NHKのニュース:東日本大震災から10年 !
野党の見解・詳報は ?
(datazoo.jp:2021年3月7日放送)
◆平沢復興相“今後の復興政策は弾力的に進める必要”
東日本大震災から10年をむかえるにあたって、平沢復興大臣は日曜討論で、今後の復興政策について様々な問題に対応するため、弾力的に進めていくことが必要との認識を示した。福島第一原子力発電所の帰還困難区域の内、避難指示解除の見通しが示されていない地域への対応については、「最終的に全て解除し、みなさんが住むことができるように、検討を加速化させている」と述べた。
また、「福島は原発ではなく、別の面で有名になる必要がある。先端技術の研究施設や国際教育研究拠点をつくることで世界に知られる街にしたい」と述べた。
岩手県の達増知事は「災害公営住宅であきがあることがわかっている。若い人に入ってもらいながら地域振興の新しいことをやっていく」と述べた。宮城県の村井知事は「復興事業が残っている。先月の地震で更に遅れ、費用がかかることも考えられる。
大臣がリーダーシップを発揮し、柔軟に対応していただきたい」と述べた。福島県の堀内知事は「まだまだこれから、というのが私たちの強い思い。国自身が復興に責任を持って対応することが重要」と話した。
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◆司法担当閣僚の会議が開幕 !
今日から京都市で国連の「犯罪防止刑事司法会議」が開催。議会ではグテーレス事務総長が「コロナ禍で引き起こされた混乱は犯罪者に対して新たな機会を与えている」とし、会議をきっかけに正義と誠実な世界の道のりを築こうと述べた。菅総理は会議で「国際社会は犯罪防止を強化すると共に団結して対処していく必要がある」と話した。上川大臣は「誰も取り残されない社会の構築に向け、議論しなければならない」と述べた。また刑事司法裁判のデジタル化や再犯防止への地域ボランティア活用などを盛り込んだ京都宣言が採択された。また、開催にあたってコロナウイルスの感染防止策が徹底されているとのこと。
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◆手術までの時間、去年4月以降、延びる傾向 !
新型コロナウイルスの影響で、緊急手術が必要な心筋梗塞の患者が病院に搬送されてから手術を受けるまでの時間が去年の4月以降伸びる傾向となっていることが医師グループのまとめでわかったという。神奈川循環器救急研究会が神奈川県内の25の医療機関を対象にまとめたもので、去年1-3月と4-12月の病院到着から手術までの時間を知らべた。
その結果、中央値が8分程度伸びる傾向にあったという。また、心筋梗塞の1つの基準である90分を越すケースも増えたという。
研究会によると、研究会は「感染の検査など、受け入れに一定の時間がかかるため、心筋梗塞が疑われる場合、なるべく早く受診するように」と呼びかけている。
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◆200兆円規模の経済対策・上院可決 !
アメリカ議会上院は6日、200兆円規模の経済対策法案を可決した。バイデン政権発足後初となる大規模な財政出動で、「アメリカン・レスキュー・プラン」と名づけられている。大統領は「この対策はウイルスに打ち勝つ道をひらく」としている。
日本円にして15万円の現金給付や、失業保険の積み増しが9月まで延長する措置など、労働者や家庭を重視した対策になっている。
また、最重要課題とされるワクチン接種普及の予算も盛り込まれている。一方で巨額の経済対策が景気を過熱させかねないとし、長期金利上昇や株式市場を招いている。
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(アメリカ)
◆来年4月入社の新卒採用見送り !
エイチ・アイ・エスは来年4月入社の新卒採用を見送ることを決めた。エイチ・アイ・エスは新型コロナウイルスの影響で旅行の需要が大きく落ち込み、去年10月までのグループ全体の決算で、上場以来初の最終赤字を計上した。
その後もGoToトラベルが停止されるなど、新型コロナによる影響が長期化し、同社は新卒採用を見送ることを決定したとのこと。
また、来月入社の新卒採用でも600人予定していたが、26人にとどまる見込みとしている。JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行でも新卒採用の見送りを決定している。
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○玄葉議員:【東日本大震災】10年を超えて、
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2021年3月9日)
玄葉光一郎議員インタビュー:
発災した当時、民主党政権の国家戦略担当大臣として国会審議に出席中だったという玄葉光一郎議員。党の政策調査会長を兼務し、さらに被災した福島県を選挙区とする議員として、未曽有の災害に「前例のない対応」「ピンチをチャンスに」との方針で災害対応に当たったと語る。
縦軸にも横軸にもない、未曽有の災害 !
――震災時はどのような立場でしたか 当時は民主党政権であり、政府の国家戦略担当大臣と党の政策調査会長を兼務していました。3月11日の午後2時46分、参院の決算委員会に閣僚として出席、答弁席にいた時のことでした。すぐに審議が中断になり、私は国会内の政調会長室に一時避難しました。その後、首相官邸の危機管理室に招集されましたが、そこでは携帯電話がつながらず、上階に移動し対応に当たりました。
今、世界を襲っているCOVID-19は大変深刻な事態だと思います。縦軸、つまり世界人類の歴史から見ると、そこには感染症の歴史と言えるくらい多くの事例を見つけられます。横軸を見ると、台湾やニュージーランドが上手く対応していたり、アメリカの対応に疑問符が付いたりというようにさまざまな参考事例があります。ところが、東日本大震災は、地震、津波、原発事故が重なるという未曽有の複合災害であり、古今東西を見ても類例のない事態でした。
未曽有の災害に対応した民主党政権には、根強い批判があることは承知しています。私たちは政治家ですから、どんな批判も、クレームも、思いも、悲しみも全部受け止めなければいけない。その上で1つ申し上げると、菅総理が事故発生翌日にヘリで東京電力福島第一原発に向かったことが非難されました。福島が地元である私は、行ってもらって良かったと考えています。
現地視察で何が起きたかと言うと、第一原発の故吉田昌郎所長と総理が直接つながりました。当時、官邸には、東京電力幹部が常駐していたのですが、なかなか信頼できず、コミュニケーションに困難な面がありました。ところが、第一原発の吉田所長と直接つながって、自分の命に代えても第一原発を守るという強い決意をもっている人だとわかりました。その所長との信頼関係の上にコミュニケーションできたことはものすごく大きなことだったと推測します。
◆前例のない対応、ピンチをチャンスへ !
――未曽有の事態にどう官僚を率いたのですか 起きた事象に前例がないので、「前例主義はダメだ。対応策は全て前例によらなくていい。前例のない対応しよう」というのがまず1つ。もう1つは、「起きてしまったことを嘆いていてもしようがない。この大ピンチをチャンスに変えるためにどうするか。ピンチは、それは見方を変えればチャンスだ。チャンスに思い切って変えるくらいの政策展開ができないか」と発破をかけながら、「やり過ぎではないか」と言われるほどあらゆることに取り組みました。
例えば、東京電力から個人に対する賠償の仕組みを設けました。所得税率に2.1%を上乗せして復興税を導入し、25年間続けることで10兆円以上の復興財源を作りました。縦割りを排した実効力ある組織として復興庁も創設しました。
それから3.11がなければできなかったであろう相馬から福島に到る高速道路や三陸縦貫自動車道。これについては宮城県の自民党系の村井知事が先日、新聞紙上で「これは自民党ではできなかった。自分は政治主導の民主党政権に乗っかり、かなりやってもらった」旨のことを言っていました。私たちのおこなったことにいろいろな評価があるのは承知していますが、復旧復興へのレールを相当敷けたのではないかという自負もあります。
また、グループ補助金という制度を作りました。壊滅したさまざまな製造業などの工場が再建するにあたって、4分の3を国庫で補助し、4分の1を無利子融資という制度です。これはすごく成功しました。東京電力からの賠償とグループ補助金によって、復興のスピードを加速させたと思います。
―以下省略―
○志位委員長と宮城県の市民らの懇談(詳報)
人間らしい暮らし保障の政治を
(www.jcp.or.jp:共産党:2021年3月5日)
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年を迎えるのを前に、3日に行われた日本共産党の志位和夫委員長、高橋千鶴子衆院議員と宮城県の住民や市民団体の代表者とのオンライン懇談の詳報を紹介します。
」◆現状と課題 !
志位氏は、「震災10年にあたり現状と課題をお聞きし、政府に対応を求めたい」として、次の4点についての実情のほか、国の政策に対する要望などを尋ねました。
(1)県による災害公営住宅に暮らす被災者の健康調査(2019年)でも64・9%が病気があることを訴えるなどのもとで、被災者の心身のケア・命と健康を守る問題(2)被災者生活再建支援法の上限の拡充とともに、在宅被災者に対する支援をどうやって進めるかという住まいの再建の問題(3)大震災と大不漁とコロナ危機の三つの打撃が加わり水産特区の押しつけが矛盾を広げるなどのもとでの生業(なりわい)の再建の問題(4)県による巨大防潮堤の押しつけや水道事業や空港などの民営化、水産特区、東北電力女川原発再稼働容認など復興に持ち込まれたゆがみの問題。
東日本大震災復旧・復興みやぎ県民センターの小川静治事務局長は、宮城の特徴として家屋修繕が多く、被災者が住宅再建の手段として災害救助法による応急修理制度を使ったため、半壊住宅に不自由な状態で住み続けざるをえない在宅被災者が生まれることにつながっていると指摘しました。
被災者生活再建支援法について「実際の被害を回復するには支援金額自体が根本的に不足している」と強調。「住宅の被害を我慢している多くの方が救済されていない。住宅再建支援制度を充実させ国が全面的にバックアップする決意を示すことが被災者を励ますことにつながります」と訴えました。
◆支援の実態 !
在宅被災者の支援と調査に取り組む一般社団法人「チーム王冠」の伊藤健哉代表理事は、「家が傾いたり、生活基盤の風呂やトイレが使えなくなったりしても、あくまで判断基準は家がどう壊れたかという視点で罹災(りさい)判定が出ているので被災者の被災実態と必ずしも合致しているわけではない」と指摘。「国や県、自治体が被災実態を全く調査していない。実態を知らなければ施策が打てるわけがないので早急に調査してほしい」と訴えました。
被災者の医療費負担免除が終わるなか生活保護を頼る人がたくさんいるのに支給を打ち切られているとし、被災者一人ひとりの被災状況に合わせた支援策を専門家と連携して実施していく「災害ケースマネジメント」の取り組みが必要だと強調。復興庁の「心の復興事業」も被災者には必要な事業だとして継続を要望しました。
宮城県民主医療機関連合会の矢崎とも子副会長は、災害公営住宅訪問調査で住居環境は良くなったはずなのに健康状態が悪化している人が3割以上おり、医療費の問題で受診抑制が起きていると紹介。2割ほどが入居後亡くなった家族がいると答えているとし、「独居者へのケアをきちんとしなければ孤独死が増えていくのではないか」と懸念を示しました。
病気、収入や生活費、将来の家賃が被災者の「三大心配事」になっていると紹介。
3年前の調査と比較して、経済的に困窮している人ほど健康状態が悪くなり、うつ傾向になる人の割合が高く、受診抑制が起きていると述べました。
コロナ禍もあり収入が減る一方で家賃が増えるため、生活費や食費を抑え、冠婚葬祭に行かないために近所付き合いをやめる人が増えていると述べ、「どう援助の手を差し伸べるか考えなければならない」と語りました。―以下省略―