Business | 2017年 03月 2日 16:07 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
インタビュー:
日本株は割安、低ROE修正なら5割高も
AB 堀川氏
[東京 2日 ロイター] - 米資産運用会社、アライアンス・バーンスタインの日本バリュー株式共同最高投資責任者の堀川篤氏は、日本株はグローバルでみて割安であると指摘。ROE(株主資本利益率)が世界平均並みに修正されれば、グローバル市場に対し50%のアウトパフォーム(OP)も可能との見方を示した。
ロイターのインタビューに1日、応じた。
昨年12月末時点で、同社の受託資産残高は約57兆円(4900億ドル、116円で計算)。グローバル・バリュー株式ファンド全体の受託資産残高は1兆3451億円。日本株プロダクトの運用資産残高は1192億円となっている。
──日本企業の評価は。
「日本企業は徐々にだが変わってきている。以前は利益重視ではなかった企業も多くあった。しかし、3年ほど前からコーポレートガバナンスへの関心が高まってきており、一部の企業は行動を変えつつある。改善の可能性のある企業に投資していきたい」
──改善の可能性とは具体的にどういう点か。
「日本企業のROEは低い。足元で8─9%程度と、世界平均の12─13%に対し、4─5割下回っている。日本株は、PER(実績ベース)でみて約2割、PBRでは約4割、世界のレベルから割安になっているが、その要因の1つはここにある。特にPBRはROEの低さが反映されている(PBR=PER×ROE)」
──ROEが低い要因はどこにあるのか。
「ROEが低いのは、バランスシートが効率的ではないからだ。キャッシュをたくさん持ちすぎている。また利益重視の意識も低かった。しかし、逆に言えば改善のポテンシャルが大きいということであり、投資のチャンスもそこにある」
「単純計算だが、ROEが8%から12%程度に改善すれば、1.5倍だ。それだけで為替動向に関係なく、株価はグローバルマーケットに対して50%、アウトパフォームすることができる」
──成功例はあるか。
「ある半導体関連企業は、3年前は経営陣に利益改善の意欲があるのかないのかわからないような会社だった。業界トップ企業の売上高営業利益率が15─20%もあるのに、その会社は3%。しかし、当社との対話の中で、利益重視の姿勢に変わってきた。主力製品の1つである半導体洗浄装置を汎用型から個々の顧客ニーズに合せた作りに変えることなどにより、コストと利益のバランスが改善、利益率は今年12%まで改善した」
──投資家との対話がうまくいかない企業もあるのではないか。
「確かに、利益改善に後ろ向きと言わざるを得ない企業も少なくない。自分たちの業界というか世界に固執して、マーケットも気にしないタイプの企業だ。だからこそ、我々は、日本株を『やや』オーバーウエートとしている」
──日本のグローバル企業にとってはトランプ米大統領の政策もリスクだ。
「ポイントは、雇用などで不満を持っていた支持者を満足させることができるかどうかだ。満足させることができれば(景気拡大などを通じて)日本も恩恵を受けるだろう。満足させることができなければ、ポピュリスト的な政権であり、『敵』をつくることで不満のはけ口とするかもしれない。その際、ライバルである中国が対象となりそうだが、日本も巻き添えを食うリスクがある」
「国境税が実施されれば、輸出セクターは影響を受ける可能性がある。国境税は売上高にかかってくるのに対し、法人税減税は利益にかかる。その影響度は、国境税の方が大きいだろう。自動車株のウエートは米大統領選直後からやや落としている」
──今回のトランプ大統領の議会演説をどうみたか。
「今回の議会演説では、敵を探すような発言がなかった。その点では良かったのではないか。一方、掲げる政策を実行できるかには依然として不透明感が漂う。行政スタッフの陣容さえ固まっておらず、政策実行力に関しては信頼感はまだ低い」
──米国の為替政策はどうなると予想するか。
「米国はサービス産業の割合が高く、ドル高の方がプラスだとみている。多少、ドル安になったとしても米国の車が日本で急に売れるとは考えにくい。無理やりドル安にすればインフレもしくは輸入物価が上昇し、消費者、つまり支持者の懐を圧迫する。ドル高志向であれば日本株にもプラスだ」
──海外投資家の様子はどうか。
「1月に、欧州に出張してきたが、日本がインフレになるかに興味を示す投資家が多かった。これまで女性がパートで働くことで賃金の上昇率を抑えていたが、それにも限界がみえてきた。今後は賃金に上昇圧力がかかってくるだろう。インフレになれば、個人や企業の行動も大きく変わってくる可能性がある」
*誤字を修正しました。
(伊賀大記、植竹知子)
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日本株3日続伸、TOPIXは昨年来高値−米金利高で金融、素材上げ
長谷川敏郎
2017年3月2日 08:04 JST 更新日時 2017年3月2日 15:34 JST
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1ドル=114円台へドル高・円安進む、企業業績期待が再燃
2日の東京株式相場は3日続伸し、TOPIXは昨年来高値を更新した。米国の早期利上げ観測の高まりで銀行や保険など金融株が買われ、米景況感の改善やインフラ投資期待、為替の円安進行を手掛かりに電機や機械など輸出株、非鉄金属や鉄鋼など素材株も高い。
TOPIXの終値は前日比11.60ポイント(0.7%)高の1564.69、日経平均株価は171円26銭(0.9%)高の1万9564円80銭。TOPIXは2015年12月17日以来、およそ1年2カ月ぶりの高値となった。
シティグループ・グローバル・マーケッツ・アジアの投資ストラテジスト、ケン・ペン氏(香港在勤)は「FRBはマーケットを利上げで驚かさないよう、準備をしている。利上げ確率が80%となった今、条件は整った」と指摘。前日の海外金融市場に影響を与えたトランプ米大統領の演説も、「詳細はなかったが、話し方は驚きだった。政策を実行するために動いてくるという自信を持つことができた」と言う。
東証外観
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ダラス連銀のカプラン総裁は1日の講演で、米経済が政策金利の上昇を受け入れるだけ十分強く、経済成長を維持するためにも利上げを支持すると発言。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は、「追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」と述べた。
米供給管理協会(ISM)が1日に発表した2月の製造業総合景況指数は57.7と、2014年8月以来の高水準となった。1日の米国債市場は、早期利上げ観測の高まりから10年債利回りが2.45%と6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。市場が織り込む3月の米利上げ確率は2月28日の52%から80%へ上昇した。トランプ米大統領の議会演説は詳細の説明を欠いたが、冷静な論調が好感され、同日の米ダウ工業株30種平均は300ドルを超す大幅高。
為替市場ではドル高・円安が進み、きょうは一時1ドル=114円10銭台と前日の日本株終値時点113円44銭に対し円安水準で推移した。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、長期金利の上昇局面は「米国や世界の景況感が良好で為替の円安圧力がかかるという点から、日本企業にとってハッピー」とみる。
金融や景気敏感セクターなど内外需業種が幅広く上げたことで、TOPIXと日経平均はチャート分析上、上向きの各移動平均線を上回りながら年初からのもちあいを放れた。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「日本株は新たな上昇相場が始まったとみていい」と分析。一本調子とはいかないが、日経平均は3月末に2万円超えの可能性があると予想した。
もっとも、午後の取引では海外長期投資家からの売りも出て、日経平均は取引時間中の昨年来高値を更新したが、終値では1月4日の高値1万9594円を抜け切れなかった。シティのペン氏は、トランプ米政権に対し「まだ予算の前とあって少しだけ用心が必要。話は十分聞いたため、あとは数字が欲しい」としている。
東証1部33業種は非鉄や証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、保険、その他金融、鉄鋼、銀行、機械、電機など29業種が上昇。その他製品、パルプ・紙、サービス、鉱業の4業種は下落。売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループや第一生命ホールディングス、三井金属、東京エレクトロンが買われ、メリルリンチ日本証券が目標株価を上げたロームは急伸。半面、16年12月期の決算発表を再延期した昭和電工は大幅安。任天堂や楽天も下げた。東証1部の売買高は22億1038万株、売買代金は2兆5329億円。値上がり銘柄数は1457、値下がりは421。
市場が織り込む3月の米利上げ確率の推移
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-01/OM5R2B6JTSE801
GPIFの日本株アクティブ運用、市場平均に見劣り−小型好調も
野沢茂樹、Min Jeong Lee
2017年3月2日 11:27 JST更新日時 2017年3月2日 14:41 JST
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• アクティブ運用の収益はTOPIXに見劣り
• 収益向上へリスクテイク、逆の結果もあり得る−SMBC日興証
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の収益環境は、トランプ米大統領が掲げる景気対策への期待で好転している。だが、国内株式で市場平均を上回る収益を目指すアクティブ運用については、順風満帆だとは言い難い。
2016年4月から17年2月末までのTOPIXの収益率は14%程度。一方、GPIFが公表している保有銘柄を基にブルームバーグがアクティブ運用の収益率として試算した結果では、主な運用指標と比べてGPIFの保有額が多い30銘柄は約13%、構成比が高い同数の企業は12%前後にとどまっている。
SMBC日興キャピタル・マーケッツのストラテジスト、ジョナサン・アラム氏(ロンドン在勤)は、アクティブ運用の手数料などがパッシブより高いことも考慮すると、GPIFには「やや分が悪い情勢だ」と指摘。「GPIFは収益向上を目指してリスクを取れば、実際には逆の結果に終わる可能性があるという問題を直視しなければならない」と言う。
GPIFは運用資産が132兆円を超える世界最大規模の公的年金。日本の公的年金制度は高齢化で膨張する給付額を現役世代からの保険料や税金などで賄い切れず、1割前後をGPIFからの運用益や積立金の取り崩しに依存している。14年10月の運用見直しでは、内外株式や外国債券の基本的な資産構成割合を全体の6割強に引き上げた。国内株は年金特別会計も含めた積立金全体の約22%に相当する。
高橋則宏GPIF理事長
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
昨年度はパッシブ運用が8割強を占め、アクティブ運用は18%どまりだが、運用指標に対する超過収益率は0.92%ポイントと6年ぶりの高水準を記録した。3日にGPIFが公表予定の16年10−12月期の収益額は四半期ベースで過去最大の10兆円規模に達したと、1日付の日本経済新聞朝刊が報じた。
3つの企業群
GPIFは日本株のアクティブ運用でどのような企業に投資しているのか。昨年3月末時点で保有していた2037銘柄をTOPIXやJPX日経400、MSCIジャパンなど主要運用指標における構成比と比較すると、3つの企業群が浮かび上がる。
まず、GPIFが保有する日本株の総額を主な運用指標の構成比に当てはめ、100%パッシブで運用した場合の保有額を算出。ブルームバーグの試算によると、実際の保有額との比較で理論値を上回る幅が大きい上位30銘柄はトヨタ自動車やNTT、ホンダなど日本を代表する大企業が並ぶ。
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日本株の保有総額に占める割合を主な運用指標における構成比と比較する方法では、両者の違いが著しい30社にインタネット広告関連のセプテーニ・ホールディングスや歯科製品のナカニシ、イリソ電子工業などが含まれる。
GPIFの保有銘柄のうち、主な運用指標に採用されていない小型株102銘柄を見ると、ソフトバンクグループでインタネット専業のメディア事業を担うアイティメディアや建設機械メーカーの技研製作所、製造業への人材派遣業を手掛けるUTグループなどが確認できる。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、「GPIFの日本株はパッシブ運用が中心だ」と指摘。アクティブ運用で超過収益を狙っても、複数の委託先が似たような企業に集中してしまうと、うまくいかない恐れがあると言う。特徴ある投資戦略を取る委託先を選べば、高い成長力を秘める小型株を追い求めることにもなるとも話した。
実際、GPIFの保有銘柄で主な運用指標に含まれない小型株の収益率は同期間に約16%と、TOPIXだけでなく、東証マザーズ指数の3.8%をも上回った。生体認証機器メーカーのディー・ディー・エスや自動車部品のエイチワン、耐震基礎工事などを手掛ける日特建設は株価が2倍超に上昇。ただ、こうした小型株は1社平均の時価総額が450億円弱しかなく、合計してもアクティブ運用の1%にも満たないため、収益への貢献度は限定的だ。
GPIFは個別銘柄の選定はできないが、委託先を戦略や成績で入れ替えている。国内株のアクティブ運用は野村アセットマネジメントやゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントなど17ファンドに委託。収益力を測る財務指標や株価変動率などを基に構成した独自の指数で、中長期的に超過収益の効率的な獲得やリスク抑制を目指す「スマートベータ」戦略への資金配分を約3年前から増やす、など分散を進めている。
ブルームバーグの試算では、国内株のアクティブ運用のうち、スマートベータ型は昨年3月末時点で半分超を占めた。3分の1余りはTOPIXを対象としており、約5分の1は少数の優良企業に着目した戦略だった。
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GPIFが日本株を含むリスク性資産の構成比を大幅に高める運用見直しに踏み切ってから、まだ2年半足らず。年金運用界の「クジラ」には、運用対象の分散や手法の高度化だけでなく、リスク管理の強化、専門家の採用と組織作りなど課題が山積している。
アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミストは、「GPIFの運用能力に評価を下すのは時期尚早で、性急に成果を得られるものではない」と指摘。年金基金の運用なので、「長期的な視点を持つ必要がある」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-02/OM5E596JIJUY01
債券先物が上昇、10年入札無難通過で−日銀オペ警戒で超長期債は安い
三浦和美
2017年3月2日 08:07 JST 更新日時 2017年3月2日 16:10 JST
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10年債、日銀コミットで他セクターに比べ買いやすい−メリル日本証
超長期債、日銀オペへの疑念で売り圧力−パインブリッジ
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債券市場では先物相場が上昇。3月の米利上げ観測の強まりを背景に売りが先行した後、10年利付国債入札を波乱なく終えたことから買い優勢の展開となった。一方、超長期ゾーンは日本銀行が3日予定している国債買い入れオペで減額されるとの警戒感から軟調に推移した。
2日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比10銭安の150円37銭で取引を開始し、一時は150円33銭と4営業日ぶりの安値を付けた。午後に入るとプラスに転じ、150円54銭まで上昇。結局4銭高の150円51銭で引けた。
メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について、「無難な結果だった」とし、「10年に限って言えば、日銀が完全にコミットする姿勢を示しているので他のセクターに比べて買いやすさはある」と指摘。一方、「米国の3月利上げが急速に織り込まれてきたことで、全般的にやや買いづらくなっている面もある」と話した。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)高い0.065%で寄り付き、一時は0.07%と2月24日以来の水準まで売られた。その後は0.065%に戻した。
10年債入札
財務省がこの日に実施した10年利付国債(346回債、表面利率0.1%)の価格競争入札の結果は、最低落札価格が100円13銭と、市場予想の100円14銭をやや下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.74倍と、前回の3.62倍を上回った。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は4銭と前回の5銭から縮小した。
1日の米国債相場は続落。米10年債利回りは6bp上昇の2.45%となった。ダドリー・ニューヨーク連銀総裁、ウィリアム・サンフランシスコ連銀総裁の発言を手掛かりに売られた前日の地合を引き継いだ。一方、米株式市場ではトランプ大統領の議会演説を通過し、具体策には欠けるものの冷静な論調が好感されてダウ工業株30種平均が初の2万1000ドル台に乗せた。
オペ警戒で超長期債軟調
この日は超長期債が軟調。新発20年物159回債利回りは3bp高い0.68%、新発30年物53回債利回りは4bp高い0.875%、新発40年物の9回債利回りは4bp高い1.03%と、いずれも約1週間ぶりの水準まで上昇した。
日本銀行本店
日本銀行本店 Photographer: Akio Kon/Bloomberg
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「米国の3月利上げ観測に加えて、明日のオペで残存期間25年超の買い入れが減額になる可能性があり、日銀オペの疑念から超長期債が売られている」と説明。ただ、「30年債利回りが0.9%に接近する中で、あえて減らすかは疑問で、過剰反応といった感がある」と言う。
日銀は3日の金融調節で残存期間「5年超10年以下」、「10年超」の二つのゾーンを対象とする国債買い入れを実施する。「10年超」については、10年超25年以下と25年超に細分化して同時に行う可能性がある。先月末に発表した当面の買い入れ運営方針で予告した。25年超に関しては、1回の買い入れ額のレンジが500億〜1500億円で中間値が1000億円と、前回の買い入れ額1200億円を下回っている。
オペ実施日公表に関する記事はこちらをご覧下さい。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-01/OM5RNY6JIJUO01
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/642.html