★阿修羅♪ > WUN2WklXQ0Fya0k= > 100004
 
g検索 WUN2WklXQ0Fya0k=  
 前へ
WUN2WklXQ0Fya0k= コメント履歴 No: 100004
http://www.asyura2.com/acat/w/wu/wun/WUN2WklXQ0Fya0k=/100004.html
[政治・選挙・NHK292] ジャニ問題処理転覆させたNG6(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
48. 2023年10月09日 20:06:04 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[24]
<■73行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
正論
最高裁のあり方根本的見直しを 福井県立大学名誉教授・島田洋一
2023/10/9 8:00
https://www.sankei.com/article/20231009-RWMFL5NWYFM65L2RBJ2QQVDQCY/
■米最高裁人事を巡る闘争
民主国家においては、最高裁人事は最高度の政治闘争である。
米国では良くも悪くもその意識が徹底している。
議会の上下両院が通し大統領が署名して成立した法律を、連邦最高裁(定数9人)はその多数決で、即ち僅か5人の判断で無効化できる。
あるいは議会全体として合意が得られない、ないし議会は通過したが大統領が拒否権を発動して成立に至らない問題についても、国民の選挙を経ていない
「5人の法官」
が判断を下し得る。
その決定は往々にして、米国社会を根底から揺るがす。
特に保守派が
「判事席からの立法行為」
と批判する営為である。
最高裁人事が政治闘争の最激戦地と見なされるのは当然だろう。
よく
「大統領を獲るのは2権を獲ること」
と言われる。
上院の承認という関門が待つものの、最高裁に空席が生まれた時、後任を指名する権限を持つのは大統領である。
行政の頂点であるホワイトハウスの鍵を摑むことが、同時に司法の最高機関の構成を左右することに繫がる。
現在、米最高裁の勢力図は、保守派6人対左派3人だが、2016年の大統領選で民主党のヒラリー氏がトランプ氏に勝っていれば、全く逆の構図になっていただろう。
左派が好む判決が次々出されたはずである。
分断が先鋭化する米国で、大統領選がますます
「仁義なき戦い」
の様相を呈する大きな理由の1つがここにある。
■日本の最高裁はどうか
翻って日本の状況はどうか。
現行憲法は
「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」
と規定する(第81条)。
日本の最高裁は法文上、米最高裁以上に強大な権限を有する(米国憲法は裁判所の違憲立法審査権を明文化しておらず、最高裁が判例を通じて自己付与してきた)。
ところがその極めて重大な最高裁の人事に関して日本社会は、余りに無防備であり続けている。
長官、判事合わせて15人の思想傾向はおろか経歴や名前すら知る国民はほとんどいないだろう。
上院の承認が必要な米国と違い、日本では事実上、内閣総理大臣(および側近数名)の一存で判事人事が行われる。
現在、会計検査院はじめ39機関の委員等のポジションが、衆参両院の承認を要する
「国会同意人事」
となっている。
ところが、それらより遥かに重要な最高裁人事に国会は全く関与できない。
「こんなバカな話があるか」
「憲法を改正して国会の同意人事とし、首相が指名した候補者に公開で質疑応答を行い、個々の議員の賛否を明らかにする透明性ある形に変えるべきだ」
との声が、当事者たる国会議員の間から当然上がるべきだと思うが、なぜか全く上がらない。
そのため、各種利益集団による密室談合の結果を首相が惰性で追認する不適材不適所人事が後を絶たない。
還(かえ)ってきた5人の拉致被害者を北朝鮮に送り返すよう主張した外務事務次官や、平和安全法制に反対した内閣法制局長官を
「論功行賞」
で最高裁判事に任用した例など正に言語道断だろう(詳細は拙著『腹黒い世界の常識』参照)。
その最高裁が2023年9月27日、生殖能力をなくす手術を性別変更の要件とした現行の
「性同一性障害特例法」
は差別的で違憲とする申立人の弁論を聞き、即日結審した。
かつて合憲判断を示した最高裁が改めて大法廷で審理する以上、判例を覆し、手術なしで性別変更可能とする方向で決定を下すのではないかと見られている。
■憲法改正すべきだ
ちなみにトランスジェンダー問題について米最高裁は、雇用差別は許されないとした以外は、多数を占める保守派判事が、連邦議会や各州の動きを見守る
「抑制的司法」
の姿勢を堅持しているため、何らの判断も下していない。
そうした状況下、保守派が強いフロリダ州等では、
「法令上の性別」
は出生時の生物学的特徴によって定まり、以後、性転換手術を受けようが受けまいが変えられないとの立場を州法で成文化した。
手術で法的な性を変更できるとすると、性別違和を感じる若年者が手術を急ぎ、後に激しく後悔する、取り返しのつかない事態を招きかねないからである。
本人がトランスジェンダーを主張し、周りがそう遇するのは自由だが、
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとする今回のような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。
最後に繰り返せば、最高裁判事は
「内閣が指名し国会が承認する」
と憲法改正すべきである。
まさか反対する国会議員はいないだろう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/116.html#c48
[国際33] 台湾で政権交代の可能性。対中包囲目指す日米の戦略が一夜にして瓦解する/BUSINESS INSIDER JAPAN 仁王像
2. 2023年10月11日 03:49:56 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[25]
<■70行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国の印象「良くない」92.2% 日本で4.9ポイント上昇 日中世論調査
2023/10/10 19:50
https://www.sankei.com/article/20231010-NEZ3XGNM6VOSLEWFUYRJWRHSLE/
日本の民間非営利団体「言論NPO」と、中国国際伝播集団は2023年10月10日、日中両国で実施した共同世論調査の結果を発表した。
日中両国における相手国への印象について、「良くない」もしくは「どちらかといえば良くない」と答えた日本人は92.2%(前年比4.9ポイント増)、中国人は62.9%(同0.3ポイント増)だった。
2023年は日中平和友好条約締結から45年の節目だが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡る問題や、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出もあって双方の国民感情は悪化した状態が続いている。
現在の日中関係について「悪い」か「どちらかといえば悪い」と答えたのは、日本人で68.4%(同12.2ポイント増)、中国人で41.2%(同3.5ポイント増)だった。
日中関係の発展を阻害する主な問題として「領土を巡る対立」を挙げた人は日中共に最も多く、日本人が43.6%、中国人が39.5%だった。
処理水の海洋放出を挙げたのは、日本人は36.7%だったが、中国人は5.8%にとどまった。
処理水放出については、中国人で「大変心配している」か「ある程度心配している」と回答したのは47.6%と半数近くになる一方、「全く心配していない」と「あまり心配していない」も26.7%と3割近く存在した。
日本人では「全く心配していない」と「あまり心配していない」が37.3%と多かったものの、「大変心配している」か「ある程度心配している」も33.2%だった。
相手国へ行きたいかどうかについて、日本人では「行きたい」という回答が20.2%で、2022年の調査から9.6ポイント低下した。
中国で日本人拘束が続いていることが影響した可能性がある。
中国人では「行きたい」が41.2%で、2022年調査から3.0ポイント上昇した。
また、日中の経済・貿易関係の今後について「大きく減少する」か「やや減少する」と答えたのは、日本人で48.2%と半数近くに上り、中国人でも31.0%といずれも前年から拡大した。
調査は今回で19回目。
日本側が2023年9月2〜24日に全国で1000人、中国側が2023年8月18〜9月1日に北京や上海など10都市で1506人から回答を得た。

中国不動産大手、「債務不履行の可能性」 碧桂園
2023/10/10 18:10
https://www.sankei.com/article/20231010-SRQADXSUKVOO3JQ4G4XTOIO7ZM/
経営危機に陥っている中国の不動産大手、碧桂園は2023年10月10日、外貨建て債務の支払いに関し
「期限内に履行できない可能性がある」
と発表した。
一部の香港ドル建て債務の返済ができていないとも明らかにした。
碧桂園は
「手元資金が減少を続けている」
と表明。
「現在の市場環境では短期間に十分な額の現金を補充することは困難だ」
とした。
返済期限を過ぎた4億7000万香港ドル(約90億円)の債務については、返済が遅れていると説明。
「債権者が義務の早期履行を要求したり、強制執行に出たりする可能性がある」
との懸念も示した。
人民元建て債務の総額147億元(約3000億円)については債権者から返済期限延長の合意を得たと指摘した。(共同)

中国 不動産最大手「碧桂園」外貨建て債務支払えない可能性
2023年10月10日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231010/k10014220731000.html
中国の不動産最大手の
「碧桂園」
は、外貨建ての債務について期日までに支払えない可能性があるという見通しを明らかにしました。
会社は今後、債権者との協議を進めるとしていますが、協議は難航が予想され、経営の先行きへの懸念が一段と強まっています。
中国の不動産最大手
「碧桂園」
は、不動産市場の低迷による販売不振などで、2023年6月までの半年間の最終損益がおよそ1兆円の赤字に転落するなど経営難に陥っています。
こうした中
「碧桂園」
は、2023年10月10日、一部の債券の元本、4億7000万香港ドル、日本円で89億円の支払いが出来ていないことを明らかにしました。
更に会社では、ドル建てを含む全ての外貨建ての債務について新たな資金調達が困難な状況だとして、期限までに支払えない可能性があるという見通しを示しました。
会社は
「最優先の課題は、プロジェクトの引き渡しを確実にすることであり、資金繰りを改善するため、全力を尽くす」
とし、今後も事業を続けながら債権者との協議を進めていく考えを示しました。
ただ、不動産市場の低迷の長期化で、業績や資金繰りの悪化が深刻になる中、債権者との協議は難航が予想され、経営の先行きへの懸念が一段と強まっています。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/555.html#c2

[戦争b24] ウクライナで露国に敗れた米英は核戦争に向かうのか、東アジアで戦争開始か(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
8. 2023年10月11日 03:58:30 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[26]
<■247行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
露、国連人権理復帰に失敗 理事国選で落選
2023/10/11 1:19
https://www.sankei.com/article/20231011-2BOPPKFROJJ5HMHKAYGV6MZ4MA/
国連総会(193カ国)は2023年10月10日、スイス・ジュネーブの人権理事会で2024年1月から3年間の任期を務める新理事国の選挙を行った。
ウクライナでの民間人虐殺などを理由に2022年、人権理を追放されたロシアが立候補していたが、落選した。
ロシアが当選を目指していたのは2023年末に任期が切れるウクライナとチェコの枠。
競合していたブルガリアとアルバニアが当選した。
当選には全加盟国の過半数97票を獲得した上で、上位2カ国に入る必要があった。
ロシアの得票は83票にとどまった。
人権理を追放された後もウクライナでの人権侵害を重ねるロシアに対し、国際社会が批判的な態度を維持していることが確認された。

戦争を長引かせる「早期停戦論」の罪
正論2023年11月号 国際政治学者 グレンコ・アンドリー
ロシアによるウクライナ全面侵略が始まってから、1年7カ月経った。
ハイブリッド戦争、局地戦の期間を含めれば、あと5カ月でロシアによるウクライナ侵略開始から10年経つ。
ロシアによる侵略が10年も続いている理由はいくつかあるが、その中で際立つのは国際社会の不十分な対応だ。
2014年に、ロシアがウクライナに侵略し、南部のクリミア半島と東部2州の一部を占領したが、この蛮行に対する国際社会の反応は非常に弱かった。
国際社会は対露批判や形式的な制裁に止まり、ロシアの経済や軍事産業に打撃を与えるような行動を取らなかった。
また、ウクライナには、自分で自国を守れる武器を提供しなかった。
その代わりに、国際社会がお経のように繰り返しいた言葉は
「問題の平和的な解決」

「停戦」
だった。
しかし、平和的な解決も停戦もないまま、戦争は8年間も続いてしまった。
そして、局地戦が全面戦争に発展してしまった。
もしロシアへの実態のある制裁やウクライナへの武器提供が2014年から始まっていれば、2022年の全面戦争は起きなかった可能性が非常に高い。
2014年から2022年までの姿勢は完全に間違っていたことに気付いた自由民主主義諸国は、実態のある対露制裁とウクライナへの武器提供に踏み切った。
それでも、対露制裁や対ウクライナ支援はやはり段階的に行われている。
ウクライナへの戦車提供は、全面戦争が始まって1年が経った頃にやっと行われた。
戦闘機の提供は未だに実施されず、2025年の春、全面戦争開始から2年が過ぎる頃にようやく行われる予定である。
しかし、武器提供の必要性に対する理解が進むには時間がかかるとはいえ、理解が進んでいるのは事実である。
自由民主主義諸国の首脳では、提供される武器の種類については温度差があるものの、武器提供の必要性自体を否定する人はいない。
そして、ウクライナに対して、
「平和的な解決を目指せ」

「停戦しろ」
などのような要求もない。
口では認めないが、2014年の対応が失敗だったことを各国の首脳は理解しつつある。
同時に、驚くことに、各国で未だに早期停戦と武器提供停止・縮小を求める著名人やメディアもある。
例えば、アメリカのトランプ前大統領は、自身が大統領になればウクライナへの支援を停止し、停戦を実現すると公言している。
似たような論調を、欧州各国のポピュリスト系政治家や言論人が繰り返している。
つまり、対露宥和が失敗していることはこの10年で実証されたにもかかわらず未だに現実を無視してもう1度、間違いなく失敗する政策を繰り返そうとする勢力がある。
まことに残念ながら、日本も例外ではない。
日本は昔のしがらみが残っており、現時点でまだ武器提供には踏み切っていないが、日本政界における理解は着実に進んでおり、いずれ武器提供を認める制度が作られる可能性もある。
また武器以外、日本では既に多くの対ウクライナ支援を行っている。
同時に、日本にもウクライナ支援に反対し、
「停戦論」
を提唱する勢力は存在する。
日本のポピュリスト系政治家や陰謀論系の発信者、または反戦平和を掲げる左派系メディアなどが武器提供に反対し、早期停戦を呼び掛けている。
8年間、自由民主主義諸国は武器提供せずに停戦を呼び掛けていたにもかかわらず、戦争を止めることが出来なかった。
では何故、今の停戦論者は戦争を終わらせることが出来ると思っているのだろうか。
各国の首脳は自身の失敗から学んでいるが、停戦論者は現実を見ようとしない。
■ロシア人の信念
それでは、何故停戦が不可能なのか。
それを理解するには、ロシアがこの戦争を起こした目的を知る必要がある。
もし、ロシアがこの戦争を、利益を得るために起こしたのなら、理論的に停戦があり得る。
損得勘定で動く国なら、戦争継続より停戦の方が利益に繋がると思わせることが出来れば、停戦交渉は可能だ。
しかし、ロシアはこの戦争を利益のためではなく、信念のために起こしたのだ。
ロシアの歪んだ世界観では、ウクライナの国土はロシアの領土であり、ウクライナに住んでいる人たちはロシア人だということになっている。
ウクライナ国家とウクライナ民族の存在をロシアは認めていない。
これはロシア人の世界観だ。
ロシア人にとって今の戦争は
「祖国を取り戻す戦い」
だ。
間違っているとはいえ、これはロシアの強い信念だ。
ロシア人は、ウクライナを必ずロシアの領土にしなければならないという使命感を持っている。
信念を実現するための戦争だからロシア人は利益を求めていないし、損得勘定で考えない。
どんなに犠牲を払ってでも、ウクライナを必ずロシアの一部にしなければならないという強い信念は、揺るがない。
だから、ロシア人は停戦に応じない。
ロシア人にとって停戦に応じるというのは、崇高な理念、祖国を取り戻す戦いを諦めることを意味するからだ。
国際社会、諸外国はどんなにロシアに対して
「停戦せよ」
と呼び掛けたとしても、ロシア人にとってそれは自身のアイデンティティを諦めることを意味するので、ロシアはこのような呼び掛けを拒否する。
唯一にあり得るのは、停戦ではなく一時休戦だ。
つまり、ロシアにとって戦況が悪くなれば、追加動員や兵器製造、戦略の練り直しなどのためにロシアが一時休戦に応じる可能性は、理論的にある。
しかし、ロシアに戦争継続の準備が出来た時、このような一時休戦はすぐ破られ、ロシアは以前より大きな勢いでウクライナへの攻撃を続ける。
言うまでもないが、ロシアの攻撃がより強くなるためだけの一時休戦は絶対に認めてはいけない。
実際にロシアが停戦に応じる唯一の条件とは、戦争を継続する能力を失うことだ。
つまり、ロシア軍が戦場において壊滅し、戦えない状態になることだ。
その場合は、ロシアが停戦に応じる可能性はある。
ちなみに、この場合でさえ、あくまで可能性であって、確定ではない。
ロシア軍が再起不能まで陥り、戦えない状態になっても、ロシアは停戦に応じない可能性さえある。
地上兵力を失ったとしても、ロシアは国内からウクライナをミサイルや無人機で攻撃し続けるという展開もあり得る。
だから、ロシア軍が壊滅しても停戦にならない可能性さえあるので、ロシア軍が壊滅しない間は、停戦は100%あり得ない。
いずれにしても、停戦や戦争規模の縮小を実現するには、ウクライナにより多くの武器を提供し、早くロシア軍を壊滅させなければならない。
しかし、早期停戦論者がそれを妨害している。
意図的かどうかは別にして、早期停戦を呼び掛けている人たちは、戦争を長引かせ、間接的に多くの人の命を奪っているのだ。
もし停戦論者が
「ロシアが停戦に応じるまでウクライナ支援を続ける」
という姿勢を取るのであれば、問題はない。
しかし、そういう論者の多くは、ウクライナへの武器支援をやめて、その状態で停戦させるべきだという姿勢だ。
この姿勢が人を殺している。
武器提供が止まっても、停戦にはならない。
ウクライナが武器不足に陥ったら、ロシアはすぐ攻勢に出て、占領地を拡大していく。
ロシアはウクライナ全土を制圧するまで止まらないので、ウクライナへの武器支援の妨害は、ロシアの侵略戦争に加担することだ。
早期停戦論者にはそれを理解する人も理解しない人もいる。
しかし、理解せずに、武器提供を止めれば停戦が実現すると思い込んでいる人でも、客観的に見れば、無意識にロシアの侵略戦争に加担しているのが事実である。
停戦論者は何故か、ウクライナが停戦に応じれば停戦が出来ると思い込んでいる。
しかし、実際にはウクライナが停戦を望んでも、ロシアは絶対に停戦に応じない。
だからウクライナの意思では停戦を実現出来ない。
ロシアの意思が必要だが、ロシアにその意思は全くない。
もし停戦論者の主張通り、ウクライナへの武器提供が止まれば停戦が実現するのではなく、ロシアがウクライナに更なる攻撃を加え、占領地を拡大し、全土制圧を目指す。
つまり、破壊と殺戮、そしていつまでも終わらない戦争が続くのだ。
もしロシアがウクライナ全土を制圧出来れば、今度はウクライナ人の民族浄化が始まる。
ロシアの目的はウクライナ民族をなくすことだから、それを実現するまで殺戮は止まらない。
以上のように、停戦が不可能であり、早期停戦論は間接的に人命を奪っているだけだ。
それでは、今度はあり得ない設定をしてみよう。
現実では起きないが仮にロシアが停戦に応じた場合、どうなるのか。
もし、何らかの理由でロシアが停戦に応じれば、現在ロシアが占領しているウクライナの領土において、ロシアの支配が固定化する。
1度停戦してしまうと、ウクライナは事実上、その領土を武力で奪還する機会を失ってしまう。
国際社会では、非常に理不尽で間違っている決まりが存在する。
自国の領土であっても、1度停戦協定を結べば、自国の領土を占領者から武力で奪還してはいけないというルールだ。
筆者の意見では、このルールは完全に間違っているし、完全に理不尽だ。
このルールは侵略国家を利するだけで、善良な国の手を縛っている。
しかし、残念ながら、今の国際社会においては、このような考え方が主流だ。
だから、例えば、もし1度停戦した後、ウクライナが武力で占領地を奪還するために戦いを再開すれば、国際社会はウクライナを支持しない。
もちろん、その場合、ウクライナの行動は自国内なので侵略に当たらず、非難され、制裁を受けることはないだろう。
しかし、今のような積極的な支援は行われない。
資源が限られているウクライナは外国の支援なしでロシア軍に打ち勝って、領土を奪還出来ない。
だから、国際支援を望めない状態でウクライナは奪還作戦を行わない。
このような事情によって、1度停戦すれば、ロシア自身が戦争を再開しない限り、ウクライナは事実上、占領地を半永久的に失うことになる。
ロシアが交渉で占領した領土を返すことは絶対にあり得ない。
仮にプーチン体制が崩壊したとしても、占領地を返さない。
ロシア人の領土への執着は想像を絶するものだから、ロシア国内の世論は占領地返還を許さない。
■占領地で始まる民族浄化
それでは、ロシアの支配が固定化された占領地で何が起きるのか。
端的に言うとその土地の
「ロシア化」
が進む。
ロシアが新たに獲得した領土のロシア化のためにありとあらゆる非道を行う。
ロシアから見ると、ウクライナ人というアイデンティティは脅威だ。
これが存在する限り、ウクライナ人はまたロシアに刃向かうから、このアイデンティティをなくさなければならない。
だから支配地域において、自分のことを
「ウクライナ人」
と認識する人が1人もいなくなるような政策を取る。
つまり、民族浄化が起きるのだ。
民族浄化の手段は、多岐に渡る。
まずは、単純な殺害だ。
ロシアの支配に反発する姿勢を隠していない人が殺害されるケースが多い。
ロシア軍に占領された後、解放された土地の状況は全てを物語っている。
比較的占領期間の短いウクライナの北部において、証拠隠滅がされないままロシア軍が去った。
今は世界的に有名になったブチャの虐殺は、ロシア軍によって無差別に行われた民間人の大量殺害だ。
また、占領期間が約半年間だったハルキウ州の東部においても似たような大量虐殺の痕跡がある。
他の地域は、占領の期間が長かったので大量殺害を確認するのは難しいが、全ての占領地においてロシア軍が似たような大量殺害を起こしていると思われる。
次は、拷問だ。
占領地域において、住民を捕まえて拷問するのは一般的で、解放された地域では拷問室が各地で発見されている。
拷問の目的は、ロシアの支配に反発しているかどうかを確認することが多い。
本人もしくは親戚や知り合いに反露思想を持っている人がいるかどうかを知るために、住民は大量に拷問を受ける。
歯や爪を抜き、殴り、電気をかけ、性的拷問をするのはロシアの当局の一般的なやり方だ。
また、ロシアは占領地に住んでいるウクライナ人をロシア軍に動員し、戦争に捨て駒として使うケースも多い。
占領地の住民を軍に動員するのは国際法違反だが、ロシアはそれを無視して、ウクライナ人を動員する。
支配している民族を大量に動員し、戦争に使うのはロシアの昔からのやり方だ。
ロシアがウクライナを支配していた時代、ロシア帝国やソ連の軍隊にウクライナ人が大量に徴兵・動員され、数え切れない数の戦争に行かされた。
現在でも、ロシア連邦が支配している諸民族、例えばブリャート人は大量にロシア軍に動員され、ウクライナとの戦争に行かされている。
もし占領地におけるロシアの支配が確定すれば、その住民の強制的な徴兵や動員はより効率よく、組織的に行われ、ロシアが起こしている戦争に捨て駒として行かざるを得なくなる。
また、占領地では、誘拐や強制移住が大量に起きている。
占領地でウクライナ人のアイデンティティを持つ人がいなくなるように、ロシア当局は住民を強制的にロシアに移住させる。
当然、同じ場所に集中するのではなく、巨大なロシアの各地に散らばるようにするのだ。
強制移住させられた人がロシアの社会に溶け込み、いずれ意識はロシア人になることを狙う。
その代わりに、占領地にロシアからのロシア人を移住させる。
■永続化される被害
その中で特に注意すべき問題は、子供の拉致だ。
つまり、占領地にいた子供をロシアに連れ去り、ロシアで児童施設に入れるかロシア人の家庭に養子として入れる。
その子供にロシアの教育を受けさせ、ロシア人として育てるのが目的だ。
ウクライナ当局が把握している範囲だけでも、約2万人のウクライナ人の子供がロシアに連れ去られて。
ロシア自身は
「70万人の子供を戦地から救い出した」
と言っているので連れ去りを認めている。
70万人という数字は恐らく誇張だが、占領地から子供が大量にロシアに連れ去られているのは紛れもない事実だ。
ちなみに、プーチンが国際司法裁判所から指名手配を受けたのは、連れ去りを指示したからだ。
そして、ロシアは占領地で必ず洗脳教育を行う。
学校教育やメディアを通して、占領地の住民を洗脳する。
住民は自分たちがウクライナ人であることを忘れ、ロシア人のアイデンティティを持つようにする。
占領地には既にロシアのメディアしかなく、学校教育もロシアと同じになっている。
多くの教員はロシアから占領地に派遣されている。
最近は、ロシアの新しい歴史の教科書が話題になっている。
学校10年生、11年生(高校1、2年生に相当)向けの
「ロシア史」

「世界史」
の教科書では、ソ連の帝国主義は全て正当化され、反米、反自由主義の陰謀論が事実として書かれている。
また、現在続いている対ウクライナ侵略も絶賛されている。
これは全国統一の教科書として指定されているので、当然、占領地でも導入される。
つまり、占領地に残るウクライナ人はロシアの狂信的な帝国主義者が書いた教科書で学ぶことになる。
以上のように、ロシアに占領されている地域では、既に民族浄化が行われている。
もし仮に
「停戦」
になれば、ロシアによる占領地の支配が恒久化するので、民族浄化が完成される。
殺害、拷問、脅迫、強制移住、洗脳教育などの手段で地域のロシア化が行われる。
抵抗する意思のあるウクライナ人が殺され、抵抗する意思のないウクライナ人はロシアに移住させられるか、洗脳教育によって意識はロシア人になる。
つまり、占領地からウクライナ人がいなくなり、地域は完全にロシア化する。
だから、
「停戦」
すれば、ウクライナの正当な国土を事実上ロシアに渡し、侵略による領土強奪を認めることになるだけではなく、占領地に住んでいる住民を見捨て見殺しにすることにもなる。
これは国際法の観点、そして基本的人権尊重の観点から絶対にあってはならないことだ。
もしウクライナが国際法や人権を気にしない非民主的な国家なら、この領土放棄の選択肢もあったかもしれないが、ウクライナは自由民主主義国家だ。
自由民主主義国家として、国際法と基本的人権が踏みにじられるような状況を容認することは出来ない。
だから、国際法が回復し、占領地の住民が再び安全で自由な暮らしが出来るようにする義務がある。
各国にいる、いわゆる
「早期停戦論者」
には、少しでも人権意識を持って頂きたいものだ。
http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/853.html#c8

[医療崩壊11] 宮沢孝幸教授「オミクロン株は人工的に作られた可能性が高い。自然界で起こることはない」地上波で取り上げられる(Total News… 赤かぶ
33. 2023年10月11日 04:20:19 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[27]
<■276行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
武漢研究所起源説はもう陰謀論ではない
月刊誌『正論』2021年7月号 掛谷英紀 筑波大学システム情報系准教授
■4つの科学的根拠
ウイルスの起源は、政治的動機に左右されず、あくまで科学に基づいて検証されねばならない。
政治によって事実を歪めるのでは中国と同じである。
そこで、本稿ではウェイドの記事に沿って、SARS2ウイルスが研究所から漏洩した可能性が高いことを示す科学的根拠を紹介することにする。
ウェイドは、その根拠として次の4つを挙げている。
第1に、パンデミックが最初に起きた場所である。
SARS2ウイルスはベータコロナウイルスの一種だが、それらの宿主として知られるコウモリの生息地は雲南省であり、武漢から1500キロメートル離れている。
と同時に、武漢はコロナウイルスを遺伝子組み換え技術で改変して人間への攻撃力を増す研究の中心地であり、そこでの安全管理が不十分であることも周知の事実であった。
第2に、SARS2ウイルスのスパイク蛋白質が、流行初期からほとんど変異していないことである。
ウイルスが人を含む動物に感染するには、まず動物の細胞の表面にある受容体に結合する必要がある。
(SARS2ウイルスの場合はACE2受容体)
この受容体に結合するのが、スパイク蛋白質の受容体結合部位である。
一般に、動物によって受容体は異なるので、ある動物には感染するが、別の動物には感染しないことが多い。
コウモリのコロナウイルスも、そのほんどは人間に感染しない。
受容体結合部位が、コウモリの受容体には結合するが、人間の受容体には結合しないからである。
よって、コウモリのウイルスが人間に感染するためには何度も変異を繰り返さなければならない。
実際、SARSウイルスではコウモリからジャコウネコに感染した後、スパイク蛋白質に6つの変異が生じ、その後、14の変異を経て人間に適応し、その後さらに4つの変異があって流行が始まった。
このように、元々コウモリに適応したウイルスであり、人間に適応したウイルスでない以上、人間の間で感染が広がるには初期に多数の変異が必要なのである。
ところが、SARS2ウイルスは、流行の初期から人間に既に適応しており、ほとんど変異が見られなかった。
これが、SARS2ウイルスが天然由来ではなく、人間に適応するように人工的に改変されたウイルスが研究所から漏れたと疑われる理由である。
この事実を最初に指摘したのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の共同機関であるブロード・インスティチュートのアリーナ・チャン博士研究員らの研究グループである。
第3に、
「フーリン切断部位」
の存在がある。
受容体に結合したウイルスは、次に人間の細胞の中に入り込むことが感染に必要である。
そこで役割を果たすのがフーリン切断部位である。
これがあると、ウイルスが細胞の中に入りやすくなる。
SARSウイルスにはフーリン切断部位がないが、SARS2ウイルスには存在する。
実は、ウイルスの遺伝子を組み替えて、人間に感染しやすくする研究(機能獲得研究)は過去に多数行われている。
2015年には、武漢ウイルス研究所の石正麗とノースカロライナ大学のラルフ・バリックを含む研究グループが、コウモリのウイルスの受容体結合部位に人工的に手を入れて、人間に感染しやすくする成果をネイチャー・メディスン誌に報告している。
一方、SARSウイルスにフーリン切断部位を人工的に入れる研究は、中国だけでなく日米欧の多数の研究グループが行っている。
スティーブン・クウェイ博士によると、その成果を公開した論文数は最低11本あり、その中には石正麗を著者とするものも含まれる。
それらの研究で人工的に挿入されたフーリン切断部位と同じ特徴がSARS2ウイルスに見られることが、研究所からの漏洩を強く疑わせる状況証拠となっている。
第4に、フーリン切断部位の遺伝子配列の特徴である。
生物の構造を作り上げる蛋白質は多数のアミノ酸から構成されるが、3つの塩基(遺伝子)配列が1つのアミノ酸に対応する。
塩基は4種類あるため、3つの塩基の列は64種類あることになるが、アミノ酸は20種類しかない。
よって、1つのアミノ酸に対して複数の塩基配列が対応する。
SARS2ウイルスのフーリン切断部位はPRRA(プロリン・アルギニン・アルギニン・アラニン)の4つのアミノ酸の挿入で生じている。
このうち、アルギニンのコードには6種類の塩基配列があり得るが、SARS2ウイルスのフーリン切断部位には、同種のウイルスで最も稀なCGG(シトシン・グアニン・グアニン)という配列が連続して使われているのである。
ウェイドの記事中で、この配列を見たノーベル賞学者ボルティモアが、
「これはウイルスの起源の動かぬ証拠だ」
「SARS2ウイルス自然発生説の強力な反論になる」
と妻に語ったとのエピソードが挿入されている。
■無理がある「天然由来説」
これに対して、SARS2ウイルス天然由来説を唱えていた学者たちはどう反論したか。
2020年3月に
「ネイチャー・メディスン誌」
で天然説を唱えていたクリスチャン・アンダーセンは、上海科技大の趙素文の研究グループの論文を引用し、フーリン切断部位は天然でも起き得るとツイッター上で反論した。
そこで用いられたのが図1だが、これが逆にSARS2ウイルスの特異性を示している。
図1に示す通り、確かに自然の突然変異でフーリン切断部位は生じうる。
だが、最も起きやすい突然変異は、遺伝子の塩基が入れ替わることで、アミノ酸配列が変化することである。
これは比較的頻繁に起こる。
一方、塩基が脱落したり、余分な塩基が挿入されることは、偶に起きるが確率は低い。
図1の左側の樹形図は遺伝的距離を表しており、枝分かれが遠いほど遺伝的距離が遠い(遠い過去に分かれた)ことを表している。
遺伝的距離が近いもの同士では大きな挿入や脱落は起きていない。
ところが、SARS2ウイルス(一番上)とそれに遺伝的距離が近いウイルスの間では、フーリン切断部位だけ綺麗に挿入が行われているのである。
これが自然発生的に起きることは、確率的には極めて低い。
WHOの報告書でも、人工ウイルス説を退ける根拠として、フーリン切断部位が天然に挿入されているウイルス(RmYN02)は見つかっているという別の論文に言及している。
しかし、この論文にも大きな欠点がある。
そもそも報告されているウイルスのアミノ酸配列はフーリン切断部位に類似するだけであり、フーリン切断部位ではない。
加えて、アミノ酸配列を見る限り、フーリン切断部位に類似する配列が挿入されたのではなく、従来のアミノ酸が他のアミノ酸に置き換わった変異と解釈するのが自然なのである。
ところが、この論文ではわざわざ図を細工して、脱落と挿入という非常に確率の低いことが遺伝子配列の一部で連続して起きていると解釈している。
このように、SARS2ウイルスが天然由来であるという
「科学的」
主張は、整合性の低い論理を無理やり通そうとしている跡が如実に見られるのである。

いよいよ濃厚 新型コロナ 武漢ウイルス研究所流出説
それでも権威に従順な学者たちは真実から目を背けてしまう
月刊誌『WILL』2021年12月号 筑波大学システム情報系准教授 掛谷英紀
■疑惑の「申請書」
2019年夏、中国の湖北省でPCR検査機器が大量発注されていたことを日本経済新聞が報じた(2021年10月5日)。
豪州に拠点を置くサイバーセキュリティー企業
「インターネット2・0」
が主体となった調査チームが突き止めた情報で、既に海外で報じられていた内容である。
この情報は、新型コロナウイルスが2019年冬より前の段階で流行し始めていたことを示唆するものである。
しかし現在、新型コロナウイルスの起源解明に繋がる情報として海外で注目されているのは、より直接的かつショッキングなものである。
それは、米国の非営利機関
「エコヘルス・アライアンス(以下EHA)」
が武漢ウイルス研究所などと共同で、2018年にDARPA(米国防高等研究計画局)へ提出していた研究費申請書である。
この研究費申請は結果的に不採択になったが、そこにはSARSウイルスに
「フーリン切断部位」
を人工的に挿入する実験計画が具体的に書かれていたのである。
「フーリン切断部位」
は、新型コロナウイルス(SRAS2)が属するサルベコウイルスにはない不自然なアミノ酸配列として注目されていた。
新型コロナウイルスがヒトに感染するには2つのステップがある。
最初のステップはヒトの細胞表面に結合すること、次のステップはヒトの細胞内に入ることである。
2つ目のステップで重要になるのが
「フーリン切断部位」
である。
SRASウイルスの場合、ヒトの細胞内に入るのに
「TMPRSS2」
という酵素を利用していた。
加えて、フーリンによる切断を利用すると、ウイルスは細胞内に劇的に入りやすくなる。
この
「フーリン切断部位」
の存在が、新型コロナウイルスの感染力の異常な強さに繋がっている。
SARSウイルスに
「フーリン切断部位」
を遺伝子組み換え技術で人工的に挿入する研究は、これまでも世界各国の研究グループによって行われてきた歴史がある。
新型コロナウイルスの
「フーリン切断部位」
が人工的に挿入されたものである可能性が疑われたのは、それが理由である。
しかし、これまでは武漢ウイルス研究所がその種の研究に取り組んだ形跡はなかった。
今回明るみになったEHAの研究計画は、その穴を埋めたという意味で極めて重要な意味を持つ。
■討論会で真実が証明された
この研究費申請書を公開したのは、
「DRASTIC」
と呼ばれる世界から自主的に集まったインターネット上の新型コロナウイルス起源調査集団である。
DRASTICが公開した書類は内部リークで入手されたもので、当初はその真偽が疑われていた。
そのため、米国ネットメディア
「インターセプト」
など、ごく一部でしか報じられなかった。
2021年9月6日、
インターセプトはFOIA(情報公開法)によって、EHAからNIH(米国立衛生研究所)に提出された書類を入手し公開した。
この書類には、EHAの研究報告書も含まれており、そこにはSARSウイルスの
「機能獲得研究」(ウイルスの毒性や感染力を強める研究)
が行われていたことを示す動かぬ証拠があったため、大きな話題になっていた。
その流れで、同社はこの件を報じたものと思われる。
DRASTICが公開した書類が本物だと判明したのは、2021年9月30日に学術誌
『サイエンス』が企画した新型コロナウイルス起源に関する公開討論会である。
この討論会には4名の科学者
(アリーナ・チャン、ジェシー・ブルーム、マイケル・ウォロベイ、リンファ・ワン)
が参加した。
前者2名は新型コロナウイルス研究所起源の可能性は十分あるという立場、後者2名はあり得ないという立場である。
リンファ・ワンはシンガポールのデュークNUSメディカルスクールの教授だが、もともと中国人で武漢ウイルス研究所の石正麗とも親しい関係にある。
DRASTICが公開した研究費申請書にも、研究グループの一員として名を連ねていたため、討論会の前からリンファ・ワンが何を語るかが注目されていた。
この討論会のクライマックスは後半にやってきた。
アリーナ・チャンがリンファ・ワンに、
「研究費申請書にはフーリン切断部位を人工的に入れる研究計画が書かれているが、これは誰の提案だったのか」
と聞いたのである。
それに対して、リンファ・ワンは躊躇しながらも
「ノースカロライナ大学だ」
と答えた。
ノースカロライナ大学には、痕跡が残らないように遺伝子の塩基配列を組み換える技術を開発し、その技術を石正麗に教えたことで知られるラルフ・バリックがおり、彼もこの研究計画の一員として名を連ねていた。
リンファ・ワンのこの回答によって、DRASTICが公開した書類が本物であることが証明されたわけである。
これを受けて、世界の大手メディアがこの研究計画について一斉に報じ始めた。
武漢ウイルス研究所がSARSウイルスに
「フーリン切断部位」
を入れる研究計画をしていたことをもって、新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所起源であると断定することはできない。
だが、偶然にしては出来過ぎである。
研究計画で作ろうとしていたものが、その研究所がある場所でたまたま自然に発生する確率は、ゼロではないが天文学的に低い数字である。
■ウソを繰り返す張本人
万が一、新型コロナウイルスが自然発生したものであっても、それと同じ危険なウイルスを人工的に作成する計画をしていたこと自体、その倫理的責任は追及されて当然である。
DARPAはその研究費申請書を採択していないが、研究者が大型予算を申請する場合、研究計画の内容に含まれている事項については事前に予備的な実験を行い、それが上手くいくことを確認しておくことが多い。
大型予算を取得したのに何の成果も出ないと責任を問われるかもしれないという理由である。
また、計画した研究があるグラント(科学研究補助金)で不採択になっても、別のグラントに通れば、それで実施するのが普通である。
したがって、SARSウイルスに
「フーリン切断部位」
を人工的に挿入する研究が、武漢ウイルス研究所で実際に行われていたことは、ほぼ間違いない。
そもそも、こういう研究計画で予算申請をしていた事実があるのに、それをずっと隠していたことについても倫理的に大きな問題がある。
前出のEHAの代表であるピーター・ダシャックは、これまでも多くの偽情報を繰り返し発信してきた。
彼は、武漢ウイルス研究所ではコウモリは飼育されていないと発言していたが、その後同研究所でコウモリが飼育されている様子を撮影した動画が見つかっている。
2020年2月に学術誌『ランセット』に掲載された
「新型コロナウイルスが自然発生でないことを示唆する陰謀論を断固として批判する」
と主張する27人連盟のレター作成で中心的な役割を果たしたのも彼である。
そこで彼は武漢ウイルス研究所と共同研究をしていたにもかかわらず、利益相反はないと宣言していた。
2021年9月30日、DRASTICの4名を含む世界の10名の研究者が、EHAの理事会宛にダシャックを代表から解任することを求めるオープンレターを公表した。
実は筆者自身もこの10名のうちの1人に含まれている。
このレターは、2021年10月6日に『ニューズウィーク』誌もその内容を報じるなど、海外では話題となっている。
2021年10月10日の英国「デイリーメール」の記事において、フランス・パスツール研究所のウイルス学者サイモン・ウェイン・ホブソン教授は、
「機能獲得研究」(ウイルスの毒性や感染力を強める研究)
に内在する甚大な危険性を考えると、国際的で法的拘束力のある基準が設定されるまで、
「機能獲得研究」(ウイルスの毒性や感染力を強める研究)
の実施とそれに対する資金提供を世界的に禁止する必要があると書いている。
筆者もこの見解に強く賛同する。
■権威に従順な学者たち
海外では大々的にニュースになっているエコヘルス・アライアンス(以下EHA)の研究計画であるが、なぜか日本では全く報じられていない。
最大の理由は、日本の生命科学者や医師に、新型コロナウイルス研究所起源の可能性について解説しようとする人がいないことだろう。
それゆえ、日本経済新聞が報じたPCR検査機器のように、素人にも理解しやすいことは記事にできても、
「フーリン切断部位」
のように科学リテラシーを要する内容は、日本のメディアは記事にできないのではないか。
現在、日本で新型コロナウイルスの起源が武漢ウイルス研究所である可能性を論じているのは、神田外国語大学興梠一郎教授、明海大学の小谷哲男教授など、中国や安全保障の専門家だけで、科学的観点から論じているのは筆者しかいない。
筆者は科学者ではあるが、分子生物学を専攻していたのは遠い昔のことであり、現在の専門は電子情報工学である。
本来ならば、生命科学を専門とする人がこの問題を論じるべきだが、日本にこれだけ大量の生命科学者がいながら、その役割を果たす人が誰一人いないというのはあまりに異常である。
逆に、新型コロナウイルスは研究所起源では絶対ないと断言した医師も少なくない。
ツイッターで多数のフォロワーを抱える峰宗太郎氏やEARLの医学ツイートはその代表例である。
木下喬弘医師は新型コロナウイルス研究所起源を論じるのは下品だと断じた。
彼にはウイルス起源の討論会を企画・実施した『サイエンス』誌を
「下品だ」
と罵ってほしいところだが、その勇気はないだろう。
権威には従順なのが日本の学歴エリートの習性である。
もちろん、権威に従順な学者が多いのは日本に限ったことではない。
しかし、海外にはそうした権威に負けずに真理を追い求める医学者も少なくない。
米スタンフォード大学のデイビッド・レルマン教授や豪フリンダース大学のニコライ・ペトロフスキー教授がその代表例である。
日本にも新型コロナウイルスについて詳しい医学者がいないわけではない。
広島大学の坂口剛正教授はその1人である。
ユーチューブで公開されている彼の新型コロナウイルス解説動画は10万回再生を越えている。
だが、その動画の中で、新型コロナウイルスが細胞内に入る機構として解説されているのは
「TMPRSS2」
という酵素だけで、
「フーリン切断部位」
には触れられていない。
アルファ株やデルタ株の感染力の強さも、
「フーリン切断部位」
の変異で説明できるほど重要な部分であるのに、それに敢えて触れなかったのはなぜか。
「フーリン切断部位」
について積極的に論じる海外の生命科学者とはあまりに対照的である。
■ならば専門家など必要ない
ウイルス起源の問題に限らず、新型コロナウイルスについて、日本の医学者たちがこれまで発信してきた情報には問題があまりに多い。
ワクチン推進の医師たちは、日本でもワクチン忌避が起きると煽っていた。
私は
「心配しなくても日本の接種率は8割近くになるだろう」
と言って猛反発に遭ったが、結果として私の方が正しかった。
京都大学の西浦博教授は、五輪開催で気の緩みが出るからと、五輪中止とロックダウンを推奨した。
私はそれにツイッター上で反論して彼からブロックされた。
しかし、実際には五輪開催中に人流は減ったことが確認されており、その後ロックダウンをせずとも感染者数が激減したのはご承知の通りである。
ところが、医師というのは仲間意識が強いようで、未だに西浦氏を擁護する人が少なくない。
例えば
「あれは予測はなくシミュレーションだ」
という言い訳をよく見る。
だが、西浦氏は
「対策の効果が出て人流が減るなどし、増加のペースが前の週の1.2倍に抑えられた場合でも、2021年8月21日には7000人を超える」
と発言していた。
確かに、各種政策による人流減の効果がどの程度かは感染症の専門家には分からない。
その意味で、五輪での気の緩みという発言は感染症学者として不適切である。
よって、複数のシナリオによるシミュレーションは必要だ。
しかし、人流の数値から実効再生産数を予測するのは感染症学者の領分ではないか。
人流が減っても実効再生産数が1.2にしか抑制されないと見積もっていた彼のモデルに何らかの欠陥があるのは明らかだ。
その点を追及しないのは、学術的に見て異常である。
実効再生産数が1.2なら7000人を超えるという計算は高校生でもできる。
それをもって自分は正しいことを言っているというなら、専門家など必要ない。
日本に真理を探究する医学者がいないとするなら、海外から呼び寄せるしかない。
日本の学術界の人材不足はそれほど深刻である。
http://www.asyura2.com/23/iryo11/msg/793.html#c33

[戦争b24] イスラエルによるモスク冒涜への報復としてハマスがイスラエル領内を大規模攻撃(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
65. 2023年10月11日 11:59:27 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[28]
<■138行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
イラン “ハマスに技術移転 大規模攻撃は支援の成果” 誇示
2023年10月11日 10時06分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231011/k10014221611000.html
イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃についてイランの精鋭部隊の関係者はNHKの取材に対し、
「技術移転によってミサイルや無人機を自分たちで作れるよう後押ししてきた」
と述べ、イランによる支援の成果だと誇示しました。
イランの精鋭部隊、革命防衛隊で周辺国での作戦に関わってきた元司令官のキャナニモガダム氏は2023年10月10日、首都テヘランでNHKの取材に応じました。
革命防衛隊がハマスに対して行ってきた軍事支援については
「ガザ地区は完全に閉じられていて、どんな兵器やミサイル、それに、兵士も送れない」
としながらも、
「サイバー空間などを通じた技術移転や財政支援によって、彼らがミサイルや無人機を自分たちで作れるように後押ししてきた」
と説明しました。
その上で、今回のハマスによる大規模攻撃について
「これまでと異なり、高性能の無人機や防空システムを潜り抜けるロケット弾が使われている」
「我々の支援が間違いなく戦争の質に影響を与えている」
と述べ、イランの支援によりハマスの兵器開発能力が向上した成果だと誇示しました。
一方で、ハマスの戦闘員たちが動力付きのパラグライダーを使って、ガザ地区を囲む壁を越え、イスラエル側に侵入したとされることなどについては
「我々も驚いている」
と述べハマスが独自の戦闘方法を編み出しつつあるという見方を示しました。

ハマス「包囲網」に焦り イスラエル・サウジ正常化は暗礁
2023/10/10 17:18
https://www.sankei.com/article/20231010-H4PVNB6N2NIS3NNYTZNCEF5TV4/
イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスへの攻撃を強化する方針を示し、イスラエルが進めるサウジアラビアとの国交正常化協議は暗礁に乗り上げる公算が大きくなった。
両国が国交を結べば中東地域の勢力図は一変し、イランの孤立が決定的になるとみられていた。
イランを後ろ盾とするハマスが協議の妨害を目論んで、大規模な攻撃に着手したとの見方が出ている。
イスラエルとサウジの正常化協議は米国が仲介し、2023年9月には3カ国の首脳が進展を強調した。
早ければ2024年前半にも正常化が実現するとの見方もあった。
米イスラエルにとって、サウジはアラブで最も国交正常化を実現したい国だ。
世界屈指の産油国でイスラム教の2大聖地を擁し、世界の信徒に絶大な影響力を持つ。
サウジはまた、パレスチナ問題が解決しない限りイスラエルとは国交を結ばない姿勢をとってきた。
イスラエルとスンニ派大国サウジが国交を結べば、米イスラエル主導の
「イラン包囲網」
が強化され、シーア派のイランは厳しい立場に立たされることが必至だった。
サウジは協議の過程でパレスチナ問題で一定の譲歩をするとの報道も出ており、ハマスにとっても看過できない事態だった。
イランは攻撃の直接的な関与は否定している。
しかし、2023年10月8日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は2023年8月、イランの最高指導者直属の
「革命防衛隊」
メンバーとハマスなどの幹部が複数回、会合を行ったとして、イランが攻撃計画の策定を支援したと報じた。
また、2023年10月10日の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は、ハマスが2023年10月7日以降の攻撃で3000発以上のロケット弾を発射できる攻撃能力を備えていたことが明らかになったとし、
「ハマスとイランの関係がどれほど深化していたかを再検討する必要がある」
と論じた。
イスラエルのネタニヤフ政権は対パレスチナ強硬派が治安関連閣僚を務めている。
サウジは戦闘開始前にも、これらの閣僚の態度が協議の障害になると懸念を示してきたとされる。
イスラエルの攻撃が激しさを増し、ガザに住むパレスチナ人の犠牲者が増えることが確実な情勢だ。
そうした中で、サウジがイスラエルとの正常化に歩み寄れば、世界のイスラム教徒から批判を浴びることにもなる。
今後の推移次第では、協議が白紙に戻る事態さえ否定できない。

主張
ハマスの攻撃 戦火の拡大阻止に全力を
2023/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20231011-7YZL7VLQKRKL7H6ANR7ZMGNYWE/
これは無差別の大規模テロ行為であり、民間人や非軍事目標を攻撃した国際人道法(戦時国際法)違反の非道な戦闘行為である。
如何なる理由があれ、到底容認できない。
パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが、イスラエルを大規模攻撃した。
イスラエルも空爆などで応酬し、激しい戦闘が続いている。
双方の死者数は膨れ上がるばかりだ。
ハマスは数千発のロケット弾攻撃に加えイスラエル領内に侵入し、多数の民間人を殺害し人質として拉致した。
ハマスは即刻軍事行動を中止し、人質を解放しなければならない。
米英独仏伊の首脳はイスラエルへの
「揺るぎない結束した支持」
を表明した。
対照的にイランのライシ大統領は、ハマスのイスラエル攻撃を
「英雄的だ」
と称賛した。
イランはハマスやイスラム過激派組織ヒズボラに強い影響力を持つ。
イランやヒズボラが戦闘に主体的に関与すれば、混迷は一気に深まる。
日本や国連、関係各国はハマス、イスラエル双方に自制を求め、仲介に全力を尽くしてほしい。
戦火の拡大は何としても防がなくてはならない。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスは、これまでも
「宿敵」
のイスラエルと軍事衝突を重ねてきた。
しかし、今回のような大規模な越境攻撃は前例がない。
中東では近年、地域の武装勢力を支援して影響力増大を図るイランをアラブ各国が警戒する状況が続いてきた。
イスラエルとアラブ諸国の対立が相対的に弱まる中、アラブの盟主サウジアラビアとイスラエルは、米国の仲介で国交正常化交渉を進めていた。
ハマス側はこうした動きに
「パレスチナ問題が置き去りにされる」
ことへの不満と危機感を強めていた。
2023年はイスラエルとパレスチナの2国家共存を目指した
「オスロ合意」
から30年という節目の年だが、イスラエルの強硬姿勢などにより交渉は頓挫したままだ。
だからといって、多くの人命を奪う攻撃が正当化されるわけはない。
「2国家共存」
を支持するバイデン大統領は今こそ
「中東の仲介者」
としての役割を発揮してほしい。
イスラエルやアラブ諸国と良好な関係を持つ日本にも大きな役割があるはずだ。

米仏独伊英など各国が非難 ハマスの攻撃
2023/10/10 19:40
https://www.sankei.com/article/20231010-VGBNS27BYNIONDV2GML6F3IYDA/
イスラム原理主義組織ハマスがイスラエルを攻撃したことを受け、各国が相次いで非難を表明した。
イスラエルでは各国から訪れた旅行者や住民らが犠牲になっている。
イスラエル側とパレスチナ側それぞれを支持する市民らによる抗議活動も起きている。
カナダのトルドー首相は2023年10月9日、
「ハマスを支持する抗議行動を強く非難する」
「暴力への称賛は受け入れられない」
とX(旧ツイッター)に投稿した。
ロイター通信などによると、トルドー氏は2023年10月8日の演説でイスラエルを攻撃したハマスを非難。
これを受け、カナダ各地で2023年10月9日、パレスチナ人団体など千人規模の抗議活動が起きた。
また、英メディアによると、ロンドンのイスラエル大使館付近で2023年10月9日、パレスチナ側とイスラエル側をそれぞれを支持する数千人が抗議活動を展開した。
双方の支持者が衝突し、警察が3人を逮捕した。
自国民の犠牲者の確認を進めているウクライナのゼレンスキー大統領は2023年10月8日のビデオ演説で、
「今起きていることを世界が無視しないことが重要だ」
と強調。
イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談したと明らかにした。
米ホワイトハウスによると、米国とフランス、ドイツ、イタリア、英国の首脳が2023年10月9日、電話会談。
5カ国首脳の共同声明は、
「ハマスの恐ろしいテロ行為への明白な非難」
を示した。
共同声明は、
「ハマスのテロ行為に如何なる正当性もない」
と指弾。
野外音楽フェスティバルを楽しんでいた若者や家族連れら200人以上が虐殺、誘拐されたとして強く非難した。
また、パレスチナの人々の正当な願望を認識し、イスラエル人とパレスチナ人に対する平等な正義と自由を支持するとした上で
「ハマスはその願望を代表していない」
と強調した。

イスラエルへの結束支持とハマスへの明白な非難 米英独仏伊首脳が共同声明
2023/10/10 7:47
https://www.sankei.com/article/20231010-FJEJ4IP6KBO73GUTG4VVQ3KOYE/
米国と英国、ドイツ、フランス、イタリアの各国首脳は2023年10月9日、電話会談し、イスラム組織ハマスの攻撃を受けたイスラエルへの
「揺るぎない結束した支持」

「ハマスによる恐ろしいテロ行為への明白な非難」
を表明した共同声明を発表した。
米ホワイトハウスなどが発表した。
共同声明はハマスの攻撃について
「如何なる正当性もない」
と指弾。
「残虐行為から自国と自国民を守るイスラエルの努力を支援する」
と強調した。(共同)

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/857.html#c65

[政治・選挙・NHK292] 辺野古の代執行手続き「中止を」 有識者80人超が緊急声明(ジャニーに隠された民主主義崩壊!?) 戦争とはこういう物
9. 2023年10月11日 12:07:06 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[29]
<■239行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
県の「辺野古」拒否 国の代執行提訴は当然だ
2023/10/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20231007-HDLJD7TUABOBFD3PMPYY5VETVU/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、国が県に代わって工事に必要な設計変更を承認する
「代執行」
のための訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。
地方自治法第245条は、都道府県知事が法令に反する事務処理をしたり、事務処理を怠ったりした時、国が高裁に代執行訴訟を提起できると規定している。
玉城デニー知事はこれまで、設計変更の承認を求める国の勧告にも指示にも従わなかった。
住宅密集地に隣接する普天間飛行場の危険性を除去するため、辺野古への移設工事をこれ以上遅らせるわけにはいかない。
斉藤国交相が提訴したのは当然だ。
移設が完了すれば普天間は返還される。
国は着実に、工事を進めてほしい。
理解し難いのは玉城氏の対応である。
この問題で最高裁は2023年9月4日、県側の上告を棄却した。
県敗訴の判決が確定し、玉城氏は設計変更を承認する法的義務を負った。
しかしその義務を果たさず、斉藤国交相が2023年9月27日までに承認するよう勧告すると
「判決内容を精査する必要がある」
といって拒否した。
斉藤国交相は勧告を
「指示」
に引き上げ、2023年10月4日までに承認するよう改めて求めたが、玉城氏は同じ理由で従わなかった。
玉城氏の対応は、法治主義の原則を踏み外すものであり、到底認められない。
すでに最高裁判決から1カ月が経つ。
この間、県幹部の間では
「承認やむなし」
の声が広がっていた。
法令に基づき行政を遂行する立場にある県が、司法判断に従わないとなれば、行政上様々な支障が出るのは必至だからだ。
一方、玉城氏を支持する共産党など
「オール沖縄」
系の県議は連名で、承認しないよう求める要望書を提出した。
もし玉城氏が、自身の政治生命延命のために共産党などの要望に従ったとしたら言語道断である。
代執行訴訟で県が勝訴する見込みは極めて薄い。
玉城氏は裁判が始まる前に工事を承認し、政府と協力すべきだろう。
政府も、自衛隊と米軍の抑止力を維持したまま普天間返還を実現するには辺野古移設が唯一の解決策であることを、丁寧に説明していく必要がある。

辺野古訴訟で国が「代執行」に向け即日結審を要請、訴状を公表 20日までに口頭弁論
2023/10/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20231006-LUIYJRHKOZPAHCGW7MRN4JGOUI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城デニー県知事に代わって承認する
「代執行」
に向けた訴訟を起こした国は2023年10月6日、即日結審を求める訴状を公表した。
口頭弁論は法律の規定に基づき2023年10月20日までに開かれる。
斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、知事に承認を命令するよう福岡高裁那覇支部に提訴した。
訴状によると、知事が承認しないことは法令違反に当たるとし
「知事の違法かつ異常な事務遂行が許容される余地がないことは明白だ」
と指摘。
地方自治法に基づく代執行の要件を満たすとした。
その上で、即日結審した後、速やかに承認を命令する判決を出すべきだと主張。
承認までの期間は知事が判決文の送達を受けた翌日から3日以内とすることを求めた。

辺野古設計変更「代執行」へ国交相が提訴 15日以内に高裁那覇支部で弁論
2023/10/5 12:16
https://www.sankei.com/article/20231005-4RF6PC3BHVOFBOBQ7YLADSZLEY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、同県の玉城デニー知事に代わって工事の設計変更を承認する
「代執行」
に向け、福岡高裁那覇支部に提訴した。
第1回口頭弁護は訴訟提起から15日以内に開かれる。
県の敗訴は濃厚で、早ければ2023年年内にも国が承認を代執行する。
玉城氏は2023年10月4日、記者団の取材に応じ、
「最高裁の判決内容を精査する必要がある」
と話していた。
また、移設工事に反対する姿勢を改めて示し、
「国に対し県との対話に応じるよう引き続き求めていく」
と訴えた。
移設工事を巡っては、辺野古沖の海域に軟弱地盤が見つかったため防衛省が地盤改良に伴う設計変更を申請したものの、県は承認しなかった。
2023年9月の最高裁判決後、斉藤国交相が2023年9月27日までに承認するよう勧告したが、玉城氏は
「期限までに承認するのは困難」
と回答。
斉藤国交相は
「勧告」

「指示」
に切り替え、2023年10月4日までに承認するよう求めていた。

主張
沖縄県の敗訴確定 知事は辺野古移設協力を
2023/9/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20230905-PDULABU5XFIK5MZBQGUKJJ4UVE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、工事に反対する県が国の是正指示を違法と訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁が県側の上告を棄却した。
県の敗訴が確定したことになる。
玉城デニー知事は判決後、
「極めて残念」

「深く憂慮せざるを得ません」
とし、判決内容を踏まえて今後の対応を検討するとコメントした。
国に対しては
「県民の意思に沿うよう判断してもらいたい」
と語った。
辺野古移設の断念を求めていることになる。
これはおかしい。
法治国家の首長として玉城氏が取るべきは、司法の最終判断を受け入れ、国の工事設計変更への承認を表明することである。
辺野古沿岸部の埋め立て工事海域に軟弱地盤が見つかり、防衛省が地盤改良に伴う設計変更を県に申請した。
だが、県は承認せず、国の是正指示にも従わずに提訴した。
今回の最高裁の判決で、玉城氏は設計変更の申請を承認する
「法的義務」
を負った。
その義務を速やかに果たすべきだ。
玉城氏を支持する革新系団体からは、県が別の理由を付け再び
「不承認」
とするよう求める声が出ているが言語道断だ。
法治国家の基本ルールを逸脱してはならない。
設計変更を承認せず、3年以上も工事を遅らせた責任は県にある。
1996(平成8)年に移設を条件とする普天間飛行場の全面返還で日米が合意してから27年が経つ。
近年は県と国の泥沼の裁判闘争が続き、判決に至ったケースではいずれも県が敗訴した。
いい加減にしてほしい。
普天間飛行場は市街地に囲まれている。
辺野古への移設は、普天間飛行場周辺に暮らす県民の安全を図るための事業だ。
更に、中国などの増大する脅威から沖縄を含む日本を守りぬくためでもある。
返還後は、跡地の利用で県経済の活性化に繋げることも出来よう。
玉城氏は知事として何が県と県民にとって大切かを虚心坦懐「心に何の蟠りもなく,平静な態度で事に臨む・事(様)」に考え、法的義務を履行し、移設協力へ転じるべきだ。
国は移設工事を着実に進め、普天間返還を実現しなければならない。
米軍基地の多い沖縄の負担は大きい。
引き続き整理・縮小に尽力すると共に、基地と辺野古移設の重要性について丁寧な説明が必要である。

国、早期工事着手目指す 承認代執行も視野
2023/9/5 1:30
https://www.sankei.com/article/20230905-DXVCXH55JNOQ5KLESYR5SDUONM/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡る訴訟で2023年9月4日、沖縄県の敗訴が確定したことを受け、政府は未だ着手できずにいる予定地東側の埋め立て工事の早期開始を目指す。
ただ、玉城デニー知事が司法判断に従い、国が申請した工事の設計変更を承認するとは限らず、国による承認の代執行も視野に入れている。
「沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものと考えている」。
松野博一官房長官は2023年9月4日の記者会見で県側に釘を刺した。
東側の埋め立て工事は、軟弱地盤が見つかったため県が設計変更を承認する必要がある。
国は勝訴を見越し、承認後に速やかに土砂投入を始められるよう、係争中も工事の準備を進めてきた。
防衛省幹部は
「法治国家で司法の判断に従わないことはあり得ない」
と話す。
ただ、不承認処分は移設工事反対の
「切り札」
で、玉城氏が承認に転じるかは見通せない。
2018(平成30)年12月から埋め立て工事が始まった予定地南側約41ヘクタールの進捗率は2023年7月末時点で98%に達している一方、東側約111ヘクタールには未だ土砂は投入されていない。
このため、全体の進捗率は16%にとどまる。
防衛省は2019(令和元)年末の時点で埋め立て工事と飛行場建設には着手から9年3カ月かかるとの試算を示しているが、県の対応次第で移設時期は更に遅れかねない。
県は、2020(令和2)年4月に国が設計変更を申請した際も審査を1年7カ月も引き延ばし、不承認とした。
約9300億円と見積もる総工費が膨らむ可能性もある。
今後、県が引き続き承認しない場合、国は地方自治法に基づき、県の代わりに国土交通省が設計変更の申請を承認する代執行に向けた手続きに入ることが予想される。
防衛省関係者は県の対応について
「非生産的だ。沖縄自身の足を引っ張っている」
と漏らす。

辺野古移設工事巡り敗訴確定 沖縄県知事、かつてない苦境に
2023/9/4 21:34
https://www.sankei.com/article/20230904-5WTSXYC32FO7RCFQXGWOCBDHMI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡る2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定した。
移設阻止を掲げる玉城デニー知事は
「極めて残念」
とのコメントを発表したが、今後の対応については明言を避けた。
判決に従うか、反対を貫くか−。
いずれの選択も批判を免れず、玉城氏は、かつてない苦境に立たされている。
■辺野古地盤改良、県側敗訴が確定
「判決内容を踏まえ、対応を検討したい」
最高裁判決を受けて行われた2023年9月4日の知事会見。
今後の対応を問う記者の質問に、玉城氏は苦渋の表情で何度もこう繰り返した。
県はこれまで、辺野古沖の地盤改良工事に伴う国の設計変更申請を承認しなかった。
だが、最高裁判決により
「承認義務」
を負うことになる。
辺野古移設に反対する
「オール沖縄」
勢力の支持を受けて2018(平成30)年に知事となった玉城氏は、2022年の知事選でも辺野古反対を最重要事公約に掲げて再選した。
行政のトップとして最高裁判決に従わなければならないが、国の申請を承認すればオール沖縄などの反発を受けるのは必至だ。
県や県議会関係者らによれば、考えられる選択肢は3つだ。
1つは、設計変更は承認するものの、サンゴの移植などを巡る別の訴訟で反対を続ける案。
ただし、工事は阻止できず、訴訟でも県の勝訴は望み薄だ。
2つ目は、承認を拒否するか、結論を先延ばしにする案。
この場合、国が承認を代執行する手続きを取ることになるが、確定判決に従わない県への批判が噴出しそうだ。
3つ目は、今回の訴訟に関わる不承認理由とは別の理由で、再び
「不承認」
とする案。
これも単なる時間稼ぎに過ぎず、批判は免れない。
この他、承認せずに辞職し、知事選で改めて
「民意」
を問うという案も一部で囁かれている。
反対を貫くなら最も筋の通った戦術だが、県政が混乱する上、玉城氏が落選するリスクもあり、
「辞職の可能性は低いだろう」
と県議会関係者は話す。
■危険性除去は一致
「現時点で有効策は見出せない」
と県幹部。
だが、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性の除去が目的であることは国も県も同じだ。
防衛省幹部は
「判決を機に国と県が協力し合えるようになれば良いのだが」
と語る。
移設工事は2017(平成29年)4月に本格的に始まり、当初は8年で完了するとされたが、東側の海域で軟弱地盤が見つかったため工期が12年に延びた。
更に県の不承認で3年以上も遅れている。
自民党沖縄県連は2023年9月4日、
「普天間飛行場の早急な危険性除去という県民の総意を蔑ろにしてはならない」
とし、速やかな承認を求める談話を発表した。
■対話チャンネル再開を
元沖縄県副知事 上原良幸
米軍はの1日も早い全面返還を実現するには、国と県とが問題解決に向けて対話し、協力する姿勢が欠かせない。
しかし革新の太田昌秀知事時代にも保守の仲井真弘多知事時代にもあった国と県との対話チャンネルが、移設反対を掲げた翁長雄志知事の時代に裁判闘争に突入してからは途絶えてしまった。
裁判闘争では、何も解決しないということだ。
市街地に囲まれた普天間飛行場が返還されれば危険性が除去されるだけでなく、跡地利用で沖縄が大きく発展するだろう。
だが、かつては国際都市形成構想など魅力的な利用策が議論されていたのに、今は話題にすら上らなくなった。
最高裁判決をきっかけに、国と県が原点に戻ることを期待したい。
勝った負けたではなく、お互いが裁判闘争の不毛さを知り、対話のチャンネルを再開させることが大切だ。
■最高裁判決と今後のポイント
・工事を不承認とした沖縄県に対する国土交通相の是正指示は適法
・知事の工事不承認に対して国土交通相が取り消す裁決をした場合、知事が同一理由で再び承認しないのは地方自治法違反
・移設を巡り県と国が争った一連の訴訟の論点が出揃い、係属中の2件も県側勝訴は厳しい見通しに
・防衛省沖縄防衛局が申請した設計変更の内容の妥当性は判断せず

辺野古、知事に承認勧告 国、代執行へ手続き着手
2023/9/19 19:23
https://www.sankei.com/article/20230919-ZVSWTRMMURLKPHSQLRZUTWPC74/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年9月19日、軟弱地盤改良工事の設計変更を承認するよう勧告する文書を玉城デニー県知事に送った。
勧告は知事の代わりに国が承認する
「代執行」
に向けた最初の段階。
2023年9月4日の最高裁判決で承認する義務を負った知事が対応しないため、手続きを取った。
工事の再開を目指し、福岡高裁那覇支部へ提訴する準備も進める。
政府関係者が明らかにした。
勧告に応じなければ指示に切り替え、それでも対応しない場合は高裁支部に提訴する。
国側が勝訴し、判決が定めた期間内に知事が承認しなければ、国交相が代わって承認し、工事を再開できる。
地方自治法は、国が自治体に委ねている
「法定受託事務」
を巡り、知事が事務の管理や執行を怠った場合などに、担当相が代わりに行うことができると規定している。

辺野古の設計変更、国交相「承認されると考える」と見解 沖縄知事は国連演説で「民意に反する」
2023/9/19 12:14
https://www.sankei.com/article/20230919-N42YULQKBRPNFKZNXBAXJMAF3M/
斉藤鉄夫国土交通相は2023年9月19日の閣議後記者会見で、沖縄県の玉城デニー知事が国連人権理事会の演説で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設が
「民意に反している」
という趣旨の発言をしたことについて
「コメントは差し控える」
としながらも、確定した県側敗訴の最高裁判決に沿って
「(移設に向けて)速やかに承認されるものと考えている」
と述べた。
スイスで2023年9月18日に開かれた国連人権理事会の演説でで、玉城氏は
「民主的に行われた県民投票で、沖縄の有権者が明確に反対したにもかかわらず、埋め立て工事は進んでいる」
「私たちは軍事力の増強が日本の周辺地域の緊張を高めることを恐れている」
などと反対姿勢を強調した。
辺野古移設を巡っては、地盤改良工事の設計変更を承認するよう是正指示を出したのは違法な国の関与に当たるとして、県が国に指示の取り消しを求めた訴訟で、最高裁が2023年9月4日に県側の上告を棄却。
県側の敗訴が確定し、玉城氏は設計変更を承認する義務を負った。
会見で斉藤氏は
「現時点で知事が変更承認したとは承知していない」
と指摘。
ただ、県の代わりに大臣が承認する
「代執行」
に向けた手続きをとるかどうかについては言及を避けた。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/129.html#c9

[戦争b24] ハマスはイスラエルがPLOのアラファト対策で創設した武装組織(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
14. 2023年10月12日 06:35:17 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[30]
<■281行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
阿比留瑠比の極言御免
パレスチナ忖度に一利もなし
2023/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20231012-427SI4BWWBMHVKPHUNYBXP5LCA/
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルとの大規模戦闘は、長期化の様相を示しているという。
イスラエルにしてみれば、奇襲を受けて外国人を含む民間人を多数殺され、更に150人近くが拉致されて人質にされたり、虐殺されたりしているのだから、
「穏便に」
と言われても頷けるわけがない。
■「テロ」表現避ける
岸田文雄首相は2023年10月8日、ハマスによるイスラエル攻撃について
「テロ」
との表現を避けつつ、X(旧ツイッター)でこう発信した。
「ハマス等パレスチナ武装勢力が、ガザからイスラエルを攻撃しました」
「罪のない一般市民に多大な被害が出ており、我が国は、これを強く非難します」
気になるのは、この投稿がハマス側を非難しつつ、イスラエルを名指ししないものの
「全ての当事者」
に自制を求めており、ハマスもイスラエルも
「どっちもどっち」
という印象を与えかねないことである。
日本政府は、イスラエルとパレスチナの双方と対話ができる立場を堅持したいのだろうが、今回のハマスの攻撃は無差別の大規模テロ行為である。
テロの加害者と被害者に
「喧嘩両成敗」
などあり得ない。
そもそもハマスはパレスチナ自治区のガザを実効支配しているだけで、パレスチナの正当な代表者ではない。
むしろ日本政府はこれまでハマスについて、次のようにテロリストに類する組織だと認定していた。
「我が国は平成15年9月30日の閣議了解をもって、ハマスについてテロリスト等に対する資産凍結等の措置の対象としている」
(2021年1月23日の政府答弁書)
にもかかわらず、今更政府が奥歯に物が挟まったような言い方にとどめることに、どれほどの意味があるだろうか。
忖度したからといってパレスチナ自治政府に特に感謝されず、イスラエルと世界のユダヤネットワークの失望を買うだけだろう。
■共同声明「仲間外れ」
先進7カ国(G7)のうち、カナダを除く米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアの欧米5カ国首脳は2023年10月9日、ハマスを非難しイスラエルへの結束した支持を示す共同声明を出したが、日本の名前はなかった。
外務省内では
「仲間外れにされた」
との見方も出ている。
安倍晋三元首相は、平成26年5月にイスラエルのネタニヤフ首相と互いの夫人と4人で食事をした際に、ネタニヤフ氏がパレスチナ自治政府のアッバス議長についてこう語っていたと後に振り返った。
「ちょうど今日のこの席のように食事をした時に、アッバス氏は私に『ハマスを殲滅してくれ』と言っていたのに(態度を融和的に変えて)許せない」
安倍氏は
「イスラエルの話を聞くともっともだと思うし、パレスチナ側の話を聞くとそれもそうだなと思うんだよな」
とも率直に述べていた。
確かに歴史的経緯を見ると、それぞれの言い分があり、簡単に白黒付けてどちらかに与し難いのはその通りだろう。
ただ、それは平時の場合である。
ハマスが民間人や非軍事目標を攻撃し、女性や子供を虐殺、虐待している事実が現前にあって報じられ、SNSで共有されている今
「どっちもどっち」
論は通用しない。

ガザ戦闘、死者2200人超に イスラエルが戦時内閣樹立へ
2023/10/12 1:14
https://www.sankei.com/article/20231012-UWFALHEI45NM3BR6TJIJPD34EA/
イスラエルのガラント国防相は2023年10月10日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの大規模戦闘を巡り、ガザとの境界近くで
「空からの攻撃に着手した。後で地上からも行う」
と述べた。
イスラエル軍は多数の兵士や装甲車両でガザを包囲しており、近く地上侵攻を行うとの観測が強まっている。
イスラエルのネタニヤフ首相と野党党首のガンツ前国防相は2023年10月11日、挙国一致の戦時内閣を樹立することで合意した。
イスラエルメディアによると、イスラエル側の戦闘での死者は約1200人に上った。
ガザ保健当局によると、パレスチナ側の死者は1055人。
死者の合計は2023年10月11日、2200人以上となった。
イスラエル軍は、ガザ空爆によりハマスの幹部2人を殺害したと発表。
一方、ハマスはイスラエル中部アシュケロンに多数のロケット弾を撃ち込み、戦闘は長期化の様相を呈している。
イスラエル南部ベエリでは新たに100人以上の遺体が収容された。
パレスチナのメディアによると、ガザ唯一の発電所が2023年10月11日、燃料切れのため停止した。
イスラエルが占領するヨルダン川西岸では2023年10月7日の戦闘開始以来、治安部隊との衝突でパレスチナ人21人が死亡するなど、ハマスに呼応する形で反イスラエル行動が広がっている。
イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの衝突も激化しつつある。
双方はイスラエル北方の国境付近で2023年10月11日までに4日連続で交戦した。
一方、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は2023年10月10日、記者会見し、ハマスの攻撃後、現地で20人以上の米国人が行方不明となっていると明らかにした。
サリバン氏は、イスラエル軍のガザ攻撃に備え、ガザ住民の安全な脱出の方法についてイスラエル当局と話し合っていると述べた。

多数の人質、未曽有の事態 イスラエル政権に大きな試練
2023/10/11 20:09
https://www.sankei.com/article/20231011-UYNBJIBBPJMYRA6C3DCKZ3JOWA/
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは150人近くのイスラエル人らを人質に取っており、ネタニヤフ政権は難しい対応を迫られている。
地上侵攻を行えば被害が拡大して人質に危険が及びかねず、全員を無傷で救出するのは困難を極める。
イスラエルは過去に経験したことのない事態に追い込まれている。
イスラエルのエルダン国連大使は2023年10月9日、150人近くがガザに拉致されたと述べた。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(電子版)は「130人」に上るとしていた。
ガザに本拠がありハマスと共闘している親イランの過激派「イスラム聖戦」は2023年10月8日、30人以上の人質がいるとした上で、イスラエルの獄中にいる
「全てのパレスチナ人受刑者」
を解放しない限り、人質は帰還させないと述べた。
イスラエルの刑務所には数千人のパレスチナ人受刑者がいるもようだ。
イスラエルの対応が困難なのは、多数の人が拘束されているためだ。
2011年に実現した
「捕虜交換」
では、ハマスが約5年間拘束した軍曹長1人の解放と引き換えに、収監したパレスチナ人服役囚約1000人を釈放した。
ロイター通信は
「今回は多数の人が捕らわれており、こうした交渉は不可能にみえる」
とした上で、イスラエルに地上侵攻など強力な攻撃を躊躇わせる
「人間の盾」
としてもハマス側は利用する、との評論家の見方を紹介した。
イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)によると、軍は人質の身元や所在を確認する特別部門を立ち上げ、治安機関シンベトや警察と協力して特定を急いでいる。
しかしネタニヤフ政権がハマスと身柄交換を交渉するか、人質に危機が及んでも強力な軍事作戦を強行するかは分からないとし
「政府にとっては重大な挑戦」
になるとした。
イスラエルは1976年、ウガンダ・エンテベの空港施設に監禁された多数のユダヤ人を救出したことがある。
しかし、ハマスなどはガザで人質を分散して監視している可能性も指摘され、格段に厳しい環境に直面している。

ハマス人質150人、生後9カ月の赤ちゃんも 行方捜す家族ら悲痛
2023/10/11 20:00
https://www.sankei.com/article/20231011-BYN2HM4DWVLWLH3JWJIO64HKOE/
パレスチナ自治区ガザの境界を越えイスラエル側に侵攻したイスラム原理主義組織ハマスの戦闘員は、多くの住民らを虐殺、拉致した。
イスラエル当局によると、ハマスの人質となったのは150人ほどとみられ、女性や子供、外国人も含まれている。
家族や友人は海外メディアや交流サイト(SNS)を通じて悲痛な思いを語り、行方を捜している。
2023年10月7日朝、ガザ境界近くで開かれていた野外音楽コンサートには、多くの若者や家族連れ、外国人旅行客が集まっていた。
そこに突然ハマスの戦闘員が現れて無差別に銃撃を始め、人々が一斉に逃げ出す様子がSNSに相次いで投稿された。
ガザの市街地で、トラックの荷台に下着姿の女性が横たわり、男たちが拳を突き上げながら
「神は偉大なり」
と叫ぶ動画も拡散した。
「非常に悪い状況ですが、まだどこかで生きていると望みを持っています。娘を交渉に使わないでほしい」
ドイツ系イスラエル人のシャニ・ルークさん(22)の母親は、米CNNテレビの取材に憔悴した様子で答えた。
友人から動画を知らされ、娘と確認したという。
イスラエル南部でミサイル弾の警報があった早朝、母親が電話をかけると、シャニさんは会場にいて
「車で安全な場所に行く」
と告げた後、電話が繋がらなくなった。
その後、ガザでシャニさんのクレジットカードが使われた記録が判明。
2023年10月10日には、パレスチナ側からシャニさんは頭部に重傷を負い入院していると情報があったという。
SNSには2人の子供を抱く母親が武装集団に取り囲まれる様子も投稿された。
イスラエル南部在住の幼稚園教員、シリ・ビバスさんと3歳と9カ月の子供たちとみられている。
シリさんのいとこの男性が英BBC放送に、2023年10月7日朝から夫妻と祖父母ら一家と連絡がつかないと情報を求めた。
男性は
「食料もおむつも持たずに連れていかれた」
「せめて子供を母親から引き離さないでほしい」
と悲痛な思いを語った。

イラン “ハマスに技術移転 大規模攻撃は支援の成果” 誇示
2023年10月11日 10時06分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231011/k10014221611000.html
イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃についてイランの精鋭部隊の関係者はNHKの取材に対し、
「技術移転によってミサイルや無人機を自分たちで作れるよう後押ししてきた」
と述べ、イランによる支援の成果だと誇示しました。
イランの精鋭部隊、革命防衛隊で周辺国での作戦に関わってきた元司令官のキャナニモガダム氏は2023年10月10日、首都テヘランでNHKの取材に応じました。
革命防衛隊がハマスに対して行ってきた軍事支援については
「ガザ地区は完全に閉じられていて、どんな兵器やミサイル、それに、兵士も送れない」
としながらも、
「サイバー空間などを通じた技術移転や財政支援によって、彼らがミサイルや無人機を自分たちで作れるように後押ししてきた」
と説明しました。
その上で、今回のハマスによる大規模攻撃について
「これまでと異なり、高性能の無人機や防空システムを潜り抜けるロケット弾が使われている」
「我々の支援が間違いなく戦争の質に影響を与えている」
と述べ、イランの支援によりハマスの兵器開発能力が向上した成果だと誇示しました。
一方で、ハマスの戦闘員たちが動力付きのパラグライダーを使って、ガザ地区を囲む壁を越え、イスラエル側に侵入したとされることなどについては
「我々も驚いている」
と述べハマスが独自の戦闘方法を編み出しつつあるという見方を示しました。

ハマス「包囲網」に焦り イスラエル・サウジ正常化は暗礁
2023/10/10 17:18
https://www.sankei.com/article/20231010-H4PVNB6N2NIS3NNYTZNCEF5TV4/
イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスへの攻撃を強化する方針を示し、イスラエルが進めるサウジアラビアとの国交正常化協議は暗礁に乗り上げる公算が大きくなった。
両国が国交を結べば中東地域の勢力図は一変し、イランの孤立が決定的になるとみられていた。
イランを後ろ盾とするハマスが協議の妨害を目論んで、大規模な攻撃に着手したとの見方が出ている。
イスラエルとサウジの正常化協議は米国が仲介し、2023年9月には3カ国の首脳が進展を強調した。
早ければ2024年前半にも正常化が実現するとの見方もあった。
米イスラエルにとって、サウジはアラブで最も国交正常化を実現したい国だ。
世界屈指の産油国でイスラム教の2大聖地を擁し、世界の信徒に絶大な影響力を持つ。
サウジはまた、パレスチナ問題が解決しない限りイスラエルとは国交を結ばない姿勢をとってきた。
イスラエルとスンニ派大国サウジが国交を結べば、米イスラエル主導の
「イラン包囲網」
が強化され、シーア派のイランは厳しい立場に立たされることが必至だった。
サウジは協議の過程でパレスチナ問題で一定の譲歩をするとの報道も出ており、ハマスにとっても看過できない事態だった。
イランは攻撃の直接的な関与は否定している。
しかし、2023年10月8日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は2023年8月、イランの最高指導者直属の
「革命防衛隊」
メンバーとハマスなどの幹部が複数回、会合を行ったとして、イランが攻撃計画の策定を支援したと報じた。
また、2023年10月10日の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は、ハマスが2023年10月7日以降の攻撃で3000発以上のロケット弾を発射できる攻撃能力を備えていたことが明らかになったとし、
「ハマスとイランの関係がどれほど深化していたかを再検討する必要がある」
と論じた。
イスラエルのネタニヤフ政権は対パレスチナ強硬派が治安関連閣僚を務めている。
サウジは戦闘開始前にも、これらの閣僚の態度が協議の障害になると懸念を示してきたとされる。
イスラエルの攻撃が激しさを増し、ガザに住むパレスチナ人の犠牲者が増えることが確実な情勢だ。
そうした中で、サウジがイスラエルとの正常化に歩み寄れば、世界のイスラム教徒から批判を浴びることにもなる。
今後の推移次第では、協議が白紙に戻る事態さえ否定できない。

主張
ハマスの攻撃 戦火の拡大阻止に全力を
2023/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20231011-7YZL7VLQKRKL7H6ANR7ZMGNYWE/
これは無差別の大規模テロ行為であり、民間人や非軍事目標を攻撃した国際人道法(戦時国際法)違反の非道な戦闘行為である。
如何なる理由があれ、到底容認できない。
パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが、イスラエルを大規模攻撃した。
イスラエルも空爆などで応酬し、激しい戦闘が続いている。
双方の死者数は膨れ上がるばかりだ。
ハマスは数千発のロケット弾攻撃に加えイスラエル領内に侵入し、多数の民間人を殺害し人質として拉致した。
ハマスは即刻軍事行動を中止し、人質を解放しなければならない。
米英独仏伊の首脳はイスラエルへの
「揺るぎない結束した支持」
を表明した。
対照的にイランのライシ大統領は、ハマスのイスラエル攻撃を
「英雄的だ」
と称賛した。
イランはハマスやイスラム過激派組織ヒズボラに強い影響力を持つ。
イランやヒズボラが戦闘に主体的に関与すれば、混迷は一気に深まる。
日本や国連、関係各国はハマス、イスラエル双方に自制を求め、仲介に全力を尽くしてほしい。
戦火の拡大は何としても防がなくてはならない。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスは、これまでも
「宿敵」
のイスラエルと軍事衝突を重ねてきた。
しかし、今回のような大規模な越境攻撃は前例がない。
中東では近年、地域の武装勢力を支援して影響力増大を図るイランをアラブ各国が警戒する状況が続いてきた。
イスラエルとアラブ諸国の対立が相対的に弱まる中、アラブの盟主サウジアラビアとイスラエルは、米国の仲介で国交正常化交渉を進めていた。
ハマス側はこうした動きに
「パレスチナ問題が置き去りにされる」
ことへの不満と危機感を強めていた。
2023年はイスラエルとパレスチナの2国家共存を目指した
「オスロ合意」
から30年という節目の年だが、イスラエルの強硬姿勢などにより交渉は頓挫したままだ。
だからといって、多くの人命を奪う攻撃が正当化されるわけはない。
「2国家共存」
を支持するバイデン大統領は今こそ
「中東の仲介者」
としての役割を発揮してほしい。
イスラエルやアラブ諸国と良好な関係を持つ日本にも大きな役割があるはずだ。

米仏独伊英など各国が非難 ハマスの攻撃
2023/10/10 19:40
https://www.sankei.com/article/20231010-VGBNS27BYNIONDV2GML6F3IYDA/
イスラム原理主義組織ハマスがイスラエルを攻撃したことを受け、各国が相次いで非難を表明した。
イスラエルでは各国から訪れた旅行者や住民らが犠牲になっている。
イスラエル側とパレスチナ側それぞれを支持する市民らによる抗議活動も起きている。
カナダのトルドー首相は2023年10月9日、
「ハマスを支持する抗議行動を強く非難する」
「暴力への称賛は受け入れられない」
とX(旧ツイッター)に投稿した。
ロイター通信などによると、トルドー氏は2023年10月8日の演説でイスラエルを攻撃したハマスを非難。
これを受け、カナダ各地で2023年10月9日、パレスチナ人団体など千人規模の抗議活動が起きた。
また、英メディアによると、ロンドンのイスラエル大使館付近で2023年10月9日、パレスチナ側とイスラエル側をそれぞれを支持する数千人が抗議活動を展開した。
双方の支持者が衝突し、警察が3人を逮捕した。
自国民の犠牲者の確認を進めているウクライナのゼレンスキー大統領は2023年10月8日のビデオ演説で、
「今起きていることを世界が無視しないことが重要だ」
と強調。
イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談したと明らかにした。
米ホワイトハウスによると、米国とフランス、ドイツ、イタリア、英国の首脳が2023年10月9日、電話会談。
5カ国首脳の共同声明は、
「ハマスの恐ろしいテロ行為への明白な非難」
を示した。
共同声明は、
「ハマスのテロ行為に如何なる正当性もない」
と指弾。
野外音楽フェスティバルを楽しんでいた若者や家族連れら200人以上が虐殺、誘拐されたとして強く非難した。
また、パレスチナの人々の正当な願望を認識し、イスラエル人とパレスチナ人に対する平等な正義と自由を支持するとした上で
「ハマスはその願望を代表していない」
と強調した。

イスラエルへの結束支持とハマスへの明白な非難 米英独仏伊首脳が共同声明
2023/10/10 7:47
https://www.sankei.com/article/20231010-FJEJ4IP6KBO73GUTG4VVQ3KOYE/
米国と英国、ドイツ、フランス、イタリアの各国首脳は2023年10月9日、電話会談し、イスラム組織ハマスの攻撃を受けたイスラエルへの
「揺るぎない結束した支持」

「ハマスによる恐ろしいテロ行為への明白な非難」
を表明した共同声明を発表した。
米ホワイトハウスなどが発表した。
共同声明はハマスの攻撃について
「如何なる正当性もない」
と指弾。
「残虐行為から自国と自国民を守るイスラエルの努力を支援する」
と強調した。(共同)
http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/862.html#c14

[政治・選挙・NHK292] これじゃあ、補選に勝てるわけなし アナクロ自民、留守番虐待撤回のお粗末と今後(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
62. 2023年10月13日 05:08:44 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[31]
<■343行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
LGBT理解増進法の負の側面が早くも出た。
この悪法がもたらす悪影響は計り知れない。

性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変えるには、生殖能力をなくす手術が必要となる法律の規定が、個人の尊重を定めた憲法13条に違反するかどうかが論点となった審判で、静岡家裁浜松支部が
「憲法違反で無効」
との判断を示し、申立人の性別変更を認めたこと・認めた理由・認めたことによる影響が小さいとの判断、それら全てが大いなる誤りだ。

法令上の性別変更は如何なる場合も不可・禁止とすべきだ。

「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとするような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。

性別変更時の手術要件は「違憲」 静岡家裁浜松支部が初判断、当事者の申し立て認める
2023/10/12 20:36
https://www.sankei.com/article/20231012-XBK4I5HQLRL5TB5RB4MTKFIAAE/
性同一性障害の診断を受け、戸籍上は女性で性自認が男性の鈴木げんさん(48)が生殖機能をなくす性別適合手術をしないまま、戸籍上の性別変更を求めた静岡家裁浜松支部への申し立てについて、同支部は2023年10月12日までに、性別変更に手術を求める現行法の規定は
「憲法違反で無効」
との判断を示し性別変更を認めた。
2023年10月11日付。
弁護団によると、初の司法判断。
鈴木さんは、幼少期から女性として扱われることに違和感があり、40歳で性同一性障害の診断を受けた。
令和3年10月に家裁に申し立てた。

性別変更に要手術「違憲」 静岡家裁浜支部が初判断
産経新聞 2023年10月13日
性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変えるには、生殖能力をなくす手術が必要となる法律の規定が、個人の尊重を定めた憲法13条に違反するかどうかが論点となった審判で、静岡家裁浜松支部は
「憲法違反で無効」
との判断を示し、申立人の性別変更を認めた。
2023年10月11日付。
弁護団によると、規定を違憲とした司法判断は初めて。
申立人は、戸籍上は女性で性自認が男性の鈴木げんさん(48)=浜松市。
取材に
「同じようにジェンダーを否定されてきた子供たちに希望を与えられたのではないか」
と話した。
2004(平成16)年に施行された性同一性障害特例法は、性別変更の1つとして
「生殖機能がないこと、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」
を規定。
事実上手術を要する内容の是非が議論になっており、最高裁は2023年年内にも憲法判断を示す見通しだ。
同支部の関口剛弘裁判長は審判理由で、2023年6月にLGBTなど性的少数者への理解増進法が施行された点などを挙げ、
「法制度的に国民の理解を増進することが求められる社会状況にある」
と指摘。
特例法施行から約20年が経過していることを踏まえ、施行当時と比べ
「性別取り扱いの変更が認められることで生じる変化への配慮も、必要は相当小さくなっている」
とした。
その上で、手術要件を不要とした場合に生じ得る問題の程度は限定的だと指摘し
「性同一性障害者の意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約するのは合理的とは言い難い」
と述べ、規定は憲法違反と結論付けた。
最高裁は2019(平成31)年、規定について
「現時点では合憲」
との判断を示したが、今回とは別の当事者が訴えた同種の家事審判について、2023年年内ににも再び、憲法判断を示す見通し。
鈴木さんは、幼少期から女性として扱われることに違和感があり、40歳で性同一性障害の診断を受けた。
2021(令和3)年10月に同支部に申し立てた。

正論
最高裁のあり方根本的見直しを 福井県立大学名誉教授・島田洋一
2023/10/9 8:00
https://www.sankei.com/article/20231009-RWMFL5NWYFM65L2RBJ2QQVDQCY/
■米最高裁人事を巡る闘争
民主国家においては、最高裁人事は最高度の政治闘争である。
米国では良くも悪くもその意識が徹底している。
議会の上下両院が通し大統領が署名して成立した法律を、連邦最高裁(定数9人)はその多数決で、即ち僅か5人の判断で無効化できる。
あるいは議会全体として合意が得られない、ないし議会は通過したが大統領が拒否権を発動して成立に至らない問題についても、国民の選挙を経ていない
「5人の法官」
が判断を下し得る。
その決定は往々にして、米国社会を根底から揺るがす。
特に保守派が
「判事席からの立法行為」
と批判する営為である。
最高裁人事が政治闘争の最激戦地と見なされるのは当然だろう。
よく
「大統領を獲るのは2権を獲ること」
と言われる。
上院の承認という関門が待つものの、最高裁に空席が生まれた時、後任を指名する権限を持つのは大統領である。
行政の頂点であるホワイトハウスの鍵を摑むことが、同時に司法の最高機関の構成を左右することに繫がる。
現在、米最高裁の勢力図は、保守派6人対左派3人だが、2016年の大統領選で民主党のヒラリー氏がトランプ氏に勝っていれば、全く逆の構図になっていただろう。
左派が好む判決が次々出されたはずである。
分断が先鋭化する米国で、大統領選がますます
「仁義なき戦い」
の様相を呈する大きな理由の1つがここにある。
■日本の最高裁はどうか
翻って日本の状況はどうか。
現行憲法は
「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」
と規定する(第81条)。
日本の最高裁は法文上、米最高裁以上に強大な権限を有する(米国憲法は裁判所の違憲立法審査権を明文化しておらず、最高裁が判例を通じて自己付与してきた)。
ところがその極めて重大な最高裁の人事に関して日本社会は、余りに無防備であり続けている。
長官、判事合わせて15人の思想傾向はおろか経歴や名前すら知る国民はほとんどいないだろう。
上院の承認が必要な米国と違い、日本では事実上、内閣総理大臣(および側近数名)の一存で判事人事が行われる。
現在、会計検査院はじめ39機関の委員等のポジションが、衆参両院の承認を要する
「国会同意人事」
となっている。
ところが、それらより遥かに重要な最高裁人事に国会は全く関与できない。
「こんなバカな話があるか」
「憲法を改正して国会の同意人事とし、首相が指名した候補者に公開で質疑応答を行い、個々の議員の賛否を明らかにする透明性ある形に変えるべきだ」
との声が、当事者たる国会議員の間から当然上がるべきだと思うが、なぜか全く上がらない。
そのため、各種利益集団による密室談合の結果を首相が惰性で追認する不適材不適所人事が後を絶たない。
還(かえ)ってきた5人の拉致被害者を北朝鮮に送り返すよう主張した外務事務次官や、平和安全法制に反対した内閣法制局長官を
「論功行賞」
で最高裁判事に任用した例など正に言語道断だろう(詳細は拙著『腹黒い世界の常識』参照)。
その最高裁が2023年9月27日、生殖能力をなくす手術を性別変更の要件とした現行の
「性同一性障害特例法」
は差別的で違憲とする申立人の弁論を聞き、即日結審した。
かつて合憲判断を示した最高裁が改めて大法廷で審理する以上、判例を覆し、手術なしで性別変更可能とする方向で決定を下すのではないかと見られている。
■憲法改正すべきだ
ちなみにトランスジェンダー問題について米最高裁は、雇用差別は許されないとした以外は、多数を占める保守派判事が、連邦議会や各州の動きを見守る
「抑制的司法」
の姿勢を堅持しているため、何らの判断も下していない。
そうした状況下、保守派が強いフロリダ州等では、
「法令上の性別」
は出生時の生物学的特徴によって定まり、以後、性転換手術を受けようが受けまいが変えられないとの立場を州法で成文化した。
手術で法的な性を変更できるとすると、性別違和を感じる若年者が手術を急ぎ、後に激しく後悔する、取り返しのつかない事態を招きかねないからである。
本人がトランスジェンダーを主張し、周りがそう遇するのは自由だが、
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとする今回のような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。
最後に繰り返せば、最高裁判事は
「内閣が指名し国会が承認する」
と憲法改正すべきである。
まさか反対する国会議員はいないだろう。

美しき勁き国へ
櫻井よしこ 性別訴訟 最高裁を危惧  
2023/10/2 8:00
櫻井 よしこ
https://www.sankei.com/article/20231002-XRBBA2EEWFJD3J2IWP52FF4BBE/
自分は男性として生まれたが本当は女性だと考える性同一性障害の人が戸籍上の性別変更をするのに、生殖能力をなくす手術を要件とした現行法は憲法違反か否かが争われた家事審判の弁論が2023年9月27日、最高裁大法廷で開かれた。
最高裁が性別変更の申し立てで弁論を開いたのも、弁論前日に家事審判で申立人の意見を直接聞く審問を非公開で開いたのも初めてだ。
大法廷は2023年年内にも憲法判断を示すとみられる。
2004(平成16)年施行の性同一性障害特例法(以下特例法)は、戸籍上の性別を変更する前提として、元の性別での生殖機能を永続的に欠く状態であることを含む5つの条件を定めた。
一般的には卵巣や精巣などの摘出手術が必要だとされている。
今回、最高裁が特例法の規定を憲法違反と判断したら、手術なしで本人の性自認で法的性別の変更が可能になる。
男性の生殖機能を持ったままの
「法的女性」
や、
女性の生殖機能を持ったままの
「法的男性」
が出現する。
社会への影響は計り知れず、女性の安心安全は危機に瀕する。
男女の定義変更で親子関係も混乱しかねず、戸籍法も含め国会には法改正の義務が生じてくる。
極めて大きな問題を扱っているにもかかわらず、大法廷の裁判には2つの重大な欠陥がある。
弁護士の滝本太郎氏の指摘だ。
「第1にこの裁判には相手方、被告がいません」
「様々な問題点を示す訴訟当事者がいない状況で果たして裁判所は全体像を把握し適正に判断できるのか」
「第2にこの件で先行した国々は多くの問題や犯罪に直面し、今、揺り戻しが来ています」
「最高裁は海外の失敗事例を十分に把握しているのか、懸念されます」
第1の点について、自民党の
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」
の片山さつき共同代表らが2023年9月8日、斎藤健法相(当時)と面会し、
「手術要件が違憲となれば、元の生殖能力を維持したままの性別変更が可能になり、大混乱が生ずる」
として、法務省が審理に参加して意見を述べるよう求めた。
斎藤氏の反応は慎重で、法務省は同裁判に関わろうとしない。
この姿勢は大いなる間違いだ。
国として申立人であるトランス女性の権利や自由を守るべきなのは当然だが、社会の圧倒的多数を占めるトランスではない男女の権利や自由も同様に守ることも重要だ。
これら圧倒的多数の国民の立場や権利を代表して意見を言うのが法務省の責任である。
今からでも遅くはない。
最高裁の審理参加を申し入れるべきだ。
性同一性障害の人々の中に、今回の申立人とは異なる意見を持つ人は少なくない。
最高裁はこれら異なる意見にも耳を傾けるべきだ。
例えば2023年7月10日、最高裁による判断の帰趨に懸念を抱き、
「性同一性障害特例法を守る会」
を設立し、代表となった美山みどり氏らの主張だ。
美山氏は性同一性障害で性転換手術を受け、戸籍上も男性から女性になった。
美山氏らは
「性同一性障害」
という自らのアイデンティティーと、手術というエビデンスによって社会との協調を図っていく立場から、特例法の廃止にも手術要件の廃止にも強く反対する。
性別適合手術と特例法の手術要件は自分たちが望んで戦い取った権利であり、決して人権侵害や過酷な断種手術ではないと断言する。
また、約20年間で1万人以上が特例法を使って戸籍の性別変更をした現実を指摘し、制度として既に定着していると主張する。
「社会の様々な場面に性別による区別」
が存在するからこそ、社会的に見て
「性別を安定させ、社会に適合しようとする人」
に法的な保護を与えているのが特例法の趣旨であり、これは差別ではないとの見解も示している。
美山氏らは7団体、数千人とその他有志と協力して
「手術要件が違憲となれば、男性器のある女性が女性スペースに入ることが可能になったり、出産する男性が出てきたりして社会が混乱する」
として、違憲判断をしないよう求める約1万5000人の署名を最高裁に提出した。
このように申立人と反対の立場に立つ性同一性障害の人々は少なくない。
しかし、美山氏らの反対意見を報じた全国紙は私の見た限り、産経新聞と読売新聞だけだった。
他の全国紙はおよそ全て手術要件は違憲だとの見方しか伝えていない。
偏った報道は最高裁の全体像把握を妨げかねず、メディアの責任は重大である。
先に滝本氏が指摘した第2の点、海外では行き過ぎた対応の結果、多くの犯罪が起きたことなどで揺り戻しが起きていることもメディアは十分に報じていない。
そのため最高裁がそうした事情を十分把握しているのかも疑問だ。
欧米諸国では生殖機能を維持した
「法的女性」
による性犯罪の事例に事欠かない。
性自認の概念に基づいて性別で区分されたスペースを変えてきた英国は、その結果としての混乱に堪えかねて2022年春から明確に方針を切り替えた。
まず女子トイレを復活させ、法的女性は女子刑務所には入れないと決定した。
「手術要件があるからこそ、自分たちは一定の信頼を勝ち得ている」
との美山氏らの指摘を軽視してはならないということだ。
司法、とりわけ最高裁についても疑問を抱く。
司法は公正中立の立場で日本社会の良き価値観を守らなければならない。
幾世紀にも渡って育み受け継いできた文化、価値観を大事にするということだ。
滝本氏は、欧州諸国は同性愛に罰を科したソドミー法への反省から同性愛のみならず性自認に傾きがちだと指摘する。
こうした考えが日本に伝わり、メディア、司法関係者、学者らの間で共感を得ているのではないか。
しかし我が国の文化や価値観にソドミー法的な影はおよそない。
欧米の潮流に過度に影響される必要はなく、日本の文化や価値観にもっと自信を持って良いのである。
最高裁判事15人の考え方で日本社会の根幹や価値観を根底から変えようとするのは許されない。
最高裁に暴走させないために、法務省は国民を代表して最高裁の審理に参加し、堂々と意見表明すべきである。

自民女性守る議連、性別変更に手術要件維持を 法相に声明提出
2023/9/8 14:13
https://www.sankei.com/article/20230908-MXZYO3Q7UZLVFA7ILC7PY7EQJ4/
自民党の有志議員で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)
のメンバーは2023年9月8日、法務省内で斎藤健法相と面会した。
戸籍上の性別を変える上で性別適合手術を求める現行法の規定の合憲性が争われている家事審判について
「手術要件が違憲になれば、(戸籍上)男性になった後に生物学的な母であり得たりと、大きな混乱が生じる」
と指摘する声明を提出した。
斎藤氏は
「重く受け止める」
と応じたという。
会談後、議連共同代表の山谷えり子元拉致問題担当相は記者団に
「欧米では自分が思えば男性でも女性でもなれるということで、社会の混乱、分断、対立が起きている」
「先行する国々の実態調査をしてもらいたい」
と述べた。
また、医師である松本尚衆院議員は
「解剖学的に、外形的に性別を決めていくことは国民全体で認識しないと、社会秩序に大きな影響を及ぼす」
と語った。
家事審判は2023年9月27日に最高裁大法廷で弁論が行われる。

自民議連 性別変更の手術要件「違憲は混乱」声明へ
2023/9/7 19:12
https://www.sankei.com/article/20230907-SOW3MC73CNIW5KNNTISARGPEXA/
自民党の有志議員で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)
が、性別変更する場合は性別適合手術を要件とする現行法の規定の合憲性が争われている家事審判を巡り、
「手術要件が違憲になれば、(戸籍上)男性になった後に生物学的な母であり得たり、大きな混乱が生じる」
と懸念する声明をまとめたことが2023年9月7日、分かった。
2023年9月8日に斎藤健法相に声明を提出する。
現行の性同一性障害特例法は、性別変更の審判を申し立てる要件に生殖能力がないことなどを挙げており、規定を満たす場合は性別適合手術を受ける必要がある。
家事審判は男性から女性への性別変更が申し立てられ、2023年9月27日に最高裁の弁論が予定されている。
議連の声明は、性別適合手術を受けていないトランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)に更衣室などの女性用スペースの利用を認めた欧米諸国で生じた問題や事件について、法務省に調査・公表を求めた。
また、議連によると、家事審判に国は参加しておらず、違憲になれば各種法制度に大きな影響を与えかねない。
そのため、利害関係人として戸籍制度を所管する法務省などの参加も要請した。
議連はLGBTなど性的少数者への理解増進法の成立に伴い、2023年6月下旬に設立された。
国会議員102人、地方議員98人で構成する。

自民議連、性別変更で適合手術要件維持訴え 安易な変更防ぐ
2023/8/30 19:20
https://www.sankei.com/article/20230830-BWA5UJSYRJNF7NXEWI4ODIOKKU/
自民党有志議員で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」
は2023年8月30日、党本部で会合を開き、性別を変更する場合は性別適合手術を要件とする現行制度を維持する必要性を確認した。
安易な性別変更が横行することで社会の混乱を防ぐ狙いがある。
性別変更を巡っては性別適合手術を求める現行法の規定の合憲性が裁判で争われており、議連は近く声明をまとめる。
「自分さえ思えば性別変更ができかねない」
「大きな社会の混乱になる」
議連の共同代表を務める山谷えり子元拉致問題担当相は会合でこう語り、現行制度の維持を訴えた。
性同一性障害特例法は性変更の審判を申し立てる要件に、
▽18歳以上
▽結婚していない
▽未成年の子供がいない
▽生殖の機能がない
▽身体的特徴が似ている
の5項目を挙げており、規定を満たすには、性別適合手術を受ける必要がある。
ただ、一部のLGBT団体や日本学術会議は手術要件の撤廃を求めている。
性的少数者に関する法整備を提言する
「LGBT法連合会」
は同法の要件について、
「人権侵害の懸念が極めて強い手術要件を中心に撤廃すべきだ」
と主張する。
手術を必要とする法律の規定が合憲かどうかは家事審判でも争われており、2023年9月27日には最高裁大法廷で弁論が行われる。
自民議連の会合ではLGBTの当事者らにヒアリングを行い、手術要件撤廃に否定的な意見が相次いだ。
性別適合手術を経て、戸籍上の女性となった
「性同一性障害特例法を守る会」
の美山みどり代表は、
「自身の性的機能に嫌悪感を持ち、医学的な救いとして手術した」
「手術要件は(女性として)社会に信頼されるためだ」
「要件の撤廃は認められない」
と主張した。
バイセクシャルを公言する作家の森奈津子氏は
「LGBT活動家は性別適合手術を断種(強制不妊手術)で人権侵害と主張するが、LGBT当事者は賛同していない」
「活動家は当事者の代表ではない」
と強調。
過剰な性教育に否定的な立場を取る
「子どもたちの未来を繋ぐお母さん連合会」
の山崎恵共同代表は
「手術することなく戸籍を変更すると、体が男性のままの母親が生まれてしまう」
として、授乳室などを共有することを懸念した。
議連共同代表の片山さつき元地方創生担当相は記者団に、手術要件に関し、
「身体的特徴が分からなくなれば(女性更衣室などの)女性スペースの立ち入りについても判断ができなくなる」
と語った。
会合では、自身の性に違和感を覚える子供に対し、性転換を図るホルモン治療や外科手術を受けさせてしまうことを問題視する意見も出た。

戸籍上の性別変更には「適合手術」要件維持を 性犯罪被害の支援者らが記者会見
2023/8/11 0:28
https://www.sankei.com/article/20230811-VQH7D5M6WVPETGQEM2HM4SGJ4U/
性犯罪被害の支援者や性的少数者の団体などで作る
「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」
が2023年8月10日、東京都内で記者会見を開き、戸籍上の性別を変更する場合は性別適合手術を受ける必要性を訴えた。
自民党や立憲民主党など与野党に理解を求めていく。
性別変更を巡っては、性別適合手術を必要とする法律の規定が合憲かどうかが裁判で争われており、2023年9月27日に最高裁大法廷で弁論が開かれる。
■「性犯罪へのハードル下げてしまう」
性同一性障害特例法は、性別変更の審判を申し立てる要件として、
▽18歳以上
▽結婚していない
▽未成年の子供がいない
▽生殖能力がない
▽身体的特徴が似ている
の5項目を挙げており、規定を満たそうとすれば、性別適合手術を受ける必要がある。
「性同一性障害特例法を守る会」
の美山みどり氏は会見で、手術要件が撤廃された場合は、
「(心と体の性が一致しない)トランスジェンダーを装った性犯罪者と、トランスジェンダーの区別ができなくなる」
「性犯罪へのハードルを下げてしまう」
と訴え、
「緩い基準で性別変更を認めた諸外国では社会が混乱している」
と指摘した。
■「心は女性」の男がわいせつ行為
トランス女性を自称する男が女性に性暴力を働いた事例は国内外で確認されている。
大阪府高石市では
「心は女性だ」
と説明していた男が2021(令和3)年に複数の女性にわいせつ行為をしたとして、準強制わいせつ罪で起訴されている。
「女性の人権と安全を求める会」
の石上卯乃共同代表は、
「悪用の道があれば必ず悪用される」
「外から確認できない本人の自認が性別の根拠とされれば、被告のような人物が女性たちに入り込み、警戒することも問題視される」
と懸念を口にした。
■議論が封じられる傾向
複数の会見出席者によれば、トランス女性の権利と女性の権利の衝突を懸念すると
「トランスジェンダー差別」
と非難され、議論が封じられる傾向にあるという。
「性暴力被害者の会」
の郡司真子氏は、
「性暴力の被害者がX(旧ツイッター)に『(トランスジェンダーの)身体男性が怖い』と書けば、『トランス差別だ』と詰め寄られ、言論の機会を失っている状況だ」
と説明した。
性同一性障害特例法の規定を巡っては2019(平成31)年1月に最高裁が
「社会の変化に伴い継続的な検討が必要だが、現時点では合憲」
とする判断を示している。
一方、性的少数者に対する法整備を提言する
「LGBT法連合会」
などは性別変更の手術要件の撤廃を求めている。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/136.html#c62

[国際33] 中国・一帯一路の国際会議、プーチン氏出席か 17・18両日に開催/毎日新聞 仁王像
2. 2023年10月14日 06:45:37 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[32]
<■162行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国「一帯一路」10年 「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
2023/10/13 19:00
https://www.sankei.com/article/20231013-MD2EN2FTRVNTNMVXLCMSEAUG74/
中国の習近平国家主席が巨大経済圏構想
「一帯一路」
を提唱してから2023年秋で10年となる。
途上国のインフラ建設を巨額資金で援助し、自国経済圏に引き込んで影響力拡大に繋げた一方で、中国の過剰な融資により途上国が苦しむ
「債務の罠」
が国際社会で警戒される。
中国と結ぶ鉄道が開通して1年半超が過ぎた東南アジアのラオスでも、過大な債務負担が懸念されている。
■田園に巨大駅舎
中国雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャン間の1035キロを約9時間半で結ぶ中国ラオス鉄道は2021年12月に開通した。
中国の
「ゼロコロナ」
政策が撤廃され2023年4月からは旅客の直通運行が始まった。
アジア最貧国の1つであるラオスで鉄道建設は長年の夢だった。
ラオス側の起点・ビエンチャン駅は、中心部から車で30分超という郊外にある。
家畜の牛の姿が目立つ田園風景の中に、不釣り合いな巨大駅舎がそびえており、周辺には
「中国・ラオス友好の象徴的プロジェクト」
との垂れ幕がある。
鉄道は
「中国式」
そのものだ。
駅舎に入るには手荷物・身体検査が必要で、出発間際までホームに入れないため待合スペースで待つという中国の高速鉄道と同様の仕組みを採用。
乗務員は中国人、ラオス人の双方がいたが、ラオス人乗務員も中国語で接客していた。
中国メディアによると、2023年9月3日までの累計乗客数は延べ2090万人を突破。
中国企業のラオス進出も増えており、街中を走る車は中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)など中国製が目立つ。
現地の経済関係者は
「中国企業で働こうと中国語を勉強する若者が増えた」
「給与が桁違いに高いからだ」
と指摘する。
ビエンチャンで小売業を営んで20年になる中国・重慶出身の50代男性は
「昔はラオスで中国人への扱いは悪かったが、鉄道ができるなど中国の存在感が増して尊重されるようになった」
「中国が発展したおかげだ」
と笑顔を見せた。
■「民間に恩恵ない」
一方、ラオス側には国内で中国が影響力を増すことへの警戒もある。
30代のラオス人男性経営者は
「政府は中国に助けられているが、民間人は恩恵を感じることができない」
と声を潜めた。
ラオスの首都ビエンチャンのワットタイ国際空港近くには巨大な中華街がある。
3年前の2020年に営業を始めたというホテルの館内は中国語表記が目立ち、警備員の制服も漢字で
「保安」
と書かれていた。
中華街の一角にある建設現場に掲げられた作業責任者の一覧表を見ると、6人中全員が中国人とみられる名前だった。
一帯一路を巡っては、企業だけでなく資材や労働者まで中国から持ち込むひも付き≠フ形が取られ、地元経済への影響が限定的だと指摘される。
両国国境近くのラオス・ボーテン駅の周辺では、中国資本のビルやホテルの建設ラッシュで、中国語や人民元の使用が日常化しているという。
■深まる中国依存
王毅共産党政治局員兼外相は2023年8月中旬、昆明でラオスの国家副主席と会談し、鉄道開通が
「ラオス人民に確かな利益をもたらしている」
と強調した。
将来はタイ・バンコクやシンガポールまで鉄道網を延伸する構想も取り沙汰されている。
ただ、一連のプロジェクトの持続可能性は不透明だ。
中国ラオス鉄道は中国側が7割、ラオス側が3割出資した合弁会社が建設と運営を担う。
総工費はラオスの国家予算の2倍弱に当たる約60億ドル(約8900億円)。
うち6割に当たる約35億ドルは中国輸出入銀行からの借り入れだ。
ラオス側は債務の政府保証を行っていないが、同国の
「隠れ債務」
になる可能性が指摘される。
ラオスの対外公的債務は2022年末時点で105億ドルで、国内総生産)GDP)比84%と既に高レベル。
対外債務の半分を占める中国への依存は強まっている。
多額の対外債務は通貨安を招いており、外貨建て債務返済負担の増加も懸念される。

行き詰まる一帯一路 途上国苦境、中国経済低迷で岐路に
2023/10/13 19:02
https://www.sankei.com/article/20231013-TXBBE276JRKUFKKWPUK2YE665M/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
だが、投下した融資の多くはロシアや途上国向けで焦げ付きが増加し、中国経済の低迷も重なって行き詰まりが顕著だ。
一帯一路は岐路に立たされている。
■「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
中国政府は2023年10月10日、一帯一路に関する白書を発表し、同構想を通じて世界各国と結んだインフラ事業の契約総額は2兆ドル(約300兆円)を超えたと主張した。
一帯一路の下、中国は2国間ベースで世界最大の貸し手となった。
米国が支援先に自由や民主主義の尊重を求めるのに対し、中国は人権弾圧にも寛容だ。
一帯一路は強権体制の国と相性が良く、途上国や新興国との経済的な結び付きを強めて中国の国際的影響力は高まった。
だが、実態は順風満帆では決してない。
参加国では融資の焦げ付きが顕在化している。
米調査会社によると、2020〜2022年にかけ、中国は750億ドル以上の債務再編や放棄を余儀なくされた。
2017〜2019年に比べて4倍以上といい、新型コロナの流行などによる借り手の経済苦が背景にある。
米紙タイムスは、一帯一路の資金は3分の1がロシア、3分の1が途上国に流れていると指摘した。
ロシアはウクライナ侵略の影響で戦費拡大や制裁の影響で経済難が続き、融資の
「ほぼ全てが回収不能」
と分析。
途上国もウクライナ侵略に伴う世界的な物価高が直撃し、外貨準備高が急減する中で債務返済は苦しい。
主要参加国であるスリランカは2022年、対中債務の返済や観光産業の低迷などを受けて外貨不足が進み、事実上のデフォルト(債務不履行)状態に陥った。
2017年には債務返済に行き詰まり、ハンバントタ港の運営権を99年間、中国側に貸与することで合意した。
同様の債務危機はアフリカ・ザンビアでも起きている。
一帯一路を巡っては契約内容が外部から不明瞭なことが多く、各国での債務の全容は把握できていない。
事業会社などに直接融資された結果、各国政府の発表に盛り込まれない
「隠れ債務」
が世界で3850億ドルに達すると米調査機関は推計している。
対中債務の返済が”時限爆弾”として今後、途上国を襲う可能性がある。
一方で中国自身も現在、不動産不況などの経済鈍化に直面している。
北京の外交関係者は
「従来のような大盤振る舞いは難しくなっており、一帯一路も軌道修正を図るのではないか」
と見る。

米の経済回廊構想、一帯一路に対抗 ガザ戦闘でもろさ露呈も
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-YFU4KOKB2JOFXEZN5ZCM7WXKMA/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
に対抗するため、バイデン米政権は同盟・友好諸国と連携した
「経済回廊」
構想を打ち出している。
陸・海路のインフラ投資を軸に、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国と先進諸国を結び付ける考え方だ。
一帯一路の提唱から10年、米国はバイデン政権下で途上国支援での遅れを取り戻そうとしている。
経済回廊構想の旗艦プロジェクトとしてバイデン大統領は2023年9月、インドで行われた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせ、インドから中東を経て欧州を鉄道・港湾網で結ぶ構想を発表した。
アフリカ中部のコンゴ民主共和国とザンビアをアンゴラのロビト港と結ぶ回廊への支援強化も約束。
いずれも中国が影響力を強めている地域に楔を打ち込む狙いがある。
背景には、米国の国際的な地位が相対的に低下する中で米主導の経済秩序を維持するには、途上国への関与を深める必要があるとの認識がある。
気候変動や世界的な人口移動といった問題への対処にも、多国間の協力枠組みが欠かせない。
一方、バイデン政権のアプローチは、複数の国に協力を促して回廊を構築するという性質上、地域情勢の変化による影響を受けやすい側面がある。
先述のインド・中東・欧州を結ぶ回廊構想では、バイデン政権が、いずれも米同盟国であるサウジアラビアとイスラエルの国交正常化を仲介することが実現の前提となっている。
しかし2023年10月、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルによる大規模戦闘が発生したことで、協議の先行きは一気に不透明となった。
イスラエル軍の包囲などによりガザの人道状況が極度に悪化する中、アラブ、イスラム諸国の盟主を自任するサウジはイスラエルとの関係改善に慎重にならざるを得ないためだ。
中国との
「競争」
を重視するバイデン政権は、回廊構想を通じて外交的影響力の強化を目指すが、そこには脆さが付きまとっている。

EU「一帯一路」に距離 中国からの投資に警戒強める
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-PRSINDPP6BOVVPELTPZUZANJU4/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
を巡り、欧州諸国の多くは距離を置く姿勢を示している。
対中国を視野に
「デリスキング」(脱リスク)
を打ち出す欧州連合(EU)は対中依存度を低下させたい考えで、中国からの投資への警戒を強めている。
EU加盟国の大半の首脳は2023年10月17、18両日に北京で開かれる一帯一路がテーマの国際協力サミットフォーラムへの出席を見送る見通し。
米紙ウォール・ストリートジャーナルによると、2019年に先進7カ国(G7)加盟国で唯一、一帯一路に協力するとの覚書を結んだイタリアのメローニ首相も2023年7月末時点で参加する予定はないという。
米ブルームバーグ通信は2023年9月10日、メローニ氏がインドの首都ニューデリーで中国の李強首相と2023年9月9日に会談した際、一帯一路から離脱する意向を伝えたと報じた。
メローニ氏は西側の結束を主張し、親中国姿勢からの脱却を掲げている。
EU欧州委員会は2023年6月に発表したEUの経済安全保障戦略で、中国を念頭にEUにリスクをもたらすような第三国への先端技術の輸出や投資を監視し、歯止めをかける方針を示した。
一帯一路を通じて経済的な影響力を増そうとする中国への警戒感は強まっている。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は2023年3月、一帯一路について
「国際秩序を中国中心の形に組織的に作り変えるのが中国共産党の明確な目標」
と述べた。
EUは一帯一路に対抗する形で、域外のインフラ整備の支援にも乗り出した。
EUは最近、対中姿勢を硬化させている。
電気自動車(EV)で世界市場に攻勢を強める中国が不当な補助金を支給した疑いが強いとして、中国製EVに対する相殺関税の導入を視野に調査を開始した。
一方、EUには最大の貿易国である中国との経済関係を維持し、経済分野での対話を重視したい思惑もある。
EUのボレル外交安全保障上級代表は2023年10月12〜14日に訪中し、外交担当トップの王毅共産党政治局員兼外相らと会談する。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/563.html#c2

[政治・選挙・NHK292] 日本政府の「辺野古基地」強行はあまりにも時代錯誤 永田町の裏を読む(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
29. 2023年10月14日 06:54:13 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[33]
<■205行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自衛隊と米軍の抑止力を維持したまま普天間返還を実現するには辺野古移設が唯一の解決策である。
そんなことは玉城デニー知事もよく分かっている。
分かっていて、工事に必要な設計変更の承認に応じない玉城デニー知事は悪質で、国賊だ。
住宅密集地に隣接する普天間飛行場の危険性を地域住民に押し続けろ、と玉城デニー知事は言っているのだ。

主張
県の「辺野古」拒否 国の代執行提訴は当然だ
2023/10/7 5:00
https://www.sankei.com/article/20231007-HDLJD7TUABOBFD3PMPYY5VETVU/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、国が県に代わって工事に必要な設計変更を承認する
「代執行」
のための訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。
地方自治法第245条は、都道府県知事が法令に反する事務処理をしたり、事務処理を怠ったりした時、国が高裁に代執行訴訟を提起できると規定している。
玉城デニー知事はこれまで、設計変更の承認を求める国の勧告にも指示にも従わなかった。
住宅密集地に隣接する普天間飛行場の危険性を除去するため、辺野古への移設工事をこれ以上遅らせるわけにはいかない。
斉藤国交相が提訴したのは当然だ。
移設が完了すれば普天間は返還される。
国は着実に、工事を進めてほしい。
理解し難いのは玉城氏の対応である。
この問題で最高裁は2023年9月4日、県側の上告を棄却した。
県敗訴の判決が確定し、玉城氏は設計変更を承認する法的義務を負った。
しかしその義務を果たさず、斉藤国交相が2023年9月27日までに承認するよう勧告すると
「判決内容を精査する必要がある」
といって拒否した。
斉藤国交相は勧告を
「指示」
に引き上げ、2023年10月4日までに承認するよう改めて求めたが、玉城氏は同じ理由で従わなかった。
玉城氏の対応は、法治主義の原則を踏み外すものであり、到底認められない。
すでに最高裁判決から1カ月が経つ。
この間、県幹部の間では
「承認やむなし」
の声が広がっていた。
法令に基づき行政を遂行する立場にある県が、司法判断に従わないとなれば、行政上様々な支障が出るのは必至だからだ。
一方、玉城氏を支持する共産党など
「オール沖縄」
系の県議は連名で、承認しないよう求める要望書を提出した。
もし玉城氏が、自身の政治生命延命のために共産党などの要望に従ったとしたら言語道断である。
代執行訴訟で県が勝訴する見込みは極めて薄い。
玉城氏は裁判が始まる前に工事を承認し、政府と協力すべきだろう。
政府も、自衛隊と米軍の抑止力を維持したまま普天間返還を実現するには辺野古移設が唯一の解決策であることを、丁寧に説明していく必要がある。

辺野古訴訟で国が「代執行」に向け即日結審を要請、訴状を公表 20日までに口頭弁論
2023/10/6 21:30
https://www.sankei.com/article/20231006-LUIYJRHKOZPAHCGW7MRN4JGOUI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城デニー県知事に代わって承認する
「代執行」
に向けた訴訟を起こした国は2023年10月6日、即日結審を求める訴状を公表した。
口頭弁論は法律の規定に基づき2023年10月20日までに開かれる。
斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、知事に承認を命令するよう福岡高裁那覇支部に提訴した。
訴状によると、知事が承認しないことは法令違反に当たるとし
「知事の違法かつ異常な事務遂行が許容される余地がないことは明白だ」
と指摘。
地方自治法に基づく代執行の要件を満たすとした。
その上で、即日結審した後、速やかに承認を命令する判決を出すべきだと主張。
承認までの期間は知事が判決文の送達を受けた翌日から3日以内とすることを求めた。

辺野古設計変更「代執行」へ国交相が提訴 15日以内に高裁那覇支部で弁論
2023/10/5 12:16
https://www.sankei.com/article/20231005-4RF6PC3BHVOFBOBQ7YLADSZLEY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は2023年10月5日、同県の玉城デニー知事に代わって工事の設計変更を承認する
「代執行」
に向け、福岡高裁那覇支部に提訴した。
第1回口頭弁護は訴訟提起から15日以内に開かれる。
県の敗訴は濃厚で、早ければ2023年年内にも国が承認を代執行する。
玉城氏は2023年10月4日、記者団の取材に応じ、
「最高裁の判決内容を精査する必要がある」
と話していた。
また、移設工事に反対する姿勢を改めて示し、
「国に対し県との対話に応じるよう引き続き求めていく」
と訴えた。
移設工事を巡っては、辺野古沖の海域に軟弱地盤が見つかったため防衛省が地盤改良に伴う設計変更を申請したものの、県は承認しなかった。
2023年9月の最高裁判決後、斉藤国交相が2023年9月27日までに承認するよう勧告したが、玉城氏は
「期限までに承認するのは困難」
と回答。
斉藤国交相は
「勧告」

「指示」
に切り替え、2023年10月4日までに承認するよう求めていた。

主張
沖縄県の敗訴確定 知事は辺野古移設協力を
2023/9/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20230905-PDULABU5XFIK5MZBQGUKJJ4UVE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡り、工事に反対する県が国の是正指示を違法と訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁が県側の上告を棄却した。
県の敗訴が確定したことになる。
玉城デニー知事は判決後、
「極めて残念」

「深く憂慮せざるを得ません」
とし、判決内容を踏まえて今後の対応を検討するとコメントした。
国に対しては
「県民の意思に沿うよう判断してもらいたい」
と語った。
辺野古移設の断念を求めていることになる。
これはおかしい。
法治国家の首長として玉城氏が取るべきは、司法の最終判断を受け入れ、国の工事設計変更への承認を表明することである。
辺野古沿岸部の埋め立て工事海域に軟弱地盤が見つかり、防衛省が地盤改良に伴う設計変更を県に申請した。
だが、県は承認せず、国の是正指示にも従わずに提訴した。
今回の最高裁の判決で、玉城氏は設計変更の申請を承認する
「法的義務」
を負った。
その義務を速やかに果たすべきだ。
玉城氏を支持する革新系団体からは、県が別の理由を付け再び
「不承認」
とするよう求める声が出ているが言語道断だ。
法治国家の基本ルールを逸脱してはならない。
設計変更を承認せず、3年以上も工事を遅らせた責任は県にある。
1996(平成8)年に移設を条件とする普天間飛行場の全面返還で日米が合意してから27年が経つ。
近年は県と国の泥沼の裁判闘争が続き、判決に至ったケースではいずれも県が敗訴した。
いい加減にしてほしい。
普天間飛行場は市街地に囲まれている。
辺野古への移設は、普天間飛行場周辺に暮らす県民の安全を図るための事業だ。
更に、中国などの増大する脅威から沖縄を含む日本を守りぬくためでもある。
返還後は、跡地の利用で県経済の活性化に繋げることも出来よう。
玉城氏は知事として何が県と県民にとって大切かを虚心坦懐「心に何の蟠りもなく,平静な態度で事に臨む・事(様)」に考え、法的義務を履行し、移設協力へ転じるべきだ。
国は移設工事を着実に進め、普天間返還を実現しなければならない。
米軍基地の多い沖縄の負担は大きい。
引き続き整理・縮小に尽力すると共に、基地と辺野古移設の重要性について丁寧な説明が必要である。

国、早期工事着手目指す 承認代執行も視野
2023/9/5 1:30
https://www.sankei.com/article/20230905-DXVCXH55JNOQ5KLESYR5SDUONM/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡る訴訟で2023年9月4日、沖縄県の敗訴が確定したことを受け、政府は未だ着手できずにいる予定地東側の埋め立て工事の早期開始を目指す。
ただ、玉城デニー知事が司法判断に従い、国が申請した工事の設計変更を承認するとは限らず、国による承認の代執行も視野に入れている。
「沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものと考えている」。
松野博一官房長官は2023年9月4日の記者会見で県側に釘を刺した。
東側の埋め立て工事は、軟弱地盤が見つかったため県が設計変更を承認する必要がある。
国は勝訴を見越し、承認後に速やかに土砂投入を始められるよう、係争中も工事の準備を進めてきた。
防衛省幹部は
「法治国家で司法の判断に従わないことはあり得ない」
と話す。
ただ、不承認処分は移設工事反対の
「切り札」
で、玉城氏が承認に転じるかは見通せない。
2018(平成30)年12月から埋め立て工事が始まった予定地南側約41ヘクタールの進捗率は2023年7月末時点で98%に達している一方、東側約111ヘクタールには未だ土砂は投入されていない。
このため、全体の進捗率は16%にとどまる。
防衛省は2019(令和元)年末の時点で埋め立て工事と飛行場建設には着手から9年3カ月かかるとの試算を示しているが、県の対応次第で移設時期は更に遅れかねない。
県は、2020(令和2)年4月に国が設計変更を申請した際も審査を1年7カ月も引き延ばし、不承認とした。
約9300億円と見積もる総工費が膨らむ可能性もある。
今後、県が引き続き承認しない場合、国は地方自治法に基づき、県の代わりに国土交通省が設計変更の申請を承認する代執行に向けた手続きに入ることが予想される。
防衛省関係者は県の対応について
「非生産的だ。沖縄自身の足を引っ張っている」
と漏らす。

辺野古移設工事巡り敗訴確定 沖縄県知事、かつてない苦境に
2023/9/4 21:34
https://www.sankei.com/article/20230904-5WTSXYC32FO7RCFQXGWOCBDHMI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を巡る2023年9月4日の最高裁判決で県の敗訴が確定した。
移設阻止を掲げる玉城デニー知事は
「極めて残念」
とのコメントを発表したが、今後の対応については明言を避けた。
判決に従うか、反対を貫くか−。
いずれの選択も批判を免れず、玉城氏は、かつてない苦境に立たされている。
■辺野古地盤改良、県側敗訴が確定
「判決内容を踏まえ、対応を検討したい」
最高裁判決を受けて行われた2023年9月4日の知事会見。
今後の対応を問う記者の質問に、玉城氏は苦渋の表情で何度もこう繰り返した。
県はこれまで、辺野古沖の地盤改良工事に伴う国の設計変更申請を承認しなかった。
だが、最高裁判決により
「承認義務」
を負うことになる。
辺野古移設に反対する
「オール沖縄」
勢力の支持を受けて2018(平成30)年に知事となった玉城氏は、2022年の知事選でも辺野古反対を最重要事公約に掲げて再選した。
行政のトップとして最高裁判決に従わなければならないが、国の申請を承認すればオール沖縄などの反発を受けるのは必至だ。
県や県議会関係者らによれば、考えられる選択肢は3つだ。
1つは、設計変更は承認するものの、サンゴの移植などを巡る別の訴訟で反対を続ける案。
ただし、工事は阻止できず、訴訟でも県の勝訴は望み薄だ。
2つ目は、承認を拒否するか、結論を先延ばしにする案。
この場合、国が承認を代執行する手続きを取ることになるが、確定判決に従わない県への批判が噴出しそうだ。
3つ目は、今回の訴訟に関わる不承認理由とは別の理由で、再び
「不承認」
とする案。
これも単なる時間稼ぎに過ぎず、批判は免れない。
この他、承認せずに辞職し、知事選で改めて
「民意」
を問うという案も一部で囁かれている。
反対を貫くなら最も筋の通った戦術だが、県政が混乱する上、玉城氏が落選するリスクもあり、
「辞職の可能性は低いだろう」
と県議会関係者は話す。
■危険性除去は一致
「現時点で有効策は見出せない」
と県幹部。
だが、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性の除去が目的であることは国も県も同じだ。
防衛省幹部は
「判決を機に国と県が協力し合えるようになれば良いのだが」
と語る。
移設工事は2017(平成29年)4月に本格的に始まり、当初は8年で完了するとされたが、東側の海域で軟弱地盤が見つかったため工期が12年に延びた。
更に県の不承認で3年以上も遅れている。
自民党沖縄県連は2023年9月4日、
「普天間飛行場の早急な危険性除去という県民の総意を蔑ろにしてはならない」
とし、速やかな承認を求める談話を発表した。
■対話チャンネル再開を
元沖縄県副知事 上原良幸
米軍はの1日も早い全面返還を実現するには、国と県とが問題解決に向けて対話し、協力する姿勢が欠かせない。
しかし革新の太田昌秀知事時代にも保守の仲井真弘多知事時代にもあった国と県との対話チャンネルが、移設反対を掲げた翁長雄志知事の時代に裁判闘争に突入してからは途絶えてしまった。
裁判闘争では、何も解決しないということだ。
市街地に囲まれた普天間飛行場が返還されれば危険性が除去されるだけでなく、跡地利用で沖縄が大きく発展するだろう。
だが、かつては国際都市形成構想など魅力的な利用策が議論されていたのに、今は話題にすら上らなくなった。
最高裁判決をきっかけに、国と県が原点に戻ることを期待したい。
勝った負けたではなく、お互いが裁判闘争の不毛さを知り、対話のチャンネルを再開させることが大切だ。
■最高裁判決と今後のポイント
・工事を不承認とした沖縄県に対する国土交通相の是正指示は適法
・知事の工事不承認に対して国土交通相が取り消す裁決をした場合、知事が同一理由で再び承認しないのは地方自治法違反
・移設を巡り県と国が争った一連の訴訟の論点が出揃い、係属中の2件も県側勝訴は厳しい見通しに
・防衛省沖縄防衛局が申請した設計変更の内容の妥当性は判断せず

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/139.html#c29

[政治・選挙・NHK292] 岸田政権、またも無能ぶりをさらけ出す/日本人51人、イスラエルから退避を韓国軍が実施/ネット「愚鈍メガネ」(Total News W… 赤かぶ
52. 2023年10月15日 05:14:51 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[34]
<■246行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「移民」と日本人
外国籍43%の公立小も 日本語指導必要な子供、埼玉で急増 10年で2.6倍 8割は中国・トルコ籍
2023/10/14 17:00
https://www.sankei.com/article/20231014-G65BP7COC5K3VN6RS5C2QMQUXA/
公立の小中高校などに在籍する外国籍の児童生徒のうち、日常生活や授業に支障があり日本語指導が必要な子供の数が埼玉県で急増していることが2023年10月14日、文部科学省の調査を元にした分析で分かった。
全国的にも2021(令和3)年度までの約10年間で1.8倍に増えているが、埼玉県は2.6倍。
中でも川口市は外国籍の児童生徒数そのものが4.5倍に増えていた。
日本語指導が必要な子供は義務教育後の学習意欲も低いという全国的なデータもあり、教育現場は対応を模索している。
在留外国人の子供は義務教育ではないが、
「子どもの権利条約」
などに基づき、希望すれば教科書の無償配布を含め日本人と同等の教育が保障されている。
調査は日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ状況に関するもので約2年ごとに実施。
2021(令和3)年5月時点で外国籍の児童生徒全体の4割に当たる約4万8000人に日本語指導が必要だった。
人数が多い都府県は愛知、神奈川、静岡、東京、大阪の順だったが、6番目の埼玉は2012(平成24)年度の1188人から2021(令和3)年度は3133人に急増。
上位5都府県の増加率が1.8〜1.5倍、全国平均が1.8倍だったのに対し2.6倍だった。
この調査では、市区町村別は出していないが、近年、トルコ国籍のクルド人が増加している川口市で就学中の外国籍の児童生徒数は、市教委によると2023年5月現在で約2700人。
2013(平成25)年の約600人から10年間で4.5倍に増えた。
これは市内の全児童生徒数の約6%に当たり、最も多い小学校では全児童のうち約43%を外国籍が占めるという。
国籍別では中国籍が68%と最多で、トルコ12%、フィリピン6%。
全就学者の9割は正規の在留資格を持っているが、1割は難民認定申請中に入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免」
中などの子供といい、ほとんどはトルコ系クルド人とみられる。
仮放免中でも希望すれば学校には通え、実際に同市内では小学生の大半は就学中とみられる。
ただ、中学生になると、日本語の授業についていけないなどの理由から、男子生徒を中心に不登校状態となり、そのまま父親と一緒に解体業などで働くケースもあるという。
2023年8月には、市内の大型商業施設に煙幕を出す花火を投げ付けて営業を妨害したとして、市内の14歳のクルド人の男子中学生が威力業務妨害容疑で川口署に逮捕された。
生徒は
「自分が外国人で、店で悪いことをすると自分だけ怒られる」
「差別されたことに腹が立った」
と話したという。
文科省の調査によると、日本国籍で日本語指導が必要な子供を含めた高校生らの中退率は2020(令和2)年度は6.7%で、高校生全体の1.0%と比較して6倍以上だった。
大学や専門学校への進学率も高校生全体の73.4%に対し51.8%。
中学生の高校進学率も中学生全体の99.2%に対し89.9%と、低い傾向があった。
川口市内では国の基準により42の公立小中学校に日本語指導教員53人が配置されているが、基準に満たない学校にも市が指導支援員を派遣。
また日本語が全くできない子供のための教室を運営する他、2023年度からは特に支援が必要な子供が多い5校に支援員を増強した。
市教委は
「これで十分だとは現場も私たちも思っていない」
「日常会話しかできない子供の場合、支援が必要という報告が上がってこないケースもある」
「外国人保護者との間でも日本語の理解度が壁になりコミュニケーションに苦慮している」
と話している。

「移民」と日本人
在日クルド人2世「結局は親次第」 10代前半で男子は解体業、女子は結婚
2023/10/14 15:21
https://www.sankei.com/article/20231014-TP4MHHCHPRP2TLEMTT3PT4TNTE/
「クルド人の若者はどうしてもクルド人同士で集団を作ってしまう」。
埼玉県川口市に住むクルド人の男子学生(19)はそう話した。
在留外国人が300万人を超えて過去最高となる中、必然的に日本語指導が必要な子供も増えている。
彼らが今後も日本で暮らす以上、日本の言葉やルールを身に付けるには一定の教育が必要だが、そこにも文化や習慣の違いという大きな壁がある。
今、欧州では
「移民問題」
は2世、3世の問題へと移っている。
■両親はカタコトの日本語
男子学生は2歳の時、先に来日していた父親を頼って母親と来日。
トルコ生まれだが日本育ちで事実上の
「移民2世」
だ。
一家は難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免」
の状態が長年続いているという。
市内の市立小中学校、県立高校を卒業し、現在は都内に通学する。
クルド語やトルコ語は聞ける程度で、言葉は読み書き含め全て日本語だ。
解体工の父親と、母親は今もカタコトの日本語しか使えず、家庭では込み入った相談事などは通じない。
それでも父親が
「お前は日本語を覚えてきちんと学校に行け」
と叱咤していたため、学校でも勉強を頑張ったという。
「同世代のクルド人の中には学校にも来ず、日本語ができない人がいる」
「だから自分はあまり付き合わなかった」
「彼らが日本語を使うのはコンビニくらいで、いつもクルド人で集まり、クルド人同士で騒いでいた」
■暴走行為や煽り運転
同市内では近年、一部クルド人と地域住民との軋轢が表面化。中でも2世とみられる若者らによる車の暴走行為や煽り運転が市民の間に恐怖心すら与えている。
市内のクルド人支援者によると、中学生程度の男子が不登校状態になると、解体工などの父親は学校には行かせず、10代前半から自分の手伝いなどをさせるケースが多い。
女子の場合は高校へは進学するものの、母親からは
「自分は15歳で結婚した」
などと早期の結婚を迫られ、社会に出る道を絶たれそうになることもある。
クルド人のトルコでの主な職業は羊飼いや農業、都市部の単純労働だ。
親世代も学校教育を受けていないことが多く、教育に意義を見い出しづらい。
来日しても祖国の言葉しか使えず、日本語が話せるようになった子供とのコミュニケーションが難しくなることもあるという。
男子学生は
「日本人でも教育熱心と、そうでない家庭がある」
「学校をドロップアウトするかしないかは結局は親次第だと思う」
「僕は学校に行けと言ってくれた父親に感謝している」。
■本当に教育すべきは
欧州の移民問題を巡っては2023年6月、フランスで大規模な暴動が発生、約1週間で約3500人が身柄拘束された。
多くはアフリカ系の移民2世や3世だった。
スウェーデンでは、中東移民の子供たちがギャング集団を組織。
若者同士で抗争するようになり、治安悪化で死者が続出している。
移民1世は努力して祖国へ送金するなど
「故郷に錦を飾る」
という動機から、貧しい生活でも頑張れた一方、2世、3世は格差や差別の固定化から、不満を募らせることが多いという。
日本では
「移民政策」
は採ってないが、法務省は2023年8月、在留資格がない外国籍の子供に法務大臣が裁量で
「在留特別許可」
を与える方針を示した。
強制送還の対象となりながら帰国を拒む
「送還忌避者」
のうち日本で生まれ、小中高校に通う子供約200人が対象となる。
ただ、その家族も含むため、
「不法滞在する一家の永住を認めるアリの一穴になる」
という指摘もある。
川口市の男子学生やその一家も対象になっており、現在は手続きを終えて結果待ちという。
男子学生はこの件については
「審査中なので」
と言葉少なだったが、在日クルド人についてはこう話した。
「日本の常識が分からない人が多いから問題を起こしてしまう」
「クルド人は親の言うことはよく聞くので、学校教育だけでなく、本当は親の教育こそが必要だと思う」

「移民」と日本人
<独自>クルド人の男、ジャーナリストを「殺す」「死体持ってくる」 脅迫容疑で逮捕
2023/9/29 17:44
https://www.sankei.com/article/20230929-LPZOWKCT35LNTKN4VYLOMYC6LA/
トルコ国籍の男が埼玉県警川口署を訪れ、フリージャーナリストの男性を
「殺す」
「ここに死体を持ってくる」
などと興奮状態で話し、脅迫容疑で逮捕されていたことが2023年9月29日分かった。
男は川口市内に住む同国の少数民族クルド人の30代の自称解体工。
ジャーナリストは、同市内で一部クルド人と住民の間で軋轢が生じている問題について月刊誌やインターネットなどで記事を書いていた。
調べによると、男は2023年9月26日午後、川口署を訪れ、応対した署員に
「ジャーナリストがクルド人の悪口を言っている」
「警察は発言をやめさせろ」
「さもなければ殺す」
「2週間後、ここに死体を持ってくる」
などと興奮状態で話した。
同署は男性を間接的に脅したと判断し、脅迫容疑で逮捕。
調べに対し、男は殺意について否認したという。
男は2023年9月28日、処分保留で釈放された。
男は難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた
「仮放免」
中だった。
男の逮捕後、同署にはクルド人と思われる外国人約10人が集まり、1階ロビーに入ってきたが、署員が対応したところ帰ったという。

「移民」と日本人
クルド人の病院騒動発端の事件、7人全員を不起訴 埼玉・川口
2023/9/25 20:14
https://www.sankei.com/article/20230925-ZN3YGYA5DFKPDGJZUD7RJZXUQY/
埼玉県川口市で2023年7月、トルコの少数民族クルド人ら約100人が病院周辺に殺到し、救急の受け入れが一時停止した騒ぎの直前に発生した事件で、さいたま地検は2023年9月25日、トルコ国籍の男性=当時(26)=を刃物で切り付け殺害しようとしたとして、殺人未遂の疑いで逮捕された同国籍の男性(45)ら計7人全員を不起訴処分とした。
理由は明らかにしていない。
事件は2023年7月4日夜に発生。
トルコ国籍の男性が市内の路上で複数のトルコ国籍の男性らに刃物で襲われ、市内の総合病院「川口市立医療センター」へ搬送された。
双方の親族や仲間らが病院周辺に集まる騒ぎとなり、県警機動隊が出動。病院側は約5時間半に渡り救急搬送の受け入れを停止した。
事件ではトルコ国籍の男性計7人が殺人未遂などの容疑で逮捕後、2人が処分保留で釈放された他、3人が凶器準備集合などの容疑で再逮捕されるなどしていた。

日本保守党が日本を取り戻す
Hanada2023年11月号
作家 百田尚樹
ジャーナリスト 有本香
■短絡的で安易な移民政策
★百田
その1例が移民問題です。
移民問題は日本を根底から変えてしまいかねない極めて重大な問題で、もし日本の伝統や文化やモラルを大切にするということが前提としてあれば、今とは全く違ったアプローチを取るはずなんです。
ところが、自民党だけでなくほぼ全ての国会議員が
「日本は人口が減るから移民を入れなあかん」
「労働者が足りないから移民を入れたらええやん」
と、極めて短絡的で安易な考えしか持っていない。
彼らは、移民を入れることによって日本という国がどれほど変質してしまうかということに一切思いが至っていない。
移民を推進した国がどうなっているか、ヨーロッパを見れば一目瞭然です。
フランスやベルギーの惨状を我が事として捉えている国会議員は皆無です。
国会でもそうした議論がなされたとは聞いたことがありません。
★有本
2022年、久しぶりにヨーロッパ、パリとベルギーの首都ブリュッセルを訪れました。
いずれも街の中心部でも中東・アフリカ系の方々を多く見かけました。
暴動頻発の要因となる軋轢が日常化しているのは誰の目にも明らかです。
ちなみに、ブリュッセルと並ぶベルギーの都市アントワープでは10年も前に、男の子の新生児で最も多い名前はムハンマドになっています。
★百田
ブリュッセルは住民の75%が外国人だと言いますね。
イスラム教徒の人口も増えており、首都圏の平均で23%、サンホセ地区という市の中心部に近い地区では住民の47%がイスラム教徒だと。
アントワープはアニメ『フランダースの犬』の舞台となるなど中世の港町の趣を今に残した伝統と文化の街だという印象だったのですが・・・驚きました。
★有本
「移民問題」
と言うと、日本では人手が足りない、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)労働の文脈で議論されるのですが、ベルギーでは移民2世の世代の中にホワイトカラーに従事する人たちも多くいます。
ブリュッセルで、東京で言えば銀座のようなブランドショップが立ち並ぶ最大の繁華街を歩いたんですが、ヒジャーブを身に付け、裕福そうな若い女性たちが洒落たカフェでお茶を飲んでいるその近くで物乞いをしている白人男性を見かけました。
こうした現実がある。
そして、これはひょっとすると明日の日本の姿かもしれないのです。
★百田
このままではそうなる可能性が高いですね。
そうした危機感が今の国会議員には全くない。
★有本
既に日本でも、いま埼玉県の川口市などでクルド人の一部が暴徒化するなど地域住民とのトラブルが深刻化しています。
そうした下層の問題が顕在化する一方、移民の数が増えれば日本社会の支配層に躍り出ていく人も今後増えていくでしょう。
するとどのようなことが起こるかというと、
「日本の国体など関係ない、大切にする必要はない」
という考えが主流となる虞れがある。
■政治家も財界人も己が第一
★百田
ここで非常に大事なことは、いま有本さんが言及された
「数の問題」
です。
今から20年以上前の話ですが、
「朝まで生テレビ!」
で移民問題がテーマになりました。
そこで司会の田原総一朗氏が、まず
「移民に賛成か反対か、それぞれ札を上げてください」
と言って、パネリストが賛成、反対と書かれた札を上げた。
余りにも乱暴な議論に呆れました。
こういうゼロか100かという議論のやり方くらい無茶苦茶で間違ったものはないからです。
正解はその間にあるのです。
大事なことは、どれくらいの「数」で、どういう「質」の移民かということなのです。
それを抜きに、移民問題は語れません。
あれから20年以上経ちましたが、今も同じような議論が続いている印象を受けます。
即ち、移民に賛成、反対というだけで具体的な数の議論が抜け落ち、移民に反対と言うと、1人も入れてはならないという考えなのかと思われたりする。
逆も然りで、賛成なら5000万人入れてもいいのかという極端な議論になってしまう。
★有本
移民に対して否定的な意見を言うと、
「排外主義者」
「差別主義者」
「多様性を否定」
といったレッテルを貼られてしまうことを政治家は酷く恐れています。
そうした不当なレッテル貼りに負けることなく、
「外国人を受け入れることに反対ではない。ただし〜」
と、この
「ただし〜」
という所を語れる政治家が、今の永田町にはほとんどいない。
★百田
ほんま情けないですね。
★有本
それと、百田さんが仰ったように
「数の問題」
は大変重要で、例えば、クラスの中でイスラム教徒が1人、2人であれば、給食で豚肉が出てもその日だけはお弁当を持参するなどの対応を取れば済む。
ところが、クラスの半数以上がイスラム教徒になったら給食をハラールにしなければならない事態も考えられる。
現にドイツでそうしたことが起きていて、ドイツの伝統的料理「アイスバイン」や「シュバイネハクセ」は豚肉を使っていますが、食堂ではそうした料理を出せない学校が増えているんです。
イギリスでも同じようなことが起きているそうです。
強調しておきたいのですが、私にはイスラム教徒の親しい友人が何人かいますし、ウイグル問題に長年取り組んできましたので、イスラム教徒個人への嫌悪感情や差別する気持ちはありません。
ただ、今の日本を見ていると、欧州の後追いをして自壊の道を進んでいるとしか見えないのです。
★百田
日本は、政治家も経済界も長期的な視点を全く持っていません。
例えば、労働人口を補うために移民を入れてもらいたい企業が政治家に働き掛ける。
1企業にとっては、移民を入れれば一時期的にせよ従業員を確保できるのでプラスかもしれませんが、その従業員が日本で果たして何年働けるか。
仮に40歳で日本に来たとして、60歳の定年まで働ける保証はどこにもない。
もし定年まで勤めあげたとして、その後の年金や社会保障費などのコストを考えると、1企業にはプラスになったとしても、日本全体で考えた時、果たして本当にプラスになっているのか。
まして途中で働くのが嫌になり、生活保護を受給するケースが出てくるかもしれない。
企業は
「次の移民を入れたらええわ、辞めた後のことなど関係ないで」
と自分たちの短期的な利益しか考えず、政治家も財界人からの要望に応えれば票を貰えるということしか考えない。
その政策が将来、日本にどのような悲劇をもたらすかなど眼中にない。
そんな連中ばかりなんです。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/149.html#c52

[政治・選挙・NHK292] 夜郎自大のエセ保守が国会議員のバッジつけたら日本も終わり 適菜収「それでもバカとは戦え」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
37. 2023年10月15日 13:02:12 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[35]
<■555行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自民党は今や見る影もない。
派閥内の権力闘争に明け暮れ、価値観の違う公明党から選挙協力を得るために汲々としている。
岸田政権は、一体何をやりたいのかさっぱり見えない。
何より、国家観そのものがない。
岩盤支持層が愛想を尽かすはずだ。
支持率は下がり、今後も回復は難しい。
「選挙があっても投票先がない」
と絶望感に苛まれていた我々日本国民にとって、この日本保守党は日本政界を覆う暗雲の中に差し込む一筋の光のようなものです。

フォロワー数、とっくに自民越え 快進撃!「日本保守党」
自民党も戦々恐々? 腐り切った既存政党に一太刀浴びせる!
WiLL2023年11月号 作家 百田尚樹
■真の保守党を立ち上げる
保守というのは、必ずしも旧態依然に甘んじることを意味しません。
時代に合わせて、変えるべきものは変えていく。
守るべきものは守っていく。
それが保守の在り方です。
今や自民党は保守ではありません。
いや、67年前の結党当時は保守だったのかもしれませんが、いつの間にか保守からリベラルへの気持ち悪い変態を続けていたのです。
1990年代以降の歴代政権は外交・内政問わず、自国民よりも外国の利益を優先しているとしか思えない政策を実行し続けてきました。
そんな中、安倍晋三という保守政治家が、たった1人で自民党のリベラル化を阻止してきました。
安倍元総理の死後、支えを失った自民党は音を立てて崩れています。
崩壊する自民党の内側から現れたのは、腐り切ったリベラルの本性でした。
極め付きが、日本文化の伝統を破壊し、多くの女性の安全を脅かしかねない
「LGBT理解増進法」
です。
『WiLL』読者の皆さんに今更説明する必要はないでしょうが、LGBT法は社会秩序や価値観を破壊する天下の愚策に他なりません。
LGBT法の成立を以て、私は自民党を”国民の敵”と見做しました。
そして、真の保守政党を立ち上げることを宣言したのです。
政治素人の私が新党を作ったところで、蟷螂(とうろう)の斧(「弱者が力量を顧みず挑戦すること」また「無謀ではかない抵抗」)かもしれません。
自民党を脅かす存在になるまで、相当の時間がかかるでしょう。
しかし、リベラルに乗っ取られた自民党が政権を握ったままでは、日本の歴史や伝統、文化は破壊し尽くされる。
日本が日本でなくなってしまいます。
■日本を愛しているか
怒りに任せて打ち上げた”百田新党”計画に、いの一番に賛同してくれたのはジャーナリストの有本香さんです。
それ以降、私と有本さんは新党立ち上げに向け、準備を進めてきました。
とはいえ、私は実務が苦手。
面倒臭い事務手続きは有本さんに丸投げです(笑)。
薄々は理解していましたが、政党を立ち上げるのが如何に難しいかを、この2カ月余り痛感しました。
事務所を借りようと思っても、政治団体に部屋を貸してくれるビルは少ない。
実績がゼロなので、銀行もそう簡単には口座開設をさせてくれません。
ホームページを開設するのにも、強固なセキュリティ対策の必要があります。
一般企業よりも、サイバー攻撃に晒されるリスクが大きいからです。
私1人だったら、いくつもの高いハードルを前に諦めていたかもしれません。
しかし、有本さんは次々と難題をクリアしていきました。
有本香、恐ろしや!
今更ながら、この女性を敵に回さないでおいて良かったです。
こうして”百田新党”は2023年9月1日、遂に始動しました。
X(旧ツイッター)に
「百田新党(仮)」
というアカウントが開設され、結党日(2023年10月17日)を発表。
2023年10月17日には記者会見と大規模な集会を開くことも決まりました。
アカウント名に(仮)が付いていたのは、
「百田新党」
があくまで俗称に過ぎなかったからです。
正式な党名は、アカウントのフォロワー数が20万を超えたら発表すると宣言しました。
そして2023年9月13日未明、予想を上回るスピードで20万フォロワーを達成。
党名が
「日本保守党」
であることを明かしたのです。
2023年9月末には党員の募集も始めます。
党員になるためには、1つの資格条件をクリアしなければなりません。
それは
「日本という国を愛していること」
です。
日本が嫌いな人、日本に誇りを持てない人はお断りです。
どんなに優秀な人であっても、絶世の美女でもお断りです。
そういう方は自民党など既存政党に入ることで自虐心を満たしてください。
行き先が見えないまま船出を迎えた日本保守党は、途中で座礁するかもしれないし、沈没するかもしれない。
何せ私と有本さんが手作業でこしらえたオンボロ木造船です。
既存政党のような豪華客船とは違い、船室には冷暖房すら完備されていません。
「それでも乗ってみたい!」
と乗員になってくれる人がいるなら、これほど嬉しいことはありません。
面白い航海になることは、船長の私が保証します。
■”快挙”を報じないマスコミ
前述のように、日本保守党のXアカウントは凄まじい勢いでフォロワー数を伸ばしています。
アカウント開設から僅か半日でフォロワーは5万人を超えると、翌日には10万人。
1週間後には15万人、2週間足らずで20万人ものフォロワーを獲得しました。
中には”冷やかし”や”アンチ”もいるでしょうが、注目を集めていることは間違いない。
そして、2023年9月15日、遂に自民党のフォロワー数を抜き去り、1位に躍り出たのです。
ちなみに、各政党のフォロワー数は以下の通りです(2023年9月15日現在)。
・日本保守党:約25万5000
・自民党:約25万2000
・立憲民主党:約18万8000
・れいわ新選組:約13万9000
・共産党:約13万8000
・公明党:約11万2000
・参政党:約10万9000
・日本維新の会:約7万4000
・国民民主党:約6万1000
・社民党:約4万6000
新聞・テレビなどオールドメディアの影響力が落ちる中、各政党はネットの発信力強化に力を注いでいます。
特にSNS戦略を重視しているのが立憲民主党です。
立憲民主党がフォロワー数を伸ばしている時、各紙には以下のような見出しの記事が掲載されました。
「立憲民主のフォロワーが自民党抜き首位独走」(ブルームバーグ)
「立憲民主、フォロワー11万人ツイッター4日目で自民を追い越す」(東京新聞)
「衆院選、ネット戦も熱 立憲民主、フォロワー15万」(日経新聞)
立憲民主党の”快挙”を絶賛していた新聞ですが、私たちの日本保守党が僅か13日で立憲民主党を抜いた”快挙”については全く報じてくれません。
彼らの中では、我々が存在しないことになっているのでしょうか。
この記事は、日本保守党が自民党のフォロワー数を抜き去った2023年9月15日に書いていますが、恐らく翌日のどの新聞にも記事は載らないでしょう。
しかし、自分で言うのは何ですが、これは凄いことだと思います。
まだ正式に立ち上がってもいない
「政党」
が、並み居る既存政党をたったの半月で全て抜き去ったのですから。
Xは特殊な人たちが集まったSNSではありません。
老若男女、様々な人々が参加しています。
その中で最も多くのフォロワーを獲得したことは、大きな意味があると思っています。
■座して死を待つのか
この数週間、我々は新党結成に向けた作業を急ピッチで進めてきました。
その背景には自民党の動きがあります。
岸田総理は当初、G7広島サミット後に解散に踏み切ろうとしていました。
ところが、LGBT法が成立すると支持率が急落します。
自民党が2023年6月に実施した情勢調査によれば、総選挙で40議席を失うという結果が出たそうです。
それ以降、岸田政権の支持率は下落の一途を辿りました。
マイナンバーカードを巡る混乱、”異次元の移民政策”とも言われる「特定技能外国人」の範囲拡大、日韓通貨スワップ再開、韓国の「ホワイト国(グループA)復帰。
これらは政策における大失態ですが、身内や所属議員のスキャンダルも岸田政権に打撃を与えました。
岸田翔太郎氏の公邸忘年会、木原誠二官房副長官を巡る疑惑、自民党女性局の”エッフェル松川”騒動。
極め付きは、秋元真利氏の収賄逮捕。
いずれも当事者は未だに説明責任を果たしていません。
岸田総理は解散を先延ばしにしたまま、今に至っています。
解散するとして2024年、あるいは2025年に衆参同日選挙を仕掛けるのではないかと思われてきました。
そんな中、2023年年内の解散の噂が流れて来たのです。
自民党幹部は情勢調査などを基に、岸田政権の支持率は既に底を打ったと判断しているとか。
国民もナメられたものです。
14年前の2009年に民主党が政権交代を果たした時、
「反自民票」
が民主党に集中しました。
民主党の支持者に加えて、自民党にお灸を据えようとした保守層の支持も取り付けたのです。
当時と違い、今は強い野党がいません。
野党の獲得票数を合算すれば自民党を上回るので、野党が共闘すれば自民党が負ける可能性は高い。
しかし、野党がバラバラのまま選挙に突入すれば、
「反自民票」
は分散。
残念ながら、このままでは自民党が勝利するでしょう。
日本国民の不幸は
「保守政党の不在」
です。
自民党が嫌いでも、他の選択肢がありません。
維新はタカ派のイメージもありますが、自民党以上に親中の側面がある。
創設者の橋下徹氏を見れば明らかです。
国民民主党の玉城雄一郎代表も言動がブレブレで信用できない。
言っていることが朝と夜で180度違うこともしょっちゅう。
立憲民主、れいわ、共産党は論外です。
日本には
「保守の仮面を被った」
リベラル政党と左翼政党しかありません。
だからこそ、”真の保守政党”の出番なのです。
正直なところ、衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
それでも、座して死を待つわけにもいかない。
不戦敗は癪に障ります。
投票先を失った有権者のためにも、私たちは選挙に向けた準備を急いでいるのです。
■”保守政党”の正体
政党を作る以上、選挙は重要です。
しかし、日本保守党は徒に党勢を拡大するつもりはありません。
議員の数を増やせば影響力は強まりますが、いくらクズを集めても日本は良くなりません。
衆参合わせて400人近くの国会議員を抱える大自民党ですが、国民のために何もしていくれない。
国益を無視して党勢拡大に邁進した自民党は、中国ベッタリの媚中派やLGBT法を推進するリベラル派すら取り込みました。
その結果、保守とは正反対の連中に牛耳られ、ただのクズ集団と化してしまった。
彼らが巨大な組織を作り上げるのは、自分たちの議席や利権を確保するためなのです。
保守政党ならぬ”保身政党”。
自分の身が危なくなれば、一夜にして主義主張を変えてしまいます。
「希望の党」
騒動が思い出されます。
小池百合子都知事が希望の党を結成した時、民進党(旧民主党)は合流を求めました。
民進党の議員たちは、沈みゆく泥船から脱出するために必死だったのでしょう。
そこで飛び出したのが、小池氏の
「排除」
発言。
安全保障政策や憲法観に基づき、合流する議員たちの”選別”を図ったのです。
”選別”を行ったのは細野豪志氏でした。
彼は一足先に民進党に見切りを付け、いち早く小池氏に擦り寄っていました。
忘れてはならないのが、細野氏は安倍政権が推進した平和安全法制(2015年)に反対していたこと。
国会の外で「シールズ」なるバカ学生たちと一緒に、マイクを掴んで
「戦争法反対!」
などと叫んでいたのです。
信念を捻じ曲げ、更には自分の過去を棚に上げ、昔の仲間たちを上から目線で品定めする。
醜悪極まりない、稀に見るクズです。
そんな細野氏は今、一体何をしているのでしょうか。
希望の党が雲散霧消して行き場がなくなり、二階俊博元幹事長を頼って自民党入りしています。
そもそも、彼には最初から信念などなかったのかもしれない。
恐らく国会議員でいられたら、どこの政党に属そうがどうでもよかったでしょう。
細野氏に限らず、ほとんどの国会議員というのは所詮、保身しか考えていないのです。
LGBT推進派の中心人物の中には、保守派と目されていた議員もいました。
彼らは安倍元総理にさんざんお世話になっていた人たちです。
にもかかわらず、安倍元総理が絶対に阻止しようとしたLGBT法案を強引に推し進めました。
主義主張や信念以前に、恩も義理もない人間です。
こんな議員たちに政治を任せてはなりません。
国民を裏切ってきた自民党に一太刀浴びせてやりましょう。

日本保守党が日本を取り戻す
Hanada2023年11月号
作家 百田尚樹
ジャーナリスト 有本香
■座視するわけにはいかない
★百田
ここに来て、衆議院の解散総選挙が早ければ2023年の10月解散あるいは11月上旬解散、11月投開票という見方が強まっています。
岸田政権は当初、2023年6月に解散総選挙に打って出ようとしたのですが、岸田翔太郎秘書官(当時)が首相公邸で大はしゃぎしている写真が流出したり、日本を破壊するLGBT法案の可決成立など様々な問題が噴出して支持率が急落、とても解散を打てる状況ではなくなりました。
その後も支持率は下落を続け、2023年8月にはとうとうNHKの世論調査で33%という発足以来最低水準を記録した。
2023年年内解散はもうできない。
恐らく選挙は2024年だろうと、私もそう思っていました。
ところが、直近、自民党の情勢調査によると、どうも支持率が微増、不支持率も微減。
自民党の幹部クラスの中には
「いま選挙をやれば自民党は大勝する」
という声も上がっているようです。
その見立てはどうかと思うのですが、いずれにしても選挙が2023年年内に行われる公算が高まっている。
となれば、我々の日本保守党は選挙の準備時間が足りない。
しかし、座視するわけにもいかないと思っています。
選挙は水物ですから、勝敗は分かりません。
ただ、
「負けるから戦わない」
という姿勢は好ましくないですね。
基本姿勢として、たとえ敗北しても、戦った上での負けは良いと思っています。
とはいえ、いざとなれば、退却する勇気も指揮官には必要です。
意地やメンツだけで戦うものではありませんから。
その辺りは、情勢を見て慎重かつ適切に判断します。
★有本
やるとなれば、何らかの形で、今の驕り切った自民党に一太刀を浴びせたいですね。
★百田
なぜ今回、我々は新党
「日本保守党」
を立ち上げたのか。
安倍晋三さんが亡くなられてから、自民党はその正体を曝け出しました。
実は、彼らは保守でも何でもなかったのです。
決定的だったのは、日本を破壊するLGBT法案の強引な可決成立でした。
部会で反対派が多かったにもかかわらず、執行部一任で強硬に通してしまった。
民主主義もへったくれもない余りの酷さに、腸が煮えくり返る思いでした。
これまでさんざん申し上げてきたことですが、LGBT法案は天下の悪法です。
日本の文化や伝統を破壊してしまいかねない法律です。
こんなことは、ちょっと考えればすぐに分かること。
だからこそ、部会で多くの議員が反対したのです。
にもかかわらず、自民党の幹部クラスは、アメリカのエマニュエル駐日大使に言われるがまま、強引にこれを通したのです。
私はこれを見て、
「もしこの法案が本当に通るのであれば新党を作るしかない」
と思いました。
たまたまその日、嫁さんと中華料理のチェーン店の王将で食事をしている時、餃子を食べながら
「あんまり腹立つから、もしもLGBT法案が成立したら新党立ち上げるわ。ええか」
と嫁さんに訊いたんです。
すると、天津飯を食べていた嫁さんは
「ええよ」
と一言。
驚いて、
「いや、ええよって言うけど、金もようけかかるで」
と言うと、
「ええよ」
とそこでも一言。
嫁さんといい、有本さんといい、女性は強い!!
★有本
百田さんの奥様と並べられると恐れ多いですが、私もLGBT法案の余りにもふざけた内容とその顛末に怒り心頭でした。
この怒りを同じボルテージで共有できるのは百田さんしかいないと思ったんです。
ですが、まさか
「新党を立ち上げる」
とまでは思いも寄りませんでした。
私も還暦を過ぎてこれからは仕事をセーブして、ゆったりとした生活を送ろうと考えていましたから、家族からも反対されました。
でもここで立ち上がらなければ、今日までこの国を守ってきた先人たちに顔向けが出来ませんよね。
これからこの国を背負っていく若い人たちにも申し訳ない、その思いで立ち上がる決意しました。
それほど自民党に対する怒りは凄まじかった。
正直に言いますと、私は怒りの余り眠れない日もありました。
先程、岸田政権の支持率が底を打ったのではないかというお話がありましたが、良い悪いは別にして、日本人には怒りを忘れやすく、水に流しやすい性格というか、特徴があります。
ですから、徐々に岸田政権への怒りも水に流すだろうなと、LGBT法案が成立した時から分かっていました。
あの時、保守派の多くも怒っていましたが、結局、あっさり自民党を許しているんですね。
「まあ、他に良いこともやっているし」
とか、
「意外とやることやっている」
とか、
「LGBT法も使いようで左翼封じに役に立つ」
とか。
岸田政権についても
「他の自民党議員よりましだから」
と擁護あるいは支持する側に回っている人もいる。
呆れるけど、日本人の忘れやすい特質を考えると、想定の範囲内でもありました。
■「改革」と称した欧米化
★百田
私は、
「あいつは許さん!」
と思ったら一生許しません(笑)。
昔、仕事で
「こいつどうしても嫌いやな」
という人がいて、彼が亡くなったんです。
付き合いもあったので仕方なしに葬式に行ってその帰り道、偶然同じ方向だった女性と電車で1時間ほど話したんですが、後からその女性に
「百田さん、凄いです」
「お葬式が終わって、その帰り道、延々と1時間故人の悪口を言い続けた人、初めて見ましたわ」
と言われました。
★有本
百田さん、言っときますけど、それ褒められてないですよ。
★百田
あ、ずっと誉め言葉だと思ってました(笑)。
こんなんで政党の代表って大丈夫かな。
冗談はさておき、読者の皆さんに訴えたいことは、日本保守党という党名からもお分かり頂けるように、私たちは
「保守」
ということを掲げています。
では、保守とは何か。
これを定義することは非常に難しく、人によって様々な解釈があると思いますが、1つ言えることは、よく保守の対義語としてリベラルという言葉がありますね。
先程も少し触れましたが、私は今の自民党は保守政党ではなく完全なリベラル政党だと思っています。
それはLGBT法案に見られるように、日本の伝統や文化、国体というものを破壊しつつあるからです。
★有本
世界で初めてLGBTに特化した法律を強引に成立させた自民党は、世界で最もリベラルな政党だということを
「売り」
にしたらいい。
前のめりな移民政策、福祉に名を借りたバラマキなど、自民党の左傾化は今後も止まらないでしょう。
★百田
益々加速していくと思いますね。
私はクラシック音楽が大好きで、特にフルトヴェングラーというドイツ人指揮者が好きなのですが、彼は音楽家であると同時に多くの著書を著しています。
『音楽ノート』など名著もある。
そして、警句のような素晴らしい文章を書いています。
例えば、有名な次の1文。
「革命はナイン(Nein)ということ、芸術はヤー(Ja)ということ」
ナインとは英語で「NO」を意味し、ヤーとは「YES」を意味します。
即ち、革命は既存のものを否定して破壊するのに対し、芸術はあるべきものを肯定する、と。
この言葉は政治の世界にも通じるのではないかと思うのです。
リベラルは伝統の否定や文化の否定、国体の否定など基本的に否定から始まる。
対して、保守は伝統や文化や国体をしっかり残していこうと肯定する。
もちろん、時代の変遷によって人々の生活様式や思考も変わっていきますから、その時代に合わせて変えていくべき伝統もあります。
他方、この日本という国には2000年に渡り連綿と受け継がれ、発展してきた日本独自の伝統や文化があります。
私たち日本人には、その中で培われてきた考え方やモラルがある。
そうした日本の持つ伝統や文化、考え方やモラルを岸田政権は次々に破壊しようとしているのです。
彼らの行っていることは総じて
「改革」
と称したグローバル化、欧米化一辺倒なんです。
日本の伝統や文化を保守する姿勢は微塵も感じられません。
★有本
LGBT法でお怒りの時に、百田さんが動画でこ仰った。
「日本は世界で一番素晴らしい、世界がお手本にしてもいい国です」
「それを何で欧米のように変えなければいけないのか」
「岸田総理はグレートリセットと言っているが、何でそんなことせなアカンの?」
「米国のエマニュエル大使は、LGBT法が通ろうという時に、
『日本は進化途上にある』
と言った」
「どっからの上から目線でぬかしとんじゃい」
「このボケ!」
百田さんのこの最後の一言を
「下品な暴言」
としか捉えられないお利口さんしか、永田町にいないことが問題なんですよ。
自国の国体が壊されかけていることに、怒りの表明も出来ない。
大声で抗議もしない。
石原慎太郎さんあたりがご健在なら、同じようなことを仰ったでしょうね。
他方、永田町の人たちは
「日本1国では生きられないから」
と言い、時には筋違いの
「国際協調」
という言葉なども持ち出して国民を騙しにかかる。
しかし、やっていることは、日本を弱体化させることばかりです。
「国際化」
と言いながら、日本の大事な価値観などまで売り渡し、国を壊しているのが今の政治です。
■短絡的で安易な移民政策
★百田
その1例が移民問題です。
移民問題は日本を根底から変えてしまいかねない極めて重大な問題で、もし日本の伝統や文化やモラルを大切にするということが前提としてあれば、今とは全く違ったアプローチを取るはずなんです。
ところが、自民党だけでなくほぼ全ての国会議員が
「日本は人口が減るから移民を入れなあかん」
「労働者が足りないから移民を入れたらええやん」
と、極めて短絡的で安易な考えしか持っていない。
彼らは、移民を入れることによって日本という国がどれほど変質してしまうかということに一切思いが至っていない。
移民を推進した国がどうなっているか、ヨーロッパを見れば一目瞭然です。
フランスやベルギーの惨状を我が事として捉えている国会議員は皆無です。
国会でもそうした議論がなされたとは聞いたことがありません。
★有本
2022年、久しぶりにヨーロッパ、パリとベルギーの首都ブリュッセルを訪れました。
いずれも街の中心部でも中東・アフリカ系の方々を多く見かけました。
暴動頻発の要因となる軋轢が日常化しているのは誰の目にも明らかです。
ちなみに、ブリュッセルと並ぶベルギーの都市アントワープでは10年も前に、男の子の新生児で最も多い名前はムハンマドになっています。
★百田
ブリュッセルは住民の75%が外国人だと言いますね。
イスラム教徒の人口も増えており、首都圏の平均で23%、サンホセ地区という市の中心部に近い地区では住民の47%がイスラム教徒だと。
アントワープはアニメ『フランダースの犬』の舞台となるなど中世の港町の趣を今に残した伝統と文化の街だという印象だったのですが・・・驚きました。
★有本
「移民問題」
と言うと、日本では人手が足りない、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)労働の文脈で議論されるのですが、ベルギーでは移民2世の世代の中にホワイトカラーに従事する人たちも多くいます。
ブリュッセルで、東京で言えば銀座のようなブランドショップが立ち並ぶ最大の繁華街を歩いたんですが、ヒジャーブを身に付け、裕福そうな若い女性たちが洒落たカフェでお茶を飲んでいるその近くで物乞いをしている白人男性を見かけました。
こうした現実がある。
そして、これはひょっとすると明日の日本の姿かもしれないのです。
★百田
このままではそうなる可能性が高いですね。
そうした危機感が今の国会議員には全くない。
★有本
既に日本でも、いま埼玉県の川口市などでクルド人の一部が暴徒化するなど地域住民とのトラブルが深刻化しています。
そうした下層の問題が顕在化する一方、移民の数が増えれば日本社会の支配層に躍り出ていく人も今後増えていくでしょう。
するとどのようなことが起こるかというと、
「日本の国体など関係ない、大切にする必要はない」
という考えが主流となる虞れがある。
■政治家も財界人も己が第一
★百田
ここで非常に大事なことは、いま有本さんが言及された
「数の問題」
です。
今から20年以上前の話ですが、
「朝まで生テレビ!」
で移民問題がテーマになりました。
そこで司会の田原総一朗氏が、まず
「移民に賛成か反対か、それぞれ札を上げてください」
と言って、パネリストが賛成、反対と書かれた札を上げた。
余りにも乱暴な議論に呆れました。
こういうゼロか100かという議論のやり方くらい無茶苦茶で間違ったものはないからです。
正解はその間にあるのです。
大事なことは、どれくらいの「数」で、どういう「質」の移民かということなのです。
それを抜きに、移民問題は語れません。
あれから20年以上経ちましたが、今も同じような議論が続いている印象を受けます。
即ち、移民に賛成、反対というだけで具体的な数の議論が抜け落ち、移民に反対と言うと、1人も入れてはならないという考えなのかと思われたりする。
逆も然りで、賛成なら5000万人入れてもいいのかという極端な議論になってしまう。
★有本
移民に対して否定的な意見を言うと、
「排外主義者」
「差別主義者」
「多様性を否定」
といったレッテルを貼られてしまうことを政治家は酷く恐れています。
そうした不当なレッテル貼りに負けることなく、
「外国人を受け入れることに反対ではない。ただし〜」
と、この
「ただし〜」
という所を語れる政治家が、今の永田町にはほとんどいない。
★百田
ほんま情けないですね。
★有本
それと、百田さんが仰ったように
「数の問題」
は大変重要で、例えば、クラスの中でイスラム教徒が1人、2人であれば、給食で豚肉が出てもその日だけはお弁当を持参するなどの対応を取れば済む。
ところが、クラスの半数以上がイスラム教徒になったら給食をハラールにしなければならない事態も考えられる。
現にドイツでそうしたことが起きていて、ドイツの伝統的料理「アイスバイン」や「シュバイネハクセ」は豚肉を使っていますが、食堂ではそうした料理を出せない学校が増えているんです。
イギリスでも同じようなことが起きているそうです。
強調しておきたいのですが、私にはイスラム教徒の親しい友人が何人かいますし、ウイグル問題に長年取り組んできましたので、イスラム教徒個人への嫌悪感情や差別する気持ちはありません。
ただ、今の日本を見ていると、欧州の後追いをして自壊の道を進んでいるとしか見えないのです。
★百田
日本は、政治家も経済界も長期的な視点を全く持っていません。
例えば、労働人口を補うために移民を入れてもらいたい企業が政治家に働き掛ける。
1企業にとっては、移民を入れれば一時期的にせよ従業員を確保できるのでプラスかもしれませんが、その従業員が日本で果たして何年働けるか。
仮に40歳で日本に来たとして、60歳の定年まで働ける保証はどこにもない。
もし定年まで勤めあげたとして、その後の年金や社会保障費などのコストを考えると、1企業にはプラスになったとしても、日本全体で考えた時、果たして本当にプラスになっているのか。
まして途中で働くのが嫌になり、生活保護を受給するケースが出てくるかもしれない。
企業は
「次の移民を入れたらええわ、辞めた後のことなど関係ないで」
と自分たちの短期的な利益しか考えず、政治家も財界人からの要望に応えれば票を貰えるということしか考えない。
その政策が将来、日本にどのような悲劇をもたらすかなど眼中にない。
そんな連中ばかりなんです。
■国を売り渡す政策ばかり
★有本
対中国の問題でも、政治家、財界はダメですね。
与野党問わず、日本の政治家に中国の暴挙に実効的な対抗策を講じる意思は見られません。
アメリカが前政権下において、中国におけるウイグル人らへの強制労働加担を止める法律の制定へと動き、政権が代わった後も方針を変えずに制裁に乗り出したにもかかわらず、同盟国たる日本国内には、その制裁対象の企業の製品が溢れかえっています。
★百田
中国の若者の中には、中国にいても未来がないから、日本に留学して猛勉強して優秀な成績で日本企業に入社しようとする人たちも今後増えてくるでしょう。
彼らがやがて出世していき、数十年後、気付いた時には役員が全員中国人だったというケースも十分あり得ます。
中国では会社法と中国共産党規約によって、中国共産党の党員が3人以上いる企業では党支部を設置しなければならないと規定されています。
更に国家情報法によって
「如何なる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助及び協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない」(第7条)
と定められている。
つまり、中国の国民や組織は、中国政府の情報活動に協力する義務があるのです。
なので、
「こんな情報を取って来い」
と中国政府の指示があれば、スパイ活動を実行しなければならない。
★有本
本国に家族や親戚がいる人たちは言わば”人質”を取られているわけですから、逆らえない。
★百田
如何に中国人学生の中に優秀な人材がいても、会社自体を乗っ取られてしまう危険性を孕んでいることが現実問題としてあるんです。
こうしたチャイナリスクをストレートに訴える日本の国会議員は、残念ながらほとんどいません。
日本の国会議員は圧倒的に親中派、媚中派ですから、皆中国に忖度してモノが言えない。
この辺りも、既成政党には期待できない所以です。
■世界最高の国を護りたい
★有本
岸田政権下では、家族を帯同できる在留資格
「特定技能2号」
を現在の2分野から11分野へ拡大しました。
2号を取得すれば無期限就労が可能となります。
余りにも拙速、考えなし、こんなことを許していたら、日本は確実になくなりますよ。
EV補助金も然りで、自公政権が推し進めている政策は、日本を弱体化させるものばかりです。
本来、日本は豊かで強い国なんです。
そうした日本を取り戻さなければならないのに、日本を売り渡すことばかりやっている。
そんな政治には、はっきりと
「NO」
と言わなければならない。
★百田
日本は世界最高の国なんです。
歴史に
「if」
は禁物と言われますが、『日本国紀』の
「後書きにかえて」
で、私は、
「もし、地球上に日本列島がなかったならば」
ということを書きました。
書いていて、20世紀の世界における日本という存在の大きさ、私たちの祖先の偉大さを改めて痛感しました。
もし日本がなかったら、私たちが知る世界とは全く違った恐ろしい世界になっていたでしょう。
日本があったからこそ、今世界は何とかモラルを保てていると言っても過言ではない。
アジア・アフリカ諸国の植民地支配からの解放は100年、200年遅れたはずです。
日露戦争で日本が勝利していなければ、中国は欧米諸国に植民地支配され、今頃は国として存在していないでしょう。
第一次世界大戦後のパリ講和会議において、日本の発言が世界を驚愕させました。
「肌の色の違いによる差別をなくすべきだ」
世界で初めて日本が人種的差別撤廃を国際会議で提言したのです。
今では当たり前の概念ですが、当時はとんでもないことでした。
現に、アメリカ、イギリスが大反対し、この提言は潰されました。
両国は
「人種差別撤廃を宣言する日本は危険だ」
と、むしろ日本を敵視した。
先程も話に出ましたが、そのアメリカのエマニュエルとかいう駐日大使が、日本に対して
「日本はジェンダーに関して何年も遅れている」
などと批判しましたが、何をぬかしとんねん!という話です。
あの発言を聞いて、なぜ日本の国会議員はもっと怒らないのか。
情けない!
★有本
古来、同性愛について日本が如何に寛容な国であったか、史実を示し、教え諭す政治家が1人ぐらいいてもいいはずなのに、私の知る限り、1人もいませんでした。
小間使いのように、笑顔で写真に収まっている政治家は大勢いましたが。
★百田
日本の素晴らしい歴史を国会議員が知らな過ぎます。
欧米の学者は、日本に古来、奴隷がいなかったことに驚愕するといいます。
日本では、飛鳥時代の奴婢を奴隷と教える教師もいるようですが、欧米的な奴隷の概念とは全く違います。
*日本における奴婢は、飛鳥時代の大宝律令(701年)に始まり、隋・唐の律令制を日本式に改良して導入したものであった。
その証拠に、奈良時代の墾田永年私財法(743年発布)には奴婢にも土地を与えた記録が記されています。
つまり土地の所有も認められていたということで、奴隷ではなかったことが分かります。
あるいは、『万葉集』(奈良時代末期)ひとつ見てもその凄さが分かります。
農民、防人、遊女、乞食まで、あらゆる国民の歌が載っている。
素晴らしい歌の前では身分など関係なかった。
同時に、末端の暮らしを送っていた人たちも歌が詠めた。
何という文化的な教養の高さでしょうか。
日本の歴史を繙くと、日本が如何に世界最高の国であるかが分かります。
それを今の政治家が全く知らない。
日本という国に誇りを持っていれば、今、岸田政権が行っている愚かな政策など出来るはずがないんです。
世界最高の国である日本を護りたい、その一念で日本保守党を立ち上げました。
★有本
日本保守党が旗揚げしたからといって、すぐに何かを劇的に変えることは難しい。
ですが、党員の方々と力を合わせて、5年、10年、20年と活動していく中で、良い方向への転換を目指していく。
★百田
我々はもうええ歳ですから、時間は限られています。
何年か後には引退しているでしょう。
だからこそ、その後、この日本を託せる人材を育てていきたい。
そして、願わくば与党となって、日本が最高の国であることを世界に示し、再び世界を驚かせてほしい。
皆さん、是非、日本保守党に力をお貸しください。

暗雲に差し込む一筋の光
Hanada2023年11月号 元海上自衛官 一色正春
2023年8月末日、花田編集長から入電。
随分とご無沙汰していたにもかかわらず、開口一番
「百田新党(仮)を応援する原稿を書いてくれないか」
とのお言葉。
驚いたのは不偏不党、政治家個人は応援しても特定の政党を応援せず、公平な立場から日本政治を論評してきた花田さんが特集を組んでまで特定政党を推すということ、私が当然に新党を応援すると決め付けていたことです。
私は、百田・有本両氏の人柄や考え方、有本氏との人間関係からも応援しないという選択肢はないとしても、あの花田さんが、いや花田さんだけでなく、多くの親日派言論人が設立してもいない政党をこうも熱心に応援するというのは今までにない政治の動きというものを大いに期待を抱かせてくれます。
しかし、昨今の政治状況に鑑みれば、そうなるのも頷けます。
今に始まったことではありませんが、日本国民の不幸は真面(まとも)な野党がないことで、安倍さんがお亡くなりになってからは野党だけでなく、個々人の政治家はともかく自国の国益を第一に考える政党がなくなってしまいました。
それどころか、処理水騒ぎで鮮明になったように、一部野党の中には他国の利益を優先する政党もある始末です。
その一方で、我が国を取り巻く国際情勢は悪化するばかりなのですが、頼みの綱の米国は、あの体たらく、台湾危機は刻一刻と迫り来る。
そんな中でも、LGBTなどの国内問題や政権維持のための権謀術数に感(かま)ける現政権。
「選挙があっても投票先がない」
と絶望感に苛まれていた我々日本国民にとって、この新党は日本政界を覆う暗雲の中に差し込む一筋の光のようなものです。
言い方を変えると、2023年の夏は例年になく暑かったですが、そんな時に温いビールや、不味いビールなどを売る店はあれど、皆が欲するギンギンに冷えた美味いビールを売る店が1軒もないところに、それを売る店がオープンするとなれば開店前から行列ができるのは必定です。
しかし、そんな一般国民の期待とは裏腹に、恐らく大手メディアからは無視に近い扱いを受けるでしょう。
だが、それは逆にチャンスでもあります。
その逆境の中で党勢を拡大してこそ、戦前から続くメディアの印象操作による誤った方向への世論誘導を無力化し、我が国の政治を正常化させる第一歩となります。
とはいえ、お2人だけにその重責を背負わせるわけにはいきません。
我々国民も是々非々で、新党のためにではなく日本のために応援していきたいものです。

歴史に残る救国政党に
Hanada2023年11月号 麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男
作家の百田尚樹氏と、ジャーナリストの有本香氏が新党を立ち上げるという。
大いに賛成であり、期待したい。
安倍晋三元首相が凶弾に斃れてから、日本は羅針盤を失ったタンカーのように漂流し始めた。
自民党は今や見る影もない。
派閥内の権力闘争に明け暮れ、価値観の違う公明党から選挙協力を得るために汲々としている。
岸田政権は、一体何をやりたいのかさっぱり見えない。
何より、国家観そのものがない。
岩盤支持層が愛想を尽かすはずだ。
支持率は下がり、今後も回復は難しい。
元々差別などない日本において必要のない
「LGBT理解増進法」
を、碌な審議もせずに成立させた。
そればかりか、
「理念なき移民政策」
「増税路線」
「対中戦略欠如」
など、国家崩壊路線を突っ走っている。
喫緊の課題である
「憲法改正」
については
「ヤッテル感」
を装うだけで、真剣みが感じられない。
かつて
「日本列島は日本人だけのものではない」
と言った愚昧な宰相がいた。
自民党の中からも、
「人口減少の地域を支えるのは日本人である必要はない」
と公言する議員が出てきた。
次期首相候補ナンバー2というから驚きだ。
議員から
「祖国」
が消えた。
自民党も天下国家を語れなくなった。
日本の伝統、文化が蔑ろにされ、社会の根幹をなす家庭や皇室制度が破壊されようとしている。
さりとて立憲民主党を筆頭とする左派野党は論外だ。
日本は今、崩壊しつつある。
こんな時、
「祖国」
を取り戻し、天下国家を語れる百田、有本両氏が新党を立ち上げるのは時宜を得ている。
両氏とも知名度があり、突破力がある。
「ノイジー・マイノリティ」
という左翼のお株を奪い、真正保守として大いに吠え、政界に
「喝っ!」
を入れてもらいたい。
かつて石原慎太郎元都知事が結成した
「次世代の党」
のように、長続きしないかもしれない。
それでもいい。
政界に新旋風を巻き起こし、真っ当な保守とは如何なるものか、国民が覚醒するようになれば、それは歴史に残る救国政党となる。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/151.html#c37

[政治・選挙・NHK292] 旧統一教会に文科省が解散命令を請求…自民党「落選危機議員」43人は戦々恐々(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
37. 2023年10月15日 13:04:01 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[36]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
新聞に喝!
だまされるな!!大泉町から学ぶべき事 イスラム思想研究者・麗澤大学客員教授 飯山陽
2023/10/15 10:00
https://www.sankei.com/article/20231015-HROXUMPLABKEZDMKTL472TEIU4/
朝日新聞は2023年9月13日のウェブ記事で、
「多文化共生、ヒントは 群馬県大泉町長・村山俊明さん」
という記事を掲載した。
村山氏はここで、
「この町の姿は将来の日本の姿だ」
と述べている。
住民の2割を外国人が占める大泉町。
同氏によると、人権や多様性を重視し人権擁護条例などを制定、7カ国語で行政対応するなど外国人に積極的に手を差し伸べているが、多言語対応には限界があるため将来的に英語を町の共通語にする方針とのこと。
外国人の高齢化が進み生活保護受給者や要介護者が増えているので、外国人への情報提供に努めているそうだ。
朝日は大泉町の現状を肯定的に評価し、多文化共生のヒントを見い出せという。
しかしここには深刻な問題がある。
第1に、増える外国人に対応するために英語を日本の共通語にすれば、日本語しかできない日本人はあらゆる場で著しく不利益を被る可能性がある。
社会でも教育現場でも日本語は英語に取って代わられることになる。
日本から日本語が失われれば、もはや日本ではないと言っていい。
第2に、年金を支払わず高齢化した外国人を支えるための生活保護支給が常態化すれば、外国人増加に伴い財政は逼迫し、日本人の福祉が等閑に付され機能不全に陥る可能性がある。
大泉町の生活保護問題については、産経新聞が平成30年に
「生活保護受給外国人の多い群馬県大泉町を歩く 日本語の壁 再就職できず」
という記事(ウェブ版)を掲載している。
住民の約18%、生活保護受給者の23%が外国人という大泉町の現状について、
「生活保護費の膨張は町の財政を圧迫しないが、国や県の負担を増す」
と記されている。
大泉町はバブル期の人手不足を補うために多くの外国人を受け入れたが、彼らは景気悪化で解雇されても日本語ができないため新たな仕事に付けないケースも多いとみられる、ともある。
大泉町単体で考えれば、仕事のない外国人には生活保護を支給すればいい、それは町ではなく国や県の負担になる、我々はこのまま人権と多様性を重視した町づくりを推進すればいい、という論理も成立し得るが、こうした市町村が全国に乱立すれば日本の国家財政は早晩破綻する。
このように自分本位で他責的かつ偽善的な行政の在り方が、日本の将来の姿であっていいはずがない。
外国人にとって住みやすく日本人にとって住みにくい、そんな社会をあたかも日本の未来の理想の如く提示する政治家やメディアに騙されてはならない。

生活保護受給外国人の多い群馬県大泉町を歩く 日本語の壁 再就職できず
2018/5/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20180503-7X3DHSAUSRLH5EEFT2SQ7B4OBQ/
群馬県南東部に位置する人口約4万2000人の地方都市、大泉町。
SUBARU(スバル)をはじめ大手メーカーの工場が立地する同町は、バブル期の人手不足を機に外国人の受け入れを拡大し、現在は住民の約18%を外国人が占めている。
一方、同町の生活保護受給者のうち外国人は23%と人口比率を上回る。
リーマン・ショック後の景気悪化などで解雇された後、日本語能力がないため仕事に就けないといったケースも多いとみられる。
現地をルポした。
「日本人は優しいよ。うちの娘も大好き」。
町内のブラジル料理店に入ると、来日20年という店員の女性は、ニコニコ笑いながらこう話した。
町を歩くと、南米系とおぼしき男女に何回もすれ違う。
飲食店、小売店、教会…。
至る所にポルトガル語の看板があり、中心部の大通りには「TATTOO(タトゥー=入れ墨)」ショップが立ち並んでいた。
同町の中小企業などが外国人労働者の受け入れを拡大し始めたのは、平成2年の入管難民法改正がきっかけだ。
この改正で日系2、3世の外国人を対象に、職種の制限なく就労できるようにする
「定住者」
資格が設けられた。
南米系を中心に転入する外国人が増え、昭和63年12月末で312人(人口全体の0.8%)だった外国人は、平成8年12月末に4303人(10.3%)へ。
平成30年3月末には7586人(18.1%)へ達した。
最多はブラジル人で4096人(外国人の54.0%)、次がペルー人(982人、12.9%)。
町内には計46カ国の人が住んでいる。
問題なのが、外国人による生活保護受給の割合の高さだ。
2023年3月末現在、同町で生活保護を受給している外国人は94人(受給者全体の23.1%)・65世帯(20.1%)。
171人(32.4%)・97世帯(25.4%)とピークだった平成27年3月末より改善したが、なお高水準だ。
生活保護費の膨張は町の財政を圧迫しないが、国や県の負担を増す。
生活保護受給が多い原因の1つとして考えられるのは日本語能力の無さだ。
工場労働は日本語の会話があまり必要ないが、
「それでも雇用する側は、日本語が使えない人は雇いづらい面もあるのではないか」(同町の担当者)。
町でも日本語講座を開くなどしているが追いつかない。
別の担当者は国の対策を求める。
「例えば制度説明のポルトガル語資料は町が作っており、コストがかかる」
「国で全国統一のものを作ってほしい」
この担当者は、今後、国による外国人労働者の受け入れが進むと、外国人の集まり方の差が自治体間で生まれ、必要コストの負担が不公平になるのではないかと危惧する。
この他、派遣社員や期間工として他県へ転出したり、母国へ帰ったりする外国人もおり、住民税などの滞納を回収しづらいといった悩みがあるという。
政府は人手不足を解決するため、入管難民法が定める
「専門的・技術的分野」
の在留資格に関し、対象拡大を目指す考えだ。
ただ、闇雲に外国人労働者を増やしても国の財政負担増などに繋がりかねない。
どんな課題にどう対処すればいいのか、大泉町は1つのモデルケースとなりそうだ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/147.html#c37

[政治・選挙・NHK292] ここにも安倍以来の劣化 大義なき解散権 振り回す自民 煽るマスコミ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
21. 2023年10月15日 13:30:41 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[37]
<■122行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
「留守番禁止」撤回 親締め付けるより支援を
2023/10/15 5:00
https://www.sankei.com/article/20231015-IE5XGTF6WJJLNLVX36QQ7WOZE4/
埼玉県の2023年9月議会に自民党県議団が提出した虐待禁止条例の改正案が批判を受け、撤回を余儀なくされた。
子供だけ家に残して親が外出する留守番などが放置に当たるとされ、県民に通報義務が生じるとの内容は、誰が聞いても行き過ぎで無理があろう。
子育て家庭の声をどこまで踏まえたのか。
実態と隔たり、保護者らの理解を欠いては虐待防止に繋がるはずもない。
改正案は児童が放置され、危険な状況に置かれることを防止する目的で、保護者らの安全配慮義務を定めた条文に追加した。
具体的には、保護者らが小学3年生以下の児童を自宅に残して外出するなど放置をしてはならないと禁止し、小学4〜6年生の児童については努力義務とした。
県民には発見時の通報を義務化した。
県議会の質疑などでは、子供だけの公園での遊びや登下校も放置に当たるとされた。
子供が車内に閉じ込められ、熱中症などによる痛ましい事故が相次ぐ。
幼い子供を家庭に置いたまま若い親が遊びに行くなどネグレクト(育児放棄)が虐待として問題となっている。
子供の安全のための趣旨は理解できるとしても、小学生が留守番するのは珍しいことではなかろう。
公園での遊びは見慣れた光景である。
それを1つ1つ通報されては警察や行政も混乱するばかりだ。
海外では子供1人で出歩く危険が強く認識され、留守番できる年齢を定めるなどの例がある。
だが国情や家庭状況を無視して真似ても実効性はない。
改正案は県議会委員会で自民などの賛成多数で可決し、2023年10月13日の本会議で成立見通しだった。
2023年10月10日に一転して自民県議団長が撤回を表明し
「私の説明不足」
と陳謝した。
改正案の内容には
「瑕疵がなかった」
としたが、内容自体に問題があるのは明らかだ。
現状理解を欠き、対応はお粗末と言わざるを得ない。
自民県議団は昨年のLGBT条例制定を主導したが、女性の権利侵害などの不安を拭えぬままだった。
県民の声を真摯に聞いているか。
家庭の孤立化を避ける施策の重要性が認識され、地域が連携した虐待防止策が問われる。
保護者だけに責任を押し付けても虐待防止に繋がらないのは過去の事件からも明らかだ。

世論反発で撤回…「留守番は虐待」条例案、異例の事態
2023/10/13 19:54
https://www.sankei.com/article/20231013-QBHRQR2GIVKJJICB4FMKER2IDE/
自民党県議団が県議会に提出し、子育て世代から批判が殺到した
「虐待禁止条例」
の改正案。
2023年10月6日の福祉保健医療委員会で、自民、公明が賛成して可決され、最終日の2023年10月13日の本会議で成立するとみられていたが、世論の反発を受けて、2023年10月10日に県議団が撤回を表明する異例の事態となった。
自民県議団の田村琢実団長は撤回に関し、2023年10月10日の記者会見で
「私の説明不足」
と陳謝した。
田村氏の言葉が本心かどうか分からないが、説明を尽くしたとしても果たしてその内容は県民の納得のいくものだったのだろうか。
というのも、他会派から提出された改正案の修正案が反対多数で否決された2023年10月6日の福祉保健医療委終了後、記者団の取材に応じた田村氏は、自民のプロジェクトチーム(PT)で長期間に渡って議論を積み重ねてきたなどと説明。
「短期間で(改正案を)いじられるのは心外だ」
と発言しているからだ。
愛情を持って子育てに取り組んでいるにもかかわらず、虐待をしていると見做されかねない改正案を突き付けられた県民こそが、むしろ自民県議団に
「心外だ」
と感じているのではないか。

「留守番は虐待」条例案撤回…自民県議団長の責任論に発展か
2023/10/13 19:32
https://www.sankei.com/article/20231013-PZK66IICNJKORAMS3SESTCSPII/
自民党県議団が埼玉県議会に提出していた子供だけの留守番などを放置による虐待と定める
「虐待禁止条例」
改正案の撤回が、2023年10月13日の本会議で承認された。
県議団の田村琢実団長は改正案について
「瑕疵はない」
と説明するが、委員会で可決された改正案が世論の反発を受けて一転、撤回に追い込まれただけに、今後、自民県連内に田村氏の責任論が浮上しかねない。
「前代未聞の事態だ」
「間違いなく自民党にとってイメージダウンになる」
県選出の自民衆院議員は改正案の白紙撤回についてこう語った。
その上で、
「(自民県議団の中で)責任を追及する声が上がらないのは、おかしいのではないか」
とも批判した。
事実、改正案撤回が承認された2023年10月13日の本会議後に開かれた自民県議団の会合では、田村氏の責任問題に触れた県議は1人もなかった。
というのも、県議は今春の統一地方選で県議選を終え、任期が3年以上保証されているからだ。
ただ、県議とは裏腹に、2023年年内にも衆院解散が取り沙汰される自民の衆院議員は危機感を強める。
牧原秀樹衆院議員(比例北関東)は2023年10月8日、改正案について
「これだけの反対の声がある中、強引に進めるのは私は断固反対です」
とX(旧ツイッター)に投稿した。
自民県連内では、2023年10月22日投開票の衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の統一補欠選挙の結果が、田村氏の進退に影響を及ぼす可能性があるとの向きもある。
衆院選の足音が聞こえる中、補選で敗れて野党が勢い付けば、少しでもマイナス材料を取り除いておこうとする動きが出てもおかしくはない。
ある県選出の自民衆院議員は
「(補選の結果次第で田村氏の)責任論が強まるのは必至だ」
との認識を示した。

「留守番も虐待」条例案の撤回、埼玉県議会が承認 案では「幅広い家庭が虐待」と批判
2023/10/13 12:05
https://www.sankei.com/article/20231013-TBEXVHWTCFM65JBMVH2VHQYPQQ/
埼玉県議会は2023年10月13日午前の本会議で、自民党県議団が提出していた
「虐待禁止条例」
の改正案の撤回を承認した。
子供だけでの留守番などを放置による虐待と定め、放置を発見した県民にも通報の義務を課すといった内容で、党内外から批判の声が上がっていた。
改正案は2023年10月6日の福祉保健医療委員会で自民、公明が賛成し可決、2023年10月13日の本会議で成立するとみられていた。
ただ、子育て中の幅広い家庭が虐待をしていると見做されるなどと批判を浴びたことから2023年10月10日に県議団が撤回を表明。
2023年10月11日に撤回請求書が出されていた。
改正案は、保護者らが小学3年生以下を自宅などに放置することを禁じ、小4〜6の児童に関しては放置しないことを努力義務と規定。
さいたま市PTA協議会が2023年10月9日、県議団に反対意見書を提出するなど、子育て世代から批判が殺到していた。

子育て当事者の意見聞いて 埼玉県虐待禁止条例改正案に反対署名
2023/10/11 18:55
https://www.sankei.com/article/20231011-XDKE2YJCLVO5RAHLB2WM53WDO4/
埼玉県議会に自民党県議団が提出し2023年10月10日に撤回した虐待禁止条例改正案に反対する署名呼びかけ人らが2023年10月11日、厚生労働省で記者会見し、改正案提出の動きを
「非常に拙速だった」
として、各地の議会でも同様のことが起きないように
「子供や子育て当事者の意見をきちんと聞いて進めてほしい」
と訴えた。
署名活動はインターネットのサイトで行い、2023年10月11日午後までに9万9000人分以上が集まったという。
改正案は、子供だけでの留守番などを放置による虐待と定めていた。
署名呼びかけ人の野沢湖子さんは
「生活の中で、ごみ出しやちょっとした買い物に行くこともある」
「条例は、子供を四六時中監視していろと言われているような内容だった」
と振り返った。
野沢さんらは、自民党県議団が意見公募を実施したとしながら内容を明かさなかった点などを問題視。
こども基本法が規定する、子供施策の策定などに当事者らが意見表明し、それらが反映される枠組みが実現されるよう、要望書をこども家庭庁に提出したという。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/148.html#c21

[政治・選挙・NHK292] 海水からトリチウム検出 東電、通常精度で4回目(東京新聞 TOKYOWeb) 達人が世直し
9. 2023年10月15日 13:54:35 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[38]
<▽48行くらい>
主張
IAEA海洋調査 中国は暴論撤回の機会だ
2023/10/15 5:00
https://www.sankei.com/article/20231015-7CEIB7GT7NLURDBWYTSH2DYZ7A/
東京電力福島第1原子力発電所からの処理水海洋放出の安全性への国際的な信頼感の醸成に繋ぎたい。
国際原子力機関(IAEA)による第1原発周辺海域での科学調査が2023年10月16日から約1週間実施される。
調査項目は海水や海底土、海の生物の放射能レベルなどだ。
処理水の放出は2023年8月末に始まり、現在は2回目が実施中だ。
初回と同じく7800トンが海底トンネルを通じ、1km沖に17日間をかけて流される。
第1原発内の多核種除去設備(ALPS)で大半の放射性元素が除去され、極めて微弱な放射線を出すトリチウムだけが残るのが処理水だ。
その放出は国際的な安全基準に即しており環境への影響はないとされる。
だが中国政府は
「核汚染水」
と決め付け、根拠を欠く中傷を続けている。
初回の放出に合わせたホタテなど日本産水産物の不当な全面禁輸は今も続き、中国語での日本への嫌がらせ電話も多発した。
放出後初となるIAEAの調査には
「分析機関比較」
という手法が導入されている点に注目したい。
日本との共同作業で採取した魚などの試料をIAEAと日本の分析機関が個別に分析し、その結果を照合するので客観性が担保される仕組みだ。
今回の調査にはIAEA海洋環境研究所のメンバーだけでなく、IAEAから指名されたカナダ、中国、韓国の分析機関の専門家も第1原発沖での試料採取段階から参加する。
1回目の放出時から東電や水産庁などが海水やヒラメなどのトリチウム濃度を測定しているが、検出限界値未満の結果が続いており、中国の反日的で非科学的な批判からは程遠い。
日本政府のこれまでの対外的な説明で、世界の多くの国々が処理水海洋放出に問題がないことを認めてくれている。
IAEAの分析機関比較によって、日本の主張の正しさが裏打ちされるのは間違いない。
中国にとってこれまでの暴論の数々を撤回する好機ではないか。
2023年10月24日からは処理水放出に関するIAEAの別の調査団が来日し、関係省庁などと計画の全体評価に繋がる意見交換が行われる。
政府は国際社会への積極的な情報発信に全力を挙げねばならない。
海洋放出は廃炉の一環として今後30年間ほど続く長丁場の事業なのだ。

海水からトリチウム検出 東電、基準大きく下回る
2023/10/13 17:37
https://www.sankei.com/article/20231013-D554JTXMBFMSBERXVTODUMTB3U/
東京電力は2023年10月13日、福島第1原発の処理水放出口付近で2023年10月12日に採取した海水から、放射性物質トリチウムが1リットル当たり14ベクレル検出されたと発表した。
通常の精度での分析による検出は4回目。
世界保健機関(WHO)の飲料水基準(1リットル当たり1万ベクレル)を大きく下回っており、東電は
「安全上の問題はない」
としている。
東電によると、検出されたのは原発3km圏に10カ所ある採取場所のうち、放出口から最も近い場所。
過去3回も同じ場所で9.4〜11ベクレルが検出された。
残りの9カ所は検出下限値未満だった。
第1原発では、2023年10月5日から2回目の海洋放出中。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/146.html#c9

[中国13] 中国に「失われた30年」は来ない 不動産崩壊は命取りではなかった/アサ芸biz 仁王像
1. 2023年10月16日 07:23:43 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[39]
<■386行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
不動産業壊滅続く中国の低迷
正論2023年11月号 産経新聞台北支局長
産経新聞の田村秀男特別記者をはじめ国内外の識者が指摘しているように、中国経済は今、旧失速しています。
それだけでなく国家の3本柱をなす外交、安全保障、経済のいずれも危機的な状況となっているのです。
まず経済ですが長年、中国経済を牽引してきた不動産業が最近、壊滅的な状態になっています。
恒大集団と碧柱園(へきけいえん)という2大巨頭が不渡りを出して破産する寸前まで追い詰められています。
それ以外の不動産大手企業も安泰ではありません。
中国の不動産業者は、土地の値段(厳密には土地使用権料)が上がり続けることを前提に、買った土地を担保にして借金をし、その金でまた別の土地を買う。
そして建物を建てるという名目で、土地を先に売ってしまい、その金でまた別の土地を入手する。
一方で、建設費用の支払いは後回し。
そして将来の入居者からは先に不動産購入費を得る。
こうして錬金術的に幾重にも借金を重ねて、どんどん事業を拡大してきました。
土地の値段が上がっているうちは、この歯車がうまく回り、皆がハッピーになれたのです。
しかし数年前から、どうも土地の値段が高止まりして天井が見えてきたのです。
そこで不動産業者は多角経営を始め、新規事業にも手を広げるようになります。
資金が足りなくなれば銀行から借金して自転車操業を続けていました。
それも最近、どうやら限界を迎えつつあるようなのです。
■日本の教訓生かせず
習近平政権は2017年頃から、不動産バブルの引き締めに乗り出しました。
「不動産は住むためのものであって、投資するためのものではない」
と発言して、2軒目・3軒目の住宅購入を制限したり、不動産業者の財務体制の検査を厳しくしたり、遂には2020年、銀行が不動産業者に貸し出す資金の量を制限する総量規制に踏み切りました。
これで不動産業界は音を立てて崩壊し始め、翌2021年には恒大集団の経営危機も表面化しました。
この
「総量規制」
は、日本のバブル崩壊の引き金ともなったものです。
それだけに、中国は日本の失敗に全く学んでいない、とも指摘されています。
ただ実際のところは、日本のバブル崩壊過程を研究してきた学者は、中国にかなりいるそうです。
しかしそうした学者が声を上げられる状況にない。
習近平の経済政策は素晴らしい、という建前になっていて、中国の経済が危機的状況にあるという本当の事を発言してはいけない雰囲気だというのです。
だから学者が発言できず、日本の轍を踏んでしまっている。
それで不動産業界は一気に低迷しているのです。
本来、大手不動産業者の倒産が相次ぐはずなのですが、騙し騙しで延命させて現在に至っています。
恒大集団に碧柱園、その他いくつもの不動産企業を破産させ清算すれば、一時的にショックは大きいのですが、国家として損切り(損失額の確定)が出来ます。
しかし中国政府はメンツを大事にするので、損切りをさせません。
これは言うなれば糖尿病(生活習慣病)患者の足先が壊死した時に、足先を切断すれば命が助かるのにそうせず、放置しておくようなものです。
するとどんどん症状が悪化し、やがては膝まで、足の付け根まで壊死することにもなる。
今の中国経済は、その方向に進みつつあるのです。
この不動産業者を立て直そうと思ってもどうにも無理です。
結局そのしわ寄せは、不動産を購入した人たちや建設業者に及んできます。
マンションを予約購入した人は、お金を払った1〜2年後に本来なら入居できるのですが、完成しないため入居できません。
建設業者はと言うと、完成後に建設費を受け取ることになっているのですが、建設している最中に
「どうやらこれは支払いが受けられないぞ」
と気が付く。
そうなると、建設業者は工事を中止し、マンションは未完成のまま放置される。
天井がないとか、酷い場合は30階建てのはずが15階までしか出来ていないという状況で工事が止まって廃墟化するわけです。
こうなるとマンションを予約購入した人は、借家の家賃も払いながらマンションのローンも払う必要があるわけで、たまったものではありません。
二重の負担に耐えられなくなった人の中には、借家を引き払って未完成のマンションに強引に引っ越す人が出てきます。
当然、水道も電気もありません。
そうした不自由な暮らしを強いられている人々の間には、政府への不安が高まっています。
また、建設業者は不動産業者から費用を払ってもらえないため、雇っている農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)にも給料を払えません。
中には腹いせに、途中まで建設した建物を壊しにかかる人まで出てくる始末です。
こうした混乱が中国各地で起き、国民に心理的ダメージを与えているのです。
もちろん報道規制のためニュースなどでそうした実態は伝えれらませんが、多くの人はそのような状況を実際に見聞きしていますし、親戚が酷い目に遭っているという人も多く、国民の間では口コミで不動産にまつわる惨状が広がっています。
それでも中国当局が不動産業者を倒産させず無理に延命させれば、庶民の苦境もいつまでも続くことになるわけです。
日本のバブル崩壊後も、銀行の不良債権処理にはかなりの時間を要しました。
ただ、日本の場合は当局も民間も一生懸命、問題を解決しようと努めました。
それに対して中国の場合は、問題を解決しようとしていません。
習近平政権は権力闘争その他のことに忙しくて、不動産の問題に本腰を入れていないのです。
そして不動産業者が潰れなければいい、とばかりに延命させています。
そのため、中国の場合は経済が一気に崩壊するのではなく、超低空飛行がだらだらと続くという状況が見込まれます。
もちろん様々な矛盾が噴出して、社会の混乱も長引くことでしょう。
日本のバブル崩壊後には、毎年のように首相が交代するようになりました。
国民の不満を受けてのことですが、あれは一種のガス抜きになっていたとも言えます。
これに対し、一党独裁の中国ではトップの交代というわけにはいきませんから、国民の不満は蓄積されたままということになります。
■外交も国防も大混乱
以上のように中国経済は壊滅的な状況になっていますが、外交や安全保障の分野もガタガタです。
外交に関しては、習近平氏は2023年8月に南アフリカで開かれた新興5カ国によるBRICS首脳会議には出席しましたが、2023年9月にインドで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は欠席しました。
欠席の理由は色々挙げられていますが、習近平氏は3期目に入って
「皇帝」
と化しており、国際会議でも自分が中心でなければ気が済まず、そうでないと外交の場にも乗り出さないのではないか、と言われています。
BRICS首脳会議の場合は、ロシアがウクライナ侵攻の苦戦でプーチン大統領も現地入りできず、中国が中心になることができました。
けれどもG20では、中国はどう考えても主役ではありません。
むしろ中国にとってはアウェー(敵地)であり、米国をはじめ中国の仲間ではない国が多い。
そして習近平氏が出席すれば、台湾問題や人権問題などで説教を食らう可能性が多分にありました。
G20の参加国には余り豊かではない国も多く、これまで中国はそれらの国にカネを配って優位に立つことが出来ました。
しかし今の中国は経済的に厳しく、カネを配る余裕もありません。
そうなるとG20に行く意味も余りないし、習近平氏としても行きたくもない。
それで欠席ということに至ったようです。
今、国際会議となると台湾とウクライナの問題に触れないわけにはいきません。
そのウクライナ問題を巡って、中国は表向き
「中立」
を装っていますが、実際のところはロシアを支持しています。
国際会議の場では、共同声明でロシアを非難する文言が盛り込まれることもあり得ます。
その場に習近平氏がいてロシア非難に加わる形になるのは、やはり避けたい。
更には国際会議で、台湾に関する決議が採択される可能性も否定できません。
そんな所に習近平氏がいれば、メンツ丸潰れです。
というわけで、中国の外交は今や
「皇帝式外交」
になっています。
北京で習近平氏が待っていて海外の首脳がやって来て”謁見”するような構図でない限り、習近平氏は外交をやりたくないのです。
こうした傾向は習近平政権が3期目に入って益々顕著になっていると言えます。
そして2023年7月末には、秦剛・前外相が失脚し、中国外務省内は大混乱に陥っています。
外交官は皆、秦剛氏の一味だと見られて粛清されることを警戒して、仕事どころではなくなっている模様です。
それで中国外交はかなり迷走しているような印象を受けます。
福島第1原発の処理水を巡って中国は日本に抗議しているものの、国際社会では完全に孤立しています。
安全保障分野では最近、ミサイル部隊であるロケット軍幹部の大規模な更迭が伝えられ、2023年8月末には李尚福国防相の行方まで分からなくなりました。
李尚福国防相の1件についてまだ詳細は分かりませんが、これだけ軍で粛清が続けば軍人たちが
「明日は我が身」
と浮足立つのは当然のことです。
米国の研究機関が2022年、発表したレポートの中に、中国ロケット軍の装備の配置や担当者の名前などが書かれており、ロケット軍の中に米側のスパイがいるのではないかと騒がれました。
これを機に中国人民解放軍幹部の粛清が始まり、遂に李尚福国防相に加えて魏鳳和・前国防相も行方不明となっています。
習近平氏は軍全体が信用ならない、と疑心暗鬼に陥っているようなのです。
■起死回生の台湾侵攻策
このように中国では国家の3本柱が全て揺らいでおり、習近平3期目政権は発足から1年足らずで末期症状を呈しているのです。
そうした中でも台湾が警戒しているのが、八方塞がりになった習近平氏が一か八かの賭けに出て台湾に侵攻してくることです。
もし台湾に侵攻すれば、中国は国際社会から各種の制裁を受けることは必至です。
その際、何はともあれ食料は自給しなければなりません。
ケ小平時代以降、中国では
「退耕環林」
と言って国土の緑化を進めてきたのですが、最近になって習近平氏は
「退林環耕」
と言って木を切り倒して農地化し、食料の増産に乗り出しているのです。
ちなみに食料増産は毛沢東が熱心に取り組んできたことで、習近平氏は尊敬する毛沢東の政策を踏襲している、とも言えるでしょう。
尚、台湾統一は中国共産党の、あるいは中華人民共和国の悲願です。
しかしそれは、今やらねばならない理由はありません。
毛沢東以来、
「総合的に判断して、台湾侵攻は時期尚早だ」
として先送りしてきた課題なのです。
ところが
「皇帝」
になった習近平国家主席としては、台湾統一は自分自身の悲願になっています。
習近平氏の中国トップとしての地位は当面安泰ですが、振り返ってみても習近平氏の実績は何もありません。
となると、台湾統一の賭けに出るしかない。
胡錦濤以前の指導者にとっては、共産党の問題なので台湾侵攻はいくらでも先延ばしが出来ましたが、習近平氏としては自身の手で台湾を統一したい。
しかし現在、70歳という年齢を考えればチャンスは今後数年しかありません。
だから少しでも隙があればいつでも台湾に侵攻したいと考えているはずです。
2023年8月末頃、台湾で中国発と見られる、
「かつて福島第1原発の処理水を飲んだ日本の政府高官が死んだ」
とするフェイクニュースが流れました。
これなども、日台分断を図り台湾を揺さぶる狙いだったのかもしれません。
それだけに台湾を米国も国際社会も、中国に隙を見せないことが重要になって来るのです。

中国不動産大手、「債務不履行の可能性」 碧桂園
2023/10/10 18:10
https://www.sankei.com/article/20231010-SRQADXSUKVOO3JQ4G4XTOIO7ZM/
経営危機に陥っている中国の不動産大手、碧桂園は2023年10月10日、外貨建て債務の支払いに関し
「期限内に履行できない可能性がある」
と発表した。
一部の香港ドル建て債務の返済ができていないとも明らかにした。
碧桂園は
「手元資金が減少を続けている」
と表明。
「現在の市場環境では短期間に十分な額の現金を補充することは困難だ」
とした。
返済期限を過ぎた4億7000万香港ドル(約90億円)の債務については、返済が遅れていると説明。
「債権者が義務の早期履行を要求したり、強制執行に出たりする可能性がある」
との懸念も示した。
人民元建て債務の総額147億元(約3000億円)については債権者から返済期限延長の合意を得たと指摘した。(共同)

中国 不動産最大手「碧桂園」外貨建て債務支払えない可能性
2023年10月10日 15時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231010/k10014220731000.html
中国の不動産最大手の
「碧桂園」
は、外貨建ての債務について期日までに支払えない可能性があるという見通しを明らかにしました。
会社は今後、債権者との協議を進めるとしていますが、協議は難航が予想され、経営の先行きへの懸念が一段と強まっています。
中国の不動産最大手
「碧桂園」
は、不動産市場の低迷による販売不振などで、2023年6月までの半年間の最終損益がおよそ1兆円の赤字に転落するなど経営難に陥っています。
こうした中
「碧桂園」
は、2023年10月10日、一部の債券の元本、4億7000万香港ドル、日本円で89億円の支払いが出来ていないことを明らかにしました。
更に会社では、ドル建てを含む全ての外貨建ての債務について新たな資金調達が困難な状況だとして、期限までに支払えない可能性があるという見通しを示しました。
会社は
「最優先の課題は、プロジェクトの引き渡しを確実にすることであり、資金繰りを改善するため、全力を尽くす」
とし、今後も事業を続けながら債権者との協議を進めていく考えを示しました。
ただ、不動産市場の低迷の長期化で、業績や資金繰りの悪化が深刻になる中、債権者との協議は難航が予想され、経営の先行きへの懸念が一段と強まっています。

中国、住宅価格の下落が拡大 8月は74%の都市で下落
2023/9/15 11:45
https://www.sankei.com/article/20230915-DNW63UN5RRKULCG7UKAB4EIYDE/
中国国家統計局が2023年9月15日発表した2023年8月の新築住宅価格指数によると、前月比で下落したのは主要70都市のうち52都市だった。
下落した都市数は前月から3都市増え、全体の74%に当たる。
習近平政権の統制強化に端を発した不動産市場の低迷が長期化しており、経営悪化が中国恒大集団や碧桂園(へきけいえん)など不動産大手に広がっている。
習政権は金融緩和や住宅購入支援策を相次いで打ち出し、市場を下支えしようとしているが、まだ期待するような成果が出ていない。
不動産は中国の国内総生産(GDP)の3割程度を占めるとされ、中国経済への影響が懸念されている。
前月比で価格が上昇したのは17都市で、前月から3都市減った。
横ばいは1都市だった。
首都の北京市が下落に転じ、直轄市の天津市も下落が続いている。
南部の経済都市である広東省広州市や同省深圳市なども下落傾向から脱することが出来ていない。

中国恒大の元幹部を当局が拘束か 人民元建て債は未払い、資金繰り悪化
2023/9/26 17:01
https://www.sankei.com/article/20230926-OF7NVMS3BNJ7FDO5DL3A3RU57M/
中国メディアの財新は2023年9月26日までに、経営再建中の不動産大手、中国恒大集団の夏海鈞(か・かいきん)・元最高経営責任者(CEO)と、潘大栄(はん・だいえい)・元最高財務責任者(CFO)が中国当局に拘束されたとみられると報じた。
同社の経営を巡る混乱が続いており、再建を巡る不透明感が強まっており、両氏は、恒大集団とグループ会社を巡る不適切な資金流用に関わったことが判明し、2022年7月に辞任していた。
創業者の許家印(きょ・かいん)氏は現在も執務を続けているとみられる。
中国メディアによると、恒大集団の中核子会社である恒大地産集団は2023年9月25日、同日が期限だった人民元債40億元(約810億円)の元利金の支払いが出来なかったと発表した。
同債券は2023年3月23日が期限だった利払いも出来ていなかった。
資金繰りの悪化が続いているもようだ。
恒大集団は2023年9月24日、恒大地産集団が当局の調査を受けているため、現在の状況では
「新たに債券を発行する資格を満たせない」
とする声明を発表した。
恒大集団が再建に向けて進める債務再編案に影響が出る可能性が出ている。

ムーディーズが中国の碧桂園格下げ 「デフォルト寸前」
2023/8/31 23:37
https://www.sankei.com/article/20230831-4CTHZ6O5XNNRJH7GKQ3WY7QEJU/
米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2023年8月31日、経営難に陥っている中国不動産最大手の碧桂園(へきけいえん)の格付けを
「Caa1」
から
「Ca」
に引き下げたと発表した。
Caは下から2番目で、デフォルト(債務不履行)に近い状態を示すとされている。
碧桂園は業績が落ち込んで財務状況も悪化している。
ムーディーズ幹部は格下げについて、碧桂園の流動性の逼迫やデフォルトリスクの高まり、債権が回収できる見込みが弱いことを反映したと説明している。
格付けの見通しは
「ネガティブ」
で、更なる格下げの可能性がある。
碧桂園は2023年8月30日、2023年1〜6月期決算の最終損益が489億元(約9800億円)の赤字だったと発表した。
前年同期の黒字から一転して赤字に転落した。
碧桂園の経営状況は経営再建中の中国恒大集団などと比べて比較的健全と見られていた。
碧桂園は2022年の不動産販売額が3569億元(約7兆2000億円)で中国の業界トップだった。
中国では習近平政権の統制強化を機にした不動産市場の低迷が長期化し、碧桂園や中国恒大集団など経営悪化が不動産業界全体に広がっている。
不動産は中国の国内総生産(GDP)の3割程度を占めるとされるため中国経済への影響が懸念されている。

中国の習政権に何が起きているのか 領土拡大志向で四面楚歌′ヌ立化恐れ国際会議欠席 注目されるAPECへの動向
2023.9/21 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230921-LO4EVZTTGZLLTAF677RTO5JDOM/
中国の習近平国家主席は2023年8月21日から24日にかけて、南アフリカ共和国を公式訪問し、シリル・ラマポーザ大統領と首脳会談を行った他、BRICSS首脳会議に出席した。
ところが、2023年9月6日にインドネシアにて開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議、2023年9月9、10日にインドで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議には欠席した。
南アには行っていることから、健康問題ではないだろう。
それではASEANプラス3とG20の欠席の理由は何か。
習氏にとって国際会議は、中国の世界に対する優位性を自国民にアピールする場だ。
BRICS首脳会議では、アルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国が2024年1月1日にBRICSに加わることが決まった。
ここでは習氏は主役であり、さぞかし気持ちが良かっただろう。
その習氏が、ASEANプラス3を欠席したのは格が下とみていることなどが理由だろう。
それに加えてASEANプラス3直前に中国が公表した地図に、ASEAN諸国など国際社会の非難が広がったこともある。
沖縄県の尖閣諸島を中国名の
「釣魚島」
と表記し、南シナ海のほぼ全域を自国のものとし、インドとの係争地も自国領、中露国境に位置する大ウスリー島のロシア領部分も中国領とした。
ここまで領土拡大志向をあからさまにすると、相手も黙っていられない。
日中韓でも韓国の尹錫悦大統領は前任の文在寅氏と異なり中国に手厳しい。
ここでも四面楚歌となる可能性があった。
議長国のインドネシアくらいは懐柔できるが、出席する気がなくなったのだろう。
そしてG20については、議長国がインドだったため、習氏の言う通りにならず、ロシアのプーチン大統領も欠席、それに引き換え先進7カ国(G7)は勢揃いなので、習氏が孤立化を恐れたためと思われる。
中国の国内経済が悪いのも、成果のない外遊を許さない背景だ。
中国恒大の問題でも分かるように、不良債権は深刻で、新たな経済指標も芳しくない。
中国国家統計局が2023年9月15日発表した2023年8月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が下落したのは全体の74%に当たる52都市だった。
こうした状況があることから、2023年11月に米カリフォルニア州サンフランシスコ市で開催予定のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議も習氏は欠席との観測が浮上していた。
APECは米国、カナダ、中国、日本、オーストラリア、ロシア、台湾などインド太平洋を取り囲む21カ国・地域の枠組みだ。
だが、サリバン米大統領補佐官と中国外交トップの王毅政治局員が地中海のマルタで2日間に渡り会談した。
米中首脳会談を模索しているとみられ、習氏がAPECに出席する可能性も残されている。

米「中国のロケット軍の詳細」公開 習氏の軍事配備が丸裸に?
2022年10月28日
https://www.visiontimesjp.com/?p=37919
米空軍大学の中国航空宇宙研究所(CASI)は2022年10月24日、人民解放軍ロケット部隊の組織構造に関する報告書を発表し、内部の人事構成や全国への配置状況などを詳細に説明した。
中国航空宇宙研究所のこの255ページに及ぶ報告書は、中国軍のロケット部隊の組織構造について、上層部の指揮システムから後方支援製品基地まで、基地の住所、部隊の主要機能、責任者の中国語と英語の名前、部隊番号などの詳細情報を掲載している。
報告書には、ロケット軍の各部門の主要責任者の写真、名前、お互いの関係がツリー図で示されている。
また、全国のロケット部隊の配置を中国の地図上に示した。
この報告書の著者である中国航空宇宙研究所のブレンダン・S・マルバニー(Brendan S. Mulvaney)所長は、これは確かに、これまでに発表されたロケット軍の組織構造に関する最も包括的な報告書であると述べた。
「習近平中央軍事委員会主席の指導の下、人民解放軍ロケット部隊の拡大について、極めて具体的なメッセージを伝えている」
報告書は、ロケット軍が1960年代から長距離ミサイルを研究し始め、1980年代に中距離弾道ミサイル「DF(東風)-21」を先駆的に開発し、近年はより高性能な中距離弾道ミサイル「DF-26」や極超音速滑空機「DF-17」を保有していることに言及している。
ロケット軍の部隊も年々拡充され、2017年から2019年末にかけて、僅か3年間で29旅団から39旅団に増加した。
この中国ロケット軍に関する報告書は、第20回党大会の直後に公表され、その実用化の可能性に疑問が呈された。
台湾の国防安全保障研究院軍事戦略産業研究所の蘇子雲所長は、この報告書は米国の情報能力を示しており、必要ならばこれらのミサイルを根絶することさえ可能であると述べた。

中国、国防相を調査・解任か 米政府判断 英紙報道
2023/9/15 10:35
https://www.sankei.com/article/20230915-TO65VBXTHRMI3HZNLV7HMFRLIY/
英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は2023年9月14日、動静が2週間以上途絶えている中国の李尚福国務委員兼国防相が中国当局の取り調べを受け、国防相としての任務を解かれたとの判断を米政府が下していると報じた。
複数の米政府当局者の話としている。
中国の習近平政権では外交・国防の要職が次々と交代する事態が続いている。
2023年7月に秦剛国務委員兼外相(当時)が約1カ月動静不明となった末に外相を解任された他、核ミサイル部隊を管轄するロケット軍で司令官ら幹部2人が同時に交代し、汚職で調査を受けているとも報じられた。
李氏への調査目的や米政府の判断理由は不明だが、汚職疑惑が関係しているとの見方がある。
また、ロイター通信は2023年9月14日、李氏が先週、中越国境付近でベトナム国防当局者との会談を予定していたが、
「健康上」
の理由で直前に延期されたと報じている。
李氏をめぐってはトランプ前米政権が2018年、ロシアとの武器取引を巡り制裁対象に指定。
バイデン政権は軍事衝突など不測の事態を回避するためオースティン国防長官との国防相会談を求めてきたが、中国側は拒否してきた。

中国前外相、国家安全で調査か WSJ
2023/9/20 8:00
https://www.sankei.com/article/20230920-5CIPVZGYHVJRZBBKGCJWN25T7Q/
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は2023年9月19日、中国で動静不明となり2023年7月に解任された秦剛前外相が、国家安全を脅かした可能性について共産党の調査を受けていると伝えた。
駐米大使時代に不倫関係になった女性との間に、米国生まれの子供がいることが問題になったという。
消息筋によると、中国当局は2022年12月まで駐米大使を務めた秦氏と米国との関わりを注視しているとの見方がある。
「WSJスクープ 中国 中国前外相、不倫で解任=関係筋」
同紙日本語版のタイトルはこうなっていた。
秦氏は昨年末、初代外相の周恩来元首相に次ぐ56歳の若さで外相に就任した。
「戦狼外交官」
として習近平国家主席に注目され、2023年3月からは国務委員(副首相級)を兼任するスピード出世を果たした。(共同)

中国前外相、国家安全で調査か 米との関係注視
2023/9/19 22:13
https://www.sankei.com/article/20230919-SAAASXG27ZPJ7OWOIAODADXMXQ/
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は2023年9月19日、中国で動静不明となり2023年7月に解任された秦剛前外相が、国家安全を脅かした可能性について共産党の調査を受けていると伝えた。
複数の中国高官の話としている。
消息筋によると、中国当局は2022年12月まで駐米大使を務めた秦前外相と米国との関わりを注視しているとの見方がある。
中国では李尚福国防相も動静不明となり、不正で調査を受けているとの観測が浮上。
2023年3月に本格始動した3期目の習近平指導部は外交・安全保障の閣僚がいずれも表舞台から姿を消し、スキャンダルが噂される異常事態となっている。
同紙によると中国の閣僚級高官らは2023年8月、秦前外相の解任理由は
「生活上の問題」
だと説明を受けた。
米国で婚外子が生まれたことが問題視されたという。
解任後も調査を受けており、米国に子供がいることが大使としての対米交渉に影響したのではないかと疑われているとされる。(共同)

http://www.asyura2.com/19/china13/msg/330.html#c1

[中国11] 中国での結婚を捨て、日本で超亭主関白な夫に嫁いだ中国人女性が感じた「最高の温かさ」―華字メディア 赤かぶ
5. 2023年10月16日 07:25:22 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[40]
<■197行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「一帯一路」10年 中国の危険な侵食許すな
2023/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20231016-K7N5WWKT6RIBZL33YVI2PMKNZQ/
経済力を武器に自国の覇権を追求してきたのではないのか。
中国の習近平国家主席が巨大経済圏構想
「一帯一路」
を提唱して10年が経った。
この間、目に付くのは、過剰な融資で相手国を
「借金漬け」
にして港湾などの重要拠点を支配下に置くケースだ。
海路を含めた一帯一路の広範な対象地域を自国の勢力圏とする思惑が窺える。
日本など先進7カ国(G7)は
「自由で開かれたインド太平洋」
を軸に、自国主導の国際秩序形成を目指す中国に対抗すべきだ。
一帯一路は、中国から陸路で中央アジアを通って欧州へ至る
「シルクロード経済ベルト」
と中国から海路で南シナ海やインド洋を経てアフリカ、欧州へと至る
「海上シルクロード」
の建設構想を指す。
中国政府は2023年10月10日、一帯一路に関する白書を発表した。
152カ国、32の国際機関と200件以上の共同建設文書に調印し、参加国などへの累計直接投資額は2013年から2022年までで約36兆円に上ったことなどを
「成果」
として強調した。
しかし、主要参加国のスリランカは2017年、対中債務の返済に窮して南部のハンバントタ港の運営権を99年間、中国側に貸与せざるを得なくなった。
「債務の罠」
に陥ったのだ。
中国にとってのスリランカはシーレーン(海上交通路)の要衝である。
中国はインド洋で軍事的重要拠点を手に入れようとしたことになる。
一帯一路の契約内容には不明瞭な部分も多く、各国での債務の全容は把握できていない。
事業会社への直接融資など政府発表に盛り込まれない
「隠れ債務」
も存在するという。
2023年10月17〜18日には、10年を記念した国際会合が北京で開かれる。
ウクライナを侵略するロシアのプーチン大統領は出席するが、欧州連合(EU)主要国の多くの首脳は欠席する見通しだ。
G7で唯一、一帯一路に参加していたイタリアも既に中国に離脱の意向を伝えたとされる。
G7は2023年5月の広島サミットの首脳宣言で、透明性や良好なガバナンスなどを備えた質の高いインフラを提供していく方針を確認した。
真の発展は、強権でなく自由と公正さから紡がれる。
その国の発展に資するインフラ整備支援を日本は主導していくべきだ。

中国「一帯一路」10年 「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
2023/10/13 19:00
https://www.sankei.com/article/20231013-MD2EN2FTRVNTNMVXLCMSEAUG74/
中国の習近平国家主席が巨大経済圏構想
「一帯一路」
を提唱してから2023年秋で10年となる。
途上国のインフラ建設を巨額資金で援助し、自国経済圏に引き込んで影響力拡大に繋げた一方で、中国の過剰な融資により途上国が苦しむ
「債務の罠」
が国際社会で警戒される。
中国と結ぶ鉄道が開通して1年半超が過ぎた東南アジアのラオスでも、過大な債務負担が懸念されている。
■田園に巨大駅舎
中国雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャン間の1035キロを約9時間半で結ぶ中国ラオス鉄道は2021年12月に開通した。
中国の
「ゼロコロナ」
政策が撤廃され2023年4月からは旅客の直通運行が始まった。
アジア最貧国の1つであるラオスで鉄道建設は長年の夢だった。
ラオス側の起点・ビエンチャン駅は、中心部から車で30分超という郊外にある。
家畜の牛の姿が目立つ田園風景の中に、不釣り合いな巨大駅舎がそびえており、周辺には
「中国・ラオス友好の象徴的プロジェクト」
との垂れ幕がある。
鉄道は
「中国式」
そのものだ。
駅舎に入るには手荷物・身体検査が必要で、出発間際までホームに入れないため待合スペースで待つという中国の高速鉄道と同様の仕組みを採用。
乗務員は中国人、ラオス人の双方がいたが、ラオス人乗務員も中国語で接客していた。
中国メディアによると、2023年9月3日までの累計乗客数は延べ2090万人を突破。
中国企業のラオス進出も増えており、街中を走る車は中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)など中国製が目立つ。
現地の経済関係者は
「中国企業で働こうと中国語を勉強する若者が増えた」
「給与が桁違いに高いからだ」
と指摘する。
ビエンチャンで小売業を営んで20年になる中国・重慶出身の50代男性は
「昔はラオスで中国人への扱いは悪かったが、鉄道ができるなど中国の存在感が増して尊重されるようになった」
「中国が発展したおかげだ」
と笑顔を見せた。
■「民間に恩恵ない」
一方、ラオス側には国内で中国が影響力を増すことへの警戒もある。
30代のラオス人男性経営者は
「政府は中国に助けられているが、民間人は恩恵を感じることができない」
と声を潜めた。
ラオスの首都ビエンチャンのワットタイ国際空港近くには巨大な中華街がある。
3年前の2020年に営業を始めたというホテルの館内は中国語表記が目立ち、警備員の制服も漢字で
「保安」
と書かれていた。
中華街の一角にある建設現場に掲げられた作業責任者の一覧表を見ると、6人中全員が中国人とみられる名前だった。
一帯一路を巡っては、企業だけでなく資材や労働者まで中国から持ち込むひも付き≠フ形が取られ、地元経済への影響が限定的だと指摘される。
両国国境近くのラオス・ボーテン駅の周辺では、中国資本のビルやホテルの建設ラッシュで、中国語や人民元の使用が日常化しているという。
■深まる中国依存
王毅共産党政治局員兼外相は2023年8月中旬、昆明でラオスの国家副主席と会談し、鉄道開通が
「ラオス人民に確かな利益をもたらしている」
と強調した。
将来はタイ・バンコクやシンガポールまで鉄道網を延伸する構想も取り沙汰されている。
ただ、一連のプロジェクトの持続可能性は不透明だ。
中国ラオス鉄道は中国側が7割、ラオス側が3割出資した合弁会社が建設と運営を担う。
総工費はラオスの国家予算の2倍弱に当たる約60億ドル(約8900億円)。
うち6割に当たる約35億ドルは中国輸出入銀行からの借り入れだ。
ラオス側は債務の政府保証を行っていないが、同国の
「隠れ債務」
になる可能性が指摘される。
ラオスの対外公的債務は2022年末時点で105億ドルで、国内総生産)GDP)比84%と既に高レベル。
対外債務の半分を占める中国への依存は強まっている。
多額の対外債務は通貨安を招いており、外貨建て債務返済負担の増加も懸念される。

行き詰まる一帯一路 途上国苦境、中国経済低迷で岐路に
2023/10/13 19:02
https://www.sankei.com/article/20231013-TXBBE276JRKUFKKWPUK2YE665M/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
だが、投下した融資の多くはロシアや途上国向けで焦げ付きが増加し、中国経済の低迷も重なって行き詰まりが顕著だ。
一帯一路は岐路に立たされている。
■「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
中国政府は2023年10月10日、一帯一路に関する白書を発表し、同構想を通じて世界各国と結んだインフラ事業の契約総額は2兆ドル(約300兆円)を超えたと主張した。
一帯一路の下、中国は2国間ベースで世界最大の貸し手となった。
米国が支援先に自由や民主主義の尊重を求めるのに対し、中国は人権弾圧にも寛容だ。
一帯一路は強権体制の国と相性が良く、途上国や新興国との経済的な結び付きを強めて中国の国際的影響力は高まった。
だが、実態は順風満帆では決してない。
参加国では融資の焦げ付きが顕在化している。
米調査会社によると、2020〜2022年にかけ、中国は750億ドル以上の債務再編や放棄を余儀なくされた。
2017〜2019年に比べて4倍以上といい、新型コロナの流行などによる借り手の経済苦が背景にある。
米紙タイムスは、一帯一路の資金は3分の1がロシア、3分の1が途上国に流れていると指摘した。
ロシアはウクライナ侵略の影響で戦費拡大や制裁の影響で経済難が続き、融資の
「ほぼ全てが回収不能」
と分析。
途上国もウクライナ侵略に伴う世界的な物価高が直撃し、外貨準備高が急減する中で債務返済は苦しい。
主要参加国であるスリランカは2022年、対中債務の返済や観光産業の低迷などを受けて外貨不足が進み、事実上のデフォルト(債務不履行)状態に陥った。
2017年には債務返済に行き詰まり、ハンバントタ港の運営権を99年間、中国側に貸与することで合意した。
同様の債務危機はアフリカ・ザンビアでも起きている。
一帯一路を巡っては契約内容が外部から不明瞭なことが多く、各国での債務の全容は把握できていない。
事業会社などに直接融資された結果、各国政府の発表に盛り込まれない
「隠れ債務」
が世界で3850億ドルに達すると米調査機関は推計している。
対中債務の返済が”時限爆弾”として今後、途上国を襲う可能性がある。
一方で中国自身も現在、不動産不況などの経済鈍化に直面している。
北京の外交関係者は
「従来のような大盤振る舞いは難しくなっており、一帯一路も軌道修正を図るのではないか」
と見る。

米の経済回廊構想、一帯一路に対抗 ガザ戦闘でもろさ露呈も
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-YFU4KOKB2JOFXEZN5ZCM7WXKMA/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
に対抗するため、バイデン米政権は同盟・友好諸国と連携した
「経済回廊」
構想を打ち出している。
陸・海路のインフラ投資を軸に、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国と先進諸国を結び付ける考え方だ。
一帯一路の提唱から10年、米国はバイデン政権下で途上国支援での遅れを取り戻そうとしている。
経済回廊構想の旗艦プロジェクトとしてバイデン大統領は2023年9月、インドで行われた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせ、インドから中東を経て欧州を鉄道・港湾網で結ぶ構想を発表した。
アフリカ中部のコンゴ民主共和国とザンビアをアンゴラのロビト港と結ぶ回廊への支援強化も約束。
いずれも中国が影響力を強めている地域に楔を打ち込む狙いがある。
背景には、米国の国際的な地位が相対的に低下する中で米主導の経済秩序を維持するには、途上国への関与を深める必要があるとの認識がある。
気候変動や世界的な人口移動といった問題への対処にも、多国間の協力枠組みが欠かせない。
一方、バイデン政権のアプローチは、複数の国に協力を促して回廊を構築するという性質上、地域情勢の変化による影響を受けやすい側面がある。
先述のインド・中東・欧州を結ぶ回廊構想では、バイデン政権が、いずれも米同盟国であるサウジアラビアとイスラエルの国交正常化を仲介することが実現の前提となっている。
しかし2023年10月、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルによる大規模戦闘が発生したことで、協議の先行きは一気に不透明となった。
イスラエル軍の包囲などによりガザの人道状況が極度に悪化する中、アラブ、イスラム諸国の盟主を自任するサウジはイスラエルとの関係改善に慎重にならざるを得ないためだ。
中国との
「競争」
を重視するバイデン政権は、回廊構想を通じて外交的影響力の強化を目指すが、そこには脆さが付きまとっている。

EU「一帯一路」に距離 中国からの投資に警戒強める
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-PRSINDPP6BOVVPELTPZUZANJU4/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
を巡り、欧州諸国の多くは距離を置く姿勢を示している。
対中国を視野に
「デリスキング」(脱リスク)
を打ち出す欧州連合(EU)は対中依存度を低下させたい考えで、中国からの投資への警戒を強めている。
EU加盟国の大半の首脳は2023年10月17、18両日に北京で開かれる一帯一路がテーマの国際協力サミットフォーラムへの出席を見送る見通し。
米紙ウォール・ストリートジャーナルによると、2019年に先進7カ国(G7)加盟国で唯一、一帯一路に協力するとの覚書を結んだイタリアのメローニ首相も2023年7月末時点で参加する予定はないという。
米ブルームバーグ通信は2023年9月10日、メローニ氏がインドの首都ニューデリーで中国の李強首相と2023年9月9日に会談した際、一帯一路から離脱する意向を伝えたと報じた。
メローニ氏は西側の結束を主張し、親中国姿勢からの脱却を掲げている。
EU欧州委員会は2023年6月に発表したEUの経済安全保障戦略で、中国を念頭にEUにリスクをもたらすような第三国への先端技術の輸出や投資を監視し、歯止めをかける方針を示した。
一帯一路を通じて経済的な影響力を増そうとする中国への警戒感は強まっている。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は2023年3月、一帯一路について
「国際秩序を中国中心の形に組織的に作り変えるのが中国共産党の明確な目標」
と述べた。
EUは一帯一路に対抗する形で、域外のインフラ整備の支援にも乗り出した。
EUは最近、対中姿勢を硬化させている。
電気自動車(EV)で世界市場に攻勢を強める中国が不当な補助金を支給した疑いが強いとして、中国製EVに対する相殺関税の導入を視野に調査を開始した。
一方、EUには最大の貿易国である中国との経済関係を維持し、経済分野での対話を重視したい思惑もある。
EUのボレル外交安全保障上級代表は2023年10月12〜14日に訪中し、外交担当トップの王毅共産党政治局員兼外相らと会談する。
http://www.asyura2.com/17/china11/msg/299.html#c5

[政治・選挙・NHK292] ジャニーズ事務所の“圧力手法”をマネ…安倍政権以来の官邸の横暴が日本を滅ぼす ラサール石井 東憤西笑(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
32. 2023年10月16日 13:49:46 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[41]
<■414行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
LGBT法案 分断招かぬ慎重な議論を
2023/2/17 5:00
https://www.sankei.com/article/20230217-7LACMM3WKFKKVDUKMOXNZQIQ2Q/
超党派の議員連盟が国会提出を目指しているLGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を巡って、与野党の間で議論や駆け引きが続いている。
立憲民主党や日本維新の会、共産党などの野党の他、自民党と連立を組む公明党も同法成立に積極的だ。
これに対し、自民内では法案の内容に意見が割れている。
性的少数者への理解を深め、差別や偏見をなくすのは当然だが、法案には課題が多く、慎重に議論しなければならない。
法案は2021(令和3)年に議連を中心にまとめられた。
しかし
「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」
との表現が不明確などとして自民内から慎重・反対意見が強く、党内の了承を見送った経緯がある。
「性自認」
は内心に関わる問題であり、しかも
「差別」
の定義が不明確なまま
「許されない」
と規定することで、逆に女性らの権利が侵害されかねないとの指摘がある。
例えば女性であると
「自認」
した男性が、女子トイレや女湯に入った場合、混乱が予想される。
不安に思う女性も出てこよう。
心と体が一致しない性同一性障害に関しては、2004(平成16)年に特例法が施行され、複数の医師による診断など一定の条件で、戸籍上の性別を変更することなどが認められている。
医学的知見からの議論も欠かせない。
今回法案が再び俎上に載ったのは、更迭された荒井勝喜元首相秘書官が、同性婚を巡り不適切な発言をしたことが契機だ。
だからといって2023年4月の統一地方選を控え、支持率を意識して取り組む問題ではない。
政治的思惑で法律の成立を焦っては、却って信頼を損なう。
超党派議連の会長に選出された自民党の岩屋毅元防衛相は、2023年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)までに成立させるよう全力を尽くす考えを示した。
期限ありきで議論する性格のものではあるまい。
法を拙速に通して本当に大丈夫なのか。
差別解消の名のもとに、逆に権利侵害や不安を招くようでは法の趣旨を損なおう。
行き過ぎたジェンダーフリー(性差否定)は社会の分断に繋がりかねない。
各党は党利党略から離れ、冷静でバランスのとれた議論をしてもらいたい。

主張
LGBT法案 女性守れぬ危うい代物だ
2023/5/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20230512-3PBEUXO7DBPQFIZWKPGHW4RFGU/
LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案の国会提出が検討されている。
修正案が議論されているが、女性の権利と安全が損なわれるなどの懸念は払拭されていない。
このような代物ではだめだ。
超党派の議員連盟を中心に
「性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法案」
が検討されている。
これに対し自民党内で反対・慎重論があり、同党で修正を議論中だ。
2023年5月19日開幕の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)前の提出を目指すというが、問題は解消されていない。
LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの他、生まれつきの性と心が一致しないトランスジェンダーの頭文字を取った略称だ。
自民内の修正原案ではトランスジェンダーについて
「性自認」
の言葉を
「性同一性」
に変えるという。
医学的知見からの性同一性障害に関しては2004(平成16)年に特例法が施行され、複数の医師による診断など一定の条件で戸籍上の性別を変更することが認められている。
だが、今回の自民の案でも性同一性障害とは規定していない。
人の内心は分からない。
申告により性を決める
「性自認」
は、極めて危うい結果をもたらす恐れがある。
男性が、自身は女性だとして女子トイレや女湯に入った場合、混乱が予想される。
カナダでは2023年4月、トランスジェンダーを自称する男が女性施設に入り、女性に性的暴行を加えた疑いで逮捕される事件が現実に起きた。
自民の案では
「差別は許されない」

「不当な差別はあってはならない」
と変える。
不当でない差別などあるのか。
言葉遊びの修正は意味がない。
エマニュエル米駐日大使はLGBT法制定を促す言動を取っているが、控えるべきだ。
米国にもそのような法律は、共和党の反対で存在していないではないか。
内政干渉である。
G7で同種の法律がないのは日本だけと喧伝されるのは誤りだ。
法律は、各国の歴史や文化、宗教に基づく価値観に沿って制定される側面がある。
日本は憲法や男女雇用機会均等法などの法律で差別の禁止や平等原則を定めている。
取り沙汰されるLGBT法案が権利の侵害を招くようでは元も子もない。
差別禁止としながら、女性を守れない法律は不必要だ。

主張
LGBT法案 廃案の道しかない内容だ
2023/5/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20230523-6JF6SBS5FZNNFOV7WKJZ3WENTQ/
自民、公明両党は、LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を国会に提出した。
与党案に批判的な立憲民主、共産、社民の野党3党は、与党を含む超党派の議員連盟が約2年前にまとめた
「原案」
を対案として出した。
与党案も、立民などの対案も、女性を守れない代物で、この内容ではだめだ。
女性の権利と安全が損なわれかねない。
家族観に影響を与える重要な法案であり、どちらの法案も採決は論外である。
廃案にしなければならない。
立民などの対案には
「性自認を理由とする差別は許されない」
と明記している。
申告により性を決める
「性自認」
が罷り通れば、女性であると自認した男性が、女子トイレや女湯に入るなどの混乱が予想される。
スポーツ競技の女子種目への出場を認めるのかという問題もある。
極めて危うい内容と言わざるを得ない。
与党案では
「性同一性を理由とする不当な差別はあってはならない」
などと改められたが、事実上、性自認と同義であると見做される懸念は拭えない。
「性同一性」
に変えても、性同一性障害特例法で医学的知見に基づき定めている
「性同一性障害」
を指すと読むことができる一方、
「障害」
が付いていないため、性自認を含むと解釈することが可能だ。
差別に
「不当な」
を加えても、不当でない差別などあり得ない。
小手先の修正でお茶を濁すのは、本末転倒である。
両案は、学校に対し、児童や生徒に教育や啓発に努めるよう明記している。
性教育が十分行われていない段階の児童や、多感な時期を迎えた生徒が、LGBTを巡る問題にどう向き合うべきかも、慎重な議論が必要だ。
自治体や事業者にも対応を求めており、混乱が予想される。
衆院解散が囁かれるる中、よもや自民は、早期成立を訴える公明の支援を選挙で得るために、採決し、顔を立てるようなことはしまい。
岸田文雄首相(自民総裁)ら党執行部が、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に間に合わせるために提出を急いだのは、異様な光景だった。
自民は会合で異論が相次いだが、幹部が強引に一任を取り付け、
「了承」
とした。
成立させようというのなら、保守政党・政治家を名乗る資格はない。

主張
LGBT法案 採決を見送り廃案にせよ
2023/6/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20230609-LZRH2YOQR5IRXLLPQDCK5TI7EY/
LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を巡り、衆院内閣委員会は2023年6月9日にも、与野党の案を審議し採決する方針という。
いずれの案も、女性の安全と安心が損なわれかねないという問題は解消されない。
このような危うい法案は、採決すべきではなく、廃案にしなければならない。
衆院内閣委での審議時間は80分を予定している。
たったそれだけで終わらせるのは、国民を馬鹿にしている。
自民党は衆院本会議で可決後、参院内閣委も短時間で済ませ、来週の参院本会議で成立させるのだという。
何をそんなに急いでいるのか。
公明党はかねて同法案の成立を求めている。
2023年6月21日の国会会期末を前に、自民総裁でもある岸田文雄首相が、公明の意向に配慮したとの見方がある。
自民、公明は次期衆院選の選挙区調整で対立している。
公明との関係を修復し、選挙での支援を得るために、成立を急いでいるのであれば、党利党略という他ない。
公明への配慮より、女性の安全確保を優先すべきである。
立憲民主、共産、社民各党の共同提出案は、与党を含む超党派の議員連盟が以前まとめたものだ。
「性自認を理由とする差別は許されない」
と明記している。
申告で性を決める
「性自認」
が罷り通れば、女性だと自称する男性が、女子トイレなど女性専用のスペースに入る恐れは否定できない。
与党案では性自認を
「性同一性」
に修正したが、医学的知見に基づく
「性同一性障害」
を意味するのか判然とせず、性自認の問題を排除することはできない。
日本維新の会と国民民主党の案では、性自認、性同一性のいずれにも訳せる
「ジェンダーアイデンティティー」
という表現に変えたが、よく分からない。
「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」
との条文も追加したが、これでも、女性の危険が回避できるとは思えない。
市民で作る
「女性スペースを守る会」
や性同一性障害者らによる
「性別不合当事者の会」
などは、法案を廃案にし、出直すよう求めている。
各党は調整を続けたが、どの案を組み合わせても、女性の不安は解消され得ない。
採決があるなら、各党議員は信念に基づいて行動し、否決してもらいたい。

主張
LGBT法成立 女性を守る新法の策定を
2023/6/19 5:00
https://www.sankei.com/article/20230619-HTBEJK2K45O77LYMYZDSZNKUAI/
LGBTなど性的少数者への理解増進法が、参院本会議において賛成多数で可決し、成立した。
欠陥の多い悪法であり極めて残念だ。
このままでは、女性を守ることが難しい。
国会では、衆参両院の内閣委員会で1日ずつ審議しただけだ。
議論不足も甚だしい。
危機感を覚えた自民党の有志議員が、トイレなどの女性専用スペースを守るための法整備に向け、議員連盟を発足させるという。
早急に法律を制定し、女性の安全・安心を確保してもらいたい。
与党案にあった
「性同一性」
という表現は
「ジェンダーアイデンティティー」
に置き換わり、益々分かりにくくなった。
同法では
「性別についての認識に関する意識」
と定義している。
「性自認」
が含まれるのは明らかだ。
「ジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別はあってはならない」
と定めている。
しかし、差別の定義ははっきりとせず、女性だと自称する男性が女性専用スペースに入ることを正当化しかねないという懸念は、依然払拭されていない。
「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意する」
との条文が追加されたものの、これだけでは女性の安全・安心が十分に担保されたとは言い難い。
この条項で政府に求めた運用指針の策定が急がれる。
学校において、子供の理解を増進させる教育・啓発を行うよう定めたことについても、慎重な運用を求めたい。
性教育が十分行われていない段階の児童や、多感な時期を迎えた生徒がLGBTを巡る問題にどう向き合うべきか。
このことはもっと議論が必要だ。
自治体や企業にも対応を求めており、混乱が予想される。
成立の過程で、エマニュエル米駐日大使がLGBT法制定を促す言動を取ったのは、内政干渉であり、看過できない。
性自認に特化した法律は先進7カ国(G7)には存在しない。
連邦レベルで米国にも存在しない法律を他国に求めるのは、容認できない。
参院内閣委員会で、自民の有村治子氏は
「日本を見下し評定するような不遜な態度は、日米関係を大事にしたい国民(各)層を逆撫でし毀損する」
と語った。
その通りである。
岸田文雄政権はこのようなことを、やめさせなければならない。

LGBT法案 拙速な議論は理解を遠ざける
2023/5/13 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230512-OYT1T50280/
心と体の性に違和感がある人たちに対する差別は許されないが、現在議論されている法案は、課題が多過ぎる。
慎重な検討が不可欠だ。
自民党の一部議員が、性的少数者(LGBT)への理解を深めるためだとして、理解増進法案の国会提出を目指している。
法案は、LGBTに関する施策を推進するため、政府が基本計画を作り、毎年、その実施状況を公表することを国に義務付けている。
企業や学校に対しても、必要な対策の実施を求めるという。
しかし、理解増進法案は、どのような行為が差別に当たるかを明示しておらず、肝心の対策も、今後の検討に委ねている。
具体策を曖昧にしたまま法整備を急げば、法律の趣旨を逸脱した過剰な主張や要求が横行し、社会の混乱を招く恐れがある。
例えば、出生時の性は男性で、自認する性は女性というトランスジェンダーの人が、女性用のトイレを使いたいと主張した場合、どうするのか。
スポーツ競技で、トランスジェンダーが女性の種目に出場することを認めるのか。
トランスジェンダーにこうした権利を認めることになれば、女性の権利が侵害されかねない。
多様性を認めるためだとして、安易に法整備を図ることは慎むべきだ。
「これも差別だ」
「あれも差別だ」
といった過激な主張に振り回される可能性もある。
先進7か国(G7)の中で、LGBTに関する法律がないのは日本だけだ、といった主張は事実に反している。
各国は、差別禁止の一般的な規定を設けているが、日本は最高法規で法の下の平等を定めており、大きな違いはない。
2023年5月19日からのG7首脳会議(広島サミット)前に法案を提出すべきだ、といった主張はおかしい。
それぞれの国の歴史や文化、社会通念を認め合うことも、多様性の尊重と言えよう。
そもそも、今回の法整備の進め方には問題が多い。
岸田首相は2023年2月、LGBTを差別する発言をした首相秘書官を更迭すると共に、自民党に法案の提出に向けた準備を指示した。
岸田政権は多様性を尊重していない、という批判を避ける狙いがあったのだろうが、法案提出の表明は拙速と言わざるを得ない。
米国では、LGBTを子供たちに教えるべきかどうかを巡って、対立が深まっているという。
海外のLGBT対策を参考に、日本社会に相応しい施策について議論を深めることが大切だ。

LGBT法案 首相と自民の見識が問われる
2023/6/13 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230612-OYT1T50193/
この法案の内容で、女性の安全を守れるのか。
教育現場は混乱しないのか。
様々な懸念を残したまま、拙速に法整備を図ることは許されない。
性的少数者(LGBT)への理解の増進に関する法案は2023年6月13日今日、衆院を通過する見通しだ。
衆院での審議は3時間に満たない。
2023年6月16日にも成立する公算が大きい。
法案は、自民、公明両党と、日本維新の会、国民民主党の4党の修正協議でまとまったものだ。
当初の与党案は
「性同一性を理由とする不当な差別はあってはならない」
と規定していた。
このうち、
「性同一性」
の表現を、維新・国民案にあった
「ジェンダーアイデンティティ」
に改めた。
意味は同じだというが、余りにも分かりにくい。
理解しにくい言葉を使いながら、
「理解増進」
とは何事か。
心と体の性に違和感がある人に寛容な社会を作ることは大切だ。
だが、憲法は
「法の下の平等」
を定めており、差別は今でも許されていない。
新たに性的少数者に特化した法律を、内容も曖昧なまま制定する必要はあるまい。
各党は、新法がもたらす影響を真剣に考えるべきだ。
悪意を持った男性が
「女性だ」
と自称し、女子トイレなどを利用する事案は現実に起きている。
こうした行為は現行法で禁じられているが、新法を盾に、現行の禁止規定を
「不当な差別だ」
と主張する口実に使われかねない。
法案に、LGBTに関する教育を
「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ行う」
と記したことも問題だ。
過激な主張を掲げる団体が学校に圧力をかけ、発育を無視した性教育を迫る事態が外国では起きているという。
自民党の法案提出者は
「法案は理念法で、新しい権利を加えるものではない」
と説明している。
しかし、新法を契機に 恣意的な解釈が横行し、性や結婚に関する民法などの規定を巡って違憲訴訟が相次ぐ恐れは否定できない。
そもそも自民党には法整備に慎重な議員が多かった。
2023年5月18日に法案を提出した後も、継続審議になるとの見方が広がっていた。
会期内成立に舵を切ったのは、岸田首相だという。
法制化を強く求めてきた公明党への配慮からだとされている。
衆院選の候補者調整を巡って、ぎくしゃくした公明党との関係を修復する狙いがあるのだとすれば、筋違いも甚だしい。
首相は、自らの見識が問われていることを自覚してもらいたい。

LGBT法成立 社会の混乱をどう防ぐのか
2023/6/18 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230617-OYT1T50287/
数々の懸念は何1つ 払拭されぬまま、必要性の疑わしい法律が制定されてしまった。
政府は、早急に社会の混乱を防ぐ手立てを講じるべきだ。
国会の会期末を控え、性的少数者(LGBT)への理解増進法が成立した。
先進7か国(G7)で、LGBTに特化した法律を持つ国はない。
LGBT法は、国際社会でも極めて特異な立法と言える。
そもそも日本は最高法規で
「法の下の平等」
を定めている。
LGBTに特化して差別禁止を定める理由は、見当たらない。
にもかかわらず、衆参両院ともに3時間前後の審議で決着が図られたのは、岸田首相が自民党に強く指示したためだとされる。
LGBT法が欠陥を抱えていることは、明らかだ。
成立を急がせた首相の責任は重い。
法律は、LGBTへの
「不当な差別はあってはならない」
と規定した。
だが、差別の定義は曖昧で、悪用される恐れがある。
悪意のある男性が
「自分は女性だ」
と主張し、女湯や女子トイレに入る犯罪は現実に起きている。
今後は、侵入を罪に問おうとしても、LGBT法を盾に
「不当な差別だ」
と反論されかねない。
個人の性の認識を
「ジェンダーアイデンティティ」
と表記したことも、分かりにくい。
法律にはまた、小中学校で、性的少数者についての教育を
「地域住民や関係者の協力」
を得て、促進することも盛り込まれた。
精神的に未熟な段階で、機微に触れる性の問題を教え込む必要があるのか。
過激な主張をする活動家や市民団体が、教育現場に介入してこないとも限らない。
このように様々な混乱が生ずる恐れがあるだけに、今後はトラブルをどう防ぐかが重要となる。
政府は新法に基づき、性的少数者への理解増進に向け、基本計画を策定することになっている。
女性専用のスペースをどう犯罪から守るのか。
プールや温泉などの事業者は、男女の区別を守ることを前提としてどのような対策を取るべきか。
法整備がもたらす弊害を軽減することが急務だ。
差別解消を訴えていた人たちは、同性婚の法制化も唱えている。
首相はこれについても、
「理解が進むことが重要だ」
と、同調するかのような発言をしている。
首相自身が言うように、同性婚が
「社会が変わってしまう課題」
である以上、多様性の尊重という言葉に流され、安易に判断することは許されない。

主張
トイレ制限「違法」 個別事情踏まえた判断だ
2023/7/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20230712-4RD4X2D4ANA7RIVDI52TDBMJJE/
心と体の性が一致しないトランスジェンダーを巡り、最高裁は職場の女性用トイレの使用に制限を設けたことを
「違法」
とする判断を示した。
原告は戸籍上、男性だが、医師が性同一性障害と診断するなど個別事情を考慮したものだ。
制限が
「違法」
とされたからといって、誰でも女性と自称すれば女子トイレに入っていいわけではない。
定義が曖昧で自己申告による性自認と、医学的見地からの性同一性障害は線引きして考えるべきである。
原告は経済産業省に勤務する50代の職員で、同僚への説明会などを経て女性の身なりで勤務している。
性同一性障害に関する特例法では、複数の医師の診断など一定の条件で戸籍上の性別を変更することなどを認めているが、健康上の理由から戸籍変更に必要な性別適合手術は受けていない。
原告に対し、勤務するフロアから2階以上離れたトイレを使うよう求めた使用制限について
1審は「違法」、
2審は「適法」
とし、判断は分かれていた。
2審は使用制限について
「他の職員の性的羞恥心や不安」
を考慮し、全職員にとって適切な職場環境を作る対応だったとした。
周囲の理解を重く見た形だ。
これに対し最高裁は、原告は女性ホルモンの投与を受けている他、性衝動に基づく性暴力の可能性は低いとの医師の診断があり、職場でのトラブルもないことなど具体的な実態を挙げた。
最高裁が今回
「違法」
と判断したからといって、他の職場などでも同様に考えるのは早計だ。
各裁判官の補足意見では、職場状況などは多様なため、今回の判決が
「一律の解決策」
とはならないとクギを刺した。
不特定多数が使う公共施設の使用のあり方に触れるものではないともした。
LGBTなど性的少数者への理解増進法が2023年6月に施行されたが、女性と自称する男性が、女性専用スペースに入ることを正当化しかねないという不安は払拭されていない。
厚生労働省は、公衆浴場ではこれまで通り
「身体的特徴」
で男女を取り扱うことなどを確認する通知を自治体に出している。
同法は不安を踏まえ
「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意する」
と条文が追加された。
周囲の理解を欠いてはその実現も叶わない。

トイレ制限訴訟 判決の拡大解釈避けるべきだ
2023/7/12 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230711-OYT1T50256/
心と体の性が一致しない人の事情は様々であろう。
判決は、1人1人の状況を踏まえ、求められる職場環境を個別に検討すべきだとする判断を示したと言えよう。
戸籍上は男性だが、女性として生活する性同一性障害の50歳代の経済産業省職員が、庁舎内の女性用トイレの使用を不当に制限されたとして国に制限の撤廃を求めた訴訟で、最高裁は国の対応を違法だとする判決を言い渡した。
原告は入省後に性同一性障害と診断され、2010年以降は女性の身なりで勤務してきた。
経産省からは
「他の女性職員とのトラブルを避けるため」
との理由で、職場から2階以上離れた女性用トイレを使うよう求められた。
1審・東京地裁は使用制限の違法性を認めたが、2審・東京高裁は違法ではないと判断した。
これに対し、最高裁は、原告が女性用トイレを使っても性暴力を起こす可能性は低く、他の女性職員ともトラブルになっていないと指摘した。
他の職員への配慮を重視し過ぎて、原告の不利益を軽んじていると考えたのだろう。
最高裁判事の1人は
「判決は不特定多数が使用する公共施設について触れるものではない」
と補足意見を述べた。
判決は原告とその職場について論じており、デパートや公園などのトイレにまで拡大して解釈するのは誤りだ。
トイレに異性が入ってくることに抵抗感を持つ人は少なくない。
悪意のある男性が
「自分は女性だ」
と主張し、女性用トイレに侵入するような行為は許されない。
判決に触発され、性自認に応じたトイレ使用を広く認めるべきだという極端な議論が起きれば、社会に混乱が生じる恐れもある。
先の国会では、議論が不十分なまま性的少数者(LGBT)への理解増進法が成立した。
女性団体などからは、トランスジェンダーによる公衆浴場や女性用トイレの利用が、女性の権利侵害になると不安視する声も上がっている。
厚生労働省は2023年6月、公衆浴場の利用について、身体的な特徴によって男女を区別するという通知を出した。
性自認を過度に重視する傾向が強まれば、男女を身体で区別する考え方も、不当な差別だとして否定されかねない。
トランスジェンダーの中には、性自認を伏せて生活している人も多い。
職場や教育現場では、プライバシーに十分配慮しながら、本人とその周囲の人の権利を守れるような解決策を、その都度検討していくことが大切だ。

性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変えるには、生殖能力をなくす手術が必要となる法律の規定が、個人の尊重を定めた憲法13条に違反するかどうかが論点となった審判で、静岡家裁浜松支部が
「憲法違反で無効」
との判断を示し、申立人の性別変更を認めたこと・認めた理由・認めたことによる影響が小さいとの判断、それら全てが大いなる誤りだ。
法令上の性別変更は如何なる場合も不可・禁止とすべきだ。
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとするような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。

性別変更時の手術要件は「違憲」 静岡家裁浜松支部が初判断、当事者の申し立て認める
2023/10/12 20:36
https://www.sankei.com/article/20231012-XBK4I5HQLRL5TB5RB4MTKFIAAE/
性同一性障害の診断を受け、戸籍上は女性で性自認が男性の鈴木げんさん(48)が生殖機能をなくす性別適合手術をしないまま、戸籍上の性別変更を求めた静岡家裁浜松支部への申し立てについて、同支部は2023年10月12日までに、性別変更に手術を求める現行法の規定は
「憲法違反で無効」
との判断を示し性別変更を認めた。
2023年10月11日付。
弁護団によると、初の司法判断。
鈴木さんは、幼少期から女性として扱われることに違和感があり、40歳で性同一性障害の診断を受けた。
令和3年10月に家裁に申し立てた。

性別変更に要手術「違憲」 静岡家裁浜支部が初判断
産経新聞 2023年10月13日
性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変えるには、生殖能力をなくす手術が必要となる法律の規定が、個人の尊重を定めた憲法13条に違反するかどうかが論点となった審判で、静岡家裁浜松支部は
「憲法違反で無効」
との判断を示し、申立人の性別変更を認めた。
2023年10月11日付。
弁護団によると、規定を違憲とした司法判断は初めて。
申立人は、戸籍上は女性で性自認が男性の鈴木げんさん(48)=浜松市。
取材に
「同じようにジェンダーを否定されてきた子供たちに希望を与えられたのではないか」
と話した。
2004(平成16)年に施行された性同一性障害特例法は、性別変更の1つとして
「生殖機能がないこと、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」
を規定。
事実上手術を要する内容の是非が議論になっており、最高裁は2023年年内にも憲法判断を示す見通しだ。
同支部の関口剛弘裁判長は審判理由で、2023年6月にLGBTなど性的少数者への理解増進法が施行された点などを挙げ、
「法制度的に国民の理解を増進することが求められる社会状況にある」
と指摘。
特例法施行から約20年が経過していることを踏まえ、施行当時と比べ
「性別取り扱いの変更が認められることで生じる変化への配慮も、必要は相当小さくなっている」
とした。
その上で、手術要件を不要とした場合に生じ得る問題の程度は限定的だと指摘し
「性同一性障害者の意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約するのは合理的とは言い難い」
と述べ、規定は憲法違反と結論付けた。
最高裁は2019(平成31)年、規定について
「現時点では合憲」
との判断を示したが、今回とは別の当事者が訴えた同種の家事審判について、2023年年内ににも再び、憲法判断を示す見通し。
鈴木さんは、幼少期から女性として扱われることに違和感があり、40歳で性同一性障害の診断を受けた。
2021(令和3)年10月に同支部に申し立てた。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/158.html#c32

[政治・選挙・NHK292] 岸田政権『失敗万博』に血税投入/自見英子万博相、海外パビリオンの建設費用立て替え表明/ネットは怒「中止しろ!」(Total … 赤かぶ
40. 2023年10月16日 20:38:40 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[42]
<■91行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
産経・FNN合同世論調査
年内解散 自民支持層6割が否定的 立民支持層は早期望む
2023/10/16 18:26
https://www.sankei.com/article/20231016-K2TZPKHN7VNJJJ4BOEFXBQS72M/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2023年10月14、15両日に実施した合同世論調査で、岸田文雄首相が衆院解散・総選挙に踏み切る時期はいつが良いか尋ねた。
自民党支持層は
「臨時国会が2023年10月20日に召集された後、速やかに」(8.9%)

「年内に」(21.6%)
を合わせて30.5%で、2023年年内の解散に否定的な回答が目立った。
一方、岸田政権に批判的な層ほど早期の衆院選を望む結果となった。
衆院議員の任期は令和7年10月に満了する。
自民支持層では、解散は
「来年以降」
と答えた人が34.2%で最も多く、
「任期満了まで必要はない」
も29.4%いた。
合わせて63.6%が2023年年内解散を期待しなかった。
全体で見ても、
「来年以降」「任期満了まで」
が計49.0%で、
「臨時国会召集後速やかに」
も含めた2023年年内解散の計44.1%をやや上回った。
立憲民主党支持層では自民と逆の傾向が見られた。
「臨時国会召集後速やかに」
を含めた2023年年内解散が計52.2%と過半数に達し、
「来年以降」「任期満了まで」
の計44.7%を上回った。
首相が解散時期を見極める上でカギになるのが、合同世論調査で全体の約4割を占め、衆院選の勝敗を左右する無党派層の動向だ。
「支持政党はない」
と答えた無党派層では
「年内解散」(計48.0%)が、
「来年以降」「任期満了まで」(計43.3%)
より多かった。
無党派層では、内閣不支持率(78.9%)が支持率(15.0%)を凌駕した。
立民支持層と同様、現政権を支持しないため早期解散を望む人が多いと考えられる。
首相は解散時期について明言していない。
政権内には早期解散論と慎重論が混在し、自民幹部は
「来年(2024年)以降も支持率アップは見込めない」
「(2024年9月の任期満了に伴う)自民総裁選に向け首相の求心力が低下する」
と早期解散を主張。
首相周辺の1人は
「支持率が上がっておらず、有権者も解散を求めていない」
と慎重な見方を示す。

産経・FNN合同世論調査
内閣支持率最低にざわつく自民 経済対策への期待も低く
2023/10/16 19:57
https://www.sankei.com/article/20231016-2FS4PKM2MNPOTPZPR543YCV3BM/
産経新聞社とFNNが2023年10月14、15両日に実施した合同世論調査で、岸田文雄内閣の支持率は政権発足後最低の35.6%、不支持率は最高の59.6%となり、自民党内に動揺が広がった。
物価高に対する不満が直撃したとみられ、2023年10月月内に取りまとめる経済対策への期待も低い。
反転攻勢に向けた妙案は見当たらない。
調査では、9割超が物価高による家計負担に不安を感じると回答し、特に女性の支持離れが目立った。
女性で内閣を「支持する」と答えたのは35.5%で前回から9.6ポイントも下がった。
朝日や毎日、読売各紙と共同通信などの最新の世論調査でも、それぞれ内閣支持率は横ばいを含め過去最低だった。
閣僚経験者は
「給料が上がらない中、物価高への批判が強い」
と指摘した。
党内では、2023年10月22日に投開票を控える衆院長崎4区と参院徳島・高知選挙区の両補欠選挙への影響を懸念する声も高まった。
いずれも与野党一騎打ちの構図で、勝敗は首相の政権運営を左右するためだ。
「一喜一憂することなく、経済対策の策定に全力で取り組んでいきたい」
首相は2023年10月16日、支持率下落について官邸で記者団に問われると、物価高対策に取り組む姿勢を重ねて強調したが、危機感の裏返しと言える。
党内には、2023年9月の内閣改造・党役員人事や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求、経済対策によって支持率が上向くとの期待もあったが当てが外れた。
2023年10月13日に記者会見を開き、辞任を表明した細田博之衆院議長の旧統一教会との接点やセクハラ疑惑に関する説明に批判の声が上がっていることも影響したと見られる。
首相は2024年秋の自民総裁選での再選を目指し、衆院解散の時期を模索している。
自民ベテラン議員は
「首相が何を打ち出しても総裁再選のためだと国民に見透かされているようだ」
と話した。

産経・FNN合同世論調査
内閣支持率35.6% 過去最低 経済対策「期待せず」62%
2023/10/16 11:37
https://www.sankei.com/article/20231016-T466YLTNWVKGNAANSNMSMI6GCQ/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2023年10月14、15両日に実施した合同世論調査で、岸田文雄内閣の支持率は前回調査(2023年9月16、17両日)比で3.3ポイント減の35.6%となり、令和3年10月の第1次政権発足後最低となった。
不支持率は過去最高の59.6%(前回比3.5ポイント増)。
これまで支持率が最低だったのは令和4年12月調査の37.0%だった。
物価高による家計への負担感について尋ねたところ、「大いに感じる」と「やや感じる」で計92.8%を占めた。
物価高対策や持続的な賃上げの実現に向け、政府が2023年10月月内にまとめる経済対策に関しては「期待しない」(62.2%)が「期待する」(34.9%)を上回った。
所得税減税に「期待する」は53.5%で、「期待しない」は42.7%だった。
首相が「国民に還元する」と表明した税収増加分について、相応しい使途を聞いたところ、「減税」が51.7%と最多で、「財政赤字の縮小」(29.9%)、「給付」(16.1%)が続いた。
衆院解散・総選挙の時期については「年内に解散すべきだ」が26.9%と最も多く、次いで「再来年の任期満了まで必要はない」(25.0%)、「来年以降」(24.0%)、「臨時国会の20日の召集後、速やかに」(17.2%)の順だった。
政府が2023年10月13日に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令を東京地裁に請求したことには84.9%が「適切だと思う」と答えた。
一般ドライバーが自家用車で観光客らを有償で運ぶ「ライドシェア」に賛成は55.8%、反対は35.9%だった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/164.html#c40

[政治・選挙・NHK292] 国民は二度たまげている ふざけた細田会見に沈黙の岸田自民党(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
42. 2023年10月18日 11:27:11 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[43]
<■694行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
フォト&動画
「百田新党」の共同代表に河村名古屋市長、事務総長に有本香氏
2023/10/17 23:57
https://www.sankei.com/article/20231017-JKFGBTESS5KW3I3TJDLHGPHKMI/
政治団体
「日本保守党」
は2023年10月17日、東京都内で設立の記者会見を開き、名古屋市の河村たかし市長が共同代表に就任したと明らかにした。
代表には作家の百田尚樹氏、党運営を統括する事務総長にはジャーナリストの有本香氏がそれぞれ就いた。
会見では、河村氏が代表を務める地域政党
「減税日本」

「日本保守党」

「特別友党関係」
を結んだことも発表された。

百田氏「河村氏が首相目指すなら応援」 日本保守党が設立会見
2023/10/17 19:55
https://www.sankei.com/article/20231017-PM34IXT6K5IRRN2MZZTOTESG2E/
政治団体
「日本保守党」
は2023年10月17日、東京都内で設立の記者会見を開き、名古屋市の河村たかし市長が共同代表に就任したと明らかにした。
代表には作家の百田尚樹氏、党運営を統括する事務総長にはジャーナリストの有本香氏がそれぞれ就いた。
会見では、河村氏が代表を務める地域政党
「減税日本」

「日本保守党」

「特別友党関係」
を結んだことも発表された。
結党の理由について、百田氏は
「以前から自民党に飽き足りないという思いがあった」
と指摘。
一例に同党が賛成したLGBT(性的少数者)理解増進法を挙げ
「反対する野党もほとんどなく、政党を立ち上げようと思った」
と語った。
次期衆院選の対応に関し、有本氏は
「まだこれから」
「急いで発掘するが、粗製乱造にはしない」
と言及した。
「色々な選挙があり、色々な機会を見て戦いたい」
とも述べた。
百田氏は
「河村氏が首相を目指すなら大いに応援したい」
とも語った。
ただ、会見に同席した河村氏は
「市長を続けなければならないのでちょっと待ってほしい」
と述べ、現時点で国政選挙への鞍替え出馬を否定した。
党綱領では、我が国を守るに相応の国防力を保持・強化するため、憲法改正を含む法整備を図ると主張。
「減税と行政の適正サイズ化で国民の負担を軽減させ、可処分所得を増やす」
と訴えた。
同党は2023年9月1日に総務省に設立を届け出た。
4万7000人超が党員として登録し、公式X(旧ツイッター)のフォロワー数は2023年10月17日現在で31万人を上回った。

「百田新党」の共同代表に河村名古屋市長、事務総長に有本香氏
2023/10/17 17:20
https://www.sankei.com/article/20231017-JA4HIFVXSJJ2JPWQHJEPQEVC3M/
政治団体
「日本保守党」
は2023年10月17日、東京都内で設立の記者会見を開き、名古屋市の河村たかし市長が共同代表に就任したと明らかにした。
代表には作家の百田尚樹氏、党運営を統括する事務総長にはジャーナリストの有本香氏がそれぞれ就いた。
会見では、河村氏が代表を務める地域政党
「減税日本」

「日本保守党」

「特別友党関係」
を結んだことも発表された。

日本保守党会見詳報
百田尚樹氏「日本を豊かに、強く」
2023/10/17 21:58
https://www.sankei.com/article/20231017-KZB4UCUBIVKGFDJZXGEJORDG7I/
作家の百田尚樹氏が代表を務め、ジャーナリストの有本香氏らが参加する政治団体
「日本保守党」
が2023年10月17日、東京都内で設立の記者会見を行った。
地域政党
「減税日本」
代表を務める河村たかし名古屋市長も出席し、共同代表への就任も発表した。
会見の主なやり取りは以下の通り。
★百田氏
日本列島は豊かな自然に恵まれているが、厳しい災害に見舞われている。
その中で日本人は互いに助け合う知恵を育んできた。
先人たちは勇敢に戦い、国を守ってきたが、第2次大戦で木端微塵になった。
だが、日本は今、脅かされている。
他国にさらわれた同胞は何十年も祖国の地を踏めず、野放図な移民政策やLGBT(など性的少数者への)理解増進法に見られる祖国への無理解で、ナショナル・アイデンティティーが内側から壊されかかっている。
これらを座視していてはならない。
こうした理念を持ち、1つの政治団体を国政政党に育て上げる。
『日本を豊かに、強く』を合言葉に、日本を守りたい。
★有本氏
皆さまに重要な発表がある。
『減税日本』代表の河村たかし代表と『特別友党関係』を締結し、河村市長が日本保守党の共同代表に就任した。
★河村氏
日本では政治が家業になっており、普通の人は(政治の世界に)出られないのはおかしい。
★百田氏
政治の世襲化は日本の政治を歪めている大きな要因だ。
河村氏とは名古屋で腹蔵なく話した際、『私は絶対に裏切りません』と言ったのを聞き、『やっていける』と思った。
ーーどう国政進出を図るのか
★河村氏
共同代表は身に余る光栄だが、自分自身は市長は続けなければならず、(国政は)ちょっと待っていただきたい。
★有本氏
まだこれからという所。
急いで人材を発掘する。
粗製乱造にはせず、逸材を見つけたい。
ーー消費税減税は
★百田氏
当然だ。
現在すれば確実に経済は活性化する。
ーー減税政策などを国政でもやるのか
★有本氏
あくまで大きな目標は国民の可処分所得を増やすことだ。
様々な減税をし、国民の負担感を下げるのを徹底する。
ーー選挙に向け、どう戦うのか
★百田氏
私らは選挙は全く分かりません。
今のところは何とも申し上げられない。
河村氏が首相を目指すなら大いに応援したい。
★河村氏
あの世で首相(になるための選挙)に出なければいけないかなと思っていたが、百田さんの顔を見ていたら、可能性も出てきたようだ。
やはり政治は、ボンボン育ちとかではなく、生活感がある人間が引っ張っていかなければならない。
★有本氏
選挙にも色んな選挙があるので、色んな機会を見て戦いたい。
河村氏がまた首相を目指すとなれば、全力で担がなければならないが、担ぐには重い。
政治は、普段の生活の延長線上にあるのだというようにしたい。

日本保守党会見詳報
百田尚樹氏「LGBT法に怒り結党した」
2023/10/17 22:16
https://www.sankei.com/article/20231017-L6O33ALYWFLIVFSCCDJ3GIXDZE/
ーー日本保守党は極右政党なのか
★有本氏
極右だとは誰が決めているのか。
根拠がはっきりしない話で色付けするのは困る。
欧州では、移民政策が野放図で、国内が混乱している。
日本でも近い将来に起こり得るのを是正はするが、排除する気持ちはない。
ーー日本の民主主義は機能していると考えるか
★有本氏
機能していない。
国民が政治に関心がないからだ。
政治は特別な人たちがやり、自分たちの生活は良くならないとの諦めもある。
結党はこうした意識を変えていく大きな運動だ。
ーー自民党と日本保守党の違いとは
★有本氏
自民は家業化した方々が多いが、私たちは庶民の出身だ。
自民は『国民政党』だと言う。
聞こえはいいが、思想がない。
ーー自民に期待できなくなったのはなぜか
★百田氏
以前から自民には飽き足りなかった。
私が党を立ち上げたのは、自民執行部がLGBT(など性的少数者への)理解増進法を国民のコンセンサス(総意)が取れていない形で、強引に出したためだ。
反対する野党もほとんどなかった現実を見て、与党も野党もどうなっているのかという怒りがあった。
ーー日本維新の会や参政党との違いは
★有本氏
維新は改革政党で手腕は凄いと思うが、こぼれ落ちたところはないのかとの疑問がある。
外交や安全保障も相当な違いがある。
ここは、価値観外交を強力に進めるべきだ。
自由や民主主義を備えた国との連帯も不十分だ。
中国やロシアとの距離感も違う。
参政党とも色々なな部分で違う。
ただ、(日本保守党は)新参者なので、部分的に協調していく所があればする場面もあるとは思う。
ーー移民政策、どう見直すのか
★百田氏
日本は少子化からの労働力不足で、経団連あたりが労働者不足から、移民を外国から入れようとしているが、これには大きなワナがある。
確かに一時的にはプラスになるだろう。
だが、治安や健康保険料の未払いなどもあり、コストがかからないのか、というのが私たちの疑問だ。
技能実習生も大量に行方不明になっている。
岸田文雄首相は『共生』だと言うが、日本は文化などが全く違う人たちと共生していくシステムが取られているのか。
日本の風習に馴染んでもらうことは一切、取られず、どんな制度をこしらえたら理想的な共生になるのか、現状を見直すべきだ。
ーーどう既存政党との違いを出すのか
★有本氏
既に、4万8000人近い党員がいる。
地方でも無所属議員が入党した。
『次の選挙に出たい』との声を元閣僚からも頂いている。
これからの対応ではじっくり人を知り、考えていく。
そのためにも河村たかし名古屋市長からも色んな経験を借り、仲間を増やしていきたい。
ーー日本保守党はなぜ注目度が高いのか
★百田氏
既存政党への不満を私は感じる。
『(1票を)入れたい候補者がいない』との声が年々、増えている。
こうした中で、『日本保守党ができ、ようやく選挙に行ける』という声が凄く多い。
ーー減税日本の立ち位置はどうなる
★河村氏
地域政党はそのまま残り、国政では日本保守党を応援する。
両方で公認し合うのでもいい。
★有本氏
特別の友党関係で、お互いにないものを補い合う。
ーー国政進出に向けた人材発掘はどうする
★百田氏
色々と計画している。
人が人を選ぶのは難しいが、政治塾などで理念などをお互いに勉強し合い、その中で『見どころがあるな』という若い人で、将来育てていきたいという人物に会いたい。
そういう人材に後を託したい。
(了)

フォロワー数、とっくに自民越え 快進撃!「日本保守党」
自民党も戦々恐々? 腐り切った既存政党に一太刀浴びせる!
WiLL2023年11月号 作家 百田尚樹
■真の保守党を立ち上げる
保守というのは、必ずしも旧態依然に甘んじることを意味しません。
時代に合わせて、変えるべきものは変えていく。
守るべきものは守っていく。
それが保守の在り方です。
今や自民党は保守ではありません。
いや、67年前の結党当時は保守だったのかもしれませんが、いつの間にか保守からリベラルへの気持ち悪い変態を続けていたのです。
1990年代以降の歴代政権は外交・内政問わず、自国民よりも外国の利益を優先しているとしか思えない政策を実行し続けてきました。
そんな中、安倍晋三という保守政治家が、たった1人で自民党のリベラル化を阻止してきました。
安倍元総理の死後、支えを失った自民党は音を立てて崩れています。
崩壊する自民党の内側から現れたのは、腐り切ったリベラルの本性でした。
極め付きが、日本文化の伝統を破壊し、多くの女性の安全を脅かしかねない
「LGBT理解増進法」
です。
『WiLL』読者の皆さんに今更説明する必要はないでしょうが、LGBT法は社会秩序や価値観を破壊する天下の愚策に他なりません。
LGBT法の成立を以て、私は自民党を”国民の敵”と見做しました。
そして、真の保守政党を立ち上げることを宣言したのです。
政治素人の私が新党を作ったところで、蟷螂(とうろう)の斧(「弱者が力量を顧みず挑戦すること」また「無謀ではかない抵抗」)かもしれません。
自民党を脅かす存在になるまで、相当の時間がかかるでしょう。
しかし、リベラルに乗っ取られた自民党が政権を握ったままでは、日本の歴史や伝統、文化は破壊し尽くされる。
日本が日本でなくなってしまいます。
■日本を愛しているか
怒りに任せて打ち上げた”百田新党”計画に、いの一番に賛同してくれたのはジャーナリストの有本香さんです。
それ以降、私と有本さんは新党立ち上げに向け、準備を進めてきました。
とはいえ、私は実務が苦手。
面倒臭い事務手続きは有本さんに丸投げです(笑)。
薄々は理解していましたが、政党を立ち上げるのが如何に難しいかを、この2カ月余り痛感しました。
事務所を借りようと思っても、政治団体に部屋を貸してくれるビルは少ない。
実績がゼロなので、銀行もそう簡単には口座開設をさせてくれません。
ホームページを開設するのにも、強固なセキュリティ対策の必要があります。
一般企業よりも、サイバー攻撃に晒されるリスクが大きいからです。
私1人だったら、いくつもの高いハードルを前に諦めていたかもしれません。
しかし、有本さんは次々と難題をクリアしていきました。
有本香、恐ろしや!
今更ながら、この女性を敵に回さないでおいて良かったです。
こうして”百田新党”は2023年9月1日、遂に始動しました。
X(旧ツイッター)に
「百田新党(仮)」
というアカウントが開設され、結党日(2023年10月17日)を発表。
2023年10月17日には記者会見と大規模な集会を開くことも決まりました。
アカウント名に(仮)が付いていたのは、
「百田新党」
があくまで俗称に過ぎなかったからです。
正式な党名は、アカウントのフォロワー数が20万を超えたら発表すると宣言しました。
そして2023年9月13日未明、予想を上回るスピードで20万フォロワーを達成。
党名が
「日本保守党」
であることを明かしたのです。
2023年9月末には党員の募集も始めます。
党員になるためには、1つの資格条件をクリアしなければなりません。
それは
「日本という国を愛していること」
です。
日本が嫌いな人、日本に誇りを持てない人はお断りです。
どんなに優秀な人であっても、絶世の美女でもお断りです。
そういう方は自民党など既存政党に入ることで自虐心を満たしてください。
行き先が見えないまま船出を迎えた日本保守党は、途中で座礁するかもしれないし、沈没するかもしれない。
何せ私と有本さんが手作業でこしらえたオンボロ木造船です。
既存政党のような豪華客船とは違い、船室には冷暖房すら完備されていません。
「それでも乗ってみたい!」
と乗員になってくれる人がいるなら、これほど嬉しいことはありません。
面白い航海になることは、船長の私が保証します。
■”快挙”を報じないマスコミ
前述のように、日本保守党のXアカウントは凄まじい勢いでフォロワー数を伸ばしています。
アカウント開設から僅か半日でフォロワーは5万人を超えると、翌日には10万人。
1週間後には15万人、2週間足らずで20万人ものフォロワーを獲得しました。
中には”冷やかし”や”アンチ”もいるでしょうが、注目を集めていることは間違いない。
そして、2023年9月15日、遂に自民党のフォロワー数を抜き去り、1位に躍り出たのです。
ちなみに、各政党のフォロワー数は以下の通りです(2023年9月15日現在)。
・日本保守党:約25万5000
・自民党:約25万2000
・立憲民主党:約18万8000
・れいわ新選組:約13万9000
・共産党:約13万8000
・公明党:約11万2000
・参政党:約10万9000
・日本維新の会:約7万4000
・国民民主党:約6万1000
・社民党:約4万6000
新聞・テレビなどオールドメディアの影響力が落ちる中、各政党はネットの発信力強化に力を注いでいます。
特にSNS戦略を重視しているのが立憲民主党です。
立憲民主党がフォロワー数を伸ばしている時、各紙には以下のような見出しの記事が掲載されました。
「立憲民主のフォロワーが自民党抜き首位独走」(ブルームバーグ)
「立憲民主、フォロワー11万人ツイッター4日目で自民を追い越す」(東京新聞)
「衆院選、ネット戦も熱 立憲民主、フォロワー15万」(日経新聞)
立憲民主党の”快挙”を絶賛していた新聞ですが、私たちの日本保守党が僅か13日で立憲民主党を抜いた”快挙”については全く報じてくれません。
彼らの中では、我々が存在しないことになっているのでしょうか。
この記事は、日本保守党が自民党のフォロワー数を抜き去った2023年9月15日に書いていますが、恐らく翌日のどの新聞にも記事は載らないでしょう。
しかし、自分で言うのは何ですが、これは凄いことだと思います。
まだ正式に立ち上がってもいない
「政党」
が、並み居る既存政党をたったの半月で全て抜き去ったのですから。
Xは特殊な人たちが集まったSNSではありません。
老若男女、様々な人々が参加しています。
その中で最も多くのフォロワーを獲得したことは、大きな意味があると思っています。
■座して死を待つのか
この数週間、我々は新党結成に向けた作業を急ピッチで進めてきました。
その背景には自民党の動きがあります。
岸田総理は当初、G7広島サミット後に解散に踏み切ろうとしていました。
ところが、LGBT法が成立すると支持率が急落します。
自民党が2023年6月に実施した情勢調査によれば、総選挙で40議席を失うという結果が出たそうです。
それ以降、岸田政権の支持率は下落の一途を辿りました。
マイナンバーカードを巡る混乱、”異次元の移民政策”とも言われる「特定技能外国人」の範囲拡大、日韓通貨スワップ再開、韓国の「ホワイト国(グループA)復帰。
これらは政策における大失態ですが、身内や所属議員のスキャンダルも岸田政権に打撃を与えました。
岸田翔太郎氏の公邸忘年会、木原誠二官房副長官を巡る疑惑、自民党女性局の”エッフェル松川”騒動。
極め付きは、秋元真利氏の収賄逮捕。
いずれも当事者は未だに説明責任を果たしていません。
岸田総理は解散を先延ばしにしたまま、今に至っています。
解散するとして2024年、あるいは2025年に衆参同日選挙を仕掛けるのではないかと思われてきました。
そんな中、2023年年内の解散の噂が流れて来たのです。
自民党幹部は情勢調査などを基に、岸田政権の支持率は既に底を打ったと判断しているとか。
国民もナメられたものです。
14年前の2009年に民主党が政権交代を果たした時、
「反自民票」
が民主党に集中しました。
民主党の支持者に加えて、自民党にお灸を据えようとした保守層の支持も取り付けたのです。
当時と違い、今は強い野党がいません。
野党の獲得票数を合算すれば自民党を上回るので、野党が共闘すれば自民党が負ける可能性は高い。
しかし、野党がバラバラのまま選挙に突入すれば、
「反自民票」
は分散。
残念ながら、このままでは自民党が勝利するでしょう。
日本国民の不幸は
「保守政党の不在」
です。
自民党が嫌いでも、他の選択肢がありません。
維新はタカ派のイメージもありますが、自民党以上に親中の側面がある。
創設者の橋下徹氏を見れば明らかです。
国民民主党の玉城雄一郎代表も言動がブレブレで信用できない。
言っていることが朝と夜で180度違うこともしょっちゅう。
立憲民主、れいわ、共産党は論外です。
日本には
「保守の仮面を被った」
リベラル政党と左翼政党しかありません。
だからこそ、”真の保守政党”の出番なのです。
正直なところ、衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。
それでも、座して死を待つわけにもいかない。
不戦敗は癪に障ります。
投票先を失った有権者のためにも、私たちは選挙に向けた準備を急いでいるのです。
■”保守政党”の正体
政党を作る以上、選挙は重要です。
しかし、日本保守党は徒に党勢を拡大するつもりはありません。
議員の数を増やせば影響力は強まりますが、いくらクズを集めても日本は良くなりません。
衆参合わせて400人近くの国会議員を抱える大自民党ですが、国民のために何もしていくれない。
国益を無視して党勢拡大に邁進した自民党は、中国ベッタリの媚中派やLGBT法を推進するリベラル派すら取り込みました。
その結果、保守とは正反対の連中に牛耳られ、ただのクズ集団と化してしまった。
彼らが巨大な組織を作り上げるのは、自分たちの議席や利権を確保するためなのです。
保守政党ならぬ”保身政党”。
自分の身が危なくなれば、一夜にして主義主張を変えてしまいます。
「希望の党」
騒動が思い出されます。
小池百合子都知事が希望の党を結成した時、民進党(旧民主党)は合流を求めました。
民進党の議員たちは、沈みゆく泥船から脱出するために必死だったのでしょう。
そこで飛び出したのが、小池氏の
「排除」
発言。
安全保障政策や憲法観に基づき、合流する議員たちの”選別”を図ったのです。
”選別”を行ったのは細野豪志氏でした。
彼は一足先に民進党に見切りを付け、いち早く小池氏に擦り寄っていました。
忘れてはならないのが、細野氏は安倍政権が推進した平和安全法制(2015年)に反対していたこと。
国会の外で「シールズ」なるバカ学生たちと一緒に、マイクを掴んで
「戦争法反対!」
などと叫んでいたのです。
信念を捻じ曲げ、更には自分の過去を棚に上げ、昔の仲間たちを上から目線で品定めする。
醜悪極まりない、稀に見るクズです。
そんな細野氏は今、一体何をしているのでしょうか。
希望の党が雲散霧消して行き場がなくなり、二階俊博元幹事長を頼って自民党入りしています。
そもそも、彼には最初から信念などなかったのかもしれない。
恐らく国会議員でいられたら、どこの政党に属そうがどうでもよかったでしょう。
細野氏に限らず、ほとんどの国会議員というのは所詮、保身しか考えていないのです。
LGBT推進派の中心人物の中には、保守派と目されていた議員もいました。
彼らは安倍元総理にさんざんお世話になっていた人たちです。
にもかかわらず、安倍元総理が絶対に阻止しようとしたLGBT法案を強引に推し進めました。
主義主張や信念以前に、恩も義理もない人間です。
こんな議員たちに政治を任せてはなりません。
国民を裏切ってきた自民党に一太刀浴びせてやりましょう。

日本保守党が日本を取り戻す
Hanada2023年11月号
作家 百田尚樹
ジャーナリスト 有本香
■座視するわけにはいかない
★百田
ここに来て、衆議院の解散総選挙が早ければ2023年の10月解散あるいは11月上旬解散、11月投開票という見方が強まっています。
岸田政権は当初、2023年6月に解散総選挙に打って出ようとしたのですが、岸田翔太郎秘書官(当時)が首相公邸で大はしゃぎしている写真が流出したり、日本を破壊するLGBT法案の可決成立など様々な問題が噴出して支持率が急落、とても解散を打てる状況ではなくなりました。
その後も支持率は下落を続け、2023年8月にはとうとうNHKの世論調査で33%という発足以来最低水準を記録した。
2023年年内解散はもうできない。
恐らく選挙は2024年だろうと、私もそう思っていました。
ところが、直近、自民党の情勢調査によると、どうも支持率が微増、不支持率も微減。
自民党の幹部クラスの中には
「いま選挙をやれば自民党は大勝する」
という声も上がっているようです。
その見立てはどうかと思うのですが、いずれにしても選挙が2023年年内に行われる公算が高まっている。
となれば、我々の日本保守党は選挙の準備時間が足りない。
しかし、座視するわけにもいかないと思っています。
選挙は水物ですから、勝敗は分かりません。
ただ、
「負けるから戦わない」
という姿勢は好ましくないですね。
基本姿勢として、たとえ敗北しても、戦った上での負けは良いと思っています。
とはいえ、いざとなれば、退却する勇気も指揮官には必要です。
意地やメンツだけで戦うものではありませんから。
その辺りは、情勢を見て慎重かつ適切に判断します。
★有本
やるとなれば、何らかの形で、今の驕り切った自民党に一太刀を浴びせたいですね。
★百田
なぜ今回、我々は新党
「日本保守党」
を立ち上げたのか。
安倍晋三さんが亡くなられてから、自民党はその正体を曝け出しました。
実は、彼らは保守でも何でもなかったのです。
決定的だったのは、日本を破壊するLGBT法案の強引な可決成立でした。
部会で反対派が多かったにもかかわらず、執行部一任で強硬に通してしまった。
民主主義もへったくれもない余りの酷さに、腸が煮えくり返る思いでした。
これまでさんざん申し上げてきたことですが、LGBT法案は天下の悪法です。
日本の文化や伝統を破壊してしまいかねない法律です。
こんなことは、ちょっと考えればすぐに分かること。
だからこそ、部会で多くの議員が反対したのです。
にもかかわらず、自民党の幹部クラスは、アメリカのエマニュエル駐日大使に言われるがまま、強引にこれを通したのです。
私はこれを見て、
「もしこの法案が本当に通るのであれば新党を作るしかない」
と思いました。
たまたまその日、嫁さんと中華料理のチェーン店の王将で食事をしている時、餃子を食べながら
「あんまり腹立つから、もしもLGBT法案が成立したら新党立ち上げるわ。ええか」
と嫁さんに訊いたんです。
すると、天津飯を食べていた嫁さんは
「ええよ」
と一言。
驚いて、
「いや、ええよって言うけど、金もようけかかるで」
と言うと、
「ええよ」
とそこでも一言。
嫁さんといい、有本さんといい、女性は強い!!
★有本
百田さんの奥様と並べられると恐れ多いですが、私もLGBT法案の余りにもふざけた内容とその顛末に怒り心頭でした。
この怒りを同じボルテージで共有できるのは百田さんしかいないと思ったんです。
ですが、まさか
「新党を立ち上げる」
とまでは思いも寄りませんでした。
私も還暦を過ぎてこれからは仕事をセーブして、ゆったりとした生活を送ろうと考えていましたから、家族からも反対されました。
でもここで立ち上がらなければ、今日までこの国を守ってきた先人たちに顔向けが出来ませんよね。
これからこの国を背負っていく若い人たちにも申し訳ない、その思いで立ち上がる決意しました。
それほど自民党に対する怒りは凄まじかった。
正直に言いますと、私は怒りの余り眠れない日もありました。
先程、岸田政権の支持率が底を打ったのではないかというお話がありましたが、良い悪いは別にして、日本人には怒りを忘れやすく、水に流しやすい性格というか、特徴があります。
ですから、徐々に岸田政権への怒りも水に流すだろうなと、LGBT法案が成立した時から分かっていました。
あの時、保守派の多くも怒っていましたが、結局、あっさり自民党を許しているんですね。
「まあ、他に良いこともやっているし」
とか、
「意外とやることやっている」
とか、
「LGBT法も使いようで左翼封じに役に立つ」
とか。
岸田政権についても
「他の自民党議員よりましだから」
と擁護あるいは支持する側に回っている人もいる。
呆れるけど、日本人の忘れやすい特質を考えると、想定の範囲内でもありました。
■「改革」と称した欧米化
★百田
私は、
「あいつは許さん!」
と思ったら一生許しません(笑)。
昔、仕事で
「こいつどうしても嫌いやな」
という人がいて、彼が亡くなったんです。
付き合いもあったので仕方なしに葬式に行ってその帰り道、偶然同じ方向だった女性と電車で1時間ほど話したんですが、後からその女性に
「百田さん、凄いです」
「お葬式が終わって、その帰り道、延々と1時間故人の悪口を言い続けた人、初めて見ましたわ」
と言われました。
★有本
百田さん、言っときますけど、それ褒められてないですよ。
★百田
あ、ずっと誉め言葉だと思ってました(笑)。
こんなんで政党の代表って大丈夫かな。
冗談はさておき、読者の皆さんに訴えたいことは、日本保守党という党名からもお分かり頂けるように、私たちは
「保守」
ということを掲げています。
では、保守とは何か。
これを定義することは非常に難しく、人によって様々な解釈があると思いますが、1つ言えることは、よく保守の対義語としてリベラルという言葉がありますね。
先程も少し触れましたが、私は今の自民党は保守政党ではなく完全なリベラル政党だと思っています。
それはLGBT法案に見られるように、日本の伝統や文化、国体というものを破壊しつつあるからです。
★有本
世界で初めてLGBTに特化した法律を強引に成立させた自民党は、世界で最もリベラルな政党だということを
「売り」
にしたらいい。
前のめりな移民政策、福祉に名を借りたバラマキなど、自民党の左傾化は今後も止まらないでしょう。
★百田
益々加速していくと思いますね。
私はクラシック音楽が大好きで、特にフルトヴェングラーというドイツ人指揮者が好きなのですが、彼は音楽家であると同時に多くの著書を著しています。
『音楽ノート』など名著もある。
そして、警句のような素晴らしい文章を書いています。
例えば、有名な次の1文。
「革命はナイン(Nein)ということ、芸術はヤー(Ja)ということ」
ナインとは英語で「NO」を意味し、ヤーとは「YES」を意味します。
即ち、革命は既存のものを否定して破壊するのに対し、芸術はあるべきものを肯定する、と。
この言葉は政治の世界にも通じるのではないかと思うのです。
リベラルは伝統の否定や文化の否定、国体の否定など基本的に否定から始まる。
対して、保守は伝統や文化や国体をしっかり残していこうと肯定する。
もちろん、時代の変遷によって人々の生活様式や思考も変わっていきますから、その時代に合わせて変えていくべき伝統もあります。
他方、この日本という国には2000年に渡り連綿と受け継がれ、発展してきた日本独自の伝統や文化があります。
私たち日本人には、その中で培われてきた考え方やモラルがある。
そうした日本の持つ伝統や文化、考え方やモラルを岸田政権は次々に破壊しようとしているのです。
彼らの行っていることは総じて
「改革」
と称したグローバル化、欧米化一辺倒なんです。
日本の伝統や文化を保守する姿勢は微塵も感じられません。
★有本
LGBT法でお怒りの時に、百田さんが動画でこ仰った。
「日本は世界で一番素晴らしい、世界がお手本にしてもいい国です」
「それを何で欧米のように変えなければいけないのか」
「岸田総理はグレートリセットと言っているが、何でそんなことせなアカンの?」
「米国のエマニュエル大使は、LGBT法が通ろうという時に、
『日本は進化途上にある』
と言った」
「どっからの上から目線でぬかしとんじゃい」
「このボケ!」
百田さんのこの最後の一言を
「下品な暴言」
としか捉えられないお利口さんしか、永田町にいないことが問題なんですよ。
自国の国体が壊されかけていることに、怒りの表明も出来ない。
大声で抗議もしない。
石原慎太郎さんあたりがご健在なら、同じようなことを仰ったでしょうね。
他方、永田町の人たちは
「日本1国では生きられないから」
と言い、時には筋違いの
「国際協調」
という言葉なども持ち出して国民を騙しにかかる。
しかし、やっていることは、日本を弱体化させることばかりです。
「国際化」
と言いながら、日本の大事な価値観などまで売り渡し、国を壊しているのが今の政治です。
■短絡的で安易な移民政策
★百田
その1例が移民問題です。
移民問題は日本を根底から変えてしまいかねない極めて重大な問題で、もし日本の伝統や文化やモラルを大切にするということが前提としてあれば、今とは全く違ったアプローチを取るはずなんです。
ところが、自民党だけでなくほぼ全ての国会議員が
「日本は人口が減るから移民を入れなあかん」
「労働者が足りないから移民を入れたらええやん」
と、極めて短絡的で安易な考えしか持っていない。
彼らは、移民を入れることによって日本という国がどれほど変質してしまうかということに一切思いが至っていない。
移民を推進した国がどうなっているか、ヨーロッパを見れば一目瞭然です。
フランスやベルギーの惨状を我が事として捉えている国会議員は皆無です。
国会でもそうした議論がなされたとは聞いたことがありません。
★有本
2022年、久しぶりにヨーロッパ、パリとベルギーの首都ブリュッセルを訪れました。
いずれも街の中心部でも中東・アフリカ系の方々を多く見かけました。
暴動頻発の要因となる軋轢が日常化しているのは誰の目にも明らかです。
ちなみに、ブリュッセルと並ぶベルギーの都市アントワープでは10年も前に、男の子の新生児で最も多い名前はムハンマドになっています。
★百田
ブリュッセルは住民の75%が外国人だと言いますね。
イスラム教徒の人口も増えており、首都圏の平均で23%、サンホセ地区という市の中心部に近い地区では住民の47%がイスラム教徒だと。
アントワープはアニメ『フランダースの犬』の舞台となるなど中世の港町の趣を今に残した伝統と文化の街だという印象だったのですが・・・驚きました。
★有本
「移民問題」
と言うと、日本では人手が足りない、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)労働の文脈で議論されるのですが、ベルギーでは移民2世の世代の中にホワイトカラーに従事する人たちも多くいます。
ブリュッセルで、東京で言えば銀座のようなブランドショップが立ち並ぶ最大の繁華街を歩いたんですが、ヒジャーブを身に付け、裕福そうな若い女性たちが洒落たカフェでお茶を飲んでいるその近くで物乞いをしている白人男性を見かけました。
こうした現実がある。
そして、これはひょっとすると明日の日本の姿かもしれないのです。
★百田
このままではそうなる可能性が高いですね。
そうした危機感が今の国会議員には全くない。
★有本
既に日本でも、いま埼玉県の川口市などでクルド人の一部が暴徒化するなど地域住民とのトラブルが深刻化しています。
そうした下層の問題が顕在化する一方、移民の数が増えれば日本社会の支配層に躍り出ていく人も今後増えていくでしょう。
するとどのようなことが起こるかというと、
「日本の国体など関係ない、大切にする必要はない」
という考えが主流となる虞れがある。
■政治家も財界人も己が第一
★百田
ここで非常に大事なことは、いま有本さんが言及された
「数の問題」
です。
今から20年以上前の話ですが、
「朝まで生テレビ!」
で移民問題がテーマになりました。
そこで司会の田原総一朗氏が、まず
「移民に賛成か反対か、それぞれ札を上げてください」
と言って、パネリストが賛成、反対と書かれた札を上げた。
余りにも乱暴な議論に呆れました。
こういうゼロか100かという議論のやり方くらい無茶苦茶で間違ったものはないからです。
正解はその間にあるのです。
大事なことは、どれくらいの「数」で、どういう「質」の移民かということなのです。
それを抜きに、移民問題は語れません。
あれから20年以上経ちましたが、今も同じような議論が続いている印象を受けます。
即ち、移民に賛成、反対というだけで具体的な数の議論が抜け落ち、移民に反対と言うと、1人も入れてはならないという考えなのかと思われたりする。
逆も然りで、賛成なら5000万人入れてもいいのかという極端な議論になってしまう。
★有本
移民に対して否定的な意見を言うと、
「排外主義者」
「差別主義者」
「多様性を否定」
といったレッテルを貼られてしまうことを政治家は酷く恐れています。
そうした不当なレッテル貼りに負けることなく、
「外国人を受け入れることに反対ではない。ただし〜」
と、この
「ただし〜」
という所を語れる政治家が、今の永田町にはほとんどいない。
★百田
ほんま情けないですね。
★有本
それと、百田さんが仰ったように
「数の問題」
は大変重要で、例えば、クラスの中でイスラム教徒が1人、2人であれば、給食で豚肉が出てもその日だけはお弁当を持参するなどの対応を取れば済む。
ところが、クラスの半数以上がイスラム教徒になったら給食をハラールにしなければならない事態も考えられる。
現にドイツでそうしたことが起きていて、ドイツの伝統的料理「アイスバイン」や「シュバイネハクセ」は豚肉を使っていますが、食堂ではそうした料理を出せない学校が増えているんです。
イギリスでも同じようなことが起きているそうです。
強調しておきたいのですが、私にはイスラム教徒の親しい友人が何人かいますし、ウイグル問題に長年取り組んできましたので、イスラム教徒個人への嫌悪感情や差別する気持ちはありません。
ただ、今の日本を見ていると、欧州の後追いをして自壊の道を進んでいるとしか見えないのです。
★百田
日本は、政治家も経済界も長期的な視点を全く持っていません。
例えば、労働人口を補うために移民を入れてもらいたい企業が政治家に働き掛ける。
1企業にとっては、移民を入れれば一時期的にせよ従業員を確保できるのでプラスかもしれませんが、その従業員が日本で果たして何年働けるか。
仮に40歳で日本に来たとして、60歳の定年まで働ける保証はどこにもない。
もし定年まで勤めあげたとして、その後の年金や社会保障費などのコストを考えると、1企業にはプラスになったとしても、日本全体で考えた時、果たして本当にプラスになっているのか。
まして途中で働くのが嫌になり、生活保護を受給するケースが出てくるかもしれない。
企業は
「次の移民を入れたらええわ、辞めた後のことなど関係ないで」
と自分たちの短期的な利益しか考えず、政治家も財界人からの要望に応えれば票を貰えるということしか考えない。
その政策が将来、日本にどのような悲劇をもたらすかなど眼中にない。
そんな連中ばかりなんです。
■国を売り渡す政策ばかり
★有本
対中国の問題でも、政治家、財界はダメですね。
与野党問わず、日本の政治家に中国の暴挙に実効的な対抗策を講じる意思は見られません。
アメリカが前政権下において、中国におけるウイグル人らへの強制労働加担を止める法律の制定へと動き、政権が代わった後も方針を変えずに制裁に乗り出したにもかかわらず、同盟国たる日本国内には、その制裁対象の企業の製品が溢れかえっています。
★百田
中国の若者の中には、中国にいても未来がないから、日本に留学して猛勉強して優秀な成績で日本企業に入社しようとする人たちも今後増えてくるでしょう。
彼らがやがて出世していき、数十年後、気付いた時には役員が全員中国人だったというケースも十分あり得ます。
中国では会社法と中国共産党規約によって、中国共産党の党員が3人以上いる企業では党支部を設置しなければならないと規定されています。
更に国家情報法によって
「如何なる組織及び国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助及び協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない」(第7条)
と定められている。
つまり、中国の国民や組織は、中国政府の情報活動に協力する義務があるのです。
なので、
「こんな情報を取って来い」
と中国政府の指示があれば、スパイ活動を実行しなければならない。
★有本
本国に家族や親戚がいる人たちは言わば”人質”を取られているわけですから、逆らえない。
★百田
如何に中国人学生の中に優秀な人材がいても、会社自体を乗っ取られてしまう危険性を孕んでいることが現実問題としてあるんです。
こうしたチャイナリスクをストレートに訴える日本の国会議員は、残念ながらほとんどいません。
日本の国会議員は圧倒的に親中派、媚中派ですから、皆中国に忖度してモノが言えない。
この辺りも、既成政党には期待できない所以です。
■世界最高の国を護りたい
★有本
岸田政権下では、家族を帯同できる在留資格
「特定技能2号」
を現在の2分野から11分野へ拡大しました。
2号を取得すれば無期限就労が可能となります。
余りにも拙速、考えなし、こんなことを許していたら、日本は確実になくなりますよ。
EV補助金も然りで、自公政権が推し進めている政策は、日本を弱体化させるものばかりです。
本来、日本は豊かで強い国なんです。
そうした日本を取り戻さなければならないのに、日本を売り渡すことばかりやっている。
そんな政治には、はっきりと
「NO」
と言わなければならない。
★百田
日本は世界最高の国なんです。
歴史に
「if」
は禁物と言われますが、『日本国紀』の
「後書きにかえて」
で、私は、
「もし、地球上に日本列島がなかったならば」
ということを書きました。
書いていて、20世紀の世界における日本という存在の大きさ、私たちの祖先の偉大さを改めて痛感しました。
もし日本がなかったら、私たちが知る世界とは全く違った恐ろしい世界になっていたでしょう。
日本があったからこそ、今世界は何とかモラルを保てていると言っても過言ではない。
アジア・アフリカ諸国の植民地支配からの解放は100年、200年遅れたはずです。
日露戦争で日本が勝利していなければ、中国は欧米諸国に植民地支配され、今頃は国として存在していないでしょう。
第一次世界大戦後のパリ講和会議において、日本の発言が世界を驚愕させました。
「肌の色の違いによる差別をなくすべきだ」
世界で初めて日本が人種的差別撤廃を国際会議で提言したのです。
今では当たり前の概念ですが、当時はとんでもないことでした。
現に、アメリカ、イギリスが大反対し、この提言は潰されました。
両国は
「人種差別撤廃を宣言する日本は危険だ」
と、むしろ日本を敵視した。
先程も話に出ましたが、そのアメリカのエマニュエルとかいう駐日大使が、日本に対して
「日本はジェンダーに関して何年も遅れている」
などと批判しましたが、何をぬかしとんねん!という話です。
あの発言を聞いて、なぜ日本の国会議員はもっと怒らないのか。
情けない!
★有本
古来、同性愛について日本が如何に寛容な国であったか、史実を示し、教え諭す政治家が1人ぐらいいてもいいはずなのに、私の知る限り、1人もいませんでした。
小間使いのように、笑顔で写真に収まっている政治家は大勢いましたが。
★百田
日本の素晴らしい歴史を国会議員が知らな過ぎます。
欧米の学者は、日本に古来、奴隷がいなかったことに驚愕するといいます。
日本では、飛鳥時代の奴婢を奴隷と教える教師もいるようですが、欧米的な奴隷の概念とは全く違います。
*日本における奴婢は、飛鳥時代の大宝律令(701年)に始まり、隋・唐の律令制を日本式に改良して導入したものであった。
その証拠に、奈良時代の墾田永年私財法(743年発布)には奴婢にも土地を与えた記録が記されています。
つまり土地の所有も認められていたということで、奴隷ではなかったことが分かります。
あるいは、『万葉集』(奈良時代末期)ひとつ見てもその凄さが分かります。
農民、防人、遊女、乞食まで、あらゆる国民の歌が載っている。
素晴らしい歌の前では身分など関係なかった。
同時に、末端の暮らしを送っていた人たちも歌が詠めた。
何という文化的な教養の高さでしょうか。
日本の歴史を繙くと、日本が如何に世界最高の国であるかが分かります。
それを今の政治家が全く知らない。
日本という国に誇りを持っていれば、今、岸田政権が行っている愚かな政策など出来るはずがないんです。
世界最高の国である日本を護りたい、その一念で日本保守党を立ち上げました。
★有本
日本保守党が旗揚げしたからといって、すぐに何かを劇的に変えることは難しい。
ですが、党員の方々と力を合わせて、5年、10年、20年と活動していく中で、良い方向への転換を目指していく。
★百田
我々はもうええ歳ですから、時間は限られています。
何年か後には引退しているでしょう。
だからこそ、その後、この日本を託せる人材を育てていきたい。
そして、願わくば与党となって、日本が最高の国であることを世界に示し、再び世界を驚かせてほしい。
皆さん、是非、日本保守党に力をお貸しください。

暗雲に差し込む一筋の光
Hanada2023年11月号 元海上自衛官 一色正春
2023年8月末日、花田編集長から入電。
随分とご無沙汰していたにもかかわらず、開口一番
「百田新党(仮)を応援する原稿を書いてくれないか」
とのお言葉。
驚いたのは不偏不党、政治家個人は応援しても特定の政党を応援せず、公平な立場から日本政治を論評してきた花田さんが特集を組んでまで特定政党を推すということ、私が当然に新党を応援すると決め付けていたことです。
私は、百田・有本両氏の人柄や考え方、有本氏との人間関係からも応援しないという選択肢はないとしても、あの花田さんが、いや花田さんだけでなく、多くの親日派言論人が設立してもいない政党をこうも熱心に応援するというのは今までにない政治の動きというものを大いに期待を抱かせてくれます。
しかし、昨今の政治状況に鑑みれば、そうなるのも頷けます。
今に始まったことではありませんが、日本国民の不幸は真面(まとも)な野党がないことで、安倍さんがお亡くなりになってからは野党だけでなく、個々人の政治家はともかく自国の国益を第一に考える政党がなくなってしまいました。
それどころか、処理水騒ぎで鮮明になったように、一部野党の中には他国の利益を優先する政党もある始末です。
その一方で、我が国を取り巻く国際情勢は悪化するばかりなのですが、頼みの綱の米国は、あの体たらく、台湾危機は刻一刻と迫り来る。
そんな中でも、LGBTなどの国内問題や政権維持のための権謀術数に感(かま)ける現政権。
「選挙があっても投票先がない」
と絶望感に苛まれていた我々日本国民にとって、この新党は日本政界を覆う暗雲の中に差し込む一筋の光のようなものです。
言い方を変えると、2023年の夏は例年になく暑かったですが、そんな時に温いビールや、不味いビールなどを売る店はあれど、皆が欲するギンギンに冷えた美味いビールを売る店が1軒もないところに、それを売る店がオープンするとなれば開店前から行列ができるのは必定です。
しかし、そんな一般国民の期待とは裏腹に、恐らく大手メディアからは無視に近い扱いを受けるでしょう。
だが、それは逆にチャンスでもあります。
その逆境の中で党勢を拡大してこそ、戦前から続くメディアの印象操作による誤った方向への世論誘導を無力化し、我が国の政治を正常化させる第一歩となります。
とはいえ、お2人だけにその重責を背負わせるわけにはいきません。
我々国民も是々非々で、新党のためにではなく日本のために応援していきたいものです。

歴史に残る救国政党に
Hanada2023年11月号 麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男
作家の百田尚樹氏と、ジャーナリストの有本香氏が新党を立ち上げるという。
大いに賛成であり、期待したい。
安倍晋三元首相が凶弾に斃れてから、日本は羅針盤を失ったタンカーのように漂流し始めた。
自民党は今や見る影もない。
派閥内の権力闘争に明け暮れ、価値観の違う公明党から選挙協力を得るために汲々としている。
岸田政権は、一体何をやりたいのかさっぱり見えない。
何より、国家観そのものがない。
岩盤支持層が愛想を尽かすはずだ。
支持率は下がり、今後も回復は難しい。
元々差別などない日本において必要のない
「LGBT理解増進法」
を、碌な審議もせずに成立させた。
そればかりか、
「理念なき移民政策」
「増税路線」
「対中戦略欠如」
など、国家崩壊路線を突っ走っている。
喫緊の課題である
「憲法改正」
については
「ヤッテル感」
を装うだけで、真剣みが感じられない。
かつて
「日本列島は日本人だけのものではない」
と言った愚昧な宰相がいた。
自民党の中からも、
「人口減少の地域を支えるのは日本人である必要はない」
と公言する議員が出てきた。
次期首相候補ナンバー2というから驚きだ。
議員から
「祖国」
が消えた。
自民党も天下国家を語れなくなった。
日本の伝統、文化が蔑ろにされ、社会の根幹をなす家庭や皇室制度が破壊されようとしている。
さりとて立憲民主党を筆頭とする左派野党は論外だ。
日本は今、崩壊しつつある。
こんな時、
「祖国」
を取り戻し、天下国家を語れる百田、有本両氏が新党を立ち上げるのは時宜を得ている。
両氏とも知名度があり、突破力がある。
「ノイジー・マイノリティ」
という左翼のお株を奪い、真正保守として大いに吠え、政界に
「喝っ!」
を入れてもらいたい。
かつて石原慎太郎元都知事が結成した
「次世代の党」
のように、長続きしないかもしれない。
それでもいい。
政界に新旋風を巻き起こし、真っ当な保守とは如何なるものか、国民が覚醒するようになれば、それは歴史に残る救国政党となる。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/172.html#c42

[政治・選挙・NHK292] イスラエル退避チャーター機“1人3万円”のトンデモ…約1.8億円計上の「邦人保護予算拡充」は何だったのか(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
32. 2023年10月18日 19:16:03 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[44]
<■67行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
自国民退避の対応 韓国と比べ遅くはないか
2023/10/18 5:00
https://www.sankei.com/article/20231018-KCVYCS3ZJBKBJPPENMMVVDCCPM/
イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル攻撃に端を発した危機を受けて、日本政府が邦人退避の方策を講じている。
それはよいとしても韓国政府と比べ遅くはないか。
韓国国民退避用の韓国軍輸送機は2023年10月13日にイスラエルに着いた。
2023年10月14日早朝に離陸し同日夜にソウル空軍基地に到着した。
韓国人に加え、日本人と配偶者51人、シンガポール人6人も退避できた。
人道的観点から同乗を認めた韓国政府に感謝したい。
上川陽子外相が韓国の朴振外相に電話で謝意を伝え、国民のイスラエル出国で協力し合うと確認したのは当然である。
問題は日本政府自身の対応だ。
松野博一官房長官は2023年10月13日、邦人退避のチャーター機を2023年10月14日にイスラエルへ派遣すると発表した。
このチャーター機が邦人8人を乗せアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに着いたのは日本時間の2023年10月15日未明だ。
また、上川外相は2023年10月13日、木原稔防衛相に自衛隊機による邦人輸送の準備を要請した。
木原防衛相は2023年10月13日、自衛隊機の国外待機を命じた。
自衛隊法84条の4
「在外邦人の輸送」
に基づく手続きである。
空自機3機は2023年10月14日出発した。
アフリカ東部ジブチの自衛隊の拠点やヨルダンで待機し退避活動投入に備える。
2023年10月16日に1機がジブチに、2023年10月17日に2機がヨルダンに着いた。
日本は初動で韓国に後れを取ったとは言えないか。
危機では僅かな時間差が明暗を分ける場合がある。
日本は2021年、在アフガニスタン邦人らの退避作戦に事実上失敗した。
複数の国が自国民らを早々と救出したのとは対照的だった。
日本政府は9年前の2014年から国家安全保障局(NSS)を持ち、2022年暮れには国家安保戦略などを改めた。
組織や政策文書は立派になったが、実際の危機管理、自衛隊の活用は上手くない。
これで台湾有事などの際に国民を守れるのか。
問題を認識し、改めてもらいたい。
誰がもっと早く派遣の必要性に気付くべきだったのか、手続きに手間取る制度の欠陥があるのか。
「兵は拙速を尊ぶ」
(作戦を練るのに時間をかけるよりも、少々まずい作戦でも素早く行動して勝利を得ることが大切である)
「巧遅は拙速に如かず」
(出来上がりがいくら立派でも遅いのは、出来が拙くても速いのに及ばない)
という言葉を噛みしめるべきだ。
邦人退避のために働く自衛隊員や現地の外交官らへの期待は大きい。
彼らの労を無にしてはならない。
また、韓国とも人道的見地から協力したい。

上川外相が韓国外相と電話会談 邦人退避支援に謝意
2023/10/15 12:54
https://www.sankei.com/article/20231015-5HQQBO575VLFPGKPOGHDE3KFPE/
上川陽子外相は2023年10月15日、韓国の朴振(パク・チン)外相と電話で会談し、イスラエルからの邦人退避を巡る韓国政府の支援に謝意を伝え、自国民の出国に関し、両国政府で協力し合うことを確認した。
上川氏は会談後、外務省内で記者会見し、
「現地情勢は予断を許さないが、朴氏との間で、引き続き緊密に意思疎通を行い、事態の早期沈静化と自国民の出国に関してお互いに助け合い、協力していこうということで一致した」
と述べた。
韓国政府が2023年10月14日、イスラエルに滞在する自国民163人を軍の輸送機で退避させた際には日本人51人が同乗。
軍用機は2023年10月14日夜、ソウル郊外の軍用空港に到着した。

日本人51人韓国機で退避 イスラエルから
2023/10/14 12:07
https://www.sankei.com/article/20231014-2VVBWRQN5VNOTGTWDDNDUBSK64/
韓国外務省は2023年10月14日、イスラエルに滞在する自国民163人を軍の輸送機で退避させると発表し、日本人51人、シンガポール人6人も同乗すると明らかにした。
既にイスラエルを出発した。
2023年10月14日夜にもソウル郊外の軍用空港に到着する予定。
韓国外務省によると、輸送機は2023年10月13日に韓国を出発し、イスラエル中部テルアビブに現地時間の2023年10月13日夕到着。
2023年10月14日未明に出発し、韓国へ向かった。
長期滞在者81人と旅行者82人の韓国人計163人が搭乗し、人道的見地から日本とシンガポールの国民の退避を支援したとしている。(共同)
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/175.html#c32

[中国13] なぜ冷めない 中国の日本留学熱 国同士は冷え込む中… 激化する受験競争から逃れたい?(東京新聞) 蒲田の富士山
1. 2023年10月18日 19:31:16 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[45]
<■227行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国の一帯一路、影響力低下進む 国内問題優先で途上国融資は減少
2023/10/18 17:34
https://www.sankei.com/article/20231018-WRCEV4FY6VMIBAY2XD7F3BANKU/
提唱から10年を迎える中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
を巡り、2023年10月17日から北京でフォーラムが開催されている。
一帯一路は中国の国際的影響力を高め、貿易の拡大や原油の安定調達など経済的な恩恵をもたらした。
だが一方で、近年は発展途上国への融資が減少するなど、影響力は低下し始めている。
■途上国への融資、ピーク時の4割
「一帯一路は行き詰まり、抜本的な見直しが不可避になっている」。
そう指摘するのは、日本総合研究所の佐野淳也主任研究員だ。
実際、中国から発展途上国への融資は2018年に過去最多を記録してからは大きく減少。
2021年は約150億ドルとピーク時の4割程度にまで減った。
融資残高も増加ペースが大幅に鈍化している。
背景の1つが、被支援国の期待の低下だ。
多くの国が一帯一路への参加により中国と経済関係を深め、巨大市場の恩恵が得られると考えていた。
■イタリアは「愚かな選択」
しかし、中国からの輸入は増加したが、自国からの輸出は思うように増えず、期待外れ≠ニ感じている国は少なくない。
途上国を借金漬けにして支配を強める
「債務の罠」
の問題も顕在化。
イタリアが離脱に向けた動きを加速させているのも、対中輸出の伸び悩みが大きな要因で、メローニ首相は一帯一路への参加を
「愚かな選択だった」
と述べた。
更に、足元の中国経済の鈍化も一帯一路にはブレーキとなっている。
中国では若者の就職難や不動産不況が深刻化するなど国民の不満に繋がっている。
佐野氏は
「中国政府としても国外よりも国内問題に注力せざるを得なくなっている実態がある」
と指摘。
そのため一帯一路も当面は拡大路線ではなく、
「影響力の低下を最小限に抑えることが課題となるだろう」
と話している。

主張
「一帯一路」10年 中国の危険な侵食許すな
2023/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20231016-K7N5WWKT6RIBZL33YVI2PMKNZQ/
経済力を武器に自国の覇権を追求してきたのではないのか。
中国の習近平国家主席が巨大経済圏構想
「一帯一路」
を提唱して10年が経った。
この間、目に付くのは、過剰な融資で相手国を
「借金漬け」
にして港湾などの重要拠点を支配下に置くケースだ。
海路を含めた一帯一路の広範な対象地域を自国の勢力圏とする思惑が窺える。
日本など先進7カ国(G7)は
「自由で開かれたインド太平洋」
を軸に、自国主導の国際秩序形成を目指す中国に対抗すべきだ。
一帯一路は、中国から陸路で中央アジアを通って欧州へ至る
「シルクロード経済ベルト」
と中国から海路で南シナ海やインド洋を経てアフリカ、欧州へと至る
「海上シルクロード」
の建設構想を指す。
中国政府は2023年10月10日、一帯一路に関する白書を発表した。
152カ国、32の国際機関と200件以上の共同建設文書に調印し、参加国などへの累計直接投資額は2013年から2022年までで約36兆円に上ったことなどを
「成果」
として強調した。
しかし、主要参加国のスリランカは2017年、対中債務の返済に窮して南部のハンバントタ港の運営権を99年間、中国側に貸与せざるを得なくなった。
「債務の罠」
に陥ったのだ。
中国にとってのスリランカはシーレーン(海上交通路)の要衝である。
中国はインド洋で軍事的重要拠点を手に入れようとしたことになる。
一帯一路の契約内容には不明瞭な部分も多く、各国での債務の全容は把握できていない。
事業会社への直接融資など政府発表に盛り込まれない
「隠れ債務」
も存在するという。
2023年10月17〜18日には、10年を記念した国際会合が北京で開かれる。
ウクライナを侵略するロシアのプーチン大統領は出席するが、欧州連合(EU)主要国の多くの首脳は欠席する見通しだ。
G7で唯一、一帯一路に参加していたイタリアも既に中国に離脱の意向を伝えたとされる。
G7は2023年5月の広島サミットの首脳宣言で、透明性や良好なガバナンスなどを備えた質の高いインフラを提供していく方針を確認した。
真の発展は、強権でなく自由と公正さから紡がれる。
その国の発展に資するインフラ整備支援を日本は主導していくべきだ。

中国「一帯一路」10年 「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
2023/10/13 19:00
https://www.sankei.com/article/20231013-MD2EN2FTRVNTNMVXLCMSEAUG74/
中国の習近平国家主席が巨大経済圏構想
「一帯一路」
を提唱してから2023年秋で10年となる。
途上国のインフラ建設を巨額資金で援助し、自国経済圏に引き込んで影響力拡大に繋げた一方で、中国の過剰な融資により途上国が苦しむ
「債務の罠」
が国際社会で警戒される。
中国と結ぶ鉄道が開通して1年半超が過ぎた東南アジアのラオスでも、過大な債務負担が懸念されている。
■田園に巨大駅舎
中国雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャン間の1035キロを約9時間半で結ぶ中国ラオス鉄道は2021年12月に開通した。
中国の
「ゼロコロナ」
政策が撤廃され2023年4月からは旅客の直通運行が始まった。
アジア最貧国の1つであるラオスで鉄道建設は長年の夢だった。
ラオス側の起点・ビエンチャン駅は、中心部から車で30分超という郊外にある。
家畜の牛の姿が目立つ田園風景の中に、不釣り合いな巨大駅舎がそびえており、周辺には
「中国・ラオス友好の象徴的プロジェクト」
との垂れ幕がある。
鉄道は
「中国式」
そのものだ。
駅舎に入るには手荷物・身体検査が必要で、出発間際までホームに入れないため待合スペースで待つという中国の高速鉄道と同様の仕組みを採用。
乗務員は中国人、ラオス人の双方がいたが、ラオス人乗務員も中国語で接客していた。
中国メディアによると、2023年9月3日までの累計乗客数は延べ2090万人を突破。
中国企業のラオス進出も増えており、街中を走る車は中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)など中国製が目立つ。
現地の経済関係者は
「中国企業で働こうと中国語を勉強する若者が増えた」
「給与が桁違いに高いからだ」
と指摘する。
ビエンチャンで小売業を営んで20年になる中国・重慶出身の50代男性は
「昔はラオスで中国人への扱いは悪かったが、鉄道ができるなど中国の存在感が増して尊重されるようになった」
「中国が発展したおかげだ」
と笑顔を見せた。
■「民間に恩恵ない」
一方、ラオス側には国内で中国が影響力を増すことへの警戒もある。
30代のラオス人男性経営者は
「政府は中国に助けられているが、民間人は恩恵を感じることができない」
と声を潜めた。
ラオスの首都ビエンチャンのワットタイ国際空港近くには巨大な中華街がある。
3年前の2020年に営業を始めたというホテルの館内は中国語表記が目立ち、警備員の制服も漢字で
「保安」
と書かれていた。
中華街の一角にある建設現場に掲げられた作業責任者の一覧表を見ると、6人中全員が中国人とみられる名前だった。
一帯一路を巡っては、企業だけでなく資材や労働者まで中国から持ち込むひも付き≠フ形が取られ、地元経済への影響が限定的だと指摘される。
両国国境近くのラオス・ボーテン駅の周辺では、中国資本のビルやホテルの建設ラッシュで、中国語や人民元の使用が日常化しているという。
■深まる中国依存
王毅共産党政治局員兼外相は2023年8月中旬、昆明でラオスの国家副主席と会談し、鉄道開通が
「ラオス人民に確かな利益をもたらしている」
と強調した。
将来はタイ・バンコクやシンガポールまで鉄道網を延伸する構想も取り沙汰されている。
ただ、一連のプロジェクトの持続可能性は不透明だ。
中国ラオス鉄道は中国側が7割、ラオス側が3割出資した合弁会社が建設と運営を担う。
総工費はラオスの国家予算の2倍弱に当たる約60億ドル(約8900億円)。
うち6割に当たる約35億ドルは中国輸出入銀行からの借り入れだ。
ラオス側は債務の政府保証を行っていないが、同国の
「隠れ債務」
になる可能性が指摘される。
ラオスの対外公的債務は2022年末時点で105億ドルで、国内総生産)GDP)比84%と既に高レベル。
対外債務の半分を占める中国への依存は強まっている。
多額の対外債務は通貨安を招いており、外貨建て債務返済負担の増加も懸念される。

行き詰まる一帯一路 途上国苦境、中国経済低迷で岐路に
2023/10/13 19:02
https://www.sankei.com/article/20231013-TXBBE276JRKUFKKWPUK2YE665M/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
だが、投下した融資の多くはロシアや途上国向けで焦げ付きが増加し、中国経済の低迷も重なって行き詰まりが顕著だ。
一帯一路は岐路に立たされている。
■「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
中国政府は2023年10月10日、一帯一路に関する白書を発表し、同構想を通じて世界各国と結んだインフラ事業の契約総額は2兆ドル(約300兆円)を超えたと主張した。
一帯一路の下、中国は2国間ベースで世界最大の貸し手となった。
米国が支援先に自由や民主主義の尊重を求めるのに対し、中国は人権弾圧にも寛容だ。
一帯一路は強権体制の国と相性が良く、途上国や新興国との経済的な結び付きを強めて中国の国際的影響力は高まった。
だが、実態は順風満帆では決してない。
参加国では融資の焦げ付きが顕在化している。
米調査会社によると、2020〜2022年にかけ、中国は750億ドル以上の債務再編や放棄を余儀なくされた。
2017〜2019年に比べて4倍以上といい、新型コロナの流行などによる借り手の経済苦が背景にある。
米紙タイムスは、一帯一路の資金は3分の1がロシア、3分の1が途上国に流れていると指摘した。
ロシアはウクライナ侵略の影響で戦費拡大や制裁の影響で経済難が続き、融資の
「ほぼ全てが回収不能」
と分析。
途上国もウクライナ侵略に伴う世界的な物価高が直撃し、外貨準備高が急減する中で債務返済は苦しい。
主要参加国であるスリランカは2022年、対中債務の返済や観光産業の低迷などを受けて外貨不足が進み、事実上のデフォルト(債務不履行)状態に陥った。
2017年には債務返済に行き詰まり、ハンバントタ港の運営権を99年間、中国側に貸与することで合意した。
同様の債務危機はアフリカ・ザンビアでも起きている。
一帯一路を巡っては契約内容が外部から不明瞭なことが多く、各国での債務の全容は把握できていない。
事業会社などに直接融資された結果、各国政府の発表に盛り込まれない
「隠れ債務」
が世界で3850億ドルに達すると米調査機関は推計している。
対中債務の返済が”時限爆弾”として今後、途上国を襲う可能性がある。
一方で中国自身も現在、不動産不況などの経済鈍化に直面している。
北京の外交関係者は
「従来のような大盤振る舞いは難しくなっており、一帯一路も軌道修正を図るのではないか」
と見る。

米の経済回廊構想、一帯一路に対抗 ガザ戦闘でもろさ露呈も
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-YFU4KOKB2JOFXEZN5ZCM7WXKMA/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
に対抗するため、バイデン米政権は同盟・友好諸国と連携した
「経済回廊」
構想を打ち出している。
陸・海路のインフラ投資を軸に、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国と先進諸国を結び付ける考え方だ。
一帯一路の提唱から10年、米国はバイデン政権下で途上国支援での遅れを取り戻そうとしている。
経済回廊構想の旗艦プロジェクトとしてバイデン大統領は2023年9月、インドで行われた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせ、インドから中東を経て欧州を鉄道・港湾網で結ぶ構想を発表した。
アフリカ中部のコンゴ民主共和国とザンビアをアンゴラのロビト港と結ぶ回廊への支援強化も約束。
いずれも中国が影響力を強めている地域に楔を打ち込む狙いがある。
背景には、米国の国際的な地位が相対的に低下する中で米主導の経済秩序を維持するには、途上国への関与を深める必要があるとの認識がある。
気候変動や世界的な人口移動といった問題への対処にも、多国間の協力枠組みが欠かせない。
一方、バイデン政権のアプローチは、複数の国に協力を促して回廊を構築するという性質上、地域情勢の変化による影響を受けやすい側面がある。
先述のインド・中東・欧州を結ぶ回廊構想では、バイデン政権が、いずれも米同盟国であるサウジアラビアとイスラエルの国交正常化を仲介することが実現の前提となっている。
しかし2023年10月、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルによる大規模戦闘が発生したことで、協議の先行きは一気に不透明となった。
イスラエル軍の包囲などによりガザの人道状況が極度に悪化する中、アラブ、イスラム諸国の盟主を自任するサウジはイスラエルとの関係改善に慎重にならざるを得ないためだ。
中国との
「競争」
を重視するバイデン政権は、回廊構想を通じて外交的影響力の強化を目指すが、そこには脆さが付きまとっている。

EU「一帯一路」に距離 中国からの投資に警戒強める
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-PRSINDPP6BOVVPELTPZUZANJU4/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
を巡り、欧州諸国の多くは距離を置く姿勢を示している。
対中国を視野に
「デリスキング」(脱リスク)
を打ち出す欧州連合(EU)は対中依存度を低下させたい考えで、中国からの投資への警戒を強めている。
EU加盟国の大半の首脳は2023年10月17、18両日に北京で開かれる一帯一路がテーマの国際協力サミットフォーラムへの出席を見送る見通し。
米紙ウォール・ストリートジャーナルによると、2019年に先進7カ国(G7)加盟国で唯一、一帯一路に協力するとの覚書を結んだイタリアのメローニ首相も2023年7月末時点で参加する予定はないという。
米ブルームバーグ通信は2023年9月10日、メローニ氏がインドの首都ニューデリーで中国の李強首相と2023年9月9日に会談した際、一帯一路から離脱する意向を伝えたと報じた。
メローニ氏は西側の結束を主張し、親中国姿勢からの脱却を掲げている。
EU欧州委員会は2023年6月に発表したEUの経済安全保障戦略で、中国を念頭にEUにリスクをもたらすような第三国への先端技術の輸出や投資を監視し、歯止めをかける方針を示した。
一帯一路を通じて経済的な影響力を増そうとする中国への警戒感は強まっている。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は2023年3月、一帯一路について
「国際秩序を中国中心の形に組織的に作り変えるのが中国共産党の明確な目標」
と述べた。
EUは一帯一路に対抗する形で、域外のインフラ整備の支援にも乗り出した。
EUは最近、対中姿勢を硬化させている。
電気自動車(EV)で世界市場に攻勢を強める中国が不当な補助金を支給した疑いが強いとして、中国製EVに対する相殺関税の導入を視野に調査を開始した。
一方、EUには最大の貿易国である中国との経済関係を維持し、経済分野での対話を重視したい思惑もある。
EUのボレル外交安全保障上級代表は2023年10月12〜14日に訪中し、外交担当トップの王毅共産党政治局員兼外相らと会談する。
http://www.asyura2.com/19/china13/msg/331.html#c1

[政治・選挙・NHK292] いまだ続く岸田首相の“木原頼み”…週イチ「公邸詣で」に自民党内からやっかみ噴出し大混乱(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
14. 2023年10月19日 16:20:42 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[46]
<■2428行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
木原誠二の妻である木原郁子の「父・船本賢二」は、安田種雄さんが胡坐又は正座しているところを、背後からナイフで刺して殺したのか?
木原誠二氏は、安田種雄さんの遺族の言葉をどう受け止めるのか。

木原事件 遂に刑事告訴! 遺族が明かす決断の訳 《新証拠》事件直後の警察との音声データ 
週刊文春2023年10月26日号
種雄とX子の子供を大事に育ててくれた木原さんには感謝しています。
ただ彼に一言
「再捜査を求める」
と言ってほしかった。
私たちは真実が知りたい。
一生がかかっている問題なんです。
2023年8月下旬のある夕刻、東京都文京区内の閑静な住宅街――。
日中35℃を超えた猛暑は僅かながら和らぎ、蝉の鳴き声が響いていた。
そこに集まる70代の男性と2人の娘、それに孫たちの家族。
そのうちの男性が、通り沿いのあるマンションを見上げながら感慨深げに呟く。
「いやぁ、ここに来るの、17年ぶりだ……」
木原誠二前官房副長官の妻X子さんの元夫で2006年に不審な死を遂げた安田種雄さん(享年28)の父である。
「種雄が亡くなる前、ここに住んでいたX子のお父さんと、お兄さんと食事をしたんですよ」(父)
2006年4月9日午後10時頃、安田種雄さんの頭上から喉元に振り下ろされたナイフが肺まで達し、絶命した事件。
その現場となった、安田種雄さんとX子さん、それに2人の子供たちが暮らしていた一軒家は、このマンションから徒歩で7、8分ほどの距離にある。
部屋で仰向けに倒れた遺体の第一発見者は、事件の翌朝2006年4月10日4時前、安田種雄さんに貸した車を返してもらおうとバイクで現場を訪ねた父だった。
その現場から30メートルほど離れた路上で、父が立ち止まった。
「ああ、ここですよ」
「警察に通報しようとしたんだけど住所が分からなくて、住居表示を探しに外に出てきたんです」
「電話して現場に戻ろうとすると、棒のような物体が入った風呂敷のような物を背負った男性が、フラフラと家の方から歩いて来てすれ違った」
「変だなと思って走って追ったのですが、角を曲がった所で姿が消えてしまったんです」
(同前)
未明の暗がりの中、父が息を切らして立ち尽くしていると、通報を受けた警察官が駆け付けて来た。
「その警察官と2人で現場の家に戻ったのですが、私が点けたはずの家の電気が消えていました」
(同前)
2023年の夏の日、小誌記者が安田種雄さんの長姉から
「現場を見に行く」
と連絡を受けたのは、当日の昼頃だった。
それには、家族のある決意が込められていた。
「これから、私たちが再捜査を求めるために刑事告訴をしていくことなども考えると、1度、自分たちの目で現場を見た方がいいと思いました」
(長姉)
それから2ヵ月近く。
「木原事件」
が今、重大局面を迎えている。
とうとう遺族が刑事告訴に踏み切ったのだ。
告訴人は安田種雄さんの父母、姉2人の4人。
告訴の趣旨は殺人罪で、被疑者に当たる被告訴人は<不祥>。
2023年10月18日付の告訴状には、遺族の悲痛な訴えが次のように記載されている。
<告訴人らは、愛する家族を第三者の殺害行為によって失っただけでなく、犯人の検挙を17年以上待たねばならず、この間、何度も絶望を味わった」
(略)
<告訴人らには、時的限界なく犯人検挙のための捜査を求めることが許されなければならないし、かかる告訴人らの行為を阻害することが許されるのであれば、我が国の刑事司法は最早死んだも同然である>
<告訴人らは、我が国の警察は世界有数の能力と良心を持ち合わせていると信じている>
遺族は何故、刑事告訴を決断したのか。
告訴人の1人である、安田種雄さんの次姉が語る。
■「警察を信じていたのに」
「種雄が何で死ななければならなかったか、家族はやはり知りたい」
「まだ生きていたら私たちは、楽しい生活を送れていたと思います」
「犯人は、人を殺して楽しい生活を送れているのでしょうか」
「罪を償って、種雄に手を合わせて謝ってほしい」
「なのに、(露木康浩)警察庁長官は『事件性はない』とまで言っている」
「警察を動かし、再捜査を進めてもらうためには、最早刑事告訴しかありませんでした」
告訴状の宛先は、事件発生当初に捜査を担当した警視庁大塚警察署の署長だ。
刑事告訴に当たっては、警察に捜査を指示する立場の検察の方が受理されやすいのではないかという見方もあった。
では何故、遺族はこれまで捜査を中断してきた警察への提出を求めたのか。
遺族代理人の勝部環震(たまき)弁護士が説明する。
「検察への告訴も考えましたが、捜査員を擁するわけでもない検察には、独自で殺人事件を捜査する能力はありません」
「やはり事件当時のことを一番知っているのは大塚署です」
提出された告訴状は、内容に問題がないと判断されれば受理される。
刑事事件の場合、捜査機関側が、立件しやすいように告訴人側に告訴状の修正を提案し、やり取りを重ねた上で受理することも多いという。
刑事告訴が受理されれば、警察は捜査を尽くして検察に報告する必要がある。
警察庁の露木康浩長官は2023年7月13日、この件について
「事件性なし」、
つまり他殺ではなく自殺とコメントしているが、もしそうならば、その証拠を揃えなければならないのだ。
安田種雄さんの死の真相を知るため、団結して大きな一歩を踏み出した一家。
その安田家の横顔に触れたい。
安田種雄さんの父は韓国籍、母は韓国生まれの日本籍で、2人の間の子供たちも韓国で生まれた。
安田種雄さんの祖父母や母の兄弟は先に日本に住んでおり、母の戸籍も日本に残っていたことから、一家で移住することを決めた。
安田種雄さんが6歳の時のことである。
父は移住当時、自身も日本語が不自由ながらも、休みの日には幼い種雄さんを自転車の後部に乗せ、近隣の博物館などに遊びに連れて行っていたという。
日本では余り聞くことのない
「種雄」
という名前の由来を、父が明かす。
「韓国の私の家系図があって、その中で種雄の代には『種』の漢字を使わなくてはならないんです」
「日本へ移住した時に祖父母が韓国の名前から1文字取って『種雄』という日本名を付けてくれました」
「珍しい名前ですが虐められることもなく、印象に残るので、凄く良い名前だと思っています」
そんな安田家に小誌記者が初めて接触したのは、2023年6月下旬のこと。
「最初に電話が来た時、家で会うことになりましたが、正直、不安を感じました」
「私は家に1人だけだったし、怪しいし、信用もできないし」
(同前)
だが、対面すると父は徐々に、事件に対する思いを吐露し出した。
安田種雄さんの死後、大塚署が事件としてまともに取り合わなかったこと。
それから12年が経った2018年に、警視庁捜査一課の刑事が安田家を訪れ、再捜査に乗り出したが、1年足らずで捜査が立ち消えになってしまったことー。
この日、記者に父は、こう声を絞り出した。
「日本の警察を信じていたのに、悔しい・・・」
そこから事件は異例の経過を辿った。
小誌が2023年7月6日発売号で
「木原事件」
の存在を始めて報じると、木原誠二氏は代理人弁護士を通じて
「事実無根」
とし、小誌を刑事告訴することを宣言。
更に小誌2023年7月27日発売号では、2018年の再捜査の際にX子さんの取調官だった佐藤誠・元警部補が実名告発に応じ、木原誠二氏がX子さんに
「手を回しておいたから」
と語り掛ける様子を記録したドライブレコーダーの存在などを証言した。
木原誠二氏が
「国会が始まれば、子供の面倒を見る人間がいなくなる」
ことを理由に、X子さんの取調べを
「国会招集日までに終わらせろ」
と捜査幹部に要求していたことなども明かされていた。
実際に取調べは突如としてストップし、それ以降の捜査も中断。
当時を振り返り、佐藤誠・元警部補は
「異常な終わり方」
と語った。
■佐藤氏が指摘する初動ミス
なぜ捜査は止まったのか。
小誌は今回、再捜査が中断した経緯を知るはずの警視庁幹部に取材を試みた。
捜査1課を擁する警視庁刑事部トップだった、大賀真一刑事部長(当時)だ。
2023年1月に退官した大賀氏の自宅を訪ねた。
ーー当時の捜査は何故あのような終わり方をしたのか。
「もう退職しているんで、お話しすることはない」
ーー現場の捜査員たちは、なぜ捜査が打ち切られたのか疑問に思っている。
「そうですか?」
「気にしたことはないですけどねえ」
だが、再捜査の中断に当たっては、遺族にもその旨の連絡がなく、宙ぶらりんのまま放置されていた。
「気にしたことない」
で済まされる問題なのか。
止まってしまった時計の針を再び進めるための刑事告訴。
改めてその事件発生当時の捜査を丹念に検証すると、なぜ被害者遺族がやるせない思いを抱き続けてきたのかが見えてくる。
現在、父はこう悔しがる。
「種雄が死んだ翌日の2006年4月10日、事件現場から大塚署へ遺体が運ばれて、翌日には司法解剖を行うと説明がありました」
「ところが司法解剖が行われる前の2006年4月10日の夕方にも説明があり、『事件性がない』と担当の刑事に言われました」
「それが今でも忘れられません」
当初から
「事件性がない」
という見立てに沿って進められていた捜査、佐藤誠・元警部補はこう指摘する。
「大塚署の初動捜査には大きな問題があった」
「事件前後の防犯カメラの映像を集めていなかったことだ」
事件発生後の深夜0時頃には、X子さんと親しかった男性Y氏が、X子さんに呼ばれて現場を訪れたことが捜査で分かっている。
「もし種雄さんが帰って来てからYがやって来るまでの、6時間の自宅付近や関係者宅などの防犯カメラの映像を押さえていれば、その時あの家に入った人間や、通報した父親が見たという『風呂敷のような物』を背負っていた不審者も、特定できたはずだ」
(同前)
決定的な初動ミス。
更に、小誌は家族からある音声データの提供を受けた。
そこには、安田種雄さんの死が自殺ではないことを示す
「新証拠」
が残されていた。
音声データは、2006年4月の事件後、父と長姉が、大塚署で刑事課長代理として捜査を指揮していたK警部と、部下のT警部補(いずれも当時)から説明を受けた際のやり取りを記録したものだ。
日付は事件発生から9日後の2006年4月18日。
遺体の周りの血溜まりや、死亡した際の姿勢についてこう説明されている。
★K警部
<「血溜まりが2カ所に分かれている>
<(1カ所は)倒れておられる直下の所、首の付近の下の方、それと、もう1つは(胸の方の)パソコン前>
★父
<(刺された時の姿勢は)分からないんですか?>
★K警部
<刺した、刺された姿勢がどういう姿勢であったかというのは分かりませんよ、ということです>
<ただし、当然まあ、その、ここの所に自傷したという形>
<この状態からこうなったというのは想像つくでしょう>
<胡坐かいていたとか、正座していたとか、そういう形から倒れたのか>
この会話からは、K警部が、安田種雄さんは胡坐や正座の状態で刺傷を受けたと推測していたことが窺える。
また
「自傷」
という言葉から、早い段階で自殺だという先入観を持っているように聞こえる。
だが、再捜査に当たった佐藤・元警部補はこう疑問を呈するのだ。
「俺も色んな自殺の状況を見て来たけど、自分の首を自分で、しかも肺に達するまでの深さで刺すという自殺の仕方は見たことがない」
「ただでさえ不自然なのに、座った状態で、というのはもっと考えづらい」
「自分を刺すとなると当然痛いから、相当な力が要る」
「強く刺すには足を踏ん張らなきゃならないだろ」
「座ったままでは無理だ」
それだけではない。
音声データには、K警部が遺族に自殺であると納得させようとしている形跡が残っていた。
■「もうこれで終わりにしたい」
2018年の再捜査のきっかけとなったのは、凶器となったナイフの血の付き方だった。
先端に少ししか血が付いていなかったことから、犯行後に一旦誰かが別の場所にナイフを持ち出したり、血を拭き取った可能性が疑われたのだ。
だが、K警部は当時、このように説明している。
★K警部
<刃物の方なんですが、パッと見た目には血は付いていません>
<ただし、見づらい所にはきっちり付いています>
<この部分だとか、この持っている柄の部分の先の所だとか>
<これは血が付いています、はっきり言ってね>
つまり、ナイフには不自然なほど血が付いていないのに、
「よく見ると付いている」
と主張して、遺族を納得させようとしていたのだ。
小誌が2023年8月下旬にK元警部を訪ねると、上半身裸で玄関先に出てきた。
ーー2006年当時、大塚署にいた。
「いたことは間違いありませんが、”どこぞの誰かさん”のようにはお話ししませんからね」
ーー事件は覚えている?
「もう散々ね、私がOBになってからも『再捜査だ』ということで、私の所に(捜査員が)来ていることもありますので」
ーー安田種雄さん自殺だと思っているのか?
「心の中で思うことはあっても、申し上げるようなものではございません」
後日も電話取材に応じたK元警部だったが、結局最後まで、捜査の怠慢を認めることはなかった。
愛する家族の死の真相の解明を何度も期待したが、その度に裏切られ、打ちひしがれてきた遺族。
次姉は言う。
「私たちは最初の捜査で事件が解決しなかったことに絶望し、再捜査が止まってしまった時も再び大きなダメージを受けました」
「もう、これで終わりにしたい」
「だからこそ刑事告訴を決断したんです」
母は、刑事告訴を決断した現在の心境を、涙ながらにこう明かした。
「今になっても、1日1日がとても辛いです」
「種雄が大好きだった2人の孫たちのためにも、真実が知りたい」
「私たちの一生がかかっている問題ですから」
一方、2018年の再捜査時に介入したことが指摘されている木原誠二氏は、X子さんの事情聴取も含めた一連の経緯を
「事実無根」
と主張し、今に至るまで、公の場で詳細を説明しようとはしていない。
再捜査が始まる4年ほど前にX子さんと結婚し、安田種雄さんとX子さんの子供の父親になった木原誠二氏。
その木原誠二氏への思いを、次姉はこう吐露した。
「種雄の子供たちを大事に育ててくれていることは感謝しています」
「私たちは子供たちにずっと会うことができず、心配してきました」
「でも
『事実無根』
なんて言う前に、事件についてただ一言、
『再捜査を求めます』
と言ってほしかった」
木原誠二氏は、遺族の言葉をどう受け止めるのか。
木原事件の新たな幕が上がった。

船本賢二の経歴や学歴!元警視庁警部で法政大学ではボクシング部と超ハイスペックだった!
2023年9月3日
https://kyokutoromance.com/funamoto_kenji_keireki/

船本賢二の経歴!アマチュアボクサー全国3位の元警視庁の警察官!
2023年8月2日
https://ijyukangosi-ouennyanko.com/hunamotokenji/

木原郁子の経歴や学歴まとめ!元銀座No.1ホステス&VERY ...
ウェブ2023年7月13日 · 木原郁子の経歴や学歴まとめ!. 元銀座No.1ホステス&VERYモデルだった!. 事件. 2023年7月13日 2023年7月28日. 週刊文春の報道で、 木原誠二内閣官房 …
https://digitalyouth.jp/kiharaikuko-keireki/

木原郁子モデル・ホステス時代が超美人!木原誠二との ...
ウェブ2023年7月30日 2023年9月12日 木原誠二官房副長官の奥さん が何かと話題になっていますが、いったいどんな方なのでしょうか? 調べてみたところ木原誠二さんの奥さん …
https://www.yamadera-goto-museum.jp/kihara-ikuko-profile/

木原誠二氏が記者会見を開かずに説明責任を果たしていないのは卑怯だ。

次々と浮上する安田種雄さんの不審死への疑問。
上申書による安田種雄さんの遺族の悲痛な訴えを、警察・木原誠二官房副長官・木原氏の妻【X子】さん・【X子】さんの父親Z氏(元公安刑事)はどう受け止めるのか。

安田種雄さんの不審死は「自殺」ではなく、「他殺」、つまり「殺人事件」ではないか。
犯人は、元公安刑事にして、木原誠二官房副長官の妻の「実父」ではないか。
木原誠二官房副長官の妻が事件について語ろうとしないのは、彼女の「実父」を庇っているからではないか。

致死量の覚醒剤によって自殺したのなら、わざわざナイフを頭上から喉元に向かって刺す必要があるのか?
ナイフで刺殺された後に、第三者によって致死量の覚醒剤を打たれた可能性もあるのではないか?
疑問点は多々あり、とても「自殺」とは思えず、「他殺」としか思えない。
犯罪の可能性があれば捜査する、犯人を検挙する、法治国家なら当たり前の話だ。
相手が政治家の関係者でも親族でもそれは同じはずだ。
何でこんな当たり前のことが通らないんだ。
政治家が捜査機関上層部に圧力を掛けたり、たとえ相手が有力政治家であっても、捜査機関上層部がその圧力に屈するなどということは絶対にあってはならない。
圧力を掛ける政治家と圧力に屈する捜査機関上層部が存在するのは異常な世界だ。
警察上層部に圧力を掛ける政治家や、その政治家を擁護する弁護士・政治家は論外で信用できないが、圧力に屈する警察上層部も情けなく信用できない。
一般国民は、そんな世界に生きるのは嫌だと思っている。
一般国民から見て、政治家の立場とか、警察官僚の保身とか、そんなことより重要な事はいくらでもある。
子供の頃に「法の下の平等」について習っているはずだが一体全体どこへ行ったんだ?

岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

木原事件に新展開 「遺体の位置が・・・」 遺族が上申書を提出
週刊文春2023年7月27日号
17年前の2006年、木原誠二官房副長官の妻【X子】さんの当時の夫が”怪死”した事件。
木原氏は詳細な説明をしないまま、小誌に再三、刑事告訴をちらつかせている。
そんな最中、中断した捜査の再開を求めて、遂に遺族が立ち上がった。
▼被害者父母、姉が決起「再捜査してください」
▼「遺族の裏には・・・」警察内部で飛び交う妄言
▼記者懇ドタキャン 木原副長官「こんな状況なので」
▼岸田派幹部「刑事告訴なんて無理だろ」
<私たちは種雄の死の真相を知るため、捜査を続行していただきますことを、心から望んでいます>
警視庁大塚署長に宛てられた2023年7月17日付の上申書には、失われた17年前(2006年)の悲痛な思いが綴られていた。
小誌は過去2週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていた事実を報じた。
木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、司法記者クラブに対し2度に渡り文書を送付し、刑事告訴を行うことを宣言した。
上申書を提出したのは、安田種雄さんの両親と2人の姉である。
事情聴取や家宅捜索の事実関係すら
「事実無根」
とする木原氏は、遺族の積年の想いを踏みにじったのだ。
上申書は次のように続く。
<自分が死んだのなら諦めもつきます>
<でも、亡くなったのは大切な息子なのです>
<ひょんなことから『あいつが生きていたら45歳だなあ』と考えてしまう>
遺族が再捜査を強く求めるのには理由がある。
安田種雄さんの死を巡り、到底納得できない”謎”がいくつも残されているのだ。

1978年に生まれた安田種雄さんは地元の中学校を卒業後、高校を中退。
暴走族に入り、青春時代を過ごした。
雑誌モデルとして活躍していた安田種雄さんに惹かれ、1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下の【X子】さんだった。
2002年、長男が誕生することが契機となり、2人は入籍する。
夫妻を知る人物が明かす。
「【X子】は結婚前にCDデビューしたこともある」
「長男を出産後は育児情報誌のモデルをしたり、ママ友とハロウィンパーティーを企画し、司会をやったりしていた」
「種雄さんの当時のあだ名は、TOKIO、長瀬智也に似ていることから、そう呼ばれていました」
2004年4月には長女が誕生し、一家4人は【X子】さんの父が所有する文京区大塚の木造住宅で暮らした。
だが、団欒の風景は次第に修羅の色に染まっていく。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合った男性Y氏の存在だ。
間もなく【X子】さんはY氏と親密な関係になり、池袋の老舗キャバレーで働き始める。
安田種雄さんの次姉が振り返る。
■事件の夜、すれ違った男
「よくキャバレーの帰りに電話が来て
『種雄君がお金を入れてくれない』
『自分だけ遊びに行っている』
と愚痴をこぼしていた」
「それを聞き、種雄に
『ちゃんと生活費をあげなさい』
と言うと
『毎回あげている』
と話が食い違うのです」
2006年に入り、【X子】さんは幼い子供2人を連れ、”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上も【X子】は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも種雄は
『離婚しても子供は引き取りたい』
と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った東京・三軒茶屋の団地に舞い戻った。
出迎えた父は、息子の大好物だった牛肉をスーパーで調達し、振る舞った。
「その日、種雄は私が乗っていたハイエースを貸してほしいと家に立ち寄ったのです」
「理由を聞くと
『【X子】が(東京近郊に住む)Y氏の家に荷物を置いているから取り戻しに行くんだ』
と」
「その日は、数日前に種雄から
『買ってほしい』
と頼まれていた新しい携帯電話を手渡しました」
「ずっと電話に出ない【X子】に連絡するためでした」
(安田種雄さんの父)
だが、それが最後の晩餐になった。
その翌日(2006年4月8日)、安田種雄さんがハイエースでY氏の自宅を訪ねると、そこには【X子】さんと子供たちの姿があった。
家族を必死で連れ戻した安田種雄さん。
その彼が不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした直後、【X子】さんや子供たちが眠る隣の部屋でのことだったー。
ナイフを頭上から喉元に刺したとみられ、死因は失血死。
当時は自殺の可能性が高い不審死として処理された。
だが、12年後の2018年4月、大塚署の女性刑事が捜査資料を分析し、自殺とするには不自然な血の付き方に着目したことから再捜査がスタート。
警視庁の特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に、30人以上の精鋭が集められ、遺族の期待も高まった。
にもかかわらず、1年足らずで突如、捜査は縮小。
以降、遺族の元への警察からの連絡は途切れた。
だが今回、安田種雄さんの父が今でも鮮明に記憶している悪夢の1日を振り返ると、これまで語られなかった新たな疑問点が次々と浮かび上がったのだ。
「変わり果てた姿の種雄を発見した時、右太腿から20〜30cm離れた場所に細長いナイフが置かれていました」
「自らナイフを喉に突き刺すことも難しいのに、ましてや綺麗にナイフを置いてから死ぬ奴がいるのでしょうか」
変わり果てた姿の息子を発見した直後には、こんな出来事があった。
「110番通報をするにも住所が分からず、住居表示がある電信柱を探しに1度外に出たのです」
「通報して民家に戻る途中、すれ違ったのは明らかに変な歩き方をした男でした」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「一目散に追いかけたのですが、一瞬で消えてしまった」
(安田種雄さんの父)
■木原氏代理人の回答は
警察が到着し、安田種雄さん宅に再び上がろうとした父は、ふと足元を見た。
「玄関には、子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあった」
「その靴が、家を飛び出した時から減っているような気がしました」
(安田種雄さんの父)
再捜査に当たり、安田種雄さんの父は”すれ違った男”の存在を女性刑事に明かしている。
安田種雄さんの父が事情聴取を受けたのは2018年4月8日のこと。
小誌が入手した録音データには、次のようなやり取りが記録されている。
★女性刑事
「すれ違った人は長い物を持っていたということですけど、顔は見ていない?」
★父
「はい」
★女性刑事
「背格好で?」
★父
「後ろ姿だけね」
「ジーパンだったかな。帽子」
★女性刑事
「ニット帽。知っている人、という印象はなかった?」
★父
「そうですね」
更に安田種雄さんの父が不審に感じているのは、遺体の位置だ。
「私が部屋に入った時、種雄の頭は寝室に繋がるドアの辺りにありました」
「しかし、後に刑事さんが描いた現場の見取り図は、頭の位置が左右にズレて、倒れている位置すら変わっていたのです」
「私が去った後、何者かが遺体を動かしたのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
事件から数日後に行われた現場検証で、更に疑問は深まった。
「種雄は携帯を3台持っていたのですが、それが見つからなかった」
「どこにあるのかと思って電話をかけると、確かに部屋のどこかから着信音が聞こえる」
「探してみると、1台はソファの上に、衣類を沢山被せた状態で置いてありました」
「更に、ソファの下からも他の携帯が出てきた」
「自分で死んだ奴が、なぜ携帯を隠す必要があるのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
遺族が再捜査を求めるのは、安田種雄さんを喪った哀しみを徒に警察にぶつけているからでは決してない。
自殺で片付けるには不審な点がいくつも残されているからこそ、今回、上申書の提出を決意したのだ。
一方ー。
小誌が先々週号で初めて一連の疑惑を報じて以降、木原氏は”逃げの一手”を続けている。
政治部記者が明かす。
「文春が初めて不審死事件を報じた直後、木原氏の秘書官は番記者たちに
『家族の精神的なケアが必要になり、しばらく朝の囲み取材には応じられません』
と連絡してきた」
「その翌週である2023年7月中旬に議員会館で番記者を集めてオフレコ懇談会を開催するという話だったのですが、結局、後になって
『こういう状況なので中止でお願いしたい』
という連絡があった」
他方で、小誌には再三
「刑事告訴を行う」
と通告してきたが、
「刑事告訴を行えば、捜査当局を動かし、公権力を振りかざすことになる」
「政権中枢で絶大な権力を握る官房副長官の振る舞いとしては異例」
「木原氏の言動は身内からも冷ややかな目で見られています」
(政治部デスク)
ある岸田派幹部は、周囲にこう漏らした。
「刑事告訴なんて無理だろ」
「刑事告訴したら、それをきっかけに各社に報道されてしまう」
「もし木原が刑事告訴するのであれば、官房副長官の辞任がセット」
「それが岸田会長のためだ」
小誌は今回、木原氏に改めて、【X子】さんへの事情聴取や家宅捜索の有無、記者懇中止の経緯について質問状を送付。
代理人弁護士からこう回答があった。
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
「(記者懇中止は)家族が学校等で誹謗中傷を浴びたり、路上で危険に晒される事態が現実に発生し、対応せざるを得ないためです」
木原氏は先々週、一連の再捜査について事実関係を確認する小誌に対し
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
と回答。
2023年7月5日、12日の2度に渡るメディアに公表した<御通知>でも、小誌に対して
「捜査当局の公式の確認」
を取るよう求めたことを強調してきた。
そんな中、”指名”された捜査当局側からも、呼応するかのような動きがあった。
「2023年7月13日、警視庁の國府田(こうだ)捜査1課長の定例会見で、文春報道について質問が出た」
「これに対し國府田氏は
『事件性は認められなかった』
『死因は自殺と考えて矛盾はない』
と述べました」
(社会部記者)
同じ日(2023年7月13日)、霞が関の合同庁舎2号館18階の会議室。
その日(2023年7月13日)、記者クラブ加盟社の記者を集めて行われたのは、全国の警察組織のトップ、露木康浩警察庁長官の定例会見である。
終了間際、テレビ局の記者が木原氏を巡る疑惑について尋ねると、露木長官は淀みなくこう答えた。
★露木長官
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」
会見から2日後の2023年7月15日、露木長官にその真意を尋ねた。
ーー「事件性が認められない」と公表していますが、これは2018年の再捜査を受けて判断した?
★露木長官
「『警視庁が明らかにした』ということで理解していますけど、警視庁の判断ということになってくるので私は間接的な立場なんですね」
ーー木原氏は再捜査も含め「事実無根」として文藝春秋を刑事告訴するという。
再捜査があったかどうか。
長官の認識は?
★露木長官
「まあ、警視庁が明らかにしたということで、あのように会見で申し上げたということですね」
ーー露木長官は捜査資料を確認している?
★露木長官
「いや、そういう風な立場じゃないからですね」
ーー小誌の発売直後、木原氏から連絡はあった?
★露木長官
「いえ、私は木原官房副長官とは全然連絡を取る立場でもないし」
ーーご遺族が「やはり殺されたんじゃないか」という思いを強く持っている。
★露木長官
「ああ・・・」
「警視庁に問い合わせてもらうしかないかなあ」
遺族が複数の不振点を指摘しているにもかかわらず、
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
実はその内部では、不穏な動きが見て取れるのだ。
警察庁関係者が打ち明ける。
「報道後、警察内部では
『遺族の裏には社民党の福島瑞穂参院議員と、事実婚の夫である人権派弁護士の海渡雄一氏が控えている』
との説が飛び交っているのです」
実際、小誌取材班も警察内部から同様の話を聞いている。
だが、名指しされた福島氏はこう困惑する。
「(安田種雄さんの)お名前も初めて知りましたし、全く面識がありません」
警察内部から噴出する”妄言”は何を意味するのか。
「この事案は警察官僚の上司に当たる官房副長官に関するスキャンダルです」
「敢えて野党党首の福島氏の名を出し、記事には政治的な背景があったことを匂わせることで、事態を矮小化しようとしているのです」
(前出・警察庁関係者)
安田種雄さんの父は、露木長官が
「捜査は適正」
「事件性はない」
と語った会見内容を報じた記事に目を通すと、長く沈黙し、絞り出すように呟いた。
「事件を”無かったこと”にするつもりなんですね」
「いくら我々が頑張っても権力で握り潰して、自分たちが有利になるようにするんですね・・・」
こうした状況に、安田種雄さんの親友たちも動き始めた。
近々、捜査の続行を求める署名活動を始めるという。
次々と浮上する不審死への疑問。
上申書による遺族の悲痛な訴えを、警察はどう受け止めるのか。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。

組閣前夜スクープ撮 木原誠二”官邸の番人” ”財界4重鎮”とホテル謀議
週刊文春2023年9月28日号
岸田文雄首相が「5人の女」を新たに懐へ迎える準備を整えていたその前夜、2023年9月12日夕刻。
ホテルニューオータニの地下駐車場に黒塗りの高級車で乗り込んだのは、翌日から内閣を去ることになる木原誠二衆議院議員(53)。
彼を待ち受けていたのは財界の重鎮たちだった。
一体この日、この場所で何が話し合われたのかー。
今回の内閣改造で官房副長官を外れた木原氏が、自ら岸田首相に退任を申し出たのは2023年8月18日、日米韓首脳会談に向かう政府専用機内だったという。
政治部記者が解説する。
「当初、岸田首相は文春報道を重く受け止めておらず、木原氏を留任させるつもりでした」
「しかし、木原氏から
『これ以上迷惑はかけられない』
と申し出があり、渋々退任を認めたのです」
だが、それでも岸田首相の”木原愛”は変わらず、木原氏は幹事長代理と政調会長特別補佐という2つの要職を兼務することになる。
自民党関係者が言う。
「木原さんの処遇は一石三鳥」
「党の役職に転じることで、国会や記者会見で文春報道について追及される機会が減るし、それでいて政府と党のパイプ役にもなれる」
「その上、ポスト岸田を狙う茂木敏充幹事長と萩生田光一政調会長のお目付け役としても機能する絶妙なポジションなのです」
まさに”焼け太り”とも言える新人事を知ってか知らずか、組閣前夜に行われた財界人との”謀議”の場でも、木原氏は終始ご機嫌な様子だったというのだ。
ホテル関係者が声を潜めて言う。
「この日、ホテルニューオータニの高層ビル『ガーデンコート』に集まったのは木原さんを含めて6名」
「地下駐車場から人目を避けて直通で上がれるビルの最上2フロアには、東京タワーや東京スカイツリーを一望できる法人会員制クラブがあり、そこで酒席が開かれていたのです」
木原氏と杯を交わしたのは、JR東日本の深澤祐二社長(68)、東武鉄道の根津嘉澄会長(71)、西武HDの後藤高志会長(74)、東急不動産HDの金指潔会長(78)という”財界4重鎮”。
こうした錚々たるメンツに加え、その場には元警察庁長官で”官邸の番人”とも称される栗生俊一官房副長官(64)も席を並べていた。
「木原さんは大物たちの前でも物怖じすることなく、ウクライナを訪問した際の話を臨場感たっぷりに話したり、
『私は官邸を離れますが、栗生さんは残るので宜しくお願いします』
としきりに頭を下げたりもしていました」
(同前)
一方の栗生氏は、こう言って木原氏のことを繰り返し持ち上げていたという。
「木原さんは本当に凄いです」
「政策も作れるし、人脈も広い」
「公明党や創価学会とのパイプもありますから」
互いを尊重する木原氏と栗生氏には、官房副長官という役職の共通点だけでなく、小誌が報じ続けている
「木原事件」
でも”接点”がある。
警察庁関係者が言う。
「栗生氏は、木原氏の妻が2018年に警視庁から聴取を受け、その後、捜査にストップがかかった際の警察庁長官でした」
「当時の警察トップが議員案件だった木原事件を知らないはずがありません」
■次の選挙は大変厳しい
更に、前出の政治部記者が後を継ぐ。
「警察庁長官を退官した栗生さんを官房副長官として岸田首相に強く推薦したのが木原さんでした」
この密談の場でも
「木原事件」
が話題に上った。
出席者の1人が水を向けると、木原氏は苦笑いしながら、
「いやいや、ご心配おかけして申し訳ございません」
そう言って口を濁すばかりだったという。
むしろ木原氏の口を突いて出たのは、次の選挙のこと。
木原氏の選挙区(東京20区)である東村山市や清瀬市にはそれぞれ西武新宿線と西部池袋線が通っており、西武グループは大きな票田の1つ。
そのため、木原氏は西武HDの後藤会長に、こう頭を下げたというのだ。
「次の選挙は大変厳しい戦いになると思いますので、どうかお力添えの程、宜しくお願い致します」
時間にしておよそ2時間あまり。
財界の重鎮4人と木原、栗生の両官房副長官の”謀議”はこうしてお開きとなったのである。
さて、出席者たちはこの宴席についてどう答えるのか。
まずは東武鉄道の根津会長を訪ね、直撃した。
ーーどういう経緯で集まることに?
★根津
深澤さんや金指さんや後藤さんは、元々、木原さんをご存じだったようだけど、私は初対面。
木原さんは、武蔵高校の後輩だから1回お会いしたいと思っていたら、その3人が
『じゃあセットしましょう』
と。
3〜4週間も前から(日程が)決まっていて、たまたま木原さんが退任されるタイミングと重なったんです。
ーー木原氏の妻に関する話題は出た?
★根津
そんな話は全然出なかった。
私は聞きたかったくらいですけど、誰もその話を振りませんでしたから。

続いて東急不動産HDの金指会長にも話を聞くと、
★金指
ただの懇親会で何の隠された意図もない。
生臭い話なんて一切せず、大所高所的に木原さんの話を聞かせてもらって、大変勉強になる会だったと思うよ。
ーー妻の話は?
★金指
出るわけないだろ。
よしんば話していたとしても、俺が喋るわけないだろ(笑)。

他の列席者には会社を通して取材を申し込んだ。
JR東日本は
「政治家や経済界の方と意見交換することはありますが、個別の案件については回答を差し控えさせて頂きます」、
西武HDも
「回答を控えさせて頂きます」
とした。
栗生氏の携帯に電話すると
「電話での取材はお答えしないことにしています」
と言い、改めて質問状を送ると
「このようなお尋ねにはお答えしないことにしています」
と取材拒否。
木原氏からは期限までに回答がなかった。
酒席の終了後、満面の笑みで黒塗りのハイヤーに乗り込んだ木原氏。
官房副長官の重責から解放されても、説明責任がなくなるわけではない。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/185.html#c14

[国際33] 中国「一帯一路」会議始まり、140カ国超の代表集う 18日は習近平氏とプーチン氏が会談(東京新聞) 蒲田の富士山
8. 2023年10月19日 19:45:27 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[47]
<▽44行くらい>
米、中国軍の危険行為急増で機密解除の映像公開 わずか50フィートまで接近も
2023/10/18 11:18
https://www.sankei.com/article/20231018-MQH3D22B4BP6HOEWKC4KX27XYE/
米国防総省は2023年10月17日、東・南シナ海の国際空域を飛行中の米軍機に対する中国軍の
「威圧的で危険な行動」
を示す15件の機密解除された映像や画像を公開した。
ラトナー国防次官補(インド太平洋安全保障担当)は記者会見で、中国軍の米軍機に対する危険な挑発行為は2年間で180件超に達したとし、
「このような行動を止めるべきだ」
と述べ中国を批判した。
15件の資料は2022年1月〜2023年9月に起きたもので、2023年9月21日の映像では南シナ海上空を飛行していた米軍機に僅か50フィート(約15メートル)まで接近し、飛行を妨害した中国軍の戦闘機が映っている。
ラトナー氏は、中国軍の
「威圧的で危険な行動」
が2021年秋からの2年間で180件超となり、その前の10年間に渡る件数を上回ったと説明。
中国軍が威圧を強めていることを強調した。
米国の同盟国や友好国への行為を含めた件数は2021年秋からの2年間で300件規模になるという。
ラトナー氏は、
「中国軍の行動は事故を引き起こし想定外の衝突に繋がりかねない」
と強い懸念を表明し自制を要求した。
「米国は国際法が許す限り安全かつ責任ある飛行、航行を続ける」
と述べ、中国の威圧に屈しない姿勢を示した。
世界の安全保障環境を巡っては、欧州地域でロシアによるウクライナ侵略が続き、中東地域ではイスラム原理主義組織ハマスのイスラエル攻撃が起きるなど悪化している。
米国防総省はインド太平洋地域で軍事覇権を強める中国軍の危険な挑発行為を公表することで、中国の動きを牽制する狙いがあると見られる。

中国戦闘機、尖閣上空でカナダ機に異常接近 5メートル以内
2023/10/17 21:44
https://www.sankei.com/article/20231017-ZXOGYPKDXRLYTMO6IH5KLBEJ3U/
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の上空で2023年10月16日、中国の戦闘機がカナダの偵察機に異常接近していたことが2023年10月17日明らかになった。
ロイター通信によると、カナダのブレア国防相は中国機がカナダ機に5メートル以内の距離に接近したとして中国を非難。
中国外務省の毛寧報道官は2023年10月17日の記者会見でカナダ機が尖閣周辺の
「領空」
に侵入し、中国の主権を侵害したため、中国軍が必要な措置を取ったと主張した。
ブレア氏は、中国機の異常接近は
「受け入れられない」
「危険で無謀だ」
と述べた。
カナダ機は北朝鮮に対する制裁を履行するための国連の活動に参加していたという。
毛氏はカナダの説明に対し
「虚偽の情報を広めるべきではない」
と反発した。
カナダが国連安全保障理事会決議の履行を口実に
「頻繁に中国に接近し、偵察、挑発している」
とも語った。(共同)

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/584.html#c8

[政治・選挙・NHK292] トマホーク配備「前倒し」でも半数は「旧型」調達 どうしてそんなに「敵基地攻撃能力」の導入を急ぐのか(東京新聞 TOKYO W… 達人が世直し
7. 2023年10月20日 02:25:57 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[48]
<■74行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国の核弾頭500発超に 米報告書 軍拡加速
2023/10/19 23:13
https://www.sankei.com/article/20231019-DQ2BOURTFZP2DLCC245NF2JLVI/
米国防総省は中国の軍事動向に関する最新の年次報告書で、中国の運用可能な核弾頭数が500発を超えたとの推計を示した。
2023年10月19日公表の報告書は、人民解放軍が核戦力に加え、宇宙やサイバー領域でも戦力を増強していると指摘。
台湾への威圧や米軍機への危険行為を踏まえ
「インド太平洋地域でより威圧的な行動を取っている」
とし、敵対姿勢を強めていることに警鐘を鳴らした。
報告書は、前年の2022年に400発超と推計した核弾頭数が、2023年5月時点で100発増の500発超になったとした。
2030年までに1000発超に達するとの見通しは維持した。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)に関し、2022年に3カ所の発射施設を完成させ、少なくとも格納施設(サイロ)が300基に達する可能性を指摘。
一部のサイロにICBMが配備されているとの分析を示した。
また、中国の極超音速ミサイル技術が
「過去20年間で大きく進歩した」
と指摘。
先進技術を持つ国にも匹敵する水準だと危機感を示した。
宇宙やサイバー、電子戦などの領域でも作戦を実施できるよう
「能力の近代化」
を進め、統合的な作戦能力も高めているとの見方を示している。
報告書は、人民解放軍が
「より危険で威圧的、挑発的」
な姿勢に転じていることも指摘した。
台湾上空を通過させたミサイル発射や、東・南シナ海などで米軍機に対する中国軍の
「威圧的で危険な飛行妨害」
が2021年秋から2年間で180件超に達したという。
この件数は、その前の10年間の件数を上回るという。
習近平政権が掲げる台湾統一については
「武力行使の選択肢」
を放棄していないことを明記。
人民解放軍の近代化が実現すれば、台湾統一に向けた
「より信頼できる軍事手段」
を得ることになるとし、台湾への軍事侵攻のリスクが高まることに懸念を示した。

米、中国軍の危険行為急増で機密解除の映像公開 わずか50フィートまで接近も
2023/10/18 11:18
https://www.sankei.com/article/20231018-MQH3D22B4BP6HOEWKC4KX27XYE/
米国防総省は2023年10月17日、東・南シナ海の国際空域を飛行中の米軍機に対する中国軍の
「威圧的で危険な行動」
を示す15件の機密解除された映像や画像を公開した。
ラトナー国防次官補(インド太平洋安全保障担当)は記者会見で、中国軍の米軍機に対する危険な挑発行為は2年間で180件超に達したとし、
「このような行動を止めるべきだ」
と述べ中国を批判した。
15件の資料は2022年1月〜2023年9月に起きたもので、2023年9月21日の映像では南シナ海上空を飛行していた米軍機に僅か50フィート(約15メートル)まで接近し、飛行を妨害した中国軍の戦闘機が映っている。
ラトナー氏は、中国軍の
「威圧的で危険な行動」
が2021年秋からの2年間で180件超となり、その前の10年間に渡る件数を上回ったと説明。
中国軍が威圧を強めていることを強調した。
米国の同盟国や友好国への行為を含めた件数は2021年秋からの2年間で300件規模になるという。
ラトナー氏は、
「中国軍の行動は事故を引き起こし想定外の衝突に繋がりかねない」
と強い懸念を表明し自制を要求した。
「米国は国際法が許す限り安全かつ責任ある飛行、航行を続ける」
と述べ、中国の威圧に屈しない姿勢を示した。
世界の安全保障環境を巡っては、欧州地域でロシアによるウクライナ侵略が続き、中東地域ではイスラム原理主義組織ハマスのイスラエル攻撃が起きるなど悪化している。
米国防総省はインド太平洋地域で軍事覇権を強める中国軍の危険な挑発行為を公表することで、中国の動きを牽制する狙いがあると見られる。

中国戦闘機、尖閣上空でカナダ機に異常接近 5メートル以内
2023/10/17 21:44
https://www.sankei.com/article/20231017-ZXOGYPKDXRLYTMO6IH5KLBEJ3U/
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の上空で2023年10月16日、中国の戦闘機がカナダの偵察機に異常接近していたことが2023年10月17日明らかになった。
ロイター通信によると、カナダのブレア国防相は中国機がカナダ機に5メートル以内の距離に接近したとして中国を非難。
中国外務省の毛寧報道官は2023年10月17日の記者会見でカナダ機が尖閣周辺の
「領空」
に侵入し、中国の主権を侵害したため、中国軍が必要な措置を取ったと主張した。
ブレア氏は、中国機の異常接近は
「受け入れられない」
「危険で無謀だ」
と述べた。
カナダ機は北朝鮮に対する制裁を履行するための国連の活動に参加していたという。
毛氏はカナダの説明に対し
「虚偽の情報を広めるべきではない」
と反発した。
カナダが国連安全保障理事会決議の履行を口実に
「頻繁に中国に接近し、偵察、挑発している」
とも語った。(共同)
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/184.html#c7

[政治・選挙・NHK292] 岸田内閣「若者の支持率」ついに10%! 安倍、菅内閣と真逆…大醜聞ないのにダダ下がりのナゼ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
69. 2023年10月21日 11:25:35 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[49]
<■128行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「自公政権では日本はどんどん沈んでいく」 日本保守党・百田尚樹、有本香両氏インタビュー
2023/10/21 7:00
https://www.sankei.com/article/20231021-A3INOCVSVRBBZOUUB4GGDMXCAY/?outputType=theme_weekly-fuji
ベストセラー作家で保守論客としても知られる百田尚樹氏と、ジャーナリストの有本香氏が立ち上げた「日本保守党」。
党員登録スタート(2023年9月30日)から時を置かずに党員数が5万人に迫るなど、その勢いには既存政党もメディアも驚くばかりだ。
世界が
「100年に1度の大変革期」
を迎える中、国民は日本の政治や政党に不安や不満を抱えている。
「日本を豊かに、強く」
と訴える日本保守党は何を目指し、どのような戦略を立てているのか。
夕刊フジは、代表の百田氏と、事務総長の有本氏に単独インタビューした。

――日本保守党は、公式X(旧ツイッター)アカウントのフォロワー数が31万人超(2023年10月16日時点)で、政党でトップ。
党員数も募集開始から20日も経たずに5万人近くになっている
★百田氏
この勢いは予想していなかった。
党員になった方々から、『やっと支持できる党ができた』『ようやく投票にいける』といった声が聞かれる。
与野党関係なく、今の既成政党に足りない、出来ないものを日本保守党が持っているのかなと思う。
そもそも、国政選挙の投票率は50%あるかないか。
こんなのは選挙じゃない。
★有本氏
国民がそれだけ、現在の政治に何の期待もしていないということ。
それでも日本は一定の国力を保ち、社会が安定しているのは、ひとえに国民の頑張りや民度によるが、そんな頑張りもこのままでは持たない。
だから今こそ、皆が投票に行かなくてはならない。
7割ぐらいの投票率がないと、政治はますます悪くなる。
政府与党は国民の実態とかけ離れた、好き勝手なことをするようになる。
ーー百田氏は2023年6月上旬、ユーチューブ番組で「LGBT法が成立するなら、新党を立ち上げる」と宣言した。
「自民党への怒りだ」と言っていた。
その怒りはどうなった。
★百田氏
怒りは強まっている。
自民党はあの後、更に驕りが強くなっている。
自民党女性局長らのフランス研修旅行での一連の騒動と、その対応には呆れた。
一方、自民党の幹部らはここに来て、選挙を睨んでか『減税』『減税』と言い出した。
党内若手から『消費税5%』という意見も出てきたが、『減税が必要なら、もっと早くやれよ』という話だ。
本当はやる気はない。
ずる賢い政党だと思う。
★有本氏
今の自民・公明政権の状況では、日本はどんどん沈んでいく。
国際社会の動きや『外の脅威』への感度も鈍すぎる。
一方、国民の『大変なことになるだろう』という危機感は強まっている。
ーー岸田首相が行った内閣改造・党役員人事(2023年9月13日)をどう見た
★百田氏
あの顔ぶれからは、日本を立て直す気概が見えてこない。
『暫定内閣』という感じがする。
『これで新しい政治をやっていく』というよりも、『近く解散するから、この程度のメンバーでいいか』という気の抜けた人事の感じがする。
★有本氏
そう見える半面、来年2024年の自民党総裁選を睨んだ人事にも見える。
派閥均衡だし、新しいリーダーを決められない最大派閥・安倍派の5人衆(松野博一官房長官、西村康稔経産相、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長、高木毅国対委員長)を留任させ、総裁選で自分の敵になるかもしれない人たちを押さえ込んだ。
岸田首相が最も重要視したのは、ご自分の権力基盤の安定だろう。
ーー日本保守党の結党宣言や綱領、理念に記された「日本を豊かに、強く」「ふさわしい国防力」「憲法改正」などは基本政策の一部か
★百田氏
基本姿勢ですね。
政策じゃないですよね。
背骨です。
ーー「減税」や「行政の適正化」とも書かれている。「小さな政府」を目指すのか
★有本氏
すぐ、『小さな政府か、大きな政府か』という話になるが、私たちは『適正な政府』という観点だ。
誰が見ても無駄遣いと思う分野がある一方、もっと支出を増やさなければいけない分野もある。
例えば、男女共同参画に多額の予算が割かれているが、一部の人々の利権になっていませんか?
半面、自衛隊の予算は足りないし、インフラの再整備や、科学技術の発展にはもっと財政支出が必要でしょう。
何でも、『ゼロか、100か』の議論をしたがるが、その陥穽(かんせい=落とし穴)に嵌ってはならない。
■一番に考えるのは「国民の可処分所得を如何に増やすか」
★有本氏
私たちが一番に考えるのは『国民の可処分所得を如何に増やすか』だ。
30年前と今を比べて、日本の国民の年収はほとんど変わっていないのに、負担が増えている。
使えるお金が少ない。
これを改善しないと、少子化も進む一方。
★百田氏
このところ物価も上がっているから、二重三重に国民所得が実質的に減っている。
一方で、国民負担率は高い。
言葉を変えているだけで、社会保険料(年金や医療、介護保険など)も事実上の税金だ。
★有本氏
エネルギー政策もそうで、再エネ賦課金があることで、どんどん生活が圧迫される。
こういうものは是正しなければならない。
★百田氏
日本経済を強くする。
生産拠点の国内回帰も絶対ですね。
ーーこれまでの新党と、日本保守党の決定的違いは
★有本氏
第1は、立ち上げるといった人間が政治家ではないこと(笑)。
過去の新党の多くは、政治家の都合で作られてきた。
しかし、私たちは、いわば政治の素人だから、既存の政治や政治家のやり方に『ちょっとおかしいんじゃないの』と、根底から疑問を呈することから始まっている。
素人だから言えること、出来ることがあると思う。
★百田氏
今、政治家から、びっくりするような政策が出てくる。
例えば、物流業界で人手不足が深刻化する『物流2024年問題』。
この対策として、再配達を減らすため『置き配』にポイントを付与する制度が検討されている。
そんな制度が出来ると、国民の中には、ポイントを貯めるために、1度に複数頼むのではなく、1個ずつ頼む人が出てきて、むしろ配達は大変になる。
また、ある野党幹部は『制限速度を緩和したらいい』と言っていた。
余りにもズレている。
現実を知らんのかと思う。
与党も野党もこんなんばかり。
★有本氏
普通の生活をしたことがないのかと思う。
★百田氏
今の国会議員で、一般社会で10年以上飯を食った人間がどれだけいるのか。
民間で働いたことがないと、知恵や常識がなくなるのかと思う。
埼玉県議会に自民党県議団が、小学3年以下の子供だけでの留守番や公園で遊ぶことを禁止する条例を提出して、(猛批判を受けて)取り下げた。
真剣に考えた案だったようだが、バカ丸出し。
ーー日本保守党の違い、第2は
★有本氏
まず、目指しているのは直近の選挙で議席を得ることよりも、自立した意志を持った党員の数を増やすことだ。
全国津々浦々に私たちの考えに共鳴して、党員になってくれる仲間を増やす。
『日本を守らないといけない』と思っている人たちに投票所に行ってもらう。
これを増やしていけば議席はいずれ必ず付いてくる。
■「日本を守る」意志を持った党員を増やす
ーー2023年年内の衆院解散も囁かれているが、短期決戦には乗らないと?
★有本氏
直近の選挙をただ傍観するつもりはない。
ただ、そこで刺客だなんだという『お祭り騒ぎ』をやろうという煽りに乗るつもりもない。
一部の人たちの高揚感のためではなく、本当に日本を守るために行動する。
★百田氏
私たちは生まれたばかりなので、本当にゼロからだ。
半年足らずで大自民党と互角に戦えるはずがない。
相手はチャンピオンで、こっちはデビュー前の状態だ。
4回戦ボーイが、タイトルマッチのリングに上がるわけがない。
チャンピオンに挑戦するまで、何試合も戦っていかなければならない。
じっくり鍛え上げていくつもりだ。
――2人は選挙に出るつもりなのか
★百田氏
まだ選挙がいつあるか分からない。
2023年年内にあるのか、来年2024年にあるのかで、全然僕らの作戦の立て方が変わるから。
とりあえず、今の補欠選挙(衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区)には出ません。
見送り決定(笑)。」
ーー衆院選なら、小選挙区、比例区を含めてかなり立てるのか
★百田氏
まだ。
ーーネット番組「ニュース生放送 あさ8時」はどうなる
★有本氏
もちろん続ける。
この番組の発信はますます大事になりますから。
ーー政治活動と執筆活動、どっちがやりがいがあるか
★百田氏
いやぁ、難しい。
全然違うことだから。
これは『睡眠と飯食うのがどっちが大事?』と言われていると一緒だ。
ただ、(政治活動に)やり甲斐がなかったらやりません。
楽しいかどうかは話は別だが、やる限りは頑張りたい。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/194.html#c69
[戦争b24] おそらくイスラエルは地上からガザを攻撃するだろうが、容易ではない 日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
42. 2023年10月21日 13:51:52 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[50]
<■336行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
中露首脳会談 世界の安定に寄与しない
2023/10/21 5:00
https://www.sankei.com/article/20231021-LJD2KY5TXVPP5MR6EXRVA74ILY/
「蜜月関係」
をアピールすればするほど、そう演出せざるを得ない国情が浮かび上がる。
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が北京で首脳会談を行い、両国の結束を誇示した。
プーチン氏は中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
をテーマとした国際会合に招待され、演説を行った。
ウクライナ侵略で国際刑事裁判所(ICC)から2023年3月に逮捕状を出されて以降、旧ソ連圏以外では初の外国訪問となった。
ロシア同様、ICCに加盟していない中国だが、国際社会から強く非難されているプーチン氏を厚遇する姿勢には呆れ返るばかりである。
会談で習氏は
「国際的な公平・正義を守り、世界の共同発展に貢献する力を促進したい」
とプーチン氏に語りかけた。
公平や正義を守ると言うのであれば、明確な国際法違反であるウクライナ侵略を非難し露軍の即時撤退を要求すべきだった。
中露両国は結託して、米国や国際秩序に対抗するつもりかもしれないが、国際法や人権を軽視し、力による現状変更を辞さない国家が国際社会から信頼を得られるはずはない。
信頼されない国家が世界の安定に寄与することもあり得ない。
中国との対等な関係を強調するロシアだが、実情は異なる。
米研究機関などによると、ロシアは2017年時点で1250億ドルの対中債務を抱えている。
中国はロシアに
「一帯一路」
向け資金の3分の1を融資してきたが、米欧の対露制裁でほぼ全額が不良債権化しており、中国に頭が上がらない属国化≠指摘する声も出ている。
中国にも誤算が生じている。
インフラ建設支援などで新興・途上国と連携する枠組み
「一帯一路」
は、中国の過剰な融資によって途上国が苦しむ
「債務の罠」
が取り沙汰され、当初の期待は警戒へ変わった。
中国は今回の会合に140カ国以上の代表が参加したと喧伝したが、首脳の出席は東南アジアやアフリカなど一部の国に限られた。
ここへきて中国経済の成長鈍化がはっきりしてきた。
これが中国共産党政権の土台を揺るがす可能性もある。
日本は米欧諸国と協力し、実のある支援で新興・途上国を引き込む動きを強めたい。
それが中露の専制指導者の国際秩序攪乱を抑えることに繋がる。

露、深まる中国依存 関係誇示も…債務拡大し「属国化」懸念
2023/10/18 22:11
https://www.sankei.com/article/20231018-BRH6QKABFFIATAAUWZSKMPJBSU/
ロシアのプーチン大統領は2023年10月18日の中露首脳会談で、両国の経済協力の発展に意欲を示した。
ただし近年、ロシアの対中債務は拡大。
ウクライナ侵略に伴う対露制裁はロシアの対中傾斜を更に加速させた。
露国内外では、中国に対するロシアの属国化≠ェ進んでいるとの観測が出ている。
■「対等」演出に腐心
2014年、ウクライナ南部クリミア半島の併合を一方的に宣言し、欧米諸国の制裁下に置かれたロシアは、中国との経済協力に活路を模索。
プーチン氏は2017年、中国を訪問し、巨大経済圏構想
「一帯一路」
の実現に向けてロシアが貢献する意欲を表明した。
一帯一路などに基づく近年の中露協力には、
▽北極圏での液化天然ガス(LNG)開発事業への中国の参画
▽中露間で初の天然ガスパイプラインの稼働
▽露極東アムール州と中国黒竜江省を結ぶ全長約1kmの橋の開通
などがある。
ロシアは長年、中露は対等だと演出することに腐心してきた。
ロシアが下位に立てば、水面下で中国との勢力争いが続く中央アジア地域などでの自身の影響力低下に直結するためだ。
■ロシアへの融資は不良債権化
だが、中国に対するロシアの立場は徐々に弱まっている。
米研究機関は2021年、ロシアが2017年時点で1250億ドル(約18兆7000億円)の対中債務を抱えているとする分析を発表。
米誌タイムは2023年9月、中国はロシアに一帯一路向け資金の3分の1を融資してきたが、対露制裁でほぼ全額が不良債権化していると伝えた。
更に、エネルギー輸出を主な国家歳入源とするロシアはウクライナ侵略後、対中輸出を増加させて欧州での減少分を補おうとしてきた。
ただ、中国はロシアの足元を見て安値で買い叩いている。
ロイター通信の2023年9月の報道によると、パイプラインによるロシアの中国向け天然ガス価格は、欧州やトルコ向けに比べて5分の3程度だという。
■対中依存度は北朝鮮に次ぐ2位
これらを背景にフランスのマクロン大統領は2023年5月、
「ロシアは侵略で孤立し、中国の属国になった」
と指摘した。
ロシアの著名国立大の高等経済学院も2023年6月、
「ロシアは中国に従属しつつあるのか」
とする論考を発表。
ロシアが対中依存度で北朝鮮に次ぐ世界2位になったデータがあると報告するなど、露国内にも過度な対中傾斜への危惧が強まっていることを示唆した。

ラブロフ露外相が訪朝 軍事協力深化へ、プーチン氏訪朝も協議か
2023/10/18 21:34
https://www.sankei.com/article/20231018-C7YGVOQ5PJLMVNOFTBEGVKKFJI/
ロシアのラブロフ外相は2023年10月18日、空路で北朝鮮入りした。
金正恩朝鮮労働党総書記が2023年9月に訪露し、プーチン大統領との会談でラブロフ氏の2023年10月訪朝に合意していた。
ラブロフ氏は2023年10月19日まで平壌に滞在し、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相らと会談して軍事協力など多方面に渡る協力策を協議する見通しだ。
プーチン氏は2023年9月の会談で金氏からの訪朝招請を快諾しており、プーチン氏の訪朝を巡っても協議するとみられる。
露朝がプーチン氏の早期訪朝で合意するかが焦点だ。
ラブロフ氏は中国での巨大経済圏構想
「一帯一路」
の国際会議に出席後に平壌へ移動。
プーチン政権は2023年10月18日の中露首脳会談直後に外相を訪朝させることで、ウクライナ侵略などで対立する米欧に対し、中朝との結束を誇示する狙いとみられる。
米政府は、露朝首脳会談と前後して北朝鮮が弾薬などを詰めたコンテナ1000個以上をロシアに送ったとの分析を衛星画像と共に公開した。
日米韓などはラブロフ氏の訪朝を契機に露朝の軍事協力に拍車がかかる事態を警戒している。

米国のデカップリングに反対 習氏が演説、米欧と異なる成長モデルを追求
2023/10/18 20:18
https://www.sankei.com/article/20231018-OWQ7Q67G2BMUVJDUXY2A36LGK4/
中国の習近平国家主席は2023年10月18日、北京で開催中の巨大経済圏構想
「一帯一路」
をテーマにした国際協力サミットフォーラムで演説し、自身が提唱してから10年を迎えた一帯一路構想について
「国際協力はゼロから出発して盛んに発展し、多大な成果を得た」
と自賛した。
習氏は一帯一路構想で目指すのは
「共同発展、協力・ウィンウィン」
だと強調した。
中国の過剰な融資で途上国が苦しむ
「債務の罠」
が問題となっていることを意識したもようだ。
対中圧力を強めている米国を念頭に
「経済的な脅迫や、デカップリング(切り離し)に反対する」
と力を込めた。
習氏は「中国式現代化で強国建設を全面的に推進している」
と発言。
米欧とは異なる成長モデルを追求すると訴えると共に、
「世界各国の現代化を実現するために弛まぬ努力をしていく」
と強調した。

中国の一帯一路、影響力低下進む 国内問題優先で途上国融資は減少
2023/10/18 17:34
https://www.sankei.com/article/20231018-WRCEV4FY6VMIBAY2XD7F3BANKU/
提唱から10年を迎える中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
を巡り、2023年10月17日から北京でフォーラムが開催されている。
一帯一路は中国の国際的影響力を高め、貿易の拡大や原油の安定調達など経済的な恩恵をもたらした。
だが一方で、近年は発展途上国への融資が減少するなど、影響力は低下し始めている。
■途上国への融資、ピーク時の4割
「一帯一路は行き詰まり、抜本的な見直しが不可避になっている」。
そう指摘するのは、日本総合研究所の佐野淳也主任研究員だ。
実際、中国から発展途上国への融資は2018年に過去最多を記録してからは大きく減少。
2021年は約150億ドルとピーク時の4割程度にまで減った。
融資残高も増加ペースが大幅に鈍化している。
背景の1つが、被支援国の期待の低下だ。
多くの国が一帯一路への参加により中国と経済関係を深め、巨大市場の恩恵が得られると考えていた。
■イタリアは「愚かな選択」
しかし、中国からの輸入は増加したが、自国からの輸出は思うように増えず、期待外れ≠ニ感じている国は少なくない。
途上国を借金漬けにして支配を強める
「債務の罠」
の問題も顕在化。
イタリアが離脱に向けた動きを加速させているのも、対中輸出の伸び悩みが大きな要因で、メローニ首相は一帯一路への参加を
「愚かな選択だった」
と述べた。
更に、足元の中国経済の鈍化も一帯一路にはブレーキとなっている。
中国では若者の就職難や不動産不況が深刻化するなど国民の不満に繋がっている。
佐野氏は
「中国政府としても国外よりも国内問題に注力せざるを得なくなっている実態がある」
と指摘。
そのため一帯一路も当面は拡大路線ではなく、
「影響力の低下を最小限に抑えることが課題となるだろう」
と話している。

主張
「一帯一路」10年 中国の危険な侵食許すな
2023/10/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20231016-K7N5WWKT6RIBZL33YVI2PMKNZQ/
経済力を武器に自国の覇権を追求してきたのではないのか。
中国の習近平国家主席が巨大経済圏構想
「一帯一路」
を提唱して10年が経った。
この間、目に付くのは、過剰な融資で相手国を
「借金漬け」
にして港湾などの重要拠点を支配下に置くケースだ。
海路を含めた一帯一路の広範な対象地域を自国の勢力圏とする思惑が窺える。
日本など先進7カ国(G7)は
「自由で開かれたインド太平洋」
を軸に、自国主導の国際秩序形成を目指す中国に対抗すべきだ。
一帯一路は、中国から陸路で中央アジアを通って欧州へ至る
「シルクロード経済ベルト」
と中国から海路で南シナ海やインド洋を経てアフリカ、欧州へと至る
「海上シルクロード」
の建設構想を指す。
中国政府は2023年10月10日、一帯一路に関する白書を発表した。
152カ国、32の国際機関と200件以上の共同建設文書に調印し、参加国などへの累計直接投資額は2013年から2022年までで約36兆円に上ったことなどを
「成果」
として強調した。
しかし、主要参加国のスリランカは2017年、対中債務の返済に窮して南部のハンバントタ港の運営権を99年間、中国側に貸与せざるを得なくなった。
「債務の罠」
に陥ったのだ。
中国にとってのスリランカはシーレーン(海上交通路)の要衝である。
中国はインド洋で軍事的重要拠点を手に入れようとしたことになる。
一帯一路の契約内容には不明瞭な部分も多く、各国での債務の全容は把握できていない。
事業会社への直接融資など政府発表に盛り込まれない
「隠れ債務」
も存在するという。
2023年10月17〜18日には、10年を記念した国際会合が北京で開かれる。
ウクライナを侵略するロシアのプーチン大統領は出席するが、欧州連合(EU)主要国の多くの首脳は欠席する見通しだ。
G7で唯一、一帯一路に参加していたイタリアも既に中国に離脱の意向を伝えたとされる。
G7は2023年5月の広島サミットの首脳宣言で、透明性や良好なガバナンスなどを備えた質の高いインフラを提供していく方針を確認した。
真の発展は、強権でなく自由と公正さから紡がれる。
その国の発展に資するインフラ整備支援を日本は主導していくべきだ。

中国「一帯一路」10年 「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
2023/10/13 19:00
https://www.sankei.com/article/20231013-MD2EN2FTRVNTNMVXLCMSEAUG74/
中国の習近平国家主席が巨大経済圏構想
「一帯一路」
を提唱してから2023年秋で10年となる。
途上国のインフラ建設を巨額資金で援助し、自国経済圏に引き込んで影響力拡大に繋げた一方で、中国の過剰な融資により途上国が苦しむ
「債務の罠」
が国際社会で警戒される。
中国と結ぶ鉄道が開通して1年半超が過ぎた東南アジアのラオスでも、過大な債務負担が懸念されている。
■田園に巨大駅舎
中国雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャン間の1035キロを約9時間半で結ぶ中国ラオス鉄道は2021年12月に開通した。
中国の
「ゼロコロナ」
政策が撤廃され2023年4月からは旅客の直通運行が始まった。
アジア最貧国の1つであるラオスで鉄道建設は長年の夢だった。
ラオス側の起点・ビエンチャン駅は、中心部から車で30分超という郊外にある。
家畜の牛の姿が目立つ田園風景の中に、不釣り合いな巨大駅舎がそびえており、周辺には
「中国・ラオス友好の象徴的プロジェクト」
との垂れ幕がある。
鉄道は
「中国式」
そのものだ。
駅舎に入るには手荷物・身体検査が必要で、出発間際までホームに入れないため待合スペースで待つという中国の高速鉄道と同様の仕組みを採用。
乗務員は中国人、ラオス人の双方がいたが、ラオス人乗務員も中国語で接客していた。
中国メディアによると、2023年9月3日までの累計乗客数は延べ2090万人を突破。
中国企業のラオス進出も増えており、街中を走る車は中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)など中国製が目立つ。
現地の経済関係者は
「中国企業で働こうと中国語を勉強する若者が増えた」
「給与が桁違いに高いからだ」
と指摘する。
ビエンチャンで小売業を営んで20年になる中国・重慶出身の50代男性は
「昔はラオスで中国人への扱いは悪かったが、鉄道ができるなど中国の存在感が増して尊重されるようになった」
「中国が発展したおかげだ」
と笑顔を見せた。
■「民間に恩恵ない」
一方、ラオス側には国内で中国が影響力を増すことへの警戒もある。
30代のラオス人男性経営者は
「政府は中国に助けられているが、民間人は恩恵を感じることができない」
と声を潜めた。
ラオスの首都ビエンチャンのワットタイ国際空港近くには巨大な中華街がある。
3年前の2020年に営業を始めたというホテルの館内は中国語表記が目立ち、警備員の制服も漢字で
「保安」
と書かれていた。
中華街の一角にある建設現場に掲げられた作業責任者の一覧表を見ると、6人中全員が中国人とみられる名前だった。
一帯一路を巡っては、企業だけでなく資材や労働者まで中国から持ち込むひも付き≠フ形が取られ、地元経済への影響が限定的だと指摘される。
両国国境近くのラオス・ボーテン駅の周辺では、中国資本のビルやホテルの建設ラッシュで、中国語や人民元の使用が日常化しているという。
■深まる中国依存
王毅共産党政治局員兼外相は2023年8月中旬、昆明でラオスの国家副主席と会談し、鉄道開通が
「ラオス人民に確かな利益をもたらしている」
と強調した。
将来はタイ・バンコクやシンガポールまで鉄道網を延伸する構想も取り沙汰されている。
ただ、一連のプロジェクトの持続可能性は不透明だ。
中国ラオス鉄道は中国側が7割、ラオス側が3割出資した合弁会社が建設と運営を担う。
総工費はラオスの国家予算の2倍弱に当たる約60億ドル(約8900億円)。
うち6割に当たる約35億ドルは中国輸出入銀行からの借り入れだ。
ラオス側は債務の政府保証を行っていないが、同国の
「隠れ債務」
になる可能性が指摘される。
ラオスの対外公的債務は2022年末時点で105億ドルで、国内総生産)GDP)比84%と既に高レベル。
対外債務の半分を占める中国への依存は強まっている。
多額の対外債務は通貨安を招いており、外貨建て債務返済負担の増加も懸念される。

行き詰まる一帯一路 途上国苦境、中国経済低迷で岐路に
2023/10/13 19:02
https://www.sankei.com/article/20231013-TXBBE276JRKUFKKWPUK2YE665M/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
だが、投下した融資の多くはロシアや途上国向けで焦げ付きが増加し、中国経済の低迷も重なって行き詰まりが顕著だ。
一帯一路は岐路に立たされている。
■「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面
中国政府は2023年10月10日、一帯一路に関する白書を発表し、同構想を通じて世界各国と結んだインフラ事業の契約総額は2兆ドル(約300兆円)を超えたと主張した。
一帯一路の下、中国は2国間ベースで世界最大の貸し手となった。
米国が支援先に自由や民主主義の尊重を求めるのに対し、中国は人権弾圧にも寛容だ。
一帯一路は強権体制の国と相性が良く、途上国や新興国との経済的な結び付きを強めて中国の国際的影響力は高まった。
だが、実態は順風満帆では決してない。
参加国では融資の焦げ付きが顕在化している。
米調査会社によると、2020〜2022年にかけ、中国は750億ドル以上の債務再編や放棄を余儀なくされた。
2017〜2019年に比べて4倍以上といい、新型コロナの流行などによる借り手の経済苦が背景にある。
米紙タイムスは、一帯一路の資金は3分の1がロシア、3分の1が途上国に流れていると指摘した。
ロシアはウクライナ侵略の影響で戦費拡大や制裁の影響で経済難が続き、融資の
「ほぼ全てが回収不能」
と分析。
途上国もウクライナ侵略に伴う世界的な物価高が直撃し、外貨準備高が急減する中で債務返済は苦しい。
主要参加国であるスリランカは2022年、対中債務の返済や観光産業の低迷などを受けて外貨不足が進み、事実上のデフォルト(債務不履行)状態に陥った。
2017年には債務返済に行き詰まり、ハンバントタ港の運営権を99年間、中国側に貸与することで合意した。
同様の債務危機はアフリカ・ザンビアでも起きている。
一帯一路を巡っては契約内容が外部から不明瞭なことが多く、各国での債務の全容は把握できていない。
事業会社などに直接融資された結果、各国政府の発表に盛り込まれない
「隠れ債務」
が世界で3850億ドルに達すると米調査機関は推計している。
対中債務の返済が”時限爆弾”として今後、途上国を襲う可能性がある。
一方で中国自身も現在、不動産不況などの経済鈍化に直面している。
北京の外交関係者は
「従来のような大盤振る舞いは難しくなっており、一帯一路も軌道修正を図るのではないか」
と見る。

米の経済回廊構想、一帯一路に対抗 ガザ戦闘でもろさ露呈も
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-YFU4KOKB2JOFXEZN5ZCM7WXKMA/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
に対抗するため、バイデン米政権は同盟・友好諸国と連携した
「経済回廊」
構想を打ち出している。
陸・海路のインフラ投資を軸に、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国と先進諸国を結び付ける考え方だ。
一帯一路の提唱から10年、米国はバイデン政権下で途上国支援での遅れを取り戻そうとしている。
経済回廊構想の旗艦プロジェクトとしてバイデン大統領は2023年9月、インドで行われた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせ、インドから中東を経て欧州を鉄道・港湾網で結ぶ構想を発表した。
アフリカ中部のコンゴ民主共和国とザンビアをアンゴラのロビト港と結ぶ回廊への支援強化も約束。
いずれも中国が影響力を強めている地域に楔を打ち込む狙いがある。
背景には、米国の国際的な地位が相対的に低下する中で米主導の経済秩序を維持するには、途上国への関与を深める必要があるとの認識がある。
気候変動や世界的な人口移動といった問題への対処にも、多国間の協力枠組みが欠かせない。
一方、バイデン政権のアプローチは、複数の国に協力を促して回廊を構築するという性質上、地域情勢の変化による影響を受けやすい側面がある。
先述のインド・中東・欧州を結ぶ回廊構想では、バイデン政権が、いずれも米同盟国であるサウジアラビアとイスラエルの国交正常化を仲介することが実現の前提となっている。
しかし2023年10月、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルによる大規模戦闘が発生したことで、協議の先行きは一気に不透明となった。
イスラエル軍の包囲などによりガザの人道状況が極度に悪化する中、アラブ、イスラム諸国の盟主を自任するサウジはイスラエルとの関係改善に慎重にならざるを得ないためだ。
中国との
「競争」
を重視するバイデン政権は、回廊構想を通じて外交的影響力の強化を目指すが、そこには脆さが付きまとっている。

EU「一帯一路」に距離 中国からの投資に警戒強める
2023/10/13 19:08
https://www.sankei.com/article/20231013-PRSINDPP6BOVVPELTPZUZANJU4/
10年の節目を迎えた中国の巨大経済圏構想
「一帯一路」
を巡り、欧州諸国の多くは距離を置く姿勢を示している。
対中国を視野に
「デリスキング」(脱リスク)
を打ち出す欧州連合(EU)は対中依存度を低下させたい考えで、中国からの投資への警戒を強めている。
EU加盟国の大半の首脳は2023年10月17、18両日に北京で開かれる一帯一路がテーマの国際協力サミットフォーラムへの出席を見送る見通し。
米紙ウォール・ストリートジャーナルによると、2019年に先進7カ国(G7)加盟国で唯一、一帯一路に協力するとの覚書を結んだイタリアのメローニ首相も2023年7月末時点で参加する予定はないという。
米ブルームバーグ通信は2023年9月10日、メローニ氏がインドの首都ニューデリーで中国の李強首相と2023年9月9日に会談した際、一帯一路から離脱する意向を伝えたと報じた。
メローニ氏は西側の結束を主張し、親中国姿勢からの脱却を掲げている。
EU欧州委員会は2023年6月に発表したEUの経済安全保障戦略で、中国を念頭にEUにリスクをもたらすような第三国への先端技術の輸出や投資を監視し、歯止めをかける方針を示した。
一帯一路を通じて経済的な影響力を増そうとする中国への警戒感は強まっている。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は2023年3月、一帯一路について
「国際秩序を中国中心の形に組織的に作り変えるのが中国共産党の明確な目標」
と述べた。
EUは一帯一路に対抗する形で、域外のインフラ整備の支援にも乗り出した。
EUは最近、対中姿勢を硬化させている。
電気自動車(EV)で世界市場に攻勢を強める中国が不当な補助金を支給した疑いが強いとして、中国製EVに対する相殺関税の導入を視野に調査を開始した。
一方、EUには最大の貿易国である中国との経済関係を維持し、経済分野での対話を重視したい思惑もある。
EUのボレル外交安全保障上級代表は2023年10月12〜14日に訪中し、外交担当トップの王毅共産党政治局員兼外相らと会談する。
http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/883.html#c42

[戦争b24] 日米欧のイスラエル支持を冷たい目で見つめるグローバル・サウス (櫻井ジャーナル) 赤かぶ
22. 2023年10月22日 05:21:49 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[51]
<■79行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
中国機の異常飛行 国際正義に挑戦するのか
2023/10/22 5:00
https://www.sankei.com/article/20231022-HT6QSX37A5KNHC4D7GSJW47WJE/
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の上空で2023年10月16日、中国軍戦闘機がカナダ軍偵察機に異常接近した。
カナダのブレア国防相によれば5メートル以内の接近だったというのだから尋常ではない。
接触し墜落してもおかしくない極めて危険な挑発行為である。
カナダが中国を非難したのは当然だ。
これに対し、中国外務省の報道官はカナダ軍機が2023年10月14日に尖閣諸島・大正島の領空に不法侵入したため、中国軍が現場で必要な措置を取ったと主張した。
中国の言い分は間違っている。
そもそも尖閣諸島は日本固有の領土であり、中国には尖閣領有を唱える権利は少しもない。
尖閣周辺の空は日本の空であり、中国軍機が周辺をうろつく方が不法と言える。
中国軍機のこのような行動には、航空自衛隊が緊急発進(スクランブル)で対処している。
岸田文雄政権は、中国外務省報道官による日本の主権を踏みにじる発言に、厳しく抗議しなければならない。
カナダ軍機が飛んでいたのは北朝鮮船舶が洋上で石油類を手に入れる
「瀬取り」
などの違法行動を監視するためだった。
北朝鮮の瀬取りは国連安全保障理事会決議で禁じられている。
朝鮮戦争時に発足した朝鮮国連軍の活動を円滑にするため日本とカナダなどが結んでいる国連軍地位協定に基づき、カナダ軍機は国連軍指定基地でもある米軍嘉手納基地(嘉手納町など)を利用している。
世界の平和と安定のために瀬取りを監視していたカナダ軍機の飛行を妨げた中国の挑発は国際正義に反し、許されない。
中国外務省報道官は、安保理決議はスパイ偵察活動の権限を付与しておらず、中国の主権と安全を脅かすことに反対するとも語った。
カナダ軍機がどのような情報収集をしていたか不明だが、今回、公海上空や日本の領空を飛んで様々な情報を集めていたとしても国際法上合法だ。
それを異常接近で威嚇、妨害することは正当化され得ない。
米国防総省は公海上空の米軍機への中国軍の危険な挑発行為が2年間で180件超に及ぶと明かした。
米国の同盟国、友好国への行為も含めると約300件だという。
中国は国際ルールを守らない行動は世界の軽蔑の対象になると気付くべきだ。

米、中国軍の危険行為急増で機密解除の映像公開 わずか50フィートまで接近も
2023/10/18 11:18
https://www.sankei.com/article/20231018-MQH3D22B4BP6HOEWKC4KX27XYE/
米国防総省は2023年10月17日、東・南シナ海の国際空域を飛行中の米軍機に対する中国軍の
「威圧的で危険な行動」
を示す15件の機密解除された映像や画像を公開した。
ラトナー国防次官補(インド太平洋安全保障担当)は記者会見で、中国軍の米軍機に対する危険な挑発行為は2年間で180件超に達したとし、
「このような行動を止めるべきだ」
と述べ中国を批判した。
15件の資料は2022年1月〜2023年9月に起きたもので、2023年9月21日の映像では南シナ海上空を飛行していた米軍機に僅か50フィート(約15メートル)まで接近し、飛行を妨害した中国軍の戦闘機が映っている。
ラトナー氏は、中国軍の
「威圧的で危険な行動」
が2021年秋からの2年間で180件超となり、その前の10年間に渡る件数を上回ったと説明。
中国軍が威圧を強めていることを強調した。
米国の同盟国や友好国への行為を含めた件数は2021年秋からの2年間で300件規模になるという。
ラトナー氏は、
「中国軍の行動は事故を引き起こし想定外の衝突に繋がりかねない」
と強い懸念を表明し自制を要求した。
「米国は国際法が許す限り安全かつ責任ある飛行、航行を続ける」
と述べ、中国の威圧に屈しない姿勢を示した。
世界の安全保障環境を巡っては、欧州地域でロシアによるウクライナ侵略が続き、中東地域ではイスラム原理主義組織ハマスのイスラエル攻撃が起きるなど悪化している。
米国防総省はインド太平洋地域で軍事覇権を強める中国軍の危険な挑発行為を公表することで、中国の動きを牽制する狙いがあると見られる。

中国戦闘機、尖閣上空でカナダ機に異常接近 5メートル以内
2023/10/17 21:44
https://www.sankei.com/article/20231017-ZXOGYPKDXRLYTMO6IH5KLBEJ3U/
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の上空で2023年10月16日、中国の戦闘機がカナダの偵察機に異常接近していたことが2023年10月17日明らかになった。
ロイター通信によると、カナダのブレア国防相は中国機がカナダ機に5メートル以内の距離に接近したとして中国を非難。
中国外務省の毛寧報道官は2023年10月17日の記者会見でカナダ機が尖閣周辺の
「領空」
に侵入し、中国の主権を侵害したため、中国軍が必要な措置を取ったと主張した。
ブレア氏は、中国機の異常接近は
「受け入れられない」
「危険で無謀だ」
と述べた。
カナダ機は北朝鮮に対する制裁を履行するための国連の活動に参加していたという。
毛氏はカナダの説明に対し
「虚偽の情報を広めるべきではない」
と反発した。
カナダが国連安全保障理事会決議の履行を口実に
「頻繁に中国に接近し、偵察、挑発している」
とも語った。(共同)

http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/891.html#c22

[国際33] 米英支配層は世界をガザようにしようとしている(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
2. 2023年10月23日 11:14:45 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[52]
<■71行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
露朝の軍事協力 世界を乱す暴挙許せない
2023/10/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20231023-NTCA6JYIGVO57COAILB3COKF5A/
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記とロシアのラブロフ外相が平壌で会談し、
「全ての方面で相互連携を計画的に拡大していく」
ことで一致した。
金氏は、2023年9月の訪露時にプーチン大統領と交わした
「重大問題と協力事項での満足な合意」
について
「忠実に実現し、安定的で未来志向的な新時代の朝露関係の100年の大計を構築する」
と表明した。
金氏の発言の核心が、露朝の軍事協力の長期的な拡大にあることは疑う余地がない。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は2023年10月13日、北朝鮮が2023年9月の露朝首脳会談と前後してロシアに弾薬などの軍需品の本格供給を開始したとの情報分析を明らかにしている。
ウクライナを侵略するロシアと、核開発やミサイル発射をやめない北朝鮮の軍事取引の進展は世界や日本の安全保障にとって重大な脅威である。
このような暴挙は到底容認できない。
北朝鮮相手の弾薬など軍需品の調達や供給は国連安全保障理事会決議に明白に反する。
ロシアは自国が賛成した安保理決議を踏みにじってはならない。
カービー氏によると、2023年9月7日以降、北朝鮮北東部の羅津港を出たコンテナ船がロシア極東・沿海地方のドゥナイに入港した。
弾薬など軍需品を積んだコンテナは陸路で2023年10月1日までにロシア南西部のチホレツクの弾薬庫に運ばれたとされる。
弾薬庫はウクライナ国境から約290kmしか離れていない。
カービー氏は
「ウクライナへの攻撃に使われる」
と指摘した。
NSCが分析した衛星画像によると、北朝鮮からロシアに運び込まれたコンテナは合計1000個以上にのぼるという。
米政府によれば、北朝鮮は見返りとして、ロシアの戦闘機、地対空ミサイル、弾道ミサイル、先端技術などを要求している。
ロシアの船舶が北朝鮮の港へ積み荷を降ろしたことも確認されているという。
プーチン氏は来春の大統領選挙を控え、不足する武器弾薬を国力的に
「格下」
の北朝鮮に頼ってでも賄いたいのだろう。
それなしにウクライナで継戦することが叶わないからだ。
日本や米国、韓国などは新たに勃発した中東危機を煙幕にして露朝の軍事協力が進むことを許してはならない。

金正恩氏と露外相「国際情勢に主導的対処」 日米韓に対抗、共同行動強化へ
2023/10/20 17:40
https://www.sankei.com/article/20231020-GYVIT2ODG5IQLLB47ASCHJ2ZMA/
北朝鮮の朝鮮中央通信は2023年10月20日、金正恩朝鮮労働党総書記とロシアのラブロフ外相が2023年10月19日、平壌で面談し、
「全ての方面で連携を計画的に拡大していく」
ことなどで見解の一致をみたと伝えた。
面談では
「両国が信頼関係に基づき、地域や国際情勢に主導的に対処していく」
方針も確認した。
金氏は2023年9月のプーチン露大統領との会談での合意を
「忠実に実現」
し、
「安定的で未来志向的な新時代の朝露関係の100年の大計を構築する」
と表明。
露外務省によると、ラブロフ氏は金氏との合意を全て履行する用意があるとのプーチン氏の意向も伝達した。
面談は1時間以上に及んだ。
ラブロフ氏と崔善姫(チェ・ソンヒ)外相の2023年10月19日の会談では経済や文化、先進科学技術での協力策が協議され、2024〜2025年の交流計画書を締結。
両外相は北東アジア情勢などで
「共同行動を強化する」
方針でも一致した。
日米韓の安全保障協力に対抗し、露朝が軍事面で一層共同歩調を強めるもようだ。
一方、朝鮮中央通信は、核兵器を搭載できる米戦略爆撃機b52の韓国着陸を論評で非難し、韓国側に入った戦略兵器は
「最初の掃滅対象になる」
と威嚇した。

露、国連人権理復帰に失敗 理事国選で落選
2023/10/11 1:19
https://www.sankei.com/article/20231011-2BOPPKFROJJ5HMHKAYGV6MZ4MA/
国連総会(193カ国)は2023年10月10日、スイス・ジュネーブの人権理事会で2024年1月から3年間の任期を務める新理事国の選挙を行った。
ウクライナでの民間人虐殺などを理由に2022年、人権理を追放されたロシアが立候補していたが、落選した。
ロシアが当選を目指していたのは2023年末に任期が切れるウクライナとチェコの枠。
競合していたブルガリアとアルバニアが当選した。
当選には全加盟国の過半数97票を獲得した上で、上位2カ国に入る必要があった。
ロシアの得票は83票にとどまった。
人権理を追放された後もウクライナでの人権侵害を重ねるロシアに対し、国際社会が批判的な態度を維持していることが確認された。

http://www.asyura2.com/23/kokusai33/msg/599.html#c2

[政治・選挙・NHK292] 日本は貧しい国へまっしぐら…エンゲル係数が過去最高レベル、物価上昇の“体感温度”に大きなギャップ 人生100年時代の歩き方… 赤かぶ
49. 2023年10月23日 20:54:11 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[53]
<■116行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
定額減税なら一定評価 全体では疑問符 立命大・安井栄二教授
2023/10/23 18:59
https://www.sankei.com/article/20231023-PYQWKA2GDFLLLNVZ3KJ4AETATY/
所得税の減税をやるのであれば、税額から一定額を差し引く定額減税が低所得者にとってより手厚く、寄り添ったものになる。
納税額の少ない低所得者ほど相対的に減税額の割合が大きく、有利になるからだ。
同じように、定額の給付金も、低所得者にとり有利なものになる。
ただ、減税の目的が消費を喚起することであるならば、期間が限定されると、効果をあまり望めないだろう。
例えば、期間を1年間に限定すれば、次の年は効果を見込むことができない。
目的が消費を喚起することではなく、足元の物価上昇に苦しんでいる低所得者を助けることであるならば、期間を区切った緊急措置として意味があり、一定の評価ができる。
だが、足元の物価上昇は2024年以降、収まっている可能性もある。
所得税減税が2024年以降に行われるなら、苦しんでいる人を助けるタイミングを失うことになる。
こうしたいくつかの要素を考えると、トータルで見た時にこの減税策に意味があるのかどうかは、疑問符が付くと言えるだろう。

増税?減税?どっち…岸田首相の「ちぐはぐ」に批判 補選苦戦で足元も厳しく…
2023/10/23 18:35
https://www.sankei.com/article/20231023-22UJBUVKPZPN5BAA2A2DJ6XH2I/
岸田文雄首相は2023年10月23日の所信表明演説で、当面は経済最優先で政権を運営していく考えを強調し、成長型経済への変革に向け、税収増を国民に
「還元」
すると表明した。
その柱は所得税減税だが、防衛増税も控える中で、野党からは
「ちぐはぐ」
との批判も出ている。
今国会では国民負担のあり方に関する方針の全体像を、どう説明できるかが課題となる。
首相は演説で、30年ぶりの水準となった賃上げ率や、一時は50兆円に達した需給ギャップ(GDPギャップ)が解消に向かう状況などを列挙。
「30年ぶりに新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスが巡ってきた」
と意気込んだ。
停滞からの脱却を確実にする策として挙げたのが、設備投資など
「供給力の強化」

「国民への還元」
だ。
首相周辺は、このタイミングでの経済への注力を
「内閣の歴史的使命」
と位置付ける。
一方、演説では防衛増税の開始時期を
「景気や賃上げの動向と、これらに対する政府の対応を踏まえて判断する」
とするにとどめ、少子化対策の財源にも触れなかった。
官邸幹部は
「減税と増税の時期が重なることはなく、矛盾はしない」
と説明するが、分かりにくさは否めない。
目先の負担減ばかりを強調すれば
「人気取り」
とみなされるリスクも高まる。
政権の足元は厳しい。
内閣支持率は下落傾向を抜け出せず、2023年10月22日投開票の衆参2つの補欠選挙も与党は1勝1敗という最低限の結果に終わった。
首相は次期衆院選で勝利し、2024年秋の自民党総裁選で再選を果たす戦略を描くが、支持率を反転向上させ、衆院解散の好機を掴むのは容易ではない。
政権は2024年春以降の局面転換に期待を繋ぐ。
次の春闘でも賃上げの流れが確実なものとなり、加えて
「還元」
も実現すれば、国民が可処分所得の向上を実感でき、経済の好循環が回り始めるとの計算がある。
その成否は政権の浮沈も左右する。

所得税減税、経済効果に疑問も…与党税調≠ナ議論紛糾か
2023/10/23 18:16
https://www.sankei.com/article/20231023-HBD3RCFVRJLNHDAHB76SMYHD5Y/
岸田文雄首相が税収増分の還元策として想定する所得税減税を巡り、与党の税制調査会は一定額を本来の納税額から差し引く
「定額減税」
を軸に検討を進める見通しだ。
所得税を納めていない低所得者に対しては給付金を視野に入れる。
ただ減税については効果を疑問視する意見も根強い。
税調の議論は紛糾し、思うように進まない可能性もある。
自民党税調は2023年10月23日、
「インナー」
と呼ばれる非公式幹部会を開いた。
出席メンバーによると、会合では経済対策に盛り込む予定の減税に関して議論があったという。
令和6年度税制改正に向けたテーマの洗い出しも行ったとみられる。
自民、公明両党の税調は2023年年末にかけて所得税減税を議論するが、念頭に置くのは定額減税だ。
年収に関係なく一定額を差し引くことから、所得水準の低い層がより減税を実感できる。
所得税減税の手法としては納税額の一定比率を差し引く
「定率減税」
もあるが、高額所得者の減税額が大きくなりやすいため、高額所得者優遇との批判を招きかねない。
ただ、所得税減税を巡っては効果が限定的だとの指摘も多い。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、仮に5兆円の所得税減税を行ったとすると、実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果は1年で0.12%にとどまると試算する。
減税分は貯蓄に回りやすいためだ。
木内氏は
「経済は上向いており、減税が必要な環境でもない」
「税収の上振れ分は財政赤字の削減などに回すべきだ」
と主張する。
また、所得税減税には法改正が必要となり、企業への周知期間も考えると、実施は早くても2023年春となる。
これでは
「即効性に欠ける」(政府関係者)
との意見もある。
更に所得税減税は所得税を納めていない低所得者に恩恵がない。
このため給付金が有力視されるが、
「バラマキ」
に終わる懸念がある。
所得税減税の効果は見えにくく、政府内では
「首相の政治的なアピールでしかない」
との冷ややかな見方もある。
今後の議論は曲折も予想される。

「経済、経済、経済」首相、所信表明で異例の連呼 税収増還元を強調
2023/10/23 16:07
https://www.sankei.com/article/20231023-AJU3TBJXWVNCHIH3KGISY766UQ/
岸田文雄首相は2023年10月23日、衆参両院の本会議で所信表明演説に臨み、物価高を乗り越えるため、
「税収の増収分の一部を公正かつ適正に還元し、国民負担を緩和する」
と表明した。
2023年10月26日の政府・与党政策懇談会や、与党税制調査会での検討を経て、期限付きの所得税減税を含む国民への還元策を取りまとめる意向だ。
首相は演説で
「『経済、経済、経済』」
「私は何よりも経済に重点を置いていく」
と異例の連呼を行った。経済再生を重視する政権の姿勢を明確に打ち出した形だ。
持続的な賃上げや活発な
投資が牽引する成長型経済に向け、3年程度を変革期間と位置づけ、供給力強化に取り組む考えも強調した。
エネルギー価格の高騰対策としてガソリンや電気・ガス代補助の2024年春までの継続にも言及した。
一般ドライバーが自家用車で客を有料で運ぶ
「ライドシェア」
にも触れ、
「地域交通の担い手不足や移動の足の不足といった深刻な社会問題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組む」
と訴えた。
外交・安全保障分野では北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向けた金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談を実現するため、自ら直轄のハイレベル協議を進めると強調し、
「大局観に基づく判断をする」
との考えを示した。
また、海外パビリオンの建設が遅れている2025年大阪・関西万博に向けて
「強い危機感を持って、オールジャパンで進める」
と語った。
2024年9月の自民党総裁任期中の実現を目指す憲法改正に関しては
「条文案の具体化などこれまで以上に積極的な議論が行われることを心から期待する」
と訴えた。
安定的な皇位継承に向け、国会での論議が停滞している現状を踏まえ、
「立法府の総意」
の早期取りまとめに期待感を示した。
所信表明演説を受けた与野党の代表質問は衆参両院の本会議で2023年10月24〜26日の日程で行われる。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/211.html#c49

[政治・選挙・NHK292] 速報 自民補選「1勝1敗」で岸田首相は年内解散断念へ…「減税メガネ」への転換ならず(現代ビジネス) 赤かぶ
35. 2023年10月23日 20:58:04 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[54]
<▽36行くらい>
沖縄・デニー知事への初の問責決議案、大荒れの末に否決 1票差…
2023/10/23 19:29
https://www.sankei.com/article/20231023-M3MIFFGP3BJIXMJRYIGR54GOZA/
沖縄県議会は2023年10月23日、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題などを巡る玉城デニー知事の言動や行政運営に看過できない問題があるとし、初の問責決議案を採決した。
賛成23、反対24の1票差で否決されたが、審議直前にも県による不適切な会計処理が発覚し、本会議が一時空転するなど大荒れとなった。
玉城氏の責任を問う声は今後も一段と高まりそうだ。
問責決議案は県議会野党の自民と中立の公明、無所属の県議が連名で提案。
辺野古移設を巡る訴訟の最高裁判決で県の敗訴が確定したにもかかわらず、玉城氏が従わないのは
「法治国家にもとる」
と糾弾した。
さらに最近、県庁の地下から有害な有機フッ素化合物
「PFOS(ピーフォス)」
が流出したことや、違法な赤字会計処理など不祥事が相次いでいることを問題視し、
「もはや地方自治体の長たる能力と資質に欠ける知事であることは明らか」
と厳しく批判している。
2023年10月23日の県議会では、県土木建築部が所管する2件の事業で、手続きミスにより約2億3000万円の国庫補助金を受けられない可能性が出ている不祥事について土木環境委員会が開かれ、県側が改めて謝罪すると共に経緯を説明した。
その後に本会議が開かれ、問責決議案が採決される予定だったが、新たに県保健医療部で不適切な会計処理が発覚。
県議会議長が玉城氏に説明を求めようとしたものの、
「本日は仕事がないから」
との理由で玉城氏が登庁しておらず、野党議員から
「議会軽視」
との怒声が飛び交うなど大荒れとなった。
予定より遅れて午後5時過ぎに行われた問責決議案の討論では、無所属の県議から玉城氏の辞職と出直し選挙を求める声も上がった。
採決では共産党など
「オール沖縄」
系の県議が反対したため僅差で否決されたが、自民党県議からは
「玉城県政は崩壊寸前だ」
「県民生活が蔑ろにされており、その責任を引き続き追及していく」
との声が上がっている。
採決後、本会議に出席した玉城氏はこの日明らかになった県保健医療部の不適切な会計処理などについて陳謝すると共に、
「全庁、全職員を上げて信頼回復に努めていきたい」
と話した。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/214.html#c35
[政治・選挙・NHK291] もはや木原本人の疑惑ではないぞ 官邸中枢は何をどこまで知っているのか(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
56. 2023年10月23日 21:04:30 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[55]
<■2428行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
木原誠二の妻である木原郁子の「父・船本賢二」は、安田種雄さんが胡坐又は正座しているところを、背後からナイフで刺して殺したのか?
木原誠二氏は、安田種雄さんの遺族の言葉をどう受け止めるのか。

木原事件 遂に刑事告訴! 遺族が明かす決断の訳 《新証拠》事件直後の警察との音声データ 
週刊文春2023年10月26日号
種雄とX子の子供を大事に育ててくれた木原さんには感謝しています。
ただ彼に一言
「再捜査を求める」
と言ってほしかった。
私たちは真実が知りたい。
一生がかかっている問題なんです。
2023年8月下旬のある夕刻、東京都文京区内の閑静な住宅街――。
日中35℃を超えた猛暑は僅かながら和らぎ、蝉の鳴き声が響いていた。
そこに集まる70代の男性と2人の娘、それに孫たちの家族。
そのうちの男性が、通り沿いのあるマンションを見上げながら感慨深げに呟く。
「いやぁ、ここに来るの、17年ぶりだ……」
木原誠二前官房副長官の妻X子さんの元夫で2006年に不審な死を遂げた安田種雄さん(享年28)の父である。
「種雄が亡くなる前、ここに住んでいたX子のお父さんと、お兄さんと食事をしたんですよ」(父)
2006年4月9日午後10時頃、安田種雄さんの頭上から喉元に振り下ろされたナイフが肺まで達し、絶命した事件。
その現場となった、安田種雄さんとX子さん、それに2人の子供たちが暮らしていた一軒家は、このマンションから徒歩で7、8分ほどの距離にある。
部屋で仰向けに倒れた遺体の第一発見者は、事件の翌朝2006年4月10日4時前、安田種雄さんに貸した車を返してもらおうとバイクで現場を訪ねた父だった。
その現場から30メートルほど離れた路上で、父が立ち止まった。
「ああ、ここですよ」
「警察に通報しようとしたんだけど住所が分からなくて、住居表示を探しに外に出てきたんです」
「電話して現場に戻ろうとすると、棒のような物体が入った風呂敷のような物を背負った男性が、フラフラと家の方から歩いて来てすれ違った」
「変だなと思って走って追ったのですが、角を曲がった所で姿が消えてしまったんです」
(同前)
未明の暗がりの中、父が息を切らして立ち尽くしていると、通報を受けた警察官が駆け付けて来た。
「その警察官と2人で現場の家に戻ったのですが、私が点けたはずの家の電気が消えていました」
(同前)
2023年の夏の日、小誌記者が安田種雄さんの長姉から
「現場を見に行く」
と連絡を受けたのは、当日の昼頃だった。
それには、家族のある決意が込められていた。
「これから、私たちが再捜査を求めるために刑事告訴をしていくことなども考えると、1度、自分たちの目で現場を見た方がいいと思いました」
(長姉)
それから2ヵ月近く。
「木原事件」
が今、重大局面を迎えている。
とうとう遺族が刑事告訴に踏み切ったのだ。
告訴人は安田種雄さんの父母、姉2人の4人。
告訴の趣旨は殺人罪で、被疑者に当たる被告訴人は<不祥>。
2023年10月18日付の告訴状には、遺族の悲痛な訴えが次のように記載されている。
<告訴人らは、愛する家族を第三者の殺害行為によって失っただけでなく、犯人の検挙を17年以上待たねばならず、この間、何度も絶望を味わった」
(略)
<告訴人らには、時的限界なく犯人検挙のための捜査を求めることが許されなければならないし、かかる告訴人らの行為を阻害することが許されるのであれば、我が国の刑事司法は最早死んだも同然である>
<告訴人らは、我が国の警察は世界有数の能力と良心を持ち合わせていると信じている>
遺族は何故、刑事告訴を決断したのか。
告訴人の1人である、安田種雄さんの次姉が語る。
■「警察を信じていたのに」
「種雄が何で死ななければならなかったか、家族はやはり知りたい」
「まだ生きていたら私たちは、楽しい生活を送れていたと思います」
「犯人は、人を殺して楽しい生活を送れているのでしょうか」
「罪を償って、種雄に手を合わせて謝ってほしい」
「なのに、(露木康浩)警察庁長官は『事件性はない』とまで言っている」
「警察を動かし、再捜査を進めてもらうためには、最早刑事告訴しかありませんでした」
告訴状の宛先は、事件発生当初に捜査を担当した警視庁大塚警察署の署長だ。
刑事告訴に当たっては、警察に捜査を指示する立場の検察の方が受理されやすいのではないかという見方もあった。
では何故、遺族はこれまで捜査を中断してきた警察への提出を求めたのか。
遺族代理人の勝部環震(たまき)弁護士が説明する。
「検察への告訴も考えましたが、捜査員を擁するわけでもない検察には、独自で殺人事件を捜査する能力はありません」
「やはり事件当時のことを一番知っているのは大塚署です」
提出された告訴状は、内容に問題がないと判断されれば受理される。
刑事事件の場合、捜査機関側が、立件しやすいように告訴人側に告訴状の修正を提案し、やり取りを重ねた上で受理することも多いという。
刑事告訴が受理されれば、警察は捜査を尽くして検察に報告する必要がある。
警察庁の露木康浩長官は2023年7月13日、この件について
「事件性なし」、
つまり他殺ではなく自殺とコメントしているが、もしそうならば、その証拠を揃えなければならないのだ。
安田種雄さんの死の真相を知るため、団結して大きな一歩を踏み出した一家。
その安田家の横顔に触れたい。
安田種雄さんの父は韓国籍、母は韓国生まれの日本籍で、2人の間の子供たちも韓国で生まれた。
安田種雄さんの祖父母や母の兄弟は先に日本に住んでおり、母の戸籍も日本に残っていたことから、一家で移住することを決めた。
安田種雄さんが6歳の時のことである。
父は移住当時、自身も日本語が不自由ながらも、休みの日には幼い種雄さんを自転車の後部に乗せ、近隣の博物館などに遊びに連れて行っていたという。
日本では余り聞くことのない
「種雄」
という名前の由来を、父が明かす。
「韓国の私の家系図があって、その中で種雄の代には『種』の漢字を使わなくてはならないんです」
「日本へ移住した時に祖父母が韓国の名前から1文字取って『種雄』という日本名を付けてくれました」
「珍しい名前ですが虐められることもなく、印象に残るので、凄く良い名前だと思っています」
そんな安田家に小誌記者が初めて接触したのは、2023年6月下旬のこと。
「最初に電話が来た時、家で会うことになりましたが、正直、不安を感じました」
「私は家に1人だけだったし、怪しいし、信用もできないし」
(同前)
だが、対面すると父は徐々に、事件に対する思いを吐露し出した。
安田種雄さんの死後、大塚署が事件としてまともに取り合わなかったこと。
それから12年が経った2018年に、警視庁捜査一課の刑事が安田家を訪れ、再捜査に乗り出したが、1年足らずで捜査が立ち消えになってしまったことー。
この日、記者に父は、こう声を絞り出した。
「日本の警察を信じていたのに、悔しい・・・」
そこから事件は異例の経過を辿った。
小誌が2023年7月6日発売号で
「木原事件」
の存在を始めて報じると、木原誠二氏は代理人弁護士を通じて
「事実無根」
とし、小誌を刑事告訴することを宣言。
更に小誌2023年7月27日発売号では、2018年の再捜査の際にX子さんの取調官だった佐藤誠・元警部補が実名告発に応じ、木原誠二氏がX子さんに
「手を回しておいたから」
と語り掛ける様子を記録したドライブレコーダーの存在などを証言した。
木原誠二氏が
「国会が始まれば、子供の面倒を見る人間がいなくなる」
ことを理由に、X子さんの取調べを
「国会招集日までに終わらせろ」
と捜査幹部に要求していたことなども明かされていた。
実際に取調べは突如としてストップし、それ以降の捜査も中断。
当時を振り返り、佐藤誠・元警部補は
「異常な終わり方」
と語った。
■佐藤氏が指摘する初動ミス
なぜ捜査は止まったのか。
小誌は今回、再捜査が中断した経緯を知るはずの警視庁幹部に取材を試みた。
捜査1課を擁する警視庁刑事部トップだった、大賀真一刑事部長(当時)だ。
2023年1月に退官した大賀氏の自宅を訪ねた。
ーー当時の捜査は何故あのような終わり方をしたのか。
「もう退職しているんで、お話しすることはない」
ーー現場の捜査員たちは、なぜ捜査が打ち切られたのか疑問に思っている。
「そうですか?」
「気にしたことはないですけどねえ」
だが、再捜査の中断に当たっては、遺族にもその旨の連絡がなく、宙ぶらりんのまま放置されていた。
「気にしたことない」
で済まされる問題なのか。
止まってしまった時計の針を再び進めるための刑事告訴。
改めてその事件発生当時の捜査を丹念に検証すると、なぜ被害者遺族がやるせない思いを抱き続けてきたのかが見えてくる。
現在、父はこう悔しがる。
「種雄が死んだ翌日の2006年4月10日、事件現場から大塚署へ遺体が運ばれて、翌日には司法解剖を行うと説明がありました」
「ところが司法解剖が行われる前の2006年4月10日の夕方にも説明があり、『事件性がない』と担当の刑事に言われました」
「それが今でも忘れられません」
当初から
「事件性がない」
という見立てに沿って進められていた捜査、佐藤誠・元警部補はこう指摘する。
「大塚署の初動捜査には大きな問題があった」
「事件前後の防犯カメラの映像を集めていなかったことだ」
事件発生後の深夜0時頃には、X子さんと親しかった男性Y氏が、X子さんに呼ばれて現場を訪れたことが捜査で分かっている。
「もし種雄さんが帰って来てからYがやって来るまでの、6時間の自宅付近や関係者宅などの防犯カメラの映像を押さえていれば、その時あの家に入った人間や、通報した父親が見たという『風呂敷のような物』を背負っていた不審者も、特定できたはずだ」
(同前)
決定的な初動ミス。
更に、小誌は家族からある音声データの提供を受けた。
そこには、安田種雄さんの死が自殺ではないことを示す
「新証拠」
が残されていた。
音声データは、2006年4月の事件後、父と長姉が、大塚署で刑事課長代理として捜査を指揮していたK警部と、部下のT警部補(いずれも当時)から説明を受けた際のやり取りを記録したものだ。
日付は事件発生から9日後の2006年4月18日。
遺体の周りの血溜まりや、死亡した際の姿勢についてこう説明されている。
★K警部
<「血溜まりが2カ所に分かれている>
<(1カ所は)倒れておられる直下の所、首の付近の下の方、それと、もう1つは(胸の方の)パソコン前>
★父
<(刺された時の姿勢は)分からないんですか?>
★K警部
<刺した、刺された姿勢がどういう姿勢であったかというのは分かりませんよ、ということです>
<ただし、当然まあ、その、ここの所に自傷したという形>
<この状態からこうなったというのは想像つくでしょう>
<胡坐かいていたとか、正座していたとか、そういう形から倒れたのか>
この会話からは、K警部が、安田種雄さんは胡坐や正座の状態で刺傷を受けたと推測していたことが窺える。
また
「自傷」
という言葉から、早い段階で自殺だという先入観を持っているように聞こえる。
だが、再捜査に当たった佐藤・元警部補はこう疑問を呈するのだ。
「俺も色んな自殺の状況を見て来たけど、自分の首を自分で、しかも肺に達するまでの深さで刺すという自殺の仕方は見たことがない」
「ただでさえ不自然なのに、座った状態で、というのはもっと考えづらい」
「自分を刺すとなると当然痛いから、相当な力が要る」
「強く刺すには足を踏ん張らなきゃならないだろ」
「座ったままでは無理だ」
それだけではない。
音声データには、K警部が遺族に自殺であると納得させようとしている形跡が残っていた。
■「もうこれで終わりにしたい」
2018年の再捜査のきっかけとなったのは、凶器となったナイフの血の付き方だった。
先端に少ししか血が付いていなかったことから、犯行後に一旦誰かが別の場所にナイフを持ち出したり、血を拭き取った可能性が疑われたのだ。
だが、K警部は当時、このように説明している。
★K警部
<刃物の方なんですが、パッと見た目には血は付いていません>
<ただし、見づらい所にはきっちり付いています>
<この部分だとか、この持っている柄の部分の先の所だとか>
<これは血が付いています、はっきり言ってね>
つまり、ナイフには不自然なほど血が付いていないのに、
「よく見ると付いている」
と主張して、遺族を納得させようとしていたのだ。
小誌が2023年8月下旬にK元警部を訪ねると、上半身裸で玄関先に出てきた。
ーー2006年当時、大塚署にいた。
「いたことは間違いありませんが、”どこぞの誰かさん”のようにはお話ししませんからね」
ーー事件は覚えている?
「もう散々ね、私がOBになってからも『再捜査だ』ということで、私の所に(捜査員が)来ていることもありますので」
ーー安田種雄さん自殺だと思っているのか?
「心の中で思うことはあっても、申し上げるようなものではございません」
後日も電話取材に応じたK元警部だったが、結局最後まで、捜査の怠慢を認めることはなかった。
愛する家族の死の真相の解明を何度も期待したが、その度に裏切られ、打ちひしがれてきた遺族。
次姉は言う。
「私たちは最初の捜査で事件が解決しなかったことに絶望し、再捜査が止まってしまった時も再び大きなダメージを受けました」
「もう、これで終わりにしたい」
「だからこそ刑事告訴を決断したんです」
母は、刑事告訴を決断した現在の心境を、涙ながらにこう明かした。
「今になっても、1日1日がとても辛いです」
「種雄が大好きだった2人の孫たちのためにも、真実が知りたい」
「私たちの一生がかかっている問題ですから」
一方、2018年の再捜査時に介入したことが指摘されている木原誠二氏は、X子さんの事情聴取も含めた一連の経緯を
「事実無根」
と主張し、今に至るまで、公の場で詳細を説明しようとはしていない。
再捜査が始まる4年ほど前にX子さんと結婚し、安田種雄さんとX子さんの子供の父親になった木原誠二氏。
その木原誠二氏への思いを、次姉はこう吐露した。
「種雄の子供たちを大事に育ててくれていることは感謝しています」
「私たちは子供たちにずっと会うことができず、心配してきました」
「でも
『事実無根』
なんて言う前に、事件についてただ一言、
『再捜査を求めます』
と言ってほしかった」
木原誠二氏は、遺族の言葉をどう受け止めるのか。
木原事件の新たな幕が上がった。

船本賢二の経歴や学歴!元警視庁警部で法政大学ではボクシング部と超ハイスペックだった!
2023年9月3日
https://kyokutoromance.com/funamoto_kenji_keireki/

船本賢二の経歴!アマチュアボクサー全国3位の元警視庁の警察官!
2023年8月2日
https://ijyukangosi-ouennyanko.com/hunamotokenji/

木原郁子の経歴や学歴まとめ!元銀座No.1ホステス&VERY ...
ウェブ2023年7月13日 · 木原郁子の経歴や学歴まとめ!. 元銀座No.1ホステス&VERYモデルだった!. 事件. 2023年7月13日 2023年7月28日. 週刊文春の報道で、 木原誠二内閣官房 …
https://digitalyouth.jp/kiharaikuko-keireki/

木原郁子モデル・ホステス時代が超美人!木原誠二との ...
ウェブ2023年7月30日 2023年9月12日 木原誠二官房副長官の奥さん が何かと話題になっていますが、いったいどんな方なのでしょうか? 調べてみたところ木原誠二さんの奥さん …
https://www.yamadera-goto-museum.jp/kihara-ikuko-profile/

木原誠二氏が記者会見を開かずに説明責任を果たしていないのは卑怯だ。

次々と浮上する安田種雄さんの不審死への疑問。
上申書による安田種雄さんの遺族の悲痛な訴えを、警察・木原誠二官房副長官・木原氏の妻【X子】さん・【X子】さんの父親Z氏(元公安刑事)はどう受け止めるのか。

安田種雄さんの不審死は「自殺」ではなく、「他殺」、つまり「殺人事件」ではないか。
犯人は、元公安刑事にして、木原誠二官房副長官の妻の「実父」ではないか。
木原誠二官房副長官の妻が事件について語ろうとしないのは、彼女の「実父」を庇っているからではないか。

致死量の覚醒剤によって自殺したのなら、わざわざナイフを頭上から喉元に向かって刺す必要があるのか?
ナイフで刺殺された後に、第三者によって致死量の覚醒剤を打たれた可能性もあるのではないか?
疑問点は多々あり、とても「自殺」とは思えず、「他殺」としか思えない。
犯罪の可能性があれば捜査する、犯人を検挙する、法治国家なら当たり前の話だ。
相手が政治家の関係者でも親族でもそれは同じはずだ。
何でこんな当たり前のことが通らないんだ。
政治家が捜査機関上層部に圧力を掛けたり、たとえ相手が有力政治家であっても、捜査機関上層部がその圧力に屈するなどということは絶対にあってはならない。
圧力を掛ける政治家と圧力に屈する捜査機関上層部が存在するのは異常な世界だ。
警察上層部に圧力を掛ける政治家や、その政治家を擁護する弁護士・政治家は論外で信用できないが、圧力に屈する警察上層部も情けなく信用できない。
一般国民は、そんな世界に生きるのは嫌だと思っている。
一般国民から見て、政治家の立場とか、警察官僚の保身とか、そんなことより重要な事はいくらでもある。
子供の頃に「法の下の平等」について習っているはずだが一体全体どこへ行ったんだ?

岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

木原事件に新展開 「遺体の位置が・・・」 遺族が上申書を提出
週刊文春2023年7月27日号
17年前の2006年、木原誠二官房副長官の妻【X子】さんの当時の夫が”怪死”した事件。
木原氏は詳細な説明をしないまま、小誌に再三、刑事告訴をちらつかせている。
そんな最中、中断した捜査の再開を求めて、遂に遺族が立ち上がった。
▼被害者父母、姉が決起「再捜査してください」
▼「遺族の裏には・・・」警察内部で飛び交う妄言
▼記者懇ドタキャン 木原副長官「こんな状況なので」
▼岸田派幹部「刑事告訴なんて無理だろ」
<私たちは種雄の死の真相を知るため、捜査を続行していただきますことを、心から望んでいます>
警視庁大塚署長に宛てられた2023年7月17日付の上申書には、失われた17年前(2006年)の悲痛な思いが綴られていた。
小誌は過去2週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていた事実を報じた。
木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、司法記者クラブに対し2度に渡り文書を送付し、刑事告訴を行うことを宣言した。
上申書を提出したのは、安田種雄さんの両親と2人の姉である。
事情聴取や家宅捜索の事実関係すら
「事実無根」
とする木原氏は、遺族の積年の想いを踏みにじったのだ。
上申書は次のように続く。
<自分が死んだのなら諦めもつきます>
<でも、亡くなったのは大切な息子なのです>
<ひょんなことから『あいつが生きていたら45歳だなあ』と考えてしまう>
遺族が再捜査を強く求めるのには理由がある。
安田種雄さんの死を巡り、到底納得できない”謎”がいくつも残されているのだ。

1978年に生まれた安田種雄さんは地元の中学校を卒業後、高校を中退。
暴走族に入り、青春時代を過ごした。
雑誌モデルとして活躍していた安田種雄さんに惹かれ、1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下の【X子】さんだった。
2002年、長男が誕生することが契機となり、2人は入籍する。
夫妻を知る人物が明かす。
「【X子】は結婚前にCDデビューしたこともある」
「長男を出産後は育児情報誌のモデルをしたり、ママ友とハロウィンパーティーを企画し、司会をやったりしていた」
「種雄さんの当時のあだ名は、TOKIO、長瀬智也に似ていることから、そう呼ばれていました」
2004年4月には長女が誕生し、一家4人は【X子】さんの父が所有する文京区大塚の木造住宅で暮らした。
だが、団欒の風景は次第に修羅の色に染まっていく。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合った男性Y氏の存在だ。
間もなく【X子】さんはY氏と親密な関係になり、池袋の老舗キャバレーで働き始める。
安田種雄さんの次姉が振り返る。
■事件の夜、すれ違った男
「よくキャバレーの帰りに電話が来て
『種雄君がお金を入れてくれない』
『自分だけ遊びに行っている』
と愚痴をこぼしていた」
「それを聞き、種雄に
『ちゃんと生活費をあげなさい』
と言うと
『毎回あげている』
と話が食い違うのです」
2006年に入り、【X子】さんは幼い子供2人を連れ、”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上も【X子】は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも種雄は
『離婚しても子供は引き取りたい』
と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った東京・三軒茶屋の団地に舞い戻った。
出迎えた父は、息子の大好物だった牛肉をスーパーで調達し、振る舞った。
「その日、種雄は私が乗っていたハイエースを貸してほしいと家に立ち寄ったのです」
「理由を聞くと
『【X子】が(東京近郊に住む)Y氏の家に荷物を置いているから取り戻しに行くんだ』
と」
「その日は、数日前に種雄から
『買ってほしい』
と頼まれていた新しい携帯電話を手渡しました」
「ずっと電話に出ない【X子】に連絡するためでした」
(安田種雄さんの父)
だが、それが最後の晩餐になった。
その翌日(2006年4月8日)、安田種雄さんがハイエースでY氏の自宅を訪ねると、そこには【X子】さんと子供たちの姿があった。
家族を必死で連れ戻した安田種雄さん。
その彼が不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした直後、【X子】さんや子供たちが眠る隣の部屋でのことだったー。
ナイフを頭上から喉元に刺したとみられ、死因は失血死。
当時は自殺の可能性が高い不審死として処理された。
だが、12年後の2018年4月、大塚署の女性刑事が捜査資料を分析し、自殺とするには不自然な血の付き方に着目したことから再捜査がスタート。
警視庁の特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に、30人以上の精鋭が集められ、遺族の期待も高まった。
にもかかわらず、1年足らずで突如、捜査は縮小。
以降、遺族の元への警察からの連絡は途切れた。
だが今回、安田種雄さんの父が今でも鮮明に記憶している悪夢の1日を振り返ると、これまで語られなかった新たな疑問点が次々と浮かび上がったのだ。
「変わり果てた姿の種雄を発見した時、右太腿から20〜30cm離れた場所に細長いナイフが置かれていました」
「自らナイフを喉に突き刺すことも難しいのに、ましてや綺麗にナイフを置いてから死ぬ奴がいるのでしょうか」
変わり果てた姿の息子を発見した直後には、こんな出来事があった。
「110番通報をするにも住所が分からず、住居表示がある電信柱を探しに1度外に出たのです」
「通報して民家に戻る途中、すれ違ったのは明らかに変な歩き方をした男でした」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「一目散に追いかけたのですが、一瞬で消えてしまった」
(安田種雄さんの父)
■木原氏代理人の回答は
警察が到着し、安田種雄さん宅に再び上がろうとした父は、ふと足元を見た。
「玄関には、子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあった」
「その靴が、家を飛び出した時から減っているような気がしました」
(安田種雄さんの父)
再捜査に当たり、安田種雄さんの父は”すれ違った男”の存在を女性刑事に明かしている。
安田種雄さんの父が事情聴取を受けたのは2018年4月8日のこと。
小誌が入手した録音データには、次のようなやり取りが記録されている。
★女性刑事
「すれ違った人は長い物を持っていたということですけど、顔は見ていない?」
★父
「はい」
★女性刑事
「背格好で?」
★父
「後ろ姿だけね」
「ジーパンだったかな。帽子」
★女性刑事
「ニット帽。知っている人、という印象はなかった?」
★父
「そうですね」
更に安田種雄さんの父が不審に感じているのは、遺体の位置だ。
「私が部屋に入った時、種雄の頭は寝室に繋がるドアの辺りにありました」
「しかし、後に刑事さんが描いた現場の見取り図は、頭の位置が左右にズレて、倒れている位置すら変わっていたのです」
「私が去った後、何者かが遺体を動かしたのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
事件から数日後に行われた現場検証で、更に疑問は深まった。
「種雄は携帯を3台持っていたのですが、それが見つからなかった」
「どこにあるのかと思って電話をかけると、確かに部屋のどこかから着信音が聞こえる」
「探してみると、1台はソファの上に、衣類を沢山被せた状態で置いてありました」
「更に、ソファの下からも他の携帯が出てきた」
「自分で死んだ奴が、なぜ携帯を隠す必要があるのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
遺族が再捜査を求めるのは、安田種雄さんを喪った哀しみを徒に警察にぶつけているからでは決してない。
自殺で片付けるには不審な点がいくつも残されているからこそ、今回、上申書の提出を決意したのだ。
一方ー。
小誌が先々週号で初めて一連の疑惑を報じて以降、木原氏は”逃げの一手”を続けている。
政治部記者が明かす。
「文春が初めて不審死事件を報じた直後、木原氏の秘書官は番記者たちに
『家族の精神的なケアが必要になり、しばらく朝の囲み取材には応じられません』
と連絡してきた」
「その翌週である2023年7月中旬に議員会館で番記者を集めてオフレコ懇談会を開催するという話だったのですが、結局、後になって
『こういう状況なので中止でお願いしたい』
という連絡があった」
他方で、小誌には再三
「刑事告訴を行う」
と通告してきたが、
「刑事告訴を行えば、捜査当局を動かし、公権力を振りかざすことになる」
「政権中枢で絶大な権力を握る官房副長官の振る舞いとしては異例」
「木原氏の言動は身内からも冷ややかな目で見られています」
(政治部デスク)
ある岸田派幹部は、周囲にこう漏らした。
「刑事告訴なんて無理だろ」
「刑事告訴したら、それをきっかけに各社に報道されてしまう」
「もし木原が刑事告訴するのであれば、官房副長官の辞任がセット」
「それが岸田会長のためだ」
小誌は今回、木原氏に改めて、【X子】さんへの事情聴取や家宅捜索の有無、記者懇中止の経緯について質問状を送付。
代理人弁護士からこう回答があった。
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
「(記者懇中止は)家族が学校等で誹謗中傷を浴びたり、路上で危険に晒される事態が現実に発生し、対応せざるを得ないためです」
木原氏は先々週、一連の再捜査について事実関係を確認する小誌に対し
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
と回答。
2023年7月5日、12日の2度に渡るメディアに公表した<御通知>でも、小誌に対して
「捜査当局の公式の確認」
を取るよう求めたことを強調してきた。
そんな中、”指名”された捜査当局側からも、呼応するかのような動きがあった。
「2023年7月13日、警視庁の國府田(こうだ)捜査1課長の定例会見で、文春報道について質問が出た」
「これに対し國府田氏は
『事件性は認められなかった』
『死因は自殺と考えて矛盾はない』
と述べました」
(社会部記者)
同じ日(2023年7月13日)、霞が関の合同庁舎2号館18階の会議室。
その日(2023年7月13日)、記者クラブ加盟社の記者を集めて行われたのは、全国の警察組織のトップ、露木康浩警察庁長官の定例会見である。
終了間際、テレビ局の記者が木原氏を巡る疑惑について尋ねると、露木長官は淀みなくこう答えた。
★露木長官
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」
会見から2日後の2023年7月15日、露木長官にその真意を尋ねた。
ーー「事件性が認められない」と公表していますが、これは2018年の再捜査を受けて判断した?
★露木長官
「『警視庁が明らかにした』ということで理解していますけど、警視庁の判断ということになってくるので私は間接的な立場なんですね」
ーー木原氏は再捜査も含め「事実無根」として文藝春秋を刑事告訴するという。
再捜査があったかどうか。
長官の認識は?
★露木長官
「まあ、警視庁が明らかにしたということで、あのように会見で申し上げたということですね」
ーー露木長官は捜査資料を確認している?
★露木長官
「いや、そういう風な立場じゃないからですね」
ーー小誌の発売直後、木原氏から連絡はあった?
★露木長官
「いえ、私は木原官房副長官とは全然連絡を取る立場でもないし」
ーーご遺族が「やはり殺されたんじゃないか」という思いを強く持っている。
★露木長官
「ああ・・・」
「警視庁に問い合わせてもらうしかないかなあ」
遺族が複数の不振点を指摘しているにもかかわらず、
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
実はその内部では、不穏な動きが見て取れるのだ。
警察庁関係者が打ち明ける。
「報道後、警察内部では
『遺族の裏には社民党の福島瑞穂参院議員と、事実婚の夫である人権派弁護士の海渡雄一氏が控えている』
との説が飛び交っているのです」
実際、小誌取材班も警察内部から同様の話を聞いている。
だが、名指しされた福島氏はこう困惑する。
「(安田種雄さんの)お名前も初めて知りましたし、全く面識がありません」
警察内部から噴出する”妄言”は何を意味するのか。
「この事案は警察官僚の上司に当たる官房副長官に関するスキャンダルです」
「敢えて野党党首の福島氏の名を出し、記事には政治的な背景があったことを匂わせることで、事態を矮小化しようとしているのです」
(前出・警察庁関係者)
安田種雄さんの父は、露木長官が
「捜査は適正」
「事件性はない」
と語った会見内容を報じた記事に目を通すと、長く沈黙し、絞り出すように呟いた。
「事件を”無かったこと”にするつもりなんですね」
「いくら我々が頑張っても権力で握り潰して、自分たちが有利になるようにするんですね・・・」
こうした状況に、安田種雄さんの親友たちも動き始めた。
近々、捜査の続行を求める署名活動を始めるという。
次々と浮上する不審死への疑問。
上申書による遺族の悲痛な訴えを、警察はどう受け止めるのか。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。

組閣前夜スクープ撮 木原誠二”官邸の番人” ”財界4重鎮”とホテル謀議
週刊文春2023年9月28日号
岸田文雄首相が「5人の女」を新たに懐へ迎える準備を整えていたその前夜、2023年9月12日夕刻。
ホテルニューオータニの地下駐車場に黒塗りの高級車で乗り込んだのは、翌日から内閣を去ることになる木原誠二衆議院議員(53)。
彼を待ち受けていたのは財界の重鎮たちだった。
一体この日、この場所で何が話し合われたのかー。
今回の内閣改造で官房副長官を外れた木原氏が、自ら岸田首相に退任を申し出たのは2023年8月18日、日米韓首脳会談に向かう政府専用機内だったという。
政治部記者が解説する。
「当初、岸田首相は文春報道を重く受け止めておらず、木原氏を留任させるつもりでした」
「しかし、木原氏から
『これ以上迷惑はかけられない』
と申し出があり、渋々退任を認めたのです」
だが、それでも岸田首相の”木原愛”は変わらず、木原氏は幹事長代理と政調会長特別補佐という2つの要職を兼務することになる。
自民党関係者が言う。
「木原さんの処遇は一石三鳥」
「党の役職に転じることで、国会や記者会見で文春報道について追及される機会が減るし、それでいて政府と党のパイプ役にもなれる」
「その上、ポスト岸田を狙う茂木敏充幹事長と萩生田光一政調会長のお目付け役としても機能する絶妙なポジションなのです」
まさに”焼け太り”とも言える新人事を知ってか知らずか、組閣前夜に行われた財界人との”謀議”の場でも、木原氏は終始ご機嫌な様子だったというのだ。
ホテル関係者が声を潜めて言う。
「この日、ホテルニューオータニの高層ビル『ガーデンコート』に集まったのは木原さんを含めて6名」
「地下駐車場から人目を避けて直通で上がれるビルの最上2フロアには、東京タワーや東京スカイツリーを一望できる法人会員制クラブがあり、そこで酒席が開かれていたのです」
木原氏と杯を交わしたのは、JR東日本の深澤祐二社長(68)、東武鉄道の根津嘉澄会長(71)、西武HDの後藤高志会長(74)、東急不動産HDの金指潔会長(78)という”財界4重鎮”。
こうした錚々たるメンツに加え、その場には元警察庁長官で”官邸の番人”とも称される栗生俊一官房副長官(64)も席を並べていた。
「木原さんは大物たちの前でも物怖じすることなく、ウクライナを訪問した際の話を臨場感たっぷりに話したり、
『私は官邸を離れますが、栗生さんは残るので宜しくお願いします』
としきりに頭を下げたりもしていました」
(同前)
一方の栗生氏は、こう言って木原氏のことを繰り返し持ち上げていたという。
「木原さんは本当に凄いです」
「政策も作れるし、人脈も広い」
「公明党や創価学会とのパイプもありますから」
互いを尊重する木原氏と栗生氏には、官房副長官という役職の共通点だけでなく、小誌が報じ続けている
「木原事件」
でも”接点”がある。
警察庁関係者が言う。
「栗生氏は、木原氏の妻が2018年に警視庁から聴取を受け、その後、捜査にストップがかかった際の警察庁長官でした」
「当時の警察トップが議員案件だった木原事件を知らないはずがありません」
■次の選挙は大変厳しい
更に、前出の政治部記者が後を継ぐ。
「警察庁長官を退官した栗生さんを官房副長官として岸田首相に強く推薦したのが木原さんでした」
この密談の場でも
「木原事件」
が話題に上った。
出席者の1人が水を向けると、木原氏は苦笑いしながら、
「いやいや、ご心配おかけして申し訳ございません」
そう言って口を濁すばかりだったという。
むしろ木原氏の口を突いて出たのは、次の選挙のこと。
木原氏の選挙区(東京20区)である東村山市や清瀬市にはそれぞれ西武新宿線と西部池袋線が通っており、西武グループは大きな票田の1つ。
そのため、木原氏は西武HDの後藤会長に、こう頭を下げたというのだ。
「次の選挙は大変厳しい戦いになると思いますので、どうかお力添えの程、宜しくお願い致します」
時間にしておよそ2時間あまり。
財界の重鎮4人と木原、栗生の両官房副長官の”謀議”はこうしてお開きとなったのである。
さて、出席者たちはこの宴席についてどう答えるのか。
まずは東武鉄道の根津会長を訪ね、直撃した。
ーーどういう経緯で集まることに?
★根津
深澤さんや金指さんや後藤さんは、元々、木原さんをご存じだったようだけど、私は初対面。
木原さんは、武蔵高校の後輩だから1回お会いしたいと思っていたら、その3人が
『じゃあセットしましょう』
と。
3〜4週間も前から(日程が)決まっていて、たまたま木原さんが退任されるタイミングと重なったんです。
ーー木原氏の妻に関する話題は出た?
★根津
そんな話は全然出なかった。
私は聞きたかったくらいですけど、誰もその話を振りませんでしたから。

続いて東急不動産HDの金指会長にも話を聞くと、
★金指
ただの懇親会で何の隠された意図もない。
生臭い話なんて一切せず、大所高所的に木原さんの話を聞かせてもらって、大変勉強になる会だったと思うよ。
ーー妻の話は?
★金指
出るわけないだろ。
よしんば話していたとしても、俺が喋るわけないだろ(笑)。

他の列席者には会社を通して取材を申し込んだ。
JR東日本は
「政治家や経済界の方と意見交換することはありますが、個別の案件については回答を差し控えさせて頂きます」、
西武HDも
「回答を控えさせて頂きます」
とした。
栗生氏の携帯に電話すると
「電話での取材はお答えしないことにしています」
と言い、改めて質問状を送ると
「このようなお尋ねにはお答えしないことにしています」
と取材拒否。
木原氏からは期限までに回答がなかった。
酒席の終了後、満面の笑みで黒塗りのハイヤーに乗り込んだ木原氏。
官房副長官の重責から解放されても、説明責任がなくなるわけではない。

http://www.asyura2.com/23/senkyo291/msg/334.html#c56

[政治・選挙・NHK292] 衆参補選1勝1敗後の岸田政局(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
14. 2023年10月23日 23:36:12 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[56]
<▽35行くらい>
主張
衆参補選1勝1敗 厳しい戦いの理由考えよ
2023/10/23 5:00
https://www.sankei.com/article/20231023-4D2KTHCTI5LSZIWMZQN53M6RE4/
衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の両補欠選挙の投開票が行われた。
自民党候補は衆院補選では勝利したが、参院補選で敗北を喫し、議席を維持できなかった。
選挙戦は、各種世論調査で岸田文雄内閣の支持率が発足以来、軒並み最低を記録する中で行われ、いずれも与野党一騎打ちの構図だった。
選挙結果は岸田首相の衆院解散戦略に影響を与えると言われ、次期衆院選の前哨戦とも位置付けられていたため、各党は総力戦で臨んだ。
立憲民主党など野党の支持率も低迷している。
自民は衆院補選で勝利したとはいえ、厳しい戦いを強いられた。
参院補選の敗北を含め、政権への不信感の表れといえる。
首相と自民は深刻に受け止めねばならない。
政府が進める賃上げが物価高に追いついていないことに、国民は不満を抱いている。
女性の安全を守るのが困難なLGBT理解増進法案をまとめ、通常国会で成立させたことも、信頼を損ねた一因だろう。
2補選のうち衆院長崎4区は、自民の北村誠吾元地方創生担当相の死去に伴うもので、自民、立民の公認候補が戦った。
岸田派の牙城と言われる選挙区で、
「弔い合戦」
となり、勝利したが、遅くまでもつれた。
参院徳島・高知は、秘書への暴行が発覚した自民議員の辞職に伴い行われ、自民公認と立民などが支援する無所属候補が争った。
自民にとってマイナスからのスタートだったが、合区が導入された平成28年以降、勝ち続けてきた選挙区だ。
国内外ともに、先送りが許されない課題は山積している。
物価高対応を柱とした経済対策の取りまとめは、大詰めを迎えている。
2023年年末にかけては、令和6年度予算案の編成作業が本格化する。
賃上げの流れを軌道に乗せなければならない。
イスラム原理主義組織ハマスのイスラエルへの攻撃で、中東情勢は緊迫し、ロシアのウクライナ侵略は長期化している。
中国、ロシア、北朝鮮という専制国家が関係を強める中、防衛力の強化は急務だ。
臨時国会が2023年10月20日に開幕した。
首相には発信の拙さが指摘されている。
所信表明演説や論戦を通じて、国民に伝わる発信を行い、実効性ある政策をスピード感をもって進めてほしい。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/213.html#c14
[政治・選挙・NHK292] 麻生太郎氏に「政治家やめろ!」投稿相次ぐ必然 国民無視する岸田首相の“政治手腕”ベタ褒め(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
21. 2023年10月24日 07:49:23 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[57]
<■66行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
所信表明演説 安全保障をもっと語れ 所得減税の必然性がみえぬ
2023/10/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20231024-ATWOMHOLMVOWPKD2H27G5LMOFQ/
岸田文雄首相が臨時国会で所信表明演説を行い、
「職を賭して粉骨砕身取り組む覚悟だ」
と訴えた。
重視する経済政策を含めて内外の諸課題への対応に協力と理解を求めるものだ。
政権への国民の視線が厳しさを増す中での演説である。
衆参両院の補欠選挙で自民候補は衆院長崎4区で勝ったが、参院徳島・高知選挙区で敗北した。
首相に求められるのは課題に真摯に取り組む姿勢であり、それを分かりやすく国民に説明する発信力だ。
演説でそれが十分に示されたわけではない。
国会論戦を通じて如何に指導力を発揮できるかが問われよう。
■改憲条文案で指導力を
物足りないのは国の繁栄の基盤である安全保障への言及である。
中東情勢は緊迫し、ロシアのウクライナ侵略は長期化している。
日本周辺でも中国や北朝鮮の脅威が高まっている。
「『ポスト冷戦時代』は終わり、新たな時代へと大きな変化の流れが起きている」
との首相の認識は正しい。
問題はその明確な対応策が伝わってこないことである。
中国は台湾併吞を睨み武力行使も辞さない構えだ。
他国への経済的威圧も目に余る。
首相は日本産水産物への不当な禁輸の撤廃は求めたが、覇権主義的行動を明確に批判することはなかった。
防衛力の抜本強化は反撃能力の保有や継戦能力向上に止まらない。
有事を想定し空港、港湾、シェルターの整備、経済安保など総合的な体制を整える必要がある。
国民の更なる理解を求めなくてはならない。
憲法改正では
「条文案の具体化」
に向け、
「積極的な議論を期待する」
と述べた。
首相は2024年9月までの自民党総裁任期中の改憲を表明してきた。
実現には今国会で原案を大筋でまとめる必要がある。
党総裁として改憲論議を主導すべきである。
所信表明や施政方針演説で触れてこなかった安定的な皇位継承策に言及し、早期に
「立法府の総意」
をまとめるよう呼びかけた。
男系(父系)継承を貫く皇統の歴史を守るべく憲法改正と同様の指導力を求めたい。
北朝鮮による日本人拉致問題では首相直轄のハイレベル協議を進め、
「大局観に基づく判断をする」
と明言した。
被害者や家族は高齢化している。
局面の打開が急務である。
首相が演説で
「経済、経済、経済」
と連呼し、重点を置くとした経済政策には疑問符がつく。
コストカット型経済からの完全脱却を目指し、
「供給力の強化」

「国民への還元」
を車の両輪にすると訴えた。
これを具体化する総合経済対策も近く策定される。
経済は新型コロナ禍の最悪期を脱して改善傾向だ。
長年の宿痾である需要不足もほぼ解消し、賃上げも広がっている。
供給力強化はこの流れを後戻りさせないための措置だ。
労働生産性を高め、人手不足の解消や賃上げに繋げなくてはならない。
首相は3年程度を変革期間とし、賃上げを促す減税や投資減税などを強める考えだ。
実効性の高い施策を講じられるかが問われる。
■世論の歓心買うだけか
問題は国民への還元だ。
物価高に賃上げが追い付かないため負担を一時的に緩和するのだという。
首相は所得税減税を含む検討を与党に指示した。
自民党税制調査会の宮沢洋一会長は減税期間について
「1年が極めて常識的」
と述べた。
低所得層への給付措置も検討の方向だ。
その前に問いたい。
経済が回復する中で所得税を減税する必然性はどれほどあるのか。
物価高対策は、苦境に立つ低所得層に絞るのが筋で、高所得層まで恩恵が及ぶ減税の理由は見い出しにくい。
既にガソリン高を緩和する補助などを一律に行っているのに、幅広い層への減税まで必要なのか。
効果も見極めるべきだ。
減税分が消費より貯蓄に回る可能性はないか。
減税がインフレを助長する恐れはないのか。
実施が法改正後の2024年度以降となるなら即時性に乏しい面もある。
首相はこうした疑問に明確に答えなくてはならない。
不十分なら、世論の歓心を買いたいだけのバラマキと見られよう。
防衛力強化や少子化対策で歳出が増大する中、負担増の議論は避けられない。
与党には、首相がネット上で
「増税メガネ」
と揶揄されることを嫌がっているとの見方がある。
「国民への還元」
がその対策に過ぎないのなら、決して国民の信頼を得られないと認識すべきである。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/216.html#c21
[政治・選挙・NHK292] 岸田自民への逆風鮮明…宮城県議選は6議席減、所沢市長選も自公推薦の現職が落選(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
29. 2023年10月24日 11:15:30 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[58]
<■186行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
保守派が強いアメリカのフロリダ州等では、
「法令上の性別」
は出生時の生物学的特徴によって定まり、以後、性転換手術を受けようが受けまいが変えられないとの立場を州法で成文化した。
手術で法的な性を変更できるとすると、性別違和を感じる若年者が手術を急ぎ、後に激しく後悔する、取り返しのつかない事態を招きかねないからである。
本人がトランスジェンダーを主張し、周りがそう遇するのは自由だが、
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとする今回のような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。

性別変更には手術を…は違憲か 25日に最高裁大法廷が判断
2023/10/23 16:36
https://www.sankei.com/article/20231023-H65BJQF72FN3VCD2U3QFKJUVCI/
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する場合、生殖能力をなくす手術は必要か−。
こんな争点の家事審判で最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)が2023年10月25日に決定を出す。
4年前の2019(平成31)年1月に最高裁で
「合憲」
とされたが、2023年10月に入り家裁で
「違憲」
とする初の司法判断が出た。
社会情勢の変化などを踏まえ、最高裁がどう判断するか注目される。
性同一性障害特例法は、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか、生殖機能を永続的に欠く状態
D変更後の性別の性器に似た外観を備えている
を全て満たせば、家事審判を経て性別を変更できると定める。
Cを満たすには男性は精巣、女性なら卵巣の除去手術などが必須。
Dについても、特に男性から女性への性別変更では手術が必要な場合が多い。
今回、家事審判を申し立てたのは戸籍上は男性で性自認が女性の社会人。
手術は心身への負荷や経済的な負担が大きく、ホルモン治療で生殖機能も減退しているなどと訴えた。
1、2審はCの規定を理由に性別変更を認めず、Dについては判断を示さなかった。
Cの規定を巡っては最高裁第2小法廷が2019(平成31)年1月、手術せずに性別変更前の生殖機能で子が生まれると
「社会に混乱を生じさせかねない」
として
「現時点では合憲」
と指摘。
ただ
「社会の変化などに応じ変わり得る」
とも言及していた。
一方、女性から男性への性別変更を求めた別の家事審判で静岡家裁浜松支部が2023年10月11日付で出した決定では、2019(平成31)年の最高裁決定を踏まえ、生殖腺除去手術を受ける場合のリスクと社会への影響を検討。
▽性別変更後の出産は稀で、混乱も限られる
▽国際的に手術要件は廃止される傾向にある
▽性的少数者への理解増進法が今年施行されるなど社会情勢の変化がある
などとして規定を違憲として性別変更を認めた。
今回、最高裁がCを違憲と判断すれば、特例法の要件自体を見直す必要が生じ、手術を受けずに性別変更を望む当事者全体に影響する。
判断されていないDについて、どの程度踏み込むかもポイントとなる。

性別変更「手術要件」堅持を 女性団体、最高裁に要請
2023/10/19 22:17
https://www.sankei.com/article/20231019-LC5UOI3XKVJNVELVOVCJCBFOTQ/
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する場合、性別適合手術を要件とする現行法の規定の合憲性が争われている家事審判を巡り、女性有志の市民団体
「女性の定義を守る会」
は2023年10月19日、最高裁判所に要件の堅持を求める要請書を提出した。
家事審判は2023年10月25日に最高裁大法廷が決定を出す。
2004(平成16)年施行の性同一性障害特例法は、性別変更の審判を受ける要件に
「18歳以上」
「未婚」
などに加え、
「生殖腺の機能を永続的に欠く状態にある」
と定めている。
特例法で性別を変更するには、性別適合手術を受けた場合がほとんどだ。
同会は要請書で、法的な性別変更を可能にした特例法そのものが
「女性の尊厳を著しく侵害している」
と主張。
「性別の在り方を自分で決められる権利は他者の人格を侵害する」
と訴え、家事審判について合憲判決を求めた。
同会の青谷ゆかり共同代表は産経新聞の取材に、要件緩和の流れについて懸念を示し、
「(性犯罪目的の男が制度を悪用し)性犯罪が今よりも起こりやすい環境になってしまう」
「(自らの性を自身で決める性自認で法的な性別の変更を可能とする)『ジェンダー・セルフID』の制度化に繋がりかねない」
と語った。
「手術要件」
を巡っては、2023年10月11日に静岡家裁浜松支部が、別の家事審判で
「違憲」
とする初の司法判断を出している。

性別変更の手術要件、25日に再び判断 最高裁大法廷
2023/10/18 17:44
https://www.sankei.com/article/20231018-6JUWKZPBBVM35ARNRN5EBG2MNY/
性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変える場合、生殖能力をなくす手術が必要とする法律の規定が合憲かどうかが争われた家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は2023年10月18日、決定を2023年10月25日に出すと当事者側に通知した。
規定を巡っては最高裁が4年前の2019年1月に
「現時点では合憲」
とする初判断を示しており、改めて判断される。
この規定を巡っては、2023年10月に入り静岡家裁浜松支部が、別の家事審判で
「違憲」
とする初の司法判断を出し、確定。
ただ他の裁判所を拘束する効力はなく、社会情勢の変化などを踏まえて最高裁が再び出す結論に注目が集まる。
性同一性障害特例法は、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか機能を永続的に欠いている
D変更後の性別の性器に似た外見を備えている
の要件を全て満たせば、家事審判を経て性別変更できると定める。
今回、最高裁で審理されている家事審判を申し立てたのは、戸籍が男性で性自認が女性の社会人。
長年のホルモン治療で生殖能力は減退しており、手術しなくても要件を満たしていると訴えている。
最高裁第2小法廷は2019(平成31)年1月、Cの規定について、親子関係や社会の混乱への配慮に基づいており
「現時点では合憲」
としつつ
「社会の変化に伴い継続的な検討が必要」
とする判断を示していた。
今回の家事審判は最高裁の裁判官15人全員で審理する大法廷に回付され、2023年9月に当事者側の訴えを聞く弁論や、当事者が非公開で陳述する審尋が開かれていた。

性別変更時の手術要件は「違憲」 静岡家裁浜松支部が初判断、当事者の申し立て認める
2023/10/12 20:36
https://www.sankei.com/article/20231012-XBK4I5HQLRL5TB5RB4MTKFIAAE/
性同一性障害の診断を受け、戸籍上は女性で性自認が男性の鈴木げんさん(48)が生殖機能をなくす性別適合手術をしないまま、戸籍上の性別変更を求めた静岡家裁浜松支部への申し立てについて、同支部は2023年10月12日までに、性別変更に手術を求める現行法の規定は
「憲法違反で無効」
との判断を示し性別変更を認めた。
2023年10月11日付。
弁護団によると、初の司法判断。
鈴木さんは、幼少期から女性として扱われることに違和感があり、40歳で性同一性障害の診断を受けた。
2021(令和3)年10月に家裁に申し立てた。

正論
最高裁のあり方根本的見直しを 福井県立大学名誉教授・島田洋一
2023/10/9 8:00
https://www.sankei.com/article/20231009-RWMFL5NWYFM65L2RBJ2QQVDQCY/
■米最高裁人事を巡る闘争
民主国家においては、最高裁人事は最高度の政治闘争である。
米国では良くも悪くもその意識が徹底している。
議会の上下両院が通し大統領が署名して成立した法律を、連邦最高裁(定数9人)はその多数決で、即ち僅か5人の判断で無効化できる。
あるいは議会全体として合意が得られない、ないし議会は通過したが大統領が拒否権を発動して成立に至らない問題についても、国民の選挙を経ていない
「5人の法官」
が判断を下し得る。
その決定は往々にして、米国社会を根底から揺るがす。
特に保守派が
「判事席からの立法行為」
と批判する営為である。
最高裁人事が政治闘争の最激戦地と見なされるのは当然だろう。
よく
「大統領を獲るのは2権を獲ること」
と言われる。
上院の承認という関門が待つものの、最高裁に空席が生まれた時、後任を指名する権限を持つのは大統領である。
行政の頂点であるホワイトハウスの鍵を摑むことが、同時に司法の最高機関の構成を左右することに繫がる。
現在、米最高裁の勢力図は、保守派6人対左派3人だが、2016年の大統領選で民主党のヒラリー氏がトランプ氏に勝っていれば、全く逆の構図になっていただろう。
左派が好む判決が次々出されたはずである。
分断が先鋭化する米国で、大統領選がますます
「仁義なき戦い」
の様相を呈する大きな理由の1つがここにある。
■日本の最高裁はどうか
翻って日本の状況はどうか。
現行憲法は
「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」
と規定する(第81条)。
日本の最高裁は法文上、米最高裁以上に強大な権限を有する(米国憲法は裁判所の違憲立法審査権を明文化しておらず、最高裁が判例を通じて自己付与してきた)。
ところがその極めて重大な最高裁の人事に関して日本社会は、余りに無防備であり続けている。
長官、判事合わせて15人の思想傾向はおろか経歴や名前すら知る国民はほとんどいないだろう。
上院の承認が必要な米国と違い、日本では事実上、内閣総理大臣(および側近数名)の一存で判事人事が行われる。
現在、会計検査院はじめ39機関の委員等のポジションが、衆参両院の承認を要する
「国会同意人事」
となっている。
ところが、それらより遥かに重要な最高裁人事に国会は全く関与できない。
「こんなバカな話があるか」
「憲法を改正して国会の同意人事とし、首相が指名した候補者に公開で質疑応答を行い、個々の議員の賛否を明らかにする透明性ある形に変えるべきだ」
との声が、当事者たる国会議員の間から当然上がるべきだと思うが、なぜか全く上がらない。
そのため、各種利益集団による密室談合の結果を首相が惰性で追認する不適材不適所人事が後を絶たない。
還(かえ)ってきた5人の拉致被害者を北朝鮮に送り返すよう主張した外務事務次官や、平和安全法制に反対した内閣法制局長官を
「論功行賞」
で最高裁判事に任用した例など正に言語道断だろう(詳細は拙著『腹黒い世界の常識』参照)。
その最高裁が2023年9月27日、生殖能力をなくす手術を性別変更の要件とした現行の
「性同一性障害特例法」
は差別的で違憲とする申立人の弁論を聞き、即日結審した。
かつて合憲判断を示した最高裁が改めて大法廷で審理する以上、判例を覆し、手術なしで性別変更可能とする方向で決定を下すのではないかと見られている。
■憲法改正すべきだ
ちなみにトランスジェンダー問題について米最高裁は、雇用差別は許されないとした以外は、多数を占める保守派判事が、連邦議会や各州の動きを見守る
「抑制的司法」
の姿勢を堅持しているため、何らの判断も下していない。
そうした状況下、保守派が強いフロリダ州等では、
「法令上の性別」
は出生時の生物学的特徴によって定まり、以後、性転換手術を受けようが受けまいが変えられないとの立場を州法で成文化した。
手術で法的な性を変更できるとすると、性別違和を感じる若年者が手術を急ぎ、後に激しく後悔する、取り返しのつかない事態を招きかねないからである。
本人がトランスジェンダーを主張し、周りがそう遇するのは自由だが、
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとする今回のような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。
最後に繰り返せば、最高裁判事は
「内閣が指名し国会が承認する」
と憲法改正すべきである。
まさか反対する国会議員はいないだろう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/217.html#c29

[カルト47] BBC、ロンドンで親パレ十万人デモ。ハマス=ラエルという事もバレてきて怒り爆発である。 ポスト米英時代
14. 2023年10月24日 12:05:36 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[59]
<■85行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
脱北者さらに数百人が強制送還の危機 中国の収容施設
2023/10/23 19:39
https://www.sankei.com/article/20231023-L6CHKPFZSBN5VC54OQUWDXURAI/
韓国の人権団体が2023年10月23日、ソウルで記者会見し、北朝鮮を脱北して中国で拘束された数百人が近く強制送還され、拷問など過酷な人権侵害に遭う恐れがあると訴えた。
約600人が2023年10月9日に送還されたとされるが、残る多数の送還も差し迫っているとして阻止に向けた行動を国際社会に求めた。
会見したのは
「北朝鮮人権」
の理事長で弁護士の金泰勲(キムテフン)氏ら。
拘束された女性が中国の収容施設で看守に賄賂を渡し、密かに外部に明かした内容として説明した。
女性は2023年10月初め、中国・遼寧省から吉林省の施設に突然、移送され、同施設にいた約350人のうち、約180人が2023年10月9日に強制送還されたという。
別の団体が最近、約600人に上る2023年10月9日の一斉送還で、中国で2000人以上拘束されていた脱北者の2023年8月末からの送還が完了したとの見方を示したが、女性の証言ではこの施設だけで約170人が中国側に残っていた計算となる。
金氏は、中国側に5カ所ほど同様の収容施設があり、数百人以上が近く強制送還される恐れがあるとみている。
会見では中国で2010年に拘束され、北朝鮮に強制送還された経験のある脱北女性の池明希(チミョンヒ)さん(59)が拷問実態を証言した。
池さんは北朝鮮当局者に顔が腫れるまで手や靴で殴られ、韓国との関係を自白するよう強いられた。
2016年に韓国に脱北した後も重い頭痛の後遺症に悩まされている。
北朝鮮の施設ではトイレにも自由に行けず、他の収容者との会話が見つかれば、口を開けさせられ、痰を吐き入れられる罰を受けた。
「脱北者にとって送還は恐怖の代名詞だ」
と涙で訴えた。

浪速風
中朝国境、脱北者の強制送還
2023/10/17 13:00
https://www.sankei.com/article/20231017-546XOY6LRNLBBEMEXNPVIK7XSY/
脱北者600人が中国から北朝鮮へ強制送還された。
2023年10月8日の杭州アジア大会後に大規模に行われたという。
ニュースを聞いて思い出したのが、北朝鮮と国境を接する中国・集安(しゅうあん)を10年前に訪れた時のこと。
▶世界遺産の高句麗・好太王碑(こうたいおうひ)で知られ、国境を流れる鴨緑江(おうりょくこう)の向こうに北朝鮮が見えた。
山麓には平屋の家が20〜30軒あるだけで、夜に明かりがともっていたのは僅か2軒。
翌朝、集落の前に数十人が集まり、一斉に畑を耕し始めた。
赤ちゃんをおぶった母親らしい姿もあった。
▶中国側では遊歩道でジョギングを楽しむ人が行き交う。
1本の川を挟んで対照的な光景だった。
「川の向こうに行きたい」
と思うのは自然な感情だろう。
「脱北者の強制送還」
は、人権に背を向ける両国から逃れようのない庶民の苦悶を凝縮している。
あの時見た赤ちゃんは元気に育っているだろうか。

脱北者送還「事実」と韓国 遺憾表明、中国に問題提起
2023/10/13 12:10
https://www.sankei.com/article/20231013-WJ4PICSSEZJPVIEXMSDGTPM2HI/
韓国統一省報道官は2023年10月13日の定例記者会見で、中国で拘束されていた多数の脱北者が北朝鮮に送還されたとの情報について
「事実とみられる」
と述べた。
個人の意思に反する強制送還は国際規範に背くとして遺憾を表明し
「中国側に厳重に問題提起した」
と明らかにした。
北朝鮮が2023年8月に新型コロナウイルス対策を緩和し、国外滞在者の帰国を認めたことに伴う措置とみられ、韓国で北朝鮮の人権問題を扱う団体が2023年10月11日、約600人が2023年10月9日夜に送還されたと発表。
統一省報道官は2023年10月13日
「脱北者や病人、犯罪者など誰がどれほど含まれているかは確認できていない」
とした。
中国外務省は2023年10月12日、事実かどうかを確認せず
「国内法と国際法、人道主義に基づき常に責任ある態度で適切に対処している」
としていた。(共同)

中国が脱北者600人を一斉に強制送還 拷問の恐れも国際社会の懸念を黙殺
2023/10/12 19:32
https://www.sankei.com/article/20231012-SHTKY7CNINPQ3KSO55RW6BWU5Y/
北朝鮮の人権問題に携わる複数の団体は2023年10月12日までに、中国で拘束されていた脱北者約600人が2023年10月9日夜に北朝鮮へ一斉に強制送還されたと発表した。
送還後の脱北者は収容所に送られたり、拷問されたりと深刻な人権侵害に遭う恐れがあることから、国連や韓国、国際的な人権団体が中国に送還しないよう求めていたが、中国がこれを黙殺した形だ。
北朝鮮が2023年8月下旬に新型コロナウイルス対策を緩和し、国外にいる自国民の帰国を認めたことに伴う措置とみられる。
韓国の団体
「北朝鮮正義連帯」
などによると、中朝国境にある中国の丹東や琿春(こんしゅん)、図們(ともん)といった複数の地域から、中国側で拘束されていた計約600人がほぼ同時に北朝鮮に送還された。
子供も含まれるという。
拘束者には直前に知らされ、
「子供を頼む」
と中国人の夫に連絡した女性もいた。
同連帯によると、送還が始まったのは2023年8月末で、2023年10月8日の杭州アジア大会閉幕後に大規模送還が実行されたという。
これにより、中国に拘束されていた全ての脱北者約2600人の送還が完了したとみている。
韓国政府は事実関係を確認中としている。金暎浩(キム・ヨンホ)統一相は2023年10月11日、国会で
「アジア大会の直後にこうした事態が起きると予想していた」
と懸念を表明した。

http://www.asyura2.com/23/cult47/msg/913.html#c14

[政治・選挙・NHK292] <それみたことか>「減税主導アピール」裏目 税を弄んだ姑息に天罰 衆参補選(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
26. 2023年10月24日 20:15:28 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[60]
<■96行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
所信表明演説 安全保障をもっと語れ 所得減税の必然性がみえぬ
2023/10/24 5:00
https://www.sankei.com/article/20231024-ATWOMHOLMVOWPKD2H27G5LMOFQ/
岸田文雄首相が臨時国会で所信表明演説を行い、
「職を賭して粉骨砕身取り組む覚悟だ」
と訴えた。
重視する経済政策を含めて内外の諸課題への対応に協力と理解を求めるものだ。
政権への国民の視線が厳しさを増す中での演説である。
衆参両院の補欠選挙で自民候補は衆院長崎4区で勝ったが、参院徳島・高知選挙区で敗北した。
首相に求められるのは課題に真摯に取り組む姿勢であり、それを分かりやすく国民に説明する発信力だ。
演説でそれが十分に示されたわけではない。
国会論戦を通じて如何に指導力を発揮できるかが問われよう。
■改憲条文案で指導力を
物足りないのは国の繁栄の基盤である安全保障への言及である。
中東情勢は緊迫し、ロシアのウクライナ侵略は長期化している。
日本周辺でも中国や北朝鮮の脅威が高まっている。
「『ポスト冷戦時代』は終わり、新たな時代へと大きな変化の流れが起きている」
との首相の認識は正しい。
問題はその明確な対応策が伝わってこないことである。
中国は台湾併吞を睨み武力行使も辞さない構えだ。
他国への経済的威圧も目に余る。
首相は日本産水産物への不当な禁輸の撤廃は求めたが、覇権主義的行動を明確に批判することはなかった。
防衛力の抜本強化は反撃能力の保有や継戦能力向上に止まらない。
有事を想定し空港、港湾、シェルターの整備、経済安保など総合的な体制を整える必要がある。
国民の更なる理解を求めなくてはならない。
憲法改正では
「条文案の具体化」
に向け、
「積極的な議論を期待する」
と述べた。
首相は2024年9月までの自民党総裁任期中の改憲を表明してきた。
実現には今国会で原案を大筋でまとめる必要がある。
党総裁として改憲論議を主導すべきである。
所信表明や施政方針演説で触れてこなかった安定的な皇位継承策に言及し、早期に
「立法府の総意」
をまとめるよう呼びかけた。
男系(父系)継承を貫く皇統の歴史を守るべく憲法改正と同様の指導力を求めたい。
北朝鮮による日本人拉致問題では首相直轄のハイレベル協議を進め、
「大局観に基づく判断をする」
と明言した。
被害者や家族は高齢化している。
局面の打開が急務である。
首相が演説で
「経済、経済、経済」
と連呼し、重点を置くとした経済政策には疑問符がつく。
コストカット型経済からの完全脱却を目指し、
「供給力の強化」

「国民への還元」
を車の両輪にすると訴えた。
これを具体化する総合経済対策も近く策定される。
経済は新型コロナ禍の最悪期を脱して改善傾向だ。
長年の宿痾である需要不足もほぼ解消し、賃上げも広がっている。
供給力強化はこの流れを後戻りさせないための措置だ。
労働生産性を高め、人手不足の解消や賃上げに繋げなくてはならない。
首相は3年程度を変革期間とし、賃上げを促す減税や投資減税などを強める考えだ。
実効性の高い施策を講じられるかが問われる。
■世論の歓心買うだけか
問題は国民への還元だ。
物価高に賃上げが追い付かないため負担を一時的に緩和するのだという。
首相は所得税減税を含む検討を与党に指示した。
自民党税制調査会の宮沢洋一会長は減税期間について
「1年が極めて常識的」
と述べた。
低所得層への給付措置も検討の方向だ。
その前に問いたい。
経済が回復する中で所得税を減税する必然性はどれほどあるのか。
物価高対策は、苦境に立つ低所得層に絞るのが筋で、高所得層まで恩恵が及ぶ減税の理由は見い出しにくい。
既にガソリン高を緩和する補助などを一律に行っているのに、幅広い層への減税まで必要なのか。
効果も見極めるべきだ。
減税分が消費より貯蓄に回る可能性はないか。
減税がインフレを助長する恐れはないのか。
実施が法改正後の2024年度以降となるなら即時性に乏しい面もある。
首相はこうした疑問に明確に答えなくてはならない。
不十分なら、世論の歓心を買いたいだけのバラマキと見られよう。
防衛力強化や少子化対策で歳出が増大する中、負担増の議論は避けられない。
与党には、首相がネット上で
「増税メガネ」
と揶揄されることを嫌がっているとの見方がある。
「国民への還元」
がその対策に過ぎないのなら、決して国民の信頼を得られないと認識すべきである。

補選で浮き彫り、無党派の自民党離れ…首相の衆院解散戦略に影響も
2023/10/23 20:50
https://www.sankei.com/article/20231023-OMJ2LABY4ZJR3I2JPCIPIOFZ3A/
衆参2つの補欠選挙で自民党が1勝1敗となった結果に対し、自民幹部からは評価する声が出た一方、党内では危機感が広がった。
特に特定の支持政党を持たない無党派層の自民離れが浮き彫りになっており、岸田文雄首相の衆院解散戦略にも影響を与えそうだ。
自民の茂木敏充幹事長は2023年10月23日の役員会で
「大接戦となった衆院長崎4区補選で勝ち切れたのは大きかった」
と述べた。
小渕優子選対委員長は
「最終盤に党の総力を結集した底力を示せたことは、今後の選挙に向けた弾みになる」
と話した。
しかし、両補選の結果、自民の持っていた2議席は1つ減った。
保守王国と言われた長崎4区での接戦を受け、若手議員は
「厳しい結果だ」
「とても衆院解散などできない」
と話す。
共同通信社が実施した出口調査によると、いずれも自民候補は無党派層の獲得に苦戦した。
参院徳島・高知選挙区補選で落選した自民候補は無党派層の17%しか得られず、当選した野党系の広田一氏の82%に大きく水を空けられた。
長崎4区は自民の金子容三氏が当選したものの、無党派層の獲得は36%と伸び悩み、落選した立憲民主党候補の63%に及ばなかった。
報道各社による内閣支持率が軒並み過去最低を記録するなど、政権批判が直撃したとみられる。
首相は物価高に対応する経済対策に所得制減税を盛り込むよう党幹部に指示した。
だが、衆院徳島2区選出の山口俊一衆院議員運営委員長(自民)は2023年10月23日、国会内で記者団に
「減税云々というのが逆に響いたかな」
「かつての橋本龍太郎首相のように『ぶれた』と」
「最後の1週間で徳島はさっと抜かれた」
と振り返った。
閣僚経験者は
「時期を遅らせるほど、状況は悪くなる」
「衆院解散はなるべき早い方が良い」
と話した。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/224.html#c26

[戦争b24] ガザの惨状を伝える映像で再確認された西側有力メディアの偽ウクライナ報道(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
33. 2023年10月24日 21:10:10 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[61]
<■93行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
世界を解く−細谷雄一
ガザ紛争が示す国際秩序の無極化 ハマス「世論戦」にも注意
2023/10/23 16:00
https://www.sankei.com/article/20231023-4MM474G5MBMNJPJXZNMQIW6FBU/#:~:text=%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%8C%BA%E3%82%AC%E3%82%B6%E3%82%92%E5%B7%A1%E3%82%8B%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%8E%9F%E7%90%86%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%81%AE%E7%B4%9B%E4%BA%89%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BB%96%E6%96%B9%E3%81%A7%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A7%A9%E5%BA%8F%E3%81%AE%E4%B8%BB%E5%B0%8E%E6%A8%A9%E3%82%92%E7%AB%B6%E3%81%86%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%A8%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%81%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%80%8C%E4%B8%96%E8%AB%96%E6%88%A6%E3%80%8D%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82,%E3%81%A0%E3%81%8C%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%82%82%E7%B4%9B%E4%BA%89%E3%82%92%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E5%8A%9B%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82%20%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A7%A9%E5%BA%8F%E3%81%AF%E7%84%A1%E6%A5%B5%E5%8C%96%E3%81%97%E3%80%81%E8%9E%8D%E8%A7%A3%E3%81%97%E3%81%A4%E3%81%A4%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82
パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの紛争は、他方で国際秩序の主導権を競う米国と中国、ロシアの
「世論戦」
でもある。
だが、どの大国も紛争を解決する影響力を持っていない。
国際秩序は無極化し、融解しつつある。
バイデン米大統領がイスラエルでネタニヤフ首相と会談した2023年10月18日、北京で中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が会談した。
ガザ情勢も議論したという。
イスラエルと良好な関係を持つ中露は、イスラエル批判が高まるアラブ諸国寄りの発言を強めている。
王毅共産党政治局員兼外相はイスラエルのガザ攻撃を
「自衛の範囲を超えている」
とし、プーチン氏は米国の中東政策の
「失敗」
が紛争の根本原因と主張する。
中露は米国の覇権的地位に終止符を打つことを狙う。
米国がイスラエルを支援し、イスラエルの
「自治権」
を支持する一方、民間人保護を定める
「戦時国際法の順守」
を求める。
ただ、ネタニヤフ政権がどこまで従うかは分からない。
かつてパレスチナ和平に向けた
「オスロ合意」
を支えた米国の中東に対する影響力は、大きく後退している。
米国はアフガニスタンとイラクの戦争で多くのイスラム教徒を殺害し、イスラム諸国で憎悪の対象となった。
同時にトランプ、バイデン両政権で内向的傾向を強め、中東への関心を大幅に低下させた。
この間に反米のイランが影響力を増し、親米のサウジアラビアは親中に傾斜しつつある。
イスラエルは、ハマスやレバノンの親イラン派民兵組織ヒズボラの攻撃を抑え、国家の安全を確保できれば、報復に出る必要はない。
だが、安全を担保する力のない米国に過度に期待はできない。
ガザ紛争が示すのは、国際秩序を担う上で本来は責任を果たすべき大国の影響力の後退だ。
ソ連時代にアラブ諸国を支援してきたロシアは、ウクライナ侵略で信頼が失墜した。
アゼルバイジャンとアルメニアの紛争を抑えられず、旧ソ連圏での求心力低下も鮮明だ。
中国はサウジアラビアとイランの関係正常化を仲介したとされるが、交渉に深く関与したわけではないと言われる。
中東への関与は、新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒弾圧への批判を抑える目的もあり、防御的と言える。
米国と中露が覇を争う間にグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国が台頭し、地域大国はそれぞれの論理で自律的に動き始めた。
世界秩序全体が不安定化している。
ガザ紛争ではハマスの
「世論戦」
にも注意を払う必要がある。
ハマスによる最初の奇襲攻撃はイスラエルに大規模な報復攻撃をさせ、イスラエルの非人道性を国際的に宣伝するのが狙いだ。
ハマスは軍事力で対抗できないため、周辺国を含む国家間戦争に拡大させることも図っているだろう。
世論戦の争点は
「正当性」
「合法性」
「道徳性」
の3つだ。
イスラエルが市民1000人以上を殺害され、人質を取られた事実を踏まえれば、自衛的な軍事行動を正当する一定の認識は国際社会にある。
一方、これまでのイスラエルの抑圧に対して立ち上がるパレスチナ人の権利を擁護する主張もあるだろう。
道徳性で言えば、イスラエルのガザ攻撃に伴う民間人の犠牲は懸念だ。
このため米欧は戦時国際法の順守という合法性をイスラエルに求める。
ただ、民間施設の地下に軍事施設を作り、ガザ住民を犠牲にするハマスの非人道性は際立っている。
この非人道性はもっと認識されるべきだ。
ハマス攻撃でイスラエルがこの3点をどこまで配慮するかが、世論戦の行方を左右する。
日本も国際的な原則に従って、テロ行為を行うハマスを批判し、イスラエルの自衛的措置を認めつつ、合法性、道徳性への考慮を求めていくのが良い。
http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/894.html#c33
[戦争b24] 「大量殺戮と武力占領をやめろ!」 ガザ侵攻に世界中で非難の声高まる 各地で数万人規模のデモや集会 孤立する米国とイスラ… 赤かぶ
37. 2023年10月25日 11:09:08 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[62]
<■307行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
正論
宗教と政治複雑に絡む中東問題 日本大学教授・松本佐保
2023/10/25 8:00
https://www.sankei.com/article/20231025-P44HBRYBOVP43NFLAZSBBNHF3I/?164693
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは、イスラエルに対しかつてない大規模奇襲攻撃を仕掛け、外国人を含む多数の人質を取った。
イスラエル軍による地上戦が開始されれば、双方に更に多くの犠牲者が出るのは必至だ。
■敵と味方、単純化できない
イスラエルとパレスチナの紛争の歴史は1948年のイスラエル建国に遡り、その直後から第1次から第4次の中東戦争を経て、その後も紛争や戦闘が起きている。
この間、和平仲介や交渉が何度も行われたが、途中上手くいっても最終段階で頓挫してきた。
宗教的にはイスラム教徒のパレスチナ人とこれを支えるアラブ諸国と、ユダヤ教の国家イスラエルの対立だが、イスラムVSユダヤと単純化できず複雑を極める。
これまで和平交渉は、米国の仲介のもとアラブ側からのイスラエルへの歩み寄りや、イスラエル側からのアラブへの歩み寄りがあった。
その前者アラブ指導者にはエジプトのサダト元大統領、後者イスラエルにはラビン元首相が知られるが、両者とも敵ではなく味方の過激派に暗殺されている。
宗教の原理主義や過激主義者は、実は敵より遥かに危険であることを物語っているだろう。
歩み寄りに伴う危険性は今回のハマスによるイスラエルへの攻撃の動機にも見られる。
2020年に成立したアブラハム合意を巡る問題だ。
中東和平をトランプ政権の米国が仲介し、アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーン等が、宿敵だったイスラエルと国交正常化に踏み切った。
アブラハムとはユダヤ教、キリスト教、イスラム教が等しくその存在を認めた預言者アブラハムに由来し、3宗教の共存が謳われた。
合意の背景には石油で裕福なアラブ諸国も、他の産業を興すのにイスラエルの技術、特にIT等が必要で、米国からの経済援助が受けられる思惑があった。
■聖地エルサレムを巡り
この合意にサウジアラビアが加盟交渉を始め、ハマスの攻撃が起きた。
パレスチナを経済的にも軍事的にも支えてきたアラブ諸国に見捨てられることを危惧したハマスが、サウジのアブラハム合意加盟を阻止、世界の注目を浴びるためだったとされる。
ハマスはアラブ諸国に見捨てられた場合に備え、イランからの支援を取り付けていた。
イランは宗教はイスラム教シーア派で、シーア派テロ組織ヒズボラを後押ししている。
イエメン等ではシーア派とスンニ派の激烈な内戦が起きているが、反イスラエルではスンニ派ハマスとシーア派ヒズボラが結託する構図だ。
アブラハム合意を米国が仲介したのには、政治・宗教的事情が絡んでいた。
米国ではユダヤ・キリスト教という表現を頻繁に使う。
これは特にトランプ政権を熱狂的に支えていたキリスト教福音派が好んで使うが、更に推し進めたのが、キリスト教シオニズムである。
シオニズムとは、本来ユダヤ人が国家設立を希求する場合に使う表現だが、これにキリスト教が便乗するものである。
ユダヤ教徒もキリスト教徒も聖地エルサレムを目指し、イスラム教徒を排除してこそ宗教的な救いが実現するという考え方である。
トランプ政権は米大使館を商都テルアビブから聖地エルサレムへ移転した。
大使館移転後に行った米国によるアブラハム合意の仲介は、和平より宗教的な理由、つまりユダヤ・キリスト教、もしくはキリスト教シオニズムのためだったのではと疑いたくなる。
■米大統領選に影響も
更に米国にはアメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)という強固な米イスラエル関係維持を目的とするロビイスト団体がある。
全米ライフル協会より影響力が強いとも言われ、キリスト教福音派を支持層に持つ共和党はもちろん、民主党も逆らうことはできない。
今回の紛争は2024年の米大統領選に影響を与えかねず、共和党候補は早速
「イスラエルへの攻撃は米国への攻撃と同等」
と煽る発言を憚らない。
米国がウクライナ支援よりイスラエル支援を優先する可能性も十分ある。
パレスチナ側だが、アブラハム合意に参加したアラブ諸国は状況を静観しているだろう。
また欧州に多数いるイスラム教徒の移民や、アジアのイスラム教諸国はパレスチナへの支持を表明し、イスラエル支持を表明した欧州政府に対し、デモを行い一部衝突や事件も起きている。
地道な努力で積み上げられてきた宗教間対話や多文化主義が、一瞬にして崩れ去ってしまうことに強い危惧がある。
日本政府はハマスの暴力をテロリストとして糾弾する一方、外務大臣がパレスチナ暫定政府側の代表と会見するなどバランスを図ろうとしている。
日米同盟ゆえのイスラエルとの良好な関係と同時に、資源を持たない国としてパレスチナ側やアラブ諸国との関係維持に努めてきた。
その関係をどう生かすか。
中東問題は決して遠い問題ではなく、日本の役割が問われる時でもある。

世界を解く−細谷雄一
ガザ紛争が示す国際秩序の無極化 ハマス「世論戦」にも注意
2023/10/23 16:00
https://www.sankei.com/article/20231023-4MM474G5MBMNJPJXZNMQIW6FBU/#:~:text=%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%8C%BA%E3%82%AC%E3%82%B6%E3%82%92%E5%B7%A1%E3%82%8B%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%8E%9F%E7%90%86%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%81%AE%E7%B4%9B%E4%BA%89%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BB%96%E6%96%B9%E3%81%A7%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A7%A9%E5%BA%8F%E3%81%AE%E4%B8%BB%E5%B0%8E%E6%A8%A9%E3%82%92%E7%AB%B6%E3%81%86%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%A8%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%81%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%80%8C%E4%B8%96%E8%AB%96%E6%88%A6%E3%80%8D%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82,%E3%81%A0%E3%81%8C%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%82%82%E7%B4%9B%E4%BA%89%E3%82%92%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E5%8A%9B%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82%20%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A7%A9%E5%BA%8F%E3%81%AF%E7%84%A1%E6%A5%B5%E5%8C%96%E3%81%97%E3%80%81%E8%9E%8D%E8%A7%A3%E3%81%97%E3%81%A4%E3%81%A4%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82
パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの紛争は、他方で国際秩序の主導権を競う米国と中国、ロシアの
「世論戦」
でもある。
だが、どの大国も紛争を解決する影響力を持っていない。
国際秩序は無極化し、融解しつつある。
バイデン米大統領がイスラエルでネタニヤフ首相と会談した2023年10月18日、北京で中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が会談した。
ガザ情勢も議論したという。
イスラエルと良好な関係を持つ中露は、イスラエル批判が高まるアラブ諸国寄りの発言を強めている。
王毅共産党政治局員兼外相はイスラエルのガザ攻撃を
「自衛の範囲を超えている」
とし、プーチン氏は米国の中東政策の
「失敗」
が紛争の根本原因と主張する。
中露は米国の覇権的地位に終止符を打つことを狙う。
米国がイスラエルを支援し、イスラエルの
「自治権」
を支持する一方、民間人保護を定める
「戦時国際法の順守」
を求める。
ただ、ネタニヤフ政権がどこまで従うかは分からない。
かつてパレスチナ和平に向けた
「オスロ合意」
を支えた米国の中東に対する影響力は、大きく後退している。
米国はアフガニスタンとイラクの戦争で多くのイスラム教徒を殺害し、イスラム諸国で憎悪の対象となった。
同時にトランプ、バイデン両政権で内向的傾向を強め、中東への関心を大幅に低下させた。
この間に反米のイランが影響力を増し、親米のサウジアラビアは親中に傾斜しつつある。
イスラエルは、ハマスやレバノンの親イラン派民兵組織ヒズボラの攻撃を抑え、国家の安全を確保できれば、報復に出る必要はない。
だが、安全を担保する力のない米国に過度に期待はできない。
ガザ紛争が示すのは、国際秩序を担う上で本来は責任を果たすべき大国の影響力の後退だ。
ソ連時代にアラブ諸国を支援してきたロシアは、ウクライナ侵略で信頼が失墜した。
アゼルバイジャンとアルメニアの紛争を抑えられず、旧ソ連圏での求心力低下も鮮明だ。
中国はサウジアラビアとイランの関係正常化を仲介したとされるが、交渉に深く関与したわけではないと言われる。
中東への関与は、新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒弾圧への批判を抑える目的もあり、防御的と言える。
米国と中露が覇を争う間にグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国が台頭し、地域大国はそれぞれの論理で自律的に動き始めた。
世界秩序全体が不安定化している。
ガザ紛争ではハマスの
「世論戦」
にも注意を払う必要がある。
ハマスによる最初の奇襲攻撃はイスラエルに大規模な報復攻撃をさせ、イスラエルの非人道性を国際的に宣伝するのが狙いだ。
ハマスは軍事力で対抗できないため、周辺国を含む国家間戦争に拡大させることも図っているだろう。
世論戦の争点は
「正当性」
「合法性」
「道徳性」
の3つだ。
イスラエルが市民1000人以上を殺害され、人質を取られた事実を踏まえれば、自衛的な軍事行動を正当する一定の認識は国際社会にある。
一方、これまでのイスラエルの抑圧に対して立ち上がるパレスチナ人の権利を擁護する主張もあるだろう。
道徳性で言えば、イスラエルのガザ攻撃に伴う民間人の犠牲は懸念だ。
このため米欧は戦時国際法の順守という合法性をイスラエルに求める。
ただ、民間施設の地下に軍事施設を作り、ガザ住民を犠牲にするハマスの非人道性は際立っている。
この非人道性はもっと認識されるべきだ。
ハマス攻撃でイスラエルがこの3点をどこまで配慮するかが、世論戦の行方を左右する。
日本も国際的な原則に従って、テロ行為を行うハマスを批判し、イスラエルの自衛的措置を認めつつ、合法性、道徳性への考慮を求めていくのが良い。

阿比留瑠比の極言御免
パレスチナ忖度に一利もなし
2023/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20231012-427SI4BWWBMHVKPHUNYBXP5LCA/
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルとの大規模戦闘は、長期化の様相を示しているという。
イスラエルにしてみれば、奇襲を受けて外国人を含む民間人を多数殺され、更に150人近くが拉致されて人質にされたり、虐殺されたりしているのだから、
「穏便に」
と言われても頷けるわけがない。
■「テロ」表現避ける
岸田文雄首相は2023年10月8日、ハマスによるイスラエル攻撃について
「テロ」
との表現を避けつつ、X(旧ツイッター)でこう発信した。
「ハマス等パレスチナ武装勢力が、ガザからイスラエルを攻撃しました」
「罪のない一般市民に多大な被害が出ており、我が国は、これを強く非難します」
気になるのは、この投稿がハマス側を非難しつつ、イスラエルを名指ししないものの
「全ての当事者」
に自制を求めており、ハマスもイスラエルも
「どっちもどっち」
という印象を与えかねないことである。
日本政府は、イスラエルとパレスチナの双方と対話ができる立場を堅持したいのだろうが、今回のハマスの攻撃は無差別の大規模テロ行為である。
テロの加害者と被害者に
「喧嘩両成敗」
などあり得ない。
そもそもハマスはパレスチナ自治区のガザを実効支配しているだけで、パレスチナの正当な代表者ではない。
むしろ日本政府はこれまでハマスについて、次のようにテロリストに類する組織だと認定していた。
「我が国は平成15年9月30日の閣議了解をもって、ハマスについてテロリスト等に対する資産凍結等の措置の対象としている」
(2021年1月23日の政府答弁書)
にもかかわらず、今更政府が奥歯に物が挟まったような言い方にとどめることに、どれほどの意味があるだろうか。
忖度したからといってパレスチナ自治政府に特に感謝されず、イスラエルと世界のユダヤネットワークの失望を買うだけだろう。
■共同声明「仲間外れ」
先進7カ国(G7)のうち、カナダを除く米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアの欧米5カ国首脳は2023年10月9日、ハマスを非難しイスラエルへの結束した支持を示す共同声明を出したが、日本の名前はなかった。
外務省内では
「仲間外れにされた」
との見方も出ている。
安倍晋三元首相は、平成26年5月にイスラエルのネタニヤフ首相と互いの夫人と4人で食事をした際に、ネタニヤフ氏がパレスチナ自治政府のアッバス議長についてこう語っていたと後に振り返った。
「ちょうど今日のこの席のように食事をした時に、アッバス氏は私に『ハマスを殲滅してくれ』と言っていたのに(態度を融和的に変えて)許せない」
安倍氏は
「イスラエルの話を聞くともっともだと思うし、パレスチナ側の話を聞くとそれもそうだなと思うんだよな」
とも率直に述べていた。
確かに歴史的経緯を見ると、それぞれの言い分があり、簡単に白黒付けてどちらかに与し難いのはその通りだろう。
ただ、それは平時の場合である。
ハマスが民間人や非軍事目標を攻撃し、女性や子供を虐殺、虐待している事実が現前にあって報じられ、SNSで共有されている今
「どっちもどっち」
論は通用しない。

ガザ戦闘、死者2200人超に イスラエルが戦時内閣樹立へ
2023/10/12 1:14
https://www.sankei.com/article/20231012-UWFALHEI45NM3BR6TJIJPD34EA/
イスラエルのガラント国防相は2023年10月10日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの大規模戦闘を巡り、ガザとの境界近くで
「空からの攻撃に着手した。後で地上からも行う」
と述べた。
イスラエル軍は多数の兵士や装甲車両でガザを包囲しており、近く地上侵攻を行うとの観測が強まっている。
イスラエルのネタニヤフ首相と野党党首のガンツ前国防相は2023年10月11日、挙国一致の戦時内閣を樹立することで合意した。
イスラエルメディアによると、イスラエル側の戦闘での死者は約1200人に上った。
ガザ保健当局によると、パレスチナ側の死者は1055人。
死者の合計は2023年10月11日、2200人以上となった。
イスラエル軍は、ガザ空爆によりハマスの幹部2人を殺害したと発表。
一方、ハマスはイスラエル中部アシュケロンに多数のロケット弾を撃ち込み、戦闘は長期化の様相を呈している。
イスラエル南部ベエリでは新たに100人以上の遺体が収容された。
パレスチナのメディアによると、ガザ唯一の発電所が2023年10月11日、燃料切れのため停止した。
イスラエルが占領するヨルダン川西岸では2023年10月7日の戦闘開始以来、治安部隊との衝突でパレスチナ人21人が死亡するなど、ハマスに呼応する形で反イスラエル行動が広がっている。
イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの衝突も激化しつつある。
双方はイスラエル北方の国境付近で2023年10月11日までに4日連続で交戦した。
一方、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は2023年10月10日、記者会見し、ハマスの攻撃後、現地で20人以上の米国人が行方不明となっていると明らかにした。
サリバン氏は、イスラエル軍のガザ攻撃に備え、ガザ住民の安全な脱出の方法についてイスラエル当局と話し合っていると述べた。

多数の人質、未曽有の事態 イスラエル政権に大きな試練
2023/10/11 20:09
https://www.sankei.com/article/20231011-UYNBJIBBPJMYRA6C3DCKZ3JOWA/
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは150人近くのイスラエル人らを人質に取っており、ネタニヤフ政権は難しい対応を迫られている。
地上侵攻を行えば被害が拡大して人質に危険が及びかねず、全員を無傷で救出するのは困難を極める。
イスラエルは過去に経験したことのない事態に追い込まれている。
イスラエルのエルダン国連大使は2023年10月9日、150人近くがガザに拉致されたと述べた。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(電子版)は「130人」に上るとしていた。
ガザに本拠がありハマスと共闘している親イランの過激派「イスラム聖戦」は2023年10月8日、30人以上の人質がいるとした上で、イスラエルの獄中にいる
「全てのパレスチナ人受刑者」
を解放しない限り、人質は帰還させないと述べた。
イスラエルの刑務所には数千人のパレスチナ人受刑者がいるもようだ。
イスラエルの対応が困難なのは、多数の人が拘束されているためだ。
2011年に実現した
「捕虜交換」
では、ハマスが約5年間拘束した軍曹長1人の解放と引き換えに、収監したパレスチナ人服役囚約1000人を釈放した。
ロイター通信は
「今回は多数の人が捕らわれており、こうした交渉は不可能にみえる」
とした上で、イスラエルに地上侵攻など強力な攻撃を躊躇わせる
「人間の盾」
としてもハマス側は利用する、との評論家の見方を紹介した。
イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)によると、軍は人質の身元や所在を確認する特別部門を立ち上げ、治安機関シンベトや警察と協力して特定を急いでいる。
しかしネタニヤフ政権がハマスと身柄交換を交渉するか、人質に危機が及んでも強力な軍事作戦を強行するかは分からないとし
「政府にとっては重大な挑戦」
になるとした。
イスラエルは1976年、ウガンダ・エンテベの空港施設に監禁された多数のユダヤ人を救出したことがある。
しかし、ハマスなどはガザで人質を分散して監視している可能性も指摘され、格段に厳しい環境に直面している。

ハマス人質150人、生後9カ月の赤ちゃんも 行方捜す家族ら悲痛
2023/10/11 20:00
https://www.sankei.com/article/20231011-BYN2HM4DWVLWLH3JWJIO64HKOE/
パレスチナ自治区ガザの境界を越えイスラエル側に侵攻したイスラム原理主義組織ハマスの戦闘員は、多くの住民らを虐殺、拉致した。
イスラエル当局によると、ハマスの人質となったのは150人ほどとみられ、女性や子供、外国人も含まれている。
家族や友人は海外メディアや交流サイト(SNS)を通じて悲痛な思いを語り、行方を捜している。
2023年10月7日朝、ガザ境界近くで開かれていた野外音楽コンサートには、多くの若者や家族連れ、外国人旅行客が集まっていた。
そこに突然ハマスの戦闘員が現れて無差別に銃撃を始め、人々が一斉に逃げ出す様子がSNSに相次いで投稿された。
ガザの市街地で、トラックの荷台に下着姿の女性が横たわり、男たちが拳を突き上げながら
「神は偉大なり」
と叫ぶ動画も拡散した。
「非常に悪い状況ですが、まだどこかで生きていると望みを持っています。娘を交渉に使わないでほしい」
ドイツ系イスラエル人のシャニ・ルークさん(22)の母親は、米CNNテレビの取材に憔悴した様子で答えた。
友人から動画を知らされ、娘と確認したという。
イスラエル南部でミサイル弾の警報があった早朝、母親が電話をかけると、シャニさんは会場にいて
「車で安全な場所に行く」
と告げた後、電話が繋がらなくなった。
その後、ガザでシャニさんのクレジットカードが使われた記録が判明。
2023年10月10日には、パレスチナ側からシャニさんは頭部に重傷を負い入院していると情報があったという。
SNSには2人の子供を抱く母親が武装集団に取り囲まれる様子も投稿された。
イスラエル南部在住の幼稚園教員、シリ・ビバスさんと3歳と9カ月の子供たちとみられている。
シリさんのいとこの男性が英BBC放送に、2023年10月7日朝から夫妻と祖父母ら一家と連絡がつかないと情報を求めた。
男性は
「食料もおむつも持たずに連れていかれた」
「せめて子供を母親から引き離さないでほしい」
と悲痛な思いを語った。
http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/897.html#c37

[政治・選挙・NHK292] 「今日より明日が良くなる」だとさ 空疎な岸田演説で東証大暴落の予感(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
37. 2023年10月25日 20:36:17 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[63]
<■135行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
保守派が強いアメリカのフロリダ州等では、
「法令上の性別」
は出生時の生物学的特徴によって定まり、以後、性転換手術を受けようが受けまいが変えられないとの立場を州法で成文化した。
手術で法的な性を変更できるとすると、性別違和を感じる若年者が手術を急ぎ、後に激しく後悔する、取り返しのつかない事態を招きかねないからである。
本人がトランスジェンダーを主張し、周りがそう遇するのは自由だが、
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとする今回のような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。

「15人で国の根幹変えてよいのか」ジャーナリストの櫻井よしこ氏、性別変更手術要件の違憲決定に
2023/10/25 20:05
https://www.sankei.com/article/20231025-NQVS2A2S6JMJNCKNLNQTMACDU4/
性別変更に生殖機能をなくす手術が必要だとする性同一性障害特例法の規定を最高裁が2023年10月25日の決定で違憲としたのは、要件を外すことに反対する性同一性障害当事者の多くの意見が無視されたものだ。
強い違和感と危惧を覚える。
決定の多数意見には
「(特例法施行後)これまでに1万人を超える者が性別変更審判を受けるに至っている中で、性同一性障害を有する者に関する理解が広まりつつあり」
とある。
だが、自らも手術を受けて性別を男性から女性に変更した
「性同一性障害特例法を守る会」
の美山みどり代表らは、1万人以上が手術を受け、手術要件が社会制度として定着しているにもかかわらず、手術をせずに男性の姿のままで女性であるということが通じるのは良くないと主張してきた。
美山氏らは、手術要件が違憲となれば
「女性専用スペースに男性器のある女性が入ることが可能になったり、出産する男性が出てきたりして社会が混乱する」
とも訴えてきた。
多数意見は
「手術を受けずに性別変更審判を受けた者が子をもうけることにより親子関係等に関わる問題が生ずることは、極めて稀」
としているが、
「混乱は限定的だから無視してもいい」
という理屈は成り立たない。
15人の最高裁裁判官が幾百世代も繋がって来た日本の価値観や社会の根幹を変えようとしている。
たった15人の判断でこんなに大事なことを変えていいのだろうか。
日本では最高裁の裁判官について1人1人のキャリアや考え方など詳細な情報はほとんど知られていない。
指名・任命権は内閣にあるが、弁護士会枠や外務省枠などがあるのが実態だ。
法律は日本国民の望む方向に社会を作っていくためのものだ。
何故こんなに多くの国民が不安を感じ、多くの女性が信頼できないと思っているような方向に社会を変えていくのか、理解できない。
最高裁の裁判官は国会同意人事にすべきだ。

「手術は唯一の客観的基準」 手術で性別変更の女性、最高裁決定に憤り
2023/10/25 18:49
https://www.sankei.com/article/20231025-SCSXJVEAIZKYDEW5IQSMYJI6FA/
「性同一性障害特例法の規定は私たちと社会との『約束』」
「それを覆す判断は認められない」。
性別適合手術を経て女性に性別変更した当事者で
「性同一性障害特例法を守る会」
代表の美山みどりさん(61)は、生殖不能要件を
「違憲」
とした2023年10月25日の最高裁決定に憤りを露わにした。
「私たちは手術を受けることで社会に受け入れられてきた」
とする美山さんらは2023年8月以降、最高裁に生殖不能要件をはじめとした手術要件を違憲としないよう求めて署名活動を行ってきた。
性同一性障害の当事者を含め、2万筆を超える賛同が集まったという。
美山さんは多様な生き方を尊重しつつも
「手術は、客観的に性別変更の証明が可能なほぼ唯一の手段」
「それが社会の判断の根底に置かれるべきだ」
と説明。
今後、生殖不能要件が撤廃されれば
「当事者が警戒の目で見られ、差別が一層深まることも考えられる」
と懸念する。
海外でも性自認を巡って社会の分断が生じており、
「社会全体で丁寧な議論を積み重ねていくことが重要だ」
と訴えた。

手術要件の条文削除など法改正へ 性同一性障害特例法
2023/10/25 18:31
https://www.sankei.com/article/20231025-QAT2SHYDNFKFVLE7ERNFHZCFA4/
性別変更に生殖機能をなくす手術が必要だとする性同一性障害特例法の規定が2023年10月25日の最高裁決定で違憲で無効とされたことで、政府は特例法の改正を目指すことになる。
平成16年に施行された特例法は、戸籍上の性別が性自認の不一致から公的手続きなどで生じる障害を取り除くのが目的。
複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態
D変更後の性別の性器に似た外観を備えている
の要件を全て満たせば、家事審判を経て性別変更できると定める。
Bは当初、単に
「子がいないこと」
とされていたが、平成20年に要件が緩和された。
@についても、民法改正による成人年齢の引き下げに伴い、2022年4月から性別変更可能な年齢が20歳から引き下げられた。
今回の最高裁決定を受けて、政府は法務省を中心に、Cの規定を条文から削除するか、文言を変更するなどして特例法の改正案をまとめ、国会に提出することが求められる。
一方、決定ではDの要件についての憲法適合性は判断されなかったが、審理が差し戻された高裁での判断や国会などの議論の行方次第では、この要件についても改正の対象になる可能性があり、幅広い検討を迫られそうだ。

戸籍上の性別変更、認められたのは20年間で1万人超
2023/10/25 18:11
https://www.sankei.com/article/20231025-YEXLYKD7KRJOZCRTDGEYATQBXQ/
戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手術が必要だとする性同一性障害特例法の規定について、最高裁は2023年10月25日、規定を
「違憲」
と判断した。
自認する性別が出生時と異なるトランスジェンダーの人が同法に基づき戸籍上の性別を変更するケースは、年々増加している。
最高裁によると、全国の家庭裁判所などで性別変更が認められたのは特例法の施行翌年の平成17年には229人だったが、令和元年は過去最多の9480人に。
その後も年間600〜800人台で推移し、令和4年までの累計で1万1919人にのぼっている。
一方、生殖機能をなくす手術要件を巡っては、2014(平成26)年に世界保健機関(WHO)などが手術の強要は人権侵害で、自己決定や人間の尊厳の尊重に反するとして廃絶を求める共同声明を発表。
海外では要件としない国も増えている。

生殖不能手術要件は「違憲」 性別変更規定巡り最高裁が初判断、4年前から変更
2023/10/25 15:16
https://www.sankei.com/article/20231025-PHRZXWXMHBPZTB3MDTZENUM3CE/
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手術が必要だとする法律の規定の合憲性が争われた家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は2023年10月25日、規定を
「違憲」
と判断した。
裁判官15人全員一致の結論。
4年前の2019年に
「合憲」
とした最高裁判断を変更。
国は規定の見直しを迫られることになる。
最高裁が法令を違憲としたのは12例目。
性同一性障害特例法は、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態
D変更後の性別の性器に似た外観を備えている
の5つの要件を全て満たせば、性別変更できると定めている。
Cを満たすには精巣や卵巣を摘出して生殖能力をなくす手術が欠かせず、Dについても外観の手術が必要となるケースが多いとされる。
家事審判の申し立て人は、戸籍上は男性だが性自認は女性の社会人。
手術は心身や経済的な負担が大きく、ホルモン治療などにより手術なしでも要件を満たしていると訴えた。
1、2審段階ではCの規定を理由に性別変更を認めず、Dについては判断していなかった。
大法廷は2023年10月25日付の決定で、Cの規定について違憲と判断。
Dについては憲法適合性を判断せず、審理を2審に差し戻した。
Cの規定を巡っては、最高裁第2小法廷が平成31年1月、手術せずに性別変更前の生殖機能で子が生まれると
「社会に混乱を生じさせかねない」
として
「現時点では合憲」
と指摘。
ただ
「社会の変化などに応じ変わりうる」
としていた。
2023年10月に入り、女性から男性への性別変更を求めた別の家事審判で静岡家裁浜松支部がCの規定を違憲とする初の司法判断を出していたが、下級審への拘束力はなく、15人の裁判官全員で審理する最高裁大法廷の判断が注目されていた。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/232.html#c37

[政治・選挙・NHK292] 支離滅裂! 岸田首相本人もワケが分からなくなっている経済対策 金子勝の「天下の逆襲」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
21. 2023年10月26日 07:32:41 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[64]
<■484行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
性別変更 社会の不安招かぬ対応を
2023/10/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20231026-WPBHCKJ6B5MB3P4E6DXCRU45AA/
性同一性障害を巡り戸籍上の性別を変更する場合、生殖能力をなくす手術を必要とする法律の規定について、最高裁は
「違憲」
との初判断を示した。
4年前の2019年に最高裁は
「合憲」
としており、性別変更要件を緩和する転換である。
今後の家事審判や法改正など影響は大きく、社会不安や混乱を招かぬよう対応すべきだ。
戸籍上は男性でホルモン治療などを行い、女性として暮らす人が性別変更を求めていた。
性同一性障害特例法では複数の医師の診断を必要とし、未成年の子がいないことなど5つの要件を満たせば家事審判を経て性別を変更できる。
1、2審は生殖能力喪失の要件を理由に性別変更を認めなかった。
最高裁は精巣や卵巣をなくす手術は憲法13条が保障する
「身体への強度の侵襲を受けない自由」
を制約するなどとして違憲と判断した。
性同一性障害の場合、元の生殖機能で子が生まれる状況は極めてまれで、混乱は限定的と見た。
個人の人権をより重く考えた判断だが、社会生活を営む上で周囲の理解は欠かせない。
決定の補足意見には、生殖能力喪失に代わる要件を設けることを含め、立法府の裁量に委ねるとの言及もあった。
法改正に当たっては多くの理解を得られるよう検討を重ねてほしい。
最高裁は変更後の性別の性器に似た外観を備える要件については高裁に審理を差し戻した。
この問題は終わっていない。
LGBTなど性的少数者への理解増進法が成立したが、女性と自称する男性が女性専用スペースに入ることを正当化しかねないとの不安は拭えぬままだ。
厚生労働省が公衆浴場で
「身体的特徴」
で男女を取り扱うことを確認する通知を出したのは、この不安の表れだ。
女性らの権利を守る団体など7団体は手術要件を外せば
「社会的にも法的にも大変な秩序の混乱が起きる」
とし、合憲判断を求める要請書を出していた。
耳を傾ける必要がある。
自己申告による性自認と、医学的見地からの性同一性障害は明確に線引きし考える必要があることも改めて指摘したい。
今回の
「違憲」
判断が強調されるあまり、
「性別は自分で決められる」
といった誤った認識や行き過ぎた性差否定教育に繋げてはならない。

保守派が強いアメリカのフロリダ州等では、
「法令上の性別」
は出生時の生物学的特徴によって定まり、以後、性転換手術を受けようが受けまいが変えられないとの立場を州法で成文化した。
手術で法的な性を変更できるとすると、性別違和を感じる若年者が手術を急ぎ、後に激しく後悔する、取り返しのつかない事態を招きかねないからである。
本人がトランスジェンダーを主張し、周りがそう遇するのは自由だが、
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとする今回のような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。

医学・社会の変化対応 性別変更要件、手術必要の「制約」判断変える
2023/10/25 20:36
https://www.sankei.com/article/20231025-QKT7DJVHPFPIXB2FHCFJRISTLU/
性同一性障害者の性別変更を巡る手術要件について、最高裁大法廷が2023年10月25日、
「違憲」
の判断を示した。
前回の
「合憲」
判断から4年。
手術を望まない当事者にも体に強い負担を強いる
「制約」
と生殖機能が温存されることで生じる
「混乱」
を比較し、医学面や社会的な変化も考慮して変更した形だ。
■「必要性は低下」
性同一性障害特例法が定める性別変更要件のうち、手術が必要とされるのは生殖能力をなくす
「生殖不能要件」
と性器の見た目を近づける
「外観要件」
の2つ。
今回、最高裁が違憲としたのは生殖不能要件だった。
設けられた大きな理由は、変更前の性別の生殖機能により子が生まれるなどした場合、親子関係などの問題が生じ、社会に混乱を生じさせかねない−という
「配慮」
だった。
この日の家事審判の決定で大法廷は、実際に問題が生じることは極めて稀で、
「必要性は低下している」
と指摘。
医療の進展もあり生殖不能要件を課すこと自体が
「医学的に見て合理的関連性を欠くに至った」
とも言及し、要件による制約は
「必要かつ合理的なものということはできない」
とした。
性同一性障害の人のうち、戸籍上は女性で性自認が男性の人は、男性ホルモンの投与で外性器が男性器の形状になり、外観要件を満たすケースが多いとされる。
今回の最高裁決定で、こうした人が手術をせずに、性別変更ができる可能性が高まったと言える。
ただ、戸籍上男性の人は女性ホルモンを投与しても外性器が
「似た外観」
になるとまで言えるかどうかは難しく、依然手術が必要になる余地も指摘される。
■「外観要件」は差し戻しも
また決定では、家事審判の1、2審段階で判断の対象外となっていた外観要件について、15人の裁判官のうち12人が
「審理が尽くされていない」
と判断、高裁に差し戻した。
だが、3人の裁判官は外観要件についても
「違憲だ」
と踏み込み、反対意見を付けた。
三浦守裁判官(検察官出身)は
「規定がなかったとしても公衆浴場の風紀は事業者によって維持されており、混乱が生じることは極めて稀だ」
と指摘。
草野耕一裁判官(弁護士出身)は、外観要件が違憲とされる社会は
「憲法が体現する理念に照らし、合憲とされる社会より善い社会と言える」
とした。
宇賀克也裁判官(学者出身)は
「生殖能力要件と同様、過酷な二者択一を迫る規定だ」
と指摘した。
一方、岡正晶裁判官(弁護士出身)は12人の多数意見に賛同した上で、どんな法改正をするかは
「国会の裁量に委ねられている」
と補足意見を付けた。
性別変更の家事審判は争う相手方がいないため、高裁に差し戻された今回の家事審判は外観要件が違憲と判断されれば、そのまま確定する。
ただその場合、最高裁で審理されないため効果は申立人に限られる。
もし合憲とされ、申立人が特別抗告すれば最高裁が改めて憲法判断を示すことになり、結論は当事者全体に及ぶ見込みだ。

自民議連幹部「困った判決」 性別変更を巡る最高裁決定で
2023/10/25 20:28
https://www.sankei.com/article/20231025-6UTCMWTJ7JMITKHNCEUDOKGO6Y/
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手術が必要だとする性同一性障害特例法の規定について、最高裁が2023年10月25日、
「違憲」
と判断したことを巡り、自民党内から今後の影響を懸念する声が上がった。
安易な性別変更などに繋がれば、社会が混乱しかねないためだ。
「手術要件」
の堅持を訴えてきた自民有志の議員連盟などは慎重に対応を検討する構えだ。
「困った判決だ」
「戸籍そのものが壊される恐れがある」。
自民党の議員グループ
「日本の尊厳と国益を護る会」
の代表を務める青山繁晴参院議員は2023年10月25日、産経新聞の取材にこう述べ、危機感を隠さなかった。
自民有志で作る
「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」
の共同代表を務める片山さつき元地方創生担当相は2023年10月25日、記者団に対し、
「他の共同代表と相談した上で今後の対応を考えたい」
と述べるにとどめた。
議連は2023年9月、斎藤健法相(当時)に対し、
「手術要件が違憲になれば、(戸籍上)男性になった後に生物学的な母であり得たりと、大きな混乱が生じる」
とする声明を提出した。
議連のヒアリングでは、母親団体の代表者が
「手術することなく戸籍を変更すると、体が男性のままの母親≠ェ生まれてしまう」
として、授乳室を元男性と共有する事態などを懸念。
性別適合手術を経て戸籍上の女性になった性同一性障害の人たちも
「手術要件」
の維持を訴えていた。
そもそも、同法は2003(平成15)年に自民議員が立法化を主導した。
党内の慎重論を抑えるため、手術要件などを盛り込んだ経緯がある。
自民若手は最高裁の決定について
「社会の理解が追い付いていない」
「女性や子供の安全を確保するための対応を考える」
と強調した。
2023年6月に施行されたLGBTなど性的少数者への理解増進法の法案作成に自民特命委員会のアドバイザーなどとして携わった一般社団法人
「LGBT理解増進会」
の繁内幸治代表理事は、産経新聞の取材に
「増進法はゆっくり、じっくりとLGBTへの理解を広げるためだ」
「国民的な議論が不十分なまま、性別という社会倫理を覆すような判決は増進法の理念に合わない」
と指摘した。

「15人で国の根幹変えてよいのか」ジャーナリストの櫻井よしこ氏、性別変更手術要件の違憲決定に
2023/10/25 20:05
https://www.sankei.com/article/20231025-NQVS2A2S6JMJNCKNLNQTMACDU4/
性別変更に生殖機能をなくす手術が必要だとする性同一性障害特例法の規定を最高裁が2023年10月25日の決定で違憲としたのは、要件を外すことに反対する性同一性障害当事者の多くの意見が無視されたものだ。
強い違和感と危惧を覚える。
決定の多数意見には
「(特例法施行後)これまでに1万人を超える者が性別変更審判を受けるに至っている中で、性同一性障害を有する者に関する理解が広まりつつあり」
とある。
だが、自らも手術を受けて性別を男性から女性に変更した
「性同一性障害特例法を守る会」
の美山みどり代表らは、1万人以上が手術を受け、手術要件が社会制度として定着しているにもかかわらず、手術をせずに男性の姿のままで女性であるということが通じるのは良くないと主張してきた。
美山氏らは、手術要件が違憲となれば
「女性専用スペースに男性器のある女性が入ることが可能になったり、出産する男性が出てきたりして社会が混乱する」
とも訴えてきた。
多数意見は
「手術を受けずに性別変更審判を受けた者が子をもうけることにより親子関係等に関わる問題が生ずることは、極めて稀」
としているが、
「混乱は限定的だから無視してもいい」
という理屈は成り立たない。
15人の最高裁裁判官が幾百世代も繋がって来た日本の価値観や社会の根幹を変えようとしている。
たった15人の判断でこんなに大事なことを変えていいのだろうか。
日本では最高裁の裁判官について1人1人のキャリアや考え方など詳細な情報はほとんど知られていない。
指名・任命権は内閣にあるが、弁護士会枠や外務省枠などがあるのが実態だ。
法律は日本国民の望む方向に社会を作っていくためのものだ。
何故こんなに多くの国民が不安を感じ、多くの女性が信頼できないと思っているような方向に社会を変えていくのか、理解できない。
最高裁の裁判官は国会同意人事にすべきだ。

「手術は唯一の客観的基準」 手術で性別変更の女性、最高裁決定に憤り
2023/10/25 18:49
https://www.sankei.com/article/20231025-SCSXJVEAIZKYDEW5IQSMYJI6FA/
「性同一性障害特例法の規定は私たちと社会との『約束』」
「それを覆す判断は認められない」。
性別適合手術を経て女性に性別変更した当事者で
「性同一性障害特例法を守る会」
代表の美山みどりさん(61)は、生殖不能要件を
「違憲」
とした2023年10月25日の最高裁決定に憤りを露わにした。
「私たちは手術を受けることで社会に受け入れられてきた」
とする美山さんらは2023年8月以降、最高裁に生殖不能要件をはじめとした手術要件を違憲としないよう求めて署名活動を行ってきた。
性同一性障害の当事者を含め、2万筆を超える賛同が集まったという。
美山さんは多様な生き方を尊重しつつも
「手術は、客観的に性別変更の証明が可能なほぼ唯一の手段」
「それが社会の判断の根底に置かれるべきだ」
と説明。
今後、生殖不能要件が撤廃されれば
「当事者が警戒の目で見られ、差別が一層深まることも考えられる」
と懸念する。
海外でも性自認を巡って社会の分断が生じており、
「社会全体で丁寧な議論を積み重ねていくことが重要だ」
と訴えた。

手術要件の条文削除など法改正へ 性同一性障害特例法
2023/10/25 18:31
https://www.sankei.com/article/20231025-QAT2SHYDNFKFVLE7ERNFHZCFA4/
性別変更に生殖機能をなくす手術が必要だとする性同一性障害特例法の規定が2023年10月25日の最高裁決定で違憲で無効とされたことで、政府は特例法の改正を目指すことになる。
平成16年に施行された特例法は、戸籍上の性別が性自認の不一致から公的手続きなどで生じる障害を取り除くのが目的。
複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態
D変更後の性別の性器に似た外観を備えている
の要件を全て満たせば、家事審判を経て性別変更できると定める。
Bは当初、単に
「子がいないこと」
とされていたが、平成20年に要件が緩和された。
@についても、民法改正による成人年齢の引き下げに伴い、2022年4月から性別変更可能な年齢が20歳から引き下げられた。
今回の最高裁決定を受けて、政府は法務省を中心に、Cの規定を条文から削除するか、文言を変更するなどして特例法の改正案をまとめ、国会に提出することが求められる。
一方、決定ではDの要件についての憲法適合性は判断されなかったが、審理が差し戻された高裁での判断や国会などの議論の行方次第では、この要件についても改正の対象になる可能性があり、幅広い検討を迫られそうだ。

戸籍上の性別変更、認められたのは20年間で1万人超
2023/10/25 18:11
https://www.sankei.com/article/20231025-YEXLYKD7KRJOZCRTDGEYATQBXQ/
戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手術が必要だとする性同一性障害特例法の規定について、最高裁は2023年10月25日、規定を
「違憲」
と判断した。
自認する性別が出生時と異なるトランスジェンダーの人が同法に基づき戸籍上の性別を変更するケースは、年々増加している。
最高裁によると、全国の家庭裁判所などで性別変更が認められたのは特例法の施行翌年の平成17年には229人だったが、令和元年は過去最多の9480人に。
その後も年間600〜800人台で推移し、令和4年までの累計で1万1919人にのぼっている。
一方、生殖機能をなくす手術要件を巡っては、2014(平成26)年に世界保健機関(WHO)などが手術の強要は人権侵害で、自己決定や人間の尊厳の尊重に反するとして廃絶を求める共同声明を発表。
海外では要件としない国も増えている。

森屋官房副長官「関係省庁で精査し適切に対応」 性別変更を巡る最高裁決定
2023/10/25 17:21
https://www.sankei.com/article/20231025-LL3AO4NPV5JWRDST7LJM7TN5RM/
森屋宏官房副長官は2023年10月25日の記者会見で、性同一性障害の人が戸籍上の性別変更を行うのに生殖能力喪失を要件とした特例法の規定を違憲とした最高裁決定に関し、
「関係省庁で決定内容を精査の上、適切に対応をしていく」
と述べた。

生殖不能手術要件は「違憲」 性別変更規定巡り最高裁が初判断、4年前から変更
2023/10/25 15:16
https://www.sankei.com/article/20231025-PHRZXWXMHBPZTB3MDTZENUM3CE/
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手術が必要だとする法律の規定の合憲性が争われた家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は2023年10月25日、規定を
「違憲」
と判断した。
裁判官15人全員一致の結論。
4年前の2019年に
「合憲」
とした最高裁判断を変更。
国は規定の見直しを迫られることになる。
最高裁が法令を違憲としたのは12例目。
性同一性障害特例法は、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態
D変更後の性別の性器に似た外観を備えている
の5つの要件を全て満たせば、性別変更できると定めている。
Cを満たすには精巣や卵巣を摘出して生殖能力をなくす手術が欠かせず、Dについても外観の手術が必要となるケースが多いとされる。
家事審判の申し立て人は、戸籍上は男性だが性自認は女性の社会人。
手術は心身や経済的な負担が大きく、ホルモン治療などにより手術なしでも要件を満たしていると訴えた。
1、2審段階ではCの規定を理由に性別変更を認めず、Dについては判断していなかった。
大法廷は2023年10月25日付の決定で、Cの規定について違憲と判断。
Dについては憲法適合性を判断せず、審理を2審に差し戻した。
Cの規定を巡っては、最高裁第2小法廷が平成31年1月、手術せずに性別変更前の生殖機能で子が生まれると
「社会に混乱を生じさせかねない」
として
「現時点では合憲」
と指摘。
ただ
「社会の変化などに応じ変わりうる」
としていた。
2023年10月に入り、女性から男性への性別変更を求めた別の家事審判で静岡家裁浜松支部がCの規定を違憲とする初の司法判断を出していたが、下級審への拘束力はなく、15人の裁判官全員で審理する最高裁大法廷の判断が注目されていた。

性別変更要件 決定要旨
2023年10月26日 産経新聞
性同一性障害特例法の規定を違憲とした2023年10月25日の最高裁大法廷の決定要旨は次の通り。
【多数意見】
特例法は性別変更の要件として
「生殖腺がない、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」
と規定し、該当するには原則、生殖腺除去手術を受ける必要がある。
規程は、治療としては手術を要しない性同一性障害者に対し、性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けるという、個人の人格的利益を実現するために、手術を受けることを余儀なくさせる。
この制約は、憲法13条が保障する
「身体への侵襲を受けない自由」
の重要性に照らし、必要かつ合理的と言えない限りは許されない。
合理的かどうかは、規定の目的のために制約が必要とされる程度と、制約される自由の内容、性質、具体的な制約の態様などを衡量して判断すべきだ。
規定の目的は、性別変更審判を受けた人が変更前の性別の生殖機能により子が生まれることがあれば、親子関係の問題が生じかねないなどの配慮に基づくと解される。
しかし、規定がなかったとしても問題が生じることは極めて稀だ。
法律上の親子関係は、法令解釈、立法措置により解決を図ることができる。
加えて、特例法施行から約19年が経過し、1万人超が性別変更審判を受けた中で、性同一性障害への理解は広まりつつある。
制約の必要性は、前提となる諸事情の変化により低減している。
特例法の制定当時は、性別適合手術は段階的治療の最終段階として位置付けられていた。
生殖腺除去手術を受けたことを前提とする要件を課すことは医学的にも合理的関連性があった。
しかし、特例法制定後、段階的治療という考え方が採られなくなり、このような要件は合理的関連性を欠くに至った。
規定は、治療としては手術を要しない性同一性障害者に対し、強度な身体的侵襲である手術を受けることを甘受するか、または性自認に従った取り扱いを受けるという重要な法的利益を放棄して性別変更審判を断念するかという過酷な二者択一を迫るものになった。
生殖能力の喪失を性別変更の要件としない国が増えていることも考慮すると、制約の程度は重大だ。
以上を踏まえると、規定による制約は、現時点で必要かつ合理的ではなく、憲法13条に違反する。
これと異なる平成31年の最高裁決定は変更する。
申し立てを却下した高裁決定は破棄を免れず、高裁で判断していない特例法3条1項5号の
「性別変更後の性器に近似した外観を備えていること」(外観要件)
に関する主張について、更に審理を尽くすため、高裁に差し戻す。
【三浦守裁判官の反対意見】
外観要件に該当するには、外性器の除去や形成術、または相応のホルモン治療を受ける必要があり、同様に身体への侵襲を受けない自由を制約する。
公衆浴場など社会生活上の混乱を考慮したと考えられるが、性同一性障害者が公衆浴場などを利用して混乱が生じることは極めて稀だと考える。
外観要件による制約の必要性は相当に低い。
他方、憲法13条に反する。
申立人の性別を変更する決定をすべきだ。
【草野耕一裁判官の反対意見】
公衆浴場などで
「自己の意思に反して異性の性器を見せられて羞恥心や嫌悪感を抱くことのない利益」
が損なわれる事態を懸念する人がいることは理解できる。
ただ性同一性障害者の全人口に占める割合の低さなどを考えれば、利益が損なわれる可能性は低い。
外観要件も違憲だ。
【宇賀克也裁判官の反対意見】
外観要件も過酷な二者択一を迫り、違憲だ。
申し立てを認めるべきだ。

性別変更には手術を…は違憲か 25日に最高裁大法廷が判断
2023/10/23 16:36
https://www.sankei.com/article/20231023-H65BJQF72FN3VCD2U3QFKJUVCI/
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する場合、生殖能力をなくす手術は必要か−。
こんな争点の家事審判で最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)が2023年10月25日に決定を出す。
4年前の2019(平成31)年1月に最高裁で
「合憲」
とされたが、2023年10月に入り家裁で
「違憲」
とする初の司法判断が出た。
社会情勢の変化などを踏まえ、最高裁がどう判断するか注目される。
性同一性障害特例法は、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか、生殖機能を永続的に欠く状態
D変更後の性別の性器に似た外観を備えている
を全て満たせば、家事審判を経て性別を変更できると定める。
Cを満たすには男性は精巣、女性なら卵巣の除去手術などが必須。
Dについても、特に男性から女性への性別変更では手術が必要な場合が多い。
今回、家事審判を申し立てたのは戸籍上は男性で性自認が女性の社会人。
手術は心身への負荷や経済的な負担が大きく、ホルモン治療で生殖機能も減退しているなどと訴えた。
1、2審はCの規定を理由に性別変更を認めず、Dについては判断を示さなかった。
Cの規定を巡っては最高裁第2小法廷が2019(平成31)年1月、手術せずに性別変更前の生殖機能で子が生まれると
「社会に混乱を生じさせかねない」
として
「現時点では合憲」
と指摘。
ただ
「社会の変化などに応じ変わり得る」
とも言及していた。
一方、女性から男性への性別変更を求めた別の家事審判で静岡家裁浜松支部が2023年10月11日付で出した決定では、2019(平成31)年の最高裁決定を踏まえ、生殖腺除去手術を受ける場合のリスクと社会への影響を検討。
▽性別変更後の出産は稀で、混乱も限られる
▽国際的に手術要件は廃止される傾向にある
▽性的少数者への理解増進法が今年施行されるなど社会情勢の変化がある
などとして規定を違憲として性別変更を認めた。
今回、最高裁がCを違憲と判断すれば、特例法の要件自体を見直す必要が生じ、手術を受けずに性別変更を望む当事者全体に影響する。
判断されていないDについて、どの程度踏み込むかもポイントとなる。

性別変更「手術要件」堅持を 女性団体、最高裁に要請
2023/10/19 22:17
https://www.sankei.com/article/20231019-LC5UOI3XKVJNVELVOVCJCBFOTQ/
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する場合、性別適合手術を要件とする現行法の規定の合憲性が争われている家事審判を巡り、女性有志の市民団体
「女性の定義を守る会」
は2023年10月19日、最高裁判所に要件の堅持を求める要請書を提出した。
家事審判は2023年10月25日に最高裁大法廷が決定を出す。
2004(平成16)年施行の性同一性障害特例法は、性別変更の審判を受ける要件に
「18歳以上」
「未婚」
などに加え、
「生殖腺の機能を永続的に欠く状態にある」
と定めている。
特例法で性別を変更するには、性別適合手術を受けた場合がほとんどだ。
同会は要請書で、法的な性別変更を可能にした特例法そのものが
「女性の尊厳を著しく侵害している」
と主張。
「性別の在り方を自分で決められる権利は他者の人格を侵害する」
と訴え、家事審判について合憲判決を求めた。
同会の青谷ゆかり共同代表は産経新聞の取材に、要件緩和の流れについて懸念を示し、
「(性犯罪目的の男が制度を悪用し)性犯罪が今よりも起こりやすい環境になってしまう」
「(自らの性を自身で決める性自認で法的な性別の変更を可能とする)『ジェンダー・セルフID』の制度化に繋がりかねない」
と語った。
「手術要件」
を巡っては、2023年10月11日に静岡家裁浜松支部が、別の家事審判で
「違憲」
とする初の司法判断を出している。

性別変更の手術要件、25日に再び判断 最高裁大法廷
2023/10/18 17:44
https://www.sankei.com/article/20231018-6JUWKZPBBVM35ARNRN5EBG2MNY/
性同一性障害のある人が戸籍上の性別を変える場合、生殖能力をなくす手術が必要とする法律の規定が合憲かどうかが争われた家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は2023年10月18日、決定を2023年10月25日に出すと当事者側に通知した。
規定を巡っては最高裁が4年前の2019年1月に
「現時点では合憲」
とする初判断を示しており、改めて判断される。
この規定を巡っては、2023年10月に入り静岡家裁浜松支部が、別の家事審判で
「違憲」
とする初の司法判断を出し、確定。
ただ他の裁判所を拘束する効力はなく、社会情勢の変化などを踏まえて最高裁が再び出す結論に注目が集まる。
性同一性障害特例法は、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、
@18歳以上
A結婚していない
B未成年の子がいない
C生殖腺がないか機能を永続的に欠いている
D変更後の性別の性器に似た外見を備えている
の要件を全て満たせば、家事審判を経て性別変更できると定める。
今回、最高裁で審理されている家事審判を申し立てたのは、戸籍が男性で性自認が女性の社会人。
長年のホルモン治療で生殖能力は減退しており、手術しなくても要件を満たしていると訴えている。
最高裁第2小法廷は2019(平成31)年1月、Cの規定について、親子関係や社会の混乱への配慮に基づいており
「現時点では合憲」
としつつ
「社会の変化に伴い継続的な検討が必要」
とする判断を示していた。
今回の家事審判は最高裁の裁判官15人全員で審理する大法廷に回付され、2023年9月に当事者側の訴えを聞く弁論や、当事者が非公開で陳述する審尋が開かれていた。

性別変更時の手術要件は「違憲」 静岡家裁浜松支部が初判断、当事者の申し立て認める
2023/10/12 20:36
https://www.sankei.com/article/20231012-XBK4I5HQLRL5TB5RB4MTKFIAAE/
性同一性障害の診断を受け、戸籍上は女性で性自認が男性の鈴木げんさん(48)が生殖機能をなくす性別適合手術をしないまま、戸籍上の性別変更を求めた静岡家裁浜松支部への申し立てについて、同支部は2023年10月12日までに、性別変更に手術を求める現行法の規定は
「憲法違反で無効」
との判断を示し性別変更を認めた。
2023年10月11日付。
弁護団によると、初の司法判断。
鈴木さんは、幼少期から女性として扱われることに違和感があり、40歳で性同一性障害の診断を受けた。
2021(令和3)年10月に家裁に申し立てた。

正論
最高裁のあり方根本的見直しを 福井県立大学名誉教授・島田洋一
2023/10/9 8:00
https://www.sankei.com/article/20231009-RWMFL5NWYFM65L2RBJ2QQVDQCY/
■米最高裁人事を巡る闘争
民主国家においては、最高裁人事は最高度の政治闘争である。
米国では良くも悪くもその意識が徹底している。
議会の上下両院が通し大統領が署名して成立した法律を、連邦最高裁(定数9人)はその多数決で、即ち僅か5人の判断で無効化できる。
あるいは議会全体として合意が得られない、ないし議会は通過したが大統領が拒否権を発動して成立に至らない問題についても、国民の選挙を経ていない
「5人の法官」
が判断を下し得る。
その決定は往々にして、米国社会を根底から揺るがす。
特に保守派が
「判事席からの立法行為」
と批判する営為である。
最高裁人事が政治闘争の最激戦地と見なされるのは当然だろう。
よく
「大統領を獲るのは2権を獲ること」
と言われる。
上院の承認という関門が待つものの、最高裁に空席が生まれた時、後任を指名する権限を持つのは大統領である。
行政の頂点であるホワイトハウスの鍵を摑むことが、同時に司法の最高機関の構成を左右することに繫がる。
現在、米最高裁の勢力図は、保守派6人対左派3人だが、2016年の大統領選で民主党のヒラリー氏がトランプ氏に勝っていれば、全く逆の構図になっていただろう。
左派が好む判決が次々出されたはずである。
分断が先鋭化する米国で、大統領選がますます
「仁義なき戦い」
の様相を呈する大きな理由の1つがここにある。
■日本の最高裁はどうか
翻って日本の状況はどうか。
現行憲法は
「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」
と規定する(第81条)。
日本の最高裁は法文上、米最高裁以上に強大な権限を有する(米国憲法は裁判所の違憲立法審査権を明文化しておらず、最高裁が判例を通じて自己付与してきた)。
ところがその極めて重大な最高裁の人事に関して日本社会は、余りに無防備であり続けている。
長官、判事合わせて15人の思想傾向はおろか経歴や名前すら知る国民はほとんどいないだろう。
上院の承認が必要な米国と違い、日本では事実上、内閣総理大臣(および側近数名)の一存で判事人事が行われる。
現在、会計検査院はじめ39機関の委員等のポジションが、衆参両院の承認を要する
「国会同意人事」
となっている。
ところが、それらより遥かに重要な最高裁人事に国会は全く関与できない。
「こんなバカな話があるか」
「憲法を改正して国会の同意人事とし、首相が指名した候補者に公開で質疑応答を行い、個々の議員の賛否を明らかにする透明性ある形に変えるべきだ」
との声が、当事者たる国会議員の間から当然上がるべきだと思うが、なぜか全く上がらない。
そのため、各種利益集団による密室談合の結果を首相が惰性で追認する不適材不適所人事が後を絶たない。
還(かえ)ってきた5人の拉致被害者を北朝鮮に送り返すよう主張した外務事務次官や、平和安全法制に反対した内閣法制局長官を
「論功行賞」
で最高裁判事に任用した例など正に言語道断だろう(詳細は拙著『腹黒い世界の常識』参照)。
その最高裁が2023年9月27日、生殖能力をなくす手術を性別変更の要件とした現行の
「性同一性障害特例法」
は差別的で違憲とする申立人の弁論を聞き、即日結審した。
かつて合憲判断を示した最高裁が改めて大法廷で審理する以上、判例を覆し、手術なしで性別変更可能とする方向で決定を下すのではないかと見られている。
■憲法改正すべきだ
ちなみにトランスジェンダー問題について米最高裁は、雇用差別は許されないとした以外は、多数を占める保守派判事が、連邦議会や各州の動きを見守る
「抑制的司法」
の姿勢を堅持しているため、何らの判断も下していない。
そうした状況下、保守派が強いフロリダ州等では、
「法令上の性別」
は出生時の生物学的特徴によって定まり、以後、性転換手術を受けようが受けまいが変えられないとの立場を州法で成文化した。
手術で法的な性を変更できるとすると、性別違和を感じる若年者が手術を急ぎ、後に激しく後悔する、取り返しのつかない事態を招きかねないからである。
本人がトランスジェンダーを主張し、周りがそう遇するのは自由だが、
「法令上の性別」
は変えられない、となれば手術を急ぐ理由は少なくとも法的にはなくなる。
日本のように、手術を要件とした
「特例法」
を作ると、必ず次の段階として、肉体的、経済的に負担の大きい手術を強いるのは人権侵害だとする今回のような訴訟が起こされる。
特例法を廃止し、
「法令上の性別」
変更は不可とした上で雇用差別を禁じるなどの措置を講じるのが正解ではないか。
最後に繰り返せば、最高裁判事は
「内閣が指名し国会が承認する」
と憲法改正すべきである。
まさか反対する国会議員はいないだろう。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/233.html#c21

[政治・選挙・NHK292] <いい加減にしろ!>自民政権また「年金改悪」かよ!保険料納付「60歳→65歳」期間5年延長で負担増100万円(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
40. 2023年10月27日 00:24:01 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[65]
<▽49行くらい>
結党宣言
日本ほど素晴らしい国はないと私は断言します。
神話と共に成立し、以来およそ2000年、万世一系の天皇を中心に、1つの国として続いた例は世界のどこにもありません。
これ自体が奇跡と言えるでしょう。
日本列島は豊かな自然に恵まれていますが、反面、世界有数の地震国であり、台風や河川の氾濫、豪雪など、常に厳しい災害に見舞われてきました。
その中で日本人は互いに助け合う知恵を育み、和して穏やかに暮らしてきました。
古代の漢籍に
「日本人は盗みをしない」
「争いは少ない」
と記されています。
幕末から明治にかけて日本を訪れた欧米人らも一様に、日本の誠実、勤勉、善良さを特筆しています。
同時に私たちの先人は、痛手を受けても立ち直る逞しさをも培いました。
国難の時、先人は勇敢に戦って国を守ってきました。
刀伊の入寇、元寇、幕末も然りです。
19世紀半ばには、列強によって鎖国の扉をこじ開けられ、欧米の植民地争奪戦のジャングルに引きずり出されはしたものの、有色人種の中で唯一、日本だけが独立を守ったばかりか、瞬く間に列強と肩を並べる強国となりました。
ところが、第二次世界大戦により、日本は木端微塵となりました。
300万余の尊い命が失われ、世界最貧国の1つにまで落ちぶれました。
しかしそこから世界が驚倒するほどの復興を見せたのです。
世界第2位の経済大国へと成長し、戦後の日本は世界の平和に貢献し、多くの途上国を援助してきました。
これが、私たちの国、日本です。
その日本の海が、山野が、今、脅かされようとしています。
他国に攫(さら)われた同胞は、何十年も祖国の地を踏むことができません。
野放図な移民政策やLGBT理解増進法に見られる祖国への無理解によって、日本の文化や国柄、ナショナル・アイデンティティが内側から壊されかかっています。
これらを座視していてはなりません。
断固として日本を守るー。
そのための新たな政治勢力が必要です。
30年間、国民の賃金は上がらないまま負担だけが増え、若い人たちが将来に希望を見い出せないでいます。
早急に経済を確かな成長軌道に乗せていく必要があります。
結成したばかりの私たちの党は、巨像のような与党の前では
「蟷螂の斧」
の如き小さな存在でしかありません。
しかし、
「日本を守る」
という堅い意志を持つ国民が1人、また1人と集えば、必ずや大きな力になると信じています。
私の残りの人生を、この党と共に歩むことをお誓いします。
「日本を豊かに、強く」。
皆さん、これを合言葉に、共に歩んでいきましょう。
令和5年10月吉日
百田尚樹
Hanada2023年12月号より

★刀伊の入寇(といのにゅうこう)は、寛仁3年(1019年)に、女真の一派とみられる集団を主体とした海賊が壱岐・対馬を襲い、更に九州に侵攻した事件。
★元寇(げんこう)は、日本の鎌倉時代中期の1274年・1281年に、モンゴル帝国(元朝)及び属国の高麗によって2度に渡り行われた対日本侵攻である。
蒙古襲来とも呼ばれる。
1度目を文永の役(ぶんえいのえき・1274年)、2度目を弘安の役(こうあんのえき・1281年)という。
特に2度目の弘安の役において日本へ派遣された艦隊は、当時世界最大規模の艦隊であった。
★「蟷螂の斧」は”明らかに弱い者が強い者に、自分の力量を振り返らず挑むこと”を指し、勝ち目のない挑戦でも決して下がることなく向かっていくことを意味する言葉となります。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/236.html#c40

[政治・選挙・NHK292] 身内からもケチョンケチョン いよいよヤキが回ってきた岸田政権の行く末(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
29. 2023年10月27日 18:20:49 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[66]
<■199行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日本保守党の衝撃 腹を括って必死で走る
Hanada2023年12月号 ジャーナリスト 有本香
■「結党記者会見」の余波
2023年10月17日、作家の百田尚樹さんと私が立ち上げた政治団体
「日本保守党」(以下、保守党)
の結成記者会見と結党パーティを行った。
2023年10月17日のうちに、フジサンケイはもちろん、NHK、共同、時事、読売、朝日、毎日までほぼ全てのメディアが大きく報じてくれた。
2023年9月の団体設立後、X(旧ツイッター)のフォロワー数で自民党を抜こうが、党員1日で3万人集めようが、既存メディアは全く無視だったものが、状況は一変したのである。
理由は明らかだ。
2023年10月17日、私たちが、日本有数の大都市である名古屋の現職市長、河村たかし氏を保守党の
「共同代表」
に迎えたと発表したからだ。
同時に、河村氏が率いる地域政党
「減税日本」
との
「特別友党関係」
提携を発表し、河村氏の側近で、名古屋市の副市長を務めた広沢一郎氏をも事務局次長に迎えた。
保守党設立の時から、百田氏と私の
「弱点」
もまた明らかだった。
政治の実務経験がないことである。
しかし、衆議院議員を5期、名古屋市長を4期務めた大ベテラン政治家、しかも世襲でない叩き上げ、選挙に強い河村氏とその側近の広沢氏なら、私たちの弱点を補完してくださる存在としてお釣りがくる。
「なぜ、河村と?」
と訝る声もあるが、同じ人々の大半が今まで
「所詮、百田、有本は政治の素人」
「選挙の戦い方1つも分かっていない」
と当方をバカにしていたことを考え合わせると、むしろ河村氏と組んだことの効果の大きさが分かろうというものだ。
確かに、河村たかし市長は毀誉褒貶の多い人ではある。
あの名古屋弁(?)の喋りはだらしなく聞こえるという意見も分かるし、近年の
「メダル噛み」
やら
「アッラーの神」
発言は確かにいただけない。
こうした
「不用意発言」
には、私も直接、苦言を呈している。
しかし、河村氏の優れた、いや傑出していると言っていい点を忘れてはならない。
私が河村氏の知己を得た2012年、いわゆる
「南京発言」
の際、川村氏はメディアからどんなに叩かれようと、地元財界からどれほどの圧力をかけられようと、頑として発言を撤回しなかった。
この姿は日本の政界で稀有だった。
今から11年前の2012年のこの時、私は河村氏に長時間のインタビューをし、南京発言の経緯を詳細に聞くと共に、河村氏の政治信条をも初めて詳しく聞いた。
■1日で党員3万人
”河村ショック”も手伝って、ようやく
「全国メディア」
に載った保守党だが、ここまでの経緯を振り返り、整理しておきたい。
2023年6月、自民党のLGBT法ゴリ押しに怒った百田さんが突如、
「新党立ち上げ」
を言い出したのが始まりだった。
私がそれに賛同して、
「一緒にやろう」
と言ってから1カ月間は構想を練っていた。
政界関係者の話を聞き、過去の新党立ち上げについてヒアリングし、その経緯を調べたが、どうもピンとこなかった。
どうせやるからには、今までにない本当の意味の
「新党」
を作りたい。
これが百田さんとの一致した考えだった。
だから事情通の方の話を聞くのは打ち止めにし、選挙や政治の
「事務方」
経験者探しも一旦やめた。
事務を私1人でも負えるようにしてみてはどうかと考えたのだ。
そのために不可欠なのは完全デジタル化だった。
正確に言うと、
「デジタル化」
ではなく
「初めからデジタル」
である。
今やご存じの方も多いが、我が保守党の党員登録は、個人情報のエントリーから党費の決済までの全てをオンラインで完了させられる。
これは、システムへの初期投資費用こそ要るものの、党運営のマンパワー、事務コストを極力下げるには有効な策で、利点は予想以上に多かった。
まず、党員の傾向を直ちに掌握できる。
どの地域に多いか、男女比、年齢などが瞬時に掴める。
党員に一斉に通信を流すこともでき、イベントへの参加募集、パーティー券を買って頂くことなども容易だ。
このシステムを導入するに当たり、業者の選定、詳しい打ち合わせからカスタマイズ依頼を経て、一旦完成させ、党員募集をスタートさせられたのは2023年9月30日だった。
事前に百田さんとはこう話し合っていた。
「1週間で党員が数百人というレベルだったら、潔く撤退しよう」
「その数百人に丁寧にお詫びをし、返金して、世間にも頭を下げよう」
蓋を開けてみると、この悲観的な予想は裏切られた。
2023年9月30日正午の党員登録スタートから党員の数がうなぎ上りとなり、僅か2時間後には1万人を超え、24時間後となる2023年10月1日正午前に3万人を超えた。
百田さんが言った。
「とりあえず、頭下げんで済んだな」
「有本さん、ありがとう」
■党員数で維新を抜いた
内閣府男女共同参画局の資料によると、国政政党の党員数は次の通り。
日本維新の会が3万9914人、参政党が3万9530人(いずれも2022年10月)。
現段階で保守党の党員数を上回っているのは、自民党(152万2664人)、公明党(45万人)、共産党(26万人)だ。
2023年10月16日現在、保守党の党員数は4万8000人を超えて増え続けている。
正直、ここまでの勢いがあるとは、予想していなかった。
有り難い限りであると同時に、改めて身の引き締まる思いである。
この党員募集より前、2023年9月1日にX(旧ツイッター)のアカウントを開設した時も、保守党は僅か2週間で自民党のフォロワー数を抜いていた。
この時、ネット界隈ではちょっとした騒ぎになっていたのだが、一方で、
「所詮ネット人気」
「ツイッターのフォロワー数なんか、実際の党勢とは全く違う」
とバカにする声も多かった。
これが、1カ月後、党費を払って党員となる人を1日で3万も獲得したことで、プロの評論家からもお褒めを多く頂くようになった。
この状況を
「快挙」
と褒めて下さる方もいるが、私は逆に、既存の国政政党のSNSを使い、ネット活用の鈍さに首を傾げる。
良いことずくめのような保守党の党員登録システムだが、実は既に1つ、
「失敗」
もあった。
「結党の集い」(いわゆる政治資金パーティ)
の参加者募集、パーティ券販売を同システムで行ったところ、思わぬ事態が発生したー。
2023年10月4日正午、パーティ参加者募集をアップしたところ、僅か1時間でパーティ券が完売となってしまったのだ。
SNSには、
「パーティに参加したかったのに、気付いた時には売り切れていた」
「事前に募集を行う旨のメールを党員に流すべきだ」
などのお叱りを受けてしまった。
1人2万円のチケットが数百枚、まさか1時間で売り切れるとは夢にも思わず、販売開始を見届けて、私は呑気にランチに出かけた。
戻ってみると、すっからかん。
押し寄せるお叱りのメッセージにひたすら驚いた。
そもそも、もっと大きな会場を用意すべきだったことを含め、今後、改善を心掛けたい点が多々発見できたこともまた、有り難い。
一方、こうなると、保守党を快く思わない向き、いわゆるアンチも勢いづく。
そんな人たちからは、
「ネットでいくら人気があろうが、国会での議席はゼロじゃないか」
「泡沫ですらない」
という”厳しいお声”をさんざん頂いた。
主に自民党支持者からの声だが、これは当然のご指摘だ。
ネットでのこの勢いを、如何にして
「議席」
へと結び付けるか。
これが課題であることは言うまでもなく、容易でないことも承知しているが、しかし敢えて今、私は申し上げたい。
「日本保守党は、議席だけ、選挙だけに血道を上げる選挙互助会にはならない」
と。
■保守党の政策は?
結党記者会見に続いて開催した
「結党の集い」、
初の政治資金パーティも無事に執り行うことができた。
反省点は幾つかあるが、事故無く盛況のうちに終わったことはホッとしている。
まずは順調な滑り出しができたと言える保守党だが、肝心な政策はどうかというお声もあろう。
そこで、2023年10月17日に発表した
「重点政策項目」
をこの場で披露したい。

日本保守党の重点政策項目(優先して取り組む事柄)
1.日本の国体、伝統文化を守る
@皇室典範を改正し、宮家と旧宮家との間の養子縁組を可能にする。
A名古屋城天守閣の木造復元完遂
BLGBT理解増進法の改正(特に児童への教育に関する条文削除)
2.安全保障
C憲法9条改正(2項の一部削除)
D自衛隊法改正(在外邦人、日本協力者の救助を可能にする)
E海上保安庁法改正(諸外国のコーストガードと同等の対処力を保持する)
F「スパイ防止法」の制定、諜報専門機関への政府投資の促進
G防衛研究への助成促進、防衛産業への政府投資の促進
H外国勢力による不動産(特に土地)買収の禁止(カナダの例を参考に)
I北朝鮮拉致問題解決のために、国内の北朝鮮協力者への制裁強化
J日本版「台湾関係法」制定
3.減税と国民負担率の軽減
K消費税減税・・・まずは8%に、そして5%へ
L名古屋モデルを参考に地方税減税を全国で推進する
Mガソリン税減税
N税の簡素化、不公平感の解消、労働力不足への対応のため「2分2乗」の導入を検討する。
4.外交
O価値観外交ー自由、民主主義、人権等の価値観を共有する国との更なる連携強化
P中国、北朝鮮を念頭に、近隣国での人権問題解決に向けた積極的な働き掛け(日本版ウイグル人権法、強制労働防止法制定)
5.議員の家業化をやめる
Q国会議員の歳費、地方議員の報酬を一般国民並みの給与にまで引き下げる。
R政党交付金を諸外国の事例に鑑み、半額程度に引き下げる。
S資金管理団体の「世襲制」を見直す。
6.移民政策の是正ー国益を念頭に置いた政策へ
㉑入管難民法の改正と運用の厳正化
㉒経営ビザの見直し
㉓特定技能2号の拡大、家族帯同を許す政府方針を見直す
㉔健康保険法改正(外国人の健康保険を別建てにする)
7.エネルギーと産業技術
(日本の優れた省エネ技術を守り活用する。過度な再エネ依存は国益に反する)
㉕再エネ賦課金の廃止
㉖エネルギー分野への外国資本の参入を禁止する法整備
㉗我が国の持つ優れた火力発電技術の活用
㉘電気自動車への補助金廃止(日本の自動車産業の不利益を作らない)
㉙農林水産業の抜本的見直し(就業人口の増大と増産、国内産品の国内消費を強力に進める)
8.教育と福祉
㉚思春期の自殺(1人も死なせない)
対策ー公立高校入試廃止の検討
㉛教科書検定制度(特に歴史)を全面的に見直す(現行制度の廃止)
㉜内申書の廃止、キャリア教育の拡充
㉝少子化による「大学余り」の解消。補助金を減らし統廃合を促す。
㉞留学生制度の見直し(安全保障の観点から出身国を厳選する)
㉟男女共同参画政策に関する支出の見直し
㊱出産育児一時金の引き上げ(国籍条項を付ける)
㊲共同親権制度の導入(民間法制審案を軸に)
これら全てが、河村たかし市長と合意済みのものである。
河村氏の過去の発言を曲解して、
「河村はLGBT推進ダー」
などと騒いでいる界隈があるが、勘違いである。
お陰様で、37項目は党員の多くに好評である。
今後、私たちは様々な失敗をしながら進んでいくことだろう。
腹を括って必死で走るので、末永く、お見守り頂きたくお願い申し上げます。

結党宣言
日本ほど素晴らしい国はないと私は断言します。
神話と共に成立し、以来およそ2000年、万世一系の天皇を中心に、1つの国として続いた例は世界のどこにもありません。
これ自体が奇跡と言えるでしょう。
日本列島は豊かな自然に恵まれていますが、反面、世界有数の地震国であり、台風や河川の氾濫、豪雪など、常に厳しい災害に見舞われてきました。
その中で日本人は互いに助け合う知恵を育み、和して穏やかに暮らしてきました。
古代の漢籍に
「日本人は盗みをしない」
「争いは少ない」
と記されています。
幕末から明治にかけて日本を訪れた欧米人らも一様に、日本の誠実、勤勉、善良さを特筆しています。
同時に私たちの先人は、痛手を受けても立ち直る逞しさをも培いました。
国難の時、先人は勇敢に戦って国を守ってきました。
刀伊の入寇、元寇、幕末も然りです。
19世紀半ばには、列強によって鎖国の扉をこじ開けられ、欧米の植民地争奪戦のジャングルに引きずり出されはしたものの、有色人種の中で唯一、日本だけが独立を守ったばかりか、瞬く間に列強と肩を並べる強国となりました。
ところが、第二次世界大戦により、日本は木端微塵となりました。
300万余の尊い命が失われ、世界最貧国の1つにまで落ちぶれました。
しかしそこから世界が驚倒するほどの復興を見せたのです。
世界第2位の経済大国へと成長し、戦後の日本は世界の平和に貢献し、多くの途上国を援助してきました。
これが、私たちの国、日本です。
その日本の海が、山野が、今、脅かされようとしています。
他国に攫(さら)われた同胞は、何十年も祖国の地を踏むことができません。
野放図な移民政策やLGBT理解増進法に見られる祖国への無理解によって、日本の文化や国柄、ナショナル・アイデンティティが内側から壊されかかっています。
これらを座視していてはなりません。
断固として日本を守るー。
そのための新たな政治勢力が必要です。
30年間、国民の賃金は上がらないまま負担だけが増え、若い人たちが将来に希望を見い出せないでいます。
早急に経済を確かな成長軌道に乗せていく必要があります。
結成したばかりの私たちの党は、巨像のような与党の前では
「蟷螂の斧」
の如き小さな存在でしかありません。
しかし、
「日本を守る」
という堅い意志を持つ国民が1人、また1人と集えば、必ずや大きな力になると信じています。
私の残りの人生を、この党と共に歩むことをお誓いします。
「日本を豊かに、強く」。
皆さん、これを合言葉に、共に歩んでいきましょう。
令和5年10月吉日
百田尚樹
Hanada2023年12月号より
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/244.html#c29

[政治・選挙・NHK292] <「木原事件」遂に刑事告訴!>《速報》「木原事件」をめぐり警視庁大塚署が安田種雄さん遺族を呼び出し〈被疑者不詳の殺人〉… 赤かぶ
14. 2023年10月27日 18:49:57 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[67]
<■2385行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
これからが本番じゃないか。
警察も、現場の捜査員は事件の真相を知りたいと思っている人が多いようだが、上層部は腐っているからな。
木原誠二は今度は捜査に圧力掛けたりしないよな。

岸田最側近 木原副長官 衝撃音声「俺がいないと妻がすぐ連行される」
週刊文春2023年7月13日号
岸田最側近として日本の政策決定を担う木原誠二官房副長官。
実は5年前、妻がある殺人事件の重要参考人として警視庁から聴取されていた。
捜査幹部は
「夫が自民党の国会議員でなければ・・・」。
そして、木原氏の愛人が当時のことを語った音声の存在。
一体、この男は何者なのか。
伊勢国の玄関口として栄えた愛知県名古屋市のベッドタウン。
2018年10月9日、澄んだ空を射抜くように複数台のバンが商業施設に滑り込んだ。
その日の最高気温は27℃。
夏の残り香が漂う中、後部座席を降りた警視庁捜査1課の捜査員らは、隣接する分譲マンションの4階を目指す。
築12年、約80uの部屋には、老夫婦がひっそりと暮らしている。
捜査員の1人が手にしていたのは捜索差押許可状。
そこには
「殺人 被疑事件」
と記されてあった。
「この日、家宅捜索が行われたのは、2006年4月10日未明に覚知した不審死事件に関するものだ」
「本件は長らく未解決の扱いだったが、発生から12年が経過した2018年春に、未解決事件を担当する捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係が中心となって再捜査に着手していた」
(捜査関係者)
その日、部屋に踏み込んだ捜査員は押収品を入れた複数の段ボールを捜査車両に忙しなく運び込んだ。
更に同日、別の捜査員が向かった先は、約350km離れた東京・豊島区のマンションだった。
約80uの部屋に住んでいたのは、産まれたばかりの乳児がいる一家。
捜査員が30代後半の母親に任意同行を求めたが、夫の存在が捜査陣の間でも懸念されていた。
夫とは木原誠二官房副長官(53)、その人である。
「若き財務官僚の頃からモテ男として知られた木原氏は、元ホステスの【X子】さんと結婚」
「2014年に長女、2018年に長男に恵まれ、現在は彼女の2人の連れ子を含む6人家族の大黒柱です」
(木原氏の知人)
2018年当時、木原氏は自民党の政調副会長兼事務局長という枢要な立場にあった。
ポスト安倍を窺う岸田文雄政調会長(当時)の絶大な信頼を得ていたからだ。
そんな男の妻に警視庁捜査1課が突き付けたのは、不審死事件の”重要参考人”の疑いであった。
冒頭の家宅捜索を受けたマンションは、彼女(【X子】さん)の実家である。
それから4年9カ月の月日が流れ、木原氏は更に権勢を増し、今や”影の総理”と言われるほどだ。
岸田首相が掲げる
「異次元の少子化対策」
を発案するなど、重要政策は全て彼の元を通過する。
(中略)
ピカピカの経歴を誇る超エリートである一方で、本妻と愛人A子さん、2つの家庭で子をなし、二重生活を送っている木原氏。
この男、一体何者なのかー。

新緑に囲まれた区立公園に隣接する都内の閑静な住宅街。
美男美女の若夫婦が住み始めたのは、〇〇年頃のことだった。
「元々、あの一軒家は【警察官】”【X子】の父”の一家が住んでいました」
「いつしか両親は引っ越し、代わりに娘さん”【X子】”と若い旦那さんが2人で住むようになった」
「間もなく長男、長女が生まれ、七五三の時は正装してお出かけしたりしていたから、幸せそうな一家に見えましたよ」
(近隣住民)
だが、家族団欒の風景は一変する。
2006年4月10日の出来事だった。
「家の外が騒がしくて目が覚めたところ、パトカーが2台停まっていて、警察官が物々しい様子で出入りしていました」
「部屋からは
『私、何も知らないわ!』
という若奥さん(【X子】)の泣き喚く声がしました」
(同前)
その日不審死を遂げたのは、風俗店勤務の安田種雄さん(享年28)。
彼の当時の妻こそ、【X子】さんだった。
「あの日(2006年4月10日)、息子に貸していたハイエースのバンを返してもらうため、夜中の3時頃に目覚めて息子宅に向かったのです」
「すると家の前に車が路駐してある」
「『この野郎、こんな所に車停めて』と思いながら家に行くと、玄関のドアが開いていたんです」
時折言葉を詰まらせ、沈痛な面持ちで振り返るのは、安田種雄さんの父である。
1階には台所、洗面台、トイレなどの生活スペース。
階段を上ると、広い居間がある
この日(2006年4月10日)、真っ暗な室内の底には、ひんやりとした空気が沈殿していた。
「居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです」
「『おい、この野郎、こんな所で寝たら風邪ひくぞ』と身体を起こそうとした時、足の裏を冷たいものが伝った」
(安田種雄さんの父)
部屋の照明のスイッチを手探りで点ける。
眼に飛び込んで来たのは血の海。
そこに息子の亡骸が溺れていた。
血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。
血飛沫は天井に達している。
仰向けに倒れた安田種雄さんは眼を見開き、息絶えていた。
安田種雄さんの父の脳裏には、17年後経った今もその光景が鮮明に焼き付いているという。
「体は硬直し、血は固まりかけていた」
「右の太腿の20〜30cm右には細長いナイフが綺麗に置かれていました」
「住所が分からなかったので、一旦家の外に出て住所表記を確認し、すぐ110番通報しました」
通報時刻は、2006年4月10日の午前3時59分。
日の出の1時間ほど前の住宅街は闇に覆われ、外は摂氏10℃に満たず、吐く息は白かった。
「(管轄である)大塚署の警察官が駆け付け、私は1階で事情聴取を受けました」
「気になったのが、【X子】と子供2人の存在」
「刑事さんに
『どこにいるんですか』
と聞くと、
『本人は2階の奥の寝室にいたそうです』
と言うんです」
(安田種雄さんの父)
【X子】さんは警察の調べに対し、
「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」
と供述したという。
「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた」
「死因は失血死」
「更に安田種雄さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された」
(前出・捜査関係者)
警察の当初の見立ては、覚醒剤乱用による自殺ではないかというものだった。
「2階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約2cm四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた」
「刑事さんに
『何で血が付いているんですか』
と聞くと
『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですか』
と言っていた」
「それに自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか」
「疑問点を考え出せばキリがなかった」
(安田種雄さんの実父)
更に遺族に追い打ちをかける事態が続く。
翌日(2006年4月11日)、安田種雄さんの両親は大塚署前の喫茶店で親族と共に、捜査員からの遺体の引き取りについての連絡を待っていた。
電話を掛けて来た捜査員は
「【X子】さんは遺体を引き取らないそうです」
という。
ほどなくして【X子】さんから電話があった。
「私、遺体は引き取りません」
「・・・お父さんの心境はどうですか?」
安田種雄さんの父は、言葉を失った。
「今でも忘れられない」
「私は
『葬式の時は子供も連れて線香の1本でもあげに来なさい』
と言いましたが、すぐに電話が切れてしまった」
「彼女と話したのは、それが最後」
「それから今まで孫と会うことも出来ていません」
(安田種雄さんの父)
前出の捜査関係者が語る。
「遺族が納得していないことを考慮し、自殺として処理するのではなく、未解決の不審死事案として扱うことになったのです」
(中略)
やがて夫婦関係は別の男性の出現により瓦解する。
「種雄と【X子】はフリーマーケットが好きで、大井競馬場や代々木公園で店を出すことが多かったのですが、そこで靴を売っていたYという男と知り合った」
「ある時、家族皆でフリマに遊びに行ったところ、いるはずの【X子】がいない」
「種雄のベンツの車内で、Yと2人きりで寝ていました」
(安田種雄さんの父)
10歳ほど上のY氏と親密になった【X子】さんは、やがて子供を連れ、夫(安田種雄さん)の元を飛び出した。
安田種雄さんの親友が言葉を続ける。
「種雄が死ぬ半年ほど前です」
「『離婚したいんだ。でも子供は俺が守りたい』と言っていた」
「相当悩んでいるように感じました」
その後の半年間は、壮絶な日々の連続だった。
「1〜2カ月間、【X子】は行方不明になり、その度に種雄はYと連絡を取り、居場所を探しに行く」
「大阪や浜松に行っているらしい、とYから聞かされれば、その足で探しに行っていました」
「ある日、種雄に電話すると
『子供たちに会いに大阪に来た。Yが大阪にいるって言うからね』
と大好きな子供たちを探し回っていた」
「でも、種雄は【X子】とYに騙されていたんです」
(安田種雄さんの父)
不審死を遂げる1週間前の出来事だった。
「種雄君と離婚します」
「『離婚するのに判子が必要だったら、お父さんに聞いて』
って彼が言っているんですけど、お父さん、いいですか?」
電話口で安田種雄さんの実父に対し、【X子】さんは冷静にそう言った。
安田種雄さんの父は
「それなら2人で来なさい」
と話したが、結局彼女が実家を訪れることはなかった。
「【X子】が1〜2カ月ぶりに自宅に戻ってきたのは、事件前日(2006年4月8日)」
「その日、種雄はYの地元に入り浸っていた【X子】と子供たちを車に乗せて連れ戻してきたのです」
「種雄に電話で
『離婚届に判を押したのか』
と聞いたら
『押したよ。手元にある40〜50万円を【X子】に全部渡した』
と言っていた」
(安田種雄さんの父)
安田種雄さんが不帰の客となったのは、それから間もなくのことだったー。
(中略)
「大塚署刑事課です」
「息子さんのことで捜査をしています」
「実は、不審な点が見つかりました」
2018年春、安田種雄さんの父の携帯がけたたましく鳴った。
電話口で名乗った女性刑事が、そう告げる。
その瞬間、押し込めていた感情が決壊し、安田種雄さんの父の目から涙が溢れ落ちた。
保管していたタンクトップとカーゴパンツを捜査当局に提出、速やかにDNA鑑定が行われた。
だが、12年の歳月を経て、なぜ事件が動き始めたのか。
ある捜査幹部が次のように打ち明ける。
「彼女(女性刑事)は東京都内にあるコールドケース(未解決事件)のうち、大塚署管内で発生した事案を掘り起こす担当で、この事件に疑念を抱いたのです」
「彼女(女性刑事)が着目したのは、自殺というには余りに不自然なナイフへの血の付き方でした」
更に自戒を込めて、次のように話すのだ。
「身内の恥を晒すようですが
『当時、よくこれを簡単に自殺と見立てたな』
という思いです」
「確か2006年頃は、今と違い、全ての事案に検視官を呼ぶこともなかった」
「署の判断で処理できる時代でした」
その後、捜査は大きく動き始める。
キーマンとして浮上したのは、不審死事件当時、【X子】さんと親密だったY氏である。
「事件当日のNシステムの捜査により、Yの自家用車が現場方面に向かっていたことが判明」
「2018年当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監中でしたが、女性刑事らが面会を重ね、粘り強く聞き取りを行ったのです」
(別の捜査幹部)
■本当に悔しいです
当初、Y氏は
「現場には行っていない」
「知らない」
と繰り返していたが、2018年夏、度重なる事情聴取に対し、遂に、こう自白した。
「あの時、【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
「『どうしたんだ?』
と聞いたら【X子】は
『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた』
『刃物を握らされたので切ってしまった』
と告白された」
この供述により、特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に30人以上の精鋭が集められ、事件は解決に向けて大きく舵を切る。
「東大にデータを持ち込み、刺した時のナイフの角度による人体への影響などを徹底的に分析してもらったところ
『自殺することは不可能ではないが、不自然である』
と結論付けられ、他殺の可能性が高まったのです」
(前出・捜査幹部)
その後、内偵が進められ、2018年10月、冒頭の家宅捜索が行われたのだ。
自宅で任意同行を求められた際、木原氏と【X子】さんは生後間もない男児がいることを理由に一旦拒否。
木原氏の知人である弁護士に連絡したという。
「結局、子供のことを配慮し、時間的な制約を設けるという条件で出頭することになった」
「しかし、【X子】さんは
『事件には関与していません』
『記憶にありません』
『分かりません』
ばかりで、その後、5〜6回ほど聴取を重ねたが、有益な供述は得られなかった」
「事件当日、Yに電話を入れたことも否定した」
(同前)
時を同じくして木原氏も捜査員と複数回”面会”している。
木原氏は刑事を前に
「女房を信じている」
などと語る一方、次のように吐き捨てたこともあった。
「2006年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうして、その時にやってくれなかったんですか!」
しかしー。
2018年11月、世田谷内の団地に足を運んだ捜査員の1人は力なく頭を垂れ、安田種雄さんの父に告げた。
「事件から外されることになりました」
「本当に、本当に悔しいです」
それを聞いた安田種雄さんの母は無念の涙を拭う。
捜査員の目からも同時に、光るものが零れ落ちていた。
「この数カ月、刑事さんは
『これは殺人事件です』
『犯人のことが許せないですか』
と私に聞いてきて、私の言葉を紙に書き記したりしていた」
「それが途中で折れてしまった」
「種雄の遺骨は今もそこに置いてあるんです」
「女房がね、
『私が死んだ時に一緒に入れる』
と言って」
「あの野郎(種雄さん)が犬死になって、そのまま終わっちゃうのか・・・」
(安田種雄さんの父)
それから間もなく、世田谷署に呼び出された安田種雄さんの父は捜査の縮小を告げられた。
「人数は減りますが、捜査は続けます」
あれから4年余。
木原氏は更に偉くなった。
安田種雄さんの父の元にはその後、1度も警察から連絡はない。
納骨する気にならず、今も仏壇の写真に手を合わせる日々が続いている。
【X子】さんは現在、不審死事件の被疑者とされているわけではない。
一体なぜ、捜査は幕を閉じたのかー。

今回、小誌取材班は安田種雄さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩き、丹念に事実関係を検証した。
その結果、複数の捜査員が
「自民党の政治家の家族ということで捜査のハードルが上がり、より慎重になった」
と口を揃えたのだ。
前出とは別の捜査幹部は苦々しい表情でこう語った。
「Yの供述があって旦那が国会議員じゃなかったら、絶対逮捕くらいできるよな」
「でも、殺人の容疑で国会議員の女房を逮捕しておいて、自白も取れず、やっぱり起訴できませんでした、っていいうわけにはいかねえだろ」
「だから、木原さんが離婚するか、議員を辞めれば着手できると思っている」
「木原さんはそれを分かっていて奥さんを守ったんだよ」
別の当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。
「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」
「これで逮捕したら自民党が滅茶苦茶になる」
「一般人よりもハードルが上がった」
そして政権与党の有力議員の妻が
「殺人事件の容疑者」
として逮捕されれば、国家の一大事だと呻いた。
「国の政治がおかしくなっちゃう」
「話が大き過ぎる」
「自民党を敵に回すよ」
「最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が
『やめろ』
という話」
「GOを出す時は当然警視総監の許可もいる」
「普通のその辺の国会議員ならまだしも木原だよ、相手は・・・」
(同前)
他にも多くの捜査関係者が悔しさを滲ませた。
「1個人としては、頑張って記事書いてよ、と言いたい」
と明かす者もいた。
一般人なら逮捕して時間を掛けて取り調べれば自白したかもしれないが、有力政治家の妻となるとおいそれと手出しできないーこうした不平等があるとすれば、それ自体問題だが、実はもっと大きな問題がある。
木原氏が自身の影響力を自覚した上で、それを活かせる道を選択した疑いだ。
実は、そのことを詳らかにする1本の録音テープがここにある。
小誌はこれまで3週に渡り、木原氏の愛人と隠し子に関する疑惑を報じてきた。
木原氏は【X子】さんと交際中、銀座の別のホステスだったA子さんと同時に交際。
【X子】さんとA子さんは2014年に相次いで妊娠が判明し、結局、木原氏は約5カ月出産の早かった【X子】さんと入籍した。
だが、その後も木原氏はA子さんの自宅から官邸に度々出勤する二重生活を送っている。
そして、そのA子さんが知人に、不審死事件について木原氏から聞かされたと明かしている音声が存在するのだ(音声は「週刊文春電子版」で公開中)。
「何か家宅捜索が入ったって言っていました」
「全部、家と実家に」
「『俺がいなくなったらすぐ連行される』って」
どこにも報じられていない、知られざる事実を数年前に知人に明かしていたA子さん。
こう続けている。
「(【X子】さんが)連行された時、すぐ来たんですよ、私(の所)に」
「あの人(木原)」
「『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
■凄い雲の上の人に守られて」
これには傍証(間接的な証拠)もある。
「当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事態を知り、木原氏に対し、
『今のうつに別れておけ』
と逮捕前の離縁を促したと聞いています」
(前出・捜査幹部)
だが、A子さんの音声はその後、こう続く。
「やっぱり
『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』
っていう話になり、(私が)
『連行させればいいじゃん』
って言ったら
『子供もいるし、どうすんだ』
みたいな話になって」
結局離婚に踏み切ることはできなかった。

2023年6月下旬、小誌記者は関東近県で暮らすY氏の自宅を訪ねた。
彼は2019年末に宮崎刑務所を出所後、父が営む会社を継ぐため日々汗尾を流している。
同日夜、長身の体軀に彫りの深い面立ちのY氏が帰宅する。
声を掛け、名刺を渡すと
「だいたい察しはつきます」
と呟いた。
近くの公園に移動すると、17年前の遠い記憶を手繰り寄せる。
ーー2006年の事件当日、Yさんは【X子】さんに呼ばれて家に行った?
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
ーーその時、彼女は「刺してしまった」と具体的に話をしていた?
「それも含めて、もちろん刑事さんには色々話していますよ」
「話さないと面倒臭いことにしかならないしね」
「当時、凄い回数来ましたよ」
「20〜30回くらい」
「1回来ると、1週間ぐらいずっと」
「それで1回(東京に)帰って、また向こうで(関係先を)当たって戻ってくる、みたいな」
ーー事件現場は見てしまっている?
「まあ、行っているとすれば、そうです」
ーー壮絶な1日だった。
「うん・・・」
ーー当時、【X子】さんとYさんは交友関係だった?
「まあだから、種雄が死ぬ直前ぐらいから、要するに離婚する、しないって話で」
「(安田種雄さんは)元々三茶(三軒茶屋)の不良で、いい男でしたけどね」
「種雄だって毎日一緒にいましたもん」
「元々俺と種雄が・・・友達で」
「それの奥さんが(【X子】さんだった)」
ーー今彼女は官房副長官の妻という立場です。
「うん」
「ですよね」
「凄い雲の上の人に守られていて」
ーー最後に【X子】さんに会ったのは?
「本当、すげー前ですよ」
「種雄が死んで、1回目の懲役に入るか、入らないかっていう、そんな時ですね」
「結局、男と女だから気持ちが離れる、離れないって分かれば、そこを追ってもしょうがないから」
「もう全然連絡取ってないです」
ーーYさんが宮崎刑務所で刑事に正直に話をしようと思ったのは何故ですか・
「正直、ああいう閉鎖的な中にいて、毎日朝から夕方まで来られちゃうとやっぱり・・・」
「当然、NシステムとかGPSとか、色々なアレで俺がどこにいたっていうのは出ちゃうので」
「結構当たりを付けて来るので、(事件当日)その時間に、俺が自分の車を運転しているっていうのは明白に出ちゃう」
ーー警察は【X子】さんを重要参考人と見ている?
「そうじゃなきゃ、30回も40回も宮崎まで来ないですよね」
「それなりの経費かかって4〜5人で来るわけだから」
「ただ、結局僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と」
「結局そこじゃないですか」
「守られている砦が強過ぎるから」
「例えば、嘘発見器みたいなものも、任意(捜査)ということで(【X子】さんは)拒否して」
「俺からしたら
『シロだったら拒否んなくてもいいじゃん』
って言うね」
Y氏は
「俺もさ、(2023年)年内に親父から会社を継がなくちゃいけないから」
「あの事件のことは関わらない方がいいっていうのがあります」
と語ると、険しい表情で口を噛むのだった。
■「刑事告訴を行います」
当事者である木原夫妻はどう答えるのか。
2023年7月2日夕刻、家族4人で自宅を出た木原氏は赤と黒のツートンカラーのキャリーケースを転がし、タクシーで東京駅に急ぐ。
翌日午後、木原氏は公明党愛知県本部が主催する政経懇話会に菅義偉前首相らと共に出席するため、新幹線で名古屋駅に向かったのだ。
2023年7月3日昼、【X子】さんを名古屋駅内で直撃した。
ーー【X子】さんでいらしゃいますか。
一瞬立ち止まり、露骨に怪訝な表情を浮かべる。
ーー「週刊文春」です。
眼を見開き、すぐさま逸らすと、猛然と去っていく。
ーー安田種雄さんが亡くなられた事件について取材していまして。
「・・・」
ーー2006年の事件ですが。
「・・・」
ーーご自宅にもご実家にも家宅捜索が入った?
「・・・」
何を聞いても終始無言。
名刺や取材の趣旨を記した手紙を渡そうとしたが、彼女が受け取ることはなかった。
同日夕方、【X子】さんの実家を訪ねると、インターホン越しに答えた。
ーー取材で、【X子】さんに関することなのですが。
「ああ」
「それ、答えられない、そんなのはあ」
ーー安田種雄さんのことについて聞きたい。
「ああ」
「だいぶ前の話で、もう忘れました」
ーー2018年の再捜査で、ここも家宅捜索された?
「・・・そんな関係ないでしょう」
「関係ないし、そんなこと、言う必要もないし」
ーー当時、お父さんは現役の警察官でいらした。
「どうしたの、それが?」
「関係ないよ!」
木原氏には何度か電話をかけたが出なかった。
事務所に一連の事実関係について質問状を送ると、代理人弁護士より次のような文書回答が届いた。
「事実無根です」
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
「名誉棄損行為が強行された場合には、直ちに当該行為の全ての実行者及び加担者につき、刑事告訴を行います」
愛人A子さんにも音声で語っている事実関係について尋ねたが、代理人弁護士から
「事実無根です」
との回答が届いた。
二階氏にも木原氏に離婚を勧めたか否かなどを尋ねたが
「記憶にないねえ」
「古い話でしょう」
と答えた。
一連の経緯と愛人の音声から浮上するのは、木原誠二という政治家が自らの政治権力にどう向き合っているのか、に関する疑問だ。
影の総理と言われるほどの権力を有する木原氏が、その力を自覚し、【X子】さんに捜査が及ばないように
「妻」
の地位に留めているーもしこれが事実なら、”法の下の不平等”との謗りは免れまい。

刑事が遺族に「これは殺人だ。無念を晴らす」 木原副長官の嘘を暴く ”怪死、捜査音声
週刊文春2023年7月20日号
5年前、殺人事件の重要参考人として聴取されていた、木原誠二官房副長官の妻。
木原氏は
「事実無根」
と主張し、
「稀に見る人権侵害」
と断じ、刑事告訴を宣言した。
だが、捜査の模様を記録した音声が存在した。
▼「真実が知りたい」被害者父が再捜査を訴えた
▼囲み取材から逃走、法務省はウンザリの傲岸不遜
▼大学ではテニサー、口説き文句は「ピアノを聞かせてあげる」
▼古賀誠、菅義偉・・・天才的ジジ殺しテクニック
▼「木原は早く代えた方がいい」激怒した党幹部の実名
空調設備が放つ無機質な音だけが流れる室内に、堰を切ったように慟哭が響き渡る。
5分以上続いた後、長く重い沈黙が時を刻む。
警視庁大塚署の殺風景な部屋で遺族と向き合った女性刑事が差し出した名刺には
「刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長」
と記されていた。
女性刑事の以前の所属部署は警視庁管内に100件以上存在するコールドケース(未解決事件)を担当する捜査1課特命捜査係だ。
彼らが初めて顔を合わせたのは2018年4月8日のことだった。
「お母さんにとっては衝撃的な写真だと思うので、お父さん、ちょっとこっち来てもらっていいですか」
そう言って女性刑事が提示した複数枚の写真。
父が亡き息子の最期の姿を見るのは、約12年ぶりだ。
父は嗚咽し、時に呼吸を荒らげ、絶望を前に足掻き苦しむ。
小誌が入手した約160分の録音データには、こうして始まった再捜査の様子が記録されていった。

小誌先週号は、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた男性の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた事実を報じた。
また、木原氏の愛人A子さんが木原氏から
「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」
と聞かされていたことを知人に打ち明ける音声も公開した。
小誌は【X子】さんへの事情聴取や実家への家宅捜索の有無について木原氏に確認を求めたが、木原氏は詳細な質問の全てに対して
「事実無根」
と答えるのみ。
更に小誌電子版が公開された2023年7月5日には、木原氏の代理人弁護士が司法記者クラブに
「御通知」
と題したA4用紙3枚の文書を送付。
報道内容について
<史上稀にみる人権侵害>
と批評し、
<速やかに文藝春秋社及び記事掲載にかかる関与者について刑事告訴>
を行うと宣言したのだ。
だが、果たして小誌記事は木原氏の言うように
「事実無根」
なのか。
今回、木原氏の主張を覆す決定的証拠を入手した。
それが冒頭の録音データである。
女性刑事と、亡くなった安田種雄さん(享年28)の両親とのやり取りを記録したものだ。
この中には、次のような音声が残されていた。
★女性刑事
「捜査は尽くされていないので、少なくとも」
「結果はどっちに転ぶか」
「ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」
★母
「よろしくお願いします」
音声では、刑事が事件について、本格的に証拠集めに乗り出している様子が分かる。
■「記事に間違いは全然ない」
★女性刑事
「お母さん、へその緒、持ってます?」
「種雄さんの」
「種雄さんのDNA取れるものって何かありますかね」
★父
「担当の刑事が、検察に『もっと捜査しろ』と言われたらしい」
★女性刑事
「まあ言われるだろうなと思いますね。(中略)こちらがもっと早く手を付けなくてはいけなかったんだと思います」
更に、2018年10月には刑事の1人が安田種雄さんの友人に聴取。
録音データの冒頭には、こんな発言があった。
★刑事
「12年経って『もう1度捜査をきちんとしよう』と」
「まず『事件性があるのではないか』ということで捜査している」
当時、安田種雄さんと【X子】さんの2人の子供は16歳と14歳。
友人が子供たちへの影響を懸念すると、
★刑事
「我々が捜査をする糧と言いますか、それは当然被害者なんですよね」
「亡くなった方の無念」
「ここで死ぬはずがなかった」
「明日があった」
「未来があった」
「あの日、あの時にそれが奪われてしまった」
「こんな無念なことはないと思うんです」
「その無念を晴らせるのが我々警察しかいない」
刑事は
「結論、出さないといけない」
「事件だとしたら犯人(を検挙する)、というのは当然」
「法治国家ですので」
と語る。
それらの録音データから浮かび上がるのは、彼らが事件の解決に向け、並々ならぬ熱意を漲(みなぎ)らせている様だった。
安田種雄さんの父が証言する。
「刑事さんは
『これは殺人事件ですね』
『無念を晴らします』
と」
「『全て解決したら1杯飲みましょう』
なんて話していた」
だが、女性刑事が安田種雄さんの父に”決意表明”を行ってから、僅か8カ月後の2018年12月。
安田種雄さんの父は、捜査の縮小を告げられたのだった。
この音声データが示すのは、木原氏が
「事実無根」
と断じた殺人事件の再捜査が行われていた事実だ。
更に小誌先週号の発売後、捜査幹部の1人は、小誌記者にこう語った。
「記事に間違いは全然ありません」
「『書いてもらいたい』というのは、皆が思っていることだから」
にもかかわらず、木原氏が一連の疑惑について、説明責任を果たそうとしている様子は見られない。
2023年7月7日の午後6時過ぎには、岸田文雄首相と共に、ザ・キャピトルホテル東急の「水簾」で行われた令和臨調メンバーとの会食に参加し、鮎を突きながら和やかな時間を過ごした。
同席した元東大総長の佐々木毅氏が振り返る。
「話題はウクライナ訪問」
「ポーランドからの汽車の中でアルコールが出たという話題になり、総理の車両にはワインが来たけど、木原さんは
『自分の車両には・・・』
と随分格差があったような言い方で、大いに笑いました」
■モテまくりの青春時代
一方、記者の取材からは”逃走”しているという。
「文春の報道後、木原氏の番記者による朝の囲み取材が行われていません」
「その理由について、木原氏の秘書官は番記者に
『家族のケアが必要なため』
と説明」
「また、首相官邸の表玄関ではなく裏口を利用」
「メディアとの接触を避けるため公用車を使わず、議員会館からタクシーに乗る徹底ぶりです」
(政治部記者)
更に、前述の
「御通知」
によれば、木原氏は近く文藝春秋を刑事告訴すると共に
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求める>
としている。
だが、”指名”を受けた法務省の幹部は、周囲にこう漏らしているという。
「とばっちりでウンザリだよ」
「扱いに困るんだよなあ」
官邸中枢である副長官の申し立てとなれば、法務省が動かざるを得ないのは明白だ。
政治的影響力を自覚した上での木原氏の振る舞いは、不審死事件に際し
「俺がいなくなったらすぐ連行される」
として、【X子】さんを妻の地位に留め置いた姿と相通じるものがある。
木原氏が
「御通知」
文書を送付した2023年7月5日、自民党の森山裕選挙対策委員長は政治部記者を集めた懇談会でこう語った。
「印象が悪い」
「木原は早く代えた方がいい」
怒気を含んだ口調で更に紡(つむ)ぐ。
「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること」
「ディズニーランドに愛人と行ったのもおかしな話ですよ」
取材に応じず、法務省への申し立てや刑事告訴をちらつかせる”傲岸不遜(威張り却って人を見下すこと)”な木原氏。
木原氏はどのような半生を歩み、【X子】さんと人生を共にするようになったのか。
木原氏の祖父は第一信託銀行(現三井住友信託銀行)元常務。
木原氏の父は東京銀行(現三菱UFJ銀行)の本店営業部長という銀行一家に生まれた木原氏は、幼少期を米シカゴなど海外で過ごした。
木原氏は帰国後、中高一貫の名門私立・武蔵に進む。
「中高時代の成績はトップクラス」
「おまけにスポーツ万能でピアノも上手、顔もハンサムだったからモテまくっていた」
「塾では女子からキャーキャー言われていたけど、軽くあしらって流す感じでした」
(同級生)
別の同級生が振り返る。
「高1の時、90代の先生が担当だったのですが、その英語があまりに酷く、木原は終始突っ込みを入れていた」
「いじめっ子タイプではないけど、物事を諦観している態度でした」
高校卒業後、東大法学部へ進学。
名門テニスサークル「トマト」で主将を務め、全国選抜ダブルストーナメントで3位に入る。
「女の子に
『ピアノを聞かせてあげるよ』
なんて声を掛けて悦に入るなど、キザな所があった」
(大学時代の同級生)
木原氏が旧大蔵省に入省したのは、1993年。
エリートコースの主計局や、出世の登竜門である採用担当の大臣官房課長補佐などを務めた。
財務省関係者が語る。
「財務省は大物政治家には担当を付けて張り付くのだが、木原は元財務次官の勝栄二郎氏と組んで古賀誠元幹事長を担当」
「寵愛を受けるようになっていった」
「一方で、政治の道への野心は隠していなかった」
2005年に小泉純一郎首相(当時)が郵政解散を仕掛けると、岩見沢税務署長だった木原氏は省内を飛び出す。
母方の地縁がある山梨からの出馬を模索したが、空きが見つからず、結局縁のない東村山市などを選挙区とする東京20区から落下傘候補として出馬。
その調整に動いたのが、木原氏を
「目の輝きに惚れた」
と評していた宏池会事務局長(当時)の古賀誠である。
「35歳で初当選を果たした後、木原氏は宏池会に入り、いわば古賀氏の知恵袋のような存在になった」
「古賀氏がテレビ番組で政策論を語る際は、事前に木原氏がレクをしていたほどだ」
(自民党関係者)
だが、2009年、民主党政権の誕生と共に木原氏は落選し、一敗地に塗れた(再起できないほど,さんざんに負けた)。
「2012年、宏池会が古賀派から岸田派になった時、木原氏は浪人中」
「2012年末の復帰後は
『戻ってきたら岸田派になっていたよ』
と言っていたほど、岸田氏に思い入れはなかった」
「しかし、持ち前の社交性や政策立案能力を武器に、瞬く間に岸田派の”懐刀”に」
「岸田氏は党総裁選での勝利を目指すに当たり、頼りにしたい麻生太郎元首相と犬猿の仲の古賀氏と距離を置くようになったのですが、木原氏はこの2人の間で平気で行き来していた」
(同前)
■「彼は石原裕次郎似だよね」
更に木原氏は岸田派に恨み骨髄の敵の懐にも平気で飛び込んでいった。
「菅義偉前首相です」
「2017年の衆院選で、木原氏の財務省時代の後輩が無所属で出馬」
「木原氏が採用に携わり、可愛がっていた”木原チルドレン”でした」
「木原氏は、当時官房長官だった菅氏の所へ連れて行き、彼を引き合わせた」
「菅氏は公明党と太いパイプを持っていますが、最近も木原氏はその菅氏と一緒に公明党主催の政経懇話会に出席するなど、今も公明党・創価学会対策を菅氏と共に担っています」
(同前)
岸田首相にとって菅氏は”ポスト安倍”を争った間柄、三つ巴の有力者たちを波止場に見立て、自由に遊戈する木原氏について党幹部は
「ジジ殺しテクニックは政界1」
と口を揃えるのだった。

2009年9月、港区赤坂のカラオケスナックに美声が谺(こだま)した。
その日の夕刻、同店で催されたのは、民主党の鳩山由紀夫内閣で農水大臣に就任した赤松広隆氏の就任パーティーだった。
10数人の後援会関係者らに交ざり、3〜4人のホステスが華を添える。
その中で一際目立つ美人がいた。
身長163cmの彼女がすらりと伸びた脚で立ち上がり、風に揺れるように店を歩く。
そしてマイクを握ると、一斉に男性たちが顔を見合わせ、踊り出す。
同店関係者が打ち明ける。
「赤松さんの後援会関係者が、銀座のホステスだった【X子】を呼んだのです」
「彼女はメチャクチャ歌が上手でパーティーは彼女のおかげで大いに盛り上がった」
当時、【X子】さんの子供は7歳と5歳。
同店関係者が
「子供が小さいのに大丈夫か」
と尋ねると、彼女はこう答えたという。
「木原君が子守しているから余裕です」
当時、【X子】さんが交際していたのが、浪人中の木原氏だった。
ある日、前出の店関係者が【X子】さんに
「木原君とはどんな関係なんだ」
と尋ねた。
すると、彼女は涼しい顔で
「同志です」
と答えたという。
それは彼女にとって未来への決意表明に他ならなかった。
「2人が交際をスタートさせたのは、その前年(2008年)」
「浪人中、彼女は木原氏の生活を支えていた」
「彼の役割は子供のお守り」
「娘さんは木原氏を『パー』と呼んで懐(なつ)き、木原氏が通っていたテニスクラブにも一緒に通うように」
「2010年9月には
『坂本龍馬の新婚旅行の地に行きたい』と婚前旅行」
「『彼は石原裕次郎似だよね』と惚気(のろけ)ていました」
(2人を知る友人)
2011年の年末。
木原氏は特大ケーキを【X子】さんの子供たちにプレゼントする。
彼女はブログに木原氏への感謝の思いを綴り、次のように心境を吐露していた。
<彼のほんとの子供じゃないから『家族』になろうとするには幾度と困難があるんだろう>
<まだまだ沢山の悲しい事もあるけれど・・・>
【X子】さんはホステスを引退後の2014年10月、木原氏との間に女児を出産。
相前後して木原氏と入籍を果たす。
身を固めた木原氏は2015年10月に外務副大臣、2017年8月には政調副会長兼事務局長に就任するなど、着実に政権中枢への階段を駆け上がっていく。
他方、【X子】さんは木原氏と足並みを揃えるように”過去”と決別する。
「種雄君の死後、僕は彼が大切にしていたライダースジャケットを遺品として受け取りました」
「いつか彼の息子さんが大きくなった時、それをお返ししたくて、【X子】のモデル仲間に尋ねて回ったのですが、誰も連絡が付かなかったのです」
(安田種雄さんの友人)
更に、こんな出来事があったという。
「【X子】のモデル仲間だった僕の知り合いが、東村山市の経営者との繋がりで木原氏と面識を持つようになったんです」
「ある日、彼が木原氏とばったり会ったのですが、隣に【X子】がいた」
「彼が
『お前、何でここにいるの』
と眼を丸くすると、彼女は気まずそうに立ち去ってしまった」
(同前)
■事件を語り始めたY氏
一方、愛息を失った安田種雄さんの家族は、その間も果てしなく続く苦海の中を彷徨っていた。
安田種雄さんの母が嗚咽を漏らす。
「この10数年間、私は種雄のことを忘れよう、忘れようと思って日々過ごしてきました」
「私は息子を恨んだんですよ」
「『お前、親より先に死ぬかよ。そんな罪あるか』って」
「だから線香もあげられなかった」
2018年4月、安田種雄さんの父の携帯が鳴った。
電話口の相手は、冒頭の女性刑事だ。
それは闇に埋もれた事件の再捜査を知らせる合図だった。
だが、その僅か8カ月後に、捜査の縮小を告げられた。
安田種雄さんの父は言う。
「それ以降、警察からの連絡はありません」
「何故、1年足らずで再捜査が終わってしまったのか」
「私は真実が知りたい」
「今でも再捜査を強く望んでいます」
先週号の小誌で重要な証言をしたのは、安田種雄さんが”怪死”した当時、【X子】さんと親密だったY氏だ。
再捜査でキーマンとして浮上したY氏は2018年当時、覚醒剤事件で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員はY氏に数十回面会し、次のような証言を引き出したという。
「【X子】から
『殺しちゃった』
と電話があったんだ」
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
2023年6月下旬、小誌記者がY氏に
「事件当日、【X子】さんに呼ばれて家に行った?」
と尋ねると、Y氏は、
「それは・・・まあ、それは事実ですね」
と認めていた。
<Y氏が到着したのは安田種雄さんの死亡推定時刻(2006年4月9日午後10時)の後だったことが、Nシステムの記録から判明している>
2023年7月7日午後、小誌取材班は再びY氏に接触。
するとY氏は事件について少しずつ語り始めた。
ーー記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。
「そりゃそうだよね」
「俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ」
「それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上」
「それくらい(木原氏とは)の力の差があるよ」
「俺らがいくらヤンチャしてたって、そういう力じゃないから」
「簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」
ーー小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。
「・・・」
「でも、捜1の人間も言ってたよ」
「『デカ過ぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」
ーー「悔しい」と話す捜査員もいた。
「俺が宮崎にいた時は、捕まえる気満々だったから」
「それから4年くらい経って音沙汰ないから、やっぱり勝てないのかな、権力に」
「あんだけ税金使って何十回も俺の所に来て、話詰めて、色々やって、やっぱり太刀打ちできねんだなって思ったよ」
ーー事件当日、Yさんは【X子】さんから電話がかかってきて現場を見ている。
「俺は警察にちゃんと本当のことを話しているけど」
「俺がしゃしゃり出たって本当に潰されるよ、勘単に」
「警察が手え出せないんだよな?」
自身の権力を自覚した振る舞いを続けながら、一連の疑惑には口を噤(つぐ)み続ける木原氏。
前述の森山裕選対委員長は懇談の場で、こう語気を強めたという。
「警察権の行使について
『政治家に配慮した』
なんて言われたら、大変なことになるよ」
事実無根と言い募るほど、国民からの視線は厳しくなる一方だ。

木原事件に新展開 「遺体の位置が・・・」 遺族が上申書を提出
週刊文春2023年7月27日号
17年前の2006年、木原誠二官房副長官の妻【X子】さんの当時の夫が”怪死”した事件。
木原氏は詳細な説明をしないまま、小誌に再三、刑事告訴をちらつかせている。
そんな最中、中断した捜査の再開を求めて、遂に遺族が立ち上がった。
▼被害者父母、姉が決起「再捜査してください」
▼「遺族の裏には・・・」警察内部で飛び交う妄言
▼記者懇ドタキャン 木原副長官「こんな状況なので」
▼岸田派幹部「刑事告訴なんて無理だろ」
<私たちは種雄の死の真相を知るため、捜査を続行していただきますことを、心から望んでいます>
警視庁大塚署長に宛てられた2023年7月17日付の上申書には、失われた17年前(2006年)の悲痛な思いが綴られていた。
小誌は過去2週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていた事実を報じた。
木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、司法記者クラブに対し2度に渡り文書を送付し、刑事告訴を行うことを宣言した。
上申書を提出したのは、安田種雄さんの両親と2人の姉である。
事情聴取や家宅捜索の事実関係すら
「事実無根」
とする木原氏は、遺族の積年の想いを踏みにじったのだ。
上申書は次のように続く。
<自分が死んだのなら諦めもつきます>
<でも、亡くなったのは大切な息子なのです>
<ひょんなことから『あいつが生きていたら45歳だなあ』と考えてしまう>
遺族が再捜査を強く求めるのには理由がある。
安田種雄さんの死を巡り、到底納得できない”謎”がいくつも残されているのだ。

1978年に生まれた安田種雄さんは地元の中学校を卒業後、高校を中退。
暴走族に入り、青春時代を過ごした。
雑誌モデルとして活躍していた安田種雄さんに惹かれ、1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下の【X子】さんだった。
2002年、長男が誕生することが契機となり、2人は入籍する。
夫妻を知る人物が明かす。
「【X子】は結婚前にCDデビューしたこともある」
「長男を出産後は育児情報誌のモデルをしたり、ママ友とハロウィンパーティーを企画し、司会をやったりしていた」
「種雄さんの当時のあだ名は、TOKIO、長瀬智也に似ていることから、そう呼ばれていました」
2004年4月には長女が誕生し、一家4人は【X子】さんの父が所有する文京区大塚の木造住宅で暮らした。
だが、団欒の風景は次第に修羅の色に染まっていく。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合った男性Y氏の存在だ。
間もなく【X子】さんはY氏と親密な関係になり、池袋の老舗キャバレーで働き始める。
安田種雄さんの次姉が振り返る。
■事件の夜、すれ違った男
「よくキャバレーの帰りに電話が来て
『種雄君がお金を入れてくれない』
『自分だけ遊びに行っている』
と愚痴をこぼしていた」
「それを聞き、種雄に
『ちゃんと生活費をあげなさい』
と言うと
『毎回あげている』
と話が食い違うのです」
2006年に入り、【X子】さんは幼い子供2人を連れ、”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上も【X子】は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも種雄は
『離婚しても子供は引き取りたい』
と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った東京・三軒茶屋の団地に舞い戻った。
出迎えた父は、息子の大好物だった牛肉をスーパーで調達し、振る舞った。
「その日、種雄は私が乗っていたハイエースを貸してほしいと家に立ち寄ったのです」
「理由を聞くと
『【X子】が(東京近郊に住む)Y氏の家に荷物を置いているから取り戻しに行くんだ』
と」
「その日は、数日前に種雄から
『買ってほしい』
と頼まれていた新しい携帯電話を手渡しました」
「ずっと電話に出ない【X子】に連絡するためでした」
(安田種雄さんの父)
だが、それが最後の晩餐になった。
その翌日(2006年4月8日)、安田種雄さんがハイエースでY氏の自宅を訪ねると、そこには【X子】さんと子供たちの姿があった。
家族を必死で連れ戻した安田種雄さん。
その彼が不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした直後、【X子】さんや子供たちが眠る隣の部屋でのことだったー。
ナイフを頭上から喉元に刺したとみられ、死因は失血死。
当時は自殺の可能性が高い不審死として処理された。
だが、12年後の2018年4月、大塚署の女性刑事が捜査資料を分析し、自殺とするには不自然な血の付き方に着目したことから再捜査がスタート。
警視庁の特命捜査対策室特命捜査第1係を中心に、30人以上の精鋭が集められ、遺族の期待も高まった。
にもかかわらず、1年足らずで突如、捜査は縮小。
以降、遺族の元への警察からの連絡は途切れた。
だが今回、安田種雄さんの父が今でも鮮明に記憶している悪夢の1日を振り返ると、これまで語られなかった新たな疑問点が次々と浮かび上がったのだ。
「変わり果てた姿の種雄を発見した時、右太腿から20〜30cm離れた場所に細長いナイフが置かれていました」
「自らナイフを喉に突き刺すことも難しいのに、ましてや綺麗にナイフを置いてから死ぬ奴がいるのでしょうか」
変わり果てた姿の息子を発見した直後には、こんな出来事があった。
「110番通報をするにも住所が分からず、住居表示がある電信柱を探しに1度外に出たのです」
「通報して民家に戻る途中、すれ違ったのは明らかに変な歩き方をした男でした」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「一目散に追いかけたのですが、一瞬で消えてしまった」
(安田種雄さんの父)
■木原氏代理人の回答は
警察が到着し、安田種雄さん宅に再び上がろうとした父は、ふと足元を見た。
「玄関には、子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあった」
「その靴が、家を飛び出した時から減っているような気がしました」
(安田種雄さんの父)
再捜査に当たり、安田種雄さんの父は”すれ違った男”の存在を女性刑事に明かしている。
安田種雄さんの父が事情聴取を受けたのは2018年4月8日のこと。
小誌が入手した録音データには、次のようなやり取りが記録されている。
★女性刑事
「すれ違った人は長い物を持っていたということですけど、顔は見ていない?」
★父
「はい」
★女性刑事
「背格好で?」
★父
「後ろ姿だけね」
「ジーパンだったかな。帽子」
★女性刑事
「ニット帽。知っている人、という印象はなかった?」
★父
「そうですね」
更に安田種雄さんの父が不審に感じているのは、遺体の位置だ。
「私が部屋に入った時、種雄の頭は寝室に繋がるドアの辺りにありました」
「しかし、後に刑事さんが描いた現場の見取り図は、頭の位置が左右にズレて、倒れている位置すら変わっていたのです」
「私が去った後、何者かが遺体を動かしたのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
事件から数日後に行われた現場検証で、更に疑問は深まった。
「種雄は携帯を3台持っていたのですが、それが見つからなかった」
「どこにあるのかと思って電話をかけると、確かに部屋のどこかから着信音が聞こえる」
「探してみると、1台はソファの上に、衣類を沢山被せた状態で置いてありました」
「更に、ソファの下からも他の携帯が出てきた」
「自分で死んだ奴が、なぜ携帯を隠す必要があるのでしょうか」
(安田種雄さんの父)
遺族が再捜査を求めるのは、安田種雄さんを喪った哀しみを徒に警察にぶつけているからでは決してない。
自殺で片付けるには不審な点がいくつも残されているからこそ、今回、上申書の提出を決意したのだ。
一方ー。
小誌が先々週号で初めて一連の疑惑を報じて以降、木原氏は”逃げの一手”を続けている。
政治部記者が明かす。
「文春が初めて不審死事件を報じた直後、木原氏の秘書官は番記者たちに
『家族の精神的なケアが必要になり、しばらく朝の囲み取材には応じられません』
と連絡してきた」
「その翌週である2023年7月中旬に議員会館で番記者を集めてオフレコ懇談会を開催するという話だったのですが、結局、後になって
『こういう状況なので中止でお願いしたい』
という連絡があった」
他方で、小誌には再三
「刑事告訴を行う」
と通告してきたが、
「刑事告訴を行えば、捜査当局を動かし、公権力を振りかざすことになる」
「政権中枢で絶大な権力を握る官房副長官の振る舞いとしては異例」
「木原氏の言動は身内からも冷ややかな目で見られています」
(政治部デスク)
ある岸田派幹部は、周囲にこう漏らした。
「刑事告訴なんて無理だろ」
「刑事告訴したら、それをきっかけに各社に報道されてしまう」
「もし木原が刑事告訴するのであれば、官房副長官の辞任がセット」
「それが岸田会長のためだ」
小誌は今回、木原氏に改めて、【X子】さんへの事情聴取や家宅捜索の有無、記者懇中止の経緯について質問状を送付。
代理人弁護士からこう回答があった。
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
「(記者懇中止は)家族が学校等で誹謗中傷を浴びたり、路上で危険に晒される事態が現実に発生し、対応せざるを得ないためです」
木原氏は先々週、一連の再捜査について事実関係を確認する小誌に対し
「捜査当局の公式の確認を取るよう求めます」
と回答。
2023年7月5日、12日の2度に渡るメディアに公表した<御通知>でも、小誌に対して
「捜査当局の公式の確認」
を取るよう求めたことを強調してきた。
そんな中、”指名”された捜査当局側からも、呼応するかのような動きがあった。
「2023年7月13日、警視庁の國府田(こうだ)捜査1課長の定例会見で、文春報道について質問が出た」
「これに対し國府田氏は
『事件性は認められなかった』
『死因は自殺と考えて矛盾はない』
と述べました」
(社会部記者)
同じ日(2023年7月13日)、霞が関の合同庁舎2号館18階の会議室。
その日(2023年7月13日)、記者クラブ加盟社の記者を集めて行われたのは、全国の警察組織のトップ、露木康浩警察庁長官の定例会見である。
終了間際、テレビ局の記者が木原氏を巡る疑惑について尋ねると、露木長官は淀みなくこう答えた。
★露木長官
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」
会見から2日後の2023年7月15日、露木長官にその真意を尋ねた。
ーー「事件性が認められない」と公表していますが、これは2018年の再捜査を受けて判断した?
★露木長官
「『警視庁が明らかにした』ということで理解していますけど、警視庁の判断ということになってくるので私は間接的な立場なんですね」
ーー木原氏は再捜査も含め「事実無根」として文藝春秋を刑事告訴するという。
再捜査があったかどうか。
長官の認識は?
★露木長官
「まあ、警視庁が明らかにしたということで、あのように会見で申し上げたということですね」
ーー露木長官は捜査資料を確認している?
★露木長官
「いや、そういう風な立場じゃないからですね」
ーー小誌の発売直後、木原氏から連絡はあった?
★露木長官
「いえ、私は木原官房副長官とは全然連絡を取る立場でもないし」
ーーご遺族が「やはり殺されたんじゃないか」という思いを強く持っている。
★露木長官
「ああ・・・」
「警視庁に問い合わせてもらうしかないかなあ」
遺族が複数の不振点を指摘しているにもかかわらず、
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
実はその内部では、不穏な動きが見て取れるのだ。
警察庁関係者が打ち明ける。
「報道後、警察内部では
『遺族の裏には社民党の福島瑞穂参院議員と、事実婚の夫である人権派弁護士の海渡雄一氏が控えている』
との説が飛び交っているのです」
実際、小誌取材班も警察内部から同様の話を聞いている。
だが、名指しされた福島氏はこう困惑する。
「(安田種雄さんの)お名前も初めて知りましたし、全く面識がありません」
警察内部から噴出する”妄言”は何を意味するのか。
「この事案は警察官僚の上司に当たる官房副長官に関するスキャンダルです」
「敢えて野党党首の福島氏の名を出し、記事には政治的な背景があったことを匂わせることで、事態を矮小化しようとしているのです」
(前出・警察庁関係者)
安田種雄さんの父は、露木長官が
「捜査は適正」
「事件性はない」
と語った会見内容を報じた記事に目を通すと、長く沈黙し、絞り出すように呟いた。
「事件を”無かったこと”にするつもりなんですね」
「いくら我々が頑張っても権力で握り潰して、自分たちが有利になるようにするんですね・・・」
こうした状況に、安田種雄さんの親友たちも動き始めた。
近々、捜査の続行を求める署名活動を始めるという。
次々と浮上する不審死への疑問。
上申書による遺族の悲痛な訴えを、警察はどう受け止めるのか。

木原事件 妻の取調官捜査1課刑事実名告発18時間
木原は「俺が手を回しておいたから」と妻に・・・
週刊文春2023年8月3日号
警視庁捜査1課殺人1係、通称「サツイチ」。
2018年6月、サツイチの俺が木原の妻X子の取調官に指名された。
俺を呼ぶってことは、自殺ではなく殺人事件だってことだ。
木原は俺に
「いつでもクビ飛ばせるぞ」
と言ったが、X子の聴取を10回はやったしガサ入れもした。
ところが捜査が佳境に入った時に突然、上司から終了を告げられたんだ。
頭に来ているのは、警察庁の露木康浩長官がこの前、会見で
「事件性はなかった」
って大嘘を吐いたこと。
現役は話せないだろうが、去年(2022年)退職した俺に失うものはない。
悔しい思いをした後輩のためにも腹は括った。
俺が知っていること、全部話すよー。
警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係、通称「サツイチ」。
警察庁内のエース級が揃い、数々の難事件を解決に導いてきた捜査1課の花形部署だ。
10数人のメンバーを率いる係長は、警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事である。
2018年6月、佐藤誠警部補(当時)は、係長から連絡を受けた。
「誠さんさあ」
「申し訳ないんだけど、例の件の調べ官やってくれませんか」
「誠さんしかいなんですよ」
長年苦楽を共にしてきた係長から、ある事件の取調官になることを直々に依頼されたのだ。
だが、佐藤氏は2018年1月21日、多摩川で入水自殺を遂げた評論家・西部遭氏(享年78)の自殺幇助事件の捜査の渦中にあり、逮捕された西部氏の知人の取り調べを担当していた。
「よほど厄介な事件なんだろ?」
「この事件が終わってから世話になるよ」
佐藤氏はそう告げたが、この時、既に腹は決まっていた。
絶対にホシを落として見せるー。
小誌は過去3週に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官(53)の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
木原氏も捜査員と”面会”していたことも分かった。
だが、木原氏は小誌の個別の質問には答えず、一括して
「事実無根」
と回答。
更には代理人を通じて、刑事告訴を行うことを宣言している。
2023年7月14日、改めて小誌は木原氏にX子さんへの事情聴取や家宅捜索の有無について質問状を送付したが、代理人弁護士から送付されたのは
「(捜査については)従来以上に申し上げることはない」
という、にべもない回答だった。
その後も小誌取材班は真相を明らかにするため、20人以上の捜査関係者を訪ね歩き、繰り返し取材を重ねた。
そんな中、多くの捜査員が口にしたのは、X子さんの任意聴取を担当した佐藤氏の存在だった。
ある捜査員は彼を
「捜査1課のレジェンド」
と評し、こう語った。
「佐藤さんは捜査1課一筋18年、数多くの殺人犯と対峙し、
『オトせないホシ(容疑者)はいない』
と言われるほど1課に貢献しました」
「1課に1人しかいない取り調べの伝承官にも任命されている」
「伝説の”落とし屋”ですよ」
■「何が『事件性はない』だ」
捜査員が語る佐藤氏の伝説は、枚挙に暇がない。
2005年には、その3年前のマブチモーター社長宅で社長夫人と長女が殺害された事件で逮捕された小田島鐵男の取り調べを担当。
2015年の埼玉県本庄市死体遺棄事件では指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出し、自白に追い込んだ。
「安田種雄さんの事件の再捜査が本格化した際、X子さんの聴取を担当するのは佐藤さんしかいないという結論になったのです」(同前)
そんな佐藤氏は2022年、警視庁を退職し、現在は東京近郊で暮らしているという。
捜査の全容を知るためには、佐藤氏の協力が必要不可欠。
だが、佐藤氏との接触はなかなか叶わなかった。
2023年7月上旬、ようやく取材班は佐藤氏の居宅に辿り着く。
しかし、そこも既に転居済みだった。
小誌記者は藁にも縋る思いで、近隣住民に事情を説明。
すると数時間後、携帯が鳴った。
「文春だろ?来ると思ってたよ」
初めての佐藤氏との接触。
だが、取材を申し込むと
「もう捜査を外れているからよお」
「勘弁してくれよ」
と、決して首を縦に振らなかった。
それから2週間後、佐藤氏に電話で再三協力を呼び掛けたところ、深い溜息の後、感情を吐露したのだ。
「警察庁長官のコメントは頭にきた」
「何が『事件性はない』だ」
「あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしているよな」
佐藤氏が言及したのは、その数日前の2023年7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例記者会見のこと。
露木長官は、安田種雄さんの不審死について、こんなコメントを残していた。
「適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性は認められないと警視庁が明らかにしている」
佐藤氏は一呼吸し、吐き捨てるように言った。
「事件性の判断すらできないのか」
「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」
「当時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた」
「ところが、志半ばで中断させられたんだよ」
「それなのに、長官は『事件性が認められない』と事案自体を”無かった事”にしている」
「自殺で片付けるのであれば、自殺だっていう証拠を持って来いよ」
「(文春の)記事では、捜査員が遺族に『無念を晴らす』と言っていたが、俺だって同じ気持ちだよ」
更に佐藤氏の口から零れたのは、後輩たちへの偽らざる思いだった。
「あの時捜査に加わった30人以上のメンバーは誰しも、捜査を全う出来なかったことで今でも悔しい思いをしている」
「文春の記事を読めば、現役の奴らが並々ならぬ覚悟で証言しているのがよく分かるよ」
そしてー。
「俺は去年(2022年)退職して、第1線を退いた」
「失う物なんてない」
「職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ?」
「そんなことは十分承知の上だ」
「それより通すべき筋がある」
「現役の奴らの想いもある」
「もう腹は括った」
「俺が知っていること、全部話すよ」
こうして”伝説の取調官”は、ポロシャツにチノパン姿で小誌取材班の前に現れた。
粗野な口調には時に温かさが滲み、穏やかな眼光は時に鋭さを見せる。
そんな佐藤氏への取材は、5日間、計18時間に渡った。
仲間たちが作った捜査資料を必死の思いで読み込み、全身全霊でX子さんと向き合った佐藤氏の記憶は、約4年9カ月が経った今でも詳細で鮮明だった。
そして、そこから浮かび上がったのは、驚くべき新事実の数々だった。

自殺と見られていた安田種雄さんの死が”事件”として明るみに出たのは、2018年4月。
警視庁大塚署の女性刑事が、約12年前の事件の精査資料に目を留めたのだ。
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」
彼女の肩書は、刑事組織犯罪対策課強行犯捜査係長。
長年埋もれていたのは、文京区大塚の古びた一軒家に住む、若い夫婦に降り掛かった悲劇だった。
雑誌の人気モデルをしていた安田種雄さんが1997年に交際を始めたのが、同じく雑誌モデルをしていた2歳下のX子さん。
2002年、長男の誕生が契機となり、2人は入籍する。
2004年4月には長女が誕生し、一家4人はX子さんの父が所有する一軒家で暮らし始めた。
だが、一家団欒の風景は長くは続かなかった。
元凶となったのは、夫婦の趣味であるフリーマーケットを通じて知り合ったY氏の存在だ。
2006年に入り、Y氏のもとに走ったX子さんは、幼い子供2人を連れ、大阪や浜松などに”逃避行”を繰り返すようになる。
「1カ月以上もX子は行方不明で種雄は子供たちに会わせてもらえなかった」
「でも、種雄は『離婚しても子供だけは引き取りたい』と希望を口にしていました」
(安田種雄さんの父)
2006年4月7日、安田種雄さんは生まれ育った世田谷区内の団地に舞い戻る。
「X子が(東京近郊に住む)Yの家に荷物を置いている」
「明日、取り戻しに行くんだ」
安田種雄さんはそう父に告げ、実家にあるハイエースを借りていった。
その翌日2006年4月8日、安田種雄さんがY氏の自宅を訪ねると、そこにはX子さんと子供たちの姿があった。
修羅場を演じた末、安田種雄さんは妻子を奪還する。
安田種雄さんが不審な死を遂げたのは、久方ぶりに子供たちとの再会を果たした、その直後のことだったー。
2006年4月10日午前3時過ぎ。
たまたま目覚めた安田種雄さんの父がハイエースを返してもらうため息子の一軒家に足を踏み入れると、そこには黒ずんだ血の海が広がり、安田種雄さんが仰向けで倒れていた。
既に事切れ、血飛沫は天井に達していた。
だが、安田種雄さんの体内から覚醒剤が検出されたことで大塚署は
「錯乱状態による自殺の可能性が高い」
と判断したのだ。
改めて佐藤氏に聞くと、こう喝破した。
「はっきり言って、大塚署の捜査ミスは一目瞭然だろ」
「現場が血だらけだったにもかかわらず、刃の部分にちょっとだけ血が残り、柄は綺麗な状態」
「それで12年後、大塚署の女性刑事が『誰かが血糊を拭き取ったのだろう』と疑念を抱いたんだ」
「安田種雄さんは死の前日、Yの自宅からX子と子供たちをようやく取り戻してるんだよ」
「その時、安田種雄さんはYの自宅の壁をバンバン叩き、2回も110番通報されている」
「それでも諦めず、ようやく奪還した」
「可愛い子供を抱いて家に戻ってきた奴が、自殺する動機なんてないだろ」
女性刑事の違和感に端を発した大塚署の動きは素早かった。
安田種雄さん不審死事案は、時を置かず警視庁捜査1課特命捜査対策室特命捜査第1係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。
だが同時に重大な事実が判明する。
X子さんは安田種雄さんを亡くした約8年後、木原氏と再婚していたことが分かったのだ。
警視庁が検討を始めた時点での木原氏の肩書は、自民党政務調査会副会長兼事務局長。
与党の政策立案を担う重要ポジションに就いていた。
特命捜査第1係長と特命捜査対策室長は協議の末、小林捜査第1課長(当時)に次のように”上申”した。
「特命だけでは手に負えません」
「政治が絡んでいるから無理ですよ」
「サツ(殺人犯捜査係)を入れてもらわないと」
小林1課長は捜査資料を読み込むと、事件性を確信した。
これは自殺ではなく殺人事件だ。
だが、与党政治家が絡む案件である以上、生半可な捜査は許されない。
不退転の決意で、精鋭揃いの
「サツイチ」
を投入するしか、事件解決の道はないー。
こうして大塚署、トクイチ、更にサツイチという3つの組織の合同捜査がスタートしたのだ。
「トクイチ10数人、サツイチ10数人、大塚署を含めて30〜40人態勢だろ」
「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ」
「サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査1課にいた18年間で1度もないよな」
「だから、露木長官の『事件性が認められないと警視庁が明らかにしている』というのは明らかに大嘘なんだよ」
(佐藤氏)
2018年6月に満を持して、佐藤氏が捜査班に合流してから約2カ月。
捜査は急展開を見せていた。
キーマンとして浮上したのは、かつてX子さんと親密な関係だったY氏だった。
当時、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末に宮崎刑務所に収監されていたが、捜査員らは約30回の面会を繰り返し、20数回目で次のような供述を得たのだ。
「事件当日の夜中、X子から
『種雄くんが刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった。
「家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」
X子さんから連絡を受けたY氏が自家用車を駆り、約1時間かけて夫婦の住む大塚付近に到着したのは、(2006年4月9日〜10日にかけての)深夜12時前後」
「そのことはNシステムなどにより裏付けられた」
「死亡推定時刻は2006年4月9日夜10時頃だったか・・・」
「Yが実行犯であれば時間が合わない」
「だから、最初からあいつはホシではないと俺たちは踏んでいた」
「俺は計2回、宮崎刑務所でYと面会してるんだ」
「あいつの供述で浮き彫りになったのは、事件当日の”修羅場”だった」
(佐藤氏)
Y氏が佐藤氏に語った事件当日の様子は子細を極めた。
その日、Y氏が一軒家から徒歩圏内のコンビニ。
車を停め、手袋を購入した。
だが、遺体と対面する勇気が沸かず、コンビ前で逡巡したというのだ。
手袋の購入は、遺体に触れることを意識した行動と見られた。
「Yの供述は鬼気迫るものだったよ」
「部屋に忍び込むと、そこには遺体があり、X子の背中には血が飛び散っている」
「Yは
『血が付いてるから脱げ』
と服を着替えさせ、
『朝方になったら警察に電話して、朝起きたら死んでいましたと言え』
とアドバイスをしたという」
「朝方まで数時間ある、隠蔽工作をしようとしていたところ、突如玄関から大きな物音がした」
(同前)
2006年4月10日早朝3時過ぎに訪れたのは、安田種雄さんの父だった。
真っ暗な2階の部屋で寝転ぶ種雄さんに向かい
「こんな所で寝たら風邪引くぞ」
と言葉を投げかける。
だが、電気を点けた瞬間、目に飛び込んできたのは愛息の無残な亡骸だった。
「Yの供述によると、予想外の出来事に慌てまくって、アイツは子供部屋のカーテンに身を隠したそうだ」
「俺に
『突然来たからビックリしましたよ』
と、はっきり言っていた」
「一方、X子は寝たふりをするしかないわな」
「(種雄さんの)父は
『玄関の鍵が開いていた』
と供述しているが、それはYが入った後だったからだ」
(佐藤氏)
■遂に捜査員が木原氏の自宅に
その後、父は110番通報をするため1度外に飛び出す。
住所が分からず、住居表示がある電信柱を探すためだ。
その一瞬の間隙をY氏は狙った。
X子さんのシャツなど犯行の物的証拠を回収すると自身の靴を手に持ち、階段脇の小窓から脱出したのだ。
安田種雄さんの父は小誌前号(2023年7月27日号)でも、不審な人物の存在についてこう語っていた。
「通報して民家に戻る途中、明らかに変な歩き方をした男とすれ違った」
「風呂敷のようなものに長い物体を包み、背中に抱えていた」
「ガニ股でふらつきながら壁にぶつかり、20mほど先の十字路の角を右に曲がったのです」
「玄関には子供用や大人用のたくさんの靴が置いてあったが、家に戻ると、数が減っているような気がしました」
防犯カメラの映像は残っておらず、不審な男の正体は判然としない。
一方、玄関の靴の謎について、佐藤氏はこう語る。
「消えたのはYの靴だよ」
「想定外の父の登場によって、彼らの計画が全て崩れたってわけだ」
小誌前号(2023年7月27日号)の発売後、Y氏を知る人物から小誌に情報提供があった。
事件直後、Y氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されている。
この人物は、当時、Y氏が収監されていた東京拘置所の雑居房で5カ月間同室だったという元受刑者だ。
彼が語ったY氏の家族についての個人情報は、小誌の取材成果と合致していた。
Y氏は、この元受刑者に事件の”真相”を打ち明けていた。
「あの頃、Yは安田種雄さんの死について
『警察ではシャブ中が狂って自殺した形になっているが、実は違う』
と話していました」
「『完全犯罪だ』『刑務所を出てから小説でも書こうかな』と」
「ただ、殺し方は
『ボールペンで刺した』
と聞いていました」
「彼女(X子さん)は1度面会にやってきたけど、その後、Yは
『やっぱり別れることにした』
と言っていた」
(元受刑者)
Y氏の供述を軸に捜査は進み、2018年10月9日に”勝負の日”を迎える。
東京都東村山市にある築13年の分譲マンション。
朝7時頃、1台のセダンがマンション脇に横付けされた。
車中から飛び出したサツイチの係長と特命担当の管理官がインターフォンを鳴らす。
この日、遂にX子さんの任意同行を求めたのだ。
「取調官の俺は車中で待っていた」
「ところが、待てど暮らせど戻って来ない」
「しばらくして黒い車が俺の横を通り過ぎて行くじゃねえか」
「間もなく2人が帰って来て
『今日はちょっとナシですね。誠さん、帰りましょう』
と」
「彼らが言うには、6階の部屋で夫婦と対面し、殺人容疑の捜査だと伝えると、木原氏が
『今日は勘弁してくれ』
『後から連絡する』
と任意同行を拒否」
「そのうち
『もう行かなきゃいけない』
とか言って(木原氏は)送迎車で行っちゃったわけだ」
(佐藤氏)
実は、同日(2018年10月9日)朝、捜査1課は東海地方にあるX子さんの実家と、豊島区南大塚にある別宅に家宅捜索を行っている。
捜査員らは、いずれも被疑者不詳の
「殺人 被疑事件」
と記された捜索差押許可状を携えていた。
「東村山にガサ(家宅捜索)を行わなかった理由は、木原氏の存在が大きいだろうな」
「相手は現役国会議員」
「ましてや、自民党情報調査局長に就任した実力者だ」
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」
(佐藤氏)
一旦は妻の任意同行を拒んだ木原氏。
一方、家宅捜索の事実を知り、木原氏に
「X子と別れろ」
と勧めたのは、二階俊博幹事長(当時)だったという。
自民党関係者が語る。
「二階さんは木原に離婚を勧めただけでなく、
『警察の取り調べにはちゃんと素直に応じろ』
と言っていました」
「木原は渋々それを受け入れるしかなかった」
その後、木原氏は聴取に応じるようになったという。
佐藤氏も言う。
「確かに、二階さんがそう言ったという話は現場にも漏れ伝わってきた」
「翌日から聴取がスムーズになったんだよ」
小誌記者が二階氏を電話で取材すると、こう語るのだった。
「覚えてないけど、疑いを持たれたら捜査に協力しろよっていうことは当然の事じゃないかな」
「それは言ったろうけどさ」
■「もずくだけかなあ・・・」
警視庁本部2階には、100以上の取調室が等間隔に並ぶ。
冷暖房完備だが、窓はない。
X子さんと向かい合った佐藤氏は柔和な表情を作り、こう切り出した。
「X子さんよ。ここに来た理由は分かる?」
「分かりません・・・」
「X子さんよお、呼ばれた理由ぐらいは分かるよな?」
「・・・」
「俺、怖い?あんまり緊張しないでよ」
「・・・」
「木原、格好いいもんな」
「うーん」
2018年10月上旬から始まった取り調べ。
当初、X子さんは無言を貫いた。
「木原との第2子が生まれたばかりで子育てが優先」
「聴取は午後1時頃から夕方までが多かった」
「でも、最初は無口で全然喋らないさ」
「それでも連日、自宅近くの病院前まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」
(佐藤氏)
それ以降、X子さんは連日、警視庁本部と自宅を往復する日々を送った。
彼女は武装するかのように完璧にメイクを施し、香水の香りを振りまく。
ロングヘアを美しく結い、1度として同じファッションで聴取を受けることはなかった。
佐藤氏はあだ名で問いかける。
「Xちゃん、衣装持ちだね。何枚くらいあるの?」
「そんなにありません」
「似合うよね。センスあるよね」
「そんなことありません」
「Xちゃんのお父さんも警察官なんだって? 俺、刑事さんも格好いいだろ?」
「・・・」
警視庁本部の裏口から取調室に入るまでの間、すれ違った警察官の多くが振り返る。
時に、佐藤氏はこんな会話を交わした。
「御飯、食べられているの?」
「あまり食べられないです」
「そうだよな。何食べてるの?」
「うーん、もずくだけかなあ・・・」
「もずくだけだとヤバイんじゃないの」
「あまり食欲ないんで」
また、ある時は料理について水を向けた。
「Xちゃん、料理なんかするの?」
「あまりやらないんです」
「魚とか肉とか作らないの?」
「いや、私は嫌なんです。ベトベトするし。気持ち悪いし。だから、あんまり料理しないんです」
雑談には応じるものの、事件当日のことは
「覚えていません」
「分かりません」
と繰り返す。
「その頃、既に他の捜査員はX子の交友関係を調べ上げ、徹底的に聴取を重ねていたんだよ」
「それらの情報を元に、俺は揺さぶるわけだ」
(佐藤氏)
佐藤氏は取り調べの様子をこう振り返って見せた。
「お前の友達が言ってたぞ。シンナーもやってたろ」
「やっていません!」
「煙草も吸ってたろ」
「やっていません!」
「何で種雄君を刺したの」
「・・・(首を左右に振る)」
事件以外のことには反応し、大きな声を出すこともあった。
しかし、事件については何を聞いても頑なだった。
佐藤氏は言う。
「取り調べは癖を見抜くために、カマをかけることもある」
「X子は分かり易く、素直な子だった」
そんな佐藤氏には”切り札”があった。
古びた1枚の写真。
満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でピースしている茶髪の女性は、若き日のX子さんだ。
その隣でY氏は暗い表情で写真に収まっている。
捜査の結果、事件現場から約5km離れた文京区本郷にある居酒屋「T」で撮影されたものであることが判明した。
撮影日は事件が発覚した日(2006年4月10日)の夜。
2人は安田種雄さんが遺体となって発見された10数時間後に同店で落ち合い、杯を傾けていたのだ。
12年後の2018年9月6日には捜査員が店を訪れ、オーナーに事情聴取し、店内で撮影された写真であることを確認している。
■木原氏は妻の手を握り・・・
ある日、佐藤氏は取調室の机上に”切り札”を叩き付け、問い詰めた。
「お前な」
「旦那が死んでるのにYと居酒屋でピースしてニコニコ笑ってるのはどういうことだよ!」
「死んだ後、こんな顔できんのかよ」
「これ、あんただよな?」
彼女は心底驚いたように目を見開き、
「ええ、ええ・・・分かりません」
と呟くのがやっとだったという。
更に捜査は次のステップに進む。
「X子のDNAを採取して、新たな証拠を見い出そうとしたんだけど、彼女は採尿や採血を拒否するんだよ」
「ポリグラフ(嘘発見器)も嫌だって」
「『あんた、シロだったらポリグラフ受けたら一番いいだろ!』って」
「仕方ないから、その翌日、身体検査令状を取って自宅に行くことにしたんだよ」
(佐藤氏)
だが、待ち合わせの時間に認識の相違があり、佐藤氏は30分ほど予定時刻を過ぎて自宅に到着。
すると、待ち構えていた木原氏が怒髪天を衝く勢いで向かってきたという。
「時間ぐらい守れよ!」
「お前なんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」
その頃、木原氏自身も捜査員と複数回”面会”している。
「女房を信じているから」
と語る一方、別の日には次のように吐き捨てることもあったという。
「2006年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ」
「どうしてその時にやってくれなかったんですか」

小誌の報道に、徹底して
「事実無根」
と反論してきた木原氏。
不審死事件を報じた直後の2023年7月5日には、
司法記者クラブに向けた
「御通知」

<私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害>
として、
<法務省の人権擁護機関に対しても救済を求めることとなります>
と宣言した。
「ところがその後の2023年7月21日、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブではなく日弁連に人権救済を申し立てた旨を連絡してきた」
「役所の人事権を持つ官邸中枢が法務省を動かすのはさすがにマズイという判断だったのでしょう」
(社会部記者)
だが、一連の佐藤氏の実名告発は、小誌がこれまで報じてきたX子さんへの事情聴取や実家への家宅捜索が、確かに行われていたことを証明している。
それだけではない。
木原氏が事件に深く関与し、政治的圧力を行使していた疑いを突き付ける”物証”が存在するのだ。
2018年10月以降、X子さんは取り調べを終えると警視庁本部からタクシーに乗り、帰宅。
その際、木原氏と落ち合い、車内で言葉を交わすことがあった。
捜査員は車内のドライブレコーダーを回収し、つぶさに分析した。
ある日、佐藤氏は捜査員に呼び出された。
「誠ちゃん。ちょっとこっち来て、見てみ」
再生されたのは、20分以上に及ぶ動画。
タクシーの後部座席に座った木原氏は、沈痛な面持ちのX子さんの手を何度も握り、言葉を投げかける。
「大丈夫だよ。俺が何とかするから」
「・・・」
「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏は愕然とした。
「もうX子は絶対に喋らないと思ったな。調べに『これ言っちゃダメだぞ』って裏に手を回されたら終わりかなと思ってはいたけどさ」
(佐藤氏)
更に、木原氏は政治家ならではの単語を口にした。
佐藤氏の脳裏にはこんな映像が焼き付いている。
★木原氏
「国会が始まれば捜査なんて終わる。刑事の問いかけには黙っておけ」
★X子さん
「刑事さんが(木原氏のことを)『東大出てボンボンで脇が甘い』とか言ってたよ」

「そんなもん、クビ取って飛ばしてやる!」
映像を見ながら、佐藤氏は思わず
「おお、やってみろ。この野郎」
と吐き捨てた。
実際、木原氏は捜査幹部に対しても、2018年10月24日から始まる臨時国会について言及していたという。
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話していたと聞いている」
「『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見る人間がいない』
というわけだ」
(佐藤氏)
国会開催中だからといって、子供をベビーシッターなどに預けられない道理はない。
木原氏が”議員特権”を振りかざしたことで、佐藤氏は2018年10月9日から24日まで、僅か2週間という期間限定の取り調べを強いられたのだった。
とはいえ、2018年12月10日になれば臨時国会が閉会する。
佐藤氏は
「国会が終わったら捜査再開だろう」
と高を括っていた。
だがー。
国会が始まる直前の2018年10月下旬。
突然の宣告だった。
「明日で全て終わりだ」
上司である佐和田立雄管理官(当時)に告げられた一言を、佐藤氏は鮮明に覚えている。
小誌記者が佐和田氏を探し当て、当時の佐藤氏への指示について問うと、
「分からないなあ」
「確かに、佐藤さんに
『もういいんじゃないの』
と言ったような覚えはある気がするけど、時期は覚えていない」
「誰かからの指示とか刑事部長が、というより、長いこと聴取して何も出なかったから
『もういいなじゃないの』
と思って僕が言ったような気がするんです」
だが、佐藤氏はこう語気を強めるのだ。
「X子の調べが佳境を迎え
『今から証拠を探そう』
という矢先にストップした」
「12年前の事件で物証が乏しいのは分かっているが、供述を揃え、証拠を積み重ねて頑張ろうという時に突然、中止になった」
「俺は捜査1課で100件近くも調べをやったきたけど、これだけ流れができていたのに調べが取り止めになるなんて経験したことがない」
「悔しくて、頭にきたよな」
当時の捜査幹部も語る。
「期限付きで時間も限られているので、厳しかった」
「取り調べの時間も回数も、明らかに足りなかった」
現場の捜査員らには徒労感が募ったが、一部の捜査員は
「いつか捜査再開できる」
という一縷の望みを抱き、2018年11月19日には、事件のあった2006年頃にX子さんが働いていた池袋のキャバレーの元従業員を聴取している。
2018年12月には、サツイチの捜査係長は再び宮崎刑務所に飛んだ。
Y氏が2018年夏に語った次のような供述の詳細を確かめるためだった。
「事件当日(2006年4月10日)、X子から
『ナイフに指紋が付いちゃった。どうしよう』
と相談された」
「現場に行くと、ナイフには両面テープが付いていた」
「証拠隠滅しようと剥ぎ取り、持ち帰った」
黒色の柄にぐるぐる巻きにされた両面テープ。
誰が、何のために巻き付けたのか。
「当初、Yは
『覚醒剤で錯乱した種雄が巻いたんだろう』
と言い、捜査員にも異論はなかった」
「でも、よくよく考えると、普通のテーピングなら滑り止めとして機能するが、ベトベトの両面テープを巻き付けるのは不可解だろ」
「最初に俺が考えたのは、X子が第三者の指紋を消すためにテープを巻き付けたという見立てだった」
(佐藤氏)
だが、佐藤氏は自身の推理に違和感を覚えていた。
「実は当初からX子が実行犯じゃないという感触を持っていた」
「ナイフを振り下ろすと、誰でも小指側の側面に傷が付く」
「当時の大塚署の捜査でも彼女の手には傷があったという記録はなかった」
「しかも、身長180cm以上の大男を華奢な女性がぶっ刺すことなんて不可能じゃねえかと思った」
「更に言えば、第三者に指紋を付けさせることを考えるなんて、X子みたいな普通の子には無理だろ」
(佐藤氏)
そこで佐藤氏は、X子と関係の深い第三者の犯行だという仮説を立てた。
「テープを巻いてYの指紋を付けるように指南したのもその人物の入れ知恵という見立てだな」
「ただ、X子の意思で第三者が殺害すれば、彼女だって共謀共同正犯が成立する」
(佐藤氏)
実は、取調室で向き合った佐藤氏とX子さんは、こんな会話を交わしている。
「その日、Yを電話で呼んだのは間違いない?」
「(種雄さんから)正座させられていて、怖いからYを呼んだんです」
「それからどうしたよ」
「私怖かったんで、部屋に行って、子供たちを寝かして私も寝ました」
「お前、それはねえだろう」
「種雄さんとYを喧嘩させといて、自分だけ寝ていたなんて、そんな馬鹿な話あるかよ。この世の中に」
「いや、後はYに任せていましたから」
X子さんは事件当日の経緯について、終始支離滅裂な供述を繰り返した。
「あくまで
『朝起きたら夫が死んでいました』
っていうスタンスなんだよ」
でも、死亡推定時刻から計算すると、Yが呼ばれたのは死んだ後なの」
(佐藤氏)
■俺の腹の中と同じだな
X子さんの取り調べが止められたのは、佐藤氏が事件の真相に迫りつつあるタイミングでのことだった。
2018年10月下旬。
管理官から
「取り調べ中止」
を告げられた佐藤氏は1つの決断を胸に秘めていた。
与えられたのは、僅か2時間。
それまでの取り調べでは立会人として他の捜査員も同席していたが、この時ばかりは
「X子と2人切りで話をさせろ」
と告げ、1人取調室に向かう。
「今日で取り調べはやめてやるから」
開口一番そう言い放つとX子さんは表情を和らげ、目線を上げた。
「疲れました。怖いです」
「あんたと会うことはもうないだろう。もうこれで調べを止めるから本当のこと言おうじゃねえか。お互い墓場まで持っていこう。今日はメモを取らねえから」
「はい」
「でも、俺も感じるところがあるんだけどさ。最後に答えてよ。腹の中で収めようじゃないか。あんた、殺ってねえだろ?」
緊迫感が張り詰める。
「・・・(ゆっくり頷く)」
「あんた、そんなことできないよな」
「・・・(ゆっくり頷く)。彼とは良い思い出もありますし」
「そうだよな。思い出もあるしな。殺せないよな。その思い出は大事にしなきゃ駄目だよ。ところで、あんた、ナイフに両面テープは巻いた?」
「・・・(首を振る)」
「巻くわけないよな、種雄さんが巻いたのか?」
「・・・(首を振る)」
そこで佐藤氏は10日間に及ぶ取り調べの末、もう1人の重要参考人として注目していた第三者、Z氏を想定し、水を向ける。
「俺とお前、腹ん中で思い浮かべているのは、一緒だよな」
長い沈黙の後、X子さんは観念したように見えた。
そして頷くかのように、ゆっくり目線を落とした。
「俺の腹の中と同じだな」
「これはお互いの腹に収めてあんたもちゃんと生きていきなよ」
「今の旦那さんに尽くしていきなよ」
すると、X子さんは神妙な表情に安堵を滲ませた。
「Z氏について今ここで詳しく話すことはできないけど、俺はホシだと思っている」
「彼は、X子が絶対に庇わなければいけない存在」
「Z氏は突発的に殺害した末、自殺偽装計画を立てたわけだ」
「でも、Yの痕跡も残しておき、もし自殺の線が崩れて事件化した時の”保険”までかけたというのが俺の見立てだ」
「そんな高度なこと、素人のX子1人では思い付かないだろ」
(佐藤氏)
こうして、およそ10回に及んだ聴取は幕を閉じたのだった。

取調官本人による異例の証言から浮かび上がった、新事実の数々。
小誌取材班は、証言の裏取りをするべく、佐藤氏が名前を挙げた関係者を訪ね歩いた。
安田種雄さんが亡くなった10数時間後、X子さんがY氏とピースサインの写真を撮った現場である、文京区本郷の居酒屋「T」。
2018年9月6日に捜査員から事情を聞かれたオーナーも店構えも、当時のままだ。
店を訪ねると、オーナーははっきり記憶していた。
「確かに店に捜査1課の刑事さんがやってきました」
「『この日に店に来て以降、失踪した2人組がいる』
と確かモザイクがかかった2人組の写真を見せてきたんです」
「背後に写っている絵が、この店のオープン時にある方から寄贈されたものだったので、
『うちの店ですよ』
と」
「そうしたら
『当日の伝票も欲しい』
と言われたため、渡しました。
絵を描いた人の連絡先も聞かれて、その方も聴取されたそうです」
2018年11月に聴取を受けた、X子さんが働いていた池袋のキャバレーは、既に閉店していた。
だが、小誌記者は関係者を辿り、4人目にして、実際に聴取を受けた元従業員にようやく行き着いた。
元従業員は
「2018年11月に警視庁の刑事さんが来たのは事実です」
「『この女性を覚えているか』
と写真を見せられました」
「確かに彼女は半年くらい池袋店で働いていた」
X子さんは入店早々、どんどん売り上げを伸ばしたという。
「お花が届くことも多く、常に指名席にいた印象」
「落ち着いた雰囲気のドレスを着ていました」
「目元がくりっとしていて武井咲に似ていたので、面食いのお客様によく指名されていた」
「一方、ボーイには高飛車なタイプ」
「例えば、頼まれたものを持っていくのが遅いと『まだなの?』というような目線を送って来るんです」
(同前)
■捜査1課が小誌に語った
刑事が繰り返し尋ねたのは、彼女の”変化”だった。
「彼女は1カ月半の間、店を辞めて、また戻って来るんです」
「『その間、何か変化がなかったか』
ということを聞かれました」
「最後の数日間は着物を着て接客していた」
「辞める時、
『私、銀座に行くことになりました』
って名刺を周りに配っていましたね」
(同前)
銀座で接客の才能が開花したX子さんは、やがてナンバー1ホステスになる。
佐藤氏の証言によれば、捜査1課はX子さんと銀座時代に交友関係のあった多くの男性客を任意聴取している。
その1例が、クラブの客として来店した有名な格闘家だ。
小誌記者が格闘家の経営するジムを訪れると、彼は困惑しながらこう話した。
「2019年頃、警視庁の方に
『車に来てください』
って言われて」
「(夫の)不審死っていうのは覚えていますよ」
「それで
『その方を知ってます?』
って言われたんで
『覚えてないです』
と」
一連の関係者の証言からは、X子さんの、忌々しい過去を振り切るように新たな男性たちの間を浮遊する生活が浮かび上がる。
そんな中、彼女は劇的な出会いを引き寄せたのだ。
安田種雄さんとX子さんを知る、ファッション誌の元編集者が証言する。
「種雄の死から数年後かな」
「西武新宿線でX子とばったり会ったことがあった」
「『何でこんなローカル線に乗ってるの』
と聞いたら
『議員の選挙区があるから手伝いに行っている』
と、凄い明るい雰囲気だったから
『吹っ切れたんだ』
と思いました」
東大出身の元財務官僚。
2005年9月に初当選を果たし、将来を嘱望されていた木原氏である。
彼はX子さんにとって、負の連鎖を断ち切る”守護神”だった。

別の捜査幹部が次のように証言する。
「2019年以降も一部の捜査員が夫婦の行動確認を続けていました」
「東村山市や南大塚の所有物件を定点観測した結果、2019年1月に想像もつかない動きがあったのです」
南大塚の所有物件に引越し業者のトラックが停まり、作業を始めたのだ。
捜査員が慌てて引越し業者に聞き込みすると、荷物は衆議院赤坂議員宿舎に搬入されたことが判明。
木原氏は生活拠点を移したのだ。
「俺は
『ああ、こいつ逃げやがった』
と思ったんだ」
「これで俺らは手出しできなくなっちまった」
「木原氏は、X子を捜査の網から隠すために一番安全な場所を選んだ」
「そう誰もが思ったよ」
「当時、X子は議員宿舎を子供と共に出てきて、幼稚園に通わせていたが、鉄壁の警備に守られ、任意同行なんて出来るわけがなかった」
(佐藤氏)
それでもサツイチの捜査員は諦めきれず、議員宿舎と東村山に定期的に捜査員を派遣し、行動を確認していた。
だが、遺族担当の刑事が異動になるなど、捜査は事実上ストップ。
2019年5月10日、最後の砦だった東村山の定点観測の拠点が解除されたのだった。
一体、誰が捜査を止めたのか。
佐藤氏が直属の上司である佐和田管理官から聴取の中止を告げられたのは前述の通りだ。
それより上層部で、一体何が話し合われたのか。
2018年当時の木原氏は、ポスト安倍を窺う岸田文雄氏の最側近。
当時の警視庁のトップが、その存在を知らないはずはあるまい。
小誌記者は、当時警視総監だった三浦正充氏の自宅を訪ねたものの、取材拒否。
2023年7月24日の朝には出勤前の三浦氏に声を掛けたが、
「三浦さんですか?」
という問いかけに、
「違います!」
と言い放ち、送迎車に乗り込んでいった。
また、佐和田管理官の上司に当たるのが、当時、捜査1課長だった小林敦氏だ。
小林氏に話を聞くと、木原氏の”介入”は
「ありません」
と言下に否定。
だが、露木康浩警察庁長官が言及した
「事件性はなかった」
という点を問うと、途端に語気を強めた。
「事件は『ない』じゃないんだよ!」
「ない、じゃないから、継続してやるしかない」
「捜査したって、灰色の段階じゃ終われないんだよ」
「確実なシロってならない限りさ」
「俺が(2019年2月に1課長を)辞める時は、全然(捜査を)やめたわけじゃない」

遺族が連名で捜査の続行を求める上申書を提出したのは、2023年7月17日のことだ。
7日後の2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉は、大塚署に足を運んだ。
遺族に相対したのは、警視庁捜査1課の特命捜査第1係長。
だが、そこで告げられたのは衝撃的な言葉だった。
「2018年の再捜査で捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」
突然の通告に驚いた遺族は
「聞いていません」
「納得できない」
と訴えた。
だが、係長は
「捜査の内容は答えられない」
の一点張り。
面会は僅か20分程度で終了したという。
露木康浩警察庁長官の会見での
「事件性はなかった」
発言と平仄を合わせるかのような回答。
面会を終えた安田種雄さんの父は、小誌記者にこう吐露した。
「こんなことがあるんですか・・・」
「私たちは2019年2月に捜査態勢の縮小を伝えられた際も
『捜査は終わっています』
と、いつ終わったのかを聞いても
『当時の捜査員がいないので分かりません』
と繰り返すばかり。
これまで警察から連絡を受けたこともありませんでした」
佐藤氏も憤る。
「捜査が終了した場合、被害者担当の捜査員がご遺族を訪ねて納得のいく説明をするのは当たり前の話だろ」
「それがないまま5年以上も放置されているなんて、まずあり得ない話だよ」
事件解決の糸口を握るのは、佐藤氏が言うもう1人の重要参考人と目するZ氏だ。
「俺がX子に聴取していた頃、捜査員が何度か足を運んだが、回数を重ねるごとに
『俺はもう捜査に協力しない』
と拒否するようになった」
(同前)
小誌が入手した捜査情報によれば、Z氏は2018年10月12日にも聴取を拒否。
その後、捜査員が接触した形跡はない。
現在、Z氏は東京を離れ、地方都市で第2の人生を送っている。
2023年7月22日正午過ぎ、白髪姿のZ氏が黒のスラックス姿で自宅から姿を現した。
小誌記者3人は、コンビニに立ち寄ったZ氏を直撃した。
ーー週刊文春の記者です。
「ちょっと今、急いでんの」
ーー2006年の事件のことで。
「17年前でしょ」
ーーその日のことを覚えていないか。
「覚えていない」
ーー2006年4月、大塚署に行ってますよね。
「言ってるけどね、そりゃあ。連絡があったから」
ーー大塚署に行かれる前、どうされていた?
「(顔を紅潮させ)あ、ちょっと。車で、車で行くから悪いけど、ついいてこないでくれる?ストーカーになるよ!」
記者が「安田種雄さん」という名前を告げると、途端に顔を紅潮させ、言葉は怒気を孕む。
「いいや、110番するぞお。ふざけんな、この野郎!」
ーーX子さんに関与の疑いが掛かっている。
「やかましんだよ、この野郎! やってもいいんだぞ、この野郎!」
ーー当時の安田種雄さんとの関係を・・・。
「だから! もう覚えておらんし、分からんて。もう本当にもう覚えていない、もう。俺は家に行ったことは確かだけどさあ」
エレベーターに一緒に乗り込もうとすると、Z氏は記者の胸を小突き、右腕を強く掴む。
血走った目を見開き、唇を震わせる。
「こんにゃろう、テメー!やってもいいんだぞ、こんにゃろう。お前ら3人ぐらいどうってことねえんだ!昔、何やったとか知っとんのか!・・・ボクサーだよ。ボクサーだけじゃねえぞ。喧嘩は得意なんだよ」
■なぜ”木原事件”を報じるのか
Z氏は記者の1人の喉元に手を掛ける。
ーー喧嘩をしに来たわけではない。
「お前らあ。損するぞ」
ーー事件の日、現場に行かれたんじゃないですか?
「もう覚えてないちゅうの。現場には行ったよ」
ーー何のために行かれたのか?
「そりゃあ、しょっちゅう見てるもん」
ーー安田種雄さんの遺族にも取材している。
「知ってるよ。見たよ。あんなの信用してんのか、お前らアレを、あいつらを」
ーーX子さんが疑われているが、Zさんが何か関与されたのでは?
「・・・それは大塚警察署によく聞いてくれよ。警視庁に」
木原氏に対し、ドラレコでの発言の有無や、任意同行を一旦拒否したこと、赤坂議員宿舎への移転の理由などを尋ねると、概ね次のように回答した。
「(俺が手を回していくなどの発言は)5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
「(任意同行拒否は)そのような事実はありません」
「(赤坂宿舎への転居は)23区内での生活拠点としていた義父所有のマンションを義父が売却したためです」
警視庁広報課にX子さんの取り調べ中止の経緯や木原氏の介入について尋ねると、こう回答があった。
「法と証拠に基づき、適正に捜査・調査を行った結果、証拠上、事件性が認められなかったものであり、お尋ねのような働き掛けなどなく、捜査・調査は公正に行われたものです」
佐藤氏は言う。
「これだけ事実を提示しても、露木康浩警察庁長官は
『事件性は認められない』
って言うのか」
「俺が
『捜査のイロハ』
を教えてやろうか」

我々が報じてきた”木原事件”とは何か。
一連の記事で我々が問うてきたものは何なのか。
小誌取材班の問題意識は、当初から一貫していた。
「自身の政治権力を熟知し、それを私的に利用する木原氏は、国の舵取りを任せるに相応しいのか」ー。
官房副長官として、今や
「影の総理」
と言われるほど絶大な権力を握る木原氏について、今回の佐藤氏の証言で明らかになったこと。
それは、木原氏の
「家宅捜索も妻への事情聴取も事実無根」
という真っ赤な嘘。
捜査員に対し
「クビ飛ばせるぞ」
と凄み、
「国会が開くまでに終わらせろ」
と一方的に期限を区切った特権意識。
そして、タクシーのドラレコ映像に残された
「俺が手を回した」
発言が示唆する、権力濫用の疑いである。
佐藤氏以外の現役警察官も、皆一様に
「木原氏の存在で、捜査のハードルが上がった」
と語り、
「遺族の無念を晴らしたい」
と口を揃える。
週刊誌記者が捜査関係者からこれだけのエールを送られるのは、本来ならばあり得ない話だ。
木原事件、第2章。
その幕が上がろうとしている。

新聞、テレビが報じない木原事件 全ての疑問に答える
週刊文春2023年8月10日号
▼実名告発警視庁取調官が遺族に語ったこと
▼現役刑事も告白「捜査が止められた訳を聞きたい」
▼「これは殺人」最大根拠は凶器から滴り落ちた血
▼ボサボサ頭、無精ひげ木原副長官異変あり
▼「遺体を移動させたのは誰か?」捜査メモ独占入手
▼自民幹部が小誌に「疑惑のナイフ」「副長官失格!」
遂に”木原事件”が動いた。
木原副長官の妻X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が会見を開いたのだ。
「事件性なし」
と主張し続ける警察の矛盾、再捜査の行方、木原氏の”議員特権”ー小誌だから書ける事件の全て。
2023年7月28日午後1時から約1時間に渡る記者会見を終えた警視庁捜査1課殺人犯捜査第1係の佐藤誠元警部補は、煙草を1本燻らせると
「俺のこと、待っているんだろ」
と呟き、忙しなく文藝春秋本社ビル4階の応接室に向かった。
彼の到着を待ち侘びていたのは、安田種雄さん(享年28)の両親、長姉、次姉の4人。
佐藤氏が応接室のドアを開けた瞬間、中央に座った母が堰を切ったように涙を流し、
「ありがとうございました」
と声を震わせる。
★佐藤氏
「取調官の佐藤です」
「捜査の基本はやっぱり被害者なんですよ」
★長姉
「そう言って頂いて、本当に心が楽になりました」
「そういう対応をされたことがないので」
佐藤氏は約17年前の事件ゆえに
「証拠が乏しかった」
と率直な想いを吐露する。
★佐藤氏
「捜査っていうのは、過去の再現」
「証拠で過去を再現しなきゃいけないんですよ」
「その証拠を見て過去が再現できるか」
「となると、供述だけじゃ難しい」
この日(2023年7月28日)、初めて顔を合わせた5人が視線の先に見据えていたのは事件の解決に他ならない。
彼らは安田種雄さんと当時の妻X子さんの夫婦関係に着目し、それぞれ意見を交わし合う。
★佐藤氏
「これはね、離婚、2人の子供の親権争いだと思うんですよ」
★母
「それ、ありました・・・」
★佐藤氏
「子供はX子が引き取るか、種雄君が引き取るかね。そういう話で揉めたと思うんですよ」
★母
「種雄が(子供たちを)引き取るって言っていました・・・」
「『お母さんも面倒見て』って」
★佐藤氏
「そんなの自殺するはずがないでしょ」
★長姉
「未だに、あいつ(種雄さん)が死んでいるのが、しっくりこないんですよね」
★佐藤氏
「被害者の方はずっとそんな気持ちを抱き続ける」
「泥棒や詐欺を捕まえるのは金とかの話ですけど、命を扱うとなるとね、やっぱり被害者が大事なんです」
約1時間半の面会。
その途中で母が嗚咽を漏らし、過呼吸に陥った。
亡き息子の名を口にする度に、17年前の悪夢に引き戻される。
佐藤氏が会見で語った事件の片鱗は、安田種雄さんが確かに殺害されたという残酷な現実そのものだった。
面会の最後、ようやく立ち上がった母は慟哭しながら佐藤氏の手を握る。
そして、言葉を振り絞った。
「あなたのおかげです」
「泣かないと約束してきたんですけど、我慢できませんでした・・・」

2006年、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫だった安田種雄さんが”怪死”した事件。
2023年7月27日発売の小誌前号は
「木原事件 妻の取調官<捜査1課刑事>実名告発18時間」
と題し、2018年の再捜査の際にX子さんを約10日間取り調べた佐藤氏の告発を13ページに渡り掲載した。
■<ポイントは体位変換>
佐藤氏は捜査1課一筋18年、過去100件近くの取り調べを経験し、
「オトせないホシ(容疑者)はいない」
と評される”捜査1課のレジェンド”である。
佐藤氏の告発は詳細を極め、事件の経緯やX子さんの取調室での言動がリアルに浮かび上がった。
佐藤氏が記者会見を開いたのは小誌前号の発売翌日、2023年7月28日午後1時のことだ。
露木康浩警察庁長官が2023年7月13日の定例記者会見で、安田種雄さんの不審死について
「事件性は認められない」
と説明したことを念頭に、会見の冒頭で次のように語った。
「この事件を
『事件性がない』
とか
『自殺だ』
とか言ってるんでカチンときたんですよ」
「被害者に対して火に油を注ぐようなことを言っているなと」
「結局、自殺とする証拠品は存在しないんですよ」
「断言しますけど、事件性ありですからね」
会見終了後、ネットを中心に賛否が吹き荒れた。
その1つが、事件性を裏付ける根拠に関するものだ。
会見で佐藤氏は
「(事件現場の)写真を見れば分かるじゃないですか」
「遺体を動かしたりしてるんで、血がこっちに付いたり」
と言うに留めた。
それに対し
「根拠が薄いのではないか」
という批判が沸き上がったのだ。
では、なぜ事件性はあると言い切れるのか。
今回、小誌は2018年の再捜査に携わった捜査員を再び訪ね歩き、佐藤氏の証言を裏付ける重要な捜査メモを入手した。
2018年12月、佐藤氏と共に捜査に当たったベテラン捜査員が事件を分析したものだ。
捜査メモには、X子さんや、彼女と親密な関係にあり、捜査員の間でキーマンと見られていたY氏の名前を交え、こう記されている。
<ポイントとなるのは、種雄の体位変換>
<種雄の父やYが体位変換を行っていないとすると、X子の行為とすることが自然である>
<それを解く鍵は、体位変換による流動血の移動だ>
■現場に残された血液の足跡
ここから読み取れるのは、血痕などから、何者かが種雄さんの遺体を動かした痕跡があるということ。
ベテラン捜査員はメモの中で
「誰が遺体を動かしたのか」
を考察しているのだ。
更に、捜査メモは次のように続く。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<更に、室内の黒色マット上と階段には血液の足跡が付着している>
<こうした犯行現場の状況から【何者か】が凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
<時期はいつか>
<ナイフには付着する血痕が滴下するタイミング、つまり犯行直後と考えられる>
(注・【】は編集部)
では何故、遺体を動かす必要があったのか。
メモはこう続く。
<X子が体位変換したとするなら、自殺と偽装するために、ナイフを握らせようとしたことで体位変換してしまったと考える>
一方、黒いマットの上に付いた血液の足跡については、こう分析されていた。
<X子は凶器を持って1度部屋を出た後、Yに電話している>
<そのことを考えると、足跡は最初に付いたものではない>
<電話の後、種雄の部屋に入り、血痕を踏みしめて形成されたものだと考えられる>
<自殺偽装に失敗し、部屋の中で地団駄を踏み、その足跡が黒色マットに付いたのではないか>
ある捜査員が絶対匿名を条件に解説する。
「遺体のズレや現場に残された血痕を分析すれば、やはり自殺とはどうしたって考えられないのです」
血痕という証拠に加えて再捜査において重要な役割を果たしたのは、Y氏の供述である。
この頃のY氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された末、宮崎刑務所に収監されていた。
捜査員は約30回の面会を繰り返し、20数回目にして
「事件当日の夜中、X子から
『種雄君が刺せと言ったので、刺しちゃった』
と電話があった」
との供述を得ていた。
佐藤氏の考察は、こうした膨大な情報から導き出されているのだ。
それだけではない。
会見でも多くの質問が飛んだのが、小誌前号で佐藤氏が
「ホシだと思っている」
と述べたZ氏についてである。
会見の場で、Z氏がホシである根拠を聞かれた佐藤氏は
「感触ですね、勘」
と一言。
だが、その発言はネット上で
「根拠がない」
と批判を浴びた。
なぜ佐藤氏はZ氏を”ホシ”だと考えたのか。
佐藤氏が改めて真意を語る。
「言い方が乱暴だったかな」
「刑事の勘には当然、根拠がある」
「取調官には、各種の証拠品やYの供述、参考人聴取の調書に至るまで、全ての捜査資料が集まるわけよ」
「会見では『勘』と言ったけど、それらの資料を細かく分析し、登場人物を消去法で絞っていけば、自ずと最後に残るのがZしかいないってことだ」
実は、事件当日(2006年4月9日)の夜7時半、Z氏は安田種雄さん夫婦が暮らす一軒家を訪れ、
「仲良くしなくちゃ駄目だぞ」
「しっかりやれよ」
という言葉を投げかけている。
「それはX子の調書に残されている」
「そして同日夜(2006年4月9日)、Zは大塚署に種雄さんの家庭内暴力について相談に行っている」
「そのことは大塚署の記録にも残っていた」
「それだけ切迫した状況だったということだ」
「そして死亡推定時刻も同日(2006年4月9日)夜」
「当時、捜査1課はZに対して任意聴取を重ねようとしたけど、途中で拒否された」
(佐藤氏)
佐藤氏が会見で語ったのは、こうした事件の見立てばかりではない。
とりわけ強調していたのは、当時木原氏が捜査に対し、政治的影響力を行使していた疑惑である。
2018年10月以降、X子さんは聴取を終えると木原氏と合流し、警視庁本部からタクシーに乗車し、帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、分析したところ、後部座席に座った木原氏が沈痛な面持ちのX子さんの手を握り、次のような言葉を投げかけていた。
「俺が手を回しておいたから心配すんな」
「刑事の話には乗るなよ」
「これは絶対言っちゃ駄目だぞ」
「それは罠なんだから」
佐藤氏の脳裏には未だに、その衝撃的な映像が焼き付いているという。
「木原氏が
『手を回しておいた』
とハッキリ言っていたのは間違いない」
「他にドラレコの映像で覚えているのは、木原氏の口からYの名前が出たこと」
「『X子は木原氏にそんなことまで話しているのか。開き直ってんじゃねえか』
と驚いた記憶がある」
(佐藤氏)
佐藤氏だけではない。
実は小誌の取材に対し、複数の捜査員がドラレコの存在を認めている。
木原氏が
「俺が手を回した」
と語った決定的証拠。
ではドラレコは今、どこにあるのか。
当時の捜査1課の管理官の1人に尋ねると、
「捜査をやめようとなっても、資料はちゃんと保管する」
「捜査結果は全部、刑事部長まで報告するけど、その部長は(人事異動で)代わるわけだから」
更に、元捜査員の1人も一般論として
「任意提出してもらった証拠を消すなんてことは絶対ない」
「警視庁で間違いなく保管している」
と断言するのだ。
また、佐藤氏は木原氏の捜査への”介入”について、こう語っている。
■木原氏が行使した”特権”
「当初から木原氏は
『国会の招集日までに取り調べを終わらせろ』
と捜査幹部に話をしていたと聞いている」
「理由として
『国会が始まれば、妻の取り調べの間、子供の面倒を見られない』
と言うわけだよ」
小誌は前号で、ドラレコに記録されていたタクシーでの発言内容に加え、木原氏が捜査幹部に
「国会召集前までに取り調べを終わらせろ」
と要求したことについても木原氏に質問。
木原氏は書面で
「5年前の会話とのご指摘であり、確認のしようがありませんが、そのような趣旨のことを申し上げることはない」
と回答していた。
更に2023年7月28日には、X子さんの代理人弁護士が司法記者クラブに<ご通知>と題した文書を送付。
日弁連に人権救済の申し立てをしたことに加え、こう記されている。
<記事中、佐藤氏は、木原氏が
「国会の招集日までに取り調べを終わらせろ」
と言及したなどとありますが、これは事実に反しています>
だが、捜査の全容を知る立場にあった捜査幹部はこう明かすのだ。
「『国会が始まれば子供の面倒を見られなくなるから、招集日までに終わらせろ』
という話は、確かに自分も記憶している」
「そうすると、その国会が終わって次、聴取できるのはいつになるんだ、と思った」
なぜ、木原氏は取り調べの期限を指定できるたのか。
元捜査員の1人は、次のように解説する。
「一般人であれば
『いつまでに聴取を終わらせろ』
という要求は出来ないし、通るわけがない」
「ましてX子さんは”重要参考人”と見られていた」
「一方で警察側も、相手が国会議員の関係者である以上、一般人より慎重に扱わざる得ない」
「木原氏はそうした警察側の立場も見越して、一方的な要求を突き付けたのでしょう」
「そうした態度は、国会議員という”特権”を振りかざしていることに他なりません」
実際、木原氏の要求通り、臨時国会開会前の2018年10月下旬に取り調べは終了した。
佐藤氏が佐和田立雄管理官(当時)から
「明日で全て終わりだ」
と告げられたのだ。
佐藤氏は
「国会が終わったら取り調べ再会だろう」
と高を括っていたが、結局国会が終わっても、佐藤氏が再びX子さんと対面することはなかった。
なぜか再開することのなかった取り調べ。
会見で佐藤氏は、次のように語っている。
「終わり方が異常だったんですよ」
「普通の終わり方じゃない」
「今まで殺し(殺人事件の捜査)を100件近くやってるんですけど、終わり方がね、こんな終わり方はないんですよ」
「自然消滅したみたいな」
異常な終わり方とは、どのようなものだったのか。
2018年春以降、木原事件の再捜査は大塚署、捜査1課特命捜査第1係(トクイチ)、殺人犯捜査第1係(サツイチ)の精鋭30〜40人が集まり、特別捜査本部さながらの規模でスタートしている。
だが、捜査は不可思議な経過を辿る。
佐藤氏はこう語る。
「(2018年)10月下旬にX子の調べが終わった時点で、大塚署とサツイチはいなくなったんだよ」
「だから、実質捜査は終わっているわけだ」
「中心となって捜査していたサツイチの係長がトクイチに異動になったのは、同年(2018年)12月」
「それ以降は大幅に人員が削減されて、4〜5人の特命係が担当していただけなんだ」
小誌が入手した捜査メモは、その後の捜査の推移を裏付けるものだった。
翌年2019年の2月23日、捜査員は銀座の高級クラブが多数入居するビルを訪れ、X子さんが当時働いていたクラブの特定を進めた。
更に、木原氏が所有する東村山市のマンションや、X子さんの父が所有していた豊島区南大塚の物件など、合計4カ所に捜査員を派遣しているのが確認できる。
だが、同年(2019年)5月10日、最後の砦だった東村山の捜査の拠点が解除されたのだった。
「係長が上司から
『もうやらなくて良い』
と言われ、それでも捜査していると
『何やってんだ』
と言われて」
「その後は自然消滅だよ」
「(2019年)5月以降、俺は別の未解決事件の捜査をやることになった」
(佐藤氏)
■「身だしなみは整えていた
”異常な終わり方”に違和感を覚えていたのは、佐藤氏だけではない。
合同捜査がスタートした当時、中心的な役割を担っていた現役刑事は小誌の取材に対し、次のように本心を明かす。
「(捜査が)止められた訳を、自分たちもちゃんと聞きたいくらい」
「捜査員は皆そう思ってるんじゃないかな」
「説明はなかった」
「時代が変われば出来るのかしれないよね」
「あの時のメンバーは皆悔しいと思う」
「殺人事件だから時効はない」
「いつまた動き出すか分かんないからね」
そして、こう本音を漏らすのだった。
「諦めてはいない」

2023年7月24日午後1時、安田種雄さんの父と2人の姉が向かったのは、事件発生から何度も足を運んだ大塚署だった。
その7日前(2023年7月17日)、遺族は捜査の継続を求める上申書を大塚署に提出。
この日(2023年7月24日)は捜査1課の担当者から説明を受ける予定だった。
携帯電話を一時没収され、1人1人ボディチェックを入念に受ける。
まるで被疑者のような扱いに失望しながら部屋に入ると、捜査1課の担当者が
「事件性は認められません」
「捜査は尽くしています」
と繰り返すのだった。
安田種雄さんの次姉が悔しさを露わにする。
「報道前、最後に警察側から説明があった2019年2月には、担当の方が
『捜査態勢は縮小しますが、続けます』
と話していた」
「なのに今回は根拠も説明せず
『捜査は終わっています』
『当時の捜査員がいないので、終わった時期は分かりません』
と言うのみでした」
捜査1課の担当者は、定例会見での露木康浩警察庁長官のコメントに平仄を合わせるかのような回答に終始し、遺族を絶望させたのだ。
更に、2023年7月28日の佐藤氏の会見の直後には、國府田(こうだ)剛捜査1課長が定例レクを開催。
國府田氏もこう説明した。
「現場の状況から争った状況が認められず、事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
だが、安田種雄さんの次姉はこう訴えるのだ。
「再捜査スタートの時に提出していた血の付いたカーゴパンツやタンクトップなど複数の遺品は、未だに返却されていません」
警視庁は
「事件性はない」、
つまり自殺だと結論付けているのであれば、なぜ遺族に遺品を返却しないのか。
佐藤氏は言う。
「本当に『自殺』と断定しているなら、とっくに遺族に遺品を返しているはずだ」
「捜査に必要ないものなんだから、それを返していないってことは、結局自殺とは断定出来ていないということなんじゃないかな」
遺族へのボディチェックの理由も含めて警視庁に尋ねると、
「(ボディチェックは)一般的に、施設管理権に基づく確認を行っています」
「捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えます」
佐藤氏の実名会見を経ても尚
「事件性はない」
と繰り返す警察側。
本当に、再捜査の可能性はないのか。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は言う。
「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります」
「これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている」
「更に、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
「検察が調べた上で不起訴にした場合は、検察審査会に
『不起訴処分は不当だ』
と申し立てることもできます」
一方、佐藤氏は実名会見で捜査内容について言及。
これについて、國府田捜査1課長は前述の定例レクで
「元捜査員が情報を漏洩したのであれば遺憾に思う」
とコメントした。
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」
とされる。
國府田氏はこの法律に抵触する可能性を仄めかしたのだ。
では、実際に佐藤氏が罪に問われることはあるのか。
「形式的には同法違反に該当する可能性は高いですが、実際に処罰するのは難しいでしょう」
「佐藤氏は私怨で告発しているのではなく、
『殺人事件をなかったことにしていいのか』
『きちんと捜査して、犯人に刑事処分を下す必要があるはずではないか』
という義憤に駆られて声を上げており、その訴えの公共性は極めて高い」
「処罰すれば世論の反発も避けられません」
(前出・若狭氏)
実際、内部を取り締まる警視庁警務部人事1課の幹部も、周囲にこう漏らしているという。
「本音を言えば、面倒臭い」
「これは厄介だよ」

小誌が事件についての報道を始めてから約1カ月。
木原氏は公の場から姿を消し、詳細な説明を避け続けている。
「2023年7月中旬に岸田文雄首相は中東を訪問」
「これに同行するのは木原氏の予定でしたが、直前になって、磯崎仁彦官房副長官に交代になった」
「官房長官が不在の際の代理会見も磯崎氏ばかり」
「おかげで磯崎氏の記者対応が上手くなったと評判です」
(政治部記者)
だが実は、小誌報道後、木原氏は周囲にこんな姿を見せていた。
「2023年7月18日の閣議に、髪はボサボサ、髭も伸び放題という姿で現れたのです」
「閣僚たちも
『大丈夫なのか。あれで副長官を続けられるのか』
と驚いていたそうです」
(同前)
かつては議員会館で美顔ローラーを顔に当てる姿が目撃されるなど、美意識の高さで知られた木原氏の”異変”。
木原氏に尋ねたところ、書面で
「前日に散髪したばかりであり、身だしなみは整えておりました」
と回答があった。
そんな木原氏を巡り、自民党内からも厳しい意見が噴出している。
自民党の最高幹部の1人は、小誌の取材にこう言い放つのだ。
「この事件は”疑惑のナイフ”だよ」
「官邸の危機管理を担う副長官が疑惑に関わっている上、対応も稚拙」
「副長官失格だ!」
2023年7月下旬には、茂木敏充幹事長が周囲にこう本音を漏らしたという。
「普通、自分から辞めるけどね」
なぜ、木原氏は辞任しないのか。
木原氏をよく知る官僚は言う。
「木原氏は岸田首相と”一心同体”だからです」
「党総裁選出馬に当たり、政策を書いたのも木原氏なら、一世を風靡した『岸田ノート』をアピールするよう進言したのも木原氏」
「岸田政権誕生後は
『総理に上がる案件は全部、自分の所へ持ってこい』
とあらゆる政策に口を出し、岸田首相も自分の所に案件が上げられる度
『ちゃんと木原は見ているのか』
と確認してきた」
「だから木原氏は軽々に辞められないし、岸田首相も更迭させられないのです」
実際、岸田首相は周囲にこう語り、木原氏を擁護しているという。
「彼自身が何かしたわけではないだろ」
「事件があった時には夫婦じゃなかったんだから」
目下、永田町で囁かれているのは、内閣改造の前倒しである。
「これまで2023年9月中旬と見られていましたが、2023年8月下旬に早める可能性が出てきました」
「2023年8月末と見られてきた日米韓首脳会談が2023年8月18日に決まり、2023年8月下旬が空いたからです」
「それ以前に木原氏を更迭すれば疑惑を認めることになるため、内閣改造で交代させ、幕引きを図るという目論見です」
(政治部デスク)
このまま幕引きを許してはならない。

木原事件 噓つきは5人いる 捜査幹部が「あのドラレコは・・・」
週刊文春2023年8月31日号
木原官房副長官の妻の元夫”怪死”事件。
遺族は再び警視庁捜査1課の担当者に呼び出された。
だが、その説明は不可解そのものだった。
次々と浮上する矛盾、漏れ伝わる捜査幹部の反論。
嘘を付いているのは一体、誰だ?
「捜査の結果、部屋の状況やご遺体の状況から、争ったような跡は認められなかったんですね」
「自殺と考えて矛盾はありません」
2023年8月9日午後4時、警視庁世田谷署内の一室。
捜査1課特命捜査第1係長のW警部は、安田種雄さん(享年28歳、事件は2006年4月10日)の父、2人の姉と向き合うと、事前に用意された”模範解答”を淀みなく披露した。
遺族がW係長と言葉を交わすのは、この時が初めてではない。
遡ること約3週間前。
失われた17年間の悲痛な想いを文字に込め、捜査の継続を求めた上申書を提出した遺族に対し、W係長は
「捜査は尽くしています」
と繰り返した。
遺族の希望は打ち砕かれ、警察への不信感が俄かに沸騰した。
そして迎えた2度目の面談。
W係長の口から飛び出したのは、驚くべき説明だった。
「この写真を見て下さい」
「現場の廊下にあった滴下血液ですがー」

小誌は2023年7月13日号以降、1カ月超に渡り、政権中枢を担う木原誠二官房副長官の妻X子さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で小誌の取材に応じ、2023年7月28日には記者会見を開くという異例の経過を辿った”木原事件”。
だが警察側は、2023年7月13日に露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。
佐藤誠元警部補の実名告発をもってしても、尚、真相が明らかにならないのは何故か。
事件を巡って
「嘘」
を付いているのは、一体誰なのかー。
小誌は今回、本当に事件は
「自殺と考えて矛盾はないのか」、
新たな証言を得た。
再捜査の最中だった2018年10月上旬。
捜査1課殺人犯捜査第1係(サツイチ)のメンバーら4〜5人で構成される
「証拠班」
の1人が裁判所に持ち込んだのは、関係先を捜査するための
「捜索差押許可状」
の申請に必要な
「一件書類」
だった。
供述調書、実況見分調書、そして数十枚の写真の束。
それは厚さ15cm以上に及んだが、最も重要な書類は、法医学者の鑑定書と意見書である。
■「自殺と考えるのは無理」
サツイチのメンバーが着目したポイントの1つは、安田種雄さんの遺体に付いたナイフの傷だった。
安田種雄さんの死因は失血死で、遺体にはナイフを頭上から喉元に向かって刺したとみられる傷があり、ナイフは仰向けに倒れていた安田種雄さんの右膝辺りに置かれていた。
つまり、自殺とするならば、安田種雄さんが自らナイフを喉元に突き立てた上で、それを自ら引き抜き、自身の足元に置く必要があるのだ。
佐藤誠元警部補が語る。
「当時、証拠班は豚の肉を用意し、ナイフで刺した場合の血の付き方などを細かく分析していた」
「更に、法医学者にも検証を依頼」
「その結果、
『事件の可能性が高い』
という結論を得て、鑑定書を書いてもらったんだ」
当時の経緯を知る捜査幹部も断言する。
「再捜査の際に法医学者に分析を依頼したのは事実」
「その結果、
『傷の状況から、1回刺したものを本人が引き抜くのは、筋肉の性質的に難しい』
『自殺と考えるのは無理がある』
というような回答を得ました」
この鑑定書を含む
「一件書類」
を裁判官は半日がかりで精査。
その結果、
「事件性がある」
という相当な理由が認められたため、捜索差押許可状が発布された。
つまり、法医学者も裁判所も
「他殺の可能性がある」
と判断していたのだ。
にもかかわらず、遺族に対して
「自殺と考えて矛盾はない」
と強弁したのが、冒頭のW係長である。
W係長の奇妙な説明の1つが、ナイフについてだ。
遺体の第1発見者となった安田種雄さんの父は
「あまり血は付着していなかった」
と振り返る。
また、2018年に再捜査が行われる発端となったのも、大塚署の女性刑事がナイフの血の付き方に着目し
「誰かが血糊(ちのり)を拭き取ったのでは」
と疑念を抱いたからだった。
だが、W係長は遺族にこう語ったのだ。
「ナイフは本人が引き抜いたと考えて矛盾しない」
「ナイフを抜く時、硬い筋肉で血が拭われたんです」
それだけではない。
小誌2023年8月10日号で、”事件性アリ”の決定的証拠である
<捜査メモ>
の内容を報じた。
小誌が入手したのは、2018年12月12日付の捜査メモ。
作成者は2018年春から一連の捜査を指揮していたサツイチの係長(当時)である。
警察庁から広域技能指導官に指定されたベテラン刑事が着目したのは、廊下に滴り落ちた複数の血痕だった。
<廊下の血痕は、凶器から滴下したもの>
<(中略)こうした犯行現場の状況から何者かが凶器を持ち出し、1度部屋を出たことが推察される>
現場となった安田種雄さんの自宅の廊下に血痕が残されており、これが殺人事件であることを裏付ける重要な証拠だったのだ。
小誌報道を読んだ遺族は、W係長との2度目の面談の前に、事前にこの点についても質問。
これに対し、面談の席でW係長が用意してきたのは、A4用紙2枚にプリントされた写真だった。
1枚目は遺体の搬送前、2枚目は搬送後のものだという。
搬送後とされる写真に写された和室の戸の桟付近には、直径1cm程度の血液痕が2つ落ちていた。
W係長は遺族に対し、こう釈明したのだ。
「遺体を部屋から出して階段を降りる時、スイッチバック(険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路)みたいにしないと出せないと思うんです」
「搬送の際に廊下に血液が付いたと考えて間違いない」
しかし、
「搬送前」
とされる写真に同じ場所が写されたものはなく、搬送の際に血液が落ちたことを裏付ける証拠はなかった。
遺族はただ首を傾げる他なかったという。
前出の佐藤誠元警部補も
「搬出の際に血液が付くなんて100%あり得ない」
と語る。
「俺は約1500体の遺体を扱ってきたけど、必ずグレーのチャック付きの遺体収納袋に詰めるので血が滴ることは絶対ないだろ」
「事件が起きると現場鑑識が臨場して写真を撮影して、指紋やDNAを採取する」
「現場保存の作業は3〜4時間かかる」
「そうすると、当然血は固まっている」
「搬出で滴り落ちるはずがない」
前出の再捜査の経緯を知る捜査幹部も、こう怒りを滲ませる。
「こんな説明をするなんて遺族に失礼だよね」
「事件は終わっていない」
「自分もそうだけど、捜査員で『これで終わり』って思ってる人は誰もいない」
何故W係長は遺族に
「嘘」
を重ねるのか。
それは、警察組織の
「事件性はない」
との判断に平仄(物事の順序・道理・筋道)を合わせるためだ。
では、彼らは如何にして無理筋の結論に至ったのか。
2023年7月26日の夜のこと。
警視庁の重松弘教刑事部長の執務室に集まったのは、刑事部のナンバー2である井ノ口徹参事官と、國府田(こうだ)剛捜査1課長だ。
2023年7月26日の正午には小誌電子版で、佐藤誠元警部補の実名告発を掲載した記事が、雑誌の発売に先駆けて公開されたばかり。
警視庁幹部が膝を突き合わせたのは、組織のトップの”鶴の一声”がきっかけだったという。
「露木康浩警察庁長官が
『火消ししろ』
と重松弘教刑事部長に命じたそうです」
「後輩の露木康浩警察庁長官に
『どうにかしてやれよ』
と発破を掛けたのは、元警察庁長官で現在は木原誠二官房副長官と共に官房副長官を務める栗生俊一(くりゅう しゅんいち)氏だったそうです」
(捜査関係者)
夜遅くまで続いた”3者会談”では、國府田(こうだ)剛捜査1課長が
「自殺と考えて矛盾はない」
とするロジックを披露。
捜査1課長を歴任した井ノ口徹参事官は後輩の意見に耳を傾けていたが、やがてこう口にする。
「自殺とする根拠がない」
「さすがにマズいだろう」
だが、最後は重松弘教刑事部長がその場を取り成した。
こうしたお粗末過ぎる3者会談の結果、警察は木原事件の重い扉を閉じることを決めたのだ。
そして、2023年7月28日の佐藤誠元警部補の会見の直後、國府田(こうだ)剛捜査1課長は、警察担当記者を集めた定例レクでこう言い放った。
「事件性が認められない」
「自殺と考えて矛盾はない」
「事件性がない以上、捜査すべき人も認められない」
更にー。
彼が
「嘘」
で隠そうとしているのが、木原誠二官房副長官の関与だ。
小誌は佐藤誠元警部補から、木原誠二官房副長官が捜査に”介入”したことを示唆する重要証言を得ていた。
2018年10月、X子さんは取り調べを終えると、木原誠二官房副長官と落ち合って警視庁本部からタクシーで帰宅。
捜査員が車内のドライブレコーダーを回収し、佐藤誠元警部補が分析すると、木原誠二官房副長官はX子さんにこう語り掛けていた。
「俺が手を回しておいたから心配するな」
木原誠二官房副長官の決定的な発言が記録されたドラレコ。
だが、ある捜査幹部は周囲にこう吹聴しているのだ。
「例のドラレコが存在するのは確認したが、音声が聞き取りづらい」
「『手を回した』云々という発言は、佐藤誠元警部補の思い込みなのでは」
佐藤誠元警部補の証言を火消しする説明。
だが、当の佐藤誠元警部補が語気を強めて言う。
「タクシー会社から画像データを受け取り、パソコンで視聴したが、音は鮮明だった」
「そもそも、ドラレコは捜査に不可欠なものだ」
「今回だけでなく、例えば2015年、埼玉県本庄市死体遺棄事件で指名手配されていた斎藤邦実の潜伏先を割り出した際には、関係者が乗ったタクシーのドラレコが決め手になった」
「音が聞き取りづらいなんてことがあるはずがない」
数々の
「嘘」
に糊塗され、木原事件の捜査は未だ動く気配を見せない。

渦中の木原誠二官房副長官は、久しぶりにカメラの前に姿を見せた。
2023年8月17日、日米韓首脳会議のため訪米した岸田文雄首相に同行したのだ。
だが、この訪米同行は異例ずくめだった。
■内閣改造で木原氏はどうなる
「木原誠二官房副長官は1度同行を辞退したのですが
『今回の首脳会談は重要だから』
と岸田首相が押し切ったそうです」
「首相の会見前には懇意のエマニュエル米国駐日大使と談笑している姿も見られた」
「ただ、木原誠二官房副長官はこの訪米の間、同行記者団へのブリーフィングを一切しなかった」
「岸田首相が”重要な首脳会談”と位置付けるからには、官房副長官自らその意義を記者団に説明して然るべきなのに、異例の対応です」
(政治部記者)
報道陣を避け、事件について世間の関心が離れることをひたすら待っているかのようにも映る木原誠二官房副長官。
首相官邸も
「嘘」
で事態の矮小化を図っているという。
小誌は2023年8月10日に合併号が発売されると1週間の休みに入るのが慣例。
この間、木原誠二官房副長官の上司に当たる松野博一官房長官は、周囲にこう語っていた。
「夏休み明けたら文春は木原をやらないらしいよ」
松野博一官房長官が、”他人事”を貫けるのは、大手メディアが事件を大きく扱ってこなかったためだ。
木原誠二官房副長官は報道当初から代理人弁護士を通じて
「文春を刑事告訴する」
と宣言し、メディア各社に
「人権侵害」
を名目に”後追い報道”には注意するよう呼び掛けていた。
「実際、2023年8月1日には立憲民主党の公開質問状に、木原誠二官房副長官側が
『当該報道については既に刑事告訴したところであります』
と回答」
「これを基に各社、木原誠二官房副長官が刑事告訴した旨を報じました」
「木原誠二官房副長官側とすれば事件を扱えば刑事告訴されるという前例を作り、メディアを牽制する意図もあるでしょう」
(前出・記者)
だが、検察担当記者は首を傾げるのだ。
「東京地検が刑事告訴を受理したという話は、全く漏れ伝わってきません」
「政権幹部が関わる重大案件ですから、受理されれば伝わって来るはずですが・・・」
警視庁刑事部の幹部も小誌の取材に
「うちには特に来てないよ」
と否定。
ではいつ、どの捜査機関に刑事告訴を行ったのか。
木原誠二官房副長官事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。
露木康浩警察庁長官を筆頭に、國府田(こうだ)剛捜査1課長、W係長ら警察側は、
「嘘」
で事件の本質を覆い隠す。
松野博一官房長官は
「嘘」
で事件の幕引きを図る。
そして、木原誠二官房副長官自身の
「嘘」
も発覚した。
小誌が報じて来た、木原誠二官房副長官の愛人と隠し子B子ちゃんの存在。
B子ちゃんについて、木原誠二官房副長官は小誌の取材に
「親子関係はない」
と断言してきた。
だが、現在発売中の月刊「文藝春秋」2023年9月号に対し、B子ちゃんが実子であることは
「事実です」
と認めているのだ。
目下、永田町では、2023年9月中旬には内閣改造があると囁かれる。
最大の焦点となるのは木原誠二官房副長官の去就だ。
「本人は憔悴し
『これ以上迷惑はかけられない』
と辞意を示唆している」
「その意思は岸田首相にも伝えているようです」
(官邸関係者)
だが、岸田首相は周囲にこう嘯いているという。
「俺が良ければ、それでいいんだろ」
”嘘つき”を野放しにし、事件の真相が藪の中になることはあってはならない。

木原事件 実名告発元取調官を警視庁2課が狙っている
週刊文春2023年9月7日号
2023年8月9日午後1時過ぎ、JR大宮駅周辺。
最高気温36℃の灼熱の中、滝のような汗を流しながら、落ち着かない様子で立ち尽くす数人の男たちの姿があった。
揃いも揃ってチノパンに斜め掛けのショルダーバッグ、2台の携帯電話を手に持つマスク姿の男たちは、周囲から完全に浮いている。
昼下がりの歓楽街に似つかわしくない彼らの正体はー。
小誌がこれまで報じてきた、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの”怪死”事件。
2023年7月27日発売号では、X子さんの取調官だった警視庁捜査1課の佐藤誠元警部補が実名告発。
露木康浩警察庁長官が
「証拠上、事件性が認められない」
とコメントしたことに対し
「これは殺人事件」
と断言した上で、こう憤った。
「これだけ事実を提示しても、露木長官『事件性は認められない』って言うのか」
「俺が『捜査のイロハ』を教えてやろうか」
記事に掲載された佐藤誠元警部補のこのコメントに怒り狂ったのが、露木康浩警察庁長官だった。
「露木さんは周囲に『俺が佐藤に捜査のイロハを教えてやる!』と息巻いていた」
「ただ露木長官は知能犯の捜査経験はあっても、殺人事件の現場を知っているわけではない」
「百戦錬磨の元警部補に嚙みつかれ、相当カチンと来たのでしょう」
(警察庁関係者)
この記事が小誌電子版に掲載された2023年7月26日、露木康浩警察庁長官の
「火消しをしろ」
という号令の下、警視庁幹部が
「3者会談」
を開いたのは小誌既報の通り。
だが、警視庁は事件に蓋をしただけではない。
今、彼らは、佐藤誠元警部補に照準を合わせているというのだ。
■元取調官の通話記録を・・・
「警視庁が狙っているのは、地方公務員法違反での佐藤氏の立件です」(捜査関係者)
地方公務員法第34条では
「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」
と定められている。
にもかかわらず、佐藤誠元警部補は捜査上知り得た情報を、小誌の取材や記者会見を通じ、第三者に漏洩したというものだ。
「捜査の指揮を執っているのは、藤山智将捜査2課長、露木長官や『3者会談』の中心人物だった重松弘教刑事部長と同じ、キャリア官僚です」
「2課の理事官から課長という経歴は、昨年(2022年)まで警察庁長官を務めた中村格氏も歩んだ超エリート街道」
「藤山氏は”やらされ仕事”もきっちりこなすと評判です」
「捜査1課出身の佐藤氏を1課が調べるわけにいかないのに加え、キャリアに捜査指揮をさせたいという上層部の思惑で、2課の藤山氏が担当しているのでしょう」
(捜査関係者)
捜査2課は、警察官の犯罪や不祥事を専門的に調べる警務部人事1課、通称
「ジンイチ」
の協力の下、佐藤誠元警部補の周辺を捜査しているという。
「現在は、佐藤氏の情報漏洩における共犯者を探しています」
「携帯電話の通話記録を全て確認し、現役の捜査員やOBとの接触を逐一チェックしている」
(捜査関係者)
捜査2課が佐藤誠元警部補と懇意の都内の中小企業にA4用紙1枚を郵送したのは、2023年8月10日のことだ。
書面には
「捜査関係事項照会書」
と書かれている。
別の捜査関係者が打ち明ける。
「同社に対し、捜査2課に連絡するよう通告したのです」
「それらの捜査を担当しているのは、同課の『財務捜査第7係』という部署」
「捜査員が同社の担当者に対し、電話で佐藤氏との関係や不動産売買の有無について確認していました」
財務捜査係は、公認会計士や税理士といった資格を持つ専任捜査官が在籍。
金の流れを追うプロフェッショナルが集まり、会社ぐるみの詐欺や横領といった企業犯罪を暴くことを職務としている。
古くは2011年のオリンパス事件や2017年の「てるみくらぶ」の詐欺事件などを手掛け、最近はガーシー元議員の捜査を担当した。
地方公務員法違反の捜査にもかかわらず、なぜ”財務のプロフェッショナル集団”が乗り出したのか。
「捜査2課は目下、佐藤氏が文春に”情報漏洩”した動機を調べています」
「一番簡単なのは『金目的だった』というストーリー」
「仮に佐藤氏が報酬目的で文春の取材に応じたとすれば、実名告発の公益性は薄れ、書類送検もされやすくなります」
(捜査関係者)
■情報漏洩犯は「○○の野郎」
財務捜査係は、佐藤誠元警部補の携帯電話の通話履歴を調べる過程で、佐藤誠元警部補の知人が役員を務める会社に目を付けたという。
「捜査員はそこの担当者から佐藤氏の資産状況などをつぶさに聞き取り、金に困っていた様子はないかを洗い出そうとしたのです」
「ところが不審な点はなかった」
「一方で、こうした捜査の一端が佐藤氏に伝わることを見込み、牽制するという意味合いもあった」
(捜査関係者)
無論、佐藤誠元警部補が小誌に告発した動機は金銭目的ではなく
「事件性は認められない」
という露木康浩警察庁長官への反論、そして1刑事としての使命感にある。
そんな折、小誌記者は、佐藤誠元警部補の周辺で不審な人影を目撃した。
それが冒頭のシーンだ。
この日(2023年8月9日)、佐藤誠元警部補は関東近県の自宅からJR大宮駅に到着し、駅近くのカラオケボックスで報道各社の取材に応じた。
捜査員と思しき男たちは交代で、佐藤誠元警部補が滞在するカラオケボックスの出入り口を注視していた。
佐藤誠元警部補への捜査について警視庁に尋ねると、
「お答えは致しかねます」
と回答した。
警視庁が狙っているのは、佐藤誠元警部補だけではない。
「文春に情報を漏らしている犯人が分かった」
「○○の野郎だよ」
「間違いない」
その人物は捜査1課長などを歴任した捜査幹部の1人。
小誌記者がある捜査幹部を訪ねたところ
「○○さんの所に行った?」
と”逆取材”を受けることもあった。
「警察は上から下までその人物のリーク説で固まっている」
「彼はパワハラ常習者で組織から嫌われているから、罪を被せることで一件落着」
「話を単純化し、早期にこの問題をお終らせたいという意図がありました」
(警視庁関係者)
だが、こうした警視庁の筋書きは穴だけだ。
実際、小誌はこの人物にはっきりと取材を断られている。
捜査員が汗を流すべきは場所は、木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫・安田種雄さんの遺族が求める再捜査の現場ではないか。

統一教会”解散”で木原副長官留任へ!
週刊文春2023年9月14日号
2023年9月1日午前9時半頃、衆議院第1議員会館の森山裕自民党選対委員長の部屋を、肉付きのいい、白髪交じりの男がふらりと訪ねて来た。
木原誠二官房副長官(53)である。
「森山氏には常に番記者が張り付いているため、面会は木原氏”復活”のアピールにもなりました」
「短時間の滞在でしたが、今後の衆院解散や内閣改造人事について腹合わせをしたと見られます」
(政治部デスク)
小誌は2023年7月13日号以降、木原氏の妻【X子】さんが、かつて結婚していた安田種雄さん(享年28)の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じてきた。
だが木原氏は事件に関し、記者会見などの公の場での説明を一切していない。
その理由について、木原氏は周囲にこう言い放っているという。
「記者会見したら文春の思うツボだろ」
副長官には官邸のスポークスマンとしての役割もあるはずだが、今や番記者とも溝が生じているようだ。
官邸担当記者が語る。
「旧知の記者とは飲んでおり、ストレスを酒で紛らわせているのか、毎日ワインを1〜2本空け、太ったそうです」
「一方、番記者には”塩対応”」
「以前は
『自宅には来ないで』
『その代わり電話には出るから』
と伝え、多忙な時でもコールバックするほど律儀でしたが、今はしつこく電話してようやく出てもらえる」
信頼関係が地に堕ちる出来事も。
2023年8月29日、ウクライナのゼレンスキー大統領と岸田首相が電話会談をした時のことだ。
「この前夜、会談予定を掴んだ共同通信が事前に報道」
「これを受けて、他社の番記者が木原氏に裏取りをしたのですが、木原氏は
『やらないでしょ』
と断言したのです」
「しかし結局、電話会談は行われた」
「『知らない』とはぐらかすことも出来たのに、明らかな嘘を付いた」
(同前)
■首相が目論む”木原隠し解散”
目下注目されるのが、2023年9月中旬にも行われる内閣改造での木原氏の去就だ。
岸田首相は
「木原に余裕がなくなって来ているんだよな」
と心配する一方、一連の事件については
「全くシロだろ!」
と、庇う姿勢は崩していない。
更に小誌報道については、周囲に、
「ヤマは越えたな」
と漏らしているという。
そんな中、小誌に驚くべき情報がもたらされた。
「岸田首相は木原氏を留任させる方針なのです」
「あらゆる政策の理論構築ができ、難題にぶち当たっても
『全く問題ありません』
とポジティブに語る木原氏は、首相が傍に置いておきたい存在」
「交代させれば、事件が理由と捉えられてしまう」
「”絶対に代えない”と意地になっているのでしょう」
(官邸関係者)
だがそうなると、いつまでも事件の説明から逃げ回ることはできない。
「2023年10月にも召集される臨時国会が開会すると、野党は
『公務に支障を来している』
としつこく説明を求めるでしょう」
「木原氏が国会に呼ばれて審議が紛糾すれば、岸田首相の責任問題に発展します」
(同前)
そこで、現実味を帯びてきているのがー。
「”木原隠し解散”です」
「岸田首相が木原氏のために、衆院解散という”伝家の宝刀”を抜くことを検討しているのです」
(同前)
実際、岸田首相はその地ならしを着々と進めている。
最たるものが統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求だ。
「2022年10月、岸田首相は統一教会に対し、史上初めて宗教法人法に基づく『質問権』の行使を表明しました」
「文部科学省はこれまで7度、組織運営などの報告を求めてきたが、質問を重ねるごとに寄せられる資料は激減」
「これが回答拒否に当たるとして、文科省は近く、10万円以下の過料という罰則の適用を裁判所に求める方針を固めました」
(文科省担当記者)
その上で教団側の対応を見極め、2023年10月中旬にも解散命令請求に踏み切る可能性が浮上しているのだ。
「岸田首相は元々
『信教の自由は守られるべき』
と慎重姿勢でした」
「一方で文春が2023年4月下旬に
『解散請求断念へ』
と報じると、文科省幹部は
『あの報道で、政治的にもやらざるを得なくなった』
と漏らしていた」
(同前)
実際、所管の文化庁は諦めなかったようだ。
■「解散をする大義はある」
「2023年夏には担当課である宗務課の体制を40人から45人に拡大」
「気を揉む被害者らに
『解散を請求した時、裁判所にひっくり返されないように、丁寧にやっています』
とやる気を見せ続けた」
「選挙も見据え、統一教会との
『決別宣言』
を出す意味でも、岸田首相は解散請求にゴーサインを出したと見られます」
(同前)
それだけではない。
2023年9月4日には岸田首相と公明党の山口那津男代表が会談。
衆院選挙区
「10増10減」
に伴う候補者調整のもつれで解消されていた東京での自公の選挙協力の復活に向け、合意文書に署名した。
「自公の関係悪化の原因は、公明党に選挙区を渡したくない茂木敏充幹事長が頑なだったこと」
「しかし、これ以上茂木氏に任せられないと、岸田首相が自ら動いた」
「その露払いをしたのも木原氏」
「創価学会副会長の佐藤浩氏や石井啓一公明党幹事長と話を擦り合わせ、党首会談に持ち込んだ」
「当初、2023年9月5日からの首相の外遊から帰国後に合意を結ぶ予定でしたが、解散を見据えて前倒しされました」
(前出・デスク)
木原氏自身、公明党との選挙協力は死活問題だった。
「地元の東村山市は創価学会の活動が盛んな地域で、3万超の公明票がある」
「そのため木原氏も
『協力できないと困る』
と焦っていました」
「もっとも、女性問題に敏感な学会女性部が、愛人隠しや隠し子の存在を報じられた木原氏を支援するとは考えにくい」
「厳しい戦いになるのは必至です」
(自民党関係者)
自身の選挙も見据えて自公の橋渡しをするなど、水面下での存在感を取り戻しつつある木原氏。
冒頭のように森山氏を訪ねたのだが、何が話し合われたのか。
森山氏に聞くと、
「私は木原さんについて周囲に
『政治家は常識的であるべき』
などと話していたので、そのことで来られたのかなと思ったが、
『色々ご心配かけています』
くらいでした」
「具体的な話は何もなく、顔を見せたという感じでしたね」
衆院解散についてはこう語る。
「『10増10減』によって、新しい選挙区になり、今の我々は古い制度に基づいて選ばれている」
「解散をする大義はありますね」
2023年9月3日に公表された世論調査では、内閣支持率は38.7%。
2023年8月の調査から1.6ポイント上昇したことも、官邸の自信となっているという。
「安倍晋三政権は2017年、森友学園問題で窮地の中、9月28日召集の臨時国会の冒頭で解散、10月22日投開票の総選挙で勝利した」
「2023年も10月22日が日曜日で、衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補選があるので、同様のシナリオが考えられるとして、各マスコミは選挙班を立ち上げて警戒している」
「木原氏は公の場で説明しないまま選挙に突入することになる」
(前出・デスク)
風雲急を告げている永田町。
だが、事件の真相が闇に葬り去られてはならない。

組閣前夜スクープ撮 木原誠二”官邸の番人” ”財界4重鎮”とホテル謀議
週刊文春2023年9月28日号
岸田文雄首相が「5人の女」を新たに懐へ迎える準備を整えていたその前夜、2023年9月12日夕刻。
ホテルニューオータニの地下駐車場に黒塗りの高級車で乗り込んだのは、翌日から内閣を去ることになる木原誠二衆議院議員(53)。
彼を待ち受けていたのは財界の重鎮たちだった。
一体この日、この場所で何が話し合われたのかー。
今回の内閣改造で官房副長官を外れた木原氏が、自ら岸田首相に退任を申し出たのは2023年8月18日、日米韓首脳会談に向かう政府専用機内だったという。
政治部記者が解説する。
「当初、岸田首相は文春報道を重く受け止めておらず、木原氏を留任させるつもりでした」
「しかし、木原氏から
『これ以上迷惑はかけられない』
と申し出があり、渋々退任を認めたのです」
だが、それでも岸田首相の”木原愛”は変わらず、木原氏は幹事長代理と政調会長特別補佐という2つの要職を兼務することになる。
自民党関係者が言う。
「木原さんの処遇は一石三鳥」
「党の役職に転じることで、国会や記者会見で文春報道について追及される機会が減るし、それでいて政府と党のパイプ役にもなれる」
「その上、ポスト岸田を狙う茂木敏充幹事長と萩生田光一政調会長のお目付け役としても機能する絶妙なポジションなのです」
まさに”焼け太り”とも言える新人事を知ってか知らずか、組閣前夜に行われた財界人との”謀議”の場でも、木原氏は終始ご機嫌な様子だったというのだ。
ホテル関係者が声を潜めて言う。
「この日、ホテルニューオータニの高層ビル『ガーデンコート』に集まったのは木原さんを含めて6名」
「地下駐車場から人目を避けて直通で上がれるビルの最上2フロアには、東京タワーや東京スカイツリーを一望できる法人会員制クラブがあり、そこで酒席が開かれていたのです」
木原氏と杯を交わしたのは、JR東日本の深澤祐二社長(68)、東武鉄道の根津嘉澄会長(71)、西武HDの後藤高志会長(74)、東急不動産HDの金指潔会長(78)という”財界4重鎮”。
こうした錚々たるメンツに加え、その場には元警察庁長官で”官邸の番人”とも称される栗生俊一官房副長官(64)も席を並べていた。
「木原さんは大物たちの前でも物怖じすることなく、ウクライナを訪問した際の話を臨場感たっぷりに話したり、
『私は官邸を離れますが、栗生さんは残るので宜しくお願いします』
としきりに頭を下げたりもしていました」
(同前)
一方の栗生氏は、こう言って木原氏のことを繰り返し持ち上げていたという。
「木原さんは本当に凄いです」
「政策も作れるし、人脈も広い」
「公明党や創価学会とのパイプもありますから」
互いを尊重する木原氏と栗生氏には、官房副長官という役職の共通点だけでなく、小誌が報じ続けている
「木原事件」
でも”接点”がある。
警察庁関係者が言う。
「栗生氏は、木原氏の妻が2018年に警視庁から聴取を受け、その後、捜査にストップがかかった際の警察庁長官でした」
「当時の警察トップが議員案件だった木原事件を知らないはずがありません」
■次の選挙は大変厳しい
更に、前出の政治部記者が後を継ぐ。
「警察庁長官を退官した栗生さんを官房副長官として岸田首相に強く推薦したのが木原さんでした」
この密談の場でも
「木原事件」
が話題に上った。
出席者の1人が水を向けると、木原氏は苦笑いしながら、
「いやいや、ご心配おかけして申し訳ございません」
そう言って口を濁すばかりだったという。
むしろ木原氏の口を突いて出たのは、次の選挙のこと。
木原氏の選挙区(東京20区)である東村山市や清瀬市にはそれぞれ西武新宿線と西部池袋線が通っており、西武グループは大きな票田の1つ。
そのため、木原氏は西武HDの後藤会長に、こう頭を下げたというのだ。
「次の選挙は大変厳しい戦いになると思いますので、どうかお力添えの程、宜しくお願い致します」
時間にしておよそ2時間あまり。
財界の重鎮4人と木原、栗生の両官房副長官の”謀議”はこうしてお開きとなったのである。
さて、出席者たちはこの宴席についてどう答えるのか。
まずは東武鉄道の根津会長を訪ね、直撃した。
ーーどういう経緯で集まることに?
★根津
深澤さんや金指さんや後藤さんは、元々、木原さんをご存じだったようだけど、私は初対面。
木原さんは、武蔵高校の後輩だから1回お会いしたいと思っていたら、その3人が
『じゃあセットしましょう』
と。
3〜4週間も前から(日程が)決まっていて、たまたま木原さんが退任されるタイミングと重なったんです。
ーー木原氏の妻に関する話題は出た?
★根津
そんな話は全然出なかった。
私は聞きたかったくらいですけど、誰もその話を振りませんでしたから。

続いて東急不動産HDの金指会長にも話を聞くと、
★金指
ただの懇親会で何の隠された意図もない。
生臭い話なんて一切せず、大所高所的に木原さんの話を聞かせてもらって、大変勉強になる会だったと思うよ。
ーー妻の話は?
★金指
出るわけないだろ。
よしんば話していたとしても、俺が喋るわけないだろ(笑)。

他の列席者には会社を通して取材を申し込んだ。
JR東日本は
「政治家や経済界の方と意見交換することはありますが、個別の案件については回答を差し控えさせて頂きます」、
西武HDも
「回答を控えさせて頂きます」
とした。
栗生氏の携帯に電話すると
「電話での取材はお答えしないことにしています」
と言い、改めて質問状を送ると
「このようなお尋ねにはお答えしないことにしています」
と取材拒否。
木原氏からは期限までに回答がなかった。
酒席の終了後、満面の笑みで黒塗りのハイヤーに乗り込んだ木原氏。
官房副長官の重責から解放されても、説明責任がなくなるわけではない。

木原誠二の妻である木原郁子の「父・船本賢二」は、安田種雄さんが胡坐又は正座しているところを、背後からナイフで刺して殺したのか?
木原誠二氏は、安田種雄さんの遺族の言葉をどう受け止めるのか。

木原事件 遂に刑事告訴! 遺族が明かす決断の訳 《新証拠》事件直後の警察との音声データ 
週刊文春2023年10月26日号
種雄とX子の子供を大事に育ててくれた木原さんには感謝しています。
ただ彼に一言
「再捜査を求める」
と言ってほしかった。
私たちは真実が知りたい。
一生がかかっている問題なんです。
2023年8月下旬のある夕刻、東京都文京区内の閑静な住宅街――。
日中35℃を超えた猛暑は僅かながら和らぎ、蝉の鳴き声が響いていた。
そこに集まる70代の男性と2人の娘、それに孫たちの家族。
そのうちの男性が、通り沿いのあるマンションを見上げながら感慨深げに呟く。
「いやぁ、ここに来るの、17年ぶりだ……」
木原誠二前官房副長官の妻X子さんの元夫で2006年に不審な死を遂げた安田種雄さん(享年28)の父である。
「種雄が亡くなる前、ここに住んでいたX子のお父さんと、お兄さんと食事をしたんですよ」(父)
2006年4月9日午後10時頃、安田種雄さんの頭上から喉元に振り下ろされたナイフが肺まで達し、絶命した事件。
その現場となった、安田種雄さんとX子さん、それに2人の子供たちが暮らしていた一軒家は、このマンションから徒歩で7、8分ほどの距離にある。
部屋で仰向けに倒れた遺体の第一発見者は、事件の翌朝2006年4月10日4時前、安田種雄さんに貸した車を返してもらおうとバイクで現場を訪ねた父だった。
その現場から30メートルほど離れた路上で、父が立ち止まった。
「ああ、ここですよ」
「警察に通報しようとしたんだけど住所が分からなくて、住居表示を探しに外に出てきたんです」
「電話して現場に戻ろうとすると、棒のような物体が入った風呂敷のような物を背負った男性が、フラフラと家の方から歩いて来てすれ違った」
「変だなと思って走って追ったのですが、角を曲がった所で姿が消えてしまったんです」
(同前)
未明の暗がりの中、父が息を切らして立ち尽くしていると、通報を受けた警察官が駆け付けて来た。
「その警察官と2人で現場の家に戻ったのですが、私が点けたはずの家の電気が消えていました」
(同前)
2023年の夏の日、小誌記者が安田種雄さんの長姉から
「現場を見に行く」
と連絡を受けたのは、当日の昼頃だった。
それには、家族のある決意が込められていた。
「これから、私たちが再捜査を求めるために刑事告訴をしていくことなども考えると、1度、自分たちの目で現場を見た方がいいと思いました」
(長姉)
それから2ヵ月近く。
「木原事件」
が今、重大局面を迎えている。
とうとう遺族が刑事告訴に踏み切ったのだ。
告訴人は安田種雄さんの父母、姉2人の4人。
告訴の趣旨は殺人罪で、被疑者に当たる被告訴人は<不祥>。
2023年10月18日付の告訴状には、遺族の悲痛な訴えが次のように記載されている。
<告訴人らは、愛する家族を第三者の殺害行為によって失っただけでなく、犯人の検挙を17年以上待たねばならず、この間、何度も絶望を味わった」
(略)
<告訴人らには、時的限界なく犯人検挙のための捜査を求めることが許されなければならないし、かかる告訴人らの行為を阻害することが許されるのであれば、我が国の刑事司法は最早死んだも同然である>
<告訴人らは、我が国の警察は世界有数の能力と良心を持ち合わせていると信じている>
遺族は何故、刑事告訴を決断したのか。
告訴人の1人である、安田種雄さんの次姉が語る。
■「警察を信じていたのに」
「種雄が何で死ななければならなかったか、家族はやはり知りたい」
「まだ生きていたら私たちは、楽しい生活を送れていたと思います」
「犯人は、人を殺して楽しい生活を送れているのでしょうか」
「罪を償って、種雄に手を合わせて謝ってほしい」
「なのに、(露木康浩)警察庁長官は『事件性はない』とまで言っている」
「警察を動かし、再捜査を進めてもらうためには、最早刑事告訴しかありませんでした」
告訴状の宛先は、事件発生当初に捜査を担当した警視庁大塚警察署の署長だ。
刑事告訴に当たっては、警察に捜査を指示する立場の検察の方が受理されやすいのではないかという見方もあった。
では何故、遺族はこれまで捜査を中断してきた警察への提出を求めたのか。
遺族代理人の勝部環震(たまき)弁護士が説明する。
「検察への告訴も考えましたが、捜査員を擁するわけでもない検察には、独自で殺人事件を捜査する能力はありません」
「やはり事件当時のことを一番知っているのは大塚署です」
提出された告訴状は、内容に問題がないと判断されれば受理される。
刑事事件の場合、捜査機関側が、立件しやすいように告訴人側に告訴状の修正を提案し、やり取りを重ねた上で受理することも多いという。
刑事告訴が受理されれば、警察は捜査を尽くして検察に報告する必要がある。
警察庁の露木康浩長官は2023年7月13日、この件について
「事件性なし」、
つまり他殺ではなく自殺とコメントしているが、もしそうならば、その証拠を揃えなければならないのだ。
安田種雄さんの死の真相を知るため、団結して大きな一歩を踏み出した一家。
その安田家の横顔に触れたい。
安田種雄さんの父は韓国籍、母は韓国生まれの日本籍で、2人の間の子供たちも韓国で生まれた。
安田種雄さんの祖父母や母の兄弟は先に日本に住んでおり、母の戸籍も日本に残っていたことから、一家で移住することを決めた。
安田種雄さんが6歳の時のことである。
父は移住当時、自身も日本語が不自由ながらも、休みの日には幼い種雄さんを自転車の後部に乗せ、近隣の博物館などに遊びに連れて行っていたという。
日本では余り聞くことのない
「種雄」
という名前の由来を、父が明かす。
「韓国の私の家系図があって、その中で種雄の代には『種』の漢字を使わなくてはならないんです」
「日本へ移住した時に祖父母が韓国の名前から1文字取って『種雄』という日本名を付けてくれました」
「珍しい名前ですが虐められることもなく、印象に残るので、凄く良い名前だと思っています」
そんな安田家に小誌記者が初めて接触したのは、2023年6月下旬のこと。
「最初に電話が来た時、家で会うことになりましたが、正直、不安を感じました」
「私は家に1人だけだったし、怪しいし、信用もできないし」
(同前)
だが、対面すると父は徐々に、事件に対する思いを吐露し出した。
安田種雄さんの死後、大塚署が事件としてまともに取り合わなかったこと。
それから12年が経った2018年に、警視庁捜査一課の刑事が安田家を訪れ、再捜査に乗り出したが、1年足らずで捜査が立ち消えになってしまったことー。
この日、記者に父は、こう声を絞り出した。
「日本の警察を信じていたのに、悔しい・・・」
そこから事件は異例の経過を辿った。
小誌が2023年7月6日発売号で
「木原事件」
の存在を始めて報じると、木原誠二氏は代理人弁護士を通じて
「事実無根」
とし、小誌を刑事告訴することを宣言。
更に小誌2023年7月27日発売号では、2018年の再捜査の際にX子さんの取調官だった佐藤誠・元警部補が実名告発に応じ、木原誠二氏がX子さんに
「手を回しておいたから」
と語り掛ける様子を記録したドライブレコーダーの存在などを証言した。
木原誠二氏が
「国会が始まれば、子供の面倒を見る人間がいなくなる」
ことを理由に、X子さんの取調べを
「国会招集日までに終わらせろ」
と捜査幹部に要求していたことなども明かされていた。
実際に取調べは突如としてストップし、それ以降の捜査も中断。
当時を振り返り、佐藤誠・元警部補は
「異常な終わり方」
と語った。
■佐藤氏が指摘する初動ミス
なぜ捜査は止まったのか。
小誌は今回、再捜査が中断した経緯を知るはずの警視庁幹部に取材を試みた。
捜査1課を擁する警視庁刑事部トップだった、大賀真一刑事部長(当時)だ。
2023年1月に退官した大賀氏の自宅を訪ねた。
ーー当時の捜査は何故あのような終わり方をしたのか。
「もう退職しているんで、お話しすることはない」
ーー現場の捜査員たちは、なぜ捜査が打ち切られたのか疑問に思っている。
「そうですか?」
「気にしたことはないですけどねえ」
だが、再捜査の中断に当たっては、遺族にもその旨の連絡がなく、宙ぶらりんのまま放置されていた。
「気にしたことない」
で済まされる問題なのか。
止まってしまった時計の針を再び進めるための刑事告訴。
改めてその事件発生当時の捜査を丹念に検証すると、なぜ被害者遺族がやるせない思いを抱き続けてきたのかが見えてくる。
現在、父はこう悔しがる。
「種雄が死んだ翌日の2006年4月10日、事件現場から大塚署へ遺体が運ばれて、翌日には司法解剖を行うと説明がありました」
「ところが司法解剖が行われる前の2006年4月10日の夕方にも説明があり、『事件性がない』と担当の刑事に言われました」
「それが今でも忘れられません」
当初から
「事件性がない」
という見立てに沿って進められていた捜査、佐藤誠・元警部補はこう指摘する。
「大塚署の初動捜査には大きな問題があった」
「事件前後の防犯カメラの映像を集めていなかったことだ」
事件発生後の深夜0時頃には、X子さんと親しかった男性Y氏が、X子さんに呼ばれて現場を訪れたことが捜査で分かっている。
「もし種雄さんが帰って来てからYがやって来るまでの、6時間の自宅付近や関係者宅などの防犯カメラの映像を押さえていれば、その時あの家に入った人間や、通報した父親が見たという『風呂敷のような物』を背負っていた不審者も、特定できたはずだ」
(同前)
決定的な初動ミス。
更に、小誌は家族からある音声データの提供を受けた。
そこには、安田種雄さんの死が自殺ではないことを示す
「新証拠」
が残されていた。
音声データは、2006年4月の事件後、父と長姉が、大塚署で刑事課長代理として捜査を指揮していたK警部と、部下のT警部補(いずれも当時)から説明を受けた際のやり取りを記録したものだ。
日付は事件発生から9日後の2006年4月18日。
遺体の周りの血溜まりや、死亡した際の姿勢についてこう説明されている。
★K警部
<「血溜まりが2カ所に分かれている>
<(1カ所は)倒れておられる直下の所、首の付近の下の方、それと、もう1つは(胸の方の)パソコン前>
★父
<(刺された時の姿勢は)分からないんですか?>
★K警部
<刺した、刺された姿勢がどういう姿勢であったかというのは分かりませんよ、ということです>
<ただし、当然まあ、その、ここの所に自傷したという形>
<この状態からこうなったというのは想像つくでしょう>
<胡坐かいていたとか、正座していたとか、そういう形から倒れたのか>
この会話からは、K警部が、安田種雄さんは胡坐や正座の状態で刺傷を受けたと推測していたことが窺える。
また
「自傷」
という言葉から、早い段階で自殺だという先入観を持っているように聞こえる。
だが、再捜査に当たった佐藤・元警部補はこう疑問を呈するのだ。
「俺も色んな自殺の状況を見て来たけど、自分の首を自分で、しかも肺に達するまでの深さで刺すという自殺の仕方は見たことがない」
「ただでさえ不自然なのに、座った状態で、というのはもっと考えづらい」
「自分を刺すとなると当然痛いから、相当な力が要る」
「強く刺すには足を踏ん張らなきゃならないだろ」
「座ったままでは無理だ」
それだけではない。
音声データには、K警部が遺族に自殺であると納得させようとしている形跡が残っていた。
■「もうこれで終わりにしたい」
2018年の再捜査のきっかけとなったのは、凶器となったナイフの血の付き方だった。
先端に少ししか血が付いていなかったことから、犯行後に一旦誰かが別の場所にナイフを持ち出したり、血を拭き取った可能性が疑われたのだ。
だが、K警部は当時、このように説明している。
★K警部
<刃物の方なんですが、パッと見た目には血は付いていません>
<ただし、見づらい所にはきっちり付いています>
<この部分だとか、この持っている柄の部分の先の所だとか>
<これは血が付いています、はっきり言ってね>
つまり、ナイフには不自然なほど血が付いていないのに、
「よく見ると付いている」
と主張して、遺族を納得させようとしていたのだ。
小誌が2023年8月下旬にK元警部を訪ねると、上半身裸で玄関先に出てきた。
ーー2006年当時、大塚署にいた。
「いたことは間違いありませんが、”どこぞの誰かさん”のようにはお話ししませんからね」
ーー事件は覚えている?
「もう散々ね、私がOBになってからも『再捜査だ』ということで、私の所に(捜査員が)来ていることもありますので」
ーー安田種雄さん自殺だと思っているのか?
「心の中で思うことはあっても、申し上げるようなものではございません」
後日も電話取材に応じたK元警部だったが、結局最後まで、捜査の怠慢を認めることはなかった。
愛する家族の死の真相の解明を何度も期待したが、その度に裏切られ、打ちひしがれてきた遺族。
次姉は言う。
「私たちは最初の捜査で事件が解決しなかったことに絶望し、再捜査が止まってしまった時も再び大きなダメージを受けました」
「もう、これで終わりにしたい」
「だからこそ刑事告訴を決断したんです」
母は、刑事告訴を決断した現在の心境を、涙ながらにこう明かした。
「今になっても、1日1日がとても辛いです」
「種雄が大好きだった2人の孫たちのためにも、真実が知りたい」
「私たちの一生がかかっている問題ですから」
一方、2018年の再捜査時に介入したことが指摘されている木原誠二氏は、X子さんの事情聴取も含めた一連の経緯を
「事実無根」
と主張し、今に至るまで、公の場で詳細を説明しようとはしていない。
再捜査が始まる4年ほど前にX子さんと結婚し、安田種雄さんとX子さんの子供の父親になった木原誠二氏。
その木原誠二氏への思いを、次姉はこう吐露した。
「種雄の子供たちを大事に育ててくれていることは感謝しています」
「私たちは子供たちにずっと会うことができず、心配してきました」
「でも
『事実無根』
なんて言う前に、事件についてただ一言、
『再捜査を求めます』
と言ってほしかった」
木原誠二氏は、遺族の言葉をどう受け止めるのか。
木原事件の新たな幕が上がった。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/245.html#c14

[政治・選挙・NHK292] <いい加減にしろ!>自民政権また「年金改悪」かよ!保険料納付「60歳→65歳」期間5年延長で負担増100万円(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
45. 2023年10月28日 07:25:35 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[68]
<■71行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
年金の納付期間 加入者に資する制度築け
2023/10/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20231028-JDEHNJMYRRNF5LHVM2VK7HNHOU/
厚生労働省の年金部会が、国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を、現行制度の40年から45年に延長して65歳になるまでとする案の検討を開始した。
年金の支え手である現役世代が減り、このままでは基礎年金の受給水準が大きく目減りする。
納付期間の延長はこれを抑制するための改革だ。
60歳以上の就労者も増えている。
これらを念頭に置き制度を見直す方向性は妥当である。
厚労省は令和7年の通常国会での法改正を目指している。
納付期間が延びる自営業者らには新たな負担が生じるが、その分、受け取る年金額も増える。
年金加入者の多様な働き方や老後の人生設計などにもきめ細かく対応できるよう議論を深めてもらいたい。
基礎年金は全ての国民に共通する制度だ。
20歳から60歳になるまで保険料を納め、65歳から年金を受け取るのが標準的な仕組みである。
基礎年金に厚生年金が上乗せされる会社員とは異なり、自営業者や非正規雇用の労働者らの中には基礎年金のみの人も多く、将来受け取る基礎年金の目減りの影響は大きい。
会社員は既に厚生年金保険料を納めており、新たな納付は生じない。
これまでは保険料の一部が年金額に反映されなかったが、反映されるようになる。
かつては60歳で仕事を辞める人も多かったが、今は60代前半の働く意欲は高く、就業率は7割を超える。
長寿化で年金の受給期間も延びた。
時代に合う制度にしていく視点が必要だ。
重要なのは、加入者の意見を十分に反映させながら制度を構築することである。
現行制度でも、低所得などで保険料を納付できない加入者はこれを免除される。
厚労省は納付期間を延長する際には1歳ずつ段階的に行うことを検討している。
年金水準が改善されることと併せ、こうした点を丁寧に説明しなくてはならない。
財源の確保も課題である。
基礎年金給付の半分は国費で賄っており、厚労省の試算では、納付期間の延長開始から12年後に3000億円の財源が必要だ。
人口が多く、就職氷河期に社会に出た団塊ジュニア世代は50歳前後になっている。
年金水準の確保を含めた制度の改革は急務だ。
岸田文雄政権は本腰を入れて取り組むべきである。

国民年金保険料 65歳まで納付へ議論加速、期間延長
2023/10/24 18:10
https://www.sankei.com/article/20231024-7AMJ75WULRLEZNNMPOI42JDQZM/
厚生労働省は2023年10月24日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会を開き、国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を現行の20歳以上60歳未満の40年間から、65歳になるまでの45年間に延長する案を議論した。
委員の多数が賛成意見を述べたため、検討は加速しそうだ。
少子高齢化の中で財源を増やし、受け取る年金の水準低下に歯止めをかけるのが狙い。
令和6年末に結論を出し、令和7年の通常国会で関連法改正案の提出を目指す。
委員からは
「受給水準を維持するため延長に賛成する」
「平均寿命が延び、働ける高齢者は保険料を支払うべきだ」
などの意見が出た。
60歳以降は働かない人や自営業者らは負担が長引くことになるため、反発も予想される。
65歳まで働く会社員らは今も保険料を払っており延長しても負担は変わらない。

国民年金保険料の納付期間 5年延長案 審議会で賛成意見相次ぐ
2023年10月24日 21時21分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231024/k10014236021000.html
厚生労働省が将来的な年金の給付水準の低下をできるだけ防ぐとして検討している、国民年金の保険料の納付期間を5年延長する案について、審議会で本格的な議論が始まり、委員からは賛成する意見が相次ぎました。
厚生労働省は、再来年に予定されている年金制度の改正に向けて、少子高齢化による年金の給付水準の低下をできるだけ防ぐとして、自営業者などが加入する国民年金の保険料の納付期間を、今の60歳までの40年から65歳までの45年に延長する案を検討しています。
この案について、2023年10月24日に開かれた社会保障審議会の年金部会で本格的な議論が始まり、委員からは
「給付水準の改善に繋がる」
とか
「働く高齢者の増加や、平均寿命の延びから自然な流れだ」
などと賛成する意見が相次ぎました。
その一方で、保険料の負担増加や、追加で必要となる国庫負担の財源をどうするかも踏まえて検討するべきだという指摘も出されました。
厚生労働省は、年金部会での議論や、新たな人口推計などに基づく
「財政検証」
の結果を踏まえて、2024年中に制度の改正案をまとめたいとしています。

http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/236.html#c45

[戦争b25] イスラム国のイスラエル包囲網に露国と中国が連結、窮地に陥った米政府(櫻井ジャーナル) 赤かぶ
9. 2023年10月30日 17:17:54 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[69]
<■127行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「イスラエル軍は戦時国際法を順守している」 元法律顧問インタビュー
2023/10/29 17:44
https://www.sankei.com/article/20231029-PLHFVBQAQNP3HLGKIYHW42BBBM/
イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を本格化すれば、民間の被害は更に拡大する可能性が高い。
戦時国際法(国際人道法)との整合性をどう見るのか。
同軍の元法律顧問でシンクタンク
「国家安全保障研究所」
のプニナ・シャルビット上級研究員(56)に聞いた。
シャルビット氏は戦争では一般に、戦時国際法を構成するジュネーブ諸条約(1949年)やその追加議定書(1977年)などに明記された
「区別の原則」

「均衡の原則」
の順守が問題になるとした。
イスラエルは追加議定書に不参加だが、
「2原則は慣習法であり順守する立場だ」
という。
「区別の原則」
は、戦闘員や軍事目標と民間人や民間施設を区別し、軍事目標に限定して攻撃することを指す。
シャルビット氏は民間を直接の標的とした攻撃は許されないが、
「軍事作戦に使用された民間施設は法的に軍事目標と見做される」
「例えば、家や学校に兵器を隠していれば攻撃は許される」
と解説した。
その上で、
「ハマスはほとんどの軍事活動に民間施設を使っている」
とし、
「軍は軍事目標として許される場所を攻撃の対象にしている」
との認識を示した。
「均衡の原則」
は、攻撃で得る軍事的利益と、予想される民間人の被害のバランスを取ることを指す。
シャルビット氏は
「民間人の被害が軍事的利益を過度に上回る場合に限り、不均衡と見做されて攻撃できない」
が、
「重要な軍事施設と認められれば、民間人死亡の恐れがあっても攻撃は違法ではない」
と述べた。
その上で
「軍は均衡の原則には常に配慮している」
と強調。
ハマスについては
「殺人や拷問、誘拐を計画して実行した」
だけでなく、イランやレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラなどとの関係も強固なことから、
「こうした他の組織が戦闘に加わればイスラエルは国崩壊の危機に直面しかねない」
と指摘。
「(ハマス)攻撃で得られる軍事的利益は非常に大きい」
との認識を示した。
シャルビット氏はまた、軍がガザ北部の住民に南部に退避するよう事前に警告し、
「民間人の犠牲を最小限にするよう努めた」
とも指摘した。

プニナ・シャルビット氏
弁護士。
2009年までイスラエル軍の国際法局に在籍、法律顧問を務めた。
テルアビブ大法学部の講師をへて2012年からシンクタンク「国家安全保障研究所」(INSS)上級研究員。

病院・住宅下にハマス軍事施設 イスラエル地上戦、成否握る攻略
2023/10/29 16:39
https://www.sankei.com/article/20231029-ZY7AQXYBEBO7HPHGKPBDQ3HTYE/
イスラエルのネタニヤフ首相は2023年10月28日、パレスチナ自治区ガザを巡る戦闘
「第2段階」
で、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの
「統治・戦闘能力の破壊」
を目指すと宣言した。
その成否を握るのは、ハマスが民間施設の下を含めて張り巡らせた地下トンネル網の攻略だ。
人質も分散して監禁しているとされ、難航は必至だ。
「ハマスは病院を司令拠点に使っている」
「人間を盾にした戦争犯罪だ」
ネタニヤフ氏は2023年10月28日、こう強調した。
2023年10月27日にはガザ北部最大のアルシーファ病院の数棟と地下部分が軍事施設に使われている事例を、イスラエル軍幹部が具体的に図示して非難した。
■「トンネル全長500km」
ハマスの人質となって2023年10月23日に解放された85歳のイスラエル人女性は、地下トンネル網を
「蜘蛛の巣」
と表現。
数km歩かされ、人質約25人がいる大部屋も訪れたという。
地下トンネルは元々ハマスがガザを実効支配した2007年以降、主にエジプト領からの物資搬入のために構築。
2021年には全長500kmに及ぶと主張している。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などによると、高さは2m、幅は90cmで、鉄やコンクリートで防護されている。
内部には負傷した戦闘員向けの医務室の他、武器貯蔵庫、戦闘員の待機室、指令室を備え、地下40mで数カ月過ごせる場所もあるようだ。
イスラエル軍に探知されるのを避けるため、重要ルートは銃器を使わず手やシャベルで掘ったとの見方もある。
■内部に多数の爆発物
人口密集地のガザ市では病院や住宅の地下を結ぶように建設しているとされ、地上と地下は容易に行き来できる。
イスラエル兵は待ち伏せや急襲への警戒が怠れない。
2013年にはトンネルに入った兵士6人が爆発で負傷した。
多数の爆発物が仕掛けれていることは確実視されている。
地上作戦にこれまで時間を要したのは、人質がいる可能性が高く、兵士にも危険なトンネルへの対処を検討していたためとみられる。
イスラエル軍の地下戦闘の専門部隊「サムル」は仮設トンネルで訓練を重ねてきたともされている。
イスラエル軍はこれまでに、トンネルや地下施設を含む多くの軍事目標を空爆し、海に繋がるトンネルも破壊したとしている。
ただ、ハマスは多数のロケット弾をイスラエルに向けて発射し続けており、戦闘能力は残っている。
米中央軍の元司令官はニューヨーク・タイムズに対し、2017年にイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討作戦を指揮した際、最後はトンネルに逃げ込んだIS戦闘員と
「壮絶な戦い」
となったと紹介。
イスラエル軍とハマスの戦いは
「血にまみれた残酷なものになるだろう」
と予測した。

イスラエル、地上部隊追加投入 空爆450カ所 「第2段階」長期戦に
2023/10/29 22:10
https://www.sankei.com/article/20231029-VYIIALFQZZMERJ72HOJDWZ6T4Q/
イスラエルのネタニヤフ首相は2023年10月28日夜の記者会見で、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザでの地上作戦を巡り、
「戦争の第2段階」
に入ったと表明した。
目標は
「ハマスの統治能力、戦闘能力を破壊」
して
「人質を取り戻すことだ」
と説明し、
「長く困難な戦い」
になると強調した。
イスラエル軍は過去数日間、地上部隊をガザに一時的に越境させ攻撃する作戦を取ってきたが、2023年10月28日は部隊が留まったとされる。
ネタニヤフ氏は2023年10月27日夕に追加の地上部隊をガザに送り込んだとも明らかにした。
地上作戦の開始を事実上認めた形で、作戦は今後本格化する見通し。
ネタニヤフ氏は地上侵攻に着手したかは明言しなかった。
ネタニヤフ氏は、ハマスとの戦闘がイスラエルにとって
「第2の独立戦争だ」
とし、陸、海、空で戦うと訴えた。
改めてガザ北部の住民に南部に退避するよう要求した。
イスラエル軍は2023年10月29日、ガザ全土で2023年10月28日にハマスの拠点など軍事目標450カ所以上を空爆したと発表した。
ガザ北部での戦闘により兵士2人が負傷したという。
パレスチナ赤新月社は29日、ガザ市のアルクッズ病院から直ちに避難するようイスラエル当局に要請されたと発表した。
同病院には1万2000人が避難中だとしている。
欧米諸国はイスラエルの
「自衛権」
行使を基本的に容認するが、ガザでは食料や水、燃料や医薬品が不足して人道危機が深刻化していることから、支援物資搬入のための
「人道的な戦闘の中断」
を求めている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は2023年10月29日、住民数千人が物資の貯蔵・分配施設に押し入ったと明らかにした。
2023年10月27日夜にはガザでインターネットや携帯電話のサービスが停止したようだが、AP通信は2023年10月29日から次第に回復していると伝えた。
イスラエル軍報道官は停止が攻撃によるものかは明言せず、軍を守るため必要なあらゆることを行うとした。
イスラエル軍は2023年10月27日、人質は少なくとも229人だと確認した。
カタールが仲介するイスラエルとハマスの人質解放交渉は戦闘の激化で停滞しているとも伝えられる。
ガザの保健当局はイスラエル軍の攻撃で8005人が死亡したとしている。

動画
イスラエル軍、ガザでの地上作戦だとする映像公開 首相「敵を破壊する」
2023/10/30 15:55
https://www.sankei.com/article/20231030-NAQ2UYAFBFOI5GOIG4GTMAFS64/
イスラエル軍は2023年10月29日もイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を展開した。
イスラエル国防軍(IDF)は2023年10月29日、ガザ地区のハマスの拠点に対し行われた地上作戦の様子だとする映像を公開した。
http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/114.html#c9

[戦争b25] ナチスの大虐殺に無関心であったことはこういうことだった(locom2 diary) HIMAZIN
16. 2023年10月30日 19:39:09 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[70]
<■199行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>

正論
露に漁夫の利与えぬ「軍事力」観 防衛大学校教授・神谷万丈
2023/10/30 8:00
https://www.sankei.com/article/20231030-MP552ER4AVMLDFEM4OFRJHD3KE/
最近、ロシア専門家から、ハマスとイスラエルの軍事的な応酬が始まってからのプーチン露大統領には、いくらか余裕の表情のようなものが窺えるとの指摘を聞く。
世界の目がパレスチナに向けばウクライナへの関心が相対的に低下し、日米欧などの自由民主主義諸国を中心とする国際的なウクライナ支援も低下することになろう。
■中東に目向き露は安堵?
そしてパレスチナへの同情が高まれば、ウクライナでの戦争の行方に大きな影響を与えるとみられるグローバルサウスが西側と離れ、ロシアに引き寄せやすくなる。
彼はそのように見て、今回の出来事がウクライナ侵攻に関するロシアの国際的立場の改善をもたらすと考えているというのだ。
日本国内の一部に、軍事力はやはり危険なものだから使うべきではないとか、平和は軍事力では達成されないのではないか、といった見方が出てきているように見えることも気がかりだ。
ハマスとイスラエルの衝突が始まってから、何度かそうした質問を受けた。
そのような考え方が広がれば、ウクライナのロシアへの軍事的抵抗に対する支援への躊躇いに繋がりかねない。
ロシアのウクライナ侵略に対する国際的批判を主導してきた日本の支援の切先が鈍るようなことがあればウクライナにとって打撃で、プーチン氏を更に利することになってしまう。
今回のイスラエルとパレスチナでの悲劇から、ロシアが漁夫の利を得るようなことはあってはならぬ。
そうした事態を防ぐために日本人に求められるのは、平和にとって危険だが必要だという軍事力の二面性を見つめ直すことだ。
軍事力は確かに危険だ。
ロシアのウクライナ侵略や今回のハマスのイスラエル攻撃に見られるように、それは平和を破壊する道具となる。
またそれは人を殺傷し物を破壊するものであるため、イスラエルのハマスへの報復のように、平和のための行使であっても小さからぬ犠牲を伴うこともある。
■イスラエルとロシアの違い
だがそうではあっても、軍事力なくしては平和を築き、守ることができないのが現実だ。
ウクライナ人が大国ロシアの侵略を受けつつも、独立を維持しウクライナ人であり続けることが出来ているのは、軍事力による必死の抵抗があったればこそだ。
かつて、欧米諸国がヒトラーの暴虐を撃退できたのも、戦争を戦い勝利したからで非軍事的な話し合いの結果ではなかった。
我々は、軍事力の行使には慎重であるべきだが、平和のために必要な場合には、それを使う勇気も持たなければならないのだ。
ロシアのウクライナ侵略とイスラエルのハマスへの報復を同列に見て、西側が前者を厳しく糾弾するのに後者は批判しないのはダブルスタンダードだと言う向きがあるが、妥当ではない。
ロシアが何も悪いことをしていないウクライナに対して暴力による征服を企んだのに対し、後者の場合には、突如暴力の行使に出たのはハマスであり、イスラエルはそれに対抗するために、少なくとも当初はやむを得ず応戦したものだからだ。
テロ集団に対する自衛の意図から武力を用いたイスラエルを、利己的な国益追求のために武力行使を躊躇わなかったロシアと同じように批判することは出来ない。
■平和のための軍事力の役割
ただし、イスラエルの行動にも問題はある。
現在、ハマスが支配するガザ地区への地上侵攻がいつなのかが焦点となっているが、これまでの空爆だけでも既に数千人ものパレスチナ人が命を奪われ、多くは一般市民だからだ。
平和のためには軍事力にどうしても頼らなければならない時がある。
軍事力を使って巻き添えを全く出すなというのは無理な話だろう。
その場合でも無辜の民の犠牲を最小限に留めようとする自制が不可欠だ。イスラエルにはハマスに対する怒りが強い余り、そうした自制が十分ではないことは批判されなければなるまい。
このままではイスラエルのハマス掃討の巻き添えとなったハマスとは無関係のパレスチナ人が、イスラエルに対する平和のための武力報復を志すことにもなりかねない。
だがそれは、平和のための軍事力の役割を否定すべきだということではない。
ハマスやロシアが行っているような武力による平和破壊に対する武力による対応を全面的に拒否する姿勢は、そうした勢力を利するだけだ。
今日本人に求められているのは、ガザ地区の一般市民に深い同情を寄せつつも、平和のためには軍事力が必要だという現実から目を逸らさないという勇気だ。
ウクライナは、今もロシアの侵略と戦っている。
中東情勢に心を奪われてそれを忘れてはならぬ。
この戦いの帰趨は、ウクライナの平和のみならず、ルールを基盤とする世界の秩序を大きく左右し、日本の平和にも大きな影響を与える。
日本は、平和のためのウクライナ人の戦いへの支援の手を緩めるべきではない。
繰り返しになるが、プーチン氏に中東情勢から漁夫の利を得させてはならないのだ。

「イスラエル軍は戦時国際法を順守している」 元法律顧問インタビュー
2023/10/29 17:44
https://www.sankei.com/article/20231029-PLHFVBQAQNP3HLGKIYHW42BBBM/
イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を本格化すれば、民間の被害は更に拡大する可能性が高い。
戦時国際法(国際人道法)との整合性をどう見るのか。
同軍の元法律顧問でシンクタンク
「国家安全保障研究所」
のプニナ・シャルビット上級研究員(56)に聞いた。
シャルビット氏は戦争では一般に、戦時国際法を構成するジュネーブ諸条約(1949年)やその追加議定書(1977年)などに明記された
「区別の原則」

「均衡の原則」
の順守が問題になるとした。
イスラエルは追加議定書に不参加だが、
「2原則は慣習法であり順守する立場だ」
という。
「区別の原則」
は、戦闘員や軍事目標と民間人や民間施設を区別し、軍事目標に限定して攻撃することを指す。
シャルビット氏は民間を直接の標的とした攻撃は許されないが、
「軍事作戦に使用された民間施設は法的に軍事目標と見做される」
「例えば、家や学校に兵器を隠していれば攻撃は許される」
と解説した。
その上で、
「ハマスはほとんどの軍事活動に民間施設を使っている」
とし、
「軍は軍事目標として許される場所を攻撃の対象にしている」
との認識を示した。
「均衡の原則」
は、攻撃で得る軍事的利益と、予想される民間人の被害のバランスを取ることを指す。
シャルビット氏は
「民間人の被害が軍事的利益を過度に上回る場合に限り、不均衡と見做されて攻撃できない」
が、
「重要な軍事施設と認められれば、民間人死亡の恐れがあっても攻撃は違法ではない」
と述べた。
その上で
「軍は均衡の原則には常に配慮している」
と強調。
ハマスについては
「殺人や拷問、誘拐を計画して実行した」
だけでなく、イランやレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラなどとの関係も強固なことから、
「こうした他の組織が戦闘に加わればイスラエルは国崩壊の危機に直面しかねない」
と指摘。
「(ハマス)攻撃で得られる軍事的利益は非常に大きい」
との認識を示した。
シャルビット氏はまた、軍がガザ北部の住民に南部に退避するよう事前に警告し、
「民間人の犠牲を最小限にするよう努めた」
とも指摘した。

プニナ・シャルビット氏
弁護士。
2009年までイスラエル軍の国際法局に在籍、法律顧問を務めた。
テルアビブ大法学部の講師をへて2012年からシンクタンク「国家安全保障研究所」(INSS)上級研究員。

病院・住宅下にハマス軍事施設 イスラエル地上戦、成否握る攻略
2023/10/29 16:39
https://www.sankei.com/article/20231029-ZY7AQXYBEBO7HPHGKPBDQ3HTYE/
イスラエルのネタニヤフ首相は2023年10月28日、パレスチナ自治区ガザを巡る戦闘
「第2段階」
で、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの
「統治・戦闘能力の破壊」
を目指すと宣言した。
その成否を握るのは、ハマスが民間施設の下を含めて張り巡らせた地下トンネル網の攻略だ。
人質も分散して監禁しているとされ、難航は必至だ。
「ハマスは病院を司令拠点に使っている」
「人間を盾にした戦争犯罪だ」
ネタニヤフ氏は2023年10月28日、こう強調した。
2023年10月27日にはガザ北部最大のアルシーファ病院の数棟と地下部分が軍事施設に使われている事例を、イスラエル軍幹部が具体的に図示して非難した。
■「トンネル全長500km」
ハマスの人質となって2023年10月23日に解放された85歳のイスラエル人女性は、地下トンネル網を
「蜘蛛の巣」
と表現。
数km歩かされ、人質約25人がいる大部屋も訪れたという。
地下トンネルは元々ハマスがガザを実効支配した2007年以降、主にエジプト領からの物資搬入のために構築。
2021年には全長500kmに及ぶと主張している。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などによると、高さは2m、幅は90cmで、鉄やコンクリートで防護されている。
内部には負傷した戦闘員向けの医務室の他、武器貯蔵庫、戦闘員の待機室、指令室を備え、地下40mで数カ月過ごせる場所もあるようだ。
イスラエル軍に探知されるのを避けるため、重要ルートは銃器を使わず手やシャベルで掘ったとの見方もある。
■内部に多数の爆発物
人口密集地のガザ市では病院や住宅の地下を結ぶように建設しているとされ、地上と地下は容易に行き来できる。
イスラエル兵は待ち伏せや急襲への警戒が怠れない。
2013年にはトンネルに入った兵士6人が爆発で負傷した。
多数の爆発物が仕掛けれていることは確実視されている。
地上作戦にこれまで時間を要したのは、人質がいる可能性が高く、兵士にも危険なトンネルへの対処を検討していたためとみられる。
イスラエル軍の地下戦闘の専門部隊「サムル」は仮設トンネルで訓練を重ねてきたともされている。
イスラエル軍はこれまでに、トンネルや地下施設を含む多くの軍事目標を空爆し、海に繋がるトンネルも破壊したとしている。
ただ、ハマスは多数のロケット弾をイスラエルに向けて発射し続けており、戦闘能力は残っている。
米中央軍の元司令官はニューヨーク・タイムズに対し、2017年にイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討作戦を指揮した際、最後はトンネルに逃げ込んだIS戦闘員と
「壮絶な戦い」
となったと紹介。
イスラエル軍とハマスの戦いは
「血にまみれた残酷なものになるだろう」
と予測した。

イスラエル、地上部隊追加投入 空爆450カ所 「第2段階」長期戦に
2023/10/29 22:10
https://www.sankei.com/article/20231029-VYIIALFQZZMERJ72HOJDWZ6T4Q/
イスラエルのネタニヤフ首相は2023年10月28日夜の記者会見で、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザでの地上作戦を巡り、
「戦争の第2段階」
に入ったと表明した。
目標は
「ハマスの統治能力、戦闘能力を破壊」
して
「人質を取り戻すことだ」
と説明し、
「長く困難な戦い」
になると強調した。
イスラエル軍は過去数日間、地上部隊をガザに一時的に越境させ攻撃する作戦を取ってきたが、2023年10月28日は部隊が留まったとされる。
ネタニヤフ氏は2023年10月27日夕に追加の地上部隊をガザに送り込んだとも明らかにした。
地上作戦の開始を事実上認めた形で、作戦は今後本格化する見通し。
ネタニヤフ氏は地上侵攻に着手したかは明言しなかった。
ネタニヤフ氏は、ハマスとの戦闘がイスラエルにとって
「第2の独立戦争だ」
とし、陸、海、空で戦うと訴えた。
改めてガザ北部の住民に南部に退避するよう要求した。
イスラエル軍は2023年10月29日、ガザ全土で2023年10月28日にハマスの拠点など軍事目標450カ所以上を空爆したと発表した。
ガザ北部での戦闘により兵士2人が負傷したという。
パレスチナ赤新月社は29日、ガザ市のアルクッズ病院から直ちに避難するようイスラエル当局に要請されたと発表した。
同病院には1万2000人が避難中だとしている。
欧米諸国はイスラエルの
「自衛権」
行使を基本的に容認するが、ガザでは食料や水、燃料や医薬品が不足して人道危機が深刻化していることから、支援物資搬入のための
「人道的な戦闘の中断」
を求めている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は2023年10月29日、住民数千人が物資の貯蔵・分配施設に押し入ったと明らかにした。
2023年10月27日夜にはガザでインターネットや携帯電話のサービスが停止したようだが、AP通信は2023年10月29日から次第に回復していると伝えた。
イスラエル軍報道官は停止が攻撃によるものかは明言せず、軍を守るため必要なあらゆることを行うとした。
イスラエル軍は2023年10月27日、人質は少なくとも229人だと確認した。
カタールが仲介するイスラエルとハマスの人質解放交渉は戦闘の激化で停滞しているとも伝えられる。
ガザの保健当局はイスラエル軍の攻撃で8005人が死亡したとしている。

動画
イスラエル軍、ガザでの地上作戦だとする映像公開 首相「敵を破壊する」
2023/10/30 15:55
https://www.sankei.com/article/20231030-NAQ2UYAFBFOI5GOIG4GTMAFS64/
イスラエル軍は2023年10月29日もイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を展開した。
イスラエル国防軍(IDF)は2023年10月29日、ガザ地区のハマスの拠点に対し行われた地上作戦の様子だとする映像を公開した。
http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/112.html#c16

[政治・選挙・NHK292] れいわ・山本太郎代表 岸田首相の所信表明を一蹴「戦犯の自民党のやり方を一切変える気がない」(東スポ) 赤かぶ
51. 2023年10月31日 14:33:44 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[71]
<■160行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
主張
中国での邦人逮捕 政府は解放に全力挙げよ
2023/10/31 5:00
https://www.sankei.com/article/20231031-34Y3F6TO3ROFXF6XXGHNPGJC3Q/
中国当局が反スパイ法違反の疑いで2023年3月に拘束していたアステラス製薬の50代の邦人男性社員を逮捕した。
男性は今後起訴され、刑事裁判が行われる見通しだ。
邦人の拘束は2014年の反スパイ法施行以降だけでも今回を含め17人もいる。
うち1人は帰国を果たすことなく中国で病死した。
11人は帰国したが5人は拘束や監視下などにある。
日本政府はあらゆる手段を尽くして邦人解放を速やかに実現させねばならない。
刑事訴追という個人の人権を大きく制約する措置を取る以上、中国当局には尚更、その理由と根拠を公に説明する責任がある。
だが、中国側はこれまで邦人拘束などの容疑について詳しい説明をしていない。
アステラス製薬のケースでは、中国外務省報道官が
「中国は法治国家だ」
「法に基づいて事件を処理する」
とだけ述べた。
同法の裁判は非公開で行われると見られ、公正な審理が行われるかは極めて疑わしい。
そもそも反スパイ法自体が大きな問題を抱えている。
2014年に施行された反スパイ法は、2023年4月の改正でスパイ行為の定義が拡大された。
従来の
「国家機密」
だけでなく、
「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料、物品の提供や窃取」
も取り締まりの対象となった。
しかし、
「国家の安全と利益」
とは何を指すのか、どのような行為が罪に問われるのかは明確にされず、極めて恣意的な運用が可能だ。
摘発を恐れ、中国からの撤退を検討する企業や中国出張を見送る企業が続出するのも当たり前だ。
日系企業団体が2023年10月発表した会員アンケートでは
「2023年の投資はしない」
「2022年より投資額を減らす」
との回答が約半数に上った。
「国家の安全」
を最優先する方針が、中国の経済や外交に負の影響を及ぼしている現実を習近平指導部は直視すべきだ。
日本政府の対応は余りに弱腰だ。
日中平和友好条約45周年に当たって、岸田文雄首相が中国の李強首相へメッセージを寄せたが、邦人拘束には直接触れず、
「(両国は)多くの課題や懸案に直面している」
との文言にとどまった。
自国民の生命と身の安全を守ることは、政府の最も重要な責務である。

”臓器狩り”で中国高官寿命150歳の邪心
中国では毎年6〜10万人の若者が内臓を盗まれている
WiLL2023年6月号 漫画家 孫向文
■臓器の待機時間は僅か4時間
一般的に臓器移植の待機時間は1〜3年と言われていますが、中国の元軍医、汪志遠氏が制作したドキュメンタリー映画
『臓器狩り 十年の調査』(ユーチューブにて閲覧可能)によると、中国国内での臓器の待機時間は僅か4時間だというのです。
アステラス製薬の社員である50代の日本人男性が
「反スパイ法」
に違反した疑いがあるとして中国当局に拘束された事件が注目されましたが、ネット上ではこの事件の裏にも中国の
「臓器狩り」
があると囁かれています。
臓器移植をした場合、移植された臓器は体内で異物と認識されるので、免疫細胞が拒絶しようと働きます。
アステラス製薬は、その拒絶反応を抑制するための免疫抑制剤
「プログラフ」
を世界中で販売しており、中国でも使われていた。
中国政府は、欧米の人権団体が中国国内におけるプログラフの販売数・使用数から
「臓器狩り」
の件数を把握していていると睨み、アステラス製薬に脅しをかけたのではないでしょうか。
台湾メディアによると、拘束された男性は過去に中国人社員と
「プログラフは中共高官の”闇の臓器移植”に使われているんだろ?」
と会話していたとスクープしています。
こうした会話をするだけでも、中国では
「国家機密に触れる」
として反スパイ法で拘束されてしまうのです。

免疫抑制薬(内服薬)
プログラフ
https://medipress.jp/medicines/1
カルシニューリン阻害薬と呼ばれるタクロリムス(プログラフ、グラセプター)、シクロスポリン(ネオーラル)は免疫抑制の中心となる薬剤です。
Tリンパ球の働きを抑えてくれる薬剤です。
一般名
タクロリムス水和物
製薬会社
アステラス製薬株式会社
この薬の作用
主にヘルパーT細胞の活性化を抑え、サイトカイン産生など異常な免疫反応を抑えます。
この薬の効果
通常、移植後(腎・肝・心・肺・膵・小腸・骨髄)の拒絶反応や移植片対宿主病(骨髄移植のみ)を抑えるために用いられます。

『臓器狩り 十年の調査』(日語)
https://www.youtube.com/watch?v=uD14M1gkrvs

米下院、中国共産党による臓器狩りを罰する法案を可決
https://jp.minghui.org/2023/04/02/90440.html

中国共産党指導者の超長寿計画 目指すは150歳
2019年9月26日2035
https://www.visiontimesjp.com/?p=3472

中国高官の健康プロジェクト「寿命150歳を目標」 若者から臓器移植か
2019/09/17 18:00大紀元
https://news.nicovideo.jp/watch/nw5935273

林芳正は外相失格
Hanada2023年6月号 ジャーナリスト 藤田慎太郎
中国・北京でアステラス製薬の現地法人幹部Aが、スパイの疑いで拘束されてから1カ月後、驚くべき情報が永田町を駆け巡った。
Aは、駐在歴20年を超える中国通。
製薬業界だけでなく、商社マンや新聞・テレビの北京特派員らとの付き合いも深い。
日系企業で作る
「中国日本商会」
副会長を務めたほどの顔役であり、中国政府や共産党幹部との付き合いを自慢する
「親中派」
でもあった。
そんな彼が、何故拘束されたのか。
永田町情報によると、中国側は、国際的スキャンダルになっている
「臓器移植」

「新型コロナウイルス」
に関する重要情報がAの口から漏れるのを恐れ、口封じのため拘束したというのだ。
欧米の人権団体の調査によると、中国では年間60,000〜100,000件もの臓器移植手術が行われているという。
日本では2022年、108人のドナーから死後、臓器の提供を受け、延べ455件の手術が実施されたのみ。
桁が1桁どころか2桁も違う。
一方、中国国内のドナー登録者は、累計で3,500,000人(2021年)で、このうち死亡後に臓器を提供した人は累計で僅か33,000人。
1年間の手術数さえ賄えない。
しかも、中国での臓器移植は待ち時間が短いのが特徴で、日本人も利用している。
永田町では、親中派で知られる自民党重鎮の秘書が重い肝臓病を患い、1カ月ほど見かけないと思っていたら、中国に渡って移植手術を受けていた、なんてこともあった。
では一体、公式発表でもアジア1位の件数を誇る移植手術に必要な臓器は、どこから供給されているのか。
欧米の人権団体は、
中国で迫害を受けている
「法輪功の信者」
やウイグル族など
「少数民族の政治犯」
が、本人の意志と関係なく
「ドナー」
にされている可能性が高いと指摘しているが、決定的な証拠に乏しい。
その証拠となるデータをAが国外に持ち出そうとした、と中国側は疑っているという。
アステラス製薬は、30年近く前に中国に進出して以来、かの国の臓器移植と深く関わってきた。
主力製品である免疫抑制剤プログラフは、臓器移植に欠かせない薬剤として着実に中国での売り上げを伸ばし、売り上げに比例するように移植手術も激増した。
その販路拡大の先頭に立ってきたのがAであり、納入先の病院や薬品供給量から推定される手術数など臓器移植に関する基本情報を得られる立場にあった。
もう1つ、中国側がAに疑いを掛けたのが、武漢で発生した新型コロナウイルスに関する情報収集である。
現地に駐在する製薬会社の社員として、感染症に関する情報収集は当然の行為なのだが、
「平凡なデータが国家機密に指定されている場合がある」(北京駐在員)
から油断できない。
しかも中国は、霞が関と永田町に強固なスパイ網を敷いている。
同じく
「親中派」
なのにスパイの疑いで拘束され、6年を獄中で過ごした元日中青年交流協会理事長・鈴木英司は、旧知の中国人からこう忠告されたという。
「(日本政府)内部に相当なスパイがいます」
「大変なことです」
「日本に帰ったら必ず公表してください」
(『中央公論』令和5年1月号)
一時帰国中に公安調査庁や内閣情報調査室の職員と接触したら誰でも
「スパイ」
と見做す、という中国の理不尽な姿勢に、日本政府は対抗策を何1つ打ち出せていない。
「ポスト岸田」
を狙う林芳正が、おっとり刀で北京を訪ねてAの釈放を求めたのは外相として当たり前だが、全くのゼロ回答だった。
日中友好議員連盟の会長まで務めた
「親中派」
の実力なんて、ぜいぜいこの程度。
しかも談判している相手に笑顔を見せている写真を撮られ、中国の新聞やテレビに流されたのだから、子供の使いにもならなかった。
夕刊フジが1面で
「外相失格」
の大見出しを打っていたが(2023年4月11日付)、まさにその通り。
外相失格であるばかりでなく、総理候補としても失格だ。
同じ宏池会の首相もさぞ落胆しただろうと思っていると、さにあらず、平気の平左なのである。
そこで、ハタと気が付いた。
外相の談判失敗は、織り込み済みだったのだ。
衆院に鞍替えし、今や名実共に宏池会ナンバー2となった林芳正は、岸田首相にとって目の上のたん瘤。
しかも、自分が3度も落ちた東大法学部を卒業しているのも気に入らない。
ここで得点を稼がれるより、
「林はまだまだだね」
という世評が定着する方が、2024年に迫った総裁選を乗り切るのに好都合なのだ。
本邦初の女性宰相を狙う高市早苗も、奈良県知事選敗北で元気なく、関西での自民党沈没を阻止できなかった幹事長・茂木敏充も評価を落とし、ライバルたちは脱落しかかっている。
本当に恐るべきは、岸田文雄だった!?

クソの役にも立たない日本学術会議
日本の大学に軍事研究を禁じながら中国の兵器開発には協力する
WiLL2023年11月号
筑波大学システム情報系准教授 掛谷英紀
経済安全保障アナリスト 平井宏治
★平井
中国は法治国家ではないので、西側諸国の常識が通用しません。
その最たるものが、当局による邦人の拘束。
改正反スパイ法が施行された以上、中国在住の日本人が拘束されるケースは増えるでしょう。
中国と関係の深い研究者は不当拘束されるリスクが高い。
★掛谷
アステラス製薬の社員は何故、拘束されたのか。
★平井
アステラス製薬は、臓器移植の際に拒絶反応を抑制する薬を製造していました。
不当拘束された社員は、ウイグル人などを対象にした”臓器狩り”の実態を、中国国内における薬の動きを通じて知ってしまったんだと思います。
帰国後、アステラス製薬社員がその内容を暴露したら都合が悪いから、発言させないために拘束されたのかもしれません。
http://www.asyura2.com/23/senkyo292/msg/265.html#c51

   前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > WUN2WklXQ0Fya0k= > 100004  g検索 WUN2WklXQ0Fya0k=

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。