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[原発・フッ素46] 福島廃炉・賠償費20兆円 経産省推計、想定の2倍:核燃料が施設外帯水層ではカネをかけても廃炉できない可能性が大

福島廃炉・賠償費20兆円 経産省推計、想定の2倍[日経新聞]
2016/11/27 2:00

 経済産業省が東京電力福島第1原子力発電所で起きた事故の賠償や廃炉費用の合計が20兆円を超えると推計していることがわかった。11兆円としてきたこれまでの想定の約2倍に膨らむ。東電の財務を支えるため、無利子融資枠を9兆円から広げる方向で財務省などと協議する。原発の事故処理費用の一部はほかの電力会社も含めて電気料金に上乗せするため、国民負担の増大が避けられない。

 複数の関係者によると、経産省は新たな推計を東京電力の経営改革や資金確保策を話し合う同省の有識者会議の委員らに伝えた。

 福島第1原発事故では、賠償や除染、汚染土を保管する中間貯蔵施設の整備、廃炉に費用がかかる。これまでの見積もりは賠償が5.4兆円、除染は2.5兆円、中間貯蔵施設は1.1兆円。廃炉は不明確だったが、東電が確保のめどをつけたのは2兆円だった。

 新たな見積もりは賠償が8兆円、除染が4兆〜5兆円。作業が最低30〜40年続く廃炉はこれまで年800億円だった費用が年数千億円に膨らむとみており、総額も数兆円単位で上振れする。中間貯蔵施設の費用も合わせて20兆円を超える。

 費用の大幅な上振れは、前回見積もった2013年末には想定しなかった賠償対象件数の増加や、除染作業の難しさが主な理由だ。廃炉は溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しが始まる20年代前半を控え、原発内部の状況が徐々に明らかになるにつれて2兆円では到底収まらないことが確実になった。

 廃炉費以外は原子力損害賠償・廃炉等支援機構が政府から交付国債を受け、必要なときに現金化して東電に無利子で貸し付けている。当初5兆円だった国債の発行枠を13年度に9兆円に広げており、再び拡大する。

 廃炉費は東電が利益を積み立てて負担する。原賠機構と東電は費用の膨張も踏まえて年明けに再建計画を改定し、政府が認定する。東電や他社の電気料金への上乗せをなるべく抑えるには東電が収益力を高め資金を捻出する必要がある。

 すでに火力発電・燃料調達事業は中部電と全面統合を視野に提携しているが、今回の改定で送配電や原子力事業でも再編・統合の方針を盛り込む。他社から広く提案を受け、収益力の向上につながる統合相手を選ぶ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H2I_W6A121C1MM8000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/845.html

[国際16] 日中の相互研究を「公共知」に:中国が主張する海洋主権範囲は国民党政権の立場を継承したもの

[私見卓見]日中の相互研究を「公共知」に 早稲田大教授 劉傑

 1988年、中国国営テレビで「河殤(かしょう)」という歴史ドキュメンタリー番組が放送され、中国社会に大きな衝撃を与えた。黄河と黄土によって育まれた中華文明の閉塞性を反省し、中華民族の復興のため海に向けて国を開くべきだというメッセージを発したのだ。

 天安門事件後、番組は放送禁止の処分を受けたものの、「海洋国家」という強国構想は水面下で温められてきた。中国の最近の海洋戦略は、こうした長年のビジョンの具現化とみることができる。

 中国人の根底にある発想は「弱い国はいじめられる」という意識だ。中国人は経済成長によって大国の誇りを取り戻す一方で、屈辱的な近代史の記憶に基づいて今日の世界を認識している。

 また、海の主権範囲に関する中国の主張は49年までの蒋介石が率いた国民党政府の立場を継承したものだ。台湾を含む「一つの中国」を主張する共産党政権にとって、これを変更することは自らの正統性を否定することにつながり、認めがたい事情もある。

 日本では台頭する中国は地域の覇権を追求する脅威になるのではないか、国際社会のルールを守らないのではないかといった警戒が強い。日中の信頼関係を阻害するのは国民同士のトラウマだ。領有権の主張自体は互いに取り下げられないが、対立を回避する道はある。それは「知の共同空間」から生まれるはずだ。

 大きな問題は、東アジアで日本研究が停滞していることだ。地域の国際関係に深刻な影響を及ぼしているといえる。近代において、中国の知識人は日本経由で西洋の「知」の概念を貪欲に吸収しながらも、日本研究にはあまり関心を示さなかった。そのため、中国では本当の意味の「日本学」も「アジア学」も確立されてこなかった。

 現在、中国内の日本研究拠点は100カ所程度。研究者も1千人規模にとどまり、千年以上の厚みを持つ日本の中国研究に比べてあまりに貧弱だ。一方、日本の中国研究は日本国内で消費され、その成果は十分に中国に伝わっていない。知の断絶は相互信頼にもろさをもたらした。

 日本研究と中国研究をアジアの「公共知」に育成することが求められる。そのためには研究者同士の交流のほか、日本研究を志す中国人学生の育成などを進めるべきだ。歴史と領土問題の克服には、双方の国民が旧意識から脱却することが不可欠だ。

[日経新聞11月21日朝刊P.18]


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/503.html

[医療崩壊5] がん狙撃手現る 世界初の中性子照射装置

がん狙撃手現る 世界初の中性子照射装置
住友重機、19年度にも
2016/11/24付

 中性子を利用してがん細胞だけを破壊する次世代の放射線治療装置が2019年度にも日本で産声を上げる。主な担い手は住友重機械工業で、京都大学などと臨床試験(治験)を進める。陽子線や重粒子線を使った先端の放射線治療装置より患者への体の負担はさらに軽くできるとみられる。日本の医療機器産業の国際競争力強化にもつながる。

 関西国際空港の対岸にある京大原子炉実験所(大阪府熊取町)。敷地内の「イノベーションリサーチラボ」の分厚い扉を開けると、部屋の中に加速器と呼ばれる機械がある。この機械が次世代の放射線治療装置の実用化のカギを握っている。

■皮膚・脳腫瘍向け

 次世代の放射線治療装置を使った治療の手順はこうだ。(1)がん患者にホウ素薬剤を注射する(2)がん細胞にホウ素が集まる(3)人体には害が少ないタイプの中性子を体外から照射する(4)がん細胞内にあるホウ素と中性子がぶつかり、アルファ線とリチウム粒子が発生する(5)がん細胞がアルファ線とリチウム粒子で破壊される――。


 この治療法は「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」と呼ばれる。従来の放射線治療装置では、体の外からX線や陽子線などを照射してがん細胞を破壊する手法を採っている。いわば外から攻めるやり方だ。

 BNCTはがん細胞を破壊するアルファ線とリチウム粒子をがん細胞の内部で作り出すところに最大の特徴がある。外からではなく、内から攻めるやり方だ。BNCTの治療装置の治験を京大と進めている住友重機械工業の亀田義仁・医療システムグループ部長は「周囲の正常な細胞に悪影響をほとんど与えない」と説く。

 中性子が届く範囲は体の表面から6センチメートル程度の深さまで。BNCTの対象は皮膚がんや脳腫瘍などに限られてしまうという欠点はある。

 だが、がん細胞が広範囲に転移して手術が難しいような場合でも、BNCTなら治療できる。X線や陽子線による外からの攻撃では、体に負担がかかるが、BNCTはがん細胞を内部から破壊するので、がんが再発した患者に対しても実施しやすい利点がある。

 実用化のネックは中性子をどうやって発生させるかだった。実験用の原子炉から中性子を取り出して臨床研究が進められてきたが、原子炉の数は限られるうえ、稼働には安全上の制約もある。

 住友重機械工業は原子炉に代わる中性子発生装置として加速器を京大と共同で開発、病院に設置できるようにした。

 強力な磁場を発生させて、水素の原子核である陽電子を装置の中で光に近い速度まで加速させ、金属の一種のベリリウムに衝突させると、中性子が発生する。加速器の大きさは縦2.5メートル、横3メートル、奥行き1.6メートル程度。実験用の原子炉の約19分の1の体積だ。

 住友重機械工業は18年度にBNCTの治療装置の製造販売承認を厚生労働省に申請、19年度の発売を目指す。現時点で治験に入り、実用化時期を示しているのは住友重機械工業だけだ。

 住友重機械工業は建設機械や精密機械が主力製品だが、陽子線治療装置や陽電子放射断層撮影装置(PET)用サイクロトロンシステムなども手掛けている。17年3月期の連結売上高は6600億円、営業利益は430億円を見込む。

 新興国の経済成長や先進国の高齢化で医療機器の市場は拡大するとみられる。BNCTを品ぞろえに加え、成長の原動力にする考えだ。

 治験は京大と総合南東北病院(福島県郡山市)で進んでいる。京大の田中浩基准教授は「早く治験を終えて、がん治療の現場に生かしたい」と語る。総合南東北病院の渡辺一夫理事長は「がん患者とその家族が世界から福島に集まってくる」と地域経済への波及効果を期待する。

 BNCTの実用化を後押しするもうひとつの要素がホウ素の技術だ。中性子ががん細胞の中でホウ素とぶつかったときにアルファ線とリチウム粒子を発生させやすくするには、特定のホウ素だけを取り出して濃縮し、それを薬剤にする必要がある。

 この技術を確立したのが化学品製造のステラケミファの子会社だ。ステラファーマ(大阪市)は大阪府立大と共同でBNCT向けのホウ素薬剤を開発中だ。住友重機械工業などが進めている治験にも参加している。ステラファーマの浅野智之社長は「日本から世界へ最先端の医療技術を発信したい」と意気込む。

■日立系など追走

 内視鏡をはじめとする診断装置では日本企業は存在感を示している。だが、心臓ペースメーカーや人工関節といった市場規模の大きい製品では、米ジョンソン・エンド・ジョンソンやアイルランドのメドトロニックといった欧米勢に圧倒され、輸入額が輸出額を大幅に上回る。

 政府は20年に医療機器の輸出額を11年比2倍の1兆円に伸ばす目標を掲げている。経済産業省の担当者は「最先端の医療機器としてBNCTを海外に出す」と語る。

 BNCTの実用化で住友重機械工業を追いかけているのが日立製作所の米子会社、アクシステクノロジー(カリフォルニア州)などだ。直線型の加速器で中性子を発生させるときに使う金属をリチウムにしている。住友重機械工業などが開発する装置よりコストを下げられるとみている。

 リゾートトラストのグループ会社で、実験用機器などを製造するCICS(東京・江東)は国立がん研究センターと共同でアクシステクノロジーの加速器を使ったBNCTの治験の準備を進めている。CICSの藤井亮取締役は「承認を得られれば、年2台は販売したい」と語る。

 東芝もBNCT実用化レースに加わった。筑波大学や高エネルギー加速器研究機構などと一緒に17年度にも治験を始める。東芝は医療機器子会社のキヤノンへの売却を決めているが、放射線治療装置に関する部門は本体に残している。原子力発電所の建設や運営を中核事業としていることもあり、中性子に関する知見は豊富だ。「安価で使い勝手のよい装置で寄与できれば」と東芝の原子力事業部新技術応用プロジェクト部の平田寛部長は語る。

(井上孝之、熊本支局長 佐藤敦)

[日経産業新聞2016年11月24日付]

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO09834340S6A121C1X11000/?dg=1


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/407.html

[国際16] 北方領土返還「一部でも」60% 現実策求める声増加:安倍サポート記事だが、60年に及ぶ北方領土への“こだわり”は何だった
何だった?


※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

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北方領土返還「一部でも」60% 現実策求める声増加[日経新聞]
本社世論調査、「4島すべて」29%
2016/11/27 22:15

 北方領土の返還に向けたロシアとの交渉にどう臨むべきか聞くと、「北方領土が一部でも返ってくるよう交渉すべきだ」が60%に達した。同じ質問をした8月から6ポイント上昇した。「北方領土の4島すべてが返ってくるよう交渉すべきだ」は29%で7ポイント低下した。

 安倍晋三首相は12月15日に来日するプーチン大統領と会談し、平和条約交渉の前進を目指す。外務省幹部は「経済協力の議論は進んでいるが、領土そのものの交渉はやはり簡単ではない」と話す。領土問題の解決がなかなか見通せない中、4島返還にこだわらず現実的な解決策を求める世論が強まっていると言えそうだ。

 「一部でも返ってくるよう交渉すべきだ」と答えた人は、内閣支持層や自民党支持層で共に62%に達した。民進党支持層で68%、無党派層で57%と、いずれの層でも過半数を占めている。年代別でみても18〜29歳、30代、40代、50代、60代のすべての層で6割を超え、戦前・戦中生まれを多く含む70歳以上でも57%だった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H1X_X21C16A1PE8000/?dg=1


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/510.html

[国際16] 不正があったとしても、トランプ氏よりヒラリーさんを有利にする方向だったはず

 大統領選で連邦レベルの不正があったとしたら、2期続いたオバマ政権ということもあり、トランプ氏ではなくヒラリーさんを有利にする方向で行われたはずである。

 連邦制であることや米国大統領選の仕組みから、不正があったとしても、連邦レベルではなく州単位で行われた可能性が高い。そのような観点で見れば、問題になっている州は、元来民主党優位なので、やはりヒラリーさんを有利にする細工が行われたと推測できる。

 ハッキングによる得票数の操作も疑われているが、ロシアや中国そして北朝鮮などをハッキングの“犯人”とするキャンペーンを行ってきた米国政府機関は、大統領選に関しそのような動きを取り上げていない。

ロシアがハッキングなどで大統領選に介入するという“噂”はあったのだから、当然監視は行われていたはずである。

そのような経緯から、ハッキングがあったとしても、“犯人”は、ロシアなどではなく米国政府機関と考えるのが妥当で、米国政府機関が“犯人”であるなら、不正の内容はヒラリーさんを有利にするものと推定できる。

 何より、ヒラリー陣営がこれまで騒がなかったことが、トランプ氏を有利にする不正が行われなかった(もしくはヒラリーさんを有利にする動きがあった)と考える傍証になる。

 開票直後の投稿で、

「米大統領選アップデート:激戦2州でトランプ氏勝利へ:いずれの勝利でも開票集計をめぐり未曽有の騒動か?」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/201.html

とタイトルに付けたが、ヒラリー陣営は接戦で敗北しているのに、すぐに敗北宣言を行い、再集計を求める動きも見せてこなかった。

 ヒラリー陣営は、大学研究者や緑の党候補者の“不正疑惑”表明を受けるかたちで再集計というか投開票の確認を求める動きを見せ始めた。

 再集計を求める期限はあと10日ほど(12月第2週水曜日まで)と言われているが、ヒラリー陣営は、墓穴を掘るような申し立てを行うのだろうか。

 なお、次に示す投稿で書いたように、電子投票装置でトランプ氏に投票できない仕掛けがあったことは既に報じられている。

「米大統領選 選挙人獲得数と得票数が逆転:トランプ勝利が意図されないものだったら予測と“対応”の誤りが原因」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/234.html


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/513.html

[国際16] 仏 野党の共和党 予備選挙でフィヨン元首相が勝利:プーチン氏が世界のキングメーカーに:米国に続き仏でも“親露”政権誕生へ

 仏共和党の大統領選候補を決める予備選の一回目が終わった後、プーチン大統領は、会見で、首位に立ったフィヨン氏を称える演説を行った。(予備選1回目投票前に行われたTV討論で、フィヨン氏は露との協力の必要性や制裁解除を訴えた)

 フィヨン氏は予備選第一回目で敗れたサルコジ氏の大統領時代に首相を務めており、サルコジ氏とプーチン大統領の親密な関係をフィヨン氏も継承すると思われる。

 来年4月(第1回目)から5月(決選)にかけて行われる仏大統領選は、オランド政権の不人気ぶりから、右派(フィヨン)−右派(ルペン)対決になると推測される。
 国民戦線のマリーヌ・ルペンさんも親露的スタンスなので、どちらが勝ったとしても、ロシアとの協力関係を表立って推し進める政権が生まれることになるだろう。

 ただ、米国オバマ政権にしろ仏オランド政権にしろ、表立ってはプーチン露批判を繰り返しているが、真意は反露ではない。
 ウクライナ政府のデフォルトに伴う欧州銀行危機とロシアが取り返したいクリミア半島の交換“密約”を隠すための小芝居だからである。

 次期米国大統領のトランプ氏も来春誕生する仏新大統領も、これまで“事情”ゆえに裏に隠れていた対露政策を表に出していくにすぎない。

 プーチン大統領が“評価”した政治家が、米国そして仏の大統領に就くという“異様な”状況は何を意味しているのだろうか。(一つはリベラリズムの後退を示唆)

 西側で憎まれっ子になっているプーチン大統領が世界のキングメーカーになるという摩訶不思議な世界になっている。

 そういうプーチン大統領は、日露交渉を通じて、安倍首相の政権基盤をより強固なものにする“縁の下のキングメーカー”の役割を担うだろうか?

 阿修羅では日露交渉の失敗をあれこれ言う投稿が多いが、安倍政権が日朝国交正常化よりも先に日露平和条約交渉に動いたということを考えると、安倍首相の“外交力”評価を高めるものが日露交渉を通じて出てくるとの予感がある。


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仏 野党の共和党 予備選挙でフィヨン元首相が勝利[NHK]
11月28日 10時09分

フランスでオランド大統領の支持率が低迷する中、来年春の大統領選挙で有力候補になると見られている中道右派の野党、共和党の候補者を決める予備選挙が行われ、フランソワ・フィヨン元首相が勝利しました。

フランスでは景気の低迷や相次ぐテロの影響で左派・社会党のオランド大統領の支持率が落ち込んでいて、来年4月の大統領選挙では、中道右派の最大野党、共和党の候補者が有力候補になると見られています。

27日、共和党の統一候補を決める予備選挙の決選投票が行われ、いずれも首相経験のあるフランソワ・フィヨン氏とアラン・ジュペ氏との間で争われた結果、フィヨン氏が66%余りを得票して勝利しました。フィヨン氏はパリ市内で勝利宣言を行い、「国を守りたいと願うすべての人に手を差しのべたい。フランスの価値を守り、多様な人々と分かち合いたい」と述べ、大統領選挙への決意を表明しました。

フィヨン氏は62歳、サルコジ前大統領の下で5年間、首相を務めました。法人税の引き下げなど企業への支援を通じて経済の再生を図る一方、同性婚のカップルの権利を制限するなど、保守的な公約を掲げていて、外交面ではロシアとの関係を重視するとしています。

大統領選挙では、与党・社会党の苦戦が予想される一方で、移民の受け入れやEU=ヨーロッパ連合に反発する極右・国民戦線のルペン党首が支持を伸ばし、共和党のフィヨン氏と激しい選挙戦を繰り広げるものと見られています。


フィヨン氏が勝利宣言

予備選挙で勝利したフィヨン氏は、27日夜、パリ市内で記者会見を開きました。

集まった支持者から大きな歓声で迎えられたフィヨン氏は「フランス国民は、これ以上、この国が低迷していくことに耐えられなかったのだと思う。私たちの政策がこの国を救う唯一のものだと確信している」と述べ、さまざまな分野での改革を訴えたことが勝利につながったという見方を示しました。そのうえで、「来年の大統領選挙を一緒に戦ってくれれば、必ず勝利をおさめ、改革を実現する」と述べ、来年春の大統領選挙に向け、さらなる支持を呼びかけました。

支持者の若い男性は「数週間前まであまり注目されていなかったフィヨン氏が、今、多くの支持を集めていることは、国民が変化を望んでいるというメッセージだと思う」と話していました。

また、支持者の70歳の男性は「フランスが置かれている状況は非常に悪く、フィヨン氏が公約に掲げる経済改革を進めてくれることを期待している」と話していました。


ジュペ氏 フィヨン氏支援を強調

予備選挙で敗北したアラン・ジュペ氏は、パリ市内で支持者を前に、「望んでいた結果には届かなかったが、感謝をもって選挙運動を終える」と述べ、大統領選挙ではフィヨン氏を全面的に支援していくことを強調しました。

ジュペ氏は、立候補を表明して以来、今月20日に始まった予備選挙の直前まで世論調査でトップを走っていただけに、支持者の間からは落胆する声が聞かれました。

このうち、若い女性は「ジュペ氏には左派の社会党支持者まで引きつける力がありました。最後の最後でこれほど大差をつけられて敗れたのはとても残念です」と話していました。

また、若い男性は「本当にがっかりしている。フィヨン氏が勝利したことで、大統領選挙では国民戦線のルペン氏との戦いが厳しくなるのではないか」と涙ながらに話し、保守色の強いフィヨン氏では大統領選挙で左派の支持が得にくくなり、極右政党のルペン党首と厳しい争いになることを懸念していました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161128/k10010786531000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_008



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/518.html

[戦争b19] マスコミ:米国はアレッポ包囲終了についてロシアと合意しようとしている:アレッポ攻防戦は政府軍勝利に向け最終局面に

 アレッポの悲惨な成り行きはいたたまれないが、責任の大半は、過激派(俗に言うテロリスト)と穏健派(反アサド勢力)を引き離すという米露合意を履行しなかった米国オバマ政権にある。

 イラクのモスル攻防戦(ISは米英仏のアセットなので八百長だが)では、ISが市民を盾としているために市民の犠牲が出るのもやむなしと説明しながら、同じ状況のアレッポについては、市民の虐殺を続けているアサド政権とロシア軍といった説明を行うのが西側の政府とメディアである。

 結論だけで申し訳ないが、プーチン・ロシアは、これまでの経緯から反政府勢力に向けて弾を撃てない米英仏の代理として、シリア内戦の終結作戦を実行しているという観点がないとシリア・イラク内戦の実相は見えてこない。

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マスコミ:米国はアレッポ包囲終了についてロシアと合意しようとしている[スプートニク日本語]
2016年11月28日 15:49(アップデート 2016年11月28日 15:52)

米国のケリー国務長官は、間もなく自身のポストから退くにもかかわらず、シリアのアレッポについてロシアと合意に達するために努力を続けている。ワシントン・ポスト紙が、国務省関係者らの話を引用して伝えた。

ワシントン・ポスト紙は、「去りゆくジョン・ケリー国務長官は、アレッポ包囲終了についてロシアと合意に達するために、すさまじく、さらには想像を絶する外交努力を行っている」と報じた。

その一つとして同紙は、ケリー氏とロシアのラヴロフ外相との週に2度の電話会談、また最近ペルーで開かれたAPEC閣僚会議の場での会談を挙げている。 ワシントン・ポスト紙によると、ケリー氏は、トランプ次期米大統領が大統領就任後にロシアと全く異なる合意に達し、その結果米国が「直接的にシリアのアサド大統領側」に立つことを危惧している。

ここ数か月でアレッポの状況は極めて悪化し、アレッポとその近郊では激しい戦闘が行われている。テロリストらは、東部地域に一般市民20万人から30万人を引き止めている。

https://jp.sputniknews.com/politics/201611283059062/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/210.html

[政治・選挙・NHK216] 防衛省、実は9月にサイバー攻撃が発覚

防衛省、実は9月にサイバー攻撃が発覚[スプートニク日本語]
2016年11月28日 17:23(アップデート 2016年11月28日 17:21)

防衛省の通信ネットワークが9月にサイバー攻撃を受けていたことが明らかにされた。28日、「ジャパン・タイムズ」紙日本版が報じた。

この結果、防衛省と自衛隊の駐屯地、基地を結ぶネットワークが破られ、陸上自衛隊のシステムが侵入された。 防衛省は情報の漏洩が起きた可能性があるとする一方で、その被害の規模については詳細を明らかにしていない。

今回のサイバー攻撃を専門家らはかなり高度な複雑なものと評価している。 サイバー攻撃が発覚すると防衛省指導部は情報の安全レベルをただちに引き上げ、省と自衛隊では内部者のインターネットの利用が一時的に禁じられていた。

https://jp.sputniknews.com/japan/201611283059318/


http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/664.html

[戦争b19] アルジェリア・日本人質事件、仏軍空爆で首謀者死亡か:仏米がリビアで空爆

アルジェリア・日本人質事件、仏軍空爆で首謀者死亡か[スプートニク日本語]
2016年11月28日 12:35(アップデート 2016年11月28日 16:03)

共同通信は27日の米ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)の報道に基づいて、2013年のアルジェリア人質事件の首謀者とされるイスラム武装組織指導者ベルモフタール容疑者が今月、フランス軍の空爆により、リビアで死亡したもようだと伝えた。同容疑者の死亡情報は過去にも伝えられたが、テロ組織側が否定の声明を出すなど決め手を欠いている。しかし、当局者は「これまでよりも信頼性がある」と話したという。

ベルモフタール容疑者はアルジェリア人。13年1月、イスラム武装組織「覆面旅団」を率いてアルジェリア南東部のガス田施設で、プラント建設大手「日揮」(横浜市)の駐在員ら日本人10人を含む、少なくとも40人が犠牲になったアルジェリア人質事件を起こした。

フランス軍の空爆は米情報機関との連携で行われた。両国の当局者は「死亡が確認されれば、米仏をはじめとする対テロ作戦の大きな成果だ」と話したという。

https://jp.sputniknews.com/world/201611283058044/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/211.html

[国際16] 日本は南クリルの露ミサイル配備は容認できない、菅官房長官

日本は南クリルの露ミサイル配備は容認できない、菅官房長官[スプートニク日本語]
2016年11月25日 18:33(アップデート 2016年11月25日 20:13)

菅官房長官氏は南クリル諸島(日本の言う北方領土)へのロシアのミサイル配備について記者会見で「遺憾であり、受け入れられない旨をしっかり抗議した」と強調した。

長官はブリーフィングで記者らに対し、日本としては配備は受け入れられないとして、11月24日、外交チャンネルを通し、断固とした抗議を申し入れた事実を明らかにした。

https://jp.sputniknews.com/japan/201611253049042/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/523.html

[国際16] 親ロシア派のフィヨン氏が予備選挙で勝利 寡黙な人々の心をつかむ

親ロシア派のフィヨン氏が予備選挙で勝利 寡黙な人々の心をつかむ[スプートニク日本語]
2016年11月28日 19:58(アップデート 2016年11月28日 21:51)

仏大統領選に向けた右派、中道陣営の予備選挙で元首相のフランソワ・フィヨン議員が当選。来春の大統領選挙への出馬が決まった。

フィヨン氏は社会、経済問題では右派、中道派陣営のほかのライバルと立場は似通っているものの、外交問題に対する姿勢は異なり、「最も親ロシア派の候補」と呼ばれてきた。

フィヨン氏は国際政策に関するよりプログマティックな姿勢で他のライバル候補に際立った。シリアについては「ダーイシュ(IS,イスラム国)」に勝ち、テロ闘争に勝つためにアサド氏とのコンタクト回復をためらいなく呼びかけており、ロシアとの統一した国際連合軍の創設はかかせないと主張している。

フィヨン氏は米国との戦略的同盟には疑いを抱いてはいないものの、仏現政権の対露政策については愚かな失敗とこきおろしている。サルコジ前大統領はすでにフィヨン氏の当選を祝したメッセージを送っている。

「フランソワ・フィヨン氏の勝利を心から祝いたい。これからの政治闘争での成功を祈念する。」サルコジ氏はツィッターにこうした声明を表した。

サルコジ氏は、右派と中道は2017年5月の政権交代をなんとしても勝ち取るためにフィヨン氏の周りに一つにまとまるべきと指摘している。

https://jp.sputniknews.com/europe/201611283059665/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/524.html

[国際16] ドゥテルテ大統領、露中との軍事同盟の可能性についてコメント:軍事同盟を結ぶ気はない、幅広い友好協力関係が重要

ドゥテルテ大統領、露中との軍事同盟の可能性についてコメント[スプートニク日本語]
2016年11月28日 18:37(アップデート 2016年11月28日 21:03)

フィリピンのドゥテルテ大統領は、フィリピンはロシアと中国と防衛、経済分野で同盟を組む可能性があるとしていた先の声明について、ロシアのテレビRTからのインタビューに答えた。

「自分としては軍事同盟を組むつもりはない。こういうことはフィリピンはもう50年代に仕方なく行なってきた。だが私は中国とロシアという新たな友人らと協力を行う構えだ。これは全世界に平和を推進するためだ。」

ドゥテルテ氏は、10月に表した先の声明についてRTから、フィリピンとロシアの軍事協力は現在、どういう状態にあるかとの問いにこのように語っている。

ドゥテルテ大統領は「米国は武器輸出の停止決定を採ったと聞かされた」、「それではと、答えたね。『へっちゃらだね。こっちには友がいるんだ。そいつのところには兵器なんかごろごろしているさ』と」と指摘している。

ドゥテルテ大統領は、プーチン大統領との会談で「あれが欲しい、これが欲しいなど一切言ったことはない」と断言し、「プーチン大統領には私が必要としているのはただ1つ、友好関係だと言った。私は狭いグループ諸国との付き合いに限定する気はない、ほかとも相互関係を築くつもりだってことを世界に示す必要がある。なぜなら私たちは主権国家であり、万人と外交、ビジネス関係を維持せねばならないからだ。そうした関係が我々に利益をもたらしてくれるとすれば、私は神さまに感謝するよ」と語った。

https://jp.sputniknews.com/asia/201611283059458/

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ロシアとフィリピン、国防協力を議論[スプートニク日本語]
2016年11月25日 22:55(アップデート 2016年11月26日 00:24)

フィリピンとロシアの代表は防衛協力を討議する。リアノーボスチ通信がロシアのメドヴェージェフ首相の指示内容を引用して報じた。

「ロシア・フィリピン両国防省間の国防協力合意調印をめぐる交渉の実施についてロシア国防省側の提案をロシア外務省と協調しながら採択すること」と命令文にある。

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は自身の訪問準備のためにロシアに自国の外相及び国防相を派遣することを公約した。

https://jp.sputniknews.com/politics/201611253051892/

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ドゥテルテ大統領 露中と共に全てを完全にする[スプートニク日本語]
2016年11月20日 22:43(アップデート 2016年11月20日 23:13)

フィリピンのドゥテルテ大統領は、同国の対露、対中関係に関する見方を示した。

ドゥテルテ氏はペルーの首都リマで行われているAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で次のように強調した。「露中とフィリピンは全てを完全なものにする。」

ドゥテルテ氏はまた、プーチン大統領との会談は「非常に生産的」だったと指摘した。

先にドゥテルテ氏は、氏には露中の「新秩序」参加の用意があるとの声明を出した。

https://jp.sputniknews.com/politics/201611203032274/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/525.html

[国際16] 中国、フィリピンの漁容認を表明 スカボロー礁で

中国、フィリピンの漁容認を表明 スカボロー礁で

 【北京=山田周平】中国政府は22日、フィリピンと領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の海域について、フィリピン漁民による漁を容認したことを明らかにした。中比首脳が10月に開いた会談で、関係改善で一致したことに伴う措置とみられる。中国はフィリピンのドゥテルテ政権を取り込み、南シナ海を巡る争いを沈静化させる狙いだ。


 スカボロー礁はフィリピンの首都マニラのあるルソン島から約200キロメートル西にある環礁。比漁民が伝統的に漁場としてきた。中国が2012年から実効支配し、比漁民の操業を妨害。首脳会談で南シナ海問題の平和解決で合意した後、妨害はやんでいた。

 中国外務省の耿爽副報道局長は22日の記者会見で、スカボロー礁の海域で「フィリピン漁民が漁を行うことについて、友好に基づいて適切に処置した」と述べた。中国がフィリピン側の漁を容認していることを明確に認めたのは初めてだ。

 南シナ海の領有権を巡っては13年、フィリピンのアキノ政権(当時)がオランダ・ハーグの仲裁裁判所に提訴。今年7月に中国の主張を全面的に退ける判決が出たものの、ドゥテルテ政権は対中関係の改善を優先する姿勢を示していた。

 ドゥテルテ大統領は19日、ペルー・リマで開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、中国の習近平国家主席と会談。スカボロー礁の環礁内を中比双方の禁漁区とすることを提案していた。

 ドゥテルテ氏として中国に緊張緩和の具体策を示したものだ。ただ、耿副報道局長は会見で「中国の黄岩島に対する主権と管轄権は変わらない」と改めて主張し、環礁内を禁漁区にするフィリピンの提案への対応には触れなかった。

[日経新聞11月23日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/526.html

[国際16] EUに迫るポピュリズムの脅威 試される仏独の安定

<FT特約>EUに迫るポピュリズムの脅威 試される仏独の安定

 欧州連合(EU)は近年、多くの過酷な試練に直面してきた。ユーロ危機や難民危機、ロシアのクリミア編入、英国のEU離脱決定、そしてEU統合の概念に異議を唱え、北大西洋条約機構(NATO)同盟の価値に懐疑的な米国の次期大統領の選出だ。

 試練はこの先数カ月で何倍も大きくなりそうだ。各国で予定される選挙や国民投票の結果から、EU存続に対し引き続き十分な支持を得られるかどうかがわかるだろう。まず、12月にイタリアで憲法改正を問う国民投票とオーストリアの大統領選が行われ、3月にはオランダで総選挙がある。オーストリアとオランダでは、極右候補の当選がもはや非現実的とは言えない。イタリアも政情不安が新たな局面に入れば、同国のユーロ加盟継続が危うくなりかねない。

 4、5月に実施されるフランスの大統領選で極右候補が選ばれれば、EUが持ちこたえられる可能性は低くなるだろう。極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首はフランスのEU離脱を問う国民投票の実施を公約に掲げ、EUの存続を脅かしている。

 だが、欧州の政治には依然として力強さがある。ドイツのメルケル首相が4期目に向け、首相候補として来秋の議会選への出馬を決めた。首相に再選されれば、連立政権の樹立はこれまでよりずっと複雑な作業となるだろうが、同氏は混乱期でも安定感を保ってきた。50%以上の支持率を維持しながら、難民危機に勇敢に対応し、欧米の自由主義秩序の礎となってきた価値観を守っている。

 フランスでは、中道・右派陣営の大統領予備選でフィヨン元首相が2位以下に大差をつけた。保守派の有権者も、広がりつつある大衆迎合主義(ポピュリズム)に(危機感を持ち)挑もうとしているといえる。(27日の決選投票に臨む)同氏は政界の新顔ではないが、共和党のジュペ元首相に比べ既存エリートといった印象は薄い。

 欧州をポピュリズム席巻の脅威から守るには、フランスとドイツという2つの強力なエンジンの復活が欠かせない。

(22日付、社説)

=英フィナンシャル・タイムズ特約

[日経新聞11月23日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/527.html

[アジア21] 映画「君の名は。」 アジアでヒット 中国は7000カ所/タイや香港でも上映

映画「君の名は。」 アジアでヒット 中国は7000カ所/タイや香港でも上映

 【北京=太真理子】アジアで新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」の上映が広がり、各地で人気を集めている。12月2日に公開の中国では、7千カ所以上での上映が予定されている。

 北京で映画制作を学ぶ大学生、戴正陽さん(20)は21日の試写会で「半年間、この日を待ちわびていた」と言って目を輝かせた。

 「君の名は。」は身体が入れ替わってしまう高校生の男女のラブストーリー。8月下旬の公開後、日本での売り上げは11月13日までに180億円を超えた。

 東宝によると10月下旬に公開された台湾でも大ヒットし、台湾で公開された日本映画の中で興収1位となった。11月の2週目にはタイと香港でも公開され、同週末の興収1位となった。

 北京での試写会で新海氏は「この2年間、全身全霊でこの作品に取り組んできた」と語った。世界のファンには「本当に楽しんでほしい」と呼びかけた。

 中国での配給を手掛けるアクセスブライトの代表取締役の柏口之宏氏は、日本での公開から中国での公開までの期間が通常より大幅に短いことを強調し、「中国のファンの強い熱意のあらわれだ」と話した。

[日経新聞11月23日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/16/asia21/msg/640.html

[戦争b19] イラン国防省、ロシアの戦闘機Su-30の購入を検討中:購入済みの地対空ミサイルS300はフォルド核施設周辺に配備

イラン国防省、ロシアの戦闘機Su-30の購入を検討中[スプートニク日本語]
2016年11月27日 05:41

イランのホセイン・デフガン国防相によれば、イランはロシアの戦闘機Su-30の購入を検討中である。Tasnim通信が伝えた。

「国防省ではロシア戦闘機Su-30購入が討議されている」とのこと。

先に伝えられたところによると、イランはロシアから輸入したS-300ミサイルをフォルド核施設周辺に配置。

https://jp.sputniknews.com/middle_east/201611273054992/



http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/214.html

[国際16] プーチン氏、反転攻勢  武力誇示と「情報テロ」米欧の間隙突く

[ニュース解剖]プーチン氏、反転攻勢
武力誇示と「情報テロ」米欧の間隙突く


 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と安倍晋三首相が12月に日本で行う首脳会談まで1カ月を切った。日本側は北方領土問題を前進させる好機ととらえるが、予断を許さない。欧州連合(EU)からの英国離脱に続き、ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利するなど世界が激変する中で、プーチン氏は何を狙い、どう動くのか。(モスクワ=古川英治)


 ロシア第2の都市サンクトペテルブルク。毎朝9時前になると、4階建てのビルに若者が次々入っていく。看板には「ビジネスセンター」とだけ書かれ、窓はカーテンで締め切られている。ここはネット世論を操作する「トロール部隊」の拠点だ。


国挙げて世論操作

 複数の元従業員の証言によると、4万ルーブル(約6万9千円)程度の月給で約400人が勤務し、週7日24時間体制で宣伝工作を行う。ソーシャルメディアへの書き込みに加え、架空の人物になりすましてブログを運営する部隊もある。英語など外国語も使いオバマ米大統領や欧州連合(EU)をおとしめるプロパガンダを国内外に拡散する。

 ウクライナで親ロ政権が崩壊した2014年の政変を機に、プーチン氏はクリミア半島を併合、同国東部にも軍事介入し、米欧との関係は悪化した。対ロ経済制裁を発動した米欧に対し、ロシアは武力の誇示と同時に国営メディアによる宣伝工作や世論操作、サイバー攻撃を組み合わせた「ハイブリッド(混合)戦争」を仕掛ける。

 ロシア国営テレビは1月、ベルリンでロシア系少女が移民にレイプされたと報道した。これをソーシャルメディアがあおり、抗議デモにつながった。ドイツ当局の捜査でこの事件はでっち上げだったことが分かった。EU内で対ロ制裁を主導するメルケル政権の不安定化を狙ったロシア側の動きとみられる。

 米大統領選への揺さぶりも疑われる。民主党のヒラリー・クリントン氏が大統領候補に選ばれる直前に民主党全国委員会がハッカーに攻撃され、機密メールが流出した事件で、米政府はロシア政府の関与を断定した。

 「1週間も訓練すれば米政府機関のセキュリティーシステムは誰でも破れる」。ロシアの元治安機関員は軍や治安機関が傘下にハッカー集団を擁していると明かす。米欧への世論操作についても「クレムリン(ロシア大統領府)は草の根運動の破壊力を認識している」と話す。

 来年それぞれ議会選と大統領選を控える独仏の情報当局はロシアの介入を警戒する。クレムリンに近い金融機関が反EUの仏極右指導者、マリーヌ・ルペン氏の政党に融資したことも明らかになった。欧州外交筋は「ロシアは外交ではなく工作活動に注力している」と指摘する。

 ロシアの言い分では、米欧への攻撃は「自衛」だ。プーチン氏はウクライナの政変を「米国の陰謀」と断じる。クリミア併合を宣言した14年3月の演説で、北大西洋条約機構(NATO)の東欧への拡大などロシアの反対を無視した米欧の動きを列挙し、「ウクライナで西側は一線を越えた」と主張した。

 ウクライナの行方はプーチン氏にとって死活問題だ。スラブ・正教文化の発祥の地であるウクライナは米欧と異なる価値観を掲げるプーチン氏の求心力の根幹に関わる。ウクライナで民主改革が進み、欧州統合に向かえば、強権体制を敷くプーチン氏に対する国内の反対運動も再燃しかねない。

 対米欧でプーチン氏が最終的に目指すのは、第2次大戦末期、米英ソの指導者が東欧などの戦後処理を取り決めた「ヤルタ協定」のような勢力圏の分割を受け入れさせることにある。そのためにはウクライナなど旧ソ連諸国への影響力を取り戻し、大国として米国と対等な関係を確保しておく必要がある。

 米大統領選でロシアがトランプ氏勝利を歓迎したのは、同氏が一貫してロシアとの関係改善を主張したからだけではない。経済界出身で、既存の理念や価値観にこだわらないトランプ氏とはウクライナ問題などで「取引」できると期待するからだ。

「対日交渉急がず」

 プーチン氏は日本をこうした戦略の中で見ている。最大の関心は日本が戦略的に利用できる存在かどうか。米国の反対にもかかわらず、安倍首相が5月と9月にロシアを訪問したことを評価し、訪日に傾いた。そこには対ロ制裁を巡るG7の結束を乱す狙いが見え隠れする。裏返せば、トランプ氏の対ロ政策次第で日本の重要性は変わる。

 安倍首相が狙う北方領土問題打開の道のりは険しい。19日の日ロ首脳会談後の会見でプーチン氏は日程が固まっているはずの訪日について「もし、日本を訪問すれば」と意図的に前置きして質問に答えた。従来、前向きな発言が目立った安倍首相のトーンも変わってきた。22日にはロシアによる北方領土へのミサイル配備も明らかになった。

 プーチン氏は15年5月にモスクワで開いた対独戦勝70周年式典に首相が欠席したことを忘れていないという。ウクライナへの軍事介入に抗議する米欧首脳がボイコットする中、首相も最後は米国に配慮した。「日本は米国から独立した外交はできない」との不信感がぬぐえない。

 トランプ氏が選挙戦での発言通りに対ロ関係改善に動くのか、日本の対ロ接近にどう反応するのかも読めない。ロシア政府関係者は12月の日ロ首脳会談で北方領土問題を巡る交渉を急ぐ理由はないと断言する。

 「すべてはトランプ氏次第だ」


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/528.html

[原発・フッ素46] もんじゅ、10年間は技術研究利用…解体と並行:最後まで失敗ではないとするかたちづくりにこだわる文科省

もんじゅ、10年間は技術研究利用…解体と並行
読売新聞 11/29(火) 7:20配信

 政府は高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、今後約10年間は廃炉に向けた解体作業と並行して、高速炉の安全性を高める技術の研究を継続する方針を固めた。

 次世代炉の開発に向けて、ノウハウを蓄える狙いがある。経済産業省と文部科学省が30日の「高速炉開発会議」で示す。廃炉作業は約30年後に完了する計画で、同会議が来月に取りまとめる報告書にこれらの計画を盛り込む方針だ。

 政府は年内に、もんじゅを廃炉にする方針を決めた上で、来年度にも解体に向けた作業に着手する見通し。約10年間は並行して、原子炉を冷却する液体ナトリウムを取り扱う技術など、安全技術の研究を続ける。

最終更新:11/29(火) 9:40

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161128-00050171-yom-sci


http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/855.html

[国際16] プーチン・安倍会談を前にした防衛計画の発表、これは偶然か?:ミサイル配備で安倍政権が見せた「一日の間(ま)」の意味は

 ロシアが国後島と択捉島に対艦ミサイルを配備したという報道で何より怪訝だったのは、“北方領土”にミサイルが配備されたことへの安倍政権の対応ぶりである。

 タイトルに付加した「一日の間(ま)」というのは次のような経緯を表している。(関連記事記事は末尾に転載)

 ミサイル配備報道の翌日、菅官房長官は、択捉島と国後島に新型ミサイルが配備されたことがロシアとの平和条約交渉に影響があるか問われ、「全くない」と答えている。

 仮に、そのような対応を民主党(民進党)政権が行っていたら、“主権放棄の弱腰外交”と非難囂々だったろう。
 国後島も択捉島も、日本政府が長年にわたって“日本固有の領土”と主張し、首相などロシアの高官が訪問すると抗議など厳しい対応を見せてきたところだからである。

 おかしな対応を見せているなと思っていたら、その翌日、首相・外相・官房長官が、露のミサイル配備に対し、“遺憾に思う”・“抗議する”・“遺憾であり抗議したい”と厳しい態度に変わった。

 どこかから助言があって態度を変えたのか、初めからそういう二段構えの対応を考えていたのかはわからないが、「一日の間(ま)」は、日露交渉の進展状況をいろいろと推測させる奇妙なものであったことは確かである。

※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

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プーチン・安倍会談を前にした防衛計画の発表、これは偶然か?
オピニオン
2016年11月30日 12:15
タチヤナ フロニ

プーチン大統領の訪日まで残すところ1ヶ月弱。この段になって両国とも互いにとって非常に気に障る知らせを発表している。

ロシアは南クリル諸島の2島への沿岸用ミサイル複合の「バスチオン」と「バル」の配備を明らかにし、日本政府は「ジャパンニュース」紙の報道によれば、今年度予算中に米国の広域防空用ミサイル「パトリオット−3」の購入のために追加予算を組むと断言した。
共同通信も、防衛省は米MDの「戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)」の国内配備を検討する委員会を設置する計画だと報じている。

12月、稲田防衛相はグアムでTHAADを自身の目で視察しようとしていることはすでに知られており、この後詳細がつめられ、来夏までには最終的な決定がとられる。

ただしこの日本の計画の発表時期については、ロシア人軍人専門家のウラジーミル・エヴセーエフ氏は偶然に選択されたものではないとの見方を示し、次のように語っている。

「交渉の中心テーマは平和条約締結の条件と領土問題の解決となる。だが交渉はあらゆる方向性について行なわれるだろう。軍事政治対話の枠内ではロシアの沿岸ミサイル複合『バル』と『バスチオン』についても、日本のTHAAD国内配備の可能性についても話が及ぶ可能性は十分ある。

妥協に達するために双方はそれぞれの計画を修正するとおもう。日本は購入する兵器の数、その型、展開の場所をいじるだろう。ロシアも譲歩として『バスチオン』を取り除くかもしれないが、それには日本の側に何らかのそれと同等な行動がなければ成り立たないだろう。

このため双方とも日本での交渉の前に自分のポジション固めを行い、独自の交換のための可能性を作ろうとするだろう。我々が目にしているのは今のところ交渉プロセスの形成にすぎない。」

アナリストの間ではまさに2島にミサイル複合を配備したということに政治的な暗示がこめられているとする見解が挙げられている。つまりこの2島はロシアのものだが、シコタン(色丹)とハボマイ(歯舞)は日本との妥協の対象になりうるという示唆だ。
これについて歴史家で日本専門家のアナトーリー・コーシキン氏にマイクを向けてみた。

「抑止戦力として防衛システム『バスチオン』と『バル』をイトゥルプ、クナシル両島へ配備するという話はすでに今年3月の時点でショイグ国防相が明らかにしていた。このため、ロシア指導部がまさにこの配備によって安倍首相との交渉を前に自分のポジションを固めているというのは、私は根拠に欠けた話だと思う。

一方で日本領内へのMD配備は朝鮮民主主義人民共和国の核ミサイルの脅威に対抗するために必要だと説明されているが、この米国のMDはロシアのミサイルシステムに対しても同様の効果を発揮するために用いられうるではないか。

たしかに双方とも、ミサイルというテーマは12月のプーチン・安倍会談には影響しないと確証しているが、これで対立の要素がさらに増やされたことになる。このため実際はこの要素によって両国の国境線画定の合意はさらに複雑化する恐れがある。」

隣国韓国は今年7月、THAADの配備を決めた。日本はこの計画を支持し、逆にロシアと中国は異議を唱え、憂慮の念を現した。中国黒竜江省社会科学アカデミー北東アジア調査センターの笪志刚所長は次のような見解を表している。

「日本がすでに艦対空ミサイル『SM−3』や防空用ミサイル『パトリオット−3』を保有していることは知られている。もしこの国の領域にさらに『THAAD』のようなミサイル複合が配備されたら、日本は高度、中度、低空用迎撃ミサイルを有したMDを所有することになってしまう。

来月、日本の専門家らがこうした問題を討議するため訪米することになっている。
こうした行動が発しているシグナルは、日本は日米韓の間の軍事同盟を創設することに力を集結しているというものだ。こんにち、日韓政府はすでに諜報データーの交換条約を締結しており、これを米国も歓迎している。

こうして朝鮮民主主義人民共和国からの核の脅威という前提のもとに日本はTHAADを配備し、軍備の刷新を図るのであれば、北東アジアの地政学的安定を脅かし、将来この地域での軍拡競争を煽動することになりかねない。」

https://jp.sputniknews.com/opinion/201611303066081/

※関連参照記事

ロシア 択捉島と国後島に新型ミサイル配備[NHK]
11月22日 22時01分

ロシアのメディアは、ロシア国防省が北方領土の択捉島と国後島に新型の地対艦ミサイルシステムをそれぞれ配備したと伝え、プーチン大統領の日本訪問が来月予定される中、北方領土の防衛力を強化する姿勢を鮮明にしました。

これはロシアのメディアが22日、伝えたもので、それによりますと、ロシア国防省は、軍の部隊が駐留している北方領土の択捉島と国後島に、地上から艦船を狙う新型の地対艦ミサイルをそれぞれ配備したということです。

このうち択捉島に配備された「バスチオン」の射程は500キロで、国後島に配備された「バル」の射程は300キロだということです。

ロシア国防省は現在、択捉島と国後島で兵士の宿舎など、およそ400の関連施設の建設を進めるなど、軍の近代化を進めています。北方領土に地対艦ミサイルを配備する計画は、ことし3月にロシアの国防相が発表していましたが、ロシアのメディアは実際に配備が完了したことで、年内にも発射訓練が行われると伝えています。

ロシアとしては、プーチン大統領の日本訪問が来月予定される中、北方領土を自分たちの領土として防衛力を強化する姿勢を鮮明にしたといえます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161122/k10010780891000.html?utm_int=all_side_ranking-social_003

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官房長官、露ミサイル配備、 平和条約締結交渉への影響なし[スプートニク日本語]
2016年11月24日 13:58(アップデート 2016年11月24日 16:29)

菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で、ロシア軍がクリル諸島新型ミサイルを配備したとの報道に関して、平和条約締結交渉への影響を与えないと声明した。

記者団の、択捉島と国後島に新型ミサイルを配備質問と平和交渉への影響の有無という質問に対して、「全くない」と回答。また、今後の平和交渉について「双方が受け入れ可能な解決策のため、交渉に粘り強く取り組む」と強調した。

https://jp.sputniknews.com/japan/201611243044298/

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安倍首相、クリルのミサイル配備は遺憾、領土に関する立場に変更はなし[スプートニク日本語]
2016年11月25日 15:01(アップデート 2016年11月25日 16:32)

安倍首相は25日午前の参院本会議で、北方領土に対する日本の従来の立場に一切変更はないことを明らかにした。

首相は、ロシア軍のクリル諸島(北方領土)のイトゥルプ(択捉)島とクナシル(国後)島への新型ミサイルの配備について「外交ルートを通じて(北方四島は日本固有の領土とする)わが国の立場と相いれず、遺憾である旨を伝えた」ことを明らかにした。

安倍首相は、北方領土については12月に山口県で行なわれる首脳会談で忌憚のない話し合いを行ない、「平和条約交渉についても前進を図っていくことが必要だと考えている」という表現にとどめている。 その上で安倍首相は、戦後70年以上も解決できなかった問題がたった1度の首脳会談で解決できるような簡単なものではないと重ねて指摘し、「首脳間の信頼関係がなければ解決しない問題だ。一歩一歩着実に進めていく」、「北方4島の将来の発展について、日本とロシアがウィンウィン(相互利益)の形で進めていくことが何よりも重要だ」と慎重な姿勢を示した。

https://jp.sputniknews.com/politics/201611253048623/

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日本はクリル諸島のミサイル配備に抗議、日本外務省[スプートニク日本語]
2016年11月25日 16:38(アップデート 2016年11月25日 18:35)

岸田外相は、南クリル諸島(日本の言う北方領土)へのロシアのミサイル配備について日本は抗議した事実を明らかにした。

岸田外相は衆院安全保障委員会の会議で議員らに対し、「抗議したと理解いただければと思う」と指摘した。共同通信が報じた。

これより前、安倍首相は「日本は 外交ルートを通じて(北方四島は日本固有の領土とする)わが国の立場と相いれず、遺憾である旨を伝えた」ことを明らかにしていた。

https://jp.sputniknews.com/japan/201611253048770/

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日本は南クリルの露ミサイル配備は容認できない、菅官房長官[スプートニク日本語]
2016年11月25日 18:33(アップデート 2016年11月25日 20:13)

菅官房長官氏は南クリル諸島(日本の言う北方領土)へのロシアのミサイル配備について記者会見で「遺憾であり、受け入れられない旨をしっかり抗議した」と強調した。

長官はブリーフィングで記者らに対し、日本としては配備は受け入れられないとして、11月24日、外交チャンネルを通し、断固とした抗議を申し入れた事実を明らかにした。

https://jp.sputniknews.com/japan/201611253049042/



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/543.html

[戦争b19] 米国防総省:ロシア軍の電話は有志連合のシリア軍への空爆を制止した:有志連合軍のデリゾール・シリア軍“誤爆”事件

米国防総省:ロシア軍の電話は有志連合のシリア軍への空爆を制止した[スプートニク日本語]
2016年11月30日 02:46(アップデート 2016年11月30日 15:47)

米国防総省の調査は、ロシア軍の電話は、83人の命を奪ったシリア東部のデリゾールでの有志連合のシリア軍への空爆を制止した。ロシア軍は情報を伝えるためにほぼ30分、電話口で待つことを余儀なくされた。米国防総省の報道官が認めた。

攻撃が中止される前に、軍用機は4発の爆撃を落とすことに間に合った。

調査を行ったリチャード・コー米准将はテレビブリーフィングで次のように述べた。
「ロシア人が電話を掛けた時、彼らはこの件について連絡担当者と話し合うために27分間待った。」

コー准将はまた、シリア軍への空爆は意図的なものではなく、主に人的要因によって起きたと述べた。コー准将はまた、もし米国側が電話を受けていなければ、攻撃は続けられていただろうとも指摘した。

米国によって先導されている反ダーイシュ(IS)国の有志連合軍は、9月17日にダーイシュの兵士を包囲していたデリゾールのシリア軍に4発の攻撃を加えた。シリア政府のデータによれば、83人が死亡した。攻撃がなされた後、ダーイシュはシリア軍の陣地に攻撃を仕掛けてきた。

https://jp.sputniknews.com/politics/201611303065528/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/221.html

[国際16] 国連安保理 北朝鮮への新たな制裁決議を採択:“年中行事”や看板付け替えみたいなもので効果は?

 北朝鮮は長期にわたって制裁を受け続けながら、米国も認めるように、国民生活を絶対的には低位だが緩やかながら向上させてきた。
 平壌(航空ショーをやった元山も)市民の表情も、かつてと違い柔らかくなってきた。

 今回の制裁は去る9月の核実験(本当に実施したかどうか疑わしいが)に対するものである。

 制裁強化の中心は石炭の取引と思われるが、「750万トン以下か、輸入額で4億ドル以下」に制限したとしても、それは輸入する一つの国に対する制限だから(北朝鮮の輸出に対する制限ではない)、たとえば3ヶ国が輸入当事国になれば、「これまでの取引き量の38%」というような縮小をもたらすことはない。
(38%×3で100%を超える。制裁規定をかたちだけは遵守したいのなら第三国経由など迂回取引で逃げることもできる)

 中国のみならず米国も韓国も日本も、北朝鮮が崩壊したり“自存のための戦争”に動くような事態を望んでいるわけではないから、「北朝鮮の外貨収入は全体の4分の1近くに当たる8億ドル減少する」ことはないだろう。

4千台を超えるウラン濃縮装置が稼働していると言われているのに、北朝鮮からの輸入禁止品目に「イエローケーキや核燃料棒など核燃料関連品目」が含まれていないのは実に不可思議である。

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国連安保理 北朝鮮への新たな制裁決議を採択[NHK]
11月30日 23時17分

北朝鮮に対する追加制裁を協議してきた国連の安全保障理事会は、国連の加盟国が北朝鮮から輸入する石炭の量を現在の半分以下に制限することなどを盛り込んだ新たな制裁決議を、30日、全会一致で採択しました。

北朝鮮がことし9月に5回目の核実験を強行したことから、国連の安保理では、アメリカと中国が中心となり、ことし3月に採択した制裁決議を強化するため、交渉を続けてきました。その結果、新たな決議案がまとまり、安保理は日本時間の30日午後11時すぎ、全会一致で決議を採択しました。

新たな決議は、北朝鮮が主に中国向けに輸出し収入を得てきた石炭について、国連の加盟国に対して年間の輸入量を750万トン以下か、輸入額で4億ドル以下のいずれか低いほうに抑えるよう求めていて、これはこれまでの取引き量の38%に当たります。また銀や銅、ニッケルなどの鉱物の輸入については全面禁止すると定めています。

さらに、北朝鮮の外交官が外貨獲得のために違法な商業活動に従事しているとして、北朝鮮のエジプト大使を資産凍結の対象に加えたほか、加盟国に対して自国に駐在する北朝鮮の外交官の人数を減らすことを求めています。

国連の外交筋は、こうした制裁が着実に実行されれば、北朝鮮の外貨収入は全体の4分の1近くに当たる8億ドル減少すると見ていて、今後、国際社会が結束して北朝鮮の核やミサイルの開発資金をどこまで断つことができるのか注目されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161130/k10010790631000.html?utm_int=news_contents_news-main_005

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国連安保理 新たな対北朝鮮制裁を導入[スプートニク日本語]
2016年12月01日 00:09

国連安全保障理事会は、北朝鮮による核実験を受け、北朝鮮に対する制裁体制を強化した。30日、これに関する決議が全会一致で採択された。

米国が主導して作成した決議案は、国連憲章第7章に基づいて準備された。採決が行われる前に、国連安保理常任理事国5カ国すべての間でその内容について合意されていた。

安全保障理事会のメンバーは、北朝鮮に対する現行の国連安保理決議に違反して、2016年9月9日に北朝鮮が実施した核実験を「最も厳しい形で」非難している。

スプートニクは、決議の内容を入手した。決議は、国連の全加盟国に対し、医療交流を除いて、北朝鮮から公式に支援を受けている、あるいは北朝鮮を代表している個人または企業との科学技術協力を中断することとしている。 また各国領内の銀行で、北朝鮮の在外公館用の銀行口座を一つにまで制限することや、正式に認められた北朝鮮外交官あるいは領事館員の口座も一つに制限することが決まった。 また国連安保理は、北朝鮮の公使館ならびに領事館の職員数を削減することも呼びかけた。

先に北朝鮮は、もし次期大統領のドナルド・トランプ氏が韓国から米軍を撤退させる命令を下すならば、米国との関係正常化の可能性を検討する。と報じられた。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612013068613/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/545.html

[国際16] トランプ氏、ビジネスからは身を引くと明言:とは言え子どもたちが事業を継承する“家業”だから利益相反懸念は残る

 中国では既に事業を展開しているが、トランプ氏が牽制する発言を行っているキューバも、リゾート開発対象として魅力に富んでいる。
 キューバ政府がトランプ一族に優先的開発権を付与すれば、トランプ氏の口先はともかく実際の政策は融和的なものになるだろう。

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トランプ氏、ビジネスからは身を引くと明言[スプートニク日本語]
2016年12月01日 01:06

次期米大統領のドナルド・トランプ氏は12月15日、ニューヨークで自分の子どもたちともに「重大な」記者会見を行なう。トランプ氏自身がツィッターで明らかにした。

トランプ氏は、「国の統治に専念し、米国を再び偉大な国とするため、自分の大規模な事業を完全に明け渡すという事実を話し合う」と書いている。 トランプ家の子どもたちはドナルド・トランプ・ジュニア氏。イヴァンカさん、エリックさんともに選挙キャンペーンに積極的に参加してきたものの、全員がそろって大統領府での公式的な役職には従事するつもりはないと表明している。トランプ氏の周辺は、氏が自分の事業資産を子どもらの管理に引き渡すと語っている。3人のこどもたちはすでに企業活動に従事している。

なお先に伝えられたところによると、トランプ次期大統領は、米国旗を焼いて抗議する人たちの国籍剥奪か刑務所送りを提案した。

https://jp.sputniknews.com/us/201612013068568/



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/546.html

[国際16] OPEC 減産で合意:OPEC、インドネシアの加盟国資格を停止:インドネシア分が各国に割り振られ減産量は実質半分以下に

OPEC 減産で合意[スプートニク日本語]
2016年11月30日 22:47(アップデート 2016年12月01日 02:34)

OPECは、原油生産量を日量120万バレル削減して日量3250万バレルにすることで合意した。通信社ブルームバーグが、関係者の情報を引用して伝えた。

11月30日、オーストリア・ウィーンでOPEC会合が始まった。会合では原油生産制限に関する問題で最終合意される可能性がある。11月末アルジェリアで行われた非公式会合でOPECは日産3250万から3300万バレルに制限することで合意した。

サウジアラビアは石油生産を日量1006万バレルに、イランは日量379万7000バレルの水準に制限すると報じられた。 また、ブルームバーグの報道によると、イラクが日量20万9000バレルの減産に合意した。また、OPEC代表は来週にもOPEC非加盟国と協議する可能性がある。ブルームバーグが匿名の関係筋の情報を元に報じた。

https://jp.sputniknews.com/business/201611303068451/

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OPEC、インドネシアの加盟国資格を停止[スプートニク日本語]
2016年12月01日 00:00(アップデート 2016年12月01日 02:35)

OPECはインドネシアの加盟国資格を停止し、同国の石油生産割り当てを他の加盟国で分けることを決定した。ロイターがOPEC筋の情報を元に報じた。「OPECはインドネシアの加盟国資格を停止した。OPECはインドネシアの石油生産割当を他の加盟国で分けることを決定」と関係筋が述べた。

インドネシア エネルギー鉱物資源相はOPEC会合直前の29日、同国は原油減産に関する立場をまだ決めていないとの声明を出していた。

https://jp.sputniknews.com/business/201612013068639/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/547.html

[国際16] 国連安保理の新たな北朝鮮制裁は機能するか?露中韓、そして日本の専門家の見方を総まとめ

※関連参照投稿

「国連安保理 北朝鮮への新たな制裁決議を採択:“年中行事”や看板付け替えみたいなもので効果は?」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/545.html

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国連安保理の新たな北朝鮮制裁は機能するか?露中韓、そして日本の専門家の見方を総まとめ[スプートニク日本語]
オピニオン
2016年12月01日 22:32(アップデート 2016年12月02日 00:34)
タチヤナ フロニ, 徳山 あすか

国連安全保障理事会は、日本時間の11月30日深夜、北朝鮮への新たな制裁を強化する決議案を全会一致で採択した。これは通算5回目となる、今年9月の北朝鮮による核実験に抗議する措置で、石炭輸出に上限を設け、核兵器やミサイル開発の資金源を絶つことを目的としている。新たな制裁によって、どの程度の効果が見込めるのか。スプートニクはロシア・中国・韓国、そして日本の専門家の意見をまとめてご紹介する。

まずロシアの極東研究所・朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ研究員は次のように述べている。 アスモロフ氏「最近北朝鮮へ行ったが、これまでの制裁の効果は感じなかった。むしろ北朝鮮の生活水準は成長している。北朝鮮に対する制裁強化は、真の経済封鎖ということでもない限り、影響を与えない。しかし、そこまでするともはや制裁ではなく、北朝鮮の政権を破壊する試みとなる。単なる制裁は効果をもたらさないばかりか、朝鮮半島情勢のさらなる不安定化を招きかねない。私は、ロシアも核大国および安保理の常任理事国として、国連という構造の利益を保護すべきであると考えている。つまり、新たな決議は北朝鮮の責任感を高めるためのものだ。」

今回の制裁は前例のない長時間の準備を要した。モスクワ国立国際関係大学のグリゴーリイ・トロラヤ教授は、米国がロシアの利益を無視して、自分にだけ都合のよい結果を出そうと一方的な姿勢を示したため、ここまで決定が遅れたとみている。

トロラヤ氏「ロシアが新たな制裁措置の採択を急がず、あらゆる負の帰結を勘案しようとしたことは、絶対的に正しかった。ハサン・羅津(ラジン)プロジェクトを除き露朝共同プロジェクトが全面停滞してしまった前回のようにならないように、慎重に制裁にアプローチしたのだ。

なお、ハサン・羅津(ラジン)プロジェクトは制裁のせいでマイナスになってはいるが、前に進んでいる。

前回の制裁決議は、急いで採択されたが、特に尊重されなかった。例えば、中国は北朝鮮からの石炭輸入を止めず、むしろ拡大した。

今回の決議に米国が盛り込もうとしていたものの大部分は、ロシアと中国が一緒に拒否することができた。例えば、ロシアにとっては、北朝鮮の労働力の使用を禁止する問題を議論することが重要だった。こんにち、多くの北朝鮮人がロシア極東で働き、北朝鮮の基準からすると良い給料を受け取っている。彼らが国に税金の一部を入れていることは明らかだ。」

ロシア同様、北朝鮮への制裁に慎重な中国。吉林大学付属北東アジア研究所の巴殿君(Ba Dianjun)所長は、制裁という手段だけに頼って北朝鮮に核開発を諦めさせるのはとても難しいと話す。同氏は「中国のように、他国もみな、制裁と外交ルートでの対話を組み合わせて二本立てでやらないといけない。米国は北朝鮮との対話を再開すべきだ。平和条約を結び、韓国との軍事演習を少なくし、米朝関係を緩和させて政治的な相互信頼を回復する。そういった方法によってのみ、北朝鮮に安心感を与えることができる」と述べている。


韓国国立・統一研究院のチョ・ハンブン研究員は、この制裁によって北朝鮮は自らの核開発路線を見直さないといけなくなる、と予想し「これまでの国際社会の、北の核開発に対する制裁は、北朝鮮に貿易不振をもたらしてきた。今まで何とか海外で稼いだ外貨でマイナスを補填してきたが、今回の制裁は金正恩政権にとって大きな打撃となるだろう」と述べている。

また、韓国人専門家の中には、制裁内容と実態との乖離を指摘する声もある。ハンドン・グローバル大学のパク・ウォンゴン教授は、「中国が、いくら対話のテーブルに戻ろうと声高に呼びかけてみても、中国と北朝鮮との間の地下貿易は途切れてはいないし、両者の貿易高はこの10月に増加すらした。新しい制裁の採択はむしろ、中国の密輸に対する取り締まりの熱意をますます下げてしまうのではないか」と懸念を見せる。

日本の専門家の意見はどうか。拓殖大学大学院の武貞秀士特任教授は、今回の制裁は北朝鮮の核開発に影響を及ぼさないという見方を示している。

武貞氏「北朝鮮は核戦略に基づいて核兵器開発をしており、窮乏しても核抑止力を完成するために核開発を続けるだろう。制裁の目的は、北朝鮮の核兵器開発を断念させることだが、制裁は9月中にすべきだった。核実験は9月9日だったのだから、これでは制裁決定のタイミングが遅すぎる。また、北朝鮮の水害被害の復旧支援に国際赤十字が乗り出しつつある時期の制裁は、非常にタイミングが悪い。」

武貞氏は北朝鮮経済について「石炭輸出量が減ることは間違いない。石炭輸出量の上限を定めるという制裁は経済に影響をもたらすし、現時点でも既に、北朝鮮経済は国連制裁の影響を受けている。北朝鮮の経済成長は、昨年はマイナス成長に転じていた。しかし中国の地方レベル(吉林省・遼寧省)の輸出入まで、中国の中央政府の権限が及ぶのかどうかは不明だ」と指摘している。

また武貞氏は拉致問題について、日本は拉致問題解決の協議は、継続したいという姿勢であり、今回の制裁はタイミングが悪かったものの、これにより日本の対北交渉力が低下することはなく、対北交渉条件が悪化するとも思わない、と述べている。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201612013073847/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/557.html

[戦争b19] マスコミ:シリア反体制派は米国抜きでロシアと交渉を行っている

マスコミ:シリア反体制派は米国抜きでロシアと交渉を行っている[スプートニク日本語]
2016年12月01日 19:02

シリア反体制派の指導者たちは、トルコの仲介で、シリア北部アレッポでの戦闘停止についてロシアと交渉を行っている。フィナンシャル・タイムズ紙が、反体制派消息筋の話として報じた。

反体制派の代表者4人がフィナンシャル・タイムズ紙に伝えたところによると、交渉はトルコの首都アンカラで行われている。

匿名を希望する反体制派の代表者は、「ロシア側とトルコ側は今、米国抜きで話し合いを行っている。米国はこの交渉にまったく加わっておらず、アンカラで起こっていることについて報告も受けていない」と語ったという。

シリア反体制とロシア側がコンタクトをとるのは今回が初めてではないが、事情に精通している消息筋は、これまでこれほど多くの反体制派グループが交渉に参加したことはなかったと指摘している。

フィナンシャル・タイムズ紙は、これは彼らが合意に達する必要があることを示していると指摘している。

またフィナンシャル・タイムズ紙は、交渉の進展はみられていないが、これが米国抜きで行われているという事実は、中東の政治的動きの変化を物語っており、そこでは地域のプレーヤーたちが米国抜きでロシアと合意する意向が強いようだと報じている。

https://jp.sputniknews.com/middle_east/201612013072959/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/227.html

[戦争b19] シリアでのトルコ軍の真の目的、エルドアン大統領発言にロシアからコメント:トルコ外相 アサド大統領打倒に関するエルドアン大

シリアでのトルコ軍の真の目的、エルドアン大統領発言にロシアからコメント[スプートニク日本語]
2016年11月30日 16:16(アップデート 2016年11月30日 22:31)

トルコのエルドアン大統領がシリアにおけるトルコ軍の狙いについてアサド政権の転覆と明言したことで、シリア危機の正常化プロセスが複雑化する。

ロシア議会下院(国家会議)国際委員会のドミトリー・ノヴィコフ第1副委員長はリアノーヴォスチ通信に対してこう語った。

これより前、エルドアン大統領は、トルコは「アサド政権による国家テロ」に終止符を打つためにシリアでの軍事作戦を開始したとする声明を表していた。

エルドアン大統領はイスタンブールでのエルサレムについてのシンポジウムで演説した際に、「シリアでは60万人が死亡したといわれているが、私は100万人近くが死んだのではないかと考えている。国連はどこで何をしているのか?

 我々は長い間我慢してきたが、とうとう『自由シリア軍』と共にシリアに出て行かざるをえなくなった」と語り、 「われわれはそこ(シリア)にいるのは正義を復活させ、国家テロを巻き起こした残酷なアサド専制支配に終止符を打つためだ」とトルコ軍の作戦目的を説明した。

ノヴィコフ議員は、シリア問題についてのロシアの立場はトルコ側からの声明に関わらず一貫しているとし、「ロシの立場はアサド氏が合法的に選出された大統領であり、国際テロとは闘っていかねばならないというものだ」との見解を示している。

https://jp.sputniknews.com/politics/201611303067183/

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トルコ外相 アサド大統領打倒に関するエルドアン大統領の声明にコメントする[スプートニク日本語]
2016年12月01日 19:57

トルコは、シリアのアサド大統領は殺害の責任を負っていると考えているが、ロシアの立場と一致する政策を続ける。

トルコのチャブシオール外相が発表した。チャブシオール外相は、ロシアのラヴロフ外相との会談を総括し、「我々の国は、シリアのアサド大統領が、シリアに住む罪のない大勢の人々が殺害された責任を負っていると公に述べている。しかし我々は今後も、紛争の政治的解決策や、シリア市民への体系的な人道支援提供の模索と発見に関して、ロシアの立場と一致し、調和した政策を続ける」と述べた。

https://jp.sputniknews.com/middle_east/201612013073346/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/228.html

[エネルギー2] ガスパイプライン建設の露日協議は12月に開催

ガスパイプライン建設の露日協議は12月に開催[スプートニク日本語]
2016年12月01日 09:49

ロシア大手国営石油会社「ガスプロム」が12月中旬に東京を訪れ、日本企業と日露間ガスパイプライン建設に関する協議を行う方向で調整を進めている。共同通信が日露関係筋の情報を元に報じた。

共同通信によると、ガスプロムの経営陣が日露間ガスパイプライン建設について協議するため訪日する方向だ。

先に報じられたところ、同時期にプーチン大統領の訪日が予定されており、12月16日には露日経済フォーラムが東京で行われると見られている。

ロシアからのガスパイプラインにより日本への安定した天然ガス供給が保証されると想定されている。

パイプラインによるガス輸送は低価格になるという利点があるが、日本は天然ガスの大きな輸入国でありながらも、日本へのパイプラインによるガス輸送は実現されていない。一方、共同通信が報じるところ、日本の与党議員や有識者の中にはエネルギー調達先の多様化の必要性に立脚して建設を求める声もある。

なお先に伝えられたところによると、日本は、ロシアのメーカー「ミラトルグ」の肉製品の輸入を近いうちにも許可する意向。

https://jp.sputniknews.com/business/201612013069879/


http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1713.html

[国際16] 世界は変化の瀬戸際に立つ、国際的な専門家らの意見:「太平洋アジアは協力の空間か、対立の空間か?」

世界は変化の瀬戸際に立つ、国際的な専門家らの意見[スプートニク日本語]
オピニオン
2016年12月01日 07:50(アップデート 2016年12月01日 16:47)
リュドミラ サーキャン

「世界は変化の瀬戸際に立っている。」この数日、プリマコフ読書会に集まった大多数の国際的な専門家がそう考えている。プリマコフ読書会とは2015年にこの世を去ったエフゲニー・プリマコフ氏に捧げられたカンファレンスのことだ。プリマコフ氏は東洋学者で、ロシア商工会議所の会頭、ロシア外相、ロシア対外情報庁の長官、首相などを歴任した。今年、カンファレンスには22カ国50人以上の卓越した海外の専門家、エコノミスト、政治家、外交官が参加した。カンファレンスの目的は、世界的な専門家を交えて、毎年定期的に国際政治、経済、国際安全保障問題を審議する議論の場をロシアに作ることにある。

カンファレンスでは「太平洋アジアは協力の空間か、対立の空間か?」が最大のテーマの1つとして取り上げられた。そのディスカッションでは、米中の将来関係と、環太平洋地域での米国の主要パートナーである日韓と米国の関係、プーチン大統領訪日後の露日関係発展、南シナ海紛争、北朝鮮の行動によるリスクの最小化が主要な問題となった。

ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO)のワシリー・ミヘーエフ副所長は、地域での主な挑戦は国家間での信頼の欠如だとして次のように述べている。

「アジア太平洋地域での主な挑戦は、地域国家間の信頼の欠如であり、その根底には戦略的価値観の相違が横たわっている。そこから、外からの価値観の押し付けに対する反応としてのナショナリズムと、価値観の開きがある他国からの脅威の認識としての軍国主義がある。利害関心の点での懸隔は妥協点を模索することで克服される。これは、自らを核大国だと宣言した北朝鮮の行動からのリスク最小化にも関係する。六カ国協議は完全に消耗していることから、協議のための新たなフォーマットが作られる必要がある。協議の課題は、朝鮮半島の非核化を目的とした『5カ国』間の信頼と共通の立場を作ることにある。」

一方、華東師範大学ロシア研究センターのヤン・チェン(Yang Cheng)副所長は次のような見解を示している。

「現在、中国と北朝鮮の関係再編が行われている。もちろん、われわれは戦争も核拡散も望まない。しかし中国の北朝鮮への影響力は大きく誇張されたものだ。われわれは新たな提案の創出と米朝間の直接対話に賛成だ。中国は近い将来、国内発展に集中するはずだ。都市化や労働力不足などに関する国内問題があまりに多く蓄積されたためだ。社会は、投資が国内にではなく外国へ向けられすぎていることへの不満を抱えている。全ての国同様、中国は思慮ある決定も取れば、間違いも犯す。しかし、中国が地域のリーダーになるためにはまだ時間がかかるだろう…。」

駐日ロシア大使を務めた、ロシア科学アカデミーアメリカ・カナダ研究所のアレクサンドル・パノフ主任研究員によると、領土紛争ではなく朝鮮半島の問題こそが、環太平洋地域で最も緊迫した問題だ。パノフ氏はまた、露日サミットが成功した際、パワーバランスに大きな変更が起きる可能性も除外していない。

「私の考えでは、この地域で最も緊迫しているものは領土紛争ではなく朝鮮半島の問題だ。この問題は早急な解決を必要とする。米中関係もまた焦点となる。中国の隣国は米国から離れ中国に走り寄りはじめた。そして地域での軍事的プレゼンスも米国に一切の配当金をもたらさなかった。米国が地域から去らないことは明らかだが、一方では中国と、他方ではその周辺国と米国との分離傾向が見られる。露日関係についての問題もまたこれに劣らず重要な意義を持つ。全ロシア、日本、そして世界のマスコミが、一体どうなるのか、両国は領土問題で合意するのか、平和条約を締結するのか、について予想を立てている。これは地域の戦略的な情勢に大きく影響するためだ。私の意見では、双方は今のところ、急進的なステップを取る用意ができていない。それでも安倍首相の態度はロシアに大きな利益を約束しており、ロシアがこれを利用できれば、それは極東地域発展にとっても、地域全体にとっても大きなプラスになる。」

日本国際問題研究所の山上信吾所長代行は北朝鮮による実験の挑発的な性格に注意を向けた。今年、ミサイルが初めて日本の排他的経済水域に落ちた。山上氏の意見では、中国、日本、韓国、米国は、北朝鮮の行動に対する懸念と不容認の点で自分たちは連帯しているということを北朝鮮政府に理解させる必要がある。山上氏はスプートニクのインタビューを受けて次のように述べた。

「日露関係は大きく変わる千載一遇の機会だと思う。ロシアも日本も国内的に非常に強いリーダーがいる。日本は最近まで短期間に6人の総理大臣が相次いで代わるという政治的に非常に不安定な状況が続いていた。ようやく今の安倍総理になって政治的には非常に安定したことから、政治評論家らはまだ数年間は安倍政権が続くと手堅い予測をたてている。安倍総理としては、そういう政治的に安定した立場に立って、ロシアとの関係を抜本的に改善したいという強い希望を持っている。私は30年以上日本の外務省で仕事をしてきたが、これほどのチャンスというのは今までなかったと思う。私の印象では、ロシアはアジア太平洋地域において対中関係にあまりにも大きく依存しすぎている。これはロシアに害をもたらしかねない。こうした意味で、日本との二国関係で突破口が開ければ、ロシアの可能性はアジア太平洋におけるロシアのプレゼンスも含め、著しく拡大する可能性がある。」

11月30日、カンファレンスではプーチン大統領の演説が予定されている。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201612013069285/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/558.html

[国際16] 「北朝鮮放置するな」=トランプ氏に促す−前米大統領

「北朝鮮放置するな」=トランプ氏に促す−前米大統領[時事通信]


 【ワシントン時事】ブッシュ前米大統領は29日、テキサス州で講演し、北朝鮮の核問題や人権問題について「放置するという選択肢はあり得ない」と語り、トランプ次期大統領に積極的に対応するよう促した。退任後のブッシュ氏が、公の場で北朝鮮問題を論じるのは異例だ。

 ブッシュ氏は北朝鮮に関して「深刻な安全保障上の脅威となっている。国全体が残酷な看守によって運営されている刑務所だ」と非難。「政策的解決は容易ではないが、東アジア情勢から、われわれ自身を切り離すことはない」と強調した。

 その上で「対北朝鮮で成功するには、前例のないグローバルな協力態勢が必要になる」と指摘し、「米国だけが、そうした態勢を引っ張っていける」と語った。

(2016/11/30-14:23)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016113000485&g=prk


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/559.html

[中国10] 中国で報告されたHIV感染者・患者数、65万4千人:累積死者数20万1千人

中国で報告されたHIV感染者・患者数、65万4千人
人民網日本語版 2016年12月01日16:32

エイズは、世界全体が直面している重大な公衆衛生問題である。中国疾病予防コントロールセンターはこのほど、2016年9月末の時点で、エイズウィルス(HIV)の感染者および患者の数は65万4千人、死者数は累計20万1千人と報告されたことを明らかにした。感染ルートで最も多いのが性行為によるもので、2016年1月から9月までで、性行為による新規感染者の割合は94.2%に上った。新華社が伝えた。

12月1日は「世界エイズデー」で、今年のキャンペーンテーマは、「ともにエイズと戦い、予防の手を休めない」に決まった。国家衛生・計画出産委員会の王国強・副主任はこのほど、キャンペーンイベントにおいて、「中国のエイズ予防・抑制事業は顕著な効果が表れており、輸血による感染はほぼ遮断され、薬物注射による感染や母子感染も効果的に抑制され、エイズによる死亡率は眼に見えて低下してきている」と表明した。

国家衛生・計画出産委員会、国連合同エイズ計画(UNAIDS)、世界保健機関(WHO)による評価の結果、2015年末の時点で、中国で生存している感染者・患者は約85万人、感染率は0.06%と予測され、全体的に感染状況は低いレベルにとどまっていることが判明した。

権威当局によると、「十二五(第12次五カ年計画:2011-2015年)」期間中、国内各地の各部門は、党中央と国務院の方策・指示に基づき、各種措置を徹底的に実施し、エイズ予防・抑制事業には顕著な成果が得られたという。HIV検査の受検者数(延べ人数)は、6000万人から1億4千万人に、エイズの治療を受けている患者は8万6千人から38万7千人に、それぞれ増加した。2010年と比べ、感染者・患者の発見率は68.1%まで上昇、死亡率は57%まで低下した。脱毒治療薬による治療を続けている人の新たな感染率は74.4%に下がり、母子感染による感染率も26.6%まで下がり、「中国エイズ抑制・予防治療『十二五』行動計画」の全体目標はほぼ達成された。

専門家は、「エイズ感染を抑制するための生物学的技術と方法には限界があり、予防・治療側の規模や能力は、急増する業務の需要に追いついていないのが現状だ。社会組織が持つ独自の作用を発揮し、社会的な力を用いた予防・治療事業への取り組みをいっそう強化する必要がある」との見方を示した。(編集KM)

「人民網日本語版」2016年12月1日

http://j.people.com.cn/n3/2016/1201/c94475-9149568.html


http://www.asyura2.com/16/china10/msg/402.html

[国際16] 国連安保理、対朝関連決議を再び採択:人道や民生に不利な結果をもたらさず、正常な経済・貿易活動にも悪影響をもたらさないもの

※関連参照投稿

「国連安保理 北朝鮮への新たな制裁決議を採択:“年中行事”や看板付け替えみたいなもので効果は?」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/545.html

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国連安保理、対朝関連決議を再び採択
人民網日本語版 2016年12月01日14:46

30日、国連安保理は朝鮮に関する第2321号決議を採択し、朝鮮が9月9日に核実験を実施したことを非難し、朝鮮に対して核兵器とミサイルの計画の放棄を要求するとともに、朝鮮に対する新たな制裁措置の実施を決定した。

国連安保理の対朝決議は今年3月に続くものだ。決議は、安保理として今年9月9日に朝鮮が実施した核実験を最も強い言葉で非難し、全てのミサイル計画関連活動を停止し、核兵器計画を放棄し、全ての関連活動を直ちに停止するよう朝鮮に重ねて求めた。

決議は朝鮮の石炭輸出を制限し、銅、ニッケル、銀、亜鉛の輸出を禁止するとともに、朝鮮の外交使節団の活動に一定の制限を加えている。中国の劉結一国連大使は同日安保理が採択した決議について「朝鮮の核、ミサイル開発計画への国際社会の反対、及び国際的な核不拡散体制の維持という一致した立場を示すものだ。決議は朝鮮半島と北東アジアの平和・安定維持を重ねて表明し、平和的、外交的、政治的方法による問題解決を約束し、6カ国協議の再開と9月19日の声明の約束を支持し、各国が朝鮮半島情勢の緊張を和らげる重要性を強調した。決議は、関連する措置は朝鮮の人道、民生に不利な結果をもたらすものではなく、正常な経済・貿易活動に悪影響をもたらすものではない。中国側は関係各国が安保理決議の規定をしっかりと、全面的に履行するよう促す」とした。(編集NA)

「人民網日本語版」2016年12月1日

http://j.people.com.cn/n3/2016/1201/c94474-9149476.html


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/560.html

[原発・フッ素46] 新電力に低コスト電気 石炭や原子力、大手が供給 福島賠償を共同負担:利益を増やしてやるから負担をの構図

新電力に低コスト電気 石炭や原子力、大手が供給
福島賠償を共同負担

 経済産業省は電力自由化で参入した新電力が石炭火力や原子力など発電コストの安い電気を調達できるようにする。電力大手が新電力の需要の3割相当を提供し、代わりに東京電力福島第1原子力発電所事故の賠償費用のうち3兆円程度を大手と新電力の共同負担に切り替える。賠償による新電力の料金上昇を抑え、大手との競争を促す。

 電力市場の競争促進や原発事故の処理費用の負担を話し合う経産省の有識者会議で来週にも決める。必要に応じて関連法や省令などを改正する。

 石炭火力や原子力などコストが低く発電量が天気や時間帯に左右されないベースロード電源を日本卸電力取引所に放出することを2020年度をめどに義務づける。いま大手が取引所に出すのは石油火力などコストの高い電気が中心で、割安な電気は自社の小売部門に流している。

 1キロワット時あたりの発電コストは原子力が約10円、石炭火力は約12円、石油火力は30円を超える。

 300社以上の新電力のなかには自前の発電所のない事業者も多い。取引所に調達を頼るが、安い電気が手に入らず対等な競争が難しかった。

 新電力の需要の3割にあたる量を発電コスト以下で放出してもらう。現在は石炭火力の発電量が多いが、再稼働が進めば原発の電気も出てくる。新電力はオークションで電気を買い付ける。

 福島第1原発事故の賠償費用はこれまでの想定の5.4兆円を上回る8兆円ほどに膨らむ。東京電力ホールディングスを中心に関西電力や中部電力などほかの大手も一緒に負担してきたが、今後は3兆円程度を新電力との共同負担に変える。

 賠償費用は大手が11年の事故後から拠出しているが、共同負担の3兆円は事故に備えてそれ以前に積み立てておくべきだった金額との位置づけだ。全ての電気利用者が大手と契約して原発の電気を使っていた時代の費用をこれから回収するため、新電力も含む全ユーザー(原発のない沖縄は除く)に負担を求める。

 具体的には大手と新電力の双方が負担する送電線の利用料に賠償費用を上乗せする。全国の電気の販売量に占める新電力の比率は8%。利用料はおおむね販売量に応じて払うため、新電力の負担は数千億円になりそうだ。福島第1原発以外の全国の原発の廃炉費用の一部も送電線利用料に上乗せする方針で、新電力に100億円単位の追加負担になる。

 新電力が費用をすべて小売料金に転嫁すれば、家庭の電気料金を1カ月あたり数円から数十円押し上げる要因になる。

 経産省は「安価な電気を調達できるようになるメリットのほうが費用負担よりも大きい」(幹部)とみている。本格的な価格競争が起きれば、大手も含めた料金の引き下げにつながる。大手と新電力の損得のバランスを取りながら、賠償と競争を同時に進める。

[日経新聞12月3日朝刊P.1]


http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/873.html

[原発・フッ素46] 仏高速炉建設 23年ごろに判断 原子力開発局長:欧州加圧水型原子炉EPRも建設できないのに...

※関連参照記事

「仏電力公社、アレバ原子炉部門買収:根本的欠陥説まで飛び交う欧州加圧水型原子炉EPRで青息吐息のアレバを救済」
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/833.html

「欧州「安全な原発」迷走 工事複雑、完成遅れ費用3倍」
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/840.html

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仏高速炉建設 23年ごろに判断 原子力開発局長

 フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)のフランソワ・ゴーシェ原子力開発局長=写真=は高速炉の実証炉「ASTRID(アストリッド)」建設の是非を2023年ごろに決める考えを明らかにした。パリのCEA本部で取材に応じた。建設が決まれば25年ごろに着工できる見通しだ。

 日本政府は高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉を年内に決める方針。高速炉開発は続ける意向で、日仏両国が14年に研究協力で合意したアストリッドなどで研究開発を継続できるとみている。

 仏政府は10年、アストリッドの研究開発費として19年までに6億5000万ユーロ(約780億円)を投じると決めた。初期段階の概念設計は15年末に終えたが、人件費確保が難しくなり17年末を予定していた基本設計の期限を19年末に変更した。

 20年以降も検討を続け「工事期間、費用の確実な見通しを得てから建設するか判断する」(同局長)。日本を含む企業の投資が不可欠で、鍵を握るとされる仏電力公社の首脳は前向きという。

 同局長はもんじゅに関し「日本の政策には干渉しない」としたうえで「技術面では、動かせれば経験をアストリッドに生かせる」と話した。「日本は価値ある知的財産も保有する。対等な関係で協力を続けたい」と述べた。

[日経新聞11月28日朝刊P.13]

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グリーンピース:世界最大の原発事業者が倒産の危機に瀕している[スプートニク日本語]
2016年11月28日 11:30(アップデート 2016年11月28日 12:04)

グリーンピースフランスによれば、世界最大の原発事業者でありフランスの最大手エネルギー企業であるEDFグループが倒産の危機に瀕している。

「公開されたEDFの報告書は会社の実状を反映していない。同社はそれを隠そうとしている。原子力プロジェクトに集中することにより、EDFは競争力を失った」。グリーンピースの求めに応じ財政分析会社AlphaValueが行った調査でこのような結論が出た。

調査では2025年までのEDFの経済モデルの推移、ならびに新しいエネルギー移行関連法(フランスのエネルギーバランスのうち化石燃料への依存を下げ、原子力エネルギーも3分の1減らすことを定めた)の影響が考慮された。

「EDFの文書を見ると、原子炉の稼働延長は廃炉よりも高くつくことが明らかだ。 EDFには自分の原子力計画を実行するためのリソースがない」とのこと。

https://jp.sputniknews.com/europe/201611283057098/


http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/874.html

[エネルギー2] ウエアラブル機器 電源確保を効率化 東工大、体温使い発電 東京理科大、無線用い供給

ウエアラブル機器 電源確保を効率化
東工大、体温使い発電 東京理科大、無線用い供給

 ウエアラブル(装着型)機器に必要な電気を上手にまかなう研究が活発化している。東京工業大学は人の体温を利用して発電する技術を開発した。東京理科大学は無線で電気を送る技術を開発、バッテリーを効率よく充電する狙いだ。電気をうまく作って使えるようになれば、ウエアラブル機器のバッテリーの小型化などにつながる。使い勝手がよくなり、機器普及を後押しすると期待する。

 ウエアラブル機器は身につけて使う情報端末だ。リチウムイオン電池などを組み込んでいるが、充電に手間がかかる例が多い。デザイン性を高めるためにバッテリーを小型にすれば駆動時間が短くなる。使っているうちに少しずつ充電できるようにしたい、バッテリーを長持ちさせたいなどのニーズがある。

 東工大の菅原聡准教授らは熱を電気に変える「熱電発電」を活用した。この技術は材料の両端に温度差があると内部に電流が流れる現象を利用する。人の体温と外気温の温度差に着目した。

 IC向け技術を使い薄膜状のモジュール(複合部品)にする。ビスマス系化合物などを用いる熱電材料の厚さは約100ナノ(ナノは10億分の1)メートル。部品全体でも1ミリメートルの厚さで、腕時計型機器のバンド部分などに実装しやすい。従来のモジュールは高温の排熱などが主な対象で、厚みがあった。

 熱や電気の抵抗を制御する設計の工夫で、電気を効率よく生み出せる。電圧0.4〜1ボルトで約10ミリワットの電気が得られ、無線通信で必要な電力の一部をまかなえるとみる。

 菅原准教授は「充電の頻度を大幅に減らしたりバッテリーを不要にしたりするのが目標」と話す。大幅なコスト増も招かない見通しだ。2020年ごろの実用化を見込む。

 東北大学の成田史生准教授らは身の回りのわずかな揺れから電気を作る「振動発電」に注目し、新材料を開発した。鉄とコバルトの合金を直径0.2ミリ〜1ミリメートルの線材に加工し、エポキシ樹脂に埋め込んだ。材料が振動した際に磁気的な性質が変化する現象を利用して樹脂の近くに置いたコイルで電気を作り出す。

 「靴などに組み込めば、歩行時の振動などで発電できる」と成田准教授は話す。採用した合金は同大の古屋泰文客員教授が開発した。加工しやすく耐久性に優れている。レアアース(希土類)などを用いる従来の材料は加工が難しく、実用性に課題があったという。

 東京理科大の楳田(うめだ)洋太郎教授らは周波数が30ギガ(ギガは10億)〜300ギガヘルツの「ミリ波」と呼ぶ電波を使い、ウエアラブル機器に電気を供給する技術を開発した。数メートル離れた場所からでも電気を送れる。携帯型の充電用システムをかばんに入れ、本体に送ることなどを想定している。

 電波受信用のアンテナをウエアラブル機器に組み込む際は、アンテナの小型化が求められる。「周波数が高く効率的に電気を送れるミリ波が適している」(楳田教授)。企業と組み、3〜5年後に実用化したい考えだ。

 非接触で電気を送る技術では磁気を使う方法などが既にあるが、送電側とウエアラブル機器を近接させる必要があった。

ウエアラブル機器とは

 ▼ウエアラブル機器 腕時計や眼鏡型、衣服のように身にまとうタイプなどがある。米アップルの「アップルウオッチ」などが代表的な製品だ。通信、ゲーム、運動や健康状態の記録、電子決済などに使える。調査会社のシード・プランニング(東京・文京)によると2015年の世界市場の規模は約2800万台。25年には2億5300万台に増え、6兆円超の市場に拡大する見通しだ。

 使い勝手の向上を目指し、肌に貼り付けられる薄い有機ELディスプレーなどの開発が進む。熱電発電や振動発電のほか、薄くて軽い次世代太陽電池なども電源として有望視されている。

[日経新聞11月28日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1714.html

[エネルギー2] どうする原発のごみ 欧州編<上>フランス粘土層で封じ込め 地震少なく地盤安定<下>スイス、自己修復する地層選定 試験施設

どうする原発のごみ 欧州編

<上>フランス粘土層で封じ込め 地震少なく地盤安定

 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)は、放射線が十分下がるまで、数万年以上、地下深くに隔離する必要がある。欧州はそのための処分場の候補地を選び、地質調査や研究開発を進めている。日本も科学的に適地とされる地域を年内にも公表するが、地質環境が大きく違い実現へのハードルは高い。先行するフランスとスイスの現場を訪ねた。


核のごみを入れることを想定した横穴を掘り、岩石の安定性などを調べる(仏のビュール地下研究所で)

 パリから東へ約230キロメートル。人口約90人のビュール村がある。見渡す限り麦畑や牧草地が続き、目につくのは風力発電と牛くらいだ。この村に国内外から年間1万人の研究者や政府関係者が訪れる。目的はビュール地下研究所だ。

 エレベーターで7分かけて地下約500メートルにある研究施設に降りると、1.6キロメートルにわたる坑道があった。作業員が24時間体制で掘削工事などを進める。坑道から直径80センチメートル、深さ40メートルの横穴が多数掘られ、1万点のセンサー類で岩石の圧力や温度の変化などを監視している。

 原発から出る核のごみはガラスと混ぜて「ガラス固化体」にし、ステンレス容器に詰め、鋼鉄製容器に入れて安定した地層に掘った横穴に詰め込む。処分場の候補地は研究所の近くにあり、建設に必要な調査などをここで進めている。

 地下研究所は、国が設置した放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2000年に建設を始めた。28の候補地が名乗りを上げた中、ビュールが選ばれた最大の理由は、地下の地質環境だ。

 石灰岩層に挟まれるように「カロボ・オックスフォーディアン粘土層」という厚さ130〜160メートルの地層が広がる。約1億6000万年前のジュラ紀に海底に降り積もった堆積物によって形成された。ほとんど水を通さず、放射性物質を長期間閉じ込められる。

 そのうえ「地震などが皆無の非常に安定した地盤だ」とANDRAのジェラルド・ウズニアン国際部長は話す。水の通り道となるような亀裂も生じない。

 日本でも北海道幌延町と岐阜県瑞浪市に地下研究施設がある。ウズニアン氏は、ビュール周辺は「幌延と似たような地層」と言うが、日本の両施設では岩盤の割れ目から大量の地下水が流れ込む。地下水がほぼないビュールとは決定的に異なる。

 ANDRAは25年に処分場の操業開始を目指す。仏にある58基の原発から出る核のごみを100年以上にわたって搬入し、2151年に埋め戻して閉鎖する。その量はガラス固化体換算で計1万立方メートル。処分費用は250億ユーロ(約2兆9000億円)を見込む。

 処分場は「可逆性」を担保する。ガラス固化体の容器にセラミックスの板を張って摩擦を減らし、横穴から引き出しやすくした。処分場閉鎖までにもっと安全な処分方法が開発されれば取り出すことができ、住民の安心感が高まったという。日本政府も昨年、可逆性の方針を採用した。

 ビュールが選ばれたのは、仏でも所得水準の低い地域の一つという事情もある。地下研究所は約400人が働いている。広報担当のポリーヌ・フルニエさんは「高校の同級生は全員地元を離れたが私は残ることができた。農家の父も喜んでいる」と話す。国から周辺自治体に年3000万ユーロ(約35億円)の補助金も出ている。処分場建設時には2000人の雇用も生まれる見通しだ。

 原子力がもたらす雇用と補助金で地域が経済的に潤う構図は日本と変わらないが、フランスには最終処分場建設を受け入れる人が多い。一方、日本では抵抗感が強く、手を挙げる自治体はまだない。核のごみの行方は不透明なままだ。

[日経新聞11月21日朝刊P.15]

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<下>スイス、自己修復する地層選定 試験施設で変化を監視

 「秘密基地みたいでしょう」。スイスの放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)の榊利博地質科学プロジェクトマネージャーはこう話して笑った。首都ベルンの北約50キロメートル、記者らを乗せたマイクロバスはフランスとの国境近くのトンネル脇にある避難用トンネルへと入っていった。大きな二重扉の先に現れたのがモン・テリ岩盤研究所だった。


スイスでは核のごみなどを収めた容器を粘土層の横穴に入れ、粘土で埋め戻す方法を検討する(モン・テリ岩盤研究所)

 この研究所は、数万年以上隔離する必要がある高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分に適した地層を調査する。連邦政府と電力会社が40年以上前に設立したNAGRAのほか、フランスの放射性廃棄物管理機関や日本原子力研究開発機構、電力中央研究所、大林組なども出資する。地層が斜めに重なった山を貫いたトンネルを活用しており、地下深くまで掘らなくても目的の地層に到達できる。

 ここで調べているのは、約1億8000万年前のジュラ紀に形成された「オパリナス粘土」と呼ぶ堆積岩などでできた地層だ。太古、この地域は熱帯の浅い海だった。発掘されるアンモナイトの殻がオパールのような光彩を放つことから、粘土の名前が付いた。

 オパリナス粘土はほとんど水を通さず、放射性物質を長く閉じ込める。「掘削で亀裂が生じても、流れ込んだ地下水を吸収して膨らみ、元に戻る自己修復機能がある」(榊氏)という。

 スイスには花こう岩を調査対象とするグリムゼル岩盤研究所もある。処分場の候補地は3段階で絞り込み、連邦議会の承認などを経て正式に決まる。議会承認から100日以内に5万人の署名が集まれば国民投票にかけることも可能だ。

 2015年、NAGRAは第2段階の候補地選定でモン・テリ岩盤研究所に近いジュラ東部と、チューリヒ北東部を提案した。いずれも地下400〜900メートルに十分な厚さのオパリナス粘土が存在する。掘削調査などを経て24年ごろまでには1カ所に決める予定だ。

 スイスにある原発は5基で、総発電量の4割弱を占める。しかし連邦政府は、東京電力福島第1原発事故の直後、原発は建て替えずに段階的に撤退する方針を決めた。5基が50年運転すると、核のごみなどを入れた容器が計7325立方メートル発生する計算だ。処分費用は約46億スイスフラン(約5100億円)を見込む。

 実際の処分では、パイロット施設に少量の核のごみを運び込み、変化を監視するよう義務付けている。50年間、問題がなければ処分場を本格的に造る。NAGRAのストラティス・フォンフォリス国際支援・協力本部長は「パイロット施設での監視結果をみて、将来世代がどうすべきか判断できる」と利点を強調する。

 世界で処分場の選定で先行するのは、建設に着手したフィンランドと建設に向けた安全審査に入ったスウェーデンだ。いずれも最も古いと19億年前となる安定した地層を選んだ。それらに続くフランスとスイスも1億数千万年前の粘土層がある地域を候補地とした。

 一方、日本は地震や火山が多く、地層は欧州と大きく異なる。政府は年内にも科学的に適地とされる地域を示すが、日本地図から活断層や火山周辺などを除外したものにすぎない。フォンフォリス氏は「日本でも処分できる場所がどこかにあるはずで、そのための調査が必要だ」と話す。

 適地を示しても住民の理解を得ながら実際に地質を調べて処分地を決めるまでに約20年かかるとされる。「トイレなきマンション」という原発への批判解消に向け、ようやくスタートラインに立った段階だ。

 浅沼直樹が担当しました。

[日経新聞11月28日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1715.html

[お知らせ・管理21] 板違い投稿削除の依頼

いつもお世話になっています。

原発板に投稿すべきところをエネルギー板に投稿してしまいました。
お手数をおかけしますが、削除をお願いします。

[削除対象投稿]

「どうする原発のごみ 欧州編<上>フランス粘土層で封じ込め 地震少なく地盤安定<下>スイス、自己修復する地層選定 試験施設」
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1715.html

よろしくお願いします。



http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/472.html

[原発・フッ素46] どうする原発のごみ 欧州編<上>フランス粘土層で封じ込め 地震少なく地盤安定<下>スイス、自己修復する地層選定 試験施設

どうする原発のごみ 欧州編

<上>フランス粘土層で封じ込め 地震少なく地盤安定

 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)は、放射線が十分下がるまで、数万年以上、地下深くに隔離する必要がある。欧州はそのための処分場の候補地を選び、地質調査や研究開発を進めている。日本も科学的に適地とされる地域を年内にも公表するが、地質環境が大きく違い実現へのハードルは高い。先行するフランスとスイスの現場を訪ねた。


核のごみを入れることを想定した横穴を掘り、岩石の安定性などを調べる(仏のビュール地下研究所で)

 パリから東へ約230キロメートル。人口約90人のビュール村がある。見渡す限り麦畑や牧草地が続き、目につくのは風力発電と牛くらいだ。この村に国内外から年間1万人の研究者や政府関係者が訪れる。目的はビュール地下研究所だ。

 エレベーターで7分かけて地下約500メートルにある研究施設に降りると、1.6キロメートルにわたる坑道があった。作業員が24時間体制で掘削工事などを進める。坑道から直径80センチメートル、深さ40メートルの横穴が多数掘られ、1万点のセンサー類で岩石の圧力や温度の変化などを監視している。

 原発から出る核のごみはガラスと混ぜて「ガラス固化体」にし、ステンレス容器に詰め、鋼鉄製容器に入れて安定した地層に掘った横穴に詰め込む。処分場の候補地は研究所の近くにあり、建設に必要な調査などをここで進めている。

 地下研究所は、国が設置した放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2000年に建設を始めた。28の候補地が名乗りを上げた中、ビュールが選ばれた最大の理由は、地下の地質環境だ。

 石灰岩層に挟まれるように「カロボ・オックスフォーディアン粘土層」という厚さ130〜160メートルの地層が広がる。約1億6000万年前のジュラ紀に海底に降り積もった堆積物によって形成された。ほとんど水を通さず、放射性物質を長期間閉じ込められる。

 そのうえ「地震などが皆無の非常に安定した地盤だ」とANDRAのジェラルド・ウズニアン国際部長は話す。水の通り道となるような亀裂も生じない。

 日本でも北海道幌延町と岐阜県瑞浪市に地下研究施設がある。ウズニアン氏は、ビュール周辺は「幌延と似たような地層」と言うが、日本の両施設では岩盤の割れ目から大量の地下水が流れ込む。地下水がほぼないビュールとは決定的に異なる。

 ANDRAは25年に処分場の操業開始を目指す。仏にある58基の原発から出る核のごみを100年以上にわたって搬入し、2151年に埋め戻して閉鎖する。その量はガラス固化体換算で計1万立方メートル。処分費用は250億ユーロ(約2兆9000億円)を見込む。

 処分場は「可逆性」を担保する。ガラス固化体の容器にセラミックスの板を張って摩擦を減らし、横穴から引き出しやすくした。処分場閉鎖までにもっと安全な処分方法が開発されれば取り出すことができ、住民の安心感が高まったという。日本政府も昨年、可逆性の方針を採用した。

 ビュールが選ばれたのは、仏でも所得水準の低い地域の一つという事情もある。地下研究所は約400人が働いている。広報担当のポリーヌ・フルニエさんは「高校の同級生は全員地元を離れたが私は残ることができた。農家の父も喜んでいる」と話す。国から周辺自治体に年3000万ユーロ(約35億円)の補助金も出ている。処分場建設時には2000人の雇用も生まれる見通しだ。

 原子力がもたらす雇用と補助金で地域が経済的に潤う構図は日本と変わらないが、フランスには最終処分場建設を受け入れる人が多い。一方、日本では抵抗感が強く、手を挙げる自治体はまだない。核のごみの行方は不透明なままだ。

[日経新聞11月21日朝刊P.15]


<下>スイス、自己修復する地層選定 試験施設で変化を監視

 「秘密基地みたいでしょう」。スイスの放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)の榊利博地質科学プロジェクトマネージャーはこう話して笑った。首都ベルンの北約50キロメートル、記者らを乗せたマイクロバスはフランスとの国境近くのトンネル脇にある避難用トンネルへと入っていった。大きな二重扉の先に現れたのがモン・テリ岩盤研究所だった。


スイスでは核のごみなどを収めた容器を粘土層の横穴に入れ、粘土で埋め戻す方法を検討する(モン・テリ岩盤研究所)

 この研究所は、数万年以上隔離する必要がある高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分に適した地層を調査する。連邦政府と電力会社が40年以上前に設立したNAGRAのほか、フランスの放射性廃棄物管理機関や日本原子力研究開発機構、電力中央研究所、大林組なども出資する。地層が斜めに重なった山を貫いたトンネルを活用しており、地下深くまで掘らなくても目的の地層に到達できる。

 ここで調べているのは、約1億8000万年前のジュラ紀に形成された「オパリナス粘土」と呼ぶ堆積岩などでできた地層だ。太古、この地域は熱帯の浅い海だった。発掘されるアンモナイトの殻がオパールのような光彩を放つことから、粘土の名前が付いた。

 オパリナス粘土はほとんど水を通さず、放射性物質を長く閉じ込める。「掘削で亀裂が生じても、流れ込んだ地下水を吸収して膨らみ、元に戻る自己修復機能がある」(榊氏)という。

 スイスには花こう岩を調査対象とするグリムゼル岩盤研究所もある。処分場の候補地は3段階で絞り込み、連邦議会の承認などを経て正式に決まる。議会承認から100日以内に5万人の署名が集まれば国民投票にかけることも可能だ。

 2015年、NAGRAは第2段階の候補地選定でモン・テリ岩盤研究所に近いジュラ東部と、チューリヒ北東部を提案した。いずれも地下400〜900メートルに十分な厚さのオパリナス粘土が存在する。掘削調査などを経て24年ごろまでには1カ所に決める予定だ。

 スイスにある原発は5基で、総発電量の4割弱を占める。しかし連邦政府は、東京電力福島第1原発事故の直後、原発は建て替えずに段階的に撤退する方針を決めた。5基が50年運転すると、核のごみなどを入れた容器が計7325立方メートル発生する計算だ。処分費用は約46億スイスフラン(約5100億円)を見込む。

 実際の処分では、パイロット施設に少量の核のごみを運び込み、変化を監視するよう義務付けている。50年間、問題がなければ処分場を本格的に造る。NAGRAのストラティス・フォンフォリス国際支援・協力本部長は「パイロット施設での監視結果をみて、将来世代がどうすべきか判断できる」と利点を強調する。

 世界で処分場の選定で先行するのは、建設に着手したフィンランドと建設に向けた安全審査に入ったスウェーデンだ。いずれも最も古いと19億年前となる安定した地層を選んだ。それらに続くフランスとスイスも1億数千万年前の粘土層がある地域を候補地とした。

 一方、日本は地震や火山が多く、地層は欧州と大きく異なる。政府は年内にも科学的に適地とされる地域を示すが、日本地図から活断層や火山周辺などを除外したものにすぎない。フォンフォリス氏は「日本でも処分できる場所がどこかにあるはずで、そのための調査が必要だ」と話す。

 適地を示しても住民の理解を得ながら実際に地質を調べて処分地を決めるまでに約20年かかるとされる。「トイレなきマンション」という原発への批判解消に向け、ようやくスタートラインに立った段階だ。

 浅沼直樹が担当しました。

[日経新聞11月28日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/875.html

[国際16] 水害の北朝鮮に人道支援を 国際赤十字 近衞会長が視察に出発:支援物資は既に手配済みの可能性が大

近衞忠輝会長は、経由地の北京空港で、「現地は冬になり、支援を急がないと大変なことになるのではないかと心配している。現状が深刻であれば国際社会にさらなる協力をお願いしたい」と述べているが、既に12月3日であり、これから支援物資の準備をするような流れでは“大変なこと”なってしまう。

 ロシアが北朝鮮への支援物資輸送を報じたが、その支援物資には日本政府が負担する分があると考えるのが妥当だろう。

 金永南最高人民会議常任委員長が面会するのも、支援への感謝とお礼の意味があると推測する。

※関連参照投稿

「露非常事態省、台風被害の北朝鮮に人道援助物資を輸送へ:食糧170トン・ディーゼル燃料700トン、日本政府も陰ながら協力?」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/307.html

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水害の北朝鮮に人道支援を 国際赤十字 近衞会長が視察に出発[NHK]
12月3日 16時15分

大規模な水害に見舞われた北朝鮮に対して人道支援を行っているIFRC=国際赤十字・赤新月社連盟の近衞忠輝会長が、被災地の状況を確認するため3日、経由地の北京から北朝鮮に出発しました。

北朝鮮北東部のハムギョン北道は、ことし8月末から9月初めまでの大雨で大規模な水害に見舞われ、国連機関は、死者・行方不明者が500人を超え、およそ7万人が家を失ったとしています。

IFRC=国際赤十字・赤新月社連盟は、被災地に食糧や衣類などの人道支援を行っていて、トップの近衞忠輝会長が、被災地を訪れるため3日、経由地の北京の空港から北朝鮮に出発しました。近衞氏は今月10日まで北朝鮮に滞在し、被災地の状況や必要な支援を確認するほか、平壌でキム・ヨンナム(金永南)最高人民会議常任委員長と面会する予定だということです。近衞氏は北京の空港で記者団に対し、「現地は冬になり、支援を急がないと大変なことになるのではないかと心配している。現状が深刻であれば国際社会にさらなる協力をお願いしたい」と話していました。

IFRCは国際社会に緊急支援を呼びかけていますが、水害直後に5回目の核実験を強行したうえ、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への支援については多くの国が慎重な姿勢を見せています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161203/k10010793831000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_010


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/575.html

[国際16] 親露的転換:ニューヨーク・タイムズ、欧州政治での新トレンドを語る

親露的転換:ニューヨーク・タイムズ、欧州政治での新トレンドを語る[スプートニク日本語]
2016年12月02日 07:31

フランス大統領選のための中道右派の政党、共和党の候補を選ぶ予備候補で、フランソワ・フィヨン元首相が勝利した。これは、ロシアとの対立ではなく、ロシアへの接近に向かう動きが欧州で力を増していることを証している。ニューヨーク・タイムズが報じた。

フィヨン氏のような政治家は、伝統的な反露政治は新たなアプローチに席を譲る必要があると考える、非常に大部分の欧州人の意見を反映している。

反露制裁の廃止と、テロと不法移民問題でのロシア政府との協力に賛成するフィヨン氏の成功は、センセーションを呼んだ英国のEU離脱とトランプ氏の米大統領選挙勝利と同列に並ぶ。

「全てのトレンドは今、ロシアに対抗する厳しい方針から離れ、ロシアには自らの影響圏があるという事実を受け入れることを示している」とニューヨーク・タイムズは報じる。

フィヨン氏の外交政策での考えは多くの点でフランス伝統的なもので、シャルル・ド・ゴールの方針を思い起こさせる。彼は1959年から69年にかけて大統領のポストにいた間、ソ連と十分に有効的な関係を保った。

同紙は、ロシアとの関係改善を掲げて権力の座についたトランプ氏や東欧の一連の諸国で最近選出された首脳たちは、この問題について話し合える可能性が十分あると指摘。

同紙によると、国際舞台でロシアの影響力が伸びていく状況で、欧州地域の諸国には3つの代替案がある。それは、厳しい反露方針を続けること、ロシア支持に堂々と移行すること、世界のパワーバランス変化をようやく認めることだ。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612023073577/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/576.html

[国際16] 極なき世界の航海 沈む中間層が反旗、新秩序は米再生から

極なき世界の航海 沈む中間層が反旗、新秩序は米再生から
論説委員長 原田亮介
2016/12/2付

 グローバル化が地球の隅々まで浸透するさまを描いた「フラット化する世界」(トーマス・フリードマン著)の出版からほぼ10年。米欧には反移民や反自由貿易のうねりがみられ、「世界の警察官」不在は中東などに混迷をもたらした。世界秩序の安定には、強い米国の復活が欠かせない。

 「フラット化する世界」は地球が「小さく平ら」になり、個人の力が強くなる大変革期の到来を予言した。起爆剤はインターネットだ。今や人工知能(AI)やロボット技術を軸とする「第4次産業革命」(クラウス・シュワブ著)の大潮流になりつつある。

 だが国際経済システムがどれだけグローバル化しようと、政治構造が国民国家を基本としていることに変わりはない。この矛盾が反グローバル化の火種となっている。
□     □
 「象のチャート」と呼ばれるグラフがある。世界の所得上位1%と、30〜60%の所得層は20年間で実質所得が6割も増えているのに、上位80%前後の所得層はほとんど所得が増えなかった。ニューヨーク市立大のブランコ・ミラノビッチ氏が分析した。

 冷戦崩壊直前の1988年からリーマン・ショックが起きた2008年までの20年間、グローバル化とIT化は一握りの金持ちと中国などアジアで勃興した中間層に恩恵を与えた。一方で、先進国の中間層にはメリットが十分浸透しなかったことになる。

 来年1月、米大統領に就任するドナルド・トランプ氏。環太平洋経済連携協定(TPP)離脱や、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉など、保護主義的な政策には危うさがつきまとう。

 英国は来年春から欧州連合(EU)離脱の協議に入る。移民の流入を制限する一方で、従来通りにEUの単一市場の恩恵を受けるという「いいとこ取り」ができるとはとても考えられない。

 自由主義からの逆走をポピュリズム(大衆迎合主義)と批判するのは簡単だが見落としてはならないことがある。

 もともと先進国の中間層は人権や機会平等を尊ぶ、民主主義の中核的な担い手だ。それが豊かさが実感できないために、グローバル化に懐疑的になり、政治批判を先鋭化させているのだ。

 米欧の内政の揺らぎは国際秩序にも影を落としている。

 13年9月、オバマ大統領は「米国は世界の警察官ではない」と明言した。イラクとアフガニスタンでの戦争が長期化して米国民の批判が高まり、そう言わざるを得なかったのだが、シリア内戦はこれを機に泥沼化し、打開の糸口もみえない。

 ロシアのクリミア侵攻や中国の南シナ海での領有権の主張、北朝鮮の相次ぐ核実験やミサイル発射――。米国の一極支配が明白な状況ならこんな混迷があっただろうか。
□     □
 グローバル化がもたらした地殻変動は、米国を先頭に主要7カ国(G7)が世界をリードする時代の終わりを予感させた。実際、世界の国内総生産(GDP)に占めるG7の比率は半分を切っている。

 だが中国やインドなど新興国も交えたG20はG7を代替しない。中国は共産党の一党支配だし、サウジアラビアでは王政が続くなど政治形態はばらばらだ。価値観の共有ができなければ、合意形成も難しいだろう。

 米政府の国家情報会議が近未来を予測した「グローバルトレンド2030」。GDP、人口、軍事費、技術投資、健康、教育、統治という要素から算出した「国力」は米国がトップであり、40年代まで中国に抜かれない。

 米国の国際秩序への関与後退を称して「Gゼロ」という声もあるが、当面米国以外に世界の盟主は見当たらない。

 大統領選で露見した国内の分裂を修復し、中間層を再生できるかどうか。米国の復活は世界の行方も左右するだろう。

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO10113410Q6A131C1M20100/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/577.html

[雑談・Story41] 科学者:頭の悪い女性の方が男性受けがいい:「知的な女性がいい」とは言う(考えている)けれど

科学者:頭の悪い女性の方が男性受けがいい[スプートニク日本語]
2016年12月03日 10:53

テキサス大学の研究者はカリフォルニア州の心理学者との共同研究で、どのような女性が男性を惹きつけるのかを判定した。刹那的な傾倒ではなく生涯の伴侶として、である。

男性への聞き取り調査では「知的な女性がいい」とのことだったが、潜在意識の分析では、彼らの選択がしばしば願望と乖離していることが示された。

心理学者の聞き取りでは、男性たちは女性が自分より賢くても問題はないと述べていた。 しかし、調査により、男性はたしかに当初知的な女性に関心を示すのだが、女性のIQが高いことがわかると、彼女たちを避けるようになることが分かった。

女性より自分のほうが頭が悪いことが分かると、男性は屈辱を感じ、自分のことを脆弱に感じるのだという。

https://jp.sputniknews.com/science/201612033079919/


http://www.asyura2.com/14/idletalk41/msg/466.html

[原発・フッ素46] 「機械製作工場」、核燃料の需要満たすため3交代制勤務の構え:露「ロスアトム」傘下企業

「機械製作工場」、核燃料の需要満たすため3交代制勤務の構え[スプートニク日本語]
オピニオン
2016年12月03日 09:35(アップデート 2016年12月04日 02:28)

国営原子力企業「ロスアトム」の傘下の中でも最も機密性が高く公開を許さない核燃料製造工場として知られる「機械製作工場」。モスクワ郊外のエレクトロスタリ市にあるこの企業が今回、第11回「原子力エネルギー、エコロジー、安全2016」フォーラムの記者と来客のために特別に扉を開いた。プレスツアーには11月22日、23日に行われたフォーラムの参加者とともに、スプートニク特派員も参加した。

工場に入るために、参加者たちは白衣、帽子、靴カバーに、息をするのも辛いほど顔に密着するマスクを顔に着けた。特別な制服に加え、来訪者それぞれが放射線量を示す機器である特別な線量計を受け取った。

「機械製作工場」は、ロスアトム傘下のTVEL社が持つ12の企業の1つ。TVEL社は、自社データによると、世界の核燃料市場で現在17%のシェアを占めており、2032年までに22%を占める予定だ。工場は高速増殖炉や実験用、船舶用原子炉など大多数の種類の原子炉用の燃料を生産している。「機械製作工場」は今日、ロシアおよび欧州、アジア14カ国にある発電用原子炉78機の燃料を供給している他、燃料ペレットやカセット状の燃料集合体を輸出している。これは工場の輸出品の90%を占めている。

巨大な工場では、統一自動化スキーマによって様々なタイプの原子炉用の燃料を生産している。異なるのは燃料ペレットの原料であるウラン粉末のタイプのみ。生産テクノロジーはいくつかの段階を通る。濃縮ウラン粉末はプレスされ、熱処理を受け、研磨された後、ペレットごとに直径がレーザーマイクロメータで測られる。これは生産時の不良品をはねるためだ。典型的な欠陥はコンピュータのメモリに記録されており、欠陥が発見された場合は、燃料ペレットは空気で「吹き飛ばされ」特別なコンテナへと落とされる。検査を通り抜けたペレットは別の部門で「燃料棒」と呼ばれる特殊なロッドに充填され、その燃料棒から燃料集合体というより大きな構造が組まれる。

「スプートニク」のインタビューを受けて、工場のアレクセイ・ジガリン技術長は、TVEL社は「仏アレヴァ社や米ウェスティングハウス・エレクトリック社のような世界の最大手核燃料製造会社の水準に立っている」として次のように語っている。

「(西側諸国では燃料集合体が正方形で作られているのに対し、ロシアでは6角形で作られているため)われわれの競争相手がものにするには難しいロシア型のデザイン(6角形の燃料集合体)の原発市場がある。米ウェスティングハウスはこの市場に進出しようとしているが、残念ながら全てがうまくはいっていない。残念ながらというのは彼らの側にとっては、という話で我々としては喜ばしい限りなのだが。仏アレヴァ社に関してはわが社は、燃料供給先国をアレヴァ社が決め、われわれは彼らの注文に応えて燃料を作るという関係を保っている。」

来年2月、「機械製作工場」は100週年を迎える。1917年2月28日、同工場で初回分の弾薬が生産された。第2次世界大戦時、工場はまた、ドイツに対するソ連の勝利を確実にした伝説的な自走式多連装ロケットランチャー「カチューシャ」や自走式多連装ロケットランチャー「ワニューシャ」」多連装ロケットといった兵器を生産した。戦争終了とともに兵器生産は中止され、「機械製作工場」はソ連原子力計画に加えられて核燃料開発と生産に着手した。1954年非軍事目的の原発であるオブニンスク原子力発電所用の燃料と、やや下って1957年には世界初の原子力砕氷船のための核燃料が開発されたももまさにこの工場だった。

今、多くの国で「グリーンエネルギー」が発展しているが、原子力発電は最も安定している上に二酸化炭素排出量で見れば今もなお環境的にクリーンな発電法でありつづけている。世界原子力協会のデータによると、世界の原子力発電による発電量は、2015年度379ギガワット。予想では2035年には552ギガワットにまで伸びるとされていることから、これに応じて核燃料に対する世界的な需要も伸びていくだろう。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201612033079859/


http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/877.html

[国際16] トランプ氏、海外移転企業に罰則の可能性示唆:「もはや米国を去る理由はない」

トランプ氏、海外移転企業に罰則の可能性示唆[WSJ]
「もはや米国を去る理由はない」

By
TED MANN AND DAMIAN PALETTA

2016 年 12 月 2 日 09:44 JST 更新

 ドナルド・トランプ次期米大統領は1日、メキシコに移転予定だった空調大手キヤリアのインディアナ州の暖房機器製造工場を訪ね、移転を阻止して同州の雇用を守った成果をアピールした。また他の米企業に対しても、海外への業務移転を決めれば厳罰に処する考えを示した。

 「米国からの移転を検討しているとわかれば、この国から出て行かないように各方面から電話をかけさせる」と同氏は語った。「米国を去ることは非常に難しくなるだろう」

 インディアナ州当局は、米複合企業ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)に対し、傘下のキヤリアが約1100人の雇用を州内に留めるのを促すため、10年間にわたり700万ドル(約8億円)相当の減税措置を講じることで合意した。事情を知る複数の関係者が明らかにした。トランプ氏は選挙戦中からキヤリアの生産移転計画を激しく批判していた。

 関係者によると、キヤリアは閉鎖・移転予定だったインディアナポリスの暖房機器製造工場を含め、州内の事業を維持するために約1600万ドルを投じる。 

「もはや米国を去る理由はない」

 トランプ氏の同工場での発言は、次期大統領に決まってからの他のコメントと合わせ、来年1月20日の正式就任以降、実業界のリーダーたちとどう関わっていくのか知る手がかりになる。

 同氏はすでに「アメとムチ」の方針を明らかにしている。現行35%の法人税率を15%に引き下げ、大幅な規制緩和を計画する一方で、雇用を国外に移転させる企業には厳しい措置を講じる意向だ。

 トランプ氏は「他のすべての企業に伝えたい。米国のビジネスに素晴らしい恩恵を与えようとしていることを」とし、「もはや米国を去る理由はない」と語った。

 さらにトランプ氏は、米国とメキシコの国境沿いに壁を築くという選挙戦中の公約について「私を信じてほしい。壁は建設する」と語った。

http://jp.wsj.com/articles/SB11422898199843704136304582471401232521284


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/590.html

[アジア21] 韓国激震 怒りの底流

[ニュース複眼]韓国激震 怒りの底流

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が任期満了前の辞任を表明した。野党3党は条件なしの即時辞任を求める構えで、先行きはなお見えない。政治の混乱に加え、韓国経済も停滞。デモを通じた国民の怒りも収まらない。混迷の背景にあるものは何か。

■朴氏、変革の期待裏切る ソウル大名誉教授 張達重氏

 朴槿恵大統領の国民向け談話は、自身の退陣に言及したものの辞めるまでのプロセスは明示しなかった。退陣の意味がはっきりしないし、大統領自身の過ちも事実上認めていない。談話を聞いた国民は違和感をおぼえたのではないか。

 朴大統領の退陣を求める大規模集会に主催者発表で100万人規模の人が集まったのは、2012年の大統領選挙で国民が朴氏に「韓国社会の正常化」を託したことと関係がある。

 1987年の民主化以降、韓国では様々な対立が生まれた。保守政党と革新政党の理念の対立、経済格差を伴う世代間の対立、大統領と同じ出身地の人間が会社や役所の人事で優遇されることによる地域間の対立などだ。政権交代を繰り返す度にこんな対立が深刻化し、社会問題の根を深くした。朴大統領は保守政党出身だが穏健なイメージが強く、バランスの良い政治を進めて社会を正常化してくれるとの期待があった。

 実際は外交にせよ内政にせよ独断が目立った。強硬な北朝鮮政策や周囲の意見を取り入れない人事が典型だ。財閥偏重を解消する「経済民主化」も実効性のある政策は打てなかった。

 その上、友人の崔順実(チェ・スンシル)被告の娘が名門女子大学に不正入学するのに力を貸したとされる。日本以上に学歴が重んじられる韓国では不正入学は受験経験者から親まで幅広い世代の反感を買う。国民の期待に応えられず反感まで買えば、国民が朴大統領に強い怒りを向けるのは無理もない。高級官僚などエリートと呼ばれた人々が社会の尊敬の対象ではなくなり、国の統治モデルが揺らいだことも背景にある。

 今後のポイントは抗議集会などで見せた国民の意思が、韓国社会の改革につながるかどうかだ。可能性は五分五分だとみている。今回の件を見ても分かるように、韓国大統領の非常に強い権限が問題を生む土壌になっている。権限の一部移譲が国会で議論になっているが、国民の声を受け止めて行動に移す政治家がいなければ実現できない。

 もしかしたら既存の政党の枠組みでは、国民が望む政治の実現は難しいかもしれない。次期大統領を選ぶ過程で与党「セヌリ党」でもない、最大野党「共に民主党」でもない第3の勢力が出てくる可能性がある。

(聞き手はソウル=山田健一)

 チャン・ダルジュン 71年ソウル大学大学院修了。78年東大客員研究員、ソウル大教授を経て13年から名誉教授。15年サムスン物産社外取締役。68歳。

■財閥支配、閉塞感を増幅 漢城大教授 金商祖氏

 朴大統領の談話で、経済政策を決定し執行する行政府首班としての大統領はもはや存在しない。政策のコントロールタワーが崩壊し、韓国経済は船長を失った船のように漂流が続く。

 政治家、官僚、企業、消費者は明日どうなるか分からない状況では判断を下せない。韓国では近く日本型不況に突入するとの懸念があるが、経済指標で見るとすでにその状態にある。

 韓国経済の問題は1997年のアジア通貨危機のような金融の危機ではなく、企業の競争力低下や内需の停滞など実体経済の不振の側面が大きい。長期的な視点に立った構造改革が必要な状況なのに手を打てないのは憂慮される状況だ。

 朴氏が2012年の大統領選で当選した背景に、父の故・朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領以来の近代化の総仕上げになるという期待が保守・進歩陣営双方にあった。保守政治家ながら財閥改革を促す「経済民主化」を掲げ、韓国が成熟した社会に発展するとの期待があった。だが後に政策を撤回し、経済も停滞する中、裏切られたという思いが4%の支持率に表れた。

 友人の崔被告が娘を名門の梨花女子大学に不正入学させていた事実も若者の怒りを呼んだ。若者の間では「ヘル朝鮮」(地獄のように生きづらい韓国社会)という言葉が流行するほど閉塞感が強い。サムスンなど財閥への就職は難しいが、崔被告が支配する2つの財団に財閥が資金を出した事実は怒りを増幅させた。

 資金拠出を強要された被害者である財閥が、容疑者という側面も強調されているのは政経癒着の問題が根強いからだ。朴正熙時代には政府は事業の許認可権や金融支援を材料に資金拠出を要求していた。だが、今では財閥オーナーが支配力を維持するための不透明な支配構造の維持や、子供への継承問題を巡る不当な取引などを政府が黙認する対価という側面が強い。

 今回の事件が、朴大統領が断念した経済民主化が動く契機になればいい。強すぎる財閥は市場の競争を阻害している。財団への資金拠出が取締役会の決定を経ずになされていた事実は問題だ。株主や債権者、従業員ら利害関係者がそれぞれ持つ権利を行使し、オーナー家をけん制するなど支配構造を改善する力につながれば大きな成果だろう。

(聞き手はソウル=加藤宏一)

 キム・サンジョ ソウル大経済学博士。94年から現職。財閥改革が専門で、少数株主保護や企業の支配構造改善を求める市民団体の経済改革連帯の所長も。54歳。

■大企業と中小、格差拡大 大東文化大教授 高安雄一氏

 韓国国民の不満が噴出した背景には経済の停滞と格差の拡大もある。朴政権は経済改革を試みたが、結局できずじまいだった。

 韓国経済の潜在成長率は3.5%程度だが、ここ数年の実績は3%を切ることが多い。原因はまず輸出の不振にある。韓国の国内総生産(GDP)は約5割が輸出だ。外需が減ると経済が落ちこむ構造と言える。

 以前は米国だけを見ればよかったが、今は米国と中国の最終需要がほぼ半々だ。最近は中国の伸び悩みのあおりを受けている。

 内需が小さい韓国はもともと経済成長を外需に求めてきた。輸出をけん引したのは財閥企業だが、ここに韓国の構造問題が潜む。輸出不振は財閥企業の業績を悪化させる。普通は賃金を下げるが、韓国の財閥企業は労働組合が強く賃金を下げにくい。特に今年は現代自動車で賃金交渉が難航し、十数年ぶりに全工場でストライキが起こった。

 こうした体質は結局、下請け企業に取引価格や賃金の引き下げという形でふりかかる。日本と違って韓国の中小企業は技術力が乏しく、財閥企業に言われるがままのケースが大半だ。大企業と中小企業の格差が広がり、不満が広がった。

 朴大統領は大企業の経営者と労働者が話し合う政労使委員会を作り、両者の歩み寄りを促そうとしたが、実現することなく、事実上機能は停止したままだ。

 韓国は日本と同様に高齢化が進み、潜在成長率は30年代に2%を切ると言われる。成長力を上げるには生産性を高める必要があるが、それには労働組合の改革が不可欠だ。

 経済成長には教育改革も重要だ。今は皆が一流大学に行って財閥企業などの大企業を目指す。中小企業に行くと人生の敗者だと見られてしまい、技術力のある中小企業が育ちにくい。朴大統領は技術者養成の専門大学を生かした教育改革も目指したが、退陣表明によりこれも頓挫してしまった。経済活性化につながる構造改革を進められなければ、中国など他の新興国に追いつかれる可能性もある。

(聞き手は福士譲)

 たかやす・ゆういち 90年経済企画庁(現内閣府)入庁。在韓日本大使館勤務、筑波大准教授などを経て現職。九州大博士。専門は韓国経済。50歳。

■デモ、過去にも国動かす 静岡県立大准教授 奥薗秀樹氏

 朴大統領の退陣デモが勢いをみせたのは「父の偉業を汚した娘」というとらえ方をされたためだ。父である朴正熙元大統領は1960〜70年代に経済成長を導いた人物として保守派に人気があり、顔に泥を塗った格好の朴氏への怒りが爆発した。嘘はつかない政治家という朴氏の従来のイメージも落胆につながった。

 デモで実際に効果を上げてきた国という点も参加人数が増えた背景にある。60年の李承晩元大統領退陣、87年の憲法改正はデモがきっかけの一つだった。国民は成功体験に基づき運動に参加したとみられる。

 朴氏は国会に進退を委ねると表明したが、実際の退任はずっと先になる可能性がある。各党の利害が一致せず統一案の作成が難しいからだ。朴氏は承知の上で談話を発表しており、あわよくば長く大統領職に残りたいと考えているようだ。

 早期辞任を嫌がる1つ目の理由は不名誉な辞任を避けたいと思っていることだ。もう一つは、今大統領選になれば北朝鮮に融和的な野党が政権を取るという危機感だ。朝鮮半島情勢が緊迫するなか、まずは世論が落ちつくのを狙っている。

 国会で弾劾案が可決されるかは見通せなくなった。ただ、もし可決されても弾劾が成立するかどうかは世論がカギを握るだろう。

 最終的に弾劾の是非を審理する「憲法裁判所」は87年の民主化で復活した司法機関で、国民の意をくみたいという意識を持っているとされる。過去には世論に沿った判断を下しており、今回も同様となる可能性がある。

 今回の問題は日韓関係にプラスにならない。朴氏追及の動きが強まれば、慰安婦合意や日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の無効論まで勢いを持つ恐れがあるからだ。日本は感情的にならず、合意内容を粛々と前に進めるべきだ。

 北朝鮮にとっては、今核実験などの挑発に踏み切れば北に強硬な朴氏を勢いづかせる。北に融和的な政権を誕生させるため、しばらくは挑発を自粛するのではないか。

(聞き手は白石透冴)

 おくぞの・ひでき 93年広島大院博士課程前期修了。NHK記者、韓国東西大助教授などを経て10年4月より現職。専門は韓国政治外交。52歳。


[アンカー] 暮らしへの不満、政治不信と共振

 韓国で初雪を観測した先週末の大規模抗議集会から3日目、朴槿恵大統領がついに任期満了前の退陣を表明した。幼少期からの苛烈な競争や格差拡大にたまっていた不満のマグマに、大統領と友人の疑惑が火を付けた。

 韓国の知人に聞くといま目の前で起きているのは「革命」なのだという。56年前、初代大統領の李承晩を退陣させたのも不正選挙に怒る学生らの「4・19革命」だった。その後も韓国市民は街頭に繰りだし、政治を動かす体験を得てきた。

 「米日中ロのマッチョなリーダーたちに囲まれた韓国」。韓国紙にこんなコラムが載った。北朝鮮では最高指導者が軍部隊の視察を繰り返している。韓国人のエネルギーに改めて驚きながら、先の見えない韓国にどこか不安も覚える。(ソウル支局長 峯岸博)

[日経新聞12月1日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/16/asia21/msg/699.html

[戦争b19] 韓国が中国抜きアジア最大の武器輸出国へ:大砲など“地道な”通常兵器に傾注

[FT]韓国が中国抜きアジア最大の武器輸出国へ
2016/12/6 14:30

 韓国で戦争ビジネスが活況だ。

 同国の軍事関連輸出は2009年以降、1100%近く増加した。不安定さを増す世界情勢や価格競争力の高さ、同国が得意とする通常兵器の需要再燃により、同国の武器製造企業が繁盛していることが背景にある。

 アナリストは、韓国はこのまま順調にいけば、20年までにアジア最大の武器輸出国である中国を追い抜くとみている。

 CLSA証券の韓国部門の調査部責任者、ポール・チョイ氏は「世界的にも韓国は良い位置につけている」としたうえで「防衛装備分野での同国の構造的な成長は既に目標を達成した。20年までには中国を抜き、アジア最大の武器輸出国になるだろう」と話す。

 アジアや東欧で地政学的な緊張が高まっているのもこの活況の追い風となっている。

 中国が南シナ海で強硬姿勢を強めているため、インドネシアやフィリピンなど同地域の新興国市場は防衛にますます専心しているが、価格面にはシビアな目を向ける。

 韓国航空宇宙産業(KAI)やハンファ・テックウィンなどの武器輸出会社は、技術移転で契約に価値を上乗せすることも多く、極めて高い競争力を示している。

 韓国はまた、地政学的、歴史的なしがらみがほとんどなく、中東やインド亜大陸、東南アジアで高まる武器製造への需要に、一部の近隣諸国よりも気兼ねなく応じることが可能だ。

■中国の武器輸出額は減少

 英情報サービス会社、IHSマーキットのシニア防衛アナリスト、ベン・ムーアズ氏は「トラックや潜水艦をインドネシアに、通信機器はイラクに、戦艦は英国に――などと輸出できる多様な産業が韓国にはあり、幅広い国々へと輸出している」としたうえで、「一方、中国はパキスタンとスリランカに依存している」と語った。

 韓国は昨年8億7100万ドル相当の武器を輸出、09年の7300万ドルから増えた。同氏は、16年の武器輸出総額は12億ドルを上回ると見込んでいる。

 これに対し、中国の武器輸出額は、13年の19億ドルから昨年は16億ドルに減少した。IHSマーキットは、中国は来年には世界の上位10カ国から脱落するとみている。

 ムーアズ氏は「韓国は資金の使途が適切だ。自国の虚栄のためではなく、戦略兵器に投資している」と話す。

 韓国の防衛事業庁によると、同国はこの3年間で年間30億ドル以上の受注を受けており、今後数年で大きな収入が得られる見込みだ。

 大砲などの通常兵器に軸足を戻したことも寄与した。通常兵器は、北朝鮮との対峙が続くなか、同国が数十年にわたり磨いてきた分野だ。

 韓国の防衛について最近リポートを書いたチョイ氏は、ロシアによるクリミア侵攻も需要の急増をもたらしており、東欧や北欧諸国がハンファ・テックウィンと自走砲の発注交渉を行う順番待ちをしている状況だと述べた。同氏は「ハンファの(価格)競争力は非常に高い」としたうえで「歴史的に見て、大砲需要の約4分の1は韓国政府が占めており、大砲生産のスケールメリットは大きい。ドイツの同業他社の価格設定はその約2倍だ」と話した。

 だが、韓国にとっては、KAIがこの先、米空軍から練習機500機の受注契約を確保できるかどうかが今後を大きく左右する。同社のT-50ジェット機は米ロッキード・マーチンから技術支援を受けて開発したものであることから、受注を勝ち取れる可能性は高いとチョイ氏は話す。受注できれば、米国の同盟国もこれに続く可能性が高い。

 だが、悲観的な要素もある。ハンファやKAI、対ミサイル・レーダー機器製造のLIGネクスワンなどの株価が、同国保守派の朴槿恵(パク・クネ)大統領の政治スキャンダルが発覚した10月下旬に急落したのだ。

 投資家は、朴氏の後任に、世界10位である同国の軍事費に予算をつぎ込むのにさほど熱心でないリベラルな大統領が就任することを懸念していた。

 だが、その懸念もつかの間で、米大統領選で、韓国から3万人余りの駐留米軍を引き揚げる可能性を示唆したドナルド・トランプ氏が当選したことを受け、株価は約10%上昇した。

By Bryan Harris in Seoul

(2016年12月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

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[経世済民116] 中国、自販機普及に勢い スマホ決済けん引:20年の出荷台数日本を抜く、日系企業と地元企業の競争:POS充実

中国、自販機普及に勢い スマホ決済けん引[日経新聞]
2016/12/7 0:43

 中国で自動販売機の普及に勢いがついてきた。現地で広がるスマートフォン(スマホ)決済への対応機がけん引役だ。中国で最大手の富士電機は対応機の生産を倍増。地元企業も成長し、各機の販売情報を即座に把握して活用するなどハイテク化も進める。紙幣の利用による故障や盗難という普及の壁を越え、2020年の出荷は「自販機大国」の日本を上回る見込みだ。


 中国南部の大都市、深圳。高速鉄道が発着する深圳北駅の駅前には緑色に塗られた自販機がずらりと並ぶ。売るのは飲料や菓子、携帯電話の充電ケーブルなど。中国で複数の自販機が並ぶ光景はまだ珍しいが、財布を取り出す人が半分もいないことがさらに目を引く。

 「これが欲しいのか」。子供にジュースをせがまれた父親が取り出したのはスマホだ。商品ボタンを押し、液晶画面に表示される2次元コードをスマホのアプリで読み取る。スマホに商品画像が出てきたら暗証番号を入力。「決済完了」とスマホに表示され、自販機から商品が出てきた。

 1時間ほどの間に商品を買った10組のうち、6組がスマホ決済を利用していた。決済手段はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手、騰訊控股(テンセント)の電子マネー「微信支付(ウィーチャットペイメント)」と、ネット通販大手のアリババ集団が運営する「支付宝(アリペイ)」が主流だ。


 富士電機の子会社で中国市場の7割を握る自販機メーカー、富士冰山自動售貨機。電子決済が普及し始めた12年ごろから受注が急増した。今では出荷する自販機のほぼ全数がスマホ決済対応だ。

 日本では飲料などの自販機が約250万台あり、年約30万台が新たに出荷される。これに対し、富士電機の推計では、中国の飲料・食品の自販機稼働台数は15年末時点で18万台。国内全メーカーの年間出荷台数は15年に計4万2千台だった。

 ただ、15年の中国の出荷台数は前年の2倍で、20年には日本の年間出荷を上回る33万7千台になると予想する。富士冰山はまず来年4月に大連市で新工場を立ち上げ、生産能力を現在の2倍の年10万台に拡大する。

 ミネラルウオーターの農夫山泉など地元の飲料大手が設置台数を急速に増やし始め、地元の自販機メーカーも力をつけてきた。冷蔵庫の澳柯瑪(オークマ)、自販機専業の青島易触数碼科技(イージー・タッチ)などが自販機の増産に動き、首位の富士冰山からシェアを奪おうとしている。

 自販機普及の最大のけん引役はオペレーターと呼ばれる運営会社だ。6万台を運営する最大手の北京友宝在線科技(Ubox)。販売管理システム上の中国の地図には、目にもとまらぬ速さで今売れた商品の画像が現れては消える。表示する販売本数はスロットマシンのように変わり、あっという間に増えていく。


 王浜・董事長兼最高経営責任者(CEO)は「技術面ではすでに日本を超えた」と胸を張る。

 ポータルサイト大手「新浪(シナ)」で副総経理を務めた王氏は、全機の売り上げと在庫を即時に把握するシステムを開発。蓄積したビッグデータから天候や曜日と各商品の売り上げの関係を割り出し、自販機ごとの補充する商品から配送ルートまで自動的に決める。

 自販機の液晶画面に表示する価格などの情報は本部で随時変更でき、値下げによる機動的な販促もできる。金融機関などの広告も表示し、広告収入は16年に2.5億元(約38億円)に達する見通しだ。王氏はハイテク自販機に自信を深め、「稼働台数を20年に50万台まで増やす」と語る。

 中国企業は東南アジア市場の攻略にも乗り出した。Uboxは8月、シンガポールで飲料やサンドイッチを自販機で販売する無人コンビニをオープン。地元で普及するクレジットカードも使える決済アプリを用意した。地元政府の後押しも受け、17年に100店舗まで増やす計画だ。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10372910W6A201C1FFE000/



http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/471.html

[政治・選挙・NHK217] 衆院選、野党共闘なら60選挙区で「逆転」 与党3分の2届かず:だから維新に媚びを売るカジノ法案成立に精進?

衆院選、野党共闘なら60選挙区で「逆転」
与党3分の2届かず

 日本経済新聞社は2014年の前回衆院選の小選挙区で、現在の民進、共産、自由、社民の4野党が候補者を一本化した場合の勝敗を試算した。自民、公明両党は計60選挙区で「野党統一候補」に逆転され、憲法改正の発議に必要な3分の2(317議席)を下回る。野党の共闘に一定の効果が見込め、4野党の候補者調整が次期衆院選の行方を左右しそうだ。

 自公両党は前回衆院選で小選挙区は232議席、比例代表は94議席の計326議席を獲得し、3分の2を維持した。60選挙区で逆転されれば小選挙区で172議席にとどまる。比例の獲得議席が前回と同じだと仮定すると、与党で計266議席となる。過半数(238議席)は維持するが、国会運営などで与党に協力的な日本維新の会(15議席)を足しても3分の2を大きく下回る。自民党単独では過半数を割る。

 60選挙区の逆転で、野党は海江田万里・元民主党代表(東京1区)らが議席を得る。一方、与党は山本幸三地方創生相(福岡10区)らが小選挙区で敗れる。

 地域ブロック別では、東日本での逆転が目立つ。北海道(12選挙区)では半分の6選挙区で与野党が逆転。与党が9議席から3議席に急減し、野党が勝ち越す。東北(25選挙区)でも与党は11議席にとどまり、野党が上回る。両ブロックは7月の参院選でも、環太平洋経済連携協定(TPP)を不安視する農業関係者などの票を取り込んだ野党が合計議席数で勝ち越した。

 一方、西日本では野党が共闘してもなお、与党が堅調だ。中国(20選挙区)、四国(11選挙区)では、逆転がそれぞれ1選挙区のみだった。

 もっとも、試算のような結果が次期衆院選でそのまま出るとは限らない。与野党とも前回とは違う候補者が出馬を予定している選挙区があるからだ。今回の試算は野党票を単純に足し合わせただけで、民共が連携を強めるほど保守票が離反する懸念も指摘される。来年5月に向けて1票の格差を是正する区割りの変更作業も進んでおり、衆院選が変更後に実施されれば選挙区の形そのものが変わることになる。

 試算のような逆転が実際に起きるかどうかのカギを握るのは、民進党と各選挙区に一定の集票力を持つ共産党の動向だ。逆転する60選挙区のほとんどは両党の協力なしには実現しない。

 両党は1日時点で、次期衆院選の候補者が約140選挙区で競合。小選挙区ごとに候補者を一本化する「すみ分け」程度の協力にとどめたい民進党に対し、共産党は共通公約の策定や政権構想のとりまとめなど「本気の共闘」を求め、にらみ合いが続く。

 両党ともに空白区への候補者擁立も進めており、候補者調整のハードルは低くない。

 民共共闘の進捗は安倍晋三首相の衆院解散の判断にも影響を及ぼしそうだ。与党にとっては、共闘が整う前の衆院選のほうが有利になるためだ。
     ◇
 試算の詳細を4日付「日曜に考える・政界」面に掲載します。

[日経新聞12月2日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/241.html

[政治・選挙・NHK217] 共闘、揺れる93選挙区 衆院選、野党協力で逆転60拮抗33

[永田町インサイド]共闘、揺れる93選挙区
衆院選、野党協力で逆転60拮抗33 本社試算

 次期衆院選で野党協力が実現するとどうなるか。日本経済新聞社が2014年の前回衆院選の結果を基に調べたところ、60選挙区で与野党の勝敗が逆転するとの試算が出た。ほぼ拮抗する接戦区も合わせると93選挙区で勝敗の行方が混沌としてくる。

 野党共闘が実現した場合、与野党候補の票数差は計算上、大きく縮まる。

 試算によると、勝敗が逆転するのは合計60選挙区。これに加えて、各党の選挙対策担当者が「接戦」と口をそろえる「上位2人の得票率の差が5ポイント以内」の選挙区が33選挙区に達する。これらを足し合わせると、295ある全選挙区のうち、93選挙区が「勝敗の行方が読めない選挙区」(自民党関係者)に変貌する。

 共闘の「効果」は地域別で濃淡がある。7月の参院選で野党候補が勝ち越した北海道や東北、都市部の東京では逆転する選挙区が多い。一方で、西日本は総じて与党が強い。

 与野党とも前回とは異なる候補者が出馬を予定している選挙区があり、試算が次期衆院選の結果を予測しているとは必ずしも限らない。来年5月の勧告に向けて1票の格差を是正する審議会の区割り変更作業も進む。衆院選が変更後に実施されれば選挙区の形そのものが変わる可能性がある。

 野党共闘に向けては、野党第1党の民進党と、各選挙区に一定の集票力を持つ共産党の動向が焦点だ。野党候補が与党候補を逆転する60選挙区のほとんどは民共両党の協力なしには実現しないからだ。両党がどこまで選挙区調整を進められるかが課題となる。

 民共両党で候補者が競合するのは3日時点で約150選挙区ある。旧民主党が政権交代を果たした2009年衆院選では、当時300の小選挙区のうち、共産党が候補者擁立を152にとどめたことが、政権交代に間接的に寄与した。

 野党共闘の行方は安倍晋三首相が衆院解散・総選挙の時期をどう考えるかにも影響する。7月の参院選に合わせた衆院解散を見送ったのは、衆院の議席を減らし、与党で3分の2を維持できなくなるのが理由の一つだった。このときは民進党と共産党の共闘を想定しておらず、野党候補の一本化が前提になれば、与党が3分の2を失う公算は大きくなる。

 当面取り沙汰される1月解散説は「それでも野党の共闘態勢が整わないうちに戦う方が議席の目減りがまだ少ない」(首相周辺)との見方が根拠の一つだ。一方で衆参両院で3分の2が必要な憲法改正を考えれば「みすみす3分の2を手放す必要はない」(政府高官)との声も根強い。

 1月解散を見送れば、当選1〜2回生の足腰を鍛える時間を確保できるが、野党に選挙協力を進める猶予を与えることにもなる。時間をかければ野党共闘は深まるのか、逆に政策などで溝が広がるのか。これらをどう見極めるかも解散時期の判断を左右する。

 試算の方法 2014年の前回衆院選の結果を基に試算した。野党4党が共闘した場合の得票数は、各小選挙区の旧民主、旧維新、共産、旧生活、社民の各党公認候補の得票数を合算した。旧維新は現時点で民進党に所属している国会議員、次期衆院選の公認内定候補、地方議員のみを合算の対象にした。自民党の獲得議席数と得票数には追加公認した福岡1区の井上貴博氏を含む。比例代表の獲得議席は前回衆院選と同じと仮定。前回衆院選後の入復党や離党、議員辞職、補欠選挙の結果などは旧維新を除き、反映していない。


与党、若手議員のテコ入れ急務 選挙基盤弱く「直撃」不安視

 次期衆院選に向けて、自民党執行部が不安視するのが当選1〜2回の若手議員約120人だ。過去2回の選挙では、自民党への「追い風」を生かして勝利を得たものの、「いまだに後援会を持たない議員もいる」(党幹部)など選挙基盤が弱い議員が多い。

 日本経済新聞社がまとめた試算では、自民、公明両党が合計60選挙区で「野党統一候補」に逆転されることが分かった。このうち半数の31選挙区を当選1〜2回生の自民党若手議員が占める。野党共闘が実現すれば、若手議員が「直撃」を受ける形となる。

 二階俊博幹事長らは10月から「選挙塾」を開き、選挙への心構えを説く。下村博文幹事長代行は、各選挙区での得票率が5割に満たない議員を念頭に「自民党は選挙区で86議席勝てない」と語った。いずれも身内の引き締めを狙った言動だ。選挙区での活動状況次第では、候補者の差し替えも検討している。党幹部の中では硬軟両様の手法で若手議員へのてこ入れを急ぐ。

一本化なしでは勝負にならない 明治大教授の井田正道氏

 井田正道・明治大教授 60議席が逆転すれば、自民党単独で過半数割れするため政局に及ぼす影響は大きい。自民の野党時代を知らない当選1〜2回の議員はベテラン議員のように地盤を固める意識が希薄だ。ちょっとしたことで票が動いてしまう。

 野党側からみると、7月の参院選では野党候補者の一本化によってそれなりの効果が出た。与野党の勢力拮抗が望ましいと考える人が一定割合でいるということだ。一本化せずバラバラのままでは野党は勝負にならない。


共通の経済政策 出すのが前提に 東北大准教授の河村和徳氏

 河村和徳・東北大准教授 野党が候補を一本化しても、単純に「1+1=2」にはならない。民進党が共産党と組むことで保守層が抜ける可能性がある。過去に与党に対抗する勢力となった新進党や民主党、みんなの党はいずれも中道保守を標榜しながら、自民党政治の不透明さを批判することで伸長した。

 野党共闘するならアベノミクスに代わる経済政策を打ち出せるかがカギだ。外交や安保より経済で投票先を決める傾向が強まっている。共通の経済政策がないと勝ちきれないだろう。


<記者の目>共闘で何を目指すのか

 「4党の枠組みありきで政策は後回し。悪い例だ」。民進党の前原誠司氏が批判するのが、7月の東京都知事選。告示直前に擁立した野党統一候補は政策の準備不足が目立ち敗れた。参院選で共闘に一定の効果があったとの見方は多いが、政権選択の衆院選では、より「共闘で何を目指すのか」を示す必要がある。曖昧なままでは共闘効果は限定的だろう。


[日経新聞12月4日朝刊P.12]



http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/242.html

[経世済民116] EV注力、トヨタの焦燥と勝算 環境規制受け開発加速 グループ一丸で巻き返し

※関連参照投稿

「燃料電池車、エコは「究極」?:エネファームは普及するが発電機を積んで走る車は高性能低価格電気自動車に敗れ普及しない予感」
http://www.asyura2.com/15/hasan93/msg/878.html

「動き出す水素社会:特許を公開したトヨタはわかっているはずだが水素電池自動車は深追いしない方がいい」
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1562.html

「アングル:日産など自動車各社、走行距離長い手頃なEVで火花」
http://www.asyura2.com/15/hasan94/msg/648.html

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[真相深層]EV注力、トヨタの焦燥と勝算
環境規制受け開発加速 グループ一丸で巻き返し

 トヨタ自動車が12月1日付で「EV事業企画室」を設立し、電気自動車(EV)の量産に向けた取り組みを急いでいる。世界で初めてハイブリッド車(HV)の量産に成功し、水素で走る燃料電池車(FCV)を「究極のエコカー」に据えるトヨタ。EVにこれまで以上に注力する背景からは、環境変化に対する「焦燥」とトヨタなりの「勝算」が透けて見える。

後ろ向きの印象

 9月下旬、仏パリ。トヨタの豊田章男社長はパリ国際自動車ショーの会場に足を運んだ。会場では独ダイムラーや独フォルクスワーゲン(VW)などが相次いでEVのコンセプト車を披露。欧州勢の動きを目にした豊田社長は周囲に「ショーと現実は異なるが、EVシフトが加速するかもしれない。注意が必要だ」と漏らした。

 トヨタは1997年に世界初の量産型HV「プリウス」を発売し、2014年には走行中に二酸化炭素(CO2)を一切出さないFCV「ミライ」も出した。こうした取り組みにより「トヨタ=環境」のイメージを強め、「エコカーもすべて開発している」(伊地知隆彦副社長)。だが、「EVに後ろ向き」との印象がつきまとっていた。

 例えば昨年発表した50年までの環境目標。HVやFCVは意欲的な販売目標を掲げる一方、EVについては「航続距離や充電時間に課題があり、近距離の移動に向いている。現在の乗用車と同様の車についてはHVやプラグインハイブリッド車(PHV)が適している」(伊勢清貴専務役員)と述べるにとどめた。

 課題があるにもかかわらず、なぜEVに注力するのか。背中を押したのは、各地の環境規制だ。米カリフォルニア州では18年式の製品から規制が強まり、一定の販売を義務付けるエコカーの対象からトヨタが得意とするHVが除外される。世界最大の自動車市場である中国でも当局が手厚い補助金でEVの普及を後押しする。HVを筆頭に「エコカーで先行するトヨタを米中両国が規制を使って締め出している」との見方は業界の通説だ。

 もっともこうした規制は以前から明らかになっていた。トヨタ幹部が「想定外だった」と打ち明けるのは、欧州の動向だ。VWはディーゼルエンジンの排ガス不正問題を契機に、EVへのシフトを表明。同社は6月、「25年までにEVを30車種投入し、25年に世界販売台数の20〜25%をEVにする」と宣言した。

 10月に入ると、衝撃的なニュースも飛び込んでくる。独誌シュピーゲルが、独連邦参議院(上院)が30年までにエンジン車の販売禁止を求めると報道したのだ。トヨタ首脳は「極端だが、多くの人が今のままではよくないと考えている証拠だ」と発言。走行中にCO2を出さないゼロエミッション車(ZEV)の開発加速が必要との見方を示した。

燃料電池車に壁

 もちろんトヨタが量産で先行したFCVでもZEV規制に対応できる。だが、FCVは主要部品の生産能力に限界があり、17年時点でも年間生産は3000台。普及の前提となる水素ステーションの整備も課題だ。「参入メーカーが比較的多いEVの方が充電拠点の整備が早く進む」(トヨタ幹部)との読みがある。

 EVをFCVと並ぶZEVの柱と位置付けたトヨタの今後の焦点は、競争力のある製品を生み出せるかに移る。トヨタは年間100万台規模を生産・販売するHVの技術をEVにも応用できるとみているが、グループ内には「HVとEVでは異なる点もあり、トヨタは出遅れた」との声もある。

 巻き返しのカギを握るのがEV事業企画室の顔ぶれだ。発足当初は4人ときわめて少人数だが、現行のプリウスの開発責任者を務めたトヨタの豊島浩二氏をヘッドに、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機の出身者が脇を固める。「開発初期からグループ会社が参画するのは当社で初めて」(トヨタ幹部)という。

 トヨタの経営陣はここ数年、グループの一体感の醸成に注力してきた。内部で意見が対立して時間を浪費することもあったが、一丸となれば効率は高まる。EV事業企画室に参画するグループ3社の研究開発費(16年3月期実績)を足すと6000億円を上回り、自動車部品最大手の独ボッシュに迫る。EVの開発はグループ連携の成否を占う試金石にもなる。

(奥平和行)

[日経新聞12月2日朝刊P.2]



http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/487.html

[国際16] 仏紙:英米諜報機関 エール・フランス機乗客の携帯電話を盗聴:露や北朝鮮に罪をなすりつけるハッキングや盗聴の覇者米英

仏紙:英米諜報機関 エール・フランス機乗客の携帯電話を盗聴[スプートニク日本語]
2016年12月08日 01:18短縮 URL155

0 0 英国と米国の諜報機関は、フランスの航空会社エール・フランスの乗客の携帯電話を盗聴していた。水曜日、フランスの夕刊紙ルモンドが伝えた。

この情報は、以前極秘扱いされていたが、ルモンドとサイトThe Interceptの協力により公開された。The Interceptは、米国の元諜報機関員エドワード・スノーデン氏のアーカイブを保管している。飛行中、インターネットにアクセスし携帯電話を使えるようになったことで、データを「ほとんどリアルタイムに」収集できる特別プログラムが生まれた。

ルモンドは、次のように指摘している- 「データ傍受は、スマートフォンのユーザーの名前を特定するため、飛行機の便名や乗客リストと対比されていた。プログラムは、離れていても、ユーザーがデバイスを再稼働しなくてはならなかったほど、電話の働きを妨害することができた。その間、英国の諜報機関は、同一であることが確認されたデータを傍受していた。」

https://jp.sputniknews.com/life/201612083096460/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/622.html

[国際16] 韓国国防省のコンピュータ3200台にサイバー攻撃:どこの仕業だろうね。

韓国国防省のコンピュータ3200台にサイバー攻撃[スプートニク日本語]
2016年12月07日 16:15(アップデート 2016年12月07日 16:17)

韓国国防省の軍内部ネットワークと、国防相のコンピュータ含む3200台のコンピュータがサイバー攻撃を受けた。攻撃は北朝鮮によるものと見られている。聯合ニュースが同省報道担当を引用して報じた。

先に、サイバー攻撃による軍事機密含む軍事情報の流出が報じられた。 これまでの調査情報によると、攻撃は外部インターネットにも、陸空海軍内部のネットワークにも接続されている国防統合データセンターのサーバーを通じて行われた。3200台が攻撃の被害に遭い、うち700台が内部ネットワークに接続されている。

サイバー司令部の専門家は10月、更なるウイルス感染拡大を防ぐためにサーバーを切断していた。同紙が報じるところ、今回の出来事はサイバー攻撃から軍事情報を守るために設立された司令部の6年の歴史上初めての深刻な失敗だ。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612073094697/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/623.html

[国際16] 習主席弱腰の裏に米国「親中派」重鎮の助言

習主席弱腰の裏に米国「親中派」重鎮の助言  編集委員 中沢克二
2016/12/7 6:30

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞

 米次期大統領、トランプは台湾総統の蔡英文と歴史的な12分間の電話会談に応じた。電話口では蔡英文に「プレジデント(総統)」と呼びかけ、総統就任を祝した。トランプはツイッターで「台湾のプレジデント(総統)から大統領選の勝利を祝う電話があった。ありがとう」と報告している。

 米大統領や大統領選の当選者が、台湾トップと会談した経緯が公になるのは実に1979年の米中国交樹立、米台断交の後、初めてだ。しかもトランプと台湾総統府の双方が電撃的に公表してしまった。台湾問題で常に目を光らせてきた中国が事前にストップをかけられなかった経緯は、中国内で大失態と受け止められている。米オバマ政権までの常識では考えられない事態だけに油断があった。

 トランプ側は「台湾と米国の間の経済、政治、安全保障の緊密な結び付き」を確信したとし、そこに「政治」を含めている。さらにトランプは「米国が数十億ドルの武器を台湾に売っているのに台湾から祝意の電話を受けるべきではない、というのは興味深い」と発信し、一部の批判に反論した。

■米台電話会談は「習指導部の大失態」

 真綿で首を絞めるように台湾が活動できる国際空間を徐々に狭める。それが長年、中国がとってきた基本戦略だ。最近は中国の圧力で国際民間航空機関(ICAO)から台湾が締め出された。だがトランプは、中国が操る真綿を取り払う挙に出た。

 しかも、大統領就任前という絶妙なタイミングを選んだ。従来の米中の枠組みを崩したわけではない。首相の安倍晋三も総統選前の蔡英文と永田町で接触したとみられている。トランプは安倍の上を行く巧妙な策をとった。

 意表を突くトランプの行動は当然、中国を激怒させたはずだ。だが、その後の事態の推移は、きわめて興味深い。中国の反応は従来と比較すると、あまりに弱々しい。

 「台湾側の小細工であり、国際社会がつくり上げた『一つの中国』の枠組みを変えることは全く不可能だ」。翌日、中国外相の王毅が記者の質問に答えた。公式声明である。奇妙だ。蔡英文を批判し、中国の立場を主張しているが、トランプ本人を批判する文言は一切ない。

 謎を解くカギを握る米国人がいる。先に北京を訪れた米元国務長官のキッシンジャーである。トランプ対策に悩む国家主席、習近平は93歳の老戦略家の助言に真摯に耳を傾けた。71年、ニクソン政権の大統領補佐官だったキッシンジャーは極秘の任務を帯びて訪中した。

 パキスタンでいったん姿を消し、ヒマラヤ山脈の上空を超えての北京入り。それは手の込んだ外交劇だった。その成果が米台断交と米中国交正常化である。中国は、この大恩人を「親中の古い友人」と見なし、長年、大切にしてきた。

 そのキッシンジャーは11月17日、ニューヨークのトランプタワーでトランプと会っている。米中関係筋によると、勝利の高揚感の中にいたトランプは、キッシンジャーを前にしても、選挙中の公約は基本的に実行していくと強い態度を口にしたという。

 今回、キッシンジャーを中国に招いたのは中国人民外交学会である。新中国が成立した49年、外交も統括していた首相の周恩来が、中国の敵対国の内部も含めて親中派を増やすために設けた組織だ。トランプ当選を受けて、習は12月2日、北京で「老朋友(古い友人)」キッシンジャーと会談した。

 注目すべきは、その前日、「反腐敗」運動の司令塔、王岐山もキッシンジャーと会ったことだ。王岐山の現在の担当とは無関係である。引退した米国の老政治家に中国の最高指導部メンバー2人が連日、会うのは極めて異例だ。

■キッシンジャー氏は「協力的に」と助言

 そこには理由があった。王岐山は2013年まで、経済・金融担当の副首相として米国とのパイプを担っていた。キッシンジャーとも繰り返し会っており、「気心が知れている」(中国外交筋)。

 王岐山は会談の際、足元がおぼつかないキッシンジャーの右手をしっかり握って、笑顔で先導した。習も信頼する米国通の王岐山が今回のキッシンジャー訪中のキーマンだ。翌日の習・キッシンジャー会談の露払いとして、トランプ対策を事前に相談していたのだ。

 キッシンジャーは、習と王岐山にどんなアドバイスをしたのか。米中双方に伝手(つて)がある国際関係筋によると、それは「協力的に対処すべきだ」という助言だった。トランプが予想が難しく、中国には強気な以上、はじめからトランプ政権と事を構えるべきではない、という主張だ。

 今回のキッシンジャー訪中を巡って、北京市共産党委員会の機関紙、北京日報傘下のインターネットニュースが「特殊な使命を帯びていた」と紹介した。報道管制が厳しい中国であえてこうした報道があることには、政治的な意味がある。

 習は11月14日、トランプと電話会談をした。このニュースは中国国内で大きく扱われ、今後の対米関係への期待を中国国民に抱かせた。だが、この期待を大きく裏切ったのが、トランプと蔡英文の電話会談だ。「蔡英文を相手にせず」という態度だった習の体面は丸つぶれとなった。

 トランプはなお攻め込んだ。12月4日にはツイッターで「(中国は)我々に南シナ海の真ん中で大規模な軍事複合施設を建設していいかどうか了承を求めたのか。私はそうは思わない」と指摘した。中国による南シナ海の軍事基地化を批判したのは当選後、初めてだ。

 経済でも圧力が増す。中国の為替操作に絡み「通貨切り下げや(米国が中国に課税していないのに)中国に入る我々の製品に重税を課すことについて中国は我々に了承を求めたのか?」と非難した。

 それでも習は今のところ様子見の姿勢だ。裏にはキッシンジャーのアドバイスがあった。中国外務省もトランプの意図に関して「推測はしない。具体的な政策、言行にだけ立場を示す」と、極めて慎重な物言いを続けている。

 後日談がある。訪中から米国に戻ったキッシンジャーは12月5日、米中関係全国委員会主催のイベントで、トランプ・蔡英文電話会談への中国指導部の冷静な対応を高く評価した。

 「現時点で中国指導部の冷静な対応に非常に感心している。これは冷静な対話が可能かどうか見極めようとする決意の表れに見える」。キッシンジャーが自らの習への助言の成果を確認した発言だろう。

 とはいえ「習・王」の異例の弱腰には、対トランプで苦慮する胸の内が透ける。いま習は「クリントンの方が面倒は少なかった」と思っているに違いない。これに絡む中国外交の内側を知る識者らの面白い分析を紹介したい。

 「習近平は何をするかわからないトランプが怖い。今はとにかく各国の大使館や、国内研究機関を総動員し、情報収集と戦略の練り直しに専念している。」

 「(中国外相の)王毅らはトランプ・蔡英文電話会談を許してしまった失敗を批判されている。特に、習近平と距離がある面々からの圧力が強い。蔡英文ごときにうまくやられている。こんな声が内部で高まりかねない」

■台湾問題が権力闘争の材料になりうる?

 これは台湾問題が中国の激しい権力闘争の具になる恐れがあるとの指摘である。中国が「核心的利益」とする台湾問題は極めて敏感だ。台湾の蔡英文政権の支持率は5月の就任当初に比べ落ちているが、トランプとの電話会談の実現という外交的勝利で復活する可能性も出てきた。

 習の権力基盤は、別格の指導者を指す「核心」に位置付けられた後も盤石でない。なお王岐山が指揮する「反腐敗」運動を通じて、政敵をたたき続けなければいけない状況だ。対抗勢力にとって、台湾問題の失態は習に圧力をかけるチャンスでもある。

 17年の最大のイベントは、中国共産党大会の最高指導部人事だ。台湾問題はその前段の権力闘争にまで影響を与える恐れがある。この面でも「習・王」コンビはうかうかしていられない。

(敬称略)

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10334370W6A201C1000000/?dg=1



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/624.html

[不安と不健康18] 脂質の一種 認知症改善 九大など、臨床試験で確認

脂質の一種 認知症改善 九大など、臨床試験で確認

 九州大などの研究チームは、生物の細胞膜に含まれる脂質の一種「プラズマローゲン」を食べ続けることで、認知症の一つであるアルツハイマー病の改善が期待できることを、臨床試験で確認したと明らかにした。

 チームは今回、東京都や大阪府など7都府県の計25医療施設で治療を受けている、軽いアルツハイマー病を抱えた60〜85歳の男女計98人を対象に臨床試験を実施。半数の患者には毎日、ホタテから抽出したプラズマローゲンを混ぜたゼリーを半年間食べてもらった。

 30点満点の記憶力テストでは、臨床試験開始前と比べて平均点が2.2点上昇。ゼリーを食べなかった患者らの平均点は0.4点増だった。

[日経新聞12月3日朝刊P.38]


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/223.html

[国際16] どうなる!?"トランプのアメリカ":冷戦思考どころか「敗戦国」意識からさえ脱却できていない日本

 12月7日にNHK総合で放送された「時事公論」の紹介だが、いちばん興味をそそられたのは、「アメリカに代わって中国が覇権国になると思うかどうか、去年、各国でたずねた世論調査」の結果で、「日本は、アメリカの覇権は今後も続くという見方が、突出して強い」国になっている。

 米国でさえ、中国が米国に代わって覇権国になると考えるひとが46%(NOが48%)であるのに、日本では、NOが圧倒的多数で77%にも達している。

 そのような世界観の背景には、戦前の日本で醸成された中国蔑視、戦後の反中共・反中国的プロパガンダ、先の大戦も米国にはこてんぱんにやられたが中国に負けたわけではないという歴史認識、米国(アングロサクソン)に依存して生きていけばこれからも大丈夫という“錯覚”にすがりたい気持ちなどがあると推測する。

[アメリカに代わって中国が覇権国になると思うか]

   YES NO
日本 20  77
米国 46  48
中国 67  16
露国 44  35
仏国 66  34
英国 59  35
独国 59  37
伊国 57  36
加国 52  40


 調査とは違い、中国は米国と並び立つ経済的政治的大国にはなるが、中国が米国に代わって覇権国になることはないと考えている。

 質(一人当たり)ではなく量(国民経済全体)を基準としたものだが、10年以内に、中国は米国を追い抜いて世界トップの経済大国になるだろう。
 だからといって、10年後20年後の中国が、これまでの世界で米国が占めてきたような覇権国の地位を手に入れるわけではない。

 WW2後の米国は、持てる圧倒的な経済力(生産力及び金融資産)を世界経済の拡大再生産に活用する一方、侵略的介入で自国民の犠牲も厭わない軍事行動を継続してきたからこそ、覇権国の地位を獲得し維持してきたのである。

 中国に限ったことではないが、今後の世界で、WW2後の米国のようなポジションを占められる国が出現することはない。
 アジア、欧州、米州など地域別の政治的大国(EUを含む)が併存するかたちになる。

 それぞれが保有する兵器の破壊力から大国間が戦争をすることはできないうえに、大国間の水平的通商及び投資がそれぞれの大国の利益になった世界では、経済・政治・軍事の総合力で他を圧倒する覇権国が生まれることはない。

 トランプ次期大統領が言い出しっぺではなく、オバマ大統領がすでに「世界の警察官にはならない」と米国が覇権国の座から降りることを宣言している。

 トランプ氏の「米国第一」は、米国がその経済力で世界経済の成長を牽引することはしない、だから、それに付随するかたちで先陣を担って行ってきた介入的軍事行動もしないというものである。

 日本では、まったく現実の世界が見えないのか、トランプ氏を説得してTPPを発効させるとか中国牽制を強化してもらうといった“寝言”や“妄想”が跋扈している。

 トランプ氏の言動を、奇っ怪な人物の妄言だとか政治や現実の世界を知らない浅はかな政策と考えるような人たちが日本の舵取りを行っていけば、日本は今後の世界で取り残されることになるだろう。

 トランプ氏は、米国支配層の判断や意向に逆らうかたちで「米国第一」の政策を打ち出しているわけではない。

 TPP問題も、トランプ氏が勝利したからダメになったように解説しているが、ヒラリーさんもTPPに反対だったのである。

 日本をTPPに引きずり込み、そのあげくに、TPPを棚ざらしにする米国の“真意”を理解できないようでは、今後の世界を生き抜くことは難しいだろう。

(TPP協定の早期承認に動いた安倍政権(官僚機構)は、端から米国の“真意”を理解しながら動いてきたと思う)

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2016年12月07日 (水) NHK総合
「どうなる!?"トランプのアメリカ"」(時論公論)
橋 祐介 解説委員

ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙に当選してから4週間。
来年1月20日の就任式に向けて、新しい政権の骨格づくりが進められています。
果たしてトランプ次期大統領は、どのような政権運営を進めていくのでしょうか?
これまでに判ってきたこと、まだ判らないことを一旦整理して、その行方を探ってみます。


ポイントは3つあります。


▼まずホワイトハウスと閣僚の人事には、どのような狙いがあるのでしょうか?
▼次に“トランポノミクス”。世界に衝撃と不安を広げた当選のあと、今はトランプ氏の経済政策に、にわかに期待が高まっています。
▼しかし“予測不能な大統領”。トランプ氏はどのような大統領になるのか?まだ不透明感は拭えません。


いま世界で最も注目を集める場所と言えば、トランプ氏がこもるニューヨークのトランプタワーをおいて他にありません。この日は、日本からソフトバンクグループの孫正義社長が訪れて、アメリカへの巨額の投資を表明し、カメラのフラッシュを浴びました。
先月の選挙結果について、今なおアメリカの世論は、真二つに割れています。
しかし、政権交代の日は、刻一刻と近づいているのです。
トランプ氏は、どのような政権構想を描いているのでしょうか?
これまでトランプ氏が、得意のツイッターを通して発表してきた政権人事をもとに、推し量ってみましょう。

当選後、最初に打った手は、政権移行チームのトップに、マイク・ペンス次期副大統領を充てたことでした。連邦下院議員を6期務め、予算委員長も歴任したペンス氏は、ワシントン政界で豊富な経験と人脈を持っています。

アメリカの大統領は、議会からの協力なしには、予算も法案も人事すらもままなりません。

ホワイトハウスで、議会との折衝の窓口となる首席補佐官には、ラインス・プリーバス共和党全国委員長を起用しました。議会随一の実力者、ポール・ライアン下院議長も含めて、奇しくも同じ中西部の出身で、共和党主流派からの信頼が厚いこの3人を中心に、トランプ政権が議会から協力を取り付けるための布石を打ったのです。

その一方で、選挙対策の最高責任者として“勝利の立役者”となり、排外的で差別的な言動を批判された右派のスティーブン・バノン氏は、議会からの承認が必要ないホワイトハウスの上級顧問に据えました。いわば“影の参謀役”として、2年後の中間選挙、あるいは4年後の再選をかけた次の大統領選挙への戦略を練り上げるためとみられています。
こうした毛色の異なる人材を互いに競い合わせ、みずからが最終的な決定権を握る。それがトランプ流のマネジメント・スタイルなのでしょう。

閣僚ポストは、全体の半数あまりが指名されたところです。

国防と司法それに厚生長官に指名した3人は、それぞれ▽対テロ軍事作戦、▽不法移民対策、そして▽オバマ政権が導入した医療保険制度改革の見直しに精通しています。
そうした選挙公約の実現に向けて、とくに“強面”知られてきたこの3人を起用することで、トランプ支持者の期待に応えようという狙いがうかがえます。

経済政策のかじ取りでは、もともとトランプ氏に近かった金融ビジネス界出身の2人を指名。商務長官に起用された投資家のウィルバー・ロス氏は、日本ともゆかりの深い人物です。

選挙期間中は、相手候補のクリントン氏を「ウォール街の手先」と呼んだトランプ氏でしたが、当選後は、大企業の経営者らを集めた助言機関も設け、ビジネス界と密接に連携する“変わり身の早さ”を見せました。

さらに、閣内には女性やマイノリティーも配置して多様性をアピール。閣僚級の国連大使には、選挙中はトランプ氏と距離を置いていた共和党の若手ホープを抜擢しました。

ただ、筆頭閣僚となる国務長官は、まだ決まっていません。外交トップに、誰を起用するのかが、目下の最大の焦点です。その行方にもよりますが、単なる論功行賞にとどまらない、意外に手堅い人事と評価する見方もあるのです。

では、そうした布陣を整えた上で、トランプ次期大統領は、どのような政策を優先的に進めていくのでしょうか?トランプ氏の予想外の当選後、にわかに注目を集めているのが経済政策、いわゆる“トランポノミクス”です。

このうち、大統領就任から100日間つまり5月までに立法化をめざす目玉は、所得税を簡素化して税率も引き下げ、法人税率も下げるという大型減税です。この“トランプ減税”は、レーガン政権による減税以来、最大規模になると言います。共和党は、議会の上下両院で多数を維持していますから、トランプ氏は、その実現は大いに可能とふんでいるのでしょう。
財源も、景気拡大による税収の増加や、大企業が海外に留保している巨額の利益に新たに課税することで賄う計画だとしています。

もうひとつの目玉は、大規模なインフラ投資です。いまアメリカでは、道路や橋、トンネルや空港などの公共インフラの老朽化が深刻になっています。その大がかりな整備のため、財政を拡張し、民間投資も活用すれば、景気は拡大し、雇用創出の効果も見込めるというのです。

選挙後の市場では、これに規制緩和も加えた“トランポノミクス”が、アメリカ経済を押し上げるだろうという期待が先行しているかたちです。

一方、通商政策では、トランプ氏は、TPP離脱やNAFTA=北米自由貿易協定の再交渉、不公正な貿易相手国に対する関税の引き上げを主張してきました。そうした政策は、各国との摩擦を激しくさせ、保護主義的な機運に拍車をかけることは避けられません。

トランプ氏が主張してきた厳格な移民政策も、不法移民だけではなく、本来アメリカの経済成長に資する合法移民も減ってしまう恐れが指摘されています。

当面、アメリカ経済は活況を呈しても、いつ期待がしぼみ、不安が頭をもたげてくるのかは、わからないのです。トランプ氏が掲げる“アメリカ第一主義”は、世界経済にどのような影響を与えるのか、まだ楽観は出来ません。

外交の分野では、就任前から早くも予想外の出来事がありました。先週トランプ氏は、台湾の蔡英文総統と突如、電話会談。アメリカの現職大統領や次期大統領が、台湾の総統と電話で会談したことが明らかになったのは、双方が外交関係を断って以来初めてです。
「一つの中国」を掲げる中国政府は、外交ルートを通じて、アメリカ政府に抗議したのに対し、トランプ氏は、ツイッターで、中国による南シナ海での人工島の造成や経済政策を強く批判して見せました。今後の米中関係には、思わぬ変化が起きないとも限りません。そうした不確実性は、ほかの国々との関係にも、同じことが言えるでしょう。

では、先行きが読めない“トランプのアメリカ”に、どのように向き合うべきでしょうか?こちらは、アメリカに代わって中国が覇権国になると思うかどうか、去年、各国でたずねた世論調査です。日本は、アメリカの覇権は今後も続くという見方が、突出して強いことがうかがえます。
しかし、今後はトランプ政権の誕生をきっかけに、こうした一種の“アメリカ頼み”の発想には、変更を迫られる場面が出てくるかも知れません。

発言に著しく一貫性を欠き、今なお予測不能な部分が大きいトランプ氏は、来年1月、アメリカ大統領に就任します。もちろんトランプ政権が意外な成功をおさめ、これまでの不安が期待に換わる可能性があるのは確かでしょう。しかし、トランプ氏を選んだアメリカが“先の読めない時代”に突入しようとしているのもまた確かです。
私たちも、従来の常識に縛られず、現実を見つめ直し、日米関係をどのように維持・発展させていくのかを、あらためて考えるきっかけにすべきではないでしょうか。

(橋 祐介 解説委員)

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/258647.html


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/641.html

[経世済民116] 中国統計局長「地方の統計、でっち上げも」 人民日報に寄稿

中国統計局長「地方の統計、でっち上げも」[日経新聞]
人民日報に寄稿
2016/12/9 20:14

 【北京=原田逸策】中国国家統計局の寧吉赴ヌ長が8日付の中国共産党の機関紙、人民日報に寄稿し「現在、一部の地方では統計のでっち上げが時として起きている」と指摘した。中国の統計は信頼性が乏しいとされてきたが、統計部門の責任者が捏造(ねつぞう)を認めるのは異例だ。

 習近平国家主席がトップを務める党中央全面深化改革指導小組は10月、統計数値の正確性を高める改革案を決めた。寧氏は寄稿で統計局が数値をより正確にする努力をしてきたことを説明。その中で地方政府の統計でっち上げの存在を認め「法規に違反し、党の思想に背き、党の規律に触れた」と糾弾した。

 寧氏の指摘は、地方官僚の評価と直結する省ベースの国内総生産(GDP)の水増しが念頭にあるとみられる。一部の省は物価の動きを総合的に示すGDPデフレーターを不正にマイナスにし、世間が注目する実質成長率をつり上げる操作をしているもよう。党規律検査委員会の調査でも景気が低迷する遼寧、吉林、黒竜江の東北3省で経済統計の大規模な水増しが見つかったことがある。

 中央政府の経済統計も地方政府の数値を積み上げてつくるため、信頼性が疑問視される。GDPの実質成長率が1〜3月期から3期連続で前年同期比6.7%増となったことについて不自然と指摘する声は絶えない。

 ただ統計局の盛来運報道官は10月の日本経済新聞などの取材で「中央が全国に2万人の調査員を送り、標本調査で数値を直接集めている。すべて下(地方政府)から上がった数字なので正確でないということはない」と反論した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H66_Z01C16A2FF1000/?dg=1


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/561.html

[国際16] 朴大統領の弾劾可決 賛成8割、職務停止:誰が何の目的で仕掛けたのか朴大統領弾劾劇:罷免はない可能性大

朴大統領の弾劾可決 賛成8割、職務停止
韓国国会、首相が権限代行

 【ソウル=山田健一】韓国国会は9日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人による国政介入疑惑の責任を問う弾劾訴追案を可決した。朴氏の職務権限は停止し、黄教安(ファン・ギョアン)首相が代行する。今後原則180日以内に憲法裁判所が朴氏罷免の是非を判断する。韓国は事実上の大統領不在という異常事態に陥り、外交や内政が停滞する混乱の長期化が必至だ。

 弾劾案の賛成票は可決に必要な在籍議員数(300)の3分の2を大幅に超える234票と全体の8割に達した。与党セヌリ党の「親朴」派からの造反も多数にのぼり、反対票は56にとどまった。弾劾可決は2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領以来2度目。

 朴氏は9日、閣僚らとの会合を開き「私の不徳で国家的混乱を招き国民に心からおわびする」と改めて謝罪した。憲法裁の審理には「淡々とした心持ちで対応する」と述べるにとどめ、自身の退陣時期には触れなかった。

 今後の焦点は憲法裁による弾劾の妥当性判断に移る。憲法裁は9日、朴氏に国会が指摘した弾劾理由への答弁書を16日までに提出するよう求めた。9人の裁判官のうち6人以上が賛成すれば朴氏は罷免され、60日以内に大統領選が実施される。賛成が5人以下なら朴氏は職務に復帰する。

 大統領職を代行する黄首相は9日、国民向け談話で「国政を安定的に管理するために努力を尽くす」と表明した。情勢が不安定な北朝鮮に「徹底的に対応して国を守る」と強調。「米韓同盟をはじめ友好国との協力を強める」とも述べた。ただ野党が非協力的な黄首相のもとで新たな政策を実行するのは難しく、日米との安全保障面での協力などで懸念材料となる。

 朴氏が大統領職を退く時期はなお定まらないものの、与野党は次期大統領選への準備を加速させる見通しだ。早期の実施となれば「反朴」の強い世論に乗って野党側に有利との見方もある。

 朴氏の友人、崔順実(チェ・スンシル)被告による一連の疑惑は10月下旬に発覚した。検察は11月20日、経済界への資金拠出強要の罪などで崔被告や前大統領府高官らを起訴。相当部分で朴氏を「共謀関係」と認定した。

 朴氏は11月29日に条件付きで2018年2月の任期満了前の退陣を表明。12月6日には当初の与党方針だった来年4月末退陣を受け入れた。野党は早期退陣を迫り、弾劾案の国会発議に動いた。

[日経新聞12月10日朝刊P.1]


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/642.html

[医療崩壊5] 薬価改定 崩れる聖域(上)2年ごとから毎年へ オプジーボ呼び水(下)医師会の懸念払拭なら… 絶対阻止派に綻びも

薬価改定 崩れる聖域
(上)2年ごとから毎年へ オプジーボ呼び水

 政府が薬の公定価格(薬価)の抜本改革に乗り出した。市場の実勢価格を迅速に反映させるため、原則2年に1回の改定を毎年実施に改める案が急浮上。高騰する医療費の抑制と患者の負担軽減を狙う。毎年改定などの取り組みは収益減に直面しかねない医師会や製薬会社の反発でうやむやになってきた。今度こそ「聖域」を打ち破れるか。


 薬価改革の議論は11月25日の経済財政諮問会議で着手し、安倍晋三首相が年内に抜本改革の基本方針を取りまとめるよう指示した。1カ月という短期決戦で決着させるよう旗振り役を担うのが、菅義偉官房長官だ。

熱いうちに改革

 「首相も毎年改定という認識ですので」。諮問会議前日の24日、菅長官は塩崎恭久厚生労働相に電話をかけ、念を押した。このやり取りを聞かされた厚労省幹部は、首相官邸の本気度に「これは革命だ」と漏らした。

 菅長官が薬価への関心を強めたきっかけは患者1人あたり年間3500万円かかるとされるがん治療薬オプジーボだ。米英など海外との価格差を縮小するため5割の値下げで決着したが、内閣府幹部によると「問題を通じて新薬の価格設定やその後の価格改定に不明瞭な点があるとの認識を強めた」という。

 菅長官は諮問会議の場でも「(オプジーボの値下げをうけ)熱いうちに(改革の)方向性を決めるべきだ」と迅速さを強く求めた。

 狙いは高齢化で膨らむ医療費など国民負担の抑制にある。

 患者の負担額を左右する公定価格の薬価が2年に1回しか下がらないのに対し、医療機関の仕入れ値に近い市場価格は後発薬の普及といった影響でより早いペースで下がる。

 薬価の改定頻度が増えるほど、公定価格も下がりやすくなる。その結果、製薬会社や医療機関が得る利幅は薄くなり、反対に患者負担は減る。

 諮問会議民間議員がまとめた資料をみると、医療費は2015年度に前年度より3.8%伸びたが、薬剤料の伸びが1.4%分ある。高齢化に伴う伸び(1.2%分)よりも大きく、薬価抑制は大きな課題だ。また毎年改定に切り替われば、医療費は約1900億円減り、医療保険財政を支える国民や企業の負担は抑えられる。

差益は国民負担

 国民負担の抑制へ、厚労相も官邸と歩調を合わせる。医師会など業界の反発が必至なだけに、省内に慎重な意見も多いが「薬価差益は国民が負担しているんだぞ」と反論を封じる。

 少子高齢化の進展などで社会保障費の膨張が財政を圧迫するが、社会保障の効率化は年金支給の抑制をはじめ高齢者に負担を強いるなど反発を招きやすい政策が多い。そうしたなかで薬価引き下げへの見直しは国民の負担が軽くなる。骨抜きにされることが多かった薬価改革だが、世論の支持を背景にどこまで抜本改革を実現できるか手腕が問われる。

[日経新聞12月7日朝刊P.5]


(下)医師会の懸念払拭なら… 絶対阻止派に綻びも

 薬価の毎年改定に対する反対派の巻き返しは、驚くほど早かった。


 「必要なら反対理由の説明に人を派遣します」。11月24日、塩崎恭久厚生労働相の携帯電話に医療機器メーカー幹部からけん制メールが届いた。

 薬価の毎年改定が提案された経済財政諮問会議の前日のことだ。同じ日に都内で開かれた製薬関係者の会合では、日本製薬団体連合会の多田正世会長と、日本医師会の中川俊男副会長が気勢を上げた。「一緒に毎年改定を絶対阻止しよう」

 薬価の毎年改定は何度議論されても実現しなかった「岩盤」だ。最近では甘利明前経済財政・再生相が2014年の骨太の方針に盛り込もうとしたが、厚労族の議員や医師会の反発で断念した。

 薬価引き下げの影響をもろに受ける製薬会社が反対なのはわかるが、なぜ医師会が乗るのか。

 ポイントは2年に1度、医師の技術料などを変更する診療報酬改定だ。薬価は診療報酬と同時に改定され、原則2年間固定される。ただ実際に病院や薬局が仕入れる価格は、時間がたつと公定価格である薬価より下がっていく。薬価改定はこうした実勢価格に公定価格を合わせる作業で、通常はマイナス改定になる。

下げ分を上乗せ

 薬価引き下げで浮いた分の一部は医師の技術料など診療報酬本体に上乗せされてきた。毎年改定になれば上乗せの“原資”が半減する可能性がある。これこそが医療関係者の懸念だ。

 ある自民党のベテラン厚労族議員は「引き下げ分を診療報酬本体に充当するのはルール化されている」と主張する。

 その根拠の一つは1972年、中央社会保険医療協議会の建議だ。そこには「薬価の引き下げで生じる余裕を(医師の)技術料を中心に上積みする」とある。背景には医療保険制度の改正を巡って対立していた当時の佐藤栄作首相と日本医師会の武見太郎会長の手打ちがあったとされる。

反対大義に無理

 薬価が急に下がると院内で薬を処方する病院の経営全体に響きかねない――。当初は「技術料の上乗せは激変緩和措置」との解釈もあったとされるが医薬分業が進み、院内処方は減っている。財政赤字も膨大になる中、40年以上前の建議を毎年改定に反対する大義にするのには無理がある。

 政府は薬の効能や対象となる患者が増えたタイミングで価格を動かす「随時改定」も同時に実施する方針。反対派はこれを容認し「全医薬品の毎年改定」の阻止に絞る。

 ただ反対派に綻びがないわけではない。「引き下げ分を技術料に少し上乗せすることを担保すれば、医師会は毎年改定を容認してしまうのではないか」(製薬大手幹部)。製薬会社側にはこんな不安もよぎっている。

 中島裕介、川手伊織が担当しました。


薬価改定「少なくとも年1回」で一致 諮問会議

 政府は7日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き=写真、薬の公定価格(薬価)の改定頻度を現行の2年に1回から「少なくとも年1回」に増やす方針で一致した。民間議員は全ての医薬品について薬価を毎年見直すべきだと提案したが、塩崎恭久厚生労働相は改定の対象を明示しなかった。今後はどれだけの医薬品が毎年改定の対象になるかが焦点だ。

[日経新聞12月8日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/424.html

[国際16] プーチン訪日を前に増す日本のマスコミの情報漏洩は世論チェックの試みか?

プーチン訪日を前に増す日本のマスコミの情報漏洩は世論チェックの試みか?[スプートニク日本語]
オピニオン
2016年12月11日 10:04
アンドレイ イルヤシェンコ

今月15・16日に予定されているプーチン大統領の訪日が違づくにつれて、日本のマスメディアに漏れる、この訪問に関する情報の数は、考えられるすべての限界を超えるものとなった。

例えば8日だけでも、日本の尊敬すべき2つの新聞は同時に、信頼すべき権威ある筋の情報を引用する形で記事を載せた。そのうちの一紙の中では、日本企業は、日露首脳会談の結果、クリル南部へのビザなしビジネス渡航の権利を得るだろう、と述べられている。そうした事は全くあり得ることとはいえ、それはまずロシアのビジネスマンに対する同様の措置、つまり日本渡航手続き緩和との交換でのみ可能である。 

そしてもう一紙の中では、日本とロシアは、外相と防衛担当相が参加する所謂「2+2」のフォーマットでの協議を再開させ、その中で北極圏における中国抑止策をテーマに話し合うだろうと伝えられた。こちらの方はあり得ない。中国との友好的関係は、ロシア政府にとって優先的意義を持つものだからである。

また5日には別の日本の有力紙も、信頼すべき情報を引用し、日本とロシアは、経済関係発展と平和条約問題解決に関する交渉の枠内で、クリル南部に特別経済ゾーンを作るプランを討議していると報じた。そうした事もあり得るが、法律面での問題がある。

 さらに多かれ少なかれ、信頼できるように見える戦略的情報も、この一年、何度も公表されている。

プーチン訪日自体、西側との厳しい対決状態を考えれば、十分にセンセーショナルなものである。それ以外に肝心なのは、双方が南クリルについて、この問題の政治的経済的側面を話し合う用意があることだ。すでに今年5月の措置での会合で、両国のリーダーは、平和条約のようなデリケートな問題の討議を大きく損なう恐れがある情報流出や行為を抑えることで合意している。実際露日の公人達は、公式的な立場を確認し、意見の異なるいかなる問題も熱心に討議する心づもりを示すだけで、最大限の自制を発揮しており、それはもうすでに、当たり前のことになっている。とはいえ新聞は、読者の要求を満足させなければならない。

それゆえ最前線で取材するジャーナリスト達は、センセーショナルな話題を探すことになってしまう。相手側にも、問題があるにもかかわらずである。

現在日本のマスコミは、クリル問題への新しいアプローチに対する日本の世論の反応を計るために、積極的に利用されているようだ。

ソチで安倍首相は「新たなアプローチ」という用語を使うだけで、それに人々は慣れてしまったが、それが何なのか明らかにし、具体的に述べるのはプーチン来日時である必要がある。多くのバリエーションが考えられるが、それらはすべて、日本側がどんな一歩を踏み出すかにかかっている事は明らかだ。例えば、何人かの所有者が不動産を合同で所有するコンドミニアムのように、南クリルを統治するやり方だ。これについては、10月17日、日本のエスタブリシュメントのための主要紙が見出し入りで報じた。また、こうした情報のリークを放っておきながら、ロシア側、ロシアの政治家や外交官、専門家、ジャーナリストの反応を知ることもまた常に興味深い。

ロシア側も、マスコミルートで東京にデリケートな情報を発信することに反対ではない。例えば、南クリルに「バスティオン(地上発射型超音速対艦ミサイル)」及び「バル(地対艦ミサイル)」を配備するとの情報は、大きな騒ぎを引き起こした。

特筆すべきは、そうした情報源が、ロシアであまり知られていない新聞「ボエヴァヤ・ヴァフタ(戦闘当直班)」だった事だ。この新聞は、ロシア中央のジャーナリスト達が自由に取材できない太平洋艦隊の公式機関紙である。それゆえ信憑性について疑いはない。また同紙は、中央紙が扱わないローカルなニュースのみを報じている。

そして最後に忘れてはならないことがある。マスコミにおけるいかなる情報リークも、それは常に、世論を惑わすものであり、重要な交渉前にパートナーを操ろうとする世界中で広く使われる手段だという事だ。もし偽情報が伝えられていると分かったら、なぜ今それがリークされたのか、その事もじっくり考える必要がある。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201612113113388/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/676.html

[国際16] 天皇陛下 米国の立場を受け、プーチン大統領と面会しない:プーチン大統領の滞在日程で明仁天皇謁見が予定されたことは一度もな

天皇陛下 米国の立場を受け、プーチン大統領と面会しない[スプートニク日本語]
2016年12月11日 19:40(アップデート 2016年12月12日 15:20)

ロシアのプーチン大統領は、12月15、16両日の日本訪問中に天皇陛下に謁見しない。日本は、対露制裁に関するG7の結束を懸念する米国の不満を危惧している。

今月中旬に山口県と東京で開かれるロシアのプーチン大統領と日本の安倍首相の会談について、米国が東京での開催を自粛するよう日本に求めていたことが分かった。共同通信が、複数の日米関係筋の情報として報じた。

マスコミによると、露大統領の東京訪問実施の必要性について長い間迷っていた日本は、同盟国の米国に、プーチン大統領の天皇陛下謁見を企画しなかったことで、今回の訪問を熱意のあるものとして考えることはできないと説明したという。

共同通信によると、米国は11月ごろ「ロシアのプーチン大統領を日本の首都に招き厚遇すれば、日米欧の『対ロ包囲網』が緩むとの懸念を伝えていた」という。

しかし日本側は応じず、12月16日の東京での首脳会談を正式に発表した。

プーチン大統領の訪日は12月15、16の両日。日本のマスコミは、会談では南クリル4島での共同経済活動の可能性やビザ緩和、クナシリ島、エトロフ島、ハボマイ島、シコタン島のいわゆる「北方領土」の問題が主なテーマになるとの見方を表している。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612113114239/

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プーチン大統領の滞在日程で明仁天皇謁見が予定されたことは一度もなかった―ペスコフ報道官[スプートニク日本語]
2016年12月12日 20:36(アップデート 2016年12月12日 22:34)

プーチン大統領の訪日準備の際に、同氏の明仁天皇謁見が議題にあがったことは一度もない。12日、ペスコフ大統領報道官が記者団に述べた。

先に日本のマスコミは、日本政府が米国の不満を買わないために、プーチン大統領による天皇陛下謁見を設定しなかったと報じた。

ペスコフ報道官は、「プーチン大統領の日本公式訪問中の明仁天皇謁見が、同訪問の準備過程で議題にあがったことは一度もなく、滞在日程に天皇陛下謁見が含まれたことは一度もなければ、検討されたことも一度もない」と述べた。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612123119079/

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プーチン大統領は明仁天皇と謁見せず、秋田犬はモスクワに来ない…プーチン大統領と安倍首相の会談から待たれるものは?[スプートニク日本語]
2016年12月13日 08:28

今週、この数年で最大の日露首脳会談が行われる。双方は平和条約だけでなく、経済での新プロジェクトも審議する予定だ。

現在のところ、プロジェクトは資源採取、インフラ刷新に集中している。一方、日本政府は、係争諸島の経済的地位とビザ発給緩和の審議へと議題を拡大するよう望んでいる。

ロシアは何よりも、日本からの投資活発化に期待している。ロシア経済への投資額において、日本は中国をすでに凌駕しているが、うち多くの部分は石油ガスブロジェクトに向けられている。現在、ロシア側は投資誘致分野の拡大を期待している。

諸島の地位と平和条約問題が解決されることはなさそうだと、双方が認めている。

また同時に、G7諸国が支持する、日本による、個人と個々の銀行に対する対露制裁は続いている。会談の象徴的な瞬間から察するに、楽観的な予測は未だ許されない。日本報道各社によると、日本政府はプーチン大統領の天皇陛下謁見を企画せず、ロシア側もまた、贈り物としての2匹目の秋田犬受取を拒否した。ロシア報道各社の情報によると、係争諸島に関する主要な肯定的なニュースとなるのは、ビジネスマンに対する両国のビザ要件緩和と、両国での経済協力拡大だ。協力拡大に主に関係するのは漁獲と海産物の加工、ツーリズム。しかし、この問題にも、一連の規制に関する意見の相違が残っている。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612133120508/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/677.html

[国際16] 平和条約が無いのは時代錯誤的、プーチン大統領:プーチン大統領、ロシアにとって主たるパートナーは中国:日テレ読売単独会見

平和条約が無いのは時代錯誤的、プーチン大統領[スプートニク日本語]
2016年12月13日 16:06(アップデート 2016年12月13日 17:55)

プーチン大統領は日本TVからのインタビューに答え、ロシアは日本との完全な正常関係を望んでおり、二国間の平和条約の欠如は時代錯誤だととらえていると語った。

「我々は対日関係を完全に正常化したいと望んでいる。平和条約の欠如は過去の産物で時代錯誤であり、この時代錯誤は取り除かれねばならない。」プーチン大統領はこう語った。 「我々は日本との間に領土問題を抱えていない。領土問題が存在すると考えているのは日本のほうだ。だが我々はこれを話し合う用意がある。」プーチン大統領はこう語った。

プーチン大統領はまた、日本と信頼、友好、協力を築き、貿易経済関係の拡大を図るよう呼びかけた。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612133123028/

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プーチン大統領、ロシアにとって主たるパートナーは中国[スプートニク日本語]
2016年12月13日 17:55(アップデート 2016年12月13日 17:58)

日本TVおよび読売新聞とのインタビューで日本人記者らは、先日の連邦教書演説で諸外国との協力について述べられた中でプーチン大統領は真っ先に中国を挙げ、そのあとインド、日本、米国を列挙したことを指摘し、実際に中国がロシアにとっての主たるパートナー国なのか確認した。

https://jp.sputniknews.com/japan/201612133123305/



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/678.html

[国際16] 北朝鮮の核問題解決の模索に露中も合流を、日米韓が呼びかけ:前向きだが六者協議の再開条件を作るほかない日本

北朝鮮の核問題解決の模索に露中も合流を、日米韓が呼びかけ[スプートニク日本語]
2016年12月13日 17:13(アップデート 2016年12月13日 17:41)

日米韓の代表らは13日、ソウルで会合を実施し、朝鮮民主主義人民共和国の核実験に際してロシアと中国と共に状況の打開策を見つけることで合意した。日本外務省の金杉憲治アジア大洋州局長(六者会合首席代表)はこうした声明を表した。

金杉局長は三カ国の代表者会合の後、記者会見にのぞんだなかで、3カ国は互いの緊密な協力合意のほかに中国とロシアと協力して問題を解決する道を模索したいとする姿勢を示した。共同通信が報じた。

ジョセフ・ユン米国国務省北朝鮮政策担当特別代表(六者会合首席代表)も「北朝鮮の核プログラムは政党間の相違の枠を超えている」と指摘し、新政権は朝鮮半島の非核化の立場をとるだろうと語っている。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612133123138/



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/679.html

[戦争b19] 韓国・蔚山の軍部隊基地で手榴弾爆発:20人が負傷

韓国・蔚山の軍部隊基地で手榴弾爆発[スプートニク日本語]
2016年12月13日 14:11(アップデート 2016年12月13日 15:36)

韓国・蔚山の軍部隊基地で手榴弾によるとみられる爆発があり、これまでに20人が負傷した。韓国KBSテレビの速報を受け、JX通信が報じた。

爆発原因は現段階では不明。 負傷者は全員韓国軍兵士で、多くが火傷を負っている。兵士らは病院に搬送された。JX通信によれば、爆発時には軍事演習は一切行なわれていなかった。韓国軍部は今のところ公式的な声明を控えている。

https://jp.sputniknews.com/world/201612133121618/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/301.html

[政治・選挙・NHK217] <米軍オスプレイ>沖縄県沖の海上に不時着 乗員5人救助:規則で米国大統領は搭乗できないヘリ

<米軍オスプレイ>沖縄県沖の海上に不時着 乗員5人救助
毎日新聞 12/13(火) 23:53配信

 ◇乗員2人負傷 国内不時着は12年の「普天間」配備以来初

 防衛省や海上保安庁に13日夜、米軍から入った連絡によると、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸輸送機オスプレイ1機が沖縄本島東沖近海に不時着水した。同日午後11時55分ごろに米軍が救助を求めていた乗員5人を救助した。2人が負傷しており、米軍基地内の病院に搬送されたという。国内でのオスプレイ不時着は2012年の普天間飛行場配備以来初めて。

 防衛省関係者によると、事故機は普天間飛行場を離陸し、沖縄本島北部に向かう途中の午後9時半ごろに不時着した。その直前に事故機から「これから降りる」と米軍側に連絡があったという。防衛省によると、場所は名護市東沖約1.6キロの海上。

 在沖縄米海兵隊は13日深夜から14日未明にかけてツイッターで「MV22オスプレイ1機が関係する航空機事故が沖縄沖で発生した」などと発表した。「全搭乗員はキャンプ・フォスターの米海軍病院に移送され治療を受けている」としている。

 オスプレイはヘリコプターと固定翼機の両方の機能を持つティルトローター式の輸送機。12年10月、米軍が国内で初めて普天間飛行場に12機を配備。現在普天間には24機がある。

 オスプレイは開発段階から墜落などの事故が相次ぎ、沖縄県では配備に対する県民の反発が続いている。日米両政府は15年5月、東京・横田基地への配備も発表している。【町田徳丈、佐藤敬一、門田陽介】

最終更新:12/14(水) 1:25

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161213-00000135-mai-soci



http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/518.html

[国際16] 米国家情報長官、ロシアのハッカー攻撃を主張のCIAを支持せず:トランプ氏を勝たせるためという“意図”を不支持

米国家情報長官、ロシアのハッカー攻撃を主張のCIAを支持せず[スプートニク日本語]
016年12月13日 23:30

米国国家情報長官は、米大統領選でトランプ氏に加担するためにロシアがハッカー攻撃を行ったとする中央情報局(CIA)の主張に不支持を示した。ロイター通信が米国の3人の役人の消息筋の情報として報じた。

これより前、米国のマスコミには「ロシアのハッカー」がトランプ氏の勝利を死守しようとサイバー攻撃を行ったという記事が多数掲載されていた。その際、記事は情報源としてCIA内の消息筋を挙げている。

ロイター通信の消息筋の一人の話では、米国国家情報長官はロシアのハッカーがサイバー攻撃を行ったというCIAの分析を論破してはいないものの、攻撃がトランプ氏を支持する目的で行われたことを示す明確な証拠が欠如しているとして、CIAの出した帰結に不支持を示した。

消息筋はロイター通信に対して「米国国家情報長官はCIAが誤ったとは言っていない。ただCIAは意図を証拠立てることができないということを言っているのだ」と語っている。ロイター通信は連邦捜査局(FBI)も同様の立場をとっていると指摘している。

https://jp.sputniknews.com/us/201612133125142/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/685.html

[国際16] ウシャコフ補佐官:露日はクリルでの共同プロジェクトを発表するかもしれない:帰属確定が前提となる話なのだが

※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

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ウシャコフ補佐官:露日はクリルでの共同プロジェクトを発表するかもしれない[スプートニク日本語]
2016年12月13日 22:50(アップデート 2016年12月13日 23:00)

ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、プーチン大統領の訪日中に、係争諸島での共同経済活動の開始について発表されるかもしれないとの見方を示した。

ウシャコフ氏は、「首脳たちは島での共同経済活動の開始について発表するかもしれない。文書はまだ合意されていないが、検討されている」と述べた。

ウシャコフ氏はまた、訪問に向けて準備されている共同プロジェクトの一覧表は、90項目を有していると指摘した。

露日関係関連のニュースはこちら(https://jp.sputniknews.com/tags/keyword_russia-japan_relations/)。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612133126353/

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プーチン大統領訪日の際には一連の合意と数十の契約が結ばれる予定[スプートニク日本語]
2016年12月13日 22:26(アップデート 2016年12月13日 22:36)

15・16両日に行われるプーチン大統領の日本訪問では、およそ10の国家間文書、12から15の極めて重要な商業上の合意、そして数十のビジネス関連文書への調印がなされる予定だ。ロシアのユーリイ・ウシャコフ大統領補佐官は、記者団にこのように伝えた。

ウシャコフ大統領補佐官は、次のように述べた- 「現在まだ、準備プロセスが終わっていない。専門家らは積極的に作業しているが、プーチン大統領と安倍首相の会談で、10程度の国家間文書、12から15の極めて重要な商業上の文書の調印がなされるものと期待している。その後行われる、両首脳と露日ビジネスフォーラム代表らとの会合でも、さらに約50ものビジネス契約への調印がなされるだろう。」

露日関係関連のニュースはこちら(https://jp.sputniknews.com/tags/keyword_russia-japan_relations/)。

https://jp.sputniknews.com/business/201612133126171/



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/686.html

[政治・選挙・NHK217] 日本政府 日ロ首脳会談前に次官級協議の開催をロシア側に打診:帰属問題など核心的内容で一定の合意があることを示唆

※関連記事

「ウシャコフ補佐官:露日はクリルでの共同プロジェクトを発表するかもしれない:帰属確定が前提となる話なのだが」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/686.html

※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

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日本政府 日ロ首脳会談前に次官級協議の開催をロシア側に打診
2016年12月12日 19:08(アップデート 2016年12月12日 22:07)

今月15、16両日の露日首脳会談を前に、日本政府は南クリル諸島での共同経済活動などをめぐり合意点を探るため、次官級協議の開催をロシア側に打診している。NHKが報じた。

NHKによると、次官級協議には、日本側から秋葉外務審議官、ロシア側からモルグロフ外務次官らの出席を調整しているという。

NHKは、「会談では、北方領土での共同経済活動の在り方が、焦点の1つとなる見通しですが、政府は、ロシア側が主権をめぐる主張を変えていない中で、日本の法的立場を害さないことが大前提だとしていて、厳しい交渉が続いているものとみられます」とし、「領土問題の進展に向けて、直前まで事務レベルの調整を続ける方針」と報じている。

https://jp.sputniknews.com/japan/201612123118368/


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/520.html

[政治・選挙・NHK217] 日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない

 来日するプーチン大統領との首脳会談を含め日露交渉は“大失敗”というご託宣を述べるひとも少なくないが、安倍政権は、歯舞・色丹の二島返還+αの成果が得られる見通しが立ったからこそ、経済協力を含む交渉に拍車にかけ、安倍首相の選挙区での首脳会談まで設定したのである。

国民多数派の納得がえられないレベルの合意しか達成できなければ、今なお水面下の交渉に終始していたか、平和条約交渉を断念していたであっただろう。そうであれば、言うまでもなく、華々しい経済協力構想をぶち上げることもなかったはずである。

 「日朝国交正常化交渉」(拉致問題解決)という安倍政権にとって最もプライオリティが高い外交課題があるなかで、「日露平和条約交渉」(なぜか日本では北方領土交渉)を先行させた意味を考えるべきである。

 「日朝国交正常化交渉」に弾みをつける成果が得られる交渉を行ってきたからこそ、安倍政権は、「日露平和条約交渉」にのめり込んできたと考えるのが妥当である。


※関連記事

「日本政府 日ロ首脳会談前に次官級協議の開催をロシア側に打診:帰属問題など核心的内容で一定の合意があることを示唆」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/520.html

※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

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日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒[日経新聞]
2016/12/14 1:15

 ロシアのプーチン大統領の会見での発言は経済協力を巡る日本との立場の差を浮き彫りにした。安倍晋三首相も北方領土問題の解決に向け「新しいアプローチ」を打ち出すなど信頼醸成の必要性を認識しているものの、経済協力の「先食い」を警戒する世論への配慮から領土問題との結びつきを意識せざるを得ないのが実情だ。

 安倍首相が5月のロシア・ソチでの首脳会談で提示した新しいアプローチは経済や安全保障など幅広い協力関係で築いた信頼をもとに領土問題を進める手法とみられる。領土問題と経済協力を直結させる傾向があったこれまでの日本政府の交渉手法と一線を画した。

 首相が新しいアプローチの一環として示した「8項目の経済協力」はプーチン氏も「唯一の正しい道」と評価。平均寿命が相対的に短いロシアの事情に配慮し「健康寿命の伸長」を項目の一番手に据えるなどロシア目線に立っているためだ。

 それでも経済協力の領土問題解決への位置づけは微妙にずれる。プーチン氏が経済や安全保障の交流などで国民ベースの信頼関係を築き徐々に領土問題の解決に向けた環境を整えていく必要性を指摘するのに対し、首相は領土を意識せざるを得ない。日本側は領土問題を議論する15日の首相の地元・山口での会談を重視するが、ロシア側は経済協力を協議する東京での会談に重きを置く。

 北方四島での共同経済活動は歩み寄りの糸口になる可能性がある。プーチン氏は活動の対象を歯舞・色丹に限っておらず、主権問題を解消できれば、日本政府が平和条約締結の前提とする四島の帰属解決の糸口になるとの期待がある。四島での交流強化は同氏が訴える信頼構築にも資する。

 ただ共同経済活動の具体化に向けた本格協議の開始が今回の首脳会談の成果となる可能性もある半面、日本はロシアの主権下で同国法に従うことはできず、両国が受け入れ可能な方策を見いだすのは難しい状況だ。

 一方、日本を含む米欧など主要7カ国(G7)がウクライナ問題で科す対ロ経済制裁では難しい対応を迫られる。G7の結束を重視しており、菅義偉官房長官は記者会見で「G7の連帯を重視しながら適切に対応していく」と述べた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10631170U6A211C1EA2000/?nf=1

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プーチン氏「経済協力、領土に先行」 日本の制裁に不快感[日経新聞]
15日来日
2016/12/14 0:05

 【モスクワ=田中孝幸】ロシアのプーチン大統領は15日からの来日を前に、モスクワのクレムリン(大統領府)で読売新聞、日本テレビと会見した。日本との最大の懸案である北方領土問題について、経済関係の発展を先行させて解決の環境を整えるべきだとの考えを強調した。日本が求める四島返還への反対の立場も重ねて表明。ウクライナ問題を巡って日本が欧米と共に続けている対ロ制裁への不快感もあらわにした。

 ロシア大統領府が13日、会見録を公表した。15〜16日の安倍晋三首相との首脳会談を控え、日本側を強くけん制する狙いがあるとみられる。安倍政権が最重視する領土問題の早期進展はさらに困難な見通しになった。

 プーチン氏は日ロ関係について「双方の希望に沿った関係を築く基礎は得られていない」と述べ、平和条約締結を目指す考えを表明。両国の信頼醸成に向けて「第一に貿易・経済関係を改善する必要がある」と指摘し、ロシア極東地域の開発への日本の協力に期待感を表明した。

 領土問題では平和条約締結後の歯舞群島、色丹島の引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言に言及。四島の返還を求める日本の立場には「共同宣言の枠を超えている。全く別の話で、別の問題提起だ」と述べ、国後、択捉2島は将来的にも返還対象とはなっていないと強調した。

 今回の首脳会談での領土問題の協議については「どう問題を解決するか明確な理解に達することを望む」と述べる一方、大きな進展がないとの見通しを示唆。「(進展は)我々のパートナーの柔軟性にかかっている」と語った。

 北方領土での日ロの共同経済活動については「様々な選択肢があり、我々は検討する用意がある」と明言。四島の共同開発を含めた大規模な経済協力が領土問題の解決に必要な信頼醸成に資すると語り、実現に期待感を表明した。

 実施のための法的枠組みを巡っては、日本が自国の主権下で実施すると主張した場合「次のステップが必要なくなり、この話は終わりになる」と強調。日本側に歩み寄りを促した。

 一連の発言には、領土交渉に応じる姿勢を見せる一方で、具体的な中身を巡る協議はできるだけ引き延ばし、経済、外交面で日本から最大限の協力を引き出す狙いが透ける。平和条約締結交渉の期限の設定にも反対する考えを重ねて表明した。

 日本が主要7カ国(G7)の一員として発動した対ロ制裁に関しては「制裁下でどうやって経済関係を新たなレベルに進めることができるのか」などと不満を繰り返し表明した。対ロ制裁の実施に反対した石油大手エクソンモービルの会長兼最高経営責任者のレックス・ティラーソン氏がトランプ次期米政権の国務長官に指名されたこともあり、プーチン氏は領土問題をテコにG7制裁網を突き崩す戦略を描いている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H4E_T11C16A2EA2000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html

[政治・選挙・NHK217] 沖縄オスプレイ事故、なぜ墜落ではなく「不時着」と報道? 防衛省に聞いた:米報道は「墜落」と表現

沖縄オスプレイ事故、なぜ墜落ではなく「不時着」と報道? 防衛省に聞いた
BuzzFeed Japan 12/14(水) 11:23配信

防衛省によると、2016年12月13日午後9時半ごろ、沖縄県名護市東海岸から約1キロの沖合で、米軍MV-22オスプレイ1機が「不時着水」した。5人が搭乗していたが、全員が救助されたが、2人が負傷しているという。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

これを受け、稲田朋美防衛大臣は、マルチネス在日米軍司令官に、「事故に関する原因究明・情報提供、安全」が確認されるまで、オスプレイの飛行を停止するよう、電話で申し入れた。

墜落と不時着の違いは

実際、米保守系テレビ局「Fox News」なども「crashes」(墜落)という表現で事故を報じている。また、地元紙の沖縄タイムスや琉球新報は当初は「不時着」だったが、いまは「墜落」との表現を使っている。

BuzzFeed Newsは防衛省に取材をした。報道担当者は「アメリカ側から説明を受けた時に『不時着水』という表現を使っていたため、報道資料にもその言葉を用いた」と説明した。英語では「landing in shallow water」だという。

旺文社の国語辞典には、「不時着」の言葉の定義として「飛行中の故障などで、臨時に目的地以外の場所に着陸すること」とある。

防衛省の認識としては、そのような事態があった場合、「機体のコントロールを失った状況で着陸または着水する状況が墜落」であり、「パイロットの意思で着陸または着水した場合は、不時着、不時着陸」になるという。

機体の損壊具合は関係がないとのことだ。

防衛省は「おそらく不時着水」との認識

墜落だったのか、パイロットの意思があったかどうかを含め、詳細は米軍側に問い合わせ中だという。防衛省で独自の調査をしているわけではない。

状況によっては「墜落という表現に変わる可能性もある」というが、取材に応じた担当者はこうも語る。

「乗員5名が生存しており、意図せず墜落した場合はそういう風にならないという意見が防衛省内でもある。こちらも、おそらく不時着水であろうと認識しています」

国内での「不時着」は初めて

米海兵隊の普天間基地には現在、24機のオスプレイが配備されている。毎日新聞によると、2012年に配備が始まって以降、国内での「不時着」は初めてという。

2007年から運用が始まったオスプレイはこれまで、海外でも繰り返し事故があり、その安全性を不安視する声が相次いでいた。2015年にはハワイで着陸に失敗、2人が死亡している。

ただ、一概に事故率が高い機体であると言えるわけではない。

防衛省の資料によると、「10万飛行時間あたり」の「被害総額が200万ドルを超えるや死者を出した」事故率は、2012年4月現在で1.93と、海兵隊の平均2.45よりも低い。米軍が運用している航空機の中でも平均以下だという。

防衛省はその安全性について、こう指摘している。

“様々な角度から安全性の検証を行った結果、機体の安全性には特段の問題はなく、MV-22オスプレイが他の航空機と比べて特に危険と考える根拠は見出し得ない“

私も朝日新聞社の記者時代、オスプレイの体験搭乗に参加したことがある。独特の揺れはあるものの、飛行中、特段の危険性を感じることはなかった。

「不時着」したオスプレイと同型機のMV-44に関しては、陸上自衛隊が2018年度までに順次導入することが決まっている。17機アメリカから購入する予定だ。


最終更新:12/14(水) 11:48


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161214-00010002-bfj-soci&p=1


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/535.html

[政治・選挙・NHK217] プーチン大統領の日本のマスコミとのインタビュー内容を読み取る:日本との完全なる関係正常化はロシアの主な国益の一つ

※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html

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プーチン大統領の日本のマスコミとのインタビュー内容を読み取る[スプートニク日本語]
2016年12月14日 09:24(アップデート 2016年12月14日 14:25)
アンドレイ イルヤシェンコ

ロシアのプーチン大統領は13日、日本訪問を前に読売新聞と日本テレビとの広範なインタビューに応じた。これは恐らくプーチン大統領の16年の大統領任期中で最も完全かつ率直な露日関係に関するインタビューだ。プーチン大統領はきわめて正確に表現しているが、日本の立場を十分厳しく批判している。

プーチン大統領は何を強調したかったのか?

一つ目。日本との完全なる関係正常化は、ロシアの主な国益の中に含まれている。

プーチン大統領は、これを繰り返し述べている。プーチン大統領は、領土問題の解決を目指しているかとの質問に、
「もちろんだ。我々はそれを目指しており、我々はこれを心から述べている。なぜなら私たちは日本との関係における過去のすべての問題を終わらせることに関心を持っているからだ。我々の前進を妨げるものがあってはならない。これは我々の国家的優先事項の一つに入っている」と述べた。

これはプーチン大統領の政治的目標であり、大統領は具体的に「我々は日本の参加に関心を持っている。例えばロシアの極東開発全般、テクノロジーを得ることだ」と指摘している。

2つ目。プーチン大統領は、日本のロシアとの対話へのアプローチや戦術について、何度かきわめて批判的に述べている。

大統領は「私の日本の同僚たちの依頼で2000年に私たちは1956年の取り決めを基盤に平和条約締結の可能性の議論に戻った。しかし1956年の取り決めでは2島について述べられているが、あなたは今ご自分で、首相は4島について問題を提起していると仰った。つまり、我々はすでに1956年の取り決めの枠から出たとうことであり、これは全く別の状況であり、別の問題の提起だ」と述べた。

プーチン大統領は、日本の公式な立場が、平和条約交渉を再開するという考えで決まった合意と食い違っていることを明確に示唆した。


3つ目。プーチン大統領は、1956年の共同宣言で述べられているハボマイとシコタン譲渡の議論は、日本の公式的な立場が変化した時に初めて可能となると強調している。プーチン大統領は「あなたは常に1956年の宣言を引用していますが、日本がこの宣言の履行を拒否したのですよ。いいですか、もし首相が、もし日本の内閣が、まさにこの考えに戻るならば、私たちは議論しましょう」と述べた。

そのようにならなかった場合、交渉は実際のところ行われないだろう。

4つ目。プーチン大統領は、日本が何度も交渉を中断したことを非難している。

大統領は「ある時、数年前に日本は一方的に自らこの交渉を打ち切り、我々とのコンタクトを拒否した」と述べた。少なくとも小泉首相時代の状況と、ウクライナ危機の時の2年前を思い出すことができる。これに関連してプーチン大統領は、ロシアとの現実的な対話を決断する上で日本がどれだけ米国から独立しているかの証拠を求めている。

大統領は、ウクライナでの出来事の後で日本が承認した対露制裁について、「つまり日本には何らかの同盟義務があるということだ。我々はそれを尊重するが、我々は日本の自由のレベル、日本が自ら思い切って何をする用意があるのかを理解する必要がある。これを見分けなければならず、これは二義的性質の問題ではない」と述べた。日本の独立した立場は、今後の交渉の条件だ。

プーチン大統領が関心を持っているのは、単なる政策の解除あるいは緩和ではない。

5つ目。平和条約締結の別の前提条件は、南クリル諸島での経済協力、そして全体的な経済協力の具体的な成果でなければならない。

大統領は「自動的に、ただ可能性のある共同協力計画を描いただけでは、平和条約締結と、その領土的性質の問題解決の基盤に関する問題を解決することは私たちにはできない、単に私たちにはできない」と述べた。意向に関する声明や約束では、プーチン大統領を満足させることはできない。

6つ目。プーチン大統領は、1956年の共同宣言の効力が及んでいないクナシリとエトロフに関する日本の立場を無視してはない。

大統領は「南クリル諸島に関してだが、これについては様々な案が可能だ。我々は、1島での、2島での、3島での、4島での共同活動を検討する用意がある。重要なのは条件だが、条件は最大限リベラルでなければならない。これについては安倍首相が述べ、私は彼に同意している」と語った。一方でプーチン大統領にとってこれは、全く別の交渉テーマだ。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201612143127826/



http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/537.html

[政治・選挙・NHK217] 海に不時着「感謝されるべき」 在沖縄米軍トップ:「感謝されるべき」といった妄言を吐く米軍トップは危機管理能力さえ欠如
海岸に近い浅瀬で大破したオスプレイ(14日午後、沖縄県名護市)=共同


海に不時着「感謝されるべき」 在沖縄米軍トップ[日経新聞]
オスプレイ事故巡り
2016/12/14 23:42

 在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン沖縄地域調整官は14日、米軍キャンプ瑞慶覧(沖縄県北中城村など)で記者会見し、オスプレイの不時着事故について「沖縄の人々に謝罪する」「誠に遺憾」と陳謝した。

 一方、事故機を陸上ではなく海に不時着させたパイロットの判断については「沖縄の人々を守った。称賛を送りたい」と強調。「給油訓練は必要な訓練だ」と強い口調で主張する一幕もあった。

 会見に先立ち、キャンプ瑞慶覧を抗議に訪れた沖縄県の安慶田光男副知事によると、ニコルソン氏は「パイロットは県民や住宅に被害を与えないようにした。感謝されるべきもので、表彰ものだ」とも発言したという。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H7B_U6A211C1EA1000/?dg=1http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H7B_U6A211C1EA1000/?dg=1


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/568.html

[経世済民116] 東シベリアの油田 日ロ共同で今月中にも原油の商業生産へ:日ロ経済協力プランにエネルギー分野で複数の大型案件

※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html

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東シベリアの油田 日ロ共同で今月中にも原油の商業生産へ[NHK]
12月14日 21時00分

国の独立行政法人、JOGMEC=石油天然ガス・金属鉱物資源機構や、大手商社の伊藤忠商事などは、ロシアの石油会社と共同で早ければ、今月中にも東シベリアの油田で原油の商業生産に乗り出すと発表しました。

発表によりますと、JOGMECと伊藤忠商事、それに資源大手、国際石油開発帝石の民間2社は、ロシアの石油会社、イルクーツク石油と共同で、東シベリアのイルクーツク州にある油田で原油の商業生産に乗り出します。

この油田では、平成21年からJOGMECとイルクーツク石油が、さらに平成25年からは国際石油開発帝石と伊藤忠商事も加わって試験的に採掘してきましたが、十分な埋蔵量があることが確認できたことから、早ければ今月中にもロシア政府の承認を得て商業生産を始めるということです。

産出した原油は、パイプラインを通じてロシア国内に供給されるほか、タンカーで日本などのアジア市場に輸出する予定で、今後、ほかの油田の開発も目指すことにしています。

こうした内容は15日から行われる日ロ首脳会談に合わせて、両国が協議している経済協力のプランにも盛り込まれる見通しで、中東への依存度が高い日本の原油の調達の多角化につながることが期待されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161214/k10010806911000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_003

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日ロ経済協力プランにエネルギー分野で複数の大型案件[NHK]
12月15日 0時53分

15日から行われる日ロ首脳会談に向けて、両政府が協議を進めている経済協力プランの中に、極東サハリンのガス田「サハリン2」でガスを液化する新しい施設の建設に向けて協力することなど、複数の大型案件が盛り込まれる見通しとなりました。

日ロ両政府は、15日から行われる首脳会談に向けて、日本側が提案した8項目の経済協力プランに基づき、企業間のプロジェクトの具体化を進めてきました。

関係者によりますと、このうち経済協力の柱となるエネルギーの分野では、「サハリン2」と呼ばれる極東サハリンのガス田で、大手商社の三井物産と三菱商事、それにロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」が新しい液化施設の建設に向けて協力することが、経済協力プランに盛り込まれる見通しです。

また、国の独立行政法人のJOGMEC=石油天然ガス・金属鉱物資源機構と、大手商社の丸紅が、ロシアの国営石油会社「ロスネフチ」と油田やガス田の探査で協力することや、日本の複数の大手金融機関が「ガスプロム」に対して協調融資すること、それに、北極圏で計画されているガス田開発で両国企業が協力することなど、大型の案件が盛り込まれる見通しです。

経済協力プランをめぐっては、医療や都市開発などの分野でも、両国の関連する企業が協力に向けた協議を行っていて、平和条約交渉の進展につながるかどうか注目されます。


ロシア大手ガス会社 日本商社などと協力で覚書へ

ロシアの北極圏でLNG=液化天然ガスの開発などを進めている、ロシア大手の民間ガス会社「ノバテク」は、プーチン大統領が日本を訪れるのに合わせて、大手商社の「丸紅」などと戦略的な協力関係を目指すとした覚書に署名することが、関係者への取材でわかりました。

プーチン大統領が15日から2日間の日程で日本を訪れるのに合わせて、ロシアのエネルギー関係の企業のトップをはじめ、200人以上の経済関係者が来日し、経済協力に関する文書への署名などが行われることになっています。

関係者によりますと、このうち、ロシア大手の民間ガス会社、ノバテクは、日本の大手商社の丸紅と三菱商事、それに三井物産の3社と戦略的な協力関係を目指すとした覚書に署名するということです。

ノバテクは、プーチン大統領の長年の友人が所有者の1人で、プーチン政権とも親密な関係にあります。

ノバテクは、ロシア最北部で「北極圏LNG2」と呼ばれるLNGのプロジェクトを計画していて、日本が年間に輸入するLNGの5分の1の量に相当する、最大およそ1600万トンを年間生産する予定です。
ただ、ウクライナ情勢をめぐってアメリカから制裁を受け、資金調達が制限されていて、ノバテクとしては、日本からの協力もとりつけたいとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161215/k10010807241000.html?utm_int=all_side_ranking-social_004&nnw_opt=ranking-social_b


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/716.html

[政治・選挙・NHK217] 領土定期協議を政府提案へ 15日に日ロ首脳会談

※関連記事

「東シベリアの油田 日ロ共同で今月中にも原油の商業生産へ:日ロ経済協力プランにエネルギー分野で複数の大型案件」
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/716.html

※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html

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領土定期協議を政府提案へ 15日に日ロ首脳会談[日経新聞]
2016/12/15 2:04

 安倍晋三首相は15日、地元・山口県長門市にロシアのプーチン大統領を招いて首脳会談を開く。最大の懸案である北方領土問題を含む平和条約締結交渉の進展に向け、首脳同士が定期協議することを提案する方針だ。北方四島での共同経済活動では、実現可能性を探る会議体の設置を検討する。16日の会談では首相がロシア側に示した「8項目の経済協力」を巡って、約30の優先案件の具体化で合意する見通しだ。

 今年は1956年の日ソ共同宣言から60周年の節目にあたる。プーチン氏の大統領としての訪日は11年ぶりで、安倍首相との日ロ首脳会談は今年4回目。15日は主に領土問題を、16日は東京に場所を移して経済協力を中心に協議する。

 領土交渉を巡っては、平和条約締結の前提に4島の帰属の解決を据える首相と、歯舞・色丹両島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言の順守を強調するプーチン氏の意見の隔たりは大きい。

 首相が領土問題を取り上げる首脳同士の定期協議で合意をめざすのは、15日の会談で一定の進展があったとしても、4島の帰属解決と平和条約の締結に道筋をつけるにはなお時間を要するとの判断からだ。プーチン氏は訪日前の読売新聞と日本テレビとの会見で、領土問題より経済協力を優先する考えを示した。

 首相はすでに9月のウラジオストクでの演説で、プーチン氏に毎年1回会談することを提案。ほかにも国際会議など利用しながら定期的に両首脳が顔をあわせ、交渉の進捗を確認するとの方針で一致したい考えだ。

 両首脳はロシア人向けの査証(ビザ)発給要件の緩和で合意する見通しだ。一定の期間内に何度も訪問できる数次ビザの有効期間を最長3年から5年に延長する。日本はウクライナ問題を巡る対ロ制裁でビザ緩和の協議を停止しており、事実上の制裁緩和となる。北方領土の元島民らによるビザなし交流の拡大も確認するとみられる。

 共同経済活動に関しては、ロシア側が同国の主権の下での活動を主張する一方、4島を固有の領土とする日本側は「互いの法的立場を害さないことが前提」との姿勢を崩していない。両首脳は主権問題を整理し、協力の在り方を検討する会議体の設置でも合意をめざす。

 両首脳は16日までの一連の会談後に共同記者会見に臨む。プーチン氏は同日中に帰国の途に就く予定だ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H5R_U6A211C1MM8000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/570.html

[政治・選挙・NHK217] あす日ロ首脳会談 次官級の非公式協議で大詰めの調整:北朝鮮「核問題」解決に向けプーチン大統領が中国と日本のため一肌脱ぐか

 日露平和条約交渉自体も「戦後」を終わらせる極めて重要な外交課題だが、日露平和条約交渉が、朝鮮半島問題六者協議の再開条件である日朝国交正常化に向けたステップになっていることを重要である。

日露平和条約交渉が失敗に終わってしまえば、日朝国交正常化も遠のいてしまうことをプーチン大統領も十二分に認識している。
 そして、日朝国交正常化が、中国にとっても(米国にとっても)強い願い(責務)であることをプーチン大統領は承知している。

 戦略的判断ができるとともに国際信義にも篤いプーチン氏は、二島返還+αといった安倍首相を立てる合意に踏み出すだろう。


※関連参照投稿

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html

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あす日ロ首脳会談 次官級の非公式協議で大詰めの調整[NHK]
12月14日 19時36分

安倍総理大臣は15日、日本を訪れるロシアのプーチン大統領と、地元の山口県で首脳会談に臨むことにしています。日ロ両政府は、会談を15日に控え、14日東京で次官級の非公式協議を行うなど、北方四島での共同経済活動や人の自由な往来の実現に向けて、大詰めの調整を続けています。

安倍総理大臣は15日、日本を訪れるロシアのプーチン大統領と、地元の山口県長門市の温泉旅館で首脳会談を行うほか、16日には東京に移動し改めて会談することにしています。

15日の首脳会談で、安倍総理大臣は北方領土問題を含む平和条約交渉の前進を目指し、新しい発想のアプローチに基づき、北方四島の帰属の問題を脇に置いて、まずは四島での共同経済活動や、人の自由な往来の実現に向けて、意見を交わすことにしています。

ただ、四島での共同経済活動をめぐっては、ロシア側が自国の法律の下で行うよう求めているのに対し、日本側は北方領土をめぐる日本の法的な立場が侵されかねないとして慎重な姿勢を示し、折り合いがついていません。

会談を15日に控え、日ロ両政府は合意点を探るため、14日、東京で次官級の非公式協議を行い、日本側は秋葉外務審議官、ロシア側はプーチン大統領に先立って来日したモルグロフ外務次官らが出席して、大詰めの調整を行いました。

政府関係者は「会談の直前までロシア側との調整は続くだろう」と述べ、厳しい交渉が続いているという認識を示しました。

安倍総理大臣は共同経済活動などによって、四島に住むロシア人と、元島民ら日本人との関係を構築することを通じ、70年余り進展が見られなかった領土交渉の前進につなげたい考えで、今回の首脳会談で、具体的な合意点を見出せるかが焦点です。


元島民「1歩でも2歩でも前進を」

15日、ロシアのプーチン大統領が日本を訪れ日ロ首脳会談が行われるのを前に北方領土の元島民などで作る「千島歯舞諸島居住者連盟」の副理事長で、歯舞群島の多楽島出身の河田弘登志さん(82)は「長年、北方領土の1日でも早い返還を求めてきた。元島民は高齢化し、1人、また1人と亡くなっていくような状況だ。今回の会談で、1歩でも2歩でも前進したと言えるような結果になってほしい」と期待感を示しました。

そのうえで、「経済だけ先行して領土問題はそのままという形では納得できない。経済も進めながら領土問題も進んでいくという両輪のようになれば希望を持てる。安倍総理大臣は自分の世代で問題を終わらせると話しているので、少しでもいい知らせを聞けるよう、祈るような気持ちで見守っている」と話しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161214/k10010806841000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_004


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/571.html

[経世済民116] 米FRB、1年ぶり利上げ 0.25%:全員一致、金融市場は世界レベルで利上げを織り込み推移

米FRB、1年ぶり利上げ 0.25%[日経新聞]
17年は3回見込む
2016/12/15 4:03

 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、1年ぶりの利上げを全会一致で決めた。利上げ幅は0.25%。同時に公表した政策金利見通しでは、2017年中に3回の利上げを中心シナリオとし、引き締めペースの加速を見込んだ。FRBは08年の金融危機後に続いた超低金利からの脱却を目指しており、世界のマネーを再び揺り動かしそうだ。

 短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年0.25〜0.50%から0.50〜0.75%に引き上げた。新たな政策金利は15日から適用する。利上げはイエレン議長ら投票メンバー10人の全員一致で決めた。

 FOMC後に公表した声明文では「労働環境と物価上昇率の実績と見通しを鑑みて、政策金利を引き上げると決断した」と強調した。米経済成長率は7〜9月期に2年ぶりの高さとなり、失業率も11月には9年ぶりの水準まで改善。物価上昇率も1.7%と目標の2%に近づいている。トランプ次期政権が巨額減税などの財政拡張策を掲げ、株価や金利が上昇したことも利上げを後押しする材料となった。

 今回の会合で政策金利を0.25%引き上げたのは、金融市場の事前の予測通りだ。市場が注視するのは今後の利上げペースだが、FOMCメンバー17人の利上げ見通し(中央値)は、17年に3回、18年に3回となり、引き締めが加速すると見込んだ。前回公表した9月時点の見通しは17年に2回、18年は3回だった。

 市場はトランプ次期政権の財政拡張策でインフレ圧力が強まるとみており、来年の利上げペースが加速するとの見方があった。米国市場では長期金利が2年2カ月ぶりの水準まで上昇し、ドルも通貨指数が14年ぶりの高値圏にある。FRBが市場の見方に追随して利上げペースの加速を見込んだことで、金利上昇とドル高に拍車がかかる可能性もある。

 基軸通貨ドルを抱えるFRBの利上げは世界のマネーの流れにも影響する。金利上昇で利回りが見込めるドルに資金が回帰し、日本は円売りが進みやすい地合いとなる。一方で緩和マネーが集中していた新興国は、資本流出や通貨安のリスクに見舞われる。

 FRBは昨年12月に9年半ぶりの利上げに踏み切り、08年末から続いたゼロ金利政策を解除した。ただ、その直後の1月には世界同時株安に見舞われ、1年にわたって追加利上げを凍結することになった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN14H3A_U6A211C1000000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/717.html

[雑談・Story41] 徳川慶喜を批判 渋沢栄一の草稿発見:大政奉還後、薩長による徳川潰しに抗した鳥羽伏見の戦いに対する慶喜の処し方

徳川慶喜を批判 渋沢栄一の草稿発見[NHK]
12月13日 6時09分

明治時代の実業家、渋沢栄一が明治維新期に江戸幕府の最後の将軍だった徳川慶喜に対して書いた書簡の草稿が見つかり、「鳥羽伏見の戦い」での慶喜の姿勢を強烈に批判するなど若き渋沢の心情を知る貴重な資料として注目されています。

書簡の草稿は、東京・北区にある「渋沢史料館」の学芸員が、渋沢家から寄贈された資料の中から見つけました。この中では大政奉還のあと、「鳥羽伏見の戦い」のさなかに徳川慶喜が大坂から引き上げたことについて、「戦(いくさ)は天下が望んだものなのに、江戸に戻り、朝廷に「恭順」するとは考えが徹底していない」としたうえで、「徳川300年の歴史を自ら棄ててしまう行為で、祖先や人民に何も尽くしたことにならない」と強烈に批判しています。

草稿は、幕末にパリ万博に派遣された徳川慶喜の弟の昭武から慶喜に宛ててパリで書かれたもので、近代の日本経済の礎を築いた渋沢栄一は、20代だった当時、使節団の一員として昭武に仕えていました。

渋沢は後年、昭武名義で慶喜に宛てた書簡の下書きを書いたと回想録で語っていて、渋沢史料館や研究者は筆跡などから今回、発見された草稿は渋沢が書いた下書きだと見ています。

幕末・維新史に詳しい聖徳大学の大庭邦彦教授は、「当時、徳川家の家臣だった渋沢栄一が慶喜を批判する資料があったとは驚きだ。渋沢が回想で語っていた実物の資料だと考えられ、大変、貴重な資料だ」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161213/k10010804571000.html


http://www.asyura2.com/14/idletalk41/msg/471.html

[経世済民116] 政策経費膨張 一段と 来年度予算の一般歳出、最大の58兆円台へ:それでもデフレ基調が続く日本経済

政策経費膨張 一段と
来年度予算の一般歳出、最大の58兆円台へ 与党の圧力強く

 財務省は2017年度予算案で、社会保障費や公共事業費など政策経費の総額である一般歳出の規模を過去最大の58兆円台とする調整に入った。高齢化などの自然増で5000億円増える社会保障費は32兆円台、公共事業費は5年連続増の6兆円規模に膨らむ。与党側の歳出圧力は強く、政策経費への切り込みは難しいのが実情だ。


 麻生太郎財務相は9日の記者会見で、17年度予算案を例年より2日早い今月22日に閣議決定すると発表した。来週に主要項目の詰めの調整を進め、19日の閣僚折衝で概要を固める。災害対策などの諸経費を計上する今年度第3次補正予算案も22日に同時決定する。

 脱デフレを目標に掲げる安倍政権では、一般歳出の規模を毎年増やしており、税収の伸びに頼る積極的な財政政策を展開してきた。17年度の一般歳出も16年度の57.8兆円から5000億円規模増える。

 歳出増の主因は社会保障費だ。厚生労働省は医療・介護の高齢者の負担を増やし、自然増の伸びを6400億円から5000億円に抑制する改革案をまとめたが、与党の反発が根強く、改革案は後退する方向だ。

 自民党の茂木敏充、公明党の石田祝稔両政調会長は9日、毎月の医療費負担の上限を定めた「高額療養費制度」を巡り協議したが、石田氏は上限額の引き上げを認めず、週内の決着を断念した。厚労省は70歳以上の年収370万円未満で住民税が課税される「中所得者」の上限を2万4600円に引き上げる案を示していたが、1万8000円にとどめる見直し案に切り替えた。

 公共事業費は16年度の5兆9737億円から微増の5兆9700億円台半ばとする方向だ。自民党では二階俊博幹事長が大規模なインフラ整備を進める「国土強靱(きょうじん)化」を掲げている。20年の東京五輪に向けた整備費用もかさみ、「削減」は政治的に難しかった。

 北朝鮮によるミサイル発射などで緊張感が高まっている防衛費は、過去最大の5兆1千億円程度に達する見通し。予算編成の基本方針で重点分野とした「研究開発」を含む科学振興費も増額する。農林水産関係費や文教費は微減となる方向だ。

[日経新聞12月10日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/752.html

[政治・選挙・NHK217] TPPの農業対策予算 発効しなくても執行 農水省方針:発効前に計上した予算だから当然だが今後は国際化対策など別名目にすべ

TPPの農業対策予算 発効しなくても執行 農水省方針

 農林水産省は環太平洋経済連携協定(TPP)の発効のメドが立たなくても、計上済みのTPP対策予算は執行していく方針だ。野党には対策費の執行は停止すべきだとの声があるが「発効にかかわらず、農業の体質強化のためには必要」(農水省幹部)との立場をとる。

 農水省が2015年度補正予算と16年度2次補正予算に計上したTPP対策費は合計6575億円。1993年に合意した貿易交渉のウルグアイラウンドの対策費が「バラマキ」だったとの批判を踏まえ、交付要件に成果目標を導入するなどしている。

 柱の一つが農産物輸出の後押しだ。農水省はこのほど全国約40カ所の卸売市場などを輸出に向けた重要拠点に指定。対策費を使って相手国の衛生基準をクリアできる設備などを整備する。

[日経新聞12月10日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/609.html

[戦争b19] 「イスラム国」壊滅策を協議 米英など15カ国防衛相

「イスラム国」壊滅策を協議 米英など15カ国防衛相[日経新聞]
2016/12/15 19:43 (2016/12/15 20:09更新)

 【ロンドン=小滝麻理子】英政府は15日、シリアやイラクを拠点に活動する過激派組織「イスラム国」(IS)の壊滅策を協議する国際会議をロンドンで開いた。会議にはファロン英国防相やカーター米国防長官ら有志連合に加わる15カ国が参加。シリアのアサド政権軍が制圧した北部アレッポの情勢についても話し合われそうだ。

 会合にはフランスやドイツなど欧州主要国のほか、トルコ、イラクも参加。アサド政権を支援するロシアは参加しない。

 イラク軍は有志連合の支援を受けて、IS拠点の一つである北部モスルの奪還作戦を展開中だ。会議では作戦の進展状況を分析するとともに、イラクの長期的な治安安定策の策定を話し合う。

 このほか、ISに参加する外国人戦闘員への対応も議題となる。15日付英紙テレグラフに寄稿したファロン氏は、「外国人戦闘員の数は約4万3千人に及ぶ」としたうえで、本国に帰還しテロ行為に及ばないよう世界的な情報網を強化する必要を訴えた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H8H_V11C16A2FF1000/?dg=1


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/323.html

[国際16] OPEC減産に波乱要因  ロシア動向や米シェール焦点 相場上昇打ち消す懸念

[ポジション]OPEC減産に波乱要因
ロシア動向や米シェール焦点 相場上昇打ち消す懸念も

 石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりの減産で合意した。9月末の暫定合意で示した下限となる日量3250万バレルの生産枠達成に向けた減産の実施が今後の焦点となる。原油相場は減産を好感し1バレル50ドル程度まで上昇したが、3つの波乱要因が減産効果を打ち消す懸念材料となっている。

 全体で日量約120万バレルとなる減産の4割は盟主のサウジアラビアが担う。サウジは財政健全化と経済構造改革を掲げており、住友商事グローバルリサーチの高井裕之社長は「最後はムハンマド副皇太子の決断が最終合意に結びついたのではないか」と分析する。

 OPECの歴史が示すように、今回もサウジとイランの対立が交渉の焦点となった。サウジは直前までイランに10月の生産量に相当する370万7000バレルの生産基準に4.5%の減産を要求。一方、イランは397万5000バレルでの生産凍結を主張した。結果的にイランの生産基準をサウジが受け入れ、397万5000バレルからの4.5%減産で譲歩した。最終合意でイランは実質9万バレルの増産を勝ち取った。

 それでも「イランに一定の生産枠をはめてOPECが減産合意に歩み寄った影響は大きい」。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之氏は合意の意義を強調する。

 大方の予想を上回る減産合意に、市場も敏感に反応した。合意が伝わった11月30日のニューヨーク原油先物は40ドル台半ばから急伸。5日には一時52.42ドル(期近物)に達し、年初来高値を更新した。

 今後の原油市況はどうなるのか。3つの波乱要因が浮上している。

 第1が部族対立や内戦の影響で適用除外になったリビアとナイジェリアの動向だ。ナイジェリアは2012年には日量220万バレルの原油を生産した。10月の生産量は163万バレルだが、「ナイジェリアが仮に50万バレル、リビアが40万バレル増産すれば減産効果は帳消しになりかねない」(野神氏)。

 第2はソ連崩壊後で最高水準となる日量1120万バレルを生産するロシアの動向だ。ウィーンで現地時間10日にOPECはロシアなど非加盟国との減産協議を開催。ロシアは30万バレルの減産を表明している。「協調すれば、原油価格をもう一段押し上げる強材料になる」(野村証券の大越龍文氏)との見方が出ているものの、合意に至るかどうか、不透明感も漂う。

 第3の波乱要因が米国のシェールオイルだ。全米の代表的なシェールオイルの生産コストは15年には1バレル60ドル程度とみられていたが、生産性の改善に伴って「16年には50ドル台前半にまで下がってきた」(野神氏)。原油価格が55ドルを超えれば「シェールの増産が上値を抑える」と市場関係者の見方は一致する。

 OPEC加盟国の減産実施は17年1月から始まる。2月には加盟国の最初の減産姿勢の動向が判明する。足並みの乱れが露呈すれば、再び40ドル台前半まで下落しかねない。サウジが目指す50ドル台の原油価格を維持できるか。減産合意の実効性を市場関係者は固唾をのんで見守っている。

(松沢巌)

[日経新聞12月10日朝刊P.17]



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/699.html

[原発・フッ素47] 英原発に1兆円支援 政府、日立受注案件に

英原発に1兆円支援 政府、日立受注案件に[日経新聞]
2016/12/15 2:04

 政府は英国が計画する原子力発電所の建設プロジェクトを資金支援する。英国政府から原発の建設・運営を受託した日立製作所の英子会社に国際協力銀行(JBIC)や日本政策投資銀行が投融資する。総額1兆円規模になる公算が大きい。政府は原発輸出に力を入れているが、ベトナムでの新設計画が中止になるなど逆風が絶えない。官民連携で突破口を探る。


 麻生太郎副総理・財務相と菅義偉官房長官が15日、ハモンド英財務相と会談し、日英関係の強化を確認。世耕弘成経済産業相は年内にクラーク・ビジネス・エネルギー産業戦略相と会談し、原発分野での協力を表明する方向で調整している。両政府は来年中にも資金支援の大枠を固める。

 支援対象となるのは日立傘下のホライズン・ニュークリア・パワーが英中部ウィルファで計画する原発2基。ホライズンは日立が英国で手掛ける原発の設計から運営までを受け持つ全額出資子会社だ。

 ウィルファの2基にかかる総事業費を現時点で約190億ポンド(約2.6兆円)と想定。日立が総事業費の1割程度、英国政府が25%以上を出す案が出ている。

 日本政府はJBICと政投銀を通じホライズンに投融資する。さらに日本貿易保険(NEXI)が信用保証枠を設定。日本のメガバンクやHSBCといった日英の大手金融機関を呼び込み総額1兆円規模の資金を融通する計画。日英政府が支援姿勢を明確にすることで機関投資家などによる出資を促す。稼働後の売電収入なども加え全体の事業費をまかなう方向だ。

 日本政府は原発稼働後の電力の買い取り価格や買い取り期間、事故が起きた場合の賠償の仕組みなどについても英政府と協議し、持続可能な枠組みづくりをめざす。

 日本政府が異例の資金支援に乗り出すのはメイ政権の発足が大きい。

 キャメロン前首相は2015年10月、英南東部の原発に先進国として初めて中国製原子炉の導入を決めるなど中国を重視する姿勢を示していた。

 だが英国のEU離脱決定を経て就任したメイ首相は今年7月、中国国有の中国広核集団とフランス電力公社が英南部で手掛ける原発建設の許認可を突然先送りした。9月末には条件付きで建設を認めたが、メイ政権は中国への依存度が高まるのを懸念しているとみられる。日本にとってはチャンスともいえる。

 安倍晋三政権はインフラ輸出を成長戦略の柱と位置づけている。ただ原発を巡ってはベトナムで三菱重工業の受注が確実視されていた計画が中止になるなど、厳しい状況が続いている。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、30年の原発による発電電力量は13年の1.6倍に増える。新設需要も膨らむ見通しだ。政府は今回の案件で実績を積めれば、新興国も含めた受注活動に弾みがつくとみている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H8E_U6A211C1MM8000/?dg=1&nf=1



http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/137.html

[原発・フッ素47] ドイツ 放射性廃棄物貯蔵に電力会社が約3兆円負担へ:最終処分に政府が責任

ドイツ 放射性廃棄物貯蔵に電力会社が約3兆円負担へ[NHK]
12月16日 4時00分

脱原発政策を進めるドイツで15日、議会下院は主要電力会社4社が放射性廃棄物の貯蔵などにおよそ236億ユーロ(2兆9000億円)を負担することを定める法案を可決し、近く議会上院でも法案が可決され、成立する見通しです。

ドイツ政府は東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、2022年までに、すべての原子力発電所を段階的に廃止する方針です。

ドイツの議会下院は15日、原発から出る放射性廃棄物の貯蔵の費用などを、政府と電力会社がどう負担するかについて定めた法案を可決しました。

それによりますと、放射性廃棄物の中間貯蔵と最終処分に政府が責任を持つ代わりに、原発を運転する電力会社4社は国が設立する基金に合わせておよそ236億ユーロ(2兆9000億円)を拠出するとしています。

法案は16日にも議会上院で可決され、成立する見通しです。

ドイツでは、政府が脱原発政策を決めたことをきっかけに、放射性廃棄物の処理にかかる費用負担などをめぐって、政府と電力会社が激しく対立してきました。

電力会社は政府に賠償を求める訴訟を相次いで起こしましたが、この法案の内容を歓迎しており、法案の成立を条件に大半の訴訟を取り下げる方針を明らかにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161216/k10010808801000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002&nnw_opt=ranking-social_a


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/138.html

[政治・選挙・NHK217] ロシア高官 共同経済活動は専門家レベルの協議開始で合意:「主権」を玉虫色ないし先送りできる表現の模索活動

ロシア高官 共同経済活動は専門家レベルの協議開始で合意[NHK]
12月15日 23時46分

15日行われた日ロ首脳会談で協議された、北方四島での共同経済活動について、ロシアの高官は漁業や観光などの分野で行われるという見通しを示し、具体的な条件や形式などをめぐって、専門家レベルで協議を始めるよう、両首脳が指示することで合意したことを明らかにしました。

ロシアの複数のメディアによりますと、15日行われた日ロ首脳会談の少人数の会談に出席したウシャコフ大統領補佐官が、北方四島での共同経済活動をめぐって具体的な条件や形式などについて、専門家レベルで協議を始めるよう、両首脳が指示することで合意したことを明らかにしました。

具体的な内容については16日、両首脳が発表するとしていますが、ウシャコフ補佐官は共同経済活動は漁業や観光、医療などの分野で行われるという見通しを示しました。

ウシャコフ補佐官は「これまで数週間にわたって、文案を作ろうとして合意できなかったが、今回、両首脳は40分で合意することができた」と述べ、会談の成果を強調しました。

北方四島における共同経済活動をめぐっては、日本の主権を侵さないかたちで、どのように行うかが日本にとって最大の焦点ですが、これについて、ウシャコフ補佐官は「島々はロシアのものであり、ロシアの法律の下で行われる」と述べ、ロシアの立場を変えるものではないと主張しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161215/k10010808651000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_005

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経済活動、「主権」が焦点 日ロ首脳会談[日経新聞]
2016/12/16 2:01

 北方領土交渉を打開するため、日ロ両国は15日の首脳会談で共同経済活動の実現に向けた協議開始を議論した。日本側は共同経済活動の実現に向け、日本の主権を害さない形のルール作りができれば、平和条約締結に必要な北方四島の帰属を解決する糸口になりうるとみる。ロシア側は共同経済活動は「ロシアの法律で」との立場を崩しておらず、主権の扱いが焦点になる。

 95分間に及んだ安倍晋三首相とプーチン大統領の通訳を挟んだだけの会談。終了後、内容を説明するため、記者団の前に姿を現した首相は「4島における日ロ両国の特別な制度のもとでの共同経済活動」というくだりで声のトーンを上げた。


 共同経済活動は北方領土の経済振興につなげるため、日本が技術協力して共同で事業をする構想だ。例えばウニや貝類を施設で稚魚・稚貝から育てる栽培漁業の技術にロシア側の関心は高い。水産加工施設を共同でつくり、日本の加工技術を導入して商品力を高めることにも期待がある。ロシア側が地熱発電や観光などを協力のテーマとして求めたこともある。いずれもロシア住民の生活向上につながる事業だ。

 問題は日本の企業や技術者が4島に入ってロシア側と交流するため、作業や日常生活のルールをどうするか。どちらの法制度を使うかは主権がどちらにあるかに直結する。4島を実効支配するロシアは、共同活動する際もロシアの法制度の適用を求めており、日本がそれに従えば主権がロシアにあるのを認めたことになりかねない。


 妥協案として共同委員会などの組織をつくり、そこで日ロどちらの法制度にもよらない特別な法的ルールをつくる方法がある。首相が言及した「特別な制度のもとでの共同経済活動」もその一例で、例えば日ロ双方の法制度の例外とする「特区」のようなイメージだ。ただ交通事故の対応や違法行為の取り締まりのような主権をイメージさせる規則をどう定めるかなど難題が山積し、具体化は進んでいない。

 ロシアは主権問題で強硬だ。1956年の日ソ共同宣言で日本に引き渡すとしている色丹島と歯舞群島ですら「返還の方法は定められていない」(プーチン氏)と、主権をロシアに残す姿勢をちらつかせる。

 帰属が決着していない国後、択捉両島に関しては、共同経済活動をするにしてもロシアの主権下という前提を譲るそぶりは見せない。日本政府は一時、日ロ両国が共に主権を行使する共同統治案を検討したが、ロシアの強い反発で封印した。


 日本側には共同経済活動が主権問題解決の突破口になりうるとの期待がある。仮に共同経済活動でロシアの法制度を直接使わない共通ルールづくりで合意できれば、北方領土での主権のあり方を示す一つの例になるからだ。

 例えば国後島や択捉島で共同経済活動をする際、何らかの形で日本側に主権や管轄権があると読める共通ルールを設けられれば、帰属問題は「2島返還+国後・択捉両島は共同統治」などに少しでも近づく形をつくる芽が生まれるかもしれない。

 政府高官は15日夜、ロシアの立場について記者団に「ロシアは現実として実効支配しているんだから『そうでない』と言えば領土を手放すことになる」と指摘。そのうえで記者団が「お互いの立場を両立させる仕組みはできるのか」と聞くとこう答えた。「それをこれから話すんでしょう」

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H3E_V11C16A2EA2000/?dg=1&nf=1



http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/610.html

[国際16] コラム:ポピュリズムはなぜ世界を席巻するのか=河野龍太郎氏

FX Forum | 2016年 12月 15日 13:15 JST
コラム:ポピュリズムはなぜ世界を席巻するのか=河野龍太郎氏

河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長

[東京 14日] - 2016年は世界中でポピュリズムの嵐が吹き荒れた。2017年にその嵐が吹き止むと考える人は極めて少数だろう。

ポピュリズムが世界を席巻している理由について、筆者の仮説は3つある。1つ目はグローバリゼーションへの人々のいら立ち。2つ目は長期停滞によって、政治的に分配する果実が消失し、担うべき負担が増していること。

3つ目は民主主義に内在する問題だ。民主主義以外、他に良い選択肢はないはずだが、後述するように、その民主主義に自らを切り崩す要因が内包されている。これら3つの要因が複雑に絡み合い、ポピュリズムの流れは容易には止まらない。

<1900年代初頭に似てきた世界>

まず、1番目の仮説(グローバリゼーションへの反動)から見ていこう。欧州大陸のみならず、米英でも保護貿易や移民規制を唱える勢力が支持を集めている。周知の通り、米英などアングロサクソン諸国は、グローバリゼーションに対し最も寛容な社会だった。しかし、その米英でさえ、グローバリゼーションから取り残され、豊かでなくなったと考える人々を既存の政党や政治家が包摂(ほうせつ)することができなくなっていた。

それに対して、反自由貿易や移民規制が解決策になるという主張を掲げて現れたのが一連のポピュリスト政治家である。正確に言えば、グローバリゼーションによって人々が豊かではなくなったという仮説を掲げ(問題発見)、グローバリゼーションの流れを反転させることで人々を再び豊かするという方策を新たに見いだしたのである(問題解決)。「グローバリゼーション」という言葉を「デフレ」に置き換えれば、日本で起こったことも容易に理解できる。

確かに自由貿易を推進し、ヒト、モノ、カネが国境をまたいで自由に行き来するようになれば、経済的勝者と敗者に分かれることになるが、ヒト、モノ、カネの流れを規制すると、経済全体のパイを大きくすることはできなくなる。このため、自由貿易を維持した上で、セーフティーネットの強化など、所得分配をある程度強化するというのが経済的には妥当な政策となる。

しかし、所得分配の強化に対する政治的な反発も強く、既存の政治家が躊躇(ちゅうちょ)している間に、非現実な政策を掲げるポピュリスト政治家が広く支持を集めるようになった。むしろ苦境に陥っている低所得者層が、これ以上の負担はこりごりだと、分配政策の強化に否定的な態度を示している。

振り返ると、1900年代初頭の第1次グローバリゼーションの時代と同様の経路を我々はたどっているように見える。1815年のナポレオン戦争後、第2次産業革命によって英国で高い成長の時代が始まり、米国やフランス、ドイツ、ベルギーがこれに続いた。しかし、高成長の時代は、1914年にピークを迎え、第1次世界大戦が始まる。その後、停滞する欧州をポピュリズムが席巻、民主主義の欠陥を補うと謳って、ファシズムや共産主義が勢力を次第に広げていく。

米国は高い成長の時代がしばらく続き、1920年代は大規模なブームに沸く。1929年にバブルは崩壊するが、米国発の大恐慌は欧州に飛び火し、世界大恐慌をもたらす。ファシズム、共産主義の勢力拡大に対し、米英を中心にレッセフェール(自由放任主義)政策を修正し、ミクロ政策は保護貿易主義、マクロ政策はケインズ主義政策に傾斜していく。ミクロもマクロも現在と同じ介入主義である。

今回、大恐慌に直面していた1930年代と大きく異なるのは、経済が完全雇用にある中で、大規模な拡張財政が取られようとしている点だ。将来の所得の先食いである追加財政を行っても、潜在成長率が改善することはないから、一時的に景気をかさ上げしても、インフレ率を高め、経済厚生を悪化させるだけに終わる。むしろ保護主義的な政策や移民規制は潜在成長率を低下させる。

本来、経済が完全雇用にあるのなら、自由貿易を進め、輸入を増やすことで、経済厚生を改善できる。大規模な追加財政は長期的に見れば逆効果である。

<市場もポピュリスト政治家の共犯>

2つ目は「長期停滞の政治的帰結」説だ。ブーム期に過剰ストック、過剰債務が積み上がり、資源配分の歪みが生じて、各国の潜在成長率が低下したというのが一般的な解釈だが、低い成長の理由はそれだけではない。そもそも労働力の伸びの鈍化やイノベーションの枯渇によって、収益性の高いビジネスが少なくなり、潜在成長率が低下していたからこそ、資金が不動産などに向かい、バブルが生じた。それが筆者のバブルと潜在成長率の低下に関する長年の仮説である。

実際、ここ数年、日本のみならず、米欧でも成長率は回復せず、潜在成長率と自然利子率の低下という長期停滞仮説を受け入れざるを得ない状況となっている。長期停滞で政治が持たなくなるという配慮から、アグレッシブな金融緩和や大規模な追加財政を唱える経済学者も増えているが、筆者は、効果は一時的で持続せず、資源配分や所得分配を歪めて潜在成長率を悪化させるため、極端なマクロ政策には慎重だった。結局、そうした政策を行ったにもかかわらず、既存の政治はやはり持たなかった。

そもそも潜在成長率の低下は、政治的には、分配可能な果実の減少を意味する。高い成長の時代には、成長が生み出す税収の分配が政治の大きな役割だった。成長から取り残された人を包摂する政策も、財源が潤沢だったため実行が容易だったのだ。

しかし、今では税収増が期待されないどころか、高い成長の時代に構築した社会保障制度の費用を賄わなければならない。多くの国では、戦後の高い成長の最終局面である1970年代初頭までに社会保障制度を拡充し、成長が鈍化した途端に財政状況は大幅に悪化した。

1980年代まで日本はうまくいったように見えたが、多くの国は早くから苦戦し、潜在成長率は回復しなかった。2000年代に成長が高まったと思われたが、結局、それは大きなバブルを作っただけというのが欧米の経験で、そのわずかの間にまた歳出を膨らませてしまった。バブルこそ、将来の需要の先食いに他ならない。

1980年代の日本の健闘も、後知恵で考えれば、バブルの醸成による将来の需要の先食いにすぎなかった。長期停滞の下、責任ある政治家は、社会保障制度の存続のため、給付の削減や負担の増加を有権者に求めざるを得ない。当然にして、そうした政治家の人気は低迷する。一方、ポピュリスト政治家は、痛みを伴う政策は一切不要で、もっと魅力的な政策があると有権者に訴える。高い成長で様々な問題を一気呵成(かせい)に解決できるというのである。

潜在成長率がゼロ近傍まで低下した日本では、無謀にも2%成長、2%インフレが掲げられ、それを前提に財政健全化プランが立てられた。米国でも4%の成長が可能という声が次期政権からすでに聞かれ始めている。

もちろん潜在成長率を劇的に改善させるのはまず不可能である。結局のところ政治的に選択されるのは、追加財政で将来の所得を前借りし、金融緩和で将来の需要を先食いし、足元の景気をかさ上げすることだけである。多くの有権者にとり、潜在成長率の改善と、需要の先食いや所得の前借りを区別することは難しい。これが現代ポピュリストの政治手法である。ポピュリストの台頭を抑えるため、既存の政治家も拡張財政の誘惑に抗しきれなくなる。

金融市場もポピュリスト政治家の共犯者となる。株価の上昇は潜在成長率の向上を反映していると誤解されがちだが、追加財政による景気の底上げが行われた場合でも、株価は上昇する。株式市場は、近視眼的な振る舞いを見せることも少なくない。このため、株式市場が好感する政策ばかりを追求すると、選挙に直面し、ただでさえ短期的な視野で動きがちな政治がさらに近視眼的になり、最終的にお粗末な結果がもたらされる。

振り返ると民主主義が比較的うまくいっていたのは、戦後の40―50年の期間であり、それは先進各国で比較的高めの成長が続いていた時期である。高い成長だったから、民主主義がうまくいっていた。

筆者の懸念は、政治に翻弄される近年の金融政策を見ても裏付けられる。独立した中央銀行制度がうまく機能したのも、高めの成長が続いていた戦後40―50年の間である。低成長の時代に入り、政治的に独立した中央銀行制度は存続が難しくなり、ポピュリズムの時代において政治的独立性は風前の灯火である。中央銀行バッシングが始まったのも、低成長が最も早く訪れた日本からだが、近年は米欧でも同様の事態となっている。

そもそも政府から切り離された中央銀行制度がスタートしたのは19世紀半ばであり、産業革命による高い成長の時代が始まった後である。イングランド銀行(BOE)が中央銀行業務を正式に開始したのは、1844年のピール条約後だった。成長の時代だったから、政府から切り離し、独立した中央銀行が可能だったのだとすると、成長の時代が終われば、中央銀行は国債の消化のための機関と堕し、再び政府に統合されていくのだろうか。

<「民主主義の内なる敵」>

さて、今回の米大統領選挙において、筆者が関心を持ったのが3つ目の仮説だ。民主主義そのものに自らを切り崩す要因が内包されているというもので、ブルガリア出身でフランスの哲学者であるツヴェタン・トドロフ氏が著書「民主主義の内なる敵」で論じた主張である。

周知の通り、民主主義は人民主権や自由主義、進歩など複数の要素から構成され、それらは時として対立する。互いをけん制することでバランスが取られ、民主主義がうまく回る。20世紀終盤まで、民主主義にはファシズムや共産主義という外敵が存在したが、それらとの戦いに勝利を収めた途端に、けん制し合っていた民主主義の構成要素が暴走を始めた。

もともと共産主義や全体主義は民主主義の欠陥を補うと謳って出現した。民主主義においてもグラジュアルな改革は必要だが、抽象的な理念を掲げ、限られた人間の理性で一気に社会を改革できるという進歩思想への過信が、まさに共産主義や全体主義という悲劇を生んだ。

行き過ぎた進歩の思想は、ベルリンの壁の崩壊とともに廃れたと思っていたが、例えばアフガニスタンやイラクを欧米流の民主主義国家に改造させるというのもまた、行き過ぎた進歩主義に他ならない。これらが、世界を揺るがしたイスラム国問題の根底にある。また、移民排斥を強めている国々では、不寛容になり、同時に国家主義的思想に傾いていくのではないか、懸念される。

世界的な規模でのバブル崩壊という大きな犠牲を払った後、ようやく我々は反省し始めているが、新自由主義は社会のあらゆる領域に経済的自由を持ち込もうと企図する点で、自由主義の行き過ぎであると言える。同時に国家があらゆる領域から退場すべきという考えもまた、行き過ぎた進歩主義の一形態である。

新自由主義的な政策の中で、特に大きな問題は行き過ぎた資本の自由化であり、自由貿易や移民政策は堅持すべきであると、筆者は考える。ここで興味深いのは、米国でヒト、モノの移動への規制が謳われている一方、カネについては規制の再緩和が検討されている点である。大統領選挙で掲げられた反ウォール街的スタンスは影を潜めているが、そうした組み合わせは、一体、どのような社会をもたらすのだろう。実体経済あっての金融業であるべきだが、保護主義の下で産業資本は育たず、一方で金融資本を野に放つということは、資本市場をカジノ化させるということなのだろうか。

ポピュリズムは文字通り、人民主権の行き過ぎに他ならない。達成不可能な目標が有権者に簡単に約束される。失敗を糊塗(こと)するため、拡張財政も繰り返される。拡張財政による目眩ましが効かなくなった時、民主主義に失望した我々は、どのような選択を行うのだろうか。

筆者は、人工知能(AI)がもたらす第4次産業革命の経済的効果には期待している。しかし、AIによって回答が直ちに安価に得られるようになることで、我々の政治への評価は一層、近視眼的になる恐れがある。本来、我々は腰を落ち着けて複雑な経済、社会について、じっくりと考える必要がある。しかし、新しいメディアツールはますます我々を近視眼的にし、不寛容にすることで、政治バブルの膨張を助長する可能性がある。

*参考文献:ツヴェタン・トドロフ著、大谷尚文訳「民主主義の内なる敵」(みすず書房、2016年)

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

http://jp.reuters.com/article/column-ryutaro-kono-idJPKBN1420U5?sp=true


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/700.html

[国際16] 日米の特別な関係は、露日関係の発展を阻害しない:「日米安保体制」を与件ないし前提としながら日露関係を改善

日米の特別な関係は、露日関係の発展を阻害しない[スプートニク日本語]
016年12月15日 21:17

日米の特別な関係にかかわらず、ロシアと日本は安全保障問題においてアジア太平洋地域で密接に連携することに興味を抱いている。ロシアのラブロフ外相がプーチン大統領と安倍首相の会談後に、記者団に対して次のように述べた。

「1960年から続く日米の軍事・政治的同盟関係を基にした彼らの特別な関係にかかわらず、ロシアと日本はいずれにせよ、安全保障問題検討のためアジア太平洋地域で存在するフォーマットにおいて、密接に連携することに興味を抱いていると確認された。」

https://jp.sputniknews.com/politics/201612153139054/



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/701.html

[日本の事件31] 島根 浜田の女子大学生殺害事件 死亡の男を書類送検へ:殺害直後に死亡、7年も経った今何を根拠に家宅捜索に及んだのか疑念

島根 浜田の女子大学生殺害事件 死亡の男を書類送検へ[NHK]
12月17日 1時16分

7年前、島根県浜田市で当時19歳の女子大学生の行方がわからなくなり、その後、広島県の山で遺体の一部が見つかった事件で、警察は、遺体が見つかったあと交通事故で死亡した当時30代の男が事件に関わった疑いがあるとして、殺人などの疑いで書類送検する方針です。

平成21年10月、島根県浜田市で島根県立大学の1年生だった平岡都さん(当時19)が、アルバイトを終えたあと行方がわからなくなり、11日後、およそ25キロ離れた広島県北広島町の臥龍山の頂上付近で遺体の一部が見つかりました。

警察によりますと、この事件で、遺体が見つかった2日後、山口県内の高速道路で起きた交通事故で死亡した当時30代の会社員の男が事件に関わった疑いがあることがわかり、男の関係先を捜索したところ、デジタルカメラなどに行方がわからなくなったあとの平岡さんの画像のデータが残されていたということです。

警察は、近く、男を殺人などの疑いで書類送検する方針です。


事件の経緯と位置関係

平岡都さん(当時19)が、行方がわからなくなる直前までアルバイトをしていた島根県浜田市のショッピングセンターのアイスクリーム店は、JR浜田駅からおよそ1.5キロ西の市の中心部に近い県道沿いにあります。平成21年10月26日の午後9時すぎ、平岡さんはアルバイトを終え、直線距離でおよそ1.3キロ南にある大学の寮に帰る途中、事件に巻き込まれたと見られています。

それから11日後、アルバイト先からおよそ25キロ南の広島県北広島町にある臥竜山の頂上付近で平岡さんの遺体の一部が見つかりました。警察が付近を捜索した結果、山頂に向かう道沿いで、遺体のほかの部分が相次いで見つかりました。

さらに、この年の11月には、平岡さんが住んでいた大学の寮から300メートルほど北の道路脇の側溝から、事件当日に平岡さんがはいていたと見られる靴も見つかりました。警察は、平岡さんが、歩いて帰宅している途中に車で連れ去られた疑いがあると見て、捜査員延べ31万人を動員して捜査を進めていました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20161217/k10010810201000.html?utm_int=news_contents_news-main_001



http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/878.html

[政治・選挙・NHK217] 日露首脳共同記者会見詳報

2016.12.16 16:50更新
【日露首脳共同記者会見詳報(1)】
安倍晋三首相「共同経済活動の特別な制度の交渉開始で合意」「自他共栄の新たな日露関係をともに築いていこう」

 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は16日午後、首相公邸で共同記者会見を開いた。安倍晋三首相は冒頭、プーチン氏に対し「自他共栄の新たな日露関係をともに築いていこう」と呼びかけた。詳細は以下の通り。

 プーチン大統領、ウラジーミル、ようこそ日本へ。日本国民を代表して君を歓迎したいと思います。

 私が2013年にモスクワを訪れたとき、できるだけ頻繁に会談を重ねようと君と約束をしました。それから今回の訪日が実現するまで3年間かかりましたが、私のふるさとにお招きし、落ち着いた環境のもとでたっぷり時間をかけて話し合うことができ、待ち続けたかいがあったと思っています。

 私たちの話し合いの進展を70年以上もの長きにわたり待ち続けている人たちがいます。かつて択捉島、国後島、色丹島、そして歯舞諸島に住んでいた元住民の皆さんです。その代表の方々から今週、直接お話をうかがう機会を得ました。元島民の皆さんの平均年齢は既に81歳を超えています。「もう時間がない」。そう語る元島民の皆さんの痛切な思いが胸に突き刺さりました。

 島では終戦直後、辛い出来事もありましたが、日本人とロシアの人々は言葉の壁を越え、ともに助け合い、友情をはぐくみ、ともに暮らしていたそうです。離れ離れになってからも、さまざまな制約の中で、元島民の皆さんと島に住むロシアの人々が交流を深めてきた事実もうかがいました。

 「最初は恨んでいたが、今は一緒に住むことができると思っている」。そう語り、北方四島を日本人とロシア人の友好と共存の島にしたい、という元島民の皆さんの訴えに私は強く胸を打たれました。

 相当高年齢になられた元島民の皆さんが自由に墓参りをし、かつてのふるさとを訪れることができるようにしてほしい。この切実な願いをかなえるため、今回の首脳会談では人道上の理由に立脚して、ありうべき案を迅速に検討することで合意しました。

 そして戦後71年を経てもなお、日本とロシアの間には平和条約がない。

 この異常な状態に、私たちの世代で私たちの手で終止符を打たなければならない。その強い決意を私とウラジーミルは確認し、そのことを声明の中に明記しました。

 領土問題について私はこれまでの日本の立場の正しさを確信しています。

 ウラジーミルもロシアの立場の正しさを確信しているに違いないと思います。

 しかし、互いにそれぞれの正義を何度主張し合っても、このままではこの問題を解決することはできません。次の世代の若者たちに日本とロシアの新たな時代を切り開くため、ともに努力を積み重ねなければなりません。過去にばかりとらわれるのではなく、日本人とロシア人が共存し、互いにウインウインの関係を築くことができる。北方四島の未来図を描き、その中から解決策を探し出すという未来志向の発想が必要です。

 この新たなアプローチに基づき、今回、四島において共同経済活動を行うための特別な制度について、交渉を開始することで合意しました。

 この共同経済活動は日露両国の平和条約問題に関する立場を害さないという共通認識のもとに進められるものであり、この特別な制度は日露両国の間にのみ創設されるものです。
 これは平和条約の締結に向けた重要な一歩であります。この認識でもウラジーミルと私は完全に一致しました。そして私たちは、平和条約問題を解決をする真摯(しんし)な決意を長門の地で示すことができました。

 過去70年以上にわたり解決できなかった平和条約の締結は容易なことではありません。
 今、島々には1人の日本人も暮らしていません。たくさんのロシアの人々が暮らし、70年もの時がたちました。

 他方、70年もの時を重ねたことで恩讐を越えて、元島民の皆さんと島に住むロシアの人々との交流や理解が進んでいるという事実もあります。日露両国民の相互の信頼なくして、日露双方が受け入れ可能な解決策を見つけだし、平和条約締結というゴールにたどり着くことはできません

 本日、8項目の経済協力プランに関連し、たくさんの日露の協力プロジェクトが合意されました。

 日本とロシアの経済関係をさらに深めていくことは、双方に大きな利益をもたらし、相互の信頼醸成に寄与するものと確信しています。

 私とプーチン大統領はこの後、講道館へと足を運びますが、講道館柔道の創始者である嘉納治五郎師範の言葉を借りるならば、まさに「自他共栄」の精神こそが必要です。

 ウラジーミル。今回の君と私との合意を出発点に、「自他共栄」の新たな日露関係を本日、ここからともに築いていこうではありませんか。ありがとうございました。

http://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160012-n1.html

2016.12.16 18:14更新
【日露首脳共同記者会見詳報(2)】
プーチン大統領「平和条約がないのは負の遺産だ」「血のにじむような仕事をしている」

 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が16日午後、首相公邸で共同記者会見を行った。プーチン氏は冒頭発言で両国関係について「平和条約がないのは負の遺産だ。相互の信頼を確認するため血のにじむような仕事を行っている」と強調した。主な内容は以下の通り。

 尊敬する総理閣下、ご列席の皆さま、まず感謝の念をお伝えしたいと思います。温かいお迎え、ホスピタリティ、プログラムは非常に充実しておりまして、きのうは安倍首相の故郷である(山口県)長門市で、私たちは、非常に友好な環境の中で、露日関係の協力のキーとなる部分について、また喫緊の国際、地域問題について、話をすることができました。非常にすばらしい場所であり、あなたの故郷を訪れる機会を与えてくれて、本当に感謝しております。今朝も美しい場所を訪れることができ、非常にうれしく思っていますし、住民の皆さまにも温かいポスピタリティに感謝したいと思います。

 きょう私たちは、双方の実業界、また政府関係者の参加のもと、詳細に貿易投資関係についてお話をさせていただきました。ビジネス対話が行われ、そして省庁間、実業界間の覚書が調印されました。

 今、それをごらんいただいたと思いますけれども、新しい税制、貿易労働における制度が始められます。日本は地域における日本は隣国であります。最近、政治的対話は非常に活発化しておりまして、今年は4回目です。また議会間の交流、そしてさまざまな外務省など省庁間の関係も活発化しております。この2国間関係を真のパートナーシップに進めていき、経済的な交流を強めてきました。

 省庁間のミッションによりまして、数十もの非常に多くのプロジェクトが協議されています。それは農業、イノベーション、人道的、すべての分野を網羅しています。

 今後、将来性があると考えられるのは、新しい投資フォーラムが創設されるということです。

 また、戦略的な分野としては、露日間の資源における交流ですけれど、日本の液化ガスの消費量の8%をロシアが供給しています。

 日本とロシアの間は今後も技術における相互関係を構築していくつもりです。健康、医療の分野でも協業が計画されており、心臓血管系のセンターがモスクワに作られたり、ウラジオストクにおきましても医療センターの建設が計画されています。

 農業では、ロシアは非常に大きなポテンシャルを持っていますが、日本に対する農作物の輸出の拡大を考えています。また、極東発展における日本との協力、そして今後、ロシアの極東地域を、アジア太平洋地域の物流、貿易のチェーンの中に組み立てることも計画されています。

 緊密なパートナーシップは、日本とロシアとの間で、文化、教育、人道的な部分でも考えられておりまして、毎年、学長間の会合が行われております。

 日本におけるロシア年、ロシアにおける日本文化年も計画されています。東京では2020年にオリンピックが行われます。このイベントに向けての準備、さまざまな私たちの経験を使って協力していきたい。

 また、国際的な安全保障の点においても私たちは協力することができます。グローバル、また地域間の安定と安全保障においても協力を行います。

 多方面の協力が考えられます。朝鮮半島における協力、国際テロリズムとの戦い、平和条約締結についての協議もしており、(安倍)首相も非常に大きな注目を払われているが、(戦後)70年がたった。ここにおいて、ロシアと日本の戦略的な利益にリンクした方向性を見いだすのは非常に理にかなっていますし、平和条約が今ないということは過去の負の遺産だと思っています。

相互の信頼を確認するための、血のにじむような仕事を行っています。この意味において、安倍首相のイニシアシブにおいて、南クリル諸島(北方領土)における共同経済活動も考えられています。このようなことを実現することで、平和条約締結に向けた信頼の醸成が行われていると思っています。

 また、外務大臣の間では、日本の元島民のみなさんが、島を訪問するためのビザの簡素化を協議することになった。私は、きのう(15日に)元島民の方からの手紙を拝見させていただきました。ロシアの市民と元島民の間の非公式な相互関係が大事だと考えます。ですから、今のところ閉鎖されていた場所に関して、アクセスを確保していきたいと思うし、サハリンと北海道の住民にとっては自由な往来ができるようにしていきたい。

 ぜひ、安倍首相にはご都合のいいときにロシアを訪問していただきたいと考えています。東方経済フォーラム、またその他のさまざまなイベントをロシアで行うので、ぜひお越しください。

http://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160013-n1.html


2016.12.16 18:18更新
【日露首脳共同記者会見詳報(3)】
安倍晋三首相「今回大きな一歩を踏み出すことできた」「四島における共同経済活動はわが国の立場を害するものではない」


 安倍晋三首相、プーチン大統領それぞれの発言が終了後、記者との質疑応答が行われた。主な内容は以下の通り。

 −−安倍晋三首相にうかがう。16回目の会談となったが、領土交渉そのものの進展について手応えを得ることができたか。それとも双方の認識にかなりの隔たりがあるのか。首相は「時間がない」という元島民の気持ちを強調したが、領土問題の解決には相当時間かかるとの認識か。今後協議する共同経済活動について日本政府は法的立場を害さないことが前提条件との立場だが、今回の特別な制度はこの立場を変更するものではないと受け止めていいか。

 安倍首相「今回、ウラジーミルを私の地元の長門市にお迎えしました。そして昨日は夜の11時35分まで約5時間会談を行いました。そして2人だけで95分間、膝を突き合わせて2人だけの会談も行いました。じっくり話し合うことできたと思います。そしてその結果、平和条約問題を解決するとの真摯な決意、両首脳の真摯な決意を示すことできたと思います。解決にはまだまだ困難な道は続きます。なんといっても70年間、解決できなかった問題でありますし、その間、長い間交渉すら行われてこなかった問題ではありますが、今回、まずはしっかりとした、大きな一歩を踏み出すことできたと思っています。

 また今、ウラジーミルからも紹介いただきましたが、先般お目にかかった元島民の皆様からいただいたお手紙をお渡しをし、その場で1枚は大統領に読んでいただきました。島民の気持ちそのものが初めてロシアの大統領に伝わったと思います。元島民の皆様が自由に墓参りをし、かつてのふるさとを訪れたいとの切実な願いをかなえるため、今回ウラジーミルとの間で、人道上の観点から迅速に検討を進めていくことで合意できたことは元島民の皆様の願いを少しでもかなえることができたのではないかと思います。

 また今回、4島において、経済活動を行うための特別な制度について、交渉を開始することで合意しました。日本の北方領土についての原則的な立場は全く変わりません。

 4島における共同経済活動は平和条約問題に関するわが国の立場を害するものではないわけでありまして、この点は今回の声明にも明記されています。

 しかし、過去にばかりとらわれるのではなく、北方4島の未来図を描き、その中から解決策を見いだしていくという新しいアプローチ、まさに未来志向の発想が必要であり、その未来志向の発想である新しいアプローチこそが最終的な結果に続く道であると確信をしております」

http://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160014-n1.html


2016.12.16 19:43更新
【日露首脳共同記者会見詳報(4)】
プーチン大統領「一番大事なのは平和条約の締結だ」

 −−プーチン大統領にうかがう。シリア情勢について。シリアの軍隊は(シリア北部の都市)アレッポでいい結果を出しているとか戦闘が続いているとかと、大統領は現状をどのようにとらえているか。どのような展望を抱いているか。アレッポの現状を良くすることは可能か

 プーチン大統領「今のシリアの情勢については、シリアとロシアと、国際間でしっかりと意見交換ができていないことの象徴です。われわれは協力し合うべきです。アレッポはとても重要な問題で、最近の事情は、今こちら(東京)にいるのでちょっと分かりませんが、トルコのエルドアン大統領と話をしたことをもとに合意したことが行われていると思っています。作戦が成功し、国民が普通の生活ができると信じていますし、何千人もの人々が自分の家に帰っていることができています。

 次のステップは、停戦を合意すること、シリア全体で停戦を実現することです。われわれはトルコと共同で協議をしておりまして、エルドアン大統領とも合意したことは、継続的に平和的交渉を新しい場面で行う方針を決めています。カザフスタンの(首都)アスタナに話し合いの場を移したいと考えており、ジュネーブでの交渉(シリア和平協議)に追加する措置として考えています。そして政治的な合意点を見いだそうと、われわれは頑張っています」

 −−プーチン大統領にうかがう。今回の山口、東京での会談を通じて、大統領にとって政治分野、経済分野のそれぞれの最大の成果は何であったか。共同経済活動をどのように平和条約締結に結びつけていくのか。平和条約締結に関しては、先日の日本メディアとのインタビューで「われわれのパートナーの柔軟性にかかわっている」とも述べた。かつては「引き分け」という表現も使った。大統領の主張は後退しているような印象があるが、日本に柔軟性を求めるのであれば、ロシア側はどんな柔軟性を示すのか。

 プーチン氏「その質問に満足に答えるためには、まずとても短く歴史の問題に触れる必要があります。 日本はまず、1855年にその島々を受け取った。プチャーチン提督がロシア政府と皇帝の合意のもとづき、これらの島々を日本の施政下に引き渡した。それまでは、ロシア側はクリル諸島はロシアの航海者によって発見されたため自国の領土と認識していました。

 条約を締結するためロシアはクリル諸島を日本に引き渡しました。ちょうど50年たって、日本はその島だけでは満足できないように思うようになった。

 1905年の日露戦争のあとに、戦争の結果としてサハリンの半分を取得しました。あの時、国境は北緯50度の線で決められたのちに日本はサハリンの北半分も獲得しました。

 ちなみにポーツマス条約のおかけでその領土からロシア国民を追放する権利もありました。40年後の1945年の戦争の後にソ連はサハリンを取り戻しただけでなく南クリル諸島も手に入れることができました。

 昨日、非常に感動的な元島民の方々のお手紙を読ませていただきましたけれども、私たちの考えでは、このように領土をめぐる(主張を繰り返す)「歴史のピンポン」、卓球のように球をやり取りするようなことはもうやめた方がよいのではないかと思います。結局のところ最終的で、長期的な解決が日本のロシアの利益であることを理解すべきなのです。

 もちろん、多くの課題ははあります。まず経済活動の問題もありますし、安全保障の問題もあります。1956(昭和31)年に、ソ連と日本はこの問題の解決に向けて歩み寄っていき、「56年宣言」(日ソ共同宣言)を調印し、批准しました。
 この歴史的事実は皆さん知っていることですが、このとき、この地域に関心を持つ米国の当時のダレス国務長官が日本を脅迫したわけです。もし日本が米国の利益を損なうようなことをすれば、沖縄は完全に米国の一部となるという趣旨のことを言ったわけです。

 私がなぜこのようなことをお話しするのか。私たちは地域内のすべての国家に対して敬意をもって接するべきであり、それは米国の利益に対しても同様です。これは明白なことです。

 例えば、ロシアには(極東)ウラジオストクと、その北に大きな艦隊の基地があります。わが国の艦船は(その港から)太平洋に出ていく。私たちはこの面で何が起こるかということを理解しなければなりません。

 この点において、日米の特殊な関係と、日米安保条約がどのような立場を取るのか。私たちは分かりません。

 柔軟性ということについて言うならば、日本の首相および友人の皆さんには、この問題の微妙な部分、またロシア側の懸念の部分を考慮してもらいたいと思います。

 私たちは「56年宣言」(日ソ共同宣言)に基礎を置く方針に戻りました。

 この宣言は日本に2つの島を引き渡すという内容になっていますが、どのような形で引き渡すかは明解に定義されていません。

 ただし、平和条約の締結の後に島を引き渡すとなっています。

 この宣言のなかには非常に多くのニュアンスや課題が存在しています。しかし、この地域に関係するすべての人々のために、私たちはプロフェッショナルとして、友好的な気持ちをもって最終目標に向けて動かなければなりません。

 最初も申し上げましたが、もし安倍首相の計画が実現していけば、これらの島々はロシアと日本の間をと、これはロシアと日本の「争いの種」ではなく、逆にロシアと日本を結びつける存在になりうる可能性がある。

 首相からご提案いただいた項目、つまり、共同経済活動のための特別な制度をつくる、相互協力メカニズムをつくり、それを基盤にして、私たちが最終的な平和条約に向けての最終的な決定に近づくことができる形に持っていくことが大事なんです。

 もし誰かが、私たち(ロシア側)が経済関係の発展だけに関心があり、平和条約の締結を二次的なものだと考えているというのであれば、それは間違いです。私たちにとって一番大事なのは平和条約の締結なのです。

 なぜかと申しますと、平和条約は、歴史的な、中長期的な見通しの中で、長期的な互恵関係のための条件を生み出すからです。これはあの島での活動よりももっと重要です。

 日本はロシアと緊密な関係をしなくても、存続してきたわけです。ロシアもそうです。ただし、それは正しいでしょうか。いいえ、そうではありません。

 もし、私たちが力を合わせれば、私たちは両国の経済の競争力を数倍に拡張していくことができる。これが、私たちの目指すべきことです」

http://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160017-n1.html

2016.12.16 20:07更新
【日露首脳共同記者会見詳報(5完)】
プーチン氏「日本酒『東方美人』はすばらしい。ただし、ほどほどにしなければ…」

 −−安倍晋三首相とプーチン大統領双方に、8項目の経済協力プランについて質問する。すでに安倍首相から数百の提案があるが、どれが一番重要なものと考えるか。(プーチン氏に対して)日本のホスピタリティはどうか。日本の食事、温泉など何を試すことができたか。

 安倍首相「それはまず、初めに私からお答えをいたします。8項目の提案に未来はあるか。

 結論から言えば、未来はあります。私は従来、日本とロシアの関係を『最も可能性を秘めた2国間関係』と、このように申し上げてきました。経済を含む幅広い分野で、ウィンウィンの日露協力の大きな可能性を開花させたい。

 そして開花させていくことは、日本とロシア双方が大きな利益を得ていく。国民が大きな利益を得ていくことにつながっていくと思います。

 私が5月にソチで提案した8項目の協力プランと関連する日露の協力プロジェクトを通じて、日本とロシアの経済関係をさらに深め、そして日本がロシアの国民生活の革新に協力していくことは、双方に大きな利益をもたらし、そして間違いなく、相互の信頼関係醸成に役立つと確信をしています。さきほど交換された文書も含め、今回の大統領の訪日を機会に、政府間と民間で合わせて約80本の成果文書が署名をされ、数多くのプロジェクトがすでに動き出しています。これは今までの日露関係に前例のないことだと思います。

 まさに8項目の協力プランというのは、ただ紙に書いたものではなく、われわれとウラジーミルとの間で、そして両国の経済界の熱意によって、魂がすでに入れられたと思っています。9月にウラジーミルに約束した通り、来年の東方経済フォーラムに出席する予定です。その際にはこの8項目の協力プランのさらなる進捗(しんちょく)を確認をし、日露関係の持つ大きな可能性を開花させていきたいと思っています」

 プーチン大統領「そうですね。共同協力に関しては首相がおっしゃっている通りですが。私はひとつの温泉だけ、試すことができました。(山口県萩市の日本酒である)『東方美人』という酒を試すことができました。すばらしいお酒です。おすすめします。ただし、ほどほどにしなければいけません」

http://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160018-n1.html


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/664.html

[政治・選挙・NHK217] 「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能

 「日露首脳会談合意の内実を読み解く」というタイトルの投稿を予定していたが、簡単に結論を言ってしまえば、核心の問題である四島の「主権」について、安倍−プーチンは、56年「日ソ共同宣言」に明記された「平和条約締結後に歯舞諸島と色丹島を日本に引き渡す」ことで最終合意したと推測している。(残念ながら国後島と択捉島は現状のままロシア領)

 愛国保守派を気取る安倍首相は、この時点で、「二島返還」を条件として平和条約を締結すると説明できない。(だから、記者会見での北海道新聞記者の領土問題に関する質問に的外れの説明をした)
 プーチン大統領も、18年に大統領選が控えていることから、歯舞・色丹を日本に引き渡すとは直截に言いたくない。(だから経済協力を前面に押し出した説明に終始)

 そのため、主権の異動に関する合意内容は完全にすっ飛ばし、「二島返還」後の「北方領土」の“姿”を語ることでごまかしたわけだ。

 安倍首相の言う「新しいアプローチ」とは、国境画定→平和条約締結→主権異動→経済協力という正統な推移ではなく、最後の経済協力を先に説明することで、歯舞・色丹の返還を意味する平和条約締結に日露双方が動くことを示唆するという手法だった。

 色丹島に現在住んでいるロシア人は、主権が日本に移ったあとも、望むならそのまま住み続けられるといった合意もなされているようだ。

 プーチン大統領は共同会見で「日ソ共同宣言」の有効性と尊重を再確認しているので、当該プレス向け声明にある「共同経済活動に関する協議を開始することが、平和条約の締結に向けた重要な一歩になり得るということに関して、相互理解に達した」という文言や「共同経済活動に関する交渉を進めることに合意し、また、平和条約問題を解決する自らの真摯な決意を表明」という文言を見せることで、「平和条約締結後に歯舞諸島と色丹島を日本に引き渡す」ことを匂わせていることになる。

 残念ながら国後島と択捉島は返還されないが、日本人(企業)に対し、一定範囲での往来の自由と“特別の制度”に基づく経済活動を認めることで、ロシアは日本に対して格別の配慮を示したことになる。(“特別の制度”は、裁判権や警察権など厄介な問題を含んでいるので一筋縄ではいかないが)

 「北方領土」問題は、昭和30年頃から反ソ宣伝と日米安保の重要性を語る“貴重なネタ”として活用されるようになった。

 千島列島を放棄したサンフランシスコ講和条約に従えば、ロシアに歯舞・色丹の返還を求めることはできても、日本が放棄した後どこの領土か国際法的に確定していない千島列島の一部である国後島と択捉島の「主権」問題をロシアと交渉するのは筋違いである。
それは、同じく日本が放棄した南シナ海の島々の領有権問題で、領有権を主張する中国を非難するのと同程度で...(千島列島の領有を主張するロシアと南シナ海島嶼の領有を主張する中国とはそれほど変わらない立場)

 安倍―プーチンの「平和条約締結」構想は、経済協力を進めるなかで、

いずれ日本に返還される色丹島在住のロシア人が、「日本領になっても悪くはないようだ」と思うようになり、

日本に戻ってこない国後島と択捉島の関係者や根室や羅臼などの漁業関係者が、「二島が返還されないのはイヤだが、“自由往来”や経済協力でもメリットがある。以前よりはずっとマシ」と思うようになってくれることである。(そのためには国後・択捉近海の漁業権に関する配慮が必要)

 そのように国民(住民)意識が醸成された時点で帰属問題を明らかにし、平和条約を締結する腹づもりなのだろう。

 70年以上(56年からでも60年)も決着を付けられなかったことを考えれば、今回の日露合意は致し方のない落とし所であり、説明手法も、ことを円滑に進めるためのやむを得ないゴマカシだと思っている。


 今回の交渉で、福島第一原発の廃炉についてロシアが協力するという合意も得られたが、日露関係が改善されることで、身勝手な願望だが、使用済み核燃料の最終処分にロシアが協力してくれることを切に願っている。
 それが実現すれば、政府も、「原発廃止」を高らかに宣言することができる。


※関連参照投稿

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html

「あす日ロ首脳会談 次官級の非公式協議で大詰めの調整:北朝鮮「核問題」解決に向けプーチン大統領が中国と日本のため一肌脱ぐか」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/571.html

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プーチン大統領来日 
「共同経済活動」に関するプレス向け声明(全文)
産経新聞 12/16(金) 16:24配信

 1 安倍晋三日本国総理大臣及びV・V・プーチン・ロシア連邦大統領は、2016年12月15日−16日に長門市及び東京で行われた交渉において、択捉島、国後島、色丹島及び歯舞諸島における日本とロシアによる共同経済活動に関する協議を開始することが、平和条約の締結に向けた重要な一歩になり得るということに関して、相互理解に達した。かかる協力は、両国間の関係の全般的な発展、信頼と協力の雰囲気の醸成、関係を質的に新たな水準に引き上げることに資するものである。

 2 安倍晋三日本国総理大臣及びV・V・プーチン・ロシア連邦大統領は、関係省庁に、漁業、海面養殖、観光、医療、環境その他の分野を含み得る、上記1に言及された共同経済活動の条件、形態及び分野の調整の諸問題について協議を開始するよう指示する。

 3 日露双方は、その協議において、経済的に意義のあるプロジェクトの形成に努める。調整された経済活動の分野に応じ、そのための国際的約束の締結を含むその実施のための然るべき法的基盤の諸問題が検討される。

 4 日露双方は、この声明及びこの声明に基づき達成される共同経済活動の調整に関するいかなる合意も、また共同経済活動の実施も、平和条約問題に関する日本国及びロシア連邦に立場を害するものではないことに立脚する。

 5 両首脳は、上記の諸島における共同経済活動に関する交渉を進めることに合意し、また、平和条約問題を解決する自らの真摯な決意を表明した。

最終更新:12/16(金) 16:24

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161216-00000536-san-pol


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

[国際16] ダボスが映す混沌の始まり

[FINANCIAL TIMES]ダボスが映す混沌の始まり
チーフ・ポリティカル・コメンテーター フィリップ・スティーブンズ

 中国の習近平国家主席が1月にダボスで開かれる毎年恒例の世界経済フォーラムに出席する(編集注、中国の国家主席の参加は初めて)。これは世界のエリートたちがスイスの小さなスキーリゾートに集まってシャンパンを飲み、カナッペをつまみながら自身の英知を披露する虚栄心の塊ともいえる場に、自分も参加したいという誘惑に習氏が負けただけということかもしれない。


大衆迎合高まり
物事予測不能に

 だが、来月のダボス会議で習氏が脚光を浴びることは、今の世界についても物語る。トランプ次期米大統領は、米国が世界的責任を負うことをもはや望んでいない。中国はそれを好機として、世界の中心に躍り出るかもしれない。

 今年、欧米諸国を動揺させたポピュリズム(大衆迎合主義)は、1848年に欧州を席巻した一連の革命とは比較すべくもない。革命を起こした人々にとっては苦い失望に終わったが、あの年の「諸国民の春」は旧体制の基盤を打ち砕いた。これに対し、今日の反乱者たちは、投票所を通じて権力を握った。

 とはいえ冷戦以降、人々は物事が秩序正しくある程度予測通りに進むと考えていたかもしれないが、それが根本から揺らぎ始めている。権力はもはや我々が考えていた場所にはない。トランプ氏の米大統領選勝利と英国の欧州連合(EU)離脱決定をもたらしたポピュリズムによる混乱が落ち着く間もなく、世界には新たな風景が見えてきた。

 トランプ氏が何を考えているかについては、今も誰もが臆測を巡らせている。同氏は国内問題でも国際問題についてでも節度ある発言をしたかと思えば、夜には「トランプタワー」の最上階から怒りに満ちたツイートを放つ。トランプ氏は美辞麗句を並べ立てて選挙に勝ったわけではない。だが、大統領に当選したからといって論理立てて物事を説明できるかといえば、そうでもなさそうだ。

 言うことがころころ変わるし、ツイッターで次々と発信するが、その中で変わらないことが一、二ある。つまり、大富豪には減税し、外交政策は臆面もなく国家主義的なものに転換するということだ。トランプ氏は、国際的ルールは米国を縛り、様々な同盟関係は米国に負担になるだけで、米国の力を強めはしないとの見方をする米国人の一派だ。彼らに言わせると、多国間主義は弱虫のものだ。地政学もビジネスと一緒で、トランプ氏はとにかく交渉で何かを勝ち取りたいと考えている。

 国際関係の在り方を決めるのは今後、ルールから力に代わるだろう。そうなっても、米国が自国の地位を十分守れるとトランプ氏が考えるのは正しい。米国はまだ唯一の超大国であり、他のいかなる国も外交政策を考える時は、まず米国の出方をみる。だが同盟国を捨て、ロシアのプーチン大統領のような人物と取引することは、米国の戦略的利益を高めはしないだろう。


米国による平和
トランプ氏が幕

 ここに、ダボスに行く習氏にチャンスがある。冷戦後の秩序に対する中国の不満は、今に始まったことではない。だが他ならぬ次期米大統領がパックス・アメリカーナ(米国による平和)に幕を下ろそうとしている。トランプ氏の貿易や安全保障政策における「米国第一主義」を前にすると「新たな国際関係」を求める中国はもはや欧米が築いてきた自由秩序を覆そうとしているようには見えない。

 それどころか、中国は国際的統治体制の守護者であり、開かれた貿易体制の旗手になれるかもしれない。習氏は気候変動に関するパリ協定を支持し、国際社会とイランとの核合意を擁護し、アジアで貿易自由化を進めている。これまで悪役だったのに、これではすっかり「いい奴」だ。実際、南シナ海での中国の軍事行動に関していえば、米中間の合意で数十年間、維持されてきた台湾海峡の平和を覆そうとしているのは、今やトランプ氏の方だ。

 世界秩序が今、崩れ去ろうとしているが、今後の地政学的な勢力図はきれいな直線では描かれないことをまず理解しておくべきだ。多国間主義は共通ルールにのっとり整然としたもので、覇権を巡り各国が衝突する中ではそうした秩序は消えていく。トランプ氏は米国、中国、ロシアで世界を統治すればいいと考えているかもしれないが、この3カ国の利益は合致するより衝突する方が多いだろう。環太平洋経済連携協定(TPP)から米国が離脱すれば、この地域の米国の同盟国を中国との経済的統合に向かわせることになる。

 新秩序は各国の利害がむき出しになり、地域協定や矛盾も抱えた同盟関係だらけになる。インドは交渉テーブルに席を求めるだろうし、欧州も同様だ。

 トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)の同盟国に注力していない。簡単に言うと、欧州は来年も域内の問題で手いっぱいだろう。経済はグローバル化に取り残された人が恩恵を感じるほど成長していない。移民問題はポピュリズムを一層勢いづかせる。政治エネルギーは、英国のEU離脱問題にほぼ費やされそうだ。フランスでは排外主義の極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首が来春の大統領選で、トランプ氏とEU離脱派の余勢を駆りたがっている。


景気回復早まれば
欧州復活の可能性

 もし、ルペン氏が大統領になるようなら、もはや打つ手はないかもしれない。しかし、可能性が高くないにせよ考え得るシナリオがある。景気回復の足取りが早まり、移民流入の動きが安定し、欧州復活の芽が見えてくるという展開だ。重要なのは、フランス大統領選で共和党候補のフィヨン元首相が勝ち、ドイツのメルケル首相が4期目を確実にし、欧州協調の独仏エンジンを復活させることだ。

 いずれにせよ、世界の新たな在り方に向けて秩序が存在する余地は全くない。だが、中国にはチャンスがある。古典的地政学の理論では、既存の大国に新興国が挑戦し、衝突が起きる場合、まず不安定さをもたらすのは新興国側だということになっている。ダボスに集まったエリートたちが自画自賛して互いをたたえ合う年1度のお祭りで、習氏が安定の代弁者のように見えたとしたら、ちょっとした皮肉だ。

(9日付)

[日経新聞12月11日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/728.html

[政治・選挙・NHK217] とがった自分にジレンマ 就任3カ月 民進・蓮舫代表に聞く 自己評価はしない。国民がする

[永田町インサイド]とがった自分にジレンマ 就任3カ月 民進・蓮舫代表に聞く
自己評価はしない。国民がする

 民進党の蓮舫代表は15日で就任から3カ月を迎える。岡田克也前代表から野党第1党の顔を引き継いだものの、党の支持率はいっこうに上がらない。民進党はどこへ向かうのか。蓮舫氏に聞いた。


 ――就任後の取り組みを自己採点すると何点か。

 「政党の代表は自己評価しない。評価するのは国民だ。今なお伸びていない支持率も含め、厳しめにみていると思う」

 ――落第点なのか。

 「自分で評価しない」

 ――代表としてどう評価されていると思うか。

 「毎週末地方を歩いているが、多くの方が集会や街頭演説に来ていただいている。私への期待と党への期待の乖離(かいり)をどう縮めるかが最大の課題だ」

 ――党の支持率は上がっていない。

 「平時に支持率を上げるのはすごく難しい。選挙が近づくことで上がっていくよう持っていきたいが、奇策はない。勝負に出たい」

 ――代表になって感じたことは。

 「党のガバナンスは本当に大変だ。細やかなところに目配りしつつ大胆な判断も必要だ。蓮舫というキャラクターのとんがり方が期待されるが、とがることで党内にハレーションを起こすのをどうなくすかというジレンマが一番大変だ」

 ――政権を取るために何に重点を置くか。

 「国民の支持なく立っていられない。共感されることだ。7日の党首討論で男性議員からは『当然ロシアは聞くのか』『財政規律聞くよね』とか言われたが、3分の2をカジノに使った。街に出て、人々の声を聞き、不安の声が共感のカギだと思ったのであえて大きく踏み込んだ。永田町にすれないことだ。外に出ることは私にとってすごく刺激だ。質問の仕方や言いぶりの知恵もいただける」

 ――党首討論に初挑戦。高支持率の安倍晋三首相は攻めづらかったか。

 「一切ない。どんなに支持率が高い政権でも、どんなに人気のある首相でも、私たちは正論をもって臨むべきだ。ただ明快な議論をしようという答弁がないのが非常に残念だった。ヤジで逃げてごまかす、まっすぐ私の目を見ない、私の質問に答えないの3つだ」

 ――首相は強気の答弁姿勢を貫いた。

 「自民党と公明党のバラバラ感も明らかになり、カジノがなぜ成長戦略になるか首相に答えがないことも分かった」

 ――幹事長に野田佳彦氏を起用した人事に党内には批判も根強い。なぜ野田氏だったのか。

 「誰を指名しても批判はでる。野田さんなのは首相経験者だからだ。政権を目指す上で、中途半端な仕事はしない証だ。とても優れて信頼できるパートナーだ。存在の大きさではなく信頼できるということが私の絶対条件だ。野田さんに代わる人は現段階ではいない」

 ――衆院解散・総選挙があるか。

 「あると思っている。総選挙は近い。もう準備は進めている」

 ――野党の選挙区調整が間に合わないのでは。

 「調整は前提にしていない。まず我々の公認候補者をできるだけ立てる。少なくとも過半数を目指して選挙対策委員長に擁立を急がせている」

 ――公約は月内に固められるのか。

 「もちろんだ。ただし、最終形を示すのは選挙の時。政権公約で私たちの国家像、政策を端的に示そうと思っている」


失敗を省み、税制の整理を徹底

 ――首相の経済政策「アベノミクス」とどう経済哲学が違うのか。

 「現政権は税収増分を補正予算で公共事業に向ける財政出動でまわす手法だ。金融政策に大きく傾倒する反動も出ている。今年度の税収が1.9兆円前後下ぶれる見込みとなったのはその証左だ。必要なお金の使い方は無駄な公共投資ではなく人だ。私たちの『人への投資』は株価や為替のように瞬時で動かないが、教育などで人を育て、貧困に陥らせず、未来の納税者にする投資だ」

 ――財源は確保できるのか。

 「税制の整理は徹底的にやるべきだ。我々の失敗の反省もある。単年度の税収の切り盛りや一時金の利活用に頼り、不安定になってしまった。税制改革をうまくやれば、経済を動かすバネになる」

 ――育児・教育などに使うため提唱する「子ども国債」のイメージは。

 「財源が不足した場合に子ども国債という手段もありうる。ただ前面に打ち出すのは教育無償化。給付型奨学金は成績や年収で要件があれば数百億円からできる。衆院選の公約では財源論もしっかり明示する」

 ――恒久財源としての消費増税をどう考えるか。

 「税率10%への引き上げはいずれ必要になる。その財源は公共事業ではなくて人に使うべきだ」

 ――民進党の経済政策の哲学やキャッチフレーズが分からない。

 「中身はある。適切なキャッチフレーズを検討中」


「提案型」伝えるには時間かかる

 ――党内がバラバラとの批判が続く。

 「まとまっている」

 ――首相は党首討論で、カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する法案で意見が割れていると批判した。

 「首相が勝手に言っている話だ。バラバラな時はニュースになるが、まとまっている時は報道されない」

 ――外交や安全保障分野の政策が見えない。

 「外交や安保は政権が変わって大きくぶれてはいけない。首相がロシアのプーチン大統領やオバマ大統領と会談するのに異を唱えたことはないが、会談内容や成果については注視。問題があれば指摘する。日米同盟は基軸だ。ただ憲法違反の疑いのある安全保障関連法は廃止する。抑止力が高まったと首相は言うが、中国は相変わらずわが国の領海に侵入し、北朝鮮はミサイルを発射している」

 ――安保法廃止で日米関係に影響が出ないか。

 「日米同盟を名目に憲法違反を是認することはできない」

 ――自らが首相ならトランプ米次期大統領にどう働きかけるのか。

 「まず日米同盟は基軸で、自由、民主主義、法の下の平等、基本的人権の尊重という理念で同じ立ち位置だと再確認する。日米同盟の何を変え、維持発展させようとしているのかは丁寧に分析すべきだ」

 ――民進党の「提案型」が伝わってこない。

 「1億2千万人に伝えるにはものすごく時間がかかる。地域に根付いた活動を通じて地道に広げたい。解散・総選挙に向けて衆院小選挙区の候補者が地元でしっかり発信していく」


蓮舫氏の略歴

 れんほう 本名は村田蓮舫。父は台湾人で、母が日本人。青山学院大卒。行政刷新相、首相補佐官、党代表代行。キャスター出身で双子の男女の母でもある。参院東京選挙区、当選3回。49歳。


■蓮舫体制 私が採点(100点満点)

68点 個性をわかっている 芸能プロ社長 おかざきなな氏

 自らの個性をよくわかっている。ファッション、ヘアメイク、立ち振る舞いが生むオーラは小気味よい。かたや近づきやすさの面では、型が出来すぎて付け入る隙がない印象だ。一般国民だけでなく、政治家仲間からも「ねえ蓮舫」とはなりづらそう。本当の強さとは柔軟性、しなやかさ、ぶれられることだ。真っ赤なボディコンのワンピースで甘え声でしゃべるようなアレンジも時に期待したい。

 民進党は印象がなかったが、蓮舫代表になって興味を持つようになった。安倍晋三首相も大好きだが、タレントでも初舞台の新人がベテラン勢を押しのけて喝采をさらうことがある。田中角栄さんの「日本列島改造論」のようなダイナミックな政策を投げてほしい。

 女優を経て、芸能プロダクションを設立。著書に「愛され女子研究」など。55歳。


60点 機微な討論、怖い印象も 政治評論家 有馬晴海氏

 二重国籍問題で党内から代表選をやり直せという声まで出たが、いまは落ち着いた。次期衆院選は蓮舫氏で臨む雰囲気になった。しかし代表選は個人票で勝ったわけではない。野田佳彦幹事長という人事は「野田主導」なのではと疑心暗鬼にさせる面がある。今後どれだけ蓮舫色を出せるかが問われる。

 党首討論での機敏さを生かした攻撃力はさすがだった。一方で鋭すぎて怖い印象もある。大事なのは論戦に勝つことではなく、国民を一緒に巻き込むことだ。使い古された名前ではないのが蓮舫氏の強みのはず。安倍晋三首相の壁は高い。女性が総裁になっていない自民党とも、これまでの旧民主党とも違うものを出さないと蓮舫代表である意味がない。

 議員秘書を経て政治評論家に。政治家や政界関係者との交流は深い。58歳。


10点 政権よりポピュリズム 大和総研チーフエコノミスト 熊谷亮丸氏

 やらなくてはいけないのはまず成長戦略だが具体像がみえない。踏み込むべきは岩盤規制の緩和だ。経済政策の財源の裏付けが詰められていない。7日の党首討論で賃金が伸びていないと言っていたが、企業業績が伸びなければ賃金も増えない。明確なビジョンや国家観の全体像が伝わっていない。党首討論などで一生懸命やっている印象は受けるが、方向性が間違っている。

 野党だから耳の痛い大胆なことを自由に言えるのに、政権よりポピュリズムになっていないか。社会保障制度の抜本的改革など財政規律維持に向けた骨太で筋の通ったことを言うべきだ。民主党政権で失敗した総括ができていない。

 日本興業銀行(現みずほ銀行)などを経て大和総研へ。専門は経済・金融調査。50歳。


<記者の目>具体的な対案で国家像示せ

政策決定で注目される与党と違って、野党が存在感を示すのは難しい。旧民主党の下野から4年。3月に民進党として再出発したが、政権時代の「失敗」の印象から支持を取り戻せず、党内から「何をしても批判される」との自虐もよく聞く。蓮舫氏は「挑戦者」との表現を多用する。国民の共感を得るのは簡単ではなく、まずは具体的な対案をそろえることで、めざす国家像を示してほしい。

(宮坂正太郎)

[日経新聞12月11日朝刊P.12]


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/712.html

[政治・選挙・NHK217] 賃上げへ政府関与は適切か:経団連なども財政支出や税制について政府に口出ししているのだから当然

[創論]賃上げへ政府関与は適切か


 安倍晋三首相は来春に少なくとも今年並みの賃金引き上げを実現するよう経済界に求めた。賃上げへの政府の関与は適切か。上昇率を高めるには何が必要なのか。「日本は賃上げを強く促す所得政策が必要」との提言を今夏にまとめた国際通貨基金(IMF)の対日審査責任者、L・エフェラールト氏と日本商工会議所会頭の三村明夫氏に聞いた。


■将来不安の払拭が先決 日本商工会議所会頭 三村明夫氏

 ――過去3年間の賃上げをどう評価していますか。

 「賃上げする場合にはいくつかの要因がある。収益改善や生産性の向上のほかに、足元の経済は少し停滞していても、今後は確実に良くなるという見通しがあれば実施する要因になる。ただ、生産性の向上は一生懸命やろうとしていても、まだ具体的な実績をあげているわけではない。潜在成長率が0%近辺しかないのに、2%も3%もいきなり経済成長するのは難しい」

 「それにもかかわらず過去3年間に中小企業の5〜6割が賃上げしてきた。賃上げしないと人手が確保できないというのが理由の大部分だ。タイトな労働需給を端的に反映した結果であり、収益や生産性とは乖離(かいり)している。企業は実力以上の賃上げをしたとみている」

 ――安倍政権は賃上げを求めて来年の春季労使交渉にも介入してきています。

 「デフレからインフレに向かう時期に、政府が旗を振って経営者のマインドを変えようとすることは悪いことではない。デフレの最中は経営者にコスト削減を優先するマインドが染みつき、賃上げを見送ってきた。賃上げを通じて個人消費を喚起し、経済の好循環をつくるという政府の意図は明確だった。だから1回目の賃上げ要請は適切なことをやったと思っている」

 「だがこれまでの賃上げは消費増へ本当につながっているのだろうか。消費が低迷する原因は賃上げの有無のほかにたくさんあると考えている。その一つが将来への不安だ。50歳代にも若者にも年金制度への不安がある。賃上げがうれしくても、貯蓄に回す行動が出てくる。インターネットでなるべく安いモノを買ったり、中古品に抵抗感がなかったりする賢い消費者も増えている。なぜ消費が低迷しているのかという原因をつきつめて分析して、それに対応することが必要だ」

 ――デフレ脱却のために賃上げが起点になるべきだとの主張があります。

 「はっきりしているのは物価予想を絶対的な基準としては賃金交渉できないということだ。この主張は物価が上昇気味のときに労働組合がする。一方、経営側は物価が本当に上がるかはわからないと主張する。物価予想自体にいろんな意見があって一つにまとめるのは難しい。交渉の付加的な要素として物価予想を考えるのはありえるが、物価と賃金の上昇率がストレートにはつながらない」

 ――経済界では賃金水準全体を高めるには、雇用の流動化が必要だとの見方が多くあります。

 「成熟した産業で賃上げを積み重ねるのは限界がある。成長産業に人が移らないと賃上げを継続していくのは難しい。職業訓練やマッチング機能といった安全網の整備や、解雇の金銭解決ルールの明確化も効果があるかもしれない。人員が余っている段階で人材と企業のマッチングといっても絵に描いた餅だったが、いまは人手不足で働く場所はある。中小企業は即戦力になる人材を待ち望んでいる。失業することなく、比較的スムーズに労働移動が進みやすい状況だ」

 「企業統合を進めていくためにも雇用の流動化は必要だ。統合効果は本来は人員削減に表れやすいはずだが、今の日本では人員削減がなかなかできないからだ。企業統合でより生産性が高い企業が誕生すれば、社会全体の生産性向上に役立つ。中長期的には賃上げにもつながりやすいはずだ」

 ――日本型雇用の象徴でもある年功賃金制度にメスを入れる必要はありませんか。

 「労働力不足の時代には、若者と女性に活躍してもらうための制度設計が必要になってくる。たとえば子育て世帯の負担は大きく、若者に賃金を重点配分するために、年功賃金は維持したとしても賃金カーブの傾きを寝かせる配慮は必要になってくる。戦後の経済成長期は経験を重ねれば能力が上がるという前提があったが、今はそうでないことも少なくない」

 ――最低賃金が近年、大幅に引き上げられています。

 「最低賃金は小規模事業者も含めてすべての企業に適用され罰則もある。政府は今年の3%引き上げの理由を『総合的に判断した』というが、判断の理由がわからない。足元の現実を反映していないと思う。労働市場の状況や賃上げの事例を具体的に示して基準を明確にしてほしい」

(聞き手は中村亮)

 みむら・あきお 東大経卒。新日鉄住金の相談役名誉会長を務める。2013年に日本商工会議所の会頭に就任した。76歳。

◇     ◇
■経済の好循環へ不可欠 IMF対日審査責任者 リュック・エフェラールト氏

 ――IMFは今夏、より積極的な賃上げを促す所得政策を採用するよう日本政府に提言しました。なぜですか。

 「アベノミクスによる財政・金融政策、構造改革でも成長率は高まらず、物価上昇率も目標には遠い。円安で企業収益が増えても賃上げや設備投資につながらなかった。それならば賃金の上昇と物価上昇がうまく連動して進むような補完的な政策が不可欠と考えた。(賃上げを通じて)物価が上昇するという実績をつくらないと、(日銀が目指している)インフレ期待の引き上げも日本では困難だ」

 「年2%の物価上昇率目標を持続的に実現するには、賃金が全体平均として少なくとも2%上がる必要がある。これに生産性の上昇分を加えた賃上げを実現させたい。この分は毎年変わるのではっきりといえないが、0.5〜1.0%程度だろう」

 ――具体策を説明してください。

 「安倍政権は今年、最低賃金の3%引き上げを実現させたが、これは良い政策だ。政府の権限が及ぶ公務員賃金も物価目標に応じた引き上げが求められる」

 「重要なのは、民間企業全体としてどう賃上げを促すかだ。税制で企業の賃上げを誘導する政策はすでに実施されているが、これはもう少し強化できるはずだ。そのうえで、政労使がマクロ経済的な目標に見合う最低2%の賃上げ実施で合意することが望ましい。容易でないことは承知しているが、欧州でもマクロ的な目標を考慮に入れつつ労使交渉を進めている国が幾つかある」

 ――「賃上げ率の合意に従うか、従わない場合は説明責任を負う」という仕組みを取り入れることも提言していますね。

 「こうした仕組みも使いうるということだ。賃上げを引き出すための一つの例という意味であり、これが必要で唯一のメカニズムだと主張しているわけではない」

 ――賃上げ率が鈍い背景には雇用維持を優先する日本企業の慣行もあります。

 「長期雇用を約束しているので収益性を悪化させるような賃上げは望まないということは理解している。しかし企業の利益は大きく、現預金保有残高は国内総生産(GDP)の50%になっている。日本経済の問題は高い収益が活用されてこなかったことにある。また、高い賃上げは時間のラグを置いて一般価格にはねかえるので、中期的には利益への影響は受けなくなる」

 ――一律の賃上げ要請は市場の価格決定メカニズムをゆがめませんか。

 「一律の上げこそが、低すぎる物価上昇率を引き上げるのに必要なことだ。生産性が企業ごとに違う点には同意する。こうした部分は賞与に反映するなど、生産性を賃上げにどう織り込むかを各企業レベルで合意すればいいことだ。だが全体としては最低2%の賃上げが必要になる。あくまで、賃金と物価の好循環を生むメカニズムをつくりだすのが目的だ。インフレ期待が正常なレベルに上がれば、続ける必要はなくなる」

 ――実現性に難があるようにも見えます。

 「日本とは全く逆のケースだが、欧州では1970年代から80年代にかけて、インフレを抑えるために政労使対話で賃上げ抑制をはかった。日本は物価と賃金の上昇率が低すぎるという問題を抱えている。これを変えるための協調の仕組みが必要なのだ」

 ――賃上げが持続するには企業の生産性向上も欠かせません。そのために何が必要と見ますか。

 「労働市場の改革が重要だ。日本には生産性の高い若者や女性が数多くいるのに、非正規雇用の契約で働いているので、企業からの人的投資や訓練を受けられない労働者が多い。一方、終身雇用のなかで生産性が低い中高年層もいる。企業はグローバル経済の変化への対応として安易に非正規社員を増やしたが、それは自分の足を撃っているようなものだ。賃金が低いままで上がらず、将来の所得が不透明な人が増えて、製品やサービスへの需要を減らしているからだ」

 「労働市場の二重構造が生産性や賃金低迷につながっているわけで、このゆがみをたださなければならない。非正規労働者の労働条件を改善させるための契約形態を促す必要がある。政府が確立しようとしている同一労働同一賃金の仕組みも改革の促進につながるだろう」

 Luc Everaert ジュネーブの国際研究大学院で博士号。92年にIMFへ。欧州担当などを経て現職のアジア太平洋局次長に。56歳。

◇     ◇
〈聞き手から〉硬直的な労働市場に課題

 政府に賃上げ促進への積極関与を求めたIMFの提言は話題を呼んだ。自由な市場取引を重視する伝統的な立場からの転換と見られたからだ。

 エフェラールト氏は「勧めているのは市場の失敗への対応。市場介入ではない」という。高収益が賃金増加につながらない構造や、賃金体系が異なる正規、非正規の二重の労働市場が「資源の効率的な配分を阻んでいる」と説く。

 政府が前面に出てでも、賃金引き上げと物価目標達成という道筋をつくらなければ、経済の歯車はいつまでたっても回らない。そんな危機認識が主張の背景になっている。

 問題はそうした理論がミクロの現実に即しているかだ。三村氏は経営者の視点から経済改善の見通しが立たない中での大幅賃上げの難しさを指摘。将来不安の解消が経済再生の鍵との見方を示した。

 一致したのは硬直的な労働市場が賃上げを阻む一因との点だ。個人の能力を育み、それがいかされる機会をつくらないと日本に活力は戻ってこない。(編集委員 実哲也)

[日経新聞12月11日朝刊P.9]



http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/713.html

[医療崩壊5] 「医療爆買い」切実な事情 日中とも救世主求め:近い将来に国内向け医療対応力が浸食される危険性大

[かれんとスコープ]「医療爆買い」切実な事情
日中とも救世主求め

 医療サービスを受けるため日本を訪れる中国人が増えている。旺盛な消費になぞらえ「医療の爆買い」とも呼ばれるが、現場を歩くと日中双方の切実な事情が浮かび上がる。


 ひんやりとした空気が流れる11月の新宿区歌舞伎町。ざわつく区役所の1階で、通訳を伴い滞在延長のための手続きをする李勇さん(44)の姿があった。「治療が長引いてね」。そう話す李さんは中国山東省で商売をしている。来日したのは骨肉腫を発症した16歳の息子の治療のためだ。

高額治療費を工面

 今春、息子の異変に気づき、北京や上海の病院を回ったが納得のいく診断は得られなかった。口コミなどを頼りに慶応義塾大学病院(東京・新宿)を訪ね、日本での治療を決めた。まだ治療中だが、責任ある仕事をしてくれていると感じている。

 費用負担は重い。病院に前もって預けるお金だけで5000万円。自らを中間層と呼ぶ李さんにとって決して楽な金額ではない。「大切な一人っ子のために全力をつくしたい。破産も覚悟で日本に来た」。祖父母の援助もあるという。治療の過程で髪が抜けた息子と同じように自身も頭を丸め、妻と毎日看病に当たっている。

 医療を目的とする訪日外国人は急増している。医療滞在ビザの発給件数は2015年は約950件で、4年前の13倍になった。ビザがなくても健診や治療は受けられるため実際はもっと多い。外国人支援の日本エマージェンシーアシスタンス(東京・文京)には、ここ数年で1万件超の問い合わせがあるという。

 ほとんどが中国人で、李さんのようにわらをもつかむ思いで来日する人もいれば、自国で健康状態を知られぬよう日本に来る要人もいる。治療費は500万〜600万円程度かかることが多いという。富裕層が多いが、最近は中間層にも広がっている。

 中国人が増えている背景には2つの側面がある。1つは経済成長に医療環境の向上が追いついていない中国の事情だ。多摩大学の真野俊樹教授(医療経済学)は「中国にもトップレベルの治療ができる病院はあるが全く足りていない。医師と国民の信頼関係も薄い」と話す。渡航費や宿泊費がかかっても、医師への「袖の下」などを勘案すると「日本の方が安心で得」と考える人が多いようだ。

病院の対応に変化

 もう1つは日本側の変化だ。医療目的の外国人を日本に呼び込む「医療ツーリズム」を大々的に打ち出したのは09年に発足した民主党政権だった。しかし「医療の産業化」が前面に出たことで日本医師会が反発し下火に。今も政府関係の資料では「医療ツーリズム」という言葉はタブー視され、人道的な意義を前面にした「医療渡航支援」などの言葉が使われる。

 「それでもこの2、3年で流れが変わってきた」。医療の国際展開を支援するメディカル・エクセレンス・ジャパン(東京・千代田)の北野選也理事は変化を感じている。

 山形大学医学部は今秋、外国人受け入れの協議会を立ち上げた。「重粒子線」を使ったがん治療の最先端装置を呼び込みの目玉に据える。「患者や家族が地域に泊まり、ご飯を食べて温泉に入れば経済効果は大きい。アジアがこれから高齢化する中、チャンスはある」と同大の嘉山孝正参与は話す。地域を挙げた外国人患者の誘致は、愛知県など全国で芽が出始めている。

 先んじる病院では華麗な消費が広がる。亀田総合病院(千葉県鴨川市)には昨年、健康診断を受けるため約200人の中国人が訪れた。マンツーマンの体制などの評判が口コミで広がっているという。VIP向けの待合室には、中国語で書かれた高島屋のカタログが置いてある。「頼めばハイヤーで迎えが来て、東京で買い物できる。評判ですよ」と亀田隆明理事長は話す。プライベートジェットで来日し、空き時間に1億元(約16億円)のマンションを買った人もいたという。

 病院を駆り立てるのは今後の人口減少だ。「南房総でも雇用が多いうちの病院が潰れたら、この地域は一気に衰退する」。亀田理事長は危機感を隠さない。「アジアの基幹病院になることで生き残る」と青写真を描く。外国人は基本的に自由診療となり、日本人より高い治療費を全額自己負担する。これが病院財政を潤し、結果的に日本の医療を支えると期待する病院も多い。

悪質な仲介も増加

 ただ、医療目的の訪日が急増する陰でひずみも生じている。ヘルスツーリズム研究所(東京・品川)の高橋伸佳所長は「悪質なブローカーが病院に外国人患者を置き去りにしたり、居住実績がないのに国民健康保険に加入させたりするケースが増えている」と話す。ニーズが高い美容整形についても、ある大手美容クリニックは「会計が不透明な店はブローカーが絡んでいてトラブルになる」と明かす。

 外国人が日本の病院や地域の救世主となり、お互いに利益を享受する――。そうした理想は美しい。しかし、足元には見過ごせない現実が広がっている。

(福山絵里子)

[日経新聞12月11日朝刊P.10]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/431.html

[中国10] 空文化する「一国二制度」 揺らぐ香港の立法と司法

[中外時評]空文化する「一国二制度」 揺らぐ香港の立法と司法 論説副委員長 飯野克彦

 香港高等法院(高裁)は11月15日、9月の立法会(議会)選挙で初当選した「本土派」の若手議員2人について、議員資格を取り消すとの判決を下した。2人は上訴しており事態はなお確定していないが、中国大陸と香港に異なるルールを適用するという「一国二制度」の空文化が鮮明になってきたといえる。

 議員資格を失ったのは「青年新政」という政党から立候補して当選した游●禎氏(25、●はくさかんむりに惠)と梁頌恒氏(30)。同党は中国からの自立を訴える青年たちがあつまって2015年に設立した。香港を自分たちの「本土」とみなし、中国大陸を支配する共産党政権の影響力を嫌う、いわゆる「本土派」の代表的な政党だ。

 10月12日に立法会で就任の宣誓をした際、両氏は中国の蔑称とされる「支那」に聞こえる言葉を口にしたり、「香港は中国の一部ではない」という英語の横断幕を掲げたりした。これが規定に沿っていなかったとして、立法会は宣誓を無効とした。

 宣誓が無効だと議員資格は失われる。そこで両氏は改めて宣誓したいと求め、立法会の議長も再宣誓を認める方針だった。議会の権威が高ければ、議会内部の問題として議会みずから処理して一件落着、となるところだろう。

 ところが香港では異なる展開をたどった。両氏は香港の憲法にあたる香港基本法104条に違反したので、議員資格がない。そう主張して裁判所に提訴したのは、ほかでもない香港政府だった。

 やがて、はるか北京から中国共産党政権まで口をはさんだ。国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の常務委員会が、游・梁両氏はすでに議員資格を失っているとする104条の「解釈」を採択した、と発表したのである。

 自由主義が根づいた国々では、議会からも政府からも独立した裁判所が法律を解釈する最終的な権限を持つ。「司法の独立」という考え方の柱となる原則だ。対して共産党政権は、そういった「司法の独立」を認めていない。

 そのため法律を解釈する最終的な権限については、立法機関である全人代あるいは全人代常務委が持っている、と法律そのものに明記する場合が少なくない。香港基本法にもそうした規定があり、今回も全人代常務委はその規定にもとづいて解釈を明らかにした、と主張している。

 香港政府の訴えを審理していた香港高等法院は、いわば頭越しに解釈を示されたわけで、メンツは丸つぶれになった。結果として全人代常務委の「解釈」を裏書きした判決のなかで「(全人代の)解釈があろうとなかろうと結論は変わらない」と表明したのも、むなしく響く。これで「一国二制度」といえるのか――。反発の声が香港であがったのは、当然だろう。

 1997年に香港が英国から「返還」された際、50年後まで香港の基本的な仕組みを変えず大陸と異なるルールを維持する、と共産党政権は約束した。「司法の独立」は、そうした香港ならではの仕組みの柱のひとつとみなされてきた。だが、返還からやがて20周年という時期に、共産党政権は骨抜きにする姿勢を明確にしたといえよう。

 はじめから「一国二制度」には無理がある。そんな冷めた声が出ているのは台湾だ。「一国二制度」はもともと、台湾との統一を進めるための足場として共産党政権が打ち出し、後に香港やマカオにも適用したアイデアだ。共産党政権にとって、香港で「一国二制度」をうまく機能させることは、台湾との統一を進めるためにも必要だった。

 今回、共産党政権は香港の立法機関の権威も司法の独立もないがしろにした。台湾統一に不利なことをあえてしたのである。それほどに強烈な危機感を、香港に対して抱いたといえる。その一端は、全人代常務委が「解釈」を採択したあとに記者会見した、李飛・全人代常務委副秘書長兼基本法委員会主任の発言にうかがえた。

 「立法会というプラットフォームを利用して香港独立活動を推進した」。こう述べて游・梁両氏を厳しく批判しただけでなく、75年前に香港を占領した旧日本軍になぞらえて、ファシストだと決めつけたのである。

 はた目には支離滅裂の議論だが、おそらく李主任の頭の中では筋が通っているのだろう。こんな風に引き合いに出される旧日本軍こそいい面の皮だが、共産党政権の幹部たちの考え方が伝わってきて興味深い。かつて李主任が日本に留学していた経歴を踏まえると、いささか情けなくもあるのだが。

[日経新聞12月11日朝刊P.10]


http://www.asyura2.com/16/china10/msg/520.html

[経世済民116] 家族の衰退と消費低迷

※日経新聞連載

家族の衰退と消費低迷

(1)家族の変化が産業にも影響

中央大学教授 山田昌弘

 筆者は家族や若者を長年調査、研究してきました。少子化や若者の状況に関して公的機関やメディアからの依頼は以前からありましたが、最近は一般企業からの依頼も多くなりました。企業にとっても、家族の変化が他人事ではない時代になったと痛感しています。

 家族のあり方と経済状況は密接に関係しています。少子化が労働力不足をもたらすといったマクロ的な変化や、共働き夫婦の増加など家族の働き方の変化は強い関心を集めています。この連載では逆に、家族の変化が消費や産業に与える影響について考察します。

 一つ例を挙げます。1990年ごろ、親子関係を調査研究する中で、欧米とは違い、日本の独身者の大部分は親と同居しているという事実を見出しました。欧米(南欧除く)では若者は原則として親から独立します。少ない収入で生活するのに手いっぱいです。だからシェアハウスや同棲(どうせい)が増えるのです。

 しかし、日本では成人後も結婚まで親と同居し続けます。当時はバブル経済真っ盛り。大多数の若者は正社員で給料も多い。親の家の一室を占拠して母親に家事を任せ、給料の大部分を小遣いとして使える独身者が大量に出現しました。その結果、海外旅行や高級バッグがはやりました。親の社宅に住みながら、高級外車を乗り回す男性に話を聞いたこともあります。恋愛も盛んで、クリスマスには高級ホテルが若い恋人で満室になると報道されました。このような若者をパラサイトシングル(寄生独身者)と呼んだのです。

 晩婚化による親との同居期間の伸長が、若者の高級品需要を支えたという側面があります。しかし、彼らは住宅や家電製品などは購入しません。そして、バブルがはじけると、非正規化で若者の収入が減り、結婚も増えないので、高級品需要どころか基礎的な需要も減退してしまったのです。

 近年の個人消費低迷も、日本の家族のあり方と密接に関係しています。この連載では家族の変化という視点から、戦後日本経済の一つの側面を見ていきます。
 ――――――――――
 やまだ・まさひろ 東大大学院社会学研究科単位取得退学。専門は家族社会学

[日経新聞11月30日朝刊P.30]


(2)戦後家族モデル、若者の目標に

中央大学教授 山田昌弘

 まず、戦後家族の変遷を簡単にみていきましょう。

 戦前までの家族の大多数は、農家など自営業家族でした。夫も妻も高齢者も子どもも一緒に農作業などを行い、昔ながらの生活を維持することが家族の目的でした。多くの庶民は生活するのに精いっぱいで、余裕が出ても蓄えに回されました。伝統行事やお祭りなどへの一時的な支出はあっても、生活を向上させたくてもできない相談でした。

 戦後、工業が勃興し、産業化が進展しました。それと同時に、夫はサラリーマン、妻は専業主婦という性別役割分業型の家族が登場します。1955年ごろから始まる経済の高度成長期には、農村から都市部に出てきた若い人たちが結婚して子どもを育て始めます。核家族時代の到来です。

 その時にモデルになったのが、欧米の中産階級の家族です。当時普及し始めたテレビでは「パパは何でも知っている」「ルーシーショー」など、米国のホームドラマが放映されました。そこには、夫は外で働いて自家用車で帰宅し、妻は専業主婦でケーキを作り、リビングとダイニングと寝室がある家に住み、子どもと一緒に家族だんらんを楽しむ姿が映し出されました。

 また、皇太子殿下(当時)のご成婚(59年)があり、皇太子ご一家の生活が報道され、エプロン姿で料理を作る美智子妃殿下(当時)など、欧米風の生活の様子が紹介されました。

 当時、都会に出てきた若者は、そのような家族を理想としてつくろうとしたのです。結婚当初は、風呂なしアパートや社宅、家電製品もほとんどない状態から生活をスタートしました。しかし、終身雇用、年功序列の雇用慣行によって、サラリーマンの夫の収入が徐々に上がることが保証されていました。農家など自営業の家族も、政府の保護政策もあって、年々収入が上がるようになりました。

 「夫が主に外で働き、妻が主に家事をし、豊かな生活を目指す」――。これを家族の戦後モデルと呼んでおきましょう。高度成長期に成人を迎えた若者(1930〜50年生まれ)の多くはこのモデル家族をつくることができました。それが経済成長と家族の豊かさの好循環を生んだのです。

[日経新聞12月1日朝刊P.29]


(3)「豊かな家族生活」が巨大需要に

中央大学教授 山田昌弘

 「夫が主に働いて妻が主に家事で豊かな生活を目指す」という戦後型家族。これが住宅から家電、自動車、生命保険、レジャーに至るまで、あらゆる産業の前提条件となりました。

 目指す家族の中身は、1950年代の欧米の中産階級家庭です。LDK仕様の住宅に住み、家電製品がそろい、車があり、主婦が手料理を作り、子どもに学歴をつけさせ、家族レジャーをする生活です。中流生活に必要と思われるアイテムをそろえることが家族の目標となり、消費は家族でするものとなったのです。

 当時は住宅すごろくと呼ばれたように、狭いアパートや社宅からマンション、最後には一戸建てに住むことが目指されました。より広く快適な住宅を求める核家族の存在が、住宅メーカーや不動産業界を潤しました。マイカーを持つことが豊かな家族のシンボルになり、住宅と同様に、より上位の車に買い替えていくことが目指されたのです。

 豊かな生活の象徴は家電新製品です。テレビやステレオは一家に一台。そしてクーラーやカラーテレビ、電子レンジなど新しい家電製品は、中流家庭なら必ず備えるものとして提案されました。それを順番に買いそろえていくのが家族の豊かさだったのです。

 家庭料理が普及するのも戦後です。専業主婦が手間暇かけ、家族のために手料理やお弁当を作る習慣ができました。それで新しい食品の需要が生じたのです。

 レジャーも家族でするものとなりました。戦前は庶民の楽しみは季節ごとの祭りくらいしかなく、富裕層は旦那も奥様も別々に遊びに行くものでした。休日に家族そろってデパートや遊園地に行き、たまには家族旅行もするようになったのは戦後の習慣です。そのため、デパートや遊園地が各地にでき、子連れ夫婦でにぎわうことになります。

 終身雇用のサラリーマン家庭の最大の心配事は、一家の稼ぎ手である夫が亡くなることです。そのために生命保険が用意され、大多数の家族が加入しました。

 このように高度成長期には、豊かな家族生活をつくろうとする巨大な消費需要が生まれ、それを満たすために産業が発展するという好循環があったのです。

[日経新聞12月2日朝刊P.33]


(4)低成長で晩婚・未婚化進む

中央大学教授 山田昌弘

 戦後日本の家族の目標が「豊かな家族生活をつくる」から、「豊かな家族生活を維持する」に移行した時に、日本経済の転機が訪れることになります。

 1973年にオイルショックが起き、74年にマイナス成長となり、経済の高度成長が終焉(しゅうえん)します。それは同時に、すべての人が戦後型家族をつくることができる時代の終わりを意味していました。

 経済成長が鈍れば、サラリーマン男性の収入の伸びは低下します。結婚して豊かな家族生活を目指していた夫婦は、期待通りの収入を得られなくなりました。そのため妻がパートで働きに行くようになりました。その収入の大部分は、住宅ローンの返済や子供の教育費に回ることになります。つまり、女性の自立のためというよりも、家族消費の不足分を補うための就労だったのです。

 そして、低成長期には晩婚化と未婚化が進みます。75年には30歳代前半の未婚率は男性14.3%、女性7.7%にすぎませんでした。それ以降、未婚者、特に親と同居する未婚者が増えていきます。彼らは「豊かな家族生活」の中で育っています。高度成長期の若者は一人暮らしもまだ多く、貧しい生活から結婚生活をスタートしました。しかし、親元で結婚前から家電製品に囲まれている生活を送っていると、どうしても結婚当初から豊かな生活を期待してしまいます。そのような生活が可能な収入を稼いでいる未婚男性の数は減っていきますから、結婚が遅れ始めるのです。

 連載の1回目で述べたように、親同居未婚者たちはバブル経済期に一時的に高額消費を増やしましたが、結局は家族消費を行う新しい世帯が増えないため、ボディーブローのように日本の消費需要を減退させていったのです。

 欧米諸国でも同じことが起こりました。夫一人だけの収入では豊かな家族生活が維持できなくなったからです。その時に南欧を除く欧米諸国ではフェミニズム運動が起こり、女性でも自立した生活をすることを求められました。未婚でも既婚でも女性が自立すべき収入を得ることが一般化したのです。これが日本と決定的に違う点です。

[日経新聞12月5日朝刊P.16]


(5)新しい世帯の形成力弱まる

中央大学教授 山田昌弘

 これまで述べたように日本の個人消費は、その大部分が「家族消費」、つまり豊かな家族生活のための消費で成り立っています。そして、その消費需要は未婚化によって激減しています。

 石油危機直前の1972年には婚姻数は約110万組、つまり「豊かさを目指す家族」がそれだけ増えたわけです。しかし、2015年には約63万5千組と、半分近くに減りました。しかも、4組に1組は(夫婦どちらかが)再婚です。

 日本では同棲(どうせい)率は約1.8%と低く、若年未婚者の親同居率は約75%です。世帯数は増えていますが、増えているのは家族消費をしない高齢者世帯です。結婚や同棲であれ、1人暮らしであれ、新しい世帯を形成する力が徐々に弱くなっているのです。

 これはバブル崩壊後、経済の構造転換が進み、非正規雇用が増えたことが大きな要因です。自立して生活したくてもできない若者が増えました。また、規制緩和により自営業が衰退し、零細自営業の跡継ぎ男性の生活の見通しがなかなか立たなくなっています。

 その結果、戦後型家族を形成できる若者とできない若者に分裂しました。前者は主に正規雇用男性とその妻で、従来同様、家族で豊かな生活を目指して家族消費を行います。しかし、その絶対数は減少しているため、こうした家族をターゲットにする消費産業の市場は徐々に縮小します。

 戦後型家族を形成できない人たちの家族形態は多様ですが、最も多いのは親同居未婚の若者です。バブル経済期の親同居未婚者は男女ともほとんど正社員でした。だから、家族消費から離れた個人消費が一時的に増えたのです。しかし、現在は未婚者の非正規雇用率が高く、将来不安もあり、個人消費も控えるようになりました。収入が少ない彼らが独立して新たに世帯を構えたり、結婚して新たな家族を形成したりする可能性は低くなっています。

 生涯未婚率(50歳時点)は男性23.4%、女性14.1%に達しています(15年国勢調査)。今の若者のうち男性の3割、女性の2割が生涯未婚になると予測されています。この親同居未婚化の進行が、消費の足を引っ張り続けるのです。

[日経新聞12月6日朝刊P.25]


(6)フルタイムの共働き世帯は減少

中央大学教授 山田昌弘

 前回、戦後型家族をつくることができる若者数の減少が消費を減退させていることを示しました。次に、結婚している家族の消費の状況をみていきましょう。

 日本では共働き家庭が増えています。1980年に専業主婦世帯は1114万世帯、共働き世帯は614万世帯でした。2014年にはそれぞれ、720万世帯、1077世帯と逆転しています。

 しかし、夫婦がフルタイムで働く共働き家庭は減っています。85年に夫婦ともフルタイムの共働き世帯は441万世帯でした。14年には390万世帯に減少しています。一方、妻がパートで働く世帯は213万世帯から495万世帯に増えています。過去30年の共働き化は、妻がパートの世帯を増やしただけなのです。

 筆者が09年の全国消費実態調査を基に夫婦家族の消費パターンを分析すると、専業主婦世帯とパート主婦世帯の支出には、教育費を除いて大きな違いはありませんでした。つまり、パート主婦の収入は実質、教育費に回っているのです。

 一方、フルタイム共働き世帯は、光熱費は同じ水準ですが、食品、被服雑貨、交通、娯楽など、多くの項目で支出が大きく増えています。つまり、食生活でも衣服、自家用車、家族レジャーでも、グレードの高い商品を消費していることが分かりました。また、交際費や小遣いが多く、家族消費以外の個人消費も活発なことがうかがわれます。

 欧米諸国や東アジアの新興国では、フルタイムの共働き世帯が増えています。その結果、グレードの高い家族消費が増えるだけでなく、小遣いが増えて夫婦それぞれが自分の満足のための消費を増やすのです。

 日本では家族消費だけでなく、家族を離れた個人消費も不活発になっています。サラリーマンの平均小遣い額は、新生銀行の調査によると、90年の約7万7千円をピークに減り続け、15年には約3万8千円と半額以下に減っています。夫の収入が伸びない中、「豊かな家族生活」を維持するため、個人消費が削られているといえるでしょう。

 結婚する若者が減っているうえ、フルタイムの共働きが増えないことが、消費低迷を招いているのです。

[日経新聞12月7日朝刊P.26]

(7)高齢者のお金は消費に回らず

中央大学教授 山田昌弘

 今回は高齢者の家族状況と消費との関連を示しましょう。10年ほど前、堺屋太一氏と対談したとき、堺屋さんは「これから高齢者消費の黄金時代が来る」と言われました。堺屋さんが名付けた「団塊の世代」が退職する。資産があり、年金もまだ高水準、時間も十分にある高齢者が消費市場に出てくるというのです。

 しかし、筆者は、欧米と違い、日本では「家族のあり方」が制約になり、次に挙げるいくつかの理由で、お金があってもなかなか消費に回らないのではないかと疑問を呈しました。

 まず、日本では通常、家計を妻が管理しています。筆者の調査では、現役世帯で4組に3組の夫婦が、夫は収入を全額妻に渡し、小遣いを妻からもらう形態をとっています。引退後も、財布のひもは妻が握るのが多数派です。すると、いくらお金があっても、夫は自由には使えません。団塊世代の夫婦年齢差は平均4歳で、平均寿命も6歳ほど女性が長くなっています。平均すれば、妻は夫が亡くなった後の10年を1人で生活しなければなりません。それを考えると、お金を夫に使わせたくないのです。

 さらに日本では夫婦共通の趣味を持つ高齢者は少なく、共通の趣味を楽しむために2人でお金を使う夫婦は少数派です。夫婦仲も欧米に比べて良いとは言えないので、自分の趣味のために夫婦のお金を使うと相手に嫌がられます。夫が引退後、田舎で暮らしたいと言っても、妻が反対して実現しないことが多いのです。

 子どもとの関係も問題になります。高齢者は子どもとの関係が悪化することに不安をもっています。現実に日本では、資産がない高齢者は子どもとの関係が疎遠になりがちです。これはいい悪いの問題ではありません。資産がなくなったら子どもから見捨てられるかもしれないという不安があるので、自分で使わずに持っていようという高齢者が増えるのです。

 また日本では、いざ病気や介護状態が長期化したとき、中流生活を維持しようとすれば、ヘルパーなど余分な費用がかかります。可能性は低くても、そのような状態になったときに困らないように、お金を取っておこうとするのです。

[日経新聞12月8日朝刊P.27]


(8)恋愛に消極的、若者の消費縮小

中央大学教授 山田昌弘

 若者が消費をしなくなったと言われて久しく、その理由に関して、いろいろな説が唱えられています。非正規労働化による収入の減少は大きな要因です。「さとり化」(原田曜平氏)や「シミュレーション消費」(堀好伸氏)のように、若者の消費マインドの変化を指摘する論者もいます。

 ただ、雇用状況や家族状況が多様化し、若者をひとくくりにできなくなっていることに注意が必要です。同じ30歳といっても、一人暮らし、親同居、既婚、一人親などにより消費パターンは異なってきます。

 全体的には、内閣府の調査では、若者の生活満足度は他の世代に比べて高くなっています。積極的な満足というより、「つらいことがない」という消極的な満足ではないかと思えます。親同居未婚者や子どもがまだいない夫婦が大多数のため、家族を支える負担がない分、満足と回答しているのではないでしょうか。

 それは恋愛に消極的な傾向からもうかがえます。出生動向基本調査(2015年)では、交際相手がいない未婚者が多数派です(男性約7割、女性約6割)。それだけでなく、そのうち交際相手が欲しいという人は半分に満たないのです。結婚に至らない恋愛は、お金と時間の無駄と考える若者が増えているようです。ここまで男女交際が衰退すると、デートやプレゼントなどの消費は減少します。

 では、恋人もいない若者の恋愛欲求はどこで満たされるのでしょうか。筆者はバーチャルな関係性へ向かっていると思っています。ペットに癒やしを求める人が増え、ペット数は子ども数よりも多くなりました。アイドルに恋をしたり、アニメの登場人物に恋をする人もいます。一時的な関係をお金で買うメイドカフェやキャバクラに向かう人もいるでしょう。女性向けに「レンタル彼氏」というサービスもあります。1000万人以上と推計される恋人がいない未婚の若者の恋愛感情を満たすため、「バーチャル・ロマンス産業」が大発展しているのです。

 こうした消費は、リアルな男女交際や結婚して家族形成がもたらす消費に比べれば、支出額は小さくなります。その結果、日本全体の消費は縮小するのです。

[日経新聞12月9日朝刊P.29]


(9)若者が結婚しやすい環境必要

中央大学教授 山田昌弘

 これまで家族の変化から見た個人消費低迷の理由を考察してきました。個人消費は、豊かな家族生活のための「家族消費」と、家族から離れた個人が自分の満足のために行う「狭義の個人消費」に区別できます。

 高度成長期には「豊かな家族生活」のための消費に莫大な需要がありました。当時の大部分の若者は貧しく、結婚して豊かな家族生活に必要だと思われていたアイテム(住宅、家電新製品、自家用車、家族レジャー、子どもの教育、生命保険など)を買いそろえることに努力しました。団塊の世代を含む大量の若者が結婚したことが個人消費の伸びを支えたのです。

 1990年以降、新たに結婚して家族消費を始める若者が、人数的にも割合的にも急減します。日本では未婚者の多くは親同居を続けるため、家族消費が徐々に減少します。

 では、家族を離れた個人消費はどうなったでしょうか。バブル期には筆者がパラサイトシングルと呼んだ親同居の若者たちが個人消費に走りましたが、非正規化に伴う収入の低下とともに、将来のことも考え、消費を(男女交際さえも)手控えるようになります。

 90年代以降、低下が続く現役世代の夫の可処分所得や妻のパート収入では「豊かな家族生活」を維持するのに手いっぱいで、小遣いは大幅に減ります。フルタイムの共働き夫婦の個人消費は旺盛ですが、肝心のフルタイム就労の既婚女性数は減少します。高齢者も、夫婦仲の問題や社会保障への不安から、なるべく消費しないようにしています。

 このように家族消費が減少し、家族の理由で個人消費も増えないことが日本の個人消費低迷の原因です。

 では、回復させるためにはどうすればよいでしょうか。家族消費を増やすには新たに家族消費を始める若者を増やすことが必要です。そのためには経済的に若者が結婚しやすい環境を整えることが不可欠です。

 また個人消費を増やすには、女性活躍を推進してフルタイムの共働きを増やすこと。そして、何かあったときでも暮らしていけるという安心感を与えるような社会保障制度が必要です。


[日経新聞12月13日朝刊P.29]


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/820.html

[政治・選挙・NHK217] 安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み

 大戦後ソ連が占拠し今なお支配を続けている歯舞・色丹は、日露平和条約締結後に「主権」を日本に引き渡し、国後・択捉は、サンフランシスコ講和条約で放棄した経緯を受け、「主権」はそのままロシア(連合国のコンセンサスがあるなら)が維持するというのが、領土(国境画定)に関する日露(安倍−プーチン)合意の内容だと推測する。

 国後・択捉については、日本国民(企業)が第三国とは破格のアクセス条件を得ることで「二島返還+α」の実をとるかたちの決着をつけようとしている。

 プーチン大統領との首脳会談後に行われた共同会見や配布されたプレス向け共同声明は、「領土」に関する合意を前提に、それを隠しながら、北方領土における新たな活動実態形成を行うことを通じて国民的同意を得る手法として打ち出されたものと言える。

※ 関連参照投稿

「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

 参照投稿で書いた「色丹島に現在住んでいるロシア人は、主権が日本に移ったあとも、望むならそのまま住み続けられるといった合意もなされているようだ」は、昨夜放送のMr.サンデーで宮根氏とのあいだでみせた「日本人とロシア人が一緒に住む「居住特区」を考えているのかと質問され「大体そのイメージだ。世界でもあまり例はない。まさに共存共栄の姿だ」と述べた」のやりとりで裏付けられたと思う。


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安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」[スプートニク日本語]
2016年12月19日 06:30(アップデート 2016年12月19日 06:34)

安倍晋三首相は18日夜のフジテレビ番組で、日ロ首脳会談で協議入りに合意したクリル諸島での「共同経済活動」について、両国による特区をイメージしていると明かした。共同通信が報じた。日本人とロシア人が一緒に住む「居住特区」を考えているのかと質問され「大体そのイメージだ。世界でもあまり例はない。まさに共存共栄の姿だ」と述べた。首脳会談を振り返り「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」と強調。共同経済活動を進めることで「領土問題の解決に必ず結び付いていく」と語った。

共同経済活動を実現する際の課題については、企業利益や個人所得に対する課税を挙げ「専門的な協議が必要だ」と指摘した。元島民の往来手続きの簡素化については「時間を置くつもりはない。先方もよく分かっている」と述べ、元島民の高齢化を踏まえて実現を急ぐ考えを示した。

先に、17日のタス通信との会見で安倍首相は「日本とロシアがアジア太平洋地域の安全保障分野で協力できれば、この地域がより安定的になり、平和がより強固なものとなることに疑いはない」と述べた。 首相はプーチン大統領との会談で、北朝鮮が核・ミサイル開発により挑発行為を続けているとの認識で一致したと明らかにし「ロシアが建設的な役割を果たすことに期待する」と語った。同時に、拉致問題は安倍政権にとって「最も重要な問題だ」と強調し「ロシアの協力が必要だ」と呼び掛けた。

日露が協議開始で合意したクリル諸島での共同経済活動を巡っては「日露間のみの特別な制度」であり「平和条約問題の解決に向けた重要な一歩」と重ねて訴えた。

https://jp.sputniknews.com/japan/201612193148959/



http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html

[政治・選挙・NHK217] 安倍−プーチンの信頼関係は一時破綻寸前に…仲を取り持ったのはまたもやあの男だった!

2016.12.16 07:09更新
【日露首脳会談秘話(上)】
安倍−プーチンの信頼関係は一時破綻寸前に…仲を取り持ったのはまたもやあの男だった!


 日本海に面し、幾つもの入り江と島々が連なる山口県長門市。平安中期、前九年の役で敗れた東北の武将、安倍貞任の一族がこの地に逃げ落ちた。首相、安倍晋三は、その末裔だと伝えられる。

 日露戦争の日本海海戦ではロシア兵の遺体が流れ着き、地元の人々は丁重に弔った。露大統領、ウラジーミル・プーチンとの会談の場にこの地を選んだのは、そんな自らのルーツを知ってほしいという思いがあったからだろう。

 「山間にある温泉の夜の静寂(しじま)の中でじっくりと交渉したい」。長門市に発つ直前、安倍は羽田空港で記者団にこう語った。

 安倍とプーチンの会談は第1次安倍政権を含めて今回で16回目となる。度重なる会談を通じて2人の信頼関係はジワジワと醸成されてきたが、国際情勢の煽りを受け、険悪な状態に陥ったこともあった。
  ×  ×  ×
 「安倍には裏切られた。全く信用できない男だ」

 平成26(2014)年8月、露チェリャビンスクで開かれた世界柔道選手権の最中、プーチンは、柔道家で五輪金メダリストの山下泰裕に対し、ロシアのクリミア併合を受け、欧米が行った対露経済制裁に日本が同調したことへの怒りをぶちまけた。

 これに先立つ同年2月、安倍は露ソチで冬季五輪開会式に出席した。欧米首脳がロシアの人権問題などを理由に相次いで出席を見送る中での訪露だっただけにプーチンは心から喜び、自らの別荘でもてなした。そのわずか1カ月後の経済制裁は、プーチンの目に「裏切り」に映った。

 日本が行った制裁は、ロシアに実害を与えぬ内容だった。安倍は制裁発動を逡(しゅん)巡(じゅん)したが、外務省幹部に「これは真空斬りですから」と説得され、渋々応じたのが実情だった。

 プーチンの怒りを知った山下は、自らとプーチンの仲を取り持った元首相の森喜朗に連絡した。「これはまずい」と考えた森は1カ月後に訪露し、プーチンと向き合った。

 「シンゾーへの怒りは誤解にすぎない。経済制裁はすべて実害がないものばかりだ。信じられないなら調べてごらんなさい」
×  ×  ×
 森は25年2月に訪露した際、プーチンに1枚の写真を見せたことがある。安倍の父で元外相の安倍晋太郎と旧ソ連大統領、ミハイル・ゴルバチョフとの最後の会談の写真だった。

 「この痩せ細っているのがシンゾーの父親で、後ろで支えているのが若き日のシンゾーだ。シンゾーの父親は直後に亡くなった。『日露関係をよくしたい』というシンゾーの思いは本物だ」。森の話を聞いたプーチンはじっと写真を見入っていた。

 森は写真の話を再び持ち出し、「シンゾーは昔と少しも変わっていない」と説いた。直後の9月21日、プーチンは安倍に誕生日祝いの電話をかけた。安倍も10月7日のプーチンの誕生日に電話で祝意を伝え、なんとか両者の絆は保たれた。

 それでもプーチンの非礼は相変わらず。「遅刻常習犯」らしく訪日は予定より2時間以上遅れた。先に長門入りした安倍は余った時間を利用して晋太郎の墓参りをした。会談を前に一体何を報告したのか−。=敬称略(田北真樹子)


http://www.sankei.com/politics/news/161216/plt1612160008-n1.html


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/767.html

[国際16] IMF専務理事に有罪 仏閣僚時代の職務怠慢:刑は科さず:サルコジ元大統領の友人に4億ユーロの支払い決済事件

IMF専務理事に有罪 仏閣僚時代の職務怠慢[日経新聞]
2016/12/20 0:42

 【パリ=竹内康雄】フランス・パリの共和国法院(閣僚の事件を扱う裁判所)は19日、仏経済閣僚時代に公正な業務を怠ったとして職務不履行罪に問われた国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事に対し、有罪とする一方、刑を科さないとする判決を言い渡した。IMF専務理事としての職務継続に影響が出る可能性があり、ラガルド氏の対応が焦点になる。

 ラガルド氏は公判で「私は全体の利益のために、良心に従って行動してきた」と罪状を否認してきた。仏検察は15日、「証拠は非常に弱く、職務不履行罪は成立しない」と無罪判決を求めたが、3人の職業裁判官と国会議員12人からなる判事団はこれを退けた。

 職務不履行罪は本来、最高1万5千ユーロの罰金、1年の禁錮刑を科されるが、今回は刑を科さないという異例の有罪判決となった。

 ラガルド氏は2011年、同じ仏出身で、女性への性的暴行容疑で逮捕され辞任したストロスカーン氏の後任としてIMF専務理事に就任した。今年夏から2期目に入ったところだった。

 疑惑は、サルコジ政権下でラガルド氏が経済財務雇用相を務めていた08年にさかのぼる。サルコジ氏の支持者で実業家のベルナール・タピ氏と、当時の国営銀行クレディ・リヨネが争ってきた独アディダス株の売買に絡む係争について、ラガルド氏は裁判にせずに、私的な「調停」を選んだ。

 ラガルド氏が結果的に十分に公正な職務を果たさなかったことで、4億ユーロの公的資金が渡るなど実業家のタピ氏に有利な結論を導いたとの疑惑が浮上した。当時から「異例の介入」として批判されていた。今回の裁判では、ラガルド氏が「なぜ調停を認めたのか」や「財政負担を増やした」ことを巡る是非を中心に審理されたとみられる。

 一方で、この問題がここまで長引いたのは、仏国内の権力闘争の側面があるとの声も根強い。

 当初、サルコジ氏は17年の大統領選への出馬をめざしており、ことあるごとにこの問題を含む複数の疑惑を取り上げられ、イメージダウンにつながった。結局、サルコジ氏は予備選の段階で敗退し、政界引退を表明したものの、ラガルド氏がこうした政争に巻き込まれたとの見方だ。

 今回の判決は有罪とはいえ実際の刑罰は科されなかったため、ラガルド氏がすぐにIMFの職務を遂行できなくなるといった「最悪の事態」は免れたとの見方はできる。ラガルド氏は中国をはじめIMFに加盟する新興国からの支持が厚い。ただ、世界有数の国際機関のとりまとめ役に有罪判決が出たことで、職務継続に疑問の声が出る可能性もある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H9Y_Z11C16A2EA1000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/740.html

[国際16] マッケイン上院議員、米国はオバマ政権で世界の派遣を喪失:「派遣」は「覇権」:認識は正しく米国にとってそれが好ましい道

マッケイン上院議員、米国はオバマ政権で世界の派遣を喪失[スプートニク日本語]
2016年12月19日 22:32

米アリゾナ州出身の共和党議員、ジョン・マッケイン氏は世界で昨今起きている事件の数々は米国が世界に有していた覇権を失ったことを証明しているとの声明をあらわした。

マッケイン議員はCNNからのインタビューに対し、「これは第2次世界大戦後に確立されていた国際秩序が破られた印だ。これは全世界史のなかでもっとも平和が長く続いた時期だった」と語った。

マッケイン氏は、シリアのアレッポの状況、米大統領選挙時のサイバー攻撃、南シナ海の国際水域で米国の無人潜水機が盗まれた事実を列挙している。

マッケイン氏はこうしたことのすべての原因は米国の覇権が完全に破られたことにあると強調した。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612193153074/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/741.html

[国際16] 武装襲撃の結果、駐トルコ露大使が重傷

武装襲撃の結果、駐トルコ露大使が重傷[スプートニク日本語]
2016年12月20日 01:20(アップデート 2016年12月20日 01:36)

トルコで武装した男が、駐アンカラ・ロシア大使のアンドレイ・カルポフ氏を襲撃した。トルコの「Hurriyet」が報じた。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612203153675/

※写真

Hurriyet.com.tr
✔ @Hurriyet
https://twitter.com/Hurriyet/status/810879770942697472/photo/1



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[国際16] 元工作員が語る ロシア、デマ拡散サイバー部隊:「アレッポの少女バナ」:実在の人物か、それとも誰かのメディア・プロパガンダ

元工作員が語る ロシア、デマ拡散サイバー部隊[日経新聞]
2016/12/19 6:35

 欧米諸国がロシアのプーチン政権による「情報テロ」への警戒を強めている。対外発信を強化するロシア国営メディアのプロパガンダ(宣伝活動)に加え、ネット上の情報工作により各国の市民への影響力の拡大を図っているとみられている。ロシアは関与を否認するが、ネット世論を操作する「トロール部隊」の拠点が少なくともサンクトペテルブルクに1つある。


■「トップは大統領だ」

 午前9時前、サンクトペテルブルクの住宅街。まだ薄暗いなか、予備校生のようないでたちの若者らが続々と4階建てのビルに入って行く。看板には「ビジネスセンター」とだけ書かれ、窓のカーテンはすべて閉めきられている。

 ビルに向かう若者に話しかけても誰も一切応えない。1階の受付に立つ警備員2人に業種を尋ねてみた。答えは「革製品の会社だ」。「そうは見えない」と返すと「PR会社」に変わった。「社長にインタビューがしたい」としつこく求めると、怒声が響いた。「トップは大統領だ」

 元従業員3人が証言する。ここは1日24時間365日、ネット上で情報工作をする「会社」だ。300〜400人の従業員が業務ごとに部署に分かれ、メディアにコメント投稿、フェイスブックなど交流サイト(SNS)には偽情報を拡散し、架空の人物になりすましてブログも展開する。政治風刺画を手掛けるデザイン部や映像制作部もあるという。

 マラトさん(41)は求人広告を見て面接を受け、月給4万ルーブル(約7万6000円)で2014年末から数カ月同社で働いた。配属されたのはロシアのメディアのサイトにコメントを書き込む部署。毎朝、カバーすべきトピックが与えられ、「我々の視点」を書くよう指示される。30〜40のIDを使い分け、1日200のコメントを投稿することをノルマとして求められた。

サンクトペテルブルクの住宅街に建つ「トロール部隊」の拠点

 大半はロシアのウクライナへの侵攻を巡って対立したオバマ米大統領やメルケル独首相の批判、ウクライナの親欧米政権をおとしめる内容だったという。部署には3人の監督官がいて、書き込みを全てチェックする。「米国は悪の帝国だ」。こんな内容に違和感を持ちながら毎日午前9時から午後9時までネットへの書き込みを続けた。

 月に1回は政治知識についてテストが実施された。「欧州連合(EU)とは何か」「ロシアの友好国はどこか」――。「若者の多くは質問にほとんど答えられなかった。彼らは自分が何を書いているのかよく分からぬまま、指示された内容をそのままネットに垂れ流していた」と話す。


■美人装い「トロール」

 リューダさん(35)はブログ部にいた。当初はウクライナの親欧米政権に批判的なウクライナ人男性の役割を与えられ、後に女性占師を装うことを指示された。占いの話題にこんな内容をはさむ。「昨晩、ウクライナが破滅する夢を見た」。月給は4万ルーブル程度で、ブログのアクセス数が増えると、ボーナスが支給された。

 ブログでは美女を装う手法が多用されているという。ネットなどから盗用した美女の写真を掲載して関心を引き、たわいのない話に政治的なコメントを混ぜる。「怖い映画がある。みんな死んでしまうの。アメリカも滅んだ。あの国はどのみち滅ぶ運命だけどね」。この手法は「ビキニ・トロール」と呼ばれる。

 偽ニュースサイトの立ち上げも頻繁に行われている。ビターリさん(25)はウクライナのメディアを装ったサイトやロシア国内ニュースの偽サイトを担当した。既存メディアのニュースを書き換えてサイトに載せる。こうした偽情報をフェイスブックなどに発信するのも業務の一部だった。

 ビターリさんは「3カ月半働き、罪悪感にさいなまされた末にやめた」。辞職を申し出た時の上司の言葉が忘れられない。「こちらはクレムリン(ロシア大統領府)の金で働き、向こう側はアメリカの金で働いているだけの話だ」

 会社の運営者の実態は不明だ。地元メディアでは、クレムリンに近い企業家の名が取り沙汰される。3人の証言によると、給料日には経理部の部屋の前に従業員が列をなし、札束が詰まった紙袋から取り出される現金を支給される。税金も年金など社会保障費も徴収されない。

 3人の仕事はロシア語での情報工作だったが、英語やウクライナ語など外国語で発信する部隊があったとそれぞれ指摘する。

 ここで対外工作も行われていることは確かだ。ネット上で同社のこんな求人広告を見つけた。給与:4万〜5万ルーブル、職種:ネット上の情報発信、職務要件:英語能力、創造力。世論操作を新聞で告発し、いまも一部従業員と接触を続けるリューダさんは「フィリピンや米国でもトロールを雇っているとの情報がある」と話す。

■各国の社会に「人工芝」を植える

 北大西洋条約機構(NATO)戦略コミュニケーション・センターのヤニス・サルツ所長は「ロシアは国内統制のため実践してきた情報操作の手法を対外的に応用している」と指摘する。ドイツでは1月、ロシア系の少女が難民に暴行されたとするロシア国営テレビの虚偽ニュースがSNSで増幅され、ロシア系住民の抗議デモが広がった。ウクライナ問題を巡る対ロ制裁を主導するメルケル首相を揺さぶる狙いだったと見られている。「ロシアはSNSの影響力が増す情報環境の変化を捉え、政治的に活用している」とサルツ所長は話す。

 オバマ米政権はロシアとの関係改善を主張するドナルド・トランプ氏が勝利した11月の米大統領選にロシア政府がサイバー攻撃により介入したと断定した。同時にフェイスブックの「ニュースフィード」を通じて拡散した偽情報が米大統領選に影響したとの批判も高まっている。

欧米はプーチン政権による情報操作に警戒を強める(15日の日ロ首脳会談)=ロイター

 英独の情報当局はロシアの「攻撃」に相次ぎ懸念を表明した。メルケル独首相は11月、「ロシア発の虚偽情報とネット上の攻撃への対応を日々迫られている」と危機感をあらわにした。

 「クレムリンは草の根運動の破壊力を認識している」とロシアの元情報機関員は話す。ネット上の情報工作は各国の社会に「人工芝」を植える作業だという。日本も標的にならないとは限らない。

(モスクワ=古川英治)

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10735930W6A211C1000000/?dg=1

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「アレッポの少女バナ」:実在の人物か、それとも誰かのメディア・プロパガンダか?
2016年12月19日 19:09(アップデート 2016年12月19日 20:11)

政府寄りのシリア人活動家マイザム・アル・アシカル氏は、「アレッポの少女」の母親に、町から避難するよう提案した。そして少女のSNSアカウントが、プロパガンダの道具であることを確信した。スプートニクが報じた。9月、7歳の少女バナ・アラベドさんのツイッターアカウントが開設された。

アラベドさんは東アレッポでの砲撃にさらされた恐ろしい生活について語っている。

11月末、アシカル氏はバナさんに個人用メッセージを送り、家族と一緒に町から避難する手助けをすると申し出た。

その時アシカル氏はすでにバナさんとその家族を町から国内のあらゆる場所、あるいは外国へ連れ出す可能性についてシリア当局と合意していた。またアシカル氏は、イスラム組織「アル・サフワ」の一員であるバナさんの父親の刑事訴訟の問題も解決していた。

「ねえ、バナ、お父さんに聞くことはできるかな?なんでお父さんには『アン=ヌスラ』や『アハールアル・シャム』のジハード主義者の友達がいるのかって」

2週間後、バナさんの代理人がアシカル氏と連絡を取ってきた。そしてシリアの少女バナさんのアカウント管理者とのやり取りが始まった。

そしてほとんどすぐに、この人物が英語を好んでいることが分かった。同人物が、全てのシリア人にとっての母国語であるアラビア語のメッセージに答えたことは一度もなかった。

「伝説」によると、バナさんの他にアカウントを利用しているのは、バナさんの母親のファティマさん1人だけ。

アシカル氏は、バナさんの代理人とのやり取りを続けた。

しかしシリア政府からの全ての保証があるにもかかわらず、やり取りは何の成果もなく終わった。代理人は、アシカル氏があまりにも事を急ぎすぎたことを理由に、申し出を断った。

アシカル氏は、「アカウントを通じて私とやり取りした人物が、(バナさんがツイッターに書いていた止むことのないアレッポの砲撃を)恐れていなかったのは確かだ」と述べた。

アシカル氏はバナさんについて、英国の情報機関が使用している道具にすぎないと主張している。

アシカル氏によると、バナさんと英国のつながりはNGO「白いヘルメット(White Helmets)」を通して辿ることができる。バナさんのアカウントは「白いヘルメット」と「緊密に関連」しており、「白いヘルメット」は英国政府から資金提供を受けているという。

複数のネットユーザーも「シリアの少女」と英国のつながりを追跡することに成功した。バナさんのSNSのメタデータプロファイルは、アカウントが英国で登録されたことを示唆しているというのだ。

アシカル氏は、バナさんの代理人たちは「嘘」を暴くためにアシカル氏とやり取りを始めたと確信している。アシカル氏に実際は助ける意思などなく、アシカル氏はシリア政府のプロパガンダに取り組んでいる人物だということを示すために、このやり取りを利用しようとしたというのだ。

アシカル氏は、「私は利用され、侮辱されている少女を助けることを心から望んでいた。そしてシリア当局は私の要望に応えてくれた」と締めくくった。

https://jp.sputniknews.com/middle_east/201612193151645/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/743.html

[国際16] 続報:襲撃者は殺害された(ことの真偽は不明だが)

武装襲撃の結果、駐トルコ露大使が重傷【写真・動画】
2016年12月20日 01:20(アップデート 2016年12月20日 01:54)

トルコで武装した男が、駐アンカラ・ロシア大使のアンドレイ・カルロフ氏を襲撃した。トルコの「Hurriyet」が報じた。

カルロフ大使は重症を負い、病院に搬送された。 先に、武装した男がトルコ首都のアンカラにある、ロシアの写真展覧会が行われている建物に押し入ったとの報道があった。

目撃者は、カルロフ大使がアンカラで銃で撃たれたと証言をした。ロシア外務省は、トルコでロシア大使が火器により負傷したと確認した。

テレビは、アンカラでロシア大使を襲撃した男が殺害されたと報じた。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612203153675/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/744.html

[政治・選挙・NHK217] 日本、分かれる露日首脳会談への評価、政府と元島民複雑なへだたり

※ 関連参照投稿

「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

「安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html

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日本、分かれる露日首脳会談への評価、政府と元島民複雑なへだたり[スプートニク日本語]
2016年12月19日 18:13(アップデート 2016年12月19日 18:20)

先週15-16日に行われたプーチン大統領訪日の後、日本ではその評価をめぐって政府側と元島民側の見解は分かれている。

安倍首相は「元島民の願いを少しでも叶えられた」と元島民のクリル諸島(日本のいう北方領土)への自由往来を拡大で大筋の合意がえられたことを評価した。

菅官房長官は19日の記者会見で日露首脳会談について評価を行った。まず平和条約について菅長官は「終結後に向けて重要な一歩が踏み出せた」とし、領土問題の解決について進展が得られなかったとする野党側からの厳しい批判については「領土問題や経済など幅広い分野について日露関係を前進させられる会談になった」と前向きな評価を出した。

一方4島返還の進展を期待していた元島民には、問題を先送りされた感じがいなめないという失望感もある。

根室市で開かれた千島歯舞居住者連盟の記者会見で脇理事長は、諸島で露日が共同経済活動を行うための「特別な制度」についての交渉開始を合意した点について、これを最終的に領土問題にも結び付けたいという政府の意向だと受け止めたと発言する一方で、日本の主権を侵害せず、元島民の財産権を侵さないという前提を崩すべきではないとの考えを示した。

元島民らからは、主権問題に先行して共同経済活動が取り組まれることに対する慎重な姿勢が示されている。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612193151468/


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/802.html

[雑談・Story41] 人間の本性と向き合う道徳教育を

[私見卓見]人間の本性と向き合う道徳教育を 神田外語大学特任教授・三菱商事顧問・横浜市教育委員 宮内孝久

 小中学校で道徳教育が本格的に復活する。いじめ問題に真摯に取り組む契機となることを期待するが、「清く、正しく、美しく」といったスローガンでは駄目だ。ヒトはそんなに立派な動物ではない。世の中は意地悪であり理不尽なもの。善悪の判断基準は個々人や文化・歴史によって異なる。まして善悪二元論で割り切るなどは言語道断だ。

 「いじめは人間の本性である」という前提をおいた方が正直な教育姿勢になり、撲滅運動として効果があると思う。心に宿る嫉妬心、差別意識、暴力的自己防衛要素、隠蔽本能、性行動を含む生物学的本能を自覚させる。そしてこれらを克服するという課題に、児童生徒の心身の成長に合わせて取り組むことだ。

 愛憎、尊敬と軽蔑、征服欲などは人間の本性であると認識しながら、他者と調和を取り、たくましく生きるように導くのが道徳教育だ。

 ヒトは異質に対して寛容な面と拒絶・否定・敵対する面を持つようだ。特に日本人は異質なものへの反応が陰湿な気がする。弱い者いじめがけがらわしい行為とたたき込むには、誰でも加害者になる可能性がある事例を示し、児童生徒のネガティブな内面を自覚させることが効果的だ。

 ヒトはきれい事ばかりを押し付けられると嫌になる。本音を吐露すると留飲が下がるが、その後、自省し、人格が改善することがあれば良い。

 米大統領選でのトランプ氏の発言は、あえて肯定的にとらえると、生身の感情をつくろい、ポリティカリーコレクト(政治的な正しさ)を過度に意識する風潮に対する挑戦であろう。過去に先住民を迫害し、人種差別を行ってきた国の人々が人権を高らかに標榜することに恥じらいを覚えたのかもしれない。

 ヒトは嘘をつくから嘘をつくなと教え、ひきょうで弱い者いじめをする要素があるからそれを戒める。「善き人になれ」とうるさく言うと、反発はしなくても偽善的行為に逃げてしまう。幸いなことにヒトは「善き人」として生きる方が気分が良いのだ。

 多くの教師が「道徳教育の方法を学んでこなかった」と悩んでいると聞くが、心配はいらない。マニュアルは不要。書物、映画、宗教と議論の切り口は無限にあり、何よりも日常生活そのものがテーマだ。教師と生徒児童が生身の人間をさらし出し、自分達の課題を議論し、悩み、一緒に考えればそれで良い。これはヒトの一生の課題だ。

[日経新聞12月15日朝刊P.29]


http://www.asyura2.com/14/idletalk41/msg/473.html

[国際16] 元工作員が語る ロシア、デマ拡散サイバー部隊:「アレッポの少女バナ」:実在の人物か、それとも誰かのメディア・プロパガンダ あっしら
2. あっしら[684] gqCCwYK1guc 2016年12月20日 17:56:11 : sqadkWysTU : rz5ICMyujtk[1]

1. >

能力がある国の機関はどこも、“情報操作”や“不正な情報収集”をやっているという好例として二つの記事を並べたのですが...
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/743.html#c2

[国際16] 在トルコ露大使銃撃殺害事件に漂う“芝居の匂い”とその根拠

 ひとの生き死にが関わっている話であれこれ言いたくないが、昨年11月のロシア軍機撃墜“劇”を踏まえると、ロシアとトルコのあいだで起きたことについて、公的発表をそのまま素直に受け容れることは難しい。

 欧米のTVメディアもこの事件をニュースで盛んに取り上げているが、その映像や報道内容を見る限り、

●そのときもカメラは回っていたはずなのに、肝心の銃撃シーンは含まれていない。

●非番で制服も着ていない背広姿の公安職員が拳銃を携帯して露大使が出席するイベント会場に入り込めたこと。しかも、彼は、演説中の大使(プーチン氏とは親密な関係)のほぼ真後ろに立てている。

●犯人は現場で殺害されたとのことだが、銃撃後それほど時間が経っていないはずなのに、床に横たわっている大使とされる人物はピクリとも動かない。

●複数回銃撃されたとされるのに、床や演壇及び大使の洋服などは脳組織や血液で汚れていない。

(スピーチ中に撃たれたのに、演壇やスタンドマイクなどが動いたり倒れたりするなどの変化がない。銃撃現場としては、奇妙なほど整然さが保たれており、あまりに無機質すぎるのである)

●警護関係者がいたはずなのに、反撃など即座の対応がなされず、襲撃理由を語るパフォーマンスの時間を犯人に与えていること。

●数ヶ月前ならいざしらず、アレッポの情勢(とりわけ住民避難と反政府勢力撤退)は、トルコとロシア(及びイラン)の仲介尽力により、ここ1週間でぐんと改善されている。犯人がアレッポ問題を憂う人だとすれば、昨夜に銃撃というのはタイミングがおかしい。


 エルドアン政権は、反クーデタ(これも自作自演と考えている)で苛烈な取り締まりと弾圧を行っており、治安組織内でギュレン派ないし過激派に属するテロを敢行するほどの人物が放置され、実際にテロを実行されてしまうのはあまりにお粗末である。

 ロシア大使館も、歴史的経緯まで遡らなくても、この間のトルコとの関係やシリア情勢との絡みで不穏なことが起きる可能性を考慮していたはずで、今回の殺害事件はあまりに“無防備”という謗りを免れない。

ということで、本当にテロが起きたのなら、エルドアン政権もプーチン政権も「対テロ」能力に問題があると言える。

今もって昨年11月のロシア軍機撃墜芝居の目的が見えないが、今回の大使銃撃殺害事件も、仮に芝居だとしたら、目的がわからない。

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「卑劣、挑発行為」 アンカラでロシアのカルロフ大使が殺害される[スプートニク日本語]
2016年12月20日 16:39(アップデート 2016年12月20日 16:46)

ロシアのカルロフ駐トルコ大使が、展覧会の開会式で殺害された。特別作戦で殲滅された犯人の名は、メヴリュト・メルト・アルトゥンタシュ。警察で2年半働いていた。カルロフ大使が攻撃されたのは、トルコの首都アンカラで開かれた写真展の開会式の最中だった。

目撃者によると、犯人はネクタイ・スーツ姿で会場に入ったため、大使のボディーガードとみなされた。

目撃者の1人がリア・ノーヴォスチ通信に語ったところによると、カルロフ大使がスピーチを行っていた時、大使の背後から「アラー・アクバル(神は偉大なり )」という叫び声がし、銃撃が始まった。テレビ局NTVは、犯人は会場にいる人たちに離れるよう求め、床に横たわる大使に近づき、さらに数回撃ったと報じている。

犯人は建物に入る際、警官の身分証明書を提示した。トルコのソイル内相は、犯人が警察で働いていたことを確認した。

トルコのエルドアン大統領の顧問は犯人について、当局が7月のクーデターを企てたとして非難しているフェトフッラー・ギュレン運動とつながりがあったと述べた。

なおイスラム教指導者ギュレン師は、ロシア大使殺害を非難した。ロイター通信が、ギュレン師の顧問の発言を引用して報じた。

ロシアのプーチン大統領は、大使殺害を「卑劣な殺人」であり、トルコとの良好な関係とシリア情勢の解決を決裂させるための挑発行為だと指摘し、「これへの対抗策はもしかしたらたった一つ。それはテロとの戦いの強化だ。ならず者たちはそれを自分自身で感じるだろう」と述べた。

一連の国々や国際機関がカルロフ大使殺害を激しく非難した。国連安全保障理事会は、露大使殺害をテロと認定し、その「実行者、組織者、資金提供者」を処罰するようを呼びかけた。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612203156642/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/753.html

[国際16] 露・駐トルコ大使殺害、プーチン大統領はテロとの戦いを強化し、答える、と声明:プーチン氏の失態、トルコへの非難・叱責は必要

 トルコとの外交関係を維持し前進するという結論に異論はないが、全権大使を保護できなかったというだけでなく、その犯人がなんと現職治安機関職員という大失態を演じてしまったトルコ・エルドアン政権に非難の言葉さえないプーチン政権の対応は異様である。

 今回の在トルコ露大使殺害後のプーチン政権の対応は、外交の基本からさえ逸脱している。


※関連参照投稿

「在トルコ露大使銃撃殺害事件に漂う“芝居の匂い”とその根拠」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/753.html

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露・駐トルコ大使殺害、プーチン大統領はテロとの戦いを強化し、答える、と声明[スプートニク日本語]
2016年12月20日 12:14(アップデート 2016年12月20日 21:20)

日本時間20日未明、プーチン大統領は声明し、大使殺害は卑劣な挑発行為としてを非難した。

プーチン大統領、殺害の目的は、関係を改善しているロシアとトルコの関係悪化にあると声明し、「その意図には乗らない」と表明した。

リア・ノーボスチ通信によると、大統領はエルドアン大統領から状況の説明を受けた上、ロシアから捜査団を派遣する承諾を得た。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612203155834/

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アンカラの通り、ロシア大使の名に改称へ[スプートニク日本語]
2016年12月20日 18:59(アップデート 2016年12月20日 19:34)

トルコの首都アンカラで殺害されたロシア大使を偲び、ロシア大使館のある通りが大使の名前、アンドレイ・カルロフに改称される。

アンカラ市民は、昨夜殺害された駐トルコ・ロシア大使のアンドレイ・カルロフ氏を偲び、ロシア大使館に献花している。大使館は半旗を掲げている。

ロシア外務省は外交官殺害を受け、哀悼の動画を作った。

今日、国際社会がテロ行為だと受け止めた悲劇の状況解明のため、機動調査班を乗せた飛行機がアンカラに到着した。

この飛行機で、カルロフ氏の遺体はモスクワに運ばれる。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612203158843/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/757.html

[国際16] ベルリンでのテロ実行犯はいまだ捕まらず。警察は誤認逮捕:クリスマスマーケットトラック突入による死者12人に

ベルリンでのテロ実行犯はいまだ捕まらず。警察は誤認逮捕[スプートニク日本語]
2016年12月20日 21:34(アップデート 2016年12月20日 22:53)

ベルリンのクラウス・カント警察長は、逮捕された男が、クリスマスマーケットでのテロ実行犯だとの確信はないと述べた。

「捜査はまだ続いている。DNAの跡を調べ、他の捜査活動を行う必要がある。現在の時点では、逮捕された男がテロ実行犯だとの確信は私にはない」とカント警察長はベルリンで記者団に述べた。

ベルリン中心部で19日夜、何者かがクリスマスマーケットの人ごみにトラックで突っ込んだ。少なくとも12人が死亡、48人が負傷した。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612203159527/

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独・ベルリン市のクリスマス市を襲撃した運転手、誰?[スプートニク日本語]
2016年12月20日 11:02(アップデート 2016年12月20日 22:39)

ドイツ治安維持当局の情報源によると、ベルリン市のクリスマス・マーケットの会場で来客らにトラックで突っ込んできた運転手は難民と推定される、Die Welt紙が伝えた。またドイツ・マスコミの報道によると運転したとされる人物はアフガニスタンないしパキスタンからわたってきたと考えられる。実際には、WELTによると身柄を確保された運転手は2016年にドイツへ難民として入国したとしている。

Berliner Zeitung紙は当局での独自の情報筋に基づいてアフガニスタンからの難民として報道した。 リア・ノーボスチ通信が報じた。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612203155725/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/758.html

[政治・選挙・NHK217] 四島で共同経済活動:前回は失敗したが、今回はうまくいく理由:対ソ対露観という基本スタンスの違いで評価が変わる日露合意

 日露合意に関する阿修羅でのコメントを見ていると、対ソ対露観より以前に、安倍首相やプーチン大統領という人物に対する見方や好悪が今回の日露合意に対する評価に影響を与えているように思える。

※ 関連参照投稿

「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

「安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html

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四島で共同経済活動:前回は失敗したが、今回はうまくいく理由[スプートニク日本語]
オピニオン
2016年12月19日 19:44(アップデート 2016年12月19日 19:59)
徳山 あすか

日露首脳会談が終わって一息ついたが、その結果は日本では概ね辛口に受け止められた。日本メディアでは、あたかも会談と同時に領土問題が解決するのではないかという勢いで事前報道がなされていたため、拙速な期待を抱き、反動でがっかりしてしまった人も多かったようである。

しかしそう悲観だけする必要はない。両首脳が「択捉島、国後島、色丹島および歯舞群島における日本とロシアによる共同経済活動に関する協議を開始することが、平和条約の締結に向けた重要な一歩になり得るということに関して、相互理解に達した」(プレス声明より抜粋)ことは、前向きに捉えてよいのではないか。

何しろ四島での共同経済活動は18年前に唱えられて以来、全く進まず、これまで領土問題の糸口にもなってこなかったのだ。むしろそれを協議しようとすればするほど、日露の立場の違いが鮮明になり、主張は行き別れになった。古いアイデアに今あらためてチャレンジするというのは、目的を完遂する覚悟がないとできない。

スプートニクは旧ソ連およびロシア政治の専門家である法政大学の下斗米伸夫教授に話を伺った。

下斗米教授は、今回の日露首脳会談を「一種のリセット」だと評価する。 下斗米教授「1956年の日ソ共同宣言から60年が経ち、今回の日露首脳会談で一種のリセットができたと思います。共同経済活動を軸に、自由往来などの形で、旧島民と現島民が共存共栄をするという考え方ができたのですから。そして、両国の主権の主張、お互いの立場を害さない特殊な法的形態のもとでの共同経済活動を目指すという意味では、非常に新しいアプローチです。私はこれを前向きに評価します。」

四島の共同開発自体は、エリツィン政権時代、当時のプリマコフ外相が1996年に来日した際に提案したものだった。その2年後には当時の小渕恵三首相がロシアを訪問。「日露間の創造的パートナーシップに関するモスクワ宣言」に署名し、どのような共同経済活動ができるか可能性を探ることになったが、頓挫した。下斗米教授は、当時と今回では、国のリーダーの「腰の入り方が違う」と話す。

下斗米教授「当時は政治的な意思、気持ちが入っていたとは言えません。今回は安倍首相とプーチン大統領が、共同経済活動の条件や形態について協議を開始することの保証人となり、声明も出たわけですから、政治の腰の入れ方が違います。それに加え、8項目の日露経済協力を基にした大小様々なプロジェクト締結に代表されるとおり、周囲の環境も変わりました。北方領土での共同経済活動は、平和条約締結交渉のための梃子になり得ます。」

安倍首相は16日に報道番組に出演した中で、共同経済活動について「日本法でもない、ロシア法でもない仕組みを作れる」と述べた。始動の可否はまさに、日露双方が受け入れられる制度設計ができるかどうかにかかっていると言えよう。

サハリン州のコジェミャコ知事は、17日に北海道の高橋はるみ知事と会談し、諸島と北海道の間に直航便を飛ばすというアイデアを提案し、クリルには日本側と協力できる事業が多数あると話した。日本の企業関係者、そして元島民のためにも、まずは日本本土と四島の交通の便が迅速に改善され、共同経済活動の足がかりになることを期待したい。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201612193152418/


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/847.html

[政治・選挙・NHK217] 前沖縄知事の判断「適法」 辺野古判決、移設是非に触れず:今回の最高裁判決ではコアの基地建設は進まずの50年裁判闘争

福岡高裁判決時に投稿した内容の一部再掲だが、

「 今回の判決に実質的な意味はほとんどない。

今回の訴訟が最高裁まで進むことも長引く一つの要因だが、たとえ最高裁で「知事が埋め立て承認の取り消し処分を撤回しない状態は違法」と認定されたとしても、翁長知事が撤回しなければ、中央政府(内閣)は、撤回を代執行するため新たな裁判を起こさなければならない。

 さらに、実際に工事を始めたら、海岸の埋め立てについては、仕様の変更など様々局面で知事の認可を必要とするから、その都度、代執行の訴訟を行わなければならないことになる。
 現在のようなペースで裁判が進行するのなら、司法が政府の肩を持つとしても、50年後になんとか辺野古に基地が建設できているかどうかといった話なのである。

 普天間の機能を止めたあとに、辺野古移転は司法の判断でムリでしたと安倍首相が米国大統領に土下座をすればいい。

 国際情勢が大きく変われば、日米どちらからはわからないが(笑)、日米安全保障条約が廃棄されるかもしれない。それが、基地問題の根本的解決方法である。」

※関連参照投稿

「辺野古埋め立て訴訟 国側勝訴の判決:実質的意味はない判決、安倍政権は辺野古移転に向け頑張ってるというアリバイ裁判」
http://www.asyura2.com/16/senkyo212/msg/867.html

「名護市長“計画断念を” 防衛相“変更せず”:日米安保破棄が多数派にならない限りこのような芝居で時間を稼ぐしかない日本」
http://www.asyura2.com/15/senkyo185/msg/550.html

「翁長さん、安倍さん、猿芝居をぎりぎりまで続けてください」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/401.html

「日米首脳会談で「沖縄県知事は辺野古移転に反対」と「普天間基地の5年以内の運用停止」の二つを明確に語った安倍首相に“敬意”」
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/146.html

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前沖縄知事の判断「適法」 辺野古判決、移設是非に触れず[日経新聞]
2016/12/21 0:33

 米軍普天間基地の辺野古移設をめぐる20日の最高裁判決は、辺野古沿岸部の埋め立てを承認した前沖縄県知事の判断を「適法」と結論づけることで、同県側の主張を退けた。結論を導くための最低限の法律判断だけを示し、移設自体の妥当性などには踏み込まなかった。

 訴訟では、埋め立て承認を取り消した翁長雄志現知事の対応の違法性が争われた。最高裁は仲井真弘多前知事が埋め立てを承認した際の判断材料やプロセスに着目。移設の是非には深入りせず「前知事の承認が適法だから、承認取り消しは違法」と淡々と判断した。

 一方、9月の福岡高裁那覇支部判決は移設の妥当性を具体的に検討。「国内で北朝鮮の弾道ミサイル『ノドン』の射程外になるのは沖縄など一部しかない」「辺野古移設で沖縄全体の負担は軽減される」など、国の主張に沿った判断を示した。

 このうち「普天間基地の騒音被害を除去するには辺野古への移設以外にない」と言い切った点は、専門家から「国勝訴の結論を導くだけなら不要だった」「国策の追認だ」などの批判が出た。

 それに比べると今回の判断は抑制的。最高裁は事実関係ではなく法律論を審理するのが原則であることに加えて、高裁判決のトーンを弱める狙いもあったとみられる。

 国側代理人を務めた定塚誠・法務省訟務局長は「最高裁らしく中核部分を書いた穏当な判決だ」と評価。沖縄県側の代理人弁護士は「表層的で通り一遍。非常にあっけない判決だ」と批判した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HAI_Q6A221C1EA2000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/848.html

[政治・選挙・NHK217] 気持ちはわかるが、より「お花畑」的発想の持ち主は小林よしのり氏

【引用】
「そもそも「四島一括返還」が「二島返還」に後退し、さらに
「平和条約締結」が「領土主権の回復」よりも優先される事態
にまで後退している。」

【コメント】
「四島一括返還」論は、言っている本人でさえ、実現可能性を考えたこともない“反ソ親米の政治的プロパガンダ”でしかない。

 歴史的経緯を考えれば、日ソが56年に歯舞・色丹の「二島返還」で合意したものをひっくり返す“理屈”となったのが「四島一括返還」の主張であり、空念仏でしかないのである。

 今回の日露合意は、実に遠い回り道ではあるが56年日ソ共同宣言に立ち返ったものであり、「平和条約締結」後に歯舞・色丹の「二島返還」を実現させる内容である。

 政治的スローガンでしかない「四島一括返還」を引っ込め、「二島返還」を実現するために「平和条約締結」を目指す政策を後退とは言えない。


【引用】
「それも「特別な法制下で」など不可能であり、「ロシアの法制下」
だとすでにロシア側は言っており、仮に北方四島での共同経済
活動を進めたら、今以上に住みやすくなった辺境の地に、
貧しいロシア人の移住が加速度的に進み、ますます領土主権の
回復はありえないことが確実になっていく。

つまりロシアの北方領土の主権を強化するための共同経済活動
なのである。」

【コメント】
 色丹島で日本人とロシア人が混住する状況を問題視するのはわかるが、ロシア(ソ連)の実効支配が70年も続いた現実を考えると、歯舞・色丹の「主権」を取り戻すために、現在のロシア人居住者に限り望むなら、日本領となった色丹島に住み続けることを認めるといった妥協もやむを得ないと思う。

 「辺境の地に、貧しいロシア人の移住が加速度的に進み」というのは、ロシア人の意識を知らない反応である。現在北方領土に住んでいる多くが、戦後、実効支配を始めたソ連政府によって移住させられた人たちの子孫である。

 ロシア人に東方志向は薄く、北方領土どころかウラジオストックやハバロスクなど極東ロシアの都市人口も増えず、土地の無償供与で移住促進を行っているくらいである。
 逆に、ロシア政府は、意欲と能力のある日本人に極東ロシアに移住して欲しいと思っている。

 ロシアの主権が続く国後と択捉については、許可されても移住する日本人は旧島民でも少ないだろうと言われている。日本企業が経済活動を行うとしても、ロシア人の労働力は不可欠である。

【引用】
「ロシアは日ソ中立条約を一方的に破棄して、8月15日・日本の
敗戦後も、武装解除した日本軍に襲い掛かった野蛮な国家である。

満州では日本女性を強姦しまくり、60万人の日本兵をシベリアに
強制送還して、地獄の強制労働で数万人の死者を出した冷血
国家である。」

【コメント】
 どの国家も“性善”ではない。
 そして、被害者−加害者の関係は、国家関係や歴史時期によってたちまち逆転する。

 大陸中国やフィリピンそして東南アジア諸国や朝鮮半島の人々が、戦前・戦中の日本をどのように評価し現在の日本をみているかを考えれば、身がすくむ思いになるはずである。


【引用】
「歴史の事実を忘れ果てた馬鹿者が、ロシアと信頼関係を結べると
「お花畑」で手をつなぐ妄想に耽り、「前のめりの熱意」で再び
騙されるのだ。

その安倍首相の「前のめりの熱意」こそが「敗北」を招いた
のであり、もっとロシアを追い込んで苦境に立たせるくらいの
冷徹さがあった方がいいのだ。

安倍首相のプーチンのケツなめ外交は、オバマからも、
EUからも、馬鹿にされる結果を残しただけである。」

【コメント】
 ロシアと信頼関係を結べなければ、今回の合意は破談となり、「平和条約」が締結されないだけ=現状維持である。

 この70年間の確執と停滞を考えれば、今回の合意は、わあわああれこれ非難がましく言うようなことではない。

 「もっとロシアを追い込んで苦境に立たせるくらいの冷徹さ」というのは、ロシアの現実や国際制裁の実態を知らない「お花畑」的発想である。

 ロシアのGDPは、昨年・今年、原油など資源価格の低下分近くのマイナスになり、財政基金の取り崩しが行われているが、“制裁”については、輸入代替政策の促進で農業や軽工業の成長に貢献している。(ロシア人は打たれ強いところもあるしね)

 親露発言を繰り返しているトランプ政権のことは言わないが、拳を振り上げているふりをしている欧州諸国も、パイプラインで供給されるコストの安いガスを買い続けている。

何より、国民の購買力が増大している中国が買う原油やガスの“必然的”な増加を考えれば、日本がロシアを苦境に追い込めるなどと考えるのは“妄想”でしかない。

※ 関連参照投稿

「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

「安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/850.html

[経世済民116] アパート融資 過熱警戒 金融庁、節税効果など調査 空室リスクに警鐘

アパート融資 過熱警戒
金融庁、節税効果など調査 空室リスクに警鐘

 相続税の節税目的でアパート経営に乗り出すケースが増えている。部屋の借り手が見つかれば問題ないが、首都圏や人口減の地方で空室が増える兆しが浮かんできた。地方銀行などによる関連ローンの残高も急増していることから、金融庁は融資の過熱感を懸念。節税効果が薄まり、アパート経営者の負担が増える恐れもあるため、近く金融機関を通じた実態調査に入る。

 アパートローン急増の背景には2015年の税制改正で相続税の課税対象が広がったことがある。相続財産から控除できる金額が縮小。これまで相続税を納める必要がなかった人も対象になる見込みで、税金を安くするために借金をしてアパート経営に乗り出す人が増えている。

 金融庁は地方銀行105行を対象とし、特にアパートローンを伸ばす銀行などを抽出して年明けにも実施する。お金を借りる側に不利益な条件になっていないか調べる。

 金融庁は金融機関に節税効果をうたった事業者らの提案書を提出させて、1件ごとに節税につながるかどうかを点検する。実際に相続が発生するときに、アパートの資産価値がローン残高を上回っているような場合など、納税額が増えて結局は節税につながらないケースも出てくるとみて警戒を強めている。

 アパート経営では、一般的に建設請負業者が一定期間の家賃収入を保証する契約になっている。ただ空室率に応じて2年ごとに保証額を切り下げるなど、思わぬ形で大家の負担が増えるケースがある。修繕費を負担する必要があることを十分に認識せずにアパート経営を始める人もいる。

 節税効果が疑わしかったり、アパート経営の収支が赤字だったりする事例が多ければ、金融機関に検査・監督で問題点を指摘し、是正を促す。将来的な貸し倒れリスクが銀行の財務の健全性に与える影響という観点ではなく、ローンを借りている個人(施主)の実態把握に力点をおいて調べる方針だ。

[日経新聞12月14日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/883.html

[経世済民116] アパート融資 過熱警戒 金融庁、節税効果など調査 空室リスクに警鐘 あっしら
1. あっしら[685] gqCCwYK1guc 2016年12月21日 04:50:25 : sqadkWysTU : rz5ICMyujtk[2]

アパートローンとは

 ▼アパートローン 土地を所有する個人を対象に建設資金を融資する商品。借り主は家賃収入をローンの返済に充てる。典型的なのは2階建て4部屋で建設費用が4千万円程度のアパートという。建設請負業者が建設や入居者の募集を担い、資金を銀行が融資する。

 日銀によると9月末の国内銀行の同ローン残高は約22兆円で前年同月比4%増えた。10月の住宅着工戸数も貸家は22%増と12カ月連続で増加し、2008年以来、8年ぶりの高水準になっている。


地方、止まらぬ人口減 空室率上昇、返済負担増す

 相続に伴う節税需要を取り込む形で伸び続けるアパートローン。マイナス金利政策で収益環境が厳しい銀行も数少ない成長分野として融資増に力を入れる。ただ地方を中心に人口減が加速するなか、肝心の入居者を確保できるかは微妙。将来の空室率の上昇という危うさをはらむ。

 不動産調査会社のタス(東京・中央)によると、首都圏のアパートの空室率は2015年夏ごろから急速に上昇。大量供給に需要が追いついていない。日銀の調査では融資全体に占めるアパートローンの比率は地銀で10%弱、信用金庫では16%とシェアを伸ばす。

 人口が減る地方の銀行も同ローンを伸ばし、全体に占める比率が高い上位半分の地銀の8割弱が三大都市圏以外だ。借りる側にとっては節税が本来の目的だが、空室率の上昇でローンの返済原資となる家賃収入が減れば、返済負担が重くのしかかり、節税どころではなくなる。


[日経新聞12月14日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/883.html#c1

[戦争b19] 米国のNATO大使はロシアの攻撃性を信じてはいない:露の武力行使ではなく情報操作に脅威?

米国のNATO大使はロシアの攻撃性を信じてはいない[スプートニク日本語]
2016年12月19日 20:31

米国のダグラス・リュートNATO大使は、ABC Newsのインタビューで、ロシアにNATOを攻撃する意思があるとは信じていないと述べた。

なおリュート氏は、米国とその同盟国のためにロシアのプーチン大統領を研究することを仕事としているが、ロシアを「NATOにとって不安定性、不確実性、予測不可能性の大きな源である」と考えている。

リュート氏によると、ロシアは武力紛争ではなく、「虚報キャンペーン、さらには社会の混乱を促進するキャンペーン」の実施を計画しているという。

先に、ドイツのメルケル首相は、ロシアとNATOの関係を見直す必要性を発表した。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612193152724/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/369.html

[国際16] 米車メーカーに制裁示唆 トランプ政策を中国が瀬踏み

米車メーカーに制裁示唆 トランプ政策を中国が瀬踏み

 【北京=永井央紀】中国がトランプ次期米政権へけん制を強めている。米企業に近く独占禁止法違反で制裁金を科す構えのほか、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島では防空設備の配備が判明。台湾問題などを巡り不透明なトランプ氏の対中政策を瀬踏みする狙いがあるようだ。

 中国の英字紙チャイナ・デイリーが15日までに国家発展改革委員会の幹部の発言として、米国の自動車メーカー1社に制裁金を科す考えだと伝えた。社名は明らかにしていないが、中国国内の販売業者に価格維持を指示したと指摘している。

 これを受けてトランプ氏は商務長官に指名するウィルバー・ロス氏と協議した。政権移行チームの広報担当者は14日、「トランプ氏は米企業や雇用のために戦うと明言している」と強調。実際に制裁が科されれば強く反発する可能性がある。

 中国は南シナ海では南沙諸島に造成した7つの人工島すべてに大型の防空設備を配備したもようだ。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が衛星写真に基づく分析内容を公表し、軍事拠点化が一段と進んだことが明らかになった。防空識別圏設定に向けた布石との見方がある。

 中国外務省の耿爽副報道局長は15日の記者会見で「中国が自らの国土で防衛に必要な施設を配備するのは主権国家の正当な権利だ」と強調した。国防省は「玄関で武力を見せつけられても、パチンコさえ準備してはいけないのか」との談話を発表し、米国の軍艦派遣を念頭に正当性を主張した。

 中国ではトランプ氏の対中強硬姿勢に警戒と困惑が広がる。11日には外交担当トップの楊潔篪国務委員(副首相級)がメキシコ訪問のついでにニューヨークに立ち寄り、安全保障担当の大統領補佐官に指名されたマイケル・フリン氏と急きょ会談した。トランプ氏の意図を正確に把握したいとの焦りもにじむ。

[日経新聞12月15日朝刊P.5]



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/775.html

[経世済民117] 出生数、初の100万人割れへ 少子化止まらず 厚労省16年推計:人口減少を所与として政策を組み立てたほうが出生数も増加

出生数、初の100万人割れへ 少子化止まらず[日経新聞]
厚労省16年推計

 2016年生まれの子どもの数が100万人の大台を1899年の統計開始以降で初めて割り込む。98万〜99万人程度になる見通しだ。20〜30代の人口減少に加え、子育てにかかる経済的な負担から第2子を産む夫婦が減っており、少子化の進行が改めて浮き彫りになった。社会保障制度を維持していくためにも、政府の人口減対策や子育て支援の充実が一段と重要になっている。

 厚生労働省は近く、16年の人口動態調査の推計を発表する。15年は100万5677人だった。すでに公表されている15年8月〜16年7月までの1年間の出生数は99万人で100万人を割り込んでいる。「団塊の世代」で出生数が最も多かった1949年の4割に満たない。規模としては100年超前の水準だ。

 出生数が減っているのは20〜30代の女性が減っている影響が大きい。16年10月時点の人口推計では同年代の女性は約1366万人で、10年前に比べて2割減った。

 15年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子どもの人数)は1.45で前年を0.03ポイント上回った。最低を記録した05年(1.26)から改善している。ただ女性の人口は減っており、出生数を押し上げるまでに至っていない。

 婚姻数は16年1〜7月の合計で36万8220組で前年同期に比べ0.7%減った。結婚する年齢も上昇しており、15年時点の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性29.4歳だった。晩婚化に伴い、第1子の出産年齢が上がると第2子以降の出産は減る傾向にある。

 第2次ベビーブームの71〜74年に生まれた「団塊ジュニア」世代の出産が一巡してきたことも一因だ。団塊ジュニアの一部は45歳になった。この年齢を超すと出生数は急激に減る。

 16年は死亡数が出生数を上回る「自然減」も10年連続になる。戦後最も多い30万人に達する可能性がある。

 国連によると中国の出生数は1687万人、米国は393万人だ。人口は日本の半分程度のフランスも76万人にのぼる。

 政府は子育て対策に力を入れる姿勢を示すが、子どもがもっと欲しいのに経済的な理由で産めない家庭も少なくない。フランスなどは手厚い子育て支援を実施している。安定した人口バランスでの経済成長のためにも、医療や介護など高齢者重視の社会保障の予算配分の見直しが欠かせない。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H51_R21C16A2MM8000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/102.html

[政治・選挙・NHK217] 「領土返還をぶち壊した安倍側近」=谷内安保局長の「北方領土に米軍基地が置かれる可能性」発言の意図と意味

「領土返還をぶち壊したのは安倍側近だった!」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/662.html

「安倍首相の野望を幻に終わらせた側近の一言〈AERA〉」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/814.html

「安倍北方領土外交の無能さは公開情報でもこれだけわかるー(天木直人氏))
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/902.html

「元官僚の一言が領土返還をぶち壊した!」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/900.html

などへのコメントです。

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 プーチン大統領の訪日で開催された日露首脳会談の合意については、多くのメディアが批判的ないし懐疑的に報じている。好意的な評価でも、膠着状態にある日露平和条約交渉の第一歩になるというレベルである。

 ざっくり言えば、日露首脳会談より前から安倍首相やプーチン大統領の人柄及び政策に“嫌悪感”を抱いてきたリベラル派や「歴史的に反ソ・反露の保守派」さらには「親米ないし親欧米派」は、今回の合意に厳しい目を向けている。

 自民党の二階幹事長でさえ、大半の国民は今回の合意にがっかりしているとコメントしているくらいである。(将来に備え落胆を深める意図的な発言の可能性が大だが)

 今回の日露合意に積極的に好意的で高い評価を示しているひとたちは、見聞きしている範囲になるが、佐藤優氏・鈴木宗男氏・下斗米法政大教授に限られている。
 安倍首相はプーチン大統領から手玉に取られたという表現はまだいいほうで、領土を売り渡すどころかオマケ(経済協力)まで付けて献上した売国奴とまで言われている。

 私は、いくつかの投稿で説明したように、将来的な「歯舞・色丹返還」を含意する今回の合意について、好意的でも批判的でもなく、他の手順や方法はなかなか見つからないという観点から、安倍政権には合意の具体化に向け積極的に取り組んでもらいたいと考えている。

 今回の日露合意についてはいろいろ言いたいことがあるが、今回は、領土返還が実現しなかった重大戦犯のひとりとしていろいろな人によって取り上げられている谷内安保局長の発言について触れたい。


1)「返還後北方領土に米軍基地が置かれる可能性」発言

「安倍首相の野望を幻に終わらせた側近の一言〈AERA〉」からその内容を引用する。

「プーチン氏が態度を急に硬化させたのは明らかだ。そのきっかけになったとみられるのが、11月上旬に訪ロした谷内正太郎・国家安全保障局長の発言だ。複数の関係者によると、ロシア側から、将来日本に歯舞、色丹を引き渡した場合「米軍が基地を置くか」と聞かれて、「可能性はある」と答えたという。

 これは、プーチン氏にとってはまったく容認できない見解だ。ロシアが渡した領土に米軍が基地など置こうものなら、プーチン氏のメンツは丸つぶれだ。

 プーチン氏は大統領に就任直後、2000年9月に訪日した際、当時の森喜朗首相にも米軍基地が置かれる可能性について尋ねている。それほど気になる問題なのだ。ちなみに、このとき森氏は「そんなことは絶対にないよ」と答えていた。」


 まず、主要メディアの記者や研究者さらには政治家なら、11月の訪露時に行われたやり取りの内容がリークされた“意図”を考えてみる必要がある。

 このリーク自体が、今回の日露合意を仕方がないものと思わせるネタの一つなのである。
 ロシアは、安全保障上、北方領土は返還しにくい状況にあることを日本も理解せざるをえないと、玄人筋(政治家や学者など)に納得してもらうためのネタである。

 ほぼ断言できるが(なにせ米国支配層の判断なので100%の断言はできない)、返還された「北方領土」に米軍が基地を置くことはない。

 なぜなら、米国がロシア軍とりわけロシア海軍を牽制したいと思っているのなら、「北方領土」の返還を待たずとも、宗谷岬近辺・根室半島・知床半島などの北海道に基地を設置すれば済むことだからである。

 ご存じのように、北海道には米軍の専用施設はゼロである。
 通信関連の共同利用施設が一つキャンプ千歳にあるほか、日米地位協定で認められた飛行場・演習場・射撃場などの一時利用可能施設が40箇所ほどあるというのが実態である

 現在、最北の米軍基地は、今は自衛隊と共同利用施設になっている青森県の三沢基地である。

 言ってしまえば、偶発的な衝突を想定したり、軍事的対応の時間が限定的な(逃げる間もない)ソ連やロシアに近接する場所にわざわざ米軍の基地を置きたくないのである。

(これは、“対中牽制”としてもっとも効果が高いと思われる尖閣諸島に米軍基地を設置しないことを考えるとわかりやすい)

 これが、北方領土となると、“危険性”が高まるだけではなく、米軍将兵の“福利厚生”の問題も生じる。
 都市が近くある北海道内なら米軍将兵も憂さ晴らしもできるが、より過酷な気候条件で娯楽もあまりない北方領土に基地があると、将兵は精神的にもたないだろう。

 このようなことから、色丹島に限らず、北方四島が返還されたとしても、米軍がどこかに基地を置くことはないとほぼ言える。その意味で、森元首相の「そんなことは絶対にないよ」という発言は間違っていない。

 ただ、日米安保体制下に置かれている日本は、米国連邦政府が返還された四島に基地を設置したいと言ってきたとき、最後まで抵抗できる保障はない。
 その意味で、谷内国家安全保障局長が、「米軍が基地を置くか」と聞かれて、「可能性はある」と答えたのは“誠実”な対応と言える。


 「領土返還をぶち壊した安倍側近」という見方の決定的な間違いは、日本と米国が連帯で返還された北方領土に軍事基地を設置しないと保証しても、歯舞・色丹は別だが、ロシアが国後・択捉を返還することはないという現実を見落としていることにある。

 リークされた谷内国家安全保障局長の発言は、どうあがいても返還されない(国際法的にも日本がロシアに返還求める根拠がない)国後島と択捉島について、ロシアが返還しないのも仕方がないという別の理由を将来(平和条約締結)のために付け加えたものでしかない。

 谷内国家安全保障局長を「領土返還をぶち壊した安倍側近」とするのは、発言者の意図とは違って、安倍政権をサポートするものなのである。


2)共同経済活動の対象地域に関する安倍首相と谷内正太郎国家安全保障局長や外務省の対立


「安倍北方領土外交の無能さは公開情報でもこれだけわかるー(天木直人氏))から引用。


「 たとえば12月20日の読売新聞の「検証 日露首脳会談」の記事だ。

 そこにはこう書かれている。

 「・・・(共同経済活動の対象範囲について)首相側近の谷内正太郎国家安全保障局長や外務省は
『4島を対象とすれば、プーチン氏が怒るのではないか』として、2島での実施を進言した・・・しかし。
首相は『いや、4島で突っ込もう。プーチン氏ならわかってくれるはずだ』と譲らなかった・・・」
 驚くべき内情だ。

 北方領土交渉の直前になっても、4島返還で押し通すのか2島返還で行くのかで、
外務省と安倍首相の意見が分かれていたというのだ。」


 この記事をもって、安倍首相と谷内正太郎国家安全保障局長&外務省の対立という見方をするようでは、世界はまったく見えないよと言いたい。

 「『4島を対象とすれば、プーチン氏が怒るのではないか』として、2島での実施を進言した・・・しかし。首相は『いや、4島で突っ込もう。プーチン氏ならわかってくれるはずだ』と譲らなかった・・・」という記事は、安倍首相はリーダーシップがあり揺るぎない姿勢で外交交渉に臨む強力な政治家という印象を醸成するヨイショねたである。


 外交問題で表立って見聞きできる内容は80%以上が国内向けのものという認識がなければ、外交問題の内実を読む説くことはできない。


※ 関連参照投稿

「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

「気持ちはわかるが、より「お花畑」的発想の持ち主は小林よしのり氏」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/850.html

「安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html


http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/913.html

[国際16] なぜあの時、ロシア大使に警護がなかったのか、プーチン大統領が説明:奇妙な説明で終わっているプーチン大統領

 銃器携行が法的に許容されている国や属国でない限り、大使館敷地外で自国の外交官を守ろうとすること自体が難しい。

 今回の在トルコ露大使銃撃は、大使の私的な行動ではなく公的活動中に起きたものであり、ロシア大使の安全についてはトルコ政府が第一義的な責任を負っている。
 非番の現職トルコ治安機関要員に露大使を銃撃させてしまったトルコ政府の罪は極めて重いと言える。(国交断絶や戦争につながってもおかしくない事件である)

 そういう意味で、転載する記事にあるようなプーチン大統領の説明は、今回のカルロフ大使殺害に関して的を射たものとは言えない。
 ロシアの大統領としては、トルコ政府の非と責任をきちんと指摘し、これからの警備強化についてトルコ政府の確たる約束を得る必要がある。


※関連参照投稿

「在トルコ露大使銃撃殺害事件に漂う“芝居の匂い”とその根拠」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/753.html

「露・駐トルコ大使殺害、プーチン大統領はテロとの戦いを強化し、答える、と声明:プーチン氏の失態、トルコへの非難・叱責は必要」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/757.html

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なぜあの時、ロシア大使に警護がなかったのか、プーチン大統領が説明[スプートニク日本語]
2016年12月22日 15:36(アップデート 2016年12月22日 16:04)

外交官の身の安全が保証されるのは大使館の敷地内に限定されている。

プーチン大統領はトルコ駐在のアンドレイ・カルロフ大使の暗殺の当日になぜ武器を携帯したボディーガードが警護していなかったのかについて、こうコメントした。

「これはどこも共通の規則で、大使館で働く武装ボディーガードがつくのは大使館の敷地内のみであって敷地の外には武器を携帯して出ない。これに問題がある。しかもこれはトルコに限らず、大多数の国でこういう状態にある。」

プーチン大統領は上下院の代表者らとの会合でこう語った。

大統領はいくつかの国においては「その土地での進行状況を考慮して」別の形での警護体系をロシア人外交官に用意するという合意もできただろうと語っている。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201612223167587/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/797.html

[国際16] ロシア・日米接近 波紋 EU、強硬姿勢に不安感 対ロ経済制裁で「突出」警戒:外見と違い日米よりEUのほうが露と緊密

 ウクライナ・クリミア問題及びシリア問題で欧州諸国とロシアは厳しい対立関係にあるように見えるが、ウクライナ騒乱は、「欧米の銀行経営を揺るがすウクライナデフォルトを避けたい欧米諸国とクリミアを奪還したいロシアの共謀」で引き起こされたものであり、裏では和平プロセスを含め綿密な調整が行われている。

 シリア問題も、シリアの政治的対立や内戦に介入した英米仏の尻ぬぐいをロシアが代行していると言える。

(英米仏がそろそろシリア騒乱を終結させたいと思っても、彼ら自身が反政府勢力を排撃するわけにはいかないので、ロシアが武力行使を肩代わりし、トルコが反政府勢力との交渉の仲介役として奮闘しているという構図である)


※関連参照投稿

「デフォルトを嫌う金融家のため、危機を頼りにする軍需産業のため、「東西」の合作で分断と対立を煽られたウクライナ」
http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/467.html

「対露「口先制裁」の実例:ロシアは高級公務員の外国銀行口座保有を禁止:なのに金融資産凍結が制裁のコアという喜劇」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/302.html

「欧米の対ロシア制裁に抜け穴−最大手行は対象外:見せかけのインチキ制裁で米欧とも様々の工夫」
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/581.html


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ロシア・日米接近 波紋
EU、強硬姿勢に不安感 対ロ経済制裁で「突出」警戒

 混迷を深める国際情勢下でロシアの存在感が高まっている。欧州連合(EU)はウクライナやシリア情勢を巡りロシアと対立を深め、対ロ批判の急先鋒(せんぽう)だった米国はトランプ次期政権が親ロ姿勢を示し外交軸が揺らぐ。中国はロシアと組みアジアでの影響力で日米に対抗する。首脳会談でロシアとの経済協力を加速する日本を、各国はそれぞれの立場から冷徹に見つめている。

 【ブリュッセル=赤川省吾】欧州連合(EU)は15日の首脳会議で2017年1月末に期限を迎えるロシアへの経済制裁の延長を決めた。ウクライナ情勢を巡り、ロシアの支援を受ける親ロ派が停戦合意を守っていないと判断した。シリア内戦でアサド政権を支援し、人道危機を深刻化させているとの不満も重なる。ただ大国ロシアにどう向き合うかについて、EU内には温度差もにじむ。

 「(以前よりも)各国首脳は強硬だった」。首脳会議の終了後の15日、EUのトゥスク大統領は記者団にこう語った。

 表向きはそう映る。政府・財界要人の入国禁止や投資への融資禁止などの対ロ制裁を半年間延長したうえで、激戦が続くシリア内戦ではロシアとイランを名指しで批判した。首脳会議にはシリア北部アレッポの反体制派市長を招き、アサド政権とそれを支えるロシアの非人道ぶりを訴えさせるという演出も見せた。

 しかし強硬姿勢のはしごを外されることへの不安は隠せない。トランプ次期米大統領がロシアへの融和姿勢をみせているからだ。「そのことは会議で話し合った」とメルケル独首相も認めた。

 米国の新しい対ロ政策がはっきりするまではあれこれ詮索しても仕方がない――。そんな認識でEU首脳は一致したが、北大西洋条約機構(NATO)の盟主である米国が、欧州の頭越しにロシアと接近する事態を警戒しているのは明らかだ。

 EU内の足並みもそろっているとはいえない。各国の世論やロシアとの距離感が国によって異なるうえ、主要国が重要選挙を控えているからだ。

 例えばフランス。オランド大統領はロシア制裁論をけん引してきたが、来年4月の次期大統領選への不出馬を表明した。次期大統領の有力候補とされる中道右派のフィヨン元首相は対ロ融和派。大国ロシアと是々非々でつきあい、米独をけん制するという仏外交の伝統的な姿勢がにじむ。

 ポーランドはEUがロシア寄りに傾くのを防ごうと懸命だ。「ロシアは我が国を緩衝地帯とみなしている」とファルコフスキー国防次官は激しく批判する。

 割れる欧州につけ込むのはロシアの対欧外交のこれも伝統だ。各国で台頭する極右政党は、ロシアから資金援助を得ているとささやかれる。

 冷戦時代から西欧はロシア(旧ソ連)との距離感に悩んだ。ソ連など共産諸国は西欧各地の左翼陣営を秘密裏に支え、親ソ感情を育てようと腐心した。当時と構図が異なるのは、米国の政策が不透明になっていることだ。

 「欧州の平和を守るため、ドイツは中核的な役割を担う」(ポーランドのファルコフスキー次官)と期待する声は多いものの、NATOを主導してきた米英仏と異なり、ドイツの軍事面での役割には制約がある。

 今回のプーチン大統領の訪日は欧州メディアも大きく報じたが、各国の外交筋は領土問題が進展するとはみていない。同じ敗戦国だったドイツが東部領土をソ連・ポーランドに割譲・放棄せざるを得なかった経験が、その見方を後押しする。

 EUの最大の関心事は日本が対ロ制裁を今のまま続けるかだ。緩和や解除に動けば、日米欧の対ロ政策がすれ違い、主要7カ国(G7)の存在意義が低下しかねない。

[日経新聞12月17日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/798.html

[国際16] トランプ次期大統領「核能力の強化 拡大を」と投稿:30年1兆ドルで核戦力増強を掲げたオバマ政権の政策継承

 トランプ氏のこの発言を取り上げた日本のTVメディアはどこも、「「核兵器なき世界」を掲げるオバマ大統領のもとで核軍縮を目指してきたアメリカの核政策」との違いを強調している。

 しかし、「核なき世界」を唱えることでノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領も、30年間に1兆ドル(約115兆円)を投じ核戦力の更新(核攻撃型巡航ミサイル・トマホークの後継とされる新型長距離巡航ミサイル『LRSO』や“使いやすい”小型戦術核などの開発)を行う政策をすでに打ち出している。

 報道が意図的ではないとすれば、日本のマスコミは、口先だけのオバマ大統領の手玉に取られてきたことになる。
 このようなメディアの態度は、メキシコ国境の“壁”や不法移民の強制送還なども、オバマ政権の政策を踏襲するものでしかないのに、“人種差別主義者”トランプ氏の「専売特許」政策のように解説してきたのと同じである。

 メディアが追求すべきことは、トランプ氏が語った「世界が核に対する理性を取り戻す」という表現の真意であろう。

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トランプ次期大統領「核能力の強化 拡大を」と投稿[NHK]
12月23日 12時52分

アメリカのトランプ次期大統領は、核戦力について「世界が核に対する理性を取り戻すまで大幅に強化、拡大しなければならない」とツイッターに投稿し、オバマ大統領のもとで核軍縮を目指してきたアメリカの核政策が今後、変わるのか、大きな関心が集まっています。

アメリカのトランプ次期大統領は22日、核戦力について「世界が核に対する理性を取り戻すまでアメリカは核能力を大幅に強化、拡大しなければならない」とツイッターに投稿しました。

これについて、トランプ氏の報道担当者はメディアの取材に対して「力による平和を追求するため抑止力の近代化の必要性を強調したものだ」と答え、核抑止力を重視する姿勢を示す狙いがあったとしています。

一方、この投稿に先立って、ロシアのプーチン大統領は、軍の幹部を前に核兵器の近代化の重要性を強調していて、アメリカメディアは、選挙期間中、アメリカの核戦力の近代化がロシアに遅れをとっていると主張していたトランプ氏がこの発言に反応したのではないかという見方を伝えています。

トランプ氏の今回の発言をめぐっては、「核兵器なき世界」を掲げるオバマ大統領のもとで核軍縮を目指してきたアメリカの核政策が今後、変わるのか、大きな関心が集まっています。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161223/k10010817811000.html?utm_int=news_contents_news-main_005


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トランプ氏、ツイッターで:米国は核戦力を強化すべく[スプートニク日本語]
2016年12月23日 11:50

トランプ次期米大統領は22日、ツイッターで「米国は核戦力を大幅に強化し、拡大しなければならない」というポストをした。核の役割低減を重視してきたオバマ大統領との対比が明らかになった。

トランプ氏は、核戦力強化は「世界が核に関して理性を取り戻すまで」だとした。だが発言の趣旨や背景、方針の具体的な説明はしていない。 トランプ氏の報道担当者は「力による平和を追求するために核抑止力を向上させる必要性を強調した」との見方を示し、核拡散を防ぐことの必要性も指摘した。ロイター通信の情報に基づいて共同通信が報じた。

トランプ氏は、冷静さや自制心に欠けると批判されており、核政策を不安視する声は多い。

https://jp.sputniknews.com/world/201612233171722/



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/802.html

[戦争b19] デイリーメール:英国メディアはアレッポについて虚偽を振りまいている

デイリーメール:英国メディアはアレッポについて虚偽を振りまいている[スプートニク日本語]
2016年12月19日 22:03

最近のアレッポの状況について報じる英国のメディアはほとんど全て事実に基づかない虚偽を振りまいている。デイリーメールのコラムニスト、ピーター・ヒッチェンズ氏が述べた。

「この数日、アレッポから180マイル離れたベイルート、または2105マイル離れたロンドンから、アレッポ東部の事象について鮮烈なルポルタージュが大量に届けられている。そこでは、アレッポでは女性や子供が殺され、生きたまま焼かれている、などとされている」

情報のソースは「活動家」であるとされているが、その正体は不明。「私の知る限りでは、先週、アレッポ東部には一人の職業ジャーナリストもいなかった」と同氏。

また英国メディアは「アルカイダ」支持者を「蜂起勢力」などと呼び、キャメロン元首相にいたっては、「穏健」反体制派と呼んでいた。

メディアのこうした語用は理解が困難である。もしこれら「蜂起勢力」が他の場所、たとえば英国にいれば、メディアは間違いなく「過激派」「ジハーディスト」「テロリスト」「狂信者」と呼んだであろう、と同氏。 先にシリアに関する虚偽の情報の多さについて他の専門家らも語っていた。

https://jp.sputniknews.com/politics/201612193152952/



http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/380.html

[国際16] 「可能性の窓」は開いている!露日関係専門家、首脳会談の意義を徹底討議

※ 関連参照投稿

「「領土返還をぶち壊した安倍側近」=谷内安保局長の「北方領土に米軍基地が置かれる可能性」発言の意図と意味」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/913.html

「気持ちはわかるが、より「お花畑」的発想の持ち主は小林よしのり氏」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/850.html

「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

「安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html


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「可能性の窓」は開いている!露日関係専門家、首脳会談の意義を徹底討議[スプートニク日本語]
オピニオン
2016年12月21日 20:31(アップデート 2016年12月21日 21:13)
徳山 あすか

19日、国際情報通信社ロシア・セヴォードニャのプレスセンターにて、現代における露日関係をテーマにラウンドテーブルが開かれた。本イベントにはロシアの名だたる日本学者が参加し、15日・16日の日露首脳会談について総括を行った。

日本からは、法政大学の下斗米伸夫教授とNHKの石川一洋解説委員が同時中継で出演した。

元駐日大使のアレクサンドル・パノフ氏は、「プーチン大統領の訪日は成功だった。現在、両国が達成できる最大限のラインまで合意できた」と評価し、「大局的かつ戦略的な見地からすれば、ロシア・日本双方ともそれなりに満足できる結果が得られた。日本は実質、対露経済制裁レジームから外れ、大小の経済プロジェクトに合意し、巨額をロシアに投資することを決めた。これからロシアは、これらのプロジェクトを積極的に実現することによって、強固にしていかねばならない。

これは永遠に開いているとは言えない『可能性の窓』である」と述べた。またパノフ氏は、日本がついに四島での経済活動および人道的見地からの人的交流に同意したことを肯定的に評価。

これは平和条約締結交渉に向けた二国間の信頼醸成に役立つという見方を示した。

ロシアの有力シンクタンク「RIAC」(ロシア国際問題評議会)のアンドレイ・コルトノフ会長は、安倍首相が、自身の支持率が下がるかもしれないと覚悟しながらも、プーチン大統領との対話に積極的に乗り出したと分析。首脳会談後は、首脳同士で合意したと思われた話が実務レベルでうまくいかず、実現できないまま終わることがよくあると指摘し、今回はそれが起こらないように願う、と付け加えた。

ロシア科学アカデミー極東研究所・日本研究センター長のワレリー・キスタノフ氏は、経済協力の合意に達したことは大きな意味があると高く評価した。安倍首相の今回の課題は、日中関係が緊張している中、ロシアが中国にばかり傾倒していくのを防止することだったと指摘。経済面で言えば、その目的は達成されたと評価した。ロシアは今、政治的にも経済的にも中国への接近をかつてない程に強めているが、キスタノフ氏は、本音を言えば「ロシアは中国に完全に傾倒したくはない」と話す。


モスクワ国際関係大学で東洋学研究を専門とするドミトリー・ストレリツォフ教授も、自らを楽観主義者の一人と位置付けた上で、「露日関係の好転は地域の安定をもたらす。平和条約締結については、ロシアが従属的な立場をとるのではなく、露日が共通してこの目標に向かうと示したことが大事だ。クリルでの共同経済活動については、元島民だけでなく北海道の住民をサハリン州へビザなしで受け入れることにも言及された。国境周辺の往来はデリケートな問題で、信頼をもとにしなければできない。人的交流が盛んになれば相互の不信感は拭われていく」と話した。
またストレリツォフ教授は、北東アジアの情勢を鑑みれば、2+2で露日が安全保障について協議するのは両国の国益に適うと述べた。

モスクワ国際関係大学・国際ジャーナリズムが専門のセルゲイ・チュグロフ教授は、安倍首相が「信頼」というキーワードを多用したことに言及。「日本は信頼を基盤にして成り立っている国」として、人的交流拡大の重要性を強調した。

下斗米教授は、ロシア経済紙の記者の質問に答えた中で、日本の中小企業はロシアビジネスに関する情報が少なく、今のところ極東で活動しているのはJGC(日揮株式会社)のような大企業であるが、今後は北海道とサハリンを始めとする地方自治体間の交流などが広がっていくだろうと述べた。また下斗米教授は、日露間では盛んに文化交流が行われてはいるものの、学術界やメディア関係者の間でロシアの専門家が減っていると指摘し、人的交流の不足が根本的な問題であるとの認識を示した。

ロシアの日本への愛はいつも一方通行だといわれている。ロシア人がおおむね日本に好感を抱いているのに比べ、日本人のロシアに対するイメージは悪く、ロシアに好感をもつ日本人は2割程度である。

この状況について問われた石川氏は、「経済協力や投資の拡大とは何を意味するのか。それはロシアに多数の日本人が滞在するようになるということだ」と述べ、人間同士のコンタクトが状況を改善させるとの見方を示した。
また、今のところ日露間の留学生数は双方向とも少数にとどまっているが、冷戦時代の記憶がない、ソ連を知らない若者たちが過去のコンプレックスなく積極的に交流することは重要な意義があると強調した。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201612213164892/


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/804.html

[経世済民117] 転機の米金融政策

転機の米金融政策
(上)成長期待 市場に危うさ 新興国、資本流出も

 米連邦準備理事会(FRB)が1年ぶりの利上げに動いた。イエレン議長はトランプ次期大統領の財政刺激策も念頭に、来年以降の利上げ加速の可能性も示唆した。最大の経済大国で動き出す金融政策の正常化と、財政出動による低成長打破の挑戦が、世界のマネーや経済に与える影響は計り知れない。

 「思ったよりも『タカ派』だったな」。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表された14日午後2時。ニューヨークの証券会社のトレーディングルームで、金融引き締めに積極的な中央銀行の姿勢を示す市場用語が飛び交った。

 2017年の利上げ回数の想定が従来の2回から3回に増えたからだけではない。イエレン氏はトランプ氏の財政刺激策を「詳細が分かる前に推測したくない」と述べ、市場に「政策が進む過程で利上げが一段と加速する」(米エコノミスト)という見方が広がった。

 「トランプ相場」に沸いてきた米株式市場。予想を超えたタカ派ぶりに大幅安となったが、15日には反発。すぐに動揺は収まった。政策転換への期待が勝った形だ。

 米国では大統領選後、財政出動による景気刺激と金融正常化の試みが並行して進む構図が急浮上した。市場がみせた反応は、内需拡大に対する期待に根ざした強烈な「株高、金利上昇、ドル高」という組み合わせだ。

 基軸通貨国の大転換は世界に大きな影響を及ぼす。格付け会社フィッチ・レーティングスのチーフエコノミスト、ブライアン・コールトン氏は「先進国には良い効果があるだろうが、一部の新興国では資金調達のコスト上昇や機会の低下が起こりうる」と分析する。

 日本には米内需拡大とドル高(円安)という二重の恩恵が及び、ドル高が響く米国よりも好環境との声もある。欧州も単一通貨ユーロの下落が進み、対ドルで02年以来のパリティー(等価)となる1ユーロ=1ドルも間近だ。欧州中央銀行(ECB)は買える資産に限界がみえるなかで量的緩和の縮小を決めたばかり。ユーロ安は追い風といえる。

 一方の新興国。海外からの資金調達に頼る国が多い分、米金利上昇やドル高は資本流出やドル建て債務の膨張を招きかねない。1年前、FRBが9年半ぶりの利上げに踏み切った直後には中国発で市場が混乱した。経済状況は改善しているが「リスクを注視しなければならない」(ティム・アダムズ元米財務次官)との声は絶えない。

 メキシコ銀行(中央銀行)はFRBの利上げ翌日の15日、0.5%の利上げを決めた。FRBに対抗し、通貨メキシコペソの急落やインフレ進行を抑える。米国がようやく今年1回の利上げにこぎつけたのに対し、景気停滞下のメキシコでは、すでに5回を数える。

 そもそもペソ安に弾みをつけたのは、成長の要である北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを唱えるトランプ氏だ。中銀は利上げの声明で「米国で(メキシコの)貿易や投資を妨げる経済政策が成立する可能性」に警戒感をあらわにした。

 米内需が拡大すれば、輸出増を通じた成長という道筋もみえる。だがトランプ氏の保護主義はその実現を危うくする。市場の陶酔の影で蓄積するリスク。世界経済の成長の道筋とマネーの落ち着く先は、なお霧の中だ。

(ニューヨーク=大塚節雄、山下晃)

[日経新聞12月17日朝刊P.]


(下)構造問題、利上げを左右 回復の裏に「三大悲劇」

 「職なき男性(Men without work)」。米アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のニコラス・エバースタット氏の近著が、ちょっとした話題を呼んでいる。

 米国では25〜54歳の男性の就業率(就業者の割合)が1948年の94%から、2015年には84%まで低下した。働き盛りの男性の6人に1人が職に就いていない計算で、先進国の中でも異例の状態にあるという。

 グローバル化やIT(情報技術)化、金融危機の影響が重なって、職が見つからない低中所得層が増えているのが大きい。エバースタット氏はこの現象を「米国の知られざる危機」と呼ぶ。

 米経済が底堅い回復を維持しているのは確かだ。失業率は4.6%と約9年ぶりの低水準を記録し、もはや完全雇用の状態に近づきつつある。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が1年ぶりの利上げに踏み切ったのも無理はない。

 だが米経済を長くむしばんできた構造的な問題は残る。「職なき男性」はその一例にすぎない。労働参加率(働く意思のある人の割合)の低下、設備投資の停滞、生産性の伸び悩み――。ピーター・フィッシャー元米財務次官は「三大悲劇」の深刻さを強調する。

 企業の開業率(単一拠点の会社に限る)も比較可能な1977年の17%から低下傾向をたどり、2014年は10%にとどまった。多方面にわたる活力の衰えが響き、米経済の巡航速度を示す潜在成長率はいまや2%を割り込むといわれる。

 そのせいで景気を冷やさず過熱もさせない「中立金利」はゼロ近傍まで下がっているとの試算も出ている。現行の政策金利は年0.50〜0.75%。雇用や賃金の改善を過信して、実力以上の引き締めに動けば、景気の腰を折りかねない。イエレン氏が慎重を期し「緩やかな利上げ」を志向する理由はそこにある。

 しかしトランプ次期米大統領が公約した大型の減税やインフラ投資が具体化すれば、利上げのペースも調整せざるを得ない。どのタイミングでどれだけの財政出動に踏み切るのか。その景気刺激効果と金利高・ドル高の景気抑制効果をどう見積もればいいのか。金融政策運営の「変数」は劇的に増えてしまった。

 イエレン氏が注目するのは財政出動の中身だ。技術革新や雇用の流動化などを促し、生産性を高めて潜在成長率を押し上げる政策なら、米経済を良い方向に導ける。

 米ハーバード大のジェフリー・フランケル教授は「金融危機後の景気低迷を乗り切るため、金融緩和に頼りすぎてきた」と指摘する。いまの米経済が抱える本質的な問題は潜在成長率の低下で、これを解決できるのはFRBではない。

 必要な対応を怠ってきた政府が賢い財政出動で成長力を底上げする一方、踏み込みすぎた金融緩和のアクセルを徐々に緩めるのが理想的なポリシーミックスといえる。

 これに対してカンフル剤をむやみに打つような非効率な財政出動に走るのなら、景気の過熱や物価の上昇だけをあおり、予想以上の急激な利上げを迫られかねない。イエレン氏も「生産性を上げるのは望ましいが、完全雇用を達成するための財政刺激策は必要ない」とけん制している。

 一方、トランプ氏が本気で保護貿易や移民排斥に動けば、利上げどころではなくなるのかもしれない。米経済のニューノーマル(新常態)と格闘するイエレン氏のかじ取りが、より複雑になったことだけは間違いない。

(ワシントン支局長 小竹洋之)

[日経新聞12月18日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/153.html

[国際16] 国家絡むサイバー攻撃 実態は:「サイバー空間攻防」激化の原因は米国と日本のサイバーディフェンス研究所専務理事(元自衛官)

 転載する記事の中で、航空自衛隊の防空指揮システムのセキュリティ担当だったサイバーディフェンス研究所専務理事・上級分析官名和氏は、軍組織が絡むサーバー攻撃について、「顕在化したのは07〜08年以降だ。きっかけは米国が敵国の防空システムを狙ったサイバー兵器の開発に着手したこと。10年には、米国とイスラエルが共同開発したとされるウイルスがイランの核施設を攻撃した。こうした動きを受け、ロシアや中国なども世界中からハッカーを集めて対抗しようとしている」と説明している。

 また、今話題のロシアによる米国民主党ハッキング騒動について、英国王立防衛安全保障研究所副所長が「こうした試みは米国や欧州諸国が重視する民主主義の価値を傷つけるのが狙いだ。自分たちの政治がいかにすばらしいかを強調できないロシアは、米国の政治がいかに駄目かを示せる状況を作って『どっちもどっち』という評判を広めようとしたようだ。」と解説してみせているのには笑える。

 米国など西側の「民主主義」のまやかしを暴露するのなら、わざわざ民主党といったいち政党のサーバーをハッキングしなくても、国家機関を対象にウィキリークスが行っている。
 民主党関連で晒されたネタは、内輪げんかやえこひいきなどちまちました策謀レベルであり、それが晒されて引き起こす衝撃はたいしたものではない。
 大統領選について言えば、民主党内で対立や嫌悪感を生むものであっても、トランプ氏との争いにはほとんど影響を与えていない。

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[創論]国家絡むサイバー攻撃 実態は

 サイバー攻撃の脅威が高まっている。最近は機密情報の入手に加えて、他国の政治や社会の混乱を目的に国家の関与が疑われる攻撃が目立つ。ロシア、中国などサイバー戦の実態は。どう備えるべきか。英国王立防衛安全保障研究所のマルコム・チャルマーズ副所長と、NEC子会社でサイバーディフェンス研究所上級分析官の名和利男氏に聞いた。

■中ロ 既に兵器情報入手 英国王立防衛安全保障研究所副所長 マルコム・チャルマーズ氏

 ――最近、ロシアや中国など国家ぐるみのサイバー攻撃が指摘されています。

 「両国は軍事・外交など様々な形で欧米や日本に圧力をかけようとしており、サイバー攻撃は近年その有力な手段の一つになっている。まず情報収集で力を発揮する。スパイ活動は古代ギリシャの時代から続いており、他国に人員を送り込んで様々な情報を取ってきた。その後、東西冷戦に入ると、人が敵対する国などに忍び込んで重要書類の写真を撮るなどスパイ活動が過熱した。だがサイバー技術が発達した今では、そうした危険を冒さず、百万もの文書を一度に手に入れることが可能になった。膨大な作業を効率よく短時間でこなすことができる。これは大きな脅威だ」

 ――次期ステルス戦闘機「F35」や、弾道ミサイルに関する詳細情報を中国が入手したとの報道もあります。

 「中ロは既にコンピューターを通じ外国の兵器システムの設計に関する情報を入手している。米航空機や艦船の製造に関する詳しい計画が筒抜けになってしまった例など、既に幾つも深刻な事態が起きている。ロシアや中国は軍に専門のサイバー部門を持っており、IT(情報技術)で高い能力を持つ人材を集め部隊を編成している」

 「機密情報を盗む以外にも官民サイトに間違ったデータを植え付けたりすることで、兵器を使う能力や商業活動を妨害し国家、社会を混乱させる狙いもある。ロンドンのすべてのATMシステムをダウンさせる能力はまだロシアにはないかもしれない。だが11月ごろには、同国が英国に対するサイバー攻撃を強化するとの情報も伝えられており、大きな懸念材料とみている」

 ――米大統領選ではクリントン候補の民主党陣営に対するサイバー攻撃が起き、米政府はロシアが関与したと断定しました。

 「サイバー攻撃は国際的な政争の具にもなっている。当選したトランプ氏は選挙期間中に一時、結果次第で訴えるという内容の発言をして、米国の政治が混迷する可能性もあった。こうした試みは米国や欧州諸国が重視する民主主義の価値を傷つけるのが狙いだ。自分たちの政治がいかにすばらしいかを強調できないロシアは、米国の政治がいかに駄目かを示せる状況を作って『どっちもどっち』という評判を広めようとしたようだ。来年はフランスで大統領選と議会選、ドイツで議会選など欧州で選挙が相次ぎ実施され、混乱の懸念は残る」

 ――サイバー攻撃にはどう対応すべきでしょうか。

 「米英も中ロと同じくサイバー分野で防衛だけでなく攻撃する能力を持っている。英国の場合、サイバー技術を使った情報収集を外務省に属する政府通信本部(GCHQ)が担当し軍と緊密に連携して活動している。ロシアが国益上深刻な打撃を与えるサイバー攻撃を仕掛けてきたら、直ちに同様の手段で報復する体制を整えるべきだとの議論も国内で出ている」

 「ロシアや中国と一種のコンバット(戦闘)を展開しているサイバー空間で優位に立つため、我々も優れた技術や道具を持つ必要があるのは当然だ。米英のほかドイツ、フランスもサイバー攻撃の脅威にさらされているという判断から多くの予算をサイバー防衛に投じている」

 ――サイバー戦争の実例は。またアジアで今後どういう事態が考えられますか。

 「英国はロシアや中国に関する情報を集めるほか、中東では過激派組織「イスラム国」(IS)など非国家の集団を監視している。英国はイラク北部のモスル攻略作戦に関与している。同国には軍事顧問や特殊部隊を派遣しており、それを支援するため英本国からサイバー攻撃をISにしかけている。IS戦闘員は互いにインターネットで交信しているので、それを探ったり無力化したりする」

 「中国人民解放軍のハッキング能力が、(日本、中国の位置する)西太平洋地域での米国の軍事的優位を脅かすほどのレベルとは思わない。だが(米中間で)実際に銃撃やミサイルの使用を伴う戦闘が起きたら、幅広い(対象を狙った)サイバー攻撃の応酬が起きる可能性がある。通常の戦争ではジュネーブ条約などで民間人を守る決まりがあるが、サイバー戦争の世界ではそうしたルールが存在しておらず今後、制定へ議論が必要だと思う」

(聞き手は編集委員 中西俊裕)

 Malcom Chalmers ストロー、ベケット両英外相の上級特別顧問、議会国家安全保障戦略合同委の特別顧問などを経て現職。60歳。
◇     ◇
■日本の防衛力3周遅れ サイバーディフェンス研究所専務理事・上級分析官 名和利男氏

 ――防衛省・自衛隊の通信ネットワークがサイバー攻撃を受けたと報道されました。

 「本来、自衛隊のネットワークに外部から入り込む余地はほとんどない。今回は防衛医大などが加わる大学間の学術情報ネットワーク経由で入り込んだとされる。そのような侵入ルートがあることをどうやって攻撃者が知ったのかが不思議だ。相手が相当な実力を持つ証拠だろう。海外の政府機関の関与を指摘する声が上がったのも当然だ」

 ――サイバー戦争への日本の備えをどう見ますか。

 「かつてサイバー攻撃は攻撃と防御のいたちごっこだといわれていたが、そのような段階は日本では2010年ごろに終わった。いまの日本は防衛する能力が攻撃側と比べて2〜3周遅れで、さらに引き離されつつある。その現状をまず認識する必要がある」

 「主要先進国には国を守る情報機関がある。米国の中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)、英国なら政府情報局の保安部MI5や秘密情報部MI6などだ。こうした組織があるためほかの先進国ではまだ攻撃者とのいたちごっこを続けられる。攻撃側の能力が上がり、サイバー攻撃に国の情報機関が対処する時代になっているのに、日本にはそれに該当する組織がないことも遅れの原因だ」

 ――攻撃側に国家や軍の関与が指摘されるケースが増えています。

 「顕在化したのは07〜08年以降だ。きっかけは米国が敵国の防空システムを狙ったサイバー兵器の開発に着手したこと。10年には、米国とイスラエルが共同開発したとされるウイルスがイランの核施設を攻撃した。こうした動きを受け、ロシアや中国なども世界中からハッカーを集めて対抗しようとしている」

 「中国に関しては製造業などの企業が先進国の企業に機密情報入手を狙ったサイバー攻撃を仕掛ける例も少なくない。主要先進国の中でもサイバー攻撃への備えが最も脆弱なのが日本で、言語的にも中国と近いから攻撃しやすい。狙わない理由はないだろう」

 ――東京五輪を控え日本はどう備えるべきでしょう。

 「今年リオ五輪が開催されたブラジルは、14〜16年の間にサイバー攻撃が通常の3倍に急増した。五輪に限らず、ブラジルでは14年のサッカーワールドカップなど国際イベントの開催が相次いでいたため、外国人観光客の金融情報などを狙った犯罪が増えた」

 「日本もいまや外国人客が年間2000万人以上訪れる時代だ。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が作成した資料を見ると、リオ五輪で『大会運営に支障を来すような事象は発生しなかった』と書かれている。しかし大会運営のことだけを考えていてはダメで、訪日外国人を守るための備えが必要だ」

 ――日本が今後、ほかの主要国並みに対処能力を高めるには何が必要でしょうか。

 「日本ではサイバー攻撃によって個人情報が流出した場合、企業は2次被害などを防ぐために速やかに公表しなければならない。しかし個人情報を含まない知的財産や営業秘密を盗まれた場合には公表や報告の義務がなく、会社の中でかん口令を敷いてしまえば外部には分からない」

 「米国では企業がサイバー攻撃を受けたとき、個人情報の流出がなくてもすべて国に報告を義務付けようとする動きがある。国土安全保障省などには攻撃を受けた企業を助ける実動部隊もある。何が起きているかリアルタイムで把握できないと、安全だと錯覚してしまうので適切な対応ができない。日本も同様の体制を整える必要がある」

 ――あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の時代を迎え、サイバー攻撃の対象の製品も増えてきました。

 「日本ではITがコスト削減の手段とみなされてきたため、人材もITの専門部署や企業に偏在している。IoTの時代を迎え、新たにビジネスを立ち上げようとしている家電などの事業部の技術者にはセキュリティーの知識が乏しい人も多い。これまでIT分野で蓄積されてきたセキュリティー対策の知識が活用されていないことが心配だ」

 「人工知能(AI)の能力向上にも目を配るべきだ。海外ではサイバー攻撃にAIを活用し始めた。AIでネットワークの脆弱性を探されてしまうと、人間がどんなに頑張っても対応できない。日本でも研究開発など、官民が一丸となって準備を急ぐ必要がある」

(聞き手は本田幸久)

 なわ・としお 航空自衛隊の防空指揮システムのセキュリティ担当などを経て09年にサイバーディフェンス研究所へ。45歳。
◇     ◇
〈聞き手から〉大国間 駆け引きの手段に

 サイバー攻撃は最近、米国、ロシア、中国など大国間の駆け引きの手段として存在感を増してきたとチャルマーズ氏は強調する。中ロとも敵と判別しにくい民間人を武装させたり、世論操作など非軍事的な手段に訴えたりして勢力圏を広げる戦術を取っているが、サイバーはそんな「見えない敵」の代表格といえる。

 今年は春にバングラデシュ中央銀行のシステムにハッカーが侵入し91億円を不正送金する事件が発生。米ヤフーでは計15億人分の情報流出が9月以降判明した。ロシア関与の見方が強く、各国政府や企業も軽視できない状況だ。

 「サイバー先進国」のイスラエルの元軍高官は「防衛技術は攻撃で経験を積む中から生みだされる」と話す。日本政府は同国とサイバー防衛の技術協力をする方針なほか、総務省がサイバー技術に通じた若者の育成を進めるなど、東京五輪を視野に日本も対策を急ぐ構え。今後は民間企業を含めてサイバー防衛の情報共有を進める体制を築けるかが課題になる。

(中西俊裕)

[日経新聞12月18日朝刊P.9]



http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/809.html

[医療崩壊5] その薬・検査、本当に必要? 米発「賢い選択」運動日本でも 医師らに意識改革求める

その薬・検査、本当に必要?
米発「賢い選択」運動日本でも 医師らに意識改革求める


 不必要な医療行為をなくそうと、「Choosing Wisely(賢い選択)」と呼ばれる米国の医療界発の取り組みが日本で始まった。不必要な投薬や検査が横行すれば、弊害を及ぼすこともある。「その薬や検査は本当に必要か」。医師と患者が一緒になって見つめ直し、無駄を省いて医療の質を向上させようという試みだ。

 「抗生物質は出してもらえるんですか?」。11月下旬、京都市の七条診療所で熱や鼻水など風邪の症状のため来院した50代の女性患者が尋ねた。小泉俊三所長は「抗生物質は(風邪の原因の)ウイルスには効き目がない。それよりきちんと栄養を取って休むことが大切ですよ」と教えた。


過剰投与で副作用

 不安だから、と処方を求める患者は少なくないという。しかし過剰投与は「薬剤耐性菌」を生む温床となる。効き目が弱まったり、全く効かなくなったりするため、耐性菌による感染症にかかると治りにくい。さらに抗生物質に限らず、多種類の薬を一緒に服用すれば臓器障害などの副作用が出る恐れもある。

 小泉所長は「不要な投薬を求められたとき、患者との間に信頼が土台にあれば説明に理解を得られる」と話す。日々の診療で「息子の嫁とうまくいかない」といった悩みにも耳を傾け、関係構築に努める。

 この治療方針は2012年に米内科専門医認定機構財団が始めた「Choosing Wisely」に沿ったものだ。医師らが「不必要な医療行為をやめよう」と訴えかける活動。取り組みは17カ国に広がる。

 カナダもその一つ。推進団体代表、トロント大学のウェンディ・レビンソン教授(内科学)は10月、日本で医療関係者向けに講演し、「患者に利益をもたらさない医療行為をやめることは医師の責務。本当に必要なのか、自問自答すべきだ」と訴えた。

 なぜ無駄ともいえる医療が行われるのだろうか。レビンソン教授は安心感を得ようと薬や検査を求める患者の存在のほか、医師らが▽最新の検査機器を使いたがる▽従来行ってきた治療法を変えたがらない――などの問題を挙げる。


検査に頼らぬ診察

 米国ではそれぞれの学会が、計700以上の注意すべき医療行為を公開している。例えば小児の中耳炎。2歳以上は比較的自然に治りやすいとし、安易に抗生物質を使わないよう呼びかける。救急外来では頭にけがをした子供の約半数がコンピューター断層撮影装置(CT)で検査されるが、学会は軽傷のケースが多く、3分の1は不要と主張。検査に頼らず、頭蓋骨の骨折の兆候などを診察で見極めることが大事だとする。

 日本の厚生労働省も海外の動向に注目。20年後を見据え、15年に公表した医療制度改革の提言「保健医療2035」でChoosing Wiselyに言及、検査や治療を選ぶ際は的確に吟味する必要性を盛り込んだ。

 独立行政法人、地域医療機能推進機構本部(東京・港)の総合診療顧問、徳田安春医師ら総合診療医が参加する「ジェネラリスト教育コンソーシアム」は注意すべき行為を独自に書籍で公開。軽い腹痛なら自然に治ることもあり、よく診察した上でのCT検査の実施などを提言している。

 ただ提言が5項目にとどまるなど、徳田医師は「他国に比べ取り組みが遅れている」と話す。5月にローマで開催された世界会議では、先行する海外の事例に驚かされたという。

 米国には、医師が薬や検査の発注を電子カルテで行おうとすると「本当に必要なのか」と問いかけてくるシステムを構築した医療機関がある。オーストラリアでは動画投稿サービスを使い、過剰な投与や検査への注意を患者に呼び掛ける活動に力を入れていた。

 徳田医師や七条診療所の小泉所長らは10月、任意団体「Choosing Wisely Japan」を発足。主要学会に米国のように多くの行為の公開を求める。徳田医師は「様々な意見がある中で学会として公開するのは容易でない。公開後は医師に守るよう指導し、実効性を確保する必要がある」と話す。

(辻征弥、鳥越ゆかり)


CT・MRIの台数 人口当たり、世界一

 経済協力開発機構(OECD)によると、日本は人口当たりのコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)の台数で世界一だ。人口100万人当たりの日本のCT台数は107台(2014年)。ドイツが同35台、米国が同41台(15年)と日本は3倍前後の水準だ。MRIも同様で、日本の台数の多さは際立つ。

 これら検査機器に投じた資金を回収するため、「病院で不必要な検査が行われているのではないか」という指摘がある。一方で国内に広く普及したことで、病気の早期発見につながっているという意見もある。


[日経新聞12月18日朝刊P.15]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/439.html

[医療崩壊5] がん検診、限界と弊害理解を:命を縮めるケースもある検診:生検でいじられることで暴れ始める例も

[医師の目]がん検診、限界と弊害理解を 国立がん研究センター 東病院放射線診断科科長 楠本昌彦氏(3)

 がん専門病院で放射線診断医として勤務していると、検診でがんが発見された人を診る機会が多い。その中には「必ずしも検診について正しく理解していないのではないか」と思わざるをえない患者もいる。

 「毎年、検診を受けていれば早期で見つかるし、がんで死ぬことはない」「検診で『異常なし』だったから、私はがんではない。次回の受診までは大丈夫」――。これらはすべて正しくない。

 国は対策型の検診として、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸(けい)がんの5つを指定している。いずれも日本人に多く、検診で死亡率を減少させる効果が期待できる。ただ、それぞれの検診で程度の差はあるが、「検診を受ければ死亡する人が少なくなる」ということは「死亡することがなくなる」ということではない。

 実際に診断していると、毎年検診を正しく受けていた患者であっても、がんと診断された時点で進行しているケースを経験する。特に肺がん検診で、喫煙歴がある人にこうした状態がしばしばみられる。わずかの期間に急激に進行してしまうことがあるからだ。

 検診では、おとなしいがんを発見し、これをすべて治療してしまうと過剰治療になる恐れが生じる場合もある。検診におけるもう一つの問題である。

 超高齢者に対してがん検診を行い、症状もないのに、体に負担のかかる検査や治療をすることによって、かえって命を縮めてしまうこともある。

 公費補助のある検診では開始年齢を定めているが、年齢に上限を設けることも検討すべきではないだろうか。確かに超高齢者の中にも、「早期に見つけてほしい」という人は存在する。こうした人たちに対する検診の問題は別に考えるべきだろう。

 「がん検診は無駄だ」とか「意味がない」と主張しているのではない。がんは症状を自覚するようになった時には、すでに進行した状態で根治できない可能性がある。症状がない時期に検診を受け、より早期に発見することが重要なのは明らかだ。

 ただがん検診は意義だけでなく、このように限界や弊害の恐れもある。検診を行う側は当然だが、受ける側も正しく認識したうえで推進していくことが大切であると思っている。

[日経新聞12月18日朝刊P.15]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/440.html

[政治・選挙・NHK218] 安倍・橋下ラインに存在感 国政課題巡り定期会談:カジノ法案を手土産にイブ会談、民共連携強化に保険

安倍・橋下ラインに存在感 国政課題巡り定期会談[日経新聞]
2016/12/24 21:37

 安倍晋三首相は24日、日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長、維新代表の松井一郎大阪府知事と都内のホテルで会談した。カジノを中心とする統合型リゾート(IR)や憲法改正など国政課題をめぐって意見交換した。次期衆院選もにらみ、首相側が橋下氏らに政権への協力を要請したとみられる。首相と橋下氏の深まる連携が今後の政権運営を左右する可能性もある。

 会談は首相側から呼びかけたという。菅義偉官房長官も同席し、ホテル内のレストランで2時間半にわたり昼食を共にした。首相はステーキ、橋下氏は魚料理を選んだ。

 「IR推進法はよく国会を通すことができましたね」。橋下氏は先の臨時国会で維新が審議入りを強く働きかけたカジノ法成立へのお礼を述べた。政府・与党は今後、カジノの制度設計を定める実施法案づくりに入る。維新側は「これからもしっかりコミットさせていただきたい」と要請し、首相も「ご協力をぜひお願いしたい」と応じた。

 首相が意欲を示す憲法改正も話題に上った。橋下氏が「改憲は安定した政権の状態でないと難しいですね」と水を向けると、首相は「環境整備もしっかりしないといけない」と語った。出席者によると、会談では橋下氏が「トランプさんはどんな人ですか」「プーチン大統領って笑うんですか」などと質問を投げかけ外交話にも花が咲いた。

 首相と橋下氏の会談は参院選直後の今年7月以来で、第2次安倍政権発足後では7回目。2015年以降はほぼ半年おきに3時間近くにわたる会談を重ねている。

 首相が期待するのは、世論の流れを引き寄せる橋下氏の巧みな弁舌だ。衆参両院でいわゆる改憲勢力が議席の3分の2を占めるにもかかわらず、憲法論議が進まないのは国民の間で機運が高まっていないためだ。国会で憲法改正を発議しても国民投票で過半数を取れなければ改憲はできない。

 一方、菅氏の狙いは政権運営の幅を広げるカードとしての維新の存在にある。たとえば菅氏は公明党とのパイプ役を担うが、維新カードは特に公明党へのけん制に効力を発揮するようだ。

 来夏の東京都議選に向けても菅氏の思惑がちらつく。菅氏は12年の自民党総裁選で首相を支持しなかった小池百合子都知事との折り合いはよくないとされる。維新は都議選で2桁の議席獲得をめざしている。都内での足場は乏しいが「小池新党」とは支持層が重なるとみられ、けん制になる。この日の会談でも小池氏が話題に上り、橋下氏が自らの体験談も交えて都政を論評したという。

 維新に期待する首相や菅氏にとって、橋下氏の「国政進出」は大きな関心事。「まだ戻らないの?」。首相が政界復帰を促すと、橋下氏は「まだです」とかわしたという。

 首相は会談後、記者団に「『今年いろいろあったな』『来年もともに頑張りましょう』と(話した)」と笑顔で語り、維新との絆を強調した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS24H0R_U6A221C1PE8000/?dg=1

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首相「来年もともに頑張ろう」 橋下氏と2時間半会談[日経新聞]
2016/12/24 19:21

 安倍晋三首相は24日午後、日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長、維新代表の松井一郎大阪府知事と都内のホテルで約2時間半にわたり会談した。統合型リゾート(IR)や憲法改正などの国政課題を巡り、次期衆院選もにらんで首相側が橋下氏らに協力を要請したとみられる。

 会談は正午ころから開始。菅義偉官房長官も同席した。首相は会談後、記者団に「『今年いろいろあったな』、『来年もともに頑張りましょう』と(話した)」と笑顔で語り、国政運営で引き続き協力するよう維新側に呼びかけたことを匂わせた。

 首相と橋下氏の会談は参院選直後の今年7月以来。2015年以降はほぼ半年おきに3時間近くにわたる会談を継続している。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK24H0I_U6A221C1000000/


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/179.html

[政治・選挙・NHK218] 天皇退位法制化をめぐる小林よしのり氏や山尾志桜里代議士の見解に異議:退位制度を設けるなら「定年制」

「山尾志桜里議員のブログを読め!  小林よしのり」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/939.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 23 日 03:40:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU

へのコメントです。

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誤解を招かないよう、最初にいくつかの点について立場を明らかにしておきたい。

1)天皇制度の存続をことさら求めるものではない。

2)天皇の「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(平成28年8月8日)」については違憲性を指摘できる。(詳細は省略するが、憲法条文規定を超えて象徴天皇についてあるべき姿を語ったことが問題)

3)生きているうちの天皇退位(譲位)を認めるなら「皇室典範」を改正し条件などをきちんと規定すべきである。

4)譲位を認めるなら、国会多数派(政治家)の意向や天皇の意向などによる“恣意”的退位が起きないよう、天皇の意思ではなく、一定年齢に達したら“義務”的に退位する「定年制」が望ましい。


3)の考えから、現在の天皇のみを適用対象とした特例法的(その特例法の違憲性を阻却するための皇室典範改正を含む)対応には反対である。

 その点は小林よしのり氏や山尾志桜里代議士と同じだが、彼らの理由付けには同意できない。

【山尾志桜里代議士ブログより引用】
「今回特例法で対応すれば、時の天皇陛下の地位が、法律成否の手綱を握る時の政権の意向に左右される前例を作ることになります。天皇の地位が時々の政権の影響下におかれてよいとは思えません。

したがって、時々の政権の影響を極力排除するため、皇室典範を改正して、恒久的一般的な要件手続きを定めるべきです。」


【コメント】
 天皇の退位を恒久的に認めるかたちで皇室典範を改正したからといって、「天皇の地位が時々の政権の影響下におかれ」ない“保証”はない。(皇室内部について窺い知ることは難しく、天皇が自発的に退位したいと表明したとしても、それがほんとうに自由意志に基づくものなのか、時の政権の働きかけはなかったかなど不明である)

 だから、「皇室典範を改正して、恒久的一般的な要件手続きを定める」ことで、時の政権の影響を排除できると考えるのは、政治家と思えないほど“甘い”。

 山尾志桜里代議士が考える退位に関する「恒久的一般的な要件手続き」がどのようなものか不明だが、持論である「定年制」でない限り、天皇が恣意的に地位(職)を辞すことを許してしまう。(1)の立場だから、そんな制度なら制度そのものを廃止したほうがいいと思う)


【山尾志桜里代議士ブログより引用】
「もちろん、「皇位」の「継承」につき「特例法」で定めることは、「皇室典範」で定めるべしと名指しした憲法2条に反する疑いがあり、こと天皇の地位に違憲の疑いという傷をつけてはならないという理由も重要です。」

【コメント】
 特例法の違憲性を阻却するために皇室典範を改正するという姑息な手法に違憲の疑いは残るが、ぎりぎりセーフとも言える。

 しかし、現在の天皇ひとりのために、特例法制定と皇室典範への特例法承認条項挿入まで行って退位を認めようとするのは異常と言える。

 そう見なされないためにも、超長寿時代を踏まえて、天皇の「定年制」(70歳でも80歳でも)を恒久的一般的要件とする皇室典範改正が望ましい。

 なお、「定年制」は、義務的強制的な退位であり、もっと天皇の地位にとどまりたいと思う天皇の意向は踏みにじることになる。


※ 安倍内閣は、特例法で対応したい雰囲気を醸しているが、本音は、恒久的一般的規定で皇室典範を改正する方向をめざしていると推測する。

そう考えるワケは、

※参照投稿

「用意周到に仕組まれた天皇の「生前退位」意向説流布の背景と意味を読み解く」
http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/505.html

「「生前退位」の報道を全面否定した宮内庁長官の会見は天皇の憲法尊重・遵法態度を明確に示すための“ポーズ” 」
http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/612.html

「今上天皇の後を継ぐ現皇太子にも天皇即位後「譲位」の流れができることを事前に理解する必要」
http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/588.html



http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/181.html

[国際16] 北朝鮮 キム委員長 核開発正当化し制裁決議を非難:プーチン大統領やトランプ氏の発言とシンクロ?

北朝鮮 キム委員長 核開発正当化し制裁決議を非難[NHK]
12月24日 14時36分

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は、党の下部組織の幹部を集めた大会で演説し、核開発と経済の立て直しを並行して進める路線を改めて正当化するとともに、国連安全保障理事会の新たな制裁決議などについて「敵対勢力があがいている」と主張して非難しました。

24日の北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、朝鮮労働党の下部組織の幹部を集めた大会が23日にピョンヤンで開かれたと伝え、キム・ジョンウン委員長が演説する様子を放送しました。

この中でキム委員長は、韓国など北東アジアの現在の情勢に言及したうえで、「われわれが選んだ路線がどれほど正しかったかを一層明確に実証している」と述べ、核開発と経済の立て直しを並行して進める路線を改めて正当化しました。

そのうえで、「わが国の戦略的地位が高まることに恐れをなした敵対勢力が、国連安全保障理事会の制裁決議や独自制裁を仕立て上げ、あがいている」と主張し、国連安保理の新たな制裁決議などを非難しました。

一方でキム委員長は、党内での汚職行為などを念頭に「一部の党幹部にある欠点がわわれれの発展を阻害している」と批判しました。
北朝鮮の指導部としては、党の内部の問題をあえて指摘することで、国内の引き締めを図る狙いがあると見られます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161224/k10010818721000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_008


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/821.html

[国際16] 「核兵器禁止条約へ交渉」 国連総会で決議採択:日本政府は反対

「核兵器禁止条約へ交渉」 国連総会で決議採択[NHK]
12月24日 12時07分

核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けて来年から交渉を開始するという国連総会の決議が、113か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカなど核兵器の保有国に加え、段階的な核軍縮を主張する日本も反対し、国際社会の足並みが大きく乱れる形となりました。

この決議は、核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けて来年の3月から国連で各国が交渉を始めるというもので、核兵器を保有しないオーストリアなど50か国以上が共同で提案し、ことし10月に国連総会の委員会で賛成多数で採択されました。

23日には国連総会でも決議案が採決にかけられ、過半数の113か国が賛成して決議は採択されましたが、中国とインドを除く核兵器の保有国がいずれも反対しました。
また、唯一の戦争被爆国として核兵器の廃絶を訴えながらアメリカの核の傘の下にある日本も、核軍縮は核兵器を保有しない国と核保有国が協力して段階的に進めるべきだとして再び反対しました。

軍縮に詳しい国連外交筋は「核保有国が核兵器の近代化と増強という方向へ進もうとしている現実と、核軍縮を進めようという国連の中での議論のかい離が大きくなっている。条約の交渉は厳しいものになるだろう」と指摘しています。

決議の採択を受けて、来年3月から核兵器禁止条約の制定に向けた交渉が始まることになりますが、国際社会の足並みが大きく乱れる中、今後の世界の核軍縮の流れにどのような影響を及ぼすのか注目されます。


外務省「日本の立場に合致せず」

外務省は、NHKの取材に対し「今回の決議は、核兵器の保有国と非保有国の対立を助長し、亀裂を深める内容になっていて、『核兵器のない世界』を目指すために双方が協力して具体的で実践的な取り組みを重ねる必要があるという日本の立場には合致しなかった」としています。

また、決議に反対した背景には、北朝鮮が核実験を繰り返していることなど厳しい安全保障環境を考慮する必要があったとも説明しています。

一方、来年3月から始まる条約の制定に向けた交渉について、岸田外務大臣は、議論の場に参加して核保有国と非保有国が協力して核軍縮を着実に進めることの必要性を訴えたいという意向を重ねて示していて、今後、議論の場に参加するかどうか、政府全体で検討することにしています。


米 禁止急いでも核軍縮にならないと強調

核兵器を禁止する条約の制定に向け交渉を開始するとする国連総会の決議について、アメリカのウッド軍縮大使はNHKの取材に対し、「北朝鮮の核開発問題など、現在の不安定な世界情勢を無視した議論で、失敗するとしか思えない」と述べ、核兵器の禁止を急いでも核軍縮にはつながらないという考えを強調しました。

核兵器を法的に禁止する条約の制定に向けた交渉を始めるとする決議が国連総会で採択されるのを前に、国連で核軍縮の交渉に当たっているアメリカのロバート・ウッド軍縮大使はNHKのインタビューに応じました。

この中でウッド大使は、核兵器を禁止する条約に反対する理由について、「今の世界情勢は不安定だ。中国が台頭し、北朝鮮の核開発問題があり、ロシアも国際的な影響力を広げようとしている。この情勢の中で核兵器の禁止に向けた議論を始めることは無責任だ。失敗するとしか思えない」と述べました。

また、多くの国が核兵器の非人道性に強い懸念を抱いていることについては、「核兵器の議論には人道と安全保障の2つの側面があり、安全保障の面を考慮しない核軍縮の議論は極めて危険だ」と指摘しました。

さらに、核兵器禁止条約が停滞する核軍縮を後押しするのではないかという問いには、「核保有国が参加しない議論が、なぜ核廃絶につながるのか。条約の制定を強行することは的外れな努力としか思えない」と述べ、核兵器の禁止を急いでも核軍縮にはつながらないという考えを強調しました。


広島と長崎の被爆者などは

国連総会の決議に日本が反対したことについて、広島で被爆し、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の代表理事を務める箕牧智之さんは、「核兵器を持つ国は核があるから世界が平和なのだと言うが、核がある以上、いつかどこかで使われるかもしれず、非常に不安だ。日本も追従するかのように決議に反対していて、私たち被爆者はこの問題をどう訴えれば解決するのか」と批判しています。

そのうえで、来年3月から条約の制定に向けた交渉が始まることについて、「世界の情勢がこれからどんなふうに変化するのか、予想がつかない。半歩くらいは前進かもしれないが、『もう大丈夫だ』と言えるほど期待はしていない」と述べ、今後の推移を見守る考えを示しました。

決議が採択されたことについて、被爆者で、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長は、「原爆の被害を二度と繰り返さないためには核兵器そのものを廃絶する以外になく、多くの国が賛成したことは非常に喜ばしい」と評価しました。

この一方で、ことし10月の国連総会の委員会での採決に続き、今回も日本が反対したことについて、「核廃絶に向けて唯一の被爆国である日本が本来ならば先頭に立って頑張らなければならないのに、核保有国と同様に決議に賛同しないことはあってはならない」と批判しました。
そのうえで「核兵器の廃絶に向けて上向きの方向性が出てきたこのタイミングを逃してはならず、日本には世界の国々を引っ張る役割を果たしてもらいたい」と話していました。

長崎市の田上市長はコメントを出しました。この中で、田上市長は「悲惨な体験を二度と世界の誰にも経験させてはならないと核兵器廃絶を訴え続けてきた被爆者や被爆地にとって新しい大きな流れであり、大変喜ばしく思います」と評価しました。
そのうえで、「今後、核保有国と『核の傘』の下にある国々を含むすべての国が交渉に参加し、核兵器のない世界に向けて英知を結集されることを期待します」と指摘しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161224/k10010818621000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_010


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/822.html

[政治・選挙・NHK218] 安倍首相所感「和解の力」全文:オバマ大統領の真珠湾での演説全文

安倍首相所感「和解の力」全文[NHK]
12月28日 7時26分

安倍総理大臣の所感の全文です。

オバマ大統領、ハリス司令官、ご列席の皆さま、そして、すべての、アメリカ国民の皆さま。

パールハーバー、真珠湾に、いま私は、日本国総理大臣として立っています。

耳を澄ますと、寄せては返す、波の音が聞こえてきます。
降り注ぐ陽の、やわらかな光に照らされた、青い、静かな入り江。

私のうしろ、海の上の、白い、アリゾナ・メモリアル。
あの、慰霊の場を、オバマ大統領とともに訪れました。
そこは、私に、沈黙をうながす場所でした。
亡くなった、軍人たちの名が、しるされています。

祖国を守る崇高な任務のため、カリフォルニア、ミシガン、ニューヨーク、テキサス、さまざまな地から来て、乗り組んでいた兵士たちが、あの日、爆撃が戦艦アリゾナを二つに切り裂いたとき、紅蓮の炎の中で、死んでいった。
75年が経ったいまも、海底に横たわるアリゾナには、数知れぬ兵士たちが眠っています。
耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と、波の音とともに、兵士たちの声が聞こえてきます。
あの日、日曜の朝の、明るく寛いだ、弾む会話の声。自分の未来を、そして夢を語り合う、若い兵士たちの声。最後の瞬間、愛する人の名を叫ぶ声。
生まれてくる子の、幸せを祈る声。

一人、ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。
愛する妻や、恋人がいた。
成長を楽しみにしている、子どもたちがいたでしょう。
それら、すべての思いが断たれてしまった。

その厳粛な事実を思うとき、私は、言葉を失います。

その御霊よ、安らかなれー。
思いを込め、私は日本国民を代表して、兵士たちが眠る海に、花を投じました。

***

オバマ大統領、アメリカ国民の皆さん、世界の、さまざまな国の皆さま。
私は日本国総理大臣として、この地で命を落とした人々の御霊に、ここから始まった戦いが奪った、すべての勇者たちの命に、戦争の犠牲となった、数知れぬ、無辜の民の魂に、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない。
私たちは、そう誓いました。
そして戦後、自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら、不戦の誓いを貫いてまいりました。

戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。
この場で、戦艦アリゾナに眠る兵士たちに、アメリカ国民の皆さまに、世界の人々に、固い、その決意を、日本国総理大臣として、表明いたします。

***

昨日、私は、カネオへの海兵隊基地に、一人の日本帝国海軍士官の碑(いしぶみ)を訪れました。
その人物とは、真珠湾攻撃中に被弾し、母艦に帰るのをあきらめ、引き返し、戦死した、戦闘機パイロット、飯田房太中佐です。
彼の墜落地点に碑を建てたのは、日本人ではありません。
攻撃を受けた側にいた、米軍の人々です。
死者の、勇気を称え、石碑を建ててくれた。
碑には、祖国のため命を捧げた軍人への敬意を込め、「日本帝国海軍大尉」と、当時の階級を刻んであります。

The brave respect the brave.
「勇者は、勇者を敬う」

アンブローズ・ビアスの、詩(うた)は言います。
戦い合った敵であっても、敬意を表する。
憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。
そこにあるのは、アメリカ国民の、寛容の心です。

戦争が終わり、日本が、見渡す限りの焼け野原、貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれたのは、米国であり、アメリカ国民でありました。

皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、命をつなぐことができました。

そして米国は、日本が、戦後再び、国際社会へと復帰する道を開いてくれた。
米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは、平和と繁栄を享受することができました。

敵として熾烈に戦った、私たち日本人に差しのべられた、こうした皆さんの善意と支援の手、その大いなる寛容の心は、祖父たち、母たちの胸に深く刻まれています。
私たちも、覚えています。
子や、孫たちも語り継ぎ、決して忘れることはないでしょう。

***

オバマ大統領とともに訪れた、ワシントンのリンカーン・メモリアル。
その壁に刻まれた言葉が、私の心に去来します。

「誰に対しても、悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う」。
「永続する平和を、われわれすべてのあいだに打ち立て、大切に守る任務を、やりとげる」。

エイブラハム・リンカーン大統領の、言葉です。
私は日本国民を代表し、米国が、世界が、日本に示してくれた寛容に、改めて、ここに、心からの感謝を申し上げます。

***

あの「パールハーバー」から75年。
歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国となりました。
それは、いままでにもまして、世界を覆う幾多の困難に、ともに立ち向かう同盟です。
明日を拓く、「希望の同盟」です。

私たちを結びつけたものは、寛容の心がもたらした、the power of reconciliation、「和解の力」です。
私が、ここパールハーバーで、オバマ大統領とともに、世界の人々に対して訴えたいもの。
それは、この、和解の力です。

戦争の惨禍は、いまだに世界から消えない。
憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。

寛容の心、和解の力を、世界はいま、いまこそ、必要としています。
憎悪を消し去り、共通の価値のもと、友情と、信頼を育てた日米は、いま、いまこそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え続けていく、任務を帯びています。
日本と米国の同盟は、だからこそ「希望の同盟」なのです。

***

私たちを見守ってくれている入り江は、どこまでも静かです。パールハーバー。
真珠の輝きに満ちた、この美しい入り江こそ、寛容と、そして和解の象徴である。
私たち日本人の子どもたち、そしてオバマ大統領、皆さんアメリカ人の子どもたちが、またその子どもたち、孫たちが、そして世界中の人々が、パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれる事を私は願います。
そのための努力を、私たちはこれからも、惜しみなく続けていく。オバマ大統領とともに、ここに、固く、誓います。
ありがとうございました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161228/k10010822371000.html?utm_int=news_contents_news-main_001_relation_002

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オバマ大統領の真珠湾での演説全文(日本語訳)[日経新聞]
2016/12/28 11:35

(オバマ大統領演説の英語原文はこちら)

 安倍首相、米国民を代表して大変すばらしい言葉に感謝する。今日、この地への訪問は、日米の人々の和解と結束の力を示す歴史的な行動であり、戦争の最も深い傷でさえ、友情と恒久平和に変えることができると気付かせてくれる。

 出席者、軍人、真珠湾の戦いの生存者、家族の皆さん、アロハ。米国の人々、特にハワイをふるさとと呼ぶわれわれにとって、この湾は聖なる場所だ。われわれがここに花をささげ、今も涙を流す海に花束を投げ入れる時、天国へ行った2400人を超える米国の愛国者たち、父であり夫であり、妻や娘であった人たちに思いをはせる。

▽米国人の勇気

 われわれは毎年12月7日に背筋を伸ばし、オアフを守ろうとした人々に敬意を表する。そして75年前にここで示された勇敢さに思いをはせる。

 あの12月の夜明け、楽園でさえこの地ほどは心地よくなかった。水は温かく、あり得ないほど青かった。水兵たちは食堂で食事をしたり、しわのない白い半ズボンとTシャツを身に着けて教会に行く準備をしたりしていた。

 湾には軍艦カリフォルニア、メリーランド、オクラホマ、テネシー、ウェストバージニア、ネバダがきれいな列をつくり停泊していた。アリゾナの甲板では、音楽隊がまさに演奏を始めようとしていた。

 あの朝、肩につけた階級章が見劣りするほどに彼らは勇敢だった。島中で米国人は訓練用の砲弾や旧式のライフルを使用して可能な限り戦った。アフリカ系米国人の給仕はいつもなら掃除をしていたが、この日は上官を救い、弾が尽きるまで対空砲を撃ち続けた。

 われわれは軍艦ウェストバージニアの1等砲撃手、ジム・ダウニングのような米国人に敬意を表する。彼は真珠湾に駆け付ける前、新妻から聖書の一文を託された。「永遠なる神は汝のよりどころ。その永遠なる腕に抱かれて」

 ジムは船を守るため戦うと同時に、倒れていった仲間たちの名前を記録していた。彼らの家族に最期を伝えるためだ。彼は言う。「やるべきことをやっただけだ」と。

 われわれは、ホノルルの消防士ハリー・パンのような米国人を記憶にとどめている。激しい炎が眼前に立ち上る中、飛行機の火を消すために彼は身をささげた。名誉負傷章を受けた数少ない民間消防士の一人だ。

 50口径のマシンガンを2時間以上も操作し、20にもわたる傷を負い、軍人に授けられる米最高の勲章である名誉勲章を受けたジョン・フィン曹長のような米国人を、われわれはたたえる。

▽戦争の試練

 この地でわれわれは、いかに自分たちの永続的な価値が戦争によって試されたか、日系米国人たちが戦時中、いかに自由を奪われたかを思い返す。米国史上で最も多くの勲章を授かった部隊は、日系米国人2世で構成された第442連隊戦闘団であり、第100歩兵大隊だった。

 その第442連隊戦闘団には、私の友人であり誇り高きハワイ人であるダニエル・イノウエ(故人)も所属していた。彼は私の生涯の大半を通じハワイ州選出の上院議員を務め、上院で彼と共に働くのは私の誇りだった。彼は名誉勲章や大統領自由勲章の受章者であるだけでなく、彼の世代における最も傑出した政治家の一人だった。

 ここ真珠湾で、初めて第2次大戦を戦った米国は奮起した。この地で、米国は成熟した。私の祖父母を含む「最も偉大な世代」は、戦争を求めていたのではない。しかし彼らは戦争から尻込みするのを拒んだ。そして彼らは前線や工場で自分の役割を果たした。75年を経て、真珠湾の生存者は時とともに数が減ってきたが、この地で思い出す勇敢さはわれわれ国民の心に永久に刻まれている。

 真珠湾や第2次大戦の退役軍人の皆さん。どうか立ち上がってください、もしくは挙手してください。国民が皆さんに感謝できるように。

▽強固な同盟

 国家の品性とは戦時中に試されるものだが、その意味は平和の下で明確になる。海をまたいだ激しい戦いにより、数万どころか数千万の命を奪った人類の歴史で最も恐ろしい一章の後、米国と日本は友情を選び、平和を選んだ。

 数十年にわたり、われわれの同盟は、両国に一層の成功をもたらした。さらなる世界大戦を防ぎ、10億人以上を貧困から引き上げた国際秩序を支えてきた。

 共通の利益だけでなく、共通の価値観に根ざして結びついた日米の同盟は今日、アジア・太平洋地域の平和と安定のための礎石となっており、国際的な発展のための力となっている。われわれの同盟はかつてなく強固だ。

 良いときも悪いときも、われわれは共にある。津波が日本を襲い、福島の原子炉が溶けた5年前を思い出そう。そこには、軍服に身を包んだ米国の男性や女性たちが、日本の友人たちを助けるためにいた。

 日米はアジア・太平洋地域と世界の安全を強化するため、世界中で肩を並べて働いている。海賊を追い返し、疫病と闘い、核兵器の拡散を遅らせ、戦争で引き裂かれた地域の平和を保ってきた。

 今年初め、真珠湾の近くで、日本は二十数カ国と世界最大の海上軍事演習に参加した。それには、米海軍将校と日本人の母との間に生まれたハリー・ハリス司令官が率いる米太平洋軍も含まれていた。ハリーは横須賀生まれだ。彼のテネシーなまりからは分からないだろうけれど。

 ハリー、君の際立った指導力に感謝する。

 その意味では、われわれが今日ここにいることが、政府間の関係だけではなく人々同士の関係が、そして安倍首相がここにいることが、国と国との間、人々同士で何が可能であるかを思い起こさせてくれる。戦争は終わり得るものなのだ。最も激しく戦った敵同士が、最も強い同盟をつくることができるのだ。平和によって得られる成果は、戦争による略奪を常に上回るものだ。これこそがこの神聖な湾の不朽の真実だ。

 この地でわれわれは思い出す。憎悪が最も激しく燃えさかる時でも、民族的な優越意識が最も高まる時でも内向きになることに抵抗しなければならないことを。自分たちと違う者を悪魔のように決めつける衝動に抵抗しなければならない。

▽お互いのために

 ここで払われた犠牲、戦争の苦悩は、全人類に共通する神聖なるものを追求することを思い起こさせてくれる。わたしたちが日本の友人たちが言うところの「お互いのために」努力しなければならないことを示している。

 それこそが戦艦ミズーリのウィリアム・キャラハン艦長が残した教訓だ。彼は自分の船が攻撃された後でも(命を落とした)日本のパイロットが軍人の尊厳を持って、米国の水兵らが縫った日本の国旗に包まれて埋葬されるように命じた。何年も後にこの湾に戻ってきた日本のパイロットが残した教訓でもある。彼は年老いた海兵隊のらっぱ吹きと友人となり、慰霊のらっぱを吹いて、記念碑に毎月2本のバラを手向けるように頼んだ。1本は米国の犠牲者、もう1本は日本の犠牲者のために。

 この教訓は、両国の人々が日々、最もありふれたやり方で学んでいる。東京で勉強している米国人であり、米国に留学している若い日本人たちだ。そして、共にがんの未解明な部分を解き明かそうとしたり、気候変動対策に取り組んだり、星々の研究をしたりしている両国の科学者たちもいる。

 平和と友情で結ばれた日米両国の人々が共有する誇りに支えられ、マイアミのスタジアムを沸き立たせているイチローのような野球選手もいる。

 国として国民として、われわれは受け継ぐ歴史を選ぶことはできない。しかし、そこから何を教訓とするかは選ぶことができる。その教訓に基づいてわれわれの将来像を描くことができるのだ。

 安倍首相、日本の人々がいつも私を歓迎してくれたように友情の精神であなたを歓迎する。私はあなたと共に、戦争よりも平和からこそ勝ち取れるものがあるのだということ、報復よりも和解からこそ、恩恵を受けられるというメッセージを世界中に送りたい。この静かな湾でわれわれは友人として共に、亡くなった人々を悼み、両国が勝ち取ってきたもの全てに感謝をささげる。

 犠牲者たちが神の腕の中で永遠に抱かれますように。退役軍人とわれわれを守るために立ち上がった人々を見守ってください。われわれ皆に神の祝福がありますように。ありがとう。〔共同〕

http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040001_Y6A221C1000000/?nf=1

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日米首脳「中国空母の動向注視」 会談で一致
2016/12/28 9:00

 【ホノルル=山口啓一】安倍晋三首相は27日午前(日本時間28日午前)、オバマ米大統領とハワイ・ホノルルの米太平洋軍司令部で約30分会談した。来年1月に任期満了を迎えるオバマ氏と最後の会談で、アジア太平洋地域の安定に貢献してきた日米同盟を維持していくことを確認。中国空母が初めて西太平洋に進出したことについて「中長期的観点からも注目すべき動向だ」との認識で一致した。

 オバマ氏との正式な会談は2012年12月の第2次安倍政権発足後、今回で9回目。

 首相は冒頭「この4年間、共に努力し、日米同盟は安全保障、経済、人的交流を含む幅広い分野で協力が深化した」と謝意を伝えた。オバマ氏は「同盟の中核は友情だ。故郷のハワイに首相を迎えて最後の首脳会談をできるのを嬉しく思う」と歓迎。「これからも日米同盟がこれまで以上に盤石となることを期待している」と応じた。

 首相は日中関係に関するオバマ氏の支持と理解に謝意を示したうえで「尖閣諸島が日米安保条約第5条の対象になることや、日本の施政を損なおうとするいかなる一方的行動にも反対するとのメッセージは力強い」と米側の対応を評価した。

 北朝鮮情勢に関しては両首脳は「かつてなく強力な国連安全保障理事会決議の履行が重要だ」との認識で一致。オバマ氏は「これから米国も韓国も過渡期を迎えるが、米国としても日韓関係が慰安婦合意により進展していることを高く評価している。日米韓協力の強化を期待する」と語った。

 沖縄の基地問題に関し、首相が「オスプレイの事故発生は遺憾だ」として安全確保と情報提供を要請。オバマ氏は「緊密に意思疎通していく」と述べた。首相は沖縄の米軍基地面積を2割減らす北部訓練場の返還は意義深いとしたうえで、普天間基地の名護市辺野古移設に関して「国は27日に工事を再開した。政府として工事を着実に進めていきたい」と説明。オバマ氏は「沖縄の負担軽減に協力していく」と応じた。

 環太平洋経済連携協定(TPP)を巡っては、首相が「新政権に粘り強く働きかけていきたい」と説明。オバマ氏は「TPPに関する理解を増進し、今後とも推進すべく努力したい」と応じた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H0W_Y6A221C1000000/?dg=1


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/317.html

[政治・選挙・NHK218] 増税で不安は解消しない:だから、増税で将来の不安を解消すれば消費が増大するという言説はウソ

[大機小機]増税で不安は解消しない[日経新聞]

 世界的に権威のある英語辞書の版元オックスフォード大学出版会が、2016年を表す言葉として「ポスト・トゥルース(真実)」を選んだ。

 これは客観的な事実や真実が重視されない時代をよく表している。欧州連合離脱を決める英国民投票、米大統領選などで事実と異なる言説が横行したこと、端的に言えばウソがまかり通ったということだ。

 日本でも「ポスト真実」的な言説は多い。典型は疑似科学。古くは血液型性格診断から、近年のマイナスイオン、活性化水素水まで枚挙にいとまがない。

 「ポスト真実」は経済の領域でも見られる。例えば、最近の消費が低迷する原因は人々が社会保障に対して抱く将来不安にあり、不安を解消するため消費税増税で財源の安定・充実化を図るべきだという議論がある。「増税すれば国民が安心し、消費も増える」という理屈だ。この「消費増税不安解消説」は本当だろうか。

 現状で消費が低迷しているのは事実だ。所得階層別に消費・貯蓄行動を見られる家計調査によると、15年から低所得者層の貯蓄率が上がっている。先日公表された資金循環統計では、家計の資金余剰は第2四半期の対国内総生産(GDP)比0.2%から第3四半期の3.5%まで増えている。

 しかし増税不安解消説は、ごく単純な事実を見逃している。それは14年4月に消費税が5%から8%に引き上げられ、その後、消費が低迷したことだ。仮に増税が社会保障への不安を解消するのなら、今ごろ消費は増えているはずだった。現実にはそんなことは起きていない。

 増税不安解消説を唱える人は「いや、消費税をもっと上げれば人々は安心する」と言うのかもしれない。だが理論的な問題もある。

 合理的な個人を考えてみると、恒久的に増税されると将来にわたって得られる実質所得が減るので消費は恒久的に減少する。非合理的な個人の場合では、目先の所得減少により強く反応するから消費は減少する。

 いずれにせよ増税が消費を減らすことには強い理論的根拠がある。これに比べて増税が消費を増やすという議論の根拠は危うい。

 来年は客観的な事実と真実が重視される時代にしたいものである。

(カトー)


http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20161223&ng=DGKKZO11015100S6A221C1EN2000


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/318.html

[経世済民117] 日本株、日銀が最大の買い手 今年4兆円超 海外勢の売り吸収:GPIFメインの信託銀行が二番手、外国人は売り越し

日本株、日銀が最大の買い手 今年4兆円超 海外勢の売り吸収

 2016年、日本株の最大の買い手は日銀――。12月半ばまでの投資部門別売買動向を基に集計したところ、日銀の上場投資信託(ETF)購入額が4兆3千億円超と他部門を上回り最大になることが確実になった。昨年に比べ4割増え、外国人投資家の売りを吸収した。


 年初からの日銀発表と東証集計の投資部門別売買動向を基に比較した。16年1月から12月第2週(12〜16日)までの累計売買では、外国人が3兆5千億円強を売り越した半面、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの売買を含む信託銀行が約3兆5千億円を買い越した。一方、日銀は22日までにETFを4兆3千億円購入しており、信託銀を上回り「今年最大の買い手となる」(みずほ証券の菊地正俊氏)。

 日銀は昨年もETFを3兆円超購入、最大の買い手だった。今年は7月に追加金融緩和策としてETFの年間購入額目標を3兆円から6兆円に倍増させ買い入れペースが速まった。取得価格ベースのETF保有額は11兆円だが、三菱UFJ国際投信の試算によると時価は14兆円で約3兆円の含み益が生じている。

 海外勢は米大統領選のあった11月以降は、日本株を2兆円超買い越しているが、年前半の売りを相殺するまでには至っていない。

 日銀のETF買いは株価を下支えする効果がある一方で、業績などに関係なく幅広い銘柄を購入するため「株価形成をゆがめる」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏)弊害も指摘されている。

[日経新聞12月25日朝刊P.1]


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/281.html

[政治・選挙・NHK218] 首相、橋下氏と連携深める 国政課題巡り会談 今後の政局左右も:「与党と同じ」民進・蓮舫氏、維新をけん制

首相、橋下氏と連携深める 国政課題巡り会談 今後の政局左右も

 安倍晋三首相は24日、日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長、維新代表の松井一郎大阪府知事と都内のホテルで会談した。カジノを中心とする統合型リゾート(IR)や憲法改正など国政課題をめぐって意見交換した。次期衆院選もにらみ、首相側が橋下氏らに政権への協力を要請したとみられる。首相と橋下氏の深まる連携が今後の政権運営を左右する可能性もある。

 会談は首相側から呼びかけたという。菅義偉官房長官も同席し、ホテル内のレストランで2時間半にわたり昼食を共にした。首相はステーキ、橋下氏は魚料理を選んだ。

 「IR推進法はよく国会を通すことができましたね」。橋下氏は先の臨時国会で維新が審議入りを強く働きかけたカジノ法成立へのお礼を述べた。政府・与党は今後、カジノの制度設計を定める実施法案づくりに入る。維新側は「これからもしっかりコミットさせていただきたい」と要請し、首相も「ご協力をぜひお願いしたい」と応じた。

 首相が意欲を示す憲法改正も話題に上った。橋下氏が「改憲は安定した政権の状態でないと難しいですね」と水を向けると、首相は「環境整備もしっかりしないといけない」と語った。出席者によると、会談では橋下氏が「トランプさんはどんな人ですか」「プーチン大統領って笑うんですか」などと質問を投げかけ外交話にも花が咲いた。

 首相と橋下氏の会談は参院選直後の今年7月以来で、第2次安倍政権発足後では7回目。2015年以降はほぼ半年おきに3時間近くにわたる会談を重ねている。

 首相が期待するのは、世論の流れを引き寄せる橋下氏の巧みな弁舌だ。衆参両院でいわゆる改憲勢力が議席の3分の2を占めるにもかかわらず、憲法論議が進まないのは国民の間で機運が高まっていないためだ。国会で憲法改正を発議しても国民投票で過半数を取れなければ改憲はできない。一方、菅氏の狙いは政権運営の幅を広げるカードとしての維新の存在にある。

 たとえば菅氏は公明党とのパイプ役を担うが、維新カードは特に公明党へのけん制に効力を発揮するようだ。

 来夏の東京都議選に向けても菅氏の思惑がちらつく。菅氏は12年の自民党総裁選で首相を支持しなかった小池百合子都知事との折り合いはよくないとされる。

 維新は都議選で2桁の議席獲得をめざしている。都内での足場は乏しいが「小池新党」とは支持層が重なるとみられ、けん制になる。この日の会談でも小池氏が話題に上り、橋下氏が自らの体験談も交えて都政を論評したという。

 維新に期待する首相や菅氏にとって、橋下氏の「国政進出」は大きな関心事。「まだ戻らないの?」。首相が政界復帰を促すと、橋下氏は「まだです」とかわしたという。

 首相は会談後、記者団に「『今年いろいろあったな』『来年もともに頑張りましょう』と(話した)」と笑顔で語り、維新との絆を強調した。

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「与党と同じ」民進・蓮舫氏、維新をけん制

 民進党の蓮舫代表は24日、安倍晋三首相と橋下徹前大阪市長ら日本維新の会幹部が会談したことに関し、「先の臨時国会でも維新は与党とほぼ同じ行動を取っていた。そうした(会談の)動きはよくあることだ」と述べた。その上で「(民進党が)維新と連携するという道は相当難しい」との認識を示した。大阪市内で記者団の質問に答えた。

[日経新聞12月25日朝刊P.2]

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自公ぎくしゃく
カジノ法、再延長を批判 都議会公明「連携見直し」

 自民、公明両党のぎくしゃくした関係が目立ってきた。公明党の井上義久幹事長は20日、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)整備推進法(カジノ法)を巡り自民党が臨時国会の会期を2回延長したことを批判。国会対応で公然と異を唱えるのは異例だ。東京都議会では公明党が自民党との「連携見直し」を宣言。日本維新の会の自民党への接近も背景に自公関係に緊張感が漂う。

 20日、国会内で開いた政府・与党協議会。公明党の井上幹事長はカジノ法を巡る自民党の対応を持ち出し「議員立法のために3日間会期を再延長したのは問題としなければならない」と批判した。同法を推進した菅義偉官房長官らは発言しなかった。

 自民党はカジノ法成立をめざし、11月30日までの臨時国会会期を延長して12月14日までとした。もともと慎重だった公明党は審議入りまでは容認していた。一気に成立にカジを切った政府・自民党への不満が募ったまま、自主投票を決めざるを得なかった。

 自民党は成立を確実にするため、さらに3日間の延長に動いた。「再延長は反対すべきだった」。成立後の15日の公明党会合で批判が相次いだ。

 1999年から自民党と公明党は連立政権を組んで17年。2013年の特定秘密保護法、15年の安全保障関連法は与党協議に時間をかけた。安全保障に絡む政策が火種になってきたが、国会対応で公明党が自民党を批判するのは珍しい。

 カジノ法は基本法との位置づけで、ギャンブル依存症対策などの詳細は別途、政府が実施法案を作る。具体的な内容は与党協議で詰める。「しっかり公明党の主張は取り入れます」。政権幹部は20日、公明党の支持母体、創価学会幹部に伝えた。

小池路線に同調

 政府・与党協議会では、都議会を巡る状況も話題となった。自民党都連会長を務める下村博文幹事長代行は「自公関係がぎくしゃくしている。信頼関係が壊れないようにしたい」と報告した。

 下村氏の懸念は都議会の状況だ。公明党は都議会で、議員報酬見直しに異論を唱えた自民党との連携見直しを表明。小池百合子都知事の改革路線に同調した。同党が国政選挙並みに重視する来年夏の都議選で「小池氏を敵に回したくない」との思惑もあるためだ。

 小池氏も選挙協力に含みを持たせており、自民党都連は両者の接近に危機感を募らせる。自民党本部は手詰まりの様子だ。

維新と接近警戒

 公明党の動きの背景には、安倍政権と日本維新の会の接近への警戒もある。党幹部は「政権が維新とどう向き合うか、しっかり見極めないといけない」と指摘する。

 20日の政府・与党協議会に先立つ政府・与党政策懇談会では17年度予算案をとりまとめた。公明党の山口那津男代表は「一億総活躍社会の基盤を一歩一歩踏み出す」と評価し与党の結束をアピール。安倍晋三首相も周辺に「自公関係はゆらぐことはない」と明言したものの、すきま風は簡単には収まりそうにない。


[日経新聞12月21日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/335.html

[国際16] 米中貿易、トランプ氏が対決姿勢 個別品目で「局地戦」か

[けいざい解読]米中貿易、トランプ氏が対決姿勢 個別品目で「局地戦」か

 トランプ次期米大統領が中国との対決姿勢を強めている。米国の製造業が衰えたのは中国からの安い製品の輸入が増えたせいだとして、高関税や人民元安の修正で雇用を取り戻すと強調する。米国と中国は貿易戦争に向かうのだろうか。


 「米大統領選直後に北京で会った中国の官僚はみな『トランプはビジネスマンだから交渉しやすくなる』と楽観していた。最近は冷水を浴びせられた気分だろう」。米系投資銀行幹部は語る。

 トランプ氏は選挙戦で「中国を為替操作国に指定する」「輸入製品に45%の高関税をかける」と広言した。当初こそ中国では真面目に受け取る向きは少なかったが、当選後もエスカレートする対中強硬発言でシナリオの修正を迫られている。

 中国にとって米国は最大の輸出先。もし米国が全品目に45%の関税をかけたら、中国から米国への輸出金額は45%減り、中国の国内総生産(GDP)を1.3%下押しする――。香港の投資銀行CLSAは試算する。

 米財務省が「為替操作国」の認定条件とする(1)対米貿易黒字が200億ドル超(2)経常黒字がGDPの3%超(3)為替介入による外貨購入額がGDPの2%超――のうち、中国に当てはまるのは貿易黒字だけ。指定へのハードルは高いように思えるが、JPモルガンの朱海斌・中国チーフエコノミストは「大統領令で条件を変えることもあり得る」と指摘する。

 もっとも、あらゆる品目への関税引き上げは非現実的とみるエコノミストは多い。グローバル化でサプライチェーン(供給網)は国境を越えて網の目のように張り巡らされているためだ。

 中国の輸出額の約3割は米国や日本、韓国などから原材料や半製品を輸入して製品を組み立てる「加工貿易」が占める。米国向け輸出金額でも上位を占めるのはスマートフォンやパソコンだ。CLSAの張耀昌・中国香港戦略研究部長は「高関税の最大の敗者はアップルやヒューレット・パッカード(HP)など中国に製造委託している米国企業だ」と語る。

 むしろ起こりそうなのは米国の製造業と競合する個別品目の狙い撃ちだ。1980年代の日米貿易摩擦で当時の米レーガン政権は自動車に45%の報復関税を課し、日本メーカーから輸出自主規制や米国での現地生産など譲歩を勝ち取った。

 「ディール(取引)」を好むトランプ氏の流儀にもかなう。鉄鋼やアルミ、ソーラーパネルなど米中間で係争が起きている品目で日米摩擦と同じ「局地戦」が再現される可能性はある。

 中国は「米中経済はゼロサムゲームではない。貿易戦争は互いに不利だ」(朱光耀・財政次官)と平静を装う。だが習近平指導部は来秋の共産党大会に向け、5年に1度の人事の季節に入る。弱みは見せられないとの強硬論が強まり、米国からの輸入に報復措置をとる公算も大きい。

 米中のさや当ては、来年の世界経済に暗い影を投げかけている。

(香港=粟井康夫)

[日経新聞12月25日朝刊P.3]


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/859.html

[国際16] ロシアによる米大統領選介入、オバマ政権が制裁発動へ 報道:対露制裁というより対トランプ牽制、晩節を汚すオバマ大統領

 一週間ほど前にNHKBS1で放送された米国ABCニュースによると、ロシア・プーチン政権が民主党サーバーをハッキングした“証拠”として、1)モスクワ時間のタイムスタンプ2)キリル文字キーボード使用が主たるものと報じた。

 ロシア国家機関が米国民主党のサーバーをハッキングするのに、モスクワからキリル文字キーボードを使ったと“信じる”のは、中学生未満の判断力というほかない。

(ロシアの要員が米国内で米国型キーボードを使って作業することも楽々可能の時代。逆に、米国の要員がモスクワからキリルキーボードを使って米国内のサーバーをハッキングすることも楽々可能)

 しかも、プーチン大統領が“主犯”という決めつけも、ロシアという国家で米国民主党のサーバーをハッキングするという決定を下せるのはプーチン大統領の他にいないという子供じみた判断に由来するというのだから笑うほかない。

 “親露派”とされるトランプ氏は、民主党サーバーのハッキングについて、「ロシアはやっていない」と言っているわけではなく、「ロシアがやったかもしれないし、中国がやったかもしれないし、少年がベッドルームからやったのかもしれない」と言い、ロシアがやったという“証拠”はないと主張しているだけである。

 この「露ハッキング騒動」で起きたいちばんの問題は、次期大統領トランプ氏が、米国の防諜・治安の要であるCIAとFBIが下した「ロシアの犯行」という判断に異を唱え続けていることである。

 オバマ政権が実際に対露制裁を実施するとしたら、プーチン政権に対する報復というより、CIA&FBIに盾つくトランプ氏を牽制することが目的と言えるだろう。

 CIA&FBIそして大統領(オバマ氏)がロシアの犯行と断定しているのに、このまま何もしなければ、誰がやったかわからないというトランプ氏の言い分を認めたことになり、CIA&FBIの威信は地に堕ちてしまう。

 ハッキング経緯の事実はどうであれ、CIA&FBIに逆らうトランプ氏のほうがおかしいという世論や雰囲気を醸成し、トランプ氏をCIA&FBIの制御下に引き寄せることが目的と考えたほうがよさそうだ。

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ロシアによる米大統領選介入、オバマ政権が制裁発動へ 報道
AFP=時事 12/29(木) 8:01配信

【AFP=時事】ロシアがサイバー攻撃によって米大統領選に介入したとされる問題で、バラク・オバマ(Barack Obama)米政権は週内にもロシアに対する報復措置を発表する見通しだ。米メディアが28日報じた。

 このサイバー攻撃では米民主党や同党の大統領候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏のスタッフの電子メールがハッキングされ、流出した。

 オバマ大統領はこれまでに、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が直接指示したとほぼ断定。米情報当局は共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を勝たせるのが目的だったと結論づけている。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は当局者の話として、経済制裁や外交上の非難、秘密工作といった措置が早ければ週内にも発表されると報じた。サイバー攻撃による報復も含まれる公算が大きいという。

 米CNNによると、クリントン氏の陣営を標的としたとみられているロシアによる偽情報工作に関係した個人も制裁対象になる可能性があるという。

 大統領選ではクリントン氏とトランプ氏が接戦を演じたが、多くの民主党員はこのサイバー攻撃によってクリントン氏が勝つチャンスが損なわれたと考えている。【翻訳編集】 AFPBB News

最終更新:12/29(木) 8:20

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161229-00000004-jij_afp-int


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/866.html

[政治・選挙・NHK218] 山形「正論」詳報:安倍昭恵さん講演:二度首相に就いた安倍晋三氏の姿勢の違いや大麻について語る

 昭恵夫人は、2回も首相に就任した安倍晋三氏にそれぞれで思いがどう違うのか尋ねたところ、「前回は首相になりたいと思ってなったわけではない。多くの人に小泉(純一郎)さんの次の首相は安倍といわれた。父(晋太郎)は首相を目前に亡くなった。チャンスをつかめるのなら、つかみたいと思った。しかし、今回はこの国を正しい方向に導くために自分の力を使ってもらいたい。なりたいと思って首相になった」と答えたと語っている。

(第一次の首相職は、父親から相続した政治資金団体の脱税疑惑を週刊誌が報じることがわかった時点で、所信表明演説直後=代表質問を受ける直前に“遁走”するという憲政史上最悪の醜態を見せて辞した:公式の説明は病気が理由だが)

 一回目も二回目も、安倍氏を首相に選択した思惑は、米国の罠に嵌められた安倍氏にとって逃れることができない使命となった「日朝国交正常化」(建前の課題は拉致問題解決)を果たさせるためだが、2012年暮れの二回目は、国内政治勢力だけでなく、米国及び中国両支配層の強い意向を受けて、自民党総裁→日本国内閣総理大臣の道を進んだ。

(12年4月に米国で発した石原都知事(当時)の「尖閣諸島都有化宣言」への対応として野田政権が「尖閣諸島国有化」に動いたことで起きた「日中関係悪化」(10年に一度の大人事をテーマとする共産党大会の1か月延期、日中国交回復40周年のぶち壊しなど)を是正するために、中国共産党幹部と米国ジャパンハンドラーが決定した処置策が、石原都知事及び野田首相の辞任(首相は負けを承知の解散総選挙)と安倍晋三氏の総裁・首相就任である(安倍氏を反中派と考える人もいるが、靖国問題で小泉首相時代に悪化した日中関係を改善するために首相就任直後から動いたのは安倍晋三氏))


 「今回はこの国を正しい方向に導くために自分の力を使ってもらいたい。なりたいと思って首相になった」というのはきれいごとの説明だが、安倍氏が権力欲や名誉欲で首相に執着していないことは確かだと思う。
 そういう首相だからこそ、とんでもない火の粉を被ることになる日露平和条約締結や恐ろしいほどの罵詈雑言を浴びることになる「日朝国交正常化」を推し進めることができるとも考えている。


 こういう経緯で“恥ずかしながら”首相に二度も就いた安倍氏が、5年後あたりのノーベル平和賞の最有力候補として浮上するだろう。

 日露平和条約締結・日朝国交正常化(北朝鮮の核開発断念及び拉致問題解決)の二つをやり遂げることだけでも十分ノーベル平和賞に値すると評価されるだろうが、真珠湾慰霊を済ましており、在任中に南京慰霊まで行えばパーフェクトに候補者となる。

 念のため、私自身はノーベル平和賞とやらになんら価値を認めていない。

 歴史のイタズラは思わぬことを招くものである。

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2016.12.16 06:00更新
【山形「正論」詳報】
安倍昭恵さん講演「家庭内野党、違う意見の人の声、夫に伝える」「居酒屋開店で首相から出された条件は2つ…」 

 山形「正論」友の会の第15回講演会が11日、山形市の山形ビッグウイングで開かれ、安倍晋三首相夫人の昭恵さんが「私を生きる」と題して講演し、約350人が熱心に耳を傾けた。

 講演内容は次の通り。
      ◇
 私は若い頃からスキーが大好きで、「私をスキーに連れてかなくても行くわよ」というイベントを山形・蔵王で開いている。スキーの楽しさを知ってもらい、蔵王を盛り上げたいと思ったからだ。スキー人気が戻れば、蔵王で宿泊客が増え、スキー場で働く人が増える。農業者が冬も、この地域で働き続けることができるようになる。

 私は「家庭内野党」と言われている。以前は夫が言っていることは全て正しいと思っていた。だが、夫婦でも必ずしも意見が一致しないこともある。そうした意見を夫に言ったり、夫と違う意見の人と会って、その意見を夫に伝えようと思っている。

 平成19年に(第1次安倍内閣の退陣で)夫が首相を辞めた。それまでは「政治家・安倍晋三の妻、首相の妻としてどうあるべきか」を考えていたが、夫が首相を辞めた後は「安倍昭恵としてどう生きていくか」を考え始めた。

 (戊辰戦争の遺恨が解消されていない)会津と長州が仲良くなるきっかけにと、山口県内でつくった酒米を使い、福島県会津若松市内の酒造会社で日本酒をつくってもらった。酒は「やまとのこころ」と名前をつけた。「やまとのこころ」は全てを包み込む心、分離したものを再びつなげる心ではないかと思う。

 麻は日本人にとって大切な植物

 私は大麻の問題にも関わっている。麻は日本人にとって大切な植物だ。伊勢神宮のお札には「神宮大麻」と書いてある。麻は日本人にとって身近だったが、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が禁止した。なぜかは分からない。日本では麻は神事のお祓(はら)いで使われている。だが国産は少なく90%ぐらいが中国産だ。それ以外は麻に代わりビニールを使っているそうだ。日本の神事で中国産の麻やビニールを使っていいのだろうか。

 元女優の高樹沙耶さんが(大麻を所持していたとして)逮捕されたことで、「今度は安倍昭恵が逮捕されるのではないか」といわれたが、私はマリフアナを推奨しているわけではない。私は吸ったこともなく、周りに吸っている人もいない。なぜ麻が大事かをご理解いただき、誤解しないようにお願いしたい。

  大震災後に無農薬米づくり

 東日本大震災の後、食べ物について考えるようになり、山口県内で無農薬のコメづくりを始めた。山口出身者が気軽に集い、山口のコメなどを食べてほしいと、24年10月に東京・神田に居酒屋をオープンした。店を出すとき、夫から条件を2つ出された。一つ目は1年間、赤字が続くようだったら止める。二つ目は接客のときに酒を飲んではいけない−だった。

 24年12月に夫は再び首相になった。「前回(第1次安倍内閣)と比べ、首相は人が違うように元気だ。何が違うのか」とよく聞かれた。ある日、夫に「何が違うの?」と尋ねてみた。

 夫は「前回は首相になりたいと思ってなったわけではない。多くの人に小泉(純一郎)さんの次の首相は安倍といわれた。父(晋太郎)は首相を目前に亡くなった。チャンスをつかめるのなら、つかみたいと思った。しかし、今回はこの国を正しい方向に導くために自分の力を使ってもらいたい。なりたいと思って首相になった」と答えた。

 米国の次期大統領にトランプ氏が就任する。英国はEU離脱を決め、イタリアはレンツィ首相が辞任、中東は不安定な状態が続くなど世界は大変な状況だが、その中で比較的安定しているのが日本だ。日本では夫が首相として大きな役割をいただいているが、「日本だけでなく、世界のために頑張っていかねばならない」という思いではないだろうか。

http://www.sankei.com/premium/news/161216/prm1612160004-n1.html



http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/353.html

[医療崩壊5] 保険で超高額薬、年齢に上限を:国立がん研究センター 東病院放射線診断科科長楠本昌彦氏

[医師の目]国立がん研究センター 東病院放射線診断科科長楠本昌彦氏(4) 保険で超高額薬、年齢に上限を

 抗がん剤「オプジーボ」が国家財政を圧迫しかねない――。そんな懸念の声が上がっている。非常に高額であり、患者が多い肺がんに対しても保険適用になったためだ。

 その結果、この抗がん剤の薬価を半分に下げることが決まった。しかしこれだけでは問題解決とならないだろう。今後も同じような高額の抗がん剤が次々と出てくるからだ。

 今までよりも効果のある新たな抗がん剤を世に出すには、とてつもない手間と莫大な費用がかかる。それだけの投資をしても、必ず新薬として市場に出せるわけでもない。良い新薬ができても、販売直後から薬の値段を下げられたのでは、製薬企業の新薬開発に向けた意欲が減じてしまう可能性がある。

 今回話題になっているオプジーボは、投与すればがんが治るという性質のものではない。肺がんの中でも2、3割の人に効果が認められ、そうした人には相応の延命が見込めるというものである。

 「1年間の薬代が1人3500万円」と盛んに報道されている。これは十分な効果があり、投与開始から1年間生きることができた人の場合の試算である。

 一方で治療前に効果を予測できないので、何回か投与してみて、ようやく効果のないことが分かる。治療効果のない人でも、効かないと分かるまでに多額の薬剤費がかかることも問題である。時には重篤な副作用も起こり得る。

 超高齢社会になった現在、国の経済成長や収入に対して、医療費の増加は止まらない。そこで超高額な抗がん剤については、自己負担を抑えることのできる高額療養費制度を利用できる年齢に上限を設けてはどうだろうか。

 例えば制度を利用できるのを働く世代以下に限定し、それより年長の人には超高額の抗がん剤を使わずに治療をする。どうしても投与を希望する人には、薬剤費のみを自己負担する混合診療を導入する。

 こうすれば国家財政への負担は軽減される。だがそれでも増大する医療費に歯止めをかけるには不十分かもしれない。

 国民全体から集めた医療のためのお金をどの世代に重点的に使うのか。わが国の公的保険制度を維持していくためにも真剣に考えなければならない問題であろう。

(この項おわり)

[日経新聞12月25日朝刊P.16]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/449.html

[政治・選挙・NHK218] 稲田防衛相の靖国参拝、慎重な対応求める=米 :「夏の参拝ジブチ遁走劇」で堕ちた評判の巻き返しを図った稲田氏

稲田防衛相の靖国参拝、慎重な対応求める=米
時事通信

 【ワシントン時事】米国務省当局者は29日、稲田朋美防衛相の靖国神社参拝について「われわれは歴史問題には癒やしと和解を促進して取り組むことが重要だと強調し続ける」と述べ、慎重な対応を求めた。閣僚の靖国訪問でコメントを出すのは異例。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、安倍晋三首相に同行した真珠湾での慰霊から帰国した後に、「近隣諸国から軍国主義の過去を美化すると見なされている神社を訪問した」と批判的に報じた。 

http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e7%a8%b2%e7%94%b0%e9%98%b2%e8%a1%9b%e7%9b%b8%e3%81%ae%e9%9d%96%e5%9b%bd%e5%8f%82%e6%8b%9d%e3%80%81%e6%85%8e%e9%87%8d%e3%81%aa%e5%af%be%e5%bf%9c%e6%b1%82%e3%82%81%e3%82%8b%ef%bc%9d%e7%b1%b3/ar-BBxH73T?ocid=spartandhp



http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/400.html

[政治・選挙・NHK218] カジノが生む2つの亀裂:自民Vs.公明&菅官房長官Vs.二階幹事長

[風見鶏]カジノが生む2つの亀裂

 カジノ政局の幕開けか。安倍1強の永田町にさざ波が立ち始めた。激動の前触れか、大山鳴動してねずみ一匹か。来年はねずみならぬ、とり年である――。

 こんなふうに講談調で書き出すと、政治の劇場化だと怒られそうだが、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法を巡り、安倍政権のあちこちにひび割れが生じたのは事実である。

 今年7月、無所属議員を迎え入れ、自民党は27年ぶりに衆参両院とも単独過半数に達した。政治力学は当然、変化する。だが、公明党に危機感は乏しかった。

 「自民党さんのメンツもあるし、カジノ法案は審議入りは認めていいんじゃないかな」。まるで自分たちに判断の主導権があるかのような口ぶりだった。

 自民党は衆院の小選挙区に2万前後ずつあるとされる公明票を渇望している。国会での起立要員が足りたとしても、自分たちの存在価値は変わらない……。そう思っていたのだろう。

 政治は動き出すと展開は意外に速い。1997年、自民党は無所属議員を次々と引っ張り込み、4年ぶりに衆院における単独過半数を回復した。途端に連立を組む社民党や新党さきがけをないがしろにする場面が増えた。6日後、橋本龍太郎首相はロッキード事件の有罪議員を入閣させた。自社さ連立が崩壊したのは、その8カ月後のことだ。

 自公の貸し借りはどちらが重いか。自民党ばかり世話になっている印象があるが、実は公明党支持者に自民党候補の名前を書かせるよりも、自民党支持者に公明党候補の名前を書かせる方がよほど難しい。

 公明票なしに当選できる自民党議員はいても、自民党の応援なしに小選挙区で勝ち抜ける公明党議員はほとんどいない。公明党の9人の小選挙区選出議員のうち、カジノ法に反対票を投じたのは1人だけだった。彼らが自民党に逆らいにくい構造がうかがえる。

 自公は離婚はしないだろう。だが、もはや昔日の仲ではない。自民党は公明党の小選挙区議員に「おたくの執行部は苦労知らずの比例選出が多いですね」などと揺さぶりをかけ、下克上を促すかもしれない。

 意に染まない場合、自民党は自ら手を汚す必要はない。日本維新の会に「××選挙区には積極的に候補を立ててはどうですか」と勧めればいいだけだ。

 もう一つの亀裂はどうだろうか。菅義偉官房長官と自民党の二階俊博幹事長の間柄だ。ふたりとも、根回し上手な竹下派の出身で、大人の関係とされる。面と向かってぶつかるほど愚かではあるまい。10月の衆院補欠選挙では、手を携えて麻生太郎副総理・財務相をたたきのめした。

 だが、このふたりの亀裂こそ修復は容易でないとみるべきではないか。メンツの争いではなく、実利の争いだからだ。

 二階氏はいわずと知れた国土交通省のドンである。国土強靱(きょうじん)化の名の下に、建設予算を握り、航空業界などにもにらみを利かせてきた。そのなかには観光産業もある。

 長年、聖域化されてきたこの分野に新規参入してきたのが菅氏だ。外国人観光客の増加策の柱に、観光客が個人の家に泊まる民泊を据えたのだ。二階氏と距離が近い全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会には心地よい話ではない。

 「観光をこんにちまで進めてきた者として、何もIRに頼る必要はなかろうという気はある」。これはカジノ法についての二階氏の発言だ。反対ではない。だが、自分をないがしろにすることは許さない。そんな心持ちがにじんでいる。

(編集委員 大石格)

[日経新聞12月26日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/401.html

[医療崩壊5] <精神保健指定医>90人以上、医業停止へ 資格不正で処分

<精神保健指定医>90人以上、医業停止へ 資格不正で処分
毎日新聞 12/31(土) 6:30配信

 ◇厚労省、期間は1〜2カ月の見通し

 厚生労働省は、精神保健指定医の資格の不正取得について、2016年に資格取り消しとなった医師89人に行政処分を科すことを決めた。大半は診療行為を禁じる「医業停止」となる可能性が高い。取り消し前に資格を返上した医師6人も対象となる見通しで、90人以上の精神科医が医療行為をできなくなれば、地域医療に影響が出る恐れもある。

 厚労省は対象者の弁明を聞く手続きを始めており、来年3月にも医師の処分を決める医道審議会に諮る。医業停止期間は1〜2カ月になる見通しだ。

 資格の不正取得は15年に聖マリアンナ医科大病院(川崎市)で発覚。他の医師が診察してまとめた症例リポートを使い回して審査を受けていた医師と、それを見逃した指導医計23人が取り消された。その後、厚労省が全国調査を実施し、指定医49人、指導医40人の不正が発覚。16年10月に資格取り消し処分を決めた。

 聖マリアンナ医大のケースでは指定医が医業停止1カ月、指導医は同2カ月の行政処分を受けた。今回もこれに準じた処分になるとみられるが、これだけの規模の精神科医が一斉に医業停止になった例はない。特に、指定医は一定の経験のある中堅以上が多く、病院の精神科トップや開業医もいるため地域医療への影響が心配される。このため、厚労省は関係する自治体に対応を検討するよう求めるとみられる。

 精神保健指定医は、自傷他害の恐れがある精神障害者を措置入院させるかどうかなどを判断する権限を持ち、診療報酬上の優遇もある。厚労省の資格取り消し判断を巡っては、一部医師が判断取り消しを求める訴訟を起こしている。【熊谷豪】

最終更新:12/31(土) 10:09

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161231-00000005-mai-soci


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/453.html

[国際16] 韓国を軽視・無視、日本と中国の異常な動き:慰安婦像の設置、一転許可 「死に体」朴政権、合意破り黙認

(朝鮮日報日本語版) 【社説】韓国を軽視・無視、日本と中国の異常な動き
朝鮮日報日本語版 12/31(土) 8:15配信

 日本の稲垣朋美・防衛大臣が一昨日、第2次世界大戦のA級戦犯などを祀った靖国神社を参拝した。現職の防衛相が軍国主義のシンボルである靖国神社を参拝するのは今回が初めてだ。とりわけ安倍首相と共に謝罪の意味で真珠湾を訪問した直後でもあるだけに、今回の参拝による衝撃は大きい。

 韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)が締結されてから1カ月が過ぎた。北朝鮮の核の脅威に対処するのに必要な情報を得られることから、韓国政府は国内の激しい反発を抑えてこの協定を締結した。しかしこの協定は日本が隣国を侵略し、数百万人の命を奪った過去と絶縁した国になったという仮定の上に成り立つものだ。そのような前提を日本側も知らないはずはない。ところが今回、防衛相が靖国神社参拝を強行した。このように最近、日本では韓国を軽視、あるいは無視する態度がたびたび見られるようになった。韓国が感情的な対応から抜け出せないからだろうか。

 このような状況で韓国の民間団体が釜山の日本領事館前に慰安婦少女像を設置した。釜山市東区庁は28日、今回の少女像の設置が許可なく行われたことから、当初はこれを撤去した。しかし文在寅(ムン・ジェイン)前共に民主党代表が東区庁を「親日」と非難し「釜山市民による少女像の設置は真の独立宣言だ」などと反発したため、設置を阻止しないことにした。法律に沿って対応した東区庁長は「謝罪する」と発言した。韓日関係が今後非常に厳しい状況になる徴候がここでも表面化し始めたようだ。

 これとは別に、中国外交部(省に相当)の陳海・アジア局副局長が26日に韓国を訪れ、政界や経済界の関係者と接触していたことが29日までにわかった。陳海氏は中国外交部で米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題を担当する人物だ。大統領選を前に韓国国内でTHAAD配備反対の世論を高めるのがねらいだろうか。一国の外交官が他国に一方的にやって来て、その国の外交当局と接触もせず勝手に行動するとなれば、これはその国と外交関係があると言えるだろうか。

 日本と中国によるこれら一連の動きは、直接的には韓国の国政マヒによってもたらされたものだが、より大きな観点からみれば、これまでの対中、対日外交の失敗を示すものとも言えるだろう。中国と日本の異常な動きはこれから起こる出来事の何らかの前兆と考えるべきではないだろうか。

最終更新:12/31(土) 8:15

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161231-00000378-chosun-kr

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慰安婦像の設置、一転許可 「死に体」朴政権、合意破り黙認
産経新聞 12/31(土) 7:55配信


 ■政策「全否定」に走る世論、あおる野党

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の在釜山(プサン)日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことは、朴槿恵(パク・クネ)政権のレームダック(死に体)化を端的に示した。友人の国政介入事件で朴大統領への弾劾訴追が可決され、政府が機能不全に陥る中、野党や世論は、朴氏が日本と結んだ合意や協定を「全否定」する動きを強めている。

 「少女(慰安婦)像は生きた歴史教科書。市民の像設置は本物の独立宣言だ」

 最大野党「共に民主党」前代表で、次期大統領選で支持率1、2位を争う文在寅(ムン・ジェイン)氏は、釜山市東(トン)区が像を一時撤去した28日、ツイッターにこう書き込み、撤去を「親日行為だ」と非難した。弁護士出身のはずの文氏が国際法に反する設置を称賛し、法に沿った区の処置を「親日」という、韓国では否定的意味が極めて強い言葉で糾弾したのだ。

 共に民主党は、慰安婦問題をめぐる日韓合意について「政権交代後、必ず無効化するよう努力する」と宣言している。朴元淳(ウォンスン)ソウル市長や李在明(イ・ジェミョン)・城南(ソンナム)市長ら大統領選出馬に意欲を示す候補らも破棄や再交渉を主張。与党から集団離党を決めた議員グループも「追加協議が必要」と表明した。

 崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を受け、朴大統領が推進した政策を「一方的に決めたものだ」として全否定する世論の高まりが背景にある。野党側は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の撤回も求めている。

 世論調査機関の最新の調査では、59%が日韓合意を「破棄すべきだ」と回答。合意直後は4割以上が合意に肯定的だったが、今回、「維持すべきだ」との回答は25・5%にとどまった。

 釜山の像設置に関してインターネット上では「違法であり、誰もが賛成するわけではない」との意見もあったが、一時撤去に反発する声にかき消された。

 大統領権限を代行する黄教安(ファン・ギョアン)首相は、日韓合意を維持する方針を強調し、韓国人記者団に「もっとよい合意があるとすれば、どんなものがあるのか」と問い返したこともあった。

 だが、外務省は今回の像設置についてひとごとのように「自治体の判断」だと突き放し、猛抗議にさらされた区側は結局、世論に屈した。

 合意を推進した尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は、韓国人記者団に「いま理解できない人々も今後、理解してくれる日が来るだろう」と語ったが、外国公館前の像設置という“合意破り”を見過ごした今は、その無責任ぶりが際立つこととなった。

最終更新:12/31(土) 8:06

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161231-00000033-san-kr


http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/899.html

[戦争b19] 対米通告は“宣戦布告”ではなく“交渉打ち切り”:攻撃開始前に手交していても騙し討ちと世論を煽ることができる内容

 対米戦争開始から75年を経過してもなお、対米通告の遅延問題が中心的話題になっていることが日本政治思想の停滞性を物語っている。

 石油禁輸をはじめとする様々な経済制裁を科されていた1941年12月の状況において、日本が対米戦争に踏み切らなければならない理屈(必要性)や対米戦争回避の選択肢に関する吟味(“損得勘定”)がきちんと議論されるべきなのに、ほぼ等閑視されている。

 経済制裁を打ち破り自立自存の道を進む選択をしても、対英蘭戦争は不可欠だが、対米
戦争は必要ではない。(日本から米国に戦争を仕掛ける必要はなく、米国が参戦の世論を醸成して対日戦争に踏み切ることができたなら受けて立つ流れ)

 この問題については、今年7月に投稿した

「1941決意なき開戦 堀田江理著 真珠湾攻撃までの道のり描く:正統的な政治学や歴史学では解けない対米開戦の理由」
http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/954.html

を参照していただきたい。

 次の疑問を提示したいのは、1941年12月7日(米国時間)に手交することになっていた「対米通告」文書の性格である。

 井口氏は、手交が遅れた原因が軍部とりわけ陸軍参謀本部と外務省本省にあるという総括をしているが、あの通告が期限通り(真珠湾攻撃開始前)に手交されたとしても、「宣戦布告のない奇襲攻撃」という米国政権の非難やその説明を受けた米国民の怒りを回避することはできなかったという視点が欠落している。

 幸いなことに井口氏は通告の内容について書かれているので、それを読み解けば、あの「通告」が宣戦布告とは言えないことがわかる。(末尾に関連個所引用)

 結論を言えば、あの通告は、日米交渉の打ち切りを宣言したものであり、宣戦布告を意味するものではないから、「宣戦布告のない奇襲攻撃」=“騙し討ち”という謗りを免れることはできないのである。

 交渉の打ち切りがそのまますぐに戦争を意味しないことは、井口氏が、「ハル・ノートに絶望して対米開戦を決意した日本政府は、米国に企図を察知されないため、身内であるはずのワシントンの日本大使館にも、対米開戦について秘匿し続けました」と説明していることからも類推できる。

 「直前の11月28日付の「844号電報」では、ワシントンの野村吉三郎大使に、「実質的ニハ打切トスル他ナキ情勢ナルカ先方ニ対シテハ交渉決裂ノ印象ヲ与フルコトヲ避ケルコトトシ」と警告して」も、駐米日本大使らが対米開戦近しと判断しない(対米開戦を秘匿できる)のなら、真珠湾攻撃前に米国連邦政府が、「合衆国政府の態度に鑑み今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」という通告を受け取っても、日本がすぐに戦争を仕掛けてくると判断しない(国民向けに騙し討ちと説明できる)のは自然である。


 最後に、井口氏の言説で奇妙に感じるのは、

「14部は、原案では「合衆国政府が現在の態度を持続する限り今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」と、条件付きで交渉打ち切りを通告する内容でした。それを、「合衆国政府の態度に鑑み今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」と、手書きで改められました。

ルーズベルト大統領は親電の中で、友好と和平を訴えています。そのため原案のままでは、「米国が友好的態度を続ける限り交渉は妥結しない」と解釈されてしまうため、修正する必要があったのです。」

の部分である。

 真珠湾攻撃に向け機動部隊の作戦が発動されているのだから、ルーズベルト大統領の天皇向け親電に何が書いてあろうとも、「合衆国政府が現在の態度を持続する限り今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」と条件付きで交渉打ち切りを通告する内容ではなく、「合衆国政府の態度に鑑み今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」と通告するほうが“誠実”と言える。

 「合衆国政府が現在の態度を持続する限り今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」と、“米国の交渉態度が変わることを期待する”内容を書きながら、すぐさま真珠湾攻撃=対米戦争に踏み切っていればより大きな非難を浴びることになるだろう。


【オリジナルスレッドからの引用】
「近藤:真珠湾攻撃に関しては、アメリカ側から、宣戦布告のない奇襲攻撃だったとの非難を受けています。」

「井口:開戦直前の11月28日付の「844号電報」では、ワシントンの野村吉三郎大使に、「実質的ニハ打切トスル他ナキ情勢ナルカ先方ニ対シテハ交渉決裂ノ印象ヲ与フルコトヲ避ケルコトトシ」と警告しています。

また、米国との交渉最終期限になっても交渉打ち切りをまったく通報せず、交渉打ち切りの結論部分の最終覚書を、開戦当日の12月7日朝(ワシントン時間)にようやくワシントンの日本大使館が受領し、その後、同日午後1時にアメリカ政府に手交すべき訓令が届いたのです。

真珠湾攻撃開始は、その約20分後の同日午後1時19分です。

すなわち、ハワイ奇襲攻撃機の空母発艦まで交渉を続けるような外交姿勢を保持しながら、外交関係の断絶通告も最後通牒も出さないまま、真珠湾を爆撃したというわけです。

大使が米国側に対米覚書を通告したのは、同日午後2時20分のことでした。真珠湾攻撃から1時間が経っていました。その後、ワシントンの日本大使館が通告遅延の全責任を負わされた。これが真相です。」


「14部は、原案では「合衆国政府が現在の態度を持続する限り今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」と、条件付きで交渉打ち切りを通告する内容でした。それを、「合衆国政府の態度に鑑み今後交渉を継続するも妥結に達するを得ず」と、手書きで改められました。

ルーズベルト大統領は親電の中で、友好と和平を訴えています。そのため原案のままでは、「米国が友好的態度を続ける限り交渉は妥結しない」と解釈されてしまうため、修正する必要があったのです。」



http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/434.html

[経世済民117] 「居心地よい円安」の分水嶺

「居心地よい円安」の分水嶺

 日銀による2016年12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は1年半ぶりに大企業製造業の景況感が改善し、注目された。トランプ次期米大統領の積極財政策への期待感がドル高・円安の流れをつくり、株高も進んだ。企業は半信半疑ながらも反転への手応えを感じはじめている。

 8月下旬に1ドル=100円近辺だった円相場は先週、一時118円台まで下げた。「2月ごろの水準なので、別に驚くような水準とは思わない」という黒田東彦日銀総裁の発言が円安を一押しした。一時120円台をつけた2月初めはマイナス金利の導入決定の直後。苦労を重ねた黒田氏には単なる原点復帰に映るのだろう。

 16年度前半の円高による収益悪化の懸念で企業心理は弱気に傾いた。最近の円安で円換算の海外収益が膨らみ、特にグローバル市場に展開する企業の経営者にとっては追い風になる。「トランプ相場」の持続力は不確かだが、いまの水準で年度末を迎えた場合、業績に相当な円安効果が乗るはずだ。

 だが、急な円安が消費者の心理を改善させるかどうかは別の話だ。ガソリン店頭価格が約1年ぶりの水準に上昇し、大手航空会社は国際線で燃油代の付加運賃の復活を決めた。高額品や食料などの輸入価格にも今後、影響が及ぶ。

 物価低迷からの脱出に円安は支えとなるが、賃上げや所得の増加が伴わなければ家計には実質的な負担増となる。以前の円安局面で14年末に1ドル=120円に近づいた頃から「家計が円安に強く反発しはじめた」とBNPパリバ証券の河野龍太郎氏は指摘する。

 企業業績や株式市場にとっての「良い円安」と、家計の感覚で居心地の良い円安の間には、意外な開きが生じた可能性が高い。

 「日本経済にとって、実は110円前後が適正な水準かもしれない」。大手銀行首脳はそんな見方をする。円安傾向が企業心理の改善や税収の増加をもたらしたのがアベノミクス初期の日本浮上の原動力だった。「トランプ円安」が好循環の再来を招くのかどうか。ここは冷静に見た方がいい。

(編集委員 菅野幹雄)

[日経新聞12月26日朝刊P.12]


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/365.html

[医療崩壊5] 「中分子医薬」でがん攻撃  薬効・低コスト両立 神戸大、抗体から作製 大阪府大、マウスで効果

「中分子医薬」でがん攻撃
薬効・低コスト両立 神戸大、抗体から作製 大阪府大、マウスで効果

 バイオ医薬の高い薬効と、従来医薬の安い製造コストの両方を兼ね備えた「中分子医薬」の開発を目指す研究が進んでいる。神戸大学と大阪府立大学はそれぞれ、がん細胞が持つたんぱく質に結合してがんを攻撃する中分子医薬の候補物質を作った。製薬業界も研究開発に力を入れ、文部科学省も研究を後押ししている。


 がん治療薬「オプジーボ」などの抗体医薬は、分子のサイズが大きい高分子医薬だ。病気にかかわるたんぱく質を狙って作用するため効果は高いが、製造に手間がかかり価格が高くなる。一方、以前からある薬の多くは、分子サイズが小さい低分子医薬。工業的に合成でき安価だが、様々な細胞に広く作用するため切れ味は悪い。

 中分子医薬は、両者の中間の大きさで、高分子医薬の効果を持ち、低分子薬のように安価に作れると期待される。

 神戸大の近藤昭彦教授らは、胃がんや大腸がんを攻撃する抗体の一部を切り出した中分子医薬の候補物質を作製した。がん細胞の表面にあるたんぱく質と、がんを攻撃するリンパ球を結びつけ、リンパ球ががんを攻撃しやすくなる。

 胆管がんの細胞を培養して人間のリンパ球を混ぜ、この物質を加えたところ、これまでに作製されたほかの候補物質の約100分の1の濃度で、24時間以内にほぼすべてのがん細胞が死滅した。リンパ球だけだと、死滅するがん細胞は1割以下にとどまった。

 抗体医薬は、抗体の遺伝子を動物細胞に導入して抗体を産生させて作るため、手間と時間がかかった。開発した物質はサイズが小さいため、動物細胞より速く増殖する酵母に作らせることが可能。迅速に製造できる。

 大阪府大の藤井郁雄教授は、がんが栄養を取りこむための血管を作る際に分泌するたんぱく質に結合し、働きを失わせる中分子医薬の候補を作成した。たんぱく質の原料となるアミノ酸が複数集まったペプチドだ。

 マウスの皮下に大腸がんを移植して4回注射したところ、10日後に治療しないマウスに比べがんが56%縮小した。バイオ医薬の抗がん剤、ベバシズマブ(商品名アバスチン)とほぼ同等の効果という。化学反応によって合成でき、治験で効果が確認できれば、アバスチンと同じ薬効で安価な薬が作れる可能性がある。


中分子医薬、患部への到達効率に課題

 中分子医薬への関心は高まっている。文部科学省などは2015年度から、中分子医薬の開発につながる研究を支援する5カ年の事業を始めた。中外製薬は16〜18年の中期経営計画で、ペプチドなどを用いた中分子薬の開発を重要テーマの一つに掲げている。

 中分子医薬の応用を広げる研究も始まっている。慶応義塾大学の土居信英准教授らは、中分子医薬などのたんぱく質を細胞の中に効率よく届ける技術を開発した。人の胎盤ができるときに働くペプチドを結合することで、細胞内で働く効率が数十倍に高まる。

 開発中の中分子医薬の多くは、細胞表面などにあるたんぱく質に作用する。このペプチドを結合すると、細胞の中に効率よく入れるので、中分子医薬の標的の幅が広がるとみられる。

 ただ中分子医薬は、人間の体内で分解されやすく、目的の細胞にたどり着いて機能させるのが難しい。このことが実用化の壁になっており、薬として承認された例はまだ少ない。


中分子医薬とは

 中分子医薬 分子量が数千程度の医薬品。遺伝情報物質を用いる核酸医薬やペプチド製剤などがある。高分子医薬のように特定のたんぱく質に結合して作用し、低分子医薬のように化学合成などで製造できる。

[日経新聞12月26日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/454.html

[原発・フッ素47] 日米、中国と原発受注目指す 資金期待も技術流出懸念

[GLOBAL EYE]日米、中国と原発受注目指す 資金期待も技術流出懸念

 日米中企業による3カ国連合がトルコで原子力発電所4基の受注を目指している。東芝傘下の米原子力大手ウエスチングハウス(WH)が中国国有の国家電力投資集団と組んで、トルコ政府と交渉中だ。日本にとって強力なライバルだった中国のマネーを活用して海外で原発を受注すれば、日本の原発輸出のあり方にも一石を投じることになる。

 受注が実現すれば2兆円規模の商談になるとみられる。3カ国連合の関係者は「2017年中にはトルコ側と(原発建設に向けて)合意できると期待している」という。受注を目指しているのは第3世代と呼ばれる最新の中型炉。WHの新しい加圧水型軽水炉(PWR)「AP1000」が軸になる。

 WH会長のダニー・ロデリック氏は、今回のスキームの役割分担を「中国が発電事業に資金を提供し、WHは機器を供給する」と説明する。東芝・WHは出資を避けながら、中国マネーを活用して原発を受注しようとしている。

 背景には資金面での高いハードルがある。2兆円規模とされる費用を、10年単位という長期間の売電収入で回収しなければならない。自分たちだけでそのリスクを負うのは難しいとみている。特に、政情が不安で地元通貨の急変動が起きやすい新興国では困難が多い。現地で出資者を募るのも簡単ではない。

 一方、中国勢は潤沢な資金を持ち、日米などの原発技術を欲しがっている。海外での受注実績をつくり、自国の原発産業を早期に育成したい考えもある。WHのロデリック氏は3カ国連合について「すべての国にとって利益となる」と述べ、中国と日米の利害が一致すると指摘する。

 懸念もある。技術が中国に流出することだ。将来、中国企業が海外市場で一段と台頭する可能性が高まる。日本政府もこうした懸念を抱いている。中国と組んだことについて日本政府関係者は「事前にまったく聞いていなかった」と戸惑いを隠さない。

 だが、東芝・WH関係者は「何十年も同じ技術を抱え込むのは無理。次の技術を開発すればいい」と話す。

 こうした姿勢は中国をライバル視する三菱重工業とは好対照だ。三菱重工はトルコ・シノプで新型の原発、PWR「アトメア1」を建設する計画。シノプは日本の官民が中国勢と受注を競った案件だ。

 三菱重工などが事業に出資し、日本政府は国際協力銀行(JBIC)の融資でファイナンスを支援する方針。だが、事業性の調査を進めるにしたがい、収益を確保する難しさが浮き彫りになっている。

 原発の輸出拡大は日本の原発メーカーにとって重要な課題。国内で新規建設が見込めないなか、技術を維持し成長を果たすためには必要不可欠とみている。技術流出を覚悟して中国と手を組むのか、それともあくまで中国と真っ向勝負を貫くのか。トランプ次期米政権が中国に強硬姿勢をとるとみられることも、選択を難しくしそうだ。

(花房良祐)

[日経新聞12月27日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/220.html

[医療崩壊5] 子宮頸がんワクチン未接種で「症状」、原告側「信頼できない」 厚労省の調査結果を批判

※関連参照投稿

「厚労省自身が「リスクは高い一方で効果は不明」と説明する子宮頚癌ワクチンが“定期接種化”されるという異常事態」
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/742.html

「どうする?子宮頸がんワクチン:今なお、メリットもあるとか先進諸国は接種に積極などと接種推奨モードのNHK」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/777.html

「子宮頸がんワクチン、小児科学会など「推奨」:“選択の自由”ならいざ知らず、現状で「推奨」という不見識」
http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/894.html

「摘出手術もされてる「子宮頚ガン」のなかに“非ガンの皮膚病”も」
http://www.asyura2.com/14/iryo4/msg/895.html

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子宮頸がんワクチン未接種で「症状」、原告側「信頼できない」 厚労省の調査結果を批判

 子宮頸(けい)がんワクチンを接種した女性の一部が全身の痛みなど副作用とみられる症状を訴えている問題で、厚生労働省の研究班は26日、「接種歴がなくても同様の症状をもつ女性が一定数いる」とする全国調査の結果を公表した。症状を訴える女性の割合は接種者の方が高かったが、同ワクチンの接種と症状の因果関係は評価していない。


 同ワクチンの接種で健康被害を受けたとして、国と製薬2社に損害賠償を求めた訴訟の原告団は、研究班の調査結果を「信頼できない」と批判した。

 研究班は全国の病院を対象に2015年7〜12月の間、同ワクチンを接種した女性が訴える「多様な症状」がある患者を調査。頭痛や起立障害、けいれんなど約40の症状の有無に加え、これらの症状を有する患者が学校や会社に通えているかどうかも調べた。

 その結果をもとに推計すると、ワクチンの接種歴がない12〜18歳の女性の場合、人口10万人当たり20.4人の頻度で症状が表れた。一方、接種歴のある女性では、同27.8人の頻度だった。研究班は頻度の違いを「比較できない」として評価していない。

 今回の調査では、接種歴が不明で症状がある女性が多数いた。研究班代表の祖父江友孝・大阪大教授は「接種歴不明の女性の多くは『接種歴なし』ではないか」との見方を示し、接種歴のない女性の発症頻度は、調査結果よりも高い可能性があるという。

 一方、同ワクチンの接種で健康被害が生じたとして提訴した女性の弁護団は同日、厚労省内で記者会見し、「多様な症状」の定義が不十分なため「接種歴のない女性の発症割合が高く出ている」と反論した。

[日経新聞12月27日朝刊P.34]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/455.html

[政治・選挙・NHK218] 維新、与党協議に参画検討 カジノ実施法案 政権との協力関係を拡大

維新、与党協議に参画検討 カジノ実施法案
政権との協力関係を拡大

 自民、公明両党が来年1月にも始めるカジノ運営の制度設計を定める実施法案づくりの協議に、野党の日本維新の会が参加を検討していることが明らかになった。オブザーバーの立場で出席する案が浮上している。野党が政策立案の段階から与党協議にかかわるのは異例で、維新は安倍政権との協力関係を一段と拡大する。

 カジノを中心とする統合型リゾート(IR)整備推進法(カジノ法)が26日施行され、政府・与党は年明けから実施法案づくりを本格化する。法案そのものは政府が国会に提出するが、政治判断が必要な制度設計は与党が協議して決める。例えば、ギャンブル依存症対策の一環で検討する入場規制のあり方などが課題となる。

 維新はかねて「カジノ法案提出者の維新が実施法案づくりの枠組みに入るのは当然」(幹部)として、与党協議への関与を求めてきた。大阪誘致をめざす2025年の国際博覧会(万博)との相乗効果を見込み、カジノ誘致を掲げて自民党にカジノ法の早期成立を働きかけてきた経緯がある。

 与党協議には、必要に応じて政策を提言するオブザーバーなどの立場で参画する案が出ている。安倍晋三首相と維新の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長、維新代表の松井一郎大阪府知事が24日に会食した際にも、首相は実施法案を念頭に「ご協力をぜひお願いしたい」と語った。

 維新は民進、共産、自由、社民の野党4党の幹部協議には参加せず、野党共闘とは一線を画す。先の臨時国会では環太平洋経済連携協定(TPP)関連法など与野党の対決法案や16年度第2次補正予算に賛成に回った。民進など4野党が提出した内閣不信任決議案には反対し、与党寄りの姿勢を鮮明にしている。

 維新が特定の政策について立案段階から関与することに対しては、政権与党がテーマごとに他党と協力する「部分連合」にあたるとの受け止めもある。ただ、維新幹部は現段階で、政策協定を交わす「閣外協力」や閣僚を送り込む「連立政権」にまで発展するとの見方には否定的だ。

 自民党内にも、維新の関与はカジノ誘致をめざす超党派議員連盟のなかだけにとどめるべきだとの声がある。公明党は維新による与党協議への関与は拒まないものの、自民・維新のさらなる接近を警戒している。


依存症対策で法整備へ 政府、実効性は不透明

 政府はカジノ運営の具体的な制度を定める実施法案とは別に、包括的な依存症対策の法整備の検討に入る。菅義偉官房長官は26日開いた依存症の関係閣僚会議で「徹底した対策を講じる。具体的な方針を早急にとりまとめたい」と述べた。

 政府はカジノが依存症の増加につながるとの懸念の払拭に努めるが実効性のある対策をまとめられるかは不透明だ。2017年度予算案で依存症全般の対策費に5億円を盛りこみ、16年度の1億円から増額した。ギャンブルや薬物など依存症の形態は様々で、患者の急増が社会問題化している。治療法は行動パターンや考え方の修正を試みる認知行動療法などがあるものの、専門的な医療機関が圧倒的に少ない。

[日経新聞12月27日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/440.html

[政治・選挙・NHK218] 長期政権へ連合に秋波 首相、拒絶から融和に転換 民共連携が急接近を後押し

[真相深層]長期政権へ連合に秋波
首相、拒絶から融和に転換 民共連携が急接近を後押し

 安倍晋三首相と民進党の支持母体である連合が距離を詰めている。首相は22日に連合の神津里季生会長を首相官邸に招き会談。神津氏は首相と労働政策などを協議する「政労会見」の再開を要請した。2012年の第2次政権発足後、一貫して連合を拒んできた方針をなぜいま転換したのか。

 「共に理解し合いながら進めなければ実を上げられない。これからも様々な提言や意見を賜りたい」。首相は会談でこう呼びかけた。神津氏も「非常に意義深い話し合いだ」と応じ、首相と労働政策などを協議する「政労会見」の再開を求めた。

 話し合いの中心は政権の目玉である働き方改革だった。首相が「政権最大の挑戦の一つが働き方改革だ。経済を浮揚させるうえで重要だ」と語ると、神津氏も「その点は全く同感だ」と応じた。担当閣僚は小・中学校で神津氏と同級生の加藤勝信一億総活躍相。新設した「働き方改革実現会議」の委員に神津氏を入れ、距離を縮めてきた。


政策に共通点

 自民党は昨年10月の神津氏の会長就任以来、二階俊博幹事長ら幹部が連合側と接触を重ねてきた。今では連合執行部が自民党の会合に出て、政府の施策を「連合の政策と共通点が多い」(逢見直人事務局長)と歓迎する。

 首相の思惑は政策面だけではない。「野党の状況はちょっと面白いね」。周囲にこう語る首相が注視するのは、野党と連合を取り巻く関係だ。

 首相は次期衆院選での民進党と共産党との共闘を警戒する。日本経済新聞社が14年の前回衆院選の小選挙区で現在の野党4党が候補者を一本化した場合の勝敗を試算したところ、自民、公明両党は計60選挙区で逆転され、自民党単独では過半数を割る結果が出た。

 ところが連合は、民共連携に不信感を強めている。連合はかつて共産党系労組と激しく対立してきた。「共産党とは相いれない関係なので連携はあり得ない」。神津氏は22日の記者会見でこう断言した。10月の衆院補欠選挙では共産党の支援を受けた民進党候補者の事務所から連合の運動員が手を引く事態も起きた。


民進離れ進む

 連合の民進党離れはすでに進んでいる。連合執行部内では、全国約680万人いる組合員のうち若者を中心に自民党支持が3割近くまで増えているというのが共通認識だ。執行部には「賃上げできなかった旧民主党を応援する理由はない」との厳しい意見が寄せられる。賃上げに積極的な安倍政権への接近は、執行部には求心力維持の一助となる。4年連続の「官製春闘」を前に、労組としての存在意義を問う声が少ないのもそのためだ。

 連合内では政権交代が当面期待できそうにない民進党ではなく、与党との関係強化に活路を見いだすべきだとの声もある。「新しい民社党をつくった方がいいんじゃないか」。連合執行部の中には、かつて保守系労組を中心に立ち上げ、自民党が長期政権を維持した55年体制下で連携したことがある民社党に言及する者まで現れてきた。

 ある自民党幹部は「連合が離れた民進党が共産党と連携して左派色が強まれば、政権交代の可能性もそれだけ減る」と語る。首相周辺は「あわよくば新しい『55年体制』を狙いたい」と連合への接近の思惑を語る。

 条件は整いつつある。民進党は党名を変え、新代表を蓮舫氏に選んだが支持は広がらない。安全保障など党内で路線の違いがあっても表立った政策論争はなく、活力に欠く。自民党内でも「ポスト安倍」をにらんだ派閥活動が再び活発になりつつある。派閥間の競争で党の政策の幅が中道へと広がれば、民進党の支持層にも食い込める。

 首相周辺は衆院解散の時期について、簡単に政権交代が起きないよう「野党に決定的な打撃を与える機会を見極めたい」と語る。ただそれは政権交代可能な二大政党政治の時代が再び遠のく道でもある。民進党が国民から政権担当能力を疑われるような状況が続くなら、そんなシナリオも現実味を帯びてくる。
   
(島田学)

[日経新聞12月28日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/441.html

[政治・選挙・NHK218] 比例、「1強」の自民有利 次期衆院選、参院選から試算 野党、分散で苦戦

比例、「1強」の自民有利
次期衆院選、参院選から試算 野党、分散で苦戦

 日本経済新聞社は2016年参院選の得票数を使い、次期衆院選の比例代表の予想獲得議席数を試算した。自民党が76議席と14年衆院選から8増やし現行制度下で過去最高だった05年の77議席に迫る一方、民進党は43議席と10減らす。野党共闘の効果が出やすい小選挙区とは対照的に、複数の中小政党に票が分散する比例代表は「1強」の自民に有利に働く傾向が鮮明となった。

[小選挙区予測]
http://www.nikkei.com/content/pic/20161228/9695999993819481E0E59AE1948DE0E5E3E0E0E2E3E48282EAE2E2E2-DSKKZO1117351028122016PP8000-PB1-1.jpg

 参院選の都道府県別の比例代表の個人名と政党名を合算した得票数を使い、衆院選ブロックごとの得票数を算出。比例の議席配分の計算方法「ドント式」で各政党の獲得議席数を試算した。

 自民は東北で2議席、北関東、南関東、東京、北陸信越、四国、九州で1議席ずつ積み増す。民進は現有議席分を比例で確保できず、14年衆院選の比例復活組にとっては厳しい戦いになりそう。公明は1増、共産は1減とほぼ現状維持。日本維新の会は4増の14議席を確保する計算だ。

 自民が議席を増やす要因の一つは維新の党の分裂だ。14年衆院選では第三極として支持を集めて得票率16%を得たが、所属議員が民進党とおおさか維新の会(現・日本維新の会)に割れたため、参院選では行き場を失った票の一部が自民に流れた。これが自民の得票率を押し上げる。

 比例代表制度の特性も大きい。ドント式は少数政党が乱立しないよう大政党に有利な計算方式として知られる。次期衆院選の小選挙区に関する日経の試算では、共産党を含む野党4党が統一候補を立てた場合、60選挙区で野党が逆転するが、比例代表では各党はばらばらに戦うのが前提だ。野党票が分散し、自民と野党の票差が拡大し、自民に有利に働く。

 この結果、与党は試算通り小選挙区で60議席奪われても比例で野党が別々に戦う限り、自民の議席増分で一部が相殺できる。自民の総議席は242議席となり、自公で3分の2(317議席)は割り込むものの、過半数(238議席)を確保できる。

 一方、民進、社民、自由の野党3党が合流し、比例代表でも協力できるようにした場合はどうなるか。自民は4増の72議席にとどまり、野党3党は51議席と現有議席から3減に抑えられる。各党の議席に結びついていない票を寄せ集めることで、結集しない場合と比べて7つのブロックで野党3党が1議席ずつ増やす。小選挙区とあわせても自民は238議席と過半数ぎりぎりだ。

 こうした合流構想は自由党の小沢一郎共同代表が提唱している。社民党も今年の参院選前に民進党への合流を模索した経緯がある。民進党は小選挙区での野党共闘を進めているが、比例代表では野党各党が独自に戦うべきだとの立場だ。

[日経新聞12月28日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/16/senkyo218/msg/444.html

[経世済民117] 資源回復に投機過熱の影:欧米原油市場、投機筋の買い越し幅拡大

[一目均衡]資源回復に投機過熱の影 編集委員 志田富雄

 鉄鋼業界は今秋から原料高騰の話題で持ちきりだった。それもそのはず。石炭のスポット価格は一時1トン300ドルを超え、年初の3倍以上に高騰した。

 2011年の最高値さえ視野に入る原料炭の急騰は、中国政府が石炭生産の過剰解消を狙い、鉱山の操業日数を制限したことがきっかけだ。

 資源市況をどん底に突き落とした中国経済の危機も、政府の景気対策で後退した。公共投資や住宅、自動車販売の拡大で鉄鋼需要が持ち直し、中国の粗鋼生産は3月から前年同月比で増加に転じている。

 原料炭ほどのV字回復ではないにせよ、原油相場も主要産油国の協調減産を材料に1バレル50ドルを超え、ニッケルなどの非鉄金属相場も水準を切り上げた。
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 商品市況は景気の変化を映す鏡といわれる。海外市況や自動車生産の回復を通じ、日経商品指数の前年比の変化率で読む国内景気は2月を底に回復基調が鮮明になった。その勢いは円高修正やアベノミクスへの期待感で加速した12〜13年の局面に迫るほどだ。

 実需に手応えは感じる。それでも企業は市況回復を額面通りには信じられず、先行きへの不安から設備投資をためらう。

 英豪資源大手リオ・ティントのジャンセバスチャン・ジャック最高経営責任者(CEO)は「資源市場は低成長の時代に入り、先行きには不確実性が増した」と指摘する。生産性の向上に経営の軸足を移した資源大手も、以前のように量の拡大には走らない。

 米原油先物市場では、ヘッジファンドなどの買い残高が今月初めて60万枚(1枚は千バレル)を超えた。「アラブの春」をきっかけに中東・北アフリカの情勢が不安定になり、原油相場が高騰した11年の2倍、史上最高値を記録した08年の3倍の規模だ。

 米国が昨年から2度目の政策金利引き上げに踏み切っても、商品市場には大量の余剰資金がなだれ込む。鉄鋼原料や鉄鋼製品の価格急騰には売買が膨張した大連、上海の先物市場の影響も無視できない。

 設備過剰の中国では政府が供給した資金は投機に向かいやすい。市況は目に見えて回復しているが、企業にはその背後にある投機過熱や民間債務の増大など危うい構図も透けて見える。

 強気に傾いた市場はトランプ政権の誕生をインフラ投資の拡大期待から買い材料ととらえる。しかし、投機マネーは市場が弱気に転じれば一斉に買いポジションを手じまい、年初のように積極的な売りを仕掛ける可能性が高い。
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 直近の米原油先物相場は決済が最も近い来年2月物が53ドルほど、原油需給の均衡が予想される来年後半の決済で56ドル前後だ。金利や保管コストが加味されるはずの超長期25年12月物でも57ドル強にすぎない。

 原油先物の平らなイールドカーブは、足元の強気が相場を持ち上げても期先を買うほどの先高は描けない市場心理を映している。

[日経新聞12月27日朝刊P.15]

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欧米原油市場、投機筋の買い越し幅拡大

 欧米の原油市場で投機資金の買い越し幅が膨らんでいる。ニューヨーク市場の米国産標準油種、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物の投機筋の買い越し幅は20日時点で43万6661枚(1枚は1000バレル)。2年5カ月ぶりの高水準。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの協調減産の合意前の11月下旬と比べて6割多い。

 ロンドン市場に上場する北海ブレント原油先物の買い越し幅は20日時点で25万5035枚。11月中旬と比べて3倍以上に急増した。売り建玉(未決済残高)は28万282枚と約2カ月ぶりの低水準となった。

 産油国の減産への期待感から投機筋は買いに動いているが「買われすぎの状態だ」(日産証券の菊川弘之主席アナリスト)。原油相場が1バレル50ドル台に上昇し、今後は米国のシェールオイルの増産が進むとみられる。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之氏は高値警戒感から「今後も買い越し幅が膨らむとは限らない」とみる。

[日経新聞12月28日朝刊P.17]


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/370.html

[国際17] プーチン氏の秘密、CIAが暴露できない理由

【オピニオン】プーチン氏の秘密、CIAが暴露できない理由[WSJ]

欧米政府はプーチン氏に代わって未知の悪魔が登場することを恐れている

By
HOLMAN W. JENKINS, JR.
2017 年 1 月 6 日 16:25 JST

――筆者のホルマン・ジェンキンス・ジュニアはWSJ論説委員で「ビジネスワールド」欄担当コラムニスト

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 米国の対ロシア情報収集活動はこの面でも十分な水準に達していないかもしれない。バラク・オバマ米大統領がロシアのハッキングへの仕返しとして、ウラジーミル・プーチン大統領の不正蓄財(最大1600億ドルとみられている)の秘密を暴くことを期待する向きは多いだろう。だが、そうしたデータは存在しないと知って落胆するかもしれない。

 秘密を暴露してプーチン氏を弱らせるのは名案だ。私たちはそれを3年前に提案している。だが当時、ロシアによるクリミア併合を受けて米財務省がプーチン氏の「個人銀行」に対する制裁を発表した時でさえ、同省はプーチン氏の国内の敵が10年前から唱えていた疑惑を引用していた。グーグルで見つかる以上の情報は暴露しなかった。

 2番目の問題は、実はプーチン氏は何の所有権も持たないことかもしれない。少なくともロシアの略奪政治の後半には、プーチン氏が何かを指さすだけでそれが差し出されるようになった。一例がニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフト氏の体験だ。同氏は当初、スーパーボウルの指輪を2005年にプーチン氏に譲ったと話していた。しかしその後の告白によると、プーチン氏がその指輪をはめてみたいと頼み、「それをポケットに入れ、KGBの男3人に囲まれ、歩き去った」という。

 誰が何を、どれくらい長く保有するかについて、プーチン氏がどこまで容認するのかは非常にわかりにくい。同氏にとって16年の締めくくりとなった見事な金融取引が象徴的だ。

分からない資金の出所

 プーチン氏の手下はロシアの財政逼迫(ひっぱく)を和らげるとともに欧米の投資家にアピールするため、国有石油会社ロスネフチの一部民営化を計画した。だが買い手に資金を供給するとされたイタリアの銀行は、まだ計画への参加を決めていないことを認めている。ロシアの報道機関によると、欧米の主な参加者である鉱業大手グレンコアは出資金50億ドルの大半を免除された。複数の「ロシアの銀行がグレンコアをこの義務から免除した」という。

 つまり、資金の出どころも売却株の多くを最終的に誰が保有するのかも全く分からない。

 ただ、プーチン氏は汚職疑惑を掛けられることに敏感なのではないかとの見方は間違っていない。アラブの春、ウクライナの革命、カダフィの失脚は誰も予想していなかった。民衆の怒りが爆発してプーチン氏が失脚しないとも限らない。

 プーチン氏最大の盟友であるロスネフチのイゴール・セチン最高経営責任者(CEO)は、プーチン氏の邸宅やヨットに関するロシアメディアの報道を抑圧するため、あらゆる方面で訴訟に対応している。プーチン氏のために病院の迂回(うかい)資金で建てられたとされる黒海沿岸の宮殿は、うさんくさい取引に包まれている。この物件は現在、時価の何倍もの金額を支払った実業家が保有しているとされる。

 少なくとも米中央情報局(CIA)はプーチン氏の駆け出し時代に関する完全な記録を持っているはずだ。当時のロシアには自由なメディア文化があった。サンクトペテルブルク市の副市長時代、プーチン氏が食料用資金9300万ドルの紛失に関与したとされる疑惑が市議会の特別委員会によって記録されている。

 1999年には293人が死亡したアパート連続爆破事件があった。プーチン氏はこれを追い風に大統領選で勝利した。この事件が起きる前ですら、モスクワで信頼できる欧州やロシアの新聞は、同国の秘密警察がそうした攻撃を計画していると伝えていた。その後に学術機関や報道機関が行った調査は、それら「テロリスト」の行為はプーチン氏の支持者によって仕組まれたとの見方を支持している。


都合のいい殺人や怪死

 米情報機関がこれら2つのエピソードについて明確な評価をしているのは確かだ。プーチン氏の台頭の陰には多くの都合のいい殺人や怪死があり、同氏はそのおかげで不都合な情報の発覚を免れてきた。CIAはそうした事件についてわれわれが知っている以上のことを暴露することができるかもしれない。

 甘い考えはこの辺でやめておこう。プーチン氏の秘密暴露を呼びかけている米民主党の幹部ダム・シフ下院議員も、甘い考えは抱かないほうがいい。欧米の政府は、ロシア反体制派のアレクサンドル・リトビネンコ氏が放射性物質ポロニウムによりロンドンで殺害されるという国際テロに対してさえ、沈黙したままだ。なぜか。予期せぬ結末や、プーチン氏に代わって未知の悪魔が登場することへの懸念から、プーチン体制に強く出るのが怖いのだ。

 オバマ氏の制裁はこうした懸念を念頭に細かく調整してあり、ドナルド・トランプ次期大統領がもたらす変更の余地は限られている。安心していい。トランプ氏の自伝からは、同氏が将来プーチン氏と交渉する際にオバマ氏の制裁から得られる優位を自ら手放す意向はうかがえない。一方でトランプ氏は、仰々しいながらも弱い言葉を提供してプーチン氏に便宜を図ることをやめるだろう。そうした言葉はプーチン氏にとって、米国が戦略地政学上の脅威である証拠としてロシア国民に示し、自身は勇敢かつ堂々とその脅威の裏をかいていると説明する材料になる。

 トランプ氏が成功した場合、最良かつ最も可能性が高い結末は、プーチン氏が再選を目指す2018年の選挙までとその後1年ほどにわたり、国際社会の問題児であることをやめることだ。トランプ氏の自由度は高まり、国内の改革や、欧州連合(EU)で今年起きるに違いない緊急事態の対応に集中できる。

 その休暇は一時的なものにすぎない。プーチン氏は平和な引退について現実的な希望など抱いておらず、その社会と経済は同氏の下で崩れつつある。今後10年、プーチン氏がロシアと世界の疫病神になることはほぼ確実だ。


http://jp.wsj.com/articles/SB10150392616080993801604582541712716712308


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/162.html

[国際17] クレムリンの極東政策とトランプ・ファクター

クレムリンの極東政策とトランプ・ファクター[スプートニク日本語]
オピニオン2017年01月03日 20:10
アンドレイ イルヤシェンコ

昨年ロシアの「東方転換」政策の中で、質的な変化が生じた。一方、米国の新大統領にトランプ氏が選出されたことでまた、その政策に重要な修正が持ち込まれる可能性が出てきた。その際、地域においても世界においても、ロシアの主要なパートナーとして残るのは中国だ。⒓月24日に行われた記者会見で、プーチン大統領は「露中には、国際問題の多くの問題に関し共通した立場がある」と強調し、次のように続けた-

「この事は言うまでもなく、あらゆる国際問題において、大変安定的で重大な要素になるだろう。我々は、中国との関係を大切にし、その更なる発展を期待している」。

中国の習近平国家主席が、杭州でのG20でプーチン大統領に示した主賓としての厚遇ぶり、国連安全保障理事会での反シリア決議に対し共に拒否権を行使した事、極東での対ミサイル防衛システム配備を受け入れることはできないという共通した立場、さらに南シナ海での合同海洋演習…こうした事が強調されたが、これらは、露中関係が質的に強化されていることを裏付けている。露中両国は、公式に同盟関係を宣言してはいないものの、実際のところ同盟国になりつつある。こうしたすべてのことは、ロシアと欧米の関係が危機的に尖鋭化した事、また中米関係が潜在的に悪化していることを背景に起こった。しかし、このプロセスのテンポは、トランプ氏が大統領ホストに就くと共に急速に加速化するものと見られている。

当選後すぐにトランプ氏は、中国の経済政策に対する彼の批判や海軍の艦船数を350にまで増やすプログラムが、選挙中の単なるパフォーマンスではないことを示した。すでに現在、中国政府は、トランプ氏の親台湾的行動に神経質に反応しており、南シナ海での水中無人機拿捕という形での脅しを匂わすシグナルを彼に送っている。あるいは、南シナ海に中国最初の空母「遼寧」を派遣し示威行為に出たりして、米国の主要なライバル、または敵とも言ってよい自分達の役割を確認している。著名な米国の政治学者サミュエル・ハンティントン氏は、すでに20年前に、文明の衝突という自分の概念を根拠づけるため、少なからぬ労力を費やしたが、彼が言わんとしたのはイスラム世界との衝突ではなく、まさに極東での衝突だった。

その一方で、中国と米国の間の緊張の高まりは、プーチン大統領にとって新しいチャンスとなるかもしれない。トランプ氏の勝利は、ロシア政府に、露米関係正常化に向けた思いがけない可能性を与えた。トランプ次期大統領は公然と、政治分野におけるロシアとの協力の必要性を訴えている。その際、トランプ氏の新しいチームは、米大統領選挙にロシアが介入したというあらゆる批判を、断固斥けている。

新たなチャンスが開けているのは何もロシアばかりではない、米当局にとってもそうだ。またExxonMobilの会長兼最高経営責任者(CEO)時代にプーチン大統領や、ロスネフチの社長で大統領の近しい同志であるセチン氏と信頼関係を築いたティラーソン氏が国務長官に任命されたことも、注目すべきことだ。ロスネフチは、国営企業で、外貨収入の基本的な部分をロシアの国庫にもたらしている。

なお12月18日、自民党の山本一太・元内閣府特命担当相は、フジテレビに出演した中で、次のように発言した-「ティラーソン氏を国務長官に任命したことでトランプ氏が本気で米ロ関係を動かそうとしていることは分かった。ただ、ティラーソン氏が国務長官になったからといって、米ロ関係が急激に変わるとは思っていない。」

とはいえ恐らく、二人のカリスマ的指導者が起こす「化学反応」が、露米関係復活において、小さくない役割を果たすだろう。露米対話の主要なテーマの一つは、「ダーイシュ(イスラム国)」との戦いであり、シリアにおける平和調整問題である。しかし露米関係正常化の代償は、ロシア政府にとってどのようなものになるだろうか? 

ロシア対外・国防政策評議会幹部会で名誉議長を務めるセルゲイ・カラガノフ氏は、次のように見ている-

「米国側は、ロシアを中国から引き離そうと試みるだろう。この事は、ここ⒛年間、西側の対ロシア関係において、実際まさに主要なモチーフの一つだった。日本も、ウィキリークスが公開した情報から判断すれば、厳格にこの路線を支持してきた」。

米共和党は、かつてニクソン大統領とキッシンジャー国務長官が見事成功させた方法を繰り返す用意があるようだ。1970年代当時二人は、ソ連と対立していた中国との関係正常化を成功させた。ロシア政府は「冷戦」には米国に対するものと中国に対するもの、2つの前線が存在し、それがソ連に耐えきれない緊張をもたらし、ソ連崩壊を促したことをよく覚えている。しかし現在、ソ連よりもはるかに弱体化したロシアにとって、強大な隣国との対立は到底受け入れられない。とはいえロシアは、中国のために米国との関係を犠牲にすることはできないし、することもないだろう。プーチン大統領が提起している日本との関係復活の戦略的課題は、彼がアジアにおいて、中国 を振り返ることなく、その政治路線を進めてゆく用意のあることを示している。

こうした条件の中、ロシア指導部にとって、最もふさわしいのは、アジア太平洋地域の安全保障問題に関する多面的対話のイニシアチブをとることだ。ここでの主なプレーヤーは、米国、中国、日本そしてロシアである。今年2017年中、このテーマは、ますます重要なものとなるだろう。4大国の枠内でのみ、安全保障問題の解決は可能だ。そしてロシア政府には、そのための良い条件がある。中国とは、特別な良い関係にあるし、米国とは関係正常化に向けた展望が開かれようとしている。そして12月半ばの、プーチン訪日後、日本とも質的に新しい関係が築かれようとしているからだ。

https://jp.sputniknews.com/opinion/201701033207927/


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/163.html

[国際17] 英スパイ機関元首脳 世界の行方読む ジョン・サワーズ氏 英秘密情報部(MI6)前長官

[時論]英スパイ機関元首脳 世界の行方読む
ジョン・サワーズ氏 英秘密情報部(MI6)前長官

 人気スパイ映画シリーズ007で、主人公が所属するスパイ機関として知られる英国の秘密情報部(通称、MI6)。実態は厚いベールに包まれているが、世界に張りめぐらせた情報網や分析力は、米国にも引けをとらないといわれる。そのトップの座にあった人物は、激動する世界の行方をどうみているのか。ジョン・サワーズ前長官(61)に聞いた。


■ロシア 追いつめすぎは危険

 ――トランプ米政権の発足で、米国主導の世界秩序は終わりを告げそうです。影響をどうみますか。

 「彼は内政中心の大統領になると思う。優れた交渉者であるという自負を持っているので、貸し借りによって外国との関係を築いていこうとするだろう。このため、戦略的な視点を見失う危険がある。クリントン、ブッシュ、オバマ各氏の歴代政権は同盟国とのきずなを維持し、世界で枢要な役割を果たす戦略をとってきた。経験を積むにつれ、トランプ氏も同じ路線を歩んでくれることを願うが、そうなるかどうか、まだ先がみえない」

 ――彼は選挙中、日韓や欧州の同盟国が米軍駐留経費をもっと払わないなら、守らないと言いました。同盟も揺らぎかねません。

 「米国は、日本や英国のような古い同盟国を大切にするが、目の前の懸案を処理するため、貢献してほしいという思いも抱いている。トランプ氏はいわば、同盟国による『ただ乗り』は許さないだろう。欧州にも(米軍に防衛を)ただ乗りしている国々がある。集団的な防衛体制にもっと寄与するよう、そうした国々に圧力をかけるのは大事なことだ」

 ――同盟国に負担増を求める彼の主張にも、一理あるということですか。

 「そう思う。しかし、相手国に圧力をかけることで、同盟網を弱めることがあってはならない。米欧の軍事機構である北大西洋条約機構(NATO)の加盟国は、一国への攻撃は全メンバーへの攻撃とみなし、みなで報復するという保障を交わしている。ロシアなどの敵対国に対し、米国がその合意を守ると思わせることが、極めて大切だ。この点は今後も大丈夫だろう。就任後のトランプ氏が、選挙中の彼と全く同じとは思えないからだ」

 ――トランプ政権は親ロシア的な路線を掲げています、その通りの政策をとれば、ロシアはさらに強気になりませんか。

 「ここ数年、ロシアと西側諸国の関係が悪化している。特に、ウクライナ問題がその一因だ。ロシアの懸念を理解し、敬意をもって接する態度が西側諸国に十分ではなかったことにも原因がある」

 ――しかし、ロシアは米欧にサイバー攻撃や軍事挑発を強めています。彼らに融和的に対応するのが、正しい方策といえますか。

 「ロシアは脅威にさらされ、危ないと思えば、むしろ危険な行動に出かねない。彼らが冷静でいられるよう、過度に脅かさないことが大事だ。とはいえ、(融和的な対応が)行き過ぎるのも危険だ。ロシア指導部は、西側のような多元的な民主主義体制に移行するつもりはない。彼らと私たちの間に調和ある関係が生まれる、と期待すべきではない。ロシアと巧みに協力するには、こちらも軍事、政治の両面で力を見せつける必要がある。ロシアは力を重視するからだ」

 ――トランプ氏は中ロなど大国と直接取引し、国際政治を動かす考えをにじませています。そうなれば、日本や欧州は蚊帳の外に置かれかねません。

 「世界は再び、大国が主な役割を演じる局面に移ろうとしている。ロシアはウクライナとシリア、中国は南シナ海や東シナ海で軍事力を使い、西側諸国の影響力を排除しようとしている。これが、私たちが適応していかなければならない世界の現実だ。むろん、米中に並び、欧州と日本、インドも経済面では大国だ。この5カ国・地域が世界経済を運営し、開かれた貿易システムを維持すべきだ。そのうえで、世界の安定を保つため、(米中ロという)3つの軍事パワーが均衡を保っていく。今後10年から15年の世界のあるべき姿とは、このような構図になるだろう」

 ――米国が大国外交を優先するようになっても、世界の調和は保てますか。

 「米大統領はロシアや中国、日本、英国といった国々の指導者と直接に協力し、関係を築くべきだ。首脳の個人的な関係はとても重要だ。しかし、国と国の関係において、米大統領が独りで大きな責任を抱え込むことは避けるべきだ。指導者といえども誤りを犯すからだ。たとえば、ルーズベルトは偉大な米大統領であり、ソ連のスターリンと渡り合えると信じていた。だが、実際、第2次世界大戦の末期になると、スターリンの方が上手だった」

■甚大なサイバー攻撃迫る

 ――テロやサイバー攻撃の脅威も深刻です。情報機関トップの経験から、対処の秘訣は何だと思いますか。

 「テロやテロリストの脅威は、私たちの日々の生活に入り込んでしまっている。テロへの防御で、最前線を担うのが情報だ。テロ組織の内部に潜入し、彼らの意図をつかむことができれば、攻撃計画が実行に移されるのを防ぎやすくなる。とはいえ、テロの原因を解決することはできない。それはイスラム内部の分裂や、多くのイスラム諸国における統治の失敗にさかのぼるからだ」

 「だからこそ、防御に照準を絞るべきだ。英国の情報機関のトップを務めた経験から、テロ組織の内部に潜入することがどれほど難しいか知っている。いちばん大切なのは、国内の情報機関と治安を担当する省庁、外国の情報機関とのチームワークだ」

 ――海外のテロ事件に日本人が巻き込まれる事態が相次ぎ、日本政府も外国の情報機関との協力を広げようとしています。

 「今のところ、日本がイスラム系テロ組織の標的になっていないのは幸いだ。だが、ほかの多くの国々もそう考えていた。例えば、ベルギーもそう思い込み、敵対的な過激派組織を監視し、彼らの内部に潜入する能力を培ってこなかった。その結果、昨年のテロ事件で、悲惨な代償を払った。増大するテロの脅威に各国がどう対処しているか、(北アイルランド紛争や05年の大規模テロを経験した)英国も含め、日本政府として事例を研究しておくことがとても大切だ」

 ――国と国の情報協力は、持ちつ持たれつが基本と聞きます。日本が情報を得るには、相手国にも価値ある情報を提供できなければなりません。日本は何から手がけるべきでしょう。

 「日本の情報機関は、それぞれがばらばらに動いているように思う。たくさんの組織が活動していて、必ずしも効果的に連携できないリスクがある」

 ――約3年前、日本でも国家安全保障会議(NSC)が生まれ、省庁間の連携を強めようとしています。

 「だが、まだ道半ばといえるだろう。そうした努力はテロだけでなく、サイバー対策上も極めて大事だ。サイバー攻撃によって企業や団体が混乱におちいったり、銀行や製造業の業務が停止に追い込まれたりする事態も出ている。日本は技術力が優れており、コンピューター網に大きく生活を依存している。それだけに、この分野で果たせる独自の役割があるはずだ」

 「5年から10年以内に、2001年の米同時テロのような破壊的なサイバー攻撃が発生する、と想定しておくべきだ。そうなれば多くの人々が命を落とし、突然、脅威を思い知らされることになる。すべての国家はそんな事態に備えなければならない」

 ――ところで、MI6はスパイ映画シリーズ007の主役、ジェームズ・ボンドが活躍する組織として有名です。どこまで彼は本物のスパイと似てますか。

 「ジェームズ・ボンドの最大の貢献は、MI6が世界から支持され、優れた人材を集めやすくなったことだ。彼のおかげで、多くの人たちが情報機関で働こう、と思ってくれる。だが、現実のMI6では、彼のような人物はうまくやっていけない。必要とされるのは単独で行動する一匹おおかみではなく、チームの一員として動ける人材だ。技術に精通していなければならないし、常に法律を順守するよう求められる。それに、(映画と異なり)MI6には殺しのライセンスは与えられていない」

 ――それも虚構ですか。

 「私たちに殺しのライセンスはないし、欲しくもない。MI6の任務は指導者に情報を提供することで、軍事工作はしない。ジェームズ・ボンドは現実とは違うが、それでも私は大ファンだ。現在、俳優ダニエル・クレイグ氏が演じているボンドは最高だ」

 John Sawers 英外交官としてキャリアを積み、ブレア首相の外交補佐官、エジプト大使、国連大使を経て、09〜14年にMI6の長官を務めた。長官在任中には、中東を揺るがした反政府運動「アラブの春」やシリア内戦、ロシアによるウクライナのクリミア併合といった激変が相次ぐなか、情報活動を指揮した。
 10年にはMI6の百年以上の歴史上、トップとして初めて講演し、テロ対策への理解を訴えた。MI6は94年まで、英政府がその存在すら公式には認めていなかった秘密組織。それだけに長官の講演は大きな話題を呼んだ。現在は英コンサルティング会社、マクロ・アドバイザリー・パートナーズの会長を務める。1955年生まれ、61歳。

◇     ◇

〈聞き手から〉幻想なき、冷徹な世界観

 米大統領選から一夜明けた昨年11月9日朝。トランプ氏の勝利が確実になると、メイ英首相はまず、ロンドン市内のMI6本部に向かった。世界情勢はどうなるのか。今後の対策を練るには、MI6の分析がどうしても必要だからだ。

 MI6はスパイ網を駆使した情報力で世界最高レベルといわれる。2年前までその頂点にいた人物だけに、サワーズ氏の発言には机上の論とはちがった現実感覚がある。たとえば、ロシアへの対応だ。

 ロシアを「敵対国」と断じ、友好関係を築けるという幻想を抱くべきではないと警告する。その一方で、ロシアを追い詰めすぎれば、かえって危ない反撃に遭いかねないとして、彼らとの対話の大切さも説く。対ロ強硬でも融和でもない、極めてドライな政策論といえる。

 米国と同盟国の関係でも同様だ。トランプ氏は米国への「ただ乗り」を許さないだろうと予測し、同盟各国がもっと自衛の努力をするしかないという。中国などが台頭し、米国の国力が相対的に下がった以上、おんぶにだっこは望めないというわけだ。こうした冷静な発想は日本にも参考になる。
 
(編集委員 秋田浩之)

[日経新聞1月8日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/317.html

[中国10] 習近平の支配 独善の罠

習近平の支配 独善の罠

(1)太平洋に荒波 「特朗普」発言 迎え撃つ空母

 「空母『遼寧』を太平洋に進めるべきだ」。昨年12月、中国・北京で開かれた人民解放軍の幹部会議。海軍司令官の呉勝利(71)が策定したプランに、共産党総書記の習近平(63)がうなずいた。次期米大統領のドナルド・トランプ(70)が「なぜ『一つの中国』に縛られないといけないのか」と発言し、台湾を中国の一部とみなす習の神経を逆なでした直後のことだ。

 現在は台湾を本拠とする国民党との内戦に勝って政権を樹立した中国共産党にとって、「一つの中国」は絶対に譲れぬ大原則だ。特に、2012年秋に総書記に就いた習は「中国の夢」を唱える。列強の侵略に遭う前の大国の地位を取り戻すという「夢」の実現には、台湾統一が欠かせない。

 危機は、危険と機会を内包する。「『特朗普』が中国の核心的利益に挑むなら流血も辞さぬ」。中国語で「特朗普」と記すトランプの言動は、中国軍内の強硬派にとって対米圧力強化の声を上げる好機となった。

 トランプ発言の4日後、海軍は南シナ海で米軍の無人潜水機を奪取。その後、呉は山東省威海から「遼寧」に乗り込んで中国空母として初めて西太平洋に進出、台湾の東側を回って南シナ海へ入った。年明けには艦載機の発着訓練の模様を公開する示威行為に出た。


太平洋二分論

 呉は、習と同じく共産党政権樹立に携わった革命世代の子弟「紅二代」だ。2人は福建勤務時代からの旧友でもある。呉が世界に名を知られたのは07年。米側に「太平洋二分論」を持ちかけた張本人とされた。台湾統一の夢を追い、今回、異例の陣頭指揮を執った。

 「補給船の運航回数は1年前に比べ3倍以上だ」。「遼寧」が戻った海南島にある清瀾港で働く女性(43)は明かす。南シナ海の中国の軍事拠点向けに物資を送り出しているのだ。

 トランプは「我々の承認を得たのか」と中国による軍事拠点化を批判したが、南シナ海を自国の「内海」とみなす習は、米国の許しを請うつもりはない。西沙(パラセル)諸島の永興(ウッディ)島に地対空ミサイル装備を配備するなど、拡大を続けている。

示威行為で探り

 民間も軍と並走する。週1回、海南島から西沙諸島を巡るクルーズ船が出発し、観光客らが浅瀬で国旗を掲揚し国歌を合唱する。「心が熱くなった」。参加した北京市の張羅軍(58)は涙を浮かべる。最近、定員が従来の3倍、900人の大型船に替わった。

 習も米国との正面衝突は望まず、示威行為を重ねてトランプの出方を探る。だが中国では一党支配を支える軍が強く、外交ではなく、力を誇示して相手を屈服させようという空気に指導部が傾きがちだ。米中関係は世界の外交、安全保障に影響をおよぼす。太平洋は波が荒立つ新年を迎えた。

 米新政権の誕生など世界が激動するなか、中国共産党の「核心」として権力を集中する習近平。一党支配の維持を最優先する「中国式統治」に潜む独善のリスクを追った。

(敬称略)

=関連記事国際面に

[日経新聞1月9日朝刊P.1]

[習近平の支配 キーワード]南シナ海 軍事拠点化急ぐ

 2017年の年明け早々、中国・人民解放軍の空母「遼寧」が南シナ海で本格的な訓練を実施すると、国営中央テレビは「米軍の空母が南シナ海を独占してきた状況は終わりを告げた」と訴えた。中国は、「九段線」という独自に定めた9本の境界線で南シナ海をU字型に囲い、ほぼ全域に自国の主権と管轄権がおよぶと主張している。


 1950年代以降、中国はまず西沙(英語名パラセル)諸島に進出。さらに80年代から南沙(英語名スプラトリー)諸島へと実効支配を拡大した。南シナ海は中国にとって安全保障上の要だ。対米核抑止に必要な原子力潜水艦を動かしやすい自国周辺の唯一の海域であり、原油輸入などの重要なシーレーン(海上交通路)でもある。共産党関係者は「米軍が自由に動き回る状況は看過しがたい」と語る。

 習近平(63)が2013年に国家主席に就くと、有事の際に米軍を寄せ付けないようにする「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略に向けて南シナ海の軍事拠点化を加速した。西沙諸島には地対空ミサイルと戦闘機を配備。南沙諸島では大規模な埋め立てで造成した7つの人工島すべてに防空設備を置いた。

 15年9月に米大統領のオバマ(55)が軍事拠点化の中止を求めても、習は「主権の範囲内の行動だ」と取り合わなかった。フィリピンの申し立てを受け、仲裁裁判所が16年7月に中国の「九段線」に国際法上の根拠がないと断じた判決も、中国は無視。比大統領となったドゥテルテ(71)との間で中比関係の改善を進めている。米国の政権移行のスキを突き、中国が南シナ海でさらに強硬な姿勢に出る可能性がある。

=敬称略


人民解放軍とは

 ▼人民解放軍 中国共産党の軍隊。建国のカリスマ、毛沢東氏は「政権は銃口から生まれる」と語り、党支配の根幹を支える。党総書記の習近平氏が党中央軍事委員会主席として統帥権を持つ。党トップ200人の中央委員のうち、約2割は軍幹部。党中央軍事委11人の委員は習氏を除き、軍の生え抜きだ。

 「党の軍」という位置づけで、政府の国防省には実質的な指揮権がない。昨年の国防予算は9543億元(約16兆円)と日本の防衛予算の約3倍。実態は公表数字の2倍ともいわれる。

[日経新聞1月9日朝刊P.4]


(2)中国式統治貫く 「ゴルバチョフにならない」

 会食は緊張に包まれた。2016年12月2日、次期米大統領のドナルド・トランプ(70)が独立志向の台湾総統、蔡英文(60)と電話した日の夜。ワシントンで一人の中国人男性がまくし立てた。「明白なマイナスのメッセージだ。トランプは代償を払うだろう」


中南海の正門「新華門」。「偉大な中国共産党万歳!」の文字が躍る

民主主義はリスク

 男性は、中国共産党系メディア「環球時報」の社説を担当したこともある王文(36)。米国の対中政策に40年以上も関わる米国防総省顧問、マイケル・ピルズベリー(71)は青ざめた顔色で、王に切り返した。「予測不能といわれるトランプの行為には意図がある」

 「党の核心」。国家主席の習近平(63)は16年10月、共産党で7人いる最高指導部の中で別格の存在を意味する称号を手にした。米国の民意がトランプをリーダーに押し上げたのと異なり、習は密室の協議で自らを強力な指導者に仕立て上げた。習の目には「西側の民主主義」は体制を揺るがすリスクとしか映らない。

 「一体、どうなっているんだ」。「核心」となってから1カ月余り後、習はいら立ちを募らせていた。

 中国国内の学者らを集めて情報分析させた米大統領選は、予想に反してトランプが勝利。出方を探るため情報収集を急げと指示したところ、トランプは台湾寄りの姿勢を鮮明にした。米国の協力者の一部と連絡が取れなくなる不始末も重なり、習の怒りは増した。

 ブレーンの数を絞った前国家主席の胡錦濤(74)と異なり、習は幅広いチャネルで情報を集めるのを好む。ただ、指導部に近い学者はこう話す。「どの報告がどんな判断で採用されるかは誰にも分からない。決めるのは中南海だけだ」


密室協議で決定

 中南海とは、習ら最高指導部が執務室を構える北京中心部の地名だ。歴代の党指導者は故宮の西側に広がるこの地に住み、働いてきた。習は毛沢東と同じく敷地内のプールで泳ぐ。中国の国家戦略は、この中南海の「奥の院」で決まる。

 「いま現実の変化に最も機敏に対応できるのは中国だ。トランプの勝利、英国の欧州連合(EU)離脱、韓国政治の混乱を見ればわかる」。ある党幹部はこう決めつける。民意が国家の行方を決めるのではなく、国家が民意を制御する。密室ですべてを決める中国式統治を貫く思想だ。

 16年12月25日。ゴルバチョフ(85)の主導で政治的な自由や民主を認めた旧ソ連が統制力を失い、崩壊してから25年を迎えた。人民日報は同日付で「国民が多数決で示す願望と、政治エリートの考えは往々にして一致しない」と訴えた。習はかつて党内の会議でこう語ったという。「私はゴルバチョフにはならない」

 国民党との内戦に勝った毛沢東、文化大革命後のケ小平。かつての党指導者は、強権を振るうことで混乱を乗り切った。習もまた、自身への権力の集中を進める。習の顔色をうかがう党内では、米国が広めた民主主義に代わる価値観として「中国式統治」を世界に広めようと、真顔で語る人々まで出ている。
(敬称略)

[日経新聞1月10日朝刊P.1]


[習近平の支配 キーワード]中南海 権力闘争や外交の舞台

 中南海は北京中心部に位置し、元朝時代につくられた人工池「中海」と「南海」を合わせた地名だ。

 歴代王朝の皇帝の庭園で、1949年以降は共産党の最高指導者やその家族が居を構えた。南側に総書記(国家主席)の習近平(63)をトップとする党、北側に首相の李克強(61)が率いる国務院(政府)の機関がそれぞれ置かれ、不仲な両氏の関係は「南院と北院の争い」と呼ばれる。

 権力闘争や外交の舞台でもある。文化大革命を主導した「四人組」は中南海で逮捕された。2代前の国家主席、江沢民(90)は引退後も居座って院政をしいたが、前国家主席の胡錦濤(74)が引退時に江を道連れにして中南海を去った。引き留めようとした習に、胡は「あなたの声が届く場所にいる」と江派への対抗に協力すると伝えたという。

 2014年に訪中した米大統領のオバマ(55)は習と中南海を散歩した。日本の要人では首相の安倍晋三(62)の外交ブレーン、国家安全保障局長の谷内正太郎(73)が15年7月に招かれた。

=敬称略

[日経新聞1月10日朝刊P.5]


(3)経済の論理軽視 国有企業 党の手足となれ

 第8章 第155条。「取締役会や経営会議が重大な決定や人事を決める際、社内の共産党委員会は、党としての意見や提案を経営側に提出する権利を持つ」


保有資産1800兆円

 トヨタ自動車の中国事業の有力パートナーである中国の大手自動車メーカー、中国第一汽車集団(吉林省)。同社は昨年4月、突如、会社の定款を変更し、こんな条文を付け加えた。

 共産党委員会(党委)とは、多くの中国企業の社内にある党組織のこと。本来、党員資格を持つ従業員の支援などが目的で、経営には関与しない。第一汽車はそんな建前をかなぐり捨て、党委が経営や人事に口出しする権利を明文化した。

 似たような動きは第一汽車だけでなく、中国の国有企業に広がる。党の関与を企業が率先して受け入れる不気味さ。それが問題視されないのはなぜか。その答えは昨年末、支配する側の発言として飛び出した。

 「国有企業の経営に対し、党の指導を強化する」。発言の主は、国有企業を管理する国有資産監督管理委員会の研究部門首脳、楚序平(56)。楚はさらに、経営トップの董事長と党委トップの書記について「同一人物が務めるよう全面的に見直す」と続けた。

 国有企業に対し、実態から表向きまで党と一体であることを迫るに等しい内容だ。楚の言葉には、国家主席、習近平(63)の対米戦略が込められている。

 過去10年ほど、国有企業は党全体の意向よりも特定の党幹部の顔色をうかがい、「私物化」「腐敗」が目立った。約16万社、保有資産1800兆円を抱える国有企業の力は絶大だ。習は党の力で国有企業を束ね直し、中国が並び立つことを夢見る米国との総力戦に挑む青写真を描く。

投資先は160カ国

 中国からの海外投資は2016年に世界160カ国、7千社におよび、前年比5割増の1600億ドル(約19兆円)超に上った。企業だけでなく、ギリシャや中東、インド洋の要衝などの港湾権益にも触手を伸ばす。主役は党の手足となることを誓った国有大手だ。

 手足になることを拒めば、厳しい罰が待ち構える。

 16年10月、珠海格力電器(広東省)を世界大手のエアコンメーカーに育て上げたカリスマ女性経営者、董明珠(62)が親会社の国有企業、珠海格力集団の董事長を解任された。党の意にそわぬ買収を進め、国資委の不興を買ったためだ。

 「私のような若手のパスポートまで取り上げられ、取引先とのゴルフや食事も一切できなくなった」。広東省の金属系国有企業に勤める男性社員(36)はこう語る。習体制の発足以降、党支配による締め付けは末端にまでおよんでいる。

 「勝手は許さない。(党の)思想を企業の奥深くにねじ込む必要がある」。習は大国となる夢を免罪符に、企業に対して党の言いなりになれという。経済の論理や企業の自主性を軽んじ、党支配を何よりも優先する独善は、中国経済の未来をむしばむ。

(敬称略)

[日経新聞1月11日朝刊P.1]


[習近平の支配 キーワード]中国共産党委員会 企業の意思決定を左右

 中国企業には特有の組織がある。「党委」と呼ばれる中国共産党委員会だ。組織率は国有企業の9割超、民営企業でも5割超に上る。党が政府さえも指導するお国柄では、党委が企業内の人事を含め、企業の意思決定を事実上左右する存在となっている。


 共産党は、党員が3人以上いる組織に党委の設置を求めている。アリババ集団、小米(シャオミ)、華為技術(ファーウェイ)、百度(バイドゥ)など、中国を代表する民間企業は軒並み党委を置く。日系企業を含め、外資にも党委は広がる。

 習近平指導部は組織率「99.9%」をめざしている。党の指導を末端まで行き渡らせる狙いで、企業内の党員に党の新たな方針などを伝えるのが本来の役割だ。党規約も「業務活動は指導しない」と、これまで経営に介入しないことが建前だった。

 実際は党委トップの書記を経営首脳が兼ねることが多く、企業経営も党の影響を受ける。国有企業なら経営陣の人事は党内人事に直結し、党支配はより強まる。
=敬称略

[日経新聞1月11日朝刊P.7]


(4)「6%」成功への道 札束が生む人民の格差

 娘の小学校入学を控えた昨秋。上海の会社員、李慶偉(仮名、35)は100元札20枚、2千元(約3万4千円)をノートに挟み、そっと副校長に渡した。生活苦のなか、月給の3分の1をなんとかひねり出した。


支配層への切符

 学校では100人に1人ほどの優秀な児童が「大隊長」に選ばれ、左肩に赤の3本線のバッジを付ける。「『大隊長』はカネで買えないといわれるが、先生たちの心証をできるだけよくしたい」。妻から「お隣は2万元を包んだらしい」と聞き、李は焦った。

 意識したのは、中国人の一生を左右する通信簿、「人事档案(ダンアン)」だ。学歴や職歴、懲罰まで記録され、大隊長の名誉もそこに記される。地元当局や職場が管理し、人々に「档案が傷つけば安泰な人生は遠のく」と服従を強いる。結局、李の娘は大隊長にはなれなかったが、「優秀なクラス」に入れたことで李は自分を納得させた。

 共産党が一党支配する中国。ピラミッド型の支配体制で、若いうちに「通信簿」を磨く早道は何か。その答えの一つが「入党」だ。

 浙江省杭州の女子大生、呉欽(同、21)は16年春、3年に及ぶ審査や試験を経て共産党員になった。「父や祖父もなれなかった。誇りに思う」。共産党員は8800万人に上るが、中国の人口全体の6%にすぎない。呉は「選ばれし支配層」への切符を手にした。

 だが、その頂点に立つ国家主席、習近平(63)は「党員が堕落し求心力を弱めている」と繰り返し訴える。広大な国土や様々な民族を束ねる要である支配層の劣化への危機感が強い。


不満抑制は限界

 「上位1%が富の3分の1を所有している」。北京大学が最近まとめた報告書だ。「人民の国」で広がる格差。公平な競争の結果ならまだ我慢できるが、中国の庶民が思い浮かべるのは、自身の才覚で財をなした成功者の姿ではない。「ベッドの下に1億元の札束を隠していた」。そんな腐敗官僚の醜聞が絶えない。

 英国の欧州連合(EU)離脱、米大統領選でのトランプ旋風。世界では「見過ごされてきた人々」の不満が政治を動かしたが、中国の庶民は体制を選べない。党支配の維持をめざす習が選ぶのも、民の自由の拡大ではなく、不満分子を締め付け、腐敗官僚や政敵を追い落とす強権の道だ。

 「数を減らし質を高めよ」。習は党員の厳選へ大号令をかける。湖北省武漢の女子大生(21)は昨年、有名ブランドのバッグを手に街を歩いていたことを見とがめられ、党員資格試験に落ちた。ところが、10年前に党員となった上海市の女性銀行員(28)は「就職に有利だから」と、入党した理由をあけすけに語る。

 支配する側とされる側の割合は「6対94」。経済の高速成長の果実をばらまき、不満を抑える手法は限界だ。党支配の強化へ若者の入党を絞れば、「94」の不満は「95」に増える。習の支配は大きな矛盾を抱え、社会にたまる不満を解きほぐせずにいる。

(敬称略)

[日経新聞1月12日朝刊P.1]

[習近平の支配 キーワード]中国共産党員 入党のハードル上がる

 中国共産党員への道は険しい。数年にわたる審査の末、党員になれるのは希望者の10人に1人に満たない。特に党員の「資質向上」を訴える習近平(63)が2012年秋に党総書記に就任して以降、新規入党者は大きく減った。


 希望者はまず入党申請書を提出。首尾よく「入党積極分子」という身分になれれば、党規約などを学ぶ「党課」といった活動を通じて選考を受ける。正式に入党を認められるまで3年前後かかる。

 希望者が属する組織の党支部が審査する。大学在学中に党員となった20代女性は「党幹部の大学教員に真摯さを訴えた」と振り返るが、「合格」した明確な理由は今も分からないという。付け届けがはびこる一因でもある。

 習指導部の発足前、年300万人を超えた新規入党者は15年に196万人まで減った。入党者の絞り込みで公務員人気が低下する現象も起きた。上海市幹部は「公務員になっても党員になれず、将来の出世が見込めない可能性に若者が目を向け始めた」と分析している。

=敬称略

[日経新聞1月12日朝刊P.7]

(5)「選良」たたき 党改革、敵対勢力そぐ手段

 かつての「選良」がすっかり輝きを失っている。

共青団系の大学は新規募集停止に追い込まれた(上海師範大学青年学院)

 中国共産主義青年団。「共青団」と呼ばれ、14〜28歳の9千万人が加入する中国共産党の青年組織だ。元総書記の故・胡耀邦、前国家主席の胡錦濤(74)、現首相の李克強(61)。多くの指導者を輩出してきた。

 ところが実情を聞くと、「選良」のイメージとはほど遠い姿が浮かぶ。

 北京市の会社員、劉建偉(仮名、26)が共青団に入ったのは中学2年のとき。厳しい選考どころか、インターネットで出回る宣誓書を印刷し、学校で読み上げただけ。活動に参加した記憶も薄い。組織内から「団員の誇りも団結力も足りない」と批判の声が上がる。

 共青団はもともと若者を選抜し、優秀な党員に教育するための組織だ。1960年代から10年にわたる文化大革命をきっかけに、大量に失脚した党幹部を穴埋めする「人材急造機関」へと変貌した。だが北京市郊外の共青団幹部は「中学卒業までにほぼ全員が共青団に入るが、活動には3分の1も参加しない」という。

共青団は全入に

 80年、14万人だった中国の大学など高等教育機関の卒業者は、2016年に765万人まで膨らんだ。時代は変わったのに、共青団は学生の「全入」を続けた。ある幹部は12年秋まで10年間の胡錦濤時代を「バブル」と言い切る。「ポストを得ることが目的化し、派閥化した。若者の教育という本来の役割が薄れた」

 共青団出身者を「選良」たらしめたのは、その高速出世にある。例えば、共青団トップから13年に黒竜江省長に就いた陸昊(49)。当時の省長の平均年齢は56歳。45歳だった陸の若さが目立つ。出世の「追い越し車線」を走ろうと、共青団には人材が集まった。

 そのバブルがはじけた。

 「大衆から遊離している」。15年7月、党総書記の習近平(63)は共青団批判を展開した。見据えるのは今秋に開く5年に1度の党大会。政権2期目に入るのを控え、「党内党」となった勢力をたたきに出た。

 北京市にある共青団中央のビルはがらんとしている。習の求めた改革で、4人に1人が地方の現場に派遣されているためだ。期間は半年。東北地方のある市が受け入れた共青団職員の党内序列は、市長より上。関係者は「みな怖がって仕事をさせなかった」という。

コップの中の争い

 ゴミ捨てなど住民が地域のもめ事を話し合う「居民委員会」でも、共青団中央の職員が週1回は働くことが義務付けられた。予算も16年は前年の半分以下に削減。上海師範大学は共青団職員らを教育し、1千人程度が在学する「青年学院」の新入生の募集をやめた。

 習は「選良」に対する党内の不満を巧みにくみ取り、自らの権威を「核心」にまで高めるとともに、かつての部下らの登用を急ぐ。結局は党大会での最高指導部人事をにらみ、敵対勢力の力をそぐ権力闘争――。習が熱を込める党改革も、14億人近い庶民の目には「コップの中の争い」としか映らない。

(敬称略)

(この項おわり)

[日経新聞1月13日朝刊P.1]

[習近平の支配 キーワード]群団組織 党や政府の別動隊

 中国国家主席の習近平(63)は共産主義青年団(共青団)の予算やポスト削減を進めている。共産党が築いた社会統制の仕掛けである「群団組織」の手綱を引き締める狙いもあるが、共青団は首相の李克強(61)の支持基盤だけに権力闘争のきな臭さが漂う。

 群団組織とは、群衆性団体組織の略。共青団のほか、中華全国婦女聯合会や中華全国総工会(労働組合の全国組織)、中国赤十字会など22の組織がある。一見すると、政治的に中立のような組織が多いが、職員は「公務員法を参照する」と定められている。

 群団組織の実態は党や政府の実質的な別動隊だ。中国の企業活動や社会に深く入り込み、党支配を浸透させるための道具だといえる。一方で、赤十字会で寄付金が幹部の飲食に流用されるなど規律の緩みも指摘されてきた。習は党の指導強化を打ち出し、統制を強めている。

=敬称略

 大越匡洋、山田周平、粟井康夫、多部田俊輔、小高航、張勇祥、中村裕、原田逸策、永井央紀、原島大介、伊原健作、島田貴司が担当しました。

[日経新聞1月13日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/16/china10/msg/716.html

[医療崩壊5] 予防医療で医療費を減らせるか:個人の健康便益はあるが、ほとんどの予防医療が長期的に医療費や介護費を増大させる

[やさしい経済学]予防医療で医療費を減らせるか

(1)健康の維持・増進には寄与

東京大学教授 康永秀生

 予防医療とは病気になることを防いだり、病気を早期発見・早期治療することで病気による障害や死亡を減らすことを目指す医療です。規則正しい生活習慣、バランスのとれた食事、適度な運動などにより、生活習慣病やがんの発生を抑制することを一次予防といいます。定期健診やがん検診などにより、無症状の早期の段階で病気を発見し、早期の治療につなげることを二次予防といいます。

 健康はすべての国民にとってかけがえのない便益と言えます。予防医療によって病気の発生や進行を抑え、健康を維持・増進することは、国家レベルでも個人レベルでも優先度が高いと言えるのではないでしょうか。そのため、予防医療の推進そのものに異を唱える人はあまりいません。

 予防医療を推進することは、病気の発生・進行を抑え、結果的に医療費の抑制につながる、と一般には考えられがちです。政府は、高騰を続ける国民医療費を抑制する手段の一つとして予防医療の推進をたびたび掲げています。最近では、健康診断の受診など健康管理に努めた人に公的医療保険の自己負担割合を引き下げることを若手政治家グループが提言したというニュースもありました。

 しかし、予防医療を推進することによって国民医療費を削減することは可能でしょうか。実際には、これまでの医療経済学の多くの研究によって、予防医療による医療費削減効果には限界があることが明らかにされています。

 それどころか、大半の予防医療は、長期的にはむしろ医療費や介護費を増大させる可能性があります。そのことは医療経済学の専門家の間ではほぼ共通の認識です。しかしながら、まだ一般には、その事実があまり浸透していないように見受けられます。

 「予防医療は医療費・介護費を抑制できない」というメッセージを読んで、驚いた読者がいるかもしれません。次回から予防医療が医療費・介護費に与える短期的・長期的な影響について、具体的な事例を紹介しながら詳しく解説します。
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 やすなが・ひでお 東京大医学博士。専門は臨床疫学、医療経済・政策学


(2)禁煙対策で長期的には増加

東京大学教授 康永秀生

 禁煙対策の推進によって医療費は削減できると一般には考えられています。禁煙対策によって、たばこ関連疾患の発生率が低下し、治療費がかからずにすむ分、結果的に国民医療費を削減できるという考え方です。結論から言えば、これは正しくありません。

 禁煙対策は絶対に推進すべきです。喫煙によって、がん・心筋梗塞・脳卒中などのたばこ関連疾患の発症や悪化に至ることは周知の事実です。喫煙者が禁煙することによって、たばこ関連疾患にかかる確率が低くなることも、医学的に証明されています。

 しかし、禁煙対策は長期的にはむしろ医療費を増やします。このことは医療経済学の分野では1990年代頃から議論され、今ではほぼ常識になっています。

 97年に世界で最も権威のある臨床医学論文誌のニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに「喫煙の医療費」と題する論文が掲載されました。喫煙者と非喫煙者にかかる医療費を比較した場合、40〜60歳代にかけては喫煙者のグループの方が医療費は少し高くなっているものの、70歳を過ぎると逆転し、以降は非喫煙者の医療費の方が大幅に高くなります。

 なぜそのようなことが起こるのでしょうか。たばこ関連疾患は、たばこ以外にも多くの原因によって発生します。そのひとつが加齢です。非喫煙者で40〜60歳代にたばこ関連疾患にかからなかった人たちも、長生きして加齢が原因となってがん・心筋梗塞などにかかります。がん・心筋梗塞などにかからなかったとしても、それ以外の病気、例えば認知症にかかります。

 一方、喫煙者は、非喫煙者よりも早くがんや心筋梗塞にかかり、早期に死亡します。死亡後は医療費も介護費もかかりません。つまり、非喫煙者は喫煙者に比べ、40〜60歳代の医療費はやや少なくなりますが、寿命が延びる結果、生涯にかかる医療費や介護費の総額は増えるというわけです。

 繰り返しますが、禁煙対策は絶対に推進すべきです。禁煙は健康長寿という何ものにも代えがたい便益をもたらすからです。しかし、それを実現すれば、結果的には余計にお金がかかるということです。

[日経新聞1月5日朝刊P.29]


(3)メタボ健診に予防効果

東京大学教授 康永秀生

 メタボリックシンドローム(通称メタボ)は内臓肥満と高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患をきたしやすい病態を示します。

 特定健康診査・特定保健指導(メタボ健診)は、40〜74歳の公的医療保険加入者全員が対象です。腹囲(ウエストの周囲径)、血糖値・脂質(中性脂肪およびHDLコレステロール)・血圧などの検査項目、喫煙習慣の有無など生活習慣についての質問項目があります。

 腹囲が基準値(男性では85センチメートル、女性では90センチメートル)を超えると内臓肥満が疑われますが、それだけではメタボにあてはまりません。健診結果によって動脈硬化の危険度をクラス分けし、それに沿った保健指導(積極的支援と動機付け支援)が受けられます。健康保険組合や自治体は、健診受診率が目標値を上回ると、後期高齢者医療制度への財政負担を軽減されるという経済的インセンティブ(誘因)を与えられています。

 メタボ健診の個別の項目には、実のところ、医学的根拠がまだ不十分なものも含まれます。例えば、腹囲や脂質・血圧の基準値が適切かどうか、医学的に決着がついているわけではありません。とはいえ、メタボ健診全体としては、それを推進することにより、メタボ予防につながり、国民の健康を維持・増進することがある程度期待できます。

 受診者によって個人差はありますが、特定保健指導を受けることによって健康管理の必要性について理解が深まり、生活習慣改善への意欲が高まる可能性があります。実際、2014年に「特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループ」がレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて実施した分析の中間報告によると、積極的支援を受けた受診者のうち、翌年の健診でメタボが改善していた割合が、男性では2〜3割、女性では3〜4割ありました。

 メタボ健診は今後も推進されるべきです。しかし、メタボ健診が長期的に医療費を削減できるという確かな根拠はほとんどありません。次回はこれについて詳しく説明します。

[日経新聞1月6日朝刊P.25]


(4)費用かかる時期を先送り

東京大学教授 康永秀生

 多くの予防医療に医療費抑制効果はありません。これは医療経済学の専門家の共通認識です。医療経済学の大家であるミルトン・ワインシュタイン米ハーバード大教授らが2008年に発表した論文によれば、予防医療の費用対効果に関する1500の研究結果のうち、医療費削減効果を認めた予防医療サービスは20%以下でした。この割合は治療的サービスと同等であり、同じ疾患に対して予防が治療と比べて特別に医療費を抑制するわけではないことも示されました。

 メタボ健診は生活習慣病の発症を遅らせ、国民の健康レベルを維持・改善します。したがって、今後も推進されるべきです。しかし、メタボ健診が長期的に医療費を削減できるという確かな根拠はありません。厚生労働省は06年、メタボ健診によって25年には約2兆円の医療費を削減するという目標を掲げました。しかしこの推計値に学問的な根拠はありません。

 メタボ健診が短期的には医療費を下げる可能性を示すデータはいくつかあります。レセプト情報・特定健康診査等情報データベース(NDB)を用いて14年に実施された分析によれば、特定保健指導を受けたグループは、受けなかったグループに比べて、翌年度の高血圧・脂質代謝異常・糖尿病治療にかかった1人当たり外来医療費が、男性では5340円(34.8%)、女性では7550円(34.0%)低くなっていました。

 しかし、この数値にはメタボ健診事業にかかる費用は計上されていません。しかも健診直後の短期的な医療費を見ているにすぎません。予防接種と違い、メタボ健診は疾患への罹患(りかん)を完全に防ぐことはできません。メタボ健診の対象年齢上限の74歳までに心筋梗塞・脳卒中・がんなどにかからなかった人たちも、長生きすればいずれそれらの疾患にかかります。あるいはそれ以外の病気、例えば認知症にかかります。そして、医療費・介護費は確実にかかります。

 つまり、メタボ健診によって高額の医療費や介護費がかかるタイミングが先送りされるのであって、一生涯の総額で見れば医療費・介護費の抑制につながるわけではありません。

[日経新聞1月9日朝刊P.17]


(5)ロコモ対策、削減効果は不明

東京大学教授 康永秀生

 ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)とは運動器(骨・関節・筋肉)の障害によって「立つ」「歩く」といった運動機能が低下した状態を指します。ロコモのリスクは加齢に伴って増大します。2013年の国民生活基礎調査によれば、「介護が必要となった主な原因」のうち、骨折・転倒(11.8%)は第4位、関節疾患(10.9%)は第5位ですが、足し合わせると第1位の脳血管疾患(18.5%)を上回ります。

 適度な運動とバランスのとれた食事がロコモを予防し、健康寿命を延ばすことは多くの医学研究で実証されています。年齢を重ねても自分の足で歩き続け、充実した老後を過ごすにはロコモ予防対策が重要です。

 ではロコモ予防対策は医療費を削減できるでしょうか。ロコモ予防対策で運動器疾患を防止できれば、要介護状態を回避でき、医療介護費を削減できると一般には考えられています。しかし、ロコモ予防対策は、メタボ健診などと同様、短期的な医療費を削減するというデータは散見されますが、一生涯の医療介護費を削減できるという医療経済学的な根拠はありません。

 ロコモ予防対策が運動器疾患を完全に防ぐことはできません。長生きすれば疾患は進行し、いずれ医療介護費は確実にかかります。つまり、ロコモ予防対策によって医療介護費がかかるタイミングが先送りされるのであって、一生涯にかかる医療介護費の総額を抑制できるとは限りません。

 14年版厚生労働白書によれば、平均寿命と健康寿命の差、すなわち死亡前の「不健康な期間」は、男性が9.13年、女性が12.68年と推計されています。平均寿命が今後も伸び続け、健康寿命との差が拡大すれば、医療介護を必要とする期間が延長します。

 そこで厚生労働省は疾病予防対策によって死亡前の「不健康な期間」の短縮、つまり「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」を実現できれば、医療介護費を削減できるとしています。このロジックはもっともらしいのですが、実現できるとは限りません。健康寿命が増加しても、その後の「不健康な期間」が短縮できるという医学的な根拠はないのです。

[日経新聞1月10日朝刊P.15]


(6)がん検診、普及すれば治療費増大

東京大学教授 康永秀生

 がん対策の基本は早期発見・早期治療です。がん検診には胃・大腸・肺・乳・子宮・前立腺がん検診などがあります。多くのがん検診はがん死亡率の減少効果が証明されており、受診が推奨されています。しかし現在、がん検診の受診率はまだ低く、これを上げていくことが国家的課題です。

 がん検診は、(1)がん死亡率減少効果が科学的に証明されている(2)検査自体の身体的な負担が少ない(3)費用対効果に優れている――などが理想とされています。例えば、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使ったがん検診は(1)を満たしていません。

 (2)について、大腸がん検診は、便潜血検査という身体的負担の無い方法です。精密検査では大腸内視鏡検査というかなり身体的負担のある検査が行われます。(3)は、がん検診にかかる費用が得られる効果に見合っているということです。検診そのものの費用だけでなく、その後の精密検査の費用やがんが見つかった場合の治療費も含まれます。

 がん検診の普及によってがんが早期発見されれば、がん治療費は安上がりで済み、医療費削減につながると一般には考えられています。しかし、これは誤りです。検診が普及すれば、がん治療にかかる総医療費はほぼ確実に増大します。それは、がん検診の診断精度の限界によるものです。

 がん検診では、本当はがんでは無いのに検査では陽性となる「偽陽性」という問題があります。大腸がん検診の便潜血検査では、便の中に血液が混じっていないかどうかを検査し、混じっていれば陽性と診断されます。これは大腸がんが出血しやすいという性質を利用したものです。しかし、大腸がん以外にも、下痢や痔(じ)によって便の中に血液が混じることがあり、それらも検査では陽性となってしまいます。

 これは検査の性格上、防ぎようのない、診断精度の限界です。しかし、そのせいで陽性と診断された人々も、大腸内視鏡検査を受けなくてはならなくなってしまいます。そのための費用が少なくありません。

 また、がん検診には「過剰診断」という問題もあります。これについては次回詳しく説明します。

[日経新聞1月11日朝刊P.26]


(7)がん検診、「過剰診断」が問題

東京大学教授 康永秀生

 欧州での前立腺がん検診の大規模な臨床試験の結果が2014年、世界的に権威のある医学専門誌「ランセット」に報告されました。対象となった集団を検診を受けるグループ(検診群)と受けないグループ(非検診群)に無作為に振り分けて13年間追跡調査した結果、試験開始時に55〜69歳であった集団では、検診群が非検診群と比べて29%の死亡率減少が認められました。前立腺がん検診の死亡率減少効果がはっきりと認められたのです。

 しかし、がん検診には「過剰診断」という問題があります。がん検診で見つかる早期の前立腺がんには、進行スピードが非常に遅いがんも含まれています。そのような早期がんは、そのまま放置しても進行がんに至ることがないこともあります。生涯にわたって発症せず、検診を受けなければ発見されることもないため、「潜在がん」と言われます。このようながんを発見してしまうことを「過剰診断」といいます。

 発見時点では、放置しても進行しないのか、放置すると進行がんに至るのか、明確には区別がつきません。そのため多くは手術や放射線治療などの対象となります(最近は、すぐに治療せずに厳重に経過観察する「PSA監視療法」が行われることもあります)。

 上記の欧州の臨床試験でも、検診発見がんの33%が過剰診断であったと推計されました。欧州のある研究結果では、非検診群10万人を25年間追跡調査すると仮定した場合、2378人の前立腺がんが発見され、検診・治療を含めた総費用は約3000万ユーロと試算されました。

 一方、検診群10万人からは4956人に前立腺がんが発見され、その総費用は約6000万ユーロと試算されました。そのうち、がん検診自体の費用は総費用の約5%にとどまり、過剰診断・過剰治療にかかる費用が総費用の約39%に上りました。

 このように前立腺がん検診は、多くの前立腺がんの早期発見・早期治療につながり、死亡率を減少させることができる一方で、過剰診断・過剰治療によりがん検診・治療にかかる医療費を倍増させているということができます。

[日経新聞1月12日朝刊P.29]


(8)抑制には他の方法が必要

東京大学教授 康永秀生

 今回が「予防医療で医療費を減らせるか」シリーズの最終回です。これまでに予防医療の実例として、禁煙対策、メタボ健診、ロコモ予防対策、がん検診などを採り上げてきました。これらの予防医療はいずれも国民の健康の維持・改善に貢献できます。したがって今後もこれら予防医療を推進すべきです。

 しかし筆者は、今回の連載の中で一貫して、いずれの予防医療も、短期的には医療費を少し削減することはあっても、長期的には医療費・介護費を抑制できない、それどころか逆に医療費・介護費を増大させることもあることを繰り返し説明しました。このことは医療経済学の専門家たちの共通認識です。

 だからといって、予防医療をやめたり控えたりすべきだと説くつもりは全くありません。予防医療は、国民に健康長寿という何ものにも代えがたい便益をもたらします。ですから、国・地方自治体や医療従事者は今後も引き続き、予防医療を積極的に推進すべきだと考えています。しかし、それにはお金がかかることも事実です。

 2006年に厚生労働省は、メタボ健診によって25年には約2兆円の医療費を削減するという目標を掲げました。「予防が医療費を削減する」といえば、聞こえはいいかもしれません。しかし、このような推計値には、全くと言っていいほど根拠がありません。

 わが国は今後も高齢化が進み、医療費や介護費は増大し続けるでしょう。それを予防医療によって抑制することはほぼ不可能と考えられます。医療費の抑制はその他の方法を講じる必要があります。医療サービスの無駄や過剰な供給があれば、それを見つけて抑制することが必要です。同等の効果であれば、より費用の低い医療サービスが提供されるべきです。

 それらを実践しても、なお残る医療・介護費の自然増加分は、その負担を国民全体で分け合う必要があるでしょう。次世代に負担を付け回さず、持続可能な医療・介護システムを将来にわたって築くことが、今後一層重要になります。

[日経新聞1月13日朝刊P.25]



http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/479.html

[アジア22] タイ民政復帰 また遅れ 国王、新憲法案の修正要求 年内の総選挙難しく

タイ民政復帰 また遅れ
国王、新憲法案の修正要求 年内の総選挙難しく

 【バンコク=小谷洋司】昨年12月に即位したタイのワチラロンコン新国王が新憲法案の一部修正を求めていることが10日、分かった。新憲法案は昨年8月の国民投票で承認され、公布へ国王の署名を待つばかりだった。政府は修正・承認の手続きを急ぐが、法令で定めた2月6日の署名期限には間に合わない見通し。民政復帰に向けて今年末に予定していた総選挙はまたも先送りが必至となった。

 プラユット暫定首相が10日の記者会見で明らかにした。首相は「国王の権限に関する3つか4つの事柄を修正する必要がある」と述べたが、具体的な中身への言及は避けた。国王の不在時に公務を代行する摂政を恒久的に置く規定や、政治危機の解決に積極的にかかわるための根拠規定を求めているとの情報もある。

 タイでは2014年5月の軍事クーデター時に旧憲法を廃止。現在は軍事政権が定めた暫定憲法に従い、民政復帰に向けた準備を進めている。選挙制度などを定めた新憲法の制定はその柱だ。

 暫定憲法によると新憲法案は提出から90日以内に国王の署名を得る必要があり、期限が来月6日に迫る。それを過ぎると廃案だが、首相は国民投票を経た憲法案が国王の意向で廃案となる異常事態は避けたい考えだ。

 新憲法案は約280条からなる。修正点はごく一部だが、そのための手続きが煩雑になる点で影響は小さくない。

 まずは暫定憲法が定める署名期限を延長し、憲法案の取り下げや修正、再提出などの規定を新たに書き加える必要がある。一方で暫定憲法は安全保障などにかかわる重大事についてプラユット氏に超法規的な「非常大権」を与えており、首相はこの強権を発動して手続きを進めるとみられる。国民投票の再実施は避ける構えだ。

 一連の手続きについてプラユット首相は「暫定憲法の修正に1カ月、憲法案の修正作業には2〜3カ月かかる」との見通しを示した。その後、新国王に再提出する。国王の署名に改めて90日間の猶予をもうければ、最長7カ月もの時間が必要になる計算。このため17年末に予定された総選挙は18年半ば以降に、選挙結果確定や閣僚選任を待って民政復帰するのは18年後半以降にずれ込む。

 14年のクーデター直後、軍事政権は民政復帰への行程表を策定し、翌15年中の総選挙実施を掲げた。だが新憲法草案を巡る国民投票の実施や、最初に作成した憲法草案が軍指名の評議会で否決されたことなどで、憲法制定作業が長期化した。

 新国王に提出された今の新憲法案は昨年3月末にまとまり、同8月の国民投票では約6割の賛成を得て承認された。ただ総選挙はすでに当初の想定から約2年遅れの17年末までずれ込んでいた。

 加えて昨年10月に在位70年で国民から絶大な尊敬を得ていたプミポン前国王が死去。同12月に長男のワチラロンコン皇太子が新国王に即位したものの、1年間の服喪後に国葬や新国王の戴冠式をおこなう関係で、たとえ今回の修正要求がなくても、総選挙は先送りせざるをえないとの見方が浮上し始めていた。

[日経新聞1月11日朝刊P.7]


http://www.asyura2.com/17/asia22/msg/146.html

[国際17] 不明のマレーシア機、インド洋海底捜索が手がかりなく終了:南シナ海海底を捜索すべし

不明のマレーシア機、インド洋海底捜索が手がかりなく終了
ロイター 1/17(火) 17:29配信

[シドニー 17日 ロイター] - 2014年3月に消息を絶ったマレーシア航空MH370便について、インド洋で実施されていた海底捜索活動が17日、手がかりが得られないまま終了した。活動に参加している3カ国が明らかにした。

捜索は、同機が墜落したとみられるインド洋海底で12万平方キロメートルの範囲で行われた。マレーシア、オーストラリア、中国の当局は「最新技術で捜索努力を続けたものの、機体のある場所を特定することはできなかった」と明らかにした。

3カ国は昨年7月、この一帯の調査で機体が見つからないか、手がかりが得られなかった場合、捜索活動を打ち切ることで合意している。豪州は前月、さらに北部へエリアを拡大すべきだとの調査関係者の助言に対し、裏付けがないとして拒否した。

クアラルンプール発北京行きの同機は、239人の乗員・乗客とともに消息を絶って以来発見されておらず、航空史上最大の謎となっている。乗客の大半が中国人だった。

これまでにモザンビーク、タンザニア、南アフリカなどで同機の残骸とみられる約30の破片が発見されている。

最終更新:1/17(火) 17:29

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170117-00000059-reut-asia


※ 関連参照投稿

「不明マレーシア機とみられる「残骸」、豪南西沖で捜索続く:衛星画像は後付け:駐豪米国機関がレーダーと聴音装置で探知」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/310.html
 
「MH370便問題:交信途絶後も数時間飛行を続けたというのなら携帯電話や機内電話による通話やメールがあったはず」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/263.html

「マレーシア機事件の経緯:「交信途絶」から、「墜落」までの17日間」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/353.html

「OZ214・MH370・MH17のパイロットたちは“乗っ取り”をどう感受したのか?:MH17操縦士は“異常感なし”」
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/503.html

「OZ214便SFO着陸失敗事故→MH370便南シナ海失踪事件→MH17便ウクライナ撃墜事件という“系譜”」
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/488.html

「不明のマレーシア機の捜索 年内にも打ち切りへ:MH370便、最後にマレー半島・インドシナ半島間の南シナ海を捜索する責務」
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/646.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/334.html

[国際17] 英メイ首相 EU単一市場撤退の意向表明:「人の移動の自由」が必須なら単一市場離脱も辞さぬと交渉開始前に強烈パンチ

英メイ首相 EU単一市場撤退の意向表明[NHK]
1月17日 21時47分

イギリスのメイ首相は17日、EU=ヨーロッパ連合からの離脱をめぐる交渉に向けた政府の方針について演説し、「EUの単一市場にとどまることはできない」と述べ、EU域内で人の自由な移動を認めモノやサービスの取り引きを活発にする単一市場から撤退する意向を初めて表明しました。

メイ首相は、17日午前(日本時間17日午後9時前)から、ロンドン市内でEUからの離脱をめぐる交渉に向けた政府の方針について演説しました。

この中で、メイ首相は、EUとの交渉の焦点となっている域内の単一市場へのアクセスについて、ほかのEU加盟国との自由貿易をできるだけ続けたいとしながらも、「EUへの部分的な残留は目指さない。私たちはほかの国が享受している現在の仕組みを採用しようとは思わない」と述べました。そして、「EUの単一市場にとどまることはできない」と述べ、EU域内で人の自由な移動を認めモノやサービスの取り引きを活発にする単一市場から撤退する意向を初めて表明し、EUと新たな自由貿易協定の締結を目指して交渉する考えを示しました。

メイ首相はこれまで、移民の流入を制限しながら、単一市場へのアクセスも確保したい考えを示してきましたが、EU側は人の移動の自由と単一市場を切り離すことはできないという姿勢を崩さず、双方の立場は大きく隔たったままでした。メイ首相は今回の演説で、単一市場へのアクセスよりも移民の規制を優先する意向を表明したかたちです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170117/k10010843271000.html?utm_int=news_contents_news-main_001

http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/335.html

[医療崩壊5] たん吸引や栄養摂取補助…ケア必要な子、保育所に:医療的ケアが必要な子どもが10年で2倍近くと急増

たん吸引や栄養摂取補助…ケア必要な子、保育所に
厚労省、5自治体で試行

 厚生労働省は、たんの吸引など医療的ケアが必要な子供が保育所などに通えるように2017年度から全国の5カ所の自治体でモデル事業を始める。保育所などに看護師を配置するなどして受け入れ体制を整える。厚労省は「医療技術の進歩で命は救えたが、障害が残る子供は増えている」と指摘。モデル事業の成果を基にマニュアルを作成し全国展開する。


 たんの吸引や経管栄養など医療的ケアを必要とする就学前の子供をモデル事業の主な対象にする。障害を持つ子供が遊びや工作などを通じて日常生活の基本を学ぶ「障害児通所支援事業所」に通いながら、同時に保育所などにも通える環境を整備する。

 モデル事業では、医療的ケアが必要な子供が保育所などに通う場合、子供の健康状態をよく把握する事業所職員が同行する。保育所などには看護師を配置し、必要に応じてたんの吸引などの医療行為ができるように体制を整える。厚労省はこうした取り組みを始める自治体に対して事業費の一部を支援する。

 厚労省の担当者は「モデル事業を数年間実施し、その後は医療的ケアを必要とする子供が全国どこに住んでいても支援が受けられる体制を整備していきたい」と話す。

 たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な子供は増えている。厚労省研究班は、毎年5月の診療報酬明細書のデータを基に、在宅医療を受けながら地域で生活する19歳以下の子供が全国に1万7078人(2015年度)いると推計した。9403人だった05年度の2倍近くになっている。

 研究班の埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県川越市)の奈倉道明医師は、「以前ならば新生児集中治療室(NICU)に入院しても生き残れなかった超低出生体重児などの子供が医学の進歩により救命され、人工呼吸器を装着して退院できる例が年々増えている」と話す。こうした子供たちを地域全体で支える仕組み作りが必要になっているという。

[日経新聞1月11日朝刊P.34]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/481.html

[国際17] 英、EU単一市場から完全撤退 メイ首相が離脱方針表明:EUとの最終的な合意について上下両院で投票による承認

※関連参照投稿

「英離脱、最善策は何もしないこと:ボールはEU中核国独仏の手:英国のためというよりEUの政治的統合推進のために起こした騒動」
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/480.html

「揺れる英国:EUはユーロ圏と非ユーロ圏の二重構造に移行するほかない:ユーロ圏の財政的政治的統合の進展が鍵」
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/563.html

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英、EU単一市場から完全撤退 メイ首相が離脱方針表明[日経新聞]
2017/1/17 23:19

 【ロンドン=小滝麻理子】英国のメイ首相は17日、ロンドン市内で演説し、欧州連合(EU)からの離脱に関する基本方針を示した。移民制限など英国の権限回復を実現するため「EU単一市場に残ることはできない」と述べ、域内で人やモノ、サービスの自由な移動や取引を認める単一市場から完全に撤退すると表明した。3月にも始まるEU離脱交渉の行方は世界経済にも影響を与える。

 昨年6月の英国民投票で決まったEU離脱(Brexit、ブレグジット)に関し、メイ氏はこれまで「英国にとって最良の結果をめざす」と述べるにとどめ、具体的な方針を示してこなかった。世論を二分したEU離脱を巡り、英国内では決定後も単一市場に残留する道を探るべきだとの声が残っていたためだ。

 メイ氏は演説で「単一市場に残れば、EUの影響を受け続ける。それではEU離脱ではない」と語った。移民制限や国境管理などの権限回復を優先し、EU離脱を選んだ国民の不満に応える。

 その代わり、離脱後にEUと包括的な自由貿易協定(FTA)の締結を目指し、製造業や金融業などが単一市場に最大限アクセスできるよう交渉すると強調。EU域内の無関税の取引を続けるために新たな関税合意が必要になるとも語った。

 離脱後の混乱を避けるために、一定の移行期間を設けることも求めた。メイ氏は「秩序だったEU離脱は、英国だけでなくEUの利益だ」と述べ、理解を求めた。EUとの最終的な合意について上下両院で投票による承認を求めるとも述べた。

 さらに「EU離脱はよりグローバルな英国を築くチャンスだ」と強調。EU域外の国々と自由貿易交渉を進める意向を示した。EU司法裁判所の管轄権から独立するなど、離脱交渉に向けた12の優先事項を提示した。

 今後の焦点はEUとの交渉に移る。メイ氏は3月末までにEU側に離脱を正式に通知し、原則2年の交渉期間を経て、19年春までにEUから離脱する計画を描く。

 EU側は英国だけを「特別扱い」しない考えで、交渉は難航が予想されている。離脱交渉が長引けば、経済への不透明感が高まり、英国からの投資資金が流出しかねない。難民危機など課題が山積するEUの結束が一段と揺らぐ恐れもある。

 月内に出る英最高裁判決でEUとの交渉開始に議会の承認が必要との判断が出れば、メイ氏の強硬姿勢を巡り議会の議論が難航する恐れもある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM17HAR_X10C17A1MM8000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/336.html

[国際17] 「平和条約の一点に尽力」 日ロ首脳会談巡り首相:鈴木宗男氏と会談

「平和条約の一点に尽力」 日ロ首脳会談巡り首相

 安倍晋三首相は11日、鈴木宗男元衆院議員と官邸で会い、昨年12月のプーチン・ロシア大統領との首脳会談に関し「さまざまな評価はあるが、とにかく平和条約の締結を目指す、この一点に尽きる」と決意を示した。会談後、鈴木氏が記者団に明らかにした。

[日経新聞1月12日朝刊P.4]

※ 関連参照投稿

「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html

「安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html

「「領土返還をぶち壊した安倍側近」=谷内安保局長の「北方領土に米軍基地が置かれる可能性」発言の意図と意味」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/913.html

「気持ちはわかるが、より「お花畑」的発想の持ち主は小林よしのり氏」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/850.html

「安倍首相の発言は国民や政治家の“期待値”を下げるためのもの:北方領土外交ではなく日露平和条約外交」
http://www.asyura2.com/16/senkyo216/msg/372.html

「日本、日ロ経済協力の「先食い」警戒:「先食い」は安倍政権崩壊の危機、やらなかったほうがマシのアホ外交はやらない」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/521.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/340.html

[経世済民117] 銀行預金 伸び最高 12月、6.1%増 大企業資金、都銀に滞留:預貸率68.9%と70%割れ

銀行預金 伸び最高 12月、6.1%増 大企業資金、都銀に滞留

 銀行預金が増え続けている。全国銀行協会は11日、手形と小切手を除いた実質預金が2016年12月末に前年同月比6.1%増え過去最高の伸びになったと発表した。大企業などがマイナス金利に陥った国債を持てなくなり、手元資金を預金に滞留させているのが主因とみられる。一方で地方では預金が流出しており、預金の都市集中が鮮明になっている。

 全国116行の12月末の残高は694兆円。増加率はITバブル崩壊後の02年3月末につけた6.0%を初めて上回った。大企業の顧客が多いメガバンクなど都市銀行(5行)で9.5%増えた。運用会社などの資産を預かる信託銀行(4行)でも9.9%増えた。

 全国銀行の貸出金は478兆円で2.3%増だった。伸び率は近年ほぼ横ばいで推移している。都市銀は貸出金が前年同月比0.4%減。6カ月連続のマイナスだった。

 日銀がまとめる都道府県別の預金統計によると、預金の伸びは東京都や大阪府など大都市が突出している。一方、直近の16年11月末では和歌山、奈良、岩手、島根、徳島、愛媛の6県で預金が減少に転じた。若い世代が都市に集中しており、地方の企業オーナーなどが抱える資金も相続などの際に都市部に流れてしまう。地方の金融機関は地元の顧客資金のつなぎ留めが課題となっている。

[日経新聞1月12日朝刊P.5]



http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/877.html

[国際17] 激変する政治 世界経済の行方は エマニュエル・トッド氏・ダニ・ロドリック氏・モハメド・エラリアン氏

[ニュース複眼]激変する政治 世界経済の行方は

 米欧の政治体制が大きな変革期を迎える2017年、世界経済はどんな影響を受け、どういう方向に向かうのか。保護主義の台頭、財政出動の復権など新たな経済政策の潮流とそのインパクト、世界経済が抱えるリスクを識者に聞いた。

■新たな保護主義の時代に 仏歴史人口学者 エマニュエル・トッド氏

 ドナルド・トランプ氏の米大統領選での勝利に驚きはない。2000年以降、自由貿易によって雇用が奪われ、白人有権者の心に耐えがたい痛みが生まれたからだ。トランプ氏の勝利は、労働者階級だけでなく、中間層の怒りでもあったのだ。

 英国の欧州連合(EU)離脱決定の理由は移民への抗議だが、投票を分析すると、大衆層が動いたことは共通している。

 これはポピュリズムではなく民主主義が正常に機能した結果だ。ポピュリズムから民主主義を守ると言っていたエスタブリッシュメントの人々は、実際は少数の権力者の代表としてみられるようになった。

 米英のもう一つの共通点は伝統的な右派エリートのボリス・ジョンソン氏やトランプ氏が大衆の意思を引き受けたことだ。私は資本主義に反対しない。大衆の利益を考慮したエリートが管理する合理的な資本主義に賛成だ。民主主義を機能させるため、英米エリートの一部には柔軟性がある。

 今始まろうとしているのは一つの時代だ。グローバル化、つまり新自由主義は1980年ごろに始まった。そこから35年後、我々はまた35年の周期の初期段階にいる。人口学者として私はこれから終わりを見るのではないと断言できる。

 自由貿易は絶対的な自由貿易しかない。しかし保護主義にはいくつもの種類がある。ばからしいものも節度あるものもあるのだ。先進世界では保護主義と開国、つまり自由貿易が代わる代わるやってきた。

 産業発展は保護主義とともに起きた。米国ではリンカーンが関税を30〜40%にして始まった。欧州ではドイツがビスマルクの保護主義的政策で飛躍的に成長した。自由貿易が利益になる段階はあるが、行き過ぎると格差が生まれ、最先進国での工員の給与を抑制し、最終的に世界的な需要不足につながる。

 世界経済は悪化している。成長率は低く一部はマイナス成長だ。行き過ぎた自由貿易は経済を停滞させる。執筆中の本で私はドイツや日本、韓国の低い出生率は自由貿易と関連があると書くつもりだ。経済的な生き残りに必死になると、子供をつくる時間がない。

 グローバル化は特に英米で途方もない格差を生み、日仏独にもある。この格差は資本の移動の自由と、低賃金の労働力を使うことで生まれた。

 重要なのは格差が生まれる仕組みではなく、先進国が格差を受け入れた点だ。どうして先進国は自由貿易に扉を開いたのか。私は経営者などのビジネス人ではなく、教育階層に問題があると思う。大学と結びついた理論家が格差拡大につながる議論を主導した。

 4〜5月には仏大統領選がある。私は最近まで極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首の当選は不可能と考えていた。だが仏大統領選の中道・右派予備選でフィヨン元首相が選出された。その経済政策は米英で拒否された新自由主義だ。FNは結果的に社会福祉の党になる可能性がある。フィヨン氏が仏社会福祉を破壊し、ルペン氏がそれを守る候補者とみられるかもしれない。

 自由貿易は忘れねばならない。我々の前にあるのは良い保護主義と悪い保護主義の議論だ。給与水準を守ったり、内需を刺激したりする合理的な保護主義は貿易を活発にする。保護主義が国家間紛争になるというのは嘘だ。保護主義は協力的で敵対を意味しない。

(聞き手はパリ=竹内康雄)

 Emmanuel Todd 歴史人口学者でフランスを代表する知識人。1976年の「最後の転落」でソ連の崩壊を予言。米国の衰退期入りを指摘した「帝国以後」は世界的ベストセラーに。65歳。

■大衆迎合政策、限界ある 米ハーバード大教授 ダニ・ロドリック氏

 米国はポピュリスト(大衆迎合主義者)を軸としたマクロ経済サイクルに入った。

 市場がトランプ氏の政策に対する期待に沸いたことは意外ではない。選挙でたくさんの約束をするポピュリストが経済刺激への期待を生むことはよくある。就任後1年から1年半は、米経済が好ましい反応を示しても不思議はない。典型的なサイクルでは政権初期に歳出が膨らみ、民間投資を誘発し、雇用も賃金も増える。すべてがうまく行っているようにみえる。

 やがて歳出の制約に直面し、それらが持続的ではないことが明らかになる。政策の逆流に伴って期待も逆流し、時に経済危機に至る。そんなサイクルは1970〜80年代の中南米でみられた。米国がそこまで厳しい状況に陥るとは思わないが、似たような経路をたどってもおかしくはない。

 一方、2017年の世界経済で最大の課題は欧州だ。春の仏大統領選など重要な選挙が控える。グローバル化に対するポピュリストの反発がどんな形で表れるのか。結果次第でユーロや欧州連合(EU)統合プロセスへの疑問が強まりかねない。統治機構が脆弱なだけに、ポピュリズムが経済に与える打撃は米国よりも深刻になりうる。

 (グローバル化、民主主義、国家主権の3つは同時には成り立たないという「世界経済での政治のトリレンマ」にしたがえば)いま欧米で起きているのは、明らかにグローバル主義やグローバル化への反発といえる。

 メッセージは「自分たちの問題に注意を払うリーダーが欲しい」ということだ。グローバルな組織や経済勢力を最重視せず、自国の問題に自国の政策で対応する。グローバル経済が自分たちを苦しめるのではなく、役に立つものになってほしい。言い換えれば、政策の優先順位の再調整だ。

 具体的にはグローバルな組織や経済統治を改善する努力と、国内経済や社会を改善する努力を再調整することだ。摩擦を生むならグローバル化の優先順位を下げなければならない。

 開かれたグローバル経済を繁栄させる最善の道は、国内経済を繁栄させることだ。国内経済がうまく機能しないのなら、健全なグローバル経済など望めない。その状況で自由貿易協定を締結し、より良い国際経済の協調体制をつくっても国内経済の助けにはならない。

 (戦後のドル基軸を定めた)ブレトンウッズ体制には資本管理の仕組みが内在し、グローバル化が国内経済運営の妨げになる際には、国内を優先させる余地が確保されていた。その概念は、今も税制、国内規制、労働政策など幅広い分野で応用できるとみている。

 トランプ氏は国内政策の余地をつくろうとしているが、国内優先がすべて正しいわけではない。懸念されるのは(米国内の)対立を深刻にしてしまうことだ。彼は懸け橋になると訴えたが、権威を攻撃し中間層に寄り添うとアピールしながら、政権中枢に金融専門家や大富豪を据え、富裕層の減税を口にしている。(米国で進み、対立の背景にある)脱工業化の問題も、単にメキシコや中国からの輸入品に高関税をかけても対処できない。彼の政策は目標を実現するようには設計されていない。

(聞き手はニューヨーク=大塚節雄)

 Dani Rodrik トルコ出身の経済学者。グローバル化、国家主権、民主主義のトリレンマを唱えた2011年の著書「グローバリゼーション・パラドクス」が世界的に話題に。59歳。


■マイナス成長の岐路 独アリアンツ首席経済顧問 モハメド・エラリアン氏

 米国では「より高い成長とより高いインフレ」の可能性に直面しているという見方が強まっている。ドル高、堅調な米株式相場が示すように、市場の視線はトランプ氏が強調する多額のインフラ投資、法人税の引き下げと規制緩和に注がれている。

 米国株式相場の上昇余地はあるが、条件を3つ満たす必要がある。1つは成長をめざす具体的な政策が持続的に実行されること。次に(トランプ氏が)保護主義的な発言や米連邦準備理事会(FRB)への攻撃を抑えること。さらに議会とホワイトハウスが協力し、経済成長の責任を果たすよう導くことだ。

 トランプ氏が米経済の高い成長を取り戻す可能性はあるだろう。議会内の分裂が経済への対処をマヒさせていたが、共和党は両院で多数派となった。立法上のボトルネックを解消する望みが出てきたことは大きい。

 金融政策のみに頼る「金融政策依存症候群」から抜け出す可能性が高まっている。中央銀行への過剰な依存を脱し、構造改革とバランスのとれた需要喚起策へのアプローチに移る。緩和的な世界の金融環境と相まって、FRBが金融政策を正常化する道が開かれるだろう。

 2017年の欧州は選挙が相次ぎ政治環境はやや不安定だ。低成長が長引いたことで反権力機運の高まりの影響を受けている。投票者が1つの問題だけに大きく左右されやすいことを考えると、予想外の結果が出る可能性は非常に高い。

 多くの市場参加者は16年と似た展開になると見ている。中央銀行が不安定さを抑え、経済は低成長ながら落ち着く構図だ。しかし私はこの見方に慎重だ。経済、金融、政治的な視点から、世界経済が歩んでいる道は一段と不安定になりつつある。

 17年は世界経済が「丁字路」(分岐点)に何歩も近づくだろう。政治家が経済政策に対する責任を果たさなければ、低成長はマイナス成長に陥り、安定はぐらつく。未来の世代にも影響を及ぼす重要な局面だ。

(聞き手はニューヨーク=山下晃)

 Mohamed El−Erian 英オックスフォード大経済学博士。金融危機後、世界の低成長が続く「ニューノーマル(新たな常態)」を提唱した。最近は金融政策への依存に警笛鳴らす。58歳。

[日経新聞1月12日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/341.html

[経世済民117] 中国 エコカー生産に壁 メーカー絞る「18年問題」 基準不透明 日本企業に波及も

中国 エコカー生産に壁 メーカー絞る「18年問題」
基準不透明 日本企業に波及も

 世界最大の自動車市場である中国で「2018年問題」が浮上してきた。政府が電気自動車(EV)などエコカーを生産できるメーカーを18年から絞り込む政策を近く発表し、同年に先進国並みの環境規制を導入することも決まったためだ。小型車減税は今年で終了し、エコカー補助金も今後大きく削減される。拡大の続いた市場は18年から激変する可能性が高まってきた。


 「もう、ぐちゃぐちゃだ。本気で中国ビジネスを考え直さなければならない」。日系メーカー幹部らは今、こう言って、いら立ちを隠せない。

 17年に3千万台の大台をうかがう中国の自動車市場が水面下で揺れている。事の発端は昨夏。政府がメーカー側に示した1通の文書にあった。

 「今後、エコカーを生産できるメーカー数を制限する。18年以降に生産したければ、政府が許可する新しい生産ライセンスを取得せよ」。おおむね、そんな内容だ。

先進国並み導入

 中国では「ライセンス許可が必要なところ、腐敗あり」と言われるほど許認可は厄介だが、各社が慌てたのにはほかにも理由があった。中国政府が先進国並みの環境規制「NEV規制」の導入も検討していたからだ。

 同規制は、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など環境負荷が小さい車を相当な量を売らなければ通常のガソリン車の販売は認めない厳しい内容だ。

 つまり、エコカーのメーカー数を大きく制限する一方、エコカー販売は厳しく義務付ける。中国でエコカーはEVやPHVで、通常のハイブリッド車は含まない。計画では現在約120社に達するエコカーメーカーを、18年以降は20社程度まで絞る案で検討が進む。

 全く逆にも見える2つの政策の狙いはなにか。

 中国で昨年、エコカー補助金の不正受給が横行したことが、まずは背景にある。グループ内の企業間でEVを販売したように見せかけるのは序の口。その売ったと見せかけた車から電池だけ抜き取り、別の車に載せ、新たにEVを売ったように見せる不正受給も相次いだ。こうした悪質な企業の排除が政府の狙いだ。

 一方、中国では大気汚染が深刻で環境対策は待ったなし。先進国並みの厳しいNEV規制の導入が必要と判断したのだ。

 ただ、2つの政策が始まる18年まで1年を切り、エコカー投入を準備するには時間が限られる。そもそも日産自動車やホンダ、トヨタ自動車の現地合弁など大半のメーカーは新ライセンスの取得すらできていない。

 だが、そんなメーカーをさらに混乱させる事が相次いで起こっている。

 まずは独フォルクスワーゲン(VW)だ。昨年9月、中堅の安徽江淮汽車(JAC)とともにエコカーの合弁会社をつくると発表。VWにとっては中国企業との間で結ぶ3社目の提携で「2社まで」と定める外資規制への違反は明らかだ。

 だが、この案件は、JACが本社を置く安徽省の出身の李克強首相が、地元企業のJACを後押しした大型のEVプロジェクトだ。表だって問題視されず、他のメーカーは「(中国政府と元々近い関係にある)VWや中国企業が特別扱いされるのはおかしい」と憤る。

 2つ目はすでに中国企業8社が18年以降のエコカー製造の新ライセンスを得たこと。メーカーを絞り込む政策そのものがまだ発表されていないなかでの不可解な動きだ。

補助金も削減

 当然、取得基準も明確になっていない。ライセンスを得た企業には北京汽車系、奇瑞汽車系の実績のあるメーカーもあるが、技術やノウハウのない新規参入組が目立つ。そこには「中国市場で今後、エコカーが急増する」(外資系メーカー)のをにらみ、中国企業を競争優位に立たせたい露骨な思惑が見て取れる。

 一方、これまで中国市場の拡大をけん引してきた外資系大手の間では「限られた新ライセンスを本当に取得できるのか」という不安が渦巻く。

 中国政府は景気対策で導入した小型車減税を17年末に打ち切り、18年は反動減の恐れが強い。エコカー販売台数を16年に40万台超まで増やした補助金の削減も加速する。

 健全な市場が今後、中国に根付くには公平性をいかに確保するかがまずは不可欠。今回の政策転換には再考の余地が十分にあるといえそうだ。

 広州=中村裕

[日経新聞1月12日朝刊P.11]


http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/878.html

[政治・選挙・NHK219] 説得力に欠ける「一代限り」 天皇退位、特例法で 有識者会議見解

説得力に欠ける「一代限り」 天皇退位、特例法で 有識者会議見解

 「苟(いや)しくもその才無くんば即ちその位に処(お)るべからず」

 学識随一といわれた鎌倉時代末期の花園天皇が、甥(おい)である光厳天皇(北朝初代)に与えた『誡太子書(かいたいしのしょ)』の一節である。天皇は常に研さんを怠らず、その地位にふさわしい能力を備えていなければならないとする「帝王学」の書だ。

 皇帝は徳を示さねばならないとする中国思想の影響もあり、歴代天皇の多くは自身を高める努力を続けた。政治権力のあるなしにかかわらず、天皇の「義務」でもあった。

 「存在するだけで何もしなくてもいい」という天皇観は、こうした天皇の克己の歴史への理解不足によるものだろう。

 ただ、天皇のあり方についてどのような意見を表明しようと言論は自由である。問題は退位を論じる政府機関の有識者会議のヒアリングに、適任とは言い難い“専門家”も招いたことだ。人選は選ぶ側のレベルも表す。これからの時代を担う若い世代と女性の研究者の意見が聞かれることはなかった。

 このため実際的ではない方向に議論が拡散した。これが目くらましのようになり、核心的な問題を素通りして、当初からの政府方針といわれている「一代限り、特例法での退位」の結論が拙速ともいえる形で出されようとしている。

 核心的な問題とは退位の要件である。有識者会議は「年齢を要件にするのは難しい」「将来の天皇の退位要件を現時点で決められない。各時代で判断すべきだ」として、深く議論することを避けた。

 不可解である。例えば「80歳を過ぎたら」という必要条件を設けることがどうして困難なのか。今回の問題は超高齢化にあるのだから年齢を要件にするのは当然であり、むしろ恣意的、強制的な退位を排除できる。

 そして「各時代で決めればいい」は問題の先送りそのものである。将来の天皇が必ず直面する高齢化問題から目をそらして真摯に議論したと胸を張れるのか。

 「有識者会議は政府方針の追認機関」との批判も出ているが、その責任は政府にある。超高齢化時代と天皇の退位は構造的な問題だ。国民各層から幅広く意見を聞く前から、現在の天皇陛下だけの問題に収束させる方針を固めていたとしたら、一内閣の権限を越えた判断ではないだろうか。

 昨年末に日本経済新聞が実施した世論調査では、65%が退位について恒久的な制度を支持している。これを覆す説得力のある理屈が見いだせていない。

(編集委員 井上亮)

[日経新聞1月12日朝刊P.38]


http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/324.html

[国際17] プーチン大統領、トランプ氏、売春婦、またそれ以下の人間について率直に語る:「それ以下」は米国家機関その尻馬に乗るメディア

プーチン大統領、トランプ氏、売春婦、またそれ以下の人間について率直に語る[スプートニク日本語]
2017年01月18日 16:04(アップデート 2017年01月18日 16:52)

プーチン大統領はトランプ次期米大統領についての「捏造情報を注文した人間」は「売春婦に劣る」との声明を表した。

プーチン大統領はトランプ氏がロシア人の「社会的責任の低い女性たち」と付き合っていたという話は「想像し難い」と述べ、ビューティーコンテストの組織に関わっていたため「世界で最も美しい女性たちとの付き合いがあった」のだろうと指摘した。

「彼女ら(ロシア人売春婦)だが、こういう人たちだってロシアは文句なしに世界1素晴らしい。だがトランプ氏がそれに手を出したというのは疑わしい。」 プーチン大統領は売春行為を「非常に醜悪な社会現象」と指摘。

「若い女性たちがこれを行なう場合、他の方法ではどうしてもまともな生活を保障できないからということもあるが、これはかなりの部分、社会と国家が悪い。 だが選出された米国の大統領に対して今ばら撒かれているこうした種類の捏造を注文する人間は、売春婦にも劣る。こうした人間にはモラルの限界が完全に欠如している。」

プーチン大統領はさらに、米国内では熾烈な政治争いが続いており、その目的は選出された大統領の合法性を損ねることだと指摘した。

https://jp.sputniknews.com/russia/201701183249407/



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/362.html

[経世済民118] 企業の休廃業・解散 最多  昨年2万9500件超す、倒産減も中小苦境

企業の休廃業・解散 最多
昨年2万9500件超す、倒産減も中小苦境

 2016年に休業、廃業したり解散したりした会社の数が2万9500件を超え、過去最多を更新する見通しとなった。3年ぶりに増加に転じる。後継者難や人手不足など先行きへの不安から、経営が行き詰まる前に自主廃業を選ぶケースが増えている。09年以来、8年連続減っている「倒産件数」の統計には表れない中小企業経営の苦境が浮かび上がる。

 民間調査会社の東京商工リサーチによると休廃業と解散を合わせた件数は前年比で約3000件増える見通し。一方、13日に同社がまとめた全国の倒産件数は前年比4%減の8446件と8年連続で減少した。

 休廃業・解散件数はこれまで最も多かった13年の2万9351件を超え2万9500件を超える見通しだ。特に増えているのは建設業など人手不足が深刻な業種。大幅な赤字ではないものの、後継者難などから傷が浅いうちに廃業するケースが目立ってきている。

 倒産件数は1990年(6468件)以来26年ぶりの低水準で、リーマン・ショックのあった2008年(1万5646件)の半分程度の水準にまで減少した。負債総額は2兆61億円で前年比5%減少した。負債1000億円以上の大型倒産もパナソニックプラズマディスプレイ(負債額5000億円)の特別清算申請以外になかった。

 倒産が減る一方で休廃業が増えている背景について、三菱総合研究所の武田洋子チーフエコノミストは「企業の財務体質は健全化して倒産は減少しているが、後継者や人手不足から廃業が増えている」と指摘する。経営状況は良くても人手が足りず経営を続けられないケースだ。武田氏は「IT(情報技術)やロボット、人工知能(AI)の導入などの効率化が求められる」と話す。

 大和総研の長内智シニアエコノミストは「経営者の高齢化や国内需要の伸び悩みが要因」と分析する。東京商工リサーチによると15年の全国の社長の平均年齢は、前年より0.2歳延びて60.8歳となり最高を更新した。

 企業の開業も増えている。15年の1年間で新たに設立された法人は前年比4%増の12万4996社で、6年連続で前年を上回った。訪日外国人の増加などで宿泊業が59%増と大幅に伸びた。一方で再生エネルギー関連は需要が一服し、電気・ガスなどは33%減少した。

 ただ国際的な比較では「日本の企業の新陳代謝は進んでいない。労働力や技術が失われ潜在成長力が下押しされる」(長内氏)という。

 休廃業は今後も増えるのか。東京商工リサーチの友田信男常務は「休廃業の増加は、むしろこれからが本番だ」と指摘する。金融庁は金融機関に取引先の将来性などから担保や保証に依存せず融資する「事業性評価」の推進を求めており、金融機関からの廃業圧力が強まると見ている。

 「国としても将来性のない企業を市場から退出させ、成長力がある産業への労働力の集約を進める方向にシフトしている」(友田常務)といい、今後も休廃業の流れは加速しそうだ。

[日経新聞1月14日朝刊P.5]


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/111.html

[戦争b19] 露、トルコが初の共同空爆 シリア北部アレッポ近郊 和平協議へ地ならし:対IS拠点

2017.1.19 01:30更新
露、トルコが初の共同空爆 シリア北部アレッポ近郊 和平協議へ地ならし[産経新聞]

 ロシア国防省は18日、同国とトルコの空軍が、シリア北部の要衝アレッポの近郊で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に対する初の共同空爆を行ったと発表した。ロシアとトルコ、イランの3カ国は今月23日、シリア内戦をめぐる和平協議をカザフスタンで行うことになっており、共同作戦にはその地ならしとして連携を誇示する狙いがあるとみられる。空爆は、ロシアが後ろ盾となっているシリア・アサド政権との合意に基づいて行われ、露・トルコの爆撃機など計17機が36の標的を攻撃したという。(モスクワ 遠藤良介)


http://www.sankei.com/world/news/170119/wor1701190004-n1.html

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ロシアとトルコ、シリアで初めて共同の空爆[NNN]
2017年1月19日 17:21

ロシアは18日、シリアにある過激派組織「イスラム国」の拠点に対し、初めてトルコと共同で空爆を行ったことを発表した。

 ロシアは18日、シリアにある過激派組織「イスラム国」の拠点に対し、初めてトルコと共同で空爆を行ったことを発表した。

 ロシア軍の発表によると、ロシアとトルコは共同で、シリア北部の「イスラム国」の拠点の都市・バーブに空爆を行った。この空爆には、ロシア軍の戦闘爆撃機など9機とトルコ軍の戦闘機8機が参加したという。

 ロシアとトルコが共同で空爆を行ったのは初めて。ロシア軍の高官は、36か所の施設を破壊したと述べ、成果を強調した。

 ロシアとトルコは先月、シリアのアサド政権と反体制派の停戦を仲介し、来週、和平協議を開催する予定。今回の空爆はこれを前に、両国の協力関係をアピールする狙いがあるとみられる。

http://www.news24.jp/articles/2017/01/19/10351922.html


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/542.html

[政治・選挙・NHK219] TPP 米国を辛抱強く待つべき〜日商会頭:待つだけムダ、グローバル企業の利益にはなっても国家国民の利益にならないTPP

TPP 米国を辛抱強く待つべき〜日商会頭[NNN]
2017年1月20日 00:53

 日商の三村明夫会頭は、アメリカがTPPにしばらく批准しなくても、TPPは消滅しないとの考えを示し、辛抱強く待つべきとの考えを示した。

 トランプ次期大統領は、これまでに、TPP(=環太平洋自由貿易協定)に反対し、就任したその日に離脱すると表明している。

 20日のトランプ氏の就任を前に、日本商工会議所のトップの三村明夫会頭は、「トランプ政権がしばらく批准しなくても、TPPについての考え方を変えるのを辛抱強く待てば良い」との考えを示した。

 三村会頭は、アメリカがTPPに批准しなくても「しばらく塩漬けになるだけで、従ってTPPは死なない。そこが大事なところ」と強調した。

 その上で、アメリカ以外の11か国が批准し、後はアメリカが批准すればすぐに発動されるという状況にしておくべきとの考えを示した。

 さらに、「自由貿易をうまく活用することこそ、国の発展にとって重要だという考え方を繰り返し表明する活動も必要」と述べた。

http://www.news24.jp/articles/2017/01/20/06351967.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/409.html

[国際17] トルコ、クーデター未遂半年 深まる分断 大統領、反対意見封じ込め 権力集中へ、改憲にまい進

トルコ、クーデター未遂半年 深まる分断 大統領、反対意見封じ込め 権力集中へ、改憲にまい進

 【イスタンブール=佐野彰洋】トルコ軍の一部勢力がエルドアン政権の転覆を図った昨年7月のクーデター未遂事件から15日で半年がたつ。政権は事件後に強権政治を急加速させ、これまでに13万人以上の公務員や軍人を追放した。反対意見を封じ込め、大統領に権力を集中させる憲法改正にもまい進しており、社会には深い亀裂が走る。

 国立コジャエリ大学法医学部の教授だったウミット・ビチェルさん(55)は昨年9月、政府の非常事態宣言に基づき解雇された。社会保障をすべて失い、家族を含む旅券が無効となったため娘は海外留学の夢を絶たれた。以前にクルド人反政府勢力との和平を求める嘆願書に署名したことが解雇の理由。クーデター未遂とは無関係だ。ビチェルさんは「この国を恐怖が支配する社会に変えようとしている」と憤る。

 昨年7月以降、政府は4千人以上の研究者を含む13万5千人を停職や解雇処分にした。逮捕者は4万人を超す。収監場所を確保するため、ほぼ同数の受刑者を刑期満了を待たずに釈放した。

 「ゼロから国家を建設する」(エルドアン大統領)。弾圧の対象は政府がクーデター未遂の黒幕と断定した在米イスラム教指導者ギュレン師の支持勢力にとどまらない。政教分離を重視する世俗派、少数民族クルド人中心の野党など、政権の意に沿わない勢力が「テロ捜査」の名目で次々に拘束・排除されている。追放された人々は再就職もままならない。

 だがそうした人々の声が政権の影響下にある主要メディアで報じられることはない。テレビは大統領や首相の演説を繰り返し放送し、政府寄りの新聞の1面には相次ぐテロの原因を国際的な陰謀だとする見出しが躍る。

 トルコジャーナリスト協会によると同国では昨年、約160社のメディアが政権により閉鎖され、逮捕・拘束中のジャーナリストは140人以上に上る。「国境なき記者団」(本部パリ)が毎年発表する報道自由度ランキングで、トルコは10年前の98位から昨年は151位に転落した。

 反対意見を封じ込め、エルドアン氏は悲願の改憲に突き進む。首相職の廃止、国会の解散、多選制限の事実上の緩和、大統領令の発令――。実現すれば「権力の均衡が失われ、個人の独裁につながる」(最大野党の共和人民党)との懸念が募る。強権を嫌い優秀な人材が国を離れる「頭脳流出」は欧州とアジアをつなぐ新興国の将来にとって不安材料となっている。

 最大都市イスタンブールの下町出身でイスラム色の濃い政策志向を隠さないエルドアン氏は、保守的で信心深い中低所得者層に絶大な人気を誇る。一方、世俗派や一部のクルド人にとっては多元的な価値観に不寛容で、憲法で保障された権利を侵害する存在と映る。

 ロンドン大学キングス・カレッジのサイモン・ワルドマン客員研究員は「エルドアン氏はクーデター未遂を自らに有利な形で最大限利用している。社会の分断をあおることで、支持基盤を固めている」と指摘する。


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トルコのクーデター未遂事件とは

 ▼トルコのクーデター未遂事件 2016年7月15〜16日、軍の一部勢力がエルドアン政権の転覆を試みて失敗に終わった事件。クーデター勢力は最大都市イスタンブールの空港や橋を一時占拠し、首都アンカラでは国会議事堂を爆撃した。抵抗した市民ら248人を含む270人以上が死亡した。政府が事件の黒幕と断定した在米イスラム教指導者ギュレン師とエルドアン大統領はかつて協力関係にあったが、13年ごろから敵対関係に転じていた。ギュレン師は事件への関与を否定。米国はトルコの送還要求に応じていない。


[日経新聞1月15日朝刊P.4]


※関連記事

「露、トルコが初の共同空爆 シリア北部アレッポ近郊 和平協議へ地ならし:対IS拠点」
http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/542.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/382.html

[政治・選挙・NHK219] TPP早期発効へ連携  日豪首脳、米新政権に訴え :TPPは米国に11ヶ国が引き回された政治的騒動

TPP早期発効へ連携
日豪首脳、米新政権に訴え

 【シドニー=上林由宇太】安倍晋三首相は14日、オーストラリアのシドニーでターンブル首相と約1時間30分間会談した。日本側によると、両首脳は自由貿易の重要性を世界に示すため、環太平洋経済連携協定(TPP)の早期発効で緊密な連携を確認。米国に様々な機会を通じてTPPの意義や価値を粘り強く訴えていくことを申し合わせた。

 「世界的に反グローバリズムや保護主義の流れが見られる。自由で
開かれた法の支配に基づく国際秩序のため、日豪、日米豪の協力は重要だ」
 シドニー市内の首相公邸で開いた会談の冒頭、安倍首相は強調した。トランプ次期米大統領の就任を20日に控えた日豪首脳会談は、アジア太平洋地域の経済・安全保障の両面で、米国の関与の重要性をトランプ新政権に訴える場になった。


 両首脳はTPPに関して「高い戦略的、経済的な価値を持つ」と確認。安倍首相は共同記者発表で「自由貿易の重要性を世界に示していくべきだとの考えで一致した」と述べ、TPPに参加する12カ国中、経済規模で2番目の日本と4番目の豪州が協調してトランプ氏に理解を求めていく考えをにじませた。

 会談では自由貿易の枠組みで「質の高い東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に向けて緊密に連携する」ことでも一致した。豪州はTPPとともに、RCEPの早期妥結を目指している。日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)などが参加するRCEPは米国抜きのため最大の経済国は中国。中国との経済連携を深めるターンブル首相の期待は大きい。

 一方、日本はRCEPをTPPと同列に扱っていない。中国主導のRCEPでは知的財産などの扱いで、TPPほどの高い水準のルール作りが期待できないからだ。日豪首脳会談でも「TPPが引き続き必要不可欠な優先事項」と確認した。

 ただ安倍首相はTPPで米国の翻意を促すため、TPPが進まない場合は「RCEPに軸足が移ることは間違いない」とも語る。この日も共同記者発表で「RCEPの早期妥結に向けて連携していく」と発言。中国主導のRCEPとの間合いをどう取っていくか、トランプ氏の出方をみながら難しいかじ取りになる。

[日経新聞1月15日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/410.html

[国際17] トランプ氏、すでに次回の選挙戦のスローガンを考案:軽い人だね(笑)優先で考えるべきテーマがてんこ盛りの状況なのに

トランプ氏、すでに次回の選挙戦のスローガンを考案[スプートニク日本語]
2017年01月19日 18:36(アップデート 2017年01月19日 19:48)

トランプ次期米大統領はワシントンポスト紙からのインタビューで2020年に行なわれる次の大統領選挙戦の新たなスローガンを思いついたことを明らかにした。

「偉大な米国をキープせよ」というスローガンをトランプ氏は挙げたあと、すぐに自分の法律家のひとりに特許および米国の商標を取得するよう指示した。

トランプ氏は昨年の大統領選挙戦で使用したスローガン「米国を再び偉大にしよう」は2012年末に思いついたことを明らかにした。

https://jp.sputniknews.com/us/201701193253723/


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/383.html

[国際17] 米国民の3分の1がロシアによるサイバー攻撃を信じていない:露犯行説、受け容れ51%・疑問36%:健全なバランスかも

米国民の3分の1がロシアによるサイバー攻撃を信じていない
2017年01月18日 19:57(アップデート 2017年01月18日 20:15)

米国民のうち、昨年の米大統領選挙キャンペーン中に発生したハッカー行為がロシアによるものだったという噂を信じていない人の割合は3分の1以上に達した。「ウォールストリートジャーナル」紙とNBCテレビの合同発注による世論調査のこうした結果が17日明らかにされた。

調査では36%近くの回答者が、ロシアが米大統領選挙キャンペーン中にサイバー攻撃を行ったとは考えていない。これに対し、ロシアがサイバー攻撃を行ったと考えている人は51%。13%がわからないと答えている。

さらにロシアがサイバー攻撃を行ったとする回答者に対して、攻撃が11月8日の大統領選挙でトランプ氏に勝利をもたらしたかという問いを投げかけると、「わからない」と答えたのが63%、逆にハッカー攻撃がなければトランプ氏はヒラリー・クリントン候補に負けていただろうと答えたのはわずか26%だった。

調査では、トランプ氏がロシアのプーチン大統領に対してポジティブな態度を示していることについては、回答者の大多数が何の考えも持っていないことが示された。

これより前、ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロシアは自国の情報資源、メディア、銀行、露大統領のホームページへのサイバー攻撃でどこかの国を不当かつ浅はかに非難することはしないと発表した。


https://jp.sputniknews.com/us/201701183250002/


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/384.html

[社会問題9] 未婚中年、親と「黄昏同居」 支援乏しく険しい自活

[かれんとスコープ]未婚中年、親と「黄昏同居」
支援乏しく険しい自活

 40〜50代になっても親と同居する未婚者が増えている。理由は様々だが、親の収入を頼りにする人が6割近いとの調査もある。背景には介護など社会的な構造問題が横たわる。

 日本で結婚しない人が急に増え始めたのは1990年を過ぎた頃から。50歳時点で1度も結婚したことがない人は、2015年の国勢調査で男性の23%、女性で14%にのぼった。今、40〜50代の未婚男女は「生涯独身第1世代」ともいえる。

 その中で、ひっそりと増えているのが未婚で親と同居する「未婚同居」だ。1995年の国勢調査では、40〜50代の「未婚一人暮らし」は120万人、「未婚同居」は112万人だった。それが2010年は「未婚一人暮らし」が206万人まで増えたのに対し、「未婚同居」はさらにそれを上回る263万人となり逆転した。10年の調査では40〜50代だった人の1割近くが未婚同居ということになる。

 状況は様々だ。親と共に首都圏に住む40代の男性は「結婚が当たり前という常識に迎合したくなかった。結婚していないことに不満はない」と話す。飲食関係の正社員だったが数年前に退職し、今は自営業の道を模索している。


「生計維持者は親」

 結婚や家族のあり方は個人の自由で、社会も多様な生き方を支えるように変わってきた。未婚同居それ自体が悪いことではない。ただ、未婚同居者全体を見渡すと厳しい状況が広がっていることがわかってきた。

 みずほ情報総研の藤森克彦・主席研究員が約2300人を対象にしたインターネット調査を分析したところ、親や兄弟らと同居する40〜50代の未婚者のうち、男性の4割、女性の6割が主な生計維持者を「親」と答えた。年収100万円未満の男性が25%、女性は38%いた。同世代の未婚一人暮らしよりも正社員率が低く、無職が多かった。

 かつて親元で豊かな生活を謳歌する「パラサイト・シングル」と呼ばれた若者が注目されたのは1997年。それから20年がたち、今は親と共倒れしかねない「黄昏(たそがれ)同居」といえるような実態が浮かび上がる。

 背景の一つに介護がある。埼玉県に住む40代の女性は、20代の時に母親が倒れ正社員の仕事を辞めた。一人娘の自分が介護するのは自然だと思った。40代になると父親も倒れ、派遣の仕事を転々としながら親を見守ってきた。「親の年金を横領しているという人がいるがそれは違う。生活はぎりぎり。預金残高を気にする毎日」と女性は話す。

 親が亡くなれば「自分には何も残らない」。一緒に逝けたらとの思いがいつもある。働き続けたくても正社員への壁は高い。「人生の大部分を介護に充ててきた。そうするしかなかった。それが終わっても前の生活に戻れない世の中ってなんだろう」。女性は社会に疑問を投げかける。


介護離職で生活苦

 藤森主席研究員の分析では無職の未婚同居者のうち、男性の21%、女性の37%が「親の介護」を理由に挙げていた。川崎市認知症ネットワークの柿沼矩子代表は「単身だと兄弟などから親の面倒をみてくれと言われやすい。介護離職すると親の年金で生活せざるを得ず、親をみとった後の生活は非常に厳しくなる」と実情を語る。

 長期化するひきこもりも影を落とす。「10年なら短い方。親はほぼ年金暮らしになりつつある」。ひきこもりの家族を支えるNPO法人楽の会リーラ(東京・豊島)の大橋史信さんはこう話す。楽の会は昨年12月に「親亡き後」を考える集会を開いた。「親の資産が傷んできている」「40代になった子どもが若い時は若者就労支援もなかった」。当事者や専門家、親からは切実な現実が語られる。

 介護、低収入、心の病……。不本意な未婚同居の理由は様々だが、共通するのは1度社会のレールから外れると戻りにくいという点だ。


福祉の手薄な世代

 「高齢者の相談を想定していたが、ふたを開けてみたら40代が一番多かった」。12年に始まった全国電話相談「よりそいホットライン」の和久井みちるコーディネーターは驚く。「中年向けの福祉がほとんどない。その反動が相談件数に現れている」とみる。転職で苦労した経験から中年支援のNPO法人を立ち上げた森山浩年さんも「職業紹介や起業支援はシニアや主婦向けばかり。我々だって一億総活躍の一員なのに見捨てられている」と嘆く。

 当事者の自己責任と片付けられる問題ではない。中央大学の山田昌弘教授は「このまま放置すれば、親が亡くなった後は国が生活保護で支えることになる」と危機感を抱く。人口が急減していく中で、自立した働き手を増やせるかどうかは日本の財政を左右する。年齢によらない柔軟な採用や、緩やかな社会復帰を目指す職業訓練など新しい支援を社会全体で考えていく必要がある。

 対応を先延ばしにしてきたツケを引き受けているのは家庭だ。家庭内の見えない問題は、刻一刻と膨らんでいる。

(福山絵里子)

[日経新聞1月15日朝刊P.8]


http://www.asyura2.com/12/social9/msg/755.html

[医療崩壊5] 知的障害児の1割に抗精神病薬投与 長期なら副作用も

知的障害児の1割に抗精神病薬投与 長期なら副作用も

 知的障害のある子供の約1割に、統合失調症の治療薬である抗精神病薬が処方されていることが、医療経済研究機構(東京)などの研究チームによる調査で分かった。このうちほぼ半数には年300日以上と長期にわたり薬が出ていた。


 知的障害には、自傷行為や暴力などの行動障害を伴う場合があり、薬はその治療のためとみられるが、長期の使用には副作用のリスクもある。

 世界精神医学会は精神疾患が原因でない行動障害には、個々の特性に応じた環境調整などを勧めている。同機構の奥村泰之主任研究員は「日本では知的障害児の行動障害に診療の指針がなく、薬物の使用を含めた指針が必要だ」としている。

 調査では、健康保険組合の加入者のレセプト(診療報酬明細書)データベースを分析。2012年4月から13年3月に知的障害と診断された3〜17歳の2035人について、薬物療法の状況を1年間、追跡した。

 1度でも抗精神病薬が処方されたのは12.5%。3〜5歳では3.7%だったが、15〜17歳では27.0%と、年齢が上がるにつれ割合が上がっていた。年間の処方日数でも同様の傾向がみられ、小学校入学の時期を境に長期化していた。

 抗精神病薬を処方された子供のうち、2種類以上を31日以上連続で出された「多剤処方」の割合も16.9%に上った。チームは「短期では有効なケースもあるが、長期や多剤の使用は、体重増加など副作用のリスクが増す」と注意を呼び掛けている。

[日経新聞1月15日朝刊P.38]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/485.html

[原発・フッ素47] 予定調和の福島廃炉計画 6年間の現実、直視を

[核心]予定調和の福島廃炉計画
6年間の現実、直視を

編集委員 滝順一

 東京電力福島第1原子力発電所の事故から6年を前に事故対応のあり方が重要な転機を迎えている。


 経済産業省は昨年12月、廃炉や賠償などに必要な費用を大きく見直した。これまで11兆円と見積もられてきたが、ほぼ2倍の21兆5千億円になるという。

 福島第1の廃炉費用は2兆円から8兆円に膨れあがった。福島第1の現場は今も汚染水の処理にてこずり本格的な廃炉作業はまだだ。にもかかわらず6兆円ものコストアップである。

 その根拠は大ざっぱ。あたかも明細なき請求書だ。

 1979年の米スリーマイル島原発の事故で溶融燃料(デブリ)を取り出し処分場まで運ぶのに約10億ドル(約1千億円)かかった。福島のデブリはスリーマイルの約6倍。デブリが圧力容器から落ちて飛び散っているため取り出しはより難しい。費用は最大で25〜30倍程度になるとみて、さらに物価上昇を勘案し50〜60倍の約6兆円を見込んだと、経産省の資料にある。

 注意が要るのは、これがデブリ除去までの費用の最大値とされている点だ。スリーマイルでも約1%の燃料の取り残しがあり、2030年以降の原子炉解体では被曝(ひばく)を避ける慎重な作業が必要になる。

 福島第1ではデブリが1カ所に固まっていないのできれいに取り切るのは容易ではない。通常の原子炉よりはるかに大きな費用が解体にかかるとみるのが自然だ。「作業の進め方の工夫で費用は節減できる」と廃炉事情に詳しい関係者は話すが、果たしてどうか。

 やっかい事のひとつは建物内の放射能汚染の広がりがつかめないことだ。東京電力は内部を観察するため配管を伝ってロボットを入れようとしているが、配管入り口周辺の汚染が高く作業を阻んでいる。

 「福島の状況はスリーマイルと(86年に史上最悪の事故を起こした)チェルノブイリ原発(ウクライナ)の中間だ」と大西康夫・米ワシントン州立大学非常勤教授は言う。教授は米施設の除染などに長く関わってきた専門家だ。放射線を遮る水を内部に張れれば作業は少しは楽になるが、損傷した原子炉を冠水するのは難しいと考えられている。

 計画では、17年度にデブリ取り出しの基本方針を決め、18年度には最初にとりかかる号機を決める段取りだ。これから1年が見極めのヤマ場だが、状況がわかるにつれ困難さもはっきりみえはじめた。

 一方、費用負担では廃炉費用の8兆円は東電が利益の一部を積み立てて充てる方針が固まった。

 廃炉に約30年。単純計算で年間3千億円弱が要る。賠償の費用(東電負担分4兆円)などもあり、年間5千億円を超える利益を東電は計上し続けなくてはならない。

 送電の託送料が有力な原資に見込まれる。合理化で送電コストを圧縮し利益をひねり出す余地は十分あるらしい。しかし合理化分を廃炉の積み立てに回したのでは電力自由化で下がるはずの託送料が高止まりする。送電網への前向きな投資もしなければならない。相反する二兎(にと)、三兎を追う構想だ。

 さらに経産省のシナリオでは、国が負担する除染費用を政府保有の東電ホールディングス株の売却で賄うことになっている。そのために東電の企業価値を7.5兆円にまで高める必要があるという。原発事故前の時価総額の2倍を超える。廃炉や賠償など事故の清算をやり終えないとできない相談だろう。

 柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働で生まれる利益も計算に入れているが、今のところ動かせるメドはたたない。

 廃炉の技術面だけでなく収支の面でも綱渡り。どちらでつまずいても行き詰まりかねない。実現可能性よりも「実現させねば」との経産省の意図が前面に出る。21.5兆円のシナリオはそんなガラス細工にも似た危うさをはらむ。

 廃炉費用が大きく膨らみそうなことが報道され始めてからスケジュールを根本から見直す意見を耳にするようになった。30年での廃炉は困難とみてより長い期間をかけよという。放射能の減衰を待つ狙いで、チェルノブイリのようにコンクリートで原子炉を固めて封止する「石棺」をモデルとする。

 昨年夏、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が作成した廃炉の「戦略プラン」の案に「石棺」という言葉がいったん盛り込まれて福島県などが強く反発した。石棺は帰還を目指す地元の人びととの約束を破るものだ。支援機構の山名元理事長は「石棺にはしない」と弁明に終始した。

 石棺は合理的に聞こえるが、30年を100年に延ばしたところで放射能が作業を阻むリスクであることには変わりない。建物の耐久性や、東電への支援をどこまで続けられるかを考えれば、長引くのは得策とはいえない。また原子炉の内部を調べて事故の詳細を報告することも原子力を推進した政府や電力業界の使命だ。フタをして済むことではない。

 ただ最善を尽くしても、できないこともあろう。そんな事態も想定する必要がある。予定調和的なシナリオだけでなく、最悪のケースも含めた将来像を福島の人びとも加わって議論する場を設ける時ではないか。専門家や有識者だけでは決められないことだ。

[日経新聞1月16日朝刊P.7]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/349.html

[戦争b19] 故障した英国の弾道ミサイルが米国の方向に飛んでいった:トライデント更新予算審議直前、メイ首相は実験失敗情報を隠蔽

マスコミ:故障した英国の弾道ミサイルが米国の方向に飛んでいった[スプートニク日本語]
2017年01月22日 21:03(アップデート 2017年01月23日 02:57)

昨年6月、英国は弾道ミサイルを発射したが、ミサイルはコースを外れ、米国の海岸の方向に飛んでいった。サンデー・タイムズ紙が情報を入手した。

なお当時、英国防省はミサイルの発射は成功したと主張し、2016年6月の弾道ミサイル「トライデント」の発射が失敗した事実を隠蔽した。サンデー・タイムズ紙が、英海軍消息筋の情報を引用して伝えた。

消息筋によると、弾道ミサイル「トライデントUD5」は、フロリダ沖で英国の潜水艦「ヴァンガード」から発射され、コースを外れて米国の海岸の方向に飛んでいった。なおミサイルに核弾頭は搭載されていなかったという。

消息筋は「4年間で初めて実験が惨事になった後、ハイレベルでパニックが起きた。結果、ダウニング街は失敗の事実を隠すことにした。彼らは、情報が明らかになった場合、我々の核抑止力の信頼性がどれほど損なわれるかを知っていた」と語った。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201701223262987/


http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/558.html

[不安と不健康18] 学者ら、性的パワーをそぐ食品の正体をつきとめる:炭水化物

学者ら、性的パワーをそぐ食品の正体をつきとめる[スプートニク日本語]
2017年01月21日 07:11

米国の内分泌学者は、現代人の性に対する関心が薄れているのは、小麦から作るパンなどの食品を食べているせいだとしている。

白いパンや、牛乳やバターの入ったパンには、急速に摂取される、あるいは無益な炭水化物が含まれており、それは私達のウエストや腿に急速に吸収されてたまっていく。一日のうちこうした炭水化物を多量に摂取することは、余計な体重を増加させるだけではなく、性に対する興味も失わせる。白パンに含まれる炭水化物は、アクティブな生活を送るためのエネルギー、つまり性活動を行うエネルギーも失わせてしまうのだ。

学者達は、自身の性的活動力を高めることは、薬なしでもできると主張している。多くの男性にとっては、一日の食事から炭水化物食品、つまりそれを食べた後に糖が急速に増加するような食品を抜くというだけで十分なのだ。グルコースが血液内で急速に増減することは体力を弱め、無力感、エネルギー減をもたらすのである。

https://jp.sputniknews.com/science/201701213259548/


http://www.asyura2.com/16/health18/msg/326.html

[国際17] 米国での反大統領デモは西側の民主主義の脆弱性を物語っている:民主主義の脆弱性ではなくリベラリズムの欺瞞性

中国メディア:米国での反大統領デモは西側の民主主義の脆弱性を物語っている[スプートニク日本語]
2017年01月23日 16:39

トランプ氏の大統領就任後に米国の主要都市で行われた大規模な抗議デモは、米国の政治システムの脆弱性を物語っている。

新聞グローバル・タイムズは、北京にある国際関係学院の専門家、チュー・イン氏の次のような発言を掲載した-「これらの抗議デモは、西側の民主主義の脆弱性を物語っている。スローガン『私の大統領ではない』は、大勢の米国人がこれ以上『裁判の公平性』を容認しないことを意味している。それは『左翼』とリベラルがトランプ氏の勝利は民主主義の死であると決めたからにほかならない。」

中国の評論家たちは、真の民主主義体制の下では、自分たちが個人的に国家元首になって欲しいと思った人物とは別の候補者が勝利したとしても、人々は公正な選挙の結果を受け入れるものだと指摘している。

先に中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」の国際版「グローバル・タイムズ」紙では、トランプ氏が、国際関係に関して「無知な子供」と指摘された。

https://jp.sputniknews.com/politics/201701233265669/



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/481.html

[国際17] トランプ氏、メディア批判やめず 「地球で最も不誠実」:就任式観客数が少なかったという根拠に参集途中の写真を使ったメディア

 NHKBS1で昨夜報道された国際報道2017で取り上げられていたが、そこで大統領就任式の観客数が25万人という根拠としてメディアが示した写真(議事堂からワシントン記念塔を見渡したもの)は、就任式が始まる前に人々が参集している途中の写真である。

 NHKは、大統領就任式をライブで放送しているし、同じ「国際報道2017」の後半で、式典の途中の議事堂からワシントン記念塔を見渡した映像(奥までそこそこ人で埋まっている状態)を使っている。

 NHKに誠実さがあるのなら、就任式の観客数が25万人と主張する根拠として米国メディアが示した写真が“不誠実”なものであると説明しただろう。

売られた喧嘩とはいえ、スパイサー大統領報道官の「過去の就任式で最多だった」という反論も事実とは違う過大な主張で見苦しい、

 ともかく、米国主要メディアのトランプ誹謗の多くは子供レベルでみっともない。

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トランプ氏、メディア批判やめず 「地球で最も不誠実」[日経新聞]
2017/1/23 0:32

 【ワシントン=大塚節雄】トランプ米大統領は21日、米中央情報局(CIA)本部を訪問し「私はメディアとの戦争を続けている。彼らは地球上で最も不誠実だ」とメディアを攻撃した。スパイサー大統領報道官も、20日の就任式を巡る一部報道で「意図的な虚偽」があったとして「恥ずべきであり、誤りだ」と批判した。選挙戦中からのメディアへの対決姿勢は政権発足後も収まる気配がない。

 トランプ氏は400人強のCIA職員を前に「我々は同じ波長を持つ。私は味方だ。1000%、君たちと共にある」と呼びかけた。就任前には、情報機関が大統領選でのサイバー攻撃にロシアが関与したと分析したことを執拗に批判していた。初めての公的機関の訪問先に選び、関係改善をアピールした格好だ。

 だがトランプ氏はそうした経緯には触れず、メディアが「私と情報機関の間に確執があるかのように報じた」として「事実は正反対だ」と強弁した。その後はメディア批判に終始。就任式の観客数が25万人だったとする報道を「嘘だ」として「100万、150万人にもみえた」と主張した。

 スパイサー大統領報道官もホワイトハウスの会見室で記者団に声明を読み上げ、就任式を巡るメディアの報道を批判。「大統領は国の結束を約束したが、メディアの不誠実さが、それをより難しくする」と断じた。

 取り上げた問題の一つが、人出を巡る報道。過去と比較して人数を不当に少なくみせるような写真があったほか、人数も「不正確」な記述があったとの見解を示した。

 スパイサー氏は「誰も数字は持たない」としつつも、計72万人分のスペースが「大統領が就任の宣誓をしたときは、すべて埋まっていた」と主張。地下鉄の利用客数も挙げ、「過去の就任式で最多だった」と断言した。外交関係の報告をした後、記者からの質問は一切受けつけず、一方的に打ち切った。

 メディアは反発している。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)はスパイサー氏の主張を「虚偽の説明の連続」と批判し、観客数は2009年のオバマ前大統領の就任式に比べて明らかに少ないとの見解を示した。

 米新政権は発足から100日間は「ハネムーン期間」としてメディアが批判を控えるのが慣例。だがトランプ政権は立ち上がりからメディアを攻撃し、両者の緊張関係が強まっている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H2U_S7A120C1FF8000/

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トランプ政権「あらゆる手段で反撃」 米メディアに
2017/1/23 21:28

 【ワシントン=川合智之】トランプ米政権とメディアが対立を深めている。米メディアは大統領就任式の参加人数が過去最多とするスパイサー大統領報道官の21日の説明が虚偽だと指摘。コンウェー大統領顧問はこれに反論し22日の米NBCテレビで「もう一つの事実だ」と強弁した。プリーバス大統領首席補佐官も同日の米FOXニュースでトランプ大統領をおとしめるメディアに対し「あらゆる手段で反撃する」と宣言するなど、異例の展開となっている。


スパイサー大統領報道官は21日、大統領就任式の参加人数が過去最多だったと説明していた(21日、ワシントン)=ロイター

 焦点となっているのは、20日の就任式の参加人数。米メディアは会場の写真や地下鉄乗降客数などをもとに、オバマ前大統領の就任式より大幅に少なかったと報じた。これに対し、スパイサー大統領報道官は21日の声明で「過去の就任式で最多だった」と反論した。

 スパイサー氏は20日の地下鉄乗客数は42万人で、2013年のオバマ氏の就任式の31万7千人を上回ったと指摘。一方、米メディアによると、実際の乗客数は今回は57万人、13年が78万2千人。他にも「声明には複数の虚偽説明が含まれていた」(米CNNテレビ)。

 「なぜ報道官はうそをついたのか」とNBCの司会者が問いただしたところ、コンウェー氏は「もう一つの事実だ」と主張。司会者は「それは事実ではなく、虚偽だ」と反論したが、コンウェー氏は報道が誤っているとの見解を譲らなかった。プリーバス氏も別の番組で「問題は参加人数ではなく、大統領の威信を初日から失墜させようとする(メディアの)攻撃だ」と批判した。

 トランプ氏は当選後初めての11日の記者会見で、自身の不名誉情報をロシアが入手した可能性を報じたCNNなどを「偽ニュースだ」と非難。トランプ氏は自身の就任式の参加者が少ないという報道を見て激怒したといい、21日には「私はメディアとの戦争を続けている」と選挙戦からの対決姿勢を改めて示した。

 大統領の就任後100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、メディアは厳しい批判を避ける傾向があったが、今回は既に臨戦態勢だ。米紙ワシントン・ポストは、ホワイトハウスの公式発表は額面通り受け止めて報じるという常識はもはや通用しないとして「伝統的な大統領報道は死んだ」と報じた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23H7L_T20C17A1MM8000/?dg=1&nf=1



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/492.html

[国際17] アジア投資銀、開業1年 加盟国80超に拡大へ 融資は慎重、人材確保課題:中国が私物化するとの懸念は顕在化せず

アジア投資銀、開業1年 加盟国80超に拡大へ 融資は慎重、人材確保課題

 【北京=原田逸策】中国が主導して設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)が16日、開業から1年を迎えた。加盟国は当初の57カ国から80カ国以上に増えそう。本業の貸し出しは他の国際金融機関との協調融資が主体で手堅いが、人材確保には苦労している。加盟を見送っている米国と日本が参加に動くかどうかが当面の焦点となる。

 加盟申請中はカナダやギリシャなど26カ国程度とされ、近く認められる見通し。加盟国数は83程度と日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の67の国・地域を上回る。

 「とても生産的な初年度だった。17年も多くの融資案件の候補を抱えている」。AIIBの金立群総裁は16日夜、こんなコメントを発表した。

 初年度の融資はパキスタンなどの計9件・17億3千万ドル(約1980億円)。うち6件が世界銀行などとの協調融資で単独融資は3件だけだ。初年度12億ドルの目標は上回った。国際金融筋は「開業当初から加盟国の拡大に力を入れる一方、融資はリスクを抑えた慎重姿勢が目立った」と話す。

 「石炭や石油の火力発電への融資は例外とすべき」。AIIBが策定中のエネルギー分野の融資方針の一節だ。中国の石炭火力の発電設備の輸出にAIIBが使われるとの見方もあったが「温暖化ガスの排出削減にこだわる欧州出身の理事が石炭火力への融資に慎重だった」と関係筋は明かす。最大出資国の中国が私物化するとの懸念は顕在化していない。

 北京市中心部から西寄りのAIIB本部。中国本土では遮断されるグーグルやフェイスブックが自由に閲覧できるという。外国人を採用しやすくするのが一つの狙いだが、大気汚染を懸念して誘いを断る外国人も多い。ADBは職員が約3千人いるが、AIIBはまだ90人程度にとどまる。

 北京は英語が通じにくく生活になじめない職員も少なくない。「英語が通じやすく金融人材も多い上海や香港に本部を置かなかったツケ」(北京の外交筋)との声もある。

 「米国がAIIBに参加しなかったのは戦略ミス」。昨年、トランプ氏の顧問だったウールジー元米中央情報局(CIA)長官が香港紙に寄せた論文が波紋を広げた。日本の経済官庁幹部は「新政権はAIIBに参加してインフラ整備など実利をとりに行く」とみる。

 トランプ氏はすでにウールジー氏とたもとを分かち、対中国で強硬論を繰り返す。それでも中国が17年最大の外交行事とし、5月ごろに開く「一帯一路(海と陸の新シルクロード)国際協力サミット」に向け、米国にAIIB参加を強く働きかけるとの臆測は消えない。

 主要7カ国でAIIBに参加していないのは米国と日本だけ。日本の閣僚の一人は「米国が参加するなら日本も遅れずに参加を表明するしかない」と話している。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の概要

 アジアインフラ投資銀行(AIIB) アジアの旺盛なインフラ需要に金融面で対応するため2015年12月に発足し16年1月に開業した国際金融機関。約3割と最大の出資国である中国が主導する。本部は北京で総裁は元中国財政次官の金立群氏が務める。

[日経新聞1月17日朝刊P.7]


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/495.html

[国際17] トランプ氏、TPP離脱の大統領令に署名:トランプ氏独自の判断ではなく米国支配層共有の判断、ヒラリー氏やオバマ氏でも離脱

トランプ氏、TPP離脱の大統領令に署名[日経新聞]
2017/1/24 2:16

【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領は23日、ホワイトハウスで環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱に関する大統領令に署名した。日米など12カ国が2016年2月に署名したTPPは米の参加が前提で、発効の見通しがたたなくなった。トランプ氏は記者団に「米国の労働者にとって非常に良いことだ」と述べた。

 安倍晋三首相は23日「TPP協定が持つ戦略的・経済的意義について、腰を据えて理解を求めたい」と表明したばかりだった。TPP離脱はトランプ氏の選挙戦の公約で、北米自由貿易協定(NAFTA)についても再交渉を要求するなど、米国の雇用を重視して多国間自由貿易の見直しを強く訴えている。

 トランプ氏はTPPに加え、連邦政府の採用凍結など3件の大統領令に署名した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN23H0E_T20C17A1000000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/496.html

[国際17] 日商会頭、ベトナム首相にTPP連携を要請 「希望まだある」:無駄なアガキ、安倍政権も本音は米離脱=TPP未発効で安堵

日商会頭、ベトナム首相にTPP連携を要請[日経新聞]
「希望まだある」
2017/1/23 22:52

 【ハノイ=富山篤】ベトナムの首都ハノイを訪問中の日本商工会議所の三村明夫会頭は23日の記者会見で、グエン・スアン・フック首相に環太平洋経済連携協定(TPP)で連携するよう求めたことを明らかにした。トランプ米大統領が20日に撤退を表明したものの、「希望はまだある」とも強調した。

 三村会頭は同日、フック首相、グエン・チ・ズン計画投資相らと会談した。焦点のTPPについて「引き続き、日越で実現に向けて活動しよう」とベトナム国会で国内手続きを進めるよう促した。三村会頭は「TPPを離脱した米国が各国との2国間交渉をうまくまとめられるか分からない」と指摘。そのうえで「保護主義に限界を感じ、自由貿易主義に戻る可能性はある」と話した。

 トランプ大統領については「就任すれば言動が変わると思ったが、ほぼ同じで残念だった」との感想を述べた。「閣僚など周りの人材が支えれば、良い政権になりうる」との期待も示した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF23H0Q_T20C17A1EE8000/


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/497.html

[国際17] これからの民主主義の話をしよう  マイケル・サンデル氏 米ハーバード大学教授

[時論]これからの民主主義の話をしよう
マイケル・サンデル氏 米ハーバード大学教授

 第45代アメリカ合衆国大統領に20日、ドナルド・トランプ氏が就任した。選挙期間中から物議を醸した公約、ツイッターを駆使した情報発信、誹謗(ひぼう)中傷すれすれの物言いは多くの賛否を呼び、米国社会に深刻な分断をもたらしている。トランプ政権下で米国、そして民主主義はどこに向かうのか。ハーバード大学のマイケル・サンデル教授に聞いた。

■市民の無力感 解消の道探れ

 ――「トランプ政権」誕生の意味をどう見ますか?

 「ドナルド・トランプ氏を選んだ結果は過去20年、30年と続いてきたグローバリゼーションの末、その利益についてほんの一握りの上流階級だけしか手にしていないということに対する人々の不満の表れといえる。ほとんどの労働者階級、あるいは中間層は全く、その利益を享受できていない。その結果、格差は一層、深まり、突然、ドナルド・トランプ氏の選出という形で(不満が)表現された」

 「我々は今、民主主義、そして資本主義の将来について真剣に考えなければならない時期に来ている。人々の強い不満に応じられるような、新しい民主主義、資本主義のモデルはいかにあるべきか、という根源的な問いかけに向き合わなければならない」

 ――それは米国だけでなく、世界中の先進民主主義国に共通する課題です。

 「欧州では多くのポピュリズム政党が台頭しつつある。だからこそ、今こそ、民主主義と資本主義について根本から問い直す時期だ。民主主義についていえば、政府を代表する伝統的な組織や機関はお金や企業の利害によって左右され、普通の市民の声が反映されていない、と人々は感じている。それこそ、民主主義に対する不満の源だ」

 「資本主義についていえば、過去数十年間にわたるグローバリゼーションと技術革新の結果、生み出されたものは格差だけだったという点があげられる。この問題と向き合わなければならない。政治の世界において、我々はもっと普通の市民に意味ある発言をしてもらう方法を見つけなければならない。経済の世界では、グローバリゼーションと技術革新がもたらす利益を広く共有できる術を見いだす必要がある」

 ――そういう観点で見れば、「トランプ政権」の誕生はある種の「社会革命」ともいえますね。

 「その通りだ。ブレグジット(英国による欧州連合離脱)も全く同じ構造だ。部分的には経済上の問題だが、実は社会的、そして文化的な反発が背景にはある。その反発とはつまり、エリート階層が普通の人たちを見下している、ということだ」

 ――そうした不満、怒りに基づく「トランプ現象」を解消するには何が必要ですか。

 「格差の問題は昨年、突然、表面化したわけではない。過去20年以上、我々はその問題を提起してきたが、本来、労働者に寄り添うはずの民主党がプロフェッショナルな階層や、ウォール街に近づいてしまった。この結果、民主党は普通の労働者から遠ざかってしまった」

 「米国ではこれまで、格差について人々はあまり心配していなかった。我々はいずれ上向くという信念があったからだ。貧しい出であっても、のし上がることはできる。それこそ、アメリカンドリームなのだ」

 「しかし、今、そうしたケースが急速に減っている。今は米国において、貧しい生まれなら、その7割は中間層にすら上がることができない。上位20%の層に入る率はわずかに4%だ。上位の層に上がる率は今や、米国よりも欧州の方が上だ。これはアメリカンドリームの危機といえる。もし、子供たちに『格差のことは心配しなくても、君たちはのし上がることができる』と言えなくなれば、もっと平等や団結といったことに注意を払わなければならなくなる」

 ――そうした風潮はポピュリズムだけでなくナショナリズムもあおりますね。

 「それこそ、私が最も心配することだ。民主主義を再活性化し、資本主義とグローバリゼーションの関係性を向上させ、上位の人間だけではなく、すべての人が利益を享受できるようにできなければ、重大な危機が訪れる。極端なナショナリズムや耐えがたいポピュリズムが人々をさらに魅了するだろう」

 ――トランプ氏による勝利は色々な意味を含有しているということですね。

 「トランプ氏がこれらの問題を解決するような、建設的な改革を主導するとは思えない。民主党だけでなく、共和党も含め、両党の責任ある指導者たちがこのショックによって、彼ら自身の政党のプラットホームを再定義する機会とすべきだと思う。人々が募らせている無力感、正当な不満を責任ある両党、責任ある指導者が理解し、市民の声により多くの耳を傾けることこそが必要なのだ」

■権力監視は報道の責務

 ――米国の民主主義と政治の将来はどうなるのでしょう。

 「民主主義、そして言論の自由の将来には懸念を覚えている。まず、言論の自由についてはメディアを取り巻く環境が変わり、ソーシャルメディアの台頭によって真実と間違った情報の区別がとても難しくなっている。多くの米国人、特に若者はニューヨーク・タイムズ紙から情報を得なくなっている。彼らはテレビでもなく、ソーシャルメディアからニュースを得ている。あるいは深夜のコメディー番組から得ている。多くの人たちが信頼性のあるニュース源を持てなくなれば、それは意味のある政治の議論に結びつかず、かつ、メディアの分裂、崩壊にもつながる」

 「極端なナショナリズムと全体主義的な政治の出現は言論の自由にとって、もっと厄介だ。人々が民主主義や既存の組織に不満を抱けば抱くほど、彼らは『強い人』や、独裁者を求める。ロシアのプーチン氏、トルコのエルドアン氏などはその例だ。選挙期間中のトランプ氏もメディアを攻撃していた」

 ――選挙後も同じです。

「もし、自分たちにとって不公平な報道があれば、ニューヨーク・タイムズ紙のような新聞を訴えやすくするように名誉毀損に関する法律を変えるとまでトランプ氏は言っている。これらの動きがチェックされないまま、多くの時間が過ぎれば、それは言論の自由に対する脅威となる」

 ――メディアの側にも問題はありますね。

 「トランプ氏は名誉毀損に関する法律を改正できないと思うが、一方でメディアも本来の役割を十分、果たしてはいない。なぜなら、センセーショナリズムとセレブ中心の政治にばかりに目をやっているからだ。予備選段階で、トランプ氏がテレビに出演したことで実質的に手にしたお金は実に20億ドルにもなる。なぜなら、彼はいつも(放映中に)暴言を吐き、それが視聴率を上げたからだ。しかし、それは大統領選に関して、責任ある報道方法とはいえない。エンターテインメントか、暴言を見るためのものにすぎないからだ。民主主義の未来も責任あるニュース源とメディアの報道姿勢にかかっている」

 「正義と不正義、平等と不平等に関するまっとうな不平、不満はいつの世にも存在し、市井の人々は自分たちがどのようにして治められているのかについて、意味ある意見を持っている。これらの問題について、主流派の政党はきちんと仕事をしてこなかった。彼らは人々の怒りと不満を理解していなかったのだ」

 「(トランプ政権の誕生について)単に『これは恐怖心からのものだ』とか、『無視しなければならない』と言うのは間違いだ。耐えがたいもの、そして、排外主義には徹底して戦っていくことが重要だ。同時に過去20年以上にもわたって積み上げられてきた正当な不満を解消するため、より建設的な代替案を提供していくことが大切だ」

 ――民主党は反ウォール街を標榜するエリザベス・ウォーレン上院議員ら左派が主導権を握り、左傾化が進むのですか。

 「米国の政治システムの将来には懸念を覚えている。米国における二大政党制の将来はひとえに両党が普通の人々(の要望)にどのように応じるのか、ということについて再度、自らを作り直せるかどうかにかかっている。それは選挙活動においてお金の力に負けないことを意味している」

 「共和党は大統領だけでなく、上下両院、そして多くの州知事のポジションもコントロールする。やがて最高裁判所においても多数派を占める。一つの政党がすべての部門(行政府、司法、立法)において連邦レベル、そして州単位でも多数派となることは初めてのことだ。それゆえ、共和党が自らを再定義することは難しい。彼らの未来はひとえにトランプ氏が成功するか否かにかかっている」

 Michael J. Sandel 専門は政治哲学。個人の権利を絶対的に重視する米国の伝統的なリベラリズムとは一線を画し、この分野の大家だったジョン・ロールズ・ハーバード大教授の「正義論」を批判したことで一躍脚光を浴びた。共同体(コミュニティー)の価値を重んじるコミュニタリアニズム(共同体主義)の提唱者としても知られる。
 ハーバードの新入生を対象にした「正義」の講座では教室の学生たちと対話を通じて、共通の見解を模索するユニークな授業スタイルが人気となり、日本でも「白熱教室」として話題となった。著書に「公共哲学」「これからの『正義』の話をしよう」「それをお金で買いますか」などがある。1953年生まれ、63歳。

◇     ◇

〈聞き手から〉「民主主義2.0」  トランプ現象が試金石


 「民主主義は最悪の政治形態である。ただ、これまで試されてきた、いかなる政治制度を除けば……」。英国の宰相、ウィンストン・チャーチルが言い残した名言の真意は、独裁主義や共産主義、社会主義や軍国主義よりも民主主義は優れているということだ。同時に、チャーチルが言うように民主主義も決して完璧ではない。だからこそ、人類社会は日々、丹念にこの社会システムを守り、精査し、向上させなければならない。

 トランプ米政権の発足は一見すると、そうした動きに逆行するかのようでもある。しかし、グローバリゼーションと技術革新が進み、「民主主義2.0」とも呼ぶべき、新たなステージに先進民主主義の各国が足を踏み入れた今、「トランプ現象」は米国を実験場として民主主義が更に一皮むけるための試練、あるいは節目と捉えることもできるのではないだろうか。

 8年前、日本もすでに「和製トランプ現象」で政権交代を体験している。そこから我々は何を学び、何を学んでいないのか。市井の声に心の耳を傾ける真の政治と、浅薄な大衆迎合の政治を見極める心眼が我々一人一人に今ほど求められている時はない。

(編集委員 春原剛)

[日経新聞1月22日朝刊P.11]



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/587.html

[国際17] トランプ氏が支配層というのは言わずもがなの話:バーニー・サンダース氏だってロジカルには支配層側の人間

 昨年の米国大統領選は、ヒラリーさんとではなく、バーニー・サンダース氏とトランプ氏の闘いを願っていた。
 中間層の零落と貧困層の困窮が進むなか、確固たる革命勢力がない米国(世界中どこにもないが)で、そのような状況を少しでも“改善”する方策はなにかを考える良い機会になると思ったからだ。

 結論的に言えば、10%の富裕層・高額所得層を除く、中間層以下の深刻な経済的苦境を少しでも“改善”するとしたら、サンダース氏の政策よりもトランプ氏の政策である。

 「格差縮小」ではなく中間層・貧困層の所得レベル引き上げこそが重要であり、「高額所得者増税」ではなく金持ちを含む包括的減税のほうが、雀の涙かもしれないが貧困層にも経済的恩恵が及ぶ。
また、福祉(施し)ではなく、家族を養えるだけの稼ぎが得られる仕事を用意しろというのがトランプ支持者の思いである。

 サンダース氏が主張するような「大学やコミュニティカレッジなどの無償化」は優先課題ではない。
 誰もが高等教育への進学を望んでいるわけではなく、高等教育卒業後の果実は個人の手に入るものだから、不公平な政策である。
 また、今後は、従来的高等教育を卒業しても、それにふさわしい職業や職種さらには収入を得られる人は限られてしまうだろう。

 高等教育のあり方やコスト(学費)低減方法を考え、将来の稼ぎで無理なく返済できるレベルの無利子の奨学金で卒業できる環境を整えることが課題である。
 さらに言えば、高等教育を受けなくても家族を養っていけるレベルの収入が得られるシステム(職業教育と職場)の創出こそが鍵である。


 トランプ氏がダメな根拠が、

 「トランプが反エスタブリッシュメントだなんておよそありえない。就任演説で、トランプは支配層に立ち向かうだとか、労働者のために立ち上がるなどと話した。

 ところが、就任式の彼のすぐ後ろのVIP席には大企業の支配者たちがいて、閣僚候補たちは何百億ドルもの資産を持つ者たちだった。」

 というのではあまりに低レベルである。

 そんな当たり前の情景描写でケチを付けるのではなく、トランプ氏の政策では中間層も貧困層も、生活が良くならないか悪化してしまうという説明が必要なのである。


 支配層が支配層として長期にわたって存在できるためには、一定レベルで社会の統合と安定が維持できていなければならない。

 トランプ氏は、行き詰まった米国社会の“世直し”のため、支配層によって選ばれた大統領と考えると彼の政策とその意図が見えてくる。

 トランプ政権の“世直し”政策が支配層の身を削るかたちでなければ、支配層もケチは付けない。

 民主社会主義者を自称するバーニー・サンダース氏だって、その政策で世の中の安定と統合が維持され支配層も存続できるわけだから(トランプ氏と違って支配層は身を削られることになるが)、ロジカルには支配層側の人間と言える。



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/588.html

[国際17] トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性

 トランプ関連の話になるとウンザリするほど悪意的にねじ曲げた報道がなされるので、これからの世界と日本を考える人なら、報道で使われる形容句や表面的な説明に押し流されることなく、トランプ政権の意図や政策の内実をきちんと把握する必要がある。

 今のところメキシコをダシに使った説明になっているが、トランプ米国が打ち出した「20%国境(調整)税」が物議を醸している。

 「20%国境税」という話が出る前から、トランプ氏は、米国からメキシコに生産拠点を移した企業が製品を米国に輸出する際には35%、為替操作を行っている中国の製品には45%を課税するなどと主張してきた。

 今回の「20%国境税」は、メキシコ“など”の貿易赤字国と説明しているように、特定個別の国を対象とした政策ではない。

 今のところは国民向けにわかりやすく、トランプ氏が公約を実行しているという印象を与えるためにも、赤字国(米国から利益や仕事を奪っている国という認定)向けという限定性のある説明を行っているが、「国境調整税」の対象が貿易赤字国というWTO的に実施できないような話は徐々に消えていくだろう。

 まず、タイトルに書いたように、トランプ米国連邦政府が「20%国境税」を主張することは、正当であり、国際的公平性に適っている。

 国境調整税が20%という値になっていることは、意味深というかわかりやすい。というのは、20%という値は、EU諸国の平均的付加価値税率に相当するからである。

(米国で州税として代表的な小売売上税は、国境措置がない物品税で付加価値税(消費税)とは別もの)

 国民は、消費税(付加価値税)の仕組みや目的について、長期にわたって政府や学者そしてメディアからウソやゴマカシの説明を受けてきたが、付加価値税(消費税)が「名称を変えた関税」でもあることを知れば、トランプ政権が打ち出した「国境調整税」の正当性も理解できる。

 たとえば、日本と米国の乗用車向け輸入関税については、日本ゼロ%・米国2.5%で、米国のほうが“優位”といった説明もされているが、消費税を含む関税的要素をすべて考えれば、「日本8%、米国2.5%」となり、日本の関税障壁のほうがずっと高いことになる。

 オモテの自動車関税が10%であるEU諸国を含めて比較すると、「EU約30%、日本8%、米国2.5%」という関税障壁の違いになる。
(EUは自動車関税10%+加盟各国付加価値税税率。メキシコの付加価値税税率は16%、米国からメキシコへの輸出は関税ゼロ)

 この比較を考えれば、トランプ政権が「20%の国境調整税」を持ち出すのも理解できるだろう。20%を足せば、「EU約30%、日本8%、米国22.5%」で、日本よりずっと優位になるが、EUに対してはなお低い関税障壁である。
(これは、日本が、「国境調整税」について堂々と交渉できることを意味する)

 さらに言えば、付加価値税(消費税)として輸入段階で課された税金は、輸出も行っているグローバル企業であれば、その負担をクリアすることができる。
 日本でも一部の車が逆輸入されているが、自動車メーカーは輸出を行っているので、輸入段階で支払った“関税”(消費税)は、「輸出免税」(輸出0%課税)制度のなかで還付される。

(たとえば日産がメキシコから完成車を輸入する際に支払う税金は、古典的な関税なら戻ってこない。また、付加価値税制度がない国から付加価値税施行国に輸出する企業にとって、国境で課される付加価値税は関税とまったく同じ負荷となる)

 これまで消費税増税問題に関する投稿で何度も説明してきたが、消費税は、財政健全化や社会保障原資とはまったく無関係(消費税はそのような目的を実現するものとしては非効率で不合理な税制)であり、グローバル企業(世界各地に生産・販売拠点を持ち輸出・輸入の両方を大規模に行っている企業)の国際競争力や財務基盤を強化するためのものである。

 このような背景から、グローバル企業は、より自己に有利な税制を求めて、関税よりも付加価値税(消費税)、法人税よりも付加価値税(消費税)を追求するようになる。

 トランプ自身もそれを狙っているというかキャラ的にそうなるのかもしれないが、「国境調整税」は、トランプという変なオッサンがまたまた身勝手で異様な政策を打ち出したといって済むものではないことは押さえておく必要がある。

 このような話は、日本を含む統治機構の官僚やグローバル企業の経営者たちそして付加価値税や消費税に関する嘘やごまかしの説明に荷担してきた主要メディアの幹部や記者はわかっている。(わかっているからこそ、「国境調整税」が付加価値税制度に影響を与えるのではないかと内心怯えている)

 欧州や日本などの付加価値税制度から米国の投資家も利益を得ている(参照A)ので、今回の「20%国境税」もそのまま実施されるかどうかは未定だが、反付加価値税(反消費税)の立場としては、トランプ政権に頑張ってもらい、“悪魔の税制”である付加価値税(消費税)が廃絶されるきっかけをつくって欲しいと願っている。


 「トランプ米国の「20%国境税」 2」以降で、この問題をもう少し掘り下げて説明したいと考えている。


※参照投稿

(参照A)

「米国支配層が輸出企業向け“リベート”税制と知りながら付加価値税(消費税)を放置するワケ」
http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/682.html

(その他参照)

「E:消費税増税の目的は、「社会保障」や「財政再建」ではなく、「国際競争力の回復」である:付加価値税と“国際関係”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/400.html

「安倍首相(財務省)が消費税増税を延期するワケ(その1)」
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/757.html

「安倍首相(財務省)が消費税増税を延期するワケ(その2)5兆円規模の「経済対策」や2兆円規模の「法人減税」の有効性」
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/770.html

「消費税増税政策(その3):消費税増税後の日本の姿」
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/780.html

「[その4]消費税論議で駆使される嘘やマヤカシは“消費税特権者”を守護する粉飾:経団連が消費税増税を求める真の理由」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/300.html

「[その5の補足]米国型「売上税」と「消費税」:米国で考えられている「法人付加価値税」(BAT)とは何?」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/316.html

「「軽減税率制度」は、低所得者向け対策ではなく、「輸出戻し税」制度と同じ特定企業に利益を供与する仕組み」
http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/684.html

「経済連携協定、TPPと同待遇を EU、日本に要求へ:それがベースになるのなら、消費税税率は20%に向けまっしぐら」
http://www.asyura2.com/13/senkyo155/msg/296.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html

[政治・選挙・NHK219] トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性
※本文投稿先

「トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html


 日本と米国の乗用車向け輸入関税について、日本ゼロ%・米国2.5%で、米国のほうが“優位”といった説明がされている。

 しかし、消費税を含む関税的要素をすべて考えれば、「日本8%、米国2.5%」となり、日本の関税障壁のほうがずっと高い。

 オモテの自動車関税が10%であるEU諸国を含めて比較すると、「EU約30%、日本8%、米国2.5%」という関税障壁の違いになる。

(EUは自動車関税10%+加盟各国付加価値税税率。メキシコの付加価値税税率は16%、米国からメキシコへの輸出は関税ゼロ)

 この比較を考えれば、トランプ政権が「20%の国境調整税」を持ち出すのも理解できるだろう。国境調整の20%を足せば、「EU約30%、日本8%、米国22.5%」で、日本よりずっと優位になるが、EUに対してはなお低い関税障壁である。
(これは、日本が、「国境調整税」について、堂々と交渉できることを意味する)

※関連参照投稿

「トランプ氏が支配層というのは言わずもがなの話:バーニー・サンダース氏だってロジカルには支配層側の人間」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/588.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/751.html

[政治・選挙・NHK219] 「共謀罪」法案なぜ執着? 政府「国際条約締結に必要」 情報収集力強化の狙いも:反支配層風潮への世界レベルでの対応

[Q&A]「共謀罪」法案なぜ執着? 政府「国際条約締結に必要」 情報収集力強化の狙いも

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が今国会の与野党の論戦の焦点になってきた。テロなどの犯罪を実行前の計画段階で処罰できるようにするのが柱で、2000年代に「共謀罪」の名称で3度も国会で廃案になっている。政府が法改正にこだわる理由はなぜか。主な論点を整理した。


 Q 「計画段階で処罰」ということは、頭の中で計画を練っただけで犯罪になるのか。

 A 過去の「共謀罪」法案の審議ではその懸念が指摘されていた。「団体の活動として重大犯罪を共謀した者」が処罰対象とされ、解釈次第では友人同士で集まって冗談で暴力行為を合意しただけで逮捕されかねない、などと心配する声があった。

 犯罪を合意したかどうかという「心の中」が広く処罰の対象になれば、例えばサラリーマンの居酒屋談議でも「大勢の部下の前で面罵した上司をぶん殴ってやろう」などと、うかうか言えなくなってしまうとの懸念が広がっていた。

■対象犯罪は大幅減

 Q そうした懸念はもうないのか。

 A 今回は処罰対象を「組織的犯罪集団」と明記し、友人同士のサークルや市民団体、労働組合は処罰対象にならないと法務省は説明している。資金の確保など「準備行為」も要件に加え、対象犯罪も原案の676から300程度まで減らし、市民への捜査が強まることに歯止めをかけることを検討している。

 Q 現在の法体系ではテロを準備段階から阻止できないのか。

 A 一概には言えない。刑法などで、すでに内乱や放火、殺人などには「陰謀罪」や「予備罪」があり、大抵のテロ行為について準備段階でテロリストを逮捕できる権限は与えられている。犯罪者の取り締まりの面で、喫緊に対応しなければいけない法整備があるのかは専門家や警察当局の間でも解釈の分かれるところだ。

 Q それではなぜ、ここまで制定にこだわるのか。

 A 情報収集などをしやすくする狙いもあるようだ。日本は世界187カ国・地域が入る国際組織犯罪防止条約(TOC条約)をまだ締結していない。外務省の説明では、条約に入るには共謀罪などが整備されていることが条件になっているためだ。

 Q この条約に入ると、どんな情報が手に入るのか。

 A 条約を締結すれば実質的に組織犯罪に関する情報協力を惜しまないという枠組みに入ることになるという。条約の未締結国とは捜査やテロに関する情報提供の協力ができないと主張する国もあるそうだ。

■外務省解釈に立脚

 Q この条約に入る条件として「共謀罪」が必要なのか。

 A 法務省は人身売買など予備罪の規定がないケースもあり、この穴を埋める必要があると説明している。ただ条約締結には審査があるわけではなく、187カ国・地域のすべてに日本が法整備をめざす水準の「共謀罪」があるのか、政府は必ずしも明確に示してはいない。

 政府の説明は外務省の条約解釈に立脚しているとされる。民進党の一部がこの解釈を疑問視しており「共謀罪を新設しなくても条約を結べる」とみている。政府は過去3回廃案になった法案審議で共謀罪の必要性を繰り返してきた。それだけに新たな立法措置をせずにTOC条約を結ぶという方針に転換すれば、過去の答弁との整合性が問われるため、なかなか旗を降ろしにくいという事情もありそうだ。

 Q それでも政府は通常国会の会期中の成立にこだわるのか。

 A 安倍晋三首相は5月にイタリアで開催される主要7カ国(G7)首脳会議までに成立にメドをつけたいようだ。偶然にも、TOC条約が2000年に国連で署名された場所は、イタリアのパレルモだった。

[日経新聞1月23日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/773.html

[国際17] 米軍が債権者に敗れる日:10年後には歳出で利払い費が国防費を超えてしまう米国

 1兆ドル公共投資など歳出増大をものともしないトランプ氏が大統領に選ばれてしまうのを放置した背景にはこういう問題もあったのかも...

 従来的共和党(共和党主流派)のような“財政均衡主義”的スタンスでは二進も三進もいかなくなるからね。

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[核心]米軍が債権者に敗れる日
成長策、覇権維持を左右 編集委員 梶原誠


 20日、米大統領に就任したトランプ氏は昨年11月の当選以降、ロッキード・マーチンをはじめとする米軍需関連企業の株価を振り回してきた。


 国防強化を掲げる同氏が選挙を制した後、株価は急騰を重ねた。だが12月、同氏が大統領専用機エアフォースワンや、最新鋭ステルス戦闘機F35の価格を「高すぎる」と批判したのをきっかけに急落に転じ、方向感を失った。

 ウォール街には今、不安が渦巻いている。「財政的な制約で、国防費が増やせないのでは」と。

 トランプ氏は選挙戦を通じ、米軍の駐留費の肩代わりを駐留先の日本、ドイツ、韓国に求めた。外国の紛争への関与を「米国は世界の警官ではない」と避ける姿勢も示している。

 米国の台所事情は確かに厳しい。米議会予算局(CBO)によると、社会保障費などの増大で債務が2016年からの10年間で64%増え、年間の利払いは2.9倍に膨れる。国防費の24%増をはるかに上回るペースだ。

 歳入に占める利払いと国防費の割合、つまり両者による予算の「奪い合い」をグラフ化すると、ウォール街の不安は真実味を増す。利払いが増える分、国防費への配分率が削られ、26年には肩を並べる。

 象徴的なのが、翌27年にも予想される事態だ。利払いが国防費を上回る。大統領や議会にしてみれば、債権者の方が軍隊より支出先として大きな存在になる。

 利払いと異なり、国防費は政府や議会が動かすことができる「裁量的支出」だ。債権者が「利払いのために、国防費を削減すべきだ」とワシントンに迫れば、軍事力を背景にした米国の覇権は揺らぐ。

 米軍が債権者に敗れる日。こんな悪夢を7年前、米軍の最高幹部が警告していた。

 「我が国の安全保障上、唯一最大の脅威は債務だ」。10年、当時の統合参謀本部議長、マイケル・マレン氏は語っている。巨額の利払いが続けば、肝心の北朝鮮にもテロにも対処できないからだ。

 「状況は悪化している」。同氏は今も危機感を強めている。債務は昨年までの6年間で5割以上も増えたもようだ。「このまま債務が制御できなければ、インフラにも教育にも安全保障にも十分にお金が使えない。米国はいずれ、別の国になってしまう」

 米国防費は年間約6000億ドルと、2位の中国以下10カ国の合計に匹敵する。紛争を押さえつけてきた強大な力が揺らげば世界は不安定になる。

 「これまでの経験上、大きな産油国で有事となれば、原油価格が1バレル120ドルぐらいには簡単に上昇する」。日本エネルギー経済研究所の豊田正和理事長は、中東における米国の「力の空白」を前提に、油価が現在の2倍以上になるリスクシナリオを描いている。

 原油の値動きは、ファンドなどの値ざやを狙う投機家が増幅してきた。主要な石油施設がテロなどに襲われるだけで価格は急騰し、日本やインドなど純輸入国の経済を傷つけるだろう。

 米国にとってやっかいなのは、影響力を増す債権者の上位に中国が名を連ねることだ。米国債の約40%は外国人が保有するが、このうち40%近くを日本と中国が分け合っている。中国は日本と異なり米国の同盟国ではない。

 09年、当時のクリントン国務長官が対中外交について「銀行を相手に強く出られるか?」と嘆いた――こんな逸話が翌年報じられて話題をさらった。

 実際、台湾や通商などを巡って米中の緊張が高まるたびに、中国による米国債の売却が取り沙汰されてきた。米国債の価格が急落すれば、米長期金利が急騰して米経済は傷つく。

 米中央情報局(CIA)は5年ほど前、米国債が中国に握られている問題を分析している。大きな脅威にはならないというのが結論だったという。

 当時のCIA長官で、トランプ政権の国務長官候補にもなったデビッド・ペトレアス氏は今も自信を見せる。「中国が米国債を売却しても、大勢の国家や機関投資家が喜んで買ってくれるはずだ」

 だがもっと注目すべきなのは、買ってくれる条件だ。「米経済が世界で最も強固である限り」。同氏はこうクギを刺す。

 だからこそトランプ政権の成長策は、米国が超大国としての地位を保つために重い意味を持つ。税収を増やし、財政が健全であると市場に信じてもらう必要がある。そうすれば米国債が売られても新たな買い手が吸収する。金利も抑制され、利払いも軽くなり、マレン氏が危惧する様々な投資も可能になる。

 「Gゼロ」という言葉が流行したように、長期的には米国1強の時代も終わるだろう。トランプ政権が、中国をはじめ今後大国の仲間入りする国々と平和的な外交関係を築けるかは、世界の安定を左右する。

 だが、市場は軟着陸を許さないかもしれない。投資家が米国の成長を見限れば、米国債の買い手はいなくなり金利が跳ね上がる。利払いは一段と膨らんで国防費を侵食し、債権者が米軍を倒す日も早まる。

 新政権の成長策、「トランプノミクス」がいよいよ動き出した。それは、世界の地政学リスクの変数でもある。

[日経新聞1月23日朝刊P.7]


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/606.html

[国際17] トランプ大統領は「国民皆保険」志向、ビル・クリントン元大統領も「オバマケア」を最悪の医療保険制度と批判

 「医療保険の国民皆保険」がほんとうに望ましいものなのかは別の機会で触れるとして...

 オバマ氏のリベラリズム的理念でつくられた「オバマケア」は、空虚な福祉政策に成り下がっている。
 米国民の20%ほどに相当する人たちが加入した「オバマケア」の保険料を支払うと生活できないほどの高負担で、カバーしてもらえる医療範囲も狭い(歯科治療はダメとか)のである。

 その保険料も今年は平均で25%アップし、州によっては保険料が2倍になるところもある。

 トランプ関連報道はねじ曲げられる傾向が強いのでほとんど報道されていないが、大統領選投票日直前の10月末、ビル・クリントン大統領さえ、ヒラリーさん向け応援演説で、「オバマケアは最悪の医療保険」と批判している。

 トランプ氏は、初の記者会見で、自動車の生産拠点と並んで医薬品価格の高さを標的にしたように、同じ薬品の価格がカナダの3倍から6倍と言われる米国の異常な状況を改善したいと考えている。
 そして、オバマケアより負担が少なくより多くの人が加入できる医療保険制度を考えている。

 民主社会主義者のサンダース氏は、「オバマケア」の維持ではなく、その改革を主張しなければならないはずである。


※ 参照投稿

「連邦政府機関閉鎖の原因ともなった「オバマケア」の内実:連邦政府が医療保険会社の商品を“押し売り”するという稀代の悪政」
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/872.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/607.html

[原発・フッ素47] 「10年間だけで2000億円」 核燃サイクル施設 膨らむ廃止費用

「10年間だけで2000億円」 核燃サイクル施設 膨らむ廃止費用
前例なく手探り/維持管理に負担


 核燃料サイクル施設の解体・廃止にかかる膨大な費用をどうするのか。日本原子力研究開発機構や政府の試算では、東海再処理施設(茨城県)と高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)でいずれも2000億円を超し、商用の原子力発電所の数倍になる見通しだ。上振れする可能性もあり、核燃料サイクル政策を巡る議論に発展しかねない。


東海再処理施設の廃止には70年かかる見通し=原子力機構提供

 「いま言えるのは最初の10年間に2000億円は必要ということだけだ」。11日に開かれた原子力規制委員会の田中俊一委員長らとの会談後、原子力機構の児玉敏雄理事長は東海再処理施設の廃止について報道陣にこう語った。

 同施設は原子力発電所から出る使用済み核燃料を再処理する目的で、1981年に運転を始めた。すでに再処理は終えており、廃止が決まっている。廃止計画を規制委から求められ、費用について最初の10年で約2170億円と算出した。作業期間は70年だが、総額は出せていない。児玉理事長は「いろいろな仮定があって難しい」と話す。

 商用原発の廃炉費用は出力100万キロワット級の大型でも560億〜約830億円だ。東海再処理施設は試算していない60年分の作業でさらに膨大な費用がかさむ。

 原発は部品や設備の多くが共通化しており、解体作業の手順も定まっている。放射性物質に汚染される場所も原子炉の周辺などに限られる。

 一方、東海再処理施設には約30の建物があり、部品や設備は特注品が多い。海外でも前例はほぼなく、解体法や除染の手順などは手探りの状況だ。バックエンド研究開発部門の小林健太郎部長は「どの技術をどこで使い、どう組み合わせるかが問題」と話す。再処理の工程で放射性物質が通る施設も多く、除染に必要な範囲も広くなる。

 維持管理費も大きく、廃止費用の大部分を占める。例えば、再処理した後に残る放射線量の高い廃液は400トンある。管理を誤ると発熱して爆発するため、特殊な方法で冷却する必要がある。

 昨年末に廃炉が決まったもんじゅについて、文部科学省は30年で3750億円以上と試算した。維持管理費は2250億円にのぼる。この維持管理費は順調に作業が進むと仮定し、今の年間の維持費200億円からはじいている。担当者は「厳密な試算とはいえない」と明かす。

 トラブルが起きれば、期間は延び、費用も膨らむ。東海再処理施設では、高放射線量の廃液処理を昨年1月に再開したが、機器のトラブルが相次ぎ、3カ月で中断した。もんじゅは原子炉の冷却材に通常の原発と違って水ではなくナトリウムを使う。空気や水に触れると爆発するため、廃炉でも大きなリスクとなる。

 処理後の放射性廃棄物の処分場もリスク要因だ。原子力バックエンド推進センターの渋谷進専務理事は「処分場が見つからなければ、期間と費用は跳ね上がる」と話す。

 稼働が遅れている青森県六ケ所村の再処理工場でも同様の懸念がある。電気事業連合会が2003年に廃止費用を1兆6100億円と試算した。維持管理費は全体の3割ほどと見積もっているが、廃止する2施設の例をみると、さらに膨らむ可能性が高い。

 核燃料サイクルについて採算性を問う声はこれまでにもあった。だが、政府は事業の意義や技術の継承などを理由に、今後も政策を堅持する方針だ。ただ、関連施設の廃止費用が膨らみ続ければ、国民の理解は得にくくなる。

(安倍大資、松添亮甫)

核燃料サイクル政策とは

 ▼核燃料サイクル政策 原発の使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムやウランを再び燃料として利用する国の計画。関連施設には、再処理施設やその燃料を加工する工場、高速増殖炉がある。普通の原発で燃やす「プルサーマル」方式もある。
フォームの終わり

[日経新聞1月23日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/387.html

[社会問題9] 進学格差、是正へ前進  給付型奨学金 17年度から

進学格差、是正へ前進
給付型奨学金 17年度から 小林雅之 東京大学教授

 公的な給付型奨学金制度の創設が決まり、2017年度から一部が先行実施される。制度創設に関わった小林雅之東京大学教授に寄稿してもらった。

 奨学金制度が大きな変革期を迎えている。

 政府は2016年末に返済不要の公的な給付型奨学金制度の創設を閣議決定した。対象は住民税非課税世帯の1学年2万人で、進学先や下宿の有無に応じて月額2万〜4万円を給付する。一部は17年度に先行実施するが、本格実施は18年度以降で約217億円の予算規模となる見込みだ。

 新制度には給付額や給付対象が少なすぎるという批判もある。しかし、主要国で公的な給付型奨学金がないのは日本とアイスランドだけという現状を考えると、物足りなさは残るものの極めて大きな前進といえる。

 さらに、18年度から日本学生支援機構(JASSO)が所得に応じた返還額(最低月額2千円)となる「所得連動返還型無利子奨学金」を導入する。約48万人が対象になるので、将来の返済に対する学生の不安はかなり軽減されるであろう。

 なぜ今、奨学金の制度改革なのだろうか。

 日本の公的な奨学金制度は1943年の大日本育英会創設に始まる。以来、日本育英会、日本学生支援機構と名称は変わっても、ほとんど大きな制度改革はなかった。
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 しかし、この間、奨学金制度を巡る社会経済的状況は大きく変化した。

 第1は高等教育のマス化である。創設当時の大学進学率は1桁で大学生はエリートだった。それが現在は50%を超え、高等専門学校や専門学校を合わせると高等教育進学率は8割近い。

 こうした変化にもかかわらず、奨学金は一貫して貸与型で受給基準はほとんど変わらず、単に量的拡大をしてきただけであった。99年に約10万人だった大学第2種奨学生(有利子奨学金)は、14年には約70万人に拡大した。

このため、奨学金は経済的困窮かつ業績優秀な者に教育機会を提供するという役割だけでなく、中低所得層の教育費負担軽減という役割が大きくなっている。

 第2は格差の拡大である。近年、経済的な格差の拡大が深刻な社会問題となり、それが進学格差につながっている。私たちの調査(12年)では年収400万円未満の低所得層の大学進学率は約28%にとどまるのに対し、年収1050万円以上の高所得層では約63%と2倍以上の格差がある。

 意欲も学力もある者が進学できないのは、本人にとって損失だが、社会にとっても損失だ。教育機会の格差や経済格差を是正し、貧困の連鎖を断ち切るためにも、奨学金とりわけ給付型奨学金が必要なのである。

 第3は労働市場の変化である。かつて大卒労働市場は終身雇用制度で奨学金返還はそれほど困難ではなかった。だが、現在は大卒者の3人に1人が3年以内に離職、あるいは非正規雇用という不安定な雇用状況にある。奨学金返還が困難になり滞納者が増えている。

 このように従来のJASSO奨学金は基本的にエリート時代の育英主義のままであり、高等教育のマス段階への対応が不可避だったのである。

 ただ、公的な学生への経済的支援、とりわけ給付型奨学金の創設には、批判や反対論も根強い。筆者のみるところ、異なる評価の背景には教育、特に高等教育に対する考え方の相違がある。
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 一つは、高等教育のコストは誰が負担すべきかという考え方の相違である。日本では教育は親や家族の責任という考え方が極めて強い。これが教育費は家計で負担すべきだという負担観に結びつき、そのコインの裏側として高等教育費の公的負担が少ない。経済協力開発機構(OECD)によれば日本の高等教育費の家計負担はチリに次いで重い。対極にあるのが、教育は社会的に重要であり社会が支えるべきだという公的負担論である。

 もう一つは、教育を投資とみるか、消費あるいは福祉とみるかという相違である。後者の立場に立てば、給付型奨学金は低所得層対策であり、所得の再分配政策である。一方、教育を投資としてみると、所得と学力の相関が極めて高いために、低所得層の教育の効果は薄く、給付型奨学金はばらまきで無駄という意見につながりかねない。

 こうした批判や反対論に対して、これまで政府も大学も学費・授業料の減免や奨学金の経済効果、休学・中退防止効果を必ずしも明確に把握してこなかった。政府や大学は奨学金が持つ社会的・経済的効果を明らかにする必要がある。

 奨学金を巡る議論は、学生支援という観点だけではなく、授業料減免や大学への補助のあり方の検討につながる。国立大学では運営費交付金が減少する一方で、授業料減免制度が04年度の約175億円から16年度には310億円へと大幅に拡充されたことはあまり知られていない。これは給付型奨学金とは別個の政策として進められてきた。

 そろそろ私立大学への国庫助成を含め、高等教育の公的負担のあり方を総合的に検証する時期に来ているのではないだろうか。機関補助と個人補助との組み合わせや、教育と研究の費用負担など高等教育財政のあり方の包括的な検討である。これは究極的には高等教育費の公的負担と私的負担のあり方を問う、つまり高等教育のコストを誰がどのように負担するかという議論にもつながる。

 2月からの次期中央教育審議会では高等教育のグランドデザインを検討する。高等教育費負担のあり方について議論が進むことを期待したい。

[日経新聞1月23日朝刊P.22]



http://www.asyura2.com/12/social9/msg/759.html

[医療崩壊5] 生活保護世帯に健康指導  検査結果から個別計画、医療扶助費削減狙う 厚労省方針

生活保護世帯に健康指導
検査結果から個別計画、医療扶助費削減狙う 厚労省方針

 生活保護受給者が糖尿病などの生活習慣病になったり重症化したりするのを防ぐため、厚生労働省は健康状態を把握し必要な支援を行う体制を作る。自治体の福祉事務所が医療機関の検査結果などから抽出したリスクの高いすべての人を個別計画に沿って生活改善を指導する。来年の国会に生活保護法の改正案を提出することも視野に入れている。


 生活保護を受けている世帯の医療費(医療扶助費)は全額が公的負担。厚労省によると、2014年度の国と地方を合わせた生活保護費の実績額は約3兆6700億円に上る。このうち医療扶助費が約1兆7200億円と46.9%を占め、削減が課題になっている。

 生活保護世帯の健康支援を巡っては現在、福祉事務所のケースワーカーが面談などを通じて生活習慣病を把握している。厚労省は対象者が一部にとどまっているとみて、福祉事務所が全員の健康状態を把握し、生活習慣病のリスクの高い受給者全員に生活改善を促していく方向で検討する。

 厚労省によると、福祉事務所はまず▽社会保険診療報酬支払基金の医療扶助のレセプト(診療報酬明細書)▽医療機関が保有する血液検査などの結果――といった情報の提供を受け、生活習慣病のリスクの高い人を割り出す。

 その上で、福祉事務所は喫煙や飲酒などの本人の生活の現状を踏まえた一人ひとりの支援計画を作成する。薬局との連携による服薬管理・指導、家庭訪問による生活指導、歩数計などを使った運動指導を行う。1年ごとに検査値の変化を確認し、支援を数年間続ける。

 厚労省は今年3月をめどに福祉事務所が行う生活保護受給者への健康支援の枠組みを決める。福祉事務所の負担が増すため、17年度に地方自治体と義務化するかどうかを協議する。制度化が決まれば18年の国会に生活保護法の改正案を提出する。

 厚労省によると、福祉事務所が人員不足で対応しきれない場合を想定し、民間に事業委託することを認める方針。外部の事業者が一定のルールに沿って個別の支援計画を作成できるようにマニュアルの作成を検討していく。

[日経新聞1月23日朝刊P.34]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/503.html

[国際17] 米ロ首脳電話会談 IS対応で一致 直接会談準備で合意:朝鮮半島問題も協議

米ロ首脳電話会談 IS対応で一致 直接会談準備で合意[NHK]
1月29日 6時52分

アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領が、トランプ氏の就任後初めて電話で会談し、過激派組織IS=イスラミックステートなどテロ組織の壊滅に向けて、両国が協力して具体的な対応をとることで一致したほか、直接会談の実現に向けて準備を始めることでも合意し、米ロともに関係改善に向けたよい出発点になったと評価しています。

トランプ大統領とプーチン大統領は28日、トランプ氏の就任後初めて電話で会談しました。

ホワイトハウスは、会談はおよそ1時間にわたって行われ、「シリアをはじめ、世界で平和を実現するための協力について話し合った」としています。

また、ロシア大統領府は、両首脳がテロとの戦いに向けた協力が優先課題だとして、シリアでの過激派組織ISなどテロ組織の壊滅に向け協力して具体的な対応をとることで一致したとしています。
そして、ウクライナ情勢やイランの核開発問題、それに朝鮮半島の問題などでも協力するとしています。

そのうえで両首脳は、直接会談の実現に向け、時期や場所の選定などの準備を始めることで合意したということです。

今回の電話会談について、ホワイトハウスは「米ロ両国の関係改善に向けて重要な出発点になった」としており、ロシア側も「中身のある対話が行われた」とするなど、米ロともに関係改善に向けたよい出発点になったと評価しています。

米ロ関係をめぐっては、アメリカ国内では、去年の大統領選挙にロシアが干渉したとされる問題を受けて、共和党や閣僚候補から警戒感も示されていて、トランプ大統領のもとで米ロ関係の改善が進むのかが、焦点となっています。

ロシア側は関係改善に期待

電話会談について、ロシア側は高く評価するとともに、米ソ冷戦後最悪と言われる両国関係の改善に期待を示しています。

ロシア大統領府によりますと、両首脳は電話会談で、「建設的かつ対等な立場で相互利益の原則にもとづいて、両国の協力関係を安定して発展させることに関心を示した」としています。

そのうえで、シリアでの過激派組織IS=イスラミックステートの壊滅をはじめ、ウクライナやパレスチナの情勢、イランや北朝鮮との核をめぐる対立など、さまざまな国際問題で協力していくとしています。

さらに、プーチン大統領は、ロシアが、アメリカの独立後200年以上にわたって、その立場を支持し、2つの世界大戦では、同盟関係にあったと指摘して、「国際テロとの戦いでもアメリカを最も重要なパートナーと見なしている」と伝えたということです。

電話会談では、ウクライナ情勢を受けたロシアに対する制裁については取り上げられなかったとしていますが、ロシアの上下両院の議会でそれぞれ対外関係を担当する委員会の代表は、今回の電話会談について「中身のある対話が行われた」とする評価や、ISに対して合同で軍事作戦を行うことへの期待を示しています。


米独でも電話会談 NATO重要性で一致

トランプ大統領は28日、ドイツのメルケル首相とも電話で会談しました。

ホワイトハウスとドイツ政府の発表によりますと、両首脳は、中東情勢やウクライナ情勢をふまえたロシアとの関係などについて、意見を交わしたということです。

また、トランプ大統領が「時代遅れの組織だ」と批判していたNATO=北大西洋条約機構について、両首脳は、北大西洋地域の平和と安定を確保するうえで重要だという認識で一致したということです。

そして、トランプ大統領は、ことし7月、ドイツのハンブルクで開かれる予定のG20サミットに出席するとしたうえで、メルケル首相の早期のワシントン訪問を楽しみにしていると伝えたということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170129/k10010856671000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_011



http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/615.html

[国際17] トランプ大統領 IS壊滅計画作成の大統領令に署名:これまでの欧米指導者たちと違い少しはまっとうな対応

 トランプ大統領は、選挙期間中に「ISはオバマ大統領やヒラリーたちがつくった」と語ったように“陰謀説”にも通じている。

 今回のIS壊滅計画作成大統領令も、単純な軍事的行動計画だけではなく、「インターネット上で過激な思想を広める動きをどのようにして遮断するか」と、これまで欧米各国の指導者たちがなぜか放置してきた問題に取り組むというまっとうな動きを見せている。


※関連参照投稿

「「イスラム国」流入止まらず 疎外された若者が「感化」:ISと共犯の欧米諸国:ネット遮断方法を中国に教えてもらったら(笑 )
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/183.html
日時 2015 年 2 月 27 日

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トランプ大統領 IS壊滅計画作成の大統領令に署名[NHK]
1月29日 7時40分

アメリカのトランプ大統領は、国防長官らに対して、過激派組織IS=イスラミックステートの壊滅に向けた計画を作成するよう命じる大統領令に署名しました。

アメリカのトランプ大統領は28日、ホワイトハウスで、政権の優先課題としているISを壊滅させるための計画をマティス国防長官らに作成するよう命じる大統領令に署名しました。

大統領令では、軍事作戦だけでなくインターネット上で過激な思想を広める動きをどのようにして遮断するかなど、包括的な計画を30日以内に提出するよう命じています。

このほかトランプ大統領は、大統領選挙の期間中から主張していた政府高官の倫理改革として、退職後の5年間は特定の利益のために政府関係者に働きかけを行ういわゆるロビー活動に関わらないよう宣誓することを命じる大統領令など、合わせて3つの大統領令に署名しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170129/k10010856691000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/616.html

[戦争b19] ずっと大きな政治的衝突:NATO駐在トルコ軍将兵約40名がドイツ政府に難民申請

 今朝NHKBS1で放送されたドイツ「ARDニュース」は、NATO駐在のトルコ軍将兵約40名がドイツ政府に難民申請したと報じた。
 亡命理由は、昨年のクーデタ未遂事件に関与していないが、トルコに帰国すると取り調べで拷問などを受ける可能性があるというもの。

 ドイツ与党は、この難民申請を認めるべきという立場。



http://www.asyura2.com/16/warb19/msg/585.html

[経世済民118] 米小売店、閉鎖相次ぐ ネット攻勢、年末も不振 シアーズHD150店 ザ・リミテッド全店:雇用と不動産事業に打撃

米小売店、閉鎖相次ぐ ネット攻勢、年末も不振 シアーズHD150店 ザ・リミテッド全店

 【ニューヨーク=高橋里奈】米小売業の大規模な店舗閉鎖が相次いでいる。小売り大手シアーズ・ホールディングスは150店の閉鎖を決定。百貨店のメーシーズも閉鎖予定の100店のうち68店を年内に閉め1万人を削減する。女性用衣料のザ・リミテッドは17日に経営破綻し全250店を閉めた。ネット通販の攻勢が続く中、年末商戦も振るわず大手チェーンでも店舗網を維持できなくなっている。

 シアーズ・ホールディングスはこのほど、傘下のディスカウントストア「Kマート」108店、百貨店のシアーズ42店の閉鎖を決めた。ホールディングス全体の店舗数は5年前と比べ半減する。

 衣料専門店ではザ・リミテッドのほか、昨年経営破綻したカジュアル衣料のアメリカン・アパレルが「全110店は今後数カ月存続するが、その後はわからない」として全店閉鎖の可能性がある。アメリカン・イーグルや、2016年5月に経営破綻したエアロポステールも店舗の閉鎖を急ぎ、アバクロンビー・アンド・フィッチも不採算店の閉鎖を検討している。

 スポーツ用品販売では、大手のスポーツオーソリティーが16年に事業清算し、全463店を閉鎖した。同業のフィニッシュラインも16年から20年までに全店舗の4分の1にあたる150店を減らす。

 実店舗を展開する小売業の不振は深刻だ。全米小売業協会(NRF)によると、昨年の年末商戦は全体では前年同期比4%増の販売増だったが、百貨店は7%減少した。百貨店業界ではメーシーズやコールズも年末商戦の売上高が想定を下回り、16年11〜12月の既存店売上高はともに前年同期比2.1%減だった。

 対照的にネット通販など店舗外の売り上げは12.6%増えた。ここ数年のネット通販の急増のあおりで、店舗網を閉鎖・縮小せざるを得なくなっている。

 米国では「身の回りのものもプレゼントもすべてアマゾン・ドット・コムでそろえる」(30歳男性)という若者が増えている。米ソフト大手アドビシステムズの調査によると、昨年の感謝祭翌週の月曜日(11月28日)でネット通販のセール日「サイバーマンデー」に、ネット販売では1日の売上高として過去最高の33億9千万ドル(約3800億円)に達した。実店舗は「ショーウインドー」代わりで、実際の買い物は在庫状況もわかりやすいオンラインでする人が増えており、米小売り各社はさらなる経営改革を迫られている。

[日経新聞1月24日朝刊P.8]


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[国際17] 米導く対中強硬派、ナバロ氏:新設の国家通商会議トップ、邦題「米中もし戦わば」著者の政策に関する変遷や評価
ナバロ氏がどんな通商政策を出してくるか注目される=AP


この頃テレビに出演している中国関連のコメンテーターには、ナバロ氏の著書「米中もし戦わば」に依拠した言説が目立つ。

 ナバロ氏がトップとして率いる国家通商会議が、対中国政策でどれほどのウェイトを占めるかわからないが、中国共産党がどのように対応していくのか今後が楽しみだ。

「米中もし戦わば」という邦題(原題:Crouching Tiger)だが、中国が経済・軍事の両面で急速に強大化していることを認めたうえで、中国が政治・外交・情報を通じた“戦わずして勝つ”戦略を採用していることから、米国がそういう中国をどう制御していくかを彼なりに解き明かした論考である。

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[The Economist]米導く対中強硬派、ナバロ氏

 1984年にレーガン米大統領が2期目を勝ち取った翌日、米ハーバード大学博士課程の学生が2冊目の著作「ザ・ポリシーゲーム」を出版した。同著は強欲な利益団体と間違った考え方を信じる連中が米国を「成長、繁栄できないように導いた」と指摘し、解決策には現実主義が必要だと論じた。


 その学生はカリフォルニア大学教授になり、20日、ホワイトハウス入りした。ピーター・ナバロ氏だ。対中強硬派で知られ、通商問題でトランプ大統領を支えるブレーンとして新設された国家通商会議を率いる。同氏は中央銀行以外で働く経済学者として世界で最も影響力を持つかもしれない。


自由貿易を称賛 その後に変節

 ナバロ氏は以前、自由貿易支持者だった。先の本では一章を割いて自由貿易を称賛し、81年に日本に自動車輸出で自主規制を強いたレーガン大統領の保護主義を「危険で悪質」と断じた。ただ、自由貿易への懸念の片りんも見せた。外国との競争で仕事を失う労働者への補償拡大と、多国間による厳格な貿易ルールの成立を求めた。

 その数十年後、中国への関心を深めた後、変節したようだ。中国に至るまでの道のりは長かった。ナバロ氏の研究対象は幅広い。企業が慈善団体に寄付する理由、エネルギー政策、オンライン教育と様々だが特徴が2つある。1つは抽象的概念より現実世界の問題を好む点だ。米同時テロの数カ月後に、テロによる経済的損失を試算した。著作物は多いが、一流の学術誌で発表された論文はない。

 第2の特徴は所得分配への関心だ。多くの経済学者は富裕層と貧困層の格差に関心を示すが、「常に幅広い中間層に注目していた」と同氏と論文を共同執筆したことがあるリチャード・カーソン氏は言う。そうした関心が、ナバロ氏を政治に引き込んだ。90年代には民主党から何度か出馬したが、すべて落選した。

 トランプ氏による起用につながったのは彼の中国に関する最近の研究だ。この10年で中国の経済的、軍事的台頭の危険について著作を3冊出版。2冊目の「中国がもたらす死」は2012年にドキュメンタリー映画になった。そこでは中国からの輸入品との競争に苦しむ地域社会を巡り、シャッターが下りた米国の工場と中国の搾取工場の映像が対比されている。

 ナバロ氏の対中批判は過激ではない。中国を為替操作国と批判するが同国は15年以降、ドル売り・人民元買いに転じている。中国が自国市場へのアクセスを与える条件として米企業に知的財産を渡すよう強いる慣行に怒り、中国企業が米国より緩い規制下で環境を汚染し、劣悪な環境で労働者を使い、往々にして政府の補助金を得て輸出品を生産している点を痛烈に批判する。後者の指摘は正しい。

 つまりナバロ氏は、保護主義者というより中国の重商主義に反対しているだけともいえる。06年には、中国製造業の米国に対する競争優位性の41%は不公平な貿易慣行によるとの試算を出した。様々なインタビューで、この数字がトランプ氏が中国製品にかけるとしている45%の関税とほぼ一致すると指摘している。

 だがこの解釈では、貿易赤字などを巡るナバロ氏の他の人と異なる見解を説明できない。中国の01年の世界貿易機関(WTO)加盟後、米国では数百万人分の製造業の雇用が消えると同時に貿易赤字が爆発的に拡大した。同氏は、この貿易不均衡が00年以降の米国の成長鈍化の原因だと主張する。

 だがこれは説得力を欠く。国内総生産(GDP)を支出面から見ると、輸出はプラス要因、輸入はマイナス要因になる。だが、だからといって政府支出も大きいほど長期的な成長率が伸びるプラス要因になるとみる経済学者はほぼいない。

貿易で潤う懐 中国の貢献4分の1

 米国人が安い輸入品を買えなければ貧しくなり、ほかに費やすお金は減る。08年までに工業製品の貿易が全米国人の懐を毎年1000ドルずつ潤したとの試算もある。その4分の1は中国の貢献という。米大統領経済諮問委員会(CEA)は、貿易障壁で製品価格が上がれば最も貧しい層に最も害が及ぶと最近示した。中国が労働者から搾取し、川を汚染しているおかげで米国人が安い製品を享受できるなら、それは米国が不当な扱いを受けていることにはならない。

 貿易収支は主に貯蓄と投資のパターンで決まる。資本がある方向へ流れると、モノとサービスはその逆方向に流れる。00年代の中国の対米貿易黒字は主に中国が米国債を買った結果との指摘がある。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ前議長がこのことが「世界的な過剰貯蓄」傾向を強めたと指摘したように、中国による米国債購入は無害ではなかった。ナバロ氏も「アジアは貯蓄しすぎ、米国は消費しすぎる」とするが、トランプ氏の減税とインフラ計画は、米政府の財政赤字を膨らませ、この問題を悪化させる。

 ではナバロ氏は、どんな対策を提案するのか。同氏は中国を「適切な防衛的措置」の対象にすべきだと言う。これは恐らく一部の中国製品に既に課している報復関税以上のものを意味する。ナバロ氏は、トランプ氏の中国からの輸入品への全面的な関税の導入は、中国側から譲歩を引き出すのが狙いだと語っている。つまり、中国が国際的な貿易ルールに従えば米国の貿易赤字は解消され、製造業の雇用は米国に回帰する――。こう考えているようで、「最善の雇用対策は中国との貿易改革だ」と語るが、これは幻想だ。


米の労働者の助けにはならず

 製造業の生産が海外移管され、その後国内回帰してもその間、生産性は通常上昇しているため戻る雇用数は減る。中国が低スキルの仕事を失えば製造業者は米国ではなく、コストの低い他の新興国に生産を移すだけだ。つまり、中国が貿易慣行を改めても、関税を導入しても米国人労働者の助けにはならない。

 ブルッキングス研究所のデビッド・ダラー氏はむしろ、中国の国有企業による米企業買収を制限することを薦める。これはオバマ政権が始めた。中国は今、米ハイテク企業の買収に関心が強い。買収を制限すれば、米国は中国に国内のサービス市場をもっと開放するよう要求できる、というわけだ。

 環境基準と労働基準については、中国がいずれ従わなければならない規則を盛り込んだ貿易協定を結ぶことだとの指摘もある。環太平洋経済連携協定(TPP)の狙いの一つがこれだった。低スキルの仕事を大量に米国に呼び戻すより現実的対策といえるだろう。

 ナバロ氏がこうした発想に傾く可能性はあるが、兆しはない。最近「通商政策の劇的な大変革」を約束しただけに再度の変節を望むのは難しそうだ。(1月21日号)

[日経新聞1月24日朝刊P.8]


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[経世済民118] 鴻海 逆風下の反攻:25年続いた増収が途切れた鴻海がトランプ出現のなか新たな成長モデル推進

鴻海 逆風下の反攻

(上)事業再編、トランプシフト
米中に液晶パネル工場 成長モデル限界 有利な条件引き出す

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が世界戦略の再構築を急ぐ。米中で液晶パネル工場を建設する構想を表明。「米国第一」を掲げるトランプ大統領の登場という新局面に素早く対応し、製造業の立て直しに躍起な両大国に条件闘争を迫るしたたかさも見せる。電子機器生産の外部委託の波をとらえ、中国で集中的に組み立てることで急成長したが、昨年は1991年の上場以来初の減収。限界に達した成長モデルの転換に挑む。


郭氏は減収を陳謝しつつ、攻めの姿勢も鮮明にした(22日、台北市内)

 22日、台北市の展示場に従業員ら約3万人が集まった鴻海の春節(旧正月)前の忘年会。「上場後二十数年で初の減収。言い訳はしない。申し訳ない」。郭台銘董事長が陳謝し、深々と頭を下げるというめったにない光景に会場は驚きと戸惑いで静まりかえった。

 だが、郭氏はすぐに顔を上げ「私には自信と決心がある」と反攻を誓った。忘年会後の記者会見で、米国で世界最大級のパネル工場新設を検討しているとぶち上げた。

 投資規模は70億ドル(約8千億円)を超え、現地で最大5万人の雇用を生む。以前から検討していたが、トランプ氏の大統領選勝利を受けて「やるべきだ」と判断した。

 一方で郭氏はトランプ政権に条件闘争も迫る。会見で「消費者は安くてよいものを求めている」と強調し、投資の決定には「安い土地と電力が必要になる」と注文した。米国生産の最大の壁は人件費などのコスト。米国が来いと迫るなら、こちらの要求にも応えてもらう――。新政権と真っ向から交渉する構えだ。

 「鴻海が中国から米国に工場を移す可能性は十分にある」。電機業界に詳しい台湾の自動化設備メーカー、研華(アドバンテック)の何春盛総経理はこう言い切る。中国と歩みをともにした成長モデルが限界に達しているというのが理由だ。


中国で賃金上昇

 中国事業は1987年の深圳の工場用地購入に始まる。台湾から中国への親族訪問が解禁され、対中投資が注目されるや否や素早く動いた。その後各地に次々と工場を設け、安価な労働力を使った大量生産を進めた。

 価格と品質で厳しい条件を突きつけたアップルなどを満足させ、電子機器の受託製造サービス(EMS)という新モデルを確立した。中国最大の輸出業者にもなった。

 株式時価総額は約5兆2千億円。韓国サムスン電子(約28兆円)と台湾積体電路製造(TSMC、約17兆円)には及ばないが、日本のソニー(約4兆3千億円)や日立製作所(約3兆1千億円)を上回る地位を築いた。

 アップルの「iPhone(アイフォーン)」の生産を原動力とし、16年までの10年間で売上高を3.3倍に急増させただけに、足元ではアイフォーンの失速が痛手だ。また、アイフォーンのほとんどを生産するとされる中国では5年で2倍のペースで賃金が急上昇。かつてない逆風が郭氏に事業の見直しを迫る。

 事業転換のカギを握るのがシャープの液晶パネルなどの技術力だ。買収からわずか5カ月でその戦略が本格化した。

 「企業の生産性を高める国家戦略『中国製造2025』の象徴となる」――。鴻海グループが昨年12月末に中国・広東省広州市で開いた液晶パネル新工場の投資調印式で郭氏は語気を強めた。

 新工場では最先端の「第10.5世代」の大型ガラス基板を使うパネルを生産し、高精細の「8K」テレビ向けの供給を目指す。シャープの技術力をフル活用して「薄利多売」からの脱却を図る。


世界各地に拠点

 総投資は610億元(約1兆100億円)と巨額だが、広州市政府と共同で負担する。「事業への直接出資など有利な条件を引き出したのではないか」と台湾のアナリストはみている。中国は米国への製造業回帰を唱えるトランプ氏への警戒を強め、産業の高度化を急ぐ。鴻海は「米中の製造業の綱引きは有利な投資条件を引き出すチャンスだ」(関係者)と両大国をてんびんにかける。

 鴻海はインドで20年までに10〜12工場を立ち上げる構想を掲げ、アイフォーン工場の建設が取り沙汰される。中国に集中していた生産拠点が世界各地に広がる新局面も迎える。郭氏は手元に現預金2兆円という豊富な資金を握りながら「第二の創業」と呼ぶ新たな成長モデルの構築をめざす。

 台北=伊原健作、呉詠航

[日経新聞1月24日朝刊P.9]


(中)シャープが構造転換の要 深圳で開発、再び起点に

 「取引の場に同席して厳しく値切る」。シャープに製造装置を納める取引先関係者はため息をつく。親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は戴正呉社長らを派遣しただけでなく、調達など各現場に鴻海社員を送ってにらみを利かせている。戴氏が「金持ちの息子」と断じた甘い社風が鴻海色に染まりつつある。

 取引条件の改善やコスト削減で、シャープの2016年10〜12月期の連結最終損益は9四半期ぶりの黒字になったもようだ。社内では「鴻海と争った産業革新機構に買収されていたら、こんなスピードで上向かなかった」という声も上がる。

 「垂直統合だ」。22日に台北市で開いた記者会見。鴻海の郭台銘董事長はシャープの業績改善の成果を誇示しつつ買収の狙いを改めて強調した。

 郭氏はシャープに「新製品を増やせ」「ブランド力を高めよ」と要求。開発力とブランド力に磨きをかけ、鴻海のコスト競争力や資金力と結びつけることで、韓国サムスン電子と同じ垂直統合型メーカーをめざす。電子機器の組み立てを受託する成長モデルが限界を迎えた鴻海。シャープが構造転換のカギを握る。

 今後、両社の融合の最前線を見ることができそうな場所がある。中国南部の深圳だ。シャープは19日、深圳に家電製品の研究開発センターを開設した。中国や東南アジアの開発機能を統合する。

 深圳は言わずと知れた鴻海の主要生産拠点だ。鴻海は深圳で米アップルなど主要顧客の開発を支援する機能も強化。半導体設計専業、英アーム・ホールディングスとの協力拠点も置く地に、シャープの開発機能も集約する。従来の受託生産と同様、郭氏が「第二の創業」と呼ぶ構造転換も深圳が起点となる。

 22日に台北で開いた忘年会にはシャープの創業家も招待した。郭氏は「創業者の早川徳次氏に敬意を表したい」と語り、シャープペンシルや液晶テレビを生んだ技術革新の歴史を称賛した。

 そのシャープの社員からは「会社は変わってきたが、5年、10年先の姿が見えない」という不安の声ももれる。鴻海流で業績が上向く一方、かつての輝きを取り戻す自信はまだ広がっていない。

 「シャープが魅力的な製品を生み出す“従順なアップル”になってくれれば理想的だ」。鴻海関係者はこう語るが、鴻海色に染めるだけではシャープの未来は見えない。

(飯山順、台北=伊原健作)

[日経新聞1月25日朝刊P.9]


(下) 郭氏「一極集中」に危うさ 液晶投資に不安の声

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長が、2020年の総統選挙への出馬を検討している――。昨年11月、現地週刊誌の報道が注目を浴びた。ただ、本人は否定。台湾のベテランアナリストも「郭氏一極集中の経営から考えれば、あり得ない」と切って捨てる。

 これを裏付ける数字が財務報告にある。6億6680万株。郭氏が保有する鴻海株(12.2%)のうち担保として差し入れている株数だ。郭氏は時価約2千億円に達する鴻海株を担保に個人で資金調達し、自らの投資会社を通じて鴻海の戦略投資などに活用している。

 シャープ買収を可能にしたのもこの手法だ。社内には買収への反対論が根強かったが、郭氏の投資会社が買収資金の約1割に当たる369億円を負担して押しきった。

 個人で会社のリスクを引き受ける形だが、大企業での採用は台湾でも珍しい。株価が下がれば担保価値が低下し、追加差し入れや返済を求められるリスクがあるからだ。

 他の大企業では考えられないほど経営者との垣根が曖昧な鴻海。「郭氏は株主を絶対に裏切らない」(台北市内の女性株主)との声がある一方、経営の独占的支配の防止を重視する企業統治の理念からはほど遠い。鴻海は決算説明会も開かず、情報開示は不十分だ。

 「液晶関連は郭董事長がご自身で判断されてますから……」。シャープで液晶パネルに関わる中堅社員はぼやく。

 鴻海とシャープが共同出資する液晶パネル生産の堺ディスプレイプロダクト(堺市)。昨年末、中国広州市で新工場を建設すると発表したが、シャープの幹部は直前まで情報を知らされていなかった。

 郭氏は米国なども含む複数の新工場の構想を相次ぎ示すが、社内では「生産ラインを同時に異なる場所で立ち上げるのは技術者不足で難しい」との不安も漏れる。

 「投機やばくちはやらない」という郭氏。投資計画を立てやすい受託生産事業を地道に磨き鴻海を成長させた。市況変動が激しい液晶パネルでは異なる能力を問われる。

 積極投資にひた走る郭氏に対し、シャープでは堺市で大型投資を決め、結果として経営危機を招いた当時の経営陣の姿を重ねて見る社員も少なくない。郭氏のカリスマ性と嗅覚に頼る投資戦略は危うさもはらむ。

(台北=伊原健作、飯山順)

[日経新聞1月26日朝刊P.11]


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[経世済民118] サムスン、スマホ・家電 曲がり角:中国台頭のなか日本の総合家電企業と似た道を辿るのは宿命

[ビジネスTODAY]サムスン、スマホ・家電 曲がり角
ノート7発火「原因は電池」 部品事業に再び活路

 韓国サムスン電子は23日、2016年8月に発売したスマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート7」で発火が相次いだ問題を巡り、採用した2社の電池が原因とする調査結果を発表した。スマホ事業で失った信頼は大きく、中国勢の追い上げも激しい。消費者向けは曲がり角に立ち、半導体やディスプレーに自動車分野を加えた部品事業に再び活路を見いだす。

 「700人の技術者が20万台以上のスマホと3万個の電池を調べた」。スマホ事業を統括する高東真(コ・ドンジン)無線事業部長は記者会見で、発火原因の特定に全力を尽くしたと強調した。

 発表で具体的な社名は避けたが、2社はサムスンSDIと、TDK子会社の香港アンプレックステクノロジーとされる。SDIは充電中に電池内部の隅が圧迫されるなどの設計ミス、TDK子会社は絶縁テープの接着不良の製造ミスがあったもようだ。いずれも陽極と陰極が接触し電池ショートを誘発した。

 高事業部長は「不良を見逃した最終責任は当社にある」とし、損害賠償請求を見送る意向を示した。そのうえで電池のX線検査や生産工程の不具合を見つける特殊検査など8つの対策を講じる。

 これで発火事故問題は幕引きとなったが、スマホ事業への影響は残る。高事業部長は2月にスペインで開かれる国際見本市に次期モデル「ギャラクシーS8」を出展しない方向で検討することを明かした。S8の発売は当初予定の2月から4月ごろに遅れる見通しだ。

 スマホは中国勢が急激に追い上げ、米アップルだけ見ればよい「2強時代」は終わった。発火事故の影響でかつて30%以上あった世界シェアは20%まで下がった。有機ELパネルを採用していた強みも、中国勢の追随で薄れるだろう。テレビも利益が出にくくなっており、価格競争が激しい消費者向けは業績のけん引力が落ちているのだ。

 半面、好調なのは市況が良い半導体メモリーだ。これが底上げして16年12月期の全体の連結営業利益(速報値)は前の期比11%増の29.2兆ウォン(約2兆9千億円)、売上高は微増の201兆ウォン。営業利益は13年12月期に次ぐ過去2番目の水準だった。

 日本企業も消費者向けから部品や企業向け取引にシフトするが、サムスンは迅速だ。昨秋に米自動車部品大手のハーマンインターナショナルを80億ドル(約9千億円)で買収することを決めた。サムスンとして過去最大の買収額で、自動車分野の攻略姿勢を鮮明にした。

 さらに年10兆ウォン規模を有機ELパネルの製造設備に投じ、スマホで競合する中国勢にも幅広く供給する方針だ。スマホや家電の減速をどう補うか。事業構造転換に持ち前の機動力を発揮すれば、サムスンは再び強さを取り戻す。

(ソウル=山田健一)

電池事故、原因究明難しく

 リチウムイオン電池の発火事故は原因究明が難しい。化学反応に起因することが多く、容量増強など技術的なハードルも高くなっている。発火につながりかねない部材や外部要因は複雑になる。

 2006年にパソコン向けのソニー製電池で過熱・発火の問題が発生した。ソニーと第三者機関の報告書では「金属粉が混入した電池に、高速充電方式で規定を上回る電圧を断続的にかけた場合、発火などに至る可能性が増す」とした。ただ、一部のパソコンメーカーは「高速充電方式には問題はない」との立場を貫き、原因がはっきりしないまま、ソニーは回収費用を負担した。

 13年には米ボーイングの新型旅客機「787」に搭載したジーエス・ユアサコーポレーションのリチウムイオン電池が、「熱暴走」と呼ぶ異常高温状態になり、発火。ボーイングはシステムを改修し、セルの過熱が他のセルに伝わってバッテリー全体が損傷するのを防いだが、過熱原因ははっきりしなかった。

 今回、サムスン電子は「電池の問題」と明確な結論を出したが、電池メーカーに損害賠償を請求しない方針を表明した。TDKは「特定の顧客に関してコメントできない」とだんまりを決め込んだ。過去の事例と同じように責任の所在があいまいな状態となり、メーカー間の駆け引きが透けて見える。

(河合基伸)

[日経新聞1月24日朝刊P.11]


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[政治・選挙・NHK219] 面会多い相手は? 安倍首相の4年間、データで解剖

面会多い相手は? 安倍首相の4年間、データで解剖
会食場所・週末… 政治面「首相官邸」欄から集計
2017/1/29 2:30

 行政府の長である首相はどんな1日を過ごしているのか。分単位のスケジュールで面会する相手を見ると、政府が重点を置く政権運営や首相の人間関係が浮かぶ。日本経済新聞の政治面に掲載する「首相官邸」欄をもとに集計したデータから、再登板後の安倍首相の4年間を見ていこう。

■面会、最も多かったのは北村滋内閣情報官

 面会数が最も多かったのは、インテリジェンス(機密情報)を担当する北村滋内閣情報官だ。外交・安全保障に関する情報や選挙情報まで、内閣情報調査室が集める様々な情報を首相に報告する。1日に複数回、官邸を訪れることも多く、首相の休暇中に山梨県の別荘まで会いに行くこともある。第1次安倍政権で首相秘書官を務め、苦しかった時期に首相を支えたメンバーの一人でもある。

 首相動静は「総理番記者」と呼ばれる記者が首相官邸の出入り口付近で面会したかを確認する。北村氏は総理番記者から「首相に会うか」との質問には「はい」と答えるものの、それ以外は一切答えない。


 2位は斎木昭隆前外務次官。首相の父・安倍晋太郎氏が外相時代に英語通訳を務め、首相との関係は長い。外務省の事務方トップが頻繁に首相に報告を入れ、首相から指示をもらって省内に伝える。安倍政権は首相が外務省を直轄していることを示す。外国との交渉で首脳外交の重みが増しており、外交官は首相の指示がないと動けない場面が増えている。

 3位は谷内正太郎国家安全保障局長だ。第1次安倍政権時に外務次官を務め、首相の外交ブレーンとも称される。米国やロシア、中国では国家安全保障会議(NSC)など首脳に直結する組織が力を持つので、谷内氏がそのカウンターパートになる。首脳外交の舞台裏を回す黒子だ。

 北村氏と谷内氏に外務、防衛両省幹部を加えた会合も1カ月に約2回開かれる。自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長もメンバー。安全保障政策の重要課題を話し合う枠組みだ。

 政治家では菅義偉官房長官が4位、麻生太郎副総理・財務相が5位に入った。菅氏は重要な来客の際に同席することが多い。麻生氏は財務省幹部と報告に入った後、ほとんどの場合1人残って首相と話す。官僚と一緒の際は財政政策の相談。その後のサシでは、政局を巡る判断を話し合う場面もあるらしい。

 首相と麻生氏、菅氏に加えて甘利明・前経済財政・再生相の4人は頭文字をとって「3A+S」と呼ばれた中枢メンバー。甘利経財相は2016年1月に金銭授受問題で辞任。いまでは「2A+S」が政権運営のカギを握る。

 6位の世耕弘成経済産業相(前官房副長官=参院)と8位の加藤勝信一億総活躍相(前官房副長官=衆院)は官房副長官時代に首相と多く面会していた。首相が国会に出席する日の朝は必ず、衆参それぞれの官房副長官が首相答弁の事前勉強会に出席する。

 総理番記者の取材は首相官邸の出入り口付近に限られるため、官邸内部の人との面会は「首相官邸」欄に載らない場合もある。政府高官によると、首相と官房長官、官房副長官、政務の首相秘書官による会合が毎日開かれている。官邸の中枢メンバーが毎日顔を合わせることで基本政策の方向を確認し、ちぐはぐな発言を発信するのを防ぐ。特に議題がなくても会うことで一体感は高まる。

 菅氏は首相と執務室が同じ階なので、実際にはもっと頻繁に会っているとみられる。

■官邸訪れる官僚、役所別では外務省が突出

 官邸を訪れる官僚を役所別で見ると外務、財務、防衛、経済産業の各省と内閣府の幹部が頻度が高い。各府省の局長級以上の幹部が首相と面会した数を年ごとに比較すると、16年は外務、防衛両省が過去3年間より大幅に増えたことが分かる。

 外務省が突出する。16年は5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や日ロ首脳会談など重要な外交日程が目白押しだった。

 防衛省の面会は4年目だけを見ると、前田哲防衛政策局長が5位に入った。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国による東・南シナ海進出など安全保障環境は厳しくなった。安保や危機管理を重視する姿勢の表れと言えそうだ。

 歴代内閣と比べると「財務省はやや少なめ」(首相周辺)。経済産業省は面会数はそれほどでもないが、同省出身の今井尚哉首相秘書官(政務)らを通じて影響力を発揮しているとみられる。内閣府は一億総活躍や働き方改革などを主導し、存在感を高めつつある。

■会食場所、最も多いのは「ORIGAMI」 パーコー麺が好物

 会食は相手との関係を強めるいい機会になる。首相の利用頻度が高い飲食店と会食相手を調べた。


 最も多く食事をしているのは、ザ・キャピトルホテル東急にある「ORIGAMI」だ。第2次政権以降では40回利用した。会食相手は主に首相秘書官や菅官房長官など首相に近い人物が大半だ。気軽に食べたい時に利用しているようだ。

 首相の好物メニューとされるのはパーコー麺。価格は税込みで2730円だ。昨年12月には日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長と昼食を共にし、この時はステーキを食べた。同ホテルは車の出口が複数あり、同席者が記者団の目を逃れて出て行きやすいという利点もある。

 経済界との会食は料亭が多い。南麻布の日本料理店「有栖川清水」で頻繁に会食をするのは、JR東海の葛西敬之名誉会長や富士フイルムホールディングスの古森重隆会長をはじめとする「さくら会」と呼ばれる経済界のグループだ。第1次政権以前から首相を支え続けてきた。

 紀尾井町の日本料理店「福田家」では経団連の今井敬名誉会長や奥田碩名誉会長と定期的に食事をする。

 芸能界とはおしゃれなレストランが目立つ。俳優の津川雅彦氏とは互いの誕生日を祝い合う間柄で、イタリア料理店などでほかの芸能人を交えて会食する。普段は縁遠い芸能界の話を楽しんで聞いているという。

 津川氏との会食は長時間にわたることが多く、1月5日は3時間25分に及んだ。通常、夜の会合は2時間ほどで終わるが、友人や家族など親密な関係にある人との会食は長時間になる傾向がある。

■外国訪問50回、ゴルフ56回 週末は月イチで被災地へ

 安倍首相は2012年12月に再登板する前、首相になったら月に1回、3つのことをやろうと心に決めた。外国訪問、東日本大震災の被災地視察、ゴルフだ。

 「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げる外国訪問は計50回。ほぼ月に1回のペースを続けている。訪問国・地域は66にのぼる。ゴールデンウイークや国会の合間になる夏は回りやすい。

 東日本大震災の被災地への視察は土日を利用して行くことが多い。計31回で、48日に1回の計算になる。昨年の熊本地震や台風被害の被災地の訪問など、東日本大震災以外の被災地訪問を合わせると42回となり、36日に1回のペースだった。被災地視察としては「月1回」をほぼ保つ。

 趣味のゴルフは毎月というわけではなく、長期休暇に連日プレーする形で、これまでに56回楽しんだ。スコアは「国家機密」として自ら明かさないが、あるとき一緒にプレーした人が「91」だったと明かしたことがある。ゴルフ仲間の常連の榊原定征経団連会長の方が腕前が上とされる。首相の行きつけのゴルフ場は千葉県と神奈川県に1カ所ずつあり、別荘のある山梨県には3カ所ある。

 散髪はほぼ月に1回のペースだ。首相のお気に入りの美容室は「HAIR GUEST」(東京・渋谷)。もともとは新宿のホテル内にある「村儀理容室」に通っていたが、昭恵夫人の紹介で「HAIR GUEST」に通い始めたといわれている。「村儀理容室」では6対4に横分けした髪形になるが、「HAIR GUEST」は、ふわっとしたヘアスタイルだ。

 年末年始は毎年、六本木のグランドハイアット東京で親族と過ごすのが定番。ホテルにある「NAGOMIスパアンドフィットネス」は常連で、第2次政権発足から67回通っている。こちらは22日に1回のペースで体調管理に気を配る。

 健康チェックも忘れない。人間ドックは毎年、春と秋の2回受ける。歯医者は月1回弱の頻度で通う。衆院第1議員会館の歯科に平日の公務の合間に行くことがほとんどだ。

 旧知の友人との交友関係は大切にしている。小学校から大学まで通った成蹊学園の集まりには頻繁に顔を出す。大学卒業後に渡米した際の友人とも頻繁に会う。家族や友人と食事をする際はリラックスしていることもあり、総理番記者に「お疲れさま」と声を掛けることもある。

■首相動静、高い透明性 小池氏「国民の知る権利を超えている」

 報道機関が首相の1日の面会相手などを報道する動静記事について、小池百合子東京都知事が衆院議員時代に「国民の知る権利を超えている」と指摘したこともある。米メディアもトランプ大統領の細かな日程は把握できていないようで、中国では習近平国家主席が今どこで何をやっているかは機密情報だ。首相の動きを高い透明性で伝えることは、権力を監視する意義が大きい。首相の動きを追い続けたい。(北川開)

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12255640Y7A120C1TZJ000/?dg=1



http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/818.html

[国際17] トランプ政権の黒幕で白人至上主義のバノンが大統領令で国防の中枢に

トランプ政権の黒幕で白人至上主義のバノンが大統領令で国防の中枢に[ニューズウィーク]
'Stop President Bannon'
2017年1月30日(月)19時50分
ニコラス・ロフレド


<選挙戦中から恐れられていたことだが、いよいよトランプ政権の極右、バノン首席戦略官の暴走が始まったかもしれない。選挙の洗礼も議会の審査も受けていない男が安全保障の最高意思決定機関NSCの常任メンバーにとり立てられて、我慢も限界だという声が上がっている>

 イスラム教徒が多数派の中東・アフリカの7カ国の国民の入国を一時禁止し、内戦から逃れるシリア難民の受け入れを無期限停止する──こんな出来すぎた大統領令を、ドナルド・トランプが一人で考えられたはずはない、と信じる人は少なくない。トランプ米大統領でなければ一体誰の仕業か。多くが黒幕と疑い、何としても暴走を止めたいと思っている男が、スティーブン・バノン大統領上級顧問兼首席戦略官だ。

 大統領令が出た翌日の土曜、「バノン大統領を阻止せよ(#StopPresidentBannon)」のハッシュタグがツイッターで拡散された。やり玉に上がったバノンは、右派ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」の前会長だ。米政治情報サイトのポリティコによると、バノンはスティーブン・ミラー大統領補佐官と組んで、関係官庁にほとんど相談もなく、大統領令の草案を作成したという。

【参考記事】トランプ次期大統領とともに躍進する右派ニュースサイト「Breitbart」

バノンはプロパガンダの黒幕だ。権力を守るためなら、今後も手当り次第に政治的な火種を利用するだろう。

 金曜にトランプの大統領令が署名と同時に発効すると、全米に混乱が広がった。土曜に連邦判事が大統領令の効力を部分的に停止する判断を下すまで、国内のあちこちの空港で、入国を認められず身柄を拘束される人が相次いだ。

【参考記事】トランプの首席戦略官バノンは右翼の女性差別主義者

連邦機関、当日まで発令知らず

 数十年続いた移民政策の突然の変更にも、政府は「準備万全」だったとトランプは主張した。だが米CNNは、国土安全保障省の職員が大統領令の存在を知ったのは、発令当日だったと伝えた。バノンとミラーは、大統領令はグリーンカード(アメリカ永住権)を持つ人には適用されないとした同省の手引きを却下したとの報道もある。ただし日曜にホワイトハウスは、グリーンカード保持者は空港で個別の審査が必要なものの、入国禁止の対象外だと説明した。

【参考記事】オルト・ライト(オルタナ右翼)とは何者か

【参考記事】alt-right(オルタナ右翼)とはようするに何なのか

 土曜にトランプが署名したもう1つの大統領令によって、そのバノンの米政府内における地位はますます強力なものになった。バノンは、安全保障の最高意思決定機関である米国家安全保障会議(NSC)で閣僚級委員会の常任メンバーに引き上げられた。代わりに情報機関を統括する国家情報長官や、米軍のトップである統合参謀本部議長を常任から非常任に格下げした。これにより、彼らが委員会に出席するのは彼らの専門知識に関わる懸案事項について議論する場合に限られることになった。

 ブライトバートの頃のバノンは悪意に満ちた論調で知られ、人種差別主義者や白人ナショナリストに肩入れしすぎだと、しばしば非難を受けてきた。そんな人物が選挙の洗礼や議会の審査を受けることなく、ホワイトハウスから国防の中枢へと、絶大な権力を握るポストに上りつめていく光景を目の当たりにして、多くの人は我慢も限界だと考えている。

「白人ナショナリストを最側近の補佐官にして権力を与え続ける大統領が、だれの味方なのかは明らかだ」とある人はツイッターに投稿した。「イスラム教徒の入国禁止と同じくらい最悪。しかも(バノンの台頭は)全く別次元の問題だ。あんなイデオロギーを持つ男が今の地位についたのには身震いする」

 バノンはソーシャルメディアに関する考えを公にしていないが、メディアへの敵視はむき出しだ。先週は米紙ニューヨーク・タイムズの電話インタビューで「メディアは恥を知れ。しばらく黙っておけ」と威嚇するような発言をした。「この言葉を引用してほしい ― メディアは野党だ」

 古巣のブライトバートは、バノンをトランプ政権の「新星」として持ち上げる一方、難民などの受け入れ停止を盛り込んだ大統領令の撤回を要求した民主党のチャック・シューマー上院院内総務のことは嘲笑った。NBCニュースに出演したホワイトハウスのラインス・プリーバス大統領首席補佐官は、大統領令の権限を執拗に追及した司会のチャック・トッドに対して「自分がしゃべりすぎるから私の説明が理解できないんだ」と口撃した。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/nsc.php


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/692.html

[国際17] トランプの米国 身構える世界
トランプの米国 身構える世界

(1)我流の変革、高まる緊張 

ワシントン支局長 小竹洋之

 トランプ氏は昨年末、米フロリダ州の別荘「マール・ア・ラーゴ」で大統領就任演説を練り始めた。「レーガン、ニクソン、ケネディ」。その際に挙げたのが3人の先人の名前だったという。

 なかでもレーガン元大統領への思いは強かった。深刻な不況とソ連の脅威で自信を喪失した国民を鼓舞し、経済・軍事の両面で「強い米国」を目指した革命児に共感しているのは確かだ。

 「偉大な米国の復活」。トランプ氏はレーガン氏の看板にならい、内憂外患にあえぐ超大国の再生を公約した。だが、あまりに過激で内向きの変革を志向する異端児を前に、世界の緊張はいや応なしに高まる。

 トランプ氏の経済政策を過小評価することはできない。大胆な減税やインフラ投資、規制緩和を好感した株式市場。米著名投資家のジョージ・ソロス氏はその風向きを読み違え、10億ドル近い損失を出したそうだ。

 「トランプ氏が米経済のムードを劇的に変え、長期停滞からの脱却を可能にするかもしれない」と英歴史家のニーアル・ファーガソン氏は言う。それは2億人近くの失業者を抱え込む世界にとっても朗報だろう。

 しかし、トランプ氏が「米国第一主義」を貫徹し、本気でグローバル化に背を向けるのなら、その打撃は計り知れない。中国との貿易・通貨戦争やメキシコ移民の排斥などは、米経済の成長を妨げるだけでなく、世界経済全体を縮小均衡に追い込む恐れもある。

 年間2億人以上の移民が国境を越えるのが今の世界だ。1日あたりの製品の貿易額は1千億ドル弱で、外国為替の取引額はその50倍以上に達する。そんな時代に国を閉じ、ヒト・モノ・カネの流れを制御できるのか。自身の裁量で企業の活動や為替相場を誘導するトランプ氏が、市場に代わって資源の最適配分を実現できるとも思えない。

 「理念」よりも「実利」、そして「国際協調主義」よりも「単独行動主義」――。トランプ氏の特質は米国の外交・安全保障政策にもパラダイムシフトをもたらす。

 日本や欧州には米軍の防衛コストをもっと負担するよう求める。中国から貿易・通貨問題の譲歩を引き出すためには、中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」政策も取引材料に使う。米ブルッキングス研究所のトーマス・ライト氏は「すべてを経済のレンズで見ようとするのは問題だ」と話す。

 戦後の米国は孤立主義と決別し、自由経済や民主主義の守護者として世界の繁栄と安定に貢献してきた。たった1人の指導者の出方次第で、超大国と国際秩序の変質が深刻になりかねない。

 米国際政治学者のイアン・ブレマー氏は「戦後で最も不安定な政治環境」に世界は投げ込まれるとみる。我流の変革はそれほどの危険をはらむ。

[日経新聞1月21日朝刊P.1]


(2) 「法の番人」なき危うさ 

編集委員 秋田浩之

 ビジネスのような損得勘定で外交を動かし、世界を混乱させかねない。トランプ氏にはこんな不安がついて回る。

 だが、外交の取引を好んだ大統領はこれまでもいた。むしろ最大の危険は、世界の平和や自由を支えようという使命感が、彼にないことだ。

 当選直後、トランプ氏はオバマ大統領とホワイトハウスで会い、90分間、引きつぎを受けた。

 内容を知る米外交専門家によると、オバマ氏が最も切迫した脅威にあげたのが、北朝鮮だった。北朝鮮の核やミサイル開発にすぐに対処しないと、大変なことになる。オバマ氏は自戒を込め、こう力説したという。

 ところがトランプ氏は北朝鮮問題は「中国に解決させる」と、丸投げの態度を変えていない。

 世界は戦後、米国が警察役を果たし、なんとか安定を保ってきた。オバマ前大統領は「もう世界の警察はやらない」と公言しながらも、クリミアを併合したロシアや、北朝鮮への制裁を主導した。国際法に基づいて秩序を守らせる「法の番人」の役目は、果たそうとしてきたのである。

 トランプ氏にはそんな意識すらない。米軍増強は自国を安全にするためであり、世界の平和を守るためではないだろう。

 とりわけ気がかりなのが、中国への対応だ。最近、トランプ政権の閣僚候補に会った米国防総省ブレーンはこう打ち明けられ、驚いたという。

 「通商や通貨問題で中国を押しまくっていく。その際、(台湾や北朝鮮といった)安全保障問題を駆け引きに使うかどうか、政権チーム内で真剣な議論が続いている」

 トランプ氏は台湾や南シナ海問題で、中国に極めて強硬な態度をとっている。だが、通商・通貨問題で中国が言うことを聞くなら、安全保障問題では多少、譲ってもいいという発想におちいらないか、心配だ。

 トランプ氏はロシアにも秋波を送る。欧州からも「自分たちの安全保障が置き去りにされる」(フランス政府関係者)といった声が聞かれる。

 では、アジアや欧州はどうすればよいのか。まず大切なのが、米閣僚らとの連携だ。候補には世界情勢への造詣が深い人たちもいる。

 例えば、国防長官に選ばれたマティス元中央軍司令官について、元同僚は「自分が知るなかで、いちばん知性的な戦略家」と語る。彼は議会公聴会で、同盟国と結束し、中ロの強硬な行動に対抗する考えを強調した。

 とはいえ大統領の権限は絶大だ。米国第一主義に歯止めをかけるには、トランプ氏とも関係を築かなければならない。

 2009年、日本では政権交代で生まれた鳩山内閣が、米軍基地問題などで迷走した。それでもオバマ政権は辛抱強く向き合い、同盟が壊れるのを防いだ。いま日本や欧州に求められているのは、同じような行動だ。

[日経新聞1月22日朝刊P.1]

(3) 過信の代償、計り知れず

編集委員 菅野幹雄

 「米国第一」を絶対視するトランプ大統領の就任と並行して、世界経済の秩序の揺らぎを示す場面が先週、相次いだ。

 「職、国境、富と夢を取り戻す」と20日の就任演説で約束したトランプ大統領。直前の欧州メディアとの会見で欧州連合(EU)単一市場からの撤退に動いたメイ英首相を称賛した。

 米英ともに2国間の自由貿易協定(FTA)に意欲を示す。EU離脱に反対するオバマ前大統領は英に「(交渉は)列の最後になる」と警告したが、メイ氏は「トランプ氏は前線にいると言っている」と言明した。

 17日の世界経済フォーラム(ダボス会議)で自由貿易の大切さを得々と説いたのは中国の習近平国家主席だ。民主主義と自由市場の先陣である米英が自国優先にかじを切り、非民主主義の中国がグローバル化の盟主を気取る。倒錯した構図だ。

 世界は新大統領の3つの「不」に身構える。

 まず「不寛容」だ。貿易収支の赤字を容認せず、中国、メキシコ、日本を名指しでけん制したトランプ氏。高率の関税や企業への脅迫で投資や雇用を向けさせ、米製品を買わせる姿勢をとる。

 保護主義の行使を辞さない大統領への懸念は欧州にも広がる。「今後、多額の対米黒字を稼ぐドイツ経済が悪者にされるかもしれない」と独Ifo経済研究所のフュスト所長は指摘する。

 第2は「不連続」だ。就任初日からオバマケア(医療保険制度改革法)と環太平洋経済連携協定(TPP)を排除したトランプ氏は既存政権の遺産を破壊することにむしろ活路を求めている。

 一方的な関税引き上げや輸入制限は世界貿易機関(WTO)のルールに抵触する。だが、まさに多国間の枠組みが米国民の雇用や富を奪ったとみるトランプ氏は、米国が主体的に関わってきた既存のルールや機関の否定に走るかもしれない。

 結果として生じる第3の懸念は「不透明感」。積極財政策などへの期待でトランプ相場に酔った金融市場は、保護主義に伴う負の効果にも目配りが必要になった。

 コストや品質を最適にする原材料や部品の供給網が寸断される恐れがある以上、企業も投資戦略を立てられない。

 米国が輸入制限に動けば、相手国も報復に出るだろう。経済協力開発機構(OECD)の試算では関税など貿易のコストが10%上がると米国の輸出は15%近く減る。中国や欧州より打撃は大きい。

 保護主義のもとで米国が繁栄を謳歌できるという「過信」の上に成り立つトランプ流。内向きの政策がまん延すれば世界経済は縮小均衡に陥り、打撃は計り知れない。

 「日本にはトランプ氏に対抗できる交渉カードが必須。それは総合的な国力、成長力だ」(行天豊雄元財務官)。米国発の迷走を止める責務は日本にも重くのしかかる。

[日経新聞1月23日朝刊P.1]


(4) 自国優先「怠惰な4年」に 

編集委員 中山淳史

 トランプ大統領のメキシコ投資への「つぶやき介入」。自動車産業ではすでに年間70万台分以上が標的になった。

 「最も雇用を創る大統領に」はいい。だが、問題がある。まず雇用流出の根拠だ。米自動車3社が本国で最も車を生産した1999年と2015年を比べると、3社の生産規模は確かに18工場、362万台減った。

 だが、同じ期間に日韓欧の企業は米国で生産も雇用も増やしている。米国勢の減少はメキシコ移転というより、海外勢に押された結果といえた。

 2つ目は米メーカーの振る舞いだ。業界団体の米自動車工業会は新政権にオバマ大統領時代の厳しい燃費規制を緩めるよう嘆願書を送った。メキシコをあきらめる代わりに収益源の大型車が売りやすくなるよう規制緩和を交換取引した。そんな見方がもっぱらだ。

 東大の柳川範之教授は「怠惰な4年になる予感がする」と話す。自国優先の貿易を志向し、企業も大統領の顔色をうかがいつつ居心地の良い環境をつくろうと従順を装う。

 トランプ政権は「親ビジネス」か「反ビジネス」か。経済閣僚や助言組織には企業経営者が多い。法人税率が引き下げられ、環境規制と石炭などエネルギー開発への規制も緩和されそう。これらは産業界には「心地いいトランプ」だ。

 一方、反グローバルの政策が増え、企業が海外で生む利益には課税の手が及ぶ。移民規制も濃厚だ。これは「居心地悪いトランプ」だろう。

 グローバル化の象徴、自動車産業は原材料も含め、100カ国以上にまたがる国際貿易で成り立っている。日本車の海外生産は37カ国・地域で1800万台を超え、国内の2倍もある。そんな産業を自国の都合で閉じ込めたり、締め出したりする国が相次げば、世界経済の持続的成長など期待できなくなる。

 環境で言えば、オバマ政権の規制は確かに厳しく、企業には重荷だったとの声もある。だが、規制は技術革新の原動力にもなる。

 注目すべきは、意外にも中国だ。世界最大の自動車市場、中国は18年から「NEV」と呼ばれる厳しい環境規制を導入。電気自動車の普及で先行してガソリン車で勝てない日欧の自動車大手を追い抜こうとする政策を始める。最近は「中国のイーロン・マスク(米テスラモーターズの最高経営責任者)」を自称する起業家も多数出てきているという。

 日本企業はどうすべきか。日本たばこ産業(JT)の小泉光臣社長は「企業買収を含め、あえてグローバルに、技術革新にもっと根を張るしかない」と話す。保護主義の先には縮小均衡しかない。であれば、政治が変わっても「グローバル」「革新」こそが不変の道標だ。日本企業にとってはまさに真価が問われる4年の始まりである。

[日経新聞1月24日朝刊P.1]


(5) 「安倍1強」生まれた死角

編集委員 大石格

 「ブッシュホン」をご記憶だろうか。自民党内の基盤が弱かった海部俊樹首相が、当時の米大統領との距離の近さを売り物にして政権運営していたさまを、ふたりの頻繁な電話に引っかけて本紙が生み出した造語だ。1990年の新語・流行語大賞で銀賞に輝いた。

 対米追従と皮肉られることもあるが、日米の首脳が親密であるほど安心感を覚える日本人が多いのは間違いない。

 93年に来日したクリントン大統領はレセプションに改革派を標榜していた野党党首を招いた。直後の衆院選で自民党は大敗し、結党38年目にして下野を余儀なくされた。

 その選挙で初当選したのが安倍晋三首相だ。昨年11月、就任前のトランプ大統領に会いに急きょニューヨークに飛んだ。「実があるなら今月今宵(こよい) 一夜明ければ誰もくる」と詠んだ長州の先人、高杉晋作が念頭にあったろうか。

 残念ながら首相のそうした“誠意”は型破り大統領にあまり通じていないようだ。首相周辺は外務省に「主要国で最も早い首脳会談を設定せよ」とねじを巻いたが、狙っていた27日の会談は実現しなかった。就任後の電話もイスラエルなどに先を越された。

 「トランプ大統領が信頼できる指導者だ、との考えは変わらない」。首相は国会で力説した。トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)離脱の大統領令に署名したのはその半日後。政府はTPPによって国内総生産(GDP)が3.2兆円押し上げられるとしてきた。その消滅はアベノミクスには打撃である。

 昨年の参院選で与党が振るわなかった東北地方選出のある自民党議員は「日米自由貿易協定(FTA)交渉をすることになれば、選挙への影響はTPPの比ではない」と心配する。損得勘定が見えにくい多国間交渉と異なり、農業分野で押し込まれるとみるからだ。

 さりとて、自由貿易の旗手を自任してきた首相が、「2国間交渉はしない」とはいえまい。日本は安全保障を米軍に依存している負い目もある。

 次期駐日大使に就くウィリアム・ハガーティー氏はもともとはライバル候補を支持していた。交渉能力の高さを評価されてトランプ陣営に加わったのは昨年夏だ。

 駐日大使にはいろいろなタイプがあるが、テクノクラート型の場合、成果をあげようとしゃかりきになりがちだ。「ミスター・ガイアツ」と呼ばれたマイケル・アマコスト氏がそうだった。

 市場重視型個別協議(MOSS)、構造協議(SII)、枠組み協議……。80〜90年代、日米は激しい貿易摩擦を経験した。あの重苦しい日々が戻ってくるのだろうか。

 いま与党にも野党にも首相を脅かす政治勢力は見当たらない。そこに外からもたらされた想定外の死角。安倍政権の進む先に激動が待っている。(おわり)

[日経新聞1月25日朝刊P.1]


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/693.html

[国際17] 通貨安誘導と日本批判 トランプ氏、日銀緩和に言及か:政策の効果は限定的でしかないが円安効果に期待大だったのは確か

通貨安誘導と日本批判 トランプ氏、日銀緩和に言及か [日経新聞]
2017/2/1 2:31

 【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は31日、ホワイトハウスでの製薬会社幹部との会合で「中国や日本が市場で何年も通貨安誘導を繰り広げ、米国はばかをみている」と述べ、中国と同列で日本の為替政策を厳しく批判した。トランプ氏が大統領就任後に日本の通貨政策に言及するのは初めてで、2月10日の日米首脳会談でも圧力をかける可能性がある。

 トランプ大統領は31日の会合で、米国の貿易赤字に懸念を示し「他国は資金供給(money supply)と通貨安誘導で有利な立場にある」と主張。円安・ドル高相場は日本の通貨安誘導が原因だと決めつけた。トランプ氏が言及した「資金供給」が具体的に何を指すのか不明だが、日銀の量的緩和政策などを念頭に置いている可能性もある。

 トランプ氏は選挙戦中に日本を「通貨安誘導だ」と批判してきたが、大統領就任後は円相場に直接言及してこなかった。2月10日の日米首脳会談では、米国が多額の貿易赤字を抱える不均衡問題が議題となる見込みだ。トランプ氏は「日本との自動車貿易は不公平だ」と主張してきたが、批判の矛先は日本の通貨政策にも向かい始めた。

 日本は2011年以降、円高是正を目的とした円売り介入をしておらず「通貨安誘導はしていない」との立場だ。ただ、安倍政権の発足後、日銀の大規模な量的緩和政策に影響されて円相場は円安・ドル高方向に動いてきた。トランプ氏の「円安誘導」が日銀の金融緩和を指すのであれば、日本のデフレ脱却シナリオにまで影響しかねない。

 主要7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の首脳や通貨当局は、通貨安誘導の回避で一致している。為替相場は米連邦準備理事会(FRB)や日銀、欧州中央銀行(ECB)などの金融政策に左右されるが、金融緩和による通貨安は自国経済の調整という位置づけで黙認されてきた。米国も08年の金融危機後の量的緩和で、ドル安が続いた経緯がある。

 基軸通貨ドルを抱える米国の大統領が、他国の通貨政策を批判すれば、市場への影響は極めて大きい。トランプ氏は中国の人民元政策も「通貨安誘導」と批判したが、中国は為替介入が常態化しており、市場経済を重んじてきた日本とは事情が異なる。

 トランプ氏は米国の貿易赤字に強い不満を示し、貿易相手国との2国間協議で解消を目指す考えを強調している。「米国第一主義」は自国産業を守る保護貿易主義に極めて近く、金融市場には「トランプ氏はいずれ円安相場をけん制するのではないか」との懸念があった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN31H2C_R30C17A1000000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/694.html

[国際17] トランプ政権幹部、ユーロ安を批判 FT報道:ユーロ安ではなく“マルク安”批判、「EUは独のための乗り物」認識の一環

トランプ政権幹部、ユーロ安を批判 FT報道[日経新聞]

 【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権が新設した国家通商会議のトップのピーター・ナバロ氏が、米国と欧州連合(EU)で協議してきた環大西洋貿易投資協定(TTIP)交渉を巡り「暗黙のドイツ通貨・マルク安が貿易交渉の障害になっている」とユーロ安相場を批判していることが31日分かった。

 ナバロ氏の発言を英紙フィナンシャル・タイムズが31日報じた。国家通商会議は政権の貿易政策の司令塔を担う。ナバロ氏は米中貿易を専門とする経済学者で選挙戦中はトランプ氏の経済政策の立案を担った。

 ナバロ氏はTTIPについて米国が巨額の貿易赤字を抱えるドイツが「大きな障壁になる」と指摘し、通貨安を理由に挙げた。ユーロ圏はギリシャなど南欧諸国の債務不安で通貨が下落。ドイツはユーロ安で輸出を増やし、対米貿易の不均衡につながっている。

 トランプ大統領は今後の貿易自由化交渉で「通貨安誘導への極めて強い制限措置」を盛り込むよう求めている。ナバロ氏の発言はTTIP交渉を通じてユーロ安相場をけん制する可能性を示唆したもので、外国為替相場に影響しそうだ。日本との協議でも円安批判が噴き出す可能性がある。

 もっとも足元のドル高・ユーロ安相場は米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速観測の影響が大きい。FRBはトランプ政権が掲げる財政拡張策によってインフレ圧力が高まると見込んでおり、ドル高は自国要因との見方が強い。米国が貿易相手国の通貨安批判を強めれば混乱が広がりそうだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H55_R30C17A1FF1000/


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/695.html

[政治・選挙・NHK219] 安倍首相 民進・辻元氏に逆襲 「私は確かに辻元さんより人はいい」:逆襲できず、たじたじで防戦一方の安倍首相

安倍首相 民進・辻元氏に逆襲 「私は確かに辻元さんより人はいい」
産経新聞 2/1(水) 17:51配信

 安倍晋三首相は1日、衆院予算委員会に出席し、北方領土問題などを取り上げた民進党の辻元清美元国土交通副大臣との間で、答弁とヤジで応酬しあう奇妙なやり取りを展開した。

 辻元氏は北方領土問題をめぐるプーチン露大統領との交渉について、昨年12月の山口県での首脳会談直前にロシアが択捉、国後両島に地対艦ミサイルを配備したことなどを問題視。「首相は人がいいのかしら、私より。よくお考えになった方がいい。ここまでやられて」と難詰した。

 さらに「ミサイルを配備されているのに、(交渉を)ドンドン進めればいいというのは、ちょっと甘い。首相は過信外交になっている」と批判した。

 辻元氏はトランプ米大統領が中東・アフリカ7カ国からの入国を一時禁止したことについても、10日の日米首脳会談で「『日本は多様性と共生を、そして私は寛容と和解を大事にしている。トランプさんもそうですよね』と言ったらどうか」と首相に提案した。

 これに対し、首相は「北方四島について、われわれは決して後退はしていない。まるで後退しているかのごとく決めつけるのはやめていただきたい」と反論した。すると、辻元氏は質問席に着席したまま「むきにならない」と2回連呼。首相がこれを無視し、「私は確かに辻元さんよりも人はいいかもしれませんが…」と述べると、爆笑に包まれた。

 しかし、辻元氏はめげることなく両手を口元にあてて大声で「だから心配してるのよー」と再びやじを飛ばした。その後も答弁する首相に対し、辻元氏のやじが連発した。

 首相「人はいいかもしれませんが、交渉力はしっかりあると思っている」

 辻元氏「そーかなー」

 首相「まさに日本は多様性も認めているし…」

 辻元氏「そうそう」

 首相「和解の力については…」

 辻元氏「寛容」

 首相「あのー、寛容と…」

 辻元氏「共生」

 首相「和解の力については昨年の、昨年の末の…」

 辻元氏「ちゃんと、しっかり!」

 答弁するたびに合いの手を入れる辻元氏に対し、首相はついに我慢ができなかったようで、「ちょっと、すみません。今、私しゃべっているんですから。質問者もヤジを飛ばさないというのはお互いの了解だと思いますので」と失笑しながら苦言を呈した。


最終更新:2/1(水) 20:28

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170201-00000534-san-pol


http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/939.html

[政治・選挙・NHK219] 首相 米の雇用創出やインフラ整備への協力で意見交換の考え:会う前から米国の雇用創出やインフラ整備に協力と言明する愚

 トランプ大統領が標的にしている自動車の日本国内生産レベルをなんとか維持したいという安倍首相の気持ちは痛いほどわかるが、そのために、会う前から日本の国会で、米国の雇用創出やインフラ整備に協力するといった内容まで見せてしまうのは愚である。

 トランプ大統領の個別の要求にいちいち対応していけば、日本経済は手ひどい打撃を被り続けることになる。トランプ大統領の一つ一つの言動への過剰な反応は控えた方が良い。

 トランプ大統領と会談で話すべきは、今後の世界レベルの国際通商の基本的枠組みをどう変えていくかという問題であり、安倍政権は、過度な対米輸出依存構造から脱却し新たに成長に寄与する日本自身の国際通商構造を早急に構想しなければならない。(トランプ米国の言い分は相当レベルで理に適っているのだから)

 それらを抜きに、個別対応でなんとか切り抜けようというのは、天皇の譲位を一代限りの特例法で対応する(今後また譲位が必要になったら一代限り特例法を繰り返すことを含意)やり方と変わらない愚である。

 インフラ整備は、米国自身が必要なものを見定め。米国の財源(お金)で実施するものである。安倍首相としては新幹線やリニアを売り込みたいのかもしれないが、端からそのような案件を匂わす話をすれば足下を見られることになる。

※ 参照投稿

「日本のリニア技術、米国に提供を表明…首相」
http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/344.html


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首相 米の雇用創出やインフラ整備への協力で意見交換の考え[NHK]
2月1日 12時08分

安倍総理大臣は衆議院予算委員会の基本的質疑で、今月10日に行われるアメリカのトランプ大統領との初めての日米首脳会談では、アメリカでの雇用創出やインフラ整備などに、日本がどのように協力できるのか意見を交わしたいという考えを示しました。

国会では、1日から衆議院予算委員会で、新年度、平成29年度予算案の実質的な審議が始まりました。

この中で、自民党の茂木政務調査会長は、今月10日に行われる安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領の初めての日米首脳会談について、「トランプ大統領はアメリカに雇用と産業を取り戻すため、より有利な貿易政策を追求する姿勢を示し、日本の自動車市場も批判している。経済関係をどう構築していくのか」と質問しました。

これに対し、安倍総理大臣は「貿易面だけではなく、お互いが経済関係を密にしていくことから大きな利益を上げ、両国がひ益していることを認識し合うことが、まず大切だ。どのような経済関係を構築していくべきか、腰を据えて、いわば『がっぷり四つ』で話し合っていきたい」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「これから、いかに日本は雇用を生み出し、アメリカの産業界全体の生産性の向上、競争力の強化に貢献し、トランプ大統領が示しているインフラの整備にどういうかたちで協力していくことができるかどうかも含め、大きな枠組みの中でしっかり話をしていきたい」と述べました。

また、安倍総理大臣は日米同盟をめぐって、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射などを例に挙げたうえで、「アジア太平洋地域の安全保障環境は厳しさを増しているが、日本が攻撃されれば、アメリカの日本に対する防衛義務を定めた日米安全保障条約5条で共同対処し、アメリカが必ず報復することが抑止力になる。トランプ大統領との間で、同盟関係が確固たる信頼関係の上に成り立っていることを、内外に示すものにしていきたい」と述べました。

公明党の石田政務調査会長は長時間労働の是正に向け、政府が導入を目指している、罰則つきの時間外労働の上限をめぐり、「上限が何時間か、はっきり決めなければならず、長時間労働の是正に向けた決意を聞きたい」と質問しました。

これに対し、安倍総理大臣は「労働市場が非常にタイトになる中、よい条件を出さなければ人が集まらない。健康管理によって経営者も労働者も生産性が上がっていくという同じ認識を持ちつつ、しっかりと進めていく。長時間労働是正には、誰に対して何時間の上限にするかを法律上、明確に規定し、罰則で担保することが必要だ。働き方改革実現会議でしっかり議論して実行計画で明示し、法案を早期に国会に提出したい」と述べました。

一方、「卸売市場法」を所管する山本農林水産大臣は、東京・築地市場が豊洲市場に移転した場合、年間でおよそ100億円の赤字になるという都の試算に関連して、認可に当たり経営面も考慮するか問われたのに対し、「『卸売市場法』は、財務も必ず精査するような仕組みになっている。まず、開設者の東京都が策定する業務規程内容を精査し、関係省庁の法令に適合するかどうかを判断して総合的に決断したい」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170201/k10010860411000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_011



http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/941.html

[政治・選挙・NHK219] ポピュリズム、SNSが温床か 偽ニュース、世界の秩序揺さぶる:強い影響力で偽ニュースを発信してきたのは政府や主要メディア

 わけ知り顔で「ポピュリズム」という言葉を安易に使うことで日経新聞など主要メディアはオワっているが、1990年以降だけでも、クウェート病院の産科病棟でイラク軍兵士が乳児を床に投げ付けた話・油井破壊で油まみれになった水鳥の話・イラク大量破壊兵器保有確認説・実際は悪質な大事件はなかった「15年大晦日ケルン大量婦女暴行事件」でっち上げなど、政府機関がぶち上げ主要メディアが拡散させた“フェイクニュース”が開戦や反イスラム気分を助長してきた。

(ここでは、欧米で頻発している「偽テロ」(政府の自作自演)は“フェイクニュース”から除外した)

 トランプ政権の特定国家国民に対する入国規制や難民受け入れ停止を米国民の多数派が支持している背景として、長年にわたって繰り返し続けられてきたイスラム絡みの「偽ニュース」拡散で染み込んだ「反イスラム意識」(イスラム恐怖)を指摘することができる。

 信じないという人が圧倒的多数のようだが、仮に信じたとしても、SNSで発信されている「偽ニュース」など実害の少ないカワイイものがほとんどだろう。

 主要メディアは、政府及び政府寄り評論家が熱を上げている“フェイクニュース狩り”の尻馬に乗ってあれこれ言うのではなく、自らの報道姿勢を顧みるべきである。


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[ニュース解剖]ポピュリズム、SNSが温床か
偽ニュース、世界の秩序揺さぶる

 手軽な情報の受発信を可能にした交流サイト(SNS)。だが、最近では「偽ニュース」や「誤った情報」が氾濫し、民主主義の危機を叫ぶ声もあがる。民意をすくい取る利器のはずのインターネット。SNSはポピュリズム(大衆迎合主義)の温床なのか。SNSにどう向き合い、どう使いこなしていくべきなのか。(編集委員 村山恵一)


 「米国民へ。あなた方が再び無視されることはない。その声、希望、夢が米国の運命を決める」。20日、大統領に就いたトランプ氏はフェイスブックに投稿した。フォロワーは今や2100万人を超え「ツイッター大統領」の異名も定着し始めた。

 そのSNSを巡って米国が揺れている。偽ニュース問題だ。

 「ローマ法王がトランプ氏支持を表明した」「クリントン氏が過激派組織『イスラム国』(IS)に武器を売却」――。2016年の大統領選のさなか、さまざまな偽ニュースがつくられ、SNSで瞬時に拡散した。

 トランプ氏を後押しするような偽ニュースを発信した男性は同氏の当選後、米メディアとのインタビューで豪語した。「トランプ氏がホワイトハウスにいられるのは私のおかげだ」

 選挙の終盤3カ月にフェイスブックで注目された上位20の記事で比べると、偽サイト発のほうが大手メディア発より共有やコメントが多かった。そんな分析まで登場した。

 6日には米国家情報長官室が報告書で、大統領選の際にロシアがサイバー攻撃をしかけ、トランプ氏を利するような偽ニュースを広めたと指摘。民主主義の土台を揺るがすかのような懸念や批判の声は、今秋に議会選挙を控えるドイツに飛び火する。独政府は偽ニュースを速やかに削除しなければフェイスブックに罰金を科すことを検討すると表明。金額は偽ニュース1件につき最大50万ユーロとされる。

 落ち着いて考えれば、おかしいとわかりそうな内容が多い偽ニュースが、なぜこれほどの「力」を持つのか。

 「人は自分の意見や態度に沿った形で情報を処理する」。社会心理学が専門の香港城市大学メディア・コミュニケーション学部の小林哲郎准教授は指摘する。正確な情報より、自分の立場を補強してくれる情報に吸い寄せられる傾向が強いという。

 そもそも人は似た者同士が引かれ合う特性がある。瞬時に、かつ広範に情報を共有できるSNSの普及が重なり、「偽ニュースが爆発的にシェアされる結果を招いた」(小林氏)。

事実よりも好みの情報

 英語辞典で有名なオックスフォード大学出版局は昨年11月、「2016年の言葉」に「ポスト・トゥルース」を選んだ。客観的な事実より、感情や個人の信念に訴えるものが世論の形成に大きな影響力を持つ現象を指す。目先の利害にとらわれ、ポピュリズムや反グローバル思考に走る世界。SNSが拍車をかけている面は否めない。

 本来、人びとが多様な意見に触れ、知恵を束ねて社会を前進させるはずのネットが、社会の分断や断絶を助長させているなら皮肉だ。どう打開するか。

 膨大な情報のやり取りを実現するプラットフォーム会社が果たすべき役割は大きい。

 「単にニュースを届ける存在ではないと気づいた。人々が最も意義のある対話をし、知識を得られる場所を築く新たな責任がある」。偽ニュースの拡散を放置したと批判されたフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は昨年末、一連の対策を発表した。

 嘘と思われる情報を見つけた時、利用者が簡単にフェイスブックに通報できるようにし、第三者機関による事実確認で嘘と判断されれば警告を表示する。米国に続いて今年に入り、ドイツでも対策の実施を決めた。

 同社だけではない。グーグルは偽ニュースサイトが同社の広告サービスを使うのを禁止する措置を打ち出した。不正な発信者の資金源を絶つねらいだ。

 かねてプラットフォーム企業は、流れる情報の中身について法律違反を理由に削除する場合などをのぞき「中立」の立場をとってきた。過度なチェックや中身に踏み込んだ判断は、表現の自由とぶつかる「検閲」になりかねないからだが、あまりの批判に重い腰を上げた格好だ。

 対処法はまだある。ニュースの発信元に関する情報の提供や、間違った投稿を後から簡単に修正できる機能の導入などだ。検討の余地はあるだろう。


ネットの危うさ 教育を

 若者のリテラシー教育も再考すべきだとの声は多い。

 米スタンフォード大学が約8000人の若者を対象に調べたところ、ネットの情報の信頼性を判断するとき、情報源ではなく添えられた写真に大きく左右される傾向などがみられた。物心ついたときからIT(情報技術)に囲まれたデジタルネーティブ世代は自然にネットを使いこなすというのは幻想だ。

 さらにIT業界では人工知能(AI)などを駆使して、利用者の好みに合った情報を選んで提供する競争も過熱する。利便性が増す半面、ますます利用者の「視野」を狭めかねない。

 「検索エンジンもSNSも、どのように情報が表示されるか、しくみを知らずに使う若者が多く危険だ。中学生くらいから教える必要がある」。法政大学の藤代裕之准教授は訴える。

 8年前、ネットを使ったボトムアップの民意はバラク・オバマ氏を米大統領に押し上げ、続く「アラブの春」では、ネットでつながった民衆が独裁政権を倒す契機となった。広く民意をとらえ、民主主義に寄与するネットの潜在力を感じさせた。いま目の前にあるのは、ネットの負の側面が膨らむ現実だ。

 トランプ大統領のツイッターによる情報発信について、「精査されないまま意図せざる影響を持ちかねない」と7割の米国民が否定的との世論調査もある。それでもトランプ氏のツイートはやまない。メディアを攻撃し、自らの主張を世界に直接訴えかける。自らSNSを通じて民意を誘導しようとしているかのようだ。

 既存メディアは一段と情報の信頼性を高め、ネットに接する利用者はより慎重に情報を取捨選択する。即効薬はなくても、ネットの正の側面を増やす地道な取り組みが要る。ネットが広く一般に普及して20年あまり。民主主義を支える人びとの英知が試されている。

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嘘拡散防止は皆の責任 NY市立大学大学院ジャーナリズム学科教授 ジェフ・ジャービス氏


 偽ニュース問題にどう向き合うべきか。技術とジャーナリズムの関係に詳しいニューヨーク市立大学大学院ジャーナリズム学科のジェフ・ジャービス教授に聞いた。


 ――問題の背景は。

 「嘘やプロパガンダ、詐欺は以前からあるが、嘘を素早く広げる手段が増え、事態を悪くしている。ただ忘れてならないのは誤りを素早く正す方法もたくさんあることだ。いつでも情報を検索でき、事実を基盤とする社会といえる。残念ながら全員がそうではないが」

 ――偽ニュースの広がりを防げますか。

 「根絶は不可能だ。それより、真実で、信頼できる情報をもっとメディアや社会に送り込み、人びとの対話に役立てることに集中すべきだ」

 ――フェイスブックの対応策の評価は。

 「良い一歩だ。投稿を読むか、共有するか、利用者が決める大事な瞬間にフェイスブックがより多くの判断材料を提供することが重要だと思う」

 ――プラットフォーム企業が過度に情報を管理すれば、表現の自由を妨げかねません。

 「その通りだ。フェイスブックやグーグルなどに真偽を判断する検閲者にはなってほしくないし、彼らも望んでいない。人びとの対話の質を改善するため、ニュースメディアとプラットフォーム企業の連携が必要だ」

 ――SNSの利用者は何をすべきですか。

 「メディアリテラシーを高めたい。友人を含めたくさんの場所から来る情報の内容を見極め、誤情報を流せばどうなるか理解しなければならない。我々は皆、嘘の広がりを止める責任がある」

 ――トランプ大統領はツイッターを多用します。民主主義にとってプラスでしょうか。

 「問題はツイッターではなく、使い手の精神だ。責任感があり寛容で成熟した知識ある政治家がオンラインツールを手にすれば、国民と直接対話できる利点がある。トランプ氏はそういう人間ではない。彼にとってツイッターは破壊の道具だ」

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SNSニュース「信用せず」87%

 SNS上のニュースを信用しない読者の多くは「ニュースソースを含め真偽が不明確」(65歳、男性)との意見が多い。「事実とは全く異なる情報を発信する(できる)仕組みが大きな問題」(53歳、男性)との指摘も。さらに「自分でふに落ちるか否かは自分自身で」(54歳、女性)と「メディアリテラシー(メディアを読み解く力)」の重要性を説く声も寄せられた。

 トランプ米大統領によるツイッターでの発信は「正しい議論に導かれない」(58歳、男性)との危惧がある一方、「生の声を伝える」(41歳、男性)利点を評価する声もあった。
フォームの終わり

[日経新聞1月26日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/943.html

[政治・選挙・NHK220] 小売り、「食」シフト対応 エンゲル係数、29年ぶり高水準:その理由を食べることへのこだわりにしてしまう“偽ニュース”?

【引用】
「 エンゲル係数は13年まで20年近くほぼ23%台で推移してきたが、14年から急激に上昇した。消費増税や食品メーカーの相次ぐ値上げなどで、食品の単価が上がった。ただ、値上げが一服した16年もエンゲル係数の上昇は止まっていない。背景にあるのが人口構成やライフスタイルの変化だ。」

【コメント】
 エンゲル係数が14年から急激に上昇したのは消費税増税のせいであり、16年も上昇したのは、公的負担増による可処分所得の減少と円安傾向下での食品など価格の上昇(実質化処分所得の減少)が主因である。

 「外食や調理済み食品の利用増」は、家庭で料理するなら購入しなければならない材料費より安い弁当なども出回っており全体的な(平均の)エンゲル係数上昇をもたらすわけではない。

「食べることを楽しむ食のレジャー化」は、ことさら最近始まった傾向ではないこと、それを恒常的にできるのは所得に余裕がある家計に限られているなど、全体を対象としたエンゲル係数の上昇要因にするのは難しい。

 16年のエンゲル係数上昇は、詰まるところ、家計の実質可処分所得減少に起因すると考えるべきである。


※ 参照投稿

「ポピュリズム、SNSが温床か 偽ニュース、世界の秩序揺さぶる:強い影響力で偽ニュースを発信してきたのは政府や主要メディア」
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/943.html

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小売り、「食」シフト対応 エンゲル係数、29年ぶり高水準
昨年、高齢化や世帯人数減で 丸井や西武が売り場拡大

 消費支出の「食」へのシフトが鮮明になっている。家計支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は2016年は1987年以来、29年ぶりの高水準になりそうだ。食品価格の上昇に加え、外食や調理済み食品の利用増、食べることを楽しむ食のレジャー化などが要因。丸井グループやそごう・西武が一部店舗で食品売り場を拡大するなど企業は対応を急ぐ。


 総務省の家計調査(2人以上の世帯)によると、16年1〜11月のエンゲル係数の平均値は25.7%。15年は通年で25.0%。例年12月は食費の割合が跳ね上がるため、16年の平均値がさらに上昇するのは確実で、26%を超えた可能性もある。

 1カ月当たりの消費支出は、全体では16年1〜11月の平均で27万8888円と前年同期比約2%減だった。だが食料支出は7万1603円と1.8%増えた。「被服および履物」「住居」など多くの主要項目で支出が減る一方、増えたのは食料のほか「保健医療」「教育」に限られた。

 エンゲル係数は13年まで20年近くほぼ23%台で推移してきたが、14年から急激に上昇した。消費増税や食品メーカーの相次ぐ値上げなどで、食品の単価が上がった。ただ、値上げが一服した16年もエンゲル係数の上昇は止まっていない。背景にあるのが人口構成やライフスタイルの変化だ。

 日本総合研究所の小方尚子主任研究員は「世帯の構成人数が減り、素材を買って家で調理するのが経済的に非効率になった」と指摘する。食への支出が高くなりがちな高齢者の増加に加え、家庭での調理から距離を置く「食の外部化」が影響している。

 第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「若い世代を中心に他の支出を抑制する一方、身近な楽しみとして食の重みが増している」と分析する。

 丸井グループは今夏に、大手アパレルなどが入居していた錦糸町店(東京・墨田)の地下1階を食品スーパーに改装する。そごう・西武は4月までに西武所沢店(埼玉県所沢市)で食品売り場を従来の地下1階に加え、地上1階にも新設する。

 コンビニエンスストアは調理の手間を減らしたい層の需要を取り込む。ローソンは店内で調理した弁当など提供する店舗を、現在の約3500店舗から18年2月期中にも5000店に増やす。

 ロイヤルホールディングス(HD)傘下のファミリーレストラン「ロイヤルホスト」では、16年12月に始めた比較的高単価なフェアメニューの売れ行きが想定の約2倍と好調だ。

 エンゲル係数は数値が高いほど消費者の生活は苦しいとされてきた。だが今は、調理の負担を減らしたり、安全安心への関心を満たしたりするために積極的に食に支出する傾向も強まっている。人口減で「国民の胃袋」は縮小が確実だが、支出の食シフトは新たな商機も生み出す。

[日経新聞1月26日朝刊P.13]


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/102.html

[政治・選挙・NHK220] 首相に経済政策助言 浜田内閣官房参与「きちんと交渉を」:学者にあるまじきあやまった助言:「強すぎないドル高」が基本

 トランプ政権ときちんと交渉するのは当然だが、おかしな論理で対応しても意味がない。

【引用】
「浜田氏は「トランプ大統領は国境税で貿易を制限しろ、円安になるのも制限しろと両立しないことを日本に要求している。経済学の原則に反することを押しつけて、かつて主要国が協調してドル高を是正した『プラザ合意』のようなことをやろうとすると、日本経済も世界経済も破滅してしまう」と懸念を示したうえで、「日本政府は、きちんと交渉に向かってほしい」と述べました。」


【コメント】
 トランプ大統領の米国で販売する自動車は米国内で生産して欲しいという言動は、貿易を制限するものだが、「国境税は貿易を制限」するものではなく、米国は導入していない付加価値税(消費税)が持っている関税機能への対抗策である。

 トランプ大統領は「円安になるのも制限しろ」というようなことを言っていない。あくまでも、「政策で円安傾向にするのは認めない」という言動である。

 トランプ政権のドル政策だが、ドル安(円高)志向ではなく、「強すぎないドル高」が基本になると考える。弱いドルでは、金融資本主義経済は不利になるからである。


 トランプ氏の発言に過剰に反応する必要もない(逆に術中に嵌まってしまう)。
 浜田内閣官房参与のように、トランプ大統領の発言の趣旨を理解しないでおかしな反論をするとかえって不利になる。


※ 関連参照投稿

「トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html

「首相 米の雇用創出やインフラ整備への協力で意見交換の考え:会う前から米国の雇用創出やインフラ整備に協力と言明する愚」
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/941.html

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首相に経済政策助言 浜田内閣官房参与「きちんと交渉を」[NHK]
2月1日 14時21分

安倍総理大臣に経済政策を助言している浜田宏一内閣官房参与は1日、都内で行われた討論会で、アメリカのトランプ大統領が日本の為替政策を批判していることなどについて、日本経済に悪影響を及ぼすことへの懸念を示し、「日本政府は、きちんと交渉に向かってほしい」と述べました。

アメリカ・エール大学の名誉教授で、アベノミクスの理論的支柱とされる浜田内閣官房参与は1日、都内で行われたパネル討論会に出席しました。

この中で、浜田氏は、アメリカのトランプ大統領が「為替を操作して通貨安を誘導している」と、日本を名指しで批判したことについて、「トランプ大統領のおかげで円安株高になり、日本経済はここ1、2か月は晴れ間だったが、これから嵐になるのではないか」と述べました。

そのうえで、浜田氏は「トランプ大統領は国境税で貿易を制限しろ、円安になるのも制限しろと両立しないことを日本に要求している。経済学の原則に反することを押しつけて、かつて主要国が協調してドル高を是正した『プラザ合意』のようなことをやろうとすると、日本経済も世界経済も破滅してしまう」と懸念を示したうえで、「日本政府は、きちんと交渉に向かってほしい」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170201/k10010860621000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_008



http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/103.html

[政治・選挙・NHK220] <安倍首相>辞任を「覚悟」…南スーダン、自衛隊員死傷で:日露平和条約締結は自分の手で

<安倍首相>辞任を「覚悟」…南スーダン、自衛隊員死傷で
毎日新聞 2/1(水) 22:27配信

 安倍晋三首相は1日の衆院予算委員会で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されている自衛隊に死傷者が出た場合、首相辞任の覚悟を持つ必要があるとの認識を示した。「辞任する覚悟はあるか」との質問に対し、「もとより(自衛隊の)最高指揮官の立場でそういう覚悟を持たなければいけない」と述べた。

 民進党の江田憲司氏が故橋本龍太郎首相の秘書官時代に発生したペルー日本大使公邸占拠事件について「橋本内閣では人質に犠牲者が出た場合、首相か官房長官が辞めると話していた」として覚悟をただした。南スーダンの自衛隊部隊には「駆け付け警護」など新たな任務が付与されている。首相は現地の治安情勢について「極めて厳しい」との認識も示した。

 また、ロシアとの平和条約交渉に関し「私はバトンを渡そうとは考えていない。私の手で締結しようと考えている」と述べ、在任中の解決に強い意欲を示した。

【光田宗義】

最終更新:2/1(水) 23:32

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170201-00000130-mai-pol


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/104.html

[国際17] 米国防長官が訪韓、北朝鮮抑止を最優先:トランプ政権が3月の米韓合同演習を中止すれば東アジアに大きな変化

米国防長官が訪韓、北朝鮮抑止を最優先[日経新聞]
大統領代行と会談、同盟強化確認
2017/2/2 20:50

 【ソウル=峯岸博】マティス米国防長官は2日、就任後初の外国訪問先となる韓国に到着し、ソウルで黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行兼首相らと会談した。一連の会談でマティス氏は「トランプ政権は北朝鮮核問題の威嚇を最優先の安全保障上の懸案として扱う」と表明。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射など追加挑発を強行すれば「強力に対応する」と北朝鮮をけん制した。

 マティス氏は韓国大統領府の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長とも会談。夜には韓民求(ハン・ミング)国防相と夕食を共にしながら意見交換する。3日午前は米韓国防相会談に臨んだ後、同日午後に東京に移動。3日中に安倍晋三首相、4日に稲田朋美防衛相とそれぞれ会う。

 2日の会談で米韓双方はトランプ政権のもとで同盟関係を維持、強化、発展させるのが重要だとの認識で一致した。米国の核兵器による「核の傘」を含む拡大抑止を韓国に引き続き提供し、韓国への確固たる防衛公約を果たすと確認した。

 米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備も遅滞なく進め、北朝鮮の増大する脅威に対処するための緊密な連携を申し合わせた。THAAD配備には中国が自国の安全保障を侵害すると猛反発し、韓国への報復を強めている。米韓両軍が年内の早期配備をめざしているのに対し、韓国野党は「次期政権下で決定すべきだ」などと慎重姿勢だ。

 米韓は緊密な協力関係を土台に北朝鮮の脅威に対処し、朝鮮半島の平和と安定を維持すべきだとした。韓国側は北朝鮮の核・ミサイルが重大な脅威になりつつある状況下で、マティス氏が最初の訪問国に韓国を選んだのは「非常に時宜にかなっている」と歓迎した。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM02H60_S7A200C1MM8000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/741.html

[国際17] 朴大統領 誕生日に秘書官らと昼食=韓米同盟強化を評価:通商問題でトランプ大統領が韓国批判をしないことを評価

記事入力 : 2017/02/02 18:20
朴大統領 誕生日に秘書官らと昼食=韓米同盟強化を評価[朝鮮日報]

【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は2日、65歳の誕生日を迎え、青瓦台(大統領府)官邸で韓光玉(ハン・グァンオク)大統領秘書室長、首席秘書官全員と昼食を共にした。


 昨年12月9日に国会で弾劾訴追案が可決され、職務が停止されて以降、朴大統領が首席秘書官らと食事を共にするのは元日に続き2回目。

 青瓦台は、朴大統領らが昼食の席で米国のトランプ大統領の朝鮮半島政策とマティス国防長官の訪韓、韓米関係と高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)の韓国配備など、外交・安保の懸案事項をめぐり対話を交わしたと明らかにした。

 一方、朴大統領に絡む疑惑を調べている特別検察官による捜査や憲法裁判所の弾劾審理、次期大統領選の有力候補だった潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が不出馬を表明したことなど、政治に関する話題には言及しなかった。

 朴大統領は、トランプ政権発足から10日余りで国防長官が訪韓することには大きな意味があるとし、米国が韓米同盟の重要性を強調する立場を示したと評価した。

 また、「トランプ大統領は中国、日本、ドイツに対し保護貿易や貿易収支不均衡の問題などについて為替政策で圧力を加えたが、わが国に対してはそのような政策をとらない。韓米同盟の重要性を認識して国防長官を訪韓させ、韓米の軍事協力を強固にしようとしている」と強調した。

 THAADについては「(韓国配備の)決定は正しく、韓米同盟において非常に重要なことを行った」とし、「日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結も、反対意見が多く困難だったが、重要な決断だった」と評価した。


 青瓦台関係者は「大統領が国のことを非常に心配していた」と述べ、「政治の話は出なかったが、特別検察官の捜査や弾劾審理には粛々と臨む姿勢だとの印象を受けた」と伝えた。

 約1時間50分に及んだ昼食の席では韓大統領秘書室長をはじめとする出席者が大統領に花を贈り、健康と長寿を願う意味でカルグクス(麺料理)とブドウジュース、韓国の茶菓などがテーブルに並んだ。

 朴大統領は一部の支持者からの花束と応援のメッセージ、与党セヌリ党の女性議員からの花束を受け取ったという。

 また中国のファンクラブ「槿恵連盟」も韓中関係の発展を願うプレゼントを贈り、朴大統領の支持団体「朴槿恵を愛する会」は応援の手紙を集めて青瓦台に伝達した。

 一方、中国の習近平国家主席は昨年、朴大統領の誕生日を前に書簡を通じて祝意を伝えたが、今年は書簡が届かなかったという。

聯合ニュース

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/02/02/2017020202980.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/743.html

[エネルギ3] 再生エネのコスト低下 規模拡大で 風力や太陽光、石炭火力並みも

再生エネのコスト低下
規模拡大で 風力や太陽光、石炭火力並みも UAEで最安の計画

 【フランクフルト=加藤貴行】世界で再生可能エネルギーの発電コストが急速に下がっている。欧州の洋上風力発電の入札では1キロワット時あたり約6円まで下落。アラブ首長国連邦(UAE)では太陽光発電で同3円を切る世界最安のプロジェクトが始動する。一部の再生エネは石炭火力並みの価格競争力を持ち始めており、普及に弾みがつきそうだ。

 再生エネは発電コストの高さが課題だったが、2000年代に地球温暖化対策や電源多様化のため、各国政府が補助制度を設け普及を促進。市場拡大に伴い資機材価格や建設費が下がった。欧州などでは近年、入札への移行が始まり下落に拍車がかかる。

 再生エネの発電コストの低下で、欧米のIT(情報技術)や流通、鉄道業界では使用電力のすべてを再生エネにする動きが広がっている。

 安定電源として期待されるのが洋上風力だ。遠浅で強風が吹き続ける欧州の北海やバルト海では大型プロジェクトが相次ぐ。スウェーデン電力最大手バッテンファルは昨年11月、デンマーク政府が実施した洋上風力(容量60万キロワット)の入札で、1キロワット時あたり4.99ユーロセント(約6.1円)で落札した。

 同社は洋上風力発電事業者の世界2位。昨年7月に首位のDONGエナジー(デンマーク)がオランダ沖の洋上風力の入札で記録した7.27ユーロセントの最安値を更新した。

 石油メジャーも成長市場として洋上風力に目を向ける。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは昨年12月、オランダ沖の70万キロワットの事業の入札において5.45ユーロセントで落札した。この事業には三菱商事も少数権益保持者として加わった。

 太陽光はさらに下落が進む。UAEのドバイ電力・水道局(DEWA)の入札では16年に入り1キロワット時あたり米ドルベースで2セント台が登場。中国の太陽電池メーカーの企業連合が35万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)を2.42セントで落札した。

 DEWAは昨年11月末、アブダビ政府系機関のアブダビ未来エネルギー公社との間で1キロワット時あたり2.99セントでの電力を購入する契約を結んだ。中東は日照時間が長く、安定した太陽光の電源を確保しやすい。

 国際エネルギー機関(IEA)によると過去5年で太陽光の発電コストは8割、陸上風力は7割弱下落した。陸上風力のコストも1キロワット時あたり10セントを割り込んできた。石炭火力は地域や燃料価格にも左右されるが、1キロワット時あたり5〜7セントとみられる。

 スペイン電力最大手イベルドローラは「南米やメキシコ、米カリフォルニア州の太陽光は補助無しでも石炭火力より安い」という。原油価格上昇で化石燃料の発電コストも上がれば、再生エネの競争力は一段と高まる。

 IEAの調べでは、15年に再生エネの発電容量が1億5300万キロワットに達し、累計で初めて石炭火力を超えた。発電効率は低いため発電量では世界全体の14%にとどまるが、IEAは「21年には欧米の需要をまかなえる規模になる」と予測。発電量が変動しやすい課題があるが、欧米では電力をためる蓄電システムの投資も相次ぐ。

 トランプ米大統領は国内の石炭や石油などの利用推進を打ち出し、地球温暖化対策に後ろ向きな姿勢を示している。米国の温暖化関連のビジネスに逆風になる可能性があるが、再生エネ自体は経済性を伴った電源になりつつある。欧州の電力業界では「米国の政策変更にかかわらず、世界的な普及は続く」(仏エンジー)との見方が多い。

[日経新聞1月28日朝刊P.6]



http://www.asyura2.com/16/eg3/msg/106.html

[政治・選挙・NHK220] 日米首脳会談「貿易・安保が議題」 米大統領報道官

日米首脳会談「貿易・安保が議題」 米大統領報道官[日経新聞]
2017/2/4 11:29

 【ワシントン=川合智之】スパイサー米大統領報道官は3日の記者会見で、10日に首都ワシントンで開くトランプ米大統領と安倍晋三首相の日米首脳会談について「貿易や安全保障の双方で多くのことが議題になる」と述べた。会談では通商政策や経済協力、アジア太平洋地域での同盟強化などを幅広く協議する。

 トランプ氏は日本の自動車市場を閉鎖的と批判している。首相は日本の自動車業界が米国内で雇用を生み出していることを説明し、理解を求める見通し。

 トランプ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を決め、日本との自由貿易協定(FTA)交渉に意欲を示している。日本の「通貨安誘導」も批判しており、首脳会談で日本側に対応を求める可能性がある。

 安全保障については、日本側は沖縄県・尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だとする従来方針を再確認したい考え。トランプ氏は選挙戦中に駐留米軍の費用負担増を要求していたが、1月28日の首相との電話協議では言及しなかった。

 スパイサー氏は記者会見で、首脳会談に先立つマティス国防長官の日韓訪問について「トランプ氏がアジア太平洋を重視していることを示す」と強調。トランプ氏が外国首脳とホワイトハウスで会談するのは、1月27日のメイ英首相に続き2人目となる。安倍首相はトランプ氏と個人的な関係も築き、日米同盟の強化につなげる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H1R_U7A200C1MM0000/?dg=1

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※ 関連参照投稿

「トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html

「首相 米の雇用創出やインフラ整備への協力で意見交換の考え:会う前から米国の雇用創出やインフラ整備に協力と言明する愚」
http://www.asyura2.com/17/senkyo219/msg/941.html

「首相に経済政策助言 浜田内閣官房参与「きちんと交渉を」:学者にあるまじきあやまった助言:「強すぎないドル高」が基本」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/103.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/223.html

[経世済民118] 脱デフレ 金融政策では限界だ:財政拡張=財政再建棚上げ政策に活路のFTPL(インフレで実質債務縮減)理論

脱デフレ 金融政策では限界だ
クリストファー・シムズ氏 米プリンストン大教授

 日銀の金融緩和に限界論がささやかれ、財政支出で物価上昇率2%を目指そうという新理論がわき起こっている。壮大な量的緩和を提唱したリフレ派が「財政拡張派」にくら替えする動きもある。いったいどんな考え方なのか。ノーベル経済学賞を受賞し「物価水準の財政理論(FTPL)」を唱える米プリンストン大のクリストファー・シムズ教授に聞いた。

■インフレで債務軽減 宣言を

 ――日銀が「量的質的金融緩和」を始めてまもなく4年。物価上昇率は2%に届かないままです。日本のリフレ政策は失敗ですか。

 「日銀が大量の資金を供給して金利水準を低く保ったことは、正しい施策だったと思う。ただ日本のように政策金利が下がって(利下げの余地がない)ゼロ金利制約に直面すると、金融政策で物価をコントロールすることは、もはやできない。日銀はその事実を認める必要があるだろう。むしろ最大の失敗だったといえるのは、物価上昇率が2%に達する前に消費増税に踏み切ったことだ」

 ――個人消費がしぼんでしまったというとらえられ方をしました。

 「私が主張したいのはそうではない。増税はFTPLの考え方と正反対だということだ。ゼロ金利制約下で物価上昇を実現できるのは、中央銀行ではなく財政をつかさどる政府だ。政府がインフレを起こすには、むしろ増税での財政再建を棚上げしなくてはならない」

 「物価引き上げに必要なのは、日本政府が政府債務の一部を、増税ではなくインフレで帳消しにすると宣言することだ。政府が2%の物価上昇率目標を掲げ、達成するまでは消費税増税を延期する。しぼんでしまった人々のインフレ期待を高める『サプライズ』につながるだろう」

 ――日銀もインフレ期待に働きかけると主張してきました。「人間の期待」にそこまで期待できますか。

 「非常に難しい問題ではある。ただ、日銀の金融緩和でいえば、首尾一貫した財政の後押しがなかったことが問題なのだ。政府のトップが『インフレを起こす準備ができている。それを債務返済に使う』と言えば、人々の予想を十分に変えることができる」

 「実際、1930年代のルーズベルト米政権は、インフレ期待を起こすことに成功している。前政権下で染みついたデフレ環境を転換するために、金本位制を捨ててドルを切り下げ、財政拡張にも転じ、米連邦準備理事会(FRB)には国債を大量に買い上げるよう求めた。インフレを目指して全ての政策を転換したことで、物価予想はデフレからインフレへと一気に跳ね上がった」

 ――日本は国と地方を合わせた政府全体の債務残高が国内総生産(GDP)の2倍強に達します。

 「逆説的だが、今は投資家にとって政府債務の魅力が強すぎる。投資家は安全を欲しており、国債が最大の投資先だ。この資金の流れを民間投資に向けるには、人々が『国債を持ちたくない』と思うように仕向けなければならないのだ。インフレを起こしてそれで政府債務の一部を返済すると宣言すれば、価値が損なわれる国債の魅力は弱まり、民間投資への資金の流れをつくることができる」

 「もっとも歯止めの効かないインフレは恐ろしいものだ。人々は物価が目標の2%に達して以降、3%、4%、5%と上がっていくのではないかと恐れている。しかし今では金融政策の進化で、インフレを制御する手段が多くある。(民間銀行が中央銀行に預ける)準備預金に付ける金利を操作して政策金利を一定の範囲で保つことができる。財政当局者の信頼性も高まっており、いざとなれば緊縮財政に転じることもできる」

 ――それでもインフレによる実質債務の縮小は国債保有者に損失をもたらします。金融不安を招くリスクも否めません。

 「インフレは国債保有者に負担を強いて利益が減ることになり『インフレ税』と言われればその通りだ。日本にとってインフレによる実質債務の削減が簡単ではないことは理解している。たとえば長期国債に大量の投資をしている日本郵政だ。インフレで長期金利が上昇すれば、保有国債の価値が落ちて資本毀損が発生しかねない。民間金融機関などが抱える大量の長期国債が重荷となって、インフレ政策で金融セクターが萎縮するリスクはある」

 「インフレで日本の政府債務がどれだけ軽減されるか、一方で国債保有者への『インフレ税』によって金融システムにどれくらいの悪影響が及ぶのか、吟味して政策判断することが必要だ。ただ、物価が2%に上昇するとしても、金融機関にはバランスシートを調整する時間があるだろう。金融システムの動揺を防ぐ策は講じるべきだが、急激に事態が悪化するとはみていない」

■物価2%まで増税凍結

 ――健全財政の放棄との曲解も目立つようです。

 「この政策は、財政赤字で生み出された政府債務のすべてをインフレで解消するわけではない。一部をインフレで賄うだけで、物価上昇率が2%に達すれば、段階的に連続的に消費税を引き上げていくことが合理的だと思う。日本は巨額の財政赤字を抱えており、減税などの追加策も不要だ。最終的に増税が必要だとしても、経済に悪影響をもたらす低金利・低インフレが続いている間は増税しないと宣言することが重要だ。政府債務への過剰な資金流入を止め、民間需要を高めることが必要だからだ」

 「その上で改めてインフレ目標の重要性を議論したい。さまざまな歴史的な理由があって、一定の物価上昇が経済成長に多くの利点があることは考え方が一致するところだろう。戦前の世界大恐慌をみればはっきりしている。もっともこの政策が保証するのは、2%の物価目標に到達できるということだ。日本は人口問題など構造的な低成長要因を抱えており、それは別の解決手段が必要になる」

 ――トランプ米大統領は財政拡張を掲げています。

 「トランプ氏の主張は減税で財政支出を増やし、ただただ財政赤字を膨らませる政策だ。人々は米国の将来の増税を見込んでおらずインフレ観測が高まるだろう。ただ『物価上昇が一定に達するまで』という条件をつけなければ財政拡張は歯止めの利かないインフレをもたらす危険がある」

 「もっともトランプ政権の政策はきわめて不確実性が大きい。企業減税は高い確率で実行に移されるだろうが、税制改革案を実際に設計する下院共和党指導部には健全財政を好む『財政タカ派』が含まれ、トランプ氏が公約してきた財政拡張策がすべて実行されることにはならない」

 1942年生まれ。計量経済学とマクロ経済学の大家で、2011年にノーベル経済学賞を受賞した。金融政策が経済に短期的・長期的にどのような影響を与えるかを研究し、マクロ経済分析の基礎を築いた。
 16年8月には米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長らが一斉に集う米ジャクソンホール会議に招かれ「ゼロ金利近傍では金融政策の効き目が薄れるため、インフレを目指した財政支出でインフレ期待を引き上げるべきだ」と講演し、注目を浴びた。日本でも安倍晋三首相の経済ブレーンである浜田宏一米エール大名誉教授がシムズ氏の講演を「目からウロコが落ちた」と評して「ポスト・アベノミクス」の政策運営に影響を与えつつある。74歳。

◇     ◇
FTPLとは

 財政支出で低インフレから脱するというシムズ氏の主張は「物価水準の財政理論(FTPL=Fiscal Theory of the Price Level)」に基づく。

 FTPLの考え方は(1)政府が財政支出を増やす(2)企業や個人が将来の財政悪化を予測する(3)お金の価値が下がる(4)インフレが発生する――という流れにある。減税や公共投資で需要を積み上げるケインズ政策と混同されるが、FTPLの発想は異なる。

 例えば政府の借金が100兆円あるとする。ただ、残念ながら将来は50兆円分の返済原資しか得られそうにない。政府は個人や企業と異なり借金を踏み倒すことはできない。

 どうするか。通常であれば増税で借金を返そうとするだろう。しかし、FTPLでは増税ではなく、インフレで借金を返そうと考える。50兆円の返済原資をインフレによって名目100兆円に膨らませることができれば、増税しなくても借金は帳消しにできる。

 このメカニズムを応用すれば「政府は増税しません。インフレで借金を返済します」と公約すればいい。個人や企業はその場で「将来は物価が上昇する」と考え、実際には財政が野放図に悪化する前に人々のインフレ予測が上向く――。これがFTPLの考え方だ。

 近代経済社会は金融政策で物価を操作してきた。ただ名目金利がゼロに近づくと利下げができず、政策効果が薄れる。シムズ氏は効果を失った金融政策の代わりに財政政策で人々のインフレ予測に働きかけるよう主張する。


〈聞き手から〉「魔法のつえ」はない

 世界の中央銀行関係者や市場参加者にとって、金融政策の限界論を説くシムズ氏は、皮肉にも最も旬な一人である。ただ、その理論は「連立方程式で形作られ、一般に広めるのが簡単ではない」(シムズ氏)。日本でも学識経験者らがシムズ氏の主張をとり入れて「ポスト・アベノミクス」を模索する動きがあるが、理論はいまだ消化不良で賛否を戦わす議論の土壌が育っているとはいいがたい。

 シムズ氏が主張するのは野放図な財政拡張ではない。増税先送りによる財政悪化とインフレを容認しつつ、ハイパーインフレにならないよう政府・中銀のコントロールは保つという矛盾したような狭い道を進む必要がある。政策は極めて実験的といわざるを得ない。

 シムズ氏は「国債の魅力を弱めたい」とも話した。民間事業への資金の流れを取り戻すためだが、金融機関が国債投資に突き進むのは政府の財政再建を見込んでいるためだけではない。国債をリスクゼロの資産とみなす国際金融規制など、マクロ経済理論からやや外れた要因がそこにはある。低インフレからの脱却には「金融政策と財政の協調」(シムズ氏)だけでなく、政府規制や商慣習の見直しなど全面的な改革が必要になる。

 異次元緩和、マイナス金利、イールドカーブ・コントロール――。アベノミクスでは日銀を中心に先駆的な政策をいくつも試したが、「魔法のつえ」があるわけではない。即効薬ばかりを探し求め、人口減など重たい課題の解決がおろそかになれば、それは本末転倒だ。

(ワシントン=河浪武史)

[日経新聞1月29日朝刊P.9]


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/682.html

[中国10] 中国、金融危機の「発火点」:金融と不動産でGDPの15%。製造業は低下し33.3%

[羅針盤]中国、金融危機の「発火点」

 中国の経済が金融と不動産への依存を深めている。国内総生産(GDP)に占める金融と不動産の比率は計15%と過去最高に達した。膨らんだ債務と高騰した資産価格が何をきっかけに調整を始めるのか目が離せない。

 2016年のGDP実質成長率は前年比6.7%。政府目標(6.5〜7%)は達成したが、問題は中身。GDPに占める金融業の比率は8.3%。株式バブルで過去最高を記録した15年(8.4%)よりは下がったが、10年前の2倍。国務院発展研究センターの趙昌文産業経済研究部長によると「約7%の英国や米国より高く、主要国で最高」。金融と関連する不動産業の比率は16年に6.5%と過去最高だった。

 一方、製造業がGDPに占める比率は33.3%と10年間で8ポイント低下。「製造強国」を掲げる中国共産党の幹部も「正常でない」と懸念する。

 原因はカネ余り。16年に中国のGDPは5.5兆元(約90兆円)増えたが、企業や個人の借金は3.2倍の17.8兆元増加。経済成長と環境保護の両立を狙い、地方政府が金融機関を誘致するのも一因だ。

 金融業の比率が急上昇した国は金融危機に見舞われた。一部の当局者は「中国で金融システム危機が発生する確率は高まっている」と認める。

 発火点になりうるのは短期金融市場と債券市場。16年12月に中国の国債市場が暴落した。中小の銀行が短期市場から調達したお金で国債投資を膨らませていた。中国人民銀行(中央銀行)が短期金利を高めに誘導すると資金不足で投げ売りを迫られた。市場関係者は「一部の銀行は資金繰り破綻寸前だった」とみる。

 中国の銀行は市場資金が3割と調達構造が脆弱だ。中国社会科学院の張明研究員は「債券の債務不履行の一段の増加が17年のリスク」と話す。人民元安と資本流出を食い止めようと人民銀が利上げ、債務不履行の債券に巨額投資していた中小銀行が資金繰り破綻、疑心暗鬼で短期市場が凍り付く……。こんなシナリオも絵空事ではない。

(中国総局 原田逸策)

[日経新聞1月30日朝刊P.14]


http://www.asyura2.com/16/china10/msg/862.html

[政治・選挙・NHK220] 日本 対ダーイシュ及び南シナ海での作戦には参加せず:多角的外交でそのスタンスを貫き通す条件を確保すべし

日本 対ダーイシュ及び南シナ海での作戦には参加せず[スプートニク日本語]
2017年02月05日 19:21

日本の稲田防衛相は、米国のマティス国防長官との会談を総括した中で「日本は、IS(ダーイシュ、イスラム国)に対するものや、南シナ海での作戦には参加しない」と明言した。

稲田防衛相は「ISについて言えば、自衛隊は、それに対抗する作戦には参加しない。すでに安倍首相は、この事について述べており、我々の立場は変わらない。平和は、力ではなく、米国とのものも含めた国際協力を強化することで維持する必要がある」と述べている。

また稲田防衛相は、南シナ海の状況にも触れ「状況が悪化した場合でも、日本が、海上自衛隊を派遣する事はない」と伝えた。なお自衛隊は、国際的な演習には参加するとのことだ。

先に伝えられたところによると、自衛隊は1月23日、安全保障関連法で定められた日本の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」を想定した大規模図上演習を始めた。

https://jp.sputniknews.com/japan/201702053309217/


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/308.html

[政治・選挙・NHK220] 豊洲「誠意もって回答」=4年ぶりツイッター投稿―石原元知事:石原氏と前川燿男練馬区長の喚問が必要

前川練馬区長は、都市博開催で揺れた90年代に東京都臨海副都心開発部長を努め、石原都知事の下で02年に知事本局長になり、05年に退職した後なんと豊洲市場が建設された土地の所有者「東京ガス」に執行役員として就職した男である。

汚染がわかっている土地を周辺と同等の価格で購入したことを考えれば、あくまでも邪推だが、前川練馬区長や石原氏の周辺には100億円を超えるお金が動いたと思われる。
それらのお金を全部吐き出させても豊洲への市場移転決定に伴う損害をあがなうことはできないが、関係者の責任を明確にし、腐敗した者達に罰を与えるのは小池都政に課せられた最低限の使命だろう。

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豊洲「誠意もって回答」=4年ぶりツイッター投稿―石原元知事
時事通信 2/5(日) 23:36配信

 東京都の豊洲市場(江東区)をめぐり、石原慎太郎元知事が5日、約4年ぶりに自身のツイッターに投稿した。

 小池百合子知事による質問書について「私が具体的な回答をしていないというが、それは間違いだ。記憶をさかのぼりながら誠意をもって回答した」と反論した。

 小池氏は昨年10月、石原氏に築地市場(中央区)の豊洲移転決定や、主要建物下に地下空間を設置した経緯などに関する質問書を送付。石原氏は「ずいぶん高い買い物をしたと思う」と回答した一方、詳細は「記憶にない」「分からない」などと明言を避けていた。 

最終更新:2/5(日) 23:40

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170205-00000074-jij-pol

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豊洲問題の百条委「出る」=石原氏側近の元都副知事[時事通信]

 東京都の豊洲市場(江東区)をめぐり、石原慎太郎元知事の側近で、副知事として東京ガスとの市場用地の取得交渉に当たった浜渦武生氏が2日、民放番組に出演した。都議会に強い権限を持つ調査特別委員会(百条委員会)が設置された場合、「招かれれば出て、正直に全部話す」と述べた。

 豊洲の用地取得に関し、小池百合子知事は石原氏の責任を問う姿勢を示しているが、浜渦氏は「(石原氏の)就任前から決まっていた」と説明。一方で、石原氏に交渉の経過報告をしていたとし、「知らないということはないと思う」と語った。(2017/02/02-18:41)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020201140&g=soc



http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/309.html

[エネルギ3] 石油メジャー 割れる戦略  トランプ氏の政策受け 欧州勢、再生エネにシフト 米国勢、原油・天然ガス増産

石油メジャー 割れる戦略
トランプ氏の政策受け 欧州勢、再生エネにシフト 米国勢、原油・天然ガス増産

 欧州と米国の石油大手の間で戦略の違いが目立ってきた。米国勢は国産資源開発に熱心なトランプ大統領に歩調を合わせ、石油・天然ガスの増産に動く。欧州勢はこれまでと変わらず再生可能エネルギーなど低炭素事業を推進している。温暖化対策と米国の政策変更という2つの要素にどう対応し中長期の戦略を描くか。2017年は欧米勢の分水嶺になりそうだ。

「我々のビジネスモデルを徐々に変えていく」。北欧最大の石油会社スタトイル(ノルウェー)のエルダー・サトゥレ最高経営責任者(CEO)が最近目指すのは「世界で最も二酸化炭素(CO2)排出量の少ない石油会社」だ。

 その象徴的な存在が、英国で始める商業ベースで世界初の浮体式洋上風力事業「ハイウインド」。今年後半から英国の約2万世帯に電力を供給する計画だ。英国の天然ガス供給で約2割を占める同社は、再生エネでも英国への関与を強める。

 今月17日にはアラブ首長国連邦(UAE)政府系のアブダビ未来エネルギー公社にこの権益の25%譲渡を発表。世界的な仲間づくりを進める。

 CO2排出量の多い事業の見直しも急ぐ。今月1日付でカナダの「オイルサンド」を現地企業に売却し、同事業から撤退した。

 オイルサンドは超重質油を含む砂の層。砂を蒸し焼きにして石油を抽出する際に多くのCO2が出る。原油価格の上昇で採算は改善しそうだが「全社的な資産見直しは進める」(スタトイル)。

 温暖化対策に否定的な発言を繰り返すトランプ大統領のもと、大市場である米国では再生エネ事業に逆風が吹きかねない。欧州勢は「米国の(石油に関する)規制緩和は歓迎」(英BP)と表向きは言うものの、低炭素投資の手綱を緩めてはいない。長期的に温暖化対策の重要性に変わりはないとみているからだ。

 「石炭、石油、天然ガスの次は再生エネ。今からすべてのエネルギー資源を用意する」と語るのは仏トタルのパトリック・プヤンネCEO。昨年、産業用蓄電システムの仏サフトを買収した。

 トタルはすでに米太陽電池大手を傘下に持っている。今後、太陽光発電で余った電力を蓄電池にためて効率的に使うシステムの構築も進める。

 英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなど欧州勢は産油国や新興国も巻き込んで技術の国際展開を目指す。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の発効にあわせ、サウジアラビアやメキシコ、中国、インドの同業と低炭素技術の開発に10年で総額10億ドルを投資する。

 対照的に、米国勢は石油ガスへの投資に傾倒している。特に北米依存度が高いコンチネンタル・リソーシズといった中堅以下はトランプ氏の政策を歓迎。原油価格が持ち直すなか、今後投資を拡大する見込み。英調査会社ウッドマッケンジーの予測では、17年の米国産原油は増える。

 「シェール革命」で米国はサウジ、ロシアと並ぶ産油国になり、エネルギー自給率が高まった。エネルギー政策でも自国優先が鮮明なトランプ大統領は、この流れを加速したい考えがある。

 もともとトランプ氏はシェール鉱区開発に伴う水質汚染などの環境規制の緩和に理解を示していた。関係する閣僚人事でも「開発優先」の姿勢を明確にしている。

 国務長官に米エクソンモービルの前CEO、レックス・ティラーソン氏を就かせたのも、政権と石油大手の距離の近さを物語る。

 エクソンや米シェブロンもバイオ燃料への投資をしてはいるが、欧州勢に比べて米国勢の再生エネ分野での存在感はますます薄くなっている。

 フランクフルト=加藤貴行

[日経新聞1月31日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/16/eg3/msg/107.html

[経世済民118] 米半導体企業 変わる勢力図 大手顧客が自社開発:アマゾン・アップル・AT&Tなどが半導体の自社開発拡大で半導体大手圧迫

[GLOBAL EYE]米半導体企業 変わる勢力図 大手顧客が自社開発

 米国で半導体・通信機器関連企業の勢力図が変わり始めた。アマゾン・ドット・コムやアップルというビッグデータを扱うユーザーが、半導体の自社開発を加速している。この結果、インテルやクアルコム、シスコシステムズといった半導体・通信機器大手は価格の引き下げ圧力にさらされるなど、事業環境が悪化している。


 アマゾンのワーナー・ヴォーゲルズCTO(最高技術責任者)は日本経済新聞の取材に対し「サーバー向けなど様々な半導体も自社開発していく」と述べた。「需要に適したハードウエアを自ら開発することでコスト削減を加速させる」と狙いを語った。

 アマゾンは買収したイスラエルの半導体開発企業アナパーナ・ラボを生かし、自社のデータセンターで使う通信機器用の半導体をすでに開発している。

 グーグル同様、データセンター内の通信機器から、それらをつなぐ大陸間横断専用超高速光ファイバーケーブル網まで自社で整備する巨大インフラ企業になっている。これらの設備はいずれも半導体と通信機器を多用するため、社内需要は拡大している。

 今後はロボットをはじめあらゆるモノがネットにつながる「IoT」端末向けの半導体開発も進める可能性が高い。

 アップルも半導体の自社開発を拡大している。スマートフォン(スマホ)など携帯端末で設計の「モジュール化」を加速させている。機能別にいくつかの部品をまとめて規格化する。各モジュールは自社開発の半導体に最適なようにつくる。

 外部に半導体の設計を任せるより模倣が難しくなり、知的財産の保護につながる効果もあるとみている。激しい追い上げをみせている中国のスマホメーカーをかわす切り札の一つだ。

 米国では通信大手のAT&Tまで通信機器向けの半導体を自社で設計し始めている。インテルやクアルコム、シスコといった半導体・通信機器大手にとって、大口顧客が相次ぎ自社開発をする動きは大きな懸念材料だ。

 顧客側の力は強まっている。アップルは今月に入り、特許料を過剰に徴収したとして米国と中国で相次ぎクアルコムを提訴した。クアルコムはアップルにとって通信半導体の主要調達先。だが、iPhoneの最新モデルでは競合インテルへの発注を復活させるなど、調達先をてんびんにかけている。

 半導体・通信機器大手側に、収益確保のために新たな手を打つ動きも出てきた。顧客からの値下げ圧力が強まっているシスコは、新事業への大規模投資を加速させている。25日には米アプリデータ分析ベンチャー、アップダイナミクスを約4200億円で買収すると発表した。

 半導体は将来の巨大市場とみられている人工知能(AI)でも重要な役割を果たす。大手ユーザーの自社開発戦略が、さらなる業界再編の呼び水となるのは間違いない。

(シリコンバレー=兼松雄一郎)

[日経新聞1月31日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/754.html

[医療崩壊5] 認知症治療、武田や塩野義など5社提携 脳に薬届ける技術確立へ:有効な認知症治療薬は世界レベルで非存在

認知症治療、武田や塩野義など5社提携 脳に薬届ける技術確立へ 政府支援、製薬の連携促す

 武田薬品工業や塩野義製薬など製薬5社は認知症といった脳の難病などの治療技術の開発で提携する。政府も支援する産官学連携プロジェクトとして、薬効成分を脳などに浸透させ効き目を高める基盤技術を今後2年程度で確立。新技術を活用し各社は世界初となる認知症治療薬などの実用化を狙う。

 今回のプロジェクトを機にこれまで遅れていた国内製薬業界における研究開発の提携が進めば、世界的な競争力強化につながる可能性がある。

 大日本住友製薬、小野薬品工業、田辺三菱製薬も含めた5社で共同研究し、安倍晋三政権が成長戦略の目玉として設立した研究開発法人、日本医療研究開発機構(AMED)が支援する。約700の大学の研究成果などを詳しく調べられる情報システムを運営する大阪商工会議所も加わる。

 実用化を目指すのは脳の難病治療薬などに必要な基盤技術で、世界的に注目される分野だ。脳にはウイルスや細菌の侵入を防ぐ仕組みがあり治療薬の成分も届きにくく、認知症の有効な治療薬は世界的にまだ実用化されていない。

 今回は神戸学院大学をはじめとした国内大学の薬物伝達技術をベースに、5社の研究者が実証実験などを分担する。直接競合しない基礎研究分野が対象であるため提携しやすい。新技術を実用化できれば、脳腫瘍や精神疾患など幅広い治療薬の開発にもつながる。

 新薬は既存の医薬品を上回る効果がなければ承認されないため、成功確率は3万分の1ともいわれる。小野薬品のがん治療薬「オプジーボ」も開発に20年近くかかり、高薬価になった。

 AMEDは厚生労働省、経済産業省、文部科学省の医療研究の予算を集めて戦略投資をする組織で、今回は研究費の半分を負担する方向。政府は膨らむ医療費の抑制のために、今回の産官学プロジェクトのような国内提携を後押ししていく。

 「メガファーマ」と呼ばれる世界大手に日系勢が対抗するには提携戦略は欠かせない。通常、医薬大手は連結売上高の1〜2割を研究開発費に振り向ける。スイスのノバルティスや米ファイザーなどは連結売上高が5兆円規模で、日本の製薬会社が独自に研究するだけでは差が開くばかりだ。

 国内市場での収益確保も今後、一段と難しくなる。今年2月にはオプジーボが2018年4月の薬価改定を待たず半額となる。薬価改定を現在の原則2年に1度から、毎年見直す案も浮上している。研究開発費の抑制が急務であるなか、今回のプロジェクトの成否は、他の製薬大手の戦略にも影響を与えそうだ。


薬物伝達技術とは

 ▼薬物伝達技術 医薬品の成分を体内の特定の場所に効率的に届ける技術。ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)ともいわれる。必要な量を一定期間、狙った場所に届けることができれば、治療効果の向上や副作用抑制などのメリットがある。

 特にアルツハイマー病やパーキンソン病など脳の難病を治療するために欠かせない技術とされる。脳の特定の場所に治療効果のある成分を届けるDDSは実用化されておらず、世界中の製薬会社や大学などが莫大な研究開発費を投じて技術開発を急いでいる。

[日経新聞1月31日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/531.html

[医療崩壊5] 医療目的の訪日客受け入れ、まず28病院 政府、東大など推奨:民営はともかく公営施設が「医療ツーリズム」??

医療目的の訪日客受け入れ、まず28病院 政府、東大など推奨

 政府は治療や健診を目的に日本を訪れる外国人の受け入れに特に適した医療機関を推奨する。まず東京大学や大阪大学の付属病院、慶応義塾大学病院(東京)など全国28病院を選んだ。外国人向けのサービス体制などを海外の政府機関や医療機関に周知する。訪日客が安心して受診できる環境を整えて「医療ツーリズム」に弾みをつける。


 医療の国際展開の司令塔として政府が主導して設立した一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパン(東京・千代田)が審査した。患者が渡航前に大まかな費用を見積もりできるかどうかや、複数の学会認定医がいるかどうかなどを調べた。

 第1弾は東大、阪大、慶大のほか、聖路加国際病院(東京)、虎の門病院(同)などを選んだ。3年間の更新制で、仙台厚生病院(宮城)、藤田保健衛生大学病院(愛知)、福岡記念病院(福岡)、米盛病院(鹿児島)など地方からも入った。

 選定した病院は「ジャパン インターナショナル ホスピタルズ(日本国際病院)」として海外の政府や医療機関に推奨する。

 在外公館や各国大使館を通じ、受診できる診療科や先進医療など各病院のサービス体制を情報提供する。

 医療目的で日本を訪れる外国人は中国を中心に増えている。医療滞在ビザの発給件数は2015年は約950件と4年前の13倍になった。ビザがなくても健診や治療は受けられるため実態はもっと多い。

 病院を推奨することで外国人が体制の整っていない病院に行くことを防いだり、地方の病院に患者を分散したりする効果も想定している。

 今は海外から直接、病院に問い合わせる外国人も多く、病院の事務負担が重くなっている。今後はJTBなど別に認証した「医療渡航支援企業」を窓口にして外国人患者を推奨病院に誘導し、病院側の負担を減らすことも目指している。

 医療機関の認証制度にはこのほかに定住外国人向けの医療機関を認証する制度がある。

[日経新聞1月31日朝刊P.4]


http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/532.html

[政治・選挙・NHK220] 都議会 石原元都知事らを参考人招致へ:浜渦元副知事に加え前川練馬区長の招致が必要

※関連参照投稿

「豊洲「誠意もって回答」=4年ぶりツイッター投稿―石原元知事:石原氏と前川燿男練馬区長の喚問が必要」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/309.html

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都議会 石原元都知事らを参考人招致へ[NNN]
2017年2月7日 15:13

 豊洲市場の移転問題について審議している東京都議会の特別委員会は、土地取得の経緯などをめぐり石原慎太郎元知事や浜渦元副知事らを参考人として招致することを決めた。

 東京都議会の豊洲市場移転問題特別委員会は7日午後、豊洲市場の土地取得の経緯などをめぐり、東京ガスの跡地への移転を決定した当時の知事である石原慎太郎氏と浜渦武生元副知事らを参考人招致することを決めた。用地の選定や土地購入契約の過程が不透明かつ不適切ではという指摘があることを受けたもの。

 また、地下水モニタリングのこれまでの検証について、専門家会議のメンバーらも参考人として招致することを決めた。石原元都知事らの招致の具体的な日程はこれから決まる。


http://www.news24.jp/articles/2017/02/07/07353480.html?cx_recsclick=0



http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/362.html

[経世済民118] 「人民元、1〜3年で変動相場制に」中国社科院の張氏

「人民元、1〜3年で変動相場制に」中国社科院の張氏 [日経新聞]
2017/2/7 20:27

 【北京=原田逸策】中国の通貨当局が人民元の下落の阻止に躍起だ。市場での為替介入に加えて資本規制も強める。それでも対ドルで元の先安観は根強く、1月末の外貨準備も3兆ドルを割った。元相場の先行きや制度のあり方を中国社会科学院の張明研究員に聞いた。

 ――トランプ氏が米大統領に当選し、対ドルの元下落が加速しました。

 「彼は減税やインフラ投資など財政拡大を掲げる。インフレ予想から米連邦準備理事会(FRB)が2017年の利上げ予想を3回に増やし、ドルが上昇した。中国人民銀行(中央銀行)は人民元を複数の通貨で構成する通貨バスケットに対して安定させる方針で対ドルでは下落する」

 ――元は対ドルで14年から下落しています。

 「14年にFRBが量的緩和をやめてドルが強くなった。さらに16年7〜9月まで10四半期連続で資本が流出した。人民銀が為替介入を繰り返したことで元は緩やかに下がり続け、市場で元の下落観測が強まった」

 ――15年の元切り下げの影響はどうですか。

 「銀行など機関投資家には元の下落観測がすでにあったが、切り下げで一般庶民にまで広がった。彼らがドルを買って元を売り、市場の元下落観測がさらに強まった」

 ――米中の金融政策はどう影響しますか。

 「中国が14年から相次いで利下げし、米中の金利差は6%から3%まで縮まったのが元下落の主因。17年は中国は利上げも利下げもないとみる。FRBが利上げすれば米中金利差は縮小し、資本流出と元下落につながる。17年末は1ドル=7.2〜7.4元とみる。年5〜6%の下落だ」

 ――中国当局は資本規制を強めています。

 「短期的には有効だろうが、中長期では外資企業の信頼を下げ、元の国際化に響き、中国企業の資金調達にも不利だ」

 「最終的には中国のような大国の為替は市場の需要と供給で決めるべきだ。完全変動相場制に移行すべきだが、1〜3年はかかる。介入を突然やめると元は一気に下落する。平時なら参加者の見立てが割れて市場は落ち着くが、いまは中国の金融システムへの信頼が脆弱だ。元の大幅下落が不信を増幅し、さらなる資本流出を招きかねない」

 「人民銀には為替の変動幅を拡大すべきだと提言している。いまは『1日に上下2%』だが、さらに『年間で上下10%』などと設定する。その範囲内ならば介入せず、上限か下限が近づいて初めて介入する。移行期としては適切な案だと思う」

 ――中国の外貨準備が減っていますが、どの程度あれば適当ですか。

 「計算したわけではないが、2.5兆ドルと2兆ドルは大事な節目だろう。すぐにこれらの節目を割り込めば元の下落観測が強まりかねない。外貨準備をこんなに早く減らすべきではない」

 ――17年の中国経済のリスクとしてどんなことが考えられますか。

 「海外への資本流出が続き、外貨準備がさらに減れば、ある時期に人民銀が為替介入を減らすかもしれない。その時に一気に大幅な元の下落があるかもしれない」

 「もう一つは銀行システムと債券市場で債務不履行(デフォルト)がさらに増えることだ。我々の統計によると、2016年には30社超の企業の債券がデフォルトを起こした。我々は17年は2つの部分でデフォルトが多いとみている。1つは債券で、もう1つは銀行の元本保証なしの理財商品だ。とくに中小銀行の元本保証なしの理財商品は新たな金融リスクになりうるとみている」

 ちょう・めい氏 北京師範大院修了、KPMGなどを経て2007年から中国社会科学院世界経済政治研究所。39歳。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H8C_X00C17A2000000/?dg=1



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/778.html

[経世済民118] 中国民泊大手の途家、日本に進出  新法見据える 訪日客の囲い込み狙う

中国民泊大手の途家、日本に進出
新法見据える 訪日客の囲い込み狙う

 中国民泊大手、途家(トゥージア)が日本に進出する。全額出資の日本法人を設立、民泊に関する新法の成立を見据えて、訪日中国人客向けに民泊を提供できる貸主を募る。世界最大手の米エアビーアンドビーに続き、海外で急追する途家の進出で日本の民泊ビジネスの市場拡大に弾みがつきそうだ。

 途家は2011年設立。スマートフォン(スマホ)アプリを中心とした民泊予約サイトを運営し、中国335都市、タイなど世界約70カ国に45万件の登録物件がある。中国で買収を繰り返し、急成長している。

 全額出資の子会社である日本途家(東京・千代田)を設立した。資本金は500万円。日本途家のウェブサイトを近く立ち上げ、20年に日本の登録物件数5千件をめざす。宿泊費の3%を手数料として貸主から徴収。中国の12%より抑えて物件確保に弾みをつける。

 民泊新法の制定を見据えて、直営の物件管理会社を設立し、マンションや全国に800万戸あるとされる空き家を民泊物件に転換するよう家主に働きかけたり、取得して自前の宿泊施設として運用したりする予定だ。中国で自社が買い取ったマンションを宿泊施設として運営しており、ノウハウを生かす。

 途家の利用者は9割以上が中国人のため、貸主とのコミュニケーションが課題となる。日本法人では日本と中国からの相談を受け付けるカスタマーサポートを置く。

 旅館予約サイト「relux」を運営するロコパートナーズ(東京・港)とも提携した。同社が提携する日本の高級旅館700件の予約を1日から受け付ける。日本のサービスを体験したい富裕層を開拓する。

 格安航空会社(LCC)の増便やビザの緩和を背景に、訪日客の数は5年連続で増加している。中でも中国は最も多く、年600万人超に上り、今後も増えるとの見方が多い。


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ホテル不足 解消に期待

 日本では民泊の潜在需要は大きい。2016年の訪日外国人(インバウンド)数は過去最高の2400万人となった。客室不足が深刻なホテルに代わる宿泊手段として民泊は有力視され、米エアビーアンドビーは国内で約5万件の物件登録がある。一般住宅や空き家を活用するため、地方創生にもつながる。

 だが、課題もある。日本では民泊に対応した法律の整備が海外に比べて遅れている。東京都大田区などの特区を除くと、貸主や仲介業者に向けた明確なルールが無い。民泊サービスは旅館業法に違反するリスクがあると考え、新規参入に二の足を踏む事業者が多いのが実態だ。

 政府は16年に民泊を旅館業の一種である簡易宿所とみなす方向で意見をまとめたが、詳細は不明瞭なままだ。エアビーが全国展開する一方、百戦錬磨(仙台市)が特区中心にサービスを提供するなど、事業者によって法律の解釈が異なる。

 政府は今年の通常国会で一定の条件をもとに民泊を解禁する民泊新法を提出する見通し。住宅を提供する日数を年間180日以内に制限するなどの条件を設ける。法整備が進めば、民泊は一気に広がる可能性がある。

[日経新聞2月1日朝刊P.11]


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/785.html

[政治・選挙・NHK220] 辺野古、日米会談控え工事着々 沖縄県は対抗模索:マティス国防長官訪日で勇み姿を見せる安倍政権

 辺野古新基地反対運動がなければ基地建設は進むが...

※関連参照投稿

「前沖縄知事の判断「適法」 辺野古判決、移設是非に触れず:今回の最高裁判決ではコアの基地建設は進まずの50年裁判闘争」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/848.html


「翁長さん、安倍さん、猿芝居をぎりぎりまで続けてください」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/401.html


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辺野古、日米会談控え工事着々 沖縄県は対抗模索
2017/2/6 21:23


 政府は6日、沖縄県の米軍普天間基地(宜野湾市)の移設に向け、名護市辺野古で埋め立て準備の工事に着手した。10日の日米首脳会談を控え、現行計画を着々と進める方針だ。一方、翁長雄志知事は自らの権限を駆使して対抗策を模索する構えで、移設阻止の姿勢を崩していない。国と県の対立が再び法廷闘争に突入する可能性もある。

 防衛省沖縄防衛局は6日、辺野古沿岸の海上で、土砂などによる汚濁を防ぐ膜を固定するコンクリートブロックを海底に投下する準備を進めた。4月にも土砂などを海底に埋める護岸工事を始める見通し。政府は昨年12月に最高裁が政府の主張を認める判断を受け、迅速に工事を再開した。同3月の県との和解条項で「判決確定後は互いに協力し誠実に対応」との申し合わせがあるためだ。


辺野古沿岸部では海中に設置する大型コンクリート製ブロックを台船(手前)からクレーン船に移す作業が行われた(6日)

 3〜4日のマティス米国防長官との一連の会談では、普天間問題は「辺野古移設が唯一の解決策」と確認した。10日の日米首脳会談でも同様の認識を確認する考え。マティス氏は安倍晋三首相との会談で「負担軽減策は一に辺野古、二に辺野古だ」と強調した。菅義偉官房長官は6日の記者会見で、辺野古移設の推進が在日米海兵隊のグアム移転の着実な進展につながるとの見方を示した。

 だが翁長知事は「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地を造らせない」と徹底抗戦の構えを崩していない。県は6日、海上での本体工事について、当初の計画を変更した可能性があるとして沖縄防衛局に説明を求めた。

 県がこれまで有力な対抗手段とみていたのが、海底の掘削や土砂の採取に関する知事の「岩礁破砕許可」。水産資源保護の観点から、都道府県の漁業調整規則に基づいて判断するものだ。3月末に更新期限を迎えるため、知事は許可を出さずに工事を止める構えを示してきた。

 ただ、政府はこの許可を県に申請せずに工事を続ける方向だ。地元漁協が政府の補償との引き換えに漁業権を放棄したことを受け「許可は必要ない」(政府関係者)との法的解釈をとる。県が認めない構えの許可申請をわざわざ出して工事に滞りが出る事態を避ける狙いがある。

 県はこれに対し、十分な説明のないまま工事を進めている点を根拠に沖縄防衛局に行政指導する対応を念頭に置く。行政指導に従わなければ、これを違法として翁長氏が埋め立て承認を「撤回」し、工事を止めることも視野に入れる。このため「承認が撤回されれば工事を止めざるを得なくなる可能性もある」(政府関係者)との声もある。

 県には再び政府を訴える選択肢もある。政府は県が対抗手段を講じた場合、権限乱用として翁長氏に対する賠償請求訴訟もちらつかせている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H7A_W7A200C1EA1000/?dg=1&nf=1


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/381.html

[政治・選挙・NHK220] 石原元知事「喜んで応じる」=都議会の参考人招致―豊洲問題:百条委員会の喚問を回避したい石原氏はこれをもってエンドの期待

※関連参照投稿

「豊洲「誠意もって回答」=4年ぶりツイッター投稿―石原元知事:石原氏と前川燿男練馬区長の喚問が必要」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/309.html

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石原元知事「喜んで応じる」=都議会の参考人招致―豊洲問題
時事通信 2/8(水) 11:47配信

 東京都の豊洲市場(江東区)をめぐる問題で、都議会の特別委員会が石原慎太郎元知事の参考人招致を決めたことに対し、石原氏は8日、都内で記者団に「喜んで応じる。絶好の機会だから、知っていることを全部話す」と述べた。

 小池百合子知事の公開ヒアリングにも応じる意向を明らかにした。

 築地市場(中央区)の豊洲移転を自身が最終的に決定した経緯については「思い出しきれないので、都庁の責任で調べると思う」と説明。その上で「(当時)『土壌汚染は今の技術であれば大丈夫です』と言われた」と語った。

 石原氏はさらに、「一番困っているのは、(移転延期で)生殺しになっている築地の業者だ」と強調。「都合の悪い人がいるかもしれないが、(用地売買契約の)資料の黒塗りは全部公開した方がいい」と話した。

 都議会の特別委は7日、築地市場からの移転を決定した当時の知事だった石原氏や、石原氏の側近で東京ガスとの豊洲市場用地の取得交渉を副知事として担当した浜渦武生氏らの参考人招致を決定。移転に至った経緯や用地取得の詳細を調べることにしていた。浜渦氏は招致に応じる考えをすでに示している。 

最終更新:2/8(水) 14:29

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170208-00000042-jij-pol


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/418.html

[政治・選挙・NHK220] マティス国防長官訪日の意義:彼の日本・韓国訪問に誰よりも安堵し喜んだのは中国

 安倍政権の提灯持ちが主要な仕事だとはいえ、日本のメディアや評論家が報じたマティス国防長官訪日に関する評価や解説には、ポピュリズムと並んで今はやりの言葉である“フェイクニュース”レベルと言えるほどの胡散臭さが漂っている。

 ここでは、マティス国防長官に示した「防衛力の質的量的強化」の問題は触れずに、トランプ政権米国と日本の関係を窺うものについて思うところを書きたい。


■マティス訪日の意義

 まず、政権や主要メディアは、マティス国防長官の韓国・日本訪問がトランプ政権閣僚すべてのなかで最初の外遊であったことから日本重視の現れと高く評価している。

 しかし、トランプ政権は、閣僚級を含む政治任用人事がこれまでにないレベルで停滞しており、未だ日本を含む対アジア政策のみならず対外政策全般について包括的な方向性や方針を定まっていない。
 国防総省や国務省の副長官以下のスタッフが決まっておらず、対アジア政策チームさえできていない(長官がようやく上院の承認を得たレベル)状況なのである。このようななかでの日米防衛相会談にどれほどの意味があると言えるのか。

 精一杯高く評価するとしても、トランプ政権に予測不能性や真意がわからず不安感を覚えている韓国や日本の政治的指導層(官僚機構や軍組織を含む)に安心感を与えるというもので、それを超える意義を今回の訪問から見出すことはできない。

 対欧州や対中国そして対露のように、有能なスタッフ達が方向性や戦術を慎重かつ具体的に検討する必要はないと軽く見ているからこそ、就任早々で自前のスタッフさえいない状況でマティス国防長官が軽い気持ち韓国・日本を訪問したとも言える。


■尖閣諸島への日米安保条約第5条適用表明の意味

 うれしそうに政権サイドやメディアが広めている尖閣諸島への日米安保条約第5条適用“確認”も、安倍政権側がトランプ政権に適用の言質を求めた結果という経緯はともかく、それは、日米安保条約第5条の条文解釈に沿うものでしかなく、米国政権にとっては従来からの見解(国策)を再表明したにすぎない。

 むろん、トランプ氏という青天の霹靂的大統領が米国に誕生した事実を踏まえれば、適用の再確認は日本にとってそれなりの意義があるという見方を否定はしないが、これまでも説明してきたように、日米安保条約第5条は、北大西洋条約(NATO)第5条と違い、日本の防衛を米国に義務付けるものではない。


日米安全保障条約第五条は、

「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。〈後略:UN憲章重視の表現〉」

という内容である。

 まず、「日本国の施政の下にある領域」という適用範囲の表記があることから、領有権はともかく施政権はある(ここ4年半ほど施政権が揺らいでいるが)尖閣諸島にこの第5条が適用されることは言うまでもないことである。

 それはともかく、この条文を要にして肝のレベルでまとめると、

“日本にある米軍基地が攻撃されたとき、日本政府は自国の平和と安全が冒されたと認識し対応する”

というものである。

(より具体的に説明すると、日本にある米軍基地が攻撃(外国のみならず国内反体制勢力を含む)されたとき、日本政府は、自衛隊及び警察力を駆使し排撃に努めるというものである)

 このような規定は、日本が自国領土に世界戦略を軍事力で具体化しようとする米国に軍事基地を提供しているツケではあるが、露骨に(誰でもわかるように)、日本が否応なく「米国の戦争」に巻き込まれるような一方的“片務”的規定というわけにはいかないので、米国(米軍)とは無関係に日本が武力攻撃を受けたケースも、大統領府及び連邦議会が判断し軍事的外交的対応を行うこともあると解釈できるものにはなっている。

(「共通の危険に対処するように行動する」という規定なので、日本に攻撃を仕掛けている国に米国政権が外交的な働きかけを行うことでも条約を遵守したことになる)

 日米安保条約は“片務条約”と言われているが、このような条文解釈に依拠すると、巷間言われているような「米国は日本を防衛する義務を負うが日本は米国を防衛する義務を負わない」という片務性ではなく、「軍事基地を提供している日本は米国の政策に巻き込まれたとき米軍基地を防衛する義務を負うが、米国は軍事基地以外の日本を防衛する義務を負わない」という日本だけが義務を負う(負わざるを得ない)片務性ということができる。

 ともかく、日米安保条約第5条は、北大西洋条約(NATO)第5条と違い、日本が武力攻撃を受けたときに米国が参戦の義務を負うものではない。

(トランプ氏がNATOを古くさいものと言い忌み嫌っている背景には、欧州諸国によって米国が戦争に引きずり込まれる危険性を指摘できる。NATOができるときに米国で大論争が起きたテーマでもある)

※参照

[1949年に発効した北大西洋条約の第五条]

「締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。したがつて、締約国は、そのような武力攻撃が行われたときは、各締約国が、国際連合憲章第五十一条の規定によつて認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む。)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する。〈後略〉 」


■マティス氏の言動にいちばん安堵し喜んだのは中国というワケ

 日本の主要メディアが流し続けている「フェイクニュース」の代表は、米中関係に対する評価である。
 酷いメディアになると、「米中軍事衝突」は目前というような危険な雰囲気の醸成に注力する。

 米中が米英や日米の関係のように表立って仲良くふるまったり同盟関係を誇示するようなことはないが、それぞれが、相手の必要性と有益性を理解し、相手から得られる恩恵を最大化したいと考え関係性の強化を図ってきた。

 それが21世紀に入って続いている経済・軍事における戦略対話であり、それをベースにした高度な投資サービス金融協定でありリムパックなどの合同演習である。

 米中関係を解説しているメディアや評論家から大きく欠落している事実は、中国こそが日米安保=米軍日本駐留を望んでいるという視点である。

 米中が敵対的関係にあれば、中国は、対中前哨基地の役割を担える日本に米軍が基地を持っていることに反対するが、米中がお互いに関係の戦略的意義を確認し合っている一方で、日本の世論傾向は反中ないしは嫌中といった現状では、逆に米軍が日本に駐留しているほうが望ましいと考える。

 なぜなら、ただでさえ、戦後世界を政治的軍事的にリードしてきた覇権国家米国とのあいだで厳しく重たい外交を展開しなければならないのに、何かと中国を敵視する言動が政治家・メディア・世論のあいだで見られる日本と直接向かい合うのは負担が大きく、現状のように、米国と話を付けてしまえば、「日本問題」も同時に解決するという構図は実にありがたいからである。

(むろん、中国は、米国の媒介なしでアジア全体の問題を率直に話し合える日本との関係が確立することを望んではいる。上位に立つのは中国だが...)

 訪日したマティス国防長官が記者会見で語った「日米同盟は恒久的なもので、アジア太平洋地域の平和と安全の礎」という考えも、中国が日本を抑制するための手段として日米安保体制を考えていることを踏まえれば、より深く理解できるだろう。


 マティス国防長官の言動にいちばん安堵し喜んだのは中国と考えるワケに移る。

 マティス国防長官は、4日に行われた日米防衛相会談後の共同記者会見で、記者から、

「Q:マティス長官に伺います。アメリカはあまり進展を期待していないところもあるのですね。中国に対して活動をスローダウンせよ、特に建設作業を南シナ海で止めようと強く出ておられないのですけれども、強く中国に対して南シナ海に出て行くおつもりでありますでしょうか。例えば、どういった軍事的な措置みたいなものを取り得るのでありましょうか」

と質問され、

「A(マティス国防長官):我々は南シナ海において、見てきたわけです。中国が信頼を踏みにじったわけです、この地域において。そして拒否権のようなもの、経済、安全保障、外交上のものについて、近隣諸国に対して発動しようとしているようなイメージであります。国際的な秩序をベースにして何が重要か、それはルールに基づいて履行するということです。それが破られた場合には仲裁にかけるということです。軍事的な手段を使うとか、領土を占領するといったことはやらないわけです。公海の場合もあるし、また、土地の領有権などはさておいてということなんです。何しろ外交的な努力に訴えるということです。適切にオープンなコミュニケーションラインを維持して いくということの方が重要であるというふうに思います。軍事的なスタンスということは、我々はその外交団をまず強化しようと思っているわけです、現段階において、別に軍事的な作戦は必要ないと思っております。それに類似したものも全然必要ありません。それは解決になりません。外交官に任せたいです。それから航行の自由はもちろん絶対的に重要であります。商船であろうと、アメリカの海軍の船舶であろうと、ということであります。公海で演習をやります。また通過も行います、公海については適切ですから。ということで現段階において別に何か劇的な軍事的な動きをする必要は感じておりません。全くないです」

と答えている。

「日米防衛相共同記者会見概要」プレス向けペーパーより
http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2017/02/04.pdf


 国際法的に領有権が定まっていない南シナ海の島嶼(岩礁や暗礁が中心)で埋め立てを行い軍事施設を構築してきた中国を批判しているが、肝心な内容は、「(ルールが)破られた場合には仲裁にかける」「軍事的な手段を使うとか、領土を占領するといったことはやらない」。「何しろ外交的な努力に訴えるということです。適切にオープンなコミュニケーションラインを維持して いくということの方が重要」で、「現段階において、別に軍事的な作戦は必要ないと思っております。それに類似したものも全然必要ありません。それは解決になりません。外交官に任せたい」と説明していることである。

 この説明は、まさにオバマ政権の対中南シナ海政策の踏襲である。

 トランプ政権は、オバマ政権と違い対中強硬策を採るという見立ても行われているが、そう判断できる根拠は今のところ見当たらない。

 メディアや評論家などは、台湾との関係や「一つの中国」政策の棚上げ的発言をもって、対中強硬策の証としているようだが、トランプ氏の台湾関連言動は、これまで米国政権が行ってきた“裏表外交”“二枚舌外交”を白日に晒したもので、対中強硬策の証とは言えない。

 トランプ氏は、台湾は中国の一部という「一つの中国」政策を掲げながら、台湾関係法を制定し年間1億ドル以上の武器を台湾に売ってきた歴代米国政権を二面性や不誠実性を揶揄したとも言えるのである。

 北朝鮮及び韓国THAAD配備問題についても、マティス国防長官は、ソウルで、「THAADは我々の連合国および米兵の安全保障のために存在しているため、仮に北朝鮮からの煽動的行動がないとすれば、THAADの必要性もなくなる」と語っている。

 意訳すれば、中国(や日本・韓国)が北朝鮮の軍事力強化の動きを抑制してくれるのなら、韓国にTHAADを配備する必要性はなくなると言っているのである。

 ともかく、「米国第一」を標榜するトランプ大統領にとって(経済的観点で言えばどの国でも)、日本より中国のほうがずっと魅力的で有益な相手なのである。
 経済成長過程の中国は、米国との関係を維持するためなら、ボーイング製の航空機を大量に発注するだろうし、米国資本に対し金融・保険・サービスの市場を他国より広く深く解放するだろう。(半分冗談だが、米国が最新鋭の武器を売ってくれるのなら、喜んで買うだろう)

 中国の対米貿易黒字が巨大だと言っても、その6割は中国に生産拠点を築いた米国系資本によるものだとされる。
 競争力が低いこともあるが中国の対米自動車輸出は微々たるもので、先々は米国での生産を志向しているから、自動車を標的にしているトランプ氏との衝突も日本に較べると小さい。

 余談だが、トランプ氏がもっともかわいがっていると言われるイバンカさんと上級顧問クシュナー氏がもうけた娘は2歳になる前から中国語を学んでいる。つい最近の春節期間には在米中国大使館での催しに母娘揃って出席している。


 悪意がないとしたら、日本のメディアや評論家は、自分の願望や期待に染めて現実を見過ぎているのである。



http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/451.html

[国際17] トランプ大統領 習主席に書簡「建設的な関係発展を」

※関連参照投稿

「マティス国防長官訪日の意義:彼の日本・韓国訪問に誰よりも安堵し喜んだのは中国」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/451.html

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トランプ大統領 習主席に書簡「建設的な関係発展を」[NHK]
2月9日 13時00分

アメリカのトランプ大統領は、中国の習近平国家主席に書簡を送り、アメリカと中国の双方が利益を得られる、建設的な関係を発展させたい意向を示しました。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は8日、トランプ大統領が、中国の習近平国家主席に書簡を送ったと発表しました。

書簡は、トランプ大統領が先月、大統領に就任した際、習主席から就任を祝う書簡を受け取ったことに対する返礼だということです。

トランプ大統領は、習主席に謝意を伝えたうえで、「アメリカと中国の双方が利益を得られる建設的な関係を発展させるため、習主席とともに取り組むことを楽しみにしている」と伝えたということです。

トランプ大統領は、貿易や為替などをめぐって中国に対する批判を強めているほか、「台湾は中国の一部」だとする中国政府の「1つの中国」の主張を認識するとした、これまでのアメリカ政府の立場について、中国の対応次第では見直すことを示唆しています。

トランプ大統領は就任後、習主席とはまだ電話での会談も行っておらず、会談がいつ実現するか注目されています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170209/k10010869921000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_007


http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/892.html

[政治・選挙・NHK220] トランプ大統領 習主席に書簡「建設的な関係発展を」

※本文投稿先

「トランプ大統領 習主席に書簡「建設的な関係発展を」」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/892.html


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/452.html

[政治・選挙・NHK220] 豊洲市場の土地取得めぐる訴訟 都が争う姿勢見直す可能性:石原元都知事に賠償責任ナシとする姿勢を変更し小池−石原全面対決か

※関連参照投稿

「豊洲「誠意もって回答」=4年ぶりツイッター投稿―石原元知事:石原氏と前川燿男練馬区長の喚問が必要」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/309.html

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豊洲市場の土地取得めぐる訴訟 都が争う姿勢見直す可能性[NHK]
2月9日 17時26分

東京都が取得した豊洲市場の土地をめぐり、住民が石原元知事に購入代金570億円余りを支払わせるよう都に求めている裁判で、都は「元知事に賠償責任ない」としていたこれまでの主張を見直す可能性があることを裁判所に伝えました。

平成23年に東京都が豊洲市場の土地を東京ガスなどから取得したことをめぐり、都内の住民たちは「汚染の事実を知りながら高額な代金を支払ったのは違法だ」として、石原元知事に購入代金578億円余りを支払わせるよう都に求める訴えを起こしています。

これまでの裁判で、都は「元知事に賠償責任はない」と主張していましたが、小池知事が先月、対応を見直す考えを明らかにしていました。

9日、東京地方裁判所で開かれた裁判には、都が新たに選任した弁護団が出席し、これまでの主張を見直すかどうか検討する考えを裁判所に伝えました。

弁護団は「主張を変更するかどうかすでに検討は始めていて、変更するとすれば、次回の裁判までに詳しい書面を提出したい」と述べました。

その後の協議で、都側の方針は、4月27日までに裁判所に伝えられることになりました。この裁判で、原告の住民たちは石原元知事の証人尋問を求めています。


裁判の経緯と双方の主張

今回の裁判では、豊洲市場の土地の取得をめぐる石原元知事の対応が違法だったのかどうかが争われています。

原告の住民たちは、平成24年に東京都に対して裁判を起こし、都が前の年に東京ガスなどから土地を取得した代金の全額に当たる578億円余りを元知事に支払わせるよう求めています。
住民たちは「元知事が豊洲市場の土地の汚染を知ったうえで十分な交渉をせずに汚染のない土地と同じような代金で取得したのは違法だ」と主張しています。

一方、東京都はこれまでの裁判で、「元知事の対応に問題はない」と主張し、訴えを退けるよう求めていました。

都は、東京ガスとの間で「一定の土壌の汚染対策が行われれば汚染がない土地と同じ価格で購入する」という合意があったことを明らかにし、実際に汚染対策が行われたため、土地の取得に違法な点はないと主張していました。


原告側「公共事業の在り方考え直すチャンス」

裁判のあと、原告の住民と弁護士は記者会見を行い、このうち、一級建築士の水谷和子さんは「本当は必要のない支出だったので、それを止められなかった無念さはあります。豊洲の問題は、失敗に学んで公共事業の在り方を考え直すチャンスだと思います」と述べました。

また、原告側の大城聡弁護士は「これまで東京都の主張は極めて不合理で、情報公開請求をしても資料を黒塗りにし、裁判でも明らかにしなかった。今後の裁判では、石原元知事がどういう認識でこの売買契約を結んだのかや何を知っていたのかを明らかにしてほしい」と話していました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170209/k10010870351000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_011


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/456.html

[政治・選挙・NHK220] 市場幹部ら激白「石川雅己氏は港湾局長時代、東京ガス側に“移転”を提案」:豊洲移転問題に根深い利権構造

市場幹部ら激白「石川雅己氏は港湾局長時代、東京ガス側に“移転”を提案」〈週刊朝日〉
dot. 2/8(水) 7:00配信

 小池百合子都知事vs.都議会自民党の“ドン”内田茂都議の「代理戦争」と化した千代田区長選。知事が支援した現職の石川雅己氏が5選を果たしたが、大どんでん返しとなる“疑惑”が浮上した。築地市場移転問題のきっかけを作った当事者は、石川氏だというのだ。

 緑色のマフラーを巻いた小池百合子都知事は2月3日、秋葉原駅前にさっそうと現れ、石川雅己氏とつないだ手を掲げ、こうアピールした。

「今日は節分、あちこちで豆まきが行われました。しかし、この演説者はまくのではなくて、みなさま方から清き一票をいただくためにお願いをしてます」

 小池都知事は、混迷を深める築地市場移転の発端は誰なのか、ご存じないのだろうか。

 石川氏は1963年に都庁に入庁。75年に千代田区役所へ企画課長として出向した。

「この時から、都議会自民党のドン内田に見込まれた」(元都庁幹部)とされる。都庁に戻ってからは港湾局長、福祉局長などを歴任して99年に退職。首都高速道路公団理事を務めた後、2001年に千代田区長選に初当選して以降、今回で5期目を迎える。

 石川氏が築地市場に関わったとされるのは95年6月、港湾局長就任時だ。

 この年4月に行われた都知事選で、臨海副都心地区で開催が予定されていた世界都市博覧会の中止を公約に掲げた青島幸男氏が圧勝。青島氏は公約を守って同年5月31日に都市博の中止を発表した。

 臨海副都心開発の起爆剤とされた都市博の中止により、多くの企業が予定していた開発計画の見直しを余儀なくされ、後に豊洲市場用地を都に売却した東京ガスも例外ではなかった。

 築地市場幹部が語る。

「東京ガスが豊洲に計画していたのは、レインボーブリッジから豊洲に橋をかけるというマンハッタン・ベネチア構想といわれるものでしたが、都市博中止で頓挫。東京ガスは同時に計画されていた豊洲の護岸強化工事などを進めていましたが、都が撤退したことにより、約60億〜70億円の工事費を自前で拠出しなければならなくなった。その時に助け舟を出したのが、監督官庁でもある都の港湾局長(当時)、つまり石川千代田区長でした」

 街づくりを手掛けていたのは東京ガスの子会社、東京ガス豊洲開発(現在は東京ガス用地開発)だった。

「当時の東京ガス幹部が豊洲の所有地に公的な施設を誘致すれば、莫大な工事費が減免できるのではないかと考え、港湾局長の石川さんに相談した。石川さんが目をつけたのが、築地市場の移転でした。石川さんが初めて築地の豊洲移転の構想を提案したのです」(同前)

 築地市場は当時、現在地で営業しながら再整備を進める方針を決定し、工事も始まっていた。

 しかし、95年秋になると、この方針が急変したのだ。95年10月に水産卸など3団体が築地市場再整備の工事促進を求める要望書を提出していた。

 ところが11月には、逆に買荷など3団体が工事見直しの要望書を出している。

 このわずか1カ月の間に何があったのだろうか。

「もちろん、石川局長だけで市場移転の話が進むはずもなく、95年夏頃、番所(宏育)築地市場長(当時)、自民党の政治家らが秘密の会合を持ったとされています。この時から築地再整備の流れがガラリと変わった」(築地市場関係者)

 95年夏には青島都知事の特別秘書を務めていた辺見廣明氏が市場関係者らとの面談の席で、「いまは豊洲への移転の方向で動いている」と言い出し、市場関係者らを驚かせたという。

「築地市場ではまだ豊洲の『と』の字も出ていません。本当にびっくりした」(別の築地市場関係者)

 辺見氏に真相を確かめると、次のように語った。

「95年夏にそう話したことは覚えていないが、当時から豊洲が移設先という話は聞いていました。石川氏がどの程度関与していたかはわかりませんが、彼は自民党の内田都議と仲が良く、業者との蜜月が過ぎるという噂が絶えなかった。このため青島知事の判断で港湾局長職は1年間だけで代わってもらい、福祉局長に就いて頂いたという経緯がありました」

 青島知事時代に副知事を務め、市場を担当した植野正明氏もこう振り返る。

「番所築地市場長が、築地は豊洲へ移転しなければならないという趣旨の話をあちこちで吹聴していたので、『市場長の立場で言うべきことではない』とクギを刺した覚えがあります」

 番所氏を直撃したが、「もう引退させて頂いておりますから」と語るのみだ。

 長年にわたって築地市場移転問題を取材しているジャーナリストの池上正樹氏もこう話す。

「都は市場の人たちには内緒にしたまま、港湾局主導で調査や交渉が行われていたのです。95年7月に臨海地区を調査し、8月に初めて豊洲の名が移転候補地の一つとして挙がったのです。築地再整備と並行して、移転先が模索され始めた。しかし、そもそも臨海再開発失敗による財政悪化で、築地を売却して移転させるしかなくなったのです」

 都が臨海地区の調査を始めたのは、石川氏が港湾局長だった時と重なる。

 ところが、都が秘密裏に進めていた豊洲への移転の調査や交渉が、市場の卸、仲卸など業者たちの知るところとなる。

 寝耳に水の話に、業界6団体は態度を硬化させる。対処に当たったのは、番所氏の後任の市場長の宮城哲夫氏だった。

「豊洲は40ヘクタールもあって広いし、いい場所を見つけたと思った。だけど市場の卸とか仲卸の組合は理事長が推進派か反対派かで、方針が変わるんです。私の時もまとめ切れなかったですね」(宮城氏)

都が改めて、各業界団体に意思の確認をしたところ、移転推進派と反対派に真っ二つに分かれた。

 都は一転して「現時点で移転可能性は極めて困難」と判断せざるを得なかった。

 01年、千代田区長選出馬を控えた石川氏は内田事務所に立ち寄り、市場関係者に悔しげにこう漏らしたという。

「(豊洲移転を)番所(市場長)の野郎がベラベラしゃべっちゃったからダメになったんだ」

 内田氏と蜜月だったころのエピソードだが、いまや石川氏は内田氏と袂を分かって敵対関係にある。(本誌・亀井洋志、上田耕司、小泉耕平)

※週刊朝日  2017年2月17日号より抜粋

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170207-00000044-sasahi-soci


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/460.html

[経世済民118] 都心マンション「高値」の花 新築販売24年ぶり低水準 在庫増でも値引きせず

[真相深層]都心マンション「高値」の花
新築販売24年ぶり低水準 在庫増でも値引きせず


 新築マンションの販売が振るわない。2016年の首都圏の供給戸数は24年ぶりの低水準を記録した。売れ行きを示す契約率も低調だ。販売価格の高止まりで消費者は購入に二の足を踏むが、不動産各社は低金利を背景に強気の販売姿勢を崩さない。需要は割安な中古に流れ、16年の中古の契約戸数は初めて新築を上回った。都心の新築マンションは「高値」の花になりつつある。

 「都心のマンションはもう高くて。あきらめたよ」。川崎市に暮らす60代の男性会社員はこぼす。還暦を過ぎ、体力も落ちたことから交通の便が良い東京23区への住み替えを検討した。ところが、これだと思った物件は「5千万円超ばかり」。予算に合うものは見つからなかった。

 不動産経済研究所(東京・新宿)によると、16年の首都圏のマンション平均価格は5490万円。15年と比べて0.5%下落したが、3年連続で5千万円台の大台を記録した。直近3年以前に5千万円を超えた最後の年は1992年。バブル期以来の水準が続く。

 「東京23区の3.3平方メートルあたりの単価は330万円。一般世帯が購入可能な単価を4割弱上回った」。みずほ証券の石沢卓志上級研究員は指摘する。70平方メートルの家族向け物件で7千万円になる。実質賃金が伸び悩むなか、簡単には手を出せない水準となった。

 高騰した直接の要因は建設現場における人手不足で工事費が上がったことだ。アベノミクスによる不動産市況の好転で13年ごろから工事費が上昇。販売価格も上がった。


低金利で一変

 「低金利の今がチャンス」「月々のローン返済額はいまお住まいの家賃よりも安くなります」。販売最前線の誘い文句とは裏腹に、価格上昇が購入意欲をしぼませる。

 16年の首都圏マンション販売で好不調の境目とされる契約率70%を超えた月は4回だけ。10〜15年は各年で9〜12回あった。低調はあきらかだ。

 不動産各社が頭を悩ませているかと思いきや、そんな様子はない。

 「利益を削ってまで売る必要はない」。野村不動産の中井加明三会長はこう話す。かつて同社は建設工事中に全戸を売り切るのが基本だったが、そのこだわりは捨てた。

 借入金の金利負担を抑えるために、多少の値引きをして早めの完売を急ぐのがこれまでのマンション事業の常識。それが低金利で環境は一変、資金面の余裕が生まれた。

 その変化は数字に表れている。不動産経済研究所によると、16年末の首都圏のマンション在庫数は7160戸と15年末比729戸増えた。市況低迷を意味する6千戸程度を上回るが、慌てる様子はみられない。

 「見学客の2割が契約する。『歩留まり』は15年度の2倍近くになった」。大京は中古マンションの販売仲介だけではなく、購入・改装して再び販売する事業に力を入れる。15年4月に売り始めた東京都品川区の物件の人気に自信を深める。


中古販売が逆転

 高値にしびれを切らした消費者は割安な中古マンションに目を向ける。

 東日本不動産流通機構(東京・千代田)によると、16年の首都圏の中古マンションの成約戸数は15年比6.9%増の3万7189戸。同12.5%減と落ち込んだ新築の総契約戸数(不動産経済研究所調べ)を上回った。比較可能な1996年以降で初めて逆転した。

 けん引したのは東京23区の動向だ。16年の中古の成約戸数は15年比11.1%と2桁増となった。

 もっとも、その中古も値上がりが続く。東京カンテイ(東京・品川)によると、16年の東京23区の物件価格は5249万円と15年比で10.6%も上昇した。高値が中古の需要拡大にブレーキをかける可能性もある。

 手が届きにくくなる都心のマンション。今後はどうなるか。

 「こんな高値で札を入れるのか」。住友不動産の青木斗益取締役は、土地売買の入札結果に驚くこともしばしばだ。「新築向けに適した土地はなかなか見つからない」。業界関係者は口をそろえる。都心の開発が進み、マンション用地は奪い合いになりつつある。

 空前の低金利で住宅ローンは過去最低の水準が続く。住宅購入の好機のはずだが、消費者が歯がゆく感じる状況はしばらく続きそうだ。

(岩本圭剛)

[日経新聞2月4日朝刊P.2]


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/846.html

[経世済民118] 転機の中古マンション市場(上)上昇相場、都心で陰り 高値で売買成立しにくく

転機の中古マンション市場

(上) 上昇相場、都心で陰り
高値で売買成立しにくく

 上昇を続けてきた国内中古マンション相場に陰りが見え始めた。上昇ピッチの早さに需要が追いつかず、東京都内では値下がりに転じた地域もある。新築物件は低迷が続いており、マンション市場は転機を迎えている。


様子見広がる

 「中古マンションの購入希望者に様子見姿勢が広がっている。従来のような強気の価格設定は難しくなってきた」。仲介大手、野村不動産アーバンネット(東京・新宿)の木内恒夫・営業推進部長は、最近の中古マンション市場について強調する。これまで続いていた上昇力が鈍り、売り出し価格の見極めに神経をとがらせる。

 中古マンション市場は一見、活況の様相を呈している。東京カンテイ(東京・品川)によると2016年の首都圏の中古マンションの平均希望売り出し価格(70平方メートル換算)は3476万円。前年と比べて13.2%上昇した。直近の高値を付けた08年水準を超え、1994年以来の高水準だ。

 一方、新築は低迷している。不動産経済研究所(東京・新宿)によると16年の平均価格は前年比0.5%下落の5490万円で4年ぶりのマイナスとなった。販売戸数も11.6%減り、好不調の目安となる契約率70%を下回った。東京カンテイの井出武・上席主任研究員は「高額で供給が少ない新築から、中古に需要が移った」と説明する。


流通戸数横ばい

 ただ、好調に映る中古マンション市況には不透明感が強まってきた。仲介大手、三井不動産リアルティ(東京・千代田)の川上哲司・流通企画部長は、最近の価格動向の変化について「都心の先行的な調整の動きが、周辺にも広がっている」と話す。

 東京23区でも都心に近いほど価格動向の変化が鮮明だ。12月の都心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京)の前年比上昇率は2.3%。首都圏平均の9.1%に比べると差は明らかだ。「政府の経済政策によりマンションの取引量も多かったが、最近は購入意欲が減退している」(川上氏)。都心6区以外の沿岸部の大型物件では、すでに下げに転じる物件も出てきている。

 在庫にも変化が出始めた。価格が上がっているときは売買が成立しやすいため市場に出る物件は増える傾向にあるが、16年12月の23区の流通戸数は1万1733戸と前月比で横ばいだった。東京カンテイの井出氏は「値段が高くて売買が成立しにくくなってきたため、売りに出される物件が減っている」という。

 個人だけでなく、中古マンションを買い取った後に改修して販売する業者にも影響が及んでいる。トータルエステート(横浜市)の三沢章専務は「参入企業が多いため買い取り価格が5〜10%程度上昇する一方、販売価格は上がらない」と話す。

 価格が下げ基調の新築に注目する動きも出始めた。価格が下がれば、賃料を得るための投資がしやすくなるためだ。台湾の不動産仲介大手で日本でも事業を手掛ける信義房屋不動産の何偉宏社長は「現在の利回りは中古のほうが高いが、品質や設備をみて新築を投資対象とする海外投資家も多い」と指摘する。

[日経新聞2月2日朝刊P.20]


(下)物件取引にもAIの波 業務効率化、収益性高める

 不動産大手の野村不動産ホールディングスはAI(人工知能)関連事業を手掛けるオートマギ(東京・新宿)と連携し、マンションなど不動産の売買でAIを使った対話型サービスを始めた。物件の購入や売却などの相談や疑問に回答する。


 新サービスの導入は、最適な情報提供につながるとの考えからだ。同社は「対話型サービスでは手軽な相談、店舗では本格的な相談と業務をすみ分け、営業効率の向上につなげる」と強調する。

 「不動産業界もAI導入やIT(情報技術)の応用は不可避」と話すのは不動産賃貸仲介を手掛けるイタンジ(東京・港)の伊藤嘉盛最高経営責任者(CEO)。同社は物件の空室の問い合わせに自動応答するシステムなどを展開する。

 物件の管理会社と仲介業者とのやりとりで多いのが空室の確認業務だ。仲介業者が管理会社に空きがあるか問い合わせても担当者不在などですぐにわかるとは限らない。管理会社も仲介業者からの電話対応に追われることが多い。同社のシステムを使うと「管理会社が受ける電話の本数を半減できる」(イタンジ)。

 ITは既に仲介業務のあり方に変化をもたらしている。スマートフォン(スマホ)のアプリなどを使えば物件照会や内見予約も可能だ。1店舗あたり人数が平均3人と少ない仲介業者にとってもメリットはある。物件の管理状況といった専門知識が必要な問い合わせに集中でき「借りたいという申し込みが6割増えた店舗もある」(伊藤CEO)。

 総務省が情報通信技術の導入状況を得点化した調査によると、不動産業界は導入の可否による業績の差が他業界と比べて大きいことが明らかになった。中古マンションは価格上昇に陰りがみられるようになってきただけに、コスト削減の重要性は高まる。野村総合研究所の谷山智彦プリンシパルは「取引の効率化に向けIT化の流れは加速する」と話す。

 「AIやITは複数物件を対象とする例が多く、収益性という数字が重要な要素となる不動産投資と親和性が高い」と指摘するのは、リーウェイズ(東京・渋谷)の巻口成憲代表取締役。AIを使い、投資用不動産の将来の利回りを予測するサービスを展開する。

 4000万件を超える賃貸物件の取引データを解析し、将来の賃料収入などを算出。週1〜2度、地方に出張するという巻口氏は「空室が多いとされる地方でも物件の収益性を高める需要がある」とみる。

 中古マンションなど不動産市場は必ずしも取引の透明性が高いとはいえないとの指摘もある。異業種から不動産AIサービスに参入したリブセンス(東京・品川)の村上太一社長は「透明性向上は中古の流通活性化につながる」と話す。AIやITが果たす重要性はマンション市場でも高まっている。

 斎藤公也が担当しました。

[日経新聞2月3日朝刊P.19]


http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/848.html

[政治・選挙・NHK220] 伝説の元通産官僚が語るトランプ対策:安倍首相とトランプ氏は国家運営で近い考え、会談を通じトランプ氏の真意を知ること

 安倍首相は、14年4月の消費税増税に踏み切るという大失策を冒したが、雇用拡大・国内投資重視・増税忌避・拡大財政とトランプ大統領に近い考えをもっている。

(安倍政権の経済政策のほうが先行しているから、トランプ氏の経済政策が安倍氏に近いと言ったほうがいいかもしれない)

 ええっと思われるかもしれないが、安倍首相は、トランプ大統領の「TPP離脱」政策にも賛同しているはずである。
 オバマ政権から無理矢理引き入れられたTPPだが、経団連を中心としたグローバル企業経営者の強い要望もあり、国民の理解を得るため“TPPは成長の柱”などと心にもないことを言ってきた手前、米国がTPPを見限ったからといって喜びのバンザイを見せるわけにはいかない。

(消費税(付加価値税)は関税に代わる輸入障壁措置であり、TPPがご破算になるとわかっていたら、その対策であった14年春の消費税増税はやらなかっただろう)

 多国間自由貿易協定であるTPPは、グローバル企業の利益にはなっても、国民国家(の政治的指導者)の利益にはならない。
 トランプ氏がそれを理解しているように、安倍政権もそれを理解している。

 詳細は機会を改めて説明するが、トランプ大統領によってTPPが実質的にご破算になったことを安倍首相も心から喜んでいるのである。

 50兆円規模でインフラ投資に協賛するという手土産も用意しているようだが、具体的な対応策をあれこれ持ち出すのではなく、トランプ大統領の世界観や経済理論をじっくり聞いて、トランプ大統領がこれまで発言した内容の真意を理解するほうが重要である。

(自動車メーカーのメキシコ移転批判も、20%国境調整税構想を聞けば、真意は“親切な”助言とわかる)

 真意に納得がゆくのなら、「日銀当座預金積み増すペナルティ(マイナス金利政策)」や消費税(付加価値税)制度をやめてしまうきっかけにすればいい。

 それほど世界は大きく動き始めている。

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伝説の元通産官僚が語るトランプ対策[日経新聞]
2017/2/3 14:00

 トランプ米大統領の登場で再び脚光を浴びつつある日米貿易摩擦。かつて繊維協議を皮切りに、半導体協議など激しい通商交渉の第一線に立ち続けたのが、黒田真・元通商産業審議官だ。遠慮なくずけずけとものを言うその姿は交渉相手から「タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」と呼ばれ、畏敬された。そんな伝説の官僚に、日本は今後トランプ氏とどう付き合っていくべきかを聞いた。(聞き手は経済部 古賀雄大)

 ――トランプ氏の“日本たたき”をどう見るか。

 トランプ氏は長年ビジネスマンとして活躍してきただけあり、交渉をディール(取引)とみなしブラフ(脅し)をかけるやり方を好むようだ。まずふっかけて、その後どこまでまけてやるかというやり口。それが自分の持ち味だと思っているから厄介だ。

 米国の最大の標的は中国だが、この際日本にもクギを刺しておこうと思っている。こうした態度を喜ぶ人がいる限りは味を占めて言い続けるだろう。

 ――日米貿易摩擦が激しかった頃の米国はどうだったか。

 当時米国は日本市場の閉鎖性や特異性を強調する「日本異質論」を持ち出してきた。日本に対するイメージを勝手に膨らませ、仮想敵として攻撃してきたのだ。米国は昔から世界は自国を中心に回っていると思っている節がある。交渉に産業界の要求を持ち込み、言うことを聞かなければ報復措置をちらつかせる手法だ。私はよく米国人に「お前のような考えは自国中心の天動説だ」と言っていた。

 ――交渉ベタの日本人にはそこまで言える人は少ない。

 日本人の性格として、言われたら言われっぱなし、打たれたら打たれっぱなしという人が多い。多くの人は言い返したり打ち返したりすることは品が悪いと思っている。しかしそれでは交渉の現場ではやっていけない。僕は品が悪いから、ずけずけ言った。

 ――10日には日米首脳会談が開かれる。安倍晋三首相はどう対応すべきか。

 日本企業が現地生産を進め多くの米国人を雇用しているという現状を、正しく理解してもらう必要がある。安倍首相は決して妥協してはいけない。感情的になって火が燃え上がると収めるのに時間も手間もかかるし、場合によっては犠牲を払わなければいけなくなる。主張に驚かず、感情的にならず、あなたの言っていることはおかしいと冷静に理を説くべきだ。

 ――安倍首相は「タフ・ネゴシエーター」にならなければならない。

 そう思う。ここは安倍首相に一番頑張ってもらわなければいけないところだ。安倍首相の国会答弁を見る限り、やたらに言いたがる傾向があるようだからいいのではないか。

 ただ、相手の言い分もよく聞くべきだ。米国は自動車業界に突き上げられて交渉に臨んでくる。その立場を理解して冷静に話し合い、少しでも日本の言い分を認識してもらえれば落としどころは見つけられる。

 ――もし自身がトランプ氏と対峙するならどう対応する。

 難しいが、向こうはふっかけてきているわけだから、それには乗らない。相手は大統領なので無視するわけにはいかないが、相手にしない。お前なんか相手にできるかということを言わずして、相手に「あなたの言い分には無理がある」ということを言い続けていく。

 ――自身が交渉していた日米半導体協議では米国の要求が激しく、日本市場の20%に外国製品を入れることになった。

 よくそう言われるが、実はそんな約束はしていない。米国側がそう言いふらしただけだ。確認すると、交渉相手のヤイターさん(米通商代表部代表)が「渡辺美智雄・通商産業大臣の目を見てそういう感じを受けた」と言っていた。我々は「お手伝いしてあげます」と話しただけ。個別の企業が工場建設の計画などを表明するのはいいが、国が交渉で数値目標などを約束することなどは、当時も今回もあってはいけない。

 ――トランプ氏が日米自由貿易協定(FTA)を主張してきた場合はどう対応すべきか。

 僕は昔の人間だから、本来は関税貿易一般協定(GATT)や世界貿易機関(WTO)のような包括的な協議がいいと思う。ただ、参加国が多すぎて成立しにくいという問題があるのは事実だ。

 いずれにせよ心配は農業だ。農業で弱みを突かれ、工業で譲歩せざるを得なくなる可能性がある。是が非でもFTAを結ばなければならないわけではない。交渉次第で是々非々で対応すべきだ。米国の要求だからといって必ずしも受け入れる必要はない。

 ――米国の環太平洋経済連携協定(TPP)離脱など、自由貿易は転機を迎えているのか。

 TPPは高いレベルの自由化率のほか、知的財産や国有企業といった新たな要素を含む非常に優れた協定だ。米国にも利益があるはずだが、一部の古い産業界の不満で離脱することになったのは残念だ。

 しかし現在の保護主義への振り子が戻れば、離脱への反省が出てくるだろう。再加入を促すために米国を除く11カ国で発効させることも不可能ではない。戦後拡大してきた自由貿易が正しい地位を取り戻すことができれば、TPPの価値が見直されるときが来るだろう。

 黒田真氏(くろだ・まこと) 元通商産業審議官。1968年から4年間ジュネーブに駐在し国際交渉術を学ぶ。日米貿易摩擦が深刻だった80年代、半導体交渉などで通商交渉の最前線に立った。遠慮なくものを言う激しい交渉ぶりから「暴言官僚」「アンチテーゼの黒田」「ミスター通産省」などの異名も。84歳。

http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170204&ng=DGKKASFS03H2U_T00C17A2EE8000


http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/468.html

[原発・フッ素47] 仏アレバ、笑顔なき増資 三菱重工・日本原燃が1割出資 中国勢撤退、受注に不安:原発事業、膨らむリスク

[ビジネスTODAY]仏アレバ、笑顔なき増資
三菱重工・日本原燃が1割出資 中国勢撤退、受注に不安

 【パリ=竹内康雄】フランスの原子力大手アレバの経営再建に暗雲が垂れこめている。アレバは3日、三菱重工業と日本原燃から出資を受け入れると発表した。だが当初想定されていた中国企業の名前はなかった。仏原子力産業の再建に不可欠な中国との関係冷え込みが懸念され、アレバの前途はなお多難だ。

フィンランドのオルキルオト原発3号機はコストが大幅に計画を上回る

 アレバは3日、パリ郊外で株主総会を開催。フィリップ・クノル最高経営責任者(CEO)は「増資を含めた改革は、新しい成長を追求するために不可欠だ」と述べた。総額50億ユーロ(約6千億円)の増資案を承認する見通し。仏政府が45億ユーロをまかなう。残りは三菱重工と原燃が出し、核燃料の再処理を手がけるアレバNewCoに5%ずつ出資することになる。

 アレバはフィンランドの新型原発の建設で費用が膨らみ、2015年12月期まで5期連続の最終赤字を計上。その間の累計赤字は1兆円を超え、資本増強を急いでいた。

 NewCoには中国原発大手の中国核工業集団(CNNC)も出資交渉をしていたが、1月末に破談になったようだ。「日本側より出資比率を高めたい」「取締役を派遣させてほしい」。関係者によると、中国側はこう求めたが仏側が拒んだ。

 実はアレバや原子炉事業(アレバNP)を傘下に収める仏電力公社(EDF)には「中国を優先すべきだ」との声が多かった。40年までの新設原発の大半を占める中国からの受注なしに成長はできないからだ。だが、仏メディアによると安全保障の観点から米国や日本政府が強い懸念を伝え、断念したようだ。

 仏側は中国との協力が冷え込むのを懸念する。中国で原発新設を進め、再処理技術の供与で協力しているが、今後は受注が難しくなるかもしれない。英国での協力関係にも溝ができるおそれがある。南西部のヒンクリーポイントC原発はEDFと中国企業が出資。南東部のブラッドウェルではEDFの支援で、中国製原発をつくる。

 中国は財務面で頼れる数少ないパートナーだ。仏側は「NewCoへの出資は閉じられていない」と期待をつなぐ。

 仏原子力産業は30万〜40万人を雇用する。失業率の高止まりに悩む仏政府は原子力産業の立て直しは不可欠と見て再建を主導。アレバNPはフィンランドの原発建設事業を切り離してEDF傘下に入り、再処理事業をNewCoに分離する。

 仏政府は外国企業にアレバNPへの出資も呼びかけている。三菱重工が関心を示し、中国企業とも交渉を進める。NewCo問題が尾を引くか。NPの資本構成は17年後半に固まる見通しだ。

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原発事業、膨らむリスク

 原子力事業で逆風を受けているのは仏アレバだけではない。日本原子力産業協会によると、世界で建設中の原子力発電所(2016年1月時点)は計74基、出力7825万キロワット。順調に拡大しているように見えるが、安全対策強化や工事の遅延で建設費が計画を大幅に超える事例が相次ぐ。原発メーカーが抱えるリスクは膨らんでいる。

 いま危機に直面しているのは東芝だ。06年に買収した米ウエスチングハウス(WH)を中心に原子力事業で16年3月期に約2500億円の損失を計上。WHが15年に買った米原発工事会社でも17年3月期に最大7千億円規模の損失が出る可能性がある。三菱重工業も米国での原発トラブルの責任を追及され、7千億円超の損害賠償を電力会社から請求されている。

 原発コストは東日本大震災以降に安全対策強化の動きが活発になり、今は1基あたり1兆円に迫る。さらに中国や韓国の原発企業が受注合戦で安値攻勢を仕掛け、利益を出しにくくなっている。このため独シーメンスは原発から手を引いた。日立製作所と原子力事業を統合した米GEも原発事業の拡大に及び腰だ。

 三菱重工の宮永俊一社長は3日「今後の出資を通じ、技術向上への貢献を確実にできる」と述べ、原子炉会社アレバNPへの出資などにも意欲を見せたが、アレバとの蜜月にはリスクの種も見え隠れする。

(市原朋大)

[日経新聞2月4日朝刊P.11]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/478.html

[経世済民118] 農家 離農止まらず 水田委託、受け手も限界 生産性査定、継承を後押しも

農家 離農止まらず 水田委託、受け手も限界 生産性査定、継承を後押しも

 コメ農家の離農が止まらない。日本の食を支える農家の平均年齢は70歳を超えた。引退を決めた農家は所有農地での作付けを委託する引き受け農家を急いで探すものの、請負農地が増えすぎて、受け手側の限界は近い。来年の生産調整(減反)廃止を引き金にした大量離農時代の到来が懸念される。

コメの名産地でも農業をやめる人たちは多い(新潟県南魚沼市)


 鎌田敦子さん(74)は千葉県君津市の農家に嫁いで、およそ半世紀にわたってコメづくりをしてきた。5年ほど前、夫が体調を崩してからは老体にムチを打ってきたが、「田んぼの水の管理もできなくなった」。2016年秋の収穫を終えると、「もう無理」と離農を決めた。

 「跡継ぎはいない」。市役所に相談を持ちかけ近隣の農家へ管理を委託した。鎌田さんの水田を借りてコメを作ることになった榎本富美雄さんは「最近、請け負う田んぼが増えてきた」とぼやく。減反が廃止される来年は「持ち込まれる話はもっと多くなる」とみる。

 同じような光景が各地のコメどころで起きている。農林水産省によると、コメを主に作付けする農家は15年時点で62万戸と15年間で半減した。離農の原因は高齢化がほとんどという。減反の廃止によるコメの自由化は高齢農家に競争激化を意識させ、作付けをやめる口実になりやすい。

 離農後の遊休農地を仲介する「農地バンク(農地中間管理機構)」。2年目にあたる15年度の農地の貸し出し面積は7万7千ヘクタールで、政府の年間目標(14万ヘクタール)には届かなかった。原因はどこにあるのか。

 コメどころ、新潟県南魚沼市。上越新幹線の浦佐駅から車でうねる山間道を抜けると、風光明媚(めいび)な棚田が見える。ここでコメを作る佐藤政雄さんは農事組合で30ヘクタールを作付けする。「毎年3〜4農家はやめていくかな」と離農者から水田を引き受けている。

 山間地は寒暖差が大きく、おいしいコメができるといわれるが平地の水田に比べると生産効率は悪い。「これからもっと離農者は増える。でも、これ以上は請け負えない」とこぼす。さらに耕作面積を広げると逆に採算が悪化する。

 ただ離農をチャンスに変えようと新たな動きも出始めた。公認会計士の原田佑嗣さんは監査法人のトーマツから独立して離農コンサルティングを手がける。離農者の農地や農業機械の価値を査定し、後継者を選定する。離農後の生活設計や資金計画も助言する。

 離農者の農地を十把ひとからげにするのではない。農地の生産性や場所などを考慮して、どうすれば事業を継承できるか見抜いたうえで引き受け手の農業法人を探る。「農地バンクがやろうとしていることはわかるが、(農家の)生産性まで踏み込んで考えていない」

 離農者は増え続ける。原田さんは「離農希望者の情報を集めて、次代への橋渡しをしたい」と力を込める。

[日経新聞2月4日朝刊P.22]



http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/857.html

[政治・選挙・NHK220] 「自由貿易」は「保護貿易」の変形:南北戦争は保護貿易派による政治闘争:戦後日本は保護主義のもと経済発展

 戦後世代とりわけ70年代以降に高等教育を受けた人たちは、「民主主義」・「人権」「自由」・「平等」・「自由貿易」といった理念や概念が歴史や地域性を超越した“普遍的な善”と考える傾向にあるようだ。
 別に、それらが無用の考え方で害毒になるなどと言いたいわけではない。
 言いたいのは、それらが、ある歴史を超えてどのような国家社会でも普遍的・優先的に尊重されるべきものとは言えないということだ。

 ある時代のある国家にとっては大多数の人々の生存を優先するために「統制」を必要とするかもしれないし、10年後30年後の経済社会を考え「産業保護政策」や「統制経済政策」を採ったほうが合理的な歴史段階もある。
 統治的にも、外国勢力が内政干渉や混乱醸成を狙っているような場合、“政治活動の規制”を実施したとしてもやむを得ないことだと思う。

 日本では与野党が揃って「自由貿易」の重要性を訴え、中国の習国家主席も最近のダボス会議で同じ主張を展開したが、現在そしてこれからの世界(国際関係)を考えるとき、化“「自由貿易」は「保護貿易」の変形的主張”という観点を忘れてはならない。

 まず、生産費(国際競争力)で優位に立つ分野の事業主は、自己の利益のために「自由貿易」を主張する。
 そして、生産費で劣位にある分野の事業者は「保護貿易」政策を求めるが、保護下で競争力を高めることができたら、「自由貿易」政策を政府に求めることになる。

「自由貿易」は、とりわけ付加価値が大きい分野(製造業)で国際競争力的に優位に立った国家が自国産業を“保護”するために選択する通商政策なのである。

(むろん、日本の農家が主張する政策を考えればわかるように、あらゆる分野の事業者が「自由貿易」で利益を得られる国はない)


 戦後の日本は、保護的な高い関税を課すだけでなく“舶来品は贅沢”という価値観を国民に浸透させることで輸入を抑制し、今は昔だが当時は国内製造業が太刀打ちできない外資の対日直接投資を原則禁止としながら、産業育成とドル獲得のため輸出増進を国策として実施することで高度経済成長を達成した。
 そして、世界一とも言われる産業競争力を身につけたあと、80年代に「自由貿易」を国策としていく。

 これまでは自由主義経済の権化のように思われている米国(だからこそトランプ大統領の政策にショックを受けている)も、戦後日本と同じように保護貿易主義を政策にするなかで世界最強の産業国家に成り上がった。

(1970年からの「日米貿易摩擦」を考えれば、米国が自由貿易主義というのも虚構であることがわかる)

 日本人もだが世界の人々は、19世紀中盤の南北戦争を「奴隷解放戦争」と受け止めているが、内実は、合衆国統合維持・保護貿易政策・賃金労働者増加策を目的とした近代化戦争である。

 北部では近代産業が勃興していたが、未だ英国との競争に勝てる段階ではなく、保護主義的通商政策を必要とし、賃金労働者の不足にも悩んでいた。
 南部は、奴隷を所有する農園主によるプランテーション経営で、綿花を中心に英国などとの自由貿易を望んでいた。農園や生活で使う物資も、より安い英国製を低関税で輸入することに利益があった。

 このようななかで、リンカーン大統領が奴隷所有禁止=奴隷解放を政策にしたのだから、南部11州が独立(アメリカ連合国)を目指したのは自然の流れであり、北部にとっては、労働力が減少しマーケットも縮小する“分離独立”を認めることはできないから戦争でことを決しようとする。

 トランプ大統領もリンカーン大統領を尊敬しているようだが、私は、米国史上最悪の戦死者(WW2やベトナム戦争を上回る50万人超)を出した南北戦争を続けたリンカーン氏は、米国市場最悪の大統領だと評価している。

 だからといって、奴隷制を維持すべきだったと主張するわけではない。

 奴隷に限らず人は死ぬ存在である。
 私なら、そのときに所有されていた奴隷は、保護策を強化するにとどめ、新たな奴隷の輸入や新たに生まれた子どもの奴隷化を禁止する政策を行う。

 奴隷から解放された黒人は、奴隷主の“保護”から外れ、その多くが日雇いやパートで低賃金労働に就くようになった。
 高価な買い物であった奴隷は、所有者からそれなりに大事に扱われていたが、“解放”されてしまったことで、明日はどうなるかわからない「賃金奴隷」になったのである。

 奴隷解放後の米国では、過酷な労働に従事する人が不足するなか、受刑者を鉱山などで奴隷的な過酷労働に従事させた。


 トランプ大統領が刺激的な言動をすることで、人々は「世界の大変動」を感じるようになっている。
 今こそ、これまでの常識をいったん保留し、どういう国家社会、どういう国際関係が望ましいものかじっくり考えるときである。


※ 国際通商政策に関する参照投稿(15年近い昔のものだが)

「【経済学理論の虚妄】 「比較優位」というリカードの“詐欺的理論”が今なお生き延びている不可思議 − 「自由貿易主義」は「保護貿易主義」である −」http://www.asyura.com/2002/dispute3/msg/570.html
投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 26 日 21:05:48:


※トランプ米国関連参照投稿

「トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html

「マティス国防長官訪日の意義:彼の日本・韓国訪問に誰よりも安堵し喜んだのは中国」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/451.html

「伝説の元通産官僚が語るトランプ対策:安倍首相とトランプ氏は国家運営で近い考え、会談を通じトランプ氏の真意を知ること」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/468.html



http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/494.html

[国際18] 米、北朝鮮の水害に1億円提供 制裁強化巡る米中取引で:日本も既に支援実施のハズ

※関連記事

「水害の北朝鮮に人道支援を 国際赤十字 近衞会長が視察に出発:支援物資は既に手配済みの可能性が大」
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/575.html

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米、北朝鮮の水害に1億円提供 制裁強化巡る米中取引で[朝日新聞]
ソウル=牧野愛博
2017年2月12日01時36分

 北朝鮮の朝鮮中央通信は10日、「米国政府が朝鮮北部地域での昨年の水害で、人道支援を提供することにした」と報じた。米韓関係筋によれば、米国のオバマ前政権が、対北朝鮮制裁をめぐる国連での米中間の取引の結果、国連児童基金(ユニセフ)を通じて100万ドル(約1億1千万円)の人道支援を行うことにしたという。

 同筋によれば、昨年11月末に国連安全保障理事会が新たな対北朝鮮制裁決議を採択した際、米国が中国に制裁強化への同調を要請。中国は応じる代わりに、制裁の対象は金正恩(キムジョンウン)政権に限るべきだと改めて主張したという。

 オバマ政権も、北朝鮮による人権侵害を批判したが、北朝鮮当局と市民を区別するため、国際機関が要請した水害に対する人道支援に応じる必要があると判断した。

 米政府側はこうした趣旨を韓国側に伝え、理解を求めたという。韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の職務執行権限が昨年12月、国会の弾劾(だんがい)決議で停止されたことも影響したとみられる。韓国は昨年、北朝鮮による核実験などに反発し、人道支援にも応じない政策に転じた。世界中の在外韓国公館を通じ、日米を含む各国に対して北朝鮮への人道支援について「金正恩政権や軍に流用される可能性がある」と主張。慎重な検討を要請していた。

 国連人道問題調整事務所によると、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)などを昨年8月末から9月初めに襲った台風による洪水被害の死者・不明者は500人を超え、約6万9千人が住まいを失った。(ソウル=牧野愛博)

http://www.asahi.com/articles/ASK2C54VLK2CUHBI01J.html

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「米が人道支援」北朝鮮で報道 16年の水害で[日経新聞]
2017/2/11 1:17

 【ソウル=加藤宏一】朝鮮中央通信は10日、「米国政府が朝鮮(北朝鮮)の北部地域で昨年発生した水害被害と関連して人道支援を提供することにした」と報じた。人道支援の具体的な内容には触れていない。北朝鮮メディアが米国の人道支援を伝えるのは珍しい。

 今回の報道は、選挙期間中に金正恩(キム・ジョンウン)委員長との対話の可能性を示していたトランプ米大統領をにらんだ動きの可能性もある。

 北朝鮮北東部の咸鏡北道では昨年8月下旬から9月初旬にかけて、台風による水害で多数の人命被害が発生した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10HA6_Q7A210C1FF1000/

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米国、北朝鮮を援助へ?[スプートニク日本語]
2017年02月12日 00:34(アップデート 2017年02月12日 00:40)

米国政府が昨年北朝鮮で起きた破壊的な洪水被害に関連して、北朝鮮に人道支援をする決定をした。

現在、米朝間には外交関係がなく、米国は必要があればスウェーデンの大使館を通じて行動している。

北朝鮮の気象庁によると、同国北部の洪水はこの60年で最もt大規模な物となった。昨年8月29日から9月2日にかけて、同地域では320ミリリットルの雨が降った。洪水の結果、豆満江が決壊した。130人以上が死亡し、400人ほどが行方不明になった。北朝鮮北部の洪水は少なくとも60万人の同国民の生活に影響を及ぼした。

先に、韓国紙、中央日報は9日、北朝鮮が核弾頭を最大60個製造できる能力を保有していると、米韓の情報当局が判断していると伝えた。

https://jp.sputniknews.com/politics/201702123330763/


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/140.html

[環境・自然・天文板6] 海の生態系脅かす微粒子 有害物質吸着、代替開発急ぐ

海の生態系脅かす微粒子
有害物質吸着、代替開発急ぐ

 洗顔料や歯磨き粉などに含まれる「マイクロビーズ」と呼ぶ微粒子による海の汚染が懸念されている。こうした微粒子は有害物質を吸着しやすく、魚や鳥などがのみ込んで、海の生態系に影響を及ぼすおそれがあるからだ。欧米では、国や州政府が法律で使用を禁止する動きが出ており、日本でも業界団体が自主規制を呼びかけている。


 「すぐに手を打たないと、海の中のマイクロビーズは増え続けてしまう」。東京農工大学の高田秀重教授は環境への影響をこう懸念する。高田教授らは2015年夏に東京湾で捕ったカタクチイワシ64匹の体内を調べたところ、8匹の内臓からマイクロビーズが出てきた。「私たちの予想よりも多かった」と驚く。

 九州大学の磯辺篤彦教授らは東京湾や伊勢湾、瀬戸内海など25地点で目の細かい網を入れ、船で引いて海水を調べた。9地点でマイクロビーズが見つかった。磯辺教授は「実態はよくわからないが、マイクロビーズは各地で拡散しているようだ」と話す。

 マイクロビーズは微細な球状の粒子で、レジ袋などに使うポリエチレンといった合成樹脂でできている。洗顔料や歯磨き粉では、汚れや古い角質などを取り除く目的で添加されており、直径は1ミリメートルに満たないものが多い。1本の洗顔料には数万個のマイクロビーズが入っているという。

 マイクロビーズは洗顔や入浴などによって、生活排水と一緒に下水道に流れる。下水処理場でほとんどは回収されるが、大雨などで下水管があふれると川や海に流れ出てしまう。いったん海に出てしまうと、回収するのはほぼ不可能だ。細菌や紫外線に分解されるのに時間がかかるため、海中や海底に残り続ける。

 マイクロビーズは植物プランクトンとほぼ同じ大きさで、多くの生き物がのみ込む。動物プランクトンや魚、エビ、貝、クジラ、海鳥などで見つかっている。スウェーデンのウプサラ大学の研究によると、マイクロビーズをエサと間違えて食べた稚魚は栄養不足で成長が遅く、動きが鈍くなり、外敵に食べられてしまいやすいという。

 ポリエチレンそのものの毒性は高くないが、微粒子の表面は化学物質がなじみやすい。ポリ塩化ビフェニール(PCB)や古い農薬などの有害化学物質を吸着する。PCBを吸着したマイクロビーズを3カ月間メダカに食べさせたところ、肝機能が低下したという報告がある。食物連鎖で有害物質が濃縮されるおそれも指摘されている。

 マイクロビーズを体内に蓄積した魚を人や鳥が食べても、ビーズそのものは体外に排せつされる。マイクロビーズを通じて魚が取り込んだ有害化学物質が健康に及ぼす影響について、東京農工大の高田教授は「よくわかっていない」と話す。

 北極や南極でも見つかるなど、マイクロビーズはほぼ世界中の海に拡散している。今後も流出が増え続ければ、魚の体内に蓄積される有害化学物質の濃度が高まり、人体や野生動物への影響が無視できなくなる可能性がある。

 海外では、洗顔料や洗浄料などに含まれるマイクロビーズの使用を規制する動きが出ている。因果関係ははっきりしないが、予防的に対応しようという考え方だ。

 米国では、洗顔料などへの添加を段階的に禁止する法律が成立した。ニューヨーク州やカリフォルニア州などが独自に規制を導入している。欧州連合(EU)では、化粧品の業界団体が自主的な使用中止に動き出した。世界の動きを受け、日本化粧品工業連合会が昨年3月、約1100社の会員企業に対して、速やかに対応するよう呼びかけた。

 日本の大手化粧品・日用品メーカーは洗顔料や洗浄料、歯磨き粉などについて、代替材料の開発を急いでいる。資生堂はセルロースなど天然成分でできた微粒子を採用し、18年度末までに全製品で切り替える方針だ。花王も16年末までに全製品で、代替材料に置き換えた。天然成分の微粒子は合成樹脂などでできたマイクロビーズに比べて、汚染物質を吸着しにくいとされる。

 ただ、洗顔料などに使われているものに比べて、化粧品に含まれるマイクロビーズは0.001〜0.05ミリメートルと小さい。発色や感触をよくする目的などで使われており、植物を原料に作るバイオプラスチックや天然物で置き換えるのは難しいという。

 化粧品に含まれる細かなマイクロビーズの人体や生態系への影響はさらにわかっていない。規制が必要かどうかも今のところ不明だ。

(藤井寛子)

[日経新聞2月5日朝刊P.23]


http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/489.html

[国際18] 米サンフランシスコに「慰安婦」記念碑を設置へ:CNNが「慰安婦」強制連行について報道 日本政府は依然否認

米サンフランシスコに「慰安婦」記念碑を設置へ
人民網日本語版 2017年02月11日13:34

日本側のたびたびの妨害にもかかわらず、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市政府の関連部門はこのほど、同市内の公共空間に「慰安婦」の記念碑を設置するかどうかの「最終投票」で行い、設置を承認するとともに、碑文の具体的な内容を確定した。碑文は、第二次世界大戦中、旧日本軍に「慰安婦」になることを強制されたアジアの女性たちの悲劇を永遠に忘れることなく、歴史をしっかりと記憶し、平和を大切にし、人類の尊厳をともに守り抜こうと呼びかける内容だ。

サンフランシスコは米国で「慰安婦」記念碑が設置される7番目の都市になる。計画では、今年9月に市内のチャイナタウンのセント・メリーズ・スクエアに設置されるという。

記念碑のデザインは英国の彫刻家スティーブン・ホワイト氏によるもので、テーマは「記憶、強靱さ、正義」。3つの部分で構成され、異なった服装の3人の若い女性が手をつなぎ、背中合わせで円柱の上に立ち、その下には朝鮮半島の伝統衣装を着た高齢の女性が両手を組んで立ち、目は少女たちの方を向いている。3人の若い女性は中国、韓国、フィリピンの「慰安婦」を象徴し、高齢の女性はごく少数となった生存する元「慰安婦」を象徴し、正義と尊厳への強い願いが表現されている。

現地メディアの報道によると、「慰安婦」記念碑の設置はサンフランシスコに本部を置く多民族の権利保護団体「慰安婦正義同盟」が働きかけたもの。同同盟の共同代表を務めるリリアン・シンさんとジュリー・タンさんは、「今回の記念碑設置は正義を訴えるための行動であり、中国系、韓国系、アフリカ系、ユダヤ系、さらには日系の各界の人々に支持されている。サンフランシスコの『慰安婦』記念碑設置プランが最終的に確定したことをうれしく思う。自分たちの訴えの意義の重大さが改めて明らかになった」と話す。

設置プランが承認されたと同時に、サンフランシスコ芸術委員会は今月6日に碑文の具体的な内容を確定。英語版の内容は次の通り。「この記念碑の趣旨は1931年から1945年にかけてアジア太平洋地域の13の国と地域で『慰安婦』と呼ばれ、旧日本軍によって性奴隷にされた数十万人の女性・少女たちの苦難の証となることです」。

日本の安倍政権が各地での「慰安婦」記念碑設置を妨害し続けたため、設置に向けた活動には困難な時期があり、サンフランシスコ市の市長や市議会議員も日本から大きな圧力を受けた。日本の大阪市とサンフランシスコ市は姉妹都市で、大阪市の吉村洋文市長は今月1日、サンフランシスコ市のエド・リー市長に書簡を送り、記念碑設置の動きは両市の交流に影響を与えるとして、慎重な態度を取るよう呼びかけた。サンフランシスコ側は市長名義で返信書簡を送り、記念碑の碑文の内容は事実を記録したものであり、女性の人権問題を反映したものとの見方を伝えた。

慰安婦正義同盟の支持者からは、「日本は戦争時の行為をいまだに悔い改めていない」、「私たちの目的は、日本が戦争を始めたのであり、『慰安婦』は正義にもとる戦争の犠牲者であり、このような国とその政府は責任を負い、過ちを認めるべきだと強調することにある」などといった声が次々に挙がっている。(編集KS)

「人民網日本語版」2017年2月11日

http://j.people.com.cn/n3/2017/0211/c94474-9176790.html

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CNNが「慰安婦」強制連行について報道 日本政府は依然否認
人民網日本語版 2017年02月09日11:09

米CNNが今週早く、日本は第2次大戦時に「慰安婦」20万人を強制連行したと報じた後、日本の菅義偉内閣官房長官は7日の定例記者会見で再び日本政府のいわゆる公式の立場を持ち出し、「政府が発見した資料の中には軍や政府が慰安婦を強制連行したことを示す直接の証拠はなかった」と述べた。新華社が伝えた。

CNNは6日「少女像がなぜ外交紛争を引き起こしているのか」とのタイトルで、韓国「慰安婦」少女像及びその背景の日韓の歴史問題について詳細に紹介。少女像は第2次大戦時に日本政府に強制連行された「慰安婦」少女を象徴しているとした。また、少女像の地面に映る影は高齢の女性で、被害者が長年苦痛を経験してきたことを象徴しているとした。少女の硬く握られた拳は、今後はもう日本政府の戦争犯罪に対して沈黙せず、歴史の真実を語る決意を表現しているとした。

CNNは報道で、第2次大戦時、日本軍は韓国、中国、インドネシアなどから20万人の女性を従軍「慰安婦」として強制連行し、1992年に「河野談話」で責任を認め、おわびをしたものの、それ以外に被害者に対していかなる政府レベルの賠償もしていないと強調した。

日本政府は先月9日、韓国の民間団体が在釜山日本総領事館前に「慰安婦」少女像を新たに設置した事に抗議し、長嶺安政駐韓大使と森本康敬駐釜山総領事を一時帰国させた。両氏は今も韓国に戻っていない。

韓国紙「中央日報」は8日、菅義偉氏の姿勢表明が国内外の批判を招くのは必至だと報じた。(編集NA)

「人民網日本語版」2017年2月9日

http://j.people.com.cn/n3/2017/0209/c94474-9175872.html



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/141.html

[国際18] 米 巨大ダムの放水路壊れ 19万人に避難命令:カリフォルニア州北部オロビルダム:露が支援表明

米 巨大ダムの放水路壊れ 19万人に避難命令[NHK]
2月13日 21時18分

アメリカ西部カリフォルニア州で、大雨によって水位が上がった巨大ダムの放水路の一部が壊れ、周辺地域に水が流れ込むおそれがあるとして、地元当局は住民およそ19万人に避難命令を出し対応を急いでいます。

カリフォルニア州の北部にあるオロビルダムを管理している地元当局は、大雨によって上昇した水位を下げるため放水していた放水路の一部が壊れているのが見つかり、周辺地域に水が流れ込むおそれがあるとして、12日に付近の住民およそ19万人に避難命令を出しました。

オロビルダムは、えん堤の高さが230メートル余りと全米で最も高いダムとして知られ、その貯水量は日本の黒部ダムの20倍以上あります。現地からの映像では、ダムから放水される大量の水によって、放水路の一部がえぐられたようになっていることがわかります。

現地メディアによりますと、周辺地域では避難する人の車で道路が混雑し、ダムからおよそ30キロ離れた場所に避難所が設けられたものの、周辺の宿泊施設にも多くの住民が避難しているということです。

当局は、大きく壊れていない放水路を使ってダムの水位を下げるとともに、ヘリコプターを使って放水路の壊れた部分に石を投下するなどして対応を急いでいます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170213/k10010875321000.html?utm_int=news_contents_news-main_005

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カリフォルニア ダム決壊の危険 20万人の避難にロシアが支援表明 【写真・動画】[スプートニク日本語]
2017年02月13日 15:03(アップデート 2017年02月13日 21:55)


米カリフォルニア州北部オロビル市のダム決壊から緊急避難が発令された。同市のあるビュート郡役所がFacebookで明らかにした。このダムは米国内では最も高所にある。米政権はカリフォルニア州北部のオロビル湖ダム決壊の危険性が高まったとして、およそ20万人の市民の避難を行う構え。ロイター通信が地元政府の発表を引用して報じた。

ビュート郡役所のFacebookの発表によれば、放水による侵食で「オロビル湖ダム」が決壊し、コントロール不能な事態になりかねない。湖の水量は試算で43億立方メートル以上。

これより前、主たる放水路はすでに決壊。予備の放水路も1時間以内に決壊する危険性があり、これが起きればオロビル湖ダムも決壊し、制御不可能な事態になる。

予備の放水路からの流水が開始されたのは11日の豪雨の後。

現地メディアが空から撮影したビデオでは米国内で最も高い位置にあるダムから土砂を含んだ濁流が激しい勢いで下方へと流れる様子がみてとれる。 放水路は壊れた状態のまま放置されており、ダム決壊の事態となれば居住地が危なくなることは以前から指摘されていた。 緊急避難の発令は住民らにとってはほぼ前触れなく出されている。

これまでカリフォルニア州水資源局は当初は非常事態は予測されず、付近住民への避難勧告もないと楽観的な姿勢を表していた。

現地では集中豪雨で主要な放水路が侵食され、続いて予備の放水路も損壊。災害を回避するため1分間の放水量は10万平方フィート(2800立方メートル)まで引き上げられたほか、地元政権はオロビル湖の水位を引き下げ作業に着手した。

こうした事態を受けてロシアの水道行政部の専門家らは米国に対して支援を行う準備を伝えている。

https://jp.sputniknews.com/incidents/201702133334725/


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/164.html

[国際18] 米、北朝鮮へ強硬策に転換 「力による平和」検討:その気がないトランプ米国に北朝鮮攻撃を唆す愚劣な“フェイクニュース”

 願望と妄想が入り交じった危険極まりない日経新聞の記事である。

 まず、北朝鮮のミサイル発射を受けて、11日(現地時間)パームビーチで行われたのは、安倍首相の記者会見であり、「共同声明」の発出ではない。
大げさに言っても、“安倍首相とトランプ大統領の共同記者会見”が精一杯の表現で、安倍首相の記者会見(声明発出)にトランプ大統領が同席したというのが妥当な表現である。

 日経新聞は、「安倍晋三首相とトランプ氏は11日夜、パームビーチで北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難する共同声明を発表した。声明を共同とするよう提案したのは、トランプ氏だった」と書いているが、「声明を共同とするよう提案したのは、トランプ氏」という経緯はウソ=“フェイクニュース”と言われても仕方がないものだ。

 「共同声明」という話を持ちかけたのは、安倍首相であってトランプ大統領ではない。
 昨日夜放送されたBSフジの「プライムニュース」に出演した安倍首相自らがこの経緯を説明している。

 「私(安倍首相)から大統領(トランプ氏)に対し、私と大統領の共同の声明のようなものを出そうと申し上げた。そのうえで、大統領が「安倍さん、このあと、記者会見か何か行うのか?」と言われたので、ぶら下がりのようなものを予定しているけど会見をしたいと思うと言ったら、「私がその場に行こう。その場でメッセージを発することにしよう」ということになった」

 安倍首相の記者会見にトランプ氏が参加するようになったという流れである。

 しかも、記者会見でトランプ大統領が発したメッセージは、その直前に安倍首相が発したメッセージの一部をただ繰り返した寂しいものである。

[北朝鮮のミサイル発射確認後の記者会見内容:外務省]

「(安倍総理大臣)

 今般の北朝鮮のミサイル発射は断じて容認できません。北朝鮮は国連決議を完全に遵守すべきです。先程トランプ大統領との首脳会談の中において,米国は常に100%日本とともにあるということを明言されました。そして,その意思を示すために,今,私の隣に立っておられます。私とトランプ大統領は日米同盟を更に緊密化し,強化していくことで完全に一致をいたしました。私からは以上です。

(トランプ大統領)

 安倍総理,どうもありがとうございます。米国は,偉大なる同盟国である日本を100%支えるということを皆さんに理解し,十分に知ってもらいたい。」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_002779.html

 少し考えれば、二人が発したメッセージにアンバランスさを感じるはずだ。

 UN決議に反してミサイルを発射した北朝鮮に対して非難の言葉さえ発しなかったトランプ大統領は、日本が北朝鮮に感じている脅威に同盟国として対応するというレベルで、直接の当事者という対応を見せていない。

 北朝鮮(金正恩委員長)は、常々、ミサイルは日本を標的にしているわけではなく、米国の攻撃を抑止するため、万が一米国が攻撃に及んだとき反撃するため、軍備を増強していると説明している。
 この論理に照らせば、日本が標的になるとしても、それは米軍の基地が日本領土に存在するからであり、日本そのものが直接的な標的になっているわけではないとわかる。

 このような背景ならば、北朝鮮のミサイル発射に脅威を感じ、UN決議を盾に強く非難すべきは米国であって日本ではない。
 それなのに、トランプ大統領は、日本の立場を支持するという他人事のような内容だけで発言を終えている。

 日経新聞の記事見出しは、「米、北朝鮮へ強硬策に転換 「力による平和」検討」となっているが、記事を読んでも、「北朝鮮へ強硬策に転換 「力による平和」検討」を見出しにできる内容や根拠はどこにもない。

 「トランプ米政権は「戦略的忍耐」と称した前政権の方針を失敗と判断し、強硬路線に転じる構えだ」というのも、「北朝鮮が非核化への具体的な行動がない限り、無視する「戦略的忍耐」は北朝鮮の核・ミサイル開発の時間稼ぎに使われただけだった。トランプ氏が唱える「力による平和」の具体策が問われる」と続いているように、日経新聞記者の推測ないし願望でしかない。

(「戦略的忍耐」と称したオバマ政権の対北朝鮮方針をトランプ氏が失敗と判断していることは、金正恩委員長とハンバーガーを食べながら話をしてもいいということと一緒に、大統領選挙戦を通じて表明されている)

 「声明を共同とするよう提案したのは、トランプ氏だった。強固な日米連携を訴えるとともに、世界に向けて北朝鮮に厳しく臨む立場を示すのが狙いだ」というのも、上述の安倍首相自身が説明した経緯や記者会見でトランプ大統領が発した内容を考えれば、「世界に向けて北朝鮮に厳しく臨む立場を示すのが狙い」という部分は、記事を書いた記者の期待や願望を表出したものでしかない。

 記事は、「トランプ氏の「力による平和」の検討課題として浮かび上がるのは、中東でのテロとの戦いで使用する無人機の投入や、北朝鮮の核施設への先制攻撃だ」と、トランプ政権が対北朝鮮戦争も遡上に乗せているかのように書いているが、そのように言えるような“根拠”はまったく見当たらない。

 記者の願望や期待でしかないことは、その後に続けて、「トランプ氏は入国制限などで政権の体力をいたずらに消耗している場合ではない。通商や為替などで同盟国を揺さぶっている時期でもない。北朝鮮の弾道ミサイルは米国本土も射程に収めており、優先課題を間違えることは、米国も脅威にさらす。北朝鮮問題は超大国、米国の指導者としてトランプ氏の真価も試す」と書いていることから推測できる。


 当該日経新聞の記事は、その気がないトランプ米国に北朝鮮攻撃を唆す愚劣極まりないものである。

 トランプ大統領が、金正恩委員長のトモダチである元NBAデニス・ロッドマン氏とトモダチだからとは思わないが、日米首脳会談後に発表された共同声明で、「両首脳は、拉致問題の早期解決の重要性を確認した。両首脳はまた、日米韓の3カ国協力の重要性を確認した。さらに、日米両国は、北朝鮮に関する国連安全保障理事会決議の厳格な履行にコミットしている」と書かれていることから、米国の対北朝鮮政策は、日朝国交正常化→米朝国交正常化という従来のものと変っていないと判断できる。

 北朝鮮問題を考えるコツは、「拉致問題の早期解決」=「日朝国交正常化」という理解である。

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米、北朝鮮へ強硬策に転換 「力による平和」検討[日経新聞]
2017/2/13 12:58

 【パームビーチ=吉野直也】北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、トランプ米政権は「戦略的忍耐」と称した前政権の方針を失敗と判断し、強硬路線に転じる構えだ。北朝鮮が非核化への具体的な行動がない限り、無視する「戦略的忍耐」は北朝鮮の核・ミサイル開発の時間稼ぎに使われただけだった。トランプ氏が唱える「力による平和」の具体策が問われる。


11日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けた日米共同記者発表で、トランプ大統領(右)は「米国は100%日本とともにある」と述べた=ロイター

 安倍晋三首相とトランプ氏は11日夜、パームビーチで北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難する共同声明を発表した。声明を共同とするよう提案したのは、トランプ氏だった。強固な日米連携を訴えるとともに、世界に向けて北朝鮮に厳しく臨む立場を示すのが狙いだ。

 北朝鮮問題は核・ミサイルの実験があるたびに国連を中心に制裁議論を繰り返してきたものの、ほとんど抑止効果はなかった。外交努力の継続は必要だが、北朝鮮はミサイルの弾頭に核を搭載し、実用化するのも時間の問題だ。対話や北朝鮮の後ろ盾である中国への過度な期待だけでは北東アジアの脅威に対処するのはもはや難しい。

 トランプ氏は大統領選の選挙期間中、金正恩(キム・ジョンウン)委員長との会談に意欲を示す半面、「消滅」にも言及した。ここ20年で北朝鮮問題を巡る論点は出尽くしており、時間の経過は北朝鮮の核・ミサイル開発に有利に働く。トランプ氏の「力による平和」の検討課題として浮かび上がるのは、中東でのテロとの戦いで使用する無人機の投入や、北朝鮮の核施設への先制攻撃だ。

 トランプ氏は入国制限などで政権の体力をいたずらに消耗している場合ではない。通商や為替などで同盟国を揺さぶっている時期でもない。北朝鮮の弾道ミサイルは米国本土も射程に収めており、優先課題を間違えることは、米国も脅威にさらす。北朝鮮問題は超大国、米国の指導者としてトランプ氏の真価も試す。

 「戦略的忍耐」を掲げたオバマ前政権は中国に北朝鮮の説得を求めていたが、北朝鮮を対米けん制カードに使う中国の動きは鈍かった。米国が在韓米軍に年内に整える地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)は中国の核・弾道ミサイルの無力化も見据えているとされている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM13H09_T10C17A2EAF000/


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/168.html

[原発・フッ素47] 米原発 衰退の危機  シェール台頭や老朽化 新規建設、コストの壁

米原発 衰退の危機
シェール台頭や老朽化 新規建設、コストの壁

 米国の原子力発電産業が衰退の危機に直面している。シェール革命で安くなった天然ガスを使う火力発電に押され、老朽化した原発の停止が相次ぐ。2011年3月の福島第一原発事故後、米国でも安全規制が強化。東芝の巨額損失を招いたように、新規建設のコストはこれまで以上に膨らむ。温暖化対策に消極的なトランプ米大統領の政策も逆風になりかねない。

閉鎖が決まったNY近郊のインディアンポイント原発=ロイター

 「13年から13基も原子炉停止が表明された。原発産業をどうするのか」(米原子力エネルギー協会=NEIのマリア・コスニック最高経営責任者=CEO)

 「米原発市場の競争力があるとはいえない」(米原発運営会社サザン・ニュークリア・オペレーティング・カンパニーのスティーブ・ククズンスキーCEO)

 1月27日、コロラド州で「米原発」を巡る討論会が開かれ、先行きを懸念する声が相次いだ。


15〜20基停止も

 世界の原発発電量の3分の1を占める米国。現在、全米で稼働している原子炉は99基で、ピークだった1990年から15基減った。NEI前CEOのマービン・フェーテル氏は、今後5〜10年でさらに15〜20基が停止する可能性があると指摘する。

 1月9日、ニューヨークの中心街マンハッタンから約70キロ離れた場所にあるインディアンポイント発電所の原子炉2基の閉鎖が発表された。運営主体であるエンタジー社のレオ・デナルトCEOは「天然ガス価格の歴史的な低下や運営コストの上昇が響いた」と閉鎖の理由をコメントした。

 シェール革命で天然ガス生産が急増した米国では、天然ガスの価格(16年平均)が10年前に比べて6割強下落した。燃料費だけではない。設備の技術革新もあり、天然ガス発電全体のコストは10年間で45%低下した。天然ガス発電が普及した結果「電気料金は過去10年で45%下がった」(エンタジー社のデナルト氏)

 一方、米エネルギー情報局(EIA)によると、米原発の発電コストは15年までの10年間で4割も上昇した。電気料金が下がったにもかかわらずコストが上昇したため、苦境は深刻になった。

 コスト増の背景にあるのが設備の老朽化だ。79年に起こったスリーマイル島の事故以降、長く新規原発の建設が認可されなかった。多くの原発が稼働から40年以上たつ。修理・保守費がかさみ、小規模原子炉ではコスト増を吸収できなくなってきた。

 米国の原発が抜本的に競争力を取り戻すには高効率の新型原子炉への設備更新が欠かせない。


GE、海外にらむ

 「AP1000はゲームチェンジャーになる」(サザン・ニュークリア社のククズンスキー氏)。東芝傘下ウエスチングハウス(WH)が開発した最新鋭原子炉のことだ。簡素な構造だが高出力。安全性の向上だけでなく建設期間の短縮や労働力削減も売りにする。米国で建設中の原発4基はすべてAP1000だ。

 しかし、建設作業は遅延に遅延を重ねコストが膨らみ、今回の東芝の経営危機にもつながった。

 福島の事故を受け、米原子力規制委員会(NRC)は安全規制を厳格にしている。AP1000は世界で一基も稼働していないだけに当局の目も厳しく設計の見直しも多いという。米国での新規建設は巨額の費用がかかり民間企業の手に余る。

 15年時点で米発電の燃料別シェアは天然ガスが33%で原子力の19%を上回る。40年には倍以上になる見通しだ。

 米市場の縮小を見越し、WHは中国、ゼネラル・エレクトリック(GE)は英国など米原発メーカーは海外展開を急いでいる。だが、特に新興国では中国勢やロシア勢との競合が激しい。ある外資系証券アナリストは「米原発産業は新たな環境に適応している最中」と言うが、反転への突破口はまだ見えてこない。

 ニューヨーク=稲井創一

[日経新聞2月7日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/508.html

[国際18] 安保理、北朝鮮を非難 報道声明 ミサイル発射で:声明文は米国主導だそうだが、お説教で終わり?

※関連参照投稿

「米、北朝鮮へ強硬策に転換 「力による平和」検討:その気がないトランプ米国に北朝鮮攻撃を唆す愚劣な“フェイクニュース”」
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/168.html

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安保理、北朝鮮を非難 報道声明
ミサイル発射で

 【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は13日、北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射を受けて緊急会合を開き、発射を「強く非難する」とする報道声明を全会一致で採択した。北朝鮮による12日のミサイル発射は過去の安保理決議に対する「重大な違反」だとして、核実験を含む挑発行為をやめるよう求めた。トランプ政権発足後に北朝鮮問題で安保理の会合が開かれるのは初めてで、声明文は米国が主導して作成した。

 声明は、北朝鮮の市民が困窮するなかでミサイル開発に資源を使っていることを「遺憾に思う」とし、北朝鮮が挑発行為を繰り返せば「さらなる重大な措置をとる」とクギをさした。また、国連の全加盟国に対して安保理による対北朝鮮制裁決議を「完全に履行する努力を倍増するよう求める」と訴えた。

 報道声明には安保理の全15カ国の賛同が必要。法的拘束力はないが、国際社会の結束した意思を示す。米国や日本などの要請に応え、中国やロシアも報道声明に賛成し、北朝鮮のミサイル発射を非難したという。

 米国のニッキー・ヘイリー大使は会合後、「ミサイル発射はとても受け入れられず、言葉ではなく我々の行動で北朝鮮に責任を負わせる時だ」との声明を発表。トランプ米大統領も13日、カナダのトルドー首相との会談後の記者会見で北朝鮮問題は「とても大きな問題だ」と断じ、「我々はとても強い姿勢で取り組んでいく」と強調した。

 安保理は2016年に2度の核実験を受け、北朝鮮に出入りする全貨物の検査や鉱物資源の禁輸といった幅広い制裁決議を採択したが、北朝鮮はなお挑発行為を繰り返している。16年には20発以上のミサイル発射や核実験を受けて安保理は11回もの非難声明を出した。

 日本の別所浩郎国連大使は会合後、記者団に対し「全会一致での非難声明を北朝鮮は真摯に受け止めるべきだ」と語った。国連のグテレス事務総長も発射を「強く非難する」とし、「国際社会が結束してこの問題に臨むことを求める」とする声明を報道官を通じて発表した。

 別所大使は「現在ある強力な制裁決議を履行しなければならない。これが出発点だ」と強調。安保理声明も徹底した制裁決議の履行こそが抑止力を高めるとして加盟国に制裁決議の順守を求めた。ただ、北朝鮮の最大の貿易国である中国がどこまで協力するかはなお不透明だ。

[日経新聞2月14日夕刊P.1]



http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/192.html

[国際18] イスラムをきちんと理解しているフリン首席補佐官の首を切ったトランプ大統領のディール対象は何か?:次の標的はバノン氏か

 国家安全保障担当首席補佐官であり、クシュナー上級顧問及びバノン首席戦略官・上級顧問と並んでトランプ大統領最側近とされてきたフリン氏が辞表を書き受理された。

 フリン氏が辞表を書くに至った問題は、フリン氏がまだ“民間人”であったクリスマスイヴを含む昨年暮れに駐米ロシア大使と電話で外交問題を勝手に協議した“罪”と、その経緯についてペンス副大統領に不十分な説明をしたためペンス副大統領がテレビを通じて国民にウソをつくハメになったことの二つである。

 ただ、ペンス氏が昨年暮れに駐米ロシア大使館に電話をかけ大使と会話をしたことはほどなく報じられた既知の事実(制裁解除云々についても)だから、コアの問題は、一民間人でありながら「対露制裁解除」について駐米ロシア大使と協議をしたこと以上に、それをペンス大統領にきちんと伝えなかったことと言えるだろう。

 フリン氏と駐米ロシア大使が「制裁解除」を協議したという通話内容は、“盗聴”によって明らかになっている。

 フリン氏は将軍(中将)として国防情報局長官職を経験したほどの人物だから、自分の電話もだが、ロシア大使館にかけた電話が盗聴されていることは明確にわかっていたはずである。
 そして、民間人が外交を行ってはならないという法規定も知っていたであろう。

 フリン氏が駐米ロシア大使と電話で協議するに至った背景には、オバマ大統領が、CIA及びFBIの調査を受け容れ、ロシア外交官の国外追放を断行したという事実がある。

 そして、フリン氏の電話が、プーチン大統領に対抗策としての駐露アメリカ外交官追放を思いとどまらせた可能性が高い。(自国の外交官が追放措置を受けたら相互主義で相手国の駐在外交官を同数追放するのが外交慣例)

 「対露制裁解除」は、フリン氏が唐突に持ち出した考えではなく、選挙運動期間中からトランプ氏がずっと唱えてきた政策である。
 そうであるなら、フリン氏が、勝手に駐米ロシア大使に電話をしたというより、トランプ大統領の指示ないし許可のもとで駐米ロシア大使に電話をかけた可能性が高い。

 こう考えると、トランプ大統領がこれまで最側近として重用してきたフリン氏の首を切ったのは、フリン氏が民間人であるのに外交を行った罪の累が自分に及ぶという“脅迫”を受け、それを回避するためのディールだったと推測することもできる。フリン氏が辞めることで、この問題に終止符を打つという取り引きである。

 この取り引きからは、フリン氏を国家安全保障担当首席補佐官の重職から排除したいと考える“強力な勢力”の存在を窺い知ることができる。
 その勢力とは、国防組織及び情報機関のメインストリームにあるものたちであろう。

 フリン氏は、オバマ政権時代の14年に、上層部との確執から国防情報局長官の職を解任されている。解任の背景には、フリン氏の“イスラム観”があると言われている。

 フリン氏は、イスラムを「癌」と呼び、イスラム教徒に脅威を感じるのは当然のことと発言している。
 オバマ大統領が、イスラム過激派の犯行とされる様々なテロについて、「過激派のテロ」と表現するにとどめ、「イスラム過激派によるテロ」という表現を用いないことも非難している。

 欧米諸国で多数起きているテロはそのほとんどが国家機関による自作自演の「偽テロ」だが、イスラムを「癌」(イスラムが良いか悪いかといった意味ではなく、異常に増殖し本体を死に至らしめることもあるという意味で)と考えるのは間違っていない。

 イスラムは、本来のユダヤ教と同じで、近代的概念の宗教と政治思想が一体となった思想・価値観体系であり、イスラムをきちんと信仰しているムスリムなら生活している場で信者を増やしイスラムの教義に基づく共同体を作り上げる義務がある。

 このようなイスラムに対する理解のもとで、異なる価値観体系や思想・宗教をベースにする国家や共同体はイスラムと接しなければならない。

 911以降の欧米諸国は、フリン氏のようなまっとうなイスラム観を隠し、悪いのはテロを起こすごく一部のイスラム過激派と説明しながら、でっち上げの偽テロを理由に、30万人を超える“普通の”ムスリムを虐殺しながら対イスラム戦争を遂行してきたのである。

 理解しているイスラムをそのまま広言するフリン氏に対する追放劇は、欧米支配層のメインストリームが、911以降の「対テロ戦争」を「対イスラム戦争」と見られるのを忌避していることの現れと言えるだろう。

 イスラムを「癌」と呼ぶ人物が米国の国家安全保障担当首席補佐官を務めることで、ウソとゴマカシで「対テロ戦争」とされてきた「対イスラム戦争」として剥き出しになるのでは期待していたのだが、覆いはとられないまま「対イスラム戦争」は続いていくようだ。

 対イスラム政策も、トランプ氏のほうが誠実で、オバマ氏などのほうが不誠実なのである。

 トランプ政権のなかでフリン氏の次に狙われる人物がいるとしたら、フリン氏と似た考えを持つバノン首席戦略官・上級顧問のはずだが....


※関連参照投稿

「ロシア軍Su24M撃墜をめぐる虚実と目的[参考]:「テロとの戦い」の名目で進められる国際大連合による“イスラム改革”」
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/823.html

「イスラム教は改革が必要:アボット前豪首相、「政教分離の概念がない」「近代化の必要がある」と挑発」
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/153.html


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/194.html

[国際18] 解剖トランプ流:トランプ氏支持の民主党員 台頭  リベラルな若者が「転向」 地方疲弊「内向き」歓迎:共和党もガラガラポン

解剖トランプ流 トランプ氏支持の民主党員 台頭
リベラルな若者が「転向」 地方疲弊「内向き」歓迎

 【シリコンバレー=兼松雄一郎】全米各都市で抗議デモが頻発するなか、地方では若年層を中心にトランプ大統領(写真はAP)を支持する輪が広がっている。これまで共和党から距離を置いていたリベラルな若者を中心に「トランプ・デモクラット(トランプの民主党員)」と呼ばれる新たな支持層が台頭。かつて共和党のレーガン政権が民主党員の支持を得たのと類似の現象がおきつつある。


「トランプ・民主党支持の若者たち」と書かれた横断幕を掲げるアレキサンダー氏(米ワシントン)


 「労働組合が雇用増をちらつかせるトランプの『甘言』で票を切り崩されている」。反トランプデモに参加していたミシガン州全米自動車労組(UAW)のスタッフ、ジム・バークジック氏(71)は悔しげにこう語る。騒がしい都市部の反トランプデモ。怒りの声が世界中に伝えられるのとは対照的に、米国の地方ではじわじわとトランプ支持が広がっている。

 大統領就任式翌日の1月21日。ホワイトハウス前で繰り広げられる大規模な女性デモの傍らで、やや雰囲気の異なる若い男女が集まっていた。掲げるのは「トランプ・民主党支持の若者たち」と書かれた横断幕だ。

 彼らは交流サイト(SNS)でつながった30歳以下のグループ。ツイッターのフォロワー数は7万人を超え、今なお増える。トランプ氏の娘イバンカ氏や息子のトランプ・ジュニア氏もフォロワーだ。

 興味深いのは参加者の多くが、リベラル派で知られる民主党のバーニー・サンダース上院議員を大統領選で応援していた「転向組」である点だ。リーダー格のアリゾナ州から来た学生、ウェズレー・アレキサンダー氏(21)も「我々はリベラルだ」と公言する。

 トランプ支持者は白人が圧倒的に多く、政権内には、白人至上主義運動とつながりが深いスティーブ・バノン氏が首席戦略官・上級顧問に就く。普通のリベラル派が「差別主義者」として蛇蠍(だかつ)のごとく嫌うトランプ氏を、彼らはどんな理屈で支持するのか。

 「白人至上主義には同意しない。全ての意見が一致するわけでもない」とアレキサンダー氏も認める。ただ共感するのは経済政策だ。「トランプ減税の恩恵は中間層にも及ぶ可能性がある」と期待を込める。トランプ氏の発言や公約には常に曖昧さがある。このことが逆に解釈の幅を広げ、民主党支持者にも受け入れられる余地を生む。

 「クリントン氏(が大統領になった)なら様々な地域で戦争を続けただろうが、トランプ氏はやらない。既存メディアや大企業から距離を置くのも好ましい。これは体制への抵抗だ」。アレキサンダー氏の主張は、熱狂的にサンダース氏を支持した反体制派の若者たちの声とも重なる。

 グローバルな競争や紛争に介入し、もめ事を生んできた既存の政治や大組織から離れ、格差是正や雇用といった国内問題に目を向けよう。主張から浮かび上がるのは「内向きの米国」の姿だ。

 米調査機関ピュー・リサーチセンターの大統領選の出口調査では、米二大政党の候補間における18〜29歳の若者の支持率の差は2008年の34ポイントから昨年は18ポイントに縮んだ。本来リベラルな若年層に支持されるはずの民主党のクリントン氏が若者票を取りこぼし、共和党のトランプ氏が取り込んだ実態が読み取れる。

 実は米国では1980年代、似た光景が広がった。民主党が労組票を固めていたミシガン州などで、共和党のロナルド・レーガン氏が高い人気を誇った現象だ。経済停滞で苦しむ工場労働者らの票が「強いアメリカ」を標榜するレーガン氏に流れた。民主党支持からレーガン共和党支持に転向した中間層は「レーガン・デモクラット(レーガンの民主党員)」と呼ばれ、長期政権を支えた。

 当時の状況はリーマン・ショックから回復しきれず、疲弊した現代の米国の地方とだぶる。「トランプ・デモクラット」はトランプ氏の長期政権の礎となるのだろうか。

(随時掲載)

[日経新聞2月8日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/195.html

[経世済民119] 中国IT企業へ投資急増 技術・収益性に熱視線:米国へのVC投資が16年38%減の一方で中国への投資は倍増

<FT特約>中国IT企業へ投資急増 技術・収益性に熱視線

 遺伝子解析を手掛けるBGIの共同創業者、王俊氏が2015年、iCarbonXという深圳の医療技術会社を設立するためBGIを去った時、中国の大手ベンチャーキャピタル(VC)数社が是非融資をしたいと申し出た。だが、王氏は結局、中国インターネットサービスの騰訊控股(テンセント)の創業者で最高経営責任者(CEO)の馬化騰氏に資金協力を仰いだ。馬氏は新会社の価値を10億ドル(約1120億円)と見積もり、2億ドル近くの資金を提供した。

 王氏に対するVCの熱意の陰には同氏のBGIでの経歴がある。いまやゲノム配列解析ではトップクラスのBGIは、米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏のビル&メリンダ・ゲイツ財団と緊密に連携する。BGIが来月にも上海市場に上場すれば、VCは大きな利益を得られるだろう。

 中国のIT(情報技術)企業は今やアリババ集団やテンセントだけではない。ロボットや人工知能(AI)から、フィンテックや医療機器などまで、中国は模倣ではなく、自ら技術を開発しようとしている。米調査会社CBインサイツが最近公表した世界の有力未上場IT企業は、上位10社のうち4社が中国企業だった。

 米投資ファンドのウォーバーグ・ピンカスは、15年だけでも中国本土の複数の企業グループに15億ドルを投じた。この10年で投資額の平均2.2倍の利益を上げている。

 米シティグループによると、米国へのベンチャーキャピタル投資は16年に38%減少したが、中国への投資は倍増した。中国企業はIT分野における全世界のベンチャーキャピタル投資の46%を占めたという。

 米シリコンバレーの起業家たちはかねて、太平洋の向こう側の新興IT企業を見下し、中国では革新といっても限界があると主張してきた。中国ではいまだに儒教的な決まり切った教育をする大学が多く、高官になったり研究助成金を得たりするには中国共産党とのつながりがものをいう。中国のITグループはこうした考え方を変えようとしている。

(8日付)

=英フィナンシャル・タイムズ特約

[日経新聞2月9日朝刊P.6]


http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/236.html

[経世済民119] IoTが変える半導体市況:データ量が多く高速が逆に阻害要因、旧式の半導体部品やその製造装置に引き合い増加

IoTが変える半導体市況

(上) 価格下落で新たな需要
家電や車向け急拡大

 あらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器が半導体の価格下落を契機に普及が進んでいる。技術を持つ人材や中古製造装置の引き合いも増え、周辺ビジネスを含めた半導体市況が変貌しつつある。


 昨年秋に千葉市で開催された国内最大の家電見本市「CEATEC JAPAN」。利用者が「ニンジン3本入れて、タマゴ2個使う」などと食材の名前や出入庫数を声で伝えると、食べ時や献立を知らせる冷蔵庫が来場者の話題を集めた。


新技術活用進む

 シャープが発売したこの冷蔵庫は保存する食材データをネット経由でやり取りし、利用者への助言に役立てる。東京都内の家電量販店の実勢価格は30万円前後で、収納量が同様の新モデル並みの価格になっている。

 IoTを活用した家電や自動車向けの技術が国内外の展示会で相次いで披露され、この1〜2年で実用化は急速に進んだ。背景には日本や韓国を中心とした半導体メーカーの供給増と、パソコン向けを中心とした需要縮小による半導体部品の価格下落がある。

 データ保存に必要なDRAMやNAND型フラッシュメモリーは16年春の直近安値で指標品はそれぞれ1個1.6ドル、2.2ドル強。中国家電メーカーなどの需要増で値下がりは一服したものの、3年間で半値以下になった。画像など認識用汎用センサーも年1〜2割程度下落している。

 部品の値下がりで新製品の開発にも弾みが付いている。米半導体大手の日本法人で、アナログ集積回路を製造・販売するアナログ・デバイセズ(東京・港)は、食材の成分を手軽に分析できる機器をこのほど発売した。機器を食材に当てると、専用ソフトを通じてスマートフォン(スマホ)の画面にたんぱく質や脂質の含有量を表示する。価格は1個250〜300ドルに抑えた。「電子部品価格が安くなったため、実用化できた」(同社)という。


膨らむ国内市場

 野村総合研究所は国内IoT市場が15年の5200億円から、20年には1兆9400億円、22年には3兆2000億円に拡大すると予測。世界的に拡大基調が続きそうだ。メモリー大手で、次世代品の開発投資を加速する東芝の成毛康雄副社長は「データ量の爆発的な増加に期待する」と力を込める。米IT(情報技術)企業のシスコシステムズは、世界のデータ量が20年には15年の7倍弱に拡大するとみる。

 今後は需要の拡大局面入りに伴って、市況が本格的な上昇に転じるとの見方も出ている。半導体を搭載するシリコンウエハーでは需要増を背景に、国内大手は11年ぶりの本格値上げに踏み切った。メーカーからは「(付加価値を高めた)しっかりしたものを作る必要がある」(信越化学工業の轟正彦常務)。

 かつて、半導体産業は過剰投資後の需要縮小から採算悪化に陥る悪循環を経験した。IoTが与える影響は多様な分野に及ぶ。市場投入後に一定期間が経過すると大きく下落する、半導体市況のこれまでの価格サイクルに変化を及ぼす可能性がある。

[日経新聞2月8日朝刊P.22]


(下) 中古の製造装置 争奪戦 技術者採用も急ピッチ

 「中古の半導体製造装置は取り合いだ」。三井住友ファイナンス&リースの高田賢治・電子デバイス設備部長は驚きを隠さない。同社が扱う中古製造装置の相場は2008年のリーマン・ショック後の安値と比べ、2〜3割ほど上昇している。


 あらゆるものがネットにつながるIoTの普及は半導体の周辺市場に波及している。製造装置の不足でリース会社やメーカーが売りに出す中古品に引き合いが殺到する。


新品並み価格も

 日本半導体製造装置協会(SEAJ)がまとめた日本製半導体製造装置のBBレシオ(3カ月移動平均の受注額を同・販売額で割った値、速報値)は、16年12月に1.31。1を上回ると需要が供給よりも多いことを示す。15年12月以降、おおむね需要が供給を上回る。

 電子部品各社は初期費用を抑えるため、高価な装置をリース契約で調達することが多い。リース会社が契約の終わった装置を中古市場に売り出すと、国内外のメーカーがただちに買い付ける。三菱UFJリースが扱う、ある半導体ウエハー切断装置の中古品は5年落ちで約1100万円と新品並みの価格だ。

 IoT対応機器は安価な旧世代部品を使う場合が多い。中古市場では旧世代にあたる直径200ミリウエハー対応装置の流通が中心。ウエハー製造大手、SUMCOの橋本真幸会長は「IoTや自動車向けで200ミリを利用する裾野が広がった」と指摘する。

 アジア各国の積極投資も追い風だ。国主導で半導体投資を進める中国の需要は「間違いなく増えている」(高田氏)。製造装置大手のディスコは自社製の中古装置の売り上げが、東南アジアの半導体受託製造会社(ファウンドリー)の引き合い増で、16年は前年比5倍の6億円に伸びた。


平均年収2%増

 技術者の転職市場も争奪戦の様相を帯び、電子部品や製造装置の増産を担う人材採用が急ピッチで進む。リクルートワークス研究所(東京・中央)の調査によると、半導体や電子部品の分野で、17年度に中途採用が「増える」と回答した企業は16.7%。前年度から6.5ポイント増え、全製造業で最高となった。

 リーマン・ショック後に中途採用を絞り続けていた反動に加え、市況好調による人手不足が重なった。「大手に負けないよう、給与制度を見直す中堅メーカーが増えている」(エン・ジャパン人材紹介事業部の松本雅裕氏)。インテリジェンスが調べた電子・電気部品・半導体メーカーの平均年収は16年、前年と比べ2.0%増えた。

 かつて半導体分野で世界を席巻した日本には多くの技術者と製造装置の蓄積がある。IoT時代に「日の丸半導体」の遺産をいかに活用していくかが問われている。

 高野壮一、龍元秀明が担当しました。


[日経新聞2月9日朝刊P.22]



http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/237.html

[国際18] 「“金正男”KL国際空港怪死」事件報道を読み解く

 北朝鮮金正恩委員長の異母兄金正男氏が13日午前9時ころクアラルンプール(KL)国際空港の格安航空専用ターミナルで殺害されたというニュースが駆け巡り現在なお大きな盛り上がりも見せている。

 KL国際空港怪死事に関するマレーシア政府(警察)の公式的な発表は断片的なものだけで詳細はない。
 これまでのところ、この事件に関する報道は、韓国政府が自国メディアや国会議員に情報をリークした内容を基礎にしていると言える。

 要するに、クアラルンプールから遠く離れた捜査権限もない韓国国家機関のリークをもとに韓国メディアが再構成して発信した「金正男氏毒殺」情報に世界のメディアが踊っているという話なのである。

 ニュース番組やワイドショー番組は、今回の「金正男氏毒殺」事件を超特大ネタとして大げさに取り上げているが、日本のメディア自身が裏を取っている情報はほとんどなく、ほぼすべてが韓国及びマレーシアのメディアが発信した情報の“繰り返し”でしかない。

 この出来事は、現在のところ「朝鮮系男性KL国際空港怪死」事件と呼ぶのがふさわしいものである。
 最近「フォルスニュース」や「アフタートゥルース」といった用語が流行っているが、熊本地震で動物園の檻から逃げ出したライオンが街をうろつているという話とそれほど変わらない“未確認情報”を大量の取材陣と膨大な時間をかけて垂れ流している(リツイートしている)というのがメディアの状況なのである。

 基本的な問題として、情報発信源である韓国政府機関が死亡した男性を金正男氏と認定した根拠は何なのかと問うことができる。
 「KL国際空港で死亡した男性について、どこが何を根拠に金正日氏の長男金正男氏と確認したのか」という説明すらされないまま話だけが肥大化している。

 「KL国際空港で死亡した男性」が保有していた旅券がどこの国の発行でどういう名義だったのかという初歩的情報さえ当初は報じられなかった。
 韓国KBSニュースによれば、死亡した男性が保持していた旅券は偽造旅券で、「キムチョル」(金哲か?)名義で1970年6月10日ピョンヤン生まれと記載されていたという。(金正男氏は1971年5月10日生まれとされている)
 しかし、偽造であれ旅券発行国が北朝鮮か韓国なのかそれとも第三国なのかは語っていない。

 このように書いているからといって、KL国際空港で死亡した男が金正日氏の長男金正男氏ではないとか、死亡原因が毒殺ではないとかを言いたいわけではない。
 北朝鮮工作機関が殺害したということを含めて、具体的な裏が何も取れていない韓国発の“未確認情報”をこれでもかというほどの量で拡大再生産していると言いたいだけである。


 今回の騒動は、現在の世界の異様さの一つが噴出した出来事とも言える。

 現在の世界では、2種類の出来事について、ろくな検証もないまま、ある国家機関が発表する内容がそのまま“真実”とされている状況が目立つ。

 一つは、欧米主要諸国で起きている“テロ事件“であり。ほとんどの事件で犯人とされる人物は事件終結時に殺され、そのためもあり裁判は行われず、裁判以外でも事件の検証や実証もまともにやられることなくイスラム過激派の犯行と確定されている。

 その積み重ねの結果、欧米諸国で尋常ならぬ爆破や銃撃の事件が起きると、当該国政府が説明せずとも、多くの人が即応的に「イスラム過激派のテロ」だろうと考えるようになっている。
 民主主義や人権そして“法の支配”の尊重を声高に叫び、トランプ大統領の政策に非難を浴びせている(西側)世界の実態はこんなものである。

 もう一つが北朝鮮に関わる事件である。

 まず、北朝鮮については、狂気あふれる奇妙で異常な支配者に統治された国だから、何をしでかしても不思議ではないという刷り込みがこれでもかとなされている。
 それゆえ、少し冷静に考えればおかしいと思うような出来事でも、北朝鮮犯行説ならすんなり受け入れられるという素地ができ上がっている。

 今も生きている金賢姫らが実行したとされる大韓航空機爆破事件や全斗煥政権の閣僚多数が殺害されたラングーン爆破事件などは、実行者が生き残り証言したこともあり、韓国政府の主張がそのまま“事実”として受け入れられている。

 しかし、大韓航空機爆破事件は、2000年代になって韓国内で陰謀説や捏造説がはびこり、それを受けた韓国政府が調査を行って「政治的に利用されたのは事実であるが、事件自体は真実である」と説明している。


■KL国際空港で死んだ人は誰なのか

 在マレーシア北朝鮮大使館職員が司法解剖に長時間立ち会ったようなので、KL国際空港で死んだ人は北朝鮮の“重要人物”と推測できる。
(マレーシアの副首相が遺体を北朝鮮に引き渡すと言ったという報道もある)

 誰が死んだのかという疑念については、二つを指摘できる。
 一つは、死んだ人はほんとうに金正日元総書記の長男金正男氏なのか?もう一つは、死んだのが金正日元総書記の長男金正男氏としてもそれは事件報道でたびたび流れているあの“金正男”なのかというものである。

 彼が登場する代表的で印象的な映像は、01年5月に偽造旅券(ドミニカ共和国)行使で日本入国を図り強制送還(中国へ)されたときのものであろう。

 そのときも、日本政府が、外務省高級職員が同行する“厚遇”で強制的に送還した男を金正日元総書記の長男金正男氏と認めたわけではない。

 金正日元総書記の長男金正男氏が日本に向かっているという情報は英国政府機関から日本政府にもたらされたそうだが、映像の男性を金正日元総書記の長男金正男氏と断定したのは韓国政府機関である。

 そして、この騒動以来、あの男=“金正男”は、金正日元総書記の長男金正男氏となりそのように扱われるようになったのである。

 面白いことに、金正日氏の長男とされる正男氏は、北朝鮮国民のほとんどがその存在を知らず、金正日氏の料理人として知られ一家の近くに寄ることもあったとされるあの藤本健二氏(仮名)も、「将軍様や軍の大将、党の幹部らが集まる宴席で正男氏の姿を見たことはないし、噂話として語られたことさえ一度もない」、「正哲(正恩の兄)や正恩の話は将軍様からよく聞いたし、遊びの相手もした。将軍様きっと長男の存在を隠し通したかったのではないだろうか」と話しているほどである。

 金正恩委員長も、異母兄である正男氏と会ったことがないとされている。

 金正恩氏に関しても、後継者に選ばれたという情報が流れた09年時点では、漢字表記も年齢も姿形もわからずあれこれ詮索がなされた。北朝鮮国民も、父親金正日総書記とひな壇に並ぶ姿を見るまでその存在を知らなかったと言われる。

 テレビ映像として流れ金正男氏と思って見られている男は、ほんとうに、金日成氏の長男で後継者になる可能性もあった金正男氏なのだろうか?

 先に自分の判断を言えば、目の表情から、父親金正日氏と一緒に映っている子どもが成長してあの “金正男”になったとしてもおかしくはない(否定はできない)と思っている。(お坊ちゃんからちょっと薄汚れた雰囲気のオッサンになっているが、それは精神的な変化のせいかもしれない)

 “金正男”は、01年5月より前の00年12月にも来日して、赤坂の韓国クラブでホステスと写真に収まっている。(場所がほんとうに赤坂の韓国クラブかどうかは確認できないが、その写真に収まっている男はあの“金正男”と認められる)

 このような経緯を考えれば、本人にその気があったかどうかはともかく、後継者争いから完全に脱落した後ではなく、長男として後継者になる可能性もあったはずの2000年時点から二度も警護要員や随行員もなく日本を訪れ、そのあげく“不名誉”な写真や映像が露出しているのは不可解というか不自然である。

 どちらも、国家指導者後継者(日本的イメージで言えば皇太子や親王)の振る舞いとしては褒められたものではないというより容認されるようなものではないだろう。英国など欧州的王室なら奔放な行動もある程度許されるようだが、あの厳格な北朝鮮ではどうだろう。

 01年5月の不様な強制送還映像が後継者争いから脱落した原因とも言われているが、“金正男”がほんとうに金正日氏の長男だとすれば、経過は逆で、後継者の芽がまったくない存在だからこそ奔放な活動が許されていたと見るのが妥当だろう。

 その後も、“金正男”は、何度か、一人で動いているところを北京国際空港やマカオ市街地で日本のメディアの取材を受けている。
 日本の話に例えれば、皇太子ないし秋篠宮が警護も付き人もなしで外国を訪れ外国のメディアから取材を受けぺらぺらとしゃべっているという構図である。

 処刑された張成沢氏が金正男派で後継者に推していたという話もあるが、日本を含む外国をふらふら歩き回る以前ならともかく、あのような言動が外国メディアで報じられている2001年以降に、張成沢氏がそのような動きを見せることはあり得ない。
(01年に日本で拘束されたとき、“金正男”の背中には虎の刺青があったとも言われている)

 正恩氏と正哲氏の母親(在日だった芸能人)も正男氏の母(元女優)も正妻ではなくどちらも愛人的存在だから、金正日氏の長男である正男氏が後継者と位置付けられてもおかしくない。

 それでも、日本のメディアが多数映像を残している“金正男”が金正日氏の長男だとすると、本人の希望なのか親や周辺の判断なのかはともかく、2000年時点で国家支配層(インナーサークル)から完全に離脱している可能性が高い。
 そして、それなりの金銭的保護は受けつつも、北朝鮮国家とは無関係という立場で暮らす存在になったのかもしれない。

 それでも、彼が本物の金正男氏なら、“宿敵”日本のメディアの取材を受けて北朝鮮の体制を非難するような言葉を発した時点で金銭的支援は即座に停止され、拉致を含む手荒い手段を行使されてでも北朝鮮に連れ戻され軟禁状態に置かれることになる可能性もある。

 このように、そもそも、我々が知るあの男性=“金正男”が金正日氏の長男で金正男氏あるという確証はないのである。

 KL国際空港で死んだ人が金正日氏の長男金正男氏だとしても、殺された金正男氏の顔や姿形を、“金正男”の顔姿形でイメージするのは勇み足なのかもしれない。

■B級映画以下の雑なシナリオ

 「金正男氏KL国際空港殺害事件」は、ほぼ、韓国政府(国家情報院)の説明を事実として受け入れることで初めて成立する話である。

 韓国政府が主張する北朝鮮国家機関が金正日氏の長男金正男氏を毒殺したという事実を今のところ否定するネタもなければその必要も感じない。

 しかし、冷静に考えれば、13日午前9時頃KL国際空港で金正男氏が死んだのが事実としても、司法解剖での所見が明らかになっていない段階では、毒殺されたかどうか不明なのである。脳内出血や心不全でおかしくなり救護を求めたのかもしれない。

 まず、冒頭でも書いたが、韓国情報当局が、クアラルンプールというはるかかなたで起きた捜査権限もない男性死亡事件について、マレーシア政府が公式に発表する前から、死んだのは金正男氏で北朝鮮工作員に毒殺されたとなぜ主張できるのかという素朴な疑問を提示できる。

 ミステリー創作物的に言えば、そのような主張をするものこそ、真犯人ということになりかねない。

 マレーシア政府機関が、死んだ男性が金正男氏かどうかを特定できる“もの”(DNAサンプルなど)を持っていたとは思えない。

 捜査の流れとして言えば、北朝鮮当局に遺体を確認してもらったり(北朝鮮大使館員で本物を知っている人がいるのか?)、親族のDNAサンプルを提供してもらう(ほんとうに金正男氏ならそれは不可能だろうが)ことから始まるけっこう時間のかかる身元確認作業が必要な案件である。

 韓国政府が自信をもって死んだ男性を金正男氏と主張している姿は、韓国国家機関が、金正男氏を日頃から監視下に置いていたことを示唆している。
 彼の行動を監視していたからこそ、死んだ男性をそれほど時間が経たないうちに金正男氏と主張することができたと言える。

 韓国政府(KBSニュース)は、死亡した男性が保持していた旅券は偽造旅券で、「キムチョル」(金哲か?)名義と説明している。
 しかし、「キムチョル(金哲)」という名義はこれまでも“金正男”が何度も使った名義とされているもので、それを今なお使い続けているのは疑問である。
 金正日氏が11年12月に死去したとき、“金正男”は、北京経由を避けて密かに「キムチョル(金哲)」名義の旅券で帰国し父親の遺体と対面し、数日後に出国したという話も流布していた。

 韓国国家機関が当日の“金正男”を監視していなかったとしても、韓国政府がKL国際空港で死んだ男性が“金正男”と知る方法はある。
 それは、死んだ男性が「キムチョル」名義の韓国旅券をもっていた場合である。KL国際空港を管轄する警察は、その人物を知るものが近くにいない状況で不審死が起きたら、所持旅券の発行国(大使館)に問い合わせをするだろう。

 仮に、多くの人が金正日氏の長男だと思っている“金正男”が韓国情報機関のアセットだとすれば、韓国政府は、KL国際空港で殺害を疑われる死に方をした金哲(キムチョル)こと“金正男”に関する問い合わせがあった時点で、国家情報院の説明を受けることで、金正恩委員長の兄とされる“金正男”が殺害されたと判断することになる。

 これは、韓国政府と韓国情報機関が一体ではなく、韓国情報機関が独断で“金正男”を利用してきたという構図に限られる話である。

 ただ、在マレーシア北朝鮮大使館が動いていることから、放蕩を続ける本物の金正男氏ないし北朝鮮で地位(身分)が高い人物が金銭的手段で韓国情報機関のアセットになったケースでなければならない。

 “金正男”殺害の実行犯ではないかと疑われている二人の女性がマレーシア警察当局に拘束されていると報じられている。
 女性の話も不可解なものである。何が不可解かと言えば、空港からタクシーで逃げたと言われているのに、タクシーでどこに行ったのかという簡単な問題でさえ報じられていないことである。

 タクシーは空港カウンターで行き先のホテル名を告げてチケットを購入し乗ったと言われている。
 なのに、ほんとうにそのホテル近くでタクシーを降りたのか、そのホテルに滞在もしくは予約があったのかという基本情報すら確認されていない。

 その一方で、韓国政府は、殺害を実行した女性二人は既に殺害されているという情報を流し、日本政府関係者もそのような情報が外交ルートで入っているとメディアに話している。

 最初に拘束されたベトナム旅券を持つ女性は、事件が盛んに報じられているのに、事件の二日後に空港に舞い戻ったところを拘束されたとされる。
 そして、ベトナム人で“インターネットアイドル”だと説明したり、空港でイタズラを行っているところを撮影するため “金正男”(とは知らないまま)にスプレーを噴射させたり布で口を覆ったと“供述”したと報じられている。

 旅券が真正かどうかベトナム政府はすぐに確認できる。また、“インターネットアイドル”かどうか、ベトナムで確認すればすぐにわかるだろう。

 もう一人の女性はインドネシア旅券を保持していたとされる。その旅券もインドネシア政府に確認すれば偽造かどうかすぐにわかる。

 拘束された二人の女性に韓国で働いていた過去があるかどうかは重要なポイントになると思う。

 北朝鮮国家機関が金正日氏の長男金正男氏を殺害することなぞないとは言わないが、上述したことからも抹殺の必要性が認められないし、北朝鮮の国柄を考えると白頭山の偉大な革命一族の直系を殺す選択はほぼないと思う。

 しかも、今日2月16日は金正日元総書記生誕75周年の祭日であり、抹殺したいと思っているとしても、その3日前に長男正男氏を暗殺するというのはタイミングがあまりに悪すぎる。北京の北朝鮮大使館でも金正日元総書記生誕75周年のレセプションが催されており、中国共産党の幹部も出席している。
 正男氏を殺す必要があったとしても、あのタイミングは選ばないし、空港という公衆の面前でというあのような殺害方法も選ばなかったと思う、

 事実はわからないが、今のところ、「金正男殺害事件」で“得”をしているのは韓国政府である。
韓国は今年大統領選があり、そう考えると、“北朝鮮の悪逆非道”ぶりが喧伝されることで“得”をするのは韓国保守勢力ということになる。

 韓国政府は、今回の「金正男殺害事件」をネタとして、米国政府に再度北朝鮮をテロ支援国家に認定するよう要請するという。

 「金正男殺害事件」は、現在進行中である「朴大統領弾劾騒動」とつながっているように思われる。
 詳細は別の機会にするが、「朴大統領弾劾騒動」は、韓国国家機関のどこかもしくは一部がコ・ヨンテ氏を利用して起こした政治的陰謀だと考えている。


http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/245.html

   

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