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[国際18] 金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた:「誰も犯行に気づかず旅客を迎え続けていた現場」:韓国機関が関与か

 転載する産経新聞の記事に、「「毎日、多くの旅客が体調を崩してカウンターを訪れる。まさかそれが事件だとは誰も思わなかった」。ある空港職員はこう話し、誰も犯行に気づかず、その後も封鎖されずに旅客を迎え続けていた当時を振り返った」とか、「犯行現場前のコーヒー・ショップ「スターバックス」の女性店員は、「当日は、警察が集まりだして、初めて事件に気づいた」と振り返る」と書かれている。

 これまで、今回の事件のイメージとして、“金正男”が体調不良を訴える前に女性二人が“金正男”に何かを仕掛けた行為を目撃した人がいるように考えていたが違うようだ。

 記事の情報から推測すると、現場周辺の人たちは、イタズラ心か殺意によるものかはともかく、“金正男”が女性二人に襲われた後に体調が悪くなりカウンターに救護を求めたという「経緯の認識」を持っていなかったようである。
 せいぜいのところ、また体調が悪くなったひとが出たというレベルの認識である。

 ポイントになる情報は、その後「警察が集まりだし」た理由であろう。

 死因は今なお特定されていない(非公表には政治的理由もあるだろうが)。
 解剖も翌々日まで行われていないから、警察は、どういう理由で(何をきっかけとして)現場に向かったのか?という疑念が浮かぶ。
 体調不良を訴えた人が搬送中に死んだというだけで、警察が現場に集まってくることはないだろう。脳内出血や心臓発作などで突然死するケースも少なくないからだ。

 今回のケースは、“誰か”が警察に「殺人事件」らしい出来事があったと通報したことで警察官が現場にやってきた可能性が高い。

 先ほど投稿した「「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

で、

「 韓国政府が自信をもって死んだ男性を金正男氏と主張している姿は、韓国国家機関が、金正男氏を日頃から監視下に置いていたことを示唆している。
 彼の行動を監視していたからこそ、死んだ男性をそれほど時間が経たないうちに金正男氏と主張することができたと言える。」

と書いた。

 “金正男”殺害が北朝鮮工作員の仕業なら、女性を使ったにしろ、自分でやったにしろ、不審な出来事を見たとマレーシアの警察に通報することはありえない。
 北朝鮮が疑われることにつながるような動きをするより、そのまま放置し、突然死として処理されることを願ったほうがいいに決まっているからだ。

 通行人などの部外者だとしても、警察に通報しようと思うケースなら、航空会社カウンター職員などに見たことを話したはずである。
 旅行者などが女性たちの男性に対するおかしな動きを目撃していたとしても、被害に遭った男性が搬送中に死んだことなぞ知るよしもないから、あとになって目撃した出来事をわざわざ警察に通報することはないと思う。

 そうなると、殺害を実行したかどうかはともかく、監視していた韓国国家機関員がマレーシアの警察に通報した疑いが濃くなる。
 警察にどのように説明したのかはわからないが、この通報で警察官が集まり現場が騒然となった可能性がある。


 違うケースとして、

「 韓国国家機関が当日の“金正男”を監視していなかったとしても、韓国政府がKL国際空港で死んだ男性が“金正男”と知る方法はある。
 それは、死んだ男性が「キムチョル」名義の韓国旅券をもっていた場合である。KL国際空港を管轄する警察は、その人物を知るものが近くにいない状況で不審死が起きたら、所持旅券の発行国(大使館)に問い合わせをするだろう。」

とも書いた。

 近親者や知人が同行していない旅行者が搬送中に死んだら、持っている旅券を手がかりに、当該国の大使館に連絡を入れるだろう。
 その連絡を受けたあとに、警察に、殺害されたことをほのめかす電話をしたという経緯も考えられる。

 いずれにしても、KL国際空港の“金正男”怪死事件に韓国国家機関が関与している可能性は高いと思う。(監視行動だけとしても)


※韓国国家機関絡みの内閣府職員変死事件関連投稿

「韓国入国後早々に死に、わざわざ遺体が日本に送り返された可能性が大である内閣府職員X氏漂着事件の謎を考える」
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/246.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 2 月 05 日 13:17:35: Mo7ApAlflbQ6s
   
「ゴムボート上で怪死した「内閣府エリート」は韓国スパイとして消された!?:X氏の遺体発見前にその死を語っていた韓国情報組織」
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/262.html

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金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた…旅客行き交う中での凶行[産経新聞]
2017.2.15 21:05

 マレーシアのクアラルンプール国際空港第2ターミナル。北朝鮮の金(キム)正男(ジョンナム)氏が殺害された国際線出発ロビーは15日、詰めかけた国内外の報道陣を横目に多くの旅客が通常どおりに行き交っていた。

 「毎日、多くの旅客が体調を崩してカウンターを訪れる。まさかそれが事件だとは誰も思わなかった」。ある空港職員はこう話し、誰も犯行に気づかず、その後も封鎖されずに旅客を迎え続けていた当時を振り返った。

 ターミナルの3階入り口から、約50メートル離れたところに正男氏が助けを求めたとされる案内カウンターがある。そこからさらに約100メートル進むと、搭乗券などを職員が確認する出発口がようやく現れる。朝の混雑時に、公共の場で大胆に行われた凶行。犯人は何のセキュリティー検査も受けず、やすやすと背後から迫り、襲撃に及んでいた。

 犯行後、正男氏が運び込まれた診療所は2階にあり、診察室と処置室を備える。表に準備されたストレッチャーが、正男氏にも即座の救急処置が施されたことを思い起こさせた。

 犯行現場前のコーヒー・ショップ「スターバックス」の女性店員は、「当日は、警察が集まりだして、初めて事件に気づいた」と振り返る。

 正男氏がチェックインするはずだったエアアジアのカウンター職員は「何も知らされていない。営業はいつもどおりだ」と言ったきり、口をつぐんだ。

 クアラルンプール国際空港で暗殺された北朝鮮の金正男氏の遺体は15日朝、司法解剖などのため、首都の大規模病院に移された。警察が車列を組んでサブマシンガンで武装して移送し、不測の事態に備えた。

 病院の前には、国内外から約100人の報道陣が詰めかけた。門の内側には、北朝鮮の国旗を掲げた高級車が横付けされていた。駐マレーシア北朝鮮大使とされる人物も施設を訪れたが、警察が厳しく規制し、表情はうかがえなかった。

 国際空港の第2ターミナルは、アジアで台頭する格安航空会社(LCC)向けに、2014年6月にオープン。第1ターミナルをしのぐ年間3千万人の旅客をさばく。24時間休むことなく、「開かれた空港」(職員)がコンセプトだが、犯行はその利便性の裏をかいて行われた。

 正男氏は、息子の金ハンソル氏ら家族が待つ中国・マカオに向かう便に乗り込む直前、襲われて命を落とした。2001年に日本に不法入国しようとして拘束され、後継レースから脱落した後、主に後妻家族がいるマカオや本妻や息子がいる北京で暮らし、貿易や金融に従事してきた。

 消息筋によると、東南アジアに活動拠点を広げるきっかけの一つとなったのが、米政府の金融制裁で05年にマカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアの北朝鮮関連口座が凍結されたことだ。秘密資金口座が安全なマレーシアやシンガポールの金融機関に移された。

 クアラルンプールは、正男氏が海外のビジネスパートナーらと接触する拠点となった。内縁関係の女性がマレーシアに暮らしているともいわれる。北朝鮮人にとって、ノービザで行き来できる数少ない国の一つで、工作員も出入りし、工作機関幹部の姿も度々目撃されてきた。

 しかし、正男氏は金正恩政権発足後の12年から、北朝鮮の工作機関に本格的に付け狙われるようになる。13年末に後ろ盾だった叔父の張成沢氏が処刑された後は、しばらくシンガポールを離れず閉じ籠もっていたという。

 韓国の情報機関、国家情報院によると、金氏が12年4月に弟の正恩委員長に自身や家族の命を狙わないよう嘆願した手紙には、こう記されていたという。

 「行くところも避けるところもなく、逃げ道は自殺だけだとよく分かっている」(クアラルンプール 吉村英輝、ソウル 桜井紀雄)

http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/170215/wor17021521050032-n1.html?utm_source=yahoo%20news%20feed&utm_medium=referral&utm_campaign=related_link


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/249.html

[政治・選挙・NHK220] 安倍政権の「やってる感」:実績はないが頑張っているから支持率高説:そう見えるのも提灯持ちに励むメディアのおかげ

[大機小機]安倍政権の「やってる感」

 筆者はしばしば、安倍政権の経済政策を「焼き畑農業」と評している。最初の「3本の矢」は一定の成果を収めたが、それだけでは成長力は高まらなかった。それ以降、地方創生、新「3本の矢」、一億総活躍などと次々に目先を変え続けている。ただし、看板を掛け替えて会議を立ち上げるだけだから、実際に成果が生まれるはずはない。

 それでも安倍内閣の支持率が極めて高いのは何故かと考えてきたのだが、御厨貴・芹川洋一両氏の対談本「政治が危ない」(日本経済新聞出版社)の中に重要なキーワードを見つけた。それが「やってる感」である。しかも同書によれば、首相自身が「やってる感が大事なんだ」と意識して行動しているのだという。

 この言葉を聞いて思い当たったのは、日本には成果の有無ではなく、「頑張っている人をおとしめてはならない」という文化があることだ。「アベノミクスは道半ば」として、次々新しいスローガンを掲げ続ける経済政策は、確かに頑張っている印象を与える。党内対立で身動きできなかった旧民主党政権とは好対照である。

 まして頻繁に外遊をこなし、その度にテレビに自身の姿を映し出す外交姿勢は「やってる感」満載といえよう。昨年末の北方領土交渉でロシアのプーチン大統領に肩透かしを食らっても、意外に支持率が下がらなかったのは、諦めずに頑張り続ける姿勢を示しているからではないか。

 これは黒田東彦総裁率いる日銀の金融緩和も同じかもしれない。4年近く経っても物価上昇率はいまだにマイナスだから、「2年で2%の物価目標を実現する」という約束は大嘘だったことになる。それでも、金融関係者以外から日銀批判を聞くことは多くない。マイナス金利や長期金利コントロールなど、あの手この手を繰り出して頑張っている姿勢が評価されているのだろう。

 だが、日本企業の長時間労働は、この成果よりも頑張る姿勢を重視する文化の反映だ。それ以上に、成長力強化も財政健全化も道半ばのままでは、団塊世代が後期高齢者となる2020年代には日本の社会保障は行き詰まってしまう。今年こそ安倍政権には「やってる感」だけではなく、実際の成果を出してもらいたいものである。

(希)

[日経新聞2月11日朝刊P.19]


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/814.html

[政治・選挙・NHK220] ここにカンシン、安倍政権 東京特派員座談会

ここにカンシン、安倍政権 東京特派員座談会

 トランプ米大統領の就任で世界が揺らいでいる。再登板から5年目を迎えた安倍晋三首相は長期政権をうかがい、世界での存在感を高めようと狙う。東京に駐在する外国人記者の目にはどう映るのか。海外有力メディアの5人が座談会で、安倍政権の評価や外交の行方を話し合った。


アラスター・ゲイル氏(ウォール・ストリート・ジャーナル編集委員)英ブリストル大卒。日本駐在は2度目。1993年から2004年と、16年12月から現在。英国出身。46歳。

バシリー・ゴロブニン氏(ロシアのイタル・タス通信社東京支局長)モスクワ大卒。1991年から日本駐在。モスクワ出身。61歳。

蘇海河氏(中国の経済日報東京支局長)中国人民大院修。中国青年報社を経て16年3月から現職。日本駐在は3度目で、9年目。中国・河北省出身。53歳。

金秀恵氏(韓国の朝鮮日報社東京支局長)高麗大卒、ニューヨーク大院修。15年3月から東京駐在。韓国・ソウル出身。43歳。

アンソニー・ローリー氏(シンガポール経済紙ビジネス・タイムズ東京特派員)英バーミンガム大卒。英紙タイムズなどを経て現職。日本駐在は20年以上。英国出身。67歳。


<首相>戦略的思考強み/先手必勝タイプ

 ――安倍政権をどう見ているか。

 ゲイル氏 安定している。以前は政権交代が相次いだ。海外でも米国をはじめ世界中で政治的な天変地異が起こっている。安倍首相には野心的な目標がある。どうなるか見ものだ。

 ゴロブニン氏 日本の政治は安倍首相を中心に回っている。理想的な政治家ではないし、実績はまだ乏しいが、与野党の他のライバルより圧倒的に強い。彼の強さは戦略的に考えることだ。ロシアとの北方領土問題も新しい発想で妥協的に解決しようとしている。長期政権を維持するだろう。

 蘇氏 私が最初に駐在した1990年代と今の日本ははるかに違う。安全保障関連法は強行採決し、経済金融政策も安倍首相の言うことを実行した。昔のような包容性がなくなり、リベラルな政治勢力はどんどん縮まってきた。官邸の意に沿わない世論はたたかれるようになった。

 金氏 日本を訪れる韓国の企業家や政治家は「安倍政権になってから国全体にバイタリティーがあふれている」と評価している。

 ローリー氏 安倍政権は先手を打つのが得意だ。よい評価も悪い評価もできる。外交や国内の政治手腕は非常に高いが、憲法改正や防衛政策には不安を感じる。


〈外交〉北方領土問題、遠い解決/アジア太平洋、不安定に

 ――安倍首相の外交政策をどう評価するか。


 ゲイル氏 安倍首相は外向的だ。トランプ氏やプーチン氏と並んでも、物おじせず落ち着いている。野田佳彦前首相など他の政治家には無理だろう。安全保障政策に関して日本は日米同盟の代替案を持ち合わせていない。慎重にやるべきだ。

 トランプ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)の離脱を決め、2国間交渉を求める。彼が国益として主張しやすい成果物を与え、うまく操ることが肝心だ。

 ゴロブニン氏 安倍首相とプーチン氏は16回も会談したが、あくまで仕事上の関係だ。率直に言うと、この2人で北方領土問題の解決はできない。安倍首相が2島返還などの妥協策をのむ可能性はあるが、プーチン氏は1島も返さない。ロシア国民はプーチン氏に領土拡大や強い国を期待しており、返還とは全く逆の考えだからだ。

 蘇氏 2国間における首脳の個人関係を否定はしないが、そもそもの根幹はやはり国家利益だ。国家を代表してどう相互利益を図り、信頼を構築するか。テーブルの上で握手しても、下で足を蹴り合っていては意味がない。

 ローリー氏 日中関係はうまくいっていない。尖閣諸島をめぐり大きな溝を抱えている。トランプ政権の誕生がこれに拍車をかけ、アジア太平洋地域の安全保障環境はさらなる緊張状態に陥るだろう。悲観的にとらえている。

 金氏 韓国と日本は歴史的にも特別な関係を築いてきた。朴槿恵(パク・クネ)政権が事実上機能していない今、重要なのは次の大統領だ。直近の世論調査では野党候補の文在寅(ムン・ジェイン)氏が勝つ可能性が非常に高い。韓国のリベラル政権と安倍政権がどう向き合うか。北朝鮮やトランプ氏も不安要素の一つだ。

 慰安婦問題も簡単ではない。貧しい家庭の若い女性の悲劇として人々の関心を集めてしまう。普通は10年もたてば忘れるが、慰安婦問題はそうではない。

 疑問なのは、なぜ安倍首相はロシアを非難しないのか。昨年の日ロ首脳会談でロシアのミサイル配備に全く触れなかったのは驚いた。

 ゴロブニン氏 答えは簡単だ。安倍首相の対ロシア外交の目的は北方領土問題と、ロシアと中国の異常な接近を阻止することだ。だからロシアのミサイル配備には何も言わない。尖閣周辺に中国船が入ったときは大きく非難するけれども。


〈トランプ氏への対応〉米の取引外交、見極め必要

 ――トランプ米大統領の誕生で、今後の世界はどう変わるか。

 蘇氏 トランプ氏は「米国第一主義」を掲げ、中国や日本に対して国益に合わないものを全てぶつけてくる。ただ、今は明らかに大統領選中の過激な発言を軌道修正している最中だ。修正後の全体像が見えるまでにもう少し時間がかかるかもしれない。今すぐに判断できない。

 ゴロブニン氏 確かに、マティス国防長官の来日の際は私も驚いた。トランプ氏がほのめかしていた在日米軍撤退や駐留経費の主張を、ほぼ全て取り消してしまったからだ。

 その意味では、米ロ関係も全く不透明だ。トランプ外交はいわゆる取引外交だ。ロシアのプーチン大統領の狙いは経済制裁を解除することだが、トランプ氏は中近東での過激派組織「イスラム国」(IS)攻撃などで厳しい取引条件を出してくる可能性がある。オバマ政権の時よりも厳しくなるかもしれない。

 ゲイル氏 先が見えないのは同感だ。トランプ政権の誕生は、自由貿易や移民の受け入れを信じてきた米国の既成政治勢力に大きな衝撃を与えた。

 ただ、トランプ氏の周辺にはマティス氏など彼の極端な考えを抑える人材もいる。トランプ政権が北朝鮮への軍事措置や中国への経済措置を実行すれば世界中が震撼(しんかん)するだろうが、トランプ氏の米国第一主義は今のところ国内問題に集中している。今は注視するしかない。

 ローリー氏 トランプ氏は多国間主義を全面否定している。このまま極端な保護主義を貫いて、2国間の通商交渉や規制強化を進めれば、世界は混乱に陥るだろう。

 金氏 安倍首相、プーチン氏、中国の習近平国家主席と、韓国の周りの国のリーダーは全員強い性格だ。誰もトランプ氏の勝利は予想していなかった。リスクは高まった。トランプ氏の任期は長くて8年。この間に北朝鮮で大きな変化が起こりうる。韓国は非常に危機感を感じている。


〈アベノミクス〉見えぬ構造改革/日銀政策は限界

 ――安倍首相の経済政策「アベノミクス」をどう評価するか。

 ローリー氏 アベノミクスは大胆な経済再生政策を標榜するが、3本の矢が機能するとは思えない。金融緩和と財政出動はすぐに成果が出てくるため、アベノミクスの期待値を過剰に上げた。しかし構造改革は成果が出るまでに何十年もかかる。結果として失望を呼んだ。それでも安易な金融緩和と財政出動を繰り返す以外の方策を持ち合わせていない。

 ゲイル氏 全く同感だ。直近の経済データだけを見れば成長していると言えなくもない。ただ、構造改革の達成にはほど遠い。日銀の政策は限界に達し、少子高齢化などの構造問題は山積みだ。安倍首相が東京五輪まで在任するなら、まだ時間の猶予がある。深刻な課題に本腰を入れるべきではないか。

 蘇氏 大企業の営業利益は伸び、東京や大阪などの大都市は発展した。国の富が大都市に集中する一方で、地方経済は衰退している。非正規雇用者の生活をどう支えるかも問題だ。

 再び消費増税をすれば経済は確実に落ち込むだろう。東京五輪があるからといって、成熟した日本社会でどれだけのプラス効果が出るか。増税の影響と合わせてプラスマイナスゼロになるのではないかと心配だ。

 古いシステムに安心し、新しいシステムの導入にも前向きでない。例えば中国の若者は現金は一切持たず、スマートフォン一つで全て支払う。意識の転換が必要だ。


〈日本政治のフシギ〉参院の役割不明/国会が長すぎる

 ――日本の政治で不思議に思うことは。

 ゴロブニン氏 失礼な言い方だが、参院は何のためにあるのか。特に最近は議論の内容や役割が衆院と変わらないため、必要性が薄いと感じる。ロシアは連邦制であるから、地方の代表として上院は必要だ。でも日本は違う。外から見ると、時間とお金の無駄遣いのように映る。

 蘇氏 国会の会期が長すぎる。予算委員会では予算案の審議をせず、個人の政治資金など関係ない話題ばかりだ。中国の全国人民代表大会は長くて2週間だ。法律を作り、予算を通し、施策を実施するという任務もはっきりしている。

 首相の衆院解散権は、野党も党利党略だと批判している。選挙前に経済対策や高齢者向けの政策を打ち出し、自分に有利なタイミングを狙って解散している。

 ローリー氏 英国の首相は好き勝手に解散することはできない。慣習的にも絶対的な権力をけん制する仕組みが働いているからだ。

 金氏 民進党など今の野党は弱すぎるのではないか。与野党の対決はヘビー級とライトフライ級のボクシングマッチのようだ。与党との質疑は決められたシナリオ通り。全て根回しで済まされているのか。

 韓国では本会議中に催涙弾を投げる国会議員もいた。2015年の日本の「安保国会」を見ていた韓国人記者の間では「野党が静かすぎる。暴力がどこにも見当たらない」という冗談がたびたび交わされた。


〈記者の目〉トランプ氏警戒で足並み

 安倍晋三首相への一定の評価や、トランプ米大統領への警戒感は全員が共通していた。自国の内情を熟知し、自国の視点を持ちながら、日本の政治や社会を観察している。北方領土問題について「解決はできない」との見方は率直で、日本側との認識の差も明確になった。従軍慰安婦問題など日本と外交の火種となっているテーマについては慎重に言葉を選んでいる印象を受けた。まるで外交官のように見えた。

(林咲希)


[日経新聞2月12日朝刊P.14]



http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/815.html

[医療崩壊5] 予防接種、多い注射回数 多種混合の認可が遅れ 独仏は「6種ワクチン」採用:トランプ大領は混合ワクチン→自閉症が持論

予防接種、多い注射回数
多種混合の認可が遅れ 独仏は「6種ワクチン」採用

 ワクチンで予防できる病気は多く、特に乳幼児は積極的な接種が勧められている。かつては欧米に比べ使えるワクチンの少なさが指摘されたが、近年は認可が進み「ワクチンギャップ」は解消されつつある。それでも大きな違いがある。接種する種類が同じでも、注射回数が多いケースがあることだ。子供や保護者にとって負担は小さくないが、なぜなのだろうか。


 「はーい、ママの方を向いてね。もう終わったよ」

 東京都品川区の鈴の木こどもクリニックには多くの乳幼児が予防接種を受けに来る。鈴木博院長は「最近、日本で使えるワクチンが一気に増えたのはうれしい」と話す。

 少し前まで日本は「ワクチン後進国」と呼ばれていた。2007年時点では細菌性髄膜炎の原因となる「ヒブ(インフルエンザ菌b型)」や「肺炎球菌」など、感染すれば後遺症を伴う恐れがある病原体に対し、海外で認可されたワクチンが使えなかった。


種類増えたが…

 09年の新型インフルエンザの世界的流行などを受け、それらは次々に認可された。医療現場に浸透し、種類を巡る欧米とのギャップは小さくなった。

 ただ日本の子供の接種回数は多く、スケジュールは複雑だ。海外で一般的な多くの種類を組み合わせた多種混合ワクチンの認可が遅れていることが背景だ。

 例えば国内では「ジフテリア」「百日ぜき」「破傷風」「ポリオ」の4種混合ワクチンを使う。これと別にヒブと「B型肝炎」のワクチンを打つ。この3ワクチンは定期接種の対象で生後24カ月までの接種回数は計11回。同じ日にまとめて注射することもある。

 しかし欧米では4種混合にヒブを混ぜた5種混合や、さらにB型肝炎を加えた6種混合もある。5種混合を使う米国の接種回数は8回、6種混合を使うドイツとフランスはそれぞれ4回、3回だ。

 鈴の木こどもクリニックの鈴木院長は「5種、6種混合が使えれば子供の苦痛が減るだけでなく、接種スケジュールが簡単になる。通院の負担や打ち忘れも減る」と強調する。

 そうしたワクチンが認可されない理由に製造上の規制がある。国が決めた「生物学的製剤基準」は含有成分量や必要な試験などを細かく規定。日本独自のものもあり、海外のワクチンはそのままでは基準外になることが多い。

 混合ワクチンは1本に入れられるそれぞれの抗原が単体ワクチンに比べ少なく、接種で体内にできる免疫力をより高めるため添加物が必要になる。その種類や量が基準外と判断される場合がある。また混合でも各病原体に対し単体と同等の高い効果を求められ、クリアは容易ではない。米国研究製薬工業協会は「海外で実績があっても認められず、日本は閉ざされた市場だ」と批判する。


根強い不信感

 厳しい基準の背景には、過去にみられたワクチンの副反応への懸念がある。ワクチンに関する国の検討会委員の経験がある小児科医の薗部友良氏は「ワクチンに対して不信感が醸成されやすく、国が積極的に動きにくい」という。

 国産で開発を進めたい意向もある。ワクチンは培養技術などが必要な生物学的製剤と呼ばれ、一般の医薬品に比べ生産が難しい。「海外産に全て依存すると感染症が流行したときに足りなくなるリスクがあり、国産を供給できる体制は必要」(薗部氏)

 子供を育てる母親からは「海外はワクチンの接種回数が少ないとは知らなかった。注射が減らせるようになってほしい」(品川区の28歳の主婦)などの声があがる。国内ではジフテリアと百日ぜき、破傷風、ポリオにヒブを加えた5種混合ワクチンが最終段階の臨床試験に入っている。数年内に認可される可能性もあり、少しずつだが過密な接種スケジュールの緩和も進みそうだ。

(野村和博)


副反応、配慮も必要

 ワクチン接種に伴う副反応は過去に相次いでおり、安全性への配慮は不可欠だ。

 1989年に接種が始まった「麻疹」「おたふくかぜ」「風疹」へのMMR3種混合ワクチンでは、数百人に1人の高頻度で髄膜炎が発生。93年に接種が中止になった。国内で作ったおたふくかぜウイルス株の弱毒化が不十分だったため。海外では「水ぼうそう」を加えた4種混合が認可されているが、日本はおたふくかぜを除いた2種混合の認可にとどまる。

 「ジフテリア」「百日ぜき」「破傷風」のDPT3種混合ワクチンでは、75年に2件の死亡例が出た。百日ぜきの菌体処理技術が原因で、いったん接種中止に。一方で接種率低下で百日ぜきが流行、多くの死者が出た。現在は改良され接種されている。

 最近でも子宮頸(けい)がんワクチンを接種した女性の一部が全身の痛みなどの症状を訴え、国と製薬会社に損害賠償を求め集団提訴した。厚労省の研究班は昨年12月に「接種歴がなくても同様の症状をもつ女性が一定数いる」とする調査結果を公表したが、接種と症状の因果関係は判断していない。

[日経新聞2月12日朝刊P.17]



http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/547.html

[国際18] “金正男”事件の虚実:「真犯人」らしい韓国情報機関の手玉にとられてはしゃぐ日本のメディア:NHKが流した奇妙な犯人映像

 このところのニュースバラエティ番組はクアラルンプールで起きた「金正男暗殺事件」で持ちきりだが、韓国情報機関から手玉に取られるかたち(自覚的にか無自覚にかは別だが)で報道に励んでいる姿には唖然とさせられる。

 そのようななかでも、NHKが昨夜9時のニュースで流した映像と解説はあまりに酷い。NHK報道部の判断力がいかに劣化しているかよくわかる。

 トランプ大統領の用語を借りると、「NHKはフェイクニュース報道機関」となるのだろうが、今回に限っては、嘘と気づかず本当だと信じて流してしまった可能性が高いようだ。


■犯行グループが撮影したらしい映像を監視カメラ映像として流したNHK

 その映像は、「金正男暗殺」後ほどなくKLからジャカルタに飛んだと言われている北朝鮮旅券所持の犯行グループ4人に関するものである。

(行使できた北朝鮮旅券を所持しているからといっても、旅券が真正とは言えないから北朝鮮国籍とまでは言えない)

 NHKは、「NHKが独自に入手したジャカルタ近郊の国際空港の監視カメラ」の映像だと前置きし、犯行グループ4人のうち「3人の容疑者と見られる男らが航空会社のチェックインカウンターで手続きを終えたあと、出国審査を受けて搭乗する様子」が映っていると説明した。

【「NHKが入手したジャカルタ近郊の国際空港の監視カメラ」映像】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170221/k10010885091000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_005


 NHK報道部が、ほんとうに、この映像はジャカルタ国際空港のチェックインカウンターや通路に設置されている監視カメラで撮影されたと信じているのなら、報道機関の看板を下ろしたほうがいい。

 映像を見ればわかるが、この“監視カメラ”は、空港内の“特定エリア”ではなく、空港内の“特定人物たち”の動きに合わせて撮っている。

 空港の監視カメラは、特別の指示(操作)をしない限り、ズームもパンもしないでカバー対象領域をひたすら撮り続けるものだが、この映像は、領域に存在する特定の人物たちの動きを“勝手に”追うかたちでも撮っている。

 監視カメラ映像の性質は、「金正男暗殺」事件絡みでこのところテレビで盛んに流れているKL国際空港ターミナル2の監視カメラ映像を見ればわかることである。

 女性が“金正男”に飛びかかろうとしたからといってズームになるわけではない。“いたずら”後に逃げる女性たちの動きは、それまで撮っていた監視カメラが別エリアまで追うわけではなく、別のエリアを撮っている監視カメラ映像を追加することで見えてくる。

 百歩譲って、今回のNHKの映像が、「金正男暗殺」事件が国際的に広く報じられた14日夕方以降に撮られたものなら、ジャカルタ国際空港管理当局が朝鮮系らしい人物に狙いを絞って撮ったという話が成立する可能性がないとは言えない。
 しかし、NHKによれば、映像が撮られた日時は「金正男暗殺」当日の13日午後9時から午後11時のあいだであり、その時点のジャカルタ国際空港管理当局は、隣国マレーシアで「金正男暗殺」が起きたことさえ知らなかった。

 映像を見れば推測できるが、NHKがニュースで流したジャカルタ国際空港の映像に映っている人物たちが訓練された「工作員」なら、自分たちが誰かに“意図的に”撮影されていることに気づくと思われる映像である。
 何を言いたいのかと言えば、撮影者は彼らと共犯関係にあるということである(むろん、インドネシアに残ったと記事にあるもう一人のオ・ジョンギル容疑者が撮影者である可能性もある。だから3人しか映っていないのかも)。

 NHKに問いたい。

 この映像を誰から(どこから・どうやって)入手したのか。
 ジャカルタ国際空港管理当局に空港設置の監視カメラで撮られた映像か確認したのか。

 記事に書かれている北朝鮮旅券所持者犯行グループは4人とも、「KL→ジャカルタ→ドバイ→・・・・・→ウラジオストク→平壌」というルートで先週金曜日(17日)に帰国したという報道もある。
 今回の記事では一人がインドネシアに残っているという話になっているが、UAEやロシアさらには航空会社に入国や搭乗の確認をしたのか。

 「男らはスーツケースは預けず、チケットを受け取ると出国手続きを済ませ、午後11時すぎに搭乗口に向かう」とあるが、北朝鮮旅券所持者は、マレーシアにはビザなしで入国できるが、インドネシアの入国にはビザが必要である。
 NHKが確認すべきは、インドネシア政府が、氏名が明らかになっている4人にビザを発給していたのかということである。
 インドネシアに入国しないかたちのトランジットなら、ビザなしでも大丈夫なケースが多い。今回のケースは、24時間以内の乗り継ぎなので、入国しなければビザなしでもOKだろう。


■“金正男”の抹殺にそれほどこだわらなかった犯行グループ

 ジャカルタ国際空港の“創作監視カメラ映像”はともかく、「北朝鮮国籍の4人 事件の50分後に出国」という情報は、犯行グループが今回の襲撃で“金正男”を必ず仕留めなければならないという切迫した考えをもっていなかったことを匂わせる。

 何回かは予行演習をしたようだが、肝心な殺害の実行をシロウトらしい女性二人に委ねている。
 犯行グループの出国が襲撃から50分後というのなら、“金正男”はまだ死んでおらず空港内の救護室にとどまっていた。(10時28分頃救護室からストレッチャで運び出され、その後救急車で搬送中に死んでいる)

 襲撃で使ったものが致死性の高いものと知っていても、実行を女性に委ねているから、確実に死に至るという確証は得られなかっただろう。
 犯行グループは、たぶん死ぬだろうとは思っても、“金正男”の死を確認することなくジャカルタ行きの便に乗ったのである。

 ショーアップ(北朝鮮が暗殺したと世界に見せる)襲撃劇が目的ではなく、確実に“金正男”を抹殺することが目的だったら、空港とは別の場所で、自分たちが実行していたはずである。
 そして、それは、“金正男”を空港で「待ち伏せ」ができた彼らなら可能だったはずである。
 “金正男”がいつ搭乗するかを航空会社(エアアジアのみ運航)は第三者に教えないはずだから、彼らは、エアアジアのサーバーをハッキングし、“金正男”こと(キム・チョル)の予約を確認したと推測する。(“金正男”と会話することでマカオ行きの情報を入手した可能性もある)
 “金正男” (キム・チョル)が搭乗する便は、13日のエアアジア8320便10:50発である。
(格安航空会社を利用していることで、“金正男”がカネに困っていたと解説するメディアもあるが、KL−マカオはエアアジアのみ就航)

 “金正男”がどういうスケジュールでマカオ行きに乗るのか何回か下見はしているはずだから、“金正男”が寝泊まりしている場所を何時頃出て何を使って空港に向かうかも予測できたはずである。
 ふつうの外出時に狙うとなるとずっと張り込んでいなければならないが、マカオに行くため空港に向かうときなら、効率的に張り込んで殺害することができる。

 KL国際空港であのようなかたちで“金正男”を襲撃したのは、彼を確実に抹殺することより、世界に向けて北朝鮮が金正日元総書記の長男“金正男”を殺害したことを見せつけることにより大きな意義を感じていたからだろう。

※関連参照投稿

「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

「金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた:「誰も犯行に気づかず旅客を迎え続けていた現場」:韓国機関が関与か」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/249.html


※韓国国家機関絡みの内閣府職員変死事件関連投稿

「韓国入国後早々に死に、わざわざ遺体が日本に送り返された可能性が大である内閣府職員X氏漂着事件の謎を考える」
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/246.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 2 月 05 日 13:17:35: Mo7ApAlflbQ6s

「ゴムボート上で怪死した「内閣府エリート」は韓国スパイとして消された!?:X氏の遺体発見前にその死を語っていた韓国情報組織」
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/262.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/319.html

[国際18] “金正男”事件の虚実:子息ハンソル氏とのDNA照合では“金正男”と証明できず:殺された男は北朝鮮政府庇護下の重要人物

 KL国際空港で起きた「“金正男”殺害」事件は、マレーシアと北朝鮮の関係を揺るがしている。
 詳細は別の機会に説明したいと思っているが、おかしいのは、韓国情報機関に“操られて”捜査を進めているマレーシア政府のほうである。

 ほとんど無視されているが、北朝鮮の駐マレーシア大使(カン・チョル氏)は、死亡した男性は“金正男”ではなく「金哲:キム・チョル」と説明している。
 各種映像から、多くの人が金正日元総書記の長男“金正男”と信じている男性が今回の事件で殺されたと判断できるから、駐マレーシア北朝鮮大使は嘘をついていると思うかもしれないが、

「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

で説明したように、世界中のメディアが、あの男性は金正日総書記の長男である金正男氏と言い募っているだけで、北朝鮮当局があの男性を金正日総書記の長男金正男氏と認めてきたわけではない。
 むろん、本人(殺されたとされる男性)は、日本メディアの人たちに、自分が金日成・金正日に連なる“金正男”であることを認めてきた。

 死んだ男性は、金正日氏と血縁関係がないと主張したいわけではない。「金哲:キム・チョル」が金正日氏の子息(長男でることも含め)という可能性を否定しない。
 しかし、“金正男”ではない男が“金正男”を名乗って外国メディアを手玉にとっていた可能性もないとはいえない。

 駐マレーシア北朝鮮大使は、さらに、死亡した「金哲:キム・チョル」が北朝鮮の外交官旅券を持っていたことも説明している。
 今でも当初報道されたように、今回の事件で死んだ“金正男”は、01年5月に偽造旅券を使って日本に入国しようとして強制送還されたように偽造旅券を持っていたと思っている人が多いかもしれないが、“本名”かどうかはともかく「金哲:キム・チョル」名義で北朝鮮の真正な旅券を所持していたことになる。

 北朝鮮当局は、殺したいほど邪魔になったと多くのメディアが解説する“金正男”の旅券を無効にすることで本国に帰還させる策を採らず、諸外国を訪れるのに何かと便利な外交官旅券をそのまま使わせていたのである。
(旅券を失効させると、スノーデン氏のように、強制送還の前にどこかに亡命しようとする可能性はあるが、周到に準備すれば亡命は防げるだろう)

 そして、遺体が解剖のために運び込まれた病院に大使をはじめ北朝鮮大使館関係者が長時間滞在したことから、「金哲:キム・チョル」が北朝鮮政府にとって極めて重要な人物であったことも推測できる。

 このような事実情報から、13日午前9時頃に起きた事件で気分が悪くなり救護室に入った“金正男”こと「金哲:キム・チョル」が救急車で搬送中に死んだとき、マレーシア当局はまずは在マレーシア北朝鮮大使館に連絡を入れたと判断できる。

 その後、“金正男”こと「金哲:キム・チョル」の死に事件性があるとの通報が“どこか”からあったことで、今日に至る大々的な報道が続くようになったと推測できる。

 マレーシア当局は、北朝鮮大使館に連絡し北朝鮮外交官旅券を所持していた「金哲:キム・チョル」の身元確認を行ったが、DNA照合などで“金正男”である確証を得ることなく死んだ男を“金正男”と発表したのである。
 マレーシア当局は今でも“金正男”と確認できるまで遺体を誰にも渡さないと説明しているが、それなら、何を根拠に死んだ男を“金正男”と発表したのか問いたい。


 日本のメディアの一部は、駐マレーシア北朝鮮大使が死んだ人物は“金正男”ではないと言っても、子息のキム・ハンソル氏のDNAと照合すれば“金正男”だと証明されると説明している。
 しかし、それは間違いである。
 キム・ハンソル氏のDNAと照合してわかることは、死んだ男性と親子関係があるかどうかであり、死んだ男性が金正日氏の子息かどうかさえわからない。

 死んだ男性が金正日の長男とされる“金正男”と言えるかどうかを調べるためには、金正日氏のDNAサンプルか、金正恩委員長ないし金正哲氏など金正日氏の血を引く人のDNAサンプルが必要になる。


※関連参照投稿

「金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた:「誰も犯行に気づかず旅客を迎え続けていた現場」:韓国機関が関与か」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/249.html

「“金正男”事件の虚実:「真犯人」らしい韓国情報機関の手玉にとられてはしゃぐ日本のメディア:NHKが流した奇妙な犯人映像」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/319.html

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故金正男氏の息子 危険を顧みず 遺体引き取りにクアラルンプールに到着[スプートニク日本語]
2017年02月21日 14:51(アップデート 2017年02月21日 14:56)

13日にマレーシアの首都クアラルンプールで亡くなった、北朝鮮の指導者金正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の息子が、父の遺体引き取りのため、同地に到着した。NHKが今日、現地の消息筋の話として伝えた。

幾つかの情報を総合すると、息子のキム・ハンソル氏(22歳)は、火曜日朝、クアラルンプールに到着、すでに父の遺体が安置してあるホテルに入った、NHKは「その際、病院の警備が急に強化され、自動小銃などの武器を持った特務部隊員30人から40人がホテルに派遣された」と報じている。

NHKによれば、キム・ハンソル氏は、父の遺体を確認した。なおマレーシアの朝鮮民主主義人民共和国大使館は、金正男氏の遺体の引き渡しを要求している。しかしマレーシア当局はすでに「遺体は、個人の近しい親族に引き渡されるだろう」と発表した。

この問題をめぐりマレーシアと北朝鮮の間に対立が生じた事を受け、ピョンヤン駐在のマレーシア大使は、祖国に召喚されている。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201702213363164/

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ジョンナム氏殺害 息子が現地に到着か 動向に注目[NHK]
2月21日 19時12分

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏がマレーシアで殺害された事件で、現地の北朝鮮大使館が遺体の引き渡しを求めているのに対し、マレーシア政府は家族を優先するとしています。一部の地元メディアは、キム・ジョンナム氏の息子が現地に到着したと伝えていて、家族の動向に注目が集まっています。

今月13日、マレーシアの首都クアラルンプールでキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム氏が殺害され、マレーシアの警察は、事件に関与したとしてインドネシア人とベトナム人の合わせて2人の女と北朝鮮国籍の男1人を拘束するとともに、北朝鮮国籍の男4人の行方を捜査しています。

マレーシアにある北朝鮮大使館は「何者かが裏で手を引いているのではないか」などと主張し、地元警察による捜査に強い不満を表明し、遺体の早期引き渡しを求めています。

これに対し、マレーシア警察は家族からDNAサンプルの提供を受けたうえで、遺体を家族に優先的に引き渡すとしていて、北朝鮮の要求を受け入れない姿勢を示しています。

こうした中で、一部の地元メディアは、キム・ジョンナム氏の息子のハンソル氏が20日夜、クアラルンプールに到着したと伝えました。ハンソル氏の姿は確認されていませんが、遺体が安置されている病院には21日未明、警察の特殊部隊が到着して日本時間の昼前まで警備を強化していました。

ハンソル氏が遺体を引き取る意思を示し、マレーシア政府が応じれば、北朝鮮がさらに反発を強めることが予想され、ハンソル氏の動向に注目が集まっています。

息子のキム・ハンソル氏とは

キム・ジョンナム(金正男)氏の息子のキム・ハンソル氏は、1995年生まれで現在、21歳と見られます。ピョンヤン(平壌)で生まれ、幼いころにマカオに移り住みました。

ハンソル氏は2011年に、旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナにあるインターナショナルスクールに留学しました。留学中の2012年には、フィンランドのテレビ局のインタビューに流ちょうな英語で応じ、父親のジョンナム氏について「父は政治に関心がない」と述べました。

祖父のキム・ジョンイル(金正日)総書記や、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長について、「会ったことがない」と述べたほか、キム委員長について「どのように独裁者になったかは知らない」と述べました。

また、このときハンソル氏は「父は私に『自分の人生を生きなさい』と述べていた。飢えに苦しむ人のことを考え、自分の恵まれた状況に感謝しなさいと教えてくれた」と述べ、将来は人道支援の活動に取り組みたいとも話していました。

その後、ハンソル氏は2013年からフランスのエリート校、パリ政治学院で政治学を学びました。韓国の情報機関によりますと、現在はマカオで家族とともに暮らし、中国当局の保護を受けているということですが、今回の事件のあと、外国メディアの一部は、ハンソル氏も北朝鮮から狙われていたと報じています。

イギリスの大衆紙「メール・オン・サンデー」は今月18日、ハンソル氏が去年9月からイギリスにあるオックスフォード大学の大学院に進学する予定だったものの、中国の当局者から「北朝鮮がキム・ジョンナム氏とハンソル氏の2人に対する暗殺を企てている」と警告を受け、進学を諦めたと伝えています。

現在の北朝鮮の体制に影響を与えるようなことはないとみられていたキム・ジョンナム氏が殺害された直後なだけに、息子のハンソル氏の身の安全を心配する声も出ています。

中国「ハンソル氏 把握していない」

中国外務省の耿爽報道官は21日の記者会見で、「キム・ジョンナム氏の息子で中国政府が保護していると報道されているキム・ハンソル氏がマレーシアに到着したと伝えられているが、中国は行かせたのか」と記者から確認を求められたのに対し、「その状況は把握していない」とだけ答えました。

マレーシア警察長官 入国を否定

キム・ジョンナム氏の息子、ハンソル氏が、20日、マレーシアに入国したと一部のメディアで伝えられたことについて、マレーシア警察のハリド長官はNHKの取材に対して「報道は正しくない」と述べて、否定しました。

また、当初、ハンソル氏がマレーシアを訪れたと伝えていた現地の中国語の新聞も電子版で警察幹部の話として、ハンソル氏は入国していないと伝えています。

一方、別の地元紙は21日未明、キム・ジョンナム氏の遺体が安置されている病院に警察の特殊部隊が展開したことについて、「警察は、ハンソル氏の訪問によるものではなく、事件の重要性を考慮して警備を強化したと説明した」と伝えています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170221/k10010884431000.html?utm_int=detail_contents_news-related-auto_002


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/321.html

[原発・フッ素47] 溶融燃料 厳しい現実:ロボ調査に難題続出:2号機の激越放射線量は1・3号機の核燃料が地中に落下(格納容器外)を示唆

溶融燃料 厳しい現実
ロボ調査に難題続出

 東京電力福島第1原子力発電所事故からもうすぐ6年となる。津波で電源が失われ、炉心溶融(メルトダウン)を起こした1〜3号機の周りには現在、大型クレーンが立ち並ぶ。廃炉に向けた作業は順調に進んでいるようにみえるものの、溶け落ちた核燃料の詳細はつかめないままだ。廃炉作業で最難関である溶融燃料取り出しは見通せない状況で、計画通り今後30〜40年で廃炉が完了するのだろうか。



 東京電力は16日午前8時ごろ、福島第1原子力発電所2号機の格納容器内にサソリ型ロボットを投入した。6年前の事故で発生した溶融燃料(デブリ)を調べるためだ。ロボットは国際廃炉研究開発機構(IRID)と東芝が開発した。頭と尾にあたる位置にそれぞれカメラを備える。ロボットの底に取り付けた回転ベルトでほふく前進するように慎重に走行し、圧力容器の底をカメラで見上げるように観測する計画だった。

 ところが、もくろみは外れた。ロボットは圧力容器の底へ向かう7.2メートルのレール上を走行中、堆積物に行く手を阻まれてしまった。走行用の回転ベルトのうち、片側が機能しなくなり、調査開始地点から2〜3メートル進んだ地点で動けなくなった。

 東電はロボットにつながるケーブルを引っ張り、堆積物が少ない場所まで戻すといった試行錯誤を続けたが、最後は完全に走行不能に陥った。東電は調査を断念し、操作ケーブルを切断したロボットはレール上に残った。

 得られた情報はレール付近の放射線量や温度にとどまり、肝心の溶融燃料を捉えることはできなかった。調査後の記者会見では、ロボット投入は失敗ではないかとの質問が記者から相次いだ。これに対し、岡村祐一原子力・立地本部長代理は「われわれは失敗とは認識していない。格納容器内の情報が得られたことは世界初の快挙といっていい」と繰り返した。

 ロボット投入前に実施したカメラ調査により、これまで推測するしかなかった格納容器内部の具体的な情報が一部得られたことは確かだ。東電が今月2日に公開した2号機の画像では、原子炉の下にある作業用足場の金属格子に1メートル四方の穴が開いているのが分かった。

 足場は道路の側溝にはめられている蓋と同じ鉄格子が敷かれている。放射線量の高い過酷な環境にも耐えられるように分厚く頑丈に作ってあるが、公開された画像では鉄格子が曲がって足場に穴が開き、原形をとどめていなかった。

 格子の表面には黒っぽい物体が絡みつき、中には格子の間を埋めているような場所もある。東電は「融点が1500度の鉄でできた足場が曲がっている。溶融燃料が落下して穴を開けた可能性がある」と説明。断定は避けながらも、溶融燃料の可能性が高いとの見方を示した。

 画像公開の翌日、福島第1原発を訪れた。2号機と同じ構造で、事故の影響が比較的少なかった5号機内に入り、カメラ調査を追体験した。格納容器の内部は2人が並んで歩けないほどの狭さで、さまざまな配管や機器が配置されている。頭上の配管に何度かヘルメットをぶつけたほどだ。

 2号機の画像と同じ角度で、圧力容器の底部の鉄格子も確認した。整然と敷かれた鉄格子と、公開された無残な鉄格子が同一のものだったとは信じがたかった。

 2号機の調査が計画通りに進まなかったことは今後の調査にも影を落としそうだ。政府と東電は1、3号機でも調査ロボットを入れ、その結果を踏まえて夏までに溶融燃料の取り出し方針も決める計画だ。だが、格納容器内の水位が高いなど、調査環境は2号機より厳しい。成果が得られなければ、2021年中に溶融燃料の取り出しに着手するという工程は、見直さざるを得ない。

[日経新聞2月18日朝刊P.33]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/577.html

[原発・フッ素47] 溶融燃料 厳しい現実: 取り出し3工法、最適な道探る:“最良”(格納容器内)の2号機でさえ核燃料デブリの取り出しは困難

取り出し3工法、最適な道探る

 福島第1原発1〜3号機の溶融燃料の取り出し工法を決める際の技術的なポイントは大きく2つある。まず溶融燃料を取り出す機器の投入口をどこにするか。そして格納容器を水で浸すかどうかだ。各号機で溶融燃料の位置や量は異なっており、最適な方法を選ぶ必要がある。


 研究開発を率いる国際廃炉研究開発機構(IRID)が検討しているのが次の3つの工法だ。1つ目は、格納容器を水で満たし溶融燃料を圧力容器の上から取り出す方法だ。溶融燃料が圧力容器に多くとどまり、格納容器の損傷が少ない場合に有効な手段とされる。

 2つ目は、格納容器に水を満たさずに空気中で作業する方法だ。溶融燃料は圧力容器の上から取り出す。燃料が圧力容器に多く残っているケースだ。3つ目は、空気中で作業するが燃料は横から取り出す。格納容器底部に燃料が多く落ちていれば、この方法を選ぶ。

 1979年の米スリーマイル島原発事故では、溶融燃料は圧力容器内にとどまった。そのため圧力容器内を水で満たして取り出すことができた。ただ、福島第1原発1〜3号機の場合は圧力容器の底を突き破っている可能性が高く、全く同じ手法は使えない。

 IRIDの桑原浩久開発計画部長は「圧力容器に溶融燃料がどれほど残っているかが工法選びの手掛かりとなる」と話す。しかし、格納容器内に水を満たした例はなく、空気中で作業すれば放射線をどう遮るかが課題になる。どの工法を選んでも難度は高い。

[日経新聞2月18日朝刊P.33]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/578.html

[原発・フッ素47] 原発解体、遠い道のり 核燃料搬出、再び延期:3号機プール内使用済み核燃料取り出しは18年度中頃から

原発解体、遠い道のり 核燃料搬出、再び延期

 「作業開始は2018年度の中ごろになる」。1月26日、記者会見に臨んだ東電の増田尚宏・福島第1廃炉推進カンパニー最高責任者は苦渋の表情でこう語った。この日、3号機のプールで保管する核燃料の取り出し開始時期を、目標としていた「17年度中」から先延ばしにすると報告した。工程の延期は2回目だ。


 原子炉建屋の上部にあるプールに1500体超残る核燃料の搬出は福島第1原発の廃炉、つまり設備の解体を進める大前提の作業だ。通常の原発の廃炉だと優先的に取りかかる工程だが、福島第1では強い放射線が行く手を阻み、準備段階から課題が山積する。

 現在、撤去を終えたのは4号機のみ。事故時に停止中で原子炉には核燃料がなかったことが幸いし、14年に1535体のプールの核燃料を地上に降ろし終えた。

 今月3日、福島第1原発で高台から1〜4号機の建屋を望んだ。かつてはその奥にある太平洋の青と白で統一されていた外観は、事故の影響や搬出準備の進捗から、各号機ごとに全く異なる光景を見せている。

 準備が先行する3号機は水素爆発で山積みになったがれきが撤去され、建屋上部は平らになった。今年には核燃料の搬出に使う機器の据え付けの開始までこぎ着けた。

 それでも東電が工程を再延期せざるを得なかったのは、放射線量を下げるのに予想以上の時間がかかったからだ。今夏には核燃料をつり上げるクレーンなど主要設備の搬入を始めたい考えだ。

2号機の搬出作業の開始目標は20年度中だ。水素爆発が起きた1号機では放射性物質の飛散を防ぐカバーが全て取り外され、約5年ぶりに姿があらわになった。大量のがれきが積み上がり、事故の爪痕を色濃く残す。

 2号機は爆発が起きず外観は健全だが、核燃料の搬出には建屋上部を切り崩す必要がある。これまで準備作業は手付かずだったが、周囲には高い足場が設けられた。具体的な作業方針を決めるための調査用だ。

 1、2号機ともがれきの撤去と建屋上部の切り崩しが大きなハードルだが、すぐには作業に取りかかれない。放射性物質を含むちりが飛び散る危険があるためだ。今はプール周辺の状況を調べるスタートラインに立った段階だ。

 さらに、実際の取り出しには遠隔操作の新たな機器が必要となる。1〜3号機で地上に核燃料を降ろし終えるのは、まだまだ先のことだ。

[日経新聞2月18日朝刊P.32]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/579.html

[原発・フッ素47] 水との闘いなお 凍土壁 効果は「限定的」

水との闘いなお 凍土壁 効果は「限定的」

 福島第1原子力発電所の事故以来、政府と東京電力を悩ませてきたのが汚染水対策だ。東京五輪が開かれる2020年中には問題を収束するとの目標を掲げるが、「水との闘い」に終着点は見えない。


 「カン、カン、カン」。原発敷地の南側、4号機近くに約1.2メートル掘られた穴の中。地面をハンマーでたたくとコンクリートのような音が響いた。これが、345億円の国費を投じて造った汚染水対策の切り札「凍土壁」だ。

 福島第1原発では日々、原子炉の核燃料を冷やす水がセシウムなどを含む汚染水となる。原子炉建屋や隣のタービン建屋に流れ込む地下水もある。この地下水の流入を防ぎ汚染水の増加を抑えることが、対策の重要課題の一つだ。

 凍土壁は2つの建屋を取り囲むように地下30メートルの地盤を凍らせる。全長は1.5キロメートル。氷の壁で地下水の流れを遮断する試みで、汚染水の抜本的な対策として期待された。

 東電は16年3月に凍土壁を稼働。まず地下水の下流側にあたる海側の凍結を中心に進め、同年10月に「凍結完了」と発表した。周囲の地盤の温度が全て氷点下に下がったのが根拠だ。温度は十分に下がり、一部では氷の壁も確認できた。だが、稼働から1年近くたっても期待されたほどの効果は表れていない。

 効果を測る目安となるのは凍土壁の海側に流れる地下水の量だ。従来は1日約300トンの流入があった。東電は凍土壁によって70トンに減らす想定だったが、現状は約130トンで推移する。原子力規制委員会は昨年末、凍土壁の効果を「限定的」と評価した。

 福島第1原発の海側地下にはケーブルや配管を収めるトンネルが複数あり、この周辺から水が抜け出ていると東電は推定する。ただ地表近くの状態はともかく、水の抜け道は直接確認できていない。

 現在、凍土壁の山側5カ所は凍らせないで壁を開けた状態にしている。東電は1カ所を残して凍結し、夏前にはすべて凍結したい考えだが、どこまで効果が上がるかは実施してみないと分からない。

 では、どのように地下水対策にめどをつけるのか。重要性を増すのが「サブドレン」と呼ぶ建屋近くにある井戸でのくみ上げだ。サブドレンは汚染水対策として15年秋に本格運用を始めた。建屋への地下水の流入を1日100トン引き下げた実績もある設備で、東電は今秋までにこの井戸のくみ上げ能力を倍増させる。

 別の問題も待ち構える。原子炉建屋などに約7万トンたまる汚染水をどうするかだ。東電と規制委は建屋内の汚染水の処理方法を議論中で、現在は原子炉の冷却水を減らす作業などを進める。原発の敷地には約1000基ものタンクが所狭しと並ぶ。中身は汚染水を浄化した水だが「トリチウム」と呼ぶ放射性物質は除ききれない。この水の行き先も未定のままだ。

[日経新聞2月18日朝刊P.32]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/580.html

[国際18] トランスジェンダー生徒のトイレ選択認めず トランプ政権:NHKは「雄ニュースメディア」、政策は州レベルで決定が正

トランスジェンダー生徒のトイレ選択認めず トランプ政権[NHK]
2月23日 12時22分

アメリカのトランプ政権は、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」の生徒に、自分が望む性別のトイレなどを使用させるよう、公立学校に求めた前政権の指針を破棄し、性的マイノリティーの人の権利をめぐって、今後、議論を呼びそうです。
アメリカでは去年、オバマ前政権が、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」の生徒に、自分が望む性別のトイレや更衣室を使用させるよう、公立学校に求める指針を発表しました。

これに対し、テキサス州など保守的な州は指針の取り消しを求めて提訴していて、対応を検討していたトランプ政権は22日、この指針を破棄すると発表しました。

発表では「指針をめぐっては法的に十分な検討が行われていない」としたうえで、トランスジェンダーの生徒に自分が望む性別のトイレや更衣室を使用させるかどうかは、「連邦政府が決めるのではなく、それぞれの州や学区が検討すべきだ」としています。

一方、アメリカの人権団体は「トランスジェンダーの人たちは差別やいじめに苦しんでいる。政府の支えが必要だ」として、指針を維持するようトランプ政権に求めていただけに、性的マイノリティーの人の権利をめぐって、今後、議論を呼びそうです。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170223/k10010887221000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_065



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/407.html

[国際18] 北朝鮮高官と米の元政府当局者の接触中止に 米紙報道:非公式協議開催を報じないまま中止のみ報じるNHK

 去る21日、ワシントンポスト紙が北朝鮮高官と米国の元国務省高官が3月にニューヨークで非公式会合を開催すると報じている。

 北朝鮮は「“金正男”殺害事件」の渦中にあり、NHKも、その問題を取り上げそのなかでトランプ米国の対北朝鮮政策をあれこれ予測しているが、米朝非公式会合の話をまったく取り上げていない。

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北朝鮮高官と米の元政府当局者の接触中止に 米紙報道[NHK]
2月25日 18時18分

アメリカの有力紙は、北朝鮮の高官が、ニューヨークでアメリカの元当局者と非公式に接触する予定だったものの、中止になったと伝え、北朝鮮による新型中距離弾道ミサイルの発射実験や、キム・ジョンナム(金正男)氏の殺害事件が影響した可能性を指摘しています。

アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは24日、北朝鮮外務省のチェ・ソニ北米局長とアメリカの元政府当局者が、来月1日と2日にニューヨークの国連本部近くのホテルで非公式に接触する予定だったものの、入国ビザが発給されず、中止になったと伝えました。

ビザが発給されなかった理由は明らかでないとしながらも、北朝鮮による新型中距離弾道ミサイルの発射実験や、キム・ジョンナム氏の殺害事件が影響した可能性を指摘しています。

アメリカ国務省の当局者は、NHKの取材に対し「個別のビザの詳細については述べない」としています。

外交筋によりますと、チェ局長は、ビザ発給のめどが立てば、25日にも経由地の中国・北京に到着する見通しだったということで、トランプ政権の北朝鮮に対する出方を伺ううえで、アメリカ側がビザを発給するかどうか注目されていました。

一方、アメリカの研究グループは24日、北朝鮮の核実験場で新たな核実験に向けた準備と見られる動きがあるとする衛星写真の分析結果を明らかにしたほか、来月には米韓合同軍事演習が始まる予定で、アメリカなどは北朝鮮への警戒を強めています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170225/k10010890061000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_014



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/408.html

[国際18] トランスジェンダー生徒のトイレ選択認めず トランプ政権:NHKは「雄ニュースメディア」、政策は州レベルで決定が正 あっしら
3. あっしら[686] gqCCwYK1guc 2017年2月27日 01:58:16 : fGMsCkzxrU : 8jF@qMXZGso[1]

すみません!
ジェンダーの問題で「雄ニュース」という“意味深な”誤記をしてしまいました。

お詫びし、次のように訂正させていただきます。


(誤)「雄ニュースメディア」

(正)「偽ニュースメディア」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/407.html#c3

[国際18] 金正恩は金正男暗殺事件の波紋に驚いた?:釣り合わない「成果」と「ダメージ」に頭を抱える専門家たち

金正恩は金正男暗殺事件の波紋に驚いた?
Wedge 2/24(金) 11:20配信

 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏がマレーシアの空港で殺害された。北朝鮮の関与は間違いないだろうが、具体的な犯行について確認されたことは少なく、捜査は難航必至だ。乱れ飛ぶ情報の多くは推測やあやふやな情報に基づくものであることに注意しなければならない。一方で、事件を見ていて私は一つの感想を抱いた。「事件がこれほど大きな国際的波紋を生むなどと北朝鮮は予想していなかったのではないだろうか」というものである。「まさか」と思う人が多いかもしれないが、実は、専門家にぶつけると「同感だ」という答えが返ってくることが少なくないのである。


金正恩氏の指示なくできる犯行ではない

 現地警察は、実行犯とされるベトナム人とインドネシア人の女、マレーシア在住の北朝鮮国籍の男らを逮捕した。さらに北朝鮮国籍の男4人を容疑者として特定したが、この4人は事件当日に出国して平壌に戻ったという。警察はさらに北朝鮮国籍の人物3人が事件に関与していると見ており、このうち1人はクアラルンプールの北朝鮮大使館に所属する外交官だという。ここまでくると、北朝鮮の組織的な関与があったと推定することには無理がないだろう。

 そして、北朝鮮の犯行であるならば、最高指導者である金正恩氏の指示に基づくものであるはずだ。金王朝の血統に連なる人物の殺害という重大性を考えれば、金正恩氏の指示もしくは承認なしに実行されるとは考えられないからだ。

 ただし、動機はまったく不明だとしか言えない。確実なのは、客観的に見て金正男氏を排除しなければならない理由など見当たらないということだけだ。余談になるが、こういう時は本物の専門家を見分けるチャンスでもある。テレビでは往々にして「分からない」というコメントが嫌われるのだが、ここで堂々と「分からないものは分からない」と言える人は本物だ。あるいは数日後にコメントの内容を精査すれば、発言の確度を確かめることもできる。


金正男氏は体制の脅威などではなかった

 では、金正男氏を排除しなければならない理由が見当たらないというのは、どういうことだろうか。

 金正男氏がコンピューター関係の重要な職に就き、後継候補ではないかと見られたのは1990年代のことである。この頃は「おごり」があったのか、殺害後に日韓のメディアで書かれているような「いい人」像とは全く違う、傍若無人な行動ぶりに関するエピソードがよく語られた。本当かどうか確認されてはいないが、平壌中心部の高級ホテルである高麗ホテルのロビーで拳銃をぶっ放した、などという話である。

 周知の通り、金正男氏は偽造旅券で入国しようとした疑いで2001年に成田空港で摘発され、国外追放処分となった。この事件が直接の契機になったかはともかく、その後は完全に後継候補から外れたと見られている。

 それから20年近く経った今、金正男氏の支持勢力など北朝鮮に残っていないし、国内情勢への影響力もない。子供の頃から面倒を見てくれていた叔父の張成沢氏も2013年に処刑された。韓国の情報機関、国家情報院は国会情報委員会に対し、事件について「金正男が体制にとっての脅威になるというような計算があったわけではなく、金正恩の偏執狂的性向が反映されたものだろう」と報告した。金正恩氏が偏執狂かどうかは評価の問題だろうが、前段は完全に同意できる。金正男氏が体制の脅威になっていると考えるのは難しい一方、金正恩体制はきちんと地盤を固めたというのが専門家の一般的評価なのだ。


釣り合わない「成果」と「ダメージ」に頭を抱える専門家たち

 金正恩氏が偏執狂だからという国情院の判断は、本来なら「本当だろうか」と疑われるような話である。それでも、そんな報告が出るのは「金正男殺害によって達成されたと北朝鮮が見なせる成果と、事件によって北朝鮮が被った外交的ダメージの大きさを比較すると、とても釣り合いが取れない」(小此木政夫・慶応大名誉教授)からだろう。

 金正男氏を排除することで金正恩体制が得ることになるメリットは、前述した通り少なくとも客観的な観察では見当たらない。一方、事件によって引き起こされた波紋の影響は深刻だ。長年の友邦であるマレーシアやインドネシアとの外交関係は危機にさらされ、米国や中国など関係国を中心に国際社会にも極めて強いマイナスのメッセージが発信された。このギャップを埋められないから、専門家は頭を抱えてしまっているのだ。

 こういう状況では、このギャップを埋めるために様々な憶測が飛び交うことになる。北朝鮮の内情など確認不可能だし、「可能性がある」という書き方なら絶対に誤報とはならない。そのために普段から北朝鮮報道は真偽の見極めが難しいのだが、こうした状況では「書いたもん勝ち」と考えるメディアが出てくるのは避けられない。

 金正男氏が脱北者の亡命政府に担がれようとしていたという話も、この一種だろう。韓国では脱北者団体が乱立しており、大きな連合体を作ろうという求心力は見受けられない。脱北者の亡命政府というもの自体が、とても成立するとは思えないのである。たとえ設立を宣言する人々がいたとしても、意味のある活動をできるとは考えられない。しかも、3代世襲の金正恩体制に反対するのであれば、そもそも金正恩氏の兄を首班に立てようとする時点で自己矛盾に陥ってしまう。

 さらに、亡命政府ができたとしても韓国政府の支援など期待できない。統一は韓国主導で行われなければならないと考える韓国政府にとって、亡命政府など邪魔な存在でしかない。韓国統一省は事件と関連して亡命政府説が流れた時、「亡命政府(構想)は一部脱北者の逸脱にすぎない」と切り捨てた。

 事件直後に行われた金正日生誕75周年を記念する大会で「指導者の継承問題を完璧に解決した」と金正日氏をたたえる演説があったことを、事件と結びつける報道もあった。北朝鮮の事情に詳しい関係者が「事件成功を祝ったのだろう」と見ている、といったような具合だ。しかし、これは北朝鮮が何年も前から数えきれないほど繰り返し言ってきたことだ。どうして今回だけ事件と関連してしまうのか理解に苦しむ。

 さらには「金正恩氏が自らについて、怒れば兄でも殺すほど手ごわい人間だと米国にメッセージを送ろうとした」という説まであるらしいが、この説に同調する専門家は見たことがない。失笑交じりに「米国は核問題を交渉する相手だというのが北朝鮮の考えだ。今回の事件が結果的にトランプ政権の対北朝鮮認識に影響を与える可能性は否定できないものの、北朝鮮にとっての対米メッセージはあくまでも核実験や弾道ミサイル発射だ。日米首脳会談に合わせたように弾道ミサイルを発射したことでも、それは分かる。暗殺事件で怖さを演出するとは思えない」と話す人ばかりだ。

 似たような話で、国民向けに「金正恩氏の怖さ」をアピールするという考え方もあるようだ。しかし、そもそも金正日氏の家族情報は機密扱いだったから、一般国民は金正男氏の存在自体を知らない。だから、国民向けに金正恩氏の無慈悲さを示す材料に使うこともできないのである。


背景にあるのは歴史的な「小国意識」か

 結局、体制や国家にとってのメリットは見当たらない。ならば、金正恩氏の個人的な都合によって金正男殺害が決められた可能性の方が高いことになる。金正男氏が世襲批判をしていたことが気に入らなかったのかもしれないし、あるいは金正男氏が管理していたと言われることもある秘密資金を取り上げようとしたのかもしれない。ただ、これも前述のケースと同じように「メリットとデメリットのバランス」が悪すぎる点は変わらない。

 南北問題を担当する統一相経験者でもある韓国の北朝鮮専門家に聞くと、「金正日と金正恩の行動様式は違う。それに尽きるのではないか」という答が返ってきた。もちろん金正恩氏の思い込みで脅威を感じたという可能性は残るのだが、それでもやはり「釣り合いが取れない」という感をぬぐうことはできないのである。

 そうしたことを考えてたどりついた一つの考えが、冒頭に書いた「事件がこれほど大きな国際的波紋を生むなどとは予想しなかったのではないか」というものだ。

 1月に出版された『新版 北朝鮮入門』(東洋経済新報社)という入門書を私と一緒に書いた礒崎敦仁・慶応大准教授に聞くと「同感だ」という言葉とともに、金正日生誕75周年の記念大会に出てきた金正恩氏の姿についての感想が返ってきた。「金正恩委員長が公式の場にデビューして以来、北朝鮮の新聞やテレビを通じて6年半ほどその表情を見てきたが、今回はとても違和感があった。印象論に過ぎないのだが、怒っているように見えて、疲れ切った感じだ。会議の内容にも上の空の様子に見えた」というものだ。事件を巡る想定外の波紋に憔悴したと考える余地があるということだろう。

 おそらく私の考えは、木村幹・神戸大大学院教授の唱える「朝鮮半島の国家には歴史的な影響から自らを小国だと規定する小国意識が抜き難くある」という小国意識論に影響を受けたものだ。だから木村教授にも聞いてみると、「金正男氏の国際的な知名度と注目度を誤認したのだろう」と話してくれた。

 木村教授はさらに「どうせ我が国なんて大した存在じゃないから、多少の事を言ったりやったりしても、大ごとにはならないはずだ、というのは南北に共通している。それが『小国意識』というものだ」と続けた。本稿は北朝鮮に関するものなので韓国については深く触れないが、実は、慰安婦問題を象徴する少女像や日韓合意に対する韓国内の議論を見ていても同じ思いにとらわれるのである。木村教授の考え方は、私の感覚と符合している。

 繰り返しになるが、今回の事件に関する論評はどれも「可能性」を論じたものでしかない。その一つとして、「想定外の波紋に驚く北朝鮮」と見ることもできる。絶対にそうだという材料があるわけではないのだが、私にはそう見えるのである。

澤田克己 (毎日新聞記者、前ソウル支局長)

最終更新:2/24(金) 20:57

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170224-00010001-wedge-kr


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/414.html

[国際18] 米企業、「国境税」巡り二分:この議論を好機とし、“悪魔の税制”=付加価値税(消費税)を世界レベルで廃止を!

 OECD加盟国で付加価値税(消費税)を導入していないのは、“賢明なこと”に米国だけである。

 日本経済は、消費税導入をトリガーとして「バブル崩壊」、その後25年以上も低迷を続けている。
 欧州諸国も、EUという単一市場強化で弊害は緩和されてはいるが、付加価値税の導入以降“成熟病”にすっかりはまった。

 付加価値税(消費税)は、政府の強制力で、小売業やサービス業など内需専業企業から輸出企業とりわけグローバル企業に“利益(付加価値)”を移転させるものである。
 ある企業が稼いだ付加価値が税制を通じて理不尽にも他の企業に利益として渡るのだから、自由主義経済の理念に大きく反する税制といえる。

 また、消費税を含め稼いだ付加価値への課税であることから、稼いだ付加価値を原資としている「給与」・「債務履行(元本返済・利払い)」・「配当」への課税ということもできる。消費税の税率アップは、実質的に給与所得税の増税なのである(その分を従業員に給与として渡しても企業は損得ゼロ)。

 付加価値税(消費税)の“ミソ”は、内需専業企業にとっては「給与所得税」・「債務履行税」・「配当税」といった負担増を意味するのに、グローバル企業を中心とした有力輸出企業にとっては、それらがまったく課されないどころか、逆に、稼いでもいない付加価値を政府から“還付”のかたちで貰える濡れ手に粟のおいしい制度を意味する。

 国際的な面(国境措置)で言えば、付加価値税(消費税)は関税と同等の働きをする。
日本は自動車輸入関税がゼロ%だと胸を張っているが、米国の自動車メーカーの視点で言えば、日本の自動車輸入関税は実質的に8%(消費税税率)である。
(自動車について欧州は、10%の輸入関税+付加価値税税率なので、ほぼ30%の関税が実質的に課されている)

 日本のメーカーも部品の仕入れや外注などで消費税を払い販売時点で消費税を上乗せしているから競争条件は同じだという声もあるが、それは間違っている。
 トヨタなどすべての自動車メーカーは、「輸出免税」(ゼロ%課税)という“不正“ないし“詐欺”のおかげで、1円たりとも消費税を納付せず、逆に、数百億、数千億円の消費税還付を受けているからである。

 付加価値税(消費税)の関税機能問題も、メキシコや米国で生産した車を日本に輸入に販売している“日本の自動車企業”には負担とならない。
 日本の自動車企業は、関税ならその負担が残るが、輸入時に課される消費税を「輸出免税」を使って消すことができるからである。

記事にあるように、ウォルマートやギャップ、ナイキなど流通大手は、国境調整税について、「有害で試行の経験もない。消費者の利益を損ねる」と反対しているが、日本などが採用している付加価値税と違い内需専業企業は“中立”(付加価値に課税はされない)なので害毒は少ない。

 ウォルマートや衣料品のギャップ、スポーツ用品のナイキなど流通大手は、中国やメキシコなどで生産したものを輸入し米国内で販売する割合が高いことから、「消費者の利益を損ねる」というより、「販売価格が上げられないと自分の利益が減る」といったほうが正しい。

(消費税増税と同じで、関税(相当)が高くなったからといって、小売販売価格にそのまま上乗せできるわけではない)

 トランプ米国の「国境税」導入騒動に期待するのは、WTOルール“抵触”問題を含め、この問題が活発な国際的議論に発展することで、国民経済に害毒をまき散らすだけの付加価値税(消費税)の廃絶につながる可能性である。


※トランプ米国関連参照投稿

「トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html

「自由貿易」は「保護貿易」の変形:南北戦争は保護貿易派による政治闘争:戦後日本は保護主義のもと経済発展
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/494.html

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米企業、「国境税」巡り二分
小売り「消費者の負担増」 製造業「輸出促し雇用増」

 トランプ米政権下で進む「国境税」の導入を巡り、米国の企業が割れている。輸入が多い企業への税負担が重くなるとされ、ウォルマート・ストアーズなど小売業が反発。ゼネラル・エレクトリック(GE)など輸出型の製造業は恩恵を受けるため、導入を後押ししている。政権の狙い通りに雇用が増えるかは不透明で、米産業界には困惑も広がっている。


 争点になっているのは「法人税の国境調整」。いわゆる国境税だ。下院の共和党で議論が進む。原案では海外にモノを売って得た収益は課税を免除し、海外から仕入れた製品や部品は費用の控除を認めずに20%を課税する。輸出で稼ぐ企業ほど課税所得が減るため、輸出促進型の税制といわれている。

 これに異議を唱えるのがアジアやメキシコなど海外からの仕入れが多い流通大手だ。「(新税制は)有害で試行の経験もない。消費者の利益を損ねる」。ウォルマートや衣料品のギャップ、スポーツ用品のナイキなど200以上の小売り関連企業でつくる小売業リーダーズ協会(RILA)は1日、見直しを求める声明を出した。

 15日にはRILAに加盟する一部企業のトップらがホワイトハウスを訪問。小売り大手ターゲットのブライアン・コーネル最高経営責任者(CEO)らがトランプ大統領と会い「我々の業界だけでなく、まじめに働く米国の家族にとって望ましくないことになる」と陳情したという。

 高級皮革品コーチのビクター・ルイスCEOは「国境税があれば物価は上がる」と警鐘を鳴らす。物価の上昇は税率次第だが、全米小売業協会(NRF)は「1世帯あたり年1700ドル(約19万円)の負担増になる」と試算する。

 一方、輸出が多い製造業は国境税に賛同している。GEなど25社を超える企業はアメリカン・メード・コアリション(米国製連合)と名付けたロビー団体を通じて国境税の導入を支援し始めた。連合のジョン・ゲンツェル広報担当は「海外製品と競い合える公平な競争環境が必要」と指摘する。

 製造業の言い分はトランプ政権と同じ「雇用の創出」だ。国境税により170万人の新規雇用が生まれると主張。GEのジェフ・イメルトCEOは「我々は税ではウォルマートとは違った立ち位置だ」と米メディアに述べ、小売業と争う姿勢を明確にしている。

 米国を代表する企業の意見が真っ二つに分かれるなか、トランプ氏は輸出促進の方針を変えていない。

 17日に南部サウスカロライナ州にあるボーイングの工場を訪れた際には、集まった従業員らを前に「我々の目標は輸入依存を減らし、多くの米国製品を買うことだ」と発言。国境税の検討をにおわせた。

[日経新聞2月21日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/415.html

[国際18] 米企業、「国境税」巡り二分:この議論を好機とし、“悪魔の税制”=付加価値税(消費税)を世界レベルで廃止を! あっしら
1. あっしら[687] gqCCwYK1guc 2017年2月27日 03:43:54 : fGMsCkzxrU : 8jF@qMXZGso[2]

流通業、導入でリストラも

 国境税が導入された場合、本当に米国の雇用が増えるのかは見通せない。マイナスの影響を最も受けるとされるウォルマートの全米での雇用者は150万人超。民間で最大だ。技能に乏しい人の受け皿として流通業は大きな役割を占めている。税負担の増加でリストラに踏み切った場合の影響は大きい。

 製造業が雇用を増やす保証もない。GEはロボットやクラウドコンピューティングを活用した効率的なものづくりの導入を進めている。海外市場でも勝負ができる競争力を維持するにはコスト削減が不可欠。工場の自動化が進むなか、製造業を支援することが雇用増に直結するとは限らない。

 小売業、製造業にかかわらず、グローバル化を進める米企業は世界で分業を進め、輸出と輸入が複雑に絡み合っている。

 例えば、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」など米国で販売する製品のほとんどをアジアで生産するアップル。ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は国境税について「最終消費者に負担を強いるため、米経済にとってよいものだとはとても考えられない」と述べ、小売業に近い立場をとっている。同社はRILAのメンバーでもある。

 メキシコ製のピックアップトラックを米国に輸入しているゼネラル・モーターズ(GM)は米国製連合には名を連ねていない。同社はトランプ氏からメキシコ投資の批判を受けても「工場投資は長期計画で考えるもの」(メアリー・バーラCEO)として投資を継続する意向を示している。

 一枚岩とはいえない多様な米国で、どのように「米国第一」を実現するのか。トランプ氏は月内にも税制の具体案を示す考えだ。

 ニューヨーク=中西豊紀

[日経新聞2月21日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/415.html#c1

[国際18] 正男氏殺害、捜査に行き詰まり感 マレーシア:“金正男”別人説やベトナム人女性替え玉=二人存在説なども飛び交う魑魅魍魎の事

 昨日(土曜日)までの報道ぶりとは違い、日曜の「金正男殺害事件」報道は、これまで自明のように扱われたことについて不可解な点を取り上げたものが多かった。

 誰が撮ったか知らないが救護室の椅子に座っている死の直前の男性(“金正男”)の腹部には入れ墨がなく、入れ墨を消した痕跡もないという。
(マレーシア警察は遺体に入れ墨はないと語っている。“金正男”の背中にあるとされている虎の入れ墨もないようだ。ただし、あの“金正男”が金正日氏の長男という“保証”は端からない)

 また、自動チェックイン機のそばに立っている“金正男”に背後から飛び掛かって顔にVXを塗ったとされるベトナム人女性フオンさんも、逮捕後のものとされる写真について、KL国際空港ターミナル2エントランスでタクシーを待っている「LOL」シャツの女性(白塗りの化粧が目立つ)とは別人の可能性が高いという指摘もなされている。

(ベトナム人女性が昨年11月に韓国済州島を訪れていたことや、事件の前々日まで韓国人男性とフェイスブックでやり取りしていたことなども、事件絡みで真剣にはとりあげられていない)


 転載する記事は、主犯格とみられる北朝鮮籍の4容疑者は平壌に帰国したと書いているが、一人はインドネシアにとどまっているという話もあるし、残り3人もどういうルートで平壌に帰ったか明らかになっていない。
 ドバイからウラジオストクの直行便はないから、モスクワなどロシアの主要都市に飛び国内線に乗り換えた可能性が高い。
 とにかく、ビザが要らないトランジット(ウラジオストク)でない限り、ロシア入国管理当局は、彼らが入国し出国した事実を把握しているはずだが、そういった情報はまったく流れていない。

 また、“不誠実なメディア”(韓国KBSとテレビ朝日は確認)は、ジャカルタ国際空港で撮影されたとされる北朝鮮籍の3人の容疑者の映像をKL国際空港で撮られた映像であるかのように使っている。
(彼らの顔が鮮明に見えているので使いたいのはわかるが、撮影場所などに関する正しい説明は必要)

 などなど・・・、北朝鮮金正恩委員長殺害指示説がやりたい放題で飛び交っているが、それほどシンプルな事件ではない。


※関連参照投稿

「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

「金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた:「誰も犯行に気づかず旅客を迎え続けていた現場」:韓国機関が関与か」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/249.html

「“金正男”事件の虚実:「真犯人」らしい韓国情報機関の手玉にとられてはしゃぐ日本のメディア:NHKが流した奇妙な犯人映像」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/319.html

「“金正男”事件の虚実:子息ハンソル氏とのDNA照合では“金正男”と証明できず:殺された男は北朝鮮政府庇護下の重要人物」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/321.html

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正男氏殺害、捜査に行き詰まり感 マレーシア[日経新聞]
北朝鮮籍4容疑者の追及難しく
2017/2/27 0:09

 【クアラルンプール=吉田渉】北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件の捜査に行き詰まり感が出てきた。マレーシア警察は26日、主犯格とみられる北朝鮮籍の4容疑者がクアラルンプールに構えた拠点を特定。だが4容疑者は平壌に逃げ、追及は困難だ。関与を否定する北朝鮮の主張を崩し、捜査の協力へ圧力をかけるには遺体のDNA鑑定がカギになる。

 マレーシア警察は26日未明、北朝鮮籍の4容疑者がマンションの一室を借りていたと明らかにした。部屋から化学物質を押収、犯行準備の拠点の可能性があるとみる。

 正男氏はクアラルンプール国際空港で13日に2人組の女に襲われ、病院に搬送途中で死亡した。マレーシアのスブラマニアム保健相は26日、「空港の診療所で意識を失い、身体まひの末、15〜20分後に息を引き取った」と明らかにした。体内に多量の猛毒VXが入り、心臓と肺に害を及ぼしたという。

 警察はVXによる毒殺と断定し、北朝鮮籍の4容疑者が毒物を実行犯に渡したとみる。VXは国外から持ち込まれた可能性が高く、在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官が運搬に関与したとの疑惑も浮上した。

 事件関与の疑いで特定された8人の北朝鮮籍者のうち、逮捕に至ったのは後方支援役とされる1人だけ。主犯格とみられる4容疑者は平壌に逃亡し、書記官らは北朝鮮大使館に潜んでいるとされる。

北朝鮮籍の4容疑者が拠点としたとみられるマンション(26日、クアラルンプール)

 マレーシアは真相究明に不可欠となる4容疑者の引き渡しや書記官の聴取を求めているが、北朝鮮は拒み続けている。

 大使館内にかくまわれたとされる書記官は他国の警察などによる身体拘束を禁じる「外交特権」を持つ。マレーシア警察は「逮捕状の請求は可能」とする。書記官を追放にした上で逮捕する筋書きとみられるが、逮捕が可能かどうかは国際法の専門家の間でも意見が割れる。

 マレーシアは捜査進展へ2つのステップを描く。1つは親族のDNA鑑定による遺体の身元の最終確認だ。警察は一時、親族が25日までに来ると明らかにしていたが、その後「間違いだ」と否定している。

 国交断絶など「外交カード」を使い、国際社会とも協力して北朝鮮に圧力をかける手法も視野に入れる。だが北朝鮮が要求をのむ可能性は低く、国際的な孤立が暴発を招く恐れもある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM26H1M_W7A220C1PE8000/?dg=1&nf=1http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM26H1M_W7A220C1PE8000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/416.html

[政治・選挙・NHK221] 消費税反対派がトランプ米国の「国境税」構想に反応しない摩訶不思議

 トランプ大統領が打ち出した「国境調整税」構想は、世界のメディアや政治家からワケのわからない奇矯なトランプ氏が言い出したおかしな政策のように思われている。

 しかし、付加価値税(消費税)実施国への対抗策である「国境調整税」をめぐる議論は、付加価値税(消費税)が有する「関税機能」や「輸出企業支援機能(内需企業の利益を奪う詐欺行為)」をあぶり出す絶好の機会である。

 トランプ米国の「国境調整税」を国際的議論の遡上に載せることで、“悪魔の税制”=付加価値税(消費税)の内実を露わにし、付加価値税(消費税)を世界レベルで廃絶させるチャンスが生まれる。


※本文投稿先

「米企業、「国境税」巡り二分:この議論を好機とし、“悪魔の税制”=付加価値税(消費税)を世界レベルで廃止を!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/415.html

http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/517.html

[国際18] 金正男氏のVX中毒は、北朝鮮に化学兵器がある証拠にはならない:スプートニクの婉曲的な“韓国情報機関”犯行説

金正男氏のVX中毒は、北朝鮮に化学兵器がある証拠にはならない[スプートニク日本語]
オピニオン
2017年02月27日 23:22(アップデート 2017年02月28日 07:57)
ドミトリー ヴェルホトゥロフ

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の死因が、有毒化学物質VXによる中毒死だったことは、この謎めいた殺人事件にまったく新たな政治的意味を与えた。

今回の事件でVXが使用されたのを受け、これは北朝鮮が化学兵器を貯蔵していることを意味しているのだろうか?と議論されるようになった。いずれにせよAP通信は韓国軍の情報を引用し、北朝鮮が5000トンの化学兵器を保有していると報じた。

これを受け、2003年に化学兵器を製造、貯蔵しているとして非難されたイラクの例が思い出される。これはサダム・フセインの打倒で終わったイラクに対する軍事作戦を行うための根拠となった。だがイラクで化学兵器は見つからず、英国警察の活動を調査する独立分析センターThe Police Foundationの会長、ジョン・チルコット卿の独立調査は、英情報機関の報告書が改ざんされていたことを示した。

マレーシアの空港でVXが使用されたことを、北朝鮮に化学兵器があるという直接の証拠として使うことはできない。なぜならVXがヒトの皮膚に付着した場合の致死量はわずか100マイクログラム、あるいは体重1キログラム当たり0.0001グラムであり、金正男氏以外に殺害の実行犯も含めて犠牲者がいなかったという事実は、VXの量がわずかだったことを物語っている。なおマレーシアの専門家らは、物資の特定に時間がかかった。このような少量の化学物質は実験室で製造することが可能だ。

VXの合成方法は他の化学物質と同様、専門文献や公開特許から簡単に見つけることができる。化学に関する教育を受けていたり、実験室で働いた経験があれば、必要な機器、また1人を毒殺するのに十分な少量のVXの試薬を用いて実験室で実際に製造するのは可能だ。秘密の実験室の可能性については、「オウム真理教」が自ら製造し、東京の地下鉄でガス攻撃のために使用したサリンの事実が物語っている。したがって今回の事件で有毒化学物質が使用されたことを、北朝鮮による同物質の保有と結びつけるのは、少なくとも正しいことではない。

犯行現場ならびにVXを兵器として選んだことは、殺人を企てた者たちが金正男氏の動きを追跡し、彼らにとってより安全な場所で暗殺するためのリソースやエージェントを恐らく持っていなかったことを物語っている。空港は正男氏に近づける唯一のポイントだった。だが空港に武器を持ち込むのは事実上不可能だ。しかし毒物VXは、例えばアセトンで溶かして香水の瓶に入れ、少しの疑いなく空港に持ち込むことができる。この状況は、限られたリソースしか持たないが、例えば南北朝鮮の軍事紛争を挑発するなど、韓国の政策に影響を与えることを願う者によって今回の殺人が組織されたという考えを抱かせる。

もし「誰が利益を得るのか?」と考えた場合、この世間を騒がせている殺人からまず利益を得るのは、北朝鮮の敵だ。正男氏が北朝鮮の政策に与えていた影響はごくわずかだった。同氏が政権に対して批判的に語ったり、北朝鮮には経済改革が必要だと述べることも時折あったが、北朝鮮のリーダーになることを主張したことは明らかになく、北朝鮮に帰ろうともしなかった。中国のマカオに住んでいたプレイボーイでギャンブル好きな正男氏のライフスタイルを、北朝鮮のほとんどの人は知らなかった。

したがって正男氏の殺人に北朝鮮が関与したという説は許容可能ではあるが、唯一のものではない。これはナンセンスだとする北朝鮮のあらゆる声明は北朝鮮の評判を落としてはいるものの、同事件への北朝鮮の関与、さらには北朝鮮が化学兵器を貯蔵していると示唆する同事件を巡る騒ぎを支持することは、根拠がなく危険だ。これは深刻な対立を引き起こす恐れがある。北朝鮮が同事件に関与したことを確認、あるいは否定することができるのは、拘束者らの証言の裏付けされた事実だ。なお殺人を企てた者たちが、監視カメラに実行犯の顔が捉えられることを考え、彼らをただやみくもに使った可能性もある。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201702273381532/

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※関連参照投稿

「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

「金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた:「誰も犯行に気づかず旅客を迎え続けていた現場」:韓国機関が関与か」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/249.html

「“金正男”事件の虚実:「真犯人」らしい韓国情報機関の手玉にとられてはしゃぐ日本のメディア:NHKが流した奇妙な犯人映像」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/319.html

「“金正男”事件の虚実:子息ハンソル氏とのDNA照合では“金正男”と証明できず:殺された男は北朝鮮政府庇護下の重要人物」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/321.html

「正男氏殺害、捜査に行き詰まり感 マレーシア:“金正男”別人説やベトナム人女性替え玉=二人存在説なども飛び交う魑魅魍魎の事」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/416.html


※韓国国家機関絡みの内閣府職員変死事件関連投稿

「韓国入国後早々に死に、わざわざ遺体が日本に送り返された可能性が大である内閣府職員X氏漂着事件の謎を考える」
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/246.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 2 月 05 日 13:17:35: Mo7ApAlflbQ6s

「ゴムボート上で怪死した「内閣府エリート」は韓国スパイとして消された!?:X氏の遺体発見前にその死を語っていた韓国情報組織」
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/262.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/448.html

[国際18] 解剖トランプ流:一族ブランド、アジアに触手 現地経営者と接近し不動産事業 政治との境界曖昧

解剖トランプ流 一族ブランド、アジアに触手
現地経営者と接近し不動産事業 政治との境界曖昧

 【ジャカルタ=鈴木亘、ニューヨーク=平野麻理子】「トランプ」のブランドを冠したリゾート施設や集合住宅がアジアで続々と建設されつつある。トランプ米大統領がビジネスから身をひくと宣言した後も家族らの手で事業拡大が進む。政治とビジネスの境界線が曖昧になり、利益相反の問題もはらんでいる。


 トランプ氏の就任式前日の1月19日。「インドネシアのメディア王」と呼ばれるハリー・タヌスディビョ氏は、ジャカルタの自宅から約1万6千キロメートル離れたニューヨークの高級レストランで昼食をとっていた。同席していたのは、トランプ氏の息子、ドナルド・トランプ・ジュニア氏だ。

 トランプ氏は2015年、タヌスディビョ氏率いるMNCグループとバリ島やジャカルタ南方のリドで「トランプ」の名を冠した高級リゾートを開発することで合意済みだ。MNCはテレビ事業を柱とする複合企業。現地でゴルフ場開発などを手がけるMNC傘下の不動産会社がリゾート施設を建設し、トランプ氏側が運営する計画だ。

 会談内容は明らかになっていないが、ビジネスにとどまらなかった可能性もある。実はタヌスディビョ氏は自身が立ち上げた政党「ペリンド党」の党首も務めており、かねて政治的野心が強い。トランプ氏の大統領選勝利後は外国メディアに「19年のインドネシア大統領選への出馬を検討している」と話すなど、トランプ氏への接近は様々な臆測を呼んでいる。

 トランプ氏は約500の企業に役員などの肩書で関わる。中核企業「トランプ・オーガニゼーション」は非公開企業のため、ビジネスの全貌をつかむことは難しいが、中核事業はホテルやゴルフ場の開発など不動産だ。

資産100億ドル超?

 マンハッタンの目抜き通り5番街にそびえ立つ「トランプタワー」や、安倍晋三首相を招待した「冬のホワイトハウス」と呼ぶフロリダ州のゴルフコース付きのリゾートなどを所有・運営する。トランプ氏自身は保有資産総額を「100億ドル(約1兆1千億円)を超える」と主張する。

 一方、米メディアは資産規模を30億〜40億ドル程度と推計する。食い違う理由は、トランプ氏が高級マンションや香水、ステーキやミネラルウオーターまで、自身の名前で商品販売する権利を貸し出す「ブランドビジネス」の評価額に大きな差があるからだ。トランプ氏側は「30億ドル以上の価値がある」と主張するが、専門家らは10分の1程度の価値とみる。

 それでもトランプ氏のブランドビジネスは米国から遠く離れたアジアで着実に広がっている。

 フィリピンの首都マニラ。57階建ての高級コンドミニアム「トランプタワー」の建設が最終段階を迎えている。現地不動産会社センチュリー・プロパティーズ・グループが開発し、広さ60〜400平方メートルの部屋を250室以上抱える。

 同社のホセ・アントニオ会長兼最高経営責任者(CEO)の息子がトランプ氏の娘イバンカさんとニューヨークで知り合い、家族ぐるみで親交を深める中、12年にブランド使用契約を結んだという。27階まで建設が進んだ15年1月時点で94%が売れるなど売れ行きも上々。今春にも引き渡しが始まる見通しだ。

 問題は政治色の強い経営者の多いアジアで、政治とビジネスの境界線がますます曖昧になっている点だ。フィリピンのドゥテルテ大統領は昨年10月、アントニオ氏を「米国との経済関係を強化する特使」に任命。アントニオ氏と米国との個人的なパイプに比政府が期待を寄せる様子がうかがえる。

利益相反問題も

 利益相反の問題もくすぶる。中国では今月、トランプ・オーガニゼーションによる「TRUMP」の商標登録が認められた。トランプ氏は10年以上前の06年から商標登録を申請していたが、既に中国人が登録していたため認められなかった。

 それが一転、昨年9月に中国当局が中国人の商標登録を無効と判断。11月の大統領選で勝利したトランプ氏に登録を認めた。米国の弁護士などからは「中国がトランプ氏に影響を及ぼそうとしているのは明らか。米国にとってリスクが高い」との批判があがる。

 トランプ氏は大統領任期中に新規の海外案件を手がけない方針を表明。AP通信によると、既にインドなど数カ国で検討してきたプロジェクトを中止したという。ただ、既に契約済みの計画は継続される見通し。自身の会社がビジネスを行う国々と公平に外交を行えるのか。確証はない。

[日経新聞2月22日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/449.html

[国際18] 金正男氏が石井元自治相と会談計画 暗殺11日前に確約

2017.3.1 07:49更新
【金正男氏殺害】
金正男氏が石井元自治相と会談計画 暗殺11日前に確約[産経新聞]

 北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件をめぐり、同氏が3月1日に、マカオで石井一元自治相との会談を計画していたことが分かった。石井氏が28日、産経新聞の取材に明らかにした。

 石井氏は長年、日朝国交正常化の問題に取り組んでおり、正男氏が異母弟の金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党委員長とは別に、独自に両国関係の改善に動こうとしていた可能性がある。

 正男氏は面会が確定した日から11日後の2月13日にクアラルンプールで暗殺された。

 2011年に北朝鮮で正恩氏の体制が確立されて以降、正男氏は政治的な活動から距離を置いてきたが、他国の政治家と接触を図ろうとしていたことで、北朝鮮指導部の警戒心を刺激したとの見方もある。

 石井氏によると、正男氏との会談は韓国籍の実業家の仲介で2月2日に確定。マカオのすし店で3月1日午後6時から石井氏、実業家、正男氏の3人で会食することになっていた。

 石井氏は平成2年9月、金丸信元自民党副総裁が団長を務めた超党派の訪朝団に事務総長として同行。過去には平壌で複数回、正男氏の祖父に当たる故金日成(イルソン)主席とも面会している。

 石井氏は「正男氏は国際感覚もあり、故郷のことに思いをはせていたようだ。(仲介者を通じ)北朝鮮人民の幸福を真剣に考えているとも聞いていた」と言及。今回の暗殺劇を「衝撃的」と述べた上で、「日朝関係の今後について意見交換できる貴重な機会だったことを考えれば残念でならない」と述べた。


http://www.sankei.com/politics/news/170301/plt1703010005-n1.html

※関連参照投稿

「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

「金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた:「誰も犯行に気づかず旅客を迎え続けていた現場」:韓国機関が関与か」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/249.html

「“金正男”事件の虚実:「真犯人」らしい韓国情報機関の手玉にとられてはしゃぐ日本のメディア:NHKが流した奇妙な犯人映像」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/319.html

「“金正男”事件の虚実:子息ハンソル氏とのDNA照合では“金正男”と証明できず:殺された男は北朝鮮政府庇護下の重要人物」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/321.html

「正男氏殺害、捜査に行き詰まり感 マレーシア:“金正男”別人説やベトナム人女性替え玉=二人存在説なども飛び交う魑魅魍魎の事」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/416.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/462.html

[国際18] ロッテ、ゴルフ場のTHAAD用地提供を承認:昨年の摘発が奏功!?:内紛もあり中国ではボイコット勃発と四面楚歌

 ロッテは、オーナー一族の骨肉の経営権争いに一区切りがついた途端、韓国の検察から勤務実態のない高額報酬などで摘発を受けた。サムソン副会長とは違い次男の逮捕は免れたが、この摘発が、今回の星州ゴルフ場“提供”(土地交換)を呑む動機になったことはまちがいないだろう。

 しかし、THAAD用地を提供したため、事業展開の拡大を進めてきた中国ではロッテに対するボイコットの動きが始まっており、“不幸な”ことに、中国政府もそれを後押しする考えを表明している。


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ロッテ、ゴルフ場のTHAAD用地提供を承認
2017年02月28日09時12分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

韓米の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備が急流に乗ることになった。ロッテ商事は27日に理事会を開き、自社が所有する慶尚北道星州(キョンサンブクド・ソンジュ)のロッテスカイヒルゴルフ場(星州ゴルフ場)の用地を京畿道南楊州(キョンギド・ナムヤンジュ)の軍用地と交換する案件を承認したと国防部が明らかにした。星州ゴルフ場は国防部がTHAAD配備用地に選定したところだ。

ロッテ理事会での承認結果を国防部が発表した理由は、中国から圧力を受けているロッテに配慮するためだ。国防部とロッテがTHAAD用地の交換に合意した昨年11月以降、これを取り消せという中国の世論が強まった。このため敷地交換契約は当初1月に締結される予定だったが、ロッテが躊躇してずれ込んでいた。ロッテグループ関係者は「THAAD配備用地のためにロッテが中国事業で大きな損失を受けたのは事実」としながらも、「大乗的に決断を下した」と話した。ロッテ商事は28日に国防部との敷地交換契約に署名する予定だ。

契約後に国防部は在韓米軍地位協定(SOFA)供与手続きに基づいて米国側に敷地を引き渡す。この過程で設計と施設工事、環境影響評価などの手続きが進められる。星州ゴルフ場は電気と水道、進入路などの基盤施設がすべて備わっており、新たに作らなければならない施設は多くないものと韓国軍は判断している。

国防部のムン・サンギュン報道官は定例会見で「年内のTHAAD配備を目標に推進するという立場に変わることはない」と話した。しかし早ければ6月、遅くとも8〜9月までにTHAAD配備を終えようとしていた当初のスケジュールよりさらに繰り上げるというのが韓米両国の方針だ。

中国は反発した。中国外交部の耿爽報道官はこの日「韓米は今後結果に責任を負わなければならない。両国がTHAAD配備を推進するのは中国を含めた域内関係国の利益を毀損する。韓半島(朝鮮半島)の平和と安全守護にも役立たない」と話した。

http://japanese.joins.com/article/273/226273.html?servcode=200§code=200


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/463.html

[国際18] 露中 THAAD配備を行わぬよう米韓に再度呼びかけ:トランプ氏が利口なら軍拡を煽る韓国配備はしない(日本に配備はしても.

露中 THAAD配備を行わぬよう米韓に再度呼びかけ[スプートニク日本語]
2017年03月01日 16:35(アップデート 2017年03月01日 16:50)

ロシアと中国は合同で、米国および韓国に対し、韓国領内における米国のミサイル防衛システム(MD)「THAAD」配備プロセスを停止するよう再度呼びかけた。中国外交部(外務省)が明らかにした。

2月28日、中国外交部のクン・シュアンユ部長助理は北京でロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官と会談を実施している。

中国外交部が会談を総括して出した発表には「米韓が米国のミサイル防衛システムTHAADの配備プロセスを依然として進めていることに対し、双方とも再度深刻な憂慮と断固とした反対を表した」と述べられている。

文書によれば、ロシアと中国は朝鮮半島の現状の複雑さを指摘し、双方に対して冷静さを保ち、状況のエスカレートを招きかねない行動を慎むよう呼びかけている。

https://jp.sputniknews.com/politics/201703013386694/


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/464.html

[国際18] 北朝鮮容疑者、証拠不十分で釈放も=正男氏事件でマレーシア紙:車のナンバーが同じで容疑:後方支援&連絡役だったという話は?

北朝鮮容疑者、証拠不十分で釈放も=正男氏事件でマレーシア紙
時事通信 3/1(水) 20:57配信

 【クアラルンプール時事】北朝鮮の金正男氏殺害事件で、マレーシアの中国語紙・中国報(電子版)は1日、事件に関与した疑いでマレーシア警察に逮捕された北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者(46)が「証拠不十分で釈放される可能性が高い」と報じた。

 
 同紙によると、現場のクアラルンプール国際空港の監視カメラの映像では、事件発生時にリ容疑者の姿は確認されていない。また、実行犯とされる女2人がリ容疑者と面識がないと主張しているほか、リ容疑者と女2人の直接のつながりも見つからないなど、リ容疑者が事件に関与したことを裏付ける証拠はないという。 

最終更新:3/1(水) 22:59

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170301-00000150-jij-asia


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/473.html

[経世済民119] 鴻海・郭氏「東芝を助けられる」 半導体出資に意欲:東芝の半導体技術「国外流出は問題」 経団連会長が懸念

鴻海・郭氏「東芝を助けられる」 半導体出資に意欲
2017/3/1 20:32

 【広州=伊原健作】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長は1日、分社化が決まった東芝の半導体メモリー事業について「我々は東芝の経営を助け、資金をつぎ込むことができる」と出資に強い意欲を示した。出資について郭氏本人が公の場で発言するのは初めて。

 1日午後、広州市内で開いたパネル工場の起工式で記者団の質問に答えた。郭氏は「我々は製造サービス企業であり(半導体メモリーの)アンチ・トラスト(独占禁止法)が問題にならない」と指摘。入札に参加するとみられる米半導体大手などを意識し優位性をアピールした。さらに「(資金支援をして)中国に工場を建設するよう誘うこともできる」と話した。

 出資の狙いは人工知能(AI)などの発展で成長するデータセンター需要への対応だと明らかにした。鴻海はデータセンター向けのサーバーの生産も手がけている。

 東芝の主力、NAND型フラッシュメモリーは最新の記憶媒体ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)に使われる。SSDはデータセンター向けの需要拡大が確実視されており「SSDは省エネルギー性に優れ、未来の産業のカギを握っている」と力説した。

 郭氏は「我々は東芝を非常に長い間、研究しており、自信と誠意を持っている」とも話した。「東芝が日本にとどまれるよう助けられるし、世界での製品販売も支援できる」と強調。加えて「(買収した)シャープでは財務問題に取り組んだ。この経験を東芝でも生かせる」と話した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01HW5_R00C17A3TJC000/?dg=1

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東芝の半導体技術「国外流出は問題」 経団連会長が懸念

 経団連の榊原定征会長は20日の記者会見で、経営再建中の東芝が半導体事業を分社化し、株式の一部売却を検討していることに関して「技術や人が国外に流出するのは問題だ」と述べた。四半期報告書の提出期限の延期は「正直言って残念に思う」と語った。

 政府が検討を進める残業時間の上限制度は「(繁忙期でも)月100時間以内に抑えるのが大事だ」と強調。制度をめぐり隔たりが大きい連合と詰めの協議を急ぐ考えを示した。

[日経新聞2月21日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/618.html

[国際18] 仏大統領選まで2カ月 対ロ政策、争点に浮上:左派が候補を統一できれば、“極右”マリーヌさんが大統領になる可能性大

 仏大統領選のカギを握るのは、社会党アモン氏と急進左派メランション氏の一本化問題だ。一本化できなければ、両候補とも第一回投票で敗北することになる。

 逆説的で皮肉な話だが、左派が一本化に成功すると、マリーヌ・ルペンさんが大統領になる可能性が高くなる。

 アモン氏とメランション氏が一本化に成功すると決選投票に進出し、マリーヌ・ルペンさんと一騎打ちを演じることになり、結果、マリーヌさんが中道右派の票も取り込み勝利すると思うからである。

 左派が一本化できなければ、マクロン氏もしくはフィヨン氏とマリーヌさんの決選になるだろう。この構図になると、“なぜか”、左派が反国民戦線(極右)で結束しマリーヌさんとは別の候補に投票するため、マクロン氏かフィヨン氏が大統領に選出されることになるだろう。

 このような状況は左派にも見えているので、左派は一本化しないだろう。

 なんで今頃ともいえるフィヨン氏の配偶者未就労秘書報酬問題やマリーヌさんの同じく欧州議会不正秘書報酬問題の再燃などを考えると、ロスチャイルド銀行出身のマクロン氏を大統領にしたいというのが既得権益層(支配層)の本音のようだ。


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仏大統領選まで2カ月 対ロ政策、争点に浮上
マクロン氏、サイバー攻撃批判 ルペン氏、関係改善を訴え

 【パリ=竹内康雄】23日で第1回投票まで2カ月に迫るフランス大統領選で、対ロシア関係が争点の一つに浮上している。極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首と共和党(中道右派)のフィヨン元首相は対ロ関係の改善を訴える。一方、中道系の独立候補マクロン元経済産業デジタル相はロシア側による偽ニュース流布があったと主張。オランド大統領が公正な選挙に向け関係省庁に対応を指示するなど、すでに波乱含みの状況だ。

 「我々のサーバーはウクライナからのサイバー攻撃を繰り返し受けている」。第1回投票の世論調査で2位につけているマクロン氏は17日、仏ラジオ番組でいらだちをあらわにした。ロシアのハッカーはウクライナのシステムを経由して攻撃を仕掛けることがあるという。マクロン氏は支持者の個人情報や陣営の選挙戦略を盗み出す目的があったとの見方を示した。

 怒りはこれだけにとどまらない。マクロン陣営は「名誉を傷つけるプロパガンダを流している」としてロシア政府系メディアの「スプートニク」と「ロシア・トゥデー(RT)」を名指しで批判。仏メディアによると、スプートニクは「マクロン氏はゲイの富裕ロビーに支持されている」と暴露する仏議員のインタビューを流した。

 マクロン氏は必ずしも反ロシアではない。シリア問題を巡っては「ロシアと対話をすべきだ」としてオランド政権よりも穏健な姿勢を示す。経済閣僚時代には対ロ制裁を解除すべきだと明言したこともある。マクロン陣営幹部は「ロシアは我々を中傷し、ルペン氏やフィヨン氏に寄り添うつもりだ」と訴える。

 大統領選第1回投票の世論調査でトップを走り続けるルペン氏。党の運営資金もロシアの金融機関からまかなうほど関係が深い。1月にロシアのクリミア半島の編入を「住民投票を経ており違法ではない」と明言し、ロシアとの新たな戦略関係をつくりたいと語った。

 「ロシアへの制裁のような経済利益に反して欧州が取った措置はもはや受け入れられない」と公約に明記したフィヨン氏も親ロだ。フィヨン氏は2007〜12年に首相を務め、当時のプーチン首相(現大統領)と個人的関係を築いたとされる。フィヨン氏は混迷するシリア情勢をロシアと協力して解決すべきだと主張する。

 親ロシア政策への見直しは従来のフランスの方針を一変させ、中東政策のみならず、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)のあり方、対米関係に大きな変化を及ぼす。有力候補2人が親ロであることに欧州各国や金融市場には懸念が広がる。社会党(中道左派)のアモン前国民教育相はオランド政権をほぼ踏襲する。

 ロシアのサイバー攻撃を巡っては、米情報機関が16年11月の米大統領選でロシアが民主党のクリントン元国務長官の当選を阻もうと仕掛けたと分析。欧州でも16〜17年にイタリアやチェコ、ノルウェーのほか、EUの関連機関でもサイバー攻撃の形跡があるという。

 公正な選挙を揺るがしかねない事態にフランスでも懸念が強まっている。オランド大統領はサイバー攻撃の対応策を検討するよう指示、24日の関係閣僚会議で具体策を協議する。エロー外相は「ロシアはもちろん、いかなる国からの介入も受け入れない」と批判した。

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マクロン氏、勢い鈍る 第1回投票世論調査 2位争い激しく

 【パリ=竹内康雄】フランス大統領選は23日に候補者の受け付けが始まる。候補者は国会議員や市町村長からなる推薦人500人の署名を3月17日までに集める必要がある。実際の投票は第1回投票が4月23日で、過半数を得る候補がいない場合、上位2人が5月7日の決選投票に進む。

 調査会社Ifopが21日公表した世論調査によると、第1回投票では極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首が26%を得票する見込みで、トップを走り続けている。2位争いには変化が生じている。これまで中道系の独立候補マクロン元経済産業デジタル相が2位を保ってきたが、勢いを落とし、共和党(中道右派)のフィヨン元首相と19%で並んだ。

 マクロン氏は2月半ばに訪問したアルジェリアで同国の歴史に絡み「(フランスによる)植民地化は人道に対する罪」などと発言したことが、高齢者や保守系団体から反発を受けたようだ。社会党(中道左派)のアモン前国民教育相は14%、急進左派のメランション氏は11.5%と続く。両陣営は合流に向けた協議を進めているものの、調整は難航している。

 決選投票がルペン氏とマクロン氏の構図になった場合、マクロン氏が6割強を獲得して勝つ見込みだ。


[日経新聞2月23日朝刊P.7]



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/475.html

[政治・選挙・NHK221] 森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと

 世間知らずで無能な安倍夫妻らしい不様な騒動だが、やらしてもらっているとはいえ日本国の総理大臣が、「愛国主義は悪党の最後の隠れ家」という自戒もないまま、危ない学校法人理事長と懇意になっていったのは恥さらしの極みである。

(気分は同じものがあるのだろうが、リベラルな政策を実行するために、“愛国保守”勢力に媚びを売って邪魔されないようにするという策にはまりすぎると墓穴を掘る)

 日朝国交正常化や日露平和条約という“余人をもって代えがたい”使命を帯びている安倍氏は、前回の「政治資金団体相続脱税疑惑報道」で見せた遁走劇を再び見せるわけにはいかない(職を辞すこともできない)のだから、財務省・政治家・籠池氏サイドの三方から生け贄を出して早く決着を付けるしかない。

(鴻池氏が助け船を出してくれたのだから、それをうまく使うこと)

 昭恵夫人が私人か公人かといったつまらない議論もされているが、「内閣総理大臣夫人」という印籠を使った(使われた)ことだけでも立派な“公人”である。

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森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」
朝日新聞デジタル 3/2(木) 20:36配信

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題をめぐり、与党は2日、野党側が求める森友学園の籠池(かごいけ)泰典理事長らの参考人招致の実施について結論を先送りした。安倍晋三首相は政治家への関与について政府として内部調査を行う考えがないことを示した。

 自民、民進両党の参院国会対策委員長は国会内で会談。民進の榛葉賀津也参院国対委員長が籠池氏や当時の近畿財務局長らの参考人招致を要求したが、自民が態度を保留した。「(籠池氏は)何を言い出すか分からない。首相官邸が呼びたくないと言っている」(自民国対幹部)という。3日に再度協議する。

 2日の参院予算委員会では、共産党の小池晃書記局長が、自民の鴻池祥肇(こうのいけよしただ)元防災相の事務所が学園と国との交渉を仲介した問題を取り上げ、「政治家の関与について財務省、国土交通省、自民党を徹底調査すべきだ」と要求したが、首相は政治家による不当な介入はなかったと強調。「我が党の議員が関わっていたことになれば、本人に説明責任を果たさせる」「独立した(機関の)会計検査院がしっかりと審査をすべきだろう。政府としてできることはそれが最大限だ」と述べた。会計検査院は調査を始めた。(平林大輔)

朝日新聞社

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首相の妻・昭恵氏は私人?公人? スタッフに公務員5人

最終更新:3/2(木) 22:45

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170302-00000099-asahi-pol&pos=1



http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html

[政治・選挙・NHK221] 「象徴都知事制」を盾に、無知・無能を装い責任逃れの抗弁に励む一方で「豊洲早期開場」を訴え続ける醜悪な石原慎太郎氏

 百条委員会への召喚を前に本日午後3時から行われた石原元東京都知事記者会見の評価は「不様を晒しただけでやらないほうがまし」というものだが、収穫と言えるのは、現練馬区長前川燿男氏が東京ガスとの売買取引交渉の最終局面を担ったという発言だろう。

(前川練馬区長は、都市博開催で揺れた90年代に東京都臨海副都心開発部長を努め、石原都知事の下で02年に知事本局長になり、05年に退職した後なんと豊洲市場が建設された土地の所有者「東京ガス」に執行役員として就職した男)

 記者会見の石原氏は一言で言ってみっともないものだった。

 人間としてとか男としてとは言わないが、参議院議員初当選から45年も政治家を続けていながら、都知事としての責任の取り方もわかっていないことに愕然とした。

 石原氏は「豊洲に移転を決めた責任はある」と一応言ってはいるが、それは形式的な責任論でしかなく、意味ある抗弁の内容は、豊洲移転は知事に就任する前からの既定方針であり、各部局や側近を含む幹部職員が“総意”で決めたことは裁可するしかないのが行政だという「象徴都知事制」的ロジックを盾に、そういうポジションである都知事として「豊洲に移転を決めた責任はある」というものでしかない。

 何より、「瑕疵担保責任の放棄」を含む契約書に都知事印が押印されていながら、瑕疵担保責任がどういうことか知らない、契約書への押印を認めた際にも説明を受けていないと、無知・無能を装う(実際に無知無能かもしれないがそう判断するのは石原氏に失礼だろう)ことで、肝心な問題への責任から必死に逃れていた。

 石原氏自身も、今回の土地取引に関する最大の問題は、土地を周辺評価額と同等の単価で購入しながら「瑕疵担保責任の放棄」を行ったことだと認めている。

(この件がわかりやすい騒動が同時並行している。ゴミ処理費++で評価額9億5千万円とも言われる土地を実質200万円で売却した森友学園国有地売却事件と真逆の“利益提供”構図である)

 石原氏は、騙されて(説明を受けず)ハンコを押した(押すことを認めた)と言いながら、問題を認識している現在も、都知事であった自分にハンコを求めた人たちに確認し、経緯や疑念を明らかにしようともしていない。


 困ったことに、悪質なのは、無知・無能を強調する一方で、“最高権威”の学者の判断を持ち出しながら、小池都知事に「豊洲市場の早期開場」をしつこいくらいに迫っていたことだ。

 無知・無能を強調した石原氏に「豊洲市場の早期開場」を云々(デンデン)する資格はない。
 このまま豊洲市場を使っても、それが直接の原因で死んだり病気になったりするひとはほとんど出ないとする見解を否定はしない。
 しかし、少し考えればわかることだが、科学的に安全という説明を受けたとしても、豊洲の土地に自宅を建てて子どもを育てようと決断する親はごくわずかだろう。(格安ならそこそこいるかも)

 小池都知事が仮に豊洲市場開場を志向しているとしても、都民に向けその決定を発するためには“もっと時間”が必要と思っているだろう。
 きちんと責任をとろうとしない石原氏は、豊洲市場問題に口を出すべきではない。

 東京都議会の百条委員会には、石原氏・浜渦氏とともに、前川練馬区長と東京ガス社長を召喚すべきであろう。


※関連参照投稿


「橋下徹「築地問題がカラ騒ぎになる可能性をあえて指摘します!」:盛り土も不要で、地下水汚染も無問題という見解」
http://www.asyura2.com/16/senkyo213/msg/337.html

「豊洲「誠意もって回答」=4年ぶりツイッター投稿―石原元知事:石原氏と前川燿男練馬区長の喚問が必要」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/309.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/666.html

[国際18] 米国務長官、17日来日 対北朝鮮で緊急協議:日中韓歴訪は風雲急を告げる「中国の対韓国経済封鎖」策への対応か

 ティラーソン米国国務長官がバタバタと日中韓歴訪を決めたのは、ロッテの所有だったゴルフ場が政府に売却(交換)されTHAAD配備が具体化する(6月とも)なかで、それに反対する中国が、「対韓国経済封鎖」とも言える強硬な政策に動き出したことを受けてのものと推測される。

 中国は、THAAD配備を断念させようと、配備用の土地を提供したロッテに対するボイコットを官民一体で強化するとともにサムスン(ただでさえ中国でスマホの売上低迷)などにも恫喝をかけながら、韓国ツアーの募集停止やクルーズ船寄港禁止と幅広い「対韓経済封鎖」に動いている。(訪韓中国人減少に伴う消費減少額だけで、年間1兆円強と言われている)

 中国がTHAAD配備にどのレベルの危機感を持っているかはわからないが、THAAD配備が、朝鮮半島の安定に深刻な影響を与え北朝鮮に軍拡を強いることになると考え何としてもやめさせたいと思っていることは間違いない。
(「対韓国経済封鎖」策が北朝鮮外務次官との協議後に矢継ぎ早に打ち出されたことも、それを窺わせる)

 直前に北朝鮮外務省北米局長(女性)へのビザ発給がキャンセルになり中止となってしまったが、米朝非公式協議をスケジュール化した経緯もあり、ティラーソン国務長官の歴訪は、北朝鮮=朝鮮半島問題を少しでも解決に向かわせる契機となる可能性が大きい。
(オバマ政権時代だが、昨年、10月(クアラルンプ−ル)と11月(ジュネーブ)に連続して米朝非公式協議を既に行っている)

 記事に拠れば、ティラーソン国務長官は日本を最初に訪れるそうなので、安倍首相の政治テーマである拉致問題解決=「日朝国交正常化」について突っ込んだ協議が行われるだろう。

 日経新聞は相変わらず、「対北朝鮮で武力行使や体制転換を選択肢に含めた強硬路線を検討」とか、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に踏み切ろうとした場合は、軍事施設を先制攻撃する案などを想定」とか、「金正恩委員長を別の指導者にすげ替える体制転換の構想すら浮かぶ」など、狂気に近い煽りと妄想を書きなぐっているが、普通の判断力を有する者なら、ソウルでは間違いなく壊滅的被害が生じる軍事的選択肢はないことぐらい簡単にわかる。

 ティラーソン国務長官の歴訪をきっかけに、始まったばかりの「米韓合同軍事演習」が停止されれば、朝鮮半島問題は大きく改善に向かうだろう。

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米国務長官、17日来日 対北朝鮮で緊急協議[日経新聞]
2017/3/4 2:00

 【ワシントン=吉野直也】ティラーソン米国務長官は17日に日本を初めて訪れる意向を固めた。北朝鮮情勢を緊急に協議するためで、18日まで滞在し、安倍晋三首相や岸田文雄外相と会談する。日米首脳会談で合意したトランプ大統領の訪日時期も話し合う。トランプ氏の訪日は、11月にベトナムで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の前後の日程が浮上している。

 ティラーソン氏の今回の訪日は米閣僚としてはマティス国防長官に続くもので、4月にはペンス副大統領も日米経済対話の初会合で訪れる。米側は年内のトランプ氏の訪日に向けてティラーソン氏やペンス氏を送りながら地ならしをする。

 ティラーソン氏は2月10日にワシントンで岸田氏と会談した。ボンで開いた20カ国・地域(G20)外相会合の期間中の16日にも日米韓の枠組みで岸田氏と会った。これだけの短期に日米外相が3回も会談するのは異例だ。北朝鮮の核や弾道ミサイルを巡って何らかの兆候をつかんでいるとみられる。ティラーソン氏は日本を訪れた後に北朝鮮に影響力を持つ中国や韓国を訪問する予定だ。

 トランプ政権は北朝鮮の核放棄の取り組みを待つオバマ前政権の「戦略的忍耐」は失敗と判断。対北朝鮮で武力行使や体制転換を選択肢に含めた強硬路線を検討する。北朝鮮が米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に踏み切ろうとした場合は、軍事施設を先制攻撃する案などを想定する。金正恩(キム・ジョンウン)委員長を別の指導者にすげ替える体制転換の構想すら浮かぶ。

 ティラーソン氏は首相や岸田氏との会談で、北朝鮮に対する選択肢の検討状況を説明する。中国では習近平国家主席や王毅外相らと会談する。中国が北朝鮮からの石炭輸入を年末まで停止する決定をトランプ氏が評価していると伝える。

 中国が北朝鮮への圧力を強化すれば、早期の米中首脳会談の可能性が高まるとの考えも説明する。韓国では尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談し、情勢分析を共有する。

 トランプ氏の初訪日をめぐっては、アジアでの国際会議の機会を利用した日程が望ましいとの意見が米側にある。トランプ氏が出席するとみられるアジアの国際会議は、11月にベトナムで開催するAPEC首脳会議。その前後に日本に立ち寄る案が軸だ。米政府高官はトランプ氏の訪日について「年内の適切な時期を探っている」と語った。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC03H21_T00C17A3MM8000/?dg=1&nf=1



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/505.html

[自然災害21] 東北 沿岸沈んだ地盤隆起 東日本大震災6年 想定外 マントル影響か

東北 沿岸沈んだ地盤隆起 東日本大震災6年
想定外 マントル影響か

 東日本大震災からもうすぐ6年。東北地方の太平洋側の一部で、沈んだ地盤の隆起が続いている。従来の地震学では説明しきれず、地下の奥深くにあるマントルの関与が取り沙汰されている。マントルにかかっていた力が地震によって変わり、ゆっくりと地盤を押し上げているという。巨大地震後の地盤の変動は謎が多く、研究者らはその影響の解明を急いでいる。


 宮城県北東部の牡鹿半島の漁港で、岸壁がじわじわと上昇している。国土地理院によると、震災時に牡鹿半島は約1メートル沈んだ。海面より低くなって水浸しになった漁港を再生させようと、岸壁が新たに整備された。

 その後、隆起に転じ、上昇幅は40センチメートルを超えた。一部で岸壁が高くなり過ぎ、漁業関係者は「船の乗り降りや水揚げが大変だ」と嘆く。岸壁を低くする計画もある。

 震災前、東北地方が乗る陸のプレート(岩板)は沈み込む海のプレートに引きずられ、太平洋側の沿岸部は少しずつ沈んでいた。巨大地震のときに陸のプレートが跳ね上がって隆起するとみられていたが、逆に広い地域で大きく沈んだ。プレート境界部が大きく滑った影響で、プレートの表層部の地盤が変形したためと考えられている。

 隆起が始まった原因は当初、「余効すべり」の影響と考えられた。体に感じる地震を伴わない形でプレート境界がゆっくりとずれる現象だ。ただ隆起は収まらず、余効すべりだけでは説明できなくなってきた。

 研究者はプレートの下にあるマントルに注目する。マントルは岩石でできているが、水あめのようにゆっくりと流れる。陸のプレートの跳ね上がりに遅れる形で、徐々に滑った方向に動く「粘弾性緩和」が起きている。

 現在、牡鹿半島などの下にマントルが流れ込んでおり、その影響で地盤が隆起しているとみられる。東北大学の日野亮太教授は「予想よりも影響が現れるのが早かった」と話す。同教授らは海底観測とシミュレーション(模擬実験)を組み合わせ、粘弾性緩和が震災後の地盤の動きに深く関わっていることを明らかにした。「影響は長く続くだろう」と予測する。

 マントルの動きは今後の地震活動を予測するうえで重要な意味を持つ。プレート境界の固着が復活していれば、次の巨大地震に向けた準備が始まったと考えられる。だが「プレートの動きが粘弾性緩和の影響で隠れ、把握が難しい」と東京大学の加藤照之教授は話す。観測を続けて状況を明らかにする必要がある。

 東北地方の太平洋側では震災前、30〜40年おきにマグニチュード(M)7級の宮城県沖地震が起きてきた。大震災の影響でこの周期が変化するのかわかっていない。

 海洋研究開発機構の中田令子特任技術研究員がスーパーコンピューターで解析し、次の宮城県沖地震は通常の周期の半分以下で発生する可能性が高いとわかった。「あくまでシミュレーション」としつつ、プレート周辺の観測の充実を訴える。

[日経新聞2月27日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/15/jisin21/msg/780.html

[国際18] 米政権、北朝鮮対応で「すべての選択肢検討」=ヘイリー国連大使:肝心な条件を報じないロイターも「嘘ニュース」発信者

 転載するロイターの記事は、ヘイリー米国国連大使の言葉として、「すべての選択肢が検討対象になっている」という部分のみ引用しているが、これは、ある種の「嘘ニュース」である。

 ヘイリー米国国連大使は、「先制攻撃を除く」と条件を付与したあとに、「すべての選択肢が検討対象となっている。現在決定に向け動いており、われわれは適切に対処する」と説明を続けている。

 ヘイリー米国国連大使の発言は、米国トランプ政権が、北朝鮮から攻撃を受ければ当然反撃するとしても、自ら先制攻撃を仕掛けることはないという立場を明らかにしたことにニュースとしての大きな価値がある。

 昨今の朝鮮半島情勢に注目している人なら、「すべての選択肢」には軍事行動も含まれていると考えるのは自然であろう。そういう情況で、ロイターは、ヘイリー米国国連大使の発言の中で最も重要な部分である「先制攻撃を除く」という前置きを意図的に無視したのである。

 6日の北朝鮮ミサイル発射は、日米両政府のコメントや対応ぶりから、事前に知っていた(通報を受けていた)と推測できる(中国も当然通報を受けている)。

(稲田防衛大臣のコメントやNSCをすぐに開催せず参議院予算委員会で野党から促されるかたちで開催。米国も発射翌日にTHAAD発射台の車両を韓国に向け空輸など)

 いずれにしろ、朝鮮半島問題は、解決・改善に向けゆっくりであっても前進していくことは間違いない。


※関連参照投稿

「米国務長官、17日来日 対北朝鮮で緊急協議:日中韓歴訪は風雲急を告げる「中国の対韓国経済封鎖」策への対応か」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/505.html

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米政権、北朝鮮対応で「すべての選択肢検討」=ヘイリー国連大使
Reuters

[国連 8日 ロイター] - 米国のニッキー・ヘイリー国連大使は8日、北朝鮮への対応について「すべての選択肢が検討対象になっている」と述べた。また、中国が提案した合同軍事演習と北朝鮮によるミサイル発射・核実験の双方を停止するとの案を退けた。

北朝鮮は6日、同国西岸から弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射。発射は1日に始まった米韓合同軍事演習に反発する姿勢を示すものとみられている。

ヘイリー大使は北朝鮮の最高指導者、金正恩・朝鮮労働党委員長について「理性的な人間を相手にしているわけではない」と指摘。トランプ米政権は現在北朝鮮への対応を検討しているとし、「すべての選択肢が検討対象となっている。現在決定に向け動いており、われわれは適切に対処する」と述べた。

中国の提案については、米韓合同軍事演習は過去40年間にわたり毎年実施されており、実施について北朝鮮には常に通告していると指摘。先ず北朝鮮が何らかの前向きな姿勢を示す必要があるとの考えを示した。

http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e7%b1%b3%e6%94%bf%e6%a8%a9%e3%80%81%e5%8c%97%e6%9c%9d%e9%ae%ae%e5%af%be%e5%bf%9c%e3%81%a7%e3%80%8c%e3%81%99%e3%81%b9%e3%81%a6%e3%81%ae%e9%81%b8%e6%8a%9e%e8%82%a2%e6%a4%9c%e8%a8%8e%e3%80%8d%ef%bc%9d%e3%83%98%e3%82%a4%e3%83%aa%e3%83%bc%e5%9b%bd%e9%80%a3%e5%a4%a7%e4%bd%bf/ar-AAo1Zwn?ocid=spartandhp



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/544.html

[国際18] 朴大統領の罷免決定 裁判官8人全員が賛成=韓国憲法裁:14年から続く朴槿恵潰し=実質クーデタ、“金正男”事件もその一環か

朴大統領の罷免決定 裁判官8人全員が賛成=韓国憲法裁[聯合ニュース]
2017/03/10 11:24

【ソウル聯合ニュース】韓国憲法裁判所は10日、裁判官8人全員の賛成で朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免を認める決定を言い渡した。

 現職大統領の弾劾審判は2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏に続き2回目だが、現職の大統領が罷免されるのは韓国史上初めて。

 憲法裁の決定は宣告と同時に効力が発生し、職務停止状態の朴大統領は任期を全うできず、大統領職から退くことになった。

 大統領職は当分の間、黄教安(ファン・ギョアン)首相が権限代行を務め、次期大統領選は5月初旬に実施されることが確実視される。

kimchiboxs@yna.co.kr

http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2017/03/10/0900000000AJP20170310001900882.HTML


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/566.html

[国際18] [韓国大統領罷免]朴槿恵氏 年金など礼遇資格剥奪:不訴追特権も喪失し刑事捜査が本格化か

[韓国大統領罷免]朴槿恵氏 年金など礼遇資格剥奪[聯合ニュース]
2017/03/10 11:35

【ソウル聯合ニュース】韓国の憲法裁判所が10日、朴槿恵(パク・クネ)氏の罷免を決定したことを受け、朴氏は警護や警備を除き、大統領経験者としての待遇を受けられなくなる。

 大統領経験者に対する処遇を定めた法律によると、大統領が5年の任期を正常に終えて退任する場合、年金や記念事業、警護・警備、交通・通信、事務所、病院治療、秘書官3人・運転手1人などの支援を受ける。

 年金支給額は大統領在職時の報酬の95%。朴氏の今年の報酬を基準にした場合、月当たりの年金額は1200万ウォン(約120万円)となる。

 だが、在職中に弾劾訴追を受けて失職した場合は警護・警備を除く支援は行わないよう定められている。

 大統領警護法では現職大統領が任期満了前に退任する場合、警護期間を5年とし、必要な場合はさらに5年延長できるとしており、朴氏は最長で10年間、警護を受けられる。

 警護官は大統領経験者の夫妻を基準に計約25人が配置されるが、朴氏は未婚のため、20人以内になるとみられる。

 また、朴氏は現職大統領の刑事上の不訴追特権がなくなり、容疑者として検察の捜査を受ける見通しだ。

 今後5年間は公職に就けず、弾劾制度の趣旨から、赦免の対象にならないというのが一般的な見解だ。

 ただ、朴氏の代理人団は弾劾審判の弁論で国会の弾劾訴追手続きの違法性を指摘しており、弾劾審判の再審の手続きを取るかどうかも関心を集める。

 再審とは審判が確定し効力が発生した憲法裁の決定を取り消し、再度審理するよう求める不服申請。弾劾審判は刑事裁判や民事裁判のような三審制ではなく一審制のため、宣告と同時に決定が確定するが、「憲法裁の決定に影響を与える重大な事項を判断していない際」は再審が認められるというのが一般的な解釈だ。

 再審の理由があると判断される場合、当事者はその理由を認知してから30日以内、または決定から5年以内に請求しなければならない。

kimchiboxs@yna.co.kr

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/03/10/0200000000AJP20170310000800882.HTML


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/567.html

[政治・選挙・NHK222] 「日報」 陸自が電子データを一貫して保管 “消去”指示か:低次元での隠蔽・言い逃れ・証拠隠滅が跋扈

「日報」 陸自が電子データを一貫して保管 “消去”指示か[NHK]
3月15日 19時20分

南スーダンで大規模な武力衝突が起きた際のPKO部隊の「日報」について、防衛省は、陸上自衛隊が破棄し、その後、別の部署で見つかったと説明していますが、実際には陸上自衛隊が日報のデータを一貫して保管していたことが複数の防衛省幹部への取材でわかりました。さらに、これまでの説明と矛盾するとして一切公表されなかったうえ、先月になってデータを消去するよう、指示が出されたと幹部は証言しています。

南スーダンでPKO活動にあたる自衛隊の派遣部隊が日々の状況を記した「日報」について、防衛省は、現地で大規模な武力衝突が起きた去年7月の記録を情報公開請求されたのに対し、部隊の指揮にあたる陸上自衛隊の司令部がすでに破棄していたとして、去年12月、「日報は存在しない」と回答しました。

その後、再調査が行われ、防衛省は、陸海空の各自衛隊でつくる統合幕僚監部に保管されていたことがわかったと先月7日に発表しましたが、その一方で、陸上自衛隊には存在しないと説明しています。

ところが、実際には、陸上自衛隊が日報の電子データを一貫して保管していたことが複数の防衛省幹部への取材でわかりました。それによりますと、陸上自衛隊に電子データがあることがわかったのはことし1月中旬で、部隊を指揮する司令部の複数のコンピューターに保管されていました。このことは、陸上自衛隊の上層部に報告され、いったんは公表に向けた準備が進められたということです。この時の方針は、陸上自衛隊で日報のデータが見つかったことを認めた上で、隠す意図はなく今後公表するという内容だったということです。

しかし、その後、これまでの説明と矛盾するため外部には公表しないという判断になり、さらに、先月になってデータを消去するよう、指示が出されたと幹部は証言しています。

防衛省幹部の1人はNHKの取材に対し、「日報の電子データは陸上自衛隊の司令部もダウンロードし、保存していました。しかし、『いまさら出せない』となり、公表しないことになった経緯があります。いま現在、司令部のデータは消去されたと聞いています」と証言しています。

陸上自衛隊トップの岡部俊哉陸上幕僚長は、NHKの取材に対し、「日報の電子データが残っていたという話は聞いていない。司令部を探したうえでなかったという部下の報告を信じるしかない」と話しています。

防衛省は「今回の日報については、陸上自衛隊から『不存在』である旨の報告が行われている。いずれにしてもこの日報はすでに開示しており、適法に手続きが行われたものと考えている」としています。

「日報」問題とは

問題の発端となったのは、南スーダンでの陸上自衛隊のPKO活動に関する文書を去年10月、情報公開請求されたのに対し、防衛省が「文書はすでに破棄され存在しない」と通知したことでした。

防衛省によりますと、情報公開請求の対象は、南スーダンに派遣された陸上自衛隊の10次隊が日々の状況を記した「日報」で、期間は、現地で政府軍と反政府勢力による大規模な武力衝突が起きた去年7月7日から12日までの6日分でした。

これに対し防衛省が文書が保管されているか確認したのは、陸上自衛隊の派遣部隊と、その指揮にあたる中央即応集団司令部でした。その結果、防衛省は「派遣部隊は司令部に報告した時点で、司令部はそれに基づき資料を作成した時点でそれぞれ日報を破棄していて、すでに存在しない」として、去年12月、「非開示」と通知しました。

これについて、自民党の河野前行政改革担当大臣から疑問が示され、再調査が行われた結果、陸海空の各自衛隊でつくる統合幕僚監部に電子データで保管されているのがわかったとして、防衛省は先月7日、当初の説明を撤回して日報を公開しました。その一方で、防衛省は、陸上自衛隊の司令部には、再調査でも日報は確認されず、存在しないという説明を続けていました。

「日報」管理の仕組み

南スーダン派遣部隊の「日報」を管理する仕組みです。

日報は、南スーダンに派遣されている陸上自衛隊の部隊が、活動の記録や現地の治安情勢などを文書にまとめたもので、毎日、作成します。作成後、外部からは閲覧できない自衛隊専用のインターネットのサーバーに電子データで送信され、部隊の指揮にあたる陸上自衛隊の中央即応集団司令部がダウンロードして内容を確認します。そして、国づくりの支援状況や治安情勢の見通しなど評価・分析を加えた報告書を作って司令官に伝えるという仕組みになっていて、この作業は毎日行われます。

一方、このサーバーには、陸上自衛隊の司令部のほかにも関係する複数の部署が接続できるようになっています。今回の問題で、防衛省は、再調査の結果、陸海空の各自衛隊でつくる統合幕僚監部が日報をダウンロードして保存していたとして、公開しました。しかし、再調査の際に、陸上自衛隊でも電子データが見つかっていたことは一貫して伏せられてきました。

日報の内容と治安情勢

今回の日報には、自衛隊の宿営地がある南スーダンの首都・ジュバで、去年7月に起きた政府軍と反政府勢力による大規模な武力衝突について、「戦闘」が起きたとして具体的な状況が記されていました。

このうち、武力衝突が始まった去年7月7日の日報には、宿営地の近くで、発砲音がおよそ15分の間に30発以上確認されたことが記されています。その後の日報では、「政府軍の攻撃ヘリや戦車の動きを確認」とか、政府軍や反政府勢力以外にも「民間人約25人が死亡した模様」など、武力衝突の規模が拡大していく様子が記されています。また、武力衝突について、当初は、「抗争」と記されていましたが、3日目の7月9日からは「戦闘」という表現に変わっていて、急速な治安情勢の悪化に部隊が危機感を強めていたことがうかがえます。

この日報が情報公開請求されたのは去年10月で、当時、国会では、南スーダンに派遣される部隊に「駆け付け警護」など安全保障関連法に基づく新たな任務を付与するかどうかをめぐり、現地の治安情勢が焦点になっていました。その際、政府は「『戦闘』に定義はなく、一般的な意味で『衝突』という表現を使っている」と説明するとともに、国際的な武力紛争の一環と定義される「戦闘行為」は起きておらず、PKO参加5原則は維持されているという認識を示していました。

専門家「信頼が壊れた」

公文書の取り扱いに詳しい早稲田大学の春名幹男客員教授は「事実の隠蔽と言われてもやむをえない」としたうえで、防衛省はこの問題に関する情報を徹底して開示する責任があると指摘しています。

陸上自衛隊の司令部に日報の電子データが保管されていたことがわかったことについて、春名さんは、「防衛省はこれまで陸上自衛隊にデータはないと明言していた。この日報には戦闘の様子など重大なことが記されていて、それが政府の今後の方針にとって邪魔だという判断が働いて隠していたと勘ぐられても仕方ない」と指摘しています。

また、先月になって、データを消去するよう指示が出されていたという証言については、「事実の隠蔽と言われてもやむをえない。防衛省が機密情報を扱うことを国民はある意味で委託しているわけだが、その信頼が壊れたということになる」と指摘しています。そのうえで、「今回の日報をめぐる問題は派遣部隊が撤収すればそれで済むというものではない。国民の知る権利や、民主主義の根幹に関わる問題なので、防衛大臣はデータの破棄を指示した人を明らかにすることも含めて、徹底的な情報開示に努めてほしい」と話しています。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010912591000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001&nnw_opt=ranking-social_b



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/429.html

[国際18] 殺害されたジョンナム氏の身元 子どものDNAで確認:子どものDNAや指紋では金正日氏の長男正男氏とは確認できず

 マレーシア警察はクアラルンプール国際空港ターミナル2で殺害された北朝鮮外交官旅券保有男性がいわゆる「金正男」氏であることを確認したと報じられた。

 その確認方法として、「子どものDNA」と「指紋」が取り上げられているが、二つを使っても、殺害された男性が金正日氏の子ども=長男の金正男氏であるとの確認はできない。

 「子どものDNA」を使っても、殺害された男性とDNAを提供した子どもの親子関係を非常に高い確率で立証できるだけであり、殺害された男性が金正恩委員長の異母兄=金正日元総書記の長男と確認することはできない。

※参照投稿
「“金正男”事件の虚実:子息ハンソル氏とのDNA照合では“金正男”と証明できず:殺された男は北朝鮮政府庇護下の重要人物」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/321.html

 また、日本政府が提供されたとされる「指紋」と照合してわかるのは、01年に偽造パスポートで日本に入国しようとした男性がクアラルンプール国際空港で殺害されたということだけで、殺害された男性が金正恩委員長の異母兄=金正日元総書記の長男ということではない。
(日本政府は、偽造パスポートを行使した男性を金正日元総書記の長男と認定したわけではない。そう主張したのは韓国政府)

 「指紋」照合でわかったと言えるのは、クアラルンプール国際空港で殺害された男性が北朝鮮以外の国際社会で“金正日氏の長男金正男”と受け止められてきた人物であるということだけである。

 「子どものDNA」との照合でわかることは、DNAを提供した人物がクアラルンプール国際空港で殺害された男性の子どもで遺体を引き取る優先的権利があるということだけである。

 できない確認をできたかのように発表するマレーシア警察は、MH370便失踪事件で露呈したマレーシア国家機関の当事者能力欠如ぶりを再現したと言える。

 そして、そんなマレーシア警察の発表をあたかも“事実”であるかのように拡散するメディアにはあきれるほかない。

 念のため、問題にしているのは検証ロジックの不備であり、KL国際空港で殺害された男性は、三代にわたり北朝鮮の統治権を掌握する金ファミリーに属する最高レベルの人物で、“いわゆる金正男氏”に相当する存在とは考えている。

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殺害されたジョンナム氏の身元 子どものDNAで確認[NHK]
3月15日 20時00分

北朝鮮のキム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件で、マレーシアのザヒド副首相は、遺体の最終的な身元の確認に、ジョンナム氏の子どもから提供されたDNAのサンプルを使ったことを明らかにしました。マレーシア政府は、遺体は親族に優先的に引き渡すとしていて、DNAを提供した子どもに遺体を引き渡すことになるのか注目されます。

マレーシアのザヒド副首相は15日、記者会見で、先月13日にクアラルンプール国際空港で殺害されたキム・ジョンナム氏の最終的な身元の確認について「警察長官が発表したとおり、遺体はキム・ジョンナム氏のもので、身元は子どもから提供されたDNAで確認された」と述べました。
ただ、子どもの名前やどのように提供されたのかなど、詳しいことは明らかにしませんでした。

キム・ジョンナム氏には、2人目の夫人との間に、息子のキム・ハンソル氏と娘の2人の子どもがいるほか、1人目の夫人との間にも別の息子1人がいることがわかっています。

今月10日、マレーシアの警察は、殺害されたのがキム・ジョンナム氏だと最終的に確認したと発表しましたが、具体的な確認の方法については、証人の安全を守るためだとして明らかにしていませんでした。

遺体を巡っては、北朝鮮大使館が直ちに引き渡すよう求めているのに対して、マレーシア政府は親族に優先的に引き渡すとしていました。
今後、マレーシア政府がDNAを提供したキム・ジョンナム氏の子どもに遺体を引き渡すことになるのか注目されます。

一方、ザヒド副首相は記者会見の中で、13日から北朝鮮との間で、外務次官級の公式協議を始めていることを明らかにし、北朝鮮から出国できずにいるマレーシアの外交官やその家族9人について、話し合いを進めているものとみられます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010912371000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_012

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金正男氏遺体“日本側提供の指紋”で確認[NNN]
2017年3月15日 13:15

 北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、警察を所管するマレーシア内務省の副大臣がNNNの取材に応じ、日本政府から提供された指紋情報などが遺体の身元確認の重要な材料となったことを明らかにした。

 この事件は先月、マレーシアの空港で金正男氏が殺害されたもので、警察は先週、遺体を正男氏と確認したと発表した。確認方法については発表されていないが、警察を所管する内務省のジャズラン副大臣は、日本政府から提供された指紋情報などで遺体の身元を確認したと話した。

 マレーシア内務省・ジャズラン副大臣「遺体の身元特定のため、指紋情報などを提供してくれたことを日本政府に感謝しています。日本政府からすべての必要な情報を得ることができました」

 正男氏は2001年に日本で入国管理当局に拘束され、その際に採取された指紋情報がマレーシア政府に提供されたという。政府関係者は親族からDNAが得られておらず、試料が少ない中で、日本の指紋情報などが身元確認の決め手となったことを明かしている。

http://www.news24.jp/articles/2017/03/15/10356508.html


※関連参照投稿

「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

「金正男氏殺害 正男氏はカウンターで助け求めた:「誰も犯行に気づかず旅客を迎え続けていた現場」:韓国機関が関与か」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/249.html

「“金正男”事件の虚実:「真犯人」らしい韓国情報機関の手玉にとられてはしゃぐ日本のメディア:NHKが流した奇妙な犯人映像」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/319.html

「正男氏殺害、捜査に行き詰まり感 マレーシア:“金正男”別人説やベトナム人女性替え玉=二人存在説なども飛び交う魑魅魍魎の事」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/416.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/623.html

[経世済民120] 緩む財政 元大蔵幹部の悔恨録

緩む財政 元大蔵幹部の悔恨録

 赤字国債の大量発行が当たり前になってしまった日本の財政。敗戦直後のハイパーインフレの記憶は高度経済成長にかき消され、借金を膨らます失敗の歴史を繰り返してしまった。当時の大蔵省(現・財務省)幹部は何を考え、どう対応しようとしたのか。取材班は退官後に現役当時を振り返る内部資料「口述筆記」を情報公開請求で得た。大蔵幹部の「悔恨録」は未来への警句でもある。


退官後に現役当時を振り返る内部資料「口述筆記」


(飛田臨太郎、池田将)


渋沢敬三氏「考え方少し甘かった」 終戦後のハイパーインフレ

 (終戦後の極度のインフレは)いつ、いかなる形で、いかなる速度で出てくるか、はっきりとつかんでいなかった。むしろ多少楽になるんじゃないかという考え方を持っていたと白状せざるをえない。あの頃の考え方は少し甘かった。

 終戦時の日本の財政は最悪の状態だった。戦時国債の大半は金利を低く抑えるため日銀と大蔵省預金部が引き受けており、国の借金は国民所得比で250%を超えた。終戦とともに激しいインフレが襲い破綻状況に陥る。終戦後、蔵相を務めた渋沢敬三氏は警戒感が薄かったと自戒する。渋沢氏は預金封鎖、新円切り替え、財産税導入を打ち出すことになる。

 財産税をとって、日本の財政をきれいにし、政府補償はある程度、はっきりしたものだけ払って、一度すっきりした形にしてみたいということだけが私の考え方だった。あの時代はほかのことはあまり考えられない時代だった。

 財産税は不動産や現預金などを対象に国民に大規模課税する歴史上まれに見る大事件だった。預金封鎖と新円切り替えを先行させ、財産税の課税対象の資産を国が先に差し押さえたと言える。1000兆円の借金を抱える現代の財政状況は終戦前にも似る。当時の経験は、国の財政が行き詰まれば、結局、国民がツケを払わされるという現実を突きつけている。

しぶさわ・けいぞう(元蔵相)
在任期間 1945年10月〜46年5月
収録日  51年5月8日


谷村裕氏「試練というかテスト」 戦後初の赤字国債(1965年度)

 日本の財政としては一つの試練というか、テストを受けたんだと思う。その後、経済が立ち直った後で、国債を減らしていったところまでは良かったが、一般経費が膨らみ過ぎちゃった。今から思うと全く考えもしない姿になってきた。

 終戦後のデフォルトの教訓を踏まえ、1960年代前半まで日本は財政均衡主義を通した。だが東京五輪後の65年、いわゆる「昭和40年不況」で税収が落ち、一時的措置として戦後初の赤字国債発行に踏み切る。その後の数年、経済が立ち直り国債発行額は減っていったが、一度緩んだ財政規律は元にもどらない。65年を転機に歳出は増加の一途をたどり続ける。

 財政がいったん膨らんだら、なかなか圧縮できないことは今日の政治の現実的な姿であり、この現実がある限り、補整的な財政政策というような器用なまねはできないことも戒心してかかる必要がある。

 谷村裕氏は58年、自民党から赤字国債発行を迫られた際、こう予見していた反対派だった。だが、結局、65年に主計局長として赤字国債発行の中心的役割を果たすことになる。「一度限り」という政治・経済界の論調に谷村氏や財務省も押されていった。当時、財務省内で「麻薬」とも呼ばれた赤字国債。日本財政史の最初のテストの結果は、50余年を経た今日の財政の姿が物語っている。

たにむら・ひろし(元大蔵次官)
在任期間 1967年1月〜68年6月
収録日  80年10月6日


長岡実氏「それでだめならもう勘弁」 赤字国債の発行再開(75年度)

 いつまでもこんなことを繰り返していけば、ますます慢性病患者になる。この際、起死回生の策として財政も大変無理するけれど、それでだめならもう勘弁してもらえると総理や政治家にも分かってもらえると、思い詰めた時期だった。

 一度限りのはずだった赤字国債。だが石油危機などの景気低迷で1975年から発行を再開する。借金は当初の2兆円から5兆円、10兆円と膨らみ続けていった。79年から次官を務めた長岡実氏は当時の旧大蔵省の焦りを表現する。主計局長OBの福田赳夫首相が経済成長を取り戻すために打ち出したのは、さらなる借金増での大規模な財政出動だった。

 各省の方で要求に困って、大蔵省の方から「もっとつけてやるから持ってこい」と言ったのは、あながち、うそではない。そこまでして景気を押し上げたかったというのが当時の事情だった。

 「臨時異例の財政運営」と銘打った78年度予算は無理やり予算を増やした。公債依存度は実質37%に達する超大型予算となった。当時、主計局長だった長岡氏は幹部に向かってこう述べている。

 予算の破綻は来るところまで来た。クレージーな状態。これだけのことを財政がやれば、企業も個人もその気になって安定成長の軌道が回復されるだろう。いわば、最後の賭けに挑むということだ。

ながおか・みのる(元大蔵次官)
在任期間 1979年7月〜80年6月
収録日  83年12月1日


斎藤次郎氏「米国、常に頭痛い問題」 バブル崩壊で大減税(94年度〜)

 バブル不況の長期化で減税が当然のこととして語られる雰囲気だった。財政の悪化が進行するなかで、大規模減税だけを先行させて、将来の増税を何ら担保しないままで良いのかという思いは当時の私どもの共通の懸念だった。

 バブル景気で一時的に税収が増え、1991年度には赤字国債発行を回避した。だが、3年後に再び「麻薬」に手を染めることになる。93〜95年に次官を務めたのは「10年に一度の大物」と評された斎藤次郎氏。就任当初は「赤字国債を再び出さないことが眼目」と強調していたが、バブル不況対策として5兆円を超える所得税の大減税を余儀なくされる。

 クリントン大統領が登場し、対日要求が一段とエスカレートした。日本にとって対米協調はあらゆる意味で国是であり、日本の国益を考えつつ、どうやって米国の要請に応えるかがポイントだった。米国の政策スタンスは私どもにとって常に頭の痛い問題だった。

 93年に誕生したクリントン政権は巨額の貿易赤字を抱えていた。米国製品をより多く買うよう求め、さらに日本国内の消費喚起のため大減税まで要求した。内外の圧力によって実施された所得税の大減税は、その後の日本の税収の調達力を著しく弱めた。危機感を強めた斎藤氏は消費税率7%相当の「国民福祉税構想」を進めるが頓挫する。

さいとう・じろう(元大蔵次官)
在任期間 1993年6月〜95年5月
収録日  2004年11月10日

田波耕治氏「ここまでやらないと…」尾原栄夫氏「悪夢のごとくよみがえる」 アジア通貨危機 不良債権深刻化(97年度)


田波耕治氏

 1996年に誕生した橋本龍太郎政権は財政再建を掲げた。97年に消費税を5%に、さらに6年間で新規赤字国債をゼロにする健全化計画を掲げた。好転するかに見えた日本の財政再建。だが、再び“危機”が襲う。

 本当の危機だったかどうなのか、あるいはここまでやらないと立ち直れなかったのかは正直言って良く分からない。


尾原栄夫氏

 98年に次官に就任した田波耕治氏はこう振り返る。アジア通貨危機、山一証券の経営破綻――。バブル経済とその崩壊により不良債権問題が深刻になった。98年から3年間で10兆円超の経済対策が4度打ち出された。金融危機を防げなかった大蔵省にもはや発言力はなかった。借金は98年から3年間で100兆円増え、その後、数年ごとに100兆円規模で増え続ける構図が固まった。

 (バブルの)後始末の最後は公的資金を含めて財政が全部受け持った。もはやバブル後ではないと言われているが、財政面での負担はこれから国民が背負う以外にない。それが終わらないとバブル崩壊の後始末は完全に終わらない。

 田波次官当時の主税局長、尾原栄夫氏は述懐する。バブル崩壊・金融危機への責任と財政再建とのはざまで苦しむ財政当局者の思いがにじむ。

 いつもどうすればよかったのかというのは、悪夢のごとくよみがえる時がある。

おはら・しげお(元主税局長)
在任期間 1998年1月〜2001年7月
収録日  06年9月22日

たなみ・こうじ(元大蔵次官)
在任期間 1998年1月〜99年7月
収録日  2008年2月14日


[日経新聞3月10日朝刊P.9]



http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/225.html

[国際18] RCEP、中国主導にあらず TPPと共存も可能:「政治的神話」が事実のように流布する世界

[NARから]RCEP、中国主導にあらず TPPと共存も可能
マリ・パンゲストゥ氏 デビッド・ネラー氏寄稿

 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、世界貿易の現状を説明する「米国対中国」という文脈でとらえられてきたようだ。だが、これを米国が進めた環太平洋経済連携協定(TPP)への中国主導の対抗手段と位置づけるのは誤りだ。

 米外交問題評議会のジョシュア・カーランツィック上席研究員は最近、「米大統領選でトランプ氏が勝利した数日後、TPPを推進していたオーストラリアやマレーシアなどの首脳は方針を転換し、中国政府がかねて進めてきたRCEPの支持に回った」と述べた。

 この見解はことごとく間違っている。オーストラリアとマレーシアは方針を転換していない。RCEPは中国主導でもない。東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国だったインドネシアが2011年に提唱した枠組みだ。米国や関心を示す国を排除していない。

 RCEPの交渉参加国はASEAN10カ国と、その自由貿易協定(FTA)パートナーの6カ国(豪州、ニュージーランド、中国、インド、韓国、日本)だ。目的の一つはASEANの求心力を回復するためだった。

 つまりRCEPは中国主導でもなく、TPPのライバルでもない。TPPとRCEPは異なるモデルであり、共存も可能だ。TPPは一定の課題での合意が必要な単線的な取り組みだが、RCEPは全ての国に開かれ、貿易・投資問題の継続的な議論の枠組みだ。

 アジアは欧米を悩ませている反グローバル志向には陥っていない。アジアが直面する課題はむしろ公平で全ての人に開放された発展の実現だ。

 RCEPは参加国の発展段階や経済システムに差があり、包括的で一過性のTPPよりも進化的なアプローチをとっている。さらに野心的な目標を達成するには、創造的で柔軟な方法を見つける必要がある。目標は年内の交渉妥結だ。アジアは今こそ立ち上がり、主導権を握るべきだ。

(Mari Pangestu インドネシア大学国際経済学教授、元インドネシア貿易相)

(David Nellor ジャカルタに拠点を置くコンサルタント、元国際通貨基金上級顧問)

 英文は「Nikkei Asian Review」のサイト(http://asia.nikkei.com/)に掲載しています。

[日経新聞3月10日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/624.html

[国際18] 米離脱後初のTPP閣僚会合始まる 将来像を議論

米離脱後初のTPP閣僚会合始まる 将来像を議論[NHK]
3月15日 23時14分

アメリカのトランプ大統領が離脱を表明したTPP=環太平洋パートナーシップ協定の参加国から閣僚が集まり、多国間の貿易協定の将来像を話し合う会合が南米のチリで始まりました。

TPP協定は日本やアメリカなど12か国が署名しましたが、アメリカのトランプ大統領が協定から離脱する大統領令に署名し、発効のめどがたたなくなっています。

それ以降、初めてとなるTPP参加国の閣僚会合がチリ中部の都市で日本時間の15日夜、始まりました。

会合はまず、アメリカを除く11か国で行われ、開催を呼びかけたチリのムニョス外相が「参加国がまた集まることができてうれしい」と述べて、活発な議論に期待を示しました。

参加国の中にはアメリカ抜きでも協定を発効させるべきと考える国もありますが、会合では多国間の貿易協定の重要性を訴える意見が多く出されたということです。

このあと、アメリカや中国それに韓国も加わってアジア太平洋地域の経済連携について話し合われていて、どのような議論が交されるか、注目されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010912851000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_001



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/625.html

[経世済民120] 米FRB 去年12月に続き利上げ 米経済は緩やかに拡大:0.25%

米FRB 去年12月に続き利上げ 米経済は緩やかに拡大[NHK]
3月16日 3時04分

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、15日まで開いた金融政策を決める会合で、アメリカ経済は緩やかに拡大しているとして去年12月に続いて利上げに踏み切ることを決めました。

FRBは、15日までの2日間、ワシントンで、金融政策を決める公開市場委員会を開きました。
終了後、発表された声明によりますと、FRBはアメリカ経済は、緩やかな拡大が続いているとして賛成多数で利上げに踏み切ることを決めました。
具体的には0.5%〜0.75%の範囲となっている今の政策金利を0.25%引き上げ0.75%〜1%の範囲とします。

FRBは、おととし12月に、いわゆるリーマンショック以降続けてきた異例のゼロ金利政策を解除して利上げを始め、去年12月に追加の利上げを行いました。
今回の利上げはこれに続くもので、トランプ政権になってからは初めてです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170316/k10010913021000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_001


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/226.html

[経世済民120] トランプ大統領 自動車燃費規制を見直しへ:EVに対抗 エンジン磨く ガソリン車の燃費改善

トランプ大統領 自動車燃費規制を見直しへ[NHK]
3月15日 18時19分

アメリカのトランプ大統領は、地球温暖化対策としてオバマ前政権が決定した、自動車メーカーに大幅な燃費の改善を義務づける規制を見直す方針を決め、自動車産業の保護をアピールすると見られますが、温暖化対策を軽視していると批判が出ることも予想されます。

アメリカのオバマ前大統領は、退任直前のことし1月、自動車メーカーに対して、2022年から新車の平均燃費の改善をすすめ、2025年までに、平均燃費を1リットル当たりおよそ23キロに改善することを義務づける規制を決定し、地球温暖化対策に取り組む姿勢を強調しました。

これについてトランプ政権の高官は14日、記者団に対して、「自動車業界はこの規制について非常に懸念している。トランプ大統領は、自動車産業の雇用創出を重視している」と述べたうえで、この燃費規制を見直す方針を決めたことを明らかにしました。

トランプ大統領は、15日に自動車産業が盛んな中西部ミシガン州のデトロイト近郊を訪問し、自動車メーカーの経営者らと会合を開いたあと、この方針を発表することにしています。

トランプ政権は、燃費規制の見直しを打ち出すことで、自動車産業の保護や雇用の創出をアピールすると見られますが、温暖化対策を軽視していると、環境保護団体などから批判が出ることも予想されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010912001000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_011

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EVに対抗 エンジン磨く ガソリン車の燃費改善
マツダ、走行中一部休止で1割 日産、出力を自在に 最大3割

 自動車各社がガソリンエンジンの性能向上を競っている。マツダは2017年度末にピストンを一部止める機能などを導入し、燃費を1割改善する。日産自動車もピストンを無段階で制御して燃費と出力を自在に変える仕組みを採用する。電気自動車(EV)などの開発競争が過熱する一方で、世界市場の中心は当面ガソリンエンジンが占める。商品力を磨き、EVなどのエコカーに対抗する。

 マツダは走行中にエンジンの運動を一部止める「気筒休止」と、発進時にかかる負荷をモーターで補助する「マイルドハイブリッド」の2つの技術を既存のエンジンに追加導入する。いずれの技術もマツダが採用するのは初めて。燃費を従来比1割ほど改善できる。

 気筒休止は多目的スポーツ車(SUV)「CX―5」などの排気量の大きいエンジンで使う。高速道路など一定のスピードで走る時、エンジンの負荷が小さくなるとシステムが作動。4気筒のうち中央の2気筒の運動を止め、燃料消費量を減らす。エンジンに負荷がかかると再び動き出す。

 マイルドハイブリッドは多様な車種に搭載する。小型の電池とモーターを使い、発進でエンジンに負荷がかかるときに電気で動力を補助することで燃料消費を抑える。

 日産の新型エンジン「VCターボ」は高級車ブランド「インフィニティ」の新型車に18年に搭載する予定。将来は同社の主力エンジンに育てる方針だ。4気筒ターボエンジンとしては最高水準の出力とトルクを実現しつつ、現在の主力エンジンに比べ燃費を最大27%改善する。

 通常のエンジンはシリンダー内でガソリンと空気の混合気を圧縮する度合い(圧縮比)を10対1前後で固定している。日産のVCターボはシリンダー内を上下に動くピストンの行き止まりの点(上死点)の高さを無段階に変えられる機構を加え、圧縮比を8対1から14対1の範囲で自在に変えられるようにした。

 一般にエンジンは圧縮比を高めると燃焼効率が良くなるが、異常燃焼によって車体が振動するノッキングが起きやすくなる。VCターボは走行状況に応じて最適な圧縮比を自動で選択することで燃費と出力を両立する。

 トヨタ自動車は燃費を2割高めたエンジンなどのパワートレインを開発し、17年に市場投入する。21年には日米欧と中国で販売する製品の6割超に新たなパワートレインを搭載。外部への供給も視野に入れる。

 排気量2.5リットルのエンジンは燃焼効率の改善などにより、燃費向上と同時に出力も高めた。8速自動変速機も構成部品の摩擦を減らすことなどでエネルギーの伝達効率を高める。

 英調査会社のIHSオートモーティブによると28年時点の車の動力源はガソリンエンジンが48%、ディーゼルエンジンが12%を占める。エンジンを主導力とするマイルドハイブリッド車も合わせれば9割近くが化石燃料で走ることになる。

 自動車各社はEVや燃料電池自動車(FCV)の開発も進めているが、市場の大半を占めるガソリン車の改良を進めることで二酸化炭素(CO2)の抑制と競争力の向上につなげる。

[日経新聞3月10日朝刊P.17]


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/227.html

[政治・選挙・NHK222] 安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html
(この投稿で、早急に、財務省や政治家そして森友学園から生贄を出してことを収拾すべきと書いたが、まるで正反対の隠蔽・ゴマカシ・先延ばしに終始し泥沼に向かっている)

 国会や大阪で連日騒動が続いている「森友学園小学校認可&国有地破格値売却」問題だが、 籠池氏が、“天敵”の菅野完氏や思想信条的に相容れないはずの野党国会議員と面談を進めていることや「安倍首相の寄付」を暴露したことから、掌を返したというか梯子を外したというか自分たちと小学校を見限った身勝手な権力サイドに逆襲を開始したといえる。

 このような事態の推移は、財務省が、小学校が開設できない状況を受けて、問題の土地を売却価格1億3千4百万円で買い戻すと森友学園に通告したことで推測できた。

 なぜなら、土地の売却価格はあくまで9億5千6百万円であって、1億3千4百万円との差額8億2千2百万円は当該地の地中に埋もれているゴミの撤去廃棄処理に関わる費用のはずだからである。

 こう考えるとわかりやすい。
まずは土地を9億5千6百万円で売却し、地中に埋もれているゴミの撤去廃棄処理をのちに“実費”(いい加減な見積もりでは8億2千2百万円)で精算する流れでも、安倍首相や財務省(及び国交省)の説明に従えば同じはずだからである。

 そうでありながら、財務省は、買い戻しの価格を1億3千4百万円と通告したのである。

ここでこの問題に関する主要メディアの不思議な報道ぶりを一つ上げる。
それは、あの土地の売却価格を1億3千4百万円としていることである。
財務省を中心とした政府の説明を敷衍するなら、あの土地の売却価格は、政府が森友学園側に汚染土壌の処理撤去費用として支払っている1億3千2百万円も差し引いた“200万円”でなければならない。

(ゴミ処理費用を現金で渡そうが土地代金から差し引こうが話は同じである)

 主要メディアは、安倍政権に気を使っているのか、売却価格が超々破格値というかタダ同然の“200万円”であることに触れないようにしている。


 ゴミ処理代8億2千2百万円を差し引いたのは正当で問題ないとする安倍首相や財務省の説明に則れば、開校間際に迫っている現時点では、8億2千2百万円全額とは言わないが、それなりのごみ処理費用が発生しているはずである。
 建設途中の校舎は契約で買い戻しにあたって撤去し更地にすることになっているから別途費用が発生するのは当然としても、地中のゴミを処理した費用も最終的に森友学園が背負えというのはあまりに理不尽であろう。

(ゴミ処理にかけた実費をきちんと算定すれば、売却価格1億3千4百万円のでたらめさが明確になるが、買い戻し価格を決めるためにはその算定過程が不可欠)

それは、財務省(政府)が森友学園のゴミ処理で不動産価値が大きく上昇した土地を6分の一近くの破格の値段で手に入れることを意味する。

 そんなことはない正当な買い戻しというのなら、ごみ処理代8億2千2百万円を差し引いた売却価格1億3千4百万円そのものに問題がある。
 売却価格を非公表にした理由として“ゴミがあるとの風評被害”を避けるためと言っているが、健全な政府なら、児童が学び遊ぶ小学校の敷地の安全性がきちんと確保されているか見届けられるかたちにするものである。


 財務省がこのまま森友学園から更地になったあの土地を1億3千4百万円で買い戻そうとすれば、間違いなく訴訟に持ち込まれるだろう。
 森友学園は、あそこまでできた校舎の建築費+解体費(たぶん10数億円)を負担したうえに、政府から入ってくるお金は1億3千4百万円しかないからである。

安倍首相夫妻をはじめ“愛国保守著名人”らに支援を受けるかたちで設立を目指した小学校が不認可になり財務内容に余裕がないなかで土地を召し上げられる森友学園サイドの逆襲は尋常では終わらないだろう。


 思い込みが強い思想的政治的人間は、裏切られたと思うと、裏切った相手たちを執念深く追い詰めようとするものだ。


※追記

「金正男殺害事件」では韓国情報機関筋の見立てをほとんど“事実”のごとく報じてきたメディアが、安倍首相や財務省に関する籠池氏発信情報については、「ほんとうかどうかはわからないが...」としつこく前置きしている姿も笑える。


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

[政治・選挙・NHK222] 森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”

 何度か書いてきたが国際的に日本国総理大臣になることを求められているだけ(プラス岸―安倍政治商会の血筋)で、品性も知性もろくにない安倍晋三氏が長々と首相を続けてきたツケが露呈したともいえるのが「森友学園問題」である。

 第一次政権では、「週刊現代」が父親(晋太郎氏)から相続した政治資金管理団体に関する脱税疑惑を報じたことで憲政史上最も醜悪な遁走劇を見せた安倍氏が、またまたろくでもない問題にかかわっているのだから、内閣総理大臣どころか国会議員としての資質も能力もないと断定できるだろう。

 それでも、米国・中国・北朝鮮の要請で内閣総理大臣の職にある安倍氏が辞任したり不信任案を可決されることはないのが日本政治の悲劇である。

 籠池氏は、今日参議院予算委員会の視察メンバーに対し、「安倍首相からも寄付金をいただいた」と暴露した。
 事実かどうか定かではないが、これは、激怒した籠池氏が安倍首相に牙をむいたことを示唆しており、身の破滅(破産)と安倍首相の政治的終焉と刺し違える覚悟を示したものといえる。

 安倍首相自身の国会での説明から、安倍夫妻が、森友学園の「教育方針」にいたく感動し支援していたことは明らかである。

 安倍昭恵さんは、新設予定の森友学園小学校の「人寄せパンダ」となり、安倍首相は、寄付金集めの趣意書で“安倍晋三記念小学校”という名称を使われることで森友学園の「金集め招き猫」となっていたのである。

 時の総理大臣が夫婦そろって特定の一学校法人に“名義”を貸すまでして肩入れするという話は前代未聞である。

(安倍首相は、寄付金集めで安倍晋三の名前を使うことを認めていないと説明しているが、資金集めに自分の名前を勝手に使った森友学園を“詐欺罪”などで告発していない)

 それだけで十分、首相として不適格だが、その後始末が輪をかけてひどい。
 これまた、夫婦そろって、きちんと責任を取っていないからである。

(ツイッターで「僕の失態」と発信した橋下徹氏のほうがまだずっとまとも)


 森友学園の思想信条にほれ込み小学校開設も信じていたというのはごく微細な言い訳にはなる(児童をある“鋳型”に嵌めることを良しとするあんな小学校を称揚していたことこそ問題という考えもある)が、小学校は不認可になり寄付金も有効に使われない事態になっているのだから、“広告塔”を務めた安倍夫妻は、経緯をきちんと説明するとともに深く謝罪する責務がある。

 “安倍晋三記念小学校”という名称を使った効果かどうかは定かではないが、森友学園は、およそ4億円の寄付を集めている。たぶんだが、校舎の建設・解体などで破産するであろう森友学園は、集めた寄付金を返却することはないだろう。


 先行する投稿で安倍夫妻について、“世間知らずで無能”と書いたが、それらに、無責任で言い逃れに走る性質を加えたい。

 いわゆる愛国主義者というのは、奇妙というか異様である。
 歴史的に継承されてきた共同体(人々や土地)が好ましい姿で存続していくことに大きな価値があると考えるものだが、愛国主義者の愛国には反吐がでる。

 愛国主義者が愛する国は、統治者であり政治的支配層でしかない。天皇を敬い尊ぶのが愛国であり、中央政府の政策や行動をひたすら支持するのが愛国なのであり、歴史を通じて自国支配層の政策が正しかったと誇るのが愛国なのである。

 森友学園問題に引き付けて言えば、安倍首相は、国会で森友学園について、「しつけ等をしっかりしているところに共鳴した」と語り、「その時は妻から聞いた情熱的な教育をされるということ以上は情報が無かった」と説明している。

 今回の騒動で森友学園の教育方針は、“しつけ”といっても、教育者のいうことをオウム返しに繰り返すことであり、教育者の価値観に基づき児童や生徒の行動を制御することでしかない。

 仮に“保守的思想”をベースにした教育が重要と考えるにしても、教育勅語を唱和させることで有為な人材が育つはずもない。教育勅語を持ち出さなくても親孝行の意義は語れる。
 大事なことは、保守的価値観を含め、生きていくことで大切なことは何かを生徒自身が考えて判断できるための支援や補助である。

 笑えるのは、安倍首相の側近は、森友学園塚本幼稚園の副園長である籠池氏の妻が通りすがりの子供をしつけと称しどつき「暴行罪」で有罪になったことさえ伝えていないことである。
 安倍昭恵さんの森友学園での講演に政府職員が5人も同行するくらいなら、最低限でも講演依頼主の素性(前科など)を調べて教えるべきであろう。

(政府職員の同行は私的と言われているが、交通費はともかく5人の日当は誰がいくら支払ったか、そして、その所得はきちんと申告したのかなどの問題は残る)

 ある特定の言葉を発することやタガがはめられた行動をすることをもって「しつけ」と考える政治家などが教育政策を決めているとしたらおぞましい限りである。

 国会での所信表明演説に対する質疑の直前に醜悪な遁走劇を演じ、森友学園の「金集め招き猫」の役割を担っていながら謝罪もしない政治家と首相夫人という“公人”でありながら森友学園小学校の「人寄せパンダ」となってながら世間の注目をどうして浴びてしまうのかしらと公言した女性の二人こそが、最低限の「しつけ」が誰より必要な存在だと思う。

 安倍首相は、妻の行動について束縛はしたくないだろうが、最低でも、“私人”安倍昭恵と“公人”安倍昭恵で行動や扱いの切り分けをする責務がある。

※関連参照投稿

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

[政治・選挙・NHK222] 陸自最高幹部にも報告か=統幕の官僚、非公表指示―組織ぐるみで隠蔽可能性・防衛省:ここでも隠蔽・無責任・先延ばし

 敗戦時なら軍部が資料を廃棄してしまうことはあるが、平時の自衛隊がPKO部隊の日誌という貴重な資料を廃棄することはない。そんなことがわからないで文民統制のトップである防衛大臣はつとまらない。

 より言えば、文民統制でありながら、自衛隊のPKO活動資料がなぜ同時的に防衛省文官組織に渡っていないのか?

 PKOのあり方について自衛隊内部で対立があることは推測できるが、だからこそ、「戦闘」という用語がある日誌を隠蔽して凌ごうという考えはあまりに稚拙である。
(いつか問題は漏洩する)

 森友問題など、安倍首相に直接矢が飛んでこないよう盾として使っている稲田防衛大臣をやめさせられないのはわかるが、あれほどデタラメで無能な稲田さんを大臣の職にとどめているようでは国家機構の体をなさない。

 仮に、稲田防衛大臣が自衛隊幹部に騙されていたとしても、自衛隊幹部から“侮辱された”稲田さんは、みずからの手でことの真相をあきらかにし責任者を処断する姿勢を見せなければ恥と無能の上塗りになるだろう。


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陸自最高幹部にも報告か=統幕の官僚、非公表指示―組織ぐるみで隠蔽可能性・防衛省
時事通信 3/16(木) 22:40配信

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報問題で、陸自最高幹部が今年1月、存在しないとされた日報が保管されているとの報告を受けていたことが16日、政府関係者への取材で分かった。

 その後、日報は自衛隊を運用する統合幕僚監部に所属する防衛官僚が公表しないよう指示したという。組織的に隠蔽(いんぺい)されていた可能性もあり、防衛監察本部が関係者から事情聴取し、詳しく調べる。

 陸自トップの岡部俊哉陸上幕僚長は16日の記者会見で、「私自身も監察の対象で、コメントを差し控える」と述べ、事実関係についての説明を避けている。 

最終更新:3/16(木) 23:45

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170316-00000182-jij-soci


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/478.html

[政治・選挙・NHK222] 籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか

 籠池氏は、昨日午後視察に訪れた参議院議員たちに、「おととし9月、安倍総理大臣の妻の昭恵夫人に講演してもらった時に、昭恵夫人から寄付金100万円をいただいた」、そして、そのとき昭恵夫人から「主人からです」との説明があったと語ったそうである。

 籠池氏のこの発言を受け、自民党は籠池氏の証人喚問を受け入れることになった。
 証人喚問を受け入れる協議を終えた自民党竹下国会対策委員長は、「安倍首相が侮辱されては放っておけない」と証人喚問を受け入れるに至った思いを語った。

 驚いたのは、籠池氏証人喚問に同意したというニュースと同時に、安倍昭恵さんが籠池氏に100万円の寄付金を渡したかどうか“確認中”という菅官房長官の説明があったことだ。

 安倍首相が森友学園に寄付していないことは確認済みだそうだが、籠池氏の説明に拠れば、安倍首相が直接寄付していないのは確かで、問題は、安倍昭恵さんが100万円の寄付金を渡し「主人(安倍晋三氏)からです」と籠池氏に説明したという話が事実かどうかである。

 自民党は、なんと、寄付に関して安倍昭恵さんの確認をとらないまま籠池氏の証人喚問に同意したのである。

 竹下自民党国会対策委員長は「侮辱は放っておけない」とか「真実たたき出してくれる」と気色ばんでいるが、安倍首相の森友学園への寄付問題がテーマになれば、“真実をたたき出す”ために、安倍昭恵さんを証人喚問しなければならなくなる事態が起きることを理解しているのだろうか。

 自民党は、野党が求める籠池氏の参考人招致について、民間人をやたら国会に参考人として呼ぶべきではないと拒否してきた。
 民間人である籠池氏を証人喚問し事実関係が錯綜してしまったならば、事実を明らかにするため、籠池氏よりは“公人”に近い安倍昭恵さんの証人喚問に応じるほかない。


 竹下氏らにこの問題を政局にしたいという思惑があるなら別だが、安倍昭恵さんへの確認が終わっていないあの時点で籠池氏の証人喚問を受け入れた自民党は愚かというほかない。

 テレビでニュースを見ている人ならわかるはずだが、今日の籠池氏は、達観しているというか、妙に若々しくすがすがしい表情を見せていた。
このことから、籠池氏が並々ならぬ覚悟を秘めてことに臨んでいることが窺い知れる。


 竹下自民党国会対策委員長は、安倍家の寄付をめぐる籠池氏の発言をもって安倍氏に対する「侮辱」と憤っているが、安倍首相は、国会で森友学園について、「しつけ等をしっかりしているところに共鳴した」・「その時は妻から聞いた情熱的な教育をされるということ以上は情報が無かった」と説明しており、仮に、安倍昭恵さんがそのように評価している学校法人に家計から寄付を行ったとしても(そして主人を立てる意味で主人からと説明したとしても)、“自然”というか“口先だけではない誠実な人”と言える。


※関連参照投稿

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html

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森友学園 籠池理事長と首相の発言に食い違い[NHK]
3月16日 18時40分

大阪・豊中市の元の国有地をめぐる問題で、学校法人森友学園の籠池理事長は16日、「学園をつくる皆さんのご意思の中には、安倍内閣総理大臣からの寄付金が入っている」と発言しました。安倍総理大臣はこれまで国会で「籠池理事長と個人的な関係はない」と述べていて、互いの発言が食い違っています。

籠池氏は16日、参議院予算委員会の理事による大阪での関係先の視察に際して、与野党の理事と午後2時すぎ、小学校の建設予定地で面会しました。

この中で籠池氏は与野党の理事に対して、「われわれがこの学園を作りあげようとしたのは、皆さん方のご意志があってこそ。そのご意志の中には誠に恐縮ですが、安倍内閣総理大臣の寄付金が入っていることを伝達します」と発言しました。

視察団のメンバーによりますと、籠池氏は「おととし9月、安倍総理大臣の妻の昭恵夫人に講演してもらった時に、昭恵夫人から寄付金100万円をいただいた」などと話したということです。

このあと、野党4党の国会議員と自宅で面会した籠池氏は報道陣に対し、「すべては国会でお話することにします」とだけ述べ、詳細は明らかにしませんでした。

一方、安倍総理大臣は籠池氏について、先月17日の衆議院予算委員会で、「妻から森友学園の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いております」、「妻が知っており、いわば私の考え方に非常に共鳴している方で、『安倍晋三小学校』にしたいという話がございましたが、私はそこでお断りをしているんです」などと述べています。

その後は、先月24日の衆議院予算委員会で、「1対1でお目にかかった記憶はなく、講演をお断りする際に電話で申し上げた。学校法人が運営する幼稚園にもおうかがいしていない」と述べるなど、個人的な関係はなかったと繰り返し強調していました。

森友学園は一時、「安倍晋三記念小学校」の名称を使って、小学校開設のための寄付金集めを行っていましたが、これについても安倍総理大臣は「寄付を募る紙に『安倍晋三小学校』とあったのを見て驚がくした。寄付金集めに名前が使われたことは本当に遺憾で抗議し、先方から謝罪があった」と述べています。

一方、安倍総理大臣の妻の昭恵夫人は、平成26年12月とおととし9月の2回、森友学園の運営する幼稚園を訪れて講演を行っています。森友学園が開校を計画していた小学校の名誉校長を引き受けていましたが、この問題が発覚したあとの先月24日に辞任しました。

安倍総理大臣は国有地の払い下げで、国が大幅な値下げをしたことについては「私も妻も一切関わっていない。関わっていたら総理大臣も政治家も辞めると」と国会の場で繰り返し述べています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170316/k10010913931000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_008

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籠池理事長の証人喚問 自民・民進が合意 23日に[NHK]
3月16日 21時43分

自民党と民進党の国会対策委員長が16日夜、電話で会談し、大阪の学校法人「森友学園」の籠池理事長の証人喚問を、来週23日に、衆参両院の予算委員会で行うことで合意しました。

大阪の学校法人「森友学園」の籠池理事長は16日午後、学園が小学校の建設を進めていた現場の視察に訪れた参議院予算委員会のメンバーに、「この学園を作るにあたっては、安倍総理大臣の寄付金が入っていることを伝達する」と述べました。

これに対して、菅官房長官は記者会見で「安倍総理大臣に確認したところ、『自分では寄付はしていない。昭恵夫人や事務所など、第三者を通じても寄付をしていない』ということだった」と述べました。

自民党の竹下国会対策委員長と、公明党の大口国会対策委員長は国会内で会談し、籠池氏本人に国会でただし、事実関係を確認する必要があるとして、野党側の求めている籠池氏の国会への招致に応じることで一致しました。そのうえで、竹下氏は、民進党の山井国会対策委員長と電話で会談し、来週23日に、籠池氏の証人喚問を、衆参両院の予算委員会で行うことで合意しました。

具体的には、23日午前に参議院で、午後に衆議院でそれぞれ行うことで、17日の衆参両院の予算委員会で、それぞれ議決することになりました。

竹下氏「真実たたき出してくれる」

自民党の竹下国会対策委員長は記者団に対し、「参考人招致に応じなかった理由は、いくつかあったが、それを乗り越えて、籠池氏が、安倍総理大臣に関することまで話し始めたので、これは放っておけないというのが正直なところだ。議員がしっかり質問をして、真実をたたき出してくれると思っている」と述べました。

また、公明党の大口国会対策委員長は、「一方的に籠池氏が発言しており、こういう状態が続くと、国民から疑念を抱くことになる。証人喚問で虚偽のことを言えば、偽証罪になるので、しっかりと証言していただく」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170316/k10010914361000.html?utm_int=news_contents_news-main_001&nnw_opt=news-main_b



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

[国際18] 米国務長官 “北朝鮮の脅威増す これまでの政策は失敗”:蚊帳の外のティラーソン氏が初会見:対北外交解決志向表明

 エクソンモービルCEOから鳴り物入りで国務長官に転身したティラーソン氏だが、訪米した安倍首相との首脳会談(既に国務長官に就任)にも、訪米したイスラエルのネタニヤフ首相との首脳会談にも参加していない。
 さらに言えば、記者会見で質疑に応じるのも、今回の日米外相会談後が初めてである。

 加えて、トランプホワイトハウスは、国務省の予算を2/3に大きく削減しようと考えている。

 ティラーソン国務長官に対するトランプホワイトハウスのこのような仕打ちが、政策を詰める幹部スタッフが未だ定まっていないせいなのか、外交権限をホワイトハウスが掌握するためなのかは今のところはわからない。

(それゆえ今回の日韓中歴訪も、メッセンジャーボーイのレベルを超えないのかもしれない)

 強面のトランプ大統領のイメージもあってか、米国がミサイル実験に励む北朝鮮に「先制攻撃」を仕掛けるという“憶測”や“期待”も流布されているが、トランプ政権に対北先制攻撃を仕掛ける意図はなく、より積極的な外交で「朝鮮半島問題」を解決していくことになる。


※関連参照投稿

「米政権、北朝鮮対応で「すべての選択肢検討」=ヘイリー国連大使:肝心な条件を報じないロイターも「嘘ニュース」発信者」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/544.html

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米国務長官 “北朝鮮の脅威増す これまでの政策は失敗”[NHK]
3月16日 18時30分

岸田外務大臣は16日、アメリカのティラーソン国務長官と会談し、北朝鮮に対し、日米韓3か国で連携して、挑発行動の自制などを求めていくことを確認しました。また、岸田大臣が、トランプ政権が見直しを進めている北朝鮮政策をめぐり、すり合わせを行ったとしたのに対し、ティラーソン長官は、北朝鮮の脅威は増しており、これまでのアメリカの政策は失敗だったという考えを表明しました。

日米外相会談は16日午後、外務省の飯倉公館で1時間余り行われました。
岸田外務大臣とティラーソン国務長官は、北朝鮮が進めている核・ミサイル開発は断じて容認できないという認識を共有したうえで、日米両国や日米韓3か国で連携し、北朝鮮に対して挑発行動の自制や安保理決議などの順守を強く求めていくことを確認しました。また、北朝鮮問題の解決には北朝鮮との貿易の9割を占める中国の役割が重要だとして、日米で働きかけていくことで一致しました。そして、トランプ政権が見直しを進めている北朝鮮政策に関連して、ティラーソン長官は、「すべての選択肢はテーブルの上にある」と述べました。

このあと両外相は、共同記者会見に臨み、岸田大臣が、日本側の考えを説明し、政策のすり合わせを行ったことを明らかにしたのに対し、ティラーソン長官は、北朝鮮の脅威は増しているとしたうえで、「これまでの20年間のアメリカの政策は失敗で、核や弾道ミサイルの開発を許した。異なるアプローチが必要だ」と述べました。

また、両外相は、慰安婦問題をめぐる日韓合意についても意見を交わし、岸田大臣が「地域の厳しい安全保障環境を考えると、日韓、日米韓の協力の土台である日韓合意の実施は重要だ」と述べたのに対し、ティラーソン長官は、日韓合意への支持を表明し、日韓双方が解決に向けて努力することに期待を示しました。

さらに、東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国について、岸田大臣が、中国との関係改善に向けた日本の基本的立場を説明するとともに、沖縄県の尖閣諸島に対するアメリカの関与を評価する考えを伝えました。

両外相は、日米同盟の強化に向けた具体策を話し合うため、外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2+2を早期に開催するため、日程調整を加速することで一致したほか、沖縄の基地負担軽減に向けて、日米双方が協力するとともに、普天間基地の名護市辺野古への移設が唯一の解決策であることを改めて確認しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170316/k10010913731000.html?utm_int=news_contents_news-main_006&nnw_opt=news-main_b


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/638.html

[政治・選挙・NHK222] 原発避難訴訟、国の責任認める 「津波予見できた」:第一次安倍政権の責任重大

※関連記事

「安倍首相が原発事故前に「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否していた(リテラ)」
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/340.html

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原発避難訴訟、国の責任認める 「津波予見できた」 [日経新聞]
前橋地裁判決
2017/3/17 15:50

 福島第1原子力発電所事故後に福島県から群馬県に避難した住民ら137人が国と東京電力に1人あたり1100万円(総額約15億円)の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が17日、前橋地裁であった。原道子裁判長は請求の一部を認め、国と東電に賠償を命じた。「国は2002年には津波の到達を予見できた。国が事故を防げなかったのは違法」として国の責任を認めた。

 全国20の地裁・支部で避難者ら計約1万2千人が起こしている集団訴訟で最初の判決で、原発事故をめぐり国の賠償責任を認めたのは初めて。東電も津波を予見できたと認定した。

 原裁判長は判決理由で、02年7月に政府の長期評価が巨大地震で津波が原発敷地を大きく上回ると試算していた点などを挙げ、「遅くとも02年7月から数カ月後の時点で、国は非常用配電盤を浸水させる規模の津波の到来を予見できた」と指摘。国には東電に対策を命じる権限があり、「東電に対策を取らせれば事故を防ぐことが可能だった」と結論づけた。

 また東電について「常に安全側に立った対策を取る方針を堅持しなければならないのに、経済的合理性を優先させたと言われてもやむを得ない対応だった」と厳しく批判した。

 主な争点は▽東電や国が津波を予見し、対策を取ることができたか▽国の指針にもとづく東電から避難者への賠償額が妥当か――の2点だった。

 東電や国は「02年7月の長期評価は科学的知見として不十分で、事故は予見できなかった」として過失を否定。国は「そもそも、東電に津波対策を命じる権限がなかった」とも主張していた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H7Z_X10C17A3000000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/506.html

[政治・選挙・NHK222] 原発の安全へ責任重く 国・東電の「想定外」否定:F1超過酷事故を人災と考えない組織やひとが原発再稼働に向かう恐怖

※関連記事

「原発避難訴訟、国の責任認める 「津波予見できた」:第一次安倍政権の責任重大」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/506.html

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原発の安全へ責任重く 国・東電の「想定外」否定[日経新聞]
2017/3/18 1:02

 福島第1原子力発電所事故をめぐる訴訟で17日、国と東京電力の責任を認める初の司法判断が下された。「巨大津波は想定外だった」としてきた国と東電の見解を真っ向から否定し、対策の不備が招いた「人災」だと位置づける内容。ただ他の同種訴訟も同じ結論になるかは不透明だ。

 前橋地裁の判決が「責任あり」とした根拠の一つが、2002年に政府が地震学者の見解をまとめて公表した地震に関する長期評価だ。

 三陸沖北部から房総沖にかけてマグニチュード8クラスの地震が一定の確率で起きる可能性を指摘した。巨大津波を予測して、非常用電源の確保などの対策を取っていれば事故は防げた、という理屈だ。

 ただ訴訟で国と東電側はこの長期評価について「多くの学者から異論が唱えられ、科学的知見が不十分だった」と反論している。地震や津波を100%予測することはできない。確率がどの程度あるかや、予測の精度をどう評価するかは判断が分かれる。

 前橋地裁はこの長期評価のリスクを重くとらえ、予見可能性を裏付ける決め手とした。「経済的合理性を優先させた」と東電の姿勢も批判。ひとたび事故を起こした場合に甚大な被害となる原発について、常に「最悪の事態」に向け備える必要性を国や電力会社に迫ったといえる。

 ただ、認められた賠償額そのものは、これまで個別の訴訟の判決で認められてきた金額を大きく超えるものではない。原告側弁護団からは「過失を認めたにもかかわらず、金額が少ない」と不満の声があがった。

 東電は、国の審査会の指針に沿って賠償金を支払っている。避難指示区域内の住民は慰謝料として毎月10万円、区域外からの自主避難者は一律12万円で、原告は「指針の賠償額が不十分」と訴えた。今回の判決は一人ひとりの事情を踏まえて賠償額の上乗せを命じたが、請求額に対し認められたのは3%に満たない。

 同じように福島県から避難した人は全国におよび、群馬を含め18都道府県で28件の訴訟が起こされている。各地の訴訟も同じような争点で裁判が進み、今後次々と判決が言い渡される予定だ。

 前橋地裁の裁判官は福島県の原告宅を検証するなどし、国と東電に厳しい判断を予想する司法関係者もいた。あるベテラン裁判官は「国の予見可能性を認めた点は非常にインパクトが大きい」としたうえで、「各地の同種訴訟を判断するのはあくまで個別の裁判官。ほかの裁判を左右するわけではない」と冷静にみている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17HIK_X10C17A3EA2000/?dg=1&nf=1



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/526.html

[政治・選挙・NHK222] “ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか

 安倍首相は籠池夫人の了解があればやり取りしてきたメールを全文公開してもいいと答弁しているが、昭恵夫人は、「講演料をもらったかしら?」・「(なんとか小学校の認可を得られるようにして欲しいとの願いに)幸運を祈ります」(一昨日16日)といった「森友学園問題」の核心に触れるテーマで籠池氏夫人とメールのやり取りを続けてきた。

 首相夫人ではなくてもいわゆる“常識”があるひとなら、「名誉校長」なる役職で自身も大きく関わるなかで政治的大騒動になっている森友学園に対し、確認したいことや言いたいことがあったとしても、直接やり取りすることはないだろう。
 1ヶ月も続いている政治的大騒動の渦中に、昭恵さんが今なお森友学園の籠池夫人とメール交際をしているという“不可解な事実”をどう理解すればいいのだろうか。

 この異様で不可解な事実は、配偶者に最低限の言動ルールさえ理解させることができない人物(そのようなひとが国家の統治機構を制御することは不可能)が日本の内閣総理大臣に就いているという悲劇的現実も浮かび上がらせている。

 勘違いしないで欲しいが、(安倍)首相は、配偶者の言動を束縛しろと言いたいわけではない。生活のほとんどがそうだが、首相夫人として扱われる場や機会では立場をわきまえた言動をしなければならないというだけの話である。
 そのレベルの規制でもイヤと思うなら、離婚するか、肩書き(首相夫人)は当然のこととし外遊を含む公務にも参加(同行)せず極力“私人”性を貫かなければならない。

 首相の配偶者が、首相と異なる政策が望ましいと表明することはまったくかまわないし、(一般人の商売を阻害する面もあるので控えるべきとは思うが)居酒屋などの経営もダメとはいないし、大麻など違法物の解禁を主張するのもかまわないと考えている。

 これまでも、安倍夫妻は似たような価値観を持ち仮面夫婦ではないなどの投稿を何度か行ったが、これまでの昭恵さんの言動を踏まえながら「森友学園国有地売却・小学校設置認可」事件に関わった安倍昭恵さんを評すると、危な過ぎるほど“ほんまもんの天然”というほかない。

 小林よしのり氏は、「なんで、こんなに、わたしは注目を集めてしまってるんだろうって、すごく戸惑っているんですけど…」という安倍昭恵さんの言動を知り、「ありゃ何だ? カマトトか?」と評し、「首相夫人までがこんなじゃ、女は自己責任能力がない禁治産者と思う奴が出てきても、しょうがないな」と発信したが、昭恵さんは、よしのり氏の想像さえ超える価値観をお持ちのようである。

 まず、昭恵さんは、晋三氏と同じように、「支配層子弟特有のほんわか自然主義的愛国」とも言うべき価値観をお持ちのようである。
 そして、保守愛国主義者に限らず、国や社会に対する自分の理念や価値観を実現するためにひたすら頑張っているひとたちに共感し彼らを支援してあげたくなる気質を備えているようである。

 だから、深い意味や論理を問わないまま、“日本のため”(ないし人々や地域のため)と語りながら活動に打ち込むひとに惚れ込んでしまう。

(昭恵さんを“騙す”のはそれほど難しくないはず)

 昭恵夫人が惚れ込んだ相手の一つが森友学園であり、同じように惚れ込んだ相手が、昨年の参議院選挙で山本太郎参議院議員が応援した三宅洋平氏である。

 普通のリベラルな人には理解不能で奇妙奇天烈に思えるかもしれないが、昭恵さんにとって、森友学園夫妻も三宅洋平氏も、好ましい理想のために奮闘しているという意味で同じように尊敬に値する支援すべきすばらしい人たちなのである。

(昭恵さんは昨年8月、三宅洋平氏の仲介で、沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設反対運動の拠点を訪れている:この行為で三宅氏もブーイングの対象になった:説明を聴き映像を見て心揺さぶられ反基地闘争拠点を訪れるのも、森友“愛国”小学校の名誉校長になるのも、昭恵さんにとって違和感がないことなのである)

 一般的に言えば支離滅裂なのだろうが、「反原発・反基地建設・エコ・靖国神社崇敬・教育勅語称揚・“厳格な愛国主義”教育擁護」といった考え方が、昭恵さんの頭の中では好ましいものとして調和しすっきり収まるのである。
 たぶんだが、昭恵さんの許容範囲は広く、共産党員も含め情熱を傾けて国や社会のために頑張っているひとなら評価し支援したくなる気質を持っていると思われる。

(「ほんわか自然主義的愛国):日本はずっと良い国で統治者も立派だった。そういう日本のために自己を捧げて戦った人たちに崇敬の念(その気持ちを表す行為が靖国神社参拝):こんなに良い国日本に敵意をもった言動する人や国はイヤ:人々の健康や生命を脅かし国土を汚す原発には反対:経過的にやむを得ないが米軍(外国軍)が国内にいることは望ましくなく新しい基地の建設は反対:日本が古来より幅広い用途で有効に利用してきた麻を規制している現実はおかしいなどの考え)

 籠池氏が昭恵さんから受け取ったと主張している100万円の寄付だが、たぶん、ほんとうの話だと思う。

 籠池夫妻は、近い将来に小学校を設立できる“芽”を残したい、10数億円の負債で破産に陥ることはなんとしても避けたいと考えているが、安倍首相に対する気持ちの変化はわからないとしても、昭恵さんの対応ぶりから、昭恵さんに対しては“悪意”を抱いていないと推測できる。
 昭恵さんに対しては“悪意”を抱いていないのなら、昭恵さんの名前を使った“虚偽の寄付金話”を持ち出すことはないだろう。

 一方、昭恵さんは、問題が生じたあとで、「講演料をもらったかしら?」と籠池夫人に問い合わせたくらいの人であり、寄付金について渡したなら覚えているはずだが、「覚えていない」という言い方だから、寄付をしていないという明確な認識があるわけではないと思われる。

 森友学園に対する昭恵さんの寄付問題は、昭恵さんが“通帳”の出金記録を確認したうえで、晋三氏はあずかり知らぬところで、昭恵さんが単独意志で自分のポケットマネーから行った寄付と書面で説明し解決を図るのが良策だと思う。

 来週23日には籠池氏の証人喚問が行われる。
 安倍昭恵さんが通帳などを確認し明確に寄付していないと断言できるなら別だが、証人喚問の時点でなお寄付は行っていないとの立場で喚問を行うと、首相夫人安倍昭恵さんを証人喚問しなければならない状況に陥る可能性が出てくると思う。

 安倍政権打倒を悲願としている読者には不快な話だろうが、安倍昭恵さんが寄付というのではなくカンパのつもりで100万円提供したということで安倍首相と森友学園の関係を遮断し、「忖度して動きました」と表明させることで迫田国税庁長官(当時の財務省理財局長)などの首を差し出し、森友学園も“原状回復”(幼稚園経営学校法人として存続)させる処理をすることで裁判闘争に持ち込ませないようにし、この問題に終止符を打つべきである。

(安倍首相には政治的使命である「日朝国交正常化」をなんとしても果たして貰いたいので、それまでは職を続け、実現したら即座にやめていただくことにする。本人もそのつもりのはず。“安倍晋三記念小学校”の話は、森友学園の資金力であの小学校が開校できるよう「国有地」の価格が決定されたと推測している。ゴミ発見も含め、財務省幹部レベルのきちんとしたコーディネーターがバックにいたはず)

 安倍昭恵さんは、彼女に対して最低限の制御もできない安倍首相にとり、日常的に「疫病神」であり、切羽詰まったときの「救世主」であるのかもしれない。


※関連参照投稿

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

[政治・選挙・NHK222] 米トランプ政権の北朝鮮政策見直し 核攻撃で焦土化と威嚇:デタラメな見出しを付け世論を煽る低劣なNHK

 最初に引用する記事を読めば、北朝鮮が、「トランプ政権の北朝鮮政策見直し」を非難しているわけではなく、(米国が)「先制攻撃しようとする動きでも見せれば、核攻撃で焦土化する」とあるように、米側の先制攻撃を牽制しているだけであることはすぐわかる。

 北朝鮮が「アメリカが対決の歴史を振り返り教訓を求めようとすれば、外交的な交渉が可能かもしれない」と表明していることから、“まっとうな”「トランプ政権の北朝鮮政策見直し」を期待していることもわかる。

 残念なことに、一定数の読者は、見出しを読んだだけで記事全体の内容を推測する。

 「米トランプ政権の北朝鮮政策見直し 核攻撃で焦土化と威嚇」という見出しを読めば、対北朝鮮政策を見直し“あらゆる選択肢を排除しない”と表明しているトランプ政権の動きに対し、核攻撃で焦土化と威嚇しているように思い混んでしまったり、トランプ政権が現段階で先制攻撃も選択肢の一つとして持っているかのように考える読者もいるだろう。

 発信時刻にそれほど差がない二番目(発信は先行)に引用した記事を読めば、訪中したティラーソン国務長官が「この20年の取り組みは、北朝鮮による核やミサイル開発の脅威をそぐことにつながっていない。われわれは衝突を回避するためにあらゆることをやっていく」と説明しているように、“衝突を回避するためにあらゆることをやっていく”考えであることがわかる。

 トランプ政権は、UNで既に、北朝鮮が対韓対米の軍事行動を起こせば軍事的に対応するが、先制攻撃を行うつもりはないことを言明している。

 公共放送を名乗るNHKは、デタラメな見出しで世論を煽るのではなく、冷静で知的な判断を踏まえたまっとうな記事を報じる責務を負っている。

 既成主要メディアは当該記事を発信したNHKのようなレベルだから、トランプ大統領から、「フェイクニュース」発信メディアと罵られてしまうのである。

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米トランプ政権の北朝鮮政策見直し 核攻撃で焦土化と威嚇[NHK]
3月18日 23時15分

北朝鮮の国営メディアは、アメリカのトランプ政権が北朝鮮政策の見直しを進めていることに対し、「先制攻撃しようとする動きでも見せれば、核攻撃で焦土化する」と威嚇し、武力行使も排除しない姿勢を示すトランプ政権をけん制する狙いがあると見られます。

18日付けの朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、アメリカのトランプ政権が、武力行使を含めた北朝鮮政策の見直しを進めているとして、批判する論評を掲載しました。

論評は、「この20年でわれわれは東方の核強国、ミサイル強国にそびえ立った」としたうえで、韓国、日本、グアムにあるアメリカ軍基地と、アメリカ本土を核攻撃できる能力があると主張しました。そして、「先制攻撃しようとするささいな動きでも見せれば、われわれの核攻撃が、侵略と挑発の本拠地を焦土化する」と威嚇しました。

アメリカのティラーソン国務長官は17日、北朝鮮政策の見直しをめぐって「すべての選択肢はテーブルの上にある」と述べ武力行使も排除しない姿勢を示していて、北朝鮮としてはトランプ政権のこうした姿勢をけん制する狙いがあると見られます。

一方で、論評は「アメリカが対決の歴史を振り返り教訓を求めようとすれば、外交的な交渉が可能かもしれない」とも伝え、トランプ政権の今後の出方を慎重に見極めようとしている北朝鮮の姿勢がうかがえます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170318/k10010916871000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_005

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米国務長官が訪中 北朝鮮へより厳しい態度の必要性を強調[NHK]
3月18日 20時51分

アメリカのティラーソン国務長官は、就任後、初めて中国を訪問して王毅外相らと会談し、北朝鮮への対応について「この20年の取り組みは、核やミサイル開発の脅威をそぐことにつながっていない」と述べ、より厳しい態度でのぞむ必要性を強調しました。

アメリカのティラーソン国務長官は、日本、韓国に続いて、18日、中国の北京を訪れ、外交を統括する楊潔※チ国務委員や王毅外相と相次いで会談しました。

会談のあとティラーソン長官と王外相は共同会見し、ティラーソン長官は、朝鮮半島の情勢について「緊張が非常に高まっていて危険な状況にある」と述べ、強い危機感を示しました。そのうえで、「この20年の取り組みは、北朝鮮による核やミサイル開発の脅威をそぐことにつながっていない。われわれは衝突を回避するためにあらゆることをやっていく」と述べて、北朝鮮に、より厳しい態度でのぞむ必要性を強調しました。

これに対し王外相は、「朝鮮半島情勢は現在、再び分岐点に来ている。さらに状況が悪化していくのか、それとも対話で解決する道に戻るのか。われわれは、アメリカを含めた各国が、冷静に情勢を判断し、賢い選択をするよう望む」と述べました。

また、「最も重要なのはどのような状況であれ、平和的に、外交によって解決することだ」と述べ、ティラーソン長官が武力行使も排除しない姿勢を示していることを念頭に、あくまでも対話を通じた解決を目指すべきだという考えを強調しました。

※「チ」は、竹かんむりに褫のつくり。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170318/k10010916641000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_011


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/572.html

[政治・選挙・NHK222] 大幅ダウン 安倍内閣の支持率47.6%:日テレの数字、“普通の国家”なら首相辞任ないし内閣不信任案可決の案件

大幅ダウン 安倍内閣の支持率47.6%
日本テレビ系(NNN) 3/19(日) 20:05配信

 森友学園問題などの影響か、NNNがこの週末に行った世論調査で安倍内閣の支持率が大きくダウンした。

 NNNが17〜19日に行った世論調査で「安倍内閣を支持する」と答えた人は前月より7.3ポイント低い47.6%だった。一方、「支持しない」と答えた人は前月より6.9ポイント高い32.9%だった。

 森友学園が国有地を評価額よりも8億円以上安く購入したことをめぐる政府の説明について83.8%の人が「納得しない」と答えた。「納得する」と答えた人は3.9%だった。

 一方で、23日の籠池理事長の証人喚問で土地取引をめぐる事実がはっきりすると思うかという問いに対しては「思わない」が71.8%に達している。「はっきりすると思う」と答えた人は12.8%だった。

 稲田防衛相について、森友学園との関わりで国会答弁を訂正した事や南スーダンの自衛隊の日報問題のため「辞任する必要がある」との答えは57.3%に上った。「必要があると思わない」との答えた人は27.8%だった。


<NNN電話世論調査>
【調査日】3月17日〜19日
【全国有権者】1680人
【回答率】41.79%
 http://www.ntv.co.jp/yoron/

最終更新:3/20(月) 1:10

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170319-00000036-nnn-pol

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日テレの数字も下駄を履かせている可能性がある。
 日テレ幹部も、ちょっと衝撃的な世論調査結果を見せて、「森友問題」解決をいつまでも先延ばししている安倍政権に注意を喚起したかったのだろう。

※関連参照投稿

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/609.html

[政治・選挙・NHK222] 内閣支持率10ポイント減56%…読売世論調査:籠池氏の対応力より劣る安倍政権の無能ぶりに応援団読売Gも苛立ち?

内閣支持率10ポイント減56%…読売世論調査
読売新聞 3/19(日) 22:07配信

 読売新聞社は18〜19日、全国世論調査を実施した。

 安倍内閣の支持率は56%で、前回調査(2月17〜19日)の66%から10ポイント低下した。不支持率は33%(前回24%)に上昇した。無党派層に限ると、支持率は33%(同45%)まで下がった。

 全体の支持率の下げ幅(10ポイント)は、2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最も大きかった。内閣支持率が50%台となったのは、昨年12月2〜4日の59%以来で、昨年9月以降では最も低かった。

 学校法人「森友学園」(大阪市)に、国有地が評価額を8億円余り下回る価格で売却された問題で、ゴミの撤去費用分を差し引いたとする政府の説明に「納得できない」とした人は85%で、自民支持層でも81%を占めた。この問題で、自らや昭恵夫人の関与を否定している安倍首相の説明に「納得できない」は全体で64%に上った。

最終更新:3/19(日) 22:09


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170319-00050115-yom-pol


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/612.html

[国際18] 米、北朝鮮軍事攻撃に含み 拙速な行動は避けるべき

米、北朝鮮軍事攻撃に含み 拙速な行動は避けるべき

 【ワシントン=川合智之】北朝鮮の核・ミサイル開発の活発化を受け、トランプ米政権はティラーソン国務長官を日中韓に派遣し北朝鮮政策の見直しを進めている。「あらゆる選択肢を排除しない」と軍事行動にも含みを持たせるが、具体的な可能性はあるのか。米識者に聞いた。

 ロジャー・ベーカー氏(米ストラトフォー戦略分析担当副社長) 先日の北朝鮮のミサイル発射は明らかに日本を狙ったものだ。ミサイルの正確さや射程は向上している。北朝鮮の攻撃は在日米軍だけでなく、都市部も狙うだろう。化学・生物兵器にも注意しなければならない。

 北朝鮮への現実的な軍事作戦は、核施設、ミサイル施設、指導部が目標になる。韓国軍の特殊部隊が北朝鮮領内で指導部を攻撃。米軍はステルス戦闘機、爆撃機、巡航ミサイルを使って北朝鮮の核・ミサイルを狙う。日本は米軍装備品の備蓄・展開が主な役割だろう。

 金正恩(キム・ジョンウン)委員長と軍幹部を殺害・拘束すれば、政権と軍は崩壊するだろう。ただそれは非常に困難で危険な賭けだ。最悪のシナリオは、北朝鮮軍がゲリラ作戦に移行したり、全軍が特攻したりする恐れがあることだ。

 日米韓は北朝鮮に勝つ軍事力を持つ。ただ北朝鮮の復興や暴動発生のコストは大きい。現時点では拙速な軍事行動は避けるべきだ。中国は米韓が朝鮮半島で紛争を起こしたら、北朝鮮北部に介入すると示唆している。南部は中国から遠く、朝鮮戦争時のような支援はしないだろうが、何もしないとはいえない。

 トランプ政権は北朝鮮政策を再評価している。中国などの北朝鮮協力企業への制裁強化、ミサイル防衛システムの増強、中国への政治圧力を増すことが政策の方向性だ。


韓国狙われれば可能性も

 ハリー・カジアニス氏(米ナショナル・インタレスト・センター国防研究プログラム長) 米国が軍事力によって北朝鮮に侵攻し、政権を転覆する可能性は極めて低い。ただ北朝鮮が韓国に侵攻したり、日韓や米本土に核攻撃を仕掛けたりした場合は可能性がある。


 北朝鮮が米国の攻撃を政権転覆行為とみなせば、破滅的な反撃をするだろう。ミサイル防衛システムをしのぐために1千発以上の大量の短距離ミサイルを発射し、化学・生物兵器、核兵器さえも投入する可能性がある。北朝鮮にとっては生き残りのための戦いであることに留意すべきだ。

 日本は後方支援や情報収集が任務となるだろう。日本に被害が出る可能性は、北朝鮮がミサイルで日本を狙うかどうかにかかっている。核弾頭を使えば数百万人が死亡する可能性がある。化学・生物兵器であれば犠牲者は数千人規模だ。

 中国は注意深く対応すると思われる。金正恩(キム・ジョンウン)体制が完全に崩壊する場合を除き、中国は軍事介入に慎重だろう。ただ米韓の軍隊が国境に近づくことについては、中国にとって脅威だと中国当局者は繰り返し語っている。

 北朝鮮の最近のミサイル発射は、ミサイルが米国やその同盟国への抑止力であることを示す戦略の一環だ。北朝鮮は今年、昨年以上にミサイルを発射し、1〜3回の核実験を実施するだろう。

[日経新聞3月16日朝刊P.8]


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/680.html

[国際18] 豪首相、天然ガス輸出制限を示唆 国内電力不足で:日本のLNG輸入の30%近くは豪州産

豪首相、天然ガス輸出制限を示唆 国内電力不足で

 【シドニー=高橋香織】オーストラリアのターンブル首相は15日の記者会見で需要が増える国内向けの天然ガス供給を優先するため「あらゆる手段を辞さない」と述べ、輸出制限などに踏み込む可能性を示唆した。日本などへの液化天然ガス(LNG)輸出が本格化する一方、国内で電力の不足や料金の高さに批判が出ていることが背景だ。

 英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルや米エクソンモービル、仏トタル、豪サントスなどLNG生産に関係する10の企業・団体との会合に臨んだ後、会見した。

 ターンブル氏は「各社は国内需要のピーク時に十分なガスを供給すると保証した」と述べつつも「連邦政府には輸出を制限する力がある」と付け加え、一定量の国内供給を生産者に義務づける制度の導入をにおわせた。

[日経新聞3月16日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/681.html

[経世済民120] 特許の国際出願、中国勢が1.2位 昨年、三菱電機4位・ソニー10位

特許の国際出願、中国勢が1.2位 昨年、三菱電機4位・ソニー10位


 【ジュネーブ=原克彦】世界知的所有権機関(WIPO)が15日発表した2016年の特許の国際出願によると、中国の中興通訊(ZTE)が4年ぶりに首位になった。前年に1、2位だった中国・華為技術(ファーウェイ)と米クアルコムが続き、日本勢では三菱電機の4位が最高。ソニーは10位だった。

 国別の出願件数では前年に続き米国、日本、中国の順で多い。中国は前年比45%増の約4万3000件で、日本の約4万5000件(前年比3%増)に迫った。中国の出願件数が伸び続けていることからWIPOは「この傾向が続けば、あと2年で米国を追い抜く」と分析している。

 集計は特許協力条約に加盟する国に一括して出願する制度を利用したものが対象だ。企業や大学の技術力を表す指標とされ、国際化の度合いも示す。日本企業では13年にパナソニックが出願件数で世界首位だった。

 教育機関の出願件数では米国の大学が上位10校のうち7校を占める。日本の最高は東大の6位。

[日経新聞3月16日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/366.html

[経世済民120] エネルギー地殻変動:東芝、米国産LNG長期引き取り契約で最大1兆円の損失発生可能性

エネルギー地殻変動

(上) 売り手優位の構図に一石 米国産LNG 調達拡大の好機

 日本のエネルギー調達先を示す世界地図が、塗り替わるかもしれない。米国などが液化天然ガス(LNG)や原油の輸出に力を入れるようになり、中東に偏ってきた輸入先を多様化するチャンスが生まれたからだ。ただ、エネルギーの売り手と買い手を巻き込んだ地殻変動を見誤れば、好機はピンチにも変わりうる。


 来日したサウジアラビアのサルマン国王は、13日の安倍晋三首相との会談で次のひと言にひときわ力を込めた。「日本企業の投資を歓迎する」

 日本は原油の3割をサウジからの輸入に頼る。黙っていても石油を買ってくれるから、サウジはこれまで日本に対して殿様商売を続けられた。

 そのサウジの国王が46年ぶりに来日し、日本企業の投資を呼びかけた。「石油立国」としての地位が盤石でなくなり、新産業を育てなければ経済が立ちゆかなくなったからだ。

米政権、輸出に力

 米テキサス州のフリーポート。メキシコ湾に面した広大な土地に、ガスを液体に変える処理施設を核とする巨大な建造物群が姿を見せつつある。2018年の稼働を目指し、急ピッチで建設が進むLNGの輸出基地だ。稼働すれば、世界の取引量の5%にあたる年1320万トンを生産できる。

 この地域はもともと南米や中東からLNGを運んでくる輸入基地だった。「シェール革命」を機に米国内の原油や天然ガスの生産量が拡大し、フリーポートは「輸入」から「輸出」の拠点へと衣替えする。

 「エネルギー強化策にはLNGの輸出も含む」(ペリー米エネルギー長官)。トランプ政権は国産エネルギーの輸出にオバマ前政権以上に前のめりだ。

転売可能が利点

 米国がLNGの輸出国に転じつつあることは、日本にとって朗報だ。いまの最大の輸入先であるオーストラリア産などのLNGの売買契約には、転売を禁じる条項がついている。余ったときに第三国に売るといった柔軟な戦略が取れない。

 日本は1月に初めて米国産LNGを輸入した。米国産は豪州産と違って余った場合に転売できる。米国産の調達が増えれば、転売禁止条項がついた他国のLNGを無理してたくさん買う必要がなくなり、売り手優位の構図を変えられる。

 しかし、米国産のLNG調達には危うさも伴う。

 経営危機に直面する東芝は13年、米フリーポートLNG社が生産するLNGを19年から20年間引き取る契約を結んだ。火力発電設備と燃料のLNGをセットで販売するためだ。

 だが、原油価格の下落に連動して米国産のLNGは足元で割高になっている。LNGは世界的に余っており、東芝が想定どおりに売れる保証はない。売れなかった場合の損失は最大で1兆円に膨らむとみられる。

 新たなLNG調達先として浮上する米国。トランプ政権のエネルギー政策が見通しにくいこともあり、期待と不安が混在する。

[日経新聞3月16日朝刊P.5]

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(下)中東「日の丸」油田、中国が猛攻 外交力、安定確保のカギ

 1月、アラブ首長国連邦(UAE)を訪れた世耕弘成経済産業相は、ジャベル国務大臣の言葉にひとまず胸をなでおろした。


 「国際石油開発帝石(INPEX)の権益を延長しましょう」。ジャベル氏は来年3月に期限が切れる海上油田の権益のうち、2つの延長を認めた。

 しかし、まだ安心はできない。今回延長で合意したのは日本がUAEに持つ権益のうち、わずか数%にすぎない。残り9割超の権益は延長が決まっておらず、中国や韓国、インドも触手を伸ばす。これらの国に権益を奪われれば、日本は世界に持つ自主開発油田の約4割を一気に失う。


自主開発40%目標

 1970年代のオイルショックで痛い目に遭った日本は、原油の全調達量のうち日系企業が権益を持つ油田から確保する割合を示す「自主開発比率」の向上に力を入れてきた。70年代に10%前後だったこの比率は2015年度に27.2%まで上がり、30年には40%以上という高い目標を掲げる。

 産油国の協力がなければ、目標の実現は難しい。

 政府は相手国のニーズに基づいてさまざまな経済協力策を用意する。46年ぶりに国王が来日したサウジアラビアとは13日に覚書を結び、自動車の現地生産の検討から都市インフラの整備まで幅広い協力案件の推進を約束した。

 サウジと激しく対立するイランとの関係強化も探る。イランは欧米の制裁解除を受け、外資のエネルギー開発への参入を拡大する方針を打ち出した。日本にとって新たな権益を獲得する好機が訪れている。

 だが、米トランプ政権はオバマ前政権と打って変わってイランに強硬姿勢を取る。下手に近づけばサウジとだけでなく、米国ともぎくしゃくする恐れがある。

 「日本はサウジとイランの両国と付き合う必要がある。しかし当面、対イランは様子見だ」。経産省幹部はこう漏らす。


経済協力頼み限界

 経済協力をアメと位置づける戦略は、中国に支援規模で負けるリスクもある。

 世耕氏のUAE訪問から間もない2月、中国は同じUAEのアブダビ陸上油田で初めて12%の権益獲得に成功した。日本の5%を上回り、政府関係者は「まさか中国が取るとは」と驚きを隠さない。中国の習近平国家主席は16日、日本に続いて中国を訪問したサウジのサルマン国王と巨額の経済協力で合意した。

 日本近海には「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートが、国内のガス消費量の約100年分眠っているとされる。自主開発比率の大幅な上昇につながる「夢の国産資源」も実用化のメドは立っておらず、なお「夢」の域を出ない。

 原油価格はこの20年間、1バレル10ドル台から100ドル超まで乱高下した。それに惑わされず、資源を安定的に確保する長期戦略をどう立てていくか。エネルギーの世界で起きている地殻変動を見極めつつ、したたかに各国と渡り合っていく外交力が必要になる。

 古賀雄大が担当しました。

[日経新聞3月17日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/367.html

[国際18] マカフィー創業者がスプートニクのインタビューに答える「ロシアは民主党にサイバー攻撃をしていない」

このインタビューの核心は、「CIAも私も、いかなるサイバー攻撃の源も特定することは事実上不可能」という部分。

 ロシア政府が関与するかたちで米国民主党本部のサーバーに対するハッキングがあったと“断定”したCIA&FBIは、その証拠ないし推論過程を公表する義務がある。
 それなしに他国を犯罪者呼ばわりするのは国際信義にもとる行為である。

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マカフィー創業者がスプートニクのインタビューに答える「ロシアは民主党にサイバー攻撃をしていない」[スプートニク日本語]
2017年03月22日 05:37

ロシア大統領府は、米国の民主主義の基盤の弱体化を狙ったサイバー戦争を始めたとして非難されており、例として米民主党全国委員会への昨年のサイバー攻撃が挙げられている。

スプートニク日本

しかし、セキュリティソフト会社マカフィーの創設者、ジョン・マカフィー氏はスプートニクのインタビューを受けて、「米民主党全国委員会へのサイバー攻撃を行ったのはロシア人ではないと約束できる。用いられたのは古すぎるソフトウェアであり、国家に従うハッカーならば、最新版より機能性に劣る古いソフトウェアを用いることはなかっただろう」とした上で、「良きハッカーは跡を消すだけでなく、他のものが全てを行ったなら起きていたであろう風に状況を見せかけることができるため、CIAも私も、いかなるサイバー攻撃の源も特定することは事実上不可能だと長年主張している」と述べた。

スプートニクのインタビューを受けてマカフィーは、ロシアに対する非難は政治的に動機付けられたものだとの考えを示した。

FBIのジェームズ・コミー長官によると、昨年の米大統領選挙に介入しようとのロシア政府の試みに関する調査は、FBIによって昨年7月から行われている。

https://jp.sputniknews.com/russia/201703223457370/


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/683.html

[国際18] アレッポでは空爆の残虐性と非人道性をあれほど報じながらモスル空爆については無視し続けるクソ蠅のような主要メディア

トランプ大統領が主要メディアを非難しまくる気持ちはよくわかる。

(ただし、トランプ氏のメディア批判は、衰退気味のメディアにとって“干天の慈雨”となっている。批判の鉾先になっているCNNなどのニュース系番組の視聴率はアップしNYT紙の有料読者数も大きく増加している。記者レベルはリベラリズムの義憤に駆られて頑張っているようだが、トランプ氏とメディア経営者はつるんでいるとは言わないが“良い関係”にあると言えるだろう)

 トランプ大統領は嘘のニュースを平気で発信するメディアへの非難が中心だが、もう一つのメディアの犯罪的態度として、「起きている重大な事実を報じない」・「誰かがやったときは激しく非難するが他が同じようなことをやっても無視するか言い訳を代弁する」というものを取り上げることができる。

 シリアとイラクの“内戦”は終局を迎えているが、シリア・アレッポの攻防においては、ロシア軍やシリア政府軍の空爆を毎日取り上げ、ときには古い映像まで挿入してまで、その残虐性や反人権性を訴えていたいわゆる西側メディアだが、イラク・モスル奪還作戦においては、毎日のように一般市民の犠牲が出ている有志連合の空爆についてはほぼ無視している。

 元々そのような異様でえげつない世界だが、触れておく意味はあるだろう。

 「誰かがやったときは激しく非難するが他が同じようなことをやっても無視するか言い訳を代弁する」のいい例が、現在進行形の「森友学園小学校認可&国有地超破格値取得」である。
 あれが民進党絡みだったら、阿修羅の政治板のような民進党叩きが横行しているだろう。


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/684.html

[国際18] 英議会議事堂前でテロ事件か 警察官襲われ 車が暴走1人死亡

英議会議事堂前でテロ事件か 警察官襲われ 車が暴走1人死亡[NHK]
3月23日 2時04分

イギリスのロンドンにある議会議事堂の前で、22日午後、男が警察官をナイフで刺してけがを負わせたほか、近くにある橋の上で、車が歩行者を次々とはね、地元のメディアは、これまでに女性1人が死亡し、複数のけが人が出ていると伝えています。警察は現場付近を封鎖して警戒を続けるとともに、テロ事件と見て捜査を開始しました。

イギリスのロンドンにある議会議事堂の前で、22日午後3時前(日本時間23日午前0時前)、男が突然、警備にあたっていた警察官をナイフで刺しけがを負わせました。
その後、男は別の警察官に銃で撃たれたということです。

また、議会議事堂の近くにある橋の上では、車が歩道に乗り上げて暴走して歩行者を次々とはね、イギリスの公共放送BBCは、このうち女性1人死亡し、複数のけが人が出ていると伝えています。

事件を受けて、現在、議会議事堂の周辺は封鎖されていて、警察は、テロ事件と見て捜査を開始しました。

現場周辺は、議事堂の時計台の通称ビッグベンやウェストミンスター寺院などがあり、世界各国からの観光客でにぎわう場所で、事件が発生した当時も多くの人や車で混雑していました。

ロンドンにある日本大使館によりますと、今のところ事件に日本人が巻き込まれたという情報は入っていないということです。

現場近くにいた女性「悲鳴と銃声聞こえた」

事件当時、議会議事堂近くの橋の上にいたという女性は、「銃声が聞こえたと思って周りを見回すと、車が女性をはねたのが見えた。さらに、悲鳴が聞こえ、再び銃声が聞こえた。本当に恐ろしかった」と話していました。

ポーランド元外相が現場映像を投稿

事件現場をタクシーで通りかかったというポーランドの元外相のシコルスキさんは、携帯電話で撮影した映像をツイッターに投稿しました。映像では議会の前を流れるテムズ川にかかる橋の上で人が道路に横たわり、通りかかった人々が次々と駆け寄る様子が映っています。

シコルスキさんはBBCのインタビューに対し、「当初は、衝突事故だと思ったが、2人が倒れているのを尋常ではない事態だと察した。合わせて5人が倒れていたと思う」と話していました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170323/k10010921081000.html?utm_int=news_contents_news-main_001&nnw_opt=news-main_b


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/694.html

[政治・選挙・NHK222] 籠池氏の日本外国特派員協会での会見:ここに至るもなお安倍首相を慕い、悪いのは君側の奸と大阪の維新と考える籠池氏

 安倍自民党が寄付発言で気色ばみ「籠池氏証人喚問」という決定的に誤った戦術を採ったことで、森友学園の国有地超破格値取得の構図が見えてきた。(詳細は別途)

 「鶏が先か卵が先か」(小学校設立認可と土地取得)でデッドロックに陥っていた小学校設立認可問題も、国有地の取得が一気に解決に向かわせたわけだから、「安倍ブランド」の神通力(忖度させる力)にはすさまじいものがあるようだ。
 一方、その「安倍ブランド」の神通力は、すさまじさは変わらないのだが、状況が変わると、決定的破壊力としてある時点までの同志に襲いかかるとんでもないものだ。

 籠池氏は、そのように認識しつつ、今なお愛国保守と森友教育に対する安倍晋三氏の心情は変わらず、安倍首相におかしな情報を吹き込み、窮地に陥った安倍首相を救うためうごめいている財務省官僚や大阪の維新が悪党だと思っている。

 なお、毎度のことで、何を言っているんだこのアホが!と罵られることは承知だが、重要な戦後処理テーマとして残っている「日朝国交正常化」と「日露平和条約締結」を使命としてやり遂げる覚悟を持っているのは安倍氏の他にいない、日露はまだしも「日朝国交正常化」については他の誰もが尻込みする課題と考えているので、安倍氏には「日朝国交正常化」まではなんとか首相を続けてもらいたいと考えている。

(妙な言い方になるが、森友学園問題をいい加減なかたち(安倍夫妻が責任を取らず生け贄を出すなど)で決着するよりも、重大な戦後処理を残したままのほうが将来の日本にとって悲劇的なことだと思っている)

 しかし、森友学園問題でこれまでのような愚かな対応に終始していると、辞任を判断する可能性もある。それは、昭恵さんを証人喚問から守ることがきっかけになるかもしれない。

(籠池氏も、安倍首相が辞任せざるを得なくなるかもと思っているようだ)

※関連参照投稿

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html

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籠池氏「わけがわからん」外国特派員協会で会見/1[日刊スポーツ]
[2017年3月23日19時37分]

<日本外国特派員協会会見>

 大阪市の学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏が23日夜、国会の衆参両院の予算委員会で行われた証人喚問後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。当初、15日に行われる予定だったが、延期となっていた。

 会見は21分遅れで始まり、冒頭、籠池氏に発言の機会が与えられた。

 皆さん、こんばんは。今日、私は国会で衆参両院の聴聞会に出てきました。たくさんの与党野党の先生方の質問を受け、できる限り正確に答えたつもりですが、私自身の記憶の不確かさがあって、あそこはどうだったかなぁと思うところはあります。事柄が2月8日に勃発しまして、そこから1月半、たっております。豊中という大阪の片田舎の学校のことで、1月余りもマスコミが追いかけて、全国に追いかけられる事件となっております。このことは、日本人の大多数が持っているところの閉塞(へいそく)感、圧迫した窮屈な状態があるんですが、私がお話しすることは窮屈の根源がここにあるのではないかと思っております。日本語で言うと、わけがわからんことが起こっているなぁという感じでございます。

 その後、参院予算委員会の冒頭で語ったものを文章で読み上げた。【村上幸将】

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1796586.html


籠池氏「訳の分からない力で進んだ」真相究明を/2[日刊スポーツ]
[2017年3月23日19時38分]

<日本外国特派員協会会見>

 大阪市の学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏が23日夜、国会の衆参両院の予算委員会で行われた証人喚問後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。当初、15日に行われる予定だったが、延期となっていた。

 籠池氏は会見の冒頭で、国会での証人喚問の感想と、参院予算委員会の冒頭で語ったものと同じ内容を文章で読み上げた。会見開始から約30分が経過した段階で、あらためて思いを語った。

 やはり、きちんとした真相を究明してもらうのが、1番重要だと思います。小学校が設置認可、開校OKという状態から今は開校不可能…非常に落胆しております。わけの分からない空気、わけの分からない力が何か動いていて、その力で物事が進み、またなくなっていると思います。それが何かを究明してほしいと思います。若い人たちが、引きこもりにならないように…以上であります。

 「若い人の引きこもり」と、思わぬ発言が籠池氏から出たことに、記者の間から笑いが起きた。

 籠池氏は続いて、国会での証人喚問の中で、安倍晋三記念小学院と印字された振込用紙が、安倍首相が首相就任後も配布され、首相の名前で寄付金を集めたことが詐欺ではないかと追及されたことについて、振込用紙の配布からタイムラグがあったためと主張した。

 それと訂正。先ほど、国会の方でお話しした中で、安倍晋三記念小学院と書いていた振込用紙は平成26年に配布を停止しております。私は事務方のしたことは、全て把握はしておりません。当初、大量に配布したものがあって出回っていたら、私には分かりません。タイムラグがあるということです

 また証人喚問でも話題となった、昭恵夫人についていた谷査恵子氏宛に送ったファクスについて「このことから、物事が進み始めたと思う、重要なファクスだと思う」と主張した。

 会見から37分が経過した段階で質疑応答が始まった。協会側から、会見の30分延長が発表された。【村上幸将】

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1796606.html


籠池氏「瞬間風速強い神風の後に逆風吹いてる」/3[日刊スポーツ]
[2017年3月23日19時39分]

<日本外国特派員協会会見>

 大阪市の学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏が23日夜、国会の衆参両院の予算委員会で行われた証人喚問後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。当初、15日に行われる予定だったが、延期となっていた。

 籠池氏は質疑応答の中で「安倍晋三首相がウソをついていたら辞任すべきか?」と聞かれると「神のみぞ知る、ということです。非常に心が痛い。胸が痛い。これはご自身で決定することだと思います」と答えた。また自身の刑事訴追はないと見通しを口にした。

 −今、語ったことが正しければ安倍夫人と首相はウソをついていることになる。辞任した方がいいと思うか? 神風発言について

 後の事柄については、瞬間風速の強い神風が吹きました。ところが、その後、同じくらいスピード感のある逆風が吹いております。その風が果たして、ゆっくりした風になるのか、いい方向の神風になるのか、私は分かりません。1点目の方ですが、このことが私が証言したとおりなら、どういうことになるか…やはり、ウソはいけないと思います。でも本来、安倍首相のことは僕は好きなんです。立派に職制を務めていただきたいという思いはあります。ただ、その風がどのように吹くか私は知りません…神のみぞ知る、ということです。非常に心が痛い。胸が痛い。これはご自身で決定することだと思います。

 −質問と付随するが、安倍首相から金を受け取ったと言うが、首相と夫人は否定した。なぜあなたを信じられるのか

 私の方が、私1人ではありません。100万円をいただいたのは私どもの職員、先生にすぐに伝えている。ウソをついているわけではありません。


 −日本は外国から見ると不思議な国。福島第1原発事故でも東電の人は誰ひとり起訴されていない。イタリアでは格安で土地を買う同じようなことがあれば籠池さんのような人は訴追される。起訴されることを恐れていますか?

 自分で言うのはつらいんですが…私が告発されるというのは考えておりません。すごい安い金額で国有地を購入したということですが、土地の下には生活ゴミがあり、それを取らないといけない。きれいな土を入れ替えて、悪い土があるのを自分のお金で取って、入れ替えないといけない。7、8億円を安くしていただいた感覚はないのです。悪い土を取り除く費用が同じくらい掛かるのではないか? 全て取っていないから、得したと考えられているのでは? という話です。金額は私ではなく、お国が決めた金額です。

 安く土地を購入したことについても、強気に自説を展開した。【村上幸将】

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1796610.html


籠池氏「安倍首相に悪い情報を入れた人が」/4[日刊スポーツ]
[2017年3月23日19時54分]

<日本外国特派員協会会見>

 大阪市の学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏が23日夜、国会の衆参両院の予算委員会で行われた証人喚問後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。当初、15日に行われる予定だったが、延期となっていた。

 籠池氏は、土地を格安に購入した際に、安倍首相の直接の口利きはなかったとしたものの「逆風が吹き出したのは、安倍首相の心を逆に忖度(そんたく)した人がいるということ」と言い、具体的には財務官僚の方々と主張した。

 −塚本幼稚園での中国、韓国などに関する教育について

 運動会で尖閣諸島に中国船が入ったこと、竹島を韓国が不法占拠したこと、慰安婦の像についても言ったことだと思います。日本人が歴史において、そんな悪いことをした民族か、ということ。人は良いところも悪いところもあるが、日本人は性善説で動く。全く悪いとは考えにくい。しかも、小さな子どもたち、次の日本を担う子どもたちには本当のことを教えないといけない。日本の歴史教科書は非常に偏っており、きちんとしたことを教えられていない。従いまして、小さな子どもたちの時代に、きちっと正しい歴史観を教えてさしあげないといけないと思い、運動会の事柄をしたわけであります。三つ子の魂百までと言います。幼児期にきちんと教えなければならないと思っています。

 −中国人や韓国人について具体的にどう教えたか?

 中国・いわゆる中華人民共和国のことですよね? 工作船が尖閣諸島に入ったのは、泥棒が家に入ったのと同じことだ、ということであります。領土は大変重要なこと。言わないと、そのまま侵略されてしまいます。日本人は優しくて、みんな優しくしようと言うのはいいけれど、悪いことは悪いと言わないと判断基準が狂う。お国の思っていることと逆に、こちらが言っていることが正しいと思われた方がいいんじゃないでしょうか? 中国の方が思っているのと逆のことを、日本人は潜入的に思っていると考えた方がいいのではないでしょうか?

 −陛下が引退のお気持ちを表明され内閣も政府も国民も、静かに考えていこうという流れにある時に、教育勅語を持ち出すのは不敬罪に当たるのではないか? 真の保守主義なら、何で幼稚園児にギミックのようなことを使うか? 安倍首相夫妻を困らすのは、真の保守主義の実現につながらないのでは?

 天皇陛下について申し上げますと、天皇陛下と教育勅語の関係はあまりないのではないか? 道徳で明治天皇が作られたもの。子どもたちや多くの国民の道徳律になっている。古いマスコミの方が言う、軍国主義に結び付くものではないと確信しています。もう1つ、保守主義…私は保守主義ですが清濁併せ持つものではない。いいことはいい、悪いことは悪いと言うこと。安倍首相への国民の期待は大きいだろうが政府の中で何が起こったか見極めないと、日本人は困ることになると思います。

 −おっしゃっていることが、はっきり分からない。安倍首相と夫人から寄付金をもらったのは明確だが、大きな力が動いたとか神風が吹いたとか…安倍首相の口利きはあったのか?

 安倍首相、夫人の心を忖度(そんたく)して動いたのではないかと思っております。逆風が吹き出したのは、安倍首相の心を逆に忖度(そんたく)した人がいるということだと思います。安倍首相の耳に、そういう悪い情報を入れた人がいる、ということです。

 −もうちょっと、はっきり答えてほしい。格安で国有地を払い戻した際、安倍首相は直接、口利きした?

 安倍首相は口利きはされていないでしょう。忖度(そんたく)をした、ということでしょう。私にとって、逆風が吹いたのは、安倍首相の周辺にマイナスの忖度(そんたく)を言い表すようにした人がいる、ということですね。

 −周辺の方々の名前を挙げてほしい

 直接には財務省の官僚の方々、ということになるんじゃないでしょうか? 方々ですよ。

 海外のメディアからは、籠池氏の発言に疑問の声も出ている。【村上幸将】

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1796619.html


籠池氏「総理の名誉を侮辱したというだけで…」/5[日刊スポーツ]
[2017年3月23日20時41分]

<日本外国特派員協会会見>

 大阪市の学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏が23日夜、国会の衆参両院の予算委員会で行われた証人喚問後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。当初、15日に行われる予定だったが、延期となっていた。

 籠池氏は偽証罪も問われかねない証人喚問に、民間人として呼ばれたことについて「総理の名誉を侮辱したというだけで、私人を国会で喚問するのはどこの国にありますか? ちょっとした陰口も言えなくなる。陰口を言うなとされたんだと思います」と批判した。

 −民間人として証人喚問を受けた上、偽証罪も問われると追及された

 私は私人ですので、私人の証人喚問はある意味、異常なこと。ウソをつくな、ちょっとでもウソをついたら偽証罪で留置場に入れる脅かしがあったと認識しております。それと、証人喚問は偽証罪が伴いますので、何と言いますか、刑事罰が伴いますのでお答えできませんと申す。それがテレビに流れて「あいつ、隠しとる。悪いヤツだ」と印象操作ができたと思っています。総理の名誉を侮辱したと言うだけで、私人を国会で喚問するのはどこの国にありますか? ちょっとした陰口も言えなくなる。陰口を言うなとされたんだと思います。

 −塚本幼稚園に天皇陛下が来園されたと、ホームページに書いたのは誰か? 籠池さんが、その趣旨のことを過去、発言されたのか?

 天皇陛下のお写真とかは、塚本幼稚園の子たちと写真を撮り、花束贈呈もさせていただきましたが、当園に来園されたとは、私の口から言ったことはありません。ただ…雑誌の中で、書き取りの中で、編集者が間違って書いておるというのは、国会の発言の何かで知ったことがあります。記者会見の後で、ホームページを直すようにしております。私は全てホームページをチェックしているわけではありません。私の耳に入ったもので、誤りがあるものに関しては直させていただきます。私どもの職員になるのか、ホームページの立ち上げ業者か…そのことについて、ご皇室を尊ぶ学風を持つ我々の学校を、マスコミがつぶそうとしている。陛下が退位され、上皇になられるのは非常に麗しいこと。国有地の問題が出てきてから、ここぞとばかりに我々の学園への誹謗(ひぼう)中傷、力によるカメラというかビデオ、マスコミの方による逼迫(ひっぱく)した、命を狙われるような恐ろしさを感じております。日本はご皇室を前に出すと軍国主義と捉えられるが、日本の歴史と伝統において大切だと思う。我々をとんでもないヤツだというのは、おやめいただきたい。しかも、ヘイトスピーチ、虐待とかマスコミでかなりたたかれましたが、我々のところで虐待はない。ヘイトと言いますが、PTA会長も2代続いて在日の方がされた。ヘイトということはない。大阪というのは雑多な土地でいろいろな人が混ざっている。そこで教育するのは非常に重要。いろいろな文化が混じるのは当たり前だと思う。その中、日本の心を沿って学んでほしいというのは、当たり前のことだと思う。しかも、気に入らないというか何と言うんですか、我々の学校教育が気に入らなかったら、最初から入ってこないんじゃないですか? 方針が合わなくて入ってこられるのは、何かことを起こすために入ってくる…違うでしょうか?

 籠池氏はメディアを批判し、ヘイトスピーチや虐待が行われたと一部で報じられたことを否定した。【村上幸将】

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1796636.html


籠池氏「今日は脅し、すかしがありました」/6[日刊スポーツ]
[2017年3月23日20時34分]

<日本外国特派員協会会見>

 大阪市の学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏が23日夜、国会の衆参両院の予算委員会で行われた証人喚問後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。当初、15日に行われる予定だったが、延期となっていた。

 会見で「昭恵夫人に特別の権力があったか?」と質問が飛んだ。籠池氏は、昭恵夫人に特別な権力があったとは思わなかったとしたものの、土地取得に絡み、安倍首相の昭恵夫人との間でファクスを交わした際は「安倍昭恵夫人というお名前によって、物事が動いたのだろうと推察された」と主張。それが逆風となった今の状況を招いた力については「私たちの学校をひっくり返したのは、維新の党のトップだと思っております」「安倍首相に近い、維新の会が動くことで、元に戻してしまえという力が動いたのではないか」と日本維新の会と松井一郎大阪府知事をを強く批判した。


 −大阪の政治を運営するのは広い人脈が必要という。橋下徹元大阪府知事の秘書の、奥下剛光さんという人と関係はあるか? 口利きがあったか? あとは世界各国に愛校精神が悪い形で広まっているが…子どもの自発を促す。モンテッソーリ理論を知っているか?

 奥下さんからのお力添えはなかった。奥下さんは知っていますよ。今回、私たちの学校をひっくり返したのは、維新の党、維新の党のトップだと思っております。モンテッソーリ教育理論は知っております。子どもは子どもらしくは当たり前…ただ我々の国は愛国心が他の国より低い。愛国新教育は必要。行きすぎではなく普通に愛国心を持つのは必要

 籠池氏は回答すると、あらためて安倍晋三記念小学院の名で作った、振込用紙について釈明した。

 先ほどの国会の中でお話しした、安倍晋三記念小学院としての振り込みは、記憶違いというか答弁が誤っていたと思い訂正させていただきます。安倍晋三記念小学院という名前の寄付用紙で、いつからいつまで寄付が行われたのか、という話ですが、国会には参考用紙は持って入れない。頭の中で記憶していることで答えないといけない。ですから私の頭の中で、混乱がありましたので、訂正し申し上げます。安倍晋三記念小学院という振込用紙と趣旨書は、平成26年3月に印刷されました。ただ、その後、昭恵夫人とお会いしまして、ダメですよとお断りいただきましたので、すぐに止めました。私たちは短期間で止めましたけども、送った先にたくさん送っていましたから、次に送ると言うことが進んで、きちんと止めることが出来なかった。Aという方に100枚送った。その方がバーッと(全部)じゃなく5枚、10枚…6月に送ったかもしれない、7月に送ったかもしれない。タイムラグがあったと思う。学園の方はすぐに止めた。

 −昭恵夫人に仲良くしていて、昭恵夫人にお願いしたら全て通ると思った?安倍 (昭恵夫人の口添えで)総理が指示を出したり、昭恵さんが特別権力があると期待した?

 昭恵夫人によって、物事が動くとは私自身、考えていませんでした。安倍昭恵夫人は教育を理解していただいて、名誉校長に就任いただいたと理解しております。ただ、お渡ししたペーパー(定期借地権を10年から50年に延長することを依頼した際、昭恵夫人サイドから返された回答)の時は、安倍昭恵夫人というお名前によって、物事が動いたのだろうと推察された。そうだったとは言わないが、これがあったことで、土地の取得に関して何となくそういう方向に進んだ気がしております。そのように進んでいたことが悪い…忖度(そんたく)が悪いと言っているわけではない。私にとっては。逆の忖度(そんたく)が動いていったというのが、大きな問題。重要なことなんですけども、学校が出来上がってきています。完成しました。入ってくる生徒も決まりました。そこで、どうして、はしごをたたきつぶすんでしょうか? 経済的にもマイナスですし、教育的にもマイナスです。ただ、国有地は元の財務省の所有に戻るんです。ということは、財務官僚の方が忖度(そんたく)して、我々に土地が入りました。逆風が始まった時は…なんでしょうか? 安倍首相に近い、維新の会が動くことで、元に戻してしまえという力が動いたのではないかと私は思っております。そういうことになりますと1番、馬鹿を見るのは学園の方で、何もないところにマイナスだけが残る。国有地は財務省に戻るんです。

 −忖度(そんたく)だけじゃ動かないですよね?

 −天からの脅し、すかしはなかったか?

 今日は脅し、すかしがありました。

 会見は、予定時間の1時間を上回る、1時間46分続き、午後8時7分に終了。籠池氏はカメラのフラッシュを全身に浴びて退場した。【村上幸将】

http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1796651.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html

[政治・選挙・NHK222] 森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容

 「日朝国交正常化」(安倍的に言えば“拉致問題解決”)を実現するまでは、それを最大の政治的使命として首相になった安倍晋三氏にこのまま首相を続けて欲しいと思っているのだが...

 フェイスブックで発信された首相夫人安倍昭恵さんの籠池氏証言へのコメントは、衆参両院の予算委員会で行われた籠池証言に対するものだが、官邸やメディアなどが説明しているように、籠池証言を否定するような内容ではない。

 さすがに、検閲したはずの官邸サイドも、昭恵さんらの証人喚問を完全に否定できないので、のちに事実が明らかになっても言い逃れ(説明がつく)ができる内容で落ち着かせている。

 書かれている内容を論理的に解析すれば、籠池証言の昭恵さんに関わる部分を否定したというより、籠池証言の“妥当性”ないし“信憑性”を補強するものになっていることがわかる。

 まず、安倍昭恵さんのコメントを読んで、さすがにこの期に及んだことで安倍昭恵さんの言動は官邸の制御下に入ったと推測した。

 安倍首相は、国会での答弁で、自分や妻が国有地の取引に絡んでいたら、総理大臣も国会議員も辞めると言明しており、昭恵さんが森友学園の国有地取り引きについて“口利き”の仲介をしていたということが明確になったら、最低でも首相は辞任する他ないのだから当然だろう。


 しかし、今さら管理下に置いても手遅れであり、まともな統治能力を有する官邸なら、森友学園に関する情報をきちんと収集し、ずっと前に、森友学園との関係を断ち切らせているだろう。


 昭恵さんのコメント(末尾に全文を添付)に即しながら簡単に説明したい。

 コメントの流れとは逆になるが、今回の騒動を解き明かす最重要資料と言える「籠池氏の昭恵夫人携帯電話への依頼伝言と籠池氏への昭恵さん付きスタッフのFAX」に関する部分から始めたい。

 昭恵さんは、「A携帯への電話について」という見出しを付け、

 「籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の「携帯へ電話」をいただき、「留守電だったのでメッセージを残した」とのお話がありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません」

「籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています。その時、籠池さん側に対し、要望に「沿うことはできない」と、お断りの回答をする内容であったと記憶しています。その内容について、私は関与しておりません」

と説明している。

 この説明は、嘘ではなく、事実経過としてはおおむね正しいものだと思っているが、この説明をもって、「その内容について、私は関与しておりません」という昭恵さんの結論的言い分は受け入れられない。

 なぜなら、

1)籠池氏が“素人”の昭恵さんに土地の定期付借地契約に関する詳細で具体的な話をすることはないはずだからである。

 推測になるが、籠池氏は、小学校建設予定の土地をめぐる契約や政府の未払い金問題で困っているのでご助力して欲しいと昭恵さんの携帯電話にメッセージを残したと思う。
 それを聞いた昭恵さんは、経産省から出向している“秘書”(この表現は問題:スタッフ)に、“できるんだったら助けてあげて”と声をかけた。

 昭恵さんと森友学園の“関係”を熟知している谷さんは、“忖度”し、できる範囲で面倒をみようと考え、籠池氏に動くために必要な資料を送るよう連絡した。
 その資料を送った封筒が、昨日の証人喚問で出てきた籠池サイドで宛名書きがなされた封筒だと推認できる。

 谷さんは、遅れてきた資料を読み、関係部署に問い合わせを行った。
 その結果としてまとまったものが、昨日公表されたFAXだと考える。

 このような推測から、「土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません」という昭恵さんの説明は、事実に即していると判断している。


2)昭恵さんの“関与”なしで、「それについて回答する旨、当該秘書から報告」をもらうことはないだろう。

 この部分さらにいえば森友学園問題における最大のポイントと言える説明である。

 なぜなら、「私は関与しておりません」といいながら、「それについて回答する旨、当該秘書から報告」を受けているからである。
 土地契約をめぐる谷さんの“口利き”が昭恵さん抜きで行われたのなら、谷さんが、内容を昭恵さんに報告することはないだろう。
 
 詳しいことは知らない昭恵さんから、“何かできることがあるならお願いね”と頼まれたいきさつがあるからこそ、谷さんは、籠池氏に連絡する前に、昭恵さんに報告したと考えるのが“自然”である。

 政治的な嘘は必要悪と信じていながらこざかしい知恵しかない菅官房長官のように、あのFAXをもって、“忖度”が行われていない証拠というのは、詭弁レベルにも達しない戯言と断定する。

 また、昭恵さんの指示がないまま谷さんが森友学園のために動いたとしたら、越権行為や忠実な職務遂行義務違反であり、それこそ、官僚たちが“忖度”するという証拠である。


 このような理解から、「その内容について、私は関与しておりません」という昭恵さんの結論的言い分は嘘に近いものと言える。


 次に、「@寄付金と講演料について」だが、

 さらっと読むと、寄付や講演料の受領を明確に否定しているように思えるが、実のところ、「そのような事実はないはずです」のレベルを超えるものではない。

 なぜなら、このコメントのなかでも、「私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております」と、明確な記憶はないことを認めているからである。

 森友学園問題が国会で取り上げられるようになってからの籠池夫人とのメールのやり取りで、「寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした」と書いているが、寄付についてはその事実を確認した経緯があったかどうか全メールの公表がなければわからない。

 講演料については、籠池証言も、ビジネスライクな講演料ではなく、自分たちの気持ちを表す「感謝」で10万円を渡したというものだから、講演料は渡していないという話になってもおかしくない。

 真偽は不明だが、「私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました」と説明しているが、同志的つながりを持ち、14年12月6日には総選挙のため他のスケジュールはキャンセルしても塚本幼稚園では講演を行い、首相夫人として講演も三度目であった関係性(昭恵さん付きスタッフも)などを考えると、初めての相手とは違う振る舞いがあったとしてもおかしくないと思う。

 15年9月5日の講演に出向いたとき、昭恵さんは、「瑞穂の國記念小學院」名誉校長就任を受諾している。
 官邸に苦言を呈したいのは、昭恵さんの身辺警護や言動確認のために、“秘書”(スタッフ)が席を外すことがないはずなのに、森友学園の「瑞穂の國記念小學院」名誉校長を辞めさせる対応をすぐにとらなかった愚である。

 事実かどうかはともかく、寄付の場所が園長室か「玉座の間」かといったことは主要な問題ではない。どちらでも話をする機会はあっただろうし、思い込みが強いひとのように思える籠池氏の記憶も明確ではない可能性がある。
 場所は間違っていることが、100万円の寄付を主張する籠池氏が嘘をついていることを意味するわけではない。

 「森友学園問題」の国有地超破格値売却問題パートの重要資料である谷さんのFAX文書についての解析は別の投稿で行いたい。

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※関連参照投稿


「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「籠池氏の日本外国特派員協会での会見:ここに至るもなお安倍首相を慕い、悪いのは君側の奸と大阪の維新と考える籠池氏」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html

※添付資料

安倍昭恵フェイスブック掲載コメント
https://www.facebook.com/akieabe/posts/10155122586026779

「 本日の国会における籠池さんの証言に関して、私からコメントさせていただきます。

@寄付金と講演料について

 私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません。この点について、籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきましたが、寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした。私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております。

 本日、籠池さんは、平成27年9月5日に塚本幼稚園を訪問した際、私が、秘書に「席を外すように言った」とおっしゃいました。しかしながら、私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました。

 また、「講演の控室として利用していた園長室」とのお話がありましたが、その控室は「玉座の間」であったと思います。内装がとても特徴的でしたので、控室としてこの部屋を利用させていただいたことは、秘書も記憶しており、事実と異なります。

A携帯への電話について

 次に、籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の「携帯へ電話」をいただき、「留守電だったのでメッセージを残した」とのお話がありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません。

 籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています。その時、籠池さん側に対し、要望に「沿うことはできない」と、お断りの回答をする内容であったと記憶しています。その内容について、私は関与しておりません。

 以上、コメントさせて頂きます。

平成29年3月23日 
 安倍 昭恵   」


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

[政治・選挙・NHK222] m4PK28Y9Owさんへ:安倍首相の「自分や妻が国有地の取引に絡んでいたら、総理大臣も国会議員も辞める」発言がなければ

 m4PK28Y9Owさん、コメントありがとう。

「あっしらさんもつまらないことをいってるね。もしも、この程度のことも口利きということになれば、国民と政治家Tと官僚のあいだにきびしい壁を生み出すことになる」と書かれているが、肝心な条件が抜けていませんか。

 文中でも引用したように、安倍首相は、先月の国会での答弁で、「自分や妻が国有地の取引に絡んでいたら、総理大臣も国会議員も辞める」と言明しているのです。

 安倍首相のこの国会答弁がなければ、首相夫人として好ましくない行為というレベルで済む話とも言えるが、自ら高いハードルを設置して苦しんでいるのが愚かな安倍首相なのです。

 貴殿の趣旨は、「自分や妻が国有地の取引に絡んでいたら、総理大臣も国会議員も辞める」と言明した安倍首相に対してこそ説明してあげてください。

「安倍夫人の善意からの問い合わせ」:善意か悪意かといった昭恵さんの意図は、安倍首相の国会答弁に抵触するかどうかという問題にまったく関係ありません。


[引用]


3. 2017年3月24日 16:47:24 : m4PK28Y9Ow : A4lNzSUDHp0[11]
▲△▽▼

あっしらさんもつまらないことをいってるね。
もしも、この程度のことも口利きということになれば、国民と政治家Tと官僚のあいだにきびしい壁を生み出すことになる。
原発問題でも、なんであれ、政治家が国民の要望を受けて行政と談判するということができなくなる。
たとえば沖縄の基地の問題であれ、原発の問題であれ、国民は政治家に要望を出し、行政への要望の伝達を求める。
そういうことが今後いっさい前例を持って違法ということになれば、これはたいへんなことだ。
ある程度のハンドルの遊びのようなものは必要であり、なんでもかんでも忖度だの口利きだのといってしまえば
野党や国民はみずからの首をしめる。
それより、今回の問題でそんな窮屈な前例をつくるより(もう作ってしまって今後いっさい官僚側は国民の忖度を受けた
政治家の問い合わせには応じないだろうし、政治家もしなくなるだろう)、
大事なことは鴻池と財務大臣がワイロを受け取って籠池に便宜を測っていないかどうかだ。
安倍夫人の善意からの問い合わせに焦点をあてるのは、国民の首を締めることにもなる諸刃の剣だ。



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/822.html

[政治・選挙・NHK222] 籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を

※参考人招致の録画を見ていないため、迫田国税庁長官らの参考人招致の証言内容は知らないまま書いており、トンチンカンなところがあるかもしれないがご容赦を...

 昨日の籠池証人喚問を通じて、公務員は交渉などの経緯を証拠立てる品々をきちんと保存する生き物ということがわかった。

 財務省も近畿財務局も大阪航空局も(大阪府も)、森友学園の国有地取得及び小学校設立認可(条件付)に至る交渉ないし打ち合わせのメモ(記録)は廃棄したと主張しているが、昭恵さん付きのスタッフは、保存義務なぞないのに、籠池氏サイドが書いた宛名の付いた封筒やFAXをきちんと保存していた。

 このことから、役人の性分として、現在進行形の案件である森友学園の国有地取得及び小学校設立認可(条件付)に至る交渉ないし打ち合わせのメモ(記録)を廃棄しているはずはないと推測できる。

 安倍首相が政治家として生きながらえようと思っているのなら、籠池氏だけを悪者にし、安倍首相夫妻・官僚・政治家たちはお咎めなしという都合の良いシナリオは通用しないことを肝に銘じなければならない。

 籠池氏を塀の中に落とそうと動くのは勝手だが、大阪府は別として、最低でも財務省から数名の生け贄を出さないと、この騒動の幕は引けないと腹をくくる必要がある。

 たとえ直接の口利きは行っていなくても、安倍夫妻が、象徴的な存在として、できるはずもなかった森友学園の小学校設立に“現実性”を付与した最重要人物であることは否定できない厳然たる事実である。

 森友学園問題にできるだけ早く決着を付けたいのなら、超破格値で森友学園に国有地を売却する契約をまとめた責任者と話し合い、「よかれと思い、自分(たち)の一存であの条件で国有地売却をまとめた。およそ8億円の値引きは、小学校の開校がスムーズにいくように配慮したものだが、値引きした金額はゴミ処理費用として妥当なものだった」と説明してもらい退職してもらうしかない。

 過去にも、大きな問題になった薬害エイズ事件で、厚労省は会議録など薬害エイズに関する重要な資料は残っていないと主張したが、厚労大臣に就任した菅直人氏がチームを編成し探させると、ないはずの資料が出てきたという話もある。

 生け贄になるのが迫田国税庁長官なのかわからないが、財務省を辞めたあと、安倍家が責任をもって面倒を見ることで、少しは罪滅ぼしになるだろう。



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html

[政治・選挙・NHK222] m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪

m4PK28Y9Owさん、たびたびのコメントありがとうございます。

【引用】
「あっしらさんは一体、なにをトンチンカンなことをいってるのか。
困った人だ。
そもそもこの問題は学校設立の認可がふつう数年かかるところをわずか四ヶ月で認可妥当と判断されたことに
最大の疑問があるわけで、ゴミのある土地をいくらで売却しようがそれは主観の問題にすぎないから
違法性などあるわけがない。
つまり、本質的な問題は学校認可の迅速な異常性にある。

つまり、本質的な問題は学校認可の迅速な異常性にある。
ということは、一番の問題は大阪府にあるということだ。この問題を追求されるために大阪府に百条委員会が儲けられる。」

【コメント】

1)森友学園小学校条件付き認可相当について

 まず、森友学園は、自らが取り下げる時点で、確定の小学校設置認可を得ていたわけではありません。森友学園が申請を突然取り下げた背景にもいろいろな動きがあったようですが、認可が確定でなかったからこそ、松井府知事は確定的な認可をしない方向を匂わせ続けたのです。

 一見短期間で認可を受けたように思えますが、森友学園小学校が条件付認可相当の答申を得るまで、水面下ではけっこう長い年月がかかっています。

 橋下府知事時代の11年7月に、幼稚園しかない学校法人にも借入金で小学校を開設できるよう要望を行っていますから(12年4月1日に大阪府が設置基準緩和)、そこからですと、3年半ほど時間を要しています。(14年10月31日私立審に小学校設置の認可申請・15年1月27日に「条件付きで認可適当」と答申)

2)ゴミ埋設地の価格について

 たぶん勢いで書かれたのだろうと思っていますが、「ゴミのある土地をいくらで売却しようがそれは主観の問題」というような論が国有地の取り引きに通用するはずもありません。

 ゴミがない場合の地価からゴミの処理にかかる費用を差し引いた価格が、売買価格決定の基礎になります。


(まとめ)

 「一番の問題は大阪府にある」というお考えですが、確かに、小学校認可に関する事柄は間違いなく大阪府及び大阪府議会が質さなければならないことです。

 一方、小学校認可と連関するかたちの国有地の取り引きが公正かつ適法に行われたかどうかは、中央政府(内閣)及び国会が質さなければならない問題なのです。

 なお、「大阪府に百条委員会が設けられる」話は否決されたようです。


【引用】
「昭恵夫人の寄付とか秘書の口利きなんか正直、どうでもいい話だ。話題にはなっているけど、
ほんとうに大事なことは鴻ノ池や橋下と結びついた麻生らにあるのに、わけのわからないトカゲの尻尾きりなんか
なんの意味もない。」


【コメント】
 質問ですが、森友学園問題に麻生財務大臣がどのように関わっているか一端でもいいですから教えて貰えませんか?また、「麻生ら」となっていますが、(ら)にはどういう人たちがいるのでしょうか?

 「ゴミのある土地をいくらで売却しようがそれは主観の問題」についてはそうじゃないでしょと否定しましたが、「昭恵夫人の寄付とか秘書の口利きなんか正直、どうでもいい話」というのはそれぞれの受け止め方の問題ですから、貴殿の考え方として承知しました。

 しかし、森友学園小学校設置は、学校を建設する土地が借地ではなく所有地でなければならないという設置基準を適用すると、あの国有地の取得と小学校設置認可は一体不可分と言うことができます。

 昭恵さん付き職員谷さんのFAXで、定期付き借地の期間延長を望む森友学園サイドの動きが見えていますが、借地権が10年だろうが50年だろうが、校舎を借地の上に建てるかたちで小学校の設置を認可することはできません。
 運動場など校舎以外は借地でもかまわないことになっています。

 貴殿が言う小学校設置認可こそが問題ということについては、小学校設置認可と国有地格安取得が一体不可分だという立場から受け容れることができます。

 小学校条件付き認可相当についてはっきりわかる明確な問題(不正)は、校舎を建てる敷地を自己所有していない森友学園に対し、「小学校設置条件付き認可相当」の答申がなされ、それを大阪府知事が認めたことです。

(森友学園の経営基盤についても問題を指摘できますが、校舎を建てる土地を所有していないという事実に較べるとやや主観的な要素があると言えます)

 大阪府の私学審が森友学園の申請に対し小学校設置基準をきちんと適用していれば、認可相当という答申は出なかったわけですから、今に至る問題も起きなかったのです。

 さらに言えば、国有地取得が実現せず借地のままで開校に至っていれば、リベラル派や左派が嫌う教育思想を持つ森友学園の小学校ですから、私学審や松井府知事の“法令違反”や“不正”が大きな問題として取り上げられ、現在とは違うレベルでしょうが火を噴いていたと思われます。


 鴻池参議院議員が、森友学園の小学校設置&国有地取得に政治家として深く関わっていたのは確かですから、鴻池参議院議員は国会で参考人として経緯を説明すべきだと思っています。

 しかし、鴻池参議院議員が、たとえ金を貰って口利きを行っていたとしても、それ自体は罪の構成要件(職権の有無が壁:甘利氏と同じくこの問題で鴻池氏に職権はない)を満たさないので、収賄罪やあっせん利得罪には問われません。
(麻生財務大臣が口利きをしていれば、あっせん利得罪より重い収賄罪に問われることになります)

 カネを貰って口利きをしていたと仮定して、鴻池参議院議員が罪に問われるケースは、貰ったカネを政治資金としてきちんと処理していないときの政治資金規正法違反だけです。それも、記載漏れという言い訳が通用するので、“政敵”でないかぎり、実質的に罪に問われることはないでしょう。

(ありえないことですが、貰ったカネは政治資金ではないと言い張った場合、所得税法違反に問われます)

 あっせん利得罪は、立法権者である国会議員が自分たちを縛る法律をざる法にするという現実がよくわかる例です。
 むろん、政治献金が認められていますから、カネの授受がある特定目的で行われたどうかの認定も難しいものがあります。(毎年50万円とかの献金を貰っているひとから何かを頼まれたとき、頼み事のためにカネを貰わなくても口利きに動く可能性が高いでしょう)

 また、鴻池参議院議員が麻生財務大臣によろしく頼むと動き、職務権限がある麻生財務大臣が報酬を受けずに動いた場合、法令違反などは別として、罪を問うことはムリでしょう。(政治的道義的非難は可能)

※ m4PK28Y9Owさんのコメント全文

「籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html


3. 2017年3月24日 19:11:29 : m4PK28Y9Ow : A4lNzSUDHp0[15]
▲△▽▼

あっしらさんは一体、なにをトンチンカンなことをいってるのか。
困った人だ。
そもそもこの問題は学校設立の認可がふつう数年かかるところをわずか四ヶ月で認可妥当と判断されたことに
最大の疑問があるわけで、ゴミのある土地をいくらで売却しようがそれは主観の問題にすぎないから
違法性などあるわけがない。
つまり、本質的な問題は学校認可の迅速な異常性にある。
ということは、一番の問題は大阪府にあるということだ。この問題を追求されるために大阪府に百条委員会が儲けられる。
昭恵夫人の寄付とか秘書の口利きなんか正直、どうでもいい話だ。話題にはなっているけど、
ほんとうに大事なことは鴻ノ池や橋下と結びついた麻生らにあるのに、わけのわからないトカゲの尻尾きりなんか
なんの意味もない。



http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html

[政治・選挙・NHK222] m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪 あっしら
3. あっしら[688] gqCCwYK1guc 2017年3月26日 00:58:01 : 9k1d0IFXmQ : TWJ3Dvtunhs[1]

1..さんへ:

レスポンスありがとうございます。

12年4月1日に大阪府が行った小学校設置基準の緩和は、他のどこも考慮せず、森友学園だけを対象とした措置です。

 森友学園だけのために行った基準緩和を受けから小学校の設置申請を出せるようになるまで2年半を要し、それからの4ヶ月後ですから、早いのは確かですが、異常に早いとは言い切れない流れだと思っています。

 善し悪しは別ですが、効率的で迅速な(規制が少ない)行政は橋下・維新の売りですから、申請を出させるまで水面下で交渉(打ち合わせ)を行い、申請後はスムーズに判断するという流れはとりたてていうほどの問題だとは思っていません。

(中央も地方もかつての行政は、影響を受ける事業者などのことも考えながら慎重にことを進める習性が強かったので、いつ頃か存じませんが船田氏(栃木県)の話と比較してあれこれ言うのは難しいと思います)

 やはり問題は、校舎を建てる敷地を所有していない森本学園の小学校設置申請を大阪府私学審が「条件付きで認可相当」と答申し、松井府知事がそれを受け容れたことだと思っています。

 私も、森友学園の小学校設置に関する条件付き認可相当答申の背景には、「鴻池や橋下らのなんらかの工作があった」と思っています。


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html#c3

[政治・選挙・NHK222] 「昭恵さん証人喚問問題」や「谷FAX問題」に対するあまりに酷く醜い安倍首相の国会答弁

 24日に開催された参議院予算委員会での集中審議(午前午後で7時間ほど)の模様をようやく見終わった。

 自分と昭恵さんを防御するのに安倍首相が必死になっていることはわかるが、安倍首相の答弁のレベルはあまりに酷すぎる。醜悪と言ってもいいほどだ。

 とりわけ、昭恵さんの証人喚問回避や籠池氏の人格的信頼性を損なう目的で、証人喚問の制度趣旨をねじ曲げるような発言を行っていることはとうてい容認できるものではない。

 安倍首相は、質疑に対する答弁で、(籠池氏の証人喚問について)「当初は100万円の寄付発言だったとしても、籠池氏には3つの契約書があるなど犯罪の可能性があったから証人喚問を行った」とか、(昭恵さんの証人喚問について)「不正や刑事罰に関わることをやっていないのに証人喚問に出ろというのはおかしな話だ」などと説明している。

 しかし、「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」(議院証言法)が第一条に明記しているように、証人喚問の目的は、「議案その他の審査又は国政に関する調査のため」であり、国政が絡んでいる犯罪を調べることが目的ではない。
 国政に絡む犯罪でも、犯罪なら、国会ではなく警察や検察が捜査を担うのである。

 「議院証言法」は逆に、証人に、「刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのあるときは、宣誓又は証言を拒むことができること」を告げなければならないと規定していることでわかるように、証人喚問は、犯罪捜査もどきの喚問はできない(それを目的とはしていない)制度なのである。

 さらに言えば、「安倍家による100万円の寄付」発言があったからといって籠池氏を証人喚問するというのも、「議案その他の審査又は国政に関する調査のため」という議院証言法の趣旨にもとる“私怨を晴らすリンチ”とも言えるあくどい所業と言える。

 24日の参議院予算委員会での証人喚問に関する内閣総理大臣の答弁が撤回されることなくそのまま残るとしたら、国会は地に墜ちてしまったと認定する。

 次に、「森友学園小学校設置認可&国有地超破格値取得問題」の重要資料と言える“首相夫人付きスタッフ”谷さんのFAXに関する答弁の問題点を取り上げる。

 安倍首相は、15年の10月から11月にかけて纏められたあのFAXの内容をもって、「一般的で事務的な問い合わせで、依頼や働き掛け、不当な圧力ではまったくない」と答弁している(財務省理財局長も、多くの国民に対して行っているように質問に答えただけと説明)。

 谷さんの動きが不当な圧力でないことは認める。

 しかし、FAX2ページ目の4)に森友学園が立て替えているゴミ処理費用の支払いに関する内容があることからわかるように、籠池氏は、財務省からすでにあの土地を10年定期で借り受けており、その賃料やゴミ処理問題などで以前から財務省と様々な交渉を行ってきており、財務省担当部局に対する一般的で事務的な問い合わせを行うために、昭恵さん及び谷さんにすがる必要なぞない人物である。

 「一般的で事務的な問い合わせ」というのは、小学校を設置するために賃貸できる国有地はないのか?とか、賃料は売却価格の何%になるものなのか?という類いのものである。

 現在の10年定期の借地権をもっと長い期間に変更できないのかとか、立て替えたゴミ処理費用を早く払って欲しいのだがいつになったら払ってくれるのかといった話は、問い合わせではなく、「依頼や働き掛け」と呼ぶべきものである。

 籠池氏が昭恵さん及び谷さんにFAXで触れられているような事項で“助力”を求めたのは、たった10年では借りている土地を購入する代金を確保できるメドが立たないことや喫緊の問題として立て替えたゴミ処理費用(依頼の時点で3千4百万円ほど)のため森友学園の財務が圧迫されている状況をなんとかして欲しかったからだと推測できる。

 安倍首相が言う一般的で事務的な問い合わせというのなら、“助力”を求めた籠池さんに、これまでの交渉ですでにつながりができている財務省ないし近畿財務局の担当者に連絡をとって確認してくださいという返事をすれば済むはずである。

(大阪の設置基準に照らすと、森友学園の小学校設置申請は、校舎敷地が借地である限り認可されることがない。それでも認可相当になったことが、大阪府の一大スキャンダルであり内閣を揺るがすかたちで噴出を続けている騒動の根源:参考投稿「m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪」 http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html

 安倍首相が、早期の問題解決につながる動きをせず、ムリにムリを重ねた言い訳で逃げようという醜い態度を続ければ、手痛いダメージを受けることになるだろう。

 この問題で野党は得点を稼ぎたいだけで倒閣の意志はないようだが、首相夫妻まで絡む奇々怪々の政治ミステリーは面白いドラマであり、主婦の方々もランチタイムに話題するほど高い関心を集めている。
 世論がすぐに興味を失ったり簡単に忘れたりする問題ではないのである。

 自分を侮辱したからという制度の趣旨にもとるとんでもない目的で籠池氏の証人喚問を行った安倍首相が、自分や妻が関与していたら首相も国会議員も辞めると答弁したツケで昭恵さんの関与を認められない事情があるとはいえ、あまりに酷い言い訳で昭恵さんの証人喚問を回避しようとするような態度を見せ続ければかえって逆効果となり、昭恵さんの証人喚問が避けられない局面が訪れるだろう。

 政府の最も大きな存在意義は、一般国民=純粋な私人を守ることがである。
 国民を守る政府のトップである首相や“公人に近い私人”である昭恵夫人を守るために、私人である籠池氏を貶めることに言を費やすような態度は倒錯の極みである。


 安倍首相の性格と夫婦の関係性から、昭恵さんの証人喚問が必至という状況になれば、それを回避するため、安倍氏は首相だけでなく国会議員を辞する道を選ぶと思われる。

 それが、重大な使命を帯びて再び首相になった安倍晋三の政治的結末でいいのかと安倍首相に問いたい。

※関連参照投稿

「籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html

「森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

「籠池氏の日本外国特派員協会での会見:ここに至るもなお安倍首相を慕い、悪いのは君側の奸と大阪の維新と考える籠池氏」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/897.html

[政治・選挙・NHK222] ファーストレディーの研究:「洋子お母さんが森友問題で怒っている。首相が公邸に寝泊まりしているのはそのため」だって

[風見鶏]ファーストレディーの研究

 アッキーの愛称で親しまれている安倍晋三首相の昭恵夫人がすっかり時の人となっている。学校法人「森友学園」との関係が取り沙汰され、騒ぎの渦中に巻き込まれているためで、首相夫人のあり方にも関心が高まった。首相夫人とはいったいどのような存在なのだろうか。


 歴代の首相夫人を振り返ると、おおむね3つのタイプに分類される。

 まず第一が良妻賢母型。地元の後援会や家庭をしっかりと守り、3歩下がって夫に付きしたがう。日本のファーストレディーの基本形だ。

 たとえば、内助の功で知られた橋本龍太郎元首相の久美子夫人。地元でも「票獲得への奥さんの貢献は大きい」と評判だった。一方で「私は政治家ではなく妻であり母」として政策や政治の話は控えていた(本紙『人間発見』)。

 第二は夫も顔負けの政治家型。代表例が三木武夫元首相の睦子夫人だ。

 睦子夫人は改憲に反対する「9条の会」を立ち上げるなど、リベラルな政治活動を展開した。若い政治家を育てることにも情熱を傾け、薫陶を受けた政治家は少なくない。特に海部俊樹元首相は秘蔵っ子としてかわいがられた。

 菅直人元首相の伸子夫人もこのタイプだ。直人氏と激しい政治談義を交わす根っからの政治好き。演説もうまく、党内では「伸子さんが首相をやった方がいい」(官房長官経験者)と言われたほどだ。

 3つめが自由奔放型だ。政治家の妻の枠を超え「私らしさ」を追求する。夫は妻の行動を放任する。そのさきがけは、鳩山由紀夫元首相の幸夫人だ。元タカラジェンヌで、人目をひくパフォーマンスが得意。米CNNは「風変わりなファーストレディー」と報じた。

 昭恵夫人もこの型に分類されるだろう。「家庭内野党」を宣言し、反原発など政権と真っ向から対立する主張や活動を展開。森友学園にとどまらず、2ケタを超える団体やイベントで名誉職を務めてきた。まわりの反対を押し切って東京・神田に居酒屋も開いた。

 アンチ安倍の市民活動家とも笑顔で握手する気さくな姿は、首相の保守イメージをやわらげ、バランサーの役割も果たしてきた。

 一方で、社会に大きな影響力を持つ首相夫人は、容易に広告塔として利用されうる立場にある。昭恵夫人の自由な振るまいは天真爛漫(らんまん)と称された。だが本来は、社会に出れば、だれもが立場に応じた義務と責任を負い、時には自制も求められる。首相夫人ならなおさらだ。森友問題で夫妻の名前が出てくること自体、政権の危機管理には問題があったし、首相が推進する女性活躍社会の足をひっぱる恐れもある。

 「国政にたずさわる者を送り出すためには、自分の身を捨てても無我夢中でやる」――。安倍首相の母である洋子氏は、自著『わたしの安倍晋太郎』で政治家の妻としての厳しい覚悟を説く。洋子氏は岸信介元首相の長女で、安倍晋太郎元外相の妻。政治家3代を支えた政界のゴッドマザーとよばれる存在だ。

 最近、首相の日常に変化が起きた。普段は公邸でなく私邸である渋谷区のマンションに帰る首相。上階にある洋子氏の部屋で昭恵夫人と共に朝食をとるのが日課という。ところが先週から平日は連日公邸に泊まる異例の事態が続いている。

 「洋子お母さんが森友問題で怒っている。首相が公邸に寝泊まりしているのはそのためだ」と首相側近。ファーストレディーのあり方論に火を付けた森友問題は、安倍家の家庭内攻防にまで飛び火したようだ。

(政治部次長 桃井裕理)

[日経新聞3月19日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/898.html

[政治・選挙・NHK223] 籠池氏の偽証罪での告発「野党の状況をみていると難しい」 自民・下村博文幹事長代行:籠池氏を詐欺師と呼んでいたが逆効果

 今朝のフジテレビ系新報道2001を見たが、安倍首相のお友達下村氏の言動には目に余るものがあった。

※下記参照投稿で書いた安倍首相発言の踏襲
「「昭恵さん証人喚問問題」や「谷FAX問題」に対するあまりに酷く醜い安倍首相の国会答弁」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/897.html

 下村氏は記者団に「(籠池氏は喚問で)偽証罪に問われるべき発言が多々あった」と指摘したそうだが、23日に衆参両院で行われた籠池氏の証人喚問での証言内容を対象に偽証罪で告発するなぞどだいムリな話である。

 なぜなら、昭恵さんが関与した谷さんFAXは官邸も認めているし、「安倍家の寄付」証言を除くと、政治的な関与があったのではとか忖度があったと思うといった証言は、学校設置に関する事態が推移する過程で籠池氏が感じた印象でしかないからだ。

 ある事柄にどういう印象をもったのかはそれぞれの感受性や判断力に拠る主観的なものであり、籠池氏の感想とは違い「神風が吹いた」と思うような事態の急速な進展に政治的関与がなかったとしても、偽証デンデンということにはならない。

(それなのに、籠池氏の印象発言に対し偽証罪に問われますよワアワア叫んでいたのが維新の下地代議士である)

 安倍家の寄付以外に、「安倍晋三記念小学校」名を使った寄付金募集趣意書や振り込み用紙の使用期間が問題になるが、「安倍晋三記念小学校」を使わないようにとの申し入れを受けたあとに使ってきた事実や期間については、記憶の曖昧性や職員に対する管理の不備などをあげて説明しているので、籠池氏はイイカゲンという非難はできても偽証罪に問うことは難しい。
 この問題は、寄付金集めに名を使われ続けた安倍首相が刑事告発するかどうかという類いの話である。

(籠池氏が依頼したとして実名を挙げた3人の政治家は、北川イッセイ氏以外接触があったことは認めているので、名誉毀損など差し障りがあるのなら、個別が訴えるべき事項)

 唯一残った偽証の疑いは安倍家の寄付金だが、これを偽証と認定するためには、安倍首相が頑強に拒む昭恵さんの証人喚問が必要不可欠である。
 野党が昭恵さんの証人喚問を終えた後なら偽証罪で告発することに同意してもいいと言ったときいちばん困るのは安倍自民党なのである。

 籠池氏を塀の内側に落とすネタとして取り沙汰されている、大阪府・大阪航空局・国土交通省それぞれに出した事業費の見積もりが大きく異なるという問題だが、なぜ金額が違うのかは一定の推測ができる(低から高までそれぞれの金額差が8億円ほどというのがミソ)し、この問題が刑事裁判になると困る人や組織として、籠池氏だけでなく、大阪府・財務省・国土交通省(大阪航空局)をあげることができる。

 復古調国家主義を基礎とした学校法人森友学園の「小学校設置問題」は、様々な政治家(昭恵さんを含む)と国家行政機関が大きく関わることで、できるはずもなかった右派運動家の夢想が実現まであと一歩というところまで進んだという超弩級(内容はあまりに恥ずかしいものだが)の不正事件である。

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2017.3.26 13:16更新
【森友学園問題】籠池氏の偽証罪での告発「野党の状況をみていると難しい」 自民・下村博文幹事長代行[産経新聞]

 自民党の下村博文幹事長代行は26日、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題に絡み、衆参両院で証人喚問を受けた学園の籠池泰典氏について、議院証言法に基づく偽証罪で告発するのは困難との認識を示した。

 下村氏は都内で記者団に対し「(籠池氏は喚問で)偽証罪に問われるべき発言が多々あった」と指摘した。ただ、国会の告発は喚問を実施した委員会の全会一致が慣例となっている過去を踏まえ、「(追及を強める)野党の状況をみていると難しい」と述べた。

 同時に「司直の手によって対処するということも懸案として出てくるのではないか」と述べた。

 野党が求める安倍晋三首相の昭恵夫人の証人喚問には応じない考えを示した。

 森友学園の一連の問題が早期の衆院解散・総選挙に発展する可能性については「あり得ないでしょ。『信を問う』という話ではない」と否定した。

http://www.sankei.com/politics/news/170326/plt1703260008-n1.html

※関連参照投稿

「m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html

「籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html

「森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

「籠池氏の日本外国特派員協会での会見:ここに至るもなお安倍首相を慕い、悪いのは君側の奸と大阪の維新と考える籠池氏」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/121.html

[政治・選挙・NHK223] 昭恵さんが利用されたと言うのは、安倍内閣そのものがあの家族に利用されてしまうほど無能でアホという危険な話

 爆笑問題の芸は評価しているが、番組を見ていると気持ち悪くなることが多く、番組表でテーマを見ただけで語られる内容がおおよそ推察できるサンデージャポンなので今回も見ていない。

 それで、(まるこ姫の独り言)の感想に依拠するが、「テリー伊藤に話を振ったら、喋る喋る。。。口から泡を出す勢いで安倍昭恵擁護。初めから終わりまで、安倍昭恵は籠池理事長に利用された気の毒な人みたいな話になっていた」というのでは、テリー伊藤さんの番組作りのセンスは認めているが、テリー伊藤さんは政治的にあまり利口ではないと思ってしまう。

 自分に国費で付いた職員を秘書と呼んでいるが、安倍昭恵さんは、総理大臣夫人として戦後初めて国費で専属職員(5名も)を付けられている(官邸に“付きの職員”のなかの二人のための机がある)。

 今回の森友学園騒動のなかで官邸がいみじくも語ったように、明恵さんが講演に訪れた幼稚園で渦中の小学校の名誉校長就任を受けたときも、昭恵さんが講演で「小学校が実現するためお役に立ちたい」と語ったときも、そのそばにお付きの職員がいたのである。

 優れたとまで言わなくても、普通のまともな統治センスを持っている政府なら、首相夫妻が関わっている森友学園の経営者や周辺をきちんと調査し、首相夫人や首相本人さらには行政機構が今後も関わってもいいところなのか判断するものだ。

 警察を使え、銀行や税務当局からの情報もあっという間に手に入る中央政府(内閣)は、日本で最高の情報収集力を有している。

 森友学園に小学校を設置できるだけの経営基盤はあるのか、籠池夫人の前科(子供への暴行で罰金刑)は問題ないなのか、幼稚園に子供を通わせた父兄や近所の評価はどうなのかなど、探偵事務所に毛が生えたレベルの調査でも、一代議士ならいざしらず総理大臣夫妻になった安倍家にとって、森友学園が“君子は危うきに近寄らず”の対象であることはわかる。

 こういう意味で、「安倍昭恵は籠池理事長に利用された気の毒な人」という擁護論は、安倍内閣は、統治能力が大きく欠損しており、到底日本の統治を委ねられるものではないと言っているに等しいのである。


 安倍首相を擁護したいと思っているのなら、バカなムダ口を叩かず、そっと成り行きを見守っているほうがいいと言っておく。

 醜い擁護論は逆効果で、かえって安倍首相を追い詰めることをテリー伊藤氏などは理解しなければならない。


※関連参照投稿

「「昭恵さん証人喚問問題」や「谷FAX問題」に対するあまりに酷く醜い安倍首相の国会答弁」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/897.html

「森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/123.html

[政治・選挙・NHK223] 森友問題、政府説明「納得できず」74% 本社世論調査:日経:それでも支持率はアップ?安倍夫妻なしでは起きなかった事件だが

 「森友問題」について行ってきた政府の説明に納得できない人が圧倒的な多数派なのに、安倍内閣の支持率は62%(2月下旬の前回調査60%)と高い数字を報じている。

 この数字が鉛筆ナメナメのものでないのなら、多くの人が「森友問題」の本質を理解していないと思われる。
 日経新聞は、「森友問題」を、「国有地が評価額よりも大幅に安い価格で売却され、政治家の関与があったかどうか」とまとめているが、それは現象的というか問題の構成要素でしかない。

(なお、政治家の関与については、あったかどうかではなく、国有地超破格値売却にはほとんど影響を及ぼせなかったようだが、鴻池参議院議員が関与(口利き)を認めている)


 本質的問題は、復古調国家主義に惹かれる“保守愛国主義者”ながら資金力に決定的に欠ける森友学園籠池氏が、直前で夢破れてしまったとはいえ、愛国主義教育を実施する念願の小学校の設置にあそこまで近づけたのはどうして?ということである。

 超破格値での国有地売却は間違いなく重要な問題だが、「大阪のヘンなおっさん」(失礼)が小学校(義務教育)設置に近づくことができてしまった問題の一構成要素と位置づけなければ、「森友問題」の全体像は見えてこない。

 直接の関与があったかどうかはともかく、安倍首相夫妻と森友学園にあのようなつながりがなかったら、誰も、あの赤い壁の小学校校舎を見ることはなかったのである。

 復古調国家主義を唱える“保守愛国”の籠池氏が念願の小学校の設置にもうあと一歩まで近づけたのは、ひとえに安倍首相夫妻という政治的ビッグネームと深い付き合いがあったからである。

 資金力がない森友学園と大阪府政を掌握した橋下・維新の関係だけでは、小学校設置基準緩和止まりで、森友学園の申請に小学校設置認可相当の答申が出ることはなかっただろう。

 そして、財務省や国交省そして大阪府が交渉記録や審議会議事録など関連資料を隠している(廃棄はしていない)のも、愛国主義教育を行う小学校を作りたいという安倍首相夫妻と付き合いがある「大阪のヘンなおっさん」の奇妙な夢を、政治家・中央官庁・大阪府があれこれと“知恵を絞って”叶えさせようとした超弩級ながら笑うしかない恥ずべき不正だったからであり、直接の関与がなくとも火の粉をかぶってしまう安倍首相らをなんとしても守らなければならないからである。


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森友問題、政府説明「納得できず」74% 本社世論調査[日経新聞]
2017/3/26 22:02 (2017/3/26 22:00更新)

 日本経済新聞社とテレビ東京による24〜26日の世論調査で、安倍内閣の支持率は62%だった。2月下旬の前回調査(60%)と比べて横ばいだった。不支持率は前回と同じ30%。学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、これまでの政府側の説明に「納得できない」と答えた人は74%で、「納得できる」の15%を大きく上回った。


 森友学園をめぐる問題では、国有地が評価額よりも大幅に安い価格で売却され、政治家の関与があったかどうかが国会で論戦になっている。学園理事長の退任を表明した籠池泰典氏は23日に国会で、安倍晋三首相夫人の昭恵氏から100万円を受け取ったと証言。安倍首相はこれを否定し、認識は食い違っている。

 政府側の説明に「納得できない」と答えた人は、内閣不支持層では95%、内閣支持層でも65%に達した。

 内閣支持率は1月の66%と比べると4ポイント下がった水準。2月に森友問題が発覚し、内閣支持率は60%まで落ち込んだ。その後に籠池氏の証言など新たな動きがあったが、今のところ支持率には大きな影響を与えていない。

 内閣支持率を男女別でみると、男性が2月と比べて5ポイント上昇の68%、女性は2ポイント低下の54%だった。特定の支持政党を持たない無党派層の内閣支持率は38%と、4ポイント上昇した。

 内閣を支持する人に理由を尋ねると「安定感がある」が41%と最も多く、「国際感覚がある」が30%、「指導力がある」が27%で続いた。

 政党支持率は自民党が1ポイント減の45%、民進党が1ポイント減の8%。無党派層は4ポイント増の31%だった。

 調査は日経リサーチが24〜26日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD方式)による電話で実施。943件の回答を得た。回答率は43.9%。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H25_W7A320C1MM8000/?dg=1

※記事に添付の表形式詳細データは省略

※関連参照投稿

「籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html

「m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html

「森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

「昭恵さんが利用されたと言うのは、安倍内閣そのものがあの家族に利用されてしまうほど無能でアホという危険な話」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/123.html

「「昭恵さん証人喚問問題」や「谷FAX問題」に対するあまりに酷く醜い安倍首相の国会答弁」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/897.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/148.html

[政治・選挙・NHK223] 安倍首相を侮辱した籠池氏は呼んでも、証人喚問を望んでいる「松井大阪府知事」を呼べない安倍自民党の本音と事情

 籠池氏の参議院での証人喚問では、自民党の西田参議院議員(小沢陸山会事件で期日ズレをあれこれ言い募って検察の捜査に道を切り開く論を展開)が、決定的に資金力に欠ける森友学園の申請に小学校設置認可相当のゴーサインを出した大阪府にこそ森友問題の責任があるという論陣を張った。(超破格値での国有地の取得は付随的な話という考え)

 籠池氏も、山本太郎参議院議員の梯子を外したのは誰と思うか?という質問に、大阪府知事という言葉を繰り返した。

 一方、松井大阪府知事は、かねてより、森友学園に小学校設置申請ができる道を開いたのは大阪府だが、国有地の取得など小学校設置の動きが具体的に進展した背景には「(中央)政府の忖度」があったと主張している。

 ざっくり言うと、「森友学園問題」について中央政府(安倍内閣)にも大阪府にも責任があるとしても、どちらにより決定的(根源的)な責任があるのか、与党自民党と大阪府知事が罪のなすりつけ合いを行っているという構図である。

 このような対立なら、喚問決定前の安倍首相の辞任につながる首相夫人昭恵さんの証人喚問は保留するとしても、松井大阪府知事の証人喚問は全会一致で認められるはずである(「森友学園問題」を解明するためには認めなければならない)。

 しかし、籠池氏の証人喚問でゴーサインを出した大阪府が悪いと主張した安倍自民党も、侮辱した籠池氏の証人喚問は望んでも、証人喚問での非難を受けてそれなら俺も証人喚問に呼んでくれと啖呵を切っている松井大阪府知事を呼ぶことには同意できないだろう。

 なぜなら、井大阪府知事の証人喚問は、「森友学園小学校設置疑獄」の構図すべてではなくとも、森友学園小学校が開校一歩手前まで進展していった“コアの事情”を白日の下にさらす機会になってしまうからである。

 違う角度から言えば、安倍内閣と与党自民党は、「森友学園小学校設置疑獄」を解明したくないから、松井大阪府知事の証人喚問に同意できないのである。

 結論を先に言ってしまえば、「森友学園小学校設置疑獄」でもっとも大きな責任(罪)を負っているのは財務省を中心とした中央政府である。

※疑獄の基本構図は次の投稿を参照してください。
「森友問題、政府説明「納得できず」74% 本社世論調査:日経:それでも支持率はアップ?安倍夫妻なしでは起きなかった事件だが」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/148.html


 西田参議院議員の「大阪府主悪説」は、行政手続の形式的時間軸論から言えば正しいように思えるが、まさに“鶏と卵”でデッドロックにあった森友学園の小学校設置認可問題の場合、そうは言い切れない。

 大阪府の設置基準では、森友学園が小学校の校舎を建てるための土地を所有しない限り、認可を出すことができない。(運動場など校舎以外は借地で可)

 森友学園が申請した小学校設置が具体的に動き出すためには、あの国有地が森友学園に売却されること(遅くとも開校までにそうなる見通し)が不可欠だったのである。

 「昭恵−谷FAX」から、籠池氏は、鴻池参議院議員の口利きもありあの国有地の定期付き借り入れまでこぎ着けながらも、10年後に買い取るための資金的な見通しが暗く、買い取るまでの期間を50年まで延長したいと考えたようだ。

 しかし、買い取り資金問題はそうであっても、借地のままでは、最終的な小学校開校の認可は出ない(はず)。
 この点が「昭恵−谷FAX」に関する決定的な疑問である。

 仮に、「昭恵−谷FAX」で国有地の借り入れ期間が50年に延長されていても、小学校開校が実現するわけではないからである。

 簡単に時系列でまとめると、

12年04月01日:大阪府が小学校の設置基準を緩和(森友学園にも小学校が設置できる可能性)
14年10月31日:森友学園が大阪府私立審に小学校設置の認可を申請
15年01月27日:大阪府私立審が森友学園の申請に「条件付きで認可適当」と答申
15年05月29日:森友学園と近畿財務局が「買い受け特約付き有償貸付契約」締結。賃料年2730万円。
15年09月05日:安倍昭恵さんが森本学園幼稚園で3度目の講演、開校を進めていた小学校の名誉校長就任を承諾
15年10月:籠池氏が小学校を建設する予定の土地の借り入れやゴミ処理費用に関して昭恵さんに助力を要望
15年11月15日:「昭恵−谷FAX」を籠池氏に送信
15年12月19日:森友学園小学校「瑞穂の國記念小學院」建設着工
16年06月20日:近畿財務局と森友学園が価格1億3400万円で売買契約締結


 この経緯とこれまでの私の説明とのあいだの決定的な齟齬は、森友学園が校舎用の敷地を所有していない状況で、「条件付きで認可適当」のゴーサインが出され、さらには小学校の建設まで進んでいることである。

 “鶏が先か卵が先か”の問題が宙ぶらりんのまま、小学校の建設まで進んでしまうという奇っ怪な展開を見せていたわけである。

 このようなことから読み解けるのは、14年10月31日の森友学園小学校設置認可申請から、16年6月20日の国有地売買契約締結まで、表に出ていない「合意」に支えられて物事が進展していたということである。

 簡潔に言えば、森友学園は“開校”前に超破格値で国有地が手に入るという“見通し”を前提として、小学校設置に関するあらゆることが動いたわけである。

 ご存じのような森友学園の財務内容だから、あの土地を取得するにしても、超破格値でなければ小学校設置計画は頓挫する。
 国有地が取得できる見通しがないまま校舎の建設に進めば、土壇場で「条件付きで認可適当」が「不認可」になる可能性があるわけだから、動いてしまった弱小学校法人森友学園は倒産の大きなリスクを背負っていることを意味する。

 (仮に強行突破で借地のまま開校にこぎ着けたとしても、リベラル派や左派が嫌う教育思想を持つ森友学園の小学校ということを考えれば、私学審や松井府知事の“法令違反”や“不正”が大きな問題として浮上し、現在とは違うレベルとはいえ火を噴き、結果的に現在と同じ中央政府を巻き込む疑獄に発展することになる)

 水面下の合意や国有地取得経緯に関する読みの詳細は別の投稿で説明するが、ここまでの説明をお読みいただけば、安倍自民党が松井大阪府知事を証人喚問できない理由は推察できると思う。

 そう、松井大阪府知事の証人喚問を行えば、松井大阪府知事が“安倍政権のために身を犠牲にする”という覚悟を持っていない限り、森友学園が校舎用地を所有しないまま小学校設置認可を受けその後超破格値で買い取るに至った過程のコア部分が明らかになってしまうからである。

 逆に言えば、松井大阪府知事が証人喚問しろと啖呵を切っているのは、安倍自民党が“爆弾”である自分を証人喚問に呼ぶことなぞ絶対にできないとわかっているからである。

 大阪府議会は、自民党会派などから出された森友学園小学校設置認可問題に関する百条委員会の設置決議案を維新と公明党の反対で葬り去った。
 証人喚問しろと叫んでいる大阪府知事が代表を務める政党が、問題を明らかにするための百条委員会設置に反対すると言う奇妙な展開を見せている。
 これも、葬り去られることを承知で大阪府議会自民党が百条委員会設置を求めたと考えることができる。


 証人喚問に呼んでくれと主張する松井大阪府知事と松井大阪府知事を証人喚問できない安倍自民党との「森友学園小学校設置疑獄」幕引きタッグは政界にうごめくの魑魅魍魎を如実に見せるものである。

 なお、この投稿をお読みいただければ、籠池氏も、証人喚問で印象論は語っても、知っている具体的な経緯はほとんど話していないとわかる。
 「昭恵−谷FAX」も、森友学園の国有地破格値取得を進めるために、巧妙に仕組まれた罠だったようだ。

※関連参照投稿

「昭恵さんが利用されたと言うのは、安倍内閣そのものがあの家族に利用されてしまうほど無能でアホという危険な話」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/123.html

「「昭恵さん証人喚問問題」や「谷FAX問題」に対するあまりに酷く醜い安倍首相の国会答弁」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/897.html

「m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html

「籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html

「森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

「籠池氏の日本外国特派員協会での会見:ここに至るもなお安倍首相を慕い、悪いのは君側の奸と大阪の維新と考える籠池氏」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/161.html

[政治・選挙・NHK223] ちょっとブレイク:安倍昭恵さんの「なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか」という問いかけに意味はあるのか

 「森友学園小学校疑獄」の解明に意味があるテーマではないが、思考の在り方を考えるネタとしては格好と思うので取り上げたい。
 自分を含めひとは、騒ぎになった問題の発端が「あること」だと認識してしまうと、その「あること」がなければ問題が起きずに済んだのではと思いがちだ。

 その一つの例が、安倍昭恵さんが籠池諄子さんに「なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか。やはり怪しまれるようなことはしない方がよかったのかなあとは思います」という文章をメールで送信したことだ。


[公開されたメールから抜粋引用:添付日刊スポーツ記事より]

(安倍昭恵さん)
「なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか。やはり怪しまれるようなことはしない方がよかったのかなあとは思います。祈ります。」

(籠池諄子さん)
「弁護士さんが秘書の方に十五分ほどしたら電車におりられますので話していただきます 主人は何度もこたえていますが伝わりません 公開しなかったのは、土壌汚染や廃棄物のある土地で開校しようとしていると、悪評をたてられたら困るのでしませんでした。 とメールしてください」

【コメント】
 昭恵さんの恨み節にも聞こえる「なんで、売却価格を非公開なんかにしてしまったのよ」という問いかけに意味があるかどうかは、売却価格を公開にしていたらどういう経緯をたどっていたかを想像すると判断できる。

 結論は、売却価格を公開にしていたら、もっと早い時期に現時点でわかっている情報が多くに共有され、「森友学園小学校疑獄」騒動がもっと早い時期に噴出していたので、「なぜ非公開にしたのよ」という恨み節には意味がない。

 逆に言えば、それが良かったか悪かったかはわらないが、売却価格を非公開にしていたことで、問題の噴出が2月まで先延ばしされてきたのである。
(永遠ではないだろうが、関心を持つ人が出るまで問題が先送りされたはず)

 昨年6月20日に売買契約が締結されたあの国有地の価格が1億3400万円と公示されていたら、木村 真豊中市議が本年2月8日に大阪地裁に提訴するというステップがないまま、価格などの条件がとっくに知られていたわけだから、「森友学園小学校疑獄」騒動はもっと早い段階で噴火していた。

 木村真豊中市議会議員は、昨年9月に、近畿財務局に対し国有地払い下げについて情報の公開を請求し、近畿財務局から「非開示」の決定を受けている。
 この事実を踏まえると、売却価格が公開だったら、遅くとも昨年の秋には、「森友学園小学校疑獄」が国会で大きく取り上げられていたことになる。


 昭恵さんの「怪しまれるようなことはしない方がよかった」という感想も、あの条件での売却が公示されていれば、どう転んでもその時点で怪しまれる内容だから、間違った評価と言える。

 売却価格や売却条件が非公開であろうが公開であろうが、元々のスジがとんでもない代物=「大阪のノスタルジックな国家主義者おっさん」に小学校を設置させるため中央政府と大阪府が策を弄したというあまりにも喜劇的な疑獄だから、騒動が勃発するのは必至なのである。

 最後に、あの国有地の売却条件非公示は、森友学園が先に望んだわけではなく、近畿財務局がそう望むように森友学園側を誘導したんだろうと考えている。


※関連参照投稿

「安倍首相を侮辱した籠池氏は呼んでも、証人喚問を望んでいる「松井大阪府知事」を呼べない安倍自民党の本音と事情」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/161.html

「森友問題、政府説明「納得できず」74% 本社世論調査:日経:それでも支持率はアップ?安倍夫妻なしでは起きなかった事件だが」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/148.html

「昭恵さんが利用されたと言うのは、安倍内閣そのものがあの家族に利用されてしまうほど無能でアホという危険な話」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/123.html

「「昭恵さん証人喚問問題」や「谷FAX問題」に対するあまりに酷く醜い安倍首相の国会答弁」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/897.html

「m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html

「籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html

「森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

「籠池氏の日本外国特派員協会での会見:ここに至るもなお安倍首相を慕い、悪いのは君側の奸と大阪の維新と考える籠池氏」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html


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昭恵夫人「教育に対する熱意は理解」/メール全文2[日刊スポーツ]
[2017年3月24日17時19分]

 大阪・豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に鑑定価格より低く売却されたことを巡り、自民党の西田昌司参院議員は24日、安倍昭恵首相夫人と森友学園の籠池泰典理事長の妻とのメールのやりとりを公表した。以下が全文(原文のまま)。

 ◆2017年2月21日

 (籠池夫人、以下籠)同社大学の新島襄の学校弾圧の気持ちがよくわかると園長しみじみ思うといいます

 (籠)おはようございます 大阪の教育はいろんな文化がまざり日本という太柱がどこにあるのか僕しかできないと申します あきえさんへ

 (昭恵夫人、以下昭)留守番電話聞かせて頂きました。籠池園長の教育に対する熱意は理解しているつもりです。

 (籠)昨夜TBSラジオに生電話で園長の本心を話し弁護士の言われた通り夜中に家をでました今奈良の三輪明神でご祈祷していただきました

 民進党議員団が私達を追いかけ集団タクシーで家や幼稚園に来ました子達はいつも臨機応変に助けてくれました あきえさんの大変さは本当に感心します明日の大阪府の臨時審議委員会 神様の御心ならば認可をおろしてくださいと祈りました三輪明神様に導かれました

 今は辻本清美学校にいったようです すみません

 (昭)なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか。やはり怪しまれるようなことはしない方がよかったのかなあとは思います。

 祈ります。

 (籠)弁護士さんが秘書の方に十五分ほどしたら電車におりられますので話していただきます 主人は何度もこたえていますが伝わりません

 公開しなかったのは、土壌汚染や廃棄物のある土地で開校しようとしていると、悪評をたてられたら困るのでしませんでした。

 とメールしてください

 ◆同2月22日

 (籠)今日は奈良の石上神宮に参りました 神武天皇様がピンチの時に助けられた神様です 地元の警察にも協力いただき押し掛けてくる報道陣陣にパトカーがかけつけて下さってます 寄せてくる波のように電話がなりっぱなし 教育妨害がエスカレートしました大丈夫です報告

 ◆同2月25日

 (昭)このようなことになり残念です。どうぞお身体壊されませんように。お祈りしております。

 (籠)中途半端な着飾りをとり悩むのもあほらしく政治家は一人でやってないので自分ならと まず同じようにかんがえるんです 主人のような正義の旗をかかげたらあらゆる権力マスコミでたたきにきます この際はっきり首相に申し上げます 私の主人は一人でここまでしてまいりました誰も助けていただいたことなどありません 政治家は保身ばかりで助けてはくれませんこっちが力をつければすりよるのでしょうから この学校は必ず認可をとりたいです神様仏様が経営者といっても信じてくれませんお金がないのにとばかりに昭恵さん主人に今の心境はとききました 一旦緩急あれば義勇公に奉じと一言でした 私学審議会の座長は民進党の議員とマスコミが非公開ときかず 保身で会見し 役人もなぜか出した書類がもれてました 主人は役人にどなっていました昨日は在日韓国人が団体で幼稚園をとりまきましたが警察官より先生方のほうが毅然と的確に排除してました きつい状態に皆がおかしいと気付き初め国が体をなさないなら主人は何もしてません 買ったのだから今は学園の土地です国会で質問されるなんて憤りよりもっとお役にたち困った人に勇気と希望をあたえていこうと思いました あきえさん 主人は安倍総理と平沼先生を尊敬してました利用はしてません

 あきえさん ありがとうございました 小学校落ち着けば見に来てください
 この学校は凄い意味があるから騒がれるのですね

 (昭)全て必然であると思います。どんな意味があるのか私も考えています。

 (籠)物事の裏を探ろうとしているひとがいて日本人的ではないのですが勘繰りを働かせています 全うな人間が全うな事をしようとしているのを阻止させるサタンの仕業と思います 余りにもマスコミ報道嘘だらけ まあ次男はあほですがふりまわされ振り回そうとしています 安倍総理まけないで下さい ハッキリ申します 園長は天から使命をいただき学校を造ります 国家の為に信念でやってます やましいことしてません関学は国有地を租税特別措置法で買ってます関大もです あきえさんはどのように思われているのでしょうか

 やましいことしてません関学は国有地を租税特別措置法で買ってます関大もです あきえさんはどのように思われているのでしょうか

 (昭)信じたいと思っています。しかし園長の説明を聞いても私は人に納得してもらえるように話すことはできません。

 (籠)安倍総理が森友学園に抗議したといわれたのはショックで 初村秘書の安倍昭恵さんからの文面 そして娘や園長にかなり醜い対応をされたのは政治の世界は怖いなあと正直思いました 初村さんに一方的に文章を送り だから抗議したというシナリオ策は

 でも心配してくれる人には心の垢を排除してくれていると思えばこの一件超えたら悟りに入るねと今昨日の国会で総理の発言をききショックをうけ初めて大泣きしましたが 切り替えました 幼稚園に国会議員が来て自民党を守るため昭恵さんの写真を外してほしいといわれました 要は私達わからないものが政治に首を突っ込むといけないんだと勉強いたしました


http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1797075.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/173.html

[政治・選挙・NHK223] 自民 西村氏ら 籠池氏証言「偽証罪での告発も」:やる気もなくできもしない空虚なコマーシャル活動

 「森友問題でとっくに詰んでる安倍首相夫妻」の擁護活動は与党政治家にとってやるしかない政治的任務だとしても、普通の判断力と少しはまっとうな心がある政治家は忸怩たる思いを持ちながら対応しているはずだ。

 メディア(国民)向けにあれこれ語ることで、安倍首相夫妻はまっとうで、籠池一家は詐欺師ないし嘘つきというイメージを醸成したいのだろうが、まったく効果がないどころか、逆に国民の反発を招く結果になる言動である。

 西村代議士が偽証だといって拳を振りあげている内容も、

「籠池氏は「学園の職員が郵便局に持ち込み、振り込んだ」などと証言しましたが、「払込取扱票」のコピーの筆跡などから、籠池氏の妻が持ち込んで振り込んだ疑いがある」

とか、

「「安倍晋三記念小学校」の名称を使って小学校を開設するための寄付金を募っていた期間について、籠池氏は「安倍総理大臣就任前のほんの一瞬だ」と証言しましたが、関係者から入手した資料を基に調べたところ、2年から3年の間、安倍総理大臣が就任したあとも使っていた可能性がある」

といったもので、いくら「偽証罪で告発」と力んでみせても、実際はやる気のない空虚な宣伝文句でしかないとわかる。

 安倍家の森友学園への寄付金問題で偽証というのなら、寄付があったかどうかがすべてであり、郵便局に寄付金を職員が持って行ったのか籠池夫人が持って行ったかという話は枝葉末節な問題でしかない。(籠池氏の一部についての記憶間違いで許される範囲)

 安倍家が寄付していないことを証明しろとは言わないが、昭恵夫人が証人喚問で寄付の有無について説明しない限り、籠池氏証言について偽証云々を語るのは議院証言法の趣旨にも人道にももとる恥ずべき言動と言わざるをえない。

 「「安倍晋三記念小学校」の名称」使用について偽証云々というのも、「森友学園小学校疑獄」の本質をまったく理解していない妄言である。

 昭恵夫人だけの承諾だったかもしれないが、「安倍晋三記念小学校」の名称を使うことを容認していた時期があることは安倍首相サイドも認めている。

 きっぱり言うが、一時期であれ、「安倍晋三記念小学校」の名称使用を認めていた安倍首相サイドの“政治的失策”のほうが、趣意書や振込用紙などの使用期間について曖昧な証言をした籠池氏よりずっと重い責任を問われるのである。

 この問題について、籠池氏は証人喚問で記憶の曖昧さを語っており、「安倍総理大臣就任前のほんの一瞬だ」と主張し続けたわけではない。

 西村総裁特別補佐が偽証罪の疑いがあるとして取り上げた話はどちらも、告発して捜査や裁判になれば、否応なく、安倍夫妻と森友学園籠池氏の関係が白日の下にさらされるものである。

 そして、最低でも、昭恵夫人は検察官や裁判官の尋問を受けることになる。

 安倍夫妻が森友学園(籠池氏)と深い関係にあったことは否定できないのだから、くだらない「籠池犯罪人」説の宣伝に励むと、瓢箪から駒で望まない事態が発生する危険があることを認識すべきである。

(籠池氏がこれまでで安倍夫妻に関するネタをすべて出し切ったと考えるのも愚かである)

 安倍自民党が偽証罪での告発に動くことはないが、国会での証言をもって偽証として告発するためには、三分の二以上の多数による議決が必要なので、一強の安倍与党としてもハードルが高い。

※参考資料

議院証言法(議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律)

第八条  各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が前二条の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない。但し、虚偽の証言をした者が当該議院若しくは委員会又は合同審査会の審査又は調査の終る前であつて、且つ犯罪の発覚する前に自白したときは、当該議院は、告発しないことを議決することができる。合同審査会における事件は、両議院の議決を要する。
○2  委員会又は両議院の合同審査会が前項の規定により告発するには、出席委員の三分の二以上の多数による議決を要する。

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自民 西村氏ら 籠池氏証言「偽証罪での告発も」[NHK]
3月28日 21時57分

学校法人「森友学園」の籠池理事長の証人喚問をめぐって、自民党の西村総裁特別補佐らは、28日夜、党本部で記者会見し、籠池氏の証言の中には、偽証の疑いのあるものが見られるとして、事実関係を精査していく考えを示しました。

衆参両院の予算委員会で、先週23日に行われた大阪の学校法人「森友学園」の籠池理事長の証人喚問を受け、自民党の西村総裁特別補佐らは、籠池氏の証言の中には偽証の疑いのあるものが見られるとして、28日夜、党本部で記者会見しました。

それによりますと、安倍総理大臣夫人の昭恵氏から受け取ったとする寄付金100万円について、籠池氏は「学園の職員が郵便局に持ち込み、振り込んだ」などと証言しましたが、「払込取扱票」のコピーの筆跡などから、籠池氏の妻が持ち込んで振り込んだ疑いがあるとしています。

また、「安倍晋三記念小学校」の名称を使って小学校を開設するための寄付金を募っていた期間について、籠池氏は「安倍総理大臣就任前のほんの一瞬だ」と証言しましたが、関係者から入手した資料を基に調べたところ、2年から3年の間、安倍総理大臣が就任したあとも使っていた可能性があるとしています。

西村氏は「国政調査権を発動して、しっかりとした書類を集めることが必要で、与党内でよく相談して進めていきたい。調査に基づいて偽証が確定すれば、偽証罪での告発も含めて考えていきたい」と述べました。

国会が、証人喚問で行った証言が事実と異なるものだとして、偽証の疑いで告発したのは、最近では、平成20年1月の守屋元防衛事務次官で、衆・参両院の委員会で全会一致で議決されています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170328/k10010928351000.html?utm_int=news_contents_news-genre-new_005&nnw_opt=news-genre_b



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/239.html

[政治・選挙・NHK223] 核禁止条約、日本は不参加 国連演説「国際社会を分断」:核兵器禁止条約は“危険な考え”なので反対:しかし日本は参加すべき

 現時点で、核兵器を国際法で違法にすることには反対である。

 核兵器がその威力と放射能汚染の長期的影響などからおぞましいものであることは認識している。
 しかし、広島や長崎で瞬時に殺された人たちにとっては、使われたものが原爆であろうがライフル銃であろうが同じだったはずである。(イヤな言い方をすれば原爆の方が瞬殺で楽もいえる)

 先に「アジア太平洋戦争」の空爆について言えば、原爆の使用よりも、子供も含む非戦闘員が大勢暮らしている都市に爆弾を投下するという国際法(ハーグ陸戦協定)違反のほうが強く非難されるべき戦争行為だと考えている。

 核兵器を国際法上違反と定めたとしても、9.11で米国が今なお生物兵器を保有しているとわかったように、核兵器禁止条約を批准した国々の核兵器非存在をきちんと検証することは難しい。
 検証が難しいとわかれば、核兵器保有国はどこも“自分だけ”が核兵器を廃棄することはないから、核兵器禁止条約は有名無実のものとなる。

 核兵器禁止条約に反対するのは、それが戦後世界の秩序維持にとって“危険”なものと考えるからである。
 簡潔に言えば、現在でもそうだが、通常兵器体系で圧倒している米国(およびNATO)の身勝手な軍事行動をさらに“誘発”する危険性が高くなると考えるからである。

 現在の中国でも、通常兵器体系で米国と比較すれば大きく見劣りする。
 しかし、数は少ないと言え、核弾頭を搭載したICBMを中国が持っていることで、米中の本格的な軍事衝突に歯止めがかかっている。

 北朝鮮も、核開発は“お芝居”だと思っているが、仮に運搬手段を伴って核兵器を持っていれば、それが“防衛”(自国への侵略抑止)の決定的な砦になることもある。

(米国と北朝鮮はウラン濃縮も認めてもらうなど基本的に“お友達”だが、“お友達”ではない場合、北朝鮮の防衛は、第一義的に、「どちらか一方が他国に攻撃された場合、もう一方は自動的に他方を助けなければならない」とする「中朝友好協力相互援助条約」に負っている)

 戦後世界では、広島・長崎に原爆を投下した米国が“核兵器独占”で軍事力を誇ったが、64年に中国が核兵器実験に成功したことで、現在のUN安保理常任理事国5カ国はすべて核兵器を保有する「相互確証破壊」の関係になった。

 広島・長崎に投下された原爆(ウラン型・プルトニウム型)はともに、ナチスドイツ製だと考えている(45年春にドイツから原爆を数発持ち帰った:米国製は46年のクロスロード作戦で実験したものが初)が、戦後ソ連に連れていかれたドイツ人科学者&技術者がソ連で原爆をつくり、米国がVXガス製造技術と引き換えに英国に原爆製造技術を供与するなどを経て、UN安保理常任理事国全体に核兵器の保有が拡大した。
 現在の北朝鮮より産業力で劣っていた中国が64年に原爆を保有できるようになったのも、米ソいずれかから基本技術を供与された結果だと疑っている。

 あれこれ陰謀論を書いたが、言いたいのは、世界支配層は、戦後世界で経済的軍事的に圧倒的な力を誇っていた米国の独走的軍事行動を抑制するため、核兵器をUN安保理常任理事国(かつての中華民国(台湾)を除く)に“拡散”したという見立てである。


 簡単に核兵器禁止条約に反対する理由を説明したが、戦争で核兵器を使われ、建前とは言え、核兵器廃絶をめざすことを国是としている日本は、核兵器禁止条約に賛成しないとしても、制定交渉には参加すべきと考える。

 「核兵器禁止条約」への不参加を決めたことについて、岸田文雄外相は、「交渉に米国など核保有国が参加していない現状を指摘したうえで「核兵器(の保有)国と非核兵器国の対立を深めるという意味で逆効果にもなりかねない」と説明したそうだが、日本は制定交渉に参加し、核保有国と核非保有国のミゾを埋める役割を担うべきと思うし、唯一の戦争被爆国としてそれができる立場にあると思う。

 「核兵器禁止条約」制定交渉に参加し、その議論を通じて、「核兵器禁止条約」ではなく「核兵器非保有国への核兵器用禁止条約」を制定することができれば、少しはましな世界になると考える。

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核禁止条約、日本は不参加 国連演説「国際社会を分断」

 【ニューヨーク=高橋里奈】27日に国連本部で始まった核兵器の使用を法的に禁ずる「核兵器禁止条約」の制定交渉で、日本の高見沢将林軍縮大使が同日演説し「現状では建設的かつ誠実に参加することは困難」と不参加を表明した。唯一の戦争被爆国ながら安全保障で米国の「核の傘」の下にある日本は直前まで参加するかどうかの意思を明らかにしていなかった。(関連記事を社会2面に)

 禁止条約の初交渉は27〜31日まで国連本部で開かれ、参加国が条約の原則や禁止事項などについて意見交換する。27日の開幕時には各国の代表が「核兵器は人類や国際社会に対する最大の脅威」(フィリピン)と廃絶を訴えた。核兵器保有国の米英仏ロ中などは参加していない。

 高見沢軍縮大使は27日の演説で「核兵器保有国が参加しなければ、保有国と非保有国の亀裂、国際社会の分断を一層深め、核兵器なき世界を遠ざける」と指摘。そのうえで「北朝鮮の脅威など現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」と述べ、保有国を巻き込んだ「現実的かつ効果的な措置の追求が必要」として条約に否定的な見方を示した。

 高見沢軍縮大使は演説後、記者団に対しても「核軍縮を進めるためには保有国の関与がどうしても必要」と強調。「今回の交渉は核兵器国の理解が得られていない」として「参加は難しい」と語った。

 米国のニッキー・ヘイリー国連大使は27日、開幕時に記者会見し「母親、娘として家族のために核兵器なき世界を何よりも求めている」としながら、条約交渉について「我々は現実的にならなければならない」とけん制した。

 そのうえで「北朝鮮が核兵器禁止に同意すると信じる人がいるだろうか」とも主張。北朝鮮が核開発を続けるなかで禁止条約を制定することは非現実的との考えを示した。ヘイリー氏の会見には英仏や韓国、ウクライナの大使ら約20人が同席した。

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「保有国との対立深める」岸田外相

 岸田文雄外相は28日の閣議後の記者会見で、「核兵器禁止条約」への不参加を決めたことについて、交渉に米国など核保有国が参加していない現状を指摘したうえで「核兵器(の保有)国と非核兵器国の対立を深めるという意味で逆効果にもなりかねない」と述べた。「(核保有国と非保有国が)ともに参加する枠組みが核兵器のない世界に向けた最短の道だ」とも強調した。

[日経新聞3月28日夕刊P.1]

http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/242.html

[政治・選挙・NHK223] ウラン濃縮施設「北朝鮮が倍増」 IAEA事務局長:核燃料用イエローケーキの製造

ウラン濃縮施設「北朝鮮が倍増」 IAEA事務局長

 【ワシントン=共同】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、21日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、北朝鮮が2010年以降、ウラン濃縮施設の規模を倍増させたと指摘した。

 イラン核問題で米欧などが取った外交手段によって、北朝鮮に核開発を放棄させられる可能性については懐疑的な見方を示した。

 北朝鮮は10年に米国の核物理学者ヘッカー氏に、寧辺にあるウラン濃縮施設を公開。天野氏は、今月20日に応じたインタビューで、IAEAが衛星画像などの分析を続けてきた結果、寧辺の施設が2倍の規模に拡大したとみていると語った。

 北朝鮮の核開発は着実に進んでいるとし、近い将来の外交的解決の見通しについて「楽観できる理由がない」と述べた。

[日経新聞3月22日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/245.html

[政治・選挙・NHK223] 核禁止条約、日本は不参加 国連演説「国際社会を分断」:核兵器禁止条約は“危険な考え”なので反対:しかし日本は参加すべき あっしら
2. あっしら[689] gqCCwYK1guc 2017年3月29日 04:10:15 : 9k1d0IFXmQ : TWJ3Dvtunhs[2]

1.さん、コメントありがとうございます。


>先頭部分は誰の意見だ?

わたくし「あっしら」の考えです。

>間違いだらけで読むに耐えない。

参考にさせていただきたいので、どこがどのように間違っていると思うのかご教示ください。

[引用]
いずれにせよ日本は正義も信頼も無い北朝鮮と変わらないゲスの国だという証明を、今回したということである。
日本に対して先制核攻撃することは、何の差し支えもないと宣言したも同然だ。
何が起きても自民党のせいだということだ。
敵は外ではなく、内にいる。

[コメント]
利口ではない政策選択だと思いますが、「日本に対して先制核攻撃することは、何の差し支えもないと宣言したも同然」と言えるほどの話ではないと思いますよ。

核保有UN常任理事国5ヶ国が揃って核兵器禁止条約には参加しないと表明しているのですから、このまま制定交渉を進め条約ができたとしても、実際のところ有名無実なのですから...


http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/242.html#c2

[政治・選挙・NHK223] 橋下前大阪市長 トランプ政権から日本に外圧を:米国での講演で:アホかいな、戦後の日本はずっと米国から異常なほどの圧力

 橋下氏の「アメリカから日本に対し強力な外圧をかけてもらいたい。トランプ大統領が『日本も自分の国は自分で守るべきではないか』とか『場合によっては在日アメリカ軍の撤退もありえる』ということまで言ってくれれば、日本人はみずからの国を守ることや軍事力についてしっかり考えるようになる」という発想は“毒をもって毒を制す”的術策としてまったく認めないというわけではないが、米国に赴いて大きな声で語るべきことではない。

 在沖縄米軍司令官に、沖縄の性的サービス提供施設活用を進言した橋下氏らしい“おっちょこちょい”ぶりである。
 両方の問題とも、心底そう思っていても直接的表現で言うような事柄ではない。

 「日本対米隷属関係」を「日米同盟」と呼ぶことだけでもまっとうな政治家からはほど遠いと断言するが、戦後史を顧みれば、占領下で第9条を含む憲法制定→戦力保持の第一歩である警察予備隊創設→サ条約&日米安保条約→自衛隊創設という初期の推移からでもわかるように、防衛軍事問題について戦後の日本は、米国支配層の世界観・アジア観・日本観の変移に伴うかたちで右に左に引きずり回されてきた。

 一昨年成立した「新安保法制」もそうだが、日本の軍事に関する問題は、箸の上げ下ろしレベルまで米国の差配と圧力を受け続けている。
 逆から言えば、日本は、どこまでの装備をするのかという保有兵器体系や自衛隊の対外軍事活動について、“自主”的判断で動くことは容認されていないのである。

 中国やその他のアジア諸国が反発する対外軍事活動は、南シナ海哨戒活動など米国支配層が“必要”と考えるときのみ許される(求められる)。
 米英の侵略戦争に加担することになった自衛隊イラク派遣(民生支援も戦争及び占領政策の一環)やアフガン軍事行動インド洋給油支援(燃料代と補給活動人員の提供)など、国民に対しては“軍事活動ではなく良い支援”と説明しながら米国支配層が求める軍事活動に励んできた。

 防衛云々を語るのなら、自衛隊の解散改組まで踏み込んで日本国憲法(第9条)を遵守するのか、対米従属関係を解消したのち憲法を改正し新たな国防組織を確立するのかといった根本命題を示さなければ意味がない。


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橋下前大阪市長 トランプ政権から日本に外圧を[NHK]
3月28日 6時22分

アメリカを訪れている橋下前大阪市長が講演し、日米同盟について、「日本もやるべきことをやらなければいけない」と指摘したうえで、日本人が自国の防衛についてしっかり考えるようになるよう、トランプ政権から外圧をかけてもらいたいと訴えました。

日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下前大阪市長は27日、ワシントンで講演しました。

この中で、橋下氏は日米同盟について、「今の日本の自衛力は非常にお粗末だ。アメリカも財政状況が厳しく、同盟関係を維持するためにトランプ政権は公平な負担を求めているので、日本もそこに貢献するような形でやるべきことは、しっかりやらなければいけない」と指摘しました。

そのうえで、「アメリカから日本に対し強力な外圧をかけてもらいたい。トランプ大統領が『日本も自分の国は自分で守るべきではないか』とか『場合によっては在日アメリカ軍の撤退もありえる』ということまで言ってくれれば、日本人はみずからの国を守ることや軍事力についてしっかり考えるようになる」と訴えました。

また、橋下氏は「安倍政権は今、非常に苦しんでいる。北朝鮮でミサイルが発射されるかもしれない危機的な状況の中で、わずか数億円の国有地の売買をめぐって国会が大騒ぎになっている」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170328/k10010927081000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005&nnw_opt=ranking-social_b


http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/262.html

[政治・選挙・NHK223] 核禁止条約、日本は不参加 国連演説「国際社会を分断」:核兵器禁止条約は“危険な考え”なので反対:しかし日本は参加すべき あっしら
5. あっしら[690] gqCCwYK1guc 2017年3月29日 13:36:30 : 9k1d0IFXmQ : TWJ3Dvtunhs[3]

仁王像さん、コメントありがとうございます。

 貴殿のお考えは一応知っているつもりですし、自分のスレッドにはフォローアップを付けるなというような方なので、反応しないかたちで見てきましたが、一つだけ質問させていただきます。

「核兵器禁止条約」に、象徴的な意味を超える現実的な意味(核兵器廃絶)があるとお考えですか?
 具体的には、核兵器禁止条約発効後の世界はどのようなものだと思われますか?


[引用]

「これだ・・・瞬殺されず、皮膚がただれ後遺症にも苦しみ抜いて死んでいった人々もゴマンといる。そこが飛んでいる。典型的な統治者側の思考法。死に行く民衆の側への思い入れが微塵もない。
 核武装論者のスタンスは統治者側以外には有り得ない。」

[コメント]

 通常爆弾でも、程度は違うとしても、「皮膚がただれ後遺症にも苦しみ抜いて死んでいった」人がごまんといるし、四肢を失い絶望的な思いを抱きながら生き続けている人もごまんといます。
 そして、今現在も、そのような悲惨な状況に新しく陥る人が生まれています。

 貴殿のような犠牲者に思いを致す発想を不要とは思っていませんが、「死に行く民衆の側への思い入れが」豊潤にあるだけでは、現実に起きている悲惨な状況をほんのわずかでも減らすことはできないとも思っています。


http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/242.html#c5

[政治・選挙・NHK223] 「昭恵−谷FAX」はゼロ回答ではなく財務省などの“格別の忖度”や“違法な配慮”があったことを明瞭に示す最重要資料

 常々言っているが、安倍首相には「日朝国交正常化」=拉致問題解決という国際的約束を伴う政治的使命を実現するまでは首相を続けて欲しいと思っている。
 しかし、これまで投稿してきたように、「森友学園小学校疑獄」への奇妙で強権的な対応ぶりは目に余るものがあり、大政翼賛(最後は安倍首相を支える)の野党も倒閣の意志はないようなので、安倍首相に最後通告する思いで投稿する。

 やりたいならやってみろ!と言いたい「籠池氏の偽証罪告発」は醜悪の極みだが、「森友学園問題で安倍夫妻が詰んでしまった」決定的証拠=「昭恵−谷FAX」について、菅官房長官や自民党国会議員そしてテレビコメンテーターなど安倍応援団は、あのFAXで安倍首相(夫妻)が森友学園に何も利益を提供していないことが証明された、あの回答はゼロであり口利きとは言えないなどとデタラメなことを言い募っている。

 しかし、国会答弁で安倍首相も「谷さんが勝手にやったとは思っていない」と心情を吐露した「昭恵−谷FAX」には、重大な疑惑と問題が明確に現れており、そのようなゴマカシや強弁を続ければ、疑惑はますます深まっていくだろう。

 安倍擁護勢力は、このような中学生でもせせら笑うバカバカしい言い逃れや安倍夫妻擁護活動が「森友学園小学校疑獄」問題の解決を遅らせていることに早く気づくべきである。

 最初に、「昭恵−谷FAX」の内容がたとえゼロ回答であったとしても、昭恵夫人の口利き(配慮)は否定できないことをはっきりさせたい。
 要望のすべてがダメ(ゼロ回答)であっても、受けた官僚の遵法意識が高かったか口利きのひとの政治力が低かったなどを推測させるだけで、昭恵さんが口利き(関与)を行ったという事実を消すものではない。

 次に、昭恵夫人の口利きを否定するための、「(「昭恵−谷FAX」の内容は)一般的で事務的な問い合わせで、依頼や働き掛け、不当な圧力ではまったくない」という説明の妥当性を考える。

 首相夫人付き国家公務員として昭恵さんの公的活動をサポートする職掌範囲を超えているという問題はつきまとうが、谷さんの財務省への問い合わせが不当な圧力を意図したものでないとは思う。

 しかし、森友学園サイド(籠池氏や代理人弁護士さらには鴻池参議院議員)は、あのFAXが送信された半年ほど前に財務省(近畿財務局)とのあいだで、「買い受け特約付き有償貸付契約」を締結しており、締結に至るまでのあいだ賃料や期間などをめぐり丁々発止の交渉を行ってきた実績があり、たんなる「一般的で事務的な問い合わせ」でわざわざ昭恵夫人を煩わす必要なぞないのである。

 借り受け(買い受けまでの)期間の延長やゴミ処理費用の返還などは、当然のことだが、契約の相手方である近畿財務局に“問い合わせ”をしなければならない問題である。
そうであるのに、昭恵さんに助力を願い財務省本省に問い合わせをしてもらったということは、近畿財務局との交渉で期待する回答が得られなかった前段階があったことを示唆している。

 このことだけでも、「昭恵−谷FAX」は、“一般的で事務的な問い合わせではなく、依頼や働き掛け”であることがわかる。

 ここまでの説明で、「昭恵−谷FAX」が昭恵夫人の口利きをほぼ証明するものだとご理解いただけると思う。(ほぼというのは、谷さんが独断で動き昭恵さんには事後報告という可能性はゼロではないから:事後でも最終的にFAXの送信を認めたことは薄い関与に相当)

 決定的な問題に移ろう。

 「昭恵−谷FAX」は、森友学園の財務省への働きかけに昭恵さんの関与(口利き)があったことが窺い知れる資料というだけでなく、森友学園への超破格値での国有地払い下げに潜む中央省庁の違法な“忖度”を見出すことができる重大かつ重要な資料でもある。

 「昭恵−谷FAX」2ページ目の4)に森友学園が立て替えているゴミ処理費用の支払いに関する内容がある。

「4)工事費の建て替え払いの予算化

一般には工事終了時に清算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第返金する」旨の了解があったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中。」


 「一般には工事終了時に清算払いが基本」という説明があるが、この“一般”は、中央政府が売却した土地に隠れたキズ(瑕疵)があったときの話であり、今回のケース「買い受け特約付き有償貸付契約」に基づく貸し付け期間中の土地には適用されないものである。

(「買い受け特約付き有償貸付契約」からほぼ1年後に、森友学園と近畿財務局のあいだで売買契約が締結されたが、売却時に発生した値引きの問題はひとまず脇に置く)

 「昭恵−谷FAX」に拠ると、谷総理大臣付きから問い合わせを受けた財務省(田村嘉啓国有財産審理室長(当時))は、「平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と回答し、実際に、昨年16年4月6日に森友学園が実施したとする土地改良・埋設物撤去費用1億3176万円を返還している。

 森友学園問題国会で、麻生財務大臣も、当年度中に予算措置がされていなかったのだから、次年度に予算措置を講じるのは当たり前と答弁している。

 しかし、この一見当たり前のことに思える措置も、実のところ、極めて異例な対応なのである。

 財務省の規則に則っとるなら、森友学園にゴミ処理費用を返還するとしても、実際にその費用を返還する時期は、貸し付け契約が終わり特約に従って森友学園が土地を購入するとき(10年後)なのである。

 わかりやすく言えば、ゴミ処理費用1億3176万円は、最終的な売買価格から差し引かれるかたちで10年後に処理されなければならないものなのである。

 貸し付けている土地で借り主が負担したゴミ処理費用など有益費に関する財務省の規則は次のようになっている。


○普通財産貸付事務処理要領
https://www.mof.go.jp/about_mof/act/kokuji_tsuutatsu/tsuutatsu/TU-20010330-1308-14.pdf


「第6 必要費等の取扱い

(1の必要費は省略)

2 有益費 貸付物件を改良又は改造するために必要な費用を支出する場合で、その費用が少額であるときは、契約解除等により貸付物件を国に返還する際、当該改良又は改造によ る経済的価値が残存する場合であっても、これを相手方に償還しないこととする。

ただし、その有益費が相当の額になり相手方に負担させることが適当でないと認められる場合であって、契約解除等により貸付物件を国に返還する際、当該改良又は改造による経済的価値が残存し、かつ、その残存する経済的価値の評価額が相手方と協議して定めた額を超えるときは、その超える額を償還するものとする。」


 貸付先とのあいだで結ぶ契約の内容を規定する「普通財産貸付事務処理要領」は、少額のときは返還しないと定め、有益費が高額で相手方に負担させることが適当でない場合でも、時期と金額について厳格に定めている。

 時期は、「契約解除等により貸付物件を国に返還する際」(森友学園のケースは返還後買い取りだがタイミングは同じ)である。
 返還金額は、「残存する経済的価値の評価額が相手方と協議して定めた額を超えるときは、その超える額を償還する」と規定している。

 さらに言えば、森友学園が負担したゴミ処理費用1億3176万円について、果たして政府(国庫)は返還する責務を負っているのかという疑念も提起できる。

 森友学園は、当初、買い受け特約がある10年間の定期付き有償貸付契約であの土地を借りた。

 財務省の「売却困難財産等に関する事業用定期借地権の設定について」に拠れば、


○売却困難財産等に関する事業用定期借地権の設定について
https://www.mof.go.jp/about_mof/act/kokuji_tsuutatsu/tsuutatsu/TU-20120302-0833-14.pdf

「8 特約事項

※(1)から(4)は省略

⑸ 貸付財産に地下埋設物や土壌汚染等が存することを明示したうえで貸付けする場合 は、標準合意書式を以下のとおり修正して使用すること。

(特約条項)
第 11 条 乙は、貸付物件について、別途交付する調査報告書(写)等に記載されている地下埋設物(有害物質)のかしが存在することを了承したうえ、貸付物件を借り受けるものとする。

(かし担保)
第 11 条の 2 甲は、本契約締結後、貸付財産に隠れたかしが発見された場合には、民法第 570 条に規定する担保の責任を負う。
ただし、調査報告書(写)等に記載された事項については免責されるものとする。
2 第 11 条(特約条項)のかしについては、前項の隠れたかしに該当しない。 」


 ご存じのように、森友学園が購入した国有地に隣接する土地は、公園用地として2010年豊中市に売却されている。
 遅くとも、この時点で、森友学園が購入した土地を含むあの一帯に、それなりの量の生活ゴミや廃材が埋設されていたことがわかっている。

 であるなら、「8 特約事項」の「⑸ 貸付財産に地下埋設物や土壌汚染等が存することを明示したうえで貸付けする場合は、標準合意書式を以下のとおり修正して使用する」というルールが適用されていなければならず、ゴミ処理費用1億3176万円も、そのうち「調査報告書(写)等に記載された事項については免責される」はずである。

 もしも、それ以前から埋設物の存在は人々の口の端に上り、公園用地として豊中市に売却するときには確認もされているのに、森友学園との定期付き貸付契約で、地下埋設物や土壌汚染等が存することを明示する「調査報告書」を公布していなかったとしたら、それこそ近畿財務局に“重大な不正”があったことになる。

 このように、財務省や大阪府そして大阪航空局が交渉記録などを秘匿している状況で、「昭恵−谷FAX」は「森友学園小学校疑獄」の構図を解き明かすための決定的で重要な証拠書類なのである。

 FAXの「4)工事費の建て替え払いの予算化」の項には、「学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第返金する」旨の了解があったと承知している」という内容がある。
 これが本当なら、これまでの説明でわかるように、近畿財務局が契約主体だから権限がない国土交通省航空局が貸し付け土地の有益費について森友学園に対しおかしな約束をしていたことになる。

 そして、FAXの4)で、「一般には工事終了時に清算払いが基本」というズレた回答を寄越した当時の田村嘉啓国有財産審理室長にも“共犯”の疑いが浮上する。


 「森友学園小学校疑獄」は幕引きモードに入りつつあるが、安倍首相夫妻を守るとしても、安倍夫妻の謝罪と不正な取り引きに関わった“主犯格”の処分は不可欠であり、それらが行われないまま幕引きができるという安易な予断は持たないほうがいいと助言する。

※関連参照投稿

「自民 西村氏ら 籠池氏証言「偽証罪での告発も」:やる気もなくできもしない空虚なコマーシャル活動」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/239.html

「安倍首相を侮辱した籠池氏は呼んでも、証人喚問を望んでいる「松井大阪府知事」を呼べない安倍自民党の本音と事情」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/161.html

「森友問題、政府説明「納得できず」74% 本社世論調査:日経:それでも支持率はアップ?安倍夫妻なしでは起きなかった事件だが」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/148.html

「昭恵さんが利用されたと言うのは、安倍内閣そのものがあの家族に利用されてしまうほど無能でアホという危険な話」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/123.html

「「昭恵さん証人喚問問題」や「谷FAX問題」に対するあまりに酷く醜い安倍首相の国会答弁」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/897.html

「m4PK28Y9Owさんへ:小学校設置認可と国有地取得は一体不可分:口利きで森友からカネをもらっただけなら鴻池氏は無罪」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/870.html

「籠池証人喚問で役人は物持ちがいいとわかったのだから財務省と国交省に交渉メモの公表を厳命し早期の問題解決を」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/823.html

「森友学園問題のキーパーソン安倍昭恵さんが発信したコメントは“否定”ではなく「関与」を認める内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html

「籠池氏の日本外国特派員協会での会見:ここに至るもなお安倍首相を慕い、悪いのは君側の奸と大阪の維新と考える籠池氏」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html

「“ほんまもんの天然”昭恵夫人は安倍首相にとって「疫病神」なのか「救世主」なのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/552.html

「籠池氏証人喚問に動いた自民党に首相夫人「安倍昭恵」の証人喚問に応じる覚悟はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/486.html

「森友学園の「人寄せパンダ」と「金集め招き猫」でありながら責任を認めず謝罪もしない安倍首相夫妻こそ“誰よりも躾が必要”」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/456.html

「安倍政権の無能な対応ぶりでは籠池サイドの逆襲を受けるのは当然:買い戻しをめぐる裁判も含め長々と泥沼が続く「森友学園問題」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/453.html

「森友学園理事長招致、結論先送り 首相「介入なかった」:参考人招致、籠池氏は何を言い出すか分からず首相官邸が呼びたくないと」
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/642.html

「ちょっとブレイク:安倍昭恵さんの「なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか」という問いかけに意味はあるのか」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/173.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/273.html

[経世済民120] アパート融資 異形の膨張 昨年3.7兆円、新税制で過熱:バブル期を超える過去最高の新規融資12.2兆円

アパート融資 異形の膨張 昨年3.7兆円、新税制で過熱

 金融機関による2016年の不動産向け融資が12兆円超と過去最高を記録した。背景の一つが相続対策のアパート建設だ。人口減社会には似つかわしくないミニバブル。まだ局所的とはいえ体力の弱い地域金融機関が主役だけに金融庁や金融界からも不安の声が上がる。米リーマン危機を引き起こしたサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題の「日本版にもなりかねない」(大手銀行首脳)。

 近鉄名古屋線、津駅から車で10分ほど。海岸に近い中河原地区を中心にアパートが急に増え始めたのは6年ほど前だ。すぐ数軒が目についた。「入居者募集中」。1キロ平方メートルほどの地区に数十軒以上が密集するアパート銀座だ。表札付きの部屋は一部で駐車場の車もまばら。徒歩圏内に駅もないこの地になぜなのか。

■  ■
 「ブームだからと不動産業者があちこちに営業をかけた」。市内の男性(70)は憤る。自身も約10年前、業者の勧めで銀行から約2億円を借りて畑にアパートを建てた。近隣工場に勤務する人が入居したが、土地の安さに目を付けた業者が営業を強化しアパートが急増。入居者の争奪が起き「今はどこも空室だらけ。誰が責任を取るのか」。

 日銀によると16年の全国の不動産融資は前年から15%増の12兆2806億円で統計のある1977年以降で最高。バブル期も上回った。アパートローンも同21%増の3兆7860億円と09年の統計開始以来、最高に達した。貸家の新設着工件数も41万8543件と8年ぶり高水準だ。

 理由の一つは、15年の税制改正で相続税の課税対象が広がったことだ。アパートを建てると畑や更地などより課税時の評価額が下がるため地主らが相続税対策で一斉に建築に走った。マイナス金利で貸出先を模索する金融機関も融資に動き、東京都の郊外などにとどまらず東北や山陰といった地方部にも異様なアパートラッシュが広がった。

 埼玉県羽生市は市内の空室率が10年でほぼ倍増。下水施設などの維持管理コストが膨らむことを懸念し、15年にはアパートの建設地域を従来よりも制限する規制を出した。関西や中部圏から同じ悩みを持つ自治体の視察も相次いでいる。

 融資急増の反動も出ている。「家賃減額分を支払ってほしい」。愛知県に住む80歳代の男性は2月、不動産大手を相手取った訴訟を地裁に起こした。「10年は家賃が変わらない契約だったのに、6年後に10万円減額された」と主張している。

 男性はある契約を交わしていた。家賃徴収などを会社に一任する「サブリース」で、契約で決めた家賃を大家に払い続けるためリスクが少ないとされる。だが契約大家でつくる会によると、業績悪化などを理由に家賃を減らし、トラブルになるケースが増えている。この不動産大手は「運営環境などに基づいて判断し、協議したうえで決めている。家賃を上げることもある」と説明する。

■  ■

 こんな事例は氷山の一角との声がある。融資を受ける場合、毎月の家賃収入が返済額を下回ると収支が逆ざやになり、運営を続けられなくなる恐れがある。石川県内にアパートを2棟所有していた男性(61)は家賃を1割減らされたことなどで月々の収支が悪化し14年にアパートを売却した。資産価値下落で手元には約3000万円の借金が残った。

 融資実態も不透明だ。津市内のある大家は「不動産業者の紹介で2つの都市銀行から数億円借りたが事業性などの質問はほぼなかった」と証言する。中長期の入居見込みすら確かめていない可能性がある。

 日銀統計もメガバンクや地方銀行などが対象でノンバンクは含まない。工場の敷地内にアパートを建てるケースなども含まれず実情を反映していない。中小企業が運転資金の名目で借りる「事業性融資」が実はアパート向けだったりすることもあるが、金融機関によって定義はあいまいだ。

[日経新聞3月26日朝刊P.1]


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/580.html

[医療崩壊5] 子宮移植で出産、議論呼ぶ 慶大、臨床研究に向け準備

子宮移植で出産、議論呼ぶ 慶大、臨床研究に向け準備
健康体にメス懸念/代理出産含め検討

 病気のために子宮を持たない人に第三者の子宮を移植して妊娠・出産につなげる「子宮移植」の実施に向けた動きが明らかになった。慶応大学などのグループが臨床研究の実施に向け、今年中にも同大の倫理委員会に提出する準備を進めている。子宮のない人が子どもを持つことを可能にする一方、提供者は大きな手術を受ける必要がある。出産のために第三者の体にメスを入れてよいかという倫理面でも議論を呼びそうだ。


 子宮移植は世界では2000年から試みられており、14年にスウェーデンで初めて子どもが誕生した。対象は、生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」という病気の女性だ。4000〜5000人に1人の割で起きるとされる。子宮がんなどで子宮を失った女性も対象になる。

 移植を望む人は卵子を採って体外受精し、凍結保存したうえで、第三者の子宮を移植する。提供者は母や姉妹などの親族のほか、海外では脳死者のこともある。移植後は数カ月から1年ほど、免疫抑制剤を服用しながら様子を見、移植した子宮が拒絶されず機能することを確認する。その後受精卵を子宮に戻し、妊娠につなげる。

 出産は帝王切開だ。産後、次の子どもを望まない場合は子宮を摘出する。移植した子宮が体内にある間は免疫抑制剤を服用し続ける必要があるためだ。

 日本では慶大や東京大学などのグループが研究を進めてきた。サルを使った実験では、いったん子宮を取りだし、元に戻して妊娠、出産させることに成功。サルの子宮を摘出して別のサルに移植するなどの実験を重ねている。

 慶大は昨年、医学的な問題や倫理面の課題を検討する作業部会を設置した。産婦人科や小児科の医師に移植コーディネーターらを加え、月に1回、議論を重ねている。チームは年内に学内の倫理委員会に申請することを検討している。

選択肢を増やす

 不妊に悩む人を支援するNPO「Fine」の松本亜樹子理事長は「子宮がないことで男性とつき合えないと思っている人は多い。当事者には切実な問題だ」と力をこめる。「(移植という)選択肢があるだけで人生の選び方が変わり、結婚や出産が考えられるようになるという人も多い」

 子宮のない人が子どもを持つには、代理出産や養子という選択肢もある。臓器移植の専門医らでつくる日本移植学会の湯沢賢治副理事長は「代理出産には実績があるが、子宮移植はまだ試行段階。子宮移植と代理出産で、どちらの負担が少ないか検討すべきだ」と話す。

 子宮摘出は10時間以上もかかる大きな手術で、死亡のリスクもゼロではない。「まずは日本産科婦人科学会(日産婦)や日本生殖医学会で議論をする必要がある」と指摘する。

 生殖医療に詳しい埼玉医科大学の石原理教授は「日本では母親や親族以外に提供者がいるとは考えにくい。本当に自発的に同意しているのかどうか、厳しく確認する仕組みが必要だと思う」と話す。

 日本産科婦人科学会は代理出産を認めていない。代理母の負担が大きい、家族関係が複雑になるなどが理由だ。

移植法の対象外

 脳死者からの移植には臓器移植法があるが、子宮は同法の対象外で、現状では脳死者からの移植はできない。「生体移植には法規制がない。臨床研究の規制もほとんどない」と生命倫理学者の●(きへんに勝、ぬで)島次郎・東京財団研究員は警鐘を鳴らす。「命にかかわる病気ではない不妊症のために、健康な人の体にメスをいれていいのか疑問だ。バランス感覚が問われる」

 子宮移植には、母親が免疫抑制剤を使っていることで赤ちゃんに影響はないのかなど、医学的な課題も少なくない。どんな人が移植の対象になるのか、どんな人の提供を認めるのか、脳死者からの提供を認めるべきかといった社会的な問題もある。

 長年、生殖医療に携わってきた慶大の吉村泰典名誉教授は「医療者だけで判断すべき問題ではない。社会全体で考えるべきだ」と話している。

(藤井寛子)


スウェーデンで複数の出産例

 最初の子宮移植は2000年に、サウジアラビアで実施された。産後出血のために子宮を摘出した26歳の女性に、別の女性の子宮を移植した。しかし、移植後に子宮が壊死(えし)し、出産には至らなかった。11年にはトルコで脳死者からロキタンスキー症候群の女性に子宮が移植された。妊娠はしたが、出産にはつながらなかった。

 子宮移植を受けた女性が初めて出産に至ったのは14年。早くから子宮移植に取り組んでいたスウェーデンのイエーテボリ大学のチームが手術した。これまで計9人が移植を受け6人が妊娠、5人が出産した。9人中8人がロキタンスキー症候群の女性で、1人は子宮頸(けい)がんで子宮を失った人だった。提供者は母親や姉、義母、友人などで、平均53歳だった。

 15年に中国で母から、16年に米国で脳死ドナーから移植を受けた例があるが、いずれも成功していない。

[日経新聞3月27日朝刊P.17]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/588.html

[国際18] 米国境調整は「究極の税」? グローバル企業の税逃れ防ぐ 世界の税制論議に一石

[真相深層]米国境調整は「究極の税」?
グローバル企業の税逃れ防ぐ 世界の税制論議に一石

 輸入に課税、輸出は税を免除する――。米下院共和党が法人税改革の一環として示す「国境調整措置」が輸入業者らの強い反対にもかかわらず、消えずに残っている。


http://www.nikkei.com/content/pic/20170324/969599999381959AE3E69AE3EB8DE3E6E2E1E0E2E3E59793E3E2E2E2-DSKKZO1443818024032017EA1000-PN1-1.jpg

 その理由は(1)輸入課税による税収増を法人税率引き下げの財源にあてこんでいる(2)トランプ政権は「輸入に高い税をかける」という選挙公約の実現と宣伝できる――ことにあるが、それだけではない。


米英で推進の声

 国境調整を含む下院共和党案が、米国や英国の税制専門家や経済学者らから「経済活動をゆがめない究極の企業課税」と提唱されてきた改革案に沿った内容だからだ。

 「改革が実現すれば、経済成長と生活水準の向上を促すだろう」。ブッシュ(子)政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたマンキュー・ハーバード大教授は今年1月、自身のブログでこう指摘した。

 その理由として「改革案は実質的には消費税の導入、法人税の撤廃、給与税の減税の3点セットに等しい」「所得よりも消費に課税する方が(経済に)望ましいのは多くの研究が示すところだ」と説く。

 前者については説明が必要だろう。下院案は法人税改革と銘打たれてはいるものの、課税対象は限りなく消費税に近いものになる。輸入品が課税される一方、輸出を免税としている点は日本や欧州の消費税と同じだ。

 共和党改革案の柱の一つは設備投資の即時償却を認めることだが、消費税なら投資分はもともとすべて控除される。

 違いは、消費税では課税対象からはずせない賃金支払い分を引き続き控除できるようにしていることだ。マンキュー教授は、この点をとらえて、実質的な効果は消費税を導入するかわりに給与税を大幅減税するのと同じとしているわけだ。

 経済の活力向上に加えて、経済のグローバル化で目立ってきた企業の税逃れを防ぐ効果も期待される。

 共和党案の原型となる企業税制改革を唱えてきたアウエルバッハ・カリフォルニア大教授は「海外で利益が生まれたようにみせかける操作をしても税の支払額は減らせなくなる。利益でなく国内売上額が課税対象になるからだ」と強調する。
 各国で導入されれば、企業情報の共有など、20カ国・地域(G20)が税逃れ防止のために進めている協調も不要になるとまで指摘している。

 本社の海外移転などで税負担を減らす動きの抑制にもなる。英国の抜本的な税制改革指針をまとめた2010年のマーリーズ・レビューでも、グローバル化時代に即した企業課税改革の選択肢の一つとして、共和党案と同じような税制への転換が提唱されている。

 輸入課税だけみれば保護主義的に見える共和党案だが、日本の専門家の間でも「経済のグローバル化に対応した法人課税のあり方を突き詰めると、消費税に近づくという考え方自体は決しておかしくない」(鈴木将覚・専修大教授)との見方が多い。

 下院共和党の執行部が「国境調整」にこだわる背景には、これをはずせば改革の意義が半減するという意識があるのだ。


消費下押し懸念

 国境調整の問題点は税制としての善しあしよりも、導入時の経済への影響が極めて大きい点や実務上の難しさにある。

 米輸入業者の税負担が一気に膨らむほか、価格転嫁が進めば消費にも悪影響が及ぶ。もちろん、日本企業をはじめ米国への輸出が多い世界の企業にとっても打撃になる。

 米国の有力経済学者の間では「国境調整の影響はドル高で帳消しにされるので、米国の貿易収支や競争条件、米国の輸出入企業の収益には影響を与えない」(フェルドシュタイン・ハーバード大教授)との声もある。

 だが、実際に影響を打ち消すだけのドル高が進むのか、ドル高が進めば新興国経済などに大きな悪影響が及ぶのでは、といった不安は拭えない。

 最大の難関は、世界貿易機関(WTO)が消費税以外での国境調整は協定違反とする公算が大きいことだ。「2国間の租税協定の面でも課題がある」(財務省幹部)

 実現性に難ありだが、企業課税のあり方を一変させる案を米国が投げかけたことは、日本を含め世界の税制改革論議に刺激を与えそうだ。

(編集委員 実哲也)

[日経新聞3月24日朝刊P.2]

※トランプ米国関連参照投稿

「トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html

「自由貿易」は「保護貿易」の変形:南北戦争は保護貿易派による政治闘争:戦後日本は保護主義のもと経済発展
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/494.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/785.html

[国際18] 北朝鮮とマレーシアが共同声明 ジョンナム氏の遺体返還など:2等書記官と高麗航空職員も出国

北朝鮮とマレーシアが共同声明 ジョンナム氏の遺体返還など[NHK]
3月30日 21時21分

北朝鮮のキム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件をめぐって、マレーシア政府と北朝鮮政府は30日夜、これまで禁じていた相手国の国民の出国を認めるとともに、遺体を北朝鮮に引き渡すことになったと明らかにしました。これを受けて、捜査対象になっていた北朝鮮大使館の書記官らが30日夜、マレーシアを出国したと見られています。

マレーシアのナジブ首相が、30日夜発表した声明では、マレーシアにいるすべての北朝鮮国民の出国を認めるとともに、遺体を遺族の求めに応じて北朝鮮に返すとしています。

また、ピョンヤンに足止めになっていた9人のマレーシア人は30日夜、すでに北朝鮮を出発し、31日朝、クアラルンプールに到着するということです。

一方、北朝鮮側も、クアラルンプールにいる北朝鮮の国民がマレーシアを出国できるようになったと発表しました。

30日夜、クアラルンプールから中国・北京に向けて出発した旅客機の搭乗者名簿には、マレーシア警察が捜査の対象としていた、北朝鮮大使館のヒョン・グァンソン2等書記官と、北朝鮮の国営航空のキム・ウギル職員の2人と同じ名前があることがわかり、この2人が出国したと見られています。

ナジブ首相は「わが国で起きた重大な事件に対する警察の捜査は続けられる」として、引き続き事件の捜査を継続する方針を示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170330/k10010931401000.html?utm_int=news_contents_news-main_002&nnw_opt=news-main_a


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/786.html

[経世済民120] IoT社会が問うもの

[創論]IoT社会が問うもの

 あらゆるものがネットにつながる「IoT」の広がりや人工知能(AI)の進化で、社会が大きな変革を迫られている。大量のデータをどう扱うべきか、働き方をどう変えるべきか。ドイツの産業革新を推進する独ソフト大手、SAPのターニャ・リュッカート上級副社長と、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の生みの親で、英科学者のティム・バーナーズ=リー氏に聞いた。

■製造業の勢力図 激変 独SAP上級副社長 ターニャ・リュッカート氏

 ――ドイツでは産業革新につながる「インダストリー4.0」が進んでいます。

 「ネット技術の進化で、これまで人間が操作していた機械や装置をコンピューターが操れるようになった。様々なセンサーから得られる情報をデータ分析することで、トラブルを事前に予測したり、燃費など機械の性能を高めたりできるようになったからだ。ドイツは日本と同様、ものづくりに強い国だが、それをデジタル化することで競争力を一層高めようとしている」

 「提唱したのは、SAPの元社長でドイツ工学アカデミーの会長を務めるヘニング・カガーマン氏ら3人の研究者だ。蒸気機関による18世紀の産業革命、電力による20世紀初頭の大量生産、コンピューターが促した1980年代の自動化などに続き、AIやIoTによって第4の産業革命を起こそうというわけだ」

 ――具体的にはどんなことを進めているのでしょう。

 「様々なデータを即時に収集分析することで、機械同士が直接会話するインテリジェントな製造業を目指している。企業や組織の壁を越えた自動発注なども可能になる。個々の顧客のニーズにきめ細かく対応し、すばやくラインを組み替えて大量生産する『マスカスタマイゼーション』を実現しようとしている」

 「例えば、米老舗二輪大手のハーレーダビッドソンは発注書をデジタル管理し、同じ製造ラインで一台一台異なる製品を作ることに成功した。英自動車大手のジャガー・ランドローバーも同様だ。作業現場から紙の文書を排除し、生産性を20%から25%高めることに成功している」

 ――どんなドイツ企業が推進役なのですか。

 「我々は従来の統合基幹業務システム(ERP)にデータの高速分析技術やクラウド環境を加え、1年半前に『レオナルド』というIoT用の情報基盤を作った。データ分析や機械学習、ロボティクスなど様々なことを同時にやるIoTのインフラとして提案している。機械から様々なデータを取り出すのはシーメンスが得意で、互いに補完関係を築いている。部品大手のボッシュも重要な推進役だ」

 ――米国ではゼネラル・エレクトリック(GE)が「インダストリアル・インターネット」を唱えています。

 「実はSAPはそちらの推進組織にも参画している。GEはビッグデータ分析などソフトやサービス面から事業変革を狙っているが、ドイツは作業現場の自動化などハード寄りの手法をとっている。例えば風力発電機をコンピューター上に3次元の仮想モデルとして再現し、現場に行かなくても状況を確認できる仕掛けだ。『デジタル・ツイン(双生児)』と呼んでいる」

 ――何でも機械でできると人間の職は奪われませんか。

 「危機意識は産業革命の時にも、その後の革命でもあった。しかし人間の仕事がすべて奪われたわけではない。新技術の登場はそれを使う新しい仕事も生んできた。AIやロボティクスは人間の頭脳や労働力をむしろ拡張してくれるものと考えるべきだ。若い『ミレニアル世代』は昔のように何時間も働きたいとは考えていない。機械に労働の一部を代替させることで新しい働き方ができるようになる」

 ――そうした世界を実現するには何が必要でしょうか。

 「まず新技術の登場を恐れないこと。そしてコンピューターや機械と協業できる環境をつくることだ。工場労働者にはIT(情報技術)を理解してもらう再教育を施すべきだ。日本にもドイツにも優秀な職人がいるが、そうした匠の技をデジタルプラットフォームに乗せることが大切だ」

 ――自動運転車が普及すれば車が売れなくなります。

 「だからこそ企業はデジタルトランスフォーメーション(事業変革)が必要だ。ものづくりから一歩進んだ新しい事業を創造しなければならない。その際に一番重要なのはデータだ。企業も自らのデータを積極的に開放し、皆で活用できる環境をつくる必要がある。もちろん個人のデータはしっかり守るべきだ。事業変革と規制のバランスを上手に取っていくことが、今後の重要な課題といえる」

 Tanja Rueckert 独ヴュルツブルク大などで博士。97年独SAPに入社。上級副社長としてIoTと「インダストリー4.0」を推進。
◇    ◇
■データの開放、重要に ウェブ考案した英科学者 ティム・バーナーズ=リー氏

 ――ウェブの考案者として知られています。

 「インターネットの基本的な技術は1969年に生まれたが、当初は様々なネットが存在し、相互につながっていなかった。欧州合同原子核研究機関(CERN)にいた私は、様々なサーバーに分散していたデータをどうすれば一元的に利用できるかと思い、89年に『ハイパーテキスト』という文書連携技術をネットに持ち込むことを考えた」

 ――ウェブが世界を大きく変えると思っていましたか。

 「その時はネットを使いやすくすることを考えていただけだ。放置していたら恐らく崩壊していただろう。それに私がウェブを提案できたのは、実は同じころアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が『NeXT(ネクスト)コンピューター』を作ったからだ。音楽や画像、電子メールにも対応した開発環境があったからできたことだ」

 ――世界のコンピューターがネットにつながることで光と影の側面が生まれました。

 「最大の功績は、文化や国境の壁を取り払ったことだ。人口の半数以上がネットを使うようになった今、同じ文化や言語の中で使われる場合が多いが、本当は異なる世界の人とつながることに利用してほしい。一方、サイバー攻撃など新たな問題が登場したことを考えると、ネットの世界には一定のルールが必要だ。悪意のある政府や企業は個人の行動を監視するツールにも使える。そうさせないためには個人のプライバシーを守る法律やルールを作るべきだ」

 ――ソーシャルメディアの台頭をどう思いますか。

 「ネットはもともと分散型の仕組みだが、その上にソーシャルメディアが中央集権的な階層を作ってしまった。ツイッターもフェイスブックもそうだ。それぞれが独立したサービスで、他のサービスとは連携していない。利用者を抱え込むためだろうが、本来のネットの趣旨には合わない。特定の事業者が個人のデータをビジネス目的で使わないように担保する仕組み作りが必要ではないか」

 ――あらゆるものがネットにつながるIoT時代の到来で、ますます大量のデータが流れる社会になります。

 「データが様々なところで使われるようになるのは当然の流れだ。止めるつもりはない。重要なのは、個人が特定されないように十分管理したうえで広く社会に役立つように豊富なデータを開示することだ。現状ではデータが様々なサイロ(格納庫)に収められ、アクセスできない」

 ――オープンデータを進める英民間組織「ODI」を創設したのはそのためですか。

 「そうだ。交通情報など政府が持つデータを開放し、可視化するスマートフォン(スマホ)アプリを作れば、消費者の利便性は高まる。ロンドンには様々な交通情報を閲覧できるアプリがあり、世界で最も効率のいい都市になった。ほかにも病院の診療情報なども他の患者の治療などに役立つ。こうした重要性を米国に示すためにもODIの活動を始めた。情報を出したがらない政府や企業には、国民が声を上げることが必要だ」

 ――米未来学者のレイ・カーツワイル氏は2045年にコンピューターが人間の脳を上回る「シンギュラリティー(技術的特異点)」がやって来ると指摘しています。AIやIoTが制御する時代には働き方も変わりますか。

 「私もいずれAIが人間より勝ると思う。問題はそれがいつかだ。人間の職が機械に奪われることは産業革命以降、何度も経験してきた。大切なことは職を追われた人をどう再教育するかだ。仕事の定義も変わる。農業は生きるための仕事だったが、今後は趣味になるかもしれない。ロボットが仕事を代替してくれれば、人間は芸術や創造性のために働けるようになる」

 ――IoT時代の到来は日本にはチャンスですか。

 「製造業に強い日本には確かにそうだろう。だがIoT時代というと、日本はとかくいいセンサーや関連部品をつくろうとしがちだ。米国はその仕組みを使ってどんな新しいサービスを生むかに知恵を絞っている。日本企業はそこを間違ってはならない」

 Tim Berners−Lee 英オックスフォード大卒。欧州合同原子核研究機関(CERN)時代にWWWを考案、91年に世界に発表した。
◇    ◇
〈聞き手から〉アナログ時代の成功体験捨てよ

 1968年の米SF映画「2001年宇宙の旅」といえば、宇宙船に乗り込んだ人工知能「HAL」が暴走した話が有名だ。それから約50年たった今、AIが人間を本当に追い抜くと真面目に議論されている。


 AIの進化だけではない。あらゆるものがネットにつながるIoTと、大量の情報を分析するビッグデータ技術が加わったことで、産業構造や社会そのものを一変させる可能性が高まった。ドイツや米国が国を挙げて取り組むのはそのためだ。

 日本もAIやIoTの推進にようやく動き出した。政府が狙う国内総生産(GDP)600兆円の実現はこの分野の成長抜きには語れない。

 だが、こうした戦略を成功させるには従来型の発想では難しい。ものづくりや職人技に頼ったアナログ時代の成功体験にこだわらず、むしろそうした知見をデータとしていかに開放するかが大事になる。AIやロボットに代替される人たちの新分野への配置換えなどにも目配りしなければならない。IoT社会へ向け、日本は意識の転換が問われている。

(編集委員 関口和一)

[日経新聞3月28日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/604.html

[国際18] トランプ氏長女、イバンカさんは「私人」から「公人」に
「なぜあなたがここにいるのか」と言いたげな目でイバンカさんを見つめるメルケル独首相=ロイター


トランプ氏長女、イバンカさんは「私人」から「公人」に[日経新聞]
ワシントン支局 川合智之
2017/3/31 2:00

 首相夫人は「私人」とする答弁書を閣議決定した日本だが、米国でも大統領の親族が私人かどうかを巡る議論が盛んだ。特にトランプ大統領の長女イバンカさんがホワイトハウスでの首脳会談などに同席していることに「どんな資格で出席しているのか」と疑問視する声があり、急きょ政府職員として「公人」となることにした。利益相反にあたるのではないかとの懸念も出ているが、トランプ氏は意に介していないようだ。


 17日にホワイトハウスを訪れたドイツのメルケル首相の隣の席には、イバンカさんの姿があった。欧州メディアは戸惑っているような表情でイバンカさんを見つめるメルケル氏の写真を掲載。「なぜあなたがここにいるのか」とメルケル氏が思っているようだったと評した。イバンカさんはそんなメルケル氏の様子を知ってか知らずか、集まった米独企業首脳を前に熱弁を振るい「独創性や創造性は民間の決断によりもたらされる」と米国への投資を呼びかけた。

■首脳会談の記者会見でも最前列に

 イバンカさんは同日の共同記者会見でも閣僚やホワイトハウス幹部を差し置いて、最前列でペンス副大統領の隣に座った。大統領の家族が外国首脳とあいさつすることはあるが、それはあくまで懇談の範囲。記者会見まで出席するのは珍しい。

 イバンカさんの夫、クシュナー氏も重用されている。実の父がイスラエルのネタニヤフ首相と懇意なクシュナー氏はホワイトハウスで中東政策を担うほか、27日には行政改革を担当する新組織のトップに任命された。

 夫のクシュナー氏は上級顧問という役職を得ているが、このときイバンカさんには肩書は特になかった。公人・私人の定義はあいまいだが、公職に就いている人を「公人」と呼ぶなら、イバンカさんは私人、クシュナー氏は公人ということになる。ただホワイトハウスで外国首脳と並んで座り、会合で政権の政策について発言するイバンカさんは私人の域を超えているとみなされてもおかしくない。

 焦点となっているのは利益相反の有無だ。米には公職者が自らの所属・管轄する組織に親族を任命できない「反縁故法」がある。利益相反を回避するためで、イバンカさんが政府での立場を利用して私的に利益を得ていれば、法令に違反することになる。ただイバンカさん、クシュナー氏夫妻がともに給与を受け取らないことで、同法には抵触しないとしている。

 反縁故法が成立したのは1967年で、その前にはケネディ元大統領が実弟のロバート・ケネディ氏を司法長官に任命していた。その後、ヒラリー・クリントン氏がビル・クリントン元政権で医療保険改革を主導したこともある。

■残る利益相反の可能性

 たとえ無給であっても、利益相反にあたる可能性は残る。イバンカさんはトランプ大統領が経営していたトランプ・オーガニゼーションの上級副社長を務めていた。父の当選にあたって役職は辞任したが、自身のファッションブランド「イバンカ・トランプ」の展開は続いている。2月には政権幹部のコンウェー大統領顧問が「イバンカの商品を買いに行きましょう」と国民に呼びかけ、利益相反の倫理規定に違反したとして注意を受けた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は29日、イバンカさんが無給の大統領顧問としてホワイトハウス入りすると報じた。イバンカさんはすでにホワイトハウスで大統領や顧問らが働くウエストウイング(西棟)に執務室を持つ。これまでイバンカさんは肩書を持たず「私人」を貫く方針だったが、無給ながら正式な政府職員の「公人」となることで他の職員と同じ倫理規定に従うことにした。


メルケル首相との共同記者会見で最前列の席に向かうイバンカさん(中央)

 大統領夫人に政府職員のスタッフが就いたのは、20世紀初めのセオドア・ルーズベルト元大統領のイーディス夫人が初めて。当初は秘書の役割だったが、国民的な人気が高かったジャクリーン・ケネディ夫人が専属の報道官を初めて雇い、情報発信を強化した。特定の政策に注力する夫人も多く、ミシェル・オバマ夫人は児童の食事・運動などの健康問題に熱心だった。米メディアによると、近年は20人前後の職員が夫人を担当しているという。

 こうした夫人担当の政府スタッフはイバンカさんの補佐も担うとみられる。イバンカさんが厚遇を受けるのは、ファーストレディーの代役を果たしているためだ。トランプ大統領のメラニア夫人は息子バロンくんが小学校を卒業する6月まではニューヨークにとどまる意向。その後にメラニア夫人がホワイトハウスで同居するようになっても、控えめなメラニア夫人に代わりイバンカさんが実質的なファーストレディー役を担うことになるとの見方がある。

 一方、イバンカ夫妻はトランプ政権が医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を巡って議会の攻防が正念場を迎えていた20〜23日、西部コロラド州の高級リゾート地アスペンへスキー旅行に興じていたと報じられた。米CNNテレビによるとトランプ氏は重要な時期に不在だったことに激怒したという。世界の指導者になったトランプ氏にとって、ファミリービジネスとして家族で企業経営を担っていた以前とは重圧が違うようだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO14593630Y7A320C1I00000/?n_cid=DSTPCS001

http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/796.html

[国際18] ロシア、北朝鮮に接近 労働移民受け入れで協議 米をけん制 極東開発加速

ロシア、北朝鮮に接近 労働移民受け入れで協議 米をけん制 極東開発加速

 【モスクワ=田中孝幸】ロシアが北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権との関係を深めている。このほど北朝鮮の労働移民の受け入れ拡大を協議した。度重なる核実験やミサイル発射で北朝鮮が国際的な孤立を深めるなか、高官交流や支援を続け、今や中国をしのぐ友好国とみなされる。プーチン政権には米国への外交的な立場を強める狙いのほか、北朝鮮の労働力をテコに極東開発を加速させる思惑がある。


ロシアは極東開発でも北朝鮮を重視する(ハバロフスク郊外の北朝鮮労働者が住む寮)


 「労働分野で2国間協力を発展させることが重要だ」。ロシア内務省によると22日、ロシアと北朝鮮両国は平壌で労働移民に関する関係省庁の協議会を開催した。ロシア側は北朝鮮の労働移民の受け入れ拡大に向けた中長期の計画を伝達。対朝関係を重視する姿勢を鮮明にした。

 国営ロシア鉄道の代表団も1月末に訪朝し、北朝鮮側と両国をつなぐ鉄道網の拡充を協議。ロシアの大学で北朝鮮の鉄道エンジニアが研修する機会を増やすことに合意した。2月の北朝鮮の弾道ミサイル発射後も「同国へのロシア産石油の輸出は止まっていない」(政府関係者)という。

 長年にわたって最大の後ろ盾だった中国が北朝鮮からの石炭輸入を今年末まで停止するなど対朝姿勢を厳しくするなかで、北朝鮮にとってロシアの重要性は増している。朝鮮中央通信は2月、金正恩委員長による旧正月の挨拶状の送り先国名のリストでロシアを筆頭に挙げた。

 ロシアがあえて国際的な非難が強まる北朝鮮との関係を重視するのは、アジア太平洋地域での米国の軍事力強化に対抗する外交上の戦略からだ。ロシア外務省のザハロワ情報局長は23日、在韓米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備が地域情勢を悪化させているとの批判を繰り返した。

 北朝鮮への影響力を高めておけば、同国の核・ミサイル問題への危機感を強めるトランプ米政権との外交交渉を優位な立場で進められる計算も働く。ロシア世界経済国際関係研究所のワシリー・ミヘーエフ副所長は「米ロ関係が改善するまでロシアの対朝姿勢は変わらず、『北朝鮮カード』は温存される」と語る。

 ロシアには北朝鮮の低賃金の労働力を利用して、極東地域の開発を進める思惑もある。政府統計によると、ロシアで労働許可を得て働く北朝鮮人は4万人を超え、5年前の倍以上に増えた。

 不法移民を含めると、北朝鮮労働者はこの統計よりもはるかに多いとの見方は根強い。今後、ハバロフスクや北朝鮮に接する沿海地方のウラジオストクなど極東各地のインフラ建設を加速するには「勤勉で休みなしで働く北朝鮮人が不可欠」(沿海地方政府幹部)という事情がある。

 プーチン政権は対朝関係をテコに、韓国との経済関係を強化する戦略も描く。5月の韓国大統領選ではTHAAD配備に反対する左派政権が誕生する可能性も取り沙汰される。選挙後に韓ロ関係が改善に向かえば、北朝鮮とのパイプの価値が高まり、ロシアが提唱してきたロ朝韓3カ国の大規模な送電事業や鉄道網の新設が実現しやすくなるとの期待も膨らむ。

 とはいえ、北朝鮮との接近はロシアの国際イメージのさらなる悪化を招き、欧米との溝を深めるリスクがある。

[日経新聞3月27日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/805.html

[原発・フッ素47] 被ばく影響を否定する「権威」による、事故当時0〜5歳の発症なし「根拠」が瓦解:事故当時4歳児の甲状腺がん摘出手術未公表

※データやグラフはオリジナルブログでご覧ください。
https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170402-00069447/

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被ばく影響を否定する「権威」による、事故当時0〜5歳の発症なし「根拠」が瓦解
まさのあつこ | ジャーナリスト 4/2(日) 11:24


未把握だった事故当時4歳児の甲状腺がんが明らかにされた(3月31日筆者撮影)

東電の福島第一原発事故後に福島で「100ミリシーベルト以下は安全」と言い広めた山下俊一医師が、チェルノブイリ事故後には、低線量被ばくが続くことへの危惧と、小児以外の年齢層の甲状腺がんやその他のがんの増加に対する懸念を表していたのをご存知だろうか。

山下医師のこれまでの分析に基づけば、これらの危惧や懸念は日本には当てはまらなかったが、そう言い切るための根拠が、3月31日に行われた民間団体「3・11甲状腺がん子ども基金」(崎山比早子・代表理事、上写真中央)の発表を通して崩れてきた。

低線量被ばくと他のがんの懸念

チェルノブイリ原発事故から14年が経過した2000年、山下医師は「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」とした報告(*1)を次のような言葉で結んでいた。

「事故による直接外部被ばく線量は低く、白血病などの血液障害は発生していないが、放射線降下物の影響により、放射性ヨードなどによる急性内部被ばくや、半減期の長いセシウム137などによる慢性持続性低線量被ばくの問題が危惧される。」

「現在、特に小児甲状腺がんが注目されているが、今後、青年から成人の甲状腺がんの増加や、他の乳がんや肺がんの発生頻度増加が懸念されている。」(*1より。太字は筆者)

山下医師はこの報告を、「放射線降下物による環境汚染と一般住民の健康問題、さらに除染作業に従事した消防士や軍人の健康問題など懸案事項は今なお未解決のまま」だと書き始め、甲状腺検診の結果を分析した上で、そう付言した。

その付言が導かれた検診結果と分析の概略は、次のようなものだ。

チェルノブイリ周辺に事故当時20歳以下が100万人いると推定される中、その中で「最も放射線汚染が深刻なこのゴメリ州」では、事故後5年間で「12万人の検診」を行い、「60例以上の小児甲状腺がんを発見」(*2)。

また、1998年までの甲状腺がんの発見数を「表2」に示し、それが集中している年齢層を「事故当時0から5歳」であるとして「甲状腺がんのハイ・リスク・グループ」と分析し、この年齢層の「注意深いフォローアップが必要」だとした。10年以上のデータ蓄積後にである。

国際会議で始まった山下論

ところが、その同じ医師が、東電原発事故後は、異なる主張を展開している。

2016年9月の「甲状腺課題に関する国際専門家会議」後の12月に、山下医師らは福島県知事に対し、県で行ってきた甲状腺検査を、今後は「自主参加で」と提言した。それは事故当時0から5歳の年齢層を「ハイ・リスク・グループとして注意深いフォローアップが必要」と述べたこととは異なっている。

この提言では、福島県での「甲状腺異常の増加」を認めながら、その理由は「放射線被ばくの影響ではなく、検診効果」だとした。

その根拠は、チェルノブイリ事故では「放射線被曝による甲状腺がんの増加は、まず事故時に非常に若い年齢(ゼロ歳から4歳)であった児童に発見される」が、福島では「10代後半が大半」だというものだ。(2000年の報告には事故当時「0から5歳」と、2016年12月には「ゼロ歳から4歳」と変化したことについては後述する。)

山下医師が展開してきた、チェルノブイリでの発症年齢が「0から5歳」、福島では「10代後半が大半」だという主張は、遅くとも2014年2月、甲状腺がんまたは疑いありとされた子どもがまだ75人だった時点で始まっていた。環境省と福島県立医大らが東京で国際会議「放射線と甲状腺がん」を開き、チェルノブイリで功績を残した山下医師が共同議長を務めた場だった。

山下医師は、最終日に議長サマリー(当日、会場で配布されたのは英文だけだった)を読み上げ、「福島で甲状腺がんを発症した子どもは事故時に幼児ではなく10代だった」から東電事故による被害だという証拠はないとした。

奇妙なことに、会議中にはそのような発表はなく、議長サマリーに唐突に現れた結論だった。

その時から筆者は再三指摘してきたが(*3)、この頃から山下医師らが主張した「事故当時0から5歳」についてのデータの読み方は、山下医師が2000年に示したデータ(下表)とは異なっている。

粗い分析が生んだ「根拠」の瓦解

報告での山下医師のデータの読み方をそのまま引用すると「表2に示すが、その多くは事故当時0から5歳の年齢層に集中している」というものだ。

「表2」とは、「ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん登録」数を、事故当時0歳から17歳までの年齢別(横欄)に、事故前の1985年から1998年まで各年ごと(縦欄)に書き込んだものだ。

確かに最下段にある1998年までの「総数」を年齢別に見ると、「0から5歳の年齢層に集中」していると言えなくもない。

しかし、事故前(1985年)と比べれば、「0から5歳」というより、正確には「17歳までのすべての年齢層」(あえて絞るなら「1歳から9歳」)で増加したと言うべきだろう。


出典:山下医師の報告「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」表2

この表をより詳細に見るとどうか。

事故前は16歳に1人、事故1年目は13歳に1人、2年目にして4人と増えていくが、事故当時0〜5歳の発症は3年目まではゼロ。4年目までの発症はむしろ10代の方が多い。そして0〜5歳で発症が増えるのは5年目からだ。

そのことが分かるように4年目までの分布と、5年目までの分布をグラフで見える化してみたのが、以下のグラフだ。


表2から筆者作成(*2などから再掲)

6年目以降に、事故当時0〜5歳の発症が急増するので、山下医師が「ハイ・リスク・グループとして注意深いフォローアップが必要」だと指摘した背景は分かるが、事故前と比べて6歳〜17歳も押し並べて増え続けた(*4)。

表2から筆者作成

ところが、先述したように、東電原発事故では、山下医師は事故から4年目の2014年2月時点で、「福島で甲状腺がんを発症した子どもは事故時に幼児ではなく10代だった」という理由で(本当はチェルノブイリでも3〜4年目まではそうだったにもかかわらず)、チェルノブイリとは違うとして、被ばく影響ではないことの根拠とした。

なお、福島でも2016年9月までに事故当時5歳児の甲状腺がんが見つかって、「県民健康調査」検討委員会で公表された。そのこととの関係は不明だが、2000年報告で「0から5歳」と表現していたものが、2016年12月の提言では「ゼロ歳から4歳」という言い回しに変化している。

その「ゼロ歳から4歳」という表現が出てくる文脈を引用すると次の通りである。

すなわち、甲状腺異常の増加は、放射線被ばくの影響ではなく、検診効果によると結論づけることを支持する数多くの状況証拠が、下記のように存在する。

・チェルノブイリ事故の経験が示唆するものは、放射線被曝による甲状腺がんの増加は、まず事故時に非常に若い年齢(ゼロ歳から4歳)であった児童に発見されるということである。(提言より抜粋。太字は筆者加筆)。

しかし、この「ゼロ歳から4歳」との根拠もわずか4カ月弱で崩れたことになる。

経過観察児をフォローアップせず/4歳児発症

福島県の「県民健康調査」検討委員会で未把握未公表の、事故当時4歳の子どもが、甲状腺がんの摘出手術を受けていたことが明らかになったからだ。

この事実が明らかになったきっかけは、民間団体「3・11甲状腺がん子ども基金」の療養費給付事業「手のひらサポート」だ。基金に応募してきた家族からの情報提供で、4歳児が摘出手術を受けていたことを把握。この子どもは県の甲状腺検査の2次検査で「経過観察」とされていた子どもだったという。

未公表だった事故当時4歳児が摘出手術を受けていたことを説明した「3・11甲状腺がん子ども基金」の脇ゆうりか事務局長(筆者撮影)

「県民健康調査」の結果を管理している福島県立医大の放射線医学県民健康管理センターは、筆者の問い合わせに対し、3月30日になり「メディアからの問い合わせに応じて」、以下の方針を「回答」としてウェブサイトに掲載したという。

「二次検査では経過観察となり、診療として様々な理由で経過観察を行っている中で甲状腺がんが診断された」場合や、「県民健康調査以外のきっかけで病院を受診し、検査や診療を受けその中で甲状腺がんが診断された」場合などについては、手術実施の有無を含め、放射線医学県民健康管理センターでは情報を有しておりません。

つまり、チェルノブイリ原発事故を教訓に、東電原発事故による被ばく影響を調べるために行ってきた甲状腺検査でありながら、福島県の「県民健康調査」検討委員会で約3カ月ごとに発表されてきた「甲状腺がんまたは疑い」の数は、その全体像ではなかったのだ。

二次検査で「経過観察」とされた場合や、36万人中、県民健康調査を受けた27万人以外に他のきっかけで甲状腺がんが見つかった場合は関知していない。

何が分かり、何が言えるか

すなわち、福島県立医大が把握してきた甲状腺がんまたは疑い185人(1例は良性)以外にも、今回、見つかった当時4歳児のように、それ以外にいたとしても、福島県民も日本国民も全体像は知らされていない。実際はもっと存在している可能性があることが、突如、分かったのだ。

このことによって、少なくとも以下のことが指摘できるのではないか。

放射線被ばくの影響を見るために行っている甲状腺検査だが、福島県立医大の情報把握のやり方では、全体像が把握できず、被ばくの影響が過小評価されている。

2.山下医師は、事故当時0から5歳の発症がないことを、東電原発事故による放射線被ばくの影響ではないことの根拠の一つに掲げてきたが、その根拠は崩れた。

3.東電原発事故後6年が経過した今、チェルノブイリ原発事故後と似通った傾向があると考えた場合、チェ事故から14年目の報告で山下医師が述べたように、低線量被ばくが続くことへの危惧と、小児以外の年齢層の甲状腺がん、その他のがんの増加に対する懸念は、福島にも当てはまる可能性がある。

(*1)「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」被爆体験を踏まえた我が国の役割−唯一の原子爆弾被災医科大学からの国際被ばく者医療協力−平成12年2月29日長崎大学山下俊一

(*2)ゴメリ州で5年間12万人中60例と単純比較はできないが、福島県では6年未満(2016年12月末現在)で38万人中27万人が受診した検査(東電事故時18歳以下)で185人の甲状腺がんまたは疑いが見つかった。

(*3)

・「報道されない国際会議の議論の中身 放射性の影響を否定できない 福島の甲状腺がん増加」週刊金曜日2014年4月4日号

・「砕かれた『100ミリシーベルト以下は安全』神話──福島の小児甲状腺がんの現実」岩波書店、月刊「世界」2015年4月号

・「福島の小児甲状腺がんの現実」、共著『公害・環境問題と東電福島原発事故』、本の泉社、2016年9月

(*4)1990年代から小児甲状腺がんが増加し始めた時も、今の日本と同様に「検診」によって見つかった「検診(スクリーニング)効果」だと言われ、その後も増加し続けて約10年後に、被ばくの影響だと認められた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170402-00069447/



http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/746.html

[国際18] 米の白人中年、高死亡率の理由

[The Economist]米の白人中年、高死亡率の理由

 米国で学卒でない労働者が経済的に豊かになれないのは、昔から知られていることだ。だが最近、経済的困窮が命取りになりかねないことが明らかになった。(ノーベル経済学賞受賞者の)アンガス・ディートン氏と、妻でやはり研究者のアン・ケース氏は2015年に出した研究報告書で、1998年までの20年間、米国の白人中年の死亡率は毎年約2%ずつ低下したが、99年から2013年にかけては上昇したと指摘した。欧州では中年の死亡率が年間2%と同じペースで下がり続けただけに、米国の反転はとりわけ目を引く。13年には米国の白人中年の死亡率が、同年代のスウェーデン人の2倍となった。自殺や薬物の過剰摂取、アルコール中毒が原因だ。

 ディートン夫妻は23日、このいわゆる絶望死に関する最新研究を米ブルッキングス研究所で発表した。米国の白人中年の死亡率は14年と15年も上昇した。ほぼすべての州に共通の現象で、都市部と農村部の違いもない。状況は徐々に悪化しているように見える。1940年代以降に生まれた白人を5年ごとに分類すると、薬物や自殺、アルコールによる死亡が全てのグループで増えていた。
 
 死亡率の上昇は所得の低下と裏腹の関係にあるのかもしれない。50〜54歳の白人を世帯主とする家庭では、1人当たりの中位所得の推移が世帯主の死亡率と逆相関関係にある。所得は90年代に増えたが、2000年代に入って減少し、以前とほぼ同じ水準に戻っている。ところが、学歴別にみると状況は異なる。学卒者の所得は全体と似た軌跡を描くが、死亡率は低下が続いている。黒人とヒスパニック(中南米系)も所得は同様に推移しているものの、絶望死の数は白人よりかなり少ない。

 両氏は、長期的により漠然とした力が働いているのではないかと推測する。根本的な要因としては、貿易の拡大と技術の進歩により、特に製造業の低技能労働者が豊かになる機会を失ったというおなじみの説が挙げられる。だが、社会的変化も見逃せないという。つまり、生活が経済的に不安定になるにつれ、低技能の白人男性の多くは結婚より同棲(どうせい)を選ぶようになった。彼らは昔から地域に根付き、同じ価値観を重視する宗教ではなく、個人の考え方を尊重する教会を頼り始めた。仕事や職探しも完全にやめてしまう傾向が強まった。確かに、個人の選択を優先した結果、家族や地域社会、人生から自由になったと感じる人は多い。半面、うまくいかなかった人たちは自分を責め、無力感から自暴自棄に陥ると両氏はみている。

 では、なぜ白人が最も強く影響を受けるのか。両氏は白人の望みが高く、かなわなかったときの失望がその分大きいからだと考える。黒人やヒスパニックも経済環境は白人より厳しいが、そもそも彼らは最初の期待値が白人より低かった可能性がある。あるいは、彼らは人種差別の改善に希望を感じているのかもしれない。対照的に、低技能の白人は人生に絶えず失望し、うつ病になったり薬物やアルコールに走ったりするとも考えられる。

 とはいえ、米国で経済的困窮がこれほど致命的な打撃となる理由を説明するには、この論理では十分ではない。製造業の雇用が失われ、社会構造が崩れているのは何も米国に限ったことではないためだ。オーストラリアや英国、カナダ、アイルランドなど他の英語圏諸国でも絶望死は増えたが、米国ほどではない。実態を正確に把握するにはさらなる研究が必要だが、米国人の絶望死が特に多い背景はいくつか考えられる。

 一つは鎮痛剤オピオイド(医療用麻薬)を利用しやすいことだ。オピオイドによる死亡者数は02年から15年にかけ2倍以上に増えた。もう一つは銃が容易に入手できることで、自殺の約半数で使われている。もっとも、どちらも絶望死の多さを完全には説明できない。アルコールも絶望死の引き金になるが、他の西側諸国でも簡単に手に入るからだ。

 より有力な要因として、多数の米国人には、とりわけ医療分野でセーフティーネットがないことがある。医療保険制度改革法(オバマケア)によって低所得者向け公的医療保険「メディケイド」が拡充される前は、扶養する子供のいない成人に多少なりとも公的保険を提供する州はほとんどなかった。病気になったときに医療保険がなければ、明らかに死亡率は上昇する。
 
 米国では広義の社会保険も十分ではない。失業者向けの支援は、彼らが失う生涯所得と比べると微々たるものだ。米国が労働者の教育訓練に充てている資金は、国内総生産(GDP)比で経済協力開発機構(OECD)の加盟国平均の2割にとどまる。失業者への金銭的支援はOECD平均の25%でしかない。ところが、米国人が自前でセーフティーネットを用意している様子もない。国民の46%が予定外の400ドル(約4万4200円)の出費に、何かを売るか借金をして対応すると答えた。経済的に危険な生活と、ほとんど事情を勘案せず、個人の置かれた状況を本人の責任とみる社会的風潮から、精神的に追い詰められる人は多い。

 低技能者の生活が安定する可能性は低い。絶望を減らすには、彼らに人生に高望みをしないでもらうしかないかもしれない。実際、余暇にビデオゲームができればいいという若年失業者もいる。しかし、米国はこの問題に間違いなくもっとうまく対処できるはずだ。

(3月25日号)

[日経新聞3月29日朝刊P.7]



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/830.html

[国際18] 反アサド派による「米国引きずり込み策動」と知りつつ米国が敢行した“一夜限り”の「アサド政権懲罰空爆ショー」

 トランプ大統領は、13年にオバマ大統領が宣言したレッドラインを超える「アサド政権化学兵器使用疑惑」が起きたとき、オバマ大統領が軍事行動を採ることに反対の立場を表明していた。
 また、昨年の大統領選でも、シリア内戦への介入は米国の安全保障や利益とは無関係で、介入してもイラクと同じように泥沼に嵌まることになるだけという考えを示し続けた。

 そのようなトランプ大統領が、ロシアの「米国大統領選介入疑惑」と同じように、実証も確認もされていないアサド政権の「化学兵器使用」説を“素直”に受け容れるのみならず、懲罰の空爆を敢行した真意はどこにあるのだろうか。

(サリンともイベリットとも塩素とも言われているように、使われた化学物質さえ明確になっていない)

 まず、今回の「シリア懲罰空爆」は、ロシア経由であってもアサド政権にも事前に“標的”=空軍飛行場1箇所を告知したうえで実施されていることから、米軍の巡航ミサイルトマホークが高い精度を維持していれば、シリア政府軍側に死傷者は出ていないと思われる。

 シリアにはロシア製高性能対空ミサイルS300が配備されている。
 しかし、今回のように一夜限りで被害も限定的な空爆に対し使ってもコスト的に見合わないが、今回のケースでは防空ミサイルを使わない“合意”があったと推測する。

 大統領選勝利後現在に至る“新参者”トランプ大統領は、軍・CIA・FBIという“常任の超破格国家機関”とのせめぎ合いで力をすり減らしているように見える。

 信じてもいないロシア政府の大統領選介入説を受け容れたそぶりを見せたし、トランプ陣営に対する盗聴(オバマ大統領が指示したかどうかは別)を主張してもFBIは否定するだけでまともに取り合おうとしない。
(オバマ大統領だって盗聴されていただろうし、諜報機関は、“敵”以上に、自分たちの上司である最高権力者などの隠れた“意図”や“考え”を知りたいと思い動く生き物だ)

 9.11やイラク大量破壊兵器隠匿説などを通じて、自国の情報機関や捜査機関は信用できないあてにならないとトランプ大統領が思っていても、軍・CIA・FBIを“全否定”するわけにはいかない。
 それでは、目隠しに近い状態で大統領職を遂行しなければならなくなるだけでなく、そんなことを言い続ければ国民の不興を買うことになるからだ。

 そういうことで、今回の「アサド政権懲罰空爆」は、事前通告で被害を最低限にとどめ後腐れもない一夜限りの空爆ショーにするという条件で、軍などの顔を立てるかたちで許可したと見ることができる。
 加えて、オバマ大統領が、レッドラインを超えても軍事行動をとらなかったことを意識して、決断と実行力がある大統領というイメージを醸成するチャンスに利用するという思惑もあっただろう。

(空爆の事前通告をしているし、来週にはティラーソン国務長官がロシアを訪問し“調整”するので、ロシアとの関係が悪化することはないだろう)

 肝心の「化学兵器使用疑惑」だが、イドリブ県の反アサド勢力が化学兵器使用を主張し始めた時刻はシリア軍の空爆実施前と言われており、政治的経緯としても、先週ティラーソン国務長官が訪問先のトルコで行ったアサド政権存続容認発言や、事件の二日前のトランプ大統領自身の「アサド大統領の辞任を求めない」表明を受けてのものになっており、ぎりぎりまで追い詰められた反アサド勢力が、米国をなんとかして引きずり込もうと思い実施した可能性が高い。

(空爆で化学兵器を使用しても、超大量で気象条件によほど恵まれていない限り、屋内にいた人たちを含む70名超を殺戮するのは難しい)

 シリアのイドリブ県は、ロシアの後押しを受けた政府軍に負けたアレッポやホムスなどからアサド政権&ロシア軍との話し合いで軽火器のみを携帯しての撤退に応じた反政府勢力の拠り所になっている。
 ジュネーブやアスタナで和平協議が行われているが、方向性としては、アサド大統領の存続も含む新政府構築である。
 西側欧米諸国は反アサドを煽り武器まで供与してきたが、宗教・宗派がモザイクのように入り組んだシリアを、少数派で世俗派のアサド政権が“調和”を維持してきたことを理解しており、反アサド勢力の思想的政治的基盤であるイスラム主義を最終的に選択することはないのである。

 反アサド勢力は、そのような状況認識を踏まえて、トランプ米国がシリアで反アサド(反ISではなく)の軍事作戦に踏み出すよう「アサド政権化学兵器使用」疑惑を演出したと思われる。

 「アサド政権化学兵器使用」疑惑はUN安保理でも議論されているが、何より笑ってしまうのは、アフガン侵攻・イラク侵攻そして各地での無人機攻撃で、様々な爆弾やミサイルを大量に使って子どもを含む一般市民を数十万も殺してきた米国政権が、人道主義を旗印に、化学兵器を使用したと決めつけシリアに懲罰敵空爆を敢行するという漫画的対応を見せたことである。

 化学兵器の使用禁止化は、愚劣な第一次世界大戦(欧州大戦)における長期塹壕戦での化学兵器使用でもたらされた悲惨な状況から進められたものである。
(悪く言えば、化学兵器の悪夢が残っている人々を再び戦争に駆り出すために、化学兵器は使わないようにしようと決めただけである)

 核兵器には化学兵器の要素もあり、それを実際に一般市民に投下した米国が、化学兵器使用でお涙頂戴の演説をするのは笑止千万である。

 シリア内戦の最後の悲劇は、イドリブ県の最終掃討作戦になるはずである。
 トランプ米国は、政治的声援のみならず武器の供与まで行って内戦を支援してきたことを顧みて、反アサド勢力に“逃げ場”を提供するなかで内戦の終結をはかる努力をすべきである。


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攻撃を命じたトランプ大統領の声明 全文[NHK]
4月7日 14時42分

アメリカのトランプ大統領がシリアへの攻撃を命じたあと出した声明の全文です。

アメリカ国民の皆さん、シリアの独裁者アサドが火曜日、おそろしい神経ガスの化学兵器を使って罪のない市民を攻撃した。アサドは無力な男性、女性、子どもの息の根をとめた。多くの人が時間をかけて残虐に殺された。この非常に野蛮な攻撃によってかわいい赤ちゃんたちさえ残酷に殺害された。どんな子どももこのような恐怖によって苦しむべきではない。

化学兵器による攻撃を実施したシリアの飛行場を標的とした軍事攻撃を、今夜、命令した。化学兵器の使用と拡散を防ぐことはアメリカの安全保障上の重要な利益だ。

シリアが化学兵器禁止条約の義務に違反し、国連安全保障理事会の求めを無視して禁止された化学兵器を使ったことには議論の余地がない。アサドの行動を変えさせるための何年にもわたるこれまでの取り組みは大きな失敗に終わった。その結果、難民危機は深まり、地域の不安定な状況は続き、アメリカや同盟国の脅威となっている。

私は今夜、シリアでの虐殺と流血の事態とあらゆるテロ行為を終わらせるため、すべての文明国に協力を求める。われわれは非常に問題の多い世界の難局に直面している。傷つき亡くなった人たちに祈りをささげ、アメリカが正義の側にいるかぎり、最後には平和と調和が勝利することを望む。おやすみなさい、そしてアメリカと全世界に神の恵みを。ありがとう。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170407/k10010940461000.html?utm_int=news_contents_news-main_002

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米軍がシリア アサド政権へミサイル攻撃 一段と不安定化も[NHK]
4月7日 17時57分

アメリカのトランプ大統領は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、対抗措置として、アサド政権の軍事施設を巡航ミサイルで攻撃しました。シリアの内戦が始まって以降、アメリカがアサド政権への攻撃に踏み切ったのは初めてで、アサド政権を支えるロシアとの関係を含め、シリア情勢が一段と不安定化するおそれも出ています。

シリアでは今月4日、北西部イドリブ県の反政府勢力が支配する町で空爆があり、少なくとも72人が死亡、多くの住民にけいれんなどの症状が出て、サリンのような神経ガスなど化学兵器が使われた疑いが強まっています。

これについてトランプ大統領は6日、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、対抗措置として、シリア国内にあるシャイラート空軍基地を巡航ミサイルで攻撃しました。

アメリカ国防総省によりますと、地中海に展開するアメリカ軍の駆逐艦から巡航ミサイル59発を発射し、シャイラート空軍基地にある空軍機や支援施設などに大きな損害を与えたということです。

アメリカの情報機関は、この基地を離陸したアサド政権の空軍機が化学兵器による攻撃を実施したと判断したとしています。

トランプ大統領は、滞在先の南部フロリダ州で声明を発表し「化学兵器の使用と拡散をやめさせることはアメリカの安全保障上、非常に重要な国益だ」と強調するとともに、「アサド大統領の行動を変えるための何年にもわたる取り組みがすべて失敗した結果、難民の危機は深まり、地域が不安定になり、アメリカと同盟国は脅かされている」と訴えました。

アメリカはシリアで過激派組織IS=イスラミックステートに対して空爆を続けてきましたが、アサド政権への攻撃に踏み切ったのは今回が初めてです。

アメリカはアサド政権を支えるロシアに、攻撃について事前に通告したとしていますが、化学兵器の使用を否定してきたアサド政権とロシアは、アメリカの攻撃に反発するものと見られ、シリア情勢が一段と不安定化するおそれも出ています。

シャイラート空軍基地とは

アメリカ軍が攻撃したシャイラート空軍基地は、シリア中部の都市ホムスから南東におよそ25キロ離れた位置にあります。アメリカメディアは、このシャイラート空軍基地は、化学兵器の使用が疑われる攻撃に関わった戦闘機が離陸した基地だと伝えています。
また、内戦の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、シャイラート空軍基地はシリアで2番目に大きな基地とみられ、ロシア製の戦闘機などが配備されているということです。

シリア政府軍「6人死亡 露骨な侵略行為だ」

シリア政府軍は7日、国営テレビを通じて声明を発表し、攻撃で6人が死亡したことを明らかにしたうえで「露骨な侵略行為だ」とアメリカの軍事行動を強く非難しました。
この中で政府軍は、空軍基地の1つがアメリカ軍による攻撃を受け、6人が死亡し、多くのけが人が出ているほか、施設に大きな損害が出たことを明らかにしました。

そのうえでアメリカ軍の軍事行動を「露骨な侵略行為だ」と非難し、アメリカは、政権側が戦う過激派組織IS=イスラミックステートやアルカイダ系のイスラム過激派などのテロ組織の側についたと主張しました。そして、今後もテロ組織の壊滅に向けた作戦を続け、シリア全土の平和と安全を取り戻すと強調しました。


ロシア報道官 プーチン大統領は強く反発

ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に対し、「プーチン大統領は今回の攻撃について、主権国家への侵略行為で、国際法違反だと考えている」と述べ、プーチン大統領が強く反発していることを明らかにしました。

そのうえでペスコフ報道官は、プーチン大統領の考えとして「こうした行為は、すでにひどい状態にある米ロ関係に重大な損害をもたらすことになる」と指摘しました。さらにペスコフ報道官は「シリア軍は化学兵器を所有していない。武装勢力が化学兵器を使用したという事実を全く無視することは、状況を一層難しいものにするだけだ」と述べ、アメリカがアサド政権が化学兵器を所有しているという証拠がないまま、空爆に踏み切ったとして批判しました。


イラン「テロリストを利する行動」と非難

イランの外務省は7日、声明を発表し「化学兵器が使われた疑いを一方的な軍事行動の口実とすることは危険で破壊的、そして国際法に違反する。このような行動は、シリア国内のテロリストを利するもので、シリア情勢の複雑化を招くことになる」などとして、アメリカを強く非難しました。
内戦が続くシリアで、イランはロシアとともにアサド政権を支援していて、精鋭部隊の革命防衛隊の幹部らを軍事顧問などとして派遣しています。


シリアの反政府勢力 アメリカの攻撃全面支持

反政府勢力の主要グループ、「最高交渉委員会」の幹部のジョージ・サブラ氏はNHKの電話取材に対し、「アサド政権によって行われてきた犯罪を止めるための前向きな一歩だ。同盟国のイランやロシアに対しても、シリアでやりたいことが何でもできるわけではないということを示すメッセージになると思う」と述べ、アメリカの攻撃を全面的に支持する姿勢を示しました。


トルコ「アサド政権は罰せられるべき」と歓迎

アメリカとともにアサド政権の退陣を強く求めているトルコのクルトゥルムシュ副首相は、地元のテレビ局に対し「アメリカ軍の基地に対する攻撃は重要で意味のあるものだ。アサド政権は完全に罰せられるべきだ」と述べて歓迎しました。
そのうえで、今回の対抗措置がアサド政権の野蛮な行為を止め、和平プロセスの加速につながるよう期待を示しました。


サウジアラビア「トランプ大統領の決断評価」

中東のサウジアラビアは7日、国営通信を通じて攻撃を全面的に支持する声明を発表しました。声明は外務省の高官による見解だとしたうえで「サウジアラビアはシリアの軍事的な拠点に対するアメリカの軍事作戦を全面的に支持する。攻撃は、シリアの政権が多くの罪のない市民を殺害した化学兵器を使用したことに応じたもので、アメリカのトランプ大統領の勇気ある決断を評価する」としています。
サウジアラビアはイランなどが支援するアサド政権と対立し、アメリカとともにシリアの反政府勢力に対する支援を続けています。


イスラエル「米大統領は明確なメッセージ送った」

アメリカの同盟国でシリアと国境を接するイスラエルの首相府は攻撃を歓迎する声明を発表しました。声明で首相府は「トランプ大統領はきょう、その言葉と行動で化学兵器の使用と拡散は容認しないという強く明確なメッセージを送った。イスラエルはトランプ大統領の決断を完全に支持する」としています。
そのうえで「アサド政権の恐るべき行為に対する決意あるメッセージがダマスカスだけでなく、テヘランやピョンヤンにも響き渡ることを望む」としており、今回の攻撃がシリアを支援するイランや、ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮のけん制につながることに期待感を示しました。
また、イスラエルのメディアは、政府高官の話として今回の攻撃は事前にイスラエルに通告されていたと報じています。


イギリス首相報道官「野蛮な攻撃への対処として適切」

イギリスの首相報道官は声明を出し「シリアの政権が行った化学兵器による野蛮な攻撃への対処としては適切であり、将来の使用を抑止するものだ。イギリス政府は全面的に支持する」と述べました。


フランス外相「化学兵器使用 罰せられてしかるべき」

フランスのエロー外相は7日、訪問先のモーリタニアでロイター通信などに対し、アメリカのティラーソン国務長官から事前に連絡を受けていたことを明らかにしたうえで、「化学兵器の使用は戦争犯罪であり、罰せられてしかるべきだ」と述べて攻撃を支持する考えを明らかにしました。


オーストラリア首相 アメリカの攻撃を全面支持

アメリカがシリア国内にあるアサド政権の軍事施設を巡航ミサイルで攻撃したことについて、アメリカの同盟国、オーストラリアのターンブル首相は声明を発表し「どんな状況であれ、化学兵器の使用は戦争犯罪だ。迅速な対抗措置はアサド政権へのメッセージだ」として、攻撃を全面的に支持しました。
また、ターンブル首相は、今回の攻撃にはオーストラリアは直接、関与していないものの、アメリカから事前に連絡を受けていたことを明らかにし、今後もシリア情勢でアメリカと緊密に連携する考えを強調しました。


アサド政権の化学兵器使用 たびたび取り沙汰

内戦が続くシリアでは、アサド政権による化学兵器の使用がたびたび取り沙汰されてきました。

アメリカのオバマ前大統領は、アサド政権が化学兵器を使用した場合には「一線を越えた」と見なし、対シリア政策を大きく転換すると警告していましたが、その後も北部のアレッポなど反政府勢力の支配地域で化学兵器を使ったと見られる攻撃が相次ぎました。

2013年8月には、国連の調査団が化学兵器をめぐる調査のためシリア入りしているさなかに、ダマスカス郊外の反政府勢力の支配地域で化学兵器を使ったと見られる大規模な攻撃があり、数百人が死亡したとされています。

当時アサド政権は反政府勢力による自作自演だと主張しましたが、アメリカは政権側による攻撃だと断定し軍事行動に踏み切る構えを見せます。また、フランスは、アメリカに同調して軍事行動への参加を決める一方で、イギリスは議会の反対を理由に軍事行動に参加しない意向を表明しました。

これに対してロシアは政権側の主張を擁護したうえで、シリアが保有するすべての化学兵器の破棄を提案。アメリカとロシアは、国連とOPCW=化学兵器禁止機関の監視のもとでシリアの化学兵器を廃棄することで合意し、アメリカの軍事行動はぎりぎりのところで回避されました。その後、国連とOPCWは、すべての化学兵器をシリア国外に運び出し、去年1月、廃棄が完了したと発表します。

ところが、シリアではその後も反政府勢力が支配していたアレッポなどへの攻撃で、有毒の塩素ガスなどが使われた疑いがたびたび報告され、誰がこうした攻撃を続けているのか、国連が調査に乗り出します。

国連は去年8月になって報告書をまとめ、2014年の4月と2015年の3月にはシリアの空軍が有毒ガスを使った攻撃を行い、2015年の4月には過激派組織IS=イスラミックステートが化学兵器の一種のマスタードガスを使用したと、結論づけました。

これについて当時のアメリカのパワー国連大使は、「長い間疑われてきたアサド政権による化学兵器の使用が初めて裏付けられた」として政権を改めて非難したのに対し、シリアのジャファリ国連大使は「報告書は証拠に欠けており結論とは言えない」と反論しました。

こうした中、今回再び化学兵器を使ったと見られる大規模な攻撃が行われたことで、アメリカやロシアをはじめとする国際社会がどのような対応を取るのかが、焦点となっていました。


米連邦議会議員には賛否

連邦議会の議員からは、攻撃を支持する声が上がる一方、議会と緊密に連携を取るよう求める意見が出ています。

与党・共和党の重鎮、マケイン上院議員は、グラハム上院議員と共同で声明を発表し「最高司令官であるトランプ大統領の指示の下、アメリカ軍は、ロシアのプーチン大統領の支援を受けたアサド政権が、無実のシリア人を化学兵器で虐殺するのを黙って見ていることはしないという重要なメッセージを送った」としています。そのうえで「トランプ政権はオバマ前政権と違い、極めて重要な時期に行動を起こした」として攻撃を支持しています。

また、野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務は声明を発表し「アサド大統領に、卑劣で残虐な行為をすればその代償を払わないといけないということを知らしめるのは、正しいことだ」として、攻撃を評価しました。そのうえで「トランプ政権には、戦略を立て、それを実行する前に議会の意見を聞く必要がある」として、今後、議会と緊密に連携をとるよう求めました。

一方、共和党のポール上院議員はツイッターに「トランプ大統領が軍事行動を起こすためには、憲法で定められているように議会の承認を得る必要がある。アメリカがこれまでにこの地域に介入した結果、アメリカの安全が高まったことはなく、今回も同じ結果になるだろう」と投稿し、攻撃に批判的な考えを示しています。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170407/k10010940551000.html?utm_int=news_contents_news-main_001



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/855.html

[経世済民120] タンス預金が止まらない 3年で3割増、43兆円 富裕層、現金志向強める:徴税強化の動きに反応:キャッシュレスに向かう?

[エコノフォーカス]タンス預金が止まらない
3年で3割増、43兆円 富裕層、現金志向強める

 タンス預金の増加が止まらない。第一生命経済研究所によると、直近の2月末時点で43兆円と前年同月比8%増えた。増加額は3兆円で国内総生産(GDP)の0.6%に達する。日銀はマイナス金利政策による預金金利の低下が一因と分析するが、金利はすでにないようなもの。現場を探ると、金利では説明できない問題が見えてきた。(高見浩輔、川瀬智浄)


現金の保管コストは決して安くない


 紙幣の発行残高は2月末で4%増の99兆円。このうち決済などに使われる分を差し引いてタンス預金の残高を試算した。増加率は3年間で3割強に達する。日銀の2016年12月末時点の統計でみても、国内の現金保有のうち全体の8割が家計に集中しており、タンス預金も家計に偏っているとみられる。

金利と言うが…

 日銀は「家計の現金保有は預金金利と相関関係にある」と分析する。ただメガバンクの定期預金の金利は年0.01%。100万円預けた場合の金利は、マイナス金利導入の前後で、年300円から年100円になった程度。急に動くとは考えにくい。

 現金の保管コストは決して安くない。記者が実際に現金を詰めてみたところ、売れ筋の金庫を再現した50リットルのケースに最大で約4億円入ることが分かった。

 金庫の実勢価格は約20万円。自宅のセキュリティーにかかる費用まで含めると、さらに膨らむ。未曽有の低金利という環境があるとはいえ、タンス預金を増やしているのは一体誰なのか。

 「実は現金を自宅に置き始めているんですよね」。都内の税理士事務所では昨夏以降、こう打ち明ける顧客が相次ぎ3人現れた。いずれも会社経営の富裕層。10億円の相続を受けた都内に住む50代男性は、現金収入があった時には、一部をそのまま自宅で保管することにしているという。

 気にしているのは徴税当局による包囲網だ。大きなきっかけが、昨年からの「財産債務調書」の提出の義務付けだ。15年1月の相続増税を踏まえ、16年の確定申告から3億円以上の財産を持つ人などは、資産の内訳を明記した調書の提出が必要になった。

 調書は相続税をかける際の参考資料となる。「脱税の意図までなくても富裕層は当局に詮索されることを嫌がる」(税理士)。資金の動きをとらえられやすい銀行預金を避ける人が増えているという。

奥底に財政不安

 「1億〜2億円の金額が入る金庫の大きさはどれくらい?」。金庫メーカーにこんな問い合わせが増えている。「マイナンバー制度の開始も、資産を把握されることへの警戒感から、金庫の需要増につながっている」(大手メーカーの日本アイ・エス・ケイ)

 現金の大量保有が不透明な面を持つのは否定できない。海外はキャッシュレス化に向かう傾向が鮮明だ。インドは16年11月に高額紙幣の流通を止め、欧州でも500ユーロ紙幣が廃止になる。

 日本も何か対策を打つべきなのか。第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「富裕層の動向がタンス預金が増える一因」と指摘。「将来の増税や思わぬ監視強化など、警戒心の根っこにあるのは日本の財政への不安だ」と解説する。そこが解消されない限り、対策を講じても海外流出も含め富裕層の資産防衛は防げないという。増え続けるタンス預金が抱える根深い問題はすぐには解決しそうにない。

[日経新聞4月3日朝刊P.3]


http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/827.html

[医療崩壊5] 病院、手探りの働き方改革  1日2時間から・夜勤委託… 医療の質と両立に苦慮

病院、手探りの働き方改革
1日2時間から・夜勤委託… 医療の質と両立に苦慮

 医療従事者にも働き方改革の波が押し寄せている。「時間外」としてきた当直などが労働時間と判断され、夜勤委託や残業規制の動きが広がる。時短勤務で働き手を増やす病院もある一方、「厳しい規制は医療崩壊につながる」との懸念も。医療現場は医療の質との両立に苦慮している。


 「お先に失礼します」。3月中旬の午後4時ごろ、大阪府済生会吹田病院(大阪府吹田市)の女性看護師は帰宅の途についた。

 勤務は週3日、午前10時から午後4時までで、患者搬送や食事介助など軽度な業務を担当している。「7歳と4歳の子供がいるため、長時間労働はできない」という女性は「キャリアを中断せず働けて助かる」と喜ぶ。

 女性は病院独自の「ナースバンク制度」に登録。希望すれば「週1回、1日2時間」の短時間から働ける。制度を提案した池田恵津子看護部長は「高齢化で患者が増えるなど病院は昔よりも忙しい。1人でも、1時間でも働いてくれることが有り難い」と話す。

 「多様な働き方を認めなければ人が集まらない」と黒川正夫院長。日中の人手が増え、夜間に手厚く看護師を配置できるようになり、医療の質も向上したという。

当直も労働時間

 医療現場は“外圧”でも働き方改革を迫られている。その一つは「医師の当直は労働時間」と判断した2013年の最高裁判決だ。

 訴訟では県立奈良病院(現在は奈良県総合医療センター)の産科医が当直に対する割増賃金の支払いを求めて提訴。同病院は当直を「軽度な業務」として労基署に届け出て労働時間に含めていなかった。

 だが一審・奈良地裁、二審・大阪高裁はいずれも「当直時間の4分の1は労働している」「待機時間も呼び出しに応じる義務がある」などとして当直を労働時間と認定。県は上告したが最高裁が退けた。

 判決を受けて当直を労働時間とした病院もある。南多摩病院(東京都八王子市)は翌14年に当直を労働時間とし、残業が増えすぎるため当直は勤務医ではなく、都内の大学病院に委託した。

 当初は帰宅した勤務医に当直を委託された医師から「緊急手術が必要か」などの問い合わせが相次いだが、タブレット端末で病院外でも検査データなどを確認できるようにした。中村航一副院長は「年約50件は手術が必要ないと分かり、病院に行かずに済んだ」と話し、手応えを感じている。

 一方、対応に苦慮している病院もある。

 「医師の病院内滞在時間を大幅に短縮することになりました」。聖路加国際病院(東京・中央)は今年2月、患者に向けた貼り紙を掲示した。昨年6月、労働基準監督署の立ち入り調査を受け、医師の長時間労働について指導を受けたためだ。

 同病院の医師は午後9時など遅い時間でも患者の家族に治療方針を説明するなどしてきた。だが貼り紙で「サービス面で従来とは異なる対応を取らざるをえない場面が多々出てくる可能性があります」と理解を求めた。

住民の協力不可欠

 さらに夜間の救急患者などに対応する医師数は1年前は17〜19人だったが、今年2月には12〜14人に減らした。福井次矢院長は「医師の疲労は本人の健康に加えて、医療事故にもつながりかねず、適切な管理は当然必要」と話す。

 ただ救急患者の受け入れに影響が出る可能性がある。福井院長は「厳しい残業規制は医療崩壊につながりかねない」と懸念する。

 さらに同病院では手術の技術を身につけるためシミュレーターなどの訓練は「自己研さん」としていたが、労基署は労働時間と認定。福井院長は「密度の高い訓練を積むことで、優秀な臨床医が育ってきた。若手医師の育成にも影響が出かねない」と心配する。

 総務省調査(12年)によると、職種別で週60時間以上の労働者の割合は医師が41.8%で、自動車運転手(39.9%)を抑えて最も高い。是正は不可欠だが、医学部には定員があり、医師数は急に増えない。

 沖縄県などでは時間外の受診が多く、医療現場の負担を増やしている実情もある。同県立中部病院の高山義浩医師は「病院は業務を徹底的に見直し、女性も働きやすい環境整備などが必要」としつつ、「住民の協力もなければ医療現場の長時間労働は解消しない」と話している。

(辻征弥、鳥越ゆかり)

[日経新聞4月3日朝刊P.15]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/597.html

[政治・選挙・NHK223] 首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ

 森友学園小学校疑獄事件どころか配偶者言動問題さえ解決できないアホ宰相が、勇ましいだけで、誰だって請け負えるものではなくできもしない空念仏を平気で広言する姿に空恐ろしいものを感じる。

 安倍首相を支える覚悟を持っている二階幹事長でさえ、安倍首相のこの発言を受けて、「われわれは安倍総理大臣の決断を支持する以外に方法はない。ただ、『なるほど』という情報が届けられているわけではないので、今後、政府にしっかりとした報告を求めたい」と苦言を発している。

 安倍首相の空念仏を好意的に解釈すると、トランプ政権の説明を聞いている者として、「米国が北朝鮮に先制攻撃を仕掛けることはない=北朝鮮が日本や韓国を攻撃することもない」と知っているので、どんなに優れた宰相でも実行不能の“約束”をついポロっと言ってしまったのである。

 米国シリア懲罰空爆とシンクロするかたちで高まっているこのところの「北朝鮮危機」は、日朝国交正常化(=拉致問題解決)を推進するよう、安倍首相の尻を叩くもしくは安倍首相が動きやすくなるための演出だから、安倍首相は、いよいよ腹をくくり、新しいアプローチで「拉致問題解決」に取り組まなければならない状況に追い込まれていると言える。


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首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」[NHK]
4月10日 20時29分

安倍総理大臣は、自民党の役員会で北朝鮮情勢について米中首脳会談を受けた中国の対応に注目していくとしたうえで、「いかなる事態になっても国民の生活と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と述べました。

この中で、安倍総理大臣は9日にアメリカのトランプ大統領と電話会談を行ったことを報告し、「北朝鮮がミサイルの発射など危険な挑発行為を繰り返す中で、トランプ大統領からはすべての選択肢がテーブルの上にあるという言葉もあった」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「今後、米中首脳会談を受けた中国の対応に注目していくが、いかなる事態になっても国民の生活と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と述べました。

また、安倍総理大臣はシリアのアサド政権に対するアメリカ軍の軍事行動について、「化学兵器の拡散・使用を絶対に許さないというアメリカの決意を日本は支持すると伝えた」と述べました。

このあと、二階幹事長は記者会見し、「われわれは安倍総理大臣の決断を支持する以外に方法はない。ただ、『なるほど』という情報が届けられているわけではないので、今後、政府にしっかりとした報告を求めたい」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170410/k10010943771000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html

[政治・選挙・NHK223] 中国 李克強首相 朝鮮半島情勢で日中対話を:ともに北朝鮮に“政治的負債”がある日中の連携で早期の日朝国交正常化を

中国 李克強首相 朝鮮半島情勢で日中対話を[NHK]
4月11日 4時04分

中国の李克強首相は、10日、河野洋平元衆議院議長と北京で会談し、朝鮮半島情勢について「中国もやるべきことがあるし、中日の間でもともにできることがある」と述べ日中両国が協力して、対話による解決をはかるべきだと強調しました。

李克強首相は、10日夕方、北京の人民大会堂で、河野元衆議院議長が率いる日本からの訪問団と会談しました。

この中で李首相は、「中国にとって中日関係の重要度は高い。両国関係が正常な軌道に戻るよう努力していきたい」と述べ、日本との関係改善に前向きな姿勢を示しました。また河野氏が、さきの米中首脳会談の結果を踏まえた、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する中国の考えを尋ねたのに対し、李首相は、「この問題はエスカレートさせるのではなく、緩和していくべきだ。中国もやるべきことがあるし、中日の間でもともにできることがある」と述べ、日中両国が協力して、対話による解決をはかるべきだと強調しました。この発言には、北朝鮮の問題で中国が、さらに大きな役割を果たすべきだという考えで一致している日米の動きをけん制する狙いもあるものと見られます。

このほか、李首相は、訪問団が視察する予定の中国の東北部の現状について「経済の構造転換の努力が引き続き必要で、大きな困難に直面している」と認めたうえで、「皆さんの大きな力も必要だ」と述べて、日本からの投資に期待を示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170411/k10010943991000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_022



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/852.html

[政治・選挙・NHK223] “教育方針”という表現は重大問題:「敗戦責任」さえ総括しない政治家が臣民教育のネタ=教育勅語を持ち出す喜劇

 稲田防衛大臣は、「教育勅語を唯一の教育方針として取り扱うことは不適切」としつつ、「私自身としては、親孝行とか、夫婦仲よくとか、友達との信頼関係とか、現代でも通用するような価値観というものはある」と教育勅語にしがみついている。

 教育勅語の取り扱いに関する安倍内閣の答弁書は、“教材として使うのは認められる”(日本のある歴史的一時的にそれが使われていたことやその意味や是非を考えるのは悪くない話)というものであり、唯一だろうが複数だろうが“教育方針“として使うことを認めたものではない。

 将来の首相候補という愚昧なメディアもつい最近まであったが、稲田さんについては、よくまあ今日まで防衛大臣を続けているというのが率直な感想である。

 安倍首相は、教育勅語を“唯一だけでなければ教育方針として使ってもよい”と言ってしまった稲田防衛大臣を即座に更迭すべきである。

 
 「私自身としては、親孝行とか、夫婦仲よくとか、友達との信頼関係とか、現代でも通用するような価値観というものはある」と教育勅語にしがみついているが、ちょっと考えればわかるように、それらはすべて、わざわざ、大日本帝国の臣民を育成するための道具である教育勅語を持ち出さずとも語れるありふれた内容である。

 市井の人々が教育勅語を我が子のしつけに使ったり「大日本帝国」ノスタルジーに浸ったりするのはかまわないが、国会議員ましてや大臣がそうしたいのなら、せめて、先の大戦の「敗戦責任」を語った後にして欲しいものだ。


※関連参照投稿

「「敗戦責任」とは何か」
http://www.asyura2.com/0311/dispute15/msg/221.html

「「敗戦責任」と天皇  [その1]」
http://www.asyura.com/2003/dispute5/msg/110.html

「「敗戦責任」と天皇 − インターミッション − [その2]」
http://www.asyura.com/2003/dispute5/msg/194.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/854.html

[政治・選挙・NHK223] 仁王像さんへ:北朝鮮に“政治的負債”を抱える安倍首相しか日朝国交正常ができないという説明のどこが”よいしょ”なの?

「首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html

の仁王像さんのコメントに対するレスポンスです。


【引用】
「愚昧宰相に対して、
「日朝国交正常化と日露平和条約締結を使命としてやり遂げる覚悟を持っているのは安倍氏の他にいない」、などと平然と”よいしょ”しているのは誰だ?」

【コメント】
「日朝国交正常化と日露平和条約締結を使命としてやり遂げる覚悟を持っているのは安倍氏の他にいない」という説明のどこが、安倍晋三氏を”よいしょ”したことになるのですか?

 安倍首相は、ある事件を通じて北朝鮮に“政治的負債”があり、それで発生した“負債がある事実”を米国やロシアなども知っていることから逃げるわけにもいかず、日朝国交正常化に取り組まざるをえない政治家なのです。

 だからこそ、12年秋に野田首相が尖閣諸島問題で行き詰まったとき、第一次政権を投げ捨てたいきさつからとうてい再就任できるような政治家ではない安倍晋三氏を、米国と中国が揃って後継として求めたのです。

(米国支配層の要望でもあったからこそ、野田首相も、今解散すれば負けると判断できる政治状況でも、泣く泣く解散・総選挙に踏み切ったのです。株高の主因である円安は、日銀の金融緩和ではなく、欧州の銀行危機緩和(欧州中銀の無制限国債買い)ですから、野田首相がぎりぎりの翌13年夏まで粘っていれば勝つとは言いませんがあれほどのぼろ負け(自民が2/3)はなかったと言えます)

 安倍首相自身は愚昧ですが、日朝交渉を進めるのは安倍氏自身ではなく、安倍氏よりはましな官僚であり、陰ながら支えてくれるのが米中露の支配層です。

 ただ単純に「拉致問題解決」というのなら誰でも取り組める課題なのかもしれませんが、国民多数派が納得できる解決を達成することはまずムリです。それでも、拉致問題は解決されたと認定し、国交正常化に向かう覚悟を持てる首相が必要なのです。

 首相が自分の政治生命にこだわっるような政治基盤では、優秀な官僚たちでも「日朝国交正常化」を推進することはできません。
 実現できたら引退してもいいという覚悟をもった政治家が首相であることが必須条件なのです。
(安倍首相の祖父である岸信介氏は予め覚悟を持っていたわけではありませんが、結果的に、安保条約改定と引き換えに首相を辞めました)

 貴殿にお訊ねしますが、どうあがいても世論から非難を浴び政治生命がほぼ絶たれることになる「日朝国交正常化」(=拉致問題解決)を、北朝鮮に負債を抱えている安倍首相以外の誰が推進できると思われますか?

 仮に、リベラル派や左派が「日朝国交正常化」を進めようとすれば、主要メディアのみならず国民多数派からもブーイングが起き挫折することになります。そう思いませんか?

(72年の日中国交正常化でさえ、米中接近を経た後にようやく“反共”自民党田中政権で実現されたのです。米中接近がない状況で日本が自主的に判断して動くことは難しかったでしょうし、米中接近があっても社会党政権でもムリだったと思われます)

 アナクロとも言える「愛国保守主義者」安倍晋三氏だからこそ、超難関のリベラルな政策である日朝国交正常化を達成できる可能性があるとは思いませんか。

【引用】
「>米国シリア懲罰空爆…安倍首相が動きやすくなるための演出だから
 漫画的対応、“一夜限り”の「アサド政権懲罰空爆ショー」なら、北からも愚昧宰相からさえも舐められるだけ。そんな演出ができるわけがないだろ。ボケタワケ!
 主張がメロメロドラマ。貴公、人格崩壊してるぞ!!」

【コメント】
「北からも愚昧宰相からさえも舐められるだけ」ってどういう意味ですか?

 トランプ米国は、北朝鮮とともに“瀬戸際作戦”を展開しているのです。

 北朝鮮をこのまま放置すれば米国の安全保障に影響するという雰囲気を醸すことで、北朝鮮との対話や交渉もできるようにしています。

 北や愚昧宰相がどう考えるかはどうでもいいことです。

 日本国民が、安倍首相が北朝鮮との対話や交渉を進めても、日本の安全保障のためには仕方がないとか必要だとか思ってくれることが重要なのです。


 それが、「安倍首相が動きやすくなるための演出」という意味です。


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[全文引用]

6. 仁王像[1442] kG2JpJGc 2017年4月11日 20:01:43 : D2e0FZpW2U : Wmjc5_f4tRg[1]
▲△▽▼

愚昧宰相に対して、
「日朝国交正常化と日露平和条約締結を使命としてやり遂げる覚悟を持っているのは安倍氏の他にいない」、などと平然と”よいしょ”しているのは誰だ?
>米国シリア懲罰空爆…安倍首相が動きやすくなるための演出だから
 漫画的対応、“一夜限り”の「アサド政権懲罰空爆ショー」なら、北からも愚昧宰相からさえも舐められるだけ。そんな演出ができるわけがないだろ。ボケタワケ!
 主張がメロメロドラマ。貴公、人格崩壊してるぞ!!
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/799.html 年 3 月 24 日
 >重要な戦後処理テーマとして残っている「日朝国交正常化」と「日露平和条約締結」を使命としてやり遂げる覚悟を持っているのは安倍氏の他にいない、日露はまだしも「日朝国交正常化」については他の誰もが尻込みする課題と考えているので、安倍氏には「日朝国交正常化」まではなんとか首相を続けてもらいたいと考えている。
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/817.html  2017 年 3 月 24 日
 >「日朝国交正常化」(安倍的に言えば“拉致問題解決”)を実現するまでは、それを最大の政治的使命として首相になった安倍晋三氏にこのまま首相を続けて欲しいと思っているのだが
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/273.html 2017 年 3 月 29 日
 >常々言っているが、安倍首相には「日朝国交正常化」=拉致問題解決という国際的約束を伴う政治的使命を実現するまでは首相を続けて欲しいと思っている。

(下のフェイク・チャチャも「安部ちゃまよいしょ」の例)
・自民総裁「3期9年」軸に任期延長案 執行部主導、異論封じ:日朝国交正常化実現まで辞められない安倍首相
http://www.asyura2.com/16/senkyo214/msg/638.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 10 月 19 日 17:23:40: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/864.html

[政治・選挙・NHK223] 仁王像さんへ:安倍政権に限らず戦後日本は米国の属国:”金正男”怪死事件に北朝鮮は非関与

「仁王像さんへ:北朝鮮に“政治的負債”を抱える安倍首相しか日朝国交正常ができないという説明のどこが”よいしょ”なの?」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/864.html

に対する仁王像さんのコメントへのレスポンスです。


【引用】
「>安倍晋三氏を”よいしょ”したことになるのですか?
 なる。安部なぞに国交正常化を期待できるわけがない。長くなるからあとは省略(阿修羅でも安部という人物には何も期待できないことは毎日語られている)
 貴公のまわりくどい説明は噴飯もの。説得力ゼロ。」

【コメント】
 もう少し具体的な批判や反論がいただけると思っていましたが、そうではなく、情緒的な反応だけでとても残念です。

 “国際的に認知されている政治的負債”の重みを考えてみてください。
 この政治的負債は日本国そのものの負債であり、負債をどうやって返済するのかは、安倍晋三個人の資質や能力の問題ではなく国家的課題なのです。


【引用】
「 >「北からも愚昧宰相からさえも舐められるだけ」ってどういう意味ですか?
 トランプ米国は、北朝鮮とともに“瀬戸際作戦”を展開しているのです。
 異なことことを言うじゃないか。トランプが瀬戸際作戦だと?
 貴公、「漫画的対応、“一夜限り”の「アサド政権懲罰空爆ショー」とお茶らかしたんだぞ。そこにとどめて「トランプが瀬戸際作戦」だとは微塵も匂わせていないぞ。
 その解説どおりなら世界中から物笑いの種になり、舐められるのは当たり前だろ?
 安倍首相のための「演出」になぞなるわけがなかろう。違うか?」

【コメント】
 失礼ながら、トランプ米国が朝鮮半島問題で“瀬戸際作戦”を展開していることに気づかないようでは国際政治が見えていないと思いますよ。

 米国の安全保障に関わる危機という状況がないまま北朝鮮と対話や交渉をすれば、核開発やミサイル開発を“勝手気まま”に行っている国に飴を与えると大きな批判を浴びます。

 しかし、米国の安全保障に関わる危機という認識を連邦議会・メディア・米国民が持つようになれば、米朝交渉も、必要とまで言われないとしても許容はされます。

 北朝鮮と交渉しても大きなブーイングが起きないような雰囲気を醸成していることをもって“瀬戸際作戦”と呼んでいます。

 安倍政権が思うように進められていない拉致問題解決=日朝国交正常化を支援するため、トランプ米国が北朝鮮と交渉を行う可能性も高いと思っています。

 ただし、手順は、日朝国交正常化→米朝国交正常化(平和条約締結を含む)ですから、トランプ米国と北朝鮮の交渉は日朝交渉の“誘い水”という位置づけです。


【引用】
「 それとな、”金正男”怪死事件の後始末はどうなったんだ?
 ここで「B級以下の雑なシナリオ」で「はしゃぎ」回ってる場合じゃないだろ?」

【コメント】
 北朝鮮にいる自国民保護を大義として説明しましたが、マレーシア政府は、“金正男”事件が北朝鮮の国策として行われたものではないと認識しているからこそ、あのような結末(マレーシア−北朝鮮合意)に到達したと考えています。

 そして、米国などがマレーシア政府の対応に異議を唱えていないことから、それが“国際的了解”にもなっていると推測しています。

 ”金正男”怪死事件にどこかの国家が絡んでいるのなら、北朝鮮以外のどこかだということです。

 なお、死亡した(殺された)男は、世界の多くが”金正男”と考えている「金 哲」だと思っています。
 逆の言い方をすると、「金 哲」=”金正男”です。
 ただし、可能性は高いと思っていますが、「金 哲」が、金正日氏の長男という検証はできていません。


【引用】
「 それとな、安部第二次政権の誕生の背景を、仮に貴公の説を前提にして考えてみよう。
 一口に言って、米国の傀儡政権ということだ(属国でもある)。そんな人物に国家の命運をかけるようなことを託すことは絶対に出来ないぞ。
 対北拉致問題の解決や国交正常化など期待するお頭(つむ)が狂っているとしか言えない。対露、領土問題交渉も同じ。今回結果がでてしまったことではっきりしている。貴公、判じ物だが成果はあったなどと盛んに読者を誑(たぶら)かそうとしていたな。
 以上のように貴公の発想は、阿修羅でも飛び抜けて異質なものだ。その原因は貴公の出自に関わっていると仁王像は見ている。つまり統治者側とこちら側の二股スタンス(これも他所でやっているから一度は見ているだろうから、略)」


【コメント】
 実に哀しくゆゆしきことですが、安倍政権に限らず、戦後日本の政権は米国の傀儡政権(属国)だと思っています。

 そして、とんでもないことですが、“鳩山潰し”でもわかるように、政権の対米従属性を“監視”し強化しているのが日本の主要メディアです。

 貴殿も仮定してくれたように、宗主国米国が、安倍晋三氏を内閣総理大臣に据え、日朝国交正常化も望んでいるのなら、国交正常化の前提である拉致問題も解決できる可能性が高いとは思いませんか?

 2002年9月の小泉訪朝(安倍晋三氏も同行)が、米国からの要求を受けてのものと理解できていないと、私が説明している構図も理解できないとは思っています。

 2002年初頭にブッシュ大統領は北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しし批判しましたが、そのような国際政治状況のなかで“属国”日本の首相が独断で(自主的に)訪朝し、あの日朝平壌宣言に署名したとお考えですか?

 昨年暮れのプーチン訪日については、貴殿も読まれた投稿で書いたように、日露平和条約に向けて大きな前進があったと考えています。
 今は領土問題で合意した内容を表に出せないが、経済及び人的交流を深めていくなかで表に出せる雰囲気をつくりだそうというのが昨年暮れの日露首脳会談だと思っています。


最後に、

「(阿修羅でも安部という人物には何も期待できないことは毎日語られている)」

「貴公の発想は、阿修羅でも飛び抜けて異質なものだ。その原因は貴公の出自に関わっていると仁王像は見ている。つまり統治者側とこちら側の二股スタンス(これも他所でやっているから一度は見ているだろうから、略)」

といったことを持ち出してほとんど意味がないと思いますよ。


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[全文引用]

2. 仁王像[1443] kG2JpJGc 2017年4月11日 21:56:07 : D2e0FZpW2U : Wmjc5_f4tRg[2]
▲△▽▼


>安倍晋三氏を”よいしょ”したことになるのですか?
 なる。安部なぞに国交正常化を期待できるわけがない。長くなるからあとは省略(阿修羅でも安部という人物には何も期待できないことは毎日語られている)
 貴公のまわりくどい説明は噴飯もの。説得力ゼロ。
 >「北からも愚昧宰相からさえも舐められるだけ」ってどういう意味ですか?
 トランプ米国は、北朝鮮とともに“瀬戸際作戦”を展開しているのです。
 異なことことを言うじゃないか。トランプが瀬戸際作戦だと?
 貴公、「漫画的対応、“一夜限り”の「アサド政権懲罰空爆ショー」とお茶らかしたんだぞ。そこにとどめて「トランプが瀬戸際作戦」だとは微塵も匂わせていないぞ。
 その解説どおりなら世界中から物笑いの種になり、舐められるのは当たり前だろ?
 安倍首相のための「演出」になぞなるわけがなかろう。違うか?

 それとな、”金正男”怪死事件の後始末はどうなったんだ?
 ここで「B級以下の雑なシナリオ」で「はしゃぎ」回ってる場合じゃないだろ?


3. 仁王像[1444] kG2JpJGc 2017年4月11日 22:55:40 : D2e0FZpW2U : Wmjc5_f4tRg[3]
▲△▽▼

 (2の補足)
 それとな、安部第二次政権の誕生の背景を、仮に貴公の説を前提にして考えてみよう。
 一口に言って、米国の傀儡政権ということだ(属国でもある)。そんな人物に国家の命運をかけるようなことを託すことは絶対に出来ないぞ。
 対北拉致問題の解決や国交正常化など期待するお頭(つむ)が狂っているとしか言えない。対露、領土問題交渉も同じ。今回結果がでてしまったことではっきりしている。貴公、判じ物だが成果はあったなどと盛んに読者を誑(たぶら)かそうとしていたな。
 以上のように貴公の発想は、阿修羅でも飛び抜けて異質なものだ。その原因は貴公の出自に関わっていると仁王像は見ている。つまり統治者側とこちら側の二股スタンス(これも他所でやっているから一度は見ているだろうから、略)



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/881.html

[政治・選挙・NHK223] 北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」

 02年9月の「日朝平壌宣言」は既に反故になっていると思っている人も多いかもしれないが、不思議なことにちゃんと生きている。

 それがわかるのが、昨年9月に北朝鮮が行ったとされる核実験をネタに日朝間で行われた興味深いやり取りである。(記事は末尾に掲載)

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[安倍政権]9月9日
菅義偉官房長官:「拉致、核、ミサイルといった懸案の包括的解決のため、わが国がとるべき最も有効な手段を講じていきたい」
岸田文雄外相:「累次の国連安全保障理事会決議や日朝平壌宣言、6カ国協議の共同声明の趣旨に反する」

[北朝鮮]9月17日
北朝鮮国営ラジオ平壌放送:「日本の朝日平壌宣言に対する背信行為により、朝日関係は再び逆戻りできない最悪の事態に突き進んでいる」
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 このやり取りから、署名から15年近く経ち、遅々として進まない拉致問題解決、打ち続くミサイル発射や核実験という状況でも、日朝両国とも「日朝平壌宣言」を基礎に置いていることがわる。

 「日朝平壌宣言」には、「朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明」とあるが、北朝鮮がミサイル発射を続けているにもかかわらず、「日朝平壌宣言」は現在もなお有効なのである。

 北朝鮮が一度手にした核兵器を放棄することはないと解説する人も多いが、それがほんとうなら、拉致問題も解決しないし日朝国交正常化も実現しないことを意味する。

 なぜなら、日朝が今なお基礎に置いている「日朝平壌宣言」には、「双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認」、「双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した」とあり、日朝が確認した目指すべき状態を実現されない限り、日朝国交正常化交渉を進めることはできないからである。

 それは、「日朝平壌宣言」に明記された「日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議する」こともできないことを意味する。

 ざっくばらんに言えば、北朝鮮は、核開発を断念しない限り、日本から1兆5千億円とも言われている経済協力を受け取れないし、米朝国交正常化(平和条約締結)にも進めないのである。

 安倍首相は任期中に拉致問題を解決すると豪語としてきたが、日朝国交正常化交渉につながらない拉致問題解決なぞあり得ない。
 拉致問題解決=日朝国交正常化なのである。

 ということで、「北朝鮮 止める秘策はあるか」という問いの答えは、「日朝平壌宣言の履行」ということになる。

 岸田外相が語った「6カ国協議の共同声明」については次の投稿を参照していただきたい。

※関連参照投稿

「制裁は役に立たないが、なぜそれが米国に必要か?:日朝平壌宣言と六者会合共同声明は今なお有効と国会で確認した安倍首相」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/889.html

「首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html

「仁王像さんへ:北朝鮮に“政治的負債”を抱える安倍首相しか日朝国交正常ができないという説明のどこが”よいしょ”なの?」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/864.html

「仁王像さんへ:安倍政権に限らず戦後日本は米国の属国:”金正男”怪死事件に北朝鮮は非関与」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/881.html


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北朝鮮 止める秘策はあるか [日経新聞]
本社コメンテーター 秋田浩之
2017/4/12付

 朝鮮半島をめぐる空気が、にわかにきな臭くなってきた。禁じ手の化学兵器を使ったとして、トランプ米大統領はシリアのアサド政権軍を攻撃した。核の脅威をまき散らす北朝鮮にも軍事力を振るうのか。舞台裏の議論を探った。

 「今の瞬間風速でいえば、北朝鮮問題の緊急度は過激派組織『イスラム国』(IS)を上回っている」。米政府当局者は政権内の空気をこう明かす。

 北朝鮮が日本全土をミサイルの射程に入れ、挑発を強めている現状を受け、トランプ氏は周辺にこうつぶやいたという。

 「こんな状況で、2020年に東京オリンピックをやるのか」

 米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発が加速するにつれ、彼の危機意識はさらに高まっている。


 中国の習近平国家主席を米フロリダ州の別荘でもてなした6日夜。トランプ氏はシリアを空爆したと告げ、北朝鮮に対しても単独行動があり得ると警告した。

 どんな具体策が検討されているのか。関係者らによると、次のような措置が含まれる。

 北朝鮮と取引がある外国企業への制裁を強化し、北朝鮮からの労働者を受け入れている国々には、中止を迫る。いちばんの標的はもちろん中国だ。併せて同盟国との共同演習を拡充するほか、ステルス戦闘機や核搭載可能な爆撃機をいまより頻繁に日韓やグアムに展開し、軍事圧力を強める。米メディアによると、核兵器を在韓米軍に再配備する案も含まれる。

 だが、核を持っていないからこそシリアは攻撃されたと考える北朝鮮が、圧力にひるみ、核を手放すとは考えづらい。北朝鮮の崩壊を望まない中国が、本気で米国に協力するかも疑問だ。

 だとすれば、最終的に行き着く問題は、経済制裁や軍事圧力が効かなかった場合、米国が武力行使に踏み切るのかどうかだ。

 トランプ政権は「あらゆる選択肢を排除しない」と、軍事行動にも含みをもたせる。米軍内からも「北朝鮮のICBM保有は絶対に認めない」との声が聞かれる。

 シリア攻撃でこれらの警告は少し、真実味を帯びたようにみえる。ところが政権内の議論に通じたワシントンの米安保専門家や元高官らに聞くと「攻撃できるとは思わない」と一様に否定的だ。

 根拠は主に3つある。

 北朝鮮は移動式ミサイルを持っており、核兵器もすべての所在はつかめていない。空爆すれば韓国を狙った反撃を許し、数万〜数十万人の死傷者が出かねない。

 また米中の意思疎通がないまま攻撃すれば、米中衝突の危険が生じる。このため米政府は朝鮮半島の有事にそなえた協議を水面下で打診してきた。在韓米軍が中朝国境まで行くことはないとも、ひそかに伝えたという。だが中国側は具体的な協議には応じていない。

 さらに日韓、とりわけ韓国との調整が難しい。対北攻撃には日韓の了解と支援が欠かせないが、韓国がすんなり同意するとは考えにくい。5月上旬の大統領選で北朝鮮に融和的な政権が生まれたら、なおさらだ。

 軍事的な選択肢を排除しないトランプ政権と、「攻撃できるはずがない」とする識者や元高官らの分析。両者の主張のどちらが現実に近いのか。過去をみると、後者に理があるようにみえる。

 クリントン政権は1994年に空爆を検討したとされるが、結局は断念。対話に軸足を移し、2000年にはオルブライト国務長官が訪朝するまで歩み寄った。02年に北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んだブッシュ政権も、途中から交渉に応じ、08年には対テロ支援国家指定から北朝鮮を外した。


 初めは力でねじ伏せようとするが、軍事作戦は極めて難しいと悟り、対話解決を探らざるを得なくなる。それが米国の対北朝鮮政策の歴史だった。
 ICBMを北朝鮮が持てば、こうした「妥協の法則」が崩れ、米国は一気に対決に向かうのか。日米韓の当局者や識者の見立てを総合すると、次のようになる。

 【フェーズ(1)一触即発に】米国の制裁と軍事圧力で朝鮮半島の緊張は一気に高まる。北朝鮮は核とミサイルの実験を強行し、一触即発の状態に近づく。

 【フェーズ(2)協議の動き】戦争を回避しようと、中国が米朝協議のお膳立てに動く。米国は当初渋るものの、結局、攻撃はせず、交渉による事態の打開に動く。

 【フェーズ(3)苦渋の妥協】激しい駆け引きの末、核とミサイル実験の凍結などで米朝が合意する。戦争が避けられる一方、すでにミサイルの射程内にある日韓への脅威は固定化しかねない。

 こうした流れと並行し、米国はサイバー攻撃で核ミサイルの完成を阻もうとするだろう。米ニューヨーク・タイムズ紙は米国が14年からサイバー攻撃を本格化したと報じた。金正恩(キム・ジョンウン)体制の転覆を狙った秘密工作も進めるかもしれない。

 果たして、フェーズ(1)〜(3)の通りになるか、北朝鮮の出方を言い当てるのは難しい。米国の意図を読み違え、先制攻撃を仕掛けてくる可能性もぬぐいきれない。北朝鮮は10年に韓国・延坪島(ヨンピョンド)を砲撃したほか、韓国軍艦船を沈めている。

 ただ、ひとつだけ、はっきりしていることがある。追い込まれた金正恩氏が米韓や日本に戦争の引き金をひけば、彼の体制はおろか、北朝鮮の国家としての存続が危うくなるということである。


秋田浩之(あきた・ひろゆき) 政治部、北京支局、ワシントン支局などを経て、外交・安全保障担当の編集委員兼論説委員。近著に「乱流 米中日安全保障三国志」

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO15178710R10C17A4TCR000/?dg=1


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※参考資料

日朝平壌宣言
平成14年9月17日

 小泉純一郎日本国総理大臣と金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、2002年9月17日、平壌で出会い会談を行った。

 両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した。

 双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。

 双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。

日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。

 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。

 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。

 双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

 双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

 双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。

 双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。

 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。

 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。

 双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。

日本国
総理大臣
小泉 純一郎

朝鮮民主主義人民共和国
国防委員会 委員長
金 正日

2002年9月17日
平壌


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政府、独自制裁強化を検討

 菅義偉官房長官は9日の閣議後の記者会見で、北朝鮮の核実験を受け、日本独自の制裁強化を検討する考えを表明した。「わが国の独自制裁、さらに国連安全保障理事会決議による制裁の検証をすることは極めて大事だ」と指摘。「拉致、核、ミサイルといった懸案の包括的解決のため、わが国がとるべき最も有効な手段を講じていきたい」との考えを示した。


 政府は2月に独自制裁の強化策を閣議決定した。北朝鮮に寄港した第三国船舶や、人道目的を含む北朝鮮籍船舶の入港を禁止。北朝鮮向け送金の原則禁止や資産を凍結する団体・個人を拡大した。在日外国人の核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国も禁止している。

 安倍晋三首相は首相官邸で記者団に「断じて許容できない。米国、韓国と緊密に連携をしなければならない」と強調。稲田朋美防衛相は記者会見で「北朝鮮が大量破壊兵器の運搬手段となりうるミサイル能力を増強していることと考え合わせれば、わが国の安全に対する重大な脅威だ」と批判。「水爆実験を行ったとは考えにくい」と指摘した。

 岸田文雄外相は外務省で記者団に「累次の国連安全保障理事会決議や日朝平壌宣言、6カ国協議の共同声明の趣旨に反する」と述べた。

[日経新聞9月9日夕刊P.1]


北朝鮮「日朝平壌宣言への背信」 日本を非難

 【北京=共同】北朝鮮国営ラジオの平壌放送は17日、日本が米国に便乗して対北朝鮮敵視政策を追求しているとして「日本の朝日平壌宣言に対する背信行為により、朝日関係は再び逆戻りできない最悪の事態に突き進んでいる」と非難した。「日本の頭の中には朝日関係を改善する考えが毛頭ない」と反発した。ラヂオプレス(RP)が伝えた。

[日経新聞9月18日朝刊P.2]



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

[政治・選挙・NHK223] 北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認:すごい!米国の軍事力行使を制御できる日本

 転載する記事に、「米側は軍事行動を含め、あらゆる選択肢を俎上(そじょう)に載せているのは「外交を動かすための手段で、本気度を示すのが狙い」と説明している。一方で「外交が機能しないなら軍事行動もありうる」との方針も示した。日本側はこうした米側の考えに理解を示しつつ「万が一、外交政策が万策尽きて北朝鮮を攻撃する場合は日米の事前協議の対象としたい」と要請、米側もこれを受け入れた」とある。

 北朝鮮に限ってのことだとしても、日本が米国の軍事力行使を制御できるというのはウソ!というほど画期的ですごいことだ。

 というより、内実は、北朝鮮問題を解決する第一段階の主体は日本だから、安倍政権は“危機”を踏まえて迅速に動けという話である。

 日本がちゃんと日朝国交正常化を進めれば、北朝鮮に攻撃を仕掛けることなぞないのだから、腹を決めて取り組め(取り組む)というというメッセージでもある。

 そして、これが、

「首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html

での、安倍首相の“軽い”発言の支えであったこともわかった。

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北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応をめぐり、日本政府が米側に対し、軍事行動に踏み切る場合の事前協議を要請していることが分かった。米側も応じる意向を示したという。日本政府関係者が明らかにした。外交的な解決が不調に終わった場合でも米側が直ちに軍事行動に踏み切ることなく日米協議を経て最終判断するのが狙い。

 トランプ米大統領は今年1月の就任以降、核・ミサイルの挑発を続ける北朝鮮への対応に関し「すべての選択肢がテーブルの上にある」と繰り返し言及している。この間、日米両政府の高官は一連の会談で、米国の対北朝鮮政策について擦り合わせを進めてきた。

 関係者によると、米国は北朝鮮に対する経済制裁の実効性を高めるため、北朝鮮に影響力を持つ中国に圧力をかけて協力を促すのが基本方針。同時に「ミリタリーオプション(軍事行動)」の可能性を排除しない考えも日本側に伝えてきた。

 米側は軍事行動を含め、あらゆる選択肢を俎上(そじょう)に載せているのは「外交を動かすための手段で、本気度を示すのが狙い」と説明している。一方で「外交が機能しないなら軍事行動もありうる」との方針も示した。日本側はこうした米側の考えに理解を示しつつ「万が一、外交政策が万策尽きて北朝鮮を攻撃する場合は日米の事前協議の対象としたい」と要請、米側もこれを受け入れた。

[日経新聞4月12日朝刊P.1]

※関連参照投稿

「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

「仁王像さんへ:北朝鮮に“政治的負債”を抱える安倍首相しか日朝国交正常ができないという説明のどこが”よいしょ”なの?」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/864.html

「仁王像さんへ:安倍政権に限らず戦後日本は米国の属国:”金正男”怪死事件に北朝鮮は非関与」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/881.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/884.html

[国際19] 対北朝鮮先制攻撃論の罠:韓国中央日報:先制攻撃は非現実的な選択肢:韓国の同意と中国の暗黙的同意が必要

※関連参照投稿

「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

「北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認:すごい!米国の軍事力行使を制御できる日本」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/884.html

「仁王像さんへ:安倍政権に限らず戦後日本は米国の属国:”金正男”怪死事件に北朝鮮は非関与」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/881.html

「仁王像さんへ:北朝鮮に“政治的負債”を抱える安倍首相しか日朝国交正常ができないという説明のどこが”よいしょ”なの?」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/864.html

「首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html

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【コラム】対北朝鮮先制攻撃論の罠(1)
中央日報日本語版 4/11(火) 15:29配信

韓半島(朝鮮半島)の4月危機説が広がっている。今月中に北朝鮮が6次核実験や長距離ミサイル試験発射を強行し、これを機に米国が北朝鮮に対する先制攻撃(厳密に言うと予防的攻撃)に出て韓半島で戦争が起きるかもしれないという不吉なうわさがインターネットやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を中心に相次いでいる。

注目されていたドナルド・トランプ氏と習近平氏との米中首脳会談が呆気なく終わり、危機説がより増幅されている雰囲気だ。トランプ氏は中国が協力しなければ、米国だけでも北核問題の解決に積極的に乗り出すと気勢を上げている。すべての選択肢がテーブルに上がっており、先制攻撃のような軍事的措置も排除しないと公開的に明らかにしている。

対北朝鮮先制攻撃論が浮上したのは今回が初めてではない。1994年、1次北核危機の際もクリントン米政府は寧辺(ヨンビョン)核施設に対する先制攻撃(surgical strike)を真剣に検討していた。だが、金泳三(キム・ヨンサム)元政府が強力に反発して実行直前の段階で失敗に終わった。だが、今はその時と事情が違うというのが2017年4月韓半島危機説が広がっている背景だ。

まず、北朝鮮の核とミサイル能力がその時とは比べものにならないほど大きくなり高度化した。これ以上、手をこまぬいているわけにはいかない水準まで達している。米国と北朝鮮いずれも「リーダーシップリスク」を抱えている点もその時とは明確に異なっている。トランプ氏と金正恩(キム・ジョンウン)委員長2人ともどこに跳ねるか分からないラクビーのボールのような性格の持ち主だ。金正恩委員長が核実験や長距離ミサイルの挑発を強行し、これに対抗してトランプ氏がシリアを爆撃したように対北朝鮮先制攻撃を命令するといった状況を排除することはできない。米中首脳会談が終わるやいなや米国が空母「カールビンソン」を韓半島近隣海域に移動させ、マイク・ペンス副大統領を突然韓国に送ったのも不安だ。

だが、先制攻撃は非現実的な選択肢というのが北朝鮮の事情に明るい軍関係者らの見解だ。何より標的があまりにも多くなったという点だ。核とミサイル関連施設が北朝鮮の全域に散在しているうえに、隠された施設が多くて一時に攻撃し難い。それでも確認されたところだけを狙えば、効果はあまりないうえに副作用だけをもたらしかねない。標的の相当数が中朝国境地帯に集まっている点も問題だ。

さらに大きな問題は、戦争拡大の可能性だ。先制攻撃に対する報復として北朝鮮が駐韓米軍基地を攻撃すれば韓国に対する付随的被害は避けられない。十中八九全面戦争に拡大すると見なければならない。この場合、休戦線一帯に集中配備されている北朝鮮の長射程砲の恐るべき火力のために開戦当日だけで首都圏で数十万人の人命被害を覚悟しなければならない。

最終更新:4/11(火) 15:29

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170411-00000040-cnippou-kr&pos=4


【コラム】対北朝鮮先制攻撃論の罠(2)
中央日報日本語版 4/11(火) 15:29配信

要するに、対北朝鮮先制攻撃は全面戦争を覚悟する前には踏み切ることのできない途方もない冒険だ。充分で緻密な準備と計画なしには不可能だ。当然、韓国が同意して韓米連合軍が緊密に協力するという前提の下で実行可能だ。北朝鮮のミサイル攻撃圏にある日本の同意と協力も欠かせない。中国の暗黙的同意も必要だ。韓国内の外国人をあらかじめ疎開することも大きな問題だ。このすべての手続きをひそかに進めることは難しい。先制攻撃は事実上、宣戦布告になるほかない。

数年以内に北朝鮮が米国の本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成する可能性があるだけに、あらかじめ手を打たなければならないというのが先制攻撃論の主な論拠だ。米国に対する潜在的脅威要因を取り除くために第2の韓国戦争(朝鮮戦争)を辞さないというのは無責任でかつ無謀極まりない論理だ。

最大の被害者は韓国になることが明らかな状況で、韓国政府の意見を無視して米国が一方的に強硬することはできない。どの韓国政府も簡単に同意することは難しい。ジェームズ・マティス国防長官やハーバート・マクマスター国家安保担当大統領補佐官のようにそれなりにトランプ政府で合理的思考をしている軍出身の要人が先に反対する可能性が大きい。

いかなる方法を使っても北核問題は解決しなければならない。現在としては、北朝鮮の核とミサイル能力を凍結させ、南北や米朝間和解を通じて敵対感を緩和し、統一や韓半島の非核化を最終目標にして進めるのが現実的だ。この場合、既存の北朝鮮の核を認める格好になるという点が当然、問題として提起される可能性がある。韓半島の非核化を実現するまでは北朝鮮に相応する核能力を韓国にも一時的に許して「恐怖のバランス」を取る必要がある。韓国に戦術核を再配備し、米国と共同管理・運用させることが一つの案になり得る。

戦争を覚悟してこそ平和を守ることができるという言葉は正しい。だが、戦わずに勝てれば、それが最善だ。北朝鮮の挑発には断固として対抗する必要があるが、明らかなリスクを承知で火に飛び込むのは愚かな蛮勇だ。対北朝鮮先制攻撃はすべてを不幸にさせる悪手だ。その罠に陥ってはならない。

ペ・ミョンボック/中央日報コラムニスト

最終更新:4/11(火) 15:29

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170411-00000041-cnippou-kr&pos=1


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/105.html

[国際19] 米産原油、中国が最大輸入国に エネルギー相互依存進む

<FT特約>米産原油、中国が最大輸入国に エネルギー相互依存進む

 中国が2月、米国産原油の最大輸入国となったことが統計でわかった。地政学的な緊張が高まる中、米中両国が世界の二大エネルギー消費国として相互依存を深めている。

 トランプ米大統領は6日、米フロリダ州で中国の習近平国家主席と会談する。対中貿易が議題の中心となるだろう。従来、米中関係は米国による中国の製造業への投資と、中国生産品の消費が主体だったが、世界の石油情勢や両国間の農産物貿易の活発化で、原材料の重要性が増している。

 シェール革命を受け、米政府が2015年末に原油輸出を40年ぶりに解禁して以来、中国はカナダに次ぐ米国産原油の輸入大国となった。

 米国とともに世界の二大原油輸入国である中国は、石油精製量が今後3〜5年で米国を抜き、世界首位になる見通しだ。

 中国国有石油大手、中国石油化工(シノペック)の商社部門で、原油取引を手がける中国国際石油化工連合公司(ユニペック)の幹部は先週、北米は今後10年で世界のスイング・プロデューサー(市場全体の供給量の調整役)になる可能性があると語った。

 「シェールと石炭も含め、トランプ氏の政策は旧来のエネルギー産業を利すると確信しており、我々は大いに楽観的だ」と同幹部は石油業界のフォーラムで述べた。

 とはいえ、中国の米国産原油の輸入量は依然、サウジアラビアやロシア、アンゴラからの輸入量を大きく下回る。1月と2月の数字では、日量800万バレルを超す中国の原油輸入量のうち、米国からの輸入は1%にも満たなかった。

 米国は原油輸出の拡大で、商品(コモディティー)輸出国としての地位を高めている。すでに、機械類の輸出にほぼ匹敵する年間約200億ドル(約2兆2000億円)相当の農産物を中国に供給している。もっとも、対中貿易のトップは450億ドル超のサービス輸出だ。

(6日付)

=英フィナンシャル・タイムズ特約

[日経新聞4月7日朝刊P.8]


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/112.html

[政治・選挙・NHK224] 共産 志位委員長 北朝鮮情勢 米に外交的解決働きかけを:「拉致問題解決」のため安倍首相が平壌へが正しい進言

 軍事的衝突を避け外交的努力に励むべきという態度は望ましいものだが、共産党も国際政治が見えていないようだ。

 共産党の志位委員長が北朝鮮問題でわざわざ外交的解決をと発していることでも、トランプ米国と安倍政権の“瀬戸際作戦”が効を奏していると言えるだろう。

 トランプ大統領も安倍首相も、国民が広く危機感を抱く状況を演出することで、対話や交渉という外交に向かう条件を手に入れようとしている。
 言い換えると、「あらゆる選択肢」のなから、交渉も選択できるようにしようとしている。

 朝鮮半島問題の最終的解決は、米朝国交正常化(平和条約締結)→南北“形式的”統一だが、その前段階にあるのが「日朝国交正常化」(=拉致問題解決)なのである。

 そして、「日朝国交正常化」交渉の基礎は、02年の小泉訪朝で日本と北朝鮮が署名した「日朝平壌宣言」である。

 朝鮮半島をめぐって起きている現在の“危機”は、「日朝平壌宣言」を基礎とした「日朝国交正常化」交渉がまったくといって進んでいないことに由来する。

 はっきり言うが、その責任は、拉致問題云々で「日朝国交正常化」交渉をサボタージュしている日本政府にある。

 北朝鮮がミサイル発射や“偽核実験”を繰り返しているのは、日本政府に「日朝国交正常化」交渉を急がせるための“瀬戸際作戦”である。

(たぶん、そのような“瀬戸際作戦”を唆したのは米国ブッシュ政権なのだろうが、日本国民の気質を考えるなら、軍事的挑発ではなく穏やかな対応のほうが効果がある。しかし、戦後世界の覇権国家として、“瀬戸際作戦”を駆使しながら国際政治を仕切ってきた米国支配層はそれから抜け出せないようだ)

 もう一度はっきり言うが、拉致問題を理由に「日朝国交正常化」交渉を先送りする政策は、国際信義にもとる誤った対応である。

 なぜなら、「日朝平壌宣言」で日朝両国は、

「双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した」とあるのように、

 拉致問題(日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題)を「日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題」とし、「今後再び生じることがないよう適切な措置をとること」で決着させたからである。

 日本政府がそのような決着は許せないというのなら、「日朝平壌宣言」に署名せず帰国すればよかったのである。署名した日本政府があとであれこれ言うのはおかしいと理解しなければならない。

 むろん、自民党などが長い期間に亘って醸成してきた「拉致問題世論」が強くあるなかで、すぐに、拉致問題は脇において国交正常化交渉からというわけにはいかない。
 そんなことをすれば、安倍政権が倒れてしまう可能性が高い。

 安倍首相は、拉致問題とはなんだったのかを国民にきちんと説明し、拉致問題をあるレベルで解決させる(解決したと認定できる結果を得る)行動に移らなければならない。

※関連参照投稿(日朝平壌宣言全文を添付)

「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

「北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認:すごい!米国の軍事力行使を制御できる日本」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/884.html


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共産 志位委員長 北朝鮮情勢 米に外交的解決働きかけを[NHK]
4月13日 16時56分

共産党の志位委員長は記者会見で、北朝鮮情勢について、アメリカと北朝鮮がそれぞれ軍事力を行使する事態に発展することを強く憂慮するとして、政府に対し外交交渉によって問題の解決を図るようアメリカに働きかけることを求めました。

この中で、志位委員長は北朝鮮情勢について、「アメリカのトランプ政権は、北朝鮮に対する軍事力行使を選択肢として、軍事的威嚇を強めているが、極めて危険な動きだ。北朝鮮がさらなる挑発行為で応じ、軍事対軍事の危険なエスカレーションが起こることを強く憂慮する」と指摘しました。

そのうえで、志位氏は「アメリカが北朝鮮に先制的な軍事行動をとった場合、韓国や日本を巻き込んで深刻な武力紛争に発展し、おびただしい犠牲が出るのは避けられない。安倍政権はアメリカに対して、外交的解決の立場に立つよう強く働きかけるべきだ」と述べました。

また、志位氏は「衆参両院で予算委員会の集中審議を行って、政府のとるべき対応をきちんと詰めていく必要がある」と述べ、北朝鮮情勢などをめぐって集中審議を行うよう求めました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170413/k10010947261000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005



http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/147.html

[政治・選挙・NHK224] 天皇陛下、18年中に退位へ 公務すべて新天皇に:「一代限り」譲位を二代続けてやればOKという姑息な非法治主義的手法

 「森友学園小学校疑獄」も顕著な事例だが、日本の政治手法として、事を荒立て問題をぐずらぐずらと先送りにし、ゴマカシの手法でなんとか落とし前をつけて終わらせるというやり方が目立つ。

 今回の天皇譲位騒動も、憲法や皇室典範を変更することで生じる軋轢や百家争鳴を避けるため、憲法第一条に規定されているほど“重要な存在”である天皇の身分について、一代限りの特例というワケのわからない方法で譲位できるようにするようだ。

 今回の天皇譲位騒動は、建前はともかく、「天皇→皇太子→秋篠宮→悠仁」という継承をできるだけスムーズ(迅速)に行うために仕組まれたものである。

 年齢で体力や気力が云々ということなら、昭和天皇はそのような状態でも職責をまっとうしようとされたし、(今上天皇が嫌がろうとも)摂政制度があるのだから、憲法&皇室典範の規定を“一時的に”曲げてまで譲位ができるようにする必要はない。(年齢を条件として譲位制度を創設する法改正に反対ではない)

 皇太子が還暦間近になっている要因だけでも譲位したいという気持ちが起きるかもしれないが、決定的な要因は、皇太子家に男子がいないことであり、もう一つ付け加えるなら、雅子さんが公務をしっかりは果たせない状態にあることである。

 皇太子が天皇に即位したあと皇嗣(継承順位第一位)になるのは秋篠宮だが、二人の年齢差は6歳しかなく、皇太子が80歳まで天皇を続けると、秋篠宮は74歳で天皇に即位することになる。
 また、失礼を顧みず言えば、天皇となった皇太子より秋篠宮のほうが先に亡くなる可能性もある。そうなれば、天皇となった皇太子の後をつぐのは、秋篠宮の子である悠仁という状態がしばらく続くことになる。

 皇太子が不在というこのような継承のかたちは望むものではないだろう。
 そして、それだけにとどまらず、天皇になる皇太子には雅子さんという“問題”もある。

 善し悪しはともかく、今上天皇と皇后は、戦後日本において一つの理想的夫婦像として見られ、天皇に即位してからも、世俗の政治家とは別格の優れた慈悲深い統治者として崇敬の対象となってきた。

 そのような今上天皇夫婦のあとに、(その時点でもたぶん)公務を十全には果たせない女性が皇后となり国民の前に立ち現れるわけである。

 今はまだリアルにイメージできないかもしれないが、この“落差”はとてつもなく大きなもので、新天皇への落胆や批判の的になる可能性もある。

 (失礼)“始末に困る”のは、国民と良き関係を築いた“上皇”と“上皇后”が存在することである。
 国民や評論家は、上皇夫婦と天皇夫婦を比較して語るようになり、ヘタをすると、国民の気持ちが上皇夫婦のほうに向く可能性すらある。

 これくらいのことは、宮内庁などもわかっているだろうし、何より皇太子自身が理解している。

 皇室を安定的に存続させるために、新天皇になった皇太子がそれほど間を置かずに秋篠宮に譲位するという流れになると思う。


※参照投稿

「用意周到に仕組まれた天皇の「生前退位」意向説流布の背景と意味を読み解く」
http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/505.html

「天皇退位法制化をめぐる小林よしのり氏や山尾志桜里代議士の見解に異議:退位制度を設けるなら「定年制」」
http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/181.html

「今上天皇の後を継ぐ現皇太子にも天皇即位後「譲位」の流れができることを事前に理解する必要」
http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/588.html


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天皇陛下、18年中に退位へ 公務すべて新天皇に[日経新聞]
2017/4/21 18:49 (2017/4/21 21:12更新)

 天皇陛下の退位に関する政府の有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)は21日、一代限りの退位に向けた最終報告をまとめ、安倍晋三首相に提出した。退位後の呼称を「上皇」とし、象徴としての行為を新天皇に全て譲るなど退位の制度設計が柱だ。政府は報告を踏まえた特例法案を5月中に提出し、今国会での成立をめざす。退位の時期は2018年中となる見通しだ。現行憲法に規定のない天皇退位が実現する。

 首相は会議で「国家の基本の問題であるとともに、長い歴史とこれからの未来にとって重い課題だ」と強調。特例法案について「速やかに国会に提出するよう全力を尽くしたい」と語った。退位の具体的な時期は政令で定める方向。政府は特例法の成立後直ちに新元号の選定作業を加速させる。

 最終報告は退位後の天皇の呼称を「上皇」、そのきさきを「上皇后」とし、敬称を「陛下」とした。上皇は皇位継承資格や摂政・臨時代行就任の資格などを有しないと明記。「退位後の天皇と新天皇の間で、象徴や権威の二重性などの弊害を生じさせない」ためとした。

 秋篠宮さまは皇太子待遇とし、皇位継承順位1位の皇族を指す「皇嗣」を付け「皇嗣殿下」などと呼ぶ。活動予算も皇族費から定額の「3倍に相当する額」を支出する。今後の課題として、皇族数の減少への対策について「速やかに検討することが必要だ。国民各界各層で議論が深められていくことを期待したい」と指摘した。

 退位を巡る議論は、陛下が16年8月の「お言葉」で「次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と退位の意向を強く示唆されたのがきっかけだ。

 政府は16年10月に有識者会議の初会合を開き、高齢を理由にした退位を含め、天皇の公務の負担軽減策の検討を始めた。

 議論の焦点となったのは退位そのものの是非や、退位を認める場合はいまの天皇陛下一代限りとするか、恒久的な制度とするかという点だった。一代限りなら特例法で対応できるが、恒久制度化なら前例のない皇室典範の抜本改正が必要となる。

 首相官邸は典範改正に踏み込めば保守層の反発が根強い女性宮家の創設などを巡る議論につながる可能性があると懸念。恒久制度化には当初から慎重だった。

 有識者会議が今年1月にまとめた中間報告となる論点整理は、退位を容認する意見を列挙したうえで、恒久制度化した場合の課題を多く並べることで「一代限り」に力点を置いた。

 これを踏まえ、国会では法整備に向けた与野党協議が始まった。一代限りの特例法を求める与党と、典範改正による恒久制度化を求める野党が対立。退位を特例法で認める一方、今回の退位が今後の先例になると解釈できる文言を典範の付則に盛り込むことで歩み寄った。3月に衆参正副議長が提言を取りまとめた。

 有識者会議の最終報告は、この与野党合意を踏まえた具体的な制度設計に当たる。21日の会議後、座長の今井氏は記者会見で「もし将来このような事態が起こったら、そのときの国民が今回の結論を参考にしながら慎重に協議して最善の結論を出せばいい」と指摘。今回の退位を巡る議論が将来の先例になるとの見通しを示した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H6S_R20C17A4000000/?dg=1


http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/518.html

[国際19] 「韓国は中国の一部」 習主席の発言の真偽を問われた中国の反応は?:トランプ大統領の“気遣い”発言

 トランプ大統領の「韓国は中国の一部」という発言は、韓国国内で波風を引き起こすことを承知で、朝鮮半島の今後を類推できるよう語ったものだろう。

 しばらくは形式的なものにとどまるとしても、トランプ大統領は、南北統一は、米国の影響下ではなく、中国の影響下で達成されるということを匂わせたかったのだと思う。

 朝鮮半島と中国は、歴史的に長く深い関係があるだけでなく、現状としても、北朝鮮は政治・経済的に、韓国は経済的に深い関係がある。
 このことから、中国の影響下なら南北統一が可能だが、米国の影響下では、北朝鮮との“敵対的な関係”が障害になり難しいと言える。

(それは建前で、実際のところは、米国の影響下で南北統一が実現し政治的軍事的境界線が大きく北上する事態は耐えられないという中国の意向を米国が尊重するという話)

 この間の「中国が協力しないなら、我々で問題を解決する」というトランプ大統領の言動は、“中国が協力しないなら、朝鮮半島を米国の影響下に置き続ける”というおどしであり、巷間言われているような武力行使云々ではない。

 朝鮮半島危機は、まもなく、日本=安倍政権のおかげで大きく緩和するだろう。

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「韓国は中国の一部」 習主席の発言の真偽を問われた中国の反応は?
2017年04月21日08時04分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

今月初めに開かれた米中首脳会談で中国の習近平国家主席が「韓国は事実上中国の一部」と述べたというトランプ大統領のインタビュー内容に関し、韓国政府は米中を相手に確認に入った。韓国外交部の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は20日の定例記者会見で、「米国と中国を含むいくつかの外交経路で事実関係を確認している。事実が確認されしだい必要な対応をとる」と述べた。

トランプ大統領は12日、ウォールストリートジャーナル(WSJ)のインタビューで「首脳会談で習主席から『中国と韓国の歴史には数千年の歳月と多くの戦争が絡んでいて、韓国は事実上中国の一部』という話を聞いた」と述べた。インタビュー内容が19日に紹介されると、波紋が広がった。

これに関し中国外務省の陸慷報道官は20日午後の定例記者会見で関連の質問を受けると、「韓国国民は心配する必要がない。米中首脳はマー・ア・ラゴ会談中、韓半島(朝鮮半島)問題について非常に深く、十分に意見を交換した」とし「関連状況はすでに発表した」と即答を避けた。問題の習近平主席の発言について肯定も否定もしなかった。

韓国政府が外交経路を通じて習主席の発言の確認を要請したかどうかという質問に対しても、「すでに答えたが、韓国国民は心配する必要はない」とし「私もこれを確認する方法がない。これに関連して状況を知らない」と話した。

トランプ大統領はWSJのインタビューで、習主席が首脳会談で韓中の歴史を説明したと明らかにした。また「韓国は北朝鮮でなく韓国全体(not North Korea, Korea)と述べた」とし「(習主席から歴史の授業を)10分間ほど聞いた後(北朝鮮を扱うのは) 『容易ではない(it’s not so easy)』ことを知った」と話した。

李熙玉(イ・ヒオク)成均中国研究所長は「習主席は3時間の単独会談で壬辰倭乱(文禄・慶長の役)や甲午戦争など歴史的な事件で韓中関係を例に挙げながら、両国は運命共同体だと説明したという」とし「習主席の話をトランプ大統領が拡大解釈した可能性もある」と述べた。トランプ大統領が単純話法で伝えたのか、通訳上の問題があったのか、実際に習主席がこのような話をしたのかは現在のところ確認されていない。

http://japanese.joins.com/article/304/228304.html?servcode=A00§code=A30&cloc=jp|article|ichioshi


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/217.html

[政治・選挙・NHK224] 「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響

 むろんというか、申し訳ないというか、タイトルに書いたような安倍訪朝が政府から発表されているわけではない。

 “安倍電撃訪朝”に関する投稿は10日ほど前から構想し、そのタイトルは、「安倍電撃訪朝、早ければ月末の訪露時、遅くとも年内:東京五輪前を目標に日朝国交正常化交渉再開」というものだった。

 訪露に続く訪朝が絶好の機会だと思いつつも、腹が据わらない安倍首相のことだから先延ばしされる可能性もあると思っていた。

 しかし、先週21日に、「安倍晋三首相が27日から予定していた外遊で、ロシアと英国の後に訪れる予定だった北欧諸国の訪問を中止する見通しとなった。外遊期間も7日間から4日間に短縮する。複数の首相周辺によると、北朝鮮情勢を念頭においた「危機管理上の配慮」が理由」(日経新聞)というリーク報道をみて、安倍首相は、ほぼ間違いなく、ロシア・英国(黒鉛炉を提供したりウラン濃縮をやってもらうなど北朝鮮との関係が深い西側国家)を訪問した後に北朝鮮を電撃的に訪問すると判断した(注1)。

 日朝関係の現状を鑑みると、事前に安倍訪朝がわかると、なにやかやと言って足を引っ張る人たちが大勢いるようだから、“秘密電撃訪朝”は日朝首脳会談を成功させる必須条件なのかもしれない。

 訪朝が公然のイベントになるまでそっとしておいたほうがいいかもしれないが、このスレッドを読まれた人のほとんどが、影響力皆無のおっさんがまた与太話を書いているというだけで共鳴はしないだろうから問題はないと思っている。

 日本では、トランプ大統領の芝居っ気たっぷりの言動に引きずられるように、米朝軍事衝突説がまことしやかに語られ、中国が北朝鮮問題を解決する鍵を握っているかのようにも論じられている。
 しかし、トランプ政権最高幹部たちが明言しているように、軍事衝突は起きないし、中国に北朝鮮を抑えつける責務もなければその能力もない(トランプ政権も言葉とは違いそういう期待をしていない:中国を日本と置き換えたほうがわかる言動)。

 対北朝鮮制裁の決定的措置として石油の供給停止が取りざたされているが、それは、中国共産党系「環球時報」を使った中国の“朝鮮半島危機”芝居への参加を超えるものではない。
 年間70万トンとも100万トンとも言われる石油供給は、商取引でもなければ(だから貿易統計に載らない)、中国単独の援助でもない。それは、07年の米朝合意と「共同声明の実施のための第二段階の措置」(六者会合)に基づき、日中韓が対北朝鮮エネルギー支援として供給しているものだから、それを止めるということは、94年米朝枠組み合意以降のすべてをひっくり返してしまうことを意味する。
 石油禁輸で対米戦争に踏み込んでしまった愚かな日本とは違い、“理性的な”北朝鮮は暴発しないだろうが。

 少しだけでも冷静に北朝鮮問題を歴史的経緯的に顧みればわかるが、北朝鮮問題というか朝鮮半島問題の解決は、日本と米国が決定的なカギを握っているのである。
 安倍首相やトランプ大統領そして日本メディアの一部幹部も、それを知りながら、安倍首相を支援するため、「朝鮮半島危機」を煽り、中国責任論を拡散しているわけである。


■ 「安倍−金正恩会談」の目的

 安倍電撃訪朝=「安倍−金正恩会談」の目的は、日朝両首脳が02年の「日朝平壌宣言」と05年9月の「六者会合共同声明」(注2)の(履行)再確認を世界に明らかにすることである。

 「05年9月六者会合共同声明」には「日朝平壌宣言」を基礎に日朝は国交正常化に努力するという内容が盛り込まれているのでその確認だけで済むが、日朝交渉の今後を明確にするため、(恥ずかしながらでも)04年の小泉再訪朝に続いて「日朝平壌宣言」を確認することは意義が大きい。

 世間からは忘れ去られているようだが、「日朝平壌宣言」と「05年9月六者会合共同声明」には、北朝鮮の責務として核兵器開発の放棄や弾道ミサイル発射の自粛が盛り込まれており、その履行の確認は、現在の「朝鮮半島危機」の原因を除去する方向に動くことを意味するので、朝鮮半島をめぐる緊張は大きく緩和する。

 安倍首相がさらに腹を括ることができたなら、これまでより一歩大きく踏み込み、「拉致問題協議」と「国交正常化交渉」を同時並行的に進めることを表明する可能性がある。

(これまでのように、拉致問題が解決しなければ国交正常化交渉には入らないという態度では、04年の小泉再訪朝以後と同じように、再確認が交渉の進展に結び付かず「朝鮮半島危機騒動」が今後も繰り返されることになりかねない)

 「日朝平壌宣言」と「05年9月六者会合共同声明」の履行に関する再確認ができたからといって、朝鮮半島にある問題がすぐに解決するわけではないが、「日朝国交正常化→米朝国交正常化→南北の形式的統合」へと進むにつれ、南北関係や米朝の軍事的対決の様相も大きく変わっていくだろう。

 「どうせ、北朝鮮は約束を守らない」とか、「開発保有した核兵器を廃棄することはない」などと主張する人たちも少なくないが、北朝鮮に対するそのような認識が正しいのなら、米国や中国そして日本といった国々が北朝鮮問題であれこれ協議を重ねるのは愚の極致であり、16日のミサイル発射失敗を受けて20日にUN安保理が採択した対北朝鮮声明にある「国際社会が一致して、対話を通じて、平和的包括的に解決を図る」という表現(ロシアが安保理で奮闘してその表現を入れたことになっている)も空念仏の空虚なものということになってしまう。

(拉致に関する国民感情や政府やメディアの宣伝があることで誤解している人があまりに多いのではっきり言うが、「日朝平壌宣言」以降の日朝交渉で約束を守っていないのは日本政府である)

 トランプ米国の“おかげ”で朝鮮半島(北東アジア)の危機が世界中から認識されているわけだから、軍事衝突を回避し緊張を緩和するため、日本国民の生命と安全を守るため、自ら平壌を訪れ、金正恩委員長と会談する安倍首相を非難するひとはごくわずかに限られるはずである。

 安倍首相は、電撃訪朝について、質的な発展を遂げている北朝鮮の核・ミサイル技術を放棄に向かわせることや米朝の軍事的衝突危機を回避することの世界的意義を持ち出して正当化するだろう。

(今回のような「朝鮮半島危機」がなく、拉致問題での進展もない状況で、安倍首相が訪朝し「日朝平壌宣言」を再確認するようなことを行えば、北朝鮮に屈した!拉致被害者家族を見捨てた!北朝鮮融和策!売国奴!などと激しい批判や厳しい非難が巻き起こるはずである)


 反安倍の元外交官天木氏が

「拉致問題は私の手で解決するという安倍首相の大ボラ  天木直人」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/611.html

「北朝鮮情勢の緊迫で「ツキがまわってきた」と叫んだ安倍首相  天木直人」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/609.html

という発信をされているようだが、安倍首相の言動はあながち嘘とは言えない。


■安倍訪露に合わせて仕組まれた「朝鮮半島危機」

 “安倍電撃訪朝”が実現すると、今回の「朝鮮半島危機」が、そのために仕組まれたお芝居だったこともわかる。

 訪朝が実現してもないのに結論を急ぐのはどうかとも思うが、北朝鮮とトランプ米国が仕掛けた「朝鮮半島危機」は、昨年末から今年初めの時点で訪露が予定されていたこのGWに、安倍首相が電撃訪朝できる雰囲気を醸成するためのものだったと推測している。

 訪露後の電撃訪朝が先にあり、危機演出はそのために用意されたと考えている。


 21日に安倍首相の外遊日程が変更されたとするリークがなされたのは、その直前に、北朝鮮首脳部とのあいだで首脳会談の実施や合意できる事項がまとまったからだと推測している。
 安倍首相が平壌に着いてからさあ交渉ということはなく、安倍首相が行くからには、それにふさわしい成果が事前に約束されていなければならない。

 根回しと事前交渉の舞台は、前々から日露首脳会談が行われることになっていたモスクワだと思われる。
 モスクワなら、北朝鮮サイドもハイレベルの人物が常駐しているし行き来もできる。首脳会談直前のモスクワを日本政府の幹部が慌ただしく動いても不自然ではない。プーチン大統領自身を含めプーチン政権の幹部も日朝間の仲介者として動いてくれる。

 面白い情報がある。
 中国共産党のNo.3である張徳江全人代委員長が、先週月曜日(17日)にモスクワを訪れ、筋違いで格も違うプーチン大統領とも会談している。その会談で北朝鮮問題が話題になったことをRTRが報じている。
 張徳江氏は、金日成総合大学に留学しており、延辺など北朝鮮との国境付近の省で実績を重ねてきた人である。今でも北朝鮮と深いつながりと親交がある。彼も、「安倍−金正恩会談」の実現に骨を折ってくれた一人だと思う。

 安倍首相は幸せな政治家である。隠れた事情があるとは言え、彼の日朝交渉を支援するため、米中露の最高権力者たちが協力を惜しまないのだから。

(何を馬鹿な!おぞましい悪夢だ!と思う人が多いだろうが、安倍晋三氏は、日朝国交回復と日ロ平和条約締結を実現した“業績”で、ノーベル平和賞を受賞することになるだろう。あっしらはまたまた安倍を“よいしょ”しているという声も聞こえるが、ノーベル平和賞になんの意義も価値も見出していない私にとってはお門違いの批評である)

 中断の時期もあったが阿修羅で十数年にわたって、北朝鮮の「核・ミサイル騒動」は、日本政府に日朝国交正常化交渉を催促するための“米朝合作の仕掛け”と主張してきた。

 安倍首相が訪米し日米首脳会談に臨んでいる2月12日にミサイルが発射されたことが、今回の「朝鮮半島危機」=安倍電撃訪朝の発端である。

(安倍首相とトランプ大統領は、フロリダで、移動の自動車のなかのことだが、二人だけの時間を過ごしている。谷内氏など事情を知っているひとは同席していただろうが、そこで、今回の“電撃訪朝”に向けたシナリオの概略が提示されたと邪推している)

 そして、3月6日には、「在日米軍基地が標的の訓練」と北朝鮮が初めて公言した4発同時の弾道ミサイル発射があった。そのうち3発が日本のEEZに落下したとされ、発射時の映像が大々的に公開されたこともあって、「朝鮮半島危機」が飛躍的に高まった。

 ここからさらに、米中首脳会食の真っただ中で実施された4月7日の対シリア巡航ミサイル攻撃(これもお芝居だが)と13日のアフガンでのMOAB投下(死者はいないようだ)を交えながら、15日の北朝鮮太陽節に向け、軍事的衝突の可能性が煽られるかたちで「朝鮮半島危機」はピークへと突っ走っていく。

 そのような高まりゆく危機的情勢をひとまず冷やしたのが、空母カールビンソンのナゾの別方角航行事件という漫画チックな出来事である。

(それ以前から、危機がもっとも深刻であるはずの韓国で、日本の「朝鮮半島危機」加熱煽り報道に疑問を提示するメディアが多くあった。日本のメディアは、一部幹部だけが知っている話だとしても、危機を煽ることで安倍電撃訪朝の下地を作ってきた(注3))


 安倍首相は、トランプ米国+習中国+プーチン露が仕組んでくれた段取りによって世界の危機意識が“熱い”うちに訪朝するのがベストである。


■政治家安倍晋三と北朝鮮

 核実験やミサイル発射といった過去の「北朝鮮挑発行動」を振り返ると見えてくるが、北の“騒動”は、北朝鮮に対し巨大な政治的負債を抱えている安倍晋三氏が日本の政治リーダー(=首相)の座にあるときとりわけ活発化している。

 その詳細は別の投稿で説明したいと思っているが、北朝鮮が最初の核実験(偽だと思っているが)を行ったのは、06年9月26日の安倍第一次政権成立からわずか2週間後の10月9日である。
 そして、現在の「朝鮮半島危機」に連なっているとも言える北のミサイル発射が激しくなったのは、「ストックホルム合意」(14年5月)が空中分解したと判断できる昨年(16年)以降である。

(「ストックホルム合意」の崩壊は北朝鮮が提出した拉致被害者の現状報告を日本政府が気に入らず(国民向けに説明ができない内容)受け取らなかったことで起きたと推定:ストックホルム合意の時期も安倍訪朝が噂されていた)

 オバマ氏の「戦略的忍耐」が話題に上っているが、02年10月以降長きにわたって「戦略的忍耐」を続けてきたのが北朝鮮であり、15年近く経ってもう待っていられないと騒ぎ出したのが16年以降とみることもできる。

 安倍晋三氏は拉致問題の解決を最重点の政治課題としてきた政治家だが、02年「平壌宣言」以降の拉致問題解決とは日朝国交正常化を意味する。
 安倍首相以外に拉致問題解決を第一義的政治課題にしてきた政治家はいないのである。

 21世紀になって行われた日米首脳会談を辿ればわかるが、他の首相は、米国大統領に拉致問題解決への協力を求めているのに対し、安倍首相に限っては、拉致問題を解決すると約束している。

 阿修羅の政治板には反安倍的人士が多いこともあり、安倍首相の他に日朝国交正常化(=拉致問題解決)を達成できる政治家はいないといった説明には、承服できなかったり、違和感を覚えたりする人も多いようだ。

 安倍首相しか解決できないという主張に、安倍首相が優秀だとか慈愛に満ちた政治家といった含みはまったくない。

 何度も書いてきたが、07年に内閣総理大臣であった安倍晋三氏は、父親(安倍晋太郎氏)の政治資金団体を相続した際に脱税があったのではという疑惑が週刊誌に掲載されることを知るや、所信表明演説に対する代表質問が行われる直前に“おなかの調子が悪い”と言って遁走するという前代未聞の醜態をさらした愚昧で最低の政治家である。

(尖閣諸島国有化騒動で野田政権が行き詰まったあと、国会議員としての資質にさえ欠ける安倍晋三氏が首相になったのは米中の意向に沿ったものであり、そこには日朝国交正常化問題も絡んでいる。小泉首相が安倍晋三氏を内閣官房長官(初閣僚:05年10月末)に抜擢したのも、次の首相として行き詰まった日朝交渉を打開する任を安倍氏に委ねるための策)

 このように、安倍晋三氏と「日朝国交正常化」(安倍的に言えば拉致問題解決)には強くて深い因縁が存在する。

 安倍首相以外に拉致問題解決(=日朝国交正常化)を成し遂げられる政治家はいないとも主張してきた。
 そのような主張を“安倍よいしょ”の言動だと勘違いし非難する人もいたが、今回の危機始騒動のなかで発せられてきた政治家たちのコメントがどのようなものかを考えてみれば、安倍氏以外に日朝問題を解決できる人はいないと強く思わざるを得ない。

 共産党までが、米国の軍事力行使には反対しながらも、対北朝鮮制裁強化を訴えているというのが、日本の政治家たちなのである。(制裁は準戦争行為である)
 ほぼ誰一人として、「唯一のまっとうな解決策」である安倍訪朝=安倍−金正恩会談を提言する政治家がいないのが「属国ナレの日本」なのである。

 前述したし先日の投稿でも書いたが、日朝国交正常化交渉が頓挫しているのは、ひとえに日本政府の責任である。

 なぜなら、「日朝平壌宣言」で日朝両国は、

「双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認」

してからである。

 この内容を簡略に言えば、過去の拉致問題(日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題)を「日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題」とし、「今後再び生じることがないよう適切な措置をとること」で決着させたことになる。


■東京五輪前の国交正常化が目標

 東京五輪前の国交正常化目標と書いたのは、2000年・07年・12年と3回明らかにされたアーミテージレポートに「2020年までの南北統一」見通しが書かれていることを踏まえたうえで、今回の騒動の渦中においても、「米政府当局者は政権内の空気をこう明かす。北朝鮮が日本全土をミサイルの射程に入れ、挑発を強めている現状を受け、トランプ氏は周辺にこうつぶやいたという。「こんな状況で、2020年に東京オリンピックをやるのか」」(日経新聞)という情報があったからである。

 このトランプ大統領の発言を忖度すると、安倍政権には東京オリンピックまでには日朝国交正常化を実現してほしい(それを受けて米国も米朝国交正常化に向かう)ということだろう。

 北朝鮮で噂されている第6回目の核実験(偽だと思っている)については、安倍電撃訪朝の前にあってもおかしくないし、行われないまま過ぎてもおかしくないと思っている。

 安倍訪朝の意義として危機回避を強く印象付けたいのなら核実験をやってもいいし、いくらなんでも突然の平壌訪問はないから、安倍訪朝=日朝首脳会談の実施がまとまったので核実験をやめたという説明でもいいからだ。

 偽だが、核実験はしない可能性が高いと思う。

(廃棄することが見えている核兵器開発に限られた資源を投入する愚を北朝鮮は犯さない)

■訪朝は韓国大統領選にも強い影響

 パククネ大統領の弾劾成立(その裏側については別の機会に)に伴う韓国大統領選は5月9日の投票だから、予想通りに“安倍電撃訪朝”が実現すると、韓国大統領選投票は新たな日朝合意を受けたかたちでおこなわれることになる。

 現状でもいわゆる左派の文候補が優勢のようだが、日朝合意が明らかになると、文候補の優位は揺るがないものになるだろう。

 長くなったのでここまでにし、今後、拉致被害問題と狂気国家北朝鮮というイメージで見えにくくなっている日朝問題について少しずつ投稿していきたいと思っている。

[注記]

(注1)
まず、(意図的にウソ情報を流したものだが)「空母カールビンソン別方向航海」が広まったことで、核実験の問題は残っているとしても、朝鮮半島有事に対する危機感は一気に薄らいでいる。
また、外遊すべてをキャンセルするか、前々からスケジュール化されていたロシアだけにとどめるのならわかるが、すでに6月の総選挙が決まっている英国も訪問するのに、他の国々への訪問を「危機管理上の配慮」を理由として“直前”に取りやめるというのはいびつな措置である。

(北欧諸国と訪問に関する具体的な協議がほんとうにあったか疑問:ストックホルム合意があったことから“偽装”の協力はして貰えるだろう)

先に言い訳を書くと、たとえ予測が外れても、北朝鮮問題で米国トランプ政権が発しているメッセージの本質を無視し、朝鮮半島での軍事的衝突を煽っているメディアよりは生産的な与太話だから、外れた反省はしなければならないが容赦はしてもらえると思っている。
 GWでの訪朝という予感が外れても、年内には訪朝することになるだろう。

(注2)
※朝鮮半島問題に関する現段階での最重要文書「05年9月六者会合共同声明」については次の投稿を参照してください。

「制裁は役に立たないが、なぜそれが米国に必要か?:日朝平壌宣言と六者会合共同声明は今なお有効と国会で確認した安倍首相」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/889.html


(注3)
「「日本が緊張煽っている」「度を超した発言」…安倍政権を批判し危機から目そらす韓国 当事者意識あるのか」(産経新聞)
http://www.sankei.com/premium/news/170423/prm1704230016-n1.html

※関連参照投稿

「共産 志位委員長 北朝鮮情勢 米に外交的解決働きかけを:「拉致問題解決」のため安倍首相が平壌へが正しい進言」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/147.html

「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

「制裁は役に立たないが、なぜそれが米国に必要か?:日朝平壌宣言と六者会合共同声明は今なお有効と国会で確認した安倍首相」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/889.html

「北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認:すごい!米国の軍事力行使を制御できる日本」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/884.html

「首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html

「仁王像さんへ:北朝鮮に“政治的負債”を抱える安倍首相しか日朝国交正常ができないという説明のどこが”よいしょ”なの?」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/864.html

「「韓国は中国の一部」 習主席の発言の真偽を問われた中国の反応は?:トランプ大統領の“気遣い”発言」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/217.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

[政治・選挙・NHK224] なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

でいただいたコメントへのレスポンスです。

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 TnWxZUTqnQさん、コメントありがとうございます。

 NPT体制そのものにかかわることですが、貴殿の「北朝鮮だけを責め、北朝鮮だけに核の放棄を迫るのは、あまりにも自己中心的であり」といった見解に強く同意します。

 失礼ながら誤読ではと思っていますが、私は、北朝鮮は核兵器を持っていないと考えていますから、北朝鮮に核(兵器)の放棄を迫っているわけではありません。
 また、たとえ持っているとしても、北朝鮮は核兵器を放棄すべきだとか、そうすることが“善”だとも言いません。

 しかし、北朝鮮が熟慮のうえで何かを代償として核兵器を廃棄することに国際的な合意をしたのなら、それは履行しなければならないとは主張します。

(貴殿が言う「行動対行動」に従い、代償が履行されない状況で、核兵器の廃棄を履行すべきとも言いません)

 私は、原理や理念ではなく現実論として、北朝鮮も署名した「日朝平壌宣言」や「05年9月共同声明」について、すべての当事国が誠実に履行すべきと主張し、とりわけ日本は、サボタージュしている日朝国交正常化交渉にさっさと復帰すべきという考えを示しています。

 貴殿が書かれている北朝鮮核武装の“原理的”正当性を否定しません。私が80年代の北朝鮮統治者だったとしたら、核武装を真剣に追求していたでしょう。

 貴殿は、「今もっとも必要なことは、アメリカが北朝鮮との対話・交渉によって北朝鮮のアメリカに対する恐怖心と警戒心を取り除き、米朝国交正常化に向けたプロセスを加速することだ」と書かれていますが、米国と北朝鮮は94年の「米朝枠組み合意」を通じて、北朝鮮の体制保証で合意しています。

 北朝鮮は、吐き出す過激な言葉とは違って、米国に恐怖心と警戒心を抱いているわけではないのです。

(94年の「第一次朝鮮半島核危機」は、今回と同じように、「米朝枠組み合意」に米国民から理解を得るための仕掛けです。核危機がなければ、なんで“敵国”北朝鮮のためにエネルギー支援をしなければならないかという非難が沸き起こります)

 貴殿が強く主張されている「米朝の平和条約締結と国交正常化」が後回しになっている理由として次の二つを指摘することができます。

 一つは、そのような解決の流れは日本にとって最悪のものであり、戦後世界の覇権国である米国にとっても“歴史の清算”がないがしろにされる悪しき結末と考えているから行われていないと思っています。

 日本は、1910年から1945年まで35年にわたって朝鮮半島を併合統治しましたが、敗戦時に後始末をしっかりすることなく見捨てるかたちで朝鮮半島を放棄しました。
これが直接の原因だとは言いませんが、このような歴史的経緯が朝鮮戦争につながったとは言えます。
 その後、米国にせかされるかたちで韓国とは日韓基本条約で国交を正常化し補償も行っていますが、北朝鮮に対しては国家としての合法性さえ認めない時期が長く続きました。

 貴殿は、「日本は戦争当事者でない中立の立ち位置」という表現をされていますが、占領下(途中から独立国)とは言え、日本は局外中立国とは絶対に言えない対応を朝鮮戦争でみせています。(米軍機などが日本から出撃するのは致し方ないとしても、日本人部隊が機雷除去活動に参加し、日本が生産した弾薬や被服が米軍に供給されています)

 それはともかく、日本が、35年にわたって併合統治をしていた地域にある合法国家(UN同時加盟で)との国交正常化で、米国の後塵を拝すようなことになればあまりにみっともない醜態と言えるのではありませんか?

 15年にわたって戦火を交えた大陸中国との国交正常化も、戦後27年も経った72年になってようやく実現しました。
 このような遅れ遅れの日中国交正常化に関する救いは、敗戦国として“宗主国”米国の世界政策に従うしかなかったという言い訳ができることとそれでも米国よりは早く国交正常化を実現したという事実です。(だからこそ、田中首相の英断に外務省も乗ったと思っています)

 北朝鮮が91年にUN加盟を果たした後は、ソ連や中国が韓国と国交を正常化したように、日本も北朝鮮とのあいだで国交正常化を実現することができたはずなのです。
 国交正常化の大きな第一歩が02年の「日朝平壌宣言」だったのですが、拉致問題を“国内的に”解決できないために、それが活かされないまま今日に至っています。

 将来の日本のために、旧支配地域にある北朝鮮との国交正常化で米国に後れを取るようなことがあってはならないと考えています。(日本は歴史の反省をしないひどい国と思われます)
 米国支配層も、その点は考慮しているように思えます。

 もう一つの理由は、米国が北朝鮮にミサイル輸出の停止を求め、北朝鮮がその代償を求めたことです。
 米国は、日本が国交正常化を通じて北朝鮮に何らかの補償をすることはわかっていますから、ミサイル輸出停止の代償を日本に負担させようと考えました。
 オルブライト国務長官の訪朝後に、日本に提示された補償額が28億ドルだったことを記憶しています。
 核開発については、原発用核燃料のためのウラン濃縮事業が大きな代償になっているので、それで決着を見ていると考えています。(北朝鮮はウラン埋蔵量で世界一とみられています)


 貴殿は、「愚かなる安倍一味は米国の北朝鮮敵視政策に肩入れし、日米安保の軍事同盟化をすすめ、北朝鮮を挑発して、極東を準戦時状態にた。こんな状況下で日朝国交正常化など、一体誰がまともに取り合うのだろうか。北朝鮮が、なぜ安倍を信用するのか。それとも、安保法制も日米首脳会談も全てフェイクで、一世一代の大芝居を打って、安倍が北朝鮮問題を解決するのだと言いたいのだろうか」と書かれていますが、安倍首相自身とは言いませんが、フェイクも含め米国・中国・ロシアの支援を受けながら、日本政府が北朝鮮問題の解決に大きく貢献することになると確信しています。


==========================================================================================================
[コメント全文引用]

3. 2017年4月25日 00:00:43 : TnWxZUTqnQ : 4@L7OMU3AB0[2]


妄想するのは勝手だが、根本的な事実認識の間違いがあるから指摘しておく。

朝鮮戦争は平和条約が締結されず「休戦状態」だが、対立する双方、互いに銃口を向け合う双方のうち、一方にだけ「銃を捨てろ」と迫るのは無理な話だ。朝鮮半島の非核化は、六者協議の原則だった「約束対約束、行動対行動」にもとづき、両者同時履行で達成していくものだが、北朝鮮だけを責め、北朝鮮だけに核の放棄を迫るのは、あまりにも自己中心的であり、北朝鮮は決して折れないだろう。

北朝鮮が核兵器開発に突き進んだのは、核大国アメリカがいつ何時北朝鮮に先制攻撃の戦争を仕掛けるか分からない(少なくとも北朝鮮としては、そう考えざるを得ない)状況があるからだ。北朝鮮は、超大国アメリカに対して圧倒的な弱国であり、その弱国がアメリカの現実の軍事的脅威にさらされているという客観的事実を抜きにした議論は意味がない。北朝鮮の核兵器開発のやむにやまれぬ動機がアメリカの危険きわまりない対北朝鮮政策にあることを踏まえれば、北朝鮮に対して核兵器放棄を説得する上でのカギは、アメリカの北朝鮮敵視を改めさせること以外にない。

北朝鮮は、アメリカの北朝鮮敵視政策(先制攻撃で北朝鮮を地上から抹殺する選択肢を外していない)が放棄されれば(具体的には、ブッシュドクトリンを取り消し、北朝鮮に対する制裁措置を解除し、休戦協定を平和協定に作り替え、アメリカが北朝鮮と国交を正常化すれば)、核兵器を放棄する用意があるとはっきり言っている。北朝鮮のこの言葉を疑う理由はない。今もっとも必要なことは、アメリカが北朝鮮との対話・交渉によって北朝鮮のアメリカに対する恐怖心と警戒心を取り除き、米朝国交正常化に向けたプロセスを加速することだ。

本来であれば、日本は戦争当事者でない中立の立ち位置を利用し、六者協議で指導力を発揮して米朝に平和的解決のプロセスを働きかけることできたし、北朝鮮も日本に対して密かな期待感を持っていた(かつての小泉の訪朝は北側の期待の裏返し)。

ところが、愚かなる安倍一味は米国の北朝鮮敵視政策に肩入れし、日米安保の軍事同盟化をすすめ、北朝鮮を挑発して、極東を準戦時状態にた。こんな状況下で日朝国交正常化など、一体誰がまともに取り合うのだろうか。北朝鮮が、なぜ安倍を信用するのか。それとも、安保法制も日米首脳会談も全てフェイクで、一世一代の大芝居を打って、安倍が北朝鮮問題を解決するのだと言いたいのだろうか。

笑止千万。



http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html

[政治・選挙・NHK224] 仁王像さんへ:米国は93年〜94年の「第1次朝鮮半島核危機」時に北朝鮮の体制を保証:米朝合意資料添付

「なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html

で、仁王像さんからいただいたコメントへのレスポンスです。


※関連参照投稿

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

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 仁王像さん、コメントありがとうございます。

 まず、貴殿の「例年今ごろ実施する米韓の大規模な合同軍事演習は挑発行動」という見解には同意します。
 朝鮮戦争の休戦協定に従えば、米軍が韓国に新しい兵器を持ち込むことさえ協定違反です。

 ただし、「「体制保証」するどころか、体制を脅かす」、「だから北は神経を尖らせ激しく反応する」とか、「(金正男殺害も体制を万全なものにするため、権力の枝打ちを余儀なくされたからだ)」(ご存じでしょうが金正男殺害事件は北朝鮮犯行説を採っていません)といった見解には同意できません。

[引用]
「>米国と北朝鮮は94年の「米朝枠組み合意」を通じて、北朝鮮の体制保証で合意しています

 =fake opi。そのような事実はない。
 今朝のN7でも、北の体制を保証してもらうための北のさまざまな挑発(つまりデモ)だとしていた。逆に考えれば「体制保障」されているなら北が盛んに示威行為をする必然性もない。

 >日本政府が北朝鮮問題の解決に大きく貢献することになると確信しています

 =しゃら臭い!!」


[コメント]

 「日本政府が北朝鮮問題の解決に大きく貢献することになる」かどうかは程なくわかることですから(遅くとも年内には)、この機会にあれこれ説明はしません。

 貴殿は、私の投稿をまったく理解していない(理解しようともしない)ようですね。

 何度も繰り返される「朝鮮半島危機」は、米朝が合作で「日本に日朝平壌宣言の履行=日朝国交正常化交渉を催促しているため起こしているお芝居」(90年代はKEDOなどに日本が資金を提供せざるをえない雰囲気をつくるため)と主張しているのですから、「北の体制を保証してもらうための北のさまざまな挑発(つまりデモ)だとしていた。逆に考えれば「体制保障」されているなら北が盛んに示威行為をする必然性もない」という説明(ニュースの引用)を持ち出しても、私への批判としてまったく無効です。

 貴殿は、米国は既に北朝鮮に対し体制保証を行っているという説明に対し、「fake opi。そのような事実はない」と力んでいますが、「平和と安全を保障し、相手側の自主権を相互尊重して内政に干渉しない」・「核兵器を含む武力を使用せず、かつ、このような武力による威嚇もしないことを保障する」といった内容を含む93年の米朝共同声明そして94年の「米朝枠組み合意」を読まれたことはありますか?

 「相手側の自主権を相互尊重して内政に干渉しない」・「武力を使用せず、かつ、このような武力による威嚇もしないことを保障する」という内容は、“体制保証”(政権転覆を画策しないこと)に他なりません。


 94年10月の「米朝枠組み合意」でも、

「III.両国は、核のない朝鮮半島に基づいた平和と安全のために協同する。

1)米国による核兵器の脅威とその使用がないよう米国は北朝鮮に公式の保証を与える。」

と明記されています。


=================================================================================================
[二つの合意に関する全文転載]

[文書名] 米朝共同声明
[場所] ニューヨーク
[年月日] 1993年6月11日
[出典] 朝鮮日報統韓研究所データベース
[備考] 翻訳 玄大松
[全文]
北朝鮮の核拡散防止条約脱退宣言(1993年3月12日)で惹起された問題の収拾のため行われた米朝会談の声明

朝鮮民主主義人民共和国と米国との間の政府級会談が、1993年6月2日から11日まで、ニューヨークで行われた。

会談には、朝鮮民主主義人民共和国政府を代表して、姜錫柱外交部第1副部長を団長とする代表団と、米国政府を代表してロバートエル・ガルーチ国務省次官補を団長とする代表団が参加した。

双方は会談で、朝鮮半島の核問題を根源的に解決するための政策的問題を討議し、核拡散防止の目的に符合するよう、南北非核化共同宣言に対する支持を表明した。

朝鮮民主主義人民共和国と米国は、次のような原則に合意した。

−核兵器を含む武力を使用せず、かつ、このような武力による威嚇もしないことを保障する。

−全面的な保障措置適用の公正性保障を含め、朝鮮半島の非核化、平和と安全を保障し、相手側の自主権を相互尊重して内政に干渉しない。

−朝鮮の平和的統一を支持する。

以上の諸原則に準じ、米朝双方の政府は、平等かつ公正な基礎の上で対話を続けることに合意した。

これに関連して、朝鮮民主主義人民共和国政府は、核拡散防止条約からの脱退効力を、必要と認める限り、一方的に臨時停止させることにした。

1993年6月11日

ニューヨーク

http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/JPKR/19930611.D1J.html

=================================================================================================
[文書名] 米国と朝鮮民主主義人民共和国間の合意枠組み
[場所] 
[年月日] 1994年10月21日
[出典] 
[備考] 翻訳 山本和也
[全文]
 1994年9月23日から10月21日、米国政府および北朝鮮政府代表はジュネーブにおいて会談し、朝鮮半島核問題に関する全般的解決について交渉が行われた。

 両国政府は、1994年8月12日の米朝間合意声明で示された目標を達成し、核のない朝鮮半島のもとでの平和と安全の実現を目指した1993年6月11日米朝共同声明の諸原則を支持していくことが重要であることを再確認した。

[[undef12]].両国政府は、北朝鮮の黒鉛減速炉および関連施設を軽水炉施設(LWR)に転換することに協力する。


1)1994年10月20日の米国大統領からの書簡に従い、米国は、目標年である2003年までに約2000メガワットの発電総量を持つ軽水炉計画を北朝鮮に提供する準備を行う。

‐米国は、北朝鮮に提供する軽水炉計画を資金的に支え、計画を供与する国際事業体(an international consortium)を米国主導で組織する。米国は、国際事業体を代表して、軽水炉計画における北朝鮮との接触の中心を担う。

‐米国は、国際事業体を代表して、本文書日付から6ヶ月以内に、軽水炉計画供与契約の締結に最善の努力を行う。契約締結のための協議は、本文書日付後、可能な限り早急に開始する。

‐必要な場合、米朝両国は、核エネルギーの平和的利用に関する協力のための二国間協定を締結する。

2)1994年10月20日の米国大統領からの書簡に従い、米国は、国際事業体を代表し、軽水炉一号機が完成するまで、北朝鮮黒鉛減速炉およびその関連施設凍結によって生産不能になるエネルギーを補填する準備を行う。

‐代替エネルギーとしては、暖房と発電用の重油が供給される。

‐重油の供給は、引渡しスケジュールについての合意に基づき、本文書日付の3ヶ月以内に開始され、年間50万トンの割合で行われる。

3)北朝鮮は、軽水炉の提供と暫定的な代替エネルギーに対する米国側の約束を受け入れる際、黒鉛減速炉とその関連施設の建設を凍結し、最終的にはこれらを解体する。

‐北朝鮮黒鉛減速炉と関連施設建設の凍結は本文書日付の1ヶ月以内に完全に実行される。この1ヶ月間ならびに凍結期間中、国際原子力機関(IAEA)は、この凍結を監視でき、北朝鮮は、この目的に対してIAEAに全面的に協力する。

‐北朝鮮の黒鉛減速炉および関連施設の解体は、軽水炉計画が完了した時点で完了する。

‐軽水炉建設中、米国と北朝鮮は、5メガワット実験炉から生じる使用済み燃料を安全に貯蔵し、北朝鮮での再処理を行わない安全な形で処理する方法を協力して模索する。

4)本文書日付後できるだけ速やかに、米国・北朝鮮の専門家たちによる二種類の協議を行う。

‐一つめの協議では、代替エネルギーおよび黒鉛減速炉から軽水炉への転換を話し合う。

‐もう一つの協議では、使用済み燃料の貯蔵と最終的な処理についての具体的な取り決めを協議する。

II.両国は、政治的、経済的関係の完全な正常化に向けて行動する。

1)本文書日付3ヶ月以内に、両国は、通信サービスや金融取引の制限を含め、貿易、投資に対する障壁を軽減する。

2)専門家レベルの協議で、領事その他の技術的問題が解決された後、それぞれの首都に連絡事務所を開設する。

3)両国の関心事項において進展が見られた場合、米国・北朝鮮は、両国間関係を大使級の関係に進展させる。

III.両国は、核のない朝鮮半島に基づいた平和と安全のために協同する。

1)米国による核兵器の脅威とその使用がないよう米国は北朝鮮に公式の保証を与える。

2)北朝鮮は、朝鮮半島非核化に関する南北共同宣言の履行に向けた取り組みを一貫して行う。

3)本合意枠組みは南北対話を促進する環境の醸成に寄与するものであり、北朝鮮は、南北対話に取り組む。

IV.両国は、国際的核不拡散体制の強化に向けて協同する。

1)北朝鮮は、核拡散防止条約(NPT)加盟国としてとどまり、同条約の保障措置協定の履行を認める。

2)軽水炉計画供給に関する供与契約締結後、北朝鮮・IAEA間の保障措置協定のもとで、凍結の対象とならない施設に関して、特定査察および通常査察が再開される。供与契約締結までは、保障措置の継続性のためにIAEAが必要とする査察は、凍結の対象でない施設にも行われる。

3)軽水炉計画の大部分が完了し、かつ重要な原子炉機器が提供される前の時点で、北朝鮮は、IAEAとの保障措置協定(INFCIRC/403)を完全に遵守する。これは、国内核物質に関する北朝鮮側第一回報告書が正確かつ完全であるかを確認するための協議後、IAEAが必要と考えるすべての措置を行うことを含むものである。

ロバート・L・ガルーチ
米朝交渉主席代表

姜錫柱
第一外務次官

http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/docs/19941021.O1J.html


=================================================================================================
[仁王像さんのコメント全文]

2. 仁王像[1464] kG2JpJGc 2017年4月25日 07:41:09 : LGUc1WpC1o : reWiURqWO9M[3]
▲△▽▼

 >米国と北朝鮮は94年の「米朝枠組み合意」を通じて、北朝鮮の体制保証で合意しています
 =fake opi。そのような事実はない。
 今朝のN7でも、北の体制を保証してもらうための北のさまざまな挑発(つまりデモ)だとしていた。逆に考えれば「体制保障」されているなら北が盛んに示威行為をする必然性もない。
 >日本政府が北朝鮮問題の解決に大きく貢献することになると確信しています
 =しゃら臭い!!


6. 仁王像[1465] kG2JpJGc 2017年4月25日 12:31:40 : oocil568Nc : TJTFX0Kmdr8[1]
▲△▽▼

 (2に追加)
 例年今ごろ実施する米韓の大規模な合同軍事演習は「体制保証」するどころか、体制を脅かす挑発行動なのだ。だから北は神経を尖らせ激しく反応する。(金正男殺害も体制を万全なものにするため、権力の枝打ちを余儀なくされたからだ)
(関西学院大の平岩教授の見解/2013.4.13)
http://www.asyura2.com/12/kokusai7/msg/377.html
 >北朝鮮は平和協定を望んでおり、そのためアメリカと交渉したいがため瀬戸際外交を推し進めてきたこと、瀬戸際外交というのは同じことを繰り返しても意味がないので、少しづつエスカレートせざるを得ない
 (亡命した高官・ファン・ジャンヨプの証言/2006年6月)
http://www.asyura2.com/11/kokusai6/msg/303.html

 >北朝鮮はミサイルで危機を煽るが、ミサイルを戦争に使う気はない。米国と戦争すれば自分たちがやられてしまうことが分かっている。しかもそれを一番恐れているのが金正日自身である



http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/656.html

[国際19] 「安倍−金正恩会談」実現へGW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響

このところの米朝中そして日本の動きを考察して見えてきた予測です。

※本文投稿先


「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/249.html

[国際19] 90年以降の米国の朝鮮半島政策がわかる「米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言」(1999年)

 日本では、北朝鮮は約束を守らない国であり、陰でこそこそ核兵器の開発を行っているといった言説がはびこっているが、米国は、

「1994年の核枠組み合意は、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)におけるプルトニウム生産を検証可能な形で凍結させることに成功した。同施設におけるプルトニウム生産が中止されたため、現在北朝鮮が所有しているのは、1994年以前の操業で秘密裏に得た可能性のある少量の核分裂物質に限られる。」

と、北朝鮮によって合意事項が守られていると認識している。

 また、日本では、対北朝鮮融和策をとった金大中大統領などに米国はいらついているといった分析が流布されていたが、米国は、

「金大統領の見識と洞察は、朝鮮半島における米国の安全保障目標を達成するための中核となる。韓国との政策調整なくして米国の政策を成功させることは不可能である。韓国政府が現在採用している関与政策は、米国の政策にとって1994年当時とは大きく異なる条件と機会を与えている。」


と高く評価している。


このレポートを纏めたチームを率いたウィリアム・J・ペリー博士は国防長官経験者であり、支援を受けたと氏名が公表されているハーバード大学のアッシュトン・B・カーター博士も昨年まで国防長官を務めていた人物である。

 このレポートは、02年の小泉訪朝そして「日朝平壌宣言」につながる提言としてたいへん参考になる。


=======================================================================================================
米国大使館のサイト(http://usembassy.state.gov/tokyo/)より:(現在は見当たらない)

米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言
ウィリアム・J・ペリー大統領・国務長官特別顧問

1999年10月12日

 ウィリアム・J・ペリー博士率いる対北朝鮮政策見直しチームは、国務省顧問であるウェンディ・R・シャーマン大使を長とする省庁間グループとともに、1998年11月、クリントン大統領と国家安全保障担当補佐官らにより、米国の対北朝鮮政策の広範な見直しをするよう求められた。この政策見直しには約8カ月が費やされ、多数の米国政府高官とハーバード大学のアッシュトン・B・カーター博士の支援を受けた。また見直しチームは、国務長官、国防長官、国家安全保障担当大統領補佐官、および上級政策顧問らから定期的に広範な指導を受けるという幸運にも恵まれた。

 見直しチームは、見直しの過程の全体にわたり、米国政府内外の専門家と協議した。ペリー博士は、連邦議会に出向き議員に対し見直しの進捗状況を定期的に報告することを重視し、対北朝鮮政策見直しチームが起草した構想に対して有益な意見を議員から得た。同チームはまた、米国の同盟国である韓国・日本をはじめ、北東アジアと朝鮮半島に利害関係を持つ多くの国の政府関係者とも意見交換を行った。さらに見直しチームは、人道支援に携わる機関の有力者とも会合を持ち、こちらからの要請の有無にかかわらず、豊富な資料を提供された。このほかにもチームのメンバーは、多数の個人や団体と会合を持った。
さらには去る5月、クリントン大統領の特使を務めるペリー博士の率いる見直しチームは、北朝鮮政府の見解を直接理解するため現地を訪問した。

 以下に述べる対北朝鮮政策見直しの結論と提言は、見直しチームが膨大な時間を費やした作業と調査から生まれた総意を反映するものである。

米国の政策の根本的見直しの必要性

 政策見直しチームは、1994年の危機以降、朝鮮半島の安全保障情勢が著しく変化しているため米国の政策の根本的な見直しが、確かに必要であると判断した。

北朝鮮の核兵器と長距離ミサイルをめぐる動向が、対北朝鮮政策見直しの最も重要な焦点となった。

 1994年の核枠組み合意は、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)におけるプルトニウム生産を検証可能な形で凍結させることに成功した。同施設におけるプルトニウム生産が中止されたため、現在北朝鮮が所有しているのは、1994年以前の操業で秘密裏に得た可能性のある少量の核分裂物質に限られる。核枠組み合意がなければ、北朝鮮は現在までに相当数の核兵器のためのプルトニウムを追加生産することができたはずである。しかし、核枠組み合意の下で寧辺におけるプルトニウム生産を検証可能な形で凍結するとの極めて重要な成果にもかかわらず、政策見直しチームは、北朝鮮において核兵器関連作業が引き続き行われている可能性について深く懸念している。こうした懸念の一部については、米国は金昌里(クムチャンニ)へのアクセスと訪問を通じて取り上げている。

また1994年以降、北朝鮮は、米国の領土に到達する能力を持つものも含めて、より射程の長い弾道ミサイルの開発、実験、配備と輸出を行ってきた。

 この他にも、顕著な変化が見られる。核枠組み合意に関する協議が1994年夏に開始されて以降、北朝鮮の正式な指導者の地位は、金日成主席から子息の金正日総書記に移行した。

そして金総書記は、徐々に名実共に最高権力を握ってきた。このように北朝鮮は核枠組み合意協議開始時とは異なる指導者の下にある。この期間、北朝鮮経済は著しく悪化し、工業生産と食糧生産は1994年に比較して僅かな水準にまで減少した。その結果として、今回の政策見直しの焦点ではないものの、人道上の悲劇が生じ、否応なく米国民の同情を喚起させるとともに、北朝鮮体制の行動の一部にも間違いなく影響を与える。

 これとは別の変化として、大韓民国(韓国)政府においても金大中が大統領に就任した。金大統領は、北朝鮮への関与政策に着手した。国際的に影響力のある指導者として、また米国の同盟国として、そして3万7000人の米軍の受け入れ国として、金大統領の見識と洞察は、朝鮮半島における米国の安全保障目標を達成するための中核となる。韓国との政策調整なくして米国の政策を成功させることは不可能である。韓国政府が現在採用している関与政策は、米国の政策にとって1994年当時とは大きく異なる条件と機会を与えている。

 この地域における米国のもう1つの緊密な同盟国である日本は、近年、北朝鮮に対する懸念を強めている。この懸念は、1998年8月、日本の領土越えにテポドンミサイルが発射されたことにより増大した。日本の国会は核枠組み合意に沿って朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が進めている軽水炉プロジェクトに対する拠出を可決し、また日本政府は核枠組み合意の維持を望んでいるものの、再度ミサイル発射があった場合には、核枠組み合意に対する日本国内の政治的支持に深刻な影響が出るとともに、安全保障政策をめぐって日本国内に大きな波紋をもたらすことが予想される。

 最後に、米中関係は、時に地域における安全保障政策をめぐる意見の相違を反映するが、その一方で政策見直しチームは、クリントン大統領と江沢民主席の会談を含む米中間の広範な対話を通じて、北朝鮮の核兵器とミサイルに関連する動きが地域と世界の安全保障に与えうる悪影響に関する米国の懸念を中国が理解していることを学んだ。

 こうしたすべての要因が絡み合い、1994年当時とは大きく異なる環境を作っている。政策見直しチームは、こうした環境の変化が、クリントン大統領と国家安全保障担当補佐官らが見直しチームに要請したような包括的な見直しを迫っているとの大統領の見解に強く同意した。また、政策見直しチームは、北朝鮮に対処するには明解な道のりをつけること、また、米国の安全保障上非常に重要なこの問題について行政府と立法府の間により緊密な協力関係を持つことに関する議会の懸念も認識した。見直しチームも同様の懸念を抱いており、それに対応すべく努力してきた。

朝鮮半島における安全保障情勢の評価

 政策チームは、見直しの過程において米軍指導部と同盟国とも協議した上で、同地域における米軍と同盟国の軍事力は、1994年当時と同様に強力であり、即応体制がとれていると結論づけた。事実、米国は1994年以降、自国軍を増強するとともに、同盟国との軍事協力に関する計画と手続きを強化してきた。われわれは、同盟国の軍隊が韓国領土を成功裡に防衛する能力と意志を有することを確信している。われわれはまた、北朝鮮軍指導部もこのことを認識しており、その結果、攻撃を開始することが抑止されていると考える。

 しかしながら、クウェートとイラクにおける「砂漠の嵐」作戦とは全く対照的に、朝鮮半島における戦争は、人口の密集地域で戦われることになる。非武装地帯周辺に100万人に上る北朝鮮軍が配備されていることを考慮すると、朝鮮半島における新たな戦争は、米国にとって1950年から53年までの朝鮮戦争以降経験したことのない激しいものになる。数十万人に上る米国、韓国、北朝鮮の軍人と民間人が犠牲となり、数百万人もの難民が発生する可能性が高い。もちろん米国と韓国には戦争を挑発する意図はないが、北朝鮮には、米韓にその意図があると信じる人々がいる。しかしそうした人々は、そのような破滅的な戦争となることが予想されることで、米国または同盟国が連合して無謀な行動にでることは抑止されていると認識すべきである。

 したがって現状下では、朝鮮半島における戦争に対する抑止力は、軍事的には双方に安定したものとなっている。孤立状態にある北朝鮮政府が判断を誤る可能性は常にあるものの、北朝鮮にとっても戦闘が悲劇以外の何物ももたらさないことは、いかなる軍事的計算からも明白である。この相対的な安定は、それが乱されない限りにおいて、朝鮮半島における恒久和平を追求する時間と条件を当事者全てにもたらし、ついには朝鮮戦争に終止符を打ち、究極的には南北朝鮮の人々の平和的な再統一につながる。これが、米国の政策の変わることのない目標である。

 しかし、北朝鮮が核兵器または長距離ミサイルを獲得すれば、特に両方が結びついた場合(つまり長距離ミサイルに核弾頭が搭載された場合)には、この相対的安定性は揺らぐことになる。北朝鮮軍がそのような兵器を獲得すれば、抑止力を弱体化するだけでなく、抑止力が機能しなかった場合の被害を大きくする可能性がある。したがって、その結果として緊張緩和、関係改善、そして恒久和平を追求するための条件が悪くなる。また北朝鮮がそうした武器を獲得すれば、地域の軍拡競争を誘発する可能性もあり、核兵器と弾道ミサイルを対象とする世界的な拡散防止体制に大きな打撃を与えることは確実である。外貨獲得のためにミサイルを売却するという北朝鮮の行動様式が継続することは、中東をはじめとする他の地域にも不安定要因を拡散させる可能性もある。

 このため見直しチームは、米国の対北朝鮮政策は、核兵器および長距離ミサイル関連活動を中止させることを最重視すべきであると結論づけた。これは、朝鮮半島の安全保障問題に関する他の側面よりも不拡散だけに焦点を当てるということではなく、むしろ、この地域に特に必要とされるより幅広い形での安全保障を追求するには、大量破壊兵器の管理が不可欠であるとの事実を反映するものである。

 米国がこれらの兵器をめぐる活動を終結させる取組みに直面するに当たり、米国の対北朝鮮政策はすべて以下の3つの事実の制約の中で立案されなければならない。

 第1に、論理的には、北朝鮮の歴然とする問題が究極的には体制の変化につながると思われるが、変化が差し迫っているとの徴候はない。したがって米国の政策は、米国が望む姿の北朝鮮政府ではなく、あるがままの姿の北朝鮮政府に対処するものでなければならない。

 第2に、破滅的な戦争が、韓国駐留の3万7000人の米兵とそれを支える多数の人員、南北双方の朝鮮半島市民、そして地域内の米国の同盟国と友好国に与えるリスクを鑑みて、米国は分別と忍耐をもって目標を追求しなければならない。

 第3に、米国、韓国、日本、そして事実北朝鮮においても核枠組み合意を批判する意見はあるが、核枠組み合意は、寧辺におけるプルトニウムの生産を検証可能な形で凍結してきた。また、核枠組み合意は、プルトニウム生産の代替施設として計画された可能性があると米国が危惧した金昌里の地下施設に関して、今年の前半に米国が北朝鮮と成功裡に協議を持つための基盤にもなった。北朝鮮にとっては、寧辺の凍結を解除することが、核兵器への最も迅速で確実な道である。そのため、米国の安全保障目標のために核枠組み合意を補足する必要はあっても、合意を弱体化したり新たなものに代えたりしてはならない。

地域各国の見解

 政策見直しチームは、地域における各国の見解に関する理解を深めるため、政権以外の人々と広範な協議を行った。そうした見解は以下に要約される。

 韓国: 韓国の利害は米国と一致するものではないが、重要な部分で重なる。韓国は、米国のように国際的な影響力を持たないため、世界的な拡散防止の推進に米国ほど積極的ではないが、北朝鮮が核兵器を保有すれば朝鮮半島における抑止力が揺るがされることは認識している。また韓国国民は、長期間にわたり北朝鮮のスカッド弾道ミサイルの射程内で生活してきているが、より射程の長い北朝鮮の新たな弾道ミサイルが、米国および日本に対して新たな脅威をもたらしていることを認識している。したがって韓国は、北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルに関して、米国の目標を共有している。韓国はまた、朝鮮戦争で引き裂かれた離散家族の再会、南北基本合意書の実施(南北共同委員会の再開を含む)などの懸案事項を抱えている。米国は、こうした懸案事項を強く支持している。

 「関与」政策として知られる金大中大統領の対北朝鮮政策は、北に対する姿勢の根本的な転換を示した。金大統領の政策の下で韓国は北朝鮮を弱体化あるいは吸収する意図を一切排することを明確にし、公式・非公式の南北接触の拡大を求めてきた。韓国は核枠組み合意およびKEDOにおける自国の役割を支持しているが、韓国国会は米議会と同様に、KEDOへの拠出を検討するに当たり北朝鮮の行動を慎重に見極めている。

 日本: 韓国と同様に、日本の利害も米国と同一ではないものの、多くの部分で重なる。1998年8月の、北朝鮮による日本列島越えのテポドンミサイルの発射により、日本ですでに高い優先事項になっていた北朝鮮問題の重要性はいっそう高まった。日本は、北朝鮮のミサイル活動を直接的な脅威と見なしている。日本との2国間協議の場で、北朝鮮代表は今世紀前半の日本による朝鮮占領を繰り返し持ち出すことにより、歴史に由来する憎悪感を募らせている。こうした理由により、日本のKEDOに対する支持は、国会で危機にさらされている。核枠組み合意の崩壊が北朝鮮のミサイルに核弾頭が搭載されることにつながり、その脅威が激増する可能性があるにもかかわらず、北朝鮮によるミサイル発射が再度起こった場合、日本政府が核枠組み合意を維持できるか否かは不透明である。日本にはまた、北朝鮮によって拉致された疑いのある日本人行方不明者の安否などの根強い懸念がある。米国は、こうした懸念を強く支持する。

 中国: 中国は、朝鮮半島の平和と安定に強い関心を有し、半島における緊張の高まりによる影響も認識している。中国はまた、北朝鮮の弾道ミサイルが、中国にとって望ましくない米国の本土ミサイル防衛および戦域ミサイル防衛の重要な推進力となっていることも理解している。最後に中国は、北朝鮮の核兵器が地域の軍拡競争を誘発し、核保有国として中国が維持することに関心を持つ拡散防止体制を弱体化する可能性があることを認識している。こうしたすべての理由により、北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル計画に対する中国の懸念は、多くの面で米国の懸念と類似している。中国が米国、韓国、日本の政策に足並みを揃えることはないが、独自の意思疎通経路を利用して、北朝鮮がこうした計画を追求しないよう働きかけることは中国の利益にも資する。

 北朝鮮: 世界各国の情報機関や専門家との広範な協議、最近の北朝鮮の行動の見直し、そして北朝鮮指導部との話し合いに基づき、この不可解な国に対する政策見直しチームの見解はある程度まとまった。しかし、引き続き多くの面で、未知の領域が既知の領域を上回っている。したがってわれわれがここで強調したいのは、米国は、北朝鮮の認識や将来の行動に関する推量だけに基づいて政策決定をすべきではないということである。

 強い不安感に覆われている北朝鮮体制は、あらゆるレトリックと政策の基準として、自給自足、国家主権、自国防衛を強烈に推進してきた。北朝鮮は、自国の民主化や市場改革を進めようとする外部からの働きかけを、体制を弱体化させる試みであると解釈する。外国が北朝鮮の深刻な経済問題に対して援助を差し伸べる場合でも、北朝鮮は外国の影響力や外国との接触を厳しく統制する。北朝鮮は、米国が長年採ってきた広範な経済制裁の緩和をはじめ、米国との関係改善を重視していると思われる。

主たる結論

 政策見直しチームの主たる結論は以下の通りであり、これらはわれわれの提言の基盤となった。

1.北朝鮮による核兵器の獲得、長距離ミサイルの開発、実験、配備および輸出の継続は、長期的視野での冷戦の終結と恒久和平の追求の前提条件である朝鮮半島における抑止力の相対的安定性を崩す。また、北朝鮮によるこうした活動は、地域的および世界的に米国の死活的な国益に反する深刻な結果をもたらす。したがって米国はこうした活動を中止させることを目標としなければならない。

2.朝鮮半島において再び戦争が勃発した場合、米国と同盟国は、迅速かつ確実に勝利を収めることができるが、その際の人的被害・物的損害は、近年の米国の経験をはるかに超えるものになる。米国は、北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルに関する目標を追求するに当たり、抑止力を弱めたり北朝鮮による判断ミスの可能性を増すような行動を控える必要がある。

3.北朝鮮の核兵器と長距離ミサイル関連活動を協力的な形で終結させることを通じて安定を確保することができる場合、米国は北朝鮮とより正常な外交関係を樹立し、韓国の関与・平和的共存政策に加わる用意を持つべきである。

4.北朝鮮にとって、寧辺の施設の凍結を解除することが、核兵器を獲得する最も迅速で確実な道である。したがって、米国と同盟国は、核枠組み合意を維持し実施すべきである。核枠組み合意によって、寧辺における北朝鮮のプルトニウム生産能力は検証可能な形で凍結されている。しかし、核枠組み合意がなければ、北朝鮮は相当数の核兵器を毎年製造するための十分なプルトニウムの再処理できると推定される。すべての核兵器関連活動を検証可能な形で凍結していない、また弾道ミサイルには適用されないといった核枠組み合意の限界に対処するには、核枠組み合意を(新たなものと)代替するのではなく、補足することが最良の方法である。

5.北朝鮮に対する米国のいかなる政策も、韓国と日本によるそうしうた政策への積極的な支持や実施への協力がなければ成功しえない。この3カ国の利害は同一ではないもののかなりの部分で明確に重なるため、そのような3国間協調を確保することは可能なはずである。

6.現状に伴うリスク、そして北朝鮮の孤立、疑念、交渉スタイルに鑑みて、米国の対北朝鮮政策を成功させるには、挑発を受けても冷静さと忍耐を失わないことが必要となる。現在採用されているアプローチは、現政権の任期以降も将来にわたって維持されなければならない。したがって、政策とその実施の継続については、議会から可能な限り広範な支持と継続的な関与を得ることが不可欠である。


検討されたが却下された代替政策案

 見直しの過程の中で、政策チームは北朝鮮がもたらす安全保障の問題に関して、さまざまな代替戦略案をはじめとして多数の貴重な助言を得た。見直しチームによって検討された主要代替案、そしてそれらを却下し、提言されたアプローチを採用するに至った理由を以下に列挙する。

 現状維持: 数多くの政権外部の政策専門家が、過去10年間にわたり米国がとってきた対北朝鮮アプローチの継続を勧告した。すなわち、即応体制の整った軍事力と強固な同盟関係を基盤とする強い抑止力を維持し、そしてミサイル、捕虜・行方不明兵士、ならびに核枠組み合意の核関連条項の実施に関して現在行われている交渉以外には北朝鮮との関与を制限することである。これらの専門家は、寧辺において核枠組み合意の実施が検証可能な方法で行われており、北朝鮮は数年間は核兵器用核分裂物質の追加入手ができないとしている。核兵器を保有しなければ、北朝鮮のミサイル計画には、(現時点ではまだ結論の出ていない)現行の2国間ミサイル協議の枠内で間違いなく対処することができる。したがって、この説によれば米国の安全保障の主要目標は脅威の展開に対して適切な時間枠の中で追求されてきており、米国の政策転換の必要はないことになる。

 現状の対北朝鮮政策が現時点まで米国の安全保障に貢献してきたことを考慮すれば、その継続にはいくつかの利点があるが、政策見直しチームは、現状の維持を却下した。これは、現状の政策が米国安全保障上の利害の観点から受け入れられないという理由からではなく、政策チームが現状の維持は可能ではないと危惧したからである。米国の懸念に直接対処していないこともさることながら、この現状が急速に危機に変わる状況が容易に想像できる。たとえば、北朝鮮の長距離ミサイル発射は、それが人工衛星を軌道に乗せるための試みであるか否かを問わず、米国、日本そして韓国においてさえ、核枠組み合意に対する政治的支持のあり方に影響を与える。そうした状況下では、北朝鮮が核枠組み合意の遵守を取り止め、寧辺の凍結を解除し、朝鮮半島を1994年と同様の核危機に陥れることもあり得る。このようなシナリオは、現状維持の不安定性を明らかにする。そのため米国は、現状維持を望んだとしても、それができない可能性がある。

 北朝鮮の弱体化: 金正日政権の終焉を早めることを目的として、北朝鮮を弱体化させる政策を勧める意見もある。政策見直しチームは、この可能性についても慎重に検討し最終的にはいくつかの理由により却下した。北朝鮮体制が自国社会に課す厳しい統制、および体制に対して国内での組織だった抵抗が明らかに見られないため、この戦略は仮に成功するにしても膨大な時間を要する。したがってこの政策に要する時間は、北朝鮮が核兵器や弾道ミサイル計画を推進できるのに要する時間に相反する。さらに、こうした政策は、破滅的な戦争をもたらす危険があり、そうした戦争抑止の成否のカギを握るこの地域の米国の同盟国の支持を得られない。最後に、このような圧力を加える政策は、北朝鮮政府よりもその国民に被害をもたらすことが考えられる。

 北朝鮮の改革: その他多くの専門家が提唱するのは、米国が既定の国際慣習に沿った北朝鮮の政治・経済改革の加速化を推進することである。米国は、北朝鮮人民の生活を改善し、同国が国際社会に平和裡に統合できる基盤を提供するため、民主主義と市場改革の実現を急ぐべきであるとする提案である。われわれがそうした成果をいかに望んだとしても、この政策の成功には北朝鮮の協力が必要となる。しかしながら政策チームは、北朝鮮体制はそうした改革に強く抵抗すると考え、この政策は弱体化政策と変わるところがないと判断した。改革政策も、弱体化政策と同様に時間を要し、北朝鮮が核兵器や弾道ミサイル計画を推進するために要するよりも長い時間がかかると考えられる。

 「金銭による」目標の達成: 工業と農業の衰退という現状の中で、北朝鮮は、自国の核兵器に関わる活動や弾道ミサイル輸出に関する米国の懸念を、外貨と「交換する」意志があることを、折りに触れ示唆してきた。たとえば、北朝鮮は、ミサイル輸出中止による収入減の埋合せを米国が補償することに同意すれば、ミサイル輸出を中止すると申し出た。政策見直しチームは、安全保障を物質的補償と取引するとのこのような政策は北朝鮮が今後も恫喝を繰り返すことを促すだけであり、世界中の拡散国が同様の恫喝を行うことを促すことになると強く考える。このような戦略は米国政府の財政のカギを握る議会の支持を受ける可能性もなく、また支持されるべきでもない。


包括的・統合的アプローチ:2途路線戦略

 より優れた代替案として、見直しチームが提言するのは、北朝鮮の核兵器とミサイル関連活動に対するわれわれの優先的な懸念に注目した2途路線戦略である。この戦略は、韓国、日本の両国政府との緊密な協議の下に立案され、両国による全面的な支持を得ている。事実、これは共通の目標を追求するに当たり、3カ国が協調し相互補完的な役割をになう共同戦略である。2つの路線は、共にわれわれの主要な安全保障利益を確保することを目的としており、そのうち最初の路線は、米国と同盟国そして北朝鮮にとっても明らかに好ましいものであるとわれわれは強く信じている。

 第1の路線は、米国の対北朝鮮交渉への新たな包括的・統合的アプローチに関わる。われわれは北朝鮮が核兵器計画を持たないことが、完全かつ検証可能な形で保証されることを目指す。さらに、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)の枠を超えるミサイルの実験、製造、配備の完全かつ検証可能な形での中止、そしてこうしたミサイルならびに関連機器・技術の輸出の完全な中止も求める。安定を乱す北朝鮮の核兵器と長距離ミサイル計画の完全中止を交渉することで、この路線は朝鮮半島に安定した安全保障環境をもたらし、長期的にはより持続的・恒久的な和平をもたらす状況を生み、東アジアにおける冷戦に終止符を打つことにつながる。

 この路線に沿って、米国と同盟国は北朝鮮が脅威と認識するような圧力を段階的かつ互恵的な形で減らしていく。脅威の認識が減ることにより、北朝鮮体制は米国や近隣諸国との平和的共存が可能となり、自国の経済的・社会的発展を進めることができるとの安心感を持つことになる。もし北朝鮮が核兵器と長距離ミサイルの脅威を排除する方向に進めば、米国は北朝鮮との関係を正常化し、長い間同国との貿易を制約してきた制裁措置を緩和する等、北朝鮮に対して機会を提供できる肯定的な措置をとることになる。

 もし北朝鮮にこの路線を受け入れる用意がある場合には、韓国と日本も、協調しつつも並立する形で、北朝鮮との関係改善を進める用意があることを示唆している。

 重要なのは、こうした広範囲に及ぶ話し合いを成功に導くための環境整備に、すべての当事者が寄与することである。北朝鮮による最も重要な1歩は、この第1の路線での交渉に際して、今後長距離ミサイルの試験発射を行わないとの確約をすることである。見直しチームは、北朝鮮がそうした実験を中止するならば、米国が撤回の余地もありうるが、北朝鮮に対する通商禁止措置の大統領令の緩和を行うことを提言した。韓国と日本も、こうした状況の中で、肯定的な政策をとる用意があることを示唆している。

 大統領特使としてペリー博士を団長とした見直しチームは、5月に平壌を訪問し、北朝鮮高官と協議を行い北朝鮮側の見解を聞いた。また、包括的・統合的交渉の進行に適した環境整備に資する当面の措置についても話し合いを持った。9月初めに、チャールズ・カートマン大使と金桂寛(キム・ケグァン)外務次官との間で行われた協議に基づき、米国は、北朝鮮が米朝間の関係改善のための協議が続いている間はノドンおよびテポドンミサイルを含む長距離ミサイル実験を中止すると理解し期待した。その後、北朝鮮は、米朝間の協議が継続されている間はミサイル実験を一方的に中止すると発表した。これを受け、米国政府は制裁を緩和する措置をとった。この秋には、北朝鮮の高官がペリー博士の訪朝に応える形でワシントンを訪問し、関係改善に向けた交渉を継続する予定である。両国は、第1の路線に沿って果敢に意味のある行動をとってきた。これは、まだ最初の措置にすぎず、双方ともこれを覆すことは容易にできるが、われわれはこうした措置が朝鮮半島の脅威を減らすための長くも重要な道のりへの第1歩になることを望んでいる。

 見直しにより立案された第1の路線は、米国の安全保障と東アジアの安定に大きな希望を与えるものであり、またここ数週間にとられた最初の措置はわれわれに大きな希望を抱かせるものであるが、この路線は、北朝鮮がわれわれとともにこの道を進む用意があるかどうかにかかっている。見直しチームは、北朝鮮が米国と歩調を合わせることに同意することを期待しているが、現在までの協議を見るかぎり、北朝鮮が同意するかは不明である。そこでわれわれは、慎重を期して第2の路線を立案するが、ここでも同盟国との協議とその全面的な支持を得ている。第2の路線では、交渉を通じては排除することができなかった脅威を封じ込め行動をとる必要がある。2つの路線を組合わせることで、見直しの中で立案された戦略は、北朝鮮の意図あるいは行動に関する推量に依存することを回避でき、また戦略の成功のために北朝鮮の国内体制の変化を前提にしたり、そうした変化を求めることもない。

 もし北朝鮮が第1の路線を拒否した場合、米国が北朝鮮と新たな関係を追求することは不可能となる。その場合、米国と同盟国は、自らの安全を確保し、脅威を封じ込める他の手段をとる必要がある。米国と同盟国がとる手段は、核枠組み合意をそのまま維持しつつ、可能ならば直接衝突を避けることを目指すべきである。しかしながら、北朝鮮が第1の路線に戻り地域の安全保障を乱さないよう説得するための断固たる、しかし慎重な措置をとる必要もある。

 われわれが提案する戦略は、米朝の直接交渉の枠組みを超えた多数の課題、たとえば韓国の離散家族の再会、南北基本合意書の実施(南北共同委員会の再開を含む)、および日本人拉致疑惑や麻薬取引をはじめとするその他の主要な懸案事項を直接の対象とはしない。しかしながら、政策見直しチームは、北朝鮮と米国の関係が改善されるにつれて、こうした問題のすべてが真剣に取り上げられるべきであり、また取り上げられることになると信じている。

 同様に見直しチームは、化学・生物兵器問題が多国間交渉の場で取り上げられることが最も望ましいと考える。また南北朝鮮の統一問題についても、多くの提言がなされているが、統一の問題は究極的には南北朝鮮の国民が決定する問題である。最後に、政策見直しチームは、米国はいかなる軍隊も朝鮮半島から引き上げるべきではないと固く信じている。軍の撤退は平和と安定に貢献するものではなく、むしろ現在の強力な抑止力を弱体化する。

提案する戦略の利点

 提案する戦略には以下のような利点がある。


1.米国の同盟国による完全な支持を得ている。米国のいかなる政策も地域における同盟国の支持がなければ成功はありえない。全体的なアプローチは、韓国の指導者がペリー博士に直接、またクリントン大統領に対しても示唆したように、韓国の関与政策の上に成立するものである。また日本政府が提言したように、この戦略は、米国が北朝鮮のミサイル計画を中止させることと北朝鮮の核兵器計画を中止させることを同等に扱うものである。

2.米国の交渉の強みを利用する。提言されたアプローチに従い、米国は北朝鮮に政治的・経済的圧力の包括的な緩和を申し出る。北朝鮮は、こうした圧力を脅威と見なし、また主として米国が加えている圧力と見なしている。このアプローチは、韓国と日本がとろうとしている肯定的な措置を補完する。一方で米国は、北朝鮮に対して、安全保障面での適切な行動について有形の「報奨」を提供することはしない。そのような報奨の提供は、米国が重視する原則に反することであり、米国がさらなる恫喝の対象となることでもある。

3.安定した戦争抑止力を維持する。朝鮮半島における米国の強力な抑止態勢の変更することを提言しないし、米国はその軍事態勢を交渉のテーブルに乗せるべきではない。現在、朝鮮半島では双方向に強力な抑止力が働いている。安定を脅かすのは、北朝鮮の核兵器と長距離ミサイル関連活動である。同様に、この見直しが提言するアプローチは、米国の戦域ミサイル防衛(TMD)計画、あるいは韓国や日本がこうした計画を共有する機会を抑制するものでもない。事実、われわれはそのような関連をさせないことを明確に提言している。

4.核枠組み合意をさらに発展させる。提言されたアプローチは、核枠組み合意に謳われている以上のものを求めている。具体的には、提言されたアプローチの下では、米国は北朝鮮におけるあらゆる核兵器関連活動の全面的で検証可能な形での中止を求めるとともに、核枠組み合意の対象となっていない北朝鮮の長距離ミサイル計画にも取り組む。さらに米国は、核枠組み合意において米国と北朝鮮双方が予測し、合意文書に盛り込まれた平和的関係へのより広範な道を進むことを追求する。

5.北朝鮮の核兵器とミサイル関連活動に関する米国と同盟国の短期的な目標を、朝鮮半島の恒久和平というわれわれの長期的な目標に整合させる。提言されたアプローチは、北朝鮮の核兵器とミサイル関連活動が安定にもたらす短期的な危険性を重視するが、米国が4者協議を通じて追求しているように、長期的には朝鮮半島の恒久和平の条件を整備することを目標としている。上述の通り、提言されたアプローチは、核の分野における協力を超えてより幅広い正常な米朝関係へ移行するとの核枠組み合意の長期的な目標の実現も求めている。

6.北朝鮮の具体的な行動または意図に依存しない。提言された戦略は柔軟性があり、善意的・挑発的にかかわらず北朝鮮の意図または行動に関する推量や仮定に依存することを避けている。繰り返しになるが、戦略の成功のためにそうした意図あるいは北朝鮮の内部体制の変化を求めたり、それらに依存することがない。提言された枠組みには、適切な不測事態が組み込まれている。

主要な政策提言

 上記の提言に基づき、見直しチームは次の5つの主要な政策を提言する。

1.北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル関連計画に関して、見直しチームが提言し、地域における米国の同盟国が支持している包括的・統合的なアプローチを採用する。具体的には相互に脅威を低減するという構想に基づき、北朝鮮との交渉を開始する。北朝鮮がこれを受け入れなければ、われわれは米国と同盟国の安全保障を守るための適切な措置をとる必要がある。

2.米国政府内に、対北朝鮮政策実施のための強化されたメカニズムを作る。北朝鮮に関する政策調整のために、国務省内に大使クラスの高官を長とし、次官補代理委員会の指導の下に運営される小規模な高官レベルの省庁間作業グループを維持すべきである。

3.韓国と日本との緊密な協調体制を確保するため去る3月に設立された新たなメカニズムを継続する。この政策見直し期間中に設立された3カ国調整・監督グループ(TCOG)は、この3カ国の政府高官から成り、対北朝鮮政策の監督を任されている。同グループは定期的に会合を開き、北朝鮮に対する交渉戦略と全体的な政策を調整するとともに、米国大統領、韓国大統領、および日本の首相の間でこの問題について頻繁な協議ができる準備をすべきである。米国の代表団は、対北朝鮮政策を調整する高官が率いるべきである。

4.北朝鮮問題に対して、持続可能で党派を超えた長期的展望を確立する措置をとる。大統領は、上下両院議会の共和党・民主党双方の院内総務とともに、議会が現政権および将来の政権の対北朝鮮政策について超党派で協議できる方法を探るべきである。いかなる対北朝鮮政策も、米国と同盟国との間に統合された戦略がなければ成功しないのと同様、政策見直しチームは、いかなる戦略も議会からの助言と支持がなければ長期間維持することはできないと考える。

5.短期的には、長距離ミサイル発射も含めた北朝鮮による挑発という不測事態に対処するための行動計画を承認する。政策見直しチームは、北朝鮮の否定的な行動に対する提案された対応策が、朝鮮半島、米国、および同盟国にとって深刻な結果をもたらしうることに留意する。そうした対応策は、挑発的行動には重い懲罰が伴うことを北朝鮮に対し明確にすべきである。しかしながら、北朝鮮の行動が核枠組み合意の規定に違反していない限り、米国と同盟国の行動自体が核枠組み合意を損なわせるべきではない。そうすることは、米国を核枠組み合意に違反する立場に置き、北朝鮮が寧辺施設の凍結を解除する道を開くことであり、われわれを1994年夏の危機に逆戻りさせることになる。

結論

 見直しチームが提言するアプローチは、北朝鮮に対する現実的な見方、軍事的な現実に対する冷徹な理解、そして米国と同盟国の利益を守る強固な決意に基づくものである。

われわれは包括的な枠組みに関するわれわれの提言に対する反応について、北朝鮮が相反する信号を送ってくる可能性があること、またこの交渉のプロセスを開始してからも、北朝鮮の行動の多くの側面が引き続きわれわれにとって非難すべきものであることを認識すべきである。したがって、われわれは、挑発的な不測事態に対する準備をしながらも、提言された包括的な枠組みに沿った慎重な行動をもって政策の進路を維持すべきである。
北朝鮮は、米国と同盟国に直接的な脅威となるある種の挑発的行動があること、そしてわれわれがそれに対して適切に対応することを理解する必要がある。
 この点に関してわれわれは、北朝鮮による特定の挑発的行動が、米国に現在の援助水準の再評価を余儀なくさせる可能性があることを複雑な心境をもって認識している。

 最後に、この見直しを終えるに当たり、この1年間の一連の出来事が、米国にとって北朝鮮との関わりでこれまでにない機会の扉を開いたことを指摘する必要がある。韓国、日本、米国の間に、北朝鮮への対処方法について明確な共通の理解がある。中国の戦略目標は、特に北朝鮮の核兵器と関連ミサイル運搬システムの問題に関して、米国の戦略目標と一致する部分がある。北朝鮮は核枠組み合意を遵守する意志があるように思われる。また現在のところ対米関係を改善することの意義を認識している。しかしながら、こうした肯定的な側面には常時圧力がかかっている。潜在的な緊張と疑念が、断続的な武力衝突や紛争に発展し、政治環境に影響を及ぼしている。数十年来の敵意に対抗するために必要な外交上の弾みをつけようとする努力はますます困難になっており、結局は失速している。にもかかわらず1999年は歴史的に見て、米国が朝鮮半島における主要な安全保障課題に取り組む上で最良の機会を与えてくれる年になる可能性がある。


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/250.html

[国際19] トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)

 昨年10月発売の「フォーリン・アフェアーズ リポート 11月号」に掲載されたものです。

 トランプ米国の朝鮮半島政策を考えるうえでの貴重な資料になると思われます。

「(北朝鮮が核開発計画を放棄するまで、交渉を閉ざす)オバマ政権の「戦略的忍耐」路線では、北朝鮮の挑発路線を止めさせることも、北東アジアの安定を維持することもできないと指摘し、経済制裁をさらに強化しつつも、一方で北朝鮮との交渉路線を提唱している。」

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CFR Events
次期米大統領への政策提言
CFR北朝鮮問題タスクフォース

スピーカー

マイケル・マレン  タスクフォース共同議長

サム・ナン 元米上院議員、核脅威イニシアティブ共同理事長 タスクフォース共同議長

アダム・マウント アメリカ進歩センター・シニアフェロー タスクフォースディレクター
プレサイダー

ジュディ・ウッドラフ PBSニュースアワー アンカー


A Sharper Choice on North Korea
Mike Mullen 元米参謀本部議長 タスクフォース共同議長。
Sam Nunn 元米上院議員、核脅威イニシアティブ共同理事長 タスクフォース共同議長。
Adam Mount アメリカ進歩センター・シニアフェロー タスクフォースディレクター。


「すべての提言は、平壌の選択次第で北朝鮮にどのような帰結が待ち受けているかを明確にするとともに、中国の北朝鮮への認識を変化させることを意図している。現状では中国は北朝鮮のことをアメリカの東アジアにおける影響力に対するバッファーとみなしているが、そうではなく、中国の安全保障や地域的な安定に対する脅威としての北朝鮮へと認識を見直させたいとわれわれは考えている」(A・マウント)

「中国との協調を模索しつつも、アメリカ、韓国、日本の3国間関係を強化しなければならない。リポートでは、1国への攻撃であっても自国が攻撃されたとみなす(北大西洋条約機構型の)集団安全保障態勢が必要になると提言した。・・・THAAD(終末高高度)ミサイル防衛システムを配備する必要がある。核弾頭を小型化させれば、北朝鮮はアメリカも攻撃できるようになる」(M・マレン)

「現政権の政策と今回のリポートが示す政策の大きな違いは、経済制裁の成果を待って、その後、交渉に移るのではなく、交渉と制裁を同時に試みる必要があると提言したことだ。・・・中国との率直な交渉も必要になる。中国の利益にも配慮する必要がある。中国なしで、北朝鮮問題を平和的に解決するのは難しい。(もちろん)韓国と日本の抑止力と防衛力を強化する必要がある」(S・ナン)


<今回のリポートについて>

2016年9月に発表された米外交問題評議会・北朝鮮問題タスクフォースリポートは、(北朝鮮が核開発計画を放棄するまで、交渉を閉ざす)オバマ政権の「戦略的忍耐」路線では、北朝鮮の挑発路線を止めさせることも、北東アジアの安定を維持することもできないと指摘し、経済制裁をさらに強化しつつも、一方で北朝鮮との交渉路線を提唱している。

中国との協調がその鍵を握ると指摘するリポートは「中国の北朝鮮に対する認識とアプローチを変化させること」が米次期政権の大きな課題になるとしている。

「(認識を変えた)中国が、アメリカ及びアメリカの同盟国とともに、北朝鮮に対して核開発計画を解体し、他を脅かす軍事路線を緩和するように圧力をかければ、中国とアメリカの同盟諸国が主導する安定し、繁栄する北東アジアが誕生する」

一方で、中国が協調に背を向け、北朝鮮が今後も交渉を拒み続ければ、アメリカは日本や韓国と共に「北朝鮮の体制と核・ミサイル能力を直接的に脅かす行動を含む、より積極的な軍事・政治行動の採用を検討せざるを得なくなる」。リポートは、北朝鮮が今後も挑発的な行動をとりつづけるようなら「その代価を大きく引き上げる」必要があると指摘し、一方で協調へのインセンティブを与えることで、「平壌の選択次第で北朝鮮が直面する帰結の違いを明確にする必要がある」と提言している。以下は、同リポートの公表を受けて実施されたミーティングにおける討論からの抜粋・要約。(FAJ編集部)


<交渉と制裁を同時に試みよ>

ウッドラフ 今回のタスクフォースの共同議長は、マイケル・マレン元米参謀本部議長、そしてサム・ナン元上院議員が務めた。タスクフォースのディレクターは(米国の民主党系シンクタンク)アメリカ進歩センターのアダム・マウントが担当した。まず、マレン提督から。あなたが北朝鮮問題のタスクフォースに参加した理由を聞かせて欲しい。なぜ朝鮮半島問題を切実な課題だと考えたのだろうか。

マイケル・マレン 私が米軍を退役したのは2011年で、当時も今も、朝鮮半島は世界の他のホットスポット同様に、何が起きてもおかしくない状況にあると私は感じている。ここは、事態が急速かつ危険な形で悪化していきかねない場所で、政策的な対応が必要だ。アメリカの歴代政権が北朝鮮の非常に複雑な問題に対処しようと試みてきたが、問題は依然として解決していない。

北朝鮮問題に関する米外交問題評議会(CFR)タスクフォースの共同議長を引き受けるように打診してきたリチャード・ハース(CFR会長)の要請を、私が受け入れたのもこうした理由からだ。退役して以降、このタイプのタスクフォースに参加したのは今回が初めてだ。

ウッドラフ ナン上院議員、今回のリポートは現在の米政府の北朝鮮政策とどのように異なる路線や戦略を提言しているのか。そのアウトラインを示してもらえるだろうか。リポートのどの提言が特に重要だと考えているか。

サム・ナン ウィンストン・チャーチルがかつて語ったように、「戦略をいかにうまく描けても、その結果に目を向けなければならない」。だがこれまでの戦略の結果(朝鮮半島の現実)を見ると、「われわれ」は深刻な事態に直面していると言わざるを得ない。ますます危険は大きくなっている。ここで言う「われわれ」とは、日本、韓国、そして駐韓米軍の兵士たちのことだが、私はこれに中国も含めている。朝鮮半島問題を解決する上で中国の役割は非常に重要だからだ。

現在のアメリカ政府の北朝鮮戦略と今回の提言がどのように違っているか。たしかに、現政権の政策も大規模な戦争を抑止してきた。これは成果とみなせる。しかし、北朝鮮は公然と国連決議を無視し続けており、彼らの考えを変化させることには成功していない。核開発計画、ミサイル開発計画に関する国連決議を無視しているし、決議を無視した行動をますますエスカレートさせている。

現政権の政策との大きな違いは、今回のリポートで「経済制裁の成果を待って、その後、交渉に移るのではなく、交渉と制裁を同時に試みる必要がある」と提言したことだろう。

彼らが交渉テーブルに着き、核兵器の解体、ミサイル実験の停止などに向けた行動をとるのなら、北朝鮮にアメを与えるべきだろう。一方で、中国との率直な交渉も必要になる。これは、われわれの利益になるだけでなく中国の利益にもなる。中国の利益にも配慮する必要がある。中国なしで、北朝鮮問題を平和的に解決するのは難しいからだ。

次に、北朝鮮に(2016年1月の核実験及び、それに続く弾道ミサイルの発射をうけて、2016年3月に採択された)国連安保理決議2270号を履行させなければならない。この力強い安保理決議を新たに成立させたことについては、オバマ政権を評価すべきだろう。中国とロシアがこの決議を(全面的ではなくとも)支持したことは特筆に値する。決議は、各国が北朝鮮の港や空港を出入りする船舶や航空機を検査することを義務づけている。実施されれば、これは非常に重要なツールになる。中国もこの措置に参加しなければならない。アメリカが主導して、国連決議を履行させるために、この地域の同盟国や友好国のすべてに検査に必要な機器を提供し、(北朝鮮の輸出入監視を)多国間の試みとすることをわれわれは提言している。これも大きな違いをもたらすはずだ。

これらを試みる一方で、韓国と日本の抑止力と防衛力を強化する必要がある。

<交渉目的は何か>

ウッドラフ タスクフォースディレクターを務めたアダム・マウントに質問したい。サム・ナンが描写してくれた制裁強化の一方で、タスクフォースは交渉にも門戸を開き、「核開発計画の完全な凍結をアメリカが交渉に応じる条件から外すべきだ」と、実質的に交渉再開に向けたハードルを低くすることを提言している。この点についてコメントして欲しい。

マウント タスクフォースは北朝鮮と交渉すべきだと提言した。これは北朝鮮問題を長期的に解決するには交渉による解決が必要だという認識に基づいている。残念ながら、それしか方法はない。朝鮮半島の非核化は交渉でしか実現しない。他の提言も、北朝鮮を交渉の場に引きずり出すための圧力の形成を意図している。

交渉の枠組みも重要になる。われわれタスクフォースは、アメリカ政府は交渉に向けた立場を具体的に示し、北朝鮮を交渉に参加させ、核問題の永続的解決に向けたインセンティブを作り出すべきだと判断した。検証可能な核開発計画の凍結をまず交渉する必要がある。

一方で、中国を含む6カ国のすべてが交渉で何らかの恩恵を引き出せるように、例えば、軍備管理問題、北朝鮮との和平条約などもアジェンダとして取り上げることをリポートは提言している。

だが、重要なポイントは、アメリカと同盟国が核武装した北朝鮮を決して受け入れてはならないということだ。

<中国との交渉、日米韓の集団安全保障>

ウッドラフ マレン提督、(交渉と制裁を)同時に進めなければならないという指摘があった。理屈の上ではすべてを同時に前に進めなければならないとしても、そのメカニズムを動かすには、最初に何が必要だろうか。

マレン すべての措置を同時にとる一方で、一連の動きを連鎖させる必要がある。特に重要なのが、アメリカと中国が危機の解決を主導することだ。朝鮮半島問題に関わった経験があるが、中国側は「北朝鮮を従わせること、平壌の指導層の行動を管理することに関する自分たちの影響力には限界がある」とこれまで説明してきた。だが、平和的解決に向けた門戸を開き、今回の提言を実現へと向かわせるには、(われわれとともに)中国にその試みを主導させる必要がある。早急に北京と接触し、これを説得しなければならない。

そう試みる一方で、アメリカ、韓国、日本の3国間関係を強化しなければならない。リポートでは、1国への攻撃を同盟国への攻撃とみなす(北大西洋条約機構型の)集団安全保障態勢が必要になると提言した。もちろん、

これを実現するのは、口で言うほど簡単ではない。

この3カ国の関係も様々な局面を経験しているが、日韓はともに非常に重要な同盟国だ。対潜水艦戦争、サイバー戦争とそれが何であれ、その防衛力を強化すれば、3国間関係も強化される。

これに加えて、THAAD(終末高高度)弾道弾迎撃ミサイルシステムを配備する必要がある。北朝鮮がさらに技術を進化させ、小型化された核弾頭を装填したミサイルを配備する前に、早急に韓国にTHAAD迎撃ミサイルを配備することにすでに米韓は合意している。核弾頭を小型化させれば、北朝鮮はアメリカも攻撃できるようになる。このレベルまで、彼らが技術を進化させるのを放置することはできない。THAADならそうした能力が現実に運用されるのを阻止できる。これは攻撃能力とは逆の、自己防衛能力強化のためのシステムだ。

ウッドラフ ナン上院議員、中国から協調を引き出すには何が必要だろうか。中国はアメリカが長期的には好ましいと考えている朝鮮半島の統一には関心がないと公言している。韓国へのミサイル防衛システムについても、中国はこれに難色を示している。

ナン はっきりさせておきたいが、アメリカと同盟国は北朝鮮の崩壊を目的にすべきだとはわれわれは言っていない。個人的には、民衆の弾圧、人権問題、経済運営の破綻などによって、北朝鮮はいずれ内側から崩壊すると考えている。これは基本的に北朝鮮の問題だ。だが、北朝鮮をこの道筋から救い出すことが、中国との協調の道筋になる。

中国は東アジア地域に大きな利益を有しており、特に朝鮮半島の安定を重視している。もちろん、中国もこうした自国の利益は認識している。しかし、われわれがタスクフォースリポートで指摘したように、「アメリカとその同盟国は、北朝鮮の脅威がさらに拡大していくのを放置できない」と考えており、これを中国に理解させなければならない。

中国との新しい対話チャンネルを立ち上げるべきだし、北京がこれに前向きに応じることを期待する。そして中国の安全保障利益、そして国境地帯で何が起きることを心配しているのかを率直に話し合わなければならない。北朝鮮が軍事行動をとって自滅するか、あるいは、内側から崩壊した場合に生じるかもしれない(中国への)難民流入問題について、話し合う必要がある。実際、中国は国境管理問題を心配している。これまでの北朝鮮への投資がどうなるかも、彼らにとっては気になるところだろう。

従って、われわれは中国と膝を交えて話すべきだし、これらのアジェンダをめぐって忌憚なき意見交換を行う必要がある。彼らがわれわれの利益に配慮し、われわれも彼らの利益に配慮することが重要だ。北京の指導者は朝鮮半島がカオスに陥ったり、戦争が起きたりすることは望んでいない。


<米中交渉は実現するか>

ウッドラフ タスクフォースメンバーの多くは、なぜ中国側がこれらの問題についてアメリカと協調することに関心を示すと考えたのだろうか。

マウント 中国との協調を提言したのが今回のリポートの核心の一つだ。

すべての提言は、選択次第で北朝鮮にどのような帰結が待ち受けているかを明確にするとともに、中国の北朝鮮に対する認識を変化させることを意図している。

現状では中国は北朝鮮のことを「アメリカの東アジアにおける影響力に対するバッファー(緩衝地帯)」とみなしているが、そうではなく、「中国の安全保障や地域的な安定に対する脅威としての北朝鮮」へと認識を見直させたいとわれわれは考えている。

それぞれの提言は、北朝鮮問題が解決されるまでは、米中関係の深化があり得ないことを双方に認識させることを前提にまとめられている。北朝鮮問題のために米中は先に進めずにいる。北朝鮮問題は米中関係を抑制し、緊張させてきた。

アメリカや同盟国が、必要に駆られてとらざるを得ない措置は、現状では、中国の地域的利益を脅かすことになる。従って提言のすべては中国の北朝鮮認識を変化させることを意図している。北朝鮮問題を解決しない限り、安定し、繁栄する北東アジアが出現することはない。

<人権問題と国連加盟国の資格>

ウッドラフ リポートでは朝鮮半島における米軍規模の削減についても言及されている。これは非常にセンシティブな問題だ。どのような状況なら、半島における米戦力を削減できるだろうか。

マレン 半島の安定や非核化、脅威の排除という側面に戦力の削減がどのような影響を与えるかを考えなければならないだけに、これは非常にセンシティブな問題だ。だが、今後の展開を見て、いつかは米軍の規模をどうするかを議論することになる。

関係諸国がそれをどうとらえるかも考えなければならない。中国は、彼らの視点で、それをどのようにみなすだろうか。アメリカは、自分だけの視点で解決策を判断する傾向があるが、それではうまくいかない。部隊規模を削減するのは非常にセンシティブな問題であり、リポートでは、関係諸国の視点でもこの問題を検討した。米軍規模の削減は長期的な問題だが、いずれこれに対応しなければならなくなる。

ナン われわれはリポートで米軍規模の削減問題、米軍の戦力構成はアメリカ、韓国、日本と議論を重ね、合意をまとめる必要があると指摘している。

ウッドラフ リポートではアメとムチが示されているが、ナン上院議員は、ムチの一つとして、平壌が人権状況を改善しないのなら、北朝鮮を国連の場で追い込むべきだと主張している。しかし、このやり方に効果があるだろうか。

ナン その件についてはマイクから話してもらおう。

マレン 私は軍事政策の遂行を第1任務とするキャリアを送ってきたので、人権問題にはそれほど大きな優先順位を与えてこなかった。だが人権はアメリカの価値であり、これをアジェンダとして取り上げていくべきだ。リポートをまとめていくプロセスで、北朝鮮の人権状況の専門家から話を聞く機会があったが、この国の問題は軍事的アプローチだけでどうにかなるものではなく、北朝鮮の人権状況をどうにかしなければならない。現在の金正恩も、さらには彼の父親と祖父も、途方もなくひどい人権侵害をしている。平壌が人権状況を改善させなければ、国連で、北朝鮮の国家としての信頼性を失墜させるべきだろう。これはリポートでも提言している。単純な提言だが、論争を呼ぶだろうし、実際にそうするのも容易ではないだろう。

ウッドラフ だが、それでは、おそらく北朝鮮をさらに孤立させることになる。北朝鮮の孤立状況がそもそも問題なのではないのか。

ナン もちろん、彼らが人権問題について語り始めることをわれわれは期待している。膝を交えて、人権問題も話せればと望んでいる。これが理想的だ。だが、他に打つ手がなくなり、北朝鮮が誠実な対応をせず、状況が改善しないようなら、われわれは国連で行動を起こすべきだろう。北朝鮮の国連加盟国としての資格を停止するのと、抹消するのでは大きな違いがあるが、加盟国としての権利の停止でも非常にパワフルな措置になる。不思議なことに、国際社会でのメンバーシップを停止されることに北朝鮮が神経質になっている兆候がある。

マレン それに関連して付け加えたい。北朝鮮についての情報は多くない。北朝鮮全般、現在の若い指導者の性格など、よく分かっていないことは多い。但し、われわれの北朝鮮の情報収集が改善しているのも事実で、依然として分からない部分が多いとはいえ、これまでよりは多くのことが分かっている。とはいえ、国連のメンバーシップを停止するという可能性に平壌がどう反応するかは分からない。

ナン とにかく相手と話すことが大切だ。そうしない限り、彼らが何をするかは分からないし、仮に話し合っても、依然として分からないこともあるだろう。だが、意思の疎通をはかる必要がある。われわれは非公式の交渉を直ちに実施できると強調した。公式の協議とは違って、交渉に入るために条件がつけられることはない。その後、より公的な協議になれば、すべての関係国は(6カ国協議において、全ての核兵器、および既存の核計画を放棄することを約束した)2005年の合意に調印すべきだろう。いずれにせよ、交渉を続けることが重要だ。

1994年に、ジミー・カーターが北朝鮮を訪問した際、現在の指導者の祖父・金日成と交わした対話についての日記を見たことがある。金日成との対話をベースに、カーターは北朝鮮構想を練り上げた。だが現在は、そのようなことは起こり得ない。相手を疑ってかかるしかないからだ。何事にも検証が必要になる。だが、コミュニケーションを試みなければ、相手が何を考えているかさえ分からない。話し合う必要がある。

ウッドラフ 現在のアメリカ政府の北朝鮮政策がどのようなものかはっきりしない。インフォーマルな交渉なら、条件なしで行えるのだろうか。私の理解では、交渉に入るためには北朝鮮は核開発プログラムの凍結に応じなければならないと条件がつけられていると思う。

マウント 条件をつけない非公式交渉は、現状の路線の見直しに相当する。もっとも、この点でのアメリカ政府の立場は明快ではない。次期政権が誕生すれば、北朝鮮政策を全面的に再検証する必要がある。交渉に条件をつける現在のやり方も見直しの対象にされるだろう。北朝鮮、そして中国を含む6カ国協議のメンバーに、われわれが交渉に何を期待するか、何をオファーするつもりがあるか、そして、交渉を中断するとすれば、それはどのような状況かを明確にしておく必要がある。

ナン 北朝鮮が核やミサイル技術を進化させているだけにそれほど時間的猶予はない。私はかつての上院の同僚たちに、政府高官の承認プロセスで北朝鮮問題への対応を求め、中国や北朝鮮、そして同盟国である日韓との対話を続けるように促すつもりだ。これを優先課題とする必要がある。

ウッドラフ 北朝鮮がさらに核実験を行うだけでなく、駐留米軍、そして日本や韓国を脅かすような挑発行動をとった場合、アメリカはどのような反応を示すだろうか。軍事的対応を示すとすれば、それは、どのような環境においてだろうか。

マレン われわれはその問題の検討にかなりの時間を費やした。もちろん、軍事的対抗策をとる能力はもっているが、政治的対応という選択肢もある。どのような対策をとるかは、平壌の指導者が何をしたかに左右される。北朝鮮が韓国や日本をミサイルで攻撃すれば、この地域は急速に不安定化する。北朝鮮を標的とするかなり大がかりな報復攻撃が行われるだろう。そうしたシナリオに備えて、われわれは同盟諸国とこれまで長く協議してきた。われわれが平壌と話し合わなければ、そうした事態に唐突に直面する恐れがある。

ウッドラフ われわれによる先制攻撃はあり得ないということだろうか。

マレン 様々な選択肢があり、先制攻撃も選択肢に含まれるだろう。但し、先制攻撃という言葉は好きではない。自己防衛という視点からとらえるべきだろう。北朝鮮がわれわれを脅かす特定の能力を完成しようとするタイミングになれば、われわれを守るための手段をとらなければならなくなるだろう。例えば、ミサイル発射できないようにすることや、発射した後に、破壊することなどだ。

THAADも、北東アジアの海域を航行している米海軍船のミサイル防衛システムも、日本の海上自衛隊も対応の選択肢になる。北朝鮮の攻撃能力を相殺できるように地域防衛能力を進化させることをわれわれは働きかけている。だが、これはあくまで脅威が現実と化すのを避けることが目的だ。



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html

[政治・選挙・NHK224] 90年初頭から現在までの米国朝鮮半島政策がみえてくる二つの資料

※本文投稿先

「90年以降の米国の朝鮮半島政策がわかる「米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言」(1999年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/250.html

「トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/666.html

[政治・選挙・NHK224] オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙

 現時点では“理に適った”妄想でしかないが、安倍首相が「電撃訪朝」に踏み切り金正恩委員長との会談を行い、両国首脳が、ミサイル発射実験や核兵器開発プログラムを停止する内容を含む「日朝平壌宣言」や「05年9月六者会合共同声明」の履行を再確認すれば、安倍首相は、この2ヶ月ほど続いてきた「朝鮮半島危機」を目の当たりにしてきた世界中から喝采を浴び称賛の声を送られることになるだろう。

 しかし、安倍首相本人も官房副長官として同行した小泉訪朝(日朝平壌宣言署名)から15年近くサボタージュしてきた「日朝国交正常化」交渉、なかんずく、安倍氏自身が最高権力者=首相として5年の年月を超えている現実(安倍氏の無責任・無能)を踏まえると、手放しで褒めることではきない。私としては、齢を重ねる拉致被害者家族のことを考えるだけで、もっと早くできたはずと強く叱りたい。

 そして、トランプ米国や習中国に「朝鮮半島危機」を演じてもらうことでなんとか「日朝国交正常化」交渉を再開するという経緯は、敗戦後“属国ボケ”日本の政治家を象徴する哀しい恥ずべき出来事とも言える。

 私の予想が現実になれば、安倍訪朝に至る舞台(条件)を整えることに尽力してきたトランプ大統領や習国家主席は、間髪入れず、安倍首相の行動に賛意と称賛のメッセージを発信してくれるはずだ。

(私の予想が当たっているのなら、主要メディアの幹部はすでに、政府から貰ったレクチャー資料を基に、今まさに「安倍電撃訪朝」の“予定稿”づくりに励んでいる)

 このような諸外国指導者の反応を目の当たりにした国内の対北朝鮮強硬派は、たとえ安倍首相の行動に不満や違和感を抱いても、安倍首相を批判することはできない。
 申し訳ないが、拉致被害者家族会も、(まだ仮にだが)今回の日朝合意を批判するような言動をすれば逆に叩かれる危険性さえある。

 「森友学園騒動」でわかるように、道徳や理念を声高に叫ぶ“愛国保守”の連中は、状況が変わるとさっと掌を返し、知らぬ存ぜぬどころか逆に矢を放つ動きに出る。

(「森友騒動」に対し“愛国保守”でまともだったのが小林よしのり氏とデヴィ夫人くらいというのは実に悲劇的な右派の醜態だった。籠池氏もそう思っただろうが土壇場で力になるのは自己犠牲的で正義に生きる左派なのである)

 このような国内事情の変化と国際的支援を受ける安倍首相は、なんとか「日朝国交正常化」までこぎつけることができると思う。

 米韓合同演習中なのでそれほどのコストはかかっていないとしても、米国・中国・北朝鮮・ロシアの政治的指導者が、安倍首相の決断を支援するため、熱心にかつ活発に動いてくれた。

(とりわけオバマ大統領は、朝鮮半島問題をテーマに、UN安保理メンバー国UN大使をホワイトハウスに招待したり、連邦議会上院議員全員をやはりホワイトハウスに招いてブリーフィングするという異例の対応までしている)

 このGW中の“電撃訪朝”は、安倍首相にとって千載一遇のチャンスである。いや、この絶好機を逃して先延ばしするようなヘマをするのなら、「森友学園疑獄」もあることだから即刻辞任して欲しいと思うほどだ。

 「鉄は熱いうちに打て」の言葉通り、現在のような国際情勢を活かさない政治家は無能の烙印を押されても仕方がない。
 他の政治家ならいざ知らず、安倍首相のNo.1の政治課題は「拉致問題の解決」である。どうせやらなければならない安倍首相なのだから、現在の世界情勢をみすみす見逃すような愚は犯せない。

 この絶好機に躊躇すれば、世界は、今後も繰り返し「朝鮮半島危機」を見せつけられることになる。
 「危機を演出し問題を解決する」という戦後米国流外交戦術は、そろそろ打ち止めにしなければならない。


「オバマ流とトランプ流」について触れたい。

 オバマ氏とトランプ氏は、スタイルや言動(見かけ)は全く違うが、政策的にはそれほど違うわけではない。ここでは詳細を書かないが、世界に対する米国の振る舞い方や医療保険を含む低中所得者向け政策そして不法入国・不法滞在問題対策など、共和党強硬派の抵抗や民主党反トランプ派の反対にあってうまくいっていないが、オバマ氏の政策を相当部分踏襲したがっていると言える。

 朝鮮半島=北朝鮮政策も基本的に同じである。
 何が同じかと言えば、日本が北朝鮮と国交正常化を果たせば、米国もそれに続くという政策である。
「日朝国交正常化」は北朝鮮が核兵器開発プログラムと弾道ミサイル発射(及び輸出)を放棄することを意味するので、米国が北朝鮮と平和条約を締結し国交正常化に動くことを阻害する要因がなくなることも意味する。(人権問題は“戦時体制”という説明で先送りできる)

 オバマ氏は「戦略的忍耐」と称し、日本が自主的に「日朝平壌宣言」に基づき国交正常化を果たすのを待ったのに対し、トランプ氏は、自らが積極的に、日本=安倍首相が日朝国交正常化交渉再開に動きやすい(動かざるをえない)国際情勢を作り出したのである。


 “電撃訪朝”が実現したら、とにかく、「日朝国交正常化」(拉致問題解決)に向けて大きな歩みを始めることを心から喜びたい。

 “おぞましい狂気の”北朝鮮というイメージが強い日本ではその重要性がそれほど認識されていないようだが、北朝鮮との国交正常化は、とっくに回復しているロシアとの「日露平和条約」締結と較べるべくもないほど重要な外交課題である。

 つい71年前まで35年にわたって日本が併合統治していた地域にある国家が朝鮮民主主義人民共和国である。
 南北が正当性を主張し合うなかで、UNが韓国を朝鮮半島で唯一の合法国家と認定してきた時代なら致し方ないと言えるが、その呪縛が解けた91年以降、日本はどこよりも早く北朝鮮との間で国交の正常化を果たさなければならない使命と責任を負っていたのである。

 それでも、世界の中アジアの中で大手を振って活動できたのは、戦後世界の覇権国家米国の後ろ盾(庇護)があったからである。それは逆に、国際的な敗戦処理を行わなくてもそれほどバッシングを受けずに済む条件であってことで、「歴史の清算」を中途半端で済ましてもいい気分を日本人にもたらしたとも言える。

(北朝鮮との国交正常化を最重要政治課題というからといって、中国との関係についても言えるが(どこの国ともだが)、仲良くしなければならないと言いたいわけではない。お互いが国家として認め合う普通の関係が必要なのである)

 71年前まで35年にわたって朝鮮半島を併合統治していた日本は、形式的なものであっても、南北が平和的に統一されることをそっと力強く支援する責務があると思う。

 1兆5千億円とも言われている北朝鮮への経済協力金は、そのような支援策の大きな一つだと考えるべきだと思う。

※関連参照投稿

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

「なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html

「仁王像さんへ:米国は93年〜94年の「第1次朝鮮半島核危機」時に北朝鮮の体制を保証:米朝合意資料添付」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/656.html

「90年以降の米国の朝鮮半島政策がわかる「米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言」(1999年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/250.html

「トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

[国際19] 日本メディアがネグる米国務長官発言情報:目標は“朝鮮半島”の非核化:目的は北朝鮮の政権交替ではない

 商業メディアのおぞましい性として戦争や軍事的危機のネタを“栄養源”にしている(日本)メディアは、起きれば危機レベルが格段に高い韓国のメディアがあきれてしまうほど、朝鮮半島における軍事衝突を過激に煽っている。

 主要メディアが度を超えて軍事的危機を煽るのは、クリミア戦争や南北戦争のときに発見したそれが視聴率や販売部数をアップさせること、安倍内閣が倒れて当然の「森友学園疑獄」から国民の関心を逸らすこと、さらには、安倍首相が訪朝して金正恩委員長と何らかの合意をしても国民がそれを受け容れるよう下地をつくることを目的としている。

 一石二鳥どころか、一石三鳥を狙った「朝鮮半島危機」過熱報道なのである。

 そのため、「朝鮮半島危機」の一方の主役であるトランプ米国政権の重要で肝心なメッセージが、ほとんど無視されるか、断片的なレベルの扱いにとどまるという奇妙で役立たずの報道になっている。

 「朝鮮半島危機」が燃え盛っていた4月9日(日本時間10日)放送のABC「This Week」に出演したティラーソン国務長官は、北朝鮮問題について次のように話している。

[ティラーソン国務長官発言]
「北朝鮮に対する我々の目標は、朝鮮半島の非核化であることは明白だ。我々の目的は、北朝鮮の政権交替ではない。つまり、北朝鮮が核開発を続ける根拠は存在しない。」

※(注)日本人の多くは北朝鮮から核兵器を取り上げるために米国が行動を起こしているかのように考えているが、日本や米国を含む当事国の目標は、核兵器がない朝鮮半島をつくることでなのある。現在キャンペーン真っ盛りの韓国大統領選では、保守党の候補が戦術核の再配備を唱えているが、その政策は米国が受け容れないのである。
 むろん、朝鮮半島を非核化するということは、北朝鮮も核兵器プログラムを放棄することを意味する。
 目標が朝鮮半島の非核化ということは中国が六者会合の初めから言い続けてきた原則である。
 政権交替を目的としないのは、「第一次朝鮮半島核危機」のときの合意ですでにそれを保証しているからでもある。

(参考投稿)「仁王像さんへ:米国は93年〜94年の「第1次朝鮮半島核危機」時に北朝鮮の体制を保証:米朝合意資料添付」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/656.html


[ティラーソン国務長官発言]
「(金正恩暗殺計画について)そのような計画は知らない」

※(注)日本のメディアは、金正恩委員長を殺害する計画を「斬首作戦」と名付け嬉々として取り上げているが、北朝鮮の政権交替を目的としていないのだから、そのような作戦はとられないのである。
 それ以前に、まっとうなマスコミなら、「斬首作戦」が国際法違反であり人道にもとる行為であることを批判しなければならない。


[ティラーソン国務長官発言]
「トランプ大統領は、習国家主席に、北朝鮮の深刻な状況について幅広い意見交換をした。二人で北朝鮮の問題で長い間話し、ありとあらゆる選択肢について検討した。習主席は、北朝鮮の脅威がより深刻化していることを認めた。平壌の政府を説得し、将来、そのような兵器の必要性を見直しさせる努力に貢献したいと言った。
 これは中国がたびたび言ってきたことだ。別荘でも朝鮮半島の非核化に変わりがないことを確認した。」

※(注)「平壌の政府を説得し、将来、そのような兵器の必要性を見直しさせる」という内容は、核兵器を保有しているかどうかわからないが、日本で報じられている「危機」感覚や深刻という事態に対応するものとしてはあまりに生ぬるい。
 北朝鮮が仮に核兵器を保有しているとしても、すぐに放棄という話ではなく、米朝国交正常化など一定の条件が整った時点で放棄すればいいというニュアンスである。
 「ありとあらゆる選択肢」には当然安倍訪朝も含まれていただろう。


[ティラーソン国務長官発言]
「核搭載可能なミサイルに大幅な改善が見られる。ミサイルの発射装置も使用燃料も洗練されたもので、ICBMの発射実験も行おうとしている。それが、我々にとって最大の懸念であり、平壌にはそれを断念するよう明確に伝えている。
 我々は、北朝鮮がこれ以上実験を行わず、兵器開発のプログラムを弾円することを要求している。
 まず、実験を中止すれば、交渉再開を検討することが可能である。
 核搭載可能弾道ミサイルを完成したとすれば、それは、極めて深刻な状態に達したと判断される。」

※(注)ここでのポイントは「実験を中止すれば、交渉再開を検討することが可能」ということだろう。

※関連参照投稿

「オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

「なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html

「「韓国は中国の一部」 習主席の発言の真偽を問われた中国の反応は?:トランプ大統領の“気遣い”発言」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/217.html

「共産 志位委員長 北朝鮮情勢 米に外交的解決働きかけを:「拉致問題解決」のため安倍首相が平壌へが正しい進言」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/147.html

「90年以降の米国の朝鮮半島政策がわかる「米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言」(1999年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/250.html

「トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/261.html

[政治・選挙・NHK224] 出発した安倍首相の外遊日程に“空白の2日間”:ほぼ確実となった“電撃訪朝”は29日か30日

 日本国総理大臣の外遊に関するNHKの報道でこんなにおかしなものを見聞きしたことがない。

 元外交官の天木氏も、安倍首相の外遊日程が公式に発表されていないのはおかしく、公式の発表がないまま、訪問国が増えたの減ったの、日程が短縮されたのといったリーク報道があるのはおかしいという趣旨の発信をされているが、転載するNHKの記事もツッコミどころ満載なのである。

(首相の外遊日程が公式に発表されないことも異例中の異例)

 通常の首相外遊記事なら、○○日どこどこの国へ、続いて○○日どこどこの国、帰国は○○日の午前or午後という情報が必須項目として書かれるのに、この記事には、安倍首相の帰国日という重要情報がまったく示されていない。

 既に出発した首相外遊記事にもかかわらず、わかる外遊日程は、

27日(本日):ロシア訪問プーチン大統領と会談
28日:英国訪問メイ首相と会談

だけなのである。


 リークをもとに発信された21日の報道に拠れば、今回の外遊は、「北朝鮮情勢」を考慮して、当初7日間だった日程を4日間に短縮して行われる。

※(参考記事部分引用)「安倍晋三首相が27日から予定していた外遊で、ロシアと英国の後に訪れる予定だった北欧諸国の訪問を中止する見通しとなった。外遊期間も7日間から4日間に短縮する。複数の首相周辺によると、北朝鮮情勢を念頭においた「危機管理上の配慮」が理由」(日経新聞)

 モスクワは日本と6時間の時差があるので、東京を8時半に出発すれば、モスクワ時間の昼過ぎには到着するから、それからじっくり会談する余裕はある。

 会談を終えたらモスクワに1泊することになるだろう(会談後、すぐロンドンに向け飛び立つことも可能)。
 翌28日朝モスクワを立つとしても、昼前後にはロンドンに着くので、メイ首相と会談する時間はたっぷりある。

 NHKの記事に従えば、このあと訪問する国の予定はないから、安倍首相は現地時間28日夜にロンドンを飛び立ち29日午前中には帰国できるはずである。

 「北朝鮮情勢」を考慮して日程を短縮したほどだから、メイ首相との会談が終わればすぐ帰国の途につくのが当然であろう。当初の目的であるプーチン大統領との会談も1回限りだから、メイ首相と長々であったり複数回にわたって会談する必要はない。

 仮にロンドンで休息を取るとしても、現地時間29日朝に飛び立てば29日夜には帰国できる。
 記事をベースに考えると、外遊日程は、4日間ではなく3日間になるはずである。

 このように、すでに出発しているにも関わらず、今回の外遊日程になお“謎の空白”が残っているのである。

 何より、NHKが安倍首相の帰国予定日を書かないことは異常であり、記者の習性として帰国日の聞き出しくらいは行っているだろうから、NHKには既に「電撃訪朝」の情報が伝達されていると推測することができる。

 このようなことから、“電撃訪朝”はほぼ確実で、ロンドンからの帰途、29日か30日に実施されると判断する。
 平壌に1泊することは政治的に厳しいので、金正恩委員長と会談したあとそのまま帰国の途につくだろう。


※関連参照投稿

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

「オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

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安倍首相がロシアへ出発 北方領土での共同経済活動実現に意欲[NHK]
4月27日 9時21分

安倍総理大臣は、ロシアのプーチン大統領との日ロ首脳会談に臨むため、27日朝、政府専用機でモスクワに向けて出発しました。出発に先立ち安倍総理大臣は、記者団に対し、平和条約交渉を前進させるため北方領土での共同経済活動などの実現に意欲を示すとともに、北朝鮮情勢などをめぐっても率直に意見を交わしたいという考えを示しました。

安倍総理大臣は27日、ロシアを訪問し、プーチン大統領との日ロ首脳会談に臨むほか、28日はイギリスを訪れ、メイ首相と会談することにしていて、午前8時半すぎ政府専用機で羽田空港を出発しました。

出発に先立って安倍総理大臣は、羽田空港で記者団に対し「プーチン大統領とは去年12月の山口県での長門会談の成果のうえに、平和条約交渉を着実に前進させたい。北方四島での共同経済活動、そして元島民の皆さんの自由な墓参の実現について大きな一歩を記したい」と述べました。

また安倍総理大臣は、「喫緊の課題である緊迫する北朝鮮情勢、シリア情勢、さまざまな世界の課題について率直に意見交換を行い、ともに連携して取り組んでいくこととしたい」と述べました。

安倍総理大臣は、日本時間の27日夜、ロシアに到着したあと、プーチン大統領との首脳会談に臨み、政府間で実現を目指して交渉が進められている北方領土での共同経済活動や、高齢化する北方領土の元島民の自由往来などをめぐって意見を交わすことにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170427/k10010962791000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_006

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首相訪英、予定通り メイ氏と会談

 6月8日に決まった英国総選挙に関連し、安倍晋三首相は今月下旬のロシア訪問の後、予定通り英国を訪れ、メイ首相と会談する方針だ。総選挙に先立つ5月下旬にイタリアで主要7カ国(G7)首脳会議が開かれるため、選挙の有無にかかわらず、G7結束を重視する日本の立場を伝える必要があると判断した。首相は27日からロシア、英国、北欧諸国を訪問する。

[日経新聞4月20日朝刊P.4]

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首相、北欧訪問を中止に 北朝鮮情勢踏まえ[日経新聞]
2017/4/21 1:36

 安倍晋三首相が27日から予定していた外遊で、ロシアと英国の後に訪れる予定だった北欧諸国の訪問を中止する見通しとなった。外遊期間も7日間から4日間に短縮する。複数の首相周辺によると、北朝鮮情勢を念頭においた「危機管理上の配慮」が理由だ。首相にとって北欧諸国は第1次、第2次政権を通じて初訪問となる予定だった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15571560R20C17A4PP8000/


http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/752.html

[政治・選挙・NHK224] 哀しい話だが、今村前復興大臣の「あっちでよかった」発言や田崎史郎氏の「寄り沿うフリ」発言は“原理的正論”

 今村前復興大臣がかつて所属していた国鉄もそうだが官僚機構の幹部や有力政治家は、“大所高所”からものごとを抽象的に考えるだけで、生きている人ひとり一人に配慮する習性や感性を持ち合わせていない。

 今村前復興大臣は、自主避難者への住宅無償提供打ち切りに関してジャーナリストからしつこく質問を受けて切れたため国会で謝罪したが、そのような今村氏を激励する目的のパーティで、今村氏がまたまた“危ない原理的正論”の発言を行ったため、結局首を切られるハメに陥った。

 この問題については、見ていないが、TBSの番組で田崎史郎氏が発したという「大臣は被災地に寄り添ってる”フリ”はしないといけない」という説明が正鵠を射ていると思う。

 二人の発言が“原理的正論”というのは、原発が電力大需要地の近くではなく過疎に建設されている理由を考えればわかる。
 送電効率が良い大都市圏に立地しているのと過疎地に立地しているのでは、事故が起きたときの被害の大きさに雲泥の差があるからである。
 要は、原発プロジェクトを開始するときから、「事故が起きたとき、被害が莫大な額にならない過疎地につくる」と考えているのである。
 だから、「あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大な、甚大な額になった」と言った今村前復興大臣の言葉は、原発立地政策の趣旨に合う“原理的正論”なのである。

(過酷事故は想定していないのも真っ赤なウソということ。過酷事故は起きないという説明は立地住民に対するダマシ)

 そして、政治家はサイコパスこそがふさわしい職業であり、田崎氏が言われるように、少々付け加えるが、「大臣(政治家)やメディアは被災地に寄り添ってる”フリ”はしないといけない」のである。

(同じ結論でも言い方を変えれば受け止められ方が変わる。言わないほうがいいことは公開の場では触れず、内部の会議など密室でのみ話題にしなければならないという話)

 たぶんだが、生々しく生活しているひと一人ひとりのことを考えていると政策を決定できないというのが国政だと思う。
 だから、政治家や官僚は、具体的に誰々さんではなく、千人とか1万人とか低所得者や子持ちだといった抽象的な数として国民(これ自体が注的な存在)を考える習性がついてしまう。(政治家は、選挙があるので、有力後援者にかんしては、誰々さんと考えながら行動する)

 “フリ”をしてくれる政治家を良しとするか、おぞましい考え方や発言と受け止めつつも“原理的正論”を吐く政治家を良しとするのかは、各人の自由だと思う。



http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/756.html

[政治・選挙・NHK224] トランプ氏、「韓国のTHAAD配備費、10億ドル必要」:韓国に支払って欲しい:米韓FTA廃止まで:えっ、今言うこと?(笑

トランプ氏、「韓国のTHAAD配備費、10億ドル必要」 [日経新聞]
2017/4/28 11:33

 【米州総局】トランプ米大統領は27日、ロイター通信のインタビューに応じ、韓国に対して「地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備の費用、10億ドル(約1100億円)支払ってほしい」と話した。また、米韓自由貿易協定(FTA)について「ひどい協定」とし、再交渉か廃止を求める考えを示した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H2L_Y7A420C1000000/


※関連参照投稿

「出発した安倍首相の外遊日程に“空白の2日間”:ほぼ確実となった“電撃訪朝”は29日か30日」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/752.html

「オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

「なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html

「仁王像さんへ:米国は93年〜94年の「第1次朝鮮半島核危機」時に北朝鮮の体制を保証:米朝合意資料添付」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/656.html

「90年以降の米国の朝鮮半島政策がわかる「米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言」(1999年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/250.html

「トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html

「「韓国は中国の一部」 習主席の発言の真偽を問われた中国の反応は?:トランプ大統領の“気遣い”発言」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/217.html

「共産 志位委員長 北朝鮮情勢 米に外交的解決働きかけを:「拉致問題解決」のため安倍首相が平壌へが正しい進言」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/147.html

「北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認:すごい!米国の軍事力行使を制御できる日本」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/884.html

「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

「制裁は役に立たないが、なぜそれが米国に必要か?:日朝平壌宣言と六者会合共同声明は今なお有効と国会で確認した安倍首相」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/889.html

「首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html

「仁王像さんへ:北朝鮮に“政治的負債”を抱える安倍首相しか日朝国交正常ができないという説明のどこが”よいしょ”なの?」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/864.html

「仁王像さんへ:安倍政権に限らず戦後日本は米国の属国:”金正男”怪死事件に北朝鮮は非関与」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/881.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/827.html

[国際19] 日本メディアがネグるマクマスター安保担当補佐官発言:「軍事的選択肢以外のすべての行動に出る時」:“安倍訪朝”を予言?

 北朝鮮の太陽節(15日)の翌々日17日(米国時間16日)に放送されたABC「This Week」に前週のティラーソン国務長官に続きマクマスター国家安全保障担当補佐官が出演し、次のように話している。

 印象的だったのは、「軍事的選択肢以外の行動を起こす時」という発言を二度も行ったことだ。
 さらに、「今後、数週間、数ヶ月のうちに、我々すべてつまり、北朝鮮の予測不能な政権の脅威を受けているすべての国々が最悪の事態を避けるため、武力行使以外の行動を起こす素晴らしい機会が生まれる」という発言は、たぶん明日になるであろう“安倍電撃訪朝”を示唆しているように思える。

 この発言も、内容を断片的に紹介したメディアがあるが、ほとんど無視している・


ABC「This Week」

(マクマスター)
「平和的解決のため、今は、軍事的選択肢以外のすべての行動に出る時だ」

(インタビューアー)
「自信が感じられますが、トランプ大統領も自信があるかのように聞こえます。しかし、ビル・クリントン以来歴代大統領は、核武装化した北朝鮮を容認しないと言ってきたにも関わらず、北朝鮮は核の能力を拡大し続けている。トランプ大統領はこれまでと違った結果を出せるとなぜ言えます?」

(マクマスター)
「おっしゃるように、この問題はいくつもの政権に引き継がれてきたものです。しかし、トランプ大統領とアジアの主要同盟国とくに日本と韓国、また、中国との間ではこの問題が顕在化しているという共通認識がある。今こそ、武力行使以外のあらゆる行動をとり、平和的な解決を目指すべき時である。常にそうですが、我々は同盟国を頼りにします。また、中国も頼りにしなければなりません。北朝鮮は中国からの圧力に非常に弱い。北朝鮮の貿易の80%は中国とのものだ。北朝鮮のエネルギー需要のすべてが中国によって満たされています」

「ですから、今後、数週間、数ヶ月のうちに、我々すべてつまり、北朝鮮の予測不能な政権の脅威を受けているすべての国々が最悪の事態を避けるため、武力行使以外の行動を起こす素晴らしい機会が生まれると思います」



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/273.html

[国際19] 日本メディアがネグる北朝鮮朴奉珠首相の核兵器発言:核兵器開発より民生向上と演説

 北朝鮮の太陽節で取材に入ったメディアの人たちが朝早く起こされて準備させられ、金正恩委員長も出席した「黎明通り完成披露式」で行った朴奉珠首相の演説もほとんど無視されている。

 金正恩氏が金正日氏を引き継いだあと路線を修正したこともほとんど“評価”されていない。金正恩氏は、金正日氏の“先軍政治”から“軍事と経済の並進政治”に軌道修正した。
 金正恩氏は、ディズニーキャラクターを使ったショーやロックコンサートも開き、「パンとサーカス」政策で複合レストランビルや大規模娯楽設備を建設してきた。
 何より、ショールームとして特別な位置づけの平壌だけとはいえ、この5年間で市民の表情がやさしくなってきたことは特筆に値する。金正日時代の平壌では、ギスギスとげとげしい表情が目立ったものだ。


超高層アパートが建ち並ぶ「黎明通り完成披露式」で行った朴奉珠首相の演説は次の内容である。


「新しい通りの完成は、どれほどの数の核爆弾よりも強いシグナルを世界に向けて送ることになる」


 この演説は金正恩委員長の目の前で行われたことに“価値”と“意義”がある。
 素直に読み解けば、核兵器を開発に血道を上げるより民生向上の慶山建設に注力する方が北朝鮮の強さを示せるという表明である。

 危機だ!、軍事的衝突だ!、戦争だ!と叫んで人々を煽るながら、北朝鮮高官の言動をきちんと理解しようともしていないのが日本のメディアである。


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/274.html

[政治・選挙・NHK224] 日本メディアがネグる米朝高官の平和に向けた重要発言

※本文投稿先

「日本メディアがネグる米国務長官発言情報:目標は“朝鮮半島”の非核化:目的は北朝鮮の政権交替ではない」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/261.html

「日本メディアがネグるマクマスター安保担当補佐官発言:「軍事的選択肢以外のすべての行動に出る時」:“安倍訪朝”を予言?」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/273.html

「日本メディアがネグる北朝鮮朴奉珠首相の核兵器発言:核兵器開発より民生向上と演説」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/274.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/843.html

[政治・選挙・NHK224] 同じ時刻に東京で可能だった安倍首相記者会見がロンドンで行われた事情:北ミサイル発射確認後でも昨夜8時頃の帰国が可能

 今頃は北東アジアへ向かう政府専用機のなかで休んでいると思われる安倍首相だが、昨夕ロンドンで行われた安倍首相の記者会見は、ほとんどムリをしないまま、同じ時刻(日本時間午後6時)に東京で開催できたのである。

 リーク情報だが、GWの安倍首相外遊は、北欧諸国を含む7日間の予定だったのを、北朝鮮情勢を踏まえ「危機管理上の配慮」という理由でロシア・英国の4日間に短縮されたものである。

 「今は戦後アジアで最大の危機」(中谷元防衛大臣)と語り、連日メディアが米朝軍事衝突を煽っているといった状況なのだから、しかるべき用が済んだら急ぎ帰国するのが首相の責務である。


 首脳会談後のメイ首相との共同記者会見は、日本時間28日真夜中12時(英国時間午後4時)に終わっている。

 その共同記者会見が終わったあと、慌ただしく帰り支度をしなくとも、そのあとでたっぷり2時間かけて食事をとったとしても、英国時間午後8時には帰国の途につくことができる。
 英国時間午後8時(日本時間翌午前4時)に飛び立てば、東京に午後4時頃には到着できる。

 ということは、テレビ中継もされた、英国時間午前10時(日本時間午後6時)から始まった北朝鮮ミサイル発射を念頭に行われた記者会見は、東京で開くことも可能だったのである。

 空念仏のように「危機管理」を唱える政府与党や主要メディアが、理由を説明もしないで英国に滞在し続ける安倍首相に異を唱えていない。

 ロンドンで北朝鮮問題の記者会見が行われたら、記者たちは、「メイ首相と会談後なぜすぐ帰国しなかったのか?」・「ミサイル発射は日本時間午前5時半だったのだから、その報告を受けたあと日本時間午前8時頃帰国の途についても、29日午後8時頃には東京に戻ることができなかたのになぜそうしなかったのか?」(菅官房長官の会見によると、ミサイル発射情報入手後安倍首相に報告し指示を受けたという)くらいの質問をしなければならないはずだ。

 むろん、“安倍首相訪朝”を密かに教えて貰っている同行取材陣は、そう野暮な質問をしないが...

 ということで、安倍首相一行は、明日、平壌を訪れることはほぼ間違いない。

 また、トランプ大統領が主要メディアに「フェイクニュース」悪態をつくのもむべなるかなである。

※関連参照投稿

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

「オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

「出発した安倍首相の外遊日程に“空白の2日間”:ほぼ確実となった“電撃訪朝”は29日か30日」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/752.html

「日本メディアがネグる米国務長官発言情報:目標は“朝鮮半島”の非核化:目的は北朝鮮の政権交替ではない」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/261.html

「日本メディアがネグるマクマスター安保担当補佐官発言:「軍事的選択肢以外のすべての行動に出る時」:“安倍訪朝”を予言?」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/273.html

「日本メディアがネグる北朝鮮朴奉珠首相の核兵器発言:核兵器開発より民生向上と演説」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/274.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/870.html

[国際19] 日本メディアがネグる北朝鮮朴奉珠首相の核兵器発言:核兵器開発より民生向上と演説 あっしら
2. あっしら[691] gqCCwYK1guc 2017年4月30日 01:30:47 : 9k1d0IFXmQ : TWJ3Dvtunhs[4]

誤記がありましたのでお詫びして訂正させていただきます。


(誤)民生向上の慶山建設

(正)民生向上の経済建設



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/274.html#c2

[政治・選挙・NHK224] 首相 北朝鮮にきぜんと対応 6か国協議開催の状況なし:日朝国交正常化進展が六者会合再開の条件と理解している安倍首相

 六者会合が08年12月を最後に開催されていないワケは、日朝国交正常化交渉が暗礁に乗り上げていることで、ミサイル(輸出)や核開発の放棄に対する見返りが支払われるあてが見えないことにある。
 その見通しがつかない限り、安倍首相が言ったように、六者会合を開いても、対話のための対話になり、何の解決にもつながらないのである。(08年12月の繰り返し)

「日朝平壌宣言」で約束している経済協力金には、北朝鮮のミサイル(輸出)・核開発放棄の代償(見返り)部分のお金も含まれている。

 そういう事情をご存じの安倍首相は、「6か国協議を直ちに開催できる状況にはない」と説明したのである。

 そして、安倍首相は、六者会合が再開できるよう明日平壌を訪問し、日朝国交正常化交渉の進展を約束することを前提に、少々唐突感もある「6か国協議について「対話のための対話は、何の解決にもならない」という認識を披瀝したのだろう。


※関連参照投稿

「同じ時刻に東京で可能だった安倍首相記者会見がロンドンで行われた事情:北ミサイル発射確認後でも昨夜8時頃の帰国が可能」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/870.html

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html


「オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

「出発した安倍首相の外遊日程に“空白の2日間”:ほぼ確実となった“電撃訪朝”は29日か30日」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/752.html


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首相 北朝鮮にきぜんと対応 6か国協議開催の状況なし[NHK]
4月29日 18時31分

安倍総理大臣は訪問先のイギリス・ロンドンで記者会見し、北朝鮮の弾道ミサイル発射に、アメリカと連携し、きぜんとして対応していくとともに、北朝鮮への影響力がある中国の役割は重要だとして、その役割を確実に果たすよう求めました。また、安倍総理大臣は北朝鮮をめぐる6か国協議を直ちに開催できる状況にはないという認識を示しました。

この中で安倍総理大臣は、北朝鮮が29日朝、弾道ミサイルを発射したことについて、「世界の平和と繁栄が重大な危機に直面している。国際社会の強い警告にもかかわらず、北朝鮮がまたも弾道ミサイル発射を強行した。わが国に対する重大な脅威であり、断じて容認できない。強く非難する」と述べました。

そのうえで、「さらなる挑発の可能性も十分に考えられることから、米国とも連携して、高度な警戒態勢を維持し、国民の安全確保に万全を期していく。わが国として、きぜんと対応していく」と述べました。

そして安倍総理大臣は、「北朝鮮は、国際社会の制止を無視して、この1年間で20発以上の弾道ミサイルの発射を強行し、核兵器の開発を続けている。国連安保理決議への明確な違反で、国際社会への挑戦だ」と述べました。

さらに「北朝鮮をめぐる諸懸案の解決にあたって、北朝鮮との貿易額の9割を占める中国の役割は極めて重要であり、私も中国の対応を注目している。北朝鮮の核・ミサイル開発が地域の平和と安定に対する深刻な脅威となっていることは明らかであり、中国が安保理決議の履行を含め、建設的な役割を確実にしっかりと果たしていくことを期待している」と述べました。

また安倍総理大臣は、2008年を最後に中断している6か国協議について「対話のための対話は、何の解決にもならない。北朝鮮が真摯(しんし)な意思や具体的な行動を全く示していない現状に鑑みれば、現時点で直ちに6者会合を再開できる状況にはない。北朝鮮への圧力を一致結束して高める必要がある」と述べました。

そして、安倍総理大臣は、先に行われたロシアのプーチン大統領との首脳会談について触れたうえで、「北朝鮮には、安保理決議を順守し、危険な挑発行為をやめ、自制するよう強く求める点で、プーチン大統領とも一致した。北朝鮮と国境を接するロシア、中国、日米韓が緊密に協力して、この事態に対処しなければならないという認識でも一致した。プーチン大統領とは、シリア情勢など世界の諸課題についても話し合った。国際的な課題の解決にロシアの建設的関与は不可欠だ」と述べました。

さらに安倍総理大臣は、「現在、北朝鮮の核・ミサイル問題をはじめ、国際秩序への挑戦が続けられており、保護主義や、内向き志向の台頭も懸念されている。イタリアで開かれるG7サミットでは国際社会が直面する主要課題について意見交換し、自由、民主主義、法の支配という普遍的価値を共有するG7が結束し、国際社会に明確なメッセージを出したい」と述べました。

一方、安倍総理大臣は、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱について、「開かれた欧州の維持が世界の関心事項だ。英国およびEUとともに、引き続き自由貿易体制の旗振り役を担い続けたい。英国がEUを離脱する際、一夜にしてルールが変われば混乱が生じる懸念がある。英国が移行期間を設けるなど、円滑で透明なプロセスを重視していることを評価する」と述べました。

岸田外相「明らかな挑戦と受け止めてよいのでは」

岸田外務大臣は、訪問先のトルクメニスタンで記者団に対し、「北朝鮮による核実験、たび重なる弾道ミサイルの発射は、新たな段階の脅威だ。とりわけ、28日に国連安保理で北朝鮮の非核化に関する閣僚会合が開かれた直後に、弾道ミサイルを発射したことは、国際社会に対する正面からの挑発であり、緊張をいたずらに高める行為だと考える。明らかな挑戦と受け止めてもよいのではないか」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170429/k10010966571000.html?utm_int=news_contents_news-main_002



http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/871.html

[国際19] 対北強硬派だったあのボルトン元国務次官が「すみやかな南北平和統一が核問題解決の道」と表明

 ボルトン氏と言えば、ブッシュ(子)政権時代、国務次官として、金正日批判を行い北朝鮮で生きることを「地獄の悪夢」と非難したことで、北朝鮮から「人間のクズ」と反論された“不作法な外交官”である。
 連邦議会上院の承認を得ないまま就任したUN米国大使時代も、制裁を振りかざす対北朝鮮強硬路線を主導した強烈な“保守派”である。(ネオコンとも呼ばれているが左派の経験はない)

 そして、昨年暮れ、大統領に当選したトランプ氏がボルトン氏を国務長官候補としてリストアップしている。

 そういう経歴を持つボルトン氏が、現下の「朝鮮半島危機」に対し興味深いコメントを行っている。
 そのコメントは、先週月曜日4月24日朝にNHKBS1で放送された韓国「KBSニュース」で紹介された。

 その内容は以下の通り:
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「北朝鮮が米国本土に到達する核兵器を持つのは思いの外早いかもしれない」と懸念を表明した。
 「そうなれば、北朝鮮は、追跡を逃れて米大陸に近づける潜水艦にミサイルを配備するだろう」と予想した。
 「南北の統一が北朝鮮の核武装を防ぐ方法になりえる。すみやかな平和統一が、中国の利益でもあることを中国も確信できるようにしていくべきだ。」
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[コメント]

 「アーミテージレポート」に書かれているように、米国は、朝鮮半島の南北統一を2020年までには達成したいと考えてきた。
 「第一次核危機」(今回と同じように作り話)時から、米国支配層は、南北の平和的統一を支持している。

※参照投稿
「仁王像さんへ:米国は93年〜94年の「第1次朝鮮半島核危機」時に北朝鮮の体制を保証:米朝合意資料添付」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/656.html

 政権にどれほどの影響力があるのか不明だが、ボルト氏が発した今回の南北統一促進話で興味深いのは、 

「南北の統一が北朝鮮の核武装を防ぐ方法になり得る」

「すみやかな平和統一が、中国の利益でもあることを中国も確信できるようにしていくべき」

という二つの内容が含まれていることである。

 「南北の統一が北朝鮮の核武装を防ぐ方法になり得る」というのは、現今の危機を解決できる手段として南北統一を考えていることを意味する。

もう一つの「すみやかな平和統一が、中国の利益でもあることを中国も確信できるようにしていくべき」は、米国=韓国主導の南北統一は中国にとって容認できないことなので、中国の影響下で南北統一が進められるようにすべきという提案と解釈できる。


 1910年から1945年の35年間朝鮮半島を支配していた日本は、米国以上に朝鮮半島の平和的統一に寄与しなければならない立場にある。
 (韓国・米国)Vs.(北朝鮮・中国)のきな臭い対立構造が続くより、中国のタガが嵌まった平和で安定した朝鮮半島のほうが、日本にとっても有益だと思う。
 北朝鮮も韓国も中国の言いなりにはならないだろうから、中国影響下の朝鮮半島問題は
日中関係に利用することもできる。

 統一は先の話として、日本はとにかく、日朝国交正常化の道筋を早急に付けなければならない。


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/277.html

[政治・選挙・NHK225] お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ

 最初に、自身の不明に恥じ入り、誤った「安倍訪朝」説で空騒ぎを起こしたことを深くお詫び申し上げます。

 まだそんな世迷い言を放っているのかとお叱りの声が聞こえそうだが、この間の投稿をお読みいただけばわるように、占いで“電撃訪朝”を唱えたわけではないから、訪朝しなかったワケを推測する投稿も許してもらえるだろう。

 安倍首相がサボタージュしてきた日朝国交正常化交渉の再開をせかされてきたことは事実で、それほど遠くない将来(年内)に日朝国交正常化交渉を大きく動かす決断をしなければならない立場にあることも確かだと考えている。

 今回の外遊も、途中途中の節目で訪朝は確実だという趣旨の投稿をしてきたが、公式日程が終わったあともロンドンに24時間近く滞在したのち帰国の途についたことから、ぎりぎりまで訪朝を志向していたことは間違いないと思っている。

(※ロンドンで訪朝に向け北朝鮮と協議を続けていたのでなければ、「朝鮮半島問題」を踏まえ「危機管理」を理由に外遊日程を短縮した経緯と大きな齟齬をきたす。それゆえ、ロンドン滞在を延ばした安倍首相は非難されて当然ということになる。実際、メイ首相との会談後にゆっくり帰国の途についていても、ロンドンで行った記者会見を同じ時刻に東京で行うことができたのである。さらに言えば、29日にミサイル発射の報告を受けたのちに帰国の途についていても29日午後8時頃には帰国できている)

 韓国に亡命した駐英国北朝鮮公使が今回の騒動についても発言しているが、北朝鮮が大使館を設置しているロンドンは日朝がハイレベルで協議する場としては悪くない。(英国は西側主要国として平壌に大使館を設置し活動もしている数少ない国)

 条件が整ったら訪朝を断行するという決意を抱きながら出発したはずの安倍首相が、北朝鮮に寄らないまま帰国に至ったワケを推測してみたい。

(※「森友学園疑獄」と「(あまりの)対北朝鮮融和策」の二つを抱え、ダブルの追求を受ける政権が持たないという理由は外しておく)

 前提にしている経緯を簡略に示すと、

1)日程が7日間から4日間に短縮されたとリークされた21日の段階で、30日に金正恩委員長との会談が設定できた。

(※会談が5月にずれ込む可能性もあったので7日間の外遊日程にしていたが、会談が30日に決まったことで日程を短縮した)

2)その一方で、日朝両首脳が共同で発表できる合意内容については、日朝外務当局の協議が難航し継続状況にあった。

(※「日朝平壌宣言」の履行については合意ができたはずだが、その他の問題で対立があった可能性:これが訪朝断念のワケなので後述)

3)モスクワそしてロンドンと安倍首相の外遊に合わせるかたちで、日朝はぎりぎりまで協議を続けたが、安倍首相が平壌を訪れる条件が整うことはなかった。

(※その日の早朝に発射されたミサイルがテーマだったが、ロンドンで行われた記者会見(日本時間29日18時)は、日朝協議がまとまらず訪朝を断念したとのメッセージでもあった:「首相 北朝鮮にきぜんと対応 6か国協議開催の状況なし:日朝国交正常化進展が六者会合再開の条件と理解している安倍首相」( http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/871.html  )で書いたが、六者会合の開催がすぐにはできないことにこだわった発言は違和感)


 世界にサプライズを巻き起こし歓迎の声が沸き上がったはずの「安倍−金正恩会談」がまぼろしになってしまった理由は、金正恩委員長の急な体調不良といったことを別にすると、日朝両首脳が発表する合意内容がまとまらなかったこと以外に考えられない。

 「日朝平壌宣言」の履行確認については、北朝鮮が日本にその履行を果たすよう求めていることから問題なく合意できたはずである。

 日朝が対立するテーマと聞いてすぐに思い浮かぶのは「拉致問題」だが、それがネックになった可能性を否定できないとしても、それでは日本外交があまりにも稚拙ということになるので、別の問題で対立した可能性が高いと思う。

(「拉致問題」が対立要因なら、“生存する拉致被害者全員の帰国”をめぐるものということになるが、それができないことくらい安倍首相もわかっているから、何人かでも帰国させるという要求が受け容れられなかった可能性が考えられる。しかし、全員ではなく限定者の帰国は、02年小泉訪朝と04年の小泉再訪朝の結末から、かえって火に油を注ぐ結果になることがわかっているから、それを要求することはないと思う。仮に、拉致被害者を一人でも二人でも帰国させて欲しいと要求したのなら愚策という他ない)


「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

という投稿で、日朝首脳会談の目的は、「日朝平壌宣言」と「05年9月六者会合共同声明」の履行再確認だと書いた。

 「日朝平壌宣言」の履行は北朝鮮が求めることでもあるから問題ないが、「05年9月六者会合共同声明」については、北朝鮮は無効を宣言した経緯がある。

 「05年9月六者会合共同声明」には、北朝鮮は「すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束」ともあるから、北朝鮮が「05年9月六者会合共同声明」の履行を確認することは、核兵器の保有を謳っている12年憲法に違背することを意味する。

 北朝鮮政府が、日本政府を相手に、憲法に反する合意とも言える「05年9月六者会合共同声明」の履行を“素直に”確認することは現状況では難しい。
(恥ずかしながら、これまでの投稿ではこの問題を軽視していた)

 一方、日本政府は、「日朝平壌宣言」の履行確認だけでは、現下の国際情勢を勘案したとき、履行内容が少々曖昧で物足りなく、国際社会(米国など)の理解も得られないと判断した可能性がある。

(※「日朝平壌宣言」には、日朝両国が「核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した」ことや北朝鮮が「この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した」という表現で、今後の交渉を通じて解決していくという趣旨になっており、「日朝平壌宣言」だけの履行確認では、長期間の協議を経てやっとの思いで到達した「05年9月六者会合共同声明」が宙に浮いてしまい、朝鮮半島問題に関する時計の針が02年まで戻りかねない)


 ということで、北朝鮮の核兵器開発断念を明記している「05年9月六者会合共同声明」の扱いが最後まで詰まらなかったことが、安倍首相が訪朝を断念した理由だと考える。

 仮にこの見立てが合っているのなら、「日朝平壌宣言」の履行確認と「05年9月六者会合共同声明」の存在確認というかたちでも良かったのではないかと思う。
 そして、関係各国が「05年9月六者会合共同声明」をしっかり履行できる条件を整えるため日朝交渉を再開し加速するという合意を成果とするのである。


 「安倍訪朝」が不発のワケはこれくらいにさせていただく。

 危機演出というイヤな手法だが、国際的に段取りをしてもらったことで、二進も三進もいかない膠着状態に陥っている日朝交渉を大きく再生できる絶好機を得た安倍首相が訪朝できなかったことは誠に残念である。

 ローマ法王まで言及した「朝鮮半島危機」を回避ないし緩和する安倍首相の訪朝は、国際的期待に応えるものであり、北朝鮮融和策に反対する国内の声を抑えることもできたはずである。

 この絶好機に訪朝できなかった安倍首相を評価することはできないが、それでも、今のところ、北朝鮮に政治的負債を抱えている安倍首相の他に、否応なく火の粉を浴びる「日朝国交正常化」に取り組める政治家はいないようなので、安倍首相への期待を持ち続けるしかないと思っている。

 現下の「朝鮮半島危機」は、弾道ミサイル発射と核兵器開発を続ける北朝鮮とその動きを阻止したい(断念させたい)米国・日本・韓国という構図で起きている。

 訪朝という予測は外れたが、現在の「朝鮮半島危機」を解決する唯一とも言える道筋が「日朝国交正常化」であることは間違いない。
 なぜなら、「日朝国交正常化」を謳う02年「日朝平壌宣言」には、現在の危機の原因であるミサイルと核兵器に関する合意も盛り込まれているからである。

 朝鮮半島問題に関する決定的で最終的な解決は「米朝国交正常化」だが、現在の危機の要因はミサイル(輸出)と核兵器であり、それらの放棄は、米国支配層も認めているように、“見返り”が保証されなければ実現できない。

 “見返り”は、明示的になっているわけではないが、「日朝平壌宣言」の「日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施される」という約束がそれに該当する。(そのために、米国支配層が小泉訪朝を誘導したのである)

 日朝が「日朝平壌宣言」をきちんと履行していれば、この十数年繰り返されてきた「朝鮮半島危機」は起きていないと言える。

 「日朝平壌宣言」には、「核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認」し、北朝鮮が「この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明」している。そして、日朝は、「安全保障にかかわる問題について協議を行っていく」ことに合意している。

 では、「日朝平壌宣言」で合意された内容が履行されず日朝関係が行き詰まっている理由は何かと言えば、拉致問題である。

 拉致問題の未解決は、確かに、日本国内向けの対北朝鮮強硬策の実施理由として通用する。
 しかし、「日朝平壌宣言」には、「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した」とあることから、02年9月17日以前に起きた拉致の問題が未解決であることを理由に、「日朝平壌宣言」の履行をサボタージュすることを認められない。

 だからこそ、日本政府は、拉致問題に何ら進展がない状況が続いても、たびたび核実験が行われ弾道ミサイルが発射され続けても、「日朝平壌宣言」の無効を口にすることができないのである。

(それまでに起きた拉致問題の扱いについて日本政府が納得できない(不満がある)というのなら、02年のあのとき、「日朝平壌宣言」に署名すべきではなかったのである)

 「日朝平壌宣言」に謳われた合意のNo.1は、「双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開する」というものである。

 ご存じのように、02年10月に5名の拉致被害者が帰国すると、拉致問題が解決の方向に向かっていると歓迎されるのではなく、拉致被害家族会を中心に、拉致問題に蓋がされようとしていると激しい反発が起きた。
 世論の支えがない状況で02年10月に再開した日朝国交正常化交渉はすぐに行き詰まった。

 このような状況を打開するために、03年8月に六者会合が開催され、04年5月には小泉首相(当時)が再訪朝を行った。
 小泉訪朝で、02年10月に帰国した拉致被害者の在朝家族を数名帰国させることができたが、これも、状況の好転にはつながらず、逆に、拉致被害家族会の怒りに油を注ぐことになった。あの見事なパフォーマーぶりを示した小泉純一郎氏をもってしても、拉致問題で世論を味方に付けることはできなかったのである。

 自縄自縛で身動きできない歴史的経緯もあるが、安倍首相には、「拉致問題解決」と「日朝国交正常化」の交渉を並行的に進める覚悟を決めてもらいたい。
 北朝鮮に大きな政治的負債がある安倍首相以外に、政治生命を犠牲にしてでも「日朝国交正常化」を成し遂げる気概をもった政治家はいないことを肝に銘じて動いていただきたい。

※関連参照投稿

「同じ時刻に東京で可能だった安倍首相記者会見がロンドンで行われた事情:北ミサイル発射確認後でも昨夜8時頃の帰国が可能」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/870.html

「出発した安倍首相の外遊日程に“空白の2日間”:ほぼ確実となった“電撃訪朝”は29日か30日」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/752.html

「オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

「日本メディアがネグる米国務長官発言情報:目標は“朝鮮半島”の非核化:目的は北朝鮮の政権交替ではない」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/261.html

「日本メディアがネグるマクマスター安保担当補佐官発言:「軍事的選択肢以外のすべての行動に出る時」:“安倍訪朝”を予言?」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/273.html

「日本メディアがネグる北朝鮮朴奉珠首相の核兵器発言:核兵器開発より民生向上と演説」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/274.html

「対北強硬派だったあのボルトン元国務次官が「すみやかな南北平和統一が核問題解決の道」と表明」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/277.html


「なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html

「仁王像さんへ:米国は93年〜94年の「第1次朝鮮半島核危機」時に北朝鮮の体制を保証:米朝合意資料添付」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/656.html

「90年以降の米国の朝鮮半島政策がわかる「米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言」(1999年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/250.html

「トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html

「「韓国は中国の一部」 習主席の発言の真偽を問われた中国の反応は?:トランプ大統領の“気遣い”発言」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/217.html

「共産 志位委員長 北朝鮮情勢 米に外交的解決働きかけを:「拉致問題解決」のため安倍首相が平壌へが正しい進言」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/147.html

「北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認:すごい!米国の軍事力行使を制御できる日本」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/884.html

「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

「制裁は役に立たないが、なぜそれが米国に必要か?:日朝平壌宣言と六者会合共同声明は今なお有効と国会で確認した安倍首相」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/889.html

「首相 北朝鮮情勢「いかなる事態でも国民守り抜く」:できないことを軽々しく口にする愚昧宰相:拉致問題=国交正常化を急げ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/850.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html

[国際19] お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ

※本文投稿先

「お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/304.html

[国際19] 北朝鮮「半島情勢、峠越す」 報道官が談話:日朝首脳会談頓挫とともに「朝鮮半島危機」劇に幕

 2月に行われた日米首脳会談中の弾道ミサイル発射から始まった17年春の「朝鮮半島危機」劇は、日朝が合意事項で折り合いがつかなかったために首脳会談を断念したことで幕を閉じたようだ。

 推測に頼るほかないので、日朝首脳会談がキャンセルされてしまった究極の理由は何かわからないが、日朝が、米中ロ英など主要国の多くも参加した「朝鮮半島危機」劇という千載一遇のチャンスを活かせなかったことは極めて残念である。

 危機回避や緊張緩和という大義名分がなくなったなかでの日朝協議はより困難になるが、安倍首相には腹をくくって「日朝国交正常化」を急いで欲しい。
 日朝関係の打開を米中ロにいつまでも頼ることはできないと肝に銘じて策を考えなけれならない。

 米国からではなく、北朝鮮が「朝鮮半島情勢がもう1つの峠を越えた」と表明するところが、今回の危機の内実を示唆している。


※関連参照投稿

「お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html


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北朝鮮「半島情勢、峠越す」 報道官が談話[日経新聞]
2017/5/2 0:50

 【ソウル=鈴木壮太郎】北朝鮮外務省は1日、「我々の強力な戦争抑止力によって、朝鮮半島情勢がもう1つの峠を越えた」とする報道官談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。北朝鮮は強硬姿勢を維持しつつも、武力衝突回避へ緊張緩和に動きだした可能性があるとの見方が出ている。

 談話は米韓合同軍事演習の終了を受けて発表。米国の空母派遣を「朝鮮半島情勢が核戦争勃発の瀬戸際へと突っ走ったことはかつてなかった」と強く批判。「我々が自衛的核抑止力を強化してきたことがどれほど先見の明があったのかを改めて実証した」と自賛した。

 現状を「峠を越えた」とする一方で「戦争の暗雲が完全になくなったのではない」とも語った。米政権が警戒する6回目の核実験などは「最高首脳部が決心する任意の時刻、任意の場所で多発的に、連発的に行われる」と継続の意思を示した。

 北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官(米国担当)は4月30日、マチェゴラ駐朝ロシア大使と会見。「米国の合同軍事演習と戦略資産増強が朝鮮半島情勢激化の根源」と訴えた。平岩俊司・南山大学教授は今回の談話を「米韓合同軍事演習が終わり、北朝鮮側が交渉に応じる可能性を示唆しているとみられる」と分析した。「何かあれば反撃できる能力を保持し続ける決意表明もしている」とも指摘した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H4M_R00C17A5EA2000/


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/310.html

[政治・選挙・NHK225] 日米首脳の電話協議、公表せず 政府高官「今後はこういう形も」:“安倍訪朝”断念の顛末を伝え2か月余の危機演出にお礼

 5月1日に行われた日米電話会談を公表しなかったのは、その内容が“機微”に触れるものだったり、安倍政権への支持率維持(アップ)にマイナスになるものだったからである。

 それでも、これまで、直接会っての会談も電話での協議も公表してきたことから、日米首脳電話協議があったことだけはリークしたと思われる。

 電話協議の内容が安倍政権への支持率アップに貢献するものや“日米同盟”の確かさを示すものであったなら、仰々しく“喜々として”公表したはずである。

 今回の日米首脳電話協議は、タイミングとして、これもまた公表されていない「日朝首脳会談」が頓挫したことを受けて行われているので、安倍首相がトランプ大統領に断念した経緯を説明し2か月余りの「朝鮮半島危機」劇演出にお礼を述べるとともに、これから日朝関係改善に挑む決意を表明したものと推測できる。

 トランプ大統領がブルームバーグのインタビューで、「「状況が適切なら会うだろう」と述べ、状況次第で金氏と首脳会談を行う意向を示した。会談するのは「光栄だ」とも述べた」のも、膠着した日朝関係、あそこまでの段取りをつけてやりながら打開できなかった日朝関係の改善に寄与したいという思いの現れだろう。

(日本としては米朝関係の改善の前に日朝国交正常化をやり遂げなければ、歴史的な恥辱となるので、猛烈にケツを叩かれたことになる。トランプ氏は、政治手腕が実に巧妙で日本にとって実にありがたい米国大統領だと思う)


※関連参照投稿

「お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html

「なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html

「北朝鮮「半島情勢、峠越す」 報道官が談話:日朝首脳会談頓挫とともに「朝鮮半島危機」劇に幕」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/310.html

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日米首脳の電話協議、公表せず 政府高官「今後はこういう形も」 [日経新聞]
2017/5/2 1:22

 安倍晋三首相が1日にトランプ米大統領と電話で協議していたことが分かった。政府高官は「日米間は頻繁に電話できる間柄になったので、こういう形でやっていくこともある」と述べ、非公表であることを認めた。通例では主な首脳の電話協議は直後に概要を明らかにしているが、今回は1日夜時点で協議自体の有無も内容も公表していない。

 複数の政府高官が明らかにした。ある政府高官は電話協議の頻度が多くなる可能性があることを理由に毎回必ず公表するとは限らないとした。別の高官は「毎回公表するのは日本ぐらいだ。外国からは日本と電話をするとすぐ漏れるとの不満も出ている」とした。

 今回の電話協議では、北朝鮮による4月29日の弾道ミサイル発射を踏まえた対応や、1日に始まった安全保障関連法に基づき海上自衛隊が米軍艦船を守る「米艦防護」などについて話し合ったとみられる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15975320S7A500C1PP8000/
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米大統領「正しい状況ならキム委員長と会う」[NHK]
5月2日 6時09分

アメリカのトランプ大統領は、大手メディアのインタビューで、北朝鮮の核・ミサイル開発問題をめぐり、「正しい状況のもとでなら、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と会うだろう」と述べ、対話の可能性も排除しない姿勢を示しながら北朝鮮に核・ミサイル開発の断念を促す狙いがあると見られます。

アメリカのトランプ大統領は1日、アメリカの大手メディア、ブルームバーグのインタビューに応じました。

この中でトランプ大統領は、北朝鮮の核・ミサイル開発問題をめぐり、「正しい状況のもとでなら、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と会うだろう」と述べました。トランプ大統領は、去年の選挙中にもキム委員長との対話に前向きな姿勢を示したことがあり、インタビューでの発言には、対話の可能性も排除しない姿勢を示しながら北朝鮮に核・ミサイル開発計画の断念を促す狙いがあると見られます。

この発言について、ホワイトハウスのスパイサー報道官は、1日の記者会見で「北朝鮮が核能力を完全に放棄し、アメリカや地域への脅威を取り除くなら、いつでも可能性がある。しかし、挑発行動を続けるなら大統領の言う状況は来ないかもしれない」と述べました。

一方、トランプ大統領は同じインタビューで、「大手金融機関の分割を検討している」と述べました。去年の選挙中、トランプ大統領は、1999年に廃止された、銀行と証券の分離を定めたグラス・スティーガル法を復活させる考えを示していて、大手金融機関の経営に大きな影響を与えることから、今後、具体的な検討が行われるかどうか注目されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170502/k10010968541000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_001



http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/162.html

[国際19] 北朝鮮「半島情勢、峠越す」 報道官が談話:日朝首脳会談頓挫とともに「朝鮮半島危機」劇に幕 あっしら
1. あっしら[692] gqCCwYK1guc 2017年5月02日 11:14:54 : Vee3DWegKc : lGWnTkqcGZs[1]

「日米首脳の電話協議、公表せず 政府高官「今後はこういう形も」:“安倍訪朝”断念の顛末を伝え2か月余の危機演出にお礼」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/162.html

http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/310.html#c1

[国際19] 万景峰号の就航8日から延期 ロシア、米中に配慮か:首脳会談頓挫で新潟航路再開の道が遠のいたから?
 
 羅先―ウラジオには鉄道もあり、万景峰号の就航にそれほどの魅力があるわけではない。

 3年前の「ストックホルム合意」を契機にで新潟路線が遠からず再開できると期待していたからこそ、北朝鮮は万景峰号の全面改修に踏み切ったはずである。
 羅先―ウラジオ航路は、新潟航路再開に向けた慣らし航行という色合いが濃いと思う。
 そして、これまでほとんど実績がない日本・北朝鮮・ロシアの交易を支える航路の一つとして、新潟―羅先(元山)―ウラジオの路線を考えている可能性もある。

 「日朝首脳会談」の頓挫はいろんなところに影響を与えているようだ。

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万景峰号の就航8日から延期 ロシア、米中に配慮か[日経新聞]
2017/5/2 17:08

 【モスクワ=田中孝幸】今月にロシア極東ウラジオストクと北朝鮮北東部の羅先(ラソン)特別市に新設される定期航路に絡み、8日に予定していた貨客船、万景峰(マンギョンボン)号の第1便の就航が17日以降に延期されたことがわかった。運航にあたる運輸関連企業「インベスト・ストロイ・トレスト」社が2日、日本経済新聞に明らかにした。

 同社によると、ウラジオストクの港湾当局が4月、羅先の羅津港を8日夜に出港し、9日朝にウラジオに入る第1便の日程を暫定認可したものの、最終的に「技術的に受け入れ体制が整わない」として入港を許可しない意向を示した。このため17日に就航する方向で再調整することになった。

 国際航路の就航開始が直前で延期されるのは極めて異例。米国や中国が核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強めるなか、北朝鮮との経済関係の強化を担う新航路の開設には同国への制裁網の抜け穴になるとの批判が強まっていた。このため、プーチン政権が就航の一時延期によって米中に一定の配慮を示した可能性がある。

 日本への入港が禁じられている万景峰号は羅先―ウラジオ間の月6往復の新航路のために全面改修された。8日の第1便には中国人の観光客や北朝鮮の企業関係者ら約200人と同国製の衣料品などの貨物を乗せる予定だった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM02H5G_S7A500C1000000/



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/319.html

[経世済民121] 日銀「賃上げETF」の挫折:笛吹けど踊り続ける投資家はおらずルールで買えなくなった日銀

[真相深層]日銀「賃上げETF」の挫折
運用大手参入も取引ほぼなし 内輪の論理、投資家踊らず

 日銀の肝煎りで登場した上場投資信託(ETF)が壁に突き当たっている。賃上げや設備投資に積極的な企業を組み入れた通称「賃上げETF」で、金融緩和の一環として日銀が一部を買い入れるのがミソだ。大手運用会社がこぞって参入したが11カ月が経過した今、ほとんど取引がなくなった。閑古鳥の理由を探ると日銀に依存しすぎた市場のゆがみが見える。


 株式市場には日銀の動向を日々観察する日銀ウオッチャーがいる。その一人、東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストは証言する。「3月以降、日銀が賃上げETFを買った痕跡が見当たらなくなった」

買えないワケ

 日銀は3月1日に大和証券投資信託委託が運用する賃上げETFを約450万円購入したとみられる。それを最後に買い入れ額はゼロが続く。

 賃上げETFの起点は2015年12月に遡る。日銀の金融政策決定会合で決まった金融緩和の補完措置に、投資や賃上げに前向きな企業の株で組成したETFを毎年3千億円買うとの枠が設けられた。1日当たりの買い入れ額は約12億円だ。

 国内外の運用会社は日銀の基準に沿ったETFを開発し16年5〜6月に6本を上場させた。KDDIやトヨタ自動車などが組み入れられ、日銀という後ろ盾も得て登場した賃上げETFだが、人気は続かなかった。

 純資産は合計1700億円と昨年12月から頭打ちだ。市場での売買もほとんどない。アセットマネジメントOneの賃上げETFは25日まで22営業日連続で取引時間中に売買がなかった。

 なぜ日銀は賃上げETFを買わないのか。正確に言えば買わないのではない。買えないのだ。

 日銀も無制限に買えるわけではない。実績も無いETFを全て買えば株価形成がゆがみ運用会社はリスクなく利益を得てしまう。そこで一般投資家と同額までしか買えないというルールを設けたところ早々に買い入れ上限額に達してしまった。

 15年12月の政策決定会合を振り返ると政策委員からは「(設備・人材投資に積極的に取り組む)動きがさらに広がっていく」「経済の好循環を後押しする効果が期待できる」との意見が出ていた。企業に賃上げを促し、消費を活性化してデフレから脱却するのがアベノミクスの眼目だ。それを側面から支援しようとの思惑がうかがえる。

 そのシナリオに乗ったのが運用会社だ。「日銀の買い入れに間に合わせるように社内でプレッシャーがあった」。わずか半年で賃上げETFを開発した国内運用会社の担当者は打ち明ける。

 運用会社にも事情はある。日銀の金融緩和の結果、国内で流通するETFは純資産の約6割にあたる約15兆円を日銀が保有しているとみられる。ETFの信託報酬は0.1%程度で単純計算で年間150億円が日銀から運用業界に入ってくる。

 営業費用がかからず黙ってETFを買ってくれる日銀は、またとない上客だ。賃上げETFも「日銀の購入で純資産が膨らめば十分に採算がとれる」(国内投信)との計算があった。


「バカにしすぎ」

 米ETF大手の日本法人、ウィズダムツリー・ジャパンは賃上げETF投入を見送った。イェスパー・コール最高経営責任者は設備投資や雇用に前向きな企業の株が運用成績が良いという投資理論は「聞いたことがない」と首をかしげる。実際に最も早く上場した2銘柄の運用成績は日経平均株価を下回っている。

 個別企業の人材投資を時系列で示したり他社と比べたりできるデータはほとんど存在しない。コール氏は「日銀のお墨付きさえあれば個人が追随すると考えていたのなら投資家をバカにしすぎだろう」と指摘する。

 16年度に日銀はETFを5兆5870億円買った。今や日本株最大の買い手だ。年間で日経平均株価を約1700円押し上げたとの試算もある。

 日銀の存在感が大きくなり市場関係者も日銀への依存が強くなった。アベノミクスに寄り添う日銀と日銀頼みの運用会社の思惑が一致し生まれたのが賃上げETFだ。そこには投資家のニーズという重要な視点が欠けている。内輪の論理が優先される市場に世界の投資家は魅力を感じるだろうか。

(宮本岳則)

[日経新聞4月26日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/493.html

[エボラ・ゲノム15] アフリカで新たな致死の病が発生か?

アフリカで新たな致死の病が発生か?[スプートニク日本語]
2017年05月06日 17:15(アップデート 2017年05月06日 17:19)

アフリカ西部のリベリアでここ2週間たらずの間に、病名が不明の症状に罹り、28件の発症例のうち12人が死亡する事態が起きている。この事実は5日、ロシア消費者監督庁の公式サイト上に明らかにされた。 症状は高熱、吐き気、嘔吐、下痢を伴う。

患者にエボラ出血熱の感染テストを行ったところ、結果は陰性が示された。病原菌に感染した食物または水ではないかと考えられている。

現在、病気の解明に世界保健機構および複数の国際組織が取り組んでいる。

https://jp.sputniknews.com/life/201705063611568/



http://www.asyura2.com/09/gm15/msg/430.html

[国際19] 北朝鮮で「ガソリン買い占め」拡散…制裁で混乱広がるか:軍事優先の国家で民間が燃料を買い占め?事実なら経済制裁は無効

 石油は、中国が商取引を通じて送っているわけではなく、日中韓が資金を出し合って対北朝鮮経済支援として送られているものなので止まることはない。
 石油を止めるという判断は、これまでの対北朝鮮交渉をすべてひっくり返すことを意味するだけでなく、戦争へのトリガーを引くことでもあるから、中国が石油供給を止めることは絶対にない。

 しかし、高英起氏は、文章を書いていてフシギに思わないのかな。

 軍事優先の国家でガソリンやディーゼル油が民間の手で買い占めできる状況は、あまりにぶっ飛んだ奇妙な話である。
 軍事優先の独裁国家で、民間が貴重な軍事物資である燃料を買い占めているというのは恐ろしく異常な事態である。最重要軍需物資である燃料の買い占めさえ取り締まれない国家は独裁でもなんでもない。

 書かれている出来事が事実なら、北朝鮮は、自由主義的経済政策で、石油も不足しているわけではなく余裕があるという話になる。

 まあ、太陽節で取材に入った西側メディアの報道を見てもなお、北朝鮮が厳しい経済制裁を受けていると思ったひとはメクラ同然なのだが...


「「金正恩は本当は米国が好きで仲良くしたがっている」=元NBAスーパースターが語る―英メディア」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/389.html
より:

「ロッドマン氏によると、2013年2月に初めて訪朝した際には無味乾燥で淀んだ共産主義感があったが、3度目の訪問から天地をひっくり返すほどの変化が生まれたという。「平壌には新たな建物が次々に建ち、今も多くのマンションやホテルが建設されている。そして世界最大のウォーターパークのほか、スキー場や大きなボウリング場もある。金委員長はすべて北朝鮮国民のために行動している」と語った」


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北朝鮮で「ガソリン買い占め」拡散…制裁で混乱広がるか
高英起 | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト 5/11(木) 6:33

北朝鮮当局は先月19日から、首都・平壌でガソリン販売の制限を始めたとAP通信が伝えている。これは、中国が北朝鮮の対する圧力の一環として、原油輸出を止める可能性を踏まえた措置と思われる。

「イカ釣り戦闘」影響

これにより燃料価格が高騰しているとの情報も伝えられる中、一部の商人らによる燃料の買い占めが連鎖的に広がっている様子も伝わってきた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によれば、現地ではガソリンやディーゼル油の買い占めが起きているという。

高値で売り抜けて利ザヤを稼ごうとの思惑からと思われるが、同時に、間もなくイカ漁のシーズンが始まるという事情もある。

北朝鮮の東海岸では、6月中旬から10月まで「イカ釣り戦闘」が大々的に行われ、各地から出稼ぎの労働者や商人が集まり、大賑わいとなる。

(参考記事:北朝鮮でゴールドラッシュならぬ「イカラッシュ」…漁村はてんやわんやの大騒ぎ)

しかし、いくらイカの群れがやって来ても、沖まで出る船を動かせなければ、何の意味もない。1年の収入のほとんどをイカ漁とハタハタ漁に頼っている漁師の間では不安が高まっている。燃料が確保できず出漁回数を減らせば、その分収入が減るからだ。

国営の水産事業所としても、漁獲の減少は経済的にも政治的にも打撃だ。そこで事業所は「トンジュ(金主)」と呼ばれる新興富裕層と結託し、国の貯蔵施設にあるディーゼル油の買い占めに走っている。トンジュは、江原道(カンウォンド)の文川(ムンチョン)などにある貯蔵施設を回り、1人あたり30〜40トンのディーゼル油を購入。それを水産事業所に納入しているという。

事業所がトンジュと結託するのは、燃料の買い占めが、国家の計画経済から逸脱する行為と見なされるからだと思われる。計画経済は実質的には破たんしているのだが、たとえタテマエであっても、行政機関同士の歩調は合わせなければならないのだろう。

しかし、お上がこんな具合とあって、買い占めは民間にも拡散。8〜12馬力の小型漁船を持つ個人の船主らも、燃料確保にわれ先に乗り出しているという。

もっとも、中国が北朝鮮への原油の供給を止めるかどうかは、今もって未知数だ。新たな核実験が行われて情勢が極度に悪化しても、果たして全面ストップまでいくかどうか。

それでも、米中首脳間などで交わされた対北朝鮮制裁をめぐるやり取りが、このように北朝鮮経済に心理的圧力として作用しているというわけだ

(参考記事:「中国に見捨てられたら一巻の終わり」北朝鮮で広がる不安)

ちなみに自動車用のガソリン価格については、値上がりの影響が限定的であることを示す情報も聞こえてくる。

先週末に中国にやって来た咸鏡南道(ハムギョンナムド)の住民は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、咸興(ハムン)から中朝国境に面した両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)までワンボックスカーのタクシーで移動したら、運賃は100元(約1640円)で以前と変わらなかったという。

いずれにせよ、情勢の影響で不安がいっそう拡大するようなら、北朝鮮国民の金正恩体制に対する不信が強まる可能性がある。

(参考記事:「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民のキツい本音)

https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170511-00070805/


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/398.html

[国際19] 「マクロン仏大統領」展望は:仏なくしてEUの共同体性はなくEUなくして仏の政治的存在感なし

[複眼]「マクロン仏大統領」展望は

 7日投開票されたフランス大統領選は、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン元経済産業デジタル相が勝利した。親欧州連合(EU)を掲げた新大統領の誕生は、英国のEU離脱決定や極右勢力の台頭で揺れる欧州にどんな影響をもたらすのか。

■反グローバル主義、転機に 仏モンテーニュ研究所首席顧問 ドミニク・モイジ氏

 決選投票は恐怖と怒りを体現するルペン氏と、希望と自信の候補であるマクロン氏の衝突だった。高失業やテロリズムで息苦しさを抱えたフランスは驚くべき大差で「希望」を選んだ。世界の反グローバル主義の転機にもなりうる。

 マクロン氏にとって最大の試練は第1回投票の首位突破だった。決選投票にルペン氏と(急進左派の)メランション氏が進む展開を恐れていた。母国の予想外の復元力に安心した。誇りに思う。

 EU離脱を決めた英国とトランプ大統領を選んだ米国。両者の選択にはエリートへの怒り、将来や移民への不安、過去の栄光への郷愁という3つの要因があった。仏有権者でユーロ離脱を支持するのは25%だけだ。混沌に混沌を重ねるリスクをためらい、正反対の道を選んだ。

 マクロン氏は国立行政学院(ENA)などエリートの経歴を歩み、米投資銀行に勤め、25歳も年上の既婚女性と結婚した。自信の高さの証しだ。

 テクノクラートの化身であると同時に、とても共感力が高い。居合わせた夕食会で微笑みかけると彼の方から「ドミニク、こんにちは」と近寄って来て、話している間じゅう、手を握っている。こんな人物はシラク元大統領以来だ。

 マクロン氏を押し上げたのは決選投票に進めなかった伝統的な二大政党の崩壊だ。ミッテラン元大統領の精神を映す社会党は死んだ。さまよう共和党はまだ死んでいないが、連帯を回復できなければ同じ運命になる。

 マクロン氏の戦いは終わらない。6月の国民議会(下院)選挙は難関だ。シナリオは3つ。彼が率いる「前進」が過半数近くを取るか、過半数には足りないが右派や左派に接近して連立政権を樹立するか、右派が勝って保革共存(コアビタシオン)の政権を作るかだ。

 新大統領の陣営に過半数の支持を与える伝統があり、議会選でマクロン陣営が勝つ展開も排除しない。だが実現性が最も高いのは2番目の連立政権。ドイツの大連立に似た姿になる。

 仏政治は30〜40年に1度の再編期を迎える。革命的な状況だ。中道左派と中道右派は一緒になり、グローバルな開放性と一国主義の閉鎖性の対立になる。

 フランスはドイツと再び肩を並べ、自信を持つ。ドイツ人はマクロン氏当選を本当に喜ぶが、たぶんフランスは経済や財政でもっと成長を促すようドイツに圧力をかける。マクロン氏の扱いにくさを彼らは早い段階で感じるだろう。

 40%の仏有権者は無視され、見下されたと感じている。マクロン氏が5年間で成功しなければ、有権者は昨年の米国のような投票行動をとるだろう。ルペン氏の影はずっと消えない。

(聞き手は本社コメンテーター 菅野幹雄)

 Dominique Moisi フランスの国際政治学者。欧米などの有力紙に寄稿し、豊富な知見で欧州や世界の外交・経済秩序を分析する。16年から現職。70歳。
◇  ◇
■英EU離脱に強硬路線 dfi元副所長 ヘンリック・ウテルウェッデ氏

 親EU派のマクロン氏が圧勝できたのはなぜか。ひとつは(欧州統合によって)経済が改善するという楽観論。2つ目は強いフランスこそが強い欧州につながるという発想を持つ有権者がマクロン氏に票を投じたからだろう。これに対し、先行きを悲観する人たちは左右両極に流れた。

 主要政党の政治家は臆病になり、欧州統合を訴えると選挙で不利になると思い込んでしまった。マクロン氏は正直に欧州は大切だと訴え、それが有権者に通じた。現実的な経済再生案を示したことで信用されたという面もある。

 マクロン氏は仏経済が立ち直れば周辺国から信頼されると考えている。まずは内政改革に着手し、次のステップでドイツなど周辺国に欧州統合の深化を呼びかけるだろう。

 巨額債務を抱え、財政規律を守らぬフランスをドイツは「やるべきことをやらぬ国」と見なしてきた。それがオランド仏大統領のEU内での立場を弱め、ドイツの主張がまかり通る状況を作り出した。親EUを掲げたマクロン氏の新大統領就任で、その構図が変わるかもしれない。

 域内連携の第1段階は再生可能エネルギーや安全保障政策が対象だ。欧米関係がギクシャクしているため、欧州は米国の影響下から抜け出すべきだとする伝統的な仏思想がよみがえりそうだ。欧州独自の防衛政策を持つべきとの発想につながる可能性がある。

 第2段階では財政政策を想定しているのではないか。もちろんEUに追加資金を拠出するとなればドイツでは議会の承認が必要になり、ハードルは高い。だが仏政府が財政規律を守ったうえで財政政策の一元化を提案するなら、独政府もむげには断れない。

 英国のEU離脱が欧州解体の第一歩にならぬよう、マクロン氏は英国との離脱交渉に強硬路線で臨むとみている。仏国内向けには、自国だけで解決できない問題があるということを訴える一方、周辺国には自国だけでなく欧州全体の利益を考えて行動しているとアピールする場になる。

(聞き手は欧州総局編集委員 赤川省吾)

 Henrik Uterwedde ドイツにある独仏関係が専門の学術機関ドイツ・フランス研究所(dfi)の元副所長。第一線は退いたものの研究所に籍を置き、独仏双方に鋭い分析を発信する。68歳。
◇  ◇
■日欧EPAに追い風 在日仏商工会議所会頭 ベルナール・デルマス氏

 フランス政治が刷新された。マクロン氏は非常に若く、少し前まで自分の政党すら持っていなかったのに、国民の大半をまとめた。若い人が政権を取るのは、我が国にとって良いことだ。

 政権運営で注目すべきは、経済を活性化させる強い意思を持っていることだ。彼は安倍晋三首相の「アベノミクス」を評価し、公約策定時にも参考にしたようだ。政治の力でデフレ脱却を目指すやり方を、フランスでも実行しようとしているのではないか。

 日本企業にはチャンスが広がる。マクロン氏は労働市場を改革し、企業の投資を促進する立場だからだ。彼はフランスの労働者と企業経営者が、全国的な労働組合組織の介在なしに直接交渉する道を開こうとしている。若者の起業支援にも前向きだ。

 マクロン氏は経済産業デジタル相時代などに何度か来日し、日仏関係の強化を訴えてきた。今後の焦点となるのは日欧の経済連携協定(EPA)の締結に向けた交渉だ。

 日本の立場もよく理解しており、一定の課題さえ乗り越えれば協定の合意を支持するだろう。EUは日本に肉やチーズなどの関税や非関税障壁の改善を訴えている。日本も協定を前進させる意思を持っており、妥結に向けた環境は日仏の間では整ってきた。

 対EU政策で注目しているのはドイツとの関係強化だ。ドイツは消費や投資が少なすぎた。マクロン氏は貿易黒字額にふさわしい投資を実行するように求めるだろう。

 通商政策でEUはこれまで貿易相手国のダンピング輸出に対し寛容でありすぎた。マクロン氏は厳しく対処するだろう。税制では米グーグルに代表される多国籍企業への課税強化を推進するだろう。

 日仏は高齢化や労働市場の改革といった共通の政策課題を抱えている。フランスは失業率の低い日本から学ぶことがあるだろうし、日本は移民や女性に開かれたフランスから学ぶことがあるだろう。お互いに補完し合える関係が深化するよう、新大統領の早期の来日を期待している。

(聞き手は高橋元気)

 Bernard Delmas 1979年仏ミシュラン入社。98年に日本法人社長、2015年会長。10年から在日フランス商工会議所会頭を務める。グルメ本「ミシュランガイド」の発行などに携わる。63歳。
◇  ◇
■議会選、中道派結集も 東京外大教授 渡辺啓貴氏

 最後はマクロン氏が勝利を収めたが、今回の大統領選の主役はルペン氏だったといえる。極右のルペン氏が決選投票に残ることを前提に選挙戦が行われたからだ。共和党のフィヨン元首相がスキャンダルで失速し、社会党は予備選挙で左派のアモン氏が選ばれた。(結果として)中道がぽっかりあき、そこからマクロン氏が浮かび上がった。

 決選投票に既成の大政党が進めなかったことは、左右の大政党が交代で政権を担ってきた仏政治に対する、有権者の反発や飽きを示している。既成政党の支持者が行き場を失い「ルペン氏に入れるくらいなら」とマクロン氏に投票する「負の選択」だった。

 マクロン氏はエリートのイメージを代表しているといわれる。(ルペン氏の健闘は)大衆や不利益を被っている人のため、というルペン氏のメッセージが(一定程度は)届いたことを示している。

 マクロン氏は経済政策で投資を重視し、規制緩和を進めるだろう。現職のオランド氏はメルケル独首相に押しきられる形で緊縮路線をとったが、ドイツは9月の総選挙のあとに財政政策を緩和方向に変えるかもしれない。(EUの加盟国間で経済力の差が開く)南北格差はEUにとってプラスにならないからだ。

 今後は6月の国民議会選挙でマクロン派が過半数を取れるかが課題になる。社会党は分裂し、党内の保守派がマクロン氏を支持して(緩やかな)中道派のグループが形成されるかもしれない。

 ただし国民の61%はマクロン氏が議会で絶対過半数を握ることを望んでいないとする調査結果もあった。大統領選で投票しても、議会選では好きな候補に入れたい、という有権者も多いと考えられる。

 大統領が絶対的な行政権を発揮し、決められる政治を目指したのが、1958年以降の現在の第5共和制だった。政治勢力が合従連衡を繰り返せば、なかなか決められない政治に戻る可能性もある。議会選挙で今後の仏政治の安定度が試されることになる。

(聞き手は編集委員 刀祢館久雄)

 わたなべ・ひろたか 専門はフランス政治外交論、国際関係論など。パリ第一大学博士課程修了。日仏政治学会理事長、駐仏公使などを歴任。著書に「現代フランス」など。63歳。
◇  ◇
〈アンカー〉強い政権基盤構築は不透明

 英国のEU離脱決定、トランプ米大統領誕生に続く3度目の「まさか」への警戒心は欧州で根強かった。モイジ氏の「母国の予想外の復元力に安心した」との発言に典型的な仏知識層の思いがにじむ。

 デルマス氏はマクロン氏が労働市場改革などに取り組む立場を評価する。ただ楽観論には危うさも潜む。選挙公約を実行できるか、6月の議会選挙で強い政権基盤を築けるかなど不透明な点は多い。ルペン氏の支持層の不満をどう解消するのかも課題だ。

 EUの求心力維持は仏独の連携がカギ。EUでの発言力を高めるうえでも、仏経済の活性化は重要な意味を持つ。

(刀祢館久雄)

[日経新聞5月9日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/430.html

[国際19] 招待されていた北朝鮮と招待されていなかった韓国が「一帯一路会議」で接触:トランプ米国も代表団派遣

 NHKは、「一帯一路の国際会議に北朝鮮出席 米が中国に不満か」という表題で、ロイターを引用して「中国が北朝鮮を会議に招いたことにアメリカが不満を示した」という内容の記事を発信しているが、トランプ米国は、今日からの「一帯一路国際会議」に急遽代表団を派遣する。
 トランプ政権が北朝鮮の出席について本気で不満なら、慌ただしく代表団を派遣することはないだろう。

(4月の米中首脳会談で合意した貿易不均衡の是正に向けた「百日計画」が合意に達し、その一項目として、「米国は中国の「一帯一路」構想の重要性を認識し、関連会議に代表団を送る」とある)


 今日から二日間行われる「一帯一路国際会議」に関して朝鮮半島を取り上げるなら、北朝鮮は閣僚級が招待される一方で、韓国は(THAAD問題絡みで)閣僚級の招待がなかったということだろう。
 このような経緯を考えても、いまさら「中国が北朝鮮を会議に招いたことにアメリカが不満」というのはおかしな話だ。

 親北朝鮮・基本としてTHAAD配備反対の文大統領誕生で、中国は韓国に閣僚級の招待状を急遽送り、韓国も急遽代表団を急遽送ることになった。そして、韓国の代表団は、「北朝鮮の代表である金英才対外経済相と会う」と表明している。

 日本は副大臣と自民党幹事長プラス榊原経団連会長といった格下(別格は今井尚哉内閣総理大臣秘書官)の出席だが、ロシアはプーチン大統領が出席するなど、朝鮮半島をめぐり活発な外交活動ができる条件が揃っているのにもったいない話である。



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/431.html

[戦争b20] AI兵器 開発に待った

AI兵器 開発に待った

 人工知能(AI)を搭載することで、自ら攻撃目標を発見し、殺傷する「キラーロボット」が誕生する日が近づいている。AIは、ひとたび軍事面で利用されると、火薬、核兵器に次ぐ、戦争の「第3の革命」を巻き起こすと危惧される。今年8月に開催するキラーロボットの規制を巡る国際会合が注目される。


標的を自動追尾するミサイル「ブリムストーン」を搭載した軍用機=AP


荷物運搬に利用できる軍用4足歩行ロボット「LS3」=ロイター


潜水艦の探知、追跡を行う「シーハンター」=ロイター


自ら目標を捜索し攻撃できる無人機「ハロップ」=ロイター

 「完全自律型の殺傷兵器は数十年ではなく、数年以内に実現可能だ」。英国の物理学者、スティーブン・ホーキング博士ら約1千人のAI研究者は、2015年の公開書簡でことの緊迫性を訴えた。キラーロボットの定義は明確に定められていないが、現時点で完全自律性を有するキラーロボットは存在しないとされている。

 しかし、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW、本部=米ニューヨーク)は、「米国、英国、中国、イスラエル、ロシア、韓国などが自律稼働性のレベルが高い兵器システムを開発中だ」と指摘する。

 既にAIを搭載したロボットは軍事利用されている。韓国は北朝鮮との軍事境界線にロボットを配備している。相手の熱や動きを感知し目標を捉え、人間の指示に基づき機関銃などで攻撃する能力があるとされる。

 イスラエルでは、軍用機などを製造する航空機メーカーが、目標を捜索し、攻撃できる無人機を開発した。米メディアによると、16年4月、アゼルバイジャンがアルメニア人が乗車するバスの爆撃に利用した可能性が高いと報じた。

 英国はAIを搭載し、指定された領域で標的を自動で追尾する機能を有する高性能のミサイルを保有。イラク北部での過激派組織「イスラム国」(IS)に対する軍事攻撃で使用した。米国でも無人戦闘機や対潜無人哨戒艦などの開発に着手している。

 キラーロボットの利用は、戦場に送り込む兵士の人的損害の最少化につながるとされる。しかし、ロボットが誤って殺傷を行った場合の責任の所在、システムエラーによる制御不能の危険性、ロボットが人命を奪うという倫理的観点などから反対意見が広がっている。世界の非政府組織(NGO)などが13年4月に立ち上げた「ストップ・キラーロボット」キャンペーンには、現在パキスタンやキューバなど19の国が賛同を表明している。

 国連におけるキラーロボットの規制を巡る議論は「特定通常兵器使用禁止制限条約」(CCW)の非公式専門家会合などで行われてきた。CCWは非人道的な影響をもたらす特定の通常兵器の使用を禁止・制限するための国際条約で、3月現在、123の国・地域が締約。人を失明させるレーザー兵器や探知不可能な地雷などの使用を禁止している。

 14年から3回にわたり行われた非公式専門家会合を受け、16年12月、CCW再検討会議でキラーロボットの規制を巡る公式専門家会合の設置が決定した。今年8月に第1回の会合を開催予定であり、外務省によると、議題は6月ごろ、関係者に提示される見込みだ。

 しかし、規制に慎重な姿勢を示す国もあり、議論が思うように進んでいないのが現状だ。CCWは決定に全会一致制をとっており、外務省担当者は「問題を特定する中で禁止や規制を検討していくことになる。短期間での結論は出にくいだろう」とみる。合意に至るまでの間、各国のAIを搭載するロボット兵器の開発は進んでいく。

 開発されてからの規制・禁止は難しいと考えるHRW日本代表の土井香苗氏は「CCWを唯一の手段とは考えていない」と、他の手法での条約締結も検討する姿勢をみせる。8月の会合では「いかにキラーロボットの基本的な定義について早期妥結し、規制に関する議論に進むかが鍵となる」という。HRWは世論を形成し、禁止に賛同していない国を動かす方針だ。各国の思惑が渦巻くなか、今後の議論も難航が見込まれる。

(国際アジア部 山本瑶子)

[日経新聞5月9日夕刊P.2]



http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/321.html

[国際19] 米FBI クシュナー氏聴取も 露に極秘通信提案:記事のように情報機関に盗聴され漏洩される現実を踏まえると当然かも

米FBI
クシュナー氏聴取も 露に極秘通信提案
毎日新聞2017年5月27日 22時14分(最終更新 5月27日 23時56分)

 【ワシントン岩佐淳士】米主要メディアは26日、トランプ米大統領の娘婿クシュナー大統領上級顧問が昨年12月の政権移行期に、ロシア施設を使って極秘の通信ルートを開設できないかロシアのキスリャク駐米大使に打診していた、と報じた。米連邦捜査局(FBI)がこうした経緯をクシュナー氏から事情聴取する可能性も浮上。ルート開設は実現しなかったが、ロシア側とのやり取りを米当局に察知されないようにした可能性があり、トランプ政権とロシアの関係を巡る疑惑が一層深まった。

 ワシントン・ポスト紙によると、クシュナー氏は昨年12月初旬、キスリャク氏とニューヨークで面会。米国内にあるロシア大使館など外交施設を使い、ロシア政府と機密性の高い情報交換ができるよう求めた。フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も同席した。シリア問題など安全保障問題を協議するためとの情報もあるが、通信ルート設置の目的は不明だ。

 通常、米政府関係者がロシアの通信回線を使うことはなく、トランプ陣営は米当局の監視を避けようとしていた可能性がある。ポスト紙の取材に元情報機関高官は「ロシア側にリークしていない、と信用できるのか」と疑問を投げかけた。

 FBIは米大統領選介入疑惑でトランプ陣営とロシアの共謀の有無などを捜査しており、クシュナー氏やフリン氏の動きに重大な関心を寄せている。クシュナー氏の弁護士はFBIから聴取要請があれば、応じる構えがあるとしている。

 クシュナー氏は昨年12月、制裁対象となっているロシア政府系の対外経済銀行(VEB)のセルゲイ・ゴルコフ頭取とも面会している。また、フリン氏は同じ月にキスリャク氏と対露制裁について協議したほか、ロシア政府系メディアから金銭を受け取っていたとされる。クシュナー氏、フリン氏はそれぞれ米当局の身元調査などに対し、ロシア政府関係者との接触を適切に報告していなかった疑いも指摘されている。

https://mainichi.jp/articles/20170528/k00/00m/030/117000c?inb=ys



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/533.html

[国際19] 移ろう世界とソロス氏の憂鬱:いかなる理念を掲げようともソロス氏がやっていることは「内政干渉」や「選挙介入」

[The Economist]移ろう世界とソロス氏の憂鬱

 ティバダル・ソロス氏はナチス占領下のハンガリー・ブダペストに関する回顧録で、14歳の息子ジョージを含め仲間のユダヤ人に偽の身分証明書をいかに調達したか書いている。読むとこの親子が似ていることがわかる。相手が裕福なら「市場が許す限りの金額を要求」し、持たざる者からは何も取らなかった。「自分にはすべての人に多少責任があると感じたからだ」という。そして毎日が生死を分ける戦いだったあの時代を「思い切った決断をしなければ生き抜けなかった」と書いている。

 リスクを取る意欲は著名投資家のジョージ・ソロス氏を億万長者にしたが、敵も作った。持ち前の慈善心も敵を作った。この数カ月で、その2種類の反感が米国と海外で融合し、かつてないレベルに達したようだ。米共和党議員たちがティラーソン米国務長官と米会計検査院長に送った手紙はその象徴だ。内容は、米外国援助機関の国際開発局(USAID)のマケドニアにおけるソロス氏の慈善団体オープン・ソサエティ財団(OSF)の現地支部との協力関係に問題があるという指摘だ。
 
 ソロス氏は1980年代に中・東欧の活動家らにコピー機を配布して以来、その民主化を支援してきた。彼の様々な支援は、野党ではなく、自由なメディアや公正な選挙、クリーンな政府の推進だが、現地の独裁者には、その違いがわからないことが多い。2000年代に旧ソ連圏で起きた平和的な反政府デモをソロス氏のせいにしているロシア政府は、15年に同氏の関係組織をロシアから追放した。

 ロシアが欧州での影響力を回復させる中、ルーマニアとポーランドなどでソロス氏への反感は高まっている。マケドニアでは政治危機と前首相への収賄・不正選挙疑惑が渦巻く中、ソロス氏の活動を阻止しようとする運動が始まった。同氏の故郷ハンガリーでは、自身もソロス氏の奨学金を受け取ったオルバン首相が恩人の“国境を越えた帝国”への批判を強めている。ハンガリー議会はこのほど、ソロス氏が1991年に創設した中央ヨーロッパ大学を閉鎖に追い込みかねない法律を可決した。
 
 ソロス氏は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領とイラク戦争を非難したことで米国の右派と陰謀論者の間でも非難されている。大統領選でクリントン元国務長官を支持し、トランプ大統領を「詐欺師」「独裁者になり得る人物」と酷評したことで、その批判はさらに強まった。

 共和、民主両党の主流派政治家は、米国内でのソロス氏の影響力を嫌っていたとしても海外で推進する目標はほぼ是認してきた。だがマケドニアに関する手紙が示すように、国内外の区別が崩れつつある。この手紙は、米政治家が事実上、遠く離れた国の醜聞まみれの政党、それもロシアから支持され、暴力に訴える仲間がいる政党と手を結んで、米政府とソロス氏を非難しているという点で、信じがたい外国への介入と言える。議員らの事実認識は間違っている。米上院議員らは、マケドニアの隣国アルバニアでもUSAIDがソロス氏の財団支部に資金を出したと主張するが、そんな事実はない。

 いずれにせよ各地に広がるソロス氏の悪評は奇妙だ。確かに同氏は聖人ではない。92年に英ポンドを空売りし、「イングランド銀行を屈服させた」時のように、築いてきた富の一部は為替投機で得たものだ。フランスでは88年のインサイダー取引で有罪判決を受けている。だが、立派な大義に巨万の富を寄付してきた。

 ソロス氏の顧問を長年務めてきたマイケル・バション氏は、ソロス氏は例えば少数民族ロマ人の権利や死刑廃止を求める活動から個人的利益は一切得ていないと指摘する。バション氏いわく、政治面でソロス氏は多くの大物寄付者とは異なり、「常に公共目的のためにロビー活動をし、自分の利益のために活動することは決してない」。税制に関する活動では、自分に損になりかねない政策を推進することも少なくない。

 ある意味、ソロス氏が今直面する苦境は独裁主義台頭の表れと言え、ポーランドのシコルスキ元外相はこう表現する。ソロス氏は「一貫して自由秩序を擁護してきたが、その自由秩序が今、攻撃を受けている」。東欧各国の強権的政権は、ソロス氏を選挙戦で批判し、民主主義の輸出に懐疑的なトランプ氏の台頭が自分たちの追い風になるのではとみている可能性がある。一方、米議会の一部勢力はソロス氏を標的にすると同時に、米国の海外援助を見直すべきだと主張するための材料の根拠に活用している可能性がある。
 
 原因が何であれ、ソロスたたきが高じるに従い、他の厄介な見方も浮上している。抗議対象がトランプ氏の政策であれ、ルーマニアの汚職であれ、平和的なデモ参加者はソロス氏に買収されて街頭に繰り出しているという中傷だ。「抗議者全員にお金を払っていたら財団は何度も破産しているし、それは自分の信念で立ち上がった人たちへの侮辱だ」とOSFのローラ・シルバー氏は話す。

 さらに、ソロス氏を敵に見立てる特定の連中がいる。彼をタコやハンガリーの広告板のように人形遣いとして描くイラストは前世紀の反ユダヤの宣伝工作を思い出させ、衝撃的だ。ソロス氏を取り巻く現状を「彼はナチスを生き延びたし、長い目で見て対応している」とバション氏は言うが、ソロス氏にとっては憂鬱になるほどなじみがあることに違いない。

(5月20日号)

[日経新聞5月24日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/544.html

[国際19] イラン 議会など複数の場所で襲撃 1人死亡 けが人複数

イラン 議会など複数の場所で襲撃 1人死亡 けが人複数[NHK]
6月7日 16時54分

イランの首都テヘランや、その周辺で7日午前、日本時間の夕方、議会など複数の場所が相次いで襲撃を受け、議会周辺などが封鎖されています。地元メディアによりますと、これまでに1人が死亡したほか、複数のけが人が出ているということです。

イランの首都テヘランの中心部にある議会で、日本時間の7日午後4時前、武装した4人の男たちが発砲しながら、建物の中に侵入しました。

地元メディアによりますと、これまでに男1人が治安当局に拘束されましたが、残る3人は議会の中の部屋の中に押し入って、治安当局が現在、周囲を取り囲んでいるということです。

また、テヘラン近郊にあるイスラム革命の指導者ホメイニ師の遺体が安置されているホメイニ廟にも武装したグループが侵入し、発砲したあと、このあと1人がホメイニ廟の外で自爆しました。

イラン国営放送によりますと、このほか、周囲にいたと見られる5人がけがをしたということです。

厳格なイスラム体制が続くイランでは、治安機関が武装組織などを取り締まるなど比較的治安が安定していて、首都で、こうした襲撃事件が連続して起きるのは極めて異例です。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170607/k10011009491000.html?utm_int=news_contents_news-main_003


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/613.html

[国際19] イラン国会など銃撃、死者12人に 「イスラム国」犯行声明

イラン国会など銃撃、死者12人に 「イスラム国」犯行声明 [日経新聞]
2017/6/7 23:41

 【ドバイ=岐部秀光】イランの首都テヘランにある国会議事堂と首都郊外の故ホメイニ師の墓廟(ぼびょう)で7日午前ほぼ同時刻、それぞれ別の武装組織が自動小銃などで市民らを攻撃した。国営テレビによると少なくとも12人が死亡、42人が負傷した。イラン政府はテロと断定。宗派対立を先鋭化させる狙いもあるとみられ、中東各地の紛争が一段と混迷を深める可能性がある。

 イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」(IS)は自身が運営する「アマク通信」を通じて犯行声明を出した。シーア派を国教とするイランでISが実行した初のテロとみられる。

 ISは欧州などのテロで事後に「ISの戦士が実行した」と、追認型の犯行声明を出してきた。今回は国会襲撃時に撮影したと称する動画を公開し、組織的な攻撃だったと主張しているようだ。

 イランの通信社によると国会議事堂では武装した4人が押し入って銃を乱射。うち1人が自爆ベルトを起動した。1人は自爆前に治安部隊に射殺された。治安部隊は、人質を取って立てこもった残る2人を銃撃戦の末に殺害した。事件の一報から5時間が経過し、イランの通信社は議事堂が制圧されたと伝えた。

 ホメイニ廟でも武装した4人が銃を乱射。1人が自爆し、1人は治安部隊に射殺された。残る2人は現場で逮捕された。

 イラン政府は緊急の治安会議を開いた。イラン情報省は第3のテロ計画もあったが、未然に防いだと発表した。標的などは明らかにしていない。

 1979年のイラン革命を指導したホメイニ師の墓廟と国会は国の象徴ともいえる重要な施設で、政府だけでなく市民も衝撃を受けている。

 ISはアルカイダなど他の過激組織と比べ、シーア派を深く憎悪しているのが特徴。イラクなどで同派モスクを繰り返し狙ってきた。だが、イランは革命防衛隊など強力な治安組織が存在する国内でISのテロを許したことはなかった。

 今回のテロには、各地のスンニ派とシーア派で相互の憎悪を高める狙いがうかがえる。イラクやシリアの対IS掃討作戦は、イランが支援するシーア派民兵が介入し、すでに「宗派戦争」の色彩が濃くなってきた。イエメンの内戦も同様だ。

 IS支配から解放されたイラクの一部の町ではシーア派民兵がスンニ派住民に報復する例が伝えられた。イラクのIS最大拠点モスルは政府軍による奪還が間近だが、宗派対立で作戦の実行やその後の治安維持が難しくなる可能性がある。

 核合意によって制裁が解除されたイランは、治安の良さを売りにして外国企業を誘致しようとしてきた。経済の打撃は大きく、治安対策の強化に動くのは確実だ。

 5月にサウジを訪問したトランプ米大統領は、対テロでの結束とイラン包囲網の強化を打ち出した。しかし、イランは「世界でテロを引き起こしているのはスンニ派の過激組織」と反発。国内の安定を脅かされた現在、保守強硬派が矛先をサウジなどアラブ諸国に向ける可能性がある。イランとサウジの和解は一段と難しくなる。

 強硬派を支持する革命防衛隊などの発言力が高まれば、5月の大統領選挙で再選したロウハニ大統領は社会の自由化や開放を進めにくくなる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H6W_X00C17A6FF2000/?dg=1&nf=1



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/617.html

[国際19] 金正男氏は、米情報機関の職員?:正恩氏に会ったことさえなく政権中枢にもいない過去の人=正男氏にどんな情報価値??

金正男氏は、米情報機関の職員?[スプートニク日本語]
2017年06月13日 00:04(アップデート 2017年06月13日 01:22)

朝日新聞は、マレーシアで殺害された北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄弟、金正男氏について、「正男氏が殺害前に米情報機関とつながりがあると指摘される米国人と接触していたことが、マレーシアの捜査幹部らへの取材でわかった」と報じた。

朝日新聞によると、正男氏は、米国の情報当局とつながりのある人物から情報提供の対価として現金を受け取った可能性があるという。

朝日新聞は、殺害された金正男氏の持ち物を検査したところ、カバンの中に300枚ずつ括られた100ドル紙幣が4束発見されたと報じた。

なお捜査当局によると、正男氏は現地の銀行で一度も通貨を引き出していないという

これを受け、マレーシアの捜査当局は、現金は米情報当局とつながりのある人物から渡されたのではないかとの見方を示している。

また正男氏は、過去にもこの人物と数回会っているという。

したがって、北朝鮮の情報機関が正男氏の口を封じるために殺害した可能性もある。
2月13日、マレーシアのクアラルンプール空港でキム・チョルという名義のパスポートを所持した北朝鮮国籍の男性が殺害された。マレーシア警察によると、この人物は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄弟、金正男氏だった。

https://jp.sputniknews.com/world/201706133751074/

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正男氏、殺害時12万ドル所持 マレーシアで受け取る?[朝日新聞]
6/10(土) 21:43配信


殺害された金正男氏のバッグから見つかった12万ドル分の100ドル札の束(関係者提供)

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、正男氏が殺害された時に12万ドル(約1300万円)の現金を持っていたことが、マレーシアの捜査幹部への取材でわかった。捜査当局は、正男氏がマレーシア国内で受け取ったとみている。

 2月6日からマレーシアを訪れていた正男氏は、家族が暮らすマカオに戻ろうとした同月13日、実行役の女2人や北朝鮮籍の男らに空港で待ち伏せされ、顔に猛毒を塗られて死亡した。

 警察が所持品を調べたところ、正男氏の黒のバッグなどから北朝鮮の外交旅券やノート型パソコン、携帯電話2台、薬に加え、大量の100ドル札が見つかった。100ドル札はほぼ新札で、300枚ごとに分けられ、計4束あった。


最終更新:6/10(土) 22:40

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170610-00000066-asahi-int



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/643.html

[国際19] 世界の科学技術「米中2強」に 中国、論文4分野で首位

世界の科学技術「米中2強」に 中国、論文4分野で首位 [日経新聞]
2017/6/12 23:48

 技術革新の源泉となる科学研究論文で、コンピューター科学や化学など4分野で中国が世界トップにたったことが文部科学省所管の科学技術振興機構の調査でわかった。主要8分野を米国と分け合った形で、米国1強から「米中2強」の時代に突入した。科学技術予算の急増のほか、海外在住の中国人研究者の獲得や若手教育などの政策が功を奏している。

 3年連続のノーベル賞受賞に湧く日本は低迷。技術革新や産業競争力で後れをとりかねない。

 世界の学術論文を収めたデータベースを使い、他の論文に引用された回数でみた影響力を分析。引用回数が上位10%の論文から、米国、英国、ドイツ、フランス、中国、日本に所属する研究者の顔ぶれを割り出した。

 2015年時点で「コンピューター科学・数学」「化学」「材料科学」「工学」で中国が首位。米国は「物理学」「環境・地球科学」「臨床医学」「基礎生命科学」で1位だった。

 中国の躍進ぶりを象徴するのが、スーパーコンピュータや暗号技術など安全保障に関わるコンピューター科学だ。21%が中国の研究者の成果で、17%の米国を抜いた。2000年時点では3%にすぎず、米国の20分の1以下だった。スパコンの性能でも2013年から中国製が世界1位。16年は1、2位を独占した。

 米国のお家芸といわれる物理学分野でも20%に上昇、26%の米国を猛追する。中国は60億ドル(約6700億円)以上を投じて世界最大の加速器を建設する。質量の源ヒッグス粒子を発見した欧州の巨大加速器「LHC」の2倍で、最先端の素粒子物理学でも世界の中心になる可能性がある。

 躍進を支えるのが潤沢な資金と人材への投資だ。研究費は00年ごろは官民合わせても5兆円ほどだったが、14年には38兆円と急拡大。18兆〜19兆円前後で推移する日本の2倍で、米国の46兆円に迫る。先進国で学んだ中国人研究者を呼び戻しているほか、留学や派遣を通じて海外の研究人脈と太いパイプを築く。

 分析に関わった同機構の伊藤裕子研究員は「中国が多くの分野で米国を抜くとは予想外だ」と指摘する。当分、米国優位は続くとみられるが、トランプ大統領は科学予算を大幅に減らす方針を示しており、中国の存在感が一層増しそうだ。

 日本は得意としてきた化学分野で5位と低迷。他の分野も5〜6位だ。ノーベル賞受賞者は21世紀に入って17人と米国に次ぐが、30年以上前の研究がほとんど。世界に取り残されつつある。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO17574100S7A610C1I00000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/644.html

[原発・フッ素48] セシウムの粒、事故知る鍵  炉心溶融で生成?影響未知:セシウムボールを含むプルームの飛散状況

※図のなかの「プルームが流れたおおよその時期」について:

A:ABは、2号機S/C破壊(水が枯渇してしまったS/C(圧力抑制室)に対し主蒸気逃がし弁操作で何度も高圧蒸気を噴射したことで起きた事象)に伴う漏出

「事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/549.html

「[事故発生から2号機圧力抑制室損壊までの経緯:5] (その7)」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/601.html

「[2号機圧力抑制室損壊問題]東電資料より:S/Cプールの水は隔離時冷却に使われ防護機能を喪失:圧力破壊の可能性が大」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/219.html

B:FGHは、3号機での「ドライベント」やいずれかの号機で起きた再臨界により漏出したと思われる。

[参照投稿]
「「3月20日3号機格納容器内爆発」説を読む[その1]“鮮度がいい”放射性物質の漏出・飛散に関する検証」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/600.html

「「3月20日3号機格納容器内爆発」説を読む[その2]」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/646.html

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セシウムの粒、事故知る鍵
炉心溶融で生成?影響未知


 東京電力福島第1原子力発電所事故の際、放射性セシウムを含む未知の微粒子(セシウムボール)が原子炉から放出され、遠く関東地方まで飛んできたことが最近の研究で分かった。従来知られてきたセシウム放出物とは体内に取り込んだ場合の健康への影響も異なると考えられる。事故の進展を推測する手がかりとしても注目される。

 セシウムボールを最初に見つけたのは茨城県つくば市にある気象研究所の研究チームだ。大気汚染の観測装置のフィルターから直径2.6マイクロ(マイクロは百万分の1)メートルのセシウムを含む球形粒子を発見した。装置に粒子が採取されたのは2011年3月14日から15日の間。福島第1原発で炉心溶融(メルトダウン)が相次いで起きていたと考えられているころだ。

 研究チームが解析を終え発表したのは13年夏だ。この発見は、事故で広がった放射性物質の影響を調べている科学者らの間に懸念を呼び起こした。セシウムボールは水に溶けない微粒子だったからだ。

 今年5月には東京理科大学などが、セシウムボールが関東地方の広い範囲に飛んできたことを学会で発表した。

 炉心が溶融した原子炉から出る放射性セシウムは、大気中の成分と結合し化合物(水酸化物や硫化物など)の微粒子となり広がる。これらは可溶性で地面に落ちるとセシウムは水に溶けた後、土壌粒子と固く結びつく。表土をはがせばセシウムは除去できる。体に取り込んだ場合、1〜3カ月程度で半分が体外に排出される。セシウムを含む食物をとらないよう心がければ内部被曝(ひばく)は減らせる。

 一方、セシウムボールは地面に落ちてもセシウムは溶け出さず、土壌に固定されない。微粒子は再飛散の恐れがある。体内に入ると肺の中などに長くとどまりやすい。大きさが大気汚染の原因となる微小粒子状物質PM2.5と同程度で、吸い込むと出にくい。森口祐一東京大学教授は「健康影響を知るうえで従来の考え方が適用できない」と話す。

 現在、複数のチームが謎の粒子を追いかけている。小暮敏博東大教授らはセシウムボールの構造や成分を詳しく調べた。ケイ酸塩ガラス(窓ガラスの主要成分)の中にセシウムや鉄、亜鉛などが閉じ込められていた。原発に近い場所では10マイクロメートルを超える大きさで丸くないものも見つかった。

 健康影響を把握するうえで何より知りたいのは、放出量と放出のタイミングだ。東大や東京理科大などの研究者らは東北、関東地方にある大気中の浮遊粉じん観測装置のフィルターを集めて調べ、セシウムボールがいつ、どれくらい飛んでいたかを割り出そうとしている。

 12日ころに北に流れた1回目のプルーム(放射性物質を運んだ空気の流れ)ではセシウムボールは見つからず、15日に関東に到達したプルームに多く含まれていたことがこれまでに判明。九州大学などの分析では、15日に東京都内でとらえた放射性セシウムの8〜9割が不溶性だった。つくば市より南の関東地方南部でも15日に飛来したと考えられるセシウムボールが見つかった。

 中島映至東大名誉教授らは福島第1原発からは9回のプルームが出たと推測する。このうち福島第1原発2号機から出たと考えられる2回目のプルームが15日に関東に来た。2号機は14日夜から冷却ができなくなり15日にかけて炉心溶融が進んだと考えられている。粒子が2号機のものだということは放射性物質の構成比から推定できる。

 2号機では今年2月、東京電力などが格納容器内にロボットを入れたところ、原子炉本体(圧力容器)の外側で非常に高い放射線を検出した。その正体は不明だが、炉心溶融で発生した様々な放射性物質が相当な量、原子炉の外側に広がることを示唆する。

 セシウムボールの主成分のケイ素はコンクリートや断熱材に含まれる。溶けた核燃料がコンクリートなどを蒸発させ、それが大気中で急冷しガラス状に固まる際にセシウムなどを取り込んだというシナリオが想定されている。

 東京理科大チームは、直径約1マイクロメートルのセシウムボール1個に含まれる放射性セシウムの量は1ベクレル以下と報告する。飛散地域の空間放射線量を上げるほどではなく外部被曝を心配する必要は小さい。ただ帰宅困難地域の住宅内のホコリの中にセシウムボールがあったと東大が報告している。掃除や除染のために立ち入る際には吸い込まないようマスク着用などの注意が必須だ。

 事故の進展過程を知り、健康影響の全体像を把握するためにはセシウムボールについてさらに詳しい研究が必要だ。

(編集委員 滝順一)

[キーワード]浮遊粉じん観測 当時のろ紙の調査進む

 都道府県はPM2.5など浮遊粉じんを観測する装置を各地に持つ。装置のフィルター(ろ紙)に福島事故時に飛散した放射性物質がとらえられていることに気がついた研究者が呼びかけ、環境省は2011年に自治体に対し、ろ紙の保存を要請した。

 現在までに東北、関東の99地点からろ紙が東京大学などに集められ、順次調べられている。ろ紙は1時間ごとに交換されるため、セシウムボールに限らず放射性セシウムの飛散量の時間変化が分かる。

 例えばリモート・センシング技術センターの鶴田治雄特任首席研究員は、3月12日の1号機のベント(排気)で出た高濃度のプルームの検出に成功した。

[日経新聞6月11日朝刊P.30]


http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/294.html

[中国11] 中国反腐敗、紅二代に波及 党大会へ権力闘争か:標的はトランプ氏当選直後に保有ホテルで会食した安邦保険集団呉小暉董事長

中国反腐敗、紅二代に波及 党大会へ権力闘争か
党・軍幹部の子弟に親密な保険大手トップ拘束

 【重慶=多部田俊輔】中国の反腐敗運動が、これまで聖域視されてきた「紅二代」周辺にも及び始めた。建国に功績があった幹部の子弟である紅二代に近いとされる中国保険大手経営トップの身柄拘束が14日までに明らかになった。習近平国家主席の盟友、王岐山・党中央規律検査委員会書記が指示しているとみられる。共産党の最高指導部が大幅に入れ替わる5年に1度の秋の党大会を控え、権力闘争がうごめいている可能性もある。


 中国の保険大手、安邦保険集団は14日、呉小暉董事長が「個人的な理由で職務を履行できなくなった」と発表した。5月に開かれた国際会議や北京市での大使館イベントを最後に姿を見せておらず、当局に身柄を拘束されたもようだ。

 呉氏は浙江省出身。浙江省幹部の娘と結婚し、1990年代に自動車リースなどで起業した後、2004年に安邦を設立して経営トップを担ってきた。副首相などを歴任した陳毅氏の息子、陳小魯氏と親しく、中国の改革開放を進めたケ小平氏の孫娘と再婚したとされる。江沢民元国家主席と近いともいわれる。

 安邦は自動車保険会社としてスタートし、米名門ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」の買収など業務を拡大。呉氏は昨年秋にトランプ米大統領の長女の夫、クシュナー大統領上級顧問と会ったことなどでも注目を集めた。

 安邦が急成長をたどる中で、中国大手メディアの「財新」は安邦の資金調達にかかわる不正や呉氏の紅二代との関係を報じてきた。呉氏は誤報などとして財新の記者を訴えるとしているが、財新の背後には、腐敗撲滅を進める王岐山氏が協力しているとの見方も根強い。

 王氏を巡っては4月に、親族にかかわる不正調査を米国逃亡中の実業家、郭文貴氏が米メディアを通じて暴露したばかり。今回拘束されたもようの呉氏は郭氏に連なるとの見立てもある。

 王氏が指揮する党中央規律検査委は4月、規律違反の疑いで中国保険監督管理委員会の項俊波前主席の身柄を拘束した。項前主席は郭氏と共謀したとされるほか、呉氏や安邦の不正を支援したとの観測も浮上している。3人が共謀した可能性も調べるとみられる。

 5年に1回の党大会は最高指導部が大幅に入れ替わるため、その前には権力闘争が激しくなる。5年前は重慶市トップで、一時は習近平国家主席のライバルとみなされた薄熙来氏が腐敗や妻の殺人事件などで失脚した。権力闘争と絡んで反腐敗運動が活発になる中で、中国で有力な地位を持つ紅二代にかかわる腐敗の深刻さが明らかになる可能性もある。

紅二代とは

 ▼紅二代 中国建国に参加した中国共産党や軍の幹部を親などに持つ子弟。中国を「我々の親が作った国だ」という意識が強いとされる。

 社会で高い地位に就いていることが多く、政治やビジネスなどでも大きな影響力を持つとみられる。現在の最高指導部7人のうち、習近平国家主席のほか、王岐山氏や兪正声氏、張徳江氏が紅二代とみなされている。

[日経新聞6月15日朝刊P.9]

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トランプ政権を手玉に、中国の人・カネ・外交  編集委員 飯野克彦
2017/5/28 2:00

 米国のドナルド・トランプ大統領が、就任する前とは打って変わって中国に融和的な姿勢を鮮明にしています。選挙戦で対中強硬論をぶっていた大統領候補が当選後に中国重視へと旋回するのは珍しくありませんが、トランプ氏の旋回ぶりには目覚ましいものがあります。大統領の個性による面が大きい印象ですが、中国がトランプ政権の「つぼ」を巧みに押さえた面があることも指摘できます。

 北京の中心部からやや西寄り。「金融街」とよばれている一角にザ・リッツ・カールトン北京という高級ホテルがあります。ここで5月6日、中国の富裕層に米国への不動産投資をうながす商談会が開かれました。主催した「北京僑外出国諮詢服務」は、海外への移民をのぞむ人々へのサービスで成長してきた企業グループ「僑外集団」の中核企業です。宣伝ポスターが「50万ドルで米国移民」とうたっていたように、米国内で50万ドル以上の投資をした外国人は米国の永住権を得られるという「EB−5」プログラムを活用した、投資商談会でした。

■娘婿とその関係者に食い込む

 習近平・国家主席の号令で「反腐敗運動」が猛威をふるっていることもあり、中国ではこのところ移民熱が一段と高まりを見せています。移民の機会を提供するこうした商談会は珍しくありません。ただ今回は、米ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなどの記者が取材をこころみるなど、一部のメディアが強い関心を寄せました。投資を勧誘する側の代表として、ニコール・クシュナー・メイヤーさんが登場することになっていたからです。


中国富裕層に米国への不動産投資を促す商談会で、プロジェクターにはトランプ氏自身も映し出された=AP

 名前からうかがえるように、トランプ大統領の女婿であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問の妹です。トランプ家とおなじくクシュナー家も不動産事業で財をなしました。政府の要職に就いたジャレッド氏は少なくとも形の上では家業から手を引いていますが、ニコールさんは幹部としてつとめているわけです。この日の商談会で投資対象として紹介されたのは、クシュナー・カンパニーズがニュージャージー州のジャージーシティーで開発を進めている「ワン・ジャーナル・スクエア」という複合ビルでした。

 兄が大統領の顧問をしていようが、その義父が大統領の座にあろうが、民間企業の幹部として自社商品を宣伝するのは当然の商行為ではあります。物議をかもしたのは、商談会のなかでニコールさんが「兄は最近ワシントンへ行き政府の仕事をしている」などと語ったことでした。政権中枢とのつながりをビジネスに利用したのでは、といった疑念を招いたのです。また、トランプ大統領が大統領選で移民問題をことさらに強調し、実際の政策としても移民受け入れの要件を厳格化しようとしているときに、大統領の親族がこれまでの仕組みに沿った移民を勧誘した形になったことも、違和感をもって受けとめられたようです。

 翌日、ニコールさんは上海の商談会にも顔を見せましたが、その後の予定にあった広州(広東省)や深圳(同)などでの商談会には出なかったそうです。クシュナー・カンパニーズは「投資を引き出す目的で(ジャレッド・)クシュナー氏の名前を出したと解釈されてしまったのであれば謝罪する。(ニコール・クシュナー・)メイヤー氏が意図したことではなかった」との声明を出しました。

 いずれにしても、トランプ政権の周辺に中国マネーが浸透しつつあることを浮き彫りにしたエピソードです。実は6日の商談会に際し、僑外集団は「クシュナー家と再び手を組んだ」と大々的に宣伝しました。ジャレッド氏が経営を退く前からクシュナー・カンパニーズは僑外集団と取引関係があったのです。1月20日のトランプ大統領の就任式に、僑外集団トップの丁頴・総裁が招かれていたことから、両企業グループの親密ぶりがうかがえます。僑外集団が食い込んでいるのは、トランプ政権の周辺というよりは中枢そのものとみるべきかもしれません。

 僑外集団に対して中国共産党政権がどれほどの影響力を持っているのか、実態はわかりません。ただ、海外への移民のあっせんという業務は当局との緊密な関係がなければ公然とできるものではありません。僑外集団からクシュナー家、そしてトランプ政権の中枢へと通じるルートを共産党政権は押さえた――。こんな構図が浮かび上がります。

■米中首脳会談でもクシュナー氏と連携

 ジャレッド氏が中国マネーと因縁浅からぬ関係にあることは、別のエピソードでも明らかになっています。

 トランプ氏が当選を決めてほぼ1週間後に当たる2016年11月16日の夜。ジャレッド氏はニューヨーク・マンハッタンのミッドタウンにある高級ホテル、ウォルドーフ・アストリアの中華レストランで食事をしました。ニューヨーク・タイムズによると、1本2100ドルするワイン「シャトー・ラフィット・ロートシルト」を酌み交わした相手は、中国の大手保険会社、安邦保険集団の呉小暉・董事長。同社は2014年、ほかでもないウォルドルフ・アストリアを19億5000万ドルで買収したことで世界に名をはせました。呉董事長みずからは、かつての最高実力者・ケ小平氏の孫娘と結婚したことで知られています。

 ことし3月になって、クシュナー・カンパニーズがマンハッタンに所有する高層ビルの再開発事業に安邦保険集団が巨額の投資を検討している、と報じられました。それから間もなくクシュナー・カンパニーズは「もはや安邦とは協議していない」と発表しました。実情はどうあれ(1)ジャレッド氏は中国の大手企業の経営者と親しい(2)その経営者は中国で「太子党」と呼ばれる、共産党政権高官の子弟でもある(3)すくなくとも一時は中国マネーがクシュナー・カンパニーズに流れ込む動きがあった――ことはあきらかです。中国の崔天凱・駐米大使はトランプ氏の当選から短い期間のうちにジャレッド氏と太いパイプを築きましたが、その背景に呉董事長や丁総裁らの人脈と中国マネーの作用を読み取る向きは少なくありません。


4月に開催された米中首脳会談で、クシュナー氏(左から2人目)は大きな役割を果たしたとされる=ロイター

 セクレタリー・オブ・エブリシング(あらゆることの長官)――。米紙が皮肉を込めてこう評しているように、ジャレッド氏はいまや大統領の腹心としてトランプ政権のさまざまな意思決定に関与しています。米フロリダ州にあり「南のホワイトハウス」と呼ばれるトランプ氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」で4月上旬に開いた米中首脳会談も、ジャレッド氏と崔大使が手を携えて下ごしらえをしたとされています。そんなジャレッド氏に中国マネーはしっかり食い込んだ印象がありあます。

 ジャレッド氏の夫人、すなわち大統領のまな娘であるイバンカ・トランプ大統領顧問にも、中国マネーの影はちらついています。

 イバンカさんは自分の名前を冠したファッションブランドの創設者です。米AP通信によると、米中の両首脳が「マール・ア・ラーゴ」で夫人たちも交えた夕食会を開いた4月6日、中国当局は宝石やバッグなど3分野で「イバンカ・トランプ」の商標登録について仮承認したそうです。

 周知の通り、トランプ政権をめぐっては政治倫理にかかわる問題がいろいろと浮上しています。足元では、ロシアとの不透明な関係をめぐる疑惑「ロシアゲート」が大きく政権を揺さぶっていますが、中国マネーがからんだ問題も疑念を招いているのは確かです。中国からみれば、米国の政策が中国にとって都合のいい方向に動くよう影響を及ぼすことができれば、それにこしたことはないでしょう。たとえそうならなくても、トランプ政権が政治倫理の問題に揺さぶられ米国の国際社会での指導力の減退につながるのなら中国にとって利益になる、とみている可能性もあります。

もちろん、中国のトランプ政権への働きかけは、クシュナー家やイバンカさんといった私的なつながりを通じたものだけではありません。たとえば、米中首脳会談で貿易不均衡の是正に向けた「100日計画」で合意して1カ月あまりたった5月中旬、米国産牛肉の輸入再開などを盛り込んだ「10項目合意」の発表にこぎつけました。トランプ政権は2国間の交渉を通じて貿易赤字の削減を目指すことを対外経済政策の柱に据えています。そのモデルケースともいうべき成果を中国は提供したわけで、なかなか「つぼ」をこころえた一手です。

■アジアから米影響の排除狙う

 もう一つ、中国がトランプ政権をたぐり寄せるための「つぼ」の役割を果たしているのは、北朝鮮の核・ミサイル問題です。


北朝鮮問題などでも、アメリカからの圧力を中国に有利に動かしている=AP

 この問題では、トランプ大統領が武力行使も示唆して北朝鮮への影響力を行使するよう習主席に圧力をかけ、中国は金正恩政権の説得に四苦八苦している、というのが一般的に語られている構図でしょう。しかし視点を変えれば、中国は北朝鮮の暴走に歯止めをかけられる立場を生かして米中関係を自らが有利になるよう動かしている、という構図でもあります。2001年の米同時テロと比べると、わかりやすいかもしれません。

 16年前、発足して間もないブッシュ政権は厳しい対中姿勢を鮮明にしていました。それを一変させたのが同時テロです。米中関係に及ぼした影響は劇的で、中国の専門家が「テロは米国にとって悲劇だったが、中国の発展にはとても有益だった」と語ったこともあるほどです。米中の間で、16年前の同時テロと同じ役割を現在は北朝鮮の挑発的な行動が果たしている、とみることができます。

 「アジアの問題はアジアの人々が対処し、アジアの安全はアジアの人々が守るべきだ」。習主席は2014年、上海で開いた国際会議の場でこう演説したことがあります。それ以前には、中国政府の高官が米軍の高官に対し、太平洋の東半分は米国が、西半分は中国がそれぞれ管理する、というアイデアを持ちかけたこともありました。

 アジアの安全保障で米国の影響力を排除し中国の勢力圏におさめる、という戦略を中国は持っているのでしょう。19世紀の前半に、ジェームズ・モンロー米大統領が南北アメリカに対する欧州からの干渉を拒否する考えを表明したのを連想させます。いわば中国主導のアジア版モンロー主義で、遠い将来の歴史書には「習近平主義」と記されることになるのでは、などという想像まで誘います。

 だからこそオバマ前大統領は「アジア回帰」を掲げ、環太平洋経済連携協定(TPP)を推進して中国に対抗しようとしました。けれどトランプ大統領はTPPから離脱し、北朝鮮への対処で中国に下駄(げた)をあずけ、さらに最近は南シナ海の問題でも中国に配慮する考えを公然と表明しています。アジア版モンロー主義には格好の追い風です。

飯野克彦(めしの・かつひこ)1983年日本経済新聞社入社。北京支局、バンコク支局長、中国総局長、ベンチャー市場部長などを経て論説委員兼編集委員。専門は中国、東南アジアを中心としたアジア情勢。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO16883210W7A520C1000000/


http://www.asyura2.com/17/china11/msg/619.html

[原発・フッ素48] 原子力機構事故なぜ危険 内部被曝、大きい破壊力

原子力機構事故なぜ危険 内部被曝、大きい破壊力
がんや白血病リスク高まる

 放射性物質に関連した事故で問題になるのが、放射性物質が体内にたまる内部被曝(ひばく)だ。日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で6日に起きた事故でも、直後に作業員の肺から最大約2万2千ベクレルが検出されたと発表され、懸念されている。実際の放射線量は大幅に低かった可能性が高いが、内部被曝はどのような現象で、なぜ危険なのだろうか。


 放射線を浴びる被曝は、内部被曝と体の外から飛んできた放射線を浴びる外部被曝に分けられる。内部被曝は体内にとどまった放射性物質から出る放射線が、内側から体内の組織を傷つける。外部被曝に比べて長時間被爆が続きやすく、局所的に重い影響を受ける恐れがある。


臓器傷つける恐れ

 いくつかの種類がある放射線の中でも内部被曝で特に危険視されるのはアルファ線だ。速度は遅く紙1枚で防ぐことができるので、体外から飛んでくる放射線を浴びる外部被曝では皮膚で止まってしまい、ほとんど問題にならない。だが重い粒子でぶつかると衝撃が強く、体内に入ると細胞などを破壊する力は大きい。放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)の今岡達彦さんは「内部被曝して臓器のそばで一旦沈着すると、影響は大きくなる」と説明する。

 アルファ線による内部被曝の影響は、外部被曝で問題となるガンマ線の約20倍とされる。遺伝子情報を持つ細胞内のDNAを傷つけ続けると、細胞が死んだり突然変異を起こしたりする。その結果、がんや白血病などのリスクが高まるとされる。


 例えば原発事故で飛散しやすい放射性ヨウ素は甲状腺とよばれるのどの臓器に集まりやすく、甲状腺がんをおこしやすくなる。旧ソ連のチェルノブイリ事故では放射性ヨウ素を含んだミルクを飲んだ子どもが、数年後に甲状腺がんを発症する確率が高くなった。

 こうした内部被曝を防ぐため原子力発電所の立地自治体は通常、重大事故時の対応のために安定ヨウ素剤を備えている。放射能のない無害のヨウ素を甲状腺に先にため、放射性ヨウ素がたまらないようにするためだ。

 原子力機構の事故は、作業員5人が放射性物質の入った貯蔵容器の点検中に発生した。50代の男性作業員が実験で使い終わった放射性物質を入れた貯蔵容器の蓋を開けたときビニールバッグが破裂し、内部の放射性物質が飛び散った。

 体内の放射性物質はまず3人の作業員の鼻の穴から最大24ベクレルが検出された。原子力機構は肺の測定でプルトニウム239を最大2万2千ベクレル検出したとし、作業員は放医研に搬送された。

 ベクレルは、プルトニウムなど放射性物質が放射線を出す能力を示す単位で、放射線の人体への影響はシーベルトという別の単位で示される。シーベルトはベクレルに放射線の種類などを考慮して計算する。肺から最大2万2千ベクレルと発表された当初は、単純計算で年1.2シーベルトとされた。1年間で作業員が浴びてよい上限は0.05シーベルトと決まっており、これを大幅に上回る。

 ただ、放医研の7日の再検査では肺からプルトニウムは検出されなかった。原子力機構の担当者は事故直後の測定は体の表面に付いた放射性物質が十分とりのぞかれておらず、信頼性の低い結果だったと認めているが「内部被曝した可能性は極めて高い」と説明。現在、詳しい検証を進めているところだ。

 放射性物質を取り扱うときには、誤った吸引を防ぐマスクや防護服は必須だ。今回被曝した作業員も鼻と口を覆う半面マスクは付けていた。きちんと装着できていたなら、なぜ放射性物質を吸い込んでしまったのかは今後の調査が必要となる。

薬剤投与し排出

 内部被曝の治療には体内に取り込んだ放射性物質を早期に体外に排出する「キレート剤」と呼ばれる薬剤を使っている。内部被曝の量を減らすためには、体内から放射性物質を取り除くことが効果的なためだ。

 被曝した作業員は放医研で治療を受け、受け入れ前に原子力機構が投与した分を含め、10日までの5日間、1日あたり30分間の投与を続けた。放医研が所属する量子科学技術研究開発機構の執行役を務める明石真言さんは「可能性も含めて全員に内部被曝があると考えている」と述べ、長期的な経過の確認が必要との考えを示した。作業員は13日に退院したが、体内に取り込んだ放射性物質を詳しく調べるために、採取した尿や便の分析を進めている。

 原子力規制委員会は原子力機構に19日までに、事故の原因や再発防止策を報告するよう求めた。放射線の安全規制が専門の委員、伴信彦さんは「マスクの取り付けなど、作業手順がどこまで妥当だったのか厳しくみていくべきだ」と指摘する。当初2万2千ベクレルとした検査結果がなぜ出たのかの検証も必要となる。

(安倍大資、猪俣里美)

[日経新聞6月16日朝刊P.31]



http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/305.html

[戦争b20] 新型迎撃ミサイル、日米発射試験に失敗:「SM3ブロック2A」

新型迎撃ミサイル、日米発射試験に失敗
6/22(木) 20:27配信

 防衛装備庁と米ミサイル防衛庁は22日、共同開発中の海上配備型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の発射試験を米ハワイ沖で行った。米イージス艦から発射し、弾道ミサイルに模した標的を撃ち落とそうとしたが、迎撃は確認できなかった。今後詳細なデータの解析を進める。海上での発射試験は2月に続き2度目で、前回は成功していた。

 SM3ブロック2Aは従来型より高い高度での迎撃を目指しており、平成33年度の配備に向け日米が共同開発を進めている。

最終更新:6/22(木) 23:05

産経新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170622-00000562-san-pol



http://www.asyura2.com/17/warb20/msg/491.html

[原発・フッ素48] 原子力機構で被曝事故 プルトニウム管理に疑問:「防げなかったのか?被ばく事故」

[このNEWS]原子力機構で被曝事故
プルトニウム管理に疑問

 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで作業員5人が放射性物質によって被曝(ひばく)する事故があった。


中に収めていたビニールバッグが破裂して放射性物質が飛散した金属製貯蔵容器(中央、日本原子力研究開発機構機構提供)=7日、茨城県大洗町

 プルトニウムを含む放射性物質を入れた保管容器を開けた際に容器内のビニール袋が膨らみ破裂した。当初作業員の1人が大量のプルトニウムを吸い込んだ恐れがあるとされた。詳しい検査で測定の誤りとわかり、5人とも内部被曝の懸念は残しつつ、すでに医療施設を退院した。仮に健康被害は心配されたほどではなかったにしても、事故の重大性は変わらない。

 リスク管理に詳しい山口彰・東京大学教授は「(作業や作業環境の適切さに)常に疑いを持って問いかけ、過去の教訓から学ぶ姿勢が安全確保には大切だ」と話す。もし放射性物質が漏れたらどうするのか。作業手順書には「破裂の恐れ」をチェックする項目があったが、軽視された。しかも開封作業の途中で袋の膨張を示唆する兆候があったにもかかわらず、作業を進めたのは慎重さを欠いていたと言わざるをえない。

 さらに事故を作業員の不注意だけに帰結させることはできない。原子力機構はこれまで事故やトラブルを繰り返してきた。高速増殖炉「もんじゅ」の運営を機構に任せられないと、田中俊一・原子力規制委員長が「運営主体の変更」を求めたのは記憶に新しい。しかし機構の管理体制を問うた「もんじゅ騒動」も廃炉方針が決まると、たち消えになった。

 事故のたびに原子力機構に対し政治的、社会的な圧力がかかり、政府と機構は改革と称し組織の統合や再編を繰り返した。しかしその場しのぎの「改革」に終わり、経営陣と現場が危機意識を共有できていないのではないか。

 もんじゅは廃炉作業が控える。茨城県の東海村や大洗町に原子力機構は多数の原子力施設を持つ。管理体制をこのまま放置すればさらに重大な事故が起きかねない。「政府や規制当局、原子力機構も本質的に安全向上につながる取り組みを真摯に進めることが求められている」と、もんじゅ問題にも関わった宮野広・法政大学客員教授は指摘する。

 もうひとつ疑問がある。核兵器の材料になるプルトニウムは厳しく管理されている。保有国が秘密裏に核兵器開発に転用するのを防ぐため、保管場所や量を国際原子力機関(IAEA)の査察官が常にチェックできる態勢がとられる。「保障措置」と呼ばれるルールで、日本も加盟する核不拡散条約に基づく。

 鈴木達治郎・長崎大学教授は「プルトニウムを保管する容器は封印され、それを開ける際にはIAEAか原子力規制庁の査察官がその場にいるはずだ」と話す。しかし事故を起こした作業グループは査察官を帯同してない。

 「容器の蓋を開けて空き容量を確かめるだけの作業だったから」というのが原子力機構の説明だが、それで本当に問題がなかったのか。

 80本ある貯蔵容器のうち長期間にわたって一度も中身を確認していなかったものがあること自体も問題だ。田中規制委員長は14日の記者会見で「ブツ(放射性物質)を見ないで状態だけ確認していたのか」と管理状況に疑問を呈した。

 日本は使用済み核燃料からプルトニウムを回収して燃料に再利用する「核燃料サイクル」を国家的事業として進める。大量のプルトニウムの生産・貯蔵が国際社会から容認されているのはIAEAの査察を全面的に受け入れているからだ。「日本は保障措置の優等生」と原子力関係者は自負してきた。この前提が崩れると核燃サイクル政策に影響が及ぶ。

 原子力規制庁の発足まで、保障措置は文部科学省が担当した。この面でも同省に責任があるのではないか。

(編集委員 滝順一)

[日経新聞6月17日朝刊P.6]

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「防げなかったのか?被ばく事故」(時論公論)
2017年06月21日 (水)
水野 倫之 解説委員

原子力機構で起きたプルトニウムの被ばく事故は、安全管理のずさんさが次々と明らかに。核兵器の原料ともなるプルトニウムは人体にとって極めて危険な物質で、厳格な安全管理が求められていたのに、なぜ事故を防ぐことができなかったのか。原子力規制委員会もきょう、現場に立ち入り検査を行って調査を開始。
これまで明らかになった数々のずさんさ。そして事故は防ぐことができなかったのか。さらに今後求められる対応。以上3つの視点から今回の被ばく事故を水野倫之解説委員が検証。

5人の作業員、当初心配されたほどではないとはいえ、全員の内部被ばくが確定。今後も観察が必要であることに変わりない。
機構は当初、肺から最大で2万2,000ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表。放射線医学総合研究所の測定では、検出限界値以下。
機構での除染が不十分で、からだの表面に残っていたプルトニウムを計測した可能性。

ただ今週、全員の尿からごく微量のプルトニウムが検出され、内部被ばくしていることが確定。薬によって排出されたと見られ、5人は再入院。
放医研では「すぐに健康に影響が出るとは考えていない」と説明も、今後も健康状態を注意深く見ていく必要。

被ばくは当初ほど重くはないにしても、事故が重大なものであることは変わらない。原子力機構のプルトニウム管理のずさんさが次々と明らかに。

まず、被ばく事故に対する想定の甘さ。
事故ではかなりのプルトニウムが飛び散った。

作業員が缶を開けたところ、中にあったプルトニウムなどを入れたビニール袋が破裂。作業台は密閉されてなく、全員が「もやもやしたもの」が漏洩するのを見たと証言。
床には飛散したプルトニウムとみられる塊も。

立ち入り制限値の10倍以上の放射能が検出されるなど部屋中がかなり汚染。
しかし、作業員は部屋に、3時間以上とどまることを余儀なくされた。
もっと早く外に出られていれば、被ばくは抑えられた可能性も。

機構がこうした規模のプルトニウムの被ばく事故が起きることを想定していなかった。
汚染された部屋から作業員を出すための小部屋を作らための資材を集めたり、作業員の確保に手間取り、設置に3時間あまりかかった。設置訓練もしてなかった。

またプルトニウム管理の甘さも。
プルトニウムを26年間点検していなかった上に、どんな状態で保管されているのかも把握していなかった。
缶の中にプルトニウムがあるのは確かだが、粉末なのか固形状態なのか、ほかにどんな物質が混じっているのかもわからない。

それは信じがたい話。
IAEAの査察もあるし、一定量集まっただけで、核分裂が連鎖的に起きて大事故につながるおそれもあり、どんな性状のものがどれだけあるのか厳重に管理するのは、原子力の基本。

しかし機構が把握していたのは量だけ。
このプルトニウムは新燃料の実験に使われたもので、当時はほかの物質も添加されたと見られるが、その実験記録が保管されているかどうかもわからないと。実験記録の保管は大学の研究室でもあたりまえ。
いつもやっているという慣れから管理が甘くなっていたのではないか、そう指摘する専門家も。

破裂した原因はまだ不明もその強い放射線によって添加された物質が分解してガスが出て事故につながった可能性も。

というのも、機構の別の施設で、同じようにプルトニウムを保管する袋が膨らんでいたという、今回の前兆とも言える事態が過去にあったことがわかった。
この施設では点検で膨らみを見つけ。原因究明の結果、プルトニウムの放射線で添加物が分解されてガスが発生したことがわかり、袋を新品に交換。

しかし問題はここからです。

機構はこの件を関係部署にメールで連絡はしたが、その危険性やどんな対策を採るべきかについては伝えていなかった。
この時のリスク情報が組織全体で共有されていれば、今回の事故を未然に防ぐことができたと思う。

このままの状態では、また大きな事故が起きかねない。
まずは早急に今回の事故を検証し、プルトニウムの安全管理体制を再構築しなければ。
規制委は立ち入り検査をして調査を始めまたが、専門家も交えた事故調査委員会を設けるなどして、第3者の目から徹底的に調べていかなければ。

その上で、あらためて原子力機構の組織や職員の安全意識についても政府が責任をもって改革を進め、リスクに敏感な組織にしていかなければならない。
今回の事故では「またか」という思い。
原子力機構はこれまでも、もんじゅなどで多くのトラブルや問題を。そのたびに組織改革が叫ばれ、職員の意識改革も行われてきたはず。
これまでの改革が、組織全体に浸透していない可能性。
この際、すべての部署が自分たちの問題と言う意識を強く持って改革に取り組まなければ。

(水野 倫之 解説委員)

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/273801.html



http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/332.html

[中国11] 消えた中国保険の創業者 派手な買収主導、規制強化で逆風

※関連参照投稿

「中国反腐敗、紅二代に波及 党大会へ権力闘争か:標的はトランプ氏当選直後に保有ホテルで会食した安邦保険集団呉小暉董事長」
http://www.asyura2.com/17/china11/msg/619.html

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消えた中国保険の創業者
派手な買収主導、規制強化で逆風[日経新聞]

 中国の保険大手、安邦保険集団の呉小暉董事長はわずか数カ月前、ニューヨークでより高い格付けを得ようと働きかけていた。最近は姿を目撃されておらず、中国当局に拘束されたとみられる。同社は今月「(呉氏が)個人的な理由で職務を果たせなくなった」と発表した。


呉董事長の買収戦略に透明性が欠けていた面も(3月、中国・海南島)=AP

 安邦は2014年10月、米名門ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」を19億5000万ドル(約2100億円)で取得すると発表した。以後も人民元建ての資金を担保に海外買収を繰り広げてきたが、一連の動きに終止符が打たれた。

 中国からの資金流出を阻むような非公式の措置により、安邦の取引の手法は難しくなっていた。高リスクの、保険を使う理財商品が規制されたのも痛手だった。

 安邦を設立した呉氏は、政界や規制当局の人脈を生かして国内に企業帝国をつくり、その後海外で投資するという新世代の中国人起業家の一人だ。ほかには複合企業の海航集団(HNAグループ)の陳峰董事長や投資会社、復星国際の郭広昌董事長らがいる。

 この2社は、海外での株式上場と銀行借り入れで、海外買収の資金を調達してきた。このため「大きすぎてつぶせない」存在になった。復星の郭氏は15年12月、連絡を絶った。上海で共産党の規律に関わる捜査に巻き込まれたとみられるが、4日後には姿をみせた。

 復星の債権者が、政府に釈放を訴えたためでもある。債権者は、復星が債務を返済できなくなれば、すぐ自分たちに波及すると主張した。同じような懸念から、海航も生き延びる可能性が高い。

 呉氏は復星や海航ほど多額の銀行借り入れがない。一方、中国本土以外での資金調達手段が少なかった。とりわけ、海外での株式上場に必要な透明性に欠けていた。

 呉氏が規則に無頓着だったことも、規制当局と対立する原因になった。例えば16年、米スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドを約130億ドル以上で買収しようとして失敗した。中国で規定される1回の海外資産の買収額の上限を超えていたという。

 呉氏のライバルからは、同氏が入札参加者としての信頼に欠けるため、海外資産の購入時に高いプレミアムを上乗せしなければならなくなるという苦情が相次いだ。ある規制当局者は最近、「安邦は悪名高い企業だ。急成長し過ぎで経営不在だ」と述べた。

 呉氏は最終的に2つの力の犠牲になった。資本流出を規制するという政府の決意と、もう一つは悪意に満ちた政治だ。呉氏は習近平国家主席の側近の一部との間にも溝ができたらしい。呉氏は中国の最高指導者だったケ小平氏の姻戚とされるが、ケ氏の孫娘にあたる妻とは数年にわたり別居しているという。

 呉氏の運命がどうなるかは分からず、安邦が創業者なしに生き残れるかも定かでない。ある北京の関係者は、呉氏は解任され、安邦の事業は段階的に縮小されるとみる。大規模な抗議デモを回避するため、同社の商品の保有者が補償を受けられるのは確実だが、事業については中国人寿保険や中国平安保険といった同業他社と統合される可能性もある。

(Nikkei Asian Reviewコラムニスト ヘニー・センダー)

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18078300U7A620C1EA4000/?dg=1



http://www.asyura2.com/17/china11/msg/644.html

[政治・選挙・NHK228] グローバル化とナショナリズム

[やさしい経済学]グローバル化とナショナリズム

(1)戦後の認識 見直し迫られる

九州大学准教授 施光恒

 第2次大戦後、ナショナリズムは先進各国で自由民主主義の立場から警戒視されるのが常でした。他方、グローバル化は、政治的には人々が国境や国籍にとらわれず平和な世界を目指す試みであり、経済的には関税や各種障壁のない自由貿易の実現を通じて人々に豊かさをもたらすものだと一般に理解されてきました。

 しかし、いわゆる新自由主義(小さな政府主義)の影響を受けた昨今のグローバル化により、認識の変化が迫られています。グローバル化をあまり楽観的に捉えるのは誤りで、格差拡大や移民増大など多くの不安定要因を世界にもたらしてきたのではないかとの見方が強まっています。一方、そうしたグローバル市場の猛威から人々の生活基盤を守るものとして、国民国家や国民の連帯意識などナショナルな力に頼らざるをえないのではないかという認識も広まりつつあります。

 フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは近年、「グローバル化疲れ」という言葉をしばしば用いています。トッドによれば先進諸国の多くの人々は、1980年代から続くグローバル化の流れがもたらした格差拡大、移民の急増、民主主義の機能不全、グローバル・エリートの身勝手さなどに辟易(へきえき)し、疲れ切っている。英国のEU離脱や米大統領選挙におけるトランプ現象の背後には、人々に広がった「グローバル化疲れ」があるというのです。

 そしてトッドは、世界には現在、「脱グローバル化」や「国民国家への回帰」の兆しが表れつつあると論じています。英国や米国などの一般市民は、現在のグローバル化の果ての不公正な秩序ではなく、より公正で民主的な「脱グローバル化」の秩序を模索し始めているとみるのです。

 この連載では、主に政治哲学や政治経済学の諸理論を手がかりに、グローバル化やナショナリズム、自由民主主義の相互の関係性について検討し、行き詰まりを見せつつあるグローバル化の現状や「ポスト・グローバル化」の展望について解説していきます。

 せ・てるひさ 慶応大博士(法学)。専門は政治理論、政治哲学

[日経新聞6月13日朝刊P.28]


(2)「ナショナルなもの」の起源重要

九州大学准教授 施光恒

 国民意識や国(国民国家)などのナショナルなものはどのように現れてきたのでしょうか。この問いは単なる歴史問題ではなく、現代のグローバル化に対する見方にも関わってきます。

 ナショナルなものの起源に関する見方の一つに「近代主義」があります。ナショナルなものは近代化の産物だと強調する立場です。国民国家や国民意識は産業革命以降のものであり、経済発展の要請から構築されたとみます。

 英国の社会学者ゲルナーは近代産業社会の登場から国民意識や国民国家の成立を説明しました。小さな町で暮らし、地域特有の方言や生活習慣を保持する人々ではなく、もっと大きな社会の一員だという意識を持ち、標準語や共通の行動様式を身に付けた労働者が多数いなければ、近代産業社会は成り立たない。ナショナルなものはこうした経済上の要請から作られてきたとゲルナーは論じました。

 これに対してアンソニー・スミスは近代主義を批判し、ナショナルなものは単に近代化の産物ではなく、民族の歴史的起源に関わる神話や言語、文化の共有も重要だと述べます。

 前世紀末以降、次のような言説をよく耳にします。「現代経済は国民国家の枠を超えた。グローバル市場に対応して政治もグローバル化しなければならない。地域統合体など超国家的な政治枠組みが必要だ」

 現代のグローバル化推進のこのような言説は、近代主義と非常に相性がいいものです。どちらも経済発展の要請が人々の意識の土台にあるとみるからです。近代主義は、近代の経済発展の要請がナショナルなものを生じさせたと考えます。グローバル化推進派も、経済発展の要請が超国家的な政治体や地球市民意識を求めていると捉えます。

 しかしスミスの指摘のように、ナショナルなものの根底には、経済の要請だけではなく、古来の民族の文化や神話などの共有があるとすれば、グローバル化推進派の言説への懸念が生じます。ナショナルなレベルでは民族的要素が人々の連帯意識や秩序の安定性を担保しますが、グローバルなレベルで同様の連帯意識や安定性が得られるのか不明だからです。

[日経新聞6月14日朝刊P.26]


(3)投資家優先なら政治不信招く

九州大学准教授 施光恒

 グローバル化の進展は、格差拡大や民主主義の機能不全を招く懸念があると指摘されますが、どのようなメカニズムが働くのでしょうか。グローバル化(グローバリゼーション)とは一般にヒト、モノ、カネ、サービスの国境を越えた移動が盛んになる現象、またはそれを促進すべきだという考え方のことを指します。一番重要なのはカネ、つまり資本です。資本の国際的移動が自由になったため、各国の経済政策は大きく変化しました。

 資本の国際的移動が自由になれば、グローバルな投資家や企業はビジネスしやすい環境に資本や生産拠点を移動させるようになります。例えば、法人税率が低い国や地域に本社機能を移動させる一方、生産拠点はできる限り人件費が安く、労働法制の縛りの緩い場所を選択しようとします。

 このため各国政府は、自国の国民一般の声よりも、グローバルな投資家や企業に配慮した政策をとるようになります。そうしなければ、海外からの投資が国内に入ってこなくなってしまうからです。また、すでに国内にある資本や企業が国外に流出してしまう恐れもあるからです。

 グローバルな企業や投資家に好まれる政策は、一見して一般国民にとっては望ましくない場合が少なくありません。例えば「法人税率を下げる一方、消費税率を引き上げる」「正規社員を非正規に置き換えたり、外国人労働者を受け入れたりして人件費を削減する」「解雇しやすくするなど労働基準を緩和する」「電気、ガス、水道など社会的インフラを民営化する」といった政策です。

 以上のような政策がとられる国は、グローバルな投資家や企業にとってはビジネスしやすい、つまり稼ぎやすい環境となります。ビジネスしやすい環境になった結果、国全体の経済成長が促され、一般国民も生活水準の向上を実感できれば政策を支持するでしょう。しかし、生活が改善せず、むしろ不安定化したり悪化すれば、一般国民の不満は高まります。その不満を政府が無視し、グローバルな投資家や企業を優先する政策を続ければ、政治不信を招いて民主主義の機能不全につながりかねません。

[日経新聞6月15日朝刊P.27]


(4)平等の実現 連帯意識が必要

九州大学准教授 施光恒

 戦後の日本では、自由や平等、民主主義といった理念を前面に掲げるのは、おおむね革新派(左派)でした。同時に、戦後左派は愛国心や国民意識のようなナショナルなものを嫌い、否定する傾向にありました。

 しかし、国民意識や愛国心といったナショナルなものを否定しつつ、自由や平等、民主主義を訴えることは、実はなかなか両立しません。英語圏の政治理論の一潮流に「リベラル・ナショナリズム」があります。これは、自由や平等、民主主義といった理念は、ナショナルなものがしっかりしている環境、つまり安定した国民国家で最もよく実現されると論じるものです。

 例えば「平等」という理念を考えてみましょう。平等の実現のためには、現代では福祉(再分配)政策が必要です。福祉政策は人々の間に強い国民意識がないと実現できません。なぜなら、恵まれた立場にある人々が自分の利益の一部を断念し、恵まれない人々のために差し出す行為を前提とするからです。こうした行為は社会に強い連帯意識(仲間意識)が存在しなければうまくいきません。

 歴史を振り返ると、福祉政策が実現したのは例外なくナショナルな社会、つまり国民国家でした。福祉とは国民の相互扶助意識のうえに成り立っているのが実情なのです。実際、EUでも金融政策はユーロ圏で共通になりましたが、福祉政策は各国単位が原則です。

 リベラル・ナショナリズムの政治理論は、平等を実現するには国民の相互扶助意識が大切だと論じます。逆に言えば、グローバル化が進展し、国民意識が希薄になれば、格差を是正し、平等な社会を実現するのは困難になると示唆しています。むろん、「EU人意識」や「東アジア人意識」、あるいは「地球市民意識」のような国境を越えたアイデンティティーが確立されれば別ですが、こうした意識の確立は今後数十年単位ではほぼ無理でしょう。

 資本移動の自由化を伴うグローバル化は、格差拡大を招きがちです。同時に、グローバル化で国民意識が希薄化すれば、再分配政策による格差是正も難しくなります。グローバル化の進展と、平等という理想の実現は両立が難しいのです。

[日経新聞6月17日朝刊P.29]


(5)一般国民 政治過程から疎外

九州大学准教授 施光恒

 昨年、英国のEU離脱が国民投票で支持されたり、米国の大統領選でトランプ氏が当選したりするなど想定外の出来事が生じたと騒がれました。しかし、政治学的にはそれほど想定外でもありませんでした。

 先に見たようにグローバル化、特に資本の国際的移動の自由化に伴い、各国の経済政策は大きく変わりました。自国内の資本の流出を避け、海外から投資を呼び込むために、各国政府はグローバルな投資家や企業に受けのよい政策を専ら採用するようになります。その半面、一般国民の声は軽視されがちになります。

 これは民主主義から見れば問題であると多くの研究者が指摘してきました。例えばドイツの政治経済学者W・シュトリークは、経済のグローバル化以降、各国では経済権力が政治権力に変換されやすくなり、一般国民が自分たちの利益や要求を政治経済的仕組みに反映させる力を大幅に低下させたと論じています。

 米政治経済学者R・ライシュも深刻な事実を指摘しています。ライシュによれば、グローバルな投資家や企業は、稼ぎやすくなった環境の下で得た利益を政党や政治家に対するロビー活動につぎ込むようになりました。そして、市場経済の基礎となるルール(知的財産権や契約条件に関するものなど)を自分たちに有利に変更してしまう傾向が近年、顕著になったと論じます。例えば、米国ではかつて自然産物由来のワクチンの知的財産権は認められなかったが、1990年代に認められるようになった。その結果、製薬業界に多大な利益がもたらされると同時にワクチン価格の高騰が生じたと指摘しています(『最後の資本主義』)。

 個々の事例については何が公正なのか見解が分かれるかもしれませんが、グローバル化に伴う資本移動の自由化が、グローバルな投資家や企業の政治力の増大を招いたこと、その半面として一般国民が政治過程から疎外されているという感覚を強く持つようになったとは言えるでしょう。ポピュリズム(大衆迎合主義)の政治の噴出を懸念する声も耳にしますが、背景には以上のような各国国民の不満の高まりがあることを考慮する必要があります。

[日経新聞6月19日朝刊P.12]


(6) 保護貿易、政治理論では正当化も

九州大学准教授 施光恒

 トランプ米大統領の登場以降、保護貿易を巡る議論が活発化しています。経済学的観点からすれば、保護貿易は全く許容できないものなのかもしれません。しかし政治理論の見方では、保護貿易は必ずしも悪いものとは限りません。

 リベラリズムの政治理論では個々人の「選択の自由」を重視します。そして、ある人が「選択の自由」を実際に享受するためには、様々な人生の選択肢が実際に手の届く範囲に存在している必要があると考えます。この場合の「選択肢」とは様々な考え方や生き方、あるいはもう少し具体的に職業選択の幅を意味すると考えても構いません。

 するとナショナルな言語(国語)や文化(国民文化)の大切さが明らかになってきます。例えば多くの日本人にとって、実質的に選び取れる職業の選択肢の範囲は、主に日本語を使って就ける範囲であることが普通です。そのため、選択の場としてナショナルな文化や言語が栄えているかどうかを考慮する必要が生じてきます。

 経済学的見方ではリカードの比較生産費説に立ち、各国は比較優位な製品に生産を特化し、互いに生産物を貿易した方が効率的なため、自由貿易が望ましいとされます。これは机上の経済理論としては正しいとしても、現実世界では望ましくありません。各国の産業構造が少数の産業に偏ったいびつなものになってしまうからです。人々の人生の実質的選択肢が非常に狭くなり、選択の自由が奪われてしまいます。

 このように政治理論的見方では、人々の実質的な選択の自由を守るという理由で保護貿易が正当化される可能性は大いにあります。国民の選択の自由を守るために、政府が貿易条件を監督し調整するのです。もちろん、「自国の市場は守るが、お前の国の市場は開放しろ」という主張は不公正なので通りません。

 しかし、国同士でそれぞれ開放する範囲、保護する範囲を公正な話し合いで決めていく。そして、各国の人々が経済的豊かさとともに、選択の自由も享受できる環境を整える。このような形で保護主義的政策の導入が正当化されることは十分にありうるのです。

[日経新聞6月20日朝刊P.26]


(7)民主社会脅かす新エリート層

九州大学准教授 施光恒

 昨年、「パナマ文書」問題でタックスヘイブン(租税回避地)が注目を集めました。租税回避地の利用は違法ではないとしても、企業経営者や投資家の倫理として問題ではないかと議論されました。グローバル化が進めば、エリートの社会的責任が問われる事例も増加します。米国の歴史家クリストファー・ラッシュは20年以上も前に『エリートの反逆』を刊行し、グローバル化時代のエリートをいち早く批判しました。

 米国でも日本でも、かつてエリートは地域の名望家であり、天下国家を憂い、義務や責任を率先して担う覚悟を持った存在でした。地域社会の中に自らの生産基盤を持ち、自分の現在の地位が地域社会や国からの恩恵を被っていることに自覚的だったため、地域や国の公共の問題に強い関心を抱きました。

 ラッシュはこのようなエリート像がグローバル化の進展に伴って変質すると主張しました。スペインの思想家オルテガはかつて『大衆の反逆』を著し、民主社会を破壊するのは、文化や伝統とのつながりを自覚しない愚かな大衆だと記しました。これに対してラッシュは、グローバル化の進む現代世界では、民主主義や一般国民の生活を脅かすのはエリート層の方だという見方を示したのです。

 ラッシュがこのように論じたのは、エリート層の存立基盤が地域社会や国ではなく、グローバル市場に変わったからです。ラッシュは次のように記します。「米国の新しいエリート層の忠誠心は、(略)地域的、国家的、あるいは局所的ではなく、国際的である。彼らにとっては、地球規模のコミュニケーション・ネットワークにいまだプラグをいれていない米国の大衆よりも、ブリュッセルや香港にいる商売相手の方が、共通点が多いのである」

 つまり、新しいエリート層は地域社会や国には愛着も忠誠心も持たず、同胞国民に対する連帯意識も感じない存在ではないかと危惧したのです。日本は現在、世界で活躍できる「グローバル人材」の育成に熱心ですが、彼らに地域社会や国に対する責任や義務感を身につけてもらうことは、非常に重要な、そして難しい課題なのです。

[日経新聞6月21日朝刊P.26]


(8)功罪見つめ、よき形態探求

九州大学准教授 施光恒

 本連載ではグローバル化の招く難問、とりわけ自由民主主義の理念と矛盾する事態をいくつか指摘しました。読者は次のような感想を抱いたかもしれません。「なるほどグローバル化にはまずい点もあるようだが、グローバル化を否定してナショナリズムに回帰するのは危険ではないか」

 確かにナショナルなものの重視が自国中心主義的な偏狭なものになってしまう懸念は否定できません。その一方、先に述べたようにナショナリズムには自由で平等な民主的社会の実現を促す働きもあります。

 取り組むべきはナショナリズムの全否定ではなく、よりよき形態の探究です。それを考える有力な手掛かりとして2点挙げることができます。一つは「公正さ」という理念です。自分が自らの国や文化、言語に愛着を持ち、そこから様々な恩恵を受けているように、他者もまた彼らの国や文化、言語を大切に思い、そこから恩恵を享受しています。よき形態のナショナリズムは、自国の基準や文化、慣習を他国に押し付けるようなことはせず、他者のナショナリズムも認めて尊重する必要があります。

 もう一つは、ナショナルなものを「関係主義的に」捉える態度です。近代以降のどの国の文化や言語も、他国の文化や言語の影響を受けています。日本人は特によく実感できるかもしれません。かつて加藤周一氏は日本文化を「雑種文化」と呼びました。日本は近代以前は主に中国大陸から、明治以降は欧米から学び、国を豊かにしてきました。

 日本ほど意識していなくても、どの国も多かれ少なかれ「雑種文化」なのです。自国文化の発展を願う真のナショナリストであれば、他国にも独自の文化が栄えるよう他国の自律を尊重し、またそこから学び自国文化を豊かにできるよう国際交流や貿易も重視せざるを得ません。

 「地球市民意識」は一朝一夕には生まれず、やみくもなグローバル化の推進は自由民主主義や安定した人々の生活基盤を損なう恐れがあります。ナショナリズムの功罪を冷静に見つめ、よりよき形態を模索していく必要があるでしょう。

[日経新聞6月22日朝刊P.31]


http://www.asyura2.com/17/senkyo228/msg/145.html

[医療崩壊5] 認知症新薬「空白時代」に  エーザイなど、実用化難航 投入、早くても20年代 患者増に追いつかず:新薬過剰依存こそが病弊

認知症新薬「空白時代」に
エーザイなど、実用化難航 投入、早くても20年代 患者増に追いつかず

 患者が増加の一途をたどる認知症。エーザイなど5陣営は病気の悪化を抑える新薬の開発を進めるが、病気のメカニズムが難しく実用化は至難の業だ。実用化は早くて2020年代だが、臨床試験の成功率は1%に満たず、患者数が増加し続けている。製薬各社は早期の患者に狙いを定めて「空白時代」解消を急ぐ。


認知症薬の開発はがんをもしのぐ強敵(千葉県成田市のウェルライフヴィラ成田)

 「治療薬を何百万人もの人々が待っている。残念な結果だ」。米製薬大手イーライ・リリーの声明に製薬業界が衝撃を受けた。最も開発が進んでいると評された認知症の新薬候補について、昨年末に開発中止を発表したからだ。落胆は投資家にも波及し、発表翌日に株価は10%強下落した。

 業界団体の推計では世界の認知症患者数は25年に6千万人強に達する見込み。厚生労働省は国内の認知症患者が25年に700万人と試算する。対応する医療や介護の費用は現在15兆円超。60年には25兆円に迫るとの指摘もある。高齢化が進む国に共通する社会問題だ。

 「闇の中に光明が見えた」。1997年、エーザイの認知症薬「アリセプト」の発売時、日本の著名な医師はこう表現した。それから20年。新薬開発の成功率は1%未満で、販売にこぎつけた治療薬はアリセプトを含め4つしかない。

 その4つも病気を治す効果はなく症状を1年程度和らげるだけだ。90年代には「10年たてば治療薬ができる」と期待されたが、脳細胞が徐々に死滅していく認知症はがんをもしのぐ強敵だった。

 アルツハイマー型認知症の場合、脳内に原因たんぱく質が大量に蓄積すると発症するとされ、発症の20年も前から異常な速さで蓄積することが分かってきた。従来の臨床試験では薬を投与しても手遅れである重度の患者や、他の原因で発症した患者も対象に含めていた可能性があるという。

 薬の投与効果を適切に見極める手法の確立だけで、10年単位の時間と莫大なコストを要したことになる。患者の増加ペースに比べ開発は遅々として進まなかった。

 現在、この難題に取り組むのは、米大手ヤンセンファーマに開発権を与えた塩野義製薬、米メルクなど世界5陣営。原因たんぱく質を減らす手法で、20年以降の実用化を目指す。

 エーザイは3月から国内で新薬候補「E2609」で開発の最終段階となる大規模な臨床試験を受ける患者の募集を始めた。中外製薬は3月から、提携先のスイス・ロシュが実施する新薬の国内臨床試験を始めた。イーライ・リリーも別の候補物質を開発中だ。

 発症を5年遅らせると50年までに世界の患者は約4割減り、医療費も年3000億ドル(約33兆円)超を削減できるとの試算もある。新薬が登場すれば、患者だけでなく医療費負担の増大に苦しむ国家財政も改善できる。

(戸田健太郎、山本夏樹)

[日経新聞6月19日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/626.html

[中国11] 〈FT特約〉中国の保険大手失墜 海外M&Aの実態不透明

〈FT特約〉中国の保険大手失墜 海外M&Aの実態不透明

 中国のたたき上げの大物の中でも、安邦保険集団の呉小暉董事長は彗星(すいせい)のごとき存在だった。だが、今や地に落ちようとしているようだ。腐敗を摘発する当局が安邦の帳簿を調べ始め、呉氏は先週拘束された。その後に残ったのは中国企業の海外M&A(合併・買収)攻勢での不透明さと不安定性に関する一連の教訓だ。

 調査会社ディールロジックによると安邦は2014年10月以降、米名門ホテルのウォルドーフ・アストリア・ニューヨークなど世界で十数件の買収を完了し、数々の企業の大株主にもなった。中国企業による昨年の海外M&Aは総額2290億ドル(約25兆円)に達したが、安邦は最も貪欲な一社だった。

 だが、一部の買収はその質に疑問がつきまとう。安邦の場合は、あまりにも情報の開示が乏しい。安邦は会社所有者の実像やグループの監査済み財務諸表、取締役会のメンバーを公表していない。

 何よりも安邦のビジネスモデルは専門家でも説明できない。特に不可解なのは、グループの年間保険料収入が13年の260億元(約4200億円)から16年の5040億元へ急増したとされる点だ。

 拘束は公式には確認されていないが、呉氏が戻ってくるかどうかはわからない。呉氏が米国や欧州など世界各地で買収した一連の企業に不確実性が生じる公算は大きい。

 安邦の転落は、欧米の規制当局と中国企業による買収の対象企業にいくつかの教訓を示している。第一に、透明性を強く求めることだ。中国の買収側企業が最も基本的な会社情報を明かさなければ、その会社のビジネスモデルの安定性と中国の階層構造の中での位置付けを判断できない。

 第二に、中国の政治情勢の移ろいやすさに関わるリスクだ。海外M&Aがブームとなった昨年は対外投資が急増したが、今年は資本流出に対する中国政府の懸念から流れが止められている。それと同時に、当局は民間の企業家に対する取り調べを強化した。

 第三に、中国企業の負債比率の高さだ。中国企業の負債総額は国内総生産(GDP)の約170%に達する。これは海外M&Aの一部は買収先よりも財務状態が大きく劣る会社によって行われていることを意味する。呉氏の拘束は欧米の規制当局と企業に対して、不透明な中国企業による買収行動をもっと精査する必要があることを思い知らせるはずだ。

(19日付、社説)

=英フィナンシャル・タイムズ特約

[日経新聞6月20日朝刊P.8]


http://www.asyura2.com/17/china11/msg/645.html

[中国11] 習氏、1強へ側近抜てき  中国党大会に向け体制固め

[真相深層]習氏、1強へ側近抜てき
中国党大会に向け体制固め

 中国の習近平国家主席(共産党総書記)が秋の党大会に向け、人事の布石を着々と打っている。キーワードは「抜てき」だ。派閥均衡の順送り人事を根っこから壊し、側近の登用で1強体制を築こうとしている。


 5月28日、江沢民元国家主席が上海市内の大学を訪問したときに撮ったとされる写真がインターネット上に出回った。

 90歳になった江氏をめぐっては、5月上旬に危篤説が流れたばかりだ。写真には江氏が自力で歩く姿が写っており、健在ぶりをアピールするねらいは明らかだった。

 注目すべきは、写真が出たタイミングだ。

 前日の27日、共産党は北京市トップの党委員会書記に、同市市長の蔡奇氏を昇格させる人事を決めた。蔡氏は習氏が福建省や浙江省で勤務したときの部下で、最側近のひとりとされる。

省トップ未経験

 首都を預かる北京市の書記は地方政府トップのなかでも別格と位置づけられ、党中央の政治局員を兼ねる。ふつうは他省のトップなどを歴任してから、ようやくたどり着けるポストだ。

 しかし、蔡氏はこうした経験がほとんどないまま、一気に北京市の頂点に上り詰めた。秋の党大会では政治局入りも確実視される。従来の常識では考えられないスピード出世は、習氏の肝煎りとみて間違いない。

 北京の次は上海か――。蔡氏の昇進を目の当たりにし、上海閥を率いてきた江氏はこんな不安を抱いたはずだ。

 習氏はすでに上海市ナンバー2の市長に、浙江省時代の部下である応勇氏を送り込んでいる。応氏も近く書記に昇格し、秋には政治局員になるとの観測が広がる。そうなれば上海市の幹部は習氏の側近で固められ、江氏に近い上海閥は完全に力をそがれてしまう。

 最近、北京で「双非」ということばをよく聞く。党の中央委員でも、その下の中央候補委員でもない「ひら党員」を指す。蔡氏と応氏はふたりとも、この双非だ。

 8900万人の党員を抱える共産党は党大会を5年に1回開き、約200人の中央委員と約160人の候補委員を選ぶ。直後に招集する中央委員の全体会議で政治局(現在は25人)を組織し、その中からさらに最高指導部の政治局常務委員(同7人)を選出するピラミッド型の仕組みだ。

 中央委員や候補委員はそうした出世の階段を上がっていくための入り口にあたる。中央委員に就いてから重要な省や中央官庁のトップとして実績を積んで、はじめて政治局入りのきっぷを得るのが不文律だった。

 習氏はこの人事システムを大きく変えようとしている。全国に31ある省や直轄市のトップのうち、双非は現在5人だ。ナンバー2の省長や市長に至っては半数以上を占める。しかも、多くが習氏に近い人物だ。


ケ小平氏が礎

 出世の階段を一つずつ上がってきた人材を順送りで枢要なポストに置くこれまでのやり方は、改革開放を仕切ったケ小平氏が基礎を築いた。

 背景には文化大革命で毛沢東への権力集中が進み、党組織が崩壊した反省がある。集団指導体制の構築が最も重要な課題となり、そのためにはトップが側近ばかりを集めにくいようにする仕組みが欠かせなかった。

 参考にしたのが、日本の自民党が確立した派閥均衡の集団指導体制だったとされる。中国共産党が指導部をどう決めてきたかをよくみると、当選回数と出身派閥で順送りする日本流の閣僚人事に似ている面がある。

 高成長の時代はそれでうまくいった。しかし成長が鈍化すると、政治の役割は果実の分配から負担の割り振りに変わる。

 「派閥間の調整に明け暮れた胡錦濤前政権は何も決められず、幹部の腐敗もかえって深刻になった」。ある共産党員はこう漏らす。習氏の強引にもみえる人事は反発を受けつつ、党内で一定の支持を集めている。

 時を同じくして日本でも安倍晋三首相が派閥均衡を崩して1強体制を築いたのは、偶然でないだろう。米欧の政治が混迷するなかで、善しあしは別にして、中国と日本の政権が一定の安定ぶりを示しているのは確かである。

(中国総局長 高橋哲史)

[日経新聞6月22日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/17/china11/msg/646.html

[国際19] 北野さん、ズレてますよ!諸外国から褒められる米国ではなく自国民多数派から褒められる米国を目指しているのがトランプ大統領

 北野氏の「米国の没落が急加速!」という表現を「米国が国際政治で発揮する影響力が急加速で没落!」と読み替えてもいいのなら同意だが、“「米国を再び偉大にする」という願いとは正反対の結果”という見解には同意できない。

 なぜなら、トランプ大統領は、国際社会(諸外国)から支持されたり賞賛されたりすることを、「米国を再び偉大にする」基準としているわけではないからである。

 トランプ大統領は、1917年(WW1参戦)以来百年にわたって世界(支配層)のために米国が軍事的経済的に身を粉にして働いてきた流れを断ち切り、米国民の生活や利益を優先する政策に転換することを公約に掲げて当選しており、今なお戦後世界観に縛られている欧州諸国や先進国主要メディアから褒められることを“基準”にはしていない。

 対NATO言動やパリ協定離脱は、北野氏が反応している内容が国際社会から発信されることを織り込んで(期待して)ワザとやっていることである。

 それはひとえに、百年にわたる歴史過程のなかで国際社会に染み込んでいる米国観を払拭するための“除染活動”でもある。

(リベラルなひとを中心に米国民の一定割合も、北野氏や国際社会の主要言論と同じように、トランプ氏の言動を憂い嘆き悲観している)


 北野氏が取り上げているテーマについて簡単に反論すると、


○中東における標的はイランではなくサウジアラビア

 表面的な言動からは見えにくいが、米国というわけではないが「対イスラム戦争」を続けてきた支配層の最終的目標は、サウジアラビア的イスラム国家の解体である。

 「カタール危機」も、サウジアラビアの狙いとは違い、米国も含めカタール寄りの動きのほうが勝っており、孤立を深めているのはサウジアラビア−UAE連合である。(エジプトはムスリム同胞団や資金援助の関係でサウジに同調しているだけで本気で(最後まで)反カタール政策を続ける気はない)

 ちょっと顧みればわかるが、アフガニスタンを除けば、武力行使や「アラブの春」(民衆政治運動)の標的になってきたのは、曲がりなりにも近代的統治形態を持ち込んだ世俗派政権の国家であり、専制的なイスラム主義の国家ではない。

 現在のイスラム教基盤国家でもっともイスラム色が強いのはサウジアラビアである。(だからといってイスラム信仰に篤いというわけではなく、イスラムを統治手段として最大限利用しているという意味)

 サウジアラビアも投票制度を徐々に導入してきたが、イランのほうがよりモダンな民主主義的統治制度を採用している。(イランは中国よりも近代欧米的制度に近いと言える)

 (以前から書いてきたが、「ホメイニ革命」そのものが英仏米の支配層によって仕組まれた可能性が高いと考えている)

 9.11以降明白になった「対イスラム戦争」は、これまでのところ前哨戦ないしは序盤戦でしかなく、武力行使がどのようなものになるかは別として、これから本格的なステージに進む。


○「パリ協定」離脱=二酸化炭素排出増加というわけではない

 トランプ大統領の「パリ協定」離脱をもって、米国が二酸化炭素排出に歯止めをかけることなく、石炭や炭化水素系資源を使い続けるという受け止めもあるが、そんな話ではない。

 トランプ大統領は、「パリ協定」がお為ごかしの“グリーンな政策”でしかなく、二酸化炭素排出増加が致命的な環境破壊と考えるのならそんな生ぬるい歯止め策ではない意味がない(パリ協定派が言う破滅的気温上昇をせいぜい数年間遅らせる程度)というイヤミを語ったのである。(むろん、トランプ氏は二酸化炭素排出増加が致命的な環境破壊とは考えていない)

 それと同時に、米国の政策が国際的取り決めで制約を受けることは好ましいことではないと考えている。
 それは、UN(国際連合)嫌い、NATO嫌いなど米国民のおよそ半数が抱き続ける世界観に通じるものでもある。


○メルケル首相の「欧州自立」論はトランプ大統領も歓迎

 北野氏は、メルケル首相が、「われわれが他国を完全に頼りにできた時代は終わりつつある。私はそれをこの数日間で経験した」、「自らの運命のため闘わなければならない」と語ったことを「重大事件」と評価している。

 しかし、トランプ氏は、選挙戦において、NATOに限らず日米安保条約も米国にとっては不要な阻害物と切り捨てる考えを表明していたのだから、欧州諸国が、自分たちの安全保障を自分たちで勝ち取ることは歓迎すべきことなのである。

 トランプ大統領が自動的参戦義務を明記したNATO第五条に言及しなかったのは、メルケル首相のような発言を引き出すのが目的だったとも言える。

 その一方で、米国の重要産業である軍需のため、NATO加盟各国に、GDPの2%という防衛費目標を達成するよう迫った。

 北野氏は、「2016年、世界GDPの21.8%をEUが占めた。そしてドイツはEU最大の経済大国で、最も影響力のある国である。実際、「EUの実態は『ドイツ帝国』だ」と主張する人もいる(例、フランス人の人口学者エマニュエル・トッド)。そのドイツの首相が、「もう米国は頼りにならない」と宣言したのだ」とEUを過大に評価しているが、ドイツが財政的責任を果たさないEUは、寄り合い世帯の域を超えない。

 EU=『ドイツ帝国』というトッド氏の真意は、EUはドイツの植民地とまでは言わなくともドイツの経済圏(ドイツが一方的に利益を得る)という意味であり、帝国と言える力は未だもっていない。

 そのようなEUに活を入れるため英国が離脱という動きを見せているが、EUの問題は、英国ではなくドイツなのである。
 端的に言えば、ドイツが、ユーロ圏共通財政政策に踏み込み、東京の稼ぎを北海道に再分配するように、自分の稼ぎをギリシャやスペインなどに再分配する“覚悟”ができるかどうかである。

 ドイツにそれができないのなら、EUには解体の運命が待っている。


 北野氏は、トランプ米国を理解しようとしたら、トランプ大統領が、アイゼンハワー元大統領の「問題を大きくすれば、解決策の輪郭が見えてくる」という考えに共鳴し、米国内及び世界を騒がせていることをまずもって理解しなければならない。


 トランプ米国が起こした対北朝鮮軍事危機も、「問題を大きくすれば、解決策の輪郭が見えてくる」の一環である。



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/730.html

[中国11] 中国ネット統制 波紋広がる

[中外時評]中国ネット統制 波紋広がる 上級論説委員 飯野克彦

 インターネットの安全を保障し、ネット空間の主権と国家の安全、社会の公共利益を擁護し、公民や法人その他の組織の合法的な利益を守り、社会と社会の情報化が健全に発展するのを促す……。

 中国で1日に施行された「インターネット安全法」は、こんな文章で始まる。個人の権利や経済・社会秩序、そして国家の安全保障まで、幅広い課題に対する法律であることが伝わってくる。

 ユニークなのは「ネット空間の主権」を守ると明記した点だ。国内法であえて「主権」を主張したのは、サイバーセキュリティーの問題を国際的な視点からとらえていることの表れだろう。実際、中国のネット統制の波紋は世界的な広がりを見せている。

 同法については、中国に進出した外資が早くから懸念の声をあげてきた。たとえば、「大切な情報インフラの運営者」は個人情報や重要なデータを中国国内に保存しなくてはならず、海外に持ち出すには関係当局の定めに従わなくてはならない、との条項だ。「ビッグデータの持ち出しが禁じられるのでは」。こんな声が聞こえてくる。

 実際にどんな影響が出るか現時点では未知数といえる。「大切な情報インフラの運営者」が何を指すのか、はっきりしないからだ。そうした不透明感こそが外資の不安を増幅している印象もある。

 国際的な人権団体などからは、情報統制が一段と強まるのでは、といった声が出ている。中国では最近、政権に批判的な発言で知られる賀衛方・北京大学教授が、自分の公式アカウントを閉鎖されたことへの抗議としてソーシャルメディアでの「断筆」を宣言し、話題になった。

 習近平国家主席ひきいる共産党政権は、異論を封殺しようとする姿勢をますます強めている。ネット安全法の施行は、賀教授への圧迫のような活動に対する法的根拠を改めて用意したことになろう。

 波紋が及ぶのは中国の内側に限られない。米国で生まれ広がってきたサイバー空間のありようそのものが、影響を免れない。

 情報が国境をも軽々と飛び越えて自由に流通できる世界的なインフラとしてのインターネットに、共産党政権は早くから警戒感を抱いてきた。1998年には公安省が「金盾工程」というプロジェクトに乗り出した。

 これは国民の海外サイト閲覧を制限する「グレート・ファイア・ウオール」(防火長城)を含むネット統制の事業で、2006年に第1期の完了を宣言した。「自由」を核心とするインターネットを、中国は「統制」しつつ利用する道を選んだわけである。

 今年はじめに防火長城の迂回が困難になるなど、ネット統制は「進化」している。そこに改めて明確な法的根拠を用意したのがネット安全法であり、同時に「金盾工程」などの成果が同法の実効性を高めているともいえる。

 中国の取り組みは一部の国々、とりわけ独裁的な国々の指導者にとって魅力的なようだ。ジャーナリストの国際的な非政府組織(NGO)「国境なき記者団」は10年以上も前から、中国の技術がキューバなどに提供されている可能性を指摘してきた。法体系の整備も今後は協力のテーマになるのかもしれない。

 日本など民主主義の国々にとって体制の維持を最優先する中国流は論外ではある。ただ参考にすべきことがないわけではない。たとえばネット安全法は、エネルギーや金融といった重要インフラを担う企業に、厳しい安全管理を義務づけている。ネットの安全に関する宣伝・教育の重視を明確に打ち出している。

 サイバー空間の自由な情報の流通は、民主主義にとっても脅威となりうる。米大統領選を揺さぶったフェイク(偽)ニュース、ネットを利用したテロ組織の宣伝活動、個人攻撃やヘイトスピーチの拡散などを思い浮かべればいい。

 その対策は中国のような独裁国家であればむしろ簡単といえる。情報の自由な流通を妨げず、それにともなう弊害を抑え込むにはどうしたらいいか。民主主義世界は、共産党政権よりも真剣に取り組む必要があるはずだ。

[日経新聞6月22日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/17/china11/msg/653.html

[経世済民122] 清水建設、建築現場にロボ投入  自社開発、7割省人化 資材搬送などに活用
清水建設が開発中の天井に内装材を据え付けるロボット

清水建設、建築現場にロボ投入
自社開発、7割省人化 資材搬送などに活用

 清水建設は2018年に建築現場にロボットを一斉投入する。自ら周囲の状況を把握して動く自律型ロボットを開発。屋内で作業員が多いため導入が難しかったビルの建設現場などで、資材の搬送や鉄骨の溶接などに用いる。各工程で必要な技能労働者を約7割減らすことができる。100カ所の工事現場で8千台のロボットを管理できるシステムも開発した。

自律型を運用

 大阪市で着工する地上30階建てのビルでロボットを5種類投入し、複数の工程で一体的に運用した際の課題を検証する。

 建築現場は全地球測位システム(GPS)の電波が届きにくく、ロボットが自分の位置を把握することが難しいことも、自律型ロボットの導入が難しかった理由だ。

 清水建設は3次元の設計図面やセンサーなどを組み合わせ、自らの位置を把握できるロボットを開発した。大手ゼネコンのビル建築現場で、複数種類の自律型ロボットを運用するのは初めて。

 鉄骨を自動で溶接できるロボットのほか、資材を作業する場所まで運ぶ搬送ロボット2種類と、資材の積み替えを担うロボット、天井に内装材を据え付けるロボットの合計5種類を同時に投入する。搬送ロボットがエレベーターを経由して据え付けロボットに資材を渡すなどの連携も可能だ。

 いずれも同様の作業を技能労働者が担う場合に比べ7割少ない人員数で運用が可能。試算では同ビルの工事期間中にのべ約6千人の人員を減らすことできる。全工程で必要な人員の1.1%に相当する。新たに開発したシステムでは、現場の担当者がタブレットを操作して簡単にロボットに指示を出せる。過去の記録をロボットが学習し、作業の精度を高めることも可能。清水建設はシステムも合わせた一連の開発に約20億円を投じた。


生産性向上急ぐ

 ゼネコン各社では生産性を向上させる取り組みが相次いでいる。これまでは工事現場へのロボットや人工知能(AI)の導入では、作業者が少ない大規模な土木分野が中心だった。大成建設が土を固める機械や岩を砕く機械で無人で施工できるシステムを開発中のほか、大林組もドローンを活用した測量システムなどの開発を進める。

 一方でビルなどの現場では屋内に作業者が密集し、必要な技能が多岐にわたるためロボットの導入が進んでいなかった。

 清水建設のロボットは2〜3カ所で転用すれば、投資回収できる見込みだ。工期が予測しやすくなるなど、ロボットの導入は発注者にとってのメリットもある。

[日経新聞6月22日朝刊P.13]



http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/375.html

[国際19] 米のロシア制裁強化案、独「ガス調達に影響」と反発 修正強く要求、新たな火種に

米のロシア制裁強化案、独「ガス調達に影響」と反発 修正強く要求、新たな火種に

 【ベルリン=石川潤】米上院が先週可決したロシアへの制裁強化案に対し、ドイツが強く反発している。ロシアのエネルギー輸出を支援する企業への新たな規制が、独ロをつなぐガスパイプライン計画(ノルドストリーム2)を狙い撃ちしているとみているためだ。制裁案の裏には欧州の天然ガス市場を狙う米国の思惑があるというのが、ドイツ側の見立てだ。


 「欧州へのエネルギー供給は欧州の問題だ。米国の問題ではない」。ドイツのガブリエル外相は15日、オーストリアのケルン首相と共同で制裁案を非難する声明を公表した。「国際法違反」などの強い言葉を並べる異例の声明で、16日にはメルケル独首相の報道官も「首相もほぼ同じ考え」と足並みをそろえた。

 法案が成立すれば、パイプライン計画に参画するドイツなどの企業は制裁を受けかねない。計画自体が頓挫する可能性もある。米上院が、代わりに米国から欧州へのガス輸出を増やして自国の雇用を守りたいという考えをちらつかせていることも、ドイツ側の不信感を高めている。

 ノルドストリーム2は、ロシアからバルト海を通してドイツにつながる全長約1200キロメートルのパイプライン計画。ロシア国営企業のガスプロムが主導し、2019年の稼働を目指している。欧州は地球温暖化対策のため、エネルギー全体に占める石炭などの割合を減らし、天然ガスや再生可能エネルギーを増やしていく方針だ。天然ガスを安定的に調達したいドイツと、ウクライナを通さずに欧州にガスを供給するルートを開拓したいロシアの思惑が一致し、開発が進んできた。

 ドイツは「米国と欧州の関係にとって大きなマイナス」などとして、米国に制裁強化案の修正を求めていく構えだ。

 ただ、これまで米独が争ってきた地球温暖化対策や反保護主義の問題のように、今回も国際世論がドイツ側に味方するかは微妙だ。ガス供給を通したロシアとドイツの接近には、当初からポーランドやバルト3国などの警戒が強かった。

 特にプーチン政権がウクライナのクリミア半島を併合して以降、西側諸国は対ロ制裁で足並みをそろえてきた。そのロシアを利するような計画にこだわるドイツの姿勢が「ご都合主義」と映る面は否めない。

 「ノルドストリーム2は成功のチャンスにあふれている」。ロシアのタス通信は21日、プーチン大統領の発言を伝えた。米独は新たな火種を抱え込みつつある。

[日経新聞6月23日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/736.html

[経世済民122] 三菱重など3社と米P&W、エンジン共同開発で合意 2030年めど、小型機向け

三菱重など3社と米P&W、エンジン共同開発で合意
2030年めど、小型機向け

 【ルブルジェ(パリ郊外)=市原朋大】米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)と、三菱重工業など日本の重工3社が次世代航空機用エンジンの共同開発で合意したことが22日明らかになった。総額1000億円超の開発費を投じ、2030年代に商用化する小型機に搭載する。航空機開発では中国の存在感が増している。日米各社は連合を組み、心臓部であるエンジン開発で主導権を死守する。


パリ国際航空ショーではボーイング、エアバスが受注競争を繰り広げた

 P&Wと日本航空機エンジン協会が共同開発のための覚書(MOU)を締結した。日本メーカーでは同協会メンバーの三菱重工のほかIHIと川崎重工業が参画する。日米連合を組み、燃費を1割程度改善できる小型機向けの新エンジンを開発する。次世代航空機は高い燃費性能や温暖化ガスの排出削減が強く求められるのが確実だ。

 日本の3社は低圧タービンや燃焼機、減速ギア、ファンなどのエンジン部品を得意とする。特にエンジン部品の軽量化につながる炭素繊維プラスチック(CFRP)やセラミック複合材(CMC)の加工技術に優れるとされる。新エンジンはこうした技術を組み合わせて開発する方針だ。3Dプリンターを採用するなどして生産コストも低減できるよう設計段階から工夫する。

 今後3社の役割分担を決め、貢献度に応じて売上高とコストを分け合うリスク・レベニュー・シェアリング・パートナー方式で開発する。エンジンは開発費が巨額となる一方で、いったん受注すれば保守や補修用部品の供給で長期間の投資回収ができるメリットがある。

 当地のルブルジェ空港で開かれているパリ国際航空ショーは22日、商談の最終日を迎えた。展示会場では「燃費では誰にも負けない」と大書きしたエアバス機が人目を引くなど、燃費競争と軽量化の行方が最大の焦点となっている。

 エアバスのファブリス・ブレジエ最高執行責任者(COO)は同日記者会見し、「多くの受注をいただき有意義なショーだった」と表情を緩めた。格安航空会社(LCC)大手エアアジアからの追加受注が最終日に飛び込んできたという。

 米ボーイングとエアバスの17年〜36年の市場調査によると、向こう20年間で必要とされる新造航空機は4万機前後と空前の規模に達する。累計1万3000件の受注を獲得しているエアバスのヒット機「A320」シリーズは注文が相次いでいるのに対し、超大型機の「A380」はゼロ。航空機市場は小型機へのシフトが続いている。

 一方、世界の航空機市場では中国メーカーの存在感が日増しに強まっている。エアバスやボーイングは中国国内に相次いで内装や塗装の最終仕上げ拠点を設けた。今後の機体開発では中国メーカーの参画が確実視されている。

中国の猛追に危機感 日米連合で主導権維持

 中国の航空機産業はここ数年、目覚ましい進歩を遂げている。国有企業の中国商用飛行機はリージョナルジェットの「ARJ21」の商用化成功に続き、5月には中型ジェット機「C919」の初飛行も果たしている。巨大市場を土台とする旺盛な国内需要に後押しされ、将来は完成機で世界の2強に割って入る勢いだ。

 エアバス、ボーイングの市場予測では中国市場の伸びが目立つ。エアバスによると、向こう20年間の新造機引き渡しの4割をアジア太平洋地域が占めるという。国策企業を政府がバックアップする方針も明確で、開発コストを収益でまかなう体制が整えば脅威となる。

 「中国のサプライヤーの技術は向上している」(ボーイングのマレンバーグCEO)と欧米の2強が中国の航空機関連業界に秋波を送るのも、旺盛な需要の裏返しといえる。ただ機体開発と違い、航空機エンジンではこれまで日米欧の大手が協力して長期の収益モデルを築いてきた。金城湯池の死守に向け、日本の航空機産業が動き出す。

[日経新聞6月23日朝刊P.17]

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MRJ、受注見込めず
パリ航空ショー機体初公開も 延期再三、先行優位薄らぐ

 【ルブルジェ(パリ郊外)=市原朋大、広瀬洋平】三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機「MRJ」が19日開幕したパリ国際航空ショーで機体を初めて公開した。例年なら同ショーで新規受注が発表されるが、今回は「難しい」と水谷久和社長は認めた。同型機に比べ燃費面で優位性があったMRJだが開発の遅れで競合メーカーが猛追しており、ほろ苦いデビューとなった。


「パリ国際航空ショー」で展示されるMRJの試験機(パリ近郊)=共同

 恒例の儀式はなかった。世界の航空関係者が一堂に会する航空ショーでは通常、新規受注を報告する記者会見があちこちで開かれる。三菱航空機も昨年の英国でのショーではあった。今回は機体を初めて持ち込み、三菱重工業の宮永俊一社長も駆けつけたが、初日の受注報告はなかった。

 ただ三菱重工や三菱航空機には焦りはない。さらなる遅延を見込んでのキャンセル含みの発注なら、真に受けない方が賢明という判断が三菱重工にはある。「重工内部では『受注なんか取らなくてよい』という指示も出ているようだ」とある関係者は明かす。

 事業環境は厳しい。5度目の納入延期で初号機納入は2020年半ばにずれこみ、事業化を正式決定した9年前に標榜していた他に先んじる環境、燃費性能や納期の優位性は薄れている。

 MRJが当初示した燃費の1〜2割の改善効果は、米プラット&ホイットニー(P&W)の新型エンジン採用が大きな要因だった。だがMRJのライバルであるボンバルディア(カナダ)やエンブラエル(ブラジル)にも搭載されることが決まり違いを出しにくい。

 エンブラエルの同型機の市場投入は21年の予定だ。MRJの初号機納入は20年。優位は1年しかない。

 その初号機を採用するANAホールディングスは計25機(オプション契約含む)を発注している。同社の篠辺修副会長は「MRJの成功を願っている」と現地で報道陣に話した。一方で、ANAHDはすでに米ボーイングから代替機の調達を決めるなど遅延リスクに保険をかけている。

 MRJの受注は確定が約250機、キャンセル可能なオプション契約や購入権を含めると約450機を確保している。市場で一定のシェアを確保するために1千機の受注をめざしていたが、信頼が揺らいだ現状で大幅な上積みは見込めない。

 度重なる遅延によって開発コストは当初見込んでいた2千億円からふくらみ、少なくとも最終的に3千億円は超えるもようだ。

 三菱航空機は債務超過に陥っており、三菱重工がMRJ事業を宮永社長の直轄に置き再建を急いでいる。三菱重工は将来見通しの公表に慎重な企業だが、初号機納入時期の19年への前倒しを公言した。

 ボンバルディアやエンブラエルといった競合だけでなく、中国メーカーも政府の支援を受けてジェット旅客機の開発に注力している。MRJ包囲網は日増しに強まっているのは間違いない。

[日経新聞6月20日朝刊P.11]



http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/376.html

[近代史02] シベリア出兵 克明に「日本に於ける戦国時代の如く…」 従軍兵士の手記36巻発見
シベリア出兵に従軍した田辺和市さんが「東西南北」と題して残した手記

シベリア出兵 克明に「日本に於ける戦国時代の如く…」 従軍兵士の手記36巻発見

 1917年のロシア革命で共産主義のソビエト政府が誕生し、翌18年から日本が軍事介入したシベリア出兵について、従軍した兵士が激戦の様子などを克明に記した手記を残していたことが22日、分かった。混迷する状況を「日本に於(お)ける戦国時代の如く」と表現。集落の焼き打ちや住民の銃殺も記すなど、極寒の地で極限まで高まった緊張を伝えている。

 来年はシベリア出兵開始から100年の節目。海軍兵の手記の発見は珍しく、専門家は貴重な史料と評価している。

 手記を書いたのは、岐阜県坂内村(現揖斐川町)出身で、76年に84歳で亡くなった田辺和市さん。18〜20年に臨時海軍派遣隊で渡ったシベリアを中心に、11年余りの軍隊生活を記録し、晩年に「東西南北」と題した36巻の手製の冊子にまとめた。孫の和政さん(60)=同県=ら遺族が保管していた。

 戦艦三笠などの乗組員だった田辺さんは、18年10月にロシアのウラジオストクに入港し、内陸のハバロフスクへ移動。19年1月にアムール川沿いのブラゴベシチェンスクに配置され、沿岸の警戒や陸軍部隊を支援する黒竜江艦隊で砲艦の砲撃手や陸戦隊員を務めた。

 手記は現地の状況を、多様な抗日勢力が参加したパルチザンによる鉄道や通信施設の破壊が相次ぎ、全滅した部隊もあるなど「何時事変が起こるかも知れぬ」と記述。集落の掃討部隊の行動は「止(や)むを得ず主謀(しゅぼう)者らしきもの三十一銃殺せり」と細かく記し、敵の勢力が迫っているとされた際は「もうあと三時間しか自分の命はない」とした。

 ブラゴベシチェンスク郊外の村イワノフカは電信局が占拠されたことなどから敵の拠点と判断。19年3月に激しい攻撃を加え家屋を焼き打ちし、住民ら約300人が犠牲になった事件では「過激派に加担するものは全部焼き払う事となり之(これ)を決行した」と指揮官の判断を記載した。

 田辺さんの砲艦は、アムール川の支流ゼヤ川や源流シルカ川もさかのぼって沿岸を制圧。「着弾頗(すこぶ)る正確にして艦側近くに炸裂(さくれつ)」という敵の攻撃に対し、「命令の儘(まま)に打ちに打ちまくった」「掃布をもって砲身を濡(ぬ)らすと焼け石の如(ごと)くにジュウ〜として泡立つ」と反撃の様子を描写した。

 ハバロフスクへ退いた20年4〜5月は、通信や補給が途絶えた孤立状態で市街戦を経験。連日続いた装甲車による襲撃や空襲に、係留した砲艦などから応戦し「付近数米(メートル)に三十発の着弾があった爆音と共に付近一帯土烟(けむり)」「夜の暗を突いて打ち出す彼我の砲戦其(そ)の壮烈筆残に尽くし難し」とつづっている。

[日経新聞6月23日朝刊P.42]


http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/896.html

[経世済民122] 日銀、株 買い一辺倒  4社に1社で「超安定株主」に:ETF保有残高推定17兆円

日銀、株 買い一辺倒
4社に1社で「超安定株主」に

 日銀の日本株買いが止まらない。異次元緩和の一環で上場投資信託(ETF)=総合2面きょうのことば=を買い入れる金額を2016年7月に年6兆円に拡大してから1年近くがたち保有残高は推定17兆円を突破。日本株保有額では第3位に急浮上した。上場企業の4社に1社で日銀が「安定大株主」になった計算だが、投資活性化で物価上昇につなげる目標の達成は道半ばだ。海図なき株買いの出口は見通せない。

 日銀タイム。日本株の個人投資家がこう呼ぶ時間帯がある。午後の取引が始まる午後0時30分からおおむね午後2時まで。日銀は直接買うのではなく信託銀行に一定のルール内で決定を委ねている。相場が下がった時点で買うのが大原則のため、インターネットでは刻々と買い出動を先読みする臆測が飛び交う。

保有総額17兆円

 日本経済新聞社の独自推計では上場する3675社のうち、833社で日銀が上位10位内の「大株主」に入った。実際に名簿に表れる株主名はETFを実際に買っている信託銀行だ。ユニクロを展開するファーストリテイリングや半導体製造装置アドバンテストなど日銀が15%超を持つ企業は着実に増えているもよう。サッポロホールディングスなど3社は計算上、筆頭株主になったようだ。

 保有総額は推定17兆円を超え、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と米運用会社ブラックロックに次ぐ第3の機関投資家に急成長した。昨年は個人株主が日本株を売り越す中で日銀が有力な受け皿となったとみられる。みずほ総合研究所の大塚理恵子氏は日経平均株価を最大2千円ほど押し上げたとみる。

 主要国では例をみない中銀のETF購入は10年10月に始まり、黒田緩和の一環で購入額が急増した。日経平均は6月に2万円を突破。日銀は株価下支えに一定の効果を果たしていると主張する。

 企業の間でもアクティビスト(物言う株主)より、日銀が「超安定株主」になってくれるのを歓迎する声が多い。アドバンテストは「株主は選べないが長期で持ってくれればうれしい」という。

 プラス面ばかりではない。割安になれば日銀がすかさず動くため「民間の投資機会を奪っている」(ヘッジファンド運用担当)と恨み節も漏れる。様々な情報を反映しながら適切な株価を見いだすのが株式市場の生命線だが、個別銘柄の「価格発見機能」を低下させているとの見方もある。

 日銀の悩みも深い。株高で現在は数兆円を超える大幅な含み益になっているもようだが、世界的な金融危機などで日本株が大きく下落すれば特別損失が発生する。

 しかも必ず償還期限が来る国債などと違って株式は売らない限り手元に残る。日銀は過去に銀行から買い入れた時価およそ3兆円の株式の売却を静かに進めている。米金融危機などを経てようやく本格売却にこぎ着けたのは16年春で、02年に購入を始めてから10年以上の年月がかかった。


予測できぬ出口

 ETFによる日銀の保有分はまだ上場企業の時価総額の3%弱にすぎず、購入を増やしてもすぐに問題は起きないというのが日銀の立場だ。黒田東彦総裁は6月の記者会見で早期の買い入れ減額が「理論的にはあり得る」と発言したものの、ある日銀関係者は「ETF購入減額を急に決めれば瞬く間に株価が急落し、黒田緩和の成果が一瞬で吹き飛びかねない」と強く否定している。

 これだけの巨額ETF購入でも物価上昇率は前年比で0%台に低迷し、デフレ懸念は払拭できない。株式市場を活性化しインフレ期待を高めるという目的の実現は遠い。

 いまのような経済状況が続けば少なくとも数年はETF購入を続けざるを得ない、というのが日銀主流派の考え方だ。長期にわたり巨額の株を買い続け、事実上売却もしない異形の投資家。強力なカンフル剤を投与しつづける市場はどこへ向かうのか。その帰結を誰も予測できない。

(中村結、浜美佐、宮本岳則)

[日経新聞6月24日朝刊P.1]


上場投資信託(ETF) 純資産総額、最高に

▽…日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数などに連動するように運用される金融商品のうち上場しているものを指す。金などの商品や債券を組み入れるタイプもある。ETFはExchange Traded Fundsの略。個別銘柄の株式と同じように価格が変動し、投資家は取引時間中にリアルタイムで売買できる。

▽…上場していない投資信託と比べて運用コストが低いなどの理由から、個人投資家も取引しやすいとされる。日本では2001年に本格的な取引が始まり、東京証券取引所に上場しているETF銘柄は計209本。17年5月の月間売買代金はおよそ2兆6500億円だった。純資産総額は、5月末時点で24兆821億円と過去最高を更新した。

▽…日銀によるETF購入は金融緩和策の一環として10年10月に始まった。保有残高は右肩上がりに増加し16年7月には年間買い入れ枠を6兆円に拡大した。

[日経新聞6月24日朝刊P.3]


「大株主」日銀、5%以上保有は83社 ファストリや京セラなど

 日銀による日本株買いが膨らんでいる。日本経済新聞社の調査では日銀の日本株の保有残高は17兆円を突破し、計算上、発行済み株式数の5%以上を保有する企業数は83社に上る。株式市場の時価総額に占める割合は3%に迫る。企業側からは安定株主になるとの声がある一方で、売買の実態が見えず株主名簿でも日銀の存在が確認できないとして戸惑いの声も聞かれる。

 日銀が10%以上の株を保有しているとみられるのは14社。例えば、日銀のファーストリテイリング株の保有比率は15%のもようで、筆頭株主で2割強を保有する柳井正会長兼社長に次ぐ株主とみられる。京セラ株は9.8%を保有しているとみられ、稲盛和夫名誉会長(約3%)の3倍を保有している計算になる。

 セコム株の保有比率は8.4%で、創業者の飯田亮氏の約2%を上回るもよう。三菱倉庫では三菱グループ3社の合計保有比率が約8%なのに対し、日銀の比率は10.1%に上るとみられる。

 日銀が大株主と見られるある企業のIR担当者は「保有株が売られる局面ではどう対処していけばいいのか」と懸念する。別の企業の担当者も「業績や事業に関係なく株価が上下するので、投資家にどう説明すればいいか難しい」と話す。

 市場では日銀による上場投資信託(ETF)買いを評価する声もある。みずほ総合研究所の高田創専務執行役員は「株式需給を支えることで株式市場を安定させ、家計や企業の心理を支える効果がある」と話す。株価を下支えする効果の一側面だ。
 一方で、弊害を指摘する声もある。その一つが株価形成のゆがみだ。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストの分析によると、日銀が大株主の銘柄は同業他社に比べ、株価が割高になっていた。

 今後、日銀がETFの売却に転じる「出口論」が活発に議論されれば、「日銀が大株主の銘柄は需給悪化懸念から株価が上がりにくくなる可能性がある」と井出氏は指摘する。

 もうひとつが「投資家の買い場が減った」との声だ。日銀が年6兆円ペースでETFを購入することで、これ以上売り手がいなくなる「セリングクライマックス」が見えにくくなった。ある銀行系投信会社のファンドマネジャーは「株価が下がり切らず、株を仕込みにくくなった」と話す。

[日経新聞6月24日朝刊P.15]


http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/381.html

[政治・選挙・NHK228] 下村元文科相が加計学園からの寄付を頑なに否定するワケ:たんに収支報告書未記載なら言い逃れも可能だが...

 「森友学園小学校新設疑獄」だけで安倍政権は吹っ飛んでいなければならないのに、「加計学園獣医学部新設疑獄」や稲田防衛相不埒発言などとどまるところのない政治的悪徳噴出状況でも安倍政権は延命している。

 以前から書いてきたように、民進党も主要メディアも、点数稼ぎや視聴率稼ぎの安倍批判には精を出しても、安倍政権が倒れてしまうような決定的な動きは控える“現代版大政翼賛会”構造なのだから仕方ない。

 安倍政権は、米国と中国の強い要請で誕生したいきさつがあるため、目的を成就するまで生き延びて貰うしかないのである。民進党の幹事長に野田元首相が就いたのも、そのいきさつをよく承知しており、対安倍政権をうまく制御すると期待されているからである。

 トップの安倍晋三氏があのレベルの政治家だから、彼の周りにくっついている政治家が問題を起こすのは当然と言えば当然である。

 始末が悪いことに、安倍最側近でる菅官房長官は、政治手法として嘘をつくことに躊躇がない一方リベラルで身内に甘い性格でもあるため、「泣いて馬謖を切る」ということができず、“味方”はだれもかれも傷つけないよう、ゴマカシと言い逃れに終始するため、問題の傷口をかえって深くしている。

(稲田防衛相に対しては厳しく叱責し辞任してもらうのがぎりぎり妥協できる“人情”的対応策)

 森友学園疑獄でも、早い段階で財務省キャリア3人ほどに責任をとらせていれば、もっと早く落ち着いていただろう。(しかし、森友学園疑獄が中央政界や主要メディアからすっかり消えたことには驚かされる)

 加計学園問題も、文科相流出文書を怪文書扱いするのではなく、首相の名を出した内閣府の官僚を気持ちはわかるが行き過ぎと叱責し、今治市に獣医学部を“特別”に新設する意義を説明したほうが事態は収束に向かっていただろう。

 (民泊や白タクの限定地区での“お試し”導入なら国家戦略特区という話も理解できるが、明治以来存続する獣医学部の新設を国家戦略特区でやろうという話自体がデタラメ)

 しかも、トチ狂った安倍首相は、獣医学部は2つでも3つでも新設していいとまで発言している。
 安倍首相は、規制緩和をやる、岩盤規制に穴を開けると豪語しているが、獣医学部に限らず、大学や学部の新設は国庫が負担する補助金が増大することを意味する。
加計学園が自己資金と入学金や授業料などの学費だけで国庫補助を受けずに獣医学部を運営するというのならまだしも、今治にできるかもしれない加計学園獣医学部にはおそらく毎年3億円程度の補助金が支給されるのである。
 だからこそ、獣医学部の新設が必要かどうかの議論が必要なのである。

(加計学園は、学校建設費が実質的にタダになるよう今治市に補助金を不正に申請した疑惑が指摘されている)

 前段の話が長くなってしまったが、国庫から補助金が出ている私立大学を経営している加計学園は政治活動のための寄付ができない法的立場であるがゆえに、下村元文科相は、加計学園からは寄付を受けていないと言い張っているのである。

[加計学園系列大学に支給された経常費補助金]2015年度文科省実績

岡山理科大学:7億316万円
千葉科学大学:3億4476万2千円
倉敷芸術科学大学:2億8996万1千円

大学のみで合計:13億3788万3千円

※高校などもあるが補助金額は不明。

[政治資金規正法]

 第五章 寄附等に関する制限

(寄附の質的制限)
第二十二条の三  国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金(中略)の交付の決定(中略)を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後一年を経過する日(中略)までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。

<中略>

6  何人も、第一項又は第二項(これらの規定を第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反してされる寄附であることを知りながら、これを受けてはならない。

※政治資金規正法の全文:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO194.html#1000000000001000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000

 陸山会事件で小沢一郎氏は借入金の扱いや不動産取得の期日問題で極悪人のように騒がれたが、自民党系の政治家は貰った政治資金を記載していなくてもそれが発覚したあとで修正すればお咎めナシというケースがほとんどである。

 しかし、国庫から毎年多額の補助金をもらっている加計学園から寄付を受けた疑惑が浮上している下村元文科相のケースはそうはいかない。

 文科相であったどうかも関係なく、国家から補助金を貰っている加計学園から寄付を貰うことだけで政治資金規正法違反になる。
(私立大学経常費補助金は毎年交付されているので、“空白の一日”があるかもしれないが、政治資金の寄付はできないはず。また、下村氏は、加計学園が私立大学を経営していることを知らないとは言えないだろう)

 仮に、加計学園から収支報告書に記載の必要がない20万円の寄付を受け取っていたとしても、下村氏も加計学園も、政治資金規正法違反に問われるのである。

 百歩譲って、加計学園からは寄付がなかったとしても、下村文科相向けの寄付を加計学園の秘書室長が取りまとめたことは、政治資金規正法第五章寄附等に関する制限の第二十二条の三(寄附の質的制限)の法的趣旨に抵触する“脱法”行為と言えるだろう。

 国庫から補助金を貰っている法人(加計学園)が、下村氏のために労苦を費やして政治資金を集めて届けたというだけで、政治資金規正法の意図に反すると言える。


 安倍首相には、米国や中国が期待している政治的使命を先送りせずにさっさとやり遂げ、早々に身を退くことを進言する。



http://www.asyura2.com/17/senkyo228/msg/337.html

[政治・選挙・NHK228] 政権、稲田防衛相の罷免「必要ない」 野党4党に伝える

政権、稲田防衛相の罷免「必要ない」 野党4党に伝える
6/30(金) 0:26配信

 稲田朋美防衛相が東京都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言した問題をめぐり、安倍政権は29日、野党4党が求める稲田氏の罷免(ひめん)を拒否した。菅義偉官房長官が自民党の竹下亘国会対策委員長を通じて、「罷免する必要はない」との考えを野党側に伝えた。

 竹下氏はこの日午前、国会内で民進党の山井和則国対委員長と会談。山井氏は、民進、共産、自由、社民の野党4党の確認をもとに、安倍晋三首相による稲田氏の罷免を求めたほか、首相の任命責任を問うための臨時国会の早期召集と、予算委員会の閉会中審査を要求していた。

 菅氏は、臨時国会召集について「各方面と協議したうえで今後検討する」と回答。閉会中審査については、竹下氏が午前中の段階で「(7月2日の)都議選が終わるまで置いた後、総合判断しようと思う」と態度を保留した。

 菅氏の回答は同日夕、竹下氏から山井氏に伝えられた。山井氏は記者団に、「稲田氏の発言に対する安倍首相の認識は甘すぎる」と指摘。臨時国会召集については「国民に説明してほしい、と言ったらゼロ回答。全く不誠実だ」と批判した。

朝日新聞社

最終更新:6/30(金) 1:28
朝日新聞デジタル


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170630-00000004-asahi-pol


http://www.asyura2.com/17/senkyo228/msg/338.html

[政治・選挙・NHK228] 稲田防衛相「誤解」35回連発、会見大荒れ:国民はバカと言っているに等しい会見での言い訳だけでも罷免相当

稲田防衛相「誤解」35回連発、会見大荒れ
TBS系(JNN) 6/30(金) 20:12配信

 都議会議員選挙の応援で「自衛隊としてもお願いしたい」などと発言した稲田防衛大臣。30日の記者会見で「誤解」という言葉を35回も連発。大荒れとなりました。一体、何をどのように誤解させたというのでしょうか?

 「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」(稲田朋美防衛大臣 今月27日)

 都議会議員選挙の応援で「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてお願いしたい」などと発言した稲田大臣。防衛大臣として投票を呼びかけるのは公職選挙法に違反するのではないかという指摘に対し、稲田大臣は「誤解」という言葉を使って釈明しました。

 「私としては、防衛省、自衛隊、防衛大臣としてお願いするという意図は全くなく、誤解を招きかねない発言であり、撤回をしたということであります」(稲田朋美防衛大臣)

 「防衛省・自衛隊・防衛大臣としてお願いしたい」という表現は“誤解を招きかねない発言”だったとして撤回し、謝罪しました。しかし・・・

Q.まさに防衛大臣、自衛隊、防衛省と言っている。地位を利用した選挙運動、公職選挙法違反じゃないのか

 「私はその、自民党としてその候補者をお願いをしたいということでございます」

Q.どこにどういう誤解が入る余地があるんですか

 「私は自民党としてお願いをしたいと」

Q.だって防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党と言っているじゃないですか、あなたは

 「ですから、私の真意は自民党として応援演説に行ったわけでございます」(稲田朋美防衛大臣)


 30日、稲田大臣は問題の発言について初めて謝罪。「職責を全うしたい」と改めて辞任する意向がないことを強調しました。

 「本来でしたら今日のような議論も国会でやるべき議論でありますが、何が何でも国会を開きたくないというのが“安倍総理のご意向”のようですので」(民進党 山井和則国対委員長)

 一方、民進党は、稲田防衛大臣の問題に加えて「政治とカネ」でも追及を強めます。下村幹事長代行をめぐり、加計学園側が政治資金として200万円分のパーティー券購入代金を取りまとめていた件で、総務省の担当者らを呼び出したのです。問題にしているのは「加計学園側がパーティー券購入の『あっせん』をしていたのではないか」という点。そして「政治資金規正法上の『あっせん』であるなら金額などを収支報告書に記載しなければならないはずだ」と迫ったのです。

 「あっせんをした合計額が20万円を超えるものについては政治資金収支報告書に記載しないといけないと思うんですが」(民進党 階猛衆院議員)

 「お尋ねの件につきましては、総務省としては実質的な調査権を有しておりませんので、具体的な事実関係を承知する立場にございませんので、お答えは差し控えさせていただければ」(総務省の担当者)

 「そんなこと忖度しなくていいじゃないか。聞かれたことに一般論としてちゃんと答えてください」

 「調査権限を有していない」として、「答えは控える」と繰り返す総務省側。民進党は週明けも説明を求めることにしていて、都議選後も引き続き追及していく構えです。(30日17:10)

最終更新:6/30(金) 21:11


https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170630-00000113-jnn-pol

※関連参照投稿

「下村元文科相が加計学園からの寄付を頑なに否定するワケ:たんに収支報告書未記載なら言い逃れも可能だが...」
http://www.asyura2.com/17/senkyo228/msg/337.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo228/msg/372.html

[政治・選挙・NHK228] 維新も稲田氏辞任を要求 松井代表「レッドカード」 :政治的理性や判断力を喪失してしまった安倍自民党

維新も稲田氏辞任を要求 松井代表「レッドカード」
2017/6/30 22:15

 日本維新の会の松井一郎代表は30日、東京都議選応援で「自衛隊としてもお願いしたい」などと発言した稲田朋美防衛相の自発的辞任を要求した。「今回はレッドカードだ。反省するなら責任を取って辞表を出せばいい」と都内の演説会で述べた。
 その後、記者団に対し「稲田氏個人の資質の話だ。『間違いでした』だけでは済まない話になってきている」と指摘。「北朝鮮がどんどんミサイルを撃っている中で、早急に新しい防衛相を決めるべきだ」とも語った。〔共同〕

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS30H53_Q7A630C1000000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/senkyo228/msg/376.html

[経世済民122] [FINANCIAL TIMES]海外移管 イメルト氏の警告

[FINANCIAL TIMES]海外移管 イメルト氏の警告
グローバル・ビジネス・コラムニスト ラナ・フォルーハー

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト最高経営責任者(CEO)には、次世代の企業経営者らに助言したいことが複数あるようだ。

 「バーニー・サンダース氏の演説の最初の5分間には、私も賛成だ」と彼は述べた(編集注、サンダース氏はリベラル派の政治家として知られ、昨年の米大統領選で民主党の候補指名をヒラリー・クリントン氏と最後まで争った)。多国籍企業のCEOの発言とは思えないだろうが、彼は確かに先週、筆者にそう語った。

 イメルト氏は今年7月末に、創業100年を超えるこの老舗グループのCEOを退任し、経営を後任のジョン・フラナリー氏に譲ることになっている。「引退」前だから本心を明かしやすかったという可能性はある。本人が言うようにこれで彼が本当に「引退する」とは思えない。

 だが、彼は賢明な経営者であれば今、どんな認識であるべきかを語ったにすぎない。金融危機とその危機による経済的打撃が続き、政治的ポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭したことで、グローバルなビジネスの基本的考え方は根本的に変わった。その意味で、イメルト氏が金融危機後の数年間にGEの経営を通じて経験したことは、ポピュリズム台頭後の今の世界でグローバルビジネスを展開する時の指針となるかもしれない。
 

 では、イメルト氏は何を学んだのか。第1に米欧のような先進諸国の経済を成長させるには「消費を伸ばそうと考えているだけではだめだ」と言う。これは大衆迎合主義者の主張の一部だが、サンダース氏の支持者(もちろんトランプ氏の多くの支持者も含む)と、イメルト氏が同意できる点だ。

 過去40年の米国の経済モデルは、米国の賃金は低いままでいいが、生産を含め海外に出せるものは外国に移すというグローバル化を基本としてきた。グローバル化の推進により米国の物価が下がれば、失業しても低賃金のままでも、その影響を相殺できるはずだと考えられてきた。しかし、米国内総生産(GDP)の70%は消費が占める。そうした状況で1990年代以降、働くほとんどの人の賃金が上がらないとなれば、その理屈はもはや成立しない。

 「海外に外注するだけして、米国の賃金水準は低いままでいいなどというグローバル化の考え方はよくない」とイメルト氏は話す(最近は、低賃金はグローバル化がもたらす問題ではなく、米国の低賃金そのものがいろんな問題を招いていると指摘する調査が増えている)。

 イメルト氏によれば、グローバル化の恩恵を分かち合う最良の方法はドイツ方式をまねることだ。理想的モデルは、大企業を中心に、「ミッテルシュタント」と呼ばれる中小企業群が周囲から支える垂直統合した製造業のエコシステムを形成することだ。このモデルなら、高度な技術を持つ労働者(報酬もよい)が、価値の高い輸出競争力のある製品を創り出すことができるという。

 通常、大手輸出企業が従業員を1人雇うと、その企業の供給網に8人の雇用が生まれる。米国の多くの地域が大企業の誘致に懸命なのはそのためだ。大企業が1ドルの経済的価値を生み出すごとに、地域に1.5ドルの利益を落とす。だからこそ、技術の進化で米製造業の雇用規模は全体として縮小していても、大企業の存在は今も非常に多くの高度な経済活動を支えていると考えられている。

 例えば、GEのジェットエンジン事業は、各エンジンに取り付けた何千ものセンサーが発信するデータを分析し、そのデータをいかに活用できるかコンサルティングする新サービスを生み出すことで拡大してきた。

 各地方政府は、こうした仕事を生み出す大企業の誘致に、優遇税制や補助金の提供で際限のない競争を展開することが多い。だがイメルト氏はGEが事業拠点を決める際、最も重視するのはその地域にどのような人材がいるかだと話す。人材レベルは、その地域の教育システムの質とほぼ相関関係がある。

 GEが昨秋、完成させた新工場は、米インディアナ州ラファイエットにある。工学分野で有名な州立のパデュー大学の近くだ。この工場でジェットエンジンの組み立てに携わることになる数百人の労働者全員が、四年制大学で電気工学や産業工学の学位を持つとは限らないが、大学を中心とするエコシステムの恩恵は受けた人々となる。「大学のある街は、中等教育や職業教育もしっかりしているものだ。それが良質な労働力を生み出す」とイメルト氏は話す(実際、筆者が育った町から30分ほど離れたウェスト・ラファイエットには、インディアナ州で最高レベルの高校がある)。

 ここから得られる教訓は、教育やインフラといった公共財は重要ということだ。企業の事業は、何の支えもない自由放任主義の環境下で成功するわけではない。教育や職業訓練といった政策の選択によって、その地域社会(国)に流れ込む経済的価値は大きく変わるということだ。
 
 
 イメルト氏が今後の経営者に与える最後の、そして恐らく最も価値ある助言は「ダボス会議より製造現場でもっと時間を過ごせ」ということだ。“世界の賢人”たちはなぜか一般の人々のニーズとはかけ離れてしまったという。自分たちはグローバル化の中身や一般の人々への影響を十分に考えずに、競争力強化のためには絶対に必要な投資だとして、グローバル化の理論を理解してきた。海外への外注を進めることは優れたビジネス手法だとして、労働者のことよりも企業にとって有利との理由から様々な貿易協定を支持し、社会への大きな経済的影響には目をつむってきたと述べ、GEもその一角にいたと認めた(最近では、同氏は北米自由貿易協定の再交渉を支持している)。

 イメルト氏は決して経営者らに、「ウォール街占拠運動」への参加を呼びかけているわけではない(普通の企業人同様、規制緩和や企業寄りの税制改革を求めている)。しかし、自分たちが実際に生活する人々の目にどう映っているかをまるで理解しない経営者が多すぎる、と警告している。その無理解は、企業に目に見えるリスクをもたらす。米ライドシェア(相乗り)大手ウーバーのCEOを辞任したトラビス・カラニック氏の浮き沈みを見れば分かるだろう。

 前述のサンダース氏も、イメルト氏の警告には同意するに違いない。

(26日付)

[日経新聞6月29日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/478.html

[原発・フッ素48] 核燃サイクル、費用底なし 再処理施設廃止に1兆円 原子力機構:六ヶ所村の1/4処理能力の「東海再処理施設」

核燃サイクル、費用底なし 再処理施設廃止に1兆円 原子力機構、ずさん管理でコスト膨張も

 日本原子力研究開発機構は30日、原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す「東海再処理施設」(茨城県)の廃止計画を原子力規制委員会に提出した。作業を終えるまでに70年かかり、総費用は約1兆円にのぼると試算した。国がかかげる核燃料サイクル政策の負のコストが巨大になることが明らかになった。


 再処理の過程で出た放射性廃棄物がずさんに管理されていることもあり、費用がさらに膨らむ可能性もある。

 規制委は今後、廃止計画の安全性を重点的に審査する。追加費用については、原子力機構を所管する文部科学省が精査する。ただ大半が国費でまかなわれることになり、原子力政策への批判が強まる可能性がある。将来の廃止措置も見据えずに技術開発を急いだ文科省側の姿勢も問われそうだ。

 東海再処理施設の費用を巡っては、同機構は最初の10年で2200億円かかると公表していた。30日に規制委に出した廃止計画では、残り60年間でも約7700億円かかると試算した。具体的には汚染された機器の解体費が1400億円、放射性廃棄物をセメントなどで固める処理費が2500億円、廃棄物を地中に処分する費用が3800億円になる。

 商業用原発の廃炉にかかる費用は1基あたり300億〜800億円といわれる。十数倍にも達したのは、再処理施設を廃止する経験が無く、作業方法が確立されていないからだ。

 再処理施設は、使い終わった使用済み核燃料からプルトニウムやウランなどを再び燃料として利用する核燃料サイクル政策に欠かせない施設。東海再処理施設は1981年に運転を開始した。核燃料の切断や溶解、分離など様々な手順があり、約30の施設が点在している。原発よりも再処理の過程で高レベルで汚染された建物が多く、廃止技術も高度になる。

 今回の試算通り1兆円ですむかどうかも不透明だ。原子力機構の放射性廃棄物の管理がずさんで、作業が順調に進む保証がないからだ。

 原子力機構は固体の放射性廃棄物を入れたドラム缶約800個を乱雑にプール内に積み重ねたままにしている。高い放射線を出すため人では作業できず、専用ロボットの開発などが必要だ。廃棄物が漏れ出ている可能性も指摘されており、作業の見通しが立たない可能性がある。

 今後の大きな問題は、7700億円の試算の中に年50億〜60億円かかっている施設の維持管理費が含まれていないことだ。例えば、政府が廃炉を決めた高速増殖炉原型炉「もんじゅ」は、30年かかる廃炉作業中の維持管理に2250億円を見込んでいる。

 30日に会見した原子力機構、核燃料サイクル工学研究所再処理技術開発センターの大森栄一センター長も、今回の試算について「精度の高いものだと考えてはいない」と述べ、廃止費用がさらに上積みされる可能性を示唆した。

 国の原子力政策に詳しい九州大学の吉岡斉教授は「将来費用が足りず放置される可能性もある。作業はリスクの高い廃液処理から優先させるのが現実的だ」と指摘する。

 核燃料サイクル政策では、今後、青森県六ケ所村にある再処理施設を使う計画。この施設は東海再処理施設の約4倍の処理能力がある。六ケ所村の施設を運用する日本原燃は将来の廃止に約1兆5000億円と試算し、電力会社が積み立てているが、今回の東海再処理施設の費用をみると、膨らむ可能性も出てきた。

[日経新聞7月1日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/399.html

[中国11] 生鮮通販 店が倉庫  中国ネット小売り新潮流 盒馬鮮生、30分宅配を実現

生鮮通販 店が倉庫
中国ネット小売り新潮流 盒馬鮮生、30分宅配を実現

 中国で生鮮食品の小売りが変わり始めた。上海のベンチャー企業である盒馬(フーマー)鮮生は店舗を倉庫に見立て、スマートフォン(スマホ)で注文した商品の「30分配送」を実現。ネット通販大手、京東集団(北京市)は市場の新鮮な野菜や果物を格安で宅配する。短時間での保冷配送が必要な生鮮食品はネット通販の弱点だった。ネット通販の新潮流が旧来型店舗の「最後の牙城」を脅かしている。


店員(左)が商品を詰め、天井を伝い配送所に送る(上海市)


 上海の繁華街の夕暮れ時。フーマーの店舗には野菜や果物、魚介や肉類が整然と並び、夕食の食材を求める人々でごった返している。一見すると何の変哲もないスーパーだが、ひとつ違うのは買い物客を縫うように赤い制服の店員が何人も走り回っていることだ。

 店員は運動会の「買い物ゲーム」のようにネット注文された商品を専用端末で確認しながら次々と保冷バッグに投入。バッグは天井に張り巡らしたベルトコンベヤーにぶらぶらと揺られながら配送所に運ばれ、待ち構えた宅配員が電動バイクで顧客宅へ急ぐ。宅配料金は無料で「店舗から5キロメートル以内なら30分配送」が売りだ。

 フーマーはネット通販が中心で店舗は倉庫と物流基地の役割を果たす。ネットで出回る粗悪品への警戒が強い消費者を安心させるための「ショーウインドー」も兼ねる。ネットの評判を聞いて、近所の人も店に来るなど相乗効果も出てきた。

 上海市内の女性会社員(25)は週に2回ほどフーマーのネット通販で野菜や果物を買う。「短時間で配達されるので果物や野菜の鮮度が高い。スーパーにはほとんど行かなくなった」という。

 フーマーは昨春営業を始めたばかりだが、すでに上海で10店舗を持つほか、今月上旬には北京1号店を開いた。広東省深圳や浙江省杭州にも近く進出する計画だ。

 「卵1パックやバナナ1房が今なら0.01元(0.2円弱)」。セール商品を目玉に攻勢をかけるのが京東集団傘下の「京東到家」。こちらは各地に点在する伝統的な野菜市場と組んで、1時間以内に商品を届ける。

 会員がスマホで野菜や果物を注文すると、市場の店舗運営者のスマホに注文内容が届き品物を袋に詰める。注文は宅配員のスマホにも同時配信され、宅配員は注文から30分以内に市場で商品を受け取り、30分以内に顧客宅まで届ける決まりだ。京東到家は宅配大手「達達」と提携。利用者が野菜の宅配に払う費用は約4元で一定額以上を買えば無料になる。

 京東は3キロメートル四方に1店の割合で店舗を組織化。上海市内の「昌化菜市場」内で6平方メートルほどの小さな青果店を営む男性は昨年7月に参加した。毎日50〜60件の注文があるという。「以前はスーパーを使っていた若い人が戻ってきた」

 中国のネット通販市場は2016年に前年比26%増の23兆元まで成長した。15年まで30%前後の伸びを示していたのに比べると鈍化したが、それでも小売り全体の伸びが10%程度であるのに比べれば成長力は高い。

 そのネット通販がなかなか入り込めない世界が生鮮食品だった。鮮度管理が求められるため、倉庫やトラックなど冷蔵・冷凍物流網の構築が必要で、コストもかさむのが理由だった。だが、中国ではここ数年、「外売(ワイマイ)」と呼ばれる出前代行サービスが急速に普及。スマホで飲食店に料理を注文すると30分ほどで届けてくれるサービスで、生鮮食品の宅配でもこの配達網が活用されている。

 生鮮食品のネット通販は世界でも広がる。米国ではアマゾン・ドット・コムが高級スーパーのホールフーズ・マーケットを傘下に収め、店舗を「倉庫化」して生鮮食品の宅配を本格化するといわれる。これまでハードルとなっていた顧客宅までの「ラストワンマイル」の問題が克服されたことで、旧来の店舗型スーパーの「牙城」は急速に侵食されつつある。

 上海=小高航、大連=原島大介

[日経新聞7月1日朝刊P.11]



http://www.asyura2.com/17/china11/msg/706.html

[医療崩壊5] 骨粗しょう症薬使用で留意 副作用で顎の骨壊死:乳がんの骨転移でも使われるビスホスホネート製剤
下顎の左側の骨が壊死している(76歳の女性患者、歯の間の部分が壊死したところ)

骨粗しょう症薬使用で留意 副作用で顎の骨壊死
歯科医定期受診で予防

 骨粗しょう症やがんの骨転移の治療に使う「ビスホスホネート製剤」という薬の副作用によって、顎の骨が壊死(えし)する患者が増えている。発症はまれだが、効き目の高い薬のため服用する人は多い。顎骨の壊死に抜本的な治療法はなく、虫歯や歯周病の治療などの予防が重要になる。専門家は注意を呼びかけており、関連学会は予防策や対応策を公表している。


東京都に住む65歳の女性は数年前からかかりつけの歯科医から歯周病の症状を指摘されていた。痛みが強くなったので抜歯したが、いっこうに傷口は治らない。顎の骨が口の中に露出し、膿(うみ)も出る状態が続いた。

高齢女性まれに

 歯科医の紹介で大学病院の口腔(こうくう)外科を受診すると、顎骨が壊死していると説明された。細菌の感染を抑える抗生物質を飲み、定期的に骨の壊死した部分を洗い流す治療を受けたが、数カ月たっても良くならない。口腔外科医からはこのままでは顎骨を切除する手術が必要になるかもしれないと告げられた。

 じつは女性は別に整形外科を受診しており、骨粗しょう症の薬としてビスホスホネート製剤を処方され、4年前から飲み続けていた。大学病院の口腔外科医は女性が飲んでいる薬を確認し、副作用である「ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ)」を発症したと判断した。

 顎骨壊死は下顎や上顎の骨が細菌に感染して腐ってしまう病気だ。乳がんの骨転移や骨粗しょう症の薬としてビスホスホネート製剤を飲む高齢女性などで、まれにだが発症することがある。

 壊死が起きると口の中で骨が露出し、強い痛みで食事が難しくなる。歯が抜けたり、顎の皮膚に穴が開いて骨が露出したりすることもある。放置して悪化し、脳や肺を覆う胸膜が細菌に感染する「脳膿瘍(のうよう)」や「膿胸(のうきょう)」による死亡例もあるという。

 骨は通常、古い骨を分解・吸収する「破骨細胞」と、新しい骨を作る「骨芽細胞」の働きのバランスによって代謝が保たれている。ビスホスホネート製剤は破骨細胞の働きだけを抑え、骨を丈夫にする薬だ。第1世代から第2世代、第3世代と薬の改良が進み、乳がんや肺がん、前立腺がんなどの骨転移、骨がもろくなる骨粗しょう症の治療や予防に重宝されている。

 ただ、薬の効き目が高まり、服用する患者が増えた半面、副作用として顎骨の壊死の発症も多くなってきた。日本口腔外科学会がまとめた全国調査では、2006〜08年に計263例が報告されたのに対し、11〜13年は計4797例と急増した。11〜13年の調査では、ビスホスホネート製剤を服用するようになった原因の病気はがんが47%、骨粗しょう症が45%とほぼ同じ比率だった。

 調査に携わった東京歯科大学の柴原孝彦教授は「医師と歯科医師の双方が注意し、連携すれば発症は防げるはずだ」と話す。先に対策が進んだ米国では発症が減少傾向に転じたという。

口中衛生を改善

 同学会や日本骨代謝学会など6つの学会は昨年夏、顎骨壊死の予防策や対応策についてまとめた「ポジションペーパー」を4年ぶりに改訂した。顎骨壊死は発症の仕組みなど未解明な部分も多いが、現時点での統一的な見解を公表した。

 ペーパーでは対策として、ビスホスホネート製剤の服用前に歯科を受診することを挙げている。口の中の衛生状態を改善し、抜歯などの歯科治療を投薬開始の2週間前までに終えることが望ましい。

 東京女子医科大学病院では他の診療科がビスホスホネート製剤を処方する際、歯科口腔外科を受診する体制を整えた。予防には医師と歯科医師の連携が欠かせないが、まだ全国的には対策が徹底されているとはいえない。貝淵信之助教は「患者自身も副作用を知っておくことが大切」と語る。

 既に服用している人でも歯科の受診は重要だ。歯磨きなどで口の中を清潔に保ちつつ、顎骨壊死のきっかけになりうる虫歯などがあれば、抜歯などの最小限の治療も受ける。柴原教授は「歯科医は必要な治療をためらってはいけない。放置するとかえって発症を招いてしまう」と強調する。

 顎骨壊死がすでに起きている人の場合、発見が早くなるほど治療の可能性が高まる。軽症ならば傷口の穴の洗浄や抗菌薬の使用で治ることもある。症状が進むと壊死した骨をかき出し、場合によっては顎骨の一部を切除する。

 ただ、重症になると顎骨を切除しても完全に治らないことがある。命に関わる疾病に使う薬のため服用をやめるのは難しく、やめても症状が改善するとは限らない。新たな治療法として、酸素カプセルに入る高圧酸素療法、細胞シートを使った再生医療などが検討されているが、まだ根本的な治療法は確立されていない。

(越川智瑛)

[日経新聞7月3日朝刊P.17]



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[医療崩壊5] 骨粗しょう症薬使用で留意 副作用で顎の骨壊死:乳がんの骨転移でも使われるビスホスホネート製剤 あっしら
1. あっしら[693] gqCCwYK1guc 2017年7月13日 04:09:26 : CO3nVXo6lI : TLnnXC1R4Oo[1]

他の薬でも報告

 顎骨が壊死(えし)する副作用が、ほかの薬でも起こることが近年明らかになっている。

 ビスホスホネート製剤と同じように古い骨を分解・吸収する破骨細胞の働きを抑え、骨粗しょう症やがんの骨転移の治療に使う新薬「デノスマブ」でも、ほぼ同じ頻度で顎骨壊死が起きる。最近は両方の副作用を合わせて、「骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)」と呼ぶようになってきた。

 デノスマブはビスホスホネート製剤と異なり、骨に沈着して残留せず、破骨細胞を殺さない。顎骨壊死は発生しないと期待されていたが、副作用をなくすことはできなかった。

 がん治療で抗がん剤としばしば併用する血管新生阻害薬などでも、顎骨壊死の発生率が上がるという報告がある。米国口腔(こうくう)顎顔面外科学会は幅広い種類の薬による副作用を指す「薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)」という名称を提唱している。

 高齢化などで骨粗しょう症やがんの患者が増えるにつれ、ビスホスホネート製剤やデノスマブなどを服用する人も増加する見通し。骨折の予防や骨転移の治療は生活の質を保つために重要で、薬の服用そのものが悪いわけではない。適切な予防策で副作用を避けつつ、薬と付き合っていくことが重要だ。

[日経新聞7月3日朝刊P.17]


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[国際19] 混迷深まる中東 どこへ

[複眼]混迷深まる中東 どこへ

 中東情勢が混迷を深めている。サウジアラビアとイランの盟主争いは、サウジ主導のカタールとの断交に発展。シリア内戦や過激派組織「イスラム国」(IS)掃討は、米国やロシア、トルコなど域外国の思惑も絡んで地域を複雑にしている。地政学上の要衝である中東はどこへ向かうのか。

◇  ◇

■サウジ、イスラエル接近も 東京大学准教授 池内恵氏

 サウジアラビアは国政の実権を握るムハンマド新皇太子の下で、イランに強硬姿勢を取り続けるだろう。イランは今のところサウジの挑発に反応せず、サウジが国際社会の問題児であると見られるほど、利点がある。懸念はサウジがこれまでありえなかったことをやる可能性だ。

 それはイスラエル(との接近)だ。反イランで利害が一致するサウジとイスラエル、トランプ米政権の連合にイスラエルが知恵をつけている、というのがイランの認識。イランも織り込み済みだが、サウジがイスラエルと相互に国家承認するなど公然と連合を組む事態は別だ。

 イスラエルと同盟し同じ中東の国に危害を加えることは、国家の威信や正統性を失う恐れがあるため誰もやらなかった。しかしサウジやアラブ首長国連邦(UAE)では王族の世代交代が進む。過去の経緯を意に介さない若い王子たちは、従来とは違う政策を取る可能性が高い。

 イスラエル接近の目的は米国の取り込みだ。1979年のイラン革命以降、米国はイランを押さえ込んできた。オバマ前政権はイランに近づいたものの、反イランのトランプ政権が誕生した。サウジにとり、米国と近いイスラエルは切り札だ。

 カタールはイランとの関係悪化は得策でないと考えているが、サウジには抜け駆けと映る。しかしカタールに圧力をかけてもイランやトルコの側に追いやるだけ。気付けばイランの影響力がアラビア半島に及んでいた、ということになりかねない。

 サウジでは王族や官僚に新皇太子の支持層がいる。だが権力基盤確立には有能でも、政策の先行きは見通せない。経済改革計画「ビジョン2030」は全国民の優遇政策を変えないと成立しないが、昨年決めた公務員給与削減は撤回した。内政安定を優先すれば改革は進まず、改革を標榜する王子たちの権力掌握の道具となって終わる。

 ISは「アラブの春」の後の強権統治の揺らぎと、代わりの統治理念や体制がない中で、国家権力が及ばない場所に出現した。掃討作戦でシリアやイラクでの領域支配がなくなっても、ISを生んだ環境やイデオロギーはなくならない。似たような非国家主体は今後も現れる。

 シリアやイラクでは民族と大国により勢力圏が再編される。もはやシリア全土を1つの中央政府が統治することはないだろう。トルコやイラン、ロシアといった域内外の大国が介入し治安の安定が得られるなら、国際合意が生まれる可能性がある。

(聞き手は松尾博文)

 いけうち・さとし 東大先端科学技術研究センター准教授。国際日本文化研究センター准教授などを経て現職。専門はイスラム政治思想。著書に「イスラーム国の衝撃」など。43歳。

◇  ◇

■調停役が不在、解決みえず 英王立国際問題研究所シニアリサーチフェロー ピーター・ソールズベリー氏

 アラブ諸国のカタールとの断交は、それを主導したサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が、湾岸協力会議(GCC)内だけでなく中東・北アフリカ地域のリーダー役を担おうとする野望を示している。

 サウジやUAEは、カタールがイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を支援し、イランに融和的な姿勢を取るのを問題視した。イランはこの機会にカタールとの結び付きを強め、利益を得ようとするだろう。

 サウジがカタールの締めつけに動いた背景にはいくつか理由がある。「アラブの春」の際、サウジは自国や地域の利益を守るうえで米国が当てにならないと気づいた。中東各国の体制転換を米国は後押ししかねない。オバマ前政権は中東政策の軸足を湾岸諸国からイランへと移し、警戒感は一層深まった。

 それが2011年に起きたバーレーンの反政府デモ鎮圧のためのGCC合同軍派遣や、15年のイエメン軍事介入につながった。サウジに強硬路線のサルマン国王が誕生し、新皇太子に息子を選んだのも大きな変化だ。サウジはより野心的に近隣諸国に干渉しようとしている。

 複雑な中東情勢はトランプ米大統領の登場にかき回されている。トランプ氏は対イランでオバマ氏よりずっと攻撃的だが、その真意や行き着く先を理解するのは難しい。トランプ氏の心変わりへの警戒感も根強い。

 米国の指導力の空白を見て、ロシアも中東への介入を強めている。イランのロウハニ大統領がこれまでの対外融和路線を続けるかも分からない。各プレーヤーの動きは結局のところ、原油価格に左右されるからだ。

 イエメンではサウジとイランがそれぞれ支援する勢力による「代理戦争」が続き、人道危機が深刻だ。トルコがカタールを擁護し、すでに対立は地域を二分している。全員が片足を突っ込んでいるが、決着に必要な妥協を考えている者はいない。手詰まりの状態が続くだろう。

 問題は、壮大な調停役を引き受ける中立的な仲介者が見当たらないことだ。イランの核問題を巡り欧米など6カ国が合意した「包括的共同行動計画」のような手段が役立つとの見方もあるが、トランプ氏とここ数カ月の出来事を考えると、具体的な道筋は想像すらできない。

 中国のような第三の大国ならば間に立てるかもしれないが、あの国は歴史的に調停役を果たしたことがない。可能性は限りなく低いだろう。

(ロンドンで、聞き手は小川知世)

 Peter Salisbury 中東経済専門誌の編集者を経て、15年に英王立国際問題研究所の研究員。英政府や国連、世界銀行のコンサルタントを歴任した。専門は中東の政治経済。34歳。
◇  ◇
■アラブの溝、イランに利益 イラン政治評論家 アミル・モヘビアン氏

 サウジアラビアはイランが世界にテロをばらまいていると主張する。イランの立場からは、サウジこそが思想面、資金面でテロ組織を育ててきた国だ。

 ISがイランを攻撃しないことを、サウジはイランのテロ支援の根拠としてきた。しかし6月、ISはイランの首都テヘランで大規模なテロを実行した。

 イランはシリアやイラクで影響力を広げているが、いずれも請われて介入した。サウジが主張するような、イスラム世界を支配する野心などない。

 サウジのムハンマド新皇太子は政治家としての未熟さを露呈した。国内改革に力を注ぎたいのなら近隣国との緊張を下げる努力をすべきで、カタールとの断交は不要だった。

 アラブ諸国の間に生じた溝はイランにとって利益だ。イランはカタールと特に良好な関係ではなかったが、経済封鎖後に支援した。カタールの人々は困難な時に助けの手をさしのべたことを決して忘れないだろう。

 問題は米国だ。トランプ大統領の思考回路は、リーダー(指導者)ではなくディーラー(商売人)のものだ。5月にサウジを訪問したトランプ氏は帰国後、国民に成果を強調したが、それはいかにカネを稼いだかという点に尽きた。

 トランプ氏は国際社会における賢明な意思決定者としての米国の信頼を切り売りしている。イランは彼が中東の複雑なわなに落ちるのを待っていればよい。中東が大混乱に陥ったとき、イランに歩み寄らざるを得なくなるのは米国のほうだろう。

(テヘランで、聞き手は岐部秀光)

 Amir Mohebbian イランのアザド大学で西洋哲学博士号取得。イラン外交の戦略家として知られる。イランのアリヤ通信社の創設者。55歳。

◇  ◇

■カタールとの断交を支持 カイロ大学教授 モハメド・カマル氏

 エジプトはサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンとともにカタールへの断交を通告した。カタールはエジプトに対する敵対的な行動を続けてきたが、我慢が限界に達し、下した決断だ。

 (エジプトでムバラク政権を転覆したイスラム原理主義組織)「ムスリム同胞団」をカタールが支えてきたことはよく知られている。カタールは同胞団の指導者たちをかくまってきた。

 同胞団はエジプトの国民に対する攻撃の基地としてカタールを使った。また、カタールは(アラビア語衛星テレビ局アルジャズィーラなど)自分たちが影響を及ぼすメディアを用いて、エジプトの体制を攻撃した。

 カタールはテロ組織への支援を続けることで、ISのイデオロギーをエジプトのシナイ半島に広げることに力を貸した。これは内政干渉にほかならない。

 カタールとの断交をエジプトのメディアは歓迎している。エジプトのテロの脅威の背後にカタール政府がいるという見方を集中的に報じるようになった。

 カタールとアラブ諸国の間の対立から、イランは最大限の利益を得ようとしている。イランには中東地域で支配を広げたいという意図があるからだ。

 イランと、同様にカタールの擁護に乗り出しているトルコの2カ国は、中東地域でより大きな役割を果たすことを望んでいる。2カ国は、カタールと他のアラブ諸国の対立をことさらに誇張しようとしている。中東域内の主要国としての地位を固めて、政治的、経済的な得点をあげることを目指している。

(聞き手はドバイ=岐部秀光)

 Mohamed Kamal 米ジョンズホプキンス大で国際関係論の博士号取得。ムバラク政権で政策アドバイザーなどを務めた。

◇  ◇

〈アンカー〉暗雲ペルシャ湾 世界経済脅かす

 サウジアラビアが主導するカタールとの断交が、中東内の亀裂を広げている。背後にあるのはサウジとイランの対立だ。世界有数の産油地帯であるペルシャ湾の不安定化は世界経済を脅かし、原油の大半をこの地域から調達する日本も無関係ではいられない。

 サウジでは31歳のムハンマド新皇太子への権力集中が進む。イランを敵視するトランプ米政権と結びつき、危機を加速させる。池内氏は「サウジがこれまでにない政策をとる可能性」に言及した。

 モヘビアン氏が言うように「アラブ諸国の溝はイランの利益」だが、国内強硬派が黙っている保証はない。ソールズベリー氏の指摘通り、問題は「調停を引き受ける中立的な仲介者がいない」こと。ロシアやトルコなど域外国の思惑も絡み、中東の混迷は収束が見通せなくなりつつある。

(編集委員 松尾博文)

[日経新聞7月4日朝刊P.6]

カタール首長に関係強化伝達 首相が電話協議

 安倍晋三首相は28日、カタールのタミム首長と電話で約20分間協議し、サウジアラビアなどアラブ諸国がカタールと国交を断絶した問題などで意見交換した。首相はエネルギー分野を中心にカタールとの関係を強化していく方針を伝えた。日本側の説明によると、首相は断交問題について「クウェートの仲介努力を支持し、問題が平和裏に決着することを期待する」と伝えた。

[日経新聞6月29日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/860.html

[政治・選挙・NHK229] 蓮舫代表の戸籍確認に人権問題を持ち出して騒ぐ愚:騒ぐなら、一般国民に対する戸籍等提出要求への法規制実現が先

 民進党蓮舫代表の戸籍公開問題に対する政治家や学者(評論家)のあまりにピンぼけしたコメントに驚かされる。

 万年野党ではなく一度は3年あまりの期間政権を担った民主党を継承する民進党の代表が重国籍問題の説明責任をきちんと果たしていないことが今なお引きずっている問題の中核である。

 蓮舫代表の重国籍問題については代表選の渦中にいくつか投稿したが、要は、二重国籍の可能性を指摘された蓮舫さんが自身の重国籍にまつわる事実関係(経緯)をきちんと説明せずにごまかしてやり過ごそうとしたことが問題なのである。

※核心記事

「「17歳のとき日本国籍を選択」はウソだったとさらっと告白し“禊ぎ”を済ました?蓮舫新代表」
http://www.asyura2.com/16/senkyo212/msg/871.html


 総理大臣の地位を目指す蓮舫代表が、戸籍(日本国籍選択に関する部分だけで十分)を公開(民進党の役員に対してのみで十分)し、重国籍を解消した経緯をきちんと説明することが、人権問題だとか「悪しき前例」になる等の理由で批判している人たちは、現実社会にはびこるより深刻で重大な戸籍情報問題を解消する運動に励むべきと言いたい。

※参考

「有田芳生緊急寄稿!「蓮舫代表への戸籍公開要求は、絶対に受入れてはならない重要な人権問題、差別そのものだ」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/175.html

「原口、今井、松原らネトウヨ議員に告ぐ 「わしの前に出てこい!」 小林よしのり」
http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/179.html


 「プライバシーである戸籍を迫られて公開すれば、例えば外国籍の親を持つ人々らにとって、あしき前例にならないか」と社説で唱えた朝日新聞社は、選考時や採用時に戸籍情報を要求していない“はず”だが、現在でも、二割近くの企業が、採用決定時どころか、選考段階で既に戸籍謄本の提出を求めているそうだ。

 厚労省は、「公正な採用選考の基本 採用選考の基本的な考え方」などで採用選考時に不要な情報を求めないよう指導しているが、罰則があるわけではないので、前述のような現実がはびこっている。

 “国民のため”に内閣総理大臣にならんとしている政治家について、問題に関わる戸籍情報を確認することを問題視するのなら、学校や企業が戸籍謄本(抄本)の提出を求めている現実を是正する法規制の実現に注力するのが“リベラルな”政治家・メディア・学者の最重要課題であろう。


※関連参照投稿

[蓮舫「二重国籍」疑惑]記者会見全文:候補者について“重大事項”の説明がないまま進んだ代表選はやり直しの必要
http://www.asyura2.com/16/senkyo212/msg/746.html

「共産党小池書記局長の奇妙な蓮舫擁護発言:「国民の信任を得て公人として仕事をしている。どこに問題があるのか」「極めて差別的」
http://www.asyura2.com/16/senkyo212/msg/770.html


※参考資料

採用選考で2割近くの企業が戸籍謄本求める(2017/01/20 08:02)[ANN]

 採用の選考の際に差別につながるとして禁止されている戸籍謄本の提出を求める企業などの割合が2割近くに上ることが連合の調査で分かりました。

 就職の採用選考を巡っては、出身地や家族の職業などで差別をしてはならないと決められています。連合は実態を調べるため、全国の約3600の企業や自治体などから採用選考に関するアンケートを取りました。その結果、選考の前後で戸籍謄本の提出を求めていた所が2割近くに上っていたことが分かりました。また、民間企業の2割近くが国が示している応募用紙を使っておらず、生まれた場所などを記入させていたケースもあったということです。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000092525.html


厚労省:公正な採用選考の基本
採用選考の基本的な考え方
http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm



http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/180.html

[国際19] メキシコ、新興左派が台頭 来夏、大統領選 政権交代の可能性

メキシコ、新興左派が台頭 来夏、大統領選 政権交代の可能性

 【メキシコシティ=丸山修一】メキシコで新興左派政党が支持を集めている。既存政党への不満に加え、ポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策で世論調査のトップを走る。対する与党は現職大統領が史上最低の支持率に悩む。来年夏の大統領選挙で政権交代の可能性が高まっている。

 「野党はどこも与党の使用人にすぎない。我々が唯一の希望だ」――。6月末、日系企業も多く進出する中部グアナフアト州の都市レオン。中心部の広場で国家再生運動(Morena)のロペスオブラドール党首(63)が既存政党を激しく批判すると、集まった数千人の支持者から大きな歓声が沸いた。

 2014年に誕生した新興左派政党、Morena。既存政党への批判に加えて、ポピュリズム的な政策が国民の心をつかむ。「高齢者の年金は倍にする」「若者には奨学金を与える」「農家への支払い保証システムを作る」――。ロペスオブラドール氏の政策は貧困層や農家に特に受けがいい。しかし、財源は「政府による汚職の撲滅」「若者の雇用確保で経済成長する」など実現性に疑問が残る内容だ。

 だが、地元メディアの世論調査で大統領候補のトップに位置するのがロペスオブラドール氏だ。メキシコシティ市長を務めた後、2度大統領選に出馬したがいずれも次点に泣いている。今回は既に全国を回り、事実上の選挙活動を始めている。

 同氏の人気の背景には既存政党への不満がある。前回選挙で、与党の制度的革命党(PRI)は12年ぶりに中道右派の国民行動党(PAN)から政権を奪還した。しかし国民の間では「PANでもPRIでも期待する生活は実現しない」という不満が募っている。

 PAN政権時代から進めてきた麻薬組織の撲滅は全く進まず、今年5月の殺人事件件数は2186件と月間での過去最悪を更新。汚職事件も後を絶たない。

 経済は成長しているが、国民全体が潤っているとは言いがたい。直近調査の14年の家計所得は10年に比べ2%の減少となった。同期間で平均3%近い経済成長率を示したにもかかわらずだ。貧富の格差も目立つ。

 メキシコでは大統領の再選は禁止のため、与党PRIも候補探しが必要だが、まだ具体的な声は上がっていない。

 ロペスオブラドール氏は、市場開放が進む石油資源に関しても再国有化を主張したり、メキシコシティ新空港の建設中止を訴えたりするなど、経済混乱を引き起こすとの指摘もある。トランプ米大統領の出現で揺れるメキシコだが、今度は自国の大統領選で動揺が広がる可能性もある。

[日経新聞7月4日朝刊P.8]


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[国際19] イランガス田、米抜き開発 仏中と5400億円規模 外資参画、制裁解除後で初:渦中のカタール側ガス田とつながる場所

イランガス田、米抜き開発 仏中と5400億円規模
外資参画、制裁解除後で初

 【ドバイ=岐部秀光】中東の有力資源国であるイランは3日、ペルシャ湾の沖合にある世界最大級の「南パルスガス田」の開発で、仏トタル、中国石油天然気集団(CNPC)と最終合意した。総事業費は48億ドル(約5400億円)。2015年の核合意でイランへの経済制裁が解除されて以降、外資が大規模な資源開発に参画するのは初めて。米トランプ政権がイラン敵視に傾くなか、米企業抜きで資源の開発が本格化する。


 南パルスの第11鉱区で20年間にわたる開発と生産を行う。生産量は石油換算で日量40万バレル。トタルが事業権益の50.1%、CNPCが30%を握る。イラン国営石油会社(NIOC)の子会社であるペトロパルスが19.9%を保有する。21年にもイラン国内向けに生産・供給が始まる見込みだ。

 事業契約は核合意に伴いイランが導入を決めた新しい石油・天然ガスの探鉱・開発契約方式「イラン・ペトロリアム・コントラクト(IPC)」に沿う内容。従来よりも期間が長い20年間にわたり開発と回収に企業が関わることができるなど、外資が参画しやすい条件となっている。

 トタルのパトリック・プイヤネ最高経営責任者(CEO)は3日、「IPCに署名する最初の外国企業として欧州とイランの関係改善に貢献できることを誇りに思う」と述べた。

 トタルは昨年11月に南パルスの開発でNIOCと基本合意した。しかし、トランプ政権のイラン敵視が鮮明になるなか、交渉は一時中断。事業の実現を危ぶむ声も上がっていた。

 南パルスはカタール領の「ノースフィールドガス田」と海底でつながった一体のガス田。イランは1990年代から開発を進めた。

 イランの資源をめぐっては英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルも南アザデガン油田などの開発調査で覚書を交わしている。イタリア炭化水素公社(ENI)は先月、NIOCとペルシャ湾の別のガス田で覚書を交わした。

 イランの資源開発で最大のリスクは米政府の動向だ。トランプ大統領は昨年の大統領選中に示唆していたような「核合意の破棄」には踏み込んでいない。しかし、核関連の制裁とは別に、人権やテロ支援で米は強力な制裁を維持する。5月にはイランの弾道ミサイル開発に関して追加制裁を科した。

 イランの通信社によると、同国の石油省高官は今回の合意について「世界最大級のガス埋蔵量を持つイランが将来(エネルギー市場の)ハブとなることを示すもの」と述べた。また、米国の制裁が効果を上げていないというメッセージになるとも指摘した。

 外資に有利な新しい契約方式をめぐってはイランで保守強硬派の反対が根強い。合意は5月の大統領選で再選を果たした穏健派ロウハニ大統領と、大統領を支えるザンギャネ石油相にとっての成果でもある。イランはこれを機にガス田開発を加速する構えだ。

 イランの資源開発が本格的に動き出せば日本企業にもプラント輸出などで商機が広がる見通しだ。有力商社は核合意後、首都テヘランの駐在員をおよそ倍に増やし準備を進めた。日本には制裁下で撤退を強いられた油田開発に再び参入する期待もある。

[日経新聞7月4日朝刊P.8]



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[医療崩壊5] 「高濃度乳房」知って  検診で乳がん見逃すリスク 厚労省、通知体制を整備
マンモの読影は乳房を4種類に分けて診断。「高濃度乳房」は右の2つ=乳がん画像診断ネットワーク提供


「高濃度乳房」知って
検診で乳がん見逃すリスク 厚労省、通知体制を整備

 厚生労働省は乳がん検診でがんが写りにくい「高濃度乳房」の女性への通知体制を整備する。現在は国の規定がなく、診断結果を「異常なし」とだけ通知している自治体が多い。同省はがんを見落とすリスクや別の検査の案内などを記した通知を出すよう自治体に促し、地域によって受診者が得られる情報に差が出ないようにする。


 「まさかと思った」。川崎市の会社員、風間沙織さん(52)は3年前、初期の乳がんと診断されて衝撃を受けた。それまで約20年間、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影検査)を受け、毎年「異常なし」と通知されていたからだ。

 しかし妹の乳がん発覚を機に超音波検査を受けたところ、自分にも乳がんが見つかった。その後に参加した講演会で、自分がマンモグラフィーではがんが判別しにくい高濃度乳房で、異常が見落とされてきたと知った。

 女性の乳房は乳腺の密度によって4分類あり、1〜2番目に高い高濃度乳房はマンモグラフィーの画像で白く写る。がんも白く写るため異常が見落とされやすいといい、一部自治体のデータでは40歳以上の女性の約4割が該当すると推定されている。

 ただ、国は自治体に乳房の4分類を受診者に伝えるよう定めていない。厚労省によると、本人に分類を通知している自治体は全体の13%。マンモグラフィー以外の検査を勧めるなど通知を受けた後の対応を決めている自治体は、その半分にとどまっている。

 がん見落としのリスクなどを知り、自らの分類を気にする女性は少なくない。聖マリアンナ医科大ブレスト&イメージングセンター(川崎市)が2016〜17年に検診受診者約1千人に行った調査で「自分の乳腺密度を知りたい」と答えた女性は85%に上った。

 昨年10月には乳がん患者団体などが厚労省に通知体制の整備を要望。今年3月には日本乳癌(がん)検診学会が、国に適切な通知のあり方を検討するよう求めた。

 厚労省は6月の有識者検討会で通知のひな型を作る方針を表明した。地域によって対応に差が出ないよう「マンモグラフィーで全てのがんが見つかるわけではない」といった説明や超音波検査の案内などを盛り込み、今年度にも示すという。

 医師や患者らで構成するNPO法人「乳がん画像診断ネットワーク」(東京)の増田美加副理事長は「『マンモグラフィーは意味がない』と誤解を招いたり、乳がんが見落とされたりしないよう、正しい通知内容を早急にまとめてほしい」と求めている。

[日経新聞7月4日朝刊P.38]



http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/634.html

[中国11] [習近平の支配]愛国のジレンマ

[習近平の支配]愛国のジレンマ

(1)「あんなやつに会えるか」 中朝「血盟」の虚実

 北朝鮮の対外経済相、金英才(64)は5月15日、中国・天津の「海浜新区」を訪れた。客を厚遇する中国で異例だったのは、天津幹部が誰も金と会わなかったこと。前日早朝、北朝鮮は弾道ミサイルを発射していた。中国の国家主席、習近平(64)肝煎りの国際会議が北京で開幕する5時間前だ。顔に泥を塗られた習の怒りは天津に伝わった。


 1950年からの朝鮮戦争。多くの犠牲を払い、北朝鮮を支援した中国は、中朝関係について共に血を流し国を守った「血盟関係」と称してきた。ところが朝鮮労働党委員長、金正恩(33)と習の会談の可能性を中国の対朝政策関係者に聞くと、こう吐き捨てる。「あんなやつに会えるか」

 正恩は2013年2月、習が国家主席に就く1カ月前に核実験を強行。訪中の呼びかけを無視し、平壌の中国大使館さえ訪れていない。実態とかけ離れつつ、国家のために血を流す意義をうたい、世界が激変する中で共産党支配の正統性を強化しようと語り継いできた「血盟関係」という愛国の神話が中国を縛る。

北朝鮮利するだけ

 米大統領のドナルド・トランプ(71)が習に北朝鮮への圧力強化を迫った4月。中国共産党系メディアは「北朝鮮が核実験に踏み切れば、石油供給を制限すべきだ」とぶち上げた。だが想定外の事態が起きる。賛同の声だけでなく、「血を流して守った土地を忘れたのか」という批判が広がったのだ。最高指導部を入れ替える5年に1度の党大会を秋に控え、習は党内の分裂を嫌う。5月に入り、党系メディアの北朝鮮批判はぴたりとやんだ。

 「北朝鮮は同胞だ。米国が再び攻撃するなら、真っ先に軍に志願する」。朝鮮戦争に従軍した陳運秋(87)は自宅のベッドの上で拳を振り上げた。「毛沢東以来の『伝統的友好』は簡単に変えられない」(外交筋)。中国が在韓米軍との緩衝地である北朝鮮に対する政策転換に二の足を踏むうち、正恩体制は着々と核・ミサイル開発を進める。

 北朝鮮の核武装は中国にとっても脅威だ。党中枢を知る人物は、習が4月、トランプとの直接会談で語った内容を明かす。「北朝鮮は中国と旧ソ連の対立を利用してきた。中米が協力しなければ、北朝鮮を利するだけだ」。習は最近、指導部に提出された中朝の歴史に関する報告書を基に米中協力を説いたという。


「抗米援朝」消す

 北朝鮮に接する中国吉林省の延吉。「革命烈士陵園」の施設は今年初め、展示内容から「抗米援朝(北朝鮮を助け米国に対抗する)」の文字を消した。「上層部の指示だ」(館関係者)という。習は神話の呪縛から逃れられるか。習の支配の行方だけでなく、アジアや世界の未来も左右する。

 共産主義による統治が揺らぎ、中国共産党は支配の正統性を「愛国」に求める。だが政治があおる愛国は偏狭な民族主義に流れやすく、支配する側さえ揺さぶる。中国を縛る愛国のジレンマを追う。

(敬称略)

[日経新聞7月4日朝刊P.1]


(2) 3000万人操り「世論」形成 外交の振付師

 外交は内政の延長であり、その国の世論が左右する。共産党が一党支配する中国に世論はあるのか。


大学生らが軍服姿で愛国歌を合唱する

 「韓国に制裁を」。北京の韓国大使館が6月9日、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」で文化事業を紹介すると、全く関係ない罵詈(ばり)雑言の書き込みが相次いだ。愛国主義的な主張をインターネット上で繰り返す若者「小粉紅」が攻撃をしかけたのだ。

 引き金を引いたのは中国共産党系の環球時報編集長、胡錫進(57)。パキスタンで20代の中国人男女2人がテロ組織に殺害された事件を巡り、2人が活動に参加していた「韓国のキリスト教団」に責任があるかのような論調を展開した。

 ちょうど、中国国家主席の習近平(64)が上海協力機構首脳会議に出席するため外遊を始めた直後だった。同機構への正式加盟承認を控えたパキスタンに悪感情が向くのを恐れた胡は、小粉紅を使って批判の矛先を韓国に向けた。

 小粉紅は、1994年に党が発布した「愛国主義教育実施綱要」で育った世代だ。中国当局が閲覧を制限する米グーグルなどに触れることなく、大学でも教養課程の半分は毛沢東思想、軍事訓練などが占める。


ネット言論利用

 「中華民族の復興へ、どんな困難にも負けない」。5月4日、全国の大学生ら2千人が北京に集まった合唱大会。学生が軍服姿で歌う愛国歌に拍手が湧いた。どこの国でもネット言論は過激な民族主義に染まりやすいが、中国ではそこに党支配の論理が強く働く。

 小粉紅が名をはせたのは2016年1月。台湾の女性アイドルが韓国のテレビ番組で台湾の「国旗」とされる旗を振ると、小粉紅は「台湾独立派だ」と批判。女性本人が謝罪動画を配信するまで追い詰めた。

 その背後で動いたのは、共産党の青年組織、共産主義青年団(共青団)トップの秦宜智(51)。共青団は15年、習から「大衆から遊離している」と批判された。窮地に立った秦は共青団に属する学生を小粉紅に育成し、微博で「小粉紅は愛国者だ」と持ち上げた。


暴走の恐れも

 3千万人の小粉紅は、習が掲げる「中華民族の偉大な復興」という大国外交を支える「世論」となる。在韓米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)問題では韓国製品の不買運動を提唱。大手スーパー「ロッテ」の中国店舗の大半を休業に追い込んだ。

 だが、ゆがんだ「世論」は暴走気味だ。昨夏、中国競泳界のスター選手をオーストラリア選手が「薬物使用者」と批判すると、北京の豪州大使館の微博は「豪州は犯罪者が多い」などと侮辱する書き込みで埋まった。南シナ海問題で摩擦が生じていた両国間に緊張が走り、中国当局は慌てて「世論」を抑え込んだ。

 共青団は5月、上海のアイドルグループを「優秀青年」として表彰した。小粉紅世代に人気のグループの表彰には、想定を超える力を持ち始めた「世論」に、支配する側がおもねる空気さえ漂う。

(敬称略)

[日経新聞7月5日朝刊P.1]


(3)メンツ優先、摩擦起こす 一帯一路で反発

 山村に突如、巨大なタンク群が姿を現す。中国南西部の雲南省昆明。ミャンマーで陸揚げし、1千キロ超のパイプラインで運んだ中東産原油を精製する製油所だ。周辺住民は「環境破壊が進むと猛反対した」が、4月に運用が始まった。


 中国が消費する原油の3分の1は世界最強の米海軍が影響下に置くマラッカ海峡を通る。15億ドル(約1700億円)を投じたパイプラインはマラッカを経由せず原油を輸入できる。「米国によるマラッカ海峡封鎖」への恐怖感が完成を後押ししたが、輸送能力は中国の輸入量のわずか6%。マラッカ経由の代替にはほど遠いのが現実だ。

 愛国という名で14億人の民の自尊心をくすぐり、米国と並ぶ大国への「夢」を語る中国。国の体面を優先し、非効率をいとわない事業を「メンツ事業」と呼ぶ。国家主席、習近平(64)が主導する広域経済圏「一帯一路(海と陸のシルクロード)」構想も、メンツ事業と無縁ではない。


一方的な支援

 「こちらが100%負担することも多い」。中国国有建設大手の幹部は、一帯一路構想に絡む道路建設などの実態を明かす。相手国が建設資金の15%を出す基本ルールがあるものの、財政力の乏しい国の事業では中国企業が全て負担することも珍しくないという。「中国の国家保証も貿易保険もある。焦げついても我々がカネを出すわけじゃない」

 カザフスタンの首都アスタナで昨年末、バレエ劇場が開業した。バレエ学院も備える。中国石油天然気集団(CNPC)が寄付した。同社は海外権益の含み損に苦しみつつも国の威信を背負うが、バレエ学院の学生は同社の寄付について「よく知らない」という。

 自国への「愛」を他国にも押し付ける中国の姿勢は、摩擦を引き起こす。

 「主権国家として受け入れられない」。5月、北京で一帯一路の国際会議が開かれる1週間前、中国側が示した貿易関連の分科会の声明案に欧州諸国などが猛反発した。習の功績や一帯一路を称賛する文言ばかり並んでいたためだ。結局、修正協議はまとまらず、分科会声明は出せなかった。


企業誘致止まる

 一帯一路会議は習の威信を国内外に誇示するひのき舞台。だがロシア大統領のウラジーミル・プーチン(64)は意に介さず、開幕式で「皆さん、ロシアへ来て」と呼びかけ、中国への対抗心を隠さなかった。

 経済拡大を優先し、共産主義からかけ離れた中国。習は「愛国」を唱え、祖国を大国に導けるのは共産党だけだと統治の正統性を主張する。だが身勝手な自己愛は、尊敬を生まない。

 山東省煙台。最近、1千社の韓国企業の誘致計画が止まった。住民は「在韓米軍への地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)問題がきっかけ」という。昨年着工した「中韓産業園」では看板が墓標のように打ち捨てられている。韓国の財閥系企業幹部は嘆く。「中国市場を捨てられない我々は、横暴にも耐えるしかない」

(敬称略)

[日経新聞7月6日朝刊P.1]


(4)「一つの中国」離れる同胞 香港から台湾へ移住

 台湾の台中市で雑貨店を営む劉殷晋(33)。2年半前、故郷の香港で行政長官選挙の民主化を求めて市民が道路を占拠した「雨傘運動」の渦中にいた。警察によるバリケード撤去が進むなか、自宅に残した生後1カ月の息子を思った。「ここでは君を育てられない」。台湾への脱出を決めた。


 収入は香港時代の4分の1に満たないが、「何より自由がある。異なる意見に耳を傾けない香港は、もはや香港人のものではなく中国のものだ」。台湾当局によると、2016年に香港から台湾への定住許可は1086人と、前年に比べて6割近く増えた。

 香港に高度な自治を認める「一国二制度」は、中国の最高指導者だったケ小平が台湾との平和的統一のモデルとして考案したとされる。だが12年に最高指導者となった習近平(64)は「国家の安全」を盾に、香港の自由や民主への抑圧を強める。一国二制度が変容し、香港の人々の心は大陸を離れて台湾へと近づくが、中国当局は香港や台湾の民主化運動を「独立運動」と敵視。中国の若者の愛国心を鼓舞する道具に使う。


言論空間は断絶

 「国家分裂の勢力は必ず伝染する。台湾や香港の独立は絶対に許せない。『一つの中国』という原則論で、すでに決まっている話だ」。中国・遼寧省の大学3年生で国際関係学を専攻する王寧(22)は、台湾や香港の独立問題に話が及ぶと好戦的になる。「(台湾や香港の若者と)分かり合う? 全く甘い考えだ」

 経済の急成長は大陸の若者たちに国家へのプライドを植え付けた。スマートフォンでの連絡も中国の若者は「微信(ウィーチャット)」を愛用し、中国政府による情報検閲を恐れる香港や台湾の若者は大陸で使えないフェイスブックなどを好む。言論空間の断絶は「同胞」意識を薄れさせる。

 習は台湾の対岸にある福建省での勤務経験が長い。秋の共産党大会で権力基盤を固め、次に台湾との統一を政治目標に掲げるとの見方は強い。中米パナマが台湾と断交するなど、習による外交戦は加速している。


独立の動き批判

 「1等おめでとう」。6月18日、福建省アモイ。台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室主任(閣僚級)の張志軍(64)は賞金3万元(約50万円)を学生に手渡した。中台の若者が民間交流促進の知恵を競う大会だ。経済力は求心力。だが金銭だけで「同胞」の心はつなぎ留められない。台湾でネットベンチャーを起業し、中国のファンドの出資を受けた男性は「台湾への『愛国心』まで買われたつもりはない」と言い切る。

 「いかなる挑戦も絶対に許さない」。習は1日、香港返還20年の式典で独立の動きを強く批判した。だが直後の民主派デモでは「香港独立」の旗を掲げる若者も。習が「中華民族の偉大な復興」と訴える国家への愛は、「同胞」の心に響いていない。

(敬称略)=この項おわり

 大越匡洋、粟井康夫、多部田俊輔、原田逸策、永井央紀、伊原健作が担当しました。

[日経新聞7月7日朝刊P.1]



http://www.asyura2.com/17/china11/msg/720.html

[原発・フッ素48] 韓国原発運営会社 原発の建設中断を決定:新古里原発5・6号機

記事入力 : 2017/07/14 14:54
韓国原発運営会社 原発の建設中断を決定[朝鮮日報]

【ソウル聯合ニュース】韓国で原子力発電所を運営する「韓国水力原子力(韓水原)」は14日午前、南東部・慶州のホテルで取締役会を開き、新古里原発5、6号機(蔚山市)の建設工事の一時中断を決定した。


 取締役会は前日に慶州の本社で開かれる予定だったが、労組が取締役の出席を阻止したため開催できなかった。

 工事の一時中断期間は、工事中止の是非を議論する「公論化委員会」の発足から3カ月間となる。3カ月以内に結論が出ない場合、韓水原は再び取締役会を開いて今後の方針を決定する計画だ。

 しかし韓水原が一部世論の反対の中で今回の取締役会を強行したことに対し、今後相当な反発が起こるものとみられる。取締役会を背任容疑で告訴するとの立場を示してきた韓水原の労組関係者は「国家の重要な政策決定をこのように拙速に決定することは到底容認できない」と批判した。

 韓国政府は先月27日の閣議で、新古里原発5、6号機の工事を一時中断し、公論化委員会を構成して市民陪審員が原発工事中断の是非を判断することを決定した。これを受けて産業通商資源部は、韓水原に工事の一時中断に関する履行協力を求める公文書を送っていた。

 工事の一時中断が決定したことにより、公論化委員会も3カ月間の活動を本格化させる。3か月後に市民陪審員団が工事中止の是非を判断する。国務調整室はこのほど公論化委員会を9人で構成することを決め、委員の選定手続きに着手した。

◇作業員の雇用維持・損失額補填へ

 一方、工事の一時中止が議決されたことにより、工事従事者1万2800人の雇用も不透明になった。韓水原の推計によると、公論化期間である3カ月間の被害規模は、人件費120億ウォン(約11億9700万円)を含む1000億ウォンに及ぶ。新古里原発5、6号機の工事に携わる関連業者は現在約1700社で、現場の人員は約1000人に達すると伝えられた。

 産業通商資源部は「韓水原は3カ月間の工事関連人力に対する雇用を最大限維持する」とし、「これらは現場、資材、装備などの維持管理業務に投入される予定だ」と説明した。

 韓水原は協力会社との間で具体的な損失額の補填と地域経済に及ぼす影響を最小化できる方策を講じる予定だ。また、「工事が一時中断されても、今後工事の再開時に品質に問題が発生しないように現場の人力を最大限活用して工事現場の点検、機材の洗浄などの安全措置を行う」と明らかにした。

 新古里原発5、6号機の工事一時中断が決まったことで、他の原発の新規建設も事実上、全面中断される状況となった。

 現在、韓水原は完工を控えた新古里原発4号機(工程率99.6%)と新ハンウル原発1、2号機(工程率94.1%)を除く6基の原発の新規建設を推進している。

 今回の決定により、建設準備段階にある新ハンウル3、4号機、天地1、2号機なども設計や環境影響評価などが中断された状態だ。

聯合ニュース

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/07/14/2017071401744.html


記事入力 : 2017/07/15 09:39
原発建設中断、賛成41%・反対37%=韓国ギャラップ調査

 韓国政府は蔚山市の新古里原子力発電所5・6号機の建設を中断し、国民の意見を集約する手続きを進めているが、これについて韓国ギャラップが14日に発表した世論調査の結果は「建設を続けるべき」が37%、「中断すべき」が41%とさほど大きな差は出ず、また「わからない」「無回答」が22%だった。調査は全国の成人男女1004人を対象に今月11−13日に行われた。95%の信頼水準で誤差の範囲はプラスマイナス3.1ポイントだった。

 これまでの同じような調査に比べると、今回の結果は賛成と反対の差が非常に小さくなったことが特徴的だ。TV朝鮮・マトリックスが今月1−2日に行った調査では「新古里原発5・6号機の建設工事中断など脱原発の政策」ついては賛成が61.5%、反対が26.9%でその差は34.6%だったが、今回の調査では差がわずか4ポイントとなった。環境運動連合やリサーチビューが昨年10月に実施した調査でも、新古里5・6号機の建設については「再検討(43.1%)」や「白紙化(37.6%)」など建設中断を求める声が80.7%に達していた。世論調査の専門家は「最近になって脱原発関連のニュースなどが増えた影響で、世論の動向に変化が出始めているようだ」とコメントした。

 これに対して「電力を確保するためには原発を利用すべきか」を尋ねる質問には賛成が59%で反対の32%を上回っていた。韓国国内の原発の安全性を問う質問では「危険」が54%、「安全」が32%だった。1991年に韓国ギャラップが行った調査では「危険」が62%、「安全」が23%で、今回は当時と比べて「危険」との認識がやや減ったことがわかる。

洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/07/15/2017071500399.html


http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/416.html

[医療崩壊5] 梅毒で赤ちゃん5人死亡 未健診、胎内感染の要因に 5年間:昨年の梅毒患者報告数4千人超、20代女性の感染急増

梅毒で赤ちゃん5人死亡 未健診、胎内感染の要因に 5年間

 2011〜15年の5年間に、21人の赤ちゃんが妊婦からの母子感染による「先天梅毒」と診断され、うち5人が死亡、4人に後遺症があったとの調査結果を、日本産科婦人科学会が4日までにまとめた。梅毒は発見すれば投薬で治せるが、妊婦健診を適切に受けなかったため、母子感染につながったとみられる。

 調査に参加した日本大の川名敬教授(産婦人科学)は「経済的な事情で健診を受けられない人がいる。費用の免除など社会的な支援が必要だ」と強調。「望まない妊娠のため健診を受けない人がいることも、先天梅毒の発生の要因になっている」と指摘している。

 産婦人科の高度な医療を提供できる全国257病院を調査。妊婦166人の感染者がいたことが分かった。4分の1は定期的に健診を受けておらず、胎盤を通じて赤ちゃんに感染した可能性がある。

 梅毒は細菌による性感染症で、大人では初期は性器や唇などに、しこりやリンパ節の腫れが出て、進行すると全身に赤い発疹ができる。赤ちゃんが先天梅毒になると死亡するほか、心臓や目、耳の障害を引き起こすことがある。

 昨年1年間に報告された梅毒の患者数は約40年ぶりに4千人を超え、20代女性の感染が急増している。

[日経新聞7月5日朝刊P.34]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/635.html

[中国11] 習氏後継候補を拘束 前重慶市トップ 規律違反で
中国全人代の全体会議に臨む習近平国家主席(手前)と孫政才氏=3月、北京の人民大会堂(共同)

習氏後継候補を拘束 前重慶市トップ 規律違反で[日経新聞]
2017/7/16 21:01

 【重慶=多部田俊輔】中国共産党の中央規律検査委員会が重慶市トップだった孫政才・前同市党委員会書記の身柄を拘束して規律違反で調査していることが16日、明らかになった。孫氏は2012年に49歳の若さで党指導部を構成する政治局員に選ばれ、習近平国家主席の後継候補の一人とされた。最高指導部が入れ替わる今秋の党大会に向け、習氏は党内を引き締めて権力基盤を固める。


 複数の関係者によると孫氏は14日、北京で開かれた全国金融工作会議の1日目の討議が終わった後に身柄を拘束された。重慶市は内陸部の重要地域で、共産党は翌15日、後任の同市党委書記に習氏側近の陳敏爾・貴州省党委書記を充てる人事を発表していた。

 中国で最高指導者の有力候補が規律違反で調査されるのは異例。孫氏は広東省トップの胡春華・同省党委書記と陳氏とともに、習氏に続く世代の指導者候補として注目された。もともと農業の専門家で、農業相などを経て12年に重慶のトップとなり、2ケタの経済成長を実現してきた。

 規律委の孫氏に対する調査の具体的な内容は明らかになっていないが、4月から調査が本格化した元重慶市幹部の規律違反の疑いに関連しているもようだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H1V_W7A710C1MM8000/?dg=1



http://www.asyura2.com/17/china11/msg/728.html

[国際19] 米欧の亀裂 明日は我が

[Deep Insight]米欧の亀裂 明日は我が身

本社コメンテーター 秋田 浩之

 きょう、世界の目が欧州に注がれる。米欧やアジアの指導者が集まり、ドイツで20カ国・地域(G20)首脳会議が始まるからだ。

 国際政治が激動するとき、欧州は良くも悪くも、その発端となってきた。2つの世界大戦の口火を切ったほか、米ソ冷戦に幕を引いたのもベルリンの壁の崩壊だった。欧州のできごとは人ごとではなく、形を変えて、アジアにも押し寄せるとみるべきだ。

 その意味でいま、注目に値する変化が欧州で起きている。米国におんぶにだっこでは、自分たちの平和を守れない――。こんな不安が強まり、自前の安全保障を探らざるを得なくなっているのだ。

 先月、会議で訪れた欧州で、そんな張りつめた空気をひしひしと感じた。印象的だったのが、バルト海に面し、ロシアの軍事挑発にさらされるスウェーデンだ。

 来年1月、ついに徴兵制を復活させるという。中立を守るため、同国は1901年から100年以上、徴兵制を続けてきたが、2010年にいったん廃止した。

 再び導入する理由について、現地の欧州外交筋はこう明かした。「万が一、ロシアから侵略されても、米国が介入するかどうかわからない。スウェーデンはそう感じ、徴兵を再開するのだ」

 スウェーデンは米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)に入っていない。だが、NATOに加入し、米国の「安保の傘」に守られているはずの国々も、真剣に自衛強化策を議論している。

 たとえばドイツだ。ベルリンでは、戦後、ずっとタブー視されてきた核兵器保有論がにわかに飛び出し、物議を醸していた。

 ドイツの高級紙「フランクフルター・アルゲマイネ」の編集者が最近、核保有を唱えるコラムを書き、安保専門家も似たような意見を発表した。「賛同者はごく少数だが、核保有が公然と議論されるだけでも、以前なら考えられない」(ドイツ政府ブレーン)

 変化の直接のきっかけは、言うまでもなく、同盟を軽んじるトランプ米大統領の言動にある。

 極め付きは5月25日、トランプ氏を初めて迎えたNATO首脳会議だった。彼の機嫌を損ねないよう、欧州側は1人あたりの発言を数分内に制限し、結束を取りつけようとした。


 ところが、トランプ氏は演説で、欧州への防衛義務を履行するとは確約しなかった。内情を知る欧州外交筋によると、トランプ氏は「夕食会などではさらに非礼な態度をとり、米国は信用できない印象を植え付けた」という。

 6月9日、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は「欧州防衛はもう、外国任せにできない」と演説した。米国との同盟は堅持するものの、対米依存度を少し下げるため、EUは独自の安全保障協力を深めていく方向という。

 では、この動きを、アジアはどうみたらよいのか。2つの正反対の仮説が考えられる。

 ひとつは、欧州とアジアでは事情が大きくちがうため、似たような問題は日米や米韓同盟には起きないというものだ。日本の政治家や官僚と話すと、こちらの楽観論の方が多い気がする。

 実際、トランプ氏は日米や米韓同盟への露骨な批判は控えている。アジアでは北朝鮮が核・ミサイル開発で暴走し、中国が影響力を増す。国内総生産(GDP)でロシアの5倍超の中国と渡り合ううえでも、アジアの同盟国は大事にせざるを得ないというわけだ。

 だが、もう一つ、全く逆な仮説も成り立つ。米欧同盟のきしみはアジアの「先行指標」であり、程度の差こそあれ、日米や米韓にも波及するという予測だ。

 私はどちらかと言えば、こちらの見方の方が正しいように思う。米欧同盟のあつれきは構造的なものであり、03年、ブッシュ政権がイラク戦争を強行したときから始まっていたからだ。

 その後、欧州が米国に防衛をただ乗りしていると怒り、応分の負担を迫ったのはオバマ政権だ。彼はNATOの全加盟国に、24年までに国防費をGDPの2%まで引き上げるよう約束させた。

 長年、外交に携わった欧州の元高官はこう語る。「米国との不協和音はブッシュ時代から始まっていた。ただ、ブッシュ氏やオバマ氏は人間としては信頼できた。トランプ氏の問題は、人間としても信頼できないことだ」

 つまり、トランプ氏は米欧不仲の元凶ではなく、だめ押しにすぎない。主因はむしろ、中東などでの10年以上の戦争に疲れ、世界の警察役を果たす気力と体力を、米国が奪われていることにある。

 だとすれば、アジアにも当てはまる問題だ。トランプ氏がいずれ日韓にも防衛ただ乗り批判の矛先を向けても不思議ではない。

 現に、トランプ氏は6月30日の米韓首脳会談で、在韓米軍の駐留経費をもっと払うよう、ひそかに迫ったとされる。それでも韓国の国防費はGDPの2.6%と主要な同盟国の中でいちばん高い。日本は最下位(0.9%)だ。

 「南シナ海問題? それは日本が何とかするだろう」。トランプ氏は大統領就任前、周囲にこう語っていたという。この認識が改まった保証はない。

 仮に米国との同盟に空洞が生まれても、ドイツやフランスには助け合える友好国が周りにいる。

 だが、核兵器をもった北朝鮮や中ロに囲まれ、韓国とも不仲が続く日本には、そうした選択肢が乏しい。ならば、欧州の苦悩は日本にとってこそ、より切実だ。

[日経新聞7月7日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/890.html

[国際19] 劣化進む米国、政府やメディアのモラル低下 議会分断も深刻:トランプ支持者も反対者も連日の露ゲート報道にウンザリ

劣化進む米国、政府やメディアのモラル低下 議会分断も深刻

 トランプ米大統領の就任からまもなく半年。少しは現実的な路線に傾いたとはいえ、保護貿易や移民制限、孤立主義の本質は変わらず、内外に予想以上の混乱をもたらした。民主主義や自由経済の守護者を自任し、戦後の世界を主導してきた米国の劣化は鮮明だ。


異端の経済・外交政策を掲げるトランプ米大統領には「断絶王」の異名も=ロイター

 米外交問題評議会のリチャード・ハース会長は、伝統的な価値観を軽んじるトランプ氏を「断絶王」と批判する。米ピュー・リサーチ・センターが世界37カ国で実施した世論調査によると、トランプ氏が率いる米国に好感を抱く人の割合は平均で49%にとどまり、オバマ前政権末期の64%から大幅に低下した。

 この異端児には確かに致命的な欠陥がある。過激な経済・外交政策やロシアゲート疑惑によって、超大国の威信を失墜させた責任は重い。それを承知のうえで、あえて問う。劣化したのは大統領だけなのか――。

 気になるのは公僕の反乱だ。いまの米国は「リーク天国」と化し、政府の中枢からおびただしい量の内部情報が漏れてくる。トランプ氏に強い不満を持ち、政権を窮地に追い込みたい高官がうごめいているのだろう。

 トランプ氏は5月、ロシアのラブロフ外相らとホワイトハウスで会談した際に、イスラエルから入手した過激派組織「イスラム国」(IS)の機密情報を漏らしたと報じられた。大統領の軽率な行動にはあきれるばかりだが、ごく一部の閣僚らに知らされていた最高機密の存在をリークする高官にも危うさを感じる。

 メディアの緩みも見逃せない。米CNNテレビは6月末、トランプ氏の政権移行チームに参加していた投資会社の経営者とロシアのファンドとの関係を米議会が調査しているという記事を撤回した。事実確認など必要な手続きを経ていなかったためで、取材した記者ら3人が辞職したそうだ。

 「当局者がこぞって内部情報を漏らすだけでなく、メディアも十分に検証しないで一斉に報じている」。レーガン元大統領の法律顧問を務めたピーター・ワリソン氏は、ロシアゲート疑惑を巡る報道基準のハードルが下がっていると話す。

 独善的で差別的な大統領が相手なら、多少乱暴な手段に出ても許される――。そんな空気が人権擁護団体や環境保護団体などの抗議活動を過度にエスカレートさせているだけでなく、政府やメディアのモラルも低下させているように思える。

 もう一つ挙げておきたいのは、議会の深刻な分断である。前政権のレガシー(遺産)をことごとく否定し、医療保険制度改革法(オバマケア)の見直しや金融規制の緩和などに動く与党・共和党。現政権の公約をひたすらこき下ろし、徹底抗戦の構えを崩さない野党・民主党。トランプ氏の下で両者の対立はより先鋭化し、妥協点を容易に見いだせない。

 「まるでイスラム教のスンニ派とシーア派のようだ」。米著名ジャーナリストのファリード・ザカリア氏は、保守とリベラルの亀裂の深さをこう表現する。このままでは政治の機能不全を解消できず、米経済の底上げやテロ対策の強化といった重要課題への対応が遅れる恐れがある。

 トランプ氏の肩を持つ気は毛頭ない。しかし誰もが低い次元でやり合うのでは、米国の劣化も取り返しがつかなくなるのではないか。

(ワシントン支局長 小竹洋之)

[日経新聞7月11日朝刊P.9]



http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/894.html

[国際20] 「北朝鮮核放棄、米政権交代で合意逸す」元米国防長官に聞く:ペリー氏、北朝鮮は2000年まで兵器用核施設不保持
               ウィリアム・ペリー元米国防長官


 ペリー元国防長官が語った「北朝鮮は2000年10月、ワシントンに特使を送ってきた。当時は最終合意まで近づいた。クリントン大統領と金正日総書記の会談が北京、あるいは平壌、あるいは空母で実現していたかもしれない」の流れが、2002年9月の小泉訪朝『日朝平壌宣言』につながっていったと考えている。

 また、1998〜2000年に米朝間で行われた核開発を巡る交渉に関する問いに、ペリー氏が、「中国抜きでやっていたが、当時はもう少し簡単だった。なぜならば、その仕事は北朝鮮に核施設を建設しないよう説得することだった。今はもう核施設を持っている。すでに持っているものを放棄させるのは、より困難な仕事だ」と発言していることから、北朝鮮は2000年まで兵器開発用核施設を保有していなかったことがわかる。

 そして、今なお日朝両国がその有効性を認め合っている2002年9月の『日朝平壌宣言』に拠れば、北朝鮮は、核開発を断念しない限り、日本から1兆5千億円とも言われている経済協力を受け取れないし、米朝国交正常化(平和条約締結)にも進めない条件になっている。

※参照
「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

 ペリー氏は、「10年前ですら北朝鮮は核施設を持っていた」と発言しているが、『日朝平壌宣言』の履行で北朝鮮が得られる決定的意義を考えると、これまでの各国政府の発言やメディア報道とは違い、北朝鮮は現在でさえ核兵器の開発を行っていない可能性が高いと思う。

 現在、北朝鮮が保有し稼働させている核施設は、米英豪と連携して構築された原発向け核燃料を製造するためのウラン濃縮施設に限られていると推測する。

 北朝鮮は、近い将来に廃棄しなければならない核施設を建設するほど、愚かでもなければ、経済的余裕もない。

(仮に核兵器開発用施設を建設したとしたら、03年から07年の間ということになるが、05年9月には北が核施設放棄を受け容れた六者会合共同声明が出ており、核施設建設は数年間続いた声明の履行過程とのあいだで齟齬をきたす)


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「北朝鮮核放棄、米政権交代で合意逸す」元米国防長官に聞く[日経新聞]
2017/7/18 21:44

 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に踏み切った。米本土への攻撃も現実味を増しつつあるなかで、トランプ政権はどうこの問題に対処すべきか。クリントン政権で国防長官などを歴任し、米朝交渉に取り組んだ経験のあるウィリアム・ペリー氏に話を聞いた。


 ――国防長官だった20年前と比べ、北朝鮮の脅威は高まっています。

 「ICBMの発射には驚かなかった。おそらく2、3年以内に実戦配備するだろう。この発射はその日程感にあわせたものだ。20年前よりも事態ははるかに深刻だ」

 ――現在の状況をもたらした最大の理由は何でしょうか。

 「10年前ですら北朝鮮は核施設を持っていた。この20年間、私たちには彼らを核兵器から遠ざける多くの機会があった。もしより効果的に取り組んでいれば、今日のような問題を回避できていたかもしれないという思いがある。我々の外交政策は奏功せず、北朝鮮は今も核施設を保有している」

 「思うに、私たちは北朝鮮の(核保有の)目的を正確に把握してこなかったのではないか。北朝鮮は核兵器を得るという極めて強いコミットメントがある。多くの反対や制裁に見舞われながらも、彼らは数十年にわたって固執してきた。だから彼らにとってなぜそれがそんなに重要なのか問わないといけない」

 「最優先目標は“金王朝”を維持し続けることだ。ソ連が崩壊した後、北朝鮮には自分たちを守ってくれる仲間がいなくなった。だから彼らの安全は危険の縁にたたされ、権力を失う危険があると考えた。世界中の共産主義の政権が崩壊した。北朝鮮だけが最後に生き残っている。だからこそ彼らは政権を維持することに高い目標を置いている。それを達成するためにできることをやろうとしているようにみえる。彼らは自分たちを支援してくれるソ連がもはやいないということをよく分かっている。彼らの伝統的な軍事力が、米国の支援を受けている韓国にかなわないことも分かっている。だから彼らは自身の安全を確保するため、核兵器に頼った」

 「彼らに核放棄をさせたいなら、彼らの安全を確保する代替案を私たちは見つけなければいけない。これはかなり難しい提案だ。(しかし)将来、北朝鮮と取引をする際、この彼らの立場を理解しないといけない。そうでなければ、私たちの提案は意味がない」

 ――では、どうすればそのような方向にもっていけるのでしょうか。

 「いま必要なのは、効果的な外交政策だ。力を背景にした外交だ。(2003年に始まった核問題を巡る)6カ国協議はこの問題に正面から取り組むものではなく、より経済的なインセンティブにかかわるものだった。北朝鮮はずっと安全確保のためなら経済的利益を犠牲にしてきた。だから彼らは、経済的な利益よりも核兵器を選んだわけだ」

 「そして中国を巻き込まないといけない。米中が北朝鮮に提案する外交のパッケージで同意することが必要だ。米中は北朝鮮だけではなく、多くの課題を抱えている。南シナ海や貿易問題などだ。しかし、それらをとりあえず脇に置いて北朝鮮だけもし協力できれば外交的に成功を収めるチャンスはある」

 「どのような外交政策でもアメとムチの両方が必要だ。中国が食糧、燃料支援をやめれば北朝鮮にとっては大打撃になるだろう。しかし、中国はこれらのことを過去にはやろうとはしなかった。なぜなら彼らは我々とは違う目的を持っているからだ。中国は、米国が北朝鮮政権を打倒しようとしていると考えており、中国は北朝鮮の政権が倒されてほしくない。だから『北朝鮮の政権を打倒するものではない』という目標について中国に納得してもらう必要がある」

 ――1998〜2000年に核開発を巡る交渉に臨みました。

 「彼らはとても友好的で、互いに叫んだり激しく言い合ったりするようなことは決してなかった。中国抜きでやっていたが、当時はもう少し簡単だった。なぜならば、その仕事は北朝鮮に核施設を建設しないよう説得することだった。今はもう核施設を持っている。すでに持っているものを放棄させるのは、より困難な仕事だ」

 「北朝鮮は2000年10月、ワシントンに特使を送ってきた。当時は最終合意まで近づいた。クリントン大統領と金正日総書記の会談が北京、あるいは平壌、あるいは空母で実現していたかもしれない。そこまでの議論はまだしていなかった。ただ、大統領もその会合には同意可能だった。(大統領選でクリントンの推す民主党候補が)負けた後、大統領は最後まで交渉を仕上げるのは不適切だと考えた。次の(共和党のブッシュ)政権に仕上げさせようと。次の政権はそれを仕上げる代わりに、放棄してしまった。このプロセスをもし続けていれば成功していただろうと確信している。」

 「(そこに至るまで)北朝鮮はぐずぐずしていた。我々はあのワシントンでの会合を10月ではなく、夏に開けたはずだ。そうすれば、すべては終わっていただろう。しかし、彼らはゆっくり交渉を進めることで、よりよい取引をしようとしていた。そして政権が終わり、機会を失ってしまった」

 ――国防長官の在任中の1994年夏、あなたは空爆の準備を命じています。

 「私は計画をまとめるよう指示した。そして寧辺(ニョンビョン)の核施設への外科的空爆(サージカル・ストライク)に関する詳細な計画を練り上げた。しかし、これはあくまで代替案だった。最初の選択肢は外交で、空爆はそれが失敗したときのためのものだった」

 「彼らには間接的に強力な脅しになった。なぜなら彼らは我々がその案を持っているのを知っていたからだ。我々はより強力な交渉パッケージを持っていた。今はこの議論が意味をなさないのは明らかだ。もはやそれは外科的空爆ではないからだ。すぐに韓国、おそらく日本への軍事攻撃に急拡大し、もう一つの戦争につながっていくことになる」

 ――交渉者としての経験から、どのような教訓がありますか。

 「(その後の)6カ国協議においては、米国は強力なパッケージを持ったことがない。いつも経済的なインセンティブだけだった。彼らは失敗する運命にあった。ブッシュ、オバマ両政権の失敗の理由は、北朝鮮が崩壊すると信じていたからだ。時間の問題だと。だから、時間が過ぎるままにすればいいと。もちろん崩壊しなかったし、これから崩壊するだろうと予測する理由もない」

 ――北朝鮮に軽水炉を提供するのと引き換えに、核開発を停止する1994年の「米朝枠組み合意」もその後に破綻しています。

 「しかし、これははっきり言える。(何もしなければ)2000年までに20の核兵器を作れる十分な燃料を持っていただろうと。米朝枠組み合意はそれを止めた。おそらく10年は計画の進捗のペースを落とす効果があった。成功するかもしれなかったがしなかった。ご存じの通り、米朝双方に信頼がなかったためだ」

(聞き手はワシントン=永沢毅)

 ウィリアム・ペリー氏(William J.Perry) クリントン政権の1994〜97年に国防長官、98〜2000年に北朝鮮政策調整官。事実上の大統領特使として北朝鮮の核開発を巡る交渉に臨んだ。89歳。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM13H20_Y7A710C1000000/?dg=1

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※関連参照投稿

「90年以降の米国の朝鮮半島政策がわかる「米国の対北朝鮮政策に関する見直し − 結論と提言」(1999年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/250.html

「トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)」
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html

「オバマ流とトランプ流:「安倍電撃訪朝」が実現すれば世界から称賛!:国内対北朝鮮強硬派は沈黙」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/711.html

「「安倍−金正恩会談」実現 GW“安倍電撃訪朝”濃厚:東京五輪前の国交正常化目標:新日朝合意は韓国大統領選にも強い影響」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/633.html

「お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html

「なぜ、「米朝国交正常化」より先に「日朝国交正常化」でなければならないのか:米朝先行は日本の悲劇:TnWxZUTqnQさん」
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/643.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/102.html

[政治・選挙・NHK229] 領海航行の中国海警局の船 「国際法抵触なし」官房長官:事前通告あり:罵愚さん、「航行の自由」作戦だよ

1. 罵愚[5320] lGyL8A 2017年7月18日 05:21:00 : AoProhtSOY : voey6Luap2I[87]
▲△▽▼

 ミスリードといえば、15日、対馬と沖ノ島で公船を領海侵犯させた中国は、続けて17日には青森県沖を侵犯した。このニュースは、このボードにはまったく扱われていない。
 このボードのミスリードの原因はなんだろうか?


「産経新聞、100%ネトウヨ化! 「ミスリードした責任はとらにゃいかんぞ」 小林よしのり」
http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/298.html

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領海航行の中国海警局の船 「国際法抵触なし」官房長官[NHK]
7月18日 13時27分

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、中国海警局の船が青森県沖の津軽海峡付近の日本の領海に入ったことについて、中国側から事前に連絡を受けていたことを明らかにしたうえで、国際法に抵触する行為は確認されていないという認識を示しました。

中国海警局の船2隻が17日、青森県沖の津軽海峡付近で日本の領海内に入ったことが確認されたほか、今月15日にはこのうち1隻が長崎県の対馬沖の日本の領海を通過しました。

これについて菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「中国船の航行の目的や意図について政府としてはコメントを差し控える。中国側からは『海警局の船2隻が対馬海峡および津軽海峡を抜けて太平洋に向けて航行する』との情報提供は事前に受けていたと報告を受けている」と述べました。そのうえで菅官房長官は、記者団が「無害通航」と判断しているのかと質問したのに対し「『無害通航』に当たらないと認められる行為を行ったという情報を得ているわけではない」と述べ、国際法などに抵触する行為は確認されていないという認識を示しました。

各国の軍などの艦船は一般の船舶と同じように、沿岸国の安全を害さなければ領海を通過できる「無害通航権」が国際法で認められています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170718/k10011063341000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_006


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中国海警船2隻 津軽海峡や周辺で日本領海に入る[NHK]
7月17日 20時39分

15日、九州北部の日本の領海に侵入した中国海警局の船2隻が、17日、津軽海峡やその周辺を航行中に日本の領海内に入ったことが確認されました。海上保安本部によりますと中国海警局の船が東北地方の日本の領海で確認されたのは初めてで、海上保安庁などで航行の目的について分析を進めています。

第2管区海上保安本部によりますと、17日午前8時すぎ、青森県西部の艫作崎の沖合で中国の海警局の船2隻が津軽海峡に向かって航行中に日本の領海内に入るのを巡視船が確認しました。

海上保安本部が無線で呼びかけ監視を続けたところ、2隻はおよそ1時間半後に領海から出ました。しかし、2隻はその2時間後の17日正午前にも津軽海峡を東に向かって航行中、再び領海に入り、およそ3時間半後に青森県東部の尻屋崎の北東の沖で領海から抜けたということです。東北地方の日本の領海で中国海警局の船が確認されたのは初めてだということです。

2隻は、15日、福岡県の沖ノ島沖の日本の領海に侵入し、うち1隻は長崎県の対馬沖の日本の領海にも侵入しています。各国の軍や沿岸警備隊などの船は一般の船舶と同じように沿岸国の安全を害さなければ領海を通過できる「無害通航権」が国際法で認められていますが、海上保安庁などで航行の目的について分析を進めています。

外務省「状況を注視している」

15日、九州北部の日本の領海に入った中国海警局の船2隻が17日、津軽海峡やその周辺を航行中に日本の領海内に入ったことが確認されたことについて、外務省は、日本の秩序や安全を脅かすものかどうか確定的に言えないとして、中国側に対し、「無害ではない航行は認められず、状況を注視している」と関心の表明を行いました。

一方、17日午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船4隻が相次いで日本の領海に侵入したことについて、外務省は、東京の中国大使館に対し、「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領海への侵入は日本の主権の侵害に当たり、全く受け入れられない」と抗議しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170717/k10011062421000.html?utm_int=detail_contents_news-related-manual_001



http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/337.html

[政治・選挙・NHK229] 橋下氏「こいつだけはほんと許せないね」、有田議員に激怒 「早く辞職しろ」蓮舫氏の二重国籍問題めぐり
橋下氏「こいつだけはほんと許せないね」、有田議員に激怒 「早く辞職しろ」蓮舫氏の二重国籍問題めぐり
7/20(木) 9:30配信


 民進党の有田芳生(ありた・よしふ)参院議員(65)に日本維新の会の橋下徹法律顧問(48)=前大阪市長=がインターネット上などでかみついている。

 民進党の蓮舫代表(49)が自身の戸籍謄本の一部など関係書類を公開した件で、有田氏が蓮舫氏に公開を求めた人々を「差別だ」として非難したことを、橋下氏は自分の出自が週刊朝日に報じられた際には有田氏が「面白い」と言っていたと指摘し、「自分の嫌いな相手なら面白く、自分の所属する党の代表なら人権問題にするのか」として、有田氏の姿勢を「ダブルスタンダード」と激しく批判した。

 有田氏は14日、言論ニュースサイト「リテラ」に緊急寄稿。「複数の議員がツイッターで(蓮舫氏の)戸籍提出に賛同する意見を表明した」ことを「蓮舫代表に個人情報の開示を求めるのは、出自による差別を禁止している憲法第14条や人種差別撤廃条約の趣旨に反する差別そのものである」と指摘。

 さらに昭和50年に起きた「部落地名総鑑事件」を引き合いに、「(この)教訓から、企業が採用選考のとき、応募者に戸籍の提出や本籍地の確認を求めることが禁止されるようになった。蓮舫代表に戸籍の開示を求めることは、こうした人権擁護の歴史に真っ向から反するものだ」として、蓮舫氏に戸籍の開示を求めることと、部落差別を同質のものと指摘した。

 これに対し、橋下氏は19日に「プレジデントオンライン」(プレジデント社)に「有田芳生の人権派面は偽物だ!」と題して寄稿し、有田氏を「こいつだけはほんと許せないね」と罵倒。

 理由として、橋下氏の出自問題が週刊朝日に掲載された平成24年10月、有田氏が「これは面白い」とツイートし、橋下氏が猛反撃した際、「よく分からん言い訳」をしたと指摘。一方で蓮舫氏の戸籍開示について、人権を盾に開示を許すな、と主張したことを「典型的なダブルスタンダード」とかみついた。

 「有田は自分が嫌いな相手(僕)の出自が公になることは面白く、自分の所属する党の代表の、ちょっとした戸籍情報が開示されることはプライバシー侵害になり、人権問題にもなるから許されないと言うんだ」(原文ママ、橋下氏の寄稿から)とまで指摘した。

 それでも怒りが収まらないのか、自身のツイッターで「戸籍の開示は差別助長に繋がる!だって? 自称人権派は恥ずかしげもなくよく言うよな。俺は出自について散々報じられたけど、自称人権派は誰もその報道を批判しなかった。あの報道に比べれば蓮舫さんの戸籍開示なんてどうってことないこと」と投稿した。

 このツイートには、有田氏の24年10月の「佐野眞一『ハシシタ 救世主か衆愚の王か』(週刊朝日)がすこぶる面白い。(中略)橋下市長は朝日新聞の取材をさっそく拒否。佐野さんの戦術にまんまとはまってしまったのは、その性格を知らない無謀反応だ」などというツイートを添えて、「参議院議員有田芳生が僕の出自を面白がっている証拠。それが今、蓮舫さんの戸籍開示が差別に繋がるだって。有田、早く辞職しろ。自称人権派は有田を責めないのか? 」と怒りのこもったツイートを立て続けに投稿した。

 週刊朝日の当該記事に橋下氏は「遺伝子で性格が決まるとする内容」だと激しく反発し、週刊朝日を発行する朝日新聞出版と佐野氏を提訴。27年2月、橋下氏の主張を認める形で和解が成立した。(WEB編集チーム)

産経新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170719-00000554-san-pol

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※関連参照投稿


「蓮舫代表の戸籍確認に人権問題を持ち出して騒ぐ愚:騒ぐなら、一般国民に対する戸籍等提出要求への法規制実現が先」
http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/180.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/440.html

[医療崩壊5] WHO、タミフル格下げ インフル薬、補足的に:入院や合併症を減らす効果なし

WHO、タミフル格下げ インフル薬、補足的に

 抗インフルエンザ薬のタミフルが、6月に公表された世界保健機関(WHO)の新しい「必須医薬品」リストで「保健システムに最低限必要な薬」から「補足的な薬」に格下げされたと英医学誌BMJが9日までに報じた。

 同誌によると、タミフルは2009年にリスト入りした。その後、大人で症状のある期間を約1日短縮するだけで、入院や合併症を減らす効果はないとの研究が発表されるなど、以前考えられていたよりも効果は限定的との報告が出たため格下げになったという。

 WHOの専門家委員会は「タミフルの使用は、入院患者が重症となっている場合に限るべきだ」と指摘。効果を示す新たな情報が出てこなければ、リストから外す可能性も示唆した。

 必須医薬品は、主に発展途上国が医療水準を確保するために準備しておくべき薬をまとめたリスト。日本でタミフルは治療に広く使われているほか、新型インフルエンザの流行(パンデミック)に備え国が備蓄している。

[日経新聞7月10日朝刊P.30]



http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/640.html

[IT12] 中国、量子通信の試験成功 ハッキング防止で先駆

〈FT特約〉中国、量子通信の試験成功 ハッキング防止で先駆

 中国の都市が「ハッキング不可能な」通信ネットワークの試験に成功し、世界初の大規模な量子通信の実用化に期待が高まっている。

 中国東部の山東省済南市政府は10日、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、8月末までに同市の各部門でこのネットワークの使用を開始すると明らかにした。

 プロジェクトに参加した済南量子技術研究院の周飛・副院長は「このネットワークを国防、金融などの分野で使用する計画で、試験版としてこれを広げ、うまくいけば中国全土や全世界で利用できるだろう」と語る。

 今回の成功は、構築中の北京―上海間の量子ネットワークには追い風だ。同ネットワークでは、両都市の間に位置する済南を通信伝送用の都市間ハブとして利用する。

 量子鍵配送(QKD)ネットワークは広く利用されている電子通信より安全だ。電話やインターネットケーブルなどの従来型チャンネルは送信者や受信者が気付かないうちに盗聴される可能性がある。一方、量子チャンネルが盗聴された場合は伝達される情報が変化してしまう。こうした情報の乱れで異常があったことを利用者に警告する。

 北京―上海ネットワークは延長2000キロメートル以上におよぶ世界最長の地上ベースの量子通信チャンネルになる予定で、利用するのは両都市の金融ハブにある商業銀行や政府機関だ。

 ネットワークが全面確立すれば、決済などの金融サービスの安全性向上に加え、他国政府が中国の通信を傍受することはほぼ不可能となる。

 中国の政策立案者は、国内でのサイバースペースの保護に関心を寄せてきており、政府は量子研究に支援を注いだ。

 米ニューヨーク大学上海校の量子物理学者、ティム・バーンズ氏は「他国では量子研究はコストがかかり過ぎるとされるだろうが、中国がこんなにも速く研究プロジェクトを進めたのは素晴らしい」と話す。

 中国は先月、世界初の量子通信衛星から量子通信チャンネルを通じて地球にメッセージを送ることにも成功した。

(11日付)

=英フィナンシャル・タイムズ特約

[日経新聞7月12日朝刊P.8]


http://www.asyura2.com/14/it12/msg/243.html

[アジア22] ジャワ島横断鉄道 国際入札案 「日本と建設」再び反故に? インドネシア、財政重視

ジャワ島横断鉄道 国際入札案 「日本と建設」再び反故に? インドネシア、財政重視

 【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシアのジャワ島を横断する鉄道建設計画で、ジョコ政権内に国際入札にかける案が浮上している。これまで「日本と建設する」としていたが、コストを重視して中国など他国からも計画を募る可能性が出てきた。ジョコ政権は2015年に別の高速鉄道計画で日本案から中国案に乗り換えた経緯がある。再び約束を反故(ほご)にすれば、日本との関係悪化は避けられそうにない。

 ジャワ島横断鉄道は首都ジャカルタと第2の都市スラバヤ間(約750キロ)を結ぶ計画。既存の国鉄路線を大幅に改修し、所要時間を現在の11時間から半分以下に縮める。日本は当初、踏切の廃止などによる高速化を提案し、インドネシア側も一度は合意していた。その後、インドネシア側が突如、全線の電化を要求し、8000億円超とされるコストの問題などから計画は迷走し始めた。


 インドネシア側が特に懸念するのは、財政負担の増加だ。日本は当初、円借款を軸に検討し、インドネシア側も受け入れを検討していた。だが、昨年7月の内閣改造で財政規律を重視するスリ・ムルヤニ財務相が就任すると、借金を増やさない官民パートナーシップ方式(PPP)によるインフラ開発を主張するようになった。

 インドネシア運輸省は昨年12月、「日本と協力することで合意した」と一方的に発表した。ジョコ大統領の腹心、ルフット海事担当調整相が何度も訪日し、政府関係者らに日本と計画を進める意向を示した。だがジョコ政権はその裏で他国にも計画を打診、中国などが関心を示したとされる。

ジャカルタ・バンドン間の高速鉄道計画は日本案から中国案に乗り換えた

 運輸省はこのほど全線電化やPPPを条件に国際入札をする案をまとめた。日本と建設するとした内容を事実上、白紙に戻す内容だ。ただ、ジョコ政権内で意見が割れており、最終的には大統領の判断に委ねられる。

 日本にとっては、先に手を挙げたものの不透明な形で中国案が採用された高速鉄道計画(ジャカルタ・バンドン間)の二の舞いという「悪夢の再来」(政府関係者)の可能性が出てきた。

 同計画では日本の新幹線方式を導入することがほぼ確実とみられていた。だが、14年10月のジョコ政権誕生で風向きが変わり、最終的にはPPPでインドネシア政府の負担を求めなかった中国案が採用された。菅義偉官房長官が「常識では考えられない」と発言するなど、両国関係はこじれた。

 ジョコ政権は8月にも計画の概要を決めたい考えだ。

[日経新聞7月12日朝刊P.8]



http://www.asyura2.com/17/asia22/msg/887.html

[国際20] 「トランプ外し」広がる州外交 米ユーラシア・グループ社長 イアン・ブレマー氏

[グローバルオピニオン]「トランプ外し」広がる州外交 米ユーラシア・グループ社長 イアン・ブレマー氏

 意外ではないが、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが実施した最近の調査で、多くの国でトランプ米大統領への評価が低いことがわかった。世界37カ国を対象とした調査で、米大統領を信頼すると回答した人の比率は、オバマ前政権末期の64%からわずか22%に低下した。また約62%がトランプ氏は「危険」、74%が同氏を「信頼していない」と回答した。

 イスラム圏の一部の国からの入国を制限するというトランプ氏の方針を支持したのは、3人に1人に満たなかった。同氏の貿易や気候変動に関する政策を支持するのは5人に1人足らずだ。国別にみると、信頼感が最も急低下したのは米国の緊密な同盟国だった。「世界情勢について米大統領が正しいことをすると信頼している」人は2015年から17年の間に、日本で66%から24%に低下した。フランスでは83%から14%、ドイツでは73%から11%に下がった。

 しかし米国以外の国の政府は、米国を無視したり孤立させたりできないことを理解している。米国は依然として政治や経済、軍事的影響力を世界中に行使できる唯一の国だ。米国の協力を必要とする国際問題がまだある。

 米国にもっと指導力を発揮してほしいと考える人にとって朗報は、連邦制をとる米国では分権化が進んでいることだ。州知事と大都市の市長は、国のレベルで存在しない法律を施行する大きな権限を持つ。その法律が大統領の優先事項と矛盾するとしてもだ。

 ホワイトハウスと上下両院を制する国レベルの共和党と、地方レベルの政治家の間の最も劇的な対立は、移民政策を巡るものだ。多くの地方政府は何年も前に不法移民の「聖域」を設け、今も続ける。「サンクチュアリシティー(聖域都市)」は移民法に非協力的で、地元の警察が個人の在留資格について質問することを禁じることがある。米保守系シンクタンクの移民研究センター(CIS)によると、約300の州や郡、都市が何らかの聖域政策をとる。

 米国の州や大都市は本格的な経済力を誇る。カリフォルニア州の経済規模はフランスやインド、テキサス州はカナダや韓国に匹敵するとみられる。ロサンゼルスはトルコに相当するだろう。米国の州のトランプ氏に対する姿勢はさまざまで、独立した外交政策を求めるところもある。トランプ氏の人気が著しく低い州の知事や市長は、独自の政策を推進して政治的な得点を稼げる。海外からの投資や留学生、観光客を誘致し、自らの州や都市に利益をもたらせる。

 米国の州政府が独自の政策をとる能力を持つことを示すのに、気候変動以上の好例はない。地球温暖化に国境はない。中国に次いで世界2位の温暖化ガスの排出国である米国の協力がなければ、世界は対応できない。

 トランプ氏は6月に入り、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」離脱を表明した。中国の習近平国家主席は数日後、カリフォルニア州のブラウン知事をまるで国家元首のように北京の人民大会堂に迎えた。両者は温暖化対策について話し合った。ブラウン知事は「カリフォルニア州も中国も(温暖化対策を)主導している」と語った。

 カリフォルニア州は排出量取引制度として「キャップ・アンド・トレード方式」を導入している。企業に温暖化ガスの排出枠を設定し、過不足分を取引する仕組みだ。国のレベルではこの政策にはほとんど支持がない。ブラウン知事は、トランプ氏の意向にかかわらず野心的な排出削減目標を設定すると約束している。

 米経済への依存度が高いカナダも、米地方政府に対して中国政府と同様の姿勢をとる。カナダは当初、トランプ氏の歓心を買うように努めた。しかし同氏がカナダの貿易慣行が不公正だと批判を始め、成果は上がらなかった。カナダのトルドー政権は以降、不必要にトランプ氏を挑発しないよう、両国の州政府同士の緊密な関係を利用する姿勢に転じたようだ。

 トランプ氏が「私はパリではなく(炭鉱業で栄えた)米ピッツバーグの市民に選ばれた」としてパリ協定離脱を表明した翌日、カナダのガルノー運輸相はピッツバーグのペドゥート市長と温暖化対策に関する会合を開いた。カナダのケベック州やオンタリオ州はカリフォルニア州と排出量取引で連携を進める。カナダのマッケナ環境・気候変動相は最近、「米国はトランプ政権よりも大きい」と述べた。

 米国以外の国、特に米国の同盟国が米国内の州や都市と関係を築くのはいまや珍しくない。一方、トランプ政権は「米国第一主義」を掲げ、しばしば他国を拒絶しようとする。このため、関係の構築に新たな切迫感が生まれている。米大統領は外交においてかなりの権限を持つが、米国の地方分権制度を利用し、目標を達成できる可能性があると気づく米国以外の政府が増えている。米国以外の政府は、関係構築の動きを歓迎する米国の知事や市長が増えていることも認識するだろう。

 Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。著書に「スーパーパワー――Gゼロ時代のアメリカの選択」など。47歳。ツイッター@ianbremmer

[日経新聞7月14日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/186.html

[医療崩壊5] がん免疫薬 見えてきた実像 「オプジーボ」登場3年 縮小報告相次ぐ:重大な副作用も:効果出る患者は全体の2割強

 癌の縮小には触れられているが、QOLはともかく、延命について触れられていないのは、かつての抗癌剤“効能”と同じような欺瞞的な説明である。

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がん免疫薬 見えてきた実像
「オプジーボ」登場3年 縮小報告相次ぐ

 がんの免疫薬「オプジーボ」が約3年前に登場してから、がんの治療現場は一変した。治療の手立てがなかった進行がんの患者でも、がんが劇的に縮小した報告などが相次ぎ、効果の出る患者では長期生存の期待が高まる。上手に使えば治療現場に革命をもたらす可能性を秘めているが、重大な副作用を避けるため、適正使用に気を配る必要がある。


九州大学では免疫チェックポイント阻害剤の適正使用委員会を毎月開き、副作用情報を診療科横断的に共有している


 「がんと闘う新たな武器が加わり、治療の可能性は広がった」と国立がん研究センター中央病院の山本昇先端医療科長は免疫薬の効果に一定の期待を寄せる。

 免疫薬が初めて発売されたのは2014年9月。オプジーボが皮膚がんの一種、悪性黒色腫に対して認められた。今年2月にはキイトルーダが発売された。

 免疫薬は従来の抗がん剤のようにがん細胞自体を攻撃するのではなく、病原体やがん細胞などの異物を除くため生体にもともと備わる免疫の力を利用する。がん細胞を見つけて殺す免疫細胞の攻撃力を高める働きをする。効果の出るがんの種類が多いのが特徴だ。


10種が最終段階

 オプジーボはすでに5種類のがんで承認を得た。20種類以上で効果が期待されている。キイトルーダは悪性黒色腫と非小細胞肺がんで承認済み。血液がんのホジキンリンパ腫と尿路上皮がんで承認申請中だ。治療の手立てがなくなった胃がん、乳がん、大腸がんなど10種類で開発が最終段階を迎えている。製薬各社は開発に力を入れており、今後、「アテゾリズマブ」「デュルバルマブ」「アベルマブ」など様々な免疫薬の承認が見込まれる。

 利用が進んで実力も明らかになってきた。オプジーボなどは効果の出る患者が2割強に限られるが、山本科長は「効果がある患者では長期生存も期待できる」と指摘する。4月の米がん学会では、進行した非小細胞肺がん患者へのオプジーボの臨床試験で、参加した129人の5年生存率のデータが公表されて注目を集めた。これまで5年生存率は5%未満とされていたが、16%もあったからだ。

 ただ一方で、薬が効かなくなった例も見つかった。九州大学病院で従来の抗がん剤など計7種類を投与した後、治療の選択肢がなくなった70歳代の女性にオプジーボを投与したところ、約1年で効果がなくなった。中西洋一・副病院長は「一定の割合で薬に耐性が生じる」と指摘する。

 かつて「夢の新薬」と、もてはやされたがんの分子標的薬も市販後、耐性が生じることがわかった。免疫薬も耐性が生じるメカニズムの解明やその対策が必要になりそうだ。


正常細胞攻撃も

 免疫薬は一般に、従来の抗がん剤に比べて副作用が少ないのも特徴だ。ただ、免疫細胞が暴走すると正常細胞を攻撃し、重大な副作用が出る恐れもある。劇症1型糖尿病や甲状腺の機能障害、肝臓の機能障害、下痢などがある。中西副病院長は「命に関わる副作用で最も心配するのは間質性肺炎だ。当院でも2人亡くなった」と目を光らせる。

 九大病院は16年1月に免疫チェックポイント阻害薬適正使用委員会を立ち上げた。ほぼ毎月開くこの委員会は横断的な組織で、さまざまな診療科の医師や看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなどが参加する。

 がんの薬物治療の経験が乏しい診療科が免疫薬を使うと、副作用を見落とす恐れがある。そこで委員会で各診療科のスタッフが勉強し副作用の情報を共有することで、どの診療科でも副作用に同じ対応ができるようにしている。副作用の症状別に使う薬も統一した。

 副作用はいつ、どこで起きるかわからないが、早期に発見すれば、助かる可能性は高い。副作用の初期症状が出たら、患者や家族がすぐに病院に連絡するように、副作用確認シートを作成して患者に渡している。

 免疫薬はもろ刃の剣だ。適正に使えば、一部の患者では長期的な効果も期待できる。米国では免疫薬を含め240種類以上の免疫療法が開発中だ。がんの免疫療法はこれからが本番といえる。

(西山彰彦)

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効果出る患者は全体の2割強 「併用療法」研究し拡大へ

 免疫薬の課題は、効く人が2割強に限られることだ。製薬会社は効く患者を増やそうと、併用療法の研究を進めている。

 米製薬大手のメルクは全世界で30種類以上のがんに対して、キイトルーダの臨床試験を500以上進めているが、このうち6割以上が併用療法だ。メルクの日本法人、MSDのオンコロジーサイエンスユニットの嶋本隆司統括部長は「併用療法で有効性の向上を目指す」と期待する。

 メルクは進行非小細胞肺がんの患者を対象に、免疫の調節機能を持つ酵素阻害剤とキイトルーダの併用療法の臨床試験を進めている。すでに、35%の患者でがんが3割以上縮小する効果があったという。

 米製薬大手のファイザーは免疫薬「ウトミルマブ」とキイトルーダの併用療法の臨床試験を進行固形がんの患者で実施中だ。初期の試験では23人中6人でがんが小さくなり、そのうち4人は6カ月以上効果が持続したという。

 国立がん研究センター中央病院は、標準的な治療に使う3種の既存の抗がん剤とオプジーボを併用する初期の臨床試験を、進行した非小細胞肺がんの患者に実施した。4剤を投与した6人の患者全員でがんが縮小した。この併用療法は6月から最終段階の臨床試験に入った。山本昇先端医療科長は「併用療法で効果がある患者の割合を高めることができるだろう」とみている。

[日経新聞7月17日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/646.html

[医療崩壊5] 正念場の認知症研究:アルツハイマー新薬不発 患者急増、主因は不明:発症前治療に転換

正念場の認知症研究

(上) 発症前治療に転換
アルツハイマー新薬不発 患者急増、主因は不明

 アルツハイマー病に代表される認知症の治療研究に、大きな難題が突きつけられている。原因物質を取り除く新薬候補はいずれも患者で効き目が表れず、相次ぎ不発。発症前から治す必要があると発想を転換する動きが出始めた。国内では認知症を患う人が2025年に約700万人と12年の462万人から急増するとの見通しがある。研究は正念場を迎えている。


 米製薬大手メルクは2月、認知症の6〜7割を占めるアルツハイマー病治療薬の一部開発を中止すると発表した。「肯定的な結果が得られる可能性はほぼ無い」との評価を受けた決定だった。

脳の診断難しく

 16年11月にも米製薬大手イーライ・リリーが臨床試験(治験)を断念していた。同社の以前の治験では軽症患者で症状の改善をうかがわせる結果が出ていたが、最終段階で十分な効果を示せなかった。大手の相次ぐ開発断念で、研究戦略の見直しが迫られている。

 アルツハイマー病は「アミロイドベータ」「タウ」という2つの原因物質が発症に関係するという説が有力だ。発症の10〜20年前からアミロイドベータがたまり始め、次にタウがたまると脳の神経細胞が死滅し、記憶障害や認知機能の低下などが表れるとされる。

 開発を中止した2つの新薬候補は、いずれもアミロイドベータを取り除く戦略だった。市販の治療薬は認知機能の低下をやわらげても認知症は治せない。新薬への期待が高かっただけに、失望が広がった。原因物質を無くせば病気の進行を阻めるとの考えには依然こだわりをみせる。

 アルツハイマー病は1906年、ドイツのアロイス・アルツハイマー博士が初めて報告した。大手製薬会社がこぞって治療薬の開発に参入したが、ことごとく失敗してきた。ここ100年で医学が進歩して感染症などが治るようになり、アルツハイマー病克服の難しさだけが際立つ。寿命が延びた一方で人類は新たな課題に直面している。

 治療薬の開発がなぜこれほどまでに難しいのか。脳は生きている状態では調べにくい。画像診断技術の発達で少しずつ原因物質がみえてきたが、詳しい振る舞いはわからない。物忘れなど老化現象と見誤り、診断も容易ではない。

 手探り状態で頼りにしてきたのがアミロイドベータを原因物質とする仮説。新薬開発の失敗が続いても、そう簡単には捨てきれない。

投与の遅れ一因

 国立長寿医療研究センターの柳沢勝彦研究所長は「薬を投与する時期が遅いのが失敗の一因だ」と推測する。

 これまでの治療薬は認知症になった人を対象にしてきた。認知症を発症した段階で、すでに神経細胞が壊れている。ひとたび壊れ始めると食い止めるのは難しく「進行を完全に抑えることはできない」(日本イーライリリーの中村智実臨床開発医師)という見方だ。

 米国立衛生研究所(NIH)やイーライ・リリー、米ハーバード大学などは、認知機能が正常な時からアミロイドベータを取り除く臨床研究にかじをきった。14年から始めた「A4」研究だ。日本からは東大が加わる。

 脳内にアミロイドベータがあっても、認知機能は衰えていない人で試す。発症が遅れるかを調べている。

 無症状であってもアミロイドベータが見つかったら病気とみなすのは、ヤンセンファーマも同じだ。早いうちに治療しないと効果が出にくいという考えから、塩野義製薬が見つけた成分を用い、16年から産学協同の治験を始めた。

 ただ、効果が確認できて予防となると、多くの高齢者が対象になる。「膨大な人数になり、医療費の観点から実用化は現実的ではない」との指摘は多く、新たな難題が立ちはだかる。

 一方で別の原因物質を探る動きもある。英アバディーン大学のクロード・ウィシク教授は「従来のアミロイドベータに対する薬剤の効果は小さい。症状にかかわる別の物質のタウに対する治療が必要だ」と強調する。

 これとは別に、脳にある免疫細胞「ミクログリア」の暴走が原因との説も取り沙汰され始めた。発症の原因を巡り、学説さえも定まっていない実情が治療の難しさを物語っている。

[日経新聞7月17日朝刊P.9]


(中)困難な診断 安く正確に MRIや血液検査活用

 「臨床試験(治験)のために医師から紹介された人でも、大半は基準から外れている」。米製薬大手バイオジェンのマイク・エーラーズ上級副社長は、アルツハイマー病の診断の難しさに苦渋の表情を浮かべる。


北大と日立はMRIを活用した診断法の確立を目指す(北海道大学提供)

 同社はアルツハイマー病治療薬を開発中で、日本などで最終段階の治験を進める。症状の軽い人を対象に原因物質とされるアミロイドベータを取り除く薬剤を投与する。

 治験参加には、認知機能検査や陽電子放射断層撮影装置(PET)による画像検査をクリアする必要があるが、医師が認知機能のチェックや問診などをして基準に当てはまると判断しても、実際は8割が不適合だった。

 患者と日々向き合う湘南鎌倉総合病院の川田純也・神経内科部長は「認知症は症状が軽いと、熟練医師でも判断が難しい例が多い。医療機関によってばらつきがある」と嘆く。アルツハイマー病に代表される認知症は、問診に加え認知機能や画像、脳の血流を評価する検査をもとに医師が判断する。ただ、特に早期の場合、うつなど他の病気との区別や認知症の種類の見極めは困難という。

 このため、臨床現場は精度が高く、安価な診断法の確立を求める。根治が難しい認知病は早期発見が重要だからだ。こうした声に応えようと北海道大学と日立製作所は昨年11月、磁気共鳴画像装置(MRI)を使ってアルツハイマー病を診断する技術の開発を始めた。

 アルツハイマー病の脳に特有の鉄の沈着状態と、脳の萎縮具合を高精度に解析し、病気の兆候を早期につかめるようにする。実際のアルツハイマー病やその前段階である軽度認知障害の最大50人を対象に、MRIから判定できるか確かめる研究も3月に始動させた。

 2年後までに早期発見できる診断技術を開発し2024年には製品化する予定だ。北大の工藤與亮・診療教授は「クラウドや人工知能(AI)の力を借り、どの病院でとった画像でも医師が迷わずに判定できるようにしたい」と将来図を描く。

 安価で健康診断にも使われる血液検査によって早期診断できれば、非常に役立つ。国立長寿医療研究センターと島津製作所はアミロイドベータの蓄積の有無で、血中の量が変化するたんぱく質を調べる手法に挑む。ノーベル賞を受賞した同社の田中耕一氏の質量分析法を応用した。約60例を対象にした研究では9割以上の精度があった。人数を増やして検証中だ。

 アミロイドベータが蓄積し始めてから症状が出るまで約20年かかるとされる。国立長寿研の柳沢勝彦研究所長は「この検出法は、世界的に難航する治療薬や予防薬開発の効率を高めることに貢献する」と強調する。2年以内の実用化を目指す。

 アミロイドはたまっているが症状は出ていない人に薬剤を投与する国際臨床研究に参加する東京大学の岩坪威教授も「超早期診断にはバイオマーカーが不可欠だ」と話す。

 現在、治験の最終段階にあるアルツハイマー病の新薬候補の多くは、軽度認知障害や軽い認知症を対象とするのがほとんどだ。新薬が実用化されたとしても、確実な早期診断ができなければ宝の持ち腐れに終わりかねない。精度が高く安価な診断方法の確立は、認知症克服に向けた試金石だ。

[日経新聞7月24日朝刊P.11]


(下) 疫学調査で予防に活路 生活習慣改善、リスク抑制

 「朝食では野菜を食べますか」「新聞は読みますか」。7月下旬、福岡市に隣接する福岡県久山町。健診に訪れた高齢の町民に医師らが問いかけていた。健診では、採血や検尿だけでなく、一日の運動量や食事の内容など生活習慣も聞き取る。九州大学が取り組む大規模な疫学研究の様子だ。


福岡県久山町での健診の様子(二宮利治教授提供)

 認知機能の低下も調べる。65歳以上の町民については磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を診る。

 久山町は住民の年齢構成や職業、生活環境が全国平均に近い。モデルケースとみて、九大は1961年から生活習慣と病気の関係を調べてきた。高血圧や糖尿病の人は脳血管障害を起こして認知症を発症するリスクが高まることを突き止めた。

 2016年からは青森県弘前市や東京都荒川区など7カ所でも始めた。1万人以上の高齢者からデータを集め、認知症を防ぐ生活習慣や体質、遺伝子などを調べる。リーダーを務める二宮利治教授は「あらゆる可能性を洗い出して予防法を確立したい」と意気込む。

 団塊世代がすべて75歳以上となる25年には、認知症患者は700万人に増加すると厚生労働省は試算する。しかし昨年末以降、新薬の開発中止が相次いだ。認知症の大半を占めるアルツハイマー病の新薬開発の成功率は0.5%以下とされる。

 治療研究の行き詰まりを背景に、地味な存在の疫学研究に注目が集まり始めた。認知症のリスクを下げることで発症を予防したり、遅らせたりする可能性が見えてきたからだ。「新薬だけで認知症を予防できるのか」。7月下旬、千葉市で開かれた日本神経科学大会で、国立長寿医療研究センターの桜井孝もの忘れセンター長は指摘した。

 認知症のリスク要因は数多く「いろいろな組み合わせを試みて効果を確かめることが現実的」と桜井センター長は話す。効果を確かめるうえで疫学研究が役に立つ。

 疫学はデータが多くなるほど様々な分析がやりやすくなり、信頼性も増す。大学や医療機関がそれぞれ進めている調査の情報を統合する動きも始まった。桜美林大学の老年学総合研究所を中心に、長寿や老化に関する12の疫学研究プロジェクトの情報を共有する。集まる患者のデータは2万人を超す。桜美林大の鈴木隆雄所長は「様々なデータを分析することで認知症の実態がわかるのでは」と期待する。

 国内外の研究で認知症を防ぐ特定の要因はないとわかってきた。フィンランドでは、軽い物忘れがみられるなど認知症予備軍の高齢者を対象に食事や運動の指導、認知機能の強化訓練などを実施。参加したグループは認知機能が改善して発症リスクが低下する可能性がわかった。万全ではないが、ある程度発症を抑えられるという。同様の研究はスウェーデンなどでも実施されている。

 疫学研究で因果関係を明らかにするのは簡単ではない。長期間、多くの患者の生活習慣を管理して追跡調査する必要がある。しかし、日本では長期間研究助成を得るのはほぼ不可能だ。

 生活習慣の改善は新薬開発につながるわけではなく、製薬会社は疫学研究に手を出しにくい。海外では国が主導して進めているが、日本では医療機関や大学が細々と続けている研究が多い。国がより積極的に関与しないと現状は変わらない。

藤井寛子が担当しました。

[日経新聞7月31日朝刊P.9]



http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/647.html

[IT12] IT業界 競争保てるか

[複眼]IT業界 競争保てるか

 米アマゾン・ドット・コムやグーグル、アップルなどの強者がますます強くなるIT(情報技術)業界。人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」のカギとなるデータも、加速度的に巨人の掌中へと集まる。寡占化が進むIT業界で競争環境を保つすべはあるのか。

◇  ◇

■事前措置で消費者保護 オックスフォード大教授 アリエル・エズラチ氏

 グーグルやアマゾンなどの「プラットフォーマー」の台頭で懸念されるのが、市場支配力を行使して競争相手を排除したり、新規参入を阻むことだ。欧州連合(EU)の欧州委員会は6月、グーグルが支配的地位の乱用を禁じるEU競争法に違反したとして24億ユーロ(約3100億円)の制裁金を科した。

 欧州委によるとネット検索エンジンは大きな力を持ち、サービスプロバイダーの成功か失敗かを左右できる。グーグルと競合するサービスプロバイダーは市場の外へ追い出されたが、サービスが劣っていたからではない。グーグルが支配力を使い、自社サービスの利用を促したからだ。

 プラットフォーマーの市場支配力はパソコンから携帯電話、そしてAIを搭載し音声で操作できる機能を搭載したスマートフォンやスマートカー、家電製品が普及するにつれてさらに増している。アマゾンやグーグル、アップルはAIを家庭へ持ち込み、スマート家電に接続しようとしている。

 革新的な音声認識機能は、買い物のわずらわしさを減らしてくれる一方で、自らの判断でモノやサービスを探そうとする意欲をそぎ、限定された結果を頼りにするようになる。価格操作などを招く恐れがある。競争がゆがめられていると認識する能力も欠いてしまうかもしれない。

 アルゴリズム(問題を解く手順)を利用したビジネスが新たに生まれつつあるが、その市場が期待ほど競争的ではないという問題もある。競争を通じて消費者に利益をもたらしてきた、市場の「見えざる手」は、企業にコントロールされ、操作される恐れもある「デジタル化された手」に押しのけられつつある。

 例えば業界全体がアルゴリズムを使う価格設定に頼るようになれば、それが「暗黙の合意」を生み、競争を経て決まる水準より高い水準で価格を安定させる可能性がある。これは競争当局に難題を突き付ける。当局はアルゴリズム使用を市場操作や新たな談合形態として扱うべきなのか。市場の変化に対する企業の合理的で合法的な反応と違法行為はどう区別すべきか。法執行面からみても、判断するのは難しい。

 事後的な介入ではなく、プラットフォーマーの行動や利益が消費者の利益につながるような事前措置を検討する余地はありそうだ。データの保護や移動、プライバシーの確保、消費者の権利強化、情報開示の要件などを慎重に見直すことで、市場競争を促進できる可能性がある。

 M&A(合併・買収)の企業結合規則に関しては、プラットフォーマーがイノベーターを買収し、将来のイノベーションを担うはずだった「創造的破壊者」を排除する懸念がある。ドイツで6月に改正競争制限禁止法が発効したように、現在の届け出基準は満たさず、監視対象から外れるハイテク産業のM&Aも捉えられるよう、伝統的な売上高基準だけでなく株式価値に基づく基準の導入を検討する当局も増えている。

(聞き手はブリュッセル=森本学)

 Ariel Ezrachi 欧州連合(EU)競争法が専門。オックスフォード大の競争法政策センター所長を務める。近年はデジタル化時代の競争法の課題に研究の焦点を当てる。46歳
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■専門人材の活用拡大を 東大名誉教授 後藤晃氏

 大量のデータを保有する企業に対して、世界の競争当局が警戒感を高めている。背景にあるのは、プラットフォームを握るグーグル、アマゾンなどの企業が、一段と巨大になっているという事情だ。欧米を中心に当局が報告書を出したり、事件として取り上げたりする事例が増えてきた。

 「メインフレーム」と呼ばれた大型コンピューターがパソコンに取って代わられたように、かつては技術革新を通じて支配的な地位を得る企業は入れ替わってきた。だが、プラットフォーマーは成長を続けており、経済学者のシュンペーターが唱えた「創造的破壊」を新規参入企業が起こすのは難しくなっている。

 もうひとつの変化は、IoTにより収集可能なデータが飛躍的に増えていることだ。例えば米ゼネラル・エレクトリック(GE)は発電機から情報を集め、既存機器の保守や新製品開発に生かしている。ヘルスケアや自動車などでもデータが重要になる。

 基本的にデータの活用は消費者が使うサービスの質を高め、経済の発展につながるため、積極的に進めるべきだ。ただしプラットフォーマーがその力を使って反競争的な行為に走ったり、大企業が優越的な地位を乱用して下請け企業からIoTのデータを入手したりすれば問題となる。

 公正取引委員会が1月に設置した「データと競争政策に関する検討会」に座長として議論に加わった。このほど報告書をまとめたが、データが重要となった社会でも、基本的に従来の法体系で対応できるというのが結論だ。ただ環境の変化に対応して新たな取り組みも求められている。

 合併など企業結合における事前届け出の基準は、現在は売上高だ。制度上は基準に達しない企業を独占禁止法の規制の対象とすることは可能だが、それだけでは貴重なデータを持つ企業の合併が抜け落ちてしまう恐れがある。代わりの基準設定は容易ではないが、見直しは検討に値する。

 公取委は従来、独禁法審査で建設会社や素材メーカーなどを対象とすることが多かった。プラットフォーマーは利用者が増えるほど利便性が高まるというネットワーク効果が働き、固定費が大きく限界費用が小さいといった特徴がある。こうした特性を理解して経済分析を進め、従来の法律に当てはめることのできる人材の育成・確保が必要だ。

 欧米の競争当局では、超一流大学の博士号を持つ職員を多数抱える。「チーフエコノミスト」といった役職を置き、処遇できるのが強みだ。日本でも大学との人材交流が始まってはいるが、高度な知識を持つ専門人材の活用を一段と進める必要がある。

 競争政策と、プライバシーなどの消費者保護を担当する部門の連携強化も課題だ。米国の競争当局である米連邦取引委員会(FTC)は両方の部門を持っており、フェイスブックが対話アプリのワッツアップを買収する際は、消費者保護の観点から審査を進めた。日本では現在、それぞれの担当が公取委と消費者庁に分かれているが、両者が連携を深めることで効果を高めることができるはずだ。

  (聞き手は奥平和行)

 ごとう・あきら 73年一橋大院博士課程単位取得。一橋大教授や東大教授などを歴任した。専門はイノベーション政策。07〜12年には公正取引委員会委員も務めた。71歳
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■監視強化、創造に余地 米イェルプ副社長 ルーサー・ロウ氏

 欧州連合(EU)が6月、グーグルに対して独占禁止法違反で制裁金を科した決定は、20年前の米司法省によるマイクロソフト提訴に匹敵するインパクトがある。グーグルが欧州委に提出を命じられた是正措置は米国や日本、ブラジルなど他の地域の独禁当局を刺激し、「我々も」と動き始めるだろう。

 2004年から地域情報の口コミサイトを運営する当社とグーグルの関係は長く、複雑だ。我々は当初、ライセンス契約を結んでグーグルに口コミ情報を提供していたが、07年にグーグルが競合する口コミサービスを立ち上げたため、提供を打ち切った。

 自前の口コミサービスがうまくいかないとみると、グーグルは買収を提案してきたが、拒否した。すると我々のコンテンツを無断で使い始めたので、米連邦取引委員会(FTC)に「検索における支配的地位を乱用して、地域情報に特化した検索サイトをつぶそうとしている」と訴えた。

 FTCは11年に調査を始めたが、13年に「消費者の利益を損なうような事実はなかった」として打ち切った。背景に当時の米政権と蜜月関係にあったグーグルの政治力が働いたと報じられており、FTCの判断には失望した。

 主要先進国の独禁法体系が巨大なプラットフォーマーの台頭に対応できないとは思わない。ただし合理的選択理論を前提とした競争分析には問題がある。グーグルは「競争はクリック1つで起きる」と言う。消費者の選択は合理的かつ乗り換えコストがゼロなので、グーグルに満足しない人はマイクロソフトの検索サービス「Bing(ビング)」を使うはずという論法だ。

 実際にはグーグルのサービスは行動経済学に基づいて設計されている。膨大な回数のテストを重ね、他のサービスに乗り換えるという選択肢があることすら人々が忘れてしまうほど、デザインや使い勝手を徹底的に作り込む。乗り換えの「認知コスト」を高めているのだ。グーグルの検索結果に納得できない人は、探している情報がないと諦めるか、欲しい情報が見つかるまで検索キーワードを変え続けるケースが多く、Bingのサイトを開く人は少ない。

 一部には「グーグルを分割しろ」という声がある。選択肢の一つではあるが現実的ではない。むしろ、当局が支配的なプレーヤーをしっかりと監視し、支配力を乱用させないようにすることが重要だ。

 マイクロソフトの例をみればいい。米司法省に訴えられたことで、彼らは支配力を乱用できなくなった。その結果、1998年から01年にかけてネット産業は爆発的に成長した。グーグルの創業も98年。もし独禁訴訟がなければ、マイクロソフトは生まれたばかりのグーグルを押しつぶしていただろう。

 独禁法の積極的な運用は、スタートアップ企業に機会を提供し、イノベーションを活性化する。グーグルは手を広げすぎた。今後、どんな手を打ってくるかはわからないが、これ以上、競争を排除しないことを望んでいる。

(聞き手はシリコンバレー=小川義也)

 Luther Lowe 口コミによる地域情報サイトを運営する米イェルプの政策担当副社長。2008年に入社し、11年から規制当局などとの対応の責任者を務めている。35歳
◇  ◇
〈アンカー〉利用者の視点で多面的に議論を

 プラットフォーマーたちの規模は膨張する一方だ。フェイスブックの月間利用者が6月末に20億人を突破。グーグルもネット検索など利用者が10億人を上回るサービスを複数抱える。各社は仮想現実感(VR)やAIを活用したスピーカーなどにも事業領域を拡大し、収集可能な情報はさらに増える。

 世界の競争当局はこうした現実に厳しい視線を向ける。一方で、各社が世界中から優秀な人材を集め、投資家を味方につけ、リスクを恐れず新事業を切り開いてきた経緯にも目を向ける必要がある。

 必要なのは規模だけを理由にいたずらに出る杭(くい)を打つことではなく、プライバシー保護などの方策を多面的に議論し、監視を継続することだろう。特にプライバシーの問題は、利用者がどう考えるかが重要になる。

 (編集委員 奥平和行)

[日経新聞7月25日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/14/it12/msg/244.html

[医療崩壊5] 幹細胞研究 世界の最前線

〈幹細胞研究 世界の最前線〉

(上)万能細胞、実用化競う 再生医療で治験続々
ES・iPS問わず ゲノム編集活用へ

 再生医療や創薬で革新を起こそうと、体の様々な組織になる幹細胞の活用に世界が大きく動き出した。幹細胞の中でも万能細胞と呼ばれるiPS細胞を京都大学の山中伸弥教授が開発してから10年余り。医療現場は「使えるか」という期待を超え、「どう使いこなすか」を考える時代に入った。遺伝子を自在に改変する「ゲノム編集」などバイオ技術の急速な進歩も追い風になっている。

 「細胞がしっかり定着し、異常もない」。6月中旬、米ボストンで開かれた国際幹細胞学会。イスラエル・ヘブライ大学のベンジャミン・ルビノフ教授の表情は自信に満ちあふれていた。

 胚性幹細胞(ES細胞)から作った網膜の細胞を「加齢黄斑変性」という目の病気の患者に移植する臨床試験(治験)に取り組む。

 再生医療の先駆けとしてES細胞を使う治験は、既に米国や英国、韓国など世界各国で始まっている。米国はiPS細胞でも米国立眼科研究所のカピル・バーティ主任研究員らが2018年夏をめどに治験を始める。

 日本では14年、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが患者のiPS細胞から作った網膜の細胞を目に移植する世界初の臨床研究を実施した。日本で再生医療への応用といえば、世界とは逆にiPS細胞が先行する。

 ES細胞とiPS細胞は幹細胞の中でも万能細胞と呼ばれ、体のほとんど全ての細胞に育つ。

 同じ万能細胞でも、受精卵から生み出すES細胞は生命倫理上の問題があると日本では受け止められた。そこに皮膚や血液の細胞からでも作れるiPS細胞が日本で誕生した。政府はiPS細胞に支援を集中し、ES細胞の研究は停滞した。

 この間にも海外では、不妊治療でいらなくなった受精卵をES細胞研究に生かし、データを着実に積み上げた。世界は「再生医療に使うなら、ES細胞とiPS細胞に大差はない」(英ケンブリッジ大学のルドビック・バリエ教授)との考えが大半だ。万能細胞をいかに使いこなすかに研究の焦点が移っている。

 ES細胞かiPS細胞かという二者択一の議論よりは、「再生医療に使うにはどうすべきか」という発想が行き渡る。患者への応用はまだ先だが、将来を見すえた考えができるのは、再生医療研究が最新のバイオ技術と次々に結びついているからだ。

 米ハーバード大学のジョージ・チャーチ教授は「この2年間、(再生医療に相当する)細胞治療に、遺伝子操作を応用する研究の増加はすさまじい」と話す。

 期待がかかる技術の一つがゲノム編集だ。万能細胞は様々な細胞に変わり、望まない細胞ができてしまう問題がある。ハーバード大学のダグラス・メルトン教授はゲノム編集の技術を応用し、必要な細胞だけに育つ「デザイナー細胞」の開発を目指している。

 糖尿病の治療にインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)のベータ細胞を作ろうとしている。ベータ細胞とは違う細胞に変える遺伝子をゲノム編集で壊し「ベータ細胞だけが強制的にできるように設計する」という。

 日本では京都大学の斉藤博英教授らが人工合成したRNA(リボ核酸)を細胞内に入れ、「スイッチ」のように使って細胞の種類を効率よく選別する手法を開発した。

 人工RNAのオン・オフを切り替え、それぞれの臓器や組織にふさわしい細胞を仕分ける。心筋細胞では95%以上の割合で作れた。

 移植した細胞を患者の免疫が異物とみなす拒絶反応の問題も新技術で乗り越えようとする。

 米ワシントン大学のデイビッド・ラッセル教授らは、万能細胞の免疫型を決める遺伝子を改変し、誰に移植しても拒絶反応を起こしにくい「ユニバーサルドナー細胞」を開発する。免疫型に関わる「HLA」というたんぱく質の組み合わせを変え、免疫細胞の攻撃を免れる。

 再生医療を多くの患者が利用するまでには、多くの難題が待ち受ける。世界の最前線では、様々な技術の融合に活路を見いだす動きが広がっている。

[日経新聞8月14日朝刊P.9]


(中)「患者の分身」創薬に貢献

 日本でiPS細胞の応用といえば、再生医療の印象が強い。世界的には創薬こそ産業の裾野が広く、実用化も早い本命と考える研究者が多い。iPS細胞をはじめとする幹細胞の研究最前線は創薬にも役立っている。


国際幹細胞学会では「ミニ臓器」の研究に注目が集まった(6月、米ボストン)

 「iPS細胞は希少疾患の研究を一変させた」。米国立心臓肺血液研究所のマンフレッド・ボーエム上席研究員は話す。iPS細胞が病気の仕組みや治療薬の研究に生かせる利点を強調する。

 動脈が石灰化して硬くなる難病などの患者の血液から作ったiPS細胞を血管などの細胞に育て、病気を再現。他の病気の薬として使われる化合物で効くものがないか網羅的に調べている。「患者の血液という最小限の試料から、大きな機会を生み出すことができる」とボーエム氏は語る。

 今月1日、京都大学iPS細胞研究所の戸口田淳也教授は、筋肉などの組織に骨ができる難病の治療薬候補を見つけ、臨床試験(治験)を始めると発表した。世界に先駆けて計画を公表したが、水面下では国内外の製薬企業などがiPS細胞の活用でしのぎを削る。

 研究はiPS細胞以外の幹細胞でも進む。同じく万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)のほか、腸など体の組織にある幹細胞を培養し、臓器のミニチュア版を作る技術が発展している。

 臓器そのものの再現は再生医療につながるが、ミニ臓器(オルガノイド)は病気の発症過程をより正確に再現でき、創薬への貢献も大きい。

 米ボストンで6月に開かれた国際幹細胞学会でもミニ臓器の創薬応用が注目を集めた。シンガポールゲノム研究所は人のES細胞から立体的なミニ中脳を作った。細胞に色素ができる過程を再現でき、手足などが震える難病のパーキンソン病研究に役立つという。

 腸の幹細胞からミニ腸を作ったオランダ・ヒュブレヒト研究所のハンス・クレバース教授は「ミニ臓器は患者の分身のようなものだ」と話す。

 一緒に研究を進めた慶応義塾大学の佐藤俊朗准教授は大腸がんをミニ腸の形で培養し、がん細胞のもとになる「がん幹細胞」ができる仕組みやがんの転移などの研究に役立てている。現在は攻撃が難しいがん幹細胞を効果的にたたく薬の開発などにつなげたい考えだ。

 ミニ臓器と、遺伝子を自在に改変できる「ゲノム編集」との融合も始まった。この新技術は患者の細胞の遺伝子異常を修復したり、正常細胞に異常を起こしたりと、簡単に遺伝子を操れる。iPS細胞だけでなく、ES細胞でも一部の病気を再現できるようになった。

 米ハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の森実隆司主任研究員は遺伝性の腎臓病の治療薬をミニ腎臓で研究する。「多発性のう胞腎」という病気の原因になる遺伝子異常をゲノム編集で再現し、病気のミニ腎臓を作製した。

 日本はミニ臓器研究が活発だが、海外では大規模な連携の動きもある。米国立がん研究所など米欧の4研究機関は昨年、約1000例のがんのミニ臓器バンクを作る計画を発表した。創薬を効率化する狙いだ。

 このプロジェクトに加わるオランダのクレバース教授は「様々ながんのDNAを調べ、患者ごとに最適な薬を予測する技術を開発したい」と語る。

[日経新聞8月21日朝刊P.11]


(下) 医療への応用どう目指す

iPSで眼の難病治療 米国立眼科研究所主任研究員カピル・バーティ氏

 京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞を開発してから10年あまり。iPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)をはじめとする幹細胞の研究は世界で活発だ。再生医療や創薬への応用を目指す米国立眼科研究所カピル・バーティ主任研究員と英ケンブリッジ大学のルドビック・バリエ教授に現状や展望を聞いた。

(聞き手は越川智瑛)

 ――iPS細胞の臨床応用をどう進めますか。

 「加齢黄斑変性という目の難病で臨床試験(治験)を計画している。患者本人から作ったiPS細胞を網膜の細胞に育て、目に移植する。早ければ2018年夏に1人目に移植する。2〜3年間で10〜12人で実施する計画だ」

 ――同じ万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)ではなくiPS細胞を選んだ理由は。

 「米国でも、日本と同じように、拒絶反応が起きにくい特殊な免疫型を持つ他人のiPS細胞を備蓄する取り組みが進む。患者本人のiPS細胞と併用することであらゆる体質の患者に対応できる」

 ――実用化には企業との連携も重要です。

 「第1相の治験では、富士フイルム傘下の米セルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI)がiPS細胞を作製する。ただ、第2相以降の相手は決まっておらず、複数の企業と交渉している。今後5〜10年の間に、私たち以外にも数多くのグループが治験を始めるだろう」

 ――日本の状況をどうみていますか。

 「研究を率いる理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーはこの分野の先頭を走り、画期的な仕事をなし遂げた。私たちの研究と共通する部分も多いが、網膜細胞の移植の方法などが違う。細胞の向きをそろえることで、移植した細胞が機能しやすくなると考えている」

ミニ胆管使い病気解明 英ケンブリッジ大教授 ルドビック・バリエ氏

 ――ミニ臓器を作る研究の進捗状況は。

 「私たちは肝臓が作る消化液の通り道になる胆管の病気の治療を目指している。患者の胆管細胞やiPS細胞からミニ胆管を作り、病気を試験管の中で再現する。まず、分子レベルで病気の仕組みを解明し、治療効果のある新薬候補となる化合物を網羅的に調べる研究を手がける。将来は、ミニ臓器を患者に移植する再生医療に応用できるかもしれない」

 ――臨床応用する場合、iPS細胞と胚性幹細胞(ES細胞)に差はあるのでしょうか。

 「ES細胞とiPS細胞の性質は非常によく似ている。ES細胞は特徴や安全性などの研究が蓄積し、臨床応用が先行している。iPS細胞の応用研究も急速に進んでおり、いずれ追いつくだろう。倫理的な面から受精卵を使うES細胞を避け、iPS細胞を利用したい研究者もいる」

 ――日本では、iPS細胞の応用研究が進んでいます。英国の状況は。

 「英国でも幹細胞の臨床応用に対し、政府の大きな後押しがある。だが基礎研究の蓄積がなければ、臨床応用は発展しない。発生生物学の研究者が肝臓ができる仕組みの基礎的な知見を積み上げてきたからこそ、私たちはミニ胆管を作る手法を開発できた」

 「山中教授も基礎科学の成果からiPS細胞を生み出した。日本は優秀な基礎科学の研究者を多く抱えており、支援を続けるべきだ」

[日経新聞8月28日朝刊P.9]



http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/655.html

[原発・フッ素48] 変えられぬ原発政策  効果疑問の福島第1凍土壁、責任不明のまま完成へ:六ヶ所村再処理工場事業費14兆円に膨張

[透視図]変えられぬ原発政策
効果疑問の福島第1凍土壁、責任不明のまま完成へ

 一度決めた原子力政策は変わらない。だれが方針を決め、だれがその帰結の責任をとるのかがみえない。象徴的なのが東京電力福島第1原子力発電所で建設が最終段階を迎えた「凍土壁」だ。


 「ウソだもん、これ」。客観的に技術を評価する原子力規制委員会の会合には似つかわしくない発言が飛び出したのは、6月28日のこと。福島第1原発の現状を検討する会議で、更田豊志委員長代理が東京電力の説明に声を荒らげた。

 東電は原発建屋に流入する地下水の量を制御するため、建屋周囲のサブドレン(井戸)から地下水をくみ上げている。合わせて1〜4号機の建屋を囲う凍土壁を完成させ流入阻止を狙う。

 凍土壁は冷凍配管を長さ約1.5キロメートルにわたって地下に埋め込み深さ約30メートルまでの土壌を凍らせる。山側の7メートルを残して凍結が終わり、最後に残りを凍らせる「閉合」の了承を規制委から得るばかりの状態だった。

 この日の東電の説明資料は地下水位を制御する凍土壁の効果を強調していた。しかし更田氏はサブドレンのくみ上げ能力を強化した結果とみて納得せず「陸側遮水壁(凍土壁)とは何の関係もない」と切り捨てた。

 最終的に、効果は期待できないが安全上問題はないとして「閉合」は了承されたものの、凍土壁の有効性に関し規制委と東電の見方の違いをあらわにする一幕となった。


「補完」のはずが

 凍土壁は最初からいわくつきだった。2013年、タンクからの汚染水漏れが相次ぎ問題視される一方で東京オリンピック・パラリンピックの招致が国家的課題だった。そんななか「汚染水対策の切り札」として政府が直接予算を投ずる事業として建設が決まった。

 粘土や砕石で地下に恒久的な遮水壁をつくるのに比べ、施工がしやすく短期間で完成が見込める「仮設構造物」として選択された。当初15年度前半の稼働をうたったが、すでに2年以上遅れた。

 技術的な有効性に疑問を呈する声は当時からあった。「切り札」と吹聴されたが、実は専門家会合ではサブドレンが不調な場合の「補完的役割」が期待されたにすぎない。しかし主役のサブドレンが順調に機能しても「降板」はない。走り出したら止まらない。建設に345億円、維持のための電気代に年間十数億円がかかり続ける。

 8月30日、規制委と東電トップの意見交換の会合。更田委員長代理は「東電は主体性を取り戻すプロセスにある」と指摘した。東電に主体性がないと指摘したも同然だ。

 廃炉などの責任を負いながらも国有化された東電には決められないことがあまりに多い。放射性セシウムなどを除去した処理済みの水(トリチウム水)の扱いもそうだ。

 では決定権者はだれか。官邸や経済産業省など組織の名はあがっても責任者が表に出て話すことはかつてない。


再処理でも問題

 日本原燃が青森県六ケ所村に建設中の使用済み核燃料の再処理工場の稼働がまた遅れそうだ。すでに23回延期を繰り返し現在は来年上期を目標にする。しかし規制委の安全審査で火災など重大事故への追加対策が検討されている。

 同社は6月、新規制基準への対応に7千億円を投じ、総事業費を1.3兆円増の約14兆円とする見通しを明らかにした。そこへさらにコスト増の懸念である。

 再処理で生ずるプルトニウムの再利用が経済的に引き合わないのは原子力委員会などの検討結果から明らかだ。加えて高速増殖炉開発の後退でプルトニウムが余剰となる心配がある。情勢の変化にもかかわらず既定路線は不変のまま。合理的に考えれば使用済み核燃料を再処理せずにそのまま処分する選択肢が出てきてもおかしくないが、影すらみえない。

 政策変更をすれば巨大な埋没費用(サンクコスト)が生ずる。その責任を問われる。変えたくない論理は役所にも企業にもある。原子力の世界でそれが著しいのは、体面を保つため余計なコストをかけても電力料金で回収する道があるからだ。

 3.11後、原子力をめぐる政産官の力関係は変わった。しかし責任者不在の風土は今も変わっていないようにみえる。

(編集委員 滝順一)

[日経新聞9月4日朝刊P.10]



http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/641.html

[国際20] 恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!

「朝鮮半島問題」をここまでこじらせてきた第一の責任国家は、日本である。

 日本ともども中国も重大な政治的危機を北朝鮮に助けられたという恩義があり、大国を自負する中国としては、日本にお願いするなり、日本の尻を叩くなり、なんとかもっと早く問題を解決させなければならなかった。

(だからこそ、12年の尖閣諸島国有化騒動を通じて、米国とともに、安倍氏が再び首相に就くよう働きかけを行った。しかし、胆力が不足している安倍首相は、現在に至るまで水面下の動きだけで目に見える進展は実現できていない)
、 
 “小国”朝鮮からきつい非難を浴びせられても、頭を垂れて恥じ入るほかないのが中国である。

 日朝平壌宣言から15年経っても物事(日朝国交正常化→米朝国交正常化)が進まないことに苛立ちを募らせている北朝鮮は、その思いを“保証人”中国にぶつけることを企図して、米中首脳会談や「一帯一路会議」の直前にミサイルを発射したり、「BRICS首脳会合」の初日に“水爆実験”を行ったりしたのである。

(北朝鮮のミサイル発射や核実験で“核心”である習国家主席の「メンツ」がつぶされたと憤る中国共産党幹部が、人民日報や環球時報を使って北朝鮮を非難するのも仕方がないことだろう。国家の「メンツ」にこだわることは、今回のような論評を公表した北朝鮮も痛いほど(一番)わかっている(笑))

 現実を見ればわかるように、政治的に決してきれいな光景ではないが、“おかしなおっさん”トランプ大統領や辣腕プーチン大統領が率いる昔からの大国の力で朝鮮半島の問題が解決されようとしている流れは、日本・中国・韓国といったアジアの国々のみっともなさやだらしなさを如実に晒している。

 今年1月のトランプ政権発足後の状況を簡潔に説明すると、米国の対北朝鮮政策が、「戦略的忍耐」(日本政府が自主的に日朝国交正常化に動くのをじっと待つ)から「戦略的扇動」(日本政府が日朝国交正常化に動く(動きやすい)ように様々な仕掛けを放つ)に転換したと言える。

 トランプ政権は、3月から4月にかけて北東アジアの軍事的緊張を高めることで安倍首相が訪朝に動くよう演出したが、北朝鮮との交渉が不調に終わり訪朝をあきらめた(4月30日)。

※参照
「お詫びと総括:ロンドンで待機した安倍首相が土壇場で“電撃訪朝”を断念したワケ」
http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/114.html


 そこでトランプ政権は、北朝鮮も日本も“メンツ”や“政治権力”にそれほどキズがつかない条件で首脳会談ができるよう、北朝鮮にすさまじい勢いでミサイル発射や水爆実験を行わせ、北朝鮮自身に「国家核戦力完成の終着点」間近と表明させた。

 今回(第2弾)のシナリオの今後を推測すれば、北朝鮮は、多段ロケット型ミサイル火星13号(映像でスペックだけ示し未発射)を成功裏に発射することで、「必要な核戦力が完成した」と宣言し、核戦力開発の動きを“凍結”(中断)すると思う。
(必要ないと思うがもう一度火星12号発射や核実験をやる可能性も)

 北朝鮮は、日本や米国に求められるかたちで核兵器やミサイルの開発をやめれば「メンツ」丸つぶれで自国民にも良い言い訳ができない。
 しかし、北朝鮮(金正恩委員長)自身が必要と考える「核戦力」を完全に獲得できたとし、今後は「核戦力」の生産に励むだけで不必要になった実験はやらないと説明すれば、北朝鮮国民も国際社会も納得するだろう。

(参照投稿でも書いたが、北朝鮮は憲法で核保有をうたっているのでそう簡単に核兵器の放棄を言明できない)

 核兵器を使用する武器としてではなく抑止力として期待するのなら、実際に核兵器を保有していなくとも、諸外国(国際社会)が核保有と運搬手段を持っていると認識してくれれれば十分である。
 今回のケースは、米露中日韓の政府は“裏事情”を知っているので、「抑止力」ではなく、各国国民向けの“何とか除去しなければならない脅威”という交渉促進材としの役割を果たすことになる。

 実に醜い国際政治の現実だが、北朝鮮が、十分な核戦力を手に入れたという状況(認識)のなかで、中長距離ミサイル発射や核実験を行う必要はなくなったと表明することで、「朝鮮半島の非核化」に向けた交渉(対話)がようやく開始できるという話である。

 ちょうど12年前の05年9月19日に合意した六者会合共同声明を基礎にすることで合意できれば、米朝国交正常化を最終条件として「核兵器放棄」(実際にはないものだが)に至る道筋を描くことができる。


※保有していても構わないと思っているが、以前から書いてきたように、北朝鮮は核兵器開発に勤しんでいない(核兵器は1発も保有していないと思う)。
 北極星1・2や火星12・14も、北朝鮮製ではなく、おそらくロシア製(打ち上げもロシア軍が担当している可能性大)だろう。だからそれらのミサイルについては、実戦配備できる“余裕のミサイル”はないはず。


 安倍首相が憲法違反(不信任決議案可決ナシ)の衆議院解散に打って出るとしたら、14年末の総選挙と同じく、「拉致問題」が絡むため政治的に吉と出るか凶と出るかわからない平壌訪問(日朝国交正常化交渉加速)後も内閣を率いて国交正常化にこぎつけなければならないという判断が第一の理由だろう。
(むろん、否応なく泥をかぶることになる日露平和条約締結も自身で実現したいと考えている)

 来年2月に開催されるピョンチャン冬季五輪は、たとえ朝鮮半島危機が演出だとしても世界の人たちはそういう裏事情は知らないわけだから、現状に近い危機的状況で開催されることをなんとしても避けたいことから(次は東京五輪で20年)、安倍首相の訪朝は年内に実現すると考えている。

(安倍首相は春から訪朝を画策していたのだから、7月の田原総一郎氏の訪朝進言はやらせだろう。主要メディアは、裏事情をある程度までは知っていながら“軍事的危機”を弄びながら商売に励んでいる)


※関連参照投稿

「北朝鮮 止める秘策はあるか:米国の安保専門家や元高官「攻撃できるとは思わない」:唯一の策は今なお有効な「日朝平壌宣言」」
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/883.html

「国民の理解も得られず憲法違反の不必要な解散を行ってまで政権の4年間延命を図ろうとする安倍首相が隠したほんとうの目的」(14年年末総選挙)
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/835.html

「拉致再調査報告、年内は困難 官房長官が見通し:事実は12年前から既知、安倍首相が腹をくくることでのみ前進可能」
http://www.asyura2.com/14/senkyo176/msg/895.html

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恥を知らない言論の放恣な行為

【平壌9月22日発朝鮮中央通信】22日に発表された正筆氏の論評「恥を知らない言論の放恣な行為」の全文は次の通り。

朝鮮の正当な自衛権行使に言い掛かりをつけた米国とその追随勢力の制裁・圧迫ヒステリーが極に達した時に、中国の一部のメディアが共和国の路線と体制を甚しく謗り、脅かしている。

最近、「人民日報」とその姉妹紙である「環球時報」、ウェブサイトである人民網、環球網は、朝鮮の核兵器保有の合法性と国家核戦力強化の自衛的性格に顔を背けたまま、あえて「わが手でおのれの目を突いたよう」「自分の首にかけたわな」に冒とくしたことにも満足せず、「西山落日の運命を免れられないだろう」と妄言を吐いたかとすれば、朝鮮核問題解決のための「国際的団結」だの、「国際シンクタンクフォーラム」の組織だの、何のというせん越な「発起」まで持ち出した。

歴史の反動層の汚らわしい排泄物である対朝鮮「制裁決議」に関連しては、中国が「朝鮮の正常な人民生活を狙わなかった」などと弁解し、「中国を隣国にしているのは朝鮮の幸運」になるという、ごく不穏当なことも並べ立てた。

一言で言って、小国である朝鮮が核兵器を持って「超大国」に立ち向かったことによって自分自身と国際社会全般を「危険」に陥れ、「天下を騒々しくする張本人」である朝鮮の力を抜くために飯の量を少し減らしたといって、それほど恨めしがることはないということである。

これは、朝鮮半島核問題の本質と朝鮮の核保有によって変化した現国際政治の現実をまともに見ることも、聞くことも、表すこともできない明きめくら、厚かましい聾唖の振る舞いとしか他に見られない。

特に、一介のマスメディアが他の主権国家の路線を公然とけなし、せん越に振る舞うことを見れば、かつて独善と偏狭によって自国人民と国際社会の信頼を相当失ったことも当然だという思いがする。

米国に引き続き引きずられなければならない自分らの窮屈な境遇に対する弁解だといっても、わが国家、わが人民の尊厳をあえて侵害したことに対しては看過することができない。

すでに強調されたが、朝鮮の核抑止力の保有は世紀を継いで強要されてきた米国の極悪非道な対朝鮮敵視政策と核脅威・恐喝を根源的に一掃するための朝鮮労働党と国家の戦略的決断によるものであり、これによって朝鮮はついに、地球上の絶対兵器である大陸間弾道ロケット装着用水爆まで保有することになった。

この時刻にも米国は、「北朝鮮の完全破壊」を公然と唱えて数回の戦争を行っても余る膨大な戦略装備を朝鮮半島と地域に引き入れて核戦争挑発の凶悪な謀略をめぐらしており、危険極まりない秘密戦争謀議までこらしている。

歴史と現実は、自らの強力な力だけが暴悪の核から自分を守ることができるという深刻な教訓を刻み付けさせている。

特に、去る4月、中国をはじめとする周辺の諸大国の面前でこれ見よがしに強行したシリアに対する軍事攻撃はトランプ行政府が唱える「力による平和」がどんなものかを国際社会に実物で見せたし、北京が感じるのも少なくなかったであろう。

問題は、そんなに堂々と「社会発展の道に対する独立自主」と「独特な主権地位」を主張していた「人民日報」と傘下のマスメディアがトランプのツイッター記事もあざ笑う筋金のない流言を乱発しているかということである。

国際政治史に対する眼識や一見識のない素人の売文家でないなら、当然、自分から知って他人について論じなければならない。

こんにち、朝中国境では米国主導の対朝鮮「制裁決議」の悪結果によって果たして、誰が絶望に陥ったのかを物語る反映が相異なる対照の中で響き出ている。

最近、朝中貿易で失敗したある中国人企業家は「私は政治や外交はよく知らない。しかし、一つだけは明白に言うことができる。大きくない国である朝鮮が米国という超大国にも堂々と立ち向かって言うべきことを全部言い、やり遂げるべきことを全部やり遂げるが、わが中国はなぜ、そのざまか分からない。東北3省の多くの中・小企業がおびただしい損害を受けるのに何が恐ろしくて米国にへつらっているかということである。本当に恥ずかしいという言葉だけ出る。人々の腐敗より国家の腐敗がより恐ろしい」と述べた。

これが、民心である。

文字通り人民の代弁紙と自称する言論であるなら、他国に対する訓示よりもまさに、自国のこのような民心を読み取って代弁するために頭を使う方がよかろう。

そして、外に出て「内政不干渉原則」の発起国であることを自負する党の機関紙なら、それを鉄則としてこそ、世人の前に堂々であると言える。

「よい隣」について論じるなら、言うべきことは朝鮮がより多い。

中国が1960年代に行った初の核実験に対して当時、ソ連と米国はもちろん、全世界が糾弾声明を発表する時、唯一、国家の政府声明で積極的に支持し、力づけたよい隣がまさに、朝鮮であった。

1970年代に意気軒昂としたホワイトハウスの主人がこの国の訪問に出た時、ニクソンの中国訪問は勝利者の行進ではなく、白旗を掲げた敗北者の訪問であるという世界的な名言で大国の隣国が恥を免れてメンツを立てるようにした真の隣については当事者がよりよく知るであろう。

だというのに、何が足りなくて今は自ら白旗を掲げて米国に追従して立派な隣を非難できなくてやっきになっているのか。

社会主義陣営の恥という歴史の恥辱をひっくり返した朝鮮の非常な原則と英知によって鬱憤(うっぷん)病にかかったニクソンが辞任する最後の日まで「中国との戦争」を唱えていた行為や、こんにち、「朝鮮核問題」を口実にして「世界経済」の陥穽に陥った北京を責め立てるトランプの行為はあまりにも類似しており、それを今、世人みんなが見ている。

朝鮮が進むべき道は朝鮮が知っている。

中国が誰それに行く時、ぺたっと伏して行ったといって朝鮮もそうしなければならないという法はなく、それを見習えと強要する必要はなおさら、ない。

歴史はほぼ一世紀を突き進んできた朝鮮の道がたとえ、万難を覚悟すべき草分けの道、前人未踏の道であったが、帝国主義に精神武装解除された東欧の悲劇も、ドルのわなにかかってまともに呼吸もできない誰それのお粗末な境遇も全て免れられるようにした先見の明があって前途洋々たる選択であったということを証明した。

新しい朝鮮の体制でわが人民は豊かではないが団結の力と喜びを分かったし、闇が迫っても明るむ明日を見通す視野と度量を持った。

わざわざ朝鮮の幸運について言うなら、わが人民は誰のようにお金や卦で運を占う蒙昧な人民ではない。

たとえ、領土の大きさや人口は小さくても、どの国、どの民族も享受できない並々ならぬ幸運に浴した福に恵まれた人民であるので、むしろ、領土は大きくても魂がなく、金銭だけを追求する隣を見ながら哀れな考えを禁じ得ずにいる。

世界の数多くの国と人民も過去、力が弱くて民族の領土を丸ごと列強の角逐戦場に奪われ、その下で踏みにじられていた朝鮮が運命の大転換を迎え、地域と世界の平和守護の前列に立って「唯一超大国」にも堂々と立ち向かっている立派な姿を見ながら国と民族の真の幸運が果たして、どこにあるのかについて心に深く刻み付けている。

それとは反対に、朝鮮を単なる強盗の侵入を防ぐ前庭、「緩衝地帯」と見なして隣家に強盗が押し入っても私の飯だけ守ればよいという政治的食客の思考が実にうっとうしいと語っている。

こんにち、チュチェ朝鮮の実体にわざわざ顔をそむけて陰に陽にけなしているのはほかならぬ、米国をはじめとする不純敵対勢力だけである。

客観性と公正さを生命とする言論の使命を忘却して内政干渉を公然とこととする中国言論の軽率な行為は米国に追従して朝中両国、両人民間にくさびを打ち込む行為同様である。

歴史が長いという社会主義国の党機関紙が帝国主義と結託して社会主義朝鮮をあれほど悪意に満ちて非難することを見れば、もし、朝中両国人民を裏切ったこのような汚らわしい売文実績でもあってこそ、今後開催される党大会場に入ることができるのではないかという疑問が生じる。

中国の言論はトランプ行政府の無知な行為に追従するより、朝鮮が敵対勢力のごう慢と専横をどのように粉砕するかを隣で見守る方がよかろう。

そして、せん越に指示棒を持って他国に訓示を垂れるのではなく、自国内の問題から処理する方がよい。

朝鮮は文字通り鮮やかな朝の国であり、朝鮮で西山落日を見物するには中国の方に頭を向けなければならない。−−−

http://www.kcna.kp/kcna.user.article.retrieveNewsViewInfoList.kcmsf


http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html

[日本の事件32] 飯塚事件:事件の経緯さえ未解明のまま死刑判決に踏み出した犯罪的裁判

※ 参照投稿

「[飯塚事件]事件の経緯さえ未解明のまま死刑判決に踏み出した犯罪的裁判:DNA再鑑定の結果とは無関係で無罪のケース」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/529.html

「[飯塚事件]停車した理由さえ不明の自動車目撃情報に囚われ、解剖所見までズタズタにして作り上げられた「死亡推定時刻」」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/533.html

「飯塚事件再審棄却の平塚裁判長に問う:DNA鑑定への疑義を認めた今、他の証拠だけで遡って再び元被告に死刑判決を出せるか?と」
http://www.asyura2.com/14/senkyo163/msg/593.html

「31日の「飯塚事件」再審判断で問われる司法の自浄能力:死刑執行後・検察官から裁判官まで存命者多数・時の法務大臣も現役政治」
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/328.html

「司法全体で再審無罪の検証」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/628.html

「冤罪事件の根源的最終的責任は裁判所(司法)にアリ」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/760.html



http://www.asyura2.com/17/nihon32/msg/131.html

[国際20] 平昌五輪、参加辞退の示唆相次ぐ 欧州3か国、北情勢緊迫で:「平壌訪問」が課題の安倍首相の背中を押す動き

※関連参照投稿

「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html

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平昌五輪、参加辞退の示唆相次ぐ 欧州3か国、北情勢緊迫で[AFP=時事]
9/23(土) 4:55配信

【AFP=時事】北朝鮮の核開発をめぐる安全保障上の懸念が高まっていることを受け、フランスに続いてオーストリアとドイツが22日、韓国で来年2月に開催される平昌冬季五輪への参加を辞退する可能性を示唆した。

【写真】ソウルでお披露目された五輪メダル

 国際オリンピック委員会(IOC)が懸念を抑えようと尽力する中、冬季五輪の強国オーストリアは、安全上の懸念が高まった場合、平昌大会への参加を中止する用意があると言明。

 同国オリンピック委員会のカール・シュトース(Karl Stoss)会長は「状況が悪化し、自国選手団の安全が保障されなくなった場合、われわれは韓国には行かない」と語った。

 フランスのローラ・フレセル(Laura Flessel)スポーツ相は21日、「状況が悪化し、安全が確保できなければ、フランス選手団はここにとどまる」と述べていた。

 一方、オーストリアと同じく冬季競技の強国であるドイツは、より控えめな立場を表明。独内務省は、AFP傘下の独スポーツ通信社SIDの取材に対し、安全性に関する問題や同国選手団の大会不参加の可能性については政府、同国オリンピック委員会、そして治安当局が「適切な時期」に検討すると述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

最終更新:9/23(土) 13:52
AFP=時事

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170923-00000000-jij_afp-spo


http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/688.html

[政治・選挙・NHK233] オスプレイ 新石垣空港に緊急着陸:オスプレイ シリアで墜落 「攻撃によるものではない」:米大統領が搭乗不可は当然?!

オスプレイ 新石垣空港に緊急着陸[NHK]
9月29日 19時13分

29日夕方、沖縄県にあるアメリカ軍普天間基地に配備されているアメリカ軍の輸送機オスプレイ2機が沖縄県石垣市にある新石垣空港に着陸しました。このうち1機はエンジントラブルによる緊急着陸と見られるということです。

沖縄県石垣市にある新石垣空港管理事務所によりますと、29日午後5時前、沖縄のアメリカ軍普天間基地のオスプレイ2機が新石垣空港に相次いで着陸しました。このうち1機はエンジントラブルによる緊急着陸と見られるということです。

NHKが新石垣空港に設置したカメラの映像では午後5時前、オスプレイ1機が着陸し、そのおよそ2分後にもう1機が着陸する様子が確認できました。

2機はその後、空港の車両にけん引されて駐機場に移動しました。防衛省の関係者によりますと、2機は普天間基地から演習に向かう途中で、1機に警告灯のランプが点灯したため着陸し、もう1機には異常はないということです。

この影響で新石垣空港は一時、滑走路が閉鎖され、航空各社によりますと、数便に、最大で1時間程度の遅れが出たということです。

翁長知事「安全対策に大きな疑念と不信感」

沖縄県の翁長知事は、午後6時半すぎ県庁で記者団に対し、「アメリカ軍のオスプレイは、去年12月に名護市の沖合で、ことし8月にはオーストラリアで墜落事故を起こしたほか、ことしに入っても緊急着陸を繰り返し、1か月前にも大分空港で緊急着陸をした。こうした事態が繰り返し発生していることに県民は大きな不安を抱き、アメリカ軍の航空機整備の在り方、安全対策について、大きな懸念と不信感を抱かざるをえない」と述べました。

そのうえで翁長知事は「県としては直ちにアメリカ軍や沖縄防衛局に抗議を行うとともに、原因究明と実効性のある再発防止策、今後の安全管理の徹底について、万全を期すよう強く申し入れたい」と述べました。


相次ぐ事故やトラブル

アメリカ軍普天間基地に配備されているオスプレイは、最近、事故やトラブルが相次いでいます。

アメリカ軍普天間基地に配備されているオスプレイは、去年12月、空中給油の訓練中に沖縄県名護市の集落までおよそ800メートルの浅瀬で大破する事故を起こしました。

この日の同じ時間帯には別のオスプレイが、普天間基地で着陸装置の故障のため、胴体着陸するトラブルを起こしています。

また、ことし6月には、警告灯が点灯した1機が、沖縄のアメリカ軍伊江島補助飛行場に着陸し、その4日後には訓練中の別の1機が鹿児島県の奄美空港に緊急着陸しました。

さらに、先月にはオーストラリア沖で訓練中に乗務員3人が死亡する墜落事故を起こしたほか、山口県の岩国基地から普天間基地に向かう途中、機体のトラブルを理由に大分空港に緊急着陸しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170929/k10011161901000.html?utm_int=all_side_ranking-social_004

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オスプレイ シリアで墜落 「攻撃によるものではない」[NHK]
9月30日 4時51分

シリアで過激派組織IS=イスラミックステートに対する軍事作戦を支援していたアメリカ軍の輸送機オスプレイが墜落して2人がけがをし、アメリカ軍が事故の状況や原因を調べています。

アメリカ国防総省の当局者によりますとシリアで現地時間の29日早朝、過激派組織IS=イスラミックステートに対する軍事作戦を支援していたアメリカ軍の輸送機オスプレイが墜落したということです。この事故で乗組員2人がけがをしましたが命に別状はないということです。

当局者によりますと、今回の墜落はISなど敵の攻撃によるものではないということで、アメリカ軍で事故の詳しい状況や原因を調べています。

アメリカ軍ではことし8月、沖縄のアメリカ海兵隊の所属で普天間基地に配備されているオスプレイがオーストラリア沖で墜落し、乗組員が死亡する事故が起き、海兵隊が再発防止に取り組んでいました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170930/k10011162761000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_002


http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/225.html

[政治・選挙・NHK233] 沖縄県、辺野古工事停止の行政指導 希少種サンゴ発見報告遅れ受け:とにかく本格工事はずるずる先延ばしに!

※関連参照投稿

「前沖縄知事の判断「適法」 辺野古判決、移設是非に触れず:今回の最高裁判決ではコアの基地建設は進まずの50年裁判闘争」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/848.html

「翁長さん、安倍さん、猿芝居をぎりぎりまで続けてください」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/401.html

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沖縄県、辺野古工事停止の行政指導 希少種サンゴ発見報告遅れ受け
10/2(月) 20:23配信

 名護市辺野古の新基地建設を巡り沖縄県は2日、事業主の沖縄防衛局に対して公有水面埋立法に関連し、工事停止の行政指導を行った。

2日に県庁で会見した翁長雄志沖縄県知事は、建設予定海域で希少種サンゴ群体が見つかっていたにもかかわらず、それまでの県の照会に報告してこなかったことなどを挙げ「不適切かつ不誠実。環境保全の視点を欠き、工事進捗(しんちょく)を優先する防衛局の姿勢は大変遺憾だ」と批判した。指導では工事を停止した上で、県の立ち入り調査に応じることなどを求めた。

 見つかった希少種サンゴについて、今後予定される防衛局の特別採捕許可申請については「厳正、かつ適切に対応していく考え」と述べた。

最終更新:10/2(月) 20:23

琉球新報

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-00000021-ryu-oki


http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/359.html

[政治・選挙・NHK233] 自民党が発表した衆院選公約の要旨:パッとせずそそられない低レベルの内容

 全般的にパッとしない公約だ。
 詳細には触れないが、気になるところをざっと取り上げると...

●憲法第9条改正問題

 「安倍首相は9条1項、2項を残して自衛隊を明記する案を示していたが、2項の交戦権の否認や戦力の不保持を削除すべきだとの党内の異論も強く、「2項維持」には触れなかった」というのでは、安倍首相の意図をずたずたに踏みにじる改変である。

【「2項も維持」し第3項に自衛隊を位置付けるなら、米国も容認できるレベルのリベラルな憲法改正なのだが...】

●消費税増税問題

 安倍首相もテレビ番組で匂わせていたが、会見での岸田政調会長の説明や記者とのやり取りを聞くと、「消費税10%」は、経済の様子を見ながらぎりぎり(来年秋)の時点で決めるという話で、現時点で増税を決定しているわけではないようだ。

 増税実施前からわかっていたことだが、14年の消費税増税が長期的な税の増収につながっていないことがすでに判明しているから当然だろう。

【もともと、安倍自民党が今回の衆議院解散で「消費税10%」を持ち出した意図は、“軽減税率”(複数税率)の適用で利益が得られると首を長くして待っている新聞社(創価学会を含む)に、19年にはやるぞというニンジンをぶら下げて自民党寄りの選挙報道や協力を期待したもの)】

●北朝鮮問題

 公約の筆頭に挙げられているものだが、「北朝鮮に対する国際社会による圧力強化を主導する。すべての核・弾道ミサイル計画を放棄させることを目指し、拉致問題の解決に全力を尽くす」という内容も、オイオイと言いたくなるくらい北朝鮮寄りの表現である。

【「圧力強化を主導する」という前段の表現は勇ましいが、北朝鮮に対する課題として、「拉致問題の解決に全力を尽くす」が最初になっていないところが意味深で、拉致問題より先に書かれた「核・ミサイル」問題の解決を進めるために、「拉致」問題を一時的に棚上げ(後回しに)することもあるということだろう。また、核やミサイルの放棄が、“すべての核・弾道ミサイルを放棄”ではなく、「すべての核・弾道ミサイル“計画”を放棄」という表現になっているのも、今後の開発計画さえ凍結すればOKで、北朝鮮が既に保有している核弾頭や弾道ミサイルは放棄を(“すぐには”)実行しなくても日朝国交正常化交渉を進めることを示唆したものである】

※関連参照投稿

「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html

●幼児教育の無償化

 最後に、「3歳から5歳までの幼稚園・保育園の費用を無償化」は、所得税の調整をしないまま実施するのなら、高額所得者優遇政策になる。(低所得者にはすでに助成策が実施されているから)

 さらに、幼児教育の問題は、米国や英国の研究結果(幼児期の教育が青年期の学習などの“いい”態度に結び付く)を参照して持ち出してきたと思われるが、3歳から5歳までの子供にどういう教育を行うのが望ましいのかを先行してきちんと議論する必要がある。

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自民党が発表した衆院選公約の要旨[朝日新聞]
2017年10月2日23時10分

 【北朝鮮・安全保障】

 北朝鮮に対する国際社会による圧力強化を主導する。すべての核・弾道ミサイル計画を放棄させることを目指し、拉致問題の解決に全力を尽くす。

 イージス・アショア等の導入を含め、弾道ミサイル対処能力の向上、島嶼(とうしょ)防衛の強化など態勢を整備する。

 【アベノミクスの加速】

 ロボット・IoT・人工知能といった最先端のイノベーションを起こし、「生産性革命」を実現する。

 「人づくり革命」を力強く進めていくため、消費税10%時の増収分を子育て世代への投資に集中し、「全世代型社会保障」へとかじを切る。増収分などを活用した2兆円規模の新たな政策を年末までにまとめる。

 2020年度までに、3歳から5歳までの幼稚園・保育園の費用を無償化。0歳から2歳児も低所得世帯は無償化する。

 待機児童解消のため20年度までに32万人分の保育の受け皿を整備。

 同一労働同一賃金の実現など働き方改革を推進するとともに、最低賃金1千円を目指す。

 【財政再建】

 財政健全化の旗は明確に掲げ、不断の歳入・歳出改革努力を徹底する。基礎的財政収支を黒字化するとの目標は堅持。債務残高対GDP比の安定的な引き下げも目指す。

 【エネルギー】

 原子力は安全性の確保を大前提に、重要なベースロード電源との位置づけのもと活用。新規制基準に適合すると認められた場合、関係者の理解と協力を得つつ原発の再稼働を進める。

 【憲法改正】

 国民の幅広い理解を得つつ、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消の4項目を中心に、党内外の十分な議論を踏まえ、初めての憲法改正を目指す。

http://www.asahi.com/articles/ASKB25257KB2UTFK00W.html

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自民公約「憲法に自衛隊明記」 財政健全化の時期は削除[朝日新聞]
今野忍
2017年10月3日01時28分

 自民党は2日、衆院選公約を発表した。安倍晋三首相(総裁)が打ち出した憲法への自衛隊明記や、消費税率を10%に上げた際の増収分を教育無償化などに振り向ける方針を盛り込んだ。政権復帰後の公約で掲げていた財政健全化の目標時期は削除した。

 公約では、憲法改正を柱の一つに据えた。首相が5月の憲法記念日に言及した自衛隊の明記と教育無償化に加え、緊急事態対応や参院選の「合区」解消の4項目を列挙。これを中心に「党内外の十分な議論を踏まえ、憲法改正原案を国会で提案・発議」することをうたった。2014年衆院選公約の「憲法改正」の部分では、具体的な項目には踏み込んでいなかった。

 安倍首相は9条1項、2項を残して自衛隊を明記する案を示していたが、2項の交戦権の否認や戦力の不保持を削除すべきだとの党内の異論も強く、「2項維持」には触れなかった。

 3歳から5歳までの幼稚園・保育園の費用無償化や32万人分の保育の受け皿整備の2年前倒し、低所得世帯に限定した高等教育無償化などもうたい、こうした施策に消費増税の増収分を充てる方針を示した。政策経費を借金なしで賄えるかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を20年度までに黒字化する、との目標は削った。(今野忍)

■自民党公約の骨子

●北朝鮮への国際社会の圧力強化を主導

●イージス・アショア導入などミサイル対処能力を向上

●消費税10%時の増収分を子育て世代へ集中投資

●2020年度までに幼稚園・保育園を無償化、32万人の保育の受け皿を整備

●自衛隊の明記など4項目を中心に憲法改正

●基礎的財政収支黒字化の目標は堅持

●新規制基準に適合する原発の再稼働

http://www.asahi.com/articles/ASKB24VWZKB2UTFK00N.html?iref=pc_extlink


http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/364.html

[政治・選挙・NHK233] 日本の領土を政略実現のいけにえにするつもりか 朝鮮中央通信社論評

 北朝鮮が日本の選挙について結果が出る前に論評をするのは極めて珍しい。

 「労働新聞」の論評では、森友学園や加計学園の問題を指摘して、より具体的に安倍政権を批判しているようだ。
 日本はほぼほとんどの有権者が「悪いのは北朝鮮!!」と思っているらしいので、北朝鮮の安倍政権批判は、総選挙に臨む安倍自民党にとっては“追い風”になる。

 パククネ大統領時代のパク罵倒論評や楽しげにやっているトランプ大統領との掛け合い罵り脅迫に較べると穏当なもので、金正恩北朝鮮が安倍政権に気を遣っていることがよくわかる。


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「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html

「自民党が発表した衆院選公約の要旨:パッとせずそそられない低レベルの内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/364.html

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日本の領土を政略実現のいけにえにするつもりか 朝鮮中央通信社論評

【平壌10月2日発朝鮮中央通信】最近、首相の安倍と内閣官房長官、外相をはじめとする日本の政府当局者らが反共和国圧殺騒動に熱を上げている。

先日、国連総会で安倍はわが問題について、「対話ではなく、圧力が必要だ」などと一場の演説をしたかとすれば、各国の首脳に会って「国際社会の連携」を鼓吹しながら国連の舞台を奔走した。

特に外相のポストに就いたばかりの河野が、国連安保理理事国の外相らと電話対話を行う、中東諸国を訪問するとして、対朝鮮圧迫共助を哀願する醜態を演じて世人の嘲笑(ちょうしょう)を買っている。

内外を訪ね回っていわゆる演説、テレビ放送出演、首脳会談、電話対話など対象と場所、手段と方法を選ばずわれわれに対する「最大の圧力」を言い散らす日本政客らの行為は実に狂的な騒動だと言わざるを得ない。

「朝鮮半島危機論」「北の脅威説」を政略的に利用する日本反動層の下心はすでに、国際社会の前にことごとくさらけ出された。

米国の対朝鮮圧殺策動に便乗して日本がしつこく起こしている制裁・圧力騒動は、われわれの対応を「誘導」して朝鮮半島情勢を引き続き緊張させようとするところに目的がある。

「安保危機」だけ高調させれば自分らの政略的目的を容易く達成することができるという打算である。

朝鮮半島情勢による「安保危機」説こそ、憲法改正に反対する内外の強い抗議を静め、国の軍国化を促すと同時に、内部の結束を図って不正腐敗、経済難などによって窮地に追い込まれた現執権勢力を救出するうえで、なければ作ってでも出すべき「有用な問題の種」なのである。

日本の反動層はすでに組織犯罪処罰法を改正し、防衛費を大幅に増強したし、内閣改造に続いて衆議院を解散して早期選挙戦に入るなど、不純な政治目的を電撃的に実現している。

しかし、会心の笑みを浮かべるにはあまり早い。

朝鮮のことわざに楽しんだ谷に虎が出るというものがある。

朝鮮半島情勢の緊張をあおり立てる日本の反共和国制裁・圧力騒動はすなわち、日本列島に核の雲をもたらす自滅行為である。

一触即発の情勢がいつ、どの時刻に爆発して核戦争と化するかは誰も知らないことであるが、いったん、火がつけば瞬く間に全日本列島を呑み込むようになるということは、あまりにも自明の事実である。

地球で唯一に核惨禍を被った日本人民が、またもや幾人かの軍国主義反動分子らの政略実現のいけにえになるなら、それは世紀の悲劇になるであろう。

日本の政客らは、朝鮮半島の情勢悪化から利得をむさぼりながら無分別に振る舞う前に、その結果から深く考えるべきである。−−−

http://www.kcna.kp/kcna.user.article.retrieveNewsViewInfoList.kcmsf



http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/380.html

[政治・選挙・NHK233] (2017衆院選)岐路に立つ平和 作家・半藤一利さん:「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」朝日の歪んだ報道

 半藤一利さんの思いはわかるが、北朝鮮は、戦前の日本ほど愚かではない。

罵り合いの背景や意図はともかく、六者協議での合意違反と言うことならどっちもどっち(米日サイドも北朝鮮サイドという意味だが、より悪質なのは日米の合意違反:合意不履行)というなかで、9回もUN安保理制裁決議が採択され、10年間も経済制裁を受けていても、UNを脱退しないで「主権活動」と舌戦を繰り広げている。
(戦前の日本は常任理事国でもあり国際連盟に居残って主張を続けることは十二分にできた)

 「「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」朝日の歪んだ報道」は、産経新聞の古森氏の論考だが、半藤氏の論旨を無視したほとんど意味のないもの。


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「恥を知らない言論の放恣な行為:北朝鮮が米国追随の中国をボロ糞に批判:「北朝鮮危機」は年内(平昌五輪前)に解決へ転換!」
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/675.html

「自民党が発表した衆院選公約の要旨:パッとせずそそられない低レベルの内容」
http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/364.html

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(2017衆院選)岐路に立つ平和 作家・半藤一利さん
2017年9月29日05時00分

「不倫やスキャンダルを暴く『文春砲』の照準を、政治家の国防観の危うさにこそ向けるべきだ」=山本和生撮影

 衆議院が解散された。安倍晋三首相自ら「国難」と表現した情勢下、国民は政権選択を迫られる。与党が3分の2以上を占めたり、同調する勢力が増えたりすれば、9条を含めた憲法の改正は現実味を増す。今回の選挙が日本の歴史で持つ意味は何か、国民は投票で何が問われるのか。昭和史を見つめてきた半藤一利さんに聞く。

 ――半藤さんは昭和を中心に日本の近代史を深く見てきました。そうした歴史的な視点から見て、今回の解散、総選挙の意味をどう考えますか。

 「これからの日本の針路が戦争と平和のどちらを主軸に進むのかを左右する、極めて重要な選挙だと思います。岐路に立つ日本で、冷静な議論が求められるときに、安倍さんが今回、『国難突破解散』とおっしゃって危機感ばかりをあおっていることに強い違和感を覚えます。国難といって現在、最大の問題は北朝鮮情勢でしょうが、これはご自分がつくっていませんか、自作自演の危機ではないか、と申し上げたい。安倍さんは国連総会で、今は対話の時でなく圧力をかけるべき時だと述べてきましたが、それでは危機を高めるばかりです」

 「昭和史で似たようなケースがありました。日中戦争が始まった後、ドイツが間に入って和平工作を手がけました。まとまりかけたのですが、現地軍がこれを無視して進撃を続けて当時の首都南京を陥落させてしまう。和平の条件をつり上げて中国国民党を率いていた蒋介石を怒らせてしまう。この時、近衛文麿首相が『蒋介石政権を対手にせず』と言い放ち、解決は遠のきました。結局、戦争は泥沼化していきます。このように和平の結実は実に微妙なものです。それを勇ましい言葉で台無しにした歴史の戒めを思い起こします」

     ■     ■

 ――現在の北朝鮮情勢の中で、日本ができることがありますか。

 「不幸な経験ですが、日本には対立が不毛な結果しか招かなかったという痛みの過去がある。また唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたヒトラーのドイツと組んで三国同盟を結び、破局へ導いた時代が脳裏に浮かびます」

 ――野党やマスコミは「大義なき選挙」と批判しています。

 「そうとばかりはいえないでしょう。大げさに言えば、日本の選挙ではありますが、トランプさんがやっている力の誇示と威迫の手法を信認するか、しないかを問う選挙にもなるのです。安倍さんが国難突破と位置づけたことで、そのパートナーであるトランプさんと合わせて、平和を維持するために動くか、逆に制裁をさらに強めることを支持するのか、期せずしてそうした大問題を問い直す選挙になったと思います」

 ――かつて日本で、危機を前面に出して戦われる選挙などがあったでしょうか。

 「選挙ではありません。が、権力闘争に使われたことがある。第2次大戦で、ドイツがフランスへ攻め入りパリを陥落させた際、日本国内では三国同盟に反対してきた米内光政内閣を『バスに乗り遅れるな』のかけ声の下、引きずり下ろす材料にしました。畑俊六陸軍大臣を辞任させ、陸軍が後任を出さず内閣総辞職に追い込んだ。ドイツと組むため都合のいい内閣として第2次近衛内閣が組閣され、三国同盟が締結される。太平洋戦争への道を一瀉(いっしゃ)千里に進み、揚げ句、亡国寸前まで至ります」

 ――安倍首相は、「日本を取り戻す」と言い、言論の自由を侵しかねない特定秘密保護法を施行させ、内心の自由を損ねると批判がある共謀罪の内容を含む組織的犯罪処罰法を改正しました。憲法9条に抵触する疑いのある安全保障関連法なども手がけてきました。

 「かねて安倍さんが言ってきた『戦後レジームからの脱却』というのはこうしたことだったのでしょう。私たちは戦後、国民主権、基本的人権の尊重、平和国家を三本柱とする新日本を建国したと思っていました。安倍さんが『脱却』と言っても、『そんなことができるか』と高をくくっていた。しかし、3年ほどであなたが指摘した法律を次々と実現させた。改憲したわけではないが、緊急事態法制以外は、ほぼ目的を達成させてしまいました」

 「以前、麻生太郎副総理がナチスドイツの手法を引き合いに、『ある日、気がついたらワイマール憲法が、ナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか』と言って問題化しました。しかし集団的自衛権の行使容認について、憲法を変えずに、閣議決定で可能にした。まさにナチスの手法を学んだようです」

     ■     ■

 ――衆院選の自民党公約に憲法9条への自衛隊明記を盛り込むと安倍首相は明言しました。

 「今度の選挙で与党で3分の2、あるいは安倍さんの改憲案を支持する勢力がそれに匹敵する勢力を持てば可能でしょう。しかし、その前提としての諸法律はすでに整備済みで、いわば9条改憲は集大成に過ぎません」

 「戦前の軍機保護法にかわる機能を特定秘密保護法が担うでしょうし、政府に反対するものたちを次々に押さえることも共謀罪を駆使すれば可能です。メディアの統制も、政権に不都合な取材を共謀行為と認定すればわけないことです。記者が3〜4人も引っくくられれば、新聞社も一気に萎縮するでしょう。改憲の前に、そうした道具を着々と整えてきたんです」

 「平和や自由という戦後の日本人が得た価値を守るのは、若い世代の人たちの役割です。しかし、それらが当たり前のものとして育った世代には、本当の大切さ、失った時の怖さが骨身にしみていないのでしょう。Jアラートが鳴って、頑丈な建物に避難する、机の下に潜り込む。それらが全く無駄とは言いませんが、本質はミサイルが飛ばないよう、政府に外交を展開させ、平和を確実にさせることです」

 「私が子供の時は戦争中でした。爆弾なんか怖くないとか、焼夷(しょうい)弾もすぐ消せる、なんて歌を教えられました。信じた人が昭和20(1945)年3月10日の東京大空襲の際、自ら消そうとして火炎の渦に包み込まれました。そんな愚を繰り返してはなりません」

 ――小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党は憲法改正に肯定的です。民進党も党の方針がぐらついて見えます。半藤さんがおっしゃる政策や外交の受け皿になる政党が、見当たりません。

 「野党の離合集散が始まったようですから、先行きは読めません。ただ、都民ファーストの会の都議に、毎日新聞が憲法改正の賛否を聞いたら、ほとんどが無回答でした。自民党予備軍なのかどうか、見極めが必要でしょう」

     ■     ■

 ――日本の将来をどう築くかといった本質的な問題より、目先の利害調整、例えば消費税の使い道や、どこの政党がくっつくか、安倍さんと小池さんがどうやり合ったか、といったおもしろさ、すなわち政治の劇場化の様相が濃くなってきました。

 「満州事変の際、国際連盟の派遣したリットン調査団の報告に基づく満州撤退の対日勧告を不服として、日本代表の松岡洋右が連盟の議場から退場した時、日本の世論と新聞は喝采しました。当時は犬養毅首相が海軍の青年将校に殺される5・15事件の発生もあり、政党政治が液状化していました。国民が松岡のパフォーマンスに反応したのは、そんな閉塞(へいそく)状況に思考停止に陥っていたからでした」

 「森友、加計両学園問題を抱える安倍政権が、高い支持を得ています。それが信頼からだ、とは思われません。低成長や高齢化などによる閉塞感が背景にあって、『日本を取り戻す』というかけ声にいちるの望みをかけているとしたら、不健全で危険な兆候です」

 ――結局、どういう未来を選択するかは私たち有権者です。今度の選挙で、国民は何を問われ、突きつけられていると考えますか。

 「冒頭、極めて重要な選挙になるといいました。問われるのは、有権者の世界観です。日本だけでなく、米国も欧州も内向きになっている。世界全体で取り組まねばならない、環境や平和、貧困や格差是正も自国ファーストで解決しようとする。しかし、全体で譲り合い、調整しなければ大きな問題は解決できません。北朝鮮の問題についても、自国の安全だけを大事に考えていては、本当の解は得られないでしょう。この地域で利害を共有する日中韓3カ国が北朝鮮を説得して話し合いのテーブルに戻すしかないでしょう」

 「1930〜40年代の日本は、まさに今の北朝鮮の似姿です。あのとき、日本をなだめたり説得したりできる国はなかった。しかし、今は日本がそうした役回りを発揮できるはずです。針路を決めるということは、そうした大戦略を持つ政党があるかどうか見極めること、無ければ有権者自らが声を出して政党を叱咤(しった)激励することです。そこまでの積極的な関与が求められる複雑でやっかいな時代に入ってしまったのです」

 (聞き手 編集委員・駒野剛)

    *

 はんどうかずとし 1930年生まれ。53年に文芸春秋に入り、雑誌「文芸春秋」編集長などを務める。「日本のいちばん長い日」「昭和史」など著書多数。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S13156456.html?_requesturl=articles%2FDA3S13156456.html&rm=150


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「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」朝日の歪んだ報道
10/1(日) 13:17配信


【まとめ】

・朝日新聞、「岐路に立つ平和」と題する作家半藤一利氏のインタビュー掲載。

・曰く、「北朝鮮危機は安倍首相の自作自演」であり、「今の日本はヒトラーのドイツと同じ」、「自国の安全だけを大事に考えていては本当の解は得られない」というもの。

・半藤氏の見解を大々的に報じる朝日新聞の思惑は大きく歪んでいる。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明・出典のみが残っていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=36408のサイトで記事をお読みください。】


「北朝鮮危機は安倍晋三首相の自作自演だ」「いまの日本はヒトラーのドイツと同じ」――という趣旨の極端な世界観や歴史観が朝日新聞9月29日朝刊で1ページのほぼすべてを使って紹介された。ひどく偏向したこの意見は歴史作家の半藤一利氏によって表明された。

北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの脅威に直面する日本が危機を訴えることが「自作自演」であり、北朝鮮と対話しないことがヒトラーのドイツとの同盟に等しいというのだから、実態からかけ離れた政治的な断定だともいえるだろう。

このゆがんだ認識は朝日新聞同日のオピニオン&フォーラムというページに「岐路に立つ平和」とのタイトルで、「『国難』は自作自演 勇ましい首相発言 和平壊した過去も」という見出しの長文のインタビュー記事で大々的に伝えられた。語り手は反安倍政権の言辞で知られる昭和史作家の半藤一利氏で、全体のトーンはいまの日本の平和を壊すのは北朝鮮ではなく、安倍首相だと読み取れる基調で一貫している。

まず以下のような記述があった。

≪(安倍首相は)国難といって現在、最大の問題は北朝鮮情勢でしょうが、これはご自分でつくっていませんか。自作自演の危機ではないか、と申し上げたい。≫

北朝鮮の危機は事実ではなく、安倍首相がつくりあげている、というのだ。「自作自演」とは実際には存在しないことをでっちあげて、事実であるかのように偽り、他者をだますことである。北朝鮮の核武装のための再三の核爆発実験も、日本の方角に向けて、これまた再三、発射される弾道ミサイルも、安倍首相のでっちあげ、だというのか。この80代なかばの歴史作家は本当に朝日新聞の掲載どおりの言葉を述べたのだろうかと、いぶかりたくなる。

だが半藤氏はさらに安倍非難を続ける。

≪安倍さんは国連総会で、今は対話の時ではなく圧力をかける時だと述べてきましたが、それでは危機を高めるばかりです。≫

とくに安倍氏に限らず、北朝鮮の核兵器開発に反対する側はもう20年近くも対話に努めてきた。だが北朝鮮は核武装放棄のための対話には一切、応じず、今日にいたった。だからこそ米国も日本も、圧力となったのだ。しかも国連でも圧力の象徴である北朝鮮への経済制裁に安全保障理事会の15ヵ国すべてが賛成した。

だが半藤氏は安倍首相の国際協調のその態度が日中戦争の際の日本軍部の南京攻撃に似ているとして、とてつもない連結の非難をぶつけていく。そして頻繁に「ヒトラーのドイツ」へと、いまの日本を重ね合わせるのである。

≪日本には唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたドイツのヒトラーと組んで三国同盟を結び、破局は導いた時代が脳裏に浮かびます≫

半藤氏はここでは北朝鮮の核武装を防ぐためにトランプ大統領の政策に同調することがドイツのヒトラーと組むことに等しいと断ずるのだ。

半藤氏はさらに安倍政権非難の歩を進め、安倍政権自体がナチスと同じだとも述べる。

≪(安倍政権は)集団的自衛権の行使容認について、憲法を変えずに、閣議決定で可能にした。まさにナチスの手法を学んだようです。≫

とにかく時代の違いも、国際情勢の違いも、無視して、いまの安倍政権を戦前戦中の軍部主導の日本に、さらにはヒトラーのドイツに、なぞらえるのが半藤氏の一貫した手法なのである。

では半藤氏は北朝鮮の核兵器の脅威に日本はどう対処すればよい、というのか。「被爆国として核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせる」と半藤氏は唱える。日本は「核戦争の悲惨さ」の訴えはもうさんざんしてきたではないか。だが北朝鮮の核武装の阻止にはなんの効果もなかったではないか。核兵器の保有をいまや国是として掲げる北朝鮮に「核戦争の悲惨さ」を言い聞かせて、核開発を止めさせるなど、妄想ではないか。

半藤氏は現実にはまったく効果のないことがすでにさんざんに立証された、この種の妄想をさらに唱える。

≪北朝鮮の問題についても、自国の安全だけを大事に考えていては、本当の解は得られないでしょう。この地域で利害を共有する日中韓3ヵ国が北朝鮮を説得して話し合いのテーブルに戻すしかないでしょう。≫

自国の安全だけを大事に考えてはならない、とはどんな真意なのだろう。どの国でも自国の安全を大事に考えることが国家の国家たる大前提だろう。だが半藤氏はそれをやめろ、という。さらに日本と中国と韓国がまとまって、北朝鮮を説得して、話し合いのテーブルに戻せ、というのだ。

そんな話し合いで北朝鮮にどのように核兵器を放棄させるのか。そもそもこの種の話し合いは6ヵ国協議などで、すでにさんざんに試みてきた作業である。その話し合いはなんの成果を生まなかったどころか、北朝鮮に核兵器や長距離弾道ミサイルの開発のためのさらなる時間を与えてしまったのである。

実効を生まず、実現さえも難しい選択肢をいかにも現実性があるかのように提示することは、結局は北朝鮮の核武装を容認することでもあろう。

日本の安全さえも大事にしないことを提唱する半藤氏のゆがんだ見解をこれほど大々的に報じる朝日新聞の思惑も、これまた大きくゆがんでいると断じざるをえないようだ。

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)


https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171001-00010001-jindepth-int&p=1


http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/381.html

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