十議席を減らしたとされる。
判断した森山裕幹事長、小泉進次郎前選対委員長ら執行部の責任は大きい。
■政策無視の「大連立」では
選挙の結果、安倍元首相が第2次政権以来、国政選挙に勝ち続けて築いてきた
「1強」
とも言われた強固な政権基盤はいとも簡単に崩壊した。
過半数割れの
「少数与党」
では政権運営に困難が伴う。
予算案や法案を通すためには野党との協力が必要になる。
当てにしていた国民民主党も日本維新の会も連立政権には加わらない方針だ。
益々野党の主張に歩み寄らざるを得ない。
首相は続投を表明した記者会見で野党の政策を取り入れるとも述べた。
これでは事実上の与野党の
「大連立」
だ。
野党の影響力が大きくなって懸念されるのは安全保障や経済だ。
台湾有事や朝鮮半島有事の危険が迫り、石破氏は否応なく、
「戦時下の首相」
となる可能性もある。
集団的自衛権の限定行使にさえ否定的な軍事音痴の野党第一党との協力で国民の生命を守れるのか。
間もなく選出される米国大統領にも対応できるのか。
財務省の意向に沿うべく積極財政の否定に向かうことはないか。
経済は低迷しないか。
安定的な皇位継承策の検討もこれまでと反対方向に向かうことはないか。
選択的夫婦別姓もそうだ。
憲法改正は進むのか。
党内野党を余儀なくされている高市早苗氏や旧安倍派の議員は党内政権交代に備えて政策を磨き、発信していってほしい。

悪夢の少数内閣が始まる 総裁選、もし林氏や加藤氏が高市氏に勝てば…党内「分裂」も 自民党再生のため石破さんは辞めた方がいい
2024.10/31 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-TMJ52B5XUJP4VAT5QKSNN6GVEQ/
石破茂首相は2024年11月28日の記者会見で続投する考えを明らかにした。
理由は
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
ということなのだが、
「いや、あなたは国民に信任されなかったので、少しくらい国政が停滞してもいいから誰か別の人に代わってください」
と思う人はいないのだろうか。
仲間の4分の1が落選し、
「勝敗ライン」
の与党過半数を下回った首相がなぜ居座るのか。
ただ、石破首相本人も居座りたくて居座っているのではない。
居座らねばならぬ理由がある。
野党第一党、立憲民主党の議席は大幅増の148議席なのだが、これに日本維新の会の38、国民民主党の28を足しても214で233の過半数には届かず、れいわ新撰組の9、共産党の8を足しても届かない。
つまり、野党だけの連合で政権は取れない。
だから、開票当日夜のテレビ出演で、立憲民主党の野田佳彦代表は、自民党の一部が割れて野党連合に参加することを期待する口ぶりだった。
だが、それは無理なのだ。
党の分裂は自民党も立憲民主党(前身の民主党)も以前経験して酷い目に遭っている。
「分裂だけは損するから、やっちゃダメ」
というのは与野党の共通認識だ。
もし、石破氏が辞めたら自民党は2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙の前までに新総裁を決めなければならない。
フルスペックの総裁選をやる時間はないので両院議員総会で議員のみの投票で行われる。
本来なら、前回の総裁選で石破氏に惜敗した高市早苗前経済再生相が
「本命」
のはずなのだが、執行部の菅義偉副総裁や森山裕幹事長、更に石破首相誕生の影のキングメーカーである岸田文雄前首相らは気が進まないだろう。
高市氏を応援した人たちの多くが、今回の衆院選で落選している。
もし執行部が林芳正官房長官とか加藤勝信財務相を立てて高市氏に勝つようなことがあったら、党内の
「分断」
は更に進むし、それが
「分裂」
に発展しかねない。
自民党は主流派も非主流派も、絶対に
「分裂」
だけは避けなければいけないことを分かっている。
高市氏や安倍派周辺から
「石破降ろし」
の声が余り上がらないのはそういうわけなのだ。
つまり石破氏はとりあえず今は辞められない。
石破首相が首相指名選挙を乗り切っても
「少数内閣」に
よる予算審議は大変だ。
国民民主党と政策ごとの
「部分連合」
を組み、予算に賛成してもらうために政策をいくつか
「丸呑み」
する必要があるが、大変な作業だ。
最後は
「石破退陣」
を条件に予算成立という局面もあるかもしれない。
悪いことは言わない。
石破首相は退陣して、自民党は新総裁を選び、再スタートした方がいい。
「負けた人」
の下で政党はまとまらないし、先は見えない。
自民党の再生のためにも石破さんは辞めた方がいい。
 (フジテレビ客員解説委員 平井文夫)

<産経抄>居座る石破首相、言行一致の身の処し方を
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-R6DMQT64N5MG7N6B3LUJYMNMZU/
辞書に載る言葉には、業界用語を出自としたものが多い。
「暗転」
はその1つである。
<物事が悪い方に転じること>
は後から加わった意味で、本来は
<舞台を暗くして、幕を下ろさずに場面を変えること>。
つまり芝居用語だ。
▼対義語を
「明転(あかてん)」
という。
<舞台が明るいままで場面を変えること>。
次の場面がすでに出来上がっており、回り舞台ではよく使われる手法である。
ただし
<物事がいい方に転じること>
の意味はなく、採録しない辞書も多いと聞く。
▼先日の総選挙を下敷きにした舞台『国民の審判』は、過半数割れした
「自公の大敗」
編から
「少数与党の悲境」
編へと場面転換しそうだ。
脇を固めた若手選対委員長の降板をよそに、自身は主役に居座り、場面の明転を待つつもりらしい。
続投の意思を示した石破茂首相である。
▼「国民の批判に適切に応え」
ながら職務に当たるという。
与党過半数を勝敗ラインと明言したのは他ならぬ首相で、続投は現政権を否定した選挙結果への答えになっていない。
「国政の停滞は許されない」
との説明も、責任逃れの方便に聞こえる。
▼石破氏と言えば
「ねじれ国会」
を招いた第1次安倍晋三政権時に、安倍氏を舌鋒鋭く責めた姿が忘れ難い。
麻生太郎政権では閣内から事実上の退陣を迫りもした。
過去のご自分を鏡とし、言動にいささかのぶれもない身の処し方を、信を置ける政治家の作法を見せてもらいたい。
▼安全保障、国民生活、災害対応。
どれ1つとして置き去りにできぬ課題で、国政が停滞すれば国民は甚だ迷惑する。
次の場面に移る前に、一案としてこんなト書きを台本に入れてみる。
<ト ここで暗転、主役交代>。
総裁選を行う気力くらい、なければ困る。

<主張>野田氏の支持要請 現実路線なしでは空論だ
社説
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-L4VASTN36ZJOBF4YXY6QB5RHE4/
立憲民主党の野田佳彦代表は、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、特別国会の首相指名選挙で自身に投票するよう要請した。
議席を大幅に伸ばした野党第一党として、他の野党に協力を呼び掛けること自体は否定しない。
だが、基本的な政策を見ると、立民は政権担当能力を欠いている。
衆院選公約などで掲げた政策では日本の独立と繁栄、国民の命・暮らしを守れまい。
衆院選で勢いづいているとはいえ、野田氏が本気で政権を担うつもりなら、反省と基本政策の現実路線への転換が必要だ。
立民は衆院選で外交・安全保障政策について
「日米同盟が基軸」
とした一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という立場を変えなかった。
反撃能力の保有にも消極的だ。
これでは抑止力が損なわれ、日米同盟は旧民主党政権時のような危機に陥るだろう。
エネルギー政策では
「原発の新増設は認めない」
と宣言し、党綱領では
「原発ゼロ」
の実現を謳う。
脱炭素化や電力の安定供給に逆行している。
国の根幹をなす憲法改正にも後ろ向きだ。
自民党の自衛隊明記案に反対し、国会議員任期延長を含む緊急事態条項の創設も
「必要ない」
としている。
安定的な皇位継承策では、野田氏は
「女性宮家」
の非皇族男子の夫と子の皇族化に拘っている。
これは日本の皇統を断絶させる
「女系天皇」
に繋がる恐ろしい議論だ。
馬場氏は野田氏の要請を持ち帰り、
「大義や具体的な政治改革案がなければ、与することは出来ない」
「やはり政治とカネの問題だ」
と語った。
政治とカネの問題を主軸に交渉するつもりなら、首相指名選挙を履き違えることになる。
政権の舵取り役を決める選挙なのだから、皇室や外交安保、エネルギーなどの基本政策を重視すべきだ。
普通の国会共闘とは次元が違う。
馬場氏は2024年10月27日、立民について
「外交安保やエネルギー、憲法など基本的な政策で党内がまとまっていない」
と批判していたはずだ。
野田氏は共産党の田村智子委員長にも首相指名選挙での協力を求めた。
党綱領に日米安全保障条約の廃棄を記すなど、基本政策が立民以上に非現実的な共産にまで要請したことは間違っている。

首相、衆院選惨敗を党の責任にすり替え 政策を争点としなかった戦略ミスの反省みられず
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/31 1:00
https://www.sankei.com/article/20241031-C5A4Z42JZRJN7KN44VVPHMJ76Y/
私事で恐縮だが、筆者が社会部から異動となり、政治部へと着任したのは26年前の平成10年7月12日、参院選の投開票日だった。
その日の深夜か翌未明に、当時の橋本龍太郎首相(自民党総裁)が次のように述べて、敗戦の責任を取って辞任を表明した。
「全てをひっくるめて私自身の責任だ」
「力不足」
「それ以上に言うことはない」
参院選で自民は16議席減らしたが、44議席を獲得した。
しかも参院選は、政権選択選挙と言われる衆院選とは位置付けが異なる。
にもかかわらずの橋本氏の引責辞任に、政治家、なかんずくリーダーの身の処し方、潔さというものを考えさせられたのだった。
一方、安倍晋三元首相は平成19年7月の参院選で大敗しても辞めなかった。
既に各種世論調査で自民劣勢が明らかだった平成19年7月29日の投開票日の数日前、安倍氏は筆者にこう話した。
「小泉さん(純一郎前首相)からも電話がかかってきて
『負けても絶対に辞めるな。参院選に負けても政権が変わるわけではない。いちいち一喜一憂せずにやればいい』
と言われた」
■続投の安倍首相を攻撃
参院選は政権選択選挙ではないのだから、時の首相によってそれぞれの考え方や判断があるのだろう。
ただ、続投を表明した安倍氏に対し、こう激しく攻撃したのが石破茂首相だったことは踏まえておきたい。
「安倍首相は
『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』
と訴えたのに、どう説明するのか」(党総務会)
「安倍首相は
『反省すべきは反省する』
と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」(党代議士会)
石破首相は政権選択選挙である衆院選で惨敗し、与党での過半数も失ったことをどう受け止めるのか。
首相に
「ノー」
を突き付けた民意を無視して続投を決め込み、2024年10月28日の記者会見では次のように党の問題へと摩り替えた。
「自民党は反省が足りないとご叱責を賜った」
「党内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて抜本的な改革を行っていく」
「党内融和よりも国民のご理解ということの方を私は優先していかねばならないし、党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がったのではないかという反省を、私自身は思っているところだ」
せっかく党総裁選で政策論争に注目が集まっていたのに、衆院選では明確な基準も示さないまま党所属議員を非公認や重複立候補禁止処分とし、自ら政治とカネの問題を争点とした自分自身の戦略ミスや判断の誤りへの反省はない。
あくまで悪いのは他者であると強調し、党内融和には目を向けない。
こんな延々と魔女狩りや内ゲバを続けるような姿勢が、有権者の嫌悪感を誘うことには気づかないのだろう。
ろくに党内もまとめられずに、国民の願いや要望に応えることはできるのか。
■「一瞬は人を動かす」
安倍氏は首相時代の令和2年6月17日、自身の次の首相候補とされた岸田文雄前首相と石破首相とを比較して、筆者に語っていた。
「政治は人を動かすかなりの要素、情熱が大事だ」
「岸田さんは最後は人を動かす所を見せないといけない」
「石破さんは本物ではないけど、一瞬は人を騙して動かす能力がある」
「彼こそ本当の『言うだけ番長』なのだけど」
その言葉通り、総裁選で石破首相は一瞬、所属議員を動かし首相の座に就いた。
石破首相に1票を投じた議員らは、自民の転落をどうみているのか。
(論説委員兼政治部編集委員)

どうなる首相指名選挙 石破首相選出の流れも自民内造反の可能性に懸念
2024/10/30 21:03
https://www.sankei.com/article/20241030-EJ6PX23YLBNK7MYACULWRJYDPM/
来月2024年11月11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙は、キャスチングボートを握る国民民主党が立憲民主党の野田佳彦代表に投票しない方向となり、自民党総裁の石破茂首相が選出される流れが強まった。
衆院本会議での1回目の投票では、ほとんどの議員が所属政党の党首に投じるとみられ、誰も投票総数の過半数を獲得できない見通し。
石破首相と野田氏の2人による決選投票が行われる公算が大きい。
衆院の過半数は233議席。決選投票は自民、公明両党(計215議席)が支持する石破首相、共産党も投票を前向きに検討している立民の野田氏(立民と共産で計156議席)の2人が他党票の取り込みを狙う。
ただ、
「票田」と
なる日本維新の会(38議席)の馬場伸幸代表は2024年10月29日のBSフジ番組で
「どちらかに軍配を上げることはできない」
と語った。
国民民主(28議席)の玉木雄一郎代表も2024年10月30日の党会合で、決選投票でも玉木氏自身に投票する方針を説明した。
両党とも来年2025年夏に参院選を控える中、
「野合」
批判を避け、独自性をアピールする必要がある。
首相対野田氏の決選投票で投票用紙に
「馬場」
「玉木」
と書けば無効票となり、自公勢力が立共勢力を上回り、首相の勝利が有力だ。
ただ、馬場氏は2024年10月30日、記者団に、立民と政治改革に関する協議を行うと述べた上で、野田氏に投票する可能性について
「これからの協議の中身(次第)だ」
と完全に排除はしなかった。
また、自民内の一部には、衆院選で与党過半数割れとなった責任を首相が取って退陣すべきだとの声もある。
首相周辺は、首相指名選挙の投票を棄権する自民議員が出る事態を警戒している。
このため、現時点で可能性は低いものの、野党の大連合が成立したり、自民内の造反によって野田政権が誕生したりする可能性もゼロとは言えない。

石破首相「辞任必要ない」65・7% 内閣支持率は32・1%に急落 共同調査
世論調査
2024/10/29 18:30
https://www.sankei.com/article/20241029-A5DPYG3NWBMV3CYK7CDXWCWATE/
衆院選の結果を受けて共同通信社は2024年10月28、29の両日、全国緊急電話世論調査を実施した。
石破内閣の支持率は32・1%で、内閣発足に伴う2024年10月1、2両日調査の50・7%から18・6ポイント下落した。
不支持率は52・2%。
与党過半数割れとなった自民、公明両党の連立政権継続を望むとしたのは38・4%で、望まないが53・0%だった。
自民の派閥パーティー収入不記載事件に関与し、当選した議員を要職に起用することに79・2%が反対し、賛成は16・3%だった。
望ましい政権の枠組みは
「政界再編による新たな枠組み」
が31・5%と最多で、自公の少数与党政権は18・1%。
一方、石破茂首相が過半数割れの責任を取り辞任すべきだとの回答は28・6%にとどまり、辞任は必要ないが65・7%だった。
自民の議席減に不記載の影響があったと思うとの答えは91・4%。
選挙結果で
「政治とカネ」
問題が根絶に向かうとの見方は23・9%で、向かわないが72・5%を占めた。

少数与党希望は自民支持層の4割 今後の政権枠組み、無党派層は「政界再編」が最多
世論調査
2024/10/29 18:53
https://www.sankei.com/article/20241029-5BJVP5UYLZLVTLY4M4STSCXYYA/
衆院選の結果を受けて共同通信社が2024年10月28、29の両日に行った全国緊急電話世論調査で、今後の望ましい政権枠組みを政党支持層別に見ると、自民党支持層では
「自民、公明両党による少数与党政権」
が最多の39・8%だったものの過半数に届かなかった。
次いで多いのが
「自公に日本維新の会などを加えた政権」
の28・2%で、一部野党と連携してでも政権の安定化を望む意向がにじんだ。
公明支持層では、自公の少数与党政権が50・9%と過半数に上った。
立憲民主党支持層と共産党支持層は
「立民を中心とした多くの野党による政権」
が最も多く、それぞれ61・7%と59・1%。
維新支持層は
「自公と維新など」
が最多の40・5%だった。
「支持する政党はない」
とした無党派層は
「政界再編による新たな枠組みの政権」
が最多で42・4%。
国民民主党支持層の48・2%、れいわ新選組支持層の55・3%も政界再編を希望した。

自民内から「石破おろし」の声相次ぐ 首相、国民民主と連携に活路 立民も多数派工作
2024/10/28 21:20
https://www.sankei.com/article/20241028-FHBW6MW5XNNW7EZEDBSSZMWDAQ/?outputType=theme_election2024
自民、公明両党で過半数割れの大敗を喫した衆院選の翌2024年10月28日、自民内では石破茂首相(自民総裁)の責任論が相次いだ。
それでも続投を表明した首相は、躍進した国民民主党との連携強化で打開を図る。
だが、国民民主は連立入りを否定。
首相は同党の政策を取り入れて協力関係を築きたい考えだが、予算案や法案ごとに賛成を求めることになれば政権運営が不安定化するのは必至だ。
■目に見える変化が肝要
首相は2024年10月28日の記者会見で
「『自民党は目に見えて変わったね』と実感して頂くことが肝要だ」
と述べ、政策活動費の廃止などを表明した。
自身が辞任するのではなく、衆院選の敗因は自民の改革姿勢の甘さにあると定義し、踏み込んだ改革案を打ち出すことで敗北の責任を取る−という筋書きと言える。
ただ、そんな思惑とは裏腹に、党内では
「石破降ろし」
が始まった。
「自民党石破政権への信を問うてこの結果、ということを軽視しすぎではないのか」。
小野田紀美参院議員は2024年10月28日、自身のSNSで、小泉進次郎選対委員長の辞任だけでは不十分との認識を示した。
山田宏参院議員もSNSに
「選対委員長の辞任で済む話ではない」
と投稿した。
小林鷹之元経済安全保障担当相も党幹部の責任論に言及する。
3氏とも、党内の
「反石破」
勢力から旗頭として期待される高市早苗前経済安保担当相に近い。
■党内論理より国民理解を
党内の反発について、首相は
「等閑視するつもりは全くない」
と語る一方、
「党内融和よりも国民の理解を優先していかねばならない」
「党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がった」
と持論を述べた。
首相の念頭にあるのが、勢力を4倍に増やした国民民主との連携だ。
「議席を大きく伸ばした党がある」
「どのような主張に国民が共感、共鳴したのか」
「取り入れるべきは取り入れることに躊躇があってはならない」。
首相が記者会見でこう語ると、同席した森山裕幹事長は何度も頷いた。
森山氏は他党との交渉の中心的役割を担うだけに、政権継続のためには
「辞めさせられない」(別の党幹部)。
ただ、国民民主の玉木雄一郎代表は2024年10月28日、支援組織・連合の芳野友子会長に、自公連立政権に参画しない考えを伝えた。
国民民主は、自民に43議席差まで迫った立憲民主党からも触手を伸ばされている。
立民は同日2024年10月28日の執行役員会で、特別国会の首相指名選挙で、野田佳彦代表に投票するよう野党各党に協力を求める方針を確認した。
■政権への協力は十分ある
野田氏は記者団に、一部野党が石破政権に協力する可能性は
「十分ある」
と指摘。
「注意深く見ながら、こちら(野党側)のチームをどう作っていくかに心を砕きたい」
と述べ、過半数割れした自公による野党勢力の切り崩しを警戒した。
焦りの裏返しか、他党との交渉に関し
「誠意のある対話」
というフレーズを何度も口にした。
もっとも国民民主は、野田氏への投票要請も受け入れない考えだ。
首相指名選挙は1回目の投票で過半数を得た候補がいない場合、上位2人の決選投票を行う。
首相と野田氏の一騎打ちになる公算が大きいが、玉木氏は2024年10月28日の民放番組で
「無効となっても玉木と書く」
と述べた。
榛葉賀津也幹事長も同日、連合傘下の産業別労働組合(産別)に、こうした方針を伝えており、立民の多数派工作も最初から躓きそうだ。

政治空白、許されぬ…政治部長・小川聡
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20241028-OYT1T50036/
長期政権のぬるま湯に浸かり、有権者の意識とかけ離れた
「党の論理」
を捨て切れない自民党に、厳しい審判が下った。
これまでの自民党政治家と違う感覚で政権を運営するのではとの石破首相への期待は、瞬く間に失望に変わった。
予算委員会なしでの衆院解散や、政治資金問題に関わった前議員らの公認問題と2000万円の活動費支給を巡る対応などで、総裁選で掲げた
「国民の納得と共感」
よりも自民党の事情と都合を優先する姿勢が露呈し、国民の怒りの火に油を注いだ。
立憲民主党は、3年前2021年の衆院選を教訓に、自民党にお灸を据えようと考える中道保守層の投票の受け皿になった。
野田代表が、
「原発ゼロ」
をはじめとした非現実的な安全保障・エネルギー政策を封印し、共産党との連携に距離を置いたことが奏功したと言えよう。
立民は選挙戦で、
「政治とカネ」
問題への批判に注力し、景気対策や社会保障などの具体策を論じる機会は少なかった。
「敵失」
で議席を伸ばした面が大きく、自らの政策・主張が全面的に支持を集めたという過信は禁物だ。
日本を取り巻く環境は国内外で厳しさを増しており、一刻の猶予も許されない。
経済停滞や社会保障・財政の不安、自然災害への対応などを急がなくてはならない。
北朝鮮や中国による軍事的威圧や威嚇、一方的な現状変更や侵略の脅威に直面し、日本の主権や平和、繁栄を維持できるかどうかの岐路にある。
与党の過半数割れにより、当面、政権が弱体化することは避けられまい。
各党は、政局を優先して分断を加速させるのではなく、 真摯な議論を通じて現実的に答えを出していくことが不可欠だ。
内外の有事を前に、政治空白を作ってはならない。

衆院選、全議席が確定 自民191、立民148、維新38、国民28、公明24、れいわ9
2024/10/28 4:05
https://www.sankei.com/article/20241028-PRREEDNFJRJSFA344HTTAVVAPQ/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選は2024年10月28日未明、比例代表東北ブロックで立憲民主党が最終議席を確保し、全465議席が確定した。
各党の獲得議席は、自民191、立民148、維新38、公明24、共産8、国民28、れいわ9、社民1、参政3、政治団体の日本保守党3、無所属12で確定した。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/884.html#c31

[政治・選挙・NHK295] 八王子市民はなぜ萩生田光一を選んだのか…裏金問題で非公認、“統一教会キラー”にも敗れず7選の背景 話題の現場 突撃ルポ(… 赤かぶ
27. 秘密のアッコちゃん[953] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月10日 06:39:26 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[518]
<▽36行くらい>
<主張>中小企業の賃上げ 価格転嫁進め格差是正を
社説
2024/11/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241110-KTIVBTLWJVPMLHBGV6HNTGJYZQ/
令和7年の春闘交渉に向け、連合が中小企業の賃上げ目標について
「6%以上」
とする方針を示した。
大企業を含めた全体では今年2024年と同水準となる
「5%以上」
に据え置く。
いずれも2024年11月28日に開く中央委員会で正式に決定する。
中小企業の賃上げ目標を全体より1ポイント高く設定する方針を示したのは、大企業との賃金格差が広がっているためだ。
連合の傘下労組は令和6年春闘で、33年ぶりとなる平均5・10%という高水準の賃上げを達成した。
だが、組合員300人未満の中小労組に限ると賃上げ率は4・45%にとどまり、目標を下回った。
連合の芳野友子会長は、会見で
「大手との格差が広がった」
「是正をしっかりとしていきたい」
と述べた。
そのためには、生産性向上など中小企業自らが業績改善に努めるのは当然だ。
同時に原材料費や労務費などで上昇した中小企業のコストを取引価格に適正に転嫁することが欠かせない。
中小企業庁が今年2024年3月末までの半年間の取引状況を調査したところ、19・8%が全く転嫁できていなかった。
業績が改善していないにもかかわらず、人手確保を目的とした
「防衛的賃上げ」
を迫られている中小企業も多い。
取引企業が賃上げできずに人手不足に陥ったり、業績悪化で設備投資が滞ったりすれば、困るのは大企業の側である。
業績が好調な大企業の中には、既に来年2025年度の大幅な賃上げ方針を示す所も出てきている。
大企業の経営者は自社にとどまらず、中小企業が持続的に賃上げできるよう目配りしてもらいたい。
政府も取引状況の監視を更に強めることが求められる。
価格転嫁を促す下請法の早期改正も必要になろう。
日本経済はデフレからの完全脱却に向け大きな岐路にある。
物価変動を考慮した実質賃金は2024年6月に27カ月ぶりに上昇に転じたものの、2024年8・9月には再び減少した。
物価上昇を上回る賃上げを継続できなければ、自律的な経済成長は期待できまい。
経団連は来春闘の経営側の指針に、大幅な賃上げの定着は企業の社会的責務であると明記する方針だ。
デフレ脱却には、雇用の7割を占める中小企業が賃上げを継続できる環境が欠かせない。
その認識を社会全体で共有したい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/887.html#c27
[政治・選挙・NHK295] トランプ復権に“高市一派”が大ハシャギ…クセ強大統領と渡り合えるのは「早苗総理」だけ?(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
45. 秘密のアッコちゃん[954] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月10日 07:06:43 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[519]
<■98行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
トランプ氏勝利 安倍氏の功績で「石破首相でも渡り合える」 麗澤大の江崎道朗客員教授
広島「正論」友の会
2024/11/7 20:54
https://www.sankei.com/article/20241107-UKCGRSVE5BKORIKMVWLI3ZWP5Y/
広島「正論」友の会の第24回講演会が2024年11月7日、広島市中区のリーガロイヤルホテル広島で開かれ、麗澤大客員教授の江崎道朗氏が
「米大統領選と日本の安全保障」
と題して講演した。
江崎氏は、トランプ前大統領が勝利した米大統領選に言及し、
「日本は第2次安倍晋三政権以降、政治や安全保障の仕組みを立て直し、十分渡り合えるようになっている」
と指摘。
トランプ氏と石破茂首相との関係性を不安視する向きも日本国内であるとしつつ
「うろたえる日本を米国は見ている」
「どっしりと構えるべきだ」
と強調した。
中国の脅威が増大し、米国単独で向き合うのが難しい状況下で中国に対峙する以上、
「日本の協力が必要」
「トランプ氏は日本を邪険にできない」
と述べた。
トランプ氏の外交戦略を
「力による平和」
とした上で
「日本にも防衛力増強を求めるはずで、我が国の憲法改正は不可避だ」
「安倍氏が敷いたレールに沿っていけば、石破氏でもトランプ氏は遇する」
との見方を示した。

<正論>日米軍事連携で「力の空白」防げ
麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
2024/11/8 8:00
https://www.sankei.com/article/20241108-3NGJJVOSLVNCZNQPZQY3V6ZF5U/?outputType=theme_uspe
米国の大統領選挙はトランプ氏が異例の大接戦を制した。
だが政治と社会の分断の傷は深く、そう簡単には癒やされまい。
米国第一主義の内向き傾向は強まり、海外への関与は減少し、米国の威信と指導力の低下傾向は止まらないだろう。
同盟国に今以上に自助努力を求めてくるのは確実だ。
■豪速球のトランプ氏に対し
他方、日本では総選挙で与党が過半数を割った。
信を失った首相は、辞任することもなく、少数与党で乗り切ろうとしているようだが、国内政治は混迷を深めるだろう。
経済、安全保障を問わず、豪速球のトランプ氏に対し、現政権が対等にキャッチボールできるとはとても思えない。
東アジアは台湾有事という火種を抱える。
米国の関心の低下、関与の減少、そして日本政府の機能不全が重なれば、東アジアに
「力の空白」
が生じることが懸念される。
ほくそ笑むのは台湾併合を狙う中国である。
「力の空白」
に乗じるのは中国のお家芸と言える。
2013年9月、オバマ大統領は
「米国は最早世界の警察官ではない」
と述べた。
世界各地の
「力の空白」
を容認したに等しい。
中国は、この機を逃さず、南沙諸島で岩礁の大規模な埋め立てを始め、軍事化を図った。
ロシアはクリミア半島併合を成し遂げた。
中国、ロシアは力の信奉者であり、
「力の空白」
には躊躇なく入り込む。
筆者は米国に亡命した中国人学者に
「中国とはどういう国?」
と質問したことがある。
彼は即座に
「『2人のカール』を愛する国だ」
と述べた。
「2人のカール」
とは
「資本論」
「共産党宣言」
で有名なカール・マルクスと
「戦争論」
で有名なカール・フォン・クラウゼビッツである。
両者の共通点は、
「戦争を政治の延長」
と見る現実主義者であり、
「戦争が止まる時は両者の武力が均衡した時だけである」
という力の信奉者であることだ。
戦争は
「血を流す外交」
であり、国益争奪の政治の延長に過ぎず、結局は軍事力が大きくものをいう。
■独善的な中国に対峙し
中華人民共和国建国の父、毛沢東は
「敵進我退、敵駐我攪(かく)、敵疲我打、敵退我追」
(敵が進めば退却し、敵が止まれば攪乱し、敵が疲れれば攻撃し、敵が退却すれば追撃する)
との基本戦略を残した。
強い相手には立ち向かわないが、非力と見れば容赦なく攻めたてる。
力の信奉者の面目躍如だ。
改革開放を推進したケ小平は
「韜光養晦(とうこうようかい)」
(爪を隠し、才能を覆い隠し、時期を待つ)
を掲げ経済建設に邁進した。
軍事力の貧弱さを自認、経済建設と並行し驚異的な軍拡を推し進めた。
国防費は30年間で約32倍に膨れ上がった。
かつて朱鎔基元首相は
「強硬になれるかどうかは実力次第」
と言った。
今や米国に伍する軍事力を備えた中国は、強硬で攻撃的になり、紛争の火種をまき散らしている。
南シナ海のほぼ全域の領有権を独善的に主張し、2023年8月には
「十段線」(それまでは「九段線」)
を示し、区域を拡大した。
2016年に国際仲裁裁判所裁定で南シナ海における中国の領有権主張は退けられたが、これを
「紙屑」
と切り捨て、一顧だにしない。
南シナ海侵出の歴史を見れば中国のやり口がよく分かる。
1950年代、インドシナから仏軍が撤退するや、中国はその空白に乗じて西沙諸島に侵攻。
1973年、ベトナムから米軍が撤退するや、機を見逃さず、西沙諸島全域を支配。
1980年代半ば、ソ連軍がベトナムのカムラン湾の部隊を縮小するや、すかさず南沙諸島西側を占拠。
1992年、米海軍が在比スービック基地から撤退を決めるや、南沙諸島に侵出し、ミスチーフ環礁を占拠し、スカボロー礁を支配した。
1992年に中国は領海法を制定し、南沙、西沙諸島のみならず尖閣諸島まで中国領土と明記している。
■日本の政局混迷の中で
中国は、常に力関係を瀬踏みしている。
相手が弱いと見るや、強硬に出るし、
「力の空白」
には躊躇なく入り込む。
チベット、新疆ウイグル自治区へと版図を広げたやり口は力の信奉者そのものだ。
フィリピンが今、中国の圧力に晒されている。
領有権問題でフィリピンの沿岸警備隊が中国海警の艦船に放水されたり、衝突されたりしている。
公船への放水や衝突などは国連海洋法条約違反である。
日本の海上保安庁の巡視船には決してしないことをフィリピン沿岸警備隊には実施する。
それはフィリピンが弱いからである。
石破茂政権は基盤が脆弱であり、政局は混迷し、東アジアにきめ細かく目配りする余力はないだろう。
米新政権も外交が正常に機能するには来夏2025年夏くらいまでかかる。
日米の機能不全で東アジアに
「力の空白」
を生じさせてはならない。
頼みの綱は、自衛隊と米軍だ。
民主主義国家の軍は政局の影響を受けにくい。
自衛隊と米軍は従前以上に連携を密にし、共同訓練を頻繁に行い、警戒を怠らず、即応態勢を維持する。
そして可能な限りそれを公開することだ。
日米の強固な軍事連携が今ほど求められている時はない。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/883.html#c45

[政治・選挙・NHK295] 相手にされないか、毟り取られるか トランプに弄ばれる石破短命政権の今後(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
27. 秘密のアッコちゃん[955] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月10日 07:21:04 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[520]
<▽48行くらい>
高橋洋一「日本の解き方」
旧安倍派は巻き返せるのか 鍵握る岩盤保守層の奪還、不信任に備えて態勢作りを 石破首相をおろせないようでは情けない
2024.11/9 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241109-EGSEFNXEWNMGHK73SUGB6VMVII/
2024年10月の衆院選で自民党の旧安倍派は議席を大きく減らした。
今後、保守派が勢力を結集させたり、巻き返したりすることはできるのか。
自民党派閥の衆院での勢力図を見ると、旧安倍派は昨年2023年12月1日時点で59人いたが、衆院選後は無所属となった萩生田光一元政調会長と西村康稔元経産相を除く20人となった。
麻生派は40人から31人に、旧岸田派は34人から26人に、旧茂木派は32人から27人に、旧二階派は31人から21人となり、旧森山派は立候補した7人全員が当選した。
見事なほどに旧安倍派が大幅に減っている。
石破茂首相にとって、党内抗争としては上出来だったのかもしれないが、結果的に自民党は歴史的大敗を喫した。
党勢が表れる比例票について、今回2024年と前回2021年の衆院選を比較すると、前回の選挙より比例票を減らしたのは自民党と公明党、日本維新の会、共産党などで、増やしたのは国民民主党とれいわ新選組だった。
新興政党では参政党と日本保守党も一定の票を獲得した。
自民党、公明党、維新の票は、より右と言える参政党と保守党や、中道の国民民主党に流れたと見る事が出来る。
意外なようだが、立憲民主党は比例票は微増にとどまった。
小選挙区では自民党の自滅によって棚ぼたの議席を得た形だ。
尚、得票率でみると、自民党は民主党に政権を奪われた2009年の衆院選時に26・7%で、前回2021年は34・7%だった。
今回の衆院選では26・7%と政権交代時に逆戻りした格好だ。
維新と国民民主党は共に中道右派で政策が似ているので、単純化すれば、維新の減少分がそのまま国民民主党の増加となったとも解釈できる。
参政党と日本保守党には、自民党の岩盤保守層の票が流れたと見られる。
参政党は95人の候補者を立て、小選挙区で約135万票、比例で約187万票を獲得した。
日本保守党は30人の候補者を立て、小選挙区で約15万票、比例では約114万票を獲得している。
石破自民の政策は、安倍晋三政権当時よりかなり左傾化し、野田佳彦代表の立憲民主党と見間違うほど似通っていた。
となると、岩盤保守層は逃げ出し、受け皿が参政党や保守党になったのだろう。
公明党の減少は自然減と見ていいのではないか。
さて、旧安倍派が党勢を巻き返せるかどうかは、ひとえに逃げた岩盤保守層を取り戻せるかどうかにかかっている。
旧安倍派「5人衆」のうち、離党した世耕弘成前参院幹事長と、無所属の西村氏、萩生田氏、比例と重複しなかった松野博一前官房長官は勝利した。
彼らを中心として巻き返す他ないが、かつての第一派閥が今や第五派閥だ。
まずは、石破首相にどのように対峙するのかが課題だ。
自ら設けた
「自公過半数」
という甘い目標を達成できなかったのに居座りを続ける石破首相を降ろせないようでは情けない。
野党は、いつでも内閣不信任案を提出できるが、その時に備えて自民党内をリードできる態勢を作っておくことが、復権の第一歩だろう。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/881.html#c27
[政治・選挙・NHK295] 「日本株は下落」が象徴 トランプ、石破の最悪コンビ どこを見ても暗雲ばかり(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
22. 秘密のアッコちゃん[956] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月10日 09:59:17 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[521]
<■109行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
石破茂総理では日米関係の安定望めぬ 自分たちの国は自分たちの犠牲で守る覚悟を
【疾風勁草】(16) 弁護士・高井康行
2024/11/10
https://www.sankei.com/article/20241110-3XV6QQWF6VPCXIC26JNKKOZX7Q/
当時総理だった安倍晋三氏は平成29(2016)年11月17日夕(日本時間18日午前)、訪問先の米ニューヨークのトランプ・タワーで、次期米国大統領に就任することになっていたドナルド・トランプ氏と1時間半に渡って会談した。
各国の首脳の先陣を切る会談だった。
この時、安倍氏はトランプ氏にゴルフクラブを贈呈し、トランプ氏は安倍氏にゴルフウエアを贈呈した。
爾来(じらい)、安倍氏とトランプ氏は厚い信頼関係で結ばれ、それが日米関係に確固たる安定をもたらした。
その安定した日米関係は、アジアおよびヨーロッパの安定にも大きく寄与した。
まことに残念なことに、その安倍氏は令和4年7月8日、奈良市内の近鉄大和西大寺駅北口付近で非命に倒れた。
安倍氏が生死の境にあることを知ったトランプ氏は、令和4年7月8日、SNSに、安倍氏は偉大な人間でリーダーであり、私の真の友人で、更に重要なことに、米国にとって真の友人だと投稿して安倍氏を惜しんだ。
トランプ氏と安倍氏の強い絆を感じさせる出来事だ。
一方、石破茂氏は、トランプ氏が大統領だった平成31(2018)年にウォールストリート・ジャーナルのインタビューに対し、
「日本が米国に全面的な忠誠を誓うだけなら無視されるだろう」
「トランプ大統領とゴルフしなくてもいい、トランプタワーに行かなくたっていい」
「日本は手強いぞと思わせることが大事だし、ディールのカードを持つことが大事」
「安全保障でディールのカードを全く持っていない」
と語ったという(平成31(2018)年9月27日配信、ウォールストリート・ジャーナル日本語版「日本の次期首相、石破氏は日米同盟の再構築を提唱」=ピーター・ランダーズ、ミホ・イナダ=)。
この発言には、トランプ氏との信頼関係を確かなものにし、その上に堅固な日米関係を構築するという安倍氏の構想を全面的に否定しようとする石破氏の強い意思が露骨に現れている。
石破氏は首脳同士の信頼関係ではなく、ディールによって日米関係を維持しようとしていることになるが、首脳同士に信頼関係がない中でのディールは不安定で、下手をすると日米関係に深刻な亀裂をもたらす。
■石破氏は甘過ぎる
石破氏は今年2024年8月に発刊された著書「保守政治家−わが政策、わが天命」の中で、在日米軍基地の不可欠性(米国にとっての)、非代替性を根拠に、トランプ氏が米軍駐留経費の日本側負担割合を75%から100%にすると言い出しても、そのような負担割合になれば米軍が日本の傭兵になるがそれでもいいのかという議論が可能だと主張している。
要するに、在日米軍基地がトランプ氏とのディールのカードになると言っているのだ。
しかし、台湾に防衛費を請求すると言っているトランプ氏にそのような議論が通用するはずがない。
それに、米国が世界の警察官であるためには在日米軍基地が不可欠だが、米国が世界の警察官であることを止め、米国第一主義に徹するのであれば、その不可欠性はなくなる。
更に、トランプ氏が、韓国に駐留している米軍を引き上げるとも発言したことがあることを思えば、在日米軍を引き上げると言い出しても不思議ではない。
石破氏は甘過ぎる。
報道によれば、石破氏は、今月2024年11月中にトランプ氏と会談する方向で調整しているということだが、会談ができたとして、果たして、トランプ氏との間に安倍氏のような信頼関係を築けるのだろうか。
石破氏のこれまでの発言や、石破氏が長年安倍氏と敵対関係にあり、安倍氏の政策に否定的だったこと、あろうことか安倍氏の国葬の際に安倍氏を
「国賊」
と罵った村上誠一郎氏を内閣の要職に就けていること程度の情報は、当然、トランプ氏の耳に入っているだろう。
そのような石破氏が、トランプ氏との間で見せかけではない真の信頼関係を築くことができるのだろうか。
その中で石破氏が自分の理屈に基づくディールに拘れば、日米関係は不安定にならざるを得ない。
■予測不能の混沌とした状態に
いずれにしても、我々は、トランプ大統領の再登場により、世界が予測不能の混沌とした状態になりかねないことを覚悟しなければならなくなった。
第1次トランプ政権では、トランプ氏も初めての大統領職で、勝手の分からないところや遠慮があり、側近の忠言や諌言に耳を貸して自分の考えを修正したことがあったとされている。
しかし、第2次トランプ政権では、トランプ氏は自信満々で以前のように側近たちの意見に耳を傾ける気はなく、イエスマンだけを登用するのではないかと見る向きもある。
例えば、今年2024年8月30日に、マーク・モンゴメリーとブラッドリー・ボウマンは、ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した
「トランプ勝利なら台湾は米国を頼れるか」
という記事において、第1次トランプ政権の国防戦略の策定に関わり、第2次トランプ政権では国防総省の要職に就く可能性があるとされているエルブリッジ・コルビー氏が、それまでタカ派的な対中政策を唱え台湾を強く支持していたにもかかわらず、最近になって中華人民共和国が台湾に侵攻しても米国が台湾防衛に駆け付けない可能性があると示唆するコメントをソーシャルメディアに立て続けに発信していると伝えている。
要は外交防衛の専門家が、第2次トランプ政権に登用されることを狙って、トランプ氏の主張にすり寄り始めていることを危険な兆候として指摘しているのだ。
こうした傾向を見れば、第2次トランプ政権では、トランプ氏の過激な意見や考えが側近たちによって中和されることなく、そのまま米国の政策となる可能性も十分にあると見ておかなければならない。
■駐留経費の負担増要求なら御の字
わが国のマスコミでは、第2次トランプ政権において、米軍の駐留経費の負担増が要求されるのではないかいうことが盛んに言われているが、その程度のことで済むなら御の字だろう。
米国第1主義にとってもっともやっかいなものは、拡大抑止政策だ。
トランプ氏にしてみれば、日本を核攻撃から守るために米国が核攻撃を受ける危険を引き受けるなどということはとんでもないことだろう。
現にトランプ氏は、1期目の共和党指名争いをしている時、駐留経費の負担増に日本が応じなければ米軍を撤退させると言い、日本や韓国の核兵器保有も容認すると言った。
この時は、当時のライアン下院議長の反対意見を受け入れて、その発言を修正した。
しかし、拡大抑止政策放棄、日本、韓国の核保有容認がトランプ氏の本音だろう。
独裁的傾向を強めるであろうトランプ氏に対して、経済重視・軽武装の宏池会路線で対抗することは難しい。
トランプ大統領の再登場は、我々に、自分たちの国は自分たちの犠牲において守る覚悟を持つことを求めている

「疾風勁草」には、疾風のような厳しい苦難にあって初めて、丈夫な草が見分けられるという意味があります。
刑事司法の第1人者として知られる元検事で弁護士の高井康行さんが毎月1回、コラムを連載し、世相を斬っていきます。
プロフィル
高井康行(たかい・やすゆき)弁護士、元東京地検特捜部検事。
昭和22年、愛知県生まれ。
早稲田大学法学部卒業後、昭和47年に検事任官。
東京地検刑事部副部長、横浜地検特別刑事部長などを歴任し、リクルート事件などを捜査した。
平成9年に退官し弁護士登録。
政府の有識者会議「裁判員制度・刑事検討会」委員を務めた他、日本弁護士連合会の犯罪被害者支援委員会委員長などを務めた。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/891.html#c22
[国際35] ゼレンスキー氏、トランプ氏の早期戦争終結計画「承知せず」/ Yuliia Dysa 仁王像
7. 秘密のアッコちゃん[957] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月10日 16:31:30 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[522]
<■2839行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
トランプ氏の元顧問、ウクライナのクリミア奪還「非現実的」 ゼレンスキー氏は批判
2024/11/10 7:10
https://www.sankei.com/article/20241110-ZCZZR7JO6JPSTA6KRPR67JPMTQ/
米大統領選で勝利したトランプ次期大統領の元顧問ブライアン・ランザ氏は、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島について、ウクライナが奪還するのは非現実的で
「米国の目標ではない」
と述べた。
英BBC放送が2024年11月9日報じた。
ウクライナは領土奪還より和平実現に重点を置くべきだとも訴えた。
領土の一体性回復を主張するウクライナの立場と相容れず、ゼレンスキー大統領の顧問はランザ氏の発言を批判した。
BBCによるとトランプ氏側の広報担当者は、ランザ氏について
「トランプ氏のために働いているわけでなく(意見を)代弁しているわけでもない」
と指摘。
ランザ氏は選挙後に顧問を辞め、次期政権で政策立案に関わることはないとされる。
ランザ氏は
「ゼレンスキー氏はクリミア奪還後に平和が訪れると述べているが、クリミアはもう消滅したと伝えたい」
と持論を展開した。
戦争を終わらせるためにも、ウクライナは現実的な和平案を検討する必要があるとも述べた。(共同)

ブリンケン米国務長官、支援継続を確認 英独外相と電話会談、ウクライナ協議
2024/11/9 12:41
https://www.sankei.com/article/20241109-I6SYLC2JXFNIDCTWER5Q5W6SMM/
ブリンケン米国務長官は2024年11月8日、英国のラミー外相、ドイツのベーアボック外相と相次いで電話会談した。
トランプ次期大統領の来年2025年1月の就任を前に、ロシアが侵攻するウクライナへの軍事支援を続ける重要性を確認した。
北朝鮮のロシア派兵による影響についても意見交換した。
アラブ首長国連邦(UAE)のアブドラ外相、サウジアラビアのファイサル外相ともそれぞれ電話会談した。
イスラエルが攻撃を続けるパレスチナ自治区ガザやレバノンでの停戦に向け、努力を続ける姿勢を強調した。(共同)

ゼレンスキー大統領、東部ドネツク州の戦況が「最も困難」 露が攻勢強める
2024/11/9 9:56
国際
https://www.sankei.com/article/20241109-E53XXQQCPFKGDGJP3CD7MV3SOU/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月8日の動画声明で、ロシアの侵攻で東部ドネツク州の要衝ポクロウシクとクラホベの両方面の戦況が
「最も困難だ」
と表明した。
ロシアは同州で攻勢を強めており、集落を次々と制圧。
ウクライナは守勢に回っている。
ポクロウシクは前線に兵員や武器を送り込む兵たん拠点。
ロシア軍は早期制圧を目指しており、ドネツク州全域掌握の足掛かりにしたい考えだ。
一方、首都キーウ(キエフ)では無人機攻撃が頻発している。
2024年11月7日には、エストニアの駐ウクライナ大使公邸が入る高層ビルを直撃し、火災が発生した。
大使に怪我はなく
「被害は建物の外観のみで、幸いなことに負傷者はいなかった」
と述べた。
ウクライナメディアが2024年11月8日に報じた。(共同)

露朝の軍事協力拡大を非難 NATO意思決定機関「インド太平洋地域にも影響」
2024/11/9 9:54
https://www.sankei.com/article/20241109-I5LASUZCKVIKPJRKSN3R45XVEU/
北大西洋条約機構(NATO)の意思決定機関である北大西洋理事会は2024年11月8日、ウクライナを侵略したロシアが北朝鮮と軍事協力を拡大し、戦火を広げているとして
「強く非難する」
との声明を発表した。
声明には日韓とオーストラリア、ニュージーランドも賛同していると明記した。
声明は
「露朝による軍事協力の深化は欧州・大西洋地域の安全保障に深刻な打撃となる他、インド太平洋地域にも影響を及ぼす」
と訴え、北朝鮮との兵器の取引などを禁じた国連安全保障理事会決議を順守するようロシアに要求した。
また、ラブロフ露外相が2024年9月26日、
「北朝鮮の非核化という概念は意味を失った」
「ロシアにとって問題は存在しない」
との見解を発表したことに対し、世界的な核不拡散体制を損ね、地域の緊張を一層増大させるもので
「容認できない」
と強調した。
声明はその上で、全ての国々に対し、ロシアの侵略行為への一切の支援を断つよう要請した。

米、ウクライナ国内で戦闘機や防空システムなど兵器を修繕 軍事企業の活動禁止を解除
2024/11/9 7:42
https://www.sankei.com/article/20241109-GWDMYBOFWNO2FNICZMM3XRBOTE/
米CNNテレビは2024年11月8日、ロシアが侵攻するウクライナでの米軍事企業の活動を事実上禁じてきたバイデン政権が、今月2024年11月初めに禁止措置を解除したと報じた。
米国製F16戦闘機や防空システム「パトリオット」を含め、米国などが提供してきた兵器の維持や修繕が、ウクライナ国内で可能になる。
国防総省当局者は、米企業が兵器を補修して素早く戦闘地域に戻せるようになると期待した。
企業の活動拠点は前線から離れた場所になると説明した。(共同)

米国産LNGの輸入検討 EU、トランプ氏意識 ロシアからの切り替え可能か
2024/11/9 7:26
https://www.sankei.com/article/20241109-FUMAER7T65KIFDT7NF7NERP4J4/
欧州連合(EU)行政執行機関トップのフォンデアライエン欧州委員長は2024年11月8日、ウクライナに侵攻するロシアからの液化天然ガス(LNG)の輸入を米国産に切り替えることが可能かどうか検討する意向を示した。
トランプ次期米大統領を意識し、交渉カードとして利用する考えとみられる。
ハンガリーの首都ブダペストで行われたEU非公式首脳会議後の記者会見で述べた。
加盟国の首脳らは非公式首脳会議でトランプ次期政権への対応を協議し、安全保障や貿易面の関係強化を目指す方針で一致した。
フォンデアライエン氏は
「我々は、未だにロシアから多くのLNGを輸入している」
「なぜそれを米国産に置き換えないのか」
と問題提起。
「米国産はより安価で、エネルギー価格を引き下げることに繋がる」
とロシア産からの切り替えの利点を強調した。

露と北朝鮮の軍事協力拡大を非難 NATO意思決定機関「インド太平洋地域にも影響」
2024/11/9 6:44
https://www.sankei.com/article/20241109-26KHSSSV3JOZ7L7LHLZB5KNM7I/
北大西洋条約機構(NATO)の意思決定機関、北大西洋理事会は2024年11月8日の声明で、ロシアと北朝鮮の軍事協力拡大を
「インド太平洋地域にも影響を及ぼす」
と非難した。
ウクライナや日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドも声明に賛同していると明記した。
北朝鮮が
「弾道ミサイルや数百万発の弾薬を提供してロシアを支援している」
「戦闘部隊の展開は、ロシアのウクライナに対する違法な侵略への支援を危険なまでに拡大させる」
と指摘。
「ロ朝の協力拡大は国連安全保障理事会決議に違反する」
「ロシアが安保理常任理事国であることを考えれば悪質だ」
と批判した。(共同)

トランプ氏、プーチン露大統領との会談に意欲 「話すことになる」とNBCインタビューで
2024/11/8 21:59
https://www.sankei.com/article/20241108-4DT35QB2GRI3TFAGWWE4763OK4/?outputType=theme_uspe
米大統領選で勝利したトランプ次期大統領は2024年11月7日、NBCテレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領と
「話すことになると思う」
と述べ、会談に意欲を示した。
トランプ氏は選挙戦で、ロシアのウクライナ侵略に関して
「戦争を終わらせる」
と何度も表明し、プーチン氏らと交渉する方針を示してきた。
トランプ氏は2024年9月、訪米したウクライナのゼレンスキー大統領とニューヨークで会談し、
「プーチン氏とも良い関係にある」
と強調。
「大統領に就任するよりも前に良い結果をもたらすことができる」
と語り、和平実現への自信を示した。
トランプ氏はこれまで、ウクライナとロシアが歩み寄ることで
「暴力を終わらせ、繁栄への道を切り開く交渉ができる」
と訴えてきた。
ただ、交渉についての具体的内容は示していない。
トランプ氏は、ウクライナの戦争が続けば
「第三次世界大戦に突入する」
として戦争終結を優先する立場だ。

プーチン氏、対日関係構築「用意がある」 露撤退の日系企業に「どうぞ戻ってきて」
2024/11/8 18:54
https://www.sankei.com/article/20241108-MLRMYNBMRRJGZAPYAIKDNOCQPI/
ロシアのプーチン大統領は2024年11月7日、日本との平和条約締結交渉に関し、ロシア側は色丹・歯舞の2島引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に
「何ができるか考えていたが、日本側が突然、我々に制裁を科した」
と述べた。
今後、対日関係構築の用意があるとも表明した。
ロシア南部ソチで開催された有識者らが参集した
「ワルダイ会議」
で笹川平和財団の畔蒜泰助上席研究員の質問に答えた。
プーチン氏は
「我々が日本にどんな悪いことをしたというのか」
と主張し、日本の対露制裁は
「米国の命令を受けたからだ」
と強調した。
プーチン氏はまた隣国日本との関係は
「歴史的に悲劇的な時期もあったが、誇らしい時期もあった」
と指摘。
ウクライナ侵攻後にロシア市場を去った日本企業を念頭に
「どうぞ戻ってきてください」
と訴えた。(共同)

露軍がウクライナ南部を誘導爆弾で攻撃 4人死亡、乳児や1歳児ら40人負傷 病院も破壊
2024/11/8 11:19
https://www.sankei.com/article/20241108-ZIDMKB46YZPDLLGEZUL4XD2KHI/
ウクライナ南部ザポロジエ州で2024年11月7日、ロシア軍の誘導爆弾による攻撃があり、4人が死亡、生後4カ月の女児や1歳男児らを含む約40人が負傷した。
地元当局が明らかにした。
住宅や病院が破壊された。
ゼレンスキー大統領は通信アプリで
「ロシアは人々の死に喜びを感じている」
と非難。
ザポロジエ州では2024年11月5日に6人が死亡するミサイル攻撃があったばかりだった。(共同)

ゼレンスキー氏、北朝鮮軍「損害受けている」と発言 ロシア西部クルスク州での戦闘で
2024/11/8 9:50
https://www.sankei.com/article/20241108-KXWNTKIJ2JIWFIAI2VHEZBXSQA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、ウクライナ軍が越境攻撃により一部を占領下に置いている露西部クルスク州で、露軍側で参戦した北朝鮮軍が
「既に損害を受けている」
と述べた。
訪問先のハンガリーで開いた記者会見での発言をウクライナメディアが伝えた。
ゼレンスキー氏はクルスク州に1万1千人の北朝鮮軍が駐留し、一部がウクライナ軍との戦闘に参加していると指摘。
北朝鮮軍に損害が出ているのは
「事実だ」
とした。
これに先立ち、ウクライナのウメロフ国防相は韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、ウクライナ軍と北朝鮮軍の交戦があったと公表。
米メディアも米当局者の話として、交戦により北朝鮮軍に
「相当数」
の戦死者が出たと報じていた。
ウクライナの有力軍事メディア
「ディープステート」
は2024年11月7日、露軍がクルスク州で攻勢を強めていると伝えた。
タス通信によると、プーチン露大統領は2024年11月4日、
「今こそクルスク州の敵を掃討する時だ」
と述べ、領土奪還を加速させる考えを示していた。

ウクライナ大統領、トランプ氏を「停戦は危険」とけん制 ロシアの北朝鮮兵死傷も明かす
2024/11/8 8:27
https://www.sankei.com/article/20241108-V2Q64PJKOZM3XJVZDUOCP7W5ZE/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、ブダペストで記者会見し、米大統領選で勝利したトランプ前大統領がロシアとの戦いに停戦圧力をかけることを警戒し、
「ウクライナの安全を保証せずに、停戦を急ぐのは危険だ」
と述べた。
ゼレンスキー氏の発言は、欧州連合(EU)と近隣諸国による
「欧州政治共同体(EPC)」
首脳会合後の記者会見でのもの。
会合でホスト役であるハンガリーのオルバン首相が、トランプ氏の勝利に勢いを得て停戦を急ぐよう訴え、
「西側で停戦を望む国は、米大統領選前より増えた」
と主張したのに反論した。
ゼレンスキー氏は、2024年11月6日にトランプ氏と電話会談したことに触れた上で、
「トランプ氏は早急に戦争を終結させたがるだろうが、実現するとは限らない」
「ロシアは非常に複雑な敵だ」
と述べた。
更に、
「戦後の事を考えずに停戦を主張するのは無責任」
「停戦を提案するのは、北大西洋条約機構(NATO)へのウクライナ加盟に反対する指導者だ」
と口調を荒らげた。
オルバン氏を念頭に置いた発言だ。
ゼレンスキー氏はまた、ロシアに派遣された北朝鮮兵にも言及した。
1万1千人が露西部クルスク州で戦闘に加わり、損失が出ていると指摘。
「政治的圧力を加えなければ、北朝鮮は派兵の数を増やすだろう」
と予測した。

プーチン大統領、トランプ氏とウクライナ情勢協議に意欲 北朝鮮との軍事演習排除せず
2024/11/8 8:20
https://www.sankei.com/article/20241108-3GS4WVS6V5M6RHZMAWCQVAZBFI/
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領は2024年11月7日、米大統領選で勝利したトランプ前大統領からウクライナ紛争の終結に向けた計画を聞く用意があるとし、協議に意欲を示した。
トランプ氏の勝利も祝福した。
露南部ソチで国内外のロシア専門家らを集めて開いた国際会議「バルダイ」の全体会合で発言した。
プーチン氏はトランプ氏と話し合う用意があるかと尋ねた司会者に
「ある」
と返答。
「ウクライナ紛争を終わらせられる」
とするトランプ氏の発言について
「関心を払うに値する」
と述べた。
ウクライナ紛争終結に向けたトランプ氏の計画の詳細は不明。
ただ、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は2024年11月6日、トランプ氏に近い消息筋3人の話として、
▽ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟を20年間凍結する
▽米国はロシアの再侵略を防ぐために大量の兵器をウクライナに供給する
▽現在の前線を停戦ラインとして非武装地帯を設ける
案が出ていると報じた。
だが、この案は、停戦条件に露軍の撤退を掲げるウクライナと、ウクライナのNATO非加盟や
「非軍事化」
を求めるロシアの立場に合致しておらず、仮にトランプ氏が提示しても両国が受け入れる保証はない。
プーチン氏は日露関係にも言及した。
ウクライナ侵略に伴い日本が対露制裁を発動したことについて
「ロシアは日本に害を与えていない」
「(制裁は)驚きだ」と発言。
日本が対露関係を改善する意欲を示せば、ロシアは拒否しないとも述べた。
プーチン氏は、ロシアが北朝鮮と事実上の軍事同盟条約を結んだことに関し、旧ソ連時代の両国関係に戻っただけだと説明。
合同軍事演習を行う可能性を排除しなかった。
また、台湾情勢を巡る緊張の責任は中国ではなくNATO側にあるとし、米国は中露封じ込めではなく米中露の協力を模索すべきだとした。

バイデン政権、任期中にウクライナ軍事支援実行へ全力 トランプ氏が大統領就任後は中止も
2024/11/8 8:15
https://www.sankei.com/article/20241108-53DQ2T5AAFPIPMIODNNSLAINEE/
米国務省のミラー報道官は2024年11月7日、来年2025年1月までのバイデン政権の任期中に、これまでに議会で可決されたウクライナへの軍事支援のうち、まだ実行されていない分を迅速に届けるため全力を尽くすと強調した。
米メディアによると、60億ドル(約9117億円)以上に相当する支援が残っている。
トランプ次期大統領は、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援継続に消極的な姿勢を見せている。
支援発表から実際にウクライナに兵器や装備が届くには時間がかかるケースもあるため、トランプ氏が来年2025年1月の就任後に兵器などの発送を中止する可能性がある。
ミラー氏によると、ブリンケン国務長官はトランプ氏の就任前に、ウクライナがロシアに対して
「可能な限り優位な立場」
を確保することが重要だと強調したという。(共同)

ロシアのプーチン大統領、トランプ氏と対話の用意 ウクライナを巡り
2024/11/8 7:34
https://www.sankei.com/article/20241108-2MG4Y3GIGRPOVKL5EBOG36HZVQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年11月7日、米大統領選で勝利したトランプ次期大統領がロシアとの関係を修復し、ウクライナ危機の終結に寄与する意向を示していることは
「少なくとも注目に値する」
と語り、トランプ氏と対話の用意があると述べた。
ロシア南部ソチで開催された国内外の有識者が集まる討論フォーラム「ワルダイ会議」で述べた。
プーチン氏はトランプ氏の勝利に祝意を示した。(共同)

北朝鮮兵、ロシア西部での戦闘参加で死傷 ウクライナのゼレンスキー大統領が初確認
2024/11/8 7:25
https://www.sankei.com/article/20241108-XETDATPT4JLEZPIMC3ZRZQZTGY/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵がウクライナ軍との戦闘に参加し、死傷者を出したと述べた。
人数は明らかにしなかった。
訪問先のハンガリーの首都ブダペストで記者会見した。
ゼレンスキー氏が、クルスク州の戦闘で北朝鮮兵が死傷したと確認したのは初めて。
ゼレンスキー氏は会見で、クルスク州には1万1千人の北朝鮮兵が配置されており
「その一部が戦闘に加わった」
と指摘した。
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、米当局者の話として、クルスク州でウクライナ軍と北朝鮮兵が初交戦し
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じていた。
ウクライナ外務省のチーヒー報道官は2024年11月7日、首都キーウ(キエフ)で記者会見し、北朝鮮兵の戦闘参加について
「ロシアが戦争を激化させている」
と批判し
「強力で断固たる対抗措置が必要だ」
と訴えた。
欧米供与の長射程兵器によるロシア領内への攻撃を容認するよう改めて要求した。(共同)

ゼレンスキー氏、トランプ氏と電話会談 緊密な対話の維持で一致
2024/11/7 10:27
https://www.sankei.com/article/20241107-T5HCMSY7QNJIJBAPYQGQMHL3EE/?outputType=theme_uspe
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月7日、米大統領選で勝利したトランプ前大統領と電話会談したとX(旧ツイッター)に投稿した。
ゼレンスキー氏はトランプ氏の勝利を
「歴史的だ」
と祝福。
「印象深い選挙戦」
によってこの勝利が可能になったとし、トランプ氏の家族と陣営の仕事ぶりを称賛したとした。
その上で
「我々は緊密な対話を維持し、協力を発展させることで合意した」
と指摘。
「強く揺るぎない米国のリーダーシップこそが世界と公平な平和のために死活的に重要だ」
とも述べた。
ロシアによるウクライナ侵略の解決に向けて米国に関与の継続を求めた形だ。
一方、ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、プーチン大統領がトランプ氏を祝福する計画はないと明らかにした。
ただ、プーチン氏は米国との対話に前向きだとも説明した。

北朝鮮兵、ロシア西部クルスクで4日に戦闘参加 ロイターが報じる
2024/11/7 7:27
https://www.sankei.com/article/20241107-ANWRHCR3T5JVLBLWG4GIEZSYP4/
ロイター通信は2024年11月6日、ウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で今月2024年11月4日、北朝鮮兵が戦闘に参加したと報じた。
米当局者の話として伝えた。
死傷者が出たかどうかは不明だという。
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長によると、ウクライナ軍はクルスク州で今月2024年11月2日か3日に、北朝鮮兵が配置された拠点を砲撃した。
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、ウクライナ軍との交戦で
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じていた。
今後、戦闘が本格化する恐れがある。
複数のウクライナメディアによると、同国当局が2024年11月6日、カスピ海に面したロシア南部ダゲスタン共和国のカスピースクの軍拠点を無人機で攻撃し、複数の艦船を損傷させた。
カスピースクにはロシア海軍のカスピ小艦隊の拠点がある。(共同)

<正論>金正恩政権の打倒を目標にせよ
龍谷大学教授・李相哲
2024/11/7 8:00
https://www.sankei.com/article/20241107-LDZW3EUR2NOM5FU5WSOB3QZSHA/
北朝鮮の金正恩総書記のなりふり構わぬ振る舞いが目に余る。
これまでナイフを手に村の端っこでうろついていたチンピラ(悪童)が、今や手下にピストルを持たせ、村(地球)全体をひっかき回そうとしている。
中東やアフリカの薄暗い危険地域に潜り込み武器を売り捌き、紛争を煽って利益を得ていた北朝鮮が、堂々とロシアに武器と傭兵を供給するに至った。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相によれば、北朝鮮は
「ロシアに砲弾1000万発、ミサイル1000基を供給」
「軍人を傭兵として売り渡している」
という。
■派兵は国益のためではない
金総書記が国際社会の目を盗み、人民に噓をついてまでロシアへ武器を供与、
「傭兵」
を送り込む目的は破綻状態の国内経済を立て直すためでも、飢えに苦しむ人民を救うためでもない。
その見返りに政権を支える武力向上に必要な資金を得ること、一族と周辺の贅沢三昧の生活を保障し、ロシアを味方につけ米国や韓国、ひいては国際社会の政権への圧力を跳ね返し金王朝を永続させるためだ。
このように大胆になったのには国際社会の無策の責任が大きい。
政権維持のため住民を奴隷状態のまま国家という名の監獄に監禁、外国の映像を見ただけで公開処刑を命じるなど組織的かつ継続的に反人道的罪を犯しているが、国際社会はそれを阻止できずにいる。
ロシアに送られる若い兵士たちは命の保証もないまま、家族と別れを告げる自由すら奪われ、派兵事実を知ろうとする家族は当局によって強制的に社会から隔離されている。
国際社会はこれまで、国連人権理事会を通して4年半周期に加盟国の人権状況を系統的に点検することにし、5年前に、深刻かつ組織的な人権侵害が行われている北朝鮮に対し262の勧告事項を伝達した。
公開処刑の中断など
「生命権の保障や食糧および基本的人権の改善」
を勧告するもので、今年2024年11月7日までに過去5年間の勧告事項履行状況を報告することになっていた。
北朝鮮がこのような生温い勧告に耳を傾けるはずがないのは火を見るよりも明らかだ。
韓国メディアによれば近年、北朝鮮では国連の人権改善の要求に反し、むしろ公開処刑を増やし、生命権保障など、人間の基本的権利を恣意的に侵害している。
■核放棄だけではダメだ
国際社会が金氏に寛大だったのも事実だ。
国連は核の放棄は迫っていても、他の不道徳な振る舞いには目を瞑り許してきた。
住民を飢え死にさせながら、高級車を乗り回し、最高級ワインを楽しみ、豪華ヨットで夏の休暇を楽しんでも、金氏が不利益を被るような厳しい措置は取れていない。
贅沢品の輸入に制裁を加えることにはしているものの最近、ソウルで会った北朝鮮の元銀行幹部は
「国連制裁で金氏自身が困ることはなかった」
「国家は破綻状態だが、彼は人民の面倒を見る必要がなくなったから個人の金庫が枯渇することはまずない」
と話した。
父の金正日氏は武器、偽ドル、麻薬、たばこ密輸で国際制裁をかいくぐり、正恩氏は金塊の密貿易、暗号通貨の奪取でカネを調達している。
北朝鮮は最早国家ではなく犯罪集団に変質したと言える。
では、我々はどうすればよいか。
これまで以上に制裁を強化する方法もあるだろう。
しかし北朝鮮という国家を疲弊させることには成功しているが、金氏の生活を疲弊させることには失敗した。
金氏を対話の場に引きずり出す方法もあるだろう。
しかし、北朝鮮にとって話し合いは、あくまで敵を油断させ、時間を稼ぐ戦術に過ぎないということは数十年の経験から学んだはずだ。
他に金氏を国際刑事裁判所に提訴する方法などもあり得る。
しかしそのような方法全てが今や虚しく思えるだけだ。
逆に国際社会が北朝鮮問題の扱いを巡りモタモタしているうちに金氏は核を手にし、ロシアと同盟を結ぶなどして怪物に変貌しつつある。
放置すれば近い将来、ロシアを東アジアに連れ込み、日本や韓国を脅迫するだろう。
金氏は最近、新型弾道ミサイル
「最終完結版」
と称する火星19の発射実験後、
「敵に我々の意思を知らせた」
と力を誇示した。
韓国情報当局によれば金氏は最近、課長級以上の幹部に
「韓国を占領する大事変を迎える準備をしろ」
という命令を下したという。
■必要なのは能力でなく意志
韓国の国防相は最近、国会の国政監査場で
「我々は北朝鮮に勝てるのか」
という野党議員の質問に、
「我々が勝つに決まってる」
「北には最高尊厳はただ1人、韓国には5000万もの尊厳がいる」
と答えた。
この発言は北朝鮮という組織体に頭は1つで、その金氏を排除すれば組織も細胞も死ぬという意味だ。
事実上、労働党の末端組織を北朝鮮では
「細胞組織」
という。
拉致問題もそうだが、北朝鮮問題を根本的に解決するには金政権を打倒するしかない。
今なら日米韓にはそれを実行する充分な能力がある。
残るは意志の問題ではないか。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は
「不確実性」
が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権のもとで新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超にあたる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

ウクライナの汚職対策で会合 G7各国専門家らタスクフォースで都内集結
2024/11/6 10:42
https://www.sankei.com/article/20241106-SGLSUSBPTFIPLCRFYHB2BMMG7A/
ウクライナで問題化している汚職の追放のため、先進7カ国(G7)が設置した
「汚職対策タスクフォース」
の第3回会合が2024年11月6日、東京都内で開かれた。
初の対面形式で、G7各国やウクライナ検察当局、国連開発計画(UNDP)などの専門家ら約40人が参加。
2日間に渡る協議で支援の課題を洗い出す。
過去2回はオンラインで開かれ、それぞれの活動状況を共有した。
今回は、効果的な支援のため、各国や各機関の取り組み内容に重複がないかどうかを確認。
ウクライナが抱える課題を改めて議論し、それぞれの活動に生かす。
ウクライナでは汚職が深刻で、喫緊の政治課題となっている。
昨年2023年7月に東京で開かれたG7司法相会合でタスクフォース設置が決まり、日本の法務省が事務局を担っている。
今年2024年8月には小泉龍司法相(当時)が、首都キーウ(キエフ)を訪れ、ウクライナとの間で法務・司法分野での協力に関する覚書に署名した。

交戦で北朝鮮兵死亡と米紙 当局者「かなりの数」 露軍と戦闘参加、日時不明
2024/11/6 10:40
https://www.sankei.com/article/20241106-M6HOWVK65ZMTZN6T7PNLGG56DQ/
米有力紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、ウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍と北朝鮮兵が初めて交戦し、
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じた。
匿名の米当局者の話としている。
ゼレンスキー大統領は2024年11月5日の声明で、北朝鮮兵との戦闘は
「世界の不安定化の新たなページを開く」
と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。
同紙によると、交戦は限定的で、北朝鮮兵はロシア軍部隊と共に戦闘に参加した。
交戦の日時は不明という。
ゼレンスキー氏は声明で
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」
と強調し、各国に支援を呼び掛けた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。
ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。(共同)

ロシア派遣の北朝鮮兵と戦闘は「新局面」 ゼレンスキー氏が声明 各国に支援呼びかけ
2024/11/6 7:04
https://www.sankei.com/article/20241106-JKLPJCK43VOCPOVFBFQB7W2GWE/
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月5日の声明で、ロシアに派遣された北朝鮮兵との戦闘は
「世界の不安定化の新たなページを開く」
と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。
戦闘の詳細は明らかにしなかった。
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」
と強調し、各国に支援を呼びかけた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。
ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。
ゼレンスキー氏は
「テロは十分な対抗措置がないと、ウイルスのように広がる」
「措置は十分で、強力でなければならない」
と訴えた。
今月2024年11月1日には米英独の3カ国を名指しして
「傍観しているだけだ」
と語り、対応の遅れを批判していた。(共同)

ウクライナ国防相「北朝鮮軍と初交戦」明かす ロシア兵に偽装、1万5千人配置か
2024/11/5 13:59
https://www.sankei.com/article/20241105-YTVSUIZBOVOLLNMJKXDI5SAKCI/
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国KBSテレビが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮からロシアへ派兵された朝鮮人民軍の部隊との初の交戦があったことを明らかにした。
ただ、
「小規模な交戦」
で、全ての兵力が動員された体系的なレベルではなかったとし、限定的な戦闘だった点を説明した。
いつどこでの交戦なのかは不明。
ウメロフ氏は、北朝鮮の将兵はロシア兵に偽装しており、死傷者や捕虜の有無を確かめるには身元確認が必要だとの認識も示した。
また、約3000人ずつの北朝鮮の部隊が5つ、計約1万5000人が前線の北東部や東部、南東部に分かれて配置されるとの予測にも言及。
数週間以内には配置を完了するとの見通しを示した。
韓国のソウル新聞は2024年11月5日までに、政府関係者の話として、北朝鮮兵約40人がウクライナとの戦線で死亡したと報じたが、韓国国防省報道官は2024年11月5日、
「確認できる内容がない」
と述べた。

金正恩が露朝同盟に縋る「斬首」回避
斎藤勉の眼
2024/11/5 10:00
https://www.sankei.com/article/20241105-PL2F5JZKEBNKZHMJ775I4FYV54/
人命・人権に冷淡な独裁者同士の軍事同盟には大抵の場合、残忍な
「密約」
が隠されている。
その代表格がソ連のスターリンとナチス・ドイツのヒトラーが1939年8月に締結した独ソ不可侵条約だ。
2人の独裁者は条約の裏で交わした
「秘密議定書」
に基づき、翌1939年9月、ポーランドに東西から侵攻、第二次大戦が始まった。
ポーランドを消滅させたこの密約こそ、ヒトラーのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)やスターリンのポーランド将兵大殺戮「カチンの森事件」(1940年)の悲劇を招く元凶となった。
独ソの野合から85年たった今年2024年6月、2人の暴君が軍事同盟へと突き進んだ。
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による
「包括的戦略パートナーシップ条約」
だ。
核心は
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的その他の援助を提供する」
とする第4条だが、発表された全23条に
「秘密協定」
は付記されていない。
しかし、元露情報機関将校は条約締結後、米紙ウォールストリート・ジャーナルに
「条約は、ロシアがどう戦っているか、北朝鮮軍兵士が直接学ぶため、ウクライナに第1波の約千人を派遣する許可を与える―との秘密条項を含んでいる」
と明かした。
密約の存在は締結から4カ月後の2024年10月に裏付けられた。
「暴風軍団」
の異名を持つ精鋭特殊部隊
「第11軍団」
がウクライナ軍の越境攻撃が続く露西南部・クルスク州などに配備された。
朝鮮半島情勢に詳しい李相哲・龍谷大教授は
「2024年10月末の段階で1万1000人の北朝鮮兵がクルスクなどに集結した」
「露軍指揮下で占領地奪還の戦闘に投入されるとみるべきだ」
「中には20代前半の新米兵士も多い」
「彼らは軍事経験が乏しく、クルスクは隠れ場のない大平原だけに、ドローン攻撃などで大量の戦死者が出る可能性がある」
と指摘する。
北朝鮮が派兵の見返りに要求するのは当然、半島有事の際の露軍の介入だ。
李教授は、金総書記が有事の緊迫状態の中で最も恐れる自分に対する米韓などの
「斬首(暗殺)作戦」
を出来なくする手助けをロシアに縋(すが)ろうとする―とみる。
既に北朝鮮は大量の砲弾や弾道ミサイルをロシアに送っているが、喉から手が出るほどロシアから欲しいのは、日米韓に重大脅威となる原子力潜水艦や偵察衛星などの高度な技術だ。
李教授は
「これらの軍事技術は派遣された兵士の死傷者数に応じて供与されるのでは」
との見方を示す。
露朝密約の裏では北朝鮮兵の夥しい死傷者の発生が予想されるが、プーチン氏にとっては日々1200人超とされる自国の戦死者数を減らせ得るあり難い
「弾除(よ)け」
だ。
金氏にとっては
「兵士手当1人当たり年間450万円、戦死保険1千万円の契約を露側と交わしており、年間ざっと1千億円分もの外貨がそっくり、自分1人の懐に入る」(李教授)。
派遣兵は
「金づる」
だ。
兵士がたまたま生還すれば、ドローン戦など近代戦の実体験は半島有事に利用できるメリットもある。
哀れなことに、派兵家族には一銭も支払われないどころか、情報漏れ封じのため、家族ごと
「隔離」
「移住」
を強制されている。
ウクライナ側も千載一遇の
「脱北」
機会を得た兵士に多額の金銭で
「投降」

「韓国亡命」
を呼び掛ける心理作戦に着手する。
今日2024年11月5日に投票される米大統領選の結果を見据え、戦局をロシア有利に強引に転換させたい露朝連合軍の暴虐を世界は断じて許してはならない。
(論説委員)

北朝鮮兵1万人がロシア西部に到達、ウクライナ前線近くに配置か 米国が増派の動き監視
2024/11/5 7:18
https://www.sankei.com/article/20241105-5RHWER2F7ZNJZKJKI23NRCDGGQ/
米国務省のミラー報道官は2024年11月4日の記者会見で、北朝鮮兵約1万人がロシア西部クルスク州に到達したと分析していると述べた。
同州ではウクライナが越境攻撃を続けており、当初ロシア入りした北朝鮮兵のほぼ全てが前線近くに配置されたとみられる。
国防総省のライダー報道官は、ロシアに派遣される北朝鮮兵が総勢1万1000〜1万2000人になるとの見解を示した上で、北朝鮮が更に増派するかどうかを
「注意深く監視する」
と話した。
ブリンケン国務長官は2024年10月31日、ロシア入りした北朝鮮兵は約1万人で、うち最大8000人がクルスク州入りしたと説明。
前線に投入するため、ロシアが基礎的な歩兵訓練を施しているとしていた。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

国連、北朝鮮の派兵に懸念 「紛争の国際化回避を」
2024/11/4 10:14
https://www.sankei.com/article/20241104-N6OFIOB6NFIIZINKFONZGBZX3U/
国連のグテレス事務総長は2024年11月3日、北朝鮮がウクライナに侵攻するロシアに派兵したと伝えられていることに対して
「懸念」
を表明した。
「紛争の国際化を避けるため、あらゆる手段が取られなければならない」
と加盟国に求めた。
グテレス氏は報道官を通じた声明で、北朝鮮の派兵が事実で、戦闘に加わるとすれば
「危険な緊張激化だ」
と指摘。
国連憲章や国際法に基づいたウクライナ和平の実現を訴えた。(共同)

ロシア軍、ウクライナ東部要衝まで3キロに迫る ハリコフ州クピャンスク
2024/11/4 7:16
https://www.sankei.com/article/20241104-TFO6TD77CZP65PVKLWQY3BUJLE/
英紙ガーディアンは2024年11月3日、ロシア軍がウクライナ東部ハリコフ州の要衝クピャンスクまで約3キロ未満に迫ったと報じた。
ロシアは東部で攻勢を強めており、市長は2024年10月初旬から状況が劇的に悪化したと指摘。
高齢者を中心に約1400人が避難せずに市内にとどまっていると明かした。
クピャンスクは州都ハリコフやイジュムにつながる幹線道路が集まる。
ウクライナが2022年9月に奪還したが、再び制圧される恐れがある。
ロシア国防省は2024年11月3日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクの南東約15キロにある集落を制圧したと発表した。
またロシア内務省の報道官は2024年11月3日、ウクライナへの特別軍事作戦に参加する外国人3344人が今年2024年に入ってロシア国籍を取得したと発表した。
プーチン大統領は今年2024年11月1月、国防省と志願兵契約を結んだ外国人は、簡素な手続きでロシア国籍を取得できるとする大統領令に署名していた。(共同)

米戦争研究所、北朝鮮のウクライナ派兵で報告書 実戦経験を将来の紛争に応用 対中依存脱却の狙いも
2024/11/3 9:27
https://www.sankei.com/article/20241103-ZCNBYNGSOJMTNIDYJMGYJ4BPEA/
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は2024年11月2日までに、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアを支援するため部隊を派兵した戦略的狙いについて報告書を発表した。
朝鮮戦争以来となる通常戦争で得る最新の戦闘経験を、対韓国など将来の紛争に応用する目的があると分析。
北朝鮮の対露連携強化は中国への依存を弱めることになり、朝鮮半島を含むアジア太平洋地域の長期的安定を脅かすと警告した。
報告書は2024年11月1日付。
北朝鮮は、
「将来の戦争の性質を変える」
とされるウクライナ戦争への参戦が
「自国軍の重大な学習機会となる」
と認識したと分析。
背景として、北朝鮮軍は1953年の朝鮮戦争休戦以来、大規模な通常戦闘の経験がなく、
「韓国のような高度な敵国との近代戦に準備されていない」
と指摘した。
その上で報告書は、北朝鮮の部隊が西側の兵器供給を受けるウクライナ軍を相手に自らの兵器システムを試し、指揮統制、無人機操縦、電子戦の経験を積むことで
「朝鮮半島を含む将来の紛争で優位に立つ」
狙いがあると分析した。
報告書は、実際に北朝鮮軍が戦場で得る教訓を将来に生かせるかは、露軍司令部が北朝鮮の兵力をどのように利用するかで決まると指摘。
露軍が北朝鮮兵を
「大砲の餌食(弾除け)」
として使えば犠牲が膨らむのは確実で、北朝鮮政府が望むような教訓は十分に得られないとの見方も示した。
更にに報告書は、北朝鮮がロシアとの連携を強化することで
「中国への依存度を下げる」
思惑があるとも指摘。
中国政府の影響力が弱まれば、北朝鮮の攻撃性を制御できず、朝鮮半島を不安定化し、より広いアジア太平洋地域を危険にさらす可能性があると分析した。
一方、北朝鮮にとりロシアからの見返りには、核開発計画の進展に加え、
「朝鮮半島で紛争が起きた際にロシアの軍事的関与を確かにしたい」
思惑もあるとしている。

ウクライナの首都キーウに無人機攻撃、高層の集合住宅が損傷 ロシア機が連日飛来
2024/11/2 19:59
https://www.sankei.com/article/20241102-3SOA7FQXEFOG3G4BU37RTSV3YE/
ウクライナの首都キーウ(キエフ)で2024年11月2日朝、ロシア軍の無人機攻撃があった。
ウクライナメディアによると、高層の集合住宅で火災が発生して一部が損傷、少なくとも1人が負傷した。
キーウには最近、連日のようにロシア無人機が飛来している。
第2の都市、東部ハリコフでは2024年11月1日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、地元当局によると、警察官1人が死亡し、警察官や民間人を含む40人以上が負傷した。
一方、ロシア国防省は2024年11月2日、ウクライナ東部のハリコフ州とドネツク州で、それぞれ1集落を制圧したと発表した。(共同)

日本提出の核廃絶決議を国連委採択 「扇動的威嚇の自制」要請、ノーベル賞の被団協に言及
2024/11/2 18:12
https://www.sankei.com/article/20241102-7BNKELD7RFL4BJ6SCDWOJMWFPM/
国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は2024年11月1日、日本が提出した核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。
ロシアのウクライナ侵略や中東危機を巡り、核使用の恐れが強まる中、核保有国に対して
「核の不使用」

「扇動的な威嚇の自制」
を要請した。同種の決議採択は31年連続。
核保有国の米国を含む51カ国が共同提案国となり、英国など145カ国が賛成した。
反対はロシアと中国、北朝鮮、イランなど6カ国。
イスラエルやインド、パキスタン、フランスなど29カ国が棄権した。
決議は、今年2024年のノーベル平和賞受賞が決まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)について
「被爆の実相」
を長年伝えてきたと言及。
軍縮・不拡散教育に取り組むよう各国に求めた。
決議はまた、各国に対して、高濃縮ウランやプルトニウムなどの兵器用核分裂性物質(FM)の生産状況の透明性を高める措置を要請した。
北朝鮮の核・ミサイル計画の
「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄」
に向けて取り組むと再確認した。

ラブロフ露外相と崔善姫・北朝鮮外相会談で条約完全履行を確認 両国関係「新たなレベル」
2024/11/2 18:17
https://www.sankei.com/article/20241102-VHHSJU7CPFPMXOY3D2SECHLFHQ/
ロシア外務省は2024年11月2日、2024年11月1日に行われたラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相の会談結果を発表した。
両外相は、2024年6月にロ朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の条項を完全に履行すると確認。
条約は伝統的に友好な両国関係を
「新たなレベル」
に引き上げたと指摘した。
北朝鮮の朝鮮中央通信も2024年11月2日、両外相の会談結果を報道。首脳間の合意事項の実務問題を中心に協議したという。
ただロシアのウクライナ侵攻の支援など詳しい中身について言及はなかった。
朝鮮中央通信によると両外相は、米国を軸にした勢力による
「挑発行為」
が朝鮮半島や北東アジア、その他地域の緊張を高めているという認識で一致。
ロシア側は、金正恩朝鮮労働党総書記ら北朝鮮の指導部が取っている対応を
「全面的に支持する」
と表明した。
両政府間で対話を続け、関係強化を進める点でも合意した。(共同)

主張>北の派兵 侵略への加担は許されぬ
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/
ロシア入りした北朝鮮軍がロシア製の装備を受け取る様子を撮影したとする動画の一部=ウクライナ政府機関「戦略コミュニケーションセンター」のSNSから
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/photo/JXWBFHHEENJPHKAXSBBL73634U/
ウクライナ侵略を続けるロシアと、これを支持してきた北朝鮮の軍事協力が一段と進んでいる。
米国のブリンケン国務長官は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の将兵について
「数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入される」
との見通しを示した。
最大8000人の北朝鮮軍が、ウクライナが一部を占領する露西部のクルスク州に展開しているという。
北朝鮮軍の部隊がウクライナ領に侵入してくることも懸念されている。
これは北朝鮮が第2の侵略国になることを意味するもので断じて容認できない。
北朝鮮は直ちに派兵と武器弾薬の対露輸出を停止すべきだ。
国際社会は危機感をもち、一層の圧力を掛ける必要がある。
日本の山崎和之国連大使が国連安全保障理事会の緊急会合で
「北朝鮮がロシアによる侵略の共犯者になることはウクライナ情勢を更に悪化させる」
と非難したのは当然だ。
北朝鮮は2024年10月31日、新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本海に向けて発射した。
日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下させた。
通常よりも高角度のロフテッド軌道を取り、飛翔時間も高度も過去最高だった。
技術向上の裏にはロシアの協力があったとみられている。
露朝両国は2024年6月、有事の際の相互軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだ。
軍事同盟下の提携は急速に進み、北朝鮮はロシアに砲弾や弾道ミサイルを供給した。
60万人超とされるロシア兵の死傷者を補うため、軍の派遣にも踏み切った。
ロシアからの見返りが北朝鮮が切望していた高度な核・ミサイル技術の提供なのだろう。
北朝鮮の金正恩総書記は、朝鮮半島有事の際に、ロシア軍の加勢も望んでいると思われる。
露朝軍事協力の脅威は、日米韓とウクライナを含む欧州に及ぶことになる。
日本にとっては、台湾有事など南西方面での有事に直面する場合でも、北朝鮮に加え北方におけるロシアの脅威にも備える必要が高まった。
石破茂政権はこの厳しい現実を国民に説明すべきだ。
北朝鮮が通算7回目の核実験に踏み切るとの観測もある。
一層の警戒が欠かせない。

ロシア派兵で白日の下にさらされる北朝鮮の特殊部隊「暴風軍団」
久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ
2024/11/2 1:00
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/
10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/photo/WJS4SVY6UNKUNIR5I5FWTEAO5I/
北朝鮮がロシアに派兵した部隊が露西部クルスク州で活動を始めた。
北朝鮮の参戦でウクライナ侵略は多国間紛争に拡大し、新たな局面に入った。
これに神経を尖らせているのが韓国だ。
北大西洋条約機構(NATO)や米国と緊密に協議してウクライナに専門家のモニタリング団を派遣し、ウクライナへの軍事支援も段階的に強化する方針だ。
1万人を超す北朝鮮兵は今後、捕虜や脱走者が見込まれ、韓国はこの機会に北特殊部隊の実態把握を試みる。
韓国軍が北朝鮮兵を尋問する可能性もある。
■北朝鮮兵の脱走誘導作戦も
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、
「数日中に北朝鮮軍が戦闘に加わる」
との見通しを示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領と2024年10月29日に電話会談した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は
「韓国とウクライナは露朝軍事密着の直接的な利害当事者」
だとして、緊密な協力を約束した。
韓国は
「北朝鮮が実戦で得た経験を100万人を超す北朝鮮軍に習得させた場合の脅威」(尹氏)
に危機感を持っている。
韓国はブリュッセルのNATO本部で2024年10月28日に行われたNATOの意思決定機関、北大西洋理事会に代表団を送り、
「北派兵問題」
の協議に参加した。
代表団は情報機関、国家情報院(国情院)の高官が団長を務め、韓国軍の情報部長らも加わった。
韓国とNATOの情報共有や作戦の検討など、協力関係は既に始まっている。
こうした韓国側の対応について、朝鮮半島の安全保障問題に詳しい道下徳成政策研究大学院大学教授は
「韓国にとっては、またとないチャンスだ」
「北朝鮮の特殊部隊が実戦の場に出てきており、その実態に迫ることが出来る」
「捕虜も脱走兵も出る可能性が高い」
「韓国は彼らの尋問をしたいはずで、情報の宝の山だ」
と指摘する。
戦線を離脱した北朝鮮兵は原則的には
「戦争捕虜」
だが、独裁国家への帰還を拒否して韓国行きを希望する可能性もある。
北朝鮮が派兵した部隊は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭の特殊部隊
「第11軍団」
とされる。
有事に敵地に浸透する特殊任務を担うとされ、暴風軍団の実態把握は韓国軍にとって垂涎の的なのだ。
韓国が検討している
「モニタリング団」
は軍人・軍属の専門家で構成される予定で、尋問要員の他に対北心理戦要員も含まれるという。
南北分断以来、北朝鮮との心理戦を戦ってきた韓国には、北朝鮮兵を部隊から離脱させる誘導作戦の専門家がいる。
脱走誘導に関してはウクライナ国防省情報総局も
「北朝鮮兵が戦闘に投入されれば前線で朝鮮語のビラをまく」(同局報道官)
と明言している。
一方、韓国政府は北朝鮮の対露協力の動向を見定めながらウクライナ支援を変更し、
「推移に応じて段階的な対応措置を取る」(韓国大統領府の金泰孝=キム・テヒョ=国家安保室第1次長)
との方針に転換した。
これまでは
「戦闘地域に武器を提供しない」
との原則を順守し、支援は人道レベルの軍需物資にとどめていた。
だが、今後は段階に応じ、防空システムや地雷散布装置などの防御的兵器から、最終的には戦闘機を迎撃する地対空ミサイル
「天弓(チョングン)1」
「天弓2」
などの供与も検討されている。
■韓国情報機関の心理戦
北朝鮮の派兵問題は2024年10月17日、ゼレンスキー氏が
「北朝鮮が1万人の派兵を準備している」
と述べて注目された。
しかし、遡れば昨年2023年夏、ロシアのショイグ国防相(当時)が北朝鮮の朝鮮戦争
「戦勝記念日」
に露国防相として初めて訪朝して以来、
「プーチン大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に派兵を要請か」
と取り沙汰されてきた。
そしてこの動きを警戒してきたのが韓国の国情院だった。
国情院は現在、
「北派兵」
に関する情報を異例の頻度で内外に公表している。
公表はゼレンスキー氏発言の翌日からで、
「北朝鮮特殊部隊が既に派兵された」
として、具体的に
「露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻が2024年10月8日から13日にかけ、北朝鮮の清津(チョンジン)、咸興(ハムフン)、舞水端(ムスダン)近郊地域から特殊部隊1500人をロシアのウラジオストクに第1次移送した」
と発表し、人工衛星による写真も提供した。
その後も人的情報や衛星情報、通信傍受などを含む機密レベルの情報も意図的に出している。
国情院はまた、人的動向の分析も盛んに行っている。
派兵部隊の総括指揮のためロシア入りが取り沙汰されている軍要人で金氏の側近でもある朝鮮人民軍のキム・ヨンボク副総参謀長の動向について、
「キム副総参謀長を含む先発隊が戦線に移動中という情報があり確認中」
と2024年10月29日に国会に報告、2024年10月28日から訪露してラブロフ外相と会談する崔善姫(チェ・ソンヒ)外相についても
「金氏の訪露や追加派兵とその見返りを協議する可能性がある」
との情報を出した。
こうした国情院の動き自体も実は
「対北作戦」
の一環とみられている。
米国がロシアのウクライナ全面侵攻の前後に露軍の情報を積極的に公表した
「戦略的機密解除」
と呼ばれる心理戦と同じで、敵に
「我々はここまで知っている」
と開示して相手に不安を与え、同時に同盟国の結束を図る目的とされる。
一方、北朝鮮にとり、派兵はどんな意味を持つのか。
道下氏は
「北朝鮮に大きなリスクをもたらす」
と分析する。
北朝鮮の特殊部隊の規模は10万人から20万人とされるものの、ほとんどは軽歩兵で精鋭部隊は約1万人と推定されており、その中核部隊がどれほどの能力を発揮出来るかが国際社会に一目瞭然となるからだ。
また、一連の動きは
「南北の情勢を更に不安定にさせるだろう」
と道下氏は指摘する。
派遣された北朝鮮兵は10〜20代の若者で
「弾除(よ)けに過ぎない」
との指摘や、北朝鮮当局が動揺を警戒してか派兵軍人の家族を隔離、管理し始めたとの国情院情報もある。
派遣部隊が実戦に投入されれば、その実態は早晩、明らかになる。

「軍事同盟」条約を「既に履行」 露朝外相、会談で結束強調 北朝鮮軍参戦には言及せず
2024/11/1 21:02
https://www.sankei.com/article/20241101-HM3VMPLQZNLANOYD325GXK7H6Y/
ロシアのラブロフ外相は2024年11月1日、訪露中の北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相とモスクワで会談した。
ラブロフ氏は会談冒頭で
「露朝間には軍同士の緊密な交流が確立されている」
「これは両国民の安全に関わる重要な問題の解決を可能にする」
と指摘。
露朝が2024年6月に締結した事実上の軍事同盟条約
「包括的戦略パートナーシップ条約」

「既に履行され始めている」
とも述べ、両国の結束を強調した。
タス通信が伝えた。
崔氏は、ロシアによる対ウクライナ軍事作戦の開始当初から、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が露軍と露国民を全面的に支援するよう命じてきたと指摘。
北朝鮮はロシアの
「戦勝」
を疑わず、
「最後までロシアの朋友の隣に立ち続ける」
と表明した。
両外相の発言は、直接的な言及こそ避けたものの、ウクライナ侵略を続けるロシア側での北朝鮮軍の参戦を念頭に置いたものである可能性がある。
また、崔氏は
「北朝鮮は核戦力の増強を続ける」
とも述べ、ロシア側に理解を求めた。
一方、ペスコフ露大統領報道官は2024年11月1日、北朝鮮軍が近くウクライナ軍との戦闘に参加するとの観測が出ていることについてコメントを拒否した。

米国務長官「数日内に」北朝鮮兵とウクライナ軍が戦闘 「軍事目標になる」と警告
2024/11/1 20:50
https://www.sankei.com/article/20241101-YJBRZG6ODZMCTDSKKYHSDHK6QI/
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、ウクライナ侵略を続けるロシアに派遣された北朝鮮兵が
「数日以内に」
ウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
ワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領も北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との認識を示しており、ロシアのウクライナ侵略は新たな局面に入る。
ブリンケン氏は、ロシアに北朝鮮兵約1万人が派遣され、うち8000人がウクライナと国境を接する西部クルスクにいると説明。
ロシアが砲撃や無人機の運用など基本的な歩兵訓練を北朝鮮兵士に実施しており、近く前線に投入される可能性を指摘した。
投入されれば北朝鮮兵は
「軍事目標になる」
と警告した。
ゼレンスキー氏は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、北朝鮮兵は
「戦闘参加の準備をしている」
と語った。
戦闘では北朝鮮兵が
「ロシア兵よりも前面に押し出される」
可能性を指摘し、多数の犠牲者が出るとの見方も示した。
米国は北朝鮮の派兵などを巡り中国と高官協議を実施。
ブリンケン氏は会見で、北朝鮮の動きを抑えるため中国に影響力を行使するよう伝えたことを明らかにした。
またブリンケン氏は、北朝鮮が派兵の見返りとしてロシアから技術供与などの軍事支援を受けることへの懸念を表明。
北朝鮮の軍事力強化は
「地域を大きく不安定化させるもので、中国にとっても懸念になる」
とし、中国に対応を促した。

北朝鮮「露勝利まで共に」 外相会談で両国の緊密な関係をアピール
2024/11/1 20:13
https://www.sankei.com/article/20241101-RK5GUL6URZK65MI2FDDZ74YH6A/
ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相が2024年11月1日、モスクワで会談した。
ウクライナに侵攻するロシアへの北朝鮮兵の派遣情報に米欧や韓国が警戒を高める中、崔氏は会談冒頭
「ロシアが勝利するまで我々は断固としてロシアの同志と共にある」
と述べた。
ラブロフ氏は
「軍や治安機関の間で非常に緊密な接触が行われている」
とし、両国の重要な安全保障問題の解決に寄与していると表明。
露朝関係は
「過去に前例のない高いレベルに到達した」
と評価した。
公開された会談冒頭では兵士派遣について言及はなかった。
会談では2024年6月に露朝の首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の具体的な履行方法や、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の今後の訪問予定などが話し合われたとみられる。
金正恩氏を巡っては早期のロシア訪問の観測が浮上している。(共同)

露朝同盟で東アジア同時危機も 北のウクライナ派兵、核・ミサイル関連の移転阻止が急務
2024/11/1 19:00
https://www.sankei.com/article/20241101-I6HFZRCC5BKATJB5DOK4AFJEQQ/
北朝鮮がウクライナ侵略戦争に軍部隊を派遣したことが確認された。
ロシアと北朝鮮の同盟関係が深まっていることを意味し、東アジアの安全保障に与える影響は大きい。
今後、朝鮮半島で武力衝突が起きた場合にはロシアが北朝鮮側で参戦することが理論的にあり得る。
露朝が台湾有事の際に中国を利する行動を取る可能性もある。
最悪のシナリオは、東アジアの危機が同時に発生する複合的な事態だ。
■北朝鮮は露の見返りを期待
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、約1万人の北朝鮮兵がロシアに派遣され、うち最大で8000人はウクライナの越境作戦が続く露西部クルスク州にいると明らかにした。
露朝は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結した。
条約には侵攻を受けた場合の軍事援助が盛り込まれており、今回の派兵はこれを具現化する動きだ。
北朝鮮は昨年2023年以降、大量のミサイルや砲弾をロシアに供与しており、ロシアが戦線で使用している砲弾の半数は北朝鮮製だと推定されている。
兵員までも送り込むことで、ロシアからの見返りを確かなものとする狙いが北朝鮮にはある。
最近の露軍には1日平均で1200人以上の死傷者が出ており、ロシア側には兵員の補充が難航している実情がある。
「北朝鮮兵はロシアの武器や現代戦に習熟しておらず、派兵がウクライナ戦況に与える影響は限定的だろう」。
露観測筋はこう指摘しつつ
「ロシアが見返りとして北朝鮮に核関連技術を渡すことが危惧される」
と話す。
■露朝への制裁強化が急務
対北制裁に関する国連専門家パネルで委員を務めた古川勝久氏は
「北朝鮮が最も期待しているのは、朝鮮半島有事の際にロシアが軍事介入する可能性を高めることだ」
とみる。
そうすれば米国が半島有事に軍事介入するのを躊躇わせることが出来る。
古川氏によれば、ロシアから北朝鮮に渡ることが危惧される核・ミサイル関連の技術は多岐に渡る。
高濃縮ウランの増産や原子力潜水艦の建造、大気圏再突入が可能なミサイル弾頭や固体燃料の製造、ミサイルの姿勢制御や誘導システムの改善−などで北朝鮮は様々な技術や資機材を必要としているという。
露朝に対する国際制裁の拡大・強化が急務だ。
「一連の露朝の行動は明白に国連安保理決議違反であり、両国への制裁は今や全国連加盟国の義務だ」
「グローバルサウスにも説明し、1カ国でも多く西側主導の制裁に加わるよう日本も率先しなければならない」。
古川氏はこう述べ、
「露朝国内の制裁対象と取引関係を持つ第3国の個人や企業にも、安保理決議に従って取引禁止や出入国禁止などの『二次制裁』措置を厳しく課すべきだ」
と指摘する。
「北朝鮮への軍需物資や金の流れはある程度、把握されている」
「北朝鮮の軍事力を削ぐために、大量の外国製欠陥品を密輸ルートに流し込む『積極的妨害工作』を展開すべきだ」
「露朝が決済に使う暗号通貨の交換所や中国の中小金融機関にも手を打たねばならない」。
古川氏はこうしたことも提言している。

露朝「同盟化」でウクライナ戦争と東アジア情勢がリンク 兵頭慎治・防衛研究所研究幹事
2024/11/1 17:44
https://www.sankei.com/article/20241101-FRT7VL34Z5IC5F4FVLZ2YSVMQA/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮兵が派遣され、米国やウクライナ当局は数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
防衛研究所の兵頭慎治・研究幹事は、
「欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクした」
と指摘。
露朝
「同盟化」
により、東アジアの安全保障環境が更に複雑化すると警鐘を鳴らす。

露朝が砲弾やミサイルの供与から兵士の派遣へと軍事協力の水準を引き上げた狙いは、実利的な相互協力と戦略的な対米牽制の強化だろう。
北朝鮮は派兵の見返りに、
「国防5カ年計画」
で掲げたミサイルや原子力潜水艦、あわよくば核兵器の関連技術などをロシアから引き出す狙いがあるとみられる。
ウクライナで得られる実戦経験と兵器改良が、今後の軍事力向上に結び付くことも期待しているだろう。
露朝両国は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結したが、プーチン露大統領が
「同盟」
という表現を用いないなど温度差がみられた。
北朝鮮は今回の派兵で、有事の軍事支援を定めた条約の実効性を高めながら、米韓に対してロシアが軍事的後ろ盾だと印象付けようとしている。
ロシアとしても、将来的な北朝鮮への軍事技術支援や朝鮮半島有事への関与を示唆することで、米国のウクライナ支援を牽制できる。
警戒すべきは、中国を交えた3カ国の連携に発展することだ。
そうなれば、東アジアで有事が同時・連鎖的に起きる
「複合事態」
が現実味を帯びる。
中露両軍は日本周辺の空や海で共同活動を活発化させており、2024年9月に露軍が実施した大規模な海軍演習に北朝鮮はオブザーバー参加した。
露朝接近と距離を置く中国に対して、ロシアは露中朝3カ国による合同海軍演習を提案していると韓国側は指摘する。
露朝
「同盟化」
により、欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクしてしまった。
東アジアの安全保障環境が更に複雑化することが懸念され、日本も新たな対応を検討する必要に迫られるのではないか。

北朝鮮兵との交戦「数日内」ゼレンスキー氏、犠牲多数と指摘 米国務長官も「標的」と警告
2024/11/1 7:34
https://www.sankei.com/article/20241101-RWLEDGE2FJK3DHEQGKSUNHWP64/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、ロシアに派遣された北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との見方を明らかにした。
ブリンケン米国務長官も同様の認識を示し、北朝鮮兵が戦場に入れば、ウクライナ軍の
「正当な軍事標的」
になると警告した。
ゼレンスキー氏はウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州に北朝鮮兵の一部が入っているとして
「戦闘参加の準備をしている」
と述べた。
「北朝鮮兵はロシア兵よりも前面に押し出される」
とし、多数の北朝鮮兵が犠牲になるだろうと指摘。
今後はウクライナ国内にも北朝鮮兵が投入されるとの見通しを語った。
ブリンケン氏はワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で、既に約1万人の北朝鮮兵がロシア入りしていると説明。
このうち最大8000人がクルスク州にいるとした。(共同)

ウクライナ、北朝鮮派遣軍の3人の将軍名を国連に報告 士官500人もロシア入り
2024/10/31 21:00
https://www.sankei.com/article/20241031-76WY3DKLMRKI7GTQDND7NBQMVY/
ウクライナのキスリツァ国連大使は2024年10月31日までに、ロシアに派遣された北朝鮮軍を率いる将軍3人について国連に報告した。
朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長、リ・チャンホ副総参謀長兼偵察総局長(同局は情報機関に相当)、シン・グムチョル少将という。
国営通信社ウクルインフォルムなどが伝えた。
ウクライナ軍筋によると、キム氏が派遣軍の統括役を担う。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに派遣された北朝鮮兵は約1万2000人。
将軍3人に加え、士官約500人が含まれているとしている。
キスリツァ氏は2024年10月30日の国連安全保障理事会の緊急会合で、北朝鮮兵は露軍の少数民族出身者で構成される部隊に組み込まれ、2024年11月にもウクライナ軍と戦う作戦に参加する可能性があるとして危機感を示した。(共同)

ウクライナ第2の都市ハリコフで子供1人死亡、30人以上負傷 ロシアが滑空爆弾攻撃か
2024/10/31 16:21
https://www.sankei.com/article/20241031-QXYCR3VYXVOPDK4EY6CBL2GXJI/
ウクライナ第2の都市、東部ハリコフで2024年10月30日夜、ロシア軍の攻撃があり、地元当局によると、子供1人が死亡し、30人以上が負傷した。
威力の強い滑空爆弾が使われたとみられ、9階建ての建物の下部が大きく損傷した。
ロシア国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州を南北に流れるオスコル川東岸の集落クルフリャキウカを制圧したと発表した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月30日までに、ロシア西部クルスク州に北朝鮮兵が派遣されたことについて
「戦争の新たなページが開かれた」
として新局面に入ったとの考えを示した。
「プーチン大統領は我々を試している」
「強力に対抗する必要がある」
と述べた。
ウクライナ大統領府が2024年10月30日、北欧メディア各社とのインタビューの動画を公表した。(共同)

国連安保理、北朝鮮大使がウクライナ参戦を示唆 米「北の兵士は『遺体袋』に入って戻る」
2024/10/31 10:50
https://www.sankei.com/article/20241031-6XYKIFWS3FN5XJ3GEGCCEGILNU/
国連安全保障理事会は2024年10月30日、北朝鮮のロシア派兵を巡る緊急会合を開いた。
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使がウクライナへの参戦を示唆し、米国のウッド国連次席大使が
「北朝鮮兵は『遺体袋』に入って戻る」
と強い言葉で応酬するなど緊迫した。
金氏は会合で、
「ロシアの主権と安全保障上の利益が、米国や西側諸国の危険な試みに脅かされれば、必要な決断を下す」
と対決姿勢を鮮明にした。
ウッド氏は、ロシアを支援するためウクライナに侵入した北朝鮮兵は
「必ず遺体袋に入って戻ることになる」
と応じ、北朝鮮の金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党総書記を名指しし、
「無謀で危険な行動はよく考えるように」
と忠告した。
ウッド氏は、ロシアが、西部クルスク州を越境攻撃するウクライナ軍との戦闘に北朝鮮兵を加えることを懸念し、ロシアに自制を促した。
北朝鮮の支援を受けたロシアのウクライナでの勝利は
「たとえ部分的であっても、世界の安定を危うくさせる」
と強調。
「何が何でもウクライナを守る」
と固い決意を示し、ロシアに完全撤退を強く迫った。
日本の山崎和之国連大使は、北朝鮮は
「ロシアの侵略の共犯」
になっていると非難。
英国のウッドワード国連大使は
「北朝鮮が派兵や軍事支援の見返りにロシアから高い対価を引き出すのは確実だ」
と語り、その結果として
「朝鮮半島の緊張が高まり、インド太平洋地域の安全保障が損なわれる」
と危機感を示した。
会合では、北朝鮮の派兵や軍事支援は安保理決議や国際法に反するとの批判が相次いだ。
ロシアのネベンジャ国連大使は、北朝鮮との軍事分野などでの協力は
「国際法に沿っており、違法ではない」
と主張した。

米国防長官が韓国国防相と会談、北朝鮮軍のウクライナ参戦「紛争の長期化・拡大の可能性」
2024/10/31 9:39
https://www.sankei.com/article/20241031-TREM3FPUCFO4HHWXFV464UX3B4/
オースティン米国防長官と韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月30日、米国防総省で会談し、ウクライナに侵略を続けるロシアを支援するため北朝鮮が派兵した問題を協議した。
記者会見でオースティン氏は、北朝鮮兵が露軍の制服と装備を支給されたとし、戦闘に参加すれば
「紛争を長期化・拡大させる可能性がある」
と述べ、即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮部隊が既に露東部に派遣されたと指摘。
一部はウクライナ国境に近い露西部クルスク州での戦闘に参加する可能性が高いとし、米国や同盟諸国が供給した武器を使うウクライナ軍に殺害される可能性にも言及した。
オースティン氏はまた、北朝鮮軍の参戦が
「他国に行動を起こすよう促す可能性もある」
「多くの事が起こり得る」
と述べ、他国の参入を招いて侵略が一段と複雑化する危険性を指摘。
欧州とインド太平洋地域の安全保障に重大な悪影響を及ぼすと訴えた。
一方、金氏は、北朝鮮が派兵の見返りにロシアから戦術核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦などの技術提供を求める可能性があるとし、朝鮮半島の軍事的脅威が一段と高まると訴えた。
金氏は、北朝鮮兵の展開に関する情報を収集し分析するために、韓国の軍事監視チームをウクライナに派遣することも検討していると述べた。

ドネツク州ポクロフスクを「封鎖」 市当局が発表 ロシア軍接近で防衛準備
2024/10/31 8:48
https://www.sankei.com/article/20241031-XTGH75V4JFIMHOZQD5OYRW7UEY/
ロシアによるウクライナ侵略で、最激戦地である東部ドネツク州の都市ポクロフスクのドブリャク市長は30日、露軍が同市まで約7キロの距離に迫っているとし、防衛の準備に向けて同市を「封鎖」すると発表した。ウクライナメディアが伝えた。ドブリャク氏は2024年10月、ドネツク州のウクライナ軍の重要防衛線の一角であるポクロフスクを巡る攻防戦が近く始まるとの認識を示した形だ。
ドブリャク氏によると、防御拠点を構築中の地区への住民の出入りを禁止する他、住民避難を進める。
市内には現在、子供55人を含む住民約1万2000人が残っているという。
ポクロフスク方面を巡っては、露国防省が2024年10月29日、近郊の小都市セリドボを制圧したと主張。
露軍が近く本格的なポクロフスク制圧に乗り出すとの観測が出ている。
ドネツク州全域の掌握を狙う露軍は現在、ポクロフスクの他、チャソフヤルやリマンなど複数の方面で攻勢を継続。
ウクライナ軍の防衛線を突破し、同州の主要都市クラマトルスク方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、露国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州クピャンスク方面の集落クルグリャコフカを制圧したと主張した。
同集落を巡ってはウクライナ国防省が2024年10月中旬、露軍を集落内から駆逐したと発表していた。

北朝鮮のロシア参戦「極めて可能性高い」 米韓国防相が撤収を要求、他国への影響を懸念
2024/10/31 7:21
https://www.sankei.com/article/20241031-4CVDB37TN5MI3J3LN5H2VIGXBQ/
オースティン米国防長官と韓国の金龍顕国防相は2024年10月30日、ワシントン近郊で会談し、共同記者会見を開いた。
オースティン氏は、北朝鮮兵がウクライナに侵攻するロシアを支援するため、戦闘に加わる可能性が
「極めて高い」
と分析し、強い懸念を示した。
両氏は北朝鮮兵に即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮兵が既にロシア東部に派遣され、ロシアの軍服を着てロシアの装備品を使っていると指摘。
北朝鮮兵が戦闘でロシアを支援すれば
「米国や同盟国が提供した武器を使うウクライナ軍の標的にされ、何人かは戦場で死ぬことになる」
と警告した。
北朝鮮の参戦が
「紛争を長引かせたり、拡大させたりする可能性がある」
とし、
「他の国が行動を起こすことを促す可能性もある」
「起こり得る事はいくつもある」
と述べた。(共同)

北朝鮮外相がモスクワ入り、ラブロフ氏と会談へ パートナーシップ条約に基づく協力協議か
2024/10/30 23:27
https://www.sankei.com/article/20241030-WDJVWBGCFZJXNHWFM45VIBBYDY/
北朝鮮の崔善姫外相が2024年10月30日、ロシア公式訪問のためモスクワ入りした。
ラブロフ外相と会談予定。
2024年6月に露朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の批准手続きがロシア国内で2024年11月中に終了する見込みで、条約に基づく協力を協議する可能性がある。
米国や韓国などは北朝鮮兵がロシア西部に入ったと主張し、露朝の接近に警戒を強めている。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による早期ロシア訪問の観測が浮上しており、話し合われる可能性もある。
ロシア大統領府によると、崔氏はプーチン大統領との会談予定はない。
崔氏は2024年9月にもロシアを訪問し、ラブロフ氏と条約に沿った両国関係の発展について意見交換した。(共同)

「北朝鮮軍、25日にウクライナ部隊と交戦…一人を除いて全員戦死」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.10.30 08:340 글자 작게
https://japanese.joins.com/JArticle/325574
ロシアに派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍と初めて交戦し、1人を除いて全員戦死したという主張が提起された。
リトアニア非政府組織(NGO)「ブルー・イエロー」の代表を務めるジョナス・オマーン氏は2024年10月28日(現地時間)、現地メディアLRTインタビューで消息筋の話として
「2024年10月25日、ウクライナ軍が占領中のロシア西部クルスク地域で既に北朝鮮軍と初めての戦闘が起きた」
と主張した。
ブルー・イエローは2014年からウクライナ軍を支援してきた団体で、ウクライナの意思決定権者だけでなく最前線情報にもアクセスすることできるという。
オマーン代表は
「私が知っている限り、ウクライナ部隊と北朝鮮軍の初交戦で北朝鮮軍のうち1人を除いて全員死亡した」
とし
「生存した1人はブリヤート人という書類(身分証)を持っていた」
と話した。
ブリヤート人は、モンゴル北部のロシア・ブリヤート共和国に居住するモンゴル系原住民だ。
ロシアが北朝鮮軍将兵に同地域の身分証を発給し、自国民に偽装するのではないかという観測が出たことがある。
オマーン代表は今回の北朝鮮軍派兵と関連して
「派兵人材が8万8000人まで増える可能性があるという話を聞いた」
とし
「北朝鮮軍を船舶や航空機で運ぶ基地が4カ所ある」
と主張した。
一方、ウクライナ情報当局は自国軍が2024年8月6日に侵攻し、一部地域を占領中のロシア本土クルスクで2024年10月23日に北朝鮮軍が目撃されたと明らかにした。
ただ、北朝鮮軍と交戦したとか、戦場で肉眼で確認したという公式証言は出ていない。

ウクライナ、米国にトマホーク要求か 米NYT紙報道 射程はATACMSの7倍超
2024/10/30 10:05
https://www.sankei.com/article/20241030-KG5J4TU33FMSHEKMH625HIDRFE/
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年10月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領が対ロシア戦争の
「戦勝計画」
を米国側に示した際、長射程の米国製巡航ミサイル
「トマホーク」
の供与を求めたと報じた。
米当局者の話としている。
同紙によると、トマホークの射程は約2400キロ。
米国がウクライナに供与した射程300キロの地対地ミサイル
「ATACMS」
の7倍以上で、ウクライナ領内から発射すると、モスクワやロシア中部の都市も射程に入る。
米当局者は、全く実現不可能な要求だとして、勝利計画に憤りを示したという。
計画には、勝利に必要な兵器の数量や種類に関するリストが盛り込まれているが、詳細は公表されていない。(共同)

北朝鮮兵がウクライナ入りか CNN報道 バイデン大統領「反撃すべき」
2024/10/30 7:23
https://www.sankei.com/article/20241030-Q6EAWEFEDJLA7GUSP7YWV6U2TA/
米CNNテレビは2024年10月29日、少数の北朝鮮兵がウクライナ国内に入ったと報じた。
西側当局者2人の話としている。
ロシアに派遣された北朝鮮兵の一部の可能性がある。
ウクライナのどこに入ったのかは不明。
当局者の1人は
「相当数が活動を開始しているようだ」
と語った。
活動の詳細には言及していない。
CNNによると、米当局者は北朝鮮兵のウクライナ入りを確認していないと述べた。
バイデン大統領は2024年10月29日、北朝鮮兵がウクライナに入ったなら、ウクライナは反撃すべきだと記者団に述べた。
ロシアに派遣された北朝鮮兵は極東で訓練を受けた後、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に向かったとされる。
ゼレンスキー大統領は2024年10月29日、韓国の尹錫悦大統領との電話会談で、北朝鮮兵3000人が既にウクライナ国境近くに配置され、今後約1万2000人に達する見込みだと伝えていた。(共同)

ロシアが戦略核演習実施、プーチン氏「臨戦態勢が重要」 ウクライナと欧米を威圧
2024/10/29 23:01
https://www.sankei.com/article/20241029-PPA2GGVROZODFKWFYHWTOEPZZI/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月29日、戦略核兵器の発射を想定した露軍の演習にリモート形式で参加した。
プーチン氏は訓示で、核兵器の使用は最終手段であるとする
「ロシアの原則的立場」
を確認した一方、
「地政学的緊張や新たな外部からの脅威を考慮すれば、現代的で常に臨戦態勢にある戦略軍を保持することが重要だ」
と表明した。
ウクライナ侵略を続けるロシアは核兵器を使用する可能性を排除しないことで、ウクライナや同国を支援する欧米諸国を威圧し、抗戦を断念させたい思惑だとみられる。
プーチン氏によると、演習は核弾頭を搭載する弾頭ミサイルや巡航ミサイルの発射手続きに携わる人員の習熟を目的として実施された。
露国防省は2024年10月29日、演習の一環として、北西部プレセツク宇宙基地から極東カムチャツカ半島の標的に大陸間弾道ミサイル(ICBM)
「ヤルス」
を発射したと発表。
バレンツ海とオホーツク海でも戦略原潜が弾道ミサイルを発射した他、戦略爆撃機による巡航ミサイルの発射も行われたとした。
ロシアは2024年5月以降、戦術核兵器の発射や使用の習熟に向けた演習を実施。
更にプーチン氏は2024年9月、核兵器の使用指針を定める国家文書
「核抑止力分野における国家政策の基礎」
を改訂し、事実上、核使用のハードルを引き下げる方針を示していた。

北朝鮮兵力3000人が戦闘地近くに展開 韓国大統領、ウクライナに攻撃兵器供与も示唆
2024/10/29 20:23
https://www.sankei.com/article/20241029-2ICLZID7ZZNSRKR7C3P4YMMZOM/
ウクライナのゼレンスキー大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月29日、電話会談し、北朝鮮のロシア派兵を巡る対応策を協議した。
ゼレンスキー氏は、戦闘地域近くのロシアの訓練拠点に北朝鮮の兵力約3000人が配置されたとの情報を伝え、駐屯規模は約1万2000人まで増えるとの見通しを示した。
尹氏は北朝鮮の部隊が戦場に投じられるなどした場合、
「実効的、段階的な対応措置を取っていく」
と述べ、今後の攻撃用兵器供与の可能性も示唆した。
現代戦の経験が乏しい北朝鮮が
「実戦で得た経験を朝鮮人民軍全体に習得させれば、韓国の安全保障に大きな脅威となる」
とも強調した。
両首脳は、具体的な協力策を協議するため、近く相互に代表団を派遣することで一致した。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、朝鮮人民軍の高級将校を含む一部の兵力が前線に移動している可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
露メディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日、ロシア公式訪問のため、極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワで露外務省高官と会談する。
国情院は、崔氏がロシアとの協議で追加派兵や見返りなどに関して協議するとの見方を報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になる可能性がある。

ロシア軍が歴史的建築「デルジプロム」の一部破壊 ウクライナ東部ハリコフを攻撃
2024/10/29 18:56
https://www.sankei.com/article/20241029-4HOXJB2IVFJ4HN2OP4PT7YV33M/
ロシア軍は2024年10月28日、ウクライナ東部ハリコフ市中心部を誘導爆弾で攻撃し、1920年代に完成した歴史的建造物
「デルジプロム」
の一部を破壊した。
旧ソ連で最初の高層建築とされ、第2次大戦中のナチス・ドイツの占領下にあっても大きく破壊されなかったことで知られる。
ハリコフは1934年まで旧ソ連ウクライナ共和国の首都。
当時、デルジプロムに多くの行政機関が置かれた。
2017年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産への暫定リストに記載された。
ウクライナ当局によると、2024年10月28日夜から29日未明にかけてのハリコフ市への攻撃で、4人が死亡し複数の負傷者が出た。
また、ロシア軍が2024年10月に制圧した面積は約478平方キロに達し、月間としては侵攻開始直後の2022年3月以降、最大となった。
フランスメディアが米戦争研究所のデータを基に分析した。
東部ドネツク州ポクロウシクやハリコフ州クピャンスク周辺でロシアが前進したことが影響した。(共同)

北朝鮮軍将校ら一部兵力前線入りか 韓国分析「予想より早い」 北の外相は訪露
2024/10/29 17:46
https://www.sankei.com/article/20241029-24S5URBTJNMBZEQ554D55GPBKA/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、ウクライナを侵略するロシアへの北朝鮮の朝鮮人民軍の派兵に関し、高級将校を含む一部の兵力が既に戦闘の前線に移った可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、北朝鮮の軍部隊がロシア西部の激戦地、クルスク地域に展開したことを確認したと発表していた。
ウクライナ当局は北朝鮮の兵力約1万2000人が既にロシアに入ったと分析。
国情院は当初、北朝鮮の兵力の戦線投入は2024年12月初め頃までかかるとの見方を示していたが、派兵の動きを韓国などに公表されたことを受け、露朝が移動のペースを引き上げたとみている。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月28日、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長との電話会談で
「北朝鮮の軍の戦線投入が予想より早く行われる可能性があり、厳しい状況だ」
と説明した。
露朝両国のメディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日に露極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワを公式訪問する。
国情院はロシア側と追加の派兵や派兵に対する見返りなどに関し協議する可能性があると報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になるとの観測も出ている。

北朝鮮軍、ロシアのクルスク地域に展開 NATO事務総長が確認 韓国代表団の説明受け
動画
2024/10/28 22:02
https://www.sankei.com/article/20241028-LE6ICP654NODLEGXYQHDBDIQ5A/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、ロシアによるウクライナ侵略に関し、ロシアに派遣された北朝鮮の軍部隊が露南部クルスク地域に展開したことを確認したと明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行う同地域では、ロシアとの間で激しい戦闘が続いている。
ブリュッセルのNATO本部での臨時会合で、韓国情報機関の国家情報院(国情院)や同国国防省の高官から派兵の実態について説明を受けた後に声明を発表した。
ルッテ氏は、北朝鮮の派兵は
「ロシアの不法な戦争を大きくエスカレートさせるものだ」
とし、露朝に対して一連の行動を即時停止するよう要求した。
北朝鮮による派兵は、露朝の軍事協力が強化されることで朝鮮半島の平和を損ねると共に、ウクライナ戦争を激化させる意味で
「インド太平洋地域と欧州・大西洋地域の両方への脅威だ」
とも指摘した。
ルッテ氏はまた、ウクライナ戦争で露軍兵士の死傷者数は60万人以上に上ったとし、北朝鮮への派兵要請は
「プーチン露大統領が外国の支援なしには戦争を継続できない、切羽詰まった状態に陥っていることを示すものだ」
と強調した。
ルッテ氏は、NATOが事態の対応に向けてウクライナやインド太平洋地域の友好国と引き続き緊密に連携していくと表明した。
会合には日韓とオーストラリア、ニュージーランドの大使も参加した。

ゼレンスキー氏「北朝鮮との戦い強いられる」 支援国に「強い決断不足」と不満訴え
2024/10/27 7:33
https://www.sankei.com/article/20241027-EXGHKOI3DZIETP63TBQA6YGPK4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日の声明で
「欧州で北朝鮮との戦いを強いられる」
と危機感を示し、ウクライナ支援国の
「力強い決断の不足」
がロシアを増強させていると訴えた。
ロシア領への長距離攻撃の容認が米欧から得られない現状への不満があるとみられ、
「言葉だけではない具体的な行動」
を支援国に求めた。
声明でロシアによる市民への攻撃も批判。
ウクライナメディアによると、東部ドニエプロペトロフスク州ドニプロで25日、ミサイル攻撃で子供を含む5人が死亡した。
キーウ(キエフ)でも25日、複数の無人機による攻撃があり、高層マンションの上層で火災が発生。
10代の少女が死亡した。(共同)

金正恩氏側近が部隊統括 キム副参謀長、ロシア入り 数千人の北朝鮮派遣軍が到着か
2024/10/26 22:33
https://www.sankei.com/article/20241026-QE6JLAVXARPSTIKXG7ZCYV6RZQ/
ロシアに派遣された北朝鮮軍部隊の統括役として、朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長がロシアに入国したことが26日、ウクライナ軍筋の話で分かった。
キム氏は
「暴風軍団」
の異名を取る特殊部隊の第11軍団のトップなどを歴任し、金正恩朝鮮労働党総書記の軍側近の1人。
同筋によるとウクライナ当局はロシア軍が作成した北朝鮮派遣部隊の幹部リストを入手、キム氏は最上位に位置付けられていた。
金正恩氏は派遣部隊のトップに軍の側近を据えて、ロシアの侵攻に関与する姿勢を明確に示し、両国の軍事的連携を加速させる狙いとみられる。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに送られた北朝鮮兵は推計約1万2000人。
米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者複数の話として、26日までに数千人がウクライナが越境攻撃するロシア西部クルスク州に到着したと伝えた。
(共同)

<主張>BRICS会議 露の政治宣伝への加担だ
社説
2024/10/27 5:00
https://www.sankei.com/article/20241027-GLIRK45OUVL6RJ7STUVA25JYWE/
中国やロシアなど主要新興国で作る
「BRICS」
の首脳会議が、ロシア中部カザンで開かれた。
議長国ロシアにとって、2022年のウクライナ侵略開始後に主催する最大の国際会議である。
プーチン露大統領に、国際的孤立のイメージ払拭に利用する思惑があったのは疑いない。
国連憲章を踏みにじって侵略を続けるロシアに、30カ国以上もの代表が集まったことは異様かつ残念なことだった。
経済関係を深めたいという実利的な思惑を優先したのだろう。
だが、会議出席自体がロシアの政治宣伝への加担と言える。
非難は免れない。
出席した国々は、自国が侵略され、侵略してきた国での国際会議に各国が集う場面を想像したらどうか。
平和と目先の経済利益を交換してはならない。
BRICSのメンバー国は今年2024年、9カ国へ拡大した。
中露、南アフリカ、ブラジル、インドの5カ国に、イランやエジプトなど4カ国が加わった。
首脳会議が採択したカザン宣言は
「パートナー国」
資格の新設を支持し、13カ国が候補国となっている。
宣言は、ロシアへの制裁などを念頭に
「違法な制裁を含む一方的強制措置の破壊的影響を懸念する」
とした。
ウクライナ問題の平和的解決を目指す提案を評価するとも記したが、露軍撤兵には言及していない。
このような宣言は容認できない。
ロシアは直ちに侵略をやめなければならない。
プーチン大統領は、新興・途上国
「グローバルサウス」
の国々をBRICSに加え、先進7カ国(G7)への対抗軸にしたい意向だ。
首脳会議は
「公平な世界発展と安全のための多国間協力の強化」
を掲げ、中東やウクライナ情勢、米ドル決済に対抗する各国通貨決済の拡大などをテーマに話し合った。
だが、各国は同床異夢の状態である。
例えば、インドやブラジル、南アフリカは加盟国の拡大に慎重だ。
そのため、パートナー国新設が妥協策となった。
ロシアや中国が、BRICSを米欧との対抗軸として更に利用しようとすれば軋轢が高まる可能性がある。
日本などG7各国は、BRICSに惹かれる国々に、ウクライナ侵略を後押しする行動を控えるよう働き掛けるべきだ。

G7が7.6兆円のウクライナ支援で合意 年内に融資開始、ロシアの凍結資産を活用
2024/10/26 16:19
https://www.sankei.com/article/20241026-VSKIGKP2I5NGXMH3PTOGJVUIBQ/
日米欧の先進7カ国(G7)は2024年10月25日、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援について最終合意した。
2024年年内に融資による約500億ドル(約7兆6000億円)の支援を開始する。
G7首脳は共同声明を発表し
「ロシアは違法な侵略戦争を終わらせ、ウクライナの損害を賠償しなければならない」
と強調した。
G7が改めて対ロシアで結束する姿勢を示した一方、ロシアは中国など主要新興国で構成するBRICSの枠組みを巻き込み、非欧米陣営で対抗する構えを見せている。
G7は各国が個別に融資契約を締結し、ウクライナの資金需要に応じて2024年12月1日から2027年末までの間に分割で融資する。
融資はロシアの凍結資産から生じる利益で返済し、ウクライナに返済義務は生じない。
支援の詳細は近く公表する。
G7などが凍結したロシアの資産は約2800億ドルに上る。
G7は2024年6月の首脳会議で支援を決め、融資条件や返済方法など詳細を協議していた。(共同)

北朝鮮「労働新聞」、ロシアへの派兵を伝えず 国外向けの朝鮮中央通信は報道
2024/10/26 13:51
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/
ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
北朝鮮の国内向けメディアである朝鮮労働党機関紙、労働新聞は2024年10月26日、同国外務省のロシア担当次官がロシアのウクライナ侵略を支援するための派兵を否定しなかったとの見解を報じなかった。
国外向けの朝鮮中央通信は2024年10月25日夜に伝えていた。
北朝鮮の住民には派兵の問題を知らせていないことになる。
担当次官は、北朝鮮から派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だ」
と主張。
ただ明確な事実確認は避けた。
2024年10月26日の労働新聞は1面トップに、朝鮮戦争に中国人民義勇軍が参戦したとされる日から74年となる2024年10月25日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が平壌市内の記念碑に花輪を送ったとの記事を掲載。
他に崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が2024年10月25日、訪朝したベトナム外務次官率いる代表団と会談したことや、外務省の対外政策室長が米韓の軍事訓練を談話で批判したことを伝えた。(共同)

北朝鮮のロシア派兵にEUでも懸念「欧州安保に直接影響」 外交官呼び出して抗議も
2024/10/26 9:55
https://www.sankei.com/article/20241026-GZM5L4DP6RLLDHRAAPQ52AYM7E/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が兵士を送ったことで、欧州にも危機感が広がった。
2024年10月25日にはドイツ、フランス両国がそれぞれ
「紛争をエスカレートさせる」
と懸念を表明。
欧州連合(EU)では北朝鮮と国交を持つ国が多く、北朝鮮外交官を呼び出し、直接抗議する動きも出ている。
ドイツ公共放送ARDによると、ショルツ独首相は2024年10月25日、訪問先のインドで、北朝鮮兵のロシア派遣を
「過小評価すべきではない」
と述べた。
「紛争をエスカレートさせる動きである一方、プーチン露大統領が苦境に立っていることの表れでもある」
との見方を示した。
フランス外務省は2024年10月25日の声明で、
「欧州の安全保障に直接影響をもたらす敵対的行為だ」
として北朝鮮を非難した。
ロシア軍に北朝鮮兵が加わることで紛争が国際化し、更なる激化に向けた新段階になり得ると警告した。
ドイツとオーストリア両国の外務省は2024年10月23日、それぞれの国内に駐在する北朝鮮外交官を呼び出した。
オーストリアは
「北朝鮮大使に我々の深刻な懸念を伝えた」
と発表した。
ドイツは旧東独時代から北朝鮮との国交を維持しており、中立国オーストリアも大使を交換している。
EUは2024年10月24日の声明で、北朝鮮に
「違法戦争への支援をやめよ」
と要求した。
ロシアについては
「交渉の意欲があると言いながら、永続的な和平構築には関心がないことを露呈した」
と批判した。
EUはまた、北朝鮮とロシアの関係緊密化で、欧州とインド太平洋の安全保障は緊密に結び付いていることが示されたとし、パートナー国との連携の重要性を訴えた。

北朝鮮のロシア派兵は「戦争の影響をインド太平洋に拡大」と非難 日米韓高官協議
2024/10/26 9:02
https://www.sankei.com/article/20241026-XONYOYCYHRN5LPMCGYRHE75SIU/
日米韓3カ国は2024年10月25日、安全保障を担当する高官協議を米ワシントンで開き、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が派兵したことへの
「重大な懸念」
を表明し、
「ロシアの違法な戦争の影響をインド太平洋に拡大させるだけだ」
と非難した。
日米韓協力の促進に向け3カ国首脳会談の早期開催を目指すことを確認した。
協議にはサリバン米大統領補佐官、日本の秋葉剛男国家安全保障局長、韓国の申源G(シン・ウォンシク)国家安保室長が参加した。
国連安全保障理事会の決議に違反する北朝鮮のロシアに対する弾道ミサイルや武器の支援も批判し、露朝に軍事協力をやめるよう求めた。
北朝鮮の完全な非核化に向けた
「緊密な連携の重要性」
を確認。秋葉氏は日本人拉致問題への協力を求め、米韓から支持を得た。
日米韓で昨年2023年12月に始動した北朝鮮の弾道ミサイル情報を即時共有するシステムや、共同訓練などの防衛協力が進んでいることを歓迎した。
また、東・南シナ海で軍事圧力を強める中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更への試みに強い反対」
を表明。
「台湾海峡の平和と安定の維持の重要性」
を確認し、中国を牽制した。
2024年11月5日の米大統領選を受けて来年2025年1月に新政権が発足することを踏まえ、安保分野の日米韓連携を今後も進めていくことも確認した。
サリバン氏は秋葉氏と個別に会談。
秋葉氏は石破茂政権の外交・安保政策の最優先事項として
「日米同盟の強化」
を掲げていることを説明した。
サリバン氏は申氏とも個別会談した。

<産経抄>北朝鮮のロシア派兵 兵士大量脱走の可能性も
2024/10/26 5:00
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https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/
18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」。
林芳正官房長官、岩屋毅外相、中谷元(げん)防衛相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮によるロシアへの派兵について異口同音に述べた。
どうやら政府内で、質問にはこう答えると打ち合わせ済みだったのだろう。
▼韓国の情報機関、国家情報院は既に
「北特殊部隊の暴風軍団を含む4個旅団1万2000人以上の兵力がロシアに派遣される」
と正式に発表している。
極東情勢にも重大な影響を及ぼしかねない事態であり、閣僚らが慎重な物言いになるのも当然かもしれない。
▼ただ、北では1990年代後半の大飢饉後、食料などの配給制が崩れ、それ以降に育った世代は「金王朝」から恩恵を受けていない。
従って元々忠誠心は薄い上に、韓国ドラマなどを通して韓国の豊かさも広まってきた。
遠い異国の地で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記のために命懸けで戦えといわれても、士気は上がるだろうか。
▼ウクライナの報道機関は、脱走した北兵士18人が、ロシア当局に拘禁されたと伝えている。
数日間食糧を与えられなかったため、陣地を離れたとのことだが、確かに腹が減っては戦ができない。
これから寒い冬を迎えるとあっては、尚更だろう。
▼韓国紙、朝鮮日報によるとウクライナ軍は北兵士に対して
「投降せよ! ウクライナは休息できる空間、食事、暖かさを提供する」
と投降や亡命を呼び掛け始めた。
本国でもロシアでも飢えに苦しむ北兵士にとってかなり魅力的な提案なのではないか。
▼北がロシアが求める派兵をこれまで渋ってきたのは、兵士の脱走を恐れたためだとの説もある。
もしそれが現実のものとなれば、金総書記にとって大打撃となろう。

北朝鮮、ロシア派兵否定せず 外務省次官が「確認する必要を感じない」と見解
2024/10/25 22:20
https://www.sankei.com/article/20241025-BREZ3DSU25MUNC2SEYTWIB3NE4/
北朝鮮の朝鮮中央通信は2024年10月25日夜、外務省のキム・ジョンギュ・ロシア担当次官が、ロシアのウクライナ侵攻を支援するための派兵に関し
「確認する必要を感じない」
との見解を示したと伝えた。
派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だろう」
とも述べた。
派兵を否定しなかった。
キム氏は同通信の質問に答える形で、各国のメディアが派兵について報じていることに注意していると説明。
所管は国防省であり、外務省は直接的に関与していないとした。
更に、派兵が違法行為であるように伝えたい勢力が
「間違いなく存在するだろう」
とも主張した。(共同)

「プーチン氏が停戦模索」とトルコ大統領 首脳会談でウクライナ産穀物輸出など話し合い
2024/10/25 21:56
https://www.sankei.com/article/20241025-ZXMGISQYT5JI7BQAQPCW6Y3TZY/
トルコのエルドアン大統領は、ロシアのプーチン大統領と2024年10月23日に行った会談を巡り、同氏が
「恒久停戦実現を模索していると感じた」
と述べた。
トルコメディアが2024年10月25日伝えた。
ウクライナ情勢を協議し、黒海を通じたウクライナ産穀物輸出や機雷撤去、捕虜交換などについて話し合ったという。
ロシア中部カザンで開かれたBRICS首脳会議後の機中で記者団に語った。
トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、ロシアと友好関係を続け、BRICS加盟を希望しているとされる。
エルドアン氏はBRICSとの協力を強化し
「双方に利益をもたらす」
と訴えた。
中国の習近平国家主席のトルコ訪問にも期待を示した。
黒海経由の穀物輸出について、ロシア、ウクライナ双方は2022年、トルコと国連の仲介により輸出再開で合意したが、ロシアは2023年に離脱した。
エルドアン氏は度々プーチン氏に合意復帰を働き掛けている。(共同)

親露派「ハクティビスト」が日本を標的に攻撃呼びかけ 衆院選投開票日にも注意
2024/10/25 18:57
https://www.sankei.com/article/20241025-4JVJMMXADNIMLPVWE3X4NV5VYI/?outputType=theme_election2024
ウクライナ支援国に対するサイバー攻撃を行う親ロシア派の
「ハクティビスト」
が、日本への攻撃も活発化させている。
衆院選公示日2024年10月15日に、自民党公式ホームページ(HP)が閲覧できなくなり、グループが攻撃したとの声明を出した。
ハクティビスト同士が連携して攻撃を繰り返す傾向もあり、27日の衆院選投開票日の攻撃も懸念されている。
■自民党にDDoS攻撃、犯行声明
自民党のHPが狙われたのは公示日の2024年10月15日午後4時半頃だった。
大量のデータ送信でシステム障害を引き起こす
「DDoS(ディードス)攻撃」
が仕掛けられたとみられ、衆院選の特設サイトにも繋がるトップページが表示されない状態に陥った。
復旧までには、約5時間を要したという。
その後、ハクティビストグループ
「NoName(ノーネーム)057(16)」
が交流サイト(SNS)上で犯行声明を出した。
ハクティビストは、オンライン上でコンピューターに攻撃を加えるハッカーと、活動家を意味する「アクティビスト」を掛け合わせた造語。
ロシアによるウクライナ侵略が始まって以降、親ロシア派のハクティビストがウクライナや支持国へのサイバー攻撃を活発化させている。
■日商、日弁連、造船企業や銀行も標的
トレンドマイクロの調査によると、このNoName057(16)は近年、活発な活動がみられる。
DDoS攻撃を中心にし、攻撃を仕掛けることができるソフトなどのツールを支援者にも配布し、支持者に攻撃を協力させている。
日本への攻撃は2024年9月18日以降、断続的に行っているとみられる。
これまでに自らの攻撃だと報告しているのは、自民の他、日本商工会議所や日本弁護士連合会、北海道に関連する造船企業や青森の銀行などがある。
■日米合同軍事演習への抗議も
トレンドマイクロによると、今月2024年10月下旬に自衛隊と米軍がロシア国境付近の北海道などで実施予定の合同軍事演習についての抗議のために日本を標的にしているという。
また、別のハクティビストグループも日本への攻撃を表明。
ただこのグループは、攻撃表明した企業が実際は被害を受けていないケースも確認されるなど、声明の信憑性は高くない。
トレンドマイクロは、衆院選の投開票日も狙われる可能性もあるとして、注意を呼び掛けている。

情報セキュリティー会社、トレンドマイクロの岡本勝之氏の話
ハクティビストは自分たちの主張を広めることが目的だ。
実際に攻撃しているか信用できない部分もあり、投稿を拡散しない方がよい。
万が一、標的とされた場合でも被害を低減させるための対策が必要だ。
サービスを提供していない国のIPアドレスからのアクセスを制限したり、サーバーを分散して攻撃を緩和したりするなど、事前に対策を講じておくことが重要となる。

ロシア入りした北朝鮮兵は「弾除けの傭兵にすぎない」 派兵を秘匿…精鋭部隊の特異な実態
2024/10/25 18:40
https://www.sankei.com/article/20241025-BAYY3ILPHBPTVHBMOUYQ7LKCME/
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアに派遣したのは、朝鮮人民軍の精鋭特殊部隊とされる。
だが、韓国当局の分析からは、北朝鮮内で派兵について固く秘匿されるなど、特異な対応が取られている実態も浮かび上がってきた。
■露軍統制下で作戦権限なし
「弾除けの傭兵に過ぎない」。
韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月24日、国会で北朝鮮の派兵部隊をこう表現し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が
「軍隊を違法な侵略戦争に売り渡した」
「自身の独裁体制を強固にするためだ」
と非難した。
派兵は本来、派遣国の指揮体系を維持し、その国の軍服や国旗を明示する。
だが、北朝鮮の部隊はロシア軍の軍服を着て露軍将兵に偽装し、
「露軍の統制下で何の作戦権限もなく言われるまま動いている」。
金国防相はこのため、
「傭兵」
と表現したのだという。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は、北朝鮮が派兵の対価として1人当たり2000ドル(約30万円)相当を得るとの見方を示し、見返りに経済難の打開や朝鮮半島有事でのロシアの介入を期待していると北朝鮮の思惑を分析した。
■現代戦の理解不足、死傷者多発か
露朝首脳は6月、両国の一方が戦争状態となった際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名したが、露下院が条約批准を可決したのは今月2024年10月24日だ。
露朝は条約の発効を待たずに、いわば密約≠フ形で派兵準備を進めてきたことになる。
派兵されたのは
「暴風軍団」
とも呼ばれる精鋭部隊とされる。
ただ、韓国当局では、北朝鮮が主に10〜20代の新米兵を派兵したとの見方も出ている。
国会では、ウクライナ側が公開した北朝鮮兵とされる映像を見た議員から
「体格は小さく、あどけない」
との指摘があった。
国情院は、北朝鮮が派兵の噂が国内で拡散しないよう厳しい情報統制を敷いていると報告した。
だが、派兵部隊に選抜された兵士の家族が
「嗚咽(おえつ)して顔がやつれた」
との話が出回り、兵士らの家族を集団移住させ、隔離しようとする動きがあるとも説明した。
国情院は、兵士らは体力があり士気は高いものの、無人機からの攻撃など現代戦への理解が不足しており、戦線に出れば死傷者が多数発生するとのロシア側の予想も明らかにした。
派兵部隊に実際に多数の死傷者が出て北朝鮮内にその情報が伝われば、金正恩体制にとっての不安定要素となる可能性も否定できない。

北朝鮮によるロシアへの派兵「信じるに足る情報を確認」 岩屋毅外相
2024/10/25 12:00
https://www.sankei.com/article/20241025-TRJGENQ3B5K47LJUNGALBMOOBY/
岩屋毅外相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮の兵士がロシアに派遣されているとの情報について
「米国、韓国とも協力して関連情報の収集、分析を進めた結果、北朝鮮が兵士をロシア東部に派遣し、軍事訓練に関与していると信じるに足る情報が確認された」
と述べた。
その上で岩屋氏は
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
と指摘し、引き続き関連情報の収集、分析を進める考えを示した。

中谷防衛相「北朝鮮がロシア東部へ派兵」 政府分析、ウクライナ侵略に加担懸念
2024/10/25 11:35
https://www.sankei.com/article/20241025-RMP7GMNFYVIALNRJOGHLOMOAMQ/
中谷元防衛相は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵に関し、米国などと協力して情報の収集、分析を進めた結果、
「北朝鮮の兵士がロシア東部へ派遣され、訓練を行っているものと考えている」
との認識を示した。
その上で
「ウクライナ侵略に加担する可能性を含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
中谷氏は、ロシアと北朝鮮による軍事協力の進展が、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くだけでなく、日本周辺の安全保障環境にも影響を与えると指摘し、
「深刻に憂慮すべきだ」
と強調した。

林官房長官、ロシアへの北朝鮮の派兵「深刻な懸念、憂慮すべきもの」
2024/10/25 11:33
https://www.sankei.com/article/20241025-BUSKMSTUGFKEFBP2TAFDU7P6NU/
林芳正官房長官は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵について
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
とも語った。

「北朝鮮軍が戦闘地域入り」ロシア西部クルスク州 ウクライナ発表 極東で訓練終え
2024/10/25 11:28
https://www.sankei.com/article/20241025-4GV5AE2ZCFP65IRBTRTC2EEQ4U/
ロシアによるウクライナ侵略への北朝鮮軍の参戦を巡り、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、露極東での軍事訓練を終えた北朝鮮軍部隊の第1陣が戦闘地域に派遣されたことが確認されたと発表した。
場所はウクライナ軍が越境攻撃で一部を占領下に置いている露西部クルスク州で、2024年10月23日に確認されたとした。
情報総局は、ロシアに入国した北朝鮮軍の規模が
「約1万2000人」
だと推計されていると指摘。
その中には3人の将官と500人の士官も含まれているとした。
また、ロシアが北朝鮮軍兵士に弾薬や寝具、冬着、靴、トイレットペーパー、石鹸など衛生用品を配給しているとも報告した。
ロシアへの北朝鮮軍の入国はこれまでにウクライナや米国、韓国が確認。
一方、ロシアは虚偽だと主張している。

プーチン露大統領「われわれの問題」 北朝鮮軍の露入国を否定せず BRICSの拡大も
2024/10/25 9:50
https://www.sankei.com/article/20241025-ROYHNQYRU5M65A6R3YGBAHRV7Y/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月24日、中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICS」の首脳会議が同日、露中部カザンで閉幕したことに合わせ、記者会見を開いた。
北朝鮮軍がロシアに入国し、ロシア側でウクライナ侵略に参戦する可能性があるとする情報の真偽に関する質問に対し、
「私たち(露朝)が何をどうするかは私たちの問題だ」
と述べ、明確に否定しなかった。
「北朝鮮軍の露入国が衛星写真で確認されている」
「紛争の激化ではないか」
とする米メディアの質問に答えた。
プーチン氏は、ロシアが対ウクライナ軍事作戦を始める以前から、北大西洋条約機構(NATO)諸国がウクライナを
「武装化」
してきたと指摘。
現在の戦場でもNATOの軍人がウクライナに供与した兵器の運用に携わるなど
「(紛争に)直接参加している」
とし、
「紛争を激化させてきたのは欧米側だ」
と主張した。
その上で、露朝が事実上の軍事同盟条約となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだことに言及。
条約に基づき露朝は連絡を取り合い、行動していくとした。
会見でプーチン氏は、BRICSの拡大を視野に
「パートナー国」
資格の新設を支持したことにも言及。
パートナー国候補のリストは合意済みだとし、今後、各国に招待状を送り、同意を得た上で公表するとした。
ロシア側はパートナー国候補を
「13カ国」
だと説明。
一部メディアは、
トルコ▽インドネシア▽アルジェリア▽ベラルーシ▽キューバ▽ボリビア▽マレーシア▽ウズベキスタン▽カザフスタン▽タイ▽ベトナム▽ナイジェリア▽ウガンダ
だと報じている。

訓練終えた北朝鮮部隊がロシア西部クルスク州に到着 プーチン氏、派兵否定せず
2024/10/25 6:44
https://www.sankei.com/article/20241025-FNEQQCKYSZPHLNIM736AMAB5IY/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、ロシア東部で訓練を終えた北朝鮮軍部隊が、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
プーチン大統領はロシア中部カザンでの記者会見で、北朝鮮の派兵について問われ、否定しなかった。
プーチン氏は会見で、衛星画像などを根拠に韓国や米国が北朝鮮兵士がロシアに派遣されたと主張していることに関して
「画像というのは重要なものだ」
「何かを反映している」
と述べた。
ロ朝両首脳は2024年6月、有事の軍事援助を定めた包括的戦略パートナーシップ条約に署名。
プーチン氏は、条約に基づき
「北朝鮮指導部が真剣に対応していることを疑ったことがない」
と強調した。
武力侵攻を受け戦争状態になった場合の軍事援助を明記した条約第4条に言及し
「この条文の枠内で何をどのようにするかは我々の問題だ」
と指摘した。

北朝鮮部隊がロシア西部クルクス州に到着、ウクライナ国防省が発表 人数は不明
2024/10/25 1:24
https://www.sankei.com/article/20241025-5WIUQXNGC5IWJDG7TI2KD5BYBA/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、北朝鮮の軍部隊が同日までにロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
一方、米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、西部に向かった約2000人はクルスク州か、同じくウクライナ国境に接するロストフ州に向かっている可能性がある。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
先遣隊は士官ら約10人で構成。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。
2000人の到着は確認されていない。(共同)

北朝鮮派兵に懐疑的 ロシア同盟国のベラルーシ大統領「プーチン氏の性格知っている」
2024/10/24 21:25
https://www.sankei.com/article/20241024-FBDJDU75E5IMFLFCYVGGUAOB2U/
英BBC放送は2024年10月24日までに、ロシアの同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領のインタビューを伝えた。
北朝鮮の兵士がウクライナ侵攻を続けるロシアに派遣されたとの情報について
「プーチン大統領の性格を知っているが、彼は如何なる国の軍隊にも特別軍事作戦に引きこむような説得を決してしない」
と述べ、懐疑的な見方を示した。
2024年10月23日に滞在先のロシア中部カザンで答えた。
一方で北朝鮮兵が実際にロシアに派遣されていれば
「それはエスカレーションへの一歩だ」
と指摘した。
ルカシェンコ氏はベラルーシに対しては、プーチン氏だけでなくショイグ前国防相もベロウソフ国防相も、侵攻支援のためにベラルーシ軍を派遣するように要請したことはないと語った。(共同)

ウクライナ、露派兵の北朝鮮兵に動画で投降呼びかけ 「意味なく死んではいけない」
2024/10/24 21:17
https://www.sankei.com/article/20241024-TC2LFFARWBJJ3BJLOXXI5CLEYU/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、早くも朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味もなく死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が写り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮兵にも対象を拡大し、準備を進める。
ウクライナ軍筋によると、ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動。
米政府も少なくとも3000人の北朝鮮兵が、ロシアで訓練を受けていると発表している。(共同)

北朝鮮兵2000人がロシア西部へ 先遣隊準備とウクライナ軍 東部で訓練、米国が確認
2024/10/24 19:56
https://www.sankei.com/article/20241024-DLZLPODWYBPHBH5OETPSGBXILA/
ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動していることが2024年10月24日、分かった。
ウクライナ軍筋が共同通信に明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州には2024年10月初め頃、北朝鮮軍の士官らが先遣隊として入り、受け入れ準備を進めていることも判明した。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
約2000人はクルスク州かロシア南部ロストフ州に向かっている可能性がある。
米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、先遣隊は士官ら約10人で構成されている。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。(共同)

米、北朝鮮の約3000人派兵確認 ロシア東部基地で訓練後参戦へ 「インド太平洋情勢に影響」懸念
2024/10/24 8:18
https://www.sankei.com/article/20241024-JBJ67JKKNVK7VIM3YZ3YIDKNFE/
バイデン米政権は2024年10月23日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵略を支援するためロシアに約3000人の部隊を派兵したとの調査結果を明らかにした。
部隊は露東部の基地で訓練を受けているとし、兵力の消耗が激しい露軍の補充として戦線に投入されるとみている。
インド太平洋地域の安全保障に影響が生じる可能性もあるとみて、同盟諸国と監視を強化する構えだ。
ウクライナの最大支援国の米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国などと、北朝鮮参戦の実態把握を続ける。
韓国情報機関の国家情報院も2024年10月23日、朝鮮人民軍3000人規模が派兵されたと明らかにした。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、北朝鮮の部隊約3000人が2024年10月中旬に北朝鮮の元山から露極東ウラジオストクに船で輸送され、戦闘訓練を受けていると指摘。
訓練が終了すれば露西部に移動しウクライナ軍との戦闘に参戦する可能性があると述べた。
カービー氏はまた、北朝鮮の派兵は2022年2月にロシアが開始したウクライナ侵略の
「劇的な変化だ」
と指摘。
同盟諸国と対応を協議し、今後更なる情報開示を行うと共に、制裁を含む対抗措置を明らかにすると述べた。
カービー氏は更に、北朝鮮の参戦は、戦場における露軍の激しい兵力損失と、それに伴う北朝鮮との軍事協力の進展を明示していると指摘。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が実際に流血の伴う兵力提供に応じたことで、ロシアから軍事上の見返りを得る可能性があるとし、ウクライナ情勢に加え
「インド太平洋地域に安全保障上の影響が生じる」
との懸念を示した。

ロシアの北朝鮮兵に投降呼びかけ ウクライナ、朝鮮語で動画
2024/10/24 7:04
https://www.sankei.com/article/20241024-2RKSKSE6OBJPLK4S22GXV57GME/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味も無く死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が映り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮の派兵を巡っては、ウクライナや韓国、米国がロシアへの移動を確認。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、今月2024年10月上〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人がロシアの複数の軍事施設で訓練を受けているとの分析を表明した。
訓練後、戦地に向かう可能性がある。(共同)

北朝鮮のロシア派兵、米国も確認 国防長官「証拠ある」 実態把握急ぐ
2024/10/23 21:48
https://www.sankei.com/article/20241023-SW4E4LOS7BLCHMGFGDQZRTOFDY/
オースティン米国防長官は2024年10月23日、北朝鮮がロシアによるウクライナへの侵略を支援するためロシアへ地上部隊を派兵した
「証拠がある」
と述べた。
バイデン政権は同盟諸国と共に、北朝鮮軍の派兵の事実関係を調査しており、米政府として北朝鮮の参戦を認めたのは初めて。
ロイター通信によると、オースティン氏は訪問先のイタリア・ローマで記者団に対し
「北朝鮮の部隊がロシアにいる証拠がある」
と述べ、派兵の具体的な目的や行動について情報を精査する必要性を強調した。
米政府は、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国、韓国の情報機関などと協議し、北朝鮮の派兵の実態の把握を急いでいる。
カービー大統領補佐官は2024年10月21日、
「事実であれば極めて憂慮すべき事態」
として、近日中に調査内容を明らかにする計画があると述べた。

ロシア入りした北朝鮮兵力3千人に 韓国情報機関分析「戦線投入時は多数の死傷者」
2024/10/23 19:34
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月23日、ウクライナへの侵略戦争に参戦するため、ロシア入りした北朝鮮の朝鮮人民軍の兵力が計3000人余りになったとの情報を明らかにした。
趙太庸(チョ・テヨン)国情院長から報告を受けた与野党議員が記者団に発表した。
国情院は、2024年12月頃には北朝鮮からの派兵総数が1万余りに達するとの見通しを示した。
国情院は2024年10月18日、特殊部隊の将兵ら約1500人が2024年10月8〜13日に露海軍の艦艇で露極東地域に移ったと発表していた。
新たに約1500人のロシア入りが確認された。
将兵らはロシア内の複数の施設に分かれて適応訓練を受けており、現段階ではまだ戦線に投入されていないと国情院はみている。
北朝鮮の兵士らは士気が高く、体力に長じているが、無人機攻撃など現代戦に対する理解が不足し、戦線投入時には死傷者が多数出るとの露側教官の見方も報告した。
北朝鮮国内では今回の派兵に関して厳しい情報統制を敷いているが、噂も広がり始めているという。
派兵部隊に選抜された兵士らの家族を通じて情報が拡散しないよう、家族らを隔離する動きもあるという。
露朝は2024年6月に有事の際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に両国首脳が署名した後、派兵を巡る具体的協議に入ったと国情院は分析している。

北朝鮮兵のロシア支援、訓練情報把握 ゼレンスキー氏
2024/10/23 8:26
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。
ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/photo/JBT5PMCH6NNBLJOECUZ7E65XRM/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月22日の声明で、北朝鮮によるロシア支援の派兵を巡り、大規模な訓練が既に始まっているとの情報をウクライナ側が持っていると明らかにした。
声明で、各国が北朝鮮を非難していることに謝意を示し
「言葉だけではない具体的な対応」
も求めた。
「北朝鮮が欧州の戦争に介入できるのであれば、北朝鮮に対する圧力は不十分だ」
と訴えた。(共同)

北の露派兵 同盟諸国と事実関係を協議 露軍犠牲1日1200人超との概算も 米補佐官
2024/10/22 11:48
https://www.sankei.com/article/20241022-ACC7VAVO2JPRJFDUXHSMWE3RK4/
カービー米大統領補佐官は2024年10月21日の記者会見で、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアに地上部隊を派兵したとされる問題で、事実関係を調査するため同盟諸国と協議していると明らかにした。
近日中にも調査内容を公表する計画があるとも述べた。
北朝鮮のロシア派兵は欧米メディアが相次ぎ報道し、ウクライナのゼレンスキー大統領が議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と明言。
韓国の情報機関、国家情報院も、特殊部隊がロシアに派兵されたとの情報を明らかにした。
カービー補佐官は協議中の国名に触れなかったが、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に加え、北朝鮮の軍動向を監視する韓国とも情報を精査している可能性がある。
派兵規模は最終的に数千人から1万人超に上るとの見方がある。
カービー氏は
「侵略への参戦を目的とした北朝鮮のロシア派兵が事実であれば、危険かつ極めて憂慮すべき事態だ」
とし、同盟諸国と実態把握に務めていると述べた。
カービー氏はまた、ウクライナでの露軍の死傷者数が
「1日当たり1200人超」
に上るとの概算を示し、
「歴史的な数だ」
と指摘。
ロシアが国際社会で孤立し、戦場での犠牲も増加していることが、北朝鮮やイランなどとの軍事協力を急速に強める背景との見解を示した。
ロシアに対しイランは大量の無人機を、北朝鮮は弾道ミサイルや砲弾をそれぞれ供与している。

北朝鮮派兵に懸念相次ぐ 安保理、ロシア「恐怖をあおるデマだ」と否定
2024/10/22 8:31
https://www.sankei.com/article/20241022-ZLLQUCW3JFPFVMMRS5RTZUHTQQ/
国連安全保障理事会は21日、ロシアによるウクライナ侵攻を協議する緊急会合を開いた。
韓国やウクライナは北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと指摘し、米国や日本などは派兵情報への懸念を表明。
ロシアは
「恐怖を煽るデマだ」
と否定した。
韓国の黄浚局国連大使は、ロシアに派兵した北朝鮮は
「積極的な交戦国」
だと非難。
ウクライナのキスリツァ国連大使は
「ロシア東部で約1万1千人の北朝鮮兵が訓練を受けている」
とし、2024年11月1日までに実戦投入される見通しだと主張した。
ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は絶対に受け入れられないと強調。
劣勢のウクライナが
「ロシアとNATOの直接対決を引き起こそうとしている」
と訴えた。(共同)

NATOと韓国が北朝鮮の露派兵で連携へ 韓国は露大使呼び抗議
2024/10/21 20:10
https://www.sankei.com/article/20241021-6E2WNCGOJJMODOCRUOB5WJ4CNU/
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月21日、電話で会談し、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が部隊を派兵したとされる問題を巡り意見交換した。
ルッテ氏は、派兵は国際法と国連安全保障理事会決議に反するとして、深刻な懸念を表明した。
韓国大統領府が発表した。
尹氏は、北朝鮮が派兵した特殊部隊約1500人がロシアで適応訓練を受けているといった詳細情報を説明。
露朝の軍事協力は
「国際秩序を根本的に揺るがし、朝鮮半島や世界の平和をも脅かしており、決して座視しない」
と強調した。
両氏は詳細な情報を共有するため、韓国がNATOに代表団を派遣するなど連携を強化することで合意した。
韓国政府は2024年10月18日に情報機関を通じて派兵について発表したが、直後にルッテ氏は
「証拠は確認できない」
と述べていた。
尹氏の説明を受け、派兵に関して確信を強めたとみられる。
一方、韓国外務省は2024年10月21日、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼び、北朝鮮の派兵を厳しく非難し、朝鮮人民軍の即時撤退と軍事協力の中止を強く求めた。
露大使館によると、ジノビエフ氏は
「露朝間の協力は国際法の枠内で行われ、韓国の安保の利益に反するものではない」
と反論した。
韓国政府が露朝への対応策を検討する中、これまで控えてきたウクライナへの殺傷兵器の提供に踏み切るのか注目されている。

北朝鮮兵映像「本物と確認した」 ウクライナ、ロシア軍人が撮影と説明
2024/10/21 18:05
https://www.sankei.com/article/20241021-FXFX3RKAZZMOHHYATLPFKHN2KM/
北朝鮮兵の姿がロシア軍施設で確認されたとの映像を公開したウクライナ文化情報省傘下機関トップのイゴル・ソロベイ氏は2024年12月20日、映像について
「現場にいたロシア軍兵士が撮影した」
「信頼できる情報源から入手した」
と述べた。
北朝鮮がウクライナ侵攻に
「参戦」
した証拠になるとの見方を示し
「公開情報オシントを活用して本物と確認した」
と主張した。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
ソロベイ氏は文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターの所長。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと分析している。
ただ、オースティン米国防長官は2024年10月19日の記者会見で
「現時点で確認できていない」
「調査を続ける」
「事実なら深刻だ」
と述べるにとどめた。
同センターは2024年10月18日、ロシア極東の軍事施設で北朝鮮兵士が装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。(共同)

ロシア国境付近で北朝鮮兵士18人集団脱走 派遣兵か 韓国紙報道
毎日新聞
2024/10/16 13:28(最終更新 10/16 18:20)
https://mainichi.jp/articles/20241016/k00/00m/030/058000c
韓国紙の朝鮮日報は2024年10月16日、ウクライナ軍高官の話として、ロシア西部ブリャンスク、クルスク両州のウクライナとの国境付近で、北朝鮮軍兵士18人が集団脱走したと報じた。
ウクライナ軍は、脱走したのは北朝鮮が対露軍事協力の一環で派遣した兵士らで、まだ拘束されていないとみているという。
露朝両国は2024年6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結。
軍事協力を進展させる可能性が指摘されていた。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相は2024年10月8日、
「(北朝鮮が対露協力のため)正規軍をウクライナに派遣する可能性が高い」
との見方を示した。
北朝鮮の派兵を巡っては、露政府は否定しているが、ウクライナ側からの情報発信が相次いでいる。
米紙ワシントン・ポストは2024年10月11日、ウクライナ軍関係者の証言として
「数千人規模の北朝鮮の歩兵部隊が露国内で訓練を受けている」
と伝えた。
2024年年末までに前線に配置される可能性があるという。
また、ウクライナメディアは2024年10月上旬、東部ドネツク州の露側占領地域で、北朝鮮軍の将校6人がウクライナのミサイル攻撃で死亡したと報じた。
米CNNは、北朝鮮がロシアに兵器を供給していることから、これらの兵器に関する工学的な支援や情報交換のために兵士が派遣されたとの情報を伝えている。【ソウル日下部元美】

北朝鮮のロシア派兵に「明確な証拠」ゼレンスキー大統領 米は「調査を継続」
2024/10/21 7:08
https://www.sankei.com/article/20241021-HLVLS35425OXTKCTRMZPIFCSR4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日の声明で、北朝鮮がロシアに兵士を派遣している「明確な証拠」があるとして、北朝鮮がウクライナ侵攻に「参戦」していると改めて主張した。衛星情報やロシアからの映像が証拠だとしており、各国に対抗措置を取るよう訴えた。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮が派兵を始めたと分析している。ただ米国のオースティン国防長官は19日の記者会見で「現時点で確認できていない。調査を継続する。事実だとすれば深刻だ」と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は声明で「北朝鮮が現代の戦争の特徴を学び始めれば、脅威が大きく増すだろう」と指摘。「世界が沈黙を続け、われわれが北朝鮮兵士と前線で対峙することになれば、世界の誰の得にもならないし、戦争が長期化するだけだ」と主張した。
ウクライナ文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターは18日、ロシア極東の軍事関連施設で北朝鮮の兵士らが装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。20日には、ロシア軍が軍服や靴などのサイズを質問する朝鮮語の調査票を用意していたと明らかにした。(共同)

ウクライナ、東部の集落奪還と発表 北朝鮮軍は越境攻撃下の露西部クルスク州に投入か
2024/10/19 8:54
https://www.sankei.com/article/20241019-FS6BVMUHLNIQLAVF2Z4KHHBB3E/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月18日、同国軍が東部ハリコフ州の集落クルグリャコフカを露軍から奪還したと発表した。
ウクライナメディアが伝えた。
クルグリャコフカは露軍が制圧を狙う同州の都市クピャンスク方面に位置している。
東部では戦力に勝る露軍が徐々に前進しているが、ウクライナも反撃を試みているもようだ。
一方、ロシア側での参戦を決めた北朝鮮が軍の人員をロシアに派遣したとされる問題で、ウクライナメディアは2024年10月18日、同国軍情報当局筋の話として、北朝鮮軍がハバロフスクやウラジオストクなど露極東の4都市で実戦投入に向けた訓練を受けていると報じた。
米軍事メディア「ウォーゾーン」によると、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の規模を
「1万1000人」
だと指摘。
ブダノフ氏はまた、北朝鮮軍が2024年11月1日までに訓練を完了し、うち2600人がウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州に投入される見通しだと明らかにした。

プーチン氏、G20首脳会議の欠席表明 ICC逮捕状巡る「混乱回避」理由に
2024/10/19 8:44
https://www.sankei.com/article/20241019-4D6CGK3STRK2BNVZD7LVNPUVUQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月18日、2024年11月にブラジルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に欠席すると表明した。
理由に関し、ウクライナ侵略を巡る戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)が自身に逮捕状を出していることに言及。
「私が行けば、G20の議論はそれ(逮捕問題)ばかりになってしまう」
とし、自身の出席により首脳会議が混乱する事態を防ぐための決定だと主張した。
今月2024年10月22〜24日に露中部カザンで開かれる主要新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議に先立つBRICS諸国の報道機関との会見で発言した。
ICC加盟国のブラジルには、プーチン氏が入国した場合、逮捕する義務が生じる。
一方でプーチン氏は
「逮捕を回避することは簡単だ」
「(逮捕しないという)政府間合意を結ぶだけだ」
とも指摘。
逮捕を懸念した欠席ではないと強調した。
プーチン氏はウクライナ情勢にも言及。
将来的な停戦について
「1年間や2年間の停戦であるべきではない」
「その間に北大西洋条約機構(NATO)が兵器を蓄え、(ウクライナに)移転するためだ」
と述べた。
その上で
「長期的で持続可能な平和」
の実現に向けて
「ロシアは戦い続け、勝利する」
と主張した。
プーチン氏はウクライナの
「中立化」
「非軍事化」
といった目標を達成するまで軍事作戦を継続する意思を改めて示した形だ。

「現段階で確認できない」NATO事務総長、ウクライナへの北朝鮮派兵報道で
2024/10/18 22:56
https://www.sankei.com/article/20241018-OZTEJIQNSRIOTGHKQN5MCDZD3M/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月18日
「北朝鮮人が兵士としてウクライナでの戦争に参加しているという報道について現段階では確認できていない」
と述べた。
ブリュッセルで記者団に語った。
ルッテ氏は、NATOが韓国などと緊密に連絡を取り合っており
「この見解は変わる可能性がある」
と指摘し、動向を注視する考えを示した。(共同)

北朝鮮がウクライナ侵攻「参戦」 軍特殊部隊1500人露極東入り 韓国情報機関
2024/10/18 22:29
https://www.sankei.com/article/20241018-TSZJ7GK24NIBZE7OJV4PBVC3A4/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月18日、北朝鮮がウクライナ侵略を続けるロシアを支援するため、朝鮮人民軍の大規模派兵を決め、既に第1陣約1500人が露極東地域に入ったとの情報を明らかにした。
韓国当局は、北朝鮮が参戦を始めたと判断した。
聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮による地上軍の大規模な海外派兵は初めてとされ、ウクライナの戦局にも影響を与える可能性がある。
派兵されたのは、軍特殊作戦部隊である
「第11軍団」
所属の将兵で、近く第2陣の兵員輸送も行われる見通し。
第11軍団は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭部隊。
最終的に4個旅団計約1万2000人規模の兵力がウクライナの戦場に投入されると予想されている。
北朝鮮が日米韓への敵対姿勢を強める中、軍の特殊部隊が戦場で実戦経験を積むことになれば、日韓の安全保障情勢にも影響を及ぼしかねない。
国情院によると、第1陣は今月2024年10月8日〜13日に北朝鮮北東部の清津(チョンジン)や東部、咸興(ハムフン)付近の地域から露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻に乗船し、露極東ウラジオストクに移った。
ウラジオストクの他、ウスリスクやハバロフスクなど極東地域の複数の拠点に駐留。
訓練を終え次第、戦地に送られる模様だ。
北朝鮮の兵士らはロシア人兵士を装うため、ロシアの軍服やロシア製武器、シベリア地域の住民を装う偽身分証も受け取ったとされる。

来年日本で地雷国際会議 ウクライナの除去支援
2024/10/18 19:53
https://www.sankei.com/article/20241018-OZWVQFXBP5ONXEFBSXUIO4AOLY/
スイス西部ローザンヌで2024年10月17日、ウクライナの地雷除去に関する国際会議が開かれ、日本から参加した柘植芳文外務副大臣は来年に日本で同会議を開催すると発表した。
会議には60以上の国・国際機関が参加した。
ウクライナのシュミハリ首相は、国土のおよそ4分の1に地雷や不発弾が埋まっている可能性がある状況に触れ
「地雷除去の分野で支援を強めてほしい」
と訴えた。
柘植氏はスイスやウクライナとの共同記者会見で
「人道支援の効果を最大化させる」
と話し、地雷探知機の供与や専門家育成での協力を強化する考えを示した。(共同)

北朝鮮が特殊部隊など1万2千人派兵決定、移動開始 韓国情報機関
2024/10/18 19:26
https://www.sankei.com/article/20241018-I4KDNLXG6NJSFBPACPPKTFGGDU/
韓国の情報機関、国家情報院は2024年10月18日、北朝鮮が最近、ロシアを支援するため、朝鮮人民軍の特殊部隊など4個旅団計約1万2000人規模の兵力をウクライナの戦場へ派兵することを決定したとの情報を明らかにした。
複数の韓国メディアが伝えた。
既に兵力の移動を開始しているとしている。
北朝鮮とロシアは2024年6月に実質的な軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結し、軍事的協力を急速に深めている。

フランス新型自爆ドローン開発 ウクライナへ「数週間内」に供与
2024/10/18 16:54
https://www.sankei.com/article/20241018-FZR2MHE7JZJSTATRUWAXLCFRXE/
フランス政府が、新開発の自爆ドローン(無人機)をウクライナに近く供与すると発表した。
ルコルニュ国防相が2024年10月16日にX(旧ツイッター)で、
「弾薬を乗せて遠隔操縦できる『カミカゼ・ドローン』第1号の試験に成功した」
と書き込み、
「今後、数週間以内」
に仏軍とウクライナに納入されると明かした。
仏紙フィガロによると、この自爆ドローンは45分間自律飛行でき、5キロ先の標的を攻撃できる。
1機当たりの価格は2万ユーロ(約325万円)以下という。
仏国防省は今年2024年3月、自爆ドローン2000機を発注し、このうち100機をウクライナに供与すると表明していた。

ノルウェー、近くF16戦闘機6機をウクライナに供与 欧米、「戦勝計画」に慎重姿勢
2024/10/18 11:26
https://www.sankei.com/article/20241018-PC7XFHL6KRPOVMJEANBJPE4NFA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は2024年10月17日、ベルギー・ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合でノルウェーのグラム国防相と会談した。
会談後、ウメロフ氏はSNSを通じ、ノルウェーから
「近い将来」
に6機の米国製戦闘機F16がウクライナに供与されると発表した。
ウクライナへのF16供与はこれで、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェーの4カ国が表明。
既に少なくとも6機が供与されたとされるが、ウクライナは2024年8月、1機が任務中に墜落したと公表した。
ノルウェーからのF16供与が実現すれば、ウクライナの防空力の向上が見込まれる。
ウクライナメディアによると、F16は2028年までに約80機が同国に供与される予定。
供与は段階的に行われ、2024年今年中に24機、25年末までに40〜50機程度となる見通しだとしている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議とNATO国防相会合に出席し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明した。
計画は、NATOがウクライナの加盟に向けた手続きを即座に開始することや、欧米製の長距離ミサイルによる露国内攻撃の解禁などを含んでいる。
ただ、ロイター通信によると、EUとNATOはウクライナ支援の継続を約束する一方、即座のNATO加盟手続きの開始には慎重姿勢を維持した。
ゼレンスキー氏は
「仮に計画への支持が得られなくとも、ウクライナはロシアの侵略と戦い続ける」
と表明した。
戦勝計画について、ペスコフ露大統領報道官は同日、
「狙いはNATOを紛争に公式に引き込むことであり、ロシアとNATOの直接衝突を招く」
と警告した。

「ウクライナは負ける」とトランプ氏 ゼレンスキー氏は「最も偉大なセールスマン」
2024/10/18 11:24
https://www.sankei.com/article/20241018-TLAV2B7UW5JTDITXSV3CT33IB4/
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は17日放送のポッドキャスト番組のインタビューで、ロシアが侵略するウクライナのゼレンスキー大統領について
「戦争を始めるべきではなかった」
「負け戦だ」
と批判した。
ロシアが侵略を始めたことを否定する発言とも受け取れ、民主党候補のハリス副大統領陣営が反発を強めるとみられる。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を指導者として高く評価しており、2021年の離任後にも対話したと報じられている。
侵略を正当化するプーチン氏寄りの姿勢が顕著で、ウクライナを支援する欧州の米同盟国に動揺が広がりそうだ。
ウクライナへの軍事支援に消極的なトランプ氏はゼレンスキー氏について
「最も偉大なセールスマンだ」
「米国に来る度、我々が1000億ドル(約15兆円)を与えている」
と誇張して皮肉る一方
「ウクライナ人を気の毒に思う」
「彼を助けたくないと言っているわけではない」
とも述べた。(共同)

中露を念頭、現状変更に反対 中谷防衛相、NATO会合で連携強化を呼びかけ
2024/10/18 10:04
https://www.sankei.com/article/20241018-FUE3PW4CSZPQ3OS5AGCXDFJ7IQ/
中谷元・防衛相は17日(日本時間同)、北大西洋条約機構(NATO)とインド太平洋地域のパートナー国との国防相会合に初めて出席した。
中国やロシアを念頭に、力による現状変更の試みに反対し、対抗するための連携強化を呼び掛けた。
「厳しい国際情勢だからこそ、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とNATOの協力が重要だ」
と述べた。
ロシアのウクライナ侵略を
「国連憲章の原則が踏みにじられた暴挙だ」
と非難。
日本は引き続きウクライナ支援を続けるとして、自衛隊車両を追加提供する考えを示した。
ウクライナのウメロフ国防相との会談でもこうした方針を伝えた。
会合では
「インド太平洋地域でも力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されている」
と述べ、中国軍が2024年10月14日に台湾を包囲する形で実施した軍事演習に言及した。(共同)

NATO国防相会合、ウクライナの加盟で温度差 ゼレンスキー氏の戦勝計画、多難な前途
2024/10/18 9:59
https://www.sankei.com/article/20241018-RVHP6SP63VJIPLKL7CSR6QGYKU/
ブリュッセルで2024年10月18日まで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、ロシアに侵略されたウクライナへの
「揺るぎない支援」
が改めて打ち出されたのとは裏腹に、ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日公表の対露戦争計画で求めた
「NATOへの即時無条件加盟への招待」
を巡る加盟国間の温度差が目立ち、前途の多難さを印象付けた。
2024年10月1日に事務総長に就任し、今回初めてNATO会合を主催するルッテ氏は2024年10月17日、
「ウクライナをこれまで以上にNATOに近づける」
と述べるとともに、加盟が実現するまでは、ウクライナの勝利を確実にするため
「あらゆる手立てを講じ続ける」
と強調した。
会合では、初参加のオーストラリアが退役を控えた豪陸軍のM1エーブラムス戦車49両をウクライナに供与すると表明した。
また、加盟国が年間400億ユーロ(6兆5100億円)規模の対ウクライナ軍事支援を続けていくとの目標について、達成されるとの見通しが示された。
一方、ウクライナのNATO加盟を巡っては、エストニアのペブクル国防相やラトビアのスプルーズ国防相が、ゼレンスキー氏の戦勝計画を支持する立場からウクライナのNATO加盟実現を早急に具体化させるべきだと表明した。
ゼレンスキー氏は2024年10月17日、NATO会合に先立ちブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で演説し、ウクライナのNATO加盟も含めて戦勝計画を今から実行に移せば
「戦争は遅くとも2025年までに終結する」
と主張した。
NATOは2024年7月に米ワシントンで開いた首脳会議で
「ウクライナのNATO加盟は不可逆的だ」
とし、将来のNATO加盟を確約している。
ただし、加盟に向けた実質的な動きは出ていない。
加盟国の間では、NATOの中心国である米国で2024年11月に実施される大統領選の行方を見極めたいとの思惑が強い。
加えて米国とドイツは、現時点でウクライナを加盟させればロシアが反発し、核兵器使用の恐れも含めて戦火が拡大しかねないとの懸念から
「ウクライナの加盟は戦争終結後であるべきだ」
と他の加盟国を説得しているという。
ウクライナが加盟するにしても、他国からの攻撃をNATO全体への攻撃と見なすNATO条約第5条の適用範囲を明確化させるため、ウクライナとロシアとの国境または境界線が明確に確定されていることが加盟の前提となるなど、加盟実現へのハードルは尚高いのが実情だ。

米、攻撃用無人機生産で中国企業に制裁 ウクライナ侵略でロシアが使用
2024/10/18 8:52
https://www.sankei.com/article/20241018-KEX2TZTNYNO5JM5PLNDBZN6L3U/
米財務省は2024年10月17日、ロシアがウクライナ侵略で使用する長距離の攻撃用無人機の生産に関与したとして、中国などに拠点を置く3企業と1個人に制裁を科した。
米国内の資産が凍結される。
ロシアに武器を直接供給する中国企業が制裁対象となるのは初めてとしている。
ミラー国務省報道官は声明で、ロシア企業の協力の下、中国で生産された無人機がウクライナで重要インフラの破壊や多数の負傷者を生み出していると指摘。
「ロシアに対する軍事的支援には引き続き代償を負わせる」
と警告した。
財務省によると、今回制裁対象となった企業は無人機のエンジン生産に加え、今年2024年初めから無人機の部品となる電子機器の輸出にも関わっていた。
米政権高官らは、中国最高指導部がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。(共同)

北朝鮮部隊1万人派遣準備 ゼレンスキー氏、露との連携に懸念 NATO国防相会合閉幕へ
2024/10/18 7:56
https://www.sankei.com/article/20241018-AKLNYDTKORI65D3SZWD7XFDSI4/
ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は2024年10月18日、ロシアに侵略されたウクライナに対する軍事支援の強化と、ウクライナの将来的なNATO加盟を確認して閉幕する。
2024年10月17日のウクライナ関連会合に出席した同国のゼレンスキー大統領は記者会見で、ウクライナ領内に北朝鮮軍の要員が送り込まれていると指摘し、ウクライナ戦争でのロシアと北朝鮮の連携に強い懸念を示した。
ゼレンスキー氏はウクライナの情報機関が入手した情報として
「北朝鮮がウクライナ領内の露支配地域に戦術要員と将校を送り込んだ」
と述べた。
また、北朝鮮が総勢1万人規模の部隊をロシアとウクライナの露占領地域に派遣する準備を進めているとした。
記者会見に同席したNATOのルッテ事務総長は
「北朝鮮の兵士が(ウクライナでの)戦闘に関与している証拠はない」
と述べる一方で、北朝鮮がロシアにミサイルなどの兵器や機器の供与といった多様な支援を展開しており
「非常に懸念している」
と語った。
ルッテ氏はまた
「中国はロシアの対ウクライナ戦争の決定的な支援者と化した」
と批判。
2024年10月17日の会合に中谷元・防衛相ら日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が出席したのを踏まえ、NATO加盟国とインド太平洋地域のパートナー諸国が対中国を含めた幅広い分野で連携を深めていくべきだと強調した。
ルッテ氏は4カ国を交えた会合は
「意義深かった」
とし、防衛産業の生産能力強化、偽情報工作を駆使したハイブリッド戦争への対応、サイバー攻撃対策で協力強化を図るとした。
ゼレンスキー氏は日本からの支援に関し
「日本は本当に力強い相棒だ」
「日本がいなければ生き残れなかった」
と謝意を表明した。

<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ
社説
2024/10/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20241018-7IRDVZ74WBLD7KQSOTUO4KCUJA/
ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日、最高会議(国会)の演説で
「ロシアによる侵略に北朝鮮が参戦している」
と明言した。
2024年10月13日の声明でも
「(北朝鮮からロシアへ)もはや武器だけでなく人が派遣されている」
と指摘していた。
複数のウクライナメディアは、ロシア軍が北朝鮮人で作る3000人規模の部隊を編成し、国境地帯に配備したと報じた。
北朝鮮兵1万人がロシアに派遣されたとの報道もある。
北朝鮮は弾道ミサイルや数百万発の砲弾をロシアに輸出し、ウクライナの戦場で使用されている。
ロシアは否定するが、実際に北朝鮮が派兵までしたのであれば、侵略への加担どころか侵略者になったことになる。
事実なら明白な国連憲章違反であり許されない。
北朝鮮は直ちに将兵を自国に戻し、武器弾薬の輸出も停止すべきだ。
北朝鮮軍の派遣について、カービー米大統領補佐官は
「露軍は毎日1000人超が死傷するなど大きな困難に直面している」
「その中で出てきた」
との見方を示し、露朝の軍事協力に懸念を表明した。
懸念されるのはウクライナへの侵略激化だけではない。
2024年6月に露朝が結んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
には
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的、またはその他の援助を提供する」
とある。
朝鮮半島有事になれば、ロシア軍の参戦の可能性があるということだ。
北朝鮮は韓国との対決姿勢を強めているが、南北の衝突がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
日本にとって他人事ではない。
青木一彦官房副長官は記者会見でウクライナを巡る露朝軍事協力進展について、ウクライナだけでなく日本周辺の安全保障環境に与える影響の観点から
「深刻に憂慮すべきものだ」
と語った。
だが、石破茂首相や与野党からは危機感の表明や露朝両国への批判はほとんどない。
一体どうしたことか。
どの党も候補者も、日本を守る、国民を守る―と連呼する衆院選の最中であるにもかかわらず、この鈍さは理解に苦しむ。
石破首相は外務、防衛両省に北の派兵の詳細をウクライナ政府に確認するよう指示すべきだ。
その上で関係各国に露朝両国への制裁を呼び掛け、日本自身も急ぎ発動すべきである。

ウクライナ軍前総司令官、早期終戦に否定的 欧米が武器供給せず「勝利の機会失った」
2024/10/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20241017-NWWI25AG4NPKZMFMBAT4R2NSEQ/
ウクライナ軍前総司令官のザルジニー駐英大使が2024年10月17日、ロンドンで講演し
「ロシアとの長期戦から抜け出すのは、ほぼ不可能に思える」
と述べ、早期の戦闘終結に否定的な見解を示した。
欧米が2023年、ウクライナに必要な武器を供給しなかったため、勝利の機会を失ったとも指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月17日の欧州連合(EU)首脳会議で、対ロシア戦の
「勝利計画」
について演説し、計画に今すぐ着手すれば、2025年中に戦闘終結が可能だと主張した。
ザルジニー氏は軍総司令官だった2023年11月に英誌エコノミストが報じたインタビューで、戦闘が
「膠着状態」
にあると発言。
ゼレンスキー氏が
「膠着ではない」
と否定し、両者間の亀裂が指摘された。
ゼレンスキー氏は2024年2月、ザルジニー氏を解任した。(共同)

米、ウクライナのF16要員養成で若手重視に転換 欧米式訓練に柔軟対応も訓練長期化か
2024/10/17 17:02
https://www.sankei.com/article/20241017-NOBKFZHIQJKIXEQNVC6NXHXDKM/
米紙ウォールストリート・ジャーナルは17日、ウクライナ空軍に供与された米国製F16戦闘機の操縦士養成に関し、米国が若手に重点を置く方針に転換したと伝えた。
訓練のためにウクライナを離れることが可能で必要な英語能力がある経験豊富な操縦士の不足が理由。
若手の場合、訓練に時間がかかり、F16による防空態勢の強化が遅れる可能性もある。
ウクライナでは2024年8月下旬にF16が墜落し、ベテラン操縦士が死亡した。
この操縦士は通常数年かかる訓練を6カ月で終えて前線に投入されたばかりだったことから、米国などは訓練の在り方を協議していた。
同紙によると、若手の方が欧米式の訓練に柔軟に対応できるとの意見もあるが、F16の訓練課程に進む前に英国とフランスの施設で1年間の基礎的な飛行訓練を終える必要がある。
方針転換前から、ウクライナ空軍が20機のF16と操縦士40人で構成する飛行隊を配備するには、早くとも来年2025年春までかかる見通しだったという。(共同)

米ウクライナ首脳、対露戦勝計画を協議 米は長射程攻撃で慎重維持、「北派兵」懸念共有か
2024/10/17 8:19
https://www.sankei.com/article/20241017-JYTHWXWJ5NIEVM42XJ6VJ2FSXU/
バイデン米大統領は2024年10月16日、ロシアの侵略が続くウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明した。
ゼレンスキー氏は同日、最高会議(議会)演説で公表した対露戦勝計画を巡る最新状況を説明。
同氏が計画の柱とする米国製長射程兵器による露領内攻撃容認について、米側は慎重姿勢を維持したとみられる。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアに弾道ミサイルなどを供給する北朝鮮が部隊をロシアに派遣したと複数の欧米メディアが報道
ゼレンスキー氏は議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と表明しており、バイデン氏にも懸念を伝えた可能性がある。
米国家安全保障会議(NSC)のサベット報道官は
「ロシアの代わりに戦う北朝鮮兵士に関する報道に憂慮している」
「事実なら、両国の軍事関係の著しい増強を示すことになる」
と述べた。
また、ホワイトハウスは、バイデン氏が2024年10月17〜18日の日程でドイツを訪問、ショルツ首相らとウクライナや中東情勢などを協議すると発表。
2024年11月にはバイデン氏がウクライナ支援国によるオンラインの首脳級会合を主宰するとも明らかにした。
同月2024年11月の米大統領選に向け、現政権のウクライナ支援姿勢を継承する民主党候補ハリス副大統領と、対露交渉による早期停戦を唱える共和党候補トランプ前大統領との接戦が続いている。
一方でイランや北朝鮮、中国がロシアと軍事的連携を強めており、バイデン氏は支援国の首脳らとの協議を通じ、選挙結果にかかわらず、対露戦勝利に必要な支援をウクライナが確保できるよう、危機意識の共有を図るものとみられる。

NATO国防相会議が開幕へ 日韓など4カ国が初参加 ウクライナの「戦勝計画」など協議
2024/10/17 8:18
https://www.sankei.com/article/20241017-4WFOTPTSMRPXHBJIG7FUA4FQRM/
北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合が2024年10月17日、ブリュッセルのNATO本部で2日間の日程で始まる。
2024年10月19日からイタリア南部のナポリで開かれる初の先進7カ国(G7)国防相会合と合わせ、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の推進を確認する。
2024年10月17日の会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。
NATO会合には中谷元防衛相を含め日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が初参加する。
NATOのルッテ事務総長は2024年10月16日の記者会見で、日本など4カ国の国防相との協議では防衛産業分野での協力に関して話し合うとしており、増産が急務となっているウクライナ向けの弾薬の供給拡大に向けた連携や、先端技術協力などが議題に上るとみられる。
ルッテ氏は4カ国との協力について
「次の段階として何をするかを描き出すことが重要だ」
と指摘。
日本との関係では
「日本はウクライナとの強い連帯を打ち出している」
「中国の軍備増強についても共通の懸念を抱いている」
と述べた。
ウクライナを巡る討議では、ゼレンスキー氏が2024年10月16日に初公表したロシアに対する
「戦勝計画」
への対応などが主要議題となる。
ルッテ氏は戦勝計画に関し
「ウクライナのNATOへの即時無条件の招待」
などが盛り込まれていることを念頭に
「計画を全面的に支持するとは言えない」
と語り、慎重姿勢を示した。

ウクライナの対ロシア「勝利計画」に慎重姿勢 NATO事務総長 国防相理事会で議題に
2024/10/17 7:37
https://www.sankei.com/article/20241017-FWBDEPL4BZIMJEDZUK32CECGOE/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領が公表した対ロシア戦争の
「勝利計画」
について
「私は計画全体を支持しているとは言えない」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
ブリュッセルで記者会見した。
勝利計画は、ウクライナのNATO加盟交渉に同国を招待することも要求している。
ルッテ氏は
「深く掘り下げ、その背景を理解しなければならない項目が数多くある」
と指摘。
2024年10月17〜18日に開くNATO国防相理事会で
「間違いなく議題に上る」
と述べた。
加盟国が表明したウクライナ軍事支援が今年前半だけで209億ユーロ(約3兆4千億円)に上るとして、来年も400億ユーロ規模の支援を継続するという目標を達成できるとの見通しを示した。(共同)

防衛産業協力を協議へ NATO、日韓豪NZの国防相と 実務的な関係深める狙い
2024/10/17 7:14
https://www.sankei.com/article/20241017-6NXEMG2KVNIK5I75KRYMQRSMJ4/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ブリュッセルで2024年10月17〜18日に開催する国防相理事会に招待した日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相と
「工業生産や技術革新の協力の在り方について協議する」
と明らかにした。
防衛産業分野の協力を進める。
理事会を前に記者会見した。
NATOは2022年から3年連続で4カ国の首脳を招待しているが、国防相理事会に4カ国の国防相を招くのは初めて。
ロシアのウクライナ侵攻を支援する中国に対する懸念を共有するだけでなく、実務的な協力関係を深める狙いがある。
欧州のNATO加盟国はウクライナに対する弾薬などの軍事支援に注力しているが、防衛企業による生産が追い付かず、供給能力不足の克服が課題となっている。(共同)

米、ロシア領長射程攻撃で慎重姿勢を維持 ウクライナ支援の継続を約束
2024/10/17 7:02
https://www.sankei.com/article/20241017-MQKMTR4H5VNN3LEQGWJOG5C544/
ジャンピエール米大統領報道官は2024年10月16日の記者会見で、ウクライナに米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を認めるかどうかについて慎重な姿勢を維持した。
バイデン大統領はゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明。
来年2025年1月の任期切れまで支援を続けると約束した。
米政府はバイデン氏が2024年10月17〜18日にドイツを訪れ、ショルツ首相とウクライナや中東の情勢を協議すると正式に発表した。
2024年10月11月にウクライナ防衛支援に関する首脳級会合をオンラインで主催するとも明らかにした。
ゼレンスキー氏は電話会談に先立ち、対ロシア戦争の
「勝利計画」
を初めて公表し、長射程兵器によるロシア領内への攻撃容認も強く求めた。
ジャンピエール氏は
「米国の方針は変わっていないし、今後も変わらない」
と述べた。
米国は使用容認が戦況を好転させるとの見方に否定的で、ロシアを過度に刺激しかねないと懸念している。(共同)

ゼレンスキー氏、対ロシア戦勝計画を初公表 実現なら「来年中にも終戦」と見通し
2024/10/16 23:28
小野田 雄一の写真
https://www.sankei.com/article/20241016-BQW7TIMJYBL67IRQERZPGMOSGE/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月16日、同国最高会議(議会)で演説し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を公表した。
これまで計画の一部に言及していたが、全体像を明らかにしたのは初めて。
ゼレンスキー氏は、計画を実現して
「ウクライナが今、強くならなければ、ロシアは更に強大化し、外交(による停戦)を永久に放棄するだろう」
と指摘。
一方、計画が実現されれば2025年来年中にも戦争は終結するとの見通しを示した。
ゼレンスキー氏によると、戦勝計画ではウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への即時かつ無条件の招待を求めた。
その他、
▽露西部クルスク州の占領地域の維持
▽再侵略を予防するための欧米諸国と協力した戦略的措置
▽経済力強化
▽欧米が供与した長距離ミサイルによるロシア国内への攻撃の解禁
などが盛り込まれている。
NATOへの招待とは、将来的な加盟の確約を事実上求めたものとみられる。
NATO諸国などとの連携を強化することでロシアに侵略継続を断念させ、停戦交渉の場にロシアを引き出したいウクライナの思惑を示した。
戦勝計画の策定は2024年8月下旬にゼレンスキー氏が発表。
これまでに米国や英国、フランス、ドイツ、イタリアに提示し、関与を求めてきた。
ゼレンスキー氏は今月2024年10月17〜18日にベルギー・ブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議でも計画を説明する。
ただ、ロシアは、停戦にはウクライナがNATO加盟を断念して
「中立化」
することや、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の領有権を放棄することが不可欠だと主張。
戦勝計画が実現する前にウクライナを降伏に追い込む思惑だとみられる。
NATO諸国の間でもウクライナのNATO加盟には慎重論が根強く、戦勝計画の実現可能性は不透明だ。

独ショルツ首相、ロシアのプーチン大統領と協議も 戦争終結へ「あらゆること模索」
2024/10/16 23:20
https://www.sankei.com/article/20241016-7TV3NHHSMFL7XE7AZ4YB4NJNIA/
ドイツのショルツ首相は16日、連邦議会での演説で、ロシアとウクライナの戦争終結に向け、ロシアのプーチン大統領との話し合いに前向きな姿勢を示した。
一方で
「ウクライナの頭越しや同盟国の合意なしに決定が下されることは決してない」
とも強調した。
ショルツ氏は、ウクライナへの支持は明確だとした上で
「戦争がいつまでも続かないようにするために、あらゆることを模索しなければならない時が来た」
と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月11日、ベルリンでショルツ氏に対ロシア戦争の
「勝利計画」
を説明。
欧米の支援を得て軍事的優位を固めてロシアを交渉の席に着かせ、ウクライナ主導で和平を受け入れさせることが狙いだとされる。(共同)

G7初の国防相会合、伊ナポリで19日開催 ウクライナなど紛争多く安全保障面で連携強化
2024/10/16 18:36
https://www.sankei.com/article/20241016-INA6WJQGFRNJHJMJYIWMUMXWOM/
日米欧の先進7カ国(G7)は19日、初の国防相会合をイタリア南部ナポリで開催する。
議長国イタリアによると、ロシアによるウクライナ侵略などの紛争が相次ぐ中、安全保障面での連携強化が目的。
ウクライナの防衛支援や緊張が高まる中東情勢が主要議題となる。
イタリア政府関係者は
「会合を通じて、防衛分野でのG7の結束を示す」
と強調。
ウクライナ支援で防衛産業の生産能力が不足した経験を踏まえ、産業基盤の強化もテーマになる。
ウクライナは砲弾など物量で優位に立つロシア軍に対して劣勢を強いられている。
ゼレンスキー大統領が2024年10月今月、英独仏伊の4カ国を訪問した際、各国はウクライナの防空や防衛産業などへの支援を表明。
今回の会合でも支援継続のメッセージを発信するとみられる。
中東情勢を巡っては、イスラエル軍がレバノン南部に地上侵攻し、駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の施設が攻撃を受けた。
G7として対応を議論する。(共同)

ロシア、北朝鮮人部隊を編成か 3000〜1万人規模 ウクライナ複数メディア報道
2024/10/16 8:26
https://www.sankei.com/article/20241016-GRWSIK5GKJKE3AFD2BYQYFH72I/
ロシアの侵略を受けるウクライナの複数メディアは15日、露軍が北朝鮮人で構成する部隊を編成し、ウクライナとの国境地帯に配備していると報じた。
ウクライナ軍の情報当局筋の話だとしている。
事実であれば、露軍の損耗拡大を背景とした動きの可能性がある。
部隊に配属された北朝鮮人18人が逃亡し、露軍が捜索しているとの情報があるとも報じている。
現地紙ウクラインスカヤ・プラウダによると、北朝鮮人で構成された部隊の名称は
「特別ブリヤート大隊」。
推定3000人規模だとした。
部隊名はロシアのアジア系少数民族、ブリヤート人に由来するとみられる。
ウクライナの英字紙キーウ・インディペンデントは15日、北朝鮮からロシアに
「兵士1万人」
が派遣されたと欧米側外交筋が話したと伝えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、北朝鮮がロシアに兵器を供給するだけでなく、実際の戦闘に人員を関与させていると指摘。
複数の欧米メディアも、北朝鮮がロシアに供給した短距離弾道ミサイルの運用に携わる人員を露軍に派遣している他、
「数千人」
の北朝鮮人が露国内で訓練を受けており、年内にも前線に配備される可能性があると伝えていた。
露朝は今年6月、事実上の軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名するなど、安全保障協力を拡大している。

ウクライナ関係「強力に」 ジェトロ、首都キーウで事務所開所式
2024/10/11 10:57
https://www.sankei.com/article/20241011-DCN75SPATZNWDA4OEZSRY2RW3Y/
日本貿易振興機構(ジェトロ)は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナの首都キーウに事務所を設け、中心部のホテルで開所式を実施した。
日本とウクライナの企業関係者ら約280人が出席。
柴田哲男所長は
「両国のより強力な結び付きの始まりとなる」
と挨拶した。
ウクライナ進出を検討中の日系企業10社も参加。
新しい有機肥料の開発に取り組むスタートアップ企業WAKU(岡山県高梁市)の代表取締役CEO姫野亮佑さんは、ウクライナの農業生産法人と実証実験を進めたい考え。
戦闘が続く中でも
「他の企業が入ってくる前に、できるだけ早く進出したい」
と意気込みを語った。
ウクライナの電力会社の男性社員は
「経済は全ての土台」
「発展するほど勝利に近づける」
と日本の支援に謝意を示した。(共同)

露軍、ウクライナ港湾インフラに3カ月で60回攻撃 副首相「食料危機を引き起こす」と非難
2024/10/11 10:50
https://www.sankei.com/article/20241011-VHYYJBTN6ZKYRC7IKTYSPVSSGM/
ウクライナのクレバ副首相は10日、ロシア軍が直近の3カ月で、ウクライナの港湾インフラを約60回攻撃したと明らかにした。
農業大国ウクライナは黒海を通じた穀物輸出を継続しており、クレバ氏は
「ウクライナの輸出能力を破壊するのが狙いだ」
「食料危機を引き起こす挑発だ」
と非難した。
一連の攻撃で約300の港湾施設、車両177台、船舶22隻が破壊されたという。
港湾作業員や船員ら79人が負傷した。
クレバ氏によると、ウクライナは現在40カ国以上に穀物を輸出している。
輸出先には中国、インドネシア、ベトナムといったアジア諸国のほか、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、トルコ、オランダ、スペインが含まれる。(共同)

ロシアでアフリカ女性ら200人が無人機製造か 虚偽広告で渡航 監視下で従事
2024/10/11 10:30
https://www.sankei.com/article/20241011-HOOZHSP2HJKR5ACPO74MYM3SNI/
AP通信は10日、無料航空券や接客業などの仕事を約束するソーシャルメディアの広告を見てロシアに渡航したアフリカ出身の女性ら約200人が、ウクライナ侵攻で多用される無人機の製造に従事させられていると、当事者の話を引用して報じた。
APによると、女性はウガンダやルワンダ、ケニアなどアフリカ諸国やスリランカの出身で年齢は18〜22歳。
ロシア中部タタルスタン共和国アラブガの経済特区にある工場で、イラン製の無人機
「シャヘド」
の組み立てに1日12時間従事させられているとした。
ロシア人や中央アジア諸国の学生も働いているという。
女性らは職場や寮で常に監視下に置かれ、約束された賃金も支払われていないと訴えている。
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」
によると、ロシアは侵攻継続のため、仕事の内容を十分に説明せず、アフリカやインドから労働者を募集している。(共同)

ゼレンスキー氏が英仏首脳と会談 トランプ氏当選を視野に「勝利計画」への支持取り付けへ
2024/10/11 8:58
https://www.sankei.com/article/20241011-DMYT6OAAQ5JKDDYURBLTJ5ES4Q/
ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は10日、欧州歴訪を開始し、英国とフランスでスターマー英首相、マクロン仏大統領とそれぞれ会談した。
ゼレンスキー氏は歴訪を通じ、各国から軍事支援強化の確約と、戦争終結に向けてウクライナが策定した
「勝利計画」
への支持を取り付けたい考えだ。
英メディアなどによると、ゼレンスキー氏はスターマー氏との会談で、戦勝計画の説明に加え、英国がウクライナに供与した巡航ミサイル
「ストームシャドー」
などの長距離攻撃兵器について露領内に対する使用制限を撤廃するよう改めて要請した。
1日に就任した北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長も会談に同席した。
ルッテ氏が就任後、NATO加盟国を訪れるのは初めて。
ルッテ氏は会談後、記者団に
「ウクライナを支援することは、NATO加盟各国にとって死活的に重要だ」
と訴えた。
戦況については、ロシア軍がウクライナ東部で徐々に前進しており、情勢は
「厳しい」
との認識を示した。
ウクライナによるロシアへの越境攻撃は
「合法的行動だ」
と明言しつつ、長距離兵器の使用制限の緩和の判断は
「供与国次第だ」
と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は英仏に続いてイタリアとドイツも訪問。
11日のショルツ独首相との会談ではドイツが主導する弾薬の増産などが議題となる見通しだ。
ゼレンスキー氏としては投開票まで1カ月を切った米大統領選でウクライナ支援に懐疑的な共和党のトランプ前大統領が当選した場合を想定し、米欧の主要国との間でウクライナ支援の継続と、ロシアに侵略の利得を与えない形での戦争の終結に向けた合意を固めておきたい思惑がある。
トランプ氏は先月27日にニューヨークでゼレンスキー氏と会談した際、
「戦争は終わらせるべきだ」
「私なら直ちに終結させられる」
と戦いの幕引きに前のめりな姿勢を鮮明にしていた。
これに危機感を強めたゼレンスキー氏が今回の歴訪で改めて支持固めに走ったとみられる。
ただ、バイデン米大統領も含め12日にドイツで予定された米英独仏首脳とゼレンスキー氏との会談は、バイデン氏が米南部を襲ったハリケーンの対応のため出席できないとして見送られ、ゼレンスキー氏としては目算が外れた恰好だ。

「領土放棄してNATO加盟」形式の停戦案報道、ゼレンスキー氏が否定
2024/10/11 8:34
https://www.sankei.com/article/20241011-NMFXYW6N3ZMV3KM6YGTNFODFHM/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は10日、被占領地域の実効支配をロシアに認めるのと引き換えにウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟して安全を確保するという形での停戦案が検討されているという一部メディアの報道について、
「停戦に関する如何なる議論も行われていない」
と否定した。
パリで同日行われたフランスのマクロン大統領との会談後の記者会見での発言としてウクライナメディアが伝えた。
欧州歴訪中のゼレンスキー氏は
「私が停戦を協議するために支援国を訪問していると一部メディアが報じているが、事実ではない」
とも述べた。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談で、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明し、支援を改めて要請した。
ゼレンスキー氏は同日、訪仏に先立ち英国も訪問。スターマー英首相に戦勝計画を説明した他、NATO加盟を望むウクライナの立場を改めて伝達した。
英紙フィナンシャル・タイムズなど一部メディアは最近、ウクライナや欧米当局者の間で、ウクライナが被占領地域を事実上放棄するのと引き換えに、NATOがウクライナの安全を保証するという形での停戦案が浮上していると報じていた。
ただ、ウクライナは報道を否定。
ロシアも停戦にはウクライナの
「中立化」
が必要だとし、NATO加盟は容認できないとの立場を示している。
一方、ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は10日、露軍がウクライナ東部ドネツク州の集落3カ所とルガンスク州の集落1カ所を新たに制圧したと伝えた。

ウクライナ最高会議、戦費調達の増税法案可決 財源確保が課題
2024/10/10 21:06
https://www.sankei.com/article/20241010-D2GLGNSM7BMVJEZ4ZWW4CVUHLA/
ウクライナ最高会議(議会)は10日、戦費調達のための増税法案を賛成多数で可決した。
発効にはゼレンスキー大統領の署名が必要となる。
ウクライナメディアなどが伝えた。
ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻を始めて以降、ウクライナの国防予算は急増し、ゼレンスキー政権は財源の確保を迫られている。(共同)

露南部にドローン攻撃 ウクライナ、「燃料施設を破壊」と発表
2024/10/10 19:50
https://www.sankei.com/article/20241010-M54NUCMUPBOH7EWAKUTWJ3PT5A/
ロシア南部アディゲ共和国のクムピロフ首長は10日、同共和国の都市マイコープ郊外にドローン(無人機)攻撃があり、住民の避難を実施しているとSNSで発表した。
死傷者はないとした。
ウクライナ軍高官のコバレンコ氏は同日、マイコープ近郊の軍用飛行場の燃料貯蔵施設を破壊したとSNSで発表。
飛行場で爆発が起きた様子を撮影したとする動画も投稿した。
ウクライナ軍は最近、露軍の燃料貯蔵施設や弾薬庫への攻撃を激化。露軍の継戦能力を低下させるための作戦だとしている。

プーチン露大統領、「露朝戦略条約」法案を国会提出 北朝鮮と事実上の同盟締結へ
2024/10/15 8:23
https://www.sankei.com/article/20241015-HTQPRFXU7VNN3LOMIIC3BP4KUM/
ロシアのプーチン大統領は14日、北朝鮮と安全保障協力の拡大などを定める
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を批准する法案を露下院に提出した。
条約は、どちらか一方の国が武力攻撃を受ける恐れが生じた場合に即座に協議を行うことや、実際に武力攻撃を受けた場合に相互が軍事支援を行うことなどを規定。
一方が他方に不利益を与える協定などを第三国と結ばないことも定めている。
ロシアは北朝鮮と事実上の軍事同盟を結ぶ形。
ウクライナ侵略で欧米諸国と決定的に対立したロシアは、核兵器開発や人権問題などを巡って同じく欧米と敵対する北朝鮮と関係を深め、欧米に対抗する思惑を改めて鮮明にした。
露朝の関係強化は、両国の軍事的威圧と対峙する日本にとっても脅威となる。
法案は今後、露下院と上院で可決された後、プーチン氏の署名により成立する見通し。
米国やウクライナによると、ロシアは北朝鮮から調達した弾道ミサイルや砲弾をウクライナの戦場で使用。
ロシアは見返りにロケットエンジン技術などを北朝鮮に提供していると観測されている。
露朝間の包括的戦略パートナーシップ条約は、6月に24年ぶりに訪朝したプーチン氏が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とともに署名していた。

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