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秘密のアッコちゃん lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx コメント履歴 No: 100033
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[政治・選挙・NHK295] いずれ維新も取り込む自民 玉木さん、浮かれていられるのは今だけだ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
46. 秘密のアッコちゃん[905] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月04日 14:41:48 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[470]
<■151行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

杉山大志 エネルギーは日本の生命線だ
GDP3%を無駄遣い「脱炭素」政策 グリーン成長などするはずがない!菅政権と岸田政権で推進、GX法ごと根こそぎ廃止すべき
2024.11/1 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-LJW7XOLS4ZKDXN6MWUSLM7OWQY/
自公与党が衆院選で大敗した理由は
「裏金問題」
だけではない。
左翼リベラル化した自民党に対して、保守層が
「ノー」
を突き付けたのだ。
この受け皿が、国民民主党や参政党、日本保守党となった。
菅義偉政権と岸田文雄政権の下で推進された
「脱炭素」
政策も、特に左翼的な政策の1つだった。
政府はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を制定し、今後10年間で150兆円の官民投資を
「脱炭素」
のために実施するという。
投資というと聞こえはよいが、その原資は国民が負担する。
国民1人当たり120万円、3人世帯なら360万円である。
賃上げなど吹き飛んでしまう。
毎年15兆円といえばGDP(国内総生産)の3%に当たる。
防衛費を2%に上げるために大騒ぎしていたのに、その舞台裏ではこのような
「ステルス増税」
が罷り通っていた。
政府は150兆円の投資でグリーン成長するというが、するはずがない。
投資対象が悪いからだ。
洋上風力発電、太陽光発電、その導入のための蓄電池や送電線建設、あるいはアンモニア発電や水素合成燃料など、どれもこれも、やればやるほど光熱費が高くなるものばかりだ。
そもそも、日本政府はかつて、
「太陽光発電の大量導入でグリーン成長する」
と言っていた。
だが、起きた事は
「電気代の高騰」

「産業空洞化」
だった。
今この失敗に懲りずに、同じことを何倍にもして実施しようとしている。
潤うのは一部の再エネ利権などに過ぎない。
そして、その犠牲になるのは一般国民である。
国民は愚弄されている。
政府は150兆円のうち20兆円は国債の発行で賄うとしており、今、政府はその20兆円の償還のための財源としてエネルギーへの課徴金や政府が発行する排出権の売却収入を検討している。
電気なのかガスなのか、灯油なのかプロパンガスなのか、どの料金が上がるのだろうか。
いずれにせよ国民に20兆円を支払わせるということを前提にして、今、ババ抜きのような検討がなされている。
20兆円の収入は、新設の外郭団体である
「GX機構」
が特別会計で回す。
既に天下りも始まっている。
こんなオールドファッションな
「役人天国」
のために光熱費は高騰し、国民経済はボロボロになる。
GX法ごと、根こそぎ廃止すべきだ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/856.html#c46

[政治・選挙・NHK295] 立憲民主が存在感発揮に苦慮、「野党結集」主導できず…「国民民主に埋没しかねない」と危機感(読売新聞オンライン) 達人が世直し
19. 秘密のアッコちゃん[906] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月04日 16:14:51 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[471]
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悪夢の少数内閣が始まる 総裁選、もし林氏や加藤氏が高市氏に勝てば…党内「分裂」も 自民党再生のため石破さんは辞めた方がいい
2024.10/31 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-TMJ52B5XUJP4VAT5QKSNN6GVEQ/
石破茂首相は2024年11月28日の記者会見で続投する考えを明らかにした。
理由は
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
ということなのだが、
「いや、あなたは国民に信任されなかったので、少しくらい国政が停滞してもいいから誰か別の人に代わってください」
と思う人はいないのだろうか。
仲間の4分の1が落選し、
「勝敗ライン」
の与党過半数を下回った首相がなぜ居座るのか。
ただ、石破首相本人も居座りたくて居座っているのではない。
居座らねばならぬ理由がある。
野党第一党、立憲民主党の議席は大幅増の148議席なのだが、これに日本維新の会の38、国民民主党の28を足しても214で233の過半数には届かず、れいわ新撰組の9、共産党の8を足しても届かない。
つまり、野党だけの連合で政権は取れない。
だから、開票当日夜のテレビ出演で、立憲民主党の野田佳彦代表は、自民党の一部が割れて野党連合に参加することを期待する口ぶりだった。
だが、それは無理なのだ。
党の分裂は自民党も立憲民主党(前身の民主党)も以前経験して酷い目に遭っている。
「分裂だけは損するから、やっちゃダメ」
というのは与野党の共通認識だ。
もし、石破氏が辞めたら自民党は2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙の前までに新総裁を決めなければならない。
フルスペックの総裁選をやる時間はないので両院議員総会で議員のみの投票で行われる。
本来なら、前回の総裁選で石破氏に惜敗した高市早苗前経済再生相が
「本命」
のはずなのだが、執行部の菅義偉副総裁や森山裕幹事長、更に石破首相誕生の影のキングメーカーである岸田文雄前首相らは気が進まないだろう。
高市氏を応援した人たちの多くが、今回の衆院選で落選している。
もし執行部が林芳正官房長官とか加藤勝信財務相を立てて高市氏に勝つようなことがあったら、党内の
「分断」
は更に進むし、それが
「分裂」
に発展しかねない。
自民党は主流派も非主流派も、絶対に
「分裂」
だけは避けなければいけないことを分かっている。
高市氏や安倍派周辺から
「石破降ろし」
の声が余り上がらないのはそういうわけなのだ。
つまり石破氏はとりあえず今は辞められない。
石破首相が首相指名選挙を乗り切っても
「少数内閣」に
よる予算審議は大変だ。
国民民主党と政策ごとの
「部分連合」
を組み、予算に賛成してもらうために政策をいくつか
「丸呑み」
する必要があるが、大変な作業だ。
最後は
「石破退陣」
を条件に予算成立という局面もあるかもしれない。
悪いことは言わない。
石破首相は退陣して、自民党は新総裁を選び、再スタートした方がいい。
「負けた人」
の下で政党はまとまらないし、先は見えない。
自民党の再生のためにも石破さんは辞めた方がいい。
 (フジテレビ客員解説委員 平井文夫)

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

杉山大志 エネルギーは日本の生命線だ
GDP3%を無駄遣い「脱炭素」政策 グリーン成長などするはずがない!菅政権と岸田政権で推進、GX法ごと根こそぎ廃止すべき
2024.11/1 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-LJW7XOLS4ZKDXN6MWUSLM7OWQY/
自公与党が衆院選で大敗した理由は
「裏金問題」
だけではない。
左翼リベラル化した自民党に対して、保守層が
「ノー」
を突き付けたのだ。
この受け皿が、国民民主党や参政党、日本保守党となった。
菅義偉政権と岸田文雄政権の下で推進された
「脱炭素」
政策も、特に左翼的な政策の1つだった。
政府はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を制定し、今後10年間で150兆円の官民投資を
「脱炭素」
のために実施するという。
投資というと聞こえはよいが、その原資は国民が負担する。
国民1人当たり120万円、3人世帯なら360万円である。
賃上げなど吹き飛んでしまう。
毎年15兆円といえばGDP(国内総生産)の3%に当たる。
防衛費を2%に上げるために大騒ぎしていたのに、その舞台裏ではこのような
「ステルス増税」
が罷り通っていた。
政府は150兆円の投資でグリーン成長するというが、するはずがない。
投資対象が悪いからだ。
洋上風力発電、太陽光発電、その導入のための蓄電池や送電線建設、あるいはアンモニア発電や水素合成燃料など、どれもこれも、やればやるほど光熱費が高くなるものばかりだ。
そもそも、日本政府はかつて、
「太陽光発電の大量導入でグリーン成長する」
と言っていた。
だが、起きた事は
「電気代の高騰」

「産業空洞化」
だった。
今この失敗に懲りずに、同じことを何倍にもして実施しようとしている。
潤うのは一部の再エネ利権などに過ぎない。
そして、その犠牲になるのは一般国民である。
国民は愚弄されている。
政府は150兆円のうち20兆円は国債の発行で賄うとしており、今、政府はその20兆円の償還のための財源としてエネルギーへの課徴金や政府が発行する排出権の売却収入を検討している。
電気なのかガスなのか、灯油なのかプロパンガスなのか、どの料金が上がるのだろうか。
いずれにせよ国民に20兆円を支払わせるということを前提にして、今、ババ抜きのような検討がなされている。
20兆円の収入は、新設の外郭団体である
「GX機構」
が特別会計で回す。
既に天下りも始まっている。
こんなオールドファッションな
「役人天国」
のために光熱費は高騰し、国民経済はボロボロになる。
GX法ごと、根こそぎ廃止すべきだ。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったおかげで、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率は僅か0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率僅か0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、「極右」とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、「極右」政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し「極右」が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

首相即時退陣こそ国益
美しき勁き国へ 櫻井よし子
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-5RFGKKZHKNJ55EIV7L2CMGI6BI/
衆院選で歴史的惨敗を喫した石破茂首相は国民の審判を受け入れるべきだ。
小選挙区での得票数を約670万減らし、結果を受けた共同通信の世論調査では内閣支持率が50・7%から32・1%に急落した。
就任から1カ月、これほど急速に支持を失った事例は稀有だ。
石破氏は敗因を
「政治とカネ」
問題のせいにするが、真の原因は言動の定まらない本人の資質にある。
国民の声を大事にするのは、民主主義の基本である。
だが民主主義は絶対善ではない。
劣化して衆愚政治となった事例を、ソクラテスに下された死刑判決はもとより、ヒトラーの登場を含め、私たちは歴史の中にいくつも見てきたはずだ。
昭和天皇に月1回の頻度で進講した三上照夫氏が、『第三の文化の時代へ』(ぱるす出版)の中で民主主義について語っている。
人間集団にはこういう国造りをしたい、こういう家庭造りをしたいという共通の目標がある。
この建国の理想を、日本人は奈良朝時代から
「国体」
と言ってきた。
国体実現の手段として日米欧が選んだ政体が民主主義だ。
それはあくまでも手段としての政治原理であり、国家の目標・目的は別にある。
そして指導者に識見、国家観が欠落している時、手段であるはずの民主主義は目標に格上げされ置き換えられてしまう。
石破氏は国民の理解を求め続けて政治とカネ問題の先に行けない状況だ。
民主主義という手段を目的に格上げして自縄自縛に陥ったからである。
自業自得である。
結果として、より大事な国家目標実現の政策論がほぼ空白になり果てている。
長年の勉強不足もたたって、石破氏の提唱する政策は空疎を極める。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設や日米地位協定見直しはアジア全体を不安定にしかねない。
自民党は両案件を政務調査会で議論するという形で封印した。
鳩山由紀夫元首相の東アジア共同体構想と同類の空疎な石破提案はこうして処理された。
より深刻なのが対中外交だ。
岩屋毅外相が中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、戦略的互恵関係を再確認したい旨を、語っている。
戦略的―は2006年、第1次安倍晋三政権が打ち出した。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係を双方が修復しようとした。
だが中国に習近平政権が誕生し状況は一変した。
強権的中国との戦略的互恵関係は日本の国益に合致せず、2017年11月の安倍・習会談以降消えた。
石破政権が岸田文雄元首相の路線を継いで立ち戻るのは悪手である。
安倍晋三元首相が戦略的互恵関係を謳った2006年から18年が過ぎた現在、日中関係は一変している。
中国は軍事大国としての力を誇示し、世界秩序を書き換える野望を隠さない。
18年前2006年、彼らは喉から手が出る程に日本の協力を求めたが、現在は如何にして日本から全てを切り取るか、あらゆる形で攻勢を強めている。
その手法は、小さな動きを積み重ねて圧力を強めるサラミ戦術で、一例が尖閣諸島(沖縄県石垣市)だ。
第2次安倍政権樹立から間もない2013年4月26日、中国外務省報道官は尖閣諸島を
「中国の核心的利益に属する」
と発言した。
その同じ日2013年4月26日、安倍氏は来日中の米軍制服組トップ、デンプシー統合参謀本部議長と会談し
「日本固有の領土である尖閣諸島について、我が国は一切譲歩しない」
と語った。
すると翌2013年4月27日、中国外務省は2013年4月26日の発言を事実上修正した。
現在の中国にそんな配慮はない。
彼らは堂々と尖閣を核心的利益と宣言し、2023年8月に発表した標準地図で示した
「十段線」
の10番目の線は与那国島から12キロの我が国の領海をえぐり取っている(『国防の禁句』岩田清文、島田和久、武居智久 産経セレクト)。
中国軍は2022年8月には与那国島の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。
中国が初めて日本の庭先に実弾を撃ち込んだ事実に注目せよと岩田清文元陸上幕僚長は強調する。
2023年7月、尖閣諸島周辺の我が国のEEZ内で中国の情報収集用のブイが発見された。
2024年1月には中国海警局の船が尖閣上空の我が国の領空を飛行する自衛隊機に
「中国領空」
からの退去を要求した。
2024年6月には中国海警局最大級の巡視船が、尖閣諸島を周回した。
中国保有の軍艦は米国を上回り、2035年には435隻に迫る。
米国は2045年に至っても350隻にとどまる見込みだ。
その中国を岸田文雄政権は2022年末に策定した国家安全保障戦略で初めて
「これまでにない最大の戦略的な挑戦」
と定義した。
だが岸田氏は2023年4月の安保3文書についての国会報告で
「最大の戦略的挑戦」
というくだりを割愛し、更に2024年1月の施政方針演説では、日中は
「戦略的互恵関係を包括的に推進する」
と大幅に後退していた。
実は、戦略的互恵関係は岸田氏の施政方針演説の前、2023年11月16日の日中首脳会談で習近平主席が復活を持ちかけていたのだ。
習氏の意図は中国を最大の戦略的挑戦と定義した我が国の安全保障戦略を上書きすることだと、島田和久元防衛事務次官は警告した(『同書』)が、正しいと思う。
戦略的互恵関係の6年ぶりの復活には、再び日本を取り込む中国の狙いが込められている。
そこに岩屋毅外相が乗るというのだ。
だが、逆戻りしてどうするのだ。
対話の窓口は開けておくとして、我が国は今こそ静かに着実に、核の脅威も含めて中国に対処する力を強化し、体制作りを進める時であろう。
政治家にはそれだけの仕事を進める冷静な思考と胆力が要る。
石破氏がその任に相応しいとは思えない。
1日も早い退陣こそ国益だ。

高橋洋一「日本の解き方」
石破政権の命運が尽きる日 続投に意欲も居座り続けると…自民党は本当にぶっ壊れる 水面下で首相指名に向け多数派工作
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H73BZLK7ABOXRCTQEW5GLA3X74/
衆院選で大敗した自民党だが、石破茂首相は続投に意欲を見せている。
今後、石破政権はどこまで生き延びることができるだろうか。
自民党内や地方組織からも
「石破おろし」
が始まっている。
かつて石破首相は、第1次安倍晋三政権や麻生太郎政権の時、国政選挙で負けたり、支持率が低迷したりした時、退陣を求めている。
今回自分だけを可愛がるのは誰の目から見てもおかしい。
小泉進次郎氏が選対委員長を辞任したが、問題がそれにとどまるはずはない。
小泉氏の辞任を石破首相は認めたというが、責任を部下に押しつけるようで、これが組織トップの在り方なのか疑問だ。
かつて安倍元首相が、
「石破氏だけは首相にしてはダメだ」
と言っていたのもよく分かる。
新聞各紙の社説も石破首相に責任を取ることを求めている。
朝日新聞は「選挙の結果責任を負うのは、本来、トップ」、
毎日新聞は「政権トップとしての首相の責任は重大」、
読売新聞は「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
産経新聞は「直ちに辞職し新総裁選出を」
としている。
石破首相自らが、勝敗ラインを
「自公で過半数」
と明言した。
これは普通ではあり得ないほどの低いハードルであるが、実際には自公で215議席と過半数を18も下回ってしまった。
無所属の追加公認を入れても、到底過半数には及ばない。
衆院選の結果は政治家にとって最も重いものだ。
それを、ゴールポストを動かしてはいけない。
筆者はこうした状態を揶揄)して
「石にかじりつきたい破れかぶれ石破政権」
とポストした。
既に、水面下で首相指名に向けた多数派工作が与野党間で繰り広げられている。
当初2024年11月7日に想定されていた特別国会の召集日を2024年11月11日以降に延期する交渉が行われている。
憲法では衆院投票日から30日以内に特別国会を召集し、内閣総辞職、首相指名が行われる。
つまり、特別国会の召集日は首相指名の帰趨を占う意味でも重要なのだ。
石破政権の寿命はまず、特別国会では内閣総辞職、首相指名が行われるので召集日までだ。
そこから生き延びることが出来るのは、首相指名で1位を確保できる場合だけだ。
石破首相では選挙が出来ないとする参院議員、不条理な制裁を食らったが選挙を生き延びてきた旧安倍派、総裁選で高市早苗前経済安保相を推した麻生派、旧茂木派は
「石破おろし」
を起こす可能性があり、石破首相側にいた人も反旗を翻すかもしれない。
そうなると、特別国会の召集日までに自民党内で両院議員総会を開いて、石破氏を引きずり下ろすだろう。
自民党はモタモタしていると、首相指名の多数派工作でまとまりにならず、野党が主導権を握ってしまう恐れもある。
高市氏が
「党執行部には今の自民党を徹底的に立て直して頂きたい」
としたのは当然だ。
このまま、石破首相が居座りを続けると、自民党が衆院選で負けて、党再建でも負けて、ぶっ壊れてしまう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民が石破首相ノー¥A任1カ月「権力居座り」に党内外から批判噴出!「衆院選惨敗、責任をとる気配さえない」「党内勢力も尻込み」
2024.11/2 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-FKEB6WKBLBL6TLZR4NZ5CKKMSY/
石破茂首相(自民党総裁)は2024年11月1日、政権発足1カ月を迎えた。
戦後では内閣発足後最短の8日で衆院解散に打って出たが、選挙戦略は悉く失敗し、自ら勝敗ラインに設定した
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した。
これまで、歴代首相を激しく批判しておきながら、
「国民の審判」
を無視して
「権力居座り」
を決め込む石破首相に対し、党内外から批判が噴出している。
「衆院選において大変、厳しい結果を頂戴した」
「厳粛に受け止めなければならない」
「示された民意を厳粛、謙虚に受け止め丁寧に政権運営に当たっていく」
石破首相は2024年11月1日、記者団にこう語ったが、民意は
「石破首相ノー」
なのだから、これほどのペテンはない。
自民党ベテラン議員は
「これまで、政治家の『責任』に拘ってき石破首相はどこに行った」
「自公過半数を勝敗ラインに設定した衆院選で惨敗したのに責任を取る気配さえない」
と断じる。
石破首相はむしろ
「政権居座り」
に意欲を強めている。
今月2024年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに合わせ、ジョー・バイデン米大統領や、中国の習近平国家主席らとの首脳会談を調整しているという。
ある保守系議員は
「バイデン氏も習氏も、『国民の負託』を得られなかった石破首相と真剣な話をしようと思うだろうか」
「ガバナンスが崩壊した政権に内政・外交を委ねれば、次は日本が壊れる」
と批判する。
ただ、権力にしがみつくトップを交代させるのは簡単ではない。
特別国会の首相指名選挙で、国民民主党は決選投票も含めて玉木雄一郎代表に票を投じる方針のため、野党の票は分散し、石破首相が多数を獲得しそうな情勢だ。
政治評論家の有馬晴海氏は
「国民が石破首相に『ノー』を突き付けた」
「本来なら退陣待ったなしだ」
「小泉進次郎選対委員長だけが辞任して、石破首相と森山裕幹事長が続投するなどガバナンスも崩壊している」
「ただ、石破首相に反発する党内勢力も党が弱り切った中で『石破おろし』に尻込みしている」
「石破首相は『低姿勢』『反省』を示し、何とか成果を示そうと必死なのだろう」
と指摘した。

自民得票率、15年前の政権交代時と全く同じ「26・73%」衆院比例、民主系もほぼ同じ
2024/11/2 11:30
https://www.sankei.com/article/20241102-XDBGXUZYRFOH3FEVQDVDTT2XFY/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選で、各政党の比例代表の得票率を政権交代が起きた平成21(2009)年の衆院選と比べたところ、自民党の得票率はいずれも26・73%で全く同じだった。
自民と公明党を合わせた与党と、民主党系など野党の割合もほぼ同じで、投票率が異なりながら15年前と酷似した状況が浮かんだ。
総務省の発表資料によると、平成21(2009)年と今回の衆院選比例代表で、自民の得票率は26・73%で全く同一だった。
自公を合わせた得票率も平成21(2009)年の計38・18%と今回の計37・66%でほぼ同じだった。
一方の野党も、平成21(2009)年の民主党の得票率は42・41%だったのに対し、今回の主要野党である立憲民主党と国民民主党、日本維新の会の3党の合計は41・88%でほぼ同じだった。
自民は今回、比例の得票を令和3年の前回選挙より約533万票減らした。
しかし、平成21年の投票率が69・27%と高率だったのに対し今回は53・84%と下がっているため、割合はくしくも同一となったようだ。
自民の比例得票率を選挙ごとにみると、平成21(2009)年の26・73%から平成24(2013)年27・62%、平成26(2014)年26年33・11%、平成29(2017)年33・28%、前回令和3年34・66%、今回の26・73%と推移している。

「岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減
大手町の片隅から 乾正人
2024/11/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20241101-U4OIN3HVR5K47CVWO5W6XB2DQI/?outputType=theme_election2024
数字は美しく、残酷である。
昭和61年の衆参ダブル選挙以来、大手町の片隅で13回に渡って選挙報道に携わってきたが、毎回、得票数の精妙さに唸らされる。
衆院選が、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わってからは、比例代表の得票数が、時々の政治状況を鮮やかに切り取ってくれる。
今回、自民党の総得票数は約1458万票に激減した。
前回から27%、533万票も減らし、制度導入以来、過去最低の得票数となった。
平成21年に民主党が大勝し、政権交代が実現したときでさえ、1881万票を獲得していたことから類推すると、安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた
「岩盤保守層」
のかなりの部分が、自民党を見放した、と見るべきだろう。
衆院選に初挑戦した参政党が187万票、日本保守党が115万票を獲得したが、合わせて300万人以上が自民党から両党に乗り換えたとみて間違いない。
残る230万人余は主に国民民主党へ流れたと推測できる。
■立憲比例票は横ばいだった
というのも、今回大躍進した立憲民主党は、比例代表ではほとんど票を伸ばしていないからだ。
3年前の前回が1149万票で、今回は1156万票と僅か7万票しか増えていない。
つまり、自民党が自滅したため、立憲は小選挙区で競り勝ち、議席数を5割も増やしたのである。
政権交代出来るだけの国民の広範な支持が得られていないのは、数字が冷酷に示している。
比例票から分析すると、危機的状況にあるのは、自民党だけではない。
公明、共産の両党も重症だ。
公明党は、平成21年に805万票を獲得していたのが、徐々に減っていき、今回ついに600万票を割り込む596万票にとどまった。
15年間で200万票以上が削げ落ちてしまったのである。
支持基盤である創価学会員の高齢化と共に、公明党を創設した池田大作氏が昨年2023年死去した影響も見逃せない。
■最盛期から半減した共産党
共産党は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題や非公認候補側への2000万円振り込みを機関紙「しんぶん赤旗」がすっぱ抜き、自民党を大敗に追い込んだ最大の功労者だ。
だが、比例票は前回より80万票も減らして336万票しか取れず、れいわ新選組に軽く抜かれた。
平成8年には726万票を獲得していたから半減以下の凋落ぶりだ。
お気の毒に、としか言いようがないが、有権者は共産党の本質をよく見ている。
さて、自民党である。
今回の敗因は、表面的には
「政治とカネ」
への国民の怒りが爆発した結果と見える。
それだけなら軽症で済むが、問題の根は深い。
「岩盤保守層」
のうち参政党などに投票した300万人は、容易に自民党には戻ってこないだろう。
しかも連立相手である公明党のパワーは目に見えて落ちている。
少数与党に転落した石破茂政権は、国民民主党をなびかせるためにリベラル寄りの政策を打ち出さざるを得ず、
「岩盤保守層」
は益々離反するはずだ。
日本にもいよいよ分断と混乱の時代が到来しようとしている。

<主張>自・国の政策協議 石破執行部に資格あるか
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-GDS25MDC7ZM75MJH3E5JS5FUQI/
自民党と国民民主党が政策協議に入ることで合意した。
衆院選に大敗した石破茂首相(自民総裁)と森山裕幹事長が何の責任も取らずに協議を進めるのは、異様な光景という他ない。
石破首相と森山氏は辞任し、自民は新執行部の下で他党と協議に臨むのが筋だと改めて指摘したい。
石破首相は居座り、国民民主との
「部分連合」
の形成を図るつもりなのだろう。
森山氏と国民民主の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日、会談した。
森山氏は経済対策や令和6年度補正予算案、令和7年度予算案の編成、税制改正での協力を呼び掛けた。
「部分連合」
の構築に向け、両党の政調会長による常設の会議体設置も求めた。
これに対し、榛葉氏は会議体設置を拒み、案件ごとに対応する意向を示した。
森山氏は受け入れた。
国民民主は年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の金額を178万円に引き上げることを最優先事項に掲げている。
林芳正官房長官が7兆〜8兆円程度の減収が見込まれるとの試算を示すと、国民民主の玉木雄一郎代表は
「全くやらないなら協力できない」
「その時は予算も法律も通らない」
と牽制した。
ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除も看板政策の1つだ。
国民民主は衆院選で
「手取りを増やす」
ことを訴えて支持を得たため、その実現に注力するのは分かる。
ただ、両党の協議を巡り懸念はある。
個別政策を切り離して交渉した場合、他の政策とバランスが取れなくなる恐れがあることだ。
厳しい安全保障環境を踏まえれば、防衛力の抜本的強化を滞らせてはならない。
政府は令和9年度までの5年間で防衛費総額を約43兆円と定めているが、増税時期は決まっていない。
防衛増税は令和10年度以降の防衛費をきちんと確保することも睨んだ措置である。
税制改正を行う場合は、税制全体との整合性を図ることも求められる。
国民民主は自党の政策実現だけを目指すのではなく、日本の平和と繁栄のための国家戦略をより明確に描き、日本を守り抜く政策でも責任ある姿勢を示す必要がある。

自民 衆議院 197人で活動へ 会派に無所属で当選の6人追加
2024年11月1日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241101/k10014626171000.html
自民党は、国会で活動をともにする会派のメンバーに、今回の衆議院選挙で無所属で立候補して当選した6人を加え、合わせて197人の勢力で活動していくことになりました。
自民党は、2024年11月1日に開かれた衆議院の各会派の代表者による協議会で、今回の衆議院選挙で党の公認を得て当選した191人に、無所属で当選した6人を加えた197人の勢力で会派をつくることを届け出ました。
会派に加わったのは、
政治とカネの問題で自民党から離党勧告の処分を受け離党した
▽世耕弘成氏と
選挙に際し公認が得られなかった
▽平沢勝栄氏
▽西村康稔氏
▽萩生田光一氏の4人に、
自民党の公認候補と争った
▽三反園訓氏
▽広瀬建氏
を加えた、合わせて6人です。
公明党の会派と合わせると、衆議院の与党の勢力は221人となりますが、過半数の233議席までは、12人足りない状況です。

世耕弘成、西村康稔氏らの会派入りを批判 立民の野田佳彦代表「反省足りない」
2024/11/1 14:15
https://www.sankei.com/article/20241101-DPCLWIFSRRJBFDDCZHVHVX5G64/
立憲民主党の野田佳彦代表は2024年11月1日の記者会見で、自民党の派閥パーティ収入不記載事件に関与し、衆院選に無所属で当選した世耕弘成、西村康稔両氏らが衆院会派
「自民党・無所属の会」
に入る見通しとなったことを批判した。
「選挙が終わり禊が済んだと言うならば、思慮も反省も足りない」
と語った。
自民側の狙いに関しては、特別国会の首相指名選挙で石破茂首相を当選させるため
「数を確保しておきたいとの焦りがあるのだろう」
と指摘した。

言わんこっちゃない自民党大敗 総裁選で高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ 変わり身の朝日新聞、言い訳に笑い
2024.10/31 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-VCDRHRXXD5KM3JAK4LCZCNPLMA/
だから、言わんこっちゃない。
石破自民党が歴史的大敗。
自公で過半数割れは15年ぶりだ。
さすがに開票を見守っている時も、各社のインタビューでも石破茂総理に笑顔は一切ナシ。
それでなくても悪い目つきがますます悪くなっていた。
「なぜ、言わんこっちゃない」か。
1カ月前、2024年9月27日の自民党総裁選。
第1回投票で大方の予想に反し、高市早苗候補が、石破候補を圧したのだ。
高市候補 議員票72 党員・党友票109 計181
石破候補 議員票46 党員・党友票108 計154
ところが決選投票ではこれが逆転。
石破候補 議員票189 地方票26 計215
高市候補 議員票173 地方票21 計194
つまり、第2回投票で石破候補の議員票は143票も増えていたのだ(高市候補は101票増)。
岸田文雄前総理の指示か、菅義偉元総理の依頼かは知らないが、143人もの議員が、石破候補を新たに支持したことになる。
この時、高市候補を支持する議員が、あと22人増えてさえいれば高市総理が実現していたのだ。
もし、あの時、高市候補を選んでいれば、日本初の女性総理として、世界のメディアでも話題になったに違いない。
選挙中に自民党の、あのどんよりしたような暗い雰囲気はなく、清新な風が吹いていたろう。
石破総理は応援に来なくていい。
来れば票が減るなんてこともなく、高市さん、全国の候補から引っ張りだこだったろう(総理でなくても引っ張りだこで、全国を飛び回っていた)。
むろん選挙にも負けなかったに違いない。
繰り返すが、総裁選決選投票で石破さんに票を投じた自民党議員の責任は重い。
今回の自民党大敗は、あの時、高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ、だから
「言わんこっちゃない」
と言っているのだ。
むろん、新聞各紙、選挙後、石破総理を一斉に批判。
石破総理に厳しいのが産経。
<石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった>
<自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた>
<国会論戦も十分に行わず早期解散に走った>
<これで選挙に勝てると思っていたのなら信じ難い>
意外だが、朝日新聞が一番手厳しい。
社説でハッキリ石破総理に引導を渡している。
<自民党がなお議会第1党だとしても、「自公で過半数」という自ら設定した最低限の目標を達成できなかった以上、石破首相は職を辞すのが筋だ>
党内野党として石破氏が安倍晋三元総理を批判していた時は、散々、持ち上げて、事あるごとに利用してきた朝日、さすがに変わり身が早い。
<期待が大きければ、その分、失望も大きい>
と言い訳しているのが笑える。
党内では
「首相の責任は重大、続投は難しい」
の声も少なくない。
だが、石破総理自身は続投の意志を捨てず、
「色んな選択肢があるだろうよ」
と他人事のように
「続投を明言」
しているらしい(2024年10月28日産経)。
誰か、石破総理の首に鈴を付ける奴はいないのか。
 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

<正論>惨敗した首相に国民を守れるか 
麗澤大学教授・八木秀次
2024/10/31 8:00
https://www.sankei.com/article/20241031-UK2MSTVJUFLK5JR4Y2VOXIN2HA/?outputType=theme_election2024
■続投は理屈が通らない
平成19年7月、第1次安倍晋三政権でのことだ。
自民党は参院選で惨敗し、第一党の座を民主党に譲った。
衆参「ねじれ」の始まりだ。
安倍首相は続投の方針を表明したが、この時、党の総務会で
「選挙に負けたにもかかわらず、続投するのは理屈が通らない」
と公然と首相の辞任を求めた議員がいた。
現在の首相の石破茂氏だ。
その後、安倍氏は体調を崩して辞任した。
2年後の平成21年7月、麻生太郎内閣は低支持率に喘いでいた。
都議会議員選挙で自民党が敗れた際、内閣に身を置きながら派閥を率いて
「麻生おろし」
の先頭に立った閣僚がいた。
石破農水相だ。
麻生首相は飼い犬に手を嚙まれる思いだったという。
今月2024年10月27日投開票の衆院選挙で自民・公明の与党は目標とした過半数(233議席)をも大幅に下回る大惨敗を喫した。
参院選や都議選での敗北ではない。
政権選択選挙とも言われる衆院選で、だ。
与党過半数割れのままでは予算案も法案も通らない。
異常事態だ。
何より野党その他の総計が過半数を占めた状態では内閣不信任案をいつでも可決できる。
それでも石破首相は続投を重ねて表明している。
首相就任8日後という戦後最短で解散総選挙を行う理由を憲法69条に言及して
「新しい内閣について、国民に信を問うことが憲法の趣旨からもそういうことだ」
と述べていたはずだ。
国民の信任を得られなかったにもかかわらず、続投するのは
「理屈が通らない」。
過去の自分の言動によって
「後ろから鉄砲を撃たれる」
思いがしていることだろう。
長かった党内での野党暮らしは責任がなく気楽だったはずだ。
「正論」
も述べられた。
今、
「与党」
の首領として生き地獄の苦しさを味わっていることだろう。
■国民的人気も幻だった
大惨敗の原因は
「政治とカネ」
の問題そのものではない。
政治資金の不記載問題は、一部の法令違反は処罰されて当然だが、それ以外は今後、記載を徹底し再発を防止するとすればよかった程度のことだ。
これの処理の仕方を誤って派閥解消などの大きな問題にしてしまい、
「国民の怒り」
を醸成したのが岸田文雄前首相だった。安倍派の力を削ごうとした節も否定できまい。
その岸田氏が低支持率で退任することになり、国民的人気があると勘違いして自民党総裁選で後継に選んだのが石破氏だが、総裁選で大言壮語したものの首相になるや
「変節」
やトーンダウンし、大した政策もなかったことを露呈した。
選挙はこの政策を実現するために力を与えてくださいと訴えて勝つものだが、訴える
「この政策」
がなく、
「政治とカネ」
への防戦一本となった。
当てにした国民的人気も幻で、発足時の内閣支持率は28%(時事通信、2024年10月17日公開)という2000年以降の歴代内閣の最低を記録した。
選挙応援に入る度に票が減ると言われ、自民党支持層まで野党に投票した模様だ。
大惨敗の原因は石破氏の存在が大きい。
不記載議員を原則公認する方針を決めたものの、メディアの批判に圧されて一転して非公認や比例重複なしの
「二重処罰」
にしたが、非公認候補側にも公認と同じ2000万円を振り込んだ。
当選後に追加公認を受けるようにとの狙いだろうが、如何にも場当たり的だった。
これが選挙の最終盤に発覚し報道されたことで
「政治とカネ」
の問題を蒸し返し、
「国民の怒り」
を買って数十議席を減らしたとされる。
判断した森山裕幹事長、小泉進次郎前選対委員長ら執行部の責任は大きい。
■政策無視の「大連立」では
選挙の結果、安倍元首相が第2次政権以来、国政選挙に勝ち続けて築いてきた
「1強」
とも言われた強固な政権基盤はいとも簡単に崩壊した。
過半数割れの
「少数与党」
では政権運営に困難が伴う。
予算案や法案を通すためには野党との協力が必要になる。
当てにしていた国民民主党も日本維新の会も連立政権には加わらない方針だ。
益々野党の主張に歩み寄らざるを得ない。
首相は続投を表明した記者会見で野党の政策を取り入れるとも述べた。
これでは事実上の与野党の
「大連立」
だ。
野党の影響力が大きくなって懸念されるのは安全保障や経済だ。
台湾有事や朝鮮半島有事の危険が迫り、石破氏は否応なく、
「戦時下の首相」
となる可能性もある。
集団的自衛権の限定行使にさえ否定的な軍事音痴の野党第一党との協力で国民の生命を守れるのか。
間もなく選出される米国大統領にも対応できるのか。
財務省の意向に沿うべく積極財政の否定に向かうことはないか。
経済は低迷しないか。
安定的な皇位継承策の検討もこれまでと反対方向に向かうことはないか。
選択的夫婦別姓もそうだ。
憲法改正は進むのか。
党内野党を余儀なくされている高市早苗氏や旧安倍派の議員は党内政権交代に備えて政策を磨き、発信していってほしい。

<産経抄>居座る石破首相、言行一致の身の処し方を
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-R6DMQT64N5MG7N6B3LUJYMNMZU/
辞書に載る言葉には、業界用語を出自としたものが多い。
「暗転」
はその1つである。
<物事が悪い方に転じること>
は後から加わった意味で、本来は
<舞台を暗くして、幕を下ろさずに場面を変えること>。
つまり芝居用語だ。
▼対義語を
「明転(あかてん)」
という。
<舞台が明るいままで場面を変えること>。
次の場面がすでに出来上がっており、回り舞台ではよく使われる手法である。
ただし
<物事がいい方に転じること>
の意味はなく、採録しない辞書も多いと聞く。
▼先日の総選挙を下敷きにした舞台『国民の審判』は、過半数割れした
「自公の大敗」
編から
「少数与党の悲境」
編へと場面転換しそうだ。
脇を固めた若手選対委員長の降板をよそに、自身は主役に居座り、場面の明転を待つつもりらしい。
続投の意思を示した石破茂首相である。
▼「国民の批判に適切に応え」
ながら職務に当たるという。
与党過半数を勝敗ラインと明言したのは他ならぬ首相で、続投は現政権を否定した選挙結果への答えになっていない。
「国政の停滞は許されない」
との説明も、責任逃れの方便に聞こえる。
▼石破氏と言えば
「ねじれ国会」
を招いた第1次安倍晋三政権時に、安倍氏を舌鋒鋭く責めた姿が忘れ難い。
麻生太郎政権では閣内から事実上の退陣を迫りもした。
過去のご自分を鏡とし、言動にいささかのぶれもない身の処し方を、信を置ける政治家の作法を見せてもらいたい。
▼安全保障、国民生活、災害対応。
どれ1つとして置き去りにできぬ課題で、国政が停滞すれば国民は甚だ迷惑する。
次の場面に移る前に、一案としてこんなト書きを台本に入れてみる。
<ト ここで暗転、主役交代>。
総裁選を行う気力くらい、なければ困る。

<主張>野田氏の支持要請 現実路線なしでは空論だ
社説
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-L4VASTN36ZJOBF4YXY6QB5RHE4/
立憲民主党の野田佳彦代表は、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、特別国会の首相指名選挙で自身に投票するよう要請した。
議席を大幅に伸ばした野党第一党として、他の野党に協力を呼び掛けること自体は否定しない。
だが、基本的な政策を見ると、立民は政権担当能力を欠いている。
衆院選公約などで掲げた政策では日本の独立と繁栄、国民の命・暮らしを守れまい。
衆院選で勢いづいているとはいえ、野田氏が本気で政権を担うつもりなら、反省と基本政策の現実路線への転換が必要だ。
立民は衆院選で外交・安全保障政策について
「日米同盟が基軸」
とした一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という立場を変えなかった。
反撃能力の保有にも消極的だ。
これでは抑止力が損なわれ、日米同盟は旧民主党政権時のような危機に陥るだろう。
エネルギー政策では
「原発の新増設は認めない」
と宣言し、党綱領では
「原発ゼロ」
の実現を謳う。
脱炭素化や電力の安定供給に逆行している。
国の根幹をなす憲法改正にも後ろ向きだ。
自民党の自衛隊明記案に反対し、国会議員任期延長を含む緊急事態条項の創設も
「必要ない」
としている。
安定的な皇位継承策では、野田氏は
「女性宮家」
の非皇族男子の夫と子の皇族化に拘っている。
これは日本の皇統を断絶させる
「女系天皇」
に繋がる恐ろしい議論だ。
馬場氏は野田氏の要請を持ち帰り、
「大義や具体的な政治改革案がなければ、与することは出来ない」
「やはり政治とカネの問題だ」
と語った。
政治とカネの問題を主軸に交渉するつもりなら、首相指名選挙を履き違えることになる。
政権の舵取り役を決める選挙なのだから、皇室や外交安保、エネルギーなどの基本政策を重視すべきだ。
普通の国会共闘とは次元が違う。
馬場氏は2024年10月27日、立民について
「外交安保やエネルギー、憲法など基本的な政策で党内がまとまっていない」
と批判していたはずだ。
野田氏は共産党の田村智子委員長にも首相指名選挙での協力を求めた。
党綱領に日米安全保障条約の廃棄を記すなど、基本政策が立民以上に非現実的な共産にまで要請したことは間違っている。

首相、衆院選惨敗を党の責任にすり替え 政策を争点としなかった戦略ミスの反省みられず
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/31 1:00
https://www.sankei.com/article/20241031-C5A4Z42JZRJN7KN44VVPHMJ76Y/
私事で恐縮だが、筆者が社会部から異動となり、政治部へと着任したのは26年前の平成10年7月12日、参院選の投開票日だった。
その日の深夜か翌未明に、当時の橋本龍太郎首相(自民党総裁)が次のように述べて、敗戦の責任を取って辞任を表明した。
「全てをひっくるめて私自身の責任だ」
「力不足」
「それ以上に言うことはない」
参院選で自民は16議席減らしたが、44議席を獲得した。
しかも参院選は、政権選択選挙と言われる衆院選とは位置付けが異なる。
にもかかわらずの橋本氏の引責辞任に、政治家、なかんずくリーダーの身の処し方、潔さというものを考えさせられたのだった。
一方、安倍晋三元首相は平成19年7月の参院選で大敗しても辞めなかった。
既に各種世論調査で自民劣勢が明らかだった平成19年7月29日の投開票日の数日前、安倍氏は筆者にこう話した。
「小泉さん(純一郎前首相)からも電話がかかってきて
『負けても絶対に辞めるな。参院選に負けても政権が変わるわけではない。いちいち一喜一憂せずにやればいい』
と言われた」
■続投の安倍首相を攻撃
参院選は政権選択選挙ではないのだから、時の首相によってそれぞれの考え方や判断があるのだろう。
ただ、続投を表明した安倍氏に対し、こう激しく攻撃したのが石破茂首相だったことは踏まえておきたい。
「安倍首相は
『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』
と訴えたのに、どう説明するのか」(党総務会)
「安倍首相は
『反省すべきは反省する』
と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」(党代議士会)
石破首相は政権選択選挙である衆院選で惨敗し、与党での過半数も失ったことをどう受け止めるのか。
首相に
「ノー」
を突き付けた民意を無視して続投を決め込み、2024年10月28日の記者会見では次のように党の問題へと摩り替えた。
「自民党は反省が足りないとご叱責を賜った」
「党内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて抜本的な改革を行っていく」
「党内融和よりも国民のご理解ということの方を私は優先していかねばならないし、党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がったのではないかという反省を、私自身は思っているところだ」
せっかく党総裁選で政策論争に注目が集まっていたのに、衆院選では明確な基準も示さないまま党所属議員を非公認や重複立候補禁止処分とし、自ら政治とカネの問題を争点とした自分自身の戦略ミスや判断の誤りへの反省はない。
あくまで悪いのは他者であると強調し、党内融和には目を向けない。
こんな延々と魔女狩りや内ゲバを続けるような姿勢が、有権者の嫌悪感を誘うことには気づかないのだろう。
ろくに党内もまとめられずに、国民の願いや要望に応えることはできるのか。
■「一瞬は人を動かす」
安倍氏は首相時代の令和2年6月17日、自身の次の首相候補とされた岸田文雄前首相と石破首相とを比較して、筆者に語っていた。
「政治は人を動かすかなりの要素、情熱が大事だ」
「岸田さんは最後は人を動かす所を見せないといけない」
「石破さんは本物ではないけど、一瞬は人を騙して動かす能力がある」
「彼こそ本当の『言うだけ番長』なのだけど」
その言葉通り、総裁選で石破首相は一瞬、所属議員を動かし首相の座に就いた。
石破首相に1票を投じた議員らは、自民の転落をどうみているのか。
(論説委員兼政治部編集委員)

どうなる首相指名選挙 石破首相選出の流れも自民内造反の可能性に懸念
2024/10/30 21:03
https://www.sankei.com/article/20241030-EJ6PX23YLBNK7MYACULWRJYDPM/
来月2024年11月11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙は、キャスチングボートを握る国民民主党が立憲民主党の野田佳彦代表に投票しない方向となり、自民党総裁の石破茂首相が選出される流れが強まった。
衆院本会議での1回目の投票では、ほとんどの議員が所属政党の党首に投じるとみられ、誰も投票総数の過半数を獲得できない見通し。
石破首相と野田氏の2人による決選投票が行われる公算が大きい。
衆院の過半数は233議席。決選投票は自民、公明両党(計215議席)が支持する石破首相、共産党も投票を前向きに検討している立民の野田氏(立民と共産で計156議席)の2人が他党票の取り込みを狙う。
ただ、
「票田」と
なる日本維新の会(38議席)の馬場伸幸代表は2024年10月29日のBSフジ番組で
「どちらかに軍配を上げることはできない」
と語った。
国民民主(28議席)の玉木雄一郎代表も2024年10月30日の党会合で、決選投票でも玉木氏自身に投票する方針を説明した。
両党とも来年2025年夏に参院選を控える中、
「野合」
批判を避け、独自性をアピールする必要がある。
首相対野田氏の決選投票で投票用紙に
「馬場」
「玉木」
と書けば無効票となり、自公勢力が立共勢力を上回り、首相の勝利が有力だ。
ただ、馬場氏は2024年10月30日、記者団に、立民と政治改革に関する協議を行うと述べた上で、野田氏に投票する可能性について
「これからの協議の中身(次第)だ」
と完全に排除はしなかった。
また、自民内の一部には、衆院選で与党過半数割れとなった責任を首相が取って退陣すべきだとの声もある。
首相周辺は、首相指名選挙の投票を棄権する自民議員が出る事態を警戒している。
このため、現時点で可能性は低いものの、野党の大連合が成立したり、自民内の造反によって野田政権が誕生したりする可能性もゼロとは言えない。

石破首相「辞任必要ない」65・7% 内閣支持率は32・1%に急落 共同調査
世論調査
2024/10/29 18:30
https://www.sankei.com/article/20241029-A5DPYG3NWBMV3CYK7CDXWCWATE/
衆院選の結果を受けて共同通信社は2024年10月28、29の両日、全国緊急電話世論調査を実施した。
石破内閣の支持率は32・1%で、内閣発足に伴う2024年10月1、2両日調査の50・7%から18・6ポイント下落した。
不支持率は52・2%。
与党過半数割れとなった自民、公明両党の連立政権継続を望むとしたのは38・4%で、望まないが53・0%だった。
自民の派閥パーティー収入不記載事件に関与し、当選した議員を要職に起用することに79・2%が反対し、賛成は16・3%だった。
望ましい政権の枠組みは
「政界再編による新たな枠組み」
が31・5%と最多で、自公の少数与党政権は18・1%。
一方、石破茂首相が過半数割れの責任を取り辞任すべきだとの回答は28・6%にとどまり、辞任は必要ないが65・7%だった。
自民の議席減に不記載の影響があったと思うとの答えは91・4%。
選挙結果で
「政治とカネ」
問題が根絶に向かうとの見方は23・9%で、向かわないが72・5%を占めた。

少数与党希望は自民支持層の4割 今後の政権枠組み、無党派層は「政界再編」が最多
世論調査
2024/10/29 18:53
https://www.sankei.com/article/20241029-5BJVP5UYLZLVTLY4M4STSCXYYA/
衆院選の結果を受けて共同通信社が2024年10月28、29の両日に行った全国緊急電話世論調査で、今後の望ましい政権枠組みを政党支持層別に見ると、自民党支持層では
「自民、公明両党による少数与党政権」
が最多の39・8%だったものの過半数に届かなかった。
次いで多いのが
「自公に日本維新の会などを加えた政権」
の28・2%で、一部野党と連携してでも政権の安定化を望む意向がにじんだ。
公明支持層では、自公の少数与党政権が50・9%と過半数に上った。
立憲民主党支持層と共産党支持層は
「立民を中心とした多くの野党による政権」
が最も多く、それぞれ61・7%と59・1%。
維新支持層は
「自公と維新など」
が最多の40・5%だった。
「支持する政党はない」
とした無党派層は
「政界再編による新たな枠組みの政権」
が最多で42・4%。
国民民主党支持層の48・2%、れいわ新選組支持層の55・3%も政界再編を希望した。

自民内から「石破おろし」の声相次ぐ 首相、国民民主と連携に活路 立民も多数派工作
2024/10/28 21:20
https://www.sankei.com/article/20241028-FHBW6MW5XNNW7EZEDBSSZMWDAQ/?outputType=theme_election2024
自民、公明両党で過半数割れの大敗を喫した衆院選の翌2024年10月28日、自民内では石破茂首相(自民総裁)の責任論が相次いだ。
それでも続投を表明した首相は、躍進した国民民主党との連携強化で打開を図る。
だが、国民民主は連立入りを否定。
首相は同党の政策を取り入れて協力関係を築きたい考えだが、予算案や法案ごとに賛成を求めることになれば政権運営が不安定化するのは必至だ。
■目に見える変化が肝要
首相は2024年10月28日の記者会見で
「『自民党は目に見えて変わったね』と実感して頂くことが肝要だ」
と述べ、政策活動費の廃止などを表明した。
自身が辞任するのではなく、衆院選の敗因は自民の改革姿勢の甘さにあると定義し、踏み込んだ改革案を打ち出すことで敗北の責任を取る−という筋書きと言える。
ただ、そんな思惑とは裏腹に、党内では
「石破降ろし」
が始まった。
「自民党石破政権への信を問うてこの結果、ということを軽視しすぎではないのか」。
小野田紀美参院議員は2024年10月28日、自身のSNSで、小泉進次郎選対委員長の辞任だけでは不十分との認識を示した。
山田宏参院議員もSNSに
「選対委員長の辞任で済む話ではない」
と投稿した。
小林鷹之元経済安全保障担当相も党幹部の責任論に言及する。
3氏とも、党内の
「反石破」
勢力から旗頭として期待される高市早苗前経済安保担当相に近い。
■党内論理より国民理解を
党内の反発について、首相は
「等閑視するつもりは全くない」
と語る一方、
「党内融和よりも国民の理解を優先していかねばならない」
「党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がった」
と持論を述べた。
首相の念頭にあるのが、勢力を4倍に増やした国民民主との連携だ。
「議席を大きく伸ばした党がある」
「どのような主張に国民が共感、共鳴したのか」
「取り入れるべきは取り入れることに躊躇があってはならない」。
首相が記者会見でこう語ると、同席した森山裕幹事長は何度も頷いた。
森山氏は他党との交渉の中心的役割を担うだけに、政権継続のためには
「辞めさせられない」(別の党幹部)。
ただ、国民民主の玉木雄一郎代表は2024年10月28日、支援組織・連合の芳野友子会長に、自公連立政権に参画しない考えを伝えた。
国民民主は、自民に43議席差まで迫った立憲民主党からも触手を伸ばされている。
立民は同日2024年10月28日の執行役員会で、特別国会の首相指名選挙で、野田佳彦代表に投票するよう野党各党に協力を求める方針を確認した。
■政権への協力は十分ある
野田氏は記者団に、一部野党が石破政権に協力する可能性は
「十分ある」
と指摘。
「注意深く見ながら、こちら(野党側)のチームをどう作っていくかに心を砕きたい」
と述べ、過半数割れした自公による野党勢力の切り崩しを警戒した。
焦りの裏返しか、他党との交渉に関し
「誠意のある対話」
というフレーズを何度も口にした。
もっとも国民民主は、野田氏への投票要請も受け入れない考えだ。
首相指名選挙は1回目の投票で過半数を得た候補がいない場合、上位2人の決選投票を行う。
首相と野田氏の一騎打ちになる公算が大きいが、玉木氏は2024年10月28日の民放番組で
「無効となっても玉木と書く」
と述べた。
榛葉賀津也幹事長も同日、連合傘下の産業別労働組合(産別)に、こうした方針を伝えており、立民の多数派工作も最初から躓きそうだ。

<主張>国民の審判 首相の居座りは許されぬ 直ちに辞職し新総裁選出を
社説
2024/10/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20241029-CEB23AAJIJPI7NMIRKWA2U4OUQ/
衆院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)が2024年10月28日の記者会見で、引き続き政権を担う意欲を示した。
自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを割り込む大敗の責任を取らずに、石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ。
責任を取って潔く辞職すべきである。
自民は比較第1党に踏みとどまった。
友党の公明党と共に政権構築を目指すのは分かるが、それは国民の信を失った石破総裁の下ではあり得ない。
自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい。
■本当に反省しているか
石破首相は会見で、衆院選の審判を
「真摯に厳粛に受け止める」
と語った。
だがその言葉とは裏腹に、
「国政の停滞は許されない」
と繰り返し、
「安全保障、国民生活、災害対応に万事遺漏なきを期すことも私どもが負うべき責任だ」
と述べた。
そこには反省が感じられない。
国民は衆院選で石破首相に国政運営を託したくないという判断を示した。
それが何故分からないのか。
有権者の審判を無視するトップが政権の座に留まろうとして国民の支持を得られると思うなら甘過ぎるし、民主主義から外れている。
全ての自民国会議員は、石破首相の続投こそが、国政の停滞を招くと知るべきである。
自民の小泉進次郎選対委員長は2024年10月28日、
「選挙の結果責任は選対委員長が引き受ける」
として辞任した。
小泉氏は自身の進退について
「目標を達成出来なかったのに責任を取らない自民党では、不信感の方が大きいと思う」
と語った。
これは石破首相、森山裕幹事長にこそ言えることである。
自民千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は
「議席をあれだけ減らした」
「責任はある」
と述べ、首相や執行部の早期退陣を促した。
これが国民感覚に沿った判断だろう。
石破首相は、第1次安倍晋三政権時の参院選で自民が大敗し
「ねじれ国会」
となった際に、続投を表明した安倍首相を攻撃した。
党総務会で
「(安倍)首相は『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』と訴えたのに、どう説明するのか」
と非難した。
代議士会では
「首相は『反省すべきは反省する』と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」
と責め立てた。
同じ事を石破首相に問いたい。
2024年10月28日の会見で
「自民党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
と語ったが、トップである自身がまず責任を取るべきだろう。
麻生太郎政権時に農林水産相だった石破首相は、事実上の退陣を迫ったこともある。
過去の言動との整合性がなければ、石破首相への信頼は集まらない。
首相の言葉は限りなく軽いものとしてしか受け取られまい。
■森山幹事長も責任重い
他人に厳しく自分に甘い、主権者である国民の審判を軽んじる。
そこに謙虚さは見当たらない。
このような有り様で与党は特別国会の首相指名選挙に確実に勝てるのか。
よしんば勝ったとしても、自民党内からは辞任論が出て、石破首相の求心力は低下している。
安定した政権運営が出来るのか。
森山幹事長の責任も重い。
選挙戦最終盤には、自民が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、
「政治とカネ」
を巡る批判に拍車を掛けた。
石破首相は
「選挙に使うことはない」
と述べたが説得力に乏しかった。
支給を主導したのは森山氏だったとされる。
石破首相の就任後に、臨時国会で予算委員会を開かず早期に解散するよう進言したのも森山氏である。
首相と森山氏は衆院選を有利に展開しようと党利党略に走ったが、思惑外れに終わった。
政府与党は首相指名選挙を行う特別国会を2024年11月11日に召集する方向で調整している。
だが、憲法第54条は衆院選投票日から30日以内の召集を定めている。
殊更引き延ばすことはあってはならないが、国会議員中心の自民総裁選を実施するくらいの日程的余裕はある。
自民は新総裁を選び、出直しを図らねば信頼回復は遠く、来年2025年の参院選でも有権者から厳しい審判を受けるだろう。
石破首相が今、日本と国民、党のために出来ることは速やかに辞任することしかない。

政治空白、許されぬ…政治部長・小川聡
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20241028-OYT1T50036/
長期政権のぬるま湯に浸かり、有権者の意識とかけ離れた
「党の論理」
を捨て切れない自民党に、厳しい審判が下った。
これまでの自民党政治家と違う感覚で政権を運営するのではとの石破首相への期待は、瞬く間に失望に変わった。
予算委員会なしでの衆院解散や、政治資金問題に関わった前議員らの公認問題と2000万円の活動費支給を巡る対応などで、総裁選で掲げた
「国民の納得と共感」
よりも自民党の事情と都合を優先する姿勢が露呈し、国民の怒りの火に油を注いだ。
立憲民主党は、3年前2021年の衆院選を教訓に、自民党にお灸を据えようと考える中道保守層の投票の受け皿になった。
野田代表が、
「原発ゼロ」
をはじめとした非現実的な安全保障・エネルギー政策を封印し、共産党との連携に距離を置いたことが奏功したと言えよう。
立民は選挙戦で、
「政治とカネ」
問題への批判に注力し、景気対策や社会保障などの具体策を論じる機会は少なかった。
「敵失」
で議席を伸ばした面が大きく、自らの政策・主張が全面的に支持を集めたという過信は禁物だ。
日本を取り巻く環境は国内外で厳しさを増しており、一刻の猶予も許されない。
経済停滞や社会保障・財政の不安、自然災害への対応などを急がなくてはならない。
北朝鮮や中国による軍事的威圧や威嚇、一方的な現状変更や侵略の脅威に直面し、日本の主権や平和、繁栄を維持できるかどうかの岐路にある。
与党の過半数割れにより、当面、政権が弱体化することは避けられまい。
各党は、政局を優先して分断を加速させるのではなく、 真摯な議論を通じて現実的に答えを出していくことが不可欠だ。
内外の有事を前に、政治空白を作ってはならない。

衆院選、全議席が確定 自民191、立民148、維新38、国民28、公明24、れいわ9
2024/10/28 4:05
https://www.sankei.com/article/20241028-PRREEDNFJRJSFA344HTTAVVAPQ/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選は2024年10月28日未明、比例代表東北ブロックで立憲民主党が最終議席を確保し、全465議席が確定した。
各党の獲得議席は、自民191、立民148、維新38、公明24、共産8、国民28、れいわ9、社民1、参政3、政治団体の日本保守党3、無所属12で確定した。

<主張>与党「過半数割れ」 審判を重く受け止めよ 安定した政権の構築を求める
社説
2024/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20241028-FCCUJHFOJVJ47OD67N322RXKGY/
第50回衆院選の投開票が行われた。
政権の信を問うと臨んだ石破茂首相は勝敗ラインに自民党、公明党の与党過半数を設定していたが、届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党も議席を伸ばした。
自民にとって野党に転落した平成21年の衆院選以来となる歴史的敗北だ。
首相は選挙結果を重く受け止めねばならない。
今後自民は非公認当選者の追加公認を図る見通しだ。
国際情勢は厳しく、混迷の度合いを増している。
今後、特別国会で首相指名選挙が行われるが、各政党は安定政権を作るべく努力してもらいたい。
国政を停滞させてはならない。
■言い訳選挙では勝てぬ
今回の大敗は、石破首相と自民執行部が
「言い訳選挙」
にしてしまったことが大きい。
言い訳選挙で優勢に戦うことなど望むべくもない。
自民の旧安倍派などの派閥パーティー収入不記載事件への有権者の怒りはくすぶっていた。
それにうまく対応できなかったのが首相だった。
就任後、不記載の前議員の非公認を増やし、比例代表との重複立候補を認めなかった。
しかも一気に事を決めず騒動を続けた。
世間の関心が
「政治とカネ」
一色になったのはそのせいでもある。
選挙戦最終盤には自民が、非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、首相は党勢拡大のためで
「選挙に使うことはない」
と釈明した。
これも有権者の投票行動を左右した可能性がある。
有権者や他党からどう見られるかを考えなかった石破首相や森山裕幹事長には、自民内から疑問の声が上がった。
石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった。
自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた。
国会論戦も十分に行わず早期解散に走った。
これで勝てると思っていたのなら信じ難い。
衆院選で政治とカネの問題への有権者の憤りが改めて示された。
各党は政治改革の具体策で合意し、速やかに実行に移すべきだ。
それを怠れば政治不信に拍車がかかる。
言い訳選挙になったのは、もう1つ理由がある。
それは、石破首相が政治とカネの問題を上回る、または匹敵するような政策上の大きな争点を国民に示せなかったことだ。
衆院選は常に日本の独立と繁栄、国民の生活と暮らしがかかった、日本の針路を決める政権選択選挙なのである。
にもかかわらず日本の針路を巡る本格的な論戦は展開されなかった。
とりわけ日本を守る安全保障が重視されなかったのは残念だ。
■立民は国を守れるのか
台湾有事の懸念が高まっている。
公示の前日には、中国軍が台湾を包囲する形で大規模な演習も行った。
今回の衆院選で選ばれた議員が台湾有事に直面する可能性がある。
北朝鮮の軍はウクライナ侵略に加担する見通しだ。
朝鮮半島有事がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
その危機が十分には語られず、抑止力のための防衛力の抜本的強化、国民保護などの具体策の議論が深まらなかったのは問題だ。
立民の影響力は増大する。
野田佳彦代表は外交・安保政策の継続性を重視する考えを示す一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という党の立場を変えていない。
反撃能力の保有にも積極的ではない。
これで国民を守れるのか。
この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある。
政策上の欠陥を抱えたままの立民に政権担当能力があるのか疑問だ。
経済を巡っては、各党がこぞって消費税減税や給付金支給などの物価高対策を示した。
だが財源を含む具体化の道筋には曖昧なものが多く、バラマキ色が目立った。
物価高に負けない賃上げを果たし、デフレからの完全脱却を確実にするには、生産性を向上させて企業の収益力を高める取り組みが欠かせない。
そうした積年の課題を解決しなければならない。
憲法改正の動きを後退させてはならない。
自民の大敗に加え、改憲に前向きな日本維新の会が振るわなかった影響は大きい。
自衛隊明記や緊急事態条項の創設は急務で、国会は改憲原案の条文化を進めるべきだ。

衆院選自公惨敗 長期政権の驕りが不信招いた
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50056/
◆国政の停滞は避けねばならない◆
自民、公明の与党が衆院選で惨敗し、過半数を割り込んだ。
今後、一部の野党の協力を得て、引き続き自公が政権を担い続けられるのか。
あるいは、立憲民主党を中心とした野党勢力が政権交代を起こせるのか。
政局は一気に流動化する情勢となった。
また、
「自公で過半数」
を勝敗ラインに設定していた石破首相の進退も焦点となる。
■政局の流動化は確実
第50回衆院選が開票された。
自公は、2012年の政権復帰以降、経験したことのない逆風に晒された。
大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか。
一方、多くの野党は議席を増やしたが、理念や基本政策の異なる各党で協力できるかは見通せない。
自公、立民それぞれが過半数確保に向け、多数派工作を繰り広げることになりそうだ。
与野党の勢力が伯仲することで、予算案や法案を巡る攻防が激化して政策遂行が遅れる事態が懸念される。
実際、2007〜2008年の福田内閣当時は、野党が国会運営を主導し、国政が停滞した。
今後、政権の枠組みを巡って与野党が駆け引きを繰り広げ、混乱が長引く可能性もある。
山積する内外の難題に適切に対応できるのか。
与野党共に大きな責任を負うことになった。
今回の衆院選は異例ずくめだった。
石破政権が内閣発足直後の
「ご祝儀相場」
を当て込み、戦後最短での衆院解散に踏み切った。
だが、自民党は、政治資金問題を抱えた前議員らの処遇を巡り、原則として全員を公認する方針が批判されると、非公認を次々と増やし、定見のなさを露呈した。
選挙戦の終盤には、非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が公認候補向けと同額の2000万円を支給していたことも発覚し、混乱を広げた。
執行部の失態と言う他ない。
自民が苦戦した背景には、
「岩盤」
と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。
岸田前首相が昨年2023年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。
こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引き付けることに成功したからだろう。
既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢い付けている側面もある。
■現実的な主張が奏功か
先月2024年9月、15年ぶりに党首が交代した公明も厳しい選挙戦となった。
小選挙区選に初めて挑戦した石井新代表が落選したのは、支持母体の創価学会員の高齢化が影響しているとされる。
一方、立民の伸長は、自民の
「金権体質」
を争点化する手法が奏功したことが一因だ。
また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を 概 ね継承する考えを示した他、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた
「原発ゼロ」
に拘らない方針を強調した。
こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ。
国民民主党も躍進した。
玉木代表が
「手取りを増やす」
と主張して、
「生活重視」
の姿勢を取ったことが、特に若い世代の支持拡大に繋がったのだろう。
日本維新の会が伸び悩んだのは、大阪・関西万博の会場建設費が想定以上に膨らんだことや、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑が影響したとみられる。
他方、選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。
■課題を蔑ろにするな
物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。
社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。
急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ。
ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。
先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ。
日本周辺の安全保障環境はかつてないほど悪化している。
防衛力の強化はもとより、日米同盟を深化させると共に、友好国を増やしていく必要がある。
野党の選挙戦術もあって、政治とカネの問題が焦点となったのはやむを得ないとしても、国政の課題を蔑ろにするような事態は避けなければならない。

[社説]自民不信を突きつけた厳しい審判
衆議院選挙2024
社説
2024年10月28日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK271700X21C24A0000000/
政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った。
第50回衆院選は2024年10月27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。
自公は政権に復帰した2012年以来の岐路に立った。
石破茂首相らの責任論は避けられない。
自公は野党に協力を求めて政権を継続する方針だ。
立憲民主党は躍進し、多数派の形成に向けて野党各党と協議に入る。
政局は流動化し、政権の枠組みが見えない不透明な状況になった。
■世界の潮流が波及
自民は公示前の247議席から大きく減らし、下野した2009年以来の敗北となる。
接戦だった多くの小選挙区で競り負け、閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。
公明も石井啓一代表が落選したのをはじめ、牙城である関西で苦戦するなど、公示前の32議席を下回った。
立民は公示前の98議席から大幅に議席を伸ばした。
保守系の野田佳彦元首相を代表に据えたことで、自民支持から離反した保守層の受け皿になったとみられる。
自民との議席差を一気に縮める結果は、政権交代への足掛かりを築いたと言ってよいだろう。
自民の敗因が政治資金問題にあるのは明らかだ。
私たちは当初から
「政治とカネの問題は、扱いを誤れば政権の命取りになる」
と指摘してきた。
だが自民は生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭うことはできなかった。
与党の敗北は世界的な潮流でもある。
選挙イヤーの今年2024年、各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたと言えよう。
物価高や賃金、雇用など身近な課題に既存の政治が十分対応できず、有権者がノーを突き付ける構図だ。
政治資金の杜撰な管理が物価高に耐える国民の不満を増幅したと見るべきだろう。
選挙戦の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念だ。
物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生の在り方などは、どんな政権であっても重要課題として取り組まざるを得ない。
日本の政治の安定が損なわれることになれば、対外的に大きなマイナスだ。
米大統領選の行方が見通せない中、日米同盟や日韓関係の不安定要因にならないよう注意する必要がある。
日米韓の連携が動揺し、中国や北朝鮮、ロシアに対日政策の軽視や周辺地域での過激な行動を誘発する事態は避けなければならない。
政治の安定は海外から日本にヒト、モノ、カネを呼び込む誘因の1つでもある。
政局が混迷すれば、日本への投資を控える動きにつながる懸念がある。
ようやく成長軌道に乗りつつある経済に水を差すことがあってはならない。
そのためには出来るだけ早く安定した政権基盤を取り戻す他ない。
自公は過半数を割っても一部の野党と連携することで政権を継続したい考えだ。
連立政権の枠組みへの野党勢力の参加も視野に入れるが、現時点で野党側に自公連立に加わる動きはない。
■熟議を取り戻す契機に
一方、立民は非自民勢力の結集に向けて野党各党と協議する意向だ。
ただ、どのような枠組みで政権を目指すのか、具体的な政権構想はこれからで、成否はまだ見通せない。
自民と立民の議席差が大幅に縮まったことで、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙に向け、両陣営の攻防が激しくなる。
国民民主党や日本維新の会などとの連携を巡る綱引きも予想される。
政権の枠組みが見えてくるには時間がかかりそうだ。
与野党の伯仲は政治の在り方として悪い事ではない。
政権交代を目指す立民の伸長は国会審議に緊張感を与える。
中道保守の第1党と第2党が熟議を通じ、重要課題を解決するのは政治の1つの知恵である。
立民にとっては政権担当能力を磨く場となり、政権への近道になるはずだ。
対外的にも日本の政治の安定と成熟を示すことになろう。
ウクライナ戦争や中東情勢は緊迫の度を増している。
与野党とも内向きの政争に陥るのではなく、国内外の情勢に目を向け、国際社会で求められる日本の役割を自覚して安定した政治を取り戻すことを急ぐべきである。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/854.html#c19

[政治・選挙・NHK295] 「カネの切れ目は縁の切れ目」…同僚らに憎悪の感情を向け始めたルール無用の悪党「ザ・自民党」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
36. 秘密のアッコちゃん[907] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月04日 18:55:03 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[472]
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<独自>自民、外国人のパーティー券購入禁止へ 国民民主も主張、臨時国会で再改正目指す
2024/11/4 17:28
https://www.sankei.com/article/20241104-GWJHQAKX3ZNRJIRMWRJWIFKRAE/
自民党は、政治資金規正法を再改正し、外国人や外国法人による政治資金パーティー券の購入を禁止する方向で調整に入った。
2024年12月初旬にも召集見込みの臨時国会での再改正を目指す。
複数の与党関係者が2024年11月4日、明らかにした。
国政が外国勢力の影響を受けるのを防ぐため、外国人らからの政治献金は現行法でも禁止されている。
だが、パーティー券の購入は認められており、
「抜け道」
との指摘があった。
2024年6月に成立した改正規正法では、付則に
「外国人によるパーティー券購入規制の検討」
を盛り込んでおり、再改正で禁止に踏み込む。
国民民主党は先の通常国会での改正規正法審議で、外国人による政治資金パーティー券購入の禁止を
「肝煎り」(党幹部)
として主張した。
石破茂首相(自民総裁)が目指す国民民主との
「部分連合」
の実現に向け、前提条件の1つになる可能性もある。
この他、自民は政治資金を監視する第3者機関の設置について、再改正の際、どこに設置するかや権限の範囲といった論点の結論を出したい考えだ。
自民は、党が党幹部らに支給する政策活動費の廃止や、国会議員に月額100万円が支給される
「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の使途公開・残金返納に関しても「速やかに実現を図っていく」(首相)
としている。
一方、立憲民主党などが禁止を訴えている企業・団体献金やパーティーの開催は、再改正でも禁止規定は盛り込まない方向だ。
自民はこれらの論点について、新設した総裁直轄機関
「政治改革本部」(渡海紀三朗本部長)
で詳細を詰める。

外国人の「パー券」購入を許して良いの?
正論2024年8月号 フィフィ
自民党の派閥政治資金パーティー収入不記載事件をきっかけにした政治資金規正法の改正案が成立しました。
今回の不記載事件については野党やメディアが
「裏金」
などと強く批判し、そうした行為を許した制度の穴を塞ぐための法改正を訴えていました。
成立した法案にはパーティー券購入者の公開基準引き下げなどが盛り込まれました。
もちろん、繰り返される政治とカネの問題に対し、メスは入れるべきでしょうが、与野党共により大きな問題に目を瞑っているように感じられてなりません。
それは、現行法で規制されず、今回の改正議論でもほぼ触れられることがなかった外国人や外国法人によるパーティー券購入です。
外国人や外国法人による政治献金は禁じられています。
しかし、パーティー券については認められています。
実際、私もかつて政治資金パーティーに招待され、会場にお邪魔した際、明らかに日本語ではない言葉で談笑する集団を目にしたことがあります。
実際に国籍を含め、どのような背景をお持ちかは分かりませんが、献金を許されていない属性の方々である可能性は高いと言って良いでしょう。
自民党の有村治子参議院議員は2024年3月の予算委員会で
「日本の政治が外国勢力から支配や干渉を受ける制度的な脆弱性を持ち続けることになる」
と指摘していましたがその通りです。
実質的には同じ政治家、派閥への経済的な支援でしょう。
この時、岸田文雄首相は
「問題意識は共有する」
などと答弁していましたが、自民党が提案した政治資金規正法の改正案にはパーティー券規制は盛り込まれていません。
国民民主党や日本維新の会は規制論を唱えていますが、野党第1党の立憲民主党はこの問題について不思議といつもの厳しい追及をしていないように映ります。
率直に言って、日本の政治家は本当に日本のために働こうとしているのかと疑わざるを得ません。
パーティー券を外国人が買っているから、その国に支配されている、などと安易に決め付けるつもりはありません。
そもそも本当に勝っているのかや、影響を受けているのかなどの証明は不可能に近いでしょう。
しかし、問題はそこではありません。
現実がどうか以前に、影響を与えられかねない可能性がある制度が問題なのです。
日本は現在、自由や民主主義といった価値観を共有するアメリカや台湾、西欧諸国などと共に、中国やロシアをはじめ、既存の国際秩序に挑戦しようとしている国々と対峙しています。
台湾海峡をはじめ有事のリスクは日々高まっているとされています。
そして安倍晋三政権以降、日本政府は防衛力の強化、つまり、
「敵国」
への備えを着々と進めています、
そうした中、外国から影響を受けるかもしれない制度の改正に手が付けられていないのならば、一連の姿勢の本気度が問われます。
尖閣諸島の周辺を連日中国の海警局の船にウロウロされていても、日本政府の対応はいわゆる
「遺憾砲」
だけです。
また、韓国船による日本の排他的経済水域内での事前同意がない海底調査にも在日韓国大使館に抗議するのみです。
”大人の対応”のつもりでしょうが、外国人にパーティー券の購入を許していることで日本の政治家が弱腰になるのだ、という種の余計な推測をされてしまいます。
もちろん、外国人や外国企業が日本人や国内企業を使って迂回的にパーティー券を購入することも出来るでしょうし、永住外国人の扱いなど、どのように実質的な規制に落とし込むのかという法制上の問題はあります。
しかし、外国人による事実上の
「献金」
が可能な制度がこのままで良いはずがありません。
今からでも遅くはありません。
改めて規制方法を考え、加筆するべきです。

<主張>通常国会の閉幕 「国の根幹」進まなかった
社説
2024/6/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20240623-U3XRSIZPX5NJ7OXR3P2VP5ZH5A/
岸田文雄首相は記者会見で、多くの法律が成立したことを強調した。
ただ
「政治とカネ」
を巡る問題では、国民の信頼を取り戻せたとは言えない。
改正政治資金規正法を成立させたとはいえ、外国人・外国法人のパーティー券購入規制や「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の改革は先送りされた。
自民党の派閥パーティー収入不記載事件についても不明な点が残った。

<主張>改正規正法が成立 さらなる改革に取り組め
2024/6/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240620-7NRDG53ICNKE3I6FEQNXJ33L5Y/
自民党が提出した改正政治資金規正法が参院本会議で自民、公明両党の賛成多数により可決、成立した。
自民派閥パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性向上への対策が盛り込まれている。
一部を除き令和8年に施行される。
ただし今回の内容では十分とは言えない。
更なる取り組みを求めたい。
改正法は、政治資金収支報告書が適法だと証明する
「確認書」
の作成を国会議員に義務付けた。
確認が不十分だった場合、公民権停止となる。
不正を抑止する効果が期待される。
透明性の向上を図るため、パーティー券購入者の公開基準額を
「20万円超」
から
「5万円超」
に引き下げた。
一方で積み残した課題がある。
最たるものは、外国人・外国法人のパーティー券購入規制を検討にとどめた点だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐため、外国人・外国法人による政治献金は禁止されている。
パーティー券の代金はパーティー参加の対価とされるが、政治活動への事実上の経済支援である。
献金と意味合いがほとんど変わらない以上、外国人・外国法人による購入を禁止すべきだ。
立憲民主党提出のパーティー禁止法案は衆院で否決された。
立民は一部幹部にのみ当面の自粛を決めたが、パーティーが政治を悪くすると考えるのなら、党所属の全議員が自粛するのが道理ではないか。
不記載事件を巡っては、いつ誰が何の目的で行ったかが依然不明だ。
首相や安倍派は説明を尽くさねば、国民の不信は尚残るだろう。

<産経抄>首相の腐心、政治資金規正法の「貝合わせ」   
2024/6/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240607-IPEPRQ5ZHJKWHBFUHUWQ4BGG34/
「貝合わせ」
という遊びが生まれたのは平安時代の末だった。
たくさんの貝殻を左と右に分け、正しい一対を多く選んだ人が勝ちとなる。
日本国語大辞典によれば、1度に360個のハマグリが使われる壮大な娯楽だったらしい。
▼貝の内側には左右同じ趣向の絵や和歌の上の句と下の句を分けて書き、目印にしたとか。
左右が合わない状態を「ぐりはま」と呼んだ。
さて現代、永田町の人々にとっては耳が痛い言葉だろう。
与野党間は疎か、与党内でも続いた政治資金規正法改正案の「ぐりはま」である。
▼「10万円超」とする自民党内の声を制し、公明党の「5万円超」に合わせたパーティー券購入者の公開基準額。
日本維新の会に迫られて、領収書などを10年後に公開する案を呑んだ政策活動費の扱い。
衆院特別委員会が流れる異例の混乱もあった。
▼岸田文雄首相が収拾のために自ら奔走せざるを得なかったことが、自民党の厳しい内情を物語っている。
国際情勢が緊迫の度を高める中、政治不信を拭うための議論でもたついたのは、何とも嘆かわしい。
さりとて今国会での法案成立は不可欠だ。
▼改正案はきのう、衆院を通過した。
自ら率先して行うつもりもない
「政治資金パーティーの禁止」
を掲げた立憲民主党は笑止だが、外国人や外国法人によるパーティー券購入の禁止は検討事項にとどまっている。
国益に関わり、対処は急を要する。
参院で議論を尽くしてほしい。
▼誰が何のために始め、何に金が使われたか。
根本的な疑問に政治が答えたとは言い難い。
ともあれ抜け道を許す規正法の運用は困る。
制度を正すも歪めるも政治家にかかっている。
「歪み」と書いた。
「不」と「正」の貝合わせはこれで最後にしてもらわねば。

<主張>規正法衆院通過へ 信頼回復急ぎ成立確実に
社説
2024/6/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20240606-E35EY6RHWNORTLKXFHRIEJBYEQ/
衆院の特別委員会は自民党提出の政治資金規正法改正案を、自民、公明党、日本維新の会の賛成多数で可決した。
2024年6月6日の衆院本会議で可決し、参院に送付される見通しだ。
自民派閥パーティー収入不記載事件に端を発した政治とカネを巡る改革は、今国会で結論を出さねばならない。
参院で議論を尽くし、成立を期したい。
信頼回復を急ぐことが求められる。
改正案の最大の眼目は、同事件の再発防止である。
会計責任者が作成した政治資金収支報告書が適法であることを議員が証明する
「確認書」
の作成を義務付けた。
会計責任者が処罰され、議員の確認が不十分だった場合、公民権停止になる。
議員の責任を明確にした点で前進と言える。
実効性を確保し違法行為を抑止しなければならない。
改正の狙いには政治資金の透明性向上もある。
パーティー券購入者の公開基準額を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げる。
公明の要求を踏まえたものだ。
政党から国会議員に支出される政策活動費については、10年後に領収書などを公開する仕組みを設ける。
維新が求め、自民が受け入れた。
外国人・外国法人のパーティー券購入の規制が検討事項にとどまったのは残念だ。
現行の規正法は外国人・外国法人による政治献金を禁じている。
国政が外国勢力から影響を受けることを防ぐためだ。
これに対しパーティー券購入に国籍制限はない。
外国人への参政権付与などの政治的思惑が購入者側にあっても不思議ではない。
外国人・外国法人による購入は禁止すべきである。
衆院審議の過程で、立憲民主党がパーティーを全面的に禁止する法案を出す一方、党幹部がパーティーを開催したり予定したりしていたことが分かった。
批判されて取りやめたが、未だに一部の幹部を除く大多数の所属議員に開催を禁じていない。
言行不一致は国会審議の形骸化に繋がることを自覚し、反省する必要がある。

岸田首相、外国人パーティー券規制「実効性担保考える」 規正法改正へ審議入り
2024/5/22 19:30
https://www.sankei.com/article/20240522-XNX6OA3TORMZTPSJK3VG2QJJHM/
自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受け与野党が提出した政治資金規正法改正案の審議が2024年5月22日、衆院政治改革特別委員会で始まった。
各党案の隔たりは大きく、法案修正協議は難航しそうだ。
岸田文雄首相は同日の参院予算委員会で、外国人や外国法人によるパーティー券購入について
「規制の実効性をどう担保するかの検討を含め、対応を考えたい」
と述べた。
衆院特別委では自民案、立憲民主と国民民主両党の共同案、同日に提出された日本維新の会案の趣旨説明の他、立民が単独で提出したパーティー開催禁止法案などの趣旨説明も行われた。
各党案はパーティー券購入者の公開基準額で隔たりがあり、パーティーの在り方などが焦点となる。
自民は当初、公明党と与党案の共同提出を目指したが、公開基準額などで折り合えず、単独での提出となった。
首相は参院予算委で
「政治の信頼回復に向け、多くの国民の声を聴き、法改正で結果を出す」
と強調した。
維新の柳ケ瀬裕文氏から
「安全保障環境が厳しい」
として外国人らによるパーティー券購入禁止を求められ、首相は
「問題意識は共有する」
「パーティー券は譲渡されるので、実態把握や規制の実効性の確保を検討しなければならない」
と述べた。
政党から議員に支出され使途公開の必要がない政策活動費について、立民などは廃止を求めているが、首相は改めて否定した。
企業・団体献金の禁止も拒否した。
維新案は、政策活動費の在り方を見直し「特定支出」制度を新設。
政党が支出できる総額の上限や使途を制限し、10年後に領収書などを公表することなどを盛り込んだ。

<主張>政治パーティー券 外国人の購入を禁止せよ
社説
2024/4/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240407-DPWLC4DYDROLZJ42HOTVIEOT7U/
自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受けて、後半国会の焦点になっている政治資金規正法の改正論議で重要な論点が見落とされている。
外国人・外国法人による政治献金が禁じられている一方で、政治資金パーティー券の購入は認められている点だ。
外国人などの政治献金が禁止されているのは国政が外国勢力から影響を受けることを防ぐためだ。
それは日本の主権を守ることに他ならない。
現行の規正法では、パーティー券の購入費はパーティーへの参加の対価という位置付けになっているため、国籍の制限はない。
だが、実際は政治活動への事実上の経済支援である。
献金と意味合いがほとんど変わらない以上、外国人・外国法人による購入を禁じるべきだ。
参院予算委員会で質問に立った自民党の有村治子氏は、このままでは
「日本の政治が外国勢力から支配や干渉を受ける制度的な脆弱性を持ち続けることになる」
と懸念を示した。
その通りである。
リクルート事件などを受け、平成6年の規正法改正で企業・団体の政治家個人への献金は禁止された。
これにより、政治家に資金が渡る手段は、献金からパーティー券購入へと変わっていった。
こうした経緯を踏まえれば、寄付と同様にパーティー券の購入にも政治的動機があってもおかしくない。
その動機の1つに、外国人への参政権の付与もあろう。
選挙権・被選挙権などは国民にのみ与えられた権利であり、外国人が持てば憲法に抵触する。
有村氏の質問に対し岸田文雄首相は
「様々な分野で外国の機関による工作が行われているとの認識に立って情報収集・分析に努めている」
「問題意識は共有する」
「自民として何ができるかを考えたい」
と語った。
外国機関の工作が行われていると認識している割には、悠長に構えていると言わざるを得ない。
党政治刷新本部がまとめた政治改革の中間取りまとめにも、外国人などのパーティー券購入に関し言及がなかった。
政治改革を議論する特別委員会は2024年4月月内に衆参両院に設置される見通しだ。
規正法改正の自民案を早急にまとめ、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止を盛り込んでもらいたい。

「外国勢力の干渉を受ける脆弱性」自民・有村治子氏、外国人のパーティー券購入制限を訴え
2024/3/6 11:44
https://www.sankei.com/article/20240306-KBNQ5HLXDRFYPCCFT7RT726R6M/
自民党の有村治子参院議員は2024年3月6日の参院予算委員会で、岸田文雄首相に対し、外国人による政治献金が禁じられる一方、政治資金パーティー券の購入は認められている現状について
「事実上どちらも政治活動への経済的支援に変わりはない」
「外国人によるパーティー券の購入を正していかなければ、日本の政治が外国勢力から支配や干渉を受ける制度的な脆弱性を持ち続ける」
と述べ、法改正を訴えた。
首相は
「政府として様々な分野で外国の機関による工作が行われているとの認識で情報収集・分析に努めている」
とした上で、
「問題意識は共有する」
「自民党として何ができるかを考えたい」
と述べた。
有村氏は
「特定の外国の人が日本の政治家からパーティー券を買い続け、参政権がないにもかかわらず少なからず経済的支援を続けているとすれば、相当の(政治的)動機があるはずだ」
とも語った。
外国人によるパーティー券購入の是非を巡っては、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受けて党内で議論されたが、2024年1月に了承された政治改革案の中間取りまとめには盛り込まれなかった。

裏金!? 岸田首相の宏池会 中国人パーティ券は”無罪”なのか チャイナマネー汚染によって腐っていく政権の実態を暴く
WiLL2024年5月号 ジャーナリスト 佐々木類
■中国に乗っ取られた岸田派
手元に東亜信息網(ドンヤーシンシーワン:東アジア情報ネットワーク)という電子版(2023年5月18日付)の記事と動画がある。
動画の画面左上には
「香港日報」、
右下には
「東亜信息網」
という文字と共に、日中両国の国旗が見える。
約7分間の動画は2023年5月17日夜、港区にあるホテルで開催された
「宏池会と語る会」
の受付の様子から終了まで、在日中国人らが大勢出席している様子を鮮明に映し出している。
パーティー開始前、入口付近にある金屏風の前に立ち参加者を出迎えた自民党の林芳正外相(当時)が、在日中国人の1人1人と親し気に挨拶を交わし、名刺交換をしている姿が映っている。
パーティーに出席した在日中国人らが仲間内で記念撮影したシーンも流され、美女らと共に呉江浩(ごこうこう)・駐日中国大使が笑顔で映っていたのはご愛敬だ。
その前年(2022年)5月19日付同電子版にも、
「宏池会と語る会」
の現場レポートが載っている。
注目したいのは、以下のくだりだ。

<岸田首相の就任後、初めて開催されたパーティー会場はほぼ満席で、例年より明らかに多くの在日中国人が集まり、初めてパーティーに参加したグループも見られた>
<中でも、名古屋市在住の中国人グループがわざわざ会場に来てとても美しい光景となった>
<名古屋在住グループの主催者の女性は、
「今年(2022年)は中日国交正常化50周年であるからパーティーに参加することで、【中国を宣伝したいという希望】を示すものであり、日中関係はより良い方向に発展している>
*【】は筆者注
<中には在日中国人なら誰でも知っている中国人も来ており、豪華絢爛な顔ぶれとなった>
<壇上で挨拶した林外相も気勢を上げ、岸田首相にはっぱをかけていた>
<今年(2022年)の宏池会のパーティーが例年と違うのは、なぜか学校教育推進コーナーがあって、中国人関係者が登壇した点だ>
<参加者の誰かが
「宏池会のスポンサーに違いない」
と冗談を飛ばしていたが、取材したら本当の話だった>
<首相や重要閣僚が集まるパーティーである>
<相当高額のパーティー券(パー券)を購入したに違いない>

次いで、2019年5月16日付電子版の東亜信息網の記事だ。
見出しは、
<2万円出して宏池会のパーティーに参加すれば、何を見ることができるのか>。
2019年5月15日夜、東亜信息網の記者が
「宏池会と語る会」
に出席した模様を写真と動画付きで報じている。
記事の内容は次の通りだ。
少々長いが引用する。

<パーティー券は1枚2万円かかる>
<記者のパー券は日本の企業経営者から贈られた>
<島国にある自民党の宏池会のパーティーでは、中国人にとって想像もつかないような事が普通に行われていた>
<パーティーは有料で、中国人団体も喜んでパーティーに参加していた>
<なぜこの時期に宏池会がパーティーを開いたのか>
<今春(2019年春)から統一地方選挙が本格化してこの日パーティーが開かれた頃には選挙が最高潮に達し、各派閥が自分の派閥候補を全力で応援しているのだ>
<記者が出席した宏池会は、1957年に池田勇人首相によって設立され、
「軽武装と経済重視」
路線を掲げ、自らを保守の主流とみなしている>
<元々は、吉田(茂)派と呼ばれ、池田元首相、前尾繁三郎衆院議長、大平正芳元首相、鈴木善幸元首相らが会長を歴任した>
<1991年(*年号編集部編成)に宮澤喜一氏が総裁に選出された後、名称を宮沢派に変え、日本の歴史の中で長期に渡って政権を握り、重要な地位を占めて来た>
<派閥のメンバーは何人も首相を務めたが、1998年と2000年(*年号編集部編成)の大きな分裂で勢力が急落した>
<2017年、宏池会が創立60周年を迎え、岸田外相を安倍首相のライバルとして会長に据えた・・・>
<記者は多くの中国人を発見したが、日本の過去と現在の政治家に会うために2万円を使うのはかなり高額だ>
<ただ、地位がどれほど高くても、低くても、経歴や職業を尋ねられることはないし、提出する書類も必要ない>
<【セキュリティー・チェックもないから、】その気になって2万円さえ出せば、誰だって宏池会のパーティーに参加できるのだ>
(*【】は筆者注)

■岸田派の逃げ切りを許すな
政界と大手メディアは示し合わせたように、中国に乗っ取られたかのような派閥パーティーの実態を見て見ぬ振りをし、連日、
「裏金、裏金」
の大合唱だ。
それも問題だが、中国人によるパー券購入の方がもっと問題だろうに・・・。
派閥の政治資金パーティー収入の不記載(裏金)事件で、自民党は党規約などの改正案を整えた。
政治団体の会計責任者が政治資金規正法違反で逮捕もしくは起訴されれば、議員本人に対して最も重い場合で離党勧告を行える内容を盛り込んだものだ。
不記載となった金は裏金と化し、場合によっては、所得税法違反の疑いすら生じているのだから、議員本人の責任を問うのは当然である。
だが、如何にもお手盛りの甘い決定と言わざるを得ない。
議員の進退は選挙民の負託を受けた議員本人が決めることではあるが、
「離党勧告」
などと甘っちょろいことを言っていないで、
「辞職勧告」
にすべきであろう。
それ以上に問題なのは、岸田政権の中枢を蝕み、真っ先に除去しなければならない深刻な問題が置き去りにされたままであることだ。
何回でも言おう。
中国人らによるパー券購入問題である。
彼ら個人や団体が、中国共産党の意を汲んだ対日工作の実働部隊として、政権与党の自民党が中国に有利な政治決定をするよう、政治的な意図を持って購入しているのは明らかである。
岸田首相が、彼らが
「金は出すけど、口は出さない」
という奇特な集団だと思っていたとしたら、余りに能天気だ。
習近平政権は、友好の仮面を被りながらも本音では、日本を華夷(かい)秩序(中華思想に基づく世界観を現実に投影しようとする国際秩序)に取り込むべく、日本の政財界中枢だけでなく、地方自治体への浸透を目論んでいる。
戦前、八路軍(日中戦争時に華北で活動していた中国共産党軍の通称)を率いた毛沢東以来、プロパガンダに長けた中国共産党である。
政治的な狙いがあると見るのが当然だ。
もっとも、パーティー収入の不記載と違って、外国人によるパー券購入は政治資金規正法違反ではない。
ならば、直ちに違法とするべく、国会の責任で政治資金規正法を改正すべきである。
現行の政治資金規正法では、パー券の購入は20万円以下であれば購入者を明らかにする必要がない。
匿名での購入が罷り通っているのである。
これが外国勢力による資金提供の温床になっているのだ。
■腐り始めた政権中枢
企業・団体による【献金】は【政党】に対して【だけ】認められている。
だが、【パー券の購入】であれば、【政党以外の政治団体】からも可能である。
国の補助金を受けた法人や赤字法人、外国人・外国法人の寄付は禁じられているにもかかわらず、パー券購入には何の制約もなく抜け穴になっているのである。
こうした事実を国民の多くは知らないでいる。
知らなければ問題意識を持ちようがなく、政治に対する批判の目を向けることもない。
悪しき慣行が罷り通る所以である。
それが政治家個人の政治活動に対する責任に帰するものであるならまだしも、政治の中枢、言うなれば、国の舵取りを担う政権の屋台骨に影響が及ぶものである。
宏池会のパーティーは、日本の政権中枢が根っこから腐り始めていることを如実に示しているのである。
東京地検特捜部の捜査も掛け声倒れに終わった。
大野泰正参院議員と安倍派・二会派の会計責任者らを東京地裁に在宅起訴し、谷川弥一衆院議員と岸田派の元会計責任者、二会派の二階俊博元幹事長の秘書らを東京簡裁に略式起訴して捜査の幕を引いてしまった。
1992年の
「金丸事件」
でも似たような光景を思い出す。
政治資金規正法違反の罪に問われた金丸信元自民党副総裁の略式起訴に怒った国民感情に焦った特捜部は、脱税の事実を突き止めてようやくの思いで金丸逮捕にこぎ着けた。
その頃と違って捜査能力が落ちたのか。
強制捜査に乗り出したところまでは良かったが、大山鳴動して鼠一匹(前触れの騒ぎばかり大きく、実際の結果は極めて小さい事の例え)。
安倍派潰しだなんだと言われっ放しの状況に悔しさを感じないのか。
日本は法治国家だから犯罪事実がなければ特捜部も動きようがないのだろう。
だが、捜査を継続すべきなのは、【政治資金規正法違反】などという生温い違法行為ではなく、【脱税という所得税法違反】である。
これは国会と二人三脚の仕事であるのだが、ゆくゆくは法改正して外国人によるパー券購入を禁止し、違反した議員を摘発していかねばならない。
岸田文雄首相も自ら政治倫理審査会に出席して
「事足れり」
で済ませるのなら無責任の極みだ。
法改正を主導すべきである。
2024年2月29日の衆院政倫審で、質問に立った立憲民主党の野田佳彦元首相が指摘したのは、もっともだ。
野田氏は、
「刑事事件にもならない、責任も問われない、説明責任も果たさない、税金も払わない、処分もない」
「何もないんだったら、また同じ事が起こりますよ」
「そろそろ党として、総裁としてのリーダーシップを奮って、処分を考えるべき時期だ」
と岸田首相の政治姿勢を問うた。
岸田首相が、
「法律上の責任以外にも、政治家としての説明責任、そして政治責任、道義的責任もあると思っています」
と述べたものの、党総裁としての指導力を発揮する決意は感じられなかった。
話が拡散するから、野田氏も敢えて問わなかったのか。
それとも、違法ではないから問題ではないと考えていたのか。
いずれにせよ、外国人によるパー券購入問題には触れなかった。
政治資金収支報告書は、要旨を公表して3年を経過すれば削除できる。
つまり、3年経てば、中国の個人・団体によるパー券購入は
「無かった」
ことにできるのだ。
岸田氏は、中国のパー券購入問題がこのまま闇から闇に消え、国民の目に晒されないで済むのであれば、御の字とでも思っているのではないか。
だから、麻生太郎副総裁に相談もせずに派閥などいくらでも解散するし、政倫審にだって出席する。
「党則だって党規約だって何だって改正するさ」
と、ほくそ笑んでいるのではないだろうか。
岸田首相の逃げ切りを許してはならない。
岸田派だけではない。
この問題を放置すれば、岸田派のパー券購入に勤しんでいた中国人や団体の存在も国民に気付かれないままとなる。
国の主権に関わる問題が放置されるのと同じことである。
派閥の解散はむしろ、襟を正して再発防止を図るためではなく、中国から大量のパー券を購入してもらっていた実態を国民の目から逸らす効果をもたらしている。
■チャイマネ汚染の隠れ蓑
こうした中、中国の個人・団体によるパー券購入問題を国会で厳しく追及しているのが、自民党の有村治子参院議員である。
2024年3月6日の参院予算委員会で、岸田首相に対し、外国人による政治献金が禁じられる一方、政治資金パーティー券の購入は認められている現状について、
「事実上どちらも政治活動への経済的支援に変わりはない」
「外国人によるパーティー券の購入を正していかなければ、日本の政治が外国勢力から支配や干渉を受ける制度的な脆弱性を持ち続ける」
と述べ、法改正を訴えた。
有村氏は
「特定の外国の人が日本の政治家からパーティー券を買い続け、参政権がないにもかかわらず少なからず経済的支援を続けているとすれば、相当の(政治的)動機があるはずだ」
とも語った。
首相は
「政府として様々な分野で外国の機関による工作が行われているとの認識で情報収集・分析に努めている」
と当然のことを述べた上で、
「外国による政治、その他の分野に関する情報収集や各界への影響工作など、我が国に対する有害活動に的確に対応することは重要なことだ」
と他人事のように語っている。
気を付けねばならないのは、当たり前過ぎて聞き流してしまいそうなこの答弁が、巧妙に細工されていることだ。
「有害活動に」
と条件を付けている点に注目したい。
岸田氏は、宏池会のパー券を中国人らが大量に購入していることへの政治的意図について触れず、
「有害ではないから的確に対応する必要はない」
と抗弁しているようにも聞こえる。
外国人によるパー券購入の是非を巡っては、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受けて党内で議論されたが、2024年1月に了承された政治改革案の中間取りまとめには盛り込まれなかった。
一体、岸田首相(自民党総裁)はじめ、自民党は何をやっているのか。
いくらでも修正可能な
「中間取りまとめ」
にすら盛り込めず、党規約などを見直したところで、腐った根は取り除けない。
こんな体たらくでは、保守的な自民党のコアな支持層が離れ、次の総選挙で惨敗することを全自民党議員は知るべきだ。
国民の目は節穴ではない。
支持率低迷で、ダッチロール(飛行機が左右に大きく揺れたりスライドしたりしながら飛ぶ)状態にある岸田首相。
巷間取り沙汰されている北朝鮮訪問で、拉致被害者の帰国を実現すれば巻き返しも図ることができるだろうが、そこまで岸田首相に胆力はあるか。
憲法改正に向けた発議に具体的に動くという正攻法もあるが、これとて、やる気の欠片も見えてこないのが現状だ。
政権浮揚に向けて
「次の一手」
を考えているのなら、岸田氏の腹1つで、すぐにでもできることを進言したい。
「中国マネーから手を引くべきである」
と。

<独自>政策活動費使途公開、外国人のパー券購入禁止を 自民有志の要請文判明
2024/2/15 18:14
https://www.sankei.com/article/20240215-XBJQZJXFEBKPNKY7TAMTKHSFAA/
自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受け、派閥全廃を目指す同党中堅・若手有志の議員連盟
「政治(まつりごと)変革会議」(代表・青山繁晴参院議員)
が取りまとめた要請文の全容が2024年2月15日、分かった。
派閥全廃に向けて、政策集団による政治団体登録の禁止を主張。
政策活動費の原資・使途の公開や、外国人によるパーティー券の購入禁止も盛り込んだ。
要請文は
「派閥全廃は党改革の前提であり、まっさらな状態から新たな自民を構築すべき」
と明記。
派閥が残れば
「国民の信頼は生まれない」
とも指摘した。
政治改革を進めるため、
▽新たな「政治改革大綱」の策定
▽政党法もしくは公党法の制定
▽党内に強力な監査機関の新設
なども必要と記載した。
議連は2024年2月16日、自民の渡海紀三朗政調会長に要請文を提出する方針だ。

阿比留瑠比の極言御免
外国人パー券の禁止が本丸
2024/1/25 1:00
https://www.sankei.com/article/20240125-2IJIOJAG3FK4VHMGESRQGIU4VE/
政治資金収支報告書への不記載で始まった政治とカネの問題が、派閥解消の問題へと論点ずらしされたようで得心がいかない。
自民党の政治刷新本部は2024年1月23日、政治改革の中間取りまとめ案を提示した。
派閥による政治資金パーティーの禁止を盛り込んだが、政治家個人が開く場合の
「外国人」
によるパーティー券購入の禁止は入らなかった。
■献金ならクビが飛ぶ
この問題ではかねて、政治資金規正法が
「外国人」
からの献金を禁じているのに、事実上の寄付に近いと言えるパーティー券購入は自由であるのは抜け穴になっていると指摘されていた。
自民党の有村治子元女性活躍担当相が2024年1月23日、SNSでこう問題提起していた。
「外国人による【寄付】は禁じられる一方、【パーティ券の購入】には制限がない」
「事実上どちらも、政治活動への経済的支援であることには変わりなく、(中略)日本の政治が、外国勢力から支配や干渉を受ける制度的脆弱性を持ち続けることになります」
有村氏は2016年10月6日でもこの問題を質しており、当時の高市早苗総務相はこう答弁している。
「(政治資金規正法の)規定が設けられた趣旨は、日本の政治や選挙が外国の勢力から影響を受けるということを未然に防止する趣旨であると承知を致しております」
ある政治家のパーティー券を中国や北朝鮮が大量かつ継続的に買い続け、政治家がそれに依存するようになればどうなるか。
いずれ取り込まれて身動き出来なくなることは、小学生にだって分かる。
実際、2011年3月6日には、当時の菅直人内閣の前原誠司外相が在日韓国人から25万円の違法献金を受けていたことで外相を引責辞任している。
この時は、菅直人首相自身の資金管理団体がやはり在日韓国人から約4倍の104万円の違法献金を貰っていたことも発覚した。
ところが2011年3月11日、まさにその問題を菅直人首相が国会で追及されていた絶体絶命のタイミングで東日本大震災が発生し、問題は有耶無耶のまま延命したのだった。
外国人からの寄付は閣僚のクビが飛ぶほどの重大事であるのに、外国人のパーティー券購入は度外視するのは筋が通らない。
■議論あったのに
それも自民党の政治刷新本部ではたまたここまで話題が及ばなかったというのであればともかく、2024年1月16日の本部会合では小野田紀美元防衛政務官が発言しているのに、中間取りまとめでは跡形もないというのは不自然ではないか。
X(旧ツイッター)投稿によると、小野田氏は以下のように論じたという。
「派閥の是非がメイン議題になっているのはおかしい」
「そもそもこれは派閥の問題ではない」
「個人の政治資金パーティーでの過少記載問題もあった」
「『自民党』だけの問題ではない」
「個人の政治資金パーティーにかかる疑惑は他党でもあった」
「派閥の問題云々ではなく『政治資金パーティー』の在り方が問題なのである」
「パーティー券を某外国人が沢山買っていた事が問題になった事例も自民党議員にあった」
「この抜け穴は絶対防がなきゃいけない」
詳しくは直接、小野田氏の投稿を読んでもらいたいが、重要な論点である。
2024年1月22日の政治刷新本部では有村氏も小野田氏の言葉を引いて発言し、2024年1月23日の同本部では事務局から有村発言への言及があったというが、中間取りまとめにこの本丸は反映されていない。
やはり納得できない。

自民党パーティー券疑獄の「真の巨悪」
Hanada2024年2月号  門田隆将
自民党のパーティー券問題の
「本質」
は何なのか。
東京地検特捜部は、その
「核心」
に切り込めるのか。
2023年の年末、政界は激震だ。
安倍派ばかりに話題が集中する中、
「核心は岸田派(宏池会)にある」
という声が消えない。
しかし、同時に
「特捜部はそこまでは踏み込めない」
との悲観的な見通しも流れてくる。
その理由を解説したい。
2023年12月7日、岸田首相は突然、岸田派会長を下りることを表明した。
「党内には無派閥の人間も大勢いるので、総理総裁の任にあるうちは派閥を離れるというのが適切と考えた」
「私が先頭に立ち、党の信頼回復に努力したい」
岸田首相のその言葉を聞いて
「今更何?」
とシラけた向きも少なくあるまい。
「あれだけ批判されても派閥の長をやめなかった岸田氏の”豹変”でした」
「それだけ追い詰められたということです」
とは、大手紙社会部デスク。
「パーティー券問題は、いち早く各派が政治資金収支報告書を修正し、体裁を整えています」
「しかし、単に政治資金規正法違反だけなら、検察も検事をかき集めて50名体制に増強したりしません」
「つまり”先”を見据えている、ということです」
「しかし、その壁、つまりタブーの大きさから、”恐らく無理”という見通しの方が現時点では優勢なのです」
先を狙っている、タブーの大きさ、恐らくは無理・・・これらの言葉は何を意味するのだろうか。
ポイントは
「岸田派」
にある。
例えば2022年5月18日に開かれた岸田派の政治資金パーティーを見てみよう。
この日午後6時から東京・芝公園の東京プリンスホテルで開かれたパーティーは一種、独特の空気に包まれていた。
出席者の1人が振り返る。
「岸田派のパーティーは独特なんです」
「他の派閥の雰囲気とは違います」
「理由は”中国人の多さ”です」
「他派閥も中国人はいますが、人数が違うので飛び交う中国語が凄いんです」
「つまり、岸田派のパーティー券は、中国人が数多く購入しているということです」
「まだコロナ禍の2022年は間隔を空けた椅子席で始まったんですが、明らかに中国人と分かる人たちがずらりと座っていて、その様子がネットに流れて話題になりました」
パーティー券を購入するということは、当然、
「見返りを求めて」
のことである。
では、岸田派が突出して”中国人が多い”のは何故なのか。
「岸田派、つまり宏池会は3代目会長の大平正芳が田中角栄と共に1972年に日中国交正常化を成し遂げた」
「そのため中国は、田中派と大平派を特別扱いしてきました」
「ODAなど中国への援助は主に両派を通して行われ、中国から多額のキックバックがもたらされていた話は有名です」
(自民党関係者)
井戸を掘った人を大切にする中国:言い換えれば、
「食らい付いたら離れない」
中国は、今の岸田派もずっと”手中に収めたまま”なのである。
しかし、政治家は政治資金規正法第22条により、外国人から献金を受けてはならない。
かつてこれに違反して民主党政権時代の前原誠司外相のように大臣ポストを追われた政治家もいる。
献金を受けてはならないなら、ではパーティー券購入はどうか。
そこに規定はなく、しかも20万円以下なら氏名も出てこない。
更に中国人と言っても、これを日本法人にし、代表者も中国名でなく日本の名前になっていれば、完全に”姿を隠す”ことが出来るのである。
だが、いざパーティーが開かれれば、真の購入者である中国の関係者が一斉に
「現れる」
というわけだ。
それが岸田派のパーティーなのである。
何故中国は、日本でビジネスのあらゆる場面に顔を出し、競争入札でもこれを落とし、行政にも食い込んでいるのか。
それこそ、政治資金パーティーをはじめ、あらゆる機会に政治家や派閥に恩を売り、気脈を通じているからに他ならない。
もし、特捜部が安倍派の裏金問題だけで捜査を終えるなら、
「中途半端」
との謗りは免れまい。
中国が何故ここまで日本の政治家を壟断しているのか:今回の問題をきっかけに外国勢力との異常な関係に踏み込み、弊害を正すことが出来るのは、東京地検特捜部だけである。
ターゲットが最高権力者の岸田文雄氏であることに怯むことなく、真の問題点を炙り出して欲しい。

【驚愕】岸田派の政治資金パーティーに大量の中国人!!宏池会はいつも在日中国人団体の主要メンバー達が参加!!寄付よりパーティー収入が増
https://www.youtube.com/watch?v=2P3C_PO7UL8

パーティー券ザル法≠フ実態 外国人献金はNGなのに…購入は制限なし 会計上「事業収入」に「寄付と同じ扱いにする手も」
2023.12/14 14:50
https://www.zakzak.co.jp/article/20231214-CODLVHYJJBIPBBYMXS6UCPBKAA/
自民党派閥のパーティー券疑惑を巡っては、政治資金規正法の
「抜け穴」
が露呈した。
キックバック(還流)分を記載せず、裏金化していたことが焦点となっているが、他にも深刻な問題がある。
政治資金規正法では、外国人献金を禁じているのに対し、パーティー券購入の場合は制限がない。
ザル法≠フ実態を永田町関係者が語った。
政治資金規正法では、外国人や外国人が過半数の株式を保有する会社(上場5年未満)からの政治献金を禁じており、違反すれば3年以下の禁錮か50万円以下の罰金、罪が確定すれば公民権停止の対象となる。
政治や選挙への外国の関与や影響を防ぐための措置だ。
2011年3月、前原誠司外相(当時)の政治団体が京都市の在日韓国人女性から計25万円の献金を受けていたことが発覚し、前原氏は外相を辞任。
その後、別の外国人からの献金も明らかになった。
菅直人首相(当時)についても、資金管理団体への韓国籍男性からの献金疑惑が国会で追及された。
外国人献金は、閣僚が辞任に追い込まれるほどの重大問題となるが、パーティー券の購入については、外国人や外国法人を含めて購入者の制限はない。
パーティー券収入は会計上、
「事業収入」
となっているためだ。
政治資金収支報告書には、5万円以上の寄付に関し、寄付者の氏名や住所、金額など記載する義務があるが、パーティー券は20万円を超える収入でなければ記載は不要だ。
相場は
「1枚2万円程度」
とされるが、企業や個人側はパーティー券の購入記録を残す義務はなく、誰が買っているのか外部から確認するのは極めて難しい。
国会議員秘書の経験がある永田町関係者はこんな実情を明かす。
「パーティー券収入は、献金の別の窓口を作っているに等しい」
「議員側も企業に献金をお願いする際、『うちは外国人の社長だから』と断られても、『パー券がありますよ』と誘うこともできる」
「実際に、ある外国への影響力が強い議員のパーティーに、その国の関係者が多数参加することもよくある」
自民党の森山裕総務会長は2023年12月5日の記者会見で、政治資金規正法の改正も視野に、議論が不可欠との考えを示した。
政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信名誉教授は
「政治資金規正法については企業献金の抜け穴になっているのが大きい問題だが、外国人によるパーティー券購入についてもザルだ」
「パーティー券は献金の枠の外側にある事業収入だが、目的は政治資金を得るためで、献金と見做してもおかしくない」
「一般的に議員がパーティー券を多く買う人に有利に動くこともあり得る」
「チェックはなかなか難しいが、まずはパーティー券も寄付と同じ扱いにするのも一手だ」
と指摘した。

「政治とカネ」本当の問題
正論2024年1月号 政策シンクタンク 原英史
■外国勢力の影響防止の観点も
同時に、政治にカネがかからなくすることも課題だ。
先に述べた
「カネを配る」
問題の解決はその1つだが、それだけではない。
例えば議員秘書の給与も、多くの国会議員にとって大きな負担だ。
制度上、公費で負担されるのは3人まで(政策担当秘書、公設第1秘書、公設第2秘書)だが、実際には、議員会館と地元選挙区で遥かに多くの私設秘書を抱えているケースが少なくない。
例えば10人の秘書を雇う国会議員には、10人分の給与を公費で出したらどうか。
国会議員は、公設秘書の数だけでなく、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の額などでも平等に扱われる。
確かに大ベテランも1年生議員も対等の
「国民の代表」
との建前はその通りだが、実際上、膨大な役割を果たす有力議員とそうではない議員の差は大きい。
前者の議員は多くのスタッフを使い、様々な経費をかけ、そのためにカネを集めなければならない。
果たす役割に応じて公設秘書数などは差があってよいのではないかと思う。
もちろん、その際、悪用防止の仕組み導入(勤務実績を開示し、有権者がチェックできるようにするなど)は不可欠だ。
最後に、
「カネを貰う」
制度の改善は、
「外国勢力の影響防止」
の観点でも早急な対処を要することを指摘しておきたい。
日本ではまだ危機感が乏しいが、米国や豪州ではこうしたルール整備が先行している。
日本では
「外国人・外国法人の献金禁止」
ルールはあるが、5年以上日本で上場すれば適用されないなど、ここにも
「抜け道」
がある。
加えて複雑な献金ルールを悪用されれば、巨額の献金で外国勢力の影響を受ける可能性も否めないから、要注意だ。
本稿執筆に際し、筆者が理事を務めるNPO法人万年野党と台湾の公民監督国会連名で共催する
「日本・台湾議会監視フォーラム第3回」(2023年11月15日)
での
「政治とカネ」
の討論を参考にした。
台湾では日本以上に
「外国からのカネ」
に対する危機感が強く、今後も情報交換が必要だ。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/852.html#c36

[政治・選挙・NHK295] いずれ維新も取り込む自民 玉木さん、浮かれていられるのは今だけだ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
48. 秘密のアッコちゃん[908] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月04日 19:11:18 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[473]
<▽32行くらい>
与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/856.html#c48
[政治・選挙・NHK295] 小泉今日子「早く世界中の戦争がなくなればいいな」 両親から聞かされた戦時中の体験…平和への思い語る(スポニチ) 赤かぶ
58. 秘密のアッコちゃん[909] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 07:03:38 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[474]
<■905行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>同性婚判決 社会の根幹を壊しかねぬ
社説
2024/11/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20241105-GZUIQKFCLRIFTHVKT7J4Z2G7NA/
同性婚を認めない民法などの規定について東京高裁は、違憲との判断を下した。
男女間を前提とし、社会の根幹を成す婚姻制度を壊しかねない不当な判決だと言わざるを得ない。
訴訟は同性カップルの当事者7人が国に計700万円の損害賠償を求めていた。
全国5地裁に6件起こされた同種訴訟で、高裁判決は札幌に続き
「違憲」
とされた。
最高裁の統一的判断が示されていないことなどから、国への賠償請求は退けられた。
判決では、同性婚を認めない規定について法の下の平等を定めた憲法14条1項と、結婚や家族に関し個人の尊厳や平等に立脚した立法を求めた24条2項に違反すると断じた。
男女間にしか結婚を認めないことは
「合理的な根拠に基づかない差別的取り扱いに当たる」
とまで踏み込んだ。
だが、国側が主張してきたように婚姻制度は、男女の夫婦が子供を産み育てながら共同生活を送る関係に法的保護を与える目的がある。
歴史的に形成された社会の自然な考え方であり、これに根拠がないと断じる方が乱暴ではないか。
憲法24条2項を挙げ、
「違憲」
とする解釈には無理がある。
同条1項で婚姻は
「両性の合意のみに基づいて成立」
すると規定し、
「両性」
が男女を指すのは明らかだ。
これを受けた2項も男女の結婚などに関するものだ。
国側が言うように、憲法は同性婚を想定しておらず、違憲の問題を生じる余地はない―と考えるのが妥当だ。
判決では各種の世論調査で同性婚を支持する人が増えているとしている。
同性同士にも結婚に相当するような法的保護を与えることへの社会的な受容度が
「相当高まっている」
とも言う。
それなら同性婚を想定していない憲法の改正を論議するのが筋ではないのか。
判決では、異性間の婚姻とは別の規定を含め
「複数の選択肢」
があるとし、立法を求めている。
同性愛など性的少数者への偏見や差別をなくす取り組みが必要なのはもちろんだが、そうした権利擁護と、結婚や家族の在り方の議論は分けて考えるべきだ。
民法などの結婚や家族に関する規定は、伝統や慣習を立法化したものであり、国民の合意を得た慎重な議論が必要だ。

同性婚訴訟 理解に苦しむ高裁の違憲判決
2024/11/2 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241102-OYT1T50001/
同性カップルの結婚を認めるかどうかは、家族制度の根幹に関わる問題で、社会の幅広い議論が必要だ。
憲法解釈のような法律論争によって結論を導くべきものではない。
同性婚を認めていない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして、東京都の同性カップルらが国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁であった。
判決は、賠償を認めなかったものの、現行の民法などについて
「性的指向により法的な差別的取り扱いをするものだ」
と述べた。
その上で、法の下の平等を定めた憲法14条などに反するとした。
男女が結婚すると、配偶者としての相続権や税制上の優遇措置などの法的利益が得られる。
同性カップルがこうした利益を得られないことは不当だという判断だ。
性的指向は、本人の意思によって変えることができない。
同性カップルだという理由で差別を受けることがあってはならないし、一緒に暮らすことも自由である。
しかし、そうであっても今回の高裁判決には違和感を禁じ得ない。
憲法24条は
「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」
すると定めている。
この文言が男女の異性婚を指していることは明白だ。
婚姻制度は、男女が共に生活し、子供を育てる営みを基礎として作られた。
憲法制定時、同性婚の可否など全く議論されていない。
従って、民法や戸籍法に規定がないのは当然のことだと言えよう。
世界人権宣言も、婚姻は
「男女」
の権利だと明記している。
ところが高裁判決は、憲法が同性婚を想定していないことを認めながら、民法などに規定がないのは違憲だと結論付けた。
憲法が想定しない事態が、なぜ憲法違反になるのか。
理屈に合わない。
同性婚訴訟は、全国の地裁や高裁で
「合憲」「違憲状態」「違憲」
と判断が分かれている。
同性婚の問題を憲法が想定していないことをおかしいと言うのなら、同性婚を認めるよう憲法改正を主張するのが筋だろう。
判決は、同性婚に賛成する人が大半だという近年の世論調査結果に基づいて、
「社会的受容度は高まっている」
と指摘している。
同性カップルを公に認めるパートナーシップ制度の導入や、夫婦同様の休暇や手当を認める自治体や企業が増えていることは事実だ。
ただ、家族制度の考え方は多様で、世代によっても異なる。
同性婚の制度化は立法の問題である。
国会などで、様々な観点から熟議することが必要だ。

【社説】「同性婚」容認判決 司法への不信感を高める
2024年11月2日
https://www.worldtimes.co.jp/opinion/editorial/20241102-186423/
司法は
「同性婚」
の容認に突き進んでいる――そんな危惧を抱いてしまう判決が出た。
同性カップルの結婚を認めない民法などの規定は
「憲法違反」
とする訴訟の控訴審で東京高裁は
「違憲」
判断を下した。
男女の関係と同性の関係を区別するのは
「差別」
になるとの判断は納得できない。
結婚を相対化し、ひいては家族を解体しようという左翼的な思想が司法に広がり、それが今回の判断にも影響を与えているのだろう。
■憲法に「両性」「夫婦」
同様の訴訟は東京、大阪など5地裁に6件起こされた。
婚姻の目的は子供を生み育てる関係を保護するものとした大阪地裁のみが婚姻を男女に限定することは
「合憲」
とし、後は
「違憲」

「違憲状態」
だった。
訴訟の争点は、同性婚を認めないのは憲法24条1項(婚姻の自由)、2項(個人の尊厳)、14条1項(法の下の平等)に反するかだ。
控訴審の最初となった札幌高裁はこの3つの項全てで違憲だとした。
東京高裁は24条1項については判断を示さず、後の2つの項で違憲とした。
自らが決めた相手と婚姻関係になることは
「安定的で充実した社会生活を送る基盤を成す重要な法的利益」
とする一方、男女の婚姻と同性カップルの関係を区別するのは
「合理的な根拠がない」
というのである。
これは
「法の番人」
らしからぬ憲法解釈ではないか。
婚姻とは何かを明確に示した憲法の条文はない。
ただ、24条1項に
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有する」
とある。
「両性」
「夫婦」
の文言があることから、婚姻は男女の関係であると解釈できる。
大阪地裁が合憲判断を示したのは、この点が大きい。
東京高裁が24条1項について判断を示さなかったことには作為を感じる。
また、事実認識の間違いもある。
性的指向は自ら変えられないとの前提で判断を下したが、同性愛者から異性愛者に変わるケースは少なくない。
同性婚の是非を巡る訴訟は、最終的には最高裁で統一見解が示される。
最高裁には家族の
「多様化」
を後押しするマスコミやそれに影響された世論に流されることなく、事実を見極め、憲法に忠実な判断を示してほしい。
それでこそ法の番人である。
衆院選と同時に行われた最高裁裁判官の国民審査では、審査対象となった6人のうち4人が
「不信任」
率10%を超えた。
全員が信任されたとはいえ、1人でも不信任率が10%を超えるのは2000年以来のこと。
しかも4人も超えたのだから異常事態である。
■性別の通念を軽んじるな
最も不信任率が高かったのは長官の今崎幸彦氏(11・46%)、次いで尾島明氏(11・00%)。
両氏は昨年2023年10月、性同一性障害の人が戸籍上の
「性別」
を変更する場合の要件の1つとして、生殖能力をなくす手術を受けることを盛り込んだ特例法を
「違憲」
とした裁判に関わった。
今回の審査結果は、婚姻の目的についての伝統的な考え方や男女の性別についての社会通念を軽んじる法の番人に対する国民の不信感が高まっていることを示した、と捉えるべきだ。

【判決要旨全文】東京高裁はなぜ「法の下の平等」などに違反と判断したのか (結婚の平等裁判)
「同性婚訴訟」とも呼ばれる性的マイノリティの当事者が、結婚の平等を求めて国を訴えている裁判。東京1次訴訟・高裁判決の要旨全文を掲載します。
ハフポスト日本版編集部
2024年10月30日 11時54分 JST
|法律上同性カップルの結婚を認めない法律は違憲だとして、性的マイノリティの当事者が国を訴えている裁判で、東京高裁(谷口園恵裁判長)は2024年10月30日、
「法の下の平等」
を定めた憲法14条1項と、
「婚姻や家族の法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定すべき」
と定めた憲法24条2項に違反するという判断を示した。
この裁判は
「結婚の自由を全ての人に」
訴訟と呼ばれ、30人を超えるLGBTQ当事者が国を相手取り、全国5カ所で計6件の訴訟を起こしている。
2024年10月30日に高裁で判決が言い渡された東京1次訴訟は8つ目の判決で、二審は2024年3月の札幌高裁判決に続いて2例目。
これで8件中7件で違憲・違憲状態の判決が言い渡されたことになった。
東京高裁はなぜ違憲と判断したのか。
判決要旨全文を掲載する。
【東京高裁・判決要旨全文】
判決要旨
令和6年10月30日午前10時 判決言渡(101号法廷)
令和5年(ネ)第292号 国家賠償請求控訴事件
【担当部】東京高等裁判所第2民事部
【裁判官】谷口園恵(裁判長)、柴田義明、山口和宏
【当事者】控訴人:7名 被控訴人:国
【主文】控訴棄却
【判断の骨子】
1 現行の法令が、民法及び戸籍法において男女間の婚姻について規律するにとどまり、同性間の人的結合関係については、配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定(=婚姻の届出に関する民法739条に相当する規定)を設けていないことは、個人の人格的存在と結び付いた重要な法的利益について、合理的な根拠に基づかずに、性的指向により法的な差別的取扱いをするものであって、憲法14条1項、24条2項に違反する。
2 そのことが、現時点(当審口頭弁論終結日=令和6年4月26日時点)までに国会にとって明白になっていたとは言えないから、国会が、現時点までに同性間の人的結合関係について配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定を設けるに至っていないという立法不作為をもって、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとは言えない。
【理由の要旨】
1 控訴人らの請求
本件は、同性の者との婚姻を希望する控訴人らが、被控訴人に対し、現行の法令が同性婚を認めていないことは憲法14条1項、24条1項、2項に違反すると主張して、国会が同性婚を可能とする立法措置をとらないという立法不作為の違法を理由に、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償(慰謝料各100万円)を請求する事案である。
2 現行の法令が同性婚を認めていないことの憲法適合性(争点(1))
(1) 婚姻の目的・意義
婚姻は、当事者間の親密な人的結合関係を一定の要件の下に社会的に正当なものと認め、これに一定の効果を与える制度であり、時代、社会によってその制度内容は一様ではない。
民法は、男女が婚姻をして共に生活すると、夫婦間に子が生まれ、夫婦と親子から成る家族が形成されることを一般的に想定して、婚姻と親子を密接に結び付けた規律をしているが、この一般的な想定の全体に当てはまるものだけを社会的に正当な家族の在り方と認めて規律の適用対象としているわけではない。
我が国では、法律婚としての婚姻制度が整備された当初から、婚姻当事者の自由意思による合意が要件とされる一方、子の生殖の能力や意思があることは要件とされず、婚姻の目的について、子の生殖よりも、婚姻当事者間の永続的な人的結合を重視する見解が大勢を占めてきたことに鑑みると、我が国の婚姻制度は、婚姻当事者間の人的結合関係自体に社会共同体の基礎を成す構成単位としての意義を認め、これを法的な身分関係として制度化し、法的保護を与えてきたものであると言える。
国民の意識としても、一般に、性愛の対象とする相手を人生の伴侶と定めてその関係に社会的公認を受け、安定的に生活を共にすることに婚姻の意義の多くを見出しているのが実情であり、国民の中にはなお法律婚を尊重する意識が幅広く浸透しているとみられるから、婚姻には、互いに配偶者としての法的身分関係を形成して、それにより民法その他諸法令に定められた法的効果を享受することができることのみならず、居住、就労、療養その他の社会生活上の様々な場面において、配偶者として公認された者と扱われること自体により、共同生活の安定と人生の充実を得ることができるという意義があると考えられる。
そうすると、婚姻をすることで、自らの自由意思により人生の伴侶と定めた相手との永続的な人的結合関係について配偶者としての法的身分関係の形成ができることは、安定的で充実した社会生活を送る基盤を成すものであり、個人の人格的存在と結び付いた重要な法的利益として十分に尊重されるべきものである。
(2) 憲法24条の意義
憲法24条は、婚姻及び家族に関する従前の規律が、個人の尊重に欠け、男女間の不平等が顕著なものであったことから、婚姻に関する戸主の同意権のような封建的な規律を撤廃して、個人の尊重(憲法13条)と法の下の平等(憲法14条)という基本原則に立脚した制度が制定されなければならないことを明らかにする趣旨で設けられたものである。
憲法24条の制定時には、当時の社会通念に従い、婚姻とは男女間の人的結合関係をいうものであることを当然の前提として議論がされたにとどまり、同性婚の可否等については議論に上ることがなかったことからすると、「両性」、「夫婦」という文言を用いる憲法24条の規定をもって、性愛の対象とする相手を人生の伴侶と定めて共同生活を営むという永続的な人的結合関係が性的指向によっては同性間でも成立し得ることを想定した上で、男女間の人的結合関係のみを法的な保護の対象とし、同性間の人的結合関係には同様の法的保護を与えないことを憲法自体が予定し許容する趣旨であると解することはできず、憲法24条の規定があることを根拠として、男女間の婚姻のみを認め、同性婚は認めないことにつき、憲法14条1項違反の問題が生じ得ないということはできない。
(3) 性的指向による区別取扱いの存在
我が国では、かつては、異性愛が自然で、同性愛は病理であるとの認識が広く社会に浸透していたが、現在では、同性愛は疾病障害ではなく、性的指向は本人の意思で選択や変更をすることができないものであることが明らかになっている。
そして、性的指向による差別が許されないものであることは、国際的に広く共有される認識となり、我が国でも国の施策に係る基本理念として明確にされている。
自らの性的指向に基づき、同性間でお互いを人生の伴侶と定めて共同生活を営むという永続的な人的結合関係を形成し、その関係に社会的公認を受けることを望む者は、社会全体でみれば少数に属するものの、現に存在する。
このような同性間の関係においても、配偶者としての法的身分関係の形成ができることは、安定的で充実した社会生活を送る基盤を成すものであり、個人の人格的存在と結び付いた重要な法的利益であることに変わりがなく、男女間の関係におけるのと同様に十分に尊重されるべきものである。
しかし、民法及び戸籍法において、婚姻は男女間のものとして規定されており、同性間の人的結合関係については、婚姻の届出に関する民法739条に相当する配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定は設けられていないため、性的指向が異性に向く者は、自らの自由意思により人生の伴侶と定めた相手との永続的な人的結合関係について、婚姻により配偶者としての法的身分関係の形成ができるのに対し、性的指向が同性に向く者は、これができないという区別が生じており、これによって性的指向が同性に向く者に生ずる不利益は重大なものである。
(4) 上記区別の憲法適合性の判断枠組み
憲法24条2項は、婚姻及び家族に関する事項について、具体的な制度の構築を第一次的には国会の合理的な裁量に委ねつつ、その立法に当たっては、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきであるとする要請、指針を示すことにより、その裁量の限界を画しており、その裁量権を考慮しても、上記区別をすることに合理的な根拠が認められない場合には、上記区別は憲法14条1項に違反し、その場合には、憲法24条2項にも違反する。
(5) 上記区別の合理的根拠の有無
ア 婚姻制度は、歴史的にみれば、男女が共に生活し、子をもうけて育てるという人の自然な営みの存在を基礎として設けられたものであり、婚姻と親子を密接に結び付けた規律をする現行法体系の下で、婚姻した夫婦による子の生殖と養育が社会の次世代の構成員の確保につながる重要な社会的機能を果たしてきた。
これに対し、同性間では、共に生活しても、その間に自然生殖により子が生まれることはない。
しかし、我が国の婚姻制度においては、子の生殖は婚姻の不可欠の目的ではないと位置付けられてきたし、同性間の人的結合関係にも婚姻と同様の保護を与えても、男女間の婚姻に与えられてきた法的保護は何ら減ずるものではなく、婚姻制度が上記の社会的機能を引き続き果たしていくことに支障を来たすことはない。
また、同性同士の共同生活においても、一方のみと血縁関係のある子、養子又は里親として養育の委託を受けた児童を共に養育している例が実際に存在しており、上記の社会的機能を果たすことが同性間の人的結合関係では実現不能というわけではない。
そうすると、婚姻制度の目的や社会的機能との関係において、上記区別をすることに合理的根拠があるとは言えない。
イ 我が国において、これまで婚姻は男女間でのみ認められてきたものであり、国民の中には、同性婚を認めることに否定的な考えを持つ者が、近年相当減少しつつも一定数存在する。
しかし、性的指向に関する社会における認識の変遷、我が国も批准する自由権規約の内容とこれに関する自由権規約委員会による履行の勧告、諸外国における同性婚を認める立法等の状況、我が国の地方公共団体におけるパートナーシップ制度の導入の広がりなどの国内外の動きが近年急速に進んでいる。
同制度は、婚姻制度のような法的効果を伴うものではなく、当事者間の関係に社会的公認を与えるものとして一定の効果があるにとどまるが、その導入の急速な広がりは、同性間の人的結合関係に社会的公認を受けたいという要請の存在と、地方公共団体等においてそれを受け止めるべきであるという認識が広がっていることを示すものである。
このような国内外の動きに伴い、国民の意識の変化も進み、近年の同性婚に関する意識調査の結果をみると、年を追うごとに同性婚を認めることに賛成する者が増え、反対する者が減る傾向が顕著であり、現在では、我が国において、同性間の人的結合関係に男女間の婚姻と同様の保護を与えることについて、否定的な考え方が国民一般に広く共有されている状況にあるとは言えず、むしろ社会的受容度は相当程度高まっていると言える。
そうすると、婚姻及び家族に関する事項は国の伝統や国民感情を含めた社会状況における種々の要因を踏まえて定めるべきであることを考慮しても、性的指向という本人の意思で選択や変更をすることができない属性により、個人の人格的存在と結び付いた重要な法的利益の享受の可否につき区別が生じている状態を現在も維持することに合理的根拠があるとは言えない。
ウ 同性間の人的結合関係について、配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定を設ける方法としては、婚姻を男女間のものとしている民法及び戸籍法の規定を改正して、婚姻を同性間でも認める立法をする方法だけではなく、婚姻とは別の制度として、同性間の人的結合関係について婚姻の届出に関する民法739条に相当する規定を新設する立法をする方法もある。
また、いずれの方法を取る場合でも、民法における婚姻の規律及びこれと関連付けられた親子、親権、相続の規律、その他諸法令において婚姻に関連付けて定められている種々の法的効果に関する規律のそれぞれについて、同性間の人的結合関係についても同様の規律とするのかどうかを定める必要がある。
これらの事項についてどのような選択をするかは、現代における夫婦や親子関係についての全体の規律を見据えた総合的な判断を行うことによって定められるべき事柄であり、それによる具体的な制度の構築は国会の合理的な立法裁量に委ねられている。
もっとも、その立法裁量は、個人の尊重(憲法13条)と法の下の平等(憲法14条)という基本原則に立脚した制度とすべきであるという憲法上の要請が、その裁量の限界を画するものである。
例えば、配偶者の相続権(民法890条)のように、婚姻当事者の性別や子の生殖可能性の有無にかかわらず、配偶者の地位にあることにより当然に生ずるものとされている財産的権利について、男女間の婚姻とは異なる規律とすることは、直ちにその合理的根拠を見出し難く、憲法14条1項違反の問題が生じ得ると解される。
もとより、上記区別を解消するために取るべき立法措置として複数の選択肢が存在することや、その立法措置に伴い構築されるべき具体的な制度の在り方は国会の合理的な立法裁量に委ねられることは、上記区別を解消する立法措置を取らないことの合理的根拠とならない。
(6) 憲法適合性についての結論
以上によれば、現行の法令が、民法及び戸籍法において男女間の婚姻について規律するにとどまり、同性間の人的結合関係については、婚姻の届出に関する民法739条に相当する配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定を設けていないことは、個人の人格的存在と結び付いた重要な法的利益について、合理的な根拠に基づかずに、性的指向により法的な差別的取扱いをするものであって、憲法14条1項、24条2項に違反する。
3 上記立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法と評価されるか(争点(2))
同性間の人的結合関係についても配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定を設けるべきとの要請は、憲法の規定自体から一義的に明白であったとは言えず、憲法上の要請としてこのような帰結が導かれることが認識されるようになったのは比較的最近のことであり、概ね同旨の司法判断が積み重ねられつつあるものの、最高裁による統一的判断は未了であることに照らすと、そのことが現時点までに国会にとって明白になっていたとは言えない。
従って、国会が、現時点(当審口頭弁論終結日=令和6年4月26日時点)までに同性間の人的結合関係について配偶者としての法的身分関係の形成に係る規定を設けるに至っていないという立法不作為をもって、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとは言えない。
以上

「生きていてよかった」「うれしい」同性婚訴訟、違憲判決に原告ら喜び 支援者も拍手
2024/10/30 21:11
https://www.sankei.com/article/20241030-WLMWOABJXBKBJJIIXWDTXZOBQA/
同性同士の結婚を認めない民法と戸籍法の規定は憲法違反と判断した東京高裁判決に2024年10月30日、原告からは喜びの声が上がった。
判決後、高裁前で原告らが
「婚姻の平等へさらに前進!」
と書かれた横断幕を広げると、支援者らが拍手で祝福した。
「裁判長の口からはっきり『違憲』と聞けて、生きていてよかったなと思えた瞬間だった」。
判決後の会見で、原告の小川葉子さん=60代=は、安堵の表情を見せた。
提訴から5年が経ち、亡くなった原告もいる。
小川さんは
「私たちも時間がない」
「立法に向けて一歩でも早く進んでほしい」
と法整備を求めた。
判決は、婚姻の意義として
「配偶者としての法的身分関係の形成」
に言及。
小川さんのパートナー、大江千束(ちづか)さん=同=は
「配偶者という言葉を言ってくれたのが凄く嬉しかった」
と話した。
原告の小野春さん=仮名、50代=は、女性パートナーと子供3人を育てる。
「法律の後ろ盾がない中、手探りで子育てをやることも多かった」
と言い、
「色々な家族がいるということを(判決で)言ってもらえた」
と笑顔を見せた。

同性婚認めない現行法は「差別的取り扱い」 立法府に対応求める 東京高裁判決
2024/10/30 21:06
https://www.sankei.com/article/20241030-2ML2XLEURJOYDNKZAQ6TYT5IVY/
同性婚を巡る訴訟で、再び
「違憲」
判断が示された。
同種訴訟でこれまでに地高裁で出された計8件の判決のうち、
「合憲」
は僅か1件。
2024年10月30日の東京高裁判決は、同性婚を認めない現行法の規定を
「差別的取り扱い」
と指摘し、立法府に対応を求めた。
主な争点は、民法などの規定が
「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」
とした憲法24条1項▽「婚姻や家族に関する法律は個人の尊厳に立脚して制定する」とした24条2項▽「法の下の平等」を定めた14条1項−に違反するかだった。
高裁判決はまず、婚姻制度の目的を検討した。
憲法制定時は同性婚を想定していなかったとした上で、婚姻の目的として、子を持つことより相手との人間関係が重視されてきたと指摘。
配偶者という法的身分は
「安定的で充実した社会生活を送る基盤」
として
「重要な法的利益」
で、性的指向にかかわらず尊重されるべきだとした。
また、複数の世論調査で同性婚に反対する人が3割未満だったこと、同性カップルを公的に認める
「パートナーシップ制度」
が400超の自治体で導入されていることなど、社会的容認が進む国内外の変化に言及。
現在も同性婚を認めないのは14条1項と24条2項に違反すると結論づけた。
1審東京地裁判決ではパートナーシップ制度などの存在を念頭に
「違憲状態」
とするにとどめたが、控訴審判決は同制度について
「一定の効果にとどまる」
と捉えた上で、具体的な制度構築は国会に委ねた。
控訴審判決は同性パートナーの親の死亡時に忌引休暇が使えなかったといった、原告それぞれの具体的な生活状況も検討。
同性婚ができないことで重大な不利益が原告にあったと認めた。
今年2024年3月の札幌高裁判決は24条1項が
「同性婚も保障する」
と踏み込んだが、東京高裁判決は判断を示さなかった。
■「司法と立法の役割、峻別」
棚村政行・早稲田大名誉教授(家族法)
東京高裁判決は、同性婚に関する規定がないことを違憲と判断することで、国会での立法による解決を強く促すと共に、社会的混乱の回避も狙うものだ。
司法判断を示す裁判所と、立法機関である国会が出来ることを峻別した点で、穏当なアプローチを取ったと言える。
判決は、今年2024年3月の札幌高裁判決と違って憲法24条1項が同性婚を保障するとの立場はとらず、同性カップルの婚姻に関する規定がないことが差別的だと指摘する形を取った。
その上で、制度設計は国会に委ねられるとの見解も示した。
同性カップルの社会保障や税法など、司法判断では解決出来ない問題がある。
東京高裁判決は、司法の立場を弁えつつ、人権を守る最後の砦の役割を果たそうとしたものとも言える。
同性婚訴訟を巡る2つの高裁判決でいずれも違憲の判断が出たことで、司法の流れは固まりつつある。
政府は今回の判決を重く受け止め、同性婚に関する問題の検討や議論を開始すべき立場に置かれている。

同性婚認めぬ規定、東京高裁も「違憲」 国の賠償責任は認めず
2024/10/30 10:14
https://www.sankei.com/article/20241030-QMURUNW7NFPXPJGQCE43QNFBPI/
同性同士の結婚を認めない民法と戸籍法の規定は憲法違反だとして、同性カップルの当事者7人が国に計700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2024年10月30日、東京高裁であった。
谷口園恵裁判長は、規定は
「個人の尊厳」
を定める憲法24条2項などに反して
「違憲」
と判断した。
賠償請求は退けた。
全国5地裁に6件起こされた同種訴訟で、2審判決は2件目。
今回の判決で、違憲は4件、違憲状態は3件、合憲は1件となった。
国の賠償責任が認められた例はない。
谷口裁判長は、婚姻によって法的身分関係を形成することは
「重要な法的利益」
で、
「同性間においても十分尊重されるべきもの」
と指摘した。
その上で、男女間にしか法律婚を認めないことは
「合理的な根拠に基づかない差別的取り扱い」
で、憲法24条2項の他、
「法の下の平等」
を定めた14条1項にも反するとした。
一方、同性婚に関する最高裁の統一判断がまだ示されていないことなどから、国の賠償責任までは認めなかった。
訴訟の主な争点は、異性間の婚姻を前提とした民法や戸籍法の規定が、
▽「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とした憲法24条1項
▽「婚姻や家族に関する法律は個人の尊厳に立脚して制定する」とした24条2項
▽「法の下の平等」を定めた14条1項
に違反するかだった。
今年2024年3月の札幌高裁判決は、規定が憲法24条1項に反するとして、違憲と判断していた。

卑怯なパーティー禁止案
産経新聞 2024年6月16日 弁護士 北村晴男
立憲民主党は政治資金パーティー禁止法案を提出する一方で、岡田克也幹事長ら複数幹部がパーティー開催を予定していた。
彼らの心の内は
「政治には金が掛かる」
「政治資金パーティーは、政治家が支持を訴え、これに賛同する有権者から政治資金を集めるという民主主義の根幹を成すもので、これを禁止するのは間違いだ」
「しかし、禁止法案はきっと国民に受ける」
「これは絶対に成立しないから出そう」
というもの。
その証拠に批判を受けてパーティー中止に追い込まれた岡田氏は思わず、記者の前で漏らした。
「政治改革の議論が決着するまで控えた方がいい」。
パーティーを開くつもり満々である。
その心根は実に卑怯で、国民を愚弄するにも程がある。
それにしても立憲民主党の党利党略は目に余る。
国益を図る党なら、政治資金パーティーの必要性、有益性を説明すべきなのに、立憲民主党はむしろ禁止法案を出して政権批判の具に利用する。
戦前、ロンドン海軍軍縮条約に調印した内閣を、野党・立憲政友会の鳩山一郎(鳩山由紀夫元首相の祖父)や犬養毅が
「天皇の統帥権の侵略だ」
と猛烈に批判したのとよく似ている。
統帥権は軍の最高指揮官で、軍政に関わる軍縮条約とは無関係だが、鳩山らはそれを百も承知で軍部の暴論に乗り、批判。
その結果、軍部は限りなく増長を続け、政党政治は死滅し、日本は破滅の淵に追いやられた。
立憲民主党の行動原理もこれと寸分違わない。
彼らには国益のため立法府の義務を果たそうという使命感がない。
国会議員の究極の務めは、国民のため
「憲法を適切な改正により磨き続けること」
だが、その議論さえも避ける。
立憲民主党が提出した同性婚法制化の婚姻平等法もその例だ。
憲法24条は
「婚姻は、両性の合意のみに基いて・・・」
と定め、文言上、明らかに同性婚を想定していないから、法制化を目指すなら国会で憲法改正を発議し、国民投票に問うべきなのだが、それをしない。
先日の札幌高裁判決は憲法24条の文言を無理に解釈して同性婚を認めたが、国民の議論が大きく分かれる問題を、国会議員と国民ではなく裁判官個々の価値判断に丸投げするのは間違いだ。
自衛隊についても全く同じ。
最高裁は自衛権を認め、国民は自衛隊に信頼を寄せるが、多くの憲法学者は憲法9条を根拠に自衛隊を違憲とする。
この条文が放置されることで、憲法の権威は著しく傷付いている。
常に必要な改正をし、条文を磨き上げてこそ、憲法への信頼が保たれる。
だが、立憲民主党は衆参の憲法審査会でもサボタージュを続ける。
「立憲」
と名乗りながら、憲法の権威を傷付け続けるとは、何をか言わんやである。

林官房長官が同性婚制度について「国民の家族観にかかわる」 立民提出の法案巡り
2024/5/14 17:29
https://www.sankei.com/article/20240514-2JPHJ7Q7EBKZXDIFGM4Y7BMNXM/
林芳正官房長官は2024年5月14日の記者会見で、立憲民主党が国会提出した同性婚を法制化するための民法改正案(婚姻平等法案)について
「(同性婚制度は)国民生活の基本に関わる問題だ」
「国民1人1人の家族観とも密接に関わるものと認識している」
と述べた。
同法案は、異性間の婚姻のみを前提としている文言を修正すると共に、従来の「父母」や「父」「母」を性中立的な「親」などの表記に改めることが柱。
保守層からは
「家族の在り方が崩壊し、バラバラの個人の集合体のような国になりかねない」(ジャーナリストの櫻井よしこ氏)
と慎重な意見が上がっている。
林氏は同性婚に関し
「まずは国民各層の意見、国会における議論の状況、同性婚に関する訴訟の動向、地方自治体におけるパートナーシップ制度の導入や運用の状況などを注視していく必要がある」
と語った。

実はあの本のパクリだった!札幌高裁「同性婚」判決、驚きの真実 八木秀次
2024/5/10 7:00
https://www.sankei.com/article/20240510-UIS26P7MTRJGDCXHHGS6Y3H2EQ/
マスコミ報道は分かり易さを追求するためか、しばしば法律論が大雑把になりがちだが、いわゆる同性婚問題についてはちょっと粗雑に過ぎる。
2023年までに全国5カ所の地裁で、同性同士の
「婚姻」
を認めない現行の民法や戸籍法の規定などについて判決が出されたが、多くのマスコミが、このうち4地裁で同性婚を認めていないことを
「違憲」
「違憲状態」
とする判決が出た、と報道していた。
例えば朝日新聞は
「同性どうしで結婚できないのは違憲とした(2023年)5月の名古屋地裁判決」(2023年6月21日付)
と書いた。
しかし、これは明らかに誤報だ。
判決をよく読めば分かるが、実はこれらの中に、単純に同性婚を認めないこと自体を
「違憲」

「違憲状態」
とした判決は1つもない。
これらの判決は、同性愛者に対し結婚そのものを認めなければならないと言っているのではなく、結婚で得られるメリットの一部(例えば社会的承認など)を得られるようにすべきだと言っているに過ぎない。
逆に言えば、
「同性婚」
そのものの導入を命じることは慎重に避けられている。
例えば、札幌地裁の判決は
「同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは…合理的根拠を欠く差別取扱いに当たると解さざるを得ない」
と述べるにとどめ、
「婚姻を認めないこと」
自体で違憲と断定されていない。
言い換えれば、せいぜい同性パートナーシップ制の法制化を示唆している程度で、同性婚法制化には躊躇していると言っていい。
少なからざる裁判官が、結婚を男女間に限定した現行制度を改めさせたいと思っているのは事実だろう。
しかし、結婚を男女間に限定することを
「違憲」
とすることには躊躇しているのである。
躊躇せざるを得ない理由の1つに憲法24条の文言がある。
同条は1項で
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」
と定めている。
つまり結婚は男性と女性の
「両性」
の合意によるものだと明言する24条の文言が、同性婚推進派の裁判官に対するストッパーになり、ストレートな違憲判決が出せないのが現実なのだ。
それなのにマスコミはこれを
「同性どうしで結婚できないのは違憲とした」
などと騒ぎ、多くの国民に
「憲法が同性婚導入を命じている」
と誤解させている。
これでは、きちんとした同性婚を巡る憲法論議はできない。
■札幌高裁”摩り替え”判決
だが、ここに来て、ストッパーになってきた文言の
「壁」
を乗り越える判決が出された。
2024年3月14日の札幌高裁の判決だ。
これは同性婚を認めていない民法などの規定は憲法24条に違反すると明言し、更に同条が同性婚を保障しているとまで主張した驚くべき判決だ。
「同性」
という言葉があるのに、どうして違憲判決を出せるのか?
常識ある読者はこう疑問に思うだろうが、そこには頭のいい裁判官らしい巧妙な論理、言い換えれば
「屁理屈」
がある。
単純に言うと、判決は憲法の
「両性」
という言葉を、
勝手に
「当事者」
と読み替えているのである。
「両性」

「当事者」
と変えると、24条はこうなる。
「婚姻は、当事者の合意のみに基づいて成立し・・・」
なるほど、これなら同性婚も認め得る。
しかし、裁判官が勝手に憲法の文言を書き換えるような真似をしていいのか。
判決はその疑問にこう答える。
憲法の解釈は
「文言や表現のみでなく、その目的とするところを踏まえ」
て行われ、
「社会の状況の変化に伴い、やはり立法の目的とするところに合わせ、改めて社会生活に適する解釈をすることも行われている」
その上で、判決はこう結論付ける。
「憲法24条1項は、人と人との間の自由な結び付きとしての婚姻をも定める趣旨を含み、両性つまり異性間の婚姻のみならず、同性間の婚姻についても、異性間の場合と同じ程度に保障していると考えることが相当である」
■実は「ネタ本」があった・・・
要するに、憲法の言葉を同性婚推進派の都合のいいように摩り替えたのだ。
「法の番人」
として、法の文言を重んじる裁判官にしては大胆な手法だが、実はこの論理には元ネタがある。
裁判官出身で元最高裁判事の千葉勝美氏の『同性婚と司法』(岩波新書、2024年2月刊)と、千葉勝美氏が2年前の2022年に発表した論文である。
同書は初めから同性婚を認めるべきだとの結論ありきで、そのためにどうやってこれまでの憲法解釈を曲げるかを示した憲法解釈のマニュアル本のような著作だ。
札幌高裁の判決は千葉勝美氏の論理も言葉遣いもそのまま借用しているように見える。
「パクリ判決」
と言ってもいいだろう。
千葉勝美氏は憲法24条の
「両性」
の用語について論文で次のように述べている。
「男女の属性を持ったものと言う意味から、その本来の意図を踏まえると、・・・明確な異性婚を想定させない『当事者』、『双方』の用語でも足り、・・・そのような趣旨で、あるいは限度での『憲法の変遷』が生じているのではないか」
「『憲法の変遷』の考え方を取り込み、・・・同性同士の婚姻も排除しない、すなわち許容していると解することの出来る別の用語として捉えることが許されるような状態に変遷していると考えることができよう」
(『判例時報』2506・2507号、2022年3月)。
難解な文章だが、要するに憲法条文の意味は時代によって
「変遷」
しているのだから、
「両性」
「夫婦」
の文言は
「当事者」
「双方」
と読み替えていいのだというのである。
札幌高裁判決とそっくりの内容だ。
ポイントになるのは
「憲法の変遷」
という考え方だろう。
これは19世紀ドイツの公法学者、ゲオルグ・イェリネックが提唱した理論で、日本国憲法のように改正が、難しい
「硬性憲法」
は、簡単に改正できないから、社会との間に齟齬が生じる場合は、同じ文言でもその意味が変遷していくと考えるべきだ・・・というものだ。
同性婚推進派の千葉勝美氏は憲法24条の
「壁」
を乗り越えるためには
「憲法の変遷」
論に基づく文理解釈、即ち
「両性」
から
「当事者」
への読み替えが
「同性婚を憲法上の権利として法制化するための唯一の憲法解釈」
であるとし、司法(裁判所)が毅然としてこれを主張すべきだと煽っている(『同性婚と司法』)。
札幌高裁はこれに乗った形だ。
しかし、である。
「憲法の変遷」
論は学説として存在するのは事実だとしても、裁判所の憲法解釈として妥当なのだろうか。
憲法を文言の原意に関係なく、裁判官の主観的判断で再解釈することは、司法がその権限を越えて文言を改正すること、つまり事実上の立法行為をするに等しい。
立憲主義や憲法の規範性に反する。
私自身は、そもそも
「同性婚」
は子供を産み育てるための制度である婚姻制度の趣旨に相容れないことから、その法制化に反対だが、今、司法で行われていることは、こうした議論とは次元が異なる。
憲法改正は国会の発議で国民投票によって決めるべきものだと憲法が定めているのに、それを司法が勝手に行っていいのかという問題だ。
仮に同性婚を法制化したいのであれば、正面から憲法24条の改正を唱えるのが筋だろう。
裁判所による
「裏口からの憲法改正」
の是非が問われている。

それは裁判官が決めることですか?「同性婚」判決に潜む高慢 米弁護士S・ギブンズ
「正しさ」に潜む高慢
2024/4/11 7:00
https://www.sankei.com/article/20240411-AYWGXSRU3VOOVIMFXC2CZA4YAA/
裁判官は国民の価値観を決められるほど、賢い存在なのだろうか。
先日の札幌高裁の判決は、実質的に、同性婚を認めるように民法および戸籍法の改正を国会に命じるものであった。
結婚は歴史的に男女間のみに限定されてきたが、現在では、そういう価値観は非合理的になったというのである。
「同性婚に対する否定的な意見や価値観を有する国民も少なからずいる」
「もっとも、これらは、感情的な理由にとどまるものであったり、異性婚との区別について合理的に説明がされていなかったりするものである」
つまり、結婚は男女のものだという考えは、理性的な人間ならば否定すべき迷信に過ぎない、というのだ。
同性が結婚するのは不自然だという価値観を心の中に抱くだけでも、天動説を信じる者であるかのように扱われるのだ。
その根拠は何か。
判決では、憲法13条(個人の尊重、幸福追求の権利)、24条1項(両性の合意に基づく婚姻)と2項(個人の尊厳、両性の本質的平等)、14条1項(平等権)という観点から、
「合理性」
に基づいて結論を導いた。
同性婚を認めない法律は
「合理的な根拠を欠く」
もので、違憲であり無効であると。
「合理」「合理」…裁判官はすべてをこの言葉で説明するが、しかし、人間とはそんなに合理的な存在だろうか。
何が正しくて、何が正しくないか、道徳や倫理上の問題を突き詰めていくと
「合理的な」
論理では説明がつかないということを裁判官たちは知らないようだ。
例えば、日本でも有名な1912年の客船タイタニック号沈没事故。
男性よりも子供や女性を優先して救うことに誰も疑問を抱かなかったが、その順位付けは
「合理的」
だったのだろうか?
なぜ例えば、一番強くて賢い者が優先ではなかったのか?
ただの合理から答えは導けない。
タイタニック号の乗組員や乗客は、論理ではなく、何世紀にも渡って培われてきた倫理的本能に基づいて行動したのだ。
同性婚に否定的な意見や感情も同じである。
家族、男女の役割と関係、親と子の関係など、日常生活の中核にある価値観、道徳的感情は、古くからある伝統的で複雑な要素に基づいているもので、
「合理的」
な論理では説明できない。
■不合理の一言で切り捨て
あるいは、過去半世紀に渡ってアメリカの法廷を悩ませてきた人工妊娠中絶の問題を考えてみよう。
アメリカでは、連邦最高裁が1973年の
「ロー対ウェード」
判決で、中絶手術を他の手術と区別するのは不合理であると結論付けて以来、合衆国憲法に一言も明示されていない女性の中絶権が認められてきた。
しかし、中絶手術を受ける女性のほとんどが、他の手術後には起こり得ない本能的な自責の念や、胎児に対する罪悪感を経験する。
その感情を
「不合理」
の一言で片付けることができるだろうか?
また、やがて生まれる命が人工的に奪われることに憤りを覚えることを、
「不合理」
の一言で切り捨てられるだろうか。
恐らく出来ないだろう。
中絶の是非は別としても、これらは純粋な論調だけでは答えの出ない複雑な問題である。
少なくとも、黒い法服をまとった賢い裁判官が正しい答えを出すべきではない。
生物学や歴史に根差した道徳的本能を
「非合理的」
「不合理」
なものとして排除するために、
「合理」
を前面に押し出すのは早計ではないか。
連邦最高裁は50年かけて、ようやくそれに気付き、2022年、憲法解釈を改めたのだが、50年前のアメリカの後を追ったのが札幌高裁の裁判官たちだった。
同性婚を巡る憲法24条について
「いつ誰と婚姻するかについては、当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきであるという趣旨を明らかにしたものと解され・・・十分尊重に値するものと解することができる」
として、性別に関係なくお互い同意している2人の結婚を禁止することは客観的に見て不合理であると結論付けた。
しかし、誰と結婚するかを制限することが
「不合理」
だと言うなら、それはなぜ同性婚にとどまるのか?
兄弟姉妹の結婚や、3人以上での結婚はどうなるのか?
同意のある成人同士であれば、近親婚や一夫多妻制を法的に禁止することは、同性婚を禁止すること以上に合理的なのだろうか?
同性婚支持者の多くは、近親婚や一夫多妻制に対するタブーは明確に区別できると訴えているようだ。
しかし、それはなぜだろうか?
同性愛、近親相姦、一夫多妻制に対する古来のタブーは、ある意味で全て等しく
「不合理」
なはずである。
■賢き者、それは裁判官か?
アメリカやヨーロッパの同性婚を求める政治運動では、同性愛者は異性愛者と同じように安定した家族関係や子供を望む普通の人々であると主張されている。
彼らは他の人と同じように父性本能や母性本能を持っている。
たまたま同性を好むだけなのだと。
スローガンは
「愛は愛」。
このような人々に結婚の恩恵を与えないのは残酷だとされる。
確かに、伝統的な家庭生活を営み、配偶者に忠実で、良き親である同性カップルがいることは事実だろう。
しかし、同時に全ての同性愛者が1人のパートナーと静かな家庭生活を送ることに関心があるとも思えない。
最近辞任を発表したアイルランド前首相のレオ・バラッカー氏が典型的だろう。
彼は既同性婚者であるにもかかわらず、ゲイクラブで他の男性と性行為に及んでいるところをスクープされた。
彼のパートナーはそのことを気にしていないようだった。
もちろん男女の結婚にも不倫はあるし、同性愛者そのものは自由であるという他にないが、だからといって、同性婚を男女の結婚と同じように認めるのは安直に過ぎないだろうか。
札幌高裁の判決は、近年同性婚を合法化した欧米諸国の例を列記した。
要するに、日本は後進国で時代遅れだから他の国々のように同性婚を受け入れるべきだと言いたいのだろう。
しかし日本は慌てて追随する前に、欧米で同性婚導入に続いて定着したジェンダー・イデオロギーがどのような結果をもたらしたかに目を向け、日本にとってそれが望ましいのか考えるべきではないか。
欧米では、同性愛者に結婚する権利を与えてくれ、という要求が、より過激な要求に拡大していった。
かつては
「倒錯」
的な趣味と見做されていたSM愛好者などもLGBT文化を賛美する
「ブライド・パレード」
などで堂々と闊歩するようになった。
公衆トイレを男女別にしたり、男の子にはロボットのオモチャ、女の子には人形を買ってやったりする行為も、今や差別と見做されている。
アイデンティティーが女性だと主張する男性は、陸上競技で女性と競争することを許可されなければならない。
生まれつきの性差を基本的に不自然かつ不正と見做す国となっているのだ。
その根底にあるのは、社会的性差(ジェンダー)のみならず、生物としての性別すら、社会の偏見であって、根拠のないものだという極端な思想、性別とは個人が自由に選択できる
「アイデンティティー」
の1要素であるという考えだ。
果たして、日本国民の大多数は、このような
「合理的」
な社会で幸せに暮らせるだろうか。
札幌高裁の判決は、同性婚への反対は不合理であるから、
「立法府の裁量を超えるものである」
として同性婚導入を命じる。
しかし、結婚の在り方は日本国民の価値観に関わる重要な問題である。
それは裁判官ではなく、日本国民自身が民主的に選出された立法府の民主的な議論によって決めるべき問題のはずだ。
札幌高裁の判決は余りに反民主的で高慢だ。

同性婚訴訟 札幌高裁判決の要旨
2024年3月15日産経新聞
▽性的指向
同性愛者は婚姻が許されていないため、社会生活上の不利益を受け、アイデンティティーの喪失感を抱いたり、社会的な信用、評価、名誉感情などを維持するのが困難になったりするなど、人格が損なわれる事態となっている。
性的指向は生来備わる人としてのアイデンティティーで、個人の尊重に関わる法の保護は同性愛者も同様に享受されるべきだ。
同性愛のみならず、愛する対象が異性と同性の双方の場合、性を自認できない場合なども同じように考えらえる。
▽憲法14条1項
憲法14条1項は法の下の平等を定め、差別的な取り扱いを禁止する趣旨だ。
立法府の裁量権を考慮しても、取り扱いの区別に合理的な根拠が認められない場合は同項違反と判断すべきだ。
性的指向と婚姻の自由は重要な法的利益だが、同性婚は許されていない。
それにより同性愛者は制度的な保障を享受できず、著しい不利益を受けている。
性的指向の区別は合理的根拠を欠いており、憲法14条1項に違反する。
▽憲法24条
憲法24条1項は、人と人の自由な結び付きとしての婚姻をも定める趣旨だ。
同性間の婚姻も異性間と同じ程度に保障していると理解できる。
憲法制定当時は同性婚が想定されておらず、両性間の婚姻を定めているが、文言のみに捉われる理由はなく、個人の尊重がより明確に認識されるようになったとの背景の下で解釈するのが相当だ。
憲法24条2項は、婚姻や家族に関する立法に当たっては、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきだと定めている。
憲法上の権利に至らない国民の人格的利益をも尊重し、婚姻が事実上不当に制約されないことにも十分に配慮した法制定を要請している。
同性婚を許さず、これに代わる措置を一切規定していないのは、憲法24条の規定に照らして合理性を欠き、国会の立法裁量の範囲を超える状態に至っていると認めるのが相当で、憲法24条に違反している。
▽国民世論
国民に対する調査でも同性婚を容認する割合はほぼ半数を超えている。
否定的な意見を持つ国民もいるが感情的な理由にとどまっている。
啓蒙活動によって解消していく可能性がある。
同性婚について法制度を定めた場合、社会的な影響も含め、不利益・弊害が生じることは窺えない。
▽付言
同性婚を許さない規定は、国会の議論や司法手続きで違憲だと明白になっていたとは言えず、制度設計についても議論が必要だ。
だが違憲性を指摘する意見があり、国民の多くも同性婚を容認している。
社会の変化を受け止めることが重要だ。
同性婚を定めることは国民に意見の統一を求めることを意味しない。
個人の尊厳を尊重することであり、同性愛者は日々の社会生活で不利益を受け、喪失感に直面しており、対策を急いで講じる必要がある。
喫緊の課題として、異性婚と同じ制度の適用を含め、早急に真摯な議論と対応が望まれる。

日本国憲法
第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
A 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

同性婚めぐる札幌高裁判決 産経「家族制度壊しかねず不当」 朝毎東、政府・国会に立法求める
社説検証
2024/4/3 9:00
https://www.sankei.com/article/20240403-47HTMEGF7NMOLBFX5FBU6OYZL4/
同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法違反だとして、北海道の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は
「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する」
とした憲法24条1項は
「同性婚も保障している」
とする初判断を示した。
同性婚を認める判断を
「不当な判決」
と批判した産経と対照的に、朝日、毎日、東京は判決を評価、政府や国会に同性婚の法整備を求めた。
同種の訴訟は全国の5地裁で計6件起こされており、今回は初の控訴審判決となった。
札幌高裁は、現行の民法などの規定は、個人の尊厳に立脚した婚姻や家族に関する立法を求めた24条2項や、「法の下の平等」を定めた14条1項にも違反するとした。
産経は
「国民の常識と隔たり受け入れられない」
「社会の根幹を成す伝統的な家族制度を壊しかねない不当な判決である」
と訴えた。
その上で24条1項について
「男女、異性間の婚姻について定めているのは明らかだ」
「同性婚は想定していない」
と指摘した。
今回の判決も文言上は異性間の婚姻を定めた規定だと認めているが、
「人と人の結び付きとしての婚姻」
についても規定する趣旨があるとしている。
これについて産経は
「無理がある」
「憲法の条文を蔑ろにする、ご都合主義だと言う他ない」
と批判した。
一方、
朝日は
「当事者は日々、喪失感に直面しており、急いで対策を講じる必要がある」
と強調し、様々な制度は異性間の結婚を前提に作られているとして、
「整合性のある法制化に1日も早く着手する時だ」
と訴え
た。
毎日は
「同性愛者と異性愛者が社会的に区別される謂れはない」
「共に個人として尊重されるべきだと、明確に示した画期的判断だ」
と高く評価した。
併せて
「性的指向は個人のアイデンティティーに関わり、法的に保護される必要があるという当然の認識から、導かれた結論だ」
と理解を示した。
東京も
「性的指向・性自認に即して、不自由なく暮らすことは大事な権利だ」
「立法を急がねばならない」
と提起した。
これら3紙は政府や国会の責任も追及している。
朝日は
「同性カップルの存在を自然に受け止めている社会の変化に、法制化に向けた議論すら始めようとしない自民党は気付いていないのだろうか」
と難じた。
岸田文雄首相が参院予算委員会で
「引き続き、判断に注視していく」
と述べたことにも触れ、
「政府・国会がただ見ているだけでは、遠からず不作為を問われることになりかねない」
と論じた。
毎日は
「政府や国会は重く受け止め、直ちに同性婚の法制化に動かなければならない」
「個人の尊厳を守るには、制度で権利を保障することが不可欠である」
と訴えた。
東京は
「政府の腰が重いのなら、立法府主導で法整備を進めることが国民代表の責任だ」
と国会にも対応を促した。
日経は
判決の直接的な評価には踏み込まず、
「同性カップルが家族として尊厳を持って暮らすためには、どのような法整備が必要なのか」
「度重なる司法からのメッセージを重く受け止め、国会や政府の場で議論を急ぐべきだ」
と提言した。
産経は、
性的少数者への差別解消と結婚や家族のあり方の議論は分けて考えるべきだとの立場だ。
「拙速な議論は社会の分断を招き、却って差別解消から遠のきかねない」
と懸念を示し、自治体や企業なども
「同性カップルを巡る法的・経済的不利益について考慮し、きめ細かな施策を進める現実的な議論が必要だ」
と説いた。
同性婚を巡る問題は家族観と密接に関わってくる。
婚姻制度には、男女の夫婦が子供を産み育てながら共同生活を送る関係に法的保護を与える目的があることを、改めて認識したい。

同性婚の札幌高裁判決を巡る主な社説
【産経】
・国民常識と隔たり不当だ(2024年3月16日付)
【朝日】
・「違憲の法」いつ正す(2024年3月16日付)
【毎日】
・尊厳を守る画期的判決だ(2024年3月16日付)
【日経】
・早急な議論を迫る同性婚判決(2024年3月21日付)
【東京】
・「結婚の自由」立法急げ(2024年3月16日付)

<主張>同性婚で高裁判決 国民常識と隔たり不当だ
社説
2024/3/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240316-GOG5YLYCPNJFTO7XI7MWBQBP6Y/
同性同士の結婚を認めない民法などの規定について札幌高裁は、
「婚姻の自由」
を定めた憲法24条などに反し違憲だとする判断を示した。
同性婚を認めるもので、国民の常識と隔たり受け入れられない。
社会の根幹を成す伝統的な家族制度を壊しかねない不当な判決である。
北海道の同性カップル3組が国に計約600万円の損害賠償を求めていた。
これを含め全国5地裁で起こされた計6件の同種訴訟で初の控訴審判決だ。
「違憲」
とした札幌高裁判決で、とりわけ首を捻るのは、憲法24条1項について
「同性婚も保障している」
と踏み込んだことだ。
「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」
としたこの規定は男女、異性間の婚姻について定めているのは明らかだ。
同性婚は想定していない。
一連の地裁判決もそう解釈し、今回の判決も文言上は異性間の婚姻を定めた規定だと認めている。
にもかかわらず、規定の目的を考慮する必要があるとし、
「人と人の結び付きとしての婚姻」
について定めた趣旨があるとしたのは無理がある。
憲法の条文を蔑ろにする、ご都合主義だと言う他ない。
判決は、同性愛者に婚姻を許していないのは差別的取り扱いで、法の下の平等を定めた憲法14条1項に反するともした。
国民世論にも触れ、同性婚に否定的な意見を持つ国民もいるが感情的な理由にとどまっているとも言っている。
だが決してそうではない。
一連の訴訟で国側が主張してきたように婚姻制度は、男女の夫婦が子供を産み育てながら共同生活を送る関係に法的保護を与える目的がある。
同性愛者など性的少数者への差別解消や権利擁護と、結婚や家族の在り方の議論は分けて考えるべきだ。
札幌高裁判決に林芳正官房長官が
「同性婚制度の導入は国民生活の基本に関わる問題で、国民1人1人の家族観とも密接に関わるものだ」
と慎重な立場を示したのはもっともだ。
拙速な議論は社会の分断を招き、却って差別解消から遠のきかねない。
自治体や企業などを含め、同性カップルを巡る法的・経済的不利益について考慮し、きめ細かな施策を進める現実的な議論が必要だ。

<産経抄>同性婚、米民主党政権の価値観に引きずられるな
2024/3/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240316-U53UOYSVZBMM5HFUF2WRX2AMFY/
「婚姻の自由、そして法の下の平等を実現するために、日本がまた一歩前進しました」。
エマニュエル米駐日大使は2024年3月14日、X(旧ツイッター)で憲法は同性婚も保障しているとの札幌高裁の初判断について記した。
2023年のLGBT理解増進法審議の際もそうだったが、日本を12歳の少年扱いした占領軍のマッカーサー最高司令官まがいの上から目線が鼻につく。
▼憲法24条1項は
「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」
と定める。
この部分は、連合国軍総司令部(GHQ)が1946(昭和21)年2月13日に日本側に交付した憲法改正案では
「男女両性」
と明記されており、両性が男女のことであるのは自明だろう。
▼そもそも当時、米国は同性婚はおろか同性愛行為すら法律で禁止していた。
そうした前提に立ち改正が難しい硬性憲法を日本に押し付けておいて、今更一歩前進などとよく言う。
同性婚の是非は日本自身が決める。
内政干渉は慎んでもらいたい。
▼自民党の小野田紀美参院議員は2024年3月12日、Xで令和5年の党員数が前年比で約3万4000人減少した問題について指摘した。
「LGBT法通した後ですよ、うちで激減したのは」。
エマニュエル氏が
「我々の価値観」
と述べて日本の政界に熱心に働きかけた同法は、政権に小さくないダメージを残している。
▼岸田文雄首相は2024年3月15日の国会で答弁した。
「双方の性別が同一である婚姻の成立を認めることは、憲法上想定されていないということが従来の政府見解だ」。
エマニュエル氏に代表される米民主党政権の価値観に、これ以上引きずられてはなるまい。
▼2024年11月の米大統領選では、トランプ前大統領率いる共和党の復権もあり得る。
政府が慌てて宗旨変えする醜態は見たくない。

【主張】同性婚否定「違憲」 婚姻制度理解せず不当だ
2021.3.18 05:00
https://www.sankei.com/column/news/210318/clm2103180003-n1.html
婚姻届が受理されなかった同性カップルが、国に損害賠償を求めた訴訟の判決があった。
札幌地裁は賠償請求を棄却しながらも、同性婚を認めないのは法の下の平等を定めた憲法14条に反すると
「違憲」
判断を示した。
耳を疑う。
婚姻制度は男女を前提とし、社会の根幹を成す。
それを覆す不当な判断だと言わざるを得ない。
同性婚を巡る訴訟は、この札幌を含め東京、大阪など全国5地裁で起こされ、初の判決として注目されていた。
札幌地裁の訴訟の原告は、男性カップル2組と女性カップル1組で、婚姻届が受理されなかったため、国に計600万円の損害賠償を求めていた。
札幌地裁は、国は当時、違憲性を認識できなかったとして、損害賠償は認めなかった。
判決は、民法などの婚姻に関する規定が同性婚を認めないのは憲法14条に反するとした。
同性カップルに婚姻によって生じる法的効果の一部すら与えないことは立法府の裁量権の範囲を超え差別に当たるなどとも判じた。
一方で、札幌地裁は、憲法24条の
「婚姻は両性の合意のみに基づく」
との条文について、
「異性婚について定めたものであり、同性婚について定めるものではないと解するのが相当である」
として、原告側の主張を退けた。
それでは憲法24条は、14条違反ということになる。
24条について判決は
「同性愛者が営む共同生活に対する一切の法的保護を否定する趣旨まで有するとは解されない」
と述べたが、
「両性の合意のみ」
の両性を異性間と規定する以上、この解釈には無理がある。
この矛盾を解消するためには、憲法改正を議論しなければならないはずだ。
国側が主張してきたように、婚姻制度は、男女の夫婦が子供を産み育てながら共同生活を送る関係に法的保護を与える目的がある。
社会の自然な考え方だ。
同性愛など性的少数者への偏見や差別をなくす取り組みが必要なのはもちろんだが、そうした権利擁護と、結婚や家族のあり方の議論は分けて考えるべきだ。
同性カップルを公認するパートナー証明などを設け、権利を擁護する自治体もある。
企業などを含め、法的・経済的不利益について事情を十分考慮し、きめ細かな施策を進める方が現実的である。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/855.html#c58

[政治・選挙・NHK295] <戦力は拡大した>れいわ新選組が議席3倍 「ボランティアに支えられた」と山本太郎代表、立憲民主が軸の連立構想とは距離(東… 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[910] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 07:31:35 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[475]
<■945行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>在日中国人に弾圧 見て見ぬふりはできない
社説
2024/11/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20241105-FEV5VPFS5BPPPNKKHJXXKIULWY/
日本において中国政府への抗議活動などに加わった在日中国人に対し、中国政府が圧力を掛けているとする調査結果を、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が公表した。
新疆ウイグル、チベット、内モンゴル自治区、香港の出身者を含む中国人への人権弾圧である。
HRWによる今年2024年6〜8月のインタビューで、中国政府の人権弾圧への抗議や民族文化の紹介などをしたことのある25人のうち16人が中国当局の圧力を証言した。
中国の警察が中国にいる親類を通じて、日本での活動中止を求めてきた。
親戚と電話していると警察が代わり、帰国しないと
「家族がどうなっても知らないぞ」
と脅された。
在日中国大使館で、チベットに戻らないと旅券の更新はできないと言われた人もいた。
日本は言論の自由が保障された民主主義国だ。
どの国の出身者であれ、言論の自由を享受する資格がある。
調査結果が事実であれば、在日中国人への圧力は人権侵害である。
日本国の主権を侵害するケースがあるかもしれない。
日本の外務省や警察は実態を調べ、事実を確認すれば中国政府の不当な行為をやめさせなくてはならない。
日本が尊ぶ価値を土足で踏み荒らす行為を容認してはならない。
HRWは
「日本政府は中国政府に対し『国境を越えた人権弾圧』を許さないと明確にすべきだ」
と訴えた。
問題を放置すれば、国際社会での日本の信用にも関わろう。
無関心は人権弾圧への間接的な加担になる。
中国外務省は
「国境を越えて弾圧を行ったことはない」
とするが、
「国境を越えた弾圧」
の実態は日本以外の国でも報告されている。
中国は、公安の出先機関を外国に設け、在外中国人を拘束したり、帰国を強制したりするなどの
「海外闇警察」
活動を行っていた。
明白な主権侵害である
「海外闇警察」
は、米国やドイツ、オランダなどで摘発され、閉鎖命令を受けている。
HRWのインタビューに応じた複数の人が
「日本の警察は助けてくれないだろう」
と考え、日本側に助けを求めなかったことも分かった。
日本政府はこれを恥じなくてはならない。
日本は、自由の擁護者であり続けるべきだ。

「海外警察」拠点法人元幹部の中国籍女性2人、コロナ給付金詐欺は不起訴
2024/3/25 21:24
https://www.sankei.com/article/20240325-C2YKZDYHYRLH3KEVQIBTBQYIX4/
新型コロナウイルス対策の持続化給付金を詐取した疑いで書類送検された一般社団法人
「日本福州十邑社団聯合総会」
の元幹部で中国籍の女性2人について、東京地検は2024年3月25日、不起訴処分にしたと発表した。
理由は明らかにしていない。
同法人は中国の
「海外警察」
の拠点の1つだと海外の人権団体から指摘されていた。
2人は東京都墨田区の女性(44)と埼玉県蕨市の女性(59)。
警視庁公安部が2024年2月、2020年7月に風俗店を整体院だと偽り、持続化給付金を申請して100万円を騙し取った疑いで書類送検していた。

在外同胞を監視か、警視庁公安部が捜索した中国の「海外警察拠点」とは 「監視・警戒を」
2024/3/22 8:00
https://www.sankei.com/article/20240322-R2TXNCAAWBKOFBIBKTF6TPVFK4/
中国が世界各地に設置した
「海外警察拠点」
に対する各国の警戒が高まっている。
スペインの人権団体はリポートで、中国は拠点を通じその国に住む中国人の監視を行っていると指摘。
日本でも2024年に入り、警視庁公安部がこうした拠点の1つとされる東京都千代田区のビルを捜索していたことが判明した。
専門家は
「日本の主権侵害に繋がりかねない」
と監視・警戒の必要性を訴える。
■詐欺容疑で強制捜査
JR秋葉原駅から徒歩10分ほどの場所にある、小さなマンションやビルが立ち並ぶ一角。
ホテル名が書かれた細長いビルを公安部が捜索したのは、2023年5月のことだ。
登記などによると、ビルには当時、中国福建省福州の地名が入った一般社団法人が所在。
法人の活動目的は、福州出身者や企業と日本との交流促進などとされる。
捜索は、この法人の幹部を務めた中国籍の女が新型コロナウイルスの持続化給付金を騙し取ったとする詐欺容疑で行われた。
捜査関係者によると、ビルはホテルだけではなく、在日中国人に対する免許更新のサポートなどを行っていた形跡があったという。
その後、この法人はビルを出て、江戸川区に移転。
ビル正面に書かれたホテル名や所有者も変わっている。
このビルはスペインの人権NGO
「セーフガード・ディフェンダーズ」
が令和4年9月に公表したリポートで、中国の海外警察拠点だと明記されており、公安部は強い関心を抱いていた。
警察幹部は
「内部を捜索できたのは大きな意義がある」
と話す。
■海外でも摘発
同NGOによると、拠点は東京以外にも米国や英国、カンボジアなど世界各国の少なくとも54カ所に設置されているという。
現地に住む中国人の免許の更新を行うなどとしているが、リポートは
「脅迫、嫌がらせ、監禁などの手段で圧力をかけ、自発的≠ノ帰国するよう圧力を掛けている」
と綴る。
拠点があるとされた国の対応は早かった。
オランダやアイルランドは拠点の閉鎖を要求。
米国は昨年、拠点の開設と運営に関与したなどとして中国系米国人の男2人を逮捕したと発表した。
英国も拠点を閉鎖したと明らかにしている。
日本も外交ルートを通じて
「仮に我が国の主権を侵害するような活動が行われているということであれば、断じて認められない」
と中国に伝えたという。
東京大大学院の阿古智子教授(現代中国研究)は
「拠点で行っていたのが免許の更新だったとしても、相手国に連絡せずに行政手続きに関わる機関を設置するのは、主権の侵害になり得る」
と指摘。
「放置すればエスカレートしていき、日本国内で中国に批判的な言論が萎縮させられる恐れもある」
とし
「動向の監視、警戒を続けていく必要がある」
としている。
■議員周辺にも
一方、東京の拠点にあった法人の幹部を務めていた女は以前、自民党の松下新平参院議員(宮崎選挙区)の事務所に出入りしていたことも判明している。
松下氏が文芸春秋に対して起こした訴訟の資料などによると、松下氏と女は令和元年、共通の知人を介して知り合った。
女は
「外交顧問兼外交秘書」
の名刺を持っていた他、令和3年には議員会館の通行証も作成。
その後返却したという。
松下氏の事務所は取材に、過去に関わりがあったことは否定しなかったものの
「現在は関係がない」
と述べるにとどまった。
ある警察幹部は
「不正受給で警察の捜査を受けるという脇の甘さからすると、女が、いわゆる訓練を受けた『スパイ』とは考えにくい」
と推測。
一方で
「国会議員が様々ななチャンネルで人脈を作るのは活動上、当然のこととはいえ、その人物の背景にも注意を払ってほしい」
と話した。

<主張>中国の海外闇警察 「スパイ天国」でいいのか
社説
2024/3/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240316-H4BDHEZJSJMAJPA4WOC6PFTEAA/
左右の過激派や外国勢力を捜査対象として治安を守る警視庁公安部が、なぜ詐欺事件を摘発したのか。
それは日本に、直接スパイ活動を摘発する法律がないからである。
公安部は2024年2月、風俗店を整体院と称して新型コロナウイルス対策の持続化給付金100万円を詐取した疑いで、中国籍の女を書類送検した。
2023年5月には、女が一時幹部を務めた東京・秋葉原の一般社団法人を、同容疑で家宅捜索していた。
一般社団法人が入居するビルは、スペインのNGO
「セーフガード・ディフェンダーズ」
が2022年、中国の非公然警察署の拠点であると指摘していた。
当時の林芳正外相は
「(日本の主権を侵害しているなら)断じて認められない旨の申し入れを行っている」
と述べた。
同NGOによれば、海外闇警察とも言われる中国の非公然警察署は世界50カ国、100カ所以上にあり、国外の中国人の
「政治活動の監視」

「帰国の説得」
などを任務としている。
2023年4月には米ニューヨークで、非公然警察署の開設や運営に関与したとして中国系米国人2人が逮捕された。
警視庁による摘発は、非公然警察署の実態把握の過程で犯罪容疑が浮かんだとみられる。
2012(平成24)年にはスパイ活動を行った疑惑のある在日中国大使館の元1等書記官を、外国人登録法違反容疑で送検した。
2023年は研究データを中国企業に漏洩したとして、不正競争防止法違反容疑で国立研究開発法人
「産業技術総合研究所」
の中国籍の研究員を逮捕した。
その容疑名に捜査当局の苦心が窺える。
日本が
「スパイ天国」
と称されるのは、諸外国にはあるスパイ活動を防止する法律がなく、同法を根拠とする本格的な防諜機関もないためである。
加えて給付金詐欺容疑で送検された女は、
「自民党の松下新平参院議員」
の事務所に一時期
「外交顧問兼外交秘書」
として出入りしていた。
外国工作員はあの手この手で政権中枢への接触を図る。
受け入れる側の無自覚ぶりには目を覆いたくなる。
「スパイ防止法案」
は1985(昭和60)年に議員立法で提出されたが、同年に廃案となった。
その後、特定秘密保護法などが成立したが、まだ不完全だ。
スパイ天国を解消すべく、防止法と防諜機関の創設を急ぐべきである。

摘発の中国人女は永田町と接点も 中国「非公式警察署」対策が急務 端緒となった詐欺容疑だけ…事件が矮小化するリスク
2024.3/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20240301-YFXZFEUIZBM6FFY6ARV67XBY24/
警視庁公安部が昨年、新型コロナウイルス対策の持続化給付金詐欺事件の関係先として、東京・秋葉原のビルを家宅捜索し、2024年3月21日に詐欺容疑で中国籍の女2人を書類送検した。
ビルは、中国の海外警察拠点である
「非公式警察署」
として指摘されていた。
非公式警察署の問題は、2022年11月にスペインのNGO
「セーフガード・ディフェンダーズ」
が世界50カ国、100カ所以上に拠点があるとする報告書を出しており、国外の中国人反体制派の監視や、強制送還などを行っている疑いが持たれていた。
事実ならば、在日中国人への人権侵害であり、日本にとっても領土内で海外警察の活動を許す重大な主権侵害だ。
1年以上も前に取り沙汰されていた問題である上に、詐欺事件での立件となった。
ただ、公安部の捜査という点からも容疑とは別の問題もあるのかもしれない。
更に摘発された女を巡っては、自民党参院議員の
「外交顧問兼外交秘書」
の肩書を持ち、議員会館の
「通行証」
まで持っていたという報道もある。
関係を持っていた疑惑も浮上している。
またも中国の
「情報戦」
に対する日本の弱さが露呈した。
一般的に中国のスパイ活動は、政府や立法府の中枢に狙いを定めて来る。
過去に米議員と、
「中国スパイ」
との疑惑も取り沙汰されてきた。
2018年7月には、中国の情報機関が、民主党の上院議員の事務所スタッフを勧誘し、地元の政治情報について、報告させていた疑いが持ち上がった。
米政治サイト
「ポリティコ」
が伝えた。
また、米誌フォーブスによると、2020年12月には中国共産党のスパイと疑われる人物が、民主党の下院議員の下で、資金調達担当者として長年、働いていた疑惑が浮上した。
共和党や、米国世論から厳しい視線を向けられ、批判の声が挙がった。
日本も氷山の一角かもしれない。
疑惑の渦中にある参院議員には、説明責任が発生する。
所属する自民党も議員に対して、説明や、何らかに措置を促さなければ、無責任になる。
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年3月24日のX(旧ツイッター)で、
「どこまで与野党の議員に影響が及んでいたのか徹底的に捜査してもらいたい」
と指摘した。
これまでも日本に
「スパイ防止法」
がないことはコラムでも再三指摘してきた。
詐欺のような別件容疑を入り口にするしかない。
遠回りになるだけでなく、端緒となった容疑だけが伝えられ、事件としては矮小化するリスクもある。
現状の法体系では、警察は
「疑い」
の段階で捜査し、もし誤認があれば、自身の責任問題になりかねない。
捜査に及び腰にならざるを得ないかもしれない。
事件が起きてから
「対症療法」
として取り組むのではなく、積極的に捜査に動けるような法体系を整備する必要がある。
日本は中国の脅威を見据え、防衛力強化に踏み切った。
有事を未然に防ぐためのスパイ防止法制定も急ぐべきではないか。

世界の論点
中国警察の「海外派出所」摘発 中国メディア 米こそ拠点設置の「常習犯」
2023/5/8 10:00
中国の警察拠点が設置されていたとみられる米ニューヨークのビル=2023年4月17日(ゲッティ=共同)
https://www.sankei.com/article/20230508-N2RUMPZR5FJTRMQASNSV2R4XGU/
米司法当局は2023年4月17日、中国の警察機能を担う秘密拠点をニューヨークに設置し、在住の中国人らを監視していたなどとして、男2人の逮捕に踏み切った。
中国は拠点の存在を否定し摘発に反発しているが、米司法省は
「目に余る主権侵害だ」
と中国を批判。
欧州の人権団体なども各国の主要都市に中国の警察拠点が設置されていると指摘している。
米国では保守派が更なる摘発を求める一方、「赤狩り」の再燃を懸念する声も上がっている。
中国官製メディアは「誤解」の一点張りだ。

米メディアはニューヨーク市で中国警察の
「海外派出所」
の設置・運営に関与したとして中国系の男2人が逮捕された事件について、在留中国人や民主活動家を監視・抑圧する拠点だったと速報した。
保守系メディアは摘発を評価し、中国の対外世論工作拠点の更なる摘発を求めた。
外交コラムニストのジョシュ・ロギン氏がワシントン・ポスト紙の2023年4月19日電子版で
「超党派で中国共産党の抑圧に対抗することが決定的に重要だ」
と訴えた。
中国政府が外国に警察拠点を設置して海外に暮らす中国人の生活に干渉しようとしていることに対しては、台湾でも警戒する声が上がっている。
欧米や日本に暮らす台湾人たちは同じ中国語を話すため、中国人と同じコミュニティに属している場合がある。
中国の警察拠点が台湾人社会に浸透することを懸念する台湾人もいる。
台湾の大手紙、自由時報(電子版)は2022年12月19日、
「海外に警察拠点を設置する中国のやり方はまるでテロ組織だ」
と題する論評を掲載した。
同記事は
「中国が海外で設置する警察拠点は、現地に暮らす中国系住民の心理に大きな恐怖をもたらす」
と指摘。
その上で
「恐怖心を植え付けることで、中国政府を批判しないようの脅かすこと」
は、暴力や脅威を通じて政治目的を達成しようとする
「テロ組織と同じだ」
と批判した。

中国“海外警察”、背景には何が 実態と現状を分析【動画あり】
https://www.nhk.jp/p/catchsekai/ts/KQ2GPZPJWM/blog/bl/pK4Agvr4d1/bp/pwLqJVybVm/

主張
中国「海外闇警察」 実態暴き廃絶に追い込め
2023/4/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20230422-DIWCSYPUTRPVDEJIKF5VZ4ZFYI/
中国が自国警察の出先機関を外国に密かに設けて中国人取り締まりを行うのは国際法に反し、設置された国の主権を侵害するのは明らかだ。
許されることではない。
米司法省は、中国公安省が米ニューヨークに設けた闇警察(非公然警察署)の開設・運営に関わったとして、中国系米国人の男2人の逮捕を発表した。
中国の海外闇警察の刑事摘発が報じられたのは世界で初めてだ。
韓国警察が2023年3月末に、中国の闇警察の拠点の疑いが持たれるソウル市内の中華料理店の経営者らを、食品衛生法違反などの容疑で摘発したことも新たに分かった。
米司法省は2022年秋、ニューヨーク市内の闇警察を家宅捜索して閉鎖させた。
オランダ、アイルランド、チェコ、ドイツなども閉鎖命令を発した。
主権国家として当然の対応だ。
逮捕された2人は中国公安省の指揮下で、中国政府に批判的な在米中国人に帰国の圧力をかけたり、民主活動家の居住場所特定に携わったりした疑いもある。
中国国内における弾圧を、外国へも延長して行った実例である。
中国外務省は
「海外警察は存在しない」
と白を切った。
問題の施設は闇警察ではなく、在米の中国人に運転免許更新などの行政サービスを提供していたと釈明した。
だが、これら行政サービスですら問題がある。
米国の同意が必要な領事業務を勝手に行っていたため、ウィーン条約違反の疑いがあるためだ。
スペインの人権NGOは、中国の闇警察は世界50カ国以上に102カ所あると指摘した。
中国人約1万1000人が闇警察による嫌がらせや拘束によって帰国を強いられたという。
日本では東京・秋葉原にあるとされた。
日本に中国の違法な闇警察がある疑いは極めて強い。
日本政府は主権を侵害しているなら認められないと中国政府に伝えたが、これでは抗議の体をなしていない。
なぜ日本政府は闇警察の実態を暴き、閉鎖を命じないのか。
中国政府を恐れているのであれば情けない。
日本にいる中国人からの広範な聴取も実施すべきである。
日本の主権にかかわる重大事である。
スパイ防止法がないため中国に付けこまれているなら、尚更問題だ。
岸田文雄政権は欧米や韓国を見習って、中国の闇警察を排除せねばならない。

中国「海外派出所」疑惑の中華店送検 韓国警察
2023/4/20 17:58
https://www.sankei.com/article/20230420-7UHAEPMKTNK67GWNUDQXC6T2NM/
中国当局が海外に不法に設置した
「海外派出所」
とも呼ばれる
「秘密警察」
の韓国内の拠点との疑惑が持たれてきたソウル市内の中華料理店について、韓国警察が店のオーナーや代表を2023年3月末に食品衛生法違反などの疑いで書類送検していたことが分かった。
聯合ニュースなどが2023年4月20日報じた。
同店は2021年末の営業申告の期限満了後も営業を続けた疑いが持たれている。
2022年12月に
「中国の秘密警察」
拠点との疑惑が報じられた後、疑惑を否定するメッセージを流すため、店の外壁に無許可で電光掲示板を設置した屋外広告物法違反容疑も適用された。
中国は反体制派の監視や強制送還をするため、各国に秘密警察の拠点を設けていると国際人権団体が告発。
米当局は2023年4月17日、米国内の拠点運営に関わったとして中国系米国人2人を逮捕したと発表した。
韓国当局は、送検された店が韓国での拠点に当たるとみて実態把握を進めてきた。

米NYで中国公安部門“出先”の「警察拠点」運営か 男2人を逮捕
2023年4月18日 19時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230418/k10014041841000.html
アメリカのニューヨークで、現地に住む中国の反体制派の監視などを行う
「警察拠点」
を開設し運営に携わったとして、男2人がアメリカの司法当局に逮捕されました。
中国のこうした拠点について、人権団体はヨーロッパやカナダなど各国にあると指摘していて、司法当局はこの件に関連した逮捕者は初めてだとしています。
アメリカ司法省は2023年4月17日、記者会見を開き、ニューヨークのチャイナタウンにあるビルの一室に中国の公安部門の出先機関にあたる
「警察拠点」
を開設し運営に携わったとして、ニューヨークに住む61歳と59歳の男2人を逮捕したと明らかにしました。
司法省によりますと、この
「警察拠点」
では、アメリカ政府の同意を得ず中国の運転免許証の更新の支援などのサービスを提供していた他、アメリカ国内に住む反体制派の中国人の監視などを行っていたということです。
また、逮捕された2人は中国の公安当局者とのやり取りの記録を携帯電話から削除し、司法当局の捜査を妨害した疑いも持たれています。
2人が活動していた
「警察拠点」
は2022年、FBI=アメリカ連邦捜査局の捜索を受けた後閉鎖されています。
また司法当局は、アメリカ国内に住む反体制派の中国人に対する脅迫や嫌がらせを行ったなどとして、中国公安当局の34人を訴追したということです。
会見を行ったニューヨーク東部地区の連邦地検の検事は
「明白に我が国の主権を侵害してきた」
と強く非難しました。
中国のこうした拠点について、スペインにある人権団体はヨーロッパやカナダなど各国にあると指摘していて、司法当局はこの件に関連した逮捕者は初めてだとしています。
■スペイン人権団体 “中国「警察拠点」53か国に 日本にも2か所”
スペインに主な拠点を置く人権団体
「セーフガード・ディフェンダーズ」
が2022年12月に発表した報告書によりますと、中国の
「警察拠点」
はアメリカやヨーロッパ、アジアなどの少なくとも53か国、102か所に設けられているということです。
報告書では、アメリカやカナダなどには国内に複数のこうした拠点があるとしている他、日本国内には東京と所在不明の1か所の合わせて2か所にあるとしています。
■松野官房長官 “国内での活動の実態解明進め適切な措置を”
松野官房長官は、午後の記者会見で、スペインに主な拠点を置く人権団体の報告書では、中国の
「警察拠点」
が日本国内に2か所あるとされていることについて、
「中国側に対し、我が国の主権を侵害するような活動が行われているのであれば、断じて認められないと申し入れを行っている」
と述べました。
その上で、
「関係国とも情報共有を行っており、緊密に連携しつつ、各種情報の収集や分析に努めている」
「引き続き、我が国での活動の実態解明を進め、その結果に応じて適切な措置を講じる」
と述べました。
■中国外務省「“警察拠点” 根本的に存在しない」
中国外務省の汪文斌報道官は、2023年4月18日の記者会見で
「中国は、アメリカが誹謗中傷や政治的な工作を行い、悪意を持って国境を越えた弾圧をでっち上げることに断固反対する」
と述べました。
また、汪報道官は
「アメリカは海外に住む中国人にサービスを提供する事務所と中国の外交官を悪意を持って関係付けて、根拠もなく非難しているが、完全に政治的な工作だ」
「いわゆる『警察拠点』というものは根本的に存在しない」
と強く反発しました。

米、中国の「海外派出所」を初摘発 逮捕の2人、捜査妨害や嫌がらせも
2023/4/18 9:55 産経新聞
米司法省は2023年4月17日、中国警察が米国内に違法に設置した
「海外派出所」
の開設・運営に関与したなどとして東部ニューヨーク州に住む中国系米国人の男2人を逮捕したと発表した。
米メディアによると中国の海外派出所が刑事事件として摘発されたのは世界初。
中国当局は反体制派弾圧や諜報活動の拠点として海外派出所を世界で100カ所以上設置しているとみられており各国でも海外派出所の摘発や実態解明が進む可能性がある。
司法省は2023年4月17日交流サイト(SNS)で米国在住の民主活動家らへの嫌がらせや恫喝を繰り返したなどとして中国の公安省や国家インターネット情報弁公室の職員ら計44人を訴追したことも明らかにした。
44人は中国国内やアジア各地に潜伏しているとみられる。
オルセン司法次官補(国家安全保障担当)は声明で中国による米国内での反体制派弾圧は
「国民国家の振る舞いとして許容範囲を大きく逸脱している」
と非難。
「強権主義の脅威から米国内に住む者の自由を守る」
と強調した。
司法省の発表によると逮捕されたのはルー・ジャンワン容疑者(61)とチェン・ジンピン容疑者(59)。
2人は中国公安省が2022年初めにニューヨーク州マンハッタンの中国人街にあるオフィスビルに米国で最初の海外派出所を設置するのを手助けした。
派出所はその後連邦捜査局(FBI)の捜査対象となり2022年秋に閉鎖されたが2人はその際に公安省当局者らとの通信記録を消去するなどして捜査を妨害した疑いがある。
ルー容疑者は公安省と長年に渡る接点があり中国政府に批判的な在米中国人に帰国するよう圧力をかけたり西部カリフォルニア州に住む民主活動家の居場所特定を手伝ったりした疑いもあるという。
また訴追された公安省職員らはSNS上で偽のアカウントを多数運用し監視対象の在米中国人らに悪質なメッセージを送り付ける嫌がらせをしたり中国政府のプロパガンダ(政治宣伝)を拡散させたりしていた。

侮れない中国”闇警察”のスゴ腕
純粋な日本人であっても闇警察の存在は無関係ではない
元警視庁刑事 坂東忠信
漫画家 孫向文
WiLL2023年2月号
■A4用紙販売中止!
・坂東
習近平のゼロコロナ政策には、学生を中心に
「NO!」
が突き付けられましたね。
・孫
150以上の大学で習近平政権に対して抗議デモが広がりました。
厳しい行動制限を強いる
「ゼロコロナ政策」
への不満が高まった。
・坂東
そのきっかけは新疆ウイグル自治区のウルムチで起こった火災(2022年11月24日)でしょう。
・孫
ええ、高層ビルの火災で、10人が死亡しています。
避難通路が整備されておらず、消防活動も満足にできる状況にありませんでした。
死者の中にはウイグル人の3歳の男の子も含まれます。
男の子は生まれた日からロックダウン(封鎖)下にあり、家族はまともに食料も入手できませんから、大根を離乳食としていたそうです。
更に調べると、あるウイグル人の家族では母親と4人の子供が焼死し、実はその父親と長男は5年前からウイグル人収容所に移送されていたことが分かっています。
・坂東
実に悲惨です。
上海と重慶でも同じような火災が発生し、まともな消防活動ができなかったため、被害が拡大した。
・孫
ところが、中国メディアは住民たちの避難訓練の不足で被害が拡大したと報じた。
この報道を受け、一気にデモが広まっていったのです。
・坂東
いつ暴発してもおかしくない状況でした。
・孫
今回の抗議デモは香港の
「雨傘革命」(学生を中心に広がった民主化要求運動)、
台湾の
「ひまわり革命」(国民党政府に抗議した学生運動)
に続き
「白紙革命」
と言われています。
メディア系大学の南京伝媒学院校内の階段で、1人の女性が何も書かれていない白紙を持ち、当局の火災への態度に抗議すると、それを見咎めた教師が白紙を取り上げた。
しかし、女子学生は怯まず、白紙を持っているように手を構えたまま立ち続けたのです。
その姿に共感を覚えた学生たちが、同じように白い用紙を手にし、抗議活動が拡大していったのです。
女子大生の名前は李康夢と特定されましたが、行方不明です。
・坂東
白紙には
「言いたいことはあるが、言えない」
「白紙ならば、咎められない」
という意味も込められています。
・孫
中国の民主化運動の活動家は、SNS上でA4の白い紙を投稿してほしいと呼び掛けています。
政治に興味がない人たちの間でも関心が高まっており、一気に拡散しています。
海外に留学中の中国人学生も白紙を掲げていた。
実は2022年3月、ロシア国内で行われたウクライナ侵攻に対する抗議デモでも、白紙を掲げる行為が見られています。
まさか中国でもロシアと同じような状況になるとは。
事態を重く見た中央政府は
「ウルムチ(烏魯木斉)」
と書かれた看板をどんどん撤去しています。
・坂東
いずれ禁止ワードになるのではありませんか。
・孫
既に始まっています。
ネットで
「ウ(烏)」
と検索しただけで引っかかってしまう(笑)。
更に中国国内の文具会社
「晨光(しんこう)」
はA4用紙販売を取り止めにしています。
・坂東
中国共産党からの圧力があったのでしょう。
・孫
でも、A4用紙に拘る必要はありません。
別のサイズの白紙だったり、白い布でも構わないわけですから、実に茶番です。
■人権も何もない
・坂東
「第2の天安門事件」
になる?
・孫
中国のある評論家は
「北京大学と清華大学の学生が集まれば、天安門事件の再来となる可能性は十分ある」
と言っています。
数千人規模の学生運動になれば、まさに再来です。
・坂東
ウルムチの火災がきっかけとはいえ、ここまで拡大するとは、習近平政権も驚いたのではありませんか。
・孫
2022年10月の共産党大会で新人事が発表されましたが、李強の首相就任が発表されました(正式には2023年3月に就任)。
李強は上海市党委書記(事実上のトップ)時代、習近平のゼロコロナ政策を忠実に実行し、上海を約2カ月間、ロックダウン。
深刻な食糧不足や医療機関の利用困難など、大きな混乱を引き起こしました。
特に酷かったのが妊婦の扱い。
臨月で病院に行っても、陰性証明書がなければ入院できません。
結果的に自宅で流産し、妊婦も死亡するといったケースが多発しています。
・坂東
そんな酷い政策を実行した人物が首相になるわけですから、人々が憤るのも当然です。
・孫
私の両親が住む杭州市でもロックダウンが3日間、実施されました。
私は様々な情報源から中国のゼロコロナ政策の酷さを知っていましたから、以前から母親に保存食を買いためた方が良いと提案していましたが、耳を傾けてくれなかった。
そうこうするうちにロックダウンが発令され、3日間、監禁状態に。
家にはお米しか残っておらず、それで凌ぐしかなかった。
・坂東
支給も何もない。
・孫
ええ、生殺し状態です。
隣人は我慢できず、外に飛び出して、バリケードを抜け出し、食料品を何とか入手したそうです。
まだ両親のいる地域はそれほど厳しい措置が取られていなかったから良かったものの、厳しい所だと捕まり、隔離施設に移送される。
・坂東
人権も何もあったものではありません。
・孫
母親は深く反省していました。
中国のロックダウンが如何に凄まじいかを理解していなかったと。
それだけ情報統制されているのです。
母親は中国で抗議デモが広がっていることも知りません。
・坂東
驚きますね。
確かに最近はウイグル・チベット問題も全く聞こえてきませんからね。
かなりの規制が敷かれていて、そのシステムは完成しているのでしょう。
・孫
私が教えないと何も知らないのです。
もちろん中国国内で私からデモのことを聞いたと話したら、当局に逮捕される可能性もありますから、慎重にならなければなりません。
・坂東
しかし、多くの中国人は黙っていられない状況にあります。
・孫
ええ、多くの中国人はロックダウン解除を求めています。
さすがに習近平政権も一部で緩和政策を始めており、ガス抜きを図っています。
しかし私は、抗議デモは終わらないと見ています。
というのも、天安門事件で掲げられた
「不自由、母宁死」(自由がなければ、死んだ方がマシ)
というスローガンが、今回も登場しているからです。
ゼロコロナ政策が撤回されても、根本的な解決には繋がらないことが中国人には分かっています。
問題の本質は中国共産党、習近平であると。
政変がない限り、抗議デモは続くでしょう。
・坂東
ロックダウンを続け、ほとぼりが冷めるのを待つ作戦に切り替えるかもしれません。
冷めなければ、次の手をどうするか。
今ロックダウン政策を緩めると、暴動が拡大するかもしれませんから、支配層としては考え所です。
より圧力を追メルことも考えられます。
・孫
江蘇省徐州市では人民解放軍の戦車が目撃されています。
どこまで実力行使するかは分かりませんが・・・。
中国共産党の内部情報に詳しい法学者の袁紅氷(えんこうひょう)氏によると、デモの鎮圧命令に人民解放軍が消極的な対応をしているため、習近平がイライラしているとのことです(笑)。

「ロックダウンやめろ」、中国・ウルムチで異例の抗議 10人死亡の住宅火災きっかけ
2022年11月27日
https://www.bbc.com/japanese/63771287
中国・新疆ウイグル自治区ウルムチ市で25日夜、市民が新型コロナウイルス対策に抗議する様子を捉えたとみられる動画が、中国のソーシャルメディアで共有されている。
同市では24日に10人が死亡する集合住宅火災があり、コロナ対策の影響で住民避難が遅れたとの声が上がっているが、政府はこれを否定している。
動画には、市民が障壁を破壊し、
「ロックダウンをやめろ」
と叫びながら当局に立ち向かっている姿が映っている。
中国では厳しい
「ゼロコロナ」
政策を導入しているにも関わらず、過去最多の感染者数を記録している。
ウルムチでは8月上旬から規制が敷かれている。
ウルムチ当局は現在、新型ウイルス対策の規制を段階的に廃止すると約束している。
ただ、24日に火災から逃れようとした人を阻止した事実はないと否定している。
BBCは、火災が起きた集合住宅の住民が部屋から出るのを阻止されたとの証言を聞いている。
これに中国国営メディアは反論している。
しかし、ウルムチ当局は25日遅くに異例の謝罪を表明。
職務を放棄した者を罰すると約束した。
■闇警察の存在
・坂東
日本でも抗議デモが実施されています。
在日中国人約200人が新宿駅西口に集まり、
「習近平は退陣せよ」
などと声を上げていた。
・孫
しかも改札口前ですよ。
・坂東
私は彼らの気持ちには賛同するものの、やり方には疑問を持ちましたので、SNSに次のように投稿したので、SNSに次のように投稿したのです。
<反習近平は結構ですが、先を読むなら、今後
「反体制無罪」
な風潮を彼らに作らせてはいけません>
<ここは日本です>
<不特定多数が往来する公共の場所で通行の妨げになるなら排除するなど毅然とした態度を示さないと、中国民主化祝いで滅茶苦茶にされますよ>
と。
すると、中国人から
「なぜダメなのか」
「我々が中国人だからなのか」
「台湾人なら許されるのか」
と返信があった。
そこで私は
「国籍を問題にはしていません」
「その国の人々の共感を得ないと、あなたたちの活動も成功しない」
「許可を取ったから良いという問題ではない」
「今いる国の人たちとの調和を考えるべきだ」
と返したのです。
そのやり取りで実感したのは、彼らは真面目に民主活動に取り組んでいますが、日本人に
「理解してもらう」
というより
「理解させる」
というスタンスが基本であること。
中華社会で生きていれば仕方がないことかもしれませんが、私は今後の展開には警戒心と期待感が半々です。
もう1つは中国人の使う日本語が実に巧みなこと。
短い文章だったら、日本人と勘違いするかもしれません。
・孫
今は自動翻訳機も発達しています。
私は白紙革命を支持するネット上の中国人のコメントをたくさん読みました。
「習近平を退陣させ、中国共産党を打倒する、しかし、台湾は中国の固有の領土であり、台湾開放の計画は変わりません」
と主張する人の方が多数派です。
これでは日本人の支持は得られませんね。
・坂東
日本人に成りすましながら、時の政府を批判したり、中国の良さをアピールしたりする。
そうやって世論を形成していくのです。
また彼らの活動は、日本国内にいるスパイに必ず目を付けられています。
実際に中国の国家安全部(国安)も日本で活動しており、法輪功信者が国安の職員から手帳を見せられ、脅されているという話も聞いています。
・孫
スパイを投じ、写真をたくさん撮影する。
実際に
「警僑海外服務站」(以下、闇警察)の存在が明るみに出ています。
・孫
2022年9月、スペインに拠点を置く人権NGO団体
「セーフガード・ディフェンダーズ」

「中国の海外110番:中国の多国籍警察の暴走」
というタイトルの報告書を発表しました。
その報告書には、中国共産党が世界各国に警察署を設置し、カナダ・トロントで確認された3つの機関を遥かに超える数が存在していると警告している。
・坂東
詳細は後述しますが、日本をはじめ、米国や英国、フランスを含めて、世界50カ所超存在しているということです。
・孫
闇警察は、いずれも福建省福州市公安局、浙江省青田県公安局の管轄です。
・坂東
彼らの仕事は運転免許証の更新の支援などを目的としていると言いますが、それだけではない。
・孫
米国ではFBIが実態調査に乗り出しています。
ニューヨークで本拠地を突き止めたのですが、米国人の車に盗聴器が仕込まれていたことが判明しています。
しかもGPS付きで、行動が24時間監視されていた。
・坂東
闇警察は表向きはネット犯罪撲滅のために作られたシステムです。
逮捕するわけではなく、実家を人質に取って圧力・脅迫をかける。
しかも、帰国しても逮捕するわけではないのですが、自首しないと実家が危なくなるので全自動的です。
・孫
まさにカナダに在住していた中国人女性がそのような目に遭っています。
彼女は習近平体制を批判するデモ活動に参加するため、在カナダ中国大使館を訪れたところ、そこで写真を撮られた。
すると翌日、中国にいる両親が警察から取り調べを受けることに。
しかも実家は水道・電気まで止められてしまった。
父親からデモには参加するなと叱られ、中国に帰って来いと言われる。
そうなると帰国せざるを得ません。
■日本人も危ない
・坂東
そうやって反乱分子の芽を摘んでいるわけです。
デモ隊の中に変装した闇警察署員が多数紛れ込んでいたのでしょう。
・孫
そこで盗撮をし、顔認証に回され、身元を特定することができます。
・坂東
中国人は全員、
「居民身分証」
という顔写真入りの身分証明書を持っています。
しかも中国は警察が戸籍を管理していますから簡単に特定できます。
・孫
自首しなければ、両親がどうなるか分かりません。
・坂東
実に効率的なやり方です。
カナダ在住の中国人女性がカード詐欺被害に遭った。
被害総額は44,000円程度です。
そこでカナダの闇警察に通報したところ、福州市公安局指揮所にすぐさま通達され、刑事捜査支隊が精鋭部隊を編成、捜査を開始。
被害女性と連絡を取り合い、銀行などにも照会し、詐欺犯の身分と拠点を特定。
ネット工作員の五毛党まで駆使し、何と23時間後には、犯人の林氏を福建省で発見・逮捕しています。
更に林氏は合計9人の被害者と総額2万元ほどの被害額の存在まで自白しました。
・孫
日本ではここまでのスピード逮捕は無理でしょう。
・坂東
ええ。
このシステムを知ってしまったら、闇警察を頼りにするのは当然です。
犯罪者を含む
「対象者」
が日本国内にいれば、在日中国人の密告を通じて特定するでしょう。
・孫
在日中国人同士で、相手の住所を探りあっていたりします。
友人だと思って住んでいる場所をうっかり話をしたら、遊びに行くと称してやって来る。
それで家族構成なども把握されるわけです。
だから、私は中国人とはあまり付き合わないようにしています(笑)。
スパイがいるかもしれませんから。
・坂東
付き合いが悪いと、それはそれで警戒されてしまいますけどね(笑)。
在日中国人の住所を把握するために、様々な情報源を活用しています。
特に活用されるのが、先述したように免許証の更新です。
中国にいなくて免許証の更新ができるのは、海外在住の中国人の住所を把握するためには中国の本籍や住所が記載された申請書を闇警察を通じて本国に送る必要があります。
本人が申請書を手に持って撮影した写真画像なども必要です。
・孫
実に徹底しています。
・坂東
当局は更新手続きを終えると、免許証を当人に郵送するわけですが、その際に、海外の住所を把握する。
・孫
私は帰化しましたから、中国の免許証が無効になり、更新は不要ですから、身分を簡単に明かすことはできません。
しかし日本に帰化しても、中国政府の意識の中では
「こいつは永遠に中国人だ」
と、闇警察を通じて監視し続け、私の正体を特定したら、中国在住の両親を拘束し、私に帰国を迫ってくるでしょう。
・坂東
純粋な日本人であっても闇警察の存在は無関係ではありません。
それは国際結婚を通じてです。
コロナ以前は10組に1組が国際結婚で、うち中国人と日本人カップルが5割近くを占めていました。
更にそのうち8割が日本人男性・中国人女性の方に接触することも考えられる。
妻の実家を人質にされて、奥さんを帰国させろとか、会社の機密書類を持ってこいと言われたら、突っぱねられる日本人男性はまずいないでしょう。
更に国際結婚している人が親族にいれば、脅しの対象に十分なります。
・孫
機微情報が流出する可能性もある。
中国人は日本の企業の技術を盗むため、入り込んでいることもあります。
■日本の政治家も
・孫
では、日本の闇警察はどこにあるのか。
秋葉原近くの千代田区神田和泉町に存在していることが判明しています。
・坂東
ええ、表向きは一般社団法人
「日本福州十邑(じゅうおう)社団聯合総会」(以下、福州十邑社団)という名称です。
フランスでも福州十邑同郷会という名称の団体が存在しており、2020年、日本福州十邑同郷會から福州十邑社団に名称を変え、台東区島越から千代田区神田和泉町に引っ越しています。
福州十邑社団は世界40カ国に存在する110団体が加盟する世界最大の華僑団体の1つです。
2019年、日本支部が設立された時には、鳩山由紀夫氏も参加し、熱烈な祝辞を述べています。
・孫
呆れてしまいますね(笑)。
カナダ・トロントの福清商会は貿易会社として登録していましたが、公安局の住所と一致したことが判明しました。
福清商会の会長が逮捕され、事情聴取を通じて、闇警察の本拠地であることを認めています。
海外にたくさんスパイを派遣し、闇警察のアジトになっているわけです。
・坂東
表向きは友好団体、経済団体などと銘打ちながら、そこに闇警察が入り込み、事務所として利用しています。
福建省だけでなく、北京や上海の同郷会でも同じような組織が作られている可能性はあります。
・孫
福州十邑社団には、自民党議員が関わっていることも指摘されている。
・坂東
松下新平参議院議員ですね。
同郷会が名称格上げで福州十邑社団になった3カ月後には高級顧問に任命され、楯の授与式まで行っています。
・孫
闇警察の役割は免許証更新以外にも多岐に渡ります。
中国人の監視、国会議員の買収などにも関わっている可能性が高い。
松下新平議員の周囲には、中国人女性(女性A)が存在していることも一部の週刊誌で報じられています。
・坂東
ええ、松下新平議員の秘書を務める女性Aは、元々中国人が経営する北海道のなまこ会社に勤めていました。
・孫
なまこ会社は、銀座にも支社を作っている。
・坂東
それと同時に女性Aも議員会館に出入りするようになり、更に福建省出身ということも相まって、福州十邑社団にも関わるようになったわけです。
松下新平議員はなまこ会社を通じて女性Aと知り合ったそうですが、福州十邑社団にも上手く引きずり込まれた格好です。
そもそも女性Aが、なぜ北海道に来たのか、それも不可解です。
というのも、福建省は中国でも南部に位置し、温暖な地域ですから、寒冷な北海道や東北地方に留学することはほとんどありません。
よほどのコネがあったのかどうか。
気になる所です。
・孫
松下新平議員の動向が気になります。
台湾では実際にスパイが逮捕されている。
陸軍歩兵訓練部の大佐主任・向徳恩(こうとくおん)は、退役した軍官・邵維強(しょういきょう)に買収されていたのです。
2019年から毎月4万台湾ドル(日本円にして約18万円)、総計56万台湾ドル(250万円)に上るとのこと。
しかも軍服を着たまま誓約書を書いた動画まで撮影しています。
余罪を調査すると、向徳恩は周りの同僚や官僚の趣味・性癖を調査し、毎月中共に報告していたことが分かりました。
しかも向徳恩を台湾司法機関に通報したのは性癖を聞かれた同僚の軍人です(笑)。
更に、向徳恩は以下のような宣誓書を書いています。
「私、向徳恩は中国と台湾の統一事業を支持し、将来は自分の職役を発揮し、祖国(中国)のために力になる」
「祖国統一の神聖な偉業を果たすために中国が台湾を解放しに来たら、私は抵抗せず、すぐに投降します」
・坂東
まさに 売 国 奴 ですね。
信じられません。
■もはや「目に見える侵略」
・孫
一方、邵維強は2011年から中共と往来を始め、金門県経済貿易及び文化交流、観光発展協会の理事長を務め、中国と金門の間のスパイ工作をずっとやっていたのです。
向徳恩が軍を退役すると伝えた際、邵維強は
「退役しないでください」
「現役の方が中共に売れる価値のある情報を提供できる」
と説得したとのこと。
台湾検察は向徳恩を起訴し、13年の懲役を求めるとしていますが、闇警察はそういったスパイを利用するために暗躍していたとも考えられます。
・坂東
特に日本の場合、スパイ活動をされても
「スパイ防止法」
がありませんから、それこそやりたい放題です。
・孫
闇警察の存在を重く見たカナダ政府は、カナダ国民とカナダに移住した外国市民権利を侵害しようとする中共を阻止するための措置を取ろうと動いています。
カナダ連邦議会のレオ・ハウサコス上院議員は
「外国人工作員登録法 S237」
の成立を急いでいます。
レオ・ハウサコス氏は、
「外国人工作員登録法」
について、ビジネスや貿易のロビイストが政府に登録するのと同様に、外国政府を代表し、カナダの政府関係者や議員に影響を与えようとする代理人の登録を義務付けるものであると説明。
「我が国への外患誘致問題は、益々深刻化している」
「この法案は、中国共産党だけでなく、イラン、トルコ、ロシアなどの権威主義政権を対象としており、地政学的な理由だけでなく、我が国と戦う工作員の侵入を警戒する必要があるからだ」
「少なくとも、透明性のあるシステムができるはずです」
「国会や政府関係者の中に潜り込み、我々の法律に影響を与えようとしている国が誰であるかを知ることができるように、外国からの干渉があった場合の防御機構を持つシステムです」
と、ハウサコス氏議員は述べています。
また、法案S237は、具体的に外国人工作員への制裁に関わるものについて、工作員がカナダ人の利益に反することをしに来た場合、あるいはカナダ人、特に中国系カナダ人を威嚇しようとする場合、カナダの治安機関は適用法の下で制裁を科すことができます。
・坂東
カナダの動きは要注目です。
中国の浸透工作は、最早
「サイレント・インベージョン」(目に見えない侵略)
ではなく
「ノイジー・インベージョン」(目に見える侵略)
と言っても過言ではありません。
一方で、相手をよく観察し、選んでいます。
例えばアイルランドの闇警察の場合、指摘された途端、すぐに閉鎖し、沈黙を守っている。
ところが、日本を相手にしている時は違う。
隠そうとする意思を示していません。
それだけ余裕があるのでしょう。
・孫
そこまで浸透工作がうまく行っているわけですね。
・坂東
政治家もほぼ動きがないし、闇警察の存在は一部のメディアしか報じていませんから。
やっと少しだけ動き出しましたが、我々が声を上げ続ける必要がありますね。

中国警察海外派出所に懸念、政府に調査を要望へ 自民有志
2022/12/19 20:02
https://www.sankei.com/article/20221219-DINDMWDR75OIPH7B4JR2RFAAYE/
自民党の議員グループ
「日本の尊厳と国益を護る会」
は2022年12月19日、中国警察が
「海外派出所」
を日本を含む国外に展開している問題を巡り国会内で会合を開き、政府に実態把握を促す方針を決めた。
中国当局が反体制派の在外中国人の監視に利用していると指摘され、日本の主権を侵害している恐れがあるためだ。
「日本政府は『それが海外警察みたいなものだったら困る』と言うに留まっている」
「オランダは強制的な撤去の措置をしている」
護る会代表の青山繁晴参院議員は会合でこう述べ、強い危機感を示した。
中国警察の
「海外派出所」
について、スペインの人権NGO(非政府組織)は、中国当局が反体制活動を行う在外中国人に対し、中国国内の家族への脅迫なども通じ、帰国を迫る拠点になっていると指摘する。
同NGOによると、派出所は53カ国計102カ所に及ぶ。
警察の出先機関を、設置国の同意なく外国に設けて捜査や取り締まりを行うのは主権侵害に当たるため、欧州など十数カ国が実態調査に乗り出した。
一方、日本政府は中国政府に懸念を伝えたが、調査しているかは明らかにしていない。
内モンゴル自治区出身で、中国当局による事実上の同化政策に抗議する楊海英静岡大教授も、当局から自治区に戻ることを求められているという。
護る会の会合で講師を務めた楊氏は、
「日本政府による『懸念』では不十分」
「1日も早く取り締まることを要望する」
と訴えた。

正論
中国人権侵害究明にODA活用を 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英
2022/12/19 8:00
https://www.sankei.com/article/20221219-URUQAPI6BZIBRK4N6DHM6WMAUQ/?506242
2022年12月5日に
「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」
(略称・中国人権侵害究明議連)
が発足した。
設立総会に出席した私は途上国への政府開発援助(ODA)を中国による人権侵害の調査・究明に充てるよう提案した。
その理由は以下の通りである。
■高く評価される日本の姿勢
新しい議連は
「南モンゴルを支援する議員連盟」

「日本ウイグル国会議員連盟」、
それに
「日本チベット国会議員連盟」

「人権外交を超党派で考える議員連盟」
など4議連を母体として結成されたものである。
自民党を中心に日本維新の会と立憲民主党の議員も含め、総数100人以上のメンバーを擁する強力な組織に発展し、自民党の古屋圭司元国家公安委員長が会長に就任した。
中国の人権侵害を究明しようとする日本の取り組みは、世界的に高く評価されている。
チベット議連に参加している国会議員は先進国の中でも最多を誇る。
南モンゴル議連は他国に先駆けて結成されたし、ウイグル議連の活動も多岐にわたる。
新議連のアドバイザーとして迎えられたジャーナリストの櫻井よしこ氏は、
「日本は今まで中国の人権問題を避けてきたが、今後はモンゴル人とチベット人、それにウイグルの人たちの国を失った悲しみを共有したい」
と話した。
総会で挨拶した会長代理の高市早苗経済安全保障担当相は、中国による人権侵害を糾弾し、是正を求めるのは昨年実施された総選挙時の自民党の公約だったと指摘。
その上で、先進7カ国で人権制裁法(マグニツキー法)を有していないのは日本だけで、1日も早く法整備に取り組む必要があると強調した。
■失敗したODAの是正に
豊富な実績のある諸議連が団結して形成された今回の新議連は着実な行動が期待されている。
実践を実らせるためには経費が必要不可欠で、さもなければ単にスローガンを叫び、看板を飾っただけで終わってしまう可能性がある。
従来、議連が支援してきた南モンゴル人とチベット人、それにウイグル人は全て自腹で人権侵害を訴えてきた。
日本国民に広く伝えようとして声を挙げ、資料を配布するなどの費用はどれも自費で賄ってきた。
欧米に比べると、日本の企業には人権問題を重視する精神的風土が希薄で、善意ある財団のチャリティーも少ないように見える。
実際に中国でどんな侵害が発生し、どう対応するかとなると、経費がないと実態究明には繫がらない。
この点でも米国は先進的な事例を示している。
毎年、中国の人権問題に一定の予算を計上しているので、蓄積されたデータも質量ともに優れている。
ODAのこうした活用は従来の負のイメージの是正にもなる。
周知の通り、対中ODAを2018(平成30)年10月に終了するまで、日本は40年近くで合計3兆6000億円を中国に注いできた。
「日中友好」
を実現しようと日本国民の血税を北京に提供してきたが、軍備拡張にも悪用されたので、
「戦後日本の対外政策で最大級の失敗」
とみられている(古森義久『ODA幻想 対中国政策の大失態』)。
日本国民の善意が報われることなく、却って対外的には日本の領土である尖閣諸島を奪おうとしているし、対内的には諸民族を弾圧するモンスターのような狂暴国家が育てられてしまったことへの救済措置にもなる。
■世界レベルの資料センターを
具体的な行動の一つとして、ODAを活用して世界レベルの人権資料センターを作るよう提案したい。
こちらも米国に似たような前例がある。
首都ワシントンにホロコースト博物館と共産主義犠牲者博物館があり、多くの研究者が第1級の資料を集めて人類共通の財産として活用している。
その目的は当然、人権侵害をストップし、真相を究明してから和解するという人間の安全保障政策にある。
アジア唯一の先進国である日本に同様な資料センターが設立されれば、日本の国際社会におけるイメージも一層良くなるに違いない。
中国は今や国境を超えて世界各国でも人権侵害を大々的に繰り広げている。
その実例が海外警察署の設置である。
中国から追われた人権活動家や体制批判者だけでなく、当該国家の市民にも脅迫行為を働いていると報告されており、日本やモンゴル国をはじめ実に数十カ国に被害が及んでいる。
現に古屋会長が以前にウイグル人を支援した際には駐日中国大使から
「身の安全を保障しない」
との脅迫文も届いた。
日本の政治家が、中国から恫喝されるという前代未聞の主権侵害である。
諸民族の人たちは民主主義国家の日本に居ながら、日々独裁国家からの脅迫に怯えているのは由々しき事態である。
世界と人類全体に危害をもたらしている中国の暴挙を行動で止めるための資金としてODAが活用されれば、日本国民もより安全に暮らせるようになるし、世界平和への大きな貢献となる。

主張
中国「海外闇警察」 政府は実態の解明を急げ
2022/12/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20221207-35PSOET53RLAFKOUDB3YWBZECQ/
林芳正外相が2022年11月29日の記者会見で、中国警察が日本を含む各国に展開する海外拠点について、外交ルートを通じて中国政府に懸念を伝えたと明らかにした。
林氏は、
「(日本の主権を侵害する活動をしているなら)断じて認められない旨の申し入れを行っている」
と述べた。
ある国が、自国警察の出先機関を外国に設けて捜査や取り締まりを行うのは国際法に反し、設置先の国の主権侵害となる。
スペインの人権NGO(非政府組織)は報告書で、中国が、日本や米国、英国、ドイツ、スペイン、アイルランド、カナダなど30カ国で数十カ所の海外警察拠点を設け、中国人を取り締まったり、監視したりしていると指摘した。
いわば闇の警察署である。
報告書によると、対外工作を任務とする中国共産党の中央統一戦線工作部が関わり、共産党政権を批判する海外の中国人を監視し、反体制運動を止めるよう脅し、中国の家族にも圧力をかけて、
「帰国の説得」
をしているという。
これらが事実なら、日本を含む各国の主権と在外中国人の人権を侵害するもので看過できない。
中国外務省の報道官は、国際法違反および他国の主権侵害を否定し、海外警察拠点とされる機関は海外在住中国人の運転免許証更新などをオンラインで行う
「サービスステーション」
だと語った。
だが、アイルランド政府は
「アイルランドで順守すべき国内法、国際法に従っていない」
として、首都ダブリンにあった中国警察拠点の閉鎖を命じた。
オランダも違法として閉鎖処分を下した。
米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は上院で、中国の海外警察拠点に強い懸念を表明した。
米英加なども閉鎖を視野に調査に乗り出している。
日本にも東京・神田に、中国警察のものと言われる拠点が存在している。
日本政府は、外交ルートで懸念を伝えた以上、実態解明を急ぐべきだ。
この拠点以外にも存在していないかも調べなくてはならない。
主権侵害の問題が認められれば撤去の必要がある。
東京でも、習近平政権のゼロコロナ政策などに抗議する
「白紙デモ」
が中国人らによって行われた。
中国少数民族の抗議活動も日本で続けられている。
自由の国日本で、専制主義中国の警察が弾圧に動くことは許されない。

識者に聞く中国「非公式警察署」問題、危機に厳格対処を 静かなる侵略℃蛹侵害の疑い「意思表明しない政府の感覚は理解不能」
2022.11/28 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20221128-7SINNC4L5BKTPBGCQBZ5HK5JUY/
中国が、日本を含む30カ国に
「非公式警察署」
を設置していたとされる問題で、国内外から懸念の声が上がっている。
世界各国では、主権侵害や人権侵害の疑いを厳しく批判し、当局が実態解明に乗り出したが、日本政府の明確な意思表明はなく、反応は乏しいのだ。
米国と中国に精通する識者に聞いたところ、中国共産党政権による
「静かなる侵略(サイレント・インベージョン)」
の一端だと指摘。
断固とした姿勢で臨まなければ、
「日本国や国民が重大な危機に直面する」
と警鐘を鳴らした。
ニューヨークで
「非公式警察署」
の存在が浮上した米国では、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官が2022年11月17日、上院国土安全保障・政府活動委員会の公聴会で
「常軌を逸している」
「放置しない」
と明言した。
主権侵害などの疑いで捜査を進めるという。
日本でも、東京・JR秋葉原駅近くの拠点が指摘され、夕刊フジをはじめ、幾つかのメディアが直撃取材をした。
ところが、松野博一官房長官は2022年11月14日の定例会見で、
「ご指摘の報道は承知しているが、私からお答えすることは差し控える」
「その上で申し上げると、日本における外国警察の活動に関するお尋ねであれば、警察庁にお問い合わせを頂きたい」
と答えた。
米軍で情報部門を担当した経験がある評論家、マックス・フォン・シュラー小林氏は、同盟国・日本の対応について、
「主権侵害の疑いがある国際問題なのに、これほど反応が薄いのは驚きだ」
「こうした事態に対処する、日本版CIA(中央情報局)やFBIの整備も必要だろう」
と語る。
米国では2022年10月、在米中国人を強制帰国させようとした中国人7人を連邦大陪審が起訴した。
汚職摘発が名目の監視や抑圧を阻止する動きは、非公式警察署の問題とも密接に絡んでいる。
同氏は
「非公式警察署に関与した人物は何者で、どのような経緯で入国したのか」
「どんな行動だったか」
「調べるべきことは山積している」
「日本政府は『回答を差し控える』のではなく、厳格に対処すべきだ」
「中国は外交ルールを逸脱している」
「主権国家として許してはならない」
と語った。
中国側は、免許証更新や結婚届の受理など、一般的な行政サービスを提供していると主張するが、どう見るか。
中国事情に詳しい評論家の石平氏は
「世界各国に散らばった中国人を監視し、中国共産党の反対勢力を抑圧するのが狙いだろう」
「他国の主権侵害を省みない中国の典型的な行動であり、既成事実を積み重ねる『静かなる侵略』だ」
「放置すれば、沖縄県・尖閣諸島周辺への中国海警局船の侵入のような事態を招く」
と警告した。
2012年の尖閣国有化以降、中国の主権侵害は増加している。
当初は敏感に反応した政府や国民も慣れてきている。
石平氏は
「中国は、主権侵害を続ければ、相手国が見過ごす局面が来るかもしれないと期待している」
「増長を看過すれば、次のターゲットは日本人になる」
「最悪の事態を招く」
「明確な抗議や調査など、意思表明をしない日本政府の感覚は理解不能だ」
と語っている。

中国「海外派出所」に米欧が警戒 閉鎖要求も 日本は秋葉原駅近くに?
2022/11/27 17:22
https://www.sankei.com/article/20221127-3G34THFLZRLIJOTCEPMK7JDA2Y/
中国警察が国外に展開する
「海外派出所」
に対し、米欧各国が警戒を強めている。
スペインの人権団体が2022年9月、反体制派の亡命中国人を監視し、帰国を迫る拠点になっていると報告書で指摘したことが契機となった。
オランダやアイルランドは、国内の
「派出所」
に閉鎖を要求。
実態調査を表明する国も相次ぐ。
■「中国に戻れ」
ハーグ在住で中国人の民主活動家、王靖渝さん(21)は
「ロッテルダムの『海外派出所』から2022年2月以降、何百回も電話があった」
「『中国に戻れ』『両親がどうなるか分かっているのか』と脅された」
と証言する。
2022年11月初めには
「お前を殺す」
「ドイツからそちらに向かっている」
と通告され、生きた心地がしなかった。
「海外派出所」
は、中国の公安当局が在外中国人向けに設けた組織。
運転免許証などの支援が目的としており、
「海外110番」
としてPRしてきた。
2022年に入り、中国メディアを通じて日本や欧州、アジアなど30カ所の在外連絡先リストを発表した。
ロッテルダムはハーグの東にある港湾都市。
リストにあった住所を訪ねると、アラブ系住民が多い住宅地の4階建アパートだった。
近くの食品店主は
「中国警察?」
「全く知らないね」
と述べた。
■中国「違法ではない」
報告書を発表したのは、
「セーフガード・ディフェンダーズ」(本部・スペイン)という団体。
中国の
「海外派出所」
は反体制派や汚職疑惑の容疑者を標的に、
「脅しや嫌がらせ」
を行っていると指摘した。
「派出所」
は世界で50カ所以上あるとみている。
オランダでは地元テレビが王さんのインタビューを報じ、騒ぎが広がった。
「海外派出所」
はロッテルダムなど国内に2カ所あるとされ、フクストラ外相は2022年11月初め、
「このような活動は許可していない」
「中国大使に対し、即時閉鎖を求めた」
とする声明を発表した。
アイルランド外務省も
「中国側から事前申請を受けていない」
として、首都ダブリンでの活動停止を中国大使館に求めたと明らかにした。
王さんは、中国・重慶市の出身。
香港の民主化運動への支持を交流サイト(SNS)で発信して中国当局に追われ2021年、ハーグに逃れた。
王さんによると、ドイツから来たという男は駆け付けたオランダ警察に聴取されたという。
オランダ警察は
「この件では、何も言えない」
と明言を避けている。
中国外務省は、2022年10月末の記者会見で
「海外派出所」
について尋ねられ、
「在外中国人を助けるサービスセンターに過ぎない」
と述べ、違法行為に当たらないと主張した。
■掲示の警察旗撤去
だが、外国での無許可の警察活動は、主権侵害の恐れがあるため、波紋は広がるばかり。
米国では、レイ連邦捜査局(FBI)長官が2022年11月17日、
「中国警察が適切な連携なしに、ニューヨークに拠点を構えようとするなど言語道断だ」
と懸念を表明した。
報道によると、ドイツや英国、チェコ、カナダなどが調査を行う方針を表明した。
中国に配慮する動きもある。
ハンガリー野党のマルトン・トムポス国会議員は
「首都ブダペストでの活動が中国メディアで報じられたため、国会で質疑した」
「政府は『中国警察の存在は確認されたわけではない』と答弁するだけ」
「我が国のオルバン政権は対中関係を重視しており、事を荒立てたくないのだ」
と述べた。
ブダペストでは在外中国人団体が入居するビルに中国警察の名を記した旗が掲示されていたが、騒ぎが広がった後、トムポス氏が再訪すると撤去されていたという。
■リストに日本拠点 秋葉原駅近く、公安関係者「重大な関心」
「セーフガード・ディフェンダーズ」(本部・スペイン)の報告書にある
「海外派出所」
のリストには、日本国内の拠点として東京都千代田区内の住所と電話番号が示されている。
ただ、活動実態は不透明で、交流サイト(SNS)の書き込みなどで被害や接触を受けたと訴えるようなものは確認されていない。
公安関係者は
「重大な関心を持っている」
とした上で、
「実際に警察活動をするなど違法な主権行使があれば、厳正に対処することになる」
との見解を示している。
国内拠点とされる住所はJR秋葉原駅近くの大通りに面した場所で、雑居ビルが建っている。
登記簿によると、ビルは2019(令和元)年9月、社名に中国の地名を冠した民間企業が購入。
この企業はホテル経営や不動産取引などを行っているとされる。
2022年11月下旬、ビルを訪れると、入り口には同企業や中国系の団体の名前が記された郵便受けが確認できた。
ただ、電話や呼び掛けには応答がなかった。
一方、国会では参政党の神谷宗幣参院議員が2022年10月、中国の海外警察拠点に関し、政府が国内拠点の有無や、その活動について把握しているかなどを問う質問主意書を提出。
これに対し、政府は答弁書で
「我が国の情報収集能力等を明らかにする恐れがあることから、差し控えたい」
などと回答している。
また、2022年11月4日の松野博一官房長官の定例会見でも政府が把握している事実関係や今後の対応に関する質問が出たが、松野氏は
「私からお答えすることは差し控える」
として詳細を語ることはしなかった。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/858.html#c31

[戦争b25] 米国の有力メディアもウクライナの敗北を認めざるをえなくなってきた(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[911] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 08:36:17 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[476]
<■2184行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
北朝鮮兵1万人がロシア西部に到達、ウクライナ前線近くに配置か 米国が増派の動き監視
2024/11/5 7:18
https://www.sankei.com/article/20241105-5RHWER2F7ZNJZKJKI23NRCDGGQ/
米国務省のミラー報道官は2024年11月4日の記者会見で、北朝鮮兵約1万人がロシア西部クルスク州に到達したと分析していると述べた。
同州ではウクライナが越境攻撃を続けており、当初ロシア入りした北朝鮮兵のほぼ全てが前線近くに配置されたとみられる。
国防総省のライダー報道官は、ロシアに派遣される北朝鮮兵が総勢1万1000〜1万2000人になるとの見解を示した上で、北朝鮮が更に増派するかどうかを
「注意深く監視する」
と話した。
ブリンケン国務長官は2024年10月31日、ロシア入りした北朝鮮兵は約1万人で、うち最大8000人がクルスク州入りしたと説明。
前線に投入するため、ロシアが基礎的な歩兵訓練を施しているとしていた。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

国連、北朝鮮の派兵に懸念 「紛争の国際化回避を」
2024/11/4 10:14
https://www.sankei.com/article/20241104-N6OFIOB6NFIIZINKFONZGBZX3U/
国連のグテレス事務総長は2024年11月3日、北朝鮮がウクライナに侵攻するロシアに派兵したと伝えられていることに対して
「懸念」
を表明した。
「紛争の国際化を避けるため、あらゆる手段が取られなければならない」
と加盟国に求めた。
グテレス氏は報道官を通じた声明で、北朝鮮の派兵が事実で、戦闘に加わるとすれば
「危険な緊張激化だ」
と指摘。
国連憲章や国際法に基づいたウクライナ和平の実現を訴えた。(共同)

ロシア軍、ウクライナ東部要衝まで3キロに迫る ハリコフ州クピャンスク
2024/11/4 7:16
https://www.sankei.com/article/20241104-TFO6TD77CZP65PVKLWQY3BUJLE/
英紙ガーディアンは2024年11月3日、ロシア軍がウクライナ東部ハリコフ州の要衝クピャンスクまで約3キロ未満に迫ったと報じた。
ロシアは東部で攻勢を強めており、市長は2024年10月初旬から状況が劇的に悪化したと指摘。
高齢者を中心に約1400人が避難せずに市内にとどまっていると明かした。
クピャンスクは州都ハリコフやイジュムにつながる幹線道路が集まる。
ウクライナが2022年9月に奪還したが、再び制圧される恐れがある。
ロシア国防省は2024年11月3日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクの南東約15キロにある集落を制圧したと発表した。
またロシア内務省の報道官は2024年11月3日、ウクライナへの特別軍事作戦に参加する外国人3344人が今年2024年に入ってロシア国籍を取得したと発表した。
プーチン大統領は今年2024年11月1月、国防省と志願兵契約を結んだ外国人は、簡素な手続きでロシア国籍を取得できるとする大統領令に署名していた。(共同)

米戦争研究所、北朝鮮のウクライナ派兵で報告書 実戦経験を将来の紛争に応用 対中依存脱却の狙いも
2024/11/3 9:27
https://www.sankei.com/article/20241103-ZCNBYNGSOJMTNIDYJMGYJ4BPEA/
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は2024年11月2日までに、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアを支援するため部隊を派兵した戦略的狙いについて報告書を発表した。
朝鮮戦争以来となる通常戦争で得る最新の戦闘経験を、対韓国など将来の紛争に応用する目的があると分析。
北朝鮮の対露連携強化は中国への依存を弱めることになり、朝鮮半島を含むアジア太平洋地域の長期的安定を脅かすと警告した。
報告書は2024年11月1日付。
北朝鮮は、
「将来の戦争の性質を変える」
とされるウクライナ戦争への参戦が
「自国軍の重大な学習機会となる」
と認識したと分析。
背景として、北朝鮮軍は1953年の朝鮮戦争休戦以来、大規模な通常戦闘の経験がなく、
「韓国のような高度な敵国との近代戦に準備されていない」
と指摘した。
その上で報告書は、北朝鮮の部隊が西側の兵器供給を受けるウクライナ軍を相手に自らの兵器システムを試し、指揮統制、無人機操縦、電子戦の経験を積むことで
「朝鮮半島を含む将来の紛争で優位に立つ」
狙いがあると分析した。
報告書は、実際に北朝鮮軍が戦場で得る教訓を将来に生かせるかは、露軍司令部が北朝鮮の兵力をどのように利用するかで決まると指摘。
露軍が北朝鮮兵を
「大砲の餌食(弾除け)」
として使えば犠牲が膨らむのは確実で、北朝鮮政府が望むような教訓は十分に得られないとの見方も示した。
更にに報告書は、北朝鮮がロシアとの連携を強化することで
「中国への依存度を下げる」
思惑があるとも指摘。
中国政府の影響力が弱まれば、北朝鮮の攻撃性を制御できず、朝鮮半島を不安定化し、より広いアジア太平洋地域を危険にさらす可能性があると分析した。
一方、北朝鮮にとりロシアからの見返りには、核開発計画の進展に加え、
「朝鮮半島で紛争が起きた際にロシアの軍事的関与を確かにしたい」
思惑もあるとしている。

ウクライナの首都キーウに無人機攻撃、高層の集合住宅が損傷 ロシア機が連日飛来
2024/11/2 19:59
https://www.sankei.com/article/20241102-3SOA7FQXEFOG3G4BU37RTSV3YE/
ウクライナの首都キーウ(キエフ)で2024年11月2日朝、ロシア軍の無人機攻撃があった。
ウクライナメディアによると、高層の集合住宅で火災が発生して一部が損傷、少なくとも1人が負傷した。
キーウには最近、連日のようにロシア無人機が飛来している。
第2の都市、東部ハリコフでは2024年11月1日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、地元当局によると、警察官1人が死亡し、警察官や民間人を含む40人以上が負傷した。
一方、ロシア国防省は2024年11月2日、ウクライナ東部のハリコフ州とドネツク州で、それぞれ1集落を制圧したと発表した。(共同)

日本提出の核廃絶決議を国連委採択 「扇動的威嚇の自制」要請、ノーベル賞の被団協に言及
2024/11/2 18:12
https://www.sankei.com/article/20241102-7BNKELD7RFL4BJ6SCDWOJMWFPM/
国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は2024年11月1日、日本が提出した核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。
ロシアのウクライナ侵略や中東危機を巡り、核使用の恐れが強まる中、核保有国に対して
「核の不使用」

「扇動的な威嚇の自制」
を要請した。同種の決議採択は31年連続。
核保有国の米国を含む51カ国が共同提案国となり、英国など145カ国が賛成した。
反対はロシアと中国、北朝鮮、イランなど6カ国。
イスラエルやインド、パキスタン、フランスなど29カ国が棄権した。
決議は、今年2024年のノーベル平和賞受賞が決まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)について
「被爆の実相」
を長年伝えてきたと言及。
軍縮・不拡散教育に取り組むよう各国に求めた。
決議はまた、各国に対して、高濃縮ウランやプルトニウムなどの兵器用核分裂性物質(FM)の生産状況の透明性を高める措置を要請した。
北朝鮮の核・ミサイル計画の
「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄」
に向けて取り組むと再確認した。

ラブロフ露外相と崔善姫・北朝鮮外相会談で条約完全履行を確認 両国関係「新たなレベル」
2024/11/2 18:17
https://www.sankei.com/article/20241102-VHHSJU7CPFPMXOY3D2SECHLFHQ/
ロシア外務省は2024年11月2日、2024年11月1日に行われたラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相の会談結果を発表した。
両外相は、2024年6月にロ朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の条項を完全に履行すると確認。
条約は伝統的に友好な両国関係を
「新たなレベル」
に引き上げたと指摘した。
北朝鮮の朝鮮中央通信も2024年11月2日、両外相の会談結果を報道。首脳間の合意事項の実務問題を中心に協議したという。
ただロシアのウクライナ侵攻の支援など詳しい中身について言及はなかった。
朝鮮中央通信によると両外相は、米国を軸にした勢力による
「挑発行為」
が朝鮮半島や北東アジア、その他地域の緊張を高めているという認識で一致。
ロシア側は、金正恩朝鮮労働党総書記ら北朝鮮の指導部が取っている対応を
「全面的に支持する」
と表明した。
両政府間で対話を続け、関係強化を進める点でも合意した。(共同)

主張>北の派兵 侵略への加担は許されぬ
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/
ロシア入りした北朝鮮軍がロシア製の装備を受け取る様子を撮影したとする動画の一部=ウクライナ政府機関「戦略コミュニケーションセンター」のSNSから
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/photo/JXWBFHHEENJPHKAXSBBL73634U/
ウクライナ侵略を続けるロシアと、これを支持してきた北朝鮮の軍事協力が一段と進んでいる。
米国のブリンケン国務長官は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の将兵について
「数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入される」
との見通しを示した。
最大8000人の北朝鮮軍が、ウクライナが一部を占領する露西部のクルスク州に展開しているという。
北朝鮮軍の部隊がウクライナ領に侵入してくることも懸念されている。
これは北朝鮮が第2の侵略国になることを意味するもので断じて容認できない。
北朝鮮は直ちに派兵と武器弾薬の対露輸出を停止すべきだ。
国際社会は危機感をもち、一層の圧力を掛ける必要がある。
日本の山崎和之国連大使が国連安全保障理事会の緊急会合で
「北朝鮮がロシアによる侵略の共犯者になることはウクライナ情勢を更に悪化させる」
と非難したのは当然だ。
北朝鮮は2024年10月31日、新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本海に向けて発射した。
日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下させた。
通常よりも高角度のロフテッド軌道を取り、飛翔時間も高度も過去最高だった。
技術向上の裏にはロシアの協力があったとみられている。
露朝両国は2024年6月、有事の際の相互軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだ。
軍事同盟下の提携は急速に進み、北朝鮮はロシアに砲弾や弾道ミサイルを供給した。
60万人超とされるロシア兵の死傷者を補うため、軍の派遣にも踏み切った。
ロシアからの見返りが北朝鮮が切望していた高度な核・ミサイル技術の提供なのだろう。
北朝鮮の金正恩総書記は、朝鮮半島有事の際に、ロシア軍の加勢も望んでいると思われる。
露朝軍事協力の脅威は、日米韓とウクライナを含む欧州に及ぶことになる。
日本にとっては、台湾有事など南西方面での有事に直面する場合でも、北朝鮮に加え北方におけるロシアの脅威にも備える必要が高まった。
石破茂政権はこの厳しい現実を国民に説明すべきだ。
北朝鮮が通算7回目の核実験に踏み切るとの観測もある。
一層の警戒が欠かせない。

ロシア派兵で白日の下にさらされる北朝鮮の特殊部隊「暴風軍団」
久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ
2024/11/2 1:00
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/
10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/photo/WJS4SVY6UNKUNIR5I5FWTEAO5I/
北朝鮮がロシアに派兵した部隊が露西部クルスク州で活動を始めた。
北朝鮮の参戦でウクライナ侵略は多国間紛争に拡大し、新たな局面に入った。
これに神経を尖らせているのが韓国だ。
北大西洋条約機構(NATO)や米国と緊密に協議してウクライナに専門家のモニタリング団を派遣し、ウクライナへの軍事支援も段階的に強化する方針だ。
1万人を超す北朝鮮兵は今後、捕虜や脱走者が見込まれ、韓国はこの機会に北特殊部隊の実態把握を試みる。
韓国軍が北朝鮮兵を尋問する可能性もある。
■北朝鮮兵の脱走誘導作戦も
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、
「数日中に北朝鮮軍が戦闘に加わる」
との見通しを示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領と2024年10月29日に電話会談した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は
「韓国とウクライナは露朝軍事密着の直接的な利害当事者」
だとして、緊密な協力を約束した。
韓国は
「北朝鮮が実戦で得た経験を100万人を超す北朝鮮軍に習得させた場合の脅威」(尹氏)
に危機感を持っている。
韓国はブリュッセルのNATO本部で2024年10月28日に行われたNATOの意思決定機関、北大西洋理事会に代表団を送り、
「北派兵問題」
の協議に参加した。
代表団は情報機関、国家情報院(国情院)の高官が団長を務め、韓国軍の情報部長らも加わった。
韓国とNATOの情報共有や作戦の検討など、協力関係は既に始まっている。
こうした韓国側の対応について、朝鮮半島の安全保障問題に詳しい道下徳成政策研究大学院大学教授は
「韓国にとっては、またとないチャンスだ」
「北朝鮮の特殊部隊が実戦の場に出てきており、その実態に迫ることが出来る」
「捕虜も脱走兵も出る可能性が高い」
「韓国は彼らの尋問をしたいはずで、情報の宝の山だ」
と指摘する。
戦線を離脱した北朝鮮兵は原則的には
「戦争捕虜」
だが、独裁国家への帰還を拒否して韓国行きを希望する可能性もある。
北朝鮮が派兵した部隊は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭の特殊部隊
「第11軍団」
とされる。
有事に敵地に浸透する特殊任務を担うとされ、暴風軍団の実態把握は韓国軍にとって垂涎の的なのだ。
韓国が検討している
「モニタリング団」
は軍人・軍属の専門家で構成される予定で、尋問要員の他に対北心理戦要員も含まれるという。
南北分断以来、北朝鮮との心理戦を戦ってきた韓国には、北朝鮮兵を部隊から離脱させる誘導作戦の専門家がいる。
脱走誘導に関してはウクライナ国防省情報総局も
「北朝鮮兵が戦闘に投入されれば前線で朝鮮語のビラをまく」(同局報道官)
と明言している。
一方、韓国政府は北朝鮮の対露協力の動向を見定めながらウクライナ支援を変更し、
「推移に応じて段階的な対応措置を取る」(韓国大統領府の金泰孝=キム・テヒョ=国家安保室第1次長)
との方針に転換した。
これまでは
「戦闘地域に武器を提供しない」
との原則を順守し、支援は人道レベルの軍需物資にとどめていた。
だが、今後は段階に応じ、防空システムや地雷散布装置などの防御的兵器から、最終的には戦闘機を迎撃する地対空ミサイル
「天弓(チョングン)1」
「天弓2」
などの供与も検討されている。
■韓国情報機関の心理戦
北朝鮮の派兵問題は2024年10月17日、ゼレンスキー氏が
「北朝鮮が1万人の派兵を準備している」
と述べて注目された。
しかし、遡れば昨年2023年夏、ロシアのショイグ国防相(当時)が北朝鮮の朝鮮戦争
「戦勝記念日」
に露国防相として初めて訪朝して以来、
「プーチン大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に派兵を要請か」
と取り沙汰されてきた。
そしてこの動きを警戒してきたのが韓国の国情院だった。
国情院は現在、
「北派兵」
に関する情報を異例の頻度で内外に公表している。
公表はゼレンスキー氏発言の翌日からで、
「北朝鮮特殊部隊が既に派兵された」
として、具体的に
「露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻が2024年10月8日から13日にかけ、北朝鮮の清津(チョンジン)、咸興(ハムフン)、舞水端(ムスダン)近郊地域から特殊部隊1500人をロシアのウラジオストクに第1次移送した」
と発表し、人工衛星による写真も提供した。
その後も人的情報や衛星情報、通信傍受などを含む機密レベルの情報も意図的に出している。
国情院はまた、人的動向の分析も盛んに行っている。
派兵部隊の総括指揮のためロシア入りが取り沙汰されている軍要人で金氏の側近でもある朝鮮人民軍のキム・ヨンボク副総参謀長の動向について、
「キム副総参謀長を含む先発隊が戦線に移動中という情報があり確認中」
と2024年10月29日に国会に報告、2024年10月28日から訪露してラブロフ外相と会談する崔善姫(チェ・ソンヒ)外相についても
「金氏の訪露や追加派兵とその見返りを協議する可能性がある」
との情報を出した。
こうした国情院の動き自体も実は
「対北作戦」
の一環とみられている。
米国がロシアのウクライナ全面侵攻の前後に露軍の情報を積極的に公表した
「戦略的機密解除」
と呼ばれる心理戦と同じで、敵に
「我々はここまで知っている」
と開示して相手に不安を与え、同時に同盟国の結束を図る目的とされる。
一方、北朝鮮にとり、派兵はどんな意味を持つのか。
道下氏は
「北朝鮮に大きなリスクをもたらす」
と分析する。
北朝鮮の特殊部隊の規模は10万人から20万人とされるものの、ほとんどは軽歩兵で精鋭部隊は約1万人と推定されており、その中核部隊がどれほどの能力を発揮出来るかが国際社会に一目瞭然となるからだ。
また、一連の動きは
「南北の情勢を更に不安定にさせるだろう」
と道下氏は指摘する。
派遣された北朝鮮兵は10〜20代の若者で
「弾除(よ)けに過ぎない」
との指摘や、北朝鮮当局が動揺を警戒してか派兵軍人の家族を隔離、管理し始めたとの国情院情報もある。
派遣部隊が実戦に投入されれば、その実態は早晩、明らかになる。

「軍事同盟」条約を「既に履行」 露朝外相、会談で結束強調 北朝鮮軍参戦には言及せず
2024/11/1 21:02
https://www.sankei.com/article/20241101-HM3VMPLQZNLANOYD325GXK7H6Y/
ロシアのラブロフ外相は2024年11月1日、訪露中の北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相とモスクワで会談した。
ラブロフ氏は会談冒頭で
「露朝間には軍同士の緊密な交流が確立されている」
「これは両国民の安全に関わる重要な問題の解決を可能にする」
と指摘。
露朝が2024年6月に締結した事実上の軍事同盟条約
「包括的戦略パートナーシップ条約」

「既に履行され始めている」
とも述べ、両国の結束を強調した。
タス通信が伝えた。
崔氏は、ロシアによる対ウクライナ軍事作戦の開始当初から、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が露軍と露国民を全面的に支援するよう命じてきたと指摘。
北朝鮮はロシアの
「戦勝」
を疑わず、
「最後までロシアの朋友の隣に立ち続ける」
と表明した。
両外相の発言は、直接的な言及こそ避けたものの、ウクライナ侵略を続けるロシア側での北朝鮮軍の参戦を念頭に置いたものである可能性がある。
また、崔氏は
「北朝鮮は核戦力の増強を続ける」
とも述べ、ロシア側に理解を求めた。
一方、ペスコフ露大統領報道官は2024年11月1日、北朝鮮軍が近くウクライナ軍との戦闘に参加するとの観測が出ていることについてコメントを拒否した。

米国務長官「数日内に」北朝鮮兵とウクライナ軍が戦闘 「軍事目標になる」と警告
2024/11/1 20:50
https://www.sankei.com/article/20241101-YJBRZG6ODZMCTDSKKYHSDHK6QI/
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、ウクライナ侵略を続けるロシアに派遣された北朝鮮兵が
「数日以内に」
ウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
ワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領も北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との認識を示しており、ロシアのウクライナ侵略は新たな局面に入る。
ブリンケン氏は、ロシアに北朝鮮兵約1万人が派遣され、うち8000人がウクライナと国境を接する西部クルスクにいると説明。
ロシアが砲撃や無人機の運用など基本的な歩兵訓練を北朝鮮兵士に実施しており、近く前線に投入される可能性を指摘した。
投入されれば北朝鮮兵は
「軍事目標になる」
と警告した。
ゼレンスキー氏は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、北朝鮮兵は
「戦闘参加の準備をしている」
と語った。
戦闘では北朝鮮兵が
「ロシア兵よりも前面に押し出される」
可能性を指摘し、多数の犠牲者が出るとの見方も示した。
米国は北朝鮮の派兵などを巡り中国と高官協議を実施。
ブリンケン氏は会見で、北朝鮮の動きを抑えるため中国に影響力を行使するよう伝えたことを明らかにした。
またブリンケン氏は、北朝鮮が派兵の見返りとしてロシアから技術供与などの軍事支援を受けることへの懸念を表明。
北朝鮮の軍事力強化は
「地域を大きく不安定化させるもので、中国にとっても懸念になる」
とし、中国に対応を促した。

北朝鮮「露勝利まで共に」 外相会談で両国の緊密な関係をアピール
2024/11/1 20:13
https://www.sankei.com/article/20241101-RK5GUL6URZK65MI2FDDZ74YH6A/
ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相が2024年11月1日、モスクワで会談した。
ウクライナに侵攻するロシアへの北朝鮮兵の派遣情報に米欧や韓国が警戒を高める中、崔氏は会談冒頭
「ロシアが勝利するまで我々は断固としてロシアの同志と共にある」
と述べた。
ラブロフ氏は
「軍や治安機関の間で非常に緊密な接触が行われている」
とし、両国の重要な安全保障問題の解決に寄与していると表明。
露朝関係は
「過去に前例のない高いレベルに到達した」
と評価した。
公開された会談冒頭では兵士派遣について言及はなかった。
会談では2024年6月に露朝の首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の具体的な履行方法や、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の今後の訪問予定などが話し合われたとみられる。
金正恩氏を巡っては早期のロシア訪問の観測が浮上している。(共同)

露朝同盟で東アジア同時危機も 北のウクライナ派兵、核・ミサイル関連の移転阻止が急務
2024/11/1 19:00
https://www.sankei.com/article/20241101-I6HFZRCC5BKATJB5DOK4AFJEQQ/
北朝鮮がウクライナ侵略戦争に軍部隊を派遣したことが確認された。
ロシアと北朝鮮の同盟関係が深まっていることを意味し、東アジアの安全保障に与える影響は大きい。
今後、朝鮮半島で武力衝突が起きた場合にはロシアが北朝鮮側で参戦することが理論的にあり得る。
露朝が台湾有事の際に中国を利する行動を取る可能性もある。
最悪のシナリオは、東アジアの危機が同時に発生する複合的な事態だ。
■北朝鮮は露の見返りを期待
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、約1万人の北朝鮮兵がロシアに派遣され、うち最大で8000人はウクライナの越境作戦が続く露西部クルスク州にいると明らかにした。
露朝は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結した。
条約には侵攻を受けた場合の軍事援助が盛り込まれており、今回の派兵はこれを具現化する動きだ。
北朝鮮は昨年2023年以降、大量のミサイルや砲弾をロシアに供与しており、ロシアが戦線で使用している砲弾の半数は北朝鮮製だと推定されている。
兵員までも送り込むことで、ロシアからの見返りを確かなものとする狙いが北朝鮮にはある。
最近の露軍には1日平均で1200人以上の死傷者が出ており、ロシア側には兵員の補充が難航している実情がある。
「北朝鮮兵はロシアの武器や現代戦に習熟しておらず、派兵がウクライナ戦況に与える影響は限定的だろう」。
露観測筋はこう指摘しつつ
「ロシアが見返りとして北朝鮮に核関連技術を渡すことが危惧される」
と話す。
■露朝への制裁強化が急務
対北制裁に関する国連専門家パネルで委員を務めた古川勝久氏は
「北朝鮮が最も期待しているのは、朝鮮半島有事の際にロシアが軍事介入する可能性を高めることだ」
とみる。
そうすれば米国が半島有事に軍事介入するのを躊躇わせることが出来る。
古川氏によれば、ロシアから北朝鮮に渡ることが危惧される核・ミサイル関連の技術は多岐に渡る。
高濃縮ウランの増産や原子力潜水艦の建造、大気圏再突入が可能なミサイル弾頭や固体燃料の製造、ミサイルの姿勢制御や誘導システムの改善−などで北朝鮮は様々な技術や資機材を必要としているという。
露朝に対する国際制裁の拡大・強化が急務だ。
「一連の露朝の行動は明白に国連安保理決議違反であり、両国への制裁は今や全国連加盟国の義務だ」
「グローバルサウスにも説明し、1カ国でも多く西側主導の制裁に加わるよう日本も率先しなければならない」。
古川氏はこう述べ、
「露朝国内の制裁対象と取引関係を持つ第3国の個人や企業にも、安保理決議に従って取引禁止や出入国禁止などの『二次制裁』措置を厳しく課すべきだ」
と指摘する。
「北朝鮮への軍需物資や金の流れはある程度、把握されている」
「北朝鮮の軍事力を削ぐために、大量の外国製欠陥品を密輸ルートに流し込む『積極的妨害工作』を展開すべきだ」
「露朝が決済に使う暗号通貨の交換所や中国の中小金融機関にも手を打たねばならない」。
古川氏はこうしたことも提言している。

露朝「同盟化」でウクライナ戦争と東アジア情勢がリンク 兵頭慎治・防衛研究所研究幹事
2024/11/1 17:44
https://www.sankei.com/article/20241101-FRT7VL34Z5IC5F4FVLZ2YSVMQA/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮兵が派遣され、米国やウクライナ当局は数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
防衛研究所の兵頭慎治・研究幹事は、
「欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクした」
と指摘。
露朝
「同盟化」
により、東アジアの安全保障環境が更に複雑化すると警鐘を鳴らす。

露朝が砲弾やミサイルの供与から兵士の派遣へと軍事協力の水準を引き上げた狙いは、実利的な相互協力と戦略的な対米牽制の強化だろう。
北朝鮮は派兵の見返りに、
「国防5カ年計画」
で掲げたミサイルや原子力潜水艦、あわよくば核兵器の関連技術などをロシアから引き出す狙いがあるとみられる。
ウクライナで得られる実戦経験と兵器改良が、今後の軍事力向上に結び付くことも期待しているだろう。
露朝両国は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結したが、プーチン露大統領が
「同盟」
という表現を用いないなど温度差がみられた。
北朝鮮は今回の派兵で、有事の軍事支援を定めた条約の実効性を高めながら、米韓に対してロシアが軍事的後ろ盾だと印象付けようとしている。
ロシアとしても、将来的な北朝鮮への軍事技術支援や朝鮮半島有事への関与を示唆することで、米国のウクライナ支援を牽制できる。
警戒すべきは、中国を交えた3カ国の連携に発展することだ。
そうなれば、東アジアで有事が同時・連鎖的に起きる
「複合事態」
が現実味を帯びる。
中露両軍は日本周辺の空や海で共同活動を活発化させており、2024年9月に露軍が実施した大規模な海軍演習に北朝鮮はオブザーバー参加した。
露朝接近と距離を置く中国に対して、ロシアは露中朝3カ国による合同海軍演習を提案していると韓国側は指摘する。
露朝
「同盟化」
により、欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクしてしまった。
東アジアの安全保障環境が更に複雑化することが懸念され、日本も新たな対応を検討する必要に迫られるのではないか。

北朝鮮兵との交戦「数日内」ゼレンスキー氏、犠牲多数と指摘 米国務長官も「標的」と警告
2024/11/1 7:34
https://www.sankei.com/article/20241101-RWLEDGE2FJK3DHEQGKSUNHWP64/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、ロシアに派遣された北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との見方を明らかにした。
ブリンケン米国務長官も同様の認識を示し、北朝鮮兵が戦場に入れば、ウクライナ軍の
「正当な軍事標的」
になると警告した。
ゼレンスキー氏はウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州に北朝鮮兵の一部が入っているとして
「戦闘参加の準備をしている」
と述べた。
「北朝鮮兵はロシア兵よりも前面に押し出される」
とし、多数の北朝鮮兵が犠牲になるだろうと指摘。
今後はウクライナ国内にも北朝鮮兵が投入されるとの見通しを語った。
ブリンケン氏はワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で、既に約1万人の北朝鮮兵がロシア入りしていると説明。
このうち最大8000人がクルスク州にいるとした。(共同)

ウクライナ、北朝鮮派遣軍の3人の将軍名を国連に報告 士官500人もロシア入り
2024/10/31 21:00
https://www.sankei.com/article/20241031-76WY3DKLMRKI7GTQDND7NBQMVY/
ウクライナのキスリツァ国連大使は2024年10月31日までに、ロシアに派遣された北朝鮮軍を率いる将軍3人について国連に報告した。
朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長、リ・チャンホ副総参謀長兼偵察総局長(同局は情報機関に相当)、シン・グムチョル少将という。
国営通信社ウクルインフォルムなどが伝えた。
ウクライナ軍筋によると、キム氏が派遣軍の統括役を担う。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに派遣された北朝鮮兵は約1万2000人。
将軍3人に加え、士官約500人が含まれているとしている。
キスリツァ氏は2024年10月30日の国連安全保障理事会の緊急会合で、北朝鮮兵は露軍の少数民族出身者で構成される部隊に組み込まれ、2024年11月にもウクライナ軍と戦う作戦に参加する可能性があるとして危機感を示した。(共同)

ウクライナ第2の都市ハリコフで子供1人死亡、30人以上負傷 ロシアが滑空爆弾攻撃か
2024/10/31 16:21
https://www.sankei.com/article/20241031-QXYCR3VYXVOPDK4EY6CBL2GXJI/
ウクライナ第2の都市、東部ハリコフで2024年10月30日夜、ロシア軍の攻撃があり、地元当局によると、子供1人が死亡し、30人以上が負傷した。
威力の強い滑空爆弾が使われたとみられ、9階建ての建物の下部が大きく損傷した。
ロシア国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州を南北に流れるオスコル川東岸の集落クルフリャキウカを制圧したと発表した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月30日までに、ロシア西部クルスク州に北朝鮮兵が派遣されたことについて
「戦争の新たなページが開かれた」
として新局面に入ったとの考えを示した。
「プーチン大統領は我々を試している」
「強力に対抗する必要がある」
と述べた。
ウクライナ大統領府が2024年10月30日、北欧メディア各社とのインタビューの動画を公表した。(共同)

国連安保理、北朝鮮大使がウクライナ参戦を示唆 米「北の兵士は『遺体袋』に入って戻る」
2024/10/31 10:50
https://www.sankei.com/article/20241031-6XYKIFWS3FN5XJ3GEGCCEGILNU/
国連安全保障理事会は2024年10月30日、北朝鮮のロシア派兵を巡る緊急会合を開いた。
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使がウクライナへの参戦を示唆し、米国のウッド国連次席大使が
「北朝鮮兵は『遺体袋』に入って戻る」
と強い言葉で応酬するなど緊迫した。
金氏は会合で、
「ロシアの主権と安全保障上の利益が、米国や西側諸国の危険な試みに脅かされれば、必要な決断を下す」
と対決姿勢を鮮明にした。
ウッド氏は、ロシアを支援するためウクライナに侵入した北朝鮮兵は
「必ず遺体袋に入って戻ることになる」
と応じ、北朝鮮の金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党総書記を名指しし、
「無謀で危険な行動はよく考えるように」
と忠告した。
ウッド氏は、ロシアが、西部クルスク州を越境攻撃するウクライナ軍との戦闘に北朝鮮兵を加えることを懸念し、ロシアに自制を促した。
北朝鮮の支援を受けたロシアのウクライナでの勝利は
「たとえ部分的であっても、世界の安定を危うくさせる」
と強調。
「何が何でもウクライナを守る」
と固い決意を示し、ロシアに完全撤退を強く迫った。
日本の山崎和之国連大使は、北朝鮮は
「ロシアの侵略の共犯」
になっていると非難。
英国のウッドワード国連大使は
「北朝鮮が派兵や軍事支援の見返りにロシアから高い対価を引き出すのは確実だ」
と語り、その結果として
「朝鮮半島の緊張が高まり、インド太平洋地域の安全保障が損なわれる」
と危機感を示した。
会合では、北朝鮮の派兵や軍事支援は安保理決議や国際法に反するとの批判が相次いだ。
ロシアのネベンジャ国連大使は、北朝鮮との軍事分野などでの協力は
「国際法に沿っており、違法ではない」
と主張した。

米国防長官が韓国国防相と会談、北朝鮮軍のウクライナ参戦「紛争の長期化・拡大の可能性」
2024/10/31 9:39
https://www.sankei.com/article/20241031-TREM3FPUCFO4HHWXFV464UX3B4/
オースティン米国防長官と韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月30日、米国防総省で会談し、ウクライナに侵略を続けるロシアを支援するため北朝鮮が派兵した問題を協議した。
記者会見でオースティン氏は、北朝鮮兵が露軍の制服と装備を支給されたとし、戦闘に参加すれば
「紛争を長期化・拡大させる可能性がある」
と述べ、即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮部隊が既に露東部に派遣されたと指摘。
一部はウクライナ国境に近い露西部クルスク州での戦闘に参加する可能性が高いとし、米国や同盟諸国が供給した武器を使うウクライナ軍に殺害される可能性にも言及した。
オースティン氏はまた、北朝鮮軍の参戦が
「他国に行動を起こすよう促す可能性もある」
「多くの事が起こり得る」
と述べ、他国の参入を招いて侵略が一段と複雑化する危険性を指摘。
欧州とインド太平洋地域の安全保障に重大な悪影響を及ぼすと訴えた。
一方、金氏は、北朝鮮が派兵の見返りにロシアから戦術核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦などの技術提供を求める可能性があるとし、朝鮮半島の軍事的脅威が一段と高まると訴えた。
金氏は、北朝鮮兵の展開に関する情報を収集し分析するために、韓国の軍事監視チームをウクライナに派遣することも検討していると述べた。

ドネツク州ポクロフスクを「封鎖」 市当局が発表 ロシア軍接近で防衛準備
2024/10/31 8:48
https://www.sankei.com/article/20241031-XTGH75V4JFIMHOZQD5OYRW7UEY/
ロシアによるウクライナ侵略で、最激戦地である東部ドネツク州の都市ポクロフスクのドブリャク市長は30日、露軍が同市まで約7キロの距離に迫っているとし、防衛の準備に向けて同市を「封鎖」すると発表した。ウクライナメディアが伝えた。ドブリャク氏は2024年10月、ドネツク州のウクライナ軍の重要防衛線の一角であるポクロフスクを巡る攻防戦が近く始まるとの認識を示した形だ。
ドブリャク氏によると、防御拠点を構築中の地区への住民の出入りを禁止する他、住民避難を進める。
市内には現在、子供55人を含む住民約1万2000人が残っているという。
ポクロフスク方面を巡っては、露国防省が2024年10月29日、近郊の小都市セリドボを制圧したと主張。
露軍が近く本格的なポクロフスク制圧に乗り出すとの観測が出ている。
ドネツク州全域の掌握を狙う露軍は現在、ポクロフスクの他、チャソフヤルやリマンなど複数の方面で攻勢を継続。
ウクライナ軍の防衛線を突破し、同州の主要都市クラマトルスク方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、露国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州クピャンスク方面の集落クルグリャコフカを制圧したと主張した。
同集落を巡ってはウクライナ国防省が2024年10月中旬、露軍を集落内から駆逐したと発表していた。

北朝鮮のロシア参戦「極めて可能性高い」 米韓国防相が撤収を要求、他国への影響を懸念
2024/10/31 7:21
https://www.sankei.com/article/20241031-4CVDB37TN5MI3J3LN5H2VIGXBQ/
オースティン米国防長官と韓国の金龍顕国防相は2024年10月30日、ワシントン近郊で会談し、共同記者会見を開いた。
オースティン氏は、北朝鮮兵がウクライナに侵攻するロシアを支援するため、戦闘に加わる可能性が
「極めて高い」
と分析し、強い懸念を示した。
両氏は北朝鮮兵に即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮兵が既にロシア東部に派遣され、ロシアの軍服を着てロシアの装備品を使っていると指摘。
北朝鮮兵が戦闘でロシアを支援すれば
「米国や同盟国が提供した武器を使うウクライナ軍の標的にされ、何人かは戦場で死ぬことになる」
と警告した。
北朝鮮の参戦が
「紛争を長引かせたり、拡大させたりする可能性がある」
とし、
「他の国が行動を起こすことを促す可能性もある」
「起こり得る事はいくつもある」
と述べた。(共同)

北朝鮮外相がモスクワ入り、ラブロフ氏と会談へ パートナーシップ条約に基づく協力協議か
2024/10/30 23:27
https://www.sankei.com/article/20241030-WDJVWBGCFZJXNHWFM45VIBBYDY/
北朝鮮の崔善姫外相が2024年10月30日、ロシア公式訪問のためモスクワ入りした。
ラブロフ外相と会談予定。
2024年6月に露朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の批准手続きがロシア国内で2024年11月中に終了する見込みで、条約に基づく協力を協議する可能性がある。
米国や韓国などは北朝鮮兵がロシア西部に入ったと主張し、露朝の接近に警戒を強めている。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による早期ロシア訪問の観測が浮上しており、話し合われる可能性もある。
ロシア大統領府によると、崔氏はプーチン大統領との会談予定はない。
崔氏は2024年9月にもロシアを訪問し、ラブロフ氏と条約に沿った両国関係の発展について意見交換した。(共同)

「北朝鮮軍、25日にウクライナ部隊と交戦…一人を除いて全員戦死」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.10.30 08:340 글자 작게
https://japanese.joins.com/JArticle/325574
ロシアに派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍と初めて交戦し、1人を除いて全員戦死したという主張が提起された。
リトアニア非政府組織(NGO)「ブルー・イエロー」の代表を務めるジョナス・オマーン氏は2024年10月28日(現地時間)、現地メディアLRTインタビューで消息筋の話として
「2024年10月25日、ウクライナ軍が占領中のロシア西部クルスク地域で既に北朝鮮軍と初めての戦闘が起きた」
と主張した。
ブルー・イエローは2014年からウクライナ軍を支援してきた団体で、ウクライナの意思決定権者だけでなく最前線情報にもアクセスすることできるという。
オマーン代表は
「私が知っている限り、ウクライナ部隊と北朝鮮軍の初交戦で北朝鮮軍のうち1人を除いて全員死亡した」
とし
「生存した1人はブリヤート人という書類(身分証)を持っていた」
と話した。
ブリヤート人は、モンゴル北部のロシア・ブリヤート共和国に居住するモンゴル系原住民だ。
ロシアが北朝鮮軍将兵に同地域の身分証を発給し、自国民に偽装するのではないかという観測が出たことがある。
オマーン代表は今回の北朝鮮軍派兵と関連して
「派兵人材が8万8000人まで増える可能性があるという話を聞いた」
とし
「北朝鮮軍を船舶や航空機で運ぶ基地が4カ所ある」
と主張した。
一方、ウクライナ情報当局は自国軍が2024年8月6日に侵攻し、一部地域を占領中のロシア本土クルスクで2024年10月23日に北朝鮮軍が目撃されたと明らかにした。
ただ、北朝鮮軍と交戦したとか、戦場で肉眼で確認したという公式証言は出ていない。

ウクライナ、米国にトマホーク要求か 米NYT紙報道 射程はATACMSの7倍超
2024/10/30 10:05
https://www.sankei.com/article/20241030-KG5J4TU33FMSHEKMH625HIDRFE/
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年10月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領が対ロシア戦争の
「戦勝計画」
を米国側に示した際、長射程の米国製巡航ミサイル
「トマホーク」
の供与を求めたと報じた。
米当局者の話としている。
同紙によると、トマホークの射程は約2400キロ。
米国がウクライナに供与した射程300キロの地対地ミサイル
「ATACMS」
の7倍以上で、ウクライナ領内から発射すると、モスクワやロシア中部の都市も射程に入る。
米当局者は、全く実現不可能な要求だとして、勝利計画に憤りを示したという。
計画には、勝利に必要な兵器の数量や種類に関するリストが盛り込まれているが、詳細は公表されていない。(共同)

北朝鮮兵がウクライナ入りか CNN報道 バイデン大統領「反撃すべき」
2024/10/30 7:23
https://www.sankei.com/article/20241030-Q6EAWEFEDJLA7GUSP7YWV6U2TA/
米CNNテレビは2024年10月29日、少数の北朝鮮兵がウクライナ国内に入ったと報じた。
西側当局者2人の話としている。
ロシアに派遣された北朝鮮兵の一部の可能性がある。
ウクライナのどこに入ったのかは不明。
当局者の1人は
「相当数が活動を開始しているようだ」
と語った。
活動の詳細には言及していない。
CNNによると、米当局者は北朝鮮兵のウクライナ入りを確認していないと述べた。
バイデン大統領は2024年10月29日、北朝鮮兵がウクライナに入ったなら、ウクライナは反撃すべきだと記者団に述べた。
ロシアに派遣された北朝鮮兵は極東で訓練を受けた後、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に向かったとされる。
ゼレンスキー大統領は2024年10月29日、韓国の尹錫悦大統領との電話会談で、北朝鮮兵3000人が既にウクライナ国境近くに配置され、今後約1万2000人に達する見込みだと伝えていた。(共同)

ロシアが戦略核演習実施、プーチン氏「臨戦態勢が重要」 ウクライナと欧米を威圧
2024/10/29 23:01
https://www.sankei.com/article/20241029-PPA2GGVROZODFKWFYHWTOEPZZI/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月29日、戦略核兵器の発射を想定した露軍の演習にリモート形式で参加した。
プーチン氏は訓示で、核兵器の使用は最終手段であるとする
「ロシアの原則的立場」
を確認した一方、
「地政学的緊張や新たな外部からの脅威を考慮すれば、現代的で常に臨戦態勢にある戦略軍を保持することが重要だ」
と表明した。
ウクライナ侵略を続けるロシアは核兵器を使用する可能性を排除しないことで、ウクライナや同国を支援する欧米諸国を威圧し、抗戦を断念させたい思惑だとみられる。
プーチン氏によると、演習は核弾頭を搭載する弾頭ミサイルや巡航ミサイルの発射手続きに携わる人員の習熟を目的として実施された。
露国防省は2024年10月29日、演習の一環として、北西部プレセツク宇宙基地から極東カムチャツカ半島の標的に大陸間弾道ミサイル(ICBM)
「ヤルス」
を発射したと発表。
バレンツ海とオホーツク海でも戦略原潜が弾道ミサイルを発射した他、戦略爆撃機による巡航ミサイルの発射も行われたとした。
ロシアは2024年5月以降、戦術核兵器の発射や使用の習熟に向けた演習を実施。
更にプーチン氏は2024年9月、核兵器の使用指針を定める国家文書
「核抑止力分野における国家政策の基礎」
を改訂し、事実上、核使用のハードルを引き下げる方針を示していた。

北朝鮮兵力3000人が戦闘地近くに展開 韓国大統領、ウクライナに攻撃兵器供与も示唆
2024/10/29 20:23
https://www.sankei.com/article/20241029-2ICLZID7ZZNSRKR7C3P4YMMZOM/
ウクライナのゼレンスキー大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月29日、電話会談し、北朝鮮のロシア派兵を巡る対応策を協議した。
ゼレンスキー氏は、戦闘地域近くのロシアの訓練拠点に北朝鮮の兵力約3000人が配置されたとの情報を伝え、駐屯規模は約1万2000人まで増えるとの見通しを示した。
尹氏は北朝鮮の部隊が戦場に投じられるなどした場合、
「実効的、段階的な対応措置を取っていく」
と述べ、今後の攻撃用兵器供与の可能性も示唆した。
現代戦の経験が乏しい北朝鮮が
「実戦で得た経験を朝鮮人民軍全体に習得させれば、韓国の安全保障に大きな脅威となる」
とも強調した。
両首脳は、具体的な協力策を協議するため、近く相互に代表団を派遣することで一致した。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、朝鮮人民軍の高級将校を含む一部の兵力が前線に移動している可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
露メディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日、ロシア公式訪問のため、極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワで露外務省高官と会談する。
国情院は、崔氏がロシアとの協議で追加派兵や見返りなどに関して協議するとの見方を報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になる可能性がある。

ロシア軍が歴史的建築「デルジプロム」の一部破壊 ウクライナ東部ハリコフを攻撃
2024/10/29 18:56
https://www.sankei.com/article/20241029-4HOXJB2IVFJ4HN2OP4PT7YV33M/
ロシア軍は2024年10月28日、ウクライナ東部ハリコフ市中心部を誘導爆弾で攻撃し、1920年代に完成した歴史的建造物
「デルジプロム」
の一部を破壊した。
旧ソ連で最初の高層建築とされ、第2次大戦中のナチス・ドイツの占領下にあっても大きく破壊されなかったことで知られる。
ハリコフは1934年まで旧ソ連ウクライナ共和国の首都。
当時、デルジプロムに多くの行政機関が置かれた。
2017年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産への暫定リストに記載された。
ウクライナ当局によると、2024年10月28日夜から29日未明にかけてのハリコフ市への攻撃で、4人が死亡し複数の負傷者が出た。
また、ロシア軍が2024年10月に制圧した面積は約478平方キロに達し、月間としては侵攻開始直後の2022年3月以降、最大となった。
フランスメディアが米戦争研究所のデータを基に分析した。
東部ドネツク州ポクロウシクやハリコフ州クピャンスク周辺でロシアが前進したことが影響した。(共同)

北朝鮮軍将校ら一部兵力前線入りか 韓国分析「予想より早い」 北の外相は訪露
2024/10/29 17:46
https://www.sankei.com/article/20241029-24S5URBTJNMBZEQ554D55GPBKA/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、ウクライナを侵略するロシアへの北朝鮮の朝鮮人民軍の派兵に関し、高級将校を含む一部の兵力が既に戦闘の前線に移った可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、北朝鮮の軍部隊がロシア西部の激戦地、クルスク地域に展開したことを確認したと発表していた。
ウクライナ当局は北朝鮮の兵力約1万2000人が既にロシアに入ったと分析。
国情院は当初、北朝鮮の兵力の戦線投入は2024年12月初め頃までかかるとの見方を示していたが、派兵の動きを韓国などに公表されたことを受け、露朝が移動のペースを引き上げたとみている。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月28日、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長との電話会談で
「北朝鮮の軍の戦線投入が予想より早く行われる可能性があり、厳しい状況だ」
と説明した。
露朝両国のメディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日に露極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワを公式訪問する。
国情院はロシア側と追加の派兵や派兵に対する見返りなどに関し協議する可能性があると報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になるとの観測も出ている。

北朝鮮軍、ロシアのクルスク地域に展開 NATO事務総長が確認 韓国代表団の説明受け
動画
2024/10/28 22:02
https://www.sankei.com/article/20241028-LE6ICP654NODLEGXYQHDBDIQ5A/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、ロシアによるウクライナ侵略に関し、ロシアに派遣された北朝鮮の軍部隊が露南部クルスク地域に展開したことを確認したと明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行う同地域では、ロシアとの間で激しい戦闘が続いている。
ブリュッセルのNATO本部での臨時会合で、韓国情報機関の国家情報院(国情院)や同国国防省の高官から派兵の実態について説明を受けた後に声明を発表した。
ルッテ氏は、北朝鮮の派兵は
「ロシアの不法な戦争を大きくエスカレートさせるものだ」
とし、露朝に対して一連の行動を即時停止するよう要求した。
北朝鮮による派兵は、露朝の軍事協力が強化されることで朝鮮半島の平和を損ねると共に、ウクライナ戦争を激化させる意味で
「インド太平洋地域と欧州・大西洋地域の両方への脅威だ」
とも指摘した。
ルッテ氏はまた、ウクライナ戦争で露軍兵士の死傷者数は60万人以上に上ったとし、北朝鮮への派兵要請は
「プーチン露大統領が外国の支援なしには戦争を継続できない、切羽詰まった状態に陥っていることを示すものだ」
と強調した。
ルッテ氏は、NATOが事態の対応に向けてウクライナやインド太平洋地域の友好国と引き続き緊密に連携していくと表明した。
会合には日韓とオーストラリア、ニュージーランドの大使も参加した。

ゼレンスキー氏「北朝鮮との戦い強いられる」 支援国に「強い決断不足」と不満訴え
2024/10/27 7:33
https://www.sankei.com/article/20241027-EXGHKOI3DZIETP63TBQA6YGPK4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日の声明で
「欧州で北朝鮮との戦いを強いられる」
と危機感を示し、ウクライナ支援国の
「力強い決断の不足」
がロシアを増強させていると訴えた。
ロシア領への長距離攻撃の容認が米欧から得られない現状への不満があるとみられ、
「言葉だけではない具体的な行動」
を支援国に求めた。
声明でロシアによる市民への攻撃も批判。
ウクライナメディアによると、東部ドニエプロペトロフスク州ドニプロで25日、ミサイル攻撃で子供を含む5人が死亡した。
キーウ(キエフ)でも25日、複数の無人機による攻撃があり、高層マンションの上層で火災が発生。
10代の少女が死亡した。(共同)

金正恩氏側近が部隊統括 キム副参謀長、ロシア入り 数千人の北朝鮮派遣軍が到着か
2024/10/26 22:33
https://www.sankei.com/article/20241026-QE6JLAVXARPSTIKXG7ZCYV6RZQ/
ロシアに派遣された北朝鮮軍部隊の統括役として、朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長がロシアに入国したことが26日、ウクライナ軍筋の話で分かった。
キム氏は
「暴風軍団」
の異名を取る特殊部隊の第11軍団のトップなどを歴任し、金正恩朝鮮労働党総書記の軍側近の1人。
同筋によるとウクライナ当局はロシア軍が作成した北朝鮮派遣部隊の幹部リストを入手、キム氏は最上位に位置付けられていた。
金正恩氏は派遣部隊のトップに軍の側近を据えて、ロシアの侵攻に関与する姿勢を明確に示し、両国の軍事的連携を加速させる狙いとみられる。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに送られた北朝鮮兵は推計約1万2000人。
米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者複数の話として、26日までに数千人がウクライナが越境攻撃するロシア西部クルスク州に到着したと伝えた。
(共同)

<主張>BRICS会議 露の政治宣伝への加担だ
社説
2024/10/27 5:00
https://www.sankei.com/article/20241027-GLIRK45OUVL6RJ7STUVA25JYWE/
中国やロシアなど主要新興国で作る
「BRICS」
の首脳会議が、ロシア中部カザンで開かれた。
議長国ロシアにとって、2022年のウクライナ侵略開始後に主催する最大の国際会議である。
プーチン露大統領に、国際的孤立のイメージ払拭に利用する思惑があったのは疑いない。
国連憲章を踏みにじって侵略を続けるロシアに、30カ国以上もの代表が集まったことは異様かつ残念なことだった。
経済関係を深めたいという実利的な思惑を優先したのだろう。
だが、会議出席自体がロシアの政治宣伝への加担と言える。
非難は免れない。
出席した国々は、自国が侵略され、侵略してきた国での国際会議に各国が集う場面を想像したらどうか。
平和と目先の経済利益を交換してはならない。
BRICSのメンバー国は今年2024年、9カ国へ拡大した。
中露、南アフリカ、ブラジル、インドの5カ国に、イランやエジプトなど4カ国が加わった。
首脳会議が採択したカザン宣言は
「パートナー国」
資格の新設を支持し、13カ国が候補国となっている。
宣言は、ロシアへの制裁などを念頭に
「違法な制裁を含む一方的強制措置の破壊的影響を懸念する」
とした。
ウクライナ問題の平和的解決を目指す提案を評価するとも記したが、露軍撤兵には言及していない。
このような宣言は容認できない。
ロシアは直ちに侵略をやめなければならない。
プーチン大統領は、新興・途上国
「グローバルサウス」
の国々をBRICSに加え、先進7カ国(G7)への対抗軸にしたい意向だ。
首脳会議は
「公平な世界発展と安全のための多国間協力の強化」
を掲げ、中東やウクライナ情勢、米ドル決済に対抗する各国通貨決済の拡大などをテーマに話し合った。
だが、各国は同床異夢の状態である。
例えば、インドやブラジル、南アフリカは加盟国の拡大に慎重だ。
そのため、パートナー国新設が妥協策となった。
ロシアや中国が、BRICSを米欧との対抗軸として更に利用しようとすれば軋轢が高まる可能性がある。
日本などG7各国は、BRICSに惹かれる国々に、ウクライナ侵略を後押しする行動を控えるよう働き掛けるべきだ。

G7が7.6兆円のウクライナ支援で合意 年内に融資開始、ロシアの凍結資産を活用
2024/10/26 16:19
https://www.sankei.com/article/20241026-VSKIGKP2I5NGXMH3PTOGJVUIBQ/
日米欧の先進7カ国(G7)は2024年10月25日、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援について最終合意した。
2024年年内に融資による約500億ドル(約7兆6000億円)の支援を開始する。
G7首脳は共同声明を発表し
「ロシアは違法な侵略戦争を終わらせ、ウクライナの損害を賠償しなければならない」
と強調した。
G7が改めて対ロシアで結束する姿勢を示した一方、ロシアは中国など主要新興国で構成するBRICSの枠組みを巻き込み、非欧米陣営で対抗する構えを見せている。
G7は各国が個別に融資契約を締結し、ウクライナの資金需要に応じて2024年12月1日から2027年末までの間に分割で融資する。
融資はロシアの凍結資産から生じる利益で返済し、ウクライナに返済義務は生じない。
支援の詳細は近く公表する。
G7などが凍結したロシアの資産は約2800億ドルに上る。
G7は2024年6月の首脳会議で支援を決め、融資条件や返済方法など詳細を協議していた。(共同)

北朝鮮「労働新聞」、ロシアへの派兵を伝えず 国外向けの朝鮮中央通信は報道
2024/10/26 13:51
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/
ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
北朝鮮の国内向けメディアである朝鮮労働党機関紙、労働新聞は2024年10月26日、同国外務省のロシア担当次官がロシアのウクライナ侵略を支援するための派兵を否定しなかったとの見解を報じなかった。
国外向けの朝鮮中央通信は2024年10月25日夜に伝えていた。
北朝鮮の住民には派兵の問題を知らせていないことになる。
担当次官は、北朝鮮から派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だ」
と主張。
ただ明確な事実確認は避けた。
2024年10月26日の労働新聞は1面トップに、朝鮮戦争に中国人民義勇軍が参戦したとされる日から74年となる2024年10月25日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が平壌市内の記念碑に花輪を送ったとの記事を掲載。
他に崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が2024年10月25日、訪朝したベトナム外務次官率いる代表団と会談したことや、外務省の対外政策室長が米韓の軍事訓練を談話で批判したことを伝えた。(共同)

北朝鮮のロシア派兵にEUでも懸念「欧州安保に直接影響」 外交官呼び出して抗議も
2024/10/26 9:55
https://www.sankei.com/article/20241026-GZM5L4DP6RLLDHRAAPQ52AYM7E/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が兵士を送ったことで、欧州にも危機感が広がった。
2024年10月25日にはドイツ、フランス両国がそれぞれ
「紛争をエスカレートさせる」
と懸念を表明。
欧州連合(EU)では北朝鮮と国交を持つ国が多く、北朝鮮外交官を呼び出し、直接抗議する動きも出ている。
ドイツ公共放送ARDによると、ショルツ独首相は2024年10月25日、訪問先のインドで、北朝鮮兵のロシア派遣を
「過小評価すべきではない」
と述べた。
「紛争をエスカレートさせる動きである一方、プーチン露大統領が苦境に立っていることの表れでもある」
との見方を示した。
フランス外務省は2024年10月25日の声明で、
「欧州の安全保障に直接影響をもたらす敵対的行為だ」
として北朝鮮を非難した。
ロシア軍に北朝鮮兵が加わることで紛争が国際化し、更なる激化に向けた新段階になり得ると警告した。
ドイツとオーストリア両国の外務省は2024年10月23日、それぞれの国内に駐在する北朝鮮外交官を呼び出した。
オーストリアは
「北朝鮮大使に我々の深刻な懸念を伝えた」
と発表した。
ドイツは旧東独時代から北朝鮮との国交を維持しており、中立国オーストリアも大使を交換している。
EUは2024年10月24日の声明で、北朝鮮に
「違法戦争への支援をやめよ」
と要求した。
ロシアについては
「交渉の意欲があると言いながら、永続的な和平構築には関心がないことを露呈した」
と批判した。
EUはまた、北朝鮮とロシアの関係緊密化で、欧州とインド太平洋の安全保障は緊密に結び付いていることが示されたとし、パートナー国との連携の重要性を訴えた。

北朝鮮のロシア派兵は「戦争の影響をインド太平洋に拡大」と非難 日米韓高官協議
2024/10/26 9:02
https://www.sankei.com/article/20241026-XONYOYCYHRN5LPMCGYRHE75SIU/
日米韓3カ国は2024年10月25日、安全保障を担当する高官協議を米ワシントンで開き、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が派兵したことへの
「重大な懸念」
を表明し、
「ロシアの違法な戦争の影響をインド太平洋に拡大させるだけだ」
と非難した。
日米韓協力の促進に向け3カ国首脳会談の早期開催を目指すことを確認した。
協議にはサリバン米大統領補佐官、日本の秋葉剛男国家安全保障局長、韓国の申源G(シン・ウォンシク)国家安保室長が参加した。
国連安全保障理事会の決議に違反する北朝鮮のロシアに対する弾道ミサイルや武器の支援も批判し、露朝に軍事協力をやめるよう求めた。
北朝鮮の完全な非核化に向けた
「緊密な連携の重要性」
を確認。秋葉氏は日本人拉致問題への協力を求め、米韓から支持を得た。
日米韓で昨年2023年12月に始動した北朝鮮の弾道ミサイル情報を即時共有するシステムや、共同訓練などの防衛協力が進んでいることを歓迎した。
また、東・南シナ海で軍事圧力を強める中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更への試みに強い反対」
を表明。
「台湾海峡の平和と安定の維持の重要性」
を確認し、中国を牽制した。
2024年11月5日の米大統領選を受けて来年2025年1月に新政権が発足することを踏まえ、安保分野の日米韓連携を今後も進めていくことも確認した。
サリバン氏は秋葉氏と個別に会談。
秋葉氏は石破茂政権の外交・安保政策の最優先事項として
「日米同盟の強化」
を掲げていることを説明した。
サリバン氏は申氏とも個別会談した。

<産経抄>北朝鮮のロシア派兵 兵士大量脱走の可能性も
2024/10/26 5:00
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https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/
18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」。
林芳正官房長官、岩屋毅外相、中谷元(げん)防衛相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮によるロシアへの派兵について異口同音に述べた。
どうやら政府内で、質問にはこう答えると打ち合わせ済みだったのだろう。
▼韓国の情報機関、国家情報院は既に
「北特殊部隊の暴風軍団を含む4個旅団1万2000人以上の兵力がロシアに派遣される」
と正式に発表している。
極東情勢にも重大な影響を及ぼしかねない事態であり、閣僚らが慎重な物言いになるのも当然かもしれない。
▼ただ、北では1990年代後半の大飢饉後、食料などの配給制が崩れ、それ以降に育った世代は「金王朝」から恩恵を受けていない。
従って元々忠誠心は薄い上に、韓国ドラマなどを通して韓国の豊かさも広まってきた。
遠い異国の地で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記のために命懸けで戦えといわれても、士気は上がるだろうか。
▼ウクライナの報道機関は、脱走した北兵士18人が、ロシア当局に拘禁されたと伝えている。
数日間食糧を与えられなかったため、陣地を離れたとのことだが、確かに腹が減っては戦ができない。
これから寒い冬を迎えるとあっては、尚更だろう。
▼韓国紙、朝鮮日報によるとウクライナ軍は北兵士に対して
「投降せよ! ウクライナは休息できる空間、食事、暖かさを提供する」
と投降や亡命を呼び掛け始めた。
本国でもロシアでも飢えに苦しむ北兵士にとってかなり魅力的な提案なのではないか。
▼北がロシアが求める派兵をこれまで渋ってきたのは、兵士の脱走を恐れたためだとの説もある。
もしそれが現実のものとなれば、金総書記にとって大打撃となろう。

北朝鮮、ロシア派兵否定せず 外務省次官が「確認する必要を感じない」と見解
2024/10/25 22:20
https://www.sankei.com/article/20241025-BREZ3DSU25MUNC2SEYTWIB3NE4/
北朝鮮の朝鮮中央通信は2024年10月25日夜、外務省のキム・ジョンギュ・ロシア担当次官が、ロシアのウクライナ侵攻を支援するための派兵に関し
「確認する必要を感じない」
との見解を示したと伝えた。
派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だろう」
とも述べた。
派兵を否定しなかった。
キム氏は同通信の質問に答える形で、各国のメディアが派兵について報じていることに注意していると説明。
所管は国防省であり、外務省は直接的に関与していないとした。
更に、派兵が違法行為であるように伝えたい勢力が
「間違いなく存在するだろう」
とも主張した。(共同)

「プーチン氏が停戦模索」とトルコ大統領 首脳会談でウクライナ産穀物輸出など話し合い
2024/10/25 21:56
https://www.sankei.com/article/20241025-ZXMGISQYT5JI7BQAQPCW6Y3TZY/
トルコのエルドアン大統領は、ロシアのプーチン大統領と2024年10月23日に行った会談を巡り、同氏が
「恒久停戦実現を模索していると感じた」
と述べた。
トルコメディアが2024年10月25日伝えた。
ウクライナ情勢を協議し、黒海を通じたウクライナ産穀物輸出や機雷撤去、捕虜交換などについて話し合ったという。
ロシア中部カザンで開かれたBRICS首脳会議後の機中で記者団に語った。
トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、ロシアと友好関係を続け、BRICS加盟を希望しているとされる。
エルドアン氏はBRICSとの協力を強化し
「双方に利益をもたらす」
と訴えた。
中国の習近平国家主席のトルコ訪問にも期待を示した。
黒海経由の穀物輸出について、ロシア、ウクライナ双方は2022年、トルコと国連の仲介により輸出再開で合意したが、ロシアは2023年に離脱した。
エルドアン氏は度々プーチン氏に合意復帰を働き掛けている。(共同)

親露派「ハクティビスト」が日本を標的に攻撃呼びかけ 衆院選投開票日にも注意
2024/10/25 18:57
https://www.sankei.com/article/20241025-4JVJMMXADNIMLPVWE3X4NV5VYI/?outputType=theme_election2024
ウクライナ支援国に対するサイバー攻撃を行う親ロシア派の
「ハクティビスト」
が、日本への攻撃も活発化させている。
衆院選公示日2024年10月15日に、自民党公式ホームページ(HP)が閲覧できなくなり、グループが攻撃したとの声明を出した。
ハクティビスト同士が連携して攻撃を繰り返す傾向もあり、27日の衆院選投開票日の攻撃も懸念されている。
■自民党にDDoS攻撃、犯行声明
自民党のHPが狙われたのは公示日の2024年10月15日午後4時半頃だった。
大量のデータ送信でシステム障害を引き起こす
「DDoS(ディードス)攻撃」
が仕掛けられたとみられ、衆院選の特設サイトにも繋がるトップページが表示されない状態に陥った。
復旧までには、約5時間を要したという。
その後、ハクティビストグループ
「NoName(ノーネーム)057(16)」
が交流サイト(SNS)上で犯行声明を出した。
ハクティビストは、オンライン上でコンピューターに攻撃を加えるハッカーと、活動家を意味する「アクティビスト」を掛け合わせた造語。
ロシアによるウクライナ侵略が始まって以降、親ロシア派のハクティビストがウクライナや支持国へのサイバー攻撃を活発化させている。
■日商、日弁連、造船企業や銀行も標的
トレンドマイクロの調査によると、このNoName057(16)は近年、活発な活動がみられる。
DDoS攻撃を中心にし、攻撃を仕掛けることができるソフトなどのツールを支援者にも配布し、支持者に攻撃を協力させている。
日本への攻撃は2024年9月18日以降、断続的に行っているとみられる。
これまでに自らの攻撃だと報告しているのは、自民の他、日本商工会議所や日本弁護士連合会、北海道に関連する造船企業や青森の銀行などがある。
■日米合同軍事演習への抗議も
トレンドマイクロによると、今月2024年10月下旬に自衛隊と米軍がロシア国境付近の北海道などで実施予定の合同軍事演習についての抗議のために日本を標的にしているという。
また、別のハクティビストグループも日本への攻撃を表明。
ただこのグループは、攻撃表明した企業が実際は被害を受けていないケースも確認されるなど、声明の信憑性は高くない。
トレンドマイクロは、衆院選の投開票日も狙われる可能性もあるとして、注意を呼び掛けている。

情報セキュリティー会社、トレンドマイクロの岡本勝之氏の話
ハクティビストは自分たちの主張を広めることが目的だ。
実際に攻撃しているか信用できない部分もあり、投稿を拡散しない方がよい。
万が一、標的とされた場合でも被害を低減させるための対策が必要だ。
サービスを提供していない国のIPアドレスからのアクセスを制限したり、サーバーを分散して攻撃を緩和したりするなど、事前に対策を講じておくことが重要となる。

ロシア入りした北朝鮮兵は「弾除けの傭兵にすぎない」 派兵を秘匿…精鋭部隊の特異な実態
2024/10/25 18:40
https://www.sankei.com/article/20241025-BAYY3ILPHBPTVHBMOUYQ7LKCME/
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアに派遣したのは、朝鮮人民軍の精鋭特殊部隊とされる。
だが、韓国当局の分析からは、北朝鮮内で派兵について固く秘匿されるなど、特異な対応が取られている実態も浮かび上がってきた。
■露軍統制下で作戦権限なし
「弾除けの傭兵に過ぎない」。
韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月24日、国会で北朝鮮の派兵部隊をこう表現し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が
「軍隊を違法な侵略戦争に売り渡した」
「自身の独裁体制を強固にするためだ」
と非難した。
派兵は本来、派遣国の指揮体系を維持し、その国の軍服や国旗を明示する。
だが、北朝鮮の部隊はロシア軍の軍服を着て露軍将兵に偽装し、
「露軍の統制下で何の作戦権限もなく言われるまま動いている」。
金国防相はこのため、
「傭兵」
と表現したのだという。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は、北朝鮮が派兵の対価として1人当たり2000ドル(約30万円)相当を得るとの見方を示し、見返りに経済難の打開や朝鮮半島有事でのロシアの介入を期待していると北朝鮮の思惑を分析した。
■現代戦の理解不足、死傷者多発か
露朝首脳は6月、両国の一方が戦争状態となった際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名したが、露下院が条約批准を可決したのは今月2024年10月24日だ。
露朝は条約の発効を待たずに、いわば密約≠フ形で派兵準備を進めてきたことになる。
派兵されたのは
「暴風軍団」
とも呼ばれる精鋭部隊とされる。
ただ、韓国当局では、北朝鮮が主に10〜20代の新米兵を派兵したとの見方も出ている。
国会では、ウクライナ側が公開した北朝鮮兵とされる映像を見た議員から
「体格は小さく、あどけない」
との指摘があった。
国情院は、北朝鮮が派兵の噂が国内で拡散しないよう厳しい情報統制を敷いていると報告した。
だが、派兵部隊に選抜された兵士の家族が
「嗚咽(おえつ)して顔がやつれた」
との話が出回り、兵士らの家族を集団移住させ、隔離しようとする動きがあるとも説明した。
国情院は、兵士らは体力があり士気は高いものの、無人機からの攻撃など現代戦への理解が不足しており、戦線に出れば死傷者が多数発生するとのロシア側の予想も明らかにした。
派兵部隊に実際に多数の死傷者が出て北朝鮮内にその情報が伝われば、金正恩体制にとっての不安定要素となる可能性も否定できない。

北朝鮮によるロシアへの派兵「信じるに足る情報を確認」 岩屋毅外相
2024/10/25 12:00
https://www.sankei.com/article/20241025-TRJGENQ3B5K47LJUNGALBMOOBY/
岩屋毅外相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮の兵士がロシアに派遣されているとの情報について
「米国、韓国とも協力して関連情報の収集、分析を進めた結果、北朝鮮が兵士をロシア東部に派遣し、軍事訓練に関与していると信じるに足る情報が確認された」
と述べた。
その上で岩屋氏は
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
と指摘し、引き続き関連情報の収集、分析を進める考えを示した。

中谷防衛相「北朝鮮がロシア東部へ派兵」 政府分析、ウクライナ侵略に加担懸念
2024/10/25 11:35
https://www.sankei.com/article/20241025-RMP7GMNFYVIALNRJOGHLOMOAMQ/
中谷元防衛相は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵に関し、米国などと協力して情報の収集、分析を進めた結果、
「北朝鮮の兵士がロシア東部へ派遣され、訓練を行っているものと考えている」
との認識を示した。
その上で
「ウクライナ侵略に加担する可能性を含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
中谷氏は、ロシアと北朝鮮による軍事協力の進展が、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くだけでなく、日本周辺の安全保障環境にも影響を与えると指摘し、
「深刻に憂慮すべきだ」
と強調した。

林官房長官、ロシアへの北朝鮮の派兵「深刻な懸念、憂慮すべきもの」
2024/10/25 11:33
https://www.sankei.com/article/20241025-BUSKMSTUGFKEFBP2TAFDU7P6NU/
林芳正官房長官は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵について
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
とも語った。

「北朝鮮軍が戦闘地域入り」ロシア西部クルスク州 ウクライナ発表 極東で訓練終え
2024/10/25 11:28
https://www.sankei.com/article/20241025-4GV5AE2ZCFP65IRBTRTC2EEQ4U/
ロシアによるウクライナ侵略への北朝鮮軍の参戦を巡り、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、露極東での軍事訓練を終えた北朝鮮軍部隊の第1陣が戦闘地域に派遣されたことが確認されたと発表した。
場所はウクライナ軍が越境攻撃で一部を占領下に置いている露西部クルスク州で、2024年10月23日に確認されたとした。
情報総局は、ロシアに入国した北朝鮮軍の規模が
「約1万2000人」
だと推計されていると指摘。
その中には3人の将官と500人の士官も含まれているとした。
また、ロシアが北朝鮮軍兵士に弾薬や寝具、冬着、靴、トイレットペーパー、石鹸など衛生用品を配給しているとも報告した。
ロシアへの北朝鮮軍の入国はこれまでにウクライナや米国、韓国が確認。
一方、ロシアは虚偽だと主張している。

プーチン露大統領「われわれの問題」 北朝鮮軍の露入国を否定せず BRICSの拡大も
2024/10/25 9:50
https://www.sankei.com/article/20241025-ROYHNQYRU5M65A6R3YGBAHRV7Y/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月24日、中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICS」の首脳会議が同日、露中部カザンで閉幕したことに合わせ、記者会見を開いた。
北朝鮮軍がロシアに入国し、ロシア側でウクライナ侵略に参戦する可能性があるとする情報の真偽に関する質問に対し、
「私たち(露朝)が何をどうするかは私たちの問題だ」
と述べ、明確に否定しなかった。
「北朝鮮軍の露入国が衛星写真で確認されている」
「紛争の激化ではないか」
とする米メディアの質問に答えた。
プーチン氏は、ロシアが対ウクライナ軍事作戦を始める以前から、北大西洋条約機構(NATO)諸国がウクライナを
「武装化」
してきたと指摘。
現在の戦場でもNATOの軍人がウクライナに供与した兵器の運用に携わるなど
「(紛争に)直接参加している」
とし、
「紛争を激化させてきたのは欧米側だ」
と主張した。
その上で、露朝が事実上の軍事同盟条約となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだことに言及。
条約に基づき露朝は連絡を取り合い、行動していくとした。
会見でプーチン氏は、BRICSの拡大を視野に
「パートナー国」
資格の新設を支持したことにも言及。
パートナー国候補のリストは合意済みだとし、今後、各国に招待状を送り、同意を得た上で公表するとした。
ロシア側はパートナー国候補を
「13カ国」
だと説明。
一部メディアは、
トルコ▽インドネシア▽アルジェリア▽ベラルーシ▽キューバ▽ボリビア▽マレーシア▽ウズベキスタン▽カザフスタン▽タイ▽ベトナム▽ナイジェリア▽ウガンダ
だと報じている。

訓練終えた北朝鮮部隊がロシア西部クルスク州に到着 プーチン氏、派兵否定せず
2024/10/25 6:44
https://www.sankei.com/article/20241025-FNEQQCKYSZPHLNIM736AMAB5IY/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、ロシア東部で訓練を終えた北朝鮮軍部隊が、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
プーチン大統領はロシア中部カザンでの記者会見で、北朝鮮の派兵について問われ、否定しなかった。
プーチン氏は会見で、衛星画像などを根拠に韓国や米国が北朝鮮兵士がロシアに派遣されたと主張していることに関して
「画像というのは重要なものだ」
「何かを反映している」
と述べた。
ロ朝両首脳は2024年6月、有事の軍事援助を定めた包括的戦略パートナーシップ条約に署名。
プーチン氏は、条約に基づき
「北朝鮮指導部が真剣に対応していることを疑ったことがない」
と強調した。
武力侵攻を受け戦争状態になった場合の軍事援助を明記した条約第4条に言及し
「この条文の枠内で何をどのようにするかは我々の問題だ」
と指摘した。

北朝鮮部隊がロシア西部クルクス州に到着、ウクライナ国防省が発表 人数は不明
2024/10/25 1:24
https://www.sankei.com/article/20241025-5WIUQXNGC5IWJDG7TI2KD5BYBA/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、北朝鮮の軍部隊が同日までにロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
一方、米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、西部に向かった約2000人はクルスク州か、同じくウクライナ国境に接するロストフ州に向かっている可能性がある。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
先遣隊は士官ら約10人で構成。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。
2000人の到着は確認されていない。(共同)

北朝鮮派兵に懐疑的 ロシア同盟国のベラルーシ大統領「プーチン氏の性格知っている」
2024/10/24 21:25
https://www.sankei.com/article/20241024-FBDJDU75E5IMFLFCYVGGUAOB2U/
英BBC放送は2024年10月24日までに、ロシアの同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領のインタビューを伝えた。
北朝鮮の兵士がウクライナ侵攻を続けるロシアに派遣されたとの情報について
「プーチン大統領の性格を知っているが、彼は如何なる国の軍隊にも特別軍事作戦に引きこむような説得を決してしない」
と述べ、懐疑的な見方を示した。
2024年10月23日に滞在先のロシア中部カザンで答えた。
一方で北朝鮮兵が実際にロシアに派遣されていれば
「それはエスカレーションへの一歩だ」
と指摘した。
ルカシェンコ氏はベラルーシに対しては、プーチン氏だけでなくショイグ前国防相もベロウソフ国防相も、侵攻支援のためにベラルーシ軍を派遣するように要請したことはないと語った。(共同)

ウクライナ、露派兵の北朝鮮兵に動画で投降呼びかけ 「意味なく死んではいけない」
2024/10/24 21:17
https://www.sankei.com/article/20241024-TC2LFFARWBJJ3BJLOXXI5CLEYU/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、早くも朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味もなく死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が写り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮兵にも対象を拡大し、準備を進める。
ウクライナ軍筋によると、ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動。
米政府も少なくとも3000人の北朝鮮兵が、ロシアで訓練を受けていると発表している。(共同)

北朝鮮兵2000人がロシア西部へ 先遣隊準備とウクライナ軍 東部で訓練、米国が確認
2024/10/24 19:56
https://www.sankei.com/article/20241024-DLZLPODWYBPHBH5OETPSGBXILA/
ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動していることが2024年10月24日、分かった。
ウクライナ軍筋が共同通信に明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州には2024年10月初め頃、北朝鮮軍の士官らが先遣隊として入り、受け入れ準備を進めていることも判明した。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
約2000人はクルスク州かロシア南部ロストフ州に向かっている可能性がある。
米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、先遣隊は士官ら約10人で構成されている。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。(共同)

米、北朝鮮の約3000人派兵確認 ロシア東部基地で訓練後参戦へ 「インド太平洋情勢に影響」懸念
2024/10/24 8:18
https://www.sankei.com/article/20241024-JBJ67JKKNVK7VIM3YZ3YIDKNFE/
バイデン米政権は2024年10月23日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵略を支援するためロシアに約3000人の部隊を派兵したとの調査結果を明らかにした。
部隊は露東部の基地で訓練を受けているとし、兵力の消耗が激しい露軍の補充として戦線に投入されるとみている。
インド太平洋地域の安全保障に影響が生じる可能性もあるとみて、同盟諸国と監視を強化する構えだ。
ウクライナの最大支援国の米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国などと、北朝鮮参戦の実態把握を続ける。
韓国情報機関の国家情報院も2024年10月23日、朝鮮人民軍3000人規模が派兵されたと明らかにした。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、北朝鮮の部隊約3000人が2024年10月中旬に北朝鮮の元山から露極東ウラジオストクに船で輸送され、戦闘訓練を受けていると指摘。
訓練が終了すれば露西部に移動しウクライナ軍との戦闘に参戦する可能性があると述べた。
カービー氏はまた、北朝鮮の派兵は2022年2月にロシアが開始したウクライナ侵略の
「劇的な変化だ」
と指摘。
同盟諸国と対応を協議し、今後更なる情報開示を行うと共に、制裁を含む対抗措置を明らかにすると述べた。
カービー氏は更に、北朝鮮の参戦は、戦場における露軍の激しい兵力損失と、それに伴う北朝鮮との軍事協力の進展を明示していると指摘。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が実際に流血の伴う兵力提供に応じたことで、ロシアから軍事上の見返りを得る可能性があるとし、ウクライナ情勢に加え
「インド太平洋地域に安全保障上の影響が生じる」
との懸念を示した。

ロシアの北朝鮮兵に投降呼びかけ ウクライナ、朝鮮語で動画
2024/10/24 7:04
https://www.sankei.com/article/20241024-2RKSKSE6OBJPLK4S22GXV57GME/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味も無く死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が映り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮の派兵を巡っては、ウクライナや韓国、米国がロシアへの移動を確認。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、今月2024年10月上〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人がロシアの複数の軍事施設で訓練を受けているとの分析を表明した。
訓練後、戦地に向かう可能性がある。(共同)

北朝鮮のロシア派兵、米国も確認 国防長官「証拠ある」 実態把握急ぐ
2024/10/23 21:48
https://www.sankei.com/article/20241023-SW4E4LOS7BLCHMGFGDQZRTOFDY/
オースティン米国防長官は2024年10月23日、北朝鮮がロシアによるウクライナへの侵略を支援するためロシアへ地上部隊を派兵した
「証拠がある」
と述べた。
バイデン政権は同盟諸国と共に、北朝鮮軍の派兵の事実関係を調査しており、米政府として北朝鮮の参戦を認めたのは初めて。
ロイター通信によると、オースティン氏は訪問先のイタリア・ローマで記者団に対し
「北朝鮮の部隊がロシアにいる証拠がある」
と述べ、派兵の具体的な目的や行動について情報を精査する必要性を強調した。
米政府は、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国、韓国の情報機関などと協議し、北朝鮮の派兵の実態の把握を急いでいる。
カービー大統領補佐官は2024年10月21日、
「事実であれば極めて憂慮すべき事態」
として、近日中に調査内容を明らかにする計画があると述べた。

ロシア入りした北朝鮮兵力3千人に 韓国情報機関分析「戦線投入時は多数の死傷者」
2024/10/23 19:34
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月23日、ウクライナへの侵略戦争に参戦するため、ロシア入りした北朝鮮の朝鮮人民軍の兵力が計3000人余りになったとの情報を明らかにした。
趙太庸(チョ・テヨン)国情院長から報告を受けた与野党議員が記者団に発表した。
国情院は、2024年12月頃には北朝鮮からの派兵総数が1万余りに達するとの見通しを示した。
国情院は2024年10月18日、特殊部隊の将兵ら約1500人が2024年10月8〜13日に露海軍の艦艇で露極東地域に移ったと発表していた。
新たに約1500人のロシア入りが確認された。
将兵らはロシア内の複数の施設に分かれて適応訓練を受けており、現段階ではまだ戦線に投入されていないと国情院はみている。
北朝鮮の兵士らは士気が高く、体力に長じているが、無人機攻撃など現代戦に対する理解が不足し、戦線投入時には死傷者が多数出るとの露側教官の見方も報告した。
北朝鮮国内では今回の派兵に関して厳しい情報統制を敷いているが、噂も広がり始めているという。
派兵部隊に選抜された兵士らの家族を通じて情報が拡散しないよう、家族らを隔離する動きもあるという。
露朝は2024年6月に有事の際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に両国首脳が署名した後、派兵を巡る具体的協議に入ったと国情院は分析している。

北朝鮮兵のロシア支援、訓練情報把握 ゼレンスキー氏
2024/10/23 8:26
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。
ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/photo/JBT5PMCH6NNBLJOECUZ7E65XRM/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月22日の声明で、北朝鮮によるロシア支援の派兵を巡り、大規模な訓練が既に始まっているとの情報をウクライナ側が持っていると明らかにした。
声明で、各国が北朝鮮を非難していることに謝意を示し
「言葉だけではない具体的な対応」
も求めた。
「北朝鮮が欧州の戦争に介入できるのであれば、北朝鮮に対する圧力は不十分だ」
と訴えた。(共同)

北の露派兵 同盟諸国と事実関係を協議 露軍犠牲1日1200人超との概算も 米補佐官
2024/10/22 11:48
https://www.sankei.com/article/20241022-ACC7VAVO2JPRJFDUXHSMWE3RK4/
カービー米大統領補佐官は2024年10月21日の記者会見で、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアに地上部隊を派兵したとされる問題で、事実関係を調査するため同盟諸国と協議していると明らかにした。
近日中にも調査内容を公表する計画があるとも述べた。
北朝鮮のロシア派兵は欧米メディアが相次ぎ報道し、ウクライナのゼレンスキー大統領が議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と明言。
韓国の情報機関、国家情報院も、特殊部隊がロシアに派兵されたとの情報を明らかにした。
カービー補佐官は協議中の国名に触れなかったが、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に加え、北朝鮮の軍動向を監視する韓国とも情報を精査している可能性がある。
派兵規模は最終的に数千人から1万人超に上るとの見方がある。
カービー氏は
「侵略への参戦を目的とした北朝鮮のロシア派兵が事実であれば、危険かつ極めて憂慮すべき事態だ」
とし、同盟諸国と実態把握に務めていると述べた。
カービー氏はまた、ウクライナでの露軍の死傷者数が
「1日当たり1200人超」
に上るとの概算を示し、
「歴史的な数だ」
と指摘。
ロシアが国際社会で孤立し、戦場での犠牲も増加していることが、北朝鮮やイランなどとの軍事協力を急速に強める背景との見解を示した。
ロシアに対しイランは大量の無人機を、北朝鮮は弾道ミサイルや砲弾をそれぞれ供与している。

北朝鮮派兵に懸念相次ぐ 安保理、ロシア「恐怖をあおるデマだ」と否定
2024/10/22 8:31
https://www.sankei.com/article/20241022-ZLLQUCW3JFPFVMMRS5RTZUHTQQ/
国連安全保障理事会は21日、ロシアによるウクライナ侵攻を協議する緊急会合を開いた。
韓国やウクライナは北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと指摘し、米国や日本などは派兵情報への懸念を表明。
ロシアは
「恐怖を煽るデマだ」
と否定した。
韓国の黄浚局国連大使は、ロシアに派兵した北朝鮮は
「積極的な交戦国」
だと非難。
ウクライナのキスリツァ国連大使は
「ロシア東部で約1万1千人の北朝鮮兵が訓練を受けている」
とし、2024年11月1日までに実戦投入される見通しだと主張した。
ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は絶対に受け入れられないと強調。
劣勢のウクライナが
「ロシアとNATOの直接対決を引き起こそうとしている」
と訴えた。(共同)

NATOと韓国が北朝鮮の露派兵で連携へ 韓国は露大使呼び抗議
2024/10/21 20:10
https://www.sankei.com/article/20241021-6E2WNCGOJJMODOCRUOB5WJ4CNU/
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月21日、電話で会談し、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が部隊を派兵したとされる問題を巡り意見交換した。
ルッテ氏は、派兵は国際法と国連安全保障理事会決議に反するとして、深刻な懸念を表明した。
韓国大統領府が発表した。
尹氏は、北朝鮮が派兵した特殊部隊約1500人がロシアで適応訓練を受けているといった詳細情報を説明。
露朝の軍事協力は
「国際秩序を根本的に揺るがし、朝鮮半島や世界の平和をも脅かしており、決して座視しない」
と強調した。
両氏は詳細な情報を共有するため、韓国がNATOに代表団を派遣するなど連携を強化することで合意した。
韓国政府は2024年10月18日に情報機関を通じて派兵について発表したが、直後にルッテ氏は
「証拠は確認できない」
と述べていた。
尹氏の説明を受け、派兵に関して確信を強めたとみられる。
一方、韓国外務省は2024年10月21日、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼び、北朝鮮の派兵を厳しく非難し、朝鮮人民軍の即時撤退と軍事協力の中止を強く求めた。
露大使館によると、ジノビエフ氏は
「露朝間の協力は国際法の枠内で行われ、韓国の安保の利益に反するものではない」
と反論した。
韓国政府が露朝への対応策を検討する中、これまで控えてきたウクライナへの殺傷兵器の提供に踏み切るのか注目されている。

北朝鮮兵映像「本物と確認した」 ウクライナ、ロシア軍人が撮影と説明
2024/10/21 18:05
https://www.sankei.com/article/20241021-FXFX3RKAZZMOHHYATLPFKHN2KM/
北朝鮮兵の姿がロシア軍施設で確認されたとの映像を公開したウクライナ文化情報省傘下機関トップのイゴル・ソロベイ氏は2024年12月20日、映像について
「現場にいたロシア軍兵士が撮影した」
「信頼できる情報源から入手した」
と述べた。
北朝鮮がウクライナ侵攻に
「参戦」
した証拠になるとの見方を示し
「公開情報オシントを活用して本物と確認した」
と主張した。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
ソロベイ氏は文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターの所長。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと分析している。
ただ、オースティン米国防長官は2024年10月19日の記者会見で
「現時点で確認できていない」
「調査を続ける」
「事実なら深刻だ」
と述べるにとどめた。
同センターは2024年10月18日、ロシア極東の軍事施設で北朝鮮兵士が装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。(共同)

ロシア国境付近で北朝鮮兵士18人集団脱走 派遣兵か 韓国紙報道
毎日新聞
2024/10/16 13:28(最終更新 10/16 18:20)
https://mainichi.jp/articles/20241016/k00/00m/030/058000c
韓国紙の朝鮮日報は2024年10月16日、ウクライナ軍高官の話として、ロシア西部ブリャンスク、クルスク両州のウクライナとの国境付近で、北朝鮮軍兵士18人が集団脱走したと報じた。
ウクライナ軍は、脱走したのは北朝鮮が対露軍事協力の一環で派遣した兵士らで、まだ拘束されていないとみているという。
露朝両国は2024年6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結。
軍事協力を進展させる可能性が指摘されていた。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相は2024年10月8日、
「(北朝鮮が対露協力のため)正規軍をウクライナに派遣する可能性が高い」
との見方を示した。
北朝鮮の派兵を巡っては、露政府は否定しているが、ウクライナ側からの情報発信が相次いでいる。
米紙ワシントン・ポストは2024年10月11日、ウクライナ軍関係者の証言として
「数千人規模の北朝鮮の歩兵部隊が露国内で訓練を受けている」
と伝えた。
2024年年末までに前線に配置される可能性があるという。
また、ウクライナメディアは2024年10月上旬、東部ドネツク州の露側占領地域で、北朝鮮軍の将校6人がウクライナのミサイル攻撃で死亡したと報じた。
米CNNは、北朝鮮がロシアに兵器を供給していることから、これらの兵器に関する工学的な支援や情報交換のために兵士が派遣されたとの情報を伝えている。【ソウル日下部元美】

北朝鮮のロシア派兵に「明確な証拠」ゼレンスキー大統領 米は「調査を継続」
2024/10/21 7:08
https://www.sankei.com/article/20241021-HLVLS35425OXTKCTRMZPIFCSR4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日の声明で、北朝鮮がロシアに兵士を派遣している「明確な証拠」があるとして、北朝鮮がウクライナ侵攻に「参戦」していると改めて主張した。衛星情報やロシアからの映像が証拠だとしており、各国に対抗措置を取るよう訴えた。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮が派兵を始めたと分析している。ただ米国のオースティン国防長官は19日の記者会見で「現時点で確認できていない。調査を継続する。事実だとすれば深刻だ」と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は声明で「北朝鮮が現代の戦争の特徴を学び始めれば、脅威が大きく増すだろう」と指摘。「世界が沈黙を続け、われわれが北朝鮮兵士と前線で対峙することになれば、世界の誰の得にもならないし、戦争が長期化するだけだ」と主張した。
ウクライナ文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターは18日、ロシア極東の軍事関連施設で北朝鮮の兵士らが装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。20日には、ロシア軍が軍服や靴などのサイズを質問する朝鮮語の調査票を用意していたと明らかにした。(共同)

ウクライナ、東部の集落奪還と発表 北朝鮮軍は越境攻撃下の露西部クルスク州に投入か
2024/10/19 8:54
https://www.sankei.com/article/20241019-FS6BVMUHLNIQLAVF2Z4KHHBB3E/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月18日、同国軍が東部ハリコフ州の集落クルグリャコフカを露軍から奪還したと発表した。
ウクライナメディアが伝えた。
クルグリャコフカは露軍が制圧を狙う同州の都市クピャンスク方面に位置している。
東部では戦力に勝る露軍が徐々に前進しているが、ウクライナも反撃を試みているもようだ。
一方、ロシア側での参戦を決めた北朝鮮が軍の人員をロシアに派遣したとされる問題で、ウクライナメディアは2024年10月18日、同国軍情報当局筋の話として、北朝鮮軍がハバロフスクやウラジオストクなど露極東の4都市で実戦投入に向けた訓練を受けていると報じた。
米軍事メディア「ウォーゾーン」によると、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の規模を
「1万1000人」
だと指摘。
ブダノフ氏はまた、北朝鮮軍が2024年11月1日までに訓練を完了し、うち2600人がウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州に投入される見通しだと明らかにした。

プーチン氏、G20首脳会議の欠席表明 ICC逮捕状巡る「混乱回避」理由に
2024/10/19 8:44
https://www.sankei.com/article/20241019-4D6CGK3STRK2BNVZD7LVNPUVUQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月18日、2024年11月にブラジルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に欠席すると表明した。
理由に関し、ウクライナ侵略を巡る戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)が自身に逮捕状を出していることに言及。
「私が行けば、G20の議論はそれ(逮捕問題)ばかりになってしまう」
とし、自身の出席により首脳会議が混乱する事態を防ぐための決定だと主張した。
今月2024年10月22〜24日に露中部カザンで開かれる主要新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議に先立つBRICS諸国の報道機関との会見で発言した。
ICC加盟国のブラジルには、プーチン氏が入国した場合、逮捕する義務が生じる。
一方でプーチン氏は
「逮捕を回避することは簡単だ」
「(逮捕しないという)政府間合意を結ぶだけだ」
とも指摘。
逮捕を懸念した欠席ではないと強調した。
プーチン氏はウクライナ情勢にも言及。
将来的な停戦について
「1年間や2年間の停戦であるべきではない」
「その間に北大西洋条約機構(NATO)が兵器を蓄え、(ウクライナに)移転するためだ」
と述べた。
その上で
「長期的で持続可能な平和」
の実現に向けて
「ロシアは戦い続け、勝利する」
と主張した。
プーチン氏はウクライナの
「中立化」
「非軍事化」
といった目標を達成するまで軍事作戦を継続する意思を改めて示した形だ。

「現段階で確認できない」NATO事務総長、ウクライナへの北朝鮮派兵報道で
2024/10/18 22:56
https://www.sankei.com/article/20241018-OZTEJIQNSRIOTGHKQN5MCDZD3M/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月18日
「北朝鮮人が兵士としてウクライナでの戦争に参加しているという報道について現段階では確認できていない」
と述べた。
ブリュッセルで記者団に語った。
ルッテ氏は、NATOが韓国などと緊密に連絡を取り合っており
「この見解は変わる可能性がある」
と指摘し、動向を注視する考えを示した。(共同)

北朝鮮がウクライナ侵攻「参戦」 軍特殊部隊1500人露極東入り 韓国情報機関
2024/10/18 22:29
https://www.sankei.com/article/20241018-TSZJ7GK24NIBZE7OJV4PBVC3A4/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月18日、北朝鮮がウクライナ侵略を続けるロシアを支援するため、朝鮮人民軍の大規模派兵を決め、既に第1陣約1500人が露極東地域に入ったとの情報を明らかにした。
韓国当局は、北朝鮮が参戦を始めたと判断した。
聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮による地上軍の大規模な海外派兵は初めてとされ、ウクライナの戦局にも影響を与える可能性がある。
派兵されたのは、軍特殊作戦部隊である
「第11軍団」
所属の将兵で、近く第2陣の兵員輸送も行われる見通し。
第11軍団は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭部隊。
最終的に4個旅団計約1万2000人規模の兵力がウクライナの戦場に投入されると予想されている。
北朝鮮が日米韓への敵対姿勢を強める中、軍の特殊部隊が戦場で実戦経験を積むことになれば、日韓の安全保障情勢にも影響を及ぼしかねない。
国情院によると、第1陣は今月2024年10月8日〜13日に北朝鮮北東部の清津(チョンジン)や東部、咸興(ハムフン)付近の地域から露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻に乗船し、露極東ウラジオストクに移った。
ウラジオストクの他、ウスリスクやハバロフスクなど極東地域の複数の拠点に駐留。
訓練を終え次第、戦地に送られる模様だ。
北朝鮮の兵士らはロシア人兵士を装うため、ロシアの軍服やロシア製武器、シベリア地域の住民を装う偽身分証も受け取ったとされる。

来年日本で地雷国際会議 ウクライナの除去支援
2024/10/18 19:53
https://www.sankei.com/article/20241018-OZWVQFXBP5ONXEFBSXUIO4AOLY/
スイス西部ローザンヌで2024年10月17日、ウクライナの地雷除去に関する国際会議が開かれ、日本から参加した柘植芳文外務副大臣は来年に日本で同会議を開催すると発表した。
会議には60以上の国・国際機関が参加した。
ウクライナのシュミハリ首相は、国土のおよそ4分の1に地雷や不発弾が埋まっている可能性がある状況に触れ
「地雷除去の分野で支援を強めてほしい」
と訴えた。
柘植氏はスイスやウクライナとの共同記者会見で
「人道支援の効果を最大化させる」
と話し、地雷探知機の供与や専門家育成での協力を強化する考えを示した。(共同)

北朝鮮が特殊部隊など1万2千人派兵決定、移動開始 韓国情報機関
2024/10/18 19:26
https://www.sankei.com/article/20241018-I4KDNLXG6NJSFBPACPPKTFGGDU/
韓国の情報機関、国家情報院は2024年10月18日、北朝鮮が最近、ロシアを支援するため、朝鮮人民軍の特殊部隊など4個旅団計約1万2000人規模の兵力をウクライナの戦場へ派兵することを決定したとの情報を明らかにした。
複数の韓国メディアが伝えた。
既に兵力の移動を開始しているとしている。
北朝鮮とロシアは2024年6月に実質的な軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結し、軍事的協力を急速に深めている。

フランス新型自爆ドローン開発 ウクライナへ「数週間内」に供与
2024/10/18 16:54
https://www.sankei.com/article/20241018-FZR2MHE7JZJSTATRUWAXLCFRXE/
フランス政府が、新開発の自爆ドローン(無人機)をウクライナに近く供与すると発表した。
ルコルニュ国防相が2024年10月16日にX(旧ツイッター)で、
「弾薬を乗せて遠隔操縦できる『カミカゼ・ドローン』第1号の試験に成功した」
と書き込み、
「今後、数週間以内」
に仏軍とウクライナに納入されると明かした。
仏紙フィガロによると、この自爆ドローンは45分間自律飛行でき、5キロ先の標的を攻撃できる。
1機当たりの価格は2万ユーロ(約325万円)以下という。
仏国防省は今年2024年3月、自爆ドローン2000機を発注し、このうち100機をウクライナに供与すると表明していた。

ノルウェー、近くF16戦闘機6機をウクライナに供与 欧米、「戦勝計画」に慎重姿勢
2024/10/18 11:26
https://www.sankei.com/article/20241018-PC7XFHL6KRPOVMJEANBJPE4NFA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は2024年10月17日、ベルギー・ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合でノルウェーのグラム国防相と会談した。
会談後、ウメロフ氏はSNSを通じ、ノルウェーから
「近い将来」
に6機の米国製戦闘機F16がウクライナに供与されると発表した。
ウクライナへのF16供与はこれで、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェーの4カ国が表明。
既に少なくとも6機が供与されたとされるが、ウクライナは2024年8月、1機が任務中に墜落したと公表した。
ノルウェーからのF16供与が実現すれば、ウクライナの防空力の向上が見込まれる。
ウクライナメディアによると、F16は2028年までに約80機が同国に供与される予定。
供与は段階的に行われ、2024年今年中に24機、25年末までに40〜50機程度となる見通しだとしている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議とNATO国防相会合に出席し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明した。
計画は、NATOがウクライナの加盟に向けた手続きを即座に開始することや、欧米製の長距離ミサイルによる露国内攻撃の解禁などを含んでいる。
ただ、ロイター通信によると、EUとNATOはウクライナ支援の継続を約束する一方、即座のNATO加盟手続きの開始には慎重姿勢を維持した。
ゼレンスキー氏は
「仮に計画への支持が得られなくとも、ウクライナはロシアの侵略と戦い続ける」
と表明した。
戦勝計画について、ペスコフ露大統領報道官は同日、
「狙いはNATOを紛争に公式に引き込むことであり、ロシアとNATOの直接衝突を招く」
と警告した。

「ウクライナは負ける」とトランプ氏 ゼレンスキー氏は「最も偉大なセールスマン」
2024/10/18 11:24
https://www.sankei.com/article/20241018-TLAV2B7UW5JTDITXSV3CT33IB4/
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は17日放送のポッドキャスト番組のインタビューで、ロシアが侵略するウクライナのゼレンスキー大統領について
「戦争を始めるべきではなかった」
「負け戦だ」
と批判した。
ロシアが侵略を始めたことを否定する発言とも受け取れ、民主党候補のハリス副大統領陣営が反発を強めるとみられる。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を指導者として高く評価しており、2021年の離任後にも対話したと報じられている。
侵略を正当化するプーチン氏寄りの姿勢が顕著で、ウクライナを支援する欧州の米同盟国に動揺が広がりそうだ。
ウクライナへの軍事支援に消極的なトランプ氏はゼレンスキー氏について
「最も偉大なセールスマンだ」
「米国に来る度、我々が1000億ドル(約15兆円)を与えている」
と誇張して皮肉る一方
「ウクライナ人を気の毒に思う」
「彼を助けたくないと言っているわけではない」
とも述べた。(共同)

中露を念頭、現状変更に反対 中谷防衛相、NATO会合で連携強化を呼びかけ
2024/10/18 10:04
https://www.sankei.com/article/20241018-FUE3PW4CSZPQ3OS5AGCXDFJ7IQ/
中谷元・防衛相は17日(日本時間同)、北大西洋条約機構(NATO)とインド太平洋地域のパートナー国との国防相会合に初めて出席した。
中国やロシアを念頭に、力による現状変更の試みに反対し、対抗するための連携強化を呼び掛けた。
「厳しい国際情勢だからこそ、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とNATOの協力が重要だ」
と述べた。
ロシアのウクライナ侵略を
「国連憲章の原則が踏みにじられた暴挙だ」
と非難。
日本は引き続きウクライナ支援を続けるとして、自衛隊車両を追加提供する考えを示した。
ウクライナのウメロフ国防相との会談でもこうした方針を伝えた。
会合では
「インド太平洋地域でも力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されている」
と述べ、中国軍が2024年10月14日に台湾を包囲する形で実施した軍事演習に言及した。(共同)

NATO国防相会合、ウクライナの加盟で温度差 ゼレンスキー氏の戦勝計画、多難な前途
2024/10/18 9:59
https://www.sankei.com/article/20241018-RVHP6SP63VJIPLKL7CSR6QGYKU/
ブリュッセルで2024年10月18日まで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、ロシアに侵略されたウクライナへの
「揺るぎない支援」
が改めて打ち出されたのとは裏腹に、ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日公表の対露戦争計画で求めた
「NATOへの即時無条件加盟への招待」
を巡る加盟国間の温度差が目立ち、前途の多難さを印象付けた。
2024年10月1日に事務総長に就任し、今回初めてNATO会合を主催するルッテ氏は2024年10月17日、
「ウクライナをこれまで以上にNATOに近づける」
と述べるとともに、加盟が実現するまでは、ウクライナの勝利を確実にするため
「あらゆる手立てを講じ続ける」
と強調した。
会合では、初参加のオーストラリアが退役を控えた豪陸軍のM1エーブラムス戦車49両をウクライナに供与すると表明した。
また、加盟国が年間400億ユーロ(6兆5100億円)規模の対ウクライナ軍事支援を続けていくとの目標について、達成されるとの見通しが示された。
一方、ウクライナのNATO加盟を巡っては、エストニアのペブクル国防相やラトビアのスプルーズ国防相が、ゼレンスキー氏の戦勝計画を支持する立場からウクライナのNATO加盟実現を早急に具体化させるべきだと表明した。
ゼレンスキー氏は2024年10月17日、NATO会合に先立ちブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で演説し、ウクライナのNATO加盟も含めて戦勝計画を今から実行に移せば
「戦争は遅くとも2025年までに終結する」
と主張した。
NATOは2024年7月に米ワシントンで開いた首脳会議で
「ウクライナのNATO加盟は不可逆的だ」
とし、将来のNATO加盟を確約している。
ただし、加盟に向けた実質的な動きは出ていない。
加盟国の間では、NATOの中心国である米国で2024年11月に実施される大統領選の行方を見極めたいとの思惑が強い。
加えて米国とドイツは、現時点でウクライナを加盟させればロシアが反発し、核兵器使用の恐れも含めて戦火が拡大しかねないとの懸念から
「ウクライナの加盟は戦争終結後であるべきだ」
と他の加盟国を説得しているという。
ウクライナが加盟するにしても、他国からの攻撃をNATO全体への攻撃と見なすNATO条約第5条の適用範囲を明確化させるため、ウクライナとロシアとの国境または境界線が明確に確定されていることが加盟の前提となるなど、加盟実現へのハードルは尚高いのが実情だ。

米、攻撃用無人機生産で中国企業に制裁 ウクライナ侵略でロシアが使用
2024/10/18 8:52
https://www.sankei.com/article/20241018-KEX2TZTNYNO5JM5PLNDBZN6L3U/
米財務省は2024年10月17日、ロシアがウクライナ侵略で使用する長距離の攻撃用無人機の生産に関与したとして、中国などに拠点を置く3企業と1個人に制裁を科した。
米国内の資産が凍結される。
ロシアに武器を直接供給する中国企業が制裁対象となるのは初めてとしている。
ミラー国務省報道官は声明で、ロシア企業の協力の下、中国で生産された無人機がウクライナで重要インフラの破壊や多数の負傷者を生み出していると指摘。
「ロシアに対する軍事的支援には引き続き代償を負わせる」
と警告した。
財務省によると、今回制裁対象となった企業は無人機のエンジン生産に加え、今年2024年初めから無人機の部品となる電子機器の輸出にも関わっていた。
米政権高官らは、中国最高指導部がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。(共同)

北朝鮮部隊1万人派遣準備 ゼレンスキー氏、露との連携に懸念 NATO国防相会合閉幕へ
2024/10/18 7:56
https://www.sankei.com/article/20241018-AKLNYDTKORI65D3SZWD7XFDSI4/
ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は2024年10月18日、ロシアに侵略されたウクライナに対する軍事支援の強化と、ウクライナの将来的なNATO加盟を確認して閉幕する。
2024年10月17日のウクライナ関連会合に出席した同国のゼレンスキー大統領は記者会見で、ウクライナ領内に北朝鮮軍の要員が送り込まれていると指摘し、ウクライナ戦争でのロシアと北朝鮮の連携に強い懸念を示した。
ゼレンスキー氏はウクライナの情報機関が入手した情報として
「北朝鮮がウクライナ領内の露支配地域に戦術要員と将校を送り込んだ」
と述べた。
また、北朝鮮が総勢1万人規模の部隊をロシアとウクライナの露占領地域に派遣する準備を進めているとした。
記者会見に同席したNATOのルッテ事務総長は
「北朝鮮の兵士が(ウクライナでの)戦闘に関与している証拠はない」
と述べる一方で、北朝鮮がロシアにミサイルなどの兵器や機器の供与といった多様な支援を展開しており
「非常に懸念している」
と語った。
ルッテ氏はまた
「中国はロシアの対ウクライナ戦争の決定的な支援者と化した」
と批判。
2024年10月17日の会合に中谷元・防衛相ら日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が出席したのを踏まえ、NATO加盟国とインド太平洋地域のパートナー諸国が対中国を含めた幅広い分野で連携を深めていくべきだと強調した。
ルッテ氏は4カ国を交えた会合は
「意義深かった」
とし、防衛産業の生産能力強化、偽情報工作を駆使したハイブリッド戦争への対応、サイバー攻撃対策で協力強化を図るとした。
ゼレンスキー氏は日本からの支援に関し
「日本は本当に力強い相棒だ」
「日本がいなければ生き残れなかった」
と謝意を表明した。

<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ
社説
2024/10/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20241018-7IRDVZ74WBLD7KQSOTUO4KCUJA/
ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日、最高会議(国会)の演説で
「ロシアによる侵略に北朝鮮が参戦している」
と明言した。
2024年10月13日の声明でも
「(北朝鮮からロシアへ)もはや武器だけでなく人が派遣されている」
と指摘していた。
複数のウクライナメディアは、ロシア軍が北朝鮮人で作る3000人規模の部隊を編成し、国境地帯に配備したと報じた。
北朝鮮兵1万人がロシアに派遣されたとの報道もある。
北朝鮮は弾道ミサイルや数百万発の砲弾をロシアに輸出し、ウクライナの戦場で使用されている。
ロシアは否定するが、実際に北朝鮮が派兵までしたのであれば、侵略への加担どころか侵略者になったことになる。
事実なら明白な国連憲章違反であり許されない。
北朝鮮は直ちに将兵を自国に戻し、武器弾薬の輸出も停止すべきだ。
北朝鮮軍の派遣について、カービー米大統領補佐官は
「露軍は毎日1000人超が死傷するなど大きな困難に直面している」
「その中で出てきた」
との見方を示し、露朝の軍事協力に懸念を表明した。
懸念されるのはウクライナへの侵略激化だけではない。
2024年6月に露朝が結んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
には
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的、またはその他の援助を提供する」
とある。
朝鮮半島有事になれば、ロシア軍の参戦の可能性があるということだ。
北朝鮮は韓国との対決姿勢を強めているが、南北の衝突がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
日本にとって他人事ではない。
青木一彦官房副長官は記者会見でウクライナを巡る露朝軍事協力進展について、ウクライナだけでなく日本周辺の安全保障環境に与える影響の観点から
「深刻に憂慮すべきものだ」
と語った。
だが、石破茂首相や与野党からは危機感の表明や露朝両国への批判はほとんどない。
一体どうしたことか。
どの党も候補者も、日本を守る、国民を守る―と連呼する衆院選の最中であるにもかかわらず、この鈍さは理解に苦しむ。
石破首相は外務、防衛両省に北の派兵の詳細をウクライナ政府に確認するよう指示すべきだ。
その上で関係各国に露朝両国への制裁を呼び掛け、日本自身も急ぎ発動すべきである。

ウクライナ軍前総司令官、早期終戦に否定的 欧米が武器供給せず「勝利の機会失った」
2024/10/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20241017-NWWI25AG4NPKZMFMBAT4R2NSEQ/
ウクライナ軍前総司令官のザルジニー駐英大使が2024年10月17日、ロンドンで講演し
「ロシアとの長期戦から抜け出すのは、ほぼ不可能に思える」
と述べ、早期の戦闘終結に否定的な見解を示した。
欧米が2023年、ウクライナに必要な武器を供給しなかったため、勝利の機会を失ったとも指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月17日の欧州連合(EU)首脳会議で、対ロシア戦の
「勝利計画」
について演説し、計画に今すぐ着手すれば、2025年中に戦闘終結が可能だと主張した。
ザルジニー氏は軍総司令官だった2023年11月に英誌エコノミストが報じたインタビューで、戦闘が
「膠着状態」
にあると発言。
ゼレンスキー氏が
「膠着ではない」
と否定し、両者間の亀裂が指摘された。
ゼレンスキー氏は2024年2月、ザルジニー氏を解任した。(共同)

米、ウクライナのF16要員養成で若手重視に転換 欧米式訓練に柔軟対応も訓練長期化か
2024/10/17 17:02
https://www.sankei.com/article/20241017-NOBKFZHIQJKIXEQNVC6NXHXDKM/
米紙ウォールストリート・ジャーナルは17日、ウクライナ空軍に供与された米国製F16戦闘機の操縦士養成に関し、米国が若手に重点を置く方針に転換したと伝えた。
訓練のためにウクライナを離れることが可能で必要な英語能力がある経験豊富な操縦士の不足が理由。
若手の場合、訓練に時間がかかり、F16による防空態勢の強化が遅れる可能性もある。
ウクライナでは2024年8月下旬にF16が墜落し、ベテラン操縦士が死亡した。
この操縦士は通常数年かかる訓練を6カ月で終えて前線に投入されたばかりだったことから、米国などは訓練の在り方を協議していた。
同紙によると、若手の方が欧米式の訓練に柔軟に対応できるとの意見もあるが、F16の訓練課程に進む前に英国とフランスの施設で1年間の基礎的な飛行訓練を終える必要がある。
方針転換前から、ウクライナ空軍が20機のF16と操縦士40人で構成する飛行隊を配備するには、早くとも来年2025年春までかかる見通しだったという。(共同)

米ウクライナ首脳、対露戦勝計画を協議 米は長射程攻撃で慎重維持、「北派兵」懸念共有か
2024/10/17 8:19
https://www.sankei.com/article/20241017-JYTHWXWJ5NIEVM42XJ6VJ2FSXU/
バイデン米大統領は2024年10月16日、ロシアの侵略が続くウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明した。
ゼレンスキー氏は同日、最高会議(議会)演説で公表した対露戦勝計画を巡る最新状況を説明。
同氏が計画の柱とする米国製長射程兵器による露領内攻撃容認について、米側は慎重姿勢を維持したとみられる。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアに弾道ミサイルなどを供給する北朝鮮が部隊をロシアに派遣したと複数の欧米メディアが報道
ゼレンスキー氏は議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と表明しており、バイデン氏にも懸念を伝えた可能性がある。
米国家安全保障会議(NSC)のサベット報道官は
「ロシアの代わりに戦う北朝鮮兵士に関する報道に憂慮している」
「事実なら、両国の軍事関係の著しい増強を示すことになる」
と述べた。
また、ホワイトハウスは、バイデン氏が2024年10月17〜18日の日程でドイツを訪問、ショルツ首相らとウクライナや中東情勢などを協議すると発表。
2024年11月にはバイデン氏がウクライナ支援国によるオンラインの首脳級会合を主宰するとも明らかにした。
同月2024年11月の米大統領選に向け、現政権のウクライナ支援姿勢を継承する民主党候補ハリス副大統領と、対露交渉による早期停戦を唱える共和党候補トランプ前大統領との接戦が続いている。
一方でイランや北朝鮮、中国がロシアと軍事的連携を強めており、バイデン氏は支援国の首脳らとの協議を通じ、選挙結果にかかわらず、対露戦勝利に必要な支援をウクライナが確保できるよう、危機意識の共有を図るものとみられる。

NATO国防相会議が開幕へ 日韓など4カ国が初参加 ウクライナの「戦勝計画」など協議
2024/10/17 8:18
https://www.sankei.com/article/20241017-4WFOTPTSMRPXHBJIG7FUA4FQRM/
北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合が2024年10月17日、ブリュッセルのNATO本部で2日間の日程で始まる。
2024年10月19日からイタリア南部のナポリで開かれる初の先進7カ国(G7)国防相会合と合わせ、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の推進を確認する。
2024年10月17日の会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。
NATO会合には中谷元防衛相を含め日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が初参加する。
NATOのルッテ事務総長は2024年10月16日の記者会見で、日本など4カ国の国防相との協議では防衛産業分野での協力に関して話し合うとしており、増産が急務となっているウクライナ向けの弾薬の供給拡大に向けた連携や、先端技術協力などが議題に上るとみられる。
ルッテ氏は4カ国との協力について
「次の段階として何をするかを描き出すことが重要だ」
と指摘。
日本との関係では
「日本はウクライナとの強い連帯を打ち出している」
「中国の軍備増強についても共通の懸念を抱いている」
と述べた。
ウクライナを巡る討議では、ゼレンスキー氏が2024年10月16日に初公表したロシアに対する
「戦勝計画」
への対応などが主要議題となる。
ルッテ氏は戦勝計画に関し
「ウクライナのNATOへの即時無条件の招待」
などが盛り込まれていることを念頭に
「計画を全面的に支持するとは言えない」
と語り、慎重姿勢を示した。

ウクライナの対ロシア「勝利計画」に慎重姿勢 NATO事務総長 国防相理事会で議題に
2024/10/17 7:37
https://www.sankei.com/article/20241017-FWBDEPL4BZIMJEDZUK32CECGOE/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領が公表した対ロシア戦争の
「勝利計画」
について
「私は計画全体を支持しているとは言えない」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
ブリュッセルで記者会見した。
勝利計画は、ウクライナのNATO加盟交渉に同国を招待することも要求している。
ルッテ氏は
「深く掘り下げ、その背景を理解しなければならない項目が数多くある」
と指摘。
2024年10月17〜18日に開くNATO国防相理事会で
「間違いなく議題に上る」
と述べた。
加盟国が表明したウクライナ軍事支援が今年前半だけで209億ユーロ(約3兆4千億円)に上るとして、来年も400億ユーロ規模の支援を継続するという目標を達成できるとの見通しを示した。(共同)

防衛産業協力を協議へ NATO、日韓豪NZの国防相と 実務的な関係深める狙い
2024/10/17 7:14
https://www.sankei.com/article/20241017-6NXEMG2KVNIK5I75KRYMQRSMJ4/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ブリュッセルで2024年10月17〜18日に開催する国防相理事会に招待した日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相と
「工業生産や技術革新の協力の在り方について協議する」
と明らかにした。
防衛産業分野の協力を進める。
理事会を前に記者会見した。
NATOは2022年から3年連続で4カ国の首脳を招待しているが、国防相理事会に4カ国の国防相を招くのは初めて。
ロシアのウクライナ侵攻を支援する中国に対する懸念を共有するだけでなく、実務的な協力関係を深める狙いがある。
欧州のNATO加盟国はウクライナに対する弾薬などの軍事支援に注力しているが、防衛企業による生産が追い付かず、供給能力不足の克服が課題となっている。(共同)

米、ロシア領長射程攻撃で慎重姿勢を維持 ウクライナ支援の継続を約束
2024/10/17 7:02
https://www.sankei.com/article/20241017-MQKMTR4H5VNN3LEQGWJOG5C544/
ジャンピエール米大統領報道官は2024年10月16日の記者会見で、ウクライナに米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を認めるかどうかについて慎重な姿勢を維持した。
バイデン大統領はゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明。
来年2025年1月の任期切れまで支援を続けると約束した。
米政府はバイデン氏が2024年10月17〜18日にドイツを訪れ、ショルツ首相とウクライナや中東の情勢を協議すると正式に発表した。
2024年10月11月にウクライナ防衛支援に関する首脳級会合をオンラインで主催するとも明らかにした。
ゼレンスキー氏は電話会談に先立ち、対ロシア戦争の
「勝利計画」
を初めて公表し、長射程兵器によるロシア領内への攻撃容認も強く求めた。
ジャンピエール氏は
「米国の方針は変わっていないし、今後も変わらない」
と述べた。
米国は使用容認が戦況を好転させるとの見方に否定的で、ロシアを過度に刺激しかねないと懸念している。(共同)

ゼレンスキー氏、対ロシア戦勝計画を初公表 実現なら「来年中にも終戦」と見通し
2024/10/16 23:28
小野田 雄一の写真
https://www.sankei.com/article/20241016-BQW7TIMJYBL67IRQERZPGMOSGE/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月16日、同国最高会議(議会)で演説し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を公表した。
これまで計画の一部に言及していたが、全体像を明らかにしたのは初めて。
ゼレンスキー氏は、計画を実現して
「ウクライナが今、強くならなければ、ロシアは更に強大化し、外交(による停戦)を永久に放棄するだろう」
と指摘。
一方、計画が実現されれば2025年来年中にも戦争は終結するとの見通しを示した。
ゼレンスキー氏によると、戦勝計画ではウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への即時かつ無条件の招待を求めた。
その他、
▽露西部クルスク州の占領地域の維持
▽再侵略を予防するための欧米諸国と協力した戦略的措置
▽経済力強化
▽欧米が供与した長距離ミサイルによるロシア国内への攻撃の解禁
などが盛り込まれている。
NATOへの招待とは、将来的な加盟の確約を事実上求めたものとみられる。
NATO諸国などとの連携を強化することでロシアに侵略継続を断念させ、停戦交渉の場にロシアを引き出したいウクライナの思惑を示した。
戦勝計画の策定は2024年8月下旬にゼレンスキー氏が発表。
これまでに米国や英国、フランス、ドイツ、イタリアに提示し、関与を求めてきた。
ゼレンスキー氏は今月2024年10月17〜18日にベルギー・ブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議でも計画を説明する。
ただ、ロシアは、停戦にはウクライナがNATO加盟を断念して
「中立化」
することや、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の領有権を放棄することが不可欠だと主張。
戦勝計画が実現する前にウクライナを降伏に追い込む思惑だとみられる。
NATO諸国の間でもウクライナのNATO加盟には慎重論が根強く、戦勝計画の実現可能性は不透明だ。

独ショルツ首相、ロシアのプーチン大統領と協議も 戦争終結へ「あらゆること模索」
2024/10/16 23:20
https://www.sankei.com/article/20241016-7TV3NHHSMFL7XE7AZ4YB4NJNIA/
ドイツのショルツ首相は16日、連邦議会での演説で、ロシアとウクライナの戦争終結に向け、ロシアのプーチン大統領との話し合いに前向きな姿勢を示した。
一方で
「ウクライナの頭越しや同盟国の合意なしに決定が下されることは決してない」
とも強調した。
ショルツ氏は、ウクライナへの支持は明確だとした上で
「戦争がいつまでも続かないようにするために、あらゆることを模索しなければならない時が来た」
と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月11日、ベルリンでショルツ氏に対ロシア戦争の
「勝利計画」
を説明。
欧米の支援を得て軍事的優位を固めてロシアを交渉の席に着かせ、ウクライナ主導で和平を受け入れさせることが狙いだとされる。(共同)

G7初の国防相会合、伊ナポリで19日開催 ウクライナなど紛争多く安全保障面で連携強化
2024/10/16 18:36
https://www.sankei.com/article/20241016-INA6WJQGFRNJHJMJYIWMUMXWOM/
日米欧の先進7カ国(G7)は19日、初の国防相会合をイタリア南部ナポリで開催する。
議長国イタリアによると、ロシアによるウクライナ侵略などの紛争が相次ぐ中、安全保障面での連携強化が目的。
ウクライナの防衛支援や緊張が高まる中東情勢が主要議題となる。
イタリア政府関係者は
「会合を通じて、防衛分野でのG7の結束を示す」
と強調。
ウクライナ支援で防衛産業の生産能力が不足した経験を踏まえ、産業基盤の強化もテーマになる。
ウクライナは砲弾など物量で優位に立つロシア軍に対して劣勢を強いられている。
ゼレンスキー大統領が2024年10月今月、英独仏伊の4カ国を訪問した際、各国はウクライナの防空や防衛産業などへの支援を表明。
今回の会合でも支援継続のメッセージを発信するとみられる。
中東情勢を巡っては、イスラエル軍がレバノン南部に地上侵攻し、駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の施設が攻撃を受けた。
G7として対応を議論する。(共同)

ロシア、北朝鮮人部隊を編成か 3000〜1万人規模 ウクライナ複数メディア報道
2024/10/16 8:26
https://www.sankei.com/article/20241016-GRWSIK5GKJKE3AFD2BYQYFH72I/
ロシアの侵略を受けるウクライナの複数メディアは15日、露軍が北朝鮮人で構成する部隊を編成し、ウクライナとの国境地帯に配備していると報じた。
ウクライナ軍の情報当局筋の話だとしている。
事実であれば、露軍の損耗拡大を背景とした動きの可能性がある。
部隊に配属された北朝鮮人18人が逃亡し、露軍が捜索しているとの情報があるとも報じている。
現地紙ウクラインスカヤ・プラウダによると、北朝鮮人で構成された部隊の名称は
「特別ブリヤート大隊」。
推定3000人規模だとした。
部隊名はロシアのアジア系少数民族、ブリヤート人に由来するとみられる。
ウクライナの英字紙キーウ・インディペンデントは15日、北朝鮮からロシアに
「兵士1万人」
が派遣されたと欧米側外交筋が話したと伝えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、北朝鮮がロシアに兵器を供給するだけでなく、実際の戦闘に人員を関与させていると指摘。
複数の欧米メディアも、北朝鮮がロシアに供給した短距離弾道ミサイルの運用に携わる人員を露軍に派遣している他、
「数千人」
の北朝鮮人が露国内で訓練を受けており、年内にも前線に配備される可能性があると伝えていた。
露朝は今年6月、事実上の軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名するなど、安全保障協力を拡大している。

ウクライナ関係「強力に」 ジェトロ、首都キーウで事務所開所式
2024/10/11 10:57
https://www.sankei.com/article/20241011-DCN75SPATZNWDA4OEZSRY2RW3Y/
日本貿易振興機構(ジェトロ)は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナの首都キーウに事務所を設け、中心部のホテルで開所式を実施した。
日本とウクライナの企業関係者ら約280人が出席。
柴田哲男所長は
「両国のより強力な結び付きの始まりとなる」
と挨拶した。
ウクライナ進出を検討中の日系企業10社も参加。
新しい有機肥料の開発に取り組むスタートアップ企業WAKU(岡山県高梁市)の代表取締役CEO姫野亮佑さんは、ウクライナの農業生産法人と実証実験を進めたい考え。
戦闘が続く中でも
「他の企業が入ってくる前に、できるだけ早く進出したい」
と意気込みを語った。
ウクライナの電力会社の男性社員は
「経済は全ての土台」
「発展するほど勝利に近づける」
と日本の支援に謝意を示した。(共同)

露軍、ウクライナ港湾インフラに3カ月で60回攻撃 副首相「食料危機を引き起こす」と非難
2024/10/11 10:50
https://www.sankei.com/article/20241011-VHYYJBTN6ZKYRC7IKTYSPVSSGM/
ウクライナのクレバ副首相は10日、ロシア軍が直近の3カ月で、ウクライナの港湾インフラを約60回攻撃したと明らかにした。
農業大国ウクライナは黒海を通じた穀物輸出を継続しており、クレバ氏は
「ウクライナの輸出能力を破壊するのが狙いだ」
「食料危機を引き起こす挑発だ」
と非難した。
一連の攻撃で約300の港湾施設、車両177台、船舶22隻が破壊されたという。
港湾作業員や船員ら79人が負傷した。
クレバ氏によると、ウクライナは現在40カ国以上に穀物を輸出している。
輸出先には中国、インドネシア、ベトナムといったアジア諸国のほか、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、トルコ、オランダ、スペインが含まれる。(共同)

ロシアでアフリカ女性ら200人が無人機製造か 虚偽広告で渡航 監視下で従事
2024/10/11 10:30
https://www.sankei.com/article/20241011-HOOZHSP2HJKR5ACPO74MYM3SNI/
AP通信は10日、無料航空券や接客業などの仕事を約束するソーシャルメディアの広告を見てロシアに渡航したアフリカ出身の女性ら約200人が、ウクライナ侵攻で多用される無人機の製造に従事させられていると、当事者の話を引用して報じた。
APによると、女性はウガンダやルワンダ、ケニアなどアフリカ諸国やスリランカの出身で年齢は18〜22歳。
ロシア中部タタルスタン共和国アラブガの経済特区にある工場で、イラン製の無人機
「シャヘド」
の組み立てに1日12時間従事させられているとした。
ロシア人や中央アジア諸国の学生も働いているという。
女性らは職場や寮で常に監視下に置かれ、約束された賃金も支払われていないと訴えている。
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」
によると、ロシアは侵攻継続のため、仕事の内容を十分に説明せず、アフリカやインドから労働者を募集している。(共同)

ゼレンスキー氏が英仏首脳と会談 トランプ氏当選を視野に「勝利計画」への支持取り付けへ
2024/10/11 8:58
https://www.sankei.com/article/20241011-DMYT6OAAQ5JKDDYURBLTJ5ES4Q/
ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は10日、欧州歴訪を開始し、英国とフランスでスターマー英首相、マクロン仏大統領とそれぞれ会談した。
ゼレンスキー氏は歴訪を通じ、各国から軍事支援強化の確約と、戦争終結に向けてウクライナが策定した
「勝利計画」
への支持を取り付けたい考えだ。
英メディアなどによると、ゼレンスキー氏はスターマー氏との会談で、戦勝計画の説明に加え、英国がウクライナに供与した巡航ミサイル
「ストームシャドー」
などの長距離攻撃兵器について露領内に対する使用制限を撤廃するよう改めて要請した。
1日に就任した北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長も会談に同席した。
ルッテ氏が就任後、NATO加盟国を訪れるのは初めて。
ルッテ氏は会談後、記者団に
「ウクライナを支援することは、NATO加盟各国にとって死活的に重要だ」
と訴えた。
戦況については、ロシア軍がウクライナ東部で徐々に前進しており、情勢は
「厳しい」
との認識を示した。
ウクライナによるロシアへの越境攻撃は
「合法的行動だ」
と明言しつつ、長距離兵器の使用制限の緩和の判断は
「供与国次第だ」
と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は英仏に続いてイタリアとドイツも訪問。
11日のショルツ独首相との会談ではドイツが主導する弾薬の増産などが議題となる見通しだ。
ゼレンスキー氏としては投開票まで1カ月を切った米大統領選でウクライナ支援に懐疑的な共和党のトランプ前大統領が当選した場合を想定し、米欧の主要国との間でウクライナ支援の継続と、ロシアに侵略の利得を与えない形での戦争の終結に向けた合意を固めておきたい思惑がある。
トランプ氏は先月27日にニューヨークでゼレンスキー氏と会談した際、
「戦争は終わらせるべきだ」
「私なら直ちに終結させられる」
と戦いの幕引きに前のめりな姿勢を鮮明にしていた。
これに危機感を強めたゼレンスキー氏が今回の歴訪で改めて支持固めに走ったとみられる。
ただ、バイデン米大統領も含め12日にドイツで予定された米英独仏首脳とゼレンスキー氏との会談は、バイデン氏が米南部を襲ったハリケーンの対応のため出席できないとして見送られ、ゼレンスキー氏としては目算が外れた恰好だ。

「領土放棄してNATO加盟」形式の停戦案報道、ゼレンスキー氏が否定
2024/10/11 8:34
https://www.sankei.com/article/20241011-NMFXYW6N3ZMV3KM6YGTNFODFHM/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は10日、被占領地域の実効支配をロシアに認めるのと引き換えにウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟して安全を確保するという形での停戦案が検討されているという一部メディアの報道について、
「停戦に関する如何なる議論も行われていない」
と否定した。
パリで同日行われたフランスのマクロン大統領との会談後の記者会見での発言としてウクライナメディアが伝えた。
欧州歴訪中のゼレンスキー氏は
「私が停戦を協議するために支援国を訪問していると一部メディアが報じているが、事実ではない」
とも述べた。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談で、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明し、支援を改めて要請した。
ゼレンスキー氏は同日、訪仏に先立ち英国も訪問。スターマー英首相に戦勝計画を説明した他、NATO加盟を望むウクライナの立場を改めて伝達した。
英紙フィナンシャル・タイムズなど一部メディアは最近、ウクライナや欧米当局者の間で、ウクライナが被占領地域を事実上放棄するのと引き換えに、NATOがウクライナの安全を保証するという形での停戦案が浮上していると報じていた。
ただ、ウクライナは報道を否定。
ロシアも停戦にはウクライナの
「中立化」
が必要だとし、NATO加盟は容認できないとの立場を示している。
一方、ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は10日、露軍がウクライナ東部ドネツク州の集落3カ所とルガンスク州の集落1カ所を新たに制圧したと伝えた。

ウクライナ最高会議、戦費調達の増税法案可決 財源確保が課題
2024/10/10 21:06
https://www.sankei.com/article/20241010-D2GLGNSM7BMVJEZ4ZWW4CVUHLA/
ウクライナ最高会議(議会)は10日、戦費調達のための増税法案を賛成多数で可決した。
発効にはゼレンスキー大統領の署名が必要となる。
ウクライナメディアなどが伝えた。
ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻を始めて以降、ウクライナの国防予算は急増し、ゼレンスキー政権は財源の確保を迫られている。(共同)

露南部にドローン攻撃 ウクライナ、「燃料施設を破壊」と発表
2024/10/10 19:50
https://www.sankei.com/article/20241010-M54NUCMUPBOH7EWAKUTWJ3PT5A/
ロシア南部アディゲ共和国のクムピロフ首長は10日、同共和国の都市マイコープ郊外にドローン(無人機)攻撃があり、住民の避難を実施しているとSNSで発表した。
死傷者はないとした。
ウクライナ軍高官のコバレンコ氏は同日、マイコープ近郊の軍用飛行場の燃料貯蔵施設を破壊したとSNSで発表。
飛行場で爆発が起きた様子を撮影したとする動画も投稿した。
ウクライナ軍は最近、露軍の燃料貯蔵施設や弾薬庫への攻撃を激化。露軍の継戦能力を低下させるための作戦だとしている。

プーチン露大統領、「露朝戦略条約」法案を国会提出 北朝鮮と事実上の同盟締結へ
2024/10/15 8:23
https://www.sankei.com/article/20241015-HTQPRFXU7VNN3LOMIIC3BP4KUM/
ロシアのプーチン大統領は14日、北朝鮮と安全保障協力の拡大などを定める
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を批准する法案を露下院に提出した。
条約は、どちらか一方の国が武力攻撃を受ける恐れが生じた場合に即座に協議を行うことや、実際に武力攻撃を受けた場合に相互が軍事支援を行うことなどを規定。
一方が他方に不利益を与える協定などを第三国と結ばないことも定めている。
ロシアは北朝鮮と事実上の軍事同盟を結ぶ形。
ウクライナ侵略で欧米諸国と決定的に対立したロシアは、核兵器開発や人権問題などを巡って同じく欧米と敵対する北朝鮮と関係を深め、欧米に対抗する思惑を改めて鮮明にした。
露朝の関係強化は、両国の軍事的威圧と対峙する日本にとっても脅威となる。
法案は今後、露下院と上院で可決された後、プーチン氏の署名により成立する見通し。
米国やウクライナによると、ロシアは北朝鮮から調達した弾道ミサイルや砲弾をウクライナの戦場で使用。
ロシアは見返りにロケットエンジン技術などを北朝鮮に提供していると観測されている。
露朝間の包括的戦略パートナーシップ条約は、6月に24年ぶりに訪朝したプーチン氏が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とともに署名していた。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/800.html#c31

[政治・選挙・NHK295] 小沢一郎氏<自民党議員の頭の中>「おかしいなあ。表紙を人気者に変えて選挙をやればいつも通り大勝できるはずだったのに」  赤かぶ
21. 秘密のアッコちゃん[912] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 10:23:23 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[477]
<■52行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
蠢く共産党盗聴事件の亡霊 日本警察の「法制化」へのトラウマ
一筆多論
2024/11/5 9:00
https://www.sankei.com/article/20241105-YPRNFZJ2OFM3VDCNWZTXQLJPIA/
警察を神経質にさせる判決が名古屋高裁で続いた。
2024年8月30日。
暴行罪で無罪となった男性が、逮捕時に採取されたDNA型、指紋などを警察庁データベースから抹消するよう求めた訴訟の控訴審判決。
データ抹消を警察側に命じた。
2024年9月13日。
風力発電施設建設に反対する住民の個人情報を集め、事業者に提供していた岐阜県警の情報活動を違法とし、情報の抹消と賠償を警察に命じた。
両判決とも長谷川恭弘裁判長によるもの。
この事件を最後に定年退官した。
警察庁を刺激したのは、両判決がDNA型保管、情報収集活動に関し、
「法制化」
を促した点だ。
判決は、DNA型の運用指針が国家公安委員会規則の内規などにしかないことを問題視し、抹消規定の未整備を批判、
「みだりに保有され、利用されない憲法上の自由の保障を制度的に担保するための立法化が必要」
と指摘した。
情報収集活動については
「どのような場合」
に、
「どのようなもの」

「収集、保有の対象になるのか」
などについて、
「具体的な法律上の根拠があることが望ましい」
と立法化を促した。
警察側は上告せず、敗訴が確定した。
「個別敗訴より、判例で裁量が狭められ法制化される方が痛い」。
立法忌避が警察の本音では、と見る向きがある。
警察には通信傍受法(平成11年8月成立、12年8月施行)の苦い記憶がある。
組織犯罪の対抗策だった同法は、国家権力の
「盗聴」
乱用を敵視する左翼勢力の抵抗によって国会審議で中身が骨抜きにされ、
「使い勝手の悪い法律になってしまった」
とのトラウマだ。
傍受の対象事件は僅か4種類(その後拡大)。
手続きは厳格で煩雑。
全国警察の昨年2023年の適用は22件。
話にならない。
海外主要国と桁がまるで異なる。
それほど使いにくい法律ということだ。
ならば法制化せず、内規で運用したい―と警察が考えても不思議でない。
秘匿性の高い通信アプリでやりたい放題の強盗が体感治安を急悪化させているのに、通信傍受法は全く武器になっていない。
犯罪捜査に限らず諜報目的で令状不要の行政傍受など、同法には一片の概念もない。
世界の潮流から遅れている。
通信傍受法への抵抗には、
「警察権力に盗聴させるな」
という警察性悪説がある。
その源流を遡ると、昭和61年発覚の共産党幹部宅盗聴事件に辿りつく。
公安警察の非合法性が取り沙汰される不祥事だったが、警察側のやり方が杜撰だったことも否めない。
捜査絡みの法制化には、必ずこの事件の亡霊が蠢く。
究極の個人情報のDNA型の集積は捜査に有用だ。
冤罪防止にもなる。
内規はデータ抹消要件を
「対象者死亡の時」
「保管する必要がなくなった時」
と規定するが、不要時の定義を狭められることを警察は警戒する。
通信傍受法の二の舞いは避けたい。
公安の必須作業の情報収集も同様だ。
が、治安を守る合理的な立法ができない現状は健全ではない。
国民の利益に反する。
改善には盗聴事件の亡霊の退治が必要になる。
どうすればいいか。
地道な適正運用を積み重ね、信頼を得ていくしかないのだ。
DNA型運用も公安活動も。
当初は嫌われながら、20年超の適正運用で世論を変えた防犯カメラの好例がある。
盗聴事件の亡霊は必ず退治できると思いたい。
(上席論説委員)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/861.html#c21
[戦争b25] 北朝鮮部隊「全滅」情報も!金王朝の「人柱」にされた未成年兵が戦場で見る地獄/ アサ芸biz 仁王像
3. 秘密のアッコちゃん[913] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 10:51:17 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[478]
<■2239行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
金正恩が露朝同盟に縋る「斬首」回避
斎藤勉の眼
2024/11/5 10:00
https://www.sankei.com/article/20241105-PL2F5JZKEBNKZHMJ775I4FYV54/
人命・人権に冷淡な独裁者同士の軍事同盟には大抵の場合、残忍な
「密約」
が隠されている。
その代表格がソ連のスターリンとナチス・ドイツのヒトラーが1939年8月に締結した独ソ不可侵条約だ。
2人の独裁者は条約の裏で交わした
「秘密議定書」
に基づき、翌1939年9月、ポーランドに東西から侵攻、第二次大戦が始まった。
ポーランドを消滅させたこの密約こそ、ヒトラーのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)やスターリンのポーランド将兵大殺戮「カチンの森事件」(1940年)の悲劇を招く元凶となった。
独ソの野合から85年たった今年2024年6月、2人の暴君が軍事同盟へと突き進んだ。
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による
「包括的戦略パートナーシップ条約」
だ。
核心は
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的その他の援助を提供する」
とする第4条だが、発表された全23条に
「秘密協定」
は付記されていない。
しかし、元露情報機関将校は条約締結後、米紙ウォールストリート・ジャーナルに
「条約は、ロシアがどう戦っているか、北朝鮮軍兵士が直接学ぶため、ウクライナに第1波の約千人を派遣する許可を与える―との秘密条項を含んでいる」
と明かした。
密約の存在は締結から4カ月後の2024年10月に裏付けられた。
「暴風軍団」
の異名を持つ精鋭特殊部隊
「第11軍団」
がウクライナ軍の越境攻撃が続く露西南部・クルスク州などに配備された。
朝鮮半島情勢に詳しい李相哲・龍谷大教授は
「2024年10月末の段階で1万1000人の北朝鮮兵がクルスクなどに集結した」
「露軍指揮下で占領地奪還の戦闘に投入されるとみるべきだ」
「中には20代前半の新米兵士も多い」
「彼らは軍事経験が乏しく、クルスクは隠れ場のない大平原だけに、ドローン攻撃などで大量の戦死者が出る可能性がある」
と指摘する。
北朝鮮が派兵の見返りに要求するのは当然、半島有事の際の露軍の介入だ。
李教授は、金総書記が有事の緊迫状態の中で最も恐れる自分に対する米韓などの
「斬首(暗殺)作戦」
を出来なくする手助けをロシアに縋(すが)ろうとする―とみる。
既に北朝鮮は大量の砲弾や弾道ミサイルをロシアに送っているが、喉から手が出るほどロシアから欲しいのは、日米韓に重大脅威となる原子力潜水艦や偵察衛星などの高度な技術だ。
李教授は
「これらの軍事技術は派遣された兵士の死傷者数に応じて供与されるのでは」
との見方を示す。
露朝密約の裏では北朝鮮兵の夥しい死傷者の発生が予想されるが、プーチン氏にとっては日々1200人超とされる自国の戦死者数を減らせ得るあり難い
「弾除(よ)け」
だ。
金氏にとっては
「兵士手当1人当たり年間450万円、戦死保険1千万円の契約を露側と交わしており、年間ざっと1千億円分もの外貨がそっくり、自分1人の懐に入る」(李教授)。
派遣兵は
「金づる」
だ。
兵士がたまたま生還すれば、ドローン戦など近代戦の実体験は半島有事に利用できるメリットもある。
哀れなことに、派兵家族には一銭も支払われないどころか、情報漏れ封じのため、家族ごと
「隔離」
「移住」
を強制されている。
ウクライナ側も千載一遇の
「脱北」
機会を得た兵士に多額の金銭で
「投降」

「韓国亡命」
を呼び掛ける心理作戦に着手する。
今日2024年11月5日に投票される米大統領選の結果を見据え、戦局をロシア有利に強引に転換させたい露朝連合軍の暴虐を世界は断じて許してはならない。
(論説委員)

北朝鮮兵1万人がロシア西部に到達、ウクライナ前線近くに配置か 米国が増派の動き監視
2024/11/5 7:18
https://www.sankei.com/article/20241105-5RHWER2F7ZNJZKJKI23NRCDGGQ/
米国務省のミラー報道官は2024年11月4日の記者会見で、北朝鮮兵約1万人がロシア西部クルスク州に到達したと分析していると述べた。
同州ではウクライナが越境攻撃を続けており、当初ロシア入りした北朝鮮兵のほぼ全てが前線近くに配置されたとみられる。
国防総省のライダー報道官は、ロシアに派遣される北朝鮮兵が総勢1万1000〜1万2000人になるとの見解を示した上で、北朝鮮が更に増派するかどうかを
「注意深く監視する」
と話した。
ブリンケン国務長官は2024年10月31日、ロシア入りした北朝鮮兵は約1万人で、うち最大8000人がクルスク州入りしたと説明。
前線に投入するため、ロシアが基礎的な歩兵訓練を施しているとしていた。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

国連、北朝鮮の派兵に懸念 「紛争の国際化回避を」
2024/11/4 10:14
https://www.sankei.com/article/20241104-N6OFIOB6NFIIZINKFONZGBZX3U/
国連のグテレス事務総長は2024年11月3日、北朝鮮がウクライナに侵攻するロシアに派兵したと伝えられていることに対して
「懸念」
を表明した。
「紛争の国際化を避けるため、あらゆる手段が取られなければならない」
と加盟国に求めた。
グテレス氏は報道官を通じた声明で、北朝鮮の派兵が事実で、戦闘に加わるとすれば
「危険な緊張激化だ」
と指摘。
国連憲章や国際法に基づいたウクライナ和平の実現を訴えた。(共同)

ロシア軍、ウクライナ東部要衝まで3キロに迫る ハリコフ州クピャンスク
2024/11/4 7:16
https://www.sankei.com/article/20241104-TFO6TD77CZP65PVKLWQY3BUJLE/
英紙ガーディアンは2024年11月3日、ロシア軍がウクライナ東部ハリコフ州の要衝クピャンスクまで約3キロ未満に迫ったと報じた。
ロシアは東部で攻勢を強めており、市長は2024年10月初旬から状況が劇的に悪化したと指摘。
高齢者を中心に約1400人が避難せずに市内にとどまっていると明かした。
クピャンスクは州都ハリコフやイジュムにつながる幹線道路が集まる。
ウクライナが2022年9月に奪還したが、再び制圧される恐れがある。
ロシア国防省は2024年11月3日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクの南東約15キロにある集落を制圧したと発表した。
またロシア内務省の報道官は2024年11月3日、ウクライナへの特別軍事作戦に参加する外国人3344人が今年2024年に入ってロシア国籍を取得したと発表した。
プーチン大統領は今年2024年11月1月、国防省と志願兵契約を結んだ外国人は、簡素な手続きでロシア国籍を取得できるとする大統領令に署名していた。(共同)

米戦争研究所、北朝鮮のウクライナ派兵で報告書 実戦経験を将来の紛争に応用 対中依存脱却の狙いも
2024/11/3 9:27
https://www.sankei.com/article/20241103-ZCNBYNGSOJMTNIDYJMGYJ4BPEA/
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は2024年11月2日までに、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアを支援するため部隊を派兵した戦略的狙いについて報告書を発表した。
朝鮮戦争以来となる通常戦争で得る最新の戦闘経験を、対韓国など将来の紛争に応用する目的があると分析。
北朝鮮の対露連携強化は中国への依存を弱めることになり、朝鮮半島を含むアジア太平洋地域の長期的安定を脅かすと警告した。
報告書は2024年11月1日付。
北朝鮮は、
「将来の戦争の性質を変える」
とされるウクライナ戦争への参戦が
「自国軍の重大な学習機会となる」
と認識したと分析。
背景として、北朝鮮軍は1953年の朝鮮戦争休戦以来、大規模な通常戦闘の経験がなく、
「韓国のような高度な敵国との近代戦に準備されていない」
と指摘した。
その上で報告書は、北朝鮮の部隊が西側の兵器供給を受けるウクライナ軍を相手に自らの兵器システムを試し、指揮統制、無人機操縦、電子戦の経験を積むことで
「朝鮮半島を含む将来の紛争で優位に立つ」
狙いがあると分析した。
報告書は、実際に北朝鮮軍が戦場で得る教訓を将来に生かせるかは、露軍司令部が北朝鮮の兵力をどのように利用するかで決まると指摘。
露軍が北朝鮮兵を
「大砲の餌食(弾除け)」
として使えば犠牲が膨らむのは確実で、北朝鮮政府が望むような教訓は十分に得られないとの見方も示した。
更にに報告書は、北朝鮮がロシアとの連携を強化することで
「中国への依存度を下げる」
思惑があるとも指摘。
中国政府の影響力が弱まれば、北朝鮮の攻撃性を制御できず、朝鮮半島を不安定化し、より広いアジア太平洋地域を危険にさらす可能性があると分析した。
一方、北朝鮮にとりロシアからの見返りには、核開発計画の進展に加え、
「朝鮮半島で紛争が起きた際にロシアの軍事的関与を確かにしたい」
思惑もあるとしている。

ウクライナの首都キーウに無人機攻撃、高層の集合住宅が損傷 ロシア機が連日飛来
2024/11/2 19:59
https://www.sankei.com/article/20241102-3SOA7FQXEFOG3G4BU37RTSV3YE/
ウクライナの首都キーウ(キエフ)で2024年11月2日朝、ロシア軍の無人機攻撃があった。
ウクライナメディアによると、高層の集合住宅で火災が発生して一部が損傷、少なくとも1人が負傷した。
キーウには最近、連日のようにロシア無人機が飛来している。
第2の都市、東部ハリコフでは2024年11月1日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、地元当局によると、警察官1人が死亡し、警察官や民間人を含む40人以上が負傷した。
一方、ロシア国防省は2024年11月2日、ウクライナ東部のハリコフ州とドネツク州で、それぞれ1集落を制圧したと発表した。(共同)

日本提出の核廃絶決議を国連委採択 「扇動的威嚇の自制」要請、ノーベル賞の被団協に言及
2024/11/2 18:12
https://www.sankei.com/article/20241102-7BNKELD7RFL4BJ6SCDWOJMWFPM/
国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は2024年11月1日、日本が提出した核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。
ロシアのウクライナ侵略や中東危機を巡り、核使用の恐れが強まる中、核保有国に対して
「核の不使用」

「扇動的な威嚇の自制」
を要請した。同種の決議採択は31年連続。
核保有国の米国を含む51カ国が共同提案国となり、英国など145カ国が賛成した。
反対はロシアと中国、北朝鮮、イランなど6カ国。
イスラエルやインド、パキスタン、フランスなど29カ国が棄権した。
決議は、今年2024年のノーベル平和賞受賞が決まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)について
「被爆の実相」
を長年伝えてきたと言及。
軍縮・不拡散教育に取り組むよう各国に求めた。
決議はまた、各国に対して、高濃縮ウランやプルトニウムなどの兵器用核分裂性物質(FM)の生産状況の透明性を高める措置を要請した。
北朝鮮の核・ミサイル計画の
「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄」
に向けて取り組むと再確認した。

ラブロフ露外相と崔善姫・北朝鮮外相会談で条約完全履行を確認 両国関係「新たなレベル」
2024/11/2 18:17
https://www.sankei.com/article/20241102-VHHSJU7CPFPMXOY3D2SECHLFHQ/
ロシア外務省は2024年11月2日、2024年11月1日に行われたラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相の会談結果を発表した。
両外相は、2024年6月にロ朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の条項を完全に履行すると確認。
条約は伝統的に友好な両国関係を
「新たなレベル」
に引き上げたと指摘した。
北朝鮮の朝鮮中央通信も2024年11月2日、両外相の会談結果を報道。首脳間の合意事項の実務問題を中心に協議したという。
ただロシアのウクライナ侵攻の支援など詳しい中身について言及はなかった。
朝鮮中央通信によると両外相は、米国を軸にした勢力による
「挑発行為」
が朝鮮半島や北東アジア、その他地域の緊張を高めているという認識で一致。
ロシア側は、金正恩朝鮮労働党総書記ら北朝鮮の指導部が取っている対応を
「全面的に支持する」
と表明した。
両政府間で対話を続け、関係強化を進める点でも合意した。(共同)

主張>北の派兵 侵略への加担は許されぬ
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/
ロシア入りした北朝鮮軍がロシア製の装備を受け取る様子を撮影したとする動画の一部=ウクライナ政府機関「戦略コミュニケーションセンター」のSNSから
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/photo/JXWBFHHEENJPHKAXSBBL73634U/
ウクライナ侵略を続けるロシアと、これを支持してきた北朝鮮の軍事協力が一段と進んでいる。
米国のブリンケン国務長官は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の将兵について
「数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入される」
との見通しを示した。
最大8000人の北朝鮮軍が、ウクライナが一部を占領する露西部のクルスク州に展開しているという。
北朝鮮軍の部隊がウクライナ領に侵入してくることも懸念されている。
これは北朝鮮が第2の侵略国になることを意味するもので断じて容認できない。
北朝鮮は直ちに派兵と武器弾薬の対露輸出を停止すべきだ。
国際社会は危機感をもち、一層の圧力を掛ける必要がある。
日本の山崎和之国連大使が国連安全保障理事会の緊急会合で
「北朝鮮がロシアによる侵略の共犯者になることはウクライナ情勢を更に悪化させる」
と非難したのは当然だ。
北朝鮮は2024年10月31日、新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本海に向けて発射した。
日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下させた。
通常よりも高角度のロフテッド軌道を取り、飛翔時間も高度も過去最高だった。
技術向上の裏にはロシアの協力があったとみられている。
露朝両国は2024年6月、有事の際の相互軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだ。
軍事同盟下の提携は急速に進み、北朝鮮はロシアに砲弾や弾道ミサイルを供給した。
60万人超とされるロシア兵の死傷者を補うため、軍の派遣にも踏み切った。
ロシアからの見返りが北朝鮮が切望していた高度な核・ミサイル技術の提供なのだろう。
北朝鮮の金正恩総書記は、朝鮮半島有事の際に、ロシア軍の加勢も望んでいると思われる。
露朝軍事協力の脅威は、日米韓とウクライナを含む欧州に及ぶことになる。
日本にとっては、台湾有事など南西方面での有事に直面する場合でも、北朝鮮に加え北方におけるロシアの脅威にも備える必要が高まった。
石破茂政権はこの厳しい現実を国民に説明すべきだ。
北朝鮮が通算7回目の核実験に踏み切るとの観測もある。
一層の警戒が欠かせない。

ロシア派兵で白日の下にさらされる北朝鮮の特殊部隊「暴風軍団」
久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ
2024/11/2 1:00
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/
10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/photo/WJS4SVY6UNKUNIR5I5FWTEAO5I/
北朝鮮がロシアに派兵した部隊が露西部クルスク州で活動を始めた。
北朝鮮の参戦でウクライナ侵略は多国間紛争に拡大し、新たな局面に入った。
これに神経を尖らせているのが韓国だ。
北大西洋条約機構(NATO)や米国と緊密に協議してウクライナに専門家のモニタリング団を派遣し、ウクライナへの軍事支援も段階的に強化する方針だ。
1万人を超す北朝鮮兵は今後、捕虜や脱走者が見込まれ、韓国はこの機会に北特殊部隊の実態把握を試みる。
韓国軍が北朝鮮兵を尋問する可能性もある。
■北朝鮮兵の脱走誘導作戦も
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、
「数日中に北朝鮮軍が戦闘に加わる」
との見通しを示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領と2024年10月29日に電話会談した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は
「韓国とウクライナは露朝軍事密着の直接的な利害当事者」
だとして、緊密な協力を約束した。
韓国は
「北朝鮮が実戦で得た経験を100万人を超す北朝鮮軍に習得させた場合の脅威」(尹氏)
に危機感を持っている。
韓国はブリュッセルのNATO本部で2024年10月28日に行われたNATOの意思決定機関、北大西洋理事会に代表団を送り、
「北派兵問題」
の協議に参加した。
代表団は情報機関、国家情報院(国情院)の高官が団長を務め、韓国軍の情報部長らも加わった。
韓国とNATOの情報共有や作戦の検討など、協力関係は既に始まっている。
こうした韓国側の対応について、朝鮮半島の安全保障問題に詳しい道下徳成政策研究大学院大学教授は
「韓国にとっては、またとないチャンスだ」
「北朝鮮の特殊部隊が実戦の場に出てきており、その実態に迫ることが出来る」
「捕虜も脱走兵も出る可能性が高い」
「韓国は彼らの尋問をしたいはずで、情報の宝の山だ」
と指摘する。
戦線を離脱した北朝鮮兵は原則的には
「戦争捕虜」
だが、独裁国家への帰還を拒否して韓国行きを希望する可能性もある。
北朝鮮が派兵した部隊は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭の特殊部隊
「第11軍団」
とされる。
有事に敵地に浸透する特殊任務を担うとされ、暴風軍団の実態把握は韓国軍にとって垂涎の的なのだ。
韓国が検討している
「モニタリング団」
は軍人・軍属の専門家で構成される予定で、尋問要員の他に対北心理戦要員も含まれるという。
南北分断以来、北朝鮮との心理戦を戦ってきた韓国には、北朝鮮兵を部隊から離脱させる誘導作戦の専門家がいる。
脱走誘導に関してはウクライナ国防省情報総局も
「北朝鮮兵が戦闘に投入されれば前線で朝鮮語のビラをまく」(同局報道官)
と明言している。
一方、韓国政府は北朝鮮の対露協力の動向を見定めながらウクライナ支援を変更し、
「推移に応じて段階的な対応措置を取る」(韓国大統領府の金泰孝=キム・テヒョ=国家安保室第1次長)
との方針に転換した。
これまでは
「戦闘地域に武器を提供しない」
との原則を順守し、支援は人道レベルの軍需物資にとどめていた。
だが、今後は段階に応じ、防空システムや地雷散布装置などの防御的兵器から、最終的には戦闘機を迎撃する地対空ミサイル
「天弓(チョングン)1」
「天弓2」
などの供与も検討されている。
■韓国情報機関の心理戦
北朝鮮の派兵問題は2024年10月17日、ゼレンスキー氏が
「北朝鮮が1万人の派兵を準備している」
と述べて注目された。
しかし、遡れば昨年2023年夏、ロシアのショイグ国防相(当時)が北朝鮮の朝鮮戦争
「戦勝記念日」
に露国防相として初めて訪朝して以来、
「プーチン大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に派兵を要請か」
と取り沙汰されてきた。
そしてこの動きを警戒してきたのが韓国の国情院だった。
国情院は現在、
「北派兵」
に関する情報を異例の頻度で内外に公表している。
公表はゼレンスキー氏発言の翌日からで、
「北朝鮮特殊部隊が既に派兵された」
として、具体的に
「露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻が2024年10月8日から13日にかけ、北朝鮮の清津(チョンジン)、咸興(ハムフン)、舞水端(ムスダン)近郊地域から特殊部隊1500人をロシアのウラジオストクに第1次移送した」
と発表し、人工衛星による写真も提供した。
その後も人的情報や衛星情報、通信傍受などを含む機密レベルの情報も意図的に出している。
国情院はまた、人的動向の分析も盛んに行っている。
派兵部隊の総括指揮のためロシア入りが取り沙汰されている軍要人で金氏の側近でもある朝鮮人民軍のキム・ヨンボク副総参謀長の動向について、
「キム副総参謀長を含む先発隊が戦線に移動中という情報があり確認中」
と2024年10月29日に国会に報告、2024年10月28日から訪露してラブロフ外相と会談する崔善姫(チェ・ソンヒ)外相についても
「金氏の訪露や追加派兵とその見返りを協議する可能性がある」
との情報を出した。
こうした国情院の動き自体も実は
「対北作戦」
の一環とみられている。
米国がロシアのウクライナ全面侵攻の前後に露軍の情報を積極的に公表した
「戦略的機密解除」
と呼ばれる心理戦と同じで、敵に
「我々はここまで知っている」
と開示して相手に不安を与え、同時に同盟国の結束を図る目的とされる。
一方、北朝鮮にとり、派兵はどんな意味を持つのか。
道下氏は
「北朝鮮に大きなリスクをもたらす」
と分析する。
北朝鮮の特殊部隊の規模は10万人から20万人とされるものの、ほとんどは軽歩兵で精鋭部隊は約1万人と推定されており、その中核部隊がどれほどの能力を発揮出来るかが国際社会に一目瞭然となるからだ。
また、一連の動きは
「南北の情勢を更に不安定にさせるだろう」
と道下氏は指摘する。
派遣された北朝鮮兵は10〜20代の若者で
「弾除(よ)けに過ぎない」
との指摘や、北朝鮮当局が動揺を警戒してか派兵軍人の家族を隔離、管理し始めたとの国情院情報もある。
派遣部隊が実戦に投入されれば、その実態は早晩、明らかになる。

「軍事同盟」条約を「既に履行」 露朝外相、会談で結束強調 北朝鮮軍参戦には言及せず
2024/11/1 21:02
https://www.sankei.com/article/20241101-HM3VMPLQZNLANOYD325GXK7H6Y/
ロシアのラブロフ外相は2024年11月1日、訪露中の北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相とモスクワで会談した。
ラブロフ氏は会談冒頭で
「露朝間には軍同士の緊密な交流が確立されている」
「これは両国民の安全に関わる重要な問題の解決を可能にする」
と指摘。
露朝が2024年6月に締結した事実上の軍事同盟条約
「包括的戦略パートナーシップ条約」

「既に履行され始めている」
とも述べ、両国の結束を強調した。
タス通信が伝えた。
崔氏は、ロシアによる対ウクライナ軍事作戦の開始当初から、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が露軍と露国民を全面的に支援するよう命じてきたと指摘。
北朝鮮はロシアの
「戦勝」
を疑わず、
「最後までロシアの朋友の隣に立ち続ける」
と表明した。
両外相の発言は、直接的な言及こそ避けたものの、ウクライナ侵略を続けるロシア側での北朝鮮軍の参戦を念頭に置いたものである可能性がある。
また、崔氏は
「北朝鮮は核戦力の増強を続ける」
とも述べ、ロシア側に理解を求めた。
一方、ペスコフ露大統領報道官は2024年11月1日、北朝鮮軍が近くウクライナ軍との戦闘に参加するとの観測が出ていることについてコメントを拒否した。

米国務長官「数日内に」北朝鮮兵とウクライナ軍が戦闘 「軍事目標になる」と警告
2024/11/1 20:50
https://www.sankei.com/article/20241101-YJBRZG6ODZMCTDSKKYHSDHK6QI/
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、ウクライナ侵略を続けるロシアに派遣された北朝鮮兵が
「数日以内に」
ウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
ワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領も北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との認識を示しており、ロシアのウクライナ侵略は新たな局面に入る。
ブリンケン氏は、ロシアに北朝鮮兵約1万人が派遣され、うち8000人がウクライナと国境を接する西部クルスクにいると説明。
ロシアが砲撃や無人機の運用など基本的な歩兵訓練を北朝鮮兵士に実施しており、近く前線に投入される可能性を指摘した。
投入されれば北朝鮮兵は
「軍事目標になる」
と警告した。
ゼレンスキー氏は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、北朝鮮兵は
「戦闘参加の準備をしている」
と語った。
戦闘では北朝鮮兵が
「ロシア兵よりも前面に押し出される」
可能性を指摘し、多数の犠牲者が出るとの見方も示した。
米国は北朝鮮の派兵などを巡り中国と高官協議を実施。
ブリンケン氏は会見で、北朝鮮の動きを抑えるため中国に影響力を行使するよう伝えたことを明らかにした。
またブリンケン氏は、北朝鮮が派兵の見返りとしてロシアから技術供与などの軍事支援を受けることへの懸念を表明。
北朝鮮の軍事力強化は
「地域を大きく不安定化させるもので、中国にとっても懸念になる」
とし、中国に対応を促した。

北朝鮮「露勝利まで共に」 外相会談で両国の緊密な関係をアピール
2024/11/1 20:13
https://www.sankei.com/article/20241101-RK5GUL6URZK65MI2FDDZ74YH6A/
ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相が2024年11月1日、モスクワで会談した。
ウクライナに侵攻するロシアへの北朝鮮兵の派遣情報に米欧や韓国が警戒を高める中、崔氏は会談冒頭
「ロシアが勝利するまで我々は断固としてロシアの同志と共にある」
と述べた。
ラブロフ氏は
「軍や治安機関の間で非常に緊密な接触が行われている」
とし、両国の重要な安全保障問題の解決に寄与していると表明。
露朝関係は
「過去に前例のない高いレベルに到達した」
と評価した。
公開された会談冒頭では兵士派遣について言及はなかった。
会談では2024年6月に露朝の首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の具体的な履行方法や、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の今後の訪問予定などが話し合われたとみられる。
金正恩氏を巡っては早期のロシア訪問の観測が浮上している。(共同)

露朝同盟で東アジア同時危機も 北のウクライナ派兵、核・ミサイル関連の移転阻止が急務
2024/11/1 19:00
https://www.sankei.com/article/20241101-I6HFZRCC5BKATJB5DOK4AFJEQQ/
北朝鮮がウクライナ侵略戦争に軍部隊を派遣したことが確認された。
ロシアと北朝鮮の同盟関係が深まっていることを意味し、東アジアの安全保障に与える影響は大きい。
今後、朝鮮半島で武力衝突が起きた場合にはロシアが北朝鮮側で参戦することが理論的にあり得る。
露朝が台湾有事の際に中国を利する行動を取る可能性もある。
最悪のシナリオは、東アジアの危機が同時に発生する複合的な事態だ。
■北朝鮮は露の見返りを期待
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、約1万人の北朝鮮兵がロシアに派遣され、うち最大で8000人はウクライナの越境作戦が続く露西部クルスク州にいると明らかにした。
露朝は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結した。
条約には侵攻を受けた場合の軍事援助が盛り込まれており、今回の派兵はこれを具現化する動きだ。
北朝鮮は昨年2023年以降、大量のミサイルや砲弾をロシアに供与しており、ロシアが戦線で使用している砲弾の半数は北朝鮮製だと推定されている。
兵員までも送り込むことで、ロシアからの見返りを確かなものとする狙いが北朝鮮にはある。
最近の露軍には1日平均で1200人以上の死傷者が出ており、ロシア側には兵員の補充が難航している実情がある。
「北朝鮮兵はロシアの武器や現代戦に習熟しておらず、派兵がウクライナ戦況に与える影響は限定的だろう」。
露観測筋はこう指摘しつつ
「ロシアが見返りとして北朝鮮に核関連技術を渡すことが危惧される」
と話す。
■露朝への制裁強化が急務
対北制裁に関する国連専門家パネルで委員を務めた古川勝久氏は
「北朝鮮が最も期待しているのは、朝鮮半島有事の際にロシアが軍事介入する可能性を高めることだ」
とみる。
そうすれば米国が半島有事に軍事介入するのを躊躇わせることが出来る。
古川氏によれば、ロシアから北朝鮮に渡ることが危惧される核・ミサイル関連の技術は多岐に渡る。
高濃縮ウランの増産や原子力潜水艦の建造、大気圏再突入が可能なミサイル弾頭や固体燃料の製造、ミサイルの姿勢制御や誘導システムの改善−などで北朝鮮は様々な技術や資機材を必要としているという。
露朝に対する国際制裁の拡大・強化が急務だ。
「一連の露朝の行動は明白に国連安保理決議違反であり、両国への制裁は今や全国連加盟国の義務だ」
「グローバルサウスにも説明し、1カ国でも多く西側主導の制裁に加わるよう日本も率先しなければならない」。
古川氏はこう述べ、
「露朝国内の制裁対象と取引関係を持つ第3国の個人や企業にも、安保理決議に従って取引禁止や出入国禁止などの『二次制裁』措置を厳しく課すべきだ」
と指摘する。
「北朝鮮への軍需物資や金の流れはある程度、把握されている」
「北朝鮮の軍事力を削ぐために、大量の外国製欠陥品を密輸ルートに流し込む『積極的妨害工作』を展開すべきだ」
「露朝が決済に使う暗号通貨の交換所や中国の中小金融機関にも手を打たねばならない」。
古川氏はこうしたことも提言している。

露朝「同盟化」でウクライナ戦争と東アジア情勢がリンク 兵頭慎治・防衛研究所研究幹事
2024/11/1 17:44
https://www.sankei.com/article/20241101-FRT7VL34Z5IC5F4FVLZ2YSVMQA/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮兵が派遣され、米国やウクライナ当局は数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
防衛研究所の兵頭慎治・研究幹事は、
「欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクした」
と指摘。
露朝
「同盟化」
により、東アジアの安全保障環境が更に複雑化すると警鐘を鳴らす。

露朝が砲弾やミサイルの供与から兵士の派遣へと軍事協力の水準を引き上げた狙いは、実利的な相互協力と戦略的な対米牽制の強化だろう。
北朝鮮は派兵の見返りに、
「国防5カ年計画」
で掲げたミサイルや原子力潜水艦、あわよくば核兵器の関連技術などをロシアから引き出す狙いがあるとみられる。
ウクライナで得られる実戦経験と兵器改良が、今後の軍事力向上に結び付くことも期待しているだろう。
露朝両国は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結したが、プーチン露大統領が
「同盟」
という表現を用いないなど温度差がみられた。
北朝鮮は今回の派兵で、有事の軍事支援を定めた条約の実効性を高めながら、米韓に対してロシアが軍事的後ろ盾だと印象付けようとしている。
ロシアとしても、将来的な北朝鮮への軍事技術支援や朝鮮半島有事への関与を示唆することで、米国のウクライナ支援を牽制できる。
警戒すべきは、中国を交えた3カ国の連携に発展することだ。
そうなれば、東アジアで有事が同時・連鎖的に起きる
「複合事態」
が現実味を帯びる。
中露両軍は日本周辺の空や海で共同活動を活発化させており、2024年9月に露軍が実施した大規模な海軍演習に北朝鮮はオブザーバー参加した。
露朝接近と距離を置く中国に対して、ロシアは露中朝3カ国による合同海軍演習を提案していると韓国側は指摘する。
露朝
「同盟化」
により、欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクしてしまった。
東アジアの安全保障環境が更に複雑化することが懸念され、日本も新たな対応を検討する必要に迫られるのではないか。

北朝鮮兵との交戦「数日内」ゼレンスキー氏、犠牲多数と指摘 米国務長官も「標的」と警告
2024/11/1 7:34
https://www.sankei.com/article/20241101-RWLEDGE2FJK3DHEQGKSUNHWP64/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、ロシアに派遣された北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との見方を明らかにした。
ブリンケン米国務長官も同様の認識を示し、北朝鮮兵が戦場に入れば、ウクライナ軍の
「正当な軍事標的」
になると警告した。
ゼレンスキー氏はウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州に北朝鮮兵の一部が入っているとして
「戦闘参加の準備をしている」
と述べた。
「北朝鮮兵はロシア兵よりも前面に押し出される」
とし、多数の北朝鮮兵が犠牲になるだろうと指摘。
今後はウクライナ国内にも北朝鮮兵が投入されるとの見通しを語った。
ブリンケン氏はワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で、既に約1万人の北朝鮮兵がロシア入りしていると説明。
このうち最大8000人がクルスク州にいるとした。(共同)

ウクライナ、北朝鮮派遣軍の3人の将軍名を国連に報告 士官500人もロシア入り
2024/10/31 21:00
https://www.sankei.com/article/20241031-76WY3DKLMRKI7GTQDND7NBQMVY/
ウクライナのキスリツァ国連大使は2024年10月31日までに、ロシアに派遣された北朝鮮軍を率いる将軍3人について国連に報告した。
朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長、リ・チャンホ副総参謀長兼偵察総局長(同局は情報機関に相当)、シン・グムチョル少将という。
国営通信社ウクルインフォルムなどが伝えた。
ウクライナ軍筋によると、キム氏が派遣軍の統括役を担う。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに派遣された北朝鮮兵は約1万2000人。
将軍3人に加え、士官約500人が含まれているとしている。
キスリツァ氏は2024年10月30日の国連安全保障理事会の緊急会合で、北朝鮮兵は露軍の少数民族出身者で構成される部隊に組み込まれ、2024年11月にもウクライナ軍と戦う作戦に参加する可能性があるとして危機感を示した。(共同)

ウクライナ第2の都市ハリコフで子供1人死亡、30人以上負傷 ロシアが滑空爆弾攻撃か
2024/10/31 16:21
https://www.sankei.com/article/20241031-QXYCR3VYXVOPDK4EY6CBL2GXJI/
ウクライナ第2の都市、東部ハリコフで2024年10月30日夜、ロシア軍の攻撃があり、地元当局によると、子供1人が死亡し、30人以上が負傷した。
威力の強い滑空爆弾が使われたとみられ、9階建ての建物の下部が大きく損傷した。
ロシア国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州を南北に流れるオスコル川東岸の集落クルフリャキウカを制圧したと発表した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月30日までに、ロシア西部クルスク州に北朝鮮兵が派遣されたことについて
「戦争の新たなページが開かれた」
として新局面に入ったとの考えを示した。
「プーチン大統領は我々を試している」
「強力に対抗する必要がある」
と述べた。
ウクライナ大統領府が2024年10月30日、北欧メディア各社とのインタビューの動画を公表した。(共同)

国連安保理、北朝鮮大使がウクライナ参戦を示唆 米「北の兵士は『遺体袋』に入って戻る」
2024/10/31 10:50
https://www.sankei.com/article/20241031-6XYKIFWS3FN5XJ3GEGCCEGILNU/
国連安全保障理事会は2024年10月30日、北朝鮮のロシア派兵を巡る緊急会合を開いた。
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使がウクライナへの参戦を示唆し、米国のウッド国連次席大使が
「北朝鮮兵は『遺体袋』に入って戻る」
と強い言葉で応酬するなど緊迫した。
金氏は会合で、
「ロシアの主権と安全保障上の利益が、米国や西側諸国の危険な試みに脅かされれば、必要な決断を下す」
と対決姿勢を鮮明にした。
ウッド氏は、ロシアを支援するためウクライナに侵入した北朝鮮兵は
「必ず遺体袋に入って戻ることになる」
と応じ、北朝鮮の金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党総書記を名指しし、
「無謀で危険な行動はよく考えるように」
と忠告した。
ウッド氏は、ロシアが、西部クルスク州を越境攻撃するウクライナ軍との戦闘に北朝鮮兵を加えることを懸念し、ロシアに自制を促した。
北朝鮮の支援を受けたロシアのウクライナでの勝利は
「たとえ部分的であっても、世界の安定を危うくさせる」
と強調。
「何が何でもウクライナを守る」
と固い決意を示し、ロシアに完全撤退を強く迫った。
日本の山崎和之国連大使は、北朝鮮は
「ロシアの侵略の共犯」
になっていると非難。
英国のウッドワード国連大使は
「北朝鮮が派兵や軍事支援の見返りにロシアから高い対価を引き出すのは確実だ」
と語り、その結果として
「朝鮮半島の緊張が高まり、インド太平洋地域の安全保障が損なわれる」
と危機感を示した。
会合では、北朝鮮の派兵や軍事支援は安保理決議や国際法に反するとの批判が相次いだ。
ロシアのネベンジャ国連大使は、北朝鮮との軍事分野などでの協力は
「国際法に沿っており、違法ではない」
と主張した。

米国防長官が韓国国防相と会談、北朝鮮軍のウクライナ参戦「紛争の長期化・拡大の可能性」
2024/10/31 9:39
https://www.sankei.com/article/20241031-TREM3FPUCFO4HHWXFV464UX3B4/
オースティン米国防長官と韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月30日、米国防総省で会談し、ウクライナに侵略を続けるロシアを支援するため北朝鮮が派兵した問題を協議した。
記者会見でオースティン氏は、北朝鮮兵が露軍の制服と装備を支給されたとし、戦闘に参加すれば
「紛争を長期化・拡大させる可能性がある」
と述べ、即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮部隊が既に露東部に派遣されたと指摘。
一部はウクライナ国境に近い露西部クルスク州での戦闘に参加する可能性が高いとし、米国や同盟諸国が供給した武器を使うウクライナ軍に殺害される可能性にも言及した。
オースティン氏はまた、北朝鮮軍の参戦が
「他国に行動を起こすよう促す可能性もある」
「多くの事が起こり得る」
と述べ、他国の参入を招いて侵略が一段と複雑化する危険性を指摘。
欧州とインド太平洋地域の安全保障に重大な悪影響を及ぼすと訴えた。
一方、金氏は、北朝鮮が派兵の見返りにロシアから戦術核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦などの技術提供を求める可能性があるとし、朝鮮半島の軍事的脅威が一段と高まると訴えた。
金氏は、北朝鮮兵の展開に関する情報を収集し分析するために、韓国の軍事監視チームをウクライナに派遣することも検討していると述べた。

ドネツク州ポクロフスクを「封鎖」 市当局が発表 ロシア軍接近で防衛準備
2024/10/31 8:48
https://www.sankei.com/article/20241031-XTGH75V4JFIMHOZQD5OYRW7UEY/
ロシアによるウクライナ侵略で、最激戦地である東部ドネツク州の都市ポクロフスクのドブリャク市長は30日、露軍が同市まで約7キロの距離に迫っているとし、防衛の準備に向けて同市を「封鎖」すると発表した。ウクライナメディアが伝えた。ドブリャク氏は2024年10月、ドネツク州のウクライナ軍の重要防衛線の一角であるポクロフスクを巡る攻防戦が近く始まるとの認識を示した形だ。
ドブリャク氏によると、防御拠点を構築中の地区への住民の出入りを禁止する他、住民避難を進める。
市内には現在、子供55人を含む住民約1万2000人が残っているという。
ポクロフスク方面を巡っては、露国防省が2024年10月29日、近郊の小都市セリドボを制圧したと主張。
露軍が近く本格的なポクロフスク制圧に乗り出すとの観測が出ている。
ドネツク州全域の掌握を狙う露軍は現在、ポクロフスクの他、チャソフヤルやリマンなど複数の方面で攻勢を継続。
ウクライナ軍の防衛線を突破し、同州の主要都市クラマトルスク方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、露国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州クピャンスク方面の集落クルグリャコフカを制圧したと主張した。
同集落を巡ってはウクライナ国防省が2024年10月中旬、露軍を集落内から駆逐したと発表していた。

北朝鮮のロシア参戦「極めて可能性高い」 米韓国防相が撤収を要求、他国への影響を懸念
2024/10/31 7:21
https://www.sankei.com/article/20241031-4CVDB37TN5MI3J3LN5H2VIGXBQ/
オースティン米国防長官と韓国の金龍顕国防相は2024年10月30日、ワシントン近郊で会談し、共同記者会見を開いた。
オースティン氏は、北朝鮮兵がウクライナに侵攻するロシアを支援するため、戦闘に加わる可能性が
「極めて高い」
と分析し、強い懸念を示した。
両氏は北朝鮮兵に即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮兵が既にロシア東部に派遣され、ロシアの軍服を着てロシアの装備品を使っていると指摘。
北朝鮮兵が戦闘でロシアを支援すれば
「米国や同盟国が提供した武器を使うウクライナ軍の標的にされ、何人かは戦場で死ぬことになる」
と警告した。
北朝鮮の参戦が
「紛争を長引かせたり、拡大させたりする可能性がある」
とし、
「他の国が行動を起こすことを促す可能性もある」
「起こり得る事はいくつもある」
と述べた。(共同)

北朝鮮外相がモスクワ入り、ラブロフ氏と会談へ パートナーシップ条約に基づく協力協議か
2024/10/30 23:27
https://www.sankei.com/article/20241030-WDJVWBGCFZJXNHWFM45VIBBYDY/
北朝鮮の崔善姫外相が2024年10月30日、ロシア公式訪問のためモスクワ入りした。
ラブロフ外相と会談予定。
2024年6月に露朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の批准手続きがロシア国内で2024年11月中に終了する見込みで、条約に基づく協力を協議する可能性がある。
米国や韓国などは北朝鮮兵がロシア西部に入ったと主張し、露朝の接近に警戒を強めている。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による早期ロシア訪問の観測が浮上しており、話し合われる可能性もある。
ロシア大統領府によると、崔氏はプーチン大統領との会談予定はない。
崔氏は2024年9月にもロシアを訪問し、ラブロフ氏と条約に沿った両国関係の発展について意見交換した。(共同)

「北朝鮮軍、25日にウクライナ部隊と交戦…一人を除いて全員戦死」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.10.30 08:340 글자 작게
https://japanese.joins.com/JArticle/325574
ロシアに派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍と初めて交戦し、1人を除いて全員戦死したという主張が提起された。
リトアニア非政府組織(NGO)「ブルー・イエロー」の代表を務めるジョナス・オマーン氏は2024年10月28日(現地時間)、現地メディアLRTインタビューで消息筋の話として
「2024年10月25日、ウクライナ軍が占領中のロシア西部クルスク地域で既に北朝鮮軍と初めての戦闘が起きた」
と主張した。
ブルー・イエローは2014年からウクライナ軍を支援してきた団体で、ウクライナの意思決定権者だけでなく最前線情報にもアクセスすることできるという。
オマーン代表は
「私が知っている限り、ウクライナ部隊と北朝鮮軍の初交戦で北朝鮮軍のうち1人を除いて全員死亡した」
とし
「生存した1人はブリヤート人という書類(身分証)を持っていた」
と話した。
ブリヤート人は、モンゴル北部のロシア・ブリヤート共和国に居住するモンゴル系原住民だ。
ロシアが北朝鮮軍将兵に同地域の身分証を発給し、自国民に偽装するのではないかという観測が出たことがある。
オマーン代表は今回の北朝鮮軍派兵と関連して
「派兵人材が8万8000人まで増える可能性があるという話を聞いた」
とし
「北朝鮮軍を船舶や航空機で運ぶ基地が4カ所ある」
と主張した。
一方、ウクライナ情報当局は自国軍が2024年8月6日に侵攻し、一部地域を占領中のロシア本土クルスクで2024年10月23日に北朝鮮軍が目撃されたと明らかにした。
ただ、北朝鮮軍と交戦したとか、戦場で肉眼で確認したという公式証言は出ていない。

ウクライナ、米国にトマホーク要求か 米NYT紙報道 射程はATACMSの7倍超
2024/10/30 10:05
https://www.sankei.com/article/20241030-KG5J4TU33FMSHEKMH625HIDRFE/
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年10月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領が対ロシア戦争の
「戦勝計画」
を米国側に示した際、長射程の米国製巡航ミサイル
「トマホーク」
の供与を求めたと報じた。
米当局者の話としている。
同紙によると、トマホークの射程は約2400キロ。
米国がウクライナに供与した射程300キロの地対地ミサイル
「ATACMS」
の7倍以上で、ウクライナ領内から発射すると、モスクワやロシア中部の都市も射程に入る。
米当局者は、全く実現不可能な要求だとして、勝利計画に憤りを示したという。
計画には、勝利に必要な兵器の数量や種類に関するリストが盛り込まれているが、詳細は公表されていない。(共同)

北朝鮮兵がウクライナ入りか CNN報道 バイデン大統領「反撃すべき」
2024/10/30 7:23
https://www.sankei.com/article/20241030-Q6EAWEFEDJLA7GUSP7YWV6U2TA/
米CNNテレビは2024年10月29日、少数の北朝鮮兵がウクライナ国内に入ったと報じた。
西側当局者2人の話としている。
ロシアに派遣された北朝鮮兵の一部の可能性がある。
ウクライナのどこに入ったのかは不明。
当局者の1人は
「相当数が活動を開始しているようだ」
と語った。
活動の詳細には言及していない。
CNNによると、米当局者は北朝鮮兵のウクライナ入りを確認していないと述べた。
バイデン大統領は2024年10月29日、北朝鮮兵がウクライナに入ったなら、ウクライナは反撃すべきだと記者団に述べた。
ロシアに派遣された北朝鮮兵は極東で訓練を受けた後、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に向かったとされる。
ゼレンスキー大統領は2024年10月29日、韓国の尹錫悦大統領との電話会談で、北朝鮮兵3000人が既にウクライナ国境近くに配置され、今後約1万2000人に達する見込みだと伝えていた。(共同)

ロシアが戦略核演習実施、プーチン氏「臨戦態勢が重要」 ウクライナと欧米を威圧
2024/10/29 23:01
https://www.sankei.com/article/20241029-PPA2GGVROZODFKWFYHWTOEPZZI/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月29日、戦略核兵器の発射を想定した露軍の演習にリモート形式で参加した。
プーチン氏は訓示で、核兵器の使用は最終手段であるとする
「ロシアの原則的立場」
を確認した一方、
「地政学的緊張や新たな外部からの脅威を考慮すれば、現代的で常に臨戦態勢にある戦略軍を保持することが重要だ」
と表明した。
ウクライナ侵略を続けるロシアは核兵器を使用する可能性を排除しないことで、ウクライナや同国を支援する欧米諸国を威圧し、抗戦を断念させたい思惑だとみられる。
プーチン氏によると、演習は核弾頭を搭載する弾頭ミサイルや巡航ミサイルの発射手続きに携わる人員の習熟を目的として実施された。
露国防省は2024年10月29日、演習の一環として、北西部プレセツク宇宙基地から極東カムチャツカ半島の標的に大陸間弾道ミサイル(ICBM)
「ヤルス」
を発射したと発表。
バレンツ海とオホーツク海でも戦略原潜が弾道ミサイルを発射した他、戦略爆撃機による巡航ミサイルの発射も行われたとした。
ロシアは2024年5月以降、戦術核兵器の発射や使用の習熟に向けた演習を実施。
更にプーチン氏は2024年9月、核兵器の使用指針を定める国家文書
「核抑止力分野における国家政策の基礎」
を改訂し、事実上、核使用のハードルを引き下げる方針を示していた。

北朝鮮兵力3000人が戦闘地近くに展開 韓国大統領、ウクライナに攻撃兵器供与も示唆
2024/10/29 20:23
https://www.sankei.com/article/20241029-2ICLZID7ZZNSRKR7C3P4YMMZOM/
ウクライナのゼレンスキー大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月29日、電話会談し、北朝鮮のロシア派兵を巡る対応策を協議した。
ゼレンスキー氏は、戦闘地域近くのロシアの訓練拠点に北朝鮮の兵力約3000人が配置されたとの情報を伝え、駐屯規模は約1万2000人まで増えるとの見通しを示した。
尹氏は北朝鮮の部隊が戦場に投じられるなどした場合、
「実効的、段階的な対応措置を取っていく」
と述べ、今後の攻撃用兵器供与の可能性も示唆した。
現代戦の経験が乏しい北朝鮮が
「実戦で得た経験を朝鮮人民軍全体に習得させれば、韓国の安全保障に大きな脅威となる」
とも強調した。
両首脳は、具体的な協力策を協議するため、近く相互に代表団を派遣することで一致した。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、朝鮮人民軍の高級将校を含む一部の兵力が前線に移動している可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
露メディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日、ロシア公式訪問のため、極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワで露外務省高官と会談する。
国情院は、崔氏がロシアとの協議で追加派兵や見返りなどに関して協議するとの見方を報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になる可能性がある。

ロシア軍が歴史的建築「デルジプロム」の一部破壊 ウクライナ東部ハリコフを攻撃
2024/10/29 18:56
https://www.sankei.com/article/20241029-4HOXJB2IVFJ4HN2OP4PT7YV33M/
ロシア軍は2024年10月28日、ウクライナ東部ハリコフ市中心部を誘導爆弾で攻撃し、1920年代に完成した歴史的建造物
「デルジプロム」
の一部を破壊した。
旧ソ連で最初の高層建築とされ、第2次大戦中のナチス・ドイツの占領下にあっても大きく破壊されなかったことで知られる。
ハリコフは1934年まで旧ソ連ウクライナ共和国の首都。
当時、デルジプロムに多くの行政機関が置かれた。
2017年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産への暫定リストに記載された。
ウクライナ当局によると、2024年10月28日夜から29日未明にかけてのハリコフ市への攻撃で、4人が死亡し複数の負傷者が出た。
また、ロシア軍が2024年10月に制圧した面積は約478平方キロに達し、月間としては侵攻開始直後の2022年3月以降、最大となった。
フランスメディアが米戦争研究所のデータを基に分析した。
東部ドネツク州ポクロウシクやハリコフ州クピャンスク周辺でロシアが前進したことが影響した。(共同)

北朝鮮軍将校ら一部兵力前線入りか 韓国分析「予想より早い」 北の外相は訪露
2024/10/29 17:46
https://www.sankei.com/article/20241029-24S5URBTJNMBZEQ554D55GPBKA/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、ウクライナを侵略するロシアへの北朝鮮の朝鮮人民軍の派兵に関し、高級将校を含む一部の兵力が既に戦闘の前線に移った可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、北朝鮮の軍部隊がロシア西部の激戦地、クルスク地域に展開したことを確認したと発表していた。
ウクライナ当局は北朝鮮の兵力約1万2000人が既にロシアに入ったと分析。
国情院は当初、北朝鮮の兵力の戦線投入は2024年12月初め頃までかかるとの見方を示していたが、派兵の動きを韓国などに公表されたことを受け、露朝が移動のペースを引き上げたとみている。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月28日、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長との電話会談で
「北朝鮮の軍の戦線投入が予想より早く行われる可能性があり、厳しい状況だ」
と説明した。
露朝両国のメディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日に露極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワを公式訪問する。
国情院はロシア側と追加の派兵や派兵に対する見返りなどに関し協議する可能性があると報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になるとの観測も出ている。

北朝鮮軍、ロシアのクルスク地域に展開 NATO事務総長が確認 韓国代表団の説明受け
動画
2024/10/28 22:02
https://www.sankei.com/article/20241028-LE6ICP654NODLEGXYQHDBDIQ5A/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、ロシアによるウクライナ侵略に関し、ロシアに派遣された北朝鮮の軍部隊が露南部クルスク地域に展開したことを確認したと明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行う同地域では、ロシアとの間で激しい戦闘が続いている。
ブリュッセルのNATO本部での臨時会合で、韓国情報機関の国家情報院(国情院)や同国国防省の高官から派兵の実態について説明を受けた後に声明を発表した。
ルッテ氏は、北朝鮮の派兵は
「ロシアの不法な戦争を大きくエスカレートさせるものだ」
とし、露朝に対して一連の行動を即時停止するよう要求した。
北朝鮮による派兵は、露朝の軍事協力が強化されることで朝鮮半島の平和を損ねると共に、ウクライナ戦争を激化させる意味で
「インド太平洋地域と欧州・大西洋地域の両方への脅威だ」
とも指摘した。
ルッテ氏はまた、ウクライナ戦争で露軍兵士の死傷者数は60万人以上に上ったとし、北朝鮮への派兵要請は
「プーチン露大統領が外国の支援なしには戦争を継続できない、切羽詰まった状態に陥っていることを示すものだ」
と強調した。
ルッテ氏は、NATOが事態の対応に向けてウクライナやインド太平洋地域の友好国と引き続き緊密に連携していくと表明した。
会合には日韓とオーストラリア、ニュージーランドの大使も参加した。

ゼレンスキー氏「北朝鮮との戦い強いられる」 支援国に「強い決断不足」と不満訴え
2024/10/27 7:33
https://www.sankei.com/article/20241027-EXGHKOI3DZIETP63TBQA6YGPK4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日の声明で
「欧州で北朝鮮との戦いを強いられる」
と危機感を示し、ウクライナ支援国の
「力強い決断の不足」
がロシアを増強させていると訴えた。
ロシア領への長距離攻撃の容認が米欧から得られない現状への不満があるとみられ、
「言葉だけではない具体的な行動」
を支援国に求めた。
声明でロシアによる市民への攻撃も批判。
ウクライナメディアによると、東部ドニエプロペトロフスク州ドニプロで25日、ミサイル攻撃で子供を含む5人が死亡した。
キーウ(キエフ)でも25日、複数の無人機による攻撃があり、高層マンションの上層で火災が発生。
10代の少女が死亡した。(共同)

金正恩氏側近が部隊統括 キム副参謀長、ロシア入り 数千人の北朝鮮派遣軍が到着か
2024/10/26 22:33
https://www.sankei.com/article/20241026-QE6JLAVXARPSTIKXG7ZCYV6RZQ/
ロシアに派遣された北朝鮮軍部隊の統括役として、朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長がロシアに入国したことが26日、ウクライナ軍筋の話で分かった。
キム氏は
「暴風軍団」
の異名を取る特殊部隊の第11軍団のトップなどを歴任し、金正恩朝鮮労働党総書記の軍側近の1人。
同筋によるとウクライナ当局はロシア軍が作成した北朝鮮派遣部隊の幹部リストを入手、キム氏は最上位に位置付けられていた。
金正恩氏は派遣部隊のトップに軍の側近を据えて、ロシアの侵攻に関与する姿勢を明確に示し、両国の軍事的連携を加速させる狙いとみられる。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに送られた北朝鮮兵は推計約1万2000人。
米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者複数の話として、26日までに数千人がウクライナが越境攻撃するロシア西部クルスク州に到着したと伝えた。
(共同)

<主張>BRICS会議 露の政治宣伝への加担だ
社説
2024/10/27 5:00
https://www.sankei.com/article/20241027-GLIRK45OUVL6RJ7STUVA25JYWE/
中国やロシアなど主要新興国で作る
「BRICS」
の首脳会議が、ロシア中部カザンで開かれた。
議長国ロシアにとって、2022年のウクライナ侵略開始後に主催する最大の国際会議である。
プーチン露大統領に、国際的孤立のイメージ払拭に利用する思惑があったのは疑いない。
国連憲章を踏みにじって侵略を続けるロシアに、30カ国以上もの代表が集まったことは異様かつ残念なことだった。
経済関係を深めたいという実利的な思惑を優先したのだろう。
だが、会議出席自体がロシアの政治宣伝への加担と言える。
非難は免れない。
出席した国々は、自国が侵略され、侵略してきた国での国際会議に各国が集う場面を想像したらどうか。
平和と目先の経済利益を交換してはならない。
BRICSのメンバー国は今年2024年、9カ国へ拡大した。
中露、南アフリカ、ブラジル、インドの5カ国に、イランやエジプトなど4カ国が加わった。
首脳会議が採択したカザン宣言は
「パートナー国」
資格の新設を支持し、13カ国が候補国となっている。
宣言は、ロシアへの制裁などを念頭に
「違法な制裁を含む一方的強制措置の破壊的影響を懸念する」
とした。
ウクライナ問題の平和的解決を目指す提案を評価するとも記したが、露軍撤兵には言及していない。
このような宣言は容認できない。
ロシアは直ちに侵略をやめなければならない。
プーチン大統領は、新興・途上国
「グローバルサウス」
の国々をBRICSに加え、先進7カ国(G7)への対抗軸にしたい意向だ。
首脳会議は
「公平な世界発展と安全のための多国間協力の強化」
を掲げ、中東やウクライナ情勢、米ドル決済に対抗する各国通貨決済の拡大などをテーマに話し合った。
だが、各国は同床異夢の状態である。
例えば、インドやブラジル、南アフリカは加盟国の拡大に慎重だ。
そのため、パートナー国新設が妥協策となった。
ロシアや中国が、BRICSを米欧との対抗軸として更に利用しようとすれば軋轢が高まる可能性がある。
日本などG7各国は、BRICSに惹かれる国々に、ウクライナ侵略を後押しする行動を控えるよう働き掛けるべきだ。

G7が7.6兆円のウクライナ支援で合意 年内に融資開始、ロシアの凍結資産を活用
2024/10/26 16:19
https://www.sankei.com/article/20241026-VSKIGKP2I5NGXMH3PTOGJVUIBQ/
日米欧の先進7カ国(G7)は2024年10月25日、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援について最終合意した。
2024年年内に融資による約500億ドル(約7兆6000億円)の支援を開始する。
G7首脳は共同声明を発表し
「ロシアは違法な侵略戦争を終わらせ、ウクライナの損害を賠償しなければならない」
と強調した。
G7が改めて対ロシアで結束する姿勢を示した一方、ロシアは中国など主要新興国で構成するBRICSの枠組みを巻き込み、非欧米陣営で対抗する構えを見せている。
G7は各国が個別に融資契約を締結し、ウクライナの資金需要に応じて2024年12月1日から2027年末までの間に分割で融資する。
融資はロシアの凍結資産から生じる利益で返済し、ウクライナに返済義務は生じない。
支援の詳細は近く公表する。
G7などが凍結したロシアの資産は約2800億ドルに上る。
G7は2024年6月の首脳会議で支援を決め、融資条件や返済方法など詳細を協議していた。(共同)

北朝鮮「労働新聞」、ロシアへの派兵を伝えず 国外向けの朝鮮中央通信は報道
2024/10/26 13:51
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/
ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
北朝鮮の国内向けメディアである朝鮮労働党機関紙、労働新聞は2024年10月26日、同国外務省のロシア担当次官がロシアのウクライナ侵略を支援するための派兵を否定しなかったとの見解を報じなかった。
国外向けの朝鮮中央通信は2024年10月25日夜に伝えていた。
北朝鮮の住民には派兵の問題を知らせていないことになる。
担当次官は、北朝鮮から派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だ」
と主張。
ただ明確な事実確認は避けた。
2024年10月26日の労働新聞は1面トップに、朝鮮戦争に中国人民義勇軍が参戦したとされる日から74年となる2024年10月25日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が平壌市内の記念碑に花輪を送ったとの記事を掲載。
他に崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が2024年10月25日、訪朝したベトナム外務次官率いる代表団と会談したことや、外務省の対外政策室長が米韓の軍事訓練を談話で批判したことを伝えた。(共同)

北朝鮮のロシア派兵にEUでも懸念「欧州安保に直接影響」 外交官呼び出して抗議も
2024/10/26 9:55
https://www.sankei.com/article/20241026-GZM5L4DP6RLLDHRAAPQ52AYM7E/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が兵士を送ったことで、欧州にも危機感が広がった。
2024年10月25日にはドイツ、フランス両国がそれぞれ
「紛争をエスカレートさせる」
と懸念を表明。
欧州連合(EU)では北朝鮮と国交を持つ国が多く、北朝鮮外交官を呼び出し、直接抗議する動きも出ている。
ドイツ公共放送ARDによると、ショルツ独首相は2024年10月25日、訪問先のインドで、北朝鮮兵のロシア派遣を
「過小評価すべきではない」
と述べた。
「紛争をエスカレートさせる動きである一方、プーチン露大統領が苦境に立っていることの表れでもある」
との見方を示した。
フランス外務省は2024年10月25日の声明で、
「欧州の安全保障に直接影響をもたらす敵対的行為だ」
として北朝鮮を非難した。
ロシア軍に北朝鮮兵が加わることで紛争が国際化し、更なる激化に向けた新段階になり得ると警告した。
ドイツとオーストリア両国の外務省は2024年10月23日、それぞれの国内に駐在する北朝鮮外交官を呼び出した。
オーストリアは
「北朝鮮大使に我々の深刻な懸念を伝えた」
と発表した。
ドイツは旧東独時代から北朝鮮との国交を維持しており、中立国オーストリアも大使を交換している。
EUは2024年10月24日の声明で、北朝鮮に
「違法戦争への支援をやめよ」
と要求した。
ロシアについては
「交渉の意欲があると言いながら、永続的な和平構築には関心がないことを露呈した」
と批判した。
EUはまた、北朝鮮とロシアの関係緊密化で、欧州とインド太平洋の安全保障は緊密に結び付いていることが示されたとし、パートナー国との連携の重要性を訴えた。

北朝鮮のロシア派兵は「戦争の影響をインド太平洋に拡大」と非難 日米韓高官協議
2024/10/26 9:02
https://www.sankei.com/article/20241026-XONYOYCYHRN5LPMCGYRHE75SIU/
日米韓3カ国は2024年10月25日、安全保障を担当する高官協議を米ワシントンで開き、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が派兵したことへの
「重大な懸念」
を表明し、
「ロシアの違法な戦争の影響をインド太平洋に拡大させるだけだ」
と非難した。
日米韓協力の促進に向け3カ国首脳会談の早期開催を目指すことを確認した。
協議にはサリバン米大統領補佐官、日本の秋葉剛男国家安全保障局長、韓国の申源G(シン・ウォンシク)国家安保室長が参加した。
国連安全保障理事会の決議に違反する北朝鮮のロシアに対する弾道ミサイルや武器の支援も批判し、露朝に軍事協力をやめるよう求めた。
北朝鮮の完全な非核化に向けた
「緊密な連携の重要性」
を確認。秋葉氏は日本人拉致問題への協力を求め、米韓から支持を得た。
日米韓で昨年2023年12月に始動した北朝鮮の弾道ミサイル情報を即時共有するシステムや、共同訓練などの防衛協力が進んでいることを歓迎した。
また、東・南シナ海で軍事圧力を強める中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更への試みに強い反対」
を表明。
「台湾海峡の平和と安定の維持の重要性」
を確認し、中国を牽制した。
2024年11月5日の米大統領選を受けて来年2025年1月に新政権が発足することを踏まえ、安保分野の日米韓連携を今後も進めていくことも確認した。
サリバン氏は秋葉氏と個別に会談。
秋葉氏は石破茂政権の外交・安保政策の最優先事項として
「日米同盟の強化」
を掲げていることを説明した。
サリバン氏は申氏とも個別会談した。

<産経抄>北朝鮮のロシア派兵 兵士大量脱走の可能性も
2024/10/26 5:00
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https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/
18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」。
林芳正官房長官、岩屋毅外相、中谷元(げん)防衛相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮によるロシアへの派兵について異口同音に述べた。
どうやら政府内で、質問にはこう答えると打ち合わせ済みだったのだろう。
▼韓国の情報機関、国家情報院は既に
「北特殊部隊の暴風軍団を含む4個旅団1万2000人以上の兵力がロシアに派遣される」
と正式に発表している。
極東情勢にも重大な影響を及ぼしかねない事態であり、閣僚らが慎重な物言いになるのも当然かもしれない。
▼ただ、北では1990年代後半の大飢饉後、食料などの配給制が崩れ、それ以降に育った世代は「金王朝」から恩恵を受けていない。
従って元々忠誠心は薄い上に、韓国ドラマなどを通して韓国の豊かさも広まってきた。
遠い異国の地で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記のために命懸けで戦えといわれても、士気は上がるだろうか。
▼ウクライナの報道機関は、脱走した北兵士18人が、ロシア当局に拘禁されたと伝えている。
数日間食糧を与えられなかったため、陣地を離れたとのことだが、確かに腹が減っては戦ができない。
これから寒い冬を迎えるとあっては、尚更だろう。
▼韓国紙、朝鮮日報によるとウクライナ軍は北兵士に対して
「投降せよ! ウクライナは休息できる空間、食事、暖かさを提供する」
と投降や亡命を呼び掛け始めた。
本国でもロシアでも飢えに苦しむ北兵士にとってかなり魅力的な提案なのではないか。
▼北がロシアが求める派兵をこれまで渋ってきたのは、兵士の脱走を恐れたためだとの説もある。
もしそれが現実のものとなれば、金総書記にとって大打撃となろう。

北朝鮮、ロシア派兵否定せず 外務省次官が「確認する必要を感じない」と見解
2024/10/25 22:20
https://www.sankei.com/article/20241025-BREZ3DSU25MUNC2SEYTWIB3NE4/
北朝鮮の朝鮮中央通信は2024年10月25日夜、外務省のキム・ジョンギュ・ロシア担当次官が、ロシアのウクライナ侵攻を支援するための派兵に関し
「確認する必要を感じない」
との見解を示したと伝えた。
派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だろう」
とも述べた。
派兵を否定しなかった。
キム氏は同通信の質問に答える形で、各国のメディアが派兵について報じていることに注意していると説明。
所管は国防省であり、外務省は直接的に関与していないとした。
更に、派兵が違法行為であるように伝えたい勢力が
「間違いなく存在するだろう」
とも主張した。(共同)

「プーチン氏が停戦模索」とトルコ大統領 首脳会談でウクライナ産穀物輸出など話し合い
2024/10/25 21:56
https://www.sankei.com/article/20241025-ZXMGISQYT5JI7BQAQPCW6Y3TZY/
トルコのエルドアン大統領は、ロシアのプーチン大統領と2024年10月23日に行った会談を巡り、同氏が
「恒久停戦実現を模索していると感じた」
と述べた。
トルコメディアが2024年10月25日伝えた。
ウクライナ情勢を協議し、黒海を通じたウクライナ産穀物輸出や機雷撤去、捕虜交換などについて話し合ったという。
ロシア中部カザンで開かれたBRICS首脳会議後の機中で記者団に語った。
トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、ロシアと友好関係を続け、BRICS加盟を希望しているとされる。
エルドアン氏はBRICSとの協力を強化し
「双方に利益をもたらす」
と訴えた。
中国の習近平国家主席のトルコ訪問にも期待を示した。
黒海経由の穀物輸出について、ロシア、ウクライナ双方は2022年、トルコと国連の仲介により輸出再開で合意したが、ロシアは2023年に離脱した。
エルドアン氏は度々プーチン氏に合意復帰を働き掛けている。(共同)

親露派「ハクティビスト」が日本を標的に攻撃呼びかけ 衆院選投開票日にも注意
2024/10/25 18:57
https://www.sankei.com/article/20241025-4JVJMMXADNIMLPVWE3X4NV5VYI/?outputType=theme_election2024
ウクライナ支援国に対するサイバー攻撃を行う親ロシア派の
「ハクティビスト」
が、日本への攻撃も活発化させている。
衆院選公示日2024年10月15日に、自民党公式ホームページ(HP)が閲覧できなくなり、グループが攻撃したとの声明を出した。
ハクティビスト同士が連携して攻撃を繰り返す傾向もあり、27日の衆院選投開票日の攻撃も懸念されている。
■自民党にDDoS攻撃、犯行声明
自民党のHPが狙われたのは公示日の2024年10月15日午後4時半頃だった。
大量のデータ送信でシステム障害を引き起こす
「DDoS(ディードス)攻撃」
が仕掛けられたとみられ、衆院選の特設サイトにも繋がるトップページが表示されない状態に陥った。
復旧までには、約5時間を要したという。
その後、ハクティビストグループ
「NoName(ノーネーム)057(16)」
が交流サイト(SNS)上で犯行声明を出した。
ハクティビストは、オンライン上でコンピューターに攻撃を加えるハッカーと、活動家を意味する「アクティビスト」を掛け合わせた造語。
ロシアによるウクライナ侵略が始まって以降、親ロシア派のハクティビストがウクライナや支持国へのサイバー攻撃を活発化させている。
■日商、日弁連、造船企業や銀行も標的
トレンドマイクロの調査によると、このNoName057(16)は近年、活発な活動がみられる。
DDoS攻撃を中心にし、攻撃を仕掛けることができるソフトなどのツールを支援者にも配布し、支持者に攻撃を協力させている。
日本への攻撃は2024年9月18日以降、断続的に行っているとみられる。
これまでに自らの攻撃だと報告しているのは、自民の他、日本商工会議所や日本弁護士連合会、北海道に関連する造船企業や青森の銀行などがある。
■日米合同軍事演習への抗議も
トレンドマイクロによると、今月2024年10月下旬に自衛隊と米軍がロシア国境付近の北海道などで実施予定の合同軍事演習についての抗議のために日本を標的にしているという。
また、別のハクティビストグループも日本への攻撃を表明。
ただこのグループは、攻撃表明した企業が実際は被害を受けていないケースも確認されるなど、声明の信憑性は高くない。
トレンドマイクロは、衆院選の投開票日も狙われる可能性もあるとして、注意を呼び掛けている。

情報セキュリティー会社、トレンドマイクロの岡本勝之氏の話
ハクティビストは自分たちの主張を広めることが目的だ。
実際に攻撃しているか信用できない部分もあり、投稿を拡散しない方がよい。
万が一、標的とされた場合でも被害を低減させるための対策が必要だ。
サービスを提供していない国のIPアドレスからのアクセスを制限したり、サーバーを分散して攻撃を緩和したりするなど、事前に対策を講じておくことが重要となる。

ロシア入りした北朝鮮兵は「弾除けの傭兵にすぎない」 派兵を秘匿…精鋭部隊の特異な実態
2024/10/25 18:40
https://www.sankei.com/article/20241025-BAYY3ILPHBPTVHBMOUYQ7LKCME/
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアに派遣したのは、朝鮮人民軍の精鋭特殊部隊とされる。
だが、韓国当局の分析からは、北朝鮮内で派兵について固く秘匿されるなど、特異な対応が取られている実態も浮かび上がってきた。
■露軍統制下で作戦権限なし
「弾除けの傭兵に過ぎない」。
韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月24日、国会で北朝鮮の派兵部隊をこう表現し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が
「軍隊を違法な侵略戦争に売り渡した」
「自身の独裁体制を強固にするためだ」
と非難した。
派兵は本来、派遣国の指揮体系を維持し、その国の軍服や国旗を明示する。
だが、北朝鮮の部隊はロシア軍の軍服を着て露軍将兵に偽装し、
「露軍の統制下で何の作戦権限もなく言われるまま動いている」。
金国防相はこのため、
「傭兵」
と表現したのだという。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は、北朝鮮が派兵の対価として1人当たり2000ドル(約30万円)相当を得るとの見方を示し、見返りに経済難の打開や朝鮮半島有事でのロシアの介入を期待していると北朝鮮の思惑を分析した。
■現代戦の理解不足、死傷者多発か
露朝首脳は6月、両国の一方が戦争状態となった際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名したが、露下院が条約批准を可決したのは今月2024年10月24日だ。
露朝は条約の発効を待たずに、いわば密約≠フ形で派兵準備を進めてきたことになる。
派兵されたのは
「暴風軍団」
とも呼ばれる精鋭部隊とされる。
ただ、韓国当局では、北朝鮮が主に10〜20代の新米兵を派兵したとの見方も出ている。
国会では、ウクライナ側が公開した北朝鮮兵とされる映像を見た議員から
「体格は小さく、あどけない」
との指摘があった。
国情院は、北朝鮮が派兵の噂が国内で拡散しないよう厳しい情報統制を敷いていると報告した。
だが、派兵部隊に選抜された兵士の家族が
「嗚咽(おえつ)して顔がやつれた」
との話が出回り、兵士らの家族を集団移住させ、隔離しようとする動きがあるとも説明した。
国情院は、兵士らは体力があり士気は高いものの、無人機からの攻撃など現代戦への理解が不足しており、戦線に出れば死傷者が多数発生するとのロシア側の予想も明らかにした。
派兵部隊に実際に多数の死傷者が出て北朝鮮内にその情報が伝われば、金正恩体制にとっての不安定要素となる可能性も否定できない。

北朝鮮によるロシアへの派兵「信じるに足る情報を確認」 岩屋毅外相
2024/10/25 12:00
https://www.sankei.com/article/20241025-TRJGENQ3B5K47LJUNGALBMOOBY/
岩屋毅外相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮の兵士がロシアに派遣されているとの情報について
「米国、韓国とも協力して関連情報の収集、分析を進めた結果、北朝鮮が兵士をロシア東部に派遣し、軍事訓練に関与していると信じるに足る情報が確認された」
と述べた。
その上で岩屋氏は
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
と指摘し、引き続き関連情報の収集、分析を進める考えを示した。

中谷防衛相「北朝鮮がロシア東部へ派兵」 政府分析、ウクライナ侵略に加担懸念
2024/10/25 11:35
https://www.sankei.com/article/20241025-RMP7GMNFYVIALNRJOGHLOMOAMQ/
中谷元防衛相は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵に関し、米国などと協力して情報の収集、分析を進めた結果、
「北朝鮮の兵士がロシア東部へ派遣され、訓練を行っているものと考えている」
との認識を示した。
その上で
「ウクライナ侵略に加担する可能性を含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
中谷氏は、ロシアと北朝鮮による軍事協力の進展が、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くだけでなく、日本周辺の安全保障環境にも影響を与えると指摘し、
「深刻に憂慮すべきだ」
と強調した。

林官房長官、ロシアへの北朝鮮の派兵「深刻な懸念、憂慮すべきもの」
2024/10/25 11:33
https://www.sankei.com/article/20241025-BUSKMSTUGFKEFBP2TAFDU7P6NU/
林芳正官房長官は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵について
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
とも語った。

「北朝鮮軍が戦闘地域入り」ロシア西部クルスク州 ウクライナ発表 極東で訓練終え
2024/10/25 11:28
https://www.sankei.com/article/20241025-4GV5AE2ZCFP65IRBTRTC2EEQ4U/
ロシアによるウクライナ侵略への北朝鮮軍の参戦を巡り、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、露極東での軍事訓練を終えた北朝鮮軍部隊の第1陣が戦闘地域に派遣されたことが確認されたと発表した。
場所はウクライナ軍が越境攻撃で一部を占領下に置いている露西部クルスク州で、2024年10月23日に確認されたとした。
情報総局は、ロシアに入国した北朝鮮軍の規模が
「約1万2000人」
だと推計されていると指摘。
その中には3人の将官と500人の士官も含まれているとした。
また、ロシアが北朝鮮軍兵士に弾薬や寝具、冬着、靴、トイレットペーパー、石鹸など衛生用品を配給しているとも報告した。
ロシアへの北朝鮮軍の入国はこれまでにウクライナや米国、韓国が確認。
一方、ロシアは虚偽だと主張している。

プーチン露大統領「われわれの問題」 北朝鮮軍の露入国を否定せず BRICSの拡大も
2024/10/25 9:50
https://www.sankei.com/article/20241025-ROYHNQYRU5M65A6R3YGBAHRV7Y/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月24日、中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICS」の首脳会議が同日、露中部カザンで閉幕したことに合わせ、記者会見を開いた。
北朝鮮軍がロシアに入国し、ロシア側でウクライナ侵略に参戦する可能性があるとする情報の真偽に関する質問に対し、
「私たち(露朝)が何をどうするかは私たちの問題だ」
と述べ、明確に否定しなかった。
「北朝鮮軍の露入国が衛星写真で確認されている」
「紛争の激化ではないか」
とする米メディアの質問に答えた。
プーチン氏は、ロシアが対ウクライナ軍事作戦を始める以前から、北大西洋条約機構(NATO)諸国がウクライナを
「武装化」
してきたと指摘。
現在の戦場でもNATOの軍人がウクライナに供与した兵器の運用に携わるなど
「(紛争に)直接参加している」
とし、
「紛争を激化させてきたのは欧米側だ」
と主張した。
その上で、露朝が事実上の軍事同盟条約となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだことに言及。
条約に基づき露朝は連絡を取り合い、行動していくとした。
会見でプーチン氏は、BRICSの拡大を視野に
「パートナー国」
資格の新設を支持したことにも言及。
パートナー国候補のリストは合意済みだとし、今後、各国に招待状を送り、同意を得た上で公表するとした。
ロシア側はパートナー国候補を
「13カ国」
だと説明。
一部メディアは、
トルコ▽インドネシア▽アルジェリア▽ベラルーシ▽キューバ▽ボリビア▽マレーシア▽ウズベキスタン▽カザフスタン▽タイ▽ベトナム▽ナイジェリア▽ウガンダ
だと報じている。

訓練終えた北朝鮮部隊がロシア西部クルスク州に到着 プーチン氏、派兵否定せず
2024/10/25 6:44
https://www.sankei.com/article/20241025-FNEQQCKYSZPHLNIM736AMAB5IY/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、ロシア東部で訓練を終えた北朝鮮軍部隊が、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
プーチン大統領はロシア中部カザンでの記者会見で、北朝鮮の派兵について問われ、否定しなかった。
プーチン氏は会見で、衛星画像などを根拠に韓国や米国が北朝鮮兵士がロシアに派遣されたと主張していることに関して
「画像というのは重要なものだ」
「何かを反映している」
と述べた。
ロ朝両首脳は2024年6月、有事の軍事援助を定めた包括的戦略パートナーシップ条約に署名。
プーチン氏は、条約に基づき
「北朝鮮指導部が真剣に対応していることを疑ったことがない」
と強調した。
武力侵攻を受け戦争状態になった場合の軍事援助を明記した条約第4条に言及し
「この条文の枠内で何をどのようにするかは我々の問題だ」
と指摘した。

北朝鮮部隊がロシア西部クルクス州に到着、ウクライナ国防省が発表 人数は不明
2024/10/25 1:24
https://www.sankei.com/article/20241025-5WIUQXNGC5IWJDG7TI2KD5BYBA/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、北朝鮮の軍部隊が同日までにロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
一方、米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、西部に向かった約2000人はクルスク州か、同じくウクライナ国境に接するロストフ州に向かっている可能性がある。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
先遣隊は士官ら約10人で構成。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。
2000人の到着は確認されていない。(共同)

北朝鮮派兵に懐疑的 ロシア同盟国のベラルーシ大統領「プーチン氏の性格知っている」
2024/10/24 21:25
https://www.sankei.com/article/20241024-FBDJDU75E5IMFLFCYVGGUAOB2U/
英BBC放送は2024年10月24日までに、ロシアの同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領のインタビューを伝えた。
北朝鮮の兵士がウクライナ侵攻を続けるロシアに派遣されたとの情報について
「プーチン大統領の性格を知っているが、彼は如何なる国の軍隊にも特別軍事作戦に引きこむような説得を決してしない」
と述べ、懐疑的な見方を示した。
2024年10月23日に滞在先のロシア中部カザンで答えた。
一方で北朝鮮兵が実際にロシアに派遣されていれば
「それはエスカレーションへの一歩だ」
と指摘した。
ルカシェンコ氏はベラルーシに対しては、プーチン氏だけでなくショイグ前国防相もベロウソフ国防相も、侵攻支援のためにベラルーシ軍を派遣するように要請したことはないと語った。(共同)

ウクライナ、露派兵の北朝鮮兵に動画で投降呼びかけ 「意味なく死んではいけない」
2024/10/24 21:17
https://www.sankei.com/article/20241024-TC2LFFARWBJJ3BJLOXXI5CLEYU/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、早くも朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味もなく死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が写り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮兵にも対象を拡大し、準備を進める。
ウクライナ軍筋によると、ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動。
米政府も少なくとも3000人の北朝鮮兵が、ロシアで訓練を受けていると発表している。(共同)

北朝鮮兵2000人がロシア西部へ 先遣隊準備とウクライナ軍 東部で訓練、米国が確認
2024/10/24 19:56
https://www.sankei.com/article/20241024-DLZLPODWYBPHBH5OETPSGBXILA/
ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動していることが2024年10月24日、分かった。
ウクライナ軍筋が共同通信に明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州には2024年10月初め頃、北朝鮮軍の士官らが先遣隊として入り、受け入れ準備を進めていることも判明した。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
約2000人はクルスク州かロシア南部ロストフ州に向かっている可能性がある。
米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、先遣隊は士官ら約10人で構成されている。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。(共同)

米、北朝鮮の約3000人派兵確認 ロシア東部基地で訓練後参戦へ 「インド太平洋情勢に影響」懸念
2024/10/24 8:18
https://www.sankei.com/article/20241024-JBJ67JKKNVK7VIM3YZ3YIDKNFE/
バイデン米政権は2024年10月23日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵略を支援するためロシアに約3000人の部隊を派兵したとの調査結果を明らかにした。
部隊は露東部の基地で訓練を受けているとし、兵力の消耗が激しい露軍の補充として戦線に投入されるとみている。
インド太平洋地域の安全保障に影響が生じる可能性もあるとみて、同盟諸国と監視を強化する構えだ。
ウクライナの最大支援国の米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国などと、北朝鮮参戦の実態把握を続ける。
韓国情報機関の国家情報院も2024年10月23日、朝鮮人民軍3000人規模が派兵されたと明らかにした。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、北朝鮮の部隊約3000人が2024年10月中旬に北朝鮮の元山から露極東ウラジオストクに船で輸送され、戦闘訓練を受けていると指摘。
訓練が終了すれば露西部に移動しウクライナ軍との戦闘に参戦する可能性があると述べた。
カービー氏はまた、北朝鮮の派兵は2022年2月にロシアが開始したウクライナ侵略の
「劇的な変化だ」
と指摘。
同盟諸国と対応を協議し、今後更なる情報開示を行うと共に、制裁を含む対抗措置を明らかにすると述べた。
カービー氏は更に、北朝鮮の参戦は、戦場における露軍の激しい兵力損失と、それに伴う北朝鮮との軍事協力の進展を明示していると指摘。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が実際に流血の伴う兵力提供に応じたことで、ロシアから軍事上の見返りを得る可能性があるとし、ウクライナ情勢に加え
「インド太平洋地域に安全保障上の影響が生じる」
との懸念を示した。

ロシアの北朝鮮兵に投降呼びかけ ウクライナ、朝鮮語で動画
2024/10/24 7:04
https://www.sankei.com/article/20241024-2RKSKSE6OBJPLK4S22GXV57GME/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味も無く死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が映り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮の派兵を巡っては、ウクライナや韓国、米国がロシアへの移動を確認。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、今月2024年10月上〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人がロシアの複数の軍事施設で訓練を受けているとの分析を表明した。
訓練後、戦地に向かう可能性がある。(共同)

北朝鮮のロシア派兵、米国も確認 国防長官「証拠ある」 実態把握急ぐ
2024/10/23 21:48
https://www.sankei.com/article/20241023-SW4E4LOS7BLCHMGFGDQZRTOFDY/
オースティン米国防長官は2024年10月23日、北朝鮮がロシアによるウクライナへの侵略を支援するためロシアへ地上部隊を派兵した
「証拠がある」
と述べた。
バイデン政権は同盟諸国と共に、北朝鮮軍の派兵の事実関係を調査しており、米政府として北朝鮮の参戦を認めたのは初めて。
ロイター通信によると、オースティン氏は訪問先のイタリア・ローマで記者団に対し
「北朝鮮の部隊がロシアにいる証拠がある」
と述べ、派兵の具体的な目的や行動について情報を精査する必要性を強調した。
米政府は、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国、韓国の情報機関などと協議し、北朝鮮の派兵の実態の把握を急いでいる。
カービー大統領補佐官は2024年10月21日、
「事実であれば極めて憂慮すべき事態」
として、近日中に調査内容を明らかにする計画があると述べた。

ロシア入りした北朝鮮兵力3千人に 韓国情報機関分析「戦線投入時は多数の死傷者」
2024/10/23 19:34
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月23日、ウクライナへの侵略戦争に参戦するため、ロシア入りした北朝鮮の朝鮮人民軍の兵力が計3000人余りになったとの情報を明らかにした。
趙太庸(チョ・テヨン)国情院長から報告を受けた与野党議員が記者団に発表した。
国情院は、2024年12月頃には北朝鮮からの派兵総数が1万余りに達するとの見通しを示した。
国情院は2024年10月18日、特殊部隊の将兵ら約1500人が2024年10月8〜13日に露海軍の艦艇で露極東地域に移ったと発表していた。
新たに約1500人のロシア入りが確認された。
将兵らはロシア内の複数の施設に分かれて適応訓練を受けており、現段階ではまだ戦線に投入されていないと国情院はみている。
北朝鮮の兵士らは士気が高く、体力に長じているが、無人機攻撃など現代戦に対する理解が不足し、戦線投入時には死傷者が多数出るとの露側教官の見方も報告した。
北朝鮮国内では今回の派兵に関して厳しい情報統制を敷いているが、噂も広がり始めているという。
派兵部隊に選抜された兵士らの家族を通じて情報が拡散しないよう、家族らを隔離する動きもあるという。
露朝は2024年6月に有事の際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に両国首脳が署名した後、派兵を巡る具体的協議に入ったと国情院は分析している。

北朝鮮兵のロシア支援、訓練情報把握 ゼレンスキー氏
2024/10/23 8:26
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。
ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/photo/JBT5PMCH6NNBLJOECUZ7E65XRM/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月22日の声明で、北朝鮮によるロシア支援の派兵を巡り、大規模な訓練が既に始まっているとの情報をウクライナ側が持っていると明らかにした。
声明で、各国が北朝鮮を非難していることに謝意を示し
「言葉だけではない具体的な対応」
も求めた。
「北朝鮮が欧州の戦争に介入できるのであれば、北朝鮮に対する圧力は不十分だ」
と訴えた。(共同)

北の露派兵 同盟諸国と事実関係を協議 露軍犠牲1日1200人超との概算も 米補佐官
2024/10/22 11:48
https://www.sankei.com/article/20241022-ACC7VAVO2JPRJFDUXHSMWE3RK4/
カービー米大統領補佐官は2024年10月21日の記者会見で、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアに地上部隊を派兵したとされる問題で、事実関係を調査するため同盟諸国と協議していると明らかにした。
近日中にも調査内容を公表する計画があるとも述べた。
北朝鮮のロシア派兵は欧米メディアが相次ぎ報道し、ウクライナのゼレンスキー大統領が議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と明言。
韓国の情報機関、国家情報院も、特殊部隊がロシアに派兵されたとの情報を明らかにした。
カービー補佐官は協議中の国名に触れなかったが、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に加え、北朝鮮の軍動向を監視する韓国とも情報を精査している可能性がある。
派兵規模は最終的に数千人から1万人超に上るとの見方がある。
カービー氏は
「侵略への参戦を目的とした北朝鮮のロシア派兵が事実であれば、危険かつ極めて憂慮すべき事態だ」
とし、同盟諸国と実態把握に務めていると述べた。
カービー氏はまた、ウクライナでの露軍の死傷者数が
「1日当たり1200人超」
に上るとの概算を示し、
「歴史的な数だ」
と指摘。
ロシアが国際社会で孤立し、戦場での犠牲も増加していることが、北朝鮮やイランなどとの軍事協力を急速に強める背景との見解を示した。
ロシアに対しイランは大量の無人機を、北朝鮮は弾道ミサイルや砲弾をそれぞれ供与している。

北朝鮮派兵に懸念相次ぐ 安保理、ロシア「恐怖をあおるデマだ」と否定
2024/10/22 8:31
https://www.sankei.com/article/20241022-ZLLQUCW3JFPFVMMRS5RTZUHTQQ/
国連安全保障理事会は21日、ロシアによるウクライナ侵攻を協議する緊急会合を開いた。
韓国やウクライナは北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと指摘し、米国や日本などは派兵情報への懸念を表明。
ロシアは
「恐怖を煽るデマだ」
と否定した。
韓国の黄浚局国連大使は、ロシアに派兵した北朝鮮は
「積極的な交戦国」
だと非難。
ウクライナのキスリツァ国連大使は
「ロシア東部で約1万1千人の北朝鮮兵が訓練を受けている」
とし、2024年11月1日までに実戦投入される見通しだと主張した。
ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は絶対に受け入れられないと強調。
劣勢のウクライナが
「ロシアとNATOの直接対決を引き起こそうとしている」
と訴えた。(共同)

NATOと韓国が北朝鮮の露派兵で連携へ 韓国は露大使呼び抗議
2024/10/21 20:10
https://www.sankei.com/article/20241021-6E2WNCGOJJMODOCRUOB5WJ4CNU/
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月21日、電話で会談し、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が部隊を派兵したとされる問題を巡り意見交換した。
ルッテ氏は、派兵は国際法と国連安全保障理事会決議に反するとして、深刻な懸念を表明した。
韓国大統領府が発表した。
尹氏は、北朝鮮が派兵した特殊部隊約1500人がロシアで適応訓練を受けているといった詳細情報を説明。
露朝の軍事協力は
「国際秩序を根本的に揺るがし、朝鮮半島や世界の平和をも脅かしており、決して座視しない」
と強調した。
両氏は詳細な情報を共有するため、韓国がNATOに代表団を派遣するなど連携を強化することで合意した。
韓国政府は2024年10月18日に情報機関を通じて派兵について発表したが、直後にルッテ氏は
「証拠は確認できない」
と述べていた。
尹氏の説明を受け、派兵に関して確信を強めたとみられる。
一方、韓国外務省は2024年10月21日、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼び、北朝鮮の派兵を厳しく非難し、朝鮮人民軍の即時撤退と軍事協力の中止を強く求めた。
露大使館によると、ジノビエフ氏は
「露朝間の協力は国際法の枠内で行われ、韓国の安保の利益に反するものではない」
と反論した。
韓国政府が露朝への対応策を検討する中、これまで控えてきたウクライナへの殺傷兵器の提供に踏み切るのか注目されている。

北朝鮮兵映像「本物と確認した」 ウクライナ、ロシア軍人が撮影と説明
2024/10/21 18:05
https://www.sankei.com/article/20241021-FXFX3RKAZZMOHHYATLPFKHN2KM/
北朝鮮兵の姿がロシア軍施設で確認されたとの映像を公開したウクライナ文化情報省傘下機関トップのイゴル・ソロベイ氏は2024年12月20日、映像について
「現場にいたロシア軍兵士が撮影した」
「信頼できる情報源から入手した」
と述べた。
北朝鮮がウクライナ侵攻に
「参戦」
した証拠になるとの見方を示し
「公開情報オシントを活用して本物と確認した」
と主張した。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
ソロベイ氏は文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターの所長。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと分析している。
ただ、オースティン米国防長官は2024年10月19日の記者会見で
「現時点で確認できていない」
「調査を続ける」
「事実なら深刻だ」
と述べるにとどめた。
同センターは2024年10月18日、ロシア極東の軍事施設で北朝鮮兵士が装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。(共同)

ロシア国境付近で北朝鮮兵士18人集団脱走 派遣兵か 韓国紙報道
毎日新聞
2024/10/16 13:28(最終更新 10/16 18:20)
https://mainichi.jp/articles/20241016/k00/00m/030/058000c
韓国紙の朝鮮日報は2024年10月16日、ウクライナ軍高官の話として、ロシア西部ブリャンスク、クルスク両州のウクライナとの国境付近で、北朝鮮軍兵士18人が集団脱走したと報じた。
ウクライナ軍は、脱走したのは北朝鮮が対露軍事協力の一環で派遣した兵士らで、まだ拘束されていないとみているという。
露朝両国は2024年6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結。
軍事協力を進展させる可能性が指摘されていた。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相は2024年10月8日、
「(北朝鮮が対露協力のため)正規軍をウクライナに派遣する可能性が高い」
との見方を示した。
北朝鮮の派兵を巡っては、露政府は否定しているが、ウクライナ側からの情報発信が相次いでいる。
米紙ワシントン・ポストは2024年10月11日、ウクライナ軍関係者の証言として
「数千人規模の北朝鮮の歩兵部隊が露国内で訓練を受けている」
と伝えた。
2024年年末までに前線に配置される可能性があるという。
また、ウクライナメディアは2024年10月上旬、東部ドネツク州の露側占領地域で、北朝鮮軍の将校6人がウクライナのミサイル攻撃で死亡したと報じた。
米CNNは、北朝鮮がロシアに兵器を供給していることから、これらの兵器に関する工学的な支援や情報交換のために兵士が派遣されたとの情報を伝えている。【ソウル日下部元美】

北朝鮮のロシア派兵に「明確な証拠」ゼレンスキー大統領 米は「調査を継続」
2024/10/21 7:08
https://www.sankei.com/article/20241021-HLVLS35425OXTKCTRMZPIFCSR4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日の声明で、北朝鮮がロシアに兵士を派遣している「明確な証拠」があるとして、北朝鮮がウクライナ侵攻に「参戦」していると改めて主張した。衛星情報やロシアからの映像が証拠だとしており、各国に対抗措置を取るよう訴えた。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮が派兵を始めたと分析している。ただ米国のオースティン国防長官は19日の記者会見で「現時点で確認できていない。調査を継続する。事実だとすれば深刻だ」と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は声明で「北朝鮮が現代の戦争の特徴を学び始めれば、脅威が大きく増すだろう」と指摘。「世界が沈黙を続け、われわれが北朝鮮兵士と前線で対峙することになれば、世界の誰の得にもならないし、戦争が長期化するだけだ」と主張した。
ウクライナ文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターは18日、ロシア極東の軍事関連施設で北朝鮮の兵士らが装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。20日には、ロシア軍が軍服や靴などのサイズを質問する朝鮮語の調査票を用意していたと明らかにした。(共同)

ウクライナ、東部の集落奪還と発表 北朝鮮軍は越境攻撃下の露西部クルスク州に投入か
2024/10/19 8:54
https://www.sankei.com/article/20241019-FS6BVMUHLNIQLAVF2Z4KHHBB3E/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月18日、同国軍が東部ハリコフ州の集落クルグリャコフカを露軍から奪還したと発表した。
ウクライナメディアが伝えた。
クルグリャコフカは露軍が制圧を狙う同州の都市クピャンスク方面に位置している。
東部では戦力に勝る露軍が徐々に前進しているが、ウクライナも反撃を試みているもようだ。
一方、ロシア側での参戦を決めた北朝鮮が軍の人員をロシアに派遣したとされる問題で、ウクライナメディアは2024年10月18日、同国軍情報当局筋の話として、北朝鮮軍がハバロフスクやウラジオストクなど露極東の4都市で実戦投入に向けた訓練を受けていると報じた。
米軍事メディア「ウォーゾーン」によると、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の規模を
「1万1000人」
だと指摘。
ブダノフ氏はまた、北朝鮮軍が2024年11月1日までに訓練を完了し、うち2600人がウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州に投入される見通しだと明らかにした。

プーチン氏、G20首脳会議の欠席表明 ICC逮捕状巡る「混乱回避」理由に
2024/10/19 8:44
https://www.sankei.com/article/20241019-4D6CGK3STRK2BNVZD7LVNPUVUQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月18日、2024年11月にブラジルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に欠席すると表明した。
理由に関し、ウクライナ侵略を巡る戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)が自身に逮捕状を出していることに言及。
「私が行けば、G20の議論はそれ(逮捕問題)ばかりになってしまう」
とし、自身の出席により首脳会議が混乱する事態を防ぐための決定だと主張した。
今月2024年10月22〜24日に露中部カザンで開かれる主要新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議に先立つBRICS諸国の報道機関との会見で発言した。
ICC加盟国のブラジルには、プーチン氏が入国した場合、逮捕する義務が生じる。
一方でプーチン氏は
「逮捕を回避することは簡単だ」
「(逮捕しないという)政府間合意を結ぶだけだ」
とも指摘。
逮捕を懸念した欠席ではないと強調した。
プーチン氏はウクライナ情勢にも言及。
将来的な停戦について
「1年間や2年間の停戦であるべきではない」
「その間に北大西洋条約機構(NATO)が兵器を蓄え、(ウクライナに)移転するためだ」
と述べた。
その上で
「長期的で持続可能な平和」
の実現に向けて
「ロシアは戦い続け、勝利する」
と主張した。
プーチン氏はウクライナの
「中立化」
「非軍事化」
といった目標を達成するまで軍事作戦を継続する意思を改めて示した形だ。

「現段階で確認できない」NATO事務総長、ウクライナへの北朝鮮派兵報道で
2024/10/18 22:56
https://www.sankei.com/article/20241018-OZTEJIQNSRIOTGHKQN5MCDZD3M/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月18日
「北朝鮮人が兵士としてウクライナでの戦争に参加しているという報道について現段階では確認できていない」
と述べた。
ブリュッセルで記者団に語った。
ルッテ氏は、NATOが韓国などと緊密に連絡を取り合っており
「この見解は変わる可能性がある」
と指摘し、動向を注視する考えを示した。(共同)

北朝鮮がウクライナ侵攻「参戦」 軍特殊部隊1500人露極東入り 韓国情報機関
2024/10/18 22:29
https://www.sankei.com/article/20241018-TSZJ7GK24NIBZE7OJV4PBVC3A4/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月18日、北朝鮮がウクライナ侵略を続けるロシアを支援するため、朝鮮人民軍の大規模派兵を決め、既に第1陣約1500人が露極東地域に入ったとの情報を明らかにした。
韓国当局は、北朝鮮が参戦を始めたと判断した。
聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮による地上軍の大規模な海外派兵は初めてとされ、ウクライナの戦局にも影響を与える可能性がある。
派兵されたのは、軍特殊作戦部隊である
「第11軍団」
所属の将兵で、近く第2陣の兵員輸送も行われる見通し。
第11軍団は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭部隊。
最終的に4個旅団計約1万2000人規模の兵力がウクライナの戦場に投入されると予想されている。
北朝鮮が日米韓への敵対姿勢を強める中、軍の特殊部隊が戦場で実戦経験を積むことになれば、日韓の安全保障情勢にも影響を及ぼしかねない。
国情院によると、第1陣は今月2024年10月8日〜13日に北朝鮮北東部の清津(チョンジン)や東部、咸興(ハムフン)付近の地域から露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻に乗船し、露極東ウラジオストクに移った。
ウラジオストクの他、ウスリスクやハバロフスクなど極東地域の複数の拠点に駐留。
訓練を終え次第、戦地に送られる模様だ。
北朝鮮の兵士らはロシア人兵士を装うため、ロシアの軍服やロシア製武器、シベリア地域の住民を装う偽身分証も受け取ったとされる。

来年日本で地雷国際会議 ウクライナの除去支援
2024/10/18 19:53
https://www.sankei.com/article/20241018-OZWVQFXBP5ONXEFBSXUIO4AOLY/
スイス西部ローザンヌで2024年10月17日、ウクライナの地雷除去に関する国際会議が開かれ、日本から参加した柘植芳文外務副大臣は来年に日本で同会議を開催すると発表した。
会議には60以上の国・国際機関が参加した。
ウクライナのシュミハリ首相は、国土のおよそ4分の1に地雷や不発弾が埋まっている可能性がある状況に触れ
「地雷除去の分野で支援を強めてほしい」
と訴えた。
柘植氏はスイスやウクライナとの共同記者会見で
「人道支援の効果を最大化させる」
と話し、地雷探知機の供与や専門家育成での協力を強化する考えを示した。(共同)

北朝鮮が特殊部隊など1万2千人派兵決定、移動開始 韓国情報機関
2024/10/18 19:26
https://www.sankei.com/article/20241018-I4KDNLXG6NJSFBPACPPKTFGGDU/
韓国の情報機関、国家情報院は2024年10月18日、北朝鮮が最近、ロシアを支援するため、朝鮮人民軍の特殊部隊など4個旅団計約1万2000人規模の兵力をウクライナの戦場へ派兵することを決定したとの情報を明らかにした。
複数の韓国メディアが伝えた。
既に兵力の移動を開始しているとしている。
北朝鮮とロシアは2024年6月に実質的な軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結し、軍事的協力を急速に深めている。

フランス新型自爆ドローン開発 ウクライナへ「数週間内」に供与
2024/10/18 16:54
https://www.sankei.com/article/20241018-FZR2MHE7JZJSTATRUWAXLCFRXE/
フランス政府が、新開発の自爆ドローン(無人機)をウクライナに近く供与すると発表した。
ルコルニュ国防相が2024年10月16日にX(旧ツイッター)で、
「弾薬を乗せて遠隔操縦できる『カミカゼ・ドローン』第1号の試験に成功した」
と書き込み、
「今後、数週間以内」
に仏軍とウクライナに納入されると明かした。
仏紙フィガロによると、この自爆ドローンは45分間自律飛行でき、5キロ先の標的を攻撃できる。
1機当たりの価格は2万ユーロ(約325万円)以下という。
仏国防省は今年2024年3月、自爆ドローン2000機を発注し、このうち100機をウクライナに供与すると表明していた。

ノルウェー、近くF16戦闘機6機をウクライナに供与 欧米、「戦勝計画」に慎重姿勢
2024/10/18 11:26
https://www.sankei.com/article/20241018-PC7XFHL6KRPOVMJEANBJPE4NFA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は2024年10月17日、ベルギー・ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合でノルウェーのグラム国防相と会談した。
会談後、ウメロフ氏はSNSを通じ、ノルウェーから
「近い将来」
に6機の米国製戦闘機F16がウクライナに供与されると発表した。
ウクライナへのF16供与はこれで、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェーの4カ国が表明。
既に少なくとも6機が供与されたとされるが、ウクライナは2024年8月、1機が任務中に墜落したと公表した。
ノルウェーからのF16供与が実現すれば、ウクライナの防空力の向上が見込まれる。
ウクライナメディアによると、F16は2028年までに約80機が同国に供与される予定。
供与は段階的に行われ、2024年今年中に24機、25年末までに40〜50機程度となる見通しだとしている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議とNATO国防相会合に出席し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明した。
計画は、NATOがウクライナの加盟に向けた手続きを即座に開始することや、欧米製の長距離ミサイルによる露国内攻撃の解禁などを含んでいる。
ただ、ロイター通信によると、EUとNATOはウクライナ支援の継続を約束する一方、即座のNATO加盟手続きの開始には慎重姿勢を維持した。
ゼレンスキー氏は
「仮に計画への支持が得られなくとも、ウクライナはロシアの侵略と戦い続ける」
と表明した。
戦勝計画について、ペスコフ露大統領報道官は同日、
「狙いはNATOを紛争に公式に引き込むことであり、ロシアとNATOの直接衝突を招く」
と警告した。

「ウクライナは負ける」とトランプ氏 ゼレンスキー氏は「最も偉大なセールスマン」
2024/10/18 11:24
https://www.sankei.com/article/20241018-TLAV2B7UW5JTDITXSV3CT33IB4/
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は17日放送のポッドキャスト番組のインタビューで、ロシアが侵略するウクライナのゼレンスキー大統領について
「戦争を始めるべきではなかった」
「負け戦だ」
と批判した。
ロシアが侵略を始めたことを否定する発言とも受け取れ、民主党候補のハリス副大統領陣営が反発を強めるとみられる。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を指導者として高く評価しており、2021年の離任後にも対話したと報じられている。
侵略を正当化するプーチン氏寄りの姿勢が顕著で、ウクライナを支援する欧州の米同盟国に動揺が広がりそうだ。
ウクライナへの軍事支援に消極的なトランプ氏はゼレンスキー氏について
「最も偉大なセールスマンだ」
「米国に来る度、我々が1000億ドル(約15兆円)を与えている」
と誇張して皮肉る一方
「ウクライナ人を気の毒に思う」
「彼を助けたくないと言っているわけではない」
とも述べた。(共同)

中露を念頭、現状変更に反対 中谷防衛相、NATO会合で連携強化を呼びかけ
2024/10/18 10:04
https://www.sankei.com/article/20241018-FUE3PW4CSZPQ3OS5AGCXDFJ7IQ/
中谷元・防衛相は17日(日本時間同)、北大西洋条約機構(NATO)とインド太平洋地域のパートナー国との国防相会合に初めて出席した。
中国やロシアを念頭に、力による現状変更の試みに反対し、対抗するための連携強化を呼び掛けた。
「厳しい国際情勢だからこそ、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とNATOの協力が重要だ」
と述べた。
ロシアのウクライナ侵略を
「国連憲章の原則が踏みにじられた暴挙だ」
と非難。
日本は引き続きウクライナ支援を続けるとして、自衛隊車両を追加提供する考えを示した。
ウクライナのウメロフ国防相との会談でもこうした方針を伝えた。
会合では
「インド太平洋地域でも力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されている」
と述べ、中国軍が2024年10月14日に台湾を包囲する形で実施した軍事演習に言及した。(共同)

NATO国防相会合、ウクライナの加盟で温度差 ゼレンスキー氏の戦勝計画、多難な前途
2024/10/18 9:59
https://www.sankei.com/article/20241018-RVHP6SP63VJIPLKL7CSR6QGYKU/
ブリュッセルで2024年10月18日まで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、ロシアに侵略されたウクライナへの
「揺るぎない支援」
が改めて打ち出されたのとは裏腹に、ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日公表の対露戦争計画で求めた
「NATOへの即時無条件加盟への招待」
を巡る加盟国間の温度差が目立ち、前途の多難さを印象付けた。
2024年10月1日に事務総長に就任し、今回初めてNATO会合を主催するルッテ氏は2024年10月17日、
「ウクライナをこれまで以上にNATOに近づける」
と述べるとともに、加盟が実現するまでは、ウクライナの勝利を確実にするため
「あらゆる手立てを講じ続ける」
と強調した。
会合では、初参加のオーストラリアが退役を控えた豪陸軍のM1エーブラムス戦車49両をウクライナに供与すると表明した。
また、加盟国が年間400億ユーロ(6兆5100億円)規模の対ウクライナ軍事支援を続けていくとの目標について、達成されるとの見通しが示された。
一方、ウクライナのNATO加盟を巡っては、エストニアのペブクル国防相やラトビアのスプルーズ国防相が、ゼレンスキー氏の戦勝計画を支持する立場からウクライナのNATO加盟実現を早急に具体化させるべきだと表明した。
ゼレンスキー氏は2024年10月17日、NATO会合に先立ちブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で演説し、ウクライナのNATO加盟も含めて戦勝計画を今から実行に移せば
「戦争は遅くとも2025年までに終結する」
と主張した。
NATOは2024年7月に米ワシントンで開いた首脳会議で
「ウクライナのNATO加盟は不可逆的だ」
とし、将来のNATO加盟を確約している。
ただし、加盟に向けた実質的な動きは出ていない。
加盟国の間では、NATOの中心国である米国で2024年11月に実施される大統領選の行方を見極めたいとの思惑が強い。
加えて米国とドイツは、現時点でウクライナを加盟させればロシアが反発し、核兵器使用の恐れも含めて戦火が拡大しかねないとの懸念から
「ウクライナの加盟は戦争終結後であるべきだ」
と他の加盟国を説得しているという。
ウクライナが加盟するにしても、他国からの攻撃をNATO全体への攻撃と見なすNATO条約第5条の適用範囲を明確化させるため、ウクライナとロシアとの国境または境界線が明確に確定されていることが加盟の前提となるなど、加盟実現へのハードルは尚高いのが実情だ。

米、攻撃用無人機生産で中国企業に制裁 ウクライナ侵略でロシアが使用
2024/10/18 8:52
https://www.sankei.com/article/20241018-KEX2TZTNYNO5JM5PLNDBZN6L3U/
米財務省は2024年10月17日、ロシアがウクライナ侵略で使用する長距離の攻撃用無人機の生産に関与したとして、中国などに拠点を置く3企業と1個人に制裁を科した。
米国内の資産が凍結される。
ロシアに武器を直接供給する中国企業が制裁対象となるのは初めてとしている。
ミラー国務省報道官は声明で、ロシア企業の協力の下、中国で生産された無人機がウクライナで重要インフラの破壊や多数の負傷者を生み出していると指摘。
「ロシアに対する軍事的支援には引き続き代償を負わせる」
と警告した。
財務省によると、今回制裁対象となった企業は無人機のエンジン生産に加え、今年2024年初めから無人機の部品となる電子機器の輸出にも関わっていた。
米政権高官らは、中国最高指導部がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。(共同)

北朝鮮部隊1万人派遣準備 ゼレンスキー氏、露との連携に懸念 NATO国防相会合閉幕へ
2024/10/18 7:56
https://www.sankei.com/article/20241018-AKLNYDTKORI65D3SZWD7XFDSI4/
ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は2024年10月18日、ロシアに侵略されたウクライナに対する軍事支援の強化と、ウクライナの将来的なNATO加盟を確認して閉幕する。
2024年10月17日のウクライナ関連会合に出席した同国のゼレンスキー大統領は記者会見で、ウクライナ領内に北朝鮮軍の要員が送り込まれていると指摘し、ウクライナ戦争でのロシアと北朝鮮の連携に強い懸念を示した。
ゼレンスキー氏はウクライナの情報機関が入手した情報として
「北朝鮮がウクライナ領内の露支配地域に戦術要員と将校を送り込んだ」
と述べた。
また、北朝鮮が総勢1万人規模の部隊をロシアとウクライナの露占領地域に派遣する準備を進めているとした。
記者会見に同席したNATOのルッテ事務総長は
「北朝鮮の兵士が(ウクライナでの)戦闘に関与している証拠はない」
と述べる一方で、北朝鮮がロシアにミサイルなどの兵器や機器の供与といった多様な支援を展開しており
「非常に懸念している」
と語った。
ルッテ氏はまた
「中国はロシアの対ウクライナ戦争の決定的な支援者と化した」
と批判。
2024年10月17日の会合に中谷元・防衛相ら日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が出席したのを踏まえ、NATO加盟国とインド太平洋地域のパートナー諸国が対中国を含めた幅広い分野で連携を深めていくべきだと強調した。
ルッテ氏は4カ国を交えた会合は
「意義深かった」
とし、防衛産業の生産能力強化、偽情報工作を駆使したハイブリッド戦争への対応、サイバー攻撃対策で協力強化を図るとした。
ゼレンスキー氏は日本からの支援に関し
「日本は本当に力強い相棒だ」
「日本がいなければ生き残れなかった」
と謝意を表明した。

<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ
社説
2024/10/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20241018-7IRDVZ74WBLD7KQSOTUO4KCUJA/
ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日、最高会議(国会)の演説で
「ロシアによる侵略に北朝鮮が参戦している」
と明言した。
2024年10月13日の声明でも
「(北朝鮮からロシアへ)もはや武器だけでなく人が派遣されている」
と指摘していた。
複数のウクライナメディアは、ロシア軍が北朝鮮人で作る3000人規模の部隊を編成し、国境地帯に配備したと報じた。
北朝鮮兵1万人がロシアに派遣されたとの報道もある。
北朝鮮は弾道ミサイルや数百万発の砲弾をロシアに輸出し、ウクライナの戦場で使用されている。
ロシアは否定するが、実際に北朝鮮が派兵までしたのであれば、侵略への加担どころか侵略者になったことになる。
事実なら明白な国連憲章違反であり許されない。
北朝鮮は直ちに将兵を自国に戻し、武器弾薬の輸出も停止すべきだ。
北朝鮮軍の派遣について、カービー米大統領補佐官は
「露軍は毎日1000人超が死傷するなど大きな困難に直面している」
「その中で出てきた」
との見方を示し、露朝の軍事協力に懸念を表明した。
懸念されるのはウクライナへの侵略激化だけではない。
2024年6月に露朝が結んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
には
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的、またはその他の援助を提供する」
とある。
朝鮮半島有事になれば、ロシア軍の参戦の可能性があるということだ。
北朝鮮は韓国との対決姿勢を強めているが、南北の衝突がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
日本にとって他人事ではない。
青木一彦官房副長官は記者会見でウクライナを巡る露朝軍事協力進展について、ウクライナだけでなく日本周辺の安全保障環境に与える影響の観点から
「深刻に憂慮すべきものだ」
と語った。
だが、石破茂首相や与野党からは危機感の表明や露朝両国への批判はほとんどない。
一体どうしたことか。
どの党も候補者も、日本を守る、国民を守る―と連呼する衆院選の最中であるにもかかわらず、この鈍さは理解に苦しむ。
石破首相は外務、防衛両省に北の派兵の詳細をウクライナ政府に確認するよう指示すべきだ。
その上で関係各国に露朝両国への制裁を呼び掛け、日本自身も急ぎ発動すべきである。

ウクライナ軍前総司令官、早期終戦に否定的 欧米が武器供給せず「勝利の機会失った」
2024/10/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20241017-NWWI25AG4NPKZMFMBAT4R2NSEQ/
ウクライナ軍前総司令官のザルジニー駐英大使が2024年10月17日、ロンドンで講演し
「ロシアとの長期戦から抜け出すのは、ほぼ不可能に思える」
と述べ、早期の戦闘終結に否定的な見解を示した。
欧米が2023年、ウクライナに必要な武器を供給しなかったため、勝利の機会を失ったとも指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月17日の欧州連合(EU)首脳会議で、対ロシア戦の
「勝利計画」
について演説し、計画に今すぐ着手すれば、2025年中に戦闘終結が可能だと主張した。
ザルジニー氏は軍総司令官だった2023年11月に英誌エコノミストが報じたインタビューで、戦闘が
「膠着状態」
にあると発言。
ゼレンスキー氏が
「膠着ではない」
と否定し、両者間の亀裂が指摘された。
ゼレンスキー氏は2024年2月、ザルジニー氏を解任した。(共同)

米、ウクライナのF16要員養成で若手重視に転換 欧米式訓練に柔軟対応も訓練長期化か
2024/10/17 17:02
https://www.sankei.com/article/20241017-NOBKFZHIQJKIXEQNVC6NXHXDKM/
米紙ウォールストリート・ジャーナルは17日、ウクライナ空軍に供与された米国製F16戦闘機の操縦士養成に関し、米国が若手に重点を置く方針に転換したと伝えた。
訓練のためにウクライナを離れることが可能で必要な英語能力がある経験豊富な操縦士の不足が理由。
若手の場合、訓練に時間がかかり、F16による防空態勢の強化が遅れる可能性もある。
ウクライナでは2024年8月下旬にF16が墜落し、ベテラン操縦士が死亡した。
この操縦士は通常数年かかる訓練を6カ月で終えて前線に投入されたばかりだったことから、米国などは訓練の在り方を協議していた。
同紙によると、若手の方が欧米式の訓練に柔軟に対応できるとの意見もあるが、F16の訓練課程に進む前に英国とフランスの施設で1年間の基礎的な飛行訓練を終える必要がある。
方針転換前から、ウクライナ空軍が20機のF16と操縦士40人で構成する飛行隊を配備するには、早くとも来年2025年春までかかる見通しだったという。(共同)

米ウクライナ首脳、対露戦勝計画を協議 米は長射程攻撃で慎重維持、「北派兵」懸念共有か
2024/10/17 8:19
https://www.sankei.com/article/20241017-JYTHWXWJ5NIEVM42XJ6VJ2FSXU/
バイデン米大統領は2024年10月16日、ロシアの侵略が続くウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明した。
ゼレンスキー氏は同日、最高会議(議会)演説で公表した対露戦勝計画を巡る最新状況を説明。
同氏が計画の柱とする米国製長射程兵器による露領内攻撃容認について、米側は慎重姿勢を維持したとみられる。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアに弾道ミサイルなどを供給する北朝鮮が部隊をロシアに派遣したと複数の欧米メディアが報道
ゼレンスキー氏は議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と表明しており、バイデン氏にも懸念を伝えた可能性がある。
米国家安全保障会議(NSC)のサベット報道官は
「ロシアの代わりに戦う北朝鮮兵士に関する報道に憂慮している」
「事実なら、両国の軍事関係の著しい増強を示すことになる」
と述べた。
また、ホワイトハウスは、バイデン氏が2024年10月17〜18日の日程でドイツを訪問、ショルツ首相らとウクライナや中東情勢などを協議すると発表。
2024年11月にはバイデン氏がウクライナ支援国によるオンラインの首脳級会合を主宰するとも明らかにした。
同月2024年11月の米大統領選に向け、現政権のウクライナ支援姿勢を継承する民主党候補ハリス副大統領と、対露交渉による早期停戦を唱える共和党候補トランプ前大統領との接戦が続いている。
一方でイランや北朝鮮、中国がロシアと軍事的連携を強めており、バイデン氏は支援国の首脳らとの協議を通じ、選挙結果にかかわらず、対露戦勝利に必要な支援をウクライナが確保できるよう、危機意識の共有を図るものとみられる。

NATO国防相会議が開幕へ 日韓など4カ国が初参加 ウクライナの「戦勝計画」など協議
2024/10/17 8:18
https://www.sankei.com/article/20241017-4WFOTPTSMRPXHBJIG7FUA4FQRM/
北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合が2024年10月17日、ブリュッセルのNATO本部で2日間の日程で始まる。
2024年10月19日からイタリア南部のナポリで開かれる初の先進7カ国(G7)国防相会合と合わせ、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の推進を確認する。
2024年10月17日の会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。
NATO会合には中谷元防衛相を含め日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が初参加する。
NATOのルッテ事務総長は2024年10月16日の記者会見で、日本など4カ国の国防相との協議では防衛産業分野での協力に関して話し合うとしており、増産が急務となっているウクライナ向けの弾薬の供給拡大に向けた連携や、先端技術協力などが議題に上るとみられる。
ルッテ氏は4カ国との協力について
「次の段階として何をするかを描き出すことが重要だ」
と指摘。
日本との関係では
「日本はウクライナとの強い連帯を打ち出している」
「中国の軍備増強についても共通の懸念を抱いている」
と述べた。
ウクライナを巡る討議では、ゼレンスキー氏が2024年10月16日に初公表したロシアに対する
「戦勝計画」
への対応などが主要議題となる。
ルッテ氏は戦勝計画に関し
「ウクライナのNATOへの即時無条件の招待」
などが盛り込まれていることを念頭に
「計画を全面的に支持するとは言えない」
と語り、慎重姿勢を示した。

ウクライナの対ロシア「勝利計画」に慎重姿勢 NATO事務総長 国防相理事会で議題に
2024/10/17 7:37
https://www.sankei.com/article/20241017-FWBDEPL4BZIMJEDZUK32CECGOE/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領が公表した対ロシア戦争の
「勝利計画」
について
「私は計画全体を支持しているとは言えない」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
ブリュッセルで記者会見した。
勝利計画は、ウクライナのNATO加盟交渉に同国を招待することも要求している。
ルッテ氏は
「深く掘り下げ、その背景を理解しなければならない項目が数多くある」
と指摘。
2024年10月17〜18日に開くNATO国防相理事会で
「間違いなく議題に上る」
と述べた。
加盟国が表明したウクライナ軍事支援が今年前半だけで209億ユーロ(約3兆4千億円)に上るとして、来年も400億ユーロ規模の支援を継続するという目標を達成できるとの見通しを示した。(共同)

防衛産業協力を協議へ NATO、日韓豪NZの国防相と 実務的な関係深める狙い
2024/10/17 7:14
https://www.sankei.com/article/20241017-6NXEMG2KVNIK5I75KRYMQRSMJ4/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ブリュッセルで2024年10月17〜18日に開催する国防相理事会に招待した日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相と
「工業生産や技術革新の協力の在り方について協議する」
と明らかにした。
防衛産業分野の協力を進める。
理事会を前に記者会見した。
NATOは2022年から3年連続で4カ国の首脳を招待しているが、国防相理事会に4カ国の国防相を招くのは初めて。
ロシアのウクライナ侵攻を支援する中国に対する懸念を共有するだけでなく、実務的な協力関係を深める狙いがある。
欧州のNATO加盟国はウクライナに対する弾薬などの軍事支援に注力しているが、防衛企業による生産が追い付かず、供給能力不足の克服が課題となっている。(共同)

米、ロシア領長射程攻撃で慎重姿勢を維持 ウクライナ支援の継続を約束
2024/10/17 7:02
https://www.sankei.com/article/20241017-MQKMTR4H5VNN3LEQGWJOG5C544/
ジャンピエール米大統領報道官は2024年10月16日の記者会見で、ウクライナに米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を認めるかどうかについて慎重な姿勢を維持した。
バイデン大統領はゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明。
来年2025年1月の任期切れまで支援を続けると約束した。
米政府はバイデン氏が2024年10月17〜18日にドイツを訪れ、ショルツ首相とウクライナや中東の情勢を協議すると正式に発表した。
2024年10月11月にウクライナ防衛支援に関する首脳級会合をオンラインで主催するとも明らかにした。
ゼレンスキー氏は電話会談に先立ち、対ロシア戦争の
「勝利計画」
を初めて公表し、長射程兵器によるロシア領内への攻撃容認も強く求めた。
ジャンピエール氏は
「米国の方針は変わっていないし、今後も変わらない」
と述べた。
米国は使用容認が戦況を好転させるとの見方に否定的で、ロシアを過度に刺激しかねないと懸念している。(共同)

ゼレンスキー氏、対ロシア戦勝計画を初公表 実現なら「来年中にも終戦」と見通し
2024/10/16 23:28
小野田 雄一の写真
https://www.sankei.com/article/20241016-BQW7TIMJYBL67IRQERZPGMOSGE/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月16日、同国最高会議(議会)で演説し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を公表した。
これまで計画の一部に言及していたが、全体像を明らかにしたのは初めて。
ゼレンスキー氏は、計画を実現して
「ウクライナが今、強くならなければ、ロシアは更に強大化し、外交(による停戦)を永久に放棄するだろう」
と指摘。
一方、計画が実現されれば2025年来年中にも戦争は終結するとの見通しを示した。
ゼレンスキー氏によると、戦勝計画ではウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への即時かつ無条件の招待を求めた。
その他、
▽露西部クルスク州の占領地域の維持
▽再侵略を予防するための欧米諸国と協力した戦略的措置
▽経済力強化
▽欧米が供与した長距離ミサイルによるロシア国内への攻撃の解禁
などが盛り込まれている。
NATOへの招待とは、将来的な加盟の確約を事実上求めたものとみられる。
NATO諸国などとの連携を強化することでロシアに侵略継続を断念させ、停戦交渉の場にロシアを引き出したいウクライナの思惑を示した。
戦勝計画の策定は2024年8月下旬にゼレンスキー氏が発表。
これまでに米国や英国、フランス、ドイツ、イタリアに提示し、関与を求めてきた。
ゼレンスキー氏は今月2024年10月17〜18日にベルギー・ブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議でも計画を説明する。
ただ、ロシアは、停戦にはウクライナがNATO加盟を断念して
「中立化」
することや、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の領有権を放棄することが不可欠だと主張。
戦勝計画が実現する前にウクライナを降伏に追い込む思惑だとみられる。
NATO諸国の間でもウクライナのNATO加盟には慎重論が根強く、戦勝計画の実現可能性は不透明だ。

独ショルツ首相、ロシアのプーチン大統領と協議も 戦争終結へ「あらゆること模索」
2024/10/16 23:20
https://www.sankei.com/article/20241016-7TV3NHHSMFL7XE7AZ4YB4NJNIA/
ドイツのショルツ首相は16日、連邦議会での演説で、ロシアとウクライナの戦争終結に向け、ロシアのプーチン大統領との話し合いに前向きな姿勢を示した。
一方で
「ウクライナの頭越しや同盟国の合意なしに決定が下されることは決してない」
とも強調した。
ショルツ氏は、ウクライナへの支持は明確だとした上で
「戦争がいつまでも続かないようにするために、あらゆることを模索しなければならない時が来た」
と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月11日、ベルリンでショルツ氏に対ロシア戦争の
「勝利計画」
を説明。
欧米の支援を得て軍事的優位を固めてロシアを交渉の席に着かせ、ウクライナ主導で和平を受け入れさせることが狙いだとされる。(共同)

G7初の国防相会合、伊ナポリで19日開催 ウクライナなど紛争多く安全保障面で連携強化
2024/10/16 18:36
https://www.sankei.com/article/20241016-INA6WJQGFRNJHJMJYIWMUMXWOM/
日米欧の先進7カ国(G7)は19日、初の国防相会合をイタリア南部ナポリで開催する。
議長国イタリアによると、ロシアによるウクライナ侵略などの紛争が相次ぐ中、安全保障面での連携強化が目的。
ウクライナの防衛支援や緊張が高まる中東情勢が主要議題となる。
イタリア政府関係者は
「会合を通じて、防衛分野でのG7の結束を示す」
と強調。
ウクライナ支援で防衛産業の生産能力が不足した経験を踏まえ、産業基盤の強化もテーマになる。
ウクライナは砲弾など物量で優位に立つロシア軍に対して劣勢を強いられている。
ゼレンスキー大統領が2024年10月今月、英独仏伊の4カ国を訪問した際、各国はウクライナの防空や防衛産業などへの支援を表明。
今回の会合でも支援継続のメッセージを発信するとみられる。
中東情勢を巡っては、イスラエル軍がレバノン南部に地上侵攻し、駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の施設が攻撃を受けた。
G7として対応を議論する。(共同)

ロシア、北朝鮮人部隊を編成か 3000〜1万人規模 ウクライナ複数メディア報道
2024/10/16 8:26
https://www.sankei.com/article/20241016-GRWSIK5GKJKE3AFD2BYQYFH72I/
ロシアの侵略を受けるウクライナの複数メディアは15日、露軍が北朝鮮人で構成する部隊を編成し、ウクライナとの国境地帯に配備していると報じた。
ウクライナ軍の情報当局筋の話だとしている。
事実であれば、露軍の損耗拡大を背景とした動きの可能性がある。
部隊に配属された北朝鮮人18人が逃亡し、露軍が捜索しているとの情報があるとも報じている。
現地紙ウクラインスカヤ・プラウダによると、北朝鮮人で構成された部隊の名称は
「特別ブリヤート大隊」。
推定3000人規模だとした。
部隊名はロシアのアジア系少数民族、ブリヤート人に由来するとみられる。
ウクライナの英字紙キーウ・インディペンデントは15日、北朝鮮からロシアに
「兵士1万人」
が派遣されたと欧米側外交筋が話したと伝えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、北朝鮮がロシアに兵器を供給するだけでなく、実際の戦闘に人員を関与させていると指摘。
複数の欧米メディアも、北朝鮮がロシアに供給した短距離弾道ミサイルの運用に携わる人員を露軍に派遣している他、
「数千人」
の北朝鮮人が露国内で訓練を受けており、年内にも前線に配備される可能性があると伝えていた。
露朝は今年6月、事実上の軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名するなど、安全保障協力を拡大している。

ウクライナ関係「強力に」 ジェトロ、首都キーウで事務所開所式
2024/10/11 10:57
https://www.sankei.com/article/20241011-DCN75SPATZNWDA4OEZSRY2RW3Y/
日本貿易振興機構(ジェトロ)は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナの首都キーウに事務所を設け、中心部のホテルで開所式を実施した。
日本とウクライナの企業関係者ら約280人が出席。
柴田哲男所長は
「両国のより強力な結び付きの始まりとなる」
と挨拶した。
ウクライナ進出を検討中の日系企業10社も参加。
新しい有機肥料の開発に取り組むスタートアップ企業WAKU(岡山県高梁市)の代表取締役CEO姫野亮佑さんは、ウクライナの農業生産法人と実証実験を進めたい考え。
戦闘が続く中でも
「他の企業が入ってくる前に、できるだけ早く進出したい」
と意気込みを語った。
ウクライナの電力会社の男性社員は
「経済は全ての土台」
「発展するほど勝利に近づける」
と日本の支援に謝意を示した。(共同)

露軍、ウクライナ港湾インフラに3カ月で60回攻撃 副首相「食料危機を引き起こす」と非難
2024/10/11 10:50
https://www.sankei.com/article/20241011-VHYYJBTN6ZKYRC7IKTYSPVSSGM/
ウクライナのクレバ副首相は10日、ロシア軍が直近の3カ月で、ウクライナの港湾インフラを約60回攻撃したと明らかにした。
農業大国ウクライナは黒海を通じた穀物輸出を継続しており、クレバ氏は
「ウクライナの輸出能力を破壊するのが狙いだ」
「食料危機を引き起こす挑発だ」
と非難した。
一連の攻撃で約300の港湾施設、車両177台、船舶22隻が破壊されたという。
港湾作業員や船員ら79人が負傷した。
クレバ氏によると、ウクライナは現在40カ国以上に穀物を輸出している。
輸出先には中国、インドネシア、ベトナムといったアジア諸国のほか、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、トルコ、オランダ、スペインが含まれる。(共同)

ロシアでアフリカ女性ら200人が無人機製造か 虚偽広告で渡航 監視下で従事
2024/10/11 10:30
https://www.sankei.com/article/20241011-HOOZHSP2HJKR5ACPO74MYM3SNI/
AP通信は10日、無料航空券や接客業などの仕事を約束するソーシャルメディアの広告を見てロシアに渡航したアフリカ出身の女性ら約200人が、ウクライナ侵攻で多用される無人機の製造に従事させられていると、当事者の話を引用して報じた。
APによると、女性はウガンダやルワンダ、ケニアなどアフリカ諸国やスリランカの出身で年齢は18〜22歳。
ロシア中部タタルスタン共和国アラブガの経済特区にある工場で、イラン製の無人機
「シャヘド」
の組み立てに1日12時間従事させられているとした。
ロシア人や中央アジア諸国の学生も働いているという。
女性らは職場や寮で常に監視下に置かれ、約束された賃金も支払われていないと訴えている。
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」
によると、ロシアは侵攻継続のため、仕事の内容を十分に説明せず、アフリカやインドから労働者を募集している。(共同)

ゼレンスキー氏が英仏首脳と会談 トランプ氏当選を視野に「勝利計画」への支持取り付けへ
2024/10/11 8:58
https://www.sankei.com/article/20241011-DMYT6OAAQ5JKDDYURBLTJ5ES4Q/
ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は10日、欧州歴訪を開始し、英国とフランスでスターマー英首相、マクロン仏大統領とそれぞれ会談した。
ゼレンスキー氏は歴訪を通じ、各国から軍事支援強化の確約と、戦争終結に向けてウクライナが策定した
「勝利計画」
への支持を取り付けたい考えだ。
英メディアなどによると、ゼレンスキー氏はスターマー氏との会談で、戦勝計画の説明に加え、英国がウクライナに供与した巡航ミサイル
「ストームシャドー」
などの長距離攻撃兵器について露領内に対する使用制限を撤廃するよう改めて要請した。
1日に就任した北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長も会談に同席した。
ルッテ氏が就任後、NATO加盟国を訪れるのは初めて。
ルッテ氏は会談後、記者団に
「ウクライナを支援することは、NATO加盟各国にとって死活的に重要だ」
と訴えた。
戦況については、ロシア軍がウクライナ東部で徐々に前進しており、情勢は
「厳しい」
との認識を示した。
ウクライナによるロシアへの越境攻撃は
「合法的行動だ」
と明言しつつ、長距離兵器の使用制限の緩和の判断は
「供与国次第だ」
と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は英仏に続いてイタリアとドイツも訪問。
11日のショルツ独首相との会談ではドイツが主導する弾薬の増産などが議題となる見通しだ。
ゼレンスキー氏としては投開票まで1カ月を切った米大統領選でウクライナ支援に懐疑的な共和党のトランプ前大統領が当選した場合を想定し、米欧の主要国との間でウクライナ支援の継続と、ロシアに侵略の利得を与えない形での戦争の終結に向けた合意を固めておきたい思惑がある。
トランプ氏は先月27日にニューヨークでゼレンスキー氏と会談した際、
「戦争は終わらせるべきだ」
「私なら直ちに終結させられる」
と戦いの幕引きに前のめりな姿勢を鮮明にしていた。
これに危機感を強めたゼレンスキー氏が今回の歴訪で改めて支持固めに走ったとみられる。
ただ、バイデン米大統領も含め12日にドイツで予定された米英独仏首脳とゼレンスキー氏との会談は、バイデン氏が米南部を襲ったハリケーンの対応のため出席できないとして見送られ、ゼレンスキー氏としては目算が外れた恰好だ。

「領土放棄してNATO加盟」形式の停戦案報道、ゼレンスキー氏が否定
2024/10/11 8:34
https://www.sankei.com/article/20241011-NMFXYW6N3ZMV3KM6YGTNFODFHM/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は10日、被占領地域の実効支配をロシアに認めるのと引き換えにウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟して安全を確保するという形での停戦案が検討されているという一部メディアの報道について、
「停戦に関する如何なる議論も行われていない」
と否定した。
パリで同日行われたフランスのマクロン大統領との会談後の記者会見での発言としてウクライナメディアが伝えた。
欧州歴訪中のゼレンスキー氏は
「私が停戦を協議するために支援国を訪問していると一部メディアが報じているが、事実ではない」
とも述べた。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談で、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明し、支援を改めて要請した。
ゼレンスキー氏は同日、訪仏に先立ち英国も訪問。スターマー英首相に戦勝計画を説明した他、NATO加盟を望むウクライナの立場を改めて伝達した。
英紙フィナンシャル・タイムズなど一部メディアは最近、ウクライナや欧米当局者の間で、ウクライナが被占領地域を事実上放棄するのと引き換えに、NATOがウクライナの安全を保証するという形での停戦案が浮上していると報じていた。
ただ、ウクライナは報道を否定。
ロシアも停戦にはウクライナの
「中立化」
が必要だとし、NATO加盟は容認できないとの立場を示している。
一方、ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は10日、露軍がウクライナ東部ドネツク州の集落3カ所とルガンスク州の集落1カ所を新たに制圧したと伝えた。

ウクライナ最高会議、戦費調達の増税法案可決 財源確保が課題
2024/10/10 21:06
https://www.sankei.com/article/20241010-D2GLGNSM7BMVJEZ4ZWW4CVUHLA/
ウクライナ最高会議(議会)は10日、戦費調達のための増税法案を賛成多数で可決した。
発効にはゼレンスキー大統領の署名が必要となる。
ウクライナメディアなどが伝えた。
ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻を始めて以降、ウクライナの国防予算は急増し、ゼレンスキー政権は財源の確保を迫られている。(共同)

露南部にドローン攻撃 ウクライナ、「燃料施設を破壊」と発表
2024/10/10 19:50
https://www.sankei.com/article/20241010-M54NUCMUPBOH7EWAKUTWJ3PT5A/
ロシア南部アディゲ共和国のクムピロフ首長は10日、同共和国の都市マイコープ郊外にドローン(無人機)攻撃があり、住民の避難を実施しているとSNSで発表した。
死傷者はないとした。
ウクライナ軍高官のコバレンコ氏は同日、マイコープ近郊の軍用飛行場の燃料貯蔵施設を破壊したとSNSで発表。
飛行場で爆発が起きた様子を撮影したとする動画も投稿した。
ウクライナ軍は最近、露軍の燃料貯蔵施設や弾薬庫への攻撃を激化。露軍の継戦能力を低下させるための作戦だとしている。

プーチン露大統領、「露朝戦略条約」法案を国会提出 北朝鮮と事実上の同盟締結へ
2024/10/15 8:23
https://www.sankei.com/article/20241015-HTQPRFXU7VNN3LOMIIC3BP4KUM/
ロシアのプーチン大統領は14日、北朝鮮と安全保障協力の拡大などを定める
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を批准する法案を露下院に提出した。
条約は、どちらか一方の国が武力攻撃を受ける恐れが生じた場合に即座に協議を行うことや、実際に武力攻撃を受けた場合に相互が軍事支援を行うことなどを規定。
一方が他方に不利益を与える協定などを第三国と結ばないことも定めている。
ロシアは北朝鮮と事実上の軍事同盟を結ぶ形。
ウクライナ侵略で欧米諸国と決定的に対立したロシアは、核兵器開発や人権問題などを巡って同じく欧米と敵対する北朝鮮と関係を深め、欧米に対抗する思惑を改めて鮮明にした。
露朝の関係強化は、両国の軍事的威圧と対峙する日本にとっても脅威となる。
法案は今後、露下院と上院で可決された後、プーチン氏の署名により成立する見通し。
米国やウクライナによると、ロシアは北朝鮮から調達した弾道ミサイルや砲弾をウクライナの戦場で使用。
ロシアは見返りにロケットエンジン技術などを北朝鮮に提供していると観測されている。
露朝間の包括的戦略パートナーシップ条約は、6月に24年ぶりに訪朝したプーチン氏が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とともに署名していた。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/801.html#c3

[政治・選挙・NHK295] 政権交代阻止する国民民主(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
21. 秘密のアッコちゃん[914] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 11:21:38 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[479]
<■762行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
国民民主は「民社党」になれるか 元民社書記局員、荒木和博氏「政権に影響力を」と期待
2024/11/5 10:20
https://www.sankei.com/article/20241105-Y4HMG7FH5BAXDGOOXC3T7RW3HM/
先の衆院選で国民民主党が改選前の4倍の28議席を獲得して躍進。
自民党と国民民主は政策ごとに協力する
「部分連合」
に向けた動きを本格化させている。
部分連合を、55年体制末期に国連平和維持活動(PKO)協力法成立で実現したのが民社党だ。
「テーマによっては自民より右」
と言われた民社のように、国民民主はなるのだろうか。
元民社党本部書記局員で特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏に聞いた。

■国民民主に民社の遺伝子
ーー民社党とは
昭和35年に社会党の右派が分裂して結成されました。
当初の正式名称は民主社会党です。
共産主義を否定し、資本主義の修正を目指す福祉国家路線で、防衛や行政改革、教育改革などでは自民よりはっきり主張しました。
しかし自民と連立を組むことはなく、政権に参加したのは平成5〜6年の細川、羽田内閣の10カ月だけです。
新進党の結成に伴って6年12月に解散しましたから、来月で解党30年です。
私は中学生から民社のファンで、大学卒業後の昭和54年から解党まで本部書記局員でした。

ーー民社の遺伝子は国民民主にあるか
現職の国会議員でかつて民社党員だったのは、自民の山谷えり子、高木啓両氏、立民の渡辺周、熊谷裕人両氏、国民民主の川合孝典氏、日本保守党の河村たかし氏と、所属政党は分かれています。
しかし解党後に民社の理念に共鳴していた人たちが今は国民民主に多く所属しています。
また、民社は全日本労働総同盟(同盟)に支持され、国民民主はUAゼンセンなど旧同盟系労組に支えられていますから、民社の遺伝子の一部は国民民主に継承されています。

ーー民社は共産党の宮本顕治元議長の「リンチ共産党事件」(共産党はスパイ査問事件と呼称)を追及するなど、「右」のイメージを持たれていた
私が取り組んでいる北朝鮮による拉致事件を国会で最初に取り上げたのは民社の塚本三郎委員長でしたし(政府は答弁せず)、国鉄の分割民営化は同盟傘下の鉄道労働組合(鉄労)があったから成し遂げられました。
皇室への尊敬の念も自民よりありました。
元号法制化には積極的に取り組みました。

ーーそういう点では国民民主はマイルドだし、議員の思想にばらつきがある
民社には、共産党や社会党左派のマルクス・レーニン主義と対決する民主社会主義という思想理念がありました。
国民民主には○○主義と呼べるものがありません。
これは善しあしではなく時代状況の違いでしょう。

■自公民、PKO協力法で部分連合
ーー民社には、社会、公明と一緒に自民に対抗する「社公民路線」と、自民に協力する「自公民路線」があった
大雑把に言えば自民と連携して政策を実現しようという流れと、元々社会党だったのだから労働者の党としてまとまるべきだという流れがありました。
これは派閥対立というより、どちらも選択肢だったということでしょう。
しかし現実には自民が強くて、連立も閣外協力もできる余地がありませんでした。
ただ、平成元年に自民が参院で過半数割れした後、大内啓伍委員長時代の3年には湾岸戦争に90億ドル追加支援する補正予算案に自公民で賛成し、4年には社会党が牛歩戦術で抵抗する中、PKO協力法を成立させました。
あれは部分連合でした。

ーー自公民ならぬ「自公国」を実現するとしたら、国民民主にとって「部分連合」「連立」「閣外協力」のどれがいいのか
『年収の壁』の引き上げやガソリン税の一部軽減、消費税減税など、自分たちがやるべき政策を実現できるかどうかで、選択肢を判断すればいいと思います。

ーー国民民主は民社のようになれるか
自分自身にとって所属政党は民社だけで、国民民主の党員ではありませんから無責任な意見ですが、民社は小さいながらも政策のデパートでした。
国民民主は経済だけでなく幅を広げ、総合的な政策を進めてほしいですね。
民社には民主社会主義研究会議(民社研)に中道系、保守系の錚々たる学者が集まっていました。
ああいうブレーン軍団が国民民主にもあったほうがいい。
党員教育も必要でしょう。
玉木雄一郎代表には、政策力を強化して、民社がなし得なかった、政権に対する影響力発揮を期待しています。

あらき・かずひろ
昭和31年、東京生まれ。
慶応大卒業後、民社党本部に入り、中央党学校事務局、青年局などで勤務。
解党時は全国青年部副部長。
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)事務局長を経て、特定失踪者問題調査会代表。
拓殖大海外事情研究所教授。
元陸上自衛隊予備陸曹長。

与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

規正法再改正は年内実現を 国民玉木氏、政活費廃止
2024/11/3 11:45
https://www.sankei.com/article/20241103-EZNFVHU6X5KJZLMLTTZUSM22DI/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月3日、政治資金規正法の再改正は2024年12月初旬にも召集見込みの臨時国会で行うべきだとの認識を示した。
政策活動費の廃止や、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開と残金返納を挙げ、
「臨時国会で再改正し、2024年年内に速やかに実現すべきだ」
と東京都内で記者団に述べた。
玉木氏は、衆院選で自民、公明両党の与党が過半数割れしたことに触れ、
「政治とカネの問題に決着をつけろということだ」
「検討している時間も余地も残されていない」
「自公は結論を出すことを求められている」
と強調。
「立憲民主党をはじめ他の野党とも協力し、臨時国会で再改正に取り組んでいきたい」
と意欲を示した。
政治資金を監督する独立性の高い第三者機関も速やかに制度設計し、2024年年度内に発足させるべきだと指摘。
企業・団体献金の禁止に関しては
「参院では自公が過半数を占めている」
「成立の見通しを踏まえて判断していく」
と語った。

年収の壁、ゼロ回答認めず 国民玉木雄一郎代表、自民に要求
2024/11/3 12:52
https://www.sankei.com/article/20241103-SN3SD5CPUVM5DP5JCK3ASPLKLE/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月3日放送のBSテレビ東京番組で、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の引き上げに自民党が応じない場合、政権運営に協力しない考えを示した。
「有権者との約束だ」
「(引き上げなければ)国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
と述べた。
立憲民主党など他の野党と連携する課題として政治改革を例示。
「案件ごとに協力する」
「対象は自民、公明両党に限定されない」
と語った。
玉木氏は、石破茂首相(自民総裁)との党首会談が実現した場合、年収の壁の引き上げは
「国民が求めている」
として、協力を要請する意向を記者団に表明。
立民の野田佳彦代表との会談では、政治資金規正法の再改正に加え、安全保障やエネルギー政策といった基本政策の一致に向けた協議の本格化を求める考えを示した。

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民民主は石破政権延命に協力せず 玉木代表「政策本位」と強調、手取り増額に重ねて意欲
2024/11/2 23:41
https://www.sankei.com/article/20241102-OOKEJMQS6JKRDCSA6ILG6IR6QA/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月2日、自身のインターネット番組で、自民党と政策ごとに連携する国民民主の方針を巡り
「石破政権の延命に協力するつもりはない」
「あくまで政策本位だ」
と強調した。
「手取りを増やす」
政策の実現にも重ねて意欲を示した。
来夏の参院選に関し
「比例代表で6、7人を当選させたい」
と力説。
選挙区では地元の香川や、大阪で候補者擁立を目指す考えを示した。

国民・榛葉氏会見が荒れる 持論唱え続けるフリーにベテラン記者が苦言、会見で言い合いに
2024/11/1 18:53
https://www.sankei.com/article/20241101-D6XJYFGW3BHJ3DEXLSLCE6DROU/
国民民主党の榛葉賀津也幹事長の2024年11月1日の記者会見で、次の首相指名選挙で同党は立憲民主党の野田佳彦代表に投票すべきだとして持論を唱え続けるフリーの記者に対し、ベテランの記者が苦言を呈し、言い合いになる場面があった。
会見で記者同士が言い合いになるのは極めて珍しい。
■「国民を騙した」に「政治の混乱目的でない」
国民民主党は1回目の投票も、過半数を得た候補がいない場合の上位2人による決選投票も、所属議員は玉木雄一郎代表に投票する方針を決めている。
このフリーの記者は、榛葉氏に対し、決選投票で玉木氏に投票することは、野田氏の得票が伸びず、結果として石破茂首相の続投を許すとして、
「石破政権を延命させることに等しい」
「『野田(佳彦)』と書いて政権交代を果たさないのか」
「国民は騙された」
などと持論を展開。
これに対し、榛葉氏は参院側は与党が過半数を占めていることを挙げ、
「騙していない」
「ずる賢い与党なら野田氏に首相をやらせて、法案を1本も通さない」
「やっぱり野田政権ダメじゃないか、また自民党にかえって安定政権だ」
などと語った。
フリーの記者は納得していない様子で、
「なぜそれを選挙中に訴えないのか」
「石破政権を延命させると国民を騙したことになるじゃないか」
と再び声を張ると、榛葉氏は
「政治を混乱させることが目的ではない」
「(選挙では)各党と等距離で政策実現するといってきた」
「手取りを上げる政策実現を訴えてきた」
「野田氏を首相にするとは1回も言っていない」
と反論した。
■「やらせ記者」の言葉に反応
フリーの記者は
「(野田政権と石破政権の)どちらが(国民民主の訴える政策を実現する)可能性が高いのか」
と食い下がろうとしたが、会見に参加するベテランのフリーカメラマンの堀田喬氏が
「質問する所だ」
「態度悪いよ」
「次に回せ」
などと割り込んだ。
榛葉氏も
「今日はいい司会進行がいる」
と冗談めかしたが、フリーの記者が堀田氏に対して
「やらせ記者」
と言うと、顔色を変えて
「(堀田氏に)ちょっと失礼じゃないか」
「やらせ記者っていうのはダメだよ」
「それぞれの立場で取材しているんだから」
「同業者に対して、やらせというのはダメだ」
と苦言を呈した。
一方、堀田氏はフリーの記者に対し
「時間も限られているんだよ」
「常識を守れ」
というと、フリーの記者も
「時間を邪魔しないでください」
と反論。
会見場の後方で言い合いになっている状況に、榛葉氏は
「えらい展開になった」
「(今回初めて出席した記者は)来週からやめようかってなる」
と場を収めようとした。
ただ、フリーの記者は、会見直後も
「国民だまし党と呼ばれるじゃないですか」
「国民自民党と呼ばれる」
などとしつこく声を上げていた。

国民代表、部分連合に言及 政策重視、連立参画は否定 首相指名「玉木と書く」
2024/10/29 12:13
https://www.sankei.com/article/20241029-LNSLZJWFJBLRFLFEHWQW42LV7U/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年10月29日、国会内で記者会見し、自民、公明両党の連立政権との向き合い方について
「政策ごとに、良いものには協力するし駄目なものには駄目だと言っていく」
と述べ、部分連合の可能性に言及した。
連立政権への参画は重ねて否定した。
特別国会の首相指名選挙では、自身を含む28人の党所属衆院議員は1回目、決選投票ともに
「玉木雄一郎と書く」
と表明した。
部分連合を含む協議に関して
「自民だけでなく、立憲民主党や日本維新の会の幹事長や国対委員長ら、つかさつかさで情報交換していると報告を受けている」
と説明。
自民総裁の石破茂首相や立民の野田佳彦代表から党首会談の要請があれば
「拒否するものではない」
と語った。
衆院選公約に掲げた手取りを増やす政策の実現を政府、与党に働きかける考えを表明。
衆院選結果を受け
「与党が過半数を割り、今までと同じ意思決定ルールでの政権維持は難しい」
「謙虚に、多様な民意に耳を傾けるべきだ」
と求めた。

国民玉木代表が玉川徹氏に反論「取材してから言ってください」自公政権でのポスト意欲の指摘に
[2024年10月29日11時39分]
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202410290000471.html
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年10月29日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、元テレビ朝日社員、玉川徹氏の番組中でのコメントに反論した。
玉川氏はこの日放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜午前8時)に出演。
同番組は、衆院選で自民党が与党過半数割れに陥ったことで今後の展開がどうなるかを特集した際、改選前から4倍の28議席と大躍進し、今後キーマンとなる国民民主党の動向に触れた。
その際、玉川氏は、同党の玉木雄一郎代表に入閣やポスト獲得などの思惑があるのではないか、という趣旨のコメントをした。
玉木氏はXで、玉川氏のコメントを指摘した投稿を引用する形で
「モーニングショーでそんなこと言ってるんですか!」
「ストなんか欲しくありません」
「今、私たち国民民主党が欲しいのは、国民の『手取りを増やす』経済政策の実現です」
と主張した。
その上で
「玉川さん、取材しないで喋らないで取材に来てください!」
と、玉川氏に呼び掛けた。
玉木氏はこの投稿後に行った定例会見でも、
「連立政権入りはないという理解でいいのか」
と問われ
「ありません」
と明言した上で
「某民放の朝のワイドショーで、私が何か入閣したいとかポストがほしいなどとコメントされていたやに聞いているが、全くありません」
「取材してから言って頂きたい」
「そういうことを公共の電波で取材もなく言うことはやめて頂きたい」
と反論した。
その上で
「私たちが欲しいのはポストではなく、手取りを増やす、国民の懐を潤す経済政策の実現が欲しいんですよ」
「そのためにやるべきことは全てやりたいと思っている」
と主張。
「野党の議席が増えたことは、国民からしたら関係ない」
「暮らしをどうしてくれるかの、政策としてちゃんと実現してくれるかが一番関心事だと思う」
「ポストや政権の枠組みは、多くの国民には関係ない」
とも述べた。
各社の報道では、少数与党になった石破政権の今後の政権の枠組みを巡り、様々な見方が指摘されている。

武藤容治経産相、国民民主の主張を一蹴 「トリガー条項」凍結解除などに否定的見方
2024/10/29 12:22
https://www.sankei.com/article/20241029-6EUVJ55PQJKFBADQU2DQKSJD24/
衆院選で過半数割れした自民、公明両党が協力を模索する国民民主党が主張する
「トリガー条項」
の凍結解除について、武藤容治経済産業相は2024年10月29日の記者会見で否定的な見方を示した。
トリガー条項はガソリン税を一部軽減する措置で、武藤氏は
「(凍結解除で)ガソリンスタンドや石油元売り会社で大きな資金負担が生じることに関し解決策を見い出すに至っていない」
と述べた。
トリガー条項は、レギュラーガソリンの全国平均小売価格が3カ月連続で1リットル当たり160円を超えた場合、価格に上乗せされるガソリン税53・8円のうち上乗せ分25・1円を免除する。
現在は東日本大震災の復興財源を確保するため凍結している。
ガソリン価格は高値が続き、2024年10月21日時点の全国平均小売価格は前週調査から横ばいの1リットル当たり174円90銭だった。
政府が石油元売り会社に支給している補助金により、18円20銭の抑制効果があった。
トリガー条項の凍結解除を巡っては国民民主の提案で自公両党との3党で検討チームを設置し議論を重ねたが、進展しなかった。
凍結解除は国と地方で大きな税収減になるとの意見もある。
武藤氏は
「脱炭素への国際的な潮流も勘案する必要がある」
とも語った。
また国民民主は太陽光や風力発電など再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の徴収停止を主張するが、武藤氏はこれにも否定的な見解を示した。
「仮に徴収停止したとしても、再エネ導入拡大に必要な費用は何らかの形で(国民が)負担する必要があり、現行制度を着実に運用していく」
と述べた。

●国民民主党森裕子議員に懲罰を 維新・東徹参院国対委員長が激白! 民間人を犯罪者扱い/個人情報をHPで公開
2019年11月23日 夕刊フジ
■「看過できない」
日本維新の会は19日、国民民主党の森裕子参院議員が、民間人の原英史氏(国家戦略特区ワーキンググループ座長代理)の住所を自身のホームページで公開したのは
「プライバシーの侵害に他ならない」
として、森氏に
「除名」
などの懲罰を検討するよう山東昭子参院議長に申し入れた。
維新の東徹参院国対委員長に真意を聞いた。
「本来なら、人権を守るべき立場の国会議員が、国会質問で民間人を犯罪者扱いしたうえ、個人情報をネットに流して侵害した」
「とても看過できる話ではない」
東氏は語気を強めた。
森氏は10月15日の参院予算委員会で、原氏について
「国家公務員だったら、あっせん利得、収賄で刑罰を受ける」
と発言した後、住所をHPで公開した。
指摘を受けて、森氏は
「個人の住所という認識がなかった」
と釈明している。
憲法51条は
「両議員の議員は、議員で行った演説、討論又は表決について、院外で責任は問われない」
と規定する。
東氏は
「森氏の言動は国民の政治、立法府に対する信頼を著しく失墜させた」
「維新は懲罰動議にかけるべきだと考える」
「ただ、参院で懲罰動議を出すには、議員20人の賛同が必要」
「我々は16人なので、議長に申し入れた」
と語った。
果たして、森氏の懲罰は実現するのか?
東氏は
「可能性は高くない」
「だが、森氏は、原氏に直接謝罪すべきだ」
「参院は『良識の府』」
「議員には品位を保持する責務がある」
と語った。
ちなみに、国民民主党の玉木雄一郎代表は
「個人情報が出てしまったことは申し訳ない」
「参院幹部から森氏に注意したと聞いている」
「党全体としても今後、こういうことがないように気をつけていきたい」
と陳謝している。

●森ゆうこ 議員 予算委員会 質疑(2019/10/15)
https://www.youtube.com/watch?v=ExOg_heXikI
動画終了間際に国民民主党の森裕子参院議員が、民間人の原英史氏(国家戦略特区ワーキンググループ座長代理)について
「国家公務員だったら、あっせん利得、収賄で刑罰を受ける」
と発言。

●【日本の解き方】国会質問の通告問題に「新展開」 内容の連絡はやはり遅れていた…各党は事前公表に取り組みを
2019.11.15
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/191115/pol1911150001-n1.html

●【日本の解き方】「国会質問問題」の本質は“通告遅れ” 損失は1日当たり「3750万円」と試算 今こそ「事前公表」に変えるべきだ
2019.10.26
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/191026/dom1910260003-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

●【日本の解き方】森ゆうこ議員「質問通告問題」の真相 役所の連絡は取材の確認のみ、通告漏れ批判は議論のすり替えだ
2019.10.19
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/191019/dom1910190003-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

●「官僚ブラック労働」は置き去り 森裕子氏の質問通告問題
2019.10.25 20:19
https://www.sankei.com/politics/news/191025/plt1910250043-n1.html

●【日本の解き方】国会質問の通告問題に「新展開」 内容の連絡はやはり遅れていた…各党は事前公表に取り組みを
2019.11.15
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/191115/pol1911150001-n1.html
国民民主党の森ゆうこ参院議員による国会質問の通告問題について、以前の本コラムで取り上げた。
台風が接近していた10月11日に質問通告が遅れたと、省庁関係者とみられるツイッターで不満の声が出たことが発端だったが、森議員は
「質問通告の項目が事前に漏れていた」
と責任の所在をすり替えたことを指摘した。
森議員が国家戦略特区ワーキンググループの原英史座長代理を参考人として呼んでいたので、政府が森議員の質問項目を原氏に伝えるのは当然だ。
その項目の中に筆者の属する大学名があったので、原氏は筆者に確認をしたまでだ。
原氏に伝えたのは国家公務員で、原氏と筆者には何の落ち度もない。
質問項目自体は森議員も事前にツイートしていたくらいだから、そもそも漏れて困ることではない。
ところが、10月15日の参院予算委員会で、森議員は原氏をまるで犯罪人のように扱った。
原氏は人権侵害だと批判している。
森議員は同時に、筆者の顔写真入り資料をNHKの全国放送でさらした。
その資料は出所不明なデタラメであり、筆者の人権も侵害された。
その後、国民民主党と立憲民主党は通告項目が事前に漏れていたとして調査チームを立ち上げたが、そこで筆者が通告内容を事前に知っていたとして、筆者のツイートのタイムスタンプ(日時の刻印)を問題視した。
しかし、そのタイムスタンプは変造されていたことが判明し、11月1日、有志の第三者が公開討論の場を設定した。
筆者らは参加したが、森議員らは欠席した。
森議員は同月7日の参院農水委員会で再び原氏について取り上げた。
その際に配布した資料を質疑後に自身のサイトにアップしたが、これを見て驚いた。
原氏の自宅住所が記載され、それが議員の公式サイトから拡散されていたのだ。
これはプライバシー侵害であり、こんなデタラメが許されるはずがない。
原氏はすぐに森議員らに直接抗議書を送付した。
筆者もツイッターで批判しようとしたが、個人情報が拡散される恐れを考えるとできない状況だった。
翌8日午後4時半ごろになって、住所情報を黒塗りした資料が再公開された。
一方、国会内では、良い方向の動きも出ている。
日本維新の会は、政府への国会質問の事前通告を前日の正午までに行い、党のホームページなどで公表する取り組みを始めたと発表した。
本来はこのように質問通告内容などは事前公表すべきものだし、皆がそうすれば
「台風上陸直前に質問通告が遅れ、官僚に残業を強いた」
という問題もなくなる。
維新以外の党も取り組むべきだろう。
森議員は
「質問通告は遅れていない」
と主張しているが、8日の衆院経済産業委員会で、維新の足立康史議員が質疑を行った。
それによると、森議員の質問通告は10月11日午後10時に行われていたという。
午後4時半までに提出されたのは
「質疑者」

「出席要請大臣」
だけで、内容の通告はなかったと判明した。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

●【日本の解き方】「国会質問問題」の本質は“通告遅れ” 損失は1日当たり「3750万円」と試算 今こそ「事前公表」に変えるべきだ
2019.10.26
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/191026/dom1910260003-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop
森ゆうこ参院議員(国民民主党)の参院予算委員会の国会質問が話題になっている。
もともと質問通告遅れ問題が発端だったが、通告内容が漏れていたと責任論がすり替わった。
本来国会質問は、守秘対象に値せず、事前公開すべきものなのであることは先日の本コラムで書いた。
そこでは筆者に質問について連絡してきた人を
「役所関係者」
と書いたが、実は、国家戦略特区ワーキンググループの原英史座長代理だった。
原氏は森議員から参院予算委で参考人として招致を要求されていたため、質問項目について知ることができた。
その中に筆者が所属する嘉悦大学という固有名詞があったために、原氏が自身の答弁のために筆者に問い合わせをしただけだ。
これで
「質問通告の内容が漏れた」
と問題視する人は、いったい何を言いたいのだろうか。
原氏や筆者は公務員ではないので守秘義務はなく、問題もない。
原氏に伝えた役人も、参考人に通告項目を伝えたので正当な業務だ。
内容も新聞で報じられており、秘密のはずがない。
そもそも質問通告の遅れが問題だ。
官庁の職員が待機しなければならない事情や職員の労働時間や税金をどれだけ浪費することになるかを検討したい。
衆参予算委員会では、首相の他全閣僚が出席する。
全閣僚が出席すべきかどうか議論があるが、これまでの慣行だ。
質問項目が通告されないと全省庁全課が国会待機になり、待機人員総数も多くなる。
通告遅れによる損失は、少なくとも〈待機人員総数×待機時間×残業単価〉と考えていいだろう。
待機人員総数は課数×要員で500×4=2000人。
待機時間は5時間として、残業単価は公務員時給2500円の1.5倍で3750円。
これらから、国会待機の損失は、1日当たり大まかに3750万円と試算できる。
もっとも現実には、国家公務員は労働基準法の対象外なので、これらの残業手当が払われることはなく、泣き寝入りになるだろう。
それでも、国の損失であることは間違いない。
この損失をなくすには、国会質問を事前公表するのがいい。
そうすれば通告遅れも少なくなるだろう。
上記に書いた無駄な残業もなくなり、霞が関の働き方改革にもいい。
しかも、レベルの低い質問をしようとすると事前にばれてしまう。
現状でも答弁をしっかり行うための意見照会などで質問項目は漏れているので、公表しても問題ないだろう。
実際、大阪府や和歌山県議会では質問公表を取り入れているようだ。
フランス国会でも質問は公表だ。
日本の国会で、できない理由はない。
実は、国会質問の事前公表は与党もやりたくない。
ここは、野党の攻め所だ。
国民民主党も、森議員の通告遅れを謝罪するとともに、この際、国会質問の事前公表という方針に転換した方がいいだろう。
国民民主党は、特定秘密保護法に反対なのに、国会質問漏れは許さないというのでは、あまりにチグハグすぎる。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

●【日本の解き方】森ゆうこ議員「質問通告問題」の真相 役所の連絡は取材の確認のみ、通告漏れ批判は議論のすり替えだ
2019.10.19
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/191019/dom1910190003-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop
15日の参院予算委員会での国民民主党の森ゆうこ議員の質疑が話題になっている。
時系列を確認しておくと、連休前の11日の森氏の質問通告をめぐり、答弁側の役所が深夜まで待機を余儀なくされたことへの不満を示すツイートが相次いだ。
何しろ台風19号が近づいていたときなので役人の気持ちは分かる。
というか、筆者自身もこの騒動に巻き込まれたのだ。
筆者は、11日夜に役所関係者から、質問項目の中に筆者に関係する固有名詞が入っているという連絡を受けた。
実は、以前に国家戦略特区に関係する意味不明で全く身に覚えのない取材を筆者の周辺が毎日新聞から受けていたので、役所にもその旨を伝えていた。
それで、筆者のところに、その後取材があったかどうかだけの確認の連絡があったのだと思う。
なお、毎日新聞の取材については記事はまだ出ていない。
こうした体験を14日のインターネット番組
「深層深入り!虎ノ門ニュース」
で話した。
それに対して、森氏ほかの国民民主党から非難が出た。
森氏のツイートによると、質問通告を事前に公務員が漏らすのは公務員法違反で、その結果、
「炎上」
して議員が萎縮して質問できなくなるのは議員の質問権剥奪にあたり、憲法違反だということらしい。
このロジックだけでも十分におかしいが、そもそも国会での質問通告が漏れたら困ることなのか。
議員の中には通告内容を事前に公表し、話題を集めようとする人も多い。
答弁側でも、通告項目だけで質問内容が分からないと、いろいろと手持ち資料を準備することもある。
特に、通告された項目中に固有名詞があれば一応確認しておくのは役人の常識だ。
筆者への確認もそうした最低限のものだったのだろう。
こうした無駄を省くためにも通告期限までに通告者はきちんと説明するというルールになっている。
筆者に連絡してきた関係者は、前記のような確認だけで、森氏のその他の通告などを伝えていないので、情報漏洩はなく、答弁のための最低限の対応で、全く問題ない。
今回、森氏が通告期限までにきちんと担当省庁に説明しておけば、筆者への確認も不要であり、筆者もこの騒動に巻き込まれなかったはずだ。
森氏のロジックのうち、
「炎上して質問できなくなる」
というが、そもそも今回、ネットが炎上したのは、森氏の質問通告をめぐり、台風が来るにもかかわらず役人が待機を余儀なくされたからだ。
それなのに、通告項目が漏れたという議論にすり替えようとしている。
筆者を含め多くの人が迷惑したが、被害者のように振る舞うのはいかがなものだろうか。
質問通告時間が遅れたり、通告項目が漏れたと文句を言うのは、国会質疑について内容では勝負できないので、不意打ちにして慌てるさまだけを切り取りたいという魂胆かと邪推したくなる。
実際に15日の参院予算委員会の質疑を見ていてもひどいものだった。
筆者の顔写真も質疑なしで出ていたが、根拠のないもので、いい迷惑だ。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

●「官僚ブラック労働」は置き去り 森裕子氏の質問通告問題
2019.10.25 20:19
https://www.sankei.com/politics/news/191025/plt1910250043-n1.html
国民民主党の森裕子参院議員が、15日の参院予算委員会に向け提出した質問通告が外部に
「漏洩」
したとして政府を追及している。
野党は内閣府からの漏洩を疑うが、所管する北村誠吾地方創生担当相は流出を否定する。
逆に、当初森氏が内容を聞き返さなければならないような簡潔な通告しか行わず、官僚が長時間の残業を強いられた問題は置き去りになりつつある。
発端は台風19号の本州上陸を控えた11日夜。
ネット上で
「森氏の質問通告提出が遅れ、役所で深夜残業を強いられている」
という趣旨の匿名投稿が相次いだ。
実際には質問通告は期限内の11日夕に提出された。
ただ、当初は
「質問要旨」
として
「現下の経済情勢と消費税増税、金融政策について」
などと簡潔な内容にとどまった。
森氏はその後も断続的に質問詳細の
「追加ペーパー」
を役所側に渡し、省庁は深夜まで対応に追われた。
国会対応で官僚が
「ブラック労働」
に追われる実態は、かねて問題視されてきた。
森氏の対応がネットで炎上する中、旧民主党政権で官房副長官を務めた松井孝治氏が、ある資料をツイッターに投稿した。
資料は政府内のシステムの画面を印刷したもので、15日の参院予算委に関し、省庁が質問内容を把握した日時などが読み取れる内容。
松井氏は次のようなコメントを付していた。
「官僚の相当数が連休中に働いていることがうかがわれる」
「きちんと正規の情報を開示した方が健全だ」
騒動は16日に様相が一変した。
森氏や野党幹部が記者会見し、森氏の質問通告が質疑前に外部へ
「漏洩」
したとして、調査チームを設けて追及すると表明したのだ。
森氏はこう訴えた。
「憲法に規定された国会議員の発言の自由、憲法そのものに対する挑戦だ」
ただ、今のところ調査チームは、質問通告が違法に外部流出した客観的事実は確認できていない。
野党は
「漏洩」
ルートとして、政府の国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、原英史氏らに疑いを向けた。
原氏は森氏から15日の質疑に参考人として出席要求されており、事前にメールで内閣府から質問通告を受け取っていたからだ。
しかし、出席要求された原氏に役所が通告を伝えるのは通常業務だ。
民間人が守秘義務を課せられることもない。
原氏は質問に関係するとみた知人に内容の一部を相談したが、質問通告自体は誰にも見せていないと説明している。
一方、松井氏が公開した資料について、政府は部内資料と認め
「内規違反」
とした。
野党は松井氏に資料を提供したツイッターの匿名アカウントを特定するよう政府側に要求している。
質問通告は実のある質疑のために与野党が合意している慣習的な制度だ。
国会議員には
「積極公開すべきだ」
という声も強く、実際に多くの政党や議員個人が事前公表している。
発端は、国会対応での官僚のブラック労働の妥当性だった。
政局的な思惑含みでの
「犯人探し」
が始まり、本来の議論が遠のいている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/859.html#c21

[政治・選挙・NHK295] 国民民主党の減税案への経済界の反応は最悪…「増税の引き金」との批判も! 政官財スキャニング(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
28. 秘密のアッコちゃん[915] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 12:33:55 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[480]
<■585行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
バラマキ廃し、減税主導の財政へ 衆院選での与党惨敗受け、自民党が政権維持のため
田村秀男の経済正解
2024/11/5 12:00
https://www.sankei.com/article/20241105-NRXE3S4HRJKEDPCB7VDTGZPOSY/
衆院選での与党惨敗を受けて、石破茂首相と自民党は政権維持のために、若い勤労世代の支持を集めた国民民主党の所得税、消費税の減税案を取り込まざるを得なくなっている。
バラマキ偏重の歪んだ財政政策を是正するチャンスが到来したのだ。
「バラマキ」
と言えば、
「岸田文雄前政権のバラマキは酷かった、真にけしからん」
と、1カ月ほど前に会った某財務省幹部の憤懣ぶりが頭に浮かぶ。
一時は
「増税メガネ」
とメディアに揶揄されたほど財務省寄りと思わせた岸田氏が打ち出した電気・ガス料金補助、ガソリン価格への補助金、更に定額減税などのバラマキは許せないのだろう。
元はと言えば、財務省が頑強に減税に抵抗することから、岸田氏はその代わりのバラマキでやり過ごそうとしただけである。
家計の負担を軽くして、所得税や消費税を減税すれば良いはずだが、財務官僚は一旦減税すれば恒久化すると恐れ、自民党税調に反対させてきた。
このパターンは岸田政権時代に限らない。
当初予算で増税、政策経費を削減し、景気が沈みそうになれば、大型補正予算を組むのが歴代政権の恒例行事になっている。
補正予算の大半はその場凌ぎなのだから、計画性に欠け、バラマキに偏してしまう。
バラマキでも、消費が持続的に拡大すればまだしもだが、実際にはそうはならない。
国内総生産(GDP)の6割近くを占める家計消費は実質で2023年後半から前年水準を下回り続けている。
需要が不足するのだから、1990年代後半以来の慢性デフレから未だに脱却できない。
バラマキは砂漠の水撒き同然、国民経済を潤せないのである。
グラフは物価変動分を勘案した12カ月平均の実質賃金指数(1997年3月=100)、更に勤労者収入、収入から所得税、住民税更に社会保険料を差し引いた可処分所得(手取り)についての実質ベースの前年同期比増減率の推移である。
先の春闘では5%を超える賃上げが実現した結果、勤労者の収入と可処分所得は物価上昇分を加味しても2024年5月以降共に前年を上回っている。
それでも、2024年8月には伸び率が下がっている。
実質賃金は2024年5月以降少しずつ上向いている。
しかし、27年前1997年の水準を16%以上も下回っている。
賃金収入に頼る勤労者は貧しくなったままなのだ。
こうみれば、バラマキではなく、きちんと現役世代の減税と社会保険料負担の軽減、可処分所得(手取り)の増加を政策として訴えた国民民主党に若い層が惹かれた理由が分かる。
メディアが実施した衆院選比例区投票先政党に関する出口調査結果の年代別シェアをみると、20歳代、30歳代が最も多く投票したのが国民民主だった。
公明党の石井啓一代表は投票より10日前の2024年10月17日、低所得者世帯に10万円程度の給付が必要との考えを示し、自民党の森山裕幹事長が同調する様子を見せると、交流サイト(SNS)では若者世代を中心に反発する声が湧き上がった。
それを見抜けなかった自公が大敗したのは、バラマキ型政治の終焉を告げている。
自民と国民民主は2024年10月31日に経済対策や税制改正の協議開始で合意した。
自民は予算案など重要案件ごとに国民民主が協力する
「部分連合」
を目指す。
石破政権が存続できるかどうかの瀬戸際に立たされている以上、国民民主の玉木雄一郎代表が、石破首相に国民民主案を丸呑みさせる政治情勢にある。
障害はある。
「政府債務が悪化している中、財源はあるか」
と問われると政治家は弱い。
だが、経済はダイナミックであり、単純な差引勘定では計れない。
現実に、円安の下で法人税収が伸び、物価高で消費税収更に所得税収も増えている。
おかげで政府の基礎的財政収支(国債関係を除く財政収支)は税収増を受けて2025年度は黒字化する情勢にある。
国際的な財政指標である政府の純債務のGDP比率は2022年以降、急速に減っており、2024年6月時点で86%、15年ぶりの低水準にある。
所得税、消費税の減税は家計の可処分所得水準を押し上げ、消費を増やすので税収も増える。
日銀も金融緩和を維持するので、円安基調は変わらない。
所得税の基礎控除を引き上げると、年収103万円以内に年間所得を抑制していた働き手が活気付き、人手不足を緩和し、家計も楽になる。
歪んだバラマキ財政と決別し、減税主導で経済を安定成長軌道に乗せる。
石破首相の活路はそれしかない。
(編集委員)

国民民主は「民社党」になれるか 元民社書記局員、荒木和博氏「政権に影響力を」と期待
2024/11/5 10:20
https://www.sankei.com/article/20241105-Y4HMG7FH5BAXDGOOXC3T7RW3HM/
先の衆院選で国民民主党が改選前の4倍の28議席を獲得して躍進。
自民党と国民民主は政策ごとに協力する
「部分連合」
に向けた動きを本格化させている。
部分連合を、55年体制末期に国連平和維持活動(PKO)協力法成立で実現したのが民社党だ。
「テーマによっては自民より右」
と言われた民社のように、国民民主はなるのだろうか。
元民社党本部書記局員で特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏に聞いた。

■国民民主に民社の遺伝子
ーー民社党とは
昭和35年に社会党の右派が分裂して結成されました。
当初の正式名称は民主社会党です。
共産主義を否定し、資本主義の修正を目指す福祉国家路線で、防衛や行政改革、教育改革などでは自民よりはっきり主張しました。
しかし自民と連立を組むことはなく、政権に参加したのは平成5〜6年の細川、羽田内閣の10カ月だけです。
新進党の結成に伴って6年12月に解散しましたから、来月で解党30年です。
私は中学生から民社のファンで、大学卒業後の昭和54年から解党まで本部書記局員でした。

ーー民社の遺伝子は国民民主にあるか
現職の国会議員でかつて民社党員だったのは、自民の山谷えり子、高木啓両氏、立民の渡辺周、熊谷裕人両氏、国民民主の川合孝典氏、日本保守党の河村たかし氏と、所属政党は分かれています。
しかし解党後に民社の理念に共鳴していた人たちが今は国民民主に多く所属しています。
また、民社は全日本労働総同盟(同盟)に支持され、国民民主はUAゼンセンなど旧同盟系労組に支えられていますから、民社の遺伝子の一部は国民民主に継承されています。

ーー民社は共産党の宮本顕治元議長の「リンチ共産党事件」(共産党はスパイ査問事件と呼称)を追及するなど、「右」のイメージを持たれていた
私が取り組んでいる北朝鮮による拉致事件を国会で最初に取り上げたのは民社の塚本三郎委員長でしたし(政府は答弁せず)、国鉄の分割民営化は同盟傘下の鉄道労働組合(鉄労)があったから成し遂げられました。
皇室への尊敬の念も自民よりありました。
元号法制化には積極的に取り組みました。

ーーそういう点では国民民主はマイルドだし、議員の思想にばらつきがある
民社には、共産党や社会党左派のマルクス・レーニン主義と対決する民主社会主義という思想理念がありました。
国民民主には○○主義と呼べるものがありません。
これは善しあしではなく時代状況の違いでしょう。

■自公民、PKO協力法で部分連合
ーー民社には、社会、公明と一緒に自民に対抗する「社公民路線」と、自民に協力する「自公民路線」があった
大雑把に言えば自民と連携して政策を実現しようという流れと、元々社会党だったのだから労働者の党としてまとまるべきだという流れがありました。
これは派閥対立というより、どちらも選択肢だったということでしょう。
しかし現実には自民が強くて、連立も閣外協力もできる余地がありませんでした。
ただ、平成元年に自民が参院で過半数割れした後、大内啓伍委員長時代の3年には湾岸戦争に90億ドル追加支援する補正予算案に自公民で賛成し、4年には社会党が牛歩戦術で抵抗する中、PKO協力法を成立させました。
あれは部分連合でした。

ーー自公民ならぬ「自公国」を実現するとしたら、国民民主にとって「部分連合」「連立」「閣外協力」のどれがいいのか
『年収の壁』の引き上げやガソリン税の一部軽減、消費税減税など、自分たちがやるべき政策を実現できるかどうかで、選択肢を判断すればいいと思います。

ーー国民民主は民社のようになれるか
自分自身にとって所属政党は民社だけで、国民民主の党員ではありませんから無責任な意見ですが、民社は小さいながらも政策のデパートでした。
国民民主は経済だけでなく幅を広げ、総合的な政策を進めてほしいですね。
民社には民主社会主義研究会議(民社研)に中道系、保守系の錚々たる学者が集まっていました。
ああいうブレーン軍団が国民民主にもあったほうがいい。
党員教育も必要でしょう。
玉木雄一郎代表には、政策力を強化して、民社がなし得なかった、政権に対する影響力発揮を期待しています。

あらき・かずひろ
昭和31年、東京生まれ。
慶応大卒業後、民社党本部に入り、中央党学校事務局、青年局などで勤務。
解党時は全国青年部副部長。
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)事務局長を経て、特定失踪者問題調査会代表。
拓殖大海外事情研究所教授。
元陸上自衛隊予備陸曹長。

与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

規正法再改正は年内実現を 国民玉木氏、政活費廃止
2024/11/3 11:45
https://www.sankei.com/article/20241103-EZNFVHU6X5KJZLMLTTZUSM22DI/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月3日、政治資金規正法の再改正は2024年12月初旬にも召集見込みの臨時国会で行うべきだとの認識を示した。
政策活動費の廃止や、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開と残金返納を挙げ、
「臨時国会で再改正し、2024年年内に速やかに実現すべきだ」
と東京都内で記者団に述べた。
玉木氏は、衆院選で自民、公明両党の与党が過半数割れしたことに触れ、
「政治とカネの問題に決着をつけろということだ」
「検討している時間も余地も残されていない」
「自公は結論を出すことを求められている」
と強調。
「立憲民主党をはじめ他の野党とも協力し、臨時国会で再改正に取り組んでいきたい」
と意欲を示した。
政治資金を監督する独立性の高い第三者機関も速やかに制度設計し、2024年年度内に発足させるべきだと指摘。
企業・団体献金の禁止に関しては
「参院では自公が過半数を占めている」
「成立の見通しを踏まえて判断していく」
と語った。

年収の壁、ゼロ回答認めず 国民玉木雄一郎代表、自民に要求
2024/11/3 12:52
https://www.sankei.com/article/20241103-SN3SD5CPUVM5DP5JCK3ASPLKLE/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月3日放送のBSテレビ東京番組で、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の引き上げに自民党が応じない場合、政権運営に協力しない考えを示した。
「有権者との約束だ」
「(引き上げなければ)国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
と述べた。
立憲民主党など他の野党と連携する課題として政治改革を例示。
「案件ごとに協力する」
「対象は自民、公明両党に限定されない」
と語った。
玉木氏は、石破茂首相(自民総裁)との党首会談が実現した場合、年収の壁の引き上げは
「国民が求めている」
として、協力を要請する意向を記者団に表明。
立民の野田佳彦代表との会談では、政治資金規正法の再改正に加え、安全保障やエネルギー政策といった基本政策の一致に向けた協議の本格化を求める考えを示した。

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民民主は石破政権延命に協力せず 玉木代表「政策本位」と強調、手取り増額に重ねて意欲
2024/11/2 23:41
https://www.sankei.com/article/20241102-OOKEJMQS6JKRDCSA6ILG6IR6QA/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年11月2日、自身のインターネット番組で、自民党と政策ごとに連携する国民民主の方針を巡り
「石破政権の延命に協力するつもりはない」
「あくまで政策本位だ」
と強調した。
「手取りを増やす」
政策の実現にも重ねて意欲を示した。
来夏の参院選に関し
「比例代表で6、7人を当選させたい」
と力説。
選挙区では地元の香川や、大阪で候補者擁立を目指す考えを示した。

国民・榛葉氏会見が荒れる 持論唱え続けるフリーにベテラン記者が苦言、会見で言い合いに
2024/11/1 18:53
https://www.sankei.com/article/20241101-D6XJYFGW3BHJ3DEXLSLCE6DROU/
国民民主党の榛葉賀津也幹事長の2024年11月1日の記者会見で、次の首相指名選挙で同党は立憲民主党の野田佳彦代表に投票すべきだとして持論を唱え続けるフリーの記者に対し、ベテランの記者が苦言を呈し、言い合いになる場面があった。
会見で記者同士が言い合いになるのは極めて珍しい。
■「国民を騙した」に「政治の混乱目的でない」
国民民主党は1回目の投票も、過半数を得た候補がいない場合の上位2人による決選投票も、所属議員は玉木雄一郎代表に投票する方針を決めている。
このフリーの記者は、榛葉氏に対し、決選投票で玉木氏に投票することは、野田氏の得票が伸びず、結果として石破茂首相の続投を許すとして、
「石破政権を延命させることに等しい」
「『野田(佳彦)』と書いて政権交代を果たさないのか」
「国民は騙された」
などと持論を展開。
これに対し、榛葉氏は参院側は与党が過半数を占めていることを挙げ、
「騙していない」
「ずる賢い与党なら野田氏に首相をやらせて、法案を1本も通さない」
「やっぱり野田政権ダメじゃないか、また自民党にかえって安定政権だ」
などと語った。
フリーの記者は納得していない様子で、
「なぜそれを選挙中に訴えないのか」
「石破政権を延命させると国民を騙したことになるじゃないか」
と再び声を張ると、榛葉氏は
「政治を混乱させることが目的ではない」
「(選挙では)各党と等距離で政策実現するといってきた」
「手取りを上げる政策実現を訴えてきた」
「野田氏を首相にするとは1回も言っていない」
と反論した。
■「やらせ記者」の言葉に反応
フリーの記者は
「(野田政権と石破政権の)どちらが(国民民主の訴える政策を実現する)可能性が高いのか」
と食い下がろうとしたが、会見に参加するベテランのフリーカメラマンの堀田喬氏が
「質問する所だ」
「態度悪いよ」
「次に回せ」
などと割り込んだ。
榛葉氏も
「今日はいい司会進行がいる」
と冗談めかしたが、フリーの記者が堀田氏に対して
「やらせ記者」
と言うと、顔色を変えて
「(堀田氏に)ちょっと失礼じゃないか」
「やらせ記者っていうのはダメだよ」
「それぞれの立場で取材しているんだから」
「同業者に対して、やらせというのはダメだ」
と苦言を呈した。
一方、堀田氏はフリーの記者に対し
「時間も限られているんだよ」
「常識を守れ」
というと、フリーの記者も
「時間を邪魔しないでください」
と反論。
会見場の後方で言い合いになっている状況に、榛葉氏は
「えらい展開になった」
「(今回初めて出席した記者は)来週からやめようかってなる」
と場を収めようとした。
ただ、フリーの記者は、会見直後も
「国民だまし党と呼ばれるじゃないですか」
「国民自民党と呼ばれる」
などとしつこく声を上げていた。

国民代表、部分連合に言及 政策重視、連立参画は否定 首相指名「玉木と書く」
2024/10/29 12:13
https://www.sankei.com/article/20241029-LNSLZJWFJBLRFLFEHWQW42LV7U/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年10月29日、国会内で記者会見し、自民、公明両党の連立政権との向き合い方について
「政策ごとに、良いものには協力するし駄目なものには駄目だと言っていく」
と述べ、部分連合の可能性に言及した。
連立政権への参画は重ねて否定した。
特別国会の首相指名選挙では、自身を含む28人の党所属衆院議員は1回目、決選投票ともに
「玉木雄一郎と書く」
と表明した。
部分連合を含む協議に関して
「自民だけでなく、立憲民主党や日本維新の会の幹事長や国対委員長ら、つかさつかさで情報交換していると報告を受けている」
と説明。
自民総裁の石破茂首相や立民の野田佳彦代表から党首会談の要請があれば
「拒否するものではない」
と語った。
衆院選公約に掲げた手取りを増やす政策の実現を政府、与党に働きかける考えを表明。
衆院選結果を受け
「与党が過半数を割り、今までと同じ意思決定ルールでの政権維持は難しい」
「謙虚に、多様な民意に耳を傾けるべきだ」
と求めた。

国民玉木代表が玉川徹氏に反論「取材してから言ってください」自公政権でのポスト意欲の指摘に
[2024年10月29日11時39分]
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202410290000471.html
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年10月29日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、元テレビ朝日社員、玉川徹氏の番組中でのコメントに反論した。
玉川氏はこの日放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜午前8時)に出演。
同番組は、衆院選で自民党が与党過半数割れに陥ったことで今後の展開がどうなるかを特集した際、改選前から4倍の28議席と大躍進し、今後キーマンとなる国民民主党の動向に触れた。
その際、玉川氏は、同党の玉木雄一郎代表に入閣やポスト獲得などの思惑があるのではないか、という趣旨のコメントをした。
玉木氏はXで、玉川氏のコメントを指摘した投稿を引用する形で
「モーニングショーでそんなこと言ってるんですか!」
「ストなんか欲しくありません」
「今、私たち国民民主党が欲しいのは、国民の『手取りを増やす』経済政策の実現です」
と主張した。
その上で
「玉川さん、取材しないで喋らないで取材に来てください!」
と、玉川氏に呼び掛けた。
玉木氏はこの投稿後に行った定例会見でも、
「連立政権入りはないという理解でいいのか」
と問われ
「ありません」
と明言した上で
「某民放の朝のワイドショーで、私が何か入閣したいとかポストがほしいなどとコメントされていたやに聞いているが、全くありません」
「取材してから言って頂きたい」
「そういうことを公共の電波で取材もなく言うことはやめて頂きたい」
と反論した。
その上で
「私たちが欲しいのはポストではなく、手取りを増やす、国民の懐を潤す経済政策の実現が欲しいんですよ」
「そのためにやるべきことは全てやりたいと思っている」
と主張。
「野党の議席が増えたことは、国民からしたら関係ない」
「暮らしをどうしてくれるかの、政策としてちゃんと実現してくれるかが一番関心事だと思う」
「ポストや政権の枠組みは、多くの国民には関係ない」
とも述べた。
各社の報道では、少数与党になった石破政権の今後の政権の枠組みを巡り、様々な見方が指摘されている。

武藤容治経産相、国民民主の主張を一蹴 「トリガー条項」凍結解除などに否定的見方
2024/10/29 12:22
https://www.sankei.com/article/20241029-6EUVJ55PQJKFBADQU2DQKSJD24/
衆院選で過半数割れした自民、公明両党が協力を模索する国民民主党が主張する
「トリガー条項」
の凍結解除について、武藤容治経済産業相は2024年10月29日の記者会見で否定的な見方を示した。
トリガー条項はガソリン税を一部軽減する措置で、武藤氏は
「(凍結解除で)ガソリンスタンドや石油元売り会社で大きな資金負担が生じることに関し解決策を見い出すに至っていない」
と述べた。
トリガー条項は、レギュラーガソリンの全国平均小売価格が3カ月連続で1リットル当たり160円を超えた場合、価格に上乗せされるガソリン税53・8円のうち上乗せ分25・1円を免除する。
現在は東日本大震災の復興財源を確保するため凍結している。
ガソリン価格は高値が続き、2024年10月21日時点の全国平均小売価格は前週調査から横ばいの1リットル当たり174円90銭だった。
政府が石油元売り会社に支給している補助金により、18円20銭の抑制効果があった。
トリガー条項の凍結解除を巡っては国民民主の提案で自公両党との3党で検討チームを設置し議論を重ねたが、進展しなかった。
凍結解除は国と地方で大きな税収減になるとの意見もある。
武藤氏は
「脱炭素への国際的な潮流も勘案する必要がある」
とも語った。
また国民民主は太陽光や風力発電など再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の徴収停止を主張するが、武藤氏はこれにも否定的な見解を示した。
「仮に徴収停止したとしても、再エネ導入拡大に必要な費用は何らかの形で(国民が)負担する必要があり、現行制度を着実に運用していく」
と述べた。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/857.html#c28

[政治・選挙・NHK295] <議員復活は絶望的>丸川珠代氏 落選直後から“音信不通”…旧安倍派議員が指摘する“致命的な弱み”とは(FLASH) 赤かぶ
23. 秘密のアッコちゃん[916] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 14:20:48 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[481]
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時速194キロで走行、危険運転致死に問われた元少年は初公判で「そのようなこと分かりません」
2024/11/5 13:07
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241105-OYT1T50067/
大分市で2021年、法定速度の60キロを大幅に上回る時速194キロで乗用車を走行して事故を起こし、男性を死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた元少年(23)の裁判員裁判の初公判が2024年11月5日午前、大分地裁(辛島靖崇裁判長)で始まった。
元少年は罪状認否で
「そのようなことは分かりません」
と述べた。
事故で大破した小柳さんの車(遺族提供)
起訴状では、元少年は2021年2月9日深夜、大分市の県道交差点で、制御困難な時速194キロで走行。
右折中だった同市の会社員小柳憲さん(当時50歳)の車の通行を妨害する目的で交差点に進入して事故を起こし、小柳さんを死亡させたとしている。
公判では、元少年の運転が、危険運転の適用要件である
〈1〉制御が困難な高速度
〈2〉妨害する目的で通行中の車に接近
に該当するかどうかが主な争点となる。
弁護側はこの日、危険運転致死について否認し、検察側が予備的な訴因として加えている同法の過失運転致死については争わない姿勢を示した。
検察側は冒頭陳述で、小柳さんは事故で締めていたシートベルトがちぎれて路上に飛び出し、骨盤を骨折するなどして死亡したと主張。
〈1〉については、路面の状況から車体に揺れが生じ、ハンドルやブレーキの操作を誤る恐れや、夜間に194キロで運転することで視野や視力に大きな影響を与え、操作を誤る恐れがあったなどとした。
また、右折車が来ることが想定されたとして、
〈2〉の要件も満たすと主張。
「常軌を逸した高速度で、動機は極めて身勝手」
と指摘した。
事故を巡っては、大分地検は2022年7月、法定刑の上限が懲役7年の過失運転致死で在宅起訴。
遺族らは法定刑の上限が懲役20年の危険運転致死への訴因変更を求めて約2万8000筆の署名を地検に提出。
地検は補充捜査の上、変更を地裁に請求し、認められた。

<主張>危険運転致死傷罪 国民常識との乖離埋めよ
2024/2/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240207-V6KMS75HSZNLZB4I5Z5XJLQDXU/
法務省は、危険運転致死傷罪の要件を見直す検討を始めた。
現行要件の基準が分かりにくく、事故遺族らが
「危険で悪質な事案を取りこぼさないようにしてほしい」
と要望していた。
令和3年2月、大分市内の県道交差点を右折する会社員の乗用車に、当時19歳の少年が運転する直進車が衝突した。
会社員は死亡した。
直進車は法定速度60キロの3倍を超える時速194キロで走行し、少年は
「何キロ出るか試したかった」
と供述したのだという。
大分県警は危険運転致死罪の要件である
「制御困難な高速度」
に当たるとして同容疑で送検したが、大分地検は
「直線道路で走行を制御できていた」
などとして過失運転致死罪で在宅起訴した。
危険運転の法定刑の上限は懲役20年、過失運転の上限は7年で、大きな開きがある。
遺族は納得いかない。
そもそも制御できないから衝突したのではないのか。
遺族は署名を集めて訴因変更を求める上申書を提出し、これを受けた補充捜査を経て危険運転致死罪に訴因は変更された。
遺族の声を受けての訴因変更は、要件のあいまいさを物語る。
平成30年12月、法定速度60キロの一般道を146キロで走行してタクシーに突っ込み、乗客ら4人が死亡した事故でも、危険運転致死傷罪で起訴された被告に津地裁、名古屋高裁は
「制御困難な高速度が証明されていない」
として過失運転と判断し、懲役7年の判決が確定した。
現行法では、無免許であっても一定の運転技能ありと判断されれば、危険運転の要件を満たさない。
信号無視による事故は
「殊更に」
無視した場合に限られ、
「殊更」
の証明、解釈に振り回される。
法曹界には他罪種や過去事件の刑罰とのバランスを重視するあまり、危険運転の適用を躊躇する傾向があり、要件の曖昧さがこれを助長しているとの指摘もある。
被害者や家族は、この構図に憤っている。
危険運転致死傷罪は、東名高速道で飲酒運転のトラックが女児2人を死亡させた事故をきっかけに平成13年に創設された。
強い被害感情に応えるための法律が、その運用をめぐって被害者の怒りを倍加させている。
要件の整理と明確化で国民常識との乖離を埋めてほしい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/862.html#c23

[政治・選挙・NHK295] 改憲勢力が衆院の3分の2割り込み、改憲機運の後退必至…日本国憲法公布78年(読売新聞オンライン) 達人が世直し
5. 秘密のアッコちゃん[917] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月05日 17:20:26 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[482]
<■734行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
川口クルド人意見書でれいわ離党の市議、立民愛知から衆院当選 移民問題「答えられない」
「移民」と日本人
2024/11/5 15:52
https://www.sankei.com/article/20241105-3R7OB4DXWJK2JLKVZSJMQFQQVU/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選で、立憲民主党公認で愛知15区から出馬した前埼玉県川口市議、小山千帆氏(49)が、比例東海ブロックで復活当選した。
小山氏は昨年2023年6月、川口市議会のクルド人問題を念頭に置いた
「一部外国人による犯罪の取り締まり強化」
を求める意見書に賛成後、所属するれいわ新選組を離党。
更に市議を辞職していた。
小山氏は
「移民問題」
について
「取材は受けない」
としている。
小山氏は昨年2023年4月の統一地方選でれいわ公認で川口市議に初当選。
同年2023年6月、市議会でクルド人問題を念頭に置いた意見書が可決された際は、立民・れいわの共同会派が反対する中、小山氏は賛成した。
小山氏はその後、れいわ内で難しい立場に立たされたとされ、今年2024年5月、れいわを離党。
無所属で活動後の2024年7月下旬に市議を辞職し、直後に立民愛知15区総支部長に就任した。
小山氏はれいわ離党の際
「川口市民の生活に寄り添った活動をしていきたいため」
と理由を話していたが、市議を辞職した際は取材に対し
「取材は断っている」
と回答。
自身のXも全面削除した。
今回、衆院初当選に当たって、国の出入国管理政策や
「移民」
受け入れの他、川口市のクルド人問題や昨年2023年6月の意見書について取材を申し込んだところ、愛知県豊橋市の地元事務所を通じて
「取材は受けない」
と回答があった。
回答を伝えた事務所の男性に名前を尋ねたところ、回答を断られた。
小山氏の衆院選向け公式サイトには主要政策が4項目列挙されているが、移民問題についての言及はない。

川口クルド人問題、突如衆院選争点に浮上「私におまかせを」埼玉2区、全く触れない候補も
「移民」と日本人
2024/10/16 12:10
https://www.sankei.com/article/20241016-M2LPK63JJZLGHB5FX4XFJEJGOQ/?outputType=theme_election2024
27日投開票の衆院選埼玉2区は、トルコの少数民族クルド人と地域住民との軋轢が表面化している川口市の大部分が選挙区だ。
「地元国会議員が動いてくれない」
との指摘も出る中、今回の選挙では突如、争点に浮上。
公示日の15日、JR川口駅前では
「クルド人問題を解決する」
と公約する候補も現れた。
川口は外国人問題で有名になった
「ルール違反の外国人問題、おまかせください!」
日本維新の会前職の高橋英明氏(61)陣営の選挙カーから、運動員の女性がこう呼び掛けた。
前回は比例復活で初当選。
今年2月の衆院予算委ではクルド人を念頭に地元の外国人問題を取り上げ、当時の岸田文雄首相に対応を求めた。
選挙カーの上でマイクを握った高橋氏は経済再生などを訴えた後、クルド人らも混じる通行人に向かって
「この川口は外国人問題で全国的に有名になってしまった」
と切り出した。
「ルールを守らない外国人は一旦国に帰ってもらって、きちんとした在留資格で来てもらう」
「支援団体もそういうことを手助けすべきだ」
と指摘し、警察官の増員などを訴えた。
■この機会だから申し上げる
9選を目指す自民前職で前経済再生相の新藤義孝氏(66)は、選対本部長に奥ノ木信夫市長を迎え、駅前広場に自民、公明両党の県議や市議ら約25人を集めて出陣式。
150人以上の聴衆に向かって経済再生などを論じた後、
「もう1つ大事なことは治安の確保だ」
と地元の課題に話題を転じた。
「いわゆるクルド人問題」
「この機会だから申し上げるが、難民認定申請を繰り返し、10年も20年も川口にいる人たちが増えてしまった」
と、自身の選挙で初めてクルド人問題を明確に取り上げた。
新藤氏は自身の政策チラシにも
「クルド人問題の解決」
と明記。
この日の演説で、6月施行の改正入管難民法で難民申請中の強制送還停止が原則2回までに制限されたことについて
「法改正まで5年かかった」
と実績として触れ、
「ルールを守ってこその共生だ」
「川口をあやふやな出入り自由の街にはさせられない」
と声を張り上げた。
■なぜ外国人問題に触れるのか
一方、共産新人で元県議の奥田智子氏(55)は川口駅頭で第一声を上げたが、約13分間の演説で外国人問題に触れることはなかった。
演説後、奥田氏になぜ触れなかったか尋ねたところ、
「逆に聞くが、なぜ触れるのか」
「演説の内容は私が選べる」
「触れない理由は敢えて言わない」。
地元のクルド人問題への対応については
「国の政治が悪すぎる」
「それに尽きる」
と入管政策を批判した。
立民新人で歯科医師の松浦玄嗣(もとつぐ)氏(52)も川口駅前での出陣式では外国人問題について言及しなかったが、配布した政策チラシに
「外国人労働者の処遇に明確な法整備を求める」
と掲げた。
取材に応じた松浦氏は
「外国人を労働者としてなし崩し的に受け入れるから問題になる」
「川口で起きていることは10年後、20年後、必ず国全体の問題になる」
「外国人を移民として受け入れるのか、鎖国するのか、ロボットやAIに頼るのか、政治家は国民と議論しなければならない」
と語った。
■早く目に見える成果を
この他、埼玉2区には諸派新人で不動産会社社長の津村大作氏(50)が立候補。
7月の東京都知事選にも出馬した津村氏は今回、強制送還を拒む不法滞在者の入管施設への収容を一時的に解く
「仮放免制度」
の廃止を訴えている。
クルド人の危険運転などに困っているという地元の男性会社員は
「選挙で取り上げられるようになったのは一歩前進だが、市民の間ではまだまだ『政治家は何もしてくれない』との思いが強い」
「早く目に見える成果を挙げてほしい」
と話していた。
▽埼玉2区立候補者(届け出順)
奥田 智子55元県議 共新
高橋 英明61党県代表 維前
新藤 義孝66前経済再生相 自前
津村 大作50会社社長 諸新
松浦 玄嗣52医療法人役員 立新

川口クルド人問題を新聞・テレビはなぜ報じない 産経新聞コンテンツ統括・皆川豪志
正論10月号
2024/9/1 12:00
https://www.sankei.com/article/20240901-MCH2PHSPSVBG7OO4MC3A34TT44/?outputType=theme_monthly-seiron
川口クルド人問題を知らない人は、かなり少なくなってきたのではないでしょうか。
近年、トルコからクルド人が大勢、日本の埼玉県川口市に移住してきて、暴力的な行為や騒音などで、地域住民に不安や恐怖を感じさせている問題です。
地元住民やインターネットの一部ユーザーでは有名だったのですが、大手メディアではほとんど報じられてきませんでした。
しかし、産経新聞が2023年から、インターネットメディア「産経ニュース」や新聞紙面などで報じ始めた後、一般的にも大きな問題として認識されるようになってきました。
ただ、他の新聞やテレビなど大手メディアは相変わらず、これを無視しています。
「外国人との共生社会」
の理念に反するという理由なのでしょうか、ほとんど報道されないのです。
こうした報道姿勢は果たして正しいのでしょうか。
共生の理念を守るためとはいえ、現に存在する大きな社会問題が無視されていいのでしょうか。
■意見書も暴動も無視
まずは、この問題について詳しくない人たちのためにも、川口クルド人問題を巡る産経新聞の報道姿勢について、説明する所から始めたいと思います。
産経新聞がこの問題を本格的に報じるようになったのは、2023年6月29日、川口市議会が
「一部外国人による犯罪の取り締まり強化」
を求める意見書を可決したことと、その直後に
「川口市立医療センター」
周辺でクルド人約100人が関与したとみられている暴動事件が起きたことが大きなきっかけでした。
前者は川口市においてクルド人を巡るトラブル増加を受け、議長を除く市議41名のうち、34名の賛成多数で可決されたものです。
その中には、れいわ新選組所属の議員(後に離党)1人も含まれており、幅広い層の議員が賛成したことが窺えました。
この意見書は、
「一部外国人」
として、
「クルド人」
と名指ししたものではありませんでしたが、少なくともそのことが想定される内容で、全国の自治体でも例のないものでした。
後者はクルド人同士の痴話喧嘩がきっかけで、市内路上で相手を切りつけて暴れた上、搬送先の病院にまで押し掛けるというショッキングな事件でした。
殺人未遂や公務執行妨害容疑などで約10人の逮捕者を出した上、地域唯一の救急医療が一時ストップするなど地元住民にも多大な影響が出ました。
ところが、これらを大きく報じたメディアはほとんどありませんでした。
恥ずかしながら産経新聞もさいたま支局は県版で少し触れた程度でした。
事件の直後に産経新聞本社の編集局に着任した私は、これほどの問題に反応しない体たらくに驚き、記者たちを叱咤し、改めて取材を指示しました。
その結果、2024年7月31日付の産経新聞は1面トップで医療センターの事件を、3面でその背景となる意見書可決の記事を大きく掲載しました。
以降、他メディアがほとんど取り上げない川口市の地元住民とクルド人の軋轢を中心に、外国人労働者や難民認定申請者の増加に伴う問題全般について1年間で約80本の記事を出しました。
それにしても、なぜ新聞もテレビも、この事件や意見書決議をほぼ無視したのでしょうか。
意見書作成を主導した自民党所属の川口市議は市役所の記者クラブの記者に説明したそうですが、記者側からは
「そうなんですけどね」
「難しいですね」
といった言葉が返ってくるばかりで、煮え切らない態度だったそうです。
要するに、支局の一記者がややこしい問題に触れたくないということだったようなのです。
とにかく以後、産経新聞はこのテーマにきちんと取り組むようになりました。
「外国人に対するヘイト報道だ」
との批判を受けることもありますが、それでも、報道を続けることは重要だと思っています。
起こっている事実、少なくとも地元で少なからぬ住民が懸念を持っているような事実について、誰も報じなくて良いのかという強い問題意識があるからです。
実際、川口市内の一部地域では、隣に住むクルド人の騒音を注意した住民が、
「ばばあ出ていけ」
と怒鳴られたり、改造車で自宅の塀を壊されて逃げられたりというようなケースが散見されます。
解体業などに従事するクルド人が物凄い量の廃材をトラックに積んで住宅街を走り抜ける光景も目立ちます。
実際に
「犯罪」
として認知されていなくとも、住民の体感治安は非常に悪くなっているのではないでしょうか。
例えば、こんなことがありました。
川口市に住む30代の女性が、
「一部外国人の犯罪や迷惑行為は目に余るのに、テレビや新聞でほとんど報道されない」
「まるで自分たち地域住民は存在しないかのように感じた」
として、
「私たちの存在を、消さないで。Native Lives Matter」
という画像を作成し、これがネット上で拡散されたのです。
女性には小さな子供がおり、近所にある資材置き場を出入りするクルド人運転の過積載トラックに恐怖を感じたそうです。
「ヘイトスピーチだ」
などと批判されることを恐れて実名は出せませんでしたが、勇気を振り絞って訴えたといいます。
私たちはこのことについて、2024年の2月28日に報道しました。
■事実は事実として
それにしても、他のメディアはこうした地元住民の気持ちをなぜ汲み取ることができないのでしょうか。
2017年に英国で出版され、ベストセラーになった『西洋の自死』(ダグラス・マレー著)によると、英国の世論調査で国民の過半数は移民の受け入れに否定的だったのに対し、メディアの多くは賛成の論調だったそうです。
その後、英国をはじめ欧州が大量の移民を受け入れるにつれ、移民による犯罪が頻発するようになったそうですが、それでも欧州のメディアは
「人種差別主義者」
と呼ばれるのを恐れて、そうした事実を極力覆い隠そうとしたとのことです。
もしかしたら、これと同じことが日本でも起きているのかもしれない―。
産経新聞では、一連の川口市とクルド人に関する記事について、他紙がどれだけ報じたかについて調べて、一覧表(左)にして掲載したことがあります。
その表からは、他紙がこのテーマを報じる機会が相当少ないことが明らかになりました。
その理由を、私が他社を代弁することはできませんし、メディアによって様々なのかもしれません。
移民問題は報道が難しい問題だからなのか、多面的な見方がある微妙な問題だからなのか、
「ヘイト」
という批判を受けやすいからなのか、あるいは、日本人に我慢を強いても外国人の人権が大事と考えているのか。
私は、理由の1つに地上波テレビがほとんど取り上げていないことも関係していると考えています。
テレビの影響力は今も大きいので、テレビ報道があれば変わることがあるかもしれません。
いずれにしろ、移民に対する考え方はメディアによって様々であっても、事実を淡々と報じるということは、あっても良いはずです。
念のため申し上げますが、産経新聞は決して
「外国人の受け入れ」
全てに反対ではありません。
ただ単に、今後多くの外国人が日本社会に受け入れられていくだろうという現実を前提に、
「では、問題のない受け入れにはどうすれば良いか」
という問題提起をしているだけなのです。
少なくとも私たちは、事実を誇張して何らかの世論誘導をするつもりはありません。
私たちが声を大にして言いたいのは、事実を報じないのはおかしいということです。
日本に在留する外国人にしても、
「難民」
「不法滞在者」
「正規の外国人就労者」
をきちんと区別して考えるべきで、
「外国人差別は良くない」
「強制帰国させるのは可哀想」
などという情緒的な話ばかりでなく、事実をきちんと報じ、現実から出発して、物事を考えることが重要なのではないか。
そう思うのです。
■マスコミへの不満
先ほど、このテーマについて産経新聞に
「ヘイトだ」
という声が寄せられるという話を書きましたが、実は読者からのこうした声は少数です。
少なくとも、弊社に寄せられる声の多くは
「産経、よく書いてくれた」
という趣旨のものがほとんどです。
この種の記事というのは非常に関心が高く、ネットなどでは1日のうちで最も読まれている記事になることもしばしばです。
特に、このテーマで連載や特集などをやると
「他紙はまた報道しない自由ですね」
などという反応が大半です。
重ねて申し上げますが、川口クルド人問題で、何か一定の世論を形成しようという
「上から目線」
のつもりは全くありません。
大事なのは、きちんと事実を報じ、どう考えてもらえるかということなのです。
はっきり言って、この問題について多くのメディアが何も報じようとしない現状はかなり危険です。
報じたとしても
「クルド人の絵画展が開かれました」
「地域との共生イベントが行われました」
といった生温いニュースばかり。
これをみて、実際に困っている住民は何を思うでしょうか。
「マスコミは事実を隠している」
と疑念を持つのではないでしょうか。
現実に、マスコミがこの話題についてあまりに報じないため、逆に
「なぜ報じないのだ」
という批判も広がりつつあるようです。
このまま
「共生が大事」
「多様性は素晴らしい」
みたいなことばかり言い続けていくと、逆に、日本の一般の人たちの心の中に、ルールを守らない外国人に対する憎悪のようなものを生み出す結果になる可能性があります。
マスコミが
「外国人との共生に日本人が協力すべき」
というような論調ばかりになると、却って一般の人の間には不満が溜まり、それがいつか爆発し、社会の分断に繋がることにならないだろうか。
私はこう危惧します。
■「人手不足」という言い訳
川口のクルド人問題に象徴される移民問題、もしくは
「外国人受け入れ」
問題については、政治や言論で批判がタブーになっているとしばしば言われます。
私たちは現在の言論空間について、あまり窮屈だと感じたことはありませんが、ただ、このテーマについて
「何か面倒だ」
と思う人がいる気持ちも分かります。
新聞でもテレビでも、偏らずにこういう話もあるしこういう話もある、という報道があれば、それを元に様々な意見が交わされていくはずですが、実際にはそれとは程遠いというのが現実です。
例えば、
「外国人差別はいけない」
「人権は大事」
などと言われれば、誰も否定できません。
それに対して、
「いやいやこういう外国人の問題もある」
「入管のルールはこうなっていて」
などと一から説明する労力を考えれば、
「否定しません。以上」
で終わったほうが面倒くさくないですから。
下手をすれば
「ヘイト」
と責められかねないようなことを敢えて政治家やテレビのワイドショーなどが取り上げることはありません。
そこを説明したり議論したりすることは、やはり厄介だと思われているのではないでしょうか。
今、産経新聞では断続的に
「『移民』と日本人」
というタイトルで連載が行われていますが、移民という言葉には
「」
が付けられています。
一応、日本に移民はいないことになっているからです。
ただ、移民と言わないだけで
「外国人労働者」
はこれまでも積極的に受け入れられてきました。
これは、
「軍隊」

「自衛隊」
と言い換え、その本質に踏み込まない議論とよく似ているのではないでしょうか。
本質に踏み込めば、議論せざるを得なくなる。
議論すると色々と厄介な問題が見えてきてしまう。
日本人にとっての移民問題は今、そんな感じなのではないでしょうか。
その一方で、マスコミではしばしば
「人手不足」
の解消のため、外国人の受け入れを進めるべきという議論が展開されています。
日経新聞、読売新聞なども、社説などで
「人手不足」
のため外国人の受け入れを進め、外国人に
「選ばれる国に」などと主張しています。
しかし、これは移民推進論とどこが違うのでしょうか。
今さら言うまでもありませんが、移民推進については、経済的視点から、
「安価な労働力流入によって、自国民の所得を下げるだけで、企業努力を妨げる」
と批判されてきました。
経済界などは
「労働力不足」
を前面に訴えていますが、実際は
「安い労働力」
が欲しいだけなのではないかとも指摘されています。
外国人労働者を受け入れれば、目先の
「安い労働力」
という利益は得られるかもしれません。
しかし、労働力として受け入れられた外国人にも人生があり、そのことも受け入れた側の国は考えなければなりません。
簡単に家族帯同などと言いますが、その家族の社会保障はどうするのか、働けなくなったらその家族の面倒も日本社会が見るのでしょうか。
先進国で外国人労働者が従事するのは、自国民が
「やらない」
仕事ではなく、
「現状の賃金ではやりたくない」
仕事です。
こうした仕事については、仮に外国人という選択がなければ、自国民がやりたくなるまで賃金水準は上がり、企業はより一層の技術開発などで乗り切ろうとするでしょう。
日本の高度成長期などは、移民の力は一切借りず、賃金を上げて1億総中流という社会を築いたのですから。
労働力不足を理由に安易とも言える
「移民推進論」
を進めた欧米は、文化や宗教、言葉の違いから、取り戻せないほどの治安悪化に苦しみ、ようやく移民政策の転換を始めました。
欧米の失敗から学ぶべき事は多いのではないのでしょうか。
私たち日本人は、そうしたことを真面目に議論しなければならないと思います。
《この文章は、筆者が『国際人流』(公益財団法人・入管協会発行)2024年7月号に掲載されたインタビュー記事で発言した内容をもとに、書かれたものです》
(月刊「正論」10月号から)

「ペンのチカラ信じたい」川口クルド問題、産経新聞が地元読者の声を全面特集 報道検証も
「移民」と日本人
2024/3/16 8:00
https://www.sankei.com/article/20240316-TFNS5ICNPJJ4NP6WXDR4SW36OM/
埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人と地元住民らの軋轢が表面化している問題で、2024年3月16日付の産経新聞が1ページ全面を使って
「報じられない川口クルド問題」
の特集を組んだ。
「秩序なき『共生』 黙殺される地域の声」
との見出しで、川口の地元住民らから上がっている大手メディアの消極姿勢についての疑問の声を詳報。
朝日新聞、共同通信など5つの媒体についてのこの問題を巡る報道状況を検証している。
検証記事については、2024年3月16日午後、産経ニュースでも配信する。

川口クルド問題 朝日、共同などの報道状況を検証 事件報道わずか、イベントには好意的
「移民」と日本人
2024/3/16 13:00
https://www.sankei.com/article/20240316-4G6I7KUVAJO6BPNHSJYY
埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人と地元住民らの軋轢が表面化している問題で、地元住民などから大手メディアの消極姿勢に疑問の声が上がっている。
朝日新聞や共同通信など5つの媒体について報道状況を検証したところ、事件や不祥事については報道量が少なく、扱いも小さい一方、取り上げられる際は、同情的、好意的な報じ方が一般的となっている実態が浮かんだ。
■20件中僅か2件
2023年6月から2024年3月にかけて、産経新聞や産経ニュースが取り上げたクルド人と地元との軋轢を巡るニュースや、クルド人の犯罪についての事案など20件について、朝日、毎日、読売の全国紙3紙と共同通信、地元紙の埼玉新聞の5媒体を対象に、商用データベースなどで報道状況を調べた。
その結果、産経を除き3媒体以上が報じたニュースは20件中、僅か2件しかなかった。
2媒体が報じたニュースは7件、1媒体しか報じなかったニュースが5件、全く掲載していないニュースが6件だった。
1媒体だけの場合は地元紙が多かった。
川口市議会は2023年6月末、国や県などに
「一部外国人による犯罪の取り締まり強化」
を求める意見書を賛成多数で可決した。
この意見書は、具体的な民族名こそ挙げていないものの、クルド人を念頭に置いたもので、地方議会としては異例の出来事だった。
■地元紙さえ報じず
産経新聞もこのニュースを報じたのは約1カ月後だったが、クルド人と住民との軋轢の実態や議決の背景、与野党議員の声などを大きく取り上げた。
一方で地元紙も含め、各紙は産経が報道するまで全く報じず、地元紙が2023年8月中旬の企画記事の中で、全国紙の1紙が2023年9月にクルド人問題を巡る政治家の動きを報じる中で触れたのみだった。
2024年3月7日、女子中学生に性的暴行をしたとして不同意性交容疑でクルド人の男が逮捕された性犯罪事件も、産経以外は2紙しか報じなかった。
報道した2紙も
「トルコ国籍」
との表記で、逮捕されたクルド人が事実上の
「移民2世」
であることなど詳しい背景は報じられなかった。
一方で、川口市内で開かれたクルド人の写真展などのイベントはほとんどの媒体が好意的に紹介していた。
クルド人の祭り
「ネウロズ」
の開催を巡り、埼玉県側が公園の使用を一時認めなかった問題も、ほぼ全媒体が報じていた。
■事件報道は「トルコ国籍」
また、
「クルド人」
という民族名は、難民認定申請を繰り返す彼らが法的に不安定な立場に置かれているとして、同情的に報じるケースが目立った。
逆に、事件や不祥事などでは
「トルコ国籍」
とだけ報じて民族的な背景を報じなかったり、単に
「外国人」
とだけ表記したりするケースもあった。
2023年8月、川口市内の男子中学生が大型商業施設への威力業務妨害容疑で逮捕された際に報じた2紙も
「トルコ国籍」
「外国籍」
との表記だった。
また、2024年2月26日の衆院予算委で、川口市を地元とする議員が、外国人の治安問題について民族名の名指しを避けながら質問した際は、共同通信が記事を配信し全国紙1紙が掲載したが、その内容は
「ヘイトスピーチだ」
などとするジャーナリストの談話を掲載した批判的なものだった。
■「実態が報道されない」
今回、地元住民らから寄せられたメールでも、
《日本人の女子中学生がクルド人にレイプされたのに、ほとんどのマスコミが重要視せず、川口の実態が報道されないことは異常としかいいようがない》
《「ヘイトスピーチだ」などとするジャーナリストの談話を掲載した通信社や、そのジャーナリストは本当に川口の実態を知って批判しているのでしょうか》
など、大手メディアへの不信感が渦巻いていた。
■体験や意見をお寄せください
【あて先】digitalhodo@sankei.co.jp(都道府県、年齢、性別をお書きください)
今回、地元住民から寄せられたメールには、テレビや新聞への不信感が渦巻いていた。
初めて意見を投稿するという東京都の58歳女性は
<大きな問題であるにもかかわらず、大手メディアで取り上げられることはほとんどない>
<取り上げられたとしても過度に配慮した扱いに大きな不安を感じていた>
<川口の問題は他人事ではなく明日は我が身の問題です>
とし、こう続けた。
<国の形を変えるような問題が差別や目先の労働力確保に摩り替えられ、オープンな議論ができない状況で、影響力のある大手メディアが問題提起しない姿勢に疑問を感じていた>
<今回の地元の女性の訴えは、そのような状況に一石を投じるものと感じます>
■川口のクルド人問題を巡る最近の経緯と報道状況
@産経新聞や産経ニュースが報じた事案
A朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の全国紙3紙と共同通信、地元紙の埼玉新聞の計5媒体のうち
⇒〇3媒体以上、△2媒体、▲1媒体、×掲載なし
★令和5年
・6月29日
@埼玉県川口市議会が、国や県などに「一部外国人による犯罪の取り締まり強化」を求める意見書を可決
A▲
・7月4日
@川口でクルド人同士の殺人未遂事件。市立医療センター周辺でクルド人約100人が集まる騒ぎ、救急受け入れを5時間半停止
A〇
・8月1日
@川口の大型商業施設に煙幕を出す花火を投げつけたとして14歳のクルド人の男子中学生が逮捕
A△
・8月21日
@7月の殺人未遂事件で埼玉県警がこの日までに計7人を逮捕
A▲
・9月1日
@川口市の奥ノ木信夫市長が、法相へ不法外国人の強制送還などを求める要望書
A△
・9月4日
@東京都内でクルド人業者による解体工事を巡り住民から苦情が殺到、区が工事停止を指示
A▲
・9月14日
@衆院外務委の黄川仁志委員長(当時)が駐日トルコ大使にクルド人問題で「懸念」伝達

・9月25日
@7月の殺人未遂事件でさいたま地検が7人全員を不起訴処分
A△
・9月26日
@川口署内でジャーナリストを「殺す」などと脅したクルド人を逮捕

・10月24日
@ジャーナリスト脅迫事件でさいたま地検がクルド人を不起訴処分

・11月4日
@川口のクルド人団体「日本クルド文化協会」が埼玉県警や地域住民らと合同パトロール
A▲
・11月24日
@公安調査庁が年報「国際テロリズム要覧」2023年版で、テロ組織のリストからトルコの非合法組織「クルド労働者党(PKK)」などを除外。
この日のインターネット上で公開され、内外で反発広がる

・11月29日
@トルコ政府が日本クルド文化協会と代表者らについて、PKKに資金提供している「テロ組織支援者」と認定、トルコ国内の資産凍結を公表
A▲
★令和6年
・1月22日
@不法滞在のクルド人男性が実質経営する解体会社が埼玉県に100万円を寄付、大野元裕知事が男性に感謝状を手渡す

・1月23日
@クルド人の祭り「ネウロズ」の埼玉県営公園での開催許可を巡り、県公園緑地協会が当初の対応の誤りを認めてクルド人支援団体に謝罪
A〇
・2月25日
@2月18日にJR蕨駅周辺で行われたデモの際、日本クルド文化協会関係者が「日本人死ね」とも聞こえかねない発言をしたと指摘され同協会が釈明、謝罪
A△
・2月26日
@衆院予算委で日本維新の会所属議員が川口のクルド人の治安問題を巡り国会で初めてとみられる関連質問
A△
・2月26日
@川口在住の女性が「ネーティブ・ライブズ・マター(地域住民の命は大切)などと訴えるメッセージ画像をSNSに投稿、急拡大される

・3月5日
@ネウロズ開催を巡り県公園緑地協会が日本クルド文化協会に公園使用を許可
A△
・3月7日
@川口のコンビニ駐車場で女子中学生に性的暴行をしたとしてクルド人を逮捕
A△
*他媒体の掲載状況は商用データベースの検索結果から。2カ月以上経ってからの掲載は除く

川口クルド問題、地元当事者の声続々「政治が動いてくれない」 社会の分断一層進む恐れも
「移民」と日本人
2024/3/9 10:00
https://www.sankei.com/article/20240309-VUIKPV7VPFOW5CLOCN2FG4HAZY/
埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人と地元住民らの軋轢が表面化している問題で、産経ニュースがメールで募集した読者の声が止まらない。
全体の約4割が埼玉県民からで、うち約7割が川口市民だった。
「政府も自治体も何もしてくれない」
「このまま川口で暮らしていけるか不安」…。
クルド人とみられる集団の行為を具体的事例を上げて批判する人も多く、住民の喫緊の課題であることが窺えた。
「多様性」
で一括りにして政治がこの問題を放置すれば、社会の分断が却って進む恐れすらある。
■「引っ越せばよいといわれても」
川口市に住んで20年になるという60代女性は
《いつのまにか周りにクルド人が増えた》
とし、道路に溢れるゴミの問題や公園の使い方、夜のコンビニでの体験などを淡々と綴った。
警察に連絡しても特に改善はなく、
《パトロールもしてくれない》
という。
《私には孫がいます。本当にここに暮らして大丈夫なのか? この年になって、そんな不安が出てくるなど思いもしなかった。引っ越せばよいといわれるが、年金生活でお金はありません。市長が出してくれますか》
《私たちはふつうに暮らしていただけです。どうか川口市民の声が大きな声になって市を、国を揺さぶれる力になりますように!》
■「警察を何とも思っていない」
同市内の40歳男性は、クルド人とみられる若者グループによる一方通行での改造車の逆走などの目撃が後を絶たないという。
《彼らは「一部のクルド人」だと言いますが、もはや全体の問題と考えてもおかしくない。一刻も早く、安心して暮らせる社会になることを願う》
同市内の55歳男性は、元々外国人の多い川口は
《日本のどこの住民よりも外国人に慣れている》
とした上で、
《ただ、クルド人とほかの外国人が違うと思うのは、彼らが警察を何とも思っていない点です。法律も関係ない、警察も怖くない、集団で行動するクルド人をこのままにしておけば、この街は無法地帯になります。誰か助けてください》。
《まじめに仕事をしているクルド人もたくさんいるでしょう。日本人がやらない仕事をしてもらって、助かっている部分もあるでしょう。ですが、法律を守らないクルド人は日本から即刻出ていってもらいたい。これはヘイトでも差別でもなく、日本人として当たり前の感情だし、当たり前の前提だと思います》
■「外国人と共生を」メディアが擁護
川口市で生まれ育ち、現在も市内で子育て中という50代女性は
《クルド人の行動や素行をとても恐怖に感じています。私たち川口市民は、この先も川口で生活していくことに不安を感じます。公平って何ですか。それを武器にしないでください》。
埼玉県内の67歳男性は
《すでに何千人も住んでいて民族衣装を着て民族楽器を鳴らしている。ここは日本? これからどうなっていくのか。しかも実態は不法滞在状態の人もいるといわれている》
とし、こう続けた。
《政府は「移民」を急速に増やそうとしている。そのことへの不安が広まり、クルド人問題を大きくしている面があるのではないか》
県内の56歳男性は
《「外国人と共生を」「外国人を差別するな」と政府やメディアが擁護しているが、この問題に対処しない政府には憤りしかありません》
と綴った。
■体験や意見をお寄せください
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女子中学生に性暴行の容疑者、難民申請中のクルド人 トルコ生まれ川口育ちの「移民2世」
「移民」と日本人
2024/3/8 17:25
https://www.sankei.com/article/20240308-LUTLMINZTNOZNGADECZPNB3CGY/
女子中学生に性的暴行をしたとして埼玉県警川口署に逮捕されたトルコ国籍で自称解体工の男(20)が、難民認定申請中で仮放免中だったことが2024年3月8日、同署の調べで分かった。
男はトルコ生まれ日本育ちの在日クルド人で、事実上の
「移民2世」
という。
調べによると、男は2024年1月13日午後10時半頃、川口市内のコンビニ駐車場に止めた乗用車内で、東京都内の10代の女子生徒に性的暴行をしたとして2024年3月7日、不同意性交などの容疑で逮捕された。
同署によると、男は先に来日していた父親を頼って幼少期に来日し、地元の小中学校に通っていた。
卒業後は家業の解体業を手伝っていたと供述している。
男は父親と共に難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免中だった。
自宅はさいたま市内だが、川口市北部の隣接地域だった。
男は自身の運転する車で、SNS(交流サイト)を通じて知り合った都内の女子中学生らや、日本人男性らとドライブに行くことになった。
女子生徒らは横浜方面に向かうと考えていたが、車は都内から川口市内へ直行。
女子生徒らは車内でスマホを使ってやり取りして逃げ出そうとしたが、犯行現場のコンビニ近くで降ろされ、被害にあった女子生徒だけが車に残されたという。
男は
「日本人女性と遊んだが暴行はしていません」
と容疑を否認。
同署はトルコ語の通訳を介しながら調べを進めている。
川口市内では近年、一部クルド人と地域住民との軋轢が表面化。
「2世」
とみられる若者らによる車の暴走行為や煽り運転も問題となっている。

クルド祭り「ネウロズ」埼玉県公園協会許可 楽器使用も一転認める「丁寧に対応する必要」
「移民」と日本人
2024/3/6 12:45
https://www.sankei.com/article/20240306-ZSFLUEWT4JJ27OWNRUFZHIKNIE/
埼玉県川口市などに在留するトルコの少数民族クルド人の祭り
「ネウロズ」
の県営公園での開催を巡り、県公園緑地協会の対応にクルド人側が反発していた問題で、同協会が開催を許可したことが2024年3月6日、分かった。
許可は2024年3月5日付。
祭りは2024年3月下旬に県営秋ケ瀬公園(さいたま市桜区)で行われるという。
この問題は2024年1月、クルド人支援団体からの公園利用の相談に対し、協会側が
「楽器演奏の禁止」
を条件に許可する方針を示したところ、支援団体が
「音楽と踊りは一体だ」
などと反発。
同公園の管理事務所長が対応の誤りを認めて謝罪していた。
協会によると、別の県営公園で楽器を使用する際、
「音量を80デシベル以下にする」
などの条件で許可した例があったことから、今回も同じ条件で、楽器使用も含め許可したという。
協会は取材に対し
「公園の利用は地方自治法上、正当な理由がない限り許可を拒んではならないことになっている」
「今回は協会として速やかに丁寧な対応をする必要があり、他の県営公園の基準に準拠して許可した」
「今後、基準自体を見直す必要がある」
と話している。
協会によると、2023年7月にクルド人約100人が川口市内の市立病院周辺に殺到した騒ぎ以降、
「クルド人に県の施設を貸さないでほしい」
といった電話やメールが複数寄せられていた。

川口クルド問題で市民の声続々「事実報道しない」「過度に配慮」 大半がメディアに苦言
「移民」と日本人
2024/3/4 15:05
https://www.sankei.com/article/20240304-PWXWSDPU4RLCBF7W7ODSN76LJQ/
埼玉県川口市に住む女性が制作したクルド人問題に関するメッセージ画像やメールによる訴えなどを産経ニュースで紹介したところ、多くの読者の声が届いた。
近年SNS(交流サイト)などで、個人の意見が
「拡散」
されることが増えているが、比較的短い感想や攻撃的な内容になることも多い。
今回、メールで募集したところ、いずれも長文で、自身の体験や意見を淡々と述べたものがほとんどだった。
「テレビは事実を報道しない」
「ヘイトと言われる日本は本当におかしい」
などと綴られ、全体の4分の1は埼玉県内からだった。
■「正直怯えて子育てしている」
川口市で子供を育てているという40代女性は
《テレビのマスコミは何らかの恩恵や力が働くのかわかりませんが、ほとんど事実を報道しません。記事を読んで、勇気を出して文章にする方もいるんだなと感銘をうけました》。
女性は、以前は横浜市内に住んでおり、
《外国人が多い地域でいろいろな国の友人もいました。外国人に対する差別意識はありません》
とした上で、川口市について
《実際に子育てして住んでみると、治安の悪さに驚きました》。
これまでの自身の経験を綴り、
《正直おびえて子育てしている》
《日本の子供たちに与える影響が怖い》
としつつ、
《何かを発言すればヘイトだとか人種差別だと、圧力や嫌がらせがありそうで、怖くて発言できません》
《安心して子供を公園で遊ばせられる、安全な子育てができる埼玉県に戻ってほしいです》
と結んだ。
■「どこがヘイトや差別なのか」
埼玉県内の33歳女性は
《迷惑行為を繰り返すクルド人の取り締まりを強化して、もともと住んでいた方が平穏に暮らせる生活を取り戻すことの、どこがヘイトや差別なのでしょうか? クルド人問題を提起しただけで「ヘイトだ!」と言われてしまう日本、本当におかしいです》
と訴えた。
こうした声が寄せられた背景には、2024年2月18日にJR蕨駅周辺で行われたデモの際、クルド人団体
「日本クルド文化協会」
の関係者が
「日本人死ね」
とも聞こえかねない発言をしたことや、2024年2月22日のインターネット番組でフリーアナウンサーの女性が
「外国人との共生が不可だとなると、日本人は引っ越しできるので人口が流出するだけ」
などと発言し、物議を呼んだことなどがあるとみられる。
■「オープンな議論できない状況」
埼玉県外からも多くの声が寄せられ、
神奈川県の50代女性は
《この問題に対する貴社以外の一部メディアによる偏向報道や政治・行政の無為無策に憤り、悲しみを感じておりました。川口に無縁であっても、想像力さえあれば、苦しむ川口市民の気持ちは十分理解できます》。
茨城県の38歳男性は
《川口の状況を知らない日本人はたくさんいますし、メディアも政治家もスルーする状況の中、問題解決に向かう大きな一歩だと思いました》
と綴った。
初めて意見を投稿するという東京都の58歳女性は
《大きな問題であるにもかかわらず、大手メディアで取り上げられることがほとんどなく、取り上げられたとしても過度に配慮した扱いに大きな不安を感じていた。川口市の問題は他人事ではなく明日はわが身の問題です》
とし、こう続けた。
《国の形を変えるような問題が差別や目先の労働力確保といった問題に摩り替えられ、オープンな議論ができない状況で、影響力のある大手メディアが問題提起しない姿勢に疑問を感じていた。今回の地元女性の訴えはそのような状況に一石を投じるものと感じる》
■体験や意見をお寄せください
【あて先】digitalhodo@sankei.co.jp(都道府県、年齢、性別をお書きください)

「行き場ない怒り、悲しみに光」川口クルド問題でメディアの役割とは 地元女性メール全文
「移民」と日本人
2024/3/1 12:28
https://www.sankei.com/article/20240301-H3IBW3M6KBPBRGDWTSL7MCQTLI/
埼玉県川口市に住む30代の女性が制作したクルド人問題に関するメッセージ画像を産経ニュースで紹介したところ、女性から
「市民の抱える行き場のない怒り、悲しみに光を当てていただいた」
とするメールが届いた。
画像は、同市内などに在留するトルコの少数民族クルド人と地域住民の軋轢の中、
「苦しんでいる市民の声や市民の人権は無視ですか?」
と訴える内容。
女性は
「市民の意見を聞こうともしないメディア」
に疑問を投げかけている。
移民受け入れに対する報道を巡っては、過去の欧州の経験でもその役割が問い直されている。
■欧米メディアも「報道しない自由」
欧米では現在、不法移民を含む移民の増加による社会の混乱が、国家的な課題となっている。
その背景として、メディアが
「ヘイト」
「差別」
と批判されることを恐れるあまり、必要な報道をしてこなかったとの指摘が出ている。
2017年に英国で出版され、ベストセラーになった
「西洋の自死」(ダグラス・マレー著)
によると、英国の世論調査で国民の過半数は移民の受け入れに否定的だったのに対し、メディアの多くは賛成の論調を張った。
その後、英国をはじめ欧州が大量の移民を受け入れるにつれ、移民による犯罪が頻発するようになったが、欧州のメディアは
「人種差別主義者」
と呼ばれるのを恐れて、そうした事実を極力覆い隠そうとしたという。
英国で2004〜2012年、パキスタン人らの集団が11〜15歳の少女らを性的に暴行し人身売買した事件では、国名や宗教名などはほとんど報じられず
「アジア系」
とだけ伝えられた。
ドイツの都市ケルンで2015年の大みそか、約1000人の外国人らが数百人の女性を集団で性的暴行し、金品を奪った事件は当初、大手メディアが報道せず、事件が明らかになったのは数日後のインターネットのブログを通じてだったという。
■国会質問が「ヘイトスピーチ」
現在の我が国のクルド人を巡る報道はどうか。
その多くは、難民認定申請を繰り返す彼らが法的に不安定な立場に置かれているとして、同情的に扱っている。
クルド人そのものの報道も少なく、取り上げられる際は、好意的な報じ方が一般的となっている。
2023年6月から2024年3月にかけて本紙や産経ニュースが報じた川口市のクルド人を巡るニュース20件について朝日、毎日、読売の全国紙3紙と共同通信、地元紙の埼玉新聞の5媒体を対象に商用データベースなどで報道状況を検証した。
2024年2月26日の衆院予算委で、川口市が地元の議員が外国人の治安問題について、民族名の名指しを避けながら質問した際も、
「ヘイトスピーチだ」
などとするジャーナリストの談話を掲載した通信社の批判記事が配信された。
今回、メッセージ画像を制作した女性は子育て中で、一部のクルド人による危険行為に脅かされながら生活しているという。
画像には
「ネイティブ・ライブズ・マター(地域住民の命は大切)」
と書かれ、
《私たちの存在を、消さないで。》
《差別やヘイトは絶対ダメ!でも犯罪や迷惑行為に苦しんでいる市民の声や市民の人権は無視ですか?》
と訴えている。
女性は産経新聞に寄せたメールで、我が国のほとんどのメディアについて
「もはや信用ができない状態」
などと綴った。
全文をほぼそのまま紹介する。
■「ペンのチカラ信じたい」
自分のような市民の小さな声を拾い上げてくださり、本当に感謝しております。
川口の外国人問題については、貴社以外のメディアは、ほとんど市民の声を聞こうともせず、外国人が起こした事件・事故・迷惑行為を極小化し、
「体感治安が悪化しているのは、川口市民が外国人に対して偏見を持っているからだ」
「もっと川口市民が歩み寄り外国人を理解するべき」
といった、角度がつきすぎた論調に無理やり導こうとしているので、もはや信用ができない状態で、行き場のない怒りを抱いておりました。
この問題に悩んでいる多数の川口市民も同様の気持ちを抱いている状況です。
そのため、記事によって、この
「市民の抱える行き場のない怒り、悲しみ」
に光を当てていただき、本当に感謝しております。
私は貴社の報道とそのあり方を拝見し
「ペンのチカラ」
を、改めて信じたいと思っているところです。
お忙しい中かと思いますが、どうぞご自愛くださいませ。
■体験や意見をお寄せください
【あて先】digitalhodo@sankei.co.jp(都道府県、年齢、性別をお書きください)

「地域住民の人権は無視ですか?」報道されない川口クルド問題、地元女性制作の画像急拡散
「移民」と日本人
2024/2/28 16:00
https://www.sankei.com/article/20240228-LGU5ZQA3YJFU5IXW6BNCV75DPQ/
「私たちの存在を、消さないで。」―。
シルエットの女性がこう訴える画像がSNS(交流サイト)で拡散されている。
作成したのは、トルコの少数民族クルド人と地域住民の軋轢が表面化している埼玉県川口市に住む30代の女性。
「一部外国人の犯罪や迷惑行為は目に余るのに、テレビや新聞でほとんど報道されない」
「まるで自分たち地域住民は存在しないかのように感じた」。
女性は
「ヘイトスピーチだ」
などと批判されることを極度に恐れつつ、勇気を振り絞ってこの画像を作成したという。
■まるで私たちは存在しないかのように
画像は、
「ネイティブ・ライブズ・マター(地域住民の命は大切)」
と書かれ、
《差別やヘイトは絶対ダメ! でも犯罪や迷惑行為に苦しんでいる市民の声や市民の人権は無視ですか?》
とのメッセージが添えられている。
米国で黒人差別解消を訴える
「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」
運動に倣ったという。
川口市内では、解体資材置き場周辺や住宅密集地での過積載のトラックや改造車の暴走行為が問題化。
女性の自宅近くにも資材置き場があると言い、
「中学生くらいの外国人が携帯をいじりながらトラックを運転していたり、改造車が昼間から走り回り、タイヤを急回転させて白煙が上がっていたりするのを何度も目撃した」
という。
女性は
「暴走行為や迷惑行為などで怖い思いをしても、テレビや新聞でほとんど報道されない」
「地域住民は存在しないかのように扱われていると感じていた」
「その思いを画像に込めた」。
ここは私たちの地元です
女性には小さな子供がおり、通学路が心配で仕方ないという。
ただ、この問題をSNSなどで敢えて訴えると、
「ヘイトだ」
などとすぐに批判される。
女性の知り合いにも
「反ヘイト団体」
などからSNS上で罵られた人もおり、地元でも声を上げにくい雰囲気があるという。
デザインアプリで画像を作成、2024年2月26日に自身のX(旧ツイッター)に投稿したところ、多くの人が拡散した。
ネット上では
「川口にもとから住んでいる日本人に我慢を強いた上での外国人との共生に何の意味があるのでしょうか」
などのコメントがある一方、
「分断は不幸しか生みません」
「差別の扇動やめなさい」
といった投稿もあり、拡散を続けている。
女性は
「政治家や行政もなかなか動いてくれない」
「ふつうに生活しているだけなのに、安心して暮らせない」
「ネット上では『引っ越せばいい』などと言われるが、ここは私たちの地元です」
「やむにやまれない気持ちを知ってほしい」
と話している。

川口のクルド人めぐり国会で初の関連質問「現地見て」 岸田首相「ルール守るのが大前提」
「移民」と日本人
2024/2/26 17:44
https://www.sankei.com/article/20240226-QGYKPJRNAVD33GGEDALRDT4TDM/
一部外国人と地域住民との軋轢が表面化している問題が2024年2月26日の衆院予算委員会で取り上げられ、岸田文雄首相は
「あくまでルールを守るのが大前提」
などと答弁した。
質問したのは埼玉県川口市が地元の日本維新の会、高橋英明氏。
高橋氏は、川口市という地名や同市に集住するトルコの少数民族クルド人の民族名は挙げなかったものの、2023年7月にクルド人約100人が同市内の市立病院周辺に殺到する騒ぎが起きた際の写真パネルを掲げ、
「ある一部の地域で酷い状態になっている」
と指摘。
「この写真にあるように、市立病院の前で何百人規模でいざこざがあった」
「こうしたことが起きると病院の機能も低下するし、近隣住民にとっては不安で仕方がない」
と訴えた。
この問題が起きた2023年7月以降、川口のクルド人問題が国会で取り上げられたのは初めてとみられる。
さらに、高橋氏は
「国会にいては危機感がない」
「(川口は)ここから1時間くらいのところだ」
「しっかり目で見て耳で聞いて肌で感じてほしい」
と述べ、警察や入管による一斉取り締まりの実施を求めた。
その上で、岸田首相が
「日本独自の外国人との共生社会」
を提唱していることに関し、
「ルールを守らない外国人とも共生するのか」
と質問。
岸田首相は
「外国人との共生の在り方は国によって様々だが、あくまでもルールを守って生活していくことが大前提だと認識している」
などと述べた。
高橋氏はまた、2023年6月に成立し、難民認定申請を原則2回までに制限する改正入管難民法の施行時期についても質問。
小泉龍司法相が
「極力早期の施行が実現できるよう努力する」
と答弁する中、早期実施を求めた。

自民・若林洋平氏、クルド人批判に投稿 「日本の文化・しきたり理解できない人はお帰りを」
2024/2/22 20:44
https://www.sankei.com/article/20240222-PEUMAQOSUBBT3E5OAVNXL33R2M/
自民党の若林洋平参院議員(静岡選挙区)がX(旧ツイッター)で、在日クルド人についてのコメントや外国人らの参加するデモ動画についてのコメントを引用しながら
「日本人の国なので、日本の文化・しきたりを理解できない外国の方は母国にお帰りください」
などと書き込んだ。
この動画には、JR蕨駅前の路上に集団が集まり、
「日本人死ね」
と発言したような声が収録されている。
集団の周囲は多くの警察官が囲み、騒然とした様子も伝わってくる。
若林氏は2024年2月19日付の書き込みで
「我が物顔で日本人に迷惑をかけ、挙げ句日本人死ねというならどうぞお帰りください」
などと記した。
「外国人に対する生活保護などあり得ません」
「それでも日本にいたいなら日本のルールくらい守れ!」
とも書いた。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/860.html#c5

[政治・選挙・NHK295] <議員復活は絶望的>丸川珠代氏 落選直後から“音信不通”…旧安倍派議員が指摘する“致命的な弱み”とは(FLASH) 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[918] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月06日 05:27:06 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[483]
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時速194キロ事故「過失のわけがない」 危険運転罪認めず、遺族が批判
2024/11/6 0:01
https://www.sankei.com/article/20241106-RV6O2PJRMRJ7FILIB3YCGVK3WU/
大分市で令和3年、時速約194キロの乗用車で死亡事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪に問われた男性被告(23)の裁判員裁判初公判で、検察側は2024年11月5日、事故時の様子が写った映像や損傷した被害車両の写真などを示した。
遺族は記者会見で
「一体どんな高速度だったのか」
「過失のわけがない」
と憤った。
弁護側は危険運転罪は成立せず、同法違反(過失致死)罪にとどまると主張している。
死亡した会社員、小柳憲さん=当時(50)=の姉、長(おさ)文恵さん(58)は閉廷後、ドライブレコーダーの映像や小柳さんの着衣の写真を法廷で見て、弟の痛みを想像して涙が溢れたと明かし、
「うっかり起きた過失と一緒にされたら困る」
と語気を強めた。
被告は罪状認否で危険運転罪に関して
「よく分かりません」
と述べる一方、
「小柳憲さんとご遺族に心より謝罪します」
とも口にした。
長さんは、謝罪時に遺族を見ようとしなかったとし、
「誰に向けて謝っているのだろうと感じた」
と非難した。

194キロ危険運転争う姿勢 50歳男性死亡事故で弁護側 大分地裁
2024/11/5 10:58
https://www.sankei.com/article/20241105-ETIDIULAWVIZFCIPXIZSFYQJZE/
大分市で令和3年、時速約194キロで乗用車を運転し右折車と衝突、男性=当時(50)=を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪に問われた男性被告(23)は2024年11月5日、大分地裁の裁判員裁判初公判で起訴内容について
「よく分かりません」
と述べ、弁護側は
「危険運転致死は成立しない」
と主張した。
令和4年12月に、同法違反(過失致死)罪から訴因変更されていた。
判決は2024年11月28日。
起訴状によると、令和3年2月9日午後11時頃、上限が法定速度の時速60キロと定められた県道交差点を、対向から右折する車を妨害する目的で、制御困難な時速約194キロで進入。
会社員、小柳憲さんの車に衝突して死亡させたとしている。
大分県警は危険運転致死容疑で書類送検したが、大分地検は令和4年7月、一旦同法違反の過失致死罪で在宅起訴。
より法定刑の重い危険運転罪適用を求める署名提出を遺族から受けた後、地裁に訴因変更を請求し認められた。

時速194キロで走行、危険運転致死に問われた元少年は初公判で「そのようなこと分かりません」
2024/11/5 13:07
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241105-OYT1T50067/
大分市で2021年、法定速度の60キロを大幅に上回る時速194キロで乗用車を走行して事故を起こし、男性を死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた元少年(23)の裁判員裁判の初公判が2024年11月5日午前、大分地裁(辛島靖崇裁判長)で始まった。
元少年は罪状認否で
「そのようなことは分かりません」
と述べた。
事故で大破した小柳さんの車(遺族提供)
起訴状では、元少年は2021年2月9日深夜、大分市の県道交差点で、制御困難な時速194キロで走行。
右折中だった同市の会社員小柳憲さん(当時50歳)の車の通行を妨害する目的で交差点に進入して事故を起こし、小柳さんを死亡させたとしている。
公判では、元少年の運転が、危険運転の適用要件である
〈1〉制御が困難な高速度
〈2〉妨害する目的で通行中の車に接近
に該当するかどうかが主な争点となる。
弁護側はこの日、危険運転致死について否認し、検察側が予備的な訴因として加えている同法の過失運転致死については争わない姿勢を示した。
検察側は冒頭陳述で、小柳さんは事故で締めていたシートベルトがちぎれて路上に飛び出し、骨盤を骨折するなどして死亡したと主張。
〈1〉については、路面の状況から車体に揺れが生じ、ハンドルやブレーキの操作を誤る恐れや、夜間に194キロで運転することで視野や視力に大きな影響を与え、操作を誤る恐れがあったなどとした。
また、右折車が来ることが想定されたとして、
〈2〉の要件も満たすと主張。
「常軌を逸した高速度で、動機は極めて身勝手」
と指摘した。
事故を巡っては、大分地検は2022年7月、法定刑の上限が懲役7年の過失運転致死で在宅起訴。
遺族らは法定刑の上限が懲役20年の危険運転致死への訴因変更を求めて約2万8000筆の署名を地検に提出。
地検は補充捜査の上、変更を地裁に請求し、認められた。

<主張>危険運転致死傷罪 国民常識との乖離埋めよ
2024/2/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20240207-V6KMS75HSZNLZB4I5Z5XJLQDXU/
法務省は、危険運転致死傷罪の要件を見直す検討を始めた。
現行要件の基準が分かりにくく、事故遺族らが
「危険で悪質な事案を取りこぼさないようにしてほしい」
と要望していた。
令和3年2月、大分市内の県道交差点を右折する会社員の乗用車に、当時19歳の少年が運転する直進車が衝突した。
会社員は死亡した。
直進車は法定速度60キロの3倍を超える時速194キロで走行し、少年は
「何キロ出るか試したかった」
と供述したのだという。
大分県警は危険運転致死罪の要件である
「制御困難な高速度」
に当たるとして同容疑で送検したが、大分地検は
「直線道路で走行を制御できていた」
などとして過失運転致死罪で在宅起訴した。
危険運転の法定刑の上限は懲役20年、過失運転の上限は7年で、大きな開きがある。
遺族は納得いかない。
そもそも制御できないから衝突したのではないのか。
遺族は署名を集めて訴因変更を求める上申書を提出し、これを受けた補充捜査を経て危険運転致死罪に訴因は変更された。
遺族の声を受けての訴因変更は、要件のあいまいさを物語る。
平成30年12月、法定速度60キロの一般道を146キロで走行してタクシーに突っ込み、乗客ら4人が死亡した事故でも、危険運転致死傷罪で起訴された被告に津地裁、名古屋高裁は
「制御困難な高速度が証明されていない」
として過失運転と判断し、懲役7年の判決が確定した。
現行法では、無免許であっても一定の運転技能ありと判断されれば、危険運転の要件を満たさない。
信号無視による事故は
「殊更に」
無視した場合に限られ、
「殊更」
の証明、解釈に振り回される。
法曹界には他罪種や過去事件の刑罰とのバランスを重視するあまり、危険運転の適用を躊躇する傾向があり、要件の曖昧さがこれを助長しているとの指摘もある。
被害者や家族は、この構図に憤っている。
危険運転致死傷罪は、東名高速道で飲酒運転のトラックが女児2人を死亡させた事故をきっかけに平成13年に創設された。
強い被害感情に応えるための法律が、その運用をめぐって被害者の怒りを倍加させている。
要件の整理と明確化で国民常識との乖離を埋めてほしい。

再考・犯罪被害者
<特報>時速194キロ、危険運転ではないのか 遺族が動かした異例の訴因変更
2023/1/23 8:50
https://www.sankei.com/article/20230123-NBCPUZLDCVJIJAQRRGGPI2ZWXM/
憲ちゃんが亡くなった−。
訃報は突然やってきた。
令和3年2月9日午後11時頃、大分市内の県道交差点。
右折する車に、対向車線を直進してきた1台の乗用車が衝突した。
いわゆる「右直事故」。
右折車を運転していた会社員、小柳憲さん=当時(50)=がこの事故で死亡した。
衝突直前の直進車の走行速度は時速194キロ。
法定速度(60キロ)の3倍を超えていた。
「なんで弟が…」。
事故から半日後、小柳さんの姉は、棺に横たわる弟と対面した。
顔にはほとんど傷がなく、
「事故に遭ったとは思えないほど、いつもの穏やかな表情だった」。
ただ頭部以外は全て包帯でくるまれていた。
「辛い思い出が残るから見ない方がいい」。
受傷の程度が書かれた死亡診断書でさえ、見るのを制された。
大分県警から受けた説明によると、小柳さんは事故当時、シートベルトをしていたが、衝撃でベルトが切れて車外にほうり出され、後続車の近くに倒れているところを発見された。
肋骨や骨盤など全身に多数の骨折があった。
死亡確認は約2時間半後。
「最期を迎えるまで、どれほど苦しかったことか…」。
想像を絶したであろう弟の痛みや苦しみを思い、姉はただ涙を流すことしかできなかった。
直進車を運転していた当時19歳の元少年は調べに
「何キロ出るか試したかった」
と供述したという。
大分県警はこうした事情も踏まえ、元少年の運転が、自動車運転処罰法が定める危険運転致死罪の適用要件である
「制御困難な高速度」
に当たると判断。
事故から2カ月後に元少年を同容疑で書類送検した。
姉も当然、同罪で起訴されるものと期待した。
だが大分地検は翌年令和4年7月、過失運転致死罪で元少年を在宅起訴した。
遺族には
「直線道路で走行を制御できていた」
などと説明し、
「制御困難」
に当たらないとの見解を示した。
《高速度走行(自動車運転処罰法2条2号)その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為》
「一般道を時速194キロで走るのが危険運転でないのなら、一体どんな運転が危険運転になるのか」。
姉は思わず本音をぶつけた。
だが、担当検事は
「捜査の結果、危険運転の立証には至らなかった」
と答えるのみだった。
「前代未聞の高速度」
「家族にも見せることができない身体の損傷」
「原形をとどめないほど大破した車」
「危険運転致死傷罪は生命の尊厳を守るために創設されたはずなのに、こんな理不尽なことがあってもいいのでしょうか」
姉はそれ以降、地検に翻意を促そうと奔走した。
令和4年8月には記者会見を開いて危険運転致死罪の適用が見送られた理不尽さを訴え、同罪への訴因変更を求める上申書を地検に提出。
翌月令和4年9月には犯罪被害者の自助グループ「ピアサポート大分絆の会」(大分県国東市)の支援も受けながら、地検に補充捜査を求める署名活動を行い、全国の賛同者から集まった約2万8000筆を令和4年10月に提出した。
「弟の無念を晴らしたい」。
その一心で続けた地道な訴えは令和4年11月、ようやく実を結ぶ。
地検と県警が当時の事故状況を再現する補充捜査を実施。
僅か2週間後の令和4年12月1日には地検が危険運転致死罪への訴因変更を大分地裁に請求し、同月令和4年12月20日に認められた。
「声を上げなければ過失運転で終わっていた」
「ほっとしました」。
姉は訴因変更の知らせに安堵の言葉を口にした。
事故は今後、裁判員裁判で審理される。
「裁判をしたからといって弟の命は決して戻りません」。
それでもようやく、スタートラインに立てた気がする。
「真っ当な判決が言い渡されてほしい」
「望むことはそれだけです」。
初公判の日を静かに待っている。
■「常識」と乖離する司法
「被告人の運転が常識的にみて『危険な運転』であることは言うまでもない」
小柳さんの事故から間もない令和3年2月中旬。
名古屋高裁は、三重県津市の国道で時速146キロの自動車がタクシーに衝突し、乗客ら4人が死亡、1人が負傷した事故で、被告に判決を言い渡した。
制限速度の2.5倍近い異常なスピードで高級車を駆り、車の間隙を縫うように車線変更を繰り返していた被告。
「あたかも自分1人のための道路であるかのごとき感覚」。
高裁判決はこんな非難の言葉を並べながら、それでも1審津地裁と同様、危険運転致死傷罪の成立を否定した。
市民感覚と司法判断がここまで乖離するのは何故か。
それは同罪が不注意を罰する過失犯ではなく、故意犯であるところに大きな要因がある。
同罪の故意とは、自分の運転行為が法の定める
「危険運転」
の類型に当たることを認識しながら、敢えてそのような運転をしたということ。
条文の文言を知っている必要はないが、
「制御困難」
の要件の場合は、高速度走行の一般的な危険性の認識では足りない。
津市のケースでは、僅かなミスで自分の車を進路から逸脱させるような状況を
「具体的な可能性として現実に頭に思い浮かべていたことが最低限必要」(津地裁判決)
と判示され、被告にこの認識がなかったとして故意が否定された。
事故前に百数十キロで走行しながら複数台の車両を追い抜いたことを
「特段の支障なく進行した」
と被告に有利な事情とみた。
大分の事故現場は、その幅員から
「40メートル道路」
と呼ばれる直線道路。
スピードを出しても比較的コントロールしやすい場所といえ、大分地検が当初、危険運転致死罪の適用を見送る一因になったとみられる。
もっとも同罪の適用を巡っては、司法判断も揺れている。
大分地検が補充捜査で訴因を切り替えたことも、要件解釈が定まっていないことの表れとみることもできる。

過失では済まされないような危険な運転を厳しく罰するため、世論の後押しを受けて制定された危険運転致死傷罪。
しかし厳罰ゆえに検察や司法が適用に慎重になるケースが相次ぎ、被害者遺族の無念は宙をさまよう。
同罪を取り巻く課題を検証する。

再考・犯罪被害者
危険運転致死傷罪、揺れる司法の判断 被害者・遺族の思いをすくい上げるには
2023/1/31 7:00
https://www.sankei.com/article/20230131-UNNJ7SBNRVLLTDM7ARQI5K6YSI/
■危険運転、問われる意義
危険運転致死傷罪の創設から20年以上が経過したが、適用のハードルは高く検察や司法の判断も揺れている。拡大解釈による厳罰化の危険を避けつつ、被害者・遺族の思いをすくい上げるにはどうすればいいのか。有識者2人に聞いた。
時速194キロ、危険運転ではないのか 
■高い起訴のハードル 大嶋実弦弁護士
危険運転致死傷罪は
「悪質な運転による死傷事故を重く処罰してほしい」
「『過失』で済まされるのはおかしい」
という事故の被害者や遺族の思いから出発し、創設された法律だ。
その一方で、実際に同罪が規定する危険運転行為と、一般の人が罪名から想像する行為との間には乖離があり、そのギャップが
「市民感覚を反映していない」
と指摘される要因にもなっている。
率直に
「危険運転ではないのか」
と思えるような行為も、同罪が厳格に定める要件や類型に当てはまらない限り処罰の対象とはならず、それゆえ遺族が不満の声を上げるケースが少なくない。
特に警察が危険運転致死罪で送検するような死亡事故は、遺族にしてみれば理不尽に家族を殺されたという思いが強い。
同罪はそんな遺族の拠り所でもあるはずだが、
「公判が維持できないから」
と検察に門前払いされると、
「なぜ」
というわだかまりと、やり場のない無念さだけが募ることになる。
遺族が声を上げる背景には、同じような境遇に遭う人をなくしたいという強い気持ちがある。
こうした声に世間が共感し、課題が社会に認知され、法改正で是正されてきた経緯がある。
厳罰ゆえに慎重になるのも十分理解できるが、公判の舞台に乗せないと、解釈や適用範囲を巡る司法判断が積み重ならない。
起訴のハードルを下げつつ、市民感覚との懸隔を埋めていくことが求められる。

おおしま・みつる
大阪弁護士会所属。
長年に渡り交通事故遺族らで作る自助団体「TAV交通死被害者の会」(大阪市)の活動を支援している。
処罰範囲の拡大はアンフェア 井田良・中大大学院教授
死傷者を伴う交通事故が起きた時、過失運転致死傷罪と危険運転致死傷罪のどちらが適用されるか、その判断が注目を集めることがある。
そして危険運転の適用が見送られた時、報道で批判的に取り上げられることも少なくない。
危険運転致死傷罪について規定された刑は相当に重いものとなっている。
特に危険な運転を故意に行い、人を死傷させた場合に、傷害罪(上限懲役15年)や傷害致死罪(同20年)と同じように重く処罰するよう制定された経緯がある。
その際、誰もが犯しうるような不注意で重い処罰の対象とするのは適当ではないとして、危険運転に該当する行為を類型化し、その要件を限定した。
いくら危険な暴走行為であっても、この類型化された危険行為に当たらない限り、同罪を適用できないと考えるのが、法律で犯罪と刑罰を規定する
「罪刑法定主義」
の原則だ。
確かに同罪の条文を素直に読むと、問題とされる行為が危険運転に該当しそうに思える事例もあり、被害者側もそこに批判の根拠を持っていることは理解できる。
しかし、規定の解釈に当たっては、元々の立法趣旨や、これまでの判例が積み重ねてきた解釈を無視することはできないし、何より、軽い類型である過失運転致死傷罪との区別が曖昧にされてはならない。
立法趣旨や従来の裁判所による解釈を無視して処罰範囲を拡大することは、不意打ちでアンフェアな処罰である。
解釈による対応が難しければ再び立法が求められることになるが、過失運転致死傷罪との合理的な区別を可能とする新たな危険運転行為の要件を定立することは、相当に難しいことも事実であろう。

いだ・まこと
専門は刑法。
平成13年に危険運転致死傷罪が創設される際の法制審議会の議論に幹事として加わった。
平成28年から現職。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/862.html#c31

[政治・選挙・NHK295] 小沢一郎氏<自民党議員の頭の中>「おかしいなあ。表紙を人気者に変えて選挙をやればいつも通り大勝できるはずだったのに」  赤かぶ
30. 秘密のアッコちゃん[919] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月06日 05:28:56 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[484]
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<主張>自衛隊演奏会 不当な抗議は容認できぬ
社説
2024/11/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20241106-Y2R5LLUCM5KR5NSO3MWNFDPW4Y/
未だにこんな時代錯誤の
「抗議」
を行っているのかと、啞然とする他ない。
広島県廿日市(はつかいち)市と同市教育委員会などが後援し、同市で開かれた陸上自衛隊音楽隊のコンサートに地元中学校の生徒が参加したのは問題であるとして、革新系の
「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」

「九条の会・はつかいち」
など3団体が市などに抗議した。
自衛隊によるコンサートへの参加は
「中学生にとって非常に危険」
と主張している。
自衛隊は合憲で、国会が議決した自衛隊法などに基づいて存在している。
隊員は命懸けで、国と国民を守る崇高な任務に当たっている。
今回のような抗議は自衛隊を貶めるのに加え、明白な職業差別でもある。
断じて容認できない。
市と市教委が抗議に応じなかったのは当然だ。
子供たちのためにも、自衛隊員のためにも今後も毅然と対応してほしい。
コンサートは広島県自衛隊家族会の主催で2024年9月に開かれ、同県駐屯の第13音楽隊と市立中の吹奏楽部が合同で演奏した。
団体側は抗議文で、自衛隊が音楽という手段を利用して
「教育現場に侵入し、将来の自衛隊員へのリクルートに繫げようとする側面がある」
とした。
市と市教委に、後援中止や中学生を自衛隊に積極的に近付けないことを要求した。
市などによると、コンサートは今年2024年で5回目で、音楽隊の高い演奏技術に触れる機会であるため生徒にも好評だという。
だが2回目の開催以降、団体側が激しく批判してきた。
昨年2023年の市議会では共産党の市議が
「平和教育や平和行政と相容れない」
などと後援を批判した。
市教委はコンサートの利点を挙げ、
「後援することに問題ない」
と答弁した。
昭和60年代頃までは日本各地で、革新団体などによる自衛隊へのバッシングが相次ぎ、隊員の子供が学校で日教組系の教師らから名指しで批判されるという人権侵害もあった。
今回の抗議は、当時の差別、攻撃を想起させるものだ。
日本は厳しい安全保障環境下にあり、平和を守る抑止力や対処力として自衛隊の役割は高まっている。
災害救援でも自衛隊は汗を流している。
自衛隊への誤解や偏見を広める
「抗議」
は決して許されない。

自衛隊コンサートに中学生参加の是非 市民団体「不適切」と後援自治体に猛烈抗議の波紋
2024/10/14 8:00
https://www.sankei.com/article/20241014-4467ZMWRVNKR7FGL2ZAWFMIX2I/
コンサートを「無防備な中学生を実力組織へ取り込む」機会と考えるべきと主張する抗議文
https://www.sankei.com/article/20241014-4467ZMWRVNKR7FGL2ZAWFMIX2I/photo/TVWG4DAQHBNOVMID4VXJ2HC5V4/
世界遺産の厳島神社で名高い宮島を有する広島県廿日市(はつかいち)市で9月に開かれた
「自衛隊ふれあいコンサート」
がやり玉にあがっている。
市内の中学校の吹奏楽部が参加し盛会のうちに終わったが、複数の市民団体が
「無防備な中学生を実力組織に取り込む」
機会になっていると指摘し、市と市教育委員会による
「後援」
に抗議したのだ。
コンサートの何が問題なのか。
■生徒の評判上々
「腸が煮えくり返っている。本当に子供たちのためになるのか」
10月7日、廿日市市役所に市民団体
「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」
の石原顕(あきら)共同代表らが訪れ、市と市教委の担当者に、自衛隊のコンサートへの中学生の参加は公教育にとって不適切などと訴える抗議文を手渡した。
コンサートは9月14日に市内の文化ホールで開かれた。
自衛隊員の家族らで構成する公益社団法人
「自衛隊家族会」
広島県自衛隊家族会が主催し、同県海田町の海田市駐屯地に所属する陸上自衛隊第13音楽隊と、廿日市市立野坂中学校の吹奏楽部がコラボした。
これに、市と市教委が後援で名を連ねた。
市教委によると、事前の合同練習を含め、プロにも引けを取らない音楽隊の演奏に触れられる機会とあって生徒からの評判は上々で、
「感動した」
との声も聞かれたという。
■「軍」への忌避
一方の抗議文はトーンがまるで違う。
「軍」
としての自衛隊に対して強い忌避反応を示し、若者が近付けば戦場に送り込まれかねない、との危機感が文面から滲む。
市民団体側からすれば実力組織である自衛隊が
「成長途上で保護を必要としている中学生の教育活動に『侵入』してくることは非常に警戒すべきこと」
で、
「単なる親睦と音楽教育を超えて『無防備な中学生を実力組織へ取り込む』機会になっている」
という主張だ。
市側にとってはコンサートはあくまで
「音楽を通した市民との交流」
を目的としたもの。
主催者から後援の申請依頼があり、イベントの内容から市民の文化向上に寄与すると判断している。
地元の中学生も参加するため後援するのは
「ある意味で自然」(市教委の担当者)
とのスタンスだ。
■生徒の意向尊重
コンサートは平成30年から始まり、新型コロナウイルスの感染拡大期を除き、今回を含めて5回開かれた。
広島県自衛隊家族会によると、2回目まではホール玄関に自衛隊の制服や活動写真が展示され、入隊勧誘と受け取られる余地があるにはあった。
ただ、開催趣旨を踏まえて
「それからは控えてもらった」(同)
といい、市側が神経を尖らせるような場面はもうない。
コンサートへの参加も、生徒や保護者の意向を尊重した上で行っており、生徒の個人情報なども提供していないという。
広島県自衛隊家族会の山崎修治事務局長も産経新聞の取材に対し、
「コンサートの目的は市民と自衛隊との交流、中学校吹奏楽部のレベル向上であり、リクルートの意図はない」
と言い切る。
■埋まらぬ隔たり
内閣府が2023年3月に発表した自衛隊・防衛問題に関する世論調査(令和4年実施)では、自衛隊に好印象を抱く人は90・8%に達した。
市民団体も自衛隊の災害派遣活動などを一定評価していないわけではないが、音楽を組織的に利用する自衛隊と捉える限り、双方の隔たりは埋まらない。
市側は
「質の高い自衛隊の音楽隊と一緒に演奏することは、専門性の向上や今後の演奏に対する意欲向上に繋がる」
と評価しており、2025年度以降も後援の依頼があれば粛々と応じる考えだ。
今回の抗議を野坂中吹奏楽部員の保護者はどう考えているのか。
3年の長男を持つ母親(47)は
「後援が付くからこそ、コンサート前にも音楽隊に指導してもらえるのだと思う」
「『武器を持つ自衛隊』『戦争』のイメージと結び付ける意味がよく分からない」
とした上で、
「子供は上達した所を見せたい、と自宅でも進んで練習に励んでいた」
「本物の音楽に触れ、成長させてもらった」
「今後も音楽隊と中学生との触れ合いが続いてほしい」
と話した。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/861.html#c30

[政治・選挙・NHK295] 国民民主が唱える「103万円の壁」解消に政府が喧伝…“金持ちほど恩恵”のレッテル貼りはマヤカシ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
44. 秘密のアッコちゃん[920] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月06日 06:06:49 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[485]
<■1594行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
石破おろし起きぬ自民 党内抗争の余裕なく 7日の両院議員懇が試金石
2024/11/5 19:36
https://www.sankei.com/article/20241105-GYVAXXRCA5IRJDOK5GFJPC7A5E/
先の衆院選で議席を大幅に減らした自民党では石破茂首相(党総裁)の退陣を求める
「石破おろし」
は起きず、来週の首相指名選挙で石破首相が再選出される公算が大きい。
危機的状況の中、野党に政権を奪われないことが最優先で、党内抗争の余裕はないからだ。
ただし不満はくすぶっており、2024年11月7日の両院議員懇談会が試金石となる。
■「今度こそ国民に見放される」
同懇談会は全自民議員が参加でき、首相も出席する。
首相は2024年11月5日の党役員会で
「意見を賜り、今後の党運営に共に努力していきたい」
と述べた。
勝敗ラインの
「与党過半数」
を下回ったことから首相への不満が相次ぐ公算が大きい。
首相に批判的な中堅議員は周囲に
「辞任すべきだと言う」
と息巻いた。
とはいえ、
「即退陣」
を求める声は広がっていない。
来週の首相指名選挙までに交代させる時間がない上に、予算案などの可決に必要な衆院過半数の獲得に向けて現執行部の下、野党・国民民主党の協力を得る交渉も始まった。
「今、党内で足の引っ張り合いをしたら、自民は政権を維持できない」(幹部)
との認識が支配的だ。
旧安倍派中堅は
「まずは経済対策」
「出来なければ今度こそ国民に見放される」
と語り、2024年年内の今年度補正予算案の成立を目指すことを優先すべきだと語る。
■交代圧力強まるのは来夏か
首相に批判的な議員が多い旧安倍派の実力者、萩生田光一元政調会長も2024年11月1日夜のインターネット番組で
「就任して1カ月」
「どんどん変えたら政権が不安定化する」
と語った。
反石破勢力から期待されている高市早苗元経済安全保障担当相も発信を控えており、党内の大勢が首相を見限る状況にはなっていない。
2024年11月2、3両日の産経新聞社・FNNの合同世論調査では、首相は「続投してもよい」との回答が55・3%に達した。
反石破勢力の参院議員は
「石破さんにはボロボロになっても来年2025年度予算を通してもらい、退陣してもらう」
と語り、来年2025年度予算成立後の来年2025年春の石破おろしを予告する。
平成13年には、当時の森喜朗首相が
「7月の参院選を戦えない」
との声の高まりを受け、予算成立後の平成13年4月に内閣総辞職した。
来夏2025年夏の参院選前に選挙の
「顔」
の交代圧力が強まる可能性がある。

バラマキ廃し、減税主導の財政へ 衆院選での与党惨敗受け、自民党が政権維持のため
田村秀男の経済正解
2024/11/5 12:00
https://www.sankei.com/article/20241105-NRXE3S4HRJKEDPCB7VDTGZPOSY/
衆院選での与党惨敗を受けて、石破茂首相と自民党は政権維持のために、若い勤労世代の支持を集めた国民民主党の所得税、消費税の減税案を取り込まざるを得なくなっている。
バラマキ偏重の歪んだ財政政策を是正するチャンスが到来したのだ。
「バラマキ」
と言えば、
「岸田文雄前政権のバラマキは酷かった、真にけしからん」
と、1カ月ほど前に会った某財務省幹部の憤懣ぶりが頭に浮かぶ。
一時は
「増税メガネ」
とメディアに揶揄されたほど財務省寄りと思わせた岸田氏が打ち出した電気・ガス料金補助、ガソリン価格への補助金、更に定額減税などのバラマキは許せないのだろう。
元はと言えば、財務省が頑強に減税に抵抗することから、岸田氏はその代わりのバラマキでやり過ごそうとしただけである。
家計の負担を軽くして、所得税や消費税を減税すれば良いはずだが、財務官僚は一旦減税すれば恒久化すると恐れ、自民党税調に反対させてきた。
このパターンは岸田政権時代に限らない。
当初予算で増税、政策経費を削減し、景気が沈みそうになれば、大型補正予算を組むのが歴代政権の恒例行事になっている。
補正予算の大半はその場凌ぎなのだから、計画性に欠け、バラマキに偏してしまう。
バラマキでも、消費が持続的に拡大すればまだしもだが、実際にはそうはならない。
国内総生産(GDP)の6割近くを占める家計消費は実質で2023年後半から前年水準を下回り続けている。
需要が不足するのだから、1990年代後半以来の慢性デフレから未だに脱却できない。
バラマキは砂漠の水撒き同然、国民経済を潤せないのである。
グラフは物価変動分を勘案した12カ月平均の実質賃金指数(1997年3月=100)、更に勤労者収入、収入から所得税、住民税更に社会保険料を差し引いた可処分所得(手取り)についての実質ベースの前年同期比増減率の推移である。
先の春闘では5%を超える賃上げが実現した結果、勤労者の収入と可処分所得は物価上昇分を加味しても2024年5月以降共に前年を上回っている。
それでも、2024年8月には伸び率が下がっている。
実質賃金は2024年5月以降少しずつ上向いている。
しかし、27年前1997年の水準を16%以上も下回っている。
賃金収入に頼る勤労者は貧しくなったままなのだ。
こうみれば、バラマキではなく、きちんと現役世代の減税と社会保険料負担の軽減、可処分所得(手取り)の増加を政策として訴えた国民民主党に若い層が惹かれた理由が分かる。
メディアが実施した衆院選比例区投票先政党に関する出口調査結果の年代別シェアをみると、20歳代、30歳代が最も多く投票したのが国民民主だった。
公明党の石井啓一代表は投票より10日前の2024年10月17日、低所得者世帯に10万円程度の給付が必要との考えを示し、自民党の森山裕幹事長が同調する様子を見せると、交流サイト(SNS)では若者世代を中心に反発する声が湧き上がった。
それを見抜けなかった自公が大敗したのは、バラマキ型政治の終焉を告げている。
自民と国民民主は2024年10月31日に経済対策や税制改正の協議開始で合意した。
自民は予算案など重要案件ごとに国民民主が協力する
「部分連合」
を目指す。
石破政権が存続できるかどうかの瀬戸際に立たされている以上、国民民主の玉木雄一郎代表が、石破首相に国民民主案を丸呑みさせる政治情勢にある。
障害はある。
「政府債務が悪化している中、財源はあるか」
と問われると政治家は弱い。
だが、経済はダイナミックであり、単純な差引勘定では計れない。
現実に、円安の下で法人税収が伸び、物価高で消費税収更に所得税収も増えている。
おかげで政府の基礎的財政収支(国債関係を除く財政収支)は税収増を受けて2025年度は黒字化する情勢にある。
国際的な財政指標である政府の純債務のGDP比率は2022年以降、急速に減っており、2024年6月時点で86%、15年ぶりの低水準にある。
所得税、消費税の減税は家計の可処分所得水準を押し上げ、消費を増やすので税収も増える。
日銀も金融緩和を維持するので、円安基調は変わらない。
所得税の基礎控除を引き上げると、年収103万円以内に年間所得を抑制していた働き手が活気付き、人手不足を緩和し、家計も楽になる。
歪んだバラマキ財政と決別し、減税主導で経済を安定成長軌道に乗せる。
石破首相の活路はそれしかない。
(編集委員)

自民支持率、18歳〜20代は12・5% 「政治とカネ」になお強い不信感
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 19:37
https://www.sankei.com/article/20241104-KOBQI2UPS5NZBAAZVEWCAGPFSU/
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、70歳以上の年齢層だけで石破茂内閣の支持が不支持を上回った。
自民党も高齢層の支持が高い傾向が明らかとなった。
18歳〜20代で石破内閣を
「支持する」と答えたのは32・0%で、
「支持しない」は61・0%。
30代も支持が28・8%、不支持が59・4%だった。
唯一、70歳以上で支持(58・5%)が不支持(36・4%)より多かった。
前回調査(2024年10月5、6両日)では、ほとんどの年齢層で支持が不支持を上回っていた。
自民の支持率は25・8%となり、前回調査の34・3%から8・5ポイント下がった。
年代別で「支持政党が自民」と答えたのは、
70歳以上35・0%、
60代28・0%、
50代23・7%、
40代30・3%、
30代14・8%、
18歳〜20代12・5%
だった。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、不記載があった候補者を非公認などとして衆院選に臨んだことで
「政治とカネの問題」
にけじめがついたかを尋ねたところ、
「ついていない」が85・5%、
「ついた」は10・6%
だった。
非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについては
「自民会派入りは適切ではない」が52・0%、
「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%
にとどまった。
再発防止に必要な政治改革を2つ聞いたところ、
「政策活動費の使い道の公開」(40・9%)
が最も多く、
「政治資金の透明化やデジタル化での公開」(34・0%)、
「政治資金をチェックする第三者機関の設置」(28・5%)、
「政治資金パーティーの全面禁止」(27・2%)
などが続いた。

与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり今年2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったお陰で、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率はわずか0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率わずか0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、
「極右」
とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、
「極右」
政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し
「極右」
が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

杉山大志 エネルギーは日本の生命線だ
GDP3%を無駄遣い「脱炭素」政策 グリーン成長などするはずがない!菅政権と岸田政権で推進、GX法ごと根こそぎ廃止すべき
2024.11/1 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-LJW7XOLS4ZKDXN6MWUSLM7OWQY/
自公与党が衆院選で大敗した理由は
「裏金問題」
だけではない。
左翼リベラル化した自民党に対して、保守層が
「ノー」
を突き付けたのだ。
この受け皿が、国民民主党や参政党、日本保守党となった。
菅義偉政権と岸田文雄政権の下で推進された
「脱炭素」
政策も、特に左翼的な政策の1つだった。
政府はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を制定し、今後10年間で150兆円の官民投資を
「脱炭素」
のために実施するという。
投資というと聞こえはよいが、その原資は国民が負担する。
国民1人当たり120万円、3人世帯なら360万円である。
賃上げなど吹き飛んでしまう。
毎年15兆円といえばGDP(国内総生産)の3%に当たる。
防衛費を2%に上げるために大騒ぎしていたのに、その舞台裏ではこのような
「ステルス増税」
が罷り通っていた。
政府は150兆円の投資でグリーン成長するというが、するはずがない。
投資対象が悪いからだ。
洋上風力発電、太陽光発電、その導入のための蓄電池や送電線建設、あるいはアンモニア発電や水素合成燃料など、どれもこれも、やればやるほど光熱費が高くなるものばかりだ。
そもそも、日本政府はかつて、
「太陽光発電の大量導入でグリーン成長する」
と言っていた。
だが、起きた事は
「電気代の高騰」

「産業空洞化」
だった。
今この失敗に懲りずに、同じことを何倍にもして実施しようとしている。
潤うのは一部の再エネ利権などに過ぎない。
そして、その犠牲になるのは一般国民である。
国民は愚弄されている。
政府は150兆円のうち20兆円は国債の発行で賄うとしており、今、政府はその20兆円の償還のための財源としてエネルギーへの課徴金や政府が発行する排出権の売却収入を検討している。
電気なのかガスなのか、灯油なのかプロパンガスなのか、どの料金が上がるのだろうか。
いずれにせよ国民に20兆円を支払わせるということを前提にして、今、ババ抜きのような検討がなされている。
20兆円の収入は、新設の外郭団体である
「GX機構」
が特別会計で回す。
既に天下りも始まっている。
こんなオールドファッションな
「役人天国」
のために光熱費は高騰し、国民経済はボロボロになる。
GX法ごと、根こそぎ廃止すべきだ。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったおかげで、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率は僅か0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率僅か0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、「極右」とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、「極右」政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し「極右」が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

首相即時退陣こそ国益
美しき勁き国へ 櫻井よし子
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-5RFGKKZHKNJ55EIV7L2CMGI6BI/
衆院選で歴史的惨敗を喫した石破茂首相は国民の審判を受け入れるべきだ。
小選挙区での得票数を約670万減らし、結果を受けた共同通信の世論調査では内閣支持率が50・7%から32・1%に急落した。
就任から1カ月、これほど急速に支持を失った事例は稀有だ。
石破氏は敗因を
「政治とカネ」
問題のせいにするが、真の原因は言動の定まらない本人の資質にある。
国民の声を大事にするのは、民主主義の基本である。
だが民主主義は絶対善ではない。
劣化して衆愚政治となった事例を、ソクラテスに下された死刑判決はもとより、ヒトラーの登場を含め、私たちは歴史の中にいくつも見てきたはずだ。
昭和天皇に月1回の頻度で進講した三上照夫氏が、『第三の文化の時代へ』(ぱるす出版)の中で民主主義について語っている。
人間集団にはこういう国造りをしたい、こういう家庭造りをしたいという共通の目標がある。
この建国の理想を、日本人は奈良朝時代から
「国体」
と言ってきた。
国体実現の手段として日米欧が選んだ政体が民主主義だ。
それはあくまでも手段としての政治原理であり、国家の目標・目的は別にある。
そして指導者に識見、国家観が欠落している時、手段であるはずの民主主義は目標に格上げされ置き換えられてしまう。
石破氏は国民の理解を求め続けて政治とカネ問題の先に行けない状況だ。
民主主義という手段を目的に格上げして自縄自縛に陥ったからである。
自業自得である。
結果として、より大事な国家目標実現の政策論がほぼ空白になり果てている。
長年の勉強不足もたたって、石破氏の提唱する政策は空疎を極める。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設や日米地位協定見直しはアジア全体を不安定にしかねない。
自民党は両案件を政務調査会で議論するという形で封印した。
鳩山由紀夫元首相の東アジア共同体構想と同類の空疎な石破提案はこうして処理された。
より深刻なのが対中外交だ。
岩屋毅外相が中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、戦略的互恵関係を再確認したい旨を、語っている。
戦略的―は2006年、第1次安倍晋三政権が打ち出した。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係を双方が修復しようとした。
だが中国に習近平政権が誕生し状況は一変した。
強権的中国との戦略的互恵関係は日本の国益に合致せず、2017年11月の安倍・習会談以降消えた。
石破政権が岸田文雄元首相の路線を継いで立ち戻るのは悪手である。
安倍晋三元首相が戦略的互恵関係を謳った2006年から18年が過ぎた現在、日中関係は一変している。
中国は軍事大国としての力を誇示し、世界秩序を書き換える野望を隠さない。
18年前2006年、彼らは喉から手が出る程に日本の協力を求めたが、現在は如何にして日本から全てを切り取るか、あらゆる形で攻勢を強めている。
その手法は、小さな動きを積み重ねて圧力を強めるサラミ戦術で、一例が尖閣諸島(沖縄県石垣市)だ。
第2次安倍政権樹立から間もない2013年4月26日、中国外務省報道官は尖閣諸島を
「中国の核心的利益に属する」
と発言した。
その同じ日2013年4月26日、安倍氏は来日中の米軍制服組トップ、デンプシー統合参謀本部議長と会談し
「日本固有の領土である尖閣諸島について、我が国は一切譲歩しない」
と語った。
すると翌2013年4月27日、中国外務省は2013年4月26日の発言を事実上修正した。
現在の中国にそんな配慮はない。
彼らは堂々と尖閣を核心的利益と宣言し、2023年8月に発表した標準地図で示した
「十段線」
の10番目の線は与那国島から12キロの我が国の領海をえぐり取っている(『国防の禁句』岩田清文、島田和久、武居智久 産経セレクト)。
中国軍は2022年8月には与那国島の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。
中国が初めて日本の庭先に実弾を撃ち込んだ事実に注目せよと岩田清文元陸上幕僚長は強調する。
2023年7月、尖閣諸島周辺の我が国のEEZ内で中国の情報収集用のブイが発見された。
2024年1月には中国海警局の船が尖閣上空の我が国の領空を飛行する自衛隊機に
「中国領空」
からの退去を要求した。
2024年6月には中国海警局最大級の巡視船が、尖閣諸島を周回した。
中国保有の軍艦は米国を上回り、2035年には435隻に迫る。
米国は2045年に至っても350隻にとどまる見込みだ。
その中国を岸田文雄政権は2022年末に策定した国家安全保障戦略で初めて
「これまでにない最大の戦略的な挑戦」
と定義した。
だが岸田氏は2023年4月の安保3文書についての国会報告で
「最大の戦略的挑戦」
というくだりを割愛し、更に2024年1月の施政方針演説では、日中は
「戦略的互恵関係を包括的に推進する」
と大幅に後退していた。
実は、戦略的互恵関係は岸田氏の施政方針演説の前、2023年11月16日の日中首脳会談で習近平主席が復活を持ちかけていたのだ。
習氏の意図は中国を最大の戦略的挑戦と定義した我が国の安全保障戦略を上書きすることだと、島田和久元防衛事務次官は警告した(『同書』)が、正しいと思う。
戦略的互恵関係の6年ぶりの復活には、再び日本を取り込む中国の狙いが込められている。
そこに岩屋毅外相が乗るというのだ。
だが、逆戻りしてどうするのだ。
対話の窓口は開けておくとして、我が国は今こそ静かに着実に、核の脅威も含めて中国に対処する力を強化し、体制作りを進める時であろう。
政治家にはそれだけの仕事を進める冷静な思考と胆力が要る。
石破氏がその任に相応しいとは思えない。
1日も早い退陣こそ国益だ。

高橋洋一「日本の解き方」
石破政権の命運が尽きる日 続投に意欲も居座り続けると…自民党は本当にぶっ壊れる 水面下で首相指名に向け多数派工作
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H73BZLK7ABOXRCTQEW5GLA3X74/
衆院選で大敗した自民党だが、石破茂首相は続投に意欲を見せている。
今後、石破政権はどこまで生き延びることができるだろうか。
自民党内や地方組織からも
「石破おろし」
が始まっている。
かつて石破首相は、第1次安倍晋三政権や麻生太郎政権の時、国政選挙で負けたり、支持率が低迷したりした時、退陣を求めている。
今回自分だけを可愛がるのは誰の目から見てもおかしい。
小泉進次郎氏が選対委員長を辞任したが、問題がそれにとどまるはずはない。
小泉氏の辞任を石破首相は認めたというが、責任を部下に押しつけるようで、これが組織トップの在り方なのか疑問だ。
かつて安倍元首相が、
「石破氏だけは首相にしてはダメだ」
と言っていたのもよく分かる。
新聞各紙の社説も石破首相に責任を取ることを求めている。
朝日新聞は「選挙の結果責任を負うのは、本来、トップ」、
毎日新聞は「政権トップとしての首相の責任は重大」、
読売新聞は「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
産経新聞は「直ちに辞職し新総裁選出を」
としている。
石破首相自らが、勝敗ラインを
「自公で過半数」
と明言した。
これは普通ではあり得ないほどの低いハードルであるが、実際には自公で215議席と過半数を18も下回ってしまった。
無所属の追加公認を入れても、到底過半数には及ばない。
衆院選の結果は政治家にとって最も重いものだ。
それを、ゴールポストを動かしてはいけない。
筆者はこうした状態を揶揄)して
「石にかじりつきたい破れかぶれ石破政権」
とポストした。
既に、水面下で首相指名に向けた多数派工作が与野党間で繰り広げられている。
当初2024年11月7日に想定されていた特別国会の召集日を2024年11月11日以降に延期する交渉が行われている。
憲法では衆院投票日から30日以内に特別国会を召集し、内閣総辞職、首相指名が行われる。
つまり、特別国会の召集日は首相指名の帰趨を占う意味でも重要なのだ。
石破政権の寿命はまず、特別国会では内閣総辞職、首相指名が行われるので召集日までだ。
そこから生き延びることが出来るのは、首相指名で1位を確保できる場合だけだ。
石破首相では選挙が出来ないとする参院議員、不条理な制裁を食らったが選挙を生き延びてきた旧安倍派、総裁選で高市早苗前経済安保相を推した麻生派、旧茂木派は
「石破おろし」
を起こす可能性があり、石破首相側にいた人も反旗を翻すかもしれない。
そうなると、特別国会の召集日までに自民党内で両院議員総会を開いて、石破氏を引きずり下ろすだろう。
自民党はモタモタしていると、首相指名の多数派工作でまとまりにならず、野党が主導権を握ってしまう恐れもある。
高市氏が
「党執行部には今の自民党を徹底的に立て直して頂きたい」
としたのは当然だ。
このまま、石破首相が居座りを続けると、自民党が衆院選で負けて、党再建でも負けて、ぶっ壊れてしまう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民が石破首相ノー¥A任1カ月「権力居座り」に党内外から批判噴出!「衆院選惨敗、責任をとる気配さえない」「党内勢力も尻込み」
2024.11/2 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-FKEB6WKBLBL6TLZR4NZ5CKKMSY/
石破茂首相(自民党総裁)は2024年11月1日、政権発足1カ月を迎えた。
戦後では内閣発足後最短の8日で衆院解散に打って出たが、選挙戦略は悉く失敗し、自ら勝敗ラインに設定した
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した。
これまで、歴代首相を激しく批判しておきながら、
「国民の審判」
を無視して
「権力居座り」
を決め込む石破首相に対し、党内外から批判が噴出している。
「衆院選において大変、厳しい結果を頂戴した」
「厳粛に受け止めなければならない」
「示された民意を厳粛、謙虚に受け止め丁寧に政権運営に当たっていく」
石破首相は2024年11月1日、記者団にこう語ったが、民意は
「石破首相ノー」
なのだから、これほどのペテンはない。
自民党ベテラン議員は
「これまで、政治家の『責任』に拘ってき石破首相はどこに行った」
「自公過半数を勝敗ラインに設定した衆院選で惨敗したのに責任を取る気配さえない」
と断じる。
石破首相はむしろ
「政権居座り」
に意欲を強めている。
今月2024年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに合わせ、ジョー・バイデン米大統領や、中国の習近平国家主席らとの首脳会談を調整しているという。
ある保守系議員は
「バイデン氏も習氏も、『国民の負託』を得られなかった石破首相と真剣な話をしようと思うだろうか」
「ガバナンスが崩壊した政権に内政・外交を委ねれば、次は日本が壊れる」
と批判する。
ただ、権力にしがみつくトップを交代させるのは簡単ではない。
特別国会の首相指名選挙で、国民民主党は決選投票も含めて玉木雄一郎代表に票を投じる方針のため、野党の票は分散し、石破首相が多数を獲得しそうな情勢だ。
政治評論家の有馬晴海氏は
「国民が石破首相に『ノー』を突き付けた」
「本来なら退陣待ったなしだ」
「小泉進次郎選対委員長だけが辞任して、石破首相と森山裕幹事長が続投するなどガバナンスも崩壊している」
「ただ、石破首相に反発する党内勢力も党が弱り切った中で『石破おろし』に尻込みしている」
「石破首相は『低姿勢』『反省』を示し、何とか成果を示そうと必死なのだろう」
と指摘した。

自民得票率、15年前の政権交代時と全く同じ「26・73%」衆院比例、民主系もほぼ同じ
2024/11/2 11:30
https://www.sankei.com/article/20241102-XDBGXUZYRFOH3FEVQDVDTT2XFY/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選で、各政党の比例代表の得票率を政権交代が起きた平成21(2009)年の衆院選と比べたところ、自民党の得票率はいずれも26・73%で全く同じだった。
自民と公明党を合わせた与党と、民主党系など野党の割合もほぼ同じで、投票率が異なりながら15年前と酷似した状況が浮かんだ。
総務省の発表資料によると、平成21(2009)年と今回の衆院選比例代表で、自民の得票率は26・73%で全く同一だった。
自公を合わせた得票率も平成21(2009)年の計38・18%と今回の計37・66%でほぼ同じだった。
一方の野党も、平成21(2009)年の民主党の得票率は42・41%だったのに対し、今回の主要野党である立憲民主党と国民民主党、日本維新の会の3党の合計は41・88%でほぼ同じだった。
自民は今回、比例の得票を令和3年の前回選挙より約533万票減らした。
しかし、平成21年の投票率が69・27%と高率だったのに対し今回は53・84%と下がっているため、割合はくしくも同一となったようだ。
自民の比例得票率を選挙ごとにみると、平成21(2009)年の26・73%から平成24(2013)年27・62%、平成26(2014)年26年33・11%、平成29(2017)年33・28%、前回令和3年34・66%、今回の26・73%と推移している。

「岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減
大手町の片隅から 乾正人
2024/11/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20241101-U4OIN3HVR5K47CVWO5W6XB2DQI/?outputType=theme_election2024
数字は美しく、残酷である。
昭和61年の衆参ダブル選挙以来、大手町の片隅で13回に渡って選挙報道に携わってきたが、毎回、得票数の精妙さに唸らされる。
衆院選が、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わってからは、比例代表の得票数が、時々の政治状況を鮮やかに切り取ってくれる。
今回、自民党の総得票数は約1458万票に激減した。
前回から27%、533万票も減らし、制度導入以来、過去最低の得票数となった。
平成21年に民主党が大勝し、政権交代が実現したときでさえ、1881万票を獲得していたことから類推すると、安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた
「岩盤保守層」
のかなりの部分が、自民党を見放した、と見るべきだろう。
衆院選に初挑戦した参政党が187万票、日本保守党が115万票を獲得したが、合わせて300万人以上が自民党から両党に乗り換えたとみて間違いない。
残る230万人余は主に国民民主党へ流れたと推測できる。
■立憲比例票は横ばいだった
というのも、今回大躍進した立憲民主党は、比例代表ではほとんど票を伸ばしていないからだ。
3年前の前回が1149万票で、今回は1156万票と僅か7万票しか増えていない。
つまり、自民党が自滅したため、立憲は小選挙区で競り勝ち、議席数を5割も増やしたのである。
政権交代出来るだけの国民の広範な支持が得られていないのは、数字が冷酷に示している。
比例票から分析すると、危機的状況にあるのは、自民党だけではない。
公明、共産の両党も重症だ。
公明党は、平成21年に805万票を獲得していたのが、徐々に減っていき、今回ついに600万票を割り込む596万票にとどまった。
15年間で200万票以上が削げ落ちてしまったのである。
支持基盤である創価学会員の高齢化と共に、公明党を創設した池田大作氏が昨年2023年死去した影響も見逃せない。
■最盛期から半減した共産党
共産党は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題や非公認候補側への2000万円振り込みを機関紙「しんぶん赤旗」がすっぱ抜き、自民党を大敗に追い込んだ最大の功労者だ。
だが、比例票は前回より80万票も減らして336万票しか取れず、れいわ新選組に軽く抜かれた。
平成8年には726万票を獲得していたから半減以下の凋落ぶりだ。
お気の毒に、としか言いようがないが、有権者は共産党の本質をよく見ている。
さて、自民党である。
今回の敗因は、表面的には
「政治とカネ」
への国民の怒りが爆発した結果と見える。
それだけなら軽症で済むが、問題の根は深い。
「岩盤保守層」
のうち参政党などに投票した300万人は、容易に自民党には戻ってこないだろう。
しかも連立相手である公明党のパワーは目に見えて落ちている。
少数与党に転落した石破茂政権は、国民民主党をなびかせるためにリベラル寄りの政策を打ち出さざるを得ず、
「岩盤保守層」
は益々離反するはずだ。
日本にもいよいよ分断と混乱の時代が到来しようとしている。

<主張>自・国の政策協議 石破執行部に資格あるか
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-GDS25MDC7ZM75MJH3E5JS5FUQI/
自民党と国民民主党が政策協議に入ることで合意した。
衆院選に大敗した石破茂首相(自民総裁)と森山裕幹事長が何の責任も取らずに協議を進めるのは、異様な光景という他ない。
石破首相と森山氏は辞任し、自民は新執行部の下で他党と協議に臨むのが筋だと改めて指摘したい。
石破首相は居座り、国民民主との
「部分連合」
の形成を図るつもりなのだろう。
森山氏と国民民主の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日、会談した。
森山氏は経済対策や令和6年度補正予算案、令和7年度予算案の編成、税制改正での協力を呼び掛けた。
「部分連合」
の構築に向け、両党の政調会長による常設の会議体設置も求めた。
これに対し、榛葉氏は会議体設置を拒み、案件ごとに対応する意向を示した。
森山氏は受け入れた。
国民民主は年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の金額を178万円に引き上げることを最優先事項に掲げている。
林芳正官房長官が7兆〜8兆円程度の減収が見込まれるとの試算を示すと、国民民主の玉木雄一郎代表は
「全くやらないなら協力できない」
「その時は予算も法律も通らない」
と牽制した。
ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除も看板政策の1つだ。
国民民主は衆院選で
「手取りを増やす」
ことを訴えて支持を得たため、その実現に注力するのは分かる。
ただ、両党の協議を巡り懸念はある。
個別政策を切り離して交渉した場合、他の政策とバランスが取れなくなる恐れがあることだ。
厳しい安全保障環境を踏まえれば、防衛力の抜本的強化を滞らせてはならない。
政府は令和9年度までの5年間で防衛費総額を約43兆円と定めているが、増税時期は決まっていない。
防衛増税は令和10年度以降の防衛費をきちんと確保することも睨んだ措置である。
税制改正を行う場合は、税制全体との整合性を図ることも求められる。
国民民主は自党の政策実現だけを目指すのではなく、日本の平和と繁栄のための国家戦略をより明確に描き、日本を守り抜く政策でも責任ある姿勢を示す必要がある。

自民 衆議院 197人で活動へ 会派に無所属で当選の6人追加
2024年11月1日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241101/k10014626171000.html
自民党は、国会で活動をともにする会派のメンバーに、今回の衆議院選挙で無所属で立候補して当選した6人を加え、合わせて197人の勢力で活動していくことになりました。
自民党は、2024年11月1日に開かれた衆議院の各会派の代表者による協議会で、今回の衆議院選挙で党の公認を得て当選した191人に、無所属で当選した6人を加えた197人の勢力で会派をつくることを届け出ました。
会派に加わったのは、
政治とカネの問題で自民党から離党勧告の処分を受け離党した
▽世耕弘成氏と
選挙に際し公認が得られなかった
▽平沢勝栄氏
▽西村康稔氏
▽萩生田光一氏の4人に、
自民党の公認候補と争った
▽三反園訓氏
▽広瀬建氏
を加えた、合わせて6人です。
公明党の会派と合わせると、衆議院の与党の勢力は221人となりますが、過半数の233議席までは、12人足りない状況です。

世耕弘成、西村康稔氏らの会派入りを批判 立民の野田佳彦代表「反省足りない」
2024/11/1 14:15
https://www.sankei.com/article/20241101-DPCLWIFSRRJBFDDCZHVHVX5G64/
立憲民主党の野田佳彦代表は2024年11月1日の記者会見で、自民党の派閥パーティ収入不記載事件に関与し、衆院選に無所属で当選した世耕弘成、西村康稔両氏らが衆院会派
「自民党・無所属の会」
に入る見通しとなったことを批判した。
「選挙が終わり禊が済んだと言うならば、思慮も反省も足りない」
と語った。
自民側の狙いに関しては、特別国会の首相指名選挙で石破茂首相を当選させるため
「数を確保しておきたいとの焦りがあるのだろう」
と指摘した。

言わんこっちゃない自民党大敗 総裁選で高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ 変わり身の朝日新聞、言い訳に笑い
2024.10/31 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-VCDRHRXXD5KM3JAK4LCZCNPLMA/
だから、言わんこっちゃない。
石破自民党が歴史的大敗。
自公で過半数割れは15年ぶりだ。
さすがに開票を見守っている時も、各社のインタビューでも石破茂総理に笑顔は一切ナシ。
それでなくても悪い目つきがますます悪くなっていた。
「なぜ、言わんこっちゃない」か。
1カ月前、2024年9月27日の自民党総裁選。
第1回投票で大方の予想に反し、高市早苗候補が、石破候補を圧したのだ。
高市候補 議員票72 党員・党友票109 計181
石破候補 議員票46 党員・党友票108 計154
ところが決選投票ではこれが逆転。
石破候補 議員票189 地方票26 計215
高市候補 議員票173 地方票21 計194
つまり、第2回投票で石破候補の議員票は143票も増えていたのだ(高市候補は101票増)。
岸田文雄前総理の指示か、菅義偉元総理の依頼かは知らないが、143人もの議員が、石破候補を新たに支持したことになる。
この時、高市候補を支持する議員が、あと22人増えてさえいれば高市総理が実現していたのだ。
もし、あの時、高市候補を選んでいれば、日本初の女性総理として、世界のメディアでも話題になったに違いない。
選挙中に自民党の、あのどんよりしたような暗い雰囲気はなく、清新な風が吹いていたろう。
石破総理は応援に来なくていい。
来れば票が減るなんてこともなく、高市さん、全国の候補から引っ張りだこだったろう(総理でなくても引っ張りだこで、全国を飛び回っていた)。
むろん選挙にも負けなかったに違いない。
繰り返すが、総裁選決選投票で石破さんに票を投じた自民党議員の責任は重い。
今回の自民党大敗は、あの時、高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ、だから
「言わんこっちゃない」
と言っているのだ。
むろん、新聞各紙、選挙後、石破総理を一斉に批判。
石破総理に厳しいのが産経。
<石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった>
<自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた>
<国会論戦も十分に行わず早期解散に走った>
<これで選挙に勝てると思っていたのなら信じ難い>
意外だが、朝日新聞が一番手厳しい。
社説でハッキリ石破総理に引導を渡している。
<自民党がなお議会第1党だとしても、「自公で過半数」という自ら設定した最低限の目標を達成できなかった以上、石破首相は職を辞すのが筋だ>
党内野党として石破氏が安倍晋三元総理を批判していた時は、散々、持ち上げて、事あるごとに利用してきた朝日、さすがに変わり身が早い。
<期待が大きければ、その分、失望も大きい>
と言い訳しているのが笑える。
党内では
「首相の責任は重大、続投は難しい」
の声も少なくない。
だが、石破総理自身は続投の意志を捨てず、
「色んな選択肢があるだろうよ」
と他人事のように
「続投を明言」
しているらしい(2024年10月28日産経)。
誰か、石破総理の首に鈴を付ける奴はいないのか。
 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

<正論>惨敗した首相に国民を守れるか 
麗澤大学教授・八木秀次
2024/10/31 8:00
https://www.sankei.com/article/20241031-UK2MSTVJUFLK5JR4Y2VOXIN2HA/?outputType=theme_election2024
■続投は理屈が通らない
平成19年7月、第1次安倍晋三政権でのことだ。
自民党は参院選で惨敗し、第一党の座を民主党に譲った。
衆参「ねじれ」の始まりだ。
安倍首相は続投の方針を表明したが、この時、党の総務会で
「選挙に負けたにもかかわらず、続投するのは理屈が通らない」
と公然と首相の辞任を求めた議員がいた。
現在の首相の石破茂氏だ。
その後、安倍氏は体調を崩して辞任した。
2年後の平成21年7月、麻生太郎内閣は低支持率に喘いでいた。
都議会議員選挙で自民党が敗れた際、内閣に身を置きながら派閥を率いて
「麻生おろし」
の先頭に立った閣僚がいた。
石破農水相だ。
麻生首相は飼い犬に手を嚙まれる思いだったという。
今月2024年10月27日投開票の衆院選挙で自民・公明の与党は目標とした過半数(233議席)をも大幅に下回る大惨敗を喫した。
参院選や都議選での敗北ではない。
政権選択選挙とも言われる衆院選で、だ。
与党過半数割れのままでは予算案も法案も通らない。
異常事態だ。
何より野党その他の総計が過半数を占めた状態では内閣不信任案をいつでも可決できる。
それでも石破首相は続投を重ねて表明している。
首相就任8日後という戦後最短で解散総選挙を行う理由を憲法69条に言及して
「新しい内閣について、国民に信を問うことが憲法の趣旨からもそういうことだ」
と述べていたはずだ。
国民の信任を得られなかったにもかかわらず、続投するのは
「理屈が通らない」。
過去の自分の言動によって
「後ろから鉄砲を撃たれる」
思いがしていることだろう。
長かった党内での野党暮らしは責任がなく気楽だったはずだ。
「正論」
も述べられた。
今、
「与党」
の首領として生き地獄の苦しさを味わっていることだろう。
■国民的人気も幻だった
大惨敗の原因は
「政治とカネ」
の問題そのものではない。
政治資金の不記載問題は、一部の法令違反は処罰されて当然だが、それ以外は今後、記載を徹底し再発を防止するとすればよかった程度のことだ。
これの処理の仕方を誤って派閥解消などの大きな問題にしてしまい、
「国民の怒り」
を醸成したのが岸田文雄前首相だった。安倍派の力を削ごうとした節も否定できまい。
その岸田氏が低支持率で退任することになり、国民的人気があると勘違いして自民党総裁選で後継に選んだのが石破氏だが、総裁選で大言壮語したものの首相になるや
「変節」
やトーンダウンし、大した政策もなかったことを露呈した。
選挙はこの政策を実現するために力を与えてくださいと訴えて勝つものだが、訴える
「この政策」
がなく、
「政治とカネ」
への防戦一本となった。
当てにした国民的人気も幻で、発足時の内閣支持率は28%(時事通信、2024年10月17日公開)という2000年以降の歴代内閣の最低を記録した。
選挙応援に入る度に票が減ると言われ、自民党支持層まで野党に投票した模様だ。
大惨敗の原因は石破氏の存在が大きい。
不記載議員を原則公認する方針を決めたものの、メディアの批判に圧されて一転して非公認や比例重複なしの
「二重処罰」
にしたが、非公認候補側にも公認と同じ2000万円を振り込んだ。
当選後に追加公認を受けるようにとの狙いだろうが、如何にも場当たり的だった。
これが選挙の最終盤に発覚し報道されたことで
「政治とカネ」
の問題を蒸し返し、
「国民の怒り」
を買って数十議席を減らしたとされる。
判断した森山裕幹事長、小泉進次郎前選対委員長ら執行部の責任は大きい。
■政策無視の「大連立」では
選挙の結果、安倍元首相が第2次政権以来、国政選挙に勝ち続けて築いてきた
「1強」
とも言われた強固な政権基盤はいとも簡単に崩壊した。
過半数割れの
「少数与党」
では政権運営に困難が伴う。
予算案や法案を通すためには野党との協力が必要になる。
当てにしていた国民民主党も日本維新の会も連立政権には加わらない方針だ。
益々野党の主張に歩み寄らざるを得ない。
首相は続投を表明した記者会見で野党の政策を取り入れるとも述べた。
これでは事実上の与野党の
「大連立」
だ。
野党の影響力が大きくなって懸念されるのは安全保障や経済だ。
台湾有事や朝鮮半島有事の危険が迫り、石破氏は否応なく、
「戦時下の首相」
となる可能性もある。
集団的自衛権の限定行使にさえ否定的な軍事音痴の野党第一党との協力で国民の生命を守れるのか。
間もなく選出される米国大統領にも対応できるのか。
財務省の意向に沿うべく積極財政の否定に向かうことはないか。
経済は低迷しないか。
安定的な皇位継承策の検討もこれまでと反対方向に向かうことはないか。
選択的夫婦別姓もそうだ。
憲法改正は進むのか。
党内野党を余儀なくされている高市早苗氏や旧安倍派の議員は党内政権交代に備えて政策を磨き、発信していってほしい。

悪夢の少数内閣が始まる 総裁選、もし林氏や加藤氏が高市氏に勝てば…党内「分裂」も 自民党再生のため石破さんは辞めた方がいい
2024.10/31 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-TMJ52B5XUJP4VAT5QKSNN6GVEQ/
石破茂首相は2024年11月28日の記者会見で続投する考えを明らかにした。
理由は
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
ということなのだが、
「いや、あなたは国民に信任されなかったので、少しくらい国政が停滞してもいいから誰か別の人に代わってください」
と思う人はいないのだろうか。
仲間の4分の1が落選し、
「勝敗ライン」
の与党過半数を下回った首相がなぜ居座るのか。
ただ、石破首相本人も居座りたくて居座っているのではない。
居座らねばならぬ理由がある。
野党第一党、立憲民主党の議席は大幅増の148議席なのだが、これに日本維新の会の38、国民民主党の28を足しても214で233の過半数には届かず、れいわ新撰組の9、共産党の8を足しても届かない。
つまり、野党だけの連合で政権は取れない。
だから、開票当日夜のテレビ出演で、立憲民主党の野田佳彦代表は、自民党の一部が割れて野党連合に参加することを期待する口ぶりだった。
だが、それは無理なのだ。
党の分裂は自民党も立憲民主党(前身の民主党)も以前経験して酷い目に遭っている。
「分裂だけは損するから、やっちゃダメ」
というのは与野党の共通認識だ。
もし、石破氏が辞めたら自民党は2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙の前までに新総裁を決めなければならない。
フルスペックの総裁選をやる時間はないので両院議員総会で議員のみの投票で行われる。
本来なら、前回の総裁選で石破氏に惜敗した高市早苗前経済再生相が
「本命」
のはずなのだが、執行部の菅義偉副総裁や森山裕幹事長、更に石破首相誕生の影のキングメーカーである岸田文雄前首相らは気が進まないだろう。
高市氏を応援した人たちの多くが、今回の衆院選で落選している。
もし執行部が林芳正官房長官とか加藤勝信財務相を立てて高市氏に勝つようなことがあったら、党内の
「分断」
は更に進むし、それが
「分裂」
に発展しかねない。
自民党は主流派も非主流派も、絶対に
「分裂」
だけは避けなければいけないことを分かっている。
高市氏や安倍派周辺から
「石破降ろし」
の声が余り上がらないのはそういうわけなのだ。
つまり石破氏はとりあえず今は辞められない。
石破首相が首相指名選挙を乗り切っても
「少数内閣」に
よる予算審議は大変だ。
国民民主党と政策ごとの
「部分連合」
を組み、予算に賛成してもらうために政策をいくつか
「丸呑み」
する必要があるが、大変な作業だ。
最後は
「石破退陣」
を条件に予算成立という局面もあるかもしれない。
悪いことは言わない。
石破首相は退陣して、自民党は新総裁を選び、再スタートした方がいい。
「負けた人」
の下で政党はまとまらないし、先は見えない。
自民党の再生のためにも石破さんは辞めた方がいい。
 (フジテレビ客員解説委員 平井文夫)

<産経抄>居座る石破首相、言行一致の身の処し方を
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-R6DMQT64N5MG7N6B3LUJYMNMZU/
辞書に載る言葉には、業界用語を出自としたものが多い。
「暗転」
はその1つである。
<物事が悪い方に転じること>
は後から加わった意味で、本来は
<舞台を暗くして、幕を下ろさずに場面を変えること>。
つまり芝居用語だ。
▼対義語を
「明転(あかてん)」
という。
<舞台が明るいままで場面を変えること>。
次の場面がすでに出来上がっており、回り舞台ではよく使われる手法である。
ただし
<物事がいい方に転じること>
の意味はなく、採録しない辞書も多いと聞く。
▼先日の総選挙を下敷きにした舞台『国民の審判』は、過半数割れした
「自公の大敗」
編から
「少数与党の悲境」
編へと場面転換しそうだ。
脇を固めた若手選対委員長の降板をよそに、自身は主役に居座り、場面の明転を待つつもりらしい。
続投の意思を示した石破茂首相である。
▼「国民の批判に適切に応え」
ながら職務に当たるという。
与党過半数を勝敗ラインと明言したのは他ならぬ首相で、続投は現政権を否定した選挙結果への答えになっていない。
「国政の停滞は許されない」
との説明も、責任逃れの方便に聞こえる。
▼石破氏と言えば
「ねじれ国会」
を招いた第1次安倍晋三政権時に、安倍氏を舌鋒鋭く責めた姿が忘れ難い。
麻生太郎政権では閣内から事実上の退陣を迫りもした。
過去のご自分を鏡とし、言動にいささかのぶれもない身の処し方を、信を置ける政治家の作法を見せてもらいたい。
▼安全保障、国民生活、災害対応。
どれ1つとして置き去りにできぬ課題で、国政が停滞すれば国民は甚だ迷惑する。
次の場面に移る前に、一案としてこんなト書きを台本に入れてみる。
<ト ここで暗転、主役交代>。
総裁選を行う気力くらい、なければ困る。

<主張>野田氏の支持要請 現実路線なしでは空論だ
社説
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-L4VASTN36ZJOBF4YXY6QB5RHE4/
立憲民主党の野田佳彦代表は、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、特別国会の首相指名選挙で自身に投票するよう要請した。
議席を大幅に伸ばした野党第一党として、他の野党に協力を呼び掛けること自体は否定しない。
だが、基本的な政策を見ると、立民は政権担当能力を欠いている。
衆院選公約などで掲げた政策では日本の独立と繁栄、国民の命・暮らしを守れまい。
衆院選で勢いづいているとはいえ、野田氏が本気で政権を担うつもりなら、反省と基本政策の現実路線への転換が必要だ。
立民は衆院選で外交・安全保障政策について
「日米同盟が基軸」
とした一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という立場を変えなかった。
反撃能力の保有にも消極的だ。
これでは抑止力が損なわれ、日米同盟は旧民主党政権時のような危機に陥るだろう。
エネルギー政策では
「原発の新増設は認めない」
と宣言し、党綱領では
「原発ゼロ」
の実現を謳う。
脱炭素化や電力の安定供給に逆行している。
国の根幹をなす憲法改正にも後ろ向きだ。
自民党の自衛隊明記案に反対し、国会議員任期延長を含む緊急事態条項の創設も
「必要ない」
としている。
安定的な皇位継承策では、野田氏は
「女性宮家」
の非皇族男子の夫と子の皇族化に拘っている。
これは日本の皇統を断絶させる
「女系天皇」
に繋がる恐ろしい議論だ。
馬場氏は野田氏の要請を持ち帰り、
「大義や具体的な政治改革案がなければ、与することは出来ない」
「やはり政治とカネの問題だ」
と語った。
政治とカネの問題を主軸に交渉するつもりなら、首相指名選挙を履き違えることになる。
政権の舵取り役を決める選挙なのだから、皇室や外交安保、エネルギーなどの基本政策を重視すべきだ。
普通の国会共闘とは次元が違う。
馬場氏は2024年10月27日、立民について
「外交安保やエネルギー、憲法など基本的な政策で党内がまとまっていない」
と批判していたはずだ。
野田氏は共産党の田村智子委員長にも首相指名選挙での協力を求めた。
党綱領に日米安全保障条約の廃棄を記すなど、基本政策が立民以上に非現実的な共産にまで要請したことは間違っている。

首相、衆院選惨敗を党の責任にすり替え 政策を争点としなかった戦略ミスの反省みられず
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/31 1:00
https://www.sankei.com/article/20241031-C5A4Z42JZRJN7KN44VVPHMJ76Y/
私事で恐縮だが、筆者が社会部から異動となり、政治部へと着任したのは26年前の平成10年7月12日、参院選の投開票日だった。
その日の深夜か翌未明に、当時の橋本龍太郎首相(自民党総裁)が次のように述べて、敗戦の責任を取って辞任を表明した。
「全てをひっくるめて私自身の責任だ」
「力不足」
「それ以上に言うことはない」
参院選で自民は16議席減らしたが、44議席を獲得した。
しかも参院選は、政権選択選挙と言われる衆院選とは位置付けが異なる。
にもかかわらずの橋本氏の引責辞任に、政治家、なかんずくリーダーの身の処し方、潔さというものを考えさせられたのだった。
一方、安倍晋三元首相は平成19年7月の参院選で大敗しても辞めなかった。
既に各種世論調査で自民劣勢が明らかだった平成19年7月29日の投開票日の数日前、安倍氏は筆者にこう話した。
「小泉さん(純一郎前首相)からも電話がかかってきて
『負けても絶対に辞めるな。参院選に負けても政権が変わるわけではない。いちいち一喜一憂せずにやればいい』
と言われた」
■続投の安倍首相を攻撃
参院選は政権選択選挙ではないのだから、時の首相によってそれぞれの考え方や判断があるのだろう。
ただ、続投を表明した安倍氏に対し、こう激しく攻撃したのが石破茂首相だったことは踏まえておきたい。
「安倍首相は
『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』
と訴えたのに、どう説明するのか」(党総務会)
「安倍首相は
『反省すべきは反省する』
と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」(党代議士会)
石破首相は政権選択選挙である衆院選で惨敗し、与党での過半数も失ったことをどう受け止めるのか。
首相に
「ノー」
を突き付けた民意を無視して続投を決め込み、2024年10月28日の記者会見では次のように党の問題へと摩り替えた。
「自民党は反省が足りないとご叱責を賜った」
「党内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて抜本的な改革を行っていく」
「党内融和よりも国民のご理解ということの方を私は優先していかねばならないし、党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がったのではないかという反省を、私自身は思っているところだ」
せっかく党総裁選で政策論争に注目が集まっていたのに、衆院選では明確な基準も示さないまま党所属議員を非公認や重複立候補禁止処分とし、自ら政治とカネの問題を争点とした自分自身の戦略ミスや判断の誤りへの反省はない。
あくまで悪いのは他者であると強調し、党内融和には目を向けない。
こんな延々と魔女狩りや内ゲバを続けるような姿勢が、有権者の嫌悪感を誘うことには気づかないのだろう。
ろくに党内もまとめられずに、国民の願いや要望に応えることはできるのか。
■「一瞬は人を動かす」
安倍氏は首相時代の令和2年6月17日、自身の次の首相候補とされた岸田文雄前首相と石破首相とを比較して、筆者に語っていた。
「政治は人を動かすかなりの要素、情熱が大事だ」
「岸田さんは最後は人を動かす所を見せないといけない」
「石破さんは本物ではないけど、一瞬は人を騙して動かす能力がある」
「彼こそ本当の『言うだけ番長』なのだけど」
その言葉通り、総裁選で石破首相は一瞬、所属議員を動かし首相の座に就いた。
石破首相に1票を投じた議員らは、自民の転落をどうみているのか。
(論説委員兼政治部編集委員)

どうなる首相指名選挙 石破首相選出の流れも自民内造反の可能性に懸念
2024/10/30 21:03
https://www.sankei.com/article/20241030-EJ6PX23YLBNK7MYACULWRJYDPM/
来月2024年11月11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙は、キャスチングボートを握る国民民主党が立憲民主党の野田佳彦代表に投票しない方向となり、自民党総裁の石破茂首相が選出される流れが強まった。
衆院本会議での1回目の投票では、ほとんどの議員が所属政党の党首に投じるとみられ、誰も投票総数の過半数を獲得できない見通し。
石破首相と野田氏の2人による決選投票が行われる公算が大きい。
衆院の過半数は233議席。決選投票は自民、公明両党(計215議席)が支持する石破首相、共産党も投票を前向きに検討している立民の野田氏(立民と共産で計156議席)の2人が他党票の取り込みを狙う。
ただ、
「票田」と
なる日本維新の会(38議席)の馬場伸幸代表は2024年10月29日のBSフジ番組で
「どちらかに軍配を上げることはできない」
と語った。
国民民主(28議席)の玉木雄一郎代表も2024年10月30日の党会合で、決選投票でも玉木氏自身に投票する方針を説明した。
両党とも来年2025年夏に参院選を控える中、
「野合」
批判を避け、独自性をアピールする必要がある。
首相対野田氏の決選投票で投票用紙に
「馬場」
「玉木」
と書けば無効票となり、自公勢力が立共勢力を上回り、首相の勝利が有力だ。
ただ、馬場氏は2024年10月30日、記者団に、立民と政治改革に関する協議を行うと述べた上で、野田氏に投票する可能性について
「これからの協議の中身(次第)だ」
と完全に排除はしなかった。
また、自民内の一部には、衆院選で与党過半数割れとなった責任を首相が取って退陣すべきだとの声もある。
首相周辺は、首相指名選挙の投票を棄権する自民議員が出る事態を警戒している。
このため、現時点で可能性は低いものの、野党の大連合が成立したり、自民内の造反によって野田政権が誕生したりする可能性もゼロとは言えない。

石破首相「辞任必要ない」65・7% 内閣支持率は32・1%に急落 共同調査
世論調査
2024/10/29 18:30
https://www.sankei.com/article/20241029-A5DPYG3NWBMV3CYK7CDXWCWATE/
衆院選の結果を受けて共同通信社は2024年10月28、29の両日、全国緊急電話世論調査を実施した。
石破内閣の支持率は32・1%で、内閣発足に伴う2024年10月1、2両日調査の50・7%から18・6ポイント下落した。
不支持率は52・2%。
与党過半数割れとなった自民、公明両党の連立政権継続を望むとしたのは38・4%で、望まないが53・0%だった。
自民の派閥パーティー収入不記載事件に関与し、当選した議員を要職に起用することに79・2%が反対し、賛成は16・3%だった。
望ましい政権の枠組みは
「政界再編による新たな枠組み」
が31・5%と最多で、自公の少数与党政権は18・1%。
一方、石破茂首相が過半数割れの責任を取り辞任すべきだとの回答は28・6%にとどまり、辞任は必要ないが65・7%だった。
自民の議席減に不記載の影響があったと思うとの答えは91・4%。
選挙結果で
「政治とカネ」
問題が根絶に向かうとの見方は23・9%で、向かわないが72・5%を占めた。

少数与党希望は自民支持層の4割 今後の政権枠組み、無党派層は「政界再編」が最多
世論調査
2024/10/29 18:53
https://www.sankei.com/article/20241029-5BJVP5UYLZLVTLY4M4STSCXYYA/
衆院選の結果を受けて共同通信社が2024年10月28、29の両日に行った全国緊急電話世論調査で、今後の望ましい政権枠組みを政党支持層別に見ると、自民党支持層では
「自民、公明両党による少数与党政権」
が最多の39・8%だったものの過半数に届かなかった。
次いで多いのが
「自公に日本維新の会などを加えた政権」
の28・2%で、一部野党と連携してでも政権の安定化を望む意向がにじんだ。
公明支持層では、自公の少数与党政権が50・9%と過半数に上った。
立憲民主党支持層と共産党支持層は
「立民を中心とした多くの野党による政権」
が最も多く、それぞれ61・7%と59・1%。
維新支持層は
「自公と維新など」
が最多の40・5%だった。
「支持する政党はない」
とした無党派層は
「政界再編による新たな枠組みの政権」
が最多で42・4%。
国民民主党支持層の48・2%、れいわ新選組支持層の55・3%も政界再編を希望した。

自民内から「石破おろし」の声相次ぐ 首相、国民民主と連携に活路 立民も多数派工作
2024/10/28 21:20
https://www.sankei.com/article/20241028-FHBW6MW5XNNW7EZEDBSSZMWDAQ/?outputType=theme_election2024
自民、公明両党で過半数割れの大敗を喫した衆院選の翌2024年10月28日、自民内では石破茂首相(自民総裁)の責任論が相次いだ。
それでも続投を表明した首相は、躍進した国民民主党との連携強化で打開を図る。
だが、国民民主は連立入りを否定。
首相は同党の政策を取り入れて協力関係を築きたい考えだが、予算案や法案ごとに賛成を求めることになれば政権運営が不安定化するのは必至だ。
■目に見える変化が肝要
首相は2024年10月28日の記者会見で
「『自民党は目に見えて変わったね』と実感して頂くことが肝要だ」
と述べ、政策活動費の廃止などを表明した。
自身が辞任するのではなく、衆院選の敗因は自民の改革姿勢の甘さにあると定義し、踏み込んだ改革案を打ち出すことで敗北の責任を取る−という筋書きと言える。
ただ、そんな思惑とは裏腹に、党内では
「石破降ろし」
が始まった。
「自民党石破政権への信を問うてこの結果、ということを軽視しすぎではないのか」。
小野田紀美参院議員は2024年10月28日、自身のSNSで、小泉進次郎選対委員長の辞任だけでは不十分との認識を示した。
山田宏参院議員もSNSに
「選対委員長の辞任で済む話ではない」
と投稿した。
小林鷹之元経済安全保障担当相も党幹部の責任論に言及する。
3氏とも、党内の
「反石破」
勢力から旗頭として期待される高市早苗前経済安保担当相に近い。
■党内論理より国民理解を
党内の反発について、首相は
「等閑視するつもりは全くない」
と語る一方、
「党内融和よりも国民の理解を優先していかねばならない」
「党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がった」
と持論を述べた。
首相の念頭にあるのが、勢力を4倍に増やした国民民主との連携だ。
「議席を大きく伸ばした党がある」
「どのような主張に国民が共感、共鳴したのか」
「取り入れるべきは取り入れることに躊躇があってはならない」。
首相が記者会見でこう語ると、同席した森山裕幹事長は何度も頷いた。
森山氏は他党との交渉の中心的役割を担うだけに、政権継続のためには
「辞めさせられない」(別の党幹部)。
ただ、国民民主の玉木雄一郎代表は2024年10月28日、支援組織・連合の芳野友子会長に、自公連立政権に参画しない考えを伝えた。
国民民主は、自民に43議席差まで迫った立憲民主党からも触手を伸ばされている。
立民は同日2024年10月28日の執行役員会で、特別国会の首相指名選挙で、野田佳彦代表に投票するよう野党各党に協力を求める方針を確認した。
■政権への協力は十分ある
野田氏は記者団に、一部野党が石破政権に協力する可能性は
「十分ある」
と指摘。
「注意深く見ながら、こちら(野党側)のチームをどう作っていくかに心を砕きたい」
と述べ、過半数割れした自公による野党勢力の切り崩しを警戒した。
焦りの裏返しか、他党との交渉に関し
「誠意のある対話」
というフレーズを何度も口にした。
もっとも国民民主は、野田氏への投票要請も受け入れない考えだ。
首相指名選挙は1回目の投票で過半数を得た候補がいない場合、上位2人の決選投票を行う。
首相と野田氏の一騎打ちになる公算が大きいが、玉木氏は2024年10月28日の民放番組で
「無効となっても玉木と書く」
と述べた。
榛葉賀津也幹事長も同日、連合傘下の産業別労働組合(産別)に、こうした方針を伝えており、立民の多数派工作も最初から躓きそうだ。

<主張>国民の審判 首相の居座りは許されぬ 直ちに辞職し新総裁選出を
社説
2024/10/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20241029-CEB23AAJIJPI7NMIRKWA2U4OUQ/
衆院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)が2024年10月28日の記者会見で、引き続き政権を担う意欲を示した。
自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを割り込む大敗の責任を取らずに、石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ。
責任を取って潔く辞職すべきである。
自民は比較第1党に踏みとどまった。
友党の公明党と共に政権構築を目指すのは分かるが、それは国民の信を失った石破総裁の下ではあり得ない。
自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい。
■本当に反省しているか
石破首相は会見で、衆院選の審判を
「真摯に厳粛に受け止める」
と語った。
だがその言葉とは裏腹に、
「国政の停滞は許されない」
と繰り返し、
「安全保障、国民生活、災害対応に万事遺漏なきを期すことも私どもが負うべき責任だ」
と述べた。
そこには反省が感じられない。
国民は衆院選で石破首相に国政運営を託したくないという判断を示した。
それが何故分からないのか。
有権者の審判を無視するトップが政権の座に留まろうとして国民の支持を得られると思うなら甘過ぎるし、民主主義から外れている。
全ての自民国会議員は、石破首相の続投こそが、国政の停滞を招くと知るべきである。
自民の小泉進次郎選対委員長は2024年10月28日、
「選挙の結果責任は選対委員長が引き受ける」
として辞任した。
小泉氏は自身の進退について
「目標を達成出来なかったのに責任を取らない自民党では、不信感の方が大きいと思う」
と語った。
これは石破首相、森山裕幹事長にこそ言えることである。
自民千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は
「議席をあれだけ減らした」
「責任はある」
と述べ、首相や執行部の早期退陣を促した。
これが国民感覚に沿った判断だろう。
石破首相は、第1次安倍晋三政権時の参院選で自民が大敗し
「ねじれ国会」
となった際に、続投を表明した安倍首相を攻撃した。
党総務会で
「(安倍)首相は『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』と訴えたのに、どう説明するのか」
と非難した。
代議士会では
「首相は『反省すべきは反省する』と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」
と責め立てた。
同じ事を石破首相に問いたい。
2024年10月28日の会見で
「自民党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
と語ったが、トップである自身がまず責任を取るべきだろう。
麻生太郎政権時に農林水産相だった石破首相は、事実上の退陣を迫ったこともある。
過去の言動との整合性がなければ、石破首相への信頼は集まらない。
首相の言葉は限りなく軽いものとしてしか受け取られまい。
■森山幹事長も責任重い
他人に厳しく自分に甘い、主権者である国民の審判を軽んじる。
そこに謙虚さは見当たらない。
このような有り様で与党は特別国会の首相指名選挙に確実に勝てるのか。
よしんば勝ったとしても、自民党内からは辞任論が出て、石破首相の求心力は低下している。
安定した政権運営が出来るのか。
森山幹事長の責任も重い。
選挙戦最終盤には、自民が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、
「政治とカネ」
を巡る批判に拍車を掛けた。
石破首相は
「選挙に使うことはない」
と述べたが説得力に乏しかった。
支給を主導したのは森山氏だったとされる。
石破首相の就任後に、臨時国会で予算委員会を開かず早期に解散するよう進言したのも森山氏である。
首相と森山氏は衆院選を有利に展開しようと党利党略に走ったが、思惑外れに終わった。
政府与党は首相指名選挙を行う特別国会を2024年11月11日に召集する方向で調整している。
だが、憲法第54条は衆院選投票日から30日以内の召集を定めている。
殊更引き延ばすことはあってはならないが、国会議員中心の自民総裁選を実施するくらいの日程的余裕はある。
自民は新総裁を選び、出直しを図らねば信頼回復は遠く、来年2025年の参院選でも有権者から厳しい審判を受けるだろう。
石破首相が今、日本と国民、党のために出来ることは速やかに辞任することしかない。

政治空白、許されぬ…政治部長・小川聡
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20241028-OYT1T50036/
長期政権のぬるま湯に浸かり、有権者の意識とかけ離れた
「党の論理」
を捨て切れない自民党に、厳しい審判が下った。
これまでの自民党政治家と違う感覚で政権を運営するのではとの石破首相への期待は、瞬く間に失望に変わった。
予算委員会なしでの衆院解散や、政治資金問題に関わった前議員らの公認問題と2000万円の活動費支給を巡る対応などで、総裁選で掲げた
「国民の納得と共感」
よりも自民党の事情と都合を優先する姿勢が露呈し、国民の怒りの火に油を注いだ。
立憲民主党は、3年前2021年の衆院選を教訓に、自民党にお灸を据えようと考える中道保守層の投票の受け皿になった。
野田代表が、
「原発ゼロ」
をはじめとした非現実的な安全保障・エネルギー政策を封印し、共産党との連携に距離を置いたことが奏功したと言えよう。
立民は選挙戦で、
「政治とカネ」
問題への批判に注力し、景気対策や社会保障などの具体策を論じる機会は少なかった。
「敵失」
で議席を伸ばした面が大きく、自らの政策・主張が全面的に支持を集めたという過信は禁物だ。
日本を取り巻く環境は国内外で厳しさを増しており、一刻の猶予も許されない。
経済停滞や社会保障・財政の不安、自然災害への対応などを急がなくてはならない。
北朝鮮や中国による軍事的威圧や威嚇、一方的な現状変更や侵略の脅威に直面し、日本の主権や平和、繁栄を維持できるかどうかの岐路にある。
与党の過半数割れにより、当面、政権が弱体化することは避けられまい。
各党は、政局を優先して分断を加速させるのではなく、 真摯な議論を通じて現実的に答えを出していくことが不可欠だ。
内外の有事を前に、政治空白を作ってはならない。

衆院選、全議席が確定 自民191、立民148、維新38、国民28、公明24、れいわ9
2024/10/28 4:05
https://www.sankei.com/article/20241028-PRREEDNFJRJSFA344HTTAVVAPQ/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選は2024年10月28日未明、比例代表東北ブロックで立憲民主党が最終議席を確保し、全465議席が確定した。
各党の獲得議席は、自民191、立民148、維新38、公明24、共産8、国民28、れいわ9、社民1、参政3、政治団体の日本保守党3、無所属12で確定した。

<主張>与党「過半数割れ」 審判を重く受け止めよ 安定した政権の構築を求める
社説
2024/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20241028-FCCUJHFOJVJ47OD67N322RXKGY/
第50回衆院選の投開票が行われた。
政権の信を問うと臨んだ石破茂首相は勝敗ラインに自民党、公明党の与党過半数を設定していたが、届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党も議席を伸ばした。
自民にとって野党に転落した平成21年の衆院選以来となる歴史的敗北だ。
首相は選挙結果を重く受け止めねばならない。
今後自民は非公認当選者の追加公認を図る見通しだ。
国際情勢は厳しく、混迷の度合いを増している。
今後、特別国会で首相指名選挙が行われるが、各政党は安定政権を作るべく努力してもらいたい。
国政を停滞させてはならない。
■言い訳選挙では勝てぬ
今回の大敗は、石破首相と自民執行部が
「言い訳選挙」
にしてしまったことが大きい。
言い訳選挙で優勢に戦うことなど望むべくもない。
自民の旧安倍派などの派閥パーティー収入不記載事件への有権者の怒りはくすぶっていた。
それにうまく対応できなかったのが首相だった。
就任後、不記載の前議員の非公認を増やし、比例代表との重複立候補を認めなかった。
しかも一気に事を決めず騒動を続けた。
世間の関心が
「政治とカネ」
一色になったのはそのせいでもある。
選挙戦最終盤には自民が、非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、首相は党勢拡大のためで
「選挙に使うことはない」
と釈明した。
これも有権者の投票行動を左右した可能性がある。
有権者や他党からどう見られるかを考えなかった石破首相や森山裕幹事長には、自民内から疑問の声が上がった。
石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった。
自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた。
国会論戦も十分に行わず早期解散に走った。
これで勝てると思っていたのなら信じ難い。
衆院選で政治とカネの問題への有権者の憤りが改めて示された。
各党は政治改革の具体策で合意し、速やかに実行に移すべきだ。
それを怠れば政治不信に拍車がかかる。
言い訳選挙になったのは、もう1つ理由がある。
それは、石破首相が政治とカネの問題を上回る、または匹敵するような政策上の大きな争点を国民に示せなかったことだ。
衆院選は常に日本の独立と繁栄、国民の生活と暮らしがかかった、日本の針路を決める政権選択選挙なのである。
にもかかわらず日本の針路を巡る本格的な論戦は展開されなかった。
とりわけ日本を守る安全保障が重視されなかったのは残念だ。
■立民は国を守れるのか
台湾有事の懸念が高まっている。
公示の前日には、中国軍が台湾を包囲する形で大規模な演習も行った。
今回の衆院選で選ばれた議員が台湾有事に直面する可能性がある。
北朝鮮の軍はウクライナ侵略に加担する見通しだ。
朝鮮半島有事がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
その危機が十分には語られず、抑止力のための防衛力の抜本的強化、国民保護などの具体策の議論が深まらなかったのは問題だ。
立民の影響力は増大する。
野田佳彦代表は外交・安保政策の継続性を重視する考えを示す一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という党の立場を変えていない。
反撃能力の保有にも積極的ではない。
これで国民を守れるのか。
この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある。
政策上の欠陥を抱えたままの立民に政権担当能力があるのか疑問だ。
経済を巡っては、各党がこぞって消費税減税や給付金支給などの物価高対策を示した。
だが財源を含む具体化の道筋には曖昧なものが多く、バラマキ色が目立った。
物価高に負けない賃上げを果たし、デフレからの完全脱却を確実にするには、生産性を向上させて企業の収益力を高める取り組みが欠かせない。
そうした積年の課題を解決しなければならない。
憲法改正の動きを後退させてはならない。
自民の大敗に加え、改憲に前向きな日本維新の会が振るわなかった影響は大きい。
自衛隊明記や緊急事態条項の創設は急務で、国会は改憲原案の条文化を進めるべきだ。

衆院選自公惨敗 長期政権の驕りが不信招いた
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50056/
◆国政の停滞は避けねばならない◆
自民、公明の与党が衆院選で惨敗し、過半数を割り込んだ。
今後、一部の野党の協力を得て、引き続き自公が政権を担い続けられるのか。
あるいは、立憲民主党を中心とした野党勢力が政権交代を起こせるのか。
政局は一気に流動化する情勢となった。
また、
「自公で過半数」
を勝敗ラインに設定していた石破首相の進退も焦点となる。
■政局の流動化は確実
第50回衆院選が開票された。
自公は、2012年の政権復帰以降、経験したことのない逆風に晒された。
大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか。
一方、多くの野党は議席を増やしたが、理念や基本政策の異なる各党で協力できるかは見通せない。
自公、立民それぞれが過半数確保に向け、多数派工作を繰り広げることになりそうだ。
与野党の勢力が伯仲することで、予算案や法案を巡る攻防が激化して政策遂行が遅れる事態が懸念される。
実際、2007〜2008年の福田内閣当時は、野党が国会運営を主導し、国政が停滞した。
今後、政権の枠組みを巡って与野党が駆け引きを繰り広げ、混乱が長引く可能性もある。
山積する内外の難題に適切に対応できるのか。
与野党共に大きな責任を負うことになった。
今回の衆院選は異例ずくめだった。
石破政権が内閣発足直後の
「ご祝儀相場」
を当て込み、戦後最短での衆院解散に踏み切った。
だが、自民党は、政治資金問題を抱えた前議員らの処遇を巡り、原則として全員を公認する方針が批判されると、非公認を次々と増やし、定見のなさを露呈した。
選挙戦の終盤には、非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が公認候補向けと同額の2000万円を支給していたことも発覚し、混乱を広げた。
執行部の失態と言う他ない。
自民が苦戦した背景には、
「岩盤」
と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。
岸田前首相が昨年2023年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。
こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引き付けることに成功したからだろう。
既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢い付けている側面もある。
■現実的な主張が奏功か
先月2024年9月、15年ぶりに党首が交代した公明も厳しい選挙戦となった。
小選挙区選に初めて挑戦した石井新代表が落選したのは、支持母体の創価学会員の高齢化が影響しているとされる。
一方、立民の伸長は、自民の
「金権体質」
を争点化する手法が奏功したことが一因だ。
また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を 概 ね継承する考えを示した他、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた
「原発ゼロ」
に拘らない方針を強調した。
こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ。
国民民主党も躍進した。
玉木代表が
「手取りを増やす」
と主張して、
「生活重視」
の姿勢を取ったことが、特に若い世代の支持拡大に繋がったのだろう。
日本維新の会が伸び悩んだのは、大阪・関西万博の会場建設費が想定以上に膨らんだことや、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑が影響したとみられる。
他方、選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。
■課題を蔑ろにするな
物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。
社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。
急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ。
ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。
先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ。
日本周辺の安全保障環境はかつてないほど悪化している。
防衛力の強化はもとより、日米同盟を深化させると共に、友好国を増やしていく必要がある。
野党の選挙戦術もあって、政治とカネの問題が焦点となったのはやむを得ないとしても、国政の課題を蔑ろにするような事態は避けなければならない。

[社説]自民不信を突きつけた厳しい審判
衆議院選挙2024
社説
2024年10月28日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK271700X21C24A0000000/
政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った。
第50回衆院選は2024年10月27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。
自公は政権に復帰した2012年以来の岐路に立った。
石破茂首相らの責任論は避けられない。
自公は野党に協力を求めて政権を継続する方針だ。
立憲民主党は躍進し、多数派の形成に向けて野党各党と協議に入る。
政局は流動化し、政権の枠組みが見えない不透明な状況になった。
■世界の潮流が波及
自民は公示前の247議席から大きく減らし、下野した2009年以来の敗北となる。
接戦だった多くの小選挙区で競り負け、閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。
公明も石井啓一代表が落選したのをはじめ、牙城である関西で苦戦するなど、公示前の32議席を下回った。
立民は公示前の98議席から大幅に議席を伸ばした。
保守系の野田佳彦元首相を代表に据えたことで、自民支持から離反した保守層の受け皿になったとみられる。
自民との議席差を一気に縮める結果は、政権交代への足掛かりを築いたと言ってよいだろう。
自民の敗因が政治資金問題にあるのは明らかだ。
私たちは当初から
「政治とカネの問題は、扱いを誤れば政権の命取りになる」
と指摘してきた。
だが自民は生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭うことはできなかった。
与党の敗北は世界的な潮流でもある。
選挙イヤーの今年2024年、各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたと言えよう。
物価高や賃金、雇用など身近な課題に既存の政治が十分対応できず、有権者がノーを突き付ける構図だ。
政治資金の杜撰な管理が物価高に耐える国民の不満を増幅したと見るべきだろう。
選挙戦の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念だ。
物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生の在り方などは、どんな政権であっても重要課題として取り組まざるを得ない。
日本の政治の安定が損なわれることになれば、対外的に大きなマイナスだ。
米大統領選の行方が見通せない中、日米同盟や日韓関係の不安定要因にならないよう注意する必要がある。
日米韓の連携が動揺し、中国や北朝鮮、ロシアに対日政策の軽視や周辺地域での過激な行動を誘発する事態は避けなければならない。
政治の安定は海外から日本にヒト、モノ、カネを呼び込む誘因の1つでもある。
政局が混迷すれば、日本への投資を控える動きにつながる懸念がある。
ようやく成長軌道に乗りつつある経済に水を差すことがあってはならない。
そのためには出来るだけ早く安定した政権基盤を取り戻す他ない。
自公は過半数を割っても一部の野党と連携することで政権を継続したい考えだ。
連立政権の枠組みへの野党勢力の参加も視野に入れるが、現時点で野党側に自公連立に加わる動きはない。
■熟議を取り戻す契機に
一方、立民は非自民勢力の結集に向けて野党各党と協議する意向だ。
ただ、どのような枠組みで政権を目指すのか、具体的な政権構想はこれからで、成否はまだ見通せない。
自民と立民の議席差が大幅に縮まったことで、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙に向け、両陣営の攻防が激しくなる。
国民民主党や日本維新の会などとの連携を巡る綱引きも予想される。
政権の枠組みが見えてくるには時間がかかりそうだ。
与野党の伯仲は政治の在り方として悪い事ではない。
政権交代を目指す立民の伸長は国会審議に緊張感を与える。
中道保守の第1党と第2党が熟議を通じ、重要課題を解決するのは政治の1つの知恵である。
立民にとっては政権担当能力を磨く場となり、政権への近道になるはずだ。
対外的にも日本の政治の安定と成熟を示すことになろう。
ウクライナ戦争や中東情勢は緊迫の度を増している。
与野党とも内向きの政争に陥るのではなく、国内外の情勢に目を向け、国際社会で求められる日本の役割を自覚して安定した政治を取り戻すことを急ぐべきである。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/863.html#c44

[戦争b25] 米国が始めたロシアとの戦争にのめり込み、自国を破壊したドイツの政治家(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
7. 秘密のアッコちゃん[921] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月06日 07:26:20 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[486]
<■2275行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ロシア派遣の北朝鮮兵と戦闘は「新局面」 ゼレンスキー氏が声明 各国に支援呼びかけ
2024/11/6 7:04
https://www.sankei.com/article/20241106-JKLPJCK43VOCPOVFBFQB7W2GWE/
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年11月5日の声明で、ロシアに派遣された北朝鮮兵との戦闘は
「世界の不安定化の新たなページを開く」
と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。
戦闘の詳細は明らかにしなかった。
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」
と強調し、各国に支援を呼びかけた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。
ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。
ゼレンスキー氏は
「テロは十分な対抗措置がないと、ウイルスのように広がる」
「措置は十分で、強力でなければならない」
と訴えた。
今月2024年11月1日には米英独の3カ国を名指しして
「傍観しているだけだ」
と語り、対応の遅れを批判していた。(共同)

ウクライナ国防相「北朝鮮軍と初交戦」明かす ロシア兵に偽装、1万5千人配置か
2024/11/5 13:59
https://www.sankei.com/article/20241105-YTVSUIZBOVOLLNMJKXDI5SAKCI/
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国KBSテレビが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮からロシアへ派兵された朝鮮人民軍の部隊との初の交戦があったことを明らかにした。
ただ、
「小規模な交戦」
で、全ての兵力が動員された体系的なレベルではなかったとし、限定的な戦闘だった点を説明した。
いつどこでの交戦なのかは不明。
ウメロフ氏は、北朝鮮の将兵はロシア兵に偽装しており、死傷者や捕虜の有無を確かめるには身元確認が必要だとの認識も示した。
また、約3000人ずつの北朝鮮の部隊が5つ、計約1万5000人が前線の北東部や東部、南東部に分かれて配置されるとの予測にも言及。
数週間以内には配置を完了するとの見通しを示した。
韓国のソウル新聞は2024年11月5日までに、政府関係者の話として、北朝鮮兵約40人がウクライナとの戦線で死亡したと報じたが、韓国国防省報道官は2024年11月5日、
「確認できる内容がない」
と述べた。

金正恩が露朝同盟に縋る「斬首」回避
斎藤勉の眼
2024/11/5 10:00
https://www.sankei.com/article/20241105-PL2F5JZKEBNKZHMJ775I4FYV54/
人命・人権に冷淡な独裁者同士の軍事同盟には大抵の場合、残忍な
「密約」
が隠されている。
その代表格がソ連のスターリンとナチス・ドイツのヒトラーが1939年8月に締結した独ソ不可侵条約だ。
2人の独裁者は条約の裏で交わした
「秘密議定書」
に基づき、翌1939年9月、ポーランドに東西から侵攻、第二次大戦が始まった。
ポーランドを消滅させたこの密約こそ、ヒトラーのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)やスターリンのポーランド将兵大殺戮「カチンの森事件」(1940年)の悲劇を招く元凶となった。
独ソの野合から85年たった今年2024年6月、2人の暴君が軍事同盟へと突き進んだ。
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による
「包括的戦略パートナーシップ条約」
だ。
核心は
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的その他の援助を提供する」
とする第4条だが、発表された全23条に
「秘密協定」
は付記されていない。
しかし、元露情報機関将校は条約締結後、米紙ウォールストリート・ジャーナルに
「条約は、ロシアがどう戦っているか、北朝鮮軍兵士が直接学ぶため、ウクライナに第1波の約千人を派遣する許可を与える―との秘密条項を含んでいる」
と明かした。
密約の存在は締結から4カ月後の2024年10月に裏付けられた。
「暴風軍団」
の異名を持つ精鋭特殊部隊
「第11軍団」
がウクライナ軍の越境攻撃が続く露西南部・クルスク州などに配備された。
朝鮮半島情勢に詳しい李相哲・龍谷大教授は
「2024年10月末の段階で1万1000人の北朝鮮兵がクルスクなどに集結した」
「露軍指揮下で占領地奪還の戦闘に投入されるとみるべきだ」
「中には20代前半の新米兵士も多い」
「彼らは軍事経験が乏しく、クルスクは隠れ場のない大平原だけに、ドローン攻撃などで大量の戦死者が出る可能性がある」
と指摘する。
北朝鮮が派兵の見返りに要求するのは当然、半島有事の際の露軍の介入だ。
李教授は、金総書記が有事の緊迫状態の中で最も恐れる自分に対する米韓などの
「斬首(暗殺)作戦」
を出来なくする手助けをロシアに縋(すが)ろうとする―とみる。
既に北朝鮮は大量の砲弾や弾道ミサイルをロシアに送っているが、喉から手が出るほどロシアから欲しいのは、日米韓に重大脅威となる原子力潜水艦や偵察衛星などの高度な技術だ。
李教授は
「これらの軍事技術は派遣された兵士の死傷者数に応じて供与されるのでは」
との見方を示す。
露朝密約の裏では北朝鮮兵の夥しい死傷者の発生が予想されるが、プーチン氏にとっては日々1200人超とされる自国の戦死者数を減らせ得るあり難い
「弾除(よ)け」
だ。
金氏にとっては
「兵士手当1人当たり年間450万円、戦死保険1千万円の契約を露側と交わしており、年間ざっと1千億円分もの外貨がそっくり、自分1人の懐に入る」(李教授)。
派遣兵は
「金づる」
だ。
兵士がたまたま生還すれば、ドローン戦など近代戦の実体験は半島有事に利用できるメリットもある。
哀れなことに、派兵家族には一銭も支払われないどころか、情報漏れ封じのため、家族ごと
「隔離」
「移住」
を強制されている。
ウクライナ側も千載一遇の
「脱北」
機会を得た兵士に多額の金銭で
「投降」

「韓国亡命」
を呼び掛ける心理作戦に着手する。
今日2024年11月5日に投票される米大統領選の結果を見据え、戦局をロシア有利に強引に転換させたい露朝連合軍の暴虐を世界は断じて許してはならない。
(論説委員)

北朝鮮兵1万人がロシア西部に到達、ウクライナ前線近くに配置か 米国が増派の動き監視
2024/11/5 7:18
https://www.sankei.com/article/20241105-5RHWER2F7ZNJZKJKI23NRCDGGQ/
米国務省のミラー報道官は2024年11月4日の記者会見で、北朝鮮兵約1万人がロシア西部クルスク州に到達したと分析していると述べた。
同州ではウクライナが越境攻撃を続けており、当初ロシア入りした北朝鮮兵のほぼ全てが前線近くに配置されたとみられる。
国防総省のライダー報道官は、ロシアに派遣される北朝鮮兵が総勢1万1000〜1万2000人になるとの見解を示した上で、北朝鮮が更に増派するかどうかを
「注意深く監視する」
と話した。
ブリンケン国務長官は2024年10月31日、ロシア入りした北朝鮮兵は約1万人で、うち最大8000人がクルスク州入りしたと説明。
前線に投入するため、ロシアが基礎的な歩兵訓練を施しているとしていた。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

ウクライナ軍、北朝鮮が配置された拠点に砲撃か 北朝鮮兵の死傷者は不明
2024/11/4 23:00
https://www.sankei.com/article/20241104-N6SI67CRQ5OX5D5FZTS32MPHG4/
ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の偽情報防止センターのコバレンコ所長は2024年11月4日、ウクライナが越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
北朝鮮兵の死傷者がいるかどうかは不明だとした。
北朝鮮兵に対するウクライナ軍の攻撃は初めてだとしている。
ゼレンスキー大統領や米国を含む関係国当局は攻撃を確認していない。
コバレンコ氏によると、ウクライナ軍は、クルスク州スジャ西方の拠点に対して砲撃した。
砲撃は2024年11月2日か3日に行われたと説明した。
現地情報などに基づいて、この拠点には攻撃時、北朝鮮兵が配置されていたことが確認されたと主張した。
コバレンコ氏はまた、2024年11月4日朝の時点で、ウクライナ軍に対する北朝鮮兵の攻撃は確認されていないと説明した。
「北朝鮮兵は近いうちにクルスク州での戦闘に投入されるとみている」
と分析した。(共同)

国連、北朝鮮の派兵に懸念 「紛争の国際化回避を」
2024/11/4 10:14
https://www.sankei.com/article/20241104-N6OFIOB6NFIIZINKFONZGBZX3U/
国連のグテレス事務総長は2024年11月3日、北朝鮮がウクライナに侵攻するロシアに派兵したと伝えられていることに対して
「懸念」
を表明した。
「紛争の国際化を避けるため、あらゆる手段が取られなければならない」
と加盟国に求めた。
グテレス氏は報道官を通じた声明で、北朝鮮の派兵が事実で、戦闘に加わるとすれば
「危険な緊張激化だ」
と指摘。
国連憲章や国際法に基づいたウクライナ和平の実現を訴えた。(共同)

ロシア軍、ウクライナ東部要衝まで3キロに迫る ハリコフ州クピャンスク
2024/11/4 7:16
https://www.sankei.com/article/20241104-TFO6TD77CZP65PVKLWQY3BUJLE/
英紙ガーディアンは2024年11月3日、ロシア軍がウクライナ東部ハリコフ州の要衝クピャンスクまで約3キロ未満に迫ったと報じた。
ロシアは東部で攻勢を強めており、市長は2024年10月初旬から状況が劇的に悪化したと指摘。
高齢者を中心に約1400人が避難せずに市内にとどまっていると明かした。
クピャンスクは州都ハリコフやイジュムにつながる幹線道路が集まる。
ウクライナが2022年9月に奪還したが、再び制圧される恐れがある。
ロシア国防省は2024年11月3日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクの南東約15キロにある集落を制圧したと発表した。
またロシア内務省の報道官は2024年11月3日、ウクライナへの特別軍事作戦に参加する外国人3344人が今年2024年に入ってロシア国籍を取得したと発表した。
プーチン大統領は今年2024年11月1月、国防省と志願兵契約を結んだ外国人は、簡素な手続きでロシア国籍を取得できるとする大統領令に署名していた。(共同)

米戦争研究所、北朝鮮のウクライナ派兵で報告書 実戦経験を将来の紛争に応用 対中依存脱却の狙いも
2024/11/3 9:27
https://www.sankei.com/article/20241103-ZCNBYNGSOJMTNIDYJMGYJ4BPEA/
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は2024年11月2日までに、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアを支援するため部隊を派兵した戦略的狙いについて報告書を発表した。
朝鮮戦争以来となる通常戦争で得る最新の戦闘経験を、対韓国など将来の紛争に応用する目的があると分析。
北朝鮮の対露連携強化は中国への依存を弱めることになり、朝鮮半島を含むアジア太平洋地域の長期的安定を脅かすと警告した。
報告書は2024年11月1日付。
北朝鮮は、
「将来の戦争の性質を変える」
とされるウクライナ戦争への参戦が
「自国軍の重大な学習機会となる」
と認識したと分析。
背景として、北朝鮮軍は1953年の朝鮮戦争休戦以来、大規模な通常戦闘の経験がなく、
「韓国のような高度な敵国との近代戦に準備されていない」
と指摘した。
その上で報告書は、北朝鮮の部隊が西側の兵器供給を受けるウクライナ軍を相手に自らの兵器システムを試し、指揮統制、無人機操縦、電子戦の経験を積むことで
「朝鮮半島を含む将来の紛争で優位に立つ」
狙いがあると分析した。
報告書は、実際に北朝鮮軍が戦場で得る教訓を将来に生かせるかは、露軍司令部が北朝鮮の兵力をどのように利用するかで決まると指摘。
露軍が北朝鮮兵を
「大砲の餌食(弾除け)」
として使えば犠牲が膨らむのは確実で、北朝鮮政府が望むような教訓は十分に得られないとの見方も示した。
更にに報告書は、北朝鮮がロシアとの連携を強化することで
「中国への依存度を下げる」
思惑があるとも指摘。
中国政府の影響力が弱まれば、北朝鮮の攻撃性を制御できず、朝鮮半島を不安定化し、より広いアジア太平洋地域を危険にさらす可能性があると分析した。
一方、北朝鮮にとりロシアからの見返りには、核開発計画の進展に加え、
「朝鮮半島で紛争が起きた際にロシアの軍事的関与を確かにしたい」
思惑もあるとしている。

ウクライナの首都キーウに無人機攻撃、高層の集合住宅が損傷 ロシア機が連日飛来
2024/11/2 19:59
https://www.sankei.com/article/20241102-3SOA7FQXEFOG3G4BU37RTSV3YE/
ウクライナの首都キーウ(キエフ)で2024年11月2日朝、ロシア軍の無人機攻撃があった。
ウクライナメディアによると、高層の集合住宅で火災が発生して一部が損傷、少なくとも1人が負傷した。
キーウには最近、連日のようにロシア無人機が飛来している。
第2の都市、東部ハリコフでは2024年11月1日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、地元当局によると、警察官1人が死亡し、警察官や民間人を含む40人以上が負傷した。
一方、ロシア国防省は2024年11月2日、ウクライナ東部のハリコフ州とドネツク州で、それぞれ1集落を制圧したと発表した。(共同)

日本提出の核廃絶決議を国連委採択 「扇動的威嚇の自制」要請、ノーベル賞の被団協に言及
2024/11/2 18:12
https://www.sankei.com/article/20241102-7BNKELD7RFL4BJ6SCDWOJMWFPM/
国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は2024年11月1日、日本が提出した核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。
ロシアのウクライナ侵略や中東危機を巡り、核使用の恐れが強まる中、核保有国に対して
「核の不使用」

「扇動的な威嚇の自制」
を要請した。同種の決議採択は31年連続。
核保有国の米国を含む51カ国が共同提案国となり、英国など145カ国が賛成した。
反対はロシアと中国、北朝鮮、イランなど6カ国。
イスラエルやインド、パキスタン、フランスなど29カ国が棄権した。
決議は、今年2024年のノーベル平和賞受賞が決まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)について
「被爆の実相」
を長年伝えてきたと言及。
軍縮・不拡散教育に取り組むよう各国に求めた。
決議はまた、各国に対して、高濃縮ウランやプルトニウムなどの兵器用核分裂性物質(FM)の生産状況の透明性を高める措置を要請した。
北朝鮮の核・ミサイル計画の
「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄」
に向けて取り組むと再確認した。

ラブロフ露外相と崔善姫・北朝鮮外相会談で条約完全履行を確認 両国関係「新たなレベル」
2024/11/2 18:17
https://www.sankei.com/article/20241102-VHHSJU7CPFPMXOY3D2SECHLFHQ/
ロシア外務省は2024年11月2日、2024年11月1日に行われたラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相の会談結果を発表した。
両外相は、2024年6月にロ朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の条項を完全に履行すると確認。
条約は伝統的に友好な両国関係を
「新たなレベル」
に引き上げたと指摘した。
北朝鮮の朝鮮中央通信も2024年11月2日、両外相の会談結果を報道。首脳間の合意事項の実務問題を中心に協議したという。
ただロシアのウクライナ侵攻の支援など詳しい中身について言及はなかった。
朝鮮中央通信によると両外相は、米国を軸にした勢力による
「挑発行為」
が朝鮮半島や北東アジア、その他地域の緊張を高めているという認識で一致。
ロシア側は、金正恩朝鮮労働党総書記ら北朝鮮の指導部が取っている対応を
「全面的に支持する」
と表明した。
両政府間で対話を続け、関係強化を進める点でも合意した。(共同)

主張>北の派兵 侵略への加担は許されぬ
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/
ロシア入りした北朝鮮軍がロシア製の装備を受け取る様子を撮影したとする動画の一部=ウクライナ政府機関「戦略コミュニケーションセンター」のSNSから
https://www.sankei.com/article/20241102-RG3F5CIODJMOTBLPHAJQRSG6PE/photo/JXWBFHHEENJPHKAXSBBL73634U/
ウクライナ侵略を続けるロシアと、これを支持してきた北朝鮮の軍事協力が一段と進んでいる。
米国のブリンケン国務長官は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の将兵について
「数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入される」
との見通しを示した。
最大8000人の北朝鮮軍が、ウクライナが一部を占領する露西部のクルスク州に展開しているという。
北朝鮮軍の部隊がウクライナ領に侵入してくることも懸念されている。
これは北朝鮮が第2の侵略国になることを意味するもので断じて容認できない。
北朝鮮は直ちに派兵と武器弾薬の対露輸出を停止すべきだ。
国際社会は危機感をもち、一層の圧力を掛ける必要がある。
日本の山崎和之国連大使が国連安全保障理事会の緊急会合で
「北朝鮮がロシアによる侵略の共犯者になることはウクライナ情勢を更に悪化させる」
と非難したのは当然だ。
北朝鮮は2024年10月31日、新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本海に向けて発射した。
日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下させた。
通常よりも高角度のロフテッド軌道を取り、飛翔時間も高度も過去最高だった。
技術向上の裏にはロシアの協力があったとみられている。
露朝両国は2024年6月、有事の際の相互軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだ。
軍事同盟下の提携は急速に進み、北朝鮮はロシアに砲弾や弾道ミサイルを供給した。
60万人超とされるロシア兵の死傷者を補うため、軍の派遣にも踏み切った。
ロシアからの見返りが北朝鮮が切望していた高度な核・ミサイル技術の提供なのだろう。
北朝鮮の金正恩総書記は、朝鮮半島有事の際に、ロシア軍の加勢も望んでいると思われる。
露朝軍事協力の脅威は、日米韓とウクライナを含む欧州に及ぶことになる。
日本にとっては、台湾有事など南西方面での有事に直面する場合でも、北朝鮮に加え北方におけるロシアの脅威にも備える必要が高まった。
石破茂政権はこの厳しい現実を国民に説明すべきだ。
北朝鮮が通算7回目の核実験に踏み切るとの観測もある。
一層の警戒が欠かせない。

ロシア派兵で白日の下にさらされる北朝鮮の特殊部隊「暴風軍団」
久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ
2024/11/2 1:00
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/
10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241102-ITXVTDZHNFOL5CQKMFLEH6RTXI/photo/WJS4SVY6UNKUNIR5I5FWTEAO5I/
北朝鮮がロシアに派兵した部隊が露西部クルスク州で活動を始めた。
北朝鮮の参戦でウクライナ侵略は多国間紛争に拡大し、新たな局面に入った。
これに神経を尖らせているのが韓国だ。
北大西洋条約機構(NATO)や米国と緊密に協議してウクライナに専門家のモニタリング団を派遣し、ウクライナへの軍事支援も段階的に強化する方針だ。
1万人を超す北朝鮮兵は今後、捕虜や脱走者が見込まれ、韓国はこの機会に北特殊部隊の実態把握を試みる。
韓国軍が北朝鮮兵を尋問する可能性もある。
■北朝鮮兵の脱走誘導作戦も
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、
「数日中に北朝鮮軍が戦闘に加わる」
との見通しを示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領と2024年10月29日に電話会談した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は
「韓国とウクライナは露朝軍事密着の直接的な利害当事者」
だとして、緊密な協力を約束した。
韓国は
「北朝鮮が実戦で得た経験を100万人を超す北朝鮮軍に習得させた場合の脅威」(尹氏)
に危機感を持っている。
韓国はブリュッセルのNATO本部で2024年10月28日に行われたNATOの意思決定機関、北大西洋理事会に代表団を送り、
「北派兵問題」
の協議に参加した。
代表団は情報機関、国家情報院(国情院)の高官が団長を務め、韓国軍の情報部長らも加わった。
韓国とNATOの情報共有や作戦の検討など、協力関係は既に始まっている。
こうした韓国側の対応について、朝鮮半島の安全保障問題に詳しい道下徳成政策研究大学院大学教授は
「韓国にとっては、またとないチャンスだ」
「北朝鮮の特殊部隊が実戦の場に出てきており、その実態に迫ることが出来る」
「捕虜も脱走兵も出る可能性が高い」
「韓国は彼らの尋問をしたいはずで、情報の宝の山だ」
と指摘する。
戦線を離脱した北朝鮮兵は原則的には
「戦争捕虜」
だが、独裁国家への帰還を拒否して韓国行きを希望する可能性もある。
北朝鮮が派兵した部隊は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭の特殊部隊
「第11軍団」
とされる。
有事に敵地に浸透する特殊任務を担うとされ、暴風軍団の実態把握は韓国軍にとって垂涎の的なのだ。
韓国が検討している
「モニタリング団」
は軍人・軍属の専門家で構成される予定で、尋問要員の他に対北心理戦要員も含まれるという。
南北分断以来、北朝鮮との心理戦を戦ってきた韓国には、北朝鮮兵を部隊から離脱させる誘導作戦の専門家がいる。
脱走誘導に関してはウクライナ国防省情報総局も
「北朝鮮兵が戦闘に投入されれば前線で朝鮮語のビラをまく」(同局報道官)
と明言している。
一方、韓国政府は北朝鮮の対露協力の動向を見定めながらウクライナ支援を変更し、
「推移に応じて段階的な対応措置を取る」(韓国大統領府の金泰孝=キム・テヒョ=国家安保室第1次長)
との方針に転換した。
これまでは
「戦闘地域に武器を提供しない」
との原則を順守し、支援は人道レベルの軍需物資にとどめていた。
だが、今後は段階に応じ、防空システムや地雷散布装置などの防御的兵器から、最終的には戦闘機を迎撃する地対空ミサイル
「天弓(チョングン)1」
「天弓2」
などの供与も検討されている。
■韓国情報機関の心理戦
北朝鮮の派兵問題は2024年10月17日、ゼレンスキー氏が
「北朝鮮が1万人の派兵を準備している」
と述べて注目された。
しかし、遡れば昨年2023年夏、ロシアのショイグ国防相(当時)が北朝鮮の朝鮮戦争
「戦勝記念日」
に露国防相として初めて訪朝して以来、
「プーチン大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に派兵を要請か」
と取り沙汰されてきた。
そしてこの動きを警戒してきたのが韓国の国情院だった。
国情院は現在、
「北派兵」
に関する情報を異例の頻度で内外に公表している。
公表はゼレンスキー氏発言の翌日からで、
「北朝鮮特殊部隊が既に派兵された」
として、具体的に
「露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻が2024年10月8日から13日にかけ、北朝鮮の清津(チョンジン)、咸興(ハムフン)、舞水端(ムスダン)近郊地域から特殊部隊1500人をロシアのウラジオストクに第1次移送した」
と発表し、人工衛星による写真も提供した。
その後も人的情報や衛星情報、通信傍受などを含む機密レベルの情報も意図的に出している。
国情院はまた、人的動向の分析も盛んに行っている。
派兵部隊の総括指揮のためロシア入りが取り沙汰されている軍要人で金氏の側近でもある朝鮮人民軍のキム・ヨンボク副総参謀長の動向について、
「キム副総参謀長を含む先発隊が戦線に移動中という情報があり確認中」
と2024年10月29日に国会に報告、2024年10月28日から訪露してラブロフ外相と会談する崔善姫(チェ・ソンヒ)外相についても
「金氏の訪露や追加派兵とその見返りを協議する可能性がある」
との情報を出した。
こうした国情院の動き自体も実は
「対北作戦」
の一環とみられている。
米国がロシアのウクライナ全面侵攻の前後に露軍の情報を積極的に公表した
「戦略的機密解除」
と呼ばれる心理戦と同じで、敵に
「我々はここまで知っている」
と開示して相手に不安を与え、同時に同盟国の結束を図る目的とされる。
一方、北朝鮮にとり、派兵はどんな意味を持つのか。
道下氏は
「北朝鮮に大きなリスクをもたらす」
と分析する。
北朝鮮の特殊部隊の規模は10万人から20万人とされるものの、ほとんどは軽歩兵で精鋭部隊は約1万人と推定されており、その中核部隊がどれほどの能力を発揮出来るかが国際社会に一目瞭然となるからだ。
また、一連の動きは
「南北の情勢を更に不安定にさせるだろう」
と道下氏は指摘する。
派遣された北朝鮮兵は10〜20代の若者で
「弾除(よ)けに過ぎない」
との指摘や、北朝鮮当局が動揺を警戒してか派兵軍人の家族を隔離、管理し始めたとの国情院情報もある。
派遣部隊が実戦に投入されれば、その実態は早晩、明らかになる。

「軍事同盟」条約を「既に履行」 露朝外相、会談で結束強調 北朝鮮軍参戦には言及せず
2024/11/1 21:02
https://www.sankei.com/article/20241101-HM3VMPLQZNLANOYD325GXK7H6Y/
ロシアのラブロフ外相は2024年11月1日、訪露中の北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相とモスクワで会談した。
ラブロフ氏は会談冒頭で
「露朝間には軍同士の緊密な交流が確立されている」
「これは両国民の安全に関わる重要な問題の解決を可能にする」
と指摘。
露朝が2024年6月に締結した事実上の軍事同盟条約
「包括的戦略パートナーシップ条約」

「既に履行され始めている」
とも述べ、両国の結束を強調した。
タス通信が伝えた。
崔氏は、ロシアによる対ウクライナ軍事作戦の開始当初から、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が露軍と露国民を全面的に支援するよう命じてきたと指摘。
北朝鮮はロシアの
「戦勝」
を疑わず、
「最後までロシアの朋友の隣に立ち続ける」
と表明した。
両外相の発言は、直接的な言及こそ避けたものの、ウクライナ侵略を続けるロシア側での北朝鮮軍の参戦を念頭に置いたものである可能性がある。
また、崔氏は
「北朝鮮は核戦力の増強を続ける」
とも述べ、ロシア側に理解を求めた。
一方、ペスコフ露大統領報道官は2024年11月1日、北朝鮮軍が近くウクライナ軍との戦闘に参加するとの観測が出ていることについてコメントを拒否した。

米国務長官「数日内に」北朝鮮兵とウクライナ軍が戦闘 「軍事目標になる」と警告
2024/11/1 20:50
https://www.sankei.com/article/20241101-YJBRZG6ODZMCTDSKKYHSDHK6QI/
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、ウクライナ侵略を続けるロシアに派遣された北朝鮮兵が
「数日以内に」
ウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
ワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領も北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との認識を示しており、ロシアのウクライナ侵略は新たな局面に入る。
ブリンケン氏は、ロシアに北朝鮮兵約1万人が派遣され、うち8000人がウクライナと国境を接する西部クルスクにいると説明。
ロシアが砲撃や無人機の運用など基本的な歩兵訓練を北朝鮮兵士に実施しており、近く前線に投入される可能性を指摘した。
投入されれば北朝鮮兵は
「軍事目標になる」
と警告した。
ゼレンスキー氏は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、北朝鮮兵は
「戦闘参加の準備をしている」
と語った。
戦闘では北朝鮮兵が
「ロシア兵よりも前面に押し出される」
可能性を指摘し、多数の犠牲者が出るとの見方も示した。
米国は北朝鮮の派兵などを巡り中国と高官協議を実施。
ブリンケン氏は会見で、北朝鮮の動きを抑えるため中国に影響力を行使するよう伝えたことを明らかにした。
またブリンケン氏は、北朝鮮が派兵の見返りとしてロシアから技術供与などの軍事支援を受けることへの懸念を表明。
北朝鮮の軍事力強化は
「地域を大きく不安定化させるもので、中国にとっても懸念になる」
とし、中国に対応を促した。

北朝鮮「露勝利まで共に」 外相会談で両国の緊密な関係をアピール
2024/11/1 20:13
https://www.sankei.com/article/20241101-RK5GUL6URZK65MI2FDDZ74YH6A/
ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相が2024年11月1日、モスクワで会談した。
ウクライナに侵攻するロシアへの北朝鮮兵の派遣情報に米欧や韓国が警戒を高める中、崔氏は会談冒頭
「ロシアが勝利するまで我々は断固としてロシアの同志と共にある」
と述べた。
ラブロフ氏は
「軍や治安機関の間で非常に緊密な接触が行われている」
とし、両国の重要な安全保障問題の解決に寄与していると表明。
露朝関係は
「過去に前例のない高いレベルに到達した」
と評価した。
公開された会談冒頭では兵士派遣について言及はなかった。
会談では2024年6月に露朝の首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の具体的な履行方法や、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の今後の訪問予定などが話し合われたとみられる。
金正恩氏を巡っては早期のロシア訪問の観測が浮上している。(共同)

露朝同盟で東アジア同時危機も 北のウクライナ派兵、核・ミサイル関連の移転阻止が急務
2024/11/1 19:00
https://www.sankei.com/article/20241101-I6HFZRCC5BKATJB5DOK4AFJEQQ/
北朝鮮がウクライナ侵略戦争に軍部隊を派遣したことが確認された。
ロシアと北朝鮮の同盟関係が深まっていることを意味し、東アジアの安全保障に与える影響は大きい。
今後、朝鮮半島で武力衝突が起きた場合にはロシアが北朝鮮側で参戦することが理論的にあり得る。
露朝が台湾有事の際に中国を利する行動を取る可能性もある。
最悪のシナリオは、東アジアの危機が同時に発生する複合的な事態だ。
■北朝鮮は露の見返りを期待
ブリンケン米国務長官は2024年10月31日、約1万人の北朝鮮兵がロシアに派遣され、うち最大で8000人はウクライナの越境作戦が続く露西部クルスク州にいると明らかにした。
露朝は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結した。
条約には侵攻を受けた場合の軍事援助が盛り込まれており、今回の派兵はこれを具現化する動きだ。
北朝鮮は昨年2023年以降、大量のミサイルや砲弾をロシアに供与しており、ロシアが戦線で使用している砲弾の半数は北朝鮮製だと推定されている。
兵員までも送り込むことで、ロシアからの見返りを確かなものとする狙いが北朝鮮にはある。
最近の露軍には1日平均で1200人以上の死傷者が出ており、ロシア側には兵員の補充が難航している実情がある。
「北朝鮮兵はロシアの武器や現代戦に習熟しておらず、派兵がウクライナ戦況に与える影響は限定的だろう」。
露観測筋はこう指摘しつつ
「ロシアが見返りとして北朝鮮に核関連技術を渡すことが危惧される」
と話す。
■露朝への制裁強化が急務
対北制裁に関する国連専門家パネルで委員を務めた古川勝久氏は
「北朝鮮が最も期待しているのは、朝鮮半島有事の際にロシアが軍事介入する可能性を高めることだ」
とみる。
そうすれば米国が半島有事に軍事介入するのを躊躇わせることが出来る。
古川氏によれば、ロシアから北朝鮮に渡ることが危惧される核・ミサイル関連の技術は多岐に渡る。
高濃縮ウランの増産や原子力潜水艦の建造、大気圏再突入が可能なミサイル弾頭や固体燃料の製造、ミサイルの姿勢制御や誘導システムの改善−などで北朝鮮は様々な技術や資機材を必要としているという。
露朝に対する国際制裁の拡大・強化が急務だ。
「一連の露朝の行動は明白に国連安保理決議違反であり、両国への制裁は今や全国連加盟国の義務だ」
「グローバルサウスにも説明し、1カ国でも多く西側主導の制裁に加わるよう日本も率先しなければならない」。
古川氏はこう述べ、
「露朝国内の制裁対象と取引関係を持つ第3国の個人や企業にも、安保理決議に従って取引禁止や出入国禁止などの『二次制裁』措置を厳しく課すべきだ」
と指摘する。
「北朝鮮への軍需物資や金の流れはある程度、把握されている」
「北朝鮮の軍事力を削ぐために、大量の外国製欠陥品を密輸ルートに流し込む『積極的妨害工作』を展開すべきだ」
「露朝が決済に使う暗号通貨の交換所や中国の中小金融機関にも手を打たねばならない」。
古川氏はこうしたことも提言している。

露朝「同盟化」でウクライナ戦争と東アジア情勢がリンク 兵頭慎治・防衛研究所研究幹事
2024/11/1 17:44
https://www.sankei.com/article/20241101-FRT7VL34Z5IC5F4FVLZ2YSVMQA/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮兵が派遣され、米国やウクライナ当局は数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示した。
防衛研究所の兵頭慎治・研究幹事は、
「欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクした」
と指摘。
露朝
「同盟化」
により、東アジアの安全保障環境が更に複雑化すると警鐘を鳴らす。

露朝が砲弾やミサイルの供与から兵士の派遣へと軍事協力の水準を引き上げた狙いは、実利的な相互協力と戦略的な対米牽制の強化だろう。
北朝鮮は派兵の見返りに、
「国防5カ年計画」
で掲げたミサイルや原子力潜水艦、あわよくば核兵器の関連技術などをロシアから引き出す狙いがあるとみられる。
ウクライナで得られる実戦経験と兵器改良が、今後の軍事力向上に結び付くことも期待しているだろう。
露朝両国は2024年6月に
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結したが、プーチン露大統領が
「同盟」
という表現を用いないなど温度差がみられた。
北朝鮮は今回の派兵で、有事の軍事支援を定めた条約の実効性を高めながら、米韓に対してロシアが軍事的後ろ盾だと印象付けようとしている。
ロシアとしても、将来的な北朝鮮への軍事技術支援や朝鮮半島有事への関与を示唆することで、米国のウクライナ支援を牽制できる。
警戒すべきは、中国を交えた3カ国の連携に発展することだ。
そうなれば、東アジアで有事が同時・連鎖的に起きる
「複合事態」
が現実味を帯びる。
中露両軍は日本周辺の空や海で共同活動を活発化させており、2024年9月に露軍が実施した大規模な海軍演習に北朝鮮はオブザーバー参加した。
露朝接近と距離を置く中国に対して、ロシアは露中朝3カ国による合同海軍演習を提案していると韓国側は指摘する。
露朝
「同盟化」
により、欧州のウクライナ戦争と東アジアの朝鮮半島情勢がリンクしてしまった。
東アジアの安全保障環境が更に複雑化することが懸念され、日本も新たな対応を検討する必要に迫られるのではないか。

北朝鮮兵との交戦「数日内」ゼレンスキー氏、犠牲多数と指摘 米国務長官も「標的」と警告
2024/11/1 7:34
https://www.sankei.com/article/20241101-RWLEDGE2FJK3DHEQGKSUNHWP64/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月31日放送の韓国KBSテレビのインタビューで、ロシアに派遣された北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が
「数日内に起きる」
との見方を明らかにした。
ブリンケン米国務長官も同様の認識を示し、北朝鮮兵が戦場に入れば、ウクライナ軍の
「正当な軍事標的」
になると警告した。
ゼレンスキー氏はウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州に北朝鮮兵の一部が入っているとして
「戦闘参加の準備をしている」
と述べた。
「北朝鮮兵はロシア兵よりも前面に押し出される」
とし、多数の北朝鮮兵が犠牲になるだろうと指摘。
今後はウクライナ国内にも北朝鮮兵が投入されるとの見通しを語った。
ブリンケン氏はワシントンで開いた米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で、既に約1万人の北朝鮮兵がロシア入りしていると説明。
このうち最大8000人がクルスク州にいるとした。(共同)

ウクライナ、北朝鮮派遣軍の3人の将軍名を国連に報告 士官500人もロシア入り
2024/10/31 21:00
https://www.sankei.com/article/20241031-76WY3DKLMRKI7GTQDND7NBQMVY/
ウクライナのキスリツァ国連大使は2024年10月31日までに、ロシアに派遣された北朝鮮軍を率いる将軍3人について国連に報告した。
朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長、リ・チャンホ副総参謀長兼偵察総局長(同局は情報機関に相当)、シン・グムチョル少将という。
国営通信社ウクルインフォルムなどが伝えた。
ウクライナ軍筋によると、キム氏が派遣軍の統括役を担う。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに派遣された北朝鮮兵は約1万2000人。
将軍3人に加え、士官約500人が含まれているとしている。
キスリツァ氏は2024年10月30日の国連安全保障理事会の緊急会合で、北朝鮮兵は露軍の少数民族出身者で構成される部隊に組み込まれ、2024年11月にもウクライナ軍と戦う作戦に参加する可能性があるとして危機感を示した。(共同)

ウクライナ第2の都市ハリコフで子供1人死亡、30人以上負傷 ロシアが滑空爆弾攻撃か
2024/10/31 16:21
https://www.sankei.com/article/20241031-QXYCR3VYXVOPDK4EY6CBL2GXJI/
ウクライナ第2の都市、東部ハリコフで2024年10月30日夜、ロシア軍の攻撃があり、地元当局によると、子供1人が死亡し、30人以上が負傷した。
威力の強い滑空爆弾が使われたとみられ、9階建ての建物の下部が大きく損傷した。
ロシア国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州を南北に流れるオスコル川東岸の集落クルフリャキウカを制圧したと発表した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月30日までに、ロシア西部クルスク州に北朝鮮兵が派遣されたことについて
「戦争の新たなページが開かれた」
として新局面に入ったとの考えを示した。
「プーチン大統領は我々を試している」
「強力に対抗する必要がある」
と述べた。
ウクライナ大統領府が2024年10月30日、北欧メディア各社とのインタビューの動画を公表した。(共同)

国連安保理、北朝鮮大使がウクライナ参戦を示唆 米「北の兵士は『遺体袋』に入って戻る」
2024/10/31 10:50
https://www.sankei.com/article/20241031-6XYKIFWS3FN5XJ3GEGCCEGILNU/
国連安全保障理事会は2024年10月30日、北朝鮮のロシア派兵を巡る緊急会合を開いた。
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使がウクライナへの参戦を示唆し、米国のウッド国連次席大使が
「北朝鮮兵は『遺体袋』に入って戻る」
と強い言葉で応酬するなど緊迫した。
金氏は会合で、
「ロシアの主権と安全保障上の利益が、米国や西側諸国の危険な試みに脅かされれば、必要な決断を下す」
と対決姿勢を鮮明にした。
ウッド氏は、ロシアを支援するためウクライナに侵入した北朝鮮兵は
「必ず遺体袋に入って戻ることになる」
と応じ、北朝鮮の金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党総書記を名指しし、
「無謀で危険な行動はよく考えるように」
と忠告した。
ウッド氏は、ロシアが、西部クルスク州を越境攻撃するウクライナ軍との戦闘に北朝鮮兵を加えることを懸念し、ロシアに自制を促した。
北朝鮮の支援を受けたロシアのウクライナでの勝利は
「たとえ部分的であっても、世界の安定を危うくさせる」
と強調。
「何が何でもウクライナを守る」
と固い決意を示し、ロシアに完全撤退を強く迫った。
日本の山崎和之国連大使は、北朝鮮は
「ロシアの侵略の共犯」
になっていると非難。
英国のウッドワード国連大使は
「北朝鮮が派兵や軍事支援の見返りにロシアから高い対価を引き出すのは確実だ」
と語り、その結果として
「朝鮮半島の緊張が高まり、インド太平洋地域の安全保障が損なわれる」
と危機感を示した。
会合では、北朝鮮の派兵や軍事支援は安保理決議や国際法に反するとの批判が相次いだ。
ロシアのネベンジャ国連大使は、北朝鮮との軍事分野などでの協力は
「国際法に沿っており、違法ではない」
と主張した。

米国防長官が韓国国防相と会談、北朝鮮軍のウクライナ参戦「紛争の長期化・拡大の可能性」
2024/10/31 9:39
https://www.sankei.com/article/20241031-TREM3FPUCFO4HHWXFV464UX3B4/
オースティン米国防長官と韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月30日、米国防総省で会談し、ウクライナに侵略を続けるロシアを支援するため北朝鮮が派兵した問題を協議した。
記者会見でオースティン氏は、北朝鮮兵が露軍の制服と装備を支給されたとし、戦闘に参加すれば
「紛争を長期化・拡大させる可能性がある」
と述べ、即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮部隊が既に露東部に派遣されたと指摘。
一部はウクライナ国境に近い露西部クルスク州での戦闘に参加する可能性が高いとし、米国や同盟諸国が供給した武器を使うウクライナ軍に殺害される可能性にも言及した。
オースティン氏はまた、北朝鮮軍の参戦が
「他国に行動を起こすよう促す可能性もある」
「多くの事が起こり得る」
と述べ、他国の参入を招いて侵略が一段と複雑化する危険性を指摘。
欧州とインド太平洋地域の安全保障に重大な悪影響を及ぼすと訴えた。
一方、金氏は、北朝鮮が派兵の見返りにロシアから戦術核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)、弾道ミサイル搭載原子力潜水艦などの技術提供を求める可能性があるとし、朝鮮半島の軍事的脅威が一段と高まると訴えた。
金氏は、北朝鮮兵の展開に関する情報を収集し分析するために、韓国の軍事監視チームをウクライナに派遣することも検討していると述べた。

ドネツク州ポクロフスクを「封鎖」 市当局が発表 ロシア軍接近で防衛準備
2024/10/31 8:48
https://www.sankei.com/article/20241031-XTGH75V4JFIMHOZQD5OYRW7UEY/
ロシアによるウクライナ侵略で、最激戦地である東部ドネツク州の都市ポクロフスクのドブリャク市長は30日、露軍が同市まで約7キロの距離に迫っているとし、防衛の準備に向けて同市を「封鎖」すると発表した。ウクライナメディアが伝えた。ドブリャク氏は2024年10月、ドネツク州のウクライナ軍の重要防衛線の一角であるポクロフスクを巡る攻防戦が近く始まるとの認識を示した形だ。
ドブリャク氏によると、防御拠点を構築中の地区への住民の出入りを禁止する他、住民避難を進める。
市内には現在、子供55人を含む住民約1万2000人が残っているという。
ポクロフスク方面を巡っては、露国防省が2024年10月29日、近郊の小都市セリドボを制圧したと主張。
露軍が近く本格的なポクロフスク制圧に乗り出すとの観測が出ている。
ドネツク州全域の掌握を狙う露軍は現在、ポクロフスクの他、チャソフヤルやリマンなど複数の方面で攻勢を継続。
ウクライナ軍の防衛線を突破し、同州の主要都市クラマトルスク方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。
一方、露国防省は2024年10月30日、ウクライナ東部ハリコフ州クピャンスク方面の集落クルグリャコフカを制圧したと主張した。
同集落を巡ってはウクライナ国防省が2024年10月中旬、露軍を集落内から駆逐したと発表していた。

北朝鮮のロシア参戦「極めて可能性高い」 米韓国防相が撤収を要求、他国への影響を懸念
2024/10/31 7:21
https://www.sankei.com/article/20241031-4CVDB37TN5MI3J3LN5H2VIGXBQ/
オースティン米国防長官と韓国の金龍顕国防相は2024年10月30日、ワシントン近郊で会談し、共同記者会見を開いた。
オースティン氏は、北朝鮮兵がウクライナに侵攻するロシアを支援するため、戦闘に加わる可能性が
「極めて高い」
と分析し、強い懸念を示した。
両氏は北朝鮮兵に即時撤収を求めた。
オースティン氏は、約1万人の北朝鮮兵が既にロシア東部に派遣され、ロシアの軍服を着てロシアの装備品を使っていると指摘。
北朝鮮兵が戦闘でロシアを支援すれば
「米国や同盟国が提供した武器を使うウクライナ軍の標的にされ、何人かは戦場で死ぬことになる」
と警告した。
北朝鮮の参戦が
「紛争を長引かせたり、拡大させたりする可能性がある」
とし、
「他の国が行動を起こすことを促す可能性もある」
「起こり得る事はいくつもある」
と述べた。(共同)

北朝鮮外相がモスクワ入り、ラブロフ氏と会談へ パートナーシップ条約に基づく協力協議か
2024/10/30 23:27
https://www.sankei.com/article/20241030-WDJVWBGCFZJXNHWFM45VIBBYDY/
北朝鮮の崔善姫外相が2024年10月30日、ロシア公式訪問のためモスクワ入りした。
ラブロフ外相と会談予定。
2024年6月に露朝首脳が署名した包括的戦略パートナーシップ条約の批准手続きがロシア国内で2024年11月中に終了する見込みで、条約に基づく協力を協議する可能性がある。
米国や韓国などは北朝鮮兵がロシア西部に入ったと主張し、露朝の接近に警戒を強めている。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記による早期ロシア訪問の観測が浮上しており、話し合われる可能性もある。
ロシア大統領府によると、崔氏はプーチン大統領との会談予定はない。
崔氏は2024年9月にもロシアを訪問し、ラブロフ氏と条約に沿った両国関係の発展について意見交換した。(共同)

「北朝鮮軍、25日にウクライナ部隊と交戦…一人を除いて全員戦死」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.10.30 08:340 글자 작게
https://japanese.joins.com/JArticle/325574
ロシアに派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍と初めて交戦し、1人を除いて全員戦死したという主張が提起された。
リトアニア非政府組織(NGO)「ブルー・イエロー」の代表を務めるジョナス・オマーン氏は2024年10月28日(現地時間)、現地メディアLRTインタビューで消息筋の話として
「2024年10月25日、ウクライナ軍が占領中のロシア西部クルスク地域で既に北朝鮮軍と初めての戦闘が起きた」
と主張した。
ブルー・イエローは2014年からウクライナ軍を支援してきた団体で、ウクライナの意思決定権者だけでなく最前線情報にもアクセスすることできるという。
オマーン代表は
「私が知っている限り、ウクライナ部隊と北朝鮮軍の初交戦で北朝鮮軍のうち1人を除いて全員死亡した」
とし
「生存した1人はブリヤート人という書類(身分証)を持っていた」
と話した。
ブリヤート人は、モンゴル北部のロシア・ブリヤート共和国に居住するモンゴル系原住民だ。
ロシアが北朝鮮軍将兵に同地域の身分証を発給し、自国民に偽装するのではないかという観測が出たことがある。
オマーン代表は今回の北朝鮮軍派兵と関連して
「派兵人材が8万8000人まで増える可能性があるという話を聞いた」
とし
「北朝鮮軍を船舶や航空機で運ぶ基地が4カ所ある」
と主張した。
一方、ウクライナ情報当局は自国軍が2024年8月6日に侵攻し、一部地域を占領中のロシア本土クルスクで2024年10月23日に北朝鮮軍が目撃されたと明らかにした。
ただ、北朝鮮軍と交戦したとか、戦場で肉眼で確認したという公式証言は出ていない。

ウクライナ、米国にトマホーク要求か 米NYT紙報道 射程はATACMSの7倍超
2024/10/30 10:05
https://www.sankei.com/article/20241030-KG5J4TU33FMSHEKMH625HIDRFE/
米紙ニューヨーク・タイムズは2024年10月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領が対ロシア戦争の
「戦勝計画」
を米国側に示した際、長射程の米国製巡航ミサイル
「トマホーク」
の供与を求めたと報じた。
米当局者の話としている。
同紙によると、トマホークの射程は約2400キロ。
米国がウクライナに供与した射程300キロの地対地ミサイル
「ATACMS」
の7倍以上で、ウクライナ領内から発射すると、モスクワやロシア中部の都市も射程に入る。
米当局者は、全く実現不可能な要求だとして、勝利計画に憤りを示したという。
計画には、勝利に必要な兵器の数量や種類に関するリストが盛り込まれているが、詳細は公表されていない。(共同)

北朝鮮兵がウクライナ入りか CNN報道 バイデン大統領「反撃すべき」
2024/10/30 7:23
https://www.sankei.com/article/20241030-Q6EAWEFEDJLA7GUSP7YWV6U2TA/
米CNNテレビは2024年10月29日、少数の北朝鮮兵がウクライナ国内に入ったと報じた。
西側当局者2人の話としている。
ロシアに派遣された北朝鮮兵の一部の可能性がある。
ウクライナのどこに入ったのかは不明。
当局者の1人は
「相当数が活動を開始しているようだ」
と語った。
活動の詳細には言及していない。
CNNによると、米当局者は北朝鮮兵のウクライナ入りを確認していないと述べた。
バイデン大統領は2024年10月29日、北朝鮮兵がウクライナに入ったなら、ウクライナは反撃すべきだと記者団に述べた。
ロシアに派遣された北朝鮮兵は極東で訓練を受けた後、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に向かったとされる。
ゼレンスキー大統領は2024年10月29日、韓国の尹錫悦大統領との電話会談で、北朝鮮兵3000人が既にウクライナ国境近くに配置され、今後約1万2000人に達する見込みだと伝えていた。(共同)

ロシアが戦略核演習実施、プーチン氏「臨戦態勢が重要」 ウクライナと欧米を威圧
2024/10/29 23:01
https://www.sankei.com/article/20241029-PPA2GGVROZODFKWFYHWTOEPZZI/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月29日、戦略核兵器の発射を想定した露軍の演習にリモート形式で参加した。
プーチン氏は訓示で、核兵器の使用は最終手段であるとする
「ロシアの原則的立場」
を確認した一方、
「地政学的緊張や新たな外部からの脅威を考慮すれば、現代的で常に臨戦態勢にある戦略軍を保持することが重要だ」
と表明した。
ウクライナ侵略を続けるロシアは核兵器を使用する可能性を排除しないことで、ウクライナや同国を支援する欧米諸国を威圧し、抗戦を断念させたい思惑だとみられる。
プーチン氏によると、演習は核弾頭を搭載する弾頭ミサイルや巡航ミサイルの発射手続きに携わる人員の習熟を目的として実施された。
露国防省は2024年10月29日、演習の一環として、北西部プレセツク宇宙基地から極東カムチャツカ半島の標的に大陸間弾道ミサイル(ICBM)
「ヤルス」
を発射したと発表。
バレンツ海とオホーツク海でも戦略原潜が弾道ミサイルを発射した他、戦略爆撃機による巡航ミサイルの発射も行われたとした。
ロシアは2024年5月以降、戦術核兵器の発射や使用の習熟に向けた演習を実施。
更にプーチン氏は2024年9月、核兵器の使用指針を定める国家文書
「核抑止力分野における国家政策の基礎」
を改訂し、事実上、核使用のハードルを引き下げる方針を示していた。

北朝鮮兵力3000人が戦闘地近くに展開 韓国大統領、ウクライナに攻撃兵器供与も示唆
2024/10/29 20:23
https://www.sankei.com/article/20241029-2ICLZID7ZZNSRKR7C3P4YMMZOM/
ウクライナのゼレンスキー大統領と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月29日、電話会談し、北朝鮮のロシア派兵を巡る対応策を協議した。
ゼレンスキー氏は、戦闘地域近くのロシアの訓練拠点に北朝鮮の兵力約3000人が配置されたとの情報を伝え、駐屯規模は約1万2000人まで増えるとの見通しを示した。
尹氏は北朝鮮の部隊が戦場に投じられるなどした場合、
「実効的、段階的な対応措置を取っていく」
と述べ、今後の攻撃用兵器供与の可能性も示唆した。
現代戦の経験が乏しい北朝鮮が
「実戦で得た経験を朝鮮人民軍全体に習得させれば、韓国の安全保障に大きな脅威となる」
とも強調した。
両首脳は、具体的な協力策を協議するため、近く相互に代表団を派遣することで一致した。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、朝鮮人民軍の高級将校を含む一部の兵力が前線に移動している可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
露メディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日、ロシア公式訪問のため、極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワで露外務省高官と会談する。
国情院は、崔氏がロシアとの協議で追加派兵や見返りなどに関して協議するとの見方を報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になる可能性がある。

ロシア軍が歴史的建築「デルジプロム」の一部破壊 ウクライナ東部ハリコフを攻撃
2024/10/29 18:56
https://www.sankei.com/article/20241029-4HOXJB2IVFJ4HN2OP4PT7YV33M/
ロシア軍は2024年10月28日、ウクライナ東部ハリコフ市中心部を誘導爆弾で攻撃し、1920年代に完成した歴史的建造物
「デルジプロム」
の一部を破壊した。
旧ソ連で最初の高層建築とされ、第2次大戦中のナチス・ドイツの占領下にあっても大きく破壊されなかったことで知られる。
ハリコフは1934年まで旧ソ連ウクライナ共和国の首都。
当時、デルジプロムに多くの行政機関が置かれた。
2017年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産への暫定リストに記載された。
ウクライナ当局によると、2024年10月28日夜から29日未明にかけてのハリコフ市への攻撃で、4人が死亡し複数の負傷者が出た。
また、ロシア軍が2024年10月に制圧した面積は約478平方キロに達し、月間としては侵攻開始直後の2022年3月以降、最大となった。
フランスメディアが米戦争研究所のデータを基に分析した。
東部ドネツク州ポクロウシクやハリコフ州クピャンスク周辺でロシアが前進したことが影響した。(共同)

北朝鮮軍将校ら一部兵力前線入りか 韓国分析「予想より早い」 北の外相は訪露
2024/10/29 17:46
https://www.sankei.com/article/20241029-24S5URBTJNMBZEQ554D55GPBKA/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月29日、ウクライナを侵略するロシアへの北朝鮮の朝鮮人民軍の派兵に関し、高級将校を含む一部の兵力が既に戦闘の前線に移った可能性があるとの見方を示した。
報告を受けた国会議員が記者団に明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、北朝鮮の軍部隊がロシア西部の激戦地、クルスク地域に展開したことを確認したと発表していた。
ウクライナ当局は北朝鮮の兵力約1万2000人が既にロシアに入ったと分析。
国情院は当初、北朝鮮の兵力の戦線投入は2024年12月初め頃までかかるとの見方を示していたが、派兵の動きを韓国などに公表されたことを受け、露朝が移動のペースを引き上げたとみている。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2024年10月28日、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長との電話会談で
「北朝鮮の軍の戦線投入が予想より早く行われる可能性があり、厳しい状況だ」
と説明した。
露朝両国のメディアによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は2024年10月29日に露極東ウラジオストクに到着。
2024年10月30日にモスクワを公式訪問する。
国情院はロシア側と追加の派兵や派兵に対する見返りなどに関し協議する可能性があると報告した。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の訪露が議題になるとの観測も出ている。

北朝鮮軍、ロシアのクルスク地域に展開 NATO事務総長が確認 韓国代表団の説明受け
動画
2024/10/28 22:02
https://www.sankei.com/article/20241028-LE6ICP654NODLEGXYQHDBDIQ5A/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月28日、ロシアによるウクライナ侵略に関し、ロシアに派遣された北朝鮮の軍部隊が露南部クルスク地域に展開したことを確認したと明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行う同地域では、ロシアとの間で激しい戦闘が続いている。
ブリュッセルのNATO本部での臨時会合で、韓国情報機関の国家情報院(国情院)や同国国防省の高官から派兵の実態について説明を受けた後に声明を発表した。
ルッテ氏は、北朝鮮の派兵は
「ロシアの不法な戦争を大きくエスカレートさせるものだ」
とし、露朝に対して一連の行動を即時停止するよう要求した。
北朝鮮による派兵は、露朝の軍事協力が強化されることで朝鮮半島の平和を損ねると共に、ウクライナ戦争を激化させる意味で
「インド太平洋地域と欧州・大西洋地域の両方への脅威だ」
とも指摘した。
ルッテ氏はまた、ウクライナ戦争で露軍兵士の死傷者数は60万人以上に上ったとし、北朝鮮への派兵要請は
「プーチン露大統領が外国の支援なしには戦争を継続できない、切羽詰まった状態に陥っていることを示すものだ」
と強調した。
ルッテ氏は、NATOが事態の対応に向けてウクライナやインド太平洋地域の友好国と引き続き緊密に連携していくと表明した。
会合には日韓とオーストラリア、ニュージーランドの大使も参加した。

ゼレンスキー氏「北朝鮮との戦い強いられる」 支援国に「強い決断不足」と不満訴え
2024/10/27 7:33
https://www.sankei.com/article/20241027-EXGHKOI3DZIETP63TBQA6YGPK4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日の声明で
「欧州で北朝鮮との戦いを強いられる」
と危機感を示し、ウクライナ支援国の
「力強い決断の不足」
がロシアを増強させていると訴えた。
ロシア領への長距離攻撃の容認が米欧から得られない現状への不満があるとみられ、
「言葉だけではない具体的な行動」
を支援国に求めた。
声明でロシアによる市民への攻撃も批判。
ウクライナメディアによると、東部ドニエプロペトロフスク州ドニプロで25日、ミサイル攻撃で子供を含む5人が死亡した。
キーウ(キエフ)でも25日、複数の無人機による攻撃があり、高層マンションの上層で火災が発生。
10代の少女が死亡した。(共同)

金正恩氏側近が部隊統括 キム副参謀長、ロシア入り 数千人の北朝鮮派遣軍が到着か
2024/10/26 22:33
https://www.sankei.com/article/20241026-QE6JLAVXARPSTIKXG7ZCYV6RZQ/
ロシアに派遣された北朝鮮軍部隊の統括役として、朝鮮人民軍総参謀部のキム・ヨンボク副総参謀長がロシアに入国したことが26日、ウクライナ軍筋の話で分かった。
キム氏は
「暴風軍団」
の異名を取る特殊部隊の第11軍団のトップなどを歴任し、金正恩朝鮮労働党総書記の軍側近の1人。
同筋によるとウクライナ当局はロシア軍が作成した北朝鮮派遣部隊の幹部リストを入手、キム氏は最上位に位置付けられていた。
金正恩氏は派遣部隊のトップに軍の側近を据えて、ロシアの侵攻に関与する姿勢を明確に示し、両国の軍事的連携を加速させる狙いとみられる。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに送られた北朝鮮兵は推計約1万2000人。
米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者複数の話として、26日までに数千人がウクライナが越境攻撃するロシア西部クルスク州に到着したと伝えた。
(共同)

<主張>BRICS会議 露の政治宣伝への加担だ
社説
2024/10/27 5:00
https://www.sankei.com/article/20241027-GLIRK45OUVL6RJ7STUVA25JYWE/
中国やロシアなど主要新興国で作る
「BRICS」
の首脳会議が、ロシア中部カザンで開かれた。
議長国ロシアにとって、2022年のウクライナ侵略開始後に主催する最大の国際会議である。
プーチン露大統領に、国際的孤立のイメージ払拭に利用する思惑があったのは疑いない。
国連憲章を踏みにじって侵略を続けるロシアに、30カ国以上もの代表が集まったことは異様かつ残念なことだった。
経済関係を深めたいという実利的な思惑を優先したのだろう。
だが、会議出席自体がロシアの政治宣伝への加担と言える。
非難は免れない。
出席した国々は、自国が侵略され、侵略してきた国での国際会議に各国が集う場面を想像したらどうか。
平和と目先の経済利益を交換してはならない。
BRICSのメンバー国は今年2024年、9カ国へ拡大した。
中露、南アフリカ、ブラジル、インドの5カ国に、イランやエジプトなど4カ国が加わった。
首脳会議が採択したカザン宣言は
「パートナー国」
資格の新設を支持し、13カ国が候補国となっている。
宣言は、ロシアへの制裁などを念頭に
「違法な制裁を含む一方的強制措置の破壊的影響を懸念する」
とした。
ウクライナ問題の平和的解決を目指す提案を評価するとも記したが、露軍撤兵には言及していない。
このような宣言は容認できない。
ロシアは直ちに侵略をやめなければならない。
プーチン大統領は、新興・途上国
「グローバルサウス」
の国々をBRICSに加え、先進7カ国(G7)への対抗軸にしたい意向だ。
首脳会議は
「公平な世界発展と安全のための多国間協力の強化」
を掲げ、中東やウクライナ情勢、米ドル決済に対抗する各国通貨決済の拡大などをテーマに話し合った。
だが、各国は同床異夢の状態である。
例えば、インドやブラジル、南アフリカは加盟国の拡大に慎重だ。
そのため、パートナー国新設が妥協策となった。
ロシアや中国が、BRICSを米欧との対抗軸として更に利用しようとすれば軋轢が高まる可能性がある。
日本などG7各国は、BRICSに惹かれる国々に、ウクライナ侵略を後押しする行動を控えるよう働き掛けるべきだ。

G7が7.6兆円のウクライナ支援で合意 年内に融資開始、ロシアの凍結資産を活用
2024/10/26 16:19
https://www.sankei.com/article/20241026-VSKIGKP2I5NGXMH3PTOGJVUIBQ/
日米欧の先進7カ国(G7)は2024年10月25日、ロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援について最終合意した。
2024年年内に融資による約500億ドル(約7兆6000億円)の支援を開始する。
G7首脳は共同声明を発表し
「ロシアは違法な侵略戦争を終わらせ、ウクライナの損害を賠償しなければならない」
と強調した。
G7が改めて対ロシアで結束する姿勢を示した一方、ロシアは中国など主要新興国で構成するBRICSの枠組みを巻き込み、非欧米陣営で対抗する構えを見せている。
G7は各国が個別に融資契約を締結し、ウクライナの資金需要に応じて2024年12月1日から2027年末までの間に分割で融資する。
融資はロシアの凍結資産から生じる利益で返済し、ウクライナに返済義務は生じない。
支援の詳細は近く公表する。
G7などが凍結したロシアの資産は約2800億ドルに上る。
G7は2024年6月の首脳会議で支援を決め、融資条件や返済方法など詳細を協議していた。(共同)

北朝鮮「労働新聞」、ロシアへの派兵を伝えず 国外向けの朝鮮中央通信は報道
2024/10/26 13:51
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/
ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-WRTZCPVEMFOGHBIZGK37AOLHLA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
北朝鮮の国内向けメディアである朝鮮労働党機関紙、労働新聞は2024年10月26日、同国外務省のロシア担当次官がロシアのウクライナ侵略を支援するための派兵を否定しなかったとの見解を報じなかった。
国外向けの朝鮮中央通信は2024年10月25日夜に伝えていた。
北朝鮮の住民には派兵の問題を知らせていないことになる。
担当次官は、北朝鮮から派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だ」
と主張。
ただ明確な事実確認は避けた。
2024年10月26日の労働新聞は1面トップに、朝鮮戦争に中国人民義勇軍が参戦したとされる日から74年となる2024年10月25日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が平壌市内の記念碑に花輪を送ったとの記事を掲載。
他に崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が2024年10月25日、訪朝したベトナム外務次官率いる代表団と会談したことや、外務省の対外政策室長が米韓の軍事訓練を談話で批判したことを伝えた。(共同)

北朝鮮のロシア派兵にEUでも懸念「欧州安保に直接影響」 外交官呼び出して抗議も
2024/10/26 9:55
https://www.sankei.com/article/20241026-GZM5L4DP6RLLDHRAAPQ52AYM7E/
ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が兵士を送ったことで、欧州にも危機感が広がった。
2024年10月25日にはドイツ、フランス両国がそれぞれ
「紛争をエスカレートさせる」
と懸念を表明。
欧州連合(EU)では北朝鮮と国交を持つ国が多く、北朝鮮外交官を呼び出し、直接抗議する動きも出ている。
ドイツ公共放送ARDによると、ショルツ独首相は2024年10月25日、訪問先のインドで、北朝鮮兵のロシア派遣を
「過小評価すべきではない」
と述べた。
「紛争をエスカレートさせる動きである一方、プーチン露大統領が苦境に立っていることの表れでもある」
との見方を示した。
フランス外務省は2024年10月25日の声明で、
「欧州の安全保障に直接影響をもたらす敵対的行為だ」
として北朝鮮を非難した。
ロシア軍に北朝鮮兵が加わることで紛争が国際化し、更なる激化に向けた新段階になり得ると警告した。
ドイツとオーストリア両国の外務省は2024年10月23日、それぞれの国内に駐在する北朝鮮外交官を呼び出した。
オーストリアは
「北朝鮮大使に我々の深刻な懸念を伝えた」
と発表した。
ドイツは旧東独時代から北朝鮮との国交を維持しており、中立国オーストリアも大使を交換している。
EUは2024年10月24日の声明で、北朝鮮に
「違法戦争への支援をやめよ」
と要求した。
ロシアについては
「交渉の意欲があると言いながら、永続的な和平構築には関心がないことを露呈した」
と批判した。
EUはまた、北朝鮮とロシアの関係緊密化で、欧州とインド太平洋の安全保障は緊密に結び付いていることが示されたとし、パートナー国との連携の重要性を訴えた。

北朝鮮のロシア派兵は「戦争の影響をインド太平洋に拡大」と非難 日米韓高官協議
2024/10/26 9:02
https://www.sankei.com/article/20241026-XONYOYCYHRN5LPMCGYRHE75SIU/
日米韓3カ国は2024年10月25日、安全保障を担当する高官協議を米ワシントンで開き、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が派兵したことへの
「重大な懸念」
を表明し、
「ロシアの違法な戦争の影響をインド太平洋に拡大させるだけだ」
と非難した。
日米韓協力の促進に向け3カ国首脳会談の早期開催を目指すことを確認した。
協議にはサリバン米大統領補佐官、日本の秋葉剛男国家安全保障局長、韓国の申源G(シン・ウォンシク)国家安保室長が参加した。
国連安全保障理事会の決議に違反する北朝鮮のロシアに対する弾道ミサイルや武器の支援も批判し、露朝に軍事協力をやめるよう求めた。
北朝鮮の完全な非核化に向けた
「緊密な連携の重要性」
を確認。秋葉氏は日本人拉致問題への協力を求め、米韓から支持を得た。
日米韓で昨年2023年12月に始動した北朝鮮の弾道ミサイル情報を即時共有するシステムや、共同訓練などの防衛協力が進んでいることを歓迎した。
また、東・南シナ海で軍事圧力を強める中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更への試みに強い反対」
を表明。
「台湾海峡の平和と安定の維持の重要性」
を確認し、中国を牽制した。
2024年11月5日の米大統領選を受けて来年2025年1月に新政権が発足することを踏まえ、安保分野の日米韓連携を今後も進めていくことも確認した。
サリバン氏は秋葉氏と個別に会談。
秋葉氏は石破茂政権の外交・安保政策の最優先事項として
「日米同盟の強化」
を掲げていることを説明した。
サリバン氏は申氏とも個別会談した。

<産経抄>北朝鮮のロシア派兵 兵士大量脱走の可能性も
2024/10/26 5:00
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https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/
18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241026-TH6SQ75HINJGTPMTBVI3V5PQSE/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」。
林芳正官房長官、岩屋毅外相、中谷元(げん)防衛相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮によるロシアへの派兵について異口同音に述べた。
どうやら政府内で、質問にはこう答えると打ち合わせ済みだったのだろう。
▼韓国の情報機関、国家情報院は既に
「北特殊部隊の暴風軍団を含む4個旅団1万2000人以上の兵力がロシアに派遣される」
と正式に発表している。
極東情勢にも重大な影響を及ぼしかねない事態であり、閣僚らが慎重な物言いになるのも当然かもしれない。
▼ただ、北では1990年代後半の大飢饉後、食料などの配給制が崩れ、それ以降に育った世代は「金王朝」から恩恵を受けていない。
従って元々忠誠心は薄い上に、韓国ドラマなどを通して韓国の豊かさも広まってきた。
遠い異国の地で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記のために命懸けで戦えといわれても、士気は上がるだろうか。
▼ウクライナの報道機関は、脱走した北兵士18人が、ロシア当局に拘禁されたと伝えている。
数日間食糧を与えられなかったため、陣地を離れたとのことだが、確かに腹が減っては戦ができない。
これから寒い冬を迎えるとあっては、尚更だろう。
▼韓国紙、朝鮮日報によるとウクライナ軍は北兵士に対して
「投降せよ! ウクライナは休息できる空間、食事、暖かさを提供する」
と投降や亡命を呼び掛け始めた。
本国でもロシアでも飢えに苦しむ北兵士にとってかなり魅力的な提案なのではないか。
▼北がロシアが求める派兵をこれまで渋ってきたのは、兵士の脱走を恐れたためだとの説もある。
もしそれが現実のものとなれば、金総書記にとって大打撃となろう。

北朝鮮、ロシア派兵否定せず 外務省次官が「確認する必要を感じない」と見解
2024/10/25 22:20
https://www.sankei.com/article/20241025-BREZ3DSU25MUNC2SEYTWIB3NE4/
北朝鮮の朝鮮中央通信は2024年10月25日夜、外務省のキム・ジョンギュ・ロシア担当次官が、ロシアのウクライナ侵攻を支援するための派兵に関し
「確認する必要を感じない」
との見解を示したと伝えた。
派兵があったとすれば
「国際法規に則した行動だろう」
とも述べた。
派兵を否定しなかった。
キム氏は同通信の質問に答える形で、各国のメディアが派兵について報じていることに注意していると説明。
所管は国防省であり、外務省は直接的に関与していないとした。
更に、派兵が違法行為であるように伝えたい勢力が
「間違いなく存在するだろう」
とも主張した。(共同)

「プーチン氏が停戦模索」とトルコ大統領 首脳会談でウクライナ産穀物輸出など話し合い
2024/10/25 21:56
https://www.sankei.com/article/20241025-ZXMGISQYT5JI7BQAQPCW6Y3TZY/
トルコのエルドアン大統領は、ロシアのプーチン大統領と2024年10月23日に行った会談を巡り、同氏が
「恒久停戦実現を模索していると感じた」
と述べた。
トルコメディアが2024年10月25日伝えた。
ウクライナ情勢を協議し、黒海を通じたウクライナ産穀物輸出や機雷撤去、捕虜交換などについて話し合ったという。
ロシア中部カザンで開かれたBRICS首脳会議後の機中で記者団に語った。
トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、ロシアと友好関係を続け、BRICS加盟を希望しているとされる。
エルドアン氏はBRICSとの協力を強化し
「双方に利益をもたらす」
と訴えた。
中国の習近平国家主席のトルコ訪問にも期待を示した。
黒海経由の穀物輸出について、ロシア、ウクライナ双方は2022年、トルコと国連の仲介により輸出再開で合意したが、ロシアは2023年に離脱した。
エルドアン氏は度々プーチン氏に合意復帰を働き掛けている。(共同)

親露派「ハクティビスト」が日本を標的に攻撃呼びかけ 衆院選投開票日にも注意
2024/10/25 18:57
https://www.sankei.com/article/20241025-4JVJMMXADNIMLPVWE3X4NV5VYI/?outputType=theme_election2024
ウクライナ支援国に対するサイバー攻撃を行う親ロシア派の
「ハクティビスト」
が、日本への攻撃も活発化させている。
衆院選公示日2024年10月15日に、自民党公式ホームページ(HP)が閲覧できなくなり、グループが攻撃したとの声明を出した。
ハクティビスト同士が連携して攻撃を繰り返す傾向もあり、27日の衆院選投開票日の攻撃も懸念されている。
■自民党にDDoS攻撃、犯行声明
自民党のHPが狙われたのは公示日の2024年10月15日午後4時半頃だった。
大量のデータ送信でシステム障害を引き起こす
「DDoS(ディードス)攻撃」
が仕掛けられたとみられ、衆院選の特設サイトにも繋がるトップページが表示されない状態に陥った。
復旧までには、約5時間を要したという。
その後、ハクティビストグループ
「NoName(ノーネーム)057(16)」
が交流サイト(SNS)上で犯行声明を出した。
ハクティビストは、オンライン上でコンピューターに攻撃を加えるハッカーと、活動家を意味する「アクティビスト」を掛け合わせた造語。
ロシアによるウクライナ侵略が始まって以降、親ロシア派のハクティビストがウクライナや支持国へのサイバー攻撃を活発化させている。
■日商、日弁連、造船企業や銀行も標的
トレンドマイクロの調査によると、このNoName057(16)は近年、活発な活動がみられる。
DDoS攻撃を中心にし、攻撃を仕掛けることができるソフトなどのツールを支援者にも配布し、支持者に攻撃を協力させている。
日本への攻撃は2024年9月18日以降、断続的に行っているとみられる。
これまでに自らの攻撃だと報告しているのは、自民の他、日本商工会議所や日本弁護士連合会、北海道に関連する造船企業や青森の銀行などがある。
■日米合同軍事演習への抗議も
トレンドマイクロによると、今月2024年10月下旬に自衛隊と米軍がロシア国境付近の北海道などで実施予定の合同軍事演習についての抗議のために日本を標的にしているという。
また、別のハクティビストグループも日本への攻撃を表明。
ただこのグループは、攻撃表明した企業が実際は被害を受けていないケースも確認されるなど、声明の信憑性は高くない。
トレンドマイクロは、衆院選の投開票日も狙われる可能性もあるとして、注意を呼び掛けている。

情報セキュリティー会社、トレンドマイクロの岡本勝之氏の話
ハクティビストは自分たちの主張を広めることが目的だ。
実際に攻撃しているか信用できない部分もあり、投稿を拡散しない方がよい。
万が一、標的とされた場合でも被害を低減させるための対策が必要だ。
サービスを提供していない国のIPアドレスからのアクセスを制限したり、サーバーを分散して攻撃を緩和したりするなど、事前に対策を講じておくことが重要となる。

ロシア入りした北朝鮮兵は「弾除けの傭兵にすぎない」 派兵を秘匿…精鋭部隊の特異な実態
2024/10/25 18:40
https://www.sankei.com/article/20241025-BAYY3ILPHBPTVHBMOUYQ7LKCME/
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアに派遣したのは、朝鮮人民軍の精鋭特殊部隊とされる。
だが、韓国当局の分析からは、北朝鮮内で派兵について固く秘匿されるなど、特異な対応が取られている実態も浮かび上がってきた。
■露軍統制下で作戦権限なし
「弾除けの傭兵に過ぎない」。
韓国の金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相は2024年10月24日、国会で北朝鮮の派兵部隊をこう表現し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が
「軍隊を違法な侵略戦争に売り渡した」
「自身の独裁体制を強固にするためだ」
と非難した。
派兵は本来、派遣国の指揮体系を維持し、その国の軍服や国旗を明示する。
だが、北朝鮮の部隊はロシア軍の軍服を着て露軍将兵に偽装し、
「露軍の統制下で何の作戦権限もなく言われるまま動いている」。
金国防相はこのため、
「傭兵」
と表現したのだという。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は、北朝鮮が派兵の対価として1人当たり2000ドル(約30万円)相当を得るとの見方を示し、見返りに経済難の打開や朝鮮半島有事でのロシアの介入を期待していると北朝鮮の思惑を分析した。
■現代戦の理解不足、死傷者多発か
露朝首脳は6月、両国の一方が戦争状態となった際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名したが、露下院が条約批准を可決したのは今月2024年10月24日だ。
露朝は条約の発効を待たずに、いわば密約≠フ形で派兵準備を進めてきたことになる。
派兵されたのは
「暴風軍団」
とも呼ばれる精鋭部隊とされる。
ただ、韓国当局では、北朝鮮が主に10〜20代の新米兵を派兵したとの見方も出ている。
国会では、ウクライナ側が公開した北朝鮮兵とされる映像を見た議員から
「体格は小さく、あどけない」
との指摘があった。
国情院は、北朝鮮が派兵の噂が国内で拡散しないよう厳しい情報統制を敷いていると報告した。
だが、派兵部隊に選抜された兵士の家族が
「嗚咽(おえつ)して顔がやつれた」
との話が出回り、兵士らの家族を集団移住させ、隔離しようとする動きがあるとも説明した。
国情院は、兵士らは体力があり士気は高いものの、無人機からの攻撃など現代戦への理解が不足しており、戦線に出れば死傷者が多数発生するとのロシア側の予想も明らかにした。
派兵部隊に実際に多数の死傷者が出て北朝鮮内にその情報が伝われば、金正恩体制にとっての不安定要素となる可能性も否定できない。

北朝鮮によるロシアへの派兵「信じるに足る情報を確認」 岩屋毅外相
2024/10/25 12:00
https://www.sankei.com/article/20241025-TRJGENQ3B5K47LJUNGALBMOOBY/
岩屋毅外相は2024年10月25日の記者会見で、北朝鮮の兵士がロシアに派遣されているとの情報について
「米国、韓国とも協力して関連情報の収集、分析を進めた結果、北朝鮮が兵士をロシア東部に派遣し、軍事訓練に関与していると信じるに足る情報が確認された」
と述べた。
その上で岩屋氏は
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
と指摘し、引き続き関連情報の収集、分析を進める考えを示した。

中谷防衛相「北朝鮮がロシア東部へ派兵」 政府分析、ウクライナ侵略に加担懸念
2024/10/25 11:35
https://www.sankei.com/article/20241025-RMP7GMNFYVIALNRJOGHLOMOAMQ/
中谷元防衛相は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵に関し、米国などと協力して情報の収集、分析を進めた結果、
「北朝鮮の兵士がロシア東部へ派遣され、訓練を行っているものと考えている」
との認識を示した。
その上で
「ウクライナ侵略に加担する可能性を含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
中谷氏は、ロシアと北朝鮮による軍事協力の進展が、ウクライナ情勢の更なる悪化を招くだけでなく、日本周辺の安全保障環境にも影響を与えると指摘し、
「深刻に憂慮すべきだ」
と強調した。

林官房長官、ロシアへの北朝鮮の派兵「深刻な懸念、憂慮すべきもの」
2024/10/25 11:33
https://www.sankei.com/article/20241025-BUSKMSTUGFKEFBP2TAFDU7P6NU/
林芳正官房長官は2024年10月25日の記者会見で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの北朝鮮による派兵について
「ウクライナ侵略に加担する可能性も含め、深刻な懸念を持って注視している」
と述べた。
「最近の露朝軍事協力の進展の動きはウクライナ情勢の更なる悪化を招くのみならず、我が国を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも深刻に憂慮すべきものだ」
とも語った。

「北朝鮮軍が戦闘地域入り」ロシア西部クルスク州 ウクライナ発表 極東で訓練終え
2024/10/25 11:28
https://www.sankei.com/article/20241025-4GV5AE2ZCFP65IRBTRTC2EEQ4U/
ロシアによるウクライナ侵略への北朝鮮軍の参戦を巡り、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、露極東での軍事訓練を終えた北朝鮮軍部隊の第1陣が戦闘地域に派遣されたことが確認されたと発表した。
場所はウクライナ軍が越境攻撃で一部を占領下に置いている露西部クルスク州で、2024年10月23日に確認されたとした。
情報総局は、ロシアに入国した北朝鮮軍の規模が
「約1万2000人」
だと推計されていると指摘。
その中には3人の将官と500人の士官も含まれているとした。
また、ロシアが北朝鮮軍兵士に弾薬や寝具、冬着、靴、トイレットペーパー、石鹸など衛生用品を配給しているとも報告した。
ロシアへの北朝鮮軍の入国はこれまでにウクライナや米国、韓国が確認。
一方、ロシアは虚偽だと主張している。

プーチン露大統領「われわれの問題」 北朝鮮軍の露入国を否定せず BRICSの拡大も
2024/10/25 9:50
https://www.sankei.com/article/20241025-ROYHNQYRU5M65A6R3YGBAHRV7Y/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月24日、中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICS」の首脳会議が同日、露中部カザンで閉幕したことに合わせ、記者会見を開いた。
北朝鮮軍がロシアに入国し、ロシア側でウクライナ侵略に参戦する可能性があるとする情報の真偽に関する質問に対し、
「私たち(露朝)が何をどうするかは私たちの問題だ」
と述べ、明確に否定しなかった。
「北朝鮮軍の露入国が衛星写真で確認されている」
「紛争の激化ではないか」
とする米メディアの質問に答えた。
プーチン氏は、ロシアが対ウクライナ軍事作戦を始める以前から、北大西洋条約機構(NATO)諸国がウクライナを
「武装化」
してきたと指摘。
現在の戦場でもNATOの軍人がウクライナに供与した兵器の運用に携わるなど
「(紛争に)直接参加している」
とし、
「紛争を激化させてきたのは欧米側だ」
と主張した。
その上で、露朝が事実上の軍事同盟条約となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を結んだことに言及。
条約に基づき露朝は連絡を取り合い、行動していくとした。
会見でプーチン氏は、BRICSの拡大を視野に
「パートナー国」
資格の新設を支持したことにも言及。
パートナー国候補のリストは合意済みだとし、今後、各国に招待状を送り、同意を得た上で公表するとした。
ロシア側はパートナー国候補を
「13カ国」
だと説明。
一部メディアは、
トルコ▽インドネシア▽アルジェリア▽ベラルーシ▽キューバ▽ボリビア▽マレーシア▽ウズベキスタン▽カザフスタン▽タイ▽ベトナム▽ナイジェリア▽ウガンダ
だと報じている。

訓練終えた北朝鮮部隊がロシア西部クルスク州に到着 プーチン氏、派兵否定せず
2024/10/25 6:44
https://www.sankei.com/article/20241025-FNEQQCKYSZPHLNIM736AMAB5IY/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、ロシア東部で訓練を終えた北朝鮮軍部隊が、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
プーチン大統領はロシア中部カザンでの記者会見で、北朝鮮の派兵について問われ、否定しなかった。
プーチン氏は会見で、衛星画像などを根拠に韓国や米国が北朝鮮兵士がロシアに派遣されたと主張していることに関して
「画像というのは重要なものだ」
「何かを反映している」
と述べた。
ロ朝両首脳は2024年6月、有事の軍事援助を定めた包括的戦略パートナーシップ条約に署名。
プーチン氏は、条約に基づき
「北朝鮮指導部が真剣に対応していることを疑ったことがない」
と強調した。
武力侵攻を受け戦争状態になった場合の軍事援助を明記した条約第4条に言及し
「この条文の枠内で何をどのようにするかは我々の問題だ」
と指摘した。

北朝鮮部隊がロシア西部クルクス州に到着、ウクライナ国防省が発表 人数は不明
2024/10/25 1:24
https://www.sankei.com/article/20241025-5WIUQXNGC5IWJDG7TI2KD5BYBA/
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、北朝鮮の軍部隊が同日までにロシア西部クルスク州に到着したと発表した。
人数は不明。
一方、米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、西部に向かった約2000人はクルスク州か、同じくウクライナ国境に接するロストフ州に向かっている可能性がある。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
先遣隊は士官ら約10人で構成。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。
2000人の到着は確認されていない。(共同)

北朝鮮派兵に懐疑的 ロシア同盟国のベラルーシ大統領「プーチン氏の性格知っている」
2024/10/24 21:25
https://www.sankei.com/article/20241024-FBDJDU75E5IMFLFCYVGGUAOB2U/
英BBC放送は2024年10月24日までに、ロシアの同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領のインタビューを伝えた。
北朝鮮の兵士がウクライナ侵攻を続けるロシアに派遣されたとの情報について
「プーチン大統領の性格を知っているが、彼は如何なる国の軍隊にも特別軍事作戦に引きこむような説得を決してしない」
と述べ、懐疑的な見方を示した。
2024年10月23日に滞在先のロシア中部カザンで答えた。
一方で北朝鮮兵が実際にロシアに派遣されていれば
「それはエスカレーションへの一歩だ」
と指摘した。
ルカシェンコ氏はベラルーシに対しては、プーチン氏だけでなくショイグ前国防相もベロウソフ国防相も、侵攻支援のためにベラルーシ軍を派遣するように要請したことはないと語った。(共同)

ウクライナ、露派兵の北朝鮮兵に動画で投降呼びかけ 「意味なく死んではいけない」
2024/10/24 21:17
https://www.sankei.com/article/20241024-TC2LFFARWBJJ3BJLOXXI5CLEYU/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、早くも朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味もなく死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が写り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮兵にも対象を拡大し、準備を進める。
ウクライナ軍筋によると、ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動。
米政府も少なくとも3000人の北朝鮮兵が、ロシアで訓練を受けていると発表している。(共同)

北朝鮮兵2000人がロシア西部へ 先遣隊準備とウクライナ軍 東部で訓練、米国が確認
2024/10/24 19:56
https://www.sankei.com/article/20241024-DLZLPODWYBPHBH5OETPSGBXILA/
ロシア東部の演習場で訓練を終了した北朝鮮兵約2000人が、ウクライナ国境に近いロシア西部に向けて列車などで移動していることが2024年10月24日、分かった。
ウクライナ軍筋が共同通信に明らかにした。
ウクライナが越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州には2024年10月初め頃、北朝鮮軍の士官らが先遣隊として入り、受け入れ準備を進めていることも判明した。
ロシア国内で訓練を終えた北朝鮮軍の具体的な動きが判明したのは初めて。
約2000人はクルスク州かロシア南部ロストフ州に向かっている可能性がある。
米政府は2024年10月23日、2024年10月上旬〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人が、ロシア東部の複数の軍事施設で訓練を受けていると発表した。
ウクライナ軍筋によると、先遣隊は士官ら約10人で構成されている。
クルスク州では、北朝鮮兵を受け入れる拠点の確保や通信網の整備の他、周辺の安全確認などを行っているとみられる。(共同)

米、北朝鮮の約3000人派兵確認 ロシア東部基地で訓練後参戦へ 「インド太平洋情勢に影響」懸念
2024/10/24 8:18
https://www.sankei.com/article/20241024-JBJ67JKKNVK7VIM3YZ3YIDKNFE/
バイデン米政権は2024年10月23日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵略を支援するためロシアに約3000人の部隊を派兵したとの調査結果を明らかにした。
部隊は露東部の基地で訓練を受けているとし、兵力の消耗が激しい露軍の補充として戦線に投入されるとみている。
インド太平洋地域の安全保障に影響が生じる可能性もあるとみて、同盟諸国と監視を強化する構えだ。
ウクライナの最大支援国の米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国などと、北朝鮮参戦の実態把握を続ける。
韓国情報機関の国家情報院も2024年10月23日、朝鮮人民軍3000人規模が派兵されたと明らかにした。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、北朝鮮の部隊約3000人が2024年10月中旬に北朝鮮の元山から露極東ウラジオストクに船で輸送され、戦闘訓練を受けていると指摘。
訓練が終了すれば露西部に移動しウクライナ軍との戦闘に参戦する可能性があると述べた。
カービー氏はまた、北朝鮮の派兵は2022年2月にロシアが開始したウクライナ侵略の
「劇的な変化だ」
と指摘。
同盟諸国と対応を協議し、今後更なる情報開示を行うと共に、制裁を含む対抗措置を明らかにすると述べた。
カービー氏は更に、北朝鮮の参戦は、戦場における露軍の激しい兵力損失と、それに伴う北朝鮮との軍事協力の進展を明示していると指摘。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が実際に流血の伴う兵力提供に応じたことで、ロシアから軍事上の見返りを得る可能性があるとし、ウクライナ情勢に加え
「インド太平洋地域に安全保障上の影響が生じる」
との懸念を示した。

ロシアの北朝鮮兵に投降呼びかけ ウクライナ、朝鮮語で動画
2024/10/24 7:04
https://www.sankei.com/article/20241024-2RKSKSE6OBJPLK4S22GXV57GME/
ウクライナ当局は2024年10月23日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために派兵されたとされる北朝鮮兵士に向け、朝鮮語で投降を呼びかける動画を公開した。
「外国の地で意味も無く死んではいけない」
と強調。
ベッドや食事を盛り付ける様子が映り、投降すれば
「安全な場所で食事と医療が提供される」
と訴えている。
動画を公開したのはウクライナ当局がロシア兵の投降推進を目的に運営する
「私は生きたい」
プロジェクト。
投降希望者を対象に24時間態勢の電話相談窓口を設置し、捕虜の人道的扱いを定めたジュネーブ条約に基づく対応を約束してきた。
北朝鮮の派兵を巡っては、ウクライナや韓国、米国がロシアへの移動を確認。
カービー米大統領補佐官は2024年10月23日の記者会見で、今月2024年10月上〜中旬にロシアに渡航した北朝鮮兵少なくとも3000人がロシアの複数の軍事施設で訓練を受けているとの分析を表明した。
訓練後、戦地に向かう可能性がある。(共同)

北朝鮮のロシア派兵、米国も確認 国防長官「証拠ある」 実態把握急ぐ
2024/10/23 21:48
https://www.sankei.com/article/20241023-SW4E4LOS7BLCHMGFGDQZRTOFDY/
オースティン米国防長官は2024年10月23日、北朝鮮がロシアによるウクライナへの侵略を支援するためロシアへ地上部隊を派兵した
「証拠がある」
と述べた。
バイデン政権は同盟諸国と共に、北朝鮮軍の派兵の事実関係を調査しており、米政府として北朝鮮の参戦を認めたのは初めて。
ロイター通信によると、オースティン氏は訪問先のイタリア・ローマで記者団に対し
「北朝鮮の部隊がロシアにいる証拠がある」
と述べ、派兵の具体的な目的や行動について情報を精査する必要性を強調した。
米政府は、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国、韓国の情報機関などと協議し、北朝鮮の派兵の実態の把握を急いでいる。
カービー大統領補佐官は2024年10月21日、
「事実であれば極めて憂慮すべき事態」
として、近日中に調査内容を明らかにする計画があると述べた。

ロシア入りした北朝鮮兵力3千人に 韓国情報機関分析「戦線投入時は多数の死傷者」
2024/10/23 19:34
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-AXQFOWRIZJKLPDR5HR3IAF3RQA/photo/N24OXH6ZGFK67EXHVMP752D4SY/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月23日、ウクライナへの侵略戦争に参戦するため、ロシア入りした北朝鮮の朝鮮人民軍の兵力が計3000人余りになったとの情報を明らかにした。
趙太庸(チョ・テヨン)国情院長から報告を受けた与野党議員が記者団に発表した。
国情院は、2024年12月頃には北朝鮮からの派兵総数が1万余りに達するとの見通しを示した。
国情院は2024年10月18日、特殊部隊の将兵ら約1500人が2024年10月8〜13日に露海軍の艦艇で露極東地域に移ったと発表していた。
新たに約1500人のロシア入りが確認された。
将兵らはロシア内の複数の施設に分かれて適応訓練を受けており、現段階ではまだ戦線に投入されていないと国情院はみている。
北朝鮮の兵士らは士気が高く、体力に長じているが、無人機攻撃など現代戦に対する理解が不足し、戦線投入時には死傷者が多数出るとの露側教官の見方も報告した。
北朝鮮国内では今回の派兵に関して厳しい情報統制を敷いているが、噂も広がり始めているという。
派兵部隊に選抜された兵士らの家族を通じて情報が拡散しないよう、家族らを隔離する動きもあるという。
露朝は2024年6月に有事の際の軍事援助を盛り込んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に両国首脳が署名した後、派兵を巡る具体的協議に入ったと国情院は分析している。

北朝鮮兵のロシア支援、訓練情報把握 ゼレンスキー氏
2024/10/23 8:26
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/
2024年10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。
ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
https://www.sankei.com/article/20241023-KWLERGCYQRJBDI5UNK5YFAYDTA/photo/JBT5PMCH6NNBLJOECUZ7E65XRM/
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月22日の声明で、北朝鮮によるロシア支援の派兵を巡り、大規模な訓練が既に始まっているとの情報をウクライナ側が持っていると明らかにした。
声明で、各国が北朝鮮を非難していることに謝意を示し
「言葉だけではない具体的な対応」
も求めた。
「北朝鮮が欧州の戦争に介入できるのであれば、北朝鮮に対する圧力は不十分だ」
と訴えた。(共同)

北の露派兵 同盟諸国と事実関係を協議 露軍犠牲1日1200人超との概算も 米補佐官
2024/10/22 11:48
https://www.sankei.com/article/20241022-ACC7VAVO2JPRJFDUXHSMWE3RK4/
カービー米大統領補佐官は2024年10月21日の記者会見で、北朝鮮がウクライナへの侵略を続けるロシアに地上部隊を派兵したとされる問題で、事実関係を調査するため同盟諸国と協議していると明らかにした。
近日中にも調査内容を公表する計画があるとも述べた。
北朝鮮のロシア派兵は欧米メディアが相次ぎ報道し、ウクライナのゼレンスキー大統領が議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と明言。
韓国の情報機関、国家情報院も、特殊部隊がロシアに派兵されたとの情報を明らかにした。
カービー補佐官は協議中の国名に触れなかったが、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に加え、北朝鮮の軍動向を監視する韓国とも情報を精査している可能性がある。
派兵規模は最終的に数千人から1万人超に上るとの見方がある。
カービー氏は
「侵略への参戦を目的とした北朝鮮のロシア派兵が事実であれば、危険かつ極めて憂慮すべき事態だ」
とし、同盟諸国と実態把握に務めていると述べた。
カービー氏はまた、ウクライナでの露軍の死傷者数が
「1日当たり1200人超」
に上るとの概算を示し、
「歴史的な数だ」
と指摘。
ロシアが国際社会で孤立し、戦場での犠牲も増加していることが、北朝鮮やイランなどとの軍事協力を急速に強める背景との見解を示した。
ロシアに対しイランは大量の無人機を、北朝鮮は弾道ミサイルや砲弾をそれぞれ供与している。

北朝鮮派兵に懸念相次ぐ 安保理、ロシア「恐怖をあおるデマだ」と否定
2024/10/22 8:31
https://www.sankei.com/article/20241022-ZLLQUCW3JFPFVMMRS5RTZUHTQQ/
国連安全保障理事会は21日、ロシアによるウクライナ侵攻を協議する緊急会合を開いた。
韓国やウクライナは北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと指摘し、米国や日本などは派兵情報への懸念を表明。
ロシアは
「恐怖を煽るデマだ」
と否定した。
韓国の黄浚局国連大使は、ロシアに派兵した北朝鮮は
「積極的な交戦国」
だと非難。
ウクライナのキスリツァ国連大使は
「ロシア東部で約1万1千人の北朝鮮兵が訓練を受けている」
とし、2024年11月1日までに実戦投入される見通しだと主張した。
ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は絶対に受け入れられないと強調。
劣勢のウクライナが
「ロシアとNATOの直接対決を引き起こそうとしている」
と訴えた。(共同)

NATOと韓国が北朝鮮の露派兵で連携へ 韓国は露大使呼び抗議
2024/10/21 20:10
https://www.sankei.com/article/20241021-6E2WNCGOJJMODOCRUOB5WJ4CNU/
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月21日、電話で会談し、ウクライナを侵略するロシアに北朝鮮が部隊を派兵したとされる問題を巡り意見交換した。
ルッテ氏は、派兵は国際法と国連安全保障理事会決議に反するとして、深刻な懸念を表明した。
韓国大統領府が発表した。
尹氏は、北朝鮮が派兵した特殊部隊約1500人がロシアで適応訓練を受けているといった詳細情報を説明。
露朝の軍事協力は
「国際秩序を根本的に揺るがし、朝鮮半島や世界の平和をも脅かしており、決して座視しない」
と強調した。
両氏は詳細な情報を共有するため、韓国がNATOに代表団を派遣するなど連携を強化することで合意した。
韓国政府は2024年10月18日に情報機関を通じて派兵について発表したが、直後にルッテ氏は
「証拠は確認できない」
と述べていた。
尹氏の説明を受け、派兵に関して確信を強めたとみられる。
一方、韓国外務省は2024年10月21日、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼び、北朝鮮の派兵を厳しく非難し、朝鮮人民軍の即時撤退と軍事協力の中止を強く求めた。
露大使館によると、ジノビエフ氏は
「露朝間の協力は国際法の枠内で行われ、韓国の安保の利益に反するものではない」
と反論した。
韓国政府が露朝への対応策を検討する中、これまで控えてきたウクライナへの殺傷兵器の提供に踏み切るのか注目されている。

北朝鮮兵映像「本物と確認した」 ウクライナ、ロシア軍人が撮影と説明
2024/10/21 18:05
https://www.sankei.com/article/20241021-FXFX3RKAZZMOHHYATLPFKHN2KM/
北朝鮮兵の姿がロシア軍施設で確認されたとの映像を公開したウクライナ文化情報省傘下機関トップのイゴル・ソロベイ氏は2024年12月20日、映像について
「現場にいたロシア軍兵士が撮影した」
「信頼できる情報源から入手した」
と述べた。
北朝鮮がウクライナ侵攻に
「参戦」
した証拠になるとの見方を示し
「公開情報オシントを活用して本物と確認した」
と主張した。
共同通信のオンラインインタビューに答えた。
ソロベイ氏は文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターの所長。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮がロシアへの派兵を始めたと分析している。
ただ、オースティン米国防長官は2024年10月19日の記者会見で
「現時点で確認できていない」
「調査を続ける」
「事実なら深刻だ」
と述べるにとどめた。
同センターは2024年10月18日、ロシア極東の軍事施設で北朝鮮兵士が装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。(共同)

ロシア国境付近で北朝鮮兵士18人集団脱走 派遣兵か 韓国紙報道
毎日新聞
2024/10/16 13:28(最終更新 10/16 18:20)
https://mainichi.jp/articles/20241016/k00/00m/030/058000c
韓国紙の朝鮮日報は2024年10月16日、ウクライナ軍高官の話として、ロシア西部ブリャンスク、クルスク両州のウクライナとの国境付近で、北朝鮮軍兵士18人が集団脱走したと報じた。
ウクライナ軍は、脱走したのは北朝鮮が対露軍事協力の一環で派遣した兵士らで、まだ拘束されていないとみているという。
露朝両国は2024年6月の首脳会談で、有事の際の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約を締結。
軍事協力を進展させる可能性が指摘されていた。
韓国の金龍顕(キムヨンヒョン)国防相は2024年10月8日、
「(北朝鮮が対露協力のため)正規軍をウクライナに派遣する可能性が高い」
との見方を示した。
北朝鮮の派兵を巡っては、露政府は否定しているが、ウクライナ側からの情報発信が相次いでいる。
米紙ワシントン・ポストは2024年10月11日、ウクライナ軍関係者の証言として
「数千人規模の北朝鮮の歩兵部隊が露国内で訓練を受けている」
と伝えた。
2024年年末までに前線に配置される可能性があるという。
また、ウクライナメディアは2024年10月上旬、東部ドネツク州の露側占領地域で、北朝鮮軍の将校6人がウクライナのミサイル攻撃で死亡したと報じた。
米CNNは、北朝鮮がロシアに兵器を供給していることから、これらの兵器に関する工学的な支援や情報交換のために兵士が派遣されたとの情報を伝えている。【ソウル日下部元美】

北朝鮮のロシア派兵に「明確な証拠」ゼレンスキー大統領 米は「調査を継続」
2024/10/21 7:08
https://www.sankei.com/article/20241021-HLVLS35425OXTKCTRMZPIFCSR4/
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日の声明で、北朝鮮がロシアに兵士を派遣している「明確な証拠」があるとして、北朝鮮がウクライナ侵攻に「参戦」していると改めて主張した。衛星情報やロシアからの映像が証拠だとしており、各国に対抗措置を取るよう訴えた。
ゼレンスキー政権や韓国の情報機関、国家情報院は北朝鮮が派兵を始めたと分析している。ただ米国のオースティン国防長官は19日の記者会見で「現時点で確認できていない。調査を継続する。事実だとすれば深刻だ」と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は声明で「北朝鮮が現代の戦争の特徴を学び始めれば、脅威が大きく増すだろう」と指摘。「世界が沈黙を続け、われわれが北朝鮮兵士と前線で対峙することになれば、世界の誰の得にもならないし、戦争が長期化するだけだ」と主張した。
ウクライナ文化情報省の戦略コミュニケーション・情報セキュリティーセンターは18日、ロシア極東の軍事関連施設で北朝鮮の兵士らが装備品を受け取る様子だとする映像を公開した。20日には、ロシア軍が軍服や靴などのサイズを質問する朝鮮語の調査票を用意していたと明らかにした。(共同)

ウクライナ、東部の集落奪還と発表 北朝鮮軍は越境攻撃下の露西部クルスク州に投入か
2024/10/19 8:54
https://www.sankei.com/article/20241019-FS6BVMUHLNIQLAVF2Z4KHHBB3E/
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省情報総局は2024年10月18日、同国軍が東部ハリコフ州の集落クルグリャコフカを露軍から奪還したと発表した。
ウクライナメディアが伝えた。
クルグリャコフカは露軍が制圧を狙う同州の都市クピャンスク方面に位置している。
東部では戦力に勝る露軍が徐々に前進しているが、ウクライナも反撃を試みているもようだ。
一方、ロシア側での参戦を決めた北朝鮮が軍の人員をロシアに派遣したとされる問題で、ウクライナメディアは2024年10月18日、同国軍情報当局筋の話として、北朝鮮軍がハバロフスクやウラジオストクなど露極東の4都市で実戦投入に向けた訓練を受けていると報じた。
米軍事メディア「ウォーゾーン」によると、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の規模を
「1万1000人」
だと指摘。
ブダノフ氏はまた、北朝鮮軍が2024年11月1日までに訓練を完了し、うち2600人がウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州に投入される見通しだと明らかにした。

プーチン氏、G20首脳会議の欠席表明 ICC逮捕状巡る「混乱回避」理由に
2024/10/19 8:44
https://www.sankei.com/article/20241019-4D6CGK3STRK2BNVZD7LVNPUVUQ/
ロシアのプーチン大統領は2024年10月18日、2024年11月にブラジルで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に欠席すると表明した。
理由に関し、ウクライナ侵略を巡る戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)が自身に逮捕状を出していることに言及。
「私が行けば、G20の議論はそれ(逮捕問題)ばかりになってしまう」
とし、自身の出席により首脳会議が混乱する事態を防ぐための決定だと主張した。
今月2024年10月22〜24日に露中部カザンで開かれる主要新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議に先立つBRICS諸国の報道機関との会見で発言した。
ICC加盟国のブラジルには、プーチン氏が入国した場合、逮捕する義務が生じる。
一方でプーチン氏は
「逮捕を回避することは簡単だ」
「(逮捕しないという)政府間合意を結ぶだけだ」
とも指摘。
逮捕を懸念した欠席ではないと強調した。
プーチン氏はウクライナ情勢にも言及。
将来的な停戦について
「1年間や2年間の停戦であるべきではない」
「その間に北大西洋条約機構(NATO)が兵器を蓄え、(ウクライナに)移転するためだ」
と述べた。
その上で
「長期的で持続可能な平和」
の実現に向けて
「ロシアは戦い続け、勝利する」
と主張した。
プーチン氏はウクライナの
「中立化」
「非軍事化」
といった目標を達成するまで軍事作戦を継続する意思を改めて示した形だ。

「現段階で確認できない」NATO事務総長、ウクライナへの北朝鮮派兵報道で
2024/10/18 22:56
https://www.sankei.com/article/20241018-OZTEJIQNSRIOTGHKQN5MCDZD3M/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月18日
「北朝鮮人が兵士としてウクライナでの戦争に参加しているという報道について現段階では確認できていない」
と述べた。
ブリュッセルで記者団に語った。
ルッテ氏は、NATOが韓国などと緊密に連絡を取り合っており
「この見解は変わる可能性がある」
と指摘し、動向を注視する考えを示した。(共同)

北朝鮮がウクライナ侵攻「参戦」 軍特殊部隊1500人露極東入り 韓国情報機関
2024/10/18 22:29
https://www.sankei.com/article/20241018-TSZJ7GK24NIBZE7OJV4PBVC3A4/
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は2024年10月18日、北朝鮮がウクライナ侵略を続けるロシアを支援するため、朝鮮人民軍の大規模派兵を決め、既に第1陣約1500人が露極東地域に入ったとの情報を明らかにした。
韓国当局は、北朝鮮が参戦を始めたと判断した。
聯合ニュースが伝えた。
北朝鮮による地上軍の大規模な海外派兵は初めてとされ、ウクライナの戦局にも影響を与える可能性がある。
派兵されたのは、軍特殊作戦部隊である
「第11軍団」
所属の将兵で、近く第2陣の兵員輸送も行われる見通し。
第11軍団は
「暴風軍団」
との異名を持つ最精鋭部隊。
最終的に4個旅団計約1万2000人規模の兵力がウクライナの戦場に投入されると予想されている。
北朝鮮が日米韓への敵対姿勢を強める中、軍の特殊部隊が戦場で実戦経験を積むことになれば、日韓の安全保障情勢にも影響を及ぼしかねない。
国情院によると、第1陣は今月2024年10月8日〜13日に北朝鮮北東部の清津(チョンジン)や東部、咸興(ハムフン)付近の地域から露太平洋艦隊の揚陸艦4隻と護衛艦3隻に乗船し、露極東ウラジオストクに移った。
ウラジオストクの他、ウスリスクやハバロフスクなど極東地域の複数の拠点に駐留。
訓練を終え次第、戦地に送られる模様だ。
北朝鮮の兵士らはロシア人兵士を装うため、ロシアの軍服やロシア製武器、シベリア地域の住民を装う偽身分証も受け取ったとされる。

来年日本で地雷国際会議 ウクライナの除去支援
2024/10/18 19:53
https://www.sankei.com/article/20241018-OZWVQFXBP5ONXEFBSXUIO4AOLY/
スイス西部ローザンヌで2024年10月17日、ウクライナの地雷除去に関する国際会議が開かれ、日本から参加した柘植芳文外務副大臣は来年に日本で同会議を開催すると発表した。
会議には60以上の国・国際機関が参加した。
ウクライナのシュミハリ首相は、国土のおよそ4分の1に地雷や不発弾が埋まっている可能性がある状況に触れ
「地雷除去の分野で支援を強めてほしい」
と訴えた。
柘植氏はスイスやウクライナとの共同記者会見で
「人道支援の効果を最大化させる」
と話し、地雷探知機の供与や専門家育成での協力を強化する考えを示した。(共同)

北朝鮮が特殊部隊など1万2千人派兵決定、移動開始 韓国情報機関
2024/10/18 19:26
https://www.sankei.com/article/20241018-I4KDNLXG6NJSFBPACPPKTFGGDU/
韓国の情報機関、国家情報院は2024年10月18日、北朝鮮が最近、ロシアを支援するため、朝鮮人民軍の特殊部隊など4個旅団計約1万2000人規模の兵力をウクライナの戦場へ派兵することを決定したとの情報を明らかにした。
複数の韓国メディアが伝えた。
既に兵力の移動を開始しているとしている。
北朝鮮とロシアは2024年6月に実質的な軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を締結し、軍事的協力を急速に深めている。

フランス新型自爆ドローン開発 ウクライナへ「数週間内」に供与
2024/10/18 16:54
https://www.sankei.com/article/20241018-FZR2MHE7JZJSTATRUWAXLCFRXE/
フランス政府が、新開発の自爆ドローン(無人機)をウクライナに近く供与すると発表した。
ルコルニュ国防相が2024年10月16日にX(旧ツイッター)で、
「弾薬を乗せて遠隔操縦できる『カミカゼ・ドローン』第1号の試験に成功した」
と書き込み、
「今後、数週間以内」
に仏軍とウクライナに納入されると明かした。
仏紙フィガロによると、この自爆ドローンは45分間自律飛行でき、5キロ先の標的を攻撃できる。
1機当たりの価格は2万ユーロ(約325万円)以下という。
仏国防省は今年2024年3月、自爆ドローン2000機を発注し、このうち100機をウクライナに供与すると表明していた。

ノルウェー、近くF16戦闘機6機をウクライナに供与 欧米、「戦勝計画」に慎重姿勢
2024/10/18 11:26
https://www.sankei.com/article/20241018-PC7XFHL6KRPOVMJEANBJPE4NFA/
ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相は2024年10月17日、ベルギー・ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合でノルウェーのグラム国防相と会談した。
会談後、ウメロフ氏はSNSを通じ、ノルウェーから
「近い将来」
に6機の米国製戦闘機F16がウクライナに供与されると発表した。
ウクライナへのF16供与はこれで、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェーの4カ国が表明。
既に少なくとも6機が供与されたとされるが、ウクライナは2024年8月、1機が任務中に墜落したと公表した。
ノルウェーからのF16供与が実現すれば、ウクライナの防空力の向上が見込まれる。
ウクライナメディアによると、F16は2028年までに約80機が同国に供与される予定。
供与は段階的に行われ、2024年今年中に24機、25年末までに40〜50機程度となる見通しだとしている。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳会議とNATO国防相会合に出席し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明した。
計画は、NATOがウクライナの加盟に向けた手続きを即座に開始することや、欧米製の長距離ミサイルによる露国内攻撃の解禁などを含んでいる。
ただ、ロイター通信によると、EUとNATOはウクライナ支援の継続を約束する一方、即座のNATO加盟手続きの開始には慎重姿勢を維持した。
ゼレンスキー氏は
「仮に計画への支持が得られなくとも、ウクライナはロシアの侵略と戦い続ける」
と表明した。
戦勝計画について、ペスコフ露大統領報道官は同日、
「狙いはNATOを紛争に公式に引き込むことであり、ロシアとNATOの直接衝突を招く」
と警告した。

「ウクライナは負ける」とトランプ氏 ゼレンスキー氏は「最も偉大なセールスマン」
2024/10/18 11:24
https://www.sankei.com/article/20241018-TLAV2B7UW5JTDITXSV3CT33IB4/
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は17日放送のポッドキャスト番組のインタビューで、ロシアが侵略するウクライナのゼレンスキー大統領について
「戦争を始めるべきではなかった」
「負け戦だ」
と批判した。
ロシアが侵略を始めたことを否定する発言とも受け取れ、民主党候補のハリス副大統領陣営が反発を強めるとみられる。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を指導者として高く評価しており、2021年の離任後にも対話したと報じられている。
侵略を正当化するプーチン氏寄りの姿勢が顕著で、ウクライナを支援する欧州の米同盟国に動揺が広がりそうだ。
ウクライナへの軍事支援に消極的なトランプ氏はゼレンスキー氏について
「最も偉大なセールスマンだ」
「米国に来る度、我々が1000億ドル(約15兆円)を与えている」
と誇張して皮肉る一方
「ウクライナ人を気の毒に思う」
「彼を助けたくないと言っているわけではない」
とも述べた。(共同)

中露を念頭、現状変更に反対 中谷防衛相、NATO会合で連携強化を呼びかけ
2024/10/18 10:04
https://www.sankei.com/article/20241018-FUE3PW4CSZPQ3OS5AGCXDFJ7IQ/
中谷元・防衛相は17日(日本時間同)、北大西洋条約機構(NATO)とインド太平洋地域のパートナー国との国防相会合に初めて出席した。
中国やロシアを念頭に、力による現状変更の試みに反対し、対抗するための連携強化を呼び掛けた。
「厳しい国際情勢だからこそ、基本的価値と戦略的利益を共有する日本とNATOの協力が重要だ」
と述べた。
ロシアのウクライナ侵略を
「国連憲章の原則が踏みにじられた暴挙だ」
と非難。
日本は引き続きウクライナ支援を続けるとして、自衛隊車両を追加提供する考えを示した。
ウクライナのウメロフ国防相との会談でもこうした方針を伝えた。
会合では
「インド太平洋地域でも力や威圧による一方的な現状変更の試みが強化されている」
と述べ、中国軍が2024年10月14日に台湾を包囲する形で実施した軍事演習に言及した。(共同)

NATO国防相会合、ウクライナの加盟で温度差 ゼレンスキー氏の戦勝計画、多難な前途
2024/10/18 9:59
https://www.sankei.com/article/20241018-RVHP6SP63VJIPLKL7CSR6QGYKU/
ブリュッセルで2024年10月18日まで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、ロシアに侵略されたウクライナへの
「揺るぎない支援」
が改めて打ち出されたのとは裏腹に、ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日公表の対露戦争計画で求めた
「NATOへの即時無条件加盟への招待」
を巡る加盟国間の温度差が目立ち、前途の多難さを印象付けた。
2024年10月1日に事務総長に就任し、今回初めてNATO会合を主催するルッテ氏は2024年10月17日、
「ウクライナをこれまで以上にNATOに近づける」
と述べるとともに、加盟が実現するまでは、ウクライナの勝利を確実にするため
「あらゆる手立てを講じ続ける」
と強調した。
会合では、初参加のオーストラリアが退役を控えた豪陸軍のM1エーブラムス戦車49両をウクライナに供与すると表明した。
また、加盟国が年間400億ユーロ(6兆5100億円)規模の対ウクライナ軍事支援を続けていくとの目標について、達成されるとの見通しが示された。
一方、ウクライナのNATO加盟を巡っては、エストニアのペブクル国防相やラトビアのスプルーズ国防相が、ゼレンスキー氏の戦勝計画を支持する立場からウクライナのNATO加盟実現を早急に具体化させるべきだと表明した。
ゼレンスキー氏は2024年10月17日、NATO会合に先立ちブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で演説し、ウクライナのNATO加盟も含めて戦勝計画を今から実行に移せば
「戦争は遅くとも2025年までに終結する」
と主張した。
NATOは2024年7月に米ワシントンで開いた首脳会議で
「ウクライナのNATO加盟は不可逆的だ」
とし、将来のNATO加盟を確約している。
ただし、加盟に向けた実質的な動きは出ていない。
加盟国の間では、NATOの中心国である米国で2024年11月に実施される大統領選の行方を見極めたいとの思惑が強い。
加えて米国とドイツは、現時点でウクライナを加盟させればロシアが反発し、核兵器使用の恐れも含めて戦火が拡大しかねないとの懸念から
「ウクライナの加盟は戦争終結後であるべきだ」
と他の加盟国を説得しているという。
ウクライナが加盟するにしても、他国からの攻撃をNATO全体への攻撃と見なすNATO条約第5条の適用範囲を明確化させるため、ウクライナとロシアとの国境または境界線が明確に確定されていることが加盟の前提となるなど、加盟実現へのハードルは尚高いのが実情だ。

米、攻撃用無人機生産で中国企業に制裁 ウクライナ侵略でロシアが使用
2024/10/18 8:52
https://www.sankei.com/article/20241018-KEX2TZTNYNO5JM5PLNDBZN6L3U/
米財務省は2024年10月17日、ロシアがウクライナ侵略で使用する長距離の攻撃用無人機の生産に関与したとして、中国などに拠点を置く3企業と1個人に制裁を科した。
米国内の資産が凍結される。
ロシアに武器を直接供給する中国企業が制裁対象となるのは初めてとしている。
ミラー国務省報道官は声明で、ロシア企業の協力の下、中国で生産された無人機がウクライナで重要インフラの破壊や多数の負傷者を生み出していると指摘。
「ロシアに対する軍事的支援には引き続き代償を負わせる」
と警告した。
財務省によると、今回制裁対象となった企業は無人機のエンジン生産に加え、今年2024年初めから無人機の部品となる電子機器の輸出にも関わっていた。
米政権高官らは、中国最高指導部がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。(共同)

北朝鮮部隊1万人派遣準備 ゼレンスキー氏、露との連携に懸念 NATO国防相会合閉幕へ
2024/10/18 7:56
https://www.sankei.com/article/20241018-AKLNYDTKORI65D3SZWD7XFDSI4/
ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は2024年10月18日、ロシアに侵略されたウクライナに対する軍事支援の強化と、ウクライナの将来的なNATO加盟を確認して閉幕する。
2024年10月17日のウクライナ関連会合に出席した同国のゼレンスキー大統領は記者会見で、ウクライナ領内に北朝鮮軍の要員が送り込まれていると指摘し、ウクライナ戦争でのロシアと北朝鮮の連携に強い懸念を示した。
ゼレンスキー氏はウクライナの情報機関が入手した情報として
「北朝鮮がウクライナ領内の露支配地域に戦術要員と将校を送り込んだ」
と述べた。
また、北朝鮮が総勢1万人規模の部隊をロシアとウクライナの露占領地域に派遣する準備を進めているとした。
記者会見に同席したNATOのルッテ事務総長は
「北朝鮮の兵士が(ウクライナでの)戦闘に関与している証拠はない」
と述べる一方で、北朝鮮がロシアにミサイルなどの兵器や機器の供与といった多様な支援を展開しており
「非常に懸念している」
と語った。
ルッテ氏はまた
「中国はロシアの対ウクライナ戦争の決定的な支援者と化した」
と批判。
2024年10月17日の会合に中谷元・防衛相ら日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が出席したのを踏まえ、NATO加盟国とインド太平洋地域のパートナー諸国が対中国を含めた幅広い分野で連携を深めていくべきだと強調した。
ルッテ氏は4カ国を交えた会合は
「意義深かった」
とし、防衛産業の生産能力強化、偽情報工作を駆使したハイブリッド戦争への対応、サイバー攻撃対策で協力強化を図るとした。
ゼレンスキー氏は日本からの支援に関し
「日本は本当に力強い相棒だ」
「日本がいなければ生き残れなかった」
と謝意を表明した。

<主張>ウクライナへ派兵 北の脅威をもっと論じよ
社説
2024/10/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20241018-7IRDVZ74WBLD7KQSOTUO4KCUJA/
ウクライナのゼレンスキー大統領が2024年10月16日、最高会議(国会)の演説で
「ロシアによる侵略に北朝鮮が参戦している」
と明言した。
2024年10月13日の声明でも
「(北朝鮮からロシアへ)もはや武器だけでなく人が派遣されている」
と指摘していた。
複数のウクライナメディアは、ロシア軍が北朝鮮人で作る3000人規模の部隊を編成し、国境地帯に配備したと報じた。
北朝鮮兵1万人がロシアに派遣されたとの報道もある。
北朝鮮は弾道ミサイルや数百万発の砲弾をロシアに輸出し、ウクライナの戦場で使用されている。
ロシアは否定するが、実際に北朝鮮が派兵までしたのであれば、侵略への加担どころか侵略者になったことになる。
事実なら明白な国連憲章違反であり許されない。
北朝鮮は直ちに将兵を自国に戻し、武器弾薬の輸出も停止すべきだ。
北朝鮮軍の派遣について、カービー米大統領補佐官は
「露軍は毎日1000人超が死傷するなど大きな困難に直面している」
「その中で出てきた」
との見方を示し、露朝の軍事協力に懸念を表明した。
懸念されるのはウクライナへの侵略激化だけではない。
2024年6月に露朝が結んだ
「包括的戦略パートナーシップ条約」
には
「一方が戦争状態になれば、遅滞なく軍事的、またはその他の援助を提供する」
とある。
朝鮮半島有事になれば、ロシア軍の参戦の可能性があるということだ。
北朝鮮は韓国との対決姿勢を強めているが、南北の衝突がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
日本にとって他人事ではない。
青木一彦官房副長官は記者会見でウクライナを巡る露朝軍事協力進展について、ウクライナだけでなく日本周辺の安全保障環境に与える影響の観点から
「深刻に憂慮すべきものだ」
と語った。
だが、石破茂首相や与野党からは危機感の表明や露朝両国への批判はほとんどない。
一体どうしたことか。
どの党も候補者も、日本を守る、国民を守る―と連呼する衆院選の最中であるにもかかわらず、この鈍さは理解に苦しむ。
石破首相は外務、防衛両省に北の派兵の詳細をウクライナ政府に確認するよう指示すべきだ。
その上で関係各国に露朝両国への制裁を呼び掛け、日本自身も急ぎ発動すべきである。

ウクライナ軍前総司令官、早期終戦に否定的 欧米が武器供給せず「勝利の機会失った」
2024/10/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20241017-NWWI25AG4NPKZMFMBAT4R2NSEQ/
ウクライナ軍前総司令官のザルジニー駐英大使が2024年10月17日、ロンドンで講演し
「ロシアとの長期戦から抜け出すのは、ほぼ不可能に思える」
と述べ、早期の戦闘終結に否定的な見解を示した。
欧米が2023年、ウクライナに必要な武器を供給しなかったため、勝利の機会を失ったとも指摘した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月17日の欧州連合(EU)首脳会議で、対ロシア戦の
「勝利計画」
について演説し、計画に今すぐ着手すれば、2025年中に戦闘終結が可能だと主張した。
ザルジニー氏は軍総司令官だった2023年11月に英誌エコノミストが報じたインタビューで、戦闘が
「膠着状態」
にあると発言。
ゼレンスキー氏が
「膠着ではない」
と否定し、両者間の亀裂が指摘された。
ゼレンスキー氏は2024年2月、ザルジニー氏を解任した。(共同)

米、ウクライナのF16要員養成で若手重視に転換 欧米式訓練に柔軟対応も訓練長期化か
2024/10/17 17:02
https://www.sankei.com/article/20241017-NOBKFZHIQJKIXEQNVC6NXHXDKM/
米紙ウォールストリート・ジャーナルは17日、ウクライナ空軍に供与された米国製F16戦闘機の操縦士養成に関し、米国が若手に重点を置く方針に転換したと伝えた。
訓練のためにウクライナを離れることが可能で必要な英語能力がある経験豊富な操縦士の不足が理由。
若手の場合、訓練に時間がかかり、F16による防空態勢の強化が遅れる可能性もある。
ウクライナでは2024年8月下旬にF16が墜落し、ベテラン操縦士が死亡した。
この操縦士は通常数年かかる訓練を6カ月で終えて前線に投入されたばかりだったことから、米国などは訓練の在り方を協議していた。
同紙によると、若手の方が欧米式の訓練に柔軟に対応できるとの意見もあるが、F16の訓練課程に進む前に英国とフランスの施設で1年間の基礎的な飛行訓練を終える必要がある。
方針転換前から、ウクライナ空軍が20機のF16と操縦士40人で構成する飛行隊を配備するには、早くとも来年2025年春までかかる見通しだったという。(共同)

米ウクライナ首脳、対露戦勝計画を協議 米は長射程攻撃で慎重維持、「北派兵」懸念共有か
2024/10/17 8:19
https://www.sankei.com/article/20241017-JYTHWXWJ5NIEVM42XJ6VJ2FSXU/
バイデン米大統領は2024年10月16日、ロシアの侵略が続くウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明した。
ゼレンスキー氏は同日、最高会議(議会)演説で公表した対露戦勝計画を巡る最新状況を説明。
同氏が計画の柱とする米国製長射程兵器による露領内攻撃容認について、米側は慎重姿勢を維持したとみられる。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアに弾道ミサイルなどを供給する北朝鮮が部隊をロシアに派遣したと複数の欧米メディアが報道
ゼレンスキー氏は議会演説で北朝鮮が侵略に
「参戦している」
と表明しており、バイデン氏にも懸念を伝えた可能性がある。
米国家安全保障会議(NSC)のサベット報道官は
「ロシアの代わりに戦う北朝鮮兵士に関する報道に憂慮している」
「事実なら、両国の軍事関係の著しい増強を示すことになる」
と述べた。
また、ホワイトハウスは、バイデン氏が2024年10月17〜18日の日程でドイツを訪問、ショルツ首相らとウクライナや中東情勢などを協議すると発表。
2024年11月にはバイデン氏がウクライナ支援国によるオンラインの首脳級会合を主宰するとも明らかにした。
同月2024年11月の米大統領選に向け、現政権のウクライナ支援姿勢を継承する民主党候補ハリス副大統領と、対露交渉による早期停戦を唱える共和党候補トランプ前大統領との接戦が続いている。
一方でイランや北朝鮮、中国がロシアと軍事的連携を強めており、バイデン氏は支援国の首脳らとの協議を通じ、選挙結果にかかわらず、対露戦勝利に必要な支援をウクライナが確保できるよう、危機意識の共有を図るものとみられる。

NATO国防相会議が開幕へ 日韓など4カ国が初参加 ウクライナの「戦勝計画」など協議
2024/10/17 8:18
https://www.sankei.com/article/20241017-4WFOTPTSMRPXHBJIG7FUA4FQRM/
北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合が2024年10月17日、ブリュッセルのNATO本部で2日間の日程で始まる。
2024年10月19日からイタリア南部のナポリで開かれる初の先進7カ国(G7)国防相会合と合わせ、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の推進を確認する。
2024年10月17日の会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。
NATO会合には中谷元防衛相を含め日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相が初参加する。
NATOのルッテ事務総長は2024年10月16日の記者会見で、日本など4カ国の国防相との協議では防衛産業分野での協力に関して話し合うとしており、増産が急務となっているウクライナ向けの弾薬の供給拡大に向けた連携や、先端技術協力などが議題に上るとみられる。
ルッテ氏は4カ国との協力について
「次の段階として何をするかを描き出すことが重要だ」
と指摘。
日本との関係では
「日本はウクライナとの強い連帯を打ち出している」
「中国の軍備増強についても共通の懸念を抱いている」
と述べた。
ウクライナを巡る討議では、ゼレンスキー氏が2024年10月16日に初公表したロシアに対する
「戦勝計画」
への対応などが主要議題となる。
ルッテ氏は戦勝計画に関し
「ウクライナのNATOへの即時無条件の招待」
などが盛り込まれていることを念頭に
「計画を全面的に支持するとは言えない」
と語り、慎重姿勢を示した。

ウクライナの対ロシア「勝利計画」に慎重姿勢 NATO事務総長 国防相理事会で議題に
2024/10/17 7:37
https://www.sankei.com/article/20241017-FWBDEPL4BZIMJEDZUK32CECGOE/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ウクライナのゼレンスキー大統領が公表した対ロシア戦争の
「勝利計画」
について
「私は計画全体を支持しているとは言えない」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
ブリュッセルで記者会見した。
勝利計画は、ウクライナのNATO加盟交渉に同国を招待することも要求している。
ルッテ氏は
「深く掘り下げ、その背景を理解しなければならない項目が数多くある」
と指摘。
2024年10月17〜18日に開くNATO国防相理事会で
「間違いなく議題に上る」
と述べた。
加盟国が表明したウクライナ軍事支援が今年前半だけで209億ユーロ(約3兆4千億円)に上るとして、来年も400億ユーロ規模の支援を継続するという目標を達成できるとの見通しを示した。(共同)

防衛産業協力を協議へ NATO、日韓豪NZの国防相と 実務的な関係深める狙い
2024/10/17 7:14
https://www.sankei.com/article/20241017-6NXEMG2KVNIK5I75KRYMQRSMJ4/
北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は2024年10月16日、ブリュッセルで2024年10月17〜18日に開催する国防相理事会に招待した日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国の国防相と
「工業生産や技術革新の協力の在り方について協議する」
と明らかにした。
防衛産業分野の協力を進める。
理事会を前に記者会見した。
NATOは2022年から3年連続で4カ国の首脳を招待しているが、国防相理事会に4カ国の国防相を招くのは初めて。
ロシアのウクライナ侵攻を支援する中国に対する懸念を共有するだけでなく、実務的な協力関係を深める狙いがある。
欧州のNATO加盟国はウクライナに対する弾薬などの軍事支援に注力しているが、防衛企業による生産が追い付かず、供給能力不足の克服が課題となっている。(共同)

米、ロシア領長射程攻撃で慎重姿勢を維持 ウクライナ支援の継続を約束
2024/10/17 7:02
https://www.sankei.com/article/20241017-MQKMTR4H5VNN3LEQGWJOG5C544/
ジャンピエール米大統領報道官は2024年10月16日の記者会見で、ウクライナに米国製長射程兵器によるロシア領攻撃を認めるかどうかについて慎重な姿勢を維持した。
バイデン大統領はゼレンスキー大統領と電話会談し、4億2500万ドル(約636億円)の追加軍事支援を表明。
来年2025年1月の任期切れまで支援を続けると約束した。
米政府はバイデン氏が2024年10月17〜18日にドイツを訪れ、ショルツ首相とウクライナや中東の情勢を協議すると正式に発表した。
2024年10月11月にウクライナ防衛支援に関する首脳級会合をオンラインで主催するとも明らかにした。
ゼレンスキー氏は電話会談に先立ち、対ロシア戦争の
「勝利計画」
を初めて公表し、長射程兵器によるロシア領内への攻撃容認も強く求めた。
ジャンピエール氏は
「米国の方針は変わっていないし、今後も変わらない」
と述べた。
米国は使用容認が戦況を好転させるとの見方に否定的で、ロシアを過度に刺激しかねないと懸念している。(共同)

ゼレンスキー氏、対ロシア戦勝計画を初公表 実現なら「来年中にも終戦」と見通し
2024/10/16 23:28
小野田 雄一の写真
https://www.sankei.com/article/20241016-BQW7TIMJYBL67IRQERZPGMOSGE/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月16日、同国最高会議(議会)で演説し、ロシアに対する
「戦勝計画」
を公表した。
これまで計画の一部に言及していたが、全体像を明らかにしたのは初めて。
ゼレンスキー氏は、計画を実現して
「ウクライナが今、強くならなければ、ロシアは更に強大化し、外交(による停戦)を永久に放棄するだろう」
と指摘。
一方、計画が実現されれば2025年来年中にも戦争は終結するとの見通しを示した。
ゼレンスキー氏によると、戦勝計画ではウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への即時かつ無条件の招待を求めた。
その他、
▽露西部クルスク州の占領地域の維持
▽再侵略を予防するための欧米諸国と協力した戦略的措置
▽経済力強化
▽欧米が供与した長距離ミサイルによるロシア国内への攻撃の解禁
などが盛り込まれている。
NATOへの招待とは、将来的な加盟の確約を事実上求めたものとみられる。
NATO諸国などとの連携を強化することでロシアに侵略継続を断念させ、停戦交渉の場にロシアを引き出したいウクライナの思惑を示した。
戦勝計画の策定は2024年8月下旬にゼレンスキー氏が発表。
これまでに米国や英国、フランス、ドイツ、イタリアに提示し、関与を求めてきた。
ゼレンスキー氏は今月2024年10月17〜18日にベルギー・ブリュッセルで開かれる欧州連合(EU)首脳会議でも計画を説明する。
ただ、ロシアは、停戦にはウクライナがNATO加盟を断念して
「中立化」
することや、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の領有権を放棄することが不可欠だと主張。
戦勝計画が実現する前にウクライナを降伏に追い込む思惑だとみられる。
NATO諸国の間でもウクライナのNATO加盟には慎重論が根強く、戦勝計画の実現可能性は不透明だ。

独ショルツ首相、ロシアのプーチン大統領と協議も 戦争終結へ「あらゆること模索」
2024/10/16 23:20
https://www.sankei.com/article/20241016-7TV3NHHSMFL7XE7AZ4YB4NJNIA/
ドイツのショルツ首相は16日、連邦議会での演説で、ロシアとウクライナの戦争終結に向け、ロシアのプーチン大統領との話し合いに前向きな姿勢を示した。
一方で
「ウクライナの頭越しや同盟国の合意なしに決定が下されることは決してない」
とも強調した。
ショルツ氏は、ウクライナへの支持は明確だとした上で
「戦争がいつまでも続かないようにするために、あらゆることを模索しなければならない時が来た」
と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2024年10月11日、ベルリンでショルツ氏に対ロシア戦争の
「勝利計画」
を説明。
欧米の支援を得て軍事的優位を固めてロシアを交渉の席に着かせ、ウクライナ主導で和平を受け入れさせることが狙いだとされる。(共同)

G7初の国防相会合、伊ナポリで19日開催 ウクライナなど紛争多く安全保障面で連携強化
2024/10/16 18:36
https://www.sankei.com/article/20241016-INA6WJQGFRNJHJMJYIWMUMXWOM/
日米欧の先進7カ国(G7)は19日、初の国防相会合をイタリア南部ナポリで開催する。
議長国イタリアによると、ロシアによるウクライナ侵略などの紛争が相次ぐ中、安全保障面での連携強化が目的。
ウクライナの防衛支援や緊張が高まる中東情勢が主要議題となる。
イタリア政府関係者は
「会合を通じて、防衛分野でのG7の結束を示す」
と強調。
ウクライナ支援で防衛産業の生産能力が不足した経験を踏まえ、産業基盤の強化もテーマになる。
ウクライナは砲弾など物量で優位に立つロシア軍に対して劣勢を強いられている。
ゼレンスキー大統領が2024年10月今月、英独仏伊の4カ国を訪問した際、各国はウクライナの防空や防衛産業などへの支援を表明。
今回の会合でも支援継続のメッセージを発信するとみられる。
中東情勢を巡っては、イスラエル軍がレバノン南部に地上侵攻し、駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の施設が攻撃を受けた。
G7として対応を議論する。(共同)

ロシア、北朝鮮人部隊を編成か 3000〜1万人規模 ウクライナ複数メディア報道
2024/10/16 8:26
https://www.sankei.com/article/20241016-GRWSIK5GKJKE3AFD2BYQYFH72I/
ロシアの侵略を受けるウクライナの複数メディアは15日、露軍が北朝鮮人で構成する部隊を編成し、ウクライナとの国境地帯に配備していると報じた。
ウクライナ軍の情報当局筋の話だとしている。
事実であれば、露軍の損耗拡大を背景とした動きの可能性がある。
部隊に配属された北朝鮮人18人が逃亡し、露軍が捜索しているとの情報があるとも報じている。
現地紙ウクラインスカヤ・プラウダによると、北朝鮮人で構成された部隊の名称は
「特別ブリヤート大隊」。
推定3000人規模だとした。
部隊名はロシアのアジア系少数民族、ブリヤート人に由来するとみられる。
ウクライナの英字紙キーウ・インディペンデントは15日、北朝鮮からロシアに
「兵士1万人」
が派遣されたと欧米側外交筋が話したと伝えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、北朝鮮がロシアに兵器を供給するだけでなく、実際の戦闘に人員を関与させていると指摘。
複数の欧米メディアも、北朝鮮がロシアに供給した短距離弾道ミサイルの運用に携わる人員を露軍に派遣している他、
「数千人」
の北朝鮮人が露国内で訓練を受けており、年内にも前線に配備される可能性があると伝えていた。
露朝は今年6月、事実上の軍事同盟となる
「包括的戦略パートナーシップ条約」
に署名するなど、安全保障協力を拡大している。

ウクライナ関係「強力に」 ジェトロ、首都キーウで事務所開所式
2024/10/11 10:57
https://www.sankei.com/article/20241011-DCN75SPATZNWDA4OEZSRY2RW3Y/
日本貿易振興機構(ジェトロ)は10日、ロシアの侵攻が続くウクライナの首都キーウに事務所を設け、中心部のホテルで開所式を実施した。
日本とウクライナの企業関係者ら約280人が出席。
柴田哲男所長は
「両国のより強力な結び付きの始まりとなる」
と挨拶した。
ウクライナ進出を検討中の日系企業10社も参加。
新しい有機肥料の開発に取り組むスタートアップ企業WAKU(岡山県高梁市)の代表取締役CEO姫野亮佑さんは、ウクライナの農業生産法人と実証実験を進めたい考え。
戦闘が続く中でも
「他の企業が入ってくる前に、できるだけ早く進出したい」
と意気込みを語った。
ウクライナの電力会社の男性社員は
「経済は全ての土台」
「発展するほど勝利に近づける」
と日本の支援に謝意を示した。(共同)

露軍、ウクライナ港湾インフラに3カ月で60回攻撃 副首相「食料危機を引き起こす」と非難
2024/10/11 10:50
https://www.sankei.com/article/20241011-VHYYJBTN6ZKYRC7IKTYSPVSSGM/
ウクライナのクレバ副首相は10日、ロシア軍が直近の3カ月で、ウクライナの港湾インフラを約60回攻撃したと明らかにした。
農業大国ウクライナは黒海を通じた穀物輸出を継続しており、クレバ氏は
「ウクライナの輸出能力を破壊するのが狙いだ」
「食料危機を引き起こす挑発だ」
と非難した。
一連の攻撃で約300の港湾施設、車両177台、船舶22隻が破壊されたという。
港湾作業員や船員ら79人が負傷した。
クレバ氏によると、ウクライナは現在40カ国以上に穀物を輸出している。
輸出先には中国、インドネシア、ベトナムといったアジア諸国のほか、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、トルコ、オランダ、スペインが含まれる。(共同)

ロシアでアフリカ女性ら200人が無人機製造か 虚偽広告で渡航 監視下で従事
2024/10/11 10:30
https://www.sankei.com/article/20241011-HOOZHSP2HJKR5ACPO74MYM3SNI/
AP通信は10日、無料航空券や接客業などの仕事を約束するソーシャルメディアの広告を見てロシアに渡航したアフリカ出身の女性ら約200人が、ウクライナ侵攻で多用される無人機の製造に従事させられていると、当事者の話を引用して報じた。
APによると、女性はウガンダやルワンダ、ケニアなどアフリカ諸国やスリランカの出身で年齢は18〜22歳。
ロシア中部タタルスタン共和国アラブガの経済特区にある工場で、イラン製の無人機
「シャヘド」
の組み立てに1日12時間従事させられているとした。
ロシア人や中央アジア諸国の学生も働いているという。
女性らは職場や寮で常に監視下に置かれ、約束された賃金も支払われていないと訴えている。
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」
によると、ロシアは侵攻継続のため、仕事の内容を十分に説明せず、アフリカやインドから労働者を募集している。(共同)

ゼレンスキー氏が英仏首脳と会談 トランプ氏当選を視野に「勝利計画」への支持取り付けへ
2024/10/11 8:58
https://www.sankei.com/article/20241011-DMYT6OAAQ5JKDDYURBLTJ5ES4Q/
ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は10日、欧州歴訪を開始し、英国とフランスでスターマー英首相、マクロン仏大統領とそれぞれ会談した。
ゼレンスキー氏は歴訪を通じ、各国から軍事支援強化の確約と、戦争終結に向けてウクライナが策定した
「勝利計画」
への支持を取り付けたい考えだ。
英メディアなどによると、ゼレンスキー氏はスターマー氏との会談で、戦勝計画の説明に加え、英国がウクライナに供与した巡航ミサイル
「ストームシャドー」
などの長距離攻撃兵器について露領内に対する使用制限を撤廃するよう改めて要請した。
1日に就任した北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長も会談に同席した。
ルッテ氏が就任後、NATO加盟国を訪れるのは初めて。
ルッテ氏は会談後、記者団に
「ウクライナを支援することは、NATO加盟各国にとって死活的に重要だ」
と訴えた。
戦況については、ロシア軍がウクライナ東部で徐々に前進しており、情勢は
「厳しい」
との認識を示した。
ウクライナによるロシアへの越境攻撃は
「合法的行動だ」
と明言しつつ、長距離兵器の使用制限の緩和の判断は
「供与国次第だ」
と述べるにとどめた。
ゼレンスキー氏は英仏に続いてイタリアとドイツも訪問。
11日のショルツ独首相との会談ではドイツが主導する弾薬の増産などが議題となる見通しだ。
ゼレンスキー氏としては投開票まで1カ月を切った米大統領選でウクライナ支援に懐疑的な共和党のトランプ前大統領が当選した場合を想定し、米欧の主要国との間でウクライナ支援の継続と、ロシアに侵略の利得を与えない形での戦争の終結に向けた合意を固めておきたい思惑がある。
トランプ氏は先月27日にニューヨークでゼレンスキー氏と会談した際、
「戦争は終わらせるべきだ」
「私なら直ちに終結させられる」
と戦いの幕引きに前のめりな姿勢を鮮明にしていた。
これに危機感を強めたゼレンスキー氏が今回の歴訪で改めて支持固めに走ったとみられる。
ただ、バイデン米大統領も含め12日にドイツで予定された米英独仏首脳とゼレンスキー氏との会談は、バイデン氏が米南部を襲ったハリケーンの対応のため出席できないとして見送られ、ゼレンスキー氏としては目算が外れた恰好だ。

「領土放棄してNATO加盟」形式の停戦案報道、ゼレンスキー氏が否定
2024/10/11 8:34
https://www.sankei.com/article/20241011-NMFXYW6N3ZMV3KM6YGTNFODFHM/
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は10日、被占領地域の実効支配をロシアに認めるのと引き換えにウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟して安全を確保するという形での停戦案が検討されているという一部メディアの報道について、
「停戦に関する如何なる議論も行われていない」
と否定した。
パリで同日行われたフランスのマクロン大統領との会談後の記者会見での発言としてウクライナメディアが伝えた。
欧州歴訪中のゼレンスキー氏は
「私が停戦を協議するために支援国を訪問していると一部メディアが報じているが、事実ではない」
とも述べた。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談で、ロシアに対する
「戦勝計画」
を説明し、支援を改めて要請した。
ゼレンスキー氏は同日、訪仏に先立ち英国も訪問。スターマー英首相に戦勝計画を説明した他、NATO加盟を望むウクライナの立場を改めて伝達した。
英紙フィナンシャル・タイムズなど一部メディアは最近、ウクライナや欧米当局者の間で、ウクライナが被占領地域を事実上放棄するのと引き換えに、NATOがウクライナの安全を保証するという形での停戦案が浮上していると報じていた。
ただ、ウクライナは報道を否定。
ロシアも停戦にはウクライナの
「中立化」
が必要だとし、NATO加盟は容認できないとの立場を示している。
一方、ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は10日、露軍がウクライナ東部ドネツク州の集落3カ所とルガンスク州の集落1カ所を新たに制圧したと伝えた。

ウクライナ最高会議、戦費調達の増税法案可決 財源確保が課題
2024/10/10 21:06
https://www.sankei.com/article/20241010-D2GLGNSM7BMVJEZ4ZWW4CVUHLA/
ウクライナ最高会議(議会)は10日、戦費調達のための増税法案を賛成多数で可決した。
発効にはゼレンスキー大統領の署名が必要となる。
ウクライナメディアなどが伝えた。
ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻を始めて以降、ウクライナの国防予算は急増し、ゼレンスキー政権は財源の確保を迫られている。(共同)

露南部にドローン攻撃 ウクライナ、「燃料施設を破壊」と発表
2024/10/10 19:50
https://www.sankei.com/article/20241010-M54NUCMUPBOH7EWAKUTWJ3PT5A/
ロシア南部アディゲ共和国のクムピロフ首長は10日、同共和国の都市マイコープ郊外にドローン(無人機)攻撃があり、住民の避難を実施しているとSNSで発表した。
死傷者はないとした。
ウクライナ軍高官のコバレンコ氏は同日、マイコープ近郊の軍用飛行場の燃料貯蔵施設を破壊したとSNSで発表。
飛行場で爆発が起きた様子を撮影したとする動画も投稿した。
ウクライナ軍は最近、露軍の燃料貯蔵施設や弾薬庫への攻撃を激化。露軍の継戦能力を低下させるための作戦だとしている。

プーチン露大統領、「露朝戦略条約」法案を国会提出 北朝鮮と事実上の同盟締結へ
2024/10/15 8:23
https://www.sankei.com/article/20241015-HTQPRFXU7VNN3LOMIIC3BP4KUM/
ロシアのプーチン大統領は14日、北朝鮮と安全保障協力の拡大などを定める
「包括的戦略パートナーシップ条約」
を批准する法案を露下院に提出した。
条約は、どちらか一方の国が武力攻撃を受ける恐れが生じた場合に即座に協議を行うことや、実際に武力攻撃を受けた場合に相互が軍事支援を行うことなどを規定。
一方が他方に不利益を与える協定などを第三国と結ばないことも定めている。
ロシアは北朝鮮と事実上の軍事同盟を結ぶ形。
ウクライナ侵略で欧米諸国と決定的に対立したロシアは、核兵器開発や人権問題などを巡って同じく欧米と敵対する北朝鮮と関係を深め、欧米に対抗する思惑を改めて鮮明にした。
露朝の関係強化は、両国の軍事的威圧と対峙する日本にとっても脅威となる。
法案は今後、露下院と上院で可決された後、プーチン氏の署名により成立する見通し。
米国やウクライナによると、ロシアは北朝鮮から調達した弾道ミサイルや砲弾をウクライナの戦場で使用。
ロシアは見返りにロケットエンジン技術などを北朝鮮に提供していると観測されている。
露朝間の包括的戦略パートナーシップ条約は、6月に24年ぶりに訪朝したプーチン氏が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とともに署名していた。

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/802.html#c7

[社会問題2] 教育課長が自殺 庁舎から飛び降り、遺書も 県庁(神戸新聞) 熊野孤道
1. 秘密のアッコちゃん[922] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月06日 08:29:33 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[487]
<■275行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
闇バイト「受け子」の後悔 借金300万円「危ない橋」で懲役3年 指示役消え「悔しい」
2024/11/6 7:00
https://www.sankei.com/article/20241106-6OABEWLTJBOT5PEHBAW3DQH3IA/
首都圏を中心に
「闇バイト」
で集められた実行役らによる強盗事件の発生が止まらない。
警察当局は、これまでに実行役ら約40人を逮捕し、指示役らから脅されているなどしている闇バイトの応募者らの保護も宣言している。
ただ、手を染める若者らは、後を絶たない。
なぜ
「危ない橋」
を渡るのか。
かつて闇バイトに応募した男性(32)に、その実情を取材した。
■パチスロで困窮
《短期間で高収入の仕事》。
4年前の令和2年夏、福井県に住んでいた男性はツイッターの書き込みに興味を惹かれた。
当時、食品関係の仕事に就いていたが、ストレスからパチスロにのめり込み、借金の額は300万円にまで膨らんでいた。
カネになる
「副業」
はないか。
そうして見つけたのが、この書き込みだった。
まともな仕事ではないことは、うすうす気がついてはいた。
だが、意を決して応募した。
すると、指示役の男から
「返信」
があり、秘匿性の高い通信アプリ
「テレグラム」
に誘導された。
男が言う仕事は、やはりオレオレ詐欺などで高齢者宅に現金を取りに行く
「受け子」
だった。
だが、借金を返すことで頭が一杯で、少し悩んだものの、決意を固め、言われるがまま、免許証の画像や自分の口座番号を送り、実家の住所も伝えた。
「よっぽど下手じゃなければ大丈夫」。
男からは逮捕のリスクはないとして励まされ、借金があることを伝えると
「報酬から返せばいい」
と30万円貸すとも言われた。
その30万円は伝えていた口座に振り込まれた。
やり取りの過程で、1度、グループの別の男と東京都内で顔を合わせたが、その際の交通費も振り込まれた。
「今思えば、逃げられない状態に追い込んでいたのかもしれない」。
男性は振り返る。
■3回目の犯行で逮捕
最初の
「仕事」
は、その年令和2年の9月だった。
福井から4日間の日程で関西に向かうように命じられた。
滋賀で初めて住宅のインターホンを押す際は少し躊躇したが、借金返済のためと身を奮い立たせた。
イヤホンを装着し、指示役の男との電話は繋いだままで、指示通りに、応対した高齢女性からキャッシュカードを騙し取った。
女性宅から離れると緊張から汗が出ているのが分かった。
近くのATMから上限額の現金を引き出し、男から言われていた報酬(詐取した現金の5%)を抜いて指定された京都駅のコインロッカーに入れた。
その日はホテルに宿泊。
宿泊代も、振り込まれる予定だった。
大阪で2件目の犯行も重ねたが、3件目の家のインターホンを押したところで声をかけられた。
私服警察官で、その場で逮捕された。
繋いでいた男との電話はいつの間にか切れていて、警察署に到着した頃にはテレグラムのやり取りも、全て消えていた。
指示役がその後の捜査で判明したかも分からない。
詐欺と詐欺未遂の罪で起訴され、懲役3年の判決を受けた。
勤務先は懲戒解雇。
ようやく被害者への申し訳ない気持ちが芽生え、服役中は日記に反省や更生を誓う言葉を綴り続けた。
昨年2023年8月に出所。
ギャンブル依存症患者らを支援する団体に身を置き
「社会復帰」
の機会を模索している。
「今もどこかで闇バイトの犯罪が続いていると思うと悔しい」。
男性は絞りだすように語った。

<主張>闇バイト強盗多発 凶悪犯とならないために
社説
2024/10/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20241023-TI6BY4RUSFLENGFSADKTKMOR7Y/
家庭や近所、職場や酒場で、凶悪な広域強盗への恐怖が口の端に上る。
体感治安は著しく悪化している。
犯行グループは住人をハンマーで殴り、刃物で切りつけ、現金などを強奪する。
極悪非道な実行犯像を浮かべるが、必ずしもそうばかりではない。
横浜市の住宅で住人を殺害し現金を奪ったとして強盗殺人容疑で逮捕された22歳の男は交流サイト(SNS)の
「ホワイト案件」
と記された投稿を通じて指示役と繋がり、身分証などで個人情報を伝えた。
「犯罪に加担する恐怖を感じたが、個人情報を知られ仕返しや家族への危害を考え断れなかった」
と供述しているという。
これが
「闇バイト」
で使い捨ての犯罪者となる典型的な姿である。
警察庁は昨年2023年、
「犯罪実行者募集の実態」
と題する広報啓発資料をまとめた。
生々しい実例集である。
SNSの甘い誘いに乗れば言葉巧みに個人情報を求められ、写真や住所、銀行口座から家族や交際相手の詳細まで引き出される。
面接と称して携帯電話の電話帳や交信記録を撮影されたケースもある。
これらは全て離脱や逃亡を認めない脅迫の材料となる。
「家に火をつける」
「家族を殺す」
などの脅しが怖くて犯行に加担すれば、それも新たな脅迫への弱みとなる。
約束の報酬を受け取ることもない。
抗議しようにも指示役の上部は連絡先が分からない。
他人を殴り傷つけ殺害した心の痛みは消えず、犯行集団からの離脱を図れば警察に密告され、
「犯罪者」
としてネット上に写真が公開される。
これが逮捕まで続く。
なぜならそれまで決して離脱を許されないからだ。
身から出たサビであり、同情はできないが、人生は破滅である。
世の中に、そんなに甘い話はないと知るべきだった。
それでもすでに、
「闇バイト」
の甘言に乗ってしまった場合はどうするか。
警察庁は、こう呼びかけている。
「自分自身や家族への脅迫があっても、強盗は凶悪な犯罪です」
「すぐに警察に相談してください」
「警察は相談を受けたあなたやあなたのご家族を確実に保護します」
「安心して、そして勇気をもって、今すぐ引き返してください」
犯罪から抜け出す方策は、もはやこれしかない。

「物運ぶだけ」闇バイトの入口はSNS 普通のアルバイト装い、巧妙に犯罪へ
2024/10/22 21:24
https://www.sankei.com/article/20241022-JXZSKHUFL5PFPIHXLELINC3GME/
首都圏で相次ぐ一連の強盗事件をめぐっては、実行役らがSNSの
「闇バイト」
などで集められていたとされるが、ごく普通のアルバイトを装い巧妙に犯罪に引き込む実態が浮かんでいる。
■「日当5万円」
「ホワイト案件という投稿から指示役につながった」。
横浜市の強盗殺人事件で逮捕された宝田真月容疑者(22)は神奈川県警の調べにそう供述。
「短期間で稼げるバイト」
をSNSで探す中で見つけたという。
アルバイト情報検索サイト
「バイトル」
の運営会社の担当者は、闇バイトの特徴について
「単純労働を謳う割に日当5万円など一般的な相場とかけ離れた金額が提示されているケースが多い」
と明かす。
SNSでは«電話をかけるだけ»«物を運ぶだけ»など、高収入、短時間、簡単な作業をうたう募集が多い。
«たたき»(強盗)、«受け»(受け子)、«出し»(出し子)などの隠語が含まれることもあるとされる。
バイトルなど大手サイトの多くは、厳格な掲載基準を設けており、こうした闇バイトを排除。
このため、多くはSNS上で
「募集」
が行われているとみられる。
■個人情報の提示に注意
闇バイトでは、応募者に対し、運転免許証や履歴書といった個人情報の提示を求めるが、バイトルの担当者は
「一般的な企業では面接を経ずに提示を求めることはない」
と話す。
一旦個人情報を握られると
「自宅に押しかける」
「母親から狙う」
などと脅されて、犯行に加担するように求められる。
警察庁生活安全企画課の阿波拓洋課長は
「たとえ強要されていても強盗などへの加担は犯罪に変わりなく、重い罪に問われることになる」
として、すぐに警察に相談するように促す。
警察庁は2024年10月18日、X(旧ツイッター)に闇バイトからの脱退を促し、身の安全の保障を謳う異例の呼びかけ動画を公開。
阿波課長は
「1度加担してしまっても、更に罪を重ねたり大きな罪を犯したり前に引き返し、出頭してほしい」
と訴えている。

闇バイト抜ければ「確実に保護する」警察庁、動画で呼びかけ
2024/10/18 19:34
https://www.sankei.com/article/20241018-HCYBCUP7KFKV3HGSATNSXAKQKY/
首都圏での連続強盗事件を受け、警察庁は2024年10月18日、闇バイトなどを通じて加担しようとしている実行役に
「勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談を」
と呼びかける動画をX(旧ツイッター)に投稿した。
指示役らに脅迫されたとしても
「警察は相談を受けたあなたや、ご家族を確実に保護します」
と呼びかけた。
闇バイトに応募すると、運転免許証などを送って個人情報を犯人グループに知られ、自身や家族に危害を加えると脅された挙げ句、犯罪に加担するケースが目立つ。

<主張>相次ぐ広域強盗 徹底摘発重ねて一掃せよ
社説
2024/10/14 5:00
https://www.sankei.com/article/20241014-SVUXOGLGD5PHLLDMHESMVTET5A/
定まったメンバーで構成されず把握が難しい匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による広域強盗事件が相次いでいる。
社会不安を引き起こす事態だ。
警察は摘発を重ねて撲滅してほしい。
8月以降、男らが住宅に押し入り住人を襲う強盗事件が首都圏で少なくとも7件起きた。
さいたま市では80代母親と60代娘が頭を殴られ、東京都国分寺市の60代女性はハンマーで顔などを殴られ腕を骨折した。
埼玉県所沢市の80代男性は刃物で切られた。
同じ指示役が仕切っている疑いがあるという。
これ以外にも同種事件が発生している可能性がある。
凶悪極まりない。
逮捕された実行犯は交流サイト(SNS)上の求人に応募していたが、身分証明書を送った後に脅され犯行に加担した。
秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で指示を受けたという。
指示役らにとって実行犯は使い捨ての駒だ。
「高額報酬」
をちらつかせ、個人情報を得たら脅し、コストをかけず強盗を実行する。
捕まるのは実行犯ばかりだ。
その後も個人情報を握る指示役からの脅迫や制裁に怯え続ける。
報酬どころか人生を棒に振ることになってしまう。
ネット上のうまい話には乗らず、秘匿性の高いアプリへの移行を求められた際には闇バイトを疑うことを徹底させたい。
警察に相談しやすい環境の整備が必要だ。
警察や地域社会はこうした啓蒙をもっと強めたい。
懸念は
「指示役がどうやって強盗の標的を選んでいるのか」
だろう。
警察の捜査を待ちたいが、気になる情報がある。
国分寺事件の被害者が以前、飛び込みのリフォーム業者を自宅に上げ、工事を依頼していたというのだ。
資産状況などが把握され、その情報が流出して犯行に使われた疑いがあるという。
実行犯の中には逃走後、特殊詐欺の
「受け子」
をしているところを逮捕された者もいた。
頻発する強盗は特殊詐欺犯の変形とみるべきだろう。
現在は特殊詐欺と、そこから変質した強盗、SNS投資詐欺が猛威を振るう時代だ。
防圧するには摘発するのみだ。
かつてグリコ森永事件に触発された企業恐喝の頻発が社会問題化したが、警察の徹底した摘発の積み重ねにより沈静化させた。
逮捕を重ね、犯行は無理だと悟らせる。
警察の真価が問われる。

●SNS「闇バイト」で強盗の21歳男逮捕 背後に犯罪集団か
2020.9.18 12:00
https://www.sankei.com/affairs/news/200918/afr2009180009-n1.html
大阪府藤井寺市の民家に押し入って住人女性(85)を粘着テープで縛り、現金や通帳などを奪ったとして、大阪府警が強盗容疑で堺市の無職の男(21)を逮捕したことが18日、捜査関係者への取材で分かった。
女性の口座からは数百万円が引き出されていた。
男はSNS(会員制交流サイト)で、違法行為の実行役をする
「闇バイト」
の募集に応じて犯行に及んだといい、府警は背後に犯罪集団がいるとみて調べている。
捜査関係者などによると、10日午後4時ごろ、2人組の男が防火設備の点検と称して女性宅を訪問。
家に上がり込むと
「金を出せ」
と女性を脅し、現金約2万円や通帳、キャッシュカードなどを奪った上、女性の手足を粘着テープで縛って逃走した。
男らは女性から暗証番号を聞き出しており、口座からは数百万円が引き出されていた。
女性は長男(51)と2人暮らしだが、事件当時は長男は不在。
女性は自力でテープをほどき、大きなけがなどはなかった。
府警が2人組の行方を追っていたところ、堺市の男が逃走先の沖縄の警察に出頭し、逮捕された。
男は府警の調べに
「SNSの闇バイトに応募した」
「指示された民家を狙った」
との趣旨の話をしているという。
女性宅には以前、振り込め詐欺の電話がかかってきたことがあり、府警は特殊詐欺に関与するような犯罪集団が背後にいる可能性があるとみて捜査するとともに、逃げたもう1人の男の行方を追っている。
■「ガスの元栓見せて」上がり込む
「ガスの元栓を見せてください」
「防火設備の点検です」。
大阪府藤井寺市の女性(85)が被害に遭った強盗事件で、男らはこう言って強引に家に上がり込んだ。
最近、同様の手口の事件が各地で発生。
犯罪集団がマニュアルを用意し、SNSで募った若者らに実行させている疑いがあり、警察当局は警戒を強めている。
女性宅のインターホンが鳴ったのは10日夕。
近所の人か友人だと思い外に出ると、顔写真入りのネームプレートを首からさげた若い男2人が立っており、
「ガスの元栓を見せてほしい」
と言ってきた。
女性宅では最近、ガスの工事をしていたため
「終わっている」
と伝えると、男らは
「ガスではなく、防火設備の点検なんです」
「ガスの元栓を見せてください」
と言い、気づけば家に上がり込んでいたという。
自ら玄関の扉を閉めた男らは、態度を急変させた。
「殺すぞ」
「金出せ」
「通帳とカードは」
と脅迫。
現金やキャッシュカードなどを奪い、暗証番号を聞き出すと、粘着テープで女性を縛って逃走した。
女性宅には以前、振り込め詐欺の電話が何度かかかってきたことがあった。
そのとき被害はなかったが、同居する長男(51)の在宅状況などを把握されていた可能性もある。
同様の手口の強盗事件は関東を中心に相次いでいる。
東京都新宿区では今年8月、男が消防の点検を装って男性(90)宅に押し入り、男性を縛って現金を強奪。
この男は警視庁に逮捕され、SNSで闇バイトに応募し、指示を受けていたことが判明した。
神奈川や千葉でも同月以降、複数の事件が起きている。
事前に資産状況を尋ねる
「アポ電」
がかかっていたケースも。特殊詐欺を繰り返すような犯罪集団が高齢者の名簿などを基に対象を物色し、SNSなどで募った若者らに実行させているとの見方もある。
こうした手法が広がっているためか、強盗事件で逮捕される若者は増加。
警察庁によると、今年1〜8月に強盗事件で検挙された19歳以下は218人で、前年同期から5割以上増え、全体の約20%を占めている。

●〈独自〉闇バイトの緊縛強盗犯「報酬なかった」 安易な荷担に警鐘
2020.9.28 17:06
https://www.sankei.com/west/news/200928/wst2009280017-n1.html
ツイッターで
「闇バイト」
に応募した男らが大阪府藤井寺市の民家に押し入り、現金などを奪った事件で、実行役の2人が
「(約束した)報酬をもらえなかった」
と供述していることが28日、捜査関係者への取材で分かった。
このうち1人が犯行後、新たな犯罪の実行役を集める
「リクルーター」
をさせられていたことも判明。
捜査幹部は
「一度犯罪の誘いに乗ってしまうと、脅されるなどして抜けられなくなる」
と指摘し、安易に加担しないよう警鐘を鳴らす。
■強盗を犯した弱み 
捜査関係者によると、堺市西区の無職、宅見聖也(21)と神戸市垂水区のアルバイト、建部仁輪(とわ)(22)の両容疑者=強盗容疑などで逮捕=は今月上旬、それぞれツイッターで、犯罪の実行役を募る闇バイトに応募。
その後、
「赤坂」
と名乗る男から通信アプリ
「テレグラム」
で強盗を指示され、100万円ほどの報酬を約束されたという。
2人は10日夕、防火設備の点検を装って藤井寺市の女性(85)宅に上がり込み、女性を縛って現金約20万円や通帳などを強奪。
女性の口座から数百万円を引き出し、指示された別の口座に送金。
その一部を名古屋市港区の会社員、樽本裕介容疑者(29)=同=が引き出したとされる。
しかし、宅見、建部両容疑者には犯行後、報酬はほとんど支払われなかった。
そればかりか、建部容疑者は
「赤坂」
から別の犯罪の
「実行役を1人集めろ」
と指示され、ツイッターに募集のメッセージを投稿していたという。
2人は犯行前、身分証やキャッシュカードのデータなどを
「赤坂」
側に送信させられていた。
「赤坂」
の正体を知らないが、奪った金を持ち逃げしたり次の犯罪への加担を断ったりすれば、緊縛強盗を犯したことをばらされる恐れがあり、従わざるを得ない立場だった。
今回は現金の引き出し役だった樽本容疑者も
「関東や名古屋で複数の強盗に関与した」
と供述。
もともとは強盗の実行役をさせられ、その後もほかの役割を指示されるようになった疑いがある。
■死刑もあるリスク
「実行犯は検挙されるリスクが高いが、首謀者の犯罪組織からすれば、SNS(会員制交流サイト)で集めた若者が捕まっても
『トカゲの尻尾切り』
をできるメリットがある」。
奈良女子大の岡本英生教授(犯罪心理学)はこう指摘する。
警察庁によると、今年1〜8月に強盗事件で検挙されたのは1040人。
このうち犯行時に14〜29歳だったのは553人で、全体の半分以上を占める。
特に、19歳以下は227人で前年同期から5割以上増えており、若者が強盗事件に関与するケースが目立つ。
要因として、SNSを通じて
「闇バイト」
「裏バイト」
と称する犯罪の実行役に応募する若者が増えているとの見方がある。
SNSで実行役を募る手法は、特殊詐欺で現金を受け取る
「受け子」
などを集める際によく使われる。
犯罪組織が特殊詐欺に加え、手荒な方法を使って手っ取り早く金を得ようとしている可能性がある。
ただ、詐欺罪も法定刑は10年以下の懲役と重いが、強盗は最低でも5年以上の懲役。
被害者を死亡させた場合は死刑になることもある。
捜査幹部は
「犯罪の実行役を引き受けると抜けられなくなり、最後には使い捨てにされ、逮捕される」
「金欲しさに軽い気持ちで加担すると、取り返しのつかないことになる」
と注意を呼びかけている。

http://www.asyura2.com/0510/social2/msg/294.html#c1

[政治・選挙・NHK295] やることなすこと国民を逆なで 何度も言うが こんな自民と組んでもロクなことなし(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
27. 秘密のアッコちゃん[923] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月06日 10:43:36 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[488]
<■386行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
衆院選で与党過半数割れ 産読朝は首相に辞任を求める 毎東日は熟議の合意形成促す
社説検証
2024/11/6 9:00
https://www.sankei.com/article/20241106-3AZLN7SFRNM3VM35Q5UTMPRLOI/
第50回衆院選は自民党が公示前の議席を大幅に下回り、連立政権を組む公明党と合わせても過半数に届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党は勢力を4倍に拡大した。
産経、読売、朝日は石破茂首相に責任をとって辞任するよう求めた。
産経はまた、国政を停滞させぬよう、各党は安定政権の樹立に向けて努力すべきだと説き、毎日、東京、日経などは、熟議を通じた合意形成を促した。
自民の派閥パーティー収入不記載事件で、石破首相は不記載の候補者を非公認にしたり、比例代表との重複立候補を認めなかったりした。
一気に事を決めずに騒動を続けたのである。
産経は
「世間の関心が『政治とカネ』一色になったのはそのせいでもある」
と断じ、
「言い訳選挙」
になったことで優勢に戦うことができなかったと敗因を分析した。
与党過半数というのは首相自身が設定した勝敗ラインだ。
産経は
「石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ」
「責任を取って潔く辞職すべきである」
と強調し、
「自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい」
と論じた。
読売は
「大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか」
との見方を示した。
「政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない」
「速やかに進退を決することが憲政の常道である」
と石破首相に退陣を迫った。
朝日は
「石破政権に対し、国民が『不信任』を突き付けた」
「裏金問題に対する国民の怒りや不信を甘く見た結果に違いない」
とし、
「石破首相は職を辞すのが筋だ」
と主張した。
首相への不信任は、自民党政治への不信任だとして、
「自民も今度こそ本気で実態解明に取り組まねばならない」
と訴えた。
毎日、日経、東京は明示的には辞任を求めなかった。
毎日は自民の敗因について
「第2次安倍晋三政権以降に深刻化した政治の歪みや驕りを、根本から正そうとしなかったことだ」
と指摘。
日経は政治資金問題で
「生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭う事は出来なかった」
と分析した。
東京は
「派閥の裏金事件に自らけじめを付けなかったことに対し、民意は政治腐敗を明確に拒んだ」
と訴えた。
特別国会での首相指名選挙に向けて与野党の多数派工作が活発化している。
その結果如何にかかわらず、立民の影響力増大が予想される。
産経は、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という考えを変えず、反撃能力の保有にも消極的な立民について
「これで国民を守れるのか」
「この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある」
と政権担当能力に疑問符を付けた。
読売も
「『寄り合い所帯』で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない」
「そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか」
「まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう」
と釘を刺した。
朝日は
「与野党が拮抗する政治状況を、立法府の行政監視機能を立て直し、熟議を通じた丁寧な合意形成に繋げてもらいたい」
「立憲の責任と役割は極めて重くなった」
と記した。
毎日も立民に対し
「国会での存在感の高まりに見合った責任を果たすべきだ」
と注文し、
「与野党が伯仲する政治状況下では、緊張感ある論戦を通じて国民本位の合意を見い出すことが欠かせない」
と説いた。
日本の政治は新たな局面に突入した。
来年2025年夏の参院選を睨み、与野党の攻防は激しくなるだろう。
だが、スピード感をもって政策の合意形成を図っていかなければ、迷惑を被るのは国民である。
与野党はその事を肝に銘じてもらいたい。

■衆院選での与党過半数割れをめぐる主な社説
【産経】
・審判を重く受け止めよ/安定した政権の構築を求める(10月28日付)
・首相の居座りは許されぬ/直ちに辞職し新総裁選出を(29日付)
【朝日】
・国民から首相への不信任だ(28日付)
・信失ったままでは困難(29日付)
【毎日】
・「政治とカネ」に重い審判(28日付)
・不信拭う改革が最優先だ(29日付)
【読売】
・長期政権の驕りが不信招いた/国政の停滞は避けねばならない(28日付)
・首相は責任の重さを自覚せよ/政権の枠組み作りが焦点となる(29日付)
【日経】
・自民不信を突きつけた厳しい審判(28日付)
・国政の停滞回避へ責任ある行動を(29日付)
【東京】
・民意は政治腐敗拒んだ(28日付)
・熟議の政治を取り戻せ(29日付)

<主張>与党「過半数割れ」 審判を重く受け止めよ 安定した政権の構築を求める
社説
2024/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20241028-FCCUJHFOJVJ47OD67N322RXKGY/
第50回衆院選の投開票が行われた。
政権の信を問うと臨んだ石破茂首相は勝敗ラインに自民党、公明党の与党過半数を設定していたが、届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党も議席を伸ばした。
自民にとって野党に転落した平成21年の衆院選以来となる歴史的敗北だ。
首相は選挙結果を重く受け止めねばならない。
今後自民は非公認当選者の追加公認を図る見通しだ。
国際情勢は厳しく、混迷の度合いを増している。
今後、特別国会で首相指名選挙が行われるが、各政党は安定政権を作るべく努力してもらいたい。
国政を停滞させてはならない。
■言い訳選挙では勝てぬ
今回の大敗は、石破首相と自民執行部が
「言い訳選挙」
にしてしまったことが大きい。
言い訳選挙で優勢に戦うことなど望むべくもない。
自民の旧安倍派などの派閥パーティー収入不記載事件への有権者の怒りはくすぶっていた。
それにうまく対応できなかったのが首相だった。
就任後、不記載の前議員の非公認を増やし、比例代表との重複立候補を認めなかった。
しかも一気に事を決めず騒動を続けた。
世間の関心が
「政治とカネ」
一色になったのはそのせいでもある。
選挙戦最終盤には自民が、非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、首相は党勢拡大のためで
「選挙に使うことはない」
と釈明した。
これも有権者の投票行動を左右した可能性がある。
有権者や他党からどう見られるかを考えなかった石破首相や森山裕幹事長には、自民内から疑問の声が上がった。
石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった。
自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた。
国会論戦も十分に行わず早期解散に走った。
これで勝てると思っていたのなら信じ難い。
衆院選で政治とカネの問題への有権者の憤りが改めて示された。
各党は政治改革の具体策で合意し、速やかに実行に移すべきだ。
それを怠れば政治不信に拍車がかかる。
言い訳選挙になったのは、もう1つ理由がある。
それは、石破首相が政治とカネの問題を上回る、または匹敵するような政策上の大きな争点を国民に示せなかったことだ。
衆院選は常に日本の独立と繁栄、国民の生活と暮らしがかかった、日本の針路を決める政権選択選挙なのである。
にもかかわらず日本の針路を巡る本格的な論戦は展開されなかった。
とりわけ日本を守る安全保障が重視されなかったのは残念だ。
■立民は国を守れるのか
台湾有事の懸念が高まっている。
公示の前日には、中国軍が台湾を包囲する形で大規模な演習も行った。
今回の衆院選で選ばれた議員が台湾有事に直面する可能性がある。
北朝鮮の軍はウクライナ侵略に加担する見通しだ。
朝鮮半島有事がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
その危機が十分には語られず、抑止力のための防衛力の抜本的強化、国民保護などの具体策の議論が深まらなかったのは問題だ。
立民の影響力は増大する。
野田佳彦代表は外交・安保政策の継続性を重視する考えを示す一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という党の立場を変えていない。
反撃能力の保有にも積極的ではない。
これで国民を守れるのか。
この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある。
政策上の欠陥を抱えたままの立民に政権担当能力があるのか疑問だ。
経済を巡っては、各党がこぞって消費税減税や給付金支給などの物価高対策を示した。
だが財源を含む具体化の道筋には曖昧なものが多く、バラマキ色が目立った。
物価高に負けない賃上げを果たし、デフレからの完全脱却を確実にするには、生産性を向上させて企業の収益力を高める取り組みが欠かせない。
そうした積年の課題を解決しなければならない。
憲法改正の動きを後退させてはならない。
自民の大敗に加え、改憲に前向きな日本維新の会が振るわなかった影響は大きい。
自衛隊明記や緊急事態条項の創設は急務で、国会は改憲原案の条文化を進めるべきだ。

<主張>国民の審判 首相の居座りは許されぬ 直ちに辞職し新総裁選出を
社説
2024/10/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20241029-CEB23AAJIJPI7NMIRKWA2U4OUQ/
衆院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)が2024年10月28日の記者会見で、引き続き政権を担う意欲を示した。
自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを割り込む大敗の責任を取らずに、石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ。
責任を取って潔く辞職すべきである。
自民は比較第1党に踏みとどまった。
友党の公明党と共に政権構築を目指すのは分かるが、それは国民の信を失った石破総裁の下ではあり得ない。
自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい。
■本当に反省しているか
石破首相は会見で、衆院選の審判を
「真摯に厳粛に受け止める」
と語った。
だがその言葉とは裏腹に、
「国政の停滞は許されない」
と繰り返し、
「安全保障、国民生活、災害対応に万事遺漏なきを期すことも私どもが負うべき責任だ」
と述べた。
そこには反省が感じられない。
国民は衆院選で石破首相に国政運営を託したくないという判断を示した。
それが何故分からないのか。
有権者の審判を無視するトップが政権の座に留まろうとして国民の支持を得られると思うなら甘過ぎるし、民主主義から外れている。
全ての自民国会議員は、石破首相の続投こそが、国政の停滞を招くと知るべきである。
自民の小泉進次郎選対委員長は2024年10月28日、
「選挙の結果責任は選対委員長が引き受ける」
として辞任した。
小泉氏は自身の進退について
「目標を達成出来なかったのに責任を取らない自民党では、不信感の方が大きいと思う」
と語った。
これは石破首相、森山裕幹事長にこそ言えることである。
自民千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は
「議席をあれだけ減らした」
「責任はある」
と述べ、首相や執行部の早期退陣を促した。
これが国民感覚に沿った判断だろう。
石破首相は、第1次安倍晋三政権時の参院選で自民が大敗し
「ねじれ国会」
となった際に、続投を表明した安倍首相を攻撃した。
党総務会で
「(安倍)首相は『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』と訴えたのに、どう説明するのか」
と非難した。
代議士会では
「首相は『反省すべきは反省する』と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」
と責め立てた。
同じ事を石破首相に問いたい。
2024年10月28日の会見で
「自民党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
と語ったが、トップである自身がまず責任を取るべきだろう。
麻生太郎政権時に農林水産相だった石破首相は、事実上の退陣を迫ったこともある。
過去の言動との整合性がなければ、石破首相への信頼は集まらない。
首相の言葉は限りなく軽いものとしてしか受け取られまい。
■森山幹事長も責任重い
他人に厳しく自分に甘い、主権者である国民の審判を軽んじる。
そこに謙虚さは見当たらない。
このような有り様で与党は特別国会の首相指名選挙に確実に勝てるのか。
よしんば勝ったとしても、自民党内からは辞任論が出て、石破首相の求心力は低下している。
安定した政権運営が出来るのか。
森山幹事長の責任も重い。
選挙戦最終盤には、自民が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、
「政治とカネ」
を巡る批判に拍車を掛けた。
石破首相は
「選挙に使うことはない」
と述べたが説得力に乏しかった。
支給を主導したのは森山氏だったとされる。
石破首相の就任後に、臨時国会で予算委員会を開かず早期に解散するよう進言したのも森山氏である。
首相と森山氏は衆院選を有利に展開しようと党利党略に走ったが、思惑外れに終わった。
政府与党は首相指名選挙を行う特別国会を2024年11月11日に召集する方向で調整している。
だが、憲法第54条は衆院選投票日から30日以内の召集を定めている。
殊更引き延ばすことはあってはならないが、国会議員中心の自民総裁選を実施するくらいの日程的余裕はある。
自民は新総裁を選び、出直しを図らねば信頼回復は遠く、来年2025年の参院選でも有権者から厳しい審判を受けるだろう。
石破首相が今、日本と国民、党のために出来ることは速やかに辞任することしかない。

衆院選自公惨敗 長期政権の驕りが不信招いた
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50056/
◆国政の停滞は避けねばならない◆
自民、公明の与党が衆院選で惨敗し、過半数を割り込んだ。
今後、一部の野党の協力を得て、引き続き自公が政権を担い続けられるのか。
あるいは、立憲民主党を中心とした野党勢力が政権交代を起こせるのか。
政局は一気に流動化する情勢となった。
また、
「自公で過半数」
を勝敗ラインに設定していた石破首相の進退も焦点となる。
■政局の流動化は確実
第50回衆院選が開票された。
自公は、2012年の政権復帰以降、経験したことのない逆風に晒された。
大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか。
一方、多くの野党は議席を増やしたが、理念や基本政策の異なる各党で協力できるかは見通せない。
自公、立民それぞれが過半数確保に向け、多数派工作を繰り広げることになりそうだ。
与野党の勢力が伯仲することで、予算案や法案を巡る攻防が激化して政策遂行が遅れる事態が懸念される。
実際、2007〜2008年の福田内閣当時は、野党が国会運営を主導し、国政が停滞した。
今後、政権の枠組みを巡って与野党が駆け引きを繰り広げ、混乱が長引く可能性もある。
山積する内外の難題に適切に対応できるのか。
与野党共に大きな責任を負うことになった。
今回の衆院選は異例ずくめだった。
石破政権が内閣発足直後の
「ご祝儀相場」
を当て込み、戦後最短での衆院解散に踏み切った。
だが、自民党は、政治資金問題を抱えた前議員らの処遇を巡り、原則として全員を公認する方針が批判されると、非公認を次々と増やし、定見のなさを露呈した。
選挙戦の終盤には、非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が公認候補向けと同額の2000万円を支給していたことも発覚し、混乱を広げた。
執行部の失態と言う他ない。
自民が苦戦した背景には、
「岩盤」
と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。
岸田前首相が昨年2023年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。
こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引き付けることに成功したからだろう。
既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢い付けている側面もある。
■現実的な主張が奏功か
先月2024年9月、15年ぶりに党首が交代した公明も厳しい選挙戦となった。
小選挙区選に初めて挑戦した石井新代表が落選したのは、支持母体の創価学会員の高齢化が影響しているとされる。
一方、立民の伸長は、自民の
「金権体質」
を争点化する手法が奏功したことが一因だ。
また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を 概 ね継承する考えを示した他、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた
「原発ゼロ」
に拘らない方針を強調した。
こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ。
国民民主党も躍進した。
玉木代表が
「手取りを増やす」
と主張して、
「生活重視」
の姿勢を取ったことが、特に若い世代の支持拡大に繋がったのだろう。
日本維新の会が伸び悩んだのは、大阪・関西万博の会場建設費が想定以上に膨らんだことや、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑が影響したとみられる。
他方、選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。
■課題を蔑ろにするな
物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。
社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。
急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ。
ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。
先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ。
日本周辺の安全保障環境はかつてないほど悪化している。
防衛力の強化はもとより、日米同盟を深化させると共に、友好国を増やしていく必要がある。
野党の選挙戦術もあって、政治とカネの問題が焦点となったのはやむを得ないとしても、国政の課題を蔑ろにするような事態は避けなければならない。

自民歴史的大敗 首相は責任の重さを自覚せよ
2024/10/29 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50239/
◆政権の枠組み作りが焦点となる◆
国民に信を問うために断行した衆院解散・総選挙で大敗した以上、石破首相が取るべき道は明らかだ。政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない。
速やかに進退を決することが憲政の常道である。
衆院選の結果、自民、公明の与党の獲得議席は、首相が「勝敗ライン」とした「与党で過半数」には程遠い215議席だった。自民党は191議席にとどまった。
■勝敗ラインには程遠く
自民党が200議席を下回るのは、民主党に政権を明け渡した2009年以来で、自民結党以降でも2回目だ。今回は歴史的惨敗を喫したと言える。
首相は、過半数割れの少数与党であっても、無所属で当選した議員らの追加公認や、一部野党の協力によって政権を維持しようとしている。選挙後の記者会見では「国政を進めていくことで職責を果たしていく」と述べた。
首相が協力相手として想定しているのは国民民主党だ。国民民主は「対決より解決」を掲げ、予算案や法案の採決で自公と足並みを 揃 そろ えたこともあるため、連携が可能とみているようだ。
だが、衆院選で敗れた首相が少数与党の体制で政権を維持できたとしても、国会では多数派の野党を相手に、必要な法案や政策を実現させていくことは困難で、混乱が長引くだけだ。
首相は責任の重さを自覚し、判断を間違えてはならない。
衆院選の敗因について首相が、「政治とカネの問題で国民の疑念、不信、怒りが 払拭 ふっしょく されていないことが最大の理由だ」と述べたのはその通りだろう。
しかし、新政権が衆院選でとった戦術はちぐはぐで、ことごとく裏目に出たのも事実だ。
そもそも首相就任前に、解散日程を表明したことは異例で、違和感を覚えた人は多かった。
■ミス繰り返した執行部
首相は自民党総裁選の最中、早期の解散に慎重な考えを示していたのに、首相に就任すると、予算委員会を開かず、戦後最短の日程での解散に踏み切った。
こうした策を首相に進言したのは、総裁選で早期解散論を唱えていた小泉進次郎選挙対策委員長だとされている。
首相交代直後の刷新感を武器に選挙を戦おうとしたようだが、これを受け入れたのは首相で、有権者には、誠実さに欠けるという印象を与えたに違いない。
このほか、政治資金収支報告書に不記載があった前議員らを公認するか、非公認とするかを巡って執行部の方針は二転三転した。
選挙戦最終盤には、非公認候補が代表を務める党支部に、自民党から公認候補と同額の2000万円を支給していたことが判明し、「非公認は見かけ倒しの処分だ」といった批判を招いた。
石破政権がこれほど失策を繰り返していたら、支持を失うのも当然だ。執行部に責任を取らせて済む問題ではない。
大敗した自民とは対照的に、立憲民主党と国民民主党は躍進した。自公に代わる受け皿としてみなされたのだろう。日本維新の会と共産党は議席を減らした。
欧州では、エネルギー価格など物価高騰への不満から、自国第一主義を掲げた極右政党が伸長するケースが目立っている。
今回の衆院選では急進的な主張をする勢力が一定の支持を集めたが、その広がりは限定的で、日本の有権者は、穏健な保守や中道路線を支持したとみて良かろう。新たな政権の枠組みは、そうした民意を反映することが望ましい。
立民は、他の野党との多数派工作に力を入れ始めている。野田代表が野党を糾合し、政権交代を実現できるかどうかが焦点だ。
■政策の一致は不可欠だ
ただ、野田氏の足元は盤石とは言い難い。立民は、リベラル系や中道路線を支持する議員などの「寄り合い所帯」で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない。
そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか。まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう。
野党各党で協力するにしても、理念や基本政策が 乖離 かいり した状態では、政権は安定しまい。実際、1993年に7党1会派で発足した細川連立内閣は、路線対立が絶えず、1年足らずで瓦解した。
国際情勢は緊迫の度を強め、国内は少子化問題、社会保障制度改革、経済再生など待ったなしの課題が山積している。各党もまた責任の重さを忘れてはならない。

[社説]自民不信を突きつけた厳しい審判
衆議院選挙2024
社説
2024年10月28日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK271700X21C24A0000000/
政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った。
第50回衆院選は2024年10月27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。
自公は政権に復帰した2012年以来の岐路に立った。
石破茂首相らの責任論は避けられない。
自公は野党に協力を求めて政権を継続する方針だ。
立憲民主党は躍進し、多数派の形成に向けて野党各党と協議に入る。
政局は流動化し、政権の枠組みが見えない不透明な状況になった。
■世界の潮流が波及
自民は公示前の247議席から大きく減らし、下野した2009年以来の敗北となる。
接戦だった多くの小選挙区で競り負け、閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。
公明も石井啓一代表が落選したのをはじめ、牙城である関西で苦戦するなど、公示前の32議席を下回った。
立民は公示前の98議席から大幅に議席を伸ばした。
保守系の野田佳彦元首相を代表に据えたことで、自民支持から離反した保守層の受け皿になったとみられる。
自民との議席差を一気に縮める結果は、政権交代への足掛かりを築いたと言ってよいだろう。
自民の敗因が政治資金問題にあるのは明らかだ。
私たちは当初から
「政治とカネの問題は、扱いを誤れば政権の命取りになる」
と指摘してきた。
だが自民は生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭うことはできなかった。
与党の敗北は世界的な潮流でもある。
選挙イヤーの今年2024年、各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたと言えよう。
物価高や賃金、雇用など身近な課題に既存の政治が十分対応できず、有権者がノーを突き付ける構図だ。
政治資金の杜撰な管理が物価高に耐える国民の不満を増幅したと見るべきだろう。
選挙戦の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念だ。
物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生の在り方などは、どんな政権であっても重要課題として取り組まざるを得ない。
日本の政治の安定が損なわれることになれば、対外的に大きなマイナスだ。
米大統領選の行方が見通せない中、日米同盟や日韓関係の不安定要因にならないよう注意する必要がある。
日米韓の連携が動揺し、中国や北朝鮮、ロシアに対日政策の軽視や周辺地域での過激な行動を誘発する事態は避けなければならない。
政治の安定は海外から日本にヒト、モノ、カネを呼び込む誘因の1つでもある。
政局が混迷すれば、日本への投資を控える動きにつながる懸念がある。
ようやく成長軌道に乗りつつある経済に水を差すことがあってはならない。
そのためには出来るだけ早く安定した政権基盤を取り戻す他ない。
自公は過半数を割っても一部の野党と連携することで政権を継続したい考えだ。
連立政権の枠組みへの野党勢力の参加も視野に入れるが、現時点で野党側に自公連立に加わる動きはない。
■熟議を取り戻す契機に
一方、立民は非自民勢力の結集に向けて野党各党と協議する意向だ。
ただ、どのような枠組みで政権を目指すのか、具体的な政権構想はこれからで、成否はまだ見通せない。
自民と立民の議席差が大幅に縮まったことで、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙に向け、両陣営の攻防が激しくなる。
国民民主党や日本維新の会などとの連携を巡る綱引きも予想される。
政権の枠組みが見えてくるには時間がかかりそうだ。
与野党の伯仲は政治の在り方として悪い事ではない。
政権交代を目指す立民の伸長は国会審議に緊張感を与える。
中道保守の第1党と第2党が熟議を通じ、重要課題を解決するのは政治の1つの知恵である。
立民にとっては政権担当能力を磨く場となり、政権への近道になるはずだ。
対外的にも日本の政治の安定と成熟を示すことになろう。
ウクライナ戦争や中東情勢は緊迫の度を増している。
与野党とも内向きの政争に陥るのではなく、国内外の情勢に目を向け、国際社会で求められる日本の役割を自覚して安定した政治を取り戻すことを急ぐべきである。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/868.html#c27

[戦争b25] 米国が始めたロシアとの戦争にのめり込み、自国を破壊したドイツの政治家(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
8. 秘密のアッコちゃん[924] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月06日 12:26:50 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[489]
<▽36行くらい>
ウクライナの汚職対策で会合 G7各国専門家らタスクフォースで都内集結
2024/11/6 10:42
https://www.sankei.com/article/20241106-SGLSUSBPTFIPLCRFYHB2BMMG7A/
ウクライナで問題化している汚職の追放のため、先進7カ国(G7)が設置した
「汚職対策タスクフォース」
の第3回会合が2024年11月6日、東京都内で開かれた。
初の対面形式で、G7各国やウクライナ検察当局、国連開発計画(UNDP)などの専門家ら約40人が参加。
2日間に渡る協議で支援の課題を洗い出す。
過去2回はオンラインで開かれ、それぞれの活動状況を共有した。
今回は、効果的な支援のため、各国や各機関の取り組み内容に重複がないかどうかを確認。
ウクライナが抱える課題を改めて議論し、それぞれの活動に生かす。
ウクライナでは汚職が深刻で、喫緊の政治課題となっている。
昨年2023年7月に東京で開かれたG7司法相会合でタスクフォース設置が決まり、日本の法務省が事務局を担っている。
今年2024年8月には小泉龍司法相(当時)が、首都キーウ(キエフ)を訪れ、ウクライナとの間で法務・司法分野での協力に関する覚書に署名した。

交戦で北朝鮮兵死亡と米紙 当局者「かなりの数」 露軍と戦闘参加、日時不明
2024/11/6 10:40
https://www.sankei.com/article/20241106-M6HOWVK65ZMTZN6T7PNLGG56DQ/
米有力紙ニューヨーク・タイムズは2024年11月5日、ウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍と北朝鮮兵が初めて交戦し、
「かなりの数」
の北朝鮮兵が死亡したと報じた。
匿名の米当局者の話としている。
ゼレンスキー大統領は2024年11月5日の声明で、北朝鮮兵との戦闘は
「世界の不安定化の新たなページを開く」
と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。
同紙によると、交戦は限定的で、北朝鮮兵はロシア軍部隊と共に戦闘に参加した。
交戦の日時は不明という。
ゼレンスキー氏は声明で
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」
と強調し、各国に支援を呼び掛けた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが2024年11月5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。
ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。(共同)

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/802.html#c8

[政治・選挙・NHK295] 米国大統領選<トランプVS不〇選挙>仁義なき戦い 選挙研究所
54. 秘密のアッコちゃん[925] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月07日 06:09:25 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[490]
<■254行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>トランプ氏勝利 同盟重視し国際秩序守れ 内向きに終始してはならない
社説
2024/11/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20241107-EQUVXD4IZFOJDMKHLBFXNC47EE/
米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が勝利宣言し、
「繁栄した米国を作りたい」
と語った。
2024年12月の選挙人投票を経て来年2025年1月20日に就任する。
2021年1月以来の返り咲きとなる。
「米国を再び偉大に」
「米国第一主義」
などのスローガンを掲げた。
インフレ(物価上昇)や不法移民の問題で民主党候補のハリス副大統領を批判し、有権者の支持を集めた。
暗殺未遂を乗り越えた
「強さ」
も支持されたのだろう。
トランプ氏に注文したい。
公約に沿ってインフレや不法移民など内政の諸政策を推進するのは当然だが、
「内向き」
の政治に終始しないでもらいたい。
■日本との協力を確実に
前回のトランプ政権は、専制国家中国の脅威をはっきりと指摘し、軍事的、経済的に抑止していくという歴史的決断を下した。
それは民主党のバイデン政権にも引き継がれた。
新たなトランプ政権でも国際秩序を守るために行動することを期待したい。
世界はトランプ前政権当時から大きく変わった。
中国は経済不振に陥りながらも、台湾周辺や南・東シナ海で軍事的威圧を強めている。
ロシアによるウクライナ侵略は3年近くも続いている。
中東での紛争は終息の気配がない。
自由と民主主義、「法の支配」に基づく世界の秩序が、専制国家によって脅かされている。
米国の行動力と民主主義諸国の結束が今ほど試されているときはない。
トランプ氏は、2024年7月の共和党全国大会で訴えたように
「米国の不和と分断」
を修復しなければならない。
トランプ政権が備えるべき相手は、自身を支持しなかった
「内なる敵」
ではなく、米国や民主主義国の存立と繁栄を脅かす専制国家だ。
世界の経済成長の中心地であるインド太平洋地域への関心を高めてほしい。
地域最大の同盟国である日本やオーストラリア、カナダ、韓国などとの協力が欠かせない。
大統領選の最中には、中国による日本や台湾、フィリピンなどへの軍事的挑発が相次いだ。
2024年10月に台湾を囲む形で行われた中国軍の演習ではロシア軍の艦船が宮古海峡を通過した。
台湾有事を想定した中露連携との見方もある。
北朝鮮は新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。
トランプ氏の台湾を巡る認識には不安もある。
共和党の政策綱領から1980年以来初めて
「台湾の自衛を支援する」
という誓約が抜け落ちた。
トランプ氏が
「台湾は防衛費を払うべきだ」
「我々は保険会社と何ら変わらない」
と不満を語ったこともあった。
だが、日米などが共有する
「自由で開かれたインド太平洋」
のためにも台湾海峡の平和と安定は死活的に重要だ。
米軍の近代化を進め対中抑止に努めねばならない。
■ウクライナ支援続けよ
トランプ氏にはウクライナへの支援継続も望みたい。
派兵された北朝鮮軍の部隊がウクライナ軍と交戦したと伝えられる。
ウクライナへの侵略国に北朝鮮が加わった。
ここでもインド太平洋地域と欧州の安全保障問題は繋がった。
トランプ氏は自身が大統領選に勝てば
「すぐに停戦できる」
と述べてきたが、停戦とは露軍の即時全面撤退以外にない。
ロシアや北朝鮮に果実を与えれば、日本周辺での専制国家による侵略を誘発しかねない。
トランプ氏は同盟国に応分の防衛負担を求めるだろう。
米国1国で専制国家を抑止できないため理解できるが、日本や先進7カ国(G7)、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの協力も合わせて語るべきだ。民主主義国同士の重層的な同盟・協力関係が国際社会の安定に繋がり、米国の繁栄も支えているからだ。
民主主義諸国の結束の乱れは中露など専制国家を増長させかねない。
トランプ氏は、バイデン政権が打ち出したインド太平洋地域の
「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」
への不支持も表明した。
米国の不在は、中国の地域での影響力を強めることになる。
再考すべきだ。
中東情勢も喫緊の課題だ。
イスラエルとイランの全面衝突が懸念されている。
イスラエルへの影響力を発揮し、事態の安定に努めてほしい。
石破茂政権はトランプ氏側と早期に接触し、信頼関係を築かねばならない。

トランプ氏復帰、世界中が注視 ウクライナへの軍事支援に変化も 中国「不確実性増す」
2024/11/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20241106-YY2Q7QAJBZPXVJTOEJXXEK6S5E/?outputType=theme_uspe
米共和党のトランプ前大統領と、民主党のハリス副大統領が対決した2024年11月5日の米大統領選を世界各国は強い関心を持って注視した。
ロシアのウクライナ侵略を巡り、ウクライナへの支援から撤退する可能性のあるトランプ氏が勝利したことを欧州は警戒。
ロシアは歓迎しているとみられる。
トランプ氏の勝利で中国は「不確実性」が増すと予測。
混沌とする中東情勢は同氏の復帰で新たな局面を迎えそうだ。
■欧州、NATO結束で不安
米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利したことで、欧州では米国がウクライナ支援から撤退し、欧州安全保障に危機をもたらすとの警戒感が出ている。
フランスのマクロン大統領は2024年11月6日にX(旧ツイッター)でトランプ氏の勝利を祝福した上で、
「ドイツのショルツ首相とも話し合った」
「新たな環境の中で、我々は欧州をより強く、結束させるために働く」
と投稿。
独仏で欧州連合(EU)を牽引し、新政権の下で新たな米欧関係の構築を目指す構えを示した。
トランプ氏はこれまで、欧州加盟国が防衛費の負担を増やさなければ、ロシアが将来、欧州を攻撃しても防衛しないと述べている。
北大西洋条約機構(NATO)の結束に不安が広がる中、ルッテNATO事務総長は2024年11月6日、
「強さによる平和を推進するため、再び協力できることを楽しみにしている」
とXに投稿した。
先月2024年10月の欧州世論調査では、ドイツで64%、フランスでは61%が
「安全保障のためにはハリス副大統領の勝利が望ましい」
と回答していた。
トランプ氏は国内産業保護のため輸入品に高関税をかけると公言しており、米EU間の貿易摩擦は不可避となる見通しが強い。
EUの貿易大国ドイツで特に警戒が強まっている。
トランプ氏は2024年10月末、EUについて
「彼らは我々の車や農作物を買わずに、膨大な量の車を売っている」
「代償を払わせる」
と発言した。
■露、ウクライナ降伏への圧力期待
ウクライナ侵略を巡って同国の
「降伏」
による早期の戦闘終結を実現させたいロシアは米大統領選で、ウクライナに停戦圧力を加えたり、軍事支援を停止したりする可能性がある米共和党のトランプ前大統領が勝利したことを歓迎しているとみられる。
ペスコフ露大統領報道官は2024年11月6日、
「プーチン大統領は一貫して対話に前向きだ」
とトランプ氏との電話会談を排除しなかった。
ウクライナでの停戦に向けて米国が動くかどうかをロシアは注視するとも述べた。
プーチン氏は2024年10月下旬、トランプ氏が停戦の実現に尽力する意向を示しているとし、
「(停戦に関する)そうした発言は誰からのものであろうと歓迎する」
と表明。
また、
「(戦争の)帰結はロシアに有利なものであるべきだ」
「(停戦の内容は)戦場の現実に立脚すべきだという点に関してロシアは譲歩しない」
と述べた一方、ロシアには
「合理的な妥協」
を行う用意があるとも主張した。
プーチン氏は従来、停戦に応じる条件として、ウクライナが南部クリミア半島と東・南部4州全域をロシアに割譲することや、NATO加盟を否定することを提示。
ただ、露軍も疲弊しており、4州全域を軍事的に掌握するのは困難だとの見方が露国内でも出ている。
トランプ氏が今後、ロシアとウクライナ双方に硬軟織り交ぜて停戦を促した場合、プーチン氏が4州全域の割譲要求を取り下げ、現在の前線を停戦ラインとすることを認めるなど一定の
「妥協」
に応じる可能性はゼロではない。
■韓国、対北で安保体制の維持強調
北朝鮮がウクライナを侵略するロシアへ派兵するなど、安全保障情勢が厳しさを増す中、韓国では、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がバイデン米大統領、岸田文雄前首相と築いた日米韓の対北安保協力体制が揺らぎかねないとの不安感が高まっている。
トランプ氏は在任中、
「裕福な国」
である韓国が米国の軍事力に
「ただ乗りしている」
と主張し、在韓米軍の駐留経費を巡り、韓国に大幅な負担増を迫った経緯がある。
このため、韓国は2024年10月、トランプ氏の返り咲きに備え、2026年以降の駐留経費負担を決める協定に早々に合意。
選挙直前の今月2024年11月4日、駆け込むように署名を済ませた。
尹氏は2024年11月6日、Xでトランプ氏への祝意を示した上で、トランプ氏が
「これまで見せてきた強いリーダーシップ」
を評価。
米韓が今後、緊密に協力していくことに期待を表明した。
韓国大統領府高官は同日2024年11月6日、ロシア派兵で北朝鮮の脅威が増している点を指摘。
「韓国政府は安保が一寸も揺るがないよう米国の新政権と完璧な安保体制を築き上げていく」
と述べ、米新政権下でも安保協力を維持していく方針を強調した。
■中国、関税引き上げ警戒
米大統領選で共和党のトランプ前大統領、民主党のハリス副大統領のどちらが勝利しても、中国では米国の対中圧力は緩和されないとの見方が支配的だった。
浙江外国語学院米国研究センター主任の王冲氏は
「誰が大統領になろうとも中米関係で小春日和が実現するのは難しく、劇的な好転を実現するのは更に難しい」
との見解を選挙前に中国メディアに寄せた。
王氏は、バイデン大統領の対中路線を継続すると見込まれたハリス氏に対し、トランプ氏の路線では
「不確実性と予見不可能性が増す」
と警戒する。
中国側は、トランプ氏が大統領1期目で見せた
「不確実性」
に神経を尖らせる。
トランプ氏は既に中国製品に60%の関税を課す方針を表明しており、実現すれば、景気低迷下にある中国経済には逆風だ。
中国が
「核心的利益」
と位置付ける台湾問題でも、トランプ氏は中国が台湾に侵攻すれば
「150〜200%」
の関税を課すと発言している。
一方で、中国は米政権の圧力継続を見越し、ここ1年ほどは米国を念頭に置いた外交を展開してきた。
まずは米国の同盟国などの切り崩しだ。
日米豪印の枠組み「クアッド」の一角をなすインド、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」とクアッド双方に入るオーストラリアとは、それぞれ悪化していた関係の改善に動いた。
次にグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の取り込みにも力を入れ、中国やロシアなど主要新興国で作る「BRICs」の枠組み拡大などを進めた。
日中外交筋は
「中国はこの1年間の取り組みを通じ、誰が米大統領になっても対応可能だと自信を持っているのではないか」
と指摘する。
■台湾、有事の防衛で懸念残る
台湾当局は、米大統領選の結果が台湾海峡の平和と安定に影響を与えるとみて注視している。
「米国の台湾支持は超党派の共通認識」(米当局者)
とはいえ、バイデン米大統領が繰り返し台湾防衛を明言してきたのに対して共和党のトランプ候補の姿勢は曖昧さが増しており、台湾側には懸念も残る。
トランプ氏は
「台湾は(米国に)防衛費を支払うべきだ」
と主張し、域内総生産(GDP)比10%の防衛費支出を台湾に要求。
これは歳出の8割超に当たる非現実的な数字だ。
更に台湾が
「半導体ビジネスを米国から奪った」
とし、台湾製半導体への高関税も示唆した。
世界的な供給網の中核として、中国による台湾侵攻を抑止する役割への期待から
「シリコンの盾」
と呼ばれる台湾の半導体産業に、トランプ氏の存在は大きな影を落とす。
ただトランプ氏に対しては悲観論だけではない。
当局系シンクタンクの安全保障研究者は、大規模な兵器購入を台湾に求める同氏の勝利で
「(最新鋭ステルス戦闘機の)F35などの高度な兵器を買うチャンスでもある」
と指摘する。
また与党、民主進歩党系の政治研究者も
「民進党は前回の米大統領選で、台湾との関係が良好だったトランプ氏の再選を望んでおり、バイデン氏の当選に焦りもあった」
「今回はどちらでも構わない」
と話す。
一方、中国に融和的な最大野党の中国国民党は、米中間の緊張を高める可能性が大きいとみられるトランプ氏をより警戒する。
「米国が中国に対抗するためのコマとして台湾を利用する」(国民党系の政治学者)
との懸念を持つためだ。
■対イラン政策、一変の公算
パレスチナ自治区ガザやレバノンで戦闘を続けるイスラエルと、その宿敵イランに米国がどう対処するのか注目されるだけに、中東諸国は強い関心を持って米大統領選の行方を見つめた。
イスラエルで2024年10月末に公表された世論調査結果で、次期米大統領はトランプ氏が好ましいとの回答が全体の66%を占め、ハリス氏との回答は17%だった。
それも当然の結果と言える。
2017年から4年間の大統領任期中、トランプ氏はそれまでの米外交政策を変更してエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、同国寄りの政策を貫いた。
特に戦闘が続く現在では、激しい攻撃で高まる国際的批判をかわす上でも最大の後ろ盾になるとの期待が大きい。
イスラエルのネタニヤフ首相は2024年11月6日、トランプ氏が勝利したことを受け、
「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」
「米国の新たな始まりとなる」
と祝意を示した。
一方、イランはトランプ氏復帰に警戒を強めている。
イランが2024年10月初めにミサイル約180発でイスラエルを攻撃した際、トランプ氏は
「(イスラエルは)イランの核施設を攻撃すべきだ」
と述べた。
今後、中国などとの原油のヤミ取引の監視を強化するなど、イランに対する
「最大限の圧力」
政策が復活する公算が大きい。
イラン政府のモハジェラニ報道官は2024年11月6日、
「米国の選挙はイラン人の暮らしに影響しない」
と述べた。
ロイター通信がイランの通信社の報道として伝えた。

米大統領選 有権者最大の関心は「民主主義」 出口調査 トランプ氏不正主張など影響か
2024/11/6 14:09
https://www.sankei.com/article/20241106-DNASW5AXFFJETCGA3CE2DJNMAQ/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で米メディア各社が実施した出口調査では、最も関心のある争点として
「民主主義の在り方」
を挙げた人が
「経済」
を上回った。
有権者層の分析では、共和党のトランプ前大統領(78)が過去の選挙戦より黒人やヒスパニック(中南米系)からの支持を増やした半面、民主党のハリス副大統領(60)はトランプ氏から白人の支持を奪っているもようだ。
NBCテレビの出口調査によると、最も重視する争点は
「民主主義」だと答えた人は34%
で、
「経済」の31%
を上回ってトップとなった。
続いて
「人工妊娠中絶の是非」が14%、
「移民問題」が11%、
「外交問題」が4%
だった。
CNNテレビの調査でも近似した結果となった。
選挙戦での世論調査では、ほぼ一貫して経済が最重要争点と見做されてきたが、ここにきて民主的制度が脅かされているとの懸念が有権者に広がっていることが示された格好だ。
米紙ワシントン・ポストによると、有権者の約7割が、米国の民主主義への脅威が
「とてもある」
あるいは
「ある程度ある」
と回答した。
背景には、トランプ氏が2020年の前回大統領選で十分な根拠を示さず主張したのと同様に、今回も投票日前から
「不正が行われている」
と繰り返していることなどが影響したとみられる。
前回選では、トランプ氏が敗北を認めずに不正主張を拡散させたことが、2021年1月のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件に繋がったとされる。
一方、NBCによれば、有権者の45%がトランプ政権時の4年前より
「生活が苦しくなった」
と回答。
経済運営ではハリス氏よりもトランプ氏に期待する傾向があらわれている。
人種による支持傾向にも変化があった。
トランプ氏を
「好ましい」
と考える人の割合は白人で49%で、前回選の57%から8ポイント減少。
ヒスパニックは42%、黒人は14%で、前回選よりそれぞれ4ポイント増加した。
「男らしさ」
といった価値観を重視する黒人やヒスパニックの男性有権者には、女性初の大統領を目指すハリス氏への反感がある一方、白人女性の間では
「トランプ離れ」
が進んでいると指摘される。

重要課題は「民主主義」「経済」 移民、中絶も判断要因に 米大統領選
2024/11/6 13:02
https://www.sankei.com/article/20241106-RCP7KKV2OBJOBEWXAWVVU7TJM4/?outputType=theme_uspe
2024年11月5日投開票の米大統領選で、CNNテレビやABCテレビなどが共同実施した出口調査の結果によると、有権者が重要課題に挙げたのは民主主義の行方が35%で最も多く、経済が31%、人工妊娠中絶の権利が14%、不法移民問題が11%で続いた。
AP通信とFOXニュースの共同出口調査では、半数近くが民主主義を最も重要な争点だと答え、39%が経済だと回答。
移民問題は20%、中絶は11%だった。(共同)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/869.html#c54

[政治・選挙・NHK295] 石破首相「適材適所」どこに? 裏金問題を扱う法相の後任に裏金疑惑の鈴木馨祐氏を充てる仰天(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
22. 秘密のアッコちゃん[926] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月07日 06:13:05 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[491]
<■1779行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国、韓国が利用する石破首相の歴史観 過去の言動繰り返せば付け入る隙に 
阿比留瑠比の極言御免
2024/11/7 1:00
https://www.sankei.com/article/20241107-3K6TVFPG6RPOZDBYUBB4CSA2ZI/
まだ石破茂首相のことを保守派だと見做していた20年以上も昔の話である。
筆者は当時、安倍晋三元首相や中川昭一元財務相らが熱心に取り組んでいた偏向歴史教科書問題や慰安婦問題など保守系の運動に関わろうとしないことをいぶかり、それらへの参加を促したことがある。
だが、返事はそっけなかった。
「そういうのは、もういいよ」
この時は、単に余り関心がないのかと流したが、徐々にそうではなくて歴史認識自体が大きく異なるのだと分かってきた。
石破氏の考え方は、むしろ左派・リベラルに近かった。
それを反映し、2024年9月の自民党総裁就任時などに、中国や韓国は首相の歴史観を理由に概ね歓迎を示した。
例えば韓国の左派紙、ハンギョレ新聞は同月2024年9月30日の社説で書いている。
「歴史問題についても『政治的ライバル』だった安倍元首相とは異なり、何度も合理的な見解を明らかにしたことがある」
「(中略)謙虚な歴史認識を示してくれることを期待する」
また、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(2024年10月18日付)は、首相が平成18年9月23日付の毎日新聞鳥取県版にこう語ったことを紹介している。
「最近は、自民党の若い議員を見ても、怖い」
「過去の戦争を『全て正しかった』と考えていて、頭は大丈夫かと疑いたくなる」
「日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国併合は植民地化(だ)」
こうした首相のこれまでの言葉については、月刊誌「明日への選択」2024年11月号の記事
「かくも危うい石破首相の『歴史認識』」
がよくまとめていたので、許可を得て引用する。
それによると首相は平成29年5月、韓国紙、東亜日報のインタビューで慰安婦問題についてこう語った。
「納得を得られるまでずっと謝罪するしかないでしょう」
もっとも、その後の産経新聞の取材に首相は
「『謝罪』という言葉は一切使っていない」
「『お互いが納得するまで努力を続けるべきだ』と話した」
と否定している。
とはいえ、
「努力」
をどう翻訳(意訳)すれば
「謝罪」
に入れ替わるのか理解に苦しむ。
中国共産党系の新聞、世界新聞報のインタビューも防衛相時代の2020年に受け、こう述べたとされる。
「日本には南京大虐殺を否定する人がいる」
「30万(人)も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという」
「何人が死んだかと大虐殺があったかは別問題だ」
「日本は中国に謝罪すべきだ」
これについても首相は月刊正論2020年9月号で
「大虐殺があったとは言っていないよ」
と否定しているが、聞き手の評論家、潮匡人氏はこうたしなめていた。
「ですが、そう相手に受け取られる対応も、事実関係で日中間に隔たりがある以上、国益の擁護者として慎重であるべきではなかったかと」
まさにその通りである。
首相が実際にどのような表現を使ったかは判然としないが、相手に利用されるようなことを述べたのは事実だろう。
来年2025年は終戦80年を迎える他、日韓国交正常化60周年にも当たる。
中国も
「抗日反ファシズム戦争勝利80周年キャンペーン」
を準備しているという節目の年である。
韓国や中国の反日勢力がさまざまな仕掛けをしてくると予想できるが、首相が過去の言動を繰り返すようなら、付け入る隙を与えることになろう。
もっとも、それまで首相を続けていられるかどうかは分からないが。
(論説委員兼政治部編集委員)

衆院選で与党過半数割れ 産読朝は首相に辞任を求める 毎東日は熟議の合意形成促す
社説検証
2024/11/6 9:00
https://www.sankei.com/article/20241106-3AZLN7SFRNM3VM35Q5UTMPRLOI/
第50回衆院選は自民党が公示前の議席を大幅に下回り、連立政権を組む公明党と合わせても過半数に届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党は勢力を4倍に拡大した。
産経、読売、朝日は石破茂首相に責任をとって辞任するよう求めた。
産経はまた、国政を停滞させぬよう、各党は安定政権の樹立に向けて努力すべきだと説き、毎日、東京、日経などは、熟議を通じた合意形成を促した。
自民の派閥パーティー収入不記載事件で、石破首相は不記載の候補者を非公認にしたり、比例代表との重複立候補を認めなかったりした。
一気に事を決めずに騒動を続けたのである。
産経は
「世間の関心が『政治とカネ』一色になったのはそのせいでもある」
と断じ、
「言い訳選挙」
になったことで優勢に戦うことができなかったと敗因を分析した。
与党過半数というのは首相自身が設定した勝敗ラインだ。
産経は
「石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ」
「責任を取って潔く辞職すべきである」
と強調し、
「自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい」
と論じた。
読売は
「大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか」
との見方を示した。
「政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない」
「速やかに進退を決することが憲政の常道である」
と石破首相に退陣を迫った。
朝日は
「石破政権に対し、国民が『不信任』を突き付けた」
「裏金問題に対する国民の怒りや不信を甘く見た結果に違いない」
とし、
「石破首相は職を辞すのが筋だ」
と主張した。
首相への不信任は、自民党政治への不信任だとして、
「自民も今度こそ本気で実態解明に取り組まねばならない」
と訴えた。
毎日、日経、東京は明示的には辞任を求めなかった。
毎日は自民の敗因について
「第2次安倍晋三政権以降に深刻化した政治の歪みや驕りを、根本から正そうとしなかったことだ」
と指摘。
日経は政治資金問題で
「生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭う事は出来なかった」
と分析した。
東京は
「派閥の裏金事件に自らけじめを付けなかったことに対し、民意は政治腐敗を明確に拒んだ」
と訴えた。
特別国会での首相指名選挙に向けて与野党の多数派工作が活発化している。
その結果如何にかかわらず、立民の影響力増大が予想される。
産経は、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という考えを変えず、反撃能力の保有にも消極的な立民について
「これで国民を守れるのか」
「この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある」
と政権担当能力に疑問符を付けた。
読売も
「『寄り合い所帯』で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない」
「そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか」
「まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう」
と釘を刺した。
朝日は
「与野党が拮抗する政治状況を、立法府の行政監視機能を立て直し、熟議を通じた丁寧な合意形成に繋げてもらいたい」
「立憲の責任と役割は極めて重くなった」
と記した。
毎日も立民に対し
「国会での存在感の高まりに見合った責任を果たすべきだ」
と注文し、
「与野党が伯仲する政治状況下では、緊張感ある論戦を通じて国民本位の合意を見い出すことが欠かせない」
と説いた。
日本の政治は新たな局面に突入した。
来年2025年夏の参院選を睨み、与野党の攻防は激しくなるだろう。
だが、スピード感をもって政策の合意形成を図っていかなければ、迷惑を被るのは国民である。
与野党はその事を肝に銘じてもらいたい。

■衆院選での与党過半数割れをめぐる主な社説
【産経】
・審判を重く受け止めよ/安定した政権の構築を求める(10月28日付)
・首相の居座りは許されぬ/直ちに辞職し新総裁選出を(29日付)
【朝日】
・国民から首相への不信任だ(28日付)
・信失ったままでは困難(29日付)
【毎日】
・「政治とカネ」に重い審判(28日付)
・不信拭う改革が最優先だ(29日付)
【読売】
・長期政権の驕りが不信招いた/国政の停滞は避けねばならない(28日付)
・首相は責任の重さを自覚せよ/政権の枠組み作りが焦点となる(29日付)
【日経】
・自民不信を突きつけた厳しい審判(28日付)
・国政の停滞回避へ責任ある行動を(29日付)
【東京】
・民意は政治腐敗拒んだ(28日付)
・熟議の政治を取り戻せ(29日付)

<主張>与党「過半数割れ」 審判を重く受け止めよ 安定した政権の構築を求める
社説
2024/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20241028-FCCUJHFOJVJ47OD67N322RXKGY/
第50回衆院選の投開票が行われた。
政権の信を問うと臨んだ石破茂首相は勝敗ラインに自民党、公明党の与党過半数を設定していたが、届かなかった。
立憲民主党は躍進し、国民民主党も議席を伸ばした。
自民にとって野党に転落した平成21年の衆院選以来となる歴史的敗北だ。
首相は選挙結果を重く受け止めねばならない。
今後自民は非公認当選者の追加公認を図る見通しだ。
国際情勢は厳しく、混迷の度合いを増している。
今後、特別国会で首相指名選挙が行われるが、各政党は安定政権を作るべく努力してもらいたい。
国政を停滞させてはならない。
■言い訳選挙では勝てぬ
今回の大敗は、石破首相と自民執行部が
「言い訳選挙」
にしてしまったことが大きい。
言い訳選挙で優勢に戦うことなど望むべくもない。
自民の旧安倍派などの派閥パーティー収入不記載事件への有権者の怒りはくすぶっていた。
それにうまく対応できなかったのが首相だった。
就任後、不記載の前議員の非公認を増やし、比例代表との重複立候補を認めなかった。
しかも一気に事を決めず騒動を続けた。
世間の関心が
「政治とカネ」
一色になったのはそのせいでもある。
選挙戦最終盤には自民が、非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、首相は党勢拡大のためで
「選挙に使うことはない」
と釈明した。
これも有権者の投票行動を左右した可能性がある。
有権者や他党からどう見られるかを考えなかった石破首相や森山裕幹事長には、自民内から疑問の声が上がった。
石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった。
自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた。
国会論戦も十分に行わず早期解散に走った。
これで勝てると思っていたのなら信じ難い。
衆院選で政治とカネの問題への有権者の憤りが改めて示された。
各党は政治改革の具体策で合意し、速やかに実行に移すべきだ。
それを怠れば政治不信に拍車がかかる。
言い訳選挙になったのは、もう1つ理由がある。
それは、石破首相が政治とカネの問題を上回る、または匹敵するような政策上の大きな争点を国民に示せなかったことだ。
衆院選は常に日本の独立と繁栄、国民の生活と暮らしがかかった、日本の針路を決める政権選択選挙なのである。
にもかかわらず日本の針路を巡る本格的な論戦は展開されなかった。
とりわけ日本を守る安全保障が重視されなかったのは残念だ。
■立民は国を守れるのか
台湾有事の懸念が高まっている。
公示の前日には、中国軍が台湾を包囲する形で大規模な演習も行った。
今回の衆院選で選ばれた議員が台湾有事に直面する可能性がある。
北朝鮮の軍はウクライナ侵略に加担する見通しだ。
朝鮮半島有事がロシアを含む日本有事へ拡大することもあり得る。
その危機が十分には語られず、抑止力のための防衛力の抜本的強化、国民保護などの具体策の議論が深まらなかったのは問題だ。
立民の影響力は増大する。
野田佳彦代表は外交・安保政策の継続性を重視する考えを示す一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という党の立場を変えていない。
反撃能力の保有にも積極的ではない。
これで国民を守れるのか。
この政策では日米同盟を危機に陥れた旧民主党政権の二の舞いになる恐れがある。
政策上の欠陥を抱えたままの立民に政権担当能力があるのか疑問だ。
経済を巡っては、各党がこぞって消費税減税や給付金支給などの物価高対策を示した。
だが財源を含む具体化の道筋には曖昧なものが多く、バラマキ色が目立った。
物価高に負けない賃上げを果たし、デフレからの完全脱却を確実にするには、生産性を向上させて企業の収益力を高める取り組みが欠かせない。
そうした積年の課題を解決しなければならない。
憲法改正の動きを後退させてはならない。
自民の大敗に加え、改憲に前向きな日本維新の会が振るわなかった影響は大きい。
自衛隊明記や緊急事態条項の創設は急務で、国会は改憲原案の条文化を進めるべきだ。

<主張>国民の審判 首相の居座りは許されぬ 直ちに辞職し新総裁選出を
社説
2024/10/29 5:00
https://www.sankei.com/article/20241029-CEB23AAJIJPI7NMIRKWA2U4OUQ/
衆院選で大敗を喫した石破茂首相(自民党総裁)が2024年10月28日の記者会見で、引き続き政権を担う意欲を示した。
自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを割り込む大敗の責任を取らずに、石破首相が政権に居座ろうとするのは信じ難いことだ。
責任を取って潔く辞職すべきである。
自民は比較第1党に踏みとどまった。
友党の公明党と共に政権構築を目指すのは分かるが、それは国民の信を失った石破総裁の下ではあり得ない。
自民は速やかに総裁選を実施し、新総裁と新執行部が他党と交渉するのが望ましい。
■本当に反省しているか
石破首相は会見で、衆院選の審判を
「真摯に厳粛に受け止める」
と語った。
だがその言葉とは裏腹に、
「国政の停滞は許されない」
と繰り返し、
「安全保障、国民生活、災害対応に万事遺漏なきを期すことも私どもが負うべき責任だ」
と述べた。
そこには反省が感じられない。
国民は衆院選で石破首相に国政運営を託したくないという判断を示した。
それが何故分からないのか。
有権者の審判を無視するトップが政権の座に留まろうとして国民の支持を得られると思うなら甘過ぎるし、民主主義から外れている。
全ての自民国会議員は、石破首相の続投こそが、国政の停滞を招くと知るべきである。
自民の小泉進次郎選対委員長は2024年10月28日、
「選挙の結果責任は選対委員長が引き受ける」
として辞任した。
小泉氏は自身の進退について
「目標を達成出来なかったのに責任を取らない自民党では、不信感の方が大きいと思う」
と語った。
これは石破首相、森山裕幹事長にこそ言えることである。
自民千葉県連会長の桜田義孝元五輪相は
「議席をあれだけ減らした」
「責任はある」
と述べ、首相や執行部の早期退陣を促した。
これが国民感覚に沿った判断だろう。
石破首相は、第1次安倍晋三政権時の参院選で自民が大敗し
「ねじれ国会」
となった際に、続投を表明した安倍首相を攻撃した。
党総務会で
「(安倍)首相は『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』と訴えたのに、どう説明するのか」
と非難した。
代議士会では
「首相は『反省すべきは反省する』と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」
と責め立てた。
同じ事を石破首相に問いたい。
2024年10月28日の会見で
「自民党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
と語ったが、トップである自身がまず責任を取るべきだろう。
麻生太郎政権時に農林水産相だった石破首相は、事実上の退陣を迫ったこともある。
過去の言動との整合性がなければ、石破首相への信頼は集まらない。
首相の言葉は限りなく軽いものとしてしか受け取られまい。
■森山幹事長も責任重い
他人に厳しく自分に甘い、主権者である国民の審判を軽んじる。
そこに謙虚さは見当たらない。
このような有り様で与党は特別国会の首相指名選挙に確実に勝てるのか。
よしんば勝ったとしても、自民党内からは辞任論が出て、石破首相の求心力は低下している。
安定した政権運営が出来るのか。
森山幹事長の責任も重い。
選挙戦最終盤には、自民が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給したことが報じられ、
「政治とカネ」
を巡る批判に拍車を掛けた。
石破首相は
「選挙に使うことはない」
と述べたが説得力に乏しかった。
支給を主導したのは森山氏だったとされる。
石破首相の就任後に、臨時国会で予算委員会を開かず早期に解散するよう進言したのも森山氏である。
首相と森山氏は衆院選を有利に展開しようと党利党略に走ったが、思惑外れに終わった。
政府与党は首相指名選挙を行う特別国会を2024年11月11日に召集する方向で調整している。
だが、憲法第54条は衆院選投票日から30日以内の召集を定めている。
殊更引き延ばすことはあってはならないが、国会議員中心の自民総裁選を実施するくらいの日程的余裕はある。
自民は新総裁を選び、出直しを図らねば信頼回復は遠く、来年2025年の参院選でも有権者から厳しい審判を受けるだろう。
石破首相が今、日本と国民、党のために出来ることは速やかに辞任することしかない。

衆院選自公惨敗 長期政権の驕りが不信招いた
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50056/
◆国政の停滞は避けねばならない◆
自民、公明の与党が衆院選で惨敗し、過半数を割り込んだ。
今後、一部の野党の協力を得て、引き続き自公が政権を担い続けられるのか。
あるいは、立憲民主党を中心とした野党勢力が政権交代を起こせるのか。
政局は一気に流動化する情勢となった。
また、
「自公で過半数」
を勝敗ラインに設定していた石破首相の進退も焦点となる。
■政局の流動化は確実
第50回衆院選が開票された。
自公は、2012年の政権復帰以降、経験したことのない逆風に晒された。
大幅な議席減は、政治とカネの問題に象徴される、長期政権の驕りや緩みに対する国民の不信感を反映した結果と言えるのではないか。
一方、多くの野党は議席を増やしたが、理念や基本政策の異なる各党で協力できるかは見通せない。
自公、立民それぞれが過半数確保に向け、多数派工作を繰り広げることになりそうだ。
与野党の勢力が伯仲することで、予算案や法案を巡る攻防が激化して政策遂行が遅れる事態が懸念される。
実際、2007〜2008年の福田内閣当時は、野党が国会運営を主導し、国政が停滞した。
今後、政権の枠組みを巡って与野党が駆け引きを繰り広げ、混乱が長引く可能性もある。
山積する内外の難題に適切に対応できるのか。
与野党共に大きな責任を負うことになった。
今回の衆院選は異例ずくめだった。
石破政権が内閣発足直後の
「ご祝儀相場」
を当て込み、戦後最短での衆院解散に踏み切った。
だが、自民党は、政治資金問題を抱えた前議員らの処遇を巡り、原則として全員を公認する方針が批判されると、非公認を次々と増やし、定見のなさを露呈した。
選挙戦の終盤には、非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が公認候補向けと同額の2000万円を支給していたことも発覚し、混乱を広げた。
執行部の失態と言う他ない。
自民が苦戦した背景には、
「岩盤」
と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。
岸田前首相が昨年2023年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。
こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引き付けることに成功したからだろう。
既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢い付けている側面もある。
■現実的な主張が奏功か
先月2024年9月、15年ぶりに党首が交代した公明も厳しい選挙戦となった。
小選挙区選に初めて挑戦した石井新代表が落選したのは、支持母体の創価学会員の高齢化が影響しているとされる。
一方、立民の伸長は、自民の
「金権体質」
を争点化する手法が奏功したことが一因だ。
また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を 概 ね継承する考えを示した他、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた
「原発ゼロ」
に拘らない方針を強調した。
こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ。
国民民主党も躍進した。
玉木代表が
「手取りを増やす」
と主張して、
「生活重視」
の姿勢を取ったことが、特に若い世代の支持拡大に繋がったのだろう。
日本維新の会が伸び悩んだのは、大阪・関西万博の会場建設費が想定以上に膨らんだことや、推薦した前兵庫県知事のパワハラ疑惑が影響したとみられる。
他方、選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。
■課題を蔑ろにするな
物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。
社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。
急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ。
ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。
先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ。
日本周辺の安全保障環境はかつてないほど悪化している。
防衛力の強化はもとより、日米同盟を深化させると共に、友好国を増やしていく必要がある。
野党の選挙戦術もあって、政治とカネの問題が焦点となったのはやむを得ないとしても、国政の課題を蔑ろにするような事態は避けなければならない。

自民歴史的大敗 首相は責任の重さを自覚せよ
2024/10/29 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20241028-OYT1T50239/
◆政権の枠組み作りが焦点となる◆
国民に信を問うために断行した衆院解散・総選挙で大敗した以上、石破首相が取るべき道は明らかだ。政権に居座り、政局の混乱を長引かせることは許されない。
速やかに進退を決することが憲政の常道である。
衆院選の結果、自民、公明の与党の獲得議席は、首相が「勝敗ライン」とした「与党で過半数」には程遠い215議席だった。自民党は191議席にとどまった。
■勝敗ラインには程遠く
自民党が200議席を下回るのは、民主党に政権を明け渡した2009年以来で、自民結党以降でも2回目だ。今回は歴史的惨敗を喫したと言える。
首相は、過半数割れの少数与党であっても、無所属で当選した議員らの追加公認や、一部野党の協力によって政権を維持しようとしている。選挙後の記者会見では「国政を進めていくことで職責を果たしていく」と述べた。
首相が協力相手として想定しているのは国民民主党だ。国民民主は「対決より解決」を掲げ、予算案や法案の採決で自公と足並みを 揃 そろ えたこともあるため、連携が可能とみているようだ。
だが、衆院選で敗れた首相が少数与党の体制で政権を維持できたとしても、国会では多数派の野党を相手に、必要な法案や政策を実現させていくことは困難で、混乱が長引くだけだ。
首相は責任の重さを自覚し、判断を間違えてはならない。
衆院選の敗因について首相が、「政治とカネの問題で国民の疑念、不信、怒りが 払拭 ふっしょく されていないことが最大の理由だ」と述べたのはその通りだろう。
しかし、新政権が衆院選でとった戦術はちぐはぐで、ことごとく裏目に出たのも事実だ。
そもそも首相就任前に、解散日程を表明したことは異例で、違和感を覚えた人は多かった。
■ミス繰り返した執行部
首相は自民党総裁選の最中、早期の解散に慎重な考えを示していたのに、首相に就任すると、予算委員会を開かず、戦後最短の日程での解散に踏み切った。
こうした策を首相に進言したのは、総裁選で早期解散論を唱えていた小泉進次郎選挙対策委員長だとされている。
首相交代直後の刷新感を武器に選挙を戦おうとしたようだが、これを受け入れたのは首相で、有権者には、誠実さに欠けるという印象を与えたに違いない。
このほか、政治資金収支報告書に不記載があった前議員らを公認するか、非公認とするかを巡って執行部の方針は二転三転した。
選挙戦最終盤には、非公認候補が代表を務める党支部に、自民党から公認候補と同額の2000万円を支給していたことが判明し、「非公認は見かけ倒しの処分だ」といった批判を招いた。
石破政権がこれほど失策を繰り返していたら、支持を失うのも当然だ。執行部に責任を取らせて済む問題ではない。
大敗した自民とは対照的に、立憲民主党と国民民主党は躍進した。自公に代わる受け皿としてみなされたのだろう。日本維新の会と共産党は議席を減らした。
欧州では、エネルギー価格など物価高騰への不満から、自国第一主義を掲げた極右政党が伸長するケースが目立っている。
今回の衆院選では急進的な主張をする勢力が一定の支持を集めたが、その広がりは限定的で、日本の有権者は、穏健な保守や中道路線を支持したとみて良かろう。新たな政権の枠組みは、そうした民意を反映することが望ましい。
立民は、他の野党との多数派工作に力を入れ始めている。野田代表が野党を糾合し、政権交代を実現できるかどうかが焦点だ。
■政策の一致は不可欠だ
ただ、野田氏の足元は盤石とは言い難い。立民は、リベラル系や中道路線を支持する議員などの「寄り合い所帯」で、安全保障やエネルギーなど基本政策でさえ一致しているとは言えない。
そうした現状で、他の野党と政策協議ができるのか。まずは立民内の基本政策をしっかりと固めることが不可欠だろう。
野党各党で協力するにしても、理念や基本政策が 乖離 かいり した状態では、政権は安定しまい。実際、1993年に7党1会派で発足した細川連立内閣は、路線対立が絶えず、1年足らずで瓦解した。
国際情勢は緊迫の度を強め、国内は少子化問題、社会保障制度改革、経済再生など待ったなしの課題が山積している。各党もまた責任の重さを忘れてはならない。

[社説]自民不信を突きつけた厳しい審判
衆議院選挙2024
社説
2024年10月28日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK271700X21C24A0000000/
政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った。
第50回衆院選は2024年10月27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。
自公は政権に復帰した2012年以来の岐路に立った。
石破茂首相らの責任論は避けられない。
自公は野党に協力を求めて政権を継続する方針だ。
立憲民主党は躍進し、多数派の形成に向けて野党各党と協議に入る。
政局は流動化し、政権の枠組みが見えない不透明な状況になった。
■世界の潮流が波及
自民は公示前の247議席から大きく減らし、下野した2009年以来の敗北となる。
接戦だった多くの小選挙区で競り負け、閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。
公明も石井啓一代表が落選したのをはじめ、牙城である関西で苦戦するなど、公示前の32議席を下回った。
立民は公示前の98議席から大幅に議席を伸ばした。
保守系の野田佳彦元首相を代表に据えたことで、自民支持から離反した保守層の受け皿になったとみられる。
自民との議席差を一気に縮める結果は、政権交代への足掛かりを築いたと言ってよいだろう。
自民の敗因が政治資金問題にあるのは明らかだ。
私たちは当初から
「政治とカネの問題は、扱いを誤れば政権の命取りになる」
と指摘してきた。
だが自民は生温い対応に終始し、有権者の不信感を拭うことはできなかった。
与党の敗北は世界的な潮流でもある。
選挙イヤーの今年2024年、各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたと言えよう。
物価高や賃金、雇用など身近な課題に既存の政治が十分対応できず、有権者がノーを突き付ける構図だ。
政治資金の杜撰な管理が物価高に耐える国民の不満を増幅したと見るべきだろう。
選挙戦の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念だ。
物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生の在り方などは、どんな政権であっても重要課題として取り組まざるを得ない。
日本の政治の安定が損なわれることになれば、対外的に大きなマイナスだ。
米大統領選の行方が見通せない中、日米同盟や日韓関係の不安定要因にならないよう注意する必要がある。
日米韓の連携が動揺し、中国や北朝鮮、ロシアに対日政策の軽視や周辺地域での過激な行動を誘発する事態は避けなければならない。
政治の安定は海外から日本にヒト、モノ、カネを呼び込む誘因の1つでもある。
政局が混迷すれば、日本への投資を控える動きにつながる懸念がある。
ようやく成長軌道に乗りつつある経済に水を差すことがあってはならない。
そのためには出来るだけ早く安定した政権基盤を取り戻す他ない。
自公は過半数を割っても一部の野党と連携することで政権を継続したい考えだ。
連立政権の枠組みへの野党勢力の参加も視野に入れるが、現時点で野党側に自公連立に加わる動きはない。
■熟議を取り戻す契機に
一方、立民は非自民勢力の結集に向けて野党各党と協議する意向だ。
ただ、どのような枠組みで政権を目指すのか、具体的な政権構想はこれからで、成否はまだ見通せない。
自民と立民の議席差が大幅に縮まったことで、衆院選後に開かれる特別国会での首相指名選挙に向け、両陣営の攻防が激しくなる。
国民民主党や日本維新の会などとの連携を巡る綱引きも予想される。
政権の枠組みが見えてくるには時間がかかりそうだ。
与野党の伯仲は政治の在り方として悪い事ではない。
政権交代を目指す立民の伸長は国会審議に緊張感を与える。
中道保守の第1党と第2党が熟議を通じ、重要課題を解決するのは政治の1つの知恵である。
立民にとっては政権担当能力を磨く場となり、政権への近道になるはずだ。
対外的にも日本の政治の安定と成熟を示すことになろう。
ウクライナ戦争や中東情勢は緊迫の度を増している。
与野党とも内向きの政争に陥るのではなく、国内外の情勢に目を向け、国際社会で求められる日本の役割を自覚して安定した政治を取り戻すことを急ぐべきである。

石破おろし起きぬ自民 党内抗争の余裕なく 7日の両院議員懇が試金石
2024/11/5 19:36
https://www.sankei.com/article/20241105-GYVAXXRCA5IRJDOK5GFJPC7A5E/
先の衆院選で議席を大幅に減らした自民党では石破茂首相(党総裁)の退陣を求める
「石破おろし」
は起きず、来週の首相指名選挙で石破首相が再選出される公算が大きい。
危機的状況の中、野党に政権を奪われないことが最優先で、党内抗争の余裕はないからだ。
ただし不満はくすぶっており、2024年11月7日の両院議員懇談会が試金石となる。
■「今度こそ国民に見放される」
同懇談会は全自民議員が参加でき、首相も出席する。
首相は2024年11月5日の党役員会で
「意見を賜り、今後の党運営に共に努力していきたい」
と述べた。
勝敗ラインの
「与党過半数」
を下回ったことから首相への不満が相次ぐ公算が大きい。
首相に批判的な中堅議員は周囲に
「辞任すべきだと言う」
と息巻いた。
とはいえ、
「即退陣」
を求める声は広がっていない。
来週の首相指名選挙までに交代させる時間がない上に、予算案などの可決に必要な衆院過半数の獲得に向けて現執行部の下、野党・国民民主党の協力を得る交渉も始まった。
「今、党内で足の引っ張り合いをしたら、自民は政権を維持できない」(幹部)
との認識が支配的だ。
旧安倍派中堅は
「まずは経済対策」
「出来なければ今度こそ国民に見放される」
と語り、2024年年内の今年度補正予算案の成立を目指すことを優先すべきだと語る。
■交代圧力強まるのは来夏か
首相に批判的な議員が多い旧安倍派の実力者、萩生田光一元政調会長も2024年11月1日夜のインターネット番組で
「就任して1カ月」
「どんどん変えたら政権が不安定化する」
と語った。
反石破勢力から期待されている高市早苗元経済安全保障担当相も発信を控えており、党内の大勢が首相を見限る状況にはなっていない。
2024年11月2、3両日の産経新聞社・FNNの合同世論調査では、首相は「続投してもよい」との回答が55・3%に達した。
反石破勢力の参院議員は
「石破さんにはボロボロになっても来年2025年度予算を通してもらい、退陣してもらう」
と語り、来年2025年度予算成立後の来年2025年春の石破おろしを予告する。
平成13年には、当時の森喜朗首相が
「7月の参院選を戦えない」
との声の高まりを受け、予算成立後の平成13年4月に内閣総辞職した。
来夏2025年夏の参院選前に選挙の
「顔」
の交代圧力が強まる可能性がある。

バラマキ廃し、減税主導の財政へ 衆院選での与党惨敗受け、自民党が政権維持のため
田村秀男の経済正解
2024/11/5 12:00
https://www.sankei.com/article/20241105-NRXE3S4HRJKEDPCB7VDTGZPOSY/
衆院選での与党惨敗を受けて、石破茂首相と自民党は政権維持のために、若い勤労世代の支持を集めた国民民主党の所得税、消費税の減税案を取り込まざるを得なくなっている。
バラマキ偏重の歪んだ財政政策を是正するチャンスが到来したのだ。
「バラマキ」
と言えば、
「岸田文雄前政権のバラマキは酷かった、真にけしからん」
と、1カ月ほど前に会った某財務省幹部の憤懣ぶりが頭に浮かぶ。
一時は
「増税メガネ」
とメディアに揶揄されたほど財務省寄りと思わせた岸田氏が打ち出した電気・ガス料金補助、ガソリン価格への補助金、更に定額減税などのバラマキは許せないのだろう。
元はと言えば、財務省が頑強に減税に抵抗することから、岸田氏はその代わりのバラマキでやり過ごそうとしただけである。
家計の負担を軽くして、所得税や消費税を減税すれば良いはずだが、財務官僚は一旦減税すれば恒久化すると恐れ、自民党税調に反対させてきた。
このパターンは岸田政権時代に限らない。
当初予算で増税、政策経費を削減し、景気が沈みそうになれば、大型補正予算を組むのが歴代政権の恒例行事になっている。
補正予算の大半はその場凌ぎなのだから、計画性に欠け、バラマキに偏してしまう。
バラマキでも、消費が持続的に拡大すればまだしもだが、実際にはそうはならない。
国内総生産(GDP)の6割近くを占める家計消費は実質で2023年後半から前年水準を下回り続けている。
需要が不足するのだから、1990年代後半以来の慢性デフレから未だに脱却できない。
バラマキは砂漠の水撒き同然、国民経済を潤せないのである。
グラフは物価変動分を勘案した12カ月平均の実質賃金指数(1997年3月=100)、更に勤労者収入、収入から所得税、住民税更に社会保険料を差し引いた可処分所得(手取り)についての実質ベースの前年同期比増減率の推移である。
先の春闘では5%を超える賃上げが実現した結果、勤労者の収入と可処分所得は物価上昇分を加味しても2024年5月以降共に前年を上回っている。
それでも、2024年8月には伸び率が下がっている。
実質賃金は2024年5月以降少しずつ上向いている。
しかし、27年前1997年の水準を16%以上も下回っている。
賃金収入に頼る勤労者は貧しくなったままなのだ。
こうみれば、バラマキではなく、きちんと現役世代の減税と社会保険料負担の軽減、可処分所得(手取り)の増加を政策として訴えた国民民主党に若い層が惹かれた理由が分かる。
メディアが実施した衆院選比例区投票先政党に関する出口調査結果の年代別シェアをみると、20歳代、30歳代が最も多く投票したのが国民民主だった。
公明党の石井啓一代表は投票より10日前の2024年10月17日、低所得者世帯に10万円程度の給付が必要との考えを示し、自民党の森山裕幹事長が同調する様子を見せると、交流サイト(SNS)では若者世代を中心に反発する声が湧き上がった。
それを見抜けなかった自公が大敗したのは、バラマキ型政治の終焉を告げている。
自民と国民民主は2024年10月31日に経済対策や税制改正の協議開始で合意した。
自民は予算案など重要案件ごとに国民民主が協力する
「部分連合」
を目指す。
石破政権が存続できるかどうかの瀬戸際に立たされている以上、国民民主の玉木雄一郎代表が、石破首相に国民民主案を丸呑みさせる政治情勢にある。
障害はある。
「政府債務が悪化している中、財源はあるか」
と問われると政治家は弱い。
だが、経済はダイナミックであり、単純な差引勘定では計れない。
現実に、円安の下で法人税収が伸び、物価高で消費税収更に所得税収も増えている。
おかげで政府の基礎的財政収支(国債関係を除く財政収支)は税収増を受けて2025年度は黒字化する情勢にある。
国際的な財政指標である政府の純債務のGDP比率は2022年以降、急速に減っており、2024年6月時点で86%、15年ぶりの低水準にある。
所得税、消費税の減税は家計の可処分所得水準を押し上げ、消費を増やすので税収も増える。
日銀も金融緩和を維持するので、円安基調は変わらない。
所得税の基礎控除を引き上げると、年収103万円以内に年間所得を抑制していた働き手が活気付き、人手不足を緩和し、家計も楽になる。
歪んだバラマキ財政と決別し、減税主導で経済を安定成長軌道に乗せる。
石破首相の活路はそれしかない。
(編集委員)

自民支持率、18歳〜20代は12・5% 「政治とカネ」になお強い不信感
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 19:37
https://www.sankei.com/article/20241104-KOBQI2UPS5NZBAAZVEWCAGPFSU/
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、70歳以上の年齢層だけで石破茂内閣の支持が不支持を上回った。
自民党も高齢層の支持が高い傾向が明らかとなった。
18歳〜20代で石破内閣を
「支持する」と答えたのは32・0%で、
「支持しない」は61・0%。
30代も支持が28・8%、不支持が59・4%だった。
唯一、70歳以上で支持(58・5%)が不支持(36・4%)より多かった。
前回調査(2024年10月5、6両日)では、ほとんどの年齢層で支持が不支持を上回っていた。
自民の支持率は25・8%となり、前回調査の34・3%から8・5ポイント下がった。
年代別で「支持政党が自民」と答えたのは、
70歳以上35・0%、
60代28・0%、
50代23・7%、
40代30・3%、
30代14・8%、
18歳〜20代12・5%
だった。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、不記載があった候補者を非公認などとして衆院選に臨んだことで
「政治とカネの問題」
にけじめがついたかを尋ねたところ、
「ついていない」が85・5%、
「ついた」は10・6%
だった。
非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについては
「自民会派入りは適切ではない」が52・0%、
「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%
にとどまった。
再発防止に必要な政治改革を2つ聞いたところ、
「政策活動費の使い道の公開」(40・9%)
が最も多く、
「政治資金の透明化やデジタル化での公開」(34・0%)、
「政治資金をチェックする第三者機関の設置」(28・5%)、
「政治資金パーティーの全面禁止」(27・2%)
などが続いた。

与野党連携は「政策ごと」65%支持 国民民主への期待感浮き彫り
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 18:47
https://www.sankei.com/article/20241104-KZUFNYT2PZNJZD4IWBZINNDCUA/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、与党との連携の可否を政策ごとに決める国民民主党の方針を支持する回答が65・1%を占め、
「新しい意思決定の仕組み」(玉木雄一郎代表)
に対する期待感が浮き彫りになった。
年収が103万円を超えると所得税が発生する
「103万円の壁」
の解消などを巡り、与党との交渉で具体的な政策推進に繋げられるかが焦点となる。
国民民主は、自民、公明各党との間で、
「103万円の壁」
引き上げなどの案件ごとに政策協議を行う方針を確認している。
2024年11月11日には石破茂首相(自民総裁)と玉木氏が党首会談に臨む方向だ。
国民民主が主張する
「103万円の壁」
の引き上げを巡り、世論調査では
「引き上げるべきだ」
との回答が77・2%に達した。
玉木氏は2024年11月3日放送のBSテレ東番組で、引き上げは
「有権者との約束だ」
と述べ、自民が応じない場合は政権運営に協力しない姿勢を示している。
「壁」
が解消されなければ
「国民民主に期待した人にとってもゼロ回答だ」
とも指摘した。
与党への牽制を重ねる玉木氏にとって、世論の賛同は追い風といえそうだ。
期待感は政党支持率にも表れている。
2024年10月5、6両日の前回調査で1・3%だった国民民主の支持率は、8・8ポイント上昇して10・1%となった。
今回の調査では、他の野党も前回より支持率を伸ばす傾向がみられたが、6・4ポイント増(13・7%)の立憲民主党、1・4ポイント増(3・5%)の共産党、1.3ポイント増(5・3%)の日本維新の会などと比較して、国民民主の上昇幅の大きさは際立っている。
政策ごとに態度を決める国民民主の方針を評価すると答えた人は、同党支持層に限ると83・9%に達し、自民支持層でも63・2%を占めた。
一方、立民支持層では比較的低く51・1%にとどまった。

適切な政権の枠組みは? 「年収の壁」は? 質問と回答(11月2〜3日)
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 13:16
https://www.sankei.com/article/20241104-2KY7G7Z5GVOJLNTTWBFSDX5DQM/

【問】石破茂内閣を支持するか
支持する43.8(53.3)
支持しない49.8(35.8)
他6.4(10.8)

【問】どの政党を支持するか
支持政党はない28.3(42.4)
自民党25.8(34.3)
立憲民主党13.7(7.3)
国民民主党10.1(1.3)
日本維新の会5.3(4.0)
公明党3.7(2.6)
共産党3.5(2.1)
参政党3.0(0.4)
れいわ新選組2.8(1.1)
日本保守党1.6(−)
社民党0.4(0.2)
その他の政党0.1(0.9)
他1.5(3.4)

【問】今回の衆院選で、与党の議席は過半数を下回った。石破首相が続投してもよいと思うか
続投してもよい55.3
交代すべきだ36.5
他8.2

【問】自民党は政治資金の不記載があった議員について、今回の選挙で、公認見送り、または小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない対応で臨んだ。選挙で自民党の「政治とカネ」の問題にけじめがついたと思うか
けじめがついた10.6
けじめはついていない85.5
他3.9

【問】不記載問題で、今回の選挙で自民党から公認されず、当選した議員が今後、国会で自民党の会派に入ることについて、適切だと思うか
自民党会派入りするのは適切ではない52.0
ある程度の期間を経た後であれば問題ない30.9
すぐに自民党会派入りしても問題ない13.2
他3.9

【問】今回の衆院選で、野党の国民民主党は選挙前の7議席から28議席へと4倍の議席を獲得した。与野党とも過半数の議席を維持していない中、国民民主党が与野党の間で今後どのような対応を取るのが望ましいか
政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ65.1
これまで通り野党の立場を取る21.9
自民、公明とともに与党の立場を取る9.5
他3.5

【問】国民民主党は、パートやアルバイトで働く人の「年収103万円の壁」について、非課税枠を引き上げるべきだとしている。103万円の基準を引き上げるべきだと思うか
引き上げるべきだ77.2
引き上げなくてよい16.6
他6.1

【問】11日に衆院で行われる予定の首相指名選挙で、誰が指名されるのがふさわしいか
自民党 石破茂総裁46.1
立憲民主党 野田佳彦代表17.4
国民民主党 玉木雄一郎代表10.2
その他16.6
他7.1
日本維新の会 馬場伸幸代表2.7

【問】今後の政権の在り方について、どうあるべきか
立憲民主党と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する31.1
自民・公明が過半数を下回ったまま政権を維持30.5
自民・公明が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を維持30.2
他8.2

【問】石破内閣に今後取り組んで欲しい政策は(2つ選択)
物価高・賃上げ対策43.2(39.5)
経済対策・景気対策34.8(35.0)
年金・医療・介護27.2(27.3)
子供・子育て支援25.4(24.9)
外交・安全保障15.6(17.4)
災害対策10.4(13.0)
政治とカネ9.7(11.1)
地方活性化8.7(9.9)
原発・エネルギー政策6.2(3.6)
行政改革・財政再建5.6(3.4)
憲法改正3.2(2.9)
女性活躍、多様性2.9(3.8)
それ以外1.1(0.7)
他1.2(1.4)

【問】「政治とカネ」問題の再発防止のために、どういった政治改革が重要だと思うか(2つ選択)
政策活動費の使い道の公開40.9
政治資金の透明化やデジタル化での公開34.0
政治資金をチェックする第三者機関の設置28.5
政治資金パーティーの全面禁止27.2
企業などによる政治資金パーティー券の購入禁止15.0
いわゆる旧文通費の使い道の公開14.5
政策活動費の廃止14.0
企業などからの献金禁止11.7
それ以外1.1
他2.7

【問】物価高対策として最優先で取り組むべきことは何か
減税32.7
賃上げの継続23.1
円安の是正など金利政策の見直し15.0
低所得への支援11.4
家計への給付9.6
事業者への支援5.1
他3.0

【問】今後の年金制度について、給付と保険料負担のバランスはどのようにあるべきだと思うか
年金給付が変わらないことを優先し、やや保険料負担が増える30.6
保険料負担が変わらないことを優先し、年金給付がやや減る22.8
保険料負担を減らすことを優先し、年金給付が減る20.0
年金給付を引き上げることを優先し、保険料負担が増える19.0
他7.6

(注)数字は%。カッコ内の数字は10月5、6両日の前回調査結果。「他」は「分からない」「言えない」など。
世論調査の方法
調査エリアごとの性別・年齢構成に合わせ、電話番号を無作為に発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で電話をかけ、算出した回答数が得られるまで調査を行った。電話の割合は「固定電話4:携帯電話6」。内閣支持率のみ回答が不明確な場合には、「どちらかと言えば」と再度質問して回答を得た。調査対象は全国の18歳以上の男女1012人。小数点以下第2位を四捨五入しているため100%にならないことがある。

石破内閣支持率、異例の急落43・8% 不支持が支持を逆転、続投容認は5割超
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/11/4 11:44
https://www.sankei.com/article/20241104-II3KPFVE6ZNENPSQP73RF7YTGY/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2024年11月2、3両日に実施した合同世論調査で、石破茂内閣の支持率は43・8%となり、政権発足直後の前回調査(2024年10月5、6両日)の53・3%から9・5ポイント急落した。
不支持率は前回比14・0ポイント増の49・8%で、支持率を逆転した。
政権発足から僅か1カ月余りで不支持が支持を上回るのは異例だ。
一方で、先の衆院選では与党が議席が過半数を割り込む結果となったが、首相の続投については「続投してもよい」(55・3%)が「交代すべきだ」(36・5%)を上回った。
2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙で、誰が首相に指名されるのが相応しいかを尋ねたところ、
石破首相(自民党総裁)が46・1%でトップ。
次いで、
▽立憲民主党の野田佳彦代表17・4%
▽国民民主党の玉木雄一郎代表10・2%
▽日本維新の会の馬場伸幸代表2・7%
と続いた。
今後の政権の在り方についての質問では、
「立民と他の野党が連立して過半数を得て政権交代する」(31・1%)

「自公が過半数を下回ったまま政権を継続」(30・5%)、
「自公が新たに他の党と連立して、過半数を得て政権を継続」(30・2%)
の3つの回答が拮抗した。
衆院選で躍進し、国会でキャスチングボートを握った国民民主に関し、今後の対応に望むことについては
「政策ごとに与党に賛成、反対の立場を選ぶ」が65・1%で最多。
「これまで通り野党の立場を取る」が21・9%で、
「自民、公明と共に与党の立場を取る」は9・5%
だった。
また、国民民主が目玉政策として掲げ、自民側に政策協議を求めている
「年収103万円の壁」
引き上げに関しては
「引き上げるべきだ」(77・2%)

「引き上げなくてよい」(16・6%)
を大きく上回った。
一方、自民の派閥パーティー収入不記載事件を巡り、衆院選で不記載のあった候補者を非公認などの対応で選挙戦に臨んだことで「政治とカネ」の問題にけじめがついたかを尋ねたところ、「けじめはついていない」が85・5%に上ったのに対し、「けじめがついた」は10・6%。非公認で当選した議員らが自民会派入りすることについて「自民会派入りは適切ではない」が52・0%に達した。「ある程度の期間を経た後であれば問題ない」は30・9%、「すぐに会派入りしても問題ない」は13・2%にとどまった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり今年2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったお陰で、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率はわずか0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率わずか0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、
「極右」
とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、
「極右」
政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し
「極右」
が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

杉山大志 エネルギーは日本の生命線だ
GDP3%を無駄遣い「脱炭素」政策 グリーン成長などするはずがない!菅政権と岸田政権で推進、GX法ごと根こそぎ廃止すべき
2024.11/1 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-LJW7XOLS4ZKDXN6MWUSLM7OWQY/
自公与党が衆院選で大敗した理由は
「裏金問題」
だけではない。
左翼リベラル化した自民党に対して、保守層が
「ノー」
を突き付けたのだ。
この受け皿が、国民民主党や参政党、日本保守党となった。
菅義偉政権と岸田文雄政権の下で推進された
「脱炭素」
政策も、特に左翼的な政策の1つだった。
政府はグリーントランスフォーメーション(GX)推進法を制定し、今後10年間で150兆円の官民投資を
「脱炭素」
のために実施するという。
投資というと聞こえはよいが、その原資は国民が負担する。
国民1人当たり120万円、3人世帯なら360万円である。
賃上げなど吹き飛んでしまう。
毎年15兆円といえばGDP(国内総生産)の3%に当たる。
防衛費を2%に上げるために大騒ぎしていたのに、その舞台裏ではこのような
「ステルス増税」
が罷り通っていた。
政府は150兆円の投資でグリーン成長するというが、するはずがない。
投資対象が悪いからだ。
洋上風力発電、太陽光発電、その導入のための蓄電池や送電線建設、あるいはアンモニア発電や水素合成燃料など、どれもこれも、やればやるほど光熱費が高くなるものばかりだ。
そもそも、日本政府はかつて、
「太陽光発電の大量導入でグリーン成長する」
と言っていた。
だが、起きた事は
「電気代の高騰」

「産業空洞化」
だった。
今この失敗に懲りずに、同じことを何倍にもして実施しようとしている。
潤うのは一部の再エネ利権などに過ぎない。
そして、その犠牲になるのは一般国民である。
国民は愚弄されている。
政府は150兆円のうち20兆円は国債の発行で賄うとしており、今、政府はその20兆円の償還のための財源としてエネルギーへの課徴金や政府が発行する排出権の売却収入を検討している。
電気なのかガスなのか、灯油なのかプロパンガスなのか、どの料金が上がるのだろうか。
いずれにせよ国民に20兆円を支払わせるということを前提にして、今、ババ抜きのような検討がなされている。
20兆円の収入は、新設の外郭団体である
「GX機構」
が特別会計で回す。
既に天下りも始まっている。
こんなオールドファッションな
「役人天国」
のために光熱費は高騰し、国民経済はボロボロになる。
GX法ごと、根こそぎ廃止すべきだ。

<正論>総選挙「議席数」に隠れた民意 
青山学院大学教授・福井義高
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-2QTI2U72LFO57MIQ72R5XK27EM/?outputType=theme_election2024
衆院総選挙で自民党は大きく議席を減らした。
平成24年に民主党から政権を奪回して以来、単独過半数を維持してきたのに、連立与党の公明党と合わせても過半数に満たない結果となった。
ここでは主に得票率に基づき、やはり2024年行われた英仏の総選挙結果と比較しながら、今回の総選挙で示された民意と、選挙制度が政治に与える影響について述べてみたい。
■比較第1党は自民党
まず、自民は議席を大幅に減らしたとはいえ、小選挙区でも比例代表でも、比較第1党の地位を維持した。
他党との選挙協力や候補者個人の魅力にも左右される小選挙区と異なり、政党への支持がそのまま反映される比例で、自民の得票率は前回より7・9ポイント減ったものの26・7%で、第2党である立憲民主党の21・2%を優に上回った。
公明の得票率10・9%を加えると与党全体で37・7%となる。
小選挙区でも自民は38・5%(前回比9・6ポイント減)で、立民の29・0%を大きく上回っている。
更に今回の選挙で注目すべきは、立民の大幅議席増が、同党への支持拡大によるものではないことである。
比例では前回より得票率を1・2ポイント増やしたものの、小選挙区では1・0ポイント減、得票数で147万票失っているのだ。
にもかかわらず、議席を大きく増やすことができたのは、自民の得票率が減ったおかげで、競り勝った選挙区が増えたからである。
その結果、小選挙区で立民は47議席増、自民は57議席減(自民系6人を含めると51議席減)となり、与党を過半数割れに追い込んだ。
■英労働党の大勝と保守票
英国の総選挙でも同様の、しかしもっと極端なことが起こった。
政権与党だった保守党は得票率を19・9ポイント減らし、23・7%しか獲得できず、文字通り大敗を喫した。
一方、労働党は比較第1党となったものの、得票率は1・6ポイント増えただけの33・7%でほぼ現状維持であったのに、議席率は63・2%となり、歴史的大勝となった。
保守党は大敗したとはいえ、得票率と同水準の議席率18・6%を確保した。
保守党政権批判の受け皿となったのは労働党でも、中道の自由民主党でもなく、得票率12・3ポイント増で14・3%となった、保守党より右の「リフォームUK」であった。
ところが、得票率では自由民主党を抜いて第3党となったにもかかわらず、議席率は僅か0・8%に過ぎない。
それに対し、得票率僅か0・7ポイント増の12・2%でほぼ現状維持だった自由民主党は議席を大幅に増やし議席率は11・1%となった。
保守党とリフォームUKを合わせれば得票率は38・0%で労働党を上回っており、より保守的な政治が民意だったとも解釈できる。
にもかかわらず、第3党以下に不利な小選挙区制ゆえ、労働党政権が誕生したのである。
日本でも英国ほどではないにしても、既成保守政党に代わる右派政党への支持拡大がみられる。
比例での参政党と保守党を合わせた得票率は5・5%と、衰えたとはいえ強固な支持基盤を持つ共産党の得票率6・2%と同程度で、無視できない大きさとなっている。
■フランスの場合は
日英とは異なり、フランスでは得票率と議席率で第1党が入れ替わった。
小選挙区制ながら2度投票が行われ、第1回投票で過半数を得る候補がいないと、一定数以上獲得した候補による第2回投票が行われる。
第1回投票で1位となっても、第2回投票では2位以下の候補の一本化によって逆転する可能性が大いにある。
第1回投票では、「極右」とされる国民連合が得票率33・2%で比較第1党となり、左派連合が28・1%で続き、与党連合は20・0%であった。
ところが政策の著しい不一致にもかかわらず、「極右」政権阻止で一致した左派連合と与党連合が共闘したため、議席率では左派連合が30・8%で第1党、与党連合が26・0%で続き、国民連合は24・6%となった。
そのため、日本でも、予想に反し「極右」が失速したと報道された。
しかし、実際には第2回投票で国民連合は更に得票率を伸ばして37・1%獲得し、左派連合の25・7%、与党連合の23・1%を上回っていたのである。
日英仏の選挙結果で示した通り、議席数の変動は必ずしも民意を反映しているとは言えず、獲得議席数(議席率)のみに基づいて、今後の政治動向を議論することには慎重でなければならない。
逆風下にもかかわらず、自民が小選挙区・比例とも第1党を維持したことは、考えようによっては最悪でもこの程度、将来は明るいとみることもできる。
一方、追い風と思われた中、前回と同程度の得票率に終わった立民の将来は、大幅な議席増にもかかわらず、必ずしも明るいとは言えない。
いずれにせよ、今回の選挙の最大の勝利者は、比例で得票率を6・8ポイント増やして11・3%とし、立民の半分の水準にまで至った国民民主党であることだけは確かである。

首相即時退陣こそ国益
美しき勁き国へ 櫻井よし子
2024/11/4 8:00
https://www.sankei.com/article/20241104-5RFGKKZHKNJ55EIV7L2CMGI6BI/
衆院選で歴史的惨敗を喫した石破茂首相は国民の審判を受け入れるべきだ。
小選挙区での得票数を約670万減らし、結果を受けた共同通信の世論調査では内閣支持率が50・7%から32・1%に急落した。
就任から1カ月、これほど急速に支持を失った事例は稀有だ。
石破氏は敗因を
「政治とカネ」
問題のせいにするが、真の原因は言動の定まらない本人の資質にある。
国民の声を大事にするのは、民主主義の基本である。
だが民主主義は絶対善ではない。
劣化して衆愚政治となった事例を、ソクラテスに下された死刑判決はもとより、ヒトラーの登場を含め、私たちは歴史の中にいくつも見てきたはずだ。
昭和天皇に月1回の頻度で進講した三上照夫氏が、『第三の文化の時代へ』(ぱるす出版)の中で民主主義について語っている。
人間集団にはこういう国造りをしたい、こういう家庭造りをしたいという共通の目標がある。
この建国の理想を、日本人は奈良朝時代から
「国体」
と言ってきた。
国体実現の手段として日米欧が選んだ政体が民主主義だ。
それはあくまでも手段としての政治原理であり、国家の目標・目的は別にある。
そして指導者に識見、国家観が欠落している時、手段であるはずの民主主義は目標に格上げされ置き換えられてしまう。
石破氏は国民の理解を求め続けて政治とカネ問題の先に行けない状況だ。
民主主義という手段を目的に格上げして自縄自縛に陥ったからである。
自業自得である。
結果として、より大事な国家目標実現の政策論がほぼ空白になり果てている。
長年の勉強不足もたたって、石破氏の提唱する政策は空疎を極める。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設や日米地位協定見直しはアジア全体を不安定にしかねない。
自民党は両案件を政務調査会で議論するという形で封印した。
鳩山由紀夫元首相の東アジア共同体構想と同類の空疎な石破提案はこうして処理された。
より深刻なのが対中外交だ。
岩屋毅外相が中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、戦略的互恵関係を再確認したい旨を、語っている。
戦略的―は2006年、第1次安倍晋三政権が打ち出した。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係を双方が修復しようとした。
だが中国に習近平政権が誕生し状況は一変した。
強権的中国との戦略的互恵関係は日本の国益に合致せず、2017年11月の安倍・習会談以降消えた。
石破政権が岸田文雄元首相の路線を継いで立ち戻るのは悪手である。
安倍晋三元首相が戦略的互恵関係を謳った2006年から18年が過ぎた現在、日中関係は一変している。
中国は軍事大国としての力を誇示し、世界秩序を書き換える野望を隠さない。
18年前2006年、彼らは喉から手が出る程に日本の協力を求めたが、現在は如何にして日本から全てを切り取るか、あらゆる形で攻勢を強めている。
その手法は、小さな動きを積み重ねて圧力を強めるサラミ戦術で、一例が尖閣諸島(沖縄県石垣市)だ。
第2次安倍政権樹立から間もない2013年4月26日、中国外務省報道官は尖閣諸島を
「中国の核心的利益に属する」
と発言した。
その同じ日2013年4月26日、安倍氏は来日中の米軍制服組トップ、デンプシー統合参謀本部議長と会談し
「日本固有の領土である尖閣諸島について、我が国は一切譲歩しない」
と語った。
すると翌2013年4月27日、中国外務省は2013年4月26日の発言を事実上修正した。
現在の中国にそんな配慮はない。
彼らは堂々と尖閣を核心的利益と宣言し、2023年8月に発表した標準地図で示した
「十段線」
の10番目の線は与那国島から12キロの我が国の領海をえぐり取っている(『国防の禁句』岩田清文、島田和久、武居智久 産経セレクト)。
中国軍は2022年8月には与那国島の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。
中国が初めて日本の庭先に実弾を撃ち込んだ事実に注目せよと岩田清文元陸上幕僚長は強調する。
2023年7月、尖閣諸島周辺の我が国のEEZ内で中国の情報収集用のブイが発見された。
2024年1月には中国海警局の船が尖閣上空の我が国の領空を飛行する自衛隊機に
「中国領空」
からの退去を要求した。
2024年6月には中国海警局最大級の巡視船が、尖閣諸島を周回した。
中国保有の軍艦は米国を上回り、2035年には435隻に迫る。
米国は2045年に至っても350隻にとどまる見込みだ。
その中国を岸田文雄政権は2022年末に策定した国家安全保障戦略で初めて
「これまでにない最大の戦略的な挑戦」
と定義した。
だが岸田氏は2023年4月の安保3文書についての国会報告で
「最大の戦略的挑戦」
というくだりを割愛し、更に2024年1月の施政方針演説では、日中は
「戦略的互恵関係を包括的に推進する」
と大幅に後退していた。
実は、戦略的互恵関係は岸田氏の施政方針演説の前、2023年11月16日の日中首脳会談で習近平主席が復活を持ちかけていたのだ。
習氏の意図は中国を最大の戦略的挑戦と定義した我が国の安全保障戦略を上書きすることだと、島田和久元防衛事務次官は警告した(『同書』)が、正しいと思う。
戦略的互恵関係の6年ぶりの復活には、再び日本を取り込む中国の狙いが込められている。
そこに岩屋毅外相が乗るというのだ。
だが、逆戻りしてどうするのだ。
対話の窓口は開けておくとして、我が国は今こそ静かに着実に、核の脅威も含めて中国に対処する力を強化し、体制作りを進める時であろう。
政治家にはそれだけの仕事を進める冷静な思考と胆力が要る。
石破氏がその任に相応しいとは思えない。
1日も早い退陣こそ国益だ。

高橋洋一「日本の解き方」
石破政権の命運が尽きる日 続投に意欲も居座り続けると…自民党は本当にぶっ壊れる 水面下で首相指名に向け多数派工作
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H73BZLK7ABOXRCTQEW5GLA3X74/
衆院選で大敗した自民党だが、石破茂首相は続投に意欲を見せている。
今後、石破政権はどこまで生き延びることができるだろうか。
自民党内や地方組織からも
「石破おろし」
が始まっている。
かつて石破首相は、第1次安倍晋三政権や麻生太郎政権の時、国政選挙で負けたり、支持率が低迷したりした時、退陣を求めている。
今回自分だけを可愛がるのは誰の目から見てもおかしい。
小泉進次郎氏が選対委員長を辞任したが、問題がそれにとどまるはずはない。
小泉氏の辞任を石破首相は認めたというが、責任を部下に押しつけるようで、これが組織トップの在り方なのか疑問だ。
かつて安倍元首相が、
「石破氏だけは首相にしてはダメだ」
と言っていたのもよく分かる。
新聞各紙の社説も石破首相に責任を取ることを求めている。
朝日新聞は「選挙の結果責任を負うのは、本来、トップ」、
毎日新聞は「政権トップとしての首相の責任は重大」、
読売新聞は「速やかに進退を決することが憲政の常道」、
産経新聞は「直ちに辞職し新総裁選出を」
としている。
石破首相自らが、勝敗ラインを
「自公で過半数」
と明言した。
これは普通ではあり得ないほどの低いハードルであるが、実際には自公で215議席と過半数を18も下回ってしまった。
無所属の追加公認を入れても、到底過半数には及ばない。
衆院選の結果は政治家にとって最も重いものだ。
それを、ゴールポストを動かしてはいけない。
筆者はこうした状態を揶揄)して
「石にかじりつきたい破れかぶれ石破政権」
とポストした。
既に、水面下で首相指名に向けた多数派工作が与野党間で繰り広げられている。
当初2024年11月7日に想定されていた特別国会の召集日を2024年11月11日以降に延期する交渉が行われている。
憲法では衆院投票日から30日以内に特別国会を召集し、内閣総辞職、首相指名が行われる。
つまり、特別国会の召集日は首相指名の帰趨を占う意味でも重要なのだ。
石破政権の寿命はまず、特別国会では内閣総辞職、首相指名が行われるので召集日までだ。
そこから生き延びることが出来るのは、首相指名で1位を確保できる場合だけだ。
石破首相では選挙が出来ないとする参院議員、不条理な制裁を食らったが選挙を生き延びてきた旧安倍派、総裁選で高市早苗前経済安保相を推した麻生派、旧茂木派は
「石破おろし」
を起こす可能性があり、石破首相側にいた人も反旗を翻すかもしれない。
そうなると、特別国会の召集日までに自民党内で両院議員総会を開いて、石破氏を引きずり下ろすだろう。
自民党はモタモタしていると、首相指名の多数派工作でまとまりにならず、野党が主導権を握ってしまう恐れもある。
高市氏が
「党執行部には今の自民党を徹底的に立て直して頂きたい」
としたのは当然だ。
このまま、石破首相が居座りを続けると、自民党が衆院選で負けて、党再建でも負けて、ぶっ壊れてしまう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
国民民主「103万円の壁撤廃」は実現可能か 控除拡大は減税と同じ効果、財務省へのアンチテーゼに 賃金上昇率目標も検討すべき
2024.11/2 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-4CKOQXQOUFMPPFLNUW5T4DIG6M/
石破茂首相は国民民主党との
「部分連合」
を視野に入れている。
国民民主党は基礎控除の103万円から178万円への拡大、消費税5%などを掲げているが実現可能だろうか。
国民民主党の政策のうち、他党にない
「基礎控除等を103万円から178万円への引き上げ」
について取り上げたい。
まず、178万円という
「中途半端」
な数字に驚く。
これは、1995年からの最低賃金上昇率1・73倍から、103万円を1・73倍して得られる。
103万円は基礎控除と給与所得控除の合計だが、1995年に103万円に引き上げて以来、29年間据え置きである。
そこで、最低賃金の上昇と合わせて引き上げるべきだというのが国民民主の主張である。
ここまで厳密に拘らくてももいいが、国民民主党らしいとも言える。
控除の拡大は減税と同じだ。
控除額が増えれば、少なくとも所得税として
「75万円×税率(年収に応じて5〜45%)」
の額が手元に残るようになって、手取りが増える。
この政策が面白いのは、財務省は増税しないと言いながら、控除額の縮小を狙う
「ステルス増税」
をしばしば企むが、そのアンチテーゼになるからだ。
例えば、給与所得控除について
「海外と比較すると日本は大き過ぎるので縮小しよう」
と躍起になっている。
一方、基礎控除は日本だけが国際的に低いのは知らんぷりという具合だ。
この
「減税」(控除の拡大)
でも、財源はどうするのかという反論があるだろう。
仮に基礎控除を75万円引き上げると、所得税率が平均10%、住民税率が10%とすれば、7兆円程度の減収額となる。
もっとも、この程度であれば、名目で5%成長すれば自然増収で手が届く範囲であるので、それほど心配する必要はないとも言える。
また、この政策との関連で、最低賃金について、
「全国どこでも時給1150円以上を早期に実現する」
としている。
自民党の「2020年代に1500円」、立憲民主党も「1500円」を掲げているのと比べると控えめな数字である。
1500円の方がいい加減な数字であるので、国民民主党に逆に信頼感が出るのではないか。
気になるのは、金融政策に関する公約がないことだ。
立民の
「0%超の物価目標」
は論外であるが、労働者の党である国民民主党が公約に掲げていないのは不自然だ。
かつて筆者が玉木雄一郎代表と話した時、インフレ目標ではなく
「賃金上昇率目標」
を主張した。
元々インフレ目標のベースになっているのがインフレ率と失業率の関係を示した
「フィリップス曲線」
であるが、同曲線は賃金上昇率と失業率の関係が元になっているので、玉木代表の意見には一理ある。
大胆に言えば、インフレ目標2%より、賃金上昇率3〜5%のほうが日本経済のためになるので、検討してはどうか。
それを消費税5%、社会保険料の軽減、トリガー条項の凍結解除と共に自公政権にぶつけたら面白い。
今の自公なら受け入れ余地はあるが、石破政権を退けた後からの方がより有望だろう。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国民民主と政策協議も…自民に裏切り≠フ過去 維新と文通費見直し合意も反故、馬場代表「自民は狡猾、聞いてる振りはする」
2024.11/1 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-H5TBRZVN3VLIBK52CGPVQGX2LQ/
自民党と国民民主党が
「部分連合」
に向けた動きを加速させている。
少数与党の石破茂政権は、国民民主党を取り込むことで、首相指名選挙やその後の国会運営を有利に運ぶ思惑だ。
国民民主党は衆院選で公約に掲げた
「年収103万円の壁」
撤廃などの実現に前進するが、要求通りの成果を得られるかは不透明だ。
過去には日本維新の会が自民党との合意を反故にされた経緯もあり、警戒感は強い。
自民党の森山裕幹事長と国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日の会談で、政策協議を開始する方針で一致した。
公明党を加えた3党は今後、税制や補正予算を巡って合意を模索する。
国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
を撤廃するため、所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を最低103万円から178万円に引き上げることを最優先事項としている。
だが、実現機運に冷や水を浴びせるように、
「税収が計約7兆6000億円減る」
「高所得者ほど恩恵が大きい」
などネガティブな論調が広がった。
玉木代表
「『103万円』引き上げなければ予算、法案に協力できない」
玉木雄一郎代表は2024年10月31日、X(旧ツイッター)で
«財務省がマスコミを含めて
「ご説明」
に回っている効果はさすがです»
と皮肉った。
«引き上げができなければ、我が党は予算にも法案にも協力できない»
と強調する。
与野党の合意が実現しなかった前例もある。
日本維新の会は岸田文雄政権当時の今年2024年5月、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しについて自民と合意文書を交わしたが、反故にされた。
馬場伸幸代表は2024年10月31日放送のMBSの番組で
「自民党さんは狡猾ですから、そんなに簡単に野党側の声を聞く政党ではない」
「聞いてる振りはするが」
と話した。
国民民主党も、ガソリン税を軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除について岸田政権下で3党協議し、予算案にも賛成したが、議論は頓挫した。
石破政権は国民民主党の案を丸吞みもしたくないが、議論を決裂させて、立憲民主党などが今後、不信任決議案を提出した場合、賛成に回られることも避けたい。
「部分連合」
という名の微妙な関係が続きそうだ。

「軍事オタク」石破首相が自衛隊に入隊したら…「せいぜい3佐止まり」「宰相の器」ではない 自民党を仕切るには荷が重すぎか
2024.11/1 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241101-QZZY25QUHZIJDPESFQ6IRGUKLI/
「安全保障の専門家」
を自任し、
「軍事オタク」
とも呼ばれる石破茂首相だが、防衛大学校から自衛隊に入隊していれば、どのくらいの階級まで昇進することができただろうか。
「せいぜい3佐(少佐)だろう」
ある自衛隊元幹部はこう言い切る。
海上自衛隊でいうと、2等海佐(中佐)ならば通常の護衛艦の艦長となる。
中佐は英語で
「Commander」
と呼ばれる。
つまり、石破氏は指揮官には相応しくないという意味だ。
防衛相経験者でもある石破首相だが、別の元幹部自衛官たちも
「石破さんと河野太郎さんだけは首相にしてはならない」
と口々に言う。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選の決選投票で、高市早苗前経済安保相ではなく、石破氏に投票した国会議員たちに聞かせたかった発言だ。
2024年10月27日投開票の衆院選について、石破首相は自民党と公明党で過半数(233議席)という
「勝敗ライン」
を設定していた。
石破首相がライバル視する安倍晋三元首相も第2次政権時代、
「勝敗ライン」
を同じく自公で過半数と言っていたが、実際には自民党単独で300議席が目標だった。
目標には僅かに及ばなかったが、2012年で294議席、2014年が290議席、2017年が281議席だった。
2021年の岸田文雄前首相の時でも261議席だった。
石破首相が今回獲得した191議席が如何に低い数字であるかは一目瞭然だ。
にもかかわらず、石破首相は
「何で自分が辞めなければいけないんだ」
と開き直っている。
総裁選の決選投票で石破首相に投じた自民党の国会議員には分からなかったことが、国民にはよく分かっていた。
石破首相が
「宰相の器」
ではないということを。
「森山(裕)幹事長に足を引っ張られた」(自民党ベテラン)
との見方もある。
確かに、石破首相は総裁選では新内閣発足後、予算委員会を開いて議論を尽くすべきだと発言していた。
だが、森山氏の1日も早い選挙の方が野党の態勢が間に合わず有利だとの説得に応じ、選挙日程を前倒しした。
森山氏は、パーティー券収入を政治資金収支報告書に記載しなかった候補を一時は公認するとしながら、批判を浴びると12人を
「非公認」
として混乱をもたらした。
選挙戦終盤では、
「非公認」
とした候補者が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2000万円を支給し、決定的な打撃を与えた。
森山氏と事務方トップ、元宿仁事務総長の責任は大きい。
そして、最終責任を負うべきは総裁である石破首相である。
石破首相と森山氏に共通しているのは
「小さな派閥」
しか率いたことがないことだ。
自民党のような大所帯を仕切るには荷が重過ぎた。
本来ならば菅義偉副総裁が目配せすべきだったが、かつてのような切れを欠いている。
石破首相は2024年10月28日の記者会見で、
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
と続投する意向を表明したが、信を失った石破政権が続くことは国益にならない。
 (産経新聞特別記者・有元隆志)

国民が石破首相ノー¥A任1カ月「権力居座り」に党内外から批判噴出!「衆院選惨敗、責任をとる気配さえない」「党内勢力も尻込み」
2024.11/2 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241102-FKEB6WKBLBL6TLZR4NZ5CKKMSY/
石破茂首相(自民党総裁)は2024年11月1日、政権発足1カ月を迎えた。
戦後では内閣発足後最短の8日で衆院解散に打って出たが、選挙戦略は悉く失敗し、自ら勝敗ラインに設定した
「自公与党で過半数」
を割り込む大惨敗を喫した。
これまで、歴代首相を激しく批判しておきながら、
「国民の審判」
を無視して
「権力居座り」
を決め込む石破首相に対し、党内外から批判が噴出している。
「衆院選において大変、厳しい結果を頂戴した」
「厳粛に受け止めなければならない」
「示された民意を厳粛、謙虚に受け止め丁寧に政権運営に当たっていく」
石破首相は2024年11月1日、記者団にこう語ったが、民意は
「石破首相ノー」
なのだから、これほどのペテンはない。
自民党ベテラン議員は
「これまで、政治家の『責任』に拘ってき石破首相はどこに行った」
「自公過半数を勝敗ラインに設定した衆院選で惨敗したのに責任を取る気配さえない」
と断じる。
石破首相はむしろ
「政権居座り」
に意欲を強めている。
今月2024年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに合わせ、ジョー・バイデン米大統領や、中国の習近平国家主席らとの首脳会談を調整しているという。
ある保守系議員は
「バイデン氏も習氏も、『国民の負託』を得られなかった石破首相と真剣な話をしようと思うだろうか」
「ガバナンスが崩壊した政権に内政・外交を委ねれば、次は日本が壊れる」
と批判する。
ただ、権力にしがみつくトップを交代させるのは簡単ではない。
特別国会の首相指名選挙で、国民民主党は決選投票も含めて玉木雄一郎代表に票を投じる方針のため、野党の票は分散し、石破首相が多数を獲得しそうな情勢だ。
政治評論家の有馬晴海氏は
「国民が石破首相に『ノー』を突き付けた」
「本来なら退陣待ったなしだ」
「小泉進次郎選対委員長だけが辞任して、石破首相と森山裕幹事長が続投するなどガバナンスも崩壊している」
「ただ、石破首相に反発する党内勢力も党が弱り切った中で『石破おろし』に尻込みしている」
「石破首相は『低姿勢』『反省』を示し、何とか成果を示そうと必死なのだろう」
と指摘した。

自民得票率、15年前の政権交代時と全く同じ「26・73%」衆院比例、民主系もほぼ同じ
2024/11/2 11:30
https://www.sankei.com/article/20241102-XDBGXUZYRFOH3FEVQDVDTT2XFY/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選で、各政党の比例代表の得票率を政権交代が起きた平成21(2009)年の衆院選と比べたところ、自民党の得票率はいずれも26・73%で全く同じだった。
自民と公明党を合わせた与党と、民主党系など野党の割合もほぼ同じで、投票率が異なりながら15年前と酷似した状況が浮かんだ。
総務省の発表資料によると、平成21(2009)年と今回の衆院選比例代表で、自民の得票率は26・73%で全く同一だった。
自公を合わせた得票率も平成21(2009)年の計38・18%と今回の計37・66%でほぼ同じだった。
一方の野党も、平成21(2009)年の民主党の得票率は42・41%だったのに対し、今回の主要野党である立憲民主党と国民民主党、日本維新の会の3党の合計は41・88%でほぼ同じだった。
自民は今回、比例の得票を令和3年の前回選挙より約533万票減らした。
しかし、平成21年の投票率が69・27%と高率だったのに対し今回は53・84%と下がっているため、割合はくしくも同一となったようだ。
自民の比例得票率を選挙ごとにみると、平成21(2009)年の26・73%から平成24(2013)年27・62%、平成26(2014)年26年33・11%、平成29(2017)年33・28%、前回令和3年34・66%、今回の26・73%と推移している。

「岩盤保守層」は自民を見放した 過半数割れ「功労者」共産も最盛期から半減
大手町の片隅から 乾正人
2024/11/1 10:00
https://www.sankei.com/article/20241101-U4OIN3HVR5K47CVWO5W6XB2DQI/?outputType=theme_election2024
数字は美しく、残酷である。
昭和61年の衆参ダブル選挙以来、大手町の片隅で13回に渡って選挙報道に携わってきたが、毎回、得票数の精妙さに唸らされる。
衆院選が、中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に変わってからは、比例代表の得票数が、時々の政治状況を鮮やかに切り取ってくれる。
今回、自民党の総得票数は約1458万票に激減した。
前回から27%、533万票も減らし、制度導入以来、過去最低の得票数となった。
平成21年に民主党が大勝し、政権交代が実現したときでさえ、1881万票を獲得していたことから類推すると、安倍晋三元首相の考え方や彼が推し進めた安保法制などの政策を熱烈に支持していた
「岩盤保守層」
のかなりの部分が、自民党を見放した、と見るべきだろう。
衆院選に初挑戦した参政党が187万票、日本保守党が115万票を獲得したが、合わせて300万人以上が自民党から両党に乗り換えたとみて間違いない。
残る230万人余は主に国民民主党へ流れたと推測できる。
■立憲比例票は横ばいだった
というのも、今回大躍進した立憲民主党は、比例代表ではほとんど票を伸ばしていないからだ。
3年前の前回が1149万票で、今回は1156万票と僅か7万票しか増えていない。
つまり、自民党が自滅したため、立憲は小選挙区で競り勝ち、議席数を5割も増やしたのである。
政権交代出来るだけの国民の広範な支持が得られていないのは、数字が冷酷に示している。
比例票から分析すると、危機的状況にあるのは、自民党だけではない。
公明、共産の両党も重症だ。
公明党は、平成21年に805万票を獲得していたのが、徐々に減っていき、今回ついに600万票を割り込む596万票にとどまった。
15年間で200万票以上が削げ落ちてしまったのである。
支持基盤である創価学会員の高齢化と共に、公明党を創設した池田大作氏が昨年2023年死去した影響も見逃せない。
■最盛期から半減した共産党
共産党は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る「裏金」問題や非公認候補側への2000万円振り込みを機関紙「しんぶん赤旗」がすっぱ抜き、自民党を大敗に追い込んだ最大の功労者だ。
だが、比例票は前回より80万票も減らして336万票しか取れず、れいわ新選組に軽く抜かれた。
平成8年には726万票を獲得していたから半減以下の凋落ぶりだ。
お気の毒に、としか言いようがないが、有権者は共産党の本質をよく見ている。
さて、自民党である。
今回の敗因は、表面的には
「政治とカネ」
への国民の怒りが爆発した結果と見える。
それだけなら軽症で済むが、問題の根は深い。
「岩盤保守層」
のうち参政党などに投票した300万人は、容易に自民党には戻ってこないだろう。
しかも連立相手である公明党のパワーは目に見えて落ちている。
少数与党に転落した石破茂政権は、国民民主党をなびかせるためにリベラル寄りの政策を打ち出さざるを得ず、
「岩盤保守層」
は益々離反するはずだ。
日本にもいよいよ分断と混乱の時代が到来しようとしている。

<主張>自・国の政策協議 石破執行部に資格あるか
社説
2024/11/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241102-GDS25MDC7ZM75MJH3E5JS5FUQI/
自民党と国民民主党が政策協議に入ることで合意した。
衆院選に大敗した石破茂首相(自民総裁)と森山裕幹事長が何の責任も取らずに協議を進めるのは、異様な光景という他ない。
石破首相と森山氏は辞任し、自民は新執行部の下で他党と協議に臨むのが筋だと改めて指摘したい。
石破首相は居座り、国民民主との
「部分連合」
の形成を図るつもりなのだろう。
森山氏と国民民主の榛葉賀津也幹事長は2024年10月31日、会談した。
森山氏は経済対策や令和6年度補正予算案、令和7年度予算案の編成、税制改正での協力を呼び掛けた。
「部分連合」
の構築に向け、両党の政調会長による常設の会議体設置も求めた。
これに対し、榛葉氏は会議体設置を拒み、案件ごとに対応する意向を示した。
森山氏は受け入れた。
国民民主は年収が103万円を超えると所得税が発生する
「年収の壁」
の金額を178万円に引き上げることを最優先事項に掲げている。
林芳正官房長官が7兆〜8兆円程度の減収が見込まれるとの試算を示すと、国民民主の玉木雄一郎代表は
「全くやらないなら協力できない」
「その時は予算も法律も通らない」
と牽制した。
ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除も看板政策の1つだ。
国民民主は衆院選で
「手取りを増やす」
ことを訴えて支持を得たため、その実現に注力するのは分かる。
ただ、両党の協議を巡り懸念はある。
個別政策を切り離して交渉した場合、他の政策とバランスが取れなくなる恐れがあることだ。
厳しい安全保障環境を踏まえれば、防衛力の抜本的強化を滞らせてはならない。
政府は令和9年度までの5年間で防衛費総額を約43兆円と定めているが、増税時期は決まっていない。
防衛増税は令和10年度以降の防衛費をきちんと確保することも睨んだ措置である。
税制改正を行う場合は、税制全体との整合性を図ることも求められる。
国民民主は自党の政策実現だけを目指すのではなく、日本の平和と繁栄のための国家戦略をより明確に描き、日本を守り抜く政策でも責任ある姿勢を示す必要がある。

自民 衆議院 197人で活動へ 会派に無所属で当選の6人追加
2024年11月1日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241101/k10014626171000.html
自民党は、国会で活動をともにする会派のメンバーに、今回の衆議院選挙で無所属で立候補して当選した6人を加え、合わせて197人の勢力で活動していくことになりました。
自民党は、2024年11月1日に開かれた衆議院の各会派の代表者による協議会で、今回の衆議院選挙で党の公認を得て当選した191人に、無所属で当選した6人を加えた197人の勢力で会派をつくることを届け出ました。
会派に加わったのは、
政治とカネの問題で自民党から離党勧告の処分を受け離党した
▽世耕弘成氏と
選挙に際し公認が得られなかった
▽平沢勝栄氏
▽西村康稔氏
▽萩生田光一氏の4人に、
自民党の公認候補と争った
▽三反園訓氏
▽広瀬建氏
を加えた、合わせて6人です。
公明党の会派と合わせると、衆議院の与党の勢力は221人となりますが、過半数の233議席までは、12人足りない状況です。

世耕弘成、西村康稔氏らの会派入りを批判 立民の野田佳彦代表「反省足りない」
2024/11/1 14:15
https://www.sankei.com/article/20241101-DPCLWIFSRRJBFDDCZHVHVX5G64/
立憲民主党の野田佳彦代表は2024年11月1日の記者会見で、自民党の派閥パーティ収入不記載事件に関与し、衆院選に無所属で当選した世耕弘成、西村康稔両氏らが衆院会派
「自民党・無所属の会」
に入る見通しとなったことを批判した。
「選挙が終わり禊が済んだと言うならば、思慮も反省も足りない」
と語った。
自民側の狙いに関しては、特別国会の首相指名選挙で石破茂首相を当選させるため
「数を確保しておきたいとの焦りがあるのだろう」
と指摘した。

言わんこっちゃない自民党大敗 総裁選で高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ 変わり身の朝日新聞、言い訳に笑い
2024.10/31 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-VCDRHRXXD5KM3JAK4LCZCNPLMA/
だから、言わんこっちゃない。
石破自民党が歴史的大敗。
自公で過半数割れは15年ぶりだ。
さすがに開票を見守っている時も、各社のインタビューでも石破茂総理に笑顔は一切ナシ。
それでなくても悪い目つきがますます悪くなっていた。
「なぜ、言わんこっちゃない」か。
1カ月前、2024年9月27日の自民党総裁選。
第1回投票で大方の予想に反し、高市早苗候補が、石破候補を圧したのだ。
高市候補 議員票72 党員・党友票109 計181
石破候補 議員票46 党員・党友票108 計154
ところが決選投票ではこれが逆転。
石破候補 議員票189 地方票26 計215
高市候補 議員票173 地方票21 計194
つまり、第2回投票で石破候補の議員票は143票も増えていたのだ(高市候補は101票増)。
岸田文雄前総理の指示か、菅義偉元総理の依頼かは知らないが、143人もの議員が、石破候補を新たに支持したことになる。
この時、高市候補を支持する議員が、あと22人増えてさえいれば高市総理が実現していたのだ。
もし、あの時、高市候補を選んでいれば、日本初の女性総理として、世界のメディアでも話題になったに違いない。
選挙中に自民党の、あのどんよりしたような暗い雰囲気はなく、清新な風が吹いていたろう。
石破総理は応援に来なくていい。
来れば票が減るなんてこともなく、高市さん、全国の候補から引っ張りだこだったろう(総理でなくても引っ張りだこで、全国を飛び回っていた)。
むろん選挙にも負けなかったに違いない。
繰り返すが、総裁選決選投票で石破さんに票を投じた自民党議員の責任は重い。
今回の自民党大敗は、あの時、高市候補を選ばなかった自民党議員、自らの責任だ、だから
「言わんこっちゃない」
と言っているのだ。
むろん、新聞各紙、選挙後、石破総理を一斉に批判。
石破総理に厳しいのが産経。
<石破首相は高市早苗前経済安全保障担当相との協力関係構築にも失敗し、閣僚人事で挙党体制を作らなかった>
<自民の岩盤支持層の離反を招き、票が日本保守党や参政党などへ流れた>
<国会論戦も十分に行わず早期解散に走った>
<これで選挙に勝てると思っていたのなら信じ難い>
意外だが、朝日新聞が一番手厳しい。
社説でハッキリ石破総理に引導を渡している。
<自民党がなお議会第1党だとしても、「自公で過半数」という自ら設定した最低限の目標を達成できなかった以上、石破首相は職を辞すのが筋だ>
党内野党として石破氏が安倍晋三元総理を批判していた時は、散々、持ち上げて、事あるごとに利用してきた朝日、さすがに変わり身が早い。
<期待が大きければ、その分、失望も大きい>
と言い訳しているのが笑える。
党内では
「首相の責任は重大、続投は難しい」
の声も少なくない。
だが、石破総理自身は続投の意志を捨てず、
「色んな選択肢があるだろうよ」
と他人事のように
「続投を明言」
しているらしい(2024年10月28日産経)。
誰か、石破総理の首に鈴を付ける奴はいないのか。
 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

<正論>惨敗した首相に国民を守れるか 
麗澤大学教授・八木秀次
2024/10/31 8:00
https://www.sankei.com/article/20241031-UK2MSTVJUFLK5JR4Y2VOXIN2HA/?outputType=theme_election2024
■続投は理屈が通らない
平成19年7月、第1次安倍晋三政権でのことだ。
自民党は参院選で惨敗し、第一党の座を民主党に譲った。
衆参「ねじれ」の始まりだ。
安倍首相は続投の方針を表明したが、この時、党の総務会で
「選挙に負けたにもかかわらず、続投するのは理屈が通らない」
と公然と首相の辞任を求めた議員がいた。
現在の首相の石破茂氏だ。
その後、安倍氏は体調を崩して辞任した。
2年後の平成21年7月、麻生太郎内閣は低支持率に喘いでいた。
都議会議員選挙で自民党が敗れた際、内閣に身を置きながら派閥を率いて
「麻生おろし」
の先頭に立った閣僚がいた。
石破農水相だ。
麻生首相は飼い犬に手を嚙まれる思いだったという。
今月2024年10月27日投開票の衆院選挙で自民・公明の与党は目標とした過半数(233議席)をも大幅に下回る大惨敗を喫した。
参院選や都議選での敗北ではない。
政権選択選挙とも言われる衆院選で、だ。
与党過半数割れのままでは予算案も法案も通らない。
異常事態だ。
何より野党その他の総計が過半数を占めた状態では内閣不信任案をいつでも可決できる。
それでも石破首相は続投を重ねて表明している。
首相就任8日後という戦後最短で解散総選挙を行う理由を憲法69条に言及して
「新しい内閣について、国民に信を問うことが憲法の趣旨からもそういうことだ」
と述べていたはずだ。
国民の信任を得られなかったにもかかわらず、続投するのは
「理屈が通らない」。
過去の自分の言動によって
「後ろから鉄砲を撃たれる」
思いがしていることだろう。
長かった党内での野党暮らしは責任がなく気楽だったはずだ。
「正論」
も述べられた。
今、
「与党」
の首領として生き地獄の苦しさを味わっていることだろう。
■国民的人気も幻だった
大惨敗の原因は
「政治とカネ」
の問題そのものではない。
政治資金の不記載問題は、一部の法令違反は処罰されて当然だが、それ以外は今後、記載を徹底し再発を防止するとすればよかった程度のことだ。
これの処理の仕方を誤って派閥解消などの大きな問題にしてしまい、
「国民の怒り」
を醸成したのが岸田文雄前首相だった。安倍派の力を削ごうとした節も否定できまい。
その岸田氏が低支持率で退任することになり、国民的人気があると勘違いして自民党総裁選で後継に選んだのが石破氏だが、総裁選で大言壮語したものの首相になるや
「変節」
やトーンダウンし、大した政策もなかったことを露呈した。
選挙はこの政策を実現するために力を与えてくださいと訴えて勝つものだが、訴える
「この政策」
がなく、
「政治とカネ」
への防戦一本となった。
当てにした国民的人気も幻で、発足時の内閣支持率は28%(時事通信、2024年10月17日公開)という2000年以降の歴代内閣の最低を記録した。
選挙応援に入る度に票が減ると言われ、自民党支持層まで野党に投票した模様だ。
大惨敗の原因は石破氏の存在が大きい。
不記載議員を原則公認する方針を決めたものの、メディアの批判に圧されて一転して非公認や比例重複なしの
「二重処罰」
にしたが、非公認候補側にも公認と同じ2000万円を振り込んだ。
当選後に追加公認を受けるようにとの狙いだろうが、如何にも場当たり的だった。
これが選挙の最終盤に発覚し報道されたことで
「政治とカネ」
の問題を蒸し返し、
「国民の怒り」
を買って数十議席を減らしたとされる。
判断した森山裕幹事長、小泉進次郎前選対委員長ら執行部の責任は大きい。
■政策無視の「大連立」では
選挙の結果、安倍元首相が第2次政権以来、国政選挙に勝ち続けて築いてきた
「1強」
とも言われた強固な政権基盤はいとも簡単に崩壊した。
過半数割れの
「少数与党」
では政権運営に困難が伴う。
予算案や法案を通すためには野党との協力が必要になる。
当てにしていた国民民主党も日本維新の会も連立政権には加わらない方針だ。
益々野党の主張に歩み寄らざるを得ない。
首相は続投を表明した記者会見で野党の政策を取り入れるとも述べた。
これでは事実上の与野党の
「大連立」
だ。
野党の影響力が大きくなって懸念されるのは安全保障や経済だ。
台湾有事や朝鮮半島有事の危険が迫り、石破氏は否応なく、
「戦時下の首相」
となる可能性もある。
集団的自衛権の限定行使にさえ否定的な軍事音痴の野党第一党との協力で国民の生命を守れるのか。
間もなく選出される米国大統領にも対応できるのか。
財務省の意向に沿うべく積極財政の否定に向かうことはないか。
経済は低迷しないか。
安定的な皇位継承策の検討もこれまでと反対方向に向かうことはないか。
選択的夫婦別姓もそうだ。
憲法改正は進むのか。
党内野党を余儀なくされている高市早苗氏や旧安倍派の議員は党内政権交代に備えて政策を磨き、発信していってほしい。

悪夢の少数内閣が始まる 総裁選、もし林氏や加藤氏が高市氏に勝てば…党内「分裂」も 自民党再生のため石破さんは辞めた方がいい
2024.10/31 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241031-TMJ52B5XUJP4VAT5QKSNN6GVEQ/
石破茂首相は2024年11月28日の記者会見で続投する考えを明らかにした。
理由は
「国政は一時たりとも停滞が許されない」
ということなのだが、
「いや、あなたは国民に信任されなかったので、少しくらい国政が停滞してもいいから誰か別の人に代わってください」
と思う人はいないのだろうか。
仲間の4分の1が落選し、
「勝敗ライン」
の与党過半数を下回った首相がなぜ居座るのか。
ただ、石破首相本人も居座りたくて居座っているのではない。
居座らねばならぬ理由がある。
野党第一党、立憲民主党の議席は大幅増の148議席なのだが、これに日本維新の会の38、国民民主党の28を足しても214で233の過半数には届かず、れいわ新撰組の9、共産党の8を足しても届かない。
つまり、野党だけの連合で政権は取れない。
だから、開票当日夜のテレビ出演で、立憲民主党の野田佳彦代表は、自民党の一部が割れて野党連合に参加することを期待する口ぶりだった。
だが、それは無理なのだ。
党の分裂は自民党も立憲民主党(前身の民主党)も以前経験して酷い目に遭っている。
「分裂だけは損するから、やっちゃダメ」
というのは与野党の共通認識だ。
もし、石破氏が辞めたら自民党は2024年11月11日召集の特別国会での首相指名選挙の前までに新総裁を決めなければならない。
フルスペックの総裁選をやる時間はないので両院議員総会で議員のみの投票で行われる。
本来なら、前回の総裁選で石破氏に惜敗した高市早苗前経済再生相が
「本命」
のはずなのだが、執行部の菅義偉副総裁や森山裕幹事長、更に石破首相誕生の影のキングメーカーである岸田文雄前首相らは気が進まないだろう。
高市氏を応援した人たちの多くが、今回の衆院選で落選している。
もし執行部が林芳正官房長官とか加藤勝信財務相を立てて高市氏に勝つようなことがあったら、党内の
「分断」
は更に進むし、それが
「分裂」
に発展しかねない。
自民党は主流派も非主流派も、絶対に
「分裂」
だけは避けなければいけないことを分かっている。
高市氏や安倍派周辺から
「石破降ろし」
の声が余り上がらないのはそういうわけなのだ。
つまり石破氏はとりあえず今は辞められない。
石破首相が首相指名選挙を乗り切っても
「少数内閣」に
よる予算審議は大変だ。
国民民主党と政策ごとの
「部分連合」
を組み、予算に賛成してもらうために政策をいくつか
「丸呑み」
する必要があるが、大変な作業だ。
最後は
「石破退陣」
を条件に予算成立という局面もあるかもしれない。
悪いことは言わない。
石破首相は退陣して、自民党は新総裁を選び、再スタートした方がいい。
「負けた人」
の下で政党はまとまらないし、先は見えない。
自民党の再生のためにも石破さんは辞めた方がいい。
 (フジテレビ客員解説委員 平井文夫)

<産経抄>居座る石破首相、言行一致の身の処し方を
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-R6DMQT64N5MG7N6B3LUJYMNMZU/
辞書に載る言葉には、業界用語を出自としたものが多い。
「暗転」
はその1つである。
<物事が悪い方に転じること>
は後から加わった意味で、本来は
<舞台を暗くして、幕を下ろさずに場面を変えること>。
つまり芝居用語だ。
▼対義語を
「明転(あかてん)」
という。
<舞台が明るいままで場面を変えること>。
次の場面がすでに出来上がっており、回り舞台ではよく使われる手法である。
ただし
<物事がいい方に転じること>
の意味はなく、採録しない辞書も多いと聞く。
▼先日の総選挙を下敷きにした舞台『国民の審判』は、過半数割れした
「自公の大敗」
編から
「少数与党の悲境」
編へと場面転換しそうだ。
脇を固めた若手選対委員長の降板をよそに、自身は主役に居座り、場面の明転を待つつもりらしい。
続投の意思を示した石破茂首相である。
▼「国民の批判に適切に応え」
ながら職務に当たるという。
与党過半数を勝敗ラインと明言したのは他ならぬ首相で、続投は現政権を否定した選挙結果への答えになっていない。
「国政の停滞は許されない」
との説明も、責任逃れの方便に聞こえる。
▼石破氏と言えば
「ねじれ国会」
を招いた第1次安倍晋三政権時に、安倍氏を舌鋒鋭く責めた姿が忘れ難い。
麻生太郎政権では閣内から事実上の退陣を迫りもした。
過去のご自分を鏡とし、言動にいささかのぶれもない身の処し方を、信を置ける政治家の作法を見せてもらいたい。
▼安全保障、国民生活、災害対応。
どれ1つとして置き去りにできぬ課題で、国政が停滞すれば国民は甚だ迷惑する。
次の場面に移る前に、一案としてこんなト書きを台本に入れてみる。
<ト ここで暗転、主役交代>。
総裁選を行う気力くらい、なければ困る。

<主張>野田氏の支持要請 現実路線なしでは空論だ
社説
2024/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20241031-L4VASTN36ZJOBF4YXY6QB5RHE4/
立憲民主党の野田佳彦代表は、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、特別国会の首相指名選挙で自身に投票するよう要請した。
議席を大幅に伸ばした野党第一党として、他の野党に協力を呼び掛けること自体は否定しない。
だが、基本的な政策を見ると、立民は政権担当能力を欠いている。
衆院選公約などで掲げた政策では日本の独立と繁栄、国民の命・暮らしを守れまい。
衆院選で勢いづいているとはいえ、野田氏が本気で政権を担うつもりなら、反省と基本政策の現実路線への転換が必要だ。
立民は衆院選で外交・安全保障政策について
「日米同盟が基軸」
とした一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という立場を変えなかった。
反撃能力の保有にも消極的だ。
これでは抑止力が損なわれ、日米同盟は旧民主党政権時のような危機に陥るだろう。
エネルギー政策では
「原発の新増設は認めない」
と宣言し、党綱領では
「原発ゼロ」
の実現を謳う。
脱炭素化や電力の安定供給に逆行している。
国の根幹をなす憲法改正にも後ろ向きだ。
自民党の自衛隊明記案に反対し、国会議員任期延長を含む緊急事態条項の創設も
「必要ない」
としている。
安定的な皇位継承策では、野田氏は
「女性宮家」
の非皇族男子の夫と子の皇族化に拘っている。
これは日本の皇統を断絶させる
「女系天皇」
に繋がる恐ろしい議論だ。
馬場氏は野田氏の要請を持ち帰り、
「大義や具体的な政治改革案がなければ、与することは出来ない」
「やはり政治とカネの問題だ」
と語った。
政治とカネの問題を主軸に交渉するつもりなら、首相指名選挙を履き違えることになる。
政権の舵取り役を決める選挙なのだから、皇室や外交安保、エネルギーなどの基本政策を重視すべきだ。
普通の国会共闘とは次元が違う。
馬場氏は2024年10月27日、立民について
「外交安保やエネルギー、憲法など基本的な政策で党内がまとまっていない」
と批判していたはずだ。
野田氏は共産党の田村智子委員長にも首相指名選挙での協力を求めた。
党綱領に日米安全保障条約の廃棄を記すなど、基本政策が立民以上に非現実的な共産にまで要請したことは間違っている。

首相、衆院選惨敗を党の責任にすり替え 政策を争点としなかった戦略ミスの反省みられず
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/31 1:00
https://www.sankei.com/article/20241031-C5A4Z42JZRJN7KN44VVPHMJ76Y/
私事で恐縮だが、筆者が社会部から異動となり、政治部へと着任したのは26年前の平成10年7月12日、参院選の投開票日だった。
その日の深夜か翌未明に、当時の橋本龍太郎首相(自民党総裁)が次のように述べて、敗戦の責任を取って辞任を表明した。
「全てをひっくるめて私自身の責任だ」
「力不足」
「それ以上に言うことはない」
参院選で自民は16議席減らしたが、44議席を獲得した。
しかも参院選は、政権選択選挙と言われる衆院選とは位置付けが異なる。
にもかかわらずの橋本氏の引責辞任に、政治家、なかんずくリーダーの身の処し方、潔さというものを考えさせられたのだった。
一方、安倍晋三元首相は平成19年7月の参院選で大敗しても辞めなかった。
既に各種世論調査で自民劣勢が明らかだった平成19年7月29日の投開票日の数日前、安倍氏は筆者にこう話した。
「小泉さん(純一郎前首相)からも電話がかかってきて
『負けても絶対に辞めるな。参院選に負けても政権が変わるわけではない。いちいち一喜一憂せずにやればいい』
と言われた」
■続投の安倍首相を攻撃
参院選は政権選択選挙ではないのだから、時の首相によってそれぞれの考え方や判断があるのだろう。
ただ、続投を表明した安倍氏に対し、こう激しく攻撃したのが石破茂首相だったことは踏まえておきたい。
「安倍首相は
『私か小沢一郎民主党代表かの選択だ』
と訴えたのに、どう説明するのか」(党総務会)
「安倍首相は
『反省すべきは反省する』
と言っているが、何を反省し、どう改めるのかはっきりしてほしい」(党代議士会)
石破首相は政権選択選挙である衆院選で惨敗し、与党での過半数も失ったことをどう受け止めるのか。
首相に
「ノー」
を突き付けた民意を無視して続投を決め込み、2024年10月28日の記者会見では次のように党の問題へと摩り替えた。
「自民党は反省が足りないとご叱責を賜った」
「党内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて抜本的な改革を行っていく」
「党内融和よりも国民のご理解ということの方を私は優先していかねばならないし、党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がったのではないかという反省を、私自身は思っているところだ」
せっかく党総裁選で政策論争に注目が集まっていたのに、衆院選では明確な基準も示さないまま党所属議員を非公認や重複立候補禁止処分とし、自ら政治とカネの問題を争点とした自分自身の戦略ミスや判断の誤りへの反省はない。
あくまで悪いのは他者であると強調し、党内融和には目を向けない。
こんな延々と魔女狩りや内ゲバを続けるような姿勢が、有権者の嫌悪感を誘うことには気づかないのだろう。
ろくに党内もまとめられずに、国民の願いや要望に応えることはできるのか。
■「一瞬は人を動かす」
安倍氏は首相時代の令和2年6月17日、自身の次の首相候補とされた岸田文雄前首相と石破首相とを比較して、筆者に語っていた。
「政治は人を動かすかなりの要素、情熱が大事だ」
「岸田さんは最後は人を動かす所を見せないといけない」
「石破さんは本物ではないけど、一瞬は人を騙して動かす能力がある」
「彼こそ本当の『言うだけ番長』なのだけど」
その言葉通り、総裁選で石破首相は一瞬、所属議員を動かし首相の座に就いた。
石破首相に1票を投じた議員らは、自民の転落をどうみているのか。
(論説委員兼政治部編集委員)

どうなる首相指名選挙 石破首相選出の流れも自民内造反の可能性に懸念
2024/10/30 21:03
https://www.sankei.com/article/20241030-EJ6PX23YLBNK7MYACULWRJYDPM/
来月2024年11月11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙は、キャスチングボートを握る国民民主党が立憲民主党の野田佳彦代表に投票しない方向となり、自民党総裁の石破茂首相が選出される流れが強まった。
衆院本会議での1回目の投票では、ほとんどの議員が所属政党の党首に投じるとみられ、誰も投票総数の過半数を獲得できない見通し。
石破首相と野田氏の2人による決選投票が行われる公算が大きい。
衆院の過半数は233議席。決選投票は自民、公明両党(計215議席)が支持する石破首相、共産党も投票を前向きに検討している立民の野田氏(立民と共産で計156議席)の2人が他党票の取り込みを狙う。
ただ、
「票田」と
なる日本維新の会(38議席)の馬場伸幸代表は2024年10月29日のBSフジ番組で
「どちらかに軍配を上げることはできない」
と語った。
国民民主(28議席)の玉木雄一郎代表も2024年10月30日の党会合で、決選投票でも玉木氏自身に投票する方針を説明した。
両党とも来年2025年夏に参院選を控える中、
「野合」
批判を避け、独自性をアピールする必要がある。
首相対野田氏の決選投票で投票用紙に
「馬場」
「玉木」
と書けば無効票となり、自公勢力が立共勢力を上回り、首相の勝利が有力だ。
ただ、馬場氏は2024年10月30日、記者団に、立民と政治改革に関する協議を行うと述べた上で、野田氏に投票する可能性について
「これからの協議の中身(次第)だ」
と完全に排除はしなかった。
また、自民内の一部には、衆院選で与党過半数割れとなった責任を首相が取って退陣すべきだとの声もある。
首相周辺は、首相指名選挙の投票を棄権する自民議員が出る事態を警戒している。
このため、現時点で可能性は低いものの、野党の大連合が成立したり、自民内の造反によって野田政権が誕生したりする可能性もゼロとは言えない。

石破首相「辞任必要ない」65・7% 内閣支持率は32・1%に急落 共同調査
世論調査
2024/10/29 18:30
https://www.sankei.com/article/20241029-A5DPYG3NWBMV3CYK7CDXWCWATE/
衆院選の結果を受けて共同通信社は2024年10月28、29の両日、全国緊急電話世論調査を実施した。
石破内閣の支持率は32・1%で、内閣発足に伴う2024年10月1、2両日調査の50・7%から18・6ポイント下落した。
不支持率は52・2%。
与党過半数割れとなった自民、公明両党の連立政権継続を望むとしたのは38・4%で、望まないが53・0%だった。
自民の派閥パーティー収入不記載事件に関与し、当選した議員を要職に起用することに79・2%が反対し、賛成は16・3%だった。
望ましい政権の枠組みは
「政界再編による新たな枠組み」
が31・5%と最多で、自公の少数与党政権は18・1%。
一方、石破茂首相が過半数割れの責任を取り辞任すべきだとの回答は28・6%にとどまり、辞任は必要ないが65・7%だった。
自民の議席減に不記載の影響があったと思うとの答えは91・4%。
選挙結果で
「政治とカネ」
問題が根絶に向かうとの見方は23・9%で、向かわないが72・5%を占めた。

少数与党希望は自民支持層の4割 今後の政権枠組み、無党派層は「政界再編」が最多
世論調査
2024/10/29 18:53
https://www.sankei.com/article/20241029-5BJVP5UYLZLVTLY4M4STSCXYYA/
衆院選の結果を受けて共同通信社が2024年10月28、29の両日に行った全国緊急電話世論調査で、今後の望ましい政権枠組みを政党支持層別に見ると、自民党支持層では
「自民、公明両党による少数与党政権」
が最多の39・8%だったものの過半数に届かなかった。
次いで多いのが
「自公に日本維新の会などを加えた政権」
の28・2%で、一部野党と連携してでも政権の安定化を望む意向がにじんだ。
公明支持層では、自公の少数与党政権が50・9%と過半数に上った。
立憲民主党支持層と共産党支持層は
「立民を中心とした多くの野党による政権」
が最も多く、それぞれ61・7%と59・1%。
維新支持層は
「自公と維新など」
が最多の40・5%だった。
「支持する政党はない」
とした無党派層は
「政界再編による新たな枠組みの政権」
が最多で42・4%。
国民民主党支持層の48・2%、れいわ新選組支持層の55・3%も政界再編を希望した。

自民内から「石破おろし」の声相次ぐ 首相、国民民主と連携に活路 立民も多数派工作
2024/10/28 21:20
https://www.sankei.com/article/20241028-FHBW6MW5XNNW7EZEDBSSZMWDAQ/?outputType=theme_election2024
自民、公明両党で過半数割れの大敗を喫した衆院選の翌2024年10月28日、自民内では石破茂首相(自民総裁)の責任論が相次いだ。
それでも続投を表明した首相は、躍進した国民民主党との連携強化で打開を図る。
だが、国民民主は連立入りを否定。
首相は同党の政策を取り入れて協力関係を築きたい考えだが、予算案や法案ごとに賛成を求めることになれば政権運営が不安定化するのは必至だ。
■目に見える変化が肝要
首相は2024年10月28日の記者会見で
「『自民党は目に見えて変わったね』と実感して頂くことが肝要だ」
と述べ、政策活動費の廃止などを表明した。
自身が辞任するのではなく、衆院選の敗因は自民の改革姿勢の甘さにあると定義し、踏み込んだ改革案を打ち出すことで敗北の責任を取る−という筋書きと言える。
ただ、そんな思惑とは裏腹に、党内では
「石破降ろし」
が始まった。
「自民党石破政権への信を問うてこの結果、ということを軽視しすぎではないのか」。
小野田紀美参院議員は2024年10月28日、自身のSNSで、小泉進次郎選対委員長の辞任だけでは不十分との認識を示した。
山田宏参院議員もSNSに
「選対委員長の辞任で済む話ではない」
と投稿した。
小林鷹之元経済安全保障担当相も党幹部の責任論に言及する。
3氏とも、党内の
「反石破」
勢力から旗頭として期待される高市早苗前経済安保担当相に近い。
■党内論理より国民理解を
党内の反発について、首相は
「等閑視するつもりは全くない」
と語る一方、
「党内融和よりも国民の理解を優先していかねばならない」
「党内論理を優先したことが厳しい結果に繋がった」
と持論を述べた。
首相の念頭にあるのが、勢力を4倍に増やした国民民主との連携だ。
「議席を大きく伸ばした党がある」
「どのような主張に国民が共感、共鳴したのか」
「取り入れるべきは取り入れることに躊躇があってはならない」。
首相が記者会見でこう語ると、同席した森山裕幹事長は何度も頷いた。
森山氏は他党との交渉の中心的役割を担うだけに、政権継続のためには
「辞めさせられない」(別の党幹部)。
ただ、国民民主の玉木雄一郎代表は2024年10月28日、支援組織・連合の芳野友子会長に、自公連立政権に参画しない考えを伝えた。
国民民主は、自民に43議席差まで迫った立憲民主党からも触手を伸ばされている。
立民は同日2024年10月28日の執行役員会で、特別国会の首相指名選挙で、野田佳彦代表に投票するよう野党各党に協力を求める方針を確認した。
■政権への協力は十分ある
野田氏は記者団に、一部野党が石破政権に協力する可能性は
「十分ある」
と指摘。
「注意深く見ながら、こちら(野党側)のチームをどう作っていくかに心を砕きたい」
と述べ、過半数割れした自公による野党勢力の切り崩しを警戒した。
焦りの裏返しか、他党との交渉に関し
「誠意のある対話」
というフレーズを何度も口にした。
もっとも国民民主は、野田氏への投票要請も受け入れない考えだ。
首相指名選挙は1回目の投票で過半数を得た候補がいない場合、上位2人の決選投票を行う。
首相と野田氏の一騎打ちになる公算が大きいが、玉木氏は2024年10月28日の民放番組で
「無効となっても玉木と書く」
と述べた。
榛葉賀津也幹事長も同日、連合傘下の産業別労働組合(産別)に、こうした方針を伝えており、立民の多数派工作も最初から躓きそうだ。

政治空白、許されぬ…政治部長・小川聡
2024/10/28 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20241028-OYT1T50036/
長期政権のぬるま湯に浸かり、有権者の意識とかけ離れた
「党の論理」
を捨て切れない自民党に、厳しい審判が下った。
これまでの自民党政治家と違う感覚で政権を運営するのではとの石破首相への期待は、瞬く間に失望に変わった。
予算委員会なしでの衆院解散や、政治資金問題に関わった前議員らの公認問題と2000万円の活動費支給を巡る対応などで、総裁選で掲げた
「国民の納得と共感」
よりも自民党の事情と都合を優先する姿勢が露呈し、国民の怒りの火に油を注いだ。
立憲民主党は、3年前2021年の衆院選を教訓に、自民党にお灸を据えようと考える中道保守層の投票の受け皿になった。
野田代表が、
「原発ゼロ」
をはじめとした非現実的な安全保障・エネルギー政策を封印し、共産党との連携に距離を置いたことが奏功したと言えよう。
立民は選挙戦で、
「政治とカネ」
問題への批判に注力し、景気対策や社会保障などの具体策を論じる機会は少なかった。
「敵失」
で議席を伸ばした面が大きく、自らの政策・主張が全面的に支持を集めたという過信は禁物だ。
日本を取り巻く環境は国内外で厳しさを増しており、一刻の猶予も許されない。
経済停滞や社会保障・財政の不安、自然災害への対応などを急がなくてはならない。
北朝鮮や中国による軍事的威圧や威嚇、一方的な現状変更や侵略の脅威に直面し、日本の主権や平和、繁栄を維持できるかどうかの岐路にある。
与党の過半数割れにより、当面、政権が弱体化することは避けられまい。
各党は、政局を優先して分断を加速させるのではなく、 真摯な議論を通じて現実的に答えを出していくことが不可欠だ。
内外の有事を前に、政治空白を作ってはならない。

衆院選、全議席が確定 自民191、立民148、維新38、国民28、公明24、れいわ9
2024/10/28 4:05
https://www.sankei.com/article/20241028-PRREEDNFJRJSFA344HTTAVVAPQ/?outputType=theme_election2024
2024年10月27日投開票の衆院選は2024年10月28日未明、比例代表東北ブロックで立憲民主党が最終議席を確保し、全465議席が確定した。
各党の獲得議席は、自民191、立民148、維新38、公明24、共産8、国民28、れいわ9、社民1、参政3、政治団体の日本保守党3、無所属12で確定した。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/867.html#c22

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