安倍首相達の消費税の増税への野党の見解・詳報は ?
○消費税のインボイス保存方式の見直しを求める
全建総連院内集会で斉藤参院議員があいさつ
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2019年10月11日より抜粋・転載)
消費税導入にあわせて実施される適格請求書等保存方式(インボイス制度)の見直しを求める集会が、10月10日昼、議員会館で開催され、全国建設労働組合総連合(全建総連)が集めた35万9753筆の要請署名が財務省と各政党に提出されました。立憲民主党を代表して建設技能者の育成を支援する議員連盟事務局長の斉藤嘉隆参院議員があいさつしました。
全建総連の山口副委員長は主催者あいさつで「建設業では一人親方や零細事業者が中心で1000万以下の免税事業者が圧倒的。一日の仕事を終えて帰ってきても明日の機材の積み込みをして職人さんに明日の連絡、夕食を定刻に取ることもできないのが実態。
それから領収書や伝票の整理でゆとりがない。さらにインボイス制度が導入されれば、事務量の増大は必至。取引先の協力業者にも一番嫌な言葉を発せねばならない。免税業者で控除ができないから値引きしますよと。取引から除外しますと言わねばならないかもしれない。
良好な取引関係事態が危うくなる。今でも若い人が参入してくれないなかで、事務量の増大があれば更に厳しくなる。われわれの実態をよく理解して欲しい」と訴えました。
斉藤議員は「35万筆を超える署名を前に、皆さんの強い想いを実感している。われわれは消費税引き上げに反対してきたし、わけのわからない軽減税率やポイント還元の問題点も指摘してきた。インボイス制度は今と同じ仕事をしても免税業者は値引きを強要され排除される、課税事業者も納税額が増え事業者にとっては死活問題になる。
全国で課税事業者は310万、免税事業者は510万もあり地方経済に大きな影響を与える。2023年10月の導入時から6年間は一定の割合で仕入れ税額控除が認められるというものの、免税事業者からの仕入れが回避される懸念が拭えない。免税事業者の経営に大きな影響を与えると懸念している。
3年後の準備状況の確認で一定の措置を講じるという法律の付則を足がかりにしながら必要な対応をしていきたい」と述べました。集会には、赤松宏隆、近藤昭一、福田昭夫、田嶋要、森山浩行、長尾英樹、吉田統彦、横光克彦、松田功、大河原雅子、宮川伸、道下大樹、高木錬太郎各衆院議員、那谷屋正義、水岡俊一、江崎孝、宮沢由佳、岸まきこ各参院議員らも参加しました。
○【衆院予算委】後藤祐一議員、 ポイント還元制度の不公平性指摘
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2019年10月11日より抜粋・転載)
後藤祐一議員は、10月11日、衆院予算委員会の基本的質疑に立ち、(1)消費税増税のポイント還元(2)日米貿易協定(3)豚コレラ対策(4)北朝鮮ミサイルのEEZ(排他的経済水域)落下――について質問した。
消費税増税のポイント還元制度について、地元のお年寄りから「制度がわかりにくい」という声を寄せられていると述べ、「来年6月までの9ヶ月間で約4000億円、国民1人当たり約3200円の税金を使って、カードや電子マネーをよく使う人が得をする不公平な制度ではないか」と菅原経済産業大臣に質した。
さらにポイント還元の消費拡大効果が家計最終消費支出294.1兆円に対して0.1%(1786億円)と微々たるものだと断じた。またポイント還元制度の導入の決定時期が遅かったため、現場での複数税率への対応やポイント還元の準備が遅れ、10月1日から万全な態勢でスタートできなかったのではないかと指摘し、抜本的な見直しを求めた。
また安倍総理対して、日米貿易協定の経済効果をただしたが、明確な回答は得られなかった。茂木外務大臣に対しては、米国の自動車及び自動車部品の関税について、「さらなる交渉による関税撤廃」で合意したのか、政府の正式見解を書面で求めた。さらに日米貿易協定を含め、日米外交について集中審議を求めた。
豚コレラ対策については、「初動が遅れたのではないか、岐阜県、愛知県及びその周辺県でワクチン接種を決断していれば、その後の感染拡大を防げたのではないか」と江藤農水大臣にただした。そして「今からでも、豚コレラ発生県だけではなく、ワクチン接種の要望がある県にも速やかに接種すべきだ」と政府に求めた。
10月2日に北朝鮮の水中発射型弾道ミサイルのSLBMがEEZ(排他的経済水域)に落下したが、イージス艦が日本海に1隻も展開していなかったのではないかとの報道があったとし、安倍総理に事実を確認した。
しかし安倍総理と河野防衛大臣は回答を避けた。その他、韓国からの一方的な通告により11月22日で失効する日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、安全保障と歴史認識を切り離して、GSOMIAの継続が望ましいと安倍総理に提言した。
○論戦ハイライト 衆院予算委 宮本議員
消費税10 %増税は、業者いじめ ! 切実な声紹介
(www.jcp.or.jp:共産党:2019年10月12日より抜粋・転載)
「(消費税増税に伴う)レジやシステムの入れ替えで150万円必要だったが、補助金は後払い。爪に火をともしている零細企業には払えない。中小零細いじめではないか」
日本共産党の宮本徹議員は11日の衆院予算委員会で、こうした業者の声を紹介し、消費税10%増税で廃業・倒産にまで追い込まれている業者の窮状を告発しました。
安倍晋三首相: 十二分な対策を実施する。
宮本: 自らが行った政策が国民にどういう痛みをもたらしているか無自覚すぎる。
安倍政権が「景気対策」の目玉とするキャッシュレス決済時のポイント還元制度に登録した店舗は、宮本氏が調べた都内の商店街では2割程度しかありませんでした。宮本氏は「万全の対策どころか部分的なものにすぎない」と批判しました。
さらに宮本氏は、消費税増税によって消費が落ち込んでいることを告発。飲食店などからは「お客が半減し、こうした状況が続くなら店をどうするかを相談しなければならない」などの悲鳴が上がっています。実質民間最終消費支出の伸びは消費税増税のたびに鈍化しています。
宮本: 消費税10%で突き進めば、消費に深刻な打撃を与えるのではないか。
西村康稔経済再生担当相 確かに消費税は消費者のマインド(心理)にマイナスの影響を与える可能性もある。
宮本: それなら、その道を突き進んでいいのか、真剣に考える必要がある。
増税で消費税収が増えたにもかかわらず、国の税収は今も消費税導入直後と同水準にとどまります。消費税増税と引き換えに、法人税や所得税が減税されてきたからです。
宮本氏は、昨年の企業の経常利益はバブル期ピーク(1989年)の2倍以上であるにもかかわらず「法人税負担が急激に軽くなり、もうけが税として社会に還元されなくなっている」と指摘。「法人税減税は内部留保に積みあがっているだけだ。消費税を引き下げた方が個人消費は活性化し、経済は元気になる」として、消費税率5%への減税を重ねて求めました。
安倍政権は消費税を増税する一方で、アメリカ製武器の「爆買い」で軍事費は過去最高です。秋田や山口で県民が反対する、陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備を強行しようとしています。
宮本氏はイージス・アショア配備の費用が、当初の1基800億円から米国の言い値で膨張していると指摘しました。
宮本: イージス・アショアの配備・運用に、いったいいくらかかるのか。際限ないのではないか。
河野太郎防衛相: 今後、日米で価格の低減に努め、価格が精査できた段階でお知らせする。
宮本: 最終的にいくらかかるかも分からない。
宮本氏は「国民には財政が大変だと消費税増税するのに、米国のためには爆買いする。根本的に間違っている」と批判しました。
○消費税率の10 %への引き上げに 断固抗議する(談話)
(www5.sdp.or.jp:社民党:2019年10月1日より抜粋・転載)
社会民主党幹事長・吉川はじめ:
1.本日、国民の反対の声を押し切って、消費税率が8%から10%に引き上げられた。社民党は、逆進性があり、国民生活や景気の悪化を招く10%への引き上げの実施に断固抗議する。参議院選挙では、消費税の税率10%への増税に反対し、中止に追い込むことを公約してたたかった。野党が共同して8%へ戻す法案を提出できるよう、全力で取り組む。
2.「社会保障のための消費税」というが、安倍政権は、社会保障の自然増の毎年5000億円以上のカット、「年金カット法案」の強行はじめ、社会保障の切り捨てを進めてきた。安倍政権が「最大のチャレンジ』と位置づける「全世代型社会保障」への改革の中では、年金支給年齢の70歳超への選択肢拡大、75歳以上の医療費の窓口負担の原則1割から2割への引き上げ、「受診時定額負担」の導入、自己負担が3割となる「現役並み所得者」の対象拡大、要介護1・2の地域支援事業への移行、ケアプラン作成の有料化など、社会保障の改悪メニューが検討課題となっている。
しかも本日の消費税率アップと同時に、後期高齢者医療制度の低所得者に対する保険料軽減の特例措置が廃止される。これでは、消費税増税と社会保障改悪の「一体改悪」にほかならない。
3.内外経済に変調を来す中、GDPの6割を占める個人消費の活性化を妨げる消費税増税は、断固撤回すべきである。実質賃金もマイナスを記録し続け、「駆け込み需要」すら起きないほど家計消費は低迷している。8月分の景気動向指数の基調判断では、もっとも悪い「悪化」に修正される可能性も指摘されている。
ポイント還元やプレミアム付き商品券の「効果」も切れる頃には、東京オリンピック・パラリンピックの「特需」もはげ落ちる。米中貿易戦争や日韓対立、イギリスの合意なきEU離脱問題、中東情勢など世界経済も不透明感を増している。社民党は、消費税増税の撤回、賃金の引き上げ、安定雇用の拡大による個人消費を中心とする内需拡大を強く求める。
4.社民党は、消費税率引き上げ前に臨時国会を召集し議論するよう求めたが、安倍政権はそうした機会すら封じ込めた。ポイント還元や軽減税率、プレミアム付き商品券、マイナンバー制度を活用したプレミアムポイント等の「対策」では、消費税10%増税の影響は消し去ることはできない。
4日に召集される臨時国会では、くらしや景気、財政、社会保障に関する重要なテーマとして、消費税増税や暮らし・景気への影響、消費者や事業者に混乱が生じている「対策」の問題点を厳しく追及していく。
5.消費税増税分は、所得税の税率フラット化や法人税等の減税による減収分の穴埋めをするかのように機能してきた。安倍政権は、アベノミクスの成長戦略として法人税率をどんどん引き下げてきた。
所得税の累進制強化と金融証券課税の引き上げ、大企業の法人税率の引き上げと租税特別措置の廃止・見直しをはじめ所得税・法人税等の不公平税制の是正をはかり、税制における「応能負担」原則・「所得再分配」機能を取り戻す。
6.格差や貧困が拡大する中、ぎりぎりの生活をしている人であればあるほど、消費増税の影響は深刻である。多くの中小零細事業者は、消費税の転嫁が厳しく、軽減税率やポイント還元への対応もできていないという状況も放置されている。
社民党は、国民生活や地域経済、中小企業への影響もはかりしれない10%引き上げ実施に対し、多くの皆さんと連携を強化し、あきらめずに最後まで全力で奮闘する決意である。―以上―