安倍政権見殺し ルノーにしゃぶり尽くされる日産の末路 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242203/1 2018/11/23 日刊ゲンダイ マクロン大統領と“密約”か(C)ロイター共同 ゴーン逮捕の衝撃で大揺れの日産自動車が、仏ルノーとバックにいる仏政府に神経をとがらせている。仏政府はルノー株15%を保有する筆頭株主で、日産の意向を無視してルノーとの経営統合を推し進めているからだ。日産は同社株43.4%を持つルノーの出資比率引き下げを検討し、川口均専務執行役員が20日に官邸を訪問。防戦に動き回っているが、雲行きは怪しい。 ゴーン逮捕から間もなく、ルメール経済・財務相は「仏政府がルノー株主として最初に懸念するのはルノーと(日産、三菱自との)連合の安定だ」とし、日産の離反にクギを刺した。 一方、官邸で菅官房長官との面会を終えた川口専務は、「日本とフランスの関係もあり、両国の関係が保たれるよう政府としても見ていただければと思う」とコメント。日産が本社を構える横浜は、菅長官のお膝元だ。日産をのみ込もうとする仏政府に対抗するため、官邸に助け舟を求めたのか。 経済ジャーナリストの井上学氏は言う。 「仏政府への牽制という面があったようですが、それもあくまでポーズに過ぎず、日本政府の具体的な支援には期待していないようです。ゴーン体制以降の日産は政治との付き合いに消極的で、選挙支援にも力を入れてこなかった。菅長官が義理を感じるような関係ではありません」 日本市場での日産の立場も微妙だ。日産・ルノー連合の世界販売台数は2位だが、日産単体の国内シェアは5位に過ぎない。どうやら、安倍官邸は日産をフランスから守るつもりはないらしい。 「日産は生産台数の7割、販売台数の9割を海外で稼いでいて、もはや外資メーカーのようなものです。日本メーカーはトヨタ自動車だけが生き残ればいいというのが官邸の考え方です。所管する世耕経産相が他人事のような発言を繰り返していますが、あれはまさに官邸の本音。安倍首相は切れ者のマクロン大統領とコトを構える気はありません」(自動車業界関係者) 英紙フィナンシャル・タイムズによると、数カ月以内に日産とルノーの経営統合が行われる見通しだったという。フランスにとって日産は打ち出の小槌で、日産の資本で現地工場新設や雇用拡大が計画されている。 「ルノーによる日産統合のシナリオは出来上がっている。ヘタに時間をかければ日産に徹底抗戦の猶予を与えることになりかねません。ルノーは日産のガタガタに乗じて計画を前倒し、年内の統合発表もあり得る」(井上学氏) クーデターは哀れな末路で締めくくられるのか。
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