世界経済は既に底入れした可能性、ゴールドマンが指摘
Malcolm Scott
2019年2月27日 12:11 JST
成長が今後持ち直すことを示唆する芽生えが幾らか見え始めている
19年世界成長率予想(3.5%)に対するリスクは依然振れ方向
世界経済は既に底入れした可能性があると、ゴールドマン・サックス・グループのチーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏が指摘した。
成長は引き続き軟調であるものの、ゴールドマンの2月の現況活動指標は、下方修正された昨年12月と今年1月の数字を若干上回っている。
「連続的な成長が今後持ち直すことを示唆する芽生えが幾らか見え始めている」と、ハッチウス氏とスベン・ジャリ・ステーン氏が26日付リポートで指摘した。ただ、ゴールドマンの2019年の世界GDP成長率予想(3.5%)に対するリスクは「恐らく依然下振れ方向」だという。
市場に関するゴールドマンのコメント:
上昇余地は恐らく小さくなっているものの、リスク資産に対して引き続きポジティブ。「市場がリセッション(景気後退)に関してより楽観的になっている」ためだ
債券利回りは上昇の見込み
ドルの弱気予想を維持。米金融当局のハト派姿勢や世界の成長回復見通しが理由
今後2−3カ月の原油相場についてはそこそこ強気だが、今年それ以降は弱気見通しが強まるとみている
ハッチウス氏によると、成長が現在のペースから持ち直す可能性は米国が最も高い。金融環境が引き締まることからの重しが和らぐためだという。
ゴールドマンは中国の成長にも不確かながら回復の兆しがあるとみている。これはブルームバーグがまとめた活動の先行指標と一致する。
Brightening Up
Earliest China indicators show recovery after months of deterioration
Source: Bloomberg Economics
Note: Bloomberg Economics generates the overall activity reading by aggregating the three-month weighted averages of the monthly changes of eight indicators, which are based on business surveys or market prices.
原題:Goldman Sees Signs the Global Economy Has Bottomed Out Already(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-27/PNK2RG6JIJUY01?srnd=cojp-v2
中国経済、持ち直しに向けた最初の兆しか−2月の先行指標示唆
Bloomberg News
2019年2月27日 9:39 JST
株高や商品価格の上昇でマインド改善−貿易休戦や金融緩和が寄与
景気に大きくプラスと判断するには時期尚早−曲天石氏
何カ月にもわたり減速していた中国経済は、持ち直しに向けた最初の兆候を見せた。株高や商品価格の上昇でマインドが改善している。
ブルームバーグ・エコノミクスは市場センチメントや業況に関する先行指標をまとめ、独自に指標を作成している。それによると、株価指数や商品価格の上昇がけん引し、規模が小さめの企業の心理も改善した。一方で、物価や貿易、セールスマネジャーのセンチメントの動向を示す指標は中国経済が底打ちしたと判断するには時期尚早であることを示唆している。
Brightening Up
Earliest China indicators show recovery after months of deterioration
Source: Bloomberg Economics
Note: Bloomberg Economics generates the overall activity reading by aggregating the three-month weighted averages of the monthly changes of eight indicators, which are based on business surveys or market prices.
ブルームバーグ・エコノミクスの曲天石エコノミストによれば、中国人民銀行(中央銀行)による金融緩和や対米貿易戦争の「休戦」が相場を押し上げている。トランプ米大統領が中国製品に対する関税の追加引き上げ期限を先送りすると発表し、今週に入り中国本土株は大きく値上がりし、オフショア人民元も上昇している。
株高が「消費者信頼感を後押しする可能性はあるが、経済活動に大きくプラスに働くと言うにはまだ早い」と曲氏は指摘する。
民間企業の資金調達改善やインフラ建設推進など刺激策による効果が表れ始めており、1月の人民元建て新規融資は過去最高を記録、輸出も伸びた。金融政策が今後も景気を支援するほか、減税や歳出増、特別債発行など今年の財政措置はさらに強化されると曲氏は予想した。
スタンダードチャータードで中小企業の景況感指数をまとめている申嵐エコノミスト(北京在勤)は、中小企業の資金調達改善に的を絞った支援策が奏功しつつあると指摘。2月の同指数は55.1と前月の54.9から小幅ながら上昇した。
原題:China’s Economy Sees First Signs of Pickup, Earliest Gauges Show(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-27/PNKBJI6TTDS001?srnd=cojp-v2
ゴールドマン4Qのトレーディング損失計上日数、約7年ぶり多さ
Sridhar Natarajan、Brandon Kochkodin
2019年2月27日 2:47 JST
少なくとも計19日で損失計上、損失額1億ドル近くの日も
年終盤の荒れ相場で損失かさむ−1〜9月の損失日数は計12日
2018年終盤の相場はウォール街にとって荒れたものだった。ゴールドマン・サックス・グループはその荒れ方がどれほどひどかったかを浮き彫りにした。
同行のトレーディング事業は18年10−12月(第4四半期)に少なくとも計19日で損失を計上し、損失額が1億ドル(約111億円)近くに上った日もあった。年1回の規制当局の開示で明らかになった。ブルームバーグが開示データを精査したところ、これは四半期として11年7−9月以降で最多だったことが分かった。
Down Days
Goldman Sachs 19 days of trading losses in Q4 was the most since Q3 2011
Source: Bloomberg
ゴールドマンの債券トレーディングが第4四半期に上げた収入は金融危機以来の低さにとどまり、最高経営責任者(CEO)に就任したばかりのデービッド・ソロモン氏はトレーディング事業の見直しに取り組んでいる。事情に詳しい関係者によると、同行幹部は債券トレーディング事業の縮小計画をもくろんでいる。
ただ、年終盤の荒れ相場で損失が続いた格好で、1−9月に損失を計上した日数は合計12日だけだった。1億ドル以上の収入をあげた日も通年で計12日あった。
原題:Goldman Traders Had Most Losing Days in Seven Years Last Quarter(抜粋)
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河元伸吾
2019年2月27日 7:58 JST 更新日時 2019年2月27日 11:18 JST
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2月の米消費者信頼感指数は131.4、4カ月ぶりに上昇
Global Stocks Drift Lower as Dollar Extends Rally: Markets Wrap
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
27日の東京株式相場は小幅反発。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げについて様子見の姿勢を改めて示したほか、米経済指標が改善し景気不安が後退した。医薬品や不動産など内需関連が上げを主導している。
TOPIXは前日比3.68ポイント(0.2%)高の1620.88−午前11時13分時点
日経平均株価は同99円14銭(0.5%)高の2万1548円53銭
背景
パウエルFRB議長:米経済は良好、一部に「相反」する流れも (2)
米消費者信頼感指数:2月は131.4に上昇、現況指数は18年ぶり高水準
ドル・円相場は1ドル=110円50銭台、前日の日本株終値時点は110円79銭
みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は「パウエルFRB議長の議会証言で利上げを急がないことが強調されたほか、経済指標として重要な消費者信頼感指数が大きく改善し、今後も堅調な景気が続くとみてとれる」と話した。米国株は過熱感から足踏みしているとし、「景気敏感で出遅れ気味な日本市場に資金が向かいやすい」と指摘する。ただ、為替の円高推移は重しだと言う。
内需関連中心に高い
東証1部33業種では医薬品、不動産、建設、小売、陸運など内需関連が上昇率上位
アナリストが投資判断を下げたコマツや日立建機など機械は下落、電機も安い
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-26/PNJK2L6JIJUR01?srnd=cojp-v2
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/299.html