2020年はリセッションについて考える年ではない−JPモルガン
Joanna Ossinger
2019年2月4日 12:42 JST
• FOMC姿勢転換で投資サイクルのタイミング見直し必要も
• 投資家は当面リセッション懸念に動かされるべきではない
Photographer: Scott Eells / Bloomberg
米連邦公開市場委員会(FOMC)の姿勢転換は、投資家が投資サイクルのタイミングを見直すべきであることを意味している可能性があると、JPモルガン・チェースが指摘した。それは投資家が当面はリセッション(景気後退)懸念に動かされるべきではないことを意味するという。
FOMCは先週、少なくともしばらくの間利上げを停止し、保有債券の縮小については柔軟に対応するとの考えを示唆した。
米金融当局のスタンス調整を受け、JPモルガンは従来示していた見解の変更が必要になる可能性があると指摘。同行は以前、投資家は「2020年の持続的な課題」に備えるため、19年後半に中立ポジションに完全移行し、ディフェンシブな姿勢に傾斜することを検討すべきだとの見方を示していた。
「米金融当局の完全雇用に対する懸念が後退し、インフレのオーバーシュートへの寛容度が高まり、景気抑制的な政策への到達意欲が低下しているのなら、20年はリセッションについて考える年ではないかもしれない。そのため、19年の遅い時期と20年の早い時期にクロスアセットでディフェンシブなポジションを取るのは時期尚早だろう」とジョン・ノーマンド氏率いるストラテジストが1日付リポートで指摘した。
原題:JPMorgan Says 2020 ‘Might Not Be Year to Think About Recession’(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-04/PMDSOK6S972801?srnd=cojp-v2
新興国市場の回復にだまされるな−アセットマネジメントOne
Yumi Teso
2019年2月4日 14:05 JST
上昇が続くと考えてよいのは3つの条件を満たす国の資産のみ
インドネシアやブラジルが当てはまる−松本聡氏
「辛抱強い」米金融当局が後押ししている新興国資産の回復が2019年いっぱい続くとは信じないほうがいい。アセットマンジメントOneのファンドマネジャー、松本聡氏がこうアドバイスする。同氏は米中貿易摩擦の中でまず中国、続いて米国が減速し、新興市場資産の重しになるとみている。
新興市場株は1月、2016年3月以来で最良の月間パフォーマンスとなり、通貨も1年ぶりの月間上昇率を記録したが、その中で上昇が続くと考えてよいのは堅調な成長と緩やかなインフレ、大きな政治リスクがないという3つの条件を満たす国の資産のみだと同氏は指摘した。インドネシアやブラジルが当てはまるという。
Is Recovery Continuing in 2019?
松本氏は電話インタビューで、「今年の新興国投資については良いところとそうでないところを見極めないといけないと思う」とし、米金融当局が予想よりハト派的だったことで最近の新興市場資産値上がりが想定よりも長続きする可能性があるものの、17年のようなゴルディロックス(適温)環境にはならないと見方を示した。「雰囲気は去年より良くなっている」と思われるが、「どんどんオーバーウエートしているような状態ではないだろう」と語った。
同氏のファンドはブラジルとインドネシアの債券と通貨をオーバーウエートとする一方、中国経済減速の影響が大きい南アフリカ共和国はアンダーウエートにしているという。
原題:Don’t Be Fooled by Emerging-Market Comeback Says This Japan Fund(抜粋)
日本株は上昇、米景気堅調や円安−機械や医薬品など内外需とも高い
長谷川敏郎
2019年2月4日 7:42 JST 更新日時 2019年2月4日 15:19 JST
米非農業雇用者数は大幅に増加、ISM製造業指数は予想外の改善
米10年債利回りは2.68%に上昇、ドル・円は1ドル=109円70銭台
4日の東京株式相場は上昇。米国の堅調な雇用や生産動向、長期金利上昇や為替の円安から業績懸念が和らぎ、機械や鉄鋼など素材、医薬品、銀行など金融中心に東証33業種中32業種が高い。
TOPIXの終値は前営業日比16.70ポイント(1.1%)高の1581.33と反発
日経平均株価は同95円38銭(0.5%)高の2万0883円77銭と3日続伸
1月の米雇用統計では非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)が前月比30万4000人増と、ほぼ1年ぶりの大幅な伸びとなった。米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数は56.6と予想外に改善した。1日の米10年債利回りは2.68%と5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。
BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史日本株式運用部長は「雇用統計などからみて米景気自体は悪くない。日本株は米国株に比べると戻りが鈍く、全体底上げの中で景気敏感業種中心に資金が戻っている」と語った。国内決算は「悪くて売られる銘柄もあるが、下方修正をしても出尽くしで上がるというリズムが優勢になっている」と指摘した。
きょうのドル・円相場は一時1ドル=109円79銭と、前週末の日本株終値時点の108円90銭から円安に振れた。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは「景況感を反映して米金利はしばらく上昇する可能性がある。日銀短観の今期想定レートである1ドル=109円41銭水準まで進んだ円安が安心感につながっている」と述べた。
4日は反発
東証33業種では石油・石炭製品、鉄鋼、証券・商品先物取引、保険、ガラス・土石、機械、医薬品が上昇
海運のみ下落
決算銘柄ではキーエンスや日立製作所、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが高く、ソニーやホンダは安い
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パナソニックが営業利益を下方修正、テスラと提携の車載電池不振
古川有希
2019年2月4日 16:39 JST 更新日時 2019年2月4日 18:37 JST
営業利益予想は従来比400億円減少、市場予想下回る
北米車載電池工場の生産期ずれにより部門売上高は730億円の減額
パナソニックは今期(2019年3月期)の営業利益計画を下方修正した。米電気自動車(EV)メーカー、テスラと提携する車載電池が不振だった。修正後の営業利益は市場予想を下回る。
通期計画
売上高予想8.1兆円、従来予想8.3兆円、市場予想8.3兆円
営業利益予想3850億円、従来予想4250億円、市場予想4187.1億円
純利益予想を2500億円に据え置き、市場予想2504.9億円
発表によると、セグメント別で売上高と営業利益の下方修正額が最も大きかったのは車載電池を取り扱うオートモーティブ&インダストリアルシステムズ。10月と比較し、売上高で850億円減、営業利益で360億円減となった。
同セグメントのうち、車載電池を手掛けるエナジー事業の売上高は、北米車載電池工場の生産期ずれや生産ロスの改善の遅れにより、730億円の下方修正となった。固定費削減や法務関連費用見直しにより、営業利益は20億円の下方修正。
全体の営業利益計画は、退職給付に関連する負債の見直しにより約830億円の収益を1−3月期に計上する関係でかさ上げされている。
会見した梅田博和最高財務責任者(CFO)は、米電池工場の35ギガワット時の年間生産能力を確立するのは19年3月を目標とし、来年10−12月期以降にフル操業が実現すると説明した。テスラ関連事業の業況については、「第2四半期から良化している」との認識を示した。
Inside The Panasonic Corp. Technics Factory
パナソニックは営業利益計画を下方修正Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
オートモーティブ&インダストリアルシステムズの各部門の売上高と営業利益
売上高 修正額 営業利益 修正額
オートモーティブ 9727 ▲90 44 ▲230
エナジー 7150 ▲730 201 ▲20
インダストリアル 9391 ▲200 358 ▲130
(単位:億円)
(梅田博和CFOの会見内容を追記します.)
華為技術の研究所をFBIが家宅捜索、中国企業を標的とした大作戦
Erik Schatzker
2019年2月4日 18:13 JST
ミラージュ・ダイヤモンド・ガラスは壊れないスマホの革新的技術
華為の研究所から破損して返却−企業秘密窃取図った疑惑
4インチ(10センチ強)四方で両面とも透明なそのサンプルは、普通のガラスのように見える。検査のために華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が所有する米サンディエゴの研究所に送られた際、貴重な標本のように厳重に梱包されていたと、発明者のアダム・カーン氏は確信している。それが昨年8月に送り返されてくると、ひどく破損していた。カーン氏は絶対におかしいと思った。中国の通信機器メーカーの華為は自分の技術を盗もうとしていたのだろうか。
このサンプルは、カーン氏の会社であるアカーン・セミコンダクターが、ほぼ絶対に破損しないスマートフォン画面用として開発したものだった。ガラスの片面を極めて薄い人口ダイヤモンドの膜で覆うというアイデアで、同氏はこの技術を携帯電話メーカーにライセンス供与することを期待している。アカーン社によると、同製品「ミラージュ・ダイヤモンド・ガラス」は現在の業界標準であるコーニングの「ゴリラガラス」の6倍の強度を持ち10倍傷が付きにくい。「軽くて薄い、速くて強い」とカーン氏はすっかり売り込みモードになって唱えた。ミラージュは「設計を根本的に次段階へと進める」製品だという。
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アカーン社の米イリノイ州本社にあるミラージュ・ダイヤモンド・ガラスPhotographer: Lyndon French for Bloomberg Businessweek
発明家の常で、カーン氏は製品を模造されることを非常に警戒していた。それでも、潜在的顧客である華為が、サンプルを受け取ってから怪しい行動を取り始めた時には不意を突かれた。米連邦捜査局(FBI)が自身とアカーンの最高執行責任者(COO)のカール・シャーボフ氏に華為を巡る捜査への参加を求めると、さらに驚いた。FBIは両氏に、ラスベガスで先月開かれたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で華為の代表団とミーティングすることを求めた。シャーボフ氏は監視用の機器を装着し、会話を録音した。ブルームバーグ・ビジネスウィークの記者は離れたところから見守っていた。
この捜査は、最近発表された大陪審による華為起訴とは別件。ブルックリンの連邦検察当局は1月28日、華為と孟晩舟最高財務責任者(CFO)を詐欺と共謀の複数の罪状で起訴した。これとは別に、シアトルの検察は華為を企業秘密窃取と司法妨害で訴追している。レイFBI長官は1月28日の起訴に伴う記者会見で、「これらの件は、華為が米国の法と世界的な商慣行の標準を公然と無視している疑いを白日の下にさらした。今日の起訴は、米国が法に違反し司法を妨害し、あるいは経済的国益を脅かす企業を許さないという警告となるだろう」と語った。華為は無罪を主張している。
新たな捜査の成果が上がれば、これまでの起訴に加わり、華為の第5世代(5G)移動通信ネットワーク機器が米国や同盟国で採用されるのを阻止しようとする米トランプ政権の取り組みに役立ち得る。米国は華為が国家安全保障への脅威になると考えている。同社が5Gハードウエアやソフトウエアに、検出不能な侵入経路を組み込み、中国政府が米企業や政府の通信を監視してサイバー攻撃を仕掛けることが可能になるなどと懸念している。これについて華為側は、中国企業に打撃を与えるための政治的な見せかけの議論だと主張してきた。
レイ長官の発表と同日に、米政府は華為のサンディエゴ研究所を家宅捜索した。捜索について公表はされなかったが、捜査の進展について定期的に説明を受けているカーン氏とシャーボフ氏は知っていた。この時点までに捜査側は、華為がアカーンとの契約に違反し米国の輸出制限法にも反したと認めた代表者らの発言の録音に成功していた。
華為に繰り返しコメントを求めたが応答はない。この記事は華為とアカーン、FBIの間で交わされた電子メールやテキストメッセージなどの文書およびラスベガスでのおとり捜査についての報告、カーン、シャーボフ両氏とのインタビューに基づいている。ビジネスウィークは調査の詳細をニューヨーク州東部地区の連邦検察当局と共有しているが、同当局とFBIはコメントを控えた。
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アカーン創業者でCEOのアダム・カーン氏Photographer: Ulysses Ortega for Bloomberg Businessweek
カーン氏は当初、自社の件に関して当局が華為を起訴するか誰かを逮捕するまでは、おとり捜査の詳細を公表しないようビジネスウィークに求めていたが、自社の立場などを考え事件およびFBIへの協力について公にすることにした。FBIが華為の研究施設を捜索した1月28日の夕方、カーン氏とシャーボフ氏は電話で説明を受けるとともに、華為とこれ以上の接触を持たないように指示された。
捜査の結果がどうなるかまだ分からないが、まだ収入もないシカゴの小さな企業であるアカーンに本当に中国から手が伸びていたとすれば、米企業の秘密を盗むために華為がどれほど大きな網を広げていたかが鮮明になる。一方、米検察が起訴に持ち込むには不十分、あるいは小さ過ぎると判断すれば、中国企業の不正行為を暴こうとする米国側の必死ぶりが浮き彫りになる例と言えるだろう。
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アカーンのシャーボフCOOPhotographer: Lyndon French for Bloomberg Businessweek
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ミラージュ・ダイヤモンド・ガラスのパッケージPhotographer: Lyndon French for Bloomberg Businessweek
原題:Huawei Sting Offers Rare Glimpse of U.S. Targeting Chinese Giant(抜粋)
債券下落、米雇用者増受けた米債安や株高・円安で−オペ結果は無難
野沢茂樹
2019年2月4日 7:59 JST 更新日時 2019年2月4日 15:57 JST
債券相場は下落。米雇用者数の堅調な伸びや米中貿易協議の進展の兆しを受けて米長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、売りが先行した。日本銀行が国債買い入れを減額しなかったことを受けて下げ幅を縮めたが、午後には株高・円安や10年債入札を翌日に控えた売りでじり安の展開となった。
新発10年物353回債利回りは、日本相互証券の前週末午後3時の参照値より1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.015%で開始。一時マイナス0.02%に戻した後、再びマイナス0.015%
長期国債先物3月物の終値は前週末比16銭安の152円73銭。日銀オペの減額見送りを受けて152円82銭まで下げ幅を縮める場面も
市場関係者の見方
メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
堅調な米雇用統計などが多少の債券売り材料になったが、需給環境が相変わらず良いので、金利は海外ほどは上がらない
米中の貿易交渉や国内需給の引き締まり、年度末に向けた投資家の買いなどが意識され、金利上昇時には押し目買いが入りやすい
10年債入札をあすに控え、マイナス利回りとあって高値警戒感があるが、結局は無難に消化されるのではないか
国債買い入れオペ
残存1年超3年以下、3年超5年以下、10年超25年以下、25年超が対象−金額は3500億円、4000億円、2000億円、500億円といずれも据え置き
野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
オペ結果は中期、超長期とも無難
米金利上昇と今週2回の国債入札は円金利の上昇要因だが、日銀国債買い入れ継続と海外勢からみた投資妙味が支えに
備考:国債買い切りオペの結果一覧
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.170% -0.170% -0.015% 0.415% 0.605% 0.690%
前日比 +1.0bp +1.0bp +1.0bp +0.5bp +1.0bp +0.5bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-03/PM88OH6JTSED01
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/840.html