民主主義社会で、党首討論を1 年に1 度しか行わない事は、異常である !
安倍政権下、NHK等・マスコミの深層・真相は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2013/06/19より抜粋・転載)
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1)1 年ぶりに、党首討論が行われたが、
安倍首相は、聞かれた事に答えない !
6 月19 日、衆議院で、党首討論が行われたが、論議は極めて低調だった。
安倍首相は、聞かれたことに答えない。政権を担う資格がないとしか言いようがない。
党首討論が実施されるのは、昨年6月以来、ほぼ1年ぶりである。
何のための国会なのか。国会は主権者の代表者による議論の場である。
その国会が議論を行わない。職務怠慢である。
主権者は、職務怠慢の国会議員を追放するべきである。
2)与野党が、議論している事を公開する、
テレビでの国会中継もほとんど行われない !
国民の前に与野党が、議論している事を公開する、テレビでの国会中継もほとんど行われない。
唯一、衆参両院の予算委員会と党首討論だけが、テレビ中継されるが、これも、決定するのは、国会の議院運営委員会である。
議院運営委員会の委員多数を与党議員が占有するから、与党の意向でテレビ中継も十分に行われない。NHKが公共放送であると主張するのなら、NHKは視聴者の視点で国会中継を積極的に行うべきである。
3)民主主義社会で、党首討論を1 年に
1 度しか行わない事は、異常である !
暴走・安倍政権下、党首討論を1年に1度しか行わないことも異常である。
しかも、討論の時間が短すぎる。
安倍首相は質問を受けるのに、質問されたことに答えずに関係のない発言を繰り返し、時間を潰してしまう。見るに堪えない党首討論だ。党首討論の時間を3時間程度に拡大するべきだ。
そして、発言時間については、ベルを鳴らして、均等にするべきだ。
公正なルールを定めて、ルール厳守で党首討論を行うべきだ。
公的年金の運用手法が、2014 年10月31日に変更された。
4)安倍政権下、公的年金の運用手法について、
リスク資産のウェイトが一気に引き上げられた !
公的年金の運用手法について、リスク資産のウェイトが一気に引き上げられた。
外貨運用、株式運用の比率が、大幅に引き上げられたのだ。
国内債券60 %、国内株式12 %、外国債券11 %、外国株式12 %だった資金配分比率を
国内債券35 %、国内株式25 %、外国債券15 %、外国株式25 %に変えた。
5)公的年金の運用が、国内債券での運用比率
が、60 %から35 %に引き下げられた !
国内債券での運用比率が、60%から35%に引き下げられ、外貨での運用が40%、株式での運用が50%に変更された。その結果、2015年3月末の資金運用残高137.5兆円が、2016年3月末には、134.7兆円に減少してしまった。
2018年3月末の運用資金残高は、156.4兆円だったが、2018年末には、151.4兆円に減少してしまった。昨年10−12月期には、わずか3ヵ月で15兆円もの損失を計上した。
6)わずか3 ヵ月で15 兆円もの損失発生等、
日本の年金制度は極めて貧弱である !
日本の年金制度は極めて貧弱である。
しかも、年金保険料と年金給付額をバランスさせるために、今後年金を受給する者は、自分が支払った保険料分の年金さえ受け取ることができなくなる。
財産権を保障しているなら、公的年金からの離脱を認めるべきだ。
その資金を自分で管理して老後資金に充当する方が得になる。
支払った年金保険料分の年金を、受給できない制度は、脱退の自由があれば、存立し得ない。
しかし、日本では、その存立し得ない年金制度への加入を強制している。
―この続きは次回投稿します―
(参考資料)
自民党政権・自公政権下、NHK・最高裁・東京地裁の全てが忖度機関である !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/05/17より抜粋・転載)
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◆NHKは、放送法の「放送の不偏不党」、
「健全な民主主義の発達に資する」に反している !
キーワードは「放送の不偏不党」、「健全な民主主義の発達に資する」である。
NHKの運営が、「放送の不偏不党」、「健全な民主主義の発達に資する」という規定に則っているなら、受信契約の強制が合憲であるとの判断にも一定の合理性がある。
しかし、現実には、NHKの運営が、「放送の不偏不党」、「健全な民主主義の発達に資する」という放送法の規定に反していることが、重大な問題なのだ。
放送法は、第四条に次の規定を置いている。
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
二 政治的に公平であること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
◆現実のNHKは、放送法、第四条の
規定を、まったく守っていない !
ところが、現実のNHKには、放送法、第四条の規定が、まったく守られていない。
その原因がどこにあるか。答えは明白だ。
NHKの人事権を内閣総理大臣が握っており、人事権を濫用する者が内閣総理大臣に就任すると公共放送の担い手であるべきNHKが内閣総理大臣によって私物化されてしまうからだ。
現在の状況がこれにあたる。
◆NHKの実態は、政治権力の御用機関
=広報機関に成り下がっている !
NHKは、政治権力の御用機関=広報機関に成り下がってしまっており、「放送の不偏不党」、「健全な民主主義の発達に資する」という放送法の目的が実現していない。
この現実についての考察を行わずに、受信契約の強制を合憲とした最高裁判断は誤った判断であると言わざるを得ない。
5月15日には、東京地方裁判所が、自家用車に設置している、ワンセグ機能付きのカーナビについての、受信料契約を結ぶ義務を認めた。東京忖度(そんたく)裁判所の判断である。
◆自公政権下、裁判所は、政治権力
の意向に沿う判断を示している !
◆人事制度等によって、NHKの実態は、
政治権力の家来、「日本偏向協会」である !
この事態は偶発的なものでなく構造的なものだ。
その構造を支えているのが、NHKの人事制度なのだ。
放送法はNHKの人事制度について定めている。
NHKの最高意思決定機関は経営委員会である。
その経営委員会の構成メンバーである、経営委員の任命権者が、内閣総理大臣である。
放送法第三十一条は、次のように定めている。
第三十一条、 委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。この場合において、その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野及び全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない。―この続きは次回投稿します―
◆首相が、放送法第三十一条を無視して、
人事を行うから、NHKは家来になってきた !
内閣総理大臣がこの規定に沿って適切な人事を行うなら問題は生じない。
しかし、現実の経営委員人事を見るならば、この放送法第三十一条の規定が、空文化していることが分かる。内閣総理大臣が、恣意的人事を行うから、NHKが公共放送としての役割を担わぬ存在になってしまうのだ。経営委員会が、NHK会長を任命する。
NHK会長は、経営委員会の同意を得て、NHK副会長および理事を任命する。
◆首相は、恣意的な人事によって、
NHKの経営委員会を私物化できる !
NHKの業務運営上の最高意思決定機関が、理事会であり、この決定の下で、NHKの業務運営が行われる。内閣総理大臣は、恣意的な人事によって、NHKの経営委員会を私物化することができる。
そうなると、NHKの業務運営そのものが私物化されてしまう。この現実が横たわっている。
NHKが適切に運営され、「放送の不偏不党」、「健全な民主主義の発達に資する」という放送法の目的が実現しているなら、放送受信契約の強制に対する反発は、強くは生じないのかも知れない。
◆現実のNHKは、恣意的な人事を行う
首相の下では、完全に偏向した存在である !
それでも、契約の自由や財産権を侵害している、との違憲の疑いが残るが、市民の反発はかなり和らぐはずである。現実のNHKは、恣意的な人事を行う内閣総理大臣の下では、完全に偏向した存在になり、「放送の不偏不党」、「健全な民主主義の発達に資する」とは、真逆の存在に堕してしまう。
これがいまのNHKだ。政治部や解説委員、そして報道番組のMCを務める者が、醜い忖度競争を演じている。ヒラメしか幹部に登用されない。
◆NHKでは、ヒラメだけが幹部に登用される
から、大半の職員がヒラメを目指す !