米大手紙にトランプ大統領の「廷臣」と報じられた安倍首相 日本外交と政治の正体
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2018/12/08 日刊ゲンダイ
ブエノスアイレスで開かれたG20サミット(C)共同通信社
アルゼンチンのブエノスアイレスで主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれた。米国内では、米ロ首脳会談の行方、米中貿易戦争が本格化する中でのトランプ・習近平会談、CIAがサウジ人記者殺害事件の関与を断定したサウジのムハンマド皇太子に対し、トランプ大統領がどう対応するのかが注目されていたのだが、NYタイムズ紙にはこんな記事が掲載された。
〈大統領は太平洋の2つの同盟国、日・豪の首脳と会った。外国リーダーの中で、トランプ氏の最も熱心なCourtiersのひとり、安倍首相は、民主党が勝利した選挙について、「歴史的勝利」と(評して)祝った〉
「Courtier(s)」は〈宮廷に仕える人、廷臣、ご機嫌取り〉である。過去、米国の代表的な新聞で、これほど侮辱的な表現をされた日本の首相はいただろうか。
ワシントン・ポスト紙もこう報じている。
〈安倍首相は事実を曲げてまで、トランプを持ち上げようとした。安倍首相は中間選挙での歴史的勝利を祝うと述べた。これは選挙で共和党が上院を確保したことを述べたものだが、民主党が下院の支配を得たことを無視している〉
ネットで〈安倍首相が中間選挙の歴史的勝利を祝った〉と英文検索すると、侮蔑的な表現が山のように出てくる。
中間選挙がトランプ側の共和党の勝利だったと評価する米国民は誰もいない。上院は3分の1ずつ、2年おきに選挙する。つまり、全体の選挙ではない。一方、下院は全ての議席が投票対象だ。下院では民主党が勝利したのに、なぜ、安倍首相はトランプが「歴史的勝利を収めた」という表現を使ったのであろうか。
だから、ワシントン・ポスト紙には「事実を曲げてまで」と書かれたのである。米国では政治家に「integrity」(高潔性、誠実性)を求める伝統がある。「事実を曲げてまでへつらう」政治家は侮蔑の対象以外の何物でもない。
安倍首相ひとりが世界の笑いものになっているのであれば、それも一興だろう。しかし、日本にとって事態は深刻だ。トランプに対して「廷臣」を演ずる首相だからこそ、当然、自分の周りにも事実を曲げて媚びへつらう「廷臣」のみを求める。そう思って眺めると、なるほど、今の取り巻きの政治家、官僚、大手マスコミ……の全てが「廷臣」と言っていい。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2018年12月7日
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— いたにのりお (@je3gnu) 2018年12月7日
アベのトランプに対する態度は異常だ、今起きている選挙結果さえも捻じ曲げてトランプにすり寄る馬鹿総理で世界の物笑いだ、鼻つまみだばか
トランプ大統領の「廷臣」を演じ自分の周囲にも「廷臣」を求める安倍首相
— KK (@Trapelus) 2018年12月7日
そう思って眺めると、なるほど、今の取り巻きの政治家、官僚、大手マスコミ・・・の全てが「廷臣」と言っていい
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