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[政治・選挙・NHK294] <スクープ、編集部が入手!>裏金の“源” 自民党政治パーティー 販売先リストが語る脱法手法(しんぶん赤旗日曜版) 赤かぶ
23. 秘密のアッコちゃん[343] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月20日 13:53:36 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[456]
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<主張>政府の基金見直し 監視強めて無駄をなくせ
https://www.sankei.com/article/20240519-JXRAF7KZ5BP2JJWVFNQGAUI5PQ/
複数年度に渡る政策事業に対し弾力的に資金を投じられるよう積み立てる政府の基金は、予算の単年度主義の弊害を是正し、中長期的な視点で政策を推進するために活用すべきものである。
ところが、その中には政策効果や目標が不明瞭で、無駄に積み上がっているものも多い。
これを是正しなければならないのは当然だ。
政府が国の基金事業を総点検し、その運営を見直した。
基金を有効活用するために欠かせぬ布石である。
まずはここで定めた方針の徹底を求めたい。
同時に基金の運営状況への監視の目を強め、成果の検証や更なる改善点の検討などを不断に続けることが肝要である。
基金残高は令和4年度末で計16兆6000億円に上る。
政府は今回、152基金の200事業を点検した。
その結果、新型コロナ対策関連などの基金から、使用見込みがない5466億円を国庫に返納することになった。
また電気自動車(EV)の充電設備を設置するための事業など、休眠状態の11事業は令和6年度に廃止することも決めた。
これまでの基金運営は極めて杜撰だった。
2023秋の集計では定量的な短期成果目標を設けていない例が71事業に上り、事業終了時期を設定していないものも65事業あった。
これでは効果的な運用など望むべくもない。
政府は今回の見直しを通じて全ての事業に成果目標を設定させた。
また、事業は原則10年以内に終わらせる。
基金への予算の積み立ては3年程度とし、それ以降の予算追加は成果目標の達成状況を踏まえて判断することにした。
基金の水膨れを避けるためにも欠かせぬ措置だ。
基金事業を巡っては、補助金交付の基準策定や審査を民間に委託する例もあり、その多くを所管する経済産業省は今回、こうした外注を改めることを決めた。
公的な資金を扱う以上、民間任せにすべきではない。
一連の見直しで問われるのは実効性である。
例えば基金事業の終了時期は平成18年に閣議決定された基準により
「10年を超えない範囲内」
で設定するとされていたのに、必ずしも守られてこなかった。
同様のことを繰り返してはならない。
基金は一旦設置されれば監視の目が行き届きにくくなりがちだ。
そうならないよう透明性を高めることも等しく重要である。

国の基金もチェック機能に限界 ネットで「公金チューチュー」と厳しい目、第三者の指摘に報奨金の検討も
2024.4/17 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240417-LQKFWSKEIVI45JJ4NH7SCIWZ4Q/2/
ただし、財務省も1度認めた予算でも、その後の執行をみて看過できないものがあったのだろう。
国が所管する基金は現在、180超ある。
新型コロナウイルス対策で積立額が膨らみ、全体の残高は2022年度末時点で計約16兆6000億円となる。
廃止を調整している基金は、
電気自動車充電設備を設置する「省エネルギー設備導入促進基金」、
農林漁業者が発電事業を行う「地域還元型再生可能エネルギーモデル早期確立基金」、
東京電力福島第1原発事故で企業立地が落ち込んだ地域を支援する「環境対応車普及促進基金」
などだという。
しかし、これで十分だろうか。
政府内の会計検査院も基金を見過ごしていないだろう。
さらにネット上では
「公金チューチュー」
という言葉が流行っている。
「暇空茜」
というハンドルネームの人が1人で東京都を相手として福祉関係の団体に対する補助金支出について監査請求などを行い、訴訟で勝ったりしている。
他のネットユーザーは称賛し、資金提供もするという現象も起きている。
この例で示唆されることは、財務省のチェック機能には限界があるので、第3者のチェックも有効ということだ。
第3者の指摘に対して報奨金を出すというのも検討していいだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

国の10基金「無駄」廃止へ 千数百億円を国庫返納 総点検の結果を月内に報告
2024/4/8 19:12
https://www.sankei.com/article/20240408-JMWKZQGNYBIPFHBJFT2JNYTT4Q/
政府は、中長期的な政策推進のため積み立てた基金の総点検を巡り、事業が事実上終了している約10の基金を廃止する方向で調整に入った。
管理費だけの支出が続き、無駄と判断した。
存続を認める場合も不用額を割り出し、国庫返納させる余剰金は計千数百億円となりそうだ。
2024年4月下旬に開くデジタル行財政改革会議に点検結果を報告する見通し。
政府関係者が明らかにした。
国が所管する基金は現在、180超ある。
新型コロナウイルス対策で積立額が膨らみ、全体の残高は令和4年度末時点で計約16兆6000億円。
継続的な施策に財源をまとめて確保できる一方、不要不急の出費に繋がりやすいとの指摘がある。
岸田文雄首相が2023年12月、全基金の点検を指示していた。
行財政改革に取り組む政権の姿勢をアピールする狙いがある。

4兆円削減も基金乱立で7.5兆円歳出増 PB黒字視野も、さらなる歳出改革必要
2024/4/2 21:39
https://www.sankei.com/article/20240402-LC74336UMVIHTABACBGA2RCBIE/
政府は2024年4月2日、経済財政諮問会議を開き、経済・財政一体改革や中長期の政策の方向性を議論した。
会議では、財政の健全度を示す、令和7年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)に関する有識者による検証結果が示され、歳出削減の努力や税収増により収支改善が進む一方で、基金の乱立や多額の補正予算執行で約7.5兆円分の追加歳出が生じているとして、更なる歳出改革の必要性を指摘した。
検証では令和6年1月時点に試算したPBと、令和3年7月時点に試算したPBを比較。
この間に約4兆円の歳出削減が進み、物価高などで5.3兆円程度税収が増加するが、3年前2021年は想定しなかった防衛力強化や半導体の生産や開発を支援する基金など、基金の乱立により多額の追加歳出が発生。
赤字幅は2.9兆円から1.1兆円への縮小にとどまるとした。
多額の追加歳出に繋がっていた基金の残高は、新型コロナウイルス禍前の令和元年度から令和4年度にかけて約7倍に膨張。
基金は複数年度に渡り予算を柔軟に使える半面、いつまでも執行されないケースもあり、
「無駄遣いの温床」
と指摘されている。
こうした問題に切り込めば、PBの収支改善は更に前進するとして、会議では、目標とする令和7年度のPB黒字化が
「視野に入る」
と報告された。
岸田文雄首相も会議で
「今後の財政運営に当たっては経済、物価動向などに配慮しながら歳出改革を継続していく必要がある」
と述べた。
ただリスクもある。
1つは社会保障費の増大だ。
特に医療費は今後、医療の高度化で更に膨らむことが避けられない。
また、日本銀行が金融政策の正常化に踏み出したことで、金利上昇にも注意が必要となる。
国債の利払い費が増えれば、財政悪化に直結する。
新型コロナ禍のような危機に備えるためにも、早期にPBを黒字化させることが重要だ。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/399.html#c23

[政治・選挙・NHK294] 積年の悪政、成れの果て  自公は「決裂」ではなく「共倒れ」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
38. 秘密のアッコちゃん[344] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月20日 14:57:21 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[457]
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少子化対策関連法案は、財源確保のため公的医療保険料に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
創設が最大の目的で、事実上の子育て増税だ。

<主張>少子化の参院審議 財源を明確にするときだ
社説
2024/5/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240520-REPO7LNIS5I4PKQ3PARPSVXYZM/
児童手当や育児休業給付の拡充などを盛り込んだ少子化対策関連法案が、参院で審議入りした。
近く議論が本格化する。
対策を確実かつ継続的に行うには、財源に関し国民の理解を得た上で、しっかり確保しなければならない。
だが、岸田文雄首相は衆院審議で
「実質的な追加負担は生じさせない」
と語るばかりで、財源論にきちんと向き合っているとは言い難かった。
政府は公的医療保険に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
を令和8年度に創設し、令和8年度に6000億円、令和9年度に8000億円、令和10年度に1兆円集める方針を示している。
実質負担ゼロというのは、社会保障費の歳出削減と賃上げで国民負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金を徴収するという理屈だが、これが分かりにくい。
しかも、高齢化で医療や介護の需要が高まる中、削減の中身が十分に見えてこない。
首相や関係閣僚は、歳出を減らす方策をより具体的に提示してほしい。
それなくして実質負担ゼロといわれても説得力がない。
衆院の審議で首相は、支援金の具体的な額の見通しを問われ、当初、医療保険の加入者1人当たりの平均月額は令和10年度に500円弱と答えていた。
加入者には子供らも含まれる。
政府はその後、医療保険毎の収入に応じた試算を出した。
例えば、会社員らが入る被用者保険で年収600万円の場合は、保険料を支払う被保険者1人当たり月額1000円を見込んでいる。
負担の議論を避けたいがために、試算を出し惜しみしていたと言われても仕方あるまい。
負担を巡る問題から逃げずに、正面から丁寧に説明すべきだ。
参院では財源論や個々の対策にとどまらず、長期人口目標や、人口減でも豊かさが実感できる社会の在り方といった大局的な見地からの議論も、政府や与野党から聞きたい。
安倍晋三政権時に、50年後、1億人程度の人口を維持するという目標を経済財政運営の指針
「骨太の方針」
に掲げたことがあった。
だが目標は消え、現在、目指すべき人口規模を政府は示していない。
国全体で少子化を乗り切っていくには、国家目標を明確にすることが欠かせない。

子育て支援金を全世代から徴収 少子化対策法案が衆院通過、「負担ゼロ」説明に野党批判
2024/4/19 18:14
https://www.sankei.com/article/20240419-JCTWKWNF3ZNTZGJ5NCUB33LNSI/
児童手当や育児休業給付を拡充する少子化対策関連法案は2024年4月19日の衆院本会議で、自民、公明両党の賛成多数により可決され、衆院を通過した。
財源確保のため、公的医療保険料に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
を令和8年度に創設。
現役から高齢者まで幅広い世代に負担を求める。
政府は
「実質負担はない」
としているが、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主といった野党は
「説明が不十分」
などと批判、反対した。
参院の審議で、実質負担ゼロの根拠をどう説明するかが焦点となる。
政府、与党は今国会での成立を目指す。
岸田文雄首相が
「次元の異なる」
と謳う対策を法案に盛り込んだ。
児童手当の支給を高校生年代まで延長し、所得制限を撤廃。
第3子以降は月3万円に倍増することなどが柱。

子育て支援金、衆院委可決 児童手当拡充の財源確保 「事実上増税」野党反対
2024/4/18 10:37
https://www.sankei.com/article/20240418-WV75S3UD3ZK6BISWCLSDP7CSJU/
児童手当拡充を柱とした少子化対策関連法案は、2024年4月18日の子供政策に関する衆院特別委員会で採決があり、与党の賛成多数で可決された。
審議では、財源確保のため公的医療保険料に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
創設が最大の論点となり、野党側は
「事実上の子育て増税だ」
と批判。
採決でも反対に回った。
2024年4月19日の衆院本会議で採決される予定。
対策では児童手当の支給を高校生年代まで延長し、所得制限を撤廃。
第3子以降は月3万円に倍増する。
この他、両親が共に14日以上の育児休業を取った場合、育休給付を最大28日間、実質10割に引き上げる。
親の就労に関係なく保育を利用できる
「こども誰でも通園制度」
も設ける。
実現には、今後3年間に年最大3兆6000億円の財源が必要となり、社会保障費の歳出削減や支援金などで賄う。

子育て支援金75歳以上50~750円 年収別試算公表 国保は年収400万円で月650円
2024/4/16 21:05
https://www.sankei.com/article/20240416-CLXLXLJGV5J3NAV3SWB4ZJQXYA/
こども家庭庁は2024年4月16日の子供政策に関する衆院特別委員会理事会で、少子化対策の財源を確保するため公的医療保険料に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
の75歳以上の年収別の徴収額試算を示した。
令和10年度には年金収入のみの単身世帯で月50~750円となる。
与野党は支援金制度の創設を盛り込んだ少子化対策関連法案を衆院特別委で2024年4月18日、衆院本会議で2024年4月19日に採決する日程で合意した。
支援金制度は令和8年度に徴収を始め、徴収総額は6000億円から段階的に引き上げ、令和10年度に1兆円となる。
徴収額は医療保険や収入によって異なる。
75歳以上の後期高齢者医療制度では令和10年度の単身世帯の1人当たりの徴収額は年収80万円の場合、月50円。
年収が上がる毎に増え、
▽160万円は月100円
▽160万円は月200円
▽200万円は月350円
▽250万円は月550円
▽300万円は月750円
と試算した。
400万円以上は支援金の上限に該当する可能性があり
「一概に言えない」
としている。
こども家庭庁はこれまで会社員らが加入する被用者保険や自営業者らの国民健康保険の試算も公表。
被用者保険は令和10年度に年収400万円は月650円、年収600万円なら月1000円。
国民健康保険は年収400万円の場合、加入者1人当たり月550円などの負担としていた。

加藤鮎子こども政策担当相、実質負担ゼロ改めて強調 子育て支援金、論戦本格化
2024/4/3 11:53
https://www.sankei.com/article/20240403-6UHFINV2F5JIVJ5E2P6TQ6U3A4/
児童手当の拡充などを柱とする少子化対策関連法案は2024年4月3日、子供政策に関する衆院特別委員会で実質審議入りした。
対策の財源を確保するため公的医療保険料に上乗せする
「子ども・子育て支援金」
を創設する。
加藤鮎子こども政策担当相は、社会保障の歳出削減に取り組み、支援金を徴収しても
「国民に実質的な負担が生じないようにする」
と改めて強調した。
自民党の国光文乃氏への答弁。支援金の負担の在り方を巡る論戦が本格化した。
対策には今後3年間に年最大3兆6000億円の財源が必要となり、政府は社会保障の歳出削減や支援金などで賄う方針。
この日の特別委で加藤氏は、支援金徴収などの負担だけでなく、児童手当の拡充など
「しっかりとした給付がある」
と指摘し、法案について
「国民に理解頂けるよう説明する」
と述べた。

児童手当拡充の少子化対策法案、衆院で審議入り 財源確保に支援金徴収
2024/4/2 14:38
https://www.sankei.com/article/20240402-WAQCB6RHEBOM3J7WDXJQ7NVEMA/
児童手当の拡充などを柱とした少子化対策関連法案は2024年4月2日の衆院本会議で審議入りした。
対策の財源を確保するため公的医療保険料に上乗せして徴収する
「子ども・子育て支援金」
制度を2026年4月に創設する。
今国会での成立を目指す。
対策には今後3年間に年最大3兆6000億円の財源が必要で、社会保障の歳出削減や支援金などで賄う。
加藤鮎子こども政策担当相は法案に関し
「社会全体の意識を変え、安心して子供を産み育てることができる社会の実現を目指す」
と述べた。
岸田文雄首相は少子化対策の財源について
「支援金制度の構築は、歳出改革による保険料負担の軽減効果の範囲内で行い、歳出改革を中心として財源を確保する」
と述べた。
政府は支援金の月平均の負担額を医療保険別に試算。
保険料を払っている被保険者1人当たりで2026年度は月200~550円、制度が確立する2028年度は月350~950円となる。

加藤鮎子こども担当相、子育て支援金の答弁迷走 金額上がる可能性「参考人の答え通り」
2024/3/5 21:18
https://www.sankei.com/article/20240305-CAAN63RW5VDFJNWCUPHCPPKZN4/
2024年3月5日の参院予算委員会で、少子化対策の財源確保のため公的医療保険料に上乗せする
「子ども・子育て支援金」
を巡り、加藤鮎子こども政策担当相の答弁が迷走する場面があった。
答弁書の読み上げに終始する場面が目立ち、野党側がいら立ちを募らせる場面も目立っている。
支援金は医療保険の加入者から保険料に上乗せする形で徴収する制度。
政府が国会提出した少子化対策関連法案では、支援金の負担率は、政府が政令で定める範囲で、医療保険の保険者が定めることになっている。
この日の予算委では、岸田文雄首相が国民1人当たり
「月500円弱」
と試算を示した支援金が、将来値上がりする可能性があるかどうかが議論された。
日本維新の会の駿政調会長は、支援金の率を決める政令について、
「社会保障負担率の上昇に与える影響の程度が、社会保障の歳出削減などによる負担率の低下に与える影響の程度を超えないものとする」
とした関連法案の付則を
「考慮しなければならない」
と別の付則に書いてあると指摘。
「『考慮しなければならない』であって禁止規定ではない」
「将来上がる可能性は否定できない」
と迫った。
加藤氏は
「禁止規定ではないが、『考慮する』ということは義務として、政府は法の規定に基づき、適切に法令を定めていく」
と答弁した。
音喜多氏が、上がるかどうか明確な答えを求めると、政府参考人として、こども家庭庁の担当者が代わって答弁。
支援金は児童手当などに充当されることが関連法案で規定されず、充当される割合も法案に規定されることから
「基本的に子供の数が増えていかない限り、支援金は増えない」
「そういう法律的な立て付けだ」
と説明した。
支援金制度は、介護保険や健康保険のように、高齢者の増加で保険の総額が増えるものと性質が違うとも強調した。
音喜多氏は
「完全に禁止する規定になっていないので、上がる可能性は法的に否定できない」
と重ねて指摘すると、こども家庭庁は
「端的に可能性があるかないかと言えば、可能性としては(支援金制度の)総額によるので『ある』」
「ただ、法律上様々な立て付けから、基本的に増加していく仕組みにはなっていない」
と重ねて答えた。
加藤氏は
「政府参考人が答えた通りだ」
と追随したが、音喜多氏は
「参考人がここまで助けてくれたのだから、担当相に正面から答えてほしい」
と迫った。
加藤氏はようやく
「法律の立て付け上は、可能性としては『あり得る』」
と答えた。
やり取りを聞いた岸田文雄首相は、支援金の負担率が上昇する可能性について
「法律論としてその通りかもしれないが、政治的には負担増加は考えていない」
と強調した。
加藤氏は、一連のやり取りで答弁書を読み上げることに終始。
野党からは
「質問と回答が嚙み合わない」
と指摘される場面も目立っている。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/387.html#c38

[政治・選挙・NHK294] 上川外相は首相候補から脱落…「うまずして何が女性か」発言撤回、静岡県知事選は自民絶望的(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
38. 秘密のアッコちゃん[345] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月21日 13:01:00 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[458]
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<主張>頼総統の就任 抑止力強化で台湾を守れ
社説
2024/5/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20240521-WBOUJ4CYDROKZPZ6XIENICAALY/
2024年1月の台湾総統選挙で当選した民主進歩党の頼清徳主席が総統に就任した。
頼氏は就任演説で、
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
との原則を表明し、中国の圧力に対して民主主義陣営と連携して防衛力を強化する姿勢を示した。
日本は頼政権を後押しし、台湾海峡の平和と安定を保っていくべきだ。
外交安全保障政策について、頼氏が蔡英文前総統の路線を踏襲するのは妥当だ。
頼政権の中核メンバーには蔡前政権の要人が多く登用された。
蔡前政権は中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させ、一部の台湾農産物の輸入を禁止するなど圧力を掛ける中、米国との連携を推進し、欧州諸国との関係も強めた。台湾の安保強化に努めた功績は大きい。
頼氏は行政院長(首相に相当)時代に
「私は台湾独立のための堅実な仕事人」
と述べたことがある。
だが、総統としては
「台湾独立」
を唱えず、現状維持を図ることで台湾の自由と民主主義、繁栄を守る姿勢だ。
国際社会には
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
へのコンセンサスがある。
頼氏は自信を持ち、同時に細心の注意を払って対中政策を進めるべきだ。
台湾併吞を狙う中国の習近平政権は先月、対中融和を掲げる台湾の最大野党、国民党の馬英九元総統を中国に招き厚遇した。
国民党への影響力を強め、内政に介入したいのだろう。
台湾周辺で中国軍は多数の艦船を航行させたり、軍用機を飛行させたりして威嚇している。
だが、力による一方的な現状変更は許されないし、成功しない。
台湾人は自由と民主を享受している。
香港の自由の圧殺を目の当たりにもした。
共産党統治を歓迎するはずがない。
頼氏は総統就任前、日台関係について
「私たちは同生共死(=共に生き共に死ぬ)だ」
「台湾有事は日本有事であり、日本有事は台湾有事である」
と語った。
対中抑止へ日本の協力を期待した発言だ。
中国の侵攻による台湾有事が日本有事と連動するのは、西側の安全保障関係者にとって常識である。
日台が対中抑止力を向上させれば互いの安全が高まる。
岸田文雄政権は防衛力の抜本的強化を進め、日台、日米台の安保対話に乗り出すべきだ。

「台湾の民意」踏まえた頼新総統の演説、中国に強い警戒感 小笠原欣幸・東京外大名誉教授
2024/5/21 0:13
https://www.sankei.com/article/20240521-EZL5FCEO3VIJHJNSXBHWBG6FYQ/
頼清徳新総統の就任演説は、蔡英文政権の路線を継承し、対中政策の
「現状維持」
を明言した一方、台湾を守る強い意思を感じさせた。
蔡氏の就任時は
「両岸(中台)」

「対岸」
などの表現を使ったが、頼氏は
「中国」
で通した。
中台が
「1つの中国」
原則を確認したと中国が主張する
「1992年合意」
にも全く言及せず、中国への警戒感が強く滲んだ。
台湾では蔡政権の8年間で
「台湾アイデンティティー」
が定着した。
2024年4月の世論調査で
「両岸は2つの異なる国家」
だとする人が76.1%に上った。
頼氏は演説で、
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」
とした。
8年前の蔡氏就任時には無かった言葉だ。
台湾の民意、対中認識を踏まえた演説だった。
一方で頼氏は新憲法制定など
「台湾独立」
には触れておらず、中国に不必要な刺激を与えることも避けた。
その上で強調した
「現状維持」
とは、
「民主の中華民国、台湾」
を守ることだろう。
蔡路線と同様に中国の圧力に屈しないとはっきり打ち出した。
中国はどのみち頼氏を批判するが、現状維持の台湾の民意を直視すべきだ。
総統選では若者票の多くが他党候補に流れ、立法院(国会に相当)で民進党は第1党を野党、中国国民党に奪われた。
演説で言及した経済の強化などの内政課題では、民進党が完勝した蔡氏の就任時に比べると抽象的な言い方にも聞こえた。
民進党の政権運営の苦しさが見えるような内容でもあったと感じる。
頼氏の就任直前、立法院で国民、民進両党委員の乱闘騒ぎがあった。
中国はこの対立を
「使える」
状況だと見ている。
野党多数の状況を通じ、中国に不利な法律の改正など、立法分野から頼政権を揺さぶる見通しを立てているだろう。
次の総統選に向け、中国は民進党政権への不信感を増長させる動きを見せるはずだが、
「台湾は中国ではない」
との民意が多数を占める以上、国民党も中国に過度な接近は難しい。
中台問題に関心が高くない若者への浸透工作などに頼政権がどう対処するのか、注目していく必要がある。
演説で日本には触れなかったものの、親日家の頼氏はこれまで自民党議員らと太いパイプもあった。
日本が出来る事と出来ない事を理解している。
頼政権の誕生は、民間交流などの拡大を通じ、相互の信頼関係を太くしていくという点で日本にとってプラスとなる。

米、台湾との「非公式関係」深め中国を抑止 トランプ前政権閣僚は「戦略的曖昧さ」を批判
2024/5/20 22:22
https://www.sankei.com/article/20240520-NOEW7ERLIRJMNEFM4AWUUK45SM/
台湾の頼清徳・新総統が2024年5月20日に就任したことを受け、ブリンケン米国務長官は米東部時間2024年5月19日、就任に祝意を伝えると共に
「長年の非公式な関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持していく」
とする声明を発表した。
バイデン政権は中国による台湾の武力統一を視野に、引き続き軍事支援の強化を通じて抑止力を高めていく構えだ。
■就任式に超党派代表団を派遣
ブリンケン氏は声明で、頼氏の就任に関し、
「台湾の人々が民主主義体制の強靭さを改めて示したことに祝意を表する」
とした。
その上で
「民主主義の価値に根差した米国人と台湾人のパートナーシップ」
を貿易、経済、文化などの各分野で拡大させると強調。
更に、蔡英文前総統が8年間に渡り米台関係を強化してきたと称えた。
米政府は就任式にアーミテージ元国務副長官ら超党派代表団を派遣。
中国の軍事的威圧が続く台湾を支える姿勢を強調する。
クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2024年4月30日、上院公聴会で
「中国は台湾の武力統一の選択肢を放棄せず、外交・情報・軍事・経済上の圧力を強めている」
と指摘。
「脅威に対処するため政権は広範囲な手段を使い中台間の抑止力強化に注力している」
と訴えた。
バイデン政権は
「台湾海峡の現状維持」
のため武器供与・売却の増強に加え日米同盟を軸にインド太平洋の同盟諸国との連携を駆使した抑止力向上を強調。
台湾、ウクライナ、イスラエル支援のための緊急予算も先月成立した。
■米国防予算は実質減
しかし、台湾侵攻に備える中国への抑止力低下の懸念が野党・共和党を中心とした超党派で高まっている。
中国の艦船建造や中距離ミサイル配備の加速で米中軍事バランスが急激に変化しているからだ。
米シンクタンク「ハドソン研究所」のウォルター・ラッセル・ミード氏は、中国など現状変更勢力への抑止力の衰退は
「米外交政策最大の問題」
と警告する。
専門家が懸念するのは、政権が2024年3月に要求した2025会計年度の国防予算だ。
前年度比約1%増で物価上昇分を差し引けば実質減。
米メディアによると、戦闘機やミサイルの購入や空母、潜水艦の発注に影響が出る。
2024年4月、議員辞職した共和党のギャラガー前下院中国特別委員会委員長は米外交誌への共同寄稿で
「政権は直ちに方針を変更すべきだ」
と訴えた。
また、ウクライナ支援の長期化に伴い米防衛産業の供給力が限界に達し、武器供与の速度や米軍の戦力維持の足枷になっている。
■軍事介入発言は火消し
バイデン大統領は過去4回、中国が台湾を攻撃する際に軍事介入すると公言したが、その度に高官は火消しに回り、米国の軍事的関与を曖昧にした。
バイデン政権は米中の緊張回避を目先の目標に据え、台湾関係法に基づく台湾支援と
「1つの中国」
政策の整合性を巡り、中国側の
「誤解の除去」(高官)
に神経を砕く。
習近平国家主席との対話路線を維持させたいバイデン大統領の意向が背景にあるのは明白だ。
一方、ポンペオ前国務長官ら共和党のトランプ前大統領に近い元高官や専門家は最近、バイデン政権の一貫性に欠く態度は抑止減退の一因と批判し、
「戦略的曖昧さ」
をやめて台湾への防衛意思を明確化するよう訴えている。

台湾の正副新総統が日本議員団と昼食会「関係強化は必然」 就任式などに各国から500人
2024/5/20 19:37
https://www.sankei.com/article/20240520-Y67ONDSKS5NLLLR3RPSKTSNQ5I/
台湾の外交部(外務省に相当)によると、頼清徳総統の就任式と関連行事には、台湾と外交関係を持つ12カ国の他、日米や英国、カナダ、欧州連合(EU)欧州議会など海外から51団体の500人超が参加した。
日本からは、超党派の議員連盟
「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)
の国会議員31人が訪台し、総統就任式への出席としては過去最大規模となった。
日本の訪問団だけを対象にした頼清徳総統、蕭美琴副総統との昼食会も開催された。
台北市内で記者会見した古屋氏は
「古き友人が総統と副総統になって頂いたので、これから更に日台関係の絆を強めていけると実感した」
と述べた。
昼食会では頼氏から
「日台関係の更なる強化は必然だ」
との趣旨の発言があった。
また、台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入に向けた支援を要請されたという。

政府、台湾の頼清徳新総統とも関係強化 台湾承認国との外交も重視
2024/5/20 17:22
https://www.sankei.com/article/20240520-LKB6PHHWFRKRDJG5IGWMZS4RHY/
政府は2024年5月20日に就任した頼清徳新総統の下でも台湾との関係を強化していく考えだ。
外交関係がない日台の枠組みは
「非政府間の実務関係」
だが、政府は台湾を承認する国々と法の支配や自由で開かれた国際秩序の重要性を再確認し、中国から承認国の切り崩しや軍事的圧力を受ける台湾を間接的に支援する構えだ。
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、頼氏に祝意を示した上で
「台湾は、基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人だ」
と述べ、日台間の協力と交流を深化させていく考えを表明した。
日台に外交関係がないことから2024年5月20日の総統就任式典に日本政府関係者は出席しなかったが、超党派議員連盟
「日華議員懇談会」(会長、古屋圭司衆院議員=自民党)
から過去最大規模となる31人が参加した。
古屋氏は就任式に先立ち、
「法の支配や民主主義という共通の価値観を持った国々が連携して、中国を牽制していくことが極めて重要だ」
と語った。
台湾を承認する国は現在12カ国に減り、特に近年は中南米で台湾と断交し中国と国交を樹立する国が相次いでいる。
政府内には
「台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境に悪影響を及ぼす」(外務省幹部)
との認識がある。
こうした観点から政府は台湾と公式な関係を維持している国々との外交を重視している。
岸田文雄首相は2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問。
ペニャ大統領との会談で、中国が一方的な現状変更を試みる東アジア情勢を巡って意見交換し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け協力する方針で一致した。
2024年5月22日には上川陽子外相が、台湾承認国の中で最大の人口、経済規模を有するグアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談し、民主主義や法の支配などの価値観、原則の重要性を確認する方向だ。

中国との対話探るも「前提」認めず 国民党の対中接近に警戒
台湾・頼清徳政権の行方(上)
2024/5/20 16:54
https://www.sankei.com/article/20240520-MWINWGWGC5JVLDRUIAWCGERGOM/
2024年5月20日に総統の就任式が行われ、4年間の台湾の舵取りを託された頼清徳政権の行方を占う。
■人事にも柔軟姿勢
「相互尊重の原則を基に、前提を設けずに中国と対話することを排除しない」
総統の就任式を約1週間後に控えた台湾の頼清徳氏は2024年5月14日、デンマークで開かれた
「コペンハーゲン民主主義サミット」
にビデオメッセージを寄せ、
「中国との対話の可能性」
について改めて強調した。
若い頃から台湾独立運動に参加し、対中強硬派と言われる頼氏だが、2024年1月の総統選で当選した後は中国との対話に繰り返し意欲を示し、柔軟な姿勢を見せている。
それは新政権人事にも見られた。
台湾の対中交渉窓口機関である
「海峡交流基金会」
の新しいトップに、有力政治家の鄭文燦(てい・ぶんさん)前行政院副院長(副首相に相当)が任命された。
サプライズ人事とされた。
同基金会は李登輝総統時代の1990年に発足した半官半民の団体で、初代理事長は李氏の側近で大物財界人の辜振甫(こ・しんぽ)氏が務めた。
しかし、蔡英文前政権下では官民いずれのルートでも対中対話が途絶え、基金会の存在価値が薄れた。
トップの理事長職には近年、学者や元官僚ら政治への影響力が小さい人物を充てることが大半だった。
将来の総統候補と言われる実力者の鄭氏を、閑職とされてきた基金会の理事長に起用した。
中国との当局間対話が難しい中で、基金会を通じて民間交流を活発化させ、鄭氏の突破力で中国との関係を改善したい-。
こんな頼氏の意図が見え隠れする。
「鄭氏と中国側の交渉を通じ、中台のトップ会談を実現させたい」
と、頼氏の意図を証言する与党・民主進歩党の関係者もいる。
■民進党も対立望まず
頼氏が中国との関係改善を急ぐのには理由がある。
中国の習近平政権は最近、台湾の最大野党・中国国民党と急接近している。
中国は2024年4月上旬に国民党の馬英九元総統の訪中を受け入れ、習国家主席との会談も行われた。
2024年4月下旬には、立法院(国会)の国民党トップである傅崐萁(ふ・こんき)氏が率いる17人の同党議員団の訪中を受け入れた。
その際、中国側は2024年4月初めに発生した台湾東部沖地震での物資支援や、中国人観光客の台湾訪問について一部規制の緩和を発表し、国民党に花を持たせた。
中国の官製メディアと国民党は最近、
「台湾海峡に平和をもたらすのは国民党だ」
という宣伝を揃って始めている。
このイメージが定着すれば頼政権の求心力に大きな影響を与えかねない。
頼氏が
「中国との対話を始めたい」
と繰り返し強調するのは、
「民進党も中国との対立を望んでいない」
と内外にアピールする狙いからだ。
一方で頼氏は中台対話について、必ず
「前提条件なし」
とも強調している。
中国は、1992年に中台窓口機関の担当者が
「(中台は一体だとする)1つの中国」
原則を確認したとされる
「92年コンセンサス(合意)」
の受け入れを民進党との対話の前提条件にし、蔡前政権との対話を拒否してきた。
頼氏は蔡氏と同様
「92年合意」
の存在そのものを認めていない。
頼氏は総統選の期間中、
「92年合意の道を歩めば台湾は香港になってしまう」
と述べ、同合意を受け入れる国民党を批判したことがある。
頼氏に近い民進党幹部は
「台湾海峡が今後どうなるかについては、あらゆる可能性がある」
「戦争に備えつつも、対話の可能性を懸命に探っていくことが私たちの基本的な立場だ」
と話している。

台湾の頼総統、中国に軍事威嚇の停止呼びかけ 「世界平和への挑戦」
2024/5/20 13:35
https://www.sankei.com/article/20240520-Z4FHPITLSNIURJHQVZWWCOUNFU/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)は2024年5月20日、台北市内で行った就任演説で、ウクライナ戦争やパレスチナ自治区ガザでの戦闘などが全世界に衝撃を与え続けていると言及した上で
「中国の軍事行動や(武力攻撃に至らない)グレーゾーン事態を利用した脅迫もまた、世界の平和と安定に対する最大の戦略的な挑戦とみなされている」
と指摘した。
中国の習近平政権が台湾に対して強めている統一圧力を牽制した形だ。
頼氏は演説で
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
としつつ、
「平和こそが唯一の選択肢だ」
と強調。
中台関係を巡り、新政権は
「高慢にも卑屈にもならず、現状を維持する」
と表明した。
更に中国に対しては
「台湾に対する武力の威嚇や言論での攻撃」
を停止し、
「台湾と共に世界的な責任を引き受け、台湾海峡と地域における平和と安定の維持に力を尽くす」
よう呼び掛けた。
「台湾海峡の平和」

「共存共栄」
が中台の共同目標になるべきだとの考えも示した。
「対等と尊厳の原則の下、(中台の)対話が対抗に取って代わるべきだ」
と述べ、
「一つの中国」
原則を認めない民主進歩党政権との対話を拒否してきた中国の習政権に対し、対話を求めた。
一方、頼氏は
「我々は平和の理想を追求するが、幻想を抱くことはできない」
と指摘。
「中国が台湾への武力侵攻を放棄していない状況」
において、
「たとえ中国側の主張を全面的に受け入れ、(台湾の)主権を放棄しても、中国が台湾を併呑する企ては消失しない」
と強調した。
その上で頼氏は
「中国からの様々な威嚇や浸透工作」
に対処するため、国防力を強化し、経済安全保障を構築して、
「世界の民主主義国家」
との連携を進める考えを示した。

林官房長官、台湾の頼新総統就任に「日台の友情の深まりに期待」
2024/5/20 13:02
https://www.sankei.com/article/20240520-6LV2ENJ2ARJO7MLZI24WYDTJ6I/
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、台湾の民主進歩党の頼清徳(らい・せいとく)主席が新総統に就任したことについて
「祝意を表したい」
「頼氏の下で日台の友情の更なる深まりに期待する」
と述べた。
林氏は
「台湾は我が国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人だ」
と指摘。
2024年1月の能登半島地震での台湾からの支援などを踏まえ、
「温かいご支援に改めて感謝の意を表すると共に、2024年4月の台湾東部沖地震からの1日も早い復興を願っている」
と強調した。

上川陽子氏、頼清徳新総統の就任直後に最大の台湾承認国グアテマラと外相会談へ
2024/5/20 12:48
https://www.sankei.com/article/20240520-WEJ2HA3VNJJPHPKU5O5PKULRDU/
上川陽子外相は2024年5月22日、中米グアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談する。
グアテマラは台湾と外交関係がある12カ国の中で人口と経済の規模が最大で、民主主義や法の支配など基本的価値観を日本と共有している。
上川氏は会談で、台湾の国際社会での存在感の維持というテーマも念頭に置きつつ、グアテマラとの関係強化を確認する考えだ。
マルティネス氏は台湾の頼清徳総統の就任式に出席するなど、一連の訪台日程を終えた後、2024年5月22日に来日する。
中南米では近年、パナマやホンジュラスをはじめ、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ国が相次いでおり、中国はグアテマラに対しても
「国家と国民の利益に適う正しい決断を出来るだけ早く行うことを希望する」(中国外務省の汪文斌報道官)
と、中国を国交を樹立するよう促している。
グアテマラは台湾承認国12カ国の人口、経済の約半分の規模を占めており、仮に台湾と断交すれば、台湾は
「国際的プレゼンスが半分になってしまう」(外務省幹部)
との見方がある。
台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境にも影響しかねず、日本としてはこうした観点からも、グアテマラを重視している。
岸田文雄首相が2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問し、ペニャ大統領と東アジア情勢を巡り、力による一方的な現状変更の試みは許されないと確認したのも外交上、同じ文脈にある。

台湾総統に頼清徳氏が就任 蔡英文路線を継承、対中「平和追求」表明へ
2024/5/20 10:39
https://www.sankei.com/article/20240520-TZTK67TOFVP2JN7BJ453DU6PJY/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)が2024年5月20日、台北市内で総統就任式に臨み、頼政権が正式にスタートした。
中国の習近平政権は頼氏を
「台湾独立派」
と見做して警戒するが、台湾の主流世論は蔡英文前政権の現状維持路線を支持しており、頼政権もこれを継承する構えだ。
頼氏は就任演説で、対中関係を巡り
「高慢にも卑屈にもならずに現状を維持する」
との立場を表明し、中国と共に
「平和と共栄」
を追求する姿勢を強調する。
頼氏は総統府大ホールで行われた就任式で、
「国父」
とされる孫文の肖像画を前に第16代総統として宣誓。
続いて蕭美琴(しょう・びきん)副総統(52)も宣誓した。
中台統一を政治的悲願とする中国の習政権は台湾への圧力を強めており武力行使の選択肢も排除していない。
頼政権は
「現状維持」
に向けて、中国の軍事的威圧を含む統一圧力にどう対処するかが重要な課題となる。
頼氏は演説で、蔡氏が主張した
「台湾と中国は互いに隷属しない」
とする立場の継承を表明。
台湾の防衛力向上や経済安全保障の強化、日米など民主主義諸国との協力の緊密化にも言及する。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/400.html#c38

[政治・選挙・NHK294] 小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」 小池百合子と学歴詐称(日刊… 赤かぶ
31. 秘密のアッコちゃん[346] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月22日 13:39:39 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[459]
<■357行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
武器弾薬なお不足 日本の支援に限界 マリウポリ陥落2年 記録映画各地で上映
2024年5月22日 産経新聞
ロシアによるウクライナ侵略で激戦地となった東部マリウポリの陥落から2024年5月20日で2年となった。
これに合わせ、当時の戦場を記録した映画
「マリウポリの20日間」
が日本各地で上映されている。
当時の惨状は武器・弾薬不足により東部などで苦戦する現在のウクライナの状況と
「二重写しだ」(日本政府関係者)
との声があり、支援国による武器提供の重要性が改めて浮き彫りとなっている。
「ロシア人になりたくない」
2022年2月、露軍の攻撃に避難したウクライナ人女性がこう訴えた。
爆発で足を吹き飛ばされて病院に運ばれたイルヤ君(16)は医師の治療のかいなく亡くなった。
一連の映像に対し露側が
「フェイクだ」
と反発する場面もあった。
映画を見た日本政府関係者は
「当時のマリウポリの惨状は武器・弾薬不足が深刻化して前線で苦戦する今のウクライナと重なる」
と話す。
最大の武器支援国である米国は2024年4月下旬、下院がウクライナへの緊急支援予算案を可決し、軍事支援の継続が決まったが、ウクライナ軍の後退を食い止めるほどに戦況が変化する気配はまだない。
米欧と連携しウクライナ支援を続ける日本は防衛装備移転3原則の運用指針などで、ウクライナに対し殺傷能力のある武器は提供できない。
こうした状況について日本政府内外からは疑問の声も上がっている。
長年、ロシアや欧州外交に携わってきた外務省幹部は
「紛争に巻き込まれないための外交は重要だ」
と強調する。
一方で、日本が重視する法の支配に基づく国際秩序に挑むロシアの侵略を許せば、
「日本にとって明日は我が身となる」
と指摘。
「(武器提供を含む)あらゆる支援を通じてウクライナを助けないと、日本が困った時に誰も助けてくれなくなる」
と懸念を示す。
外務省OBは
「どこの国でもできる武器支援を日本だけが国内事情でできない」
「そういう時代は過ぎていくべきだ」
と話している。

武器輸出のあり方 ゼロベースで見直せ
正論2024年5月号
日本戦略研究フォーラム副会長・元防衛事務次官 島田和久
我々は今、戦後最も厳しく、前例のない時代を生きている。
日本の平和と安全を維持していくために求められる自助努力も、前例のないものになるだろう。
過去の政策をゼロベースで見直す必要がある。
その典型が、武器輸出を巡る問題だ。
これまでの経緯を振り返りつつ、課題を考えたい。
■武器輸出の実績
意外に思われるだろうが、日本は戦後、1950年代後半から1960年代にかけて、貴重な外貨獲得の手段として、毎年、東南アジアなどに向けて武器の輸出を行っていた。
例えば、ミャンマー(当時はビルマ)や南ベトナム向けに銃弾を、タイ向けに砲弾を、インドネシア向けに機関銃の部品を、台湾(当時は中華民国)向けに拳銃を輸出していた。
いずれも、法令に基づいて輸出許可を得て行われたものだ。
輸出管理当局は無限定に輸出を許可していたわけではなく、法令の運用として、次の場合は不許可としていた。
それは、
①共産圏諸国向けの場合
②国連安保理決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合
③国際紛争中の当事国、又は、その恐れのある国向けの場合
の3つである。
この規定の運用方針については、1967(昭和42)年、佐藤栄作総理が国会で総理大臣として初めて答弁したことから、以降、
「武器輸出3原則」
と称されるようになる。
当然のことながら、佐藤総理は、3原則の対象地域以外の国へは輸出を認めると明言している。
武器輸出3原則は禁輸原則ではなく、文字通り、武器輸出を行うに際して拠るべき原則であった。
佐藤答弁以降も武器輸出は行われたが、野党からの批判などもあり、輸出管理当局の対応は慎重になっていった。
そのような中、当時の通産省の事務次官が記者会見で、
「通産省としては武器である限り、どんな地域へも輸出させない方針である」
と述べたとの報道がなされ、政官の不一致が指摘された。
これを受け、1976(昭和51)年、三木武夫総理が次のような見解を示した。
①3原則対象地域については、「武器」の輸出を認めない
②3原則対象地域以外の地域については、「武器」の輸出を慎む
「慎む」とは、輸出管理実務上、不許可を意味し、これにより、事実上、全面禁輸となったのである。
過去も現在も、武器は、法令(外為法)に基づき許可を得ることにより輸出が可能である。
憲法上、武器の輸出は禁じられてはいない。
武器輸出3原則も、先に述べた統一見解も、また現行の防衛装備移転3原則も、全て外為法の運用方針に過ぎない。
武器輸出に関して、
「憲法の平和主義」
に言及されることが多いが、戦後の武器輸出も、武器輸出3原則も、憲法の平和主義に則ったものなのである。
事実上の全面禁輸は、日本の国力の向上、国際貢献の必要性などにより、国益に反する状況が次々と生じた。
1983(昭和58)年の米国への武器技術の供与に始まり、自衛隊の平和維持活動(PKO)への参加、日米物品役務相互提供協定(ACSA)の締結、弾道ミサイル防衛(BMD)の日米共同開発など、内外の情勢変化に応じて個別の例外化措置が講じられた。
三木内閣の統一見解以降、2013(平成25)年までに例外化措置は21件に上った。
■防衛装備移転3原則
第2次安倍政権は、2013(平成25)年、我が国として初めて国家安全保障戦略を策定し、その中で
「積極的平和主義」
を打ち出した。
これに基づいて
「防衛装備移転3原則」
を定め、過去の例外化も踏まえつつ、移転を認める場合を包括的にルール化した。
原則1として、次の場合には移転を禁止することを明確化した。
①我が国が締結した条約その他の国際約束が禁じている場合
②国連安保理決議が禁じている場合
③紛争当事国への移転
これは、かつての武器輸出3原則に相当するネガティブ・リスト(原則として規制がない中で、例外として禁止するものを列挙した表)である。
尚、紛争当事国とは、
「国連安保理が紛争に際して平和維持・回復のための措置を取っている対象国」
を言い、具体的には、安保理決議により国連軍が組織され撃退の対象となった北朝鮮、湾岸戦争の際に安保理決議が容認した武力行使の対象となったイラクがこれに当たる。
侵略を受けている立場である現在のウクライナは紛争当事国には該当しない。
原則2は、移転を認める場合を次のような場合に限定し、透明性を確保して個別に厳格な審査をすることだ。
①平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合
②我が国の安全保障に資する場合
武器輸出3原則では、ネガティブ・リストに該当しない場合に、輸出を許可するか否かは輸出管理当局の裁量に委ねられていたが、本原則においては、輸出を認める場合を政府として、事前に明確化して透明性と予見可能性の確保を図ったのである。
原則3として、目的外使用及び第3国移転については、原則として我が国の事前同意を相手国政府に義務付けることとした。
尚、ヘルメット、防弾チョッキなど、武器というイメージがないものも対象となることから
「防衛装備」
という用語を用い、防衛装備の
「輸出」
に加え
「技術の提供」
も含まれるため
「移転」
という用語が用いられた。
本原則は、世界的に見ても例のない、明確性と透明性を持った、かつ、節度ある方針と言えるだろう。
しかし、問題は、下位規定である
「運用方針」
において、輸出可能な装備品を局限してしまったことだ。
与党の一部の要求であり、政府は当面支障ないと判断して要求を呑んだ。
この結果、他国と共同開発した装備品を共同開発相手国に輸出する場合を除いて、国産装備を完成品の形で輸出できるのは
「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」という「5類型」に該当するものだけに限られてしまったのである。
■国家安全保障戦略下での見直し
2022年12月に策定された新たな国家安全保障戦略において、
「防衛装備移転に関する制度の見直しについて検討する」
とされたことを受け、2023年12月末、10年ぶりに見直しが行われた。
具体的には、3つの原則自体には変更はないが、移転の意義として、我が国の安全保障上の重要な政策手段であること、地域における抑止力の向上に資すること、が本文に追加された。
その上で、運用指針の改正により、概ね以下の1~6の実質的な見直しが行われた。
1 外国から技術を導入し国内で製造された「ライセンス生産品」の輸出について、従来は米国のみが対象で、かつ、部品のみの輸出に限定されていたが、米国以外でも、また、完成品も含めてライセンス元の国や、そこから第3国に輸出することが可能になった。
この結果、「ライセンス生産品」に限っては殺傷能力のある武器であっても完成品の形で輸出可能となった。
これを受け、政府は2023年末、米国からのライセンスで国内生産した地対空ミサイル「ペトリオット」を米国に輸出することを決定している。
ウクライナ支援によって在庫が不足している米国の要請に応えたものであり、具体的には、航空機や巡航ミサイルを迎撃するPAC2と、弾道ミサイルを迎撃するPAC3が対象になる模様だ。
ただし新ルートでも、ライセンス元の国から第3国への輸出については、
「現に戦闘が行われていると判断される国を除く」
とされた。
このため、米国からウクライナに提供することはできない。
2 民間事業者が日本国内で行う武器の修理について、従来は米軍のみに限定されていたが、米軍以外の武器の修理も可能とした。
近年、豪州や欧州などの同志国の部隊が本邦に来訪して訓練・演習を行う機会が増え、修理のニーズも増大していることを受けたものである。
3 武器の「部品」については総じて輸出可能とした。
例えば戦闘機の翼やエンジンなどは、それ自体では武器としての機能を発揮できないため、「部品」として輸出が可能になった。
4 「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型に該当するものであれば、本来業務や自己防衛のために必要があれば、殺傷能力のある武器を搭載していても輸出が可能であることを明確化した。
例えば、掃海艇に機雷処分用の機関銃が付いているのは掃海という本来業務のために必要であるし、輸送機に対艦ミサイルを迎撃する自己防衛用の武器が付いているのも通常であるが、そのような場合でも輸出可能であることを明確化した。
5 ウクライナに限られていた、防弾チョッキなど殺傷能力のない武器の輸出について、国際法違反の侵略などを受けた国へと対象を拡大した。
6 パートナー国と共同開発・生産した武器について、従来、パートナー国が第3国に完成品を輸出することは可能だが、新たに、維持整備のための部品や技術については我が国から第3国に直接、輸出を可能とした。
■積み残しの課題
2023年末の見直しで積み残しとなった大きな課題は、
①パートナー国と共同開発・生産した「完成品」の我が国から第3国への輸出
②安全保障面での協力関係にある国に対する「5類型以外の完成品」の輸出
である。
両者の論点の核心は、殺傷能力のある武器を完成品の形で輸出することを認めるか否かである。
いずれも防衛装備移転3原則上は認められるが、運用指針で禁止しているものだ。
このうち、①に関しては現在、英、伊と共同開発を進めている次期戦闘機について、2024年3月以降に作業分担に関する協議が本格化することから、政府は、
「我が国から第3国への直接移転ができなければ、我が国は、英、伊が重視している輸出による価格低減を行うことができず、結果として交渉上不利な立場に置かれ、自らの要求性能の実現が困難にある」
と訴えていた。
このような状況を受け、2024年3月15日、政府与党は
「輸出する対象は次期戦闘機に限る」
「輸出先は国連憲章の目的と原則に適合した使用を義務付ける防衛装備品・技術移転協定の締結国に限る」
「現に戦闘が行われている国には輸出しない」
との方針で合意した。
協定の締結国は、現在、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、オーストラリア、インド、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、アラブ首長国連邦の計15カ国であり、実際に輸出する際には、改めて個別案件ごとに与党協議や閣議決定を経る
「歯止め」
も設ける方針だ。
当面の要請を満たす最低限の改善はなされた。
残る課題は継続協議と言われているが、先行きは全く不透明だ。
■武器輸出反対について考える
この問題を考える際に、反対論の前提となっているのは、次のような考えであろう。
即ち、殺傷能力のある武器は悪。
武器輸出は紛争を助長する。
今のままでも日本の安全は維持できる。
しかし本当にそうであろうか。
▼抑止力を発揮するもの
抑止力の中核は実力であり、殺傷能力がある武器を持つからこそ抑止力となる。
殺傷能力があるからこそ、一方的な現状変更を断念させる力になる。
自由で平和な国際秩序を守ることができるのだ。
ヘルメットと防弾チョッキだけでは侵略を止めることはできない。
まずは、この冷厳な事実を真正面から受け止めるべきだろう。
▼紛争を助長するのか
「武器輸出は紛争を助長する」
という考えには、
「紛争国はどちらも悪い」
という発想があるのではないか。
今や国家間の問題を武力で解決することは国際法上許されないのだ。
しかし、ロシアのように国際法を踏みにじる国が存在する以上、侵略を排除するための実力の行使は必要であり合法なのである。
それを裏付ける武器の供与は、如何なる意味でも紛争を助長するものではない。
先に述べた
「ライセンス元の国から第3国への輸出」
「次期戦闘機の第3国移転」
について、いずれも
「現に戦闘が行われていると判断される国を除く」
とされたことも同様のは発想だろう。
抑止力の維持・強化のための輸出は許されるが、不幸にして抑止が破れ、侵略が開始された途端に輸出を止めることになる。
「紛争に加担しない」
「日本製の武器が海外で使われる人を殺すようなことがあってはならない」
と言うと聞こえは良い。
しかし、その実態は違法な侵略を受けた国も助けない、ということだ。
それは結果として侵略国を助けることになり、法の支配ではなく、力の支配を認めることを意味する。
2022年にノーベル平和賞を受賞したウクライナの人権団体「市民自由センター」のオレクサンドラ・マトビチュク代表はこう語っている。
「ウクライナの人々は世界の誰よりも平和を望んでいる」
「だが、攻撃を受けている側が武器を置いても、平和が訪れることはない」。
そして
「武器を使ってでも、法の支配を守る」。
法の支配に基づく国際秩序を守るために日本の武器が使われることを一律に排除するのでは、価値を共有する同盟国・同志国との連携強化の道を閉ざすことになりかねない。
国際社会は相互主義が基本原則でもある。
このままでは、いざという時に日本を支援してくれる国はなくなるかもしれない。
▼同盟国・同志国との絆の強化
かつて我が国の安全の確保策は、世界の警察官であった米国の力に依存し、細やかな自助努力として、米国から導入した武器を備えた自衛隊を維持してきた。
誤解を恐れず極論すれば、ザッツ・オール(That's all.)である。
我が国が武器を輸出することは、我が国の安全保障上の課題ではなかった。
しかし、今、世界は大きく変わった。
米国は世界の警察官の座を降り、最早米国ですら1国では自国の安全を確保することができない時代となった。
スウェーデン、フィンランドが永年に渡る中立政策を放棄しNATOに加わったことも、
「1国平和主義」
では国を守れなくなったことを雄弁に物語っている。
我が国も、同盟国・同志国との協力関係を一層強化していく必要がある。
その目的は、協力して抑止力を強化し、力による一方的な現状変更を許さないことだ。
そのカギとなるのはやはり武器なのだ。
日本製の武器を同盟国・同志国と共有することにより、その絆は分かち難いものとなる。
これが国際社会の現実である。
侵略を続けるロシアに対して、多くの国が厳しい制裁を科す中で、インドは明確な批判すら行っていない。
その大きな理由は、インド軍が武器の相当部分をロシアから導入しているからだ。
その比率は7割とも言われる。
1度導入した武器の運用期間は数十年に及ぶ。
武器を共有すれば、強固な関係はそれだけの期間続くのだ。
汎用品や民生品ではこうはいかない。
▼防衛産業の維持・強化
かつては寛大な米国からライセンス供与を受けて武器を国産することができた。
現在の主力戦闘機であるF-15の国産化率は70%以上に上った。
しかし、最早最新技術をお金で買うことはできない時代となった。
現在導入を進めている最新鋭のF-35戦闘機では機体技術は開示されず、我が国は出来上がった部材を輸入して最終組立と検査ができるだけだ。
自ら研究開発・生産を行わなければ、防衛産業を維持することはできない。
自衛隊は武器の製造だけでなく維持整備も防衛産業に依存している。
防衛産業が無くなれば、自衛隊は戦うことはできない。
だから、防衛産業は我が国の防衛力そのものなのだ。
防衛産業を適切に維持強化していくことは、個別企業の利益のためではなく、国民の安全を確保するためなのである。
国産の武器を自衛隊だけで使用するのでは生産数量も少なくコスト高になりがちであるが、同盟国・同志国と共有することができれば、量産効果により価格低減も可能となり、我が国と移転先国でウィン・ウィンの関係となる。
同時に、防衛産業基盤の維持・強化にも資する。
一石三鳥の効果がある。
▼共同開発への参画
武器の高度化・高額化が進み、開発のコストやリスクが増大する中にあって、戦闘機を含む最先端技術を取得する上では、パートナ国と協力して、資金・技術を分担する国際共同開発・生産が益々主流化しつつある。
米国も、2024年1月に策定した
「国家防衛産業戦略」
において、共同生産を重視する方針を明らかにしている。
このような潮流の中で、我が国から第3国への直接移転を行う仕組みが存在しなければ、我が国は価格低減の努力を行わない国と見られ、国際共同開発・生産のパートナー国として相応しくないと国際的に認識されてしまう。
同盟国・同志国との国際共同開発・生産への参加が困難となれば、いずれ我が国が求める性能を有する装備品の取得・維持が困難となり、我が国の防衛に支障を来すことになるだろう。
■平和国家とは
武器輸出に反対するのは、
「つまるところ平和国家としての信頼が崩れるからだ」
との主張を聞く。
しかし、一体誰に対する信頼であろうか。
かつて日本と戦火を交えた欧米諸国や豪州も、今や日本が自由で開かれた国際秩序の維持に積極的に寄与することを期待している。
日本が武器輸出を行っても、これら同盟国・同志国との信頼が崩れることはない。
かつて国内では大きな反対があった国連PKOへの参加や集団的自衛権の行使容認についても、世界からは歓迎されたのだ。
残る課題をクリアするため、
「運用方針」
が設けた制限を撤廃し
「防衛装備移転3原則」
本来の姿に立ち返るべきだ。
昭和から平成にかけて21件の個別の例外を重ねたように、場当たり的に例外措置を講じていくことは、国際的にも透明性に欠け、企業にとっても予見可能性に欠ける。
個々の輸出については、
「3原則」
に照らして、客観的・合理的にその妥当性を判断していくことが適当であろう。
日本が内向きの論理で
「何もしない平和国家」
であり続けることを喜ぶのは、力による一方的な現状変更を意図する国々だけだ。
権威主義国家を利することになる。
それは日本の国益を害するものだ。
1国平和主義の
「不都合な真実」
から目を背けるべきではない。

<正論>平和を気取る身勝手な偽善排せ 
麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
2024/3/1 8:00
https://www.sankei.com/article/20240301-VGYN7DDSYFJR7KWB4VFNBGJTPI/
ロシアのウクライナ侵攻から2年が経過した。
2023年10月からウクライナ東部の防衛拠点アウディーイウカで激戦が続いていたが、遂に露軍の手に落ちた。
米国の軍事支援が滞っている今、同拠点のみならず全局面でウクライナ軍は苦境に立たされている。
■ウクライナ支援継続、強化
「支援疲れ」
もあり、
「停戦」
をという声もある。
だが約18%の領土をロシアに占領されたまま停戦が実現すれば、軍事力による国境変更を禁じた戦後の国際規範は崩壊する。
しかもプーチン露大統領のいう
「停戦」
は、次なる戦争への準備期間にすぎず、真の平和が訪れる保証はない。
もし日本が侵略され、四国、九州、沖縄(合計で約15%)が占領されたところで、
「停戦」
を促されたらどう思うか。
約18%の領土を諦めるのは、ウクライナ国民にとって耐え難い事である。
「力による現状変更」
を認めないためにも日本は諸外国と連携しウクライナ支援を継続、強化しなければならない。
米国に対してはウクライナ支援継続を強く訴えるべきだ。
そのためにも日本自身が武器支援に踏み出す必要がある。
朝鮮戦争の際、日本は武器弾薬を輸出して国連軍に貢献した。
しかしながら1967年、佐藤栄作首相が共産圏・紛争当事国などへの武器輸出禁止を決め、1976年には三木武夫首相が
「武器輸出を慎む」
と答弁して武器輸出の全面禁止が定着した。
2014年、
「防衛装備移転3原則」
が閣議決定され厳格な審査を条件に武器輸出が認められた。
紛争当事国へや国連安保理決議に違反する場合、輸出はできない。
平和貢献・国際協力や日本の安全保障に資する場合などは認められる。
現在、「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型のみ認める指針で運用されている。
ウクライナは紛争当事国だから武器弾薬支援は認められない。
だがそれでいいのだろうか。
ウクライナを支援するのは戦後の国際規範維持のためであり、我が国の平和のためでもある。
単に
「殺傷兵器だから」
「紛争当事国だから」
と禁止するのは教条的過ぎる。
■「武器」と付くだけで拒否
万が一、日本が侵略された場合、自衛隊は国家国民を守るために敢然と立ち向かうだろう。
だが武器弾薬は決定的に不足し、他国の援助に頼らざるを得ない。
そんな時、諸外国が
「(日本がそうしたように)武器弾薬は日本に支援しない」
となることもあり得る。
それだけで日本の抑止力は低下する。
日本はその覚悟があるのか。
侵略に立ち向かうウクライナに武器支援をしないメリットは何か。
平和を気取る、独り善がりで身勝手な偽善に過ぎないのではないか。
侵略を許さない国際規範を守るため、あらゆる支援を尽くしてこそ国際社会で
「名誉ある地位を占める」
ことができる。
防衛装備移転3原則は法律ではなく、政府の意思さえあれば変更可能だ。
ウクライナ国民を守る
「防空兵器」
くらいは直ちに支援すべきだろう。
5類型に
「防空」
を加えればいい。
2023年末、運用指針改正でライセンス生産の地対空ミサイルを米国へ輸出することが可能になった。
これをウクライナにも広げるべきだ。
ウクライナに発電機、変圧器は供与しても防空兵器は供与しないというのは、国際社会に理解されないだろう。
かつて機関砲が付いた巡視艇は輸出できなかった。
自衛隊のトラックも銃の懸架台があるだけで供与できなかった。
「武器」
と付くだけで心情的に拒否する偽善を続けている場合ではない。
■国際社会で日本の孤立招くな
日本、英国、イタリアとで共同開発する次期戦闘機の第3国輸出に関する問題にも通底している。
共同開発品の直接輸出を巡っては、昨年春から自民、公明両党の実務者で慎重に検討がなされてきた。
2023年7月、実務者協議で容認の方向性が打ち出されたが、2023年11月になって突然、公明党幹部が
「ちゃぶ台返し」
をした。
この間何があったのか、ここでは触れない。
戦闘機は
「殺傷兵器」
ではあるが、開発装備品の輸出は
「友好国を作る」
「抑止力を強める」
「安価になり防衛力整備に貢献」
といった安全保障上のメリットが大きい。
装備品は高性能化、高価格化しており、今や1国では手に負えず、共同開発が主力である。
こんな時、共同開発国の日本だけが輸出できないのは、余りにも理不尽で共同開発国からの信頼も理解も得られない。
ロングボトム駐日英国大使も第3国輸出を巡り
「日本が防衛装備品の輸出ルールの変更を近く実現することが重要だ」
と述べ、
「(日英伊の)対等なパートナーシップに関わる」
と懸念を示している。
湾岸戦争では、日本だけが汗も流さず、130億ドル供与という金で済ませた結果、
「小切手外交」
「身勝手」
「価値観共有せず」
と非難され、孤立した。
国際社会での孤立は、軍事小国としては致命的である。
決して繰り返してはならない。
武器輸出についても諸外国と価値観を共有し、国際平和実現に貢献すべきである。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/405.html#c31

[政治・選挙・NHK294] 深層「悪夢の民主党政権」(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
33. 秘密のアッコちゃん[347] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月23日 12:25:53 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[460]
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中国にこびる鳩山由紀夫元首相の危険性
阿比留瑠比の極言御免
2024/5/23 1:00
https://www.sankei.com/article/20240523-MXFTPPAZFBMEBODEISMKNGLJXQ/
民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫氏の言動はバカバカしくて取り上げたくはないのだが、余りに有害で危険なので記録に残しておく。
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日に開いた座談会で、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担した場合についてこう警告した。
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
日本の一般国民に攻撃を加え、焼き殺すと言わんばかりの恫喝である。
当たり前の政治家であれば、直ちに厳しく反論すべき場面だが、社民党の福島瑞穂党首らと共にその場にいた鳩山氏は、反対に呉氏に同調したという。
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
これは、昭和47(1972)年の日中共同声明を意識した言葉だろうが正確ではなく、より中国に媚びた内容となっている。
日中共同声明は台湾が中国の不可分の一部であると
「表明」
する中国の
「立場」
について、日本は十分理解し、尊重する旨を述べているだけである。
鳩山氏は日本政府が中国と合意し、長年堅持してきた見解を飛び越え、勝手に
「台湾は中国の不可分の一部」
だと明言してしまっている。
■「領有問題」の前科
また、鳩山氏には中国への対応を巡り、”前科”がある。
現職の首相時代の平成22(2010)年5月の全国知事会議に出席した鳩山氏は、日本政府が、
「日本固有の領土であり、中国との間に解決しなければならない領有権問題は存在しない」
との立場を取る尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、こんな発言をした。
「米国は帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して、結論を見い出してもらいたいということだと理解している」
日本政府が、存在しないと主張してきた領有権問題の存在を認めた上で、これから中国との交渉のテーブルに着くかのような発言であり、中国の
「領有権問題の存在を認めろ」
という要求に擦り寄っている。
その前年の平成21(2009)年には自民党の麻生太郎政権が米オバマ政権から
「尖閣諸島に日米安保条約は適用される」
との確認を取っていた。
その安保条約の当事者である米国は第3者扱いである。
「こんなバカを言う首相がいるのか」
「バカな会合だ」
「ナンセンス!」
懐疑に出席していた石原慎太郎都知事は記者団にこう憤然と言い棄て、会議を途中退席したほどだった。
「日本列島は日本人だけの所有物ではない」
「国というものが何だかよく分からない」
こんな言葉も残している鳩山氏は、領土的野心を隠さない中国を、日本に招き入れかねない。
■怒るべき時に怒れ
ちなみに、無所属の松原仁元拉致問題担当相は2024年5月21日に、前掲の呉江浩駐日大使の
「民衆が火の中」
発言に対し、呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして日本政府に見解を質す質問主意書を提出している。
これについて筆者がX(旧ツイッター)に
「政府答弁が楽しみ」
と記したところ、山上信吾前駐オーストラリア大使が次のようにコメントした。
「実質的に
『日本人を殺す』
とまで言われておきながら、
『答弁』
だけで誤魔化せては駄目です」
「まずは外務大臣が(呉江浩駐日大使を)呼び付け、厳重に抗議し、謝罪と発言の撤回を強く求める」
「応じなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として中国に送り返す」
「怒るべき時には怒る、それが抑止力になります」
怒るべき時には怒る、日本政府に最も足りない姿勢かもしれない。

呉江浩駐日中国大使の「火の中」発言要旨
2024/5/22 17:16
https://www.sankei.com/article/20240522-DB3TKL3WFRK4TGWPLRUA32X2KQ/
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日の座談会で行った
「火の中」
発言の要旨は以下の通り。

我々は最大の努力を尽くして(台湾の)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない。
台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある。
長きに渡って台湾に武器を売り込んでいるのは誰なのか。
中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか。
答えははっきりしている。
日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる。

中国大使の「火の中発言」 昨年も「台湾有事は日本有事」を巡り問題発言
2024/5/22 17:15
https://www.sankei.com/article/20240522-3UTUJ35WMFKEZEHCRAVFETMMNA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と述べた。
呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。
発言は2024年5月20日、台湾の総統就任式に合わせて呉氏が東京都内の在日中国大使館で開いた座談会で出た。
呉氏は
「台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある」
と主張し、
「中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか」
「答えははっきりしている」
と暗に米国を批判。
その上で
「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と日本が米国に追随しないよう牽制した。
呉氏は同時に
「耳障りな言葉だが、言っておく必要があると思った」
と述べ、反発を予想していることも窺わせた。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していた。
だが、呉氏を諫める出席者はなく、鳩山氏は呉氏の発言に
「基本的に同意する」
と述べた。
呉氏は2023年4月28日の日本記者クラブでの記者会見でも
「台湾有事は日本有事」
との見方は
「荒唐無稽で極めて有害だ」
とし、
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した。
この時は林氏(当時は外相)が国会答弁で
「極めて不適切」
として外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。
同種の発言を繰り返す呉氏に対しては、政府に厳しい対応を求める意見が出ている。
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、政府の見解を問う質問主意書を衆院議長に提出。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「日本政府に対し敬意を欠く」
と指摘し、外交関係に関するウィーン条約に基づき
「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだ」
と求めた。

「極めて不適切」 林官房長官、中国駐日大使の「火の中」発言を非難
2024/5/22 12:31
https://www.sankei.com/article/20240522-EHRFUERXD5N77IAW6SNV4MRFZA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と非難した。
また、林氏は中国の王毅共産党政治局員兼外相が台湾の総統に就任した頼清徳氏を
「民族と祖先に背く恥ずべき行為」
をしていると名指しで非難したことに関し
「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要だ」
と指摘。
その上で
「我が国の一貫した立場は台湾を巡る問題が対話により平和的に解決することだ」
と強調した。

中国大使の「民衆が火の中」発言、日本政府が厳重抗議 外交ルートで「極めて不適切」
2024/5/21 20:16
https://www.sankei.com/article/20240521-BYDXXHG2JJKRPE5YUQAWIFUWTM/
中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
とした発言に対し、日本政府が外交ルートを通じて
「極めて不適切だ」
と厳重に抗議したことが分かった。
政府筋が2024年5月21日、明らかにした。
呉氏は2024年5月20日、日本の超党派議員団による台湾総統就任式への出席を
「台湾独立勢力を公然と後押しした」
「断固反対する」
と非難した上で
「火の中に」
と強く牽制。
2023年4月にも記者会見で同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。

中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」
2024/5/21 16:54
https://www.sankei.com/article/20240521-46IYWPVPPBLHTIWKZLOYJ5NEYA/
中国の呉江浩駐日大使が、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した2024年5月20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、
「基本的に同意する」
と述べていたことが分かった。
招待を受けた鳩山氏は
「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」
と持論を展開。
「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」
と言い切った。
一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。
呉氏の発言は2024年5月20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。
座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。
呉氏は2023年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。

「民衆が火の中」発言の中国大使は「追放すべき」 松原仁氏が質問主意書
2024/5/21 14:00
https://www.sankei.com/article/20240521-OU6DREDDAJO43L777RGDPR3ELI/
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した中国の呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして、政府の見解を質す質問主意書を額賀福志郎衆院議長に提出した。
呉氏は2024年5月20日、在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で、この発言を行った。
松原氏は質問主意書で、呉氏が2023年4月28日にも同様の発言をし、当時の林芳正外相が
「在京大使の発言として極めて不適切で、外交ルートを通じて厳重な抗議を行った」
と国会で答弁したことを紹介。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「接受国である日本政府に対し失礼千万で、敬意を欠く」
と指摘した。
その上で
「さすがに今回は、(外交関係に関する『ウィーン条約』に基づき)ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだと考える」
として政府の見解を求めた。
政府は2024年5月31日に答弁書を閣議決定する見通し。

中国の呉駐日大使、日本が「台湾独立」加担なら「民衆が火の中に連れ込まれる」と警告
2024/5/20 19:12
https://www.sankei.com/article/20240520-2QALPXWBORMHZI5FZTPI3464KY/
中国の呉江浩駐日大使は2024年5月20日、台湾の総統就任式に日本から国会議員30人超が参加したことに対し、
「(台湾)独立勢力に加担する誤った政治的シグナルだ」
と批判した。
東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で語った。
呉氏は
「民主進歩党の歴代総統は全員が正真正銘の独立主義者」
「民進党が政権を握り続ければ両岸(中台)情勢の厳しさが増す」
と頼清徳政権を牽制した。
更に、中国が台湾の武力統一の選択肢を放棄しないのは
「台湾独立を抑制する切り札だ」
と強調。
日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と警告した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首が参加。
鳩山氏は
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
と呉氏の主張に同調した。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/407.html#c33

[政治・選挙・NHK294] 自民“裏金”衆院議員44人の「新選挙区」はココだ! 政倫審拒否した全員を落選させるしかない<表付き>(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
20. 秘密のアッコちゃん[348] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月23日 12:50:48 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[461]
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<主張>海自いずもを空撮 ドローンの奇襲に備えよ
社説
2024/5/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20240523-AEFJXUUUDZKHZCJ3P74PMJZJZE/
自衛隊がドローン(無人機)による攻撃に脆弱である深刻な問題が露呈した。
海上自衛隊横須賀基地に停泊中のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を、ドローンが違法飛行して撮影した動画が、中国の動画投稿サイトやX(旧ツイッター)で拡散した。
撮影したドローンは海自基地に侵入し、「いずも」の甲板上空を飛んだが、自衛隊も警察も探知できなかった。
「いずも」はF35B戦闘機を搭載する軽空母へ改修中の海自主力艦だ。
爆弾を積んだドローンで奇襲攻撃すれば「いずも」の出港や作戦行動を比較的長期間、阻める。
日本の防衛体制に大きな穴が開いてしまう。
木原稔防衛相は
「(事態を)極めて深刻に受け止めている」
と述べ、警備に万全を期すと表明した。
失態を猛省し、対策を講じてもらいたい。
小型無人機等飛行禁止法(ドローン規制法)により、海自横須賀基地と周囲300メートルの上空は許可なくドローンを飛行させることが禁じられている。
ドローンで空撮したのは中国人とみられる。
いたずら目的だったと釈明しているが、日本の安全保障を損なう違法行為であり許されない。
警務隊や警察当局は摘発すべきだ。
「いずも」動画が投稿されたXには米軍横須賀基地での米原子力空母「ロナルド・レーガン」の空撮動画も投稿された。
米軍基地も規制の対象だ。
日本が実効性ある対策を迅速に講じられるかが問われている。
探知できなかったのは問題だし、探知できてもドローンを排除、無力化する態勢は不十分だ。
電波妨害をするというが、ドローンを遠隔操作する電波は民生用の周波数帯だ。
自衛隊や警察が十分に活用できる態勢になっているのか疑問だ。
迎撃用レーザーの導入も急ぐべきだが、これを含め、自衛隊のドローンへの武器使用は防衛出動前は容易ではない。
基地周囲の警備は警察が主として担うが、現状の都道府県警察に自衛隊、米軍施設を365日24時間ドローンなどから守る能力と意志があるとは思われない。
警備強化が掛け声倒れになれば侵略を企む国が喜ぶ。
防衛省、警察庁、電波を所管する総務省、国家安全保障局は対ドローンの検討会合を直ちに開き、抜本対策を講じるべきだ。

ドローン撮影動画 海自、厳重監視も不備が露呈
2024/5/9 20:15
https://www.sankei.com/article/20240509-OXJKPA36NVIP7BDW4I4UBZPQME/
防衛省は2024年5月9日、海上自衛隊の護衛艦「いずも」をドローン(無人機)で空撮したとする動画について、実際に撮影された可能性が高いとの見方を示した。
いずもが停泊する海自横須賀地区は無許可のドローン飛行が禁止されており、海自が厳重に監視しているにも関わらず、ドローンの侵入を許したことで、警戒体制の不備が露呈した。
同省は当初、偽動画である可能性を示唆していた。
木原稔防衛相は動画が拡散され、話題に上り始めた2024年4月2日の記者会見で
「悪意を持って加工、捏造されたものである可能性を含め分析中だ」
と述べていた。
同地区周辺は原則、ドローンの飛行が禁止され、平時から海自が警戒している。
一般的に操縦者とドローンの間で交わされる電波を検知するなどしてドローンを探知。
違法に飛行している場合は電波妨害による強制着陸や網を投射して捕獲するなどして対処する。
防衛省は問題のドローンを探知していたかどうか明らかにしていない。
酒井良海上幕僚長は2024年4月の記者会見で
「電波を探知すればそれなりの対応は取れる」
と対処能力に自信を覗かせていたが、警戒網をすり抜け、いずも上空を飛行した可能性が高い。
ドローン関連技術は急速に発展し、軍事分野でも存在感を増している。
ロシアによる侵略を受けるウクライナは、大規模なドローンによる攻撃が主要な抵抗手段の1つになっている。
自衛隊施設に攻撃の意図を持ったドローンが容易に接近できるようであれば、防衛上甚大な被害を受けかねない。
2024年5月9日の自民党国防部会などの合同会議では警戒体制を懸念する声が相次ぎ、小野寺五典元防衛相は
「このような動画を撮られてしまったことは安全保障上の重要な問題だ」
と述べた。
防衛省はより能力の高い対処機材を早期に導入するなどし警備能力を向上させる方針だが、実効性のある対策が急務だ。

中国にこびる鳩山由紀夫元首相の危険性
阿比留瑠比の極言御免
2024/5/23 1:00
https://www.sankei.com/article/20240523-MXFTPPAZFBMEBODEISMKNGLJXQ/
民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫氏の言動はバカバカしくて取り上げたくはないのだが、余りに有害で危険なので記録に残しておく。
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日に開いた座談会で、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担した場合についてこう警告した。
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
日本の一般国民に攻撃を加え、焼き殺すと言わんばかりの恫喝である。
当たり前の政治家であれば、直ちに厳しく反論すべき場面だが、社民党の福島瑞穂党首らと共にその場にいた鳩山氏は、反対に呉氏に同調したという。
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
これは、昭和47(1972)年の日中共同声明を意識した言葉だろうが正確ではなく、より中国に媚びた内容となっている。
日中共同声明は台湾が中国の不可分の一部であると
「表明」
する中国の
「立場」
について、日本は十分理解し、尊重する旨を述べているだけである。
鳩山氏は日本政府が中国と合意し、長年堅持してきた見解を飛び越え、勝手に
「台湾は中国の不可分の一部」
だと明言してしまっている。
■「領有問題」の前科
また、鳩山氏には中国への対応を巡り、”前科”がある。
現職の首相時代の平成22(2010)年5月の全国知事会議に出席した鳩山氏は、日本政府が、
「日本固有の領土であり、中国との間に解決しなければならない領有権問題は存在しない」
との立場を取る尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、こんな発言をした。
「米国は帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して、結論を見い出してもらいたいということだと理解している」
日本政府が、存在しないと主張してきた領有権問題の存在を認めた上で、これから中国との交渉のテーブルに着くかのような発言であり、中国の
「領有権問題の存在を認めろ」
という要求に擦り寄っている。
その前年の平成21(2009)年には自民党の麻生太郎政権が米オバマ政権から
「尖閣諸島に日米安保条約は適用される」
との確認を取っていた。
その安保条約の当事者である米国は第3者扱いである。
「こんなバカを言う首相がいるのか」
「バカな会合だ」
「ナンセンス!」
懐疑に出席していた石原慎太郎都知事は記者団にこう憤然と言い棄て、会議を途中退席したほどだった。
「日本列島は日本人だけの所有物ではない」
「国というものが何だかよく分からない」
こんな言葉も残している鳩山氏は、領土的野心を隠さない中国を、日本に招き入れかねない。
■怒るべき時に怒れ
ちなみに、無所属の松原仁元拉致問題担当相は2024年5月21日に、前掲の呉江浩駐日大使の
「民衆が火の中」
発言に対し、呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして日本政府に見解を質す質問主意書を提出している。
これについて筆者がX(旧ツイッター)に
「政府答弁が楽しみ」
と記したところ、山上信吾前駐オーストラリア大使が次のようにコメントした。
「実質的に
『日本人を殺す』
とまで言われておきながら、
『答弁』
だけで誤魔化せては駄目です」
「まずは外務大臣が(呉江浩駐日大使を)呼び付け、厳重に抗議し、謝罪と発言の撤回を強く求める」
「応じなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として中国に送り返す」
「怒るべき時には怒る、それが抑止力になります」
怒るべき時には怒る、日本政府に最も足りない姿勢かもしれない。

呉江浩駐日中国大使の「火の中」発言要旨
2024/5/22 17:16
https://www.sankei.com/article/20240522-DB3TKL3WFRK4TGWPLRUA32X2KQ/
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日の座談会で行った
「火の中」
発言の要旨は以下の通り。

我々は最大の努力を尽くして(台湾の)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない。
台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある。
長きに渡って台湾に武器を売り込んでいるのは誰なのか。
中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか。
答えははっきりしている。
日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる。

中国大使の「火の中発言」 昨年も「台湾有事は日本有事」を巡り問題発言
2024/5/22 17:15
https://www.sankei.com/article/20240522-3UTUJ35WMFKEZEHCRAVFETMMNA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と述べた。
呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。
発言は2024年5月20日、台湾の総統就任式に合わせて呉氏が東京都内の在日中国大使館で開いた座談会で出た。
呉氏は
「台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある」
と主張し、
「中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか」
「答えははっきりしている」
と暗に米国を批判。
その上で
「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と日本が米国に追随しないよう牽制した。
呉氏は同時に
「耳障りな言葉だが、言っておく必要があると思った」
と述べ、反発を予想していることも窺わせた。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していた。
だが、呉氏を諫める出席者はなく、鳩山氏は呉氏の発言に
「基本的に同意する」
と述べた。
呉氏は2023年4月28日の日本記者クラブでの記者会見でも
「台湾有事は日本有事」
との見方は
「荒唐無稽で極めて有害だ」
とし、
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した。
この時は林氏(当時は外相)が国会答弁で
「極めて不適切」
として外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。
同種の発言を繰り返す呉氏に対しては、政府に厳しい対応を求める意見が出ている。
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、政府の見解を問う質問主意書を衆院議長に提出。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「日本政府に対し敬意を欠く」
と指摘し、外交関係に関するウィーン条約に基づき
「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだ」
と求めた。

「極めて不適切」 林官房長官、中国駐日大使の「火の中」発言を非難
2024/5/22 12:31
https://www.sankei.com/article/20240522-EHRFUERXD5N77IAW6SNV4MRFZA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と非難した。
また、林氏は中国の王毅共産党政治局員兼外相が台湾の総統に就任した頼清徳氏を
「民族と祖先に背く恥ずべき行為」
をしていると名指しで非難したことに関し
「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要だ」
と指摘。
その上で
「我が国の一貫した立場は台湾を巡る問題が対話により平和的に解決することだ」
と強調した。

中国大使の「民衆が火の中」発言、日本政府が厳重抗議 外交ルートで「極めて不適切」
2024/5/21 20:16
https://www.sankei.com/article/20240521-BYDXXHG2JJKRPE5YUQAWIFUWTM/
中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
とした発言に対し、日本政府が外交ルートを通じて
「極めて不適切だ」
と厳重に抗議したことが分かった。
政府筋が2024年5月21日、明らかにした。
呉氏は2024年5月20日、日本の超党派議員団による台湾総統就任式への出席を
「台湾独立勢力を公然と後押しした」
「断固反対する」
と非難した上で
「火の中に」
と強く牽制。
2023年4月にも記者会見で同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。

中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」
2024/5/21 16:54
https://www.sankei.com/article/20240521-46IYWPVPPBLHTIWKZLOYJ5NEYA/
中国の呉江浩駐日大使が、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した2024年5月20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、
「基本的に同意する」
と述べていたことが分かった。
招待を受けた鳩山氏は
「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」
と持論を展開。
「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」
と言い切った。
一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。
呉氏の発言は2024年5月20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。
座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。
呉氏は2023年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。

「民衆が火の中」発言の中国大使は「追放すべき」 松原仁氏が質問主意書
2024/5/21 14:00
https://www.sankei.com/article/20240521-OU6DREDDAJO43L777RGDPR3ELI/
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した中国の呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして、政府の見解を質す質問主意書を額賀福志郎衆院議長に提出した。
呉氏は2024年5月20日、在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で、この発言を行った。
松原氏は質問主意書で、呉氏が2023年4月28日にも同様の発言をし、当時の林芳正外相が
「在京大使の発言として極めて不適切で、外交ルートを通じて厳重な抗議を行った」
と国会で答弁したことを紹介。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「接受国である日本政府に対し失礼千万で、敬意を欠く」
と指摘した。
その上で
「さすがに今回は、(外交関係に関する『ウィーン条約』に基づき)ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだと考える」
として政府の見解を求めた。
政府は2024年5月31日に答弁書を閣議決定する見通し。

中国の呉駐日大使、日本が「台湾独立」加担なら「民衆が火の中に連れ込まれる」と警告
2024/5/20 19:12
https://www.sankei.com/article/20240520-2QALPXWBORMHZI5FZTPI3464KY/
中国の呉江浩駐日大使は2024年5月20日、台湾の総統就任式に日本から国会議員30人超が参加したことに対し、
「(台湾)独立勢力に加担する誤った政治的シグナルだ」
と批判した。
東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で語った。
呉氏は
「民主進歩党の歴代総統は全員が正真正銘の独立主義者」
「民進党が政権を握り続ければ両岸(中台)情勢の厳しさが増す」
と頼清徳政権を牽制した。
更に、中国が台湾の武力統一の選択肢を放棄しないのは
「台湾独立を抑制する切り札だ」
と強調。
日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と警告した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首が参加。
鳩山氏は
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
と呉氏の主張に同調した。

自由がなければ生きていても意味がない。
自由を求めるためには時として死ぬ覚悟で戦うことが重要だ。

<正論>台湾のレジスタンスを支える鍵
東京国際大学特命教授・村井友秀
2024/2/21 8:00
https://www.sankei.com/article/20240221-35UAIMQ6LRLV7J37VPKJD6SQZA/
台湾有事は隣接する沖縄の有事である。
日本の一地方である沖縄有事は日本有事である。
■台湾は中国か
中華帝国にとって台湾は長い間、中華文明の外(化外の地)であった。
沖縄の支配者が中国に朝貢を始める前の時代は、中国の東の海にある沖縄や台湾などの島々を中国は琉球と呼んでいた。
しかし、14世紀に沖縄が中国に朝貢を始めると、中国は中華文明に取り込んだ沖縄を大琉球、朝貢しない野蛮な
「蛮族」
が住む
「化外の地」
である台湾などの島々を小琉球と呼んだ。
その後、17世紀に清朝が台湾を占領し、原住民の言葉(タイオワン、ターヤン)に倣い
「台湾」
と表記されるようになった。
これが中国が主張する
「歴史的権利」
の背景である。
今でも中国人の世界観には、沖縄と台湾を一体化して考える思想がある。
■台湾は独立国か
2024年1月の台湾総統選挙で、かつて
「台湾独立の仕事人」
と自称していた頼清徳氏が新総統に選ばれた。
頼清徳氏は選挙直前のインタビューで中国共産党(中共)が主張する
「1つの中国」
を否定した。
頼清徳新総統が率いる台湾は独立の方向に動くのか。
国際法によれば、独立国家の成立要件は、
①国民
②領土
③統治能力を持つ政府の存在
と定義されている。
また、スターリンは独立国家の条件として、
①100万人以上の人口
②外国と国境を接している
③国名を冠する民族が過半数を占める
の3条件を主張していた。
台湾政府の統治下にある2300万人の人口は世界57位、台湾政府が排他的に統治する領土の面積は3万6000平方kmで世界138(ベルギーより大きい)、そして外国に支配されていない政府が存在する。
台湾は独立国たる条件を備えている。
しかし、台湾は中国の武力行使を恐れて独立を宣言しない。
他方、台湾が中国の一部ならば、台湾の独立運動は正統性のある中央政府に対する地方の反乱ということになり、中央政府が国家の統一を維持し主権を守るために地方の反乱を武力鎮圧することは国際法上問題がない。
また外国が地方の反乱に介入することは内政不干渉原則に反する国際法違反である(友好関係原則宣言)。
ただし、台湾が独立国家ならば、中国の台湾に対する攻撃は、国際法が禁止する独立国に対する侵略戦争になる。
ロシアのウクライナ侵略と同じである。
その場合は国際法によれば世界中の国が集団的自衛権によって、外国に侵略された台湾を軍事的に支援することができる。
■台湾の抵抗力
中共は台湾政府が独立宣言すれば台湾に武力行使すると言っている。
世論調査を見ると(台湾民主基金会、2022年)、中国が台湾統一のために武力侵攻した場合は72%の台湾住民が
「台湾を守るために戦う」
と回答した。
なお2021年の世論調査によれば、外国軍の侵略に対して戦うと答えた国民は中国が88%、米国が60%、日本は13%であった(World VaLues Survey)。
戦争は勝つか負けるか泥沼になるかである。
小国が大国と戦うと戦争の結果は、負けるか泥沼になるかである。
小国が大国に負けない唯一の戦略は、戦争を泥沼化し大国が戦争に倦み疲れるのを待つことだ。
米国のベトナム戦争を止めたのは、戦死者の増大と増税による反戦運動だった。
ただし戦争が泥沼化すれば戦争による犠牲は巨大になる。
大きな犠牲に耐えられなければ小国は大国に負ける。
中共は勝てると思えば戦争し、負けると思えば戦争しない合理的な政権である。
いくら米国政府や日本政府が台湾防衛に言及しても、中共は台湾防衛に米国や日本が血を流すとは考えない。
中国の台湾侵攻を抑止する最大の鍵は、大きな犠牲に耐える台湾人の覚悟である。
台湾人が
「中国の一部になるくらいなら死んだ方がましだ」
と考えるなら中共は戦争を躊躇するだろう。
台湾人が
「死ぬくらいなら中国の一部になる」
と考えるなら中共は台湾を攻撃するだろう。
今、中共は
「我に順(したが)う者は昌(さか)え、我に逆らう者は亡(ほろ)ぶ」
と言っている。
順えば金持ちになり、逆らえば死ぬ、という2つの選択肢で、死ぬ選択をする台湾人はいるだろうか。
米国独立の英雄であるパトリック・ヘンリーは
「我に自由を与えよ、然(しか)らずんば死を」
と言った。
死ぬ覚悟で自由を求める台湾人は少数だろう。
普通の人は自由がなくても生きることを選ぶ。
もし、台湾人が自由を選ぶとしたら、それは自由を選んでも死なないと感じた場合である。
即ち、戦争になっても台湾が勝つと思った時であろう。
中共が
「順我者昌、逆我者亡」
と言った時、台湾人が中国の宣伝に抵抗できるのは、中国に逆らっても亡びないという自信がある場合である。
台湾人の自信を支えるものは、中国軍の侵攻を阻止できる軍事バランスであり、米日の軍事的経済的支援は台湾人の覚悟を支える最大の柱である。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/411.html#c20

[政治・選挙・NHK294] 立憲民主党が支持率トップも…岸田政権に「アソウ化」「スガ化」が起きない理由 永田町の裏を読む(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
27. 秘密のアッコちゃん[349] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月23日 14:55:40 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[462]
<■715行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
【速報中】中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権への圧力
2024年5月23日 14時20分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240523/k10014457961000.html
中国軍は2024年5月23日午前、台湾や台湾の離島の周辺で軍事演習を開始したと発表しました。
台湾の頼清徳総統は2024年5月20日の就任演説で
「台湾は中国の一部だ」
とする中国の主張を否定していて、中国軍は
「『台湾独立』の分裂勢力が独立を企てる行為に対する強力な戒めだ」
として、頼政権への圧力を強めています。
目次
中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権へ圧力強化
中国軍“軍事演習を行う範囲の地図”SNSで発表
【詳しくはこちら】1からわかる!台湾と中国の関係は?
■中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権へ圧力強化
中国軍で台湾を含む東シナ海などを管轄する東部戦区は日本時間の2024年5月23日午前8時45分から台湾の北部と南部、それに東部の台湾をほぼ取り囲む海域などや、台湾の離島の金門島などの周辺で軍事演習を開始したと発表しました。
東部戦区によりますと、軍事演習は2024年5月23日と2024年5月24日の2日間行われ、陸海空軍とロケット軍などがパトロールを行う他、合同で作戦の実行能力を検証するとしています。
東部戦区の報道官は
「これは『台湾独立』の分裂勢力が独立を企てる行為に対する強力な戒めであり、外部勢力による干渉への厳重な警告だ」
としています。
これに加えて、中国海警局は2024年5月23日、台湾の対岸にある福建省に近い台湾の2つの離島周辺海域で総合的な訓練を行い、パトロールや緊急対応能力を検証すると発表しました。
中国軍は2022年8月、当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問した後、台湾を取り囲むように軍事演習を行いました。
また、2023年4月に台湾の蔡英文前総統がアメリカに滞在した際や、2023年8月に今の頼清徳総統が副総統として南米訪問でアメリカに立ち寄った際などにも繰り返し台湾周辺での演習を発表してきました。
■台湾 頼清徳 総統
2024年5月20日の就任演説で、頼総統は
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」
などと述べ
「台湾は中国の一部だ」
とする中国の主張を否定していて、中国はこれに反発すると共に、頼政権への軍事的な圧力を強めています。
■中国軍“軍事演習を行う範囲の地図”SNSで発表
中国軍はSNSで軍事演習を行う範囲だとする地図を発表しました。
地図には台湾本島を取り囲むように赤い太い線で囲んだ区域が5つ示されています。
また、中国大陸に近接した台湾の離島の金門島や馬祖島などの周辺は、矢印の付いた赤い点線で囲まれています。
■台湾国防部「理性がない挑発」遺憾の意を表明
中国側の発表について、台湾国防部は
「理性がない挑発、地域の平和と安定を破壊する行動だ」
として
「遺憾」
の意を示しました。
更に
「口実を設けて軍事演習を行うことは、台湾海峡の平和と安定に役立たない上、横暴な本質をはっきりと浮かび上がらせている」
と中国軍を非難しました。
■台湾 総統府「一方的な軍事挑発は遺憾」
台湾の総統府の報道官もコメントを発表しました。
「中国が一方的に軍事挑発を行い、台湾の民主主義と自由、及び地域の平和で安定した現状を脅かすのを目にするのは遺憾だ」
「地域の平和と安定の維持は台湾海峡両岸の共通の責任と目標であるというのが総統府の一貫した立場だ」
としています。
また、台湾の市民に対しては
「国家安全チームと軍は、演習の状況を全面的に把握している」
「安心してほしい」
と呼び掛けました。
■台北市民「攻めてくることはない」
中国軍の演習発表があったのは、ちょうど台湾の朝の通勤時間帯でしたが、台北市内のオフィス街は人も車もいつも通り通行していて、普段の平日と変わった様子はありませんでした。
中国軍の発表について、44歳の女性は
「演習をしたければすればいいですよ」
「本当に攻めてくることはないでしょう」
と話していました。
26歳の男性は
「一種のデモンストレーションだと思います」
「私たち一般人はいつも通り出勤するだけで、全体的には大きな影響はないでしょう」
と話していました。
《日本の反応》
■林官房長官「推移注視し外交努力続ける」
林官房長官は午前の記者会見で
「台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要であり、引き続き中国側に直接しっかり伝えると共に、アメリカをはじめとする同盟国や同志国と緊密に連携しながら、各国共通の立場として明確に発信していく」
「両岸関係の推移をしっかり注視し、外交努力を続けていく」
と述べました。
■沖縄県 玉城知事「情報収集し状況を注視していきたい」
沖縄県の玉城知事は2024年5月23日午前11時頃、県庁でNHKの取材に応じ
「台湾の頼総統の就任式に合わせて中国が演習に出たのではないかと思うが、情報収集に当たり、状況を注視していきたい」
と述べました。
《中国軍 台湾周辺での過去の演習》
■米ペロシ下院議長が台湾訪問(2022年8月)
【2022年8月】
当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことへの対抗措置として、中国軍は、台湾を取り囲むようにあわせて6か所の海域と空域で軍事演習を行いました。
この演習は当初の日程から延長され、7日間に渡って続きました。
この演習では、中国軍が発射した弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下し、日本政府が中国に抗議しました。
また、ペロシ氏の台湾訪問の後、中国軍機が台湾海峡の
「中間線」
を越えて台湾側の空域に入る飛行を常態化させるなど、中国は台湾に対する軍事的な圧力を強めました。
■台湾 蔡英文総統が米下院議長と会談(2023年4月)
【2023年4月】
いずれも当時の台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長が会談した対抗措置として、中国軍は台湾周辺で3日間に渡って、パトロールと軍事演習を行いました。
この演習には、中国軍では2隻目で、国産としては初めての空母「山東」も参加して空母から艦載機が飛び立つとする映像などが公開されました。
■台湾 頼清徳 副総統が米訪問(2023年8月)
【2023年8月】
今の頼清徳総統が副総統として南米のパラグアイを訪問した際、アメリカを経由したのにあわせて台湾周辺でパトロールと軍事演習を行いました。
中国軍は、この時の演習の日程については当日、1日だけ発表しています。
この他、中国は、アメリカの議員団の台湾訪問への対抗措置だとして台湾周辺で軍事演習を行うなど、台湾への軍事的圧力を強めています。
【動画】台北支局 逵健雄支局長に聞く 状況は?

台湾の国防部「非理性的な挑発」と反発 中国の軍事演習開始で談話
2024/5/23 13:33
https://www.sankei.com/article/20240523-3XNOMCSI4RJTLABP2Z3WXYY2YQ/
台湾の国防部(国防省に相当)は2024年5月23日、中国軍の東部戦区が台湾周辺などで軍事演習を始めたことを受けて談話を発表し、
「非理性的な挑発であり、地域の平和と安定を破壊する行動だ」
と反発した。
国防部は、陸海空軍によって対処するとし
「実際の行動で自由と民主主義、主権を守る」
と表明した。
国防部は、中国軍が
「近年、軍用機や軍艦を継続的に派遣させて攪乱させている」
と指摘し、
「世界の平和と安定を実質的に侵害している」
と批判した。

中国軍が台湾取り囲み軍事演習を開始 頼清徳氏の総統就任を受け軍事圧力、24日まで
2024/5/23 10:05
https://www.sankei.com/article/20240523-YVZRA5NVZVJUBDYZ4J5Z6BJUGI/
中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2024年5月23日、台湾を取り囲んで軍事演習を同日開始したと発表した。
演習は2024年5月24日まで続ける。
中国が
「台湾独立」
派と見做す台湾の民主進歩党の頼清徳氏が2024年5月20日に総統に就任したことを受けて軍事的圧力を強めた。
東部戦区の発表によると、演習は2024年5月23日午前7時45分(日本時間8時45分)に開始した。
台湾本島の北部や南部、東部の他、台湾海峡、中国大陸近くに位置する台湾の離島である金門島や馬祖島の周辺などを演習地域としている。
東部戦区の報道官は、演習について
「『台湾独立』の分裂勢力による独立を画策する行為への力強い懲戒であり、外部勢力の干渉や挑発に対する重大な警告だ」
と表明した。
中国は、頼政権への非難や圧力を増している。
王毅共産党政治局員兼外相は2024年5月21日、
「頼清徳の類いの民族と祖先に背く恥ずべき行為は誰も相手にしない」
と頼氏を名指しで非難した。
台湾を支援する米国にも反発している。
中国外務省は2024年5月22日、台湾への武器売却などを理由に米国の防衛関連企業12社と幹部ら10人に制裁を科すと発表。
中国政府は3日連続で対米制裁を打ち出している。
中国軍は2022年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台した際、台湾を包囲する形で大規模な軍事演習を実施。
2023年4月にも、台湾の蔡英文総統(当時)が訪米してマッカーシー米下院議長(当時)と会談したことに対する報復措置として軍事演習を行った。

中国にこびる鳩山由紀夫元首相の危険性
阿比留瑠比の極言御免
2024/5/23 1:00
https://www.sankei.com/article/20240523-MXFTPPAZFBMEBODEISMKNGLJXQ/
民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫氏の言動はバカバカしくて取り上げたくはないのだが、余りに有害で危険なので記録に残しておく。
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日に開いた座談会で、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担した場合についてこう警告した。
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
日本の一般国民に攻撃を加え、焼き殺すと言わんばかりの恫喝である。
当たり前の政治家であれば、直ちに厳しく反論すべき場面だが、社民党の福島瑞穂党首らと共にその場にいた鳩山氏は、反対に呉氏に同調したという。
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
これは、昭和47(1972)年の日中共同声明を意識した言葉だろうが正確ではなく、より中国に媚びた内容となっている。
日中共同声明は台湾が中国の不可分の一部であると
「表明」
する中国の
「立場」
について、日本は十分理解し、尊重する旨を述べているだけである。
鳩山氏は日本政府が中国と合意し、長年堅持してきた見解を飛び越え、勝手に
「台湾は中国の不可分の一部」
だと明言してしまっている。
■「領有問題」の前科
また、鳩山氏には中国への対応を巡り、”前科”がある。
現職の首相時代の平成22(2010)年5月の全国知事会議に出席した鳩山氏は、日本政府が、
「日本固有の領土であり、中国との間に解決しなければならない領有権問題は存在しない」
との立場を取る尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、こんな発言をした。
「米国は帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して、結論を見い出してもらいたいということだと理解している」
日本政府が、存在しないと主張してきた領有権問題の存在を認めた上で、これから中国との交渉のテーブルに着くかのような発言であり、中国の
「領有権問題の存在を認めろ」
という要求に擦り寄っている。
その前年の平成21(2009)年には自民党の麻生太郎政権が米オバマ政権から
「尖閣諸島に日米安保条約は適用される」
との確認を取っていた。
その安保条約の当事者である米国は第3者扱いである。
「こんなバカを言う首相がいるのか」
「バカな会合だ」
「ナンセンス!」
懐疑に出席していた石原慎太郎都知事は記者団にこう憤然と言い棄て、会議を途中退席したほどだった。
「日本列島は日本人だけの所有物ではない」
「国というものが何だかよく分からない」
こんな言葉も残している鳩山氏は、領土的野心を隠さない中国を、日本に招き入れかねない。
■怒るべき時に怒れ
ちなみに、無所属の松原仁元拉致問題担当相は2024年5月21日に、前掲の呉江浩駐日大使の
「民衆が火の中」
発言に対し、呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして日本政府に見解を質す質問主意書を提出している。
これについて筆者がX(旧ツイッター)に
「政府答弁が楽しみ」
と記したところ、山上信吾前駐オーストラリア大使が次のようにコメントした。
「実質的に
『日本人を殺す』
とまで言われておきながら、
『答弁』
だけで誤魔化せては駄目です」
「まずは外務大臣が(呉江浩駐日大使を)呼び付け、厳重に抗議し、謝罪と発言の撤回を強く求める」
「応じなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として中国に送り返す」
「怒るべき時には怒る、それが抑止力になります」
怒るべき時には怒る、日本政府に最も足りない姿勢かもしれない。

呉江浩駐日中国大使の「火の中」発言要旨
2024/5/22 17:16
https://www.sankei.com/article/20240522-DB3TKL3WFRK4TGWPLRUA32X2KQ/
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日の座談会で行った
「火の中」
発言の要旨は以下の通り。

我々は最大の努力を尽くして(台湾の)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない。
台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある。
長きに渡って台湾に武器を売り込んでいるのは誰なのか。
中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか。
答えははっきりしている。
日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる。

中国大使の「火の中発言」 昨年も「台湾有事は日本有事」を巡り問題発言
2024/5/22 17:15
https://www.sankei.com/article/20240522-3UTUJ35WMFKEZEHCRAVFETMMNA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と述べた。
呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。
発言は2024年5月20日、台湾の総統就任式に合わせて呉氏が東京都内の在日中国大使館で開いた座談会で出た。
呉氏は
「台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある」
と主張し、
「中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか」
「答えははっきりしている」
と暗に米国を批判。
その上で
「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と日本が米国に追随しないよう牽制した。
呉氏は同時に
「耳障りな言葉だが、言っておく必要があると思った」
と述べ、反発を予想していることも窺わせた。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していた。
だが、呉氏を諫める出席者はなく、鳩山氏は呉氏の発言に
「基本的に同意する」
と述べた。
呉氏は2023年4月28日の日本記者クラブでの記者会見でも
「台湾有事は日本有事」
との見方は
「荒唐無稽で極めて有害だ」
とし、
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した。
この時は林氏(当時は外相)が国会答弁で
「極めて不適切」
として外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。
同種の発言を繰り返す呉氏に対しては、政府に厳しい対応を求める意見が出ている。
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、政府の見解を問う質問主意書を衆院議長に提出。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「日本政府に対し敬意を欠く」
と指摘し、外交関係に関するウィーン条約に基づき
「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだ」
と求めた。

「極めて不適切」 林官房長官、中国駐日大使の「火の中」発言を非難
2024/5/22 12:31
https://www.sankei.com/article/20240522-EHRFUERXD5N77IAW6SNV4MRFZA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と非難した。
また、林氏は中国の王毅共産党政治局員兼外相が台湾の総統に就任した頼清徳氏を
「民族と祖先に背く恥ずべき行為」
をしていると名指しで非難したことに関し
「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要だ」
と指摘。
その上で
「我が国の一貫した立場は台湾を巡る問題が対話により平和的に解決することだ」
と強調した。

中国大使の「民衆が火の中」発言、日本政府が厳重抗議 外交ルートで「極めて不適切」
2024/5/21 20:16
https://www.sankei.com/article/20240521-BYDXXHG2JJKRPE5YUQAWIFUWTM/
中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
とした発言に対し、日本政府が外交ルートを通じて
「極めて不適切だ」
と厳重に抗議したことが分かった。
政府筋が2024年5月21日、明らかにした。
呉氏は2024年5月20日、日本の超党派議員団による台湾総統就任式への出席を
「台湾独立勢力を公然と後押しした」
「断固反対する」
と非難した上で
「火の中に」
と強く牽制。
2023年4月にも記者会見で同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。

中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」
2024/5/21 16:54
https://www.sankei.com/article/20240521-46IYWPVPPBLHTIWKZLOYJ5NEYA/
中国の呉江浩駐日大使が、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した2024年5月20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、
「基本的に同意する」
と述べていたことが分かった。
招待を受けた鳩山氏は
「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」
と持論を展開。
「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」
と言い切った。
一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。
呉氏の発言は2024年5月20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。
座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。
呉氏は2023年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。

「民衆が火の中」発言の中国大使は「追放すべき」 松原仁氏が質問主意書
2024/5/21 14:00
https://www.sankei.com/article/20240521-OU6DREDDAJO43L777RGDPR3ELI/
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した中国の呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして、政府の見解を質す質問主意書を額賀福志郎衆院議長に提出した。
呉氏は2024年5月20日、在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で、この発言を行った。
松原氏は質問主意書で、呉氏が2023年4月28日にも同様の発言をし、当時の林芳正外相が
「在京大使の発言として極めて不適切で、外交ルートを通じて厳重な抗議を行った」
と国会で答弁したことを紹介。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「接受国である日本政府に対し失礼千万で、敬意を欠く」
と指摘した。
その上で
「さすがに今回は、(外交関係に関する『ウィーン条約』に基づき)ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだと考える」
として政府の見解を求めた。
政府は2024年5月31日に答弁書を閣議決定する見通し。

中国の呉駐日大使、日本が「台湾独立」加担なら「民衆が火の中に連れ込まれる」と警告
2024/5/20 19:12
https://www.sankei.com/article/20240520-2QALPXWBORMHZI5FZTPI3464KY/
中国の呉江浩駐日大使は2024年5月20日、台湾の総統就任式に日本から国会議員30人超が参加したことに対し、
「(台湾)独立勢力に加担する誤った政治的シグナルだ」
と批判した。
東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で語った。
呉氏は
「民主進歩党の歴代総統は全員が正真正銘の独立主義者」
「民進党が政権を握り続ければ両岸(中台)情勢の厳しさが増す」
と頼清徳政権を牽制した。
更に、中国が台湾の武力統一の選択肢を放棄しないのは
「台湾独立を抑制する切り札だ」
と強調。
日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と警告した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首が参加。
鳩山氏は
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
と呉氏の主張に同調した。

自由がなければ生きていても意味がない。
自由を求めるためには時として死ぬ覚悟で戦うことが重要だ。

<正論>台湾のレジスタンスを支える鍵
東京国際大学特命教授・村井友秀
2024/2/21 8:00
https://www.sankei.com/article/20240221-35UAIMQ6LRLV7J37VPKJD6SQZA/
台湾有事は隣接する沖縄の有事である。
日本の一地方である沖縄有事は日本有事である。
■台湾は中国か
中華帝国にとって台湾は長い間、中華文明の外(化外の地)であった。
沖縄の支配者が中国に朝貢を始める前の時代は、中国の東の海にある沖縄や台湾などの島々を中国は琉球と呼んでいた。
しかし、14世紀に沖縄が中国に朝貢を始めると、中国は中華文明に取り込んだ沖縄を大琉球、朝貢しない野蛮な
「蛮族」
が住む
「化外の地」
である台湾などの島々を小琉球と呼んだ。
その後、17世紀に清朝が台湾を占領し、原住民の言葉(タイオワン、ターヤン)に倣い
「台湾」
と表記されるようになった。
これが中国が主張する
「歴史的権利」
の背景である。
今でも中国人の世界観には、沖縄と台湾を一体化して考える思想がある。
■台湾は独立国か
2024年1月の台湾総統選挙で、かつて
「台湾独立の仕事人」
と自称していた頼清徳氏が新総統に選ばれた。
頼清徳氏は選挙直前のインタビューで中国共産党(中共)が主張する
「1つの中国」
を否定した。
頼清徳新総統が率いる台湾は独立の方向に動くのか。
国際法によれば、独立国家の成立要件は、
①国民
②領土
③統治能力を持つ政府の存在
と定義されている。
また、スターリンは独立国家の条件として、
①100万人以上の人口
②外国と国境を接している
③国名を冠する民族が過半数を占める
の3条件を主張していた。
台湾政府の統治下にある2300万人の人口は世界57位、台湾政府が排他的に統治する領土の面積は3万6000平方kmで世界138(ベルギーより大きい)、そして外国に支配されていない政府が存在する。
台湾は独立国たる条件を備えている。
しかし、台湾は中国の武力行使を恐れて独立を宣言しない。
他方、台湾が中国の一部ならば、台湾の独立運動は正統性のある中央政府に対する地方の反乱ということになり、中央政府が国家の統一を維持し主権を守るために地方の反乱を武力鎮圧することは国際法上問題がない。
また外国が地方の反乱に介入することは内政不干渉原則に反する国際法違反である(友好関係原則宣言)。
ただし、台湾が独立国家ならば、中国の台湾に対する攻撃は、国際法が禁止する独立国に対する侵略戦争になる。
ロシアのウクライナ侵略と同じである。
その場合は国際法によれば世界中の国が集団的自衛権によって、外国に侵略された台湾を軍事的に支援することができる。
■台湾の抵抗力
中共は台湾政府が独立宣言すれば台湾に武力行使すると言っている。
世論調査を見ると(台湾民主基金会、2022年)、中国が台湾統一のために武力侵攻した場合は72%の台湾住民が
「台湾を守るために戦う」
と回答した。
なお2021年の世論調査によれば、外国軍の侵略に対して戦うと答えた国民は中国が88%、米国が60%、日本は13%であった(World VaLues Survey)。
戦争は勝つか負けるか泥沼になるかである。
小国が大国と戦うと戦争の結果は、負けるか泥沼になるかである。
小国が大国に負けない唯一の戦略は、戦争を泥沼化し大国が戦争に倦み疲れるのを待つことだ。
米国のベトナム戦争を止めたのは、戦死者の増大と増税による反戦運動だった。
ただし戦争が泥沼化すれば戦争による犠牲は巨大になる。
大きな犠牲に耐えられなければ小国は大国に負ける。
中共は勝てると思えば戦争し、負けると思えば戦争しない合理的な政権である。
いくら米国政府や日本政府が台湾防衛に言及しても、中共は台湾防衛に米国や日本が血を流すとは考えない。
中国の台湾侵攻を抑止する最大の鍵は、大きな犠牲に耐える台湾人の覚悟である。
台湾人が
「中国の一部になるくらいなら死んだ方がましだ」
と考えるなら中共は戦争を躊躇するだろう。
台湾人が
「死ぬくらいなら中国の一部になる」
と考えるなら中共は台湾を攻撃するだろう。
今、中共は
「我に順(したが)う者は昌(さか)え、我に逆らう者は亡(ほろ)ぶ」
と言っている。
順えば金持ちになり、逆らえば死ぬ、という2つの選択肢で、死ぬ選択をする台湾人はいるだろうか。
米国独立の英雄であるパトリック・ヘンリーは
「我に自由を与えよ、然(しか)らずんば死を」
と言った。
死ぬ覚悟で自由を求める台湾人は少数だろう。
普通の人は自由がなくても生きることを選ぶ。
もし、台湾人が自由を選ぶとしたら、それは自由を選んでも死なないと感じた場合である。
即ち、戦争になっても台湾が勝つと思った時であろう。
中共が
「順我者昌、逆我者亡」
と言った時、台湾人が中国の宣伝に抵抗できるのは、中国に逆らっても亡びないという自信がある場合である。
台湾人の自信を支えるものは、中国軍の侵攻を阻止できる軍事バランスであり、米日の軍事的経済的支援は台湾人の覚悟を支える最大の柱である。

<主張>頼総統の就任 抑止力強化で台湾を守れ
社説
2024/5/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20240521-WBOUJ4CYDROKZPZ6XIENICAALY/
2024年1月の台湾総統選挙で当選した民主進歩党の頼清徳主席が総統に就任した。
頼氏は就任演説で、
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
との原則を表明し、中国の圧力に対して民主主義陣営と連携して防衛力を強化する姿勢を示した。
日本は頼政権を後押しし、台湾海峡の平和と安定を保っていくべきだ。
外交安全保障政策について、頼氏が蔡英文前総統の路線を踏襲するのは妥当だ。
頼政権の中核メンバーには蔡前政権の要人が多く登用された。
蔡前政権は中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させ、一部の台湾農産物の輸入を禁止するなど圧力を掛ける中、米国との連携を推進し、欧州諸国との関係も強めた。台湾の安保強化に努めた功績は大きい。
頼氏は行政院長(首相に相当)時代に
「私は台湾独立のための堅実な仕事人」
と述べたことがある。
だが、総統としては
「台湾独立」
を唱えず、現状維持を図ることで台湾の自由と民主主義、繁栄を守る姿勢だ。
国際社会には
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
へのコンセンサスがある。
頼氏は自信を持ち、同時に細心の注意を払って対中政策を進めるべきだ。
台湾併吞を狙う中国の習近平政権は先月、対中融和を掲げる台湾の最大野党、国民党の馬英九元総統を中国に招き厚遇した。
国民党への影響力を強め、内政に介入したいのだろう。
台湾周辺で中国軍は多数の艦船を航行させたり、軍用機を飛行させたりして威嚇している。
だが、力による一方的な現状変更は許されないし、成功しない。
台湾人は自由と民主を享受している。
香港の自由の圧殺を目の当たりにもした。
共産党統治を歓迎するはずがない。
頼氏は総統就任前、日台関係について
「私たちは同生共死(=共に生き共に死ぬ)だ」
「台湾有事は日本有事であり、日本有事は台湾有事である」
と語った。
対中抑止へ日本の協力を期待した発言だ。
中国の侵攻による台湾有事が日本有事と連動するのは、西側の安全保障関係者にとって常識である。
日台が対中抑止力を向上させれば互いの安全が高まる。
岸田文雄政権は防衛力の抜本的強化を進め、日台、日米台の安保対話に乗り出すべきだ。

「台湾の民意」踏まえた頼新総統の演説、中国に強い警戒感 小笠原欣幸・東京外大名誉教授
2024/5/21 0:13
https://www.sankei.com/article/20240521-EZL5FCEO3VIJHJNSXBHWBG6FYQ/
頼清徳新総統の就任演説は、蔡英文政権の路線を継承し、対中政策の
「現状維持」
を明言した一方、台湾を守る強い意思を感じさせた。
蔡氏の就任時は
「両岸(中台)」

「対岸」
などの表現を使ったが、頼氏は
「中国」
で通した。
中台が
「1つの中国」
原則を確認したと中国が主張する
「1992年合意」
にも全く言及せず、中国への警戒感が強く滲んだ。
台湾では蔡政権の8年間で
「台湾アイデンティティー」
が定着した。
2024年4月の世論調査で
「両岸は2つの異なる国家」
だとする人が76.1%に上った。
頼氏は演説で、
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」
とした。
8年前の蔡氏就任時には無かった言葉だ。
台湾の民意、対中認識を踏まえた演説だった。
一方で頼氏は新憲法制定など
「台湾独立」
には触れておらず、中国に不必要な刺激を与えることも避けた。
その上で強調した
「現状維持」
とは、
「民主の中華民国、台湾」
を守ることだろう。
蔡路線と同様に中国の圧力に屈しないとはっきり打ち出した。
中国はどのみち頼氏を批判するが、現状維持の台湾の民意を直視すべきだ。
総統選では若者票の多くが他党候補に流れ、立法院(国会に相当)で民進党は第1党を野党、中国国民党に奪われた。
演説で言及した経済の強化などの内政課題では、民進党が完勝した蔡氏の就任時に比べると抽象的な言い方にも聞こえた。
民進党の政権運営の苦しさが見えるような内容でもあったと感じる。
頼氏の就任直前、立法院で国民、民進両党委員の乱闘騒ぎがあった。
中国はこの対立を
「使える」
状況だと見ている。
野党多数の状況を通じ、中国に不利な法律の改正など、立法分野から頼政権を揺さぶる見通しを立てているだろう。
次の総統選に向け、中国は民進党政権への不信感を増長させる動きを見せるはずだが、
「台湾は中国ではない」
との民意が多数を占める以上、国民党も中国に過度な接近は難しい。
中台問題に関心が高くない若者への浸透工作などに頼政権がどう対処するのか、注目していく必要がある。
演説で日本には触れなかったものの、親日家の頼氏はこれまで自民党議員らと太いパイプもあった。
日本が出来る事と出来ない事を理解している。
頼政権の誕生は、民間交流などの拡大を通じ、相互の信頼関係を太くしていくという点で日本にとってプラスとなる。

米、台湾との「非公式関係」深め中国を抑止 トランプ前政権閣僚は「戦略的曖昧さ」を批判
2024/5/20 22:22
https://www.sankei.com/article/20240520-NOEW7ERLIRJMNEFM4AWUUK45SM/
台湾の頼清徳・新総統が2024年5月20日に就任したことを受け、ブリンケン米国務長官は米東部時間2024年5月19日、就任に祝意を伝えると共に
「長年の非公式な関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持していく」
とする声明を発表した。
バイデン政権は中国による台湾の武力統一を視野に、引き続き軍事支援の強化を通じて抑止力を高めていく構えだ。
■就任式に超党派代表団を派遣
ブリンケン氏は声明で、頼氏の就任に関し、
「台湾の人々が民主主義体制の強靭さを改めて示したことに祝意を表する」
とした。
その上で
「民主主義の価値に根差した米国人と台湾人のパートナーシップ」
を貿易、経済、文化などの各分野で拡大させると強調。
更に、蔡英文前総統が8年間に渡り米台関係を強化してきたと称えた。
米政府は就任式にアーミテージ元国務副長官ら超党派代表団を派遣。
中国の軍事的威圧が続く台湾を支える姿勢を強調する。
クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2024年4月30日、上院公聴会で
「中国は台湾の武力統一の選択肢を放棄せず、外交・情報・軍事・経済上の圧力を強めている」
と指摘。
「脅威に対処するため政権は広範囲な手段を使い中台間の抑止力強化に注力している」
と訴えた。
バイデン政権は
「台湾海峡の現状維持」
のため武器供与・売却の増強に加え日米同盟を軸にインド太平洋の同盟諸国との連携を駆使した抑止力向上を強調。
台湾、ウクライナ、イスラエル支援のための緊急予算も先月成立した。
■米国防予算は実質減
しかし、台湾侵攻に備える中国への抑止力低下の懸念が野党・共和党を中心とした超党派で高まっている。
中国の艦船建造や中距離ミサイル配備の加速で米中軍事バランスが急激に変化しているからだ。
米シンクタンク「ハドソン研究所」のウォルター・ラッセル・ミード氏は、中国など現状変更勢力への抑止力の衰退は
「米外交政策最大の問題」
と警告する。
専門家が懸念するのは、政権が2024年3月に要求した2025会計年度の国防予算だ。
前年度比約1%増で物価上昇分を差し引けば実質減。
米メディアによると、戦闘機やミサイルの購入や空母、潜水艦の発注に影響が出る。
2024年4月、議員辞職した共和党のギャラガー前下院中国特別委員会委員長は米外交誌への共同寄稿で
「政権は直ちに方針を変更すべきだ」
と訴えた。
また、ウクライナ支援の長期化に伴い米防衛産業の供給力が限界に達し、武器供与の速度や米軍の戦力維持の足枷になっている。
■軍事介入発言は火消し
バイデン大統領は過去4回、中国が台湾を攻撃する際に軍事介入すると公言したが、その度に高官は火消しに回り、米国の軍事的関与を曖昧にした。
バイデン政権は米中の緊張回避を目先の目標に据え、台湾関係法に基づく台湾支援と
「1つの中国」
政策の整合性を巡り、中国側の
「誤解の除去」(高官)
に神経を砕く。
習近平国家主席との対話路線を維持させたいバイデン大統領の意向が背景にあるのは明白だ。
一方、ポンペオ前国務長官ら共和党のトランプ前大統領に近い元高官や専門家は最近、バイデン政権の一貫性に欠く態度は抑止減退の一因と批判し、
「戦略的曖昧さ」
をやめて台湾への防衛意思を明確化するよう訴えている。

台湾の正副新総統が日本議員団と昼食会「関係強化は必然」 就任式などに各国から500人
2024/5/20 19:37
https://www.sankei.com/article/20240520-Y67ONDSKS5NLLLR3RPSKTSNQ5I/
台湾の外交部(外務省に相当)によると、頼清徳総統の就任式と関連行事には、台湾と外交関係を持つ12カ国の他、日米や英国、カナダ、欧州連合(EU)欧州議会など海外から51団体の500人超が参加した。
日本からは、超党派の議員連盟
「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)
の国会議員31人が訪台し、総統就任式への出席としては過去最大規模となった。
日本の訪問団だけを対象にした頼清徳総統、蕭美琴副総統との昼食会も開催された。
台北市内で記者会見した古屋氏は
「古き友人が総統と副総統になって頂いたので、これから更に日台関係の絆を強めていけると実感した」
と述べた。
昼食会では頼氏から
「日台関係の更なる強化は必然だ」
との趣旨の発言があった。
また、台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入に向けた支援を要請されたという。

政府、台湾の頼清徳新総統とも関係強化 台湾承認国との外交も重視
2024/5/20 17:22
https://www.sankei.com/article/20240520-LKB6PHHWFRKRDJG5IGWMZS4RHY/
政府は2024年5月20日に就任した頼清徳新総統の下でも台湾との関係を強化していく考えだ。
外交関係がない日台の枠組みは
「非政府間の実務関係」
だが、政府は台湾を承認する国々と法の支配や自由で開かれた国際秩序の重要性を再確認し、中国から承認国の切り崩しや軍事的圧力を受ける台湾を間接的に支援する構えだ。
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、頼氏に祝意を示した上で
「台湾は、基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人だ」
と述べ、日台間の協力と交流を深化させていく考えを表明した。
日台に外交関係がないことから2024年5月20日の総統就任式典に日本政府関係者は出席しなかったが、超党派議員連盟
「日華議員懇談会」(会長、古屋圭司衆院議員=自民党)
から過去最大規模となる31人が参加した。
古屋氏は就任式に先立ち、
「法の支配や民主主義という共通の価値観を持った国々が連携して、中国を牽制していくことが極めて重要だ」
と語った。
台湾を承認する国は現在12カ国に減り、特に近年は中南米で台湾と断交し中国と国交を樹立する国が相次いでいる。
政府内には
「台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境に悪影響を及ぼす」(外務省幹部)
との認識がある。
こうした観点から政府は台湾と公式な関係を維持している国々との外交を重視している。
岸田文雄首相は2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問。
ペニャ大統領との会談で、中国が一方的な現状変更を試みる東アジア情勢を巡って意見交換し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け協力する方針で一致した。
2024年5月22日には上川陽子外相が、台湾承認国の中で最大の人口、経済規模を有するグアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談し、民主主義や法の支配などの価値観、原則の重要性を確認する方向だ。

中国との対話探るも「前提」認めず 国民党の対中接近に警戒
台湾・頼清徳政権の行方(上)
2024/5/20 16:54
https://www.sankei.com/article/20240520-MWINWGWGC5JVLDRUIAWCGERGOM/
2024年5月20日に総統の就任式が行われ、4年間の台湾の舵取りを託された頼清徳政権の行方を占う。
■人事にも柔軟姿勢
「相互尊重の原則を基に、前提を設けずに中国と対話することを排除しない」
総統の就任式を約1週間後に控えた台湾の頼清徳氏は2024年5月14日、デンマークで開かれた
「コペンハーゲン民主主義サミット」
にビデオメッセージを寄せ、
「中国との対話の可能性」
について改めて強調した。
若い頃から台湾独立運動に参加し、対中強硬派と言われる頼氏だが、2024年1月の総統選で当選した後は中国との対話に繰り返し意欲を示し、柔軟な姿勢を見せている。
それは新政権人事にも見られた。
台湾の対中交渉窓口機関である
「海峡交流基金会」
の新しいトップに、有力政治家の鄭文燦(てい・ぶんさん)前行政院副院長(副首相に相当)が任命された。
サプライズ人事とされた。
同基金会は李登輝総統時代の1990年に発足した半官半民の団体で、初代理事長は李氏の側近で大物財界人の辜振甫(こ・しんぽ)氏が務めた。
しかし、蔡英文前政権下では官民いずれのルートでも対中対話が途絶え、基金会の存在価値が薄れた。
トップの理事長職には近年、学者や元官僚ら政治への影響力が小さい人物を充てることが大半だった。
将来の総統候補と言われる実力者の鄭氏を、閑職とされてきた基金会の理事長に起用した。
中国との当局間対話が難しい中で、基金会を通じて民間交流を活発化させ、鄭氏の突破力で中国との関係を改善したい-。
こんな頼氏の意図が見え隠れする。
「鄭氏と中国側の交渉を通じ、中台のトップ会談を実現させたい」
と、頼氏の意図を証言する与党・民主進歩党の関係者もいる。
■民進党も対立望まず
頼氏が中国との関係改善を急ぐのには理由がある。
中国の習近平政権は最近、台湾の最大野党・中国国民党と急接近している。
中国は2024年4月上旬に国民党の馬英九元総統の訪中を受け入れ、習国家主席との会談も行われた。
2024年4月下旬には、立法院(国会)の国民党トップである傅崐萁(ふ・こんき)氏が率いる17人の同党議員団の訪中を受け入れた。
その際、中国側は2024年4月初めに発生した台湾東部沖地震での物資支援や、中国人観光客の台湾訪問について一部規制の緩和を発表し、国民党に花を持たせた。
中国の官製メディアと国民党は最近、
「台湾海峡に平和をもたらすのは国民党だ」
という宣伝を揃って始めている。
このイメージが定着すれば頼政権の求心力に大きな影響を与えかねない。
頼氏が
「中国との対話を始めたい」
と繰り返し強調するのは、
「民進党も中国との対立を望んでいない」
と内外にアピールする狙いからだ。
一方で頼氏は中台対話について、必ず
「前提条件なし」
とも強調している。
中国は、1992年に中台窓口機関の担当者が
「(中台は一体だとする)1つの中国」
原則を確認したとされる
「92年コンセンサス(合意)」
の受け入れを民進党との対話の前提条件にし、蔡前政権との対話を拒否してきた。
頼氏は蔡氏と同様
「92年合意」
の存在そのものを認めていない。
頼氏は総統選の期間中、
「92年合意の道を歩めば台湾は香港になってしまう」
と述べ、同合意を受け入れる国民党を批判したことがある。
頼氏に近い民進党幹部は
「台湾海峡が今後どうなるかについては、あらゆる可能性がある」
「戦争に備えつつも、対話の可能性を懸命に探っていくことが私たちの基本的な立場だ」
と話している。

台湾の頼総統、中国に軍事威嚇の停止呼びかけ 「世界平和への挑戦」
2024/5/20 13:35
https://www.sankei.com/article/20240520-Z4FHPITLSNIURJHQVZWWCOUNFU/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)は2024年5月20日、台北市内で行った就任演説で、ウクライナ戦争やパレスチナ自治区ガザでの戦闘などが全世界に衝撃を与え続けていると言及した上で
「中国の軍事行動や(武力攻撃に至らない)グレーゾーン事態を利用した脅迫もまた、世界の平和と安定に対する最大の戦略的な挑戦とみなされている」
と指摘した。
中国の習近平政権が台湾に対して強めている統一圧力を牽制した形だ。
頼氏は演説で
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
としつつ、
「平和こそが唯一の選択肢だ」
と強調。
中台関係を巡り、新政権は
「高慢にも卑屈にもならず、現状を維持する」
と表明した。
更に中国に対しては
「台湾に対する武力の威嚇や言論での攻撃」
を停止し、
「台湾と共に世界的な責任を引き受け、台湾海峡と地域における平和と安定の維持に力を尽くす」
よう呼び掛けた。
「台湾海峡の平和」

「共存共栄」
が中台の共同目標になるべきだとの考えも示した。
「対等と尊厳の原則の下、(中台の)対話が対抗に取って代わるべきだ」
と述べ、
「一つの中国」
原則を認めない民主進歩党政権との対話を拒否してきた中国の習政権に対し、対話を求めた。
一方、頼氏は
「我々は平和の理想を追求するが、幻想を抱くことはできない」
と指摘。
「中国が台湾への武力侵攻を放棄していない状況」
において、
「たとえ中国側の主張を全面的に受け入れ、(台湾の)主権を放棄しても、中国が台湾を併呑する企ては消失しない」
と強調した。
その上で頼氏は
「中国からの様々な威嚇や浸透工作」
に対処するため、国防力を強化し、経済安全保障を構築して、
「世界の民主主義国家」
との連携を進める考えを示した。

林官房長官、台湾の頼新総統就任に「日台の友情の深まりに期待」
2024/5/20 13:02
https://www.sankei.com/article/20240520-6LV2ENJ2ARJO7MLZI24WYDTJ6I/
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、台湾の民主進歩党の頼清徳(らい・せいとく)主席が新総統に就任したことについて
「祝意を表したい」
「頼氏の下で日台の友情の更なる深まりに期待する」
と述べた。
林氏は
「台湾は我が国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人だ」
と指摘。
2024年1月の能登半島地震での台湾からの支援などを踏まえ、
「温かいご支援に改めて感謝の意を表すると共に、2024年4月の台湾東部沖地震からの1日も早い復興を願っている」
と強調した。

上川陽子氏、頼清徳新総統の就任直後に最大の台湾承認国グアテマラと外相会談へ
2024/5/20 12:48
https://www.sankei.com/article/20240520-WEJ2HA3VNJJPHPKU5O5PKULRDU/
上川陽子外相は2024年5月22日、中米グアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談する。
グアテマラは台湾と外交関係がある12カ国の中で人口と経済の規模が最大で、民主主義や法の支配など基本的価値観を日本と共有している。
上川氏は会談で、台湾の国際社会での存在感の維持というテーマも念頭に置きつつ、グアテマラとの関係強化を確認する考えだ。
マルティネス氏は台湾の頼清徳総統の就任式に出席するなど、一連の訪台日程を終えた後、2024年5月22日に来日する。
中南米では近年、パナマやホンジュラスをはじめ、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ国が相次いでおり、中国はグアテマラに対しても
「国家と国民の利益に適う正しい決断を出来るだけ早く行うことを希望する」(中国外務省の汪文斌報道官)
と、中国を国交を樹立するよう促している。
グアテマラは台湾承認国12カ国の人口、経済の約半分の規模を占めており、仮に台湾と断交すれば、台湾は
「国際的プレゼンスが半分になってしまう」(外務省幹部)
との見方がある。
台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境にも影響しかねず、日本としてはこうした観点からも、グアテマラを重視している。
岸田文雄首相が2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問し、ペニャ大統領と東アジア情勢を巡り、力による一方的な現状変更の試みは許されないと確認したのも外交上、同じ文脈にある。

台湾総統に頼清徳氏が就任 蔡英文路線を継承、対中「平和追求」表明へ
2024/5/20 10:39
https://www.sankei.com/article/20240520-TZTK67TOFVP2JN7BJ453DU6PJY/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)が2024年5月20日、台北市内で総統就任式に臨み、頼政権が正式にスタートした。
中国の習近平政権は頼氏を
「台湾独立派」
と見做して警戒するが、台湾の主流世論は蔡英文前政権の現状維持路線を支持しており、頼政権もこれを継承する構えだ。
頼氏は就任演説で、対中関係を巡り
「高慢にも卑屈にもならずに現状を維持する」
との立場を表明し、中国と共に
「平和と共栄」
を追求する姿勢を強調する。
頼氏は総統府大ホールで行われた就任式で、
「国父」
とされる孫文の肖像画を前に第16代総統として宣誓。
続いて蕭美琴(しょう・びきん)副総統(52)も宣誓した。
中台統一を政治的悲願とする中国の習政権は台湾への圧力を強めており武力行使の選択肢も排除していない。
頼政権は
「現状維持」
に向けて、中国の軍事的威圧を含む統一圧力にどう対処するかが重要な課題となる。
頼氏は演説で、蔡氏が主張した
「台湾と中国は互いに隷属しない」
とする立場の継承を表明。
台湾の防衛力向上や経済安全保障の強化、日米など民主主義諸国との協力の緊密化にも言及する。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/417.html#c27

[政治・選挙・NHK294] 典型的スピンのつばさの党騒動(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
9. 秘密のアッコちゃん[350] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月23日 22:18:00 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[463]
<■910行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
【詳しく】中国軍 台湾周辺海域で軍事演習“頼政権への圧力”
2024年5月23日 20時07分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240523/k10014457961000.html
中国軍は23日から2日間、台湾や台湾の離島の周辺で軍事演習を開始したと発表しました。
台湾の頼清徳総統は20日の就任演説で
「台湾は中国の一部だ」
とする中国の主張を否定していました。
今回の演習について、中国外務省の報道官は
「台湾独立を求める勢力は中国の完全な統一という歴史の流れの前に酷い目に遭うだろう」
と述べ
「1つの中国」
の原則を認めない台湾の頼清徳政権を強い言葉で非難しました。
■中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権へ圧力強化
中国軍で台湾を含む東シナ海などを管轄する東部戦区は日本時間の23日午前8時45分から台湾の北部と南部、それに東部の、台湾をほぼ取り囲む海域や、台湾の離島の金門島などの周辺で軍事演習を開始したと発表しました。
東部戦区によりますと、軍事演習は24日までの2日間行われます。
演習の内容については、日本時間の23日 午後5時時点の発表で、海や陸への攻撃や潜水艦に対応する訓練などを続けると共に、部隊が連携して攻撃する実戦的な能力を検証するとしています。
■中国外務省 報道官「台湾独立を求める勢力は酷い目に」
中国外務省の汪文斌報道官は23日の記者会見で、台湾周辺で中国軍が始めた軍事演習について国際法や国際的な慣行に則ったものだとした上で
「国家主権と領土の一体性を守る中国人民の決意は揺るぎない」
「台湾独立を求める勢力は中国の完全な統一という歴史の流れの前に酷い目に遭うだろう」
と述べ、
「1つの中国」
の原則を認めない台湾の頼清徳政権を非難しました。
その上で
「アメリカに対し、台湾独立勢力を容認し、中国の内政に干渉することをやめるよう求める」
「国家主権と領土の一体性に危害を加える如何なる行為も中国の強力な反撃に遭うだろう」
と述べ、台湾への武器支援などを続けるアメリカを名指しで牽制しました。
更に
「台湾独立勢力が波風を立てる度に、中国と国際社会は『1つの中国』の原則を守る力を強めていく」
と述べ、今後も台湾への圧力を強めていく可能性を示唆しました。
◇台湾 頼総統 20日の就任演説の発言は
■台湾 頼清徳 総統
今月20日の就任演説で、頼総統は
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」
などと述べ
「台湾は中国の一部だ」
とする中国の主張を否定していて、中国はこれに反発すると共に、頼政権への軍事的な圧力を強めています。
■中国軍“軍事演習を行う範囲の地図”SNSで発表
中国軍はSNSで軍事演習を行う範囲だとする地図を発表しました。
地図には台湾本島を取り囲むように赤い太い線で囲んだ区域が5つ示されています。
また、中国大陸に近接した台湾の離島の金門島や馬祖島などの周辺は、矢印の付いた赤い点線で囲まれています。
■中国軍“午前の軍事演習の現場”映像投稿
中国中央テレビが放送
中国軍の東部戦区は中国のSNSに
「今日午前の軍事演習の現場」
だとして映像を投稿しました。
1分余りの映像には、中国軍の艦船が海上を航行したり船内で乗組員が慌ただしく移動したりする様子や戦闘機にパイロットが乗り込む様子などが写っています。
ただ、撮影された詳しい場所や時間などは明らかにしていません。
この映像について国営の中国中央テレビも日本時間の23日午後1時過ぎ、軍の軍事演習を伝えるニュースで放送しました。
中国中央テレビは複数の艦船が編隊を組み台湾本島周辺の海域に向かったほか、数十機の戦闘機が出動し予定の空域に向かったなどと伝えています。
■台湾 海巡署が中国軍艦艇の画像公開
台湾の沿岸警備を担当する海巡署は、台湾の離島に近い海域で撮影したとする中国軍のフリゲート艦の映像と写真を公開しました。
日本時間の23日 午後1時過ぎ、東シナ海にある離島、彭佳嶼の北西の沖およそ44キロ付近を航行していた台湾の巡視船から撮影したということです。
巡視船が退去を求め、フリゲート艦はすでに進路を変えて台湾側の水域から離れたということです。
■中国軍直属の専門家「民進党当局への打撃となる」
中国国営の中央テレビは、今回の軍事演習の狙いについて、軍直属の国防大学の専門家の分析を伝えました。
このうち、台湾本島の北部周辺での演習については
「台北にある政治と軍事の重要目標に対する威嚇だけでなく、民進党当局への打撃となる」
としています。
また、南部周辺での演習については、与党・民進党の支持者が南部に多いとされていることを念頭に
「『台湾独立』勢力の本拠地に政治的に大きな痛手を与えられる」
と指摘しています。
その上で台湾南部には貿易などで重要な高雄港があり、台湾の経済や貿易に打撃を与えることもできるなどとしています。
そして、東部周辺での演習については、太平洋に面していることから
「台湾のエネルギー輸入の生命線や『台湾独立』勢力が海外に逃亡するルート、それに、アメリカなどによる支援ルートを絶つ上で重要だ」
としています。
《台湾側 反応》
■台湾 頼総統が海軍陸戦隊の部隊を激励
3日前に就任したばかりの台湾の頼清徳総統は23日、海兵隊にあたる海軍陸戦隊の部隊を訪問して、激励しました。
頼総統が訪問したのは、台湾北部の桃園に駐屯する海軍陸戦隊の部隊です。
この部隊は、総統府などがある台北やその周辺地域の防衛を担当しています。
頼総統はまず、台湾が自主開発した無人機や対戦車ロケットなどの装備の性能などについて説明を受けました。
3日前に就任した頼総統が軍の部隊を視察するのは初めてで、訓示では、自らそのことに触れながら
「私は軍を信じているし、諸君1人1人が持ち場をしっかりと守り、国の安全を守っていることに感謝する」
「国民の皆さんにも安心してほしい」
と、隊員らを激励しました。
今回の訪問は、中国軍が台湾周辺での軍事演習の開始を発表する前から予定されていて、演習について直接には言及しませんでしたが
「国際社会は、民主主義の台湾に非常に注目している」
「外からの挑戦と脅威に直面しながらも、我々は自由と民主主義の価値、地域の平和と安定を守り続ける」
と述べました。
■台湾国防部「理性がない挑発」遺憾の意を表明
中国側の発表について、台湾国防部は
「理性がない挑発、地域の平和と安定を破壊する行動だ」
として
「遺憾」
の意を示しました。
更に
「口実を設けて軍事演習を行うことは、台湾海峡の平和と安定に役立たない上、横暴な本質をはっきりと浮かび上がらせている」
と中国軍を非難しました。
■台湾 総統府「一方的な軍事挑発は遺憾」
台湾の総統府の報道官もコメントを発表しました。
「中国が一方的に軍事挑発を行い、台湾の民主主義と自由、及び地域の平和で安定した現状を脅かすのを目にするのは遺憾だ」
「地域の平和と安定の維持は台湾海峡両岸の共通の責任と目標であるというのが総統府の一貫した立場だ」
としています。
また、台湾の市民に対しては
「国家安全チームと軍は、演習の状況を全面的に把握している」
「安心してほしい」
と呼び掛けました。
■台北市民「攻めてくることはない」
中国軍の演習発表があったのは、ちょうど台湾の朝の通勤時間帯でしたが、台北市内のオフィス街は人も車もいつも通り通行していて、普段の平日と変わった様子はありませんでした。
中国軍の発表について、44歳の女性は
「演習をしたければすればいいですよ」
「本当に攻めてくることはないでしょう」
と話していました。
26歳の男性は
「一種のデモンストレーションだと思います」
「私たち一般人はいつも通り出勤するだけで、全体的には大きな影響はないでしょう」
と話していました。
《日本の反応》
■林官房長官「推移注視し外交努力続ける」
林官房長官は23日 午後の記者会見で
「関連の動静について政府として強い関心を持って注視しており、中国側には我が国の懸念を伝達した」
「台湾を巡る問題が対話により平和的に解決されることを期待する」
と述べました。
その上で
「台湾海峡の平和と安定の重要性を中国側に直接しっかりと伝え、アメリカをはじめとする同盟国や同志国と緊密に連携しながら、各国共通の立場として明確に発信することが重要だ」
「両岸関係の推移をしっかりと注視し外交努力を続けていく」
と述べました。
■沖縄県 玉城知事「情報収集し状況を注視していきたい」
沖縄県の玉城知事は23日午前11時ごろ、県庁でNHKの取材に応じ
「台湾の頼総統の就任式に合わせて中国が演習に出たのではないかと思うが、情報収集に当たり、状況を注視していきたい」
と述べました。
■沖縄 石垣島住民「平和であってほしい」
中国軍の演習について、台湾からおよそ270キロの距離にある沖縄県の石垣島では
「話し合いで解決してほしい」
とか
「平和であってほしい」
などと、これ以上、緊張が高まらないことを願う声が相次いで聞かれました。
60代の地元の男性は
「解決するのは難しいかもしれないが、仲良く、平和であってほしいと思う」
「争い事をなくして1日1日、平和を続けてほしい」
と話していました。
両親が台湾出身の60代の男性は
「中国はプライドもあり脅かしてやろうと演習をしたのだと思うし、台湾の人に聞いてもみんな“台湾有事”が起きることはあり得ないと思っている」
「お互いがどこかで妥協することが大事で、話し合いで解決し、戦争が起きないことが一番です」
と話していました。
■軍事専門家「台湾独立の動きと捉え“懲罰”と強い表現」
笹川平和財団 小原凡司 上席フェロー
今回の台湾周辺での軍事演習について中国の軍事情勢に詳しい笹川平和財団の小原凡司上席フェローは
「頼総統の就任演説での中国と台湾、あたかも2国が存在するというような表現に対する反応だ」
「台湾独立の動きだと捉えて懲罰だと強い表現を使っている」
と述べました。
そして今回の軍事演習の狙いについては
「中国軍が、台湾を封鎖する海上封鎖・航空封鎖を行える能力を誇示するものだ」
と分析しました。
また、これに先だって、中国軍が訓練を行っていたとした上で
「ある程度、準備ができたところで大規模な演習として開始したところを見ると、突然こういった演習を開始して、より相手に対する圧力を強める効果も狙ったのではないか」
と述べました。
そして
「東部戦区の発表によれば実弾演習などを伴わない、複雑な演習ではないということになっている」
「中国としては台湾に対する懲罰は見せなければならないということと、アメリカや日本との緊張を過度に高めたくないという思いもあるように見受けられる」
と述べ、今後の軍事演習の動向を慎重に見極める必要があると指摘しました。
《中国軍 台湾周辺での過去の演習》
■米ペロシ下院議長が台湾訪問(2022年8月)
【2022年8月】
当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことへの対抗措置として、中国軍は、台湾を取り囲むように合わせて6か所の海域と空域で軍事演習を行いました。
この演習は当初の日程から延長され、7日間に渡って続きました。
この演習では、中国軍が発射した弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下し、日本政府が中国に抗議しました。
また、ペロシ氏の台湾訪問の後、中国軍機が台湾海峡の
「中間線」
を越えて台湾側の空域に入る飛行を常態化させるなど、中国は台湾に対する軍事的な圧力を強めました。
■台湾 蔡英文総統が米下院議長と会談(2023年4月)
【2023年4月】
いずれも当時の台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長が会談した対抗措置として、中国軍は台湾周辺で3日間に渡って、パトロールと軍事演習を行いました。
この演習には、中国軍では2隻目で、国産としては初めての空母「山東」も参加して空母から艦載機が飛び立つとする映像などが公開されました。
■台湾 頼清徳 副総統が米訪問(2023年8月)
【2023年8月】
今の頼清徳総統が副総統として南米のパラグアイを訪問した際、アメリカを経由したのに合わせて台湾周辺でパトロールと軍事演習を行いました。
中国軍は、この時の演習の日程については当日、1日だけ発表しています。
この他、中国は、アメリカの議員団の台湾訪問への対抗措置だとして台湾周辺で軍事演習を行うなど、台湾への軍事的圧力を強めています。

日本の民衆が火の中に…「事実に基づいている」 中国報道官が駐日大使の発言を正当化
2024/5/23 21:01
https://www.sankei.com/article/20240523-7JJYFYTOYJIKJL7M5ZHUS7TODA/
中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に連れ込まれる」
と発言したことについて、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は23日の記者会見で
「事実に基づいており、道理は正しく言葉は厳格で、完全に正当で必要なものだ」
と述べた。
呉氏の発言が正当だと主張した形だ。
汪氏は
「最近、日本の一部の人々の間で台湾問題に関してマイナスの動きがしばしば出ており、『台湾有事は日本有事』という出鱈目で危険な論調を騒ぎ立て続けている」
との認識を示した。
台湾問題について、汪氏は
「中国の核心的利益の中の核心で、中日関係の政治基礎に関わり、越えてはならないレッドラインだ」
と主張。
「もし誰かが中国の内政に干渉し、中国統一を妨害すれば、必ず重い代価を払うことになるだろう」
と強調した。

【速報中】中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権への圧力
2024年5月23日 14時20分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240523/k10014457961000.html
中国軍は2024年5月23日午前、台湾や台湾の離島の周辺で軍事演習を開始したと発表しました。
台湾の頼清徳総統は2024年5月20日の就任演説で
「台湾は中国の一部だ」
とする中国の主張を否定していて、中国軍は
「『台湾独立』の分裂勢力が独立を企てる行為に対する強力な戒めだ」
として、頼政権への圧力を強めています。
目次
中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権へ圧力強化
中国軍“軍事演習を行う範囲の地図”SNSで発表
【詳しくはこちら】1からわかる!台湾と中国の関係は?
■中国軍 台湾周辺海域で軍事演習開始 頼政権へ圧力強化
中国軍で台湾を含む東シナ海などを管轄する東部戦区は日本時間の2024年5月23日午前8時45分から台湾の北部と南部、それに東部の台湾をほぼ取り囲む海域などや、台湾の離島の金門島などの周辺で軍事演習を開始したと発表しました。
東部戦区によりますと、軍事演習は2024年5月23日と2024年5月24日の2日間行われ、陸海空軍とロケット軍などがパトロールを行う他、合同で作戦の実行能力を検証するとしています。
東部戦区の報道官は
「これは『台湾独立』の分裂勢力が独立を企てる行為に対する強力な戒めであり、外部勢力による干渉への厳重な警告だ」
としています。
これに加えて、中国海警局は2024年5月23日、台湾の対岸にある福建省に近い台湾の2つの離島周辺海域で総合的な訓練を行い、パトロールや緊急対応能力を検証すると発表しました。
中国軍は2022年8月、当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問した後、台湾を取り囲むように軍事演習を行いました。
また、2023年4月に台湾の蔡英文前総統がアメリカに滞在した際や、2023年8月に今の頼清徳総統が副総統として南米訪問でアメリカに立ち寄った際などにも繰り返し台湾周辺での演習を発表してきました。
■台湾 頼清徳 総統
2024年5月20日の就任演説で、頼総統は
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」
などと述べ
「台湾は中国の一部だ」
とする中国の主張を否定していて、中国はこれに反発すると共に、頼政権への軍事的な圧力を強めています。
■中国軍“軍事演習を行う範囲の地図”SNSで発表
中国軍はSNSで軍事演習を行う範囲だとする地図を発表しました。
地図には台湾本島を取り囲むように赤い太い線で囲んだ区域が5つ示されています。
また、中国大陸に近接した台湾の離島の金門島や馬祖島などの周辺は、矢印の付いた赤い点線で囲まれています。
■台湾国防部「理性がない挑発」遺憾の意を表明
中国側の発表について、台湾国防部は
「理性がない挑発、地域の平和と安定を破壊する行動だ」
として
「遺憾」
の意を示しました。
更に
「口実を設けて軍事演習を行うことは、台湾海峡の平和と安定に役立たない上、横暴な本質をはっきりと浮かび上がらせている」
と中国軍を非難しました。
■台湾 総統府「一方的な軍事挑発は遺憾」
台湾の総統府の報道官もコメントを発表しました。
「中国が一方的に軍事挑発を行い、台湾の民主主義と自由、及び地域の平和で安定した現状を脅かすのを目にするのは遺憾だ」
「地域の平和と安定の維持は台湾海峡両岸の共通の責任と目標であるというのが総統府の一貫した立場だ」
としています。
また、台湾の市民に対しては
「国家安全チームと軍は、演習の状況を全面的に把握している」
「安心してほしい」
と呼び掛けました。
■台北市民「攻めてくることはない」
中国軍の演習発表があったのは、ちょうど台湾の朝の通勤時間帯でしたが、台北市内のオフィス街は人も車もいつも通り通行していて、普段の平日と変わった様子はありませんでした。
中国軍の発表について、44歳の女性は
「演習をしたければすればいいですよ」
「本当に攻めてくることはないでしょう」
と話していました。
26歳の男性は
「一種のデモンストレーションだと思います」
「私たち一般人はいつも通り出勤するだけで、全体的には大きな影響はないでしょう」
と話していました。
《日本の反応》
■林官房長官「推移注視し外交努力続ける」
林官房長官は午前の記者会見で
「台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要であり、引き続き中国側に直接しっかり伝えると共に、アメリカをはじめとする同盟国や同志国と緊密に連携しながら、各国共通の立場として明確に発信していく」
「両岸関係の推移をしっかり注視し、外交努力を続けていく」
と述べました。
■沖縄県 玉城知事「情報収集し状況を注視していきたい」
沖縄県の玉城知事は2024年5月23日午前11時頃、県庁でNHKの取材に応じ
「台湾の頼総統の就任式に合わせて中国が演習に出たのではないかと思うが、情報収集に当たり、状況を注視していきたい」
と述べました。
《中国軍 台湾周辺での過去の演習》
■米ペロシ下院議長が台湾訪問(2022年8月)
【2022年8月】
当時のアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことへの対抗措置として、中国軍は、台湾を取り囲むようにあわせて6か所の海域と空域で軍事演習を行いました。
この演習は当初の日程から延長され、7日間に渡って続きました。
この演習では、中国軍が発射した弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下し、日本政府が中国に抗議しました。
また、ペロシ氏の台湾訪問の後、中国軍機が台湾海峡の
「中間線」
を越えて台湾側の空域に入る飛行を常態化させるなど、中国は台湾に対する軍事的な圧力を強めました。
■台湾 蔡英文総統が米下院議長と会談(2023年4月)
【2023年4月】
いずれも当時の台湾の蔡英文総統とアメリカのマッカーシー下院議長が会談した対抗措置として、中国軍は台湾周辺で3日間に渡って、パトロールと軍事演習を行いました。
この演習には、中国軍では2隻目で、国産としては初めての空母「山東」も参加して空母から艦載機が飛び立つとする映像などが公開されました。
■台湾 頼清徳 副総統が米訪問(2023年8月)
【2023年8月】
今の頼清徳総統が副総統として南米のパラグアイを訪問した際、アメリカを経由したのにあわせて台湾周辺でパトロールと軍事演習を行いました。
中国軍は、この時の演習の日程については当日、1日だけ発表しています。
この他、中国は、アメリカの議員団の台湾訪問への対抗措置だとして台湾周辺で軍事演習を行うなど、台湾への軍事的圧力を強めています。
【動画】台北支局 逵健雄支局長に聞く 状況は?

台湾の国防部「非理性的な挑発」と反発 中国の軍事演習開始で談話
2024/5/23 13:33
https://www.sankei.com/article/20240523-3XNOMCSI4RJTLABP2Z3WXYY2YQ/
台湾の国防部(国防省に相当)は2024年5月23日、中国軍の東部戦区が台湾周辺などで軍事演習を始めたことを受けて談話を発表し、
「非理性的な挑発であり、地域の平和と安定を破壊する行動だ」
と反発した。
国防部は、陸海空軍によって対処するとし
「実際の行動で自由と民主主義、主権を守る」
と表明した。
国防部は、中国軍が
「近年、軍用機や軍艦を継続的に派遣させて攪乱させている」
と指摘し、
「世界の平和と安定を実質的に侵害している」
と批判した。

中国軍が台湾取り囲み軍事演習を開始 頼清徳氏の総統就任を受け軍事圧力、24日まで
2024/5/23 10:05
https://www.sankei.com/article/20240523-YVZRA5NVZVJUBDYZ4J5Z6BJUGI/
中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2024年5月23日、台湾を取り囲んで軍事演習を同日開始したと発表した。
演習は2024年5月24日まで続ける。
中国が
「台湾独立」
派と見做す台湾の民主進歩党の頼清徳氏が2024年5月20日に総統に就任したことを受けて軍事的圧力を強めた。
東部戦区の発表によると、演習は2024年5月23日午前7時45分(日本時間8時45分)に開始した。
台湾本島の北部や南部、東部の他、台湾海峡、中国大陸近くに位置する台湾の離島である金門島や馬祖島の周辺などを演習地域としている。
東部戦区の報道官は、演習について
「『台湾独立』の分裂勢力による独立を画策する行為への力強い懲戒であり、外部勢力の干渉や挑発に対する重大な警告だ」
と表明した。
中国は、頼政権への非難や圧力を増している。
王毅共産党政治局員兼外相は2024年5月21日、
「頼清徳の類いの民族と祖先に背く恥ずべき行為は誰も相手にしない」
と頼氏を名指しで非難した。
台湾を支援する米国にも反発している。
中国外務省は2024年5月22日、台湾への武器売却などを理由に米国の防衛関連企業12社と幹部ら10人に制裁を科すと発表。
中国政府は3日連続で対米制裁を打ち出している。
中国軍は2022年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台した際、台湾を包囲する形で大規模な軍事演習を実施。
2023年4月にも、台湾の蔡英文総統(当時)が訪米してマッカーシー米下院議長(当時)と会談したことに対する報復措置として軍事演習を行った。

中国にこびる鳩山由紀夫元首相の危険性
阿比留瑠比の極言御免
2024/5/23 1:00
https://www.sankei.com/article/20240523-MXFTPPAZFBMEBODEISMKNGLJXQ/
民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫氏の言動はバカバカしくて取り上げたくはないのだが、余りに有害で危険なので記録に残しておく。
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日に開いた座談会で、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担した場合についてこう警告した。
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
日本の一般国民に攻撃を加え、焼き殺すと言わんばかりの恫喝である。
当たり前の政治家であれば、直ちに厳しく反論すべき場面だが、社民党の福島瑞穂党首らと共にその場にいた鳩山氏は、反対に呉氏に同調したという。
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
これは、昭和47(1972)年の日中共同声明を意識した言葉だろうが正確ではなく、より中国に媚びた内容となっている。
日中共同声明は台湾が中国の不可分の一部であると
「表明」
する中国の
「立場」
について、日本は十分理解し、尊重する旨を述べているだけである。
鳩山氏は日本政府が中国と合意し、長年堅持してきた見解を飛び越え、勝手に
「台湾は中国の不可分の一部」
だと明言してしまっている。
■「領有問題」の前科
また、鳩山氏には中国への対応を巡り、”前科”がある。
現職の首相時代の平成22(2010)年5月の全国知事会議に出席した鳩山氏は、日本政府が、
「日本固有の領土であり、中国との間に解決しなければならない領有権問題は存在しない」
との立場を取る尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、こんな発言をした。
「米国は帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して、結論を見い出してもらいたいということだと理解している」
日本政府が、存在しないと主張してきた領有権問題の存在を認めた上で、これから中国との交渉のテーブルに着くかのような発言であり、中国の
「領有権問題の存在を認めろ」
という要求に擦り寄っている。
その前年の平成21(2009)年には自民党の麻生太郎政権が米オバマ政権から
「尖閣諸島に日米安保条約は適用される」
との確認を取っていた。
その安保条約の当事者である米国は第3者扱いである。
「こんなバカを言う首相がいるのか」
「バカな会合だ」
「ナンセンス!」
懐疑に出席していた石原慎太郎都知事は記者団にこう憤然と言い棄て、会議を途中退席したほどだった。
「日本列島は日本人だけの所有物ではない」
「国というものが何だかよく分からない」
こんな言葉も残している鳩山氏は、領土的野心を隠さない中国を、日本に招き入れかねない。
■怒るべき時に怒れ
ちなみに、無所属の松原仁元拉致問題担当相は2024年5月21日に、前掲の呉江浩駐日大使の
「民衆が火の中」
発言に対し、呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして日本政府に見解を質す質問主意書を提出している。
これについて筆者がX(旧ツイッター)に
「政府答弁が楽しみ」
と記したところ、山上信吾前駐オーストラリア大使が次のようにコメントした。
「実質的に
『日本人を殺す』
とまで言われておきながら、
『答弁』
だけで誤魔化せては駄目です」
「まずは外務大臣が(呉江浩駐日大使を)呼び付け、厳重に抗議し、謝罪と発言の撤回を強く求める」
「応じなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として中国に送り返す」
「怒るべき時には怒る、それが抑止力になります」
怒るべき時には怒る、日本政府に最も足りない姿勢かもしれない。

呉江浩駐日中国大使の「火の中」発言要旨
2024/5/22 17:16
https://www.sankei.com/article/20240522-DB3TKL3WFRK4TGWPLRUA32X2KQ/
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日の座談会で行った
「火の中」
発言の要旨は以下の通り。

我々は最大の努力を尽くして(台湾の)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない。
台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある。
長きに渡って台湾に武器を売り込んでいるのは誰なのか。
中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか。
答えははっきりしている。
日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる。

中国大使の「火の中発言」 昨年も「台湾有事は日本有事」を巡り問題発言
2024/5/22 17:15
https://www.sankei.com/article/20240522-3UTUJ35WMFKEZEHCRAVFETMMNA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と述べた。
呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。
発言は2024年5月20日、台湾の総統就任式に合わせて呉氏が東京都内の在日中国大使館で開いた座談会で出た。
呉氏は
「台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある」
と主張し、
「中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか」
「答えははっきりしている」
と暗に米国を批判。
その上で
「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と日本が米国に追随しないよう牽制した。
呉氏は同時に
「耳障りな言葉だが、言っておく必要があると思った」
と述べ、反発を予想していることも窺わせた。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していた。
だが、呉氏を諫める出席者はなく、鳩山氏は呉氏の発言に
「基本的に同意する」
と述べた。
呉氏は2023年4月28日の日本記者クラブでの記者会見でも
「台湾有事は日本有事」
との見方は
「荒唐無稽で極めて有害だ」
とし、
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した。
この時は林氏(当時は外相)が国会答弁で
「極めて不適切」
として外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。
同種の発言を繰り返す呉氏に対しては、政府に厳しい対応を求める意見が出ている。
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、政府の見解を問う質問主意書を衆院議長に提出。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「日本政府に対し敬意を欠く」
と指摘し、外交関係に関するウィーン条約に基づき
「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだ」
と求めた。

「極めて不適切」 林官房長官、中国駐日大使の「火の中」発言を非難
2024/5/22 12:31
https://www.sankei.com/article/20240522-EHRFUERXD5N77IAW6SNV4MRFZA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と非難した。
また、林氏は中国の王毅共産党政治局員兼外相が台湾の総統に就任した頼清徳氏を
「民族と祖先に背く恥ずべき行為」
をしていると名指しで非難したことに関し
「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要だ」
と指摘。
その上で
「我が国の一貫した立場は台湾を巡る問題が対話により平和的に解決することだ」
と強調した。

中国大使の「民衆が火の中」発言、日本政府が厳重抗議 外交ルートで「極めて不適切」
2024/5/21 20:16
https://www.sankei.com/article/20240521-BYDXXHG2JJKRPE5YUQAWIFUWTM/
中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
とした発言に対し、日本政府が外交ルートを通じて
「極めて不適切だ」
と厳重に抗議したことが分かった。
政府筋が2024年5月21日、明らかにした。
呉氏は2024年5月20日、日本の超党派議員団による台湾総統就任式への出席を
「台湾独立勢力を公然と後押しした」
「断固反対する」
と非難した上で
「火の中に」
と強く牽制。
2023年4月にも記者会見で同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。

中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」
2024/5/21 16:54
https://www.sankei.com/article/20240521-46IYWPVPPBLHTIWKZLOYJ5NEYA/
中国の呉江浩駐日大使が、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した2024年5月20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、
「基本的に同意する」
と述べていたことが分かった。
招待を受けた鳩山氏は
「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」
と持論を展開。
「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」
と言い切った。
一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。
呉氏の発言は2024年5月20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。
座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。
呉氏は2023年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。

「民衆が火の中」発言の中国大使は「追放すべき」 松原仁氏が質問主意書
2024/5/21 14:00
https://www.sankei.com/article/20240521-OU6DREDDAJO43L777RGDPR3ELI/
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した中国の呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして、政府の見解を質す質問主意書を額賀福志郎衆院議長に提出した。
呉氏は2024年5月20日、在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で、この発言を行った。
松原氏は質問主意書で、呉氏が2023年4月28日にも同様の発言をし、当時の林芳正外相が
「在京大使の発言として極めて不適切で、外交ルートを通じて厳重な抗議を行った」
と国会で答弁したことを紹介。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「接受国である日本政府に対し失礼千万で、敬意を欠く」
と指摘した。
その上で
「さすがに今回は、(外交関係に関する『ウィーン条約』に基づき)ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだと考える」
として政府の見解を求めた。
政府は2024年5月31日に答弁書を閣議決定する見通し。

中国の呉駐日大使、日本が「台湾独立」加担なら「民衆が火の中に連れ込まれる」と警告
2024/5/20 19:12
https://www.sankei.com/article/20240520-2QALPXWBORMHZI5FZTPI3464KY/
中国の呉江浩駐日大使は2024年5月20日、台湾の総統就任式に日本から国会議員30人超が参加したことに対し、
「(台湾)独立勢力に加担する誤った政治的シグナルだ」
と批判した。
東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で語った。
呉氏は
「民主進歩党の歴代総統は全員が正真正銘の独立主義者」
「民進党が政権を握り続ければ両岸(中台)情勢の厳しさが増す」
と頼清徳政権を牽制した。
更に、中国が台湾の武力統一の選択肢を放棄しないのは
「台湾独立を抑制する切り札だ」
と強調。
日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と警告した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首が参加。
鳩山氏は
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
と呉氏の主張に同調した。

自由がなければ生きていても意味がない。
自由を求めるためには時として死ぬ覚悟で戦うことが重要だ。

<正論>台湾のレジスタンスを支える鍵
東京国際大学特命教授・村井友秀
2024/2/21 8:00
https://www.sankei.com/article/20240221-35UAIMQ6LRLV7J37VPKJD6SQZA/
台湾有事は隣接する沖縄の有事である。
日本の一地方である沖縄有事は日本有事である。
■台湾は中国か
中華帝国にとって台湾は長い間、中華文明の外(化外の地)であった。
沖縄の支配者が中国に朝貢を始める前の時代は、中国の東の海にある沖縄や台湾などの島々を中国は琉球と呼んでいた。
しかし、14世紀に沖縄が中国に朝貢を始めると、中国は中華文明に取り込んだ沖縄を大琉球、朝貢しない野蛮な
「蛮族」
が住む
「化外の地」
である台湾などの島々を小琉球と呼んだ。
その後、17世紀に清朝が台湾を占領し、原住民の言葉(タイオワン、ターヤン)に倣い
「台湾」
と表記されるようになった。
これが中国が主張する
「歴史的権利」
の背景である。
今でも中国人の世界観には、沖縄と台湾を一体化して考える思想がある。
■台湾は独立国か
2024年1月の台湾総統選挙で、かつて
「台湾独立の仕事人」
と自称していた頼清徳氏が新総統に選ばれた。
頼清徳氏は選挙直前のインタビューで中国共産党(中共)が主張する
「1つの中国」
を否定した。
頼清徳新総統が率いる台湾は独立の方向に動くのか。
国際法によれば、独立国家の成立要件は、
①国民
②領土
③統治能力を持つ政府の存在
と定義されている。
また、スターリンは独立国家の条件として、
①100万人以上の人口
②外国と国境を接している
③国名を冠する民族が過半数を占める
の3条件を主張していた。
台湾政府の統治下にある2300万人の人口は世界57位、台湾政府が排他的に統治する領土の面積は3万6000平方kmで世界138(ベルギーより大きい)、そして外国に支配されていない政府が存在する。
台湾は独立国たる条件を備えている。
しかし、台湾は中国の武力行使を恐れて独立を宣言しない。
他方、台湾が中国の一部ならば、台湾の独立運動は正統性のある中央政府に対する地方の反乱ということになり、中央政府が国家の統一を維持し主権を守るために地方の反乱を武力鎮圧することは国際法上問題がない。
また外国が地方の反乱に介入することは内政不干渉原則に反する国際法違反である(友好関係原則宣言)。
ただし、台湾が独立国家ならば、中国の台湾に対する攻撃は、国際法が禁止する独立国に対する侵略戦争になる。
ロシアのウクライナ侵略と同じである。
その場合は国際法によれば世界中の国が集団的自衛権によって、外国に侵略された台湾を軍事的に支援することができる。
■台湾の抵抗力
中共は台湾政府が独立宣言すれば台湾に武力行使すると言っている。
世論調査を見ると(台湾民主基金会、2022年)、中国が台湾統一のために武力侵攻した場合は72%の台湾住民が
「台湾を守るために戦う」
と回答した。
なお2021年の世論調査によれば、外国軍の侵略に対して戦うと答えた国民は中国が88%、米国が60%、日本は13%であった(World VaLues Survey)。
戦争は勝つか負けるか泥沼になるかである。
小国が大国と戦うと戦争の結果は、負けるか泥沼になるかである。
小国が大国に負けない唯一の戦略は、戦争を泥沼化し大国が戦争に倦み疲れるのを待つことだ。
米国のベトナム戦争を止めたのは、戦死者の増大と増税による反戦運動だった。
ただし戦争が泥沼化すれば戦争による犠牲は巨大になる。
大きな犠牲に耐えられなければ小国は大国に負ける。
中共は勝てると思えば戦争し、負けると思えば戦争しない合理的な政権である。
いくら米国政府や日本政府が台湾防衛に言及しても、中共は台湾防衛に米国や日本が血を流すとは考えない。
中国の台湾侵攻を抑止する最大の鍵は、大きな犠牲に耐える台湾人の覚悟である。
台湾人が
「中国の一部になるくらいなら死んだ方がましだ」
と考えるなら中共は戦争を躊躇するだろう。
台湾人が
「死ぬくらいなら中国の一部になる」
と考えるなら中共は台湾を攻撃するだろう。
今、中共は
「我に順(したが)う者は昌(さか)え、我に逆らう者は亡(ほろ)ぶ」
と言っている。
順えば金持ちになり、逆らえば死ぬ、という2つの選択肢で、死ぬ選択をする台湾人はいるだろうか。
米国独立の英雄であるパトリック・ヘンリーは
「我に自由を与えよ、然(しか)らずんば死を」
と言った。
死ぬ覚悟で自由を求める台湾人は少数だろう。
普通の人は自由がなくても生きることを選ぶ。
もし、台湾人が自由を選ぶとしたら、それは自由を選んでも死なないと感じた場合である。
即ち、戦争になっても台湾が勝つと思った時であろう。
中共が
「順我者昌、逆我者亡」
と言った時、台湾人が中国の宣伝に抵抗できるのは、中国に逆らっても亡びないという自信がある場合である。
台湾人の自信を支えるものは、中国軍の侵攻を阻止できる軍事バランスであり、米日の軍事的経済的支援は台湾人の覚悟を支える最大の柱である。

<主張>頼総統の就任 抑止力強化で台湾を守れ
社説
2024/5/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20240521-WBOUJ4CYDROKZPZ6XIENICAALY/
2024年1月の台湾総統選挙で当選した民主進歩党の頼清徳主席が総統に就任した。
頼氏は就任演説で、
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
との原則を表明し、中国の圧力に対して民主主義陣営と連携して防衛力を強化する姿勢を示した。
日本は頼政権を後押しし、台湾海峡の平和と安定を保っていくべきだ。
外交安全保障政策について、頼氏が蔡英文前総統の路線を踏襲するのは妥当だ。
頼政権の中核メンバーには蔡前政権の要人が多く登用された。
蔡前政権は中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させ、一部の台湾農産物の輸入を禁止するなど圧力を掛ける中、米国との連携を推進し、欧州諸国との関係も強めた。台湾の安保強化に努めた功績は大きい。
頼氏は行政院長(首相に相当)時代に
「私は台湾独立のための堅実な仕事人」
と述べたことがある。
だが、総統としては
「台湾独立」
を唱えず、現状維持を図ることで台湾の自由と民主主義、繁栄を守る姿勢だ。
国際社会には
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
へのコンセンサスがある。
頼氏は自信を持ち、同時に細心の注意を払って対中政策を進めるべきだ。
台湾併吞を狙う中国の習近平政権は先月、対中融和を掲げる台湾の最大野党、国民党の馬英九元総統を中国に招き厚遇した。
国民党への影響力を強め、内政に介入したいのだろう。
台湾周辺で中国軍は多数の艦船を航行させたり、軍用機を飛行させたりして威嚇している。
だが、力による一方的な現状変更は許されないし、成功しない。
台湾人は自由と民主を享受している。
香港の自由の圧殺を目の当たりにもした。
共産党統治を歓迎するはずがない。
頼氏は総統就任前、日台関係について
「私たちは同生共死(=共に生き共に死ぬ)だ」
「台湾有事は日本有事であり、日本有事は台湾有事である」
と語った。
対中抑止へ日本の協力を期待した発言だ。
中国の侵攻による台湾有事が日本有事と連動するのは、西側の安全保障関係者にとって常識である。
日台が対中抑止力を向上させれば互いの安全が高まる。
岸田文雄政権は防衛力の抜本的強化を進め、日台、日米台の安保対話に乗り出すべきだ。

「台湾の民意」踏まえた頼新総統の演説、中国に強い警戒感 小笠原欣幸・東京外大名誉教授
2024/5/21 0:13
https://www.sankei.com/article/20240521-EZL5FCEO3VIJHJNSXBHWBG6FYQ/
頼清徳新総統の就任演説は、蔡英文政権の路線を継承し、対中政策の
「現状維持」
を明言した一方、台湾を守る強い意思を感じさせた。
蔡氏の就任時は
「両岸(中台)」

「対岸」
などの表現を使ったが、頼氏は
「中国」
で通した。
中台が
「1つの中国」
原則を確認したと中国が主張する
「1992年合意」
にも全く言及せず、中国への警戒感が強く滲んだ。
台湾では蔡政権の8年間で
「台湾アイデンティティー」
が定着した。
2024年4月の世論調査で
「両岸は2つの異なる国家」
だとする人が76.1%に上った。
頼氏は演説で、
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」
とした。
8年前の蔡氏就任時には無かった言葉だ。
台湾の民意、対中認識を踏まえた演説だった。
一方で頼氏は新憲法制定など
「台湾独立」
には触れておらず、中国に不必要な刺激を与えることも避けた。
その上で強調した
「現状維持」
とは、
「民主の中華民国、台湾」
を守ることだろう。
蔡路線と同様に中国の圧力に屈しないとはっきり打ち出した。
中国はどのみち頼氏を批判するが、現状維持の台湾の民意を直視すべきだ。
総統選では若者票の多くが他党候補に流れ、立法院(国会に相当)で民進党は第1党を野党、中国国民党に奪われた。
演説で言及した経済の強化などの内政課題では、民進党が完勝した蔡氏の就任時に比べると抽象的な言い方にも聞こえた。
民進党の政権運営の苦しさが見えるような内容でもあったと感じる。
頼氏の就任直前、立法院で国民、民進両党委員の乱闘騒ぎがあった。
中国はこの対立を
「使える」
状況だと見ている。
野党多数の状況を通じ、中国に不利な法律の改正など、立法分野から頼政権を揺さぶる見通しを立てているだろう。
次の総統選に向け、中国は民進党政権への不信感を増長させる動きを見せるはずだが、
「台湾は中国ではない」
との民意が多数を占める以上、国民党も中国に過度な接近は難しい。
中台問題に関心が高くない若者への浸透工作などに頼政権がどう対処するのか、注目していく必要がある。
演説で日本には触れなかったものの、親日家の頼氏はこれまで自民党議員らと太いパイプもあった。
日本が出来る事と出来ない事を理解している。
頼政権の誕生は、民間交流などの拡大を通じ、相互の信頼関係を太くしていくという点で日本にとってプラスとなる。

米、台湾との「非公式関係」深め中国を抑止 トランプ前政権閣僚は「戦略的曖昧さ」を批判
2024/5/20 22:22
https://www.sankei.com/article/20240520-NOEW7ERLIRJMNEFM4AWUUK45SM/
台湾の頼清徳・新総統が2024年5月20日に就任したことを受け、ブリンケン米国務長官は米東部時間2024年5月19日、就任に祝意を伝えると共に
「長年の非公式な関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持していく」
とする声明を発表した。
バイデン政権は中国による台湾の武力統一を視野に、引き続き軍事支援の強化を通じて抑止力を高めていく構えだ。
■就任式に超党派代表団を派遣
ブリンケン氏は声明で、頼氏の就任に関し、
「台湾の人々が民主主義体制の強靭さを改めて示したことに祝意を表する」
とした。
その上で
「民主主義の価値に根差した米国人と台湾人のパートナーシップ」
を貿易、経済、文化などの各分野で拡大させると強調。
更に、蔡英文前総統が8年間に渡り米台関係を強化してきたと称えた。
米政府は就任式にアーミテージ元国務副長官ら超党派代表団を派遣。
中国の軍事的威圧が続く台湾を支える姿勢を強調する。
クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2024年4月30日、上院公聴会で
「中国は台湾の武力統一の選択肢を放棄せず、外交・情報・軍事・経済上の圧力を強めている」
と指摘。
「脅威に対処するため政権は広範囲な手段を使い中台間の抑止力強化に注力している」
と訴えた。
バイデン政権は
「台湾海峡の現状維持」
のため武器供与・売却の増強に加え日米同盟を軸にインド太平洋の同盟諸国との連携を駆使した抑止力向上を強調。
台湾、ウクライナ、イスラエル支援のための緊急予算も先月成立した。
■米国防予算は実質減
しかし、台湾侵攻に備える中国への抑止力低下の懸念が野党・共和党を中心とした超党派で高まっている。
中国の艦船建造や中距離ミサイル配備の加速で米中軍事バランスが急激に変化しているからだ。
米シンクタンク「ハドソン研究所」のウォルター・ラッセル・ミード氏は、中国など現状変更勢力への抑止力の衰退は
「米外交政策最大の問題」
と警告する。
専門家が懸念するのは、政権が2024年3月に要求した2025会計年度の国防予算だ。
前年度比約1%増で物価上昇分を差し引けば実質減。
米メディアによると、戦闘機やミサイルの購入や空母、潜水艦の発注に影響が出る。
2024年4月、議員辞職した共和党のギャラガー前下院中国特別委員会委員長は米外交誌への共同寄稿で
「政権は直ちに方針を変更すべきだ」
と訴えた。
また、ウクライナ支援の長期化に伴い米防衛産業の供給力が限界に達し、武器供与の速度や米軍の戦力維持の足枷になっている。
■軍事介入発言は火消し
バイデン大統領は過去4回、中国が台湾を攻撃する際に軍事介入すると公言したが、その度に高官は火消しに回り、米国の軍事的関与を曖昧にした。
バイデン政権は米中の緊張回避を目先の目標に据え、台湾関係法に基づく台湾支援と
「1つの中国」
政策の整合性を巡り、中国側の
「誤解の除去」(高官)
に神経を砕く。
習近平国家主席との対話路線を維持させたいバイデン大統領の意向が背景にあるのは明白だ。
一方、ポンペオ前国務長官ら共和党のトランプ前大統領に近い元高官や専門家は最近、バイデン政権の一貫性に欠く態度は抑止減退の一因と批判し、
「戦略的曖昧さ」
をやめて台湾への防衛意思を明確化するよう訴えている。

台湾の正副新総統が日本議員団と昼食会「関係強化は必然」 就任式などに各国から500人
2024/5/20 19:37
https://www.sankei.com/article/20240520-Y67ONDSKS5NLLLR3RPSKTSNQ5I/
台湾の外交部(外務省に相当)によると、頼清徳総統の就任式と関連行事には、台湾と外交関係を持つ12カ国の他、日米や英国、カナダ、欧州連合(EU)欧州議会など海外から51団体の500人超が参加した。
日本からは、超党派の議員連盟
「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)
の国会議員31人が訪台し、総統就任式への出席としては過去最大規模となった。
日本の訪問団だけを対象にした頼清徳総統、蕭美琴副総統との昼食会も開催された。
台北市内で記者会見した古屋氏は
「古き友人が総統と副総統になって頂いたので、これから更に日台関係の絆を強めていけると実感した」
と述べた。
昼食会では頼氏から
「日台関係の更なる強化は必然だ」
との趣旨の発言があった。
また、台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入に向けた支援を要請されたという。

政府、台湾の頼清徳新総統とも関係強化 台湾承認国との外交も重視
2024/5/20 17:22
https://www.sankei.com/article/20240520-LKB6PHHWFRKRDJG5IGWMZS4RHY/
政府は2024年5月20日に就任した頼清徳新総統の下でも台湾との関係を強化していく考えだ。
外交関係がない日台の枠組みは
「非政府間の実務関係」
だが、政府は台湾を承認する国々と法の支配や自由で開かれた国際秩序の重要性を再確認し、中国から承認国の切り崩しや軍事的圧力を受ける台湾を間接的に支援する構えだ。
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、頼氏に祝意を示した上で
「台湾は、基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人だ」
と述べ、日台間の協力と交流を深化させていく考えを表明した。
日台に外交関係がないことから2024年5月20日の総統就任式典に日本政府関係者は出席しなかったが、超党派議員連盟
「日華議員懇談会」(会長、古屋圭司衆院議員=自民党)
から過去最大規模となる31人が参加した。
古屋氏は就任式に先立ち、
「法の支配や民主主義という共通の価値観を持った国々が連携して、中国を牽制していくことが極めて重要だ」
と語った。
台湾を承認する国は現在12カ国に減り、特に近年は中南米で台湾と断交し中国と国交を樹立する国が相次いでいる。
政府内には
「台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境に悪影響を及ぼす」(外務省幹部)
との認識がある。
こうした観点から政府は台湾と公式な関係を維持している国々との外交を重視している。
岸田文雄首相は2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問。
ペニャ大統領との会談で、中国が一方的な現状変更を試みる東アジア情勢を巡って意見交換し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け協力する方針で一致した。
2024年5月22日には上川陽子外相が、台湾承認国の中で最大の人口、経済規模を有するグアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談し、民主主義や法の支配などの価値観、原則の重要性を確認する方向だ。

中国との対話探るも「前提」認めず 国民党の対中接近に警戒
台湾・頼清徳政権の行方(上)
2024/5/20 16:54
https://www.sankei.com/article/20240520-MWINWGWGC5JVLDRUIAWCGERGOM/
2024年5月20日に総統の就任式が行われ、4年間の台湾の舵取りを託された頼清徳政権の行方を占う。
■人事にも柔軟姿勢
「相互尊重の原則を基に、前提を設けずに中国と対話することを排除しない」
総統の就任式を約1週間後に控えた台湾の頼清徳氏は2024年5月14日、デンマークで開かれた
「コペンハーゲン民主主義サミット」
にビデオメッセージを寄せ、
「中国との対話の可能性」
について改めて強調した。
若い頃から台湾独立運動に参加し、対中強硬派と言われる頼氏だが、2024年1月の総統選で当選した後は中国との対話に繰り返し意欲を示し、柔軟な姿勢を見せている。
それは新政権人事にも見られた。
台湾の対中交渉窓口機関である
「海峡交流基金会」
の新しいトップに、有力政治家の鄭文燦(てい・ぶんさん)前行政院副院長(副首相に相当)が任命された。
サプライズ人事とされた。
同基金会は李登輝総統時代の1990年に発足した半官半民の団体で、初代理事長は李氏の側近で大物財界人の辜振甫(こ・しんぽ)氏が務めた。
しかし、蔡英文前政権下では官民いずれのルートでも対中対話が途絶え、基金会の存在価値が薄れた。
トップの理事長職には近年、学者や元官僚ら政治への影響力が小さい人物を充てることが大半だった。
将来の総統候補と言われる実力者の鄭氏を、閑職とされてきた基金会の理事長に起用した。
中国との当局間対話が難しい中で、基金会を通じて民間交流を活発化させ、鄭氏の突破力で中国との関係を改善したい-。
こんな頼氏の意図が見え隠れする。
「鄭氏と中国側の交渉を通じ、中台のトップ会談を実現させたい」
と、頼氏の意図を証言する与党・民主進歩党の関係者もいる。
■民進党も対立望まず
頼氏が中国との関係改善を急ぐのには理由がある。
中国の習近平政権は最近、台湾の最大野党・中国国民党と急接近している。
中国は2024年4月上旬に国民党の馬英九元総統の訪中を受け入れ、習国家主席との会談も行われた。
2024年4月下旬には、立法院(国会)の国民党トップである傅崐萁(ふ・こんき)氏が率いる17人の同党議員団の訪中を受け入れた。
その際、中国側は2024年4月初めに発生した台湾東部沖地震での物資支援や、中国人観光客の台湾訪問について一部規制の緩和を発表し、国民党に花を持たせた。
中国の官製メディアと国民党は最近、
「台湾海峡に平和をもたらすのは国民党だ」
という宣伝を揃って始めている。
このイメージが定着すれば頼政権の求心力に大きな影響を与えかねない。
頼氏が
「中国との対話を始めたい」
と繰り返し強調するのは、
「民進党も中国との対立を望んでいない」
と内外にアピールする狙いからだ。
一方で頼氏は中台対話について、必ず
「前提条件なし」
とも強調している。
中国は、1992年に中台窓口機関の担当者が
「(中台は一体だとする)1つの中国」
原則を確認したとされる
「92年コンセンサス(合意)」
の受け入れを民進党との対話の前提条件にし、蔡前政権との対話を拒否してきた。
頼氏は蔡氏と同様
「92年合意」
の存在そのものを認めていない。
頼氏は総統選の期間中、
「92年合意の道を歩めば台湾は香港になってしまう」
と述べ、同合意を受け入れる国民党を批判したことがある。
頼氏に近い民進党幹部は
「台湾海峡が今後どうなるかについては、あらゆる可能性がある」
「戦争に備えつつも、対話の可能性を懸命に探っていくことが私たちの基本的な立場だ」
と話している。

台湾の頼総統、中国に軍事威嚇の停止呼びかけ 「世界平和への挑戦」
2024/5/20 13:35
https://www.sankei.com/article/20240520-Z4FHPITLSNIURJHQVZWWCOUNFU/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)は2024年5月20日、台北市内で行った就任演説で、ウクライナ戦争やパレスチナ自治区ガザでの戦闘などが全世界に衝撃を与え続けていると言及した上で
「中国の軍事行動や(武力攻撃に至らない)グレーゾーン事態を利用した脅迫もまた、世界の平和と安定に対する最大の戦略的な挑戦とみなされている」
と指摘した。
中国の習近平政権が台湾に対して強めている統一圧力を牽制した形だ。
頼氏は演説で
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
としつつ、
「平和こそが唯一の選択肢だ」
と強調。
中台関係を巡り、新政権は
「高慢にも卑屈にもならず、現状を維持する」
と表明した。
更に中国に対しては
「台湾に対する武力の威嚇や言論での攻撃」
を停止し、
「台湾と共に世界的な責任を引き受け、台湾海峡と地域における平和と安定の維持に力を尽くす」
よう呼び掛けた。
「台湾海峡の平和」

「共存共栄」
が中台の共同目標になるべきだとの考えも示した。
「対等と尊厳の原則の下、(中台の)対話が対抗に取って代わるべきだ」
と述べ、
「一つの中国」
原則を認めない民主進歩党政権との対話を拒否してきた中国の習政権に対し、対話を求めた。
一方、頼氏は
「我々は平和の理想を追求するが、幻想を抱くことはできない」
と指摘。
「中国が台湾への武力侵攻を放棄していない状況」
において、
「たとえ中国側の主張を全面的に受け入れ、(台湾の)主権を放棄しても、中国が台湾を併呑する企ては消失しない」
と強調した。
その上で頼氏は
「中国からの様々な威嚇や浸透工作」
に対処するため、国防力を強化し、経済安全保障を構築して、
「世界の民主主義国家」
との連携を進める考えを示した。

林官房長官、台湾の頼新総統就任に「日台の友情の深まりに期待」
2024/5/20 13:02
https://www.sankei.com/article/20240520-6LV2ENJ2ARJO7MLZI24WYDTJ6I/
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、台湾の民主進歩党の頼清徳(らい・せいとく)主席が新総統に就任したことについて
「祝意を表したい」
「頼氏の下で日台の友情の更なる深まりに期待する」
と述べた。
林氏は
「台湾は我が国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人だ」
と指摘。
2024年1月の能登半島地震での台湾からの支援などを踏まえ、
「温かいご支援に改めて感謝の意を表すると共に、2024年4月の台湾東部沖地震からの1日も早い復興を願っている」
と強調した。

上川陽子氏、頼清徳新総統の就任直後に最大の台湾承認国グアテマラと外相会談へ
2024/5/20 12:48
https://www.sankei.com/article/20240520-WEJ2HA3VNJJPHPKU5O5PKULRDU/
上川陽子外相は2024年5月22日、中米グアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談する。
グアテマラは台湾と外交関係がある12カ国の中で人口と経済の規模が最大で、民主主義や法の支配など基本的価値観を日本と共有している。
上川氏は会談で、台湾の国際社会での存在感の維持というテーマも念頭に置きつつ、グアテマラとの関係強化を確認する考えだ。
マルティネス氏は台湾の頼清徳総統の就任式に出席するなど、一連の訪台日程を終えた後、2024年5月22日に来日する。
中南米では近年、パナマやホンジュラスをはじめ、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ国が相次いでおり、中国はグアテマラに対しても
「国家と国民の利益に適う正しい決断を出来るだけ早く行うことを希望する」(中国外務省の汪文斌報道官)
と、中国を国交を樹立するよう促している。
グアテマラは台湾承認国12カ国の人口、経済の約半分の規模を占めており、仮に台湾と断交すれば、台湾は
「国際的プレゼンスが半分になってしまう」(外務省幹部)
との見方がある。
台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境にも影響しかねず、日本としてはこうした観点からも、グアテマラを重視している。
岸田文雄首相が2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問し、ペニャ大統領と東アジア情勢を巡り、力による一方的な現状変更の試みは許されないと確認したのも外交上、同じ文脈にある。

台湾総統に頼清徳氏が就任 蔡英文路線を継承、対中「平和追求」表明へ
2024/5/20 10:39
https://www.sankei.com/article/20240520-TZTK67TOFVP2JN7BJ453DU6PJY/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)が2024年5月20日、台北市内で総統就任式に臨み、頼政権が正式にスタートした。
中国の習近平政権は頼氏を
「台湾独立派」
と見做して警戒するが、台湾の主流世論は蔡英文前政権の現状維持路線を支持しており、頼政権もこれを継承する構えだ。
頼氏は就任演説で、対中関係を巡り
「高慢にも卑屈にもならずに現状を維持する」
との立場を表明し、中国と共に
「平和と共栄」
を追求する姿勢を強調する。
頼氏は総統府大ホールで行われた就任式で、
「国父」
とされる孫文の肖像画を前に第16代総統として宣誓。
続いて蕭美琴(しょう・びきん)副総統(52)も宣誓した。
中台統一を政治的悲願とする中国の習政権は台湾への圧力を強めており武力行使の選択肢も排除していない。
頼政権は
「現状維持」
に向けて、中国の軍事的威圧を含む統一圧力にどう対処するかが重要な課題となる。
頼氏は演説で、蔡氏が主張した
「台湾と中国は互いに隷属しない」
とする立場の継承を表明。
台湾の防衛力向上や経済安全保障の強化、日米など民主主義諸国との協力の緊密化にも言及する。

http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/416.html#c9

[政治・選挙・NHK294] この神経に国民は唖然 裏金集団が「政治活動の自由」を振りかざす笑止(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
19. 秘密のアッコちゃん[351] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月24日 08:13:13 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[464]
<■674行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>中国大使の暴言 日本国民への脅迫許すな
社説
2024/5/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20240524-T4ZEA7XLS5NKVCMU24YUQ5JQWA/
日本国と日本国民に対する、軍事力を振りかざした脅迫であり到底容認できない。
中国の呉江浩駐日大使が台湾を巡り、日本が
「中国の分裂」
に加担すれば
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と語った。
呉氏は2023年4月、着任直後の会見でも同様の発言をして日本政府から抗議されている。
今回の異常な発言は、頼清徳台湾総統の就任式があった2024年5月20日、都内の中国大使館で開かれた座談会で飛び出した。
呉氏は
「(中国は)最大の努力を尽くして(台湾との)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない」
と述べた。
その上で、
「火の中」
の言葉を用いて日本国民を脅迫した。
どのような前提条件を付けても、中国軍が日本国民を攻撃して殺傷すると脅した発言で外交官失格である。
呉氏は
「武力又は武力による威嚇に訴えない」
ことを確認した日中平和友好条約第1条にも反している。
このような大使が日本と正常な外交を営めるのか。
呉氏は発言を撤回して謝罪し、職を辞したらどうか。
もし同様の脅迫が中国駐在の外国大使から発せられたら、中国は国を挙げて非難し国外追放へ動くだろう。
発言を知った日本国民は眉を顰(ひそ)めている。
元国家公安委員長の松原仁衆院議員(無所属)は外交上の
「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)
として呉氏を追放すべきだと2023年に続き政府に促した。
林芳正官房長官は会見で
「極めて不適切だ」
と呉氏の発言を非難し、外交ルートを通じ抗議したと明らかにしたが不十分だ。
呉氏を呼んで直接抗議し、発言撤回と謝罪を求めるべきだ。
中国側の反応次第では、駐日大使交代の要求や呉氏の国外追放措置も必要である。
岸田文雄首相は近く韓国での日中韓首脳会談に臨む。
少なくとも呉氏の発言撤回がなければ、李強首相との2者会談をしている場合ではない。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBらが出席したが、呉氏の暴言に誰も抗議しなかったのは情けない限りだ。
鳩山氏に至っては
「呉大使のお話に基本的に同意する」
と述べた。
出席者は日本国民よりも中国政府の機嫌を伺う卑屈な姿勢を取った自身を恥じてもらいたい。

日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_heiwa.html
第一条
1両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

<産経抄>低く値踏みされた日本、呉大使の恫喝
2024/5/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20240524-JV3T2USBRVPW5GUBEE44YU4JHQ/
ひと文字の違いで、大きく意味の変わる言葉がある。
「瀬踏み」

「値踏み」
はいい例だろう。
物事に取り掛かる前に、ちょっと試してみるのは
「瀬踏み」。
ざっと見積もって、物の値段の見当をつけるのが
「値踏み」
である。
▼中国の呉江浩駐日大使には、2023年春に着任する前にも約10年に及ぶ我が国での勤務経験がある。
歴史認識や台湾情勢などを巡る日本側の感度については、その時に瀬踏みを済ませたということか。
とすれば、日本は安く見積もられたことになる。
▼台湾を巡り、日本が
「中国の分裂」
に加担すれば―。
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」。
中国大使館で2024年5月20日に開かれた座談会で、呉氏はそう発言した。
傲慢にして品がなく、度を越しており聞くに堪えない。
これが日本国民に対する恫喝でなくて、何であろう。
▼政府は外交ルートを通じて抗議したという。
謝罪も辞任も求めぬようでは首を捻る他ない。
呉氏は着任後の会見でも
「火の中に…」
の発言をしていたが、政府は今回と同じ対応にとどめていた。
足元を見られ、同じ轍を踏んだのなら情けない。
▼件(くだん)の座談会には、鳩山由紀夫元首相や外務省OBらも出席していた。
武威を背にした明け透けな脅しに、なぜ沈黙で応じることができたのか不思議でならない。
鳩山氏に至っては、
「呉大使のお話に基本的に同意する」
と語った。
「元首相」
を名乗る人の悲しい実相である。
▼ひと文字違いと言えば
「祈念」

「懸念
も浮かぶ。
日中関係の行く末を思う時、先立つのは懸念だろう。
隣人を脅して平気な相手と、良好な未来を誰が祈念できよう。
日本を低く見た
「無礼」

「非礼」。
ひと文字違い、されど通底する怒りは変わらない。

日本の民衆が火の中に…「事実に基づいている」 中国報道官が駐日大使の発言を正当化
2024/5/23 21:01
https://www.sankei.com/article/20240523-7JJYFYTOYJIKJL7M5ZHUS7TODA/
中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に連れ込まれる」
と発言したことについて、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は2024年5月23日の記者会見で
「事実に基づいており、道理は正しく言葉は厳格で、完全に正当で必要なものだ」
と述べた。
呉氏の発言が正当だと主張した形だ。
汪氏は
「最近、日本の一部の人々の間で台湾問題に関してマイナスの動きがしばしば出ており、『台湾有事は日本有事』という出鱈目で危険な論調を騒ぎ立て続けている」
との認識を示した。
台湾問題について、汪氏は
「中国の核心的利益の中の核心で、中日関係の政治基礎に関わり、越えてはならないレッドラインだ」
と主張。
「もし誰かが中国の内政に干渉し、中国統一を妨害すれば、必ず重い代価を払うことになるだろう」
と強調した。

中国にこびる鳩山由紀夫元首相の危険性
阿比留瑠比の極言御免
2024/5/23 1:00
https://www.sankei.com/article/20240523-MXFTPPAZFBMEBODEISMKNGLJXQ/
民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫氏の言動はバカバカしくて取り上げたくはないのだが、余りに有害で危険なので記録に残しておく。
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日に開いた座談会で、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担した場合についてこう警告した。
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
日本の一般国民に攻撃を加え、焼き殺すと言わんばかりの恫喝である。
当たり前の政治家であれば、直ちに厳しく反論すべき場面だが、社民党の福島瑞穂党首らと共にその場にいた鳩山氏は、反対に呉氏に同調したという。
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
これは、昭和47(1972)年の日中共同声明を意識した言葉だろうが正確ではなく、より中国に媚びた内容となっている。
日中共同声明は台湾が中国の不可分の一部であると
「表明」
する中国の
「立場」
について、日本は十分理解し、尊重する旨を述べているだけである。
鳩山氏は日本政府が中国と合意し、長年堅持してきた見解を飛び越え、勝手に
「台湾は中国の不可分の一部」
だと明言してしまっている。
■「領有問題」の前科
また、鳩山氏には中国への対応を巡り、”前科”がある。
現職の首相時代の平成22(2010)年5月の全国知事会議に出席した鳩山氏は、日本政府が、
「日本固有の領土であり、中国との間に解決しなければならない領有権問題は存在しない」
との立場を取る尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、こんな発言をした。
「米国は帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して、結論を見い出してもらいたいということだと理解している」
日本政府が、存在しないと主張してきた領有権問題の存在を認めた上で、これから中国との交渉のテーブルに着くかのような発言であり、中国の
「領有権問題の存在を認めろ」
という要求に擦り寄っている。
その前年の平成21(2009)年には自民党の麻生太郎政権が米オバマ政権から
「尖閣諸島に日米安保条約は適用される」
との確認を取っていた。
その安保条約の当事者である米国は第3者扱いである。
「こんなバカを言う首相がいるのか」
「バカな会合だ」
「ナンセンス!」
懐疑に出席していた石原慎太郎都知事は記者団にこう憤然と言い棄て、会議を途中退席したほどだった。
「日本列島は日本人だけの所有物ではない」
「国というものが何だかよく分からない」
こんな言葉も残している鳩山氏は、領土的野心を隠さない中国を、日本に招き入れかねない。
■怒るべき時に怒れ
ちなみに、無所属の松原仁元拉致問題担当相は2024年5月21日に、前掲の呉江浩駐日大使の
「民衆が火の中」
発言に対し、呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして日本政府に見解を質す質問主意書を提出している。
これについて筆者がX(旧ツイッター)に
「政府答弁が楽しみ」
と記したところ、山上信吾前駐オーストラリア大使が次のようにコメントした。
「実質的に
『日本人を殺す』
とまで言われておきながら、
『答弁』
だけで誤魔化せては駄目です」
「まずは外務大臣が(呉江浩駐日大使を)呼び付け、厳重に抗議し、謝罪と発言の撤回を強く求める」
「応じなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として中国に送り返す」
「怒るべき時には怒る、それが抑止力になります」
怒るべき時には怒る、日本政府に最も足りない姿勢かもしれない。

呉江浩駐日中国大使の「火の中」発言要旨
2024/5/22 17:16
https://www.sankei.com/article/20240522-DB3TKL3WFRK4TGWPLRUA32X2KQ/
中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日の座談会で行った
「火の中」
発言の要旨は以下の通り。

我々は最大の努力を尽くして(台湾の)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない。
台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある。
長きに渡って台湾に武器を売り込んでいるのは誰なのか。
中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか。
答えははっきりしている。
日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる。

中国大使の「火の中発言」 昨年も「台湾有事は日本有事」を巡り問題発言
2024/5/22 17:15
https://www.sankei.com/article/20240522-3UTUJ35WMFKEZEHCRAVFETMMNA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と述べた。
呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。
発言は2024年5月20日、台湾の総統就任式に合わせて呉氏が東京都内の在日中国大使館で開いた座談会で出た。
呉氏は
「台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある」
と主張し、
「中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか」
「答えははっきりしている」
と暗に米国を批判。
その上で
「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と日本が米国に追随しないよう牽制した。
呉氏は同時に
「耳障りな言葉だが、言っておく必要があると思った」
と述べ、反発を予想していることも窺わせた。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していた。
だが、呉氏を諫める出席者はなく、鳩山氏は呉氏の発言に
「基本的に同意する」
と述べた。
呉氏は2023年4月28日の日本記者クラブでの記者会見でも
「台湾有事は日本有事」
との見方は
「荒唐無稽で極めて有害だ」
とし、
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した。
この時は林氏(当時は外相)が国会答弁で
「極めて不適切」
として外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。
同種の発言を繰り返す呉氏に対しては、政府に厳しい対応を求める意見が出ている。
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、政府の見解を問う質問主意書を衆院議長に提出。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「日本政府に対し敬意を欠く」
と指摘し、外交関係に関するウィーン条約に基づき
「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだ」
と求めた。

「極めて不適切」 林官房長官、中国駐日大使の「火の中」発言を非難
2024/5/22 12:31
https://www.sankei.com/article/20240522-EHRFUERXD5N77IAW6SNV4MRFZA/
林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
と発言したことについて
「極めて不適切だ」
「直ちに厳重な抗議を行った」
と非難した。
また、林氏は中国の王毅共産党政治局員兼外相が台湾の総統に就任した頼清徳氏を
「民族と祖先に背く恥ずべき行為」
をしていると名指しで非難したことに関し
「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要だ」
と指摘。
その上で
「我が国の一貫した立場は台湾を巡る問題が対話により平和的に解決することだ」
と強調した。

中国大使の「民衆が火の中」発言、日本政府が厳重抗議 外交ルートで「極めて不適切」
2024/5/21 20:16
https://www.sankei.com/article/20240521-BYDXXHG2JJKRPE5YUQAWIFUWTM/
中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」
とした発言に対し、日本政府が外交ルートを通じて
「極めて不適切だ」
と厳重に抗議したことが分かった。
政府筋が2024年5月21日、明らかにした。
呉氏は2024年5月20日、日本の超党派議員団による台湾総統就任式への出席を
「台湾独立勢力を公然と後押しした」
「断固反対する」
と非難した上で
「火の中に」
と強く牽制。
2023年4月にも記者会見で同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。

中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」
2024/5/21 16:54
https://www.sankei.com/article/20240521-46IYWPVPPBLHTIWKZLOYJ5NEYA/
中国の呉江浩駐日大使が、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した2024年5月20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、
「基本的に同意する」
と述べていたことが分かった。
招待を受けた鳩山氏は
「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」
と持論を展開。
「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」
と言い切った。
一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。
呉氏の発言は2024年5月20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。
座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。
呉氏は2023年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。

「民衆が火の中」発言の中国大使は「追放すべき」 松原仁氏が質問主意書
2024/5/21 14:00
https://www.sankei.com/article/20240521-OU6DREDDAJO43L777RGDPR3ELI/
松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した中国の呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして、政府の見解を質す質問主意書を額賀福志郎衆院議長に提出した。
呉氏は2024年5月20日、在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で、この発言を行った。
松原氏は質問主意書で、呉氏が2023年4月28日にも同様の発言をし、当時の林芳正外相が
「在京大使の発言として極めて不適切で、外交ルートを通じて厳重な抗議を行った」
と国会で答弁したことを紹介。
「脅迫発言」

「2度も繰り返すのは極めて不見識」
「接受国である日本政府に対し失礼千万で、敬意を欠く」
と指摘した。
その上で
「さすがに今回は、(外交関係に関する『ウィーン条約』に基づき)ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだと考える」
として政府の見解を求めた。
政府は2024年5月31日に答弁書を閣議決定する見通し。

中国の呉駐日大使、日本が「台湾独立」加担なら「民衆が火の中に連れ込まれる」と警告
2024/5/20 19:12
https://www.sankei.com/article/20240520-2QALPXWBORMHZI5FZTPI3464KY/
中国の呉江浩駐日大使は2024年5月20日、台湾の総統就任式に日本から国会議員30人超が参加したことに対し、
「(台湾)独立勢力に加担する誤った政治的シグナルだ」
と批判した。
東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する
「座談会」
で語った。
呉氏は
「民主進歩党の歴代総統は全員が正真正銘の独立主義者」
「民進党が政権を握り続ければ両岸(中台)情勢の厳しさが増す」
と頼清徳政権を牽制した。
更に、中国が台湾の武力統一の選択肢を放棄しないのは
「台湾独立を抑制する切り札だ」
と強調。
日本が
「台湾独立」

「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と警告した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首が参加。
鳩山氏は
「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」
と呉氏の主張に同調した。

自由がなければ生きていても意味がない。
自由を求めるためには時として死ぬ覚悟で戦うことが重要だ。

<正論>台湾のレジスタンスを支える鍵
東京国際大学特命教授・村井友秀
2024/2/21 8:00
https://www.sankei.com/article/20240221-35UAIMQ6LRLV7J37VPKJD6SQZA/
台湾有事は隣接する沖縄の有事である。
日本の一地方である沖縄有事は日本有事である。
■台湾は中国か
中華帝国にとって台湾は長い間、中華文明の外(化外の地)であった。
沖縄の支配者が中国に朝貢を始める前の時代は、中国の東の海にある沖縄や台湾などの島々を中国は琉球と呼んでいた。
しかし、14世紀に沖縄が中国に朝貢を始めると、中国は中華文明に取り込んだ沖縄を大琉球、朝貢しない野蛮な
「蛮族」
が住む
「化外の地」
である台湾などの島々を小琉球と呼んだ。
その後、17世紀に清朝が台湾を占領し、原住民の言葉(タイオワン、ターヤン)に倣い
「台湾」
と表記されるようになった。
これが中国が主張する
「歴史的権利」
の背景である。
今でも中国人の世界観には、沖縄と台湾を一体化して考える思想がある。
■台湾は独立国か
2024年1月の台湾総統選挙で、かつて
「台湾独立の仕事人」
と自称していた頼清徳氏が新総統に選ばれた。
頼清徳氏は選挙直前のインタビューで中国共産党(中共)が主張する
「1つの中国」
を否定した。
頼清徳新総統が率いる台湾は独立の方向に動くのか。
国際法によれば、独立国家の成立要件は、
①国民
②領土
③統治能力を持つ政府の存在
と定義されている。
また、スターリンは独立国家の条件として、
①100万人以上の人口
②外国と国境を接している
③国名を冠する民族が過半数を占める
の3条件を主張していた。
台湾政府の統治下にある2300万人の人口は世界57位、台湾政府が排他的に統治する領土の面積は3万6000平方kmで世界138(ベルギーより大きい)、そして外国に支配されていない政府が存在する。
台湾は独立国たる条件を備えている。
しかし、台湾は中国の武力行使を恐れて独立を宣言しない。
他方、台湾が中国の一部ならば、台湾の独立運動は正統性のある中央政府に対する地方の反乱ということになり、中央政府が国家の統一を維持し主権を守るために地方の反乱を武力鎮圧することは国際法上問題がない。
また外国が地方の反乱に介入することは内政不干渉原則に反する国際法違反である(友好関係原則宣言)。
ただし、台湾が独立国家ならば、中国の台湾に対する攻撃は、国際法が禁止する独立国に対する侵略戦争になる。
ロシアのウクライナ侵略と同じである。
その場合は国際法によれば世界中の国が集団的自衛権によって、外国に侵略された台湾を軍事的に支援することができる。
■台湾の抵抗力
中共は台湾政府が独立宣言すれば台湾に武力行使すると言っている。
世論調査を見ると(台湾民主基金会、2022年)、中国が台湾統一のために武力侵攻した場合は72%の台湾住民が
「台湾を守るために戦う」
と回答した。
なお2021年の世論調査によれば、外国軍の侵略に対して戦うと答えた国民は中国が88%、米国が60%、日本は13%であった(World VaLues Survey)。
戦争は勝つか負けるか泥沼になるかである。
小国が大国と戦うと戦争の結果は、負けるか泥沼になるかである。
小国が大国に負けない唯一の戦略は、戦争を泥沼化し大国が戦争に倦み疲れるのを待つことだ。
米国のベトナム戦争を止めたのは、戦死者の増大と増税による反戦運動だった。
ただし戦争が泥沼化すれば戦争による犠牲は巨大になる。
大きな犠牲に耐えられなければ小国は大国に負ける。
中共は勝てると思えば戦争し、負けると思えば戦争しない合理的な政権である。
いくら米国政府や日本政府が台湾防衛に言及しても、中共は台湾防衛に米国や日本が血を流すとは考えない。
中国の台湾侵攻を抑止する最大の鍵は、大きな犠牲に耐える台湾人の覚悟である。
台湾人が
「中国の一部になるくらいなら死んだ方がましだ」
と考えるなら中共は戦争を躊躇するだろう。
台湾人が
「死ぬくらいなら中国の一部になる」
と考えるなら中共は台湾を攻撃するだろう。
今、中共は
「我に順(したが)う者は昌(さか)え、我に逆らう者は亡(ほろ)ぶ」
と言っている。
順えば金持ちになり、逆らえば死ぬ、という2つの選択肢で、死ぬ選択をする台湾人はいるだろうか。
米国独立の英雄であるパトリック・ヘンリーは
「我に自由を与えよ、然(しか)らずんば死を」
と言った。
死ぬ覚悟で自由を求める台湾人は少数だろう。
普通の人は自由がなくても生きることを選ぶ。
もし、台湾人が自由を選ぶとしたら、それは自由を選んでも死なないと感じた場合である。
即ち、戦争になっても台湾が勝つと思った時であろう。
中共が
「順我者昌、逆我者亡」
と言った時、台湾人が中国の宣伝に抵抗できるのは、中国に逆らっても亡びないという自信がある場合である。
台湾人の自信を支えるものは、中国軍の侵攻を阻止できる軍事バランスであり、米日の軍事的経済的支援は台湾人の覚悟を支える最大の柱である。

<主張>頼総統の就任 抑止力強化で台湾を守れ
社説
2024/5/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20240521-WBOUJ4CYDROKZPZ6XIENICAALY/
2024年1月の台湾総統選挙で当選した民主進歩党の頼清徳主席が総統に就任した。
頼氏は就任演説で、
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
との原則を表明し、中国の圧力に対して民主主義陣営と連携して防衛力を強化する姿勢を示した。
日本は頼政権を後押しし、台湾海峡の平和と安定を保っていくべきだ。
外交安全保障政策について、頼氏が蔡英文前総統の路線を踏襲するのは妥当だ。
頼政権の中核メンバーには蔡前政権の要人が多く登用された。
蔡前政権は中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させ、一部の台湾農産物の輸入を禁止するなど圧力を掛ける中、米国との連携を推進し、欧州諸国との関係も強めた。台湾の安保強化に努めた功績は大きい。
頼氏は行政院長(首相に相当)時代に
「私は台湾独立のための堅実な仕事人」
と述べたことがある。
だが、総統としては
「台湾独立」
を唱えず、現状維持を図ることで台湾の自由と民主主義、繁栄を守る姿勢だ。
国際社会には
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
へのコンセンサスがある。
頼氏は自信を持ち、同時に細心の注意を払って対中政策を進めるべきだ。
台湾併吞を狙う中国の習近平政権は先月、対中融和を掲げる台湾の最大野党、国民党の馬英九元総統を中国に招き厚遇した。
国民党への影響力を強め、内政に介入したいのだろう。
台湾周辺で中国軍は多数の艦船を航行させたり、軍用機を飛行させたりして威嚇している。
だが、力による一方的な現状変更は許されないし、成功しない。
台湾人は自由と民主を享受している。
香港の自由の圧殺を目の当たりにもした。
共産党統治を歓迎するはずがない。
頼氏は総統就任前、日台関係について
「私たちは同生共死(=共に生き共に死ぬ)だ」
「台湾有事は日本有事であり、日本有事は台湾有事である」
と語った。
対中抑止へ日本の協力を期待した発言だ。
中国の侵攻による台湾有事が日本有事と連動するのは、西側の安全保障関係者にとって常識である。
日台が対中抑止力を向上させれば互いの安全が高まる。
岸田文雄政権は防衛力の抜本的強化を進め、日台、日米台の安保対話に乗り出すべきだ。

「台湾の民意」踏まえた頼新総統の演説、中国に強い警戒感 小笠原欣幸・東京外大名誉教授
2024/5/21 0:13
https://www.sankei.com/article/20240521-EZL5FCEO3VIJHJNSXBHWBG6FYQ/
頼清徳新総統の就任演説は、蔡英文政権の路線を継承し、対中政策の
「現状維持」
を明言した一方、台湾を守る強い意思を感じさせた。
蔡氏の就任時は
「両岸(中台)」

「対岸」
などの表現を使ったが、頼氏は
「中国」
で通した。
中台が
「1つの中国」
原則を確認したと中国が主張する
「1992年合意」
にも全く言及せず、中国への警戒感が強く滲んだ。
台湾では蔡政権の8年間で
「台湾アイデンティティー」
が定着した。
2024年4月の世論調査で
「両岸は2つの異なる国家」
だとする人が76.1%に上った。
頼氏は演説で、
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」
とした。
8年前の蔡氏就任時には無かった言葉だ。
台湾の民意、対中認識を踏まえた演説だった。
一方で頼氏は新憲法制定など
「台湾独立」
には触れておらず、中国に不必要な刺激を与えることも避けた。
その上で強調した
「現状維持」
とは、
「民主の中華民国、台湾」
を守ることだろう。
蔡路線と同様に中国の圧力に屈しないとはっきり打ち出した。
中国はどのみち頼氏を批判するが、現状維持の台湾の民意を直視すべきだ。
総統選では若者票の多くが他党候補に流れ、立法院(国会に相当)で民進党は第1党を野党、中国国民党に奪われた。
演説で言及した経済の強化などの内政課題では、民進党が完勝した蔡氏の就任時に比べると抽象的な言い方にも聞こえた。
民進党の政権運営の苦しさが見えるような内容でもあったと感じる。
頼氏の就任直前、立法院で国民、民進両党委員の乱闘騒ぎがあった。
中国はこの対立を
「使える」
状況だと見ている。
野党多数の状況を通じ、中国に不利な法律の改正など、立法分野から頼政権を揺さぶる見通しを立てているだろう。
次の総統選に向け、中国は民進党政権への不信感を増長させる動きを見せるはずだが、
「台湾は中国ではない」
との民意が多数を占める以上、国民党も中国に過度な接近は難しい。
中台問題に関心が高くない若者への浸透工作などに頼政権がどう対処するのか、注目していく必要がある。
演説で日本には触れなかったものの、親日家の頼氏はこれまで自民党議員らと太いパイプもあった。
日本が出来る事と出来ない事を理解している。
頼政権の誕生は、民間交流などの拡大を通じ、相互の信頼関係を太くしていくという点で日本にとってプラスとなる。

米、台湾との「非公式関係」深め中国を抑止 トランプ前政権閣僚は「戦略的曖昧さ」を批判
2024/5/20 22:22
https://www.sankei.com/article/20240520-NOEW7ERLIRJMNEFM4AWUUK45SM/
台湾の頼清徳・新総統が2024年5月20日に就任したことを受け、ブリンケン米国務長官は米東部時間2024年5月19日、就任に祝意を伝えると共に
「長年の非公式な関係を深め、台湾海峡の平和と安定を維持していく」
とする声明を発表した。
バイデン政権は中国による台湾の武力統一を視野に、引き続き軍事支援の強化を通じて抑止力を高めていく構えだ。
■就任式に超党派代表団を派遣
ブリンケン氏は声明で、頼氏の就任に関し、
「台湾の人々が民主主義体制の強靭さを改めて示したことに祝意を表する」
とした。
その上で
「民主主義の価値に根差した米国人と台湾人のパートナーシップ」
を貿易、経済、文化などの各分野で拡大させると強調。
更に、蔡英文前総統が8年間に渡り米台関係を強化してきたと称えた。
米政府は就任式にアーミテージ元国務副長官ら超党派代表団を派遣。
中国の軍事的威圧が続く台湾を支える姿勢を強調する。
クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2024年4月30日、上院公聴会で
「中国は台湾の武力統一の選択肢を放棄せず、外交・情報・軍事・経済上の圧力を強めている」
と指摘。
「脅威に対処するため政権は広範囲な手段を使い中台間の抑止力強化に注力している」
と訴えた。
バイデン政権は
「台湾海峡の現状維持」
のため武器供与・売却の増強に加え日米同盟を軸にインド太平洋の同盟諸国との連携を駆使した抑止力向上を強調。
台湾、ウクライナ、イスラエル支援のための緊急予算も先月成立した。
■米国防予算は実質減
しかし、台湾侵攻に備える中国への抑止力低下の懸念が野党・共和党を中心とした超党派で高まっている。
中国の艦船建造や中距離ミサイル配備の加速で米中軍事バランスが急激に変化しているからだ。
米シンクタンク「ハドソン研究所」のウォルター・ラッセル・ミード氏は、中国など現状変更勢力への抑止力の衰退は
「米外交政策最大の問題」
と警告する。
専門家が懸念するのは、政権が2024年3月に要求した2025会計年度の国防予算だ。
前年度比約1%増で物価上昇分を差し引けば実質減。
米メディアによると、戦闘機やミサイルの購入や空母、潜水艦の発注に影響が出る。
2024年4月、議員辞職した共和党のギャラガー前下院中国特別委員会委員長は米外交誌への共同寄稿で
「政権は直ちに方針を変更すべきだ」
と訴えた。
また、ウクライナ支援の長期化に伴い米防衛産業の供給力が限界に達し、武器供与の速度や米軍の戦力維持の足枷になっている。
■軍事介入発言は火消し
バイデン大統領は過去4回、中国が台湾を攻撃する際に軍事介入すると公言したが、その度に高官は火消しに回り、米国の軍事的関与を曖昧にした。
バイデン政権は米中の緊張回避を目先の目標に据え、台湾関係法に基づく台湾支援と
「1つの中国」
政策の整合性を巡り、中国側の
「誤解の除去」(高官)
に神経を砕く。
習近平国家主席との対話路線を維持させたいバイデン大統領の意向が背景にあるのは明白だ。
一方、ポンペオ前国務長官ら共和党のトランプ前大統領に近い元高官や専門家は最近、バイデン政権の一貫性に欠く態度は抑止減退の一因と批判し、
「戦略的曖昧さ」
をやめて台湾への防衛意思を明確化するよう訴えている。

台湾の正副新総統が日本議員団と昼食会「関係強化は必然」 就任式などに各国から500人
2024/5/20 19:37
https://www.sankei.com/article/20240520-Y67ONDSKS5NLLLR3RPSKTSNQ5I/
台湾の外交部(外務省に相当)によると、頼清徳総統の就任式と関連行事には、台湾と外交関係を持つ12カ国の他、日米や英国、カナダ、欧州連合(EU)欧州議会など海外から51団体の500人超が参加した。
日本からは、超党派の議員連盟
「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)
の国会議員31人が訪台し、総統就任式への出席としては過去最大規模となった。
日本の訪問団だけを対象にした頼清徳総統、蕭美琴副総統との昼食会も開催された。
台北市内で記者会見した古屋氏は
「古き友人が総統と副総統になって頂いたので、これから更に日台関係の絆を強めていけると実感した」
と述べた。
昼食会では頼氏から
「日台関係の更なる強化は必然だ」
との趣旨の発言があった。
また、台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加入に向けた支援を要請されたという。

政府、台湾の頼清徳新総統とも関係強化 台湾承認国との外交も重視
2024/5/20 17:22
https://www.sankei.com/article/20240520-LKB6PHHWFRKRDJG5IGWMZS4RHY/
政府は2024年5月20日に就任した頼清徳新総統の下でも台湾との関係を強化していく考えだ。
外交関係がない日台の枠組みは
「非政府間の実務関係」
だが、政府は台湾を承認する国々と法の支配や自由で開かれた国際秩序の重要性を再確認し、中国から承認国の切り崩しや軍事的圧力を受ける台湾を間接的に支援する構えだ。
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、頼氏に祝意を示した上で
「台湾は、基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人だ」
と述べ、日台間の協力と交流を深化させていく考えを表明した。
日台に外交関係がないことから2024年5月20日の総統就任式典に日本政府関係者は出席しなかったが、超党派議員連盟
「日華議員懇談会」(会長、古屋圭司衆院議員=自民党)
から過去最大規模となる31人が参加した。
古屋氏は就任式に先立ち、
「法の支配や民主主義という共通の価値観を持った国々が連携して、中国を牽制していくことが極めて重要だ」
と語った。
台湾を承認する国は現在12カ国に減り、特に近年は中南米で台湾と断交し中国と国交を樹立する国が相次いでいる。
政府内には
「台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境に悪影響を及ぼす」(外務省幹部)
との認識がある。
こうした観点から政府は台湾と公式な関係を維持している国々との外交を重視している。
岸田文雄首相は2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問。
ペニャ大統領との会談で、中国が一方的な現状変更を試みる東アジア情勢を巡って意見交換し、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け協力する方針で一致した。
2024年5月22日には上川陽子外相が、台湾承認国の中で最大の人口、経済規模を有するグアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談し、民主主義や法の支配などの価値観、原則の重要性を確認する方向だ。

中国との対話探るも「前提」認めず 国民党の対中接近に警戒
台湾・頼清徳政権の行方(上)
2024/5/20 16:54
https://www.sankei.com/article/20240520-MWINWGWGC5JVLDRUIAWCGERGOM/
2024年5月20日に総統の就任式が行われ、4年間の台湾の舵取りを託された頼清徳政権の行方を占う。
■人事にも柔軟姿勢
「相互尊重の原則を基に、前提を設けずに中国と対話することを排除しない」
総統の就任式を約1週間後に控えた台湾の頼清徳氏は2024年5月14日、デンマークで開かれた
「コペンハーゲン民主主義サミット」
にビデオメッセージを寄せ、
「中国との対話の可能性」
について改めて強調した。
若い頃から台湾独立運動に参加し、対中強硬派と言われる頼氏だが、2024年1月の総統選で当選した後は中国との対話に繰り返し意欲を示し、柔軟な姿勢を見せている。
それは新政権人事にも見られた。
台湾の対中交渉窓口機関である
「海峡交流基金会」
の新しいトップに、有力政治家の鄭文燦(てい・ぶんさん)前行政院副院長(副首相に相当)が任命された。
サプライズ人事とされた。
同基金会は李登輝総統時代の1990年に発足した半官半民の団体で、初代理事長は李氏の側近で大物財界人の辜振甫(こ・しんぽ)氏が務めた。
しかし、蔡英文前政権下では官民いずれのルートでも対中対話が途絶え、基金会の存在価値が薄れた。
トップの理事長職には近年、学者や元官僚ら政治への影響力が小さい人物を充てることが大半だった。
将来の総統候補と言われる実力者の鄭氏を、閑職とされてきた基金会の理事長に起用した。
中国との当局間対話が難しい中で、基金会を通じて民間交流を活発化させ、鄭氏の突破力で中国との関係を改善したい-。
こんな頼氏の意図が見え隠れする。
「鄭氏と中国側の交渉を通じ、中台のトップ会談を実現させたい」
と、頼氏の意図を証言する与党・民主進歩党の関係者もいる。
■民進党も対立望まず
頼氏が中国との関係改善を急ぐのには理由がある。
中国の習近平政権は最近、台湾の最大野党・中国国民党と急接近している。
中国は2024年4月上旬に国民党の馬英九元総統の訪中を受け入れ、習国家主席との会談も行われた。
2024年4月下旬には、立法院(国会)の国民党トップである傅崐萁(ふ・こんき)氏が率いる17人の同党議員団の訪中を受け入れた。
その際、中国側は2024年4月初めに発生した台湾東部沖地震での物資支援や、中国人観光客の台湾訪問について一部規制の緩和を発表し、国民党に花を持たせた。
中国の官製メディアと国民党は最近、
「台湾海峡に平和をもたらすのは国民党だ」
という宣伝を揃って始めている。
このイメージが定着すれば頼政権の求心力に大きな影響を与えかねない。
頼氏が
「中国との対話を始めたい」
と繰り返し強調するのは、
「民進党も中国との対立を望んでいない」
と内外にアピールする狙いからだ。
一方で頼氏は中台対話について、必ず
「前提条件なし」
とも強調している。
中国は、1992年に中台窓口機関の担当者が
「(中台は一体だとする)1つの中国」
原則を確認したとされる
「92年コンセンサス(合意)」
の受け入れを民進党との対話の前提条件にし、蔡前政権との対話を拒否してきた。
頼氏は蔡氏と同様
「92年合意」
の存在そのものを認めていない。
頼氏は総統選の期間中、
「92年合意の道を歩めば台湾は香港になってしまう」
と述べ、同合意を受け入れる国民党を批判したことがある。
頼氏に近い民進党幹部は
「台湾海峡が今後どうなるかについては、あらゆる可能性がある」
「戦争に備えつつも、対話の可能性を懸命に探っていくことが私たちの基本的な立場だ」
と話している。

台湾の頼総統、中国に軍事威嚇の停止呼びかけ 「世界平和への挑戦」
2024/5/20 13:35
https://www.sankei.com/article/20240520-Z4FHPITLSNIURJHQVZWWCOUNFU/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)は2024年5月20日、台北市内で行った就任演説で、ウクライナ戦争やパレスチナ自治区ガザでの戦闘などが全世界に衝撃を与え続けていると言及した上で
「中国の軍事行動や(武力攻撃に至らない)グレーゾーン事態を利用した脅迫もまた、世界の平和と安定に対する最大の戦略的な挑戦とみなされている」
と指摘した。
中国の習近平政権が台湾に対して強めている統一圧力を牽制した形だ。
頼氏は演説で
「民主と自由は台湾が譲歩できず堅持すべきものだ」
としつつ、
「平和こそが唯一の選択肢だ」
と強調。
中台関係を巡り、新政権は
「高慢にも卑屈にもならず、現状を維持する」
と表明した。
更に中国に対しては
「台湾に対する武力の威嚇や言論での攻撃」
を停止し、
「台湾と共に世界的な責任を引き受け、台湾海峡と地域における平和と安定の維持に力を尽くす」
よう呼び掛けた。
「台湾海峡の平和」

「共存共栄」
が中台の共同目標になるべきだとの考えも示した。
「対等と尊厳の原則の下、(中台の)対話が対抗に取って代わるべきだ」
と述べ、
「一つの中国」
原則を認めない民主進歩党政権との対話を拒否してきた中国の習政権に対し、対話を求めた。
一方、頼氏は
「我々は平和の理想を追求するが、幻想を抱くことはできない」
と指摘。
「中国が台湾への武力侵攻を放棄していない状況」
において、
「たとえ中国側の主張を全面的に受け入れ、(台湾の)主権を放棄しても、中国が台湾を併呑する企ては消失しない」
と強調した。
その上で頼氏は
「中国からの様々な威嚇や浸透工作」
に対処するため、国防力を強化し、経済安全保障を構築して、
「世界の民主主義国家」
との連携を進める考えを示した。

林官房長官、台湾の頼新総統就任に「日台の友情の深まりに期待」
2024/5/20 13:02
https://www.sankei.com/article/20240520-6LV2ENJ2ARJO7MLZI24WYDTJ6I/
林芳正官房長官は2024年5月20日の記者会見で、台湾の民主進歩党の頼清徳(らい・せいとく)主席が新総統に就任したことについて
「祝意を表したい」
「頼氏の下で日台の友情の更なる深まりに期待する」
と述べた。
林氏は
「台湾は我が国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人だ」
と指摘。
2024年1月の能登半島地震での台湾からの支援などを踏まえ、
「温かいご支援に改めて感謝の意を表すると共に、2024年4月の台湾東部沖地震からの1日も早い復興を願っている」
と強調した。

上川陽子氏、頼清徳新総統の就任直後に最大の台湾承認国グアテマラと外相会談へ
2024/5/20 12:48
https://www.sankei.com/article/20240520-WEJ2HA3VNJJPHPKU5O5PKULRDU/
上川陽子外相は2024年5月22日、中米グアテマラのマルティネス外相と東京都内で会談する。
グアテマラは台湾と外交関係がある12カ国の中で人口と経済の規模が最大で、民主主義や法の支配など基本的価値観を日本と共有している。
上川氏は会談で、台湾の国際社会での存在感の維持というテーマも念頭に置きつつ、グアテマラとの関係強化を確認する考えだ。
マルティネス氏は台湾の頼清徳総統の就任式に出席するなど、一連の訪台日程を終えた後、2024年5月22日に来日する。
中南米では近年、パナマやホンジュラスをはじめ、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ国が相次いでおり、中国はグアテマラに対しても
「国家と国民の利益に適う正しい決断を出来るだけ早く行うことを希望する」(中国外務省の汪文斌報道官)
と、中国を国交を樹立するよう促している。
グアテマラは台湾承認国12カ国の人口、経済の約半分の規模を占めており、仮に台湾と断交すれば、台湾は
「国際的プレゼンスが半分になってしまう」(外務省幹部)
との見方がある。
台湾の国際社会での存在感の低下は、日本の安全保障環境にも影響しかねず、日本としてはこうした観点からも、グアテマラを重視している。
岸田文雄首相が2024年5月3日、南米唯一の台湾承認国であるパラグアイを訪問し、ペニャ大統領と東アジア情勢を巡り、力による一方的な現状変更の試みは許されないと確認したのも外交上、同じ文脈にある。

台湾総統に頼清徳氏が就任 蔡英文路線を継承、対中「平和追求」表明へ
2024/5/20 10:39
https://www.sankei.com/article/20240520-TZTK67TOFVP2JN7BJ453DU6PJY/
2024年1月の台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳主席(64)が2024年5月20日、台北市内で総統就任式に臨み、頼政権が正式にスタートした。
中国の習近平政権は頼氏を
「台湾独立派」
と見做して警戒するが、台湾の主流世論は蔡英文前政権の現状維持路線を支持しており、頼政権もこれを継承する構えだ。
頼氏は就任演説で、対中関係を巡り
「高慢にも卑屈にもならずに現状を維持する」
との立場を表明し、中国と共に
「平和と共栄」
を追求する姿勢を強調する。
頼氏は総統府大ホールで行われた就任式で、
「国父」
とされる孫文の肖像画を前に第16代総統として宣誓。
続いて蕭美琴(しょう・びきん)副総統(52)も宣誓した。
中台統一を政治的悲願とする中国の習政権は台湾への圧力を強めており武力行使の選択肢も排除していない。
頼政権は
「現状維持」
に向けて、中国の軍事的威圧を含む統一圧力にどう対処するかが重要な課題となる。
頼氏は演説で、蔡氏が主張した
「台湾と中国は互いに隷属しない」
とする立場の継承を表明。
台湾の防衛力向上や経済安全保障の強化、日米など民主主義諸国との協力の緊密化にも言及する。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/418.html#c19

[政治・選挙・NHK294] 自民党の車座対話で怒号飛んだ! “大票田”神奈川県連幹部が裏金事件に激怒した意味(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
20. 秘密のアッコちゃん[352] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月24日 15:17:59 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[465]
<■124行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
国家主権より「裏金」の危険
産経新聞2024年5月24日 拓殖大名誉教授・下條正男
中国海警局艦艇による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での接続水域侵入は、150日を超えた。
だがその間、日本の与野党の国会議員たちの関心は、自民党のパーティー券問題に端を発した政治資金規正法の改正に向かい、国家主権が侵され続けているという現実から目を逸らしてきた。
彼らにとっては、国家主権よりも政権の奪取と死守が優先されるからだろう。
その最中、韓国の総選挙では与党「国民の力」が惨敗した。
日本に融和的な外交姿勢を示す尹錫悦氏が大統領に就任し、日韓関係にも改善の兆しが見えていたが、日本はせっかく訪れていた外交チャンスを逃してしまった。
■対日カード再び
韓国では総選挙の直後、野党「共に民主党」の議員ら17人が大挙して竹島(島根県隠岐の島町)に上陸すると、続いて文在寅政権時代の法相、曺国(チョ・グク)氏も竹島に上陸し、尹錫悦政権を
「親日政権」
と批判した。
韓国の野党陣営は、竹島を政権批判と対日批判のカードに使い、尹錫悦政権に揺さぶりを掛けたのである。
だが何とも皮肉な話である。
竹島は1954年以来、韓国によって不法占拠され続けている日本の領土である。
その竹島に韓国の国会議員らが上陸し、尹錫悦政権批判と対日批判の外交カードにしていたからだ。
だが、日本政府の官房長官や外相は、韓国の議員らの竹島上陸に
「遺憾の意」
を表しただけで、無為無策に徹していた。
また日本には2013年以来、
「領土・主権対策企画調整室」
なる機関が存在し、領土担当相も誕生していた。
しかし民主党政権時代の2010年以来、尖閣諸島周辺では中国政府による挑発行為が続き、来年2025年は、島根県議会が
「竹島の日」
条例を定めて20周年を迎える。
その間に、領土・主権対策企画調整室が戦略的な対応を企画したとも、領土担当相が竹島問題や尖閣問題の解決に努めたとも聞いたことがない。
それは江戸時代の
「槍奉行」
などと同じで、閑職の類である。
それに、2013年からは毎年、
「竹島の日」
の式典に政務官が派遣されるようになったものの、彼らは竹島問題の
「解決に向けて粘り強く努めていきます」
と誓って帰るが、その後は音沙汰無しである。
■政治不信の本質
昨今の日本では、パーティー券問題から裏金問題となり、それが派閥の解散となって今では政治資金規正法の改正議論に辿り着いた。
だが国民の政治不信の本質はそこにはない。
問題は、立法府が法案を成立させ、行政府がその法律を規則として実務を行うそのプロセスにある。
2013年に新設された領土・主権対策企画調整室は、尖閣諸島問題や竹島問題で失策続きだった民主党政権のアイデアを基に発足した。
そこでは
「対外情報発信」

「国民啓蒙」
が、既定の方針であった。
だがその有識者会議のメンバーの1人となった私は、竹島問題や尖閣諸島問題の現状を説明し、
「今は対外情報発信や国民啓蒙よりも領土問題での研究が必要だ」
と訴えた。
しかし、報告書がまとめられる段階で、私の異見(他の人とは違った考え。異議。異論)は立法府に忖度したのか削除を求められ、封印されてしまった。
これは1度決まってしまうと、そこに課題があっても軌道修正ができないということである。
2024年4月27日、沖縄県石垣市が実施した尖閣諸島の環境調整に国会議員5人が参加し、中国海警局の公船と洋上で対峙したという。
後日、その1人は
「私はもう本当に怒りましたよ」
「(腸が)煮えくり返っていますから」
と発言したそうだ。
だがこの種のパフォーマンスは、極めて危険である。
中国側でも尖閣諸島を
「歴史的にも国際法上も中国固有の領土」
と思い込んでいるからだ。
これは竹島に上陸した韓国の国会議員たちの行動と似ている。
相手を挑発するのなら、次の一手も考えておくべきだからだ。
私は2024年1月末、尖閣諸島問題をテーマにしたウェビナーを公開し、中国側が尖閣諸島を中国領としてきた文献を逆手に取って、正しく読めていなかった事実を明らかにした。
その歴史研究は領土・主権対策企画調整室や外務省とも違っていた。
■党利党略で失敗
現時、野党が政権を奪いたいなら、侵され続ける国家主権に不作為で臨んできた自公連立政権を追及すればよい。
また、自民党を再生したいというなら、何度か述べてきたように組閣の際、国務大臣をできるだけ多く国会議員以外から選ぶことだ。
派閥の論理で国務大臣が任用されている限り専門性は問われず、派閥の勢力拡大が優先される。
それでは論功行賞のための人事となり、副大臣や政務官といった
「槍奉行」
が増えるだけだ。
自民党のパーティー問題の本質はそこにある。
政権維持が目的となれば、特定の業界との癒着に繋がり、国民生活とは無縁の法案が成立する。
戦前の政党政治の失敗は、党利党略を優先させ、軍部の独走を防げなかったことにある。

尖閣上陸の12年前と一変…維新・和田有一朗衆院議員「目の前に海警の船」 尖閣視察を語る
2024/5/23 22:59
https://www.sankei.com/article/20240523-WPJTFPA535INNJP4PI7CGPQBN4/
沖縄県石垣市が2024年4月に実施した尖閣諸島(同市)の海洋調査には、与野党の国会議員5人が同行した。
そのうちの1人で、平成24(2012)年8月には魚釣島に上陸した日本維新の会の和田有一朗衆院議員に話を聞いた。
ーー尖閣諸島周辺の様子は
調査船は2024年4月26日の夜に石垣島を出発し、2024年4月27日の早朝には既に魚釣島から2~3キロの辺りを航行していた。
日の出の光で目を覚まし、デッキに出ると海上保安庁の巡視船と中国海警局(海警)の船が何隻も入り乱れて航行している姿が目に飛び込んできた。
大袈裟かもしれないが、船の煙突から立ち上る煙を見て、日露戦争で連合艦隊とバルチック艦隊が激突した日本海海戦を扱った映画のワンシーンのように思え、『こんな状況になっているのか』と驚いた。
ーー旧民主党政権が尖閣諸島を「国有化」する直前の平成24(2012)年8月、魚釣島に上陸した
当時兵庫県議だった私を含む地方議員有志の数人で上陸したが、その時は非常に牧歌的な雰囲気だった。
1時間余り上陸し、日章旗を立ててきたが、辺りはヤギのフンだらけで、臭かったのを覚えている。
海警の船は当然いなかったし、海保の巡視船は遠くの方で、我々の安全を確保するために見守ってくれていたように見えた。
ーー状況は一変した
12年前『平成24(2012)年8月』はこんな事になるとは想像もしなかった。
海警の船が連日のように領海侵入していることは知ってはいたが、日本の領海の、日本の島のすぐ横、目の前に海警の船がある。
これはちょっと異常じゃないかと思った。
日本の領海であるのに、そうでないと錯覚しかねない状況があった。
ーー政府は尖閣諸島を「有効に支配」していて、現場海域で海保などが「冷静かつ毅然とした対応」を行っているとしている
海保の巡視船は数隻で海警の船を取り囲んで、進路を阻んでいた。
操船技術の高さを含め、海保の日夜の対応には敬意を表したい。
だが、それらも対症療法だ。
抗議をし続けても、どんどん海警の船が領海に入ってきている現実がある。
操船技術が海保に劣るという海警の船が海保に誤ってぶつかってきたらどうするのか。
あるいは発砲してきたらどうするのか。
現実問題として真剣に考えなければいけない。
ーー抗議以外に何が必要か
政府は、原則として政府関係者以外の尖閣諸島への上陸を認めない方針を取っているが、それならば、政府職員を上陸させ、常駐させるべきだ。
携帯電話の基地局を設置することも考えられる。
実効支配を強化するためだ。
今回、機会あって調査に同行できたが、上川陽子外相をはじめ、全ての国会議員が尖閣諸島を視察すべきだと思う。

わだ・ゆういちろう
昭和39年、神戸市生まれ。
早稲田大卒、神戸市外大大学院修士課程修了。
衆院議員秘書、神戸市議、兵庫県議を経て令和3年10月の衆院選で初当選。
59歳。

尖閣周辺に中国海警局の船 154日連続
2024/5/23 10:40
https://www.sankei.com/article/20240523-3VPEQB6YRFOLTOBLP2GE2GZ2YA/
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で2024年5月23日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。
尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは154日連続。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、1隻は機関砲のようなものを搭載。
領海に近付かないよう巡視船が警告した。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/425.html#c20

[政治・選挙・NHK294] 「雀の涙」で卑しい魂胆 4万円減税 岸田政権の命取りになるだろう(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
35. 秘密のアッコちゃん[353] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月25日 08:01:22 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[466]
<■318行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>台湾包囲の演習 中国は粗暴な行動を慎め
社説
2024/5/25 5:00
https://www.sankei.com/article/20240525-BJ5SDFMYGNIW7GYCOAGGPTYZJ4/
中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を行った。
台湾の頼清徳総統の就任式が2024年5月20日にあった直後の狼藉だ。
台湾本島を取り囲む形で軍を展開しただけでなく、中国大陸に近接する金門島や馬祖島周辺でも実施した。
中国軍東部戦区は
「『台湾独立』分裂勢力による独立を画策する行為への強力な懲戒」
とする報道官談話を出した。
だが、頼政権は対中関係について現状維持を掲げ、対話を求めている。
中国による台湾の人々への軍事的威嚇は決して認められない。
米高官が
「通常の政権移行を挑発的、威圧的な措置の口実に使うべきではない」
と中国を批判したのはその通りだ。
今回の演習には陸海空軍や、核ミサイルを管轄するロケット軍が参加した。
中央軍事委員会傘下の中国海警局も動員した。
頼氏の総統就任に合わせ、
「台湾封鎖」
の示威行動を準備していた様子が窺える。
軍事演習で圧力を公然と掛ける粗暴な振る舞いを、中国は繰り返してきた。
2022年のペロシ米下院議長(当時)訪台や2023年4月の蔡英文総統(同)の米国訪問などの際もそうだ。
2022年の演習では日本の排他的経済水域(EEZ)内にも弾道ミサイルを撃ち込んだ。
これでは北朝鮮とどこが違うのか。
台湾海峡の平和と安定を維持するため、日本が米国やオーストラリアなどの有志国と連携し、抑止力の強化を図る必要性は益々高まった。
日本では、中国の呉江浩駐日大使が台湾問題を巡り、
「日本の民衆が火の中に連れ込まれる」
と発言したことが問題視されている。
呉氏の発言撤回と謝罪があって然るべきだが、中国外務省報道官は
「事実に基づいており、完全に正当で必要なものだ」
と擁護した。
中国軍が日本国民を攻撃して殺傷するという脅迫を
「完全に正当」
とする中国政府は異常である。
これまた、北朝鮮とそっくりではないか。
2024年5月27日に韓国・ソウルで日中韓首脳会談がある。
岸田文雄首相と中国の李強首相の2者会談も予定されているが、中国側の誠意ある対応が期待できないなら会う意味はない。
日中韓首脳会談では、岸田首相は
「台湾海峡の平和と安定」
を乱す軍事演習と呉大使の暴言をはっきり断罪しなければならない。

台湾周辺で中国軍機62機、軍艦・海警局の船27隻が活動 台湾の国防部が確認
2024/5/24 23:27
https://www.sankei.com/article/20240524-VJEZ6GAUABN7LHB3OOPRCEVLYA/
台湾の国防部(国防省に相当)は2024年5月24日夜、中国軍による軍事演習に関して、同日午前7時(日本時間同8時過ぎ)以降、台湾海峡の周辺で中国軍の軍用機延べ62機を確認したと発表した。
中国の軍艦と海警局の船計27隻が台湾周辺で活動するのも確認した。

台湾、中国演習に冷静も奇襲を警戒 「厳密な監視」続ける 世論は混乱起きず
2024/5/24 21:12
https://www.sankei.com/article/20240524-RVMX72UA7FPP7CW7RPTI3CSXFY/
台湾では当局や世論が中国の軍事演習を比較的に冷静に受け止めているが、中国側が更に現状変更を進めることを警戒している。
国防部(国防省に相当)は2024年5月24日、台湾軍が
「厳密な監視と対処」
を続けていると強調した。
今回の中国軍の演習を受けて、台湾世論に大きな混乱は起きていない。
主要株価指数である加権指数は2024年5月24日、3日ぶりに反落したものの、軍事演習が始まった2024年5月23日には史上最高値を更新した。
ただ、中国側が実際に台湾に武力侵攻する際は、軍事演習を装いながら奇襲すると見られているため、台湾の国防部は
「中国軍が演習から実戦態勢に移る兆しは重要な監視対象だ」
として、緻密な分析を進めている。
中国軍は今回の演習で、中国大陸に近い金門と馬祖、東引の各島、烏坵嶼(うきゅうしょ)の台湾離島4カ所の周辺も演習区域に加えた。
台湾の海巡署(海上保安庁に相当)によると、演習に参加した中国海警局の船が2024年5月24日、前日に続いて東引島、烏坵嶼周辺の
「禁止水域」

「制限水域」
に進入した。
東引と烏坵嶼は台湾軍が軍事拠点を置いている。
特に東引島には地対空ミサイルや対艦ミサイルを設置しており、台湾側の警戒は強い。
中国が今回、台湾東部の花蓮近くに軍事演習区域を設置したことに一部の台湾メディアは注目している。
花蓮には空軍の重要拠点、佳山基地があるためだ。

中国「占領能力を検証」 台湾包囲 連日の演習 新たに実施の恐れも
2024/5/24 21:08
https://www.sankei.com/article/20240524-B5FJZNCZEJMDPEQTWZB2FSYDOQ/
中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2024年5月24日、前日に続き台湾周辺で軍事演習を行った。
中国軍は台湾を取り囲む形の大規模演習を2024年5月23日から2日間の日程で実施。
中国が
「台湾独立」
派と見做す頼清徳総統が2024年5月20日に就任したことを受け軍事的圧力を強めており、今後も新たな軍事演習を行う可能性がある。
台湾の国防部(国防省に相当)は2024年5月24日、中国軍による軍事演習について、同日午前6時(日本時間同7時)までの24時間に、中国軍の軍用機延べ49機と軍艦延べ19隻、海警局の船延べ7隻が台湾周辺で活動したと発表した。
東部戦区の報道官によると、2024年5月24日の演習では複数の部隊による合同攻撃や、重要地点の
「占領、制御能力」
などを検証した。
中国メディアは、演習に参加したという艦船や戦闘機、爆撃機の映像などを盛んに伝えた。
演習には、陸海空軍やロケット軍が参加。
台湾本島の北部、南部、東部や台湾海峡の他、台湾が実効支配する離島の金門島、馬祖島の周辺などを演習海域とした。
頼氏が就任演説で
「1つの中国」
原則を認めない立場を示したことに中国側は反発している。
中国国防省の呉謙報道官は2024年5月24日、演習の目的について
「『台湾独立』がのさばっていることを叩き、外部勢力の干渉や介入を恐れさせることにある」
と説明。
「完全に理に適っていて合法で、正当で必要なものだ」
と主張した。
中国軍は今回の演習を
「連合利剣―2024A」
と名付けており、今後、台湾側の出方次第で
「B」
「C」
と更なる軍事演習を行う可能性もある。

中国の軍事演習、区域を22年より拡大 ミサイル発射控え日米刺激を回避か
2024/5/24 19:15
https://www.sankei.com/article/20240524-HF5LQTJKYRIRLKE4RUMC25HE6M/
中国は、台湾の頼清徳総統が就任演説で
「1つの中国」
原則を認めない立場を示したことに反発し、今回の大規模軍事演習に動いた。
過去の演習より区域を広げて台湾への圧力を増した一方、弾道ミサイル発射を控えるなど日米など国際世論を過度に刺激することは避けたもようだ。
ただ、頼政権の動きに応じて更なる圧力を掛け続けることが見込まれる。
中国国防省の呉謙報道官は2024年5月24日、
「台湾地区の指導者は就任以来『1つの中国』原則に挑戦し、『2国論』をあからさまに吹聴した」
と述べ、頼氏を非難した。
頼氏は2024年5月20日の就任演説で対中関係を巡り
「現状を維持する」
と表明しつつ、台湾が公称する
「中華民国」
と中華人民共和国は
「互いに隷属しない」
と述べた。
中国政府は中台を別の国家とする
「2国論」
を展開したと反発。
軍事演習を
「『独立』の挑発に対する懲戒」
と位置付ける。
今回の演習は2日間の予定で始まった。
2022年8月にペロシ米下院議長(当時)の訪台に対抗した際の計7日間より短いが、今回は台湾が実効支配する中国大陸近くの離島である金門島や馬祖島の周辺も演習区域に加えた。
2024年2月に金門島付近の海域で起きた中国漁船の転覆事故を機に中国当局がパトロールを常態化させたように、少しずつ状況を有利にする
「サラミ戦術」
を進める思惑が窺われる。
台湾本島を包囲することで有事の際に頼政権を孤立させる力を持つと誇示した。
中国メディアは、とりわけ台湾本島の東方を封鎖することで、エネルギー輸入の
「生命線」
や、米国などによる支援を断つという効果を強調している。
中国で海上警備を担う中国海警局との連携も強めた。
海警局は2024年5月24日に艦隊が台湾東方の海域で、2024年5月23日には台湾が実効支配する離島である烏坵(うきゅう)嶼、東引島の周辺海域で訓練を行った。
一方、2022年8月の演習であった弾道ミサイル発射は確認されなかった。
当時、弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)にも着弾し、地域の緊張が増して中国への非難が高まった。
今回は国際的に不利な立場に置かれないよう演習の強度を入念に調整したとみられる。
近く開かれる日中韓の首脳会談や、2024年11月の米大統領選も意識した可能性もある。
ただ、中国政府は頼政権との対話を拒む姿勢を鮮明にしており、軍事や外交、経済など多方面の圧力を繰り出し続けるとみられる。

中国軍事演習は「台湾人を恫喝」、謝代表が非難 「火の中」発言の大使は「大変失礼」
2024/5/24 19:06
https://www.sankei.com/article/20240524-4OBYLF7NRJOJFKGMSNCEDTBHKA/
中国軍が台湾を取り囲む形の大規模な軍事演習を行ったことを受け、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)は2024年5月24日、臨時の記者会見を開いた。
謝長廷代表は
「中国の横暴な行動には全く正当性がなく、非難すると共に遺憾の意を表する」
との声明を発表した。
謝氏は声明で、中国の軍事演習は
「台湾の人々を恫喝し、海峡の緊張をエスカレートさせ、アジア太平洋地域の繁栄と安定を破壊した」
と批判。
中国に対し、統一でも独立でもない
「現状維持」
を表明した頼清徳政権と
「対等と尊厳の原則の下で平和的対話を進め、海峡と地域の安定を共に守る」
よう求めた。
また、日本が
「中国分裂」
に加担すれば
「民衆が火の中に連れ込まれることになる」
と発言した中国の呉江浩駐日大使について、
「(呉氏は)2023年4月にも同様の発言をした」
「大変失礼なことで外交的には不適切だ」
と述べた。

中国は戦争せずに台湾統一できるか 米研究機関シナリオ 威圧で政治危機 28年目途に和平
2024/5/24 16:23
https://www.sankei.com/article/20240524-TS3YF35JORNGPHMGHWZ35W66XY/
米シンクタンク
「アメリカン・エンタープライズ研究所」(AEI)

「戦争研究所」
は、中国が軍事侵攻に至らずに威圧行動によって台湾統一を実現するシナリオをまとめた共同報告書を公表した。
中国が台湾の政治危機や米台離反を誘発し、2028年を目途に中台和平協定の締結に持ち込むとの内容で、その脅威を軽視してはならないと警告した。
共同報告書の題名は
「威圧から降伏へ 中国は戦争をしないで如何に台湾を奪えるか」。
中国指導部が、米国や同盟国との大規模紛争となる恐れのある軍事侵攻を台湾統一の最良の戦略的選択肢と判断しているかは不明と分析。
その上で別の選択肢として
「戦争に至らない威圧行動」
で台湾を征服できるかを検証した。
報告書は、中国が
①台湾の分離主義者の打破
②外部世界からの孤立
③中台間の新たな法的枠組み確立
を目標に、諜報、サイバー、経済、認知戦など多重的威圧行動で、次期総統選が行われる2028年を目途に台湾と和平協定を結び、実質的な統一を図るシナリオを示した。
中国はその過程で、米政府・国民に
「台湾支援に伴うコストが利益を著しく上回る」
との意識を浸透させ、台湾と取引する米企業に制裁圧力を加える。
報告書は、自衛隊や米軍の主要基地がある沖縄での反戦平和デモ扇動など、中国による対日工作も予測した。
同時に中国は台湾周辺で軍事演習やミサイル発射を強化し、台湾向け船舶の検査を通じて台湾を
「準封鎖」
状態に置く他、
「政治的暴力」
をエスカレートさせる。
民衆に不信や恐れを植え付け、中国に抵抗する意思をくじく
「認知戦」
を継続し、2027年までに深刻な政治危機を引き起こす。
報告書は、2028年の次期総統選で中台関係正常化と和平協定締結を支持する候補が勝利し、台湾の立法院(国会に相当)が
「両岸平和委員会」
設置法を可決するというゴールを描く。
協定は外国勢力との軍事、外交上の関係停止を定め、台湾は実質的に統一されるとしている。
報告書は米国と同盟諸国に対し、台湾孤立化を阻止するために一致した協調行動を取る必要があるとし、中国の威圧行動に関する早期警戒や機密情報の公開、共同声明の発表などを提言した。
戦争研究所のキンバリー・ケーガン所長は
「米国は軍事力を強化して敵対勢力との戦争を抑止すると同時に、敵が武力攻撃に至らない手段で政治目的を達成するシナリオにも備えねばならない」
と述べた。

台湾周辺に中国軍用機49機、中間線越えも 軍艦など26隻も活動
2024/5/24 11:45
https://www.sankei.com/article/20240524-QFIQPA7MUFJSXEXUVIG4FLCUVM/
中国軍が台湾周辺で実施している軍事演習に関連し、台湾国防部(国防省に相当)は2024年5月24日、中国の軍用機延べ49機が同日午前6時(日本時間同7時)までの24時間に台湾周辺で活動したと発表した。
軍用機のうち延べ35機が台湾海峡の暗黙の
「休戦ライン」
である中間線を越えたり、台湾の防空識別圏に進入したりした。
軍艦延べ19隻と海警船7隻を合わせ26隻の活動も確認されたとしているが、離島周辺で活動した海警船などは数に含まれていない。
台湾国防部は、台湾軍が軍用機や艦船を派遣し
「厳しく監視し対処した」
と説明した。(共同)

木原防衛相「重大な関心持ち注視」 中国の台湾周辺軍事演習
2024/5/24 11:01
https://www.sankei.com/article/20240524-T5LJYFR4AFI7RKMPZFICAMMMKY/
木原稔防衛相は2024年5月24日の記者会見で、中国軍が2024年5月23日から台湾周辺で実施している軍事演習について
「重大な関心を持って注視している」
と述べ、日本周辺の警戒監視に万全を期す考えを強調した。
近年の中国軍の動向に関し
「我が国周辺での活動を活発化させると共に台湾周辺での軍事活動を活発化させてきている」
との認識も示した。
その上で
「台湾を巡る問題が対話により平和的に解決されることを期待する」
と語った。

中国軍、2日目の軍事演習開始 台湾包囲し頼政権に軍事圧力を強化
動画
2024/5/24 9:30
https://www.sankei.com/article/20240524-WK25SFN23JMYJCL4LWVKYQFWSE/
中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2024年5月24日午前、台湾周辺で2日目の軍事演習を始めたと発表した。
中国軍は台湾を取り囲む形の大規模演習を2024年5月23日から2日間の日程で行っている。
中国が
「台湾独立」
派と見做す頼清徳氏が2024年5月20日に台湾の総統に就任したことを受けて軍事的圧力を強めている。
東部戦区の報道官は2024年5月24日発表した談話で、演習では重要地点の制圧能力などを検証すると説明している。
演習には、陸海空軍や、戦略ミサイルを運用するロケット軍が参加。
台湾本島の北部、南部、東部や台湾海峡の他、台湾が実効支配する離島の金門島、馬祖島の周辺などを演習海域としている。
頼氏が就任演説で
「1つの中国」
原則を認めない立場を示したことに中国側は反発。
中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は2024年5月23日の記者会見で
「『台湾独立』は袋小路だ」
「中国人民の国家主権と領土保全を守り抜く決心は揺るぎない」
と強調すると共に、軍事演習について
「国際法と国際慣例に完全に合致し、完全に正当で必要なものだ」
と主張した。
中国軍は2022年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台した際にも、台湾を包囲する形で大規模な軍事演習を実施。
その後も台湾周辺で軍事演習を繰り返している。

米政権高官、台湾取り囲む中国の軍事演習で自制要求 「エスカレートの危険性ある」
2024/5/24 8:18
https://www.sankei.com/article/20240524-RFP6AHPAPZLXLGPSCYGZDAFFDI/
バイデン米政権高官は2024年5月23日、中国人民解放軍が台湾の頼清徳新総統の就任に合わせ台湾を取り囲む形で軍事演習を開始したことに関し、
「中国の行動は(状況を)エスカレートさせる危険性がある」と非難し自制を求めた。
高官は
「中国人民解放軍による台湾海峡や台湾周辺での軍事演習」
への懸念を表明。
「自制して行動するよう強く求める」
と述べ、緊張を高めないよう促した。
また、台湾における
「通常の政権移行を挑発的、威圧的な措置の口実に使うべきではない」
と批判した。
台湾と緊密に連携しつつ
「注意深く監視していく」
とも述べ、中国を牽制した。
高官はインド太平洋地域に展開する米軍に関し、
「平和と安定に向けた現在の態勢と作戦に自信を持っている」
と強調した。
バイデン政権は中国の国防当局・軍高官との対話を進めている。
オースティン米国防長官はシンガポールで2024年5月31日から開かれるアジア安全保障会議(通称シャングリラ対話)に合わせて中国の董軍(とうぐん)国防相と初の対面会談を実施する予定と報じられており、実現した場合には今回の軍事演習などにも触れるとみられる。

中国軍艦15隻、軍機33機を台湾周辺で確認 頼清徳総統「威嚇に直面、平和守る」
2024/5/23 21:56
https://www.sankei.com/article/20240523-BFWEHMS3NJJGFCUDRX7I2OOKGQ/
台湾の国防部(国防省に相当)は2024年5月23日、中国軍の軍事演習について記者会見し、同日夕までに台湾周辺で軍艦15隻と海警局の船16隻、軍用機33機を確認したことを明らかにした。
中国の軍艦や軍用機は、台湾側から24カイリの接続水域に当たる海域とその上空付近まで接近したものの、活動はその外側にとどまっているという。
中国軍は2022年8月、ペロシ米下院議長(当時)の訪台に反発して実施した軍事演習で、台湾当局によると11発の弾道ミサイルを発射。
台湾の国防部は今回、中国のロケット軍の動向を監視しているとした上で
「(中国側は)過去と異なり演習区域の(具体的な)緯度・経度を公表しておらず、飛行禁止区域も設定していない」
と指摘した。
また、台湾海峡周辺の海空域で実弾の発射は確認されていないとした。
2024年5月20日に就任した台湾の頼清徳総統は2024年5月23日、海軍陸戦隊(海兵隊)の部隊を視察した際、
「外部の挑戦と威嚇に直面する中、我々は自由と民主の価値、地域の平和と安定を守る」
と訓示した。

台湾の国防部「非理性的な挑発」と反発 中国の軍事演習開始で談話
2024/5/23 13:33
https://www.sankei.com/article/20240523-3XNOMCSI4RJTLABP2Z3WXYY2YQ/
台湾の国防部(国防省に相当)は2024年5月23日、中国軍の東部戦区が台湾周辺などで軍事演習を始めたことを受けて談話を発表し、
「非理性的な挑発であり、地域の平和と安定を破壊する行動だ」
と反発した。
国防部は、陸海空軍によって対処するとし
「実際の行動で自由と民主主義、主権を守る」
と表明した。
国防部は、中国軍が
「近年、軍用機や軍艦を継続的に派遣させて攪乱させている」
と指摘し、
「世界の平和と安定を実質的に侵害している」
と批判した。

中国軍が台湾取り囲み軍事演習を開始 頼清徳氏の総統就任を受け軍事圧力、24日まで
2024/5/23 10:05
https://www.sankei.com/article/20240523-YVZRA5NVZVJUBDYZ4J5Z6BJUGI/
中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区は2024年5月23日、台湾を取り囲んで軍事演習を同日開始したと発表した。
演習は2024年5月24日まで続ける。
中国が
「台湾独立」
派と見做す台湾の民主進歩党の頼清徳氏が2024年5月20日に総統に就任したことを受けて軍事的圧力を強めた。
東部戦区の発表によると、演習は2024年5月23日午前7時45分(日本時間8時45分)に開始した。
台湾本島の北部や南部、東部の他、台湾海峡、中国大陸近くに位置する台湾の離島である金門島や馬祖島の周辺などを演習地域としている。
東部戦区の報道官は、演習について
「『台湾独立』の分裂勢力による独立を画策する行為への力強い懲戒であり、外部勢力の干渉や挑発に対する重大な警告だ」
と表明した。
中国は、頼政権への非難や圧力を増している。
王毅共産党政治局員兼外相は2024年5月21日、
「頼清徳の類いの民族と祖先に背く恥ずべき行為は誰も相手にしない」
と頼氏を名指しで非難した。
台湾を支援する米国にも反発している。
中国外務省は2024年5月22日、台湾への武器売却などを理由に米国の防衛関連企業12社と幹部ら10人に制裁を科すと発表。
中国政府は3日連続で対米制裁を打ち出している。
中国軍は2022年8月にペロシ米下院議長(当時)が訪台した際、台湾を包囲する形で大規模な軍事演習を実施。
2023年4月にも、台湾の蔡英文総統(当時)が訪米してマッカーシー米下院議長(当時)と会談したことに対する報復措置として軍事演習を行った。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/426.html#c35

[政治・選挙・NHK294] <静岡県知事選>岸田自民“討ち死に”濃厚、不可解な「情勢調査」とチラつく菅前首相の影(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
12. 秘密のアッコちゃん[354] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月25日 13:25:37 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[467]
<■246行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
選挙演説に対するヤジは許されない。
拡声器・肉声を問わずヤジは許されない。
拡声器でのヤジは肉声のヤジよりも悪質だが、だからといって肉声のヤジが許されるわけではない。
ヤジは「言論」ではなく「非言論」だ。
ヤジは、
「表現の自由」
の名の下に非言論によって言論を掻き消すという
「言論の自由」

「知る権利」
に対する挑戦行為だ。
ヤジは、まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものだ。
1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければならない。
これは間接民主主義の破壊行為だ。
特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことだろう。
実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、
「ステルス遊説」
を展開するに至った。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山~なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/428.html#c12

[政治・選挙・NHK294] ニュー山王ホテル前に左右市民が集結、「分断洗脳工作超え、日本の主権取り戻せ」 5/23日米合同委員会廃止要求デモ(高橋清隆… ますらお
17. 秘密のアッコちゃん[355] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月25日 22:01:15 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[468]
<■2394行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち
Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽
「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」
「質問に答えろよ飯山!」
2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは
「つばさの党」
という団体の根本良輔なる人物だ。
私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。
街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。
警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。
しかし某はこう続けた。
「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」
「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」
某も同補選の立候補者である。
だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。
産経新聞の取材に対し、
「どこで街宣しても合法だ」
と自身の言動を正当化している。
某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。
私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。
街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き
「出てこい」
と挑発する。
この繰り返しだ。
2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。
私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。
■私は絶望した
自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。
他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。
「殺人の自由」

「強盗の自由」
「誹謗中傷の自由」
といったものが認められないのはそれ故である。
しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。
某は産経新聞に対し、妨害活動により
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
と主張している。
とんだ偽善者である。
2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、
「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」
と、
「若い弱者」
ポジションを取って煽ってきた。
若さなど所詮、相対的なものだ。
小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。
贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ
「若い弱者」
ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。
某はいわゆる
「無敵の人」
である。
選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。
実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。
これは公開リンチに等しい。
私は絶望した。
「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」
何が面白いのか、私には全く分からない。
図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。
■諦めたらそこで終わりだ
「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」
表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。
「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」
これが某の
「合法」
な選挙活動らしい。
拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。
これでどうやって、
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
というのか。
通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。
中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。
誰もが顔を強張らせる。
政治参加どころの話ではない。
こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。
政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。
そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。
実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。
有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。
哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。
某はこうも言った。
「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」
「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」
「何だよ保守党って!」
「保守党ってのは逃げること?!」
保守の基本は
「大切なものを守る」
という信念だ。
我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。
他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。
某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。
某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。
なるほど、実に賢いと、某の
「信者」
たちは喝采を送る。
「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」
として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。
メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。
しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。
2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が
「あかり、がんばれ?!」
と高い声をあげた。
正義はここにある。
日本を諦めてはならない。
諦めたらそこで終わりだ。

選挙演説に対するヤジは許されない。
拡声器・肉声を問わずヤジは許されない。
拡声器でのヤジは肉声のヤジよりも悪質だが、だからといって肉声のヤジが許されるわけではない。
ヤジは「言論」ではなく「非言論」だ。
ヤジは、
「表現の自由」
の名の下に非言論によって言論を掻き消すという
「言論の自由」

「知る権利」
に対する挑戦行為だ。
ヤジは、まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものだ。
1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければならない。
これは間接民主主義の破壊行為だ。
特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことだろう。
実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、
「ステルス遊説」
を展開するに至った。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山~なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。

つばさの党、複数陣営に15回以上の選挙妨害行為 逮捕の3人に協力者の存在も浮上
2024/5/19 18:41
https://www.sankei.com/article/20240519-GFGZFLV42NJFNNHX7OHRDNPYOI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人が、複数の陣営に対して少なくとも15回以上に渡り妨害行為を繰り返していたことが2024年5月19日、捜査関係者への取材で分かった。
3人の行為に複数の協力者がいることも判明した。
黒川容疑者やつばさの党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選に出馬していた他の候補の演説場所に近付いて、拡声器を使って大音量を流して演説を妨害。
「カーチェイス」
と称して、他候補の選挙カーを追尾し、拡声器で罵声を浴びせるなどしていた。
特別捜査本部は選挙期間中、黒川容疑者らが演説を聞きにくくするなどの行為を5回以上、選挙カーを追尾して交通の便を妨げた行為を10回以上確認。
自由妨害に当たると見ている。
補選には、根本容疑者を含め、立憲民主党や日本維新の会、参政党などが擁立した候補や小池百合子都知事が支援した乙武洋匡氏(48)ら計9人が出馬していた。
黒川容疑者は、そのうち特定の複数の陣営に狙いを定め、妨害行為を繰り返していたとみられる。
こうした行為について、追尾する際の車両を運転したり、動画を配信するための撮影をしたりなど、逮捕された3人以外にも協力していた人物が複数いるとみて特別捜査本部が調べている。

広告収入狙い動画配信か つばさの党、根本容疑者「落選運動をビジネスにしたい」
2024/5/19 18:37
https://www.sankei.com/article/20240519-76DDHOIGNFPQZH45RQWUABBR2Y/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)が補選中、妨害行為の様子を配信した動画の中で
「広告収入が増えている」
「落選運動をビジネスにしたい」
と話していたことが2024年5月19日、分かった。
警視庁捜査2課は過激な行為を繰り返して再生回数を増やし広告収入を得る狙いがあったと見て調べている。
補選期間中、つばさの党のユーチューブチャンネルには妨害などの様子を伝えるライブ動画約40本が投稿された。
2024年5月19日時点の再生回数は計約250万回、チャンネル登録者数は約25万人に上る。
根本容疑者は動画で
「選挙にさえ出れば合法的にやれる」
「ぜひみんなもやってほしい」
「再生回数半端じゃない」
「これが究極の落選運動だと思うので、はやらせたい」
と語っていた。
同課は2024年5月19日、党代表の黒川敦彦容疑者(45)や根本容疑者ら3人を送検した。

つばさの党 複数の支援者も妨害行為に関与か 警察が特定進める
2024年5月19日 11時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240519/k10014454091000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、団体の複数の支援者が車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
警視庁は選挙の妨害行為に関わった人物の特定を進めています。
政治団体「つばさの党」の
▽幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や
▽代表の黒川敦彦容疑者(45)
それに
▽運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人は、
衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕され2024年5月19日、検察庁に送られました。
これまでの捜査で、根本幹事長らは演説を妨害する同様の行為や他の陣営の選挙カーを追い回すなどの行為を繰り返し、その様子をYouTubeなどで配信していたことが分かっています。
団体には確認されているだけでもおよそ10人の支援者がいて、このうち複数のメンバーが、車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
こうした支援者の一部は、根本幹事長の住む住宅で集団生活をしていたということで、警視庁は他の陣営への妨害行為をこの住宅を拠点に計画していた可能性もあるとみて、関わった人物の特定や活動の実態を調べています。

選挙後も小池都知事らの自宅前で「街宣」 SNSで住所情報募る つばさの党選挙妨害事件
2024/5/18 18:30
https://www.sankei.com/article/20240518-OHRZMXULAJMPDMO42PWABPK3VA/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)らが、選挙後も小池百合子都知事ら複数の個人宅周辺で拡声器を使って大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返していたことが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は特別捜査本部を立ち上げ、実態解明を進めている。
黒川容疑者や同党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選の投開票がされた2024年4月28日以降も
「抗議街宣」
と称して、小池氏や同党に批判的な発信をした著名人らの自宅周辺に押し掛け、大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返した。
自宅住所は交流サイト(SNS)で情報を募って特定していたとみられる。
2024年5月13日に警視庁が事務所などの家宅捜索を行った後は、警視庁本部庁舎前にも押し掛け、大音量で怒鳴り続けた。
選挙後も続いたこうした行為について警視庁には複数の相談が寄せられており、恐怖心を与える狙いもあったと見て、
「悪質性が極めて高い」
と判断。
自由妨害の疑いと合わせて、事実確認などを進めている。
小池氏は3人が逮捕された2024年5月17日の記者会見で、
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と述べた。
3人は共謀して補選告示日の2024年4月16日、無所属新人の乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説中、演説に重ねるように大音量で主張を訴えるなどして選挙活動を妨害した疑いで2024年5月17日に逮捕された。

補選中の都知事選立候補表明はネット視聴と逮捕回避狙いか 「つばさの党」黒川容疑者ら
2024/5/18 17:57
https://www.sankei.com/article/20240518-S2HOKQ2OINMZZEZMDCDQCCFX7A/
公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦(45)と同団体幹事長、根本良輔(29)両容疑者は衆院東京15区補選の最中に2024年7月の東京都知事選への出馬表明を行っていた。
補選同様、都知事選でも過激な活動のインターネット配信を行って世間の注目を浴びるだけでなく、候補予定者となることで警察の捜査・逮捕を回避しようとした可能性がある。
補選期間中の2024年4月25日、街頭活動の合間に江東区内で会見を行った両容疑者は都知事選に出馬する考えを明らかにした。
「(都知事選出馬で)凄い事になる」
会見でこう語った根本容疑者。
つばさの党として両容疑者を含む50人を擁立して都内のあらゆる場所に選挙カーを走らせ、小池百合子都知事のネガティブキャンペーンを展開すると宣言した。
出馬表明の背景にはインターネットで動画の再生数を稼ぎ収益化に繋げる考えがあったとみられる。
交流サイト(SNS)などで自身の活動を積極的に発信していることについて、黒川容疑者は
「広告収入を得ることが狙いではない」
と反論。
だが、活動の中では、ネットの反応を常に気にする姿があった。
警視庁が関係先を家宅捜索した2024年5月13日夕、両容疑者らはSNSで予告した上で小池氏の自宅周辺に出向き抗議活動を行った。
その際のネット中継では同団体運動員の杉田勇人容疑者(39)が
「8万1千(人)見てますから」
などと喜びを隠せない様子だった。
黒川容疑者は、補選の選挙期間中、逮捕容疑となった妨害活動に対して警視庁による警告にとどまったことから、
「選挙運動に対する妨害になるから、警察は候補者を逮捕できない」
と独自の主張を展開。
その上で、都知事選への立候補表明について、産経新聞の取材に
「逮捕を回避するため」
「候補予定者になれば警察は手出しをできない」
と明かしていた。

つばさの党 演説妨害5件以上 選挙カー追い回し10件以上確認
2024年5月18日 14時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453371000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、警視庁がこれまでに同じような演説妨害を5件以上、更に選挙カーを追い回す行為も10件以上確認し、調べを進めていることが捜査関係者への取材で分かりました。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁は各陣営から被害届を受理するなどして、選挙期間中の状況について調べていますが、これまでに同じような演説妨害を5件以上確認していることが、捜査関係者への取材で分かりました。
更に、他の陣営の選挙カーを追い回す行為も、10件以上確認していて、今後、増える可能性もあるとしています。
追い回された陣営が予定していたルートの変更を余儀なくされるなど、実際にそれぞれの選挙運動に影響が出たということです。
警視庁は容疑者らの活動の実態をさらに調べると共に、公職選挙法に規定された交通を妨害した疑いでの立件も視野に捜査を進めています。

つばさの党 著名人自宅押しかけ街宣活動 SNSで募り住所特定か
2024年5月18日 11時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453171000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で3人は、他の候補者や団体を批判した著名人の自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
自宅の住所は、SNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁が活動の実態を調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聞き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
根本幹事長らは同じような妨害行為を繰り返していましたが、更に、他の候補者や団体を批判した著名人などの自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
2024年5月13日に捜索を受けた後には、東京都の小池知事の自宅前で演説を行っていました。
こうした活動について、捜査幹部は
「非常に卑劣な行為で、当事者が被害を申告できなくなる恐れもあった」
としています。
相手の自宅の住所はSNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁は恐怖心を与える狙いがあった可能性もあるとみて活動の実態を更に調べています。

“つばさの党の妨害で演説中断など” 警視庁 複数の証言確認
2024年5月18日 6時14分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014452891000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。
一連の妨害行為によって、他の候補者が演説の中断や場所の変更を余儀なくされたケースが複数確認されているということで、警視庁は選挙期間中の活動の実態を更に調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で、拡声機を使って怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁によりますと、こうした行為によって
「演説を聴くことができなかった」
という有権者の複数の証言を得ているということです。
更に、根本幹事長らが同様の行為を選挙期間中に繰り返したことで、他の候補者が演説を中断したり場所や予定の変更を余儀なくされたりしたケースが複数確認されていることが、捜査関係者への取材で分かりました。
他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、活動の実態を更に調べています。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「ずいぶん私も追い回された」 
2024/5/18 12:37
https://www.sankei.com/article/20240518-FSE5SZILLZO7NP7MWHJHLTTPSU/
■異常な行動
立憲民主党・泉健太代表
異常な行動であったと言わざるを得ない。
そういった(逮捕容疑の「自由妨害」に該当する)行為であったと感じる。
ずいぶん私も選挙カーを追い回された。
今後の捜査の推移を見守っていきたい。
法律の改正については、
「妨害」
をどう規定するかという所を我々も考えている。
(2024年5月17日の記者会見、衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を妨害したとして、公職選挙法違反容疑で政治団体「つばさの党」の代表らが逮捕されたことに関して)

つばさの党、スタッフ複数も関与か 警視庁捜査 選挙活動妨害疑い
2024/5/18 8:43
https://www.sankei.com/article/20240518-CGZ52FNVQBJ3BLC7SWNQAE2OHA/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、他にも党の複数のスタッフが他陣営の選挙活動の妨害に関与した疑いがあることが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課はこれらのスタッフも同法違反容疑で捜査する方針。
逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)や党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、選挙期間中に他陣営への妨害行為を動画投稿サイトのユーチューブなどで配信していた。
複数の陣営から被害相談を受けている捜査2課は、これらの行為に複数のスタッフが動画の撮影役や運転手などとして関与したとみて調べている。
警視庁は3人の認否を明らかにしていないが、いずれも逮捕前の取材に違法性の認識を否定していた。
3人の逮捕を受け、党の関係者らは17日夜、ユーチューブの配信で
「不当逮捕だ」
「東京都知事選へ向けた弾圧」
などと主張した。

つばさの党の選挙妨害「表現の自由超えた」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20240517-NAJFQCUBZZNA5EXGRYINZIOQOY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で他候補の街頭演説を妨害したとして政治団体
「つばさの党」
代表ら3人が公選法違反(自由妨害)の疑いで逮捕されたことについて、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月17日、
「つばさの党にも意見があると思うが、表現の自由の限界を超えた」
と述べた。府庁で記者団の取材に答えた。
逮捕された3人は、他候補の演説場所近くで拡声器を使って大音量で演説し、他候補の演説を聴衆に聞こえなくするなど、選挙活動を妨害する行為を繰り返した疑いが持たれている。
維新は東京15区補選に公認候補を擁立し、吉村氏も応援演説で同様の被害を受けた。
吉村氏は一連の行為について
「(つばさの党の)やり方が罷り通るのであれば、候補者が政策を訴えるという行為が成り立たなくなる」
と指摘。
捜査当局の判断については
「裁判所が逮捕令状を出したのは犯罪の疑いがあったから」
「選挙妨害には厳しく対応すべきだ」
と述べた。
維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立を目指し与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「今回の事例を基に立法を行うのは国会のあるべき姿の1つ」
「深く議論してもらいたい」
とした。

つばさの党代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 18時27分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁は、選挙に立候補した団体の幹事長や代表ら3人を公職選挙法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人です。
警視庁によりますと、衆議院東京15区の補欠選挙で、告示日の2024年4月16日に、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、電話ボックスの上に座るなどして拡声機で怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、候補者の演説が聞き取れないようにしたとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査してきました。
根本幹事長らは、他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、全容の解明を進めることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
警視庁は認否を明らかにしていませんが、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。
■黒川敦彦代表 根本良輔幹事長とは
政治団体
「つばさの党」
の代表の黒川代表は、大学を卒業後、医療系のベンチャー企業を立ち上げるなどした後、出身地の愛媛県今治市で、加計学園を巡る問題を追及する市民団体の共同代表を務めました。
選挙には、2017年に衆議院山口4区に初めて立候補した後、これまでに、参議院選挙や東京・町田市の市長選挙に立候補し、いずれも落選しています。
2019年に政治団体
「オリーブの木」
を設立して代表に就任し、2021年に名称を
「つばさの党」
に変更してからも代表を務めています。
幹事長の根本幹事長はIT関連会社を経営しています。
3年前の2021年に東京都議会選挙の葛飾区選挙区に
「つばさの党」
から立候補し、落選しました。
その後、幹事長に就任し、今回の衆議院東京15区補欠選挙では1110票を得ましたが、最下位で落選していました。
■「選挙の自由妨害罪」とは
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、225条で
「選挙の自由妨害罪」
を定め、演説の妨害行為などを禁止しています。
条文では
「交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと規定されていて、違反すると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
「演説の妨害」
について、昭和23年の最高裁判所の判例では
「聴衆が聴き取ることを不可能または困難になる場合は演説の妨害である」
などとしています。
また、昭和29年の大阪高等裁判所の判例では
「演説の妨害を認識しながら、聴衆が演説内容を聴き取り難くなるほど、執拗に質問などをして演説を一時、中止させることは妨害に当たる」
などという判断を示しています。
警視庁は、2024年5月13日に
「演説の妨害」
と、他の陣営の選挙カーを追い回した
「交通の妨害」
の疑いで団体の事務所などを捜索していて、今回は
「演説の妨害」
の容疑での逮捕となりました。
■難しい対応迫られた警視庁 どう判断したか
「つばさの党」
の陣営が選挙期間中
「選挙妨害だ」
という他の陣営からの指摘に対して
「国民に与えられた表現の自由の範囲内だ」
などと主張して行為を繰り返す中、警視庁は難しい対応を迫られていました。
公職選挙法は、選挙の自由妨害罪について
「演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと定めていますが、ヤジを飛ばす行為そのものを規制しているわけではなく、拡声機の音量などの規定もありません。
警視庁は拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨害したとして、告示日から2日後の2024年4月18日
「つばさの党」
の陣営に対し
「警告」
を出しましたが、他の陣営への妨害行為はその後も繰り返されました。
警視庁には
「なぜ取り締まれないのか」
といった意見や苦情が多く寄せられていたということです。
捜査幹部の1人は取材に対し
「表現の自由や選挙の自由が絡むため、より慎重な事実認定や法的評価が求められた」
「ともすれば『公権力の恣意的な行使』と指摘されるリスクもあるため、緻密に違反の事実を裏付けていく必要があり、当時は警告がギリギリだった」
と振り返ります。
警視庁は、陣営が危険な行為に及んだ場合には、警察官職務執行法に基づき
「暴行罪や器物損壊罪で摘発する」
と注意を行う対応も取りましたが、陣営は、現場で警察官から注意を受けると、妨害行為を一旦止めたため、実際に摘発されることはありませんでした。
警視庁は2024年5月に入ってから他の陣営からの被害届の提出を受け、詳しい状況についての聞き取りを進めてきました。
その結果、他陣営の候補者の演説の内容が搔き消されるほどの大音量で騒ぎ立てたり、追いかけられた他陣営の関係者が警察署に逃げ込んだりしたケースもあるなど、実際に選挙活動に影響が出ていたことが確認されたということです。
警視庁は、こうした妨害行為が幅広い陣営に対し、長期間、反復継続して行われたことを重く見て2024年5月13日、強制捜査に踏み切り、2024年5月17日、3人を逮捕しました。
捜査幹部は
「選挙の後も他陣営の候補者や関係者、団体に批判的な意見を述べるタレントなどの自宅に押し掛け、街宣活動を行っていることを確認し、任意の捜査では限界があると判断した」
としています。
警視庁は今回の逮捕容疑となった演説の妨害の他、他陣営の選挙カーを追い回し、交通を妨害した疑いでも捜査しています。
■再生回数稼ぐ狙いもあったか
「つばさの党」
は選挙期間中、他の陣営の演説を拡声機などを使って妨害したり、選挙カーで追い回したりする様子を毎日のようにYouTubeで配信していて、再生回数が10万回を超えたものもあります。
陣営は
「他の候補者に、疑惑について質問することが目的で、国民の不満の声を代弁し、政治家の嘘を暴いている」
などと話していました。
その一方、配信の中で根本幹事長は
「下世話な話をすれば、広告収入が増えている」
「再生数が半端ではない」
「爆音でカーチェイスしまくるのが究極の落選運動で、これをビジネスにして広めたい」
などとも発言していました。
警視庁は、動画の再生回数を稼いだり広告収入を得たりする狙いもあったとみて目的などを捜査しています。
■林官房長官「公正・適切に選挙運動を展開する必要」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会で、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害することはあってはならず、候補者や選挙運動関係者はルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法の改正の必要性について問われ
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論するべきものだ」
と述べました。
■松本総務相「極めて重大な問題」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「選挙が公正に行われるためには、有権者に考え方や政見が伝わることが大事で、そのような環境がもし妨害されているとすれば極めて重大な問題であると考えている」
「報道などの映像を見る限りは、本当に深刻な状況だと感じざるを得ない」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の制度の改変については、選挙の自由という極めて重要な案件であり、立法府での政党間の議論を注視したい」
と述べました。
■自民 森山総務会長「必要があれば各党で議論」
自民党の森山総務会長は記者会見で
「選挙は国民が政治に参加する最も重要な機会なので、運動が自由に行われなければならないのは当然だ」
「今回の逮捕は一線を越えた悪質なものだと判断されたと理解している」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の改正については、必要があれば各党で選挙の自由妨害罪の適用の明確化や罰則強化などが議論されるべきものではないか」
と述べました。
■立民 泉代表「異常な行動と言わざるをえず」
立憲民主党の泉代表は記者会見で
「異常な行動であったと言わざるをえず、選挙の自由を妨害した行為であったと感じている」
「私も選挙カーを追い回され、残念ながら、こちらがマイクを下ろさざるを得ないこともあった」
「大きな声でひたすら他党の候補者を悪く言っていたので、捜査当局も努力したのではないか」
「捜査の推移を見守っていきたい」
と述べました。
また、選挙運動の公正を確保するための法改正について
「党内で、法定刑の引き上げやどのような行為が妨害にあたるのかの例示について考えているところだ」
と述べました。
■公明 石井幹事長「適切な対応がなされた」
公明党の石井幹事長は記者会見で
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったのは極めて由々しき事態であり、適切な対応がなされた」
「表現や言論の自由が最大限尊重されるべきなのは言うまでもないが、候補者の主張が有権者に届かないような妨害行為は一定の制約を受けるべきだ」
「まずは現行法を引き続き適切に運用していくことが重要だが、更なる必要性があれば法改正も含めて与野党で議論していくべきだ」
と述べました。
■乙武洋匡氏「有権者の“聞く権利”奪う悪質な行為」
根本幹事長らは、衆議院東京15区の補欠選挙が告示された2024年4月16日にJR亀戸駅前で行われた乙武洋匡 氏の陣営の演説を妨害した疑いが持たれています。
乙武氏は2024年4月17日、根本幹事長らの逮捕を受けて旧ツイッターのXに
「法律ギリギリの範囲を狙って選挙を荒らしまくり、有権者の“聞く権利”を奪う悪質な行為が、今後二度と繰り返されないよう切に願っています」
などと投稿しました。
■東京都 小池知事「模倣する人たちが出てくる懸念」
乙武洋匡 氏の応援演説を行った東京都の小池知事は記者会見で
「都民も憤りを感じている人は多いと思う」
「候補者も身の危険を感じながらやる選挙は、他の国では聞くが日本ではあり得ない事態だ」
「公職選挙法では今回のような事態は想定していないと思う」
と述べました。
その上で
「模倣するような人たちが出てくる懸念も残る」
「民主主義の基本である選挙で、候補者が怯え、他の候補者を貶めるというようなことが続くと、政治に対しての無関心どころか嫌悪感を深めてしまうのではないかと心配している」
と述べました。
■東京都選管 リーフレットを作成
東京都選挙管理委員会は、街頭演説の妨害行為は法律で禁止されていることを周知するリーフレットを作成しました。
都の選挙管理委員会によりますとリーフレットは2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、つばさの党の陣営によって他の陣営の演説を聞き取れないようにする妨害行為があったいう訴えが相次いだことなどから作成したということです。
この中では、暴行による妨害や、演説の継続を困難とするような妨害は、法律に違反することが説明されています。
都の選挙管理委員会は、2024年7月の都知事選挙の立候補予定者説明会などで配付し、演説の際に有権者や候補者の安全が確保されるよう協力を呼び掛けることにしています。

与野党、選挙妨害での逮捕「適切な対応」「見守りたい」 法改正の議論も
2024/5/17 19:28
https://www.sankei.com/article/20240517-PRHDJULZ7VJTVDY5C54K3LWEBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことに関し、与野党からは
「適切な対応だ」
などと評価する声が上がった。
妨害の要件明確化など、法改正を目指す動きも出ている。
自民党の森山裕総務会長は記者会見で、3容疑者の逮捕について
「警告を発していたにも関わらず妨害行為が繰り返されたことが、一線を越えた悪質なものだと判断された」
との見解を示した。
公明党の石井啓一幹事長は
「適切な対応がなされた」
と評価した。
立憲民主党の泉健太代表は
「捜査当局も努力をされた」
「今後の推移を見守りたい」
と述べた。
日本維新の会の藤田文武幹事長は
「選挙が終わった後、家宅捜索、逮捕と進んでいった」
「冷静にどう進むかを見守りたい」
と語った。
国民民主の玉木雄一郎代表は、自身も妨害の被害者だとして
「厳正な捜査を期待したい」
「全面的に協力し、事情聴取などがあればしっかり受けたい」
と語った。
共産党の小池晃書記局長は
「現行法の公選法などを厳格に適用して対処すべきだ」
と述べつつ、
「逮捕要件を詳細に確認しているわけではないので、そのこと自体についてのコメントは避けたい」
と述べた。
法改正を巡っては、妨害の要件明確化や、捜査機関の対応迅速化を目指す公選法改正案の共同提出に向け、維新と国民民主が協議に入っている。
自民も茂木敏充幹事長が法改正に意欲を示し、立民も党内議論を進めている。
一方で今回の逮捕を含め、現行法の枠内で対応できれば改正は不要だとの見方もある。
維新の藤田氏は会見で
「(改正は)必要ないねという議論もあり得るが、一方で(改正で要件などを)明記して分かり易くする方法もある」
と指摘。
国民の玉木氏は
「折り合える所で折り合い、今国会で法案を成立させたい」
と意欲を示した。
立民の泉氏は法定刑の引き上げや妨害行為の例示など、引き続き党内で検討を進める考えを示した。

N党、ガーシー氏との活動通じ先鋭化か 逮捕のつばさの党代表、黒川敦彦容疑者
2024/5/17 16:53
https://www.sankei.com/article/20240517-4ZI2MUZIQNN5NNHOPKYKERWEZM/
衆院東京15区補選を巡り、警視庁捜査2課に公職選挙法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)は、同党前身の政治団体
「オリーブの木」
を結成して政治活動を本格化させた経歴を持つ。
その後、立花孝志党首率いる政治団体
「NHK党」
で幹事長に就任。
ガーシーこと東谷義和元参院議員の選挙活動に関わるなどして、活動を先鋭化させていったとみられる。
■ガーシー氏出馬関与から変化
「真面目に選挙活動を展開していて、今のような過激な行為はなかったんですが…」。
オリーブ時代から数年間、選挙活動に関する相談を受けていたという行政書士の男性はこう明かす。
黒川容疑者からの相談は、選挙ポスターの表記や選挙カーが都県境を跨ぐ際の警察への届け出方法などに関するもので、
「法を守る方向に意識が向いていた」
という。
男性によると、変化があったのは新型コロナウイルス禍の頃。
「陰謀論めいた方向に傾注し、NHK党でガーシー氏の出馬などに関わった頃からおかしくなっていったように見える」
と話す。
令和4年、NHK党で携わったのが暴露系ユーチューバーとして活動していたガーシー氏が出馬した参院選だ。
黒川容疑者は選挙戦を通し、インターネットなどで目に留まりやすい発信方法を習得していったとみられる。
黒川容疑者自身も、逮捕前の取材に
「立花氏から学んだ事はある」
と明かしていた。
■立花氏は「僕が切り捨てたから先鋭化」
ただ、黒川容疑者はその後、党の運営などを巡って立花氏らと対立し、袂を分かつ。
立花氏はそうした経緯について産経新聞の取材に、
「先鋭化したのは僕が切り捨てたからだと思う」
と分析。
「経済的にも厳しくなったからじゃないか」
と話している。
黒川容疑者本人は、産経新聞の取材に、
「(妨害音を鳴らす)『かぶせ』はしなかったが、オリーブの時も安倍晋三首相(当時)の街宣に突撃しました」
と、方針の変化を否定。
交流サイト(SNS)などで過激な行動を発信している手法については、
「世の中を良くするため」
「広告収入を得ることが狙いではない」
としていた。

警告後も続いた妨害、公選法違反と判断 つばさの党代表、異例の逮捕 18年ぶり特捜本部
2024/5/17 16:52
https://www.sankei.com/article/20240517-3INDHE3NQRJC3NRFV6WK5YRY2I/
民主主義の根幹である選挙活動を揺るがした妨害行為は、元候補者らの逮捕という異例の事態に発展した。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で複数の陣営に対し、妨害行為を繰り返した政治団体
「つばさの党」。
警視庁捜査2課は、関係機関とも綿密な調整を重ね、警告後も続いた活動を
「自由妨害」
と認定し、強制捜査から4日後に逮捕に踏み切った。
「表現の自由、言論の自由は尊重しなければならないが、今回は度を越している」
「極めて悪質」。
つばさの党から立候補した根本良輔容疑者(29)や党代表、黒川敦彦容疑者(45)らの行為について、警視庁はそう判断した。
補選中、つばさの党は、他陣営の演説を拡声器やクラクションで妨害する行為を繰り返した。
公選法225条の
「自由妨害」
は、候補者や運動員に対し
①暴行、威力を加えること
②交通の便や集会の便を妨げる、演説の妨害、ポスター損壊などをすること
③学校や会社など特殊な利害関係を利用して威迫すること
と規定する。
演説の妨害は条文上、明確に違反行為とされているが、実際に摘発されているのは、運動員を殴ったり、ポスターを破ったりしたというような個人がほとんど。
陣営を挙げて組織的に他陣営の街頭演説に乗り込み、大音量で妨害する行為は想定されていなかったというのが実情だ。
黒川容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に、
「両陣営の演説が重なっただけ」
などと主張。
選挙中も、
「過去の判例を見ても有罪になったことはない」
などとして妨害行為を止めなかった。
警視庁は補選告示日の2024年4月16日、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)の街頭演説に対し、電話ボックスの上に座りながら拡声器を使って大音量で話したり、車のクラクションを鳴らしたりした行為が妨害に当たる可能性があるとして2024年4月18日に警告を発出。
前例がない中で、捜査2課は
「言論の自由」
の侵害に当たらないよう慎重に捜査を進め、根本容疑者らの言動を蓄積すると共に、公選法の解釈や運用について検察庁などとも協議を重ねた。
根本容疑者らは反復的に同様の行為を続けた他、他陣営にも矛先を向けていったことを重要視。
乙武氏の演説の際、聴衆の間に割って入り、聴衆に背を向けて質問などを捲し立てていたことが、選挙活動の演説とは異なる
「妨害」
に当たることも併せて、逮捕に踏み切った。
警視庁は今回、刑事部長を本部長とする
「特別捜査本部」
を設置。
妨害の立証と共に、組織の実態解明を進める。
捜査2課が特捜本部を設置するのは異例で、巨額詐欺事件として知られる
「近未来通信事件」
以来18年ぶりという。

「選挙への影響取り返せない」 つばさの党代表ら逮捕、各陣営評価も影響深刻
2024/5/17 16:26
https://www.sankei.com/article/20240517-QNMUGWYGKVLZDPWV7SJY5TWG4Y/
衆院東京15区補欠選挙に絡み公選法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表らは、無所属、乙武洋匡氏(48)の陣営だけでなく、複数の陣営の街頭演説で妨害行為を繰り返していた。
各陣営関係者からは2024年5月17日、
「民主主義が破壊された」
などと批判する声が上がった。
立憲民主党から立候補して当選した酒井菜摘氏(37)の陣営関係者は
「平穏で議論の深まった選挙戦であるべきなのに、有権者との対話という選挙の重要な要素が妨げられたのは残念だ」
と振り返った。
飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の有本香事務総長も
「まともに選挙活動ができなかっただけでなく、有権者が候補者の訴えを聞けなかったのは大きな損失」
「民主主義を破壊したことを深刻に受け止めるべきだ」
と批判した。
乙武氏陣営で選対本部長を務めた尾島紘平都議は
「民主主義の根幹たる選挙の自由と安全が脅かされた」
「逮捕は評価したいが、選挙への影響は取り返せない」
と残念がった。

小池百合子都知事「政治に対する嫌悪感を深める」と批判 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 14:56
https://www.sankei.com/article/20240517-ZKMNI4QN45NI3ALK6IWEOZZHJQ/
東京都の小池百合子知事は2024年5月17日の定例記者会見で、衆院東京15区補選で別陣営の演説を妨害した公選法違反(自由妨害)容疑で、警視庁が政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕したことに
「候補者が怯え、有権者に話すのではなく他の候補者を貶めることは、政治に対する嫌悪感を深めてしまう」
と容疑者らの手法を批判した。
先の補選で小池氏は、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)=無所属=を支援。
告示前から選挙期間中にかけて、小池氏は乙武氏と共に街頭演説を行ったが、黒川容疑者らが度々会場近くまで近付いて大音量でヤジを飛ばすなどしていた。
また選挙期間中には黒川容疑者らが選挙区とは関係ない小池氏の自宅前で大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言。
警視庁がつばさの党関係先の家宅捜索を行った2024年5月13日夕にも、黒川容疑者らが小池氏の自宅前で抗議行動を行っている。
小池氏はこの日の会見で
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と振り返った。
その上で、
「(これまでの選挙で各陣営が守ってきた)紳士協定がない、何でも有りの状況で今日の逮捕に至った」
とし、
「(今後の選挙で)模倣する人が出てくる懸念が残る」
と指摘した。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「異常な行動」「ずいぶん私も追い回された」
2024/5/17 14:46
https://www.sankei.com/article/20240517-K4RLRZ2CDVONNOWBSS7OAWHV5I/
衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を大音量で妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表らが逮捕されたことを受け、15区に公認候補を擁立した立憲民主党の泉健太代表は2024年5月17日の記者会見で
「私が見ていてもそういった(自由妨害に該当する)行為であったと感じる」
と語った。
泉氏は
「異常な行動であったと言わざるを得ない」
と指摘した上で
「随分私も選挙カーを追い回された」
と振り返った。
法改正の必要性にも言及し
「『妨害』をどう規定するか、我々も考えている」
と述べた。

つばさの党の根本容疑者、都知事選出馬表明の石丸氏に「徹底的に質問に行くよ」逮捕前予告
2024/5/17 14:19
https://www.sankei.com/article/20240517-TOLVZ2RUANCCFBIFN42Z2LKLQQ/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡り公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕された政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔容疑者は2024年5月16日、都知事選に出馬意向の広島県安芸高田市の石丸伸二市長について、X(旧ツイッター)で
「徹底質問」
を予告していた。
「一説によると維新から出るそうだが、そうなったら徹底的に質問しに行くよ 彼との対談とか、めっちゃ盛り上がると思う」
と書き込んだ。
投稿は2024年5月17日に逮捕される前。
都知事選については根本氏も立候補を表明していた。
石丸氏は本会議中に居眠りする議員に対し、
「恥を知れ」
と批判したことなどで知られる。
根本氏はXで
「寝てるクソ議員に恥を知れ!と言うぐらいだから質問には答えてくれるだろう」
と投稿した。

黒川敦彦容疑者が設立「つばさの党」、矛先はワクチンや宗教団体の政治活動も 
2024/5/17 13:00
https://www.sankei.com/article/20240517-5K7ILGFZ3VGC7ABSKKUVMY6RBY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁は2024年5月17日、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦、幹事長の根本良輔、組織運動本部長の杉田勇人の各容疑者を公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。
前身団体は令和元年に設立された政治団体
「オリーブの木」。
政権与党に対峙する緩やかな諸派連合を目指し対米自立、護憲を掲げたが、近年は反ワクチンや宗教団体の政治活動に矛先を向けて抗議活動を展開してきた。
「エセ保守 媚び米 媚びイスラエルで 安倍政治万歳! 統一教会、日本会議とべったり」
黒川容疑者は2024年5月17日午前、X(旧ツイッター)にこう書き込み、一部保守系オピニオン誌に対する批判を展開した。
この投稿直後に逮捕されたとみられる。
黒川容疑者は愛媛県今治市で市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
の共同代表を務め、令和元年5月、元衆院議員の小林興起氏、元外交官の天木直人氏、千葉県議の西尾憲一氏とオリーブの木を設立した。
4人が主宰する政治団体の集合体として、令和元年7月の参院選で議席獲得を目指した。
当時のホームページには
「安倍自公政権はもとより、野党共闘も国民のための政治を実現することができず、何とかならないかという声」
の受け皿になると紹介されているが、参院選で候補者は全員落選した。
その前後にオリーブの木内部で、役員人事や政治手法、歴史観、共通政策の違いが露呈したという。
令和元7月に小林氏が離党、令和元9月に天木氏が離党、翌令和2年2月には西尾氏が離党。
これによって、オリーブの木は黒川派が主導権を握った形となる。
令和3年1月、黒川容疑者は動画投稿サイトで党名を
「つばさの党」
に変更すると発表。
令和3年6月には党名変更を繰り返すNHK党と次期衆院選に向けた連携も決定した。
黒川容疑者が率いるつばさの党は、新型コロナウイルス禍でワクチンリスクに警鐘を鳴らす街宣活動を地方で行うと共に、宗教団体に対する抗議活動も先鋭化。
公明党の支持母体である創価学会や幸福の科学に対するデモ活動を行っていく。
令和4年9月には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する抗議集会の開催を呼び掛け、JR渋谷駅前で
「統一教会、CIA」
などと叫んだり、旧統一教会本部前で歌を歌ったり音楽を鳴らしたりするパフォーマンスを行った。
選挙活動を巡っても黒川容疑者らは東京15区補選(2024年4月28日投開票)以前から、他の候補の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子を動画配信する手法を取っていた。
黒川容疑者と根本容疑者は2024年7月の都知事選にも立候補する考えを表明していた。

公明党の石井幹事長、選挙妨害「由々しき事態」 つばさの党代表ら逮捕は「適切」
2024/5/17 11:52
https://www.sankei.com/article/20240517-UJNYABKDUVIBNDAIKXCVQTW22U/
公明党の石井啓一幹事長は2024年5月17日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「適切な対応がなされた」
と評価した。
「選挙は民主主義の根幹だ」
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったことは極めて由々しき事態だ」
と述べた。

「つばさの党」黒川敦彦容疑者が逮捕前日の取材に語る「若者の声を代弁」「尾崎豊みたいな」
2024/5/17 11:36
https://www.sankei.com/article/20240517-MCSPWXPKUZJ3BIDDRAIFSADK3I/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)を逮捕した。
逮捕前日の2024年5月16日、産経新聞は黒川容疑者に取材した。
一問一答は次の通り。
ーーなぜ選挙活動で過激な手法を行うのか
政治家の噓を暴きたいからだ。
街頭演説で半ば噓みたいなキレイ事だけを言っている。
僕たちが実際は『どうなっているの』という質問に行き、政治家の噓を可視化するために行っている」
ーー演説の中で「当選するつもりもない」と言っていたが、出馬の目的は。
国政政党になるために活動しているので選挙には勝つために出ている。
現実的には組織票がない中で衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
1回で勝てなくても積み重ねて今のつばさの党になっている。
仲間は確実に増えている。
批判はあるし、やり過ぎだと思うかもしれないが、共感する人も思った以上に多い。
我々の言論や行動に関しては、一定の国民の支持があるので、一方的に選挙妨害というのは民主国家のロジックとして成り立たない。
ーーどの点が共感を呼んでいると感じているのか
若者たちの声が政治に届かず不満をためているが、持って行き先も分からない。
僕らが代弁している。
権力に挑んでいる。
クソ政治家に僕らは『お前らクソだよね』と言ったことに面白いという声がある。
尾崎豊みたいな。
ーーつばさの党の選挙活動が選挙妨害、自由妨害に当たるという疑いが持たれている点についてどう捉えているか
自由妨害だという法的根拠が1つもない。
陣営同士の演説が重なってはいけないという法律はない。
総務省にこれから聞きに行くが、違法だとは答えられないと思う。
ーー活動をユーチューブなどで動画配信している目的は
世の中を良くするためだ。
ユーチューブの売り上げも活動資金にはなっているが、足りてはいない。
圧倒的に赤字。
事業が成功し、その売り上げを使って活動資金にしている。
ーー活動資金は
皆で稼いでいる。
事業を17個くらいやっている。
ーー2024年6月20日告示、2024年7月7日投開票の東京都知事選にも出馬する
出馬表明しているので、もちろん出る。
根本(良輔容疑者)も出る。
杉田(勇人容疑者)も出たいと言っている。
妨害や人を困らせるためにやっているわけではない。
政治と社会がクソだからクソだって盛大に言っている。
次の次の参議院選挙で国政政党になるために活動している。
10億円貯めて、選挙で使う。

林官房長官「選挙運動の妨害あってはならない」 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 11:08
https://www.sankei.com/article/20240517-X7LR3XJ2R5LLFL2UZQ7HHC5DLE/
林芳正官房長官は2024年5月17日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「選挙運動を妨害することはあってはならず、候補者、選挙運動関係者は選挙のルールを順守し、公正適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党代表ら3人を逮捕 公選法違反容疑 衆院東京15区補選で妨害
2024/5/17 9:28
https://www.sankei.com/article/20240517-XXBSATQP65M2VMM2TAJGGZ6WIA/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕した。
捜査関係者への取材で分かった。

つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 9時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔 容疑者(29)と、代表の黒川敦彦 容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人 容疑者(39)の3人です。
捜査関係者によりますと、3人は2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして選挙活動を妨害したとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査を進めてきました。
容疑者らは選挙期間中に他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していて、警視庁は妨害の目的や詳しい経緯を更に調べることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
一方、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。

選挙妨害容疑のつばさの党・黒川敦彦代表、過去に加計学園問題巡り民進党で講師役も
2024/5/16 15:25
https://www.sankei.com/article/20240516-WLEPCTCSMRH3BELUFPVV5SQITU/
2024年4月に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、警視庁は他候補の街頭演説を妨害した疑いが強まったなどとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
の本部などを家宅捜索した。
同党の黒川敦彦代表は、過去にNHK党(当時)などから国政選挙に出馬し、落選を繰り返した。
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題を追及して注目を集め、民進党の会合に講師として出席したこともある。
■小池百合子知事への批判強化
「今日も朝から街宣車出します 小池ゆりこ(=百合子東京都知事)にヘイヘイ言ってるので、見かけたら声かけたり、拡散お願いします! 街宣車さらにどんどん手配中です 日々、増やしていく予定です」
黒川氏は2024年5月16日、X(旧ツイッター)にこう書き込み、小池氏を批判する街頭活動を強化していく考えを示した。
つばさの党の陣営は、東京15区補選で他の候補が演説する際、近くの電話ボックスによじ登ってヤジを飛ばしたり、車でクラクションを鳴らしたりした。
その代表を務める黒川氏は、かつて
「産学連携ベンチャーの申し子」
と呼ばれることもある起業家だった。
■起業家から市民活動家
黒川氏は平成13年に大阪大工学部を卒業、独立行政法人
「新エネルギー・産業技術総合開発機構」)NEDO)
で企業と大学の研究の橋渡し役をする研究などに取り組んだ後、愛媛県今治市に帰郷した。
平成29年には、愛媛県今治市市内に建設を予定する加計学園の獣医学部を巡り、安倍晋三元首相の関与を追及する市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
を立ち上げ、共同代表としてメディアに頻繁に取り上げられるようになった。
平成29年5月には同市内の獣医学部建設現場を訪れた民進党の
「加計学園疑惑調査チーム」
のメンバーを案内し、平成29年8月に同チームの会合に講師として出席した。
平成29年年10月の衆院選では、安倍氏の地元・山口4区に無所属で出馬。
獣医学部開設を取り上げた。
この選挙でも、他候補の会合に乗り込み、接触を図るような行為を目立たせていた。
公示前にはツイッター(現X)で
「初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえ(=夫人・昭恵氏)を取り囲みましょう!」
と投稿。
公示日に安倍氏の出陣式に、山本太郎参院議員と駆け付け、昭恵氏に近寄ると、安倍氏との合同演説会の開催を要請するという
「申入書」
と題した紙を手渡した。
山本氏がこの様子をインターネット中継しており、安倍氏の後援会幹部は
「実質的な妨害だ」
と憤ったという。
■国政選に落選繰り返す
令和元年7月の参院選には、元外交官の天木直人氏らと設立した政治団体
「オリーブの木」(現・つばさの党)
の代表として、令和3年10月の衆院選では
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(当時)
の公認として、令和4年7月の参院選はNHK党(当時)の公認でそれぞれ出馬し、落選している。
令和4年6月にはNHK党幹部としてNHK番組
「日曜討論」
に出演した。
司会者の制止を振り切りながら、
「テーマに沿わない」
という発言を繰り返した後、
「あべのせいだー、あべのせいだー」
などと歌い出し、ひんしゅくを買っていた。
先の東京15区補選最終日の2024年4月27日、黒川氏は街頭演説に臨み、金融資産を投資に回す必要性について20分近くマイクを握った。
「金融経済が正常に働かない限り国が豊かにならないと思い、政治を始めた」
「最も必要なことは国民を稼げる状態にすることだ」
と強調。
「つばさの党が『政治を変えたい』と言っているのは、皆で生活を良くしたいということだ」
「『ヘイヘイヘイ』とお騒がせしてきた」
「なぜこんな変な選挙戦を戦い、奇抜なことをやったか」
「そうでもしないと一般の皆さんが選挙に興味を持ってくれないからだ」
などと持論を展開した。

維新 音喜多政調会長 つばさの党捜索 “早期に法改正を”
2024年5月14日 17時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448771000.html
日本維新の会の音喜多政務調査会長は、先の衆議院の補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の陣営が選挙活動を妨害したとして、警察の捜索を受けたことを踏まえ、対策の強化に必要な法改正に向けて各党に協力を求める考えを重ねて示しました。
今回の捜索について日本維新の会の音喜多政務調査会長は記者団に対し
「本来、選挙期間中に速やかに取り締まるべきだった」
と指摘しました。
そして、党として選挙の自由妨害罪に該当する行為の明確化や、罰則の強化を盛り込んだ、公職選挙法改正案の叩き台をまとめたことを踏まえ
「現行法で対応できるという意見もあるが、具体的な例を法律に書き込み、捜査機関が対応しやすくする意味がある」
「主要野党は大きな方向性でまとまれると思っており、与党にも投げかけていきたい」
と述べました。
一方、音喜多氏は、党の共同代表を務める大阪府の吉村知事から、次の衆議院選挙の公約に0歳から投票権を与え、親が投票を代行する制度の導入を盛り込むよう提案があったことを明らかにし
「結党以来、世代間格差の是正を掲げており公約に載せる方向で検討する」
「憲法改正が必要か否かの論点もあり、早期に結論を出したい」
と述べました。
■松本総務相「各党の議論内容を注視していきたい」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「私自身、選挙に携わっているが、報道を見ている限り、少なくとも体験したことがないようなことが起こっていると感じた」
「公職選挙法に新たなルールをどのように設けるかについて総務大臣としてのコメントは控えるが、各党の議論の内容を注視していきたい」
と述べました。
■立民 岡田幹事長「捜査も含め状況を見極める時期」
立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で
「日本維新の会の法案の叩き台がどこまで法的に意味があるのか党内で議論を尽くしたい」
「法改正をすることによって有権者の権利を阻害する部分もあるし、選挙の自由妨害に該当する具体的な事例を法律に書くことで
『それ以外のことはやってもいい』
ということにもなりかねない」
「捜査も含め状況を見極める時期だ」
と述べました。
■共産 穀田国対委員長「現行法の範囲内でできることをやるべき」
共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で
「公正な議論が保障されなければならない選挙において、妨害は許されないが、選挙管理委員会などがしっかり対処すべき問題だ」
「現行法の範囲内で、できることをきちんとやるべきだ」
と述べました。
■国民 玉木代表「多くの賛同募って成立させたい」
国民民主党の玉木代表は記者会見で
「今回の行為は選挙の自由妨害罪にあたると思うので、当局には厳しく対処してもらいたい」
「同時に、法改正も必要であり、日本維新の会の叩き台は、我が党と考えがかなり重なる所がある」
「できるだけ多くの賛同を募って成立させたい」
「東京都知事選挙に加え、衆議院選挙もあるかもしれないので早めに処理する必要がある」
と述べました。

<主張>「選挙の自由」妨害 悪質行為の摘発は当然だ
社説社説
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-MLNXQW6XCRI63FLOP4WXQFEJNI/
憲法21条は言論や表現の自由を保障している。
この前段となる12条では憲法が保障する
「自由及び権利」
は、
「国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
と規定している。
憲法は
「自由」
を無制限に保障しているのではなく、その濫用を明確に戒めている。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で対立陣営の街頭演説を妨害したなどとして、警視庁は公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で政治団体
「つばさの党」
の関係先を家宅捜索した。
同党は警視庁の強制捜査に対して
「表現の自由の中で適法にやっている」
「心外だ」
などと主張し、今後も同様の政治活動を続けると述べている。
これこそ
「公共の福祉」
とは相容れない
「自由の濫用」
であろう。
同党は他候補の演説中に大音量で罵声を浴びせ、クラクションを鳴らすなどの妨害を繰り返し、選挙カーを執拗に追い回すなどの危険行為もあった。
極めて悪質である。
「選挙の自由」
は対立陣営にもあり、これは明らかに侵害された。
異常な環境下で候補者の演説を聞くことが出来なかった有権者もまた、直接の被害者である。
国民の常識や良識に照らして悪質な行為が、合憲や適法であるはずがない。
警視庁の捜査は妥当である。
類似した事案に、令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばした男女を北海道警が排除し、2人が道に損害賠償を求めた訴訟で札幌地裁が排除の違法性を認めた判決がある。
多くのメディアが北海道警を非難したが、札幌高裁は男性について、警告を無視して大声での連呼をやめず、演説車両に向かって突然走り出すなどの行為があり警察官の判断は
「客観的合理性を有する」
と認定し、賠償命令を取り消した。
「つばさの党」
への強制捜査には
「言論の萎縮を招く」
といった懸念の声もある。
だが、選挙妨害の数々が、守るべき言論や選挙の自由の名に値するか。
しないだろう。
憲法12条はまた、
「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
とも謳っている。
「自由」
の履き違えを許してはならない。

日本国憲法
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

<産経抄>民主主義を脅かし、「つばさの党」に捜査の手
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-HKUKNISSYZJUZIZGRAEJKCIU7E/
海軍増強の是非を議論した大正9年の衆院本会議に、今も語り草の一幕がある。
時勢に照らして
「艦隊の充実」
を説いたのは蔵相、高橋是清だった。
「陸海軍とも難儀を忍んで長期の計画といたし、陸軍10年、海軍8年の…」
▼言葉を継ごうとしたその時、
「ダルマは9年」
と野党の席から声が飛んできた。
9年の座禅で悟りを開いた達磨大師。
いかめしくも愛嬌のある風貌から
「ダルマ」
とあだ名された高橋。
双方に掛けた即妙のヤジだった。
声の主は、後に
「ヤジ将軍」
と呼ばれる三木武吉である。
▼議場は爆笑に包まれたと聞く。
機知に富み、いたずらに人を辱めるわけでもない。
「議場の華」
と言われるヤジの、会心の一打だろう。
当時の三木は30代半ば、やり取りの老熟ぶりが際立つ。
それに引きかえ、現代の政治模様の幼さはどうだろう。
▼先日の衆院東京15区補選で他陣営の選挙運動を妨げたとして、政治団体
「つばさの党」
本部などが警視庁の家宅捜索を受けた。
投稿動画を見ると、よその選挙カーを追い回し、拡声器で声を張り上げては街頭演説を遮るなど実に酷いやり口だった。
▼陣営は
「表現の自由」
と称し、自らを正当化しているという。
憲法も公職選挙法も侮られたものである。
各候補者の主張に耳を傾けたい有権者の権利は、思慮の外ということだろう。
おのが正義を軸に世界が回っている―と勘違いした人々に、ヤジ将軍の挿話は説くだけ無駄か。
▼「かしましくものいふ」
「人のものいひきらぬ中ニものいふ」
は良寛が嫌った言動の所作である。
思えば亡き安倍晋三元首相も、度を越したヤジに幾度となく街頭演説を妨げられてきた。
民主主義の足元を脅かす挑発の危うさを、我々は看過してはならない。

安倍元首相暗殺の陰にも演説妨害 
阿比留琉比の極言御免
2024/5/16 1:00
https://www.sankei.com/article/20240516-FHEBVTYUZFIJ7OC24VDB4MAXUQ/
政治団体
「つばさの党」
幹部の根本良輔氏らが先の衆院東京15区補欠選挙に出馬し、他の候補の演説場所で大声を上げつきまとうなどの妨害行為を繰り返した問題は、同団体本部が警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索される事態となった。
やっとかというのが、率直な感想である。
選挙演説への妨害行為を巡って、警察がようやく重い腰を上げたことは歓迎したい。
ただ、これまで
「表現の自由」
を錦の御旗に、警察による取り締まりや排除を批判し続けたマスコミや野党議員、またそれにお墨付きを与えた裁判所には憤りを禁じえない。
選挙演説への過激な妨害行為は参院選最中の令和4年7月8日、安倍晋三元首相が暗殺されるきっかけの1つになったからである。
筆者がその前日夜の電話で、長野県に応援演説に行く予定が取り消され、奈良県に入ることになった件を聞くと、安倍氏は答えた。
「あそこは、私が行くと暴れる人がいるから」
「実際、麻生さん(太郎自民党副総裁)が入った時には、変な地方議員らがマイクを持って週刊誌の自民候補のスキャンダル記事を読み上げたんだって」
「他の選挙区に影響しかねないと心配する人がいるから」
長野では演説妨害を受けることが予想され、それをマスコミが面白おかしく報道することを避けた結果、奈良で凶弾に倒れる悲劇に繋がったのだった。
安倍氏が受けてきた演説妨害と、それを擁護し、安倍氏の攻撃材料として利用してきたマスコミの姿勢に関しては2024年4月25日の当欄で取り上げたのだ繰り返さない。
だが、性質の悪い
「こんな人たち」
は確かに存在するのである。
■壊れる民主主義社会
令和元年の参院選で、札幌市で演説中の安倍氏に
「辞めろ」
「帰れ」
などと大声でヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に排除された件では、札幌地裁が
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた(札幌高裁が一部取り消し)。
これも演説妨害の正当化に利用されてきた。
現につばさの党の根本氏は、2024年5月13日のX(旧ツイッター)にこう投稿している。
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない 北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ なぜならヤジの定義が曖昧だから」
多くのマスコミも、司法も
「こんな人たち」
の見方をした結果、警察は委縮し、警備に力を入れられなくなる。
その延長線上に安倍氏の暗殺があり、その最悪の行為の容疑者ですら英雄視する論調が、2023年4月の衆院補欠選挙時に和歌山県での岸田文雄首相暗殺未遂事件を生んだ。
こうして民主主義の根幹と言える街頭での選挙演説が困難となり、民主主義社会は壊れていく。
ちなみに、つばさの党の黒川敦彦代表は平成29年の衆院選で安倍氏の地元の山口4区から出馬しており、当時、ツイッターにこんな異例の投稿をしている。
「(平成29年)10月10日のボランティア急募 初日1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」
安倍氏の昭恵夫人への迷惑行為、つきまといへの参加を呼び掛けたのだった。
安倍氏陣営は選挙妨害だと憤ったが、今回の東京15区でのやり方は、既にこの時から始まっていたのである。
言葉を用いた
「表現の自由」
を偽装した事実上の実力行使を、これ以上許してはならない。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

つばさの党、選挙カー追跡 「交通の便妨げる行為」適用も視野に捜査 警視庁
2024/5/15 5:00
https://www.sankei.com/article/20240515-2U5ND6S2PZIUXGCP7G754VREBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡る自由妨害疑惑を巡り、出馬していた複数の陣営の選挙カーが、政治団体
「つばさの党」
の選挙カーから執拗な追跡を受け、警察署に避難する事態となっていたことが2024年4月14日、捜査関係者への取材で分かった。
各陣営は選挙活動の予定変更を余儀なくされており、警視庁捜査2課は、追跡が、公職選挙法で自由妨害と規定する交通の便を妨げる行為に当たると見て、立件を視野に裏付けを進めている。
捜査関係者によると、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と党幹部の根本良輔氏(29)ら3人は、立憲民主党など他陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで付け回し、拡声器を使って
「売国奴」
と罵声を浴びせるなどの行為を繰り返した。
追跡を受けた陣営の中には110番通報をしたり、選挙区内にある城東署や深川署に避難したりした例もあった。
捜査2課は、街頭演説に対する
「妨害」
だけではなく、追跡行為も有権者に各候補者の主張を届ける機会を妨げたと見ている。
同課は2024年4月13日、党本部と黒川氏、根本氏の自宅を家宅捜索し、パソコンなど数十点を押収。
ただ、選挙カーの追跡による自由妨害での摘発は前例が乏しいことから、関係機関と調整するなどして、裏付けを進めている。

「つばさの党」が捜索の東京15区補選を受け選挙妨害の禁止を周知 都選管がリーフレット
2024/5/14 16:20
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/
東京都選挙管理委員会が新たに作成したリーフレット
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/photo/X4RDZFBGEZKT5DEYJQE6HZXQIU/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、候補者の街頭演説の妨害を疑われる行為が目立ったとして、東京都選挙管理委員会は2024年5月14日、公職選挙法に定められた選挙運動で禁止されている妨害行為を周知するリーフレットを作成した。
有権者に周知すると共に、選挙事務の説明会などで候補者に説明する。
同選挙を巡っては、政治団体
「つばさの党」
が他候補の街頭演説を妨害するなどした公選法違反(自由妨害)の疑いで、2024年5月13日に警視庁の家宅捜索を受けた。
同党代表の黒川敦彦氏は、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張している。
リーフレットでは、
「選挙運動の妨害は禁止されています」
と明記。
①暴行や不法な威力による妨害
②演説の継続や聴取を困難とする妨害
などが同法225条に抵触する恐れのある事例として紹介されている。
都選管は
「今回の選挙の執行状況から周知・啓発が必要と判断した」
「有権者や候補者にとって安全な・安心な演説の場を確保する」
とした。

つばさの党・根本良輔氏「安倍氏へのヤジが合法で俺らが違法なわけがない」 選挙妨害疑い
2024/5/14 10:29
https://www.sankei.com/article/20240514-MEYMGQ723FF3ZIBV7ZBVDTKSJI/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏が2024年5月13日、警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索されたことについて、X(旧ツイッター)で
「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」
と書き込み、自身の行為を正当化した。
札幌高裁は令和5年6月、元年7月参院選で札幌市の街頭で応援演説中の安倍氏にヤジを飛ばして北海道警に排除された女性を巡って、排除は憲法に保障された
「表現の自由」
の侵害に当たると判断し、道に女性への賠償を命じた1審判決を維持した。
根本氏はXに
「北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と指摘。
「なぜならヤジの定義が曖昧だから」
「音量がデカかろうが何だろうが定義が曖昧な以上、ヤジであると一括りにされる」
「だから警察は、小池(百合子都知事)に圧力掛けられて警告を出したりガサ入れするぐらいしかできない」
と投稿した。
2024年5月14日の投稿では
「俺らは今の国政政党はおかしい、噓を付いているということを周知するという主義主張の元立候補し、質問をしに行ったりおかしいと思うところを指摘したに過ぎない」
とも書き込んだ。

つばさの党事務所など捜索 押収したパソコンなどの分析進める
2024年5月14日 5時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448211000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁は2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで、団体の事務所などを捜索しました。
警視庁は押収したパソコンや携帯電話の分析を進め、一連の活動の目的や計画性などを詳しく調べる方針です。
2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の千代田区にある事務所と、根本良輔幹事長(29)、黒川敦彦代表(45)の自宅です。
「つばさの党」
の陣営は、根本幹事長が立候補した先月の衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、拡声機などを使って他の陣営の候補者の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、選挙活動を妨害した疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、
「つばさの党」
の陣営から追い回されるなどの妨害を受けた他の陣営の選挙カーの中には、予定していたルートの変更を余儀なくされたり、一時、警察署への避難を余儀なくされたりしたケースもあったということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例です。
一連の行為をめぐっては、国会で対策が議論される事態にも発展していますが、
「つばさの党」
の黒川代表は2024年5月13日取材に対し、
「我々は表現の自由の中で、適法な事をやっていると理解している」
などと述べています。
警視庁は2024年5月13日の捜索で押収したパソコンや携帯電話の分析を行うなどして、一連の活動の目的や、計画性などを詳しく調べる方針です。

つばさの党事務所など捜索 衆院東京15区補選 演説妨害など疑い
2024年5月13日 19時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240513/k10014447441000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして選挙活動を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反の疑いで東京 千代田区にある団体の事務所などに一斉に捜索に入りました。
捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の根本良輔幹事長(29)と黒川敦彦代表(45)のそれぞれの自宅と、千代田区にある団体の事務所の3か所です。
捜査関係者によりますと、2024年4月28日に投票が行われた衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、立候補した根本幹事長の陣営が、長時間に渡り拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、他の陣営の選挙活動を妨害した公職選挙法違反の疑いが持たれています。
「つばさの党」
を巡ってはは、告示日の2024年4月16日、東京 江東区のJR亀戸駅前で他の候補者が行っていた演説を車のクラクションを鳴らすなどして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の妨害に当たるとして、警視庁から警告を受けていました。
警視庁には他の複数の陣営からも選挙の妨害を受けたという申告があり、被害届が受理されているものもあるということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例だということです。
■機動隊員が警戒する中 約2時間半の捜索
東京 千代田区にあるつばさの党の事務所が入る建物の前では、午前11時頃盾を持った警視庁の機動隊員が建物の入り口に立って警戒する中、捜査員が捜索に入りました。
捜索は、およそ2時間半行われ、午後1時半頃、捜査員が複数の段ボール箱などを捜査車両に積み込んでいました。
■黒川代表「暴力振るっているわけではなく言論の行為」
自宅が捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は、取材に対し
「我々は表現の自由の中で、適法なことをやっていると理解している」
「別に暴力を振るっているわけではなく、持っている権利を行使している」
「私たちがやっていることは、言論の行為で、多少、乱暴だという認識はあるが、権力者が言論行為を止めることは絶対にあってはならないことだ」
などと話しました。
■林官房長官「妨害はあってはならず公正・適切に選挙運動を」
林官房長官は午後の記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害はあってはならず、候補者や関係者にはルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開してもらう必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性を問われたのに対し
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論すべきものだ」
と述べました。
■自民 茂木幹事長「極めて遺憾 必要な法改正を」
自民党の茂木幹事長は、記者会見で
「電話ボックスの上で大声を出したり、選挙カーのすぐ傍で太鼓を叩いたり、明らかに異常だ」
「これまで見たことがないような妨害行為が行われたことは極めて遺憾で、捜査当局には、法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と述べました。
その上で
「今後、公正な選挙運動の機会を確保するために、我が党としても罰則強化など実効性のある対応をしっかり検討し、必要な法改正を行っていきたい」
と述べました。
■自民 梶山幹事長代行「街頭演説は重要な機会 党として議論」
自民党の梶山幹事長代行は記者会見で
「街頭演説は国民に候補者の主張を直接伝えることができる大変重要な機会だ」
「選挙の公正さを守り、自由な選挙活動を確保するためにも、仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説が行われたのであれば、罰則強化を含め今後党として議論したい」
「党として問題意識は持っている」
と述べました。
■立民 泉代表「選挙妨害と言わざるをえない」
立憲民主党の泉代表は記者団に対し
「私も選挙活動のマイクの音が周囲に聞き取れなくなるくらいの大声を浴びせられ、執ように追いかけられた」
「これは選挙妨害と言わざるを得ない」
と述べました。
その上で
「党内で担当する議員が公職選挙法改正の法制化の作業を進めている」
「表現や選挙活動の自由の中で、例えば選挙妨害が具体的にどういうものなのかという例示は法文化していいのではないかという意見や、刑罰の度合いを改めて検討する話も出ている」
「現行法で出来ることを見定めながら、他党ともやり取りしたい」
と述べました。
■公明 山口代表「物理的な妨害は許されない」
公明党の山口代表は記者団に対し
「候補者と聴衆がコミュニケーションを取れないほど物理的な妨害を行うことは許されず、選挙活動の自由を主張したとしても限界がある」
「公職選挙法で何が選挙の自由の妨害にあたるのかを明確にしていくことが重要だ」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性について見解を問われ
「いきなり法改正というよりも、まず現行法について議論し足らざる所があれば改正なり新しい制度の検討が語られるべきだ」
と述べました。
■共産 小池書記局長「現行の公職選挙法で厳格に対応を」
共産党の小池書記局長は記者会見で
「今回の行為は、選挙活動や言論の自由を脅かす行動だと言わざるを得ず、物理的な妨害は絶対に許されない」
「日本維新の会が提案している法改正に向けた叩き台は、却って選挙の自由を脅かす恐れがあり、我々は反対だ」
「現行の公職選挙法で厳格に対応していけばよい」
と述べました。
■小池都知事「異常な雰囲気で選挙にならなかった」
衆議院東京15区の補欠選挙で候補者の応援に入っていた東京都の小池知事は、都庁で報道陣の取材に応じ、
「応援に入った時は異常な雰囲気で選挙にならなかった」
「選挙というのは有権者の方々に政策を届けて判断を得るというもので、他の候補者を標的にして追い掛け回したり、音声を被せたりというのが本来の選挙や立候補の目的に適っているのかは大いに疑問だ」
「有権者の皆さんもこの点について違うのではないかと思っている方は多いのではないか」
と述べました。
■地元有権者「演説の機会はきちんと平等にあるべき」
衆議院東京15区の江東区に住む30代の女性は
「捜索のことはさっき知った」
「妨害するのではなくてしっかりと政策で勝負をしてほしいと思う」
「選挙期間中はとてもうるさくて迷惑だったので、演説する機会はきちんと平等にあるべきだと思う」
と話していました。
また、40代の男性は
「今回の一連のことは有権者として残念に思う」
「選挙妨害があると有権者が演説を聞くことが出来なくなる」
「気持ちよく投票できるようなルールを作ってほしい」
と話していました。
■専門家「選挙の妨害に当たるという判断はあり得る」
憲法が専門で
「表現の自由」
に詳しい、慶應義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は
「公職選挙法が認めているのは、公正な選挙が確保される範囲内での『表現の自由』であって、聴衆が演説を聴くことを妨げたり、他の候補者の意見を知る機会を奪ったりすることまでは認められない」
とした上で、
「今回のようなケースが、選挙の妨害に当たるという判断は、映像を見る限り、あり得ると思う」
「選挙期間中は警告に留め、終了後に捜索に入るという対応も慎重であり、今回の警察の捜査が、表現の自由を萎縮させるような結果には繋がらないのではないか」
と話しています。
■これまでの経緯
根本幹事長や黒川代表ら
「つばさの党」
の陣営は、補欠選挙が告示された2024年4月16日、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、相手の候補者や、応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言したり車のクラクションを鳴らしたりした他、電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もありました。
2024年4月26日にも東京メトロの東陽町駅前で、他の陣営の候補が演説をしている傍で、拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判するなど、各地で同様の行為を繰り返しました。
また
「つばさの党」
の車が、スピーカーを使って批判などを繰り返しながら他の陣営の候補者の選挙カーの後を長時間、追い掛けるなどの行為もあり、各陣営は、街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
■つばさの党とは
今回、事務所が捜索を受けたつばさの党は2020年11月、総務省に政治団体設立の届け出が出されました。
代表を務めているのは黒川敦彦氏で、幹事長を務めているのは根本良輔氏です。
このうち根本幹事長は、衆議院東京15区の補欠選挙に立候補し、得票数は1110票で立候補した9人のうち、9番目でした。
また、選挙の期間中、黒川代表は2024年7月に投票が行われる東京都知事選挙への立候補を表明し、根本幹事長も
「立候補を予定している」
と述べていました。

選挙の根幹揺るがす つばさの党の悪質「妨害」にメス 警察幹部「看過できない」
2024/5/13 20:12
https://www.sankei.com/article/20240513-DPQBC7XFLZJRPITARDGYSLODEU/
民主主義を支える選挙制度を根幹から揺るがしかねない活動を展開した
「つばさの党」
の関係先に2024年5月13日、捜査のメスが入った。
衆院東京15区補欠選挙を巡り、つばさの党関係者に追いかけ回されるなどして演説場所を変更するなど、対応を迫られた陣営もあった。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので、看過できない」
と話している。
警視庁捜査2課が家宅捜索に踏み切った2024年5月13日、東京都千代田区の党本部前では機動隊が警戒に当たっていた。
ものものしい雰囲気に包まれる中、捜索は約2時間半に渡って行われた。
捜査関係者によると、本部などから選挙カーや携帯電話、パソコンなど数十点を押収したという。
捜索を受け党代表の黒川敦彦氏は2024年5月13日、報道陣の取材に対し、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張した。
今回の家宅捜索の発端となった出来事は補選告示日の2024年4月16日、東京都江東区のJR亀戸駅前で起こった。
乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の陣営に近付き、大音量で演説をかき消したなどとして、警視庁が2024年4月18日、自由妨害で警告を出した。
しかし
「妨害行為」
は収まらなかった。
矛先は飯山陽(あかり)氏=日本保守党=や金沢結衣氏=日本維新の会、酒井菜摘氏=立憲民主党=ら他の候補の陣営にも向かった。
選挙カーを追い回し、拡声器で
「売国奴」
などと罵ったり、卑猥な言葉を浴びせたりなどした。
選挙区外にもかかわらず、乙武氏を支援していた小池百合子都知事の自宅前で、大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言を呈す場面もあった。
党幹部で補選の候補者だった根本良輔氏らは言論の自由、選挙の自由を盾にこうした行為を続けた。
「法の範囲を超えない、ここまでは大丈夫という範囲内でしっかりやることができた」。
補選の活動最終日に当たる2024年4月27日夜、根本氏は産経新聞の取材に、達成感を滲ませながら自信を覗かせていた。
しかし、複数の陣営からは既に被害届が提出されており、警視庁は悪質な妨害行為であることの立証に向けて、慎重に捜査を進めるとみられる。
■つばさの党「選挙妨害」を巡る動き
・2024年4月16日
衆院東京15区補欠選挙告示、つばさの党・根本良輔氏を含む計9人が立候補届け出。
JR亀戸駅前で乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の演説の近くで拡声器を使い演説して、乙武陣営の演説を聞こえなくするなどの行為。
・2024年4月18日
警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)で黒川敦彦代表、根本氏ら3人に警告。
小池百合子都知事の自宅周辺の住宅街で午後7時過ぎから街頭演説
・2024年4月19日
小池知事が定例記者会見で、つばさの党の行為について「命の危険を感じた」。
・2024年4月20日
飯山陽氏=日本保守党=の事務所前で演説。
金沢結衣=日本維新の会=と、応援に訪れた同党の吉村洋文共同代表の演説会場に現れ、練り歩きに付きまとうなどする
・2024年4月21日
酒井菜摘氏=立憲民主党=の演説に参院議員の蓮舫氏が駆け付ける中、陣営の車の窓を叩いたり、暴言を浴びせたりする。
・2024年4月28日
投開票(根本氏は得票1110票で最下位落選)
■選挙の自由妨害罪
公選法の225条で規定する。
選挙に関する集会や演説を妨害した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮か、100万円以下の罰金が科せられる。
昭和23年の最高裁判決は
「聴衆がこれを聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」
を演説の妨害と認定した。
衆院東京15区補選では、無所属新人、乙武洋匡氏の街頭演説会で陣営スタッフを付き飛ばしたとして、暴力容疑で現行犯逮捕された男が公選法違反(自由妨害)の疑いに切り替えて送検され、起訴された。

つばさの党本部などを家宅捜索 衆院東京15区補選巡り選挙妨害の疑い 警視庁捜査2課
2024/5/13 11:12
https://www.sankei.com/article/20240513-OYKERXOG5FPNRGGC54IYKHP5GQ/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は2024年5月13日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、東京都千代田区隼町にある政治団体
「つばさの党」
本部など関係先数カ所に家宅捜索に入った。
捜査関係者への取材で分かった。
つばさの党を巡っては、2024年4月16日の告示日に他候補が演説する近くで約50分間に渡って大音量で演説したり、車のクラクションを鳴らしたりするなどして選挙を妨害。
警視庁は2024年4月18日、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と、つばさの党幹部で、衆院東京15区補選に出馬していた根本良輔氏(29)ら3人に公職選挙法違反(自由妨害)で警告を出した。
つばさの党は他にも、他候補の選挙カーをつけ回すなどしていた。
警視庁捜査2課によると、衆院東京15区補選に出馬していた他の陣営からも同様の行為に関する相談が寄せられている他、複数の被害届も出されており、一部は既に受理されている。

つばさの党選挙妨害容疑「やりすぎだった」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/13 19:10
https://www.sankei.com/article/20240513-PJAKLD3IF5JDDHHSPK2Z7IRIJ4/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして2024年5月13日、警視庁から公選法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月13日、
「つばさの党が考える正義はあると思うが少しやり過ぎだった」
と述べた。
府庁で記者団の取材に答えた。
衆院東京15区補選では維新も新人候補を擁立。
吉村氏が選挙期間中の2024年4月20日、都内で応援演説などに駆け付けた際、補選に出馬したつばさの党の根本良輔幹事長らから妨害を受けた。
吉村氏は
「現場にいて思ったが、街頭演説をしている陣営にマイクを重ねたりすると演説にならない」
と指摘。
警視庁の家宅捜索については
「捜査は選挙妨害の意思も含め、個別の証拠に基づき行われると思う」
と述べた。
また、維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立に向け与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「刑事司法とは別に国会でも現行法で運用するか、または立法措置を取るかを深く議論するべきだ」
とした。

自民・茂木敏充幹事長、公選法改正に意欲 補選の自由妨害でつばさの党家宅捜索を巡り
2024/5/13 18:13
https://www.sankei.com/article/20240513-A3EBXJVLBRK5ZDBCOCILQG3MK4/
自民党の茂木敏充幹事長は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁が公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「これまで見たことがないような妨害行為が行われ、極めて遺憾だ」
「議論を進め必要な法改正を進めたい」
「罰則強化など実効性のある対応をしっかりと検討していきたい」
と述べた。
その上で
「捜査当局には法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と訴えた。

東京都の小池百合子知事、つばさの党家宅捜索に「本来の選挙の目的にかなっているのか」
2024/5/13 16:54
https://www.sankei.com/article/20240513-B7SOY7BZMBPPFAOIPMSFSO4P64/
公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、東京都の小池百合子知事は2024年5月13日、都庁で記者団に対し、
「他の候補者を追い掛け回したり、音声を被せたり本来の選挙の目的に適っているのか」
「公選法の見直しも必要ではないか」
と述べた。
つばさの党は、2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが持たれている。
また、小池氏は、つばさの党が選挙期間中に自宅前でも街頭演説を実施したとし、
「こんなに身の危険を感じながら選挙をするのか」
と改めて当時の心境を吐露。
「候補者も身の危険を感じながら選挙を行う」
「ここは日本ですよね」
「非常に疑問というかおかしい」
とした。

林官房長官「選挙妨害はあってはならない」 つばさの党家宅捜索 東京15区補選
2024/5/13 16:43
https://www.sankei.com/article/20240513-SYVCDC3D4VNIXAWH4RDIXNXOY4/
林芳正官房長官は2024年5月13日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、公選法違反(自由妨害)の疑いで東京都千代田区にある政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「選挙運動妨害はあってはならず、候補者や選挙運動関係者は選挙ルールを順守し、公正かつ適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党の根本良輔氏「証拠はユーチューブに残っており無意味」 選挙妨害疑い家宅捜索
2024/5/13 15:40
https://www.sankei.com/article/20240513-MQ5AAM2P5NAWRLBIG76A7R2WCM/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏は2024年5月13日、警視庁捜査2課が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索したことについて、X(旧ツイッター)で
「家宅捜索されたけど無事です」
「そもそもYouTubeのライブに全部残っており、そこに証拠はあるわけなので、それで逮捕できないなら家宅捜索しても無意味」
と書き込んだ。
根本氏ら陣営は他候補の近くで大音量で演説したり、選挙カーを付け回したりするなど選挙妨害と問題視される選挙期間中の行為について、動画投稿サイト
「ユーチューブ」
などに配信していた。
根本氏は家宅捜索について
「メインの携帯とパソコン押収されただけ」
「携帯パソコンに何も情報がないので逮捕に繋がる証拠は何も出ない」
とも書き込んだ。

自民党の梶山弘志幹事長代行が公選法の罰則強化に言及 つばさの党の家宅捜索受け
2024/5/13 14:39
https://www.sankei.com/article/20240513-HL2ZSGIWRFKBTOSDFTXITPZXVE/
自民党の梶山弘志幹事長代行は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の街頭演説を妨害した政治団体
「つばさの党」
の事務所などに警視庁が公選法違反の疑いで家宅捜索に入ったことを受け、
「仮に選挙妨害を目的とした悪意ある街頭演説が行われたのであれば、(同法の)罰則強化を含め、党として議論をしてまいりたい」
と述べた。

「ヤジ正当化」で民主主義の根幹を破壊 朝日など一部メディアは過去を総括せよ 藤原かずえ
新聞に喝! ブロガー・藤原かずえ
2024/5/12 10:00
https://www.sankei.com/article/20240512-IS3ALI2II5LQDFNVA6H6GWY4DA/
衆院東京15区補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の候補者と党員が他の候補者の遊説場所に乗り込み、大音量で質問を行うことで、演説の聞き取りを困難にしました。
これは民主主義の根幹である選挙を妨害する行為【昭和23年(1948年)最高裁判断】ですが、近年、一部のマスメディアは政権与党に対する同様の行為を強い論調で正当化してきました。
平成29(2017)年に東京・秋葉原で行われた安倍晋三首相(当時)の都議選応援演説では、組織的な呼び掛けに集まった一部聴衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に演説をかき消しました。
安倍氏はこの妨害者に対し
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
と抗議しましたが、一部新聞は
「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」(朝日)、
「首相、聴衆にまで激高」(毎日)、
「敵と味方に分断」(東京)
などと安倍氏を徹底的に非難し、ヤジを正当化しました。
また、令和元(2019)年の参院選での安倍氏の札幌演説で
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた人物を北海道警が移動させた事案に対しては
「市民を排除。ヤジも意思表示のひとつの方法」(朝日)、
「警察の政治的中立性に疑問符」(毎日)、
「市民から言論を奪うな」(東京)
などと非難しました。
これらの論調に多くのテレビメディアも同調した結果、安倍氏は選挙妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
また、警察の萎縮も窺えます。
例えば安倍氏暗殺事件では、テロリストが安倍氏に近寄って2発を発砲するまで取り押さえることもできませんでした。
そもそも
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは
「意見表明」
でなく、演説者に対する
「恫喝的な命令」
であり、非言論で言論をかき消す
「言論の自由」
への挑戦行為です。
1人のヤジを認めれば、他の全ての人のヤジも認めなければなりません。
秋葉原の事例と比較して甚だ小規模で、候補者が他の候補者に質問する体裁を取る
「つばさの党」
の妨害者を警察が警職法で排除することは、法の下の平等の原則から不可能です。
何よりも、このような時・場所・方法を選ばない身勝手な
「表現の自由」
による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵害された一般聴衆です。
今回の事案で多くの国民がヤジ正当化の欺瞞を強く認識するに至ったと推察します。
「言論の自由」
を守る使命を持つ言論機関の一部が非言論による選挙妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。

“選挙妨害”か?表現の自由か?東京15区 広がる波紋 専門家は
2024年4月30日 19時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240430/k10014434831000.html
過去最多の9人による混戦となった衆議院・東京15区の補欠選挙。
候補者の1人がほかの候補者たちの演説場所で、大音量で批判などを繰り返し、各陣営からは“選挙妨害だ”との声が相次ぎました。
警視庁が候補者に警告を出す“異例”の事態にも。
一方で、候補者側は
「表現の自由の範囲内だ」
と主張しています。
選挙妨害か?表現の自由か?専門家の見方は…
目次
“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
何が起きていた?
■“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
警視庁は衆議院東京15区の補欠選挙で、公職選挙法違反に当たるとして併せて6件の警告を出し、このうち演説の自由を妨害した
「自由妨害」
の警告が1件ありました。
捜査関係者によりますと、
「自由妨害」
の警告を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の新人・根本良輔氏やこの団体の黒川敦彦代表など3人です。
告示日の2024年4月16日、JR亀戸駅前でほかの陣営の演説に被せるようにおよそ50分間に渡って拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の
「自由妨害」
に当たると判断されたということです。
捜査関係者によりますと、候補者が
「自由妨害」
で警告を受けるのは極めて異例だということです。
■何が起きていた?
その2024年4月16日、JR亀戸駅前に姿を見せた根本良輔氏(29)らは、無所属で立候補した乙武洋匡氏や応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言を続けました。
電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もあり、周辺は一時、騒然となりました。
その後も連日、他の候補者たちの演説会場を訪れては、大きな音量で発言を繰り返しました。
2024年4月26日には立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の陣営が街頭で演説をしているのを見付けると、同じ場所で拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判などを繰り広げました。
居合わせた有権者からは…
30代の女性
「家の中まで大きな声が聞こえてきたので何事かと思いました」
「率直に、どうしてこのようなことをするのかと思います」
「もう一方の候補者の声が聞こえないので、投票の判断材料にはならず、残念です」
64歳の男性
「本来なら政策を議論すべきですが、こういった行為は選挙を冒瀆していますし、本来の選挙戦ではなくなってしまっていると思います」
■ほかの候補者 “選挙妨害だ”
根本氏らはこうした様子をインターネット上でライブ配信し、他の候補者の演説予定をSNSを使って把握していることなども明らかにしていました。
こうした行為を受けて、各陣営は街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
ほかの候補者たちからは“選挙妨害だ”とする声があがりました。
・立憲民主党 酒井菜摘氏
「危険を感じるような場面もあり本当に怖かった」
「演説の日時を公表できず区民に訴えを届けられなかったことが申し訳ない」
・日本維新の会 金澤結衣氏
「前代未聞の状況で民主主義の根幹が覆される許しがたい状況だった」
「公職選挙法の見直しや地域の皆様に迷惑がかからない選挙のやり方を議論したい」
・無所属 乙武洋匡氏
「各候補者の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは非常に残念で許しがたい」
「今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら何らかの法改正をしていくべきだ」
■つばさの党「表現の自由の範囲内だ」
根本氏は2024年4月25日に会見し、他の候補者に対する行動について
「国政政党が信用できないから政治活動を始めた」
「このままでいいのかと問いかけるために質問をしに行っているだけで、暴力的なことをするつもりはない」
と説明しました。
また、政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は
「国民に与えられた権利である表現の自由の範囲内で正々堂々と批判している」
「それを派手にやっているだけだ」
と主張し、警視庁による警告は権力の乱用だとして東京都に賠償を求める訴えを起こしたと述べました。
今回の事態をどう見たらよいのか。
複数の専門家に意見を聞きました。
■憲法学者 “街頭演説は民主主義の根幹”
憲法学が専門の北星学園大学経済学部の岩本一郎教授は、街頭演説は民主主義の根幹をなす
「言論の場」
であり、その場を壊す行為は表現の自由の範囲を超えていると指摘します。
・岩本教授
「お互いに意見を交換し議論するという意味で、街頭演説は民主主義にとって極めて重要な活動でヤジも含めて政治的な発言として尊重されるべきです」
「ただ街宣車などを使って通行を妨げたり、他の候補者の発言を聞き取りにくくさせたりする行為は悪質性が強く、表現の自由として保障されるかどうか疑問です」
今回の選挙では候補者が演説日程を事前に告知にしなかったり、演説を中止したりするケースも出ていて、岩本教授は次のように指摘します。
「候補者に大きな萎縮効果をもたらす行為です」
「有権者が候補者や政党の声を聞きたくても聞けないとなれば国民の知る権利や、表現の自由を制約する要因になります」
その上で、規制についてはこう話していました。
「候補者の発言内容に国が規制をかけるのは適切ではないですが、行き過ぎた妨害行為については線引きの基準を設け規制が必要になると思われます」
「参加と討議が行われる場を守れるかどうかが、民主主義を維持できるかどうかの鍵になります」
■公職選挙法 専門家 “時代に合った改革必要”
公職選挙法に詳しい日本大学法学部の安野修右専任講師は、今の法律の規定は紳士的に選挙運動を行うことを前提にしていて時代に合った改革が必要だと指摘しています。
安野専任講師は、候補者が他の候補者の街頭演説の場に出向いて大音量で発言する行為について、次のように指摘します。
「どこまでが表現の自由でどこまで選挙妨害かは個々の事例によって判断するしかなく、その線引きは本当に難しい」
「ただ、これまでも偶然、演説場所が被ることはあったが、故意にやるケースが出てきた」
選挙の自由を妨害する行為について罰則を定めた公職選挙法の規定については、
「暴行や傷害などはそもそも犯罪行為だが、それを選挙に関して行った場合更に厳しい罰則を科すものと理解できる」
「一方、演説が被っているからといって直ちに排除をすることは取り締まり機関もなかなかできない」
その上で、公職選挙法のあり方についてこう話していました。
「紳士的に選挙運動をやっていくという、公職選挙法の前提そのものが、現実的にかなり難しくなっている」
「取り締まりを強化しても、この法律を運用している限り同様の行為は恐らく起こり続けると思うので、様々な法規を再点検し、時代に合うような抜本的な改革が必要だ」
■ネット選挙 専門家 “背景に選挙活動の変化”
議会のデジタル化や選挙に詳しい東北大学大学院の河村和徳准教授は、“選挙妨害”を巡り議論になっている背景にインターネットを通じた選挙活動の変化を挙げています。
河村准教授は
「2013年にネット選挙が解禁された時にはホームページやSNSへの投稿が中心だったが近年は動画が容易に配信できるようになった」
といいます。
そして
「インターネット選挙に反応しやすい都市部の選挙では、過剰や過激な発言など、他者と差別化したいために強めの言葉を使って動画に撮って拡散させるスタイルが強くなる」
と指摘しています。
一方で、表現の自由の観点から活動の線引きは難しいとした上で、次のように話していました。
・河村和徳准教授
「ネット選挙の解禁から10年以上経って見直す時期に来ていると思う」
「どうすればより良いことができるのか、誹謗中傷を含めて監視できるのか」
「本格的に考えなければならない」
「プラットフォームに対しても選挙の動画の視聴回数を収益に還元させないなどの取り組みが必要だ」
■「選挙の自由妨害罪」とは?
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、選挙運動の在り方などについて一定の制限を設けています。
このうち、候補者への暴行や演説の妨害行為などについては、公職選挙法225条で
「選挙の自由妨害罪」
が定められていて、違反すると、4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
公職選挙法225条
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき
総務省選挙課によりますと、具体的にどのような行為に違法性があるのかについては、個別のケースごとに警察が対応していくということです。
1954(昭和29)年の大阪高等裁判所の判例では、聴衆が内容を聞き取り難くなるほど執ように発言や質問を行い、一時、演説を中止せざるを得なくした行為について選挙妨害に当たると判断しています。
候補者の場合、選挙違反で有罪が確定すると、当選が無効になり、選挙に立候補する権利が停止されることもあります。

選挙妨害をしているのは、
「つばさの党」
新人、根本良輔(29)らだ。

★つばさの党
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%95%E3%81%AE%E5%85%9A#%E5%85%9A%E5%8B%A2
つばさの党は、日本の政治団体。
2020年12月31日までの党名はオリーブの木(オリーブのき)。
■党史
「オリーブの木」時代は、反安倍政権・既存の対米政策反対の立場で、既存野党に対して選挙における「政治団体」の単一化・合流を呼掛けた連合政治団体である。
後述のように反安倍政権反米派の中でも左派系と非反ワクチン系右派が離脱し、反ワクチン系反安倍反米右派の政党と化した。
更に2021年8月以降に、ノーマスク選挙運動で黒川党首の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後対応を巡って、残存の中で彼が
「売名のために反ワクチン活動を利用した」
と見なすか否かで内紛が起きた。
■街頭演説・デモ活動
2024年、東京15区補選に党幹事長の根本良輔を擁立した。
根本は選挙期間中に他党の選挙演説への乱入、他党候補支援者への暴行など妨害活動を行なったことが報道されている。
黒川・根本派らは立候補者の演説に乗り込んで大声を出して選挙妨害し、その様子をSNSでリアルタイム配信するスタイルを取っている。
他の候補者の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子をリアルタイムで配信するスタイルを取っている。
「つばさの党」
の根本良輔幹事長は、
「最近、中国人が凄く増えているわけですが、彼らがいつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったら日本にいる中国人がいつ攻撃してくるか分からない」
「それを後押ししているのが山口那津男(公明党代表)であり創価学会です」
などと演説した。
また、ラップグループ
「韻暴論者(いんぼうろんじゃ)」
は各種の陰謀論を含んだラップを披露した。
この抗議活動に、西東京市議選で黒川の応援演説を受けた長井秀和も参加を表明していたが、参加を見送った。
■党員
幹事長の根本良輔(中星一番)は、芝浦工大卒。
東大大学院中退、元AV男優、ナンパ師、ナンパ術「中星マインド」の情報商材の販売や情報配信を行う。
つばさの党から2021年7月の都議選に出馬して落選し、2021年11月の葛飾区議選では次点で落選した。
選挙活動ではコロナワクチンの危険性を強調し、少子化対策としてAV規制、医療政策として筋トレで免疫力を上げることなどを訴えた。
Twitterでは自然派育児アカウントを運営し、子供に対する全てのワクチンやマスクに反対している。
2023年1月15日、信濃町の公明党本部前で行った街宣活動では、在日中国人について
「いつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったらいつ攻撃してくるか分からない」
などと演説した。

★根本良輔
https://www.bing.com/images/search?q=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&qpvt=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&form=IGRE&first=1

他陣営の演説に横付けして大音量、「選挙妨害」批判相次ぐ 衆院3補選28日投開票
2024/4/27 19:47
https://www.sankei.com/article/20240427-4X6TJRZJWZJXNO255SZA4DEUV4/
衆院3補選が2024年4月28日、投開票される。
公選法違反事件で前職が辞職したのに伴う東京15区では、諸派新人陣営が遊説中の他陣営の横で大音量で演説するなどし、
「選挙妨害に当たる」
との批判が飛び交った。
警視庁は一部行為に同法違反(選挙の自由妨害)の疑いがあるとして警告を出したものの、同様の行為は選挙戦を通じて続いた。
諸派新人側は
「法律内の選挙活動だ」
と主張しており、選挙活動の在り方が問われる事態となっている。
選挙戦最終日の2024年4月27日午前10時、東京都江東区内で街頭演説の準備をしていた他候補の場所を奪う形で演説を始めた諸派新人陣営。
過激な言葉で他の候補者を名指しする場面もあった。
午後3時、国会議員らが応援に駆け付けた無所属新人陣営の街頭演説では多くの警察官が警戒に当たり、周囲に幾重にも柵が設置されるなど最後まで緊張感が漂った。
異様な光景は告示前から始まった。
諸派新人陣営が無所属新人の選挙カーに近づき、相手の声を遮るように
「答えろよ」
「おい」
などと大音量でまくし立てた。
2024年4月16日の告示日も同じ無所属新人の演説中、横付けした選挙カーから大音量の主張。
無所属新人側の声がしばしばかき消された。
各陣営などへの取材によると、この諸派新人陣営の行為として、
▽他陣営の選挙事務所前で大音量で演説する
▽他陣営の選挙カーを追い回す
▽無所属新人を支援する政治家の自宅付近(東京15区外)で街頭活動する
などがあったとされる。
「こんなことは想定していなかった」。
ある新人を支援する国政政党幹部はこう語る。
公選法の規定の他、選挙戦は陣営同士の〝信義則〟で成立してきた。
▽他陣営の遊説の邪魔にならないようにする
▽遊説場所が重なりそうな場合は調整を行う
▽選挙カーがすれ違う際には音量を下げたり、エールを送りあったりする
といったものだ。
一連の行為は、他陣営の選挙活動の萎縮に繋がった。
遊説日程などを交流サイト(SNS)などで拡散することが重視される中、
「妨害の対象になる」
として、多くの陣営はSNSでの予定公開を控えた。
また、演説会場に大量の警察官が投入されたことで、重苦しい雰囲気に包まれた。
一方、批判対象の諸派新人陣営は
「選挙妨害には当たらない」
「法律で認められた範囲内で活動している」
と主張。
「他の候補者に聞きたいことがあるから直接問いかけている」
「答えてくれれば終えている」
としている。
問題は国会にも波及した。
岸田文雄首相は2024年4月22日の衆院予算委員会で、一般論としつつ
「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党会派で議論するべき課題だと認識している」
とした。
拓殖大政経学部の岡田陽介准教授は
「街頭演説は候補者と有権者が直接触れ合える場で、重要な選挙活動だ」
「偶然通りかかって足を止める場合も想定され、選挙啓発に繋がってきた」
「今回の手法はその機会を奪うことに繋がり、更なる選挙離れを招きかねない」
と危惧。
一方、現行の公選法での規制には限界があるとして
「法改正を求める声が出ており、実害があれば何らかの対策が必要だろう」
「一方で特定の存在を排除することは民主主義に反する」
「政治家や有権者が望ましい選挙の在り方を考えることも必要だ」
としている。
■衆院補選立候補者(届け出順)
▽東京15区 (9人)
福永活也43 弁護士 諸 新
乙武洋匡48 作家 無 新 【国】
吉川里奈36 看護師 参 新
秋元司52 元環境副大臣 無 元
金沢結衣33 元食品会社員 維 新 【教】
根本良輔29 IT会社経営 諸 新
酒井菜摘37 元区議 立 新
飯山陽48 大学客員教授 諸 新
須藤元気46 前参院議員 無 新
▽島根1区 (2人)
錦織功政55 元財務省職員 自 新 【公】
亀井亜紀子58 党県代表 立 元
▽長崎3区 (2人)
山田勝彦44 党県副代表 立 前 【社】
井上翔一朗40 学習塾経営 維 新 【教】

東京15区補選、トラブル避けて各陣営が苦肉の「ゲリラ街宣」 大半はフェアプレーも
2024/4/22 17:23
https://www.sankei.com/article/20240422-FAJLOKD5YBDBXGAPINO3VPP2SU/
東京都江東区で繰り広げられている衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)の選挙戦では、各陣営がSNSなどで遊説日程の事前告知を控える傾向にある。
告知すれば一部陣営が押し掛けて大声で候補者に〝質問〟を浴びせるなど、円滑な選挙活動が妨げられる恐れがあるためだ。
同補選を巡っては、演説会場で陣営関係者が暴行され逮捕者が出る事件も起きているが、大半の候補は選挙カーが別の候補者の演説会場近くを通り過ぎる際は音声を控えるなど、フェアプレーに徹している。
■「なにビビってんだよ」
「出てこいよー。おーい。居るんだろ。議論しよーぜ。なにビビってんだよ」
2024年4月20日午後7時前、東京メトロ門前仲町駅近くの商店街。
同補選に新人の飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の選挙事務所前で、政治団体
「つばさの党」
新人、根本良輔氏(29)らが声を張り上げていた。
日本保守党の百田尚樹代表らとの議論を求めているという。
周囲は日本保守党の支援者とみられる数十人が囲んでいる。
根本氏は支援者らにも矛先を向けた。
「保守党信者の皆さんがお願いしてくださいよ」
「こんな奴ら論破してくださいと」
「本当に応援しているんだったら、言えよ」
根本氏は選挙を通じて他陣営の政策の矛盾やスキャンダルの有無を徹底的に明らかにしたい思惑があるようだが、大声が飛び交う異様な光景に通行人らはぎょっとした表情を浮かべていた。
根本氏は告示された2024年4月16日に無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=が行った演説会場に押し掛けるなど、ほとんど全ての候補者の前に現れて大声を上げている。
立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)が同日、東京メトロ清澄白河駅近くの交差点で実施を告知していた街頭演説は行われなかった。
駅前でビラを配っていた国民民主党関係者は
「根本氏が現場にやってきたので、急遽取りやめたようだ」
と語った。
■空手有段者に元警察官
こうした事態を受け、各陣営はSNSで街頭活動の告知を取りやめるなど、選挙活動の修正を余儀なくされている。
どの候補者も選挙期間中には1人でも多くの聴衆に政策や人柄を知ってもらいたいはずで、苦肉の策と言える。
通常、国政選挙の候補に警備は付かないが、警察も対応に乗り出している。
日本保守党の事務所前には2024年4月21日、警察車両が待機していた。
妨害活動に対する警備のためだという。
事務所のドアには
「アンチが皆さんへのアピール目当てに寄ってきますので事務所前の滞留はご遠慮ください」
と書かれた紙が貼られていた。
参政党新人、吉川里奈氏(36)の陣営は空手の有段者や元警察官のスタッフが胸元に
「警護」
と書いたマークを付けているという。
陣営関係者は、警備係が待機していることを聴衆に知らせ、安心感を与える狙いがあると説明する。
2024年4月21日夕にはある陣営の演説会場で酔っ払いとみられる通行人が
「政治には金がかかるんだよ」
と叫び、止めに入った陣営関係者を押し倒す場面もあった。
■選挙が終わっても暮らしは続く
一方で多くの陣営は、互いの選挙活動に敬意を払った行動を心がけている。
2024年4月21日夕、日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=が門前仲町駅前の交差点で行った演説会。
参政党の選挙カーが吉川氏への支援をマイクで訴えながら近付いて来ると、維新の演説に気が付いたようで、交差点の数十メートル前で音を消した。
維新の陣営スタッフも参政党の選挙カーに近付いて頭を下げていた。
立憲民主党の選挙カーも同駅近くで演説していた無所属元職の秋元司氏(52)が通り過ぎる際、マイクで
「失礼しました」
と発言し、音声を切っていた。
同駅近くの交差点でビラを配っていた候補者は地面に拡声器を置いたままだった。
理由は約50メートル先で別の候補が選挙活動を行っているからだという。
この候補は周囲に
「選挙には互いの演説機会を確保する紳士協定がある」
と述べ、
「選挙が終わっても自分たちはこの町で暮らしていく」
「暴れて住民に迷惑を掛けることなんて考えられない」
と語った。
無所属新人の須藤元気氏(46)は告示前から他の候補の迷惑になりかねない行動はやめようと陣営で意思統一していたという。
このため、辻立ちなどを予定していた場所で他の候補が選挙活動を行っていた場合、中止することは当然、選挙カーのマイクの音量も須藤氏の指示で低めに設定している。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)も出馬している。

東京15区補選注目の「選挙妨害」に苦しんだ安倍氏 ヤジ排除は「表現の自由侵害」判決も
2024/4/23 16:42
https://www.sankei.com/article/20240423-QFEAQSVJ3NE5BOXRNG3NMD7YC4/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で、他の候補者が演説する会場などに諸派新人の根本良輔氏(29)が押し掛けて大声を挙げるといった行為を巡り、
「選挙が成り立たない」(日本維新の会陣営)
と与野党が問題視する事態になっている。
近年の選挙を振り返ると執拗なヤジや罵声など妨害行為に悩まされ続けたのが安倍晋三元首相だった。
■岸田首相も問題視
「政策を訴えるのではなく、とにかく候補者の演説を大音量で妨害、威嚇、恫喝する行為が続いている」
「演説を聞く有権者の権利を奪うことになる」
「首相の演説でもこんなことがあってはならない」
国民民主党の田中健衆院議員は2024年4月22日の衆院予算委員会で、衆院東京15区で妨害行為が問題となっているとして、こう訴えた。
田中氏は
「妨害行為をユーチューブやSNSで拡散して炎上させて、大きな利益としている」
とも指摘した。
岸田文雄首相も
「問題意識を共有する」
と述べ、対策を立てる必要性に言及した。
近年選挙活動に対する妨害活動は過激化する傾向にある。
■「こんな人たち」に負けない
平成29年7月1日、東京都議選を巡りJR秋葉原駅前で行われた自民党の最終演説会場には、安倍政権に批判的なプラカードなどを掲げた人々も集まって巨大な横断幕を掲げた。
安倍氏が登壇すると
「帰れ」
コールが始まり、演説の声をかき消すようにトーンをあげていく。
「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」
安倍氏は
「あのように主張を訴える場所に来て、演説の邪魔をするような行為を私たち自民党は絶対にしない」
と演説し、
「相手を誹謗中傷しても何も生まれない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
「都政を任せるわけにはいかない」
と声を張った。
当時自民党は選挙妨害を警戒し、都議選に関して計4回行った安倍氏の演説で、3回は会場の統制が比較的効きやすい小学校体育館を選んだ。
街頭の会場は秋葉原の1回だった。
この安倍氏の演説は
「異論に不寛容で批判を敵視する姿勢」(朝日新聞)
などと報じられた。
■警察官の行為は「妥当」認定
令和元年7月の参院選。
自民党は演説を妨害する人々への対策で、安倍氏の遊説日程の公表を控える傾向にあった。
それでも最終日の秋葉原での演説会場には
「安倍ヤメロ」
と大書された横断幕を掲げて騒ぐ集団がまたしても現れた。
「安倍ヤメロ」
と騒ぎ出し、警察官が止めに入ると
「暴力反対」
コールが起きた。
「表現の自由を守れ」
といった叫び声もあった。
また、札幌市で行った街頭演説では
「安倍ヤメロ」
とヤジを飛ばした聴衆が北海道警の警察官によって現場から引き離された。
当時、警察の行為は問題視された。
旧国民民主党の玉木雄一郎代表は
「文句を言う人を権力を使って排除することが当たり前になれば怖くて声を上げられなくなる」
と批判した。
警察官らに後方に移動させられた男女2人は、その後、道に慰謝料など損害賠償を求め、訴訟を起こした。
札幌地裁は令和4年3月、判決で排除行為は憲法で保障される表現の自由を侵害したと指摘し、排除の違法性を認め、道に賠償を命じた。
札幌高裁は男性が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定。
1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
原告の男性は判決を不服として上告している。
■2度の襲撃事件が発生
令和4年7月8日、安倍氏は奈良市で参院選の応援演説中、山上徹也被告=殺人罪などで起訴=に銃撃され、死去した。
一方、山上被告は公職選挙法違反罪での起訴が見送られた。
選挙妨害の意図の立証が困難と判断されたとみられる。
令和5年4月、岸田首相も和歌山市で衆院補選の応援に駆け付けた際、木村隆二被告=殺人未遂罪などで起訴=に襲撃された。
木村被告は不特定多数への被害が想定されるパイプ爆弾を使ったことから選挙妨害の意図が推認できると判断され、公選法違反罪でも起訴されている。
平成29年10月の衆院選を巡って、安倍氏が立候補した山口4区では一部候補がツイッター(当時)にこう投稿し、波紋を広げた。
「1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう! 盛り上がれば本当に安倍のクビが取れます!」
自民党総裁として全国を駆け回る安倍氏に代わって、地元・山口で安倍氏への投票を呼び掛けるのが妻、昭恵氏。
安倍氏の陣営は昭恵氏に危険が及びかねないとして警察に警備を相談する事態となった。
このツイッターを投稿した政治団体代表、黒川敦彦氏は加計学園の獣医学部開設を問題視し、山口4区に出馬した。
安倍氏との合同演説会の開催も要請した。
黒川氏は今回、衆院東京15区補選に出馬した根本氏の陣営に加わっている。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の吉川里奈氏(36)▽無所属元職の秋元司氏(52)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。

選挙妨害と「こんな人たち」
阿比留瑠比の極言御免
2024/4/25 1:00
https://www.sankei.com/article/20240425-YSEBWF3T35P6NLUP2V35ADC4D4/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙戦では、特定の候補者が他の候補者の演説場所で大声を上げるなどの妨害行為を繰り返し、街頭演説の事前告知ができない異常事態が生じている。
有権者にとっては、候補者の主張に耳を傾ける機会を奪われることになり、民主主義の根幹を揺るがす大問題だとも言える。
だが、
「こんな事態」
を招いたのは誰か。
安倍晋三元首相の演説を組織的、継続的に妨害していた集団を
「表現の自由だ」
と無理やり庇い、正当化し、逆に彼らを
「こんな人たち」
と呼んだ安倍氏を一方的に批判してきたマスコミや野党だったのではないか。
■安倍氏につきまとい
安倍氏は平成29(2017)年7月の東京都議選の街頭演説で、毎回のように演説会場に来ては
「安倍辞めろ」
と連呼する同じ顔ぶれの集団について訴えた。
「あのように人の主張の訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしない」
「私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたい」
「憎悪からは何も生まれない」
「相手を誹謗中傷したって、何も生まれない」
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」
何もおかしな事は言っていない。
力ずくで演説を妨げようとするヘイト的な言動には負けずに、政策を説いていくと主張しているだけではないか。
ところが、朝日新聞などは
「こんな人たち」
と述べた部分を切り取り、以後、何年経っても延々と安倍氏の批判を続けていく。
例えば令和元(2019)年7月の社説では
「自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された」
と記し、令和3(2021)年3月の記事ではこう強調した。
「自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は『友と敵』を分ける安倍首相の政治手法の象徴と受け止められた」
とはいえ、執拗に
「安倍辞めろ」
と叫び続けた連中はそもそも
「聴衆」
とは言えないし、
「受け止められた」
のではなく朝日新聞がそう決め付けただけだろう。
朝日新聞は、安倍氏が暗殺された1年後、令和5(2023)年7月8日の社説でも安倍氏批判を続けた。
「『こんな人たち』『悪夢のような民主党政権』」
「敵対を煽り、そこから権力行為のエネルギーを汲み上げる手法である」
安倍氏の演説の言葉からは、そんな意図は汲み取れない。
むしろ朝日新聞が、安倍氏の死去後も安倍氏への反感や憎悪を煽り続けていることが窺える。
■警察の委縮
安倍氏の街頭演説を巡っては令和元(2019)年7月、東京都中野区でこんな事もあった。
「安倍辞めろ」
などと騒いでいた集団がうるさく、演説が聞こえないのである女性が集団に注意し、その場にいた警官にも対処を要請した。
ところが双方が聞き入れないので実態を記録しようと集団にスマートフォンを向けて撮影しようとしたところ、集団がスマホを取り上げ、地面に叩き付けて破壊したのである。
後に警察は女性にこう釈明した。
「注意すると人権問題だとか差別だとか言われるから」
「強力には排除できない」
演説を妨害する暴力をマスコミや野党、裁判所が擁護してきた結果、警察が委縮し、取り締まるべき行為を目こぼしする。
野党も矛先が安倍氏や自民党に向いている間は、人権派ぶって彼らを排除するのはおかしいと擁護する。
その行き着いた先が、安倍氏が街頭演説中に凶弾に倒れるという悲劇だったのではないか。
「こんな人たち」
は、厳しく排除して当然である。

東京15区補選で波紋広げる選挙妨害 公選法改正の動きも 告示後、公然と行為は異例
2024/4/25 18:54
https://www.sankei.com/article/20240425-5GR7WOENBZGOTIKXMQA7GWZTRM/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で一部の陣営が他候補の演説会場に駆け付け、大きな声で政策やスキャンダルについて〝質問〟する行為を繰り返し、円滑な選挙活動が妨害されている。
こうした動きを受け、与野党からは公職選挙法を改正し、妨害への規制強化を検討するよう求める声も出始めた。
■活動中止するスタッフも
「まだまだ妨害行為は止まらない」
「何らかの法規制が必要ではないか」
日本維新の会の若手議員は、こう問題意識を投げかける。
同区補選には維新の候補も出馬しており、一部の陣営は維新が成功を目指す2025年大阪・関西万博の開催の是非などについて維新陣営に執拗に質問を浴びせている。
選挙会場は罵声とも取れる大声が飛び交う事態となっている。
若手議員は
「暴行罪で訴えられるレベルで、少なくとも威力業務妨害罪には該当するのではないか」
と語る。
実際、ある陣営のボランティアスタッフの女性は妨害活動に直面し、恐怖のため選挙活動が継続できなくなったという。
維新や国民民主党からは、公選法の選挙の自由妨害罪の適用がしやすくなるような法改正や罰則の強化などの検討を求める声が上がっている。
■多くの議員が類似の被害経験
選挙ポスターを剝がされるといった妨害は、過去に多くの与野党議員が被害に遭っている。
自民のベテラン議員は
「街頭演説中に
『お前の演説など聞きたくないんだ』
と怒鳴られた」
と振り返った。
別の自民の若手議員は、東京電力福島第1原発事故を巡って街頭演説中に批判されたという。
「『お前ら自民党が原発政策を進めたんだろう』
と怒鳴られ、持っていたのぼり旗を蹴られ、地面に転がった旗も再び蹴られた」
と語る。
令和4年7月に死去した安倍晋三元首相も街頭演説中、
「安倍辞めろ」
などと連呼する集団に妨害された。
一方、選挙が告示された後の妨害行為は、これまで今回のように公然と行われるケースは少なかった。
立憲民主党の辻元清美参院議員の場合は、演説の際に辻元氏のマイクが奪われ、事務所関係者が暴行されたことがあった。
刃物が事務所に届けられた経験もあるというが、こうした嫌がらせは選挙の告示前だったという。
立民関係者は
「選挙が始まってから辻元氏に対する妨害は記憶にない」
「告示後に妨害すれば捕まる可能性が高まるからだろう」
「今回の東京15区の件は確信的な行為だと言える」
と語る。
■玉木氏は妨害候補と対話
東京15区補欠選挙を巡っては、国民民主の玉木雄一郎代表が2024年4月23日、同党が推薦する候補の応援に駆け付けた際も、一部陣営の候補が駆け付け、玉木氏に向かっていった。
国民民主の関係者は候補を制しながら、
「あなたにも選挙の自由がある」
「こちらにも選挙の自由がある」
と訴え続けたが、候補は目を合わそうとしなかったという。
この関係者は産経新聞の取材に
「(一部陣営が)『選挙妨害ではない』と言っても、選挙の自由と自由が衝突すれば、残るのは妨害行為だ」
「有権者が見ている前で恥ずかしくないのか」
と憤った。
一方、玉木氏は一部陣営が求める〝質問〟に約20分応じていた。
一部陣営の候補も玉木氏の姿勢に満足したのか、玉木氏にグーサインを向けてその場を去っていった。
国民民主の伊藤孝恵参院議員も2024年4月25日、東京15区補選で応援に駆け付けた際、一部陣営に遭遇した。
伊藤氏はその様子についてX(旧ツイッター)にこう書き込んだ。
「質問に答えろよ! 質問に答えたら静かにしてやるよ! と絶叫されていたので、私が答えます!と名刺を渡したら
『なんだ国民民主か、国民民主は昨日“たまちゃん”(=玉木氏)に答えてもらったからもう用はない』
と言われました」

選挙妨害、処罰の可能性 総務相「妨害はあってはならない」適切な運動求める
2024/4/23 17:03
https://www.sankei.com/article/20240423-QDT3T7KMMZPZ5BJDFTOSIJD6SU/
松本剛明総務相は2024年4月23日の記者会見で、2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、候補者が街頭活動中に妨害を受けているとの指摘に関し、公選法の自由妨害罪や刑法の暴行罪などの処罰対象になり得ると述べた。
選挙運動の関係者に対し
「妨害はあってはならない」
「法を犯すことなく公正、適切に選挙運動を展開して頂きたい」
と求めた。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は2024年4月23日、自由妨害罪の罰則強化などの公選法改正案について、今国会提出を目指す考えを記者団に明らかにした。
「選挙妨害は許さないとの強い意思を示すべきだ」
「各会派の協力を仰ぎたい」
と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で罰則強化の改正が必要との認識を示した。
東京15区補選では、街頭演説会で陣営関係者とみられる男性を突き飛ばしたとして逮捕者が出ている。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/436.html#c17

[政治・選挙・NHK294] 衆院3補選からさらに状況悪化 票が逃げていく!自業自得の自民党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
39. 秘密のアッコちゃん[356] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月26日 19:35:30 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[469]
<■1095行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ヤジなどの演説妨害や他の選挙妨害は迷惑行為であり、言語道断の犯罪行為だ。
ちなみに拡声器によるヤジも肉声によるヤジもどちらも犯罪行為だ。
犯罪者にはそれ相応の罰を与えなければならない。
現在の公職選挙法で適正に取り締まれないのであれば、公職選挙法の改正が必要だ。

反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶
Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ
■遂に家宅捜索まで進展
2024年4月28日投票の衆議院補欠選挙東京15区では、9人の候補者が乱立し、開票の結果、酒井菜摘氏(立憲民主党・新)が当選しました。
この東京15区の選挙戦は、社会で大きな話題となりました。
それというのも、つばさの党の公認候補の根本良輔氏と党代表の黒川敦彦氏をはじめとする党員数名が、他候補の遊説場所に連日乗り込んで、演説に重ねて大音量で質問を行うことで、演説の聴き取りを困難にしたからです。
これらの行為の一部始終については、つばさの党自身の手によって動画が撮影され、X・YouTubeといったSNSを通して逐次配信されました。
2024年4月18日に、警視庁は亀戸駅前における乙武陣営の街頭演説中、約50分間に渡って近くで大音量の演説を行った行為や車のクラクションを鳴らした行為などに選挙の自由妨害の疑いがあるとして、根本氏・黒川氏ら3人に対して警告を出し、2024年5月13日、警視庁はつばさの党を家宅捜索するに至りました(その後、2024年5月18日、幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)が他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕された)。
一連のつばさの党の党の行為について、他候補やその陣営はもとより、多くのメディアも
「選挙妨害だ」
と訴えました。
NHKは、開票後の2024年4月30日に他候補の声を報じています。

★酒井菜摘氏
危険を感じるような場面もあり、本当に怖かった。
演説の日時を公表できず、区民に届けられなかったことが申し訳ない。
★乙武洋匡氏
各候補の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは、非常に残念で許し難い。
今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら、何らかの法改正をしていくべきだ。

乙武候補の応援に駆け付けた小池百合子東京都知事は、2024年4月19日の定例会見で次のように述べています。
★小池百合子氏
これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している。
非常に憤りを感じている。
選挙の在り方について、法律上見直して頂きたい。

また、立憲民主党の蓮舫議員は、Xで次のように述べています。
★蓮舫氏
私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。
警察の対応が遅くて怖かったです。
でも、負けない。

■確信的な妨害行為
一方、つばさの党側は、SNSや動画サイトを通して次のように主張しています。
★黒川敦彦氏
警告は、小池たちの亀戸の演説に対して僕らが演説を被せたということが違法だと。
私たちは調べたが、判例はない。
だって我々も選挙に出ているから。
あくまで小池陣営の演説と我々の演説は法律的は等しい。
かつ、我々の演説を聴いている人もそこにいるので、これは絶対に間違っていると思う。
(2024年4月23日)

★根本良輔氏
なぜ、こういう活動をしているか、まず説明していきたい。
シンプルに合法だからですね。
警察署・総務省としっかり確認を取って、合法の範囲でこういう活動をしています。
過去の判例もしっかり洗った上でやっています。
しっかり合法の範囲でやっているというのは、皆さん理解して頂きたい。
たくさんの皆さんに興味を持って頂いたので大成功に終わった、と思うところです。
(2024年4月27日)

★黒川敦彦氏
僕らは選挙に出ているので、例えば小池百合子氏や乙武氏の演説会と僕らの演説会がバッティングして、僕らも基本的に質問に行っているのです。
政治家が答えづらいことを僕らは聴きに行ったのです。
それに対して、『もっとやれ』という声は明確にあります。
(中略)
犯罪行為ではない。
質問に行っているだけなので答えればいいのです。
ちゃんと反論すればいいのです。
(2024年4月27日)

つばさの党は、明らかに確信的な意図を持って当該行為を行っています。
彼らは、行為の合法性についての理論武装を固めると共に、法の下の平等を主張し、あくまでも自らは質問をしているという外形上の体裁を整えています。
ただ、この行為はたとえ合法であっても、民主主義を根幹とする憲法の精神には反しています。
演説を聴くことができない社会では民意を反映できないため、民主主義が成立しないからです。
ここで、演説妨害に関する法的背景について簡単に紹介したいと思います。
■演説妨害の法的背景
議員等を公選する選挙について定めた【公職選挙法】の目的は、憲法の精神に則り、選挙人(有権者)の自由な意思によって選挙が公明かつ適正に行われることを確保し、これをもって民主政治の健全な発達を期することです。
選挙妨害行為については、225条(選挙の自由妨害罪)に定められており、今回の事案に関係するのは次の2項です。

一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

また、226条(職権濫用による選挙の自由妨害罪)では、警察を含めた公務員等が故意にその職務の執行を怠る、又は正当な理由がなくて公職の候補者若しくは選挙運動者に追随し、その職権を濫用して選挙の自由を妨害する行為を罪としています。
選挙妨害に関連した裁判所の判例も存在してます。

★最高裁判所
「仮に所論のように演説自体が継続させられたとしても、挙示の証拠によつて明かなように、聴衆が聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような所為があつた以上、これはやはり演説の妨害である」(1948年)

★大阪高等裁判所
「選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次(やじ)を飛ばし質問をなす等は許容」
「他の弥次発言者と相呼応し一般聴衆がその演説内容を聴取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或いは質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如き行為に至らなければ公職選挙法上の演説妨害罪は成立しない」(1954年)

聴衆が演説を聴き取ることを不可能または困難にする行為は
「演説妨害」(最高裁)
ですが、演説を中止せざるを得ない限り
「選挙妨害罪」
は成立しない(大阪高裁)とするものです。
この法的判断には、論理的な問題があります。
■大阪高裁が知る権利侵害を容認
【表現の自由freedom of expression】
の名の下に何者かが演説に被せて大声を出せば、少なくともその周辺の聴衆は演説を聴き取るのが困難になります。
選挙演説の内容は公選に資する公的情報であるので、周辺の聴衆は公的情報へのアクセス権である
【知る権利right to know】
を侵害されたことになり、これによって演説者も
【言論の自由freedom of speech】
を侵害されたことになります。
演説妨害は、自らの表現の自由を行使するために他者の言論の自由あるいは知る権利を侵害するという
【公共の福祉public welfare】
に反する行為であり、演説妨害を合理的に制限することは、憲法の精神に適うものです。
しかしながら、妨害の可否を定性的な判断に委ねる大阪高裁の曖昧な文言は、知る権利を侵害することを事実上容認しています。
というのも、実際の現場において、妨害の有無という極めてデリケートな判断を公権力が行うことは事実上困難であるからです。
演説者が妨害を根拠に演説を中止した場合、その妨害の立証責任は演説者に求められます。
そのような労力を要する可否の不明な権利を求めて演説を中止するインセンティブは、少しでも多くの有権者にアピールしたい選挙期間中の陣営には存在しません。
また、今回のケースのように、妨害者が私人ではなく選挙の候補である場合には、更に問題は複雑です。
妨害者の主張も、外形的には公選に資する公的情報であり、これを公権力が制限することは、職権濫用による選挙の自由妨害罪に当たる可能性があるからです。
警察が職権職務を遂行するに当たっては、警察官職務執行法(警職法)に従う必要があります。
この法律の中で、演説妨害者を移動させる根拠となるのは、第4条(避難等の措置)と第5条(犯罪の予防及び制止)しかありません。
即ち警察官ができることは、演説妨害者が周辺の聴衆から危害を受ける恐れがある場合に演説妨害者を避難させる(第4条)、あるいは演説妨害者の自由演説妨害行為により演説者側に危険が及ぶ恐れがある場合にその行為を制止する(第5条)という2つしかありません。
しかしながら、今回のケースのように、暴力行為を受けた場合の証拠を残すために動画撮影している演説妨害者に対し、周辺が危害を与える可能性は低く、また暴力を振るわないことを確信的に宣言している演説妨害者を予防で排除することも不可能です。
以上のように、日本の司法(裁判所)と行政(警察)は演説妨害者の【表現の自由】に寛容であり、演説者の【言論の自由】及び有権者の【知る権利】には冷淡です。
また、立法(議員)はこの問題の解決に消極的であり、時に都合よく政治利用しています。
また、一部マスメディアは、特定政治家に対する演説妨害行為を正当化してきました。
その象徴的な事例が、安倍晋三氏の街頭応援演説に対する2件の妨害事案です。
■演説妨害者を正当化
2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。
安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。

★安倍晋三
皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。
私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。
憎悪からは何も生まれない。
相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。
こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。
都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。

この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。

★朝日新聞
東京都議選最終日の秋葉原駅前。
自身に抗議する人たちを指差し、
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と叫ぶ安倍晋三首相の姿に溜息が出た。
またか。
(中略)
大体、批判を連呼しても主権者じゃないか。
この剥き出しの敵意、何なのか」
(2017年7月10日)

★毎日新聞
安倍晋三首相は学校法人森友学園や家計学園の問題で不信を招いたとして、国民への丁寧な説明を約束している。
ところが(2017年7月)1日の東京都議選遊説では聴衆の「辞めろ」コールを
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と激高した。
国会で今後、丁寧な説明を期待できるのか」
(2017年7月3日)

★テレビ朝日・玉川徹氏
『こんな人たち』
というのも問題だけど、その後に
『負けるわけにはいかない』
と言っている。
負けるというのは勝ち・負けだ。
勝ち・負けということは敵・味方だ。
だから
『こんな人たち』
は敵だ。
少なくとも、敵と思っている人も国民だ。
その国民の意見を自分たちの方に向かわせる力量がなかったから、政治家としてダメだ。
選挙は勝ち負けというが、総理なんだから。
(2017年7月4日)

この演説会において、大群衆が大合唱した表現である
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。
論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく
「安倍やめろ」
「帰れ」
と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。
■「こんな人たち」の真意
【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、
「安倍やめろ」
「帰れ」
は、上述の理由から、「非言論」の要素です。
つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。
これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。
一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。
安倍氏の言う
「こんな人たち」
は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として
「負けるわけにはいかない」
と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。
一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の
「選挙妨害」

「憤りを感じている」
と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、
「つばさの党の党員も都民じゃないか」
「この剥き出しの敵意、何なのか」
「演説を邪魔する行為と激高した」
「少なくとも敵と思っている人も都民だ」
などと非難しなければ、公平ではありません。
警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。
むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。
一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。
特に欺瞞に溢れているのは、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の玉川徹氏です。

★玉川徹氏
法律に違反していないなら何をやってもいいという考え方を良識ある有権者が受け入れると思うか、という話だ。
紳士協定が慣例になっているが、それは色々な候補の声が届くようにしようと。
どんな政党だってどんな候補だって、そういう風にしてやっている。
法律に違反していなければ他人にどんな迷惑を掛けてもいいんだというそういう風な人たちは、国民の中で大きな支持を得られるとは僕は思わない。
(2024年4月29日)

玉川氏の言う
「そういう風な人たち」
は、安倍氏の言う
「こんな人たち」
と同じで、他人にどんな迷惑を掛けてもいいと思っている迷惑千万な演説妨害者です。
こんな白々しい欺瞞に溢れるダブル・スタンダードはありません。
■蓮舫のダブスタ発言
野党政治家も、マスメディアに同調しました。
当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。

★民進党・蓮舫代表
国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。
それを総理大臣がやるということは
『1億総活躍』
『皆が活躍できるチャンス』
と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。
自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。
私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。
でも、私は双方向で政治をしたい。
色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」
(2017年7月6日)

安倍氏は、蓮舫氏のように
「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」
などと宣言していません。
安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に
「負けるわけにはいかない」
と宣言しただけです。
党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する
【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】
https://hamwrite.com/strawman-argument
に他なりません。
尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も
「色々な意見を持っている人」
であるはずです。
蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を
「選挙妨害」
と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、
「警察の対応が遅くて怖かった」
と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には
「でも、負けない」
とつばさの党を敵認定しました。
蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。
いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。
この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。
このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。
これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
■ヤジの2人を英雄視
2019年参院選における安倍氏の札幌演説(2019年7月15日)では、
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた男女2人を北海道警察が移動させるという事案がありました。
2人のうち男性は、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなど演説者を執拗に威嚇しました。
秋葉原の演説妨害に比べて小規模ではあるものの、この騒動によって、周辺の人々の
「知る権利」
は明らかに侵害されました。
この事案に対しても、一部マスメディアは徹底的に警察を非難し、ヤジを正当化したのです。

★朝日新聞
政治家による街頭演説は、支持者だけではなく、様々な考えを持った幅広い聴衆に向けられるものだ。
ヤジも意思表示の1つの方法であり、これが力ずくで排除されるようになれば、市民は街頭で自由に声を上げることができなくなる。
(2019年8月29日)
政治家の仕事は、街頭でヤジを浴びることだろう。
浴びる機会を警察が奪ってどうする。
(2020年2月16日)

★毎日新聞
仮に今回、北海道警が政権への忖度を理由に聴衆を排除したとすれば、警察の政治的中立性に疑問符が付くことになる。
(2019年7月20日)

2020年2月2日には、HBC北海道放送が、警察に移動させられた2人を一方的に英雄視して警察を悪魔化するようなドキュメンタリー番組
『ヤジと民主主義~警察が排除するもの』
を放映しました。
日本のメディアは、この番組に対して、ギャラクシー賞、日本ジャーナリスト会議JCJ賞、JNNネットワーク協議会賞などを授賞するなど、この作品を絶賛しました。
また、警察に移動させられた2人は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、北海道に対して慰謝料を求める裁判を起こしました。
その結果、2022年3月25日に札幌地裁は、北海道に対して計88万円の支払いを命じました。
これらのマスメディアの報道圧力と司法の判決は、警察を委縮させ、演説者の安全のための警備措置を事実上無力化したものと考えられます。
極めて理不尽なことに、聴衆が演説車両に詰め寄って大声を出す行為が正当化され、それを移動させた北海道警察が罰金刑に処されたのです。
そして、起こるべくして悲劇が起こりました。
■東京新聞の非論理的主張
札幌地裁の判決から間もない2022年7月8日に、参院選の街頭演説中の安倍氏が銃撃されたのです。
警察は、テロリストが安倍氏に近寄って至近距離から2発を発砲するまで何もすることができませんでした。
ここに、一部マスメディアと活動家から弾圧されてきた安倍氏の言論の自由は、永遠に閉ざされたのです。
2023年4月15日には、衆議院補選(和歌山1区)における街頭応援演説を控えた岸田文雄自民党総裁に対してパイプ爆弾が投げ込まれました。
これらテロ行為の頻発に影響を受けたか否かは不明ですが、2審の札幌高裁は、原告の男性に対して、警職法に則った根拠で1審判決を取り消す逆転敗訴の判決を言い渡しました。

★札幌高等裁判所
ヤジを飛ばして隣にいた聴衆といさかいになった他、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなどした。
警察官が、直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには客観的合理性が認められる。
(2023年6月22日)

この判決に対して、東京新聞は札幌高裁を強く非難しました。

★東京新聞
ヤジも言論だ。
市民から政権批判の自由を奪ってはならない。
今回の判決が政治的言論の自由の委縮を招くのではと危惧する。
(2023年6月24日)

東京新聞の主張は非論理的です。
先述したように、
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは、
「表現の自由」
の名の下に非言論によって言論を掻き消すという
「言論の自由」

「知る権利」
に対する挑戦行為です。
まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものです。
1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければなりません。
これは間接民主主義の破壊行為です。
特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことでしょう。
実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、
「ステルス遊説」
を展開するに至りました。
■言論機関による言論弾圧
2023年12月、北海道放送
『ヤジと民主主義~警察が排除するもの』
の劇場版が、センセーショナルな宣伝文句を掲げて公開されました。

2019年7月15日、それが全ての始まり。
政権に批判の声を上げたら、大勢の警察官に排除された。
「ヤジ排除」
の裏で何が起こっているのか?
1460日の記録。

更に、元北海道警察幹部の原田宏二氏(故人)の発言が、次のように添えられています。

★原田宏二氏
警察が法的根拠がないのに好き勝手なことをやっている。
それをメディア・マスコミの前で平然とやった。
あんたたち(マスコミは)無視されたんですよ。

警察が原告を移動させた措置に対する法的根拠については、2審判決でその合理性が認められていますが、この発言はその存在を真っ向から否定しています。
つまり、この映画は、故人の見解を権威論証として使うことで、演説妨害を無理矢理正当化しているのです。
また、警察がメディアを無視することが許されないかのような認知操作は傲慢極まりありません。
以上、安倍氏の秋葉原演説と札幌演説に対する演説妨害行為は、一部マスメディアによる強力な報道圧力によって正当化されてきました。
その結果、日本は演説妨害者の「表現の自由」が尊重され、演説者の「言論の自由」と有権者の「知る権利」が軽視されるという本末転倒な社会となってしまいました。
これは、言論機関による言論弾圧に他なりません。
このような状況において、秋葉原の事例と比較して甚だ小規模な集団であり、候補が他候補に質問する体裁を取るつばさの党の演説妨害者を、札幌の事例で違法性を問われて委縮した警察が、極めてデリケートな判断を必要とする警職法を根拠にしてリアルタイムに排除することは、法の下の平等から不可能でした。
事実、警察が選挙の自由妨害罪の疑いで家宅捜索に踏み切ったのは、投開票から2週間が経過した2024年5月13日です。
もちろん、この段階でも選挙の自由妨害罪が立証されているわけではありません。
何よりも、マスメディアによる身勝手な
「表現の自由」
の肯定による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵食された有権者です。
「言論の自由」
を守り、国民の
「知る権利」
に資する使命を持つ言論機関の一部が、
「表現の自由」
という美辞麗句で非言論による演説妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。
今回のような問題が発生するのは、明らかに公職選挙法の欠陥によるものです。
近年、演説妨害者が次々と公職選挙法のセキュリティホールを突いてくる中、党利党略を最優先とする立法機関の議員は何も対策を議論してきませんでした。
誰が考えても分かることですが、候補者がその政治的主張を有権者に音声で説明する街頭演説を行うには、音声が伝わる特定の時間を特定の空間に渡って占有する必要があります。
この占有の調整を候補者の自主性に任せていることが、トラブルの原因なのです。
■選挙システムの再構築を
公平な選挙を行うためには、選挙管理委員会がこの時間と空間を管理して候補者に公平に配分することが必要です。
例えば、選挙区内に複数の演説拠点を予め設定しておいて、各候補にその拠点を占有できる時間帯を最初から決めておけば、候補者間で演説に支障を来すことはありません。
有権者にとっても、確実に演説を聞くことができるので至便です。
また、その時間の枠内で市民が自由にヤジを言える時間を5分程度設定すれば、インタラクティブ(お互いに作用し合う様。相互作用の)な要素も加味できます。
何より、演説途中での身勝手なヤジを発する必要がなくなります。
もちろん、拠点以外の場所での演説は、従来通り自由にするのが憲法に適っています。
ただし、同一地区に1日2時間以上留まって演説してはならないというような、場所の目的外使用を防止する合理的規制は必要であると考えられます。
特定の候補者間で相手に質問し合う機会を設定することも必要です。
今回、つばさの党は、質問を根拠にして他候補の演説を妨害しましたが、予め十分な討論の機会を設定しておけば、その必要もなくなります。
有権者が議員の実力を把握する上でも討論会の開催は有益であり、議員の質の向上に大きく貢献するものと考えられます。
公職選挙法で、インターネットをベースにした複数回の公開討論会の開催を義務化するのが望ましいと考えます。
このような表現に関する
【時 time】
【所 plece】
【方法 manner】
の規制は
【表現内容中立規制】(特定の時・場所・手段における表現の規制)
https://foetimes.com/2670/
と呼ばれ、公共の福祉の必要がある場合の合理的制限として、最高裁(1955)が認めています。
その理由としては、これを無制限にしておくと選挙運動に不当な競争を招き、選挙の自由公正を害する虞があるからです。
また、相手を威嚇したり、侮蔑したりする発言など表現の
【内容 content】
の規制である
【表現内容規制】(ある表現について、それが伝達するメッセージを根拠に行う規制)
https://foetimes.com/2670/
も最低限必要と考えます。
インターネットが普及した時代に、好意の返報性を求めて、街頭で握手をしたり、手を振ったり、名前を連呼したり、自転車に乗ったり、ビラを配ったりする選挙はもうやめましょう。
感情・人格・権威に訴えるという選挙テクニックではなく、政策のスペックで代表を選ぶ選挙システムの構築が必要不可欠であると考える次第です。

偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち
Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽
「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」
「質問に答えろよ飯山!」
2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは
「つばさの党」
という団体の根本良輔なる人物だ。
私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。
街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。
警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。
しかし某はこう続けた。
「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」
「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」
某も同補選の立候補者である。
だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。
産経新聞の取材に対し、
「どこで街宣しても合法だ」
と自身の言動を正当化している。
某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。
私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。
街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き
「出てこい」
と挑発する。
この繰り返しだ。
2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。
私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。
■私は絶望した
自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。
他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。
「殺人の自由」

「強盗の自由」
「誹謗中傷の自由」
といったものが認められないのはそれ故である。
しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。
某は産経新聞に対し、妨害活動により
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
と主張している。
とんだ偽善者である。
2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、
「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」
と、
「若い弱者」
ポジションを取って煽ってきた。
若さなど所詮、相対的なものだ。
小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。
贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ
「若い弱者」
ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。
某はいわゆる
「無敵の人」
である。
選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。
実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。
これは公開リンチに等しい。
私は絶望した。
「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」
何が面白いのか、私には全く分からない。
図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。
■諦めたらそこで終わりだ
「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」
表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。
「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」
これが某の
「合法」
な選挙活動らしい。
拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。
これでどうやって、
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
というのか。
通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。
中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。
誰もが顔を強張らせる。
政治参加どころの話ではない。
こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。
政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。
そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。
実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。
有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。
哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。
某はこうも言った。
「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」
「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」
「何だよ保守党って!」
「保守党ってのは逃げること?!」
保守の基本は
「大切なものを守る」
という信念だ。
我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。
他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。
某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。
某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。
なるほど、実に賢いと、某の
「信者」
たちは喝采を送る。
「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」
として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。
メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。
しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。
2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が
「あかり、がんばれ?!」
と高い声をあげた。
正義はここにある。
日本を諦めてはならない。
諦めたらそこで終わりだ。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山~なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。

偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち
Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽
「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」
「質問に答えろよ飯山!」
2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは
「つばさの党」
という団体の根本良輔なる人物だ。
私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。
街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。
警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。
しかし某はこう続けた。
「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」
「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」
某も同補選の立候補者である。
だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。
産経新聞の取材に対し、
「どこで街宣しても合法だ」
と自身の言動を正当化している。
某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。
私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。
街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き
「出てこい」
と挑発する。
この繰り返しだ。
2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。
私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。
■私は絶望した
自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。
他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。
「殺人の自由」

「強盗の自由」
「誹謗中傷の自由」
といったものが認められないのはそれ故である。
しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。
某は産経新聞に対し、妨害活動により
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
と主張している。
とんだ偽善者である。
2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、
「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」
と、
「若い弱者」
ポジションを取って煽ってきた。
若さなど所詮、相対的なものだ。
小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。
贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ
「若い弱者」
ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。
某はいわゆる
「無敵の人」
である。
選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。
実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。
これは公開リンチに等しい。
私は絶望した。
「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」
何が面白いのか、私には全く分からない。
図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。
■諦めたらそこで終わりだ
「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」
表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。
「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」
これが某の
「合法」
な選挙活動らしい。
拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。
これでどうやって、
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
というのか。
通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。
中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。
誰もが顔を強張らせる。
政治参加どころの話ではない。
こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。
政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。
そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。
実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。
有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。
哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。
某はこうも言った。
「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」
「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」
「何だよ保守党って!」
「保守党ってのは逃げること?!」
保守の基本は
「大切なものを守る」
という信念だ。
我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。
他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。
某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。
某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。
なるほど、実に賢いと、某の
「信者」
たちは喝采を送る。
「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」
として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。
メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。
しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。
2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が
「あかり、がんばれ?!」
と高い声をあげた。
正義はここにある。
日本を諦めてはならない。
諦めたらそこで終わりだ。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山~なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/445.html#c39

[政治・選挙・NHK294] 静岡知事選、野党推薦の新顔が勝利 自民は4月の3補選に続き敗北(朝日新聞) 赤かぶ
40. 秘密のアッコちゃん[357] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月28日 06:27:21 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[470]
<■2923行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
憲法21条は、選挙演説に対するヤジを保障などしていない。
表現の自由であっても、公共の福祉に反する場合は許されない。
つばさの党などの活動家がやっている行動は、【国民の聴く権利・知る権利】や【候補者が演説で行う言論の自由】を妨害して【公共の福祉】を侵害する公職選挙法225条「選挙の自由妨害罪」に当たる【犯罪行為】だ。
法治国家においては絶対に許されないし、許すべきではない。

前代未聞 選挙妨害を擁護 裁判官と朝日が日本を滅ぼす!
”民主主義の敵”と化した高学歴エリートたちの「驕り」と「自惚れ」
WiLL2027年7月号
作家・ジャーナリスト 門田隆将
政治学者 岩田温
■前代未聞の選挙妨害
★門田
民主主義が危機に晒されています。
衆院補選では、前代未聞の事態が起こりました。
東京15区における”選挙妨害”です。
政治団体「つばさの党」の黒川敦彦代表と根本良輔氏が、他候補の街頭演説を妨害する卑劣な行為を繰り返した。
根本氏は自らの手法を”カーチェイス街宣”と称している。
★岩田
「つばさの党」は他候補の選挙カーを追い回した挙げ句、演説会場ではスピーカーを用いて大声でがなり立てていた。
醜悪な光景です。
選挙においては、たとえ主張や立場が異なっていても互いに健闘を祈るものです。
選挙カーがすれ違ったら、本当は思っていなくても
「頑張りましょう!」
と声を掛ける慣習があります。
法律やルールでは定められていない紳士協定=暗黙の了解ですが、「つばさの党」はそれを破った。
超えてはならない一線を越えてしまった。
★門田
2017年の東京都議選の選挙妨害が始まりです。
投開票の前日、当時の安倍総理は秋葉原駅前で最後の演説に臨んだ。
その時、左翼活動家らが1時間以上に渡り
「安倍やめろ!」
「帰れ! 帰れ!」
と連呼。
演説を聴きに集まった有権者は全く演説を聴けなくなった。
安倍氏は活動家らに向かって、
「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
と反論した。
★岩田
朝日新聞などのマスコミは、安倍元総理の
「こんな人たち」
という部分だけを切り取って批判し続けた。
<異論に不寛容で、批判を敵視する姿勢は安倍政権の特徴の1つだった>
<自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された>
<自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は「友と敵」を分ける安倍首相の政治手法の象徴>
選挙妨害を擁護した朝日新聞は”民主主義の敵”に他ならない。
■裁判官が日本を滅ぼす
★門田
マスコミと共に、民主主義破壊の元凶となったのが札幌”ヤジ連呼”訴訟です。
2019年の参院選前、安倍元総理が札幌で演説していました。
その時、
「安倍辞めろ!安倍辞めろ!」
などと大声でヤジを連呼していた活動家を北海道警が排除。
彼らは”表現の自由”を侵害されたとして、北海道に損害倍書を求めた。
札幌地裁では道警側が全面敗訴しました(2022年3月)。
裁判長は廣瀬孝氏(現・東京高裁判事)です。
★岩田
札幌高裁は男性の訴えは退けましたが、道警による女性の排除は違法と判断している(2023年6月)。
”表現の自由”を守ることは重要ですが、あくまで常識の範囲内という注釈が付く。
有権者の”聴く権利”を侵害してまで認められるものではない。
狂っています。
★門田
選挙というのは民主主義の根幹です。
有権者は政治家の演説に耳を傾け、投票の判断材料にする。
活動家がやっていることは、国民の”聴く権利”を侵害しているだけでなく、民主主義の根幹をも揺るがす犯罪なのです。
裁判官が守るべきは社会の「安全」と「秩序」と「正義」なのに、廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)は真逆の事をした。
つまり、国家や秩序を崩壊させる側を助ける
「左翼裁判官」
なのです。
愚かな判決を下した廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)に尋ねてみたい。
「あなたは一体、何をするために裁判官になったのですか?」
と。
★岩田
警察による”ヤジ排除”が違法という判例が出たことにより、現場の警察官は動きにくくなった。
今回の補選で言えば、警視庁が「つばさの党」を排除したら、東京都が賠償請求されかねない。
訴えられるだけならまだしも、裁判に負ける可能性が高い。
活動家には判例という巨大な後ろ盾がありますから。
■警察幹部は責任を取れ
★門田
公職選挙法には
「選挙の自由妨害罪」
が規定されている(225条)。
「つばさの党」による行動は当然、公選法に違反している。
本来であれば、羽交い絞めにしても排除すべきです。
でも、下手に手を出せば訴訟沙汰になり、負ける可能性もあるのです。
現場の警察官は悔しいでしょうね。
目の前で明らかな”犯罪”が行われているのに、何も出来ないわけですから。
これは、警視総監が
「摘発せよ。オレが責任を取る!」
とだけ言えば済む話です。
しかし、保身だけの警察首脳にそんな勇気があるはずがない。
民主主義が滅びるか滅びないかの瀬戸際にあるのに、
「訴訟になると面倒臭いから手を出すな!」
と現場に命じているわけです。
★岩田
選挙の2週間後、警視庁は「つばさの党」本部などを家宅捜索。
その数日後、代表の黒川氏や根本氏ら3人が逮捕されました。
★門田
秋葉原”安倍辞めろ”事件や札幌”ヤジ連呼”合法判決などの悪しき流れは変わるかもしれない。
とはいえ、警察の動きは遅過ぎる。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので看過できない」
と述べていましたが、今更何を言っているのか。
選挙はとうに終わっている。
”覚悟なき警察幹部”に怒りを覚えます。
★岩田
選挙妨害を放置したままでは、国民が怒りの矛先を「つばさの党」や札幌地裁だけでなく、警察に向けかねない。
警視庁は”選挙妨害は絶対に許すまじ”という世論に突き動かされたのかもしれない。
★門田
警察官僚というのはエリート中のエリート。
東大法学部在学中にキャリア試験に受かり、狭き門を突破した選ばれし者たちです。
繰り返しになりますが、言わせてほしい。
「あなたは一体、何を守るために警察官になったのですか?」
と。
★岩田
常識が失われつつある。
日本ではエリートになればなるほど左傾化が強まり、無責任体質となり、常識を忘れてしまう。
■「暗殺が成功して良かった」
★門田
その延長線上に、安倍元総理の暗殺がある。
安倍元総理の「こんな人たち」発言を叩きまくったメディアと、札幌ヤジ合法判決を出した裁判官【廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁)】。
彼らが安倍元総理暗殺の土壌を作り上げた。
★岩田
安倍政権を批判するためなら”何でもアリ”という空気が醸成されてしまった。
極め付きが山上達也によるテロであり、テロリストを礼賛する風潮に他ならない。
法政大学教授の島田雅彦氏はその典型です。
島田氏は安倍元総理の死を念頭にこう言い放った。
「今まで何ら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えば暗殺が成功して良かった」
自分たちがいくら安倍政権を批判しても、自民党は選挙で勝ち続ける。
積年の鬱憤を晴らすために、暴力という禁断の最終手段に打って出たわけです。
★門田
社会学者の宮台真司氏も暗殺を”世直し”と表現しましたね。
「安倍というのは、ある種の日本の切り口であってね、日本全国どこを切っても安倍の顔なんですよ」
「上を忖度するヒラメ、横をキョロキョロ見るキョロ目の空っぽな人間たちが無様に蠢いている」
「(今回の事件は)機能としては世直しとして機能している」
安倍元総理の国葬儀が執り行われた当日、山上徹也をモデルにした映画が公開されました。
監督を務めたのは足立正生氏。
重信房子が率いた日本赤軍に合流して、手配された経歴もある。
宮台の”世直し”発言は、この映画の試写会で飛び出した。
「気に食わない人間は、殺されても構わない」
という考えは、左翼の本質をよく表している。
全体主義とは、要するに思想の統一です。
それを実現するためには、どんな手段を使ってでも異論を排除しなければなりませんから。
★岩田
レーニン主義者を自称する白井聡氏も、国葬儀に反対する集会でテロを肯定しています。
「暴力でなければ変えられないような状況を私たちが作ってしまった」
「テロが起きる前、我々の日本社会は腐り切り敗北していた」
「国葬は私たちの敗北していた社会を有耶無耶にし、否認することになる」
「許してはならない」
被害者は安倍元総理で、加害者はテロリストの山上徹也。
何があっても、この構図は変わりません。
ところが、マスコミの手にかかれば被害者と加害者が逆転する。
「山上という純朴な青年を苦しめた統一教会、安倍元総理こそが加害者である」
という風に。
マスコミこそが、安倍元総理が殺された原因を作った張本人です。
にもかかわらず、何も反省していない。
★門田
反省するどころか、彼らは”してやったり”とでも思っているでしょうね。
思い出されるのが重信房子が出所した時のことです。
”出所祝い”には、ジャーナリストたちが嬉々として駆け付けました。
TBS「報道特集」メインキャスターだった金平茂紀氏、同じくTBS「サンデーモーニング」コメンテーターの青木理氏らです。
その週の「報道特集」では、重信房子の出所が大々的に報じられました。
金平氏が
「外へ出て一番感じることは?」
と尋ねると、重信は
「政治が一方向に流れている」
と答えた。
”政治の方向”を変えるために、再びテロを起こすつもりなのかー。
嫌な予感がしたものです。
そして、現実のものとなった。
この番組が放送された1か月半後の2022年7月8日、安倍元総理が暗殺されました。
★岩田
維新の会は「つばさの党」騒動を受け、公職選挙法の改正案を示しました。
選挙妨害の具体的な行為として、
「著しく粗野又は乱暴な言動」
などを明記。
演説妨害を
「聴衆が演説を聴取することを困難にする行為」
具体化した。
維新の会は「つばさの党」の被害者でもある。
★門田
維新案に反対したのが社民党の福島瑞穂氏です。
「憲法21条が保障しているヤジとの関連が不明確」
「表現の自由が侵害されるのではないか」
と。
民主主義を破壊したい”革命勢力”の正体をまさに見せましたね。
★岩田
マスコミもその一味です。
連日のように選挙妨害を取り上げますが、ワイドショーではタレントが「つばさの党」を擁護する場面があった。
その一方で、選挙妨害を批判するコメンテーターもいる。
いずれにせよ、マスコミはクズの集まりです。
彼らに論評する資格などありません。

ヤジなどの演説妨害や他の選挙妨害は迷惑行為であり、言語道断の犯罪行為だ。
ちなみに拡声器によるヤジも肉声によるヤジもどちらも犯罪行為だ。
犯罪者にはそれ相応の罰を与えなければならない。
現在の公職選挙法で適正に取り締まれないのであれば、公職選挙法の改正が必要だ。

反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶
Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ
■遂に家宅捜索まで進展
2024年4月28日投票の衆議院補欠選挙東京15区では、9人の候補者が乱立し、開票の結果、酒井菜摘氏(立憲民主党・新)が当選しました。
この東京15区の選挙戦は、社会で大きな話題となりました。
それというのも、つばさの党の公認候補の根本良輔氏と党代表の黒川敦彦氏をはじめとする党員数名が、他候補の遊説場所に連日乗り込んで、演説に重ねて大音量で質問を行うことで、演説の聴き取りを困難にしたからです。
これらの行為の一部始終については、つばさの党自身の手によって動画が撮影され、X・YouTubeといったSNSを通して逐次配信されました。
2024年4月18日に、警視庁は亀戸駅前における乙武陣営の街頭演説中、約50分間に渡って近くで大音量の演説を行った行為や車のクラクションを鳴らした行為などに選挙の自由妨害の疑いがあるとして、根本氏・黒川氏ら3人に対して警告を出し、2024年5月13日、警視庁はつばさの党を家宅捜索するに至りました(その後、2024年5月18日、幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)が他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕された)。
一連のつばさの党の党の行為について、他候補やその陣営はもとより、多くのメディアも
「選挙妨害だ」
と訴えました。
NHKは、開票後の2024年4月30日に他候補の声を報じています。

★酒井菜摘氏
危険を感じるような場面もあり、本当に怖かった。
演説の日時を公表できず、区民に届けられなかったことが申し訳ない。
★乙武洋匡氏
各候補の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは、非常に残念で許し難い。
今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら、何らかの法改正をしていくべきだ。

乙武候補の応援に駆け付けた小池百合子東京都知事は、2024年4月19日の定例会見で次のように述べています。
★小池百合子氏
これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している。
非常に憤りを感じている。
選挙の在り方について、法律上見直して頂きたい。

また、立憲民主党の蓮舫議員は、Xで次のように述べています。
★蓮舫氏
私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。
警察の対応が遅くて怖かったです。
でも、負けない。

■確信的な妨害行為
一方、つばさの党側は、SNSや動画サイトを通して次のように主張しています。
★黒川敦彦氏
警告は、小池たちの亀戸の演説に対して僕らが演説を被せたということが違法だと。
私たちは調べたが、判例はない。
だって我々も選挙に出ているから。
あくまで小池陣営の演説と我々の演説は法律的は等しい。
かつ、我々の演説を聴いている人もそこにいるので、これは絶対に間違っていると思う。
(2024年4月23日)

★根本良輔氏
なぜ、こういう活動をしているか、まず説明していきたい。
シンプルに合法だからですね。
警察署・総務省としっかり確認を取って、合法の範囲でこういう活動をしています。
過去の判例もしっかり洗った上でやっています。
しっかり合法の範囲でやっているというのは、皆さん理解して頂きたい。
たくさんの皆さんに興味を持って頂いたので大成功に終わった、と思うところです。
(2024年4月27日)

★黒川敦彦氏
僕らは選挙に出ているので、例えば小池百合子氏や乙武氏の演説会と僕らの演説会がバッティングして、僕らも基本的に質問に行っているのです。
政治家が答えづらいことを僕らは聴きに行ったのです。
それに対して、『もっとやれ』という声は明確にあります。
(中略)
犯罪行為ではない。
質問に行っているだけなので答えればいいのです。
ちゃんと反論すればいいのです。
(2024年4月27日)

つばさの党は、明らかに確信的な意図を持って当該行為を行っています。
彼らは、行為の合法性についての理論武装を固めると共に、法の下の平等を主張し、あくまでも自らは質問をしているという外形上の体裁を整えています。
ただ、この行為はたとえ合法であっても、民主主義を根幹とする憲法の精神には反しています。
演説を聴くことができない社会では民意を反映できないため、民主主義が成立しないからです。
ここで、演説妨害に関する法的背景について簡単に紹介したいと思います。
■演説妨害の法的背景
議員等を公選する選挙について定めた【公職選挙法】の目的は、憲法の精神に則り、選挙人(有権者)の自由な意思によって選挙が公明かつ適正に行われることを確保し、これをもって民主政治の健全な発達を期することです。
選挙妨害行為については、225条(選挙の自由妨害罪)に定められており、今回の事案に関係するのは次の2項です。

一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

また、226条(職権濫用による選挙の自由妨害罪)では、警察を含めた公務員等が故意にその職務の執行を怠る、又は正当な理由がなくて公職の候補者若しくは選挙運動者に追随し、その職権を濫用して選挙の自由を妨害する行為を罪としています。
選挙妨害に関連した裁判所の判例も存在してます。

★最高裁判所
「仮に所論のように演説自体が継続させられたとしても、挙示の証拠によつて明かなように、聴衆が聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような所為があつた以上、これはやはり演説の妨害である」(1948年)

★大阪高等裁判所
「選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次(やじ)を飛ばし質問をなす等は許容」
「他の弥次発言者と相呼応し一般聴衆がその演説内容を聴取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或いは質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如き行為に至らなければ公職選挙法上の演説妨害罪は成立しない」(1954年)

聴衆が演説を聴き取ることを不可能または困難にする行為は
「演説妨害」(最高裁)
ですが、演説を中止せざるを得ない限り
「選挙妨害罪」
は成立しない(大阪高裁)とするものです。
この法的判断には、論理的な問題があります。
■大阪高裁が知る権利侵害を容認
【表現の自由freedom of expression】
の名の下に何者かが演説に被せて大声を出せば、少なくともその周辺の聴衆は演説を聴き取るのが困難になります。
選挙演説の内容は公選に資する公的情報であるので、周辺の聴衆は公的情報へのアクセス権である
【知る権利right to know】
を侵害されたことになり、これによって演説者も
【言論の自由freedom of speech】
を侵害されたことになります。
演説妨害は、自らの表現の自由を行使するために他者の言論の自由あるいは知る権利を侵害するという
【公共の福祉public welfare】
に反する行為であり、演説妨害を合理的に制限することは、憲法の精神に適うものです。
しかしながら、妨害の可否を定性的な判断に委ねる大阪高裁の曖昧な文言は、知る権利を侵害することを事実上容認しています。
というのも、実際の現場において、妨害の有無という極めてデリケートな判断を公権力が行うことは事実上困難であるからです。
演説者が妨害を根拠に演説を中止した場合、その妨害の立証責任は演説者に求められます。
そのような労力を要する可否の不明な権利を求めて演説を中止するインセンティブは、少しでも多くの有権者にアピールしたい選挙期間中の陣営には存在しません。
また、今回のケースのように、妨害者が私人ではなく選挙の候補である場合には、更に問題は複雑です。
妨害者の主張も、外形的には公選に資する公的情報であり、これを公権力が制限することは、職権濫用による選挙の自由妨害罪に当たる可能性があるからです。
警察が職権職務を遂行するに当たっては、警察官職務執行法(警職法)に従う必要があります。
この法律の中で、演説妨害者を移動させる根拠となるのは、第4条(避難等の措置)と第5条(犯罪の予防及び制止)しかありません。
即ち警察官ができることは、演説妨害者が周辺の聴衆から危害を受ける恐れがある場合に演説妨害者を避難させる(第4条)、あるいは演説妨害者の自由演説妨害行為により演説者側に危険が及ぶ恐れがある場合にその行為を制止する(第5条)という2つしかありません。
しかしながら、今回のケースのように、暴力行為を受けた場合の証拠を残すために動画撮影している演説妨害者に対し、周辺が危害を与える可能性は低く、また暴力を振るわないことを確信的に宣言している演説妨害者を予防で排除することも不可能です。
以上のように、日本の司法(裁判所)と行政(警察)は演説妨害者の【表現の自由】に寛容であり、演説者の【言論の自由】及び有権者の【知る権利】には冷淡です。
また、立法(議員)はこの問題の解決に消極的であり、時に都合よく政治利用しています。
また、一部マスメディアは、特定政治家に対する演説妨害行為を正当化してきました。
その象徴的な事例が、安倍晋三氏の街頭応援演説に対する2件の妨害事案です。
■演説妨害者を正当化
2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。
安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。

★安倍晋三
皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。
私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。
憎悪からは何も生まれない。
相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。
こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。
都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。

この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。

★朝日新聞
東京都議選最終日の秋葉原駅前。
自身に抗議する人たちを指差し、
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と叫ぶ安倍晋三首相の姿に溜息が出た。
またか。
(中略)
大体、批判を連呼しても主権者じゃないか。
この剥き出しの敵意、何なのか」
(2017年7月10日)

★毎日新聞
安倍晋三首相は学校法人森友学園や家計学園の問題で不信を招いたとして、国民への丁寧な説明を約束している。
ところが(2017年7月)1日の東京都議選遊説では聴衆の「辞めろ」コールを
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と激高した。
国会で今後、丁寧な説明を期待できるのか」
(2017年7月3日)

★テレビ朝日・玉川徹氏
『こんな人たち』
というのも問題だけど、その後に
『負けるわけにはいかない』
と言っている。
負けるというのは勝ち・負けだ。
勝ち・負けということは敵・味方だ。
だから
『こんな人たち』
は敵だ。
少なくとも、敵と思っている人も国民だ。
その国民の意見を自分たちの方に向かわせる力量がなかったから、政治家としてダメだ。
選挙は勝ち負けというが、総理なんだから。
(2017年7月4日)

この演説会において、大群衆が大合唱した表現である
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。
論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく
「安倍やめろ」
「帰れ」
と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。
■「こんな人たち」の真意
【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、
「安倍やめろ」
「帰れ」
は、上述の理由から、「非言論」の要素です。
つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。
これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。
一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。
安倍氏の言う
「こんな人たち」
は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として
「負けるわけにはいかない」
と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。
一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の
「選挙妨害」

「憤りを感じている」
と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、
「つばさの党の党員も都民じゃないか」
「この剥き出しの敵意、何なのか」
「演説を邪魔する行為と激高した」
「少なくとも敵と思っている人も都民だ」
などと非難しなければ、公平ではありません。
警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。
むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。
一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。
特に欺瞞に溢れているのは、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の玉川徹氏です。

★玉川徹氏
法律に違反していないなら何をやってもいいという考え方を良識ある有権者が受け入れると思うか、という話だ。
紳士協定が慣例になっているが、それは色々な候補の声が届くようにしようと。
どんな政党だってどんな候補だって、そういう風にしてやっている。
法律に違反していなければ他人にどんな迷惑を掛けてもいいんだというそういう風な人たちは、国民の中で大きな支持を得られるとは僕は思わない。
(2024年4月29日)

玉川氏の言う
「そういう風な人たち」
は、安倍氏の言う
「こんな人たち」
と同じで、他人にどんな迷惑を掛けてもいいと思っている迷惑千万な演説妨害者です。
こんな白々しい欺瞞に溢れるダブル・スタンダードはありません。
■蓮舫のダブスタ発言
野党政治家も、マスメディアに同調しました。
当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。

★民進党・蓮舫代表
国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。
それを総理大臣がやるということは
『1億総活躍』
『皆が活躍できるチャンス』
と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。
自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。
私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。
でも、私は双方向で政治をしたい。
色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」
(2017年7月6日)

安倍氏は、蓮舫氏のように
「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」
などと宣言していません。
安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に
「負けるわけにはいかない」
と宣言しただけです。
党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する
【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】
https://hamwrite.com/strawman-argument
に他なりません。
尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も
「色々な意見を持っている人」
であるはずです。
蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を
「選挙妨害」
と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、
「警察の対応が遅くて怖かった」
と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には
「でも、負けない」
とつばさの党を敵認定しました。
蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。
いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。
この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。
このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。
これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
■ヤジの2人を英雄視
2019年参院選における安倍氏の札幌演説(2019年7月15日)では、
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた男女2人を北海道警察が移動させるという事案がありました。
2人のうち男性は、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなど演説者を執拗に威嚇しました。
秋葉原の演説妨害に比べて小規模ではあるものの、この騒動によって、周辺の人々の
「知る権利」
は明らかに侵害されました。
この事案に対しても、一部マスメディアは徹底的に警察を非難し、ヤジを正当化したのです。

★朝日新聞
政治家による街頭演説は、支持者だけではなく、様々な考えを持った幅広い聴衆に向けられるものだ。
ヤジも意思表示の1つの方法であり、これが力ずくで排除されるようになれば、市民は街頭で自由に声を上げることができなくなる。
(2019年8月29日)
政治家の仕事は、街頭でヤジを浴びることだろう。
浴びる機会を警察が奪ってどうする。
(2020年2月16日)

★毎日新聞
仮に今回、北海道警が政権への忖度を理由に聴衆を排除したとすれば、警察の政治的中立性に疑問符が付くことになる。
(2019年7月20日)

2020年2月2日には、HBC北海道放送が、警察に移動させられた2人を一方的に英雄視して警察を悪魔化するようなドキュメンタリー番組
『ヤジと民主主義~警察が排除するもの』
を放映しました。
日本のメディアは、この番組に対して、ギャラクシー賞、日本ジャーナリスト会議JCJ賞、JNNネットワーク協議会賞などを授賞するなど、この作品を絶賛しました。
また、警察に移動させられた2人は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、北海道に対して慰謝料を求める裁判を起こしました。
その結果、2022年3月25日に札幌地裁は、北海道に対して計88万円の支払いを命じました。
これらのマスメディアの報道圧力と司法の判決は、警察を委縮させ、演説者の安全のための警備措置を事実上無力化したものと考えられます。
極めて理不尽なことに、聴衆が演説車両に詰め寄って大声を出す行為が正当化され、それを移動させた北海道警察が罰金刑に処されたのです。
そして、起こるべくして悲劇が起こりました。
■東京新聞の非論理的主張
札幌地裁の判決から間もない2022年7月8日に、参院選の街頭演説中の安倍氏が銃撃されたのです。
警察は、テロリストが安倍氏に近寄って至近距離から2発を発砲するまで何もすることができませんでした。
ここに、一部マスメディアと活動家から弾圧されてきた安倍氏の言論の自由は、永遠に閉ざされたのです。
2023年4月15日には、衆議院補選(和歌山1区)における街頭応援演説を控えた岸田文雄自民党総裁に対してパイプ爆弾が投げ込まれました。
これらテロ行為の頻発に影響を受けたか否かは不明ですが、2審の札幌高裁は、原告の男性に対して、警職法に則った根拠で1審判決を取り消す逆転敗訴の判決を言い渡しました。

★札幌高等裁判所
ヤジを飛ばして隣にいた聴衆といさかいになった他、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなどした。
警察官が、直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには客観的合理性が認められる。
(2023年6月22日)

この判決に対して、東京新聞は札幌高裁を強く非難しました。

★東京新聞
ヤジも言論だ。
市民から政権批判の自由を奪ってはならない。
今回の判決が政治的言論の自由の委縮を招くのではと危惧する。
(2023年6月24日)

東京新聞の主張は非論理的です。
先述したように、
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは、
「表現の自由」
の名の下に非言論によって言論を掻き消すという
「言論の自由」

「知る権利」
に対する挑戦行為です。
まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものです。
1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければなりません。
これは間接民主主義の破壊行為です。
特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことでしょう。
実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、
「ステルス遊説」
を展開するに至りました。
■言論機関による言論弾圧
2023年12月、北海道放送
『ヤジと民主主義~警察が排除するもの』
の劇場版が、センセーショナルな宣伝文句を掲げて公開されました。

2019年7月15日、それが全ての始まり。
政権に批判の声を上げたら、大勢の警察官に排除された。
「ヤジ排除」
の裏で何が起こっているのか?
1460日の記録。

更に、元北海道警察幹部の原田宏二氏(故人)の発言が、次のように添えられています。

★原田宏二氏
警察が法的根拠がないのに好き勝手なことをやっている。
それをメディア・マスコミの前で平然とやった。
あんたたち(マスコミは)無視されたんですよ。

警察が原告を移動させた措置に対する法的根拠については、2審判決でその合理性が認められていますが、この発言はその存在を真っ向から否定しています。
つまり、この映画は、故人の見解を権威論証として使うことで、演説妨害を無理矢理正当化しているのです。
また、警察がメディアを無視することが許されないかのような認知操作は傲慢極まりありません。
以上、安倍氏の秋葉原演説と札幌演説に対する演説妨害行為は、一部マスメディアによる強力な報道圧力によって正当化されてきました。
その結果、日本は演説妨害者の「表現の自由」が尊重され、演説者の「言論の自由」と有権者の「知る権利」が軽視されるという本末転倒な社会となってしまいました。
これは、言論機関による言論弾圧に他なりません。
このような状況において、秋葉原の事例と比較して甚だ小規模な集団であり、候補が他候補に質問する体裁を取るつばさの党の演説妨害者を、札幌の事例で違法性を問われて委縮した警察が、極めてデリケートな判断を必要とする警職法を根拠にしてリアルタイムに排除することは、法の下の平等から不可能でした。
事実、警察が選挙の自由妨害罪の疑いで家宅捜索に踏み切ったのは、投開票から2週間が経過した2024年5月13日です。
もちろん、この段階でも選挙の自由妨害罪が立証されているわけではありません。
何よりも、マスメディアによる身勝手な
「表現の自由」
の肯定による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵食された有権者です。
「言論の自由」
を守り、国民の
「知る権利」
に資する使命を持つ言論機関の一部が、
「表現の自由」
という美辞麗句で非言論による演説妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。
今回のような問題が発生するのは、明らかに公職選挙法の欠陥によるものです。
近年、演説妨害者が次々と公職選挙法のセキュリティホールを突いてくる中、党利党略を最優先とする立法機関の議員は何も対策を議論してきませんでした。
誰が考えても分かることですが、候補者がその政治的主張を有権者に音声で説明する街頭演説を行うには、音声が伝わる特定の時間を特定の空間に渡って占有する必要があります。
この占有の調整を候補者の自主性に任せていることが、トラブルの原因なのです。
■選挙システムの再構築を
公平な選挙を行うためには、選挙管理委員会がこの時間と空間を管理して候補者に公平に配分することが必要です。
例えば、選挙区内に複数の演説拠点を予め設定しておいて、各候補にその拠点を占有できる時間帯を最初から決めておけば、候補者間で演説に支障を来すことはありません。
有権者にとっても、確実に演説を聞くことができるので至便です。
また、その時間の枠内で市民が自由にヤジを言える時間を5分程度設定すれば、インタラクティブ(お互いに作用し合う様。相互作用の)な要素も加味できます。
何より、演説途中での身勝手なヤジを発する必要がなくなります。
もちろん、拠点以外の場所での演説は、従来通り自由にするのが憲法に適っています。
ただし、同一地区に1日2時間以上留まって演説してはならないというような、場所の目的外使用を防止する合理的規制は必要であると考えられます。
特定の候補者間で相手に質問し合う機会を設定することも必要です。
今回、つばさの党は、質問を根拠にして他候補の演説を妨害しましたが、予め十分な討論の機会を設定しておけば、その必要もなくなります。
有権者が議員の実力を把握する上でも討論会の開催は有益であり、議員の質の向上に大きく貢献するものと考えられます。
公職選挙法で、インターネットをベースにした複数回の公開討論会の開催を義務化するのが望ましいと考えます。
このような表現に関する
【時 time】
【所 plece】
【方法 manner】
の規制は
【表現内容中立規制】(特定の時・場所・手段における表現の規制)
https://foetimes.com/2670/
と呼ばれ、公共の福祉の必要がある場合の合理的制限として、最高裁(1955)が認めています。
その理由としては、これを無制限にしておくと選挙運動に不当な競争を招き、選挙の自由公正を害する虞があるからです。
また、相手を威嚇したり、侮蔑したりする発言など表現の
【内容 content】
の規制である
【表現内容規制】(ある表現について、それが伝達するメッセージを根拠に行う規制)
https://foetimes.com/2670/
も最低限必要と考えます。
インターネットが普及した時代に、好意の返報性を求めて、街頭で握手をしたり、手を振ったり、名前を連呼したり、自転車に乗ったり、ビラを配ったりする選挙はもうやめましょう。
感情・人格・権威に訴えるという選挙テクニックではなく、政策のスペックで代表を選ぶ選挙システムの構築が必要不可欠であると考える次第です。

偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち
Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽
「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」
「質問に答えろよ飯山!」
2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは
「つばさの党」
という団体の根本良輔なる人物だ。
私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。
街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。
警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。
しかし某はこう続けた。
「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」
「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」
某も同補選の立候補者である。
だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。
産経新聞の取材に対し、
「どこで街宣しても合法だ」
と自身の言動を正当化している。
某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。
私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。
街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き
「出てこい」
と挑発する。
この繰り返しだ。
2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。
私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。
■私は絶望した
自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。
他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。
「殺人の自由」

「強盗の自由」
「誹謗中傷の自由」
といったものが認められないのはそれ故である。
しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。
某は産経新聞に対し、妨害活動により
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
と主張している。
とんだ偽善者である。
2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、
「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」
と、
「若い弱者」
ポジションを取って煽ってきた。
若さなど所詮、相対的なものだ。
小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。
贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ
「若い弱者」
ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。
某はいわゆる
「無敵の人」
である。
選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。
実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。
これは公開リンチに等しい。
私は絶望した。
「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」
何が面白いのか、私には全く分からない。
図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。
■諦めたらそこで終わりだ
「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」
表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。
「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」
これが某の
「合法」
な選挙活動らしい。
拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。
これでどうやって、
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
というのか。
通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。
中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。
誰もが顔を強張らせる。
政治参加どころの話ではない。
こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。
政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。
そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。
実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。
有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。
哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。
某はこうも言った。
「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」
「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」
「何だよ保守党って!」
「保守党ってのは逃げること?!」
保守の基本は
「大切なものを守る」
という信念だ。
我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。
他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。
某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。
某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。
なるほど、実に賢いと、某の
「信者」
たちは喝采を送る。
「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」
として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。
メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。
しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。
2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が
「あかり、がんばれ?!」
と高い声をあげた。
正義はここにある。
日本を諦めてはならない。
諦めたらそこで終わりだ。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山~なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。

つばさの党、複数陣営に15回以上の選挙妨害行為 逮捕の3人に協力者の存在も浮上
2024/5/19 18:41
https://www.sankei.com/article/20240519-GFGZFLV42NJFNNHX7OHRDNPYOI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人が、複数の陣営に対して少なくとも15回以上に渡り妨害行為を繰り返していたことが2024年5月19日、捜査関係者への取材で分かった。
3人の行為に複数の協力者がいることも判明した。
黒川容疑者やつばさの党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選に出馬していた他の候補の演説場所に近付いて、拡声器を使って大音量を流して演説を妨害。
「カーチェイス」
と称して、他候補の選挙カーを追尾し、拡声器で罵声を浴びせるなどしていた。
特別捜査本部は選挙期間中、黒川容疑者らが演説を聞きにくくするなどの行為を5回以上、選挙カーを追尾して交通の便を妨げた行為を10回以上確認。
自由妨害に当たると見ている。
補選には、根本容疑者を含め、立憲民主党や日本維新の会、参政党などが擁立した候補や小池百合子都知事が支援した乙武洋匡氏(48)ら計9人が出馬していた。
黒川容疑者は、そのうち特定の複数の陣営に狙いを定め、妨害行為を繰り返していたとみられる。
こうした行為について、追尾する際の車両を運転したり、動画を配信するための撮影をしたりなど、逮捕された3人以外にも協力していた人物が複数いるとみて特別捜査本部が調べている。

広告収入狙い動画配信か つばさの党、根本容疑者「落選運動をビジネスにしたい」
2024/5/19 18:37
https://www.sankei.com/article/20240519-76DDHOIGNFPQZH45RQWUABBR2Y/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)が補選中、妨害行為の様子を配信した動画の中で
「広告収入が増えている」
「落選運動をビジネスにしたい」
と話していたことが2024年5月19日、分かった。
警視庁捜査2課は過激な行為を繰り返して再生回数を増やし広告収入を得る狙いがあったと見て調べている。
補選期間中、つばさの党のユーチューブチャンネルには妨害などの様子を伝えるライブ動画約40本が投稿された。
2024年5月19日時点の再生回数は計約250万回、チャンネル登録者数は約25万人に上る。
根本容疑者は動画で
「選挙にさえ出れば合法的にやれる」
「ぜひみんなもやってほしい」
「再生回数半端じゃない」
「これが究極の落選運動だと思うので、はやらせたい」
と語っていた。
同課は2024年5月19日、党代表の黒川敦彦容疑者(45)や根本容疑者ら3人を送検した。

つばさの党 複数の支援者も妨害行為に関与か 警察が特定進める
2024年5月19日 11時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240519/k10014454091000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、団体の複数の支援者が車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
警視庁は選挙の妨害行為に関わった人物の特定を進めています。
政治団体「つばさの党」の
▽幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や
▽代表の黒川敦彦容疑者(45)
それに
▽運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人は、
衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕され2024年5月19日、検察庁に送られました。
これまでの捜査で、根本幹事長らは演説を妨害する同様の行為や他の陣営の選挙カーを追い回すなどの行為を繰り返し、その様子をYouTubeなどで配信していたことが分かっています。
団体には確認されているだけでもおよそ10人の支援者がいて、このうち複数のメンバーが、車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
こうした支援者の一部は、根本幹事長の住む住宅で集団生活をしていたということで、警視庁は他の陣営への妨害行為をこの住宅を拠点に計画していた可能性もあるとみて、関わった人物の特定や活動の実態を調べています。

選挙後も小池都知事らの自宅前で「街宣」 SNSで住所情報募る つばさの党選挙妨害事件
2024/5/18 18:30
https://www.sankei.com/article/20240518-OHRZMXULAJMPDMO42PWABPK3VA/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)らが、選挙後も小池百合子都知事ら複数の個人宅周辺で拡声器を使って大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返していたことが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は特別捜査本部を立ち上げ、実態解明を進めている。
黒川容疑者や同党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選の投開票がされた2024年4月28日以降も
「抗議街宣」
と称して、小池氏や同党に批判的な発信をした著名人らの自宅周辺に押し掛け、大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返した。
自宅住所は交流サイト(SNS)で情報を募って特定していたとみられる。
2024年5月13日に警視庁が事務所などの家宅捜索を行った後は、警視庁本部庁舎前にも押し掛け、大音量で怒鳴り続けた。
選挙後も続いたこうした行為について警視庁には複数の相談が寄せられており、恐怖心を与える狙いもあったと見て、
「悪質性が極めて高い」
と判断。
自由妨害の疑いと合わせて、事実確認などを進めている。
小池氏は3人が逮捕された2024年5月17日の記者会見で、
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と述べた。
3人は共謀して補選告示日の2024年4月16日、無所属新人の乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説中、演説に重ねるように大音量で主張を訴えるなどして選挙活動を妨害した疑いで2024年5月17日に逮捕された。

補選中の都知事選立候補表明はネット視聴と逮捕回避狙いか 「つばさの党」黒川容疑者ら
2024/5/18 17:57
https://www.sankei.com/article/20240518-S2HOKQ2OINMZZEZMDCDQCCFX7A/
公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦(45)と同団体幹事長、根本良輔(29)両容疑者は衆院東京15区補選の最中に2024年7月の東京都知事選への出馬表明を行っていた。
補選同様、都知事選でも過激な活動のインターネット配信を行って世間の注目を浴びるだけでなく、候補予定者となることで警察の捜査・逮捕を回避しようとした可能性がある。
補選期間中の2024年4月25日、街頭活動の合間に江東区内で会見を行った両容疑者は都知事選に出馬する考えを明らかにした。
「(都知事選出馬で)凄い事になる」
会見でこう語った根本容疑者。
つばさの党として両容疑者を含む50人を擁立して都内のあらゆる場所に選挙カーを走らせ、小池百合子都知事のネガティブキャンペーンを展開すると宣言した。
出馬表明の背景にはインターネットで動画の再生数を稼ぎ収益化に繋げる考えがあったとみられる。
交流サイト(SNS)などで自身の活動を積極的に発信していることについて、黒川容疑者は
「広告収入を得ることが狙いではない」
と反論。
だが、活動の中では、ネットの反応を常に気にする姿があった。
警視庁が関係先を家宅捜索した2024年5月13日夕、両容疑者らはSNSで予告した上で小池氏の自宅周辺に出向き抗議活動を行った。
その際のネット中継では同団体運動員の杉田勇人容疑者(39)が
「8万1千(人)見てますから」
などと喜びを隠せない様子だった。
黒川容疑者は、補選の選挙期間中、逮捕容疑となった妨害活動に対して警視庁による警告にとどまったことから、
「選挙運動に対する妨害になるから、警察は候補者を逮捕できない」
と独自の主張を展開。
その上で、都知事選への立候補表明について、産経新聞の取材に
「逮捕を回避するため」
「候補予定者になれば警察は手出しをできない」
と明かしていた。

つばさの党 演説妨害5件以上 選挙カー追い回し10件以上確認
2024年5月18日 14時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453371000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、警視庁がこれまでに同じような演説妨害を5件以上、更に選挙カーを追い回す行為も10件以上確認し、調べを進めていることが捜査関係者への取材で分かりました。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁は各陣営から被害届を受理するなどして、選挙期間中の状況について調べていますが、これまでに同じような演説妨害を5件以上確認していることが、捜査関係者への取材で分かりました。
更に、他の陣営の選挙カーを追い回す行為も、10件以上確認していて、今後、増える可能性もあるとしています。
追い回された陣営が予定していたルートの変更を余儀なくされるなど、実際にそれぞれの選挙運動に影響が出たということです。
警視庁は容疑者らの活動の実態をさらに調べると共に、公職選挙法に規定された交通を妨害した疑いでの立件も視野に捜査を進めています。

つばさの党 著名人自宅押しかけ街宣活動 SNSで募り住所特定か
2024年5月18日 11時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453171000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で3人は、他の候補者や団体を批判した著名人の自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
自宅の住所は、SNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁が活動の実態を調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聞き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
根本幹事長らは同じような妨害行為を繰り返していましたが、更に、他の候補者や団体を批判した著名人などの自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
2024年5月13日に捜索を受けた後には、東京都の小池知事の自宅前で演説を行っていました。
こうした活動について、捜査幹部は
「非常に卑劣な行為で、当事者が被害を申告できなくなる恐れもあった」
としています。
相手の自宅の住所はSNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁は恐怖心を与える狙いがあった可能性もあるとみて活動の実態を更に調べています。

“つばさの党の妨害で演説中断など” 警視庁 複数の証言確認
2024年5月18日 6時14分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014452891000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。
一連の妨害行為によって、他の候補者が演説の中断や場所の変更を余儀なくされたケースが複数確認されているということで、警視庁は選挙期間中の活動の実態を更に調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で、拡声機を使って怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁によりますと、こうした行為によって
「演説を聴くことができなかった」
という有権者の複数の証言を得ているということです。
更に、根本幹事長らが同様の行為を選挙期間中に繰り返したことで、他の候補者が演説を中断したり場所や予定の変更を余儀なくされたりしたケースが複数確認されていることが、捜査関係者への取材で分かりました。
他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、活動の実態を更に調べています。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「ずいぶん私も追い回された」 
2024/5/18 12:37
https://www.sankei.com/article/20240518-FSE5SZILLZO7NP7MWHJHLTTPSU/
■異常な行動
立憲民主党・泉健太代表
異常な行動であったと言わざるを得ない。
そういった(逮捕容疑の「自由妨害」に該当する)行為であったと感じる。
ずいぶん私も選挙カーを追い回された。
今後の捜査の推移を見守っていきたい。
法律の改正については、
「妨害」
をどう規定するかという所を我々も考えている。
(2024年5月17日の記者会見、衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を妨害したとして、公職選挙法違反容疑で政治団体「つばさの党」の代表らが逮捕されたことに関して)

つばさの党、スタッフ複数も関与か 警視庁捜査 選挙活動妨害疑い
2024/5/18 8:43
https://www.sankei.com/article/20240518-CGZ52FNVQBJ3BLC7SWNQAE2OHA/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、他にも党の複数のスタッフが他陣営の選挙活動の妨害に関与した疑いがあることが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課はこれらのスタッフも同法違反容疑で捜査する方針。
逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)や党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、選挙期間中に他陣営への妨害行為を動画投稿サイトのユーチューブなどで配信していた。
複数の陣営から被害相談を受けている捜査2課は、これらの行為に複数のスタッフが動画の撮影役や運転手などとして関与したとみて調べている。
警視庁は3人の認否を明らかにしていないが、いずれも逮捕前の取材に違法性の認識を否定していた。
3人の逮捕を受け、党の関係者らは17日夜、ユーチューブの配信で
「不当逮捕だ」
「東京都知事選へ向けた弾圧」
などと主張した。

つばさの党の選挙妨害「表現の自由超えた」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20240517-NAJFQCUBZZNA5EXGRYINZIOQOY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で他候補の街頭演説を妨害したとして政治団体
「つばさの党」
代表ら3人が公選法違反(自由妨害)の疑いで逮捕されたことについて、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月17日、
「つばさの党にも意見があると思うが、表現の自由の限界を超えた」
と述べた。府庁で記者団の取材に答えた。
逮捕された3人は、他候補の演説場所近くで拡声器を使って大音量で演説し、他候補の演説を聴衆に聞こえなくするなど、選挙活動を妨害する行為を繰り返した疑いが持たれている。
維新は東京15区補選に公認候補を擁立し、吉村氏も応援演説で同様の被害を受けた。
吉村氏は一連の行為について
「(つばさの党の)やり方が罷り通るのであれば、候補者が政策を訴えるという行為が成り立たなくなる」
と指摘。
捜査当局の判断については
「裁判所が逮捕令状を出したのは犯罪の疑いがあったから」
「選挙妨害には厳しく対応すべきだ」
と述べた。
維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立を目指し与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「今回の事例を基に立法を行うのは国会のあるべき姿の1つ」
「深く議論してもらいたい」
とした。

つばさの党代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 18時27分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁は、選挙に立候補した団体の幹事長や代表ら3人を公職選挙法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人です。
警視庁によりますと、衆議院東京15区の補欠選挙で、告示日の2024年4月16日に、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、電話ボックスの上に座るなどして拡声機で怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、候補者の演説が聞き取れないようにしたとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査してきました。
根本幹事長らは、他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、全容の解明を進めることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
警視庁は認否を明らかにしていませんが、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。
■黒川敦彦代表 根本良輔幹事長とは
政治団体
「つばさの党」
の代表の黒川代表は、大学を卒業後、医療系のベンチャー企業を立ち上げるなどした後、出身地の愛媛県今治市で、加計学園を巡る問題を追及する市民団体の共同代表を務めました。
選挙には、2017年に衆議院山口4区に初めて立候補した後、これまでに、参議院選挙や東京・町田市の市長選挙に立候補し、いずれも落選しています。
2019年に政治団体
「オリーブの木」
を設立して代表に就任し、2021年に名称を
「つばさの党」
に変更してからも代表を務めています。
幹事長の根本幹事長はIT関連会社を経営しています。
3年前の2021年に東京都議会選挙の葛飾区選挙区に
「つばさの党」
から立候補し、落選しました。
その後、幹事長に就任し、今回の衆議院東京15区補欠選挙では1110票を得ましたが、最下位で落選していました。
■「選挙の自由妨害罪」とは
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、225条で
「選挙の自由妨害罪」
を定め、演説の妨害行為などを禁止しています。
条文では
「交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと規定されていて、違反すると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
「演説の妨害」
について、昭和23年の最高裁判所の判例では
「聴衆が聴き取ることを不可能または困難になる場合は演説の妨害である」
などとしています。
また、昭和29年の大阪高等裁判所の判例では
「演説の妨害を認識しながら、聴衆が演説内容を聴き取り難くなるほど、執拗に質問などをして演説を一時、中止させることは妨害に当たる」
などという判断を示しています。
警視庁は、2024年5月13日に
「演説の妨害」
と、他の陣営の選挙カーを追い回した
「交通の妨害」
の疑いで団体の事務所などを捜索していて、今回は
「演説の妨害」
の容疑での逮捕となりました。
■難しい対応迫られた警視庁 どう判断したか
「つばさの党」
の陣営が選挙期間中
「選挙妨害だ」
という他の陣営からの指摘に対して
「国民に与えられた表現の自由の範囲内だ」
などと主張して行為を繰り返す中、警視庁は難しい対応を迫られていました。
公職選挙法は、選挙の自由妨害罪について
「演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと定めていますが、ヤジを飛ばす行為そのものを規制しているわけではなく、拡声機の音量などの規定もありません。
警視庁は拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨害したとして、告示日から2日後の2024年4月18日
「つばさの党」
の陣営に対し
「警告」
を出しましたが、他の陣営への妨害行為はその後も繰り返されました。
警視庁には
「なぜ取り締まれないのか」
といった意見や苦情が多く寄せられていたということです。
捜査幹部の1人は取材に対し
「表現の自由や選挙の自由が絡むため、より慎重な事実認定や法的評価が求められた」
「ともすれば『公権力の恣意的な行使』と指摘されるリスクもあるため、緻密に違反の事実を裏付けていく必要があり、当時は警告がギリギリだった」
と振り返ります。
警視庁は、陣営が危険な行為に及んだ場合には、警察官職務執行法に基づき
「暴行罪や器物損壊罪で摘発する」
と注意を行う対応も取りましたが、陣営は、現場で警察官から注意を受けると、妨害行為を一旦止めたため、実際に摘発されることはありませんでした。
警視庁は2024年5月に入ってから他の陣営からの被害届の提出を受け、詳しい状況についての聞き取りを進めてきました。
その結果、他陣営の候補者の演説の内容が搔き消されるほどの大音量で騒ぎ立てたり、追いかけられた他陣営の関係者が警察署に逃げ込んだりしたケースもあるなど、実際に選挙活動に影響が出ていたことが確認されたということです。
警視庁は、こうした妨害行為が幅広い陣営に対し、長期間、反復継続して行われたことを重く見て2024年5月13日、強制捜査に踏み切り、2024年5月17日、3人を逮捕しました。
捜査幹部は
「選挙の後も他陣営の候補者や関係者、団体に批判的な意見を述べるタレントなどの自宅に押し掛け、街宣活動を行っていることを確認し、任意の捜査では限界があると判断した」
としています。
警視庁は今回の逮捕容疑となった演説の妨害の他、他陣営の選挙カーを追い回し、交通を妨害した疑いでも捜査しています。
■再生回数稼ぐ狙いもあったか
「つばさの党」
は選挙期間中、他の陣営の演説を拡声機などを使って妨害したり、選挙カーで追い回したりする様子を毎日のようにYouTubeで配信していて、再生回数が10万回を超えたものもあります。
陣営は
「他の候補者に、疑惑について質問することが目的で、国民の不満の声を代弁し、政治家の嘘を暴いている」
などと話していました。
その一方、配信の中で根本幹事長は
「下世話な話をすれば、広告収入が増えている」
「再生数が半端ではない」
「爆音でカーチェイスしまくるのが究極の落選運動で、これをビジネスにして広めたい」
などとも発言していました。
警視庁は、動画の再生回数を稼いだり広告収入を得たりする狙いもあったとみて目的などを捜査しています。
■林官房長官「公正・適切に選挙運動を展開する必要」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会で、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害することはあってはならず、候補者や選挙運動関係者はルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法の改正の必要性について問われ
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論するべきものだ」
と述べました。
■松本総務相「極めて重大な問題」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「選挙が公正に行われるためには、有権者に考え方や政見が伝わることが大事で、そのような環境がもし妨害されているとすれば極めて重大な問題であると考えている」
「報道などの映像を見る限りは、本当に深刻な状況だと感じざるを得ない」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の制度の改変については、選挙の自由という極めて重要な案件であり、立法府での政党間の議論を注視したい」
と述べました。
■自民 森山総務会長「必要があれば各党で議論」
自民党の森山総務会長は記者会見で
「選挙は国民が政治に参加する最も重要な機会なので、運動が自由に行われなければならないのは当然だ」
「今回の逮捕は一線を越えた悪質なものだと判断されたと理解している」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の改正については、必要があれば各党で選挙の自由妨害罪の適用の明確化や罰則強化などが議論されるべきものではないか」
と述べました。
■立民 泉代表「異常な行動と言わざるをえず」
立憲民主党の泉代表は記者会見で
「異常な行動であったと言わざるをえず、選挙の自由を妨害した行為であったと感じている」
「私も選挙カーを追い回され、残念ながら、こちらがマイクを下ろさざるを得ないこともあった」
「大きな声でひたすら他党の候補者を悪く言っていたので、捜査当局も努力したのではないか」
「捜査の推移を見守っていきたい」
と述べました。
また、選挙運動の公正を確保するための法改正について
「党内で、法定刑の引き上げやどのような行為が妨害にあたるのかの例示について考えているところだ」
と述べました。
■公明 石井幹事長「適切な対応がなされた」
公明党の石井幹事長は記者会見で
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったのは極めて由々しき事態であり、適切な対応がなされた」
「表現や言論の自由が最大限尊重されるべきなのは言うまでもないが、候補者の主張が有権者に届かないような妨害行為は一定の制約を受けるべきだ」
「まずは現行法を引き続き適切に運用していくことが重要だが、更なる必要性があれば法改正も含めて与野党で議論していくべきだ」
と述べました。
■乙武洋匡氏「有権者の“聞く権利”奪う悪質な行為」
根本幹事長らは、衆議院東京15区の補欠選挙が告示された2024年4月16日にJR亀戸駅前で行われた乙武洋匡 氏の陣営の演説を妨害した疑いが持たれています。
乙武氏は2024年4月17日、根本幹事長らの逮捕を受けて旧ツイッターのXに
「法律ギリギリの範囲を狙って選挙を荒らしまくり、有権者の“聞く権利”を奪う悪質な行為が、今後二度と繰り返されないよう切に願っています」
などと投稿しました。
■東京都 小池知事「模倣する人たちが出てくる懸念」
乙武洋匡 氏の応援演説を行った東京都の小池知事は記者会見で
「都民も憤りを感じている人は多いと思う」
「候補者も身の危険を感じながらやる選挙は、他の国では聞くが日本ではあり得ない事態だ」
「公職選挙法では今回のような事態は想定していないと思う」
と述べました。
その上で
「模倣するような人たちが出てくる懸念も残る」
「民主主義の基本である選挙で、候補者が怯え、他の候補者を貶めるというようなことが続くと、政治に対しての無関心どころか嫌悪感を深めてしまうのではないかと心配している」
と述べました。
■東京都選管 リーフレットを作成
東京都選挙管理委員会は、街頭演説の妨害行為は法律で禁止されていることを周知するリーフレットを作成しました。
都の選挙管理委員会によりますとリーフレットは2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、つばさの党の陣営によって他の陣営の演説を聞き取れないようにする妨害行為があったいう訴えが相次いだことなどから作成したということです。
この中では、暴行による妨害や、演説の継続を困難とするような妨害は、法律に違反することが説明されています。
都の選挙管理委員会は、2024年7月の都知事選挙の立候補予定者説明会などで配付し、演説の際に有権者や候補者の安全が確保されるよう協力を呼び掛けることにしています。

与野党、選挙妨害での逮捕「適切な対応」「見守りたい」 法改正の議論も
2024/5/17 19:28
https://www.sankei.com/article/20240517-PRHDJULZ7VJTVDY5C54K3LWEBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことに関し、与野党からは
「適切な対応だ」
などと評価する声が上がった。
妨害の要件明確化など、法改正を目指す動きも出ている。
自民党の森山裕総務会長は記者会見で、3容疑者の逮捕について
「警告を発していたにも関わらず妨害行為が繰り返されたことが、一線を越えた悪質なものだと判断された」
との見解を示した。
公明党の石井啓一幹事長は
「適切な対応がなされた」
と評価した。
立憲民主党の泉健太代表は
「捜査当局も努力をされた」
「今後の推移を見守りたい」
と述べた。
日本維新の会の藤田文武幹事長は
「選挙が終わった後、家宅捜索、逮捕と進んでいった」
「冷静にどう進むかを見守りたい」
と語った。
国民民主の玉木雄一郎代表は、自身も妨害の被害者だとして
「厳正な捜査を期待したい」
「全面的に協力し、事情聴取などがあればしっかり受けたい」
と語った。
共産党の小池晃書記局長は
「現行法の公選法などを厳格に適用して対処すべきだ」
と述べつつ、
「逮捕要件を詳細に確認しているわけではないので、そのこと自体についてのコメントは避けたい」
と述べた。
法改正を巡っては、妨害の要件明確化や、捜査機関の対応迅速化を目指す公選法改正案の共同提出に向け、維新と国民民主が協議に入っている。
自民も茂木敏充幹事長が法改正に意欲を示し、立民も党内議論を進めている。
一方で今回の逮捕を含め、現行法の枠内で対応できれば改正は不要だとの見方もある。
維新の藤田氏は会見で
「(改正は)必要ないねという議論もあり得るが、一方で(改正で要件などを)明記して分かり易くする方法もある」
と指摘。
国民の玉木氏は
「折り合える所で折り合い、今国会で法案を成立させたい」
と意欲を示した。
立民の泉氏は法定刑の引き上げや妨害行為の例示など、引き続き党内で検討を進める考えを示した。

N党、ガーシー氏との活動通じ先鋭化か 逮捕のつばさの党代表、黒川敦彦容疑者
2024/5/17 16:53
https://www.sankei.com/article/20240517-4ZI2MUZIQNN5NNHOPKYKERWEZM/
衆院東京15区補選を巡り、警視庁捜査2課に公職選挙法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)は、同党前身の政治団体
「オリーブの木」
を結成して政治活動を本格化させた経歴を持つ。
その後、立花孝志党首率いる政治団体
「NHK党」
で幹事長に就任。
ガーシーこと東谷義和元参院議員の選挙活動に関わるなどして、活動を先鋭化させていったとみられる。
■ガーシー氏出馬関与から変化
「真面目に選挙活動を展開していて、今のような過激な行為はなかったんですが…」。
オリーブ時代から数年間、選挙活動に関する相談を受けていたという行政書士の男性はこう明かす。
黒川容疑者からの相談は、選挙ポスターの表記や選挙カーが都県境を跨ぐ際の警察への届け出方法などに関するもので、
「法を守る方向に意識が向いていた」
という。
男性によると、変化があったのは新型コロナウイルス禍の頃。
「陰謀論めいた方向に傾注し、NHK党でガーシー氏の出馬などに関わった頃からおかしくなっていったように見える」
と話す。
令和4年、NHK党で携わったのが暴露系ユーチューバーとして活動していたガーシー氏が出馬した参院選だ。
黒川容疑者は選挙戦を通し、インターネットなどで目に留まりやすい発信方法を習得していったとみられる。
黒川容疑者自身も、逮捕前の取材に
「立花氏から学んだ事はある」
と明かしていた。
■立花氏は「僕が切り捨てたから先鋭化」
ただ、黒川容疑者はその後、党の運営などを巡って立花氏らと対立し、袂を分かつ。
立花氏はそうした経緯について産経新聞の取材に、
「先鋭化したのは僕が切り捨てたからだと思う」
と分析。
「経済的にも厳しくなったからじゃないか」
と話している。
黒川容疑者本人は、産経新聞の取材に、
「(妨害音を鳴らす)『かぶせ』はしなかったが、オリーブの時も安倍晋三首相(当時)の街宣に突撃しました」
と、方針の変化を否定。
交流サイト(SNS)などで過激な行動を発信している手法については、
「世の中を良くするため」
「広告収入を得ることが狙いではない」
としていた。

警告後も続いた妨害、公選法違反と判断 つばさの党代表、異例の逮捕 18年ぶり特捜本部
2024/5/17 16:52
https://www.sankei.com/article/20240517-3INDHE3NQRJC3NRFV6WK5YRY2I/
民主主義の根幹である選挙活動を揺るがした妨害行為は、元候補者らの逮捕という異例の事態に発展した。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で複数の陣営に対し、妨害行為を繰り返した政治団体
「つばさの党」。
警視庁捜査2課は、関係機関とも綿密な調整を重ね、警告後も続いた活動を
「自由妨害」
と認定し、強制捜査から4日後に逮捕に踏み切った。
「表現の自由、言論の自由は尊重しなければならないが、今回は度を越している」
「極めて悪質」。
つばさの党から立候補した根本良輔容疑者(29)や党代表、黒川敦彦容疑者(45)らの行為について、警視庁はそう判断した。
補選中、つばさの党は、他陣営の演説を拡声器やクラクションで妨害する行為を繰り返した。
公選法225条の
「自由妨害」
は、候補者や運動員に対し
①暴行、威力を加えること
②交通の便や集会の便を妨げる、演説の妨害、ポスター損壊などをすること
③学校や会社など特殊な利害関係を利用して威迫すること
と規定する。
演説の妨害は条文上、明確に違反行為とされているが、実際に摘発されているのは、運動員を殴ったり、ポスターを破ったりしたというような個人がほとんど。
陣営を挙げて組織的に他陣営の街頭演説に乗り込み、大音量で妨害する行為は想定されていなかったというのが実情だ。
黒川容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に、
「両陣営の演説が重なっただけ」
などと主張。
選挙中も、
「過去の判例を見ても有罪になったことはない」
などとして妨害行為を止めなかった。
警視庁は補選告示日の2024年4月16日、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)の街頭演説に対し、電話ボックスの上に座りながら拡声器を使って大音量で話したり、車のクラクションを鳴らしたりした行為が妨害に当たる可能性があるとして2024年4月18日に警告を発出。
前例がない中で、捜査2課は
「言論の自由」
の侵害に当たらないよう慎重に捜査を進め、根本容疑者らの言動を蓄積すると共に、公選法の解釈や運用について検察庁などとも協議を重ねた。
根本容疑者らは反復的に同様の行為を続けた他、他陣営にも矛先を向けていったことを重要視。
乙武氏の演説の際、聴衆の間に割って入り、聴衆に背を向けて質問などを捲し立てていたことが、選挙活動の演説とは異なる
「妨害」
に当たることも併せて、逮捕に踏み切った。
警視庁は今回、刑事部長を本部長とする
「特別捜査本部」
を設置。
妨害の立証と共に、組織の実態解明を進める。
捜査2課が特捜本部を設置するのは異例で、巨額詐欺事件として知られる
「近未来通信事件」
以来18年ぶりという。

「選挙への影響取り返せない」 つばさの党代表ら逮捕、各陣営評価も影響深刻
2024/5/17 16:26
https://www.sankei.com/article/20240517-QNMUGWYGKVLZDPWV7SJY5TWG4Y/
衆院東京15区補欠選挙に絡み公選法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表らは、無所属、乙武洋匡氏(48)の陣営だけでなく、複数の陣営の街頭演説で妨害行為を繰り返していた。
各陣営関係者からは2024年5月17日、
「民主主義が破壊された」
などと批判する声が上がった。
立憲民主党から立候補して当選した酒井菜摘氏(37)の陣営関係者は
「平穏で議論の深まった選挙戦であるべきなのに、有権者との対話という選挙の重要な要素が妨げられたのは残念だ」
と振り返った。
飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の有本香事務総長も
「まともに選挙活動ができなかっただけでなく、有権者が候補者の訴えを聞けなかったのは大きな損失」
「民主主義を破壊したことを深刻に受け止めるべきだ」
と批判した。
乙武氏陣営で選対本部長を務めた尾島紘平都議は
「民主主義の根幹たる選挙の自由と安全が脅かされた」
「逮捕は評価したいが、選挙への影響は取り返せない」
と残念がった。

小池百合子都知事「政治に対する嫌悪感を深める」と批判 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 14:56
https://www.sankei.com/article/20240517-ZKMNI4QN45NI3ALK6IWEOZZHJQ/
東京都の小池百合子知事は2024年5月17日の定例記者会見で、衆院東京15区補選で別陣営の演説を妨害した公選法違反(自由妨害)容疑で、警視庁が政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕したことに
「候補者が怯え、有権者に話すのではなく他の候補者を貶めることは、政治に対する嫌悪感を深めてしまう」
と容疑者らの手法を批判した。
先の補選で小池氏は、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)=無所属=を支援。
告示前から選挙期間中にかけて、小池氏は乙武氏と共に街頭演説を行ったが、黒川容疑者らが度々会場近くまで近付いて大音量でヤジを飛ばすなどしていた。
また選挙期間中には黒川容疑者らが選挙区とは関係ない小池氏の自宅前で大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言。
警視庁がつばさの党関係先の家宅捜索を行った2024年5月13日夕にも、黒川容疑者らが小池氏の自宅前で抗議行動を行っている。
小池氏はこの日の会見で
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と振り返った。
その上で、
「(これまでの選挙で各陣営が守ってきた)紳士協定がない、何でも有りの状況で今日の逮捕に至った」
とし、
「(今後の選挙で)模倣する人が出てくる懸念が残る」
と指摘した。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「異常な行動」「ずいぶん私も追い回された」
2024/5/17 14:46
https://www.sankei.com/article/20240517-K4RLRZ2CDVONNOWBSS7OAWHV5I/
衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を大音量で妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表らが逮捕されたことを受け、15区に公認候補を擁立した立憲民主党の泉健太代表は2024年5月17日の記者会見で
「私が見ていてもそういった(自由妨害に該当する)行為であったと感じる」
と語った。
泉氏は
「異常な行動であったと言わざるを得ない」
と指摘した上で
「随分私も選挙カーを追い回された」
と振り返った。
法改正の必要性にも言及し
「『妨害』をどう規定するか、我々も考えている」
と述べた。

つばさの党の根本容疑者、都知事選出馬表明の石丸氏に「徹底的に質問に行くよ」逮捕前予告
2024/5/17 14:19
https://www.sankei.com/article/20240517-TOLVZ2RUANCCFBIFN42Z2LKLQQ/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡り公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕された政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔容疑者は2024年5月16日、都知事選に出馬意向の広島県安芸高田市の石丸伸二市長について、X(旧ツイッター)で
「徹底質問」
を予告していた。
「一説によると維新から出るそうだが、そうなったら徹底的に質問しに行くよ 彼との対談とか、めっちゃ盛り上がると思う」
と書き込んだ。
投稿は2024年5月17日に逮捕される前。
都知事選については根本氏も立候補を表明していた。
石丸氏は本会議中に居眠りする議員に対し、
「恥を知れ」
と批判したことなどで知られる。
根本氏はXで
「寝てるクソ議員に恥を知れ!と言うぐらいだから質問には答えてくれるだろう」
と投稿した。

黒川敦彦容疑者が設立「つばさの党」、矛先はワクチンや宗教団体の政治活動も 
2024/5/17 13:00
https://www.sankei.com/article/20240517-5K7ILGFZ3VGC7ABSKKUVMY6RBY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁は2024年5月17日、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦、幹事長の根本良輔、組織運動本部長の杉田勇人の各容疑者を公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。
前身団体は令和元年に設立された政治団体
「オリーブの木」。
政権与党に対峙する緩やかな諸派連合を目指し対米自立、護憲を掲げたが、近年は反ワクチンや宗教団体の政治活動に矛先を向けて抗議活動を展開してきた。
「エセ保守 媚び米 媚びイスラエルで 安倍政治万歳! 統一教会、日本会議とべったり」
黒川容疑者は2024年5月17日午前、X(旧ツイッター)にこう書き込み、一部保守系オピニオン誌に対する批判を展開した。
この投稿直後に逮捕されたとみられる。
黒川容疑者は愛媛県今治市で市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
の共同代表を務め、令和元年5月、元衆院議員の小林興起氏、元外交官の天木直人氏、千葉県議の西尾憲一氏とオリーブの木を設立した。
4人が主宰する政治団体の集合体として、令和元年7月の参院選で議席獲得を目指した。
当時のホームページには
「安倍自公政権はもとより、野党共闘も国民のための政治を実現することができず、何とかならないかという声」
の受け皿になると紹介されているが、参院選で候補者は全員落選した。
その前後にオリーブの木内部で、役員人事や政治手法、歴史観、共通政策の違いが露呈したという。
令和元7月に小林氏が離党、令和元9月に天木氏が離党、翌令和2年2月には西尾氏が離党。
これによって、オリーブの木は黒川派が主導権を握った形となる。
令和3年1月、黒川容疑者は動画投稿サイトで党名を
「つばさの党」
に変更すると発表。
令和3年6月には党名変更を繰り返すNHK党と次期衆院選に向けた連携も決定した。
黒川容疑者が率いるつばさの党は、新型コロナウイルス禍でワクチンリスクに警鐘を鳴らす街宣活動を地方で行うと共に、宗教団体に対する抗議活動も先鋭化。
公明党の支持母体である創価学会や幸福の科学に対するデモ活動を行っていく。
令和4年9月には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する抗議集会の開催を呼び掛け、JR渋谷駅前で
「統一教会、CIA」
などと叫んだり、旧統一教会本部前で歌を歌ったり音楽を鳴らしたりするパフォーマンスを行った。
選挙活動を巡っても黒川容疑者らは東京15区補選(2024年4月28日投開票)以前から、他の候補の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子を動画配信する手法を取っていた。
黒川容疑者と根本容疑者は2024年7月の都知事選にも立候補する考えを表明していた。

公明党の石井幹事長、選挙妨害「由々しき事態」 つばさの党代表ら逮捕は「適切」
2024/5/17 11:52
https://www.sankei.com/article/20240517-UJNYABKDUVIBNDAIKXCVQTW22U/
公明党の石井啓一幹事長は2024年5月17日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「適切な対応がなされた」
と評価した。
「選挙は民主主義の根幹だ」
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったことは極めて由々しき事態だ」
と述べた。

「つばさの党」黒川敦彦容疑者が逮捕前日の取材に語る「若者の声を代弁」「尾崎豊みたいな」
2024/5/17 11:36
https://www.sankei.com/article/20240517-MCSPWXPKUZJ3BIDDRAIFSADK3I/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)を逮捕した。
逮捕前日の2024年5月16日、産経新聞は黒川容疑者に取材した。
一問一答は次の通り。
ーーなぜ選挙活動で過激な手法を行うのか
政治家の噓を暴きたいからだ。
街頭演説で半ば噓みたいなキレイ事だけを言っている。
僕たちが実際は『どうなっているの』という質問に行き、政治家の噓を可視化するために行っている」
ーー演説の中で「当選するつもりもない」と言っていたが、出馬の目的は。
国政政党になるために活動しているので選挙には勝つために出ている。
現実的には組織票がない中で衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
1回で勝てなくても積み重ねて今のつばさの党になっている。
仲間は確実に増えている。
批判はあるし、やり過ぎだと思うかもしれないが、共感する人も思った以上に多い。
我々の言論や行動に関しては、一定の国民の支持があるので、一方的に選挙妨害というのは民主国家のロジックとして成り立たない。
ーーどの点が共感を呼んでいると感じているのか
若者たちの声が政治に届かず不満をためているが、持って行き先も分からない。
僕らが代弁している。
権力に挑んでいる。
クソ政治家に僕らは『お前らクソだよね』と言ったことに面白いという声がある。
尾崎豊みたいな。
ーーつばさの党の選挙活動が選挙妨害、自由妨害に当たるという疑いが持たれている点についてどう捉えているか
自由妨害だという法的根拠が1つもない。
陣営同士の演説が重なってはいけないという法律はない。
総務省にこれから聞きに行くが、違法だとは答えられないと思う。
ーー活動をユーチューブなどで動画配信している目的は
世の中を良くするためだ。
ユーチューブの売り上げも活動資金にはなっているが、足りてはいない。
圧倒的に赤字。
事業が成功し、その売り上げを使って活動資金にしている。
ーー活動資金は
皆で稼いでいる。
事業を17個くらいやっている。
ーー2024年6月20日告示、2024年7月7日投開票の東京都知事選にも出馬する
出馬表明しているので、もちろん出る。
根本(良輔容疑者)も出る。
杉田(勇人容疑者)も出たいと言っている。
妨害や人を困らせるためにやっているわけではない。
政治と社会がクソだからクソだって盛大に言っている。
次の次の参議院選挙で国政政党になるために活動している。
10億円貯めて、選挙で使う。

林官房長官「選挙運動の妨害あってはならない」 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 11:08
https://www.sankei.com/article/20240517-X7LR3XJ2R5LLFL2UZQ7HHC5DLE/
林芳正官房長官は2024年5月17日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「選挙運動を妨害することはあってはならず、候補者、選挙運動関係者は選挙のルールを順守し、公正適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党代表ら3人を逮捕 公選法違反容疑 衆院東京15区補選で妨害
2024/5/17 9:28
https://www.sankei.com/article/20240517-XXBSATQP65M2VMM2TAJGGZ6WIA/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕した。
捜査関係者への取材で分かった。

つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 9時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔 容疑者(29)と、代表の黒川敦彦 容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人 容疑者(39)の3人です。
捜査関係者によりますと、3人は2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして選挙活動を妨害したとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査を進めてきました。
容疑者らは選挙期間中に他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していて、警視庁は妨害の目的や詳しい経緯を更に調べることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
一方、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。

選挙妨害容疑のつばさの党・黒川敦彦代表、過去に加計学園問題巡り民進党で講師役も
2024/5/16 15:25
https://www.sankei.com/article/20240516-WLEPCTCSMRH3BELUFPVV5SQITU/
2024年4月に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、警視庁は他候補の街頭演説を妨害した疑いが強まったなどとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
の本部などを家宅捜索した。
同党の黒川敦彦代表は、過去にNHK党(当時)などから国政選挙に出馬し、落選を繰り返した。
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題を追及して注目を集め、民進党の会合に講師として出席したこともある。
■小池百合子知事への批判強化
「今日も朝から街宣車出します 小池ゆりこ(=百合子東京都知事)にヘイヘイ言ってるので、見かけたら声かけたり、拡散お願いします! 街宣車さらにどんどん手配中です 日々、増やしていく予定です」
黒川氏は2024年5月16日、X(旧ツイッター)にこう書き込み、小池氏を批判する街頭活動を強化していく考えを示した。
つばさの党の陣営は、東京15区補選で他の候補が演説する際、近くの電話ボックスによじ登ってヤジを飛ばしたり、車でクラクションを鳴らしたりした。
その代表を務める黒川氏は、かつて
「産学連携ベンチャーの申し子」
と呼ばれることもある起業家だった。
■起業家から市民活動家
黒川氏は平成13年に大阪大工学部を卒業、独立行政法人
「新エネルギー・産業技術総合開発機構」)NEDO)
で企業と大学の研究の橋渡し役をする研究などに取り組んだ後、愛媛県今治市に帰郷した。
平成29年には、愛媛県今治市市内に建設を予定する加計学園の獣医学部を巡り、安倍晋三元首相の関与を追及する市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
を立ち上げ、共同代表としてメディアに頻繁に取り上げられるようになった。
平成29年5月には同市内の獣医学部建設現場を訪れた民進党の
「加計学園疑惑調査チーム」
のメンバーを案内し、平成29年8月に同チームの会合に講師として出席した。
平成29年年10月の衆院選では、安倍氏の地元・山口4区に無所属で出馬。
獣医学部開設を取り上げた。
この選挙でも、他候補の会合に乗り込み、接触を図るような行為を目立たせていた。
公示前にはツイッター(現X)で
「初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえ(=夫人・昭恵氏)を取り囲みましょう!」
と投稿。
公示日に安倍氏の出陣式に、山本太郎参院議員と駆け付け、昭恵氏に近寄ると、安倍氏との合同演説会の開催を要請するという
「申入書」
と題した紙を手渡した。
山本氏がこの様子をインターネット中継しており、安倍氏の後援会幹部は
「実質的な妨害だ」
と憤ったという。
■国政選に落選繰り返す
令和元年7月の参院選には、元外交官の天木直人氏らと設立した政治団体
「オリーブの木」(現・つばさの党)
の代表として、令和3年10月の衆院選では
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(当時)
の公認として、令和4年7月の参院選はNHK党(当時)の公認でそれぞれ出馬し、落選している。
令和4年6月にはNHK党幹部としてNHK番組
「日曜討論」
に出演した。
司会者の制止を振り切りながら、
「テーマに沿わない」
という発言を繰り返した後、
「あべのせいだー、あべのせいだー」
などと歌い出し、ひんしゅくを買っていた。
先の東京15区補選最終日の2024年4月27日、黒川氏は街頭演説に臨み、金融資産を投資に回す必要性について20分近くマイクを握った。
「金融経済が正常に働かない限り国が豊かにならないと思い、政治を始めた」
「最も必要なことは国民を稼げる状態にすることだ」
と強調。
「つばさの党が『政治を変えたい』と言っているのは、皆で生活を良くしたいということだ」
「『ヘイヘイヘイ』とお騒がせしてきた」
「なぜこんな変な選挙戦を戦い、奇抜なことをやったか」
「そうでもしないと一般の皆さんが選挙に興味を持ってくれないからだ」
などと持論を展開した。

維新 音喜多政調会長 つばさの党捜索 “早期に法改正を”
2024年5月14日 17時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448771000.html
日本維新の会の音喜多政務調査会長は、先の衆議院の補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の陣営が選挙活動を妨害したとして、警察の捜索を受けたことを踏まえ、対策の強化に必要な法改正に向けて各党に協力を求める考えを重ねて示しました。
今回の捜索について日本維新の会の音喜多政務調査会長は記者団に対し
「本来、選挙期間中に速やかに取り締まるべきだった」
と指摘しました。
そして、党として選挙の自由妨害罪に該当する行為の明確化や、罰則の強化を盛り込んだ、公職選挙法改正案の叩き台をまとめたことを踏まえ
「現行法で対応できるという意見もあるが、具体的な例を法律に書き込み、捜査機関が対応しやすくする意味がある」
「主要野党は大きな方向性でまとまれると思っており、与党にも投げかけていきたい」
と述べました。
一方、音喜多氏は、党の共同代表を務める大阪府の吉村知事から、次の衆議院選挙の公約に0歳から投票権を与え、親が投票を代行する制度の導入を盛り込むよう提案があったことを明らかにし
「結党以来、世代間格差の是正を掲げており公約に載せる方向で検討する」
「憲法改正が必要か否かの論点もあり、早期に結論を出したい」
と述べました。
■松本総務相「各党の議論内容を注視していきたい」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「私自身、選挙に携わっているが、報道を見ている限り、少なくとも体験したことがないようなことが起こっていると感じた」
「公職選挙法に新たなルールをどのように設けるかについて総務大臣としてのコメントは控えるが、各党の議論の内容を注視していきたい」
と述べました。
■立民 岡田幹事長「捜査も含め状況を見極める時期」
立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で
「日本維新の会の法案の叩き台がどこまで法的に意味があるのか党内で議論を尽くしたい」
「法改正をすることによって有権者の権利を阻害する部分もあるし、選挙の自由妨害に該当する具体的な事例を法律に書くことで
『それ以外のことはやってもいい』
ということにもなりかねない」
「捜査も含め状況を見極める時期だ」
と述べました。
■共産 穀田国対委員長「現行法の範囲内でできることをやるべき」
共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で
「公正な議論が保障されなければならない選挙において、妨害は許されないが、選挙管理委員会などがしっかり対処すべき問題だ」
「現行法の範囲内で、できることをきちんとやるべきだ」
と述べました。
■国民 玉木代表「多くの賛同募って成立させたい」
国民民主党の玉木代表は記者会見で
「今回の行為は選挙の自由妨害罪にあたると思うので、当局には厳しく対処してもらいたい」
「同時に、法改正も必要であり、日本維新の会の叩き台は、我が党と考えがかなり重なる所がある」
「できるだけ多くの賛同を募って成立させたい」
「東京都知事選挙に加え、衆議院選挙もあるかもしれないので早めに処理する必要がある」
と述べました。

<主張>「選挙の自由」妨害 悪質行為の摘発は当然だ
社説社説
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-MLNXQW6XCRI63FLOP4WXQFEJNI/
憲法21条は言論や表現の自由を保障している。
この前段となる12条では憲法が保障する
「自由及び権利」
は、
「国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
と規定している。
憲法は
「自由」
を無制限に保障しているのではなく、その濫用を明確に戒めている。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で対立陣営の街頭演説を妨害したなどとして、警視庁は公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で政治団体
「つばさの党」
の関係先を家宅捜索した。
同党は警視庁の強制捜査に対して
「表現の自由の中で適法にやっている」
「心外だ」
などと主張し、今後も同様の政治活動を続けると述べている。
これこそ
「公共の福祉」
とは相容れない
「自由の濫用」
であろう。
同党は他候補の演説中に大音量で罵声を浴びせ、クラクションを鳴らすなどの妨害を繰り返し、選挙カーを執拗に追い回すなどの危険行為もあった。
極めて悪質である。
「選挙の自由」
は対立陣営にもあり、これは明らかに侵害された。
異常な環境下で候補者の演説を聞くことが出来なかった有権者もまた、直接の被害者である。
国民の常識や良識に照らして悪質な行為が、合憲や適法であるはずがない。
警視庁の捜査は妥当である。
類似した事案に、令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばした男女を北海道警が排除し、2人が道に損害賠償を求めた訴訟で札幌地裁が排除の違法性を認めた判決がある。
多くのメディアが北海道警を非難したが、札幌高裁は男性について、警告を無視して大声での連呼をやめず、演説車両に向かって突然走り出すなどの行為があり警察官の判断は
「客観的合理性を有する」
と認定し、賠償命令を取り消した。
「つばさの党」
への強制捜査には
「言論の萎縮を招く」
といった懸念の声もある。
だが、選挙妨害の数々が、守るべき言論や選挙の自由の名に値するか。
しないだろう。
憲法12条はまた、
「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
とも謳っている。
「自由」
の履き違えを許してはならない。

日本国憲法
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

<産経抄>民主主義を脅かし、「つばさの党」に捜査の手
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-HKUKNISSYZJUZIZGRAEJKCIU7E/
海軍増強の是非を議論した大正9年の衆院本会議に、今も語り草の一幕がある。
時勢に照らして
「艦隊の充実」
を説いたのは蔵相、高橋是清だった。
「陸海軍とも難儀を忍んで長期の計画といたし、陸軍10年、海軍8年の…」
▼言葉を継ごうとしたその時、
「ダルマは9年」
と野党の席から声が飛んできた。
9年の座禅で悟りを開いた達磨大師。
いかめしくも愛嬌のある風貌から
「ダルマ」
とあだ名された高橋。
双方に掛けた即妙のヤジだった。
声の主は、後に
「ヤジ将軍」
と呼ばれる三木武吉である。
▼議場は爆笑に包まれたと聞く。
機知に富み、いたずらに人を辱めるわけでもない。
「議場の華」
と言われるヤジの、会心の一打だろう。
当時の三木は30代半ば、やり取りの老熟ぶりが際立つ。
それに引きかえ、現代の政治模様の幼さはどうだろう。
▼先日の衆院東京15区補選で他陣営の選挙運動を妨げたとして、政治団体
「つばさの党」
本部などが警視庁の家宅捜索を受けた。
投稿動画を見ると、よその選挙カーを追い回し、拡声器で声を張り上げては街頭演説を遮るなど実に酷いやり口だった。
▼陣営は
「表現の自由」
と称し、自らを正当化しているという。
憲法も公職選挙法も侮られたものである。
各候補者の主張に耳を傾けたい有権者の権利は、思慮の外ということだろう。
おのが正義を軸に世界が回っている―と勘違いした人々に、ヤジ将軍の挿話は説くだけ無駄か。
▼「かしましくものいふ」
「人のものいひきらぬ中ニものいふ」
は良寛が嫌った言動の所作である。
思えば亡き安倍晋三元首相も、度を越したヤジに幾度となく街頭演説を妨げられてきた。
民主主義の足元を脅かす挑発の危うさを、我々は看過してはならない。

安倍元首相暗殺の陰にも演説妨害 
阿比留琉比の極言御免
2024/5/16 1:00
https://www.sankei.com/article/20240516-FHEBVTYUZFIJ7OC24VDB4MAXUQ/
政治団体
「つばさの党」
幹部の根本良輔氏らが先の衆院東京15区補欠選挙に出馬し、他の候補の演説場所で大声を上げつきまとうなどの妨害行為を繰り返した問題は、同団体本部が警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索される事態となった。
やっとかというのが、率直な感想である。
選挙演説への妨害行為を巡って、警察がようやく重い腰を上げたことは歓迎したい。
ただ、これまで
「表現の自由」
を錦の御旗に、警察による取り締まりや排除を批判し続けたマスコミや野党議員、またそれにお墨付きを与えた裁判所には憤りを禁じえない。
選挙演説への過激な妨害行為は参院選最中の令和4年7月8日、安倍晋三元首相が暗殺されるきっかけの1つになったからである。
筆者がその前日夜の電話で、長野県に応援演説に行く予定が取り消され、奈良県に入ることになった件を聞くと、安倍氏は答えた。
「あそこは、私が行くと暴れる人がいるから」
「実際、麻生さん(太郎自民党副総裁)が入った時には、変な地方議員らがマイクを持って週刊誌の自民候補のスキャンダル記事を読み上げたんだって」
「他の選挙区に影響しかねないと心配する人がいるから」
長野では演説妨害を受けることが予想され、それをマスコミが面白おかしく報道することを避けた結果、奈良で凶弾に倒れる悲劇に繋がったのだった。
安倍氏が受けてきた演説妨害と、それを擁護し、安倍氏の攻撃材料として利用してきたマスコミの姿勢に関しては2024年4月25日の当欄で取り上げたのだ繰り返さない。
だが、性質の悪い
「こんな人たち」
は確かに存在するのである。
■壊れる民主主義社会
令和元年の参院選で、札幌市で演説中の安倍氏に
「辞めろ」
「帰れ」
などと大声でヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に排除された件では、札幌地裁が
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた(札幌高裁が一部取り消し)。
これも演説妨害の正当化に利用されてきた。
現につばさの党の根本氏は、2024年5月13日のX(旧ツイッター)にこう投稿している。
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない 北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ なぜならヤジの定義が曖昧だから」
多くのマスコミも、司法も
「こんな人たち」
の見方をした結果、警察は委縮し、警備に力を入れられなくなる。
その延長線上に安倍氏の暗殺があり、その最悪の行為の容疑者ですら英雄視する論調が、2023年4月の衆院補欠選挙時に和歌山県での岸田文雄首相暗殺未遂事件を生んだ。
こうして民主主義の根幹と言える街頭での選挙演説が困難となり、民主主義社会は壊れていく。
ちなみに、つばさの党の黒川敦彦代表は平成29年の衆院選で安倍氏の地元の山口4区から出馬しており、当時、ツイッターにこんな異例の投稿をしている。
「(平成29年)10月10日のボランティア急募 初日1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」
安倍氏の昭恵夫人への迷惑行為、つきまといへの参加を呼び掛けたのだった。
安倍氏陣営は選挙妨害だと憤ったが、今回の東京15区でのやり方は、既にこの時から始まっていたのである。
言葉を用いた
「表現の自由」
を偽装した事実上の実力行使を、これ以上許してはならない。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

つばさの党、選挙カー追跡 「交通の便妨げる行為」適用も視野に捜査 警視庁
2024/5/15 5:00
https://www.sankei.com/article/20240515-2U5ND6S2PZIUXGCP7G754VREBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡る自由妨害疑惑を巡り、出馬していた複数の陣営の選挙カーが、政治団体
「つばさの党」
の選挙カーから執拗な追跡を受け、警察署に避難する事態となっていたことが2024年4月14日、捜査関係者への取材で分かった。
各陣営は選挙活動の予定変更を余儀なくされており、警視庁捜査2課は、追跡が、公職選挙法で自由妨害と規定する交通の便を妨げる行為に当たると見て、立件を視野に裏付けを進めている。
捜査関係者によると、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と党幹部の根本良輔氏(29)ら3人は、立憲民主党など他陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで付け回し、拡声器を使って
「売国奴」
と罵声を浴びせるなどの行為を繰り返した。
追跡を受けた陣営の中には110番通報をしたり、選挙区内にある城東署や深川署に避難したりした例もあった。
捜査2課は、街頭演説に対する
「妨害」
だけではなく、追跡行為も有権者に各候補者の主張を届ける機会を妨げたと見ている。
同課は2024年4月13日、党本部と黒川氏、根本氏の自宅を家宅捜索し、パソコンなど数十点を押収。
ただ、選挙カーの追跡による自由妨害での摘発は前例が乏しいことから、関係機関と調整するなどして、裏付けを進めている。

「つばさの党」が捜索の東京15区補選を受け選挙妨害の禁止を周知 都選管がリーフレット
2024/5/14 16:20
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/
東京都選挙管理委員会が新たに作成したリーフレット
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/photo/X4RDZFBGEZKT5DEYJQE6HZXQIU/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、候補者の街頭演説の妨害を疑われる行為が目立ったとして、東京都選挙管理委員会は2024年5月14日、公職選挙法に定められた選挙運動で禁止されている妨害行為を周知するリーフレットを作成した。
有権者に周知すると共に、選挙事務の説明会などで候補者に説明する。
同選挙を巡っては、政治団体
「つばさの党」
が他候補の街頭演説を妨害するなどした公選法違反(自由妨害)の疑いで、2024年5月13日に警視庁の家宅捜索を受けた。
同党代表の黒川敦彦氏は、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張している。
リーフレットでは、
「選挙運動の妨害は禁止されています」
と明記。
①暴行や不法な威力による妨害
②演説の継続や聴取を困難とする妨害
などが同法225条に抵触する恐れのある事例として紹介されている。
都選管は
「今回の選挙の執行状況から周知・啓発が必要と判断した」
「有権者や候補者にとって安全な・安心な演説の場を確保する」
とした。

つばさの党・根本良輔氏「安倍氏へのヤジが合法で俺らが違法なわけがない」 選挙妨害疑い
2024/5/14 10:29
https://www.sankei.com/article/20240514-MEYMGQ723FF3ZIBV7ZBVDTKSJI/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏が2024年5月13日、警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索されたことについて、X(旧ツイッター)で
「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」
と書き込み、自身の行為を正当化した。
札幌高裁は令和5年6月、元年7月参院選で札幌市の街頭で応援演説中の安倍氏にヤジを飛ばして北海道警に排除された女性を巡って、排除は憲法に保障された
「表現の自由」
の侵害に当たると判断し、道に女性への賠償を命じた1審判決を維持した。
根本氏はXに
「北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と指摘。
「なぜならヤジの定義が曖昧だから」
「音量がデカかろうが何だろうが定義が曖昧な以上、ヤジであると一括りにされる」
「だから警察は、小池(百合子都知事)に圧力掛けられて警告を出したりガサ入れするぐらいしかできない」
と投稿した。
2024年5月14日の投稿では
「俺らは今の国政政党はおかしい、噓を付いているということを周知するという主義主張の元立候補し、質問をしに行ったりおかしいと思うところを指摘したに過ぎない」
とも書き込んだ。

つばさの党事務所など捜索 押収したパソコンなどの分析進める
2024年5月14日 5時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448211000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁は2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで、団体の事務所などを捜索しました。
警視庁は押収したパソコンや携帯電話の分析を進め、一連の活動の目的や計画性などを詳しく調べる方針です。
2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の千代田区にある事務所と、根本良輔幹事長(29)、黒川敦彦代表(45)の自宅です。
「つばさの党」
の陣営は、根本幹事長が立候補した先月の衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、拡声機などを使って他の陣営の候補者の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、選挙活動を妨害した疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、
「つばさの党」
の陣営から追い回されるなどの妨害を受けた他の陣営の選挙カーの中には、予定していたルートの変更を余儀なくされたり、一時、警察署への避難を余儀なくされたりしたケースもあったということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例です。
一連の行為をめぐっては、国会で対策が議論される事態にも発展していますが、
「つばさの党」
の黒川代表は2024年5月13日取材に対し、
「我々は表現の自由の中で、適法な事をやっていると理解している」
などと述べています。
警視庁は2024年5月13日の捜索で押収したパソコンや携帯電話の分析を行うなどして、一連の活動の目的や、計画性などを詳しく調べる方針です。

つばさの党事務所など捜索 衆院東京15区補選 演説妨害など疑い
2024年5月13日 19時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240513/k10014447441000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして選挙活動を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反の疑いで東京 千代田区にある団体の事務所などに一斉に捜索に入りました。
捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の根本良輔幹事長(29)と黒川敦彦代表(45)のそれぞれの自宅と、千代田区にある団体の事務所の3か所です。
捜査関係者によりますと、2024年4月28日に投票が行われた衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、立候補した根本幹事長の陣営が、長時間に渡り拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、他の陣営の選挙活動を妨害した公職選挙法違反の疑いが持たれています。
「つばさの党」
を巡ってはは、告示日の2024年4月16日、東京 江東区のJR亀戸駅前で他の候補者が行っていた演説を車のクラクションを鳴らすなどして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の妨害に当たるとして、警視庁から警告を受けていました。
警視庁には他の複数の陣営からも選挙の妨害を受けたという申告があり、被害届が受理されているものもあるということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例だということです。
■機動隊員が警戒する中 約2時間半の捜索
東京 千代田区にあるつばさの党の事務所が入る建物の前では、午前11時頃盾を持った警視庁の機動隊員が建物の入り口に立って警戒する中、捜査員が捜索に入りました。
捜索は、およそ2時間半行われ、午後1時半頃、捜査員が複数の段ボール箱などを捜査車両に積み込んでいました。
■黒川代表「暴力振るっているわけではなく言論の行為」
自宅が捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は、取材に対し
「我々は表現の自由の中で、適法なことをやっていると理解している」
「別に暴力を振るっているわけではなく、持っている権利を行使している」
「私たちがやっていることは、言論の行為で、多少、乱暴だという認識はあるが、権力者が言論行為を止めることは絶対にあってはならないことだ」
などと話しました。
■林官房長官「妨害はあってはならず公正・適切に選挙運動を」
林官房長官は午後の記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害はあってはならず、候補者や関係者にはルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開してもらう必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性を問われたのに対し
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論すべきものだ」
と述べました。
■自民 茂木幹事長「極めて遺憾 必要な法改正を」
自民党の茂木幹事長は、記者会見で
「電話ボックスの上で大声を出したり、選挙カーのすぐ傍で太鼓を叩いたり、明らかに異常だ」
「これまで見たことがないような妨害行為が行われたことは極めて遺憾で、捜査当局には、法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と述べました。
その上で
「今後、公正な選挙運動の機会を確保するために、我が党としても罰則強化など実効性のある対応をしっかり検討し、必要な法改正を行っていきたい」
と述べました。
■自民 梶山幹事長代行「街頭演説は重要な機会 党として議論」
自民党の梶山幹事長代行は記者会見で
「街頭演説は国民に候補者の主張を直接伝えることができる大変重要な機会だ」
「選挙の公正さを守り、自由な選挙活動を確保するためにも、仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説が行われたのであれば、罰則強化を含め今後党として議論したい」
「党として問題意識は持っている」
と述べました。
■立民 泉代表「選挙妨害と言わざるをえない」
立憲民主党の泉代表は記者団に対し
「私も選挙活動のマイクの音が周囲に聞き取れなくなるくらいの大声を浴びせられ、執ように追いかけられた」
「これは選挙妨害と言わざるを得ない」
と述べました。
その上で
「党内で担当する議員が公職選挙法改正の法制化の作業を進めている」
「表現や選挙活動の自由の中で、例えば選挙妨害が具体的にどういうものなのかという例示は法文化していいのではないかという意見や、刑罰の度合いを改めて検討する話も出ている」
「現行法で出来ることを見定めながら、他党ともやり取りしたい」
と述べました。
■公明 山口代表「物理的な妨害は許されない」
公明党の山口代表は記者団に対し
「候補者と聴衆がコミュニケーションを取れないほど物理的な妨害を行うことは許されず、選挙活動の自由を主張したとしても限界がある」
「公職選挙法で何が選挙の自由の妨害にあたるのかを明確にしていくことが重要だ」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性について見解を問われ
「いきなり法改正というよりも、まず現行法について議論し足らざる所があれば改正なり新しい制度の検討が語られるべきだ」
と述べました。
■共産 小池書記局長「現行の公職選挙法で厳格に対応を」
共産党の小池書記局長は記者会見で
「今回の行為は、選挙活動や言論の自由を脅かす行動だと言わざるを得ず、物理的な妨害は絶対に許されない」
「日本維新の会が提案している法改正に向けた叩き台は、却って選挙の自由を脅かす恐れがあり、我々は反対だ」
「現行の公職選挙法で厳格に対応していけばよい」
と述べました。
■小池都知事「異常な雰囲気で選挙にならなかった」
衆議院東京15区の補欠選挙で候補者の応援に入っていた東京都の小池知事は、都庁で報道陣の取材に応じ、
「応援に入った時は異常な雰囲気で選挙にならなかった」
「選挙というのは有権者の方々に政策を届けて判断を得るというもので、他の候補者を標的にして追い掛け回したり、音声を被せたりというのが本来の選挙や立候補の目的に適っているのかは大いに疑問だ」
「有権者の皆さんもこの点について違うのではないかと思っている方は多いのではないか」
と述べました。
■地元有権者「演説の機会はきちんと平等にあるべき」
衆議院東京15区の江東区に住む30代の女性は
「捜索のことはさっき知った」
「妨害するのではなくてしっかりと政策で勝負をしてほしいと思う」
「選挙期間中はとてもうるさくて迷惑だったので、演説する機会はきちんと平等にあるべきだと思う」
と話していました。
また、40代の男性は
「今回の一連のことは有権者として残念に思う」
「選挙妨害があると有権者が演説を聞くことが出来なくなる」
「気持ちよく投票できるようなルールを作ってほしい」
と話していました。
■専門家「選挙の妨害に当たるという判断はあり得る」
憲法が専門で
「表現の自由」
に詳しい、慶應義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は
「公職選挙法が認めているのは、公正な選挙が確保される範囲内での『表現の自由』であって、聴衆が演説を聴くことを妨げたり、他の候補者の意見を知る機会を奪ったりすることまでは認められない」
とした上で、
「今回のようなケースが、選挙の妨害に当たるという判断は、映像を見る限り、あり得ると思う」
「選挙期間中は警告に留め、終了後に捜索に入るという対応も慎重であり、今回の警察の捜査が、表現の自由を萎縮させるような結果には繋がらないのではないか」
と話しています。
■これまでの経緯
根本幹事長や黒川代表ら
「つばさの党」
の陣営は、補欠選挙が告示された2024年4月16日、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、相手の候補者や、応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言したり車のクラクションを鳴らしたりした他、電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もありました。
2024年4月26日にも東京メトロの東陽町駅前で、他の陣営の候補が演説をしている傍で、拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判するなど、各地で同様の行為を繰り返しました。
また
「つばさの党」
の車が、スピーカーを使って批判などを繰り返しながら他の陣営の候補者の選挙カーの後を長時間、追い掛けるなどの行為もあり、各陣営は、街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
■つばさの党とは
今回、事務所が捜索を受けたつばさの党は2020年11月、総務省に政治団体設立の届け出が出されました。
代表を務めているのは黒川敦彦氏で、幹事長を務めているのは根本良輔氏です。
このうち根本幹事長は、衆議院東京15区の補欠選挙に立候補し、得票数は1110票で立候補した9人のうち、9番目でした。
また、選挙の期間中、黒川代表は2024年7月に投票が行われる東京都知事選挙への立候補を表明し、根本幹事長も
「立候補を予定している」
と述べていました。

選挙の根幹揺るがす つばさの党の悪質「妨害」にメス 警察幹部「看過できない」
2024/5/13 20:12
https://www.sankei.com/article/20240513-DPQBC7XFLZJRPITARDGYSLODEU/
民主主義を支える選挙制度を根幹から揺るがしかねない活動を展開した
「つばさの党」
の関係先に2024年5月13日、捜査のメスが入った。
衆院東京15区補欠選挙を巡り、つばさの党関係者に追いかけ回されるなどして演説場所を変更するなど、対応を迫られた陣営もあった。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので、看過できない」
と話している。
警視庁捜査2課が家宅捜索に踏み切った2024年5月13日、東京都千代田区の党本部前では機動隊が警戒に当たっていた。
ものものしい雰囲気に包まれる中、捜索は約2時間半に渡って行われた。
捜査関係者によると、本部などから選挙カーや携帯電話、パソコンなど数十点を押収したという。
捜索を受け党代表の黒川敦彦氏は2024年5月13日、報道陣の取材に対し、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張した。
今回の家宅捜索の発端となった出来事は補選告示日の2024年4月16日、東京都江東区のJR亀戸駅前で起こった。
乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の陣営に近付き、大音量で演説をかき消したなどとして、警視庁が2024年4月18日、自由妨害で警告を出した。
しかし
「妨害行為」
は収まらなかった。
矛先は飯山陽(あかり)氏=日本保守党=や金沢結衣氏=日本維新の会、酒井菜摘氏=立憲民主党=ら他の候補の陣営にも向かった。
選挙カーを追い回し、拡声器で
「売国奴」
などと罵ったり、卑猥な言葉を浴びせたりなどした。
選挙区外にもかかわらず、乙武氏を支援していた小池百合子都知事の自宅前で、大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言を呈す場面もあった。
党幹部で補選の候補者だった根本良輔氏らは言論の自由、選挙の自由を盾にこうした行為を続けた。
「法の範囲を超えない、ここまでは大丈夫という範囲内でしっかりやることができた」。
補選の活動最終日に当たる2024年4月27日夜、根本氏は産経新聞の取材に、達成感を滲ませながら自信を覗かせていた。
しかし、複数の陣営からは既に被害届が提出されており、警視庁は悪質な妨害行為であることの立証に向けて、慎重に捜査を進めるとみられる。
■つばさの党「選挙妨害」を巡る動き
・2024年4月16日
衆院東京15区補欠選挙告示、つばさの党・根本良輔氏を含む計9人が立候補届け出。
JR亀戸駅前で乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の演説の近くで拡声器を使い演説して、乙武陣営の演説を聞こえなくするなどの行為。
・2024年4月18日
警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)で黒川敦彦代表、根本氏ら3人に警告。
小池百合子都知事の自宅周辺の住宅街で午後7時過ぎから街頭演説
・2024年4月19日
小池知事が定例記者会見で、つばさの党の行為について「命の危険を感じた」。
・2024年4月20日
飯山陽氏=日本保守党=の事務所前で演説。
金沢結衣=日本維新の会=と、応援に訪れた同党の吉村洋文共同代表の演説会場に現れ、練り歩きに付きまとうなどする
・2024年4月21日
酒井菜摘氏=立憲民主党=の演説に参院議員の蓮舫氏が駆け付ける中、陣営の車の窓を叩いたり、暴言を浴びせたりする。
・2024年4月28日
投開票(根本氏は得票1110票で最下位落選)
■選挙の自由妨害罪
公選法の225条で規定する。
選挙に関する集会や演説を妨害した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮か、100万円以下の罰金が科せられる。
昭和23年の最高裁判決は
「聴衆がこれを聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」
を演説の妨害と認定した。
衆院東京15区補選では、無所属新人、乙武洋匡氏の街頭演説会で陣営スタッフを付き飛ばしたとして、暴力容疑で現行犯逮捕された男が公選法違反(自由妨害)の疑いに切り替えて送検され、起訴された。

つばさの党本部などを家宅捜索 衆院東京15区補選巡り選挙妨害の疑い 警視庁捜査2課
2024/5/13 11:12
https://www.sankei.com/article/20240513-OYKERXOG5FPNRGGC54IYKHP5GQ/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は2024年5月13日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、東京都千代田区隼町にある政治団体
「つばさの党」
本部など関係先数カ所に家宅捜索に入った。
捜査関係者への取材で分かった。
つばさの党を巡っては、2024年4月16日の告示日に他候補が演説する近くで約50分間に渡って大音量で演説したり、車のクラクションを鳴らしたりするなどして選挙を妨害。
警視庁は2024年4月18日、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と、つばさの党幹部で、衆院東京15区補選に出馬していた根本良輔氏(29)ら3人に公職選挙法違反(自由妨害)で警告を出した。
つばさの党は他にも、他候補の選挙カーをつけ回すなどしていた。
警視庁捜査2課によると、衆院東京15区補選に出馬していた他の陣営からも同様の行為に関する相談が寄せられている他、複数の被害届も出されており、一部は既に受理されている。

つばさの党選挙妨害容疑「やりすぎだった」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/13 19:10
https://www.sankei.com/article/20240513-PJAKLD3IF5JDDHHSPK2Z7IRIJ4/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして2024年5月13日、警視庁から公選法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月13日、
「つばさの党が考える正義はあると思うが少しやり過ぎだった」
と述べた。
府庁で記者団の取材に答えた。
衆院東京15区補選では維新も新人候補を擁立。
吉村氏が選挙期間中の2024年4月20日、都内で応援演説などに駆け付けた際、補選に出馬したつばさの党の根本良輔幹事長らから妨害を受けた。
吉村氏は
「現場にいて思ったが、街頭演説をしている陣営にマイクを重ねたりすると演説にならない」
と指摘。
警視庁の家宅捜索については
「捜査は選挙妨害の意思も含め、個別の証拠に基づき行われると思う」
と述べた。
また、維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立に向け与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「刑事司法とは別に国会でも現行法で運用するか、または立法措置を取るかを深く議論するべきだ」
とした。

自民・茂木敏充幹事長、公選法改正に意欲 補選の自由妨害でつばさの党家宅捜索を巡り
2024/5/13 18:13
https://www.sankei.com/article/20240513-A3EBXJVLBRK5ZDBCOCILQG3MK4/
自民党の茂木敏充幹事長は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁が公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「これまで見たことがないような妨害行為が行われ、極めて遺憾だ」
「議論を進め必要な法改正を進めたい」
「罰則強化など実効性のある対応をしっかりと検討していきたい」
と述べた。
その上で
「捜査当局には法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と訴えた。

東京都の小池百合子知事、つばさの党家宅捜索に「本来の選挙の目的にかなっているのか」
2024/5/13 16:54
https://www.sankei.com/article/20240513-B7SOY7BZMBPPFAOIPMSFSO4P64/
公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、東京都の小池百合子知事は2024年5月13日、都庁で記者団に対し、
「他の候補者を追い掛け回したり、音声を被せたり本来の選挙の目的に適っているのか」
「公選法の見直しも必要ではないか」
と述べた。
つばさの党は、2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが持たれている。
また、小池氏は、つばさの党が選挙期間中に自宅前でも街頭演説を実施したとし、
「こんなに身の危険を感じながら選挙をするのか」
と改めて当時の心境を吐露。
「候補者も身の危険を感じながら選挙を行う」
「ここは日本ですよね」
「非常に疑問というかおかしい」
とした。

林官房長官「選挙妨害はあってはならない」 つばさの党家宅捜索 東京15区補選
2024/5/13 16:43
https://www.sankei.com/article/20240513-SYVCDC3D4VNIXAWH4RDIXNXOY4/
林芳正官房長官は2024年5月13日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、公選法違反(自由妨害)の疑いで東京都千代田区にある政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「選挙運動妨害はあってはならず、候補者や選挙運動関係者は選挙ルールを順守し、公正かつ適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党の根本良輔氏「証拠はユーチューブに残っており無意味」 選挙妨害疑い家宅捜索
2024/5/13 15:40
https://www.sankei.com/article/20240513-MQ5AAM2P5NAWRLBIG76A7R2WCM/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏は2024年5月13日、警視庁捜査2課が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索したことについて、X(旧ツイッター)で
「家宅捜索されたけど無事です」
「そもそもYouTubeのライブに全部残っており、そこに証拠はあるわけなので、それで逮捕できないなら家宅捜索しても無意味」
と書き込んだ。
根本氏ら陣営は他候補の近くで大音量で演説したり、選挙カーを付け回したりするなど選挙妨害と問題視される選挙期間中の行為について、動画投稿サイト
「ユーチューブ」
などに配信していた。
根本氏は家宅捜索について
「メインの携帯とパソコン押収されただけ」
「携帯パソコンに何も情報がないので逮捕に繋がる証拠は何も出ない」
とも書き込んだ。

自民党の梶山弘志幹事長代行が公選法の罰則強化に言及 つばさの党の家宅捜索受け
2024/5/13 14:39
https://www.sankei.com/article/20240513-HL2ZSGIWRFKBTOSDFTXITPZXVE/
自民党の梶山弘志幹事長代行は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の街頭演説を妨害した政治団体
「つばさの党」
の事務所などに警視庁が公選法違反の疑いで家宅捜索に入ったことを受け、
「仮に選挙妨害を目的とした悪意ある街頭演説が行われたのであれば、(同法の)罰則強化を含め、党として議論をしてまいりたい」
と述べた。

「ヤジ正当化」で民主主義の根幹を破壊 朝日など一部メディアは過去を総括せよ 藤原かずえ
新聞に喝! ブロガー・藤原かずえ
2024/5/12 10:00
https://www.sankei.com/article/20240512-IS3ALI2II5LQDFNVA6H6GWY4DA/
衆院東京15区補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の候補者と党員が他の候補者の遊説場所に乗り込み、大音量で質問を行うことで、演説の聞き取りを困難にしました。
これは民主主義の根幹である選挙を妨害する行為【昭和23年(1948年)最高裁判断】ですが、近年、一部のマスメディアは政権与党に対する同様の行為を強い論調で正当化してきました。
平成29(2017)年に東京・秋葉原で行われた安倍晋三首相(当時)の都議選応援演説では、組織的な呼び掛けに集まった一部聴衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に演説をかき消しました。
安倍氏はこの妨害者に対し
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
と抗議しましたが、一部新聞は
「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」(朝日)、
「首相、聴衆にまで激高」(毎日)、
「敵と味方に分断」(東京)
などと安倍氏を徹底的に非難し、ヤジを正当化しました。
また、令和元(2019)年の参院選での安倍氏の札幌演説で
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた人物を北海道警が移動させた事案に対しては
「市民を排除。ヤジも意思表示のひとつの方法」(朝日)、
「警察の政治的中立性に疑問符」(毎日)、
「市民から言論を奪うな」(東京)
などと非難しました。
これらの論調に多くのテレビメディアも同調した結果、安倍氏は選挙妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
また、警察の萎縮も窺えます。
例えば安倍氏暗殺事件では、テロリストが安倍氏に近寄って2発を発砲するまで取り押さえることもできませんでした。
そもそも
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは
「意見表明」
でなく、演説者に対する
「恫喝的な命令」
であり、非言論で言論をかき消す
「言論の自由」
への挑戦行為です。
1人のヤジを認めれば、他の全ての人のヤジも認めなければなりません。
秋葉原の事例と比較して甚だ小規模で、候補者が他の候補者に質問する体裁を取る
「つばさの党」
の妨害者を警察が警職法で排除することは、法の下の平等の原則から不可能です。
何よりも、このような時・場所・方法を選ばない身勝手な
「表現の自由」
による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵害された一般聴衆です。
今回の事案で多くの国民がヤジ正当化の欺瞞を強く認識するに至ったと推察します。
「言論の自由」
を守る使命を持つ言論機関の一部が非言論による選挙妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。

“選挙妨害”か?表現の自由か?東京15区 広がる波紋 専門家は
2024年4月30日 19時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240430/k10014434831000.html
過去最多の9人による混戦となった衆議院・東京15区の補欠選挙。
候補者の1人がほかの候補者たちの演説場所で、大音量で批判などを繰り返し、各陣営からは“選挙妨害だ”との声が相次ぎました。
警視庁が候補者に警告を出す“異例”の事態にも。
一方で、候補者側は
「表現の自由の範囲内だ」
と主張しています。
選挙妨害か?表現の自由か?専門家の見方は…
目次
“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
何が起きていた?
■“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
警視庁は衆議院東京15区の補欠選挙で、公職選挙法違反に当たるとして併せて6件の警告を出し、このうち演説の自由を妨害した
「自由妨害」
の警告が1件ありました。
捜査関係者によりますと、
「自由妨害」
の警告を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の新人・根本良輔氏やこの団体の黒川敦彦代表など3人です。
告示日の2024年4月16日、JR亀戸駅前でほかの陣営の演説に被せるようにおよそ50分間に渡って拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の
「自由妨害」
に当たると判断されたということです。
捜査関係者によりますと、候補者が
「自由妨害」
で警告を受けるのは極めて異例だということです。
■何が起きていた?
その2024年4月16日、JR亀戸駅前に姿を見せた根本良輔氏(29)らは、無所属で立候補した乙武洋匡氏や応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言を続けました。
電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もあり、周辺は一時、騒然となりました。
その後も連日、他の候補者たちの演説会場を訪れては、大きな音量で発言を繰り返しました。
2024年4月26日には立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の陣営が街頭で演説をしているのを見付けると、同じ場所で拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判などを繰り広げました。
居合わせた有権者からは…
30代の女性
「家の中まで大きな声が聞こえてきたので何事かと思いました」
「率直に、どうしてこのようなことをするのかと思います」
「もう一方の候補者の声が聞こえないので、投票の判断材料にはならず、残念です」
64歳の男性
「本来なら政策を議論すべきですが、こういった行為は選挙を冒瀆していますし、本来の選挙戦ではなくなってしまっていると思います」
■ほかの候補者 “選挙妨害だ”
根本氏らはこうした様子をインターネット上でライブ配信し、他の候補者の演説予定をSNSを使って把握していることなども明らかにしていました。
こうした行為を受けて、各陣営は街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
ほかの候補者たちからは“選挙妨害だ”とする声があがりました。
・立憲民主党 酒井菜摘氏
「危険を感じるような場面もあり本当に怖かった」
「演説の日時を公表できず区民に訴えを届けられなかったことが申し訳ない」
・日本維新の会 金澤結衣氏
「前代未聞の状況で民主主義の根幹が覆される許しがたい状況だった」
「公職選挙法の見直しや地域の皆様に迷惑がかからない選挙のやり方を議論したい」
・無所属 乙武洋匡氏
「各候補者の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは非常に残念で許しがたい」
「今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら何らかの法改正をしていくべきだ」
■つばさの党「表現の自由の範囲内だ」
根本氏は2024年4月25日に会見し、他の候補者に対する行動について
「国政政党が信用できないから政治活動を始めた」
「このままでいいのかと問いかけるために質問をしに行っているだけで、暴力的なことをするつもりはない」
と説明しました。
また、政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は
「国民に与えられた権利である表現の自由の範囲内で正々堂々と批判している」
「それを派手にやっているだけだ」
と主張し、警視庁による警告は権力の乱用だとして東京都に賠償を求める訴えを起こしたと述べました。
今回の事態をどう見たらよいのか。
複数の専門家に意見を聞きました。
■憲法学者 “街頭演説は民主主義の根幹”
憲法学が専門の北星学園大学経済学部の岩本一郎教授は、街頭演説は民主主義の根幹をなす
「言論の場」
であり、その場を壊す行為は表現の自由の範囲を超えていると指摘します。
・岩本教授
「お互いに意見を交換し議論するという意味で、街頭演説は民主主義にとって極めて重要な活動でヤジも含めて政治的な発言として尊重されるべきです」
「ただ街宣車などを使って通行を妨げたり、他の候補者の発言を聞き取りにくくさせたりする行為は悪質性が強く、表現の自由として保障されるかどうか疑問です」
今回の選挙では候補者が演説日程を事前に告知にしなかったり、演説を中止したりするケースも出ていて、岩本教授は次のように指摘します。
「候補者に大きな萎縮効果をもたらす行為です」
「有権者が候補者や政党の声を聞きたくても聞けないとなれば国民の知る権利や、表現の自由を制約する要因になります」
その上で、規制についてはこう話していました。
「候補者の発言内容に国が規制をかけるのは適切ではないですが、行き過ぎた妨害行為については線引きの基準を設け規制が必要になると思われます」
「参加と討議が行われる場を守れるかどうかが、民主主義を維持できるかどうかの鍵になります」
■公職選挙法 専門家 “時代に合った改革必要”
公職選挙法に詳しい日本大学法学部の安野修右専任講師は、今の法律の規定は紳士的に選挙運動を行うことを前提にしていて時代に合った改革が必要だと指摘しています。
安野専任講師は、候補者が他の候補者の街頭演説の場に出向いて大音量で発言する行為について、次のように指摘します。
「どこまでが表現の自由でどこまで選挙妨害かは個々の事例によって判断するしかなく、その線引きは本当に難しい」
「ただ、これまでも偶然、演説場所が被ることはあったが、故意にやるケースが出てきた」
選挙の自由を妨害する行為について罰則を定めた公職選挙法の規定については、
「暴行や傷害などはそもそも犯罪行為だが、それを選挙に関して行った場合更に厳しい罰則を科すものと理解できる」
「一方、演説が被っているからといって直ちに排除をすることは取り締まり機関もなかなかできない」
その上で、公職選挙法のあり方についてこう話していました。
「紳士的に選挙運動をやっていくという、公職選挙法の前提そのものが、現実的にかなり難しくなっている」
「取り締まりを強化しても、この法律を運用している限り同様の行為は恐らく起こり続けると思うので、様々な法規を再点検し、時代に合うような抜本的な改革が必要だ」
■ネット選挙 専門家 “背景に選挙活動の変化”
議会のデジタル化や選挙に詳しい東北大学大学院の河村和徳准教授は、“選挙妨害”を巡り議論になっている背景にインターネットを通じた選挙活動の変化を挙げています。
河村准教授は
「2013年にネット選挙が解禁された時にはホームページやSNSへの投稿が中心だったが近年は動画が容易に配信できるようになった」
といいます。
そして
「インターネット選挙に反応しやすい都市部の選挙では、過剰や過激な発言など、他者と差別化したいために強めの言葉を使って動画に撮って拡散させるスタイルが強くなる」
と指摘しています。
一方で、表現の自由の観点から活動の線引きは難しいとした上で、次のように話していました。
・河村和徳准教授
「ネット選挙の解禁から10年以上経って見直す時期に来ていると思う」
「どうすればより良いことができるのか、誹謗中傷を含めて監視できるのか」
「本格的に考えなければならない」
「プラットフォームに対しても選挙の動画の視聴回数を収益に還元させないなどの取り組みが必要だ」
■「選挙の自由妨害罪」とは?
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、選挙運動の在り方などについて一定の制限を設けています。
このうち、候補者への暴行や演説の妨害行為などについては、公職選挙法225条で
「選挙の自由妨害罪」
が定められていて、違反すると、4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
公職選挙法225条
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき
総務省選挙課によりますと、具体的にどのような行為に違法性があるのかについては、個別のケースごとに警察が対応していくということです。
1954(昭和29)年の大阪高等裁判所の判例では、聴衆が内容を聞き取り難くなるほど執ように発言や質問を行い、一時、演説を中止せざるを得なくした行為について選挙妨害に当たると判断しています。
候補者の場合、選挙違反で有罪が確定すると、当選が無効になり、選挙に立候補する権利が停止されることもあります。

選挙妨害をしているのは、
「つばさの党」
新人、根本良輔(29)らだ。

★つばさの党
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%95%E3%81%AE%E5%85%9A#%E5%85%9A%E5%8B%A2
つばさの党は、日本の政治団体。
2020年12月31日までの党名はオリーブの木(オリーブのき)。
■党史
「オリーブの木」時代は、反安倍政権・既存の対米政策反対の立場で、既存野党に対して選挙における「政治団体」の単一化・合流を呼掛けた連合政治団体である。
後述のように反安倍政権反米派の中でも左派系と非反ワクチン系右派が離脱し、反ワクチン系反安倍反米右派の政党と化した。
更に2021年8月以降に、ノーマスク選挙運動で黒川党首の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後対応を巡って、残存の中で彼が
「売名のために反ワクチン活動を利用した」
と見なすか否かで内紛が起きた。
■街頭演説・デモ活動
2024年、東京15区補選に党幹事長の根本良輔を擁立した。
根本は選挙期間中に他党の選挙演説への乱入、他党候補支援者への暴行など妨害活動を行なったことが報道されている。
黒川・根本派らは立候補者の演説に乗り込んで大声を出して選挙妨害し、その様子をSNSでリアルタイム配信するスタイルを取っている。
他の候補者の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子をリアルタイムで配信するスタイルを取っている。
「つばさの党」
の根本良輔幹事長は、
「最近、中国人が凄く増えているわけですが、彼らがいつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったら日本にいる中国人がいつ攻撃してくるか分からない」
「それを後押ししているのが山口那津男(公明党代表)であり創価学会です」
などと演説した。
また、ラップグループ
「韻暴論者(いんぼうろんじゃ)」
は各種の陰謀論を含んだラップを披露した。
この抗議活動に、西東京市議選で黒川の応援演説を受けた長井秀和も参加を表明していたが、参加を見送った。
■党員
幹事長の根本良輔(中星一番)は、芝浦工大卒。
東大大学院中退、元AV男優、ナンパ師、ナンパ術「中星マインド」の情報商材の販売や情報配信を行う。
つばさの党から2021年7月の都議選に出馬して落選し、2021年11月の葛飾区議選では次点で落選した。
選挙活動ではコロナワクチンの危険性を強調し、少子化対策としてAV規制、医療政策として筋トレで免疫力を上げることなどを訴えた。
Twitterでは自然派育児アカウントを運営し、子供に対する全てのワクチンやマスクに反対している。
2023年1月15日、信濃町の公明党本部前で行った街宣活動では、在日中国人について
「いつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったらいつ攻撃してくるか分からない」
などと演説した。

★根本良輔
https://www.bing.com/images/search?q=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&qpvt=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&form=IGRE&first=1

他陣営の演説に横付けして大音量、「選挙妨害」批判相次ぐ 衆院3補選28日投開票
2024/4/27 19:47
https://www.sankei.com/article/20240427-4X6TJRZJWZJXNO255SZA4DEUV4/
衆院3補選が2024年4月28日、投開票される。
公選法違反事件で前職が辞職したのに伴う東京15区では、諸派新人陣営が遊説中の他陣営の横で大音量で演説するなどし、
「選挙妨害に当たる」
との批判が飛び交った。
警視庁は一部行為に同法違反(選挙の自由妨害)の疑いがあるとして警告を出したものの、同様の行為は選挙戦を通じて続いた。
諸派新人側は
「法律内の選挙活動だ」
と主張しており、選挙活動の在り方が問われる事態となっている。
選挙戦最終日の2024年4月27日午前10時、東京都江東区内で街頭演説の準備をしていた他候補の場所を奪う形で演説を始めた諸派新人陣営。
過激な言葉で他の候補者を名指しする場面もあった。
午後3時、国会議員らが応援に駆け付けた無所属新人陣営の街頭演説では多くの警察官が警戒に当たり、周囲に幾重にも柵が設置されるなど最後まで緊張感が漂った。
異様な光景は告示前から始まった。
諸派新人陣営が無所属新人の選挙カーに近づき、相手の声を遮るように
「答えろよ」
「おい」
などと大音量でまくし立てた。
2024年4月16日の告示日も同じ無所属新人の演説中、横付けした選挙カーから大音量の主張。
無所属新人側の声がしばしばかき消された。
各陣営などへの取材によると、この諸派新人陣営の行為として、
▽他陣営の選挙事務所前で大音量で演説する
▽他陣営の選挙カーを追い回す
▽無所属新人を支援する政治家の自宅付近(東京15区外)で街頭活動する
などがあったとされる。
「こんなことは想定していなかった」。
ある新人を支援する国政政党幹部はこう語る。
公選法の規定の他、選挙戦は陣営同士の〝信義則〟で成立してきた。
▽他陣営の遊説の邪魔にならないようにする
▽遊説場所が重なりそうな場合は調整を行う
▽選挙カーがすれ違う際には音量を下げたり、エールを送りあったりする
といったものだ。
一連の行為は、他陣営の選挙活動の萎縮に繋がった。
遊説日程などを交流サイト(SNS)などで拡散することが重視される中、
「妨害の対象になる」
として、多くの陣営はSNSでの予定公開を控えた。
また、演説会場に大量の警察官が投入されたことで、重苦しい雰囲気に包まれた。
一方、批判対象の諸派新人陣営は
「選挙妨害には当たらない」
「法律で認められた範囲内で活動している」
と主張。
「他の候補者に聞きたいことがあるから直接問いかけている」
「答えてくれれば終えている」
としている。
問題は国会にも波及した。
岸田文雄首相は2024年4月22日の衆院予算委員会で、一般論としつつ
「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党会派で議論するべき課題だと認識している」
とした。
拓殖大政経学部の岡田陽介准教授は
「街頭演説は候補者と有権者が直接触れ合える場で、重要な選挙活動だ」
「偶然通りかかって足を止める場合も想定され、選挙啓発に繋がってきた」
「今回の手法はその機会を奪うことに繋がり、更なる選挙離れを招きかねない」
と危惧。
一方、現行の公選法での規制には限界があるとして
「法改正を求める声が出ており、実害があれば何らかの対策が必要だろう」
「一方で特定の存在を排除することは民主主義に反する」
「政治家や有権者が望ましい選挙の在り方を考えることも必要だ」
としている。
■衆院補選立候補者(届け出順)
▽東京15区 (9人)
福永活也43 弁護士 諸 新
乙武洋匡48 作家 無 新 【国】
吉川里奈36 看護師 参 新
秋元司52 元環境副大臣 無 元
金沢結衣33 元食品会社員 維 新 【教】
根本良輔29 IT会社経営 諸 新
酒井菜摘37 元区議 立 新
飯山陽48 大学客員教授 諸 新
須藤元気46 前参院議員 無 新
▽島根1区 (2人)
錦織功政55 元財務省職員 自 新 【公】
亀井亜紀子58 党県代表 立 元
▽長崎3区 (2人)
山田勝彦44 党県副代表 立 前 【社】
井上翔一朗40 学習塾経営 維 新 【教】

東京15区補選、トラブル避けて各陣営が苦肉の「ゲリラ街宣」 大半はフェアプレーも
2024/4/22 17:23
https://www.sankei.com/article/20240422-FAJLOKD5YBDBXGAPINO3VPP2SU/
東京都江東区で繰り広げられている衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)の選挙戦では、各陣営がSNSなどで遊説日程の事前告知を控える傾向にある。
告知すれば一部陣営が押し掛けて大声で候補者に〝質問〟を浴びせるなど、円滑な選挙活動が妨げられる恐れがあるためだ。
同補選を巡っては、演説会場で陣営関係者が暴行され逮捕者が出る事件も起きているが、大半の候補は選挙カーが別の候補者の演説会場近くを通り過ぎる際は音声を控えるなど、フェアプレーに徹している。
■「なにビビってんだよ」
「出てこいよー。おーい。居るんだろ。議論しよーぜ。なにビビってんだよ」
2024年4月20日午後7時前、東京メトロ門前仲町駅近くの商店街。
同補選に新人の飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の選挙事務所前で、政治団体
「つばさの党」
新人、根本良輔氏(29)らが声を張り上げていた。
日本保守党の百田尚樹代表らとの議論を求めているという。
周囲は日本保守党の支援者とみられる数十人が囲んでいる。
根本氏は支援者らにも矛先を向けた。
「保守党信者の皆さんがお願いしてくださいよ」
「こんな奴ら論破してくださいと」
「本当に応援しているんだったら、言えよ」
根本氏は選挙を通じて他陣営の政策の矛盾やスキャンダルの有無を徹底的に明らかにしたい思惑があるようだが、大声が飛び交う異様な光景に通行人らはぎょっとした表情を浮かべていた。
根本氏は告示された2024年4月16日に無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=が行った演説会場に押し掛けるなど、ほとんど全ての候補者の前に現れて大声を上げている。
立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)が同日、東京メトロ清澄白河駅近くの交差点で実施を告知していた街頭演説は行われなかった。
駅前でビラを配っていた国民民主党関係者は
「根本氏が現場にやってきたので、急遽取りやめたようだ」
と語った。
■空手有段者に元警察官
こうした事態を受け、各陣営はSNSで街頭活動の告知を取りやめるなど、選挙活動の修正を余儀なくされている。
どの候補者も選挙期間中には1人でも多くの聴衆に政策や人柄を知ってもらいたいはずで、苦肉の策と言える。
通常、国政選挙の候補に警備は付かないが、警察も対応に乗り出している。
日本保守党の事務所前には2024年4月21日、警察車両が待機していた。
妨害活動に対する警備のためだという。
事務所のドアには
「アンチが皆さんへのアピール目当てに寄ってきますので事務所前の滞留はご遠慮ください」
と書かれた紙が貼られていた。
参政党新人、吉川里奈氏(36)の陣営は空手の有段者や元警察官のスタッフが胸元に
「警護」
と書いたマークを付けているという。
陣営関係者は、警備係が待機していることを聴衆に知らせ、安心感を与える狙いがあると説明する。
2024年4月21日夕にはある陣営の演説会場で酔っ払いとみられる通行人が
「政治には金がかかるんだよ」
と叫び、止めに入った陣営関係者を押し倒す場面もあった。
■選挙が終わっても暮らしは続く
一方で多くの陣営は、互いの選挙活動に敬意を払った行動を心がけている。
2024年4月21日夕、日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=が門前仲町駅前の交差点で行った演説会。
参政党の選挙カーが吉川氏への支援をマイクで訴えながら近付いて来ると、維新の演説に気が付いたようで、交差点の数十メートル前で音を消した。
維新の陣営スタッフも参政党の選挙カーに近付いて頭を下げていた。
立憲民主党の選挙カーも同駅近くで演説していた無所属元職の秋元司氏(52)が通り過ぎる際、マイクで
「失礼しました」
と発言し、音声を切っていた。
同駅近くの交差点でビラを配っていた候補者は地面に拡声器を置いたままだった。
理由は約50メートル先で別の候補が選挙活動を行っているからだという。
この候補は周囲に
「選挙には互いの演説機会を確保する紳士協定がある」
と述べ、
「選挙が終わっても自分たちはこの町で暮らしていく」
「暴れて住民に迷惑を掛けることなんて考えられない」
と語った。
無所属新人の須藤元気氏(46)は告示前から他の候補の迷惑になりかねない行動はやめようと陣営で意思統一していたという。
このため、辻立ちなどを予定していた場所で他の候補が選挙活動を行っていた場合、中止することは当然、選挙カーのマイクの音量も須藤氏の指示で低めに設定している。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)も出馬している。

東京15区補選注目の「選挙妨害」に苦しんだ安倍氏 ヤジ排除は「表現の自由侵害」判決も
2024/4/23 16:42
https://www.sankei.com/article/20240423-QFEAQSVJ3NE5BOXRNG3NMD7YC4/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で、他の候補者が演説する会場などに諸派新人の根本良輔氏(29)が押し掛けて大声を挙げるといった行為を巡り、
「選挙が成り立たない」(日本維新の会陣営)
と与野党が問題視する事態になっている。
近年の選挙を振り返ると執拗なヤジや罵声など妨害行為に悩まされ続けたのが安倍晋三元首相だった。
■岸田首相も問題視
「政策を訴えるのではなく、とにかく候補者の演説を大音量で妨害、威嚇、恫喝する行為が続いている」
「演説を聞く有権者の権利を奪うことになる」
「首相の演説でもこんなことがあってはならない」
国民民主党の田中健衆院議員は2024年4月22日の衆院予算委員会で、衆院東京15区で妨害行為が問題となっているとして、こう訴えた。
田中氏は
「妨害行為をユーチューブやSNSで拡散して炎上させて、大きな利益としている」
とも指摘した。
岸田文雄首相も
「問題意識を共有する」
と述べ、対策を立てる必要性に言及した。
近年選挙活動に対する妨害活動は過激化する傾向にある。
■「こんな人たち」に負けない
平成29年7月1日、東京都議選を巡りJR秋葉原駅前で行われた自民党の最終演説会場には、安倍政権に批判的なプラカードなどを掲げた人々も集まって巨大な横断幕を掲げた。
安倍氏が登壇すると
「帰れ」
コールが始まり、演説の声をかき消すようにトーンをあげていく。
「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」
安倍氏は
「あのように主張を訴える場所に来て、演説の邪魔をするような行為を私たち自民党は絶対にしない」
と演説し、
「相手を誹謗中傷しても何も生まれない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
「都政を任せるわけにはいかない」
と声を張った。
当時自民党は選挙妨害を警戒し、都議選に関して計4回行った安倍氏の演説で、3回は会場の統制が比較的効きやすい小学校体育館を選んだ。
街頭の会場は秋葉原の1回だった。
この安倍氏の演説は
「異論に不寛容で批判を敵視する姿勢」(朝日新聞)
などと報じられた。
■警察官の行為は「妥当」認定
令和元年7月の参院選。
自民党は演説を妨害する人々への対策で、安倍氏の遊説日程の公表を控える傾向にあった。
それでも最終日の秋葉原での演説会場には
「安倍ヤメロ」
と大書された横断幕を掲げて騒ぐ集団がまたしても現れた。
「安倍ヤメロ」
と騒ぎ出し、警察官が止めに入ると
「暴力反対」
コールが起きた。
「表現の自由を守れ」
といった叫び声もあった。
また、札幌市で行った街頭演説では
「安倍ヤメロ」
とヤジを飛ばした聴衆が北海道警の警察官によって現場から引き離された。
当時、警察の行為は問題視された。
旧国民民主党の玉木雄一郎代表は
「文句を言う人を権力を使って排除することが当たり前になれば怖くて声を上げられなくなる」
と批判した。
警察官らに後方に移動させられた男女2人は、その後、道に慰謝料など損害賠償を求め、訴訟を起こした。
札幌地裁は令和4年3月、判決で排除行為は憲法で保障される表現の自由を侵害したと指摘し、排除の違法性を認め、道に賠償を命じた。
札幌高裁は男性が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定。
1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
原告の男性は判決を不服として上告している。
■2度の襲撃事件が発生
令和4年7月8日、安倍氏は奈良市で参院選の応援演説中、山上徹也被告=殺人罪などで起訴=に銃撃され、死去した。
一方、山上被告は公職選挙法違反罪での起訴が見送られた。
選挙妨害の意図の立証が困難と判断されたとみられる。
令和5年4月、岸田首相も和歌山市で衆院補選の応援に駆け付けた際、木村隆二被告=殺人未遂罪などで起訴=に襲撃された。
木村被告は不特定多数への被害が想定されるパイプ爆弾を使ったことから選挙妨害の意図が推認できると判断され、公選法違反罪でも起訴されている。
平成29年10月の衆院選を巡って、安倍氏が立候補した山口4区では一部候補がツイッター(当時)にこう投稿し、波紋を広げた。
「1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう! 盛り上がれば本当に安倍のクビが取れます!」
自民党総裁として全国を駆け回る安倍氏に代わって、地元・山口で安倍氏への投票を呼び掛けるのが妻、昭恵氏。
安倍氏の陣営は昭恵氏に危険が及びかねないとして警察に警備を相談する事態となった。
このツイッターを投稿した政治団体代表、黒川敦彦氏は加計学園の獣医学部開設を問題視し、山口4区に出馬した。
安倍氏との合同演説会の開催も要請した。
黒川氏は今回、衆院東京15区補選に出馬した根本氏の陣営に加わっている。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の吉川里奈氏(36)▽無所属元職の秋元司氏(52)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。

選挙妨害と「こんな人たち」
阿比留瑠比の極言御免
2024/4/25 1:00
https://www.sankei.com/article/20240425-YSEBWF3T35P6NLUP2V35ADC4D4/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙戦では、特定の候補者が他の候補者の演説場所で大声を上げるなどの妨害行為を繰り返し、街頭演説の事前告知ができない異常事態が生じている。
有権者にとっては、候補者の主張に耳を傾ける機会を奪われることになり、民主主義の根幹を揺るがす大問題だとも言える。
だが、
「こんな事態」
を招いたのは誰か。
安倍晋三元首相の演説を組織的、継続的に妨害していた集団を
「表現の自由だ」
と無理やり庇い、正当化し、逆に彼らを
「こんな人たち」
と呼んだ安倍氏を一方的に批判してきたマスコミや野党だったのではないか。
■安倍氏につきまとい
安倍氏は平成29(2017)年7月の東京都議選の街頭演説で、毎回のように演説会場に来ては
「安倍辞めろ」
と連呼する同じ顔ぶれの集団について訴えた。
「あのように人の主張の訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしない」
「私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたい」
「憎悪からは何も生まれない」
「相手を誹謗中傷したって、何も生まれない」
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」
何もおかしな事は言っていない。
力ずくで演説を妨げようとするヘイト的な言動には負けずに、政策を説いていくと主張しているだけではないか。
ところが、朝日新聞などは
「こんな人たち」
と述べた部分を切り取り、以後、何年経っても延々と安倍氏の批判を続けていく。
例えば令和元(2019)年7月の社説では
「自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された」
と記し、令和3(2021)年3月の記事ではこう強調した。
「自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は『友と敵』を分ける安倍首相の政治手法の象徴と受け止められた」
とはいえ、執拗に
「安倍辞めろ」
と叫び続けた連中はそもそも
「聴衆」
とは言えないし、
「受け止められた」
のではなく朝日新聞がそう決め付けただけだろう。
朝日新聞は、安倍氏が暗殺された1年後、令和5(2023)年7月8日の社説でも安倍氏批判を続けた。
「『こんな人たち』『悪夢のような民主党政権』」
「敵対を煽り、そこから権力行為のエネルギーを汲み上げる手法である」
安倍氏の演説の言葉からは、そんな意図は汲み取れない。
むしろ朝日新聞が、安倍氏の死去後も安倍氏への反感や憎悪を煽り続けていることが窺える。
■警察の委縮
安倍氏の街頭演説を巡っては令和元(2019)年7月、東京都中野区でこんな事もあった。
「安倍辞めろ」
などと騒いでいた集団がうるさく、演説が聞こえないのである女性が集団に注意し、その場にいた警官にも対処を要請した。
ところが双方が聞き入れないので実態を記録しようと集団にスマートフォンを向けて撮影しようとしたところ、集団がスマホを取り上げ、地面に叩き付けて破壊したのである。
後に警察は女性にこう釈明した。
「注意すると人権問題だとか差別だとか言われるから」
「強力には排除できない」
演説を妨害する暴力をマスコミや野党、裁判所が擁護してきた結果、警察が委縮し、取り締まるべき行為を目こぼしする。
野党も矛先が安倍氏や自民党に向いている間は、人権派ぶって彼らを排除するのはおかしいと擁護する。
その行き着いた先が、安倍氏が街頭演説中に凶弾に倒れるという悲劇だったのではないか。
「こんな人たち」
は、厳しく排除して当然である。

東京15区補選で波紋広げる選挙妨害 公選法改正の動きも 告示後、公然と行為は異例
2024/4/25 18:54
https://www.sankei.com/article/20240425-5GR7WOENBZGOTIKXMQA7GWZTRM/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で一部の陣営が他候補の演説会場に駆け付け、大きな声で政策やスキャンダルについて〝質問〟する行為を繰り返し、円滑な選挙活動が妨害されている。
こうした動きを受け、与野党からは公職選挙法を改正し、妨害への規制強化を検討するよう求める声も出始めた。
■活動中止するスタッフも
「まだまだ妨害行為は止まらない」
「何らかの法規制が必要ではないか」
日本維新の会の若手議員は、こう問題意識を投げかける。
同区補選には維新の候補も出馬しており、一部の陣営は維新が成功を目指す2025年大阪・関西万博の開催の是非などについて維新陣営に執拗に質問を浴びせている。
選挙会場は罵声とも取れる大声が飛び交う事態となっている。
若手議員は
「暴行罪で訴えられるレベルで、少なくとも威力業務妨害罪には該当するのではないか」
と語る。
実際、ある陣営のボランティアスタッフの女性は妨害活動に直面し、恐怖のため選挙活動が継続できなくなったという。
維新や国民民主党からは、公選法の選挙の自由妨害罪の適用がしやすくなるような法改正や罰則の強化などの検討を求める声が上がっている。
■多くの議員が類似の被害経験
選挙ポスターを剝がされるといった妨害は、過去に多くの与野党議員が被害に遭っている。
自民のベテラン議員は
「街頭演説中に
『お前の演説など聞きたくないんだ』
と怒鳴られた」
と振り返った。
別の自民の若手議員は、東京電力福島第1原発事故を巡って街頭演説中に批判されたという。
「『お前ら自民党が原発政策を進めたんだろう』
と怒鳴られ、持っていたのぼり旗を蹴られ、地面に転がった旗も再び蹴られた」
と語る。
令和4年7月に死去した安倍晋三元首相も街頭演説中、
「安倍辞めろ」
などと連呼する集団に妨害された。
一方、選挙が告示された後の妨害行為は、これまで今回のように公然と行われるケースは少なかった。
立憲民主党の辻元清美参院議員の場合は、演説の際に辻元氏のマイクが奪われ、事務所関係者が暴行されたことがあった。
刃物が事務所に届けられた経験もあるというが、こうした嫌がらせは選挙の告示前だったという。
立民関係者は
「選挙が始まってから辻元氏に対する妨害は記憶にない」
「告示後に妨害すれば捕まる可能性が高まるからだろう」
「今回の東京15区の件は確信的な行為だと言える」
と語る。
■玉木氏は妨害候補と対話
東京15区補欠選挙を巡っては、国民民主の玉木雄一郎代表が2024年4月23日、同党が推薦する候補の応援に駆け付けた際も、一部陣営の候補が駆け付け、玉木氏に向かっていった。
国民民主の関係者は候補を制しながら、
「あなたにも選挙の自由がある」
「こちらにも選挙の自由がある」
と訴え続けたが、候補は目を合わそうとしなかったという。
この関係者は産経新聞の取材に
「(一部陣営が)『選挙妨害ではない』と言っても、選挙の自由と自由が衝突すれば、残るのは妨害行為だ」
「有権者が見ている前で恥ずかしくないのか」
と憤った。
一方、玉木氏は一部陣営が求める〝質問〟に約20分応じていた。
一部陣営の候補も玉木氏の姿勢に満足したのか、玉木氏にグーサインを向けてその場を去っていった。
国民民主の伊藤孝恵参院議員も2024年4月25日、東京15区補選で応援に駆け付けた際、一部陣営に遭遇した。
伊藤氏はその様子についてX(旧ツイッター)にこう書き込んだ。
「質問に答えろよ! 質問に答えたら静かにしてやるよ! と絶叫されていたので、私が答えます!と名刺を渡したら
『なんだ国民民主か、国民民主は昨日“たまちゃん”(=玉木氏)に答えてもらったからもう用はない』
と言われました」

選挙妨害、処罰の可能性 総務相「妨害はあってはならない」適切な運動求める
2024/4/23 17:03
https://www.sankei.com/article/20240423-QDT3T7KMMZPZ5BJDFTOSIJD6SU/
松本剛明総務相は2024年4月23日の記者会見で、2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、候補者が街頭活動中に妨害を受けているとの指摘に関し、公選法の自由妨害罪や刑法の暴行罪などの処罰対象になり得ると述べた。
選挙運動の関係者に対し
「妨害はあってはならない」
「法を犯すことなく公正、適切に選挙運動を展開して頂きたい」
と求めた。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は2024年4月23日、自由妨害罪の罰則強化などの公選法改正案について、今国会提出を目指す考えを記者団に明らかにした。
「選挙妨害は許さないとの強い意思を示すべきだ」
「各会派の協力を仰ぎたい」
と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で罰則強化の改正が必要との認識を示した。
東京15区補選では、街頭演説会で陣営関係者とみられる男性を突き飛ばしたとして逮捕者が出ている。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/455.html#c40

[政治・選挙・NHK294] 小池都知事「早期出馬表明」は3選への焦りそのもの SNSでは「#小池百合子落選運動」勃発!(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
34. 秘密のアッコちゃん[358] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月28日 17:21:28 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[471]
<■3010行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日本保守党初陣の舞台裏を明かす
Hanada2024年7月号
日本保守党代表 百田尚樹
日本保守党事務総長 有本香
(前略)
■小池はアメリカ大統領か!
★百田
創価学会の女性部が、乙武さんの女性問題に嫌悪感を示して投票しなかったと言われていますね。
しかし、小池さんと言えば、最終盤に入った日の動画をネットで見たんですが、まあ凄まじかった。
とんでもない数の警察官、SPを動員しての厳重警戒!
3車線の道路を何百メートルにも渡って警視庁がバリケードで封鎖する等、
「アメリカ大統領か!」
というぐらいの警備でした。
我が党だけでなく、維新の会も立憲民主党も参政党も
「選挙妨害」
を受け警察に何とかしてくれとお願いしても見て見ぬ振りに近い対応でした。
そんな無法地帯の中、乙武さん陣営だけは言わば特別扱いでした。
小池さんが警視総監に
「何とかして」
と頼んだとか。
★有本
今回の選挙戦で、私たちも大きく目算を狂わされたのが、あの
「妨害」
ですね。
選挙戦の後半、告知しての街宣ができなくなったばかりか、我が党ならではの多士済々の応援弁士をお願いする予定だったのですが、断念せざるを得ませんでした。
警備についてですが、もちろんSPなど要人警護の対象ではあります。
しかし、まさにアメリカ大統領でも来るのかという異常なまでの厳重警備に、違和感を覚えた地元住民の方も多かったと思います。
この様子を見て、都議会議員の上田令子さんがXにこう投稿しています。
「都知事ならば、自分と乙武氏だけではなく全ての候補者の安全を守るべき 可哀そうなのはアテクシだけでいい」
まさにその通りで、警視庁を指揮する立場にある都知事ならば、全陣営に対して警備を要請すべきところを、自分の関係する陣営だけ厚く警護してもらうというのは如何なものかと思います。
自分ファーストを超えて、自分オンリーですからね。
■安倍総理の地元でも被害に
★百田
今回は一部を除く大半の陣営が被害を受け、予定していた街宣活動ができませんでした。
このことが選挙戦に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。
特に、組織票のない日本保守党は街宣活動が東京15区の人たちに直接訴えかけることのできる最大の手段でした。
しかも9人の候補者の中で、我々が最も聴衆を集めていた。
言わば唯一のアドバンテージを奪われてしまったことは、大変な痛手でした。
★有本
今回のような酷い妨害が罷り通ってしまうのは、民主主義の危機です。
公職選挙法の明らかな欠陥であり、早急に法改正が求められます。
ただ、この件に関して私自身、迂闊だったことがあります。
それは、2017年秋に行われた衆議院選挙の時に、同じような妨害活動を目の当たりにしていたのを忘れてしまっていたことです。
前年の2016年に東京都知事に当選した小池さんは、2017年に希望の党を立ち上げ、人気を博していました。
選挙で自民党は大幅に議席を減らすのではないかと見られていた時です。
★百田
あの時は、朝日新聞をはじめメディアが連日のように
「モリカケ報道」
で安倍政権叩きを行っていました。
その結果、安倍政権の支持率は下落していた。
結果的に、小池さんの
「排除宣言」
によって希望の党は失速しましたが、一歩間違えば安倍政権は総選挙に敗北して退陣の危機すらあった。
★有本
まさにあの時の総選挙で、私は安倍さんの地元、山口4区に行きました。
もちろん、安倍さんは現職の総理ですから自身の地元に入ってはおらず、昭恵夫人と支援者の方が選挙戦を闘っておられました。
その最中、安倍陣営の選挙カーを尾け回し、個人演説会の会場付近で拡声器を使い、安倍陣営の演説が聞こえないほどの大音量で
「アベの友達を優遇する政治は許せん!」
などと叫んでいたのが、今回の”つばさの党”の黒川敦彦氏です。
あの時も、黒川氏は山口4区から立候補していました。
★百田
7年前(2017年)から、今回と同じような活動を行っていたのですね。
■山本太郎と繋がっていた
★有本
そして、その時(2017年秋に行われた衆議院選挙)、黒川氏と行動を共にしていたのが、れいわ新選組の山本太郎氏です。
産経新聞が当時のことをこう報じています。

首相夫人を「囲め」 ツイッターに非常識な書き込み、荒れる山口4区
2017/10/13 11:40
https://www.sankei.com/article/20171013-ZEGCSJCOHRIEBAO4BFGEYC4ZFM/
<安倍晋三首相(自民党総裁)のおひざ元、山口4区の選挙が、荒れている>
<安倍氏をはじめ5人が立候補したが、一部候補によるネットへの非常識な書き込みなど、安倍首相の落選運動の様相を呈している>
<「10月10日のボランティア急募 初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」>
<公示前の7日、無所属新人の政治団体代表、黒川敦彦氏(39)は、ツイッターにこう書き込んだ>
<黒川氏は、加計学園の獣医学部開設を問題視し、同区からの出馬を決めた>
<安倍氏の陣営は、首相夫人の昭恵氏に危険が及びかねないと心配し、警察に警備について相談した>
<その黒川氏は公示日、安倍首相の出陣式の会場に、参院議員の山本太郎氏(42)とともに姿を見せた>
<黒川氏らは、昭恵氏に近寄ると、「申入書」と題した紙を手渡した>
<安倍首相との合同演説会の開催を要請したものだという>
<この様子を山本氏は、ネット中継した>
<集まった報道陣も黒川氏らに群がった>
<安倍首相の後援会幹部は「実質的な妨害だ」と憤った>

★百田
2017年当時、山本太郎氏と黒川氏は繋がっていわわけですか。
そう言えば、今回の東京15区補選では、山本太郎氏が応援した須藤元気氏に対してだけは、妨害活動が行われませんでした。
少し見えてきましたね。
選挙活動を通常通り行うことのできた須藤氏は、事前予測を大きく上回る2位と大健闘しました。
★有本
無所属の須藤氏が今後どのような政治活動をするのかは分かりませんが、山本太郎氏の応援を得たことを見れば、れいわ新選組と密接な関係を築く可能性はありますね。
(後略)

憲法21条は、選挙演説に対するヤジを保障などしていない。
表現の自由であっても、公共の福祉に反する場合は許されない。
つばさの党などの活動家がやっている行動は、【国民の聴く権利・知る権利】や【候補者が演説で行う言論の自由】を妨害して【公共の福祉】を侵害する公職選挙法225条「選挙の自由妨害罪」に当たる【犯罪行為】だ。
法治国家においては絶対に許されないし、許すべきではない。

前代未聞 選挙妨害を擁護 裁判官と朝日が日本を滅ぼす!
”民主主義の敵”と化した高学歴エリートたちの「驕り」と「自惚れ」
WiLL2027年7月号
作家・ジャーナリスト 門田隆将
政治学者 岩田温
■前代未聞の選挙妨害
★門田
民主主義が危機に晒されています。
衆院補選では、前代未聞の事態が起こりました。
東京15区における”選挙妨害”です。
政治団体「つばさの党」の黒川敦彦代表と根本良輔氏が、他候補の街頭演説を妨害する卑劣な行為を繰り返した。
根本氏は自らの手法を”カーチェイス街宣”と称している。
★岩田
「つばさの党」は他候補の選挙カーを追い回した挙げ句、演説会場ではスピーカーを用いて大声でがなり立てていた。
醜悪な光景です。
選挙においては、たとえ主張や立場が異なっていても互いに健闘を祈るものです。
選挙カーがすれ違ったら、本当は思っていなくても
「頑張りましょう!」
と声を掛ける慣習があります。
法律やルールでは定められていない紳士協定=暗黙の了解ですが、「つばさの党」はそれを破った。
超えてはならない一線を越えてしまった。
★門田
2017年の東京都議選の選挙妨害が始まりです。
投開票の前日、当時の安倍総理は秋葉原駅前で最後の演説に臨んだ。
その時、左翼活動家らが1時間以上に渡り
「安倍やめろ!」
「帰れ! 帰れ!」
と連呼。
演説を聴きに集まった有権者は全く演説を聴けなくなった。
安倍氏は活動家らに向かって、
「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
と反論した。
★岩田
朝日新聞などのマスコミは、安倍元総理の
「こんな人たち」
という部分だけを切り取って批判し続けた。
<異論に不寛容で、批判を敵視する姿勢は安倍政権の特徴の1つだった>
<自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された>
<自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は「友と敵」を分ける安倍首相の政治手法の象徴>
選挙妨害を擁護した朝日新聞は”民主主義の敵”に他ならない。
■裁判官が日本を滅ぼす
★門田
マスコミと共に、民主主義破壊の元凶となったのが札幌”ヤジ連呼”訴訟です。
2019年の参院選前、安倍元総理が札幌で演説していました。
その時、
「安倍辞めろ!安倍辞めろ!」
などと大声でヤジを連呼していた活動家を北海道警が排除。
彼らは”表現の自由”を侵害されたとして、北海道に損害倍書を求めた。
札幌地裁では道警側が全面敗訴しました(2022年3月)。
裁判長は廣瀬孝氏(現・東京高裁判事)です。
★岩田
札幌高裁は男性の訴えは退けましたが、道警による女性の排除は違法と判断している(2023年6月)。
”表現の自由”を守ることは重要ですが、あくまで常識の範囲内という注釈が付く。
有権者の”聴く権利”を侵害してまで認められるものではない。
狂っています。
★門田
選挙というのは民主主義の根幹です。
有権者は政治家の演説に耳を傾け、投票の判断材料にする。
活動家がやっていることは、国民の”聴く権利”を侵害しているだけでなく、民主主義の根幹をも揺るがす犯罪なのです。
裁判官が守るべきは社会の「安全」と「秩序」と「正義」なのに、廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)は真逆の事をした。
つまり、国家や秩序を崩壊させる側を助ける
「左翼裁判官」
なのです。
愚かな判決を下した廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)に尋ねてみたい。
「あなたは一体、何をするために裁判官になったのですか?」
と。
★岩田
警察による”ヤジ排除”が違法という判例が出たことにより、現場の警察官は動きにくくなった。
今回の補選で言えば、警視庁が「つばさの党」を排除したら、東京都が賠償請求されかねない。
訴えられるだけならまだしも、裁判に負ける可能性が高い。
活動家には判例という巨大な後ろ盾がありますから。
■警察幹部は責任を取れ
★門田
公職選挙法には
「選挙の自由妨害罪」
が規定されている(225条)。
「つばさの党」による行動は当然、公選法に違反している。
本来であれば、羽交い絞めにしても排除すべきです。
でも、下手に手を出せば訴訟沙汰になり、負ける可能性もあるのです。
現場の警察官は悔しいでしょうね。
目の前で明らかな”犯罪”が行われているのに、何も出来ないわけですから。
これは、警視総監が
「摘発せよ。オレが責任を取る!」
とだけ言えば済む話です。
しかし、保身だけの警察首脳にそんな勇気があるはずがない。
民主主義が滅びるか滅びないかの瀬戸際にあるのに、
「訴訟になると面倒臭いから手を出すな!」
と現場に命じているわけです。
★岩田
選挙の2週間後、警視庁は「つばさの党」本部などを家宅捜索。
その数日後、代表の黒川氏や根本氏ら3人が逮捕されました。
★門田
秋葉原”安倍辞めろ”事件や札幌”ヤジ連呼”合法判決などの悪しき流れは変わるかもしれない。
とはいえ、警察の動きは遅過ぎる。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので看過できない」
と述べていましたが、今更何を言っているのか。
選挙はとうに終わっている。
”覚悟なき警察幹部”に怒りを覚えます。
★岩田
選挙妨害を放置したままでは、国民が怒りの矛先を「つばさの党」や札幌地裁だけでなく、警察に向けかねない。
警視庁は”選挙妨害は絶対に許すまじ”という世論に突き動かされたのかもしれない。
★門田
警察官僚というのはエリート中のエリート。
東大法学部在学中にキャリア試験に受かり、狭き門を突破した選ばれし者たちです。
繰り返しになりますが、言わせてほしい。
「あなたは一体、何を守るために警察官になったのですか?」
と。
★岩田
常識が失われつつある。
日本ではエリートになればなるほど左傾化が強まり、無責任体質となり、常識を忘れてしまう。
■「暗殺が成功して良かった」
★門田
その延長線上に、安倍元総理の暗殺がある。
安倍元総理の「こんな人たち」発言を叩きまくったメディアと、札幌ヤジ合法判決を出した裁判官【廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁)】。
彼らが安倍元総理暗殺の土壌を作り上げた。
★岩田
安倍政権を批判するためなら”何でもアリ”という空気が醸成されてしまった。
極め付きが山上達也によるテロであり、テロリストを礼賛する風潮に他ならない。
法政大学教授の島田雅彦氏はその典型です。
島田氏は安倍元総理の死を念頭にこう言い放った。
「今まで何ら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えば暗殺が成功して良かった」
自分たちがいくら安倍政権を批判しても、自民党は選挙で勝ち続ける。
積年の鬱憤を晴らすために、暴力という禁断の最終手段に打って出たわけです。
★門田
社会学者の宮台真司氏も暗殺を”世直し”と表現しましたね。
「安倍というのは、ある種の日本の切り口であってね、日本全国どこを切っても安倍の顔なんですよ」
「上を忖度するヒラメ、横をキョロキョロ見るキョロ目の空っぽな人間たちが無様に蠢いている」
「(今回の事件は)機能としては世直しとして機能している」
安倍元総理の国葬儀が執り行われた当日、山上徹也をモデルにした映画が公開されました。
監督を務めたのは足立正生氏。
重信房子が率いた日本赤軍に合流して、手配された経歴もある。
宮台の”世直し”発言は、この映画の試写会で飛び出した。
「気に食わない人間は、殺されても構わない」
という考えは、左翼の本質をよく表している。
全体主義とは、要するに思想の統一です。
それを実現するためには、どんな手段を使ってでも異論を排除しなければなりませんから。
★岩田
レーニン主義者を自称する白井聡氏も、国葬儀に反対する集会でテロを肯定しています。
「暴力でなければ変えられないような状況を私たちが作ってしまった」
「テロが起きる前、我々の日本社会は腐り切り敗北していた」
「国葬は私たちの敗北していた社会を有耶無耶にし、否認することになる」
「許してはならない」
被害者は安倍元総理で、加害者はテロリストの山上徹也。
何があっても、この構図は変わりません。
ところが、マスコミの手にかかれば被害者と加害者が逆転する。
「山上という純朴な青年を苦しめた統一教会、安倍元総理こそが加害者である」
という風に。
マスコミこそが、安倍元総理が殺された原因を作った張本人です。
にもかかわらず、何も反省していない。
★門田
反省するどころか、彼らは”してやったり”とでも思っているでしょうね。
思い出されるのが重信房子が出所した時のことです。
”出所祝い”には、ジャーナリストたちが嬉々として駆け付けました。
TBS「報道特集」メインキャスターだった金平茂紀氏、同じくTBS「サンデーモーニング」コメンテーターの青木理氏らです。
その週の「報道特集」では、重信房子の出所が大々的に報じられました。
金平氏が
「外へ出て一番感じることは?」
と尋ねると、重信は
「政治が一方向に流れている」
と答えた。
”政治の方向”を変えるために、再びテロを起こすつもりなのかー。
嫌な予感がしたものです。
そして、現実のものとなった。
この番組が放送された1か月半後の2022年7月8日、安倍元総理が暗殺されました。
★岩田
維新の会は「つばさの党」騒動を受け、公職選挙法の改正案を示しました。
選挙妨害の具体的な行為として、
「著しく粗野又は乱暴な言動」
などを明記。
演説妨害を
「聴衆が演説を聴取することを困難にする行為」
具体化した。
維新の会は「つばさの党」の被害者でもある。
★門田
維新案に反対したのが社民党の福島瑞穂氏です。
「憲法21条が保障しているヤジとの関連が不明確」
「表現の自由が侵害されるのではないか」
と。
民主主義を破壊したい”革命勢力”の正体をまさに見せましたね。
★岩田
マスコミもその一味です。
連日のように選挙妨害を取り上げますが、ワイドショーではタレントが「つばさの党」を擁護する場面があった。
その一方で、選挙妨害を批判するコメンテーターもいる。
いずれにせよ、マスコミはクズの集まりです。
彼らに論評する資格などありません。

ヤジなどの演説妨害や他の選挙妨害は迷惑行為であり、言語道断の犯罪行為だ。
ちなみに拡声器によるヤジも肉声によるヤジもどちらも犯罪行為だ。
犯罪者にはそれ相応の罰を与えなければならない。
現在の公職選挙法で適正に取り締まれないのであれば、公職選挙法の改正が必要だ。

反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶
Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ
■遂に家宅捜索まで進展
2024年4月28日投票の衆議院補欠選挙東京15区では、9人の候補者が乱立し、開票の結果、酒井菜摘氏(立憲民主党・新)が当選しました。
この東京15区の選挙戦は、社会で大きな話題となりました。
それというのも、つばさの党の公認候補の根本良輔氏と党代表の黒川敦彦氏をはじめとする党員数名が、他候補の遊説場所に連日乗り込んで、演説に重ねて大音量で質問を行うことで、演説の聴き取りを困難にしたからです。
これらの行為の一部始終については、つばさの党自身の手によって動画が撮影され、X・YouTubeといったSNSを通して逐次配信されました。
2024年4月18日に、警視庁は亀戸駅前における乙武陣営の街頭演説中、約50分間に渡って近くで大音量の演説を行った行為や車のクラクションを鳴らした行為などに選挙の自由妨害の疑いがあるとして、根本氏・黒川氏ら3人に対して警告を出し、2024年5月13日、警視庁はつばさの党を家宅捜索するに至りました(その後、2024年5月18日、幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)が他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕された)。
一連のつばさの党の党の行為について、他候補やその陣営はもとより、多くのメディアも
「選挙妨害だ」
と訴えました。
NHKは、開票後の2024年4月30日に他候補の声を報じています。

★酒井菜摘氏
危険を感じるような場面もあり、本当に怖かった。
演説の日時を公表できず、区民に届けられなかったことが申し訳ない。
★乙武洋匡氏
各候補の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは、非常に残念で許し難い。
今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら、何らかの法改正をしていくべきだ。

乙武候補の応援に駆け付けた小池百合子東京都知事は、2024年4月19日の定例会見で次のように述べています。
★小池百合子氏
これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している。
非常に憤りを感じている。
選挙の在り方について、法律上見直して頂きたい。

また、立憲民主党の蓮舫議員は、Xで次のように述べています。
★蓮舫氏
私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。
警察の対応が遅くて怖かったです。
でも、負けない。

■確信的な妨害行為
一方、つばさの党側は、SNSや動画サイトを通して次のように主張しています。
★黒川敦彦氏
警告は、小池たちの亀戸の演説に対して僕らが演説を被せたということが違法だと。
私たちは調べたが、判例はない。
だって我々も選挙に出ているから。
あくまで小池陣営の演説と我々の演説は法律的は等しい。
かつ、我々の演説を聴いている人もそこにいるので、これは絶対に間違っていると思う。
(2024年4月23日)

★根本良輔氏
なぜ、こういう活動をしているか、まず説明していきたい。
シンプルに合法だからですね。
警察署・総務省としっかり確認を取って、合法の範囲でこういう活動をしています。
過去の判例もしっかり洗った上でやっています。
しっかり合法の範囲でやっているというのは、皆さん理解して頂きたい。
たくさんの皆さんに興味を持って頂いたので大成功に終わった、と思うところです。
(2024年4月27日)

★黒川敦彦氏
僕らは選挙に出ているので、例えば小池百合子氏や乙武氏の演説会と僕らの演説会がバッティングして、僕らも基本的に質問に行っているのです。
政治家が答えづらいことを僕らは聴きに行ったのです。
それに対して、『もっとやれ』という声は明確にあります。
(中略)
犯罪行為ではない。
質問に行っているだけなので答えればいいのです。
ちゃんと反論すればいいのです。
(2024年4月27日)

つばさの党は、明らかに確信的な意図を持って当該行為を行っています。
彼らは、行為の合法性についての理論武装を固めると共に、法の下の平等を主張し、あくまでも自らは質問をしているという外形上の体裁を整えています。
ただ、この行為はたとえ合法であっても、民主主義を根幹とする憲法の精神には反しています。
演説を聴くことができない社会では民意を反映できないため、民主主義が成立しないからです。
ここで、演説妨害に関する法的背景について簡単に紹介したいと思います。
■演説妨害の法的背景
議員等を公選する選挙について定めた【公職選挙法】の目的は、憲法の精神に則り、選挙人(有権者)の自由な意思によって選挙が公明かつ適正に行われることを確保し、これをもって民主政治の健全な発達を期することです。
選挙妨害行為については、225条(選挙の自由妨害罪)に定められており、今回の事案に関係するのは次の2項です。

一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。

また、226条(職権濫用による選挙の自由妨害罪)では、警察を含めた公務員等が故意にその職務の執行を怠る、又は正当な理由がなくて公職の候補者若しくは選挙運動者に追随し、その職権を濫用して選挙の自由を妨害する行為を罪としています。
選挙妨害に関連した裁判所の判例も存在してます。

★最高裁判所
「仮に所論のように演説自体が継続させられたとしても、挙示の証拠によつて明かなように、聴衆が聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような所為があつた以上、これはやはり演説の妨害である」(1948年)

★大阪高等裁判所
「選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次(やじ)を飛ばし質問をなす等は許容」
「他の弥次発言者と相呼応し一般聴衆がその演説内容を聴取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或いは質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如き行為に至らなければ公職選挙法上の演説妨害罪は成立しない」(1954年)

聴衆が演説を聴き取ることを不可能または困難にする行為は
「演説妨害」(最高裁)
ですが、演説を中止せざるを得ない限り
「選挙妨害罪」
は成立しない(大阪高裁)とするものです。
この法的判断には、論理的な問題があります。
■大阪高裁が知る権利侵害を容認
【表現の自由freedom of expression】
の名の下に何者かが演説に被せて大声を出せば、少なくともその周辺の聴衆は演説を聴き取るのが困難になります。
選挙演説の内容は公選に資する公的情報であるので、周辺の聴衆は公的情報へのアクセス権である
【知る権利right to know】
を侵害されたことになり、これによって演説者も
【言論の自由freedom of speech】
を侵害されたことになります。
演説妨害は、自らの表現の自由を行使するために他者の言論の自由あるいは知る権利を侵害するという
【公共の福祉public welfare】
に反する行為であり、演説妨害を合理的に制限することは、憲法の精神に適うものです。
しかしながら、妨害の可否を定性的な判断に委ねる大阪高裁の曖昧な文言は、知る権利を侵害することを事実上容認しています。
というのも、実際の現場において、妨害の有無という極めてデリケートな判断を公権力が行うことは事実上困難であるからです。
演説者が妨害を根拠に演説を中止した場合、その妨害の立証責任は演説者に求められます。
そのような労力を要する可否の不明な権利を求めて演説を中止するインセンティブは、少しでも多くの有権者にアピールしたい選挙期間中の陣営には存在しません。
また、今回のケースのように、妨害者が私人ではなく選挙の候補である場合には、更に問題は複雑です。
妨害者の主張も、外形的には公選に資する公的情報であり、これを公権力が制限することは、職権濫用による選挙の自由妨害罪に当たる可能性があるからです。
警察が職権職務を遂行するに当たっては、警察官職務執行法(警職法)に従う必要があります。
この法律の中で、演説妨害者を移動させる根拠となるのは、第4条(避難等の措置)と第5条(犯罪の予防及び制止)しかありません。
即ち警察官ができることは、演説妨害者が周辺の聴衆から危害を受ける恐れがある場合に演説妨害者を避難させる(第4条)、あるいは演説妨害者の自由演説妨害行為により演説者側に危険が及ぶ恐れがある場合にその行為を制止する(第5条)という2つしかありません。
しかしながら、今回のケースのように、暴力行為を受けた場合の証拠を残すために動画撮影している演説妨害者に対し、周辺が危害を与える可能性は低く、また暴力を振るわないことを確信的に宣言している演説妨害者を予防で排除することも不可能です。
以上のように、日本の司法(裁判所)と行政(警察)は演説妨害者の【表現の自由】に寛容であり、演説者の【言論の自由】及び有権者の【知る権利】には冷淡です。
また、立法(議員)はこの問題の解決に消極的であり、時に都合よく政治利用しています。
また、一部マスメディアは、特定政治家に対する演説妨害行為を正当化してきました。
その象徴的な事例が、安倍晋三氏の街頭応援演説に対する2件の妨害事案です。
■演説妨害者を正当化
2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。
安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。

★安倍晋三
皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。
私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。
憎悪からは何も生まれない。
相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。
こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。
都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。

この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。

★朝日新聞
東京都議選最終日の秋葉原駅前。
自身に抗議する人たちを指差し、
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と叫ぶ安倍晋三首相の姿に溜息が出た。
またか。
(中略)
大体、批判を連呼しても主権者じゃないか。
この剥き出しの敵意、何なのか」
(2017年7月10日)

★毎日新聞
安倍晋三首相は学校法人森友学園や家計学園の問題で不信を招いたとして、国民への丁寧な説明を約束している。
ところが(2017年7月)1日の東京都議選遊説では聴衆の「辞めろ」コールを
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』
と激高した。
国会で今後、丁寧な説明を期待できるのか」
(2017年7月3日)

★テレビ朝日・玉川徹氏
『こんな人たち』
というのも問題だけど、その後に
『負けるわけにはいかない』
と言っている。
負けるというのは勝ち・負けだ。
勝ち・負けということは敵・味方だ。
だから
『こんな人たち』
は敵だ。
少なくとも、敵と思っている人も国民だ。
その国民の意見を自分たちの方に向かわせる力量がなかったから、政治家としてダメだ。
選挙は勝ち負けというが、総理なんだから。
(2017年7月4日)

この演説会において、大群衆が大合唱した表現である
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。
論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく
「安倍やめろ」
「帰れ」
と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。
■「こんな人たち」の真意
【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、
「安倍やめろ」
「帰れ」
は、上述の理由から、「非言論」の要素です。
つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。
これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。
一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。
安倍氏の言う
「こんな人たち」
は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として
「負けるわけにはいかない」
と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。
一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の
「選挙妨害」

「憤りを感じている」
と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、
「つばさの党の党員も都民じゃないか」
「この剥き出しの敵意、何なのか」
「演説を邪魔する行為と激高した」
「少なくとも敵と思っている人も都民だ」
などと非難しなければ、公平ではありません。
警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。
むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。
一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。
特に欺瞞に溢れているのは、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の玉川徹氏です。

★玉川徹氏
法律に違反していないなら何をやってもいいという考え方を良識ある有権者が受け入れると思うか、という話だ。
紳士協定が慣例になっているが、それは色々な候補の声が届くようにしようと。
どんな政党だってどんな候補だって、そういう風にしてやっている。
法律に違反していなければ他人にどんな迷惑を掛けてもいいんだというそういう風な人たちは、国民の中で大きな支持を得られるとは僕は思わない。
(2024年4月29日)

玉川氏の言う
「そういう風な人たち」
は、安倍氏の言う
「こんな人たち」
と同じで、他人にどんな迷惑を掛けてもいいと思っている迷惑千万な演説妨害者です。
こんな白々しい欺瞞に溢れるダブル・スタンダードはありません。
■蓮舫のダブスタ発言
野党政治家も、マスメディアに同調しました。
当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。

★民進党・蓮舫代表
国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。
それを総理大臣がやるということは
『1億総活躍』
『皆が活躍できるチャンス』
と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。
自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。
私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。
でも、私は双方向で政治をしたい。
色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」
(2017年7月6日)

安倍氏は、蓮舫氏のように
「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」
などと宣言していません。
安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に
「負けるわけにはいかない」
と宣言しただけです。
党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する
【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】
https://hamwrite.com/strawman-argument
に他なりません。
尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も
「色々な意見を持っている人」
であるはずです。
蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を
「選挙妨害」
と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、
「警察の対応が遅くて怖かった」
と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には
「でも、負けない」
とつばさの党を敵認定しました。
蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。
いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。
この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。
このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。
これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
■ヤジの2人を英雄視
2019年参院選における安倍氏の札幌演説(2019年7月15日)では、
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた男女2人を北海道警察が移動させるという事案がありました。
2人のうち男性は、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなど演説者を執拗に威嚇しました。
秋葉原の演説妨害に比べて小規模ではあるものの、この騒動によって、周辺の人々の
「知る権利」
は明らかに侵害されました。
この事案に対しても、一部マスメディアは徹底的に警察を非難し、ヤジを正当化したのです。

★朝日新聞
政治家による街頭演説は、支持者だけではなく、様々な考えを持った幅広い聴衆に向けられるものだ。
ヤジも意思表示の1つの方法であり、これが力ずくで排除されるようになれば、市民は街頭で自由に声を上げることができなくなる。
(2019年8月29日)
政治家の仕事は、街頭でヤジを浴びることだろう。
浴びる機会を警察が奪ってどうする。
(2020年2月16日)

★毎日新聞
仮に今回、北海道警が政権への忖度を理由に聴衆を排除したとすれば、警察の政治的中立性に疑問符が付くことになる。
(2019年7月20日)

2020年2月2日には、HBC北海道放送が、警察に移動させられた2人を一方的に英雄視して警察を悪魔化するようなドキュメンタリー番組
『ヤジと民主主義~警察が排除するもの』
を放映しました。
日本のメディアは、この番組に対して、ギャラクシー賞、日本ジャーナリスト会議JCJ賞、JNNネットワーク協議会賞などを授賞するなど、この作品を絶賛しました。
また、警察に移動させられた2人は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、北海道に対して慰謝料を求める裁判を起こしました。
その結果、2022年3月25日に札幌地裁は、北海道に対して計88万円の支払いを命じました。
これらのマスメディアの報道圧力と司法の判決は、警察を委縮させ、演説者の安全のための警備措置を事実上無力化したものと考えられます。
極めて理不尽なことに、聴衆が演説車両に詰め寄って大声を出す行為が正当化され、それを移動させた北海道警察が罰金刑に処されたのです。
そして、起こるべくして悲劇が起こりました。
■東京新聞の非論理的主張
札幌地裁の判決から間もない2022年7月8日に、参院選の街頭演説中の安倍氏が銃撃されたのです。
警察は、テロリストが安倍氏に近寄って至近距離から2発を発砲するまで何もすることができませんでした。
ここに、一部マスメディアと活動家から弾圧されてきた安倍氏の言論の自由は、永遠に閉ざされたのです。
2023年4月15日には、衆議院補選(和歌山1区)における街頭応援演説を控えた岸田文雄自民党総裁に対してパイプ爆弾が投げ込まれました。
これらテロ行為の頻発に影響を受けたか否かは不明ですが、2審の札幌高裁は、原告の男性に対して、警職法に則った根拠で1審判決を取り消す逆転敗訴の判決を言い渡しました。

★札幌高等裁判所
ヤジを飛ばして隣にいた聴衆といさかいになった他、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなどした。
警察官が、直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには客観的合理性が認められる。
(2023年6月22日)

この判決に対して、東京新聞は札幌高裁を強く非難しました。

★東京新聞
ヤジも言論だ。
市民から政権批判の自由を奪ってはならない。
今回の判決が政治的言論の自由の委縮を招くのではと危惧する。
(2023年6月24日)

東京新聞の主張は非論理的です。
先述したように、
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは、
「表現の自由」
の名の下に非言論によって言論を掻き消すという
「言論の自由」

「知る権利」
に対する挑戦行為です。
まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものです。
1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければなりません。
これは間接民主主義の破壊行為です。
特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことでしょう。
実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、
「ステルス遊説」
を展開するに至りました。
■言論機関による言論弾圧
2023年12月、北海道放送
『ヤジと民主主義~警察が排除するもの』
の劇場版が、センセーショナルな宣伝文句を掲げて公開されました。

2019年7月15日、それが全ての始まり。
政権に批判の声を上げたら、大勢の警察官に排除された。
「ヤジ排除」
の裏で何が起こっているのか?
1460日の記録。

更に、元北海道警察幹部の原田宏二氏(故人)の発言が、次のように添えられています。

★原田宏二氏
警察が法的根拠がないのに好き勝手なことをやっている。
それをメディア・マスコミの前で平然とやった。
あんたたち(マスコミは)無視されたんですよ。

警察が原告を移動させた措置に対する法的根拠については、2審判決でその合理性が認められていますが、この発言はその存在を真っ向から否定しています。
つまり、この映画は、故人の見解を権威論証として使うことで、演説妨害を無理矢理正当化しているのです。
また、警察がメディアを無視することが許されないかのような認知操作は傲慢極まりありません。
以上、安倍氏の秋葉原演説と札幌演説に対する演説妨害行為は、一部マスメディアによる強力な報道圧力によって正当化されてきました。
その結果、日本は演説妨害者の「表現の自由」が尊重され、演説者の「言論の自由」と有権者の「知る権利」が軽視されるという本末転倒な社会となってしまいました。
これは、言論機関による言論弾圧に他なりません。
このような状況において、秋葉原の事例と比較して甚だ小規模な集団であり、候補が他候補に質問する体裁を取るつばさの党の演説妨害者を、札幌の事例で違法性を問われて委縮した警察が、極めてデリケートな判断を必要とする警職法を根拠にしてリアルタイムに排除することは、法の下の平等から不可能でした。
事実、警察が選挙の自由妨害罪の疑いで家宅捜索に踏み切ったのは、投開票から2週間が経過した2024年5月13日です。
もちろん、この段階でも選挙の自由妨害罪が立証されているわけではありません。
何よりも、マスメディアによる身勝手な
「表現の自由」
の肯定による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵食された有権者です。
「言論の自由」
を守り、国民の
「知る権利」
に資する使命を持つ言論機関の一部が、
「表現の自由」
という美辞麗句で非言論による演説妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。
今回のような問題が発生するのは、明らかに公職選挙法の欠陥によるものです。
近年、演説妨害者が次々と公職選挙法のセキュリティホールを突いてくる中、党利党略を最優先とする立法機関の議員は何も対策を議論してきませんでした。
誰が考えても分かることですが、候補者がその政治的主張を有権者に音声で説明する街頭演説を行うには、音声が伝わる特定の時間を特定の空間に渡って占有する必要があります。
この占有の調整を候補者の自主性に任せていることが、トラブルの原因なのです。
■選挙システムの再構築を
公平な選挙を行うためには、選挙管理委員会がこの時間と空間を管理して候補者に公平に配分することが必要です。
例えば、選挙区内に複数の演説拠点を予め設定しておいて、各候補にその拠点を占有できる時間帯を最初から決めておけば、候補者間で演説に支障を来すことはありません。
有権者にとっても、確実に演説を聞くことができるので至便です。
また、その時間の枠内で市民が自由にヤジを言える時間を5分程度設定すれば、インタラクティブ(お互いに作用し合う様。相互作用の)な要素も加味できます。
何より、演説途中での身勝手なヤジを発する必要がなくなります。
もちろん、拠点以外の場所での演説は、従来通り自由にするのが憲法に適っています。
ただし、同一地区に1日2時間以上留まって演説してはならないというような、場所の目的外使用を防止する合理的規制は必要であると考えられます。
特定の候補者間で相手に質問し合う機会を設定することも必要です。
今回、つばさの党は、質問を根拠にして他候補の演説を妨害しましたが、予め十分な討論の機会を設定しておけば、その必要もなくなります。
有権者が議員の実力を把握する上でも討論会の開催は有益であり、議員の質の向上に大きく貢献するものと考えられます。
公職選挙法で、インターネットをベースにした複数回の公開討論会の開催を義務化するのが望ましいと考えます。
このような表現に関する
【時 time】
【所 plece】
【方法 manner】
の規制は
【表現内容中立規制】(特定の時・場所・手段における表現の規制)
https://foetimes.com/2670/
と呼ばれ、公共の福祉の必要がある場合の合理的制限として、最高裁(1955)が認めています。
その理由としては、これを無制限にしておくと選挙運動に不当な競争を招き、選挙の自由公正を害する虞があるからです。
また、相手を威嚇したり、侮蔑したりする発言など表現の
【内容 content】
の規制である
【表現内容規制】(ある表現について、それが伝達するメッセージを根拠に行う規制)
https://foetimes.com/2670/
も最低限必要と考えます。
インターネットが普及した時代に、好意の返報性を求めて、街頭で握手をしたり、手を振ったり、名前を連呼したり、自転車に乗ったり、ビラを配ったりする選挙はもうやめましょう。
感情・人格・権威に訴えるという選挙テクニックではなく、政策のスペックで代表を選ぶ選挙システムの構築が必要不可欠であると考える次第です。

偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち
Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽
「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」
「質問に答えろよ飯山!」
2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは
「つばさの党」
という団体の根本良輔なる人物だ。
私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。
街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。
警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。
しかし某はこう続けた。
「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」
「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」
某も同補選の立候補者である。
だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。
産経新聞の取材に対し、
「どこで街宣しても合法だ」
と自身の言動を正当化している。
某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。
私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。
街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き
「出てこい」
と挑発する。
この繰り返しだ。
2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。
私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。
■私は絶望した
自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。
他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。
「殺人の自由」

「強盗の自由」
「誹謗中傷の自由」
といったものが認められないのはそれ故である。
しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。
某は産経新聞に対し、妨害活動により
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
と主張している。
とんだ偽善者である。
2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、
「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」
と、
「若い弱者」
ポジションを取って煽ってきた。
若さなど所詮、相対的なものだ。
小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。
贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ
「若い弱者」
ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。
某はいわゆる
「無敵の人」
である。
選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。
実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。
これは公開リンチに等しい。
私は絶望した。
「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」
何が面白いのか、私には全く分からない。
図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。
■諦めたらそこで終わりだ
「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」
表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。
「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」
これが某の
「合法」
な選挙活動らしい。
拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。
これでどうやって、
「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」
というのか。
通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。
中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。
誰もが顔を強張らせる。
政治参加どころの話ではない。
こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。
政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。
そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。
実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。
有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。
哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。
某はこうも言った。
「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」
「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」
「何だよ保守党って!」
「保守党ってのは逃げること?!」
保守の基本は
「大切なものを守る」
という信念だ。
我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。
他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。
某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。
某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。
なるほど、実に賢いと、某の
「信者」
たちは喝采を送る。
「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」
として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。
メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。
しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。
2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が
「あかり、がんばれ?!」
と高い声をあげた。
正義はここにある。
日本を諦めてはならない。
諦めたらそこで終わりだ。

「愚劣」「低能」つばさの党
Hanada2024年7月号 門田隆将
「飯山、出てこい」
「チューしたいの? チューしたいの、お前」
「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」
「いいよチューしたって」
「お前、イスラエルの犬じゃん」
「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」
「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「飯山~なんだ、お前! 欲求不満かよ」
「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」
・・・警察も舐められたもの。
これらの常軌を逸した
「つばさの党」
の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。
一方、参政党の吉川りな候補には、
「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」
既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。
聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。
また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。
電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。
更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、
「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」
駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、
「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」
「選挙妨害だ! 邪魔すんな」
と、逆に警察官をどやしつけた。
これが
「つばさの党」
の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。
これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。
「愚劣」

「低能」
という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。
各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。
彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。
日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。
公職選挙法第225条には、はっきり
「選挙の自由妨害罪」
が規定されており、
「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」
と明記されている。
本来、この明白な公職選挙法違反行為には、
「私が責任を取るから摘発せよ」
と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。
だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。
しかし、国民の怒りは収まらない。
それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと
「つばさの党」
の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。
政治部デスクによれば、
「遅きに失しましたね」
「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」
「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」
「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」
「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」
「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」
「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」
左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。
安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。
最早末期的である。

公職選挙法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100
(選挙の自由妨害罪)
第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」
2024/5/21 13:36
https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/
令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に
「辞めろ」
「帰れ」
などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた。
2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。
原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、
「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」
「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」
と述べた。
■「札幌はあくまで肉声」
ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている
★大杉雅栄氏
人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。
演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。
(つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。
ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している
★大杉雅栄氏
札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。
実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。
つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。
ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは
★大杉雅栄氏
静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。
閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。
そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。
多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。
■「従前通り選挙違反取り締まりを」
ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか
★大杉雅栄氏
うるさいのはそうだろう。
ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。
民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。
安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。
主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。
ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある
★大杉雅栄氏
道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。
それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。
ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。
選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。

つばさの党、複数陣営に15回以上の選挙妨害行為 逮捕の3人に協力者の存在も浮上
2024/5/19 18:41
https://www.sankei.com/article/20240519-GFGZFLV42NJFNNHX7OHRDNPYOI/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人が、複数の陣営に対して少なくとも15回以上に渡り妨害行為を繰り返していたことが2024年5月19日、捜査関係者への取材で分かった。
3人の行為に複数の協力者がいることも判明した。
黒川容疑者やつばさの党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選に出馬していた他の候補の演説場所に近付いて、拡声器を使って大音量を流して演説を妨害。
「カーチェイス」
と称して、他候補の選挙カーを追尾し、拡声器で罵声を浴びせるなどしていた。
特別捜査本部は選挙期間中、黒川容疑者らが演説を聞きにくくするなどの行為を5回以上、選挙カーを追尾して交通の便を妨げた行為を10回以上確認。
自由妨害に当たると見ている。
補選には、根本容疑者を含め、立憲民主党や日本維新の会、参政党などが擁立した候補や小池百合子都知事が支援した乙武洋匡氏(48)ら計9人が出馬していた。
黒川容疑者は、そのうち特定の複数の陣営に狙いを定め、妨害行為を繰り返していたとみられる。
こうした行為について、追尾する際の車両を運転したり、動画を配信するための撮影をしたりなど、逮捕された3人以外にも協力していた人物が複数いるとみて特別捜査本部が調べている。

広告収入狙い動画配信か つばさの党、根本容疑者「落選運動をビジネスにしたい」
2024/5/19 18:37
https://www.sankei.com/article/20240519-76DDHOIGNFPQZH45RQWUABBR2Y/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)が補選中、妨害行為の様子を配信した動画の中で
「広告収入が増えている」
「落選運動をビジネスにしたい」
と話していたことが2024年5月19日、分かった。
警視庁捜査2課は過激な行為を繰り返して再生回数を増やし広告収入を得る狙いがあったと見て調べている。
補選期間中、つばさの党のユーチューブチャンネルには妨害などの様子を伝えるライブ動画約40本が投稿された。
2024年5月19日時点の再生回数は計約250万回、チャンネル登録者数は約25万人に上る。
根本容疑者は動画で
「選挙にさえ出れば合法的にやれる」
「ぜひみんなもやってほしい」
「再生回数半端じゃない」
「これが究極の落選運動だと思うので、はやらせたい」
と語っていた。
同課は2024年5月19日、党代表の黒川敦彦容疑者(45)や根本容疑者ら3人を送検した。

つばさの党 複数の支援者も妨害行為に関与か 警察が特定進める
2024年5月19日 11時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240519/k10014454091000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、団体の複数の支援者が車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
警視庁は選挙の妨害行為に関わった人物の特定を進めています。
政治団体「つばさの党」の
▽幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や
▽代表の黒川敦彦容疑者(45)
それに
▽運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人は、
衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕され2024年5月19日、検察庁に送られました。
これまでの捜査で、根本幹事長らは演説を妨害する同様の行為や他の陣営の選挙カーを追い回すなどの行為を繰り返し、その様子をYouTubeなどで配信していたことが分かっています。
団体には確認されているだけでもおよそ10人の支援者がいて、このうち複数のメンバーが、車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
こうした支援者の一部は、根本幹事長の住む住宅で集団生活をしていたということで、警視庁は他の陣営への妨害行為をこの住宅を拠点に計画していた可能性もあるとみて、関わった人物の特定や活動の実態を調べています。

選挙後も小池都知事らの自宅前で「街宣」 SNSで住所情報募る つばさの党選挙妨害事件
2024/5/18 18:30
https://www.sankei.com/article/20240518-OHRZMXULAJMPDMO42PWABPK3VA/
衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体
「つばさの党」
による選挙妨害事件で、公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)らが、選挙後も小池百合子都知事ら複数の個人宅周辺で拡声器を使って大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返していたことが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課は特別捜査本部を立ち上げ、実態解明を進めている。
黒川容疑者や同党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選の投開票がされた2024年4月28日以降も
「抗議街宣」
と称して、小池氏や同党に批判的な発信をした著名人らの自宅周辺に押し掛け、大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返した。
自宅住所は交流サイト(SNS)で情報を募って特定していたとみられる。
2024年5月13日に警視庁が事務所などの家宅捜索を行った後は、警視庁本部庁舎前にも押し掛け、大音量で怒鳴り続けた。
選挙後も続いたこうした行為について警視庁には複数の相談が寄せられており、恐怖心を与える狙いもあったと見て、
「悪質性が極めて高い」
と判断。
自由妨害の疑いと合わせて、事実確認などを進めている。
小池氏は3人が逮捕された2024年5月17日の記者会見で、
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と述べた。
3人は共謀して補選告示日の2024年4月16日、無所属新人の乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説中、演説に重ねるように大音量で主張を訴えるなどして選挙活動を妨害した疑いで2024年5月17日に逮捕された。

補選中の都知事選立候補表明はネット視聴と逮捕回避狙いか 「つばさの党」黒川容疑者ら
2024/5/18 17:57
https://www.sankei.com/article/20240518-S2HOKQ2OINMZZEZMDCDQCCFX7A/
公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦(45)と同団体幹事長、根本良輔(29)両容疑者は衆院東京15区補選の最中に2024年7月の東京都知事選への出馬表明を行っていた。
補選同様、都知事選でも過激な活動のインターネット配信を行って世間の注目を浴びるだけでなく、候補予定者となることで警察の捜査・逮捕を回避しようとした可能性がある。
補選期間中の2024年4月25日、街頭活動の合間に江東区内で会見を行った両容疑者は都知事選に出馬する考えを明らかにした。
「(都知事選出馬で)凄い事になる」
会見でこう語った根本容疑者。
つばさの党として両容疑者を含む50人を擁立して都内のあらゆる場所に選挙カーを走らせ、小池百合子都知事のネガティブキャンペーンを展開すると宣言した。
出馬表明の背景にはインターネットで動画の再生数を稼ぎ収益化に繋げる考えがあったとみられる。
交流サイト(SNS)などで自身の活動を積極的に発信していることについて、黒川容疑者は
「広告収入を得ることが狙いではない」
と反論。
だが、活動の中では、ネットの反応を常に気にする姿があった。
警視庁が関係先を家宅捜索した2024年5月13日夕、両容疑者らはSNSで予告した上で小池氏の自宅周辺に出向き抗議活動を行った。
その際のネット中継では同団体運動員の杉田勇人容疑者(39)が
「8万1千(人)見てますから」
などと喜びを隠せない様子だった。
黒川容疑者は、補選の選挙期間中、逮捕容疑となった妨害活動に対して警視庁による警告にとどまったことから、
「選挙運動に対する妨害になるから、警察は候補者を逮捕できない」
と独自の主張を展開。
その上で、都知事選への立候補表明について、産経新聞の取材に
「逮捕を回避するため」
「候補予定者になれば警察は手出しをできない」
と明かしていた。

つばさの党 演説妨害5件以上 選挙カー追い回し10件以上確認
2024年5月18日 14時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453371000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、警視庁がこれまでに同じような演説妨害を5件以上、更に選挙カーを追い回す行為も10件以上確認し、調べを進めていることが捜査関係者への取材で分かりました。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁は各陣営から被害届を受理するなどして、選挙期間中の状況について調べていますが、これまでに同じような演説妨害を5件以上確認していることが、捜査関係者への取材で分かりました。
更に、他の陣営の選挙カーを追い回す行為も、10件以上確認していて、今後、増える可能性もあるとしています。
追い回された陣営が予定していたルートの変更を余儀なくされるなど、実際にそれぞれの選挙運動に影響が出たということです。
警視庁は容疑者らの活動の実態をさらに調べると共に、公職選挙法に規定された交通を妨害した疑いでの立件も視野に捜査を進めています。

つばさの党 著名人自宅押しかけ街宣活動 SNSで募り住所特定か
2024年5月18日 11時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453171000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で3人は、他の候補者や団体を批判した著名人の自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
自宅の住所は、SNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁が活動の実態を調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聞き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。
根本幹事長らは同じような妨害行為を繰り返していましたが、更に、他の候補者や団体を批判した著名人などの自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
2024年5月13日に捜索を受けた後には、東京都の小池知事の自宅前で演説を行っていました。
こうした活動について、捜査幹部は
「非常に卑劣な行為で、当事者が被害を申告できなくなる恐れもあった」
としています。
相手の自宅の住所はSNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁は恐怖心を与える狙いがあった可能性もあるとみて活動の実態を更に調べています。

“つばさの党の妨害で演説中断など” 警視庁 複数の証言確認
2024年5月18日 6時14分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014452891000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。
一連の妨害行為によって、他の候補者が演説の中断や場所の変更を余儀なくされたケースが複数確認されているということで、警視庁は選挙期間中の活動の実態を更に調べています。
政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で、拡声機を使って怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。
警視庁によりますと、こうした行為によって
「演説を聴くことができなかった」
という有権者の複数の証言を得ているということです。
更に、根本幹事長らが同様の行為を選挙期間中に繰り返したことで、他の候補者が演説を中断したり場所や予定の変更を余儀なくされたりしたケースが複数確認されていることが、捜査関係者への取材で分かりました。
他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、活動の実態を更に調べています。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「ずいぶん私も追い回された」 
2024/5/18 12:37
https://www.sankei.com/article/20240518-FSE5SZILLZO7NP7MWHJHLTTPSU/
■異常な行動
立憲民主党・泉健太代表
異常な行動であったと言わざるを得ない。
そういった(逮捕容疑の「自由妨害」に該当する)行為であったと感じる。
ずいぶん私も選挙カーを追い回された。
今後の捜査の推移を見守っていきたい。
法律の改正については、
「妨害」
をどう規定するかという所を我々も考えている。
(2024年5月17日の記者会見、衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を妨害したとして、公職選挙法違反容疑で政治団体「つばさの党」の代表らが逮捕されたことに関して)

つばさの党、スタッフ複数も関与か 警視庁捜査 選挙活動妨害疑い
2024/5/18 8:43
https://www.sankei.com/article/20240518-CGZ52FNVQBJ3BLC7SWNQAE2OHA/
衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の代表ら3人が逮捕された事件で、他にも党の複数のスタッフが他陣営の選挙活動の妨害に関与した疑いがあることが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査2課はこれらのスタッフも同法違反容疑で捜査する方針。
逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)や党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、選挙期間中に他陣営への妨害行為を動画投稿サイトのユーチューブなどで配信していた。
複数の陣営から被害相談を受けている捜査2課は、これらの行為に複数のスタッフが動画の撮影役や運転手などとして関与したとみて調べている。
警視庁は3人の認否を明らかにしていないが、いずれも逮捕前の取材に違法性の認識を否定していた。
3人の逮捕を受け、党の関係者らは17日夜、ユーチューブの配信で
「不当逮捕だ」
「東京都知事選へ向けた弾圧」
などと主張した。

つばさの党の選挙妨害「表現の自由超えた」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/17 21:49
https://www.sankei.com/article/20240517-NAJFQCUBZZNA5EXGRYINZIOQOY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で他候補の街頭演説を妨害したとして政治団体
「つばさの党」
代表ら3人が公選法違反(自由妨害)の疑いで逮捕されたことについて、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月17日、
「つばさの党にも意見があると思うが、表現の自由の限界を超えた」
と述べた。府庁で記者団の取材に答えた。
逮捕された3人は、他候補の演説場所近くで拡声器を使って大音量で演説し、他候補の演説を聴衆に聞こえなくするなど、選挙活動を妨害する行為を繰り返した疑いが持たれている。
維新は東京15区補選に公認候補を擁立し、吉村氏も応援演説で同様の被害を受けた。
吉村氏は一連の行為について
「(つばさの党の)やり方が罷り通るのであれば、候補者が政策を訴えるという行為が成り立たなくなる」
と指摘。
捜査当局の判断については
「裁判所が逮捕令状を出したのは犯罪の疑いがあったから」
「選挙妨害には厳しく対応すべきだ」
と述べた。
維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立を目指し与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「今回の事例を基に立法を行うのは国会のあるべき姿の1つ」
「深く議論してもらいたい」
とした。

つばさの党代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 18時27分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁は、選挙に立候補した団体の幹事長や代表ら3人を公職選挙法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人です。
警視庁によりますと、衆議院東京15区の補欠選挙で、告示日の2024年4月16日に、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、電話ボックスの上に座るなどして拡声機で怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、候補者の演説が聞き取れないようにしたとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査してきました。
根本幹事長らは、他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は
「特別捜査本部」
を設置し、全容の解明を進めることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
警視庁は認否を明らかにしていませんが、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。
■黒川敦彦代表 根本良輔幹事長とは
政治団体
「つばさの党」
の代表の黒川代表は、大学を卒業後、医療系のベンチャー企業を立ち上げるなどした後、出身地の愛媛県今治市で、加計学園を巡る問題を追及する市民団体の共同代表を務めました。
選挙には、2017年に衆議院山口4区に初めて立候補した後、これまでに、参議院選挙や東京・町田市の市長選挙に立候補し、いずれも落選しています。
2019年に政治団体
「オリーブの木」
を設立して代表に就任し、2021年に名称を
「つばさの党」
に変更してからも代表を務めています。
幹事長の根本幹事長はIT関連会社を経営しています。
3年前の2021年に東京都議会選挙の葛飾区選挙区に
「つばさの党」
から立候補し、落選しました。
その後、幹事長に就任し、今回の衆議院東京15区補欠選挙では1110票を得ましたが、最下位で落選していました。
■「選挙の自由妨害罪」とは
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、225条で
「選挙の自由妨害罪」
を定め、演説の妨害行為などを禁止しています。
条文では
「交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと規定されていて、違反すると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
「演説の妨害」
について、昭和23年の最高裁判所の判例では
「聴衆が聴き取ることを不可能または困難になる場合は演説の妨害である」
などとしています。
また、昭和29年の大阪高等裁判所の判例では
「演説の妨害を認識しながら、聴衆が演説内容を聴き取り難くなるほど、執拗に質問などをして演説を一時、中止させることは妨害に当たる」
などという判断を示しています。
警視庁は、2024年5月13日に
「演説の妨害」
と、他の陣営の選挙カーを追い回した
「交通の妨害」
の疑いで団体の事務所などを捜索していて、今回は
「演説の妨害」
の容疑での逮捕となりました。
■難しい対応迫られた警視庁 どう判断したか
「つばさの党」
の陣営が選挙期間中
「選挙妨害だ」
という他の陣営からの指摘に対して
「国民に与えられた表現の自由の範囲内だ」
などと主張して行為を繰り返す中、警視庁は難しい対応を迫られていました。
公職選挙法は、選挙の自由妨害罪について
「演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」
などと定めていますが、ヤジを飛ばす行為そのものを規制しているわけではなく、拡声機の音量などの規定もありません。
警視庁は拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨害したとして、告示日から2日後の2024年4月18日
「つばさの党」
の陣営に対し
「警告」
を出しましたが、他の陣営への妨害行為はその後も繰り返されました。
警視庁には
「なぜ取り締まれないのか」
といった意見や苦情が多く寄せられていたということです。
捜査幹部の1人は取材に対し
「表現の自由や選挙の自由が絡むため、より慎重な事実認定や法的評価が求められた」
「ともすれば『公権力の恣意的な行使』と指摘されるリスクもあるため、緻密に違反の事実を裏付けていく必要があり、当時は警告がギリギリだった」
と振り返ります。
警視庁は、陣営が危険な行為に及んだ場合には、警察官職務執行法に基づき
「暴行罪や器物損壊罪で摘発する」
と注意を行う対応も取りましたが、陣営は、現場で警察官から注意を受けると、妨害行為を一旦止めたため、実際に摘発されることはありませんでした。
警視庁は2024年5月に入ってから他の陣営からの被害届の提出を受け、詳しい状況についての聞き取りを進めてきました。
その結果、他陣営の候補者の演説の内容が搔き消されるほどの大音量で騒ぎ立てたり、追いかけられた他陣営の関係者が警察署に逃げ込んだりしたケースもあるなど、実際に選挙活動に影響が出ていたことが確認されたということです。
警視庁は、こうした妨害行為が幅広い陣営に対し、長期間、反復継続して行われたことを重く見て2024年5月13日、強制捜査に踏み切り、2024年5月17日、3人を逮捕しました。
捜査幹部は
「選挙の後も他陣営の候補者や関係者、団体に批判的な意見を述べるタレントなどの自宅に押し掛け、街宣活動を行っていることを確認し、任意の捜査では限界があると判断した」
としています。
警視庁は今回の逮捕容疑となった演説の妨害の他、他陣営の選挙カーを追い回し、交通を妨害した疑いでも捜査しています。
■再生回数稼ぐ狙いもあったか
「つばさの党」
は選挙期間中、他の陣営の演説を拡声機などを使って妨害したり、選挙カーで追い回したりする様子を毎日のようにYouTubeで配信していて、再生回数が10万回を超えたものもあります。
陣営は
「他の候補者に、疑惑について質問することが目的で、国民の不満の声を代弁し、政治家の嘘を暴いている」
などと話していました。
その一方、配信の中で根本幹事長は
「下世話な話をすれば、広告収入が増えている」
「再生数が半端ではない」
「爆音でカーチェイスしまくるのが究極の落選運動で、これをビジネスにして広めたい」
などとも発言していました。
警視庁は、動画の再生回数を稼いだり広告収入を得たりする狙いもあったとみて目的などを捜査しています。
■林官房長官「公正・適切に選挙運動を展開する必要」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会で、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害することはあってはならず、候補者や選挙運動関係者はルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法の改正の必要性について問われ
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論するべきものだ」
と述べました。
■松本総務相「極めて重大な問題」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「選挙が公正に行われるためには、有権者に考え方や政見が伝わることが大事で、そのような環境がもし妨害されているとすれば極めて重大な問題であると考えている」
「報道などの映像を見る限りは、本当に深刻な状況だと感じざるを得ない」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の制度の改変については、選挙の自由という極めて重要な案件であり、立法府での政党間の議論を注視したい」
と述べました。
■自民 森山総務会長「必要があれば各党で議論」
自民党の森山総務会長は記者会見で
「選挙は国民が政治に参加する最も重要な機会なので、運動が自由に行われなければならないのは当然だ」
「今回の逮捕は一線を越えた悪質なものだと判断されたと理解している」
と述べました。
その上で
「公職選挙法の改正については、必要があれば各党で選挙の自由妨害罪の適用の明確化や罰則強化などが議論されるべきものではないか」
と述べました。
■立民 泉代表「異常な行動と言わざるをえず」
立憲民主党の泉代表は記者会見で
「異常な行動であったと言わざるをえず、選挙の自由を妨害した行為であったと感じている」
「私も選挙カーを追い回され、残念ながら、こちらがマイクを下ろさざるを得ないこともあった」
「大きな声でひたすら他党の候補者を悪く言っていたので、捜査当局も努力したのではないか」
「捜査の推移を見守っていきたい」
と述べました。
また、選挙運動の公正を確保するための法改正について
「党内で、法定刑の引き上げやどのような行為が妨害にあたるのかの例示について考えているところだ」
と述べました。
■公明 石井幹事長「適切な対応がなされた」
公明党の石井幹事長は記者会見で
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったのは極めて由々しき事態であり、適切な対応がなされた」
「表現や言論の自由が最大限尊重されるべきなのは言うまでもないが、候補者の主張が有権者に届かないような妨害行為は一定の制約を受けるべきだ」
「まずは現行法を引き続き適切に運用していくことが重要だが、更なる必要性があれば法改正も含めて与野党で議論していくべきだ」
と述べました。
■乙武洋匡氏「有権者の“聞く権利”奪う悪質な行為」
根本幹事長らは、衆議院東京15区の補欠選挙が告示された2024年4月16日にJR亀戸駅前で行われた乙武洋匡 氏の陣営の演説を妨害した疑いが持たれています。
乙武氏は2024年4月17日、根本幹事長らの逮捕を受けて旧ツイッターのXに
「法律ギリギリの範囲を狙って選挙を荒らしまくり、有権者の“聞く権利”を奪う悪質な行為が、今後二度と繰り返されないよう切に願っています」
などと投稿しました。
■東京都 小池知事「模倣する人たちが出てくる懸念」
乙武洋匡 氏の応援演説を行った東京都の小池知事は記者会見で
「都民も憤りを感じている人は多いと思う」
「候補者も身の危険を感じながらやる選挙は、他の国では聞くが日本ではあり得ない事態だ」
「公職選挙法では今回のような事態は想定していないと思う」
と述べました。
その上で
「模倣するような人たちが出てくる懸念も残る」
「民主主義の基本である選挙で、候補者が怯え、他の候補者を貶めるというようなことが続くと、政治に対しての無関心どころか嫌悪感を深めてしまうのではないかと心配している」
と述べました。
■東京都選管 リーフレットを作成
東京都選挙管理委員会は、街頭演説の妨害行為は法律で禁止されていることを周知するリーフレットを作成しました。
都の選挙管理委員会によりますとリーフレットは2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、つばさの党の陣営によって他の陣営の演説を聞き取れないようにする妨害行為があったいう訴えが相次いだことなどから作成したということです。
この中では、暴行による妨害や、演説の継続を困難とするような妨害は、法律に違反することが説明されています。
都の選挙管理委員会は、2024年7月の都知事選挙の立候補予定者説明会などで配付し、演説の際に有権者や候補者の安全が確保されるよう協力を呼び掛けることにしています。

与野党、選挙妨害での逮捕「適切な対応」「見守りたい」 法改正の議論も
2024/5/17 19:28
https://www.sankei.com/article/20240517-PRHDJULZ7VJTVDY5C54K3LWEBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことに関し、与野党からは
「適切な対応だ」
などと評価する声が上がった。
妨害の要件明確化など、法改正を目指す動きも出ている。
自民党の森山裕総務会長は記者会見で、3容疑者の逮捕について
「警告を発していたにも関わらず妨害行為が繰り返されたことが、一線を越えた悪質なものだと判断された」
との見解を示した。
公明党の石井啓一幹事長は
「適切な対応がなされた」
と評価した。
立憲民主党の泉健太代表は
「捜査当局も努力をされた」
「今後の推移を見守りたい」
と述べた。
日本維新の会の藤田文武幹事長は
「選挙が終わった後、家宅捜索、逮捕と進んでいった」
「冷静にどう進むかを見守りたい」
と語った。
国民民主の玉木雄一郎代表は、自身も妨害の被害者だとして
「厳正な捜査を期待したい」
「全面的に協力し、事情聴取などがあればしっかり受けたい」
と語った。
共産党の小池晃書記局長は
「現行法の公選法などを厳格に適用して対処すべきだ」
と述べつつ、
「逮捕要件を詳細に確認しているわけではないので、そのこと自体についてのコメントは避けたい」
と述べた。
法改正を巡っては、妨害の要件明確化や、捜査機関の対応迅速化を目指す公選法改正案の共同提出に向け、維新と国民民主が協議に入っている。
自民も茂木敏充幹事長が法改正に意欲を示し、立民も党内議論を進めている。
一方で今回の逮捕を含め、現行法の枠内で対応できれば改正は不要だとの見方もある。
維新の藤田氏は会見で
「(改正は)必要ないねという議論もあり得るが、一方で(改正で要件などを)明記して分かり易くする方法もある」
と指摘。
国民の玉木氏は
「折り合える所で折り合い、今国会で法案を成立させたい」
と意欲を示した。
立民の泉氏は法定刑の引き上げや妨害行為の例示など、引き続き党内で検討を進める考えを示した。

N党、ガーシー氏との活動通じ先鋭化か 逮捕のつばさの党代表、黒川敦彦容疑者
2024/5/17 16:53
https://www.sankei.com/article/20240517-4ZI2MUZIQNN5NNHOPKYKERWEZM/
衆院東京15区補選を巡り、警視庁捜査2課に公職選挙法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)は、同党前身の政治団体
「オリーブの木」
を結成して政治活動を本格化させた経歴を持つ。
その後、立花孝志党首率いる政治団体
「NHK党」
で幹事長に就任。
ガーシーこと東谷義和元参院議員の選挙活動に関わるなどして、活動を先鋭化させていったとみられる。
■ガーシー氏出馬関与から変化
「真面目に選挙活動を展開していて、今のような過激な行為はなかったんですが…」。
オリーブ時代から数年間、選挙活動に関する相談を受けていたという行政書士の男性はこう明かす。
黒川容疑者からの相談は、選挙ポスターの表記や選挙カーが都県境を跨ぐ際の警察への届け出方法などに関するもので、
「法を守る方向に意識が向いていた」
という。
男性によると、変化があったのは新型コロナウイルス禍の頃。
「陰謀論めいた方向に傾注し、NHK党でガーシー氏の出馬などに関わった頃からおかしくなっていったように見える」
と話す。
令和4年、NHK党で携わったのが暴露系ユーチューバーとして活動していたガーシー氏が出馬した参院選だ。
黒川容疑者は選挙戦を通し、インターネットなどで目に留まりやすい発信方法を習得していったとみられる。
黒川容疑者自身も、逮捕前の取材に
「立花氏から学んだ事はある」
と明かしていた。
■立花氏は「僕が切り捨てたから先鋭化」
ただ、黒川容疑者はその後、党の運営などを巡って立花氏らと対立し、袂を分かつ。
立花氏はそうした経緯について産経新聞の取材に、
「先鋭化したのは僕が切り捨てたからだと思う」
と分析。
「経済的にも厳しくなったからじゃないか」
と話している。
黒川容疑者本人は、産経新聞の取材に、
「(妨害音を鳴らす)『かぶせ』はしなかったが、オリーブの時も安倍晋三首相(当時)の街宣に突撃しました」
と、方針の変化を否定。
交流サイト(SNS)などで過激な行動を発信している手法については、
「世の中を良くするため」
「広告収入を得ることが狙いではない」
としていた。

警告後も続いた妨害、公選法違反と判断 つばさの党代表、異例の逮捕 18年ぶり特捜本部
2024/5/17 16:52
https://www.sankei.com/article/20240517-3INDHE3NQRJC3NRFV6WK5YRY2I/
民主主義の根幹である選挙活動を揺るがした妨害行為は、元候補者らの逮捕という異例の事態に発展した。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で複数の陣営に対し、妨害行為を繰り返した政治団体
「つばさの党」。
警視庁捜査2課は、関係機関とも綿密な調整を重ね、警告後も続いた活動を
「自由妨害」
と認定し、強制捜査から4日後に逮捕に踏み切った。
「表現の自由、言論の自由は尊重しなければならないが、今回は度を越している」
「極めて悪質」。
つばさの党から立候補した根本良輔容疑者(29)や党代表、黒川敦彦容疑者(45)らの行為について、警視庁はそう判断した。
補選中、つばさの党は、他陣営の演説を拡声器やクラクションで妨害する行為を繰り返した。
公選法225条の
「自由妨害」
は、候補者や運動員に対し
①暴行、威力を加えること
②交通の便や集会の便を妨げる、演説の妨害、ポスター損壊などをすること
③学校や会社など特殊な利害関係を利用して威迫すること
と規定する。
演説の妨害は条文上、明確に違反行為とされているが、実際に摘発されているのは、運動員を殴ったり、ポスターを破ったりしたというような個人がほとんど。
陣営を挙げて組織的に他陣営の街頭演説に乗り込み、大音量で妨害する行為は想定されていなかったというのが実情だ。
黒川容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に、
「両陣営の演説が重なっただけ」
などと主張。
選挙中も、
「過去の判例を見ても有罪になったことはない」
などとして妨害行為を止めなかった。
警視庁は補選告示日の2024年4月16日、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)の街頭演説に対し、電話ボックスの上に座りながら拡声器を使って大音量で話したり、車のクラクションを鳴らしたりした行為が妨害に当たる可能性があるとして2024年4月18日に警告を発出。
前例がない中で、捜査2課は
「言論の自由」
の侵害に当たらないよう慎重に捜査を進め、根本容疑者らの言動を蓄積すると共に、公選法の解釈や運用について検察庁などとも協議を重ねた。
根本容疑者らは反復的に同様の行為を続けた他、他陣営にも矛先を向けていったことを重要視。
乙武氏の演説の際、聴衆の間に割って入り、聴衆に背を向けて質問などを捲し立てていたことが、選挙活動の演説とは異なる
「妨害」
に当たることも併せて、逮捕に踏み切った。
警視庁は今回、刑事部長を本部長とする
「特別捜査本部」
を設置。
妨害の立証と共に、組織の実態解明を進める。
捜査2課が特捜本部を設置するのは異例で、巨額詐欺事件として知られる
「近未来通信事件」
以来18年ぶりという。

「選挙への影響取り返せない」 つばさの党代表ら逮捕、各陣営評価も影響深刻
2024/5/17 16:26
https://www.sankei.com/article/20240517-QNMUGWYGKVLZDPWV7SJY5TWG4Y/
衆院東京15区補欠選挙に絡み公選法違反容疑で逮捕された政治団体
「つばさの党」
代表らは、無所属、乙武洋匡氏(48)の陣営だけでなく、複数の陣営の街頭演説で妨害行為を繰り返していた。
各陣営関係者からは2024年5月17日、
「民主主義が破壊された」
などと批判する声が上がった。
立憲民主党から立候補して当選した酒井菜摘氏(37)の陣営関係者は
「平穏で議論の深まった選挙戦であるべきなのに、有権者との対話という選挙の重要な要素が妨げられたのは残念だ」
と振り返った。
飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の有本香事務総長も
「まともに選挙活動ができなかっただけでなく、有権者が候補者の訴えを聞けなかったのは大きな損失」
「民主主義を破壊したことを深刻に受け止めるべきだ」
と批判した。
乙武氏陣営で選対本部長を務めた尾島紘平都議は
「民主主義の根幹たる選挙の自由と安全が脅かされた」
「逮捕は評価したいが、選挙への影響は取り返せない」
と残念がった。

小池百合子都知事「政治に対する嫌悪感を深める」と批判 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 14:56
https://www.sankei.com/article/20240517-ZKMNI4QN45NI3ALK6IWEOZZHJQ/
東京都の小池百合子知事は2024年5月17日の定例記者会見で、衆院東京15区補選で別陣営の演説を妨害した公選法違反(自由妨害)容疑で、警視庁が政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕したことに
「候補者が怯え、有権者に話すのではなく他の候補者を貶めることは、政治に対する嫌悪感を深めてしまう」
と容疑者らの手法を批判した。
先の補選で小池氏は、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)=無所属=を支援。
告示前から選挙期間中にかけて、小池氏は乙武氏と共に街頭演説を行ったが、黒川容疑者らが度々会場近くまで近付いて大音量でヤジを飛ばすなどしていた。
また選挙期間中には黒川容疑者らが選挙区とは関係ない小池氏の自宅前で大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言。
警視庁がつばさの党関係先の家宅捜索を行った2024年5月13日夕にも、黒川容疑者らが小池氏の自宅前で抗議行動を行っている。
小池氏はこの日の会見で
「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」
「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」
と振り返った。
その上で、
「(これまでの選挙で各陣営が守ってきた)紳士協定がない、何でも有りの状況で今日の逮捕に至った」
とし、
「(今後の選挙で)模倣する人が出てくる懸念が残る」
と指摘した。

つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「異常な行動」「ずいぶん私も追い回された」
2024/5/17 14:46
https://www.sankei.com/article/20240517-K4RLRZ2CDVONNOWBSS7OAWHV5I/
衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を大音量で妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表らが逮捕されたことを受け、15区に公認候補を擁立した立憲民主党の泉健太代表は2024年5月17日の記者会見で
「私が見ていてもそういった(自由妨害に該当する)行為であったと感じる」
と語った。
泉氏は
「異常な行動であったと言わざるを得ない」
と指摘した上で
「随分私も選挙カーを追い回された」
と振り返った。
法改正の必要性にも言及し
「『妨害』をどう規定するか、我々も考えている」
と述べた。

つばさの党の根本容疑者、都知事選出馬表明の石丸氏に「徹底的に質問に行くよ」逮捕前予告
2024/5/17 14:19
https://www.sankei.com/article/20240517-TOLVZ2RUANCCFBIFN42Z2LKLQQ/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡り公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕された政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔容疑者は2024年5月16日、都知事選に出馬意向の広島県安芸高田市の石丸伸二市長について、X(旧ツイッター)で
「徹底質問」
を予告していた。
「一説によると維新から出るそうだが、そうなったら徹底的に質問しに行くよ 彼との対談とか、めっちゃ盛り上がると思う」
と書き込んだ。
投稿は2024年5月17日に逮捕される前。
都知事選については根本氏も立候補を表明していた。
石丸氏は本会議中に居眠りする議員に対し、
「恥を知れ」
と批判したことなどで知られる。
根本氏はXで
「寝てるクソ議員に恥を知れ!と言うぐらいだから質問には答えてくれるだろう」
と投稿した。

黒川敦彦容疑者が設立「つばさの党」、矛先はワクチンや宗教団体の政治活動も 
2024/5/17 13:00
https://www.sankei.com/article/20240517-5K7ILGFZ3VGC7ABSKKUVMY6RBY/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁は2024年5月17日、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦、幹事長の根本良輔、組織運動本部長の杉田勇人の各容疑者を公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。
前身団体は令和元年に設立された政治団体
「オリーブの木」。
政権与党に対峙する緩やかな諸派連合を目指し対米自立、護憲を掲げたが、近年は反ワクチンや宗教団体の政治活動に矛先を向けて抗議活動を展開してきた。
「エセ保守 媚び米 媚びイスラエルで 安倍政治万歳! 統一教会、日本会議とべったり」
黒川容疑者は2024年5月17日午前、X(旧ツイッター)にこう書き込み、一部保守系オピニオン誌に対する批判を展開した。
この投稿直後に逮捕されたとみられる。
黒川容疑者は愛媛県今治市で市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
の共同代表を務め、令和元年5月、元衆院議員の小林興起氏、元外交官の天木直人氏、千葉県議の西尾憲一氏とオリーブの木を設立した。
4人が主宰する政治団体の集合体として、令和元年7月の参院選で議席獲得を目指した。
当時のホームページには
「安倍自公政権はもとより、野党共闘も国民のための政治を実現することができず、何とかならないかという声」
の受け皿になると紹介されているが、参院選で候補者は全員落選した。
その前後にオリーブの木内部で、役員人事や政治手法、歴史観、共通政策の違いが露呈したという。
令和元7月に小林氏が離党、令和元9月に天木氏が離党、翌令和2年2月には西尾氏が離党。
これによって、オリーブの木は黒川派が主導権を握った形となる。
令和3年1月、黒川容疑者は動画投稿サイトで党名を
「つばさの党」
に変更すると発表。
令和3年6月には党名変更を繰り返すNHK党と次期衆院選に向けた連携も決定した。
黒川容疑者が率いるつばさの党は、新型コロナウイルス禍でワクチンリスクに警鐘を鳴らす街宣活動を地方で行うと共に、宗教団体に対する抗議活動も先鋭化。
公明党の支持母体である創価学会や幸福の科学に対するデモ活動を行っていく。
令和4年9月には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する抗議集会の開催を呼び掛け、JR渋谷駅前で
「統一教会、CIA」
などと叫んだり、旧統一教会本部前で歌を歌ったり音楽を鳴らしたりするパフォーマンスを行った。
選挙活動を巡っても黒川容疑者らは東京15区補選(2024年4月28日投開票)以前から、他の候補の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子を動画配信する手法を取っていた。
黒川容疑者と根本容疑者は2024年7月の都知事選にも立候補する考えを表明していた。

公明党の石井幹事長、選挙妨害「由々しき事態」 つばさの党代表ら逮捕は「適切」
2024/5/17 11:52
https://www.sankei.com/article/20240517-UJNYABKDUVIBNDAIKXCVQTW22U/
公明党の石井啓一幹事長は2024年5月17日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「適切な対応がなされた」
と評価した。
「選挙は民主主義の根幹だ」
「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったことは極めて由々しき事態だ」
と述べた。

「つばさの党」黒川敦彦容疑者が逮捕前日の取材に語る「若者の声を代弁」「尾崎豊みたいな」
2024/5/17 11:36
https://www.sankei.com/article/20240517-MCSPWXPKUZJ3BIDDRAIFSADK3I/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表の黒川敦彦容疑者(45)を逮捕した。
逮捕前日の2024年5月16日、産経新聞は黒川容疑者に取材した。
一問一答は次の通り。
ーーなぜ選挙活動で過激な手法を行うのか
政治家の噓を暴きたいからだ。
街頭演説で半ば噓みたいなキレイ事だけを言っている。
僕たちが実際は『どうなっているの』という質問に行き、政治家の噓を可視化するために行っている」
ーー演説の中で「当選するつもりもない」と言っていたが、出馬の目的は。
国政政党になるために活動しているので選挙には勝つために出ている。
現実的には組織票がない中で衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
1回で勝てなくても積み重ねて今のつばさの党になっている。
仲間は確実に増えている。
批判はあるし、やり過ぎだと思うかもしれないが、共感する人も思った以上に多い。
我々の言論や行動に関しては、一定の国民の支持があるので、一方的に選挙妨害というのは民主国家のロジックとして成り立たない。
ーーどの点が共感を呼んでいると感じているのか
若者たちの声が政治に届かず不満をためているが、持って行き先も分からない。
僕らが代弁している。
権力に挑んでいる。
クソ政治家に僕らは『お前らクソだよね』と言ったことに面白いという声がある。
尾崎豊みたいな。
ーーつばさの党の選挙活動が選挙妨害、自由妨害に当たるという疑いが持たれている点についてどう捉えているか
自由妨害だという法的根拠が1つもない。
陣営同士の演説が重なってはいけないという法律はない。
総務省にこれから聞きに行くが、違法だとは答えられないと思う。
ーー活動をユーチューブなどで動画配信している目的は
世の中を良くするためだ。
ユーチューブの売り上げも活動資金にはなっているが、足りてはいない。
圧倒的に赤字。
事業が成功し、その売り上げを使って活動資金にしている。
ーー活動資金は
皆で稼いでいる。
事業を17個くらいやっている。
ーー2024年6月20日告示、2024年7月7日投開票の東京都知事選にも出馬する
出馬表明しているので、もちろん出る。
根本(良輔容疑者)も出る。
杉田(勇人容疑者)も出たいと言っている。
妨害や人を困らせるためにやっているわけではない。
政治と社会がクソだからクソだって盛大に言っている。
次の次の参議院選挙で国政政党になるために活動している。
10億円貯めて、選挙で使う。

林官房長官「選挙運動の妨害あってはならない」 つばさの党代表ら逮捕
2024/5/17 11:08
https://www.sankei.com/article/20240517-X7LR3XJ2R5LLFL2UZQ7HHC5DLE/
林芳正官房長官は2024年5月17日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて
「選挙運動を妨害することはあってはならず、候補者、選挙運動関係者は選挙のルールを順守し、公正適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党代表ら3人を逮捕 公選法違反容疑 衆院東京15区補選で妨害
2024/5/17 9:28
https://www.sankei.com/article/20240517-XXBSATQP65M2VMM2TAJGGZ6WIA/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕した。
捜査関係者への取材で分かった。

つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁
2024年5月17日 9時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html
2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。
逮捕されたのは政治団体
「つばさの党」
の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔 容疑者(29)と、代表の黒川敦彦 容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人 容疑者(39)の3人です。
捜査関係者によりますと、3人は2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして選挙活動を妨害したとして、公職選挙法の
「選挙の自由妨害」
の疑いが持たれています。
警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査を進めてきました。
容疑者らは選挙期間中に他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していて、警視庁は妨害の目的や詳しい経緯を更に調べることにしています。
警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
一方、黒川代表は捜索を受けた際、
「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」
などと反論していました。

選挙妨害容疑のつばさの党・黒川敦彦代表、過去に加計学園問題巡り民進党で講師役も
2024/5/16 15:25
https://www.sankei.com/article/20240516-WLEPCTCSMRH3BELUFPVV5SQITU/
2024年4月に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、警視庁は他候補の街頭演説を妨害した疑いが強まったなどとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体
「つばさの党」
の本部などを家宅捜索した。
同党の黒川敦彦代表は、過去にNHK党(当時)などから国政選挙に出馬し、落選を繰り返した。
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題を追及して注目を集め、民進党の会合に講師として出席したこともある。
■小池百合子知事への批判強化
「今日も朝から街宣車出します 小池ゆりこ(=百合子東京都知事)にヘイヘイ言ってるので、見かけたら声かけたり、拡散お願いします! 街宣車さらにどんどん手配中です 日々、増やしていく予定です」
黒川氏は2024年5月16日、X(旧ツイッター)にこう書き込み、小池氏を批判する街頭活動を強化していく考えを示した。
つばさの党の陣営は、東京15区補選で他の候補が演説する際、近くの電話ボックスによじ登ってヤジを飛ばしたり、車でクラクションを鳴らしたりした。
その代表を務める黒川氏は、かつて
「産学連携ベンチャーの申し子」
と呼ばれることもある起業家だった。
■起業家から市民活動家
黒川氏は平成13年に大阪大工学部を卒業、独立行政法人
「新エネルギー・産業技術総合開発機構」)NEDO)
で企業と大学の研究の橋渡し役をする研究などに取り組んだ後、愛媛県今治市に帰郷した。
平成29年には、愛媛県今治市市内に建設を予定する加計学園の獣医学部を巡り、安倍晋三元首相の関与を追及する市民団体
「今治加計獣医学部問題を考える会」
を立ち上げ、共同代表としてメディアに頻繁に取り上げられるようになった。
平成29年5月には同市内の獣医学部建設現場を訪れた民進党の
「加計学園疑惑調査チーム」
のメンバーを案内し、平成29年8月に同チームの会合に講師として出席した。
平成29年年10月の衆院選では、安倍氏の地元・山口4区に無所属で出馬。
獣医学部開設を取り上げた。
この選挙でも、他候補の会合に乗り込み、接触を図るような行為を目立たせていた。
公示前にはツイッター(現X)で
「初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえ(=夫人・昭恵氏)を取り囲みましょう!」
と投稿。
公示日に安倍氏の出陣式に、山本太郎参院議員と駆け付け、昭恵氏に近寄ると、安倍氏との合同演説会の開催を要請するという
「申入書」
と題した紙を手渡した。
山本氏がこの様子をインターネット中継しており、安倍氏の後援会幹部は
「実質的な妨害だ」
と憤ったという。
■国政選に落選繰り返す
令和元年7月の参院選には、元外交官の天木直人氏らと設立した政治団体
「オリーブの木」(現・つばさの党)
の代表として、令和3年10月の衆院選では
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(当時)
の公認として、令和4年7月の参院選はNHK党(当時)の公認でそれぞれ出馬し、落選している。
令和4年6月にはNHK党幹部としてNHK番組
「日曜討論」
に出演した。
司会者の制止を振り切りながら、
「テーマに沿わない」
という発言を繰り返した後、
「あべのせいだー、あべのせいだー」
などと歌い出し、ひんしゅくを買っていた。
先の東京15区補選最終日の2024年4月27日、黒川氏は街頭演説に臨み、金融資産を投資に回す必要性について20分近くマイクを握った。
「金融経済が正常に働かない限り国が豊かにならないと思い、政治を始めた」
「最も必要なことは国民を稼げる状態にすることだ」
と強調。
「つばさの党が『政治を変えたい』と言っているのは、皆で生活を良くしたいということだ」
「『ヘイヘイヘイ』とお騒がせしてきた」
「なぜこんな変な選挙戦を戦い、奇抜なことをやったか」
「そうでもしないと一般の皆さんが選挙に興味を持ってくれないからだ」
などと持論を展開した。

維新 音喜多政調会長 つばさの党捜索 “早期に法改正を”
2024年5月14日 17時29分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448771000.html
日本維新の会の音喜多政務調査会長は、先の衆議院の補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の陣営が選挙活動を妨害したとして、警察の捜索を受けたことを踏まえ、対策の強化に必要な法改正に向けて各党に協力を求める考えを重ねて示しました。
今回の捜索について日本維新の会の音喜多政務調査会長は記者団に対し
「本来、選挙期間中に速やかに取り締まるべきだった」
と指摘しました。
そして、党として選挙の自由妨害罪に該当する行為の明確化や、罰則の強化を盛り込んだ、公職選挙法改正案の叩き台をまとめたことを踏まえ
「現行法で対応できるという意見もあるが、具体的な例を法律に書き込み、捜査機関が対応しやすくする意味がある」
「主要野党は大きな方向性でまとまれると思っており、与党にも投げかけていきたい」
と述べました。
一方、音喜多氏は、党の共同代表を務める大阪府の吉村知事から、次の衆議院選挙の公約に0歳から投票権を与え、親が投票を代行する制度の導入を盛り込むよう提案があったことを明らかにし
「結党以来、世代間格差の是正を掲げており公約に載せる方向で検討する」
「憲法改正が必要か否かの論点もあり、早期に結論を出したい」
と述べました。
■松本総務相「各党の議論内容を注視していきたい」
松本総務大臣は閣議の後の記者会見で
「私自身、選挙に携わっているが、報道を見ている限り、少なくとも体験したことがないようなことが起こっていると感じた」
「公職選挙法に新たなルールをどのように設けるかについて総務大臣としてのコメントは控えるが、各党の議論の内容を注視していきたい」
と述べました。
■立民 岡田幹事長「捜査も含め状況を見極める時期」
立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で
「日本維新の会の法案の叩き台がどこまで法的に意味があるのか党内で議論を尽くしたい」
「法改正をすることによって有権者の権利を阻害する部分もあるし、選挙の自由妨害に該当する具体的な事例を法律に書くことで
『それ以外のことはやってもいい』
ということにもなりかねない」
「捜査も含め状況を見極める時期だ」
と述べました。
■共産 穀田国対委員長「現行法の範囲内でできることをやるべき」
共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で
「公正な議論が保障されなければならない選挙において、妨害は許されないが、選挙管理委員会などがしっかり対処すべき問題だ」
「現行法の範囲内で、できることをきちんとやるべきだ」
と述べました。
■国民 玉木代表「多くの賛同募って成立させたい」
国民民主党の玉木代表は記者会見で
「今回の行為は選挙の自由妨害罪にあたると思うので、当局には厳しく対処してもらいたい」
「同時に、法改正も必要であり、日本維新の会の叩き台は、我が党と考えがかなり重なる所がある」
「できるだけ多くの賛同を募って成立させたい」
「東京都知事選挙に加え、衆議院選挙もあるかもしれないので早めに処理する必要がある」
と述べました。

<主張>「選挙の自由」妨害 悪質行為の摘発は当然だ
社説社説
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-MLNXQW6XCRI63FLOP4WXQFEJNI/
憲法21条は言論や表現の自由を保障している。
この前段となる12条では憲法が保障する
「自由及び権利」
は、
「国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
と規定している。
憲法は
「自由」
を無制限に保障しているのではなく、その濫用を明確に戒めている。
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で対立陣営の街頭演説を妨害したなどとして、警視庁は公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で政治団体
「つばさの党」
の関係先を家宅捜索した。
同党は警視庁の強制捜査に対して
「表現の自由の中で適法にやっている」
「心外だ」
などと主張し、今後も同様の政治活動を続けると述べている。
これこそ
「公共の福祉」
とは相容れない
「自由の濫用」
であろう。
同党は他候補の演説中に大音量で罵声を浴びせ、クラクションを鳴らすなどの妨害を繰り返し、選挙カーを執拗に追い回すなどの危険行為もあった。
極めて悪質である。
「選挙の自由」
は対立陣営にもあり、これは明らかに侵害された。
異常な環境下で候補者の演説を聞くことが出来なかった有権者もまた、直接の被害者である。
国民の常識や良識に照らして悪質な行為が、合憲や適法であるはずがない。
警視庁の捜査は妥当である。
類似した事案に、令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばした男女を北海道警が排除し、2人が道に損害賠償を求めた訴訟で札幌地裁が排除の違法性を認めた判決がある。
多くのメディアが北海道警を非難したが、札幌高裁は男性について、警告を無視して大声での連呼をやめず、演説車両に向かって突然走り出すなどの行為があり警察官の判断は
「客観的合理性を有する」
と認定し、賠償命令を取り消した。
「つばさの党」
への強制捜査には
「言論の萎縮を招く」
といった懸念の声もある。
だが、選挙妨害の数々が、守るべき言論や選挙の自由の名に値するか。
しないだろう。
憲法12条はまた、
「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
とも謳っている。
「自由」
の履き違えを許してはならない。

日本国憲法
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

<産経抄>民主主義を脅かし、「つばさの党」に捜査の手
2024/5/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240516-HKUKNISSYZJUZIZGRAEJKCIU7E/
海軍増強の是非を議論した大正9年の衆院本会議に、今も語り草の一幕がある。
時勢に照らして
「艦隊の充実」
を説いたのは蔵相、高橋是清だった。
「陸海軍とも難儀を忍んで長期の計画といたし、陸軍10年、海軍8年の…」
▼言葉を継ごうとしたその時、
「ダルマは9年」
と野党の席から声が飛んできた。
9年の座禅で悟りを開いた達磨大師。
いかめしくも愛嬌のある風貌から
「ダルマ」
とあだ名された高橋。
双方に掛けた即妙のヤジだった。
声の主は、後に
「ヤジ将軍」
と呼ばれる三木武吉である。
▼議場は爆笑に包まれたと聞く。
機知に富み、いたずらに人を辱めるわけでもない。
「議場の華」
と言われるヤジの、会心の一打だろう。
当時の三木は30代半ば、やり取りの老熟ぶりが際立つ。
それに引きかえ、現代の政治模様の幼さはどうだろう。
▼先日の衆院東京15区補選で他陣営の選挙運動を妨げたとして、政治団体
「つばさの党」
本部などが警視庁の家宅捜索を受けた。
投稿動画を見ると、よその選挙カーを追い回し、拡声器で声を張り上げては街頭演説を遮るなど実に酷いやり口だった。
▼陣営は
「表現の自由」
と称し、自らを正当化しているという。
憲法も公職選挙法も侮られたものである。
各候補者の主張に耳を傾けたい有権者の権利は、思慮の外ということだろう。
おのが正義を軸に世界が回っている―と勘違いした人々に、ヤジ将軍の挿話は説くだけ無駄か。
▼「かしましくものいふ」
「人のものいひきらぬ中ニものいふ」
は良寛が嫌った言動の所作である。
思えば亡き安倍晋三元首相も、度を越したヤジに幾度となく街頭演説を妨げられてきた。
民主主義の足元を脅かす挑発の危うさを、我々は看過してはならない。

安倍元首相暗殺の陰にも演説妨害 
阿比留琉比の極言御免
2024/5/16 1:00
https://www.sankei.com/article/20240516-FHEBVTYUZFIJ7OC24VDB4MAXUQ/
政治団体
「つばさの党」
幹部の根本良輔氏らが先の衆院東京15区補欠選挙に出馬し、他の候補の演説場所で大声を上げつきまとうなどの妨害行為を繰り返した問題は、同団体本部が警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索される事態となった。
やっとかというのが、率直な感想である。
選挙演説への妨害行為を巡って、警察がようやく重い腰を上げたことは歓迎したい。
ただ、これまで
「表現の自由」
を錦の御旗に、警察による取り締まりや排除を批判し続けたマスコミや野党議員、またそれにお墨付きを与えた裁判所には憤りを禁じえない。
選挙演説への過激な妨害行為は参院選最中の令和4年7月8日、安倍晋三元首相が暗殺されるきっかけの1つになったからである。
筆者がその前日夜の電話で、長野県に応援演説に行く予定が取り消され、奈良県に入ることになった件を聞くと、安倍氏は答えた。
「あそこは、私が行くと暴れる人がいるから」
「実際、麻生さん(太郎自民党副総裁)が入った時には、変な地方議員らがマイクを持って週刊誌の自民候補のスキャンダル記事を読み上げたんだって」
「他の選挙区に影響しかねないと心配する人がいるから」
長野では演説妨害を受けることが予想され、それをマスコミが面白おかしく報道することを避けた結果、奈良で凶弾に倒れる悲劇に繋がったのだった。
安倍氏が受けてきた演説妨害と、それを擁護し、安倍氏の攻撃材料として利用してきたマスコミの姿勢に関しては2024年4月25日の当欄で取り上げたのだ繰り返さない。
だが、性質の悪い
「こんな人たち」
は確かに存在するのである。
■壊れる民主主義社会
令和元年の参院選で、札幌市で演説中の安倍氏に
「辞めろ」
「帰れ」
などと大声でヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に排除された件では、札幌地裁が
「表現の自由などが違法に侵害された」
として、道に賠償支払いを命じた(札幌高裁が一部取り消し)。
これも演説妨害の正当化に利用されてきた。
現につばさの党の根本氏は、2024年5月13日のX(旧ツイッター)にこう投稿している。
「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない 北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ なぜならヤジの定義が曖昧だから」
多くのマスコミも、司法も
「こんな人たち」
の見方をした結果、警察は委縮し、警備に力を入れられなくなる。
その延長線上に安倍氏の暗殺があり、その最悪の行為の容疑者ですら英雄視する論調が、2023年4月の衆院補欠選挙時に和歌山県での岸田文雄首相暗殺未遂事件を生んだ。
こうして民主主義の根幹と言える街頭での選挙演説が困難となり、民主主義社会は壊れていく。
ちなみに、つばさの党の黒川敦彦代表は平成29年の衆院選で安倍氏の地元の山口4区から出馬しており、当時、ツイッターにこんな異例の投稿をしている。
「(平成29年)10月10日のボランティア急募 初日1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」
安倍氏の昭恵夫人への迷惑行為、つきまといへの参加を呼び掛けたのだった。
安倍氏陣営は選挙妨害だと憤ったが、今回の東京15区でのやり方は、既にこの時から始まっていたのである。
言葉を用いた
「表現の自由」
を偽装した事実上の実力行使を、これ以上許してはならない。

北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性
2023/7/5 15:59
https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。
男性は大杉雅栄さん(35)。
2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。
高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に
「安倍辞めろ」
などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。

原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁
2023/6/22 19:53
https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/
令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。
女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。
大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。
女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。
離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。
2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。
男性は上告を検討するとし
「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」
と話した。
道警は
「判決内容を精査し、対応を検討する」
とコメントした。

「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁
2023/6/22 16:27
https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/
令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。
一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。
女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。
高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。

やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ
2022/4/1 12:11
https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/
令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。
政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。
道警監察官室は
「控訴審で当方の考えを主張していく」
とのコメントを出した。
2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。
憲法21条で保障されている
「表現の自由」
が警察官に侵害されたと認定した。
ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。
地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に
「安倍辞めろ」
「増税反対」
と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。

2022年3月25日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html
■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決
3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は
「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」
として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。
このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。
2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、
「被告側は
『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』
などと主張するが、それは認められない」
「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」
と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。
■原告「期待以上の判決だった」
判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは
「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」
と述べました。
一方、
「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」
と指摘しました。
また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り
「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」
と述べました。
原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は
「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」
と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。
■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」
判決を受けて北海道警察本部監察官室は
「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」
とコメントしています。

つばさの党、選挙カー追跡 「交通の便妨げる行為」適用も視野に捜査 警視庁
2024/5/15 5:00
https://www.sankei.com/article/20240515-2U5ND6S2PZIUXGCP7G754VREBM/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡る自由妨害疑惑を巡り、出馬していた複数の陣営の選挙カーが、政治団体
「つばさの党」
の選挙カーから執拗な追跡を受け、警察署に避難する事態となっていたことが2024年4月14日、捜査関係者への取材で分かった。
各陣営は選挙活動の予定変更を余儀なくされており、警視庁捜査2課は、追跡が、公職選挙法で自由妨害と規定する交通の便を妨げる行為に当たると見て、立件を視野に裏付けを進めている。
捜査関係者によると、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と党幹部の根本良輔氏(29)ら3人は、立憲民主党など他陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで付け回し、拡声器を使って
「売国奴」
と罵声を浴びせるなどの行為を繰り返した。
追跡を受けた陣営の中には110番通報をしたり、選挙区内にある城東署や深川署に避難したりした例もあった。
捜査2課は、街頭演説に対する
「妨害」
だけではなく、追跡行為も有権者に各候補者の主張を届ける機会を妨げたと見ている。
同課は2024年4月13日、党本部と黒川氏、根本氏の自宅を家宅捜索し、パソコンなど数十点を押収。
ただ、選挙カーの追跡による自由妨害での摘発は前例が乏しいことから、関係機関と調整するなどして、裏付けを進めている。

「つばさの党」が捜索の東京15区補選を受け選挙妨害の禁止を周知 都選管がリーフレット
2024/5/14 16:20
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/
東京都選挙管理委員会が新たに作成したリーフレット
https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/photo/X4RDZFBGEZKT5DEYJQE6HZXQIU/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、候補者の街頭演説の妨害を疑われる行為が目立ったとして、東京都選挙管理委員会は2024年5月14日、公職選挙法に定められた選挙運動で禁止されている妨害行為を周知するリーフレットを作成した。
有権者に周知すると共に、選挙事務の説明会などで候補者に説明する。
同選挙を巡っては、政治団体
「つばさの党」
が他候補の街頭演説を妨害するなどした公選法違反(自由妨害)の疑いで、2024年5月13日に警視庁の家宅捜索を受けた。
同党代表の黒川敦彦氏は、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張している。
リーフレットでは、
「選挙運動の妨害は禁止されています」
と明記。
①暴行や不法な威力による妨害
②演説の継続や聴取を困難とする妨害
などが同法225条に抵触する恐れのある事例として紹介されている。
都選管は
「今回の選挙の執行状況から周知・啓発が必要と判断した」
「有権者や候補者にとって安全な・安心な演説の場を確保する」
とした。

つばさの党・根本良輔氏「安倍氏へのヤジが合法で俺らが違法なわけがない」 選挙妨害疑い
2024/5/14 10:29
https://www.sankei.com/article/20240514-MEYMGQ723FF3ZIBV7ZBVDTKSJI/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏が2024年5月13日、警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索されたことについて、X(旧ツイッター)で
「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」
と書き込み、自身の行為を正当化した。
札幌高裁は令和5年6月、元年7月参院選で札幌市の街頭で応援演説中の安倍氏にヤジを飛ばして北海道警に排除された女性を巡って、排除は憲法に保障された
「表現の自由」
の侵害に当たると判断し、道に女性への賠償を命じた1審判決を維持した。
根本氏はXに
「北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」
と指摘。
「なぜならヤジの定義が曖昧だから」
「音量がデカかろうが何だろうが定義が曖昧な以上、ヤジであると一括りにされる」
「だから警察は、小池(百合子都知事)に圧力掛けられて警告を出したりガサ入れするぐらいしかできない」
と投稿した。
2024年5月14日の投稿では
「俺らは今の国政政党はおかしい、噓を付いているということを周知するという主義主張の元立候補し、質問をしに行ったりおかしいと思うところを指摘したに過ぎない」
とも書き込んだ。

つばさの党事務所など捜索 押収したパソコンなどの分析進める
2024年5月14日 5時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448211000.html
先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁は2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで、団体の事務所などを捜索しました。
警視庁は押収したパソコンや携帯電話の分析を進め、一連の活動の目的や計画性などを詳しく調べる方針です。
2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の千代田区にある事務所と、根本良輔幹事長(29)、黒川敦彦代表(45)の自宅です。
「つばさの党」
の陣営は、根本幹事長が立候補した先月の衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、拡声機などを使って他の陣営の候補者の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、選挙活動を妨害した疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、
「つばさの党」
の陣営から追い回されるなどの妨害を受けた他の陣営の選挙カーの中には、予定していたルートの変更を余儀なくされたり、一時、警察署への避難を余儀なくされたりしたケースもあったということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例です。
一連の行為をめぐっては、国会で対策が議論される事態にも発展していますが、
「つばさの党」
の黒川代表は2024年5月13日取材に対し、
「我々は表現の自由の中で、適法な事をやっていると理解している」
などと述べています。
警視庁は2024年5月13日の捜索で押収したパソコンや携帯電話の分析を行うなどして、一連の活動の目的や、計画性などを詳しく調べる方針です。

つばさの党事務所など捜索 衆院東京15区補選 演説妨害など疑い
2024年5月13日 19時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240513/k10014447441000.html
2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして選挙活動を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反の疑いで東京 千代田区にある団体の事務所などに一斉に捜索に入りました。
捜索を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の根本良輔幹事長(29)と黒川敦彦代表(45)のそれぞれの自宅と、千代田区にある団体の事務所の3か所です。
捜査関係者によりますと、2024年4月28日に投票が行われた衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、立候補した根本幹事長の陣営が、長時間に渡り拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、他の陣営の選挙活動を妨害した公職選挙法違反の疑いが持たれています。
「つばさの党」
を巡ってはは、告示日の2024年4月16日、東京 江東区のJR亀戸駅前で他の候補者が行っていた演説を車のクラクションを鳴らすなどして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の妨害に当たるとして、警視庁から警告を受けていました。
警視庁には他の複数の陣営からも選挙の妨害を受けたという申告があり、被害届が受理されているものもあるということです。
陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例だということです。
■機動隊員が警戒する中 約2時間半の捜索
東京 千代田区にあるつばさの党の事務所が入る建物の前では、午前11時頃盾を持った警視庁の機動隊員が建物の入り口に立って警戒する中、捜査員が捜索に入りました。
捜索は、およそ2時間半行われ、午後1時半頃、捜査員が複数の段ボール箱などを捜査車両に積み込んでいました。
■黒川代表「暴力振るっているわけではなく言論の行為」
自宅が捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は、取材に対し
「我々は表現の自由の中で、適法なことをやっていると理解している」
「別に暴力を振るっているわけではなく、持っている権利を行使している」
「私たちがやっていることは、言論の行為で、多少、乱暴だという認識はあるが、権力者が言論行為を止めることは絶対にあってはならないことだ」
などと話しました。
■林官房長官「妨害はあってはならず公正・適切に選挙運動を」
林官房長官は午後の記者会見で
「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」
「妨害はあってはならず、候補者や関係者にはルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開してもらう必要がある」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性を問われたのに対し
「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論すべきものだ」
と述べました。
■自民 茂木幹事長「極めて遺憾 必要な法改正を」
自民党の茂木幹事長は、記者会見で
「電話ボックスの上で大声を出したり、選挙カーのすぐ傍で太鼓を叩いたり、明らかに異常だ」
「これまで見たことがないような妨害行為が行われたことは極めて遺憾で、捜査当局には、法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と述べました。
その上で
「今後、公正な選挙運動の機会を確保するために、我が党としても罰則強化など実効性のある対応をしっかり検討し、必要な法改正を行っていきたい」
と述べました。
■自民 梶山幹事長代行「街頭演説は重要な機会 党として議論」
自民党の梶山幹事長代行は記者会見で
「街頭演説は国民に候補者の主張を直接伝えることができる大変重要な機会だ」
「選挙の公正さを守り、自由な選挙活動を確保するためにも、仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説が行われたのであれば、罰則強化を含め今後党として議論したい」
「党として問題意識は持っている」
と述べました。
■立民 泉代表「選挙妨害と言わざるをえない」
立憲民主党の泉代表は記者団に対し
「私も選挙活動のマイクの音が周囲に聞き取れなくなるくらいの大声を浴びせられ、執ように追いかけられた」
「これは選挙妨害と言わざるを得ない」
と述べました。
その上で
「党内で担当する議員が公職選挙法改正の法制化の作業を進めている」
「表現や選挙活動の自由の中で、例えば選挙妨害が具体的にどういうものなのかという例示は法文化していいのではないかという意見や、刑罰の度合いを改めて検討する話も出ている」
「現行法で出来ることを見定めながら、他党ともやり取りしたい」
と述べました。
■公明 山口代表「物理的な妨害は許されない」
公明党の山口代表は記者団に対し
「候補者と聴衆がコミュニケーションを取れないほど物理的な妨害を行うことは許されず、選挙活動の自由を主張したとしても限界がある」
「公職選挙法で何が選挙の自由の妨害にあたるのかを明確にしていくことが重要だ」
と述べました。
その上で、公職選挙法を改正する必要性について見解を問われ
「いきなり法改正というよりも、まず現行法について議論し足らざる所があれば改正なり新しい制度の検討が語られるべきだ」
と述べました。
■共産 小池書記局長「現行の公職選挙法で厳格に対応を」
共産党の小池書記局長は記者会見で
「今回の行為は、選挙活動や言論の自由を脅かす行動だと言わざるを得ず、物理的な妨害は絶対に許されない」
「日本維新の会が提案している法改正に向けた叩き台は、却って選挙の自由を脅かす恐れがあり、我々は反対だ」
「現行の公職選挙法で厳格に対応していけばよい」
と述べました。
■小池都知事「異常な雰囲気で選挙にならなかった」
衆議院東京15区の補欠選挙で候補者の応援に入っていた東京都の小池知事は、都庁で報道陣の取材に応じ、
「応援に入った時は異常な雰囲気で選挙にならなかった」
「選挙というのは有権者の方々に政策を届けて判断を得るというもので、他の候補者を標的にして追い掛け回したり、音声を被せたりというのが本来の選挙や立候補の目的に適っているのかは大いに疑問だ」
「有権者の皆さんもこの点について違うのではないかと思っている方は多いのではないか」
と述べました。
■地元有権者「演説の機会はきちんと平等にあるべき」
衆議院東京15区の江東区に住む30代の女性は
「捜索のことはさっき知った」
「妨害するのではなくてしっかりと政策で勝負をしてほしいと思う」
「選挙期間中はとてもうるさくて迷惑だったので、演説する機会はきちんと平等にあるべきだと思う」
と話していました。
また、40代の男性は
「今回の一連のことは有権者として残念に思う」
「選挙妨害があると有権者が演説を聞くことが出来なくなる」
「気持ちよく投票できるようなルールを作ってほしい」
と話していました。
■専門家「選挙の妨害に当たるという判断はあり得る」
憲法が専門で
「表現の自由」
に詳しい、慶應義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は
「公職選挙法が認めているのは、公正な選挙が確保される範囲内での『表現の自由』であって、聴衆が演説を聴くことを妨げたり、他の候補者の意見を知る機会を奪ったりすることまでは認められない」
とした上で、
「今回のようなケースが、選挙の妨害に当たるという判断は、映像を見る限り、あり得ると思う」
「選挙期間中は警告に留め、終了後に捜索に入るという対応も慎重であり、今回の警察の捜査が、表現の自由を萎縮させるような結果には繋がらないのではないか」
と話しています。
■これまでの経緯
根本幹事長や黒川代表ら
「つばさの党」
の陣営は、補欠選挙が告示された2024年4月16日、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、相手の候補者や、応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言したり車のクラクションを鳴らしたりした他、電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もありました。
2024年4月26日にも東京メトロの東陽町駅前で、他の陣営の候補が演説をしている傍で、拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判するなど、各地で同様の行為を繰り返しました。
また
「つばさの党」
の車が、スピーカーを使って批判などを繰り返しながら他の陣営の候補者の選挙カーの後を長時間、追い掛けるなどの行為もあり、各陣営は、街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
■つばさの党とは
今回、事務所が捜索を受けたつばさの党は2020年11月、総務省に政治団体設立の届け出が出されました。
代表を務めているのは黒川敦彦氏で、幹事長を務めているのは根本良輔氏です。
このうち根本幹事長は、衆議院東京15区の補欠選挙に立候補し、得票数は1110票で立候補した9人のうち、9番目でした。
また、選挙の期間中、黒川代表は2024年7月に投票が行われる東京都知事選挙への立候補を表明し、根本幹事長も
「立候補を予定している」
と述べていました。

選挙の根幹揺るがす つばさの党の悪質「妨害」にメス 警察幹部「看過できない」
2024/5/13 20:12
https://www.sankei.com/article/20240513-DPQBC7XFLZJRPITARDGYSLODEU/
民主主義を支える選挙制度を根幹から揺るがしかねない活動を展開した
「つばさの党」
の関係先に2024年5月13日、捜査のメスが入った。
衆院東京15区補欠選挙を巡り、つばさの党関係者に追いかけ回されるなどして演説場所を変更するなど、対応を迫られた陣営もあった。
警察幹部は
「公正な選挙に反するもので、看過できない」
と話している。
警視庁捜査2課が家宅捜索に踏み切った2024年5月13日、東京都千代田区の党本部前では機動隊が警戒に当たっていた。
ものものしい雰囲気に包まれる中、捜索は約2時間半に渡って行われた。
捜査関係者によると、本部などから選挙カーや携帯電話、パソコンなど数十点を押収したという。
捜索を受け党代表の黒川敦彦氏は2024年5月13日、報道陣の取材に対し、
「合法だと思っている」
「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」
と主張した。
今回の家宅捜索の発端となった出来事は補選告示日の2024年4月16日、東京都江東区のJR亀戸駅前で起こった。
乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の陣営に近付き、大音量で演説をかき消したなどとして、警視庁が2024年4月18日、自由妨害で警告を出した。
しかし
「妨害行為」
は収まらなかった。
矛先は飯山陽(あかり)氏=日本保守党=や金沢結衣氏=日本維新の会、酒井菜摘氏=立憲民主党=ら他の候補の陣営にも向かった。
選挙カーを追い回し、拡声器で
「売国奴」
などと罵ったり、卑猥な言葉を浴びせたりなどした。
選挙区外にもかかわらず、乙武氏を支援していた小池百合子都知事の自宅前で、大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言を呈す場面もあった。
党幹部で補選の候補者だった根本良輔氏らは言論の自由、選挙の自由を盾にこうした行為を続けた。
「法の範囲を超えない、ここまでは大丈夫という範囲内でしっかりやることができた」。
補選の活動最終日に当たる2024年4月27日夜、根本氏は産経新聞の取材に、達成感を滲ませながら自信を覗かせていた。
しかし、複数の陣営からは既に被害届が提出されており、警視庁は悪質な妨害行為であることの立証に向けて、慎重に捜査を進めるとみられる。
■つばさの党「選挙妨害」を巡る動き
・2024年4月16日
衆院東京15区補欠選挙告示、つばさの党・根本良輔氏を含む計9人が立候補届け出。
JR亀戸駅前で乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の演説の近くで拡声器を使い演説して、乙武陣営の演説を聞こえなくするなどの行為。
・2024年4月18日
警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)で黒川敦彦代表、根本氏ら3人に警告。
小池百合子都知事の自宅周辺の住宅街で午後7時過ぎから街頭演説
・2024年4月19日
小池知事が定例記者会見で、つばさの党の行為について「命の危険を感じた」。
・2024年4月20日
飯山陽氏=日本保守党=の事務所前で演説。
金沢結衣=日本維新の会=と、応援に訪れた同党の吉村洋文共同代表の演説会場に現れ、練り歩きに付きまとうなどする
・2024年4月21日
酒井菜摘氏=立憲民主党=の演説に参院議員の蓮舫氏が駆け付ける中、陣営の車の窓を叩いたり、暴言を浴びせたりする。
・2024年4月28日
投開票(根本氏は得票1110票で最下位落選)
■選挙の自由妨害罪
公選法の225条で規定する。
選挙に関する集会や演説を妨害した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮か、100万円以下の罰金が科せられる。
昭和23年の最高裁判決は
「聴衆がこれを聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」
を演説の妨害と認定した。
衆院東京15区補選では、無所属新人、乙武洋匡氏の街頭演説会で陣営スタッフを付き飛ばしたとして、暴力容疑で現行犯逮捕された男が公選法違反(自由妨害)の疑いに切り替えて送検され、起訴された。

つばさの党本部などを家宅捜索 衆院東京15区補選巡り選挙妨害の疑い 警視庁捜査2課
2024/5/13 11:12
https://www.sankei.com/article/20240513-OYKERXOG5FPNRGGC54IYKHP5GQ/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は2024年5月13日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、東京都千代田区隼町にある政治団体
「つばさの党」
本部など関係先数カ所に家宅捜索に入った。
捜査関係者への取材で分かった。
つばさの党を巡っては、2024年4月16日の告示日に他候補が演説する近くで約50分間に渡って大音量で演説したり、車のクラクションを鳴らしたりするなどして選挙を妨害。
警視庁は2024年4月18日、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と、つばさの党幹部で、衆院東京15区補選に出馬していた根本良輔氏(29)ら3人に公職選挙法違反(自由妨害)で警告を出した。
つばさの党は他にも、他候補の選挙カーをつけ回すなどしていた。
警視庁捜査2課によると、衆院東京15区補選に出馬していた他の陣営からも同様の行為に関する相談が寄せられている他、複数の被害届も出されており、一部は既に受理されている。

つばさの党選挙妨害容疑「やりすぎだった」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める
2024/5/13 19:10
https://www.sankei.com/article/20240513-PJAKLD3IF5JDDHHSPK2Z7IRIJ4/
2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして2024年5月13日、警視庁から公選法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月13日、
「つばさの党が考える正義はあると思うが少しやり過ぎだった」
と述べた。
府庁で記者団の取材に答えた。
衆院東京15区補選では維新も新人候補を擁立。
吉村氏が選挙期間中の2024年4月20日、都内で応援演説などに駆け付けた際、補選に出馬したつばさの党の根本良輔幹事長らから妨害を受けた。
吉村氏は
「現場にいて思ったが、街頭演説をしている陣営にマイクを重ねたりすると演説にならない」
と指摘。
警視庁の家宅捜索については
「捜査は選挙妨害の意思も含め、個別の証拠に基づき行われると思う」
と述べた。
また、維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立に向け与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は
「刑事司法とは別に国会でも現行法で運用するか、または立法措置を取るかを深く議論するべきだ」
とした。

自民・茂木敏充幹事長、公選法改正に意欲 補選の自由妨害でつばさの党家宅捜索を巡り
2024/5/13 18:13
https://www.sankei.com/article/20240513-A3EBXJVLBRK5ZDBCOCILQG3MK4/
自民党の茂木敏充幹事長は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁が公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「これまで見たことがないような妨害行為が行われ、極めて遺憾だ」
「議論を進め必要な法改正を進めたい」
「罰則強化など実効性のある対応をしっかりと検討していきたい」
と述べた。
その上で
「捜査当局には法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」
と訴えた。

東京都の小池百合子知事、つばさの党家宅捜索に「本来の選挙の目的にかなっているのか」
2024/5/13 16:54
https://www.sankei.com/article/20240513-B7SOY7BZMBPPFAOIPMSFSO4P64/
公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた政治団体
「つばさの党」
について、東京都の小池百合子知事は2024年5月13日、都庁で記者団に対し、
「他の候補者を追い掛け回したり、音声を被せたり本来の選挙の目的に適っているのか」
「公選法の見直しも必要ではないか」
と述べた。
つばさの党は、2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが持たれている。
また、小池氏は、つばさの党が選挙期間中に自宅前でも街頭演説を実施したとし、
「こんなに身の危険を感じながら選挙をするのか」
と改めて当時の心境を吐露。
「候補者も身の危険を感じながら選挙を行う」
「ここは日本ですよね」
「非常に疑問というかおかしい」
とした。

林官房長官「選挙妨害はあってはならない」 つばさの党家宅捜索 東京15区補選
2024/5/13 16:43
https://www.sankei.com/article/20240513-SYVCDC3D4VNIXAWH4RDIXNXOY4/
林芳正官房長官は2024年5月13日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、公選法違反(自由妨害)の疑いで東京都千代田区にある政治団体
「つばさの党」
の事務所などを家宅捜索したことについて
「選挙運動妨害はあってはならず、候補者や選挙運動関係者は選挙ルールを順守し、公正かつ適切に選挙運動を展開する必要がある」
と述べた。

つばさの党の根本良輔氏「証拠はユーチューブに残っており無意味」 選挙妨害疑い家宅捜索
2024/5/13 15:40
https://www.sankei.com/article/20240513-MQ5AAM2P5NAWRLBIG76A7R2WCM/
2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体
「つばさの党」
幹事長の根本良輔氏は2024年5月13日、警視庁捜査2課が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索したことについて、X(旧ツイッター)で
「家宅捜索されたけど無事です」
「そもそもYouTubeのライブに全部残っており、そこに証拠はあるわけなので、それで逮捕できないなら家宅捜索しても無意味」
と書き込んだ。
根本氏ら陣営は他候補の近くで大音量で演説したり、選挙カーを付け回したりするなど選挙妨害と問題視される選挙期間中の行為について、動画投稿サイト
「ユーチューブ」
などに配信していた。
根本氏は家宅捜索について
「メインの携帯とパソコン押収されただけ」
「携帯パソコンに何も情報がないので逮捕に繋がる証拠は何も出ない」
とも書き込んだ。

自民党の梶山弘志幹事長代行が公選法の罰則強化に言及 つばさの党の家宅捜索受け
2024/5/13 14:39
https://www.sankei.com/article/20240513-HL2ZSGIWRFKBTOSDFTXITPZXVE/
自民党の梶山弘志幹事長代行は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の街頭演説を妨害した政治団体
「つばさの党」
の事務所などに警視庁が公選法違反の疑いで家宅捜索に入ったことを受け、
「仮に選挙妨害を目的とした悪意ある街頭演説が行われたのであれば、(同法の)罰則強化を含め、党として議論をしてまいりたい」
と述べた。

「ヤジ正当化」で民主主義の根幹を破壊 朝日など一部メディアは過去を総括せよ 藤原かずえ
新聞に喝! ブロガー・藤原かずえ
2024/5/12 10:00
https://www.sankei.com/article/20240512-IS3ALI2II5LQDFNVA6H6GWY4DA/
衆院東京15区補欠選挙で政治団体
「つばさの党」
の候補者と党員が他の候補者の遊説場所に乗り込み、大音量で質問を行うことで、演説の聞き取りを困難にしました。
これは民主主義の根幹である選挙を妨害する行為【昭和23年(1948年)最高裁判断】ですが、近年、一部のマスメディアは政権与党に対する同様の行為を強い論調で正当化してきました。
平成29(2017)年に東京・秋葉原で行われた安倍晋三首相(当時)の都議選応援演説では、組織的な呼び掛けに集まった一部聴衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に演説をかき消しました。
安倍氏はこの妨害者に対し
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
と抗議しましたが、一部新聞は
「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」(朝日)、
「首相、聴衆にまで激高」(毎日)、
「敵と味方に分断」(東京)
などと安倍氏を徹底的に非難し、ヤジを正当化しました。
また、令和元(2019)年の参院選での安倍氏の札幌演説で
「安倍やめろ」
「帰れ」
という大声を演説に被せた人物を北海道警が移動させた事案に対しては
「市民を排除。ヤジも意思表示のひとつの方法」(朝日)、
「警察の政治的中立性に疑問符」(毎日)、
「市民から言論を奪うな」(東京)
などと非難しました。
これらの論調に多くのテレビメディアも同調した結果、安倍氏は選挙妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
また、警察の萎縮も窺えます。
例えば安倍氏暗殺事件では、テロリストが安倍氏に近寄って2発を発砲するまで取り押さえることもできませんでした。
そもそも
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは
「意見表明」
でなく、演説者に対する
「恫喝的な命令」
であり、非言論で言論をかき消す
「言論の自由」
への挑戦行為です。
1人のヤジを認めれば、他の全ての人のヤジも認めなければなりません。
秋葉原の事例と比較して甚だ小規模で、候補者が他の候補者に質問する体裁を取る
「つばさの党」
の妨害者を警察が警職法で排除することは、法の下の平等の原則から不可能です。
何よりも、このような時・場所・方法を選ばない身勝手な
「表現の自由」
による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての
「知る権利」
を侵害された一般聴衆です。
今回の事案で多くの国民がヤジ正当化の欺瞞を強く認識するに至ったと推察します。
「言論の自由」
を守る使命を持つ言論機関の一部が非言論による選挙妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。

“選挙妨害”か?表現の自由か?東京15区 広がる波紋 専門家は
2024年4月30日 19時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240430/k10014434831000.html
過去最多の9人による混戦となった衆議院・東京15区の補欠選挙。
候補者の1人がほかの候補者たちの演説場所で、大音量で批判などを繰り返し、各陣営からは“選挙妨害だ”との声が相次ぎました。
警視庁が候補者に警告を出す“異例”の事態にも。
一方で、候補者側は
「表現の自由の範囲内だ」
と主張しています。
選挙妨害か?表現の自由か?専門家の見方は…
目次
“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
何が起きていた?
■“極めて異例” 候補者に警視庁が警告
警視庁は衆議院東京15区の補欠選挙で、公職選挙法違反に当たるとして併せて6件の警告を出し、このうち演説の自由を妨害した
「自由妨害」
の警告が1件ありました。
捜査関係者によりますと、
「自由妨害」
の警告を受けたのは、政治団体
「つばさの党」
の新人・根本良輔氏やこの団体の黒川敦彦代表など3人です。
告示日の2024年4月16日、JR亀戸駅前でほかの陣営の演説に被せるようにおよそ50分間に渡って拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の
「自由妨害」
に当たると判断されたということです。
捜査関係者によりますと、候補者が
「自由妨害」
で警告を受けるのは極めて異例だということです。
■何が起きていた?
その2024年4月16日、JR亀戸駅前に姿を見せた根本良輔氏(29)らは、無所属で立候補した乙武洋匡氏や応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言を続けました。
電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もあり、周辺は一時、騒然となりました。
その後も連日、他の候補者たちの演説会場を訪れては、大きな音量で発言を繰り返しました。
2024年4月26日には立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の陣営が街頭で演説をしているのを見付けると、同じ場所で拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判などを繰り広げました。
居合わせた有権者からは…
30代の女性
「家の中まで大きな声が聞こえてきたので何事かと思いました」
「率直に、どうしてこのようなことをするのかと思います」
「もう一方の候補者の声が聞こえないので、投票の判断材料にはならず、残念です」
64歳の男性
「本来なら政策を議論すべきですが、こういった行為は選挙を冒瀆していますし、本来の選挙戦ではなくなってしまっていると思います」
■ほかの候補者 “選挙妨害だ”
根本氏らはこうした様子をインターネット上でライブ配信し、他の候補者の演説予定をSNSを使って把握していることなども明らかにしていました。
こうした行為を受けて、各陣営は街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。
ほかの候補者たちからは“選挙妨害だ”とする声があがりました。
・立憲民主党 酒井菜摘氏
「危険を感じるような場面もあり本当に怖かった」
「演説の日時を公表できず区民に訴えを届けられなかったことが申し訳ない」
・日本維新の会 金澤結衣氏
「前代未聞の状況で民主主義の根幹が覆される許しがたい状況だった」
「公職選挙法の見直しや地域の皆様に迷惑がかからない選挙のやり方を議論したい」
・無所属 乙武洋匡氏
「各候補者の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは非常に残念で許しがたい」
「今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら何らかの法改正をしていくべきだ」
■つばさの党「表現の自由の範囲内だ」
根本氏は2024年4月25日に会見し、他の候補者に対する行動について
「国政政党が信用できないから政治活動を始めた」
「このままでいいのかと問いかけるために質問をしに行っているだけで、暴力的なことをするつもりはない」
と説明しました。
また、政治団体
「つばさの党」
の黒川敦彦代表は
「国民に与えられた権利である表現の自由の範囲内で正々堂々と批判している」
「それを派手にやっているだけだ」
と主張し、警視庁による警告は権力の乱用だとして東京都に賠償を求める訴えを起こしたと述べました。
今回の事態をどう見たらよいのか。
複数の専門家に意見を聞きました。
■憲法学者 “街頭演説は民主主義の根幹”
憲法学が専門の北星学園大学経済学部の岩本一郎教授は、街頭演説は民主主義の根幹をなす
「言論の場」
であり、その場を壊す行為は表現の自由の範囲を超えていると指摘します。
・岩本教授
「お互いに意見を交換し議論するという意味で、街頭演説は民主主義にとって極めて重要な活動でヤジも含めて政治的な発言として尊重されるべきです」
「ただ街宣車などを使って通行を妨げたり、他の候補者の発言を聞き取りにくくさせたりする行為は悪質性が強く、表現の自由として保障されるかどうか疑問です」
今回の選挙では候補者が演説日程を事前に告知にしなかったり、演説を中止したりするケースも出ていて、岩本教授は次のように指摘します。
「候補者に大きな萎縮効果をもたらす行為です」
「有権者が候補者や政党の声を聞きたくても聞けないとなれば国民の知る権利や、表現の自由を制約する要因になります」
その上で、規制についてはこう話していました。
「候補者の発言内容に国が規制をかけるのは適切ではないですが、行き過ぎた妨害行為については線引きの基準を設け規制が必要になると思われます」
「参加と討議が行われる場を守れるかどうかが、民主主義を維持できるかどうかの鍵になります」
■公職選挙法 専門家 “時代に合った改革必要”
公職選挙法に詳しい日本大学法学部の安野修右専任講師は、今の法律の規定は紳士的に選挙運動を行うことを前提にしていて時代に合った改革が必要だと指摘しています。
安野専任講師は、候補者が他の候補者の街頭演説の場に出向いて大音量で発言する行為について、次のように指摘します。
「どこまでが表現の自由でどこまで選挙妨害かは個々の事例によって判断するしかなく、その線引きは本当に難しい」
「ただ、これまでも偶然、演説場所が被ることはあったが、故意にやるケースが出てきた」
選挙の自由を妨害する行為について罰則を定めた公職選挙法の規定については、
「暴行や傷害などはそもそも犯罪行為だが、それを選挙に関して行った場合更に厳しい罰則を科すものと理解できる」
「一方、演説が被っているからといって直ちに排除をすることは取り締まり機関もなかなかできない」
その上で、公職選挙法のあり方についてこう話していました。
「紳士的に選挙運動をやっていくという、公職選挙法の前提そのものが、現実的にかなり難しくなっている」
「取り締まりを強化しても、この法律を運用している限り同様の行為は恐らく起こり続けると思うので、様々な法規を再点検し、時代に合うような抜本的な改革が必要だ」
■ネット選挙 専門家 “背景に選挙活動の変化”
議会のデジタル化や選挙に詳しい東北大学大学院の河村和徳准教授は、“選挙妨害”を巡り議論になっている背景にインターネットを通じた選挙活動の変化を挙げています。
河村准教授は
「2013年にネット選挙が解禁された時にはホームページやSNSへの投稿が中心だったが近年は動画が容易に配信できるようになった」
といいます。
そして
「インターネット選挙に反応しやすい都市部の選挙では、過剰や過激な発言など、他者と差別化したいために強めの言葉を使って動画に撮って拡散させるスタイルが強くなる」
と指摘しています。
一方で、表現の自由の観点から活動の線引きは難しいとした上で、次のように話していました。
・河村和徳准教授
「ネット選挙の解禁から10年以上経って見直す時期に来ていると思う」
「どうすればより良いことができるのか、誹謗中傷を含めて監視できるのか」
「本格的に考えなければならない」
「プラットフォームに対しても選挙の動画の視聴回数を収益に還元させないなどの取り組みが必要だ」
■「選挙の自由妨害罪」とは?
公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、選挙運動の在り方などについて一定の制限を設けています。
このうち、候補者への暴行や演説の妨害行為などについては、公職選挙法225条で
「選挙の自由妨害罪」
が定められていて、違反すると、4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。
公職選挙法225条
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき
総務省選挙課によりますと、具体的にどのような行為に違法性があるのかについては、個別のケースごとに警察が対応していくということです。
1954(昭和29)年の大阪高等裁判所の判例では、聴衆が内容を聞き取り難くなるほど執ように発言や質問を行い、一時、演説を中止せざるを得なくした行為について選挙妨害に当たると判断しています。
候補者の場合、選挙違反で有罪が確定すると、当選が無効になり、選挙に立候補する権利が停止されることもあります。

選挙妨害をしているのは、
「つばさの党」
新人、根本良輔(29)らだ。

★つばさの党
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%95%E3%81%AE%E5%85%9A#%E5%85%9A%E5%8B%A2
つばさの党は、日本の政治団体。
2020年12月31日までの党名はオリーブの木(オリーブのき)。
■党史
「オリーブの木」時代は、反安倍政権・既存の対米政策反対の立場で、既存野党に対して選挙における「政治団体」の単一化・合流を呼掛けた連合政治団体である。
後述のように反安倍政権反米派の中でも左派系と非反ワクチン系右派が離脱し、反ワクチン系反安倍反米右派の政党と化した。
更に2021年8月以降に、ノーマスク選挙運動で黒川党首の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後対応を巡って、残存の中で彼が
「売名のために反ワクチン活動を利用した」
と見なすか否かで内紛が起きた。
■街頭演説・デモ活動
2024年、東京15区補選に党幹事長の根本良輔を擁立した。
根本は選挙期間中に他党の選挙演説への乱入、他党候補支援者への暴行など妨害活動を行なったことが報道されている。
黒川・根本派らは立候補者の演説に乗り込んで大声を出して選挙妨害し、その様子をSNSでリアルタイム配信するスタイルを取っている。
他の候補者の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子をリアルタイムで配信するスタイルを取っている。
「つばさの党」
の根本良輔幹事長は、
「最近、中国人が凄く増えているわけですが、彼らがいつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったら日本にいる中国人がいつ攻撃してくるか分からない」
「それを後押ししているのが山口那津男(公明党代表)であり創価学会です」
などと演説した。
また、ラップグループ
「韻暴論者(いんぼうろんじゃ)」
は各種の陰謀論を含んだラップを披露した。
この抗議活動に、西東京市議選で黒川の応援演説を受けた長井秀和も参加を表明していたが、参加を見送った。
■党員
幹事長の根本良輔(中星一番)は、芝浦工大卒。
東大大学院中退、元AV男優、ナンパ師、ナンパ術「中星マインド」の情報商材の販売や情報配信を行う。
つばさの党から2021年7月の都議選に出馬して落選し、2021年11月の葛飾区議選では次点で落選した。
選挙活動ではコロナワクチンの危険性を強調し、少子化対策としてAV規制、医療政策として筋トレで免疫力を上げることなどを訴えた。
Twitterでは自然派育児アカウントを運営し、子供に対する全てのワクチンやマスクに反対している。
2023年1月15日、信濃町の公明党本部前で行った街宣活動では、在日中国人について
「いつ武装してもおかしくない」
「習近平が攻撃しろと言ったらいつ攻撃してくるか分からない」
などと演説した。

★根本良輔
https://www.bing.com/images/search?q=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&qpvt=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&form=IGRE&first=1

他陣営の演説に横付けして大音量、「選挙妨害」批判相次ぐ 衆院3補選28日投開票
2024/4/27 19:47
https://www.sankei.com/article/20240427-4X6TJRZJWZJXNO255SZA4DEUV4/
衆院3補選が2024年4月28日、投開票される。
公選法違反事件で前職が辞職したのに伴う東京15区では、諸派新人陣営が遊説中の他陣営の横で大音量で演説するなどし、
「選挙妨害に当たる」
との批判が飛び交った。
警視庁は一部行為に同法違反(選挙の自由妨害)の疑いがあるとして警告を出したものの、同様の行為は選挙戦を通じて続いた。
諸派新人側は
「法律内の選挙活動だ」
と主張しており、選挙活動の在り方が問われる事態となっている。
選挙戦最終日の2024年4月27日午前10時、東京都江東区内で街頭演説の準備をしていた他候補の場所を奪う形で演説を始めた諸派新人陣営。
過激な言葉で他の候補者を名指しする場面もあった。
午後3時、国会議員らが応援に駆け付けた無所属新人陣営の街頭演説では多くの警察官が警戒に当たり、周囲に幾重にも柵が設置されるなど最後まで緊張感が漂った。
異様な光景は告示前から始まった。
諸派新人陣営が無所属新人の選挙カーに近づき、相手の声を遮るように
「答えろよ」
「おい」
などと大音量でまくし立てた。
2024年4月16日の告示日も同じ無所属新人の演説中、横付けした選挙カーから大音量の主張。
無所属新人側の声がしばしばかき消された。
各陣営などへの取材によると、この諸派新人陣営の行為として、
▽他陣営の選挙事務所前で大音量で演説する
▽他陣営の選挙カーを追い回す
▽無所属新人を支援する政治家の自宅付近(東京15区外)で街頭活動する
などがあったとされる。
「こんなことは想定していなかった」。
ある新人を支援する国政政党幹部はこう語る。
公選法の規定の他、選挙戦は陣営同士の〝信義則〟で成立してきた。
▽他陣営の遊説の邪魔にならないようにする
▽遊説場所が重なりそうな場合は調整を行う
▽選挙カーがすれ違う際には音量を下げたり、エールを送りあったりする
といったものだ。
一連の行為は、他陣営の選挙活動の萎縮に繋がった。
遊説日程などを交流サイト(SNS)などで拡散することが重視される中、
「妨害の対象になる」
として、多くの陣営はSNSでの予定公開を控えた。
また、演説会場に大量の警察官が投入されたことで、重苦しい雰囲気に包まれた。
一方、批判対象の諸派新人陣営は
「選挙妨害には当たらない」
「法律で認められた範囲内で活動している」
と主張。
「他の候補者に聞きたいことがあるから直接問いかけている」
「答えてくれれば終えている」
としている。
問題は国会にも波及した。
岸田文雄首相は2024年4月22日の衆院予算委員会で、一般論としつつ
「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党会派で議論するべき課題だと認識している」
とした。
拓殖大政経学部の岡田陽介准教授は
「街頭演説は候補者と有権者が直接触れ合える場で、重要な選挙活動だ」
「偶然通りかかって足を止める場合も想定され、選挙啓発に繋がってきた」
「今回の手法はその機会を奪うことに繋がり、更なる選挙離れを招きかねない」
と危惧。
一方、現行の公選法での規制には限界があるとして
「法改正を求める声が出ており、実害があれば何らかの対策が必要だろう」
「一方で特定の存在を排除することは民主主義に反する」
「政治家や有権者が望ましい選挙の在り方を考えることも必要だ」
としている。
■衆院補選立候補者(届け出順)
▽東京15区 (9人)
福永活也43 弁護士 諸 新
乙武洋匡48 作家 無 新 【国】
吉川里奈36 看護師 参 新
秋元司52 元環境副大臣 無 元
金沢結衣33 元食品会社員 維 新 【教】
根本良輔29 IT会社経営 諸 新
酒井菜摘37 元区議 立 新
飯山陽48 大学客員教授 諸 新
須藤元気46 前参院議員 無 新
▽島根1区 (2人)
錦織功政55 元財務省職員 自 新 【公】
亀井亜紀子58 党県代表 立 元
▽長崎3区 (2人)
山田勝彦44 党県副代表 立 前 【社】
井上翔一朗40 学習塾経営 維 新 【教】

東京15区補選、トラブル避けて各陣営が苦肉の「ゲリラ街宣」 大半はフェアプレーも
2024/4/22 17:23
https://www.sankei.com/article/20240422-FAJLOKD5YBDBXGAPINO3VPP2SU/
東京都江東区で繰り広げられている衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)の選挙戦では、各陣営がSNSなどで遊説日程の事前告知を控える傾向にある。
告知すれば一部陣営が押し掛けて大声で候補者に〝質問〟を浴びせるなど、円滑な選挙活動が妨げられる恐れがあるためだ。
同補選を巡っては、演説会場で陣営関係者が暴行され逮捕者が出る事件も起きているが、大半の候補は選挙カーが別の候補者の演説会場近くを通り過ぎる際は音声を控えるなど、フェアプレーに徹している。
■「なにビビってんだよ」
「出てこいよー。おーい。居るんだろ。議論しよーぜ。なにビビってんだよ」
2024年4月20日午後7時前、東京メトロ門前仲町駅近くの商店街。
同補選に新人の飯山陽氏(48)を擁立した政治団体
「日本保守党」
の選挙事務所前で、政治団体
「つばさの党」
新人、根本良輔氏(29)らが声を張り上げていた。
日本保守党の百田尚樹代表らとの議論を求めているという。
周囲は日本保守党の支援者とみられる数十人が囲んでいる。
根本氏は支援者らにも矛先を向けた。
「保守党信者の皆さんがお願いしてくださいよ」
「こんな奴ら論破してくださいと」
「本当に応援しているんだったら、言えよ」
根本氏は選挙を通じて他陣営の政策の矛盾やスキャンダルの有無を徹底的に明らかにしたい思惑があるようだが、大声が飛び交う異様な光景に通行人らはぎょっとした表情を浮かべていた。
根本氏は告示された2024年4月16日に無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=が行った演説会場に押し掛けるなど、ほとんど全ての候補者の前に現れて大声を上げている。
立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)が同日、東京メトロ清澄白河駅近くの交差点で実施を告知していた街頭演説は行われなかった。
駅前でビラを配っていた国民民主党関係者は
「根本氏が現場にやってきたので、急遽取りやめたようだ」
と語った。
■空手有段者に元警察官
こうした事態を受け、各陣営はSNSで街頭活動の告知を取りやめるなど、選挙活動の修正を余儀なくされている。
どの候補者も選挙期間中には1人でも多くの聴衆に政策や人柄を知ってもらいたいはずで、苦肉の策と言える。
通常、国政選挙の候補に警備は付かないが、警察も対応に乗り出している。
日本保守党の事務所前には2024年4月21日、警察車両が待機していた。
妨害活動に対する警備のためだという。
事務所のドアには
「アンチが皆さんへのアピール目当てに寄ってきますので事務所前の滞留はご遠慮ください」
と書かれた紙が貼られていた。
参政党新人、吉川里奈氏(36)の陣営は空手の有段者や元警察官のスタッフが胸元に
「警護」
と書いたマークを付けているという。
陣営関係者は、警備係が待機していることを聴衆に知らせ、安心感を与える狙いがあると説明する。
2024年4月21日夕にはある陣営の演説会場で酔っ払いとみられる通行人が
「政治には金がかかるんだよ」
と叫び、止めに入った陣営関係者を押し倒す場面もあった。
■選挙が終わっても暮らしは続く
一方で多くの陣営は、互いの選挙活動に敬意を払った行動を心がけている。
2024年4月21日夕、日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=が門前仲町駅前の交差点で行った演説会。
参政党の選挙カーが吉川氏への支援をマイクで訴えながら近付いて来ると、維新の演説に気が付いたようで、交差点の数十メートル前で音を消した。
維新の陣営スタッフも参政党の選挙カーに近付いて頭を下げていた。
立憲民主党の選挙カーも同駅近くで演説していた無所属元職の秋元司氏(52)が通り過ぎる際、マイクで
「失礼しました」
と発言し、音声を切っていた。
同駅近くの交差点でビラを配っていた候補者は地面に拡声器を置いたままだった。
理由は約50メートル先で別の候補が選挙活動を行っているからだという。
この候補は周囲に
「選挙には互いの演説機会を確保する紳士協定がある」
と述べ、
「選挙が終わっても自分たちはこの町で暮らしていく」
「暴れて住民に迷惑を掛けることなんて考えられない」
と語った。
無所属新人の須藤元気氏(46)は告示前から他の候補の迷惑になりかねない行動はやめようと陣営で意思統一していたという。
このため、辻立ちなどを予定していた場所で他の候補が選挙活動を行っていた場合、中止することは当然、選挙カーのマイクの音量も須藤氏の指示で低めに設定している。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)も出馬している。

東京15区補選注目の「選挙妨害」に苦しんだ安倍氏 ヤジ排除は「表現の自由侵害」判決も
2024/4/23 16:42
https://www.sankei.com/article/20240423-QFEAQSVJ3NE5BOXRNG3NMD7YC4/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で、他の候補者が演説する会場などに諸派新人の根本良輔氏(29)が押し掛けて大声を挙げるといった行為を巡り、
「選挙が成り立たない」(日本維新の会陣営)
と与野党が問題視する事態になっている。
近年の選挙を振り返ると執拗なヤジや罵声など妨害行為に悩まされ続けたのが安倍晋三元首相だった。
■岸田首相も問題視
「政策を訴えるのではなく、とにかく候補者の演説を大音量で妨害、威嚇、恫喝する行為が続いている」
「演説を聞く有権者の権利を奪うことになる」
「首相の演説でもこんなことがあってはならない」
国民民主党の田中健衆院議員は2024年4月22日の衆院予算委員会で、衆院東京15区で妨害行為が問題となっているとして、こう訴えた。
田中氏は
「妨害行為をユーチューブやSNSで拡散して炎上させて、大きな利益としている」
とも指摘した。
岸田文雄首相も
「問題意識を共有する」
と述べ、対策を立てる必要性に言及した。
近年選挙活動に対する妨害活動は過激化する傾向にある。
■「こんな人たち」に負けない
平成29年7月1日、東京都議選を巡りJR秋葉原駅前で行われた自民党の最終演説会場には、安倍政権に批判的なプラカードなどを掲げた人々も集まって巨大な横断幕を掲げた。
安倍氏が登壇すると
「帰れ」
コールが始まり、演説の声をかき消すようにトーンをあげていく。
「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」
安倍氏は
「あのように主張を訴える場所に来て、演説の邪魔をするような行為を私たち自民党は絶対にしない」
と演説し、
「相手を誹謗中傷しても何も生まれない」
「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」
「都政を任せるわけにはいかない」
と声を張った。
当時自民党は選挙妨害を警戒し、都議選に関して計4回行った安倍氏の演説で、3回は会場の統制が比較的効きやすい小学校体育館を選んだ。
街頭の会場は秋葉原の1回だった。
この安倍氏の演説は
「異論に不寛容で批判を敵視する姿勢」(朝日新聞)
などと報じられた。
■警察官の行為は「妥当」認定
令和元年7月の参院選。
自民党は演説を妨害する人々への対策で、安倍氏の遊説日程の公表を控える傾向にあった。
それでも最終日の秋葉原での演説会場には
「安倍ヤメロ」
と大書された横断幕を掲げて騒ぐ集団がまたしても現れた。
「安倍ヤメロ」
と騒ぎ出し、警察官が止めに入ると
「暴力反対」
コールが起きた。
「表現の自由を守れ」
といった叫び声もあった。
また、札幌市で行った街頭演説では
「安倍ヤメロ」
とヤジを飛ばした聴衆が北海道警の警察官によって現場から引き離された。
当時、警察の行為は問題視された。
旧国民民主党の玉木雄一郎代表は
「文句を言う人を権力を使って排除することが当たり前になれば怖くて声を上げられなくなる」
と批判した。
警察官らに後方に移動させられた男女2人は、その後、道に慰謝料など損害賠償を求め、訴訟を起こした。
札幌地裁は令和4年3月、判決で排除行為は憲法で保障される表現の自由を侵害したと指摘し、排除の違法性を認め、道に賠償を命じた。
札幌高裁は男性が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定。
1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。
原告の男性は判決を不服として上告している。
■2度の襲撃事件が発生
令和4年7月8日、安倍氏は奈良市で参院選の応援演説中、山上徹也被告=殺人罪などで起訴=に銃撃され、死去した。
一方、山上被告は公職選挙法違反罪での起訴が見送られた。
選挙妨害の意図の立証が困難と判断されたとみられる。
令和5年4月、岸田首相も和歌山市で衆院補選の応援に駆け付けた際、木村隆二被告=殺人未遂罪などで起訴=に襲撃された。
木村被告は不特定多数への被害が想定されるパイプ爆弾を使ったことから選挙妨害の意図が推認できると判断され、公選法違反罪でも起訴されている。
平成29年10月の衆院選を巡って、安倍氏が立候補した山口4区では一部候補がツイッター(当時)にこう投稿し、波紋を広げた。
「1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう! 盛り上がれば本当に安倍のクビが取れます!」
自民党総裁として全国を駆け回る安倍氏に代わって、地元・山口で安倍氏への投票を呼び掛けるのが妻、昭恵氏。
安倍氏の陣営は昭恵氏に危険が及びかねないとして警察に警備を相談する事態となった。
このツイッターを投稿した政治団体代表、黒川敦彦氏は加計学園の獣医学部開設を問題視し、山口4区に出馬した。
安倍氏との合同演説会の開催も要請した。
黒川氏は今回、衆院東京15区補選に出馬した根本氏の陣営に加わっている。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の吉川里奈氏(36)▽無所属元職の秋元司氏(52)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。

選挙妨害と「こんな人たち」
阿比留瑠比の極言御免
2024/4/25 1:00
https://www.sankei.com/article/20240425-YSEBWF3T35P6NLUP2V35ADC4D4/
2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙戦では、特定の候補者が他の候補者の演説場所で大声を上げるなどの妨害行為を繰り返し、街頭演説の事前告知ができない異常事態が生じている。
有権者にとっては、候補者の主張に耳を傾ける機会を奪われることになり、民主主義の根幹を揺るがす大問題だとも言える。
だが、
「こんな事態」
を招いたのは誰か。
安倍晋三元首相の演説を組織的、継続的に妨害していた集団を
「表現の自由だ」
と無理やり庇い、正当化し、逆に彼らを
「こんな人たち」
と呼んだ安倍氏を一方的に批判してきたマスコミや野党だったのではないか。
■安倍氏につきまとい
安倍氏は平成29(2017)年7月の東京都議選の街頭演説で、毎回のように演説会場に来ては
「安倍辞めろ」
と連呼する同じ顔ぶれの集団について訴えた。
「あのように人の主張の訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしない」
「私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたい」
「憎悪からは何も生まれない」
「相手を誹謗中傷したって、何も生まれない」
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」
何もおかしな事は言っていない。
力ずくで演説を妨げようとするヘイト的な言動には負けずに、政策を説いていくと主張しているだけではないか。
ところが、朝日新聞などは
「こんな人たち」
と述べた部分を切り取り、以後、何年経っても延々と安倍氏の批判を続けていく。
例えば令和元(2019)年7月の社説では
「自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された」
と記し、令和3(2021)年3月の記事ではこう強調した。
「自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は『友と敵』を分ける安倍首相の政治手法の象徴と受け止められた」
とはいえ、執拗に
「安倍辞めろ」
と叫び続けた連中はそもそも
「聴衆」
とは言えないし、
「受け止められた」
のではなく朝日新聞がそう決め付けただけだろう。
朝日新聞は、安倍氏が暗殺された1年後、令和5(2023)年7月8日の社説でも安倍氏批判を続けた。
「『こんな人たち』『悪夢のような民主党政権』」
「敵対を煽り、そこから権力行為のエネルギーを汲み上げる手法である」
安倍氏の演説の言葉からは、そんな意図は汲み取れない。
むしろ朝日新聞が、安倍氏の死去後も安倍氏への反感や憎悪を煽り続けていることが窺える。
■警察の委縮
安倍氏の街頭演説を巡っては令和元(2019)年7月、東京都中野区でこんな事もあった。
「安倍辞めろ」
などと騒いでいた集団がうるさく、演説が聞こえないのである女性が集団に注意し、その場にいた警官にも対処を要請した。
ところが双方が聞き入れないので実態を記録しようと集団にスマートフォンを向けて撮影しようとしたところ、集団がスマホを取り上げ、地面に叩き付けて破壊したのである。
後に警察は女性にこう釈明した。
「注意すると人権問題だとか差別だとか言われるから」
「強力には排除できない」
演説を妨害する暴力をマスコミや野党、裁判所が擁護してきた結果、警察が委縮し、取り締まるべき行為を目こぼしする。
野党も矛先が安倍氏や自民党に向いている間は、人権派ぶって彼らを排除するのはおかしいと擁護する。
その行き着いた先が、安倍氏が街頭演説中に凶弾に倒れるという悲劇だったのではないか。
「こんな人たち」
は、厳しく排除して当然である。

東京15区補選で波紋広げる選挙妨害 公選法改正の動きも 告示後、公然と行為は異例
2024/4/25 18:54
https://www.sankei.com/article/20240425-5GR7WOENBZGOTIKXMQA7GWZTRM/
衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で一部の陣営が他候補の演説会場に駆け付け、大きな声で政策やスキャンダルについて〝質問〟する行為を繰り返し、円滑な選挙活動が妨害されている。
こうした動きを受け、与野党からは公職選挙法を改正し、妨害への規制強化を検討するよう求める声も出始めた。
■活動中止するスタッフも
「まだまだ妨害行為は止まらない」
「何らかの法規制が必要ではないか」
日本維新の会の若手議員は、こう問題意識を投げかける。
同区補選には維新の候補も出馬しており、一部の陣営は維新が成功を目指す2025年大阪・関西万博の開催の是非などについて維新陣営に執拗に質問を浴びせている。
選挙会場は罵声とも取れる大声が飛び交う事態となっている。
若手議員は
「暴行罪で訴えられるレベルで、少なくとも威力業務妨害罪には該当するのではないか」
と語る。
実際、ある陣営のボランティアスタッフの女性は妨害活動に直面し、恐怖のため選挙活動が継続できなくなったという。
維新や国民民主党からは、公選法の選挙の自由妨害罪の適用がしやすくなるような法改正や罰則の強化などの検討を求める声が上がっている。
■多くの議員が類似の被害経験
選挙ポスターを剝がされるといった妨害は、過去に多くの与野党議員が被害に遭っている。
自民のベテラン議員は
「街頭演説中に
『お前の演説など聞きたくないんだ』
と怒鳴られた」
と振り返った。
別の自民の若手議員は、東京電力福島第1原発事故を巡って街頭演説中に批判されたという。
「『お前ら自民党が原発政策を進めたんだろう』
と怒鳴られ、持っていたのぼり旗を蹴られ、地面に転がった旗も再び蹴られた」
と語る。
令和4年7月に死去した安倍晋三元首相も街頭演説中、
「安倍辞めろ」
などと連呼する集団に妨害された。
一方、選挙が告示された後の妨害行為は、これまで今回のように公然と行われるケースは少なかった。
立憲民主党の辻元清美参院議員の場合は、演説の際に辻元氏のマイクが奪われ、事務所関係者が暴行されたことがあった。
刃物が事務所に届けられた経験もあるというが、こうした嫌がらせは選挙の告示前だったという。
立民関係者は
「選挙が始まってから辻元氏に対する妨害は記憶にない」
「告示後に妨害すれば捕まる可能性が高まるからだろう」
「今回の東京15区の件は確信的な行為だと言える」
と語る。
■玉木氏は妨害候補と対話
東京15区補欠選挙を巡っては、国民民主の玉木雄一郎代表が2024年4月23日、同党が推薦する候補の応援に駆け付けた際も、一部陣営の候補が駆け付け、玉木氏に向かっていった。
国民民主の関係者は候補を制しながら、
「あなたにも選挙の自由がある」
「こちらにも選挙の自由がある」
と訴え続けたが、候補は目を合わそうとしなかったという。
この関係者は産経新聞の取材に
「(一部陣営が)『選挙妨害ではない』と言っても、選挙の自由と自由が衝突すれば、残るのは妨害行為だ」
「有権者が見ている前で恥ずかしくないのか」
と憤った。
一方、玉木氏は一部陣営が求める〝質問〟に約20分応じていた。
一部陣営の候補も玉木氏の姿勢に満足したのか、玉木氏にグーサインを向けてその場を去っていった。
国民民主の伊藤孝恵参院議員も2024年4月25日、東京15区補選で応援に駆け付けた際、一部陣営に遭遇した。
伊藤氏はその様子についてX(旧ツイッター)にこう書き込んだ。
「質問に答えろよ! 質問に答えたら静かにしてやるよ! と絶叫されていたので、私が答えます!と名刺を渡したら
『なんだ国民民主か、国民民主は昨日“たまちゃん”(=玉木氏)に答えてもらったからもう用はない』
と言われました」

選挙妨害、処罰の可能性 総務相「妨害はあってはならない」適切な運動求める
2024/4/23 17:03
https://www.sankei.com/article/20240423-QDT3T7KMMZPZ5BJDFTOSIJD6SU/
松本剛明総務相は2024年4月23日の記者会見で、2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、候補者が街頭活動中に妨害を受けているとの指摘に関し、公選法の自由妨害罪や刑法の暴行罪などの処罰対象になり得ると述べた。
選挙運動の関係者に対し
「妨害はあってはならない」
「法を犯すことなく公正、適切に選挙運動を展開して頂きたい」
と求めた。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は2024年4月23日、自由妨害罪の罰則強化などの公選法改正案について、今国会提出を目指す考えを記者団に明らかにした。
「選挙妨害は許さないとの強い意思を示すべきだ」
「各会派の協力を仰ぎたい」
と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で罰則強化の改正が必要との認識を示した。
東京15区補選では、街頭演説会で陣営関係者とみられる男性を突き飛ばしたとして逮捕者が出ている。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/462.html#c34

[政治・選挙・NHK294] 共産・小池晃書記局長 蓮舫氏の支援を表明…野党共闘へ「れいわ新選組に参加を呼び掛けていく」(東スポ) 達人が世直し
17. 秘密のアッコちゃん[359] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月29日 15:47:55 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[472]
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■飯山あかりさん大健闘
★百田
衆議院東京15区補欠選挙で、日本保守党は飯山あかりさんを擁立して12日間の選挙戦を闘い抜きました。
結果は4位でしたが、飯山さんはよく頑張ってくれました。
★有本
大健闘して下さったと思います。
後ほどお話しする異常事態もあって、心身が傷付いておられるので、とにかくゆっくり休んで頂きたいです。
★百田
飯山さんに投票して下さった2万4264人の皆さん、そして我々を応援、支援して下さった大勢の皆様に、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。
皆様のご期待に応えることが出来なかったことを深くお詫び申し上げます。
ただ、このような言い方をすると支援して下さった方に怒られてしまうかもしれませんが、選挙戦は総じて楽しかったです。
もちろん戦っている最中は、辛く苦しいことが多々あったのですが、得るものも多々ありました。
知己(ちき:自分のことをよく理解してくれる人、知り合い、知人)をはじめ、
「我々はこれぐらい闘えるのか」
ということも少しは見えました。
★有本
日本保守党という団体からして設立から半年、まさにゼロからのスタートで、江東区に落下傘で来て2カ月足らずの選挙戦でした。
しかも、小選挙区を戦うには不利な
「諸派」
ですからね。
街宣車からポスター、ビラの数まで、国政政党に比べたら大幅に少ない数しか許されず。
ですから最初は泡沫候補と言われ馬鹿にされていましたが、関わった全員の頑張りで2万4264票を頂くことが出来ました。
最初の大きなステップになったと思っています。

▲衆院補選 東京15区
定員 1立候補者数 9有権者数 430,285投票率 40.70%開票終了
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/local/shutoken/20507/skh54852.html
飯山陽 諸派 新 48歳 イスラム思想研究者大学客員教授 24,264(14.2%)

★百田
得票率14.2%という数字は大きいですね。
月刊『Hanada』の読者はご存じかと思いますが、国政政党と認められるための条件が2つあります。
1つは、国会議員を5人以上擁すること。
もう1つは、衆参どちらかの国政選挙で得票率2%以上を取ることです。
今回は東京15区という限定された選挙区でしたから、通常の国政選挙とは単純に比較は出来ませんが、実際に全国を通して2%取れば国政政党として認められることを考えると、14.2%という数字の大きさがお分かり頂けると思います。
もちろん、通常の国政選挙となればこの数字通りにはなかなかいかないことは十分承知の上です。
しかし、今後我が党はかなり闘えるのではないかという手応えは感じています。
★有本
衆議院選挙が2024年6月末にあるとも囁かれていますが、こればかりは実際にどうなるかは分かりません。
今回の選挙結果を詳細に分析し、常在戦場の思いで我々も戦略を練っていきます。
2024年7月7日には東京都知事選挙と東京都議会の補欠選挙が、2025年7月には参議院選挙が行われますから、その辺りも含めて早急に執行部で議論を尽くしたいと思います。
いずれにしても、百田さんがおっしゃるように14.2%という得票率には私も一定の手応えを感じました。
得票率10%を超えることが1つの目標でもあり、供託金が戻って来ることは周知の通りです。
★百田
今回の東京15区の補選では9人が立候補しましたが、そのうち4人が供託金を没収されています。
小池百合子都知事が推した乙武洋匡さんは5位に沈み、得票率は11.5%と危なかった。
★有本
これは後で知って驚いたのですが、乙武さんを猛烈に応援した小池さん、何と12日間の選挙戦中、9日間も応援に入っていたんですね。
俗に
「金魚鉢」
と呼ばれるガラス張り選挙カーに乗車して、自らウグイス嬢を買って出る力の入れようでした。
私も1度、小池さんのウグイスぶりを見たのですが、流石に選挙慣れしていて上手かったですよ。
★百田
得意のアラビア語でやっていましたか(笑)。
★有本
それはやっていません(笑)。
飯山さんの15区支部長就任会見で記者から小池さんについて問われた百田さんが、
「我が党の飯山さんとアラビア語で議論をしてもらいたい」
と言ったことが、ちょっとしたニュースになりましたね。
この報道が、小池さんの補選不出馬に大きく影響したと分析する人もいます。
あの会見の翌日、小池さんは物凄く不機嫌だったという情報もあります。
ここで初めて明かしますが、飯山さん擁立の話を執行部で会議した際、私が冗談半分で
「飯山さんのような本物のアラビストが出て来たら、小池知事は(自分のボロが出るのを恐れて)出られなくなりますよ」
と言ったら、百田さんがすかさず
「それ、ええなあ(笑)」
と仰った。
しかし、それをあの記者会見の場で咄嗟に持ち出して、ニュースにしてしまったのは流石と思います(笑)。
★百田
私の咄嗟の一言が小池さんの出馬に待ったをかけた可能性があったとすると、我ながら良い事を言いましたかね(笑)。
しかし、都知事の公務をやりながら9日間も応援に入るほど力を入れたのに、乙武さんが敗れたら一切知らん顔。
あそこまで応援したのだから、普通なら一言ぐらい敗戦の弁を言うのが人としての筋です。
流石に薄情過ぎませんか。
★有本
小池さんらしいと言えばらしいです。
これまでも、利用価値がなくなった人には一顧だにしない人と言われてきましたから。
■虚構の「小池神話」
★百田
今回の補選で、小池さんは東京都知事選へ弾みを付けるどころか、逆に自らに求心力がないということを示してしまった。
★有本
「小池盤石」と言われた都知事3戦にさえも黄色信号が灯ったかと言われています。
★百田
都知事選に出れば、学歴詐称疑惑で元側近が刑事告訴すると言っていることも影響するでしょう。
★有本
いや、そもそも
「小池神話」
なんて本当にあったのでしょうか。
「小池さんが応援に入れば勝てる」
とまことしやかに言われてきましたが、それは虚構というか偶然だったのではないかと思います。
2024年1月に行われた八王子の市長選挙でも
「自民党は小池さんの応援があったから勝てた」
と言われていますが、それを証明する確たるデータなどは示されていません。
元々接戦で、最後は自民公明の底力で勝ち切ったという見方も成り立つわけです。
★百田
しかし、乙武さんが出馬するとなった時、ほぼ全ての政治評論家やコメンテーターは
「小池氏が応援する乙武で決まりだ」
と断言していました。
そうした評論家連中は
「いや、自公が乗らなかったから」
と言い訳するのでしょうか。
彼らの
「分析」
が如何に当てにならないか。
現に、我が党の飯山さんについては全員が泡沫候補扱いして笑っていましたからね。
★有本
表立ってはいませんが、自民公明の一定程度の人たちが乙武さんを支援したことは間違いありません。
特に、公明党が号令を掛けたことは確かです。
小池さんの顔を潰さないようにと動員は掛けていました。
自民党の一部も、自分たちの次の選挙を睨んで小池寄りになっていた。
★百田
最後の最後で乙武さんにかなりの公明党票が入ったことは、私も聞いています。
★有本
これまでも、期日前投票が始まる頃に公明党に頼むことは自民党の選挙手法として用いられてきました。
2023年4月に行われた千葉5区の補選でも、自民党の新人がその差、5000票の薄氷を踏む勝利となったですが、この時、公明党が期日前投票に相当の動員をかけて情勢調査を好転させています。
ところが、今回は小池さんの思ったようにはならなかった。
■小池はアメリカ大統領か!
★百田
創価学会の女性部が、乙武さんの女性問題に嫌悪感を示して投票しなかったと言われていますね。
しかし、小池さんと言えば、最終盤に入った日の動画をネットで見たんですが、まあ凄まじかった。
とんでもない数の警察官、SPを動員しての厳重警戒!
3車線の道路を何百メートルにも渡って警視庁がバリケードで封鎖する等、
「アメリカ大統領か!」
というぐらいの警備でした。
我が党だけでなく、維新の会も立憲民主党も参政党も
「選挙妨害」
を受け警察に何とかしてくれとお願いしても見て見ぬ振りに近い対応でした。
そんな無法地帯の中、乙武さん陣営だけは言わば特別扱いでした。
小池さんが警視総監に
「何とかして」
と頼んだとか。
★有本
今回の選挙戦で、私たちも大きく目算を狂わされたのが、あの
「妨害」
ですね。
選挙戦の後半、告知しての街宣ができなくなったばかりか、我が党ならではの多士済々の応援弁士をお願いする予定だったのですが、断念せざるを得ませんでした。
警備についてですが、もちろんSPなど要人警護の対象ではあります。
しかし、まさにアメリカ大統領でも来るのかという異常なまでの厳重警備に、違和感を覚えた地元住民の方も多かったと思います。
この様子を見て、都議会議員の上田令子さんがXにこう投稿しています。
「都知事ならば、自分と乙武氏だけではなく全ての候補者の安全を守るべき 可哀そうなのはアテクシだけでいい」
まさにその通りで、警視庁を指揮する立場にある都知事ならば、全陣営に対して警備を要請すべきところを、自分の関係する陣営だけ厚く警護してもらうというのは如何なものかと思います。
自分ファーストを超えて、自分オンリーですからね。
■安倍総理の地元でも被害に
★百田
今回は一部を除く大半の陣営が被害を受け、予定していた街宣活動ができませんでした。
このことが選挙戦に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。
特に、組織票のない日本保守党は街宣活動が東京15区の人たちに直接訴えかけることのできる最大の手段でした。
しかも9人の候補者の中で、我々が最も聴衆を集めていた。
言わば唯一のアドバンテージを奪われてしまったことは、大変な痛手でした。
★有本
今回のような酷い妨害が罷り通ってしまうのは、民主主義の危機です。
公職選挙法の明らかな欠陥であり、早急に法改正が求められます。
ただ、この件に関して私自身、迂闊だったことがあります。
それは、2017年秋に行われた衆議院選挙の時に、同じような妨害活動を目の当たりにしていたのを忘れてしまっていたことです。
前年の2016年に東京都知事に当選した小池さんは、2017年に希望の党を立ち上げ、人気を博していました。
選挙で自民党は大幅に議席を減らすのではないかと見られていた時です。
★百田
あの時は、朝日新聞をはじめメディアが連日のように
「モリカケ報道」
で安倍政権叩きを行っていました。
その結果、安倍政権の支持率は下落していた。
結果的に、小池さんの
「排除宣言」
によって希望の党は失速しましたが、一歩間違えば安倍政権は総選挙に敗北して退陣の危機すらあった。
★有本
まさにあの時の総選挙で、私は安倍さんの地元、山口4区に行きました。
もちろん、安倍さんは現職の総理ですから自身の地元に入ってはおらず、昭恵夫人と支援者の方が選挙戦を闘っておられました。
その最中、安倍陣営の選挙カーを尾け回し、個人演説会の会場付近で拡声器を使い、安倍陣営の演説が聞こえないほどの大音量で
「アベの友達を優遇する政治は許せん!」
などと叫んでいたのが、今回の”つばさの党”の黒川敦彦氏です。
あの時も、黒川氏は山口4区から立候補していました。
★百田
7年前(2017年)から、今回と同じような活動を行っていたのですね。
■山本太郎と繋がっていた
★有本
そして、その時(2017年秋に行われた衆議院選挙)、黒川氏と行動を共にしていたのが、れいわ新選組の山本太郎氏です。
産経新聞が当時のことをこう報じています。

首相夫人を「囲め」 ツイッターに非常識な書き込み、荒れる山口4区
2017/10/13 11:40
https://www.sankei.com/article/20171013-ZEGCSJCOHRIEBAO4BFGEYC4ZFM/
<安倍晋三首相(自民党総裁)のおひざ元、山口4区の選挙が、荒れている>
<安倍氏をはじめ5人が立候補したが、一部候補によるネットへの非常識な書き込みなど、安倍首相の落選運動の様相を呈している>
<「10月10日のボランティア急募 初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」>
<公示前の7日、無所属新人の政治団体代表、黒川敦彦氏(39)は、ツイッターにこう書き込んだ>
<黒川氏は、加計学園の獣医学部開設を問題視し、同区からの出馬を決めた>
<安倍氏の陣営は、首相夫人の昭恵氏に危険が及びかねないと心配し、警察に警備について相談した>
<その黒川氏は公示日、安倍首相の出陣式の会場に、参院議員の山本太郎氏(42)とともに姿を見せた>
<黒川氏らは、昭恵氏に近寄ると、「申入書」と題した紙を手渡した>
<安倍首相との合同演説会の開催を要請したものだという>
<この様子を山本氏は、ネット中継した>
<集まった報道陣も黒川氏らに群がった>
<安倍首相の後援会幹部は「実質的な妨害だ」と憤った>

★百田
2017年当時、山本太郎氏と黒川氏は繋がっていわわけですか。
そう言えば、今回の東京15区補選では、山本太郎氏が応援した須藤元気氏に対してだけは、妨害活動が行われませんでした。
少し見えてきましたね。
選挙活動を通常通り行うことのできた須藤氏は、事前予測を大きく上回る2位と大健闘しました。
★有本
無所属の須藤氏が今後どのような政治活動をするのかは分かりませんが、山本太郎氏の応援を得たことを見れば、れいわ新選組と密接な関係を築く可能性はありますね。
■15年前の悪夢
★百田
今回の選挙で非常に驚いたことは、自民党の支持者の約10%が立憲民主党に投票したことです。
言うまでもなく、立憲民主党はあの
「悪夢の民主党政権」
の残党、しかも旧民主党の最も醜悪な議員によって結成されている党です。
今から15年前の2009年に、
「自民党にお灸を据えて、1回民主党にやらせてみよう」
と考えた大勢の国民が民主党に投票しました。
メディアも朝から晩まで狂ったように
「政権交代や!」
の大合唱。
その結果、民主党は193人増えて、改選480議席のうち308議席を占め大勝、対する自民党は181人減って119議席と大惨敗。
ところが、政権を取った民主党は
「マニフェスト」
詐欺はやるわ、経済・外交安全保障など全てにおいてド素人、国内外で無茶苦茶な政権運営をし、日本を破壊しまくった。
繰り返しますが、その時の民主党の一番酷い議員を凝縮させているのが、現在の立憲民主党です。
しかし、メディアはこうした
「立憲民主党の正体」
を報道しないので、多くの人にとってはもう記憶の彼方になってしまっているのかもしれません。
12年前の2012年に、国民は民主党政権に懲りたはずなんです。
ところが、今回の選挙でも
「自民党があかんから、立憲に入れとこ」
と15年前(2009年)と同じようなことが起きてしまっている。
しかも、今回は共産党と組んだ
「立憲共産党」
に自民党の支持者まで投票している。
こんな政党が政権を取ったら、どえらい事になります。
ただし、では今の自民党に勝たせて良いのかという大きな問題でもあるんです。
★有本
はい。
それが12年前(2012年)と大きく異なる所ですね。
12年前(2012年)は安倍晋三さんがおられて、百田さんはじめ、慧眼の方々が応援した結果、奇跡的に自民党総裁に返り咲き、総理にも返り咲きました。
★百田
そうです。
確かに、立憲民主党あるいは立憲共産党なんかに政権を渡したら絶対にダメです。
ただ、今の岸田政権を見ていると、自民党を勝たせ続け増長させるのもダメ。
政権を渡さない程度に自民の票を奪うことは必要だと痛感します。
その受け皿に日本保守党がなるという思いです。
■なんちゃってリベラル政党
★有本
よく、
「自民党の議席が減ったら益々憲法改正が遠のくではないか」
と言う人がいます。
そうした人たちに言いたい。
「自民党は長年、400議席も持っていながら何もしてこなかったじゃないですか」
と。
★百田
私は生前、安倍さんに直接何度も申し上げました。
「安倍さん、私はこれまで憲法改正をやってくれるから自民党に投票してきました」
「与党で過半数持っているのに、全然やってくれないではないですか」
「これでは、憲法改正やるやる詐欺ですよ」
と。
月刊『Hanada』(2022年2月号)で行った対談が安倍さんとの最期になってしまいましたが、あの時、安倍さんはこう仰った。
「百田さんは激しい人ですから、言葉がグサッグサッと心に刺さりました」
まさか、その後しばらくして、あのような形でお亡くなりになるとは・・・。
第3次安倍内閣があれば、憲法改正を実現してくれたと思っています。
それだけに、安倍さんの死は無念でなりません。
★有本
そうでしたね。
安倍総理が在職日数歴代最長の記録となった日の夕食会で、百田さんがこう仰ったのを覚えています。
「安倍総理の前で言うのも何ですが、自民党の議員にもかなりクズみたいなのが混じっています」
「しかし、安倍さんが総理だから大丈夫と僕は思っているんです」
「そのクズも引き連れて、何とか憲法改正を成し遂げて頂きたい」
あれからもう5年経つんですね。
ここへきて、岸田首相も
「自民党総裁任期中に実現したいという思いは、いささかも変わりはない」(2024年5月5日記者会見)
と言っていますが、総裁任期まであと4カ月です。
公明党と連立を組んでいる限り、憲法改正は難しいでしょう。
だから、
「自民党に任せておけばいいんだ」
という人は単なる事なかれ主義か、自民党から媚薬でもかがされているか、日本保守党嫌いか、の何れかです(苦笑)。
憲法改正を成し遂げるためにも、憲法改正を掲げる真正保守の新たな選択肢が必要です。
★百田
だから日本保守党を作ったんですよ。
★有本
しかし、我々が国政に影響を及ぼす存在になるには時間がかかります。
すぐには難しいのが現実です。
でも、かといって何もしなくていいというわけではありません。
とにかく今行動し、最短距離を走る努力をしなければこの国は滅んでしまう。
それぐらいの危機感を抱いています。
今の国会を見たら、”なんちゃってリベラル政党”だらけですものね。
そしてどの政党も、口を開けば改革、改革と言っていますが、何を改革するのかはっきりしない。
日本を壊す「改悪」ばかり。
■「保守を割るな」批判の真意
★百田
日本保守党を立ち上げたことで、保守派や保守論客と言われる人たちも含め、実に様々な人から散々批判されました。
「保守を割るのか」
「保守を分裂させるのか」
と。
はっきり言います。
自民党は保守ではない!
今回、自民党から立憲に票が流れたことも、自民党が最早保守ではない1つの証左だと思っています。
★有本
もう1つ、今回の選挙戦を通じて分かったことは、自民党、維新、立憲の政策に大きな違いがないということです。
エネルギー政策などは、その最も顕著な例です。
自民と立憲が大同小異だと思ってみると、自民党の国会議員らが何故あれほどまでに我々に対して
「保守を割るな」
と強く言っていたかが分かります。
それは、
「自民党こそが保守なんだから俺たちのやっている事を邪魔するな」
という意味ではなく、自分たちに投票してきたいわゆる保守層の
「票田を割るな。奪うな」
というのが彼らの本音なんです。
「俺たちが保守の顔をして得てきた票田をお前たちに食われてたまるか」
と。
★百田
理念や信念ではなく、単に
「自分の選挙が危なくなるやないか」
「余計な事すんなよ」
ということですね。
そうやって、自民党は保守層を騙し続けてきたわけか。
★有本
実際、
「もうこんな自民党は支持できない」
と言って、自民党員を辞めて日本保守党の党員になって下さった方も大勢います。
一方、これまで政治に強い興味を抱いてこなかったけれど、初めて党員になったという方々もおられる。
つまり、我々は今、新たな保守層を掘り起こす活動を行っているんです。
政治的な思想を意識してこなかった人に対して、
「自分の考えは保守の考えなんだな」
と気付きを持ってもらう。
日本の庶民は知的水準が高いですからね。
理念や政策をきちんと訴えれば、新たな支持者となって下さる方が大勢いるはずです。
日本の社会を守りたいと思っている人、日本がもっと豊かに強くなってほしいと願っている人、こういう方々は皆さん、うちの支持者になり得ると思っています。
朝日新聞の記者が事務所に来て、
「日本を豊かに、強く。」
というキャッチフレーズが書かれた日本保守党のポスターを見て、
「これいいですよね」
と言いました。
私は
「これ(キャッチフレーズ)に異論ないでしょ」
と聞くと、
「ありません」
と。
若い記者ですが、当然の答え、感覚だと思うのです。
日本人であれば、自国である日本が豊かに強くなることに対して異論がある人はまずいないはずです。
「であれば、我々と一緒に政治を変えていきませんか」
と同志を募っている最中です。
そのような同志を増やしていくことで、議席は自ずと付いて来るだろうと考えています。
★百田
日本が貧しく弱くなったら、日々の生活も仕事も出来なくなってしまうわけですからね。
ところが、今の政治はまさに日本を貧しく弱くする政策ばかり行っています。
★有本
坂道を転がり落ちている状態で、今止めなければ取り返し付かなくなってしまいます。
その不安は国民の多くが漠然と感じている。
その思いを受け止め、解決策を訴えていく新たな選択肢が政治に必要であり、新たな保守を掘り起こせる政党が日本には不可欠です。
■最もショックを受けたこと
★百田
物事はそう簡単ではないことは百も承知の上です。
現に今回の選挙を見ても、無党派層の多くが立憲民主党に流れています。
これは、東京15区以外の島根1区と長崎3区でも同様でした。
補選全勝を受けて、立憲の泉代表は
「地殻変動が起きた」
と嬉々としてします。
★有本
「今選挙をやったら勝てる」
と思っているのでしょう。
★百田
残念ながら、それは事実かもしれません。
いつ衆議院選挙があるか分かりませんが、今、行ったら自民党は惨敗するでしょう。
今回の選挙戦を戦って実感したことは、有権者の幅広さです。
全ての有権者の心に突き刺さる政策や思想、言葉はありません。
各候補者の政策をしっかり吟味する人もいれば、握手をしたから、何か感じが良かったから、テレビで見たことあるから、といった理由で1票を投じる人もいる。
後者の方が多いかもしれません。
それと、私が今回最もショックを受けたことは、投票率の低さです。
東京15区の投票率は40.7%、有権者のおよそ6割が選挙に行っていないのです。
これは物凄く深刻です。
民主主義の崩壊に近いのではないかとすら思います。
6割が
「国家の運営を左右する代議士を選ぶ選挙に行かない」
「選挙なんてどうでもええわ」
と思っているんです。
我々は、この
「選挙なんてどうでもええわ」
と思っている6割にどれだけ言葉を届けられるか。
これは非常に難しい課題です。
今回の選挙戦を通じて、そのことを痛感しました。
★有本
投票率が下がるほど、組織票を持つ政党が有利になりますから、政治が全く変わりません。
今回の補選に限らず、全国的な課題です。
★百田
私は選挙戦の終盤で、必ずこう訴えました。
「皆さん、白票を投じたり、棄権しないで下さい」
「その1票が本当に大きな1票なんです」
「日本の民主主義を支える1票なんです」
「1票をどうか無駄にしないで下さい」
と。
もう何百回言ったか分からないほど言いました。
でも、その声は残念ながら届かなかった・・・。
■これが現実なんだと痛感
★有本
私もメディアの記者の取材を受ける際には、必ず
「多くの選挙で投票率が5割を切っている」
「これは我が国の民主主義の危機ですよ」
と強調してきました。
ところが、メディアもそれを深堀りしないんですよね。
我々も東京15区の選挙結果を今後詳細に分析していき戦略を練りますが、長崎3区では投票率35.45%と更に低かった。
★百田
7割近くが選挙に行っていない・・・6割、7割と言えば有権者の大半です。
それほど多くの国民が
「立憲になろうが、自民党になろうが、共産党になろうが関係ない」
「勝手にやっといて」
と思っている。
もちろん、補選は全国ニュースでごく僅かしか扱わないこともあって投票率が下がることは知られています。
そして、未だにテレビからしか情報を得ていない人が国民の多くにいます。
実際、東京15区の住民の方からも
「え、選挙があるんですか? 何の選挙ですか?」
と度々訊かれました。
これが現実なんだと痛感しました。
日本はまだまだ
「テレビの国」
なんだと。
★有本
候補者のことなど、ましてや諸派扱いの日本保守党は、ほとんどテレビで取り上げられませんからね。
ただ、9人の候補者の中で、例えば先程申し上げた通り、エネルギー政策において再エネ推進なんですよね。
つまり、政策面で与野党に対立軸があるようで、実はない。
そういったことにメディア報道がもっと食い込んでくれたら、と思うと同時に、我々ももっと有権者に気付いて頂ける努力を重ねるべきでした。
★百田
最早政策以前に、政治そのものに関心がないのかもしれません・・・。
悪夢の民主党政権を経験して、
「やっぱり自民党じゃなきゃダメだ」
となった大勢の人たちが、これまでの、特に最近の岸田政権の酷い政治を目の当たりにして、
「もうどの政党を選んだらいいか分からない」
といった状態に陥ってしまっているのかもしれません。
★有本
政治を諦めてしまっている。
そうした人たちにこそどうしたら私たちの声を届け、投票に結び付けていくことが出来るか。
まさに今後の課題ですね。
★百田
険しい道のりです。
ですが、必ず乗り越えて日本を豊かに、強くしていきたいと思っています。
初の選挙戦を戦い抜いた今、その思いを新たにしています。

日本保守党初陣の舞台裏を明かす
Hanada2024年7月号
日本保守党代表 百田尚樹
日本保守党事務総長 有本香

反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶
Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ
また、立憲民主党の蓮舫議員は、2024年東京15区の補選についてXで次のように述べています。
★蓮舫氏
私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。
警察の対応が遅くて怖かったです。
でも、負けない。

■演説妨害者を正当化
2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が
「安倍やめろ」
「帰れ」
と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。
安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。

★安倍晋三
皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。
私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。
憎悪からは何も生まれない。
相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。
こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。
都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。

この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。

この演説会において、大群衆が大合唱した表現である
「安倍やめろ」
「帰れ」
というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。
論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく
「安倍やめろ」
「帰れ」
と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。
■「こんな人たち」の真意
【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、
「安倍やめろ」
「帰れ」
は、上述の理由から、「非言論」の要素です。
つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。
これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。
一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。
安倍氏の言う
「こんな人たち」
は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として
「負けるわけにはいかない」
と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。
一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の
「選挙妨害」

「憤りを感じている」
と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、
「つばさの党の党員も都民じゃないか」
「この剥き出しの敵意、何なのか」
「演説を邪魔する行為と激高した」
「少なくとも敵と思っている人も都民だ」
などと非難しなければ、公平ではありません。
警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。
むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。
一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。
■蓮舫のダブスタ発言
野党政治家も、マスメディアに同調しました。
当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。

★民進党・蓮舫代表
国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。
それを総理大臣がやるということは
『1億総活躍』
『皆が活躍できるチャンス』
と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。
自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。
私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。
でも、私は双方向で政治をしたい。
色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」
(2017年7月6日)

安倍氏は、蓮舫氏のように
「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」
などと宣言していません。
安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に
「負けるわけにはいかない」
と宣言しただけです。
党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する
【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】
https://hamwrite.com/strawman-argument
に他なりません。
尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も
「色々な意見を持っている人」
であるはずです。
蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を
「選挙妨害」
と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、
「警察の対応が遅くて怖かった」
と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には
「でも、負けない」
とつばさの党を敵認定しました。
蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。
いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。
この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。
このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。
これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない
「ステルス遊説」
と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/467.html#c17

[政治・選挙・NHK294] さあどうなる首都決戦 勝負をかけた蓮舫、追い詰められた女帝に都民は興奮(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
30. 秘密のアッコちゃん[360] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年5月30日 09:28:02 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[473]
<■2020行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<正論>「グリーンエネ」で日本は滅びる 
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志
2024/5/30 8:00
https://www.sankei.com/article/20240530-ZTVU3EHV2FN5HP2OYPHCJ3IXOI/
日本のエネルギー政策の方向性を定めるエネルギー基本計画の政府による改定作業が始まった。
年度内を目途として、2050年CO2ゼロを達成するためのグリーントランスフォーメーション(GX)産業政策を立案するという。
だがそもそもの現状の認識を大きく間違えている。
■世界は脱炭素ではない
政府は
「世界はパリ気候協定のもと地球温暖化を1.5℃に抑制する」
「そのために日本も脱炭素を達成する責務がある」
「今脱炭素に向けて国際的な産業大競争が起きている」
としている。
だがこれは本当か。
確かに多くの国はCO2ゼロを宣言している。
だが実態を伴わず、本当に熱心に実施しているのは、日本と英独など幾つかの先進国だけだ。
米国はと言えば、バイデン政権は脱炭素に熱心だが、議会の半分を占める共和党は猛烈に反対してきた。
実際のところバイデン政権下ですら米産業は世界一の石油・ガス生産量を更に伸ばしてきた。
中国は表向きはいずれ脱炭素にすると言うが、実際は石炭火力発電に莫大な投資をしている。
グローバルサウスのCO2排出は増え続け、
「2050年脱炭素を宣言せよ」
というG7の呼び掛けを端から拒否している。
インドもベトナムも石炭火力発電に投資をしている。
つまり世界は脱炭素に向かってなどいない。
理由は簡単でエネルギー、就中安価な化石燃料は経済活動の基盤だからだ。
■戦争の枢軸との新冷戦
そもそも気候変動が国際的な
「問題」
に格上げされたのは、リオデジャネイロで1992年に開催された
「地球サミット」
からである。
これが1991年のソ連崩壊の翌年であることは偶然ではない。
冷戦期は米ソ協力は不可能だった。
冷戦が共産主義の敗北に終わり、民主主義が勝利し、世界平和が実現したという高揚感の中、国際協力を深め地球規模の問題を解決しようという機運が生まれた。
当初から幻想に過ぎなかったが、2022年にロシアがウクライナに侵攻したことで完全に崩壊した。
今ロシアはイラン製のドローンを輸入し、北朝鮮から弾薬を購入している。
中国へは石油を輸出して戦費を調達し、あらゆる工業製品を輸入している。
ロシア、イラン、北朝鮮、中国からなる
「戦争の枢軸」
が形成され、ANATOやG7は対峙することになった。
ウクライナと中東では戦争が勃発し、台湾有事のリスクが高まっている。
この状況に及んで、自国経済の身銭を切って、高くつく脱炭素のために全ての国が協力することなど、あり得ない。
戦費の必要なロシアやテロを支援するイラン、その軍事費が米国に匹敵するようになった中国が、敵であるG7の要求に応じて、豊富に有する石炭、石油、ガスの使用を止めるなど、あり得ない。
ごく近い将来、気候変動はもはや国際的な
「問題」
ですらなくなるだろう。
ところが日本政府は未だ世界平和の幻想から覚めやらず、脱炭素に邁進している。
■日本製造業が崩壊する
政府は日本のCO2排出はオントラックだと自慢している。
何の事かと言うと、2013年以降日本のCO2は減少を続けており、同じペースで直線的に減れば2050年にはゼロになる。
だがこの理由は何か。
8割方は産業空洞化で、省エネや再エネではない。
一体政府は何を自慢しているのか。
このままCO2が減りゼロになれば、産業も壊滅してゼロになる。
原子力を推進するならばよい。
だが政府は規制と補助金により、再エネと、その不安定を補うための送電線と蓄電池を大量に建設し、またCO2回収貯留やアンモニア発電、水素利用も進める。
これら高価な技術にGDPの3%も投じるというが、光熱費が高騰し経済は衰退する。
それでも政府はこのようなグリーン投資こそが世界の潮流だとして、欧州の例を盛んに引き合いに出す。
けれども欧州は、とても日本が真似をすべき対象ではない。
欧州では既に産業空洞化が進行している。
今世界の製造業の29%は中国が占める。
他は米国が16%、日本が7%だ。
欧州勢は、ドイツは5%だが、英仏伊は各2%に過ぎない。
ナンバー1と2である中国と米国は、どちらも化石燃料を大量に利用し、安い光熱費を享受している。
他方で日本以上に脱炭素に邁進しているドイツ等は極めて光熱費が高くなった。
今製造業は益々中国と米国に立地し、日本やドイツ等から逃げ出している。
次期米大統領は
「たぶんトランプ」
だと言われている。
すると脱炭素政策は180度変わる。
米共和党は、気候危機など存在せず、中国やロシアの方が遥かに重大な脅威だと正しく認識している。
バイデン政権が推進した脱炭素政策は悉く改廃される。
日本はどうするのか。
中国そして戦争の枢軸に負けるわけにはいかない。
愚かな脱炭素政策によってドイツ等と共に経済的に自滅するのを止めるべきだ。

<主張>エネ計画の改定 原発の積極活用を目指せ
社説
2024/5/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240520-GQVVF5675ZMSVPAJIA2JGT6KRQ/
国のエネルギー政策の指針である
「エネルギー基本計画」
の見直しに向けた議論が始まった。
令和22(2040)年度の電源構成などを検討し、令和6(2024)年度中に改定する。
ロシアによるウクライナ侵略でエネルギー情勢は一変し、エネルギー安全保障の重要性は一段と高まっている。
次期計画では脱炭素と共に、低廉で安定したエネルギー供給を両立する戦略を描く必要がある。
そのために必要になるのは原発の活用拡大である。
岸田文雄政権は令和4(2022)年12月にまとめた
「GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針」
で原発を最大限活用する方針に転換した。
生成AI(人工知能)の普及などによって今後、増大が見込まれる電力需要に対し、原発は大量の電気を安定的に供給できる。
現行計画では令和12(2030)年度の電源構成のうち原発は20~22%としているが、令和4(2022)年度の実績は5.6%にとどまっている。
活用拡大には、新規制基準に合格した原発を着実に再稼働すると共に、原発の建て替えや新増設が欠かせない。
政府は次期計画でそうした方針を明確に示し、実現に向け率先して取り組んでもらいたい。
脱炭素を進めるため、再生可能エネルギーの導入拡大も論点となる。
だが、天候に左右される再エネを増やせば、電力供給は不安定化が避けられない。
立地を巡り地元住民とのトラブルも増えている。
蓄電池や送配電網の整備といった課題解決の手段も並行して議論しなければならない。
大量のCO2を排出する石炭火力発電の是非も重要なテーマだ。
先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合でCO2の排出削減対策を講じていない石炭火力を令和17(2035)年までに廃止することで合意したが、日本は令和4(2022)年度で30%超の電気を石炭火力で賄っている。
日本は燃やしてもCO2を排出しないアンモニアを石炭に混ぜて燃やす技術開発を進めている。
軌道に乗れば、石炭火力の割合が高いアジアの脱炭素にも貢献できるはずだ。
政府は和4(2022)年に向けた脱炭素化と産業政策の方向性を盛り込んだ新戦略を和6(2024)年内に策定する。
次期エネルギー計画に沿う形で企業の投資を支援し、国内産業の競争力強化に繋げたい。

第7次エネルギー基本計画、原発の位置づけ踏み込めるか エネルギー経済社会研究所・松尾豪代表
2024/5/15 14:29
https://www.sankei.com/article/20240515-OKZDSY37RRNBJHNW3N2RTZK624/
現行のエネルギー基本計画は、2050(令和32)年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)に向け、政府が令和12年度に温室効果ガスを平成25年度比で46%減らすと打ち出した目標を念頭に決まった。
今回の見直しで、どれだけ深堀りされた内容になるかが注目される。
電源構成では原発をどう位置付けるかだ。
この10年で原発再稼働は限定的だった。
原発の高経年化が指摘される中、
「リプレース(建て替え)」
の必要性など踏み込んだ議論ができるかだろう。
再生可能エネルギーに関しては、海外で導入拡大の動きが衰えず、化石燃料の依存度も下げないといけない中で、計画で野心的な数字(比率)が出てくる可能性もある。
再エネでは洋上風力発電と次世代太陽電池
「ペロブスカイト太陽電池」
の期待が大きい。
ペロブスカイトは国産技術で、サプライチェーン(供給網)の構築もテーマだ。
化石燃料は難しい課題だ。
先進7カ国(G7)は温室効果ガスの排出削減対策を取っていない石炭火力発電に関し、2035(令和17)年までの段階的廃止で合意した。
だが原発や再エネがうまく拡大しないと化石燃料に頼らざるを得ない。
人工知能(AI)の普及などで電力需要が急増すると、火力発電も必要だとの声が高まるかもしれず、情勢は不確実だ。

「原発新増設、次期エネ基に」 林欣吾・電事連会長 再エネ、負担のあり方議論
2024/5/3 2:00
https://www.sankei.com/article/20240503-RR7PTDAKSFK2FAM2XN5ZFJDZ3Y/
大手電力で作る電気事業連合会の会長に2025年4月1日付で就任した林欣吾氏(中部電力社長)が2024年5月2日、産経新聞のインタビューに応じた。
2024年度は政府が、国のエネルギー政策の指針となる
「エネルギー基本計画」
を見直す重要な年で、林氏は
「長期的に原発の役割は増していく」
との認識を示した上で、原発の建て替えや新増設が計画に盛り込まれるよう、働き掛ける意向を示した。
国内では人口減少が進む一方で、生成AI(人工知能)の普及に伴い電力消費の多いデータセンターの増設が見込まれることから、林氏は
「電力需要のボリュームは増えていく」
と指摘。
その上で脱炭素化を進める観点でも
「原発は最も現実的でコストの良い電源だ」
と述べた。
東京電力福島第1原発事故後、廃炉を決めた24基を除くと、原発36基のうち再稼働できたのは12基にとどまる。
林氏は
「遅れている再稼働を進めるだけでなく、新増設、リプレース(建て替え)、新型炉を含めた開発を総動員しないと、日本を支えるエネルギーを賄うボリュームを、達成できない」
と強調した。
今後エネルギー基本計画の策定を巡り、電事連として国への働き掛けを行う。
また再生可能エネルギーについても
「最大限の開発をしていかなくてはいけない」
とした。
ただ再エネは選択肢が増える一方で発電コストが高く、普及に向けて電気料金に上乗せされる賦課金などが家計を圧迫するとの不満は根強い。
林氏は
「公平に、国民の負担で(再エネを)増やしていくことが必要」
と話し、東日本大震災後に国が電力自由化などを決めた
「電力システム改革」
の検証作業の中で、発電コストの負担の在り方について議論を進めたい考えを示した。

太陽光パネルの放置防げ 10年後に大量廃棄時期到来 技術確立へ対策急ぐ
2024/5/3 16:56
https://www.sankei.com/article/20240503-7SROT5ML6ZJWHNFSYHA4XJW5OQ/
急斜面に設置された太陽光パネル。国は大量廃棄時期を迎える前の技術確立を目指している=平成30年7月、静岡県伊東市
https://www.sankei.com/article/20240503-7SROT5ML6ZJWHNFSYHA4XJW5OQ/photo/A5Q3UVPMQFJT5IL5U3HU4746JA/
全国に設置された太陽光パネルが2030年代(令和12~21年)中盤に大量廃棄の時期を迎える見通しとなり、国が対策を急いでいる。
中国製の安価な輸入パネルはヒ素など有害物質が含まれる恐れがあり安全な処理が必要だが、費用がかさめば適切に廃棄されず放置や投棄が増えかねない。
太陽光パネルが全国で一斉に広がったのは平成24(2012)年からだ。
この年、政府が再生可能エネルギーの普及を目指し、発電した電気の全量を電力会社に買い取らせる固定価格買取制度(FIT)を導入したのを契機に、参入する事業者が続出した。
ただ、買い取り期間は10キロワット以上の設備で20年間。
令和14(2032)年には初期に参入した事業者の買い取りが終了し、売電価格が大幅に下落する見通し。
パネルの寿命は20~30年で、およそ10年後には大量廃棄の時期を迎える。
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の試算ではパネル廃棄のピークは令和17(2035)~令和19(2037)年頃になりそうで、年間17万~28万トン程度の廃棄を見込む。
■積立金不足の懸念
パネルの廃棄は事業者の責任だが、多くが対策を講じてこなかった。
このため、令和4(2022)年4月施行の改正再生可能エネルギー特別措置法で、太陽光発電設備の廃棄費用の積み立てが義務化された。
稼働から10年が経過した出力10キロワット以上の設備などが対象で、売電収入から廃棄に充てる積立金が自動的に引かれる仕組み。
問題になるのは廃棄コストが積立額を上回るケースだ。
パネルには一般的に鉛やセレンなど有害な物質が含まれる上、安価な中国製パネルには透明度を上げるため猛毒のヒ素などが含まれている場合があり、安全に廃棄するには費用が膨らむ。
また、パネルや土台などの設備が放置された場合は、火災や土砂崩れなど災害を誘発しかねない。
■リサイクルを支援
リサイクルの技術的なハードルも高い。
ガラス技術研究所の織田健嗣所長によると、パネルに使うガラスには取り除くのが難しい化学物質が含まれているため、現状では断熱材に使うグラスウールなど取り除かなくても利用できる用途にリサイクルが限定されている。
環境省は産廃事業者の技術力向上に向け、高度な技術を活用するリサイクル事業を国が認定し、事業拡大を支援する法案を今国会に提出。
伊藤信太郎環境相は2024年4月の記者会見で
「(パネルの)安全な廃棄が重要だ」
「大量廃棄が起きる前に技術を確立したい」
と述べた。

くつざわ亮治氏「『河野一族は中国共産党の犬』などとブログに書いたら河野太郎大臣に訴えられました…」
2023/12/28
https://sn-jp.com/archives/149645

2024/4/13
【解説】「中共の犬国防の敵」河野太郎問題とズブズブの紀藤弁護士
https://aichinahn.hatenablog.com/entry/2024/04/13/001935

<中共の犬>よばわりしたら河野太郎に告訴された
河野太郎デジタル担当大臣と”徹底抗戦”します
WiLL2024年6月号 日本改革党代表 元豊島区議会議員 くつざわ亮治
■前代未聞のの訴訟
この度、河野太郎デジタル担当大臣に訴えられました!
現役の国務大臣が私人を名誉棄損で訴えたという事例は聞いたことがなく、被告となった私自身も驚いています。
事の発端は、自民党総裁選の最中である2021年9月20日、私がブログで
「河野太郎は一族ぐるみで中国共産党に飼われていました、はい試合終了」
と題し、河野太郎氏のファミリー企業
「日本端子」(本社・神奈川県平塚市)
について書いたことです。
ブログの内容は次の通りです。

河野太郎は一族ぐるみ中国共産党に飼われてました、はい試合終了 20210920
2021/9/20
https://go2senkyo.com/seijika/165194/posts/303109
<河野一族は中共の犬でした!お疲れ様でした!
洋平が実質オーナーで太郎の実弟の二郎が社長を務める日本端子株式会社(年商120億円)の中国子会社、北京日端有限公司は日本端子60%、京東方科技集団股分有限公司40%出資の合資会社
京東の責任者の陳炎順は今年(2021年)6月に全国優秀党員に選ばれたエリート共産党員だった
つまり中共4割と>

今から2年以上も前の事なので、書いた私自身もすっかり忘れていましたが、この内容について、突如、2023年11月2日に代理人弁護士を通じて
「通知書」
が届きました。
河野太郎氏側は
「ブログの削除」

「謝罪要求」
をしてきましたが、一般人ならばこの時点で怖がって要求を呑んでしまう。
ところが、私が代理人弁護士を通じて拒否したところ、訴訟に発展しました。
河野太郎氏側は加えて220万円の支払いを要求しています。
「今更なぜ?」
と首を傾げましたが、来る2024年9月の自民党総裁選を意識し、都合の悪い批判記事を削除しておきたい意向があるのではないか。
つまり、私への訴訟は
「批判に対しては容赦なく訴訟を起こしていく」
という。
一種の”見せしめ”なのでしょう。
■”中共の犬”仲間
しかも、現役大臣が訴訟を起こすという稀な案件にもかかわらず、テレビや新聞は無視を決め込んでいます。
メディアも野党も追及しないのは、”中共の犬”仲間だからでしょう。
小西洋之参議院議員も一般人を名誉棄損で訴えましたが、権力のない野党議員なら話題にならないのも理解できます。
しかし、与党の、しかも総裁候補に名前が挙がる現職大臣が一般人を名誉棄損で訴えた事実を、なぜ、どこも取り上げないのか。
非常に不可解です。
テレビも新聞も支局を人質にされ、結局は中国に逆らえないのです。
大きな権力に配慮するのは裁判所も同じです。
当初、この訴訟は裁判官が1人で進める単独部に回されたのですが、途中から3人の裁判官が付く合議部に回されました。
私の代理人弁護士に聞いても、民事の名誉棄損の裁判で合議制は聞いたことがないとのこと。
恐らく裁判所は訴状を受け付けた段階で、
「原告 河野太郎」
を見た時に、まさか現役の大臣であるとは思わず、通常通り単独部の裁判に回した。
ところが、ある時点で大臣本人ということに気付き、慌てて合議部に回したのでしょう。
裁判所も原告が国務大臣の裁判を1人の裁判官に任せるのは、まずいと判断したのではないか。
裁判の状況ですが、今年(2024年)1月を皮切りに、口頭弁論(原告・被告双方の代理人が、互いに意見や主張を述べること)が2回行われました。
しかし、公開の法廷で原告・被告本人を呼んでの争いは行われていません。
公開の法廷を開くと、傍聴席は埋め尽くされ、”河野太郎糾弾集会”のようになってしまうことを裁判所が懸念しているからでしょう。
裁判所が訴えの取り下げを原告側(河野太郎氏)に遠回りに示唆している可能性もあります。
裁判所が大臣という権力者にここまで配慮するとは、果たして公正な裁判になるのでしょうか。
ちなみに、かつて
「ゴキブリ」
と誹謗中傷された政治家が訴訟を起こそうとしたところ、裁判所から
「政治家は批判されるのが仕事でしょう」
と門前払いされた例があります。
なぜ
「ゴキブリ」
は良くて、
「犬」
はダメなのでしょうか(笑)。
■中共の犬である根拠
もちろん、私が書いた”河野一族は中共の犬”という内容に事実誤認があるとは到底思えません。
河野太郎氏の実父である洋平氏が官房長官として発表した
「河野談話」(1993年)
の後、日本端子は北京で子会社を作ることが許されました(同年の1993年、河野太郎氏は日本端子の常務に就任。現在は辞めている)。
河野談話を読んだ中国から
「河野洋平は使いやすい」
と判断され、見込まれたのでしょう。
中国でビジネスをするには、中国共産党の資本を入れて合資会社にし、株の比率も五分五分にしなければならないという条件があります。
ところが日本端子の子会社は、自身の持ち株比率が多いという有利な条件で、北京、香港、蘇州に立て続けに設立しました。
聞くところによると、神奈川県平塚市にある本社ではなく、中国本土にある3つの会社が事業のメインになっているそうです。
世界最大級のEC(電子商取引)事業を手掛ける
「アリババグループ」
を創業したジャック・マー氏が中国共産党を批判し、習近平政権に目を付けられ、ここ数年で公の場から姿を消しましたが、あれほど巨大な会社ですら中国共産党に逆らうと粛清される。
言い換えれば、中国でこれだけ有利な条件で商売が出来ている日本端子が中国共産党の言いなり(犬)なのは間違いないでしょう。
ちなみに日本端子の株主は11人ですが、全員が河野一族です。
筆頭株主は洋平氏で30%を所持。
20%は弟の次郎氏(社長)が持っており、河野太郎氏自身も3%ほど所持しています。
最新の政治資金収支報告書によると、日本端子は400万円を河野太郎氏が代表を務める自民党神奈川県第15選挙区支部に献金として寄付しており、河野太郎氏は未だに親から”お小遣い”を貰っているのです。
普通の会社なら、400万円も支部に寄付することに関して株主から文句が出ますが、株主は全員河野一族なので、当然文句も出ません。
■”徹底抗戦”します
河野太郎氏がお金に困っているとは到底思えませんので、支払い要求されている220万円という金額からも、原告が被告からお金を取ろうと考えている裁判でないことは明らかです。
河野太郎氏側は
「訴えた」
という事実を作りたかったのでしょう。
勝敗はさておき、私は全面的に戦う覚悟で”徹底抗戦”します。
ブログを削除したり、表現を変えるつもりは一切ありません。
裁判が長引けば長引くほど、
「河野一族は中共の犬と書いたら訴えられました」
と言い続けられるので、私としてはむしろ好都合です。
もちろん勝訴したら
「裁判所が河野太郎は中共の犬と認めた」
と騒ぎ立てます(笑)。
負けたら
「裁判所が大臣に配慮した」
と大騒ぎするので、いずれにしても、
「河野一族は中共の犬」
という事実が広まるわけですから、目的は達成できそうです。
仮に220万円の要求が22万円に変われば、こちらとしては勝ったも同然です。
今回の件で分かったことは、河野太郎氏の政治家としてのセンスの無さです。
安倍晋三元首相も山口二郎氏(北海道大学名誉教授・法政大学法学部教授)から
「安倍は人間じゃない」
「叩き斬ってやる」
と公然と侮辱されました。
しかし、安倍晋三元首相は眉一つ動かさず、訴えたりはしなかった。
それに比べて、河野太郎氏は何と器の小さいことか。
政治家、ましてや現役の大臣であるならば、政策や言論で勝負すべきです。
私は言論を持って、書いたブログ記事は事実であると確信していますので、河野太郎氏の理不尽な
「言論弾圧」
には屈せず、戦っていきます!
■エネルギー分野に中国の介入
河野太郎氏の問題はこれだけにとどまりません。
再生可能エネルギーに関する規制見直しを目指す内閣府のタスクフォース(以下、再エネTF)に、中国の国営電力会社
「国家電網公司(でんもうこうし)]
のロゴマークが入った資料が提出されました。
この資料を提出した民間構成員(現在は辞任)の大林ミカ氏(自然エネルギー財団事業局長)は、何と河野太郎氏が推薦した人物です。
河野太郎氏は記者会見で大林ミカ氏の起用について
「特に問題があったということではない」
と述べましたが、国家の根幹に関わるエネルギー分野に中国の干渉(侵略)を許しているのですから、問題だらけでしょう。
仮に問題がないなら、なぜ大林ミカ氏は有識者メンバーを辞任したのでしょうか。
後ろめたいことがないなら、辞める必要はないはずです。
河野太郎氏はこの件について
「ネトウヨが騒いでいるだけだろ」
と吐き捨てたそうですが、ネットを見下すポーズを取っておきながら、私の
「河野一族は中共の犬」
というブログはスルーできなかったようです(笑)。
自然エネルギー財団はソフトバンクの孫正義氏が設立し、会長に就任していますが、タスクフォースの民間委員4人のうち、2人が自然エネルギー財団の人間です。
4人全員が自然エネルギー財団の関係者という時もあったようで、まさに”ズブズブ”の関係であることが分かります。
■”大儲け”の太陽光ビジネス
しかも、再エネ賦課金制度を作ったのが河野太郎氏と孫正義氏です。
2024年4月から再エネ賦課金が年間6000円台から1万6000円台に値上がりしましたが、値上がりした賦課金のほとんどがメガソーラーを設置できる事業者に回されます。
日本端子の主要ビジネスが太陽光パネル事業なので、さぞかし儲かることでしょう。
日本端子は太陽光パネル周辺部品の特許をいくつか持っているので、他社が作った部品でも儲かる仕組みになっています。
つまり、河野太郎氏はこの制度を都合よく利用し、立派な”公金チューチュービジネス”をしているのです。
河野太郎氏があれほど
「脱原発」
を訴えていたのも納得でしょう。
しかも太陽光パネルの生産は中国が8割なので、実質中国にカネが流れます。
日本人の税金を中国企業に流す手引きをしているのですから、
「売国奴」
と言われてもやむを得ない。
おっと、こんなことを言ったら追加訴訟されてしまうかもしれません。
日本のソーラーパネルの敷設面積は世界で1位になってしまいましたが、山を切り開き、景観を壊して敷き詰められる太陽光パネルにはおぞましさを感じます。
日本の政治家ならば食い止めるべき自然破壊が行われているにもかかわらず、河野太郎氏は再エネ賦課金制度を廃止せずに、むしろ活用する。
このような人物を首相どころか、国会議員にしておくこと自体、危険です。
その危険さがどこまで国民の間に広がるかが重要です。
次の衆議院選挙でどのくらい票を減らすのか。
神奈川15区の有権者さん、国益のために良識ある御判断をお願いします!

中国企業ロゴ問題「内容には問題なし」 内閣府「不当な影響力受けたなら問題」 再エネタスクフォース資料
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/
再生可能エネルギー導入促進を目指すタスクフォースで中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/photo/LLOZEZYSXBCVNBK4XJPIA5F4RA/

活動家「大林ミカ」があぶり出した河野太郎の危険な政治手法
Hanada2024年6月号 経済学者 池田信夫
■内閣府資料に中国企業ロゴ
2024年3月23日(土)の朝、X(旧ツイッター)にこんな呟きが出た。
<内閣府の「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」(再エネTF)の構成員提出資料に、なぜか中国の「国家電網公司」の透かしが入っていました>
これを見付けたのは電力会社の社員だが、内閣府のホームページで公開された再エネTFのスライドには、右上に白地に白で
「国家電網公司」
という図のようなロゴマークがあった。
国家電網公司は中国の国営電力会社だが、このロゴは大林ミカ氏(自然エネルギー財団事業局長)の資料のほとんどの図に付いていた。
白地に白で描かれているのでパソコンでは見えないが、携帯のアプリでは見える場合がある。
なぜ、自然エネ財団の資料に中国の国営電力会社のロゴが付いているのか。
これは大林氏が中国の工作員だという暗号かーこれを私が紹介したところネット上で拡散され、数百万回表示された。
それを受けて同日2024年3月23日(土)14時30分に、内閣府はホームページから大林氏の提出した資料を削除した。
マスコミは(産経新聞を除いて)報道しなかったが、2024年3月25日に内閣府は説明資料を公開した。
ここに至って他の新聞も報じ、他の新聞も報じ、
「中国国家電網公司」
というロゴマークについて色々な推測が行われた。
当初は、無断複製を防ぐ
「電子透かし」
ではないかと言われたが、内閣府によれば、国家電網公司が2016年のシンポジウムの資料で使ったスライドの定型(テンプレート:「フォーマット」は「ビジネスでは文書を作成する上での形式や構成のこと」。「テンプレート」は「ビジネスでは元からあるレイアウトや定型部分に合わせて文章を入れていくひな形のこと」)に青地で白で入ったロゴだという。
それが何かの手違いでコピーされたと言うが、こんな現象はシンポジウムの資料のような印刷用ファイルをコピーしても起こらない。
テンプレートは、プレゼンテーションソフト(マッキントッシュのKeynote)に入っている機能で、同じ背景やロゴなどをコピーして使うものだ。
大林氏はシンポジウムの資料をコピーしたのではなく、国家電網公司の内部資料を入手して、そのテンプレートを使い回していたと思われる。
大林ミカ氏は自然エネルギー財団で
「アジアスーパーグリッド」【英語: Asian Super Grid、略称:ASGは日本、中華人民共和国、韓国、台湾、モンゴルおよびロシアなどを接続する電力網<スーパーグリッド(英語版)>の構想である】
という広域電力網の担当者だった。
その組織、GEIDCOの会長は、国家電網公司の劉振亜会長(中国共産党委員会書記)だった。
自然エネ財団は、中国の影響下にあるのではないか。
自然エネ財団は
「国家電網公司との間には人的・資金的関係はない」
と説明したが、これは嘘である。
自然エネ財団の孫正義会長はGEIDCOの副会長だった。
今回の騒ぎで自然エネ財団はGEIDCOから脱退したが、今後も関係は続けていくとしている。
■大林ミカとは何者か
今回の事件で一躍有名になったのが大林ミカ氏だが、財団のホームページの経歴には
「大分県中津市生まれ、北九州市小倉出身」
としか書いていない。
職歴も原子力資料情報室など活動家の経歴ばかりで、学問的業績は何もない。
エネルギー産業の実務経験もない。
再エネTFは内閣府の有識者会議である。
そこにこんな怪しげな活動家が入ったのは何故か。
しかも、再エネTFのメンバー4人のうち2人(大林氏と高橋洋氏)は自然エネ財団のメンバーであり、河野太郎規制改革担当相と山田正人参事官は再エネ推進派だから、再エネTFは再エネ業界のロビー団体ではないかーこのような疑問がネット上で多く寄せられ、大林氏は2024年3月27日に再エネTFを辞任したが、今に至るも学歴については説明していない。
自然エネ財団がホームページに掲載した追加説明によれば、大林氏は
「語学学校を卒業後、子育て等を経て、1992年に原子力資料情報室に参加」
と書いてあるが、どこの語学学校かは書いていない。
本人も原子力資料情報室にアルバイトとして入った時、
「何の専門家でもない私ができる事は何なのか」
と自問している。
このように大林ミカ氏はエネルギー問題の素人だが、活動家としての経歴は華やかである。
原子力資料情報室は高木仁三郎(じんざぶろう:物理学者)の作った反原発団体で、三里塚(さんりづか)闘争で1坪地主になるなどの過激な活動で知られる。
大林氏は原子力資料情報室を辞めた後、飯田哲也氏(再エネ活動家)と共に
「環境エネルギー政策研究所」
を設立し、2011年の福島第1原発事故の後、孫正義氏の設立した自然エネ財団に移った。
社民党党首、福島みずほ氏の
「応援団」
と自称し、グリーンピース日本支部の理事でもある。
そんな活動家が、なぜ内閣府の有識者会議に入ったのか。
本人は記者会見で
「河野太郎大臣の推薦と聞いている」
と語ったが、内閣府は国会で
「事務方が人選して河野太郎大臣が了承した」
と答弁した。
この事務方とは山田正人参事官である。
山田正人参事官はかつて経済産業省の反原発派で、核燃料サイクルに反対して左遷された。
その時、河野太郎氏と接点があり、それ以来、ずっと河野太郎氏と一緒に霞が関の傍流を歩んで来た。
■孫正義氏と自然エネ財団
そんな日陰者の反原発派が一挙に脚光を浴びたのが、2011年の福島第1原発事故だった。
飯田哲也氏と民主党政権に食い込み、ちょうどその時出来た再エネの固定価格買取制度(FIT)を最大限に利用した。
これは電力会社に再エネ電気の全量買い取りを義務付け、その価格を原価より高く設定して利潤を保証する欧州の制度だった。
この時、孫正義氏は
「太陽光発電は原発より安い」
と言う一方で、
「単価がキロワット時40円以上でないと採算が取れない」
という要望を政府に出した。
孫正義氏は国会などで次のような図を見せて、
「EU(欧州連合)の平均買い取り価格は58円だ」
と主張した。
しかしこれは、実は【2009年の買い取り価格】だった。
欧州では2000年代に再エネバブルが起こり、買取価格が上がったが、リーマン・ショックでバブルが崩壊して価格が大幅に下がったのだ。
これは孫正義氏も知っていたはずだが、菅直人首相に直訴し、2012年12月に菅直人首相がトップダウンで事業用40円、住宅用42円という買い取り価格を決めた。
調達価格等算定委員会の委員長だった植田和弘氏(京大教授)は、
「諸外国との比較を行い、【施行後3年間は例外的に利潤を高める】」
と説明したが、その調達価格等算定委員会の資料には、2012年の買い取り価格はドイツの事業用(平地設置)で18.76ユーロセント(約20円)と書かれていた。
「諸外国との比較」
では、日本の買い取り価格は当時、世界一だったのだ。
日本でもメガソーラーなら当時でも20円以下だったが、それが2倍以上の価格で20年間全量買い取り保障され、リスクゼロなのだから、外資が大量に参入して数兆円の投資が行われた。
この時、書類審査による事業認定だけで買い取り価格が決まったため、認定されたが稼働できない物件が大量に発生し、それが今も平均36円の価格で買い取られている。
この買い取り価格と火力の価格の差が【再エネ賦課金】である。
バカ高い買い取り価格が付けられた結果、2030年までに累計44兆円の再エネ賦課金(=再エネ業者の超過利潤)を電力利用者は払わなければならない。
更に重大な問題は、自然エネ財団の孫正義会長が社長を務めるソフトバンクグループ(SBエナジー)が、再エネに数兆円の投資をして数千億円の利益を上げたことだ。
公益財団法人の認定基準として、
「社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し【特別の利益を与えない】ものであること」
という規定がある(公益法人認定法第5条の2)。
自然エネ財団のロビー活動はこれに違反する利益相反であり、公益法人認定を取り消すべきだ。

★利益相反(りえきそうはん)とは、信任を得て職務を行う地位にある人物(政治家、企業経営者、弁護士、医療関係者、研究者など)が立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、競合ないしは相反している状態を言う。
このように利益が衝突している場合、地位が要求する義務を果たすのは難しくなる。
利益相反は、そこから非倫理的もしくは不適切な行為が行われなくても存在する。
利益相反は、本人やその地位に対する信頼を損なう不適切な様相を引き起こすことがある。
一定の利益相反行為は違法なものとして扱われ、法令上、規制対象となる。
また、法令上は規制対象となっていない場合でも、倫理上の問題となる場合があり得る。

■「河野の威を借る狐」
自然エネルギー財団(大林ミカ他)は2023年10月11日に、私の3つのX投稿(ツイート)が名誉棄損だとして、東京地裁に損害賠償訴訟を起こした。
これは
「再エネ詐欺の総本山が、この自然エネルギー財団」
「大林ミカは、政府の再エネタスクフォースで、激しく利益誘導をやっている」
「ここにも特捜のガサが入るだろう」
などと書いたものだ。
2022年には、私は秋本真利(まさとし)衆議院議員からも名誉棄損で訴訟を起こされた。
これも
「検察が捜査してるんじゃないか」
というツイートだったが、秋本真利氏は私の予言通り、2023年9月に東京地検特捜部に収賄の容疑で逮捕された。
ここで私が問題にしたのは、自然エネルギー財団だけではなく再エネTFの利益誘導である。
これは2020年10月に、菅義偉首相が
「2050年カーボンニュートラル」(温室効果ガス排出実質ゼロ)
を宣言した後、内閣府の規制改革担当大臣だった河野太郎氏が集めた
「私兵」
である。
根拠法もなく、人選は山田正人参事官(河野太郎の腹心)が友人を集めたものだ。
もちろん資格審査もしていないから、大林ミカのような活動家も紛れ込んでしまう。
しかも、再エネTFの4人の構成員(大林ミカ・高橋洋・川本明・原英史)のうち2人(大林ミカ・高橋洋)は自然エネ財団のメンバーという利害関係者であり、これは有識者会議というより再エネ業界のロビー団体である。
これは、国家を巻き込んで再エネ業者に数十兆円の利益を与えた。
再エネTFは所管外の経産省の有識者会議などに殴り込み、支離滅裂な利益誘導を繰り返した。
特に、2021年の総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会のエピソードは有名である。
再エネTFは、非化石証書について提言にこう書いた。
<現状では「非化石」価格にプラスの価格を付けて取引する一方で、化石燃料については、何らペナルティ(炭素排出等に対するマイナスの価値)が課せられていないため、【積極的に普及すべき再生可能エネルギーの利用が、逆に割高になってしまう】という弊害が生まれている>
これには総合資源エネルギー調査会のメンバーが驚いた。
非化石価値というのは、再エネで発電した
「グリーン電力」
に通常より高いプレミアムを付けて売る制度である。
企業はこの証明書を買えば
「当社の電力は再エネ100%です」
などと宣伝でき、再エネ業者も利益を得る。
ところが、再エネTFはこれを逆に理解して
「再エネが割高になってしまう」
と言うのだ。
これには総合資源エネルギー調査会の委員が激怒し、
「このような最低限の知識もない委員で構成されたような組織(再エネTF)が内閣府に存在していること自体がどうかと思う」
「行政改革の対象じゃないか」
とコメントした。
こんな素人集団が、経産省だけでなく総務省や農水省などの有識者会議で暴れ回り、露骨な利益誘導を繰り返し、電力業界は彼ら(再エネTF)を
「虎の威を借る狐」
と呼んで恐れた。
虎とは、もちろん河野太郎大臣である。
■停電寸前でも再稼働反対
2022年3月22日、東京電力の管内は大停電(ブッラクアウト)の一歩手前だった。
その最大の原因は、2022年3月17日の地震で東電と東北電力の火力発電所が停止し、出力が335万キロワット低下したことだが、もう1つの原因は2022年の【3月という時期】に地震が起こった起こったことだった。
冬の電力消費のピークの1月から2月には火力はフル稼働するが、3月は停止して補修点検する。
おまけに季節外れの大寒波で、130万キロワットの供給不足になる見通しだった。
このままでは大停電になるため
「電力逼迫情報」
が出され、揚水発電をフル稼働して連携線で電力を融通し、供給電圧の低め調整という危険な対策まで動員して電力需要を抑制し、大停電を免れた。
ところがこれについて、再エネTFは
「電力は足りているから原発再稼働は必要ない」
という提言を出して、電力関係者を驚かせた。
それによると、
「冬の最大需要は5380万キロワットだったので、3月の最大需要4840万キロワットを満たす供給力は存在していた」
から、原発再稼働や火力の増設は必要ないという。
これに対して、資源エネルギー庁が詳しく反論した。
2022年の3月は約1000万キロワットが定期補修に入っており、最大に稼働しても4500万キロワット程度が限度だった。
合計270万キロワットの柏崎刈羽6・7号機が動いていれば予備率は5%以上あり、大停電のリスクはなかった。
なぜ、再エネTFは原発再稼働に反対し、ギリギリの電力運用を求めるのか。
その最大の理由は、原発が動くと再エネが送電線に【タダ乗り】できなくなるからだ。
送電線は大手電力(旧一般電気事業者)が建設した私有財産だが、今は原発が動かせない大手電力の送電線を再エネ業者が借りて使っている。
しかし、原発が再稼働すると大手電力の送電が優先になるので、再エネ業者は自前の送電線を建設しないといけない。
だから原発再稼働に反対するのだ。
こういう再エネ業者のエゴイズムを提言と称して役所で発表し、マスコミに売り込んで
「電力は足りている」
などとデマを流す利益誘導が再エネTFの仕事である。
■河野氏のヒトラー的手法
3・11(2011年3月11日の東日本大震災)以降、民主党政権が国際相場の2倍で買い取らせたFIT(固定価格買取制度)と、違法に止めた原発によって日本経済は数十兆円のダメージを受け、今尚立ち直れない。
その原因は、民主党政権のエネルギー政策を経済産業省が利用し、電力自由化の懸案だった【発送電分離】を強行したからだ。
発送電分離は、電力会社の発電部門と送電部門を分離して競争させる改革で、英米では1990年代に行われたが、日本では東電の政治力が強いため分離できなかった。
ところが、原発事故の処理で経営破綻した東電が原子力損害賠償支援機構の傘下に入って、実質的に国有化された。
これは
「親会社」
になった経産省にとって千載一遇のチャンスだった。
原発が全て止まり、再エネの価格が世界最高になった状況で、エネ庁は無知な民主党政権を利用して火事場泥棒的に電力自由化を強行したのだ。
これは反原発・再エネ派にとっても大勝利だった。
発送電分離の下では、発電会社は供給責任を負わない。
燃料費のかからない再エネ業者は安い限界費用で卸電力市場(JEPX)に卸し、固定費を負担しない新電力はそれを仕入れて高い小売値で売って大儲けした。
河野太郎氏は
「再エネは原発より安くなった」
と主張して、発送電分離を進めた。
その結果、何が起こったか。
1日の内、太陽光発電が使えるのは3時間程度である。
残りの21時間は火力や原子力でバックアップしないといけないが、原子力は出力を変えられないので、火力が
「負荷追従」
して再エネの不足を補う。
条件の良い昼間には再エネの電力を全量買い取るので、火力は止めないといけない。
これによって火力の稼働率が落ちるので採算が悪化し、古い石炭火力が廃止される。
その結果、毎年のように電力不足が繰り返さるようになったのだ。
このような電力不足を防ぐために経産省が導入したのが、【容量市場】である。
これは簡単に言うと、古い火力が採算に合わなくなっても、それを廃止しないで温存する制度である。
具体的には、電力広域的運営推進機関(広域機関)が4年後に必要な発電容量を公募し、オークションで発電会社から買い取る。
ところが、再エネTFはこの容量市場に反対し、総合資源エネルギー調査会で執拗に反対意見を繰り返した。
これをけしかけたのは河野太郎氏で、2021年の第6次エネルギー基本計画が決まる時、エネ庁の責任者を内閣府に呼び付けて
「容量市場を凍結しろ」
と怒鳴り上げた。
この音声データが『週刊文春』に取り上げられて話題を呼んだ。
これほど河野太郎氏が容量市場に拘るのは、新電力が競争で不利になるからだ。
容量市場は古い火力の発電容量を買う制度だから、大手電力は自社の発電所の容量を売り、広域機関からそれを買うので、ほとんど純負債が発生しない。
それに対して、発電設備を持っていない新電力は広域機関に拠出金を払うので、1~2割コスト増になる。
このため、大手電力との競争に負けるというのだ。
これは身勝手な理屈である。
容量市場は再エネのバックアップなのだから、そのコスト負担が嫌なら自前で発電設備を持てばいいのだ。
政府の方針が気に入ら似ないと、再エネTFのような
「突撃隊」
を使い、所管外の役所に法を超えて介入する河野太郎氏の手法は、ヒトラーが私的な軍事組織でワイマール共和国を破壊したのと同じである。
■中国の国益に奉仕する
私は、規制改革に反対しているのではない。
内閣府の規制改革推進会議にも協力したことがある。
しかし河野太郎氏と再エネTFがやっているのは、規制改革の私物化である。
例えば、2023年12月に規制改革推進会議の出した中間答申には、なぜか(参考)として再エネタスクフォース(TF)の実績が書かれている。
規制改革推進会議は内閣府が正式に設置した会議だが、再エネTFは法的根拠のない河野太郎氏の私兵である。
その報告が、なぜ規制改革推進会議の答申の中に紛れ込んでいるのか。
これについて国会で追及された内閣府は答えられなかった。
恐らく河野太郎が押し込んだのだろう。
中国との関係についても、自然エネ財団の説明は不自然である。
大林ミカ氏の資料に入っていたロゴは、大林ミカ氏が国家電網公司の内部文書を使って資料を書いたことを示している。
国家電網公司は自然エネ財団を使って情報操作すると同時に、内閣府の機密情報を入手していたのではないか。
特に、アジアスーパーグリッドは危険である。
ウクライナ戦争でロシアと欧州を結ぶ天然ガスのパイプライン
「ノルドストリーム」
が遮断され、ドイツ経済が危機に陥った。
これは、ドイツのメルケル首相が
「ロシアとの相互依存で欧州の平和を守る」
という構想で実現したものだが、相互依存はリスクの原因ともなる。
もし中国と日本の電力網が一体化したら、台湾有事の際に中国が日本への送電を止め、大停電に追い込むこともできる。
不安定な再エネを増やし、火力や原子力を廃止すると、有事の際には電力供給ができなくなる。
そういう状況に日本を追い込もうとしている再エネTFの活動は、中国の国益に沿っている。
再エネTFが理想とするドイツは、パイプラインの遮断でエネルギー価格が暴騰し、経済が破綻して成長率がマイナスになった。
日本の太陽光パネルの70%以上は中国製であり、40兆円以上の再エネ賦課金は中国への資金援助のようなものだ。
新電力にも上海電力など多くの中国資本が入っており、有事の際には中国共産党が日本国内の中国系新電力に電力供給を止めるよう指令できる。
エネルギーは経済安全保障のコアである。
河野太郎氏と孫正義氏(自然エネ財団)と再エネTFは、再エネを全国に拡大して火力を廃止に追い込み、日本のエネルギーを脆弱化して中国の支配下に置くことに貢献している。
河野太郎氏と孫正義氏(自然エネ財団)と再エネTFが中国の工作員かどうかは分からないが、結果的に中国の国益に奉仕していることは間違いない。
この問題について内閣府は調査中だが、その調査を行うのが疑惑の張本人の河野太郎大臣では、調査結果は信用できない。
電取委(電力・ガス取引監視等委員会)などの第3者が、この4年間の再エネTFと自然エネ財団の活動家である大林ミカ氏の身辺調査については、公安警察などの協力も必要である。

★負荷追従運転
需要家による電力消費量(発電システム側にとっての負荷)は常に変動しつつあるため、短時間での負荷変動に対応した出力調整運転を特定の発電所において行うことをいう。
1日の負荷変動を表す日負荷曲線は季節、曜日、気象条件等に応じて一定のパターンを持ち、どの負荷水準まではどの発電所で対応するか、また負荷の変化に対してどの発電所がどの程度対応するかは予め決められている。
我が国では原子力発電は負荷の変動に関係なく一定の出力で運転されており、負荷変動に追従するためには短時間での出力制御が容易な火力発電が用いられている。
ただし、原子力発電でも技術的に負荷追従運転は可能であり、原子力発電比率が発電全体の80%近くを占めるフランスでは、実際に多数の原子力発電所において日常的に負荷追従運転が行われている。

河野太郎 日本の電力が中国に握られる
”将来の総理候補”を取り巻く「再エネ推進ネットワーク」の闇を暴く
WiLL2024年6月号
ジャーナリスト 櫻井よしこ
産業遺産情報センター・センター長 加藤康子
■説明責任を果たせ
★櫻井
中国の浸透がここまで進んでいたのかと驚愕しました。
”中国企業ロゴ問題”です。
再生可能エネルギーを巡る内閣府のタスクフォース(TF)に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークが入った資料が提出されていました。
TFを主導したのは河野太郎デジタル担当相、資料を提出したのは
「自然エネルギー財団」
事務局長の大林ミカ氏です。
大林ミカ氏は河野太郎氏の推薦により、TFのメンバーになった。
国家の根幹に関わるエネルギー政策を議論する政府中枢にも、中国は影響を及ぼしていたわけです。
★加藤
大林ミカ氏は会見を開き、
「パソコンの操作ミス」
と釈明。
TFメンバーを辞任しました。
★櫻井
「パソコンの操作ミス」
で終わる問題でも、大林ミカ氏辞任という”トカゲの尻尾切り”で済む問題でもないと思います。
★加藤
河野太郎氏は国会で、
「(ロゴは)現時点でウイルスであったり、何か有害な要素があったりするということではない」
と弁明した。
しかし、これは論点の掏(す)り替えです。
大林ミカ氏とは一体どんな人物なのか。
中国とはどんな関係なのか。
河野太郎氏はなぜ大林ミカ氏をTF入りさせたのか。
河野太郎大臣と自然エネルギー財団の目的は何なのか。
説明責任を果たしていません。
★櫻井
自然エネルギー財団は2011年、孫正義氏によって創設されたと、財団のホームページなどに書かれています。
同財団が目指しているのが、
「アジアスーパーグリッド(ASG)」
に他ならない。
ASGとは何か。
中国、韓国、台湾、インド、モンゴル、東南アジア、ロシア・・・。
アジアのほぼ全域に、3万6000kmの送電網を張り巡らせ、各国間で太陽光や風力などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)の相互運用を進めるというものです。
■首根っこを押さえられる
★加藤
ASGを更に発展させた国際送電網の構築を目指しているのが、中国の非営利団体
「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」。
”電力版一帯一路”と考えてもらって構わない。
2016年に設立された際、自然エネルギー財団は理事会に加わりました。
GEIDCOの会長には中国国家電網公司の劉振亜会長(当時)が、副会長には孫正義氏が就任している。
★櫻井
ASGを主導しているのは、紛れもなく中国です。
そこに日本が参加すれば、エネルギー供給の安定を中国に依存することになる。
国家の首根っこを押さえられるに等しい。
★加藤
生殺与奪の権を中国に握らせることになります。
電気や水などのインフラは絶対に自前で賄わなければならない。
★櫻井
欧州でも、国境を越えて電気をシェアする動きが見られます。
しかし、その範囲は価値観を共有する国に限定しなければならない。
北方領土を不法に奪い取ったままのロシア、尖閣諸島を奪おうとしている中国などあり得ません。
★加藤
脱原発と再エネ導入を進めたドイツは、
「ノルドストリーム」
から輸送されるロシアの天然ガスに依存していました。
そんな中、ロシアが天然ガス供給を止めると、ドイツの経済と国民生活はたちまち大混乱に陥りました。
ドイツは電力が足りない時はフランスから原子力を輸入していますが、ロシアのウクライナ侵攻以降、家庭用電気料金は日本の2倍にもなりました。
エネルギー政策の転換を迫られています。
★櫻井
軍事の専門家たちは口を揃えて、台湾有事がいつ起こってもおかしくないと語っています。
ASGは
「再エネ版ノルドストリーム」
のようなものです。
台湾侵攻に踏み切ると同時に、中国が日本への電力供給を止めるー。
そんなシナリオも考えられます。
■”所管外”に口を出す
★櫻井
問題となったTFは4人のメンバーから構成されています。
大林ミカ氏の他に、高橋洋氏も自然エネルギー財団の特任研究員という肩書を持っています。
★加藤
河野太郎氏は外相時代の2018年、外務省に
「気候変動に関する有識者会議」
を設置しました。
9人いた有識者のうち、3人が自然エネルギー財団の関係者でした。
大林ミカ氏、高橋洋氏、同財団副理事長の末吉竹二郎氏です。
有識者会議では、化石燃料の中止や再エネの推進が議論されていました。
★櫻井
人選が明らかに偏っています。
有識者会議が提出する報告書に法的拘束力はない。
しかし、著名な政治家が主宰する会議の結論は自ずと大きな影響力を有します。
河野太郎氏はなぜ自然エネルギー財団の関係者を重用するのか。
再エネをなぜ異様に推進しているのか。
化石燃料の否定は日本の国益にどう合致するのか。
様々な疑念が残ります。
★加藤
GEIDCOの総会資料には、日本の役割として
「アジアのインフラ開発を促進するために、政府開発援助(ODA)による財政的・技術的支援を強化する」
という文言が記されている。
資料が作成されたのは2018年、当時の外相は河野太郎氏です。
総会には孫正義氏もビデオメッセージを送っている。
★櫻井
”電力版一帯一路”を実現するために、日本からODAを引き出そうと企んでいるのでしょうか。
★加藤
外務省に確認したところ、モンゴルの風力発電にはODAが使われているそうです。
外務省としては、それが”電力版一帯一路”に組み込まれているかどうかは認識していない。
★櫻井
外務省にそのつもりがなくても、結果的に中国の野望を助けることになる可能性があります。
★加藤
北海道や九州には再エネ発電施設が多い。
日本政府は今、電力の生産地と東京などの消費地を結ぶ送電網を強化しようとしている。
北海道と東京を繋ぐルートには、1兆5000億円もの予算が充てられる予定です。
九州と中国地方を繋ぐ送電網も、4000億円ほどで増強される。
事業者の選定は入札により行われるので、外国企業が参入する恐れがあります。
日本国内にとどまらず、大陸にも送電網を伸ばすなどと言い出しかねない。
自然エネルギー財団のホームページによると、東京電力も中国国家電網と毎年、人的交流を行っているそうです。
■神奈川グループの暗躍
★櫻井
河野太郎氏は防衛相時代、自衛隊施設の電力を再エネで賄うという方針を決めました。
全国にある969施設のうち、50施設で再エネの調達が可能となっている。
電力調達の再エネ比率が100%の施設も36あります。
★加藤
山口県の防府北基地はタイのエネルギー企業
「バンプーグループ」
の子会社と電力供給契約を結んでいる。
バンプーグループは中国とのビジネス契約が強い。
電力使用量を把握することで、自衛隊の動きも推測できます。
国防の要となる自衛隊基地の電力供給を不安定な再エネ、しかも外資に頼るのは安全保障上の問題がある。
★櫻井
防衛相、外相、デジタル担当相・・・。
河野太郎氏はどのポジションに就いても、常に再エネ推進の立場から影響力を行使しようとする。
”所管外”なのに口を出したがりますね。
★加藤
河野太郎氏にとっては反原発と再エネ推進が1丁目1番地。
政治家としての絶対的な使命なのかもしれない。
★櫻井
河野太郎氏の他に、菅義偉元総理、小泉進次郎氏らも再エネ推進に熱心です。
菅義偉元総理は神奈川県を地盤とする河野太郎氏、小泉進次郎氏を将来の首相候補に育てようとしているのでしょう。
★加藤
菅義偉政権時代、河野太郎氏(規制改革担当相)と小泉進次郎氏(環境相)が再エネ推進の実働部隊となりました。
菅義偉総理は首相就任後の所信表明演説において、2050年までに
「カーボン・ニュートラル」、
つまりCO2排出ゼロを目指すと表明した(2020年10月)。
政府はその目標を達成するための
「グリーン成長戦略」
を公表(2020年12月)。
その後、小泉進次郎氏が
「おぼろげながら浮かんできた」
という”迷言”と共に、2030年までにCO2排出量を46%削減すると言い放った(2021年4月)。
間もなくして、菅義偉政権は
「規制改革実施計画」
を閣議決定(2021年6月)。
自然公園や砂防指定地にも再エネ発電施設の建設を認める方針などは、河野太郎氏が設置したTFの主張を丸呑みしたものです。
大林ミカ氏は当時もTFのメンバーでした。
★櫻井
最終的に、第6次エネルギー基本計画(エネ基)が公表されました(2021年10月)。
第5次エネ基では、2030年の総発電量に占める再エネの割合は22~24%でした。
第6次エネ基では、その数字が36~38%と大幅に引き上げられました。
■そもそも日本に向いていない
★櫻井
再エネには発電量のコントロールなど弱点があります。
それを補うために研究開発を続けるのは構いません。
しかし、原発を稼働させなければ日本の産業は衰退の一途を辿ること、国民生活に重い負担を掛けることも同時に認識すべきです。
「カーボンニュートラル」
を達成したいのであれば、CO2を排出しない原子力を活用しなければならない。
★加藤
太陽光が災害に弱いことも指摘しておきたい。
能登半島地震では、19カ所の太陽光パネルが破損、崩壊していることが発覚しました。
太陽光パネルは壊れても尚、発電を続けるので危険です。
ここ最近でも、鹿児島県伊佐市のメガソーラーで火災が発生しました(2024年3月27日)。
その際は消防隊員4人が負傷、鎮火に20時間以上を要した。
宮城県仙台市青葉区でもメガソーラーが発火。
鎮火に35台の消防車が出動した(2024年4月15日)。
日本は現在、国土面積当たりの太陽光発電量で世界一ですが、自然災害の多い日本はそもそも再エネ導入に不向きなのです。
事業者の責任問題も曖昧になっています。
能登半島においても、事業者が被災したメガソーラーに責任を取らない事態が起こっている。
ソーラーパネルによっては鉛、ヒ素、カドミウム、セレンなどの有害物質が検出されています。
環境破壊に繋がるだけでなく、産業廃棄物となり、壊れても発電する上に、人体に悪影響を及ぼしかねない危険も孕んでいる。
■元凶は菅直人と孫正義
★櫻井
福島第1原発の事故後、民主党政権は原発停止に踏み切りました。
不足した電力供給を補うために、海外から天然ガスなどを輸入。
火力発電で穴埋めしましたが、燃料の調達コストは数十兆円にも上ります。
ウクライナ戦争によるエネルギー価格高騰で、我が国の電気料金は更に上昇している。
★加藤
再エネ賦課金も国民生活に重くのしかかっています。
元凶は民主党政権。
菅直人元総理が2011年、再エネの固定価格買取制度(FIT)を導入した。
★櫻井
風力発電や太陽光発電の事業者がFITの認可を得られれば、生み出した電気を20年に渡り固定価格で買い取ってもらえます。
買い取るのは電力会社ですが、そのコストは各家庭の電気料金に上乗せされる。
国民がツケを支払わせられる一方、再エネ事業者は高収益が保証される仕組みです。
★加藤
再エネ賦課金は今年2024年5月、1.4円から3.49円/キロワット時に引き上げられます。
1カ月の電力使用量が1世帯当たり月400キロワット時だとすれば、1年間で1万円から1万7000円の再エネ賦課金の値上げとなり、電気料金に加算されます。
これは今年2024年に限ったことではない。
毎年、再エネにどんどん認可が下りているので、国民の負担は今後更に増えていくでしょう。
国民がこの負担に耐えられるのかは疑問です。
★櫻井
FITがスタートした2012年、再エネの売電単価は事業用が40円、住宅用が42円でした。
この数字は他国と比べても2倍、一時は3倍ほど高かった。
菅直人総理の決定を称賛していたのが孫正義氏です。
FITの枠組みを決める際、孫正義氏が暗躍していたとも言われている。
その後、孫正義氏は再エネビジネスでも大儲けしています。
利益誘導を疑われても仕方がありません。
★加藤
経済産業省に置かれた
「調達価格等算定委員会」
が、FITの売電単価や再エネ賦課金の価格を議論しています。
2012年3月、経済学者の植田和弘氏(京都大学名誉教授)が委員長に就任。
植田和弘氏は2017年まで委員長を務めた。
注目すべきは、植田和弘氏が2013年8月に自然エネルギー財団の理事になっていること。
★櫻井
冒頭の”中国企業ロゴ問題”に繋がりましたね。
■絶対に総理にしてはならない
★加藤
植田和弘氏がいた京都大学では、
「再生可能エネルギー経済学」
という日本風力開発の子会社の寄附講座が設置されていた。
担当の特任教授は山家公雄氏。
山家公雄氏は日本風力開発の子会社役員でもあった。
★櫻井
日本風力開発と言えば、衆院議員の秋本真利氏との”贈収賄”が思い出されます。
秋本真利氏は洋上風力を巡り、日本風力開発の創業者から賄賂を受け取っていた。
秋本真利氏は逮捕され、自民党を離党しています。
★加藤
秋本真利氏が国会議員になったきっかけは河野太郎氏との出会いです。
秋本真利氏は地方議員時代、大学院に通っていた。
大学院に特別講師としてやってきたのが河野太郎氏。
その時、河野太郎氏から国会議員になるように勧められたと自ら語っています。
国政進出を果たした後、秋本真利氏は自民党内における反原発の急先鋒として名を馳せた。
河野太郎氏も
「自民党一番の脱原発男」
と称賛しています。
★櫻井
再エネを巡る怪しい動きや人物について調べると、なぜか河野太郎氏に辿り着くことが多い。
★加藤
真野秀太氏という人物がいます。
真野秀太氏は
「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」
なる組織の副代表を務めている。
真野秀太氏のプロフィールを調べると、
「自然エネルギー財団を経て、SBエナジー株式会社にて再生可能エネルギー発電事業に携わる」
とある。
SBエナジーは現在
「テラスエナジー」
に改称していますが、かつてはソフトバンクグループの完全子会社でした。
驚くべきは、真野秀太氏には
「河野太郎代議士秘書」
という肩書もあったことです。
一体全体、河野太郎氏の周辺では何が起きているのか。
★櫻井
河野太郎氏についてはファミリー企業
「日本端子」
を巡る問題も燻っています。
★加藤
日本端子の大株主は父・洋平氏で、太郎氏も株を所有している。
1995年の北京事務所開設を皮切りに、中国各地に事業所を展開しています。
★櫻井
河野太郎氏の危うさをいち早く見抜いていた人物がいます。
安倍晋三元総理に他なりません。
2021年の自民党総裁選において、安倍晋三元総理は高市早苗氏を推しました。
その背景には”河野太郎だけは絶対に総理にしてはならない”という危機感があったはずです。
★加藤
安倍晋三元総理は、党員に人気がある河野太郎氏を警戒していた。
反原発の急先鋒である河野太郎氏が総理に就任すると、偏ったエネルギー政策を推進する恐れがあります。
日本経済を危うくするのではないかと危惧されていました。
保守派の支持を高市早苗氏に集め、決選投票で高市早苗票と岸田文雄票を合算すれば、河野太郎氏に勝てるのではないかという戦略です。
その読みは見事に的中。
河野太郎氏は総理・総裁の座を逃した。
日本が救われた瞬間です。
■自動車産業を追い出すのか
★加藤
小泉進次郎氏の言動にも注意が必要です。
小泉進次郎氏も河野太郎氏と同様、再エネに熱心な政治家の1人。
小泉進次郎氏は電気自動車(EV)推進の発言も目立ちますね。
★櫻井
菅義偉政権の
「カーボンニュートラル宣言」
により、日本政府は2035年までにガソリン車の販売終了を目指しています。
★加藤
今年2024年2月、
「ゼロエミッションフォーラム」
というイベントが開催されました。
小泉進次郎氏はそこで、
「全国1700の自治体にEVを配ろう」
などと提案していた。
★櫻井
ウクライナ戦争などを契機に、欧米は再エネの限界に気付きました。
補助金を付けてもEVは消費者から敬遠されています。
各国が掲げたEV普及率の目標達成は程遠い。
欧米ではエネルギー政策、EV普及政策の見直しが進められています。
★加藤
ドイツの国営放送DWが先日、
「EV時代の終焉」
という番組を流しました。
再エネEVを牽引してきたあのドイツでもEVは凋落傾向にある。
隔世の感(変化が激しく、まるで世代が変わってしまったような感じ)を禁じ得ません。
★櫻井
ドイツ政府はEVへの補助金を前倒しで停止しました。
中国はEVで最先端を走っていましたが、大手の非亜油(BYD)さえも方向転換。
ハイブリッド車などに注力しています。
そんな中、なぜか日本政府には補助金を止める気配さえありません。
ひたすらEV推進の道を突き進んでいる。
世界で起きていることを理解しているのかと疑います。
世界の潮流に取り残されようとしているのです。
★加藤
EV開発に力を入れるのは構いません。
しかし、今の政策はやり過ぎです。
世界はEVの購入補助金を廃止する方向に動いている。
これだけ補助金を投じても、世界の自動車市場の9割が内燃機関(エンジン車)。
欧州におけるEVの普及率は15%ですが、日本がお得意とする北米では6%弱、日本では2%に及びません。
世界の新車販売台数は8600万台。
その約3割に当たる2600万台強が日本メーカーの車で、そのほとんどがエンジン車です。
エンジン車を後10年で廃止するとなれば、倒産を余儀なくされる企業が出てきます。
メーカー各社は製造ラインの設計やエンジン開発に10年単位の時間をかけている。
政治家の一言が、技術者のモノ作りに懸ける情熱を台無しにしてしまうのです。
★櫻井
日本はモノ作りの国です。
製造業なくして日本経済の繁栄はあり得なかった。
自動車産業を潰した後、一体誰が経済を支えていくのか。
★加藤
製造業はGDP(国内総生産)の2割に当たる。
製造業における設備投資の26%、研究開発費の30%は自動車産業が占めています。
日本の基幹産業であり、外貨の稼ぎ頭でもあるのです。
自動車産業なくして、日本経済は立ちゆきません。
その産業構造を破壊して国外に追いやるという発想が理解出来ない。
”経済弱体化政策”に他ならない。
★櫻井
雇用にも影響するでしょうね。
日本国内において、自動車産業に従事するのは約550万人、
労働人口の約10%を占めている。
そのうち、製造に関わるのは約90万人です。
★加藤
その多くは大手メーカーではなく、協力会社の部品工場などで働き、地域経済を支えている人たちです。
日経平均株価がバブル期を超え、一部の投資家たちは浮かれています。
しかし、日本経済を支えているのは投資家ではない。
生産設備なのです。
エンジン車は3万点の部品を必要としますが、EVはエンジン車よりも構造が単純なので部品数も少ない。
EVの製造コストの4割を占めるのは電池ですが、電池は原材料と精製過程における圧倒的なシェアを中国が握っている。
EVが普及すれば、中国が自動車覇権を握る仕掛けになっているのです。
急速なEV化を進めれば、内燃機関やトランスミッションなどの日本が得意とする部品を供給する会社は経営が厳しくなる。
100万人が路頭に迷う可能性すらあります。
■怪しい知事たち
★加藤
政治家は製造業を軽視する傾向があるのでしょうか。
静岡県知事の川勝平太氏による、新入職員入庁式での”職業差別”発言です(2024年4月1日)。
「県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです」
「毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです」
「ですから、それを磨く必要がありますね。」
食卓を支える農業、経済の根幹たる生産者を完全に見下しています。
しかし、川勝平太氏や県庁職員の給料は、農家や製造業従事者が納めた税金から払われている。
一体何様のつもりか。
★櫻井
失言がメディアに報じられると、川勝平太氏は辞意を表明しました(2024年4月2日)。
川勝平太氏は辞任の理由について、
「一番大きかった理由はリニア」
と説明した。
JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念したから、もう目的を達成したと言わんばかりです。
★加藤
川勝平太氏は静岡工区の南アルプストンネル工事を頑なに認めなかった。
その結果、リニア開業は2034年以降に遅れるとも報じられています。
★櫻井
川勝平太氏が国家的プロジェクトを止めたことによる損失は何十兆円、何百兆円にも達するでしょう。
日本は世界に先駆けてリニアを開通させる予定でした。
ところが、川勝平太氏が大井川の”命の水”云々と言って、理由にもならない理由で工事を許さなかった。
リニア開業が遅れることで利益を得るのは中国です。
中国が日本より先にリニアを開業させれば、中国がリニア技術を世界各国に売り込むことができます。
私は学者としての川勝平太氏を尊敬していました。
『文明の海洋史観』
も名著です。
しかし、静岡県知事になってからは国益を見失ってしまったように思います。
日本ではなく、中国共産党のために働いていたとしか考えられない。
日本国民への裏切りに他なりません。
★加藤
”国益を蔑ろにする知事”と言えば、東京都知事の小池百合子氏です。
小池百合子氏はカイロ大学卒業を巡り、かねて”学歴詐称”が疑われている。
『文藝春秋』(2024年5月号)では、小池百合子氏の元側近が新たな告発を行いました。
★櫻井
4年前の2020年、石井妙子氏の『女帝小池百合子』が文藝春秋から刊行されました。
その時も小池百合子氏の”学歴詐称”疑惑が騒がれました。
当時は何とか切り抜けましたが、今回は疑惑を打ち消す工作をした人の告白です。
告白が真実なら、小池百合子氏は学歴を詐称しただけにとどまらず、偽文書を作ったことになります。
★加藤
小池百合子氏も河野太郎氏と同様、再エネやEVを推進していますね。
小池百合子都政の下、新築戸建て住宅などに太陽光パネルの設置を義務付ける条例が制定された。
その背景にも自然エネルギー財団の影が見え隠れします。
東京都参与に、元東京都環境局の大野輝之氏という人物がいますが、大野輝之氏は自然エネルギー財団の常務理事でもある。
大野輝之氏は小池百合子都政が掲げる”ゼロエミッション東京”というメッセージを絶賛。
太陽光パネル義務化やディーゼル車規制のブレーンとも言われています。
■”外圧”でしか変わらない
★櫻井
再エネを巡り、国際社会は大きな揺り戻しの只中にあります。
2050年までにCO2排出ゼロを達成することで、気温上昇を1.5℃までに抑えるとしたパリ協定への姿勢が変化している。
その趨勢を決定付けるのが、2024年11月に控えるアメリカ大統領選挙です。
トランプ政権はかつてパリ協定から離脱しました。
トランプ氏が復活すれば、アメリカはバイデン政権の環境重視政策から脱却するのではないか。
★加藤
トランプ氏が大統領に就任したら、最初に手を付けるだろうとされているのが、バイデン政権のEV振興策の廃止です。
環境エネルギー部門ではビベック・ラマスワミ氏の閣僚起用を検討している。
ラマスワミ氏はインド系の実業家で、共和党の大統領候補者指名争いにも参加していました。
ラマスワミ氏が環境・エネルギー政策を担当すれば、アメリカは劇的に変わるでしょう。
ラマスワミ氏は民主党が重視する
「WOKE資本主義」
からの離脱を主張しています。
WOKEとは、LGBTの権利保護、ジェンダー平等や昆虫食などの”意識高い系”を指す。
ラマスワミ氏はESG(「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったもので、これらの要素を考慮した企業経営や投資活動)、SDGs(持続可能な開発目標、『英語: Sustainable Development Goals、略称: SDGs(エスディージーズ)』)は、2015年9月25日に国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標)、EVの欺瞞も著書で鋭く批判している。
アメリカではロシアのウクライナ侵攻以降、数多くのESGファンドが破綻したことから、”反ESG”旋風が巻き起こっている。
それまでは環境や社会に配慮する企業への投資が推奨されていましたが、その流れが変わりつつあります。
気候変動の国際的枠組みにはウォール街の主要機関が参画、企業活動を監視していました。
23州の司法長官がそれを反トラスト法に違反していると判断したのです。
更に18の州では、ESG投資による年金運用が禁止となりました。
その結果、ウォール街の投資家たちはESG銘柄を売り払う方向に舵を切っています。
★櫻井
日本は良くも悪くも”外圧”で変わる国です。
アメリカの政策転換は日本にも変化をもたらす可能性が高い。
★加藤
アメリカ大統領選は激戦州の動向が鍵となります。
例えばミシガン州は前回、バイデン氏が勝利した。
しかし、メディアの支持率調査では、今のところトランプ氏が10ポイントほどリードしている。
ミシガン州は自動車部品メーカーが多い。
自動車部品メーカーの多くはこれまで民主党を支持してきましたが、今回はトランプ氏に票を入れるでしょうね。
エンジン車の産業構造を破壊するバイデン氏に嫌気が差しているのです。
★櫻井
パリ協定は既に破綻しています。
世界の潮流を見誤り、国力を衰退させるような事態は絶対に避けなければなりません。
再エネへの巨額投資は産業界と国民に大きな負担をかけます。
ひいては主要産業の海外流出を招き、経済成長を止めてしまう。
★加藤
エネルギー安全保障という国益のためにも、再エネ推進派の行き過ぎた政策に目を光らせておく必要があります。
再エネ議連は自民党内で大きな政治力がある。
特に河野太郎氏や小泉進次郎氏らはその中心にあり、後ろ盾となっているのが菅義偉元総理です。
★櫻井
まずは”中国企業ロゴ問題”について、説明責任を果たしてもらいましょう。
”再エネの闇”に切り込むための第一歩です。

岸田政権が”しれっと”進めるステルス増税の山
こっそり、分かりづらく国民を苦しめている
WiLL2024年6月号 シンガーソングキャスター saya
■再エネ賦課金の闇
2024年4月使用分から
「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」
が1.40円/kWhから、3.49円/kWhに値上がりします。
月400キロワット使用する標準的な家庭で計算すると、これまで1家当たり年間6000円程度だったのが、一気に倍以上の1万6000円程度値上がりします。
5、6月は比較的過ごしやすい気候のため、エアコンを使うことは、ほぼありませんが、本格的な暑さが襲う7、8、9月の電気料金には注意が必要です。
そもそも、
「再エネ賦課金」
とは、再生可能エネルギー普及のため、電気代に上乗せして徴収されている課金のことであり、
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」
に基づいて誕生しました。
電力会社が、再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用を我々利用者に転嫁させる制度で、2012年に当時の菅直人政権で導入されました。
なぜ、こんな事になるのか。
分かり易く言えば、再生可能エネルギー(主に太陽光発電事業者)の利益、売上のために全国民が高い電気料金(再エネ賦課金)を負担させられているわけです。
再エネ賦課金は岸田政権で成立した制度ではないので、岸田総理のみを責めるのは酷ですが、再エネ賦課金の廃止や見直しを検討するならまだしも、更に引き上げたことは批判されて当然です。
これは税金ではありませんが、賦課金という形で国民から徴収されており、庶民からすれば税金と何ら変わりはありません。
加えて電気を使わない家庭など、ほぼありませんから、全国民が強制的に太陽光発電事業者の”養分”になっているのです。
太陽光発電事業者側に立てば、発電した電気を固定価格で100%買い取ってくれる制度なので、売り上げが100%保証される何ともオイシイ仕組みであり、その売り上げの負担を全国民が負うという悪魔じみたものです。
この制度がある限り、震災や原発事故を理由に綺麗事で参入してくる事業者が増えるでしょう。
また、太陽光パネルの製造業者は、ほとんどが中国であり、国内業者は淘汰され、中国企業が幅を利かせています。
例えば、トリナ・ソーラー(中国企業)は業務実績として、日本各地に設置した太陽光パネルの航空写真を堂々とホームページに掲げています。
再エネ賦課金制度とは、極端に言えば、中国に”貢ぐ”システムなのです。
また、太陽光発電用の多結晶シリコンの80%は中国製で、その半分以上が強制労働を強いられているウイグル人の住む新疆ウイグル自治区で生産されており、ジェノサイド(集団殺害)に加担することにもなります。
環境省が当初試算したデータによると再エネ賦課金の推移は2030年にようやく一番高値の2.95円/kWhになる想定であったにもかかわらず、2019年時点で既に2.95円/kWhとなり、2022年には3.45円/kWhにもなり、平気で嘘を付き、値上げラッシュ。
再エネ賦課金は今や、政府の試算データや報告書ですら嘘を付く何でもありの状態です。
少子化対策用の健康保険料の上乗せ分も月平均500円、ワンコインだっただと試算を出し、その僅か2週間後には年収によって倍以上の金額に。
しかも毎年増額されるなどと掌返しする政府です。
最初は国民負担が少額だから問題ないといった説明をしていても、あれよあれよと値上がりし、気が付けば恐ろしい金額になり、あっという間に重税国家になってしまうことは目に見えています。

河野太郎を「精密検査」する
Hanada2024年6月号 福井県立大学名誉教授 島田洋一
■「河野グレタ郎」でブロック
「政治家河野太郎」
の最大の問題点は、その頑なな脱炭素・反原発イデオロギーによって、日本のエネルギー基盤を破壊し、日本社会を滅亡に追い込みかねない所にある。
河野太郎氏が野党の議員なら実害は小さい。
ところが、LGBTイデオロギーの稲田朋美議員同様、政府与党の中にいて、政策を動かし得る立場にあるため、非常に危険な存在となっている。
ところで御多分に洩れず、私も河野太郎氏のX(旧ツイッター)からブロックされている。
エネルギー問題を中心に河野太郎氏の政治姿勢を批判しつつ、
「河野グレタ郎」
と呼んだのが理由らしい。
河野太郎氏自身、著書『日本を前に進める』(2021年)で、
「グレタ・トゥーンベリさんの登場等によって気候危機に多くの関心が集まっている」
と反炭素活動家グレタさんへの尊崇の念を記しているので、このニックネームを喜んでも不思議はないと思うのだが。
一般人ならともかく、大臣を歴任し、首相を狙おうかという政治家が、
「グレタ郎」
程度の揶揄に我慢できずブロックするとは狭量に過ぎるだろう。
私は少なからぬ政治家のXを批判的に引用リポストしているが、河野太郎氏ほど神経過敏な反応を示した例はない。
さて河野太郎氏は前記著書におて、外相時代に国際再生可能エネルギー機関(IRENA)総会で(2018年1月)行ったという演説を数ページに渡って紹介している。
官僚が用意した原稿を全面的に書き直させたという。
よほど胸を張りたい内容なのだろう。
河野太郎氏の認識、基本姿勢がよく分かる。
長いので部分的にカットしつつ、引いておく。
「今、私たちは新しい時代を迎えています」
「再生可能エネルギーの時代です」
「・・・皆さんは、再生可能エネルギーの導入では世界から大きく遅れている日本の外務大臣が何を言うか、とお思いかも知れません」
「私も、日本国内の再生可能エネルギーを巡る現在の状況は嘆かわしいと思います」
「再生可能エネルギーの劇的な価格下落や気候変動問題が脱炭素化を不可避にしている世界の趨勢から目を背け、変化を恐れて現状維持を優先した結果、日本の再生可能エネルギーの電源割合目標は2030年で22~24%という大変低い数字にとどまっています」
「・・・これまでの日本の失敗は、世界の動きを正しく理解せず、短期的なその場しのぎの対応を続けてきた結果です」
「・・・かように現在の日本の現状は嘆かわしいものですが、しかし、私は今日、このIRENA総会の場で、今後、日本は新しい思考で再生可能エネルギー外交を展開し、世界の動きを正しく理解し、長期的視野に立った一貫した対応を取っていくことを宣言したいと思います」
脱炭素化運動を
「世界の趨勢」
と信じ込み、異論を一顧だにせず、
「バスに乗り遅れるな」
とのめり込む姿勢が顕著である。
この演説が行われた当時(2018年1月)、自由世界の中心をなすアメリカの有権者は、脱炭素原理主義を排する共和党トランプ政権を選んでいたが、それは
「趨勢」
に入らないらしい。
「人間活動による地球温暖化」
を所与とする前民主党オバマ政権の立場は非科学的で、米企業の競争力を不必要に弱めるとして退け、テクノロジー開発を通じたエネルギーの効率利用を無理なく進めるのが正解との立場を採っていた(ちなみに国際エネルギー機関によれば、トランプ時代のアメリカは炭素の排出削減量で世界1位。「トランプは炭素を撒き散らした」はファクトではない)。
河野演説が言う
「世界の趨勢」
は、当時も今も
「リベラル・インテリ世界の趨勢」
に過ぎない。
アメリカはじめ、現に展開されている複雑な動きを素直に見据えたものではなかった。
今やヨーロッパ諸国でも、脱炭素への行き過ぎた傾斜への反省が語られ、
「電気自動車(EV)への移行」
等にも急速にブレーキが掛かっている。
2025年以降、アメリカが再びトランプ政権となれば、一層はっきりとした
「趨勢」
となるだろう。
原子力発電が再評価され、アメリカは、ウイグル人の強制労働を用いていることを理由に、中国製太陽光パネルの全面禁止を決めた。
河野太郎理論は到底、
「世界の動きを正しく理解し、長期的視野に立った」
ものではない。
非常に視野の狭い独善と言えるだろう。
政府が河野路線を撮り続けるなら(河野太郎氏を「軍師」とした菅義偉政権以来そうなっている)、日本は潮が引く中、岸辺に取り残された魚のように、1人干上がることになろう。
■一族会社と中国共産党
河野太郎氏は上記演説と並行して、外相の諮問機関
「気候変動に関する有識者会合」
を立ち上げている。
そのメンバーの1人が、脱炭素・反原発を掲げる自然エネルギー財団の大林ミカ氏だった。
その後、大林ミカ氏は、やはり河野太郎氏が行革担当相として主導する内閣府の
「再エネ規制総点検タスクフォース(特別部隊)」
の委員にも選ばれた。
中国の国家電網公司との余りに密接な関係が問題となり、2024年3月、辞任に追い込まれたことは記憶に新しい。
ちなみに、同タスクフォースを事務方で仕切る内閣府規制改革推進室の山田正人参事官は、極端な脱炭素・反原発姿勢のため、経産省で厄介者扱いされていたという。
まさにそれが故に河野太郎氏の目に留まり、一本釣りされた。
この
「大林ミカ事件」
で、岸田首相がタスクフォースと中国の不透明な関係を調整するよう河野太郎氏に指示したのは論外という他ない。
「ネトウヨが騒いでいるだけだろ」
と周囲に嘯くなど、河野太郎氏には何の反省も見られない。
まさに調査される側の中心に位置付けられるべき存在である。
河野太郎氏一族会社
「日本端子」
と中国共産党との関係など、太陽光利権を巡る疑惑も放置されてよい問題ではない。
「再エネ・反原発信仰」
に与しない関係者に対する河野太郎氏の、権力を笠に着た恫喝も見過ごせない。
私は最近、SNSで使う河野太郎氏の愛称を、やや可愛すぎる
「河野グレタ郎」
から
「サイコパス河野」
に変えたが、以下のやり取りを見れば、頷く人も多いだろう。
2021年8月24日に、河野太郎氏が資源エネルギー庁幹部を怒鳴りつける様子の録音記録である。
『週刊文春』が入手して公開した(説明語句を加えた文字起こしも同編集部)。
議論のテーマは、3年毎に見直される「エネルギー基本計画」。
<エネ庁:いや、(原案の再生可能エネルギー比率は政策的な裏付けを)積み上げて36~38%程度>
<河野:積み上げて36~38になるんだったら、(「程度」を「以上」に変えても)以上は36~38を含む(からいい)じゃないか。日本語分かる奴出せよ、じゃあ。それから何か知らねえけどさ、日本が再エネ入れるのに不利だ、みてえな記載が(基本計画原案に)いっぱいあっただろ。あれ全部落としたんだろな>
<エネ庁:日本が置かれた自然状況につきましては(略)事実関係を書いたものでございますので・・・>
<河野:じゃあ、北朝鮮のミサイル攻撃に無防備だと原子力(発電所)は。日本は核燃料、使用済み燃料を捨てる場所も狭くてありませんと、(事実を)全部書けよ。使用済み核燃料が危ねえのは、もう自明の理じゃねえか。おめえ、北朝鮮がミサイル撃ってきたらどうすんだい。テロリストの攻撃受けたらどうすんだい、今の原発>
チンピラ顔負けだが、特に最後の部分など
「おめえ」
が言うかの典型である。
河野太郎氏は防衛相時代、北朝鮮ミサイルから国土(当然原発も含む)を守る地上配備型迎撃システム
「イージス・アショア」
の設置計画を突然破棄する決定をした。
その責任者が北朝鮮のミサイルの脅威を反原発の理由にするとは、控えめに言っても身勝手だろう。
■普通なら即大臣解任
河野防衛相が
「アショア」
配備を中止したのは、迎撃ミサイル発射後の燃焼済みブースターの空タンク(長さ24メートル弱)が民家に落下する可能性がゼロとは言えないからとの理由だった。
しかし、その可能性は限りなくゼロに近い上、核弾頭が着弾した場合の破滅的被害とは全く比較にならない。
河野太郎氏は、
「アショア」
の代替は
「イージス艦でやってもらう」
と語った。
だが、そもそも
「アショア」
導入案は、イージス艦の常時洋上展開は隊員の疲労等に鑑みても困難で、また日本近海を離れた遠洋任務に就く場合もある等の事情から出てきたものである。
話をいきなり振り出しに戻す以上、より合理的かつ現実的な説明が必要だろう。
迎撃態勢の整備に真面目に取り組まなかったのみならず、河野太郎氏は、敵基地攻撃能力の保持にも一貫して反対してきた。
攻めと守りの両面において、無責任な議論に終始してきたと言える。
2020年春、東北や九州で中国の偵察バルーン(気球)が発見された際も、河野防衛相は
「(行方は)気球に聞いて下さい」
と、国民をコケにした応答をして批判を浴びた。
気球によって自衛隊が用いる電波情報を収集できれば、敵対国は妨害電波の精度を上げられる。
普通の国なら、この発言1つで防衛相解任だろう。
河野太郎氏を総理総裁にと動く自民党議員らはよく、
「河野さんは脱原発を封印した」
「安心していい」
と言う。
しかし
「封印した」
とは、権力の座に就いた暁には
「封を解く」
という意味だ。
しかも、河野太郎氏は何ら原発潰しを封印していない。
搦め手を用いているだけである。
「(プルトニウムを燃料に使う)高速増殖炉『もんじゅ』が廃炉になり、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す必要がなくなった」
「(青森県六ヶ所村の)再処理施設は要らなくなったから(運転開始を)やめる」
との主張がそれに当たる。
現在、使用済み核燃料は各地の原発内で保管されているが、再処理施設に移送できないとなれば、貯蔵プールはそのうち満杯になる。
燃料交換ができなくなれば、原発は運転停止の他ない。
再処理施設を潰せば原発全体を潰せる。
これが河野太郎氏のみならず反原発派の狙いである。
■極めて危険な歴史認識
河野太郎氏の歴史認識も大いに疑問符が付く。
2019年1月14日、モスクワ。
日露外相会談後、内外の記者を集めた公式会見で、ロシアのラブロフ外相は
「重要な文書」
として国連憲章第107条を上げ、
「第2次大戦の結果を認めるよう書かれている」
「本日もう1度、詳細に日本側に伝えた」
「日本側から反論はなかった」
と述べた。
これに対し河野太郎外相は、日本人記者のみを集めた
「臨時会見」
を開いたものの、
「ラブロフ外相の発言にいちちコメントは致しません」
「内容については対外的に公表しないことにしております」
と無回答に近い発言に終始した。
前日(2019年1月13日)、ロシア外務省の報道官が
「共同記者会見を準備していたのに日本側が逃げた」
と揶揄したが、それが実態だったと思わざるを得ない。
国連憲章で
「敵国条項」
とされるのは第53条、77条、107条の3項である。
このうち、ラブロフ外相が言及した第107条は
「この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない」
と規定する。
ソ連軍による樺太・千島列島奪取はこの枠内の行動で、日本も国連に加盟した時点で承認したというのがロシア側の主張である。
日本政府はこの解釈を受け入れていない。
例えば
「北方領土に関し敵国条項をソ連側は如何に解釈しているのか」
との中川昭一衆院議員の質問に、外務省欧亜局長が次のように答えている(1990年6月11日、衆院安保特別委)。
「ソ連側は、北方4島の占拠の根拠としてヤルタ協定を挙げ、同協定が、国連憲章第107条により、戦後秩序の一部として日本を拘束すると主張しております」
「これに対し私どもは、ヤルタ協定はこれに参加した首脳たちが共通の目的を述べた文書に過ぎず、領土移転の如何なる法的根拠も持ち得るものではない、その当然の帰結として、国連憲章第107条はソ連側の北方領土占拠に如何なる根拠を与えるものでもないし、全く関係のない規定である、そう反論しておる次第でございます」
この日本政府の立場を、河野太郎外相はラブロフに対し、即座にぶつけねばならなかった。
ラブロフは、明確に日本世論を揺さぶる意図で発言している。
一方、河野太郎氏には、世論戦を戦うとの気概が全く見られなかった。
尚、ロシア側は、(1945年)8月15日でなく(1945年)9月2日(日本の降伏文書調印の日)を
「大戦終結記念日」
と定め、北方領土を含む樺太・千島占領は大戦中の行為だと強弁している。
ここも、日ソ中立条約違反と並んで日本の外相が強く反論せねばならぬポイントだった。
ちなみに、ソ連軍による北海道北方地域侵攻は1945年8月16日にカムチャッカ方面から開始され、1945年8月18日に占守島上陸、1945年8月28日に択捉島上陸、1945年9月1日に国後島・色丹島上陸、1945年9月3日に歯舞島上陸と続き、1945年9月5日までに全域を占領した。
明らかに終戦後の侵略である。
話を戻せば、カメラの前で言いたい放題のラブロフに対し、河野太郎氏は借りてきた猫の風であった。
当日(2019年1月14日)のNHKニュースはラブロフの一方的発言のみを伝えたが、河野太郎外相が何も発言しなかった以上、必ずしも放送局の不見識とは言い切れない。
かつて、双方国連大使の立場でラブロフとやり合った経験を持つボルトン元大統領補佐官は、
「終始細かく条件闘争を仕掛けてくる男で予測困難」
「土壇場での大芝居(見方によってはヒステリー)に走りがち」
「ラブロフは国連大使を務めつつ、この特技を完成させていた」
と回顧している。
ラブロフの
「大芝居」
を捌くだけの技量と度量が河野太郎外相には欠けていた。
日本国内では木で鼻を括ったような
「次の質問どうぞ」
「所管外でございます」
で逃げ、
日本国外では難しい相手との共同記者会見に出ないのが
「特技」
では、話にならないだろう。
■「カモネギ外交」の象徴
中東問題でも、河野太郎外相は日本の
「カモネギ外交」
を象徴する存在だった。
著書に次の1節がある。
「外交は国と国との交渉ではありますが、最後は外務大臣同士の人と人との関係がものを言うことも少なくありません」
「例えばアメリカが資金拠出を中止したUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を支援するための会合の共同議長を私に頼んできたのは、それまでに会議で顔を合わせていただけでなく、私邸にまで招かれたりしていたヨルダンのサファディ外相とEUのモゲリーニ外相の2人でした」
「外務大臣のフットワークが軽くないと国の外交は成り立たない、と言えるでしょう」
自慢げに書いているが、要するに、トランプ政権がUNRWAはテロ組織ハマスの物資調達部門に堕しているとの認識から資金拠出を停止したのを受け、
「日本にもっと出させよう」
という国際リベラル勢力に英語力や
「フットワーク(というより腰)
の軽さをおだてられ、カモにされたに過ぎない。
原資は日本国民の税金である。
とても外交を任せられるような人材ではない。
慰安婦問題にも触れておこう。
強制連行・性奴隷化虚偽を今も世界に拡散する河野洋平官房長官談話(河野談話、1993年8月4日)について聞かれる度、洋平氏の長男・太郎氏は
「それは別の河野さんでしょ」
とはぐらかすのが常だった。
しかし、河野家のブランド力に助けられて政界入りした以上、
「自分は無関係」
では済まない。
2018年3月28日、衆議院外務委員会で杉田水脈議員(自民党)が、河野太郎外相に改めて河野談話に対する見解を尋ねた。
ところが、雄弁が自慢のはずの河野太郎氏は机上に目を落としたまま動かず、代わって立った外務省参事官の
「過去に安倍首相が、河野洋平官房が何を考えて発言したのか承知しないと答弁している」
云々の発言を無表情に聞くのみであった。
およそ責任ある態度とは言えないだろう。
関係者によると、河野太郎氏は1度河野洋平氏に
「修正談話」
を出すつもりはないのかとそれとなく対応を促したという。
しかしそのつもりはないと河野洋平氏に撥ねつけられ、それ以上何も言わずに引き下がったらしい。
本来なら、
「修正しないならここで刺し違える」
くらいの気合で迫るべきだったろう。
親が親なら子も子と言う他ない。
■「性格」という最大の問題
リーダーには心の余裕とバランス感覚が欠かせない。
しかし河野太郎氏には、このいずれも見事なまでに欠いている。
性格こそが最大の問題と言ってもいい。
「英語はうまいし、それなりの存在は出来上がっているが、常識に欠ける」
という所属派閥の長、麻生太郎自民党副総裁の発言は適評だろう。
かつて、議員宿舎で河野太郎氏と隣同士だった平沼赳夫経産相(全拉致議連会長)から聞いた次のような話もある。
ある時、河野太郎氏が大声で誰かを怒鳴りつける声が聞こえてきた。
余りに言葉が荒く、執拗なので、平沼赳夫氏の息女がベランダから耳を澄ませたところ、河野太郎氏が義理の母親を激しく罵倒していたという。
平沼赳夫氏は話を誇張する人ではない。
真実だろう。
一方、河野太郎氏が緩んだ表情を見せる場面もある。
過去に2回、中国外務省の華春瑩報道局長(当時)に顔を寄せ、鼻の下を伸ばした自撮り写真をSNSに上げたのが好例である。
華春瑩報道官は色白、ふくよかな一見
「いい人」
風の中年女性で、日本の政界にも隠れファンが多い。
しかし人権蹂躙、軍事恐喝を続ける中国共産党の準幹部である事実に変わりはない。
アメリカの国務長官が同じ事をすれば、即刻辞任に追い込まれるだろう。
日本の政界で何ら問題にならなかったのは、国会全体の意識が低いからに他ならない。

相次ぐ再エネ設備のトラブル、賦課金値上げに「そこまでして進めないといけないのか」
2024/4/21 13:03
https://www.sankei.com/article/20240421-QLQ6GHIV7NJ6NLCTFELLL5YD5Q/
再生可能エネルギーの普及に向けた取り組みは各地で進むが、太陽光パネル設置などを巡ってはトラブルが相次ぐ。
ルール作りや規制に動く自治体もあり、賦課金の値上げには批判的な声も少なくない。
北海道釧路市の国立公園
「釧路湿原」
周辺では太陽光パネルが次々と設置され、特別天然記念物のタンチョウや絶滅危惧種のキタサンショウウオなどへの影響に懸念が広がっている。
北海道釧路市は2023年7月、事業者に届け出などを求めるガイドラインを施行。
2024年度中に条例に格上げする考えだ。
賦課金は、自然環境に影響を及ぼしかねない設備の設置を促すことになり、北海道内の60代の男性は値上げに対し、
「そこまでして太陽光を進めないといけないのか」
と疑問を投げかける。
メガソーラー(大規模太陽光発電所)の設置が進んだ山梨県内では、景観や災害時の土砂崩れなどへの懸念から周辺住民とのトラブルが多発。
県は令和3年10月に太陽光発電施設を規制する条例を施行した。
それでも2023年、甲斐市菖蒲沢でのメガソーラー設置で大規模に樹木が伐採されていたことから、地域住民らが県に対し、周辺を土砂災害特別警戒区域に指定するよう要望する事態となった。
静岡県東伊豆町では、平成15年に町営の風力発電所を稼働させたが、老朽化で故障が相次ぎ、令和3年に閉鎖。
現在、民間企業への事業継承について検証しているが、静岡県内の臨海部では稼働している風力発電所も多く、県民からは
「(騒音や低周波音による)健康被害を訴える声もあるのに、施設の建設促進のために負担が増えるのは納得がいかない」
と不満も漏れる。

米韓より高い日本の電気料金 円安、中東情勢に再エネ賦課金も…上昇に警戒感
2024/4/21 12:04
https://www.sankei.com/article/20240421-N4VMAFDOBFNK5PV4VNZ3SQNDPU/
令和6年度から、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金の負担が標準家庭で年1万円程度増える。
電気料金の上昇は家計を圧迫し、企業活動にも影響を与えそうだ。
特に産業用の電力需要は、人工知能(AI)の普及本格化で拡大する可能性が指摘されている。
日本の電気料金は、先進国の中で中位とみられるが、資源を輸入に頼っているだけに足元の円安進行、中東情勢の緊迫化がエネルギー価格上昇に繋がる打撃となりやすく、警戒感が高まっている。
■エネ価格「不透明さ増す」
電力中央研究所の調べによる国際比較では、2022年の日本の電気代は、英国やドイツよりは低かったが、米国や韓国、フランスよりは高かった。
産業用では、米国や韓国の2倍前後。
一方、再エネ普及が進んでいるデンマークの家庭用料金は日本の2倍近くだった。
資源のない日本にとって、エネルギー価格上昇のリスクは深刻だ。
電力大手で作る電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は
「今後のエネルギー価格の不透明性が、更に増しているのは事実」
と話す。
その上で
「2年前(2022年、ロシアによるウクライナ侵略開始)のような高騰があれば対応が大変だが、学んだこともある」
「調達先を工夫するなど、事業者は価格の乱高下を回避できる対策を講じていくと思う」
と述べた。
■電気料金、価格転嫁進まず
国内では人口減少が進んでいるものの、今後はAIの普及を背景に、電力需要は高まるという見通しがある。
科学技術振興機構の推計では、AIなどの情報処理を行うデータセンターの電力消費量は、平成30年の140億キロワット時に対し、令和12年には6倍以上の900億キロワット時まで拡大。
現在の国内の総需要の1割近くまで伸びる計算だ。
東京商工リサーチが行ったインターネット調査(2857社回答)では、2024年1月時点で本業に係るコストが2023年より
「増加した」
と回答した企業は、73.6%と7割を超えた。
特に多かったのが
「原材料や燃料費、電気代の高騰」
の91.2%(1920社)だ。
このうち、高騰した分を商品の価格に上乗せする価格転嫁が全額できたのは、3.6%の63社にとどまる。
「受注減など取引への影響が懸念される」
「同業他社が転嫁していないため」
などが理由として挙げられた。
東京商工リサーチの担当者は
「価格転嫁はまだ十分ではない」
「再エネ賦課金の値上げは、ようやく出てきた良い流れをとどめてしまう可能性がある」
と指摘する。
政府は電源として再エネの比率を高める計画だが、その分賦課金の必要性も高まってくる。
「再エネ普及と国民負担抑制の両立」
が重い課題として残り続ける。

再エネ賦課金、年1万円負担増 「パネル」高シェアの中国利する? 見直し機運も
2024/4/21 11:19
https://www.sankei.com/article/20240421-5VRUAFM3KFKGLBSPJOAJDHXF2U/
太陽光や風力発電など、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
が2024年4月から値上がりし、標準家庭(使用量400キロワット時)で電気料金が月額836円上昇した。
年間で1万円程度の負担増となる。
賦課金は平成24年に導入され、再エネの普及に伴い右肩上がりで増えてきた。
ただ、太陽光発電に用いるパネルは中国企業が大きなシェアを持っている。
日本国民の負担が増える一方、中国を利するとの指摘もあり、制度の見直しを訴える声が強まっている。
■再エネ買い取り、国民負担に
政府は賦課金の単価を令和6年度は1キロワット時当たりで前年度比2.09円高い3.49円に引き上げた。
政府は2024年6月使用分から電気代を抑える補助金を終了し、家計の負担は2024年3月使用分に比べ2236円増えることになる。
政府は平成24(2012)年に再エネの固定価格買い取り制度(FIT)を導入し、再エネで発電した電気は電力会社が再エネ事業者から一定価格で高く買い取ることになった。
この費用を消費者が負担するのが賦課金の仕組みだ。
賦課金の単価は電力会社の買い取り総額から事業者の販売収入などを差し引き、販売電力量で割って算出。
利用者は単価と電力使用量に応じ賦課金を一律に徴収される。
再エネ普及に伴い買い取り総額は増加傾向で、賦課金も右肩上がりで上昇している。
賦課金の単価は平成24(2012)年度は0.22円だったが、令和4(2022)年度には3.45円に達した。
令和5(2023)年度はロシアによるウクライナ侵略に伴う資源価格高騰で電力の市場価格自体が高騰、販売収入増加で1.40円に初めて下がった。
令和6(2024)年度は資源価格一服で販売収入減が見込まれ、再び引き上げとなった。
国民が負担する賦課金総額は2.7兆円に上る。
■玉木氏「間接的に富が中国に」
賦課金を巡っては
「2030(令和12)年頃までは上昇を続ける見通し」(政府関係者)
という。
FITの導入当初に高い買い取り価格で認定した事業用太陽光の20年の買い取り期間が重しとなる。
その後は下落する可能性が指摘されるが、負担がすぐに大きく減るかは見通せない。
賦課金には反発も根強い。
国民民主党は2024年3月26日、賦課金の徴収を一時停止し電気代を引き下げる
「再エネ賦課金停止法案」
を国会に提出。
玉木雄一郎代表は賃上げの効果を打ち消すとして
「廃止を含め抜本見直しの時期に来ている」
と話す。
玉木氏は
「所得の低い人も含め、集めたお金をメガソーラー設置事業者に回す『所得の逆再分配』が起きている」
と指摘。
また太陽光発電は
「コストが下がっており、市場原理に任せるべき」
と見直しも訴える。
中国の存在も懸念事項だ。
「太陽光パネルはほとんど中国製で、賦課金で間接的に富が中国に行っている」(玉木氏)。
再エネを巡っては、内閣府のタスクフォースの元民間構成員、大林ミカ氏の提出資料に中国国営電力会社のロゴマークが入っていたことも問題視されている。
賦課金制度について玉木氏は、
「経済安全保障の観点からも検証が必要だ」
と強調した。

電気・ガス代補助5月で終了、家計に1903円の負担増 再エネ賦課金値上げも
2024/4/18 19:19
https://www.sankei.com/article/20240418-35EY4SBKHRJUHJVT3ED74WB6PM/
政府はこれまで行ってきた家庭や企業の電気やガス代の負担を抑制するための補助金の支給を、2024年5月使用分を最後に終了する。
ロシアのウクライナ侵略などで高騰した燃料価格が安定したためだが、令和6年度からは再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せしている賦課金の単価も引き上げられた。
物価上昇に苦しむ家計にとっては、補助がなくなることで新たな打撃となりそうだ。
■冬が終わり価格も安定
政府は現在、電気は家庭向けで1キロワット時当たり3.5円、ガスは1立方メートル当たり15円を補助。
東京電力や関西電力によると標準家庭(260キロワット時)の月額の電気代の抑制効果は910円、東京ガスによるとガスは450円だ。
2024年5月使用分からはこの補助が半減し、2024年6月からはなくなる。
補助は令和5年1月使用分から始まったが、斎藤健経済産業相は
「液化天然ガス(LNG)や石炭の輸入価格が侵略前と同程度に低下した」
と役目を終えたと話す。
実際に財務省の貿易統計でも、1トン当たり16万円を超え過去最高水準に達したLNGの輸入価格は、令和6年2月には10万円弱に落ち着いている。
「電力需要が多い冬が終わったことも要因」(政府関係者)
だという。
■2024年4月からは賦課金も引き上げ
一方で足元の円相場は1ドル=155円を窺う
「超円安」
の状況が続く。
中東情勢の緊迫化などで価格が高騰する原油のように、不安定な国際情勢により、LNG価格が再び上昇するリスクは常にある。
補助がなくなるだけでなく、政府は2024年4月から再エネ賦課金の単価を1キロワット時当たり2.09円引き上げて3.49円とした。
賦課金の引き上げなどで、4月使用分の電気代は東電の標準家庭で8137円、関電で6754円と、いずれも前月より500円超上がる。
関電の電気代が東電よりも安いのは、発電コストが安い原発が稼働している影響が大きい。
賦課金の引き上げと補助金の消滅により、標準家庭で2024年3月と比較すると家計には計1903円程度の負担増となり、消費意欲が落ち込み、好調な賃上げの効果を打ち消しかねないとの指摘もある。
■新電力への乗り換えも…
こうした中、新電力に期待する向きもある。
エネルギー価格高騰で電力調達コストがかさみ、一時は撤退や新規申し込みの停止が相次ぐなど苦境に立たされたが、調達価格が落ち着くことで経営の安定化が見込まれるためだ。
帝国データバンクによると、令和6年3月時点で撤退や倒産・廃業が判明した新電力は前年同月比43.4%増の119社に上った。
しかし新規契約停止は38.4%減の69社、契約受付再開は51.6%増の47社と、巻き返しの動きも出てきている。
帝国データの担当者は
「値下げに動く新電力も僅かに見られる」
と明かす。
ただ電力不足を防ぐため、発電所設備の維持費を小売り事業者が負う
「容量市場」
制度の拠出金支払いも2024年度から始まる。
新電力にとっては経営上の負担となり、今後、電気料金に転嫁することも想定される。
電力自由化で参入した新電力も料金攻勢は力強さに欠けるのが実情だ。

「国破れてパネルあり」再エネ賦課金廃止も検討を…国民民主・玉木雄一郎代表が警鐘
2024/4/10 20:19
https://www.sankei.com/article/20240410-OTDEOGLDDVLGHF5JUWEFEKVH3U/
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年4月10日、産経新聞の取材に応じ、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている賦課金について
「廃止を含め、抜本見直しの時期に来ている」
と述べた。
再エネ賦課金は電力会社の販売収入が減ると、逆に上がる算定方式。
2024年度は、ロシアのウクライナ侵攻で高騰した資源価格が一服して販売収入の減少が見込まれるため、値上げとなった。
標準的な家庭(月の使用量400キロワット時)で換算すると、賦課金は令和5年度比836円増の月額1396円。
令和4年度(1380円)の水準に戻る。
■賃上げの流れも帳消しに
玉木氏は賦課金値上げについて
「せっかくの賃上げの良い流れを、帳消しにする」
「賃金が増え、消費が増えるという好循環が断ち切られてしまう」
と指摘した。
国民民主は2024年3月、賦課金の徴収を一時停止し、電気代を引き下げる
「再エネ賦課金停止法案」
を国会に提出している。
賦課金の制度については
「所得の低い人も含めて集めたお金を、メガソーラーを設置できる事業者に回す『所得の逆再分配』が行われている」
として、構造的な問題があると指摘。
特に太陽光発電については
「(発電)コストが下がっており、市場原理に任せるべきではないか」
と述べ、賦課金が支える固定価格買い取り制度(FIT)の見直しを訴えた。
再エネについては今後、洋上風力などメニューが増加し、賦課金を含めた補助的な制度の必要性が高まる可能性もある。
玉木氏は
「電気代、社会保険料、税金をこれ以上上げないことが最優先」
「『国破れてパネルあり』ではいけない」
「優先順位を国益、国民の生活から考えるべきだ」
と述べた。
■中国が生産能力8割
太陽光発電業界は中国勢が台頭しており、国際エネルギー機関(IEA)の2022年の報告によると、太陽光発電に必要な主要要素の世界の生産能力の8割超を中国が占める。
ただ、パネル素材の多結晶シリコンの多くは、新疆ウイグル自治区での
【強制労働】
による製造が疑われている。
これに関連し、玉木氏は
「人権を無視した形で安く製造されたものについては、輸入しない、使わない」
「供給網(サプライチェーン)から排除することを義務付けるための法制化も必要だ」
と主張した。
また玉木氏は、内閣府のタスクフォース(TF)元民間構成員、大林ミカ氏の提出資料に中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークが入っていた問題にも言及。
「組織や外国からの不当な影響がなかったのかどうか、政府は徹底検証すべき」
と強調した。

東京都の太陽光パネル設置義務化 住宅高騰や人権侵害助長する 杉山大志氏
2024/4/21 9:00
https://www.sankei.com/article/20240421-S3PWT4IHZBJQJEWHJ5UPTDWWHQ/
東京都が都心の温室効果ガスを令和12(2030)年までに50%削減することを目指し、2025年4月から新築住宅などを対象に太陽光パネル設置の義務化に踏み切る。
家庭の電気代削減や停電時の防災力効果も図れるとし、新築時などに補助も行うとする。
ただ、多額の税金を投入するだけの効果が得られるのか疑問視する声もある。
エネルギー政策と環境問題を研究するキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏に話を聞いた。
温室効果ガス削減といった取り組みは、地球全体の問題であり、東京都だけで規制することで得られる効果は少ないと言える。
また、都が行う太陽光パネル設置義務化は、日当たりが良く屋根が大きい住宅に住む人にとっては補助金などで儲かる制度になっているが、東京は人口密度が高く、一軒家でも屋根が北向きなど太陽光発電に不向きな家も多い。
更に、集合住宅などに住む人にとっても経済的恩恵を得られないにもかかわらず、莫大な税金が投入される。
条例で設置義務を負うのは住宅供給事業者で、未達成の場合は、その企業名が公表される。
このため、公表を恐れて、必要ない住宅にも設置することが考えられる。
加えて都民は新築の住宅を購入する際に太陽光パネルの費用も負担することになるため、住宅価格が高騰して都内で購入しづらくなる可能性もある。
太陽光パネルは光が当たれば発電し続けるため、災害時にも問題が生じる。
東京都の江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)と言われる海抜0メートル地帯では、台風や高潮で水害が発生した場合、太陽光パネルが水没することで感電など2次災害が発生する恐れがある。
パネルが損傷して火災が起きることもあり、消火活動も水を直接かけると水を伝って感電するため、鎮火に時間を要する場合もある。
そもそも太陽光発電は日光によって発電されるため、1年の内で、17%程度の時間しか発電できない。
住宅の上にパネルを設置しても発電量が予測しづらく、既存の火力発電設備などをなくすことはできず、2重投資の状態でコストが嵩む。
世界の太陽光パネルの約9割が中国で生産されていて、太陽光発電導入には、中国製の太陽光パネルに頼らざるを得ない現実もある。
中国製の太陽光パネルが台頭している背景には、新疆ウイグル自治区での
【強制労働】
で価格を安く抑えている点が指摘されており、米国などでは中国製の輸入禁止措置が取られている。
東京都の太陽光パネル設置の義務化は、こうした人権侵害を助長することに繋がる。
安定的なエネルギー供給と二酸化炭素(CO2)の削減の両立を目指すのであれば、太陽光発電に頼るよりも、原子力や天然ガスを利用することの方が現実的だと言える。

再生可能エネへの投資は無駄遣い 莫大な国民負担も…見返りはほとんどなし 気まぐれに発電するに過ぎない太陽光パネル
2024.4/11 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240411-RGOKT76P4VNNTMASJZO7KYOMZY/
日本政府は
「グリーントランスフォーメーション(GX)」、
つまり脱炭素のために、政策によって10年で150兆円の官民投資を引き起こすという。
投資というと聞こえはいいが、原資を負担するのは我々国民だ。
1人当たり120万円、世帯当たり360万円も負担するのだが、見返りはほとんどありそうにない。
なぜなら、最大の投資先が再生可能エネルギーだからだ。
太陽光発電は本質的に2重投資である。
なぜなら、家庭に太陽光パネルを付けても、火力発電所をなくすわけにはいかないからだ。
夜でも曇りの時でも電気は必要だからである。
バックアップのために火力発電所が必要だという言い方をする人もいるが、これでも太陽光パネルを贔屓し過ぎている。
なぜなら、太陽光パネルは年間17%しか稼働しない。
年間83%は火力発電所に頼ることになるわけで、8割以上も発電するのにバックアップという言い方は的外れである。
要は、電力供給のためには火力発電所が必要なのであって、太陽光パネルは気まぐれに発電するに過ぎない。
これは風力発電も同じことである。
日本では洋上のもっとも風況の良い所でも、風力発電の稼働率は35%しかない。
既に太陽光発電は導入し過ぎであり、余った時には電気を捨てている状態である。
政府はこの対策として他地域への送電線を建設するとか、蓄えるためにバッテリーを導入するが、これは3重投資、4重投資になる。
再エネは今や最も安いなどと言う人がいるが、それはコストの一部しか見ない都合の良い話をしているに過ぎない。
現実には再エネを大量導入したドイツやデンマークは電気代が最も高い。
CO2(二酸化炭素)を排出しない火力発電として、CO2を地中に埋めるCCS、それにアンモニア発電や水素発電などにも政府は巨費を投じるとしている。
だが、これも万事予定通り進んだとしても、発電コストはこれまでの火力発電所の2倍、3倍、あるいはそれ以上になると試算されている。
こんな高価な技術を日本でいくらか導入したところで、世界で売れるはずもない。
これに何千億円、何兆円と費やすというのは、まるきり無駄遣いである。
既存の火力発電と競合できるコスト水準になる技術を目指して、研究所で基礎的な技術開発をするにとどめるべきだ。
全てが予定通りに進んでも、確実なのは、莫大な国民負担だけである。
喜ぶのは利権に預かる一部の政治家、行政官、企業ばかりである。
こんな愚かな政策で
「グリーン経済成長する」
とのたまう経産省は、経済も産業も全く分からないようだ。
■杉山大志(すぎやま・たいし)
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。
1969年、北海道生まれ。
東京大学理学部物理学科卒、同大学院物理工学修士。電力中央研究所、国際応用システム解析研究所などを経て現職。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、産業構造審議会、省エネルギー基準部会、NEDO技術委員などのメンバーを務める。
産経新聞「正論」欄執筆メンバー。
著書・共著に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)、『亡国のエコ』(ワニブックス)、『SDGsの不都合な真実』(宝島社新書)など。

<正論>中国を利するエネ政策を止めよ
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志
2024/4/10 8:00
https://www.sankei.com/article/20240410-UFXUMJX2DFLD3PKZRPR22GS6LM/
再生可能エネルギー導入に向け規制見直しを検討する内閣府タスクフォース(特別作業班)の会合に、委員の自然エネルギー財団事業局長、大林ミカ氏(2024年3月27日に委員辞任)が提出した資料に、中国国営企業である国家電網公司の透かしロゴが入っていたことが問題になっている。
日本のエネルギー政策が中国の影響を受け決定されているのではないかとの懸念が出た。
対策としてセキュリティ・クリアランス強化が言われているが、それだけでは到底足りない。
■脱炭素は中国の「超限戦」
というのは、中国は日本に対して直接的な工作をする必要すらないからだ。
日本には
「使える愚か者(useful idiots)」
がいる。
これはレーニンの言葉であり、資本主義国には、本人には特段の自覚すらないままに共産主義国のために働く愚か者がいる、ということである。
中国は世界を共産党独裁対民主主義の体制間の限りない闘争、即ち
「超限戦」
と捉えている。
そこでは脱炭素はまさに天佑である。
日本をはじめ先進国が勝手に経済的自滅をし、中国には莫大な利益をもたらすからだ。
大林ミカ氏も、
「再エネ最優先」
を掲げる河野太郎規制改革担当相も、中国企業の太陽光発電事業や風力発電事業を儲けさせる一方で、日本のエネルギー供給を不安定化し高コスト化している。
これは中国の望む通りだ。
だがここに中国が命令を逐一下す必要はない。
せいぜい、当たり障りのない情報提供をして親中的な気分を盛り上げる程度で足りる。
そうすれば勝手に運動してくれる。
「再エネ最優先」
を強く支持するのは日本の左翼リベラル勢力であるが、彼らは中国に融和的でもある。
中国の太陽光パネルの半分は新疆ウイグル自治区で生産されており、
【強制労働】
の関与の疑いが濃厚で、米国では輸入禁止措置まであるが、日本ではこれは全く不問にされている。
これも中国の望む事そのままである。
■日本を破壊する日本政府
今、日本政府は脱炭素、再エネ最優先を推進することで、日本経済を破壊している。
太陽光発電と風力発電を大量導入しているが、北海道では風力発電が多過ぎて余るので1兆5000億円を投じて新潟までの海底送電線を建設するという。
これだけでも仰け反るが、これは氷山の一角に過ぎない。
政府は脱炭素のために今後10年間で150兆円のグリーントランスフォーメーション(GX)投資を官民で実現するとしている。
投資と言えば聞こえは良いがその原資は国民が負担する。
GDPの3%であり、3人世帯で360万円もの負担になる。
これでは日本経済はガタガタになる。
目玉となる再エネ事業のお金の多くは中国企業に流れる。
一方で脱炭素は日本の防災には全く役立たない。
国連のモデルを信じたとしても、日本が2050年にCO2をゼロにした時の地球の気温の低下はせいぜい0.006度しかない。
日本の安全保障も危険に晒されている。
河野氏が防衛相を務めた時、自衛隊の施設は100%再エネを目指すこととされ、今では多くの施設が再エネ電力を購入するようになった。
電気事業者の中には近年に設立された企業もあり、中国系の企業がどのぐらいあるのかも分からない。
これら企業は電力消費量を監視することで、自衛隊の活動状態を把握できてしまう。
のみならず有事には、本国の命令があれば電力供給網を遮断・攪乱するかもしれない。
いつから日本政府はこのような、日本を滅ぼすような事ばかりするようになったのか。
2021年に策定された第6次エネルギー基本計画で2050年CO2ゼロが目標とされた。
河野氏は
「再エネ最優先」
を掲げ、2030年の発電に占める再エネの数値目標を36%から38%
「以上」
にするよう、経産省の官僚を怒鳴り上げた音声がリークされている。
日本の官僚は、時の政治権力には滅法弱くなった。
昇進するか左遷されるか、彼らにとっての生殺与奪の権を握られているからだ。
かつては脱炭素という経済自滅的な政策には抵抗していた経産省が、すっかり宗旨変えしてしまった。
■「愚か者」を排除せよ
今では経産省こそが巨大な予算と権限を持った最も強力な脱炭素利権と化し、日本経済を破壊している。
彼らは最早内から自らを変える能力はない。
政治が変わるしかない。
左翼リベラル化した自民党こそが脱炭素推進の本丸である。
日本の国益を損なう
「使える愚か者」
を退場させ、それに代えて、日本の安全保障と国民経済を第1に考える人々にエネルギー政策を任せるべきである。
政治が変われば、経産省の幹部人事も刷新できる。
経産省が脱炭素利権にまみれてしまったのはここ数年のことに過ぎない。
まだ以前のことをよく覚えており、現状に違和感を覚えている優秀な官僚はたくさんいる。
愚か者を排除し、政治的な路線転換さえすれば、彼らは日本国民の安全と経済のために良い仕事をしてくれるはずだ。

<主張>再エネ資料にロゴ 中国の影響力工作を疑え 河野担当相の責任は重大だ
社説
2024/4/1 5:00
https://www.sankei.com/article/20240401-OK3BL3MXVFNBDKYMXUGDBPMHLQ/
政府のエネルギー関連の会議に提出された資料に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークの透かしが入っていたことが発覚した。
再生可能エネルギー導入に向けて規制見直しを目指す内閣府のタスクフォース(TF、特別作業班)に対し、委員を務めていた大林ミカ・自然エネルギー財団事業局長が提出した資料の件である。
大林氏が経済産業省や金融庁の有識者会議などのヒアリングに呼ばれた際や、国連、欧州連合(EU)の関連機関の会議への出席時に提出した資料にも同様のロゴがあった。
■全省庁で実態を調べよ
中国は共産党支配の全体主義国家で、日本から尖閣諸島(沖縄県石垣市)を奪おうと狙っている。
台湾問題では軍事力行使を辞さない姿勢を崩さず軍備を増強中で、日本にとって安全保障上の脅威だ。
中国国営企業は共産党政権と一体である。
大林氏は
「誤解を受け、不安にさせた」
として委員を辞任した。
財団主催の会合に中国国家電網公司が提出した資料を自身が改編した際にロゴが残ったと説明した。
財団は
「資料の内容は中国国家電網とは一切関係のないもの」
と釈明した。
鵜吞みにはできず、辞任で幕引きにはできない。
政策形成への中国の影響力工作はなかったのか。
中国共産党政権の意向が浸透して日本の政策が歪むことは決してあってはならない。
調査すべきは再エネTFに限らない。
岸田文雄政権はこれを機に、政策決定へ影響力工作が及んでいないか全省庁で点検に乗り出してもらいたい。
今回の問題で再エネTFは信頼できなくなった。
解散または活動停止が必要で、従来の提言は棚上げしたらどうか。
所管閣僚である河野太郎規制改革担当相は問題が発覚した当初、X(旧ツイッター)に
「チェック体制の不備でお騒がせしたことについて、今後は対策を強化し同じようなことが起きないよう徹底していきます」
と投稿した。
ロゴ入りの点だけを問題視していたのか。
内閣府規制改革推進室の山田正人参事官も
「事務ミスかもしれない」
と述べていた。
国政担当者として視野が狭すぎる。
中国による影響力工作をなぜ一番に懸念しなかったのか。
高市早苗経済安全保障担当相は当初から
「エネルギー安全保障は、国民の生活や経済活動にも大きな影響を及ぼす安全保障の中核的な課題の1つだ」
「他国から干渉されるようなことがあってはならない」
と指摘していた。
斎藤健経済産業相も
「当該団体(同財団)が特定企業の強い影響を受けているとの懸念が払拭されるまで、ヒアリングを控える」
と語った。
河野氏が会見で
「自然エネルギー財団と中国の特定の企業の間にどんな繋がりがあったのか調査を始めている」
「事実関係を調べた上で対処方針を決めたい」
と表明したのは、問題への批判が高まってからだ。
河野氏は閣僚として高市氏や斎藤氏を見習うべきである。
■ASG構想ありえない
大林氏のTF委員起用について林芳正官房長官は
「内閣府の事務方が提案した案を河野氏が了承した」
と語った。
人選に関わった河野氏と内閣府の責任は重い。
河野氏が外相当時の
「気候変動に関する有識者会合」
では委員9人のうち3人が自然エネルギー財団のメンバーだった。
河野氏は同財団との関係についても説明すべきだ。
同財団は太陽光、風力、水力などの自然エネルギー資源を相互に活用するため日本と中国、ロシア、インド、タイなどの送電網を連結するアジアスーパーグリッド(ASG)構想の実現を唱えている。
中国国家電網公司の呼び掛けで設立された国際的な送電網構築を目指す非営利団体にも参加していた。
ASG構想も国際的な送電網も専制国家の中露両国などに日本の電力供給を左右される余地を与えかねない。
国家安全保障、エネルギー安保の両面から到底受け入れられない構想だ。
日本国民の安全と国益を損なう構想を掲げるような財団のメンバーを政府の会議体の委員にすることは極めて危うい。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、政府の審議会などの委員選定にも、経済安保上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る
「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」
が必要との見解を示した。
その通りである。

再エネ人選 河野氏に疑念
美しき勁き国へ 櫻井よしこ
2024/4/1 8:00
https://www.sankei.com/article/20240401-4K7S5A2ICRLVNI2KSIZNGCO4YE/
河野太郎デジタル相が内閣府で主導した再生可能エネルギーに関するタスクフォース(TF)の会議で事件が起きた。
河野氏の推薦でTFに加わった
「自然エネルギー財団」
事業局長の大林ミカ氏が中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴ入り資料を正式に提出していた。
我が国のエネルギー政策を議論する政府中枢で中国の資料が使われていた。
ここまで浸透されていたかと驚愕したのは私だけではないだろう。
河野氏肝煎りのTFは構成員4人のうち、大林氏と高橋洋氏の2人が自然エネルギー財団関係者で大林氏がすぐに辞任した。
が、トカゲの尻尾切りのような終わり方で済む問題なのか。
2011年に孫正義氏が創設した同財団は中国を中心に広くアジア諸国にまたがるエネルギー供給網
「アジアスーパーグリッド(ASG)」
の実現を目指す。
ASGに組み込まれる国は民生、産業、国防、全分野でエネルギー供給の安定を必然的に中国に頼ることになる。
国家の首根っこを中国に押さえられるに等しいASGを孫氏らが目指すのは自由だ。
しかしなぜ、河野氏はそうした人々を重用するのだろうか。
気になることを国民民主党幹事長の榛葉賀津也(しんば かづや)参院議員が指摘した。
「河野氏が外相当時、気候変動の有識者会合を設置しました」
「その異常な人選と内容を我が党議員が国会で質した」
「有識者各氏は意見書で化石燃料由来の発電は中止、石炭火力発電の段階的廃止計画を明示せよなどと再生可能エネルギーを強く推していました」
2018年3月23日、参院経済産業委員会で同党の浜野喜史議員が質した。
「今年(2018年)2月、外務省は気候変動に関する有識者会合で、エネルギーに関する提言を取りまとめています」
「これは外務省の見解を示したものですか」
外務省側は
「あくまでも有識者の現状に対する危機感の表明」
で、それが
「外相(河野氏)に対して提出された(だけ)」
と答えた。
外務省見解ではないということだ。
浜野氏は更に、有識者9人の内3人が孫氏の財団の執行メンバーだと指摘した。
前述のように今回のTFでは4人中2人が財団関係者だった。
この人選の偏りは何を示すのか。
著明な政治家が主催する会議の結論は自ずと大きな影響力を発揮する。
河野氏が再エネ推進で影響を及ぼそうとしているのは明らかだ。
動機は何か。
河野氏の自然再生エネルギーへの肩入れ、化石燃料の否定は我が国の国益にどう合致するのか。
この疑念に関して河野氏はきちんと説明すべきだ。
政府は、温暖化対策の国際枠組み
「パリ協定」
に基づく温室効果ガスの削減目標の達成に向け、脱炭素化に10年で150兆円超の投資が必要だと想定し、うち20兆円を支援する方針だ。
専門家らは我が国のエネルギーを再エネで賄おうとすると、この額はやがて何倍にも膨らんでいき、日本経済を押し潰すと危惧する。
今、甚大な資金を風力発電などに注入することが正しいとは思えないのだ。
それが我が国の産業を下支えし、国民生活を豊かにするとも思えないのである。
加えて風力発電に関しては設備のほとんどが中国からの輸入だ。
利益は中国に吸い取られる。
更なる再エネ賦課金で、ただでさえ国際的に高額な我が国の電気料金はより高騰する。
国民負担も国内産業への負担も尋常ではない。
河野太郎氏や自民党の小泉進次郎衆院議員は再エネに莫大な資金を投入し電気自動車(EV)を増やすという。
しかし、日米欧のどこでも政府が補助金を出してもEVは消費者から敬遠され始めた。
EVに熱心だったドイツ政府はEVへの補助金を前倒しで停止した。
中国はEVで最先端を走っていたが、今や中国のEV大手、比亜油(BYD)さえも方向転換してハイブリッド車などに傾いている。
にもかかわらず、我が国はまだEVへの補助金をやめない。
再生エネルギー全体に関して国際社会は大きな揺り戻しの中にある。
2050年までに二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指し、気温の上昇を1.5℃までに抑えるとしたパリ協定への各国政府の姿勢が変化しているのである。
パリ協定の目標数値に縛られているのは主に先進国であり、ロシアやグローバルサウスの国々には有利な条件が与えられている。
先進国が年間5兆ドル(約750兆円)を温暖化対策費用として途上国に払う時、初めて彼らも先進国同様のCO2削減の努力をするという条件だ。
中国がインドと共に途上国に分類されているのは周知の通りだ。
そうした中で日本がCO2ゼロに向けて、巨額を支出するのは愚策である。
ドイツは2030年までに石炭から脱却する方針を延期する可能性が出てきた。
英国はCO2ゼロの実現よりもエネルギー安全保障の方が重要だとして、化石燃料の段階的廃止に距離を置いた。
キャノングローバル研究所の杉山大志研究主幹が紹介する
「脱炭素からの撤退が始まった」(ロス・クラーク著)
には、パリ協定崩壊を示す事例が満載だ。
例えば2023年12月にドバイで開催した国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では、議長を務めたアブダビ国営石油公社の会長が3年で石油生産量を約50%増やすと発表した。
ブラジルとカナダが石油生産量の拡大を決定した。
インドは2030年までに化石燃料を60%拡大する。
そして中国だ。
2021年までの2年間に新規石炭発電所127基の建設を承認し、その後の2年で承認数は182基まで増えた。
繰り返す。
パリ協定は破綻した。
再エネへの巨額の支援、投資はやめるのが国益だ。
広く世界を見つめて、日本だけが世界の潮流に取り残され、国力を衰退させる事態は防がなければならない。
エネルギー分野で我が国が中国の影響下に置かれることも回避しなければならない。
一般常識から見れば奇々怪々の動きを見せてきた河野氏だからこそ、その行動の意味と意図を国民に説明する責任がある。

フィリピンの先例警戒、中国が電力支配 40%株式保有、送電止める危険 米軍基地抱える日本も〝脅威〟再エネに中国の影・第5弾
2024.3/30 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240330-FTIF36STYBK5PFZIIJYHBZMBKY/
■峯村健司氏緊急リポート
再生可能エネルギーに関する規制見直しを検討する内閣府のタスクフォース(TF)に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークが入った資料が提出された問題が収まらない。
エネルギー戦略は国家の存立に直結する最重要政策であり、
「他国の干渉があってはならない」(高市早苗経済安保相)
からだ。
林芳正官房長官は2024年3月28日の記者会見で
「河野太郎規制改革担当相の下、内閣府において中国政府から不当な影響を受けていなかったかなどの調査を行う」
と語ったが、議会や第3者機関も調査すべきではないのか。
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員、峯村健司氏は、国家電網公司がフィリピンの送電企業の40%の株式を保有し、同国議会が
「安全保障上のリスク」
を懸念した前例に迫った。
再エネ導入に向けた規制の見直しを検討する内閣府のTFの資料の一部に、中国の
「国家電網公司」
のロゴマークの透かしが入っていたことが明らかになった。
資料は、民間構成員である財団法人
「自然エネルギー財団」
事業局長、大林ミカ氏が提出したものだった。
大林氏は2024年3月27日の記者会見で民間構成員を辞任したと発表した。
大林氏がTFに入った経緯について、林長官は2024年3月28日の記者会見で
「内閣府事務方が提案した案を、河野規制改革担当相が了承した」
と説明した(=大林氏は2024年3月27日の記者会見で、河野氏の推薦だったと説明)。
■「パワーポイント」による事務ミス…内閣府の説明に疑問と矛盾
問題発覚後の2024年3月25日に記者会見した内閣府規制改革推進室の山田正人参事官によると、同財団が2016~2019年にかけて開いたシンポジウムに中国企業の関係者が登壇した。
その際の資料を大林氏が提供され、別の機会に編集ソフト
「パワーポイント」
を用いて引用した際、文書のテンプレートにロゴが残ったという。
山田氏は
「内容に問題はなく、事務ミスかもしれない」
と説明した。
この説明には早速、いくつかの矛盾や疑問が浮上している。
同財団が翌2024年3月26日、ホームページ上で発表した経緯説明では、大林氏は編集では
「パワーポイント」
ではなく、
「キーノート(Keynote)」
を使っていた。
金融庁の有識者会議や経産省の小委員会に大林氏が提出した資料にも同じロゴが確認されている。
内閣府の調査は不十分と言わざるを得ない。
そして、筆者が最も注目しているのが、中国政府における
「国家電網公司」
の役割である。
2002年に設立された中国最大の電力配送会社で、オーストラリアやブラジル、チリなどの発電・送電会社に積極的に出資をしている。
■40%株式保有、送電止める危険
その中で
「国家電網公司」
が積極的に進出をしてきたのが、フィリピンだ。
親中政策をとったアロヨ政権時代、フィリピン国家送電会社(NGCP)に40%出資し、2009年から全国の発電所から配電施設までの送電を受託した。
ところが、2019年11月、議員向けの内部報告書で、
「フィリピンの電力網が現在、中国政府の『完全な支配下』に置かれており、我が国の電力網に混乱を引き起こす能力を持っている」
と警告されていることが発覚した。
NGCPを監督する送電公社の責任者が議会の証言で、フィリピン人技術者が施設への立ち入りを制限されており、中国によって送電を止めることができる可能性があることを認めた。
中国が
「国家の悲願」
と位置付ける台湾併合に乗り出した場合、米国の同盟国でありバシー海峡を挟んで位置するフィリピンの存在は極めて重要だ。
その際、中国がフィリピンの関与を阻止するために、全土を停電にする可能性はあるだろう。
同じく、米国の同盟国であり米軍基地を抱える日本に対して、中国がフィリピンに対して実施したようなアプローチをするリスクを考慮するのは当然のことと言える。
今回の問題を
「事務的ミス」
で片付けるべきではない、と筆者は考える。
電力事業は2022年5月に成立した経済安全保障推進法で
「特定社会基盤事業」
と指定されている。
その所管官庁である内閣府は、地政学リスクも含めた徹底した原因究明をすべきだろう。

再エネ政策は中国の影響下?
阿比留瑠比の極言御免
2024/3/28 1:00
https://www.sankei.com/article/20240328-WDBBYQTYVVOUVE4YDID7CB4L2I/
中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240328-WDBBYQTYVVOUVE4YDID7CB4L2I/photo/BL5EXY7Y2FJVBNWPL7F6BG6P7I/
国のエネルギー関連の有識者会議などで利用された資料に、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴマークの透かしが入っていた問題は、我が国の再生エネルギー戦略は中国製の資料を基にし、中国の意図に沿って進められてきたのではないかとの深刻な疑念を生んでいる。
高市早苗経済安全保障担当相は2024年3月26日の記者会見で、ロゴ入り資料を提出した再エネ導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府のタスクフォースの民間構成員を務めていた大林ミカ氏についてこう指摘した。
「該当構成員が所属する自然エネルギー財団は中国国家電網の会長が、会長を務めている団体に理事会メンバーとして参加している」
「エネルギー安全保障の関連政策の検討に当たっては、他国から干渉されることがあってはならない」
■中露と送電網目指す
自然エネルギー財団はソフトバンクグループ(SBG)の会長兼社長の孫正義氏が、自然エネルギーを基盤とした社会構築を目的に設立した。
一方、国家電網公司の会長が会長を務める団体とは、中国、ロシア、韓国などの国際送電網の構築を目指す非営利団体
「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」
のことである。
大林氏が事業局長を務める自然エネルギー財団は2024年3月26日、
「無用な誤解を避けるため」
としてGEIDCOからの脱退を表明したが、財団もそのアジア版とも言える
「アジアスーパーグリッド(ASG)構想」
を掲げてきた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年3月26日の記者会見で、これに対する懸念を次のように表明した。
「この財団が言っていることは、出来るだけ日本は原子力発電をやめろ、火力発電もやめろと」
「仮に電力不足になった時に、中国やロシアから電力を送電網を使って輸入していくことになると、エネルギーの中露依存が高まっていく」
「生殺与奪の権を握られてしまうということになる」
この安全保障上の観点を巡っては、自民党の小林鷹之前経済安保担当相も2021年2月、衆院予算委員会でこう指摘していた。
「(ASG構想で)日本は安全保障上、大陸と繋ぐわけにはいかない」
「日本はエネルギーミックスを、日本1国だけで実現していかなくてはいけない」
■ロゴの問題ではない
自然エネルギー財団の大林氏をタスクフォース構成員に選んだのは河野太郎規制改革担当相である。
河野氏に関しては、外相時代の2018年3月の参院経済産業委員会でも、国民民主党の浜野喜史氏が外務省の気候変動に関する有識者会合の在り方を巡りこんな疑問を呈していた。
「メンバーを見ると非常に偏った構成だ」
「9人中3人が孫正義氏が会長を務める自然エネルギー財団の執行メンバーだ」
規制改革担当相としてタスクフォースを作った河野氏は2024年3月25日の衆院予算委では、政府資料に中国企業のロゴが入っていたことについてこう述べていた。
「ロゴにはウイルスのような有害な要素はないと判明した」
「ロゴのないものに差し替えることを考えている」
誰がコンピューターウイルスの心配をしているというのか。
余りに国民をバカにした答弁ではないか。
玉木氏が2024年3月26日の記者会見で
「ロゴが入っているかどうかの問題ではない」
「我が国の大切なエネルギー政策を決める際に、外国企業や外国政府の影響が及んでいるのではないか」
と語った通り、中国との関係こそが問われている。

中国企業ロゴ問題「内容には問題なし」 内閣府「不当な影響力受けたなら問題」 再エネタスクフォース資料
2024/3/25 13:58
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/
再生可能エネルギー導入促進を目指すタスクフォースで中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題に関する内閣府の説明資料
https://www.sankei.com/article/20240325-CWZ57KOKKRMF3IC7Q5BWVEJBWI/photo/LLOZEZYSXBCVNBK4XJPIA5F4RA/
再生可能エネルギー導入に向けた規制の見直しを目指す内閣府のタスクフォースで提出された資料に中国国営企業のロゴマークの透かしが入っていた問題で、内閣府規制改革推進室は2024年3月25日、緊急の記者会見を行った。
資料自体には中国企業に由来する内容はなく、内容に問題はないと説明した上で、更に経緯を調査するとした。
問題の資料はタスクフォース民間構成員の財団法人
「自然エネルギー財団」
事業局長、大林ミカ氏が作成し、2023年末などの会合向けに提出した。
一部のページに、中国の国営電力会社
「国家電網公司」
のロゴが入っていた。
記者会見した規制改革推進室の山田正人参事官によると、同財団が2016~2019年にかけて開いたシンポジウムに中国企業の関係者が登壇。
大林氏がその資料の提供を受け、別の機会に編集ソフト
「パワーポイント」
を用いて引用したところ、文書のテンプレート(ひな型)にロゴが残り、提出資料を作成した際にも反映された結果という。
ブラウザーの環境によっては表示されないため、同室も気付かなかったとした。
山田氏は大林氏の提出資料について
「内容には問題がない」
として、ロゴを抹消した上で再度、公開する方針を示した。
再発防止のため、事実関係を更に究明するとした上で
「何か不当な影響力の行使を受けたということであれば問題だが、単なる事務ミスかもしれない」
とも語った。
同財団と中国企業の関係については
「人的・資本的関係はないと聞いている」
と説明。
大林氏の身分に関しては
「まずは事実関係を調べてからだ」
と述べるにとどめた。
http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/471.html#c30

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